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嗚呼、二人ども・・・。
[ヨアヒムの言葉に、静かに返事をする。
目覚めたとき自分独りだったらきっと。再び人狼としての能力を力ずくで無理矢理にでも押さえ込んで、何もなかったかのように今後も誤魔化し誤魔化し、生き続けたに違いない。
だが今は仲間が、ヨアヒムがいる。だからありのままの自分を肯定する気持ちが芽生えつつあった。
・・・それは、同時に”自分はヒトにとって有害と認定されているケモノである”との意識を受け入れることでもあった。]
このまま何事もなければよし。だどももし、事態が動くような、そのときは。
・・・わしは決めただ。わしたちが生き残るために、どんな手段でも使うってな。
[それはある意味、自らの手を赤く染めても構わないという宣言。くくくと喉の奥で笑う。]
だから、よ。もう怖がるごどはねぇ。わしはヒトから見だら、悪いケモノだけんども。
/*
考えてみれば、女とバレる事自体は大してまずくないのだった(できればバレたくはないけど)。“ニカ”だと知られる事がまずいのであって。
……うん、温泉入るか(
/*>>*23まあ、駄洒落好きはやこっちが・・・というか、どっちかつーと中身が好き、と言えるのがもしんね。
高校時代には下らない駄洒落を言って、友人から座布団思いっきりマイナスされただ。合計は・・・まんになるか億になるか、計算しきれねぇぐらい。(何。
……ニコライさん。
ねぇ、ニコライさん、目を覚まして下さい。……大丈夫ですか?
[そっとベッドに近寄れば、旅人を揺さぶりながら。
呼びかける言葉は故郷のそれで。]
…………ニコラス。
ニコラス、おきて。めをあけて。……だいじょうぶ?
[同じように、此方の言葉でも呼びかける。]
[>>82強く揺さぶり旅人が目を開けたならば。]
ニコライさん、大丈夫ですか?
……勝手に入ってごめんなさい。貴方に話があって……部屋をノックしたら、魘されてたみたいだったから……
お水、持ってきましょうか?
他に何か必要なら、ええと……簡単な言葉か……ゆっくり伝えて貰えれば、解りますから。
[故郷の言葉で一気に伝え、最後に耳をとんとんと示し。
反応を見ながら、少しの思案の後。]
…………ニコラス、だいじょうぶ?
ごめん、なさい。へや、そと……えと……うー、うー、って。
……なにか、いる?
ゆっくりしたことばなら、わかるよ。
[>>0:531わかるとは言っていたから、故郷の言葉でも伝わるのかもしれないが。
再度同じように……今度はたどたどしく、此方の言葉でも伝えて。じっと、旅人を見つめた。]
テレ、ジア、さん……?
[目の前の少女の姿は、かつて憧れを抱いていた女性と重なって見えて――]
[けれど、テレージアがこんなに若い姿で存在しているはずもなくて]
――――……!?
[勢い良く、身体を起こす]
え、……リーザ……?
なんで……
鍵、掛け忘れて……た?
[先程自身の“用件”を目撃した少女が、どうしてここにいるのか理解できず――胸元の袋をぎゅっと抱きしめた]
話、って……?
何を、話すことが、あるの?
私は、人殺し、だよ。
貴女を、襲うかも、しれない。
[少しずつ、状況を飲み込みながら、少女の言葉を聞く。
水を、と言われれば首を横に振り。]
[この様子だと、自分を誰かへ告発したわけでも、非難したいわけでもなさそうで。
不思議そうに見つめ返しながら、ゆっくりと、故郷の言葉で返した。]
さっきは、驚いてごめんなさい。あのね、お願いがあるの。
……お願いと言うより。取引、になっちゃうかもしれないけど。
でも多分、ニコライさんも損はしないと思うよ。
[少し考えて導き出した結果は、これだった。]
さっき見た物は、誰にも言わない。
……だから。ニコライさんが此処から旅立つ時、私も一緒に連れて行って欲しいの。
[不思議そうに自分を見つめる旅人を、じっと見つめ続ける。]
当てはないから、向こうの国じゃなければどこでもいい。
まだ言葉も不自由だし、ニコライさんの旅にご一緒させて貰えれば嬉しいけど……うん、そこまで我儘言えないか。
向かう途中に街道沿いの旅人の多そうな街とかがあれば、その近く辺りまででもいい。
お母さんは、此処に留まるつもりみたいだったけど。
……此処には優しい人が多すぎるから、長く居るには辛いの。
[その一瞬だけ、項垂れて。
少しの沈黙の後、はっと顔を上げた。]
……あ、えと。
大丈夫。文無しじゃないから、多分、そっちの迷惑は掛けないよ。
お母さんが【こっそり持ってきたお金】が、こっちの通貨でこの位あるし。お金払えって言うなら、払えると思う。
[無造作に開いた指は、母娘の二人旅には多すぎる額。
……目安で言えば。普通の村人ならばその位あれば、一生涯遊んで暮らせる額だろうか。]
もし足りなくなっても、どうにか稼げると思うよ。
……あんまり、やりたくないけど。
[最後の言葉だけ。少しだけ、視線を逸らしたが。再び旅人を見つめ、反応を伺った。]
[それは本当にささやかなおまじないだった。
当時10歳前後の子供が必死に考えた、人狼の自分が己の中のケモノを・・・狼を封じて、人になるための大切な儀式。
いつから身に付けているか分からない古いロザリオを丈夫な革紐で首にかける。こうしている限り、自分はヒトとしてヒトの中で生きていくことができる。
いわば強く暗示をかけて、意思の力で人狼としての本能を抑えていた状態だった。
・・・しかし遂に限界を迎える。]
[長年の使用により、革紐の劣化が進んでいたのは事実だろう。
・・・だがもし、あのとき革紐が切れなかったとしても、果たして人狼として眠ったままでいられただろうか?
――今となっては意味のない、仮定の話。]
・・・あらあら・・・随分と甘い可愛らしい狼さん達ですこと・・・・
[唐突に割り込む声は、鈴のように、蜂蜜のように甘く、且つ嘲りを隠そうともしない声]
生きたいならば、殺しましょう。
殺られる前に、殺しましょう。
遅かれ早かれ、引き金は引かれるもの・・・二人で生きたいのならば、他の者は全員・・・
[ヤコブの言葉に安堵の表情を浮かべていれば、また、別の声が聞こえた。
その声は甘く。
また、その言葉は冷たく。
どこか、心をかきたてるもの――…。]
殺、す……?
[自ら口に出せば。
その言葉は恍惚さを伴い、ゆっくり全身に染み渡っていった。]
[ペーターが何故そんなに躊躇するのか、解らない。
身寄りがなくて困ってるんじゃないのか。どうして頼ってくれないのだろう。
──もしかして、羊飼いの家が嫌なのだろうか。それとも、私が嫌で?
