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[リヒテンは何か反応しただろうか。
…は眠り続けるマシューを見つめる。
リヒテンが呟く言葉(>>32)に]
……分からない、けれど撃たれてからある程度動けていたことを考えれば目覚めないという事はないんじゃないか?
[他に、何かあったら話は別だが、そうだったら多分コメムシは黙っていないだろうと、ある程度の確信があった。
飲み物を買いに行くという彼女には軽くうなずくだけにとどめた。
リヒテンは10分強で戻ってきた。マシューはどうだったろう。
もしマシューが目覚めるまで時間があったのならリヒテンと、もしモナが居ればモナと会話を交わしたかもしれない。]
―現在軸・保健室―
[リヒテンや、いればモナと会話を交わしていただろうか。
唐突な叫び声が聞こえて…は目を見開いた(>>42)。]
……は?
あ、いや、目が覚めてよかった。具合は?
[マシューが起きたのは素直にほっとした。急激に動いて、そして沈む彼に(>>44)]
けが人の自覚は持っておいた方がいいと思うぞ。
[そう呆れたように忠告する。
聞きたい事があるだろう?そう言われた。]
じゃあ、無理のない程度で答えてくれ。
具合が悪いと思ったらすぐに言え。
そうだな。まず、お前は何者なんだ?
普通の人間、では少なくともないのだろう?
[マシューはどう答えただろう。]
―回想・ダン戦―
[モナの呟きが聞こえる(>>7)。]
……そうか?
[ぽつりと返した言葉はモナに届いたか?
届いた確率は29%
自分はどうだろうと考えた時、
見たくはなかったが、知らないで殺し、死んでいく方がもっと怖い、そう思ったから。]
―回想終了・ダン戦―
―保健室―
[マシューの説明に耳を傾ける(>>53 >>54)。
ある程度予想はしていた答えだった。]
でも、少しずつ役割も、違うのだろう。
その監視する存在の提示に従う存在?部下?だとしても、
そうだな、それだけの存在とは思えない。
俺が見たマシューと言う人格や記憶も作られたものと言えばそれまでだが、
少なくとも、本田は知らないが、お前はこの世界で生きているように見える。
よく分からんが何かを主張したくなるような夢をみているようだし……(>>42)
何といえばいいかな、監視とは関係なく、お前自身の意思があるように見えると言えば分かりやすいか?
それとも分かり難くなったか?
――お前は誰だ?
[そう言ってじっと見つめるだろう。
言葉選びが悪いのは重々自覚している。]
・・・何者、ですか。
[何者なのだろう。それは
答えは見つかったようで見つかっていない。
だけれど、近いうちに見つけることになるだろう]
・・・
[この会話、『コメムシ』は聞いているだろう、怒っているだろうか。
ならば、アレをする前に、この企みに気が付かれてはいけない]
・・・ぼくは、かつて、この戦いで勝利した平行世界の人間です。
『コメムシ』も、おなじく。
―保健室―
[マシューの言葉に…は少し考え込む(>>78)。]
勝利したのなら、何故生きているんだ?
パイロットは死ぬのだろう?
コメムシも同じという事はパイロットだったと、いうこと、か。
不定形生物でもパイロットになれるのか?
別の平行世界から、何故ここへ?
こんな事を繰り返しているのか?
あー、質問攻めになって悪い。
疑問は解決したくなる性質なんだ。
答えにくいと思うなら、体の調子が悪いのなら正直にそう言ってくれ。
[そう念を押した。]
この戦いに勝利すると、その世界の継続は一端保証されます。
ですが、また次元が飽和すると、再び選定が始まります。
戦いはいわば勝ち抜きトーナメント制です。
そのとき、シード権をもらえるかどうかが、『コメムシ』にかかっています。
・・・『コメムシ』は、勝利した平行世界の中で選ばれ、
姿を変えられ、次の世界に送り込まれます。
送り込まれる先は、トーナメント表で最も遠い場所で、
ここの2世界が戦うことはまずないとのことです。
つまりぼくらの世界は、この世界の友好世界にあたります。
選ばれた『コメムシ』はそのために、
次の地球の勝利のためにサポートを行います。
・・・従い、『コメムシ』がこの世界で
ああいうような手段で殺されることはないんです。
・・・そしてぼくは、
(ごめんなさい、まだ、全部いえない、)
ぼくは、『コメムシ』のサポートをするためについてきました。
『コメムシ』はぼくの兄弟です
だからぼくも、姿は変えられませんでしたが、似たようなものです。
ああいうような手段で殺されることはありません。
―回想・ギルベルト宅訪問―
[ギルベルトの家を訪問すれば、ちょうどおやつの時間だったらしい。ホットケーキとメイプルシロップのの匂いがする。]
いや、こちらこそおやつの時間に押し掛ける形になって悪いな。
[自室に通されるかと思いきや、キッチンに通される。
美味しそうにホットケーキを頬張るルートヴィッヒにくすりと笑みが零れた(>>5:+84)。]
ほら、ホットケーキは逃げないから、ゆっくり食べろ。
頬にシロップがついているぞ。
[どちらかと言えば年齢の低い自分が、唯一世話を焼ける相手。ギルベルトに言われなくても世話を焼こうとするだろう。優しくウェットティッシュでルートヴィッヒの頬を拭う。
ルートヴィッヒを構っていると、ギルベルトにホットケーキを振る舞われた。]
あ、ああ、有難う。
[彼の作るホットケーキを食べるのは{4}
奇数:初めて
偶数:出た数字の回数]
・・・多く契約してくれればいい、と思いました?
そしたら自分の番が回ってこないのに、と。
・・・ぼくらの場合、勝利はしたものの、
悲惨なことになっていました。
人数が多かった故に、呼ばれた者とその他の者の落差は激しく、
呼ばれてから戦いの日までに精神を壊すものも多かった。
そして、パイロットの人数が多かったために、
戦闘不可と判断されたパイロットは、処分されました。
・・・『コメムシ』が言っていたように、同じくパイロットの手によって。
さらに、ロボットが出現した国と他国の間での軋轢も激しくなり、
・・・同時に世界大戦も勃発しました。
パイロットの中には敵対国に洗脳され、
敵ロボットではなく自国を攻撃する者も。
・・・彼らも、処分するしかありませんでした。
―回想・カフェ―
……大丈夫です。ご心配なく。
[店員さんから自分に話しかけられてる>>+28と気づけば、私はすぐに笑みを作ってそう答えたわ。
いけないわね、見ず知らずの人にも迷惑をかけちゃうなんて。]
[しばらくして、キャラメルマキアートとモンブランが運ばれてきたわ>>+29。]
……?
[けれど、そこに描かれていたものが何なのか、私にはよくわからなかったわ。
強いて言うなら、少し前に行った遊園地の着ぐるみに少し似てるような。…あら、誰と遊園地に行ったんだったかしら。
ぼんやりそんな事を考えてるうちに、店員さんはカウンタへ戻って行ったの。]*
―現在軸・路地裏―
[愛用してた文房具屋で、私はいくつかの便箋と封筒を買った。
真っ白な兎のプリントされたものと、音符やト音記号なんかがプリントされたもの。
その帰り道。]
「―――なぁう」
[猫の鳴き声が聞こえて、私は足を止めたわ。
そう言えば、ここには来た気がする。たしか猫がいたのよね。白いのと、黒いの。
そう思って路地裏に入ってみると、そこにはやっぱり見覚えのある傷だらけの猫と、黒い子猫がいたわ。
子猫は私があげたカーディガンにくるまって眠っていたみたい。]
―保健室―
[マシューの言葉に(>>82 >>83)成程、と頷く。]
コメムシは元々は人間でお前の兄弟。
お前たちは別の平行世界で契約パイロット契約をしたが、戦闘は行われなかったため生き残る。
そうして時がたって平行世界が飽和してお前たちがコメムシと更にそのサポーター役に選ばれて、今此処に居る。
通常の方法では殺されない、という事で理解は問題ないだろうか?
しかし、50人は多すぎだろう。10-15だったら余裕が欲しいと言っても16,7人程度が妥当じゃないか?
何か50人も契約した意図はあったのか?
[マシューが自分を見上げてくる。何かを探るような目だ。]
……さあ、それはそれで辛いんだろうな。
先に死んでいった15人の命を、祈りを背負いながら生涯生きていくのだろう?
どちらが良いとは一概に言えないな。
どうせ人間一度は死ぬ。それが早いか遅いかの違いで。
塵は塵に返るものだ。
……使ってくれたのね。
[白猫にそっと手を伸ばすと、今日は引っかかれなかった。
喉を鳴らすでもなかったけれど、嫌がる素振りはなかったの。]
「……にゃあん」
「にゃん」
[その時、また違う猫の声が聞こえたわ。二匹分。
正面を見れば、そこには二匹の猫がいたの。
ぴょこんとアホ毛の出た猫と、耳の辺りに花をつけた猫。
その猫たちは鳴きながら、眠っている子猫のもとへ歩いて行ったわ。]
……家族なの?
