情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
人里に身を潜めながら、夜毎人を喰らうという恐ろしい人狼。
幾つもの村を滅ぼしてきた狡猾な化け物の噂が、遂にこの地にも訪れた。
震え上がる者、馬鹿馬鹿しいと一笑に付す者、そして…。
様々な思惑を余所に、人々は話し合いのため集うのだった。
1人目、薔薇園芸家 ローゼンハイム が参加しました。
薔薇園芸家 ローゼンハイムは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
平成22年2月22日 ザ・猫の日!!
いよいよ「ルー・ガルー戦記 2」開幕です。
参加してくださいます皆さん、支援者の皆さんのご多幸を願いつつ。
熱血村らしくホットスタート、といきたいところですが、まずは恒例の業務連絡から。
■業務連絡 /履歴書
入村したら、メモにて、キャラクターの【履歴書】の添付をお願いします。
現在位置や、参加状況などは適宜、上書きしてください。
□名前
□役職
□設定
□現在位置
□参加状況(コアタイム/ 接続状態)
□その他、連絡事項など
■業務連絡 /進行について
48時間間隔/24:00更新。
発言は24時間ごとに回復(+1500pt)します。
◇プロローグの間は囁き(共鳴・天魔・狼狂)は使えません。
◇第一日目スタートは、2/24(水) 24:00=2/25(木) 00:00です。
◇第二日目(2/27〜28)の吊りはNPC、襲撃はなしです。
ただし、体調不良などによるリタイヤ希望があれば応じます。
◇第三日目(3/1〜2)以降は、前半24h/後半24hに分けて、前半で墓落ち2名を多数決で決めます。墓落ち選考の集計結果は、天の声で発表します。
落として熱血になりそうなところ狙いが基本ですが、クライマックスに残しても熱血できそうにないとか、連鎖的に誰かが熱血展開できる等でも可。自薦も可。
◇墓下は、雑談するでも、RP続けるでもご自由に。
◇エピ突入後、各自の結末(エピロール)を適宜、落としてください。天の声での終幕宣言は適当なとこで行いますが、エピロールはその後に行ってもOKです。
■業務連絡 /役職について
◇現在、選択可能な役職は「共鳴・首無し騎士・天魔・囁き狂人・村人・賢者」となっていますが、これ以外での役職を希望の場合は、wikiの参加CO欄に希望を明記してください。気づき次第、対応します。
◇入村後での役職希望変更は、一旦、村を出なければできませんのでご注意ください。
◇天魔を襲撃することはできません。
天魔は占われると溶けます(占い職がいる場合はセット注意)。
また、天魔は人間カウントされません。
◇囁き狂人は、天魔生存中のみ人間カウントされます。
■業務連絡 /注意事項
◇白ログ・囁きログでの、中の人発言・AA・顔文字などは禁止です。既存作品のパクリや内輪ネタもご遠慮ください。(墓下・独り言は著作権の範囲内で自由にどうぞ)
◇囁き役職は、囁きログを読まなくても、ストーリー全体の流れに支障がないよう心がけてください。
囁きそのものは、キャラ同士が離れた場所にいても使用可能です。
◇描写レートは「一般」です。過激にならないように。
◇相手の行動や感情を描写する「確定ロール」や「不在時動かし」は、なるべくしないよう注意しましょう。(メモ等で相手がOKしている場合を除く)
◇熱血してください。また、他キャラの熱血を盛り上げる手伝いをしてください。
ただし、どれだけ熱くなっても、中の人への暴言・誹謗中傷などは禁止です。白ログで殴り合っても、メモでは優しくフォローしあいましょう。
その他、通常の完全RP人狼村のマナー事項に準じます。
■業務連絡 /記号について
□――場所 (必要に応じて、時刻)――
現在位置です。移動した時は必ず提示するようにしましょう。