疑念を胸の内でくすぶらせながら、ペーターが熱でよろめいたり、夢見が悪いので眠りたくないと言っている様子を黙って見ていた。
手を貸すか何かしようかとも思ったのだが、余計なお世話かもしれないと思えば身体はすぐに動かず。
それでも、眠るよう説得される少年がこちらに視線を向ければ>>50、むすっとした表情のまま、びしっと二階へと続く階段を指差してみせるのだった。*]
/*
や、それっぽかったけど、赤にいなかったからwww
よし、3人揃ったー。
二人ともよろしく。
ハッ……男ばかりの狼陣営……!
は……リーザが、人殺し……?
[彼女の慣れた言葉で紡がれるのは、思いもよらない言葉。
けれど、彼女よりも幼い頃に“ひとごろし”の咎を背負った旅人は、大きな驚きは見せない。]
……そう。
何があったかは、聞かないでおくよ。
[自分も、経緯なんて話したくはない。
だから、彼女が“ひとごろし”に及んだらしい理由を、訊こうとはしなかった。]
取引……か。
……いいよ。
無条件で、私を訴えない、って言われるより、よっぽど、信用できるもの。
[その言葉からは、人へ対する不信感が滲み出ていて。]
わかった。
旅人の多い街なら、そこそこ、知ってる。
……でも、そこまでしか、一緒には行けない。
[そう告げる旅人の笑みは、どこまでも穏やかだった。]
優しい人が多いから、辛い、か……。
それは、分かる。
……私も、優しくされるほど、辛くなるから。
[この少女は、境遇が自分と全く同じわけではないのだろうけれど。
共通した部分が多く感じられて――つい、要らない事まで喋りそうになる。]
そう……お金の心配は、しなくていいよ。
――私にはもう、必要なくなるし……
[必要ない――その言葉だけは、早口だった。]
!!!
[唐突に響く声は、聞き覚えがあるもの。極上の甘みの中に刺す様な苦味が隠れているような。]
ま、ま、まさか?!
あああなたは神父様?
[驚愕のあまり、口が回らない。]
え、神父様……なの?
[教会の神父様は変わった人だとは聞いていたけど。
それでも、まさか神職にある人の口からそんな言葉を聞くとは思いもよらず。
暫し、目を瞬かせた。]
/*
リーザ狼なん? SG狙いの村側かと思ってたんだけど……。
ニコラスは初回吊り狙いの村人だと思う、が。
あと、今更だけどニコラスがるみえるさんじゃない気がしてきている。
シスターは村側っぽいなあ。ヨアヒムはどっちだろー。
/*
なんと……これは、今後の展開に期待!!!
二人が仲間だと、色々任せられそうだなー。
と、わりと安心していたり。へへ。
──朝・談話室──
[墓参りに出ていたらしいヨアヒムから、霧について話を聞く。>>99]
それは……相当だなあ。
んー、じゃあ今日は戻るの止めとこーかな。
[そう、思案顔で呟く。
餌は多めに置いてきたし、数日ならなんとかなるだろうか。と、羊達の様子を思い返していたが。ペーターの話題が出ると>>100少し表情が曇る。]
……ん。降りてこないようなら、持って行ってあげないといけないよな。
ヨアヒム……頼んでもいいか?
なんか私、顔合わせたら余計なこと言っちゃうかもしれないから。
[一晩経って、ペーターも両親が亡くなったりで色々複雑な心境なのかもしれない、と言うところまでは思い至ることができた。
しかし、ちゃんと気遣いながら話せるかとなると、自信がない。
チラリとヨアヒムの顔を見て言った。]
えぇ・・・みぃんな殺して、みぃんな食べてしまいましょう・・・?
だって、しょうがないじゃない・・・貴方達が人狼だと知ったら、村の人達は貴方達を殺しに来るわ・・・
[続けられる声は、高く、甘く。
ゆらゆらと揺さぶるように]
酷いでしょう?貴方達は何もしてないのに。
惨いでしょう?貴方達は彼らを愛しているのに。
なのにそんな仕打ち・・・許せないでしょう?
なら、傷つく前に。傷つけられる前に
裏切ってやりましょう、ね?
ん? 僕が?
わかった、それなら届けに行くけど――。
[カタリナの言葉>>123を聞けば、軽く目を瞬かせる。]
余計なこと、ねぇ。
むしろ、これから世話したり一緒に暮らしたりするってんならさ。
そんな気遣いしないで、言いたい事言いあえる方がいいと思うけどな。
[カタリナらしくないぞーと、わざと明るく笑いながら。
食事を取り終えれば、食器を片付け、ペーターの分のスープとパンをトレイに入れ、ペーターの部屋へと届ける準備を整える。]
ま、あんまり無責任な事は言えないけどさ。
あんまりあれこれ考えすぎんなよー。
[十分無責任な事を言いながら。
ゆっくりと、ペーターの部屋へと向かうのだった。]
―朝・自宅―
[戻ってくるには、随分と難儀した。
朝霧は濃く、明確に太陽が昇ったのがいつかも、よく判らないほど。
難儀の末に家に辿り着く頃には、雨に降られたように服は濡れ、髪はぺたりと張り付いていた]
――へっくち!!
[盛大にくしゃみをして、ふるりと身体を震わせた]
……あ、そうだ。
最近この地方、Волкова……
ええとこっちだと……お母さんは《人狼》って言ってたっけ。
アレ、出るんでしょ?
途中怪しいのが居て、気になるようなら。
一晩掛かるけど……言ってくれれば、ホントに人狼かどうか【確かめてあげる】よ。
それで逃げてきたんだけど……ニコライさんなら、まあいいや。お代は取引の範囲内って事で、要らないから。
…………あ、でも。
嘘吐けって言うんなら、別の料金取るからね?
[多分、この村の皆は、母が密かに有していた能力は知らないのだろう。
最後だけ。巧く笑えていたか、解らないが。口調だけは軽くなるよう、務めて。]
[神父の言葉は、誰よりも強く、激しく、揺さぶるように。痺れるような、強烈な衝撃を伴って全身を侵食していく。]
傷つく前に。傷つけられる前に
・・・裏切る。
[平坦な口調で言われたことを繰り返した。
嗚呼、自分はよく知っている。人狼とばれたら最後、只では済まされない。平和の名の元に、正義という題目を免罪符に。滅亡するまで追い詰められる。]
[まだ熱の残るパン窯の前で暖をとって]
……まあ、着替えるほうが早いか……。
[ぺいっと上着を脱ぎ、肌着だけになって、着替えを取りに店の2階、住居部へと上がっていく]
[自室でもそもそと、乾いた服に着替えて]
……と、忘れるところだった。
[昨晩拾った、妙なかたちの十字を手に取った。
カソリックのものとは違う、十字架に更に二本が足された意匠]
[――ならば。
例え先に続くのが茨道だとしても。
己の行き先が修羅の世界だとしても。
仲間を死なせないために。己が死なないために。]
神父様。わがっだだ。わしはやるだよ。生きるために。
[世界を赤く赤く。血の色の悪の花びらで埋め尽くしてやる。
浮かべた微笑は、どこまでも素直で真っ直ぐなものだった。場違いなくらいに。]
―― ペーターの部屋 ――
[トレイを慎重に持ったまま、ペーターの部屋へ。
控えめにノックをした後、ゆっくりとドアノブを回した。]
ペーター、寝てるか……?