「な゛ぅ」
……仲よしさんなのね。
[言葉を理解しているのかしら、この白猫は。問いかけに答えるように一声鳴いた。
私は目を細めて猫を撫でた。暖かい。
この子も、生きてる。
この子たちも、生きてるのね。]
[でも、野良のままだと保健所につれていかれちゃうかも知れないわね。
もし、明日があったらリボンを買ってこようと思った。
リボンを尻尾にでもつけてあげれば、誰かの飼い猫に見えるでしょうから。]
「……にゃあ」
……安心してね。
あなたたちも、私が守るから。
[花をつけた猫が、私をじっと見て一声鳴く。
私はそれに微笑みかけて、そのまま踵を返したの。]*
― 回想・バルサミコスタジアム ―
一応、後でこの辺りにいるとメールでも送っておくかね?
気休めぐらいにはなると思うのだよ。
[シンロに探すのをあきらめたと言われれば>>62
肩をすくめ、おどけて見せる。
キックオフの後、訥々と語る彼の話>>63を
しっかりと聞いていた。]
大丈夫ではないが、戦える、か。
いや、私より彼女に近い君が言うのだから
きっとそうなのではないかね。
……誰だって自分で手いっぱいなのだよ。
私達のような子供が正解の対応するなんて、きっと難しいのだよ。
[放っておくことはきっと彼なりの優しさだと思ったが、
それを言ったところで彼は否定するだろうからと、
自分への言い訳を込めた言葉で返した。]
・・・すみません、そろそろ意識落ちそうです。
ああ、輸血とか考えなくていいですから、死にませんし。
もったいないです。どうかこの地球の人のために使ってください。
それと、さっきみたいな場面では、ぼくが盾になりますから。
[視界が徐々に暗くなっていく]
・・・ぼくらの世界は、勝ちました。
だけれど、大国同士の戦いから世界人口の4割は被害を受け、
大都市の9割が消失しました。
文明維持機能が破壊された状態にあります。
人間社会の衰退は免れません。
そう遠くないうちに、ぼくらの世界は滅びます。
―保健室―
[50人いたパイロットの末路を知る(>>84)。]
これは、国のものではないのに、な。
寧ろ自国民にとっては安寧を脅かす以外の何者でもないだろうに。
[そう呟いているとマシューも何か思い出しているのだろう(>>84)。
自分には想像することしか出来ない。
けれどそれは、想像の域を出ることはない。]
……そうか。
[そう相槌を打つことしか出来なかった。
一気に話し終えるとマシューがため息をつく。
あまり顔色は良くなさそうだ(>>86)。]
ああ、長時間話させてしまったな。辛いなら休め。
[そう促すだろう。]
―ギルベルト宅訪問―
[ギルベルトの作ったホットケーキを食べるのはこれで4回目だろうか。
俺様でだいたい空振りする不憫なのに、この辺は兄の立場なのだなと思う。]
頂きます。
[そう手を合わせて、ホットケーキを口に運んだ。
優しい甘さが口内に広がる。]
ん、美味いな。
[その間、何かギルベルトと雑談を交わしただろうか。
流石にローデリヒの件はルートヴィッヒのいる前で話す内容ではないだろう。**]
[夜。]
「...荒々しい愛の指揮が 私の旋律を辱める...♪」
[流しっぱなしのラジオから流れる音楽を聴きながら、私はそっと左腕の傷跡と、痣を撫でた。
この傷跡は、私が生きてた証拠。
これがあったから、私は生きてるって思えた。
――――あら、どうして生きなきゃいけないんだったかしら。
たしか、あいつに生きて欲しいって言われたから――――
……そうだ。幸せにはなれる訳ないけれど、せめて、選ばれるまでは生きてやらなきゃと思って。
けれど、生きた心地がしなかったから、だから目に見える形で自分の生を確認したくて。
生きて、生きて、生きて、生きて、生きて。
そして――――やっと、いける。あいつの所へ。
私は机に座って、買ったばかりの便箋を取り出したの。
今日のうちに、書き終えておこうと思った。]*
[50人の意図は、と問われ>>88]
ぼくらのときの餅は、意思疎通が難しくて・・・
・・・アーサーさんのとき、不戦勝になったでしょう?
自害した敵ロボット・・・
あの餅も、自分の世界を滅ぼしたかったのかもしれない。
どう考えても、ぼくらに非協力的だった。
たまに、考えるんです。何のために戦ったんだろうって。
敵ロボットとの戦いの足元での同じ世界の中での戦い、
何のために敵の世界を滅ぼして、パイロットの命を使って。
[ゆっくりと瞼を下げる]
それでも、勝ってしまったからには、敵1500億人の命と、
ああなってもまだ懸命に生きるぼくらの世界の人々を
・・・背負い続けるんです。残ったものは。
―翌日未明―
「...now I will close my heart and sleep a while...」
[そろそろ夜も明ける頃、私はようやく手紙を書き終えたの。
何度も何度も書いては消して、を繰り返した。
書き終えた手紙を丁寧に折りたたんで封筒に入れて、それから、たくさん持ってる漫画の本の間に挟んだ。
ここに挟んでおけば、すぐに見つかる事はないはずだだもの。
それから私はベッドへ入って、目を閉じた。]
......I will sleep a while, until the dawn wakes me up again...
[ラジオから流れる歌を口ずさみながら、私は眠りに落ちたの。]*
―回想・ラン戦後―
……?
[雑踏の中を、まるで幽霊のように歩く。
不意に、誰かに呼ばれたような気がして立ち止まったわ。
どこから聞こえたのかしら。
辺りを見回していたら、女の人のつんざくような悲鳴が聞こえたわ。]
[何かあったのかしら…と思って、私は人ごみの中をするすると抜けて騒ぎの元へ向かったの。
そこにはアカイものと、倒れてる人>>59―――
――――誰だっけ、見覚えがあるわ。
そうだ、この子は――――――]
……っ、シンロちゃんっ!!
[駄目、死なないで。
これ以上、私から奪わないで。シンロちゃんもいなくなったら、私は――――
携帯を取り出して救急車を呼ぶ。
到着した救急車に一緒に乗り込んで、病院まで向かった。
―――あら、少し前にもこんな事があった気がするわ。]
[病院に着けば、お医者様が何やら処置をしてくれた。
医学的な知識なんてないから、何をしているのかはさっぱりだったけれど。
とりあえずの所、命に別状はないと聞いて、私はほっと胸を撫で下ろしたわ。
そして、シンロちゃんが目覚める前に病院を出たの。]*
―朝―
[浅い眠りから私を現実へ引き戻したのは柔らかい朝の陽射しだったの。
最近では毎日見る悪夢―――私がライヴィス君を突き落す夢、あの人が目の前で冷たくなってく夢、あいつが二度と起きなくなる夢―――にも慣れて、「あぁ、またか」くらいにしか思わなくなってきた。
一階へ降りると、お母さんが微笑みながら挨拶をしてくれたわ。
私も挨拶を返して食卓へついた。
食欲はないけれど、作ってもらったご飯をなんとか詰め込む。
そして早々に食事を終えると、私はお母さんの隣の席に座ったわ。]
……赤ちゃん、予定日いつだったっけ?