□[説明]
小説でいうところの地の文に相当します。[ト書き]内の自分のキャラの名前は ... で省略しても構いません。
□発言**
リアル退席の意味。メモでも接続OFFを表示すると、わかりやすいです。
□「発言」
NPCの発言を描写する場合に使用します。
以上は、通常のRP村での一般的な記号ですが、この村では以下の記号も使用可とします。
■業務連絡 /記号について 2
□発言//
連投した後などに、発言は一区切りしたことを示すときなどに使用します。この記号がまだ示されないからといって無理に発言を控える必要はありません。割り込み上等です。
□発言++
連投中につき反論を待ってほしい、の意味です。相手の発言を制限することになるのでご利用は計画的に。あまりに続きが投下されない場合は、寝落ちと見なして先へ進めてもOKです。また、別のシーンにいるキャラは、通常どおり発言を続けていて構いません。
□。oO(発言)
内面描写に使用できます。
これらの記号は、必ず使わなければならないのではなく「使ってもいい」扱いです。臨機応変に対応をお願いします。
その他、独自記号の使用については、メモ等で提案してみてください。
―― ルー・ガルー戦記 2 序 ――
ハルヴ・マーン王国の南方に開けるのは、いまだ海賊が闊歩する無法の海。
交易船や巡礼船は、略奪と嵐の危険にさらされつつ漕ぎ出すしかなかった。
陳情を受けたハルヴ・マーンは、王国の威信をかけて海賊征伐に乗り出す。
片や、海賊たちも、自由を守るために立ち上がった。
人は、戦火の中で何を思うか。何を残せるのか。
2人目、御曹司 ステファン が参加しました。
御曹司 ステファンは、天魔 を希望しました(他の人には見えません)。
―いつかの夜、地獄の入口付近の海原―
[それが現れるのは、いつも唐突な一瞬である。
周囲の空気が僅かに揺らいで――予兆としては、本当にそれぐらいしかない――真っ黒な虚空に、一つの影が現れた。
赤いネクタイにシンプルなベスト。夜風に揺らぐ淡い金髪から覗く翠の瞳の輝きはむしろ純朴なそれ。
手に持った一本の黒いステッキは、王国の紳士が己の地位を誇示するために持つような――つまりシンプルで、上品なもの。
どこからどうみても上流階級の御曹司にしか見えない青年は、どこか気取ったような響きを含ませた溜息を吐く]
気配をたどって、久しぶりに浮かんでみたけれど。
どうやら一波乱ありそうだと、期待してもいいのかな?
[ステッキで肩を軽くぽんと一叩き。
お伽噺にあるような、美しい光の魔法陣も、朗々とした呪文も一切伴わず――青年は虚空より姿を消した。
それが消えるのも、いつも唐突な一瞬。だから周囲の人間は、誰も気がつく事が無い。意識せずとも青年は、この海の底に――底を突き抜けた先の『異界』に――生きる魔物の力を手に入れた時から、『息を殺して』時を過ごしてきた。例え周囲でどれだけの悲劇が巻き起こり、どれだけの混乱が起きようとも]
―コルト―
[地方の統一国家、ハルヴ・マーン。
政治などには興味がない。興味があるのは力の無い人間達が引き起こす争いのみ。
並ぶ船と、港に満ちる喧騒。全くいつも通り――つまり、以前此処に訪れた時と雰囲気は全く変わっては居ないのだ。どの店がつぶれてどの船が新しくなったかなどは、彼にはあまり興味がない。
上流階級の御曹司。
そんな装いをした青年は、気取った鼻歌を詠いながら、港の雑踏の中を歩いている]
3人目、海賊王 ゲオルグ が参加しました。
海賊王 ゲオルグは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
もうすぐルワージュからの船団がこのあたりにやってくる。
財宝を山と積んでどっぷり沈んだふとっちょ羊の群れだ。
こいつらをちょいと締め上げれば、宝も酒も好き放題だぜ。
抜かるなよ。ハルヴ・マーンの連中を出し抜いてやれ!