[静かに声をかけ、中へと入る。
テーブルにトレイを置き、そっとペーターの顔を覗き込んだ。]
まぁ、昨日の今日で疲れも溜まっているだろうし。
今日はゆっくり寝てたらいいと思うぞ。
起きるの大変なようなら、いくらでも運んでくるから。
[そう笑いながら。]
食べ終わった頃に、薬持ってくるからな。
[そう声をかけ、ペーターに背を向けた。]
…………殺さなきゃ、殺されちゃうのかな……。
[ポツリ、寂しげな声が零れる。
明るく楽しい幼馴染みも。
病に伏した少年も。
村の人は、みんなみんな大好きなのに。]
やっぱり、みんな、僕が人狼だって知ったら、殺そうとするの――?
――――――――――爺ちゃんみたいに?
[ふと。談話室の扉が開いて、閉まるのを見て。
思い出した。]
…………!!
羊舎の扉……!
閉めたっけ、私。
[ガタッと椅子から立ち上がる。]
――……店を開けてる意味あるのかなぁ、これは。
[普段ならば、近所の家人がそれなりに訪れる、朝食前の時間帯。
その時間を、閑古鳥の群れと本だけを友に過ごして、溜息を吐く。
ただでさえ村人が減っているタイミングで、この霧では仕方ないこととはいえ]
……いまのうちに、教会、行っておこうかな。
[と、八端の十字に視線を落とす。
カソリックの十字架と完全に異なるわけではない、けれども似て非なる意匠。
その微妙な違いが、奇妙に心に引っ掛かる。全く異なるものならばこうも気にはならなかったろう]
……ん、そうしよう。
[朝焼いたパンを、幾つか包み。
ふと思いついて、もうひとつ包みを用意し、図書館に返す本と共に、袋に入れた]
― 教会内の自室 ―
[小さなベッドに腰を掛け、パメラさんの聖書を手に取った。
表紙は綺麗な宝石で装飾が施されている。
特別に彼女の為に作られたものなのだろうか…記憶を失った彼女が持っていた物。
灯りにかざしてみても何も分かりはしないのだけれど。]
濡れるといけないわね…
[手近な布で何重にも丁寧に包む。
頼りないが、何もしないよりはましだろう。
ふと、積み上げたままになっている本に目を止める。
「噂」からこちら、特に何も変わった様子は無い。だが晴れない霧のように不安は払拭されず、決死隊もいまだ戻らない。]
えぇ、己の身に危機が降りかかるかもしれない・・・そう思ったら人間はどこまでも醜くなれるのですよ。
家族、友人、信じていたそんなものなどいとも容易く裏切る。
ばれれば、死ぬの。
[なおも囁きは甘く、仄く、甘言を吹き込み続けて。
ささやかな微笑に、笑みを深くした。]
・・・嗚呼、そうだ。
[ヨアヒムの寂しげな声にあっさり返事をする。
ヨアヒムが村を、村人をどれだけ愛しているか。たった半年の付き合いであっても、よく知っている。だからこれを言うのは、少し胸が痛んだ。
・・・だけど。だからこそ。自分はどう思われても仕方がない。言わねばならぬことがある。]
ヒトとケモノたる人狼は、決して共存でぎねぇだ。
実際問題、ヨアヒムは生まれてずっと村で生きどる間、何も騒動を起こさながっだでねぇか。
んだども。人狼の噂が流れだ途端、霧の中決死隊まで出して、ヒトは人狼をどうにかしようとしどる。それはまぎれもねぇ事実だよ。
[自分の声に体を震わせるヨアヒムに、言い聞かせる口調で囁いた。]
パメラさんに…
[彼女にならこの不安を打ち明けられるだろうか?
いや…いきなりそんな不安を吐露したら嫌がられるだろうか…
思案しながら、一番詳しい記述がある一冊を先ほどの聖書と同じように布で包む。
二冊を革紐で結び持ち手を作った。]
あ、そうだ。
だ、だ、だけど!言うのがすっかり遅くなったけどな、おれは可愛くなんかないぞ!
[ふとあることを思い出して、慌てて早口で神父から言われた形容詞を否定する。
甘いのは自覚があるから、言及しないままだが。]
-宿屋・談話室-
ご、ご、ごきげんよう。
[配達のために裏口から宿屋に入る。宿に来るのに随分時間がかかった。濃い霧がまるで意思を持って纏いつくような錯覚を覚えて。
いつもの場所に籠を置くと、誰がいるかあたりを見回す。]
霧が酷いだな。
[誰に言うとでもなく呟く。思い出すのは、幼い頃巻き込まれたある騒動。霧霞の村と同じように、不穏な噂が囁き出されたある日。突然村で唯一の出入り口が封鎖された。理由は全然違うものだけれども。・・・状況が似ている、似すぎていると本能が囁きかける。
だが思考が辿りつく先は別のこと。移動が困難なほど霧が濃い場合、宿が避難所として開放される話は養父母から聞いている。自宅で暮らしている者や教会にいる神父やシスターは、一体どうするのだろうか?]
――――――――――――そっ、か……。
[二人の言葉に、僅かに顔を伏せる。
だが、不思議とその口元は、弧を描いていて――。]
…………みんなが殺そうとするのなら、仕方ないよね。
僕は、みんなが大好きなのに――…。
みんなが受け入れてくれないのなら、仕方がない――。
[そう、自らに言い聞かせるように、心の中で呟く。]
[昨日の自分の、羊牧場での行動を一つ一つ思い返す。
ちょっとふてくされながら干し草を運んで、柱の傷を確認して。──そのまま、羊舎を離れたのではなかったか?]
どうしよう……。
まさか脱走はしない、とは、思う。けど。でも。
[羊は従順な家畜だ。いくら扉が開いていたって、脱走などまず試みないだろう。
だが、一匹でも気まぐれを起こしたら皆が追従してしまうのも羊で。
いや、それより何より。]
狼……。
食われたり、したら。
[街道で見つかったという死体の話が蘇る。
慌ただしく自分の食器を片付け、「ちょっと、牧場を見て来る!」と誰ともなしに声をかけてから、バーンと扉を開閉して宿屋を出ていった。]
あはは――うん、そうか。
父さんと母さんの、仇でもあるんだ。
人狼だってだけで殺しちゃうなんて――…。
――――――――――――――――人間って、残酷だね。
―教会―
[霧はますます、濃くなるばかり。
数歩先の地面さえも白で塗り潰された世界を、湿った土を踏んで歩んだ。
この村で生まれ、二十五年を過ごしたとはいえ、近頃では覚えがないほどの濃霧]
……霧のなかに薄っすらと浮かんだのは、荘厳な教会の影だった――って、ところかな。
これが崩れかけの古城かなにかなら、怪物かなにかの一匹も出るのが相場だけど、ね。
[と独りごち、例の噂を考えれば冗談にもならないことだと、首を振り]
――おはようございまーす。
[と、教会の扉を叩いた]
-早朝:自室-
[固く扉の閉ざされた室内。散らかった部屋の隅。
よくよく見ると散らかったものはすべてお菓子の包み紙だとわかるもの。
そんな部屋のベッドの上でまた新たなチョコの包みを剥がし、小さく齧り]
・・・あぁ、これは酷い霧ですねぇ・・・・
[決して外から覗けないような高い位置にある小さな窓の外を見ながら、微かに微笑んだ]
[彼女に話してみようか…そう考えたらいても立ってもいられず、本を抱えると自室を出た。]
神父様…いらっしゃいますか?