「今月の末よ。」
[お母さんは、愛しそうに大きくなったお腹を撫でた。
私もそれに倣って、そっとお母さんのお腹へ触れたの。]
……早く生まれてきてくれないかなぁ。
「ふふ、焦っちゃだめよ。」
[あの聲が聞こえてから、そろそろ二週間だったかしら。
予定日までは、まだ半月ほどある。
きっと、会えないだろうな。
でも、私がいなくなる前に、一秒でも一瞬でもいいから前に生まれてきてほしいと思った。
そうしたら、お母さんもお父さんも、生きていける筈。
私が守る、この世界で。]
[それから私は雑貨屋へ行って、リボンを買ったの。
リボンを持って、あの猫たちに会いに行った。
四匹の尻尾にそれぞれリボンをつけてあげたけれど、嫌がる素振りはなかったわ。
三種類しかなかったから、黒い子と白い子はおそろいのリボン。黒と赤と金の三色のリボン。
花をつけた子には赤と白と緑の三色をしたリボンを、アホ毛の子には赤地に白い線が中心を走ってるリボンをそれぞれつけてあげた。]
元気でね。しっかりやるのよ。
「にゃあん」
[猫は返事でもするみたいに、嬉しそうな鳴き声を出したわ。
私はゆっくり路地裏を出た。
その猫たちを私が見たのは、それが最後だった。]
/*
この後の予定
・遊園地→病院の屋上→夜にお墓参り、両親に叱られる
・翌日→親が産気づく→お父さんが来たら離脱して「自分の家」へ送ってもらう→色々やってから戦闘
うん、これでいいわね。
[私が向かった先は、遊園地だった。
あの夏の日を覚えてる。
家に来てくれたあの人は、私を遊園地へ連れ出してくれた。
ジェットコースター。ゴーカート。お化け屋敷。
それから、観覧車。
あの時と同じアトラクションに、同じ順番で乗った。]
[一人で乗る観覧車は、とっても詰まらなかったわ。
ぼんやりと窓から外の景色を眺める。
あの時とは違ってしまった、あちこちに災禍の痕を遺す街。
あの人は―――ローデリヒさんは、どんな気持ちだったんだろう。
どんな気持ちで、私を遊園地に誘い出してくれたんだろう。]
……ごめんなさい、
[目を閉じて呟く。
あんなにやさしい人を、私はきっと傷つけた。
一人ごちる声を聞き届けたひとは、他になかった。]
[観覧車を降りて、私は遊園地を出たの。
日は傾き始めていたけれど、お構いなしに私は病院へ向かった。
お医者様に診てもらう為に行くんじゃないの。
私が向かったのは、屋上だった。]
―病院・屋上―
[病院の屋上は、私の他に誰もいなかったわ。
それもそうよね、そろそろ薄暗くなって、冷えてきているもの。
私は一人でベンチに座って、そっと自分の唇に手を触れさせた。]
[目を閉じれば、今でも鮮明に瞼の裏によみがえる光景。
肩を掴まれて、それから背中に当たる固い壁の感触>>3:314。
それから、柔らかい唇。何度も、何度も重ねられたぬくもり>>3:309。
あいつの言葉。願い>>3:329。
あれがあったから、私はなんとか今日までいきてきた。
半分死んでるようなものだったけれど、それでも、生きてた。
そうだ――そうだった。
あいつは―――あいつは、ギルだわ。むかつくけど、時々かっこよくて、それで、大好きな幼馴染。
あいつの――――ギルのいない世界に耐えなきゃいけないのも、あと少し。]
……コメムシ。
[誰もいない屋上で、その名を呼ぶ。]
私が死んだら……、ギルと同じようにして。
廃工場から飛び降りたように、そういう風にみせかけて。
[だって、その方がきっと不自然がない。
大事な人を二人も失って、耐え切れなくなって自殺した。
その為の準備はもうしてあるもの。遺書はちゃんと、用意してある。]
……そうだ、もうひとつ。
ちょっと、お墓参りしたいから。送って。
[静かに現れたコメムシから二つの事の了承を得ると、私の視界は真っ白になったわ。
次に目を開けた時は、二人の―――パパとママのお墓の前にいた。
ギルやローデリヒさんの眠ってる墓地から、そう遠くない場所。
そういえば、ここに来るのは久し振りな気がするわ。
空は、すっかり暗くなっていた。]**
/*
お墓で使う。パパママのお墓参り終わったら、ギルたちのお墓参りして、お母さんたちに怒られて、次の日戦闘。
<a href= http://www.youtube.com/watch?v=CJDptqc6nJc target="_blank">ツキアカリ</a>
― 回想・試合終了後>>+58 ―
――…チョコが、欲しいわけでねぇよ。ん、んめえ。
[ノルの受け取ったクッキーの包みが開かれるのを見て、
そのうちの一枚を拝借して口腔へ放り込む。
そのクッキーを作ったファンクラブの女子から、
死ね不憫野郎という毒電波を受け取るが、気づく訳も無く。
バレンタインの習慣は自国では皆無に等しい。
4歳までの思い出に残っているのも、
復活祭や夏至祭、モーテンの晩、そしてクリスマスに大晦日。
それらの記憶は朧げにあるが、
バレンタインに何かをしたという記憶は、この地に来てから。
男子も女子も浮き足立つ学園の雰囲気は新鮮だった。]
今年は、ノルからチョコ貰うべ。 本命のな。
[今年も、としなかった意味はどう伝わったか*]
― 回想・自室(手紙) ―
[月々の手紙を書くに至り、
バレンタインは自国で何かするのか? 父親に聞いてみた。
昨今の学生の間では、
ハートが書かれたポストに手紙を投函する事がごく稀にあるらしい。]
――……。
[名前の無い透明なまっさらなメッセージカード。
光に当てると、サッカーボールの浮き出るカード。
それを封筒に入れ、他の手紙とは異なり宛先をノルにする。
――バレンタインに届くようにと、父親に頼んで渡した。*]
― 回想・国防軍との電話 ―
[心臓を移植した後の遺体はどうするか、という話になる。
ザワールドの中へ保管する事も出来るというのは、
ランが死亡した時に、知る事ができたのだが――…。]
施設の裏に、亡くなった子供の墓があんべ。
[施設では、引き取り手の無い子供達の墓を用意していた。
一人一人墓標があるわけでは無い。
だから、自分が其処に入っても、密やかに過ごせるだろうと。
母親と同じ墓地や、父親の実家で眠る事も考えたが、
できれば、彼らの近くで眠りたい――そう考えた。*]
― 回想・父親と ―
[試合の後に弁当を食べる彼らからそっと離れた。
大量の手紙が入った手提げ袋を父親へ渡す。]
手紙の封はしてねえんだべ。
だから、封筒には丁国の写真さ入れで送ってほしいんだ。
[幸せに生きていると思ってほしい――…
いや、『生き続けていく』のだから、それを伝えたいと。
――ダニエルは、父親の元でサッカーを習っている。
プロサッカー選手になる為にいつまでも走っていると、
夢の途中に居ると思って欲しかったから*]
お忙しい中、負担・・・かけさせるわけにもいかないですし。
あ、でも大丈夫ですよ。
本当に連絡が取りたくなれば、いつでも携帯からメールできますしね。
[すぐに落ち込んだような表情を、ぱぁっと明るくさせてそう答える。
が、手紙すらかけないのに、メールを送れるわけがないことは、口に出さず。
机に座ってるのが苦手と答えられれば、
クスリと笑みを浮かべて、]
ふふ、ダンさんらしいですね。
[と、西急ハンズの自動ドアをくぐりながら答えただろう。]
/*
俺、その日死ぬやつのロール見て必ず毎度泣いてるんだけど。
鳩で電車の中でとか読めねぇよ。泣く
入り込み過ぎなんだろーか
[やがて注文したケーキとキャラメルマキアートが出てくれば>>+29、
表情を綻ばせて喜ぶ。]
これは・・・たぬきさんでしょうか?
とても可愛らしいのですの。
[けして上手いとは言えないその絵。
でも、とても可愛らしく、昔、自分の為に兄が描いていた、
イラストの動物を思い出して、目を細めて微笑む。
フランシスがカウンターへ戻ろうとすれば、
礼を言ってそれを見送り、
エリザには早く食べようと促す。]
マシューさん・・・。
[マシューがもう限界だと、
意識を落とせば、心配そうにしながらそれを見やり、
再度目が覚めれば、家へと送ろうとするだろう。*]
すごい…こんな景色、初めて見るのだよ…!
[果てなどない星々の数と輝きに、
戦いはもちろん、ほかのことも忘れて
ただただモニターに見入る。
どれほど夢中になっていただろうか、
もしかしたらコメムシに声をかけられたかもしれない。
モニターから視線を外すとコメムシに向き直った。]
あの時、最後まで言えなかったみたいだが、
イヴァンから私たちを守ろうとしてくれていた、違うかね?
[”俺のスカウトしたものを壊さないで”>>5:198
発砲音の直前聞こえたそれは、
動けずに、周りの声や音を聞いているだけだった…には
かろうじて聞こえていた。]
その、君にどういう意図があるかもわからないし、
無論、私もこんなことに付き合わされて、
ろくなもんじゃないとは思っているのだよ。
……でも、聞こえてしまったものはしょうがないのでね。
お礼は言わせてもらうのだよ。ありがとう
[皆の前で言われたら恥ずかしいかったのではないかね?と
茶化しながら、それでも真剣に伝えた。]
それから、一つ頼みたいのだがいいかね?
[再び視線をモニターへ移す。]
まだ先のことだが、私の戦いの時になったら、
人を一人このコックピットに乗せてもらってもいいかね?
……君や他のパイロットに
危害を加えるような人でないというのは保障するのだよ。
[ランの戦いの後、ずっと、考えていたこと。**]
ーマシューを送っていったその後くらいー
…個人的にお呼びするのは初めてですね。コメムシさん。
[マシューから話を聞いた日の夜、
家の近くの星が綺麗に見える丘の上にコメムシを呼び出す。]
今日のマシューさんの話…聞いていらしたなら話は早いですが。
[もし聞いていたというなら、そのまま話を進め、
聞いてないならば、マシューから聞いた話をする。]
質問は三つです。
まず一つはこの世界が勝って、その時生き残っていたパイロットの誰かはコメムシになってしまうのですか?