4人目、銃士 リヒャルト が参加しました。
銃士 リヒャルトは、首無騎士 を希望しました(他の人には見えません)。
―― コルト郊外 / 軍の演習場――
[遠く海を眺めるコルト郊外の丘陵にあるハルヴ・マーン軍の演習場。
台の上に乗せられているのは、遠目にもよく目立つ黄色のカボチャだった。
ちょうど人の頭ほどの大きさのそれに、海賊船の戯画を描いたのはリヒャルトの悪戯心である。]
[ホイッスルが響き渡る。
リヒャルトはフリントロック式のマスケット(前装銃)を持ち上げて、軍の支給品とはいささか装飾の異なるその銃床を肩に当てた。]
[ひと呼吸おいて、トリガーを絞る。]
――――パァン
[乾いた音とともに、慣れた反動を感じる。
視線の先で、カボチャが破裂し、後方の観覧席から小さく歓声があがった。]
メインマストを狙ったんだけど、吹っ飛んでしまったなぁ。
[緊張とは無縁のリヒャルトは人なつこい笑顔を見せる。
「弾込めぃ!」の号令に、その場に膝をつき、黒色火薬の煙が漏れる筒先を拭掃すると、次の弾を装填した。
背後のざわめきが、期待を込めた沈黙に取って代わられる。]
[台座の上に、新たに置かれたのは、大人の握り拳ほどのオレンジ。
これも、初弾で当てた。
こんな芸当ができるのは、ハルヴ・マーン軍でも千人に一人いるかどうか。
先程よりも大きな歓声と拍手に、リヒャルトは優雅に敬礼した。]
5人目、船乗り見習い ハンス が参加しました。
船乗り見習い ハンスは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
―シグ・数刻後―
[シグから、黒い帆を広げた巨大な海賊船が、悠然と出航していく。その周囲を犬のように追いかける、数艘のガレー船。
旗艦・シュバルツルックスの船首に陣取って、海賊王は陽光に煌めく海面を遙かに見透かす。
その足元には、小さくあくびをする黒い猫。]
6人目、神の子 シメオン が参加しました。
神の子 シメオンは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
―神の島・ストレラの東側にある神殿・夜明け直後―
[神殿の前では、沢山の巡礼者が海に向かって、熱心に祈りを捧げていた。
今朝は、三月に一度行われる礼拝の日。この島から朝日を拝むと、死後天国へ転生出来るとの伝承を信じた人々が集っているのだ。
この地には、人々が信仰の根拠とする、神聖な空気が確かに存在していた。
特に、絶壁の近くに建てられたこの神殿で夜明けを迎えると、その光景の美しさに、ほとんどの者が言葉をなくす。海へ黄金色の光を投げかけながら太陽が顔を出せば、誰に指示されなくとも、皆恭しく頭を下げてひざまずき、目を静かに閉じるのであった。
また、この神の島では、礼拝の朝は天気が崩れた事はなく、必ず晴れて日の出を見られるとの伝承もあった。
そして近年、この島を訪れる巡礼者が増加したのには理由があった―]
[…しゃららん。
突然澄んだ鈴の音が高く鳴り響いて、巡礼者達は一斉に顔を上げた]
「ついにあの方がいらっしゃるぞ!」
「この目で拝める日が来るとは…何て幸運なんだろう」
[あたりに緊張が走り、神殿の入り口に視線が集中する。
間もなく優雅な歩き方で、一人の人物が登場した。黒い服を身にまとい、長い銀髪を揺らしながら、赤い瞳には優しそうな微笑を浮かべ、左手に細身の剣を下げている。
この神の島にある古い神殿に仕える神官の中で唯一、「神の子」と呼ばれるシメオンだった。
全く体重を感じさせない、まるで蜘蛛の糸の上か、水面を進んでいるかのような足取りで、神殿の前に設置された舞台の上に進む]
― キャリコの港にて ―
[一人海を見るめるハンス…。誰かを待っている様子]
親方はまだだろうか…。僕一人で海に繰り出すのは、まだ未熟なのだが…。
でも親方…。そういえば昨日も顔色が悪かった。無理をしているのだろうか…。
……。
[そこで表情を引き締め、右手を軽く上げれば。それだけで、ざわめきはぴたりと止んだ。
あたりを見回して、皆が静まり返った事を確認したのち。...がおもむろに剣を抜き、刀身を天にかざす。磨いた水晶の如く、透明に光るそれに、おおーっと驚愕の声が上がった。
しゃらららん。しゃら、しゃら、しゃんしゃん。
再度鈴の音が鳴り響く。...は、それに合わせて、剣を振りながら舞い始めた。
始めはゆっくりと。だが、次第に動きは激しく、力強くなっていく]
「……」
[人々が固唾を飲んで見守る中。10分ほど剣舞を披露した...は、鞘に剣を収ると、静かに一礼をして立ち去った]
村建て人です。
初日、閑古鳥だったらどうしようかと思っていたのですが、ぼちぼち入ってきていただいて、ありがたき幸せ。
え…また赤ログ陣営やるのかって? (爆
当初はハニーともども、村人で入る予定だったんですが、意外と狼希望がいなかったので。
新規役職とっちゃっていいのー? と思いつつ。
「人前では手話を用いて全く喋らない」>シメオン設定
なんという寡黙への胸腺www
これもRP村ならではの試みだな!