[教会内を声をかけて神父様の姿を探す。
出会えたならば]
少し、出掛けて来ます。
パメラさんにお渡しする物があるので…宿まで。
[そう声をかけただろう。]
そうです。
人狼だと知って、自分を恐れる目で見る、殺そうと弾劾してくる・・・そんな姿、見たくないでしょ・・・?
ふふ・・・あはは、はははははははっ
[すべてを嘲る高らかな笑い声は、ただ只管に血に染まっていた。]
…………。
胸の裡は……真っ黒いきもちで、どろどろなんだから。
[本当に悪い事した人は……
そう告げる彼女に、小さく首を横に振った。]
チャンス……?
連れ戻すって……
[父親は生きている?けれど、居なくなったってE?
いや、それよりも――父親とは、不仲なのだろうか?
益々自分と重ね合わせてしまう。]
……談話室で、話を聞いてた限り、お母さんは、この村の人、なんだよね?
[知っているけれど、わざわざ今日初めて知りましたというように確認して]
・・・・
[可愛くないとの反論には、ただ微かな笑い声をもらすだけ。
あからさまにその声には嘲笑の響が含まれていたが。]
それなら、いつまでもここに居るのは、確かに、危ないかもね。
わかった。できるだけ、賑やかな場所へ、連れて行くよ。
できれば、明け方がいいけれど……貴女の用事が、終わるまでは、ここで準備しながら待つよ。
ああ、アルビンさんの売る物は、どれも一級品だから、買い物なら、あの人から買うと良い。
パンは、オットーさんの所で、調達するのを、奨めるけど。
[探す物と買う物、との言葉に、こくりと頷いて。
彼女が部屋を辞すのを、見送ろうとして――]
Волкова……
ああ、人狼。そういえば、そんな噂があるって、言ってたね。
……ピンと来ないんだよね。
私にしてみたら、普通の人間の方が、よっぽど怖いし……。
そうだな、怪しいのか……。
確かめるってのが、良く、解らないけど。
昨日突然、“何の縁も無く”、此処へ来た私が、一番怪しいんじゃない?
……まあ、それは冗談、として。
急に言われても、よく解らないな……
リーザが、自分の目で見て、この人って思った人を、確かめたら、いいんじゃないかな?
……本当に怪しいと、思った人が居たら、教えるけど。
[リーザの“確かめる”という言葉すら、あまり理解できていない様子で、そう返して。
今度こそ、部屋を辞すのなら小さく手を振り見送っただろう*]
[意を決して出掛けようとした矢先、扉を叩く音と声が聞こえた>>144]
はーい。
[この酷い霧の中を誰だろう?訝しみながら扉を開ける。
何かあったのだろうか…]
んだ。仕方ねぇ。
[親が我が子を胸に抱き、その背中を優しく撫でてあやすように囁く。
この言葉で、ヨアヒムが愛する村人を裏切る辛さから逃れられるのだったら。自分はいくらでもそれを言おう。そう決意して。]
ヨアヒムの話聞く限り、両親が二人とも人狼とは限らねぇ。少なくとも祖父はヒトだったことはハッキリしとるだし。
なのに、疑いがあるからって手にかけたヒトを、ヨアヒムが恨むのは当然だよ。
あ、ああ。いって、らっしゃい?気ぃつけてな。
[自分が来たことが分かっているのかいないのか。突然カタリナが慌しく食器を片付けたかと思うと、牧場に行くと言い残して、宿屋を出て行った。
誰に挨拶したのか、そして誰宛に行き先を伝言したいのか。さっぱり分からないが、何となく反射的に挨拶をして、既に姿が消えた先に手を振る。]
もし誰かに聞かれでもしたら、牧場にいっどると言えばええだか。
[独語を呟くと、パメラが用意した朝食を見つけた。目を輝かせて近寄る。]
ちょうど腹減っただし、頂くとするだ。料金はちゃんと払わねばなんねども。
[食器を用意すると、燻製の猪肉以外の品を取って、テーブルに運び食べ始めた。養父母がいると煩く言われるから決してできないささやかな贅沢。]
──霧の中で──
うっ、わ……。
[白い霧が立ち込める一帯。視界は、建物らしき影が何とか見える程度で。
牧場までの方向は身体が覚えているが、これは気をつけないと本当に怪我でもしそうだ。
そろりそろりと、冷たい水蒸気に濡れながら手探り足探りで歩を進める。]
・・・どうせ、これからわしたちの手で村を滅ぼすんだから。今は、わしがやりたいようにやるだげだ。
[楽しそうに笑って呟くのはささやかな本音。]
……僕は、父さんの事も母さんの事も、覚えていないんだ。
まだ、小さかったから。
爺ちゃんは濡れ衣を着せられたって、
人狼を恨んでいたようだけど――…。
………………手を下したのは、人間達なのに、ね。
[その声は、いつしか冷たく冷え切っていて。
琥珀色の瞳は、まるで肉食獣のように爛々と光を湛えていた。]
……神父様は、なんでそんなに僕達によくしてくれるの?
神父様も、人狼なの…………?
[ふと、浮かんだ疑問を素直に口にした。]
〜〜〜。
[神父に笑い声に含まれるニュアンスを正確に読み取って、不安げに真っ赤な頬を膨らませる。
だが次の瞬間、こてりと首を傾げた。]
んだども。なして神父様はわし達の味方をしてくれるだ?なんか喋ってる感じ、神父様は人狼じゃないっぽいし。
[前に起こった騒動でも、人狼の味方をする人間はいた。けれどもそのときは、その人間は、人狼である仲間と自分との秘密の会話に参加できてなかった筈。]
なして神父様は、わし達とこうして話ができるんだろな?
[素直に思った疑問を告げた。]
おはようございます…オットーさんでしたか…
[訪ねて来たのがオットーさんだと分かれば>>154言葉に知らず安堵が混じる。]
えぇ、パメラさんにどうしても渡したい物がありまして。宿まで行こうかと…
[急いで渡す事も無いのだろうが、別の思いつきに心は焦っていた。]
でも、大丈夫ですよ。
見てもらいたい物と言うのは?
[本を抱え直して言いかけた言葉を促した。]
そう、これでもうわかったでしょう・・・?
本当に濡れ衣を着せたのは人狼ではなく、人間。
貴方達は被害者も同然・・・貴方の家族を殺した人間に、報復してやりましょうね・・・・?