もう一つは、顔にある目の光…あれ、犠牲になったパイロットの人数分減っていると思うのですが、
アーサーさんと、小鳥さんが戦えなかった分、
私たち、今契約している者以外の誰かがまた犠牲になる可能性…あるんでしょうか?
そして最後ー。
あなた達がこの星の為にサポートしてくださるのは何故ですか?
…あなた達の星は遠かれ、早かれなくなると聞きました。なのに何故…。
どうせ私も死に行く身です。
なら…せめて私が居なくなった後のことを心配して、
このくらい聞いても良いでしょう?
[表情は淡々とした風に*]
礼を言われるまでも無い事さ。
俺はキミ達のサポート役だからね。
[そしてモナの言葉には、複雑そうに目を細める。
実際に一からまた探すのは苦労になるし、
自分と兄弟が選んだ子供達だ。
だから、目の前で易々とは死なせたくなかった。
しかし、礼を言われてしまえば照れくさく、
また、恥ずかしかったのでは?と指摘を受ければ、
恥ずかしそうに顔をそっぽむかせる。]
コックピットに…?
構わないんだぞ、その時は一緒に転送するさ。
[モナの願いは、叶えることが難しいものではなかった。
そのため、二つ返事で了承を返す。**]
ん?マガジンが一体何かって?
[ふわふわと空をたゆたいながら少し間を開けて。]
不足分を契約させることさ。
ザワールドが勝利するためには、あと二人必要なんだ。
コメムシになるのは、その世界の人間であれば誰でもいい。
ある願いのために、コメムシになる者もいる。
[しかし、今はその事をそれ以上話すつもりは無い。
リヒテンに問い返されても、曖昧に言葉を濁すだけだった。]
[1つ目と2つ目の質問へまとめて答えた後。
3つ目の質問に関して、暫く悩んだ末―――
きっとアルフレッドならこう答えるだろうと。]
――…俺は、ヒーローだからね。
自分の世界が滅びても、他の並行世界には、
俺の住んでいる国が、存在するから。
[核戦争の犠牲になり、黒い雨に濡れた荒野。
それを少しだけ思い浮かべて、悲しげに笑う。
それでも、――ヒーローには、守りたいものがあるんだ**]
ー回想・入院施設ー
[バナナを使い、滑るかどうかをノルに試そうとするダンの案に、おおよそノルのそんな所も想像がつかない。>>+53
無意識にダンの顔に手を触れた時に、]
あ?ちょ………。
[ぐいっ。
手をつかみ誘導された所に、ダンが自らバナナの皮に滑り転倒した。無論、引かれた側も倒れた。>>+54
このまま、うつ伏せで床に体を打ってたら負担になっていただろう。
たまたま、ダンが下にいてくれたおかげで打撃を受けずにすんだ…が、何すんべ、と殴ろうと思った所でピタと動きが止まる。
…がちょうど覆い被さる形になった、
突然の出来事に驚きつつ、何故か胸が少し高鳴る。だいじか?という、…を見上げるダンの顔を見つめ固まった。>>+55]
[先程訪れたティノに、言われた言葉。]
『なるほど、相手に伝えるならば、ベール君は言葉も説得力あると思うけど、行動もいいかな……!なんて…はは!』
[………。
真面目な彼は、そのままを捉えた。
先程も、無意識にとった行動だったが
認めたくはない、が、…はダンが■■なんだろうか。
この状況にもか関わらず、…は自分の気持ちを客観的に見た。
だが、…自身、言葉を伝えられるかわからない。家族と思っている彼に、そんな■■を抱いてはいけない。
ーーだから、一時だけ。
(今からすっごと)
……わずれろ。
[そう呟いた後に、ダン顔を手で覆い、耳の側に二ヶ所唇を落とした。
なんて事ない。スキンシップは自国では当たり前のだ。…の性格読めないによっては、過剰なスキンシップと捉えられたりもしただろう。]
[鈍い彼の事だ。口ならともかく、ダンがどう捉えたかはわからない。
だが、しばらくは、上から強く押さえた彼の二の腕を掴んで離さなかった。**]
/*もちもちさんって桃陣営ってより受け陣営だよね(
そして今コメムシのメモに気づいたとかそんな……
ご迷惑をおかけしてごめんなさい。多分今週末過ぎれば何とか(もうそんなに残っていない
―回想・入院中―
[言うまでもなくふわふわと浮遊するでなく掛布団の上に座った彼に(>>114)、一応空気は読めるのだな、と思ったが賢明にも口には出さなかった。
コメムシの問いには肩を竦めて答える。]
まさに、俺はそれを聞きたかったんだけどな。ランが戦った後、言ったな。パイロットには生命力に溢れる若者がいい、と(>>5:84)。
契約するに当たり、ある程度俺たちの事は調べていたのだろう?
なら、俺の病気の事も知っていた筈だ。
身体的な難があれば苦戦を強いられる、とも言っていた(>>5:87)。
あれは俺ではなく別の相手を想定して言っていたようにも思えるが、……まあその話は置いておこう。
お前からみて、戦闘には十分耐えられると思ったから契約したのか?
それとも、不安要素ではあるが、他の全員が適当だから、不安要素には目を瞑って契約したのか?
[皆が繋いでくれた世界を自分のせいで消滅させてしまう訳には行かない。
もし、不安要素だというのなら、最悪の場合自分を殺して別の契約者を見つけた方がいいのでは。
そんな不安がよぎって、聞かずにはいられなかった。**]
/* 今日中に回そうと思ったのですが…
何故RP村すると突如予定が入るのでしょう…orz
まぁ、朝更新ですし墓下ですし…!
きっと私が起きるころにはエリザベータさんの戦いは終ってるのでしょうね。お疲れ様です。*/
/* 死は救い、という人もいますが…
彼女の場合そうなるのでしょうか?
…それでもと願わずにはいられないのが人のエゴ
結局人間ってエゴの塊で、でもだからこそ人はry駄目だ、眠たくて何が言いたいかわからなくなってきた。*/
そういやモナ死ぬとお兄さん今後どうやって生きていこうかというアレがあるから、自殺回避に動きたいんだよねぇ。
― 回想・夏休み前の自室 ―
[ 妹からの返事に、少々罰が悪そうに顔を歪めた。
妹はとても気遣い屋だ。
疲れて帰る我輩のために、
家でのんびりと過ごそうと提案をしてくれることが多いが、
まだまだ遊びたい年頃だろう。
わかった、
という短い返事を送ると、また手紙を書き始めた。 ]
葬式でアーサーの両親がすぐに戻るとか言い出して
ピーターどうするんすかってな感じであれそれあって
じゃあ俺が預かってやらぁ!みたいな事をしようと思っててすっかり忘れてた。
意気込んでモナが死ぬくらいなら他が死ね!みたいなこと言っちゃってるから、モナが死んだあとに普通に生きてるのも何か違うなぁみたいな。
― 回想・ローデリヒ戦後 ―
[ ごめんなさいと謝られて、少々顔を悲しげにする。 ]
「心配するのは当たり前である。
…妹の心配をしない兄はいないのである。」
[ 話される事情を、ただ静かに聞いている。
ざわざわとした胸騒ぎがする。
何かを隠されているとは思うが、何を隠しているかはわからない、そんなざわつきだった。 ]
「リヒテンだけではないのか…。
何故何人もパイロットが必要なのであるか?…機体は一つだろう?」
[ 巨大なロボット故、たくさんのパイロットが必要なのかもしれないが、
そうにも思えず、妹に問う。 ]
「あぁ、次は、自宅で会おう。」
[ そう言って、優しく妹の頭を撫でた。 ]
そういうわけでお兄さんには生きる理由が必要なのである。
と考えると、ピーター君を預かるっていうのがあれかなと…。
この辺確定ロールで回していいのかしら。
― 回想・ベールヴァルドの病室>>+63>>+64>>+65 ―
[丁度、自分の身体をクッションにする形で
彼を抱きとめられたらしいが、その分背には響く痛み。
目の前で拳を構えるのを見れば、なんだか懐かしくなり。
同じように拳を握り、肩を軽く小突く。]
おぉ?
なんだ、久しぶりにやんべか!
[――ベールヴァルドと拳で殴り合う、男同士の喧嘩。
それは哀しい思い出だけでは無い。
決着のつかなかった長男決定戦>>5:*19>>5:*20を思い出す。
ベールヴァルドの方が誕生日が早い。
ダニエルの誕生日は、まだ先なのだから。
年齢を上げるのであれば、彼の方が早く生まれている。
それを理由に長男を主張され、頭に来たダニエルは、
後ろから不意打ちで飛び蹴りをした事もある。
互いに容赦などしない殴り合いに蹴り合い。
傍から見れば不毛な争いとしか思えない馬鹿げた喧嘩。
しかし、その後にはいつも仲直りして来た。
ついついそんな挑発をする言葉が溢れてしまうが、
その拳が此方へ下ろされる事は無く、なんだ?と首を傾げ。]
[握られた拳は目の前で解かれ、頬に添えられる。
耳の脇に唇を落とされれば、何が起こったと目を丸め。
ダニエルは挨拶としてのハグや握手を好むが、
ベールヴァルドがそれを求める姿を、まず見る事はなかった。
試合の後のハグもダニエルからして居たし、
此処まで過剰なスキンシップを受けた事などない。
強く掴まれた侭の二の腕。
――――――――――――――――――――痛い。 ]
ベー、ル――――………
[忘れろ、それにどういう意味が篭っているのか。
――どういう意味かだなんて――……
なぜ
なんで、どうして。
なぜこんなタイミングなのか―――…]
[――ベールヴァルドは、いつからこんな眼をするようになったのだろう。
いつから、俺があいつを好きになる前から?