期待してるよ。
実をいうと、海戦ものはあまり詳しくないので、キャラクター選定に悩みました。
案1 フリーランスの医者
案2 少年軍師
案3 狙撃兵
で、せっかく銃が登場しているのだから、案3でいこうかと。
クール系の狙撃手はTRPGでやったことがあるし、前回が自分を押し通す男でしたから、今回は人なつこい感じを目指します。とか言いつつ、一筋縄ではいかない設定にするのがわたしの好みなので、プロローグで一旦、逆境に叩き落とすつもり。
軽くヤサグレてみるかもしれませんが、基本は自己肯定派のキャラクターなので、底辺からの成長を描き、うまく他のPCと絆を結んで、盛り上がる展開を目指したいと思います!
規律よりも、自分が必要とされていることが大事なので、人間関係によっては、海賊側に寝返りもあり。つーか、むしろそういう葛藤がほしい。あと、狙撃合戦したいな。
[海を見ながら親方のことを、考えてるハンス]
今日もコルトへの船旅だよな。ただでさえ海は荒れているし、海賊も出て大変だしな…。
でもこんなに時間がかかってるのは、なぜなんだろう…。
親方に何かあったのかな…。
[親方が来る前に、船の準備をするため船に向かうハンス]
/*
深淵の魔物とかあきはしさんこーゆーの好きですねみたいな。
傍観者でありつついやーな奴みたいな立ち位置を狙っていきたいものです。あくまでも目標。
[教官の困惑を尻目に、リヒャルトは即答する。]
お受けします。
ただし、こちらにも条件が。
[将の目を見て、軽く微笑む。]
――見事、命中させました暁には、我が《海猫隊》にワインを10樽、賜りたく。
「いいだろう」
[賭けの成立に、場は浮き立って和やかになった。
リヒャルトは射撃位置に戻り、件の黒胡桃が台の上に置かれるのを見届ける。
装填を終えた銃身はほどよく冷めていた。これならば、狙撃に耐えうる。
脇を締め、呼吸を緩やかに、平にしてゆく。
心臓の鼓動さえも制御できる気がした。
針を落とすように軽く、指が撓る。]
――――ザップ!
[発射の瞬間に、命中のイメージが飛び込んでくる。
理屈を説明しろと言われてもわからない。ただ、撃った瞬間に当たったのがわかる、そういうことがあるのだ。
天性の狙撃の才能、といわれればそうなのかも知れない。
そして、予見は外れることなく、黒胡桃の実は粉々に砕け散った。]//
― 交易船 船内 ―
[甲板の掃除を終え、操舵室にきたハンス。ひらひらと一枚の紙が落ちる…]
親方すいません。あ!!
紙はなんと神の島への地図だった。親方はあの危険な狼島のルートを通ろうとしているようだった。
そんな親方。いくら子供が病気だからといって、今狼島へ行くのはとても危険だといって言っていたのに…。
[ ハンスは親方の家へと向かっていった ]**
―海原→神の島へ―
[次に青年が姿を現したのは、コルトから見れば海の最果てとも言える地――神の島の近海であった。
蒼い波がたゆたう穏やかな海の向こうに、ぼんやりと島影が見える。
青年の足元に、影は無い。
口元に小さく笑みを浮かべて、青年はステッキをくるりと回す。
俗に神域と呼ばれる場所、つまり人の気配の無い場所に、青年は降り立つ]
とりあえず、名スナイパーなんだよ、という情報を出して、本日の出番は終了。
凡スナイパーだと、社会派村ならともかく、熱血村であまり使えんからねえ。
皆さんもわりと強力/強権もちの設定っぽいかな。(ハンス除く)
ま、熱血村はその方がやりやすいよな、と思う。
ハンスの船には、次のシーン(2/23の晩)以降にコルト到着なら、乗せてもらいたいな。
ステファンにも、明日のシーンで振っとく予定。
ハンスの親方って、誰だろうなぁ。
誰か親方やってくれる人がいればいいが…いまのところ、そういう奴はいなさそうだしなぁ。
まあ、誰かが適当に絡みに行くだろうよ。
(オレは海賊だから行かないw)
あえて距離は描写しませんでしたが、この時代のマスケットだと、有効射程はせいぜい200メートル。(最大射程は600メートルくらい)
異国ファンタジーのときはなるべく、センチやグラムといった、こっち世界の単位は使いたくないので、言うなれば350歩(1000歩)、ですかね。
ちなみに、火縄銃を使った競技で「距離27m / 的25cm四方(中心12cm四方) / 5発」らしい(現在の話。日本の火縄銃の性能はすごいとのこと。フリントロック式じゃないけど)。
この試技シーンでは50歩(30m)程度を想定。
オレンジに当てられるのは1000人に一人、は適当な数字。そもそも軍における銃士の割合はもっと低いかな? まあ、精密射撃用の武器じゃないし、達人芸のレベルなんだよ、というのが伝わればよし。
狙撃兵の階級を調べたけど、二等兵から少佐までいろいろいて判断できなかったので、適当に伍長にしました。
―神の島ストレラの東側にある神殿・夜明け直後>>17の続き―
「……」