[冷たく凍りついた声に満足げに唇を吊り上げて。
人狼なのかと問われるとくすくすと笑い]
いいえ、私は人間。
人間だけど、忘れ去られた過去の遺物。
私を忘れ、見捨てたこの村を憎む者。
そうだったが。
[ヨアヒムに静かに相槌を打つ。
両親を亡くしていることは知っていたけれども、まさか覚えてないとは思わなかった。明るく人懐っこく、自分には羨ましく見えた彼が、そんな境涯だったなんて。]
嗚呼、手を下したのは、自分と同じヒトなのにな。確かに人狼を恨むのはわしも筋違いと思うだ。
……そうだよ。
この村の外にやって来た人狼から、お父さんがお母さんを庇って大怪我したのがきっかけ。
お父さんの怪我が治った後、そのまま駆け落ちしちゃったの。
[尤も、人狼の話を避けた母親が父の容体を「発熱」と説明していた事までは、知らなかった。]
人狼が解るお母さん。お母さんを護るお父さん。
最初は、それでぜーんぶ巧くいってたんだって。
……多分、私が生まれる、2年位の間だけど。
[自分が生まれて母の能力が無くなったと聴いた。
なら。逃避行の果ての蜜月なんて、精々その位の物だったのだろう。]
会話云々は知りませんけども。
[そちらは本当に知らないから素っ気無く答えて]
・・・もしかしたら、副作用かもしれないね・・・
[小さな小さな声は、意識しないと聞き取れないようなもの]
[と。>>150ピンとこないという言葉に。]
……まあ、そうだろうね。
私も結局現物なんて、人間の姿と謝礼の量でしか見た事無いし。
んーまあ……“約束”の相手を占うのも、ばかばかしいよ。
そもそも、此処まで言っちゃったら、ニコライさんが人狼なら、もう手遅れなんだろうし。占うだけ……ね。
[そして。その時はその時、だ。]
……冗談なの?
じゃあ、いいや。……たまに暴発しちゃうけど、それならそれで無理に占う事もないだろうし。信じる信じないは、ニコライさんの自由って事で。
あ、でも。
もし本当にダメそうなら。その時は、遠慮しないでね。その時に死んじゃってたら、ごめんなさいだけど。
[まあ、目の当たりにしないにこした事はないのだが。]
/*どごろで流し読みした感じ、リーザが占い師だか?
・・・初対面なのに、意外と親密度が高くなった相手が占い師と人狼なんて。美味しいな。
/*本名はジグムント:ツォルン(Sigmund:Zorn)でいいかな
シグムントさんなら既にいるけど、simが入ってるドイツ語名がこれくらいしか
うん、これなんだけれどもね……。
[と、懐から八端の十字架を出して、フリーデルに手渡した]
……昨晩、宿からの帰りに拾ったんだけれど。
僕らのとは違うけれど、十字架ではあるみたいだから、神父さんかフリーデルさんなら何か判るかなって思って。
もしかしたなら、噂の怪物はこういう十字を遣うのかもとか……気にしすぎかもしれないけど、ちょっと不安でね。
[と、苦笑して]
[差し出された十字架>>161に目を見張る。]
これ…は…
[そして続く「噂の怪物」と言う単語に、言葉を繋げられなかった。]
立ち話もなんですから…よろしければお入りになりませんか?
[もしオットーさんが頷いてくれたなら、教会の中へ招き入れ、迷う事無く自室へ向かっただろう。]
お、予想が当たっただな。
[こちらに殺しなさい>>*44、と呼びかけた時点で、神父は何となく自分が手を下す側の立場ではない、即ち人狼でないと漠然と考えたことは正解だったようだ。]
嗚呼でも、神父様もよぐわがってねぇんだな。
[そっけない答えを聞いて、あっさり頷いた。]
・・・んだども。何があっだら、遠慮なく言ってけろ。
[注目していたから小さな声を拾って、神父にだけ聞こえるように囁いて、すぐさま話を打ち切る。
・・・尤もこう告げたところで、自分を頼るとは思えなかったけれども。絶対まだひよこ狼って見られているに違いないと勘が囁いている。]
……宿まで?
夜明けに行ってきたけれど、今日の霧、かなり濃いよ。
ヨアヒムやゲルト、カタリナとか村育ち組ならそれなりに歩けるだろうけど……危ないと思うよ。
[どうしてもパメラに、というのであれば]
急ぐなら、僕が宿に届けてもいいけど……。
[と続けたのは、モノを届けるより話が目的とは判るはずもなく]
……
[少女が部屋を辞して]
[少女の言葉を、改めて思い返す。]
[人狼――解る――護る――
名声に繋がる――]
[自分には、わからない単語が多すぎる。]
/*
補修完了(きりっ
しかし、クララは大丈夫なのか。
店番中に本、は当初から決めてたので絡めないのが残念だがしかし、マシントラブルじゃ仕方ないよにゃ……。
[危ないと思う…>>163その言葉を聞けば少し迷ったように]
そう…ですよね…
いえ…でも…私が届けないと…その…意味が無いので。
[普段なら、届けてくれると言うその言葉に甘えもしただろうが、目的がすり替わっている今、曖昧に言い訳をして言葉を濁した。]
急ぎと言うか…その…十字架の事は少しお話した方が良いかと…
[相変わらず歯切れ悪く答え、オットーさんを自室へ案内した。]
ああ、それでいいだよ。
[柔らかい羽毛で包み込むように。ヨアヒムの決断を温かく受け入れる。
たった一つとはいえ、ヨアヒムより自分が年上であるせいかもしれない。自然と気持ちが優しくなるのを感じていた。]
― 教会内の自室 ―
[広くは無い部屋だが、私物と呼べる物はほとんど置かれていない。
小さなベッドと簡素な机。
オットーさんには椅子を勧めると自分はベッドへ腰をおろした。]
その十字架は…遠い北の国で使われていると聞いた事があります。
私も見た事はありませんでしたが、話だけは。
同じ神の教えを説く物ではありますが…少し形は変わっていますよね。
[渡された十字架を、オットーさんにも見えるように八端を示す。]
……?
よくわからないけど……じゃあ、話が終わったなら、宿まで一緒に行こうか?
まあ、図書館とも方向は同じだしね、宿。
[フリーデルの目的は知らねど、村に来てまだ数年では、今日のような霧のなかを歩くのは辛かろうと]
……ん。
[話したほうがいい、という言葉に頷いて]
やっぱり、あれ、何かあるのかな……。
[少し不安げに、首を捻った]
この十字架は…リーザの物です。
この十字架を持つのが…その、「例の怪物」だと言う事は無いと思います…
もしそうでしたら、北の国は既に滅んでいないとおかしいですから。
[冗談めかして笑う。
…上手く笑えただろうか…?
リーザの名前を出して、どう思っただろうか?