――いつから、俺を?
―――――もう、彼の未来を祈る事しかできないのに。]
………………。
[恐ろしく、沈黙が長く感じられた。]
――…ああ、忘れるべ。
だから、おめも……忘れろ。
[近くにあるベールヴァルドの眼鏡を外すと、
注がれる熱の篭った視線を伏せさせるように、瞼に口付けた*]
─ 回想・夏合宿終了後 ─
──あ、そういえば今日じゃない、モナが帰って来るの。
[ふとカレンダーを見て、叔父も叔母も忙しいとのことで、
迎えを頼まれていたのを思い出す。
うっかり店を開いてしまったが、幸いにして客はいない。
急遽、ドアにCLOSEDの札を下げ、モナを迎えに学園まで車を走らせた]
[学園のロータリーに車を乗りつければ、
そこには他の迎えを頼んだ子や、迎えに来た車があっただろうか。]
あれ? モナは、っと。
[しかし肝心のモナの姿がどこにも見えない。
重い荷物を持って家に帰るとは思えないので、
どこか遊びにでも行ったのだろうか。
迎えの時間から{1}{4}分も遅れてきた事に若干の
申し訳なさを感じつつ携帯を取り出した]
From:従者お兄さん
To:主君モナ
Subject:もしもし、私フランシス
Message:
今学園のロータリーにいるよ。
合宿お疲れ様、迎えにくるの遅れてごめんね〜>_<
どこにいる?
[メールを送信して、モナの返信を待つ。
(01)分後に返ってきたモナからのメールには、
近くのゲーセンにいるとの旨が書かれていた。]
あら、ゲーセンにいるのか。
[…は(05)
奇数:モナがゲーセンから戻ってくるのを待った
偶数:モナを迎えにゲーセンに向かった]
― 回想・西急ハンズ>>*5>>*6 ―
そーけ……。
国防軍も民間疎開の斡旋とかで忙しねえみでぇだな。
ホーム戦の戦闘で出た被害は大きいしよ。
[これからまた戦闘の度に酷い被害が出なければいいが、
俺たちの街や、人々が――…そう言いかけて、やめた。
ならば、人知れぬ山里や外国に篭る、という結論がつく。
できるだけ今の生活を死ぬその日まで崩したくはない。
それは自分がずっと思っていた事だし、
リヒテンも、恐らくは同じだろう、と。]
だなあ、携帯買って貰ってえがったなあ。
あよ、たまには電話すでみたらどうだべ?
そんくれえのわがまま、許されるだろうによ。
[切なそうなリヒテンの顔が明るいものに変わるが、
どことなく空元気のように思え、彼女の頭を優しく撫でる。]
この辺りが便箋のあるコーナーけ?
[シルバーラックに並んだ便箋や封筒に視線を落とし、
柄のない無地の封筒を手に取る。
これは味気がないか? と他のものを手に取ったり、
便箋と柄が揃っている封筒を見たりし始めた。]
………死んじまうこどは言わねえのけ?
[死んでしまう。
それを打ち明けていればとっくに彼女の兄は傍に居るのだろうと思い、
其処を口外していなさそうなリヒテンの眼をじっと見て尋ねる。]
―墓地―
……ありがと。
あんたのこれ、本当に便利ね。
[転送してくれたコメムシ>>115にそれだけを告げると、私はひとつのお墓の前まで歩いて行った。]
…………久しぶりね、パパ、ママ。
お土産がなくてごめんなさい、急に思い立ったものだから、
[そこにしゃがみ込んで、そっと冷たい石を撫でる。
パパとママの名前が刻まれたそれを、指でなぞった。]
……私ね、もうすぐ、そっちに行くの。
ママが使ってたロッキンチェア、あるでしょ。あれに座りながら死ぬの。
時々……本当に時々だけれど、ママの膝の上に乗せてもらったでしょ。
ゆらゆらゆりかごみたいに揺れて、私、すごく好きだった。
[それなりに裕福な家だった事は、覚えてる。
パパもママも忙しくて、ほとんど遊んで貰えなかった。
だからその分、たまに遊んで貰えるのが嬉しかった。
ママの膝の上で、本を読んでもらうのが好きだった。
絵を描いて、見せて、褒めて貰うのが楽しかった。]
……それからね、聞いて。
私、好きな人が出来たのよ。これから私、その人が守りたかった世界を守って、死ぬの。
……あぁ、やっぱりパパやママの所には行けないかも。
だってね、私、この世界を守る為に百億人殺すのよ。
なんでもね、平行世界の地球とサバイバルゲームをしてるんですって。
おかしいよね。選択がある度に世界が増えてそれが飽和してるとかなんとかって話だけど……、私たちがあの時ゲームに参加するかしないかって選択を選ばなかった世界だってある筈で…、選んだとしても、選択を間違えて負けてた世界だってあるかも知れなくて……
何やってるのかしらね。本当にさ。
[誰もいない夜中の墓地で、一人呟く。
私の声を聴く人はいない。風がさわさわと木々を揺らした。]
…けれど、私は戦うわ。
意味なんていらないの。ただ、守りたいだけだから。
あのね、パパ、ママ。
私、お姉ちゃんになるのよ。
今、お母さんのお腹の中にね、赤ちゃんがいるの。
お父さんとお母さんが、18年間待ち続けた子よ。
私がいなくなって……、本当の子供がお父さんとお母さんのところへやってくるの。
私は、その3人の新しい生活の為なら戦えるわ。
戦って、死ねる。
それから、ルート君。きっと、弟の良い遊び相手になってくれると思うのよ。
あとね、シンロちゃん。心配なの。
あの子も私と同じで……死ぬ事が決まってるけれど、それでも。
後悔しないように、残りの時間を過ごしてほしいと思う。
だから、その時間を与えてあげる為にも、私は勝つ。
……パパ、ママ。
私、ちゃんと戦うから、見ててね。
本当の事を言うと、パパとママの事はあんまり覚えてないんだけどさ。
あは、こんな事言ったら薄情だって叱られちゃうかしら。
…………でも、大好きだったよ。
[目を閉じながら、こつんと額を墓石に触れさせる。
少しの間そうしていたけれど、私はゆっくりと立ち上がったの。]
……じゃあね。
次は、天国とかで会えるのかしら……会えるといいわね。
神様なんて、信じられないけどさ。
[最後にそう言葉をかけて、私はパパとママに背中を向けたわ。
ここから、ローデリヒさんとギルの墓地も近かった。
二人にも、挨拶をしておきたいと思った。]
―ローデリヒさんの墓前―
……こんな時間に出歩くなんて、って怒りますか?
[ローデリヒさんのお墓の前には、たくさんの花束が供えられていたわ。
わたしはしゃがみながら、お墓に向かって語りかける。]
……でも、最後かも知れないから。許してくださいね。
ほら、やっと私の番が来たんですよ。
[そう言って、左側の袖をまくる。
そこには傷跡と、痣。次の操縦者に選ばれた証。]
それから、謝らなくちゃって。
ギルにもですけど……、忘れてて、済みませんでした。
ローデリヒさんは、あんなに私に優しくしてくれたのに……薄情ですよね。ほんと。叱ってくれていいですよ。
[あはは、なんて力なく笑って呟く。
目を閉じれば、「このお馬鹿さん!」とか言いながらぽこぽこ怒るローデリヒさんの姿が目に浮かぶようだわ。]
お詫びじゃないですけど……すぐ、そっちにいきますから。
あなたが守ってくれた世界を、私も守ります。
……私、ローデリヒさんの事も、好きでしたよ。
大好きでした。ギルとは…ちょっと違う、好きですけど。
…………私、ちゃんと戦いますから。
きっと、見ててくださいね。
[当たり前だけれど、答えは返ってこない。
私はそれだけ一方的に告げると、踵を返したの。
ギルのところにも、行かなくちゃ。]
―ギルの墓前―
……そういえば、あの時はちゃんと見なかったわね。こうなっちゃったあんたの事。
[墓の前に立って、小さなそれを見下ろす。
葬儀の時は、ルート君の相手をして……そうやって、現実から逃げるので精一杯だったから。]
……言いたい事はたくさんあるけど、今はこれだけ言っておくわ。
ありがとう……それと、ごめん。
[お礼は、私を今日まで生かしてくれた事。
あの時、生きて欲しいと言われなかったら。きっと、私は今日まで生きていられなかった。
謝罪は、ローデリヒさんと同じ。忘れちゃってた事への謝罪。
覚えてたら覚えてたで、今日まで生きていられた自信がないのだけれど、それでも。]
……「生きろ」ってあんたの願い、聞いてあげたんだから。
この貸し、大きいからね。ちゃんと返しなさいよ。
すぐに取り立てに行ってやるんだから。
[薄く笑いながらそう告げて、私はくるりと背中を向けたわ。
上を向けば、たくさんの星が煌めいてた。
銀色の月が柔らかい光を注いでくれている。
たしかに会いに行くよ、どこへでも。君のそばに。]
[帰宅したら、お父さんとお母さんが真っ赤な顔で待ってた。]
「こんな夜中まで一人で!!どこ行ってたんだっ!!」
「心配したのよ!携帯は見なかったの!?」
……あ。
[言われて携帯を取り出すと、不在着信が何十件も入ってた。
メールもたくさん。全然、気づかなかった。]
……その、ごめんなさい……
「ごめんで済むか!お母さんなんか、心配しすぎて料理の砂糖と塩を間違えたんだぞ!!」
痛っ!