[その光景に、誰もが言葉を失っていた。
...が、手にしていた一振りの剣。これは古より神殿に伝わる、大事な品である。神の力が込められているとの伝説があるからだ。
これを持つ事が許されるのは、お告げにより選ばれた一名のみ。他の者は、剣を抜く事すら出来ないと言われている。
更に、一旦その資格があると認められても。心を濁らせ、神の徳を失えば、たちまち剣は透明な輝きを失う。文献によれば最悪の場合、剣を握った途端両手に鋭い痛みを感じて、思わず手放してしまった神の子もいたらしい。
つまり数多くの神官の中で、その心が神の近くにあると、目に見える形で示せる事こそ、...が皆から「神の子」と呼ばれる理由なのだ]
[故に神の子として神殿に招かれれば、本当の名前も家族も…いや、それまでの生活の全てを完全に捨て、俗世から離れなければならない。その際、神の子としての名前であるシメオンを襲名し、巡礼の日以外は神殿の奥で、神に仕える清らかな生活を送る日々が始まるのだ。
因みに、...へお告げがあったのは15年前。歴代の中でも、これほど長く在任した者は、他に存在しないらしい。
そんな事前情報もあって、巡礼者達はどんな人物が登場するのか、非常な好奇心を持っていたのだ。だが、予想以上の見事な動作と剣が放つ光に、すっかり度肝を抜かれてしまったようだ。
別の神官が登場し、これより法話を始めますと伝えるまで、皆は呆然としていた]
―神の島・神殿の奥―
「シメオン様。朝餉を運んで参りました」
[神に捧げる舞いを終えたのち、神殿の奥に戻って黙祷をしていた...は、見習い神官である少年の声を耳にして、ハッと我に返った]
”どうもありがとう。そこに置いて下さい”
[ゆっくり振り返って微笑むと、手話でお礼を告げる。見習い神官が手にしたお盆を置き、立ち去るのを確認してから、もう一度祭壇を見上げる]
[...は最近、以前にも増して神に祈りを捧げるようになっていた。というのも、どことなく空気に不穏なものが混ざると気付いたせいだ]
……。
[唇を真一文字に引き締め、胸の前で両手を組む。
勿論ここは、完全に隔絶された地だから、周囲の情報はほとんど入ってこない。それでも近々、人々の心が揺れるような大事件が起こる予感があるのだ。
だからこそ、その時に備えて、多くの者に安らぎと愛を伝える為に、自分が何を出来るのか。必死に考えているのである]
7人目、海賊 ディーク が参加しました。
海賊 ディークは、共鳴者 を希望しました(他の人には見えません)。
[長い髪の男が修理中の船を見上げてながらため息をついている]
全く……最近の商人どもは金にものをいわせてこれでもかと護衛を雇ってくるからなぁ……。
ま、おかげさまで積み荷のほかに武器まで手にいれられたんだから文句もいえねえか。
[――それにしても修理が終わるまでの数日は陸地に縛られないといけない。
もう一度うらめしそうに船を見上げた**]
8人目、黒騎士 バルタザール が参加しました。
黒騎士 バルタザールは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[かつて聖騎士と呼ばれた男、バルタザール……その古巣である教会より、異教の騎士と言われてから、幾年の時が過ぎたであろうか……彼は勿論、後悔はしていない。されど、未だに「真理」にも辿り着けないでいる迷える黒き羊である事も事実である……彼は果たして、いつ真理に辿り着く事ができるのであろうか……]
……かつて、神の島より逃亡せし日は、ただ無我夢中でここを訪れた……同時に私が自ら「真理」を探す旅の出発地点にもなったが……あれから幾年、今だそれをみつける事は叶わず……果たして、私がそこに至るのが先か、あるいは教会の者の手にかかるのが先か……
[そして、遠く神の島のあるであろう方向に目を向けた **]
――コルト軍港 ハルヴ・マーン軍の兵舎 / 夜――
[報奨のワインは《海猫隊》のみならず、祝いを述べに来た者に分け隔てなく振る舞われた。この祝賀会には士官室からも小言をくらうどころか、ハモン1本が届けられた。
当のリヒャルトは、ワインを一杯、口にしただけだった。
飲めぬわけではない。ただ、その晩は当直になっていたから、酔いを過ごすわけにはいかなかったのだ。
余興代わりにトラヴェルソ(横笛)を取り出して、故郷のダンス曲を奏でる。
樽に乗って踊る者、手拍子で囃す者。
町に在れば、まだ学生のような若者たちだ。
騒ぐエネルギーは潤沢だった。]
wiki確認してきましたが、人が増えてきて嬉しいです。
ところで、最初に参加COしてくださったカークさんですが…中の人がわからないので、「村建てしました」連絡してないんだけど、始まったのに気づいてなかったらどうしましょう。
そして、バルタザール見ると、自分が発言している気になる不思議w
「異教徒」が絡んできましたか。
イメージ的にはvsイスラムな感じ?