不安な気持ちで彼の反応を待った。]
はい、行ってらっしゃい
[外へは出ていないが、外出するというフリーデルの声は聞こえていたので返事だけはする。
と、暫くした後、再び中へ入る音が聞こえて。]
・・・あとあの声は・・・こんな朝からご苦労なことで・・・
[特に気にした様子もなく、またチョコを齧って]
― 図書館 ―
[首筋をすぅっと冷たい風が通り抜けたような、そんな冷たさを感じて
私は閉じていた眸をうっすらと開きました。
元来根を詰めすぎるきらいのある性分なせいか、寝食を忘れて仕事に没頭し、そのまま眠りについてしまったのでしょう。
閉じた窓硝子の向こうから乳白色の霧にまぎれて届く朝の陽光に、ぼんやりと焦点の合わない眸を幾度か瞬きます]
………くしゅん。
寒いと思ったら、薪消えてる。
[ぱちぱちと爆ぜる音を微かに響かせていた暖炉の火はいつしか消え、
今では冷たい灰のみがそこにありました]
― 自室:203号室 ―
[元々あまり解いていない旅荷は、直ぐにまとまった。
それでも。サイドボードに、占い道具の水晶の振り子――それと解らないように、母親が首飾りのようにあしらってくれた物だ――を置き、見つめる。]
……本当は、この村で幸せになる方が、お母さん喜ぶんだろうけど。
ごめんね。お母さんほど、お父さんの事、甘く見れないんだ。
[共に旅をした期間の違いだろう。母にはどうやら、自分の知らない蜜月の間の父にしか、見えていないらしい。
母が其処に居るかの如く、話し掛ける。]
今何時かしら。
もう宿が空いている時間だと良いのだけれど…。
[空腹を訴えるお腹をそっと撫でて、窓の外を見つめます。
宿に行けばなんらかの食事にありつけるのが常の事でしたから、
掛けておいた外套を羽織ると外へ出ようと図書館の戸を開けて――]
……リーザ……って、……あの子の?
[エリーザベトという名と、愛称形が結びつくのに半瞬空いて]
……ん、そうなんだ。
……もしかして、改宗したのかな……?
[ぽつり呟いた言葉にかかる主語は、エリーザベトでなく、その母親。
かつて村にいた頃は、普通に、この教会にも足を運んでいたような気がするが]
……はは、まあ、そうだね。
北の国が滅んだっていう噂は、あんまり聞かないね。
[続いた言葉には頷いて、やや硬く笑った]
[きょろきょろと辺りを見回すオットーさん>>170に、いきなり部屋へ招き入れられたら困惑もするか…と思わず苦笑いする。
誰にも邪魔されたくなかっただけなのだけれど…他に良い場所が思いつかなかった。]
ふふ…
[悪魔崇拝者の物、と言う言葉には思わず笑みが零れた。
彼もまた、不安なのだろうか…]
わ、あ……。
[世界が真っ白に染まると言うのはこの事を謂うのでしょうか。
窓硝子越しに見たそれとは違う圧倒的な白に、
思わず感嘆とも驚愕ともしれぬ声を一つ洩らして]
……こんな霧、初めて。
[今迄見たことのない濃霧に、ふるりと身が震えてしまいます]
なんだか、
こわ、い……。
[誰に言うでもない呟きすらも飲み込んで、
霧は村を――そして世界を真白の闇に包み込んでいたのでした]
──小さな羊牧場──
あ゛ーっ!! やっぱり開いてたー!!
[牧場に着くやいなや、飽きっぱなしの羊舎の扉を確認して叫ぶ。]
[大声を出してしまった口をハッと塞ぐ。これ以上羊を驚かせないよう、ゆっくりと羊舎の中に入った。]
中だと霧がマシだな……。
とりあえず喰われてはないよな……良かった……。
全員居るかー? 1 2 3 4……
[母羊と子羊を順に数え。]
じいちゃん達が売りに行った雄の子羊が…で……だから残りの数は……
…………一匹足りない。
[慌てて、もう一度数え直す。でもやっぱり一匹、子羊が足りない。]
あああああああ、どうしよう……!
[今度こそ羊舎の扉をしっかりと閉めて、子羊の捜索にかかる。]
[それでも此処にこうしてじっとしている訳にもいきませんから。
図書館の施錠を確りとし、ランタンを手に宿へと向かいます。
ランタンの淡い光が霧に反射し、常であればそれはとても美しい光景だったでしょう。
だけれども深すぎるそれは、美しいと思う以上のなにかを私の心に訴えてきます]
…………。
[言葉少なに。
私は歩きます。
だれにも見つからぬように。息をひそめて、そっと。そっと――]
― 宿 ―
[白い闇の向こうに、ぼんやりとした明かりが見えました。
宿だ、と。
反射的に走り出したくなる気持ちを押さえ、堅実に歩みを一歩ずつ進めます]
……はぁ。
[唇からは無意識に安堵の吐息がこぼれ落ちました。
自分でも気付かぬほどに緊張していたのでしょう。
宿の明かりは、まるで真っ暗な中に燈る蝋燭の灯火のように。
じわりと心に沁み入り、そしてそれは私の心に安息を齎すのでした]
──霧の中で──
[野菜くずを入れたブリキのバケツを掲げ、木の枝でカィンカィンと打ち鳴らす。
野菜などの餌は、いつもこのバケツから与えるようにしている。
このバケツに餌を入れて見せびらかせば、羊がついてくるので山の草地まで誘導できるという仕掛け。
山の草地に行けない今の季節はあまり使っていなかったが、子羊は音を覚えているだろうか?]
出ておいでー! ごはんだよー!
[遠くへは行っていないと思いたい。この霧の中、一体どこに行ってしまったのだろう。]
[ふっと、軽く息を漏らして]
……じゃあ、昨晩、フリーデルさんたちが宿に送っていったときに落としたのかもしれないね。
そうしたら、それをリーザに届けるっていう、宿に行く用事が僕にも出来たことになるんだけれど。
[と、笑んでみせて]
ま――……霧もそうだけど、例の噂もあるからさ。
本当にそんな怪物がいるかは兎も角、用心するに越したことはないから。
もし嫌じゃなかったら、宿までエスコートさせてくれるかな?
[冗談と心配を、7対3くらいの割合で入り混じらせて]
[朝食は誰が用意したのか知らないが、絶品だった。舌鼓を打っていると、そこにゲルトがやってきて、”自分も食べたい。”と羨ましそうな声をあげる。]
あ、ん。えと、まだ十分あるだで。え、遠慮せず食べるとええでないが、な。
[突然話しかけられて、しどろもどろになりつつ答えれば、ゲルトは大喜びで食事の用意を始める。
ホッとしたのもつかの間。何故かゲルトは自分の席の隣に座って、ねぇねぇと珍しく親しげに話しかけてきた。]
あ、あ、あの。一体、何のようだ?