[容赦のない拳骨のあと、二人は抱きしめてくれた。
その腕は暖かくて、優しかった。]
……ごめんなさい。本当に。
[愛しいと思った。
この暖かい腕が、心配してくれる二人が。大事だと思った。
戦える。大丈夫、私は戦える。
私は大事な人を守る為に必要なら、見知らぬ百億を犠牲にできる。
絶対に、絶対に負けてなんてあげるものですか。]*
―翌日―
[今日は、久し振りにお母さんと一緒に買い物に出かけた。
私は荷物持ち。食料品とか、新しい服とか。
お腹が大きくて歩くのが大変なお母さんの歩調に合わせて、ゆっくりとあちこちを見て回る。
ザワールドの戦闘の爪痕がまだところどころに残っていたけれど、それでもまだ、たくさんの人がいたわ。
たくさん、たくさん生きていた。]
「……痛っ、いたたたた……!」
お、お母さんっ!?
[人ごみを眺めていたら、急に隣でお母さんが蹲った。
まさか、生まれるの!?嘘、だって予定日までまだ半月もあるじゃない……!]
だ、大丈夫!?どうしたの!?
もしかして生まれるの!!?
「病院……救急車は要らないわ、エリザ、タクシーつかまえて……」
た、タクシーつかまえるってなにで!?投網!?
[私はすっかり混乱してたわ。
どうしようどうしよう、どうしたらいいんだろう。
その場でおろおろしていたら、とおりすがった人が声をかけてくれたわ。]
「大丈夫?タクシー呼んだよ。お母さんのかかりつけの病院、わかるね?運転手さんに伝えて、そこに送ってもらいなさい。
運転手さん、この子たちお願いします」
へっ、…あ、ありがとうございますっ!
「大丈夫、落ち着いて。しっかりお母さんについててあげるんだよ、お姉ちゃん。」
[親切な人に手伝ってもらいながら、お母さんをタクシーに乗せる。
私も一緒に乗り込んで、病院の名前を告げて運んでもらった。
お姉ちゃん。
その響きが、なんだか嬉しかった。]
―病院・夕方―
「ごめんごめん、遅くなった!」
お父さん、遅い!…って、何持ってるの?
[夕方ごろになって、ようやくお父さんが病院に来たの。
手には何かの包みを持っていたわ。]
「ふっふっふ……聞いて驚け見て喚け!
巷を騒がせているあの黒い怪獣のプラモだぞー!完全予約受注限定品だ!!」
は…?
[お父さんが自慢げに見せてきたそれは、私たちの乗ってる「ザワールド」のプラモデルだった。]
「……お父さん、それ取りに行って遅くなってたの?」
……初めての子供とおもちゃと、どっちが大事なのよ。
[私は少し冗談めかしてそう訊ねたわ。ほら、お母さんも笑ってる。]
「何言ってるんだ、初めての子供は、お前だろう?エリザ」
…え、
「お母さんだって二人目だから、慣れたもんだろう?」
[けれど、お父さんの返しは予想外だった。
嬉しい、と思う。
だってそれは、私の事を本当の子供と思ってくれてるってこと。
いつもそんな事はおくびにも出さないけど、本当は気にしてるんだと思う。
でも、だからこそ、そういう風に思えるんじゃないかしら。今はそう思う。]
……お父さん、調子よすぎよ。
[続けられた言葉には、ちょっと笑ったけれど。
寄り道した罰として、お父さんの買ってきた「黒い怪獣」のプラモの箱を、お父さんより先に開けてやったわ。]
/*
もちさんありがとう、そしてありがとう……
そしてそれをさらに食い尽くす飴イーターの私。
妖怪飴おいてけの実力を見せてあげるわ(キリッ
―病院・夜―
「うぅ、いたたたた…」
……お母さん、そんなに痛い?
[あの後、私は一度お母さんに言われた荷物を取りに家へ戻った。
もういちど病院に着いたら、お母さんはベッドの上で痛がってたわ。]
「ううん、大丈夫よ。まだまだ時間がかかるから、エリザは家に戻ってなさい。」
生まれるの……いつくらい?
「そうね……明け方か、明日のお昼くらいまでかしら。」
そんなに?それまでずっとこうなの、お母さん……
[陣痛って大変なのね…と呟きながら、ひとつの考えが頭をよぎった。
―――もしかしたら、会えるかも知れない。弟に。
―――――ううん、ダメ。期待しちゃいけない。
ダン君の時から、もうそろそろ二週間なんだもの。
もう、いつ来てもおかしくない。
そして、私たちの住むこの世界が戦場になるかも、わからない。
私は、いつまでもここにいるべきじゃあ、ない。]
……お父さん。私、ちょっと家に戻るわね。
「どうした?」
うん。ちょっと、用事思い出しちゃって。
「こんな時間にか?」
ごめんね、急ぎなの。すっかり忘れてたんだけど。
「じゃあ、送ってくよ。」
大丈夫よ、お母さんの傍にいてあげて。いつ破水するかもわからないんでしょ?
「俺がいても、役に立てないけどなぁ…」
お父さんはここにいるだけで、十分役に立ってるのよ。
私は一人で大丈夫だから。
「…そうか?まぁ、心配だしタクシー使っていいぞ。」
……うん、わかった。
[私は笑いながら、病室の扉に手をかけたわ。]
……お父さん、お母さん。
[扉を押すと、キィと小さく音を立てた。
出る前に、一度だけ部屋の中を振り返って、お父さんとお母さんを見る。]
…………ありがとう。
[ありがとう、今日まで生かしてくれて。
ありがとう、愛してくれて。
ありがとう、私のお父さんとお母さんになってくれて。]
……コメムシ。
転送して、今すぐ。「私の家」に。
[それだけ言って逃げるように病室を出た私は、コメムシを呼んだわ。
幸い、廊下に人影はなかったから。
現れたコメムシに転送して貰った先。
それは、「私たちの家」じゃない。
私が生まれた家。海沿いにある、大きなお屋敷。]
……パパとママは、私が小さい頃に死んじゃったのよね。
強盗殺人。
それなりにお金あったみたいだからさ、パパとママ。
お陰でほら、私もお小遣いにはそんなに困ってないのよ。実は。
保険金とか、そういうの。いっぱい残してくれたから。
[転送された先には、古びた屋敷があったわ。
街から離れた所にあるから、私達の世界での戦闘になっても被害は抑えやすいはず。
誰も住んでないから手入れもされていなくて、草は生え放題だし外装はぼろぼろの屋敷を見上げながら、私はひとりごちた。
たぶん、隣にはコメムシがいたと思う。]
……私ね、強盗に遭った時、死にかけたの。
私も一緒に殺されそうになった。実際、刺されていっぱいいっぱい血が出たわ。
それでも私は生き残った。
今日まで生きてこられたのは、お父さんとお母さんのお陰なの。本当に感謝してるわ。
[最初は折り合いが悪かった。
子供だった私は、親がお金の為に自分を引き取ったんだと、そう思ってた。
けれど、そうじゃないって気づけたのは、二人が本気で怒ってくれたから。]
……そろそろなんじゃないの。
[何となく、そんな気がしたから尋ねてみたけれど、コメムシは頷いたかしら。
海の中に、ザワールドが現れる。]
……あ、ちょっと待って。コックピットに行く前に、ザワールドの写真だけ、ちょっと撮らせてよ。
[コックピットへ転送される前にそう頼んで、私は携帯を取り出した。
一枚、ザワールドの写真を撮る。
薄暗くてあんまりよく見えないけれど、まぁいいでしょ。
その画像を
―コックピット―
……ふー…………
[モナちゃんとリヒちゃんの作ってくれたコスチュームを着て、ロッキンチェアに腰かける。ゆらりゆらりと椅子が揺れた。
モニターを確認すると、きらきらと光っているものがたくさん見えたの。
あぁ、これはきっと、生命の光。なんて綺麗なんだろう。
絶対に失わせてはいけないもの。
視界をずらすと、いつの間にか敵が現れていたわ。
鐘みたいな形のやつに、頭がちょこんとくっついてる。
私はぱちんと両手で自分の頬を叩いたの。]
……やぁあってやるわ!