宗教関係は今回、特に設定していないので、ご自由に設定していただければと。それ見つつ、物語に組み込んでいきたいです。
ただ、シメオンのとこの設定(土着信仰っぽい?)と齟齬が起きなければいいなと老婆心。
[やがて、交替の刻限を告げるラッパにリヒャルトは立ち上がり、仲間に手を振って桟橋へ向かう。
軍の宿営地内はところどころに篝火があって、夜中でも歩くのに困ることはない。
右手の空が明るい辺りはコルトの町。何度か遊びに行ったが、賑やかな町だった。
殊に、最近は神の島へ向かう巡礼が多いという。
神秘的な力をもつという“神の子”の噂はリヒャルトも聞いていた。]
[町の喧噪とは少し離れた軍港には、南海洋の海賊討伐のために集められた軍船が多数、停泊している。
帆を畳んだマストは、海上に生えたった林のように見えた。
それを見ると、生まれ故郷である湖水地方の冬を思い出す。
空が一層、澄み渡るような気のする季節。
ボートで夜の湖に漕ぎ出して、流れ星を見るのが好きだった。
屋敷に戻れば、暖かな炎の宿る暖炉で父が、そのときはまだ父のものだった《サイクロプス》で仕留めた雉の肉を焼いてくれた。
揺り椅子で母が刺繍する鹿革の手袋。それも懐かしい。]
[リヒャルトは海も船も好きだった。
森も、湖も、空も。星も月も太陽も。
目に映るすべてに親しみを覚える。
軍に入っても、それは変らなかった。]
―神の島・神殿の奥―
……。
[...は、感謝の祈りを丁寧に捧げてから、朝餉を取り始めた。
自分がこうして今日も生き長らえる事が出来るのも、偏に神と自然からの恵み、支えてくれた神官達や信者・巡礼者のお蔭だ。常にその気持ちを忘れてはならないと肝に命じていた。
およそ10年前である。自分が決断したある改革のために、巡礼者が一時期激減してしまった。
今でこそスレトラには、過去に例がない程の盛況を見せているが、それも心揺れる事無く、信じてついてきてくれた者がいたからこそである。
何故なら、その直後の風当たりが厳しい最中には、
「いくら神の子と言えども、やり過ぎなのではないか?!」「こんな不祥事を起こしたという事は、神の島の存在意義がなくなっているせいではないか」
との批判は、どうしても避けられなかった為だ。
だが...は、決して後悔していない。あの状況を放置していたならば、神の島は完全に海の底へ没していたと知っているからこそ、思い切った行動を取ったのである。
それこそが、俗に「バレンチーノの反逆」と呼ばれている事件だ]
[...が神の子として招かれた際、前任の神の子が夭逝してしまい、12年ほど適任者が現れなかった、との説明を受けた。
これは島の歴史上、決して珍しい事態ではない。神の剣…即ち神器を手にするには、厳しい資質が問われるが故に、生半可な人物を選ぶくらいならば、いっそ空席にした方がましとの考え方が根底にあるのだ。
だがその空白の時期、最高責任者である神官長を務めていたバレンチーノが、周囲の予想以上に力を蓄えて、勢力を増していた。彼は周囲が自らの意のままになる事に奢り、堕落。挙句の果て、神官長に全く相応しくない腐敗振りを見せていたが、それを諌められる者は誰もいなかった。
それでも当時バレンチーノは、「神の子の不在は、神官長と周囲の取り巻きに対する神の鉄槌である」の批判に怯えていた。そこでようやく現れた神の子――つまり...を下へも置かぬ歓待で迎えた。