[普段寝てばかりいるゲルトとは、活動時間の違いで馴染みがない。おまけに自分から進んで隣の席に腰を下ろすのは、神父ただ一人だ。焦っていると、ゲルトは声を潜めて話しかけてきた。どうやら人が減って、誰でも良いから話ができる相手を探していたらしい。]
「ねー。人狼の噂が出て、決死隊が組まれたの、知ってるでしょ?」
[直後に寝てしまったから、自分の不用意な一言が決死隊結成のきっかけになっているとは露知らず。ゲルトはなんだか嬉しそうな顔をしている。]
あ、ああ。無論知っどるだよ。それがどうしただか?
[途端に動悸が激しくなる。真似をしてゲルトに囁き返すと、得意げな返事が返ってきた。]
「へへっ。実はさ。噂と直接関係あるかどうかは、これから確認するんだけど。怪しげな動きをしている人、知ってるんだ。」
[ゲルトの言葉は思いがけないものだった。]
えぇ、あの…お母様と一緒に来た…
ほら、昨晩お会いした時に一緒だった…
[僅かに開いた間>>177に説明を加えようとしたが、すっかりリーザと言う呼び名が自分の中で定着してしまっていて、名前がすんなり出てこない。]
お母様は、改宗されてはおりませんよ、恐らく。
彼女が、そうなのかと。
リーザが…そのような事を言っていましたから。
[昨晩の夕食の席で、【ヨソモノ】と言う言葉で説明した彼女の様子を思い出す。
しかし、ここでその言葉を使って話す気にもなれなかった。]
…えぇ…
[冗談のつもりだったが、予想以上に硬い笑いが返ってきて、思わず俯いた。]
― 宿・玄関 ―
[こつ、こつ、こつ。
控え目にだけど伝わるように、扉を叩きます。
霧の中を歩いてきたせいか、すっかり湿ってしまった前髪を指で伸ばしていると、
扉の向こうから馨るそれに、くぅっとおなかが鳴ってしまいました]
……あぅ。
[耳まで瞬間的に赤く染めて、恥ずかしさのあまりこつんと扉におでこをつけてしまいました。
早く食欲を満たしたいと訴えるお腹を宥める様に一つ撫でて。
もう一度響くのは、こつこつこつと叩く扉の音]
/*
およ、これはもしや、ヤコブ狼?
それともゲルトからのニコラス告発?
実はリーザのストーカー立候補がなければ、ゲルトに目撃させて脅させるつもりでした。で、ゲルトの死後ニコラスを疑わせる方向へ持っていきたいなと思っていて。
な、なん・・?
[焦ってがたりと椅子から立ち上がったとき。宿の玄関をノックする音が響いた。]
「おっと、誰か来たみたい。話の続きはまたあとでね〜。」
[ゲルトは思わせぶりなことを言うと、客を出迎えるためだろう、さっさと立ち上がって玄関に向かっていく。]
ちょ、な?!
[引き止めることもできず、ただおろおろしてしまった。]
-宿屋・玄関-
「おはようございます!ようこそいらっしゃい!レジーナお姉様の宿屋へ!」
[ぱぱーんとファンファーレが出るような歓迎ムードと共に、ゲルトは扉を開けてクララを出迎えた。]
[開いた扉から覗く幼い顔に、きょとんと見詰めてしまいました。
自分にはない金色の髪の愛らしい少女と対面したことはこれが初めてでしたが、
彼女の生い立ちについては噂程度にだけ聞いたことがあります]
えぇと……、おはようございます?
[だけど、名を問うよりも先に口をついたのは朝の挨拶の言葉で。
自分の語彙の少なさに苦笑しつつも、促されればほっとしたように宿の中へと身を滑らせました]
あぁ、そうです。エリーザベト。
[名前を言われれば>>191すっきりしたとばかりに大きく頷いて答えた。]
そこまでは分かりませんが…
[彼女の父親の事については詳しく知らない。]
あ、いえ…
[なぜ謝られたのかピンと来ず、曖昧に言葉を埋める。
だが、彼がリーザの母親について話す時、僅かにだが纏う雰囲気が変化するのは何と無く感じていた。]
[宿に行く用事ができた>>186と言われれば、その心遣いに感謝する。]
助かります…さすがにこれだけ霧が濃いと不安だったもので…
[だが、例の噂、と言われれば表情を固くして]
怪物…見た事ありませんよね…オットーさんは…
[彼がこの村で生まれ育ち、村を出た事が無いと言う事は知っていた。
つい、自分は見た事があるような言い回しをしてしまった事には気づかず]
エスコート、お願いしますね。
[そう言って笑った。]
[ゲルトの背中を見つめつつ、深呼吸をしてから。極力冷静に聞こえる口調を作って、仲間に囁きかける。]
・・・おれだ。今宿屋の談話室にいる。
ゲルトが怪しげな動きをする人物を知っている、と言っている。例の人狼の噂と関係あるかどうか、本人も確信はもててないようで、これから確かめるとか言っているが、奴には気をつけた方がいいかもしれない。
おれも注意している。
[尤も、その割りに早口大会で優勝を狙っているかというくらい、凄いスピードで一気に喋った。]
[身を滑らせたところで、どたどたと騒がしい足音が聞こえました。
談話室からこちらに向かってきたのでしょう。
少女と同じ金色の髪の青年――ゲルトさんの姿が見えます]
――……っ!
[うそ、と口の中で小さく呟き、
慌てて霧で濡れた髪を手櫛で梳いて。
こわばった笑顔――自分では精一杯の微笑み――を浮かべました]
/*そんな訳で、ゲルトの襲撃理由らしきものを提示してみただ。どうやら談話室にいるのが自分だけっぽかったんでな。
もし他に何か計画立ててたら、申し訳ないんだけんども。
/*単にゲルトの話を中断させるためにクララの出迎えに行かせただが、そういやクララはゲルトと縁故設定していたっけな。
(すっかり忘れていた奴。
『霧凄い中お疲れ様。寒かったでしょ? 今日、パメラがあったかいスープ作ってくれてるから、遠慮なくご飯食べてっちゃいなよ。』
[>>199……面白い。ほっぺたが髪の色になってる。
間延びした声が少し上ずる様子は、もしかすると……とは、思うのだが。口を挟むことなく、見守っていると。]
『というかさ。クララさんもしばらくは、此処で寝泊りしちゃった方がいいかもよ?
……ほら。例のあれ。人狼がどうとかって話。クララさんが図書館に居る間に、ついに決死隊>>0:#4がどうこうって話になっちゃったんだから。』
[……ん?
細かな単語までは解らないものの。ゲルトの口から【人狼】という言葉が出た事に、違和感を覚えた。]
一人称ト書きって、なんか慣れてくると変な面白さが出てくるんだけど、
キャラに慣れるまでは微妙な違和感がちくちくなのよねー。
はやくクラリンになれなくっちゃ!
まあ、慣れる頃には死んでるだろうがな!!
/ただいまです、ホテル着。コアずれというか、時差ずれすみません。
あ、クララさんがいらしてる、よかったー。
一人称のト書きがとても綺麗で素敵、
そしてかわいい・・・!