[動け、動け、動け、動け、動け、動け!
ずしん、ずしん。
念じるだけで、ザワールドは海中をゆっくりと、重量感のある動きで進む。
モニターに映る十一個の線の入った顔、光る点が9つ。
あれの急所を探して、潰す。
左腕を大きく振りかぶって、殴りつける!]
─ 現在・街中 ─
[人々はなれたもので、巨大ロボット《ザワールド》の出現を、
もはや当然の事だと受け止めつつある。
最初こそ混乱した謎の巨大ロボットだったが、
意思を持って破壊活動に勤しむ『敵』だと思ってる者は少なくなりつつある。
寧ろ向けられる視線は好奇心にまみれている]
……んん?
[…はコンビニの書籍置き場の前で足を止める。
『謎の巨大ロボット、その名も「ザワールド」!!』
本の表紙には、ロボトの名前とロボットの写真。]
なんでロボットの名前、出てんの?
[独りごちた言葉は、周りの客には聞こえていないだろう。
推定する全長から、ロボットに使われた素材、それから、
『巨大ロボットを動かす謎の少年少女たちの影!!』
センセーショナルな見出しに、眉根を寄せた。]
(いったい、こんな情報はどこから?)
[ある程度モナから話を聞いていた…からすれば、
ただの推測本だろうと一蹴するには、
世間に出回っていない情報が多くかかれすぎている。
一瞬、手に取るのを躊躇ったが…は本を取ってレジへと向かった]
……!?
[けれど、左腕は空を切ったの。
敵の姿が見えない。どこに行ったのかしら―――]
―――!
[視界がぶれる。上からの衝撃、モニターの端に、何かが見えた。]
…もしかして、敵に挟まれてるのかしらね。これ。
[がりがりと締めつけるような音。私は小さく舌打ちした。
レーザーを上方へ放てば、視界の端に映っていた何かの影は消えて、また正面にあの敵の姿が見える。]
─ 現在・カフェ ─
[コンビニから出てそのまま自宅へと向かう。
店は休みの日だったため、2階の自室へ篭り、
買った雑誌をテーブルに置いて携帯で写真を撮る]
From:お兄さん
To:モナ
Subject:これ読んだ?
添付画像:雑誌.jpg
Message:
コンビニで買った本なんだけど、すっごい詳しく書いてあるみたい。
モナたちのこともバレてる?のかな、マスコミとか変なのに付きまとわれてない?
何かあったら叔父さんか、お兄さんに言う事。
[メールを送ったあと、テレビをつける。
すると丁度、海岸に巨大ロボが現れたと(>>168)、
レポーターが神妙な顔で喋り、避難対象となる地域の名前を読み上げていた*]**
……威力自体はあんまり強くないみたいね。
[距離を取って、互いににらみ合う。
そうよ、まずは観察しなくちゃ。相手の形状から、弱点を探さなきゃ。
熱くなっても、焦っちゃいけない。
攻撃方法は、あの鐘みたいな所が四つに別れて締めつけてくる、でいいのかしら。
まるで
じっと相手を見ていると、頭部の辺りに光が見えた。
たぶん、あそこが急所―――敵の、コックピット。
だから、さっきレーザーを撃った時に逃げたんだわ。もし万が一、あそこにレーザーが当たってコックピットを直撃したら大変だから。
あぁ、でも普通に殴りに行くには、ちょっと骨が折れそう。
まずは捕まえなきゃ。
どうやって捕まえたらいいかしら―――]
「上!」
!
[その時、誰かの声が聞こえて私ははっとした。
思考の海に沈んだ一瞬で、敵はこちらに再度攻撃をしかけてきたみたい。
モニターの映像が大きくぶれた。
少し締めつけられるくらいじゃあ、このザワールドはびくともしない。けれど、ただ締めつけるだけではなかったみたいなの。]
何、この音…!
[がりがり、がりがり。締めつけるだけじゃない、装甲を削るような音が聞こえた。
モニターに視線を移す。視界に映った敵の機影、ザワールドに接してる面から鉄柵のようなものが出ているのが見えた。]
ほんと、アイアンメイデンみたいねこれ…!
[もう一度レーザーを撃ったけれど、今度は逃げなかった。
相手もそれだけ必死って事なんだと思う。
でも、私も負ける訳にはいかないの――――!]
……意地があるのよ、女の子にもっ!!
[挟まれているせいでなかなか自由が効かない手を何とか動かして、私は―――{4}
偶数:四つに分かれた敵の胴体部のうちの一つを両腕で掴んだ。
奇数:ザワールドの上方を殴りつけた。]
ぼくらは戦いには勝ったけれど、
守りたいものは失ってしまいました。
肉体的にも、精神的にも、です。
だから、どうしても言いたいことがあります。
どうか、残される人がちゃんと未来へ生きていけるように。
それだけは、いつも忘れないようにしてほしいんです。
[キラキラと頭上で輝く星々が、
失ったものの数をしらしめていた*]
[正面からザワールドを締めつけている敵の胴体部を掴み、私は力任せに引きちぎった。
ばりばりと音を立てて敵の装甲が剥がれて海に落ちる。
焦ったのか、敵は逃げ腰になってザワールドの手から逃れようともがいたけれど、逃がしてなんてあげない。]
逃がさないわよ!
[更に敵の装甲を{2}枚剥がす。海に落ちた残骸が、飛沫をあげた。
それを繰り返して、敵の胴体がほとんど装甲を失った頃、ザワールドの手がようやく頭部に触れたわ。]
[剥き出しになっていたそれを、胴体部からむりやり引きはがす。
最後の抵抗でこちらの装甲が{2}枚ほど落ちたけれど、気にしなかった。]
……。
[ザワールドの手の上にある、蕾のようなそれ。
中に、いくつか光が見える。
これを握りつぶせば、私たちの勝ち。
そして、私の役目も終わり。
そう、これを握りつぶせば、百億人が死ぬ。]
[孤独と絶望に胸を締めつけられて、心が壊れそうになったけれど。
思い出に残るあいつの笑顔が、言葉が、温もりが。私を今日まで生かしてくれた。]
……さよなら。それと、ありがとう。
[私は、ゆっくりとそれを握りつぶした。]
…………。
[終わった。
なんだか、酷く怠く感じるわ。
私は視線を街の方へ移した。被害はそれほど多くないように見えて、少し安心したの。
そして、病院の方を見た。
無数の命の光。あれは、お母さんだわ。あれはお父さんで、じゃあ、あれは―――]
……良かった、生まれた……!