そして、歴代の中でも最高の天性がある人物が現れたとの一大キャンペーンをぶちまけ、信者を大量獲得しようとしたのである。
しかし...は鋭く見抜いていた。自分に対して甘言を用い擦寄ってきた神官長こそが、神の島に巣食う諸悪の根源だと]
[着任後数年間は、神の子として地道に信用を重ねる事に専念し、雌伏の時を過ごしていた。
4・5年後、ようやくバレンチーノら複数の神官が行ってきた数々の不正…信者や巡礼者らから、不当な寄付金を巻き上げ、身分不相応な贅沢に浪費している証拠を掴み、神の島から永久追放するとの宣言をしたのである。
最初の内、バレンチーノ達は何かの間違いだと言い張り、のらりくらりと逃れようとした。しかし...の追及の手が緩まないと見て取るなり、「神の子が狂った」と苦し紛れに反乱を起こそうとした。
けれども、事前にその計画を見抜いていた...が、予め用意しておいた準備により、完全に失敗に終わった。
首謀者達は最後まで無駄な抵抗を続けた。しかし結局は、島に来て以来実績を出して、地位を固めていた...と、信頼する人々の追及から逃れられず、島には一応の平和が訪れた。
追い出されたバレンチーノらが、今どこで何をしているかは、島の誰一人として知る者はない。それでも、ハルヴ・マーン王国のどこかでひっそり息を潜め、悪巧みをしているのは間違いない]
―神の島/神域―
[穏やかな潮風と、舞うカモメの鳴き声の中を青年は歩いている。
ステッキをくるり、またひとつくるり。がさがさと足音は立ってはいるが、彼の足元には相変わらず影は無い。
幻影のようなものなのだと、青年は自身を理解している。魔物の力を手に入れた――否、魔物と融合したその時から、青年の身体は幻影でしかない。青年の本体である魔物ハイドロフェンは、太古の悠久の昔から、この海の底深くに永い身体を丸めて眠り続けている。『ステファン・ワルプルガ』は、魔物ハイドロフェンの意識を乗っ取った。だがその代償に、人間としての身体を失った。身体一つでハイドロフェンの力全てが手に入るのなら、安いものだ。つまりステファンは己の野望を達成し――達成したが故に、毎日を持て余している。
がさり。
神域に生える草を、影の無いステッキが撫でる]
9人目、船霊 ユーリエ が参加しました。
船霊 ユーリエは、天魔 を希望しました(他の人には見えません)。
困ったことがあったなら
願いを込めた白い石を
投げ上げ指で輪を作り
輪っかを通して海に落とそう
ぽしゃりと海を跳ねさせて
沈む石のその代わり
船首像によく似た人が現れて
船乗りの話を聞いてくれる
[...は、王国に充満しつつある、戦火の予感を敏感に察知していた。
一旦戦いが始まれば、海も地も紅に染まり、憎しみや悲しみが広がるだろう]
……。
[その事を考えると、胸が痛くなる。
だが、自分が決して万能ではないと、...は誰よりも承知していた。取れる行動にはどうしても限界がある。救いの手を差し伸べられない人々がこれから先出てくるのは、どうしても避けられないだろう。
だからこそ、自分が出来る事、そしてやるべき使命は全力で果さねばならない。...は決意を込めて、拳をぐっと握り締めると、再び神域の方へ視線を向けた]
……!
[先ほどそこへ侵入した何者かは、今はまだ目立つ動きはしていないようだ。あたりを歩き回っているらしいが、何か目的があるのか否か。それすらも分からない]
……?