― 朝 客室105 ―
…………いっけね、寝過ごした……。
[ごしごしと瞼を擦る。
二度寝の影響か、明け方というには少し遅かった。]
[窓の外はすっかり明るい――というよりも]
[けれども。
二人とも、此方の眼差しには気付いていないのか。やがて。]
『まあ、でも。多分、大丈夫だと思うけどね? だって、ボク……ああゴメン。それどころじゃないか。
ほら、入って入って! 風邪引いちゃうよ!』
[そう言って、クララの手を軽く取って談話室へと導くゲルトだったが。
少女は、その二人の姿を、玄関先でじっと見つめていた。
……確か彼は、逆にその存在を否定していたはずなのに? ここで何故、その話で彼女の心配をするのだろう……?]
…………っ!!
[ばん、と窓を開ける。
昨晩よりも、更に霧が深くなっていた。]
……白い、闇……。
[“あのとき”と同じくらいの、濃霧。
あのときは、奇跡的に森を抜ける事ができたけれど――]
あのときから、更に地形が変わった森を、リーザを連れて……出られる?
私だけならいい、だけど……
[計画の中止を、告げなくてはならない。
気が、重かった。]
― 廊下 談話室近く ―
[リーザは、まだ客室にいるだろうか――
言うなら早いうちがいい。
二階へ上がろうとしていると、談話室の近くから声が聞こえた。]
リーザは、あっちか。
……聞き慣れない声もするけど……
[声のする方へと向かう。
そこにはリーザと、赤毛の女性と金髪の青年の姿があった。金髪の青年は、談話室で見たような気がするけれど、喋っているところは、ここへ来てから初めて見た。]
少女 リーザは、楽天家 ゲルト を能力(占う)の対象に選びました。
/*
よぉし、どうにか疑いまで繋いだ!
後は、他の占先候補見つからないようなら、ゲルト占いでセットでOKだろう!
と言うワケで、一旦セット。
皆さん、おはようございます。
……こちらのお二人とは、初めましてですね。
ニコラス・フライハイトです。
[リーザ以外の二人へ、ぺこりと頭を下げ]
エリザヴェータさん、すみませんが後でお話したい事が……
[少女の方へ振り返り、話の約束を取り付けようとしたその時――]
「へぇー、ニコラスさんっていうんだ。僕はゲルト。
夜霧の中のお散歩、楽しかった?」
…………!!?
[ゲルトと名乗る青年が、口を開き]
……何の事、ですか?
「あれ?あれあれ??
言っちゃまずい事だった?
それとも、僕の気のせいだったかな?
まあいいやー、よかったら後で旅のお話とか、聞かせてよ。」
[そこで、ゲルトとの会話は途絶える。その後ゲルトは、赤毛の女性やリーザとの会話を暫し楽しむか、宿の外へと出て行くか……いずれにしても、旅人は、ゲルトの動向を確かめる事はできなかった。]
…………。
[旅人は、暫く言葉も発せず、談話室の前で凍りついたように立ち尽くしていた。
前髪の下の顔色は、ひどく青白いものだった。]
あ、うん……。
ゲルトさんがそう謂うなら…お言葉に、甘えよう、かな……。
[だんだんと声が尻つぼみになっていきます。
泊っていきなよと心配しくれる気持ちは嬉しいけれど、
ゲルトさんと同じ屋根の下でだなんて、ドキドキしすぎてきっと眠れなくなってしまうでしょう。
だけど彼が続けて発したもう一つの言葉は、そんな乙女心を吹き飛ばしてしまうもので]
……ゲルトさんっ。
[子供がいる前で口にしてはいけないと、唇の前で指を立てて、小さく首を左右に振りました]
[私の言葉など、彼は意に介したところはなく。
いつもの明るい調子で「ごめんね〜」なんて笑いながら、私の手を引いて談話室へと導いてくれます]
………。
[常ならば心躍る出来事でしょう。
だけど。
旅人だろう青年?と、此方を見つめる少女から視線が気になり、その姿が見えなくなるまで目をそらせずにいるのでした]
/*
ファンタジー路線で書いていて、途中で「ハッ、これ駄目かも」と気づいたというていたらく。
村側バレバレだよなあこれ……。狼なら、狼の能力の一つ、とか理由つけられるもんなあ……多分。
早い目にPL視点狩人COしなきゃ……。
[すぐにゲルトのあとを追えばよかったのだろう。だが、客が来ているという事実でためらってしまった。
もし見知らぬ相手だったら?いや、その可能性の方がずっと高い。馴染みのある村人なら、わざわざ扉をノックするわけがないのだから。そう思うと、どうしても勇気が出せなかった。]
・・・。
[もそもそと食事の続きを口にする。妙に味を感じられなくなっていた。]
― 宿・談話室 ―
[ゲルトさんに手を引かれた侭、まるで逃げるみたいにして談話室へ入りました。
中には一人先客の少年がいて、慌ててぺこりと会釈をします]
えっと……ヤコブくん、ですよね。
お食事中に慌ただしくお邪魔してごめんなさい。
[未だ手は繋いだままで気恥しかったけれども、
自分からゲルトさんの手を外すなんて事は出来そうにありません。
また顔から火が出そうなくらいに熱を感じて、はぅ…と小さくため息をつくのでした]
[――――見られてた……
それも、談話室の傍という、大勢に聞かれかねない場所で、ばらされた。]
[ゲルトがクララと共に談話室へ入った後も、動けずにいた。]
/*
うん、まあ。ファンタジーと言うか……
・山の中で濃霧、って時点で、脱出するの相当めんどくさくなるだろうと思っていた(羅針盤の普及っていつ頃だ?)
・そもそも騒動がメインなら、とりあえず場が閉じれば大丈夫かなぁと思っていた
……かなぁ。
濃霧そんな何日も終日続く事あるかなぁ、という疑問はあったけど……
どう考えても毎回騒動よりも【その後の復興の方が大変そう】なんだもん……(めそらし
[心ここにあらずといった風情でフォークを齧っていると、突然話しかけれられた。]
あっ!?ど、ど、どうも。ごきげんよう。
[勝手に頬が赤くなる。がたりと椅子を鳴らして立ち上がり、直立不動の姿勢からきっちり頭を下げる。
自分は本を読まないが、養母が本好きで、よく図書館に本を貸し借りに行ってるから、クララの顔は覚えている。尤も会話はほとんどせずに、用事だけ済ませるとすぐ図書館を飛び出るのが常だったけれども。]
・・・。
[顔を上げると、ゲルトとクララが手をつないでいる。何となく邪魔しない方がいいかも・・・と咄嗟に判断して、ほとんど食べ終わった食器を持ち上げた。]
んだば、わしは食器片付けてくるだー。ご馳走様。
[こうしてゲルトが座っている隣の席は両方空いた。]
ごきげんよう……?
[この年頃の少年にしてはとても丁寧な挨拶に好感を覚えて、くすくすと笑みを零してしまいました。
隣のゲルトさんは、
「女の子の前だからって大人ぶっちゃってー」
なんてからかう言葉をかけたりして、やんちゃな男の子の兄弟ってこんな感じなのかしら?って、
ほほえましく見てしまいます]
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