[あれは、弟だわ。
良かった、無事に生まれたんだ。
安心したら、涙が出てきた。
もう泣けないと思ってたのに。
ようこそ、世界へ。
あなたは死なないわ、私が守ったもの。
これから、たくさんの事を経験するんでしょうね。
悲しい事、辛い事、楽しい事、嬉しい事。
あなたのこれからに、幸あらん事を。]
……コメムシ。
後の事は、頼んだように…お願いね。
[ロッキンチェアにもたれて、目を閉じながらそう告げる。
あぁ、なんだか眠たくなってきちゃった。]
これで、やっと……
[百億人の命って、本当に重たいのね。
そうだわ、もしも死んだ後にギルやローデリヒさんに会えたらどうしよう。
まず、ローデリヒさんにもビンタの一発はくれてやらなきゃ。
ギルは、フライパンで73発くらい叩いてやらないと私の気が済まないわね。
だって、二人とも私を置いて行くんだもの。いっつも仲間外れにして。]
[それと、私も殴って貰わないと。
忘れちゃってた事とか、傷つけちゃった事とか。そのお詫びに。
それから、二人まとめて抱きしめてあげるのよ。
それから、それから―――
―――――あぁ、ダメだわ。眠くて、仕方ない。]
……ぐっすり、眠れる……。
[最期に、私を力強く抱いて…眠らせて……。]
[ゆらり、ゆらり。悪夢はもう、二度と来ない。
眠る少女の座るロッキンチェアが、ゆらゆらと優しくゆれていた。]**
[母は、自国の者に殺された。
ロボットの操縦者たちの母だとバレて、
戦闘の犠牲になった子どもの親に殺された]
♪
♪
[父は動物園の獣医だった。戦時の邪魔になるからと、
動物園の猛獣の処分を命令されていた。
その中には、親に捨てられ人の手で育てられたシロクマ、
▓█▓░░▓とマシューの友達だったクマ二郎もいた。
父は処分命令に反対し、猛獣たちを安全な場所に逃がす途中で
新型爆弾の犠牲になった。猛獣たちは行方知らずだ]
♪♪♪♪♪
/*
没シーン:身辺整理
*/
[私は、自分の部屋にある全ての薄い本を引っ張り出した。
これは、見られる前に処分しなくちゃ。
コメムシを呼んで学校の焼却炉に転送してもらって、こっそり焚書しておいたの。]**
[太い眉毛はパイロットとして戦い死んだ。
近所にする幼馴染で、1つ年上ではあったが、
▓█▓░░▓はいつも犯行していたが、マシューたちのことを大事にしてくれた。
ホーム戦だった。最後まで被害を最小限に食い止めようとしていた。
ひどく消耗し、朦朧とした意識の中で敵コアを破壊した彼は、
自分が勝利したことすら自覚できず死んだのかもしれない]
♪
♪
♪
♪
[浮遊感が襲ってくる。最後まで弾けなかった]
・・・エリザベータさんが、勝ったら。
[残りのパイロットは3人になる]
・・・約束の日ですね、本田さん。
[鍵盤の白黒の輪郭がぼやけて、ホワイトアウト*]
― 音楽室 → コックピット ―
―エリザベータ戦―
[体調が優れなかったので今日も学校は休んだ。
本を読む気にもならなくて、…は祖父が残したレコードを聞いていた。
病弱で外で遊べなかった自分に祖父が聞かせてくれた歌。
静かに、それに耳を傾けているとふわりと浮遊感がある。]
……エリザベータ。
[ぽつりと呟いて
――そうしてホワイトアウト]
―祖父の書斎→コックピット―
[気付いたときはコックピットの自分の椅子に座っていた。
中心にはエリザベータの椅子。そこに座る彼女は現実にいるようだった(>>170)。
哀しみと、諦めと、そして安堵。
様々に湧き上がる感情を飲み込んで、彼女の戦闘を見守る。
自分の番が来たときに、次に、明日に繋げられるように。
一度は捕まえられたが、エリザベータの発射したレーザーで難を逃れる(>>171)。]
[相手は捕縛を得意とするタイプのようだった(>>174)。
そういえば、そんな拷問器具が本に載っていたような気もする。
エリザベータもそれは分かっているのだろう。
どう戦おうか考えているようだった。
と、敵の姿が消える。何処だろうと首を巡らして、
見つけた。咄嗟に]
上!
[と叫ぶ(>>175)。]
[やがて、コメムシによってエリザベータの亡骸は廃工場に送られる。
彼女の懐には、封筒が入っていた。
封筒の中身は遺書。
両親宛てのものは、先立つ理由――幼馴染二人、特に愛したギルの死――とそれについての謝罪、自分の死後にのこった遺産は弟の為と、それから怪獣騒ぎで被害を受けた人たちの復興の為に使って欲しいとの旨が書かれていた。
それから、もう一枚。
シンロ宛ての手紙が入っていた。
そこには簡潔で意味深な文が書かれていた。]
[
「後悔しないように。
シンロちゃんは、私みたいになっちゃだめ。」
]
[その文面の意味する所、彼女が何を伝えたかったのかは、闇の中である―――]**
[が、遅かったようで、敵の体に捕縛される。
金属がひっかかれるような音に不快感を覚える。
けれど、不思議と恐怖は感じなかった。
じっと、エリザベータの戦いを見つめるだけ。
エリザベータが敵のコアを握りつぶし、決着がつく(>>184)。
エリザベータが街の方を見る。そういえば、彼女の弟はいつ産まれるのだろう?彼女の母の大きくなったお腹を思い出した。
と、喜びの声が聞こえる(>>187)。
……そうか、生まれたのか。
彼女は命を繋いだのか……
徐々に彼女から力抜けていく。そうして、エリザベータは眠るように、逝った(>>190)。]
お疲れ様だ、エリザベータ。ゆっくり休め。
あいつらに宜しく。
[彼女はローデリヒやギルベルトの元へ行ったと、
そう信じたかった。]
―回想・カフェ―
……リヒちゃんがどうするのかは、リヒちゃんが決める事だけれど。
でも、後悔だけはしないでね。
[一言だけ反応を返した彼女>>116に、私はそう告げたわ。
そうだ―――私は、後悔してたの。
もっと早く素直になればよかった。
もっと、優しくしてあげればよかった。
でも、遅い。遅すぎた。]
……そうね、おいしいわ。とっても。
[リヒちゃんに促されて>>117、運ばれてきたケーキを一口食べた。
甘い。おいしい、と思う。
けれど食欲は湧かないし、私の食べたい味とは違う。
私が食べたい味は―――もう二度と、食べられない。
それでも心配させないように無理矢理詰め込んで、キャラメルマキアートで流し込んだ。
それからリヒちゃんに手を引かれて、私はカフェを後にしたの。]*
―回想終了―
/* >>200 なにを!?
ちびたの件かなぁ。でも誰もいないからソロールぶっ放すことにしかならないんだけど。
いや、だいたいお前ソロールだろうって話は知ってる。
担当医とかねつ造だよ畜生!
んでもって担当医との会話に親が全く出てこない不思議。
13歳なら絶対親必要よね。いいんだ、多分子供の自主性に任せるとかそんな風に話されているんだよきっと。
下手したらニ/グ/レ/ク/ト認定受けるけれど、もうこまけぇこたぁ(ry
/*
結局使いたかった台詞はかなり厳選したわよね…
勇気で補え!とか笑うべき云々とか、使いどころが難しくて…
と言うか、勇気で補え!とか下手したらギャグになr(殴
―エリザベータ戦後―
[彼女の体が、何処かに転送される。
彼女が望むとしたら、多分墓地か、廃工場。
そのどちらかだろう。後者の方が確率が高いか……?]
……コメムシ、俺の家へ転送してくれ。
[そして、迎えにいって、彼らのもとに送り出そう。
そう考えた。]
―コックピット→家→廃工場―
[家に転送されて、分程過ごした後、…は廃工場へと足を向けた。
その時には警察か誰かエリザベータの遺体を発見していただろうか。]
―回想・コックピットに乗る少し前―
[ルーマ宛てのメール>>168を素早く打ち込んで、私は送信ボタンを押した。
あいつが欲しいって言ってた>>1:+7から、最期くらいは優しくしてやろうと思ったの。
あいつにも、あの人にも、優しくしてあげられなかったから。
その代わりに。]*
From:エリザ
To:ルーマ
Sub:あげる
添付:黒い怪獣.jpg
本文:
あんた、写真欲しいって言ってたでしょ。
ちょっと見にくいけど、あげる。
これ、私からあんたへの一生分の誕生日プレゼントね。
------END------
/*
!思い浮かんだ!
エリザベータさんの遺体転送前にすればいいんだよ!
グリーンダヨ!
コメムシの言動勝手に回すのは許可されてるし!
―回想・入院中―
[コメムシの忌憚のない意見に(>>146)…の眉根が寄る。
が、続けられた言葉に、軽く首を傾けた。]
聞いたことはある。
それに、よく担当医が言う。
最後はお前の生きる気力が大事なんだ。
自分たちはそれを手助けしているに過ぎない、と。
[あの子の事も彼らは調べていたらしい。]
……いや、会わない。
あの子が何処かこの空の下で笑ってくれているなら、
俺はそれで十分だ。
[願望ではなく、自分に言い聞かせるように。]
――本当は、会いたい。
*
――ニュース番組『ズームモーニング』より――
皆様、臨時ニュースです。
『巨大怪獣に子供の姿が!』
これは件の菖蒲浜海岸のビデオカメラで撮影された映像です。
匿名で、拡大された写真、
並びに11名の子供の名前が明記された、
W学園中等部の臨海合宿参加生徒のリスト。
以上が当放送局へ宛てられました。
当局では、彼らが何らかの形で事件に関わっているものと
推測し、調査しておりましたが――、
は、はい。今情報が入りました。
またもや匿名文書です。
この子供達が巨大怪獣を動かしているパイロットであると―――……
[この番組は、全国ネットで放映された上、Yo!Tubeで動画が出回る事になる。
世論は動き、国会では大議論が起こった。
W学園にはマスコミが連日殺到する**]
―回想・学校の保健室―
[リヒテンの言葉に(>>119)、そちらに視線を向ける。]
異常があっても分からなかった可能性?
あり得ない話ではないな……。
けれど、それならそれで、コメムシがこの状態のマシューを放置しておくとは思えない。
少なくとも、今現在マシューの体は危篤とかそういう状態ではないと思う。
[本当のところは分からない。
今までの状況とそこからの推察からそう返して、…は目覚めないマシューをじっと見つめた。*]
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