[...は、不思議そうに首を少し傾げた]
/*
何となく、スタートからの動きが鈍い…。
こうなると、引っ張りたくてうずうずしてしまう。
うー。がまんがまん。オレ、ダミーだし。
―神の島/神域―
[物静かな島だ。
神を降ろすには、絶好の環境なのだろう。信仰がなければ神は生まれぬものと、青年は考えている。
そういえば少し前に、俗だとしか言いようのない諍いが起こった島だった気がする。悠久の夢の中では、泡沫に過ぎぬ出来事。結局その場に立ち会う事は出来なかったが、波の上を行きかう船から洩れ聞こえる気配を、眠る大蛇は確かに拾っていた]
神の子、か。
神が降りていたとしても、所詮は人間。それは誰もが知っている事。この僕が単なる人間であったように。
[唱える言葉は呪文のそれではない。
だがまるで彼はそれが呪文であるかのように朗々とつぶやき――ステッキをくるりと回し、神殿の中へとその幻影を映す。
全く音も無く、元からそこに在ったように、青年の姿が神殿の奥に現れるだろうか。
だが青年の足元に、影は無い]
― →神殿―
― 船上 ―
[甲板を踏むのは裸足。
薄い色の肌を覆うのは白いワンピース。
白い髪は泡立つ波のようにふわふわとゆれる。
細い腕には白い石を繋いだ腕輪。
つばの広い帽子でもかぶればどこぞの令嬢のよう。
けれど女は違う]
……沈まなくてよかった。
[プープデッキから折れたマストを見上げてつぶやく。
波がざあと音をたてて船にあたる。波がひくころには、女の姿は波の様に散って消えた*]
そろそろコアタイムと思われますが、皆さん、様子見している感じ?
わたしも実はステファンと絡みたいのですが、先に神の島のシーンありそうなので待機中。
ま、こっちのシーンは明日でもいいか。
回想で絡めそうな相手もいないかな…
海辺の出身にしとけばよかったか?
あ、ステファンいた。
幻影も使えるのか。
(そもそも本体は海の底だ)
なら、時系列や当人の居場所は気にしないで、こっちのシーン落とせるかも。
/*
もう、いちいち人の動向なんて気にしないで、やりたい役職やっちゃえばいいと思うんだ。
…と、うずうずしながら言ってみる。
10人目、海賊 カーク が参加しました。
海賊 カークは、共鳴者 を希望しました(他の人には見えません)。
[それはあまりにも唐突だった。
何の予兆もなく、金髪で翠の瞳の青年が、神殿の奥に現れたのだ。
...は一目見て、相手がかつて人でありながら、自ら人外の道を選んだ者であると、瞬時に悟った。
勿論青年の正体とか、このような身体及び能力を手に入れた経緯までは理解出来ないが。神の子として修行し、研鑚してきた感覚が告げるのである。
今ここにいる人物の身体は、仮の姿。本体は別の場所で眠っていると。
その証拠に青年には、この世の存在が必ず所有しているもの―影がなかった]
……。
[しかし...は動じる事なく、微笑みを浮かべると、手を軽く叩いて、1羽の色鮮やかなオウムを呼び寄せた]
「何カ、ワタクシニ御用デモ?」
[オウムは主人に代わって、来客に尋ねた]//
―神の島/神殿―
おや、ここで合っていたようだ。いきなり『神の子』に出会えるとは思わなかったよ。
[物珍しそうに神殿の壁を眺めていた青年は、手を軽く叩く音に振り返った。
どこまで相手に感づかれていようとも、青年の表情は変わらない。外見だけ見れば、うっかり迷い込んでしまった羽振りの良さそうな観光客が一人、それぐらいだ。
手に持ったステッキが、床にぶつかってかつりと音を立てた。だが、影は無い]
いや、少し興味が湧いたからお邪魔しただけさ。
例えば『神の子』には、戦乱の予兆なるものを感じ取るだけの能力があるのだろうかとか――そんな事に対して、ね。
[色鮮やかなオウムの姿に、翠の瞳は物珍しそうな輝きを宿す。
神の子の喉からその声が発せられない事については、特に驚きを感じてはいない//]
さてと、俺らもとっとと仕事かたして、さっさと酒場にでも繰り出そうぜ
[周りにいる船員達に指図しながら積み荷を下ろす男]
ああ、それは下ろさなくてもいい、そいつはドック用のだからな。
どうせ軽く見てもらわねぇとだからな。そのまままで運ぼう。
ああ、お前らはいいや。大挙して押しかけるとこでもねえだろ。先に遊んでおけや。
俺と……ああ、お前とお前、あと操舵手、お前は降りちゃだめだろ。
[冗談交じりに船から離れようとする操舵手を苦笑混じりに軽く小突く男。大方の積み荷を降ろした船はゆっくりとドックへ向かう]
「ソウデスカ…」
[床にぶつかるステッキと青年を交互に見つめながら、...はオウムに応答を促す]
「ワタクシニ興味ガアル、ト」
[青年が瞳に輝きを宿して、オウムを見つめている。
その姿は、ちょっと好奇心の強い、どこかの裕福な家庭に育った人物としか思えない。
例え誰かに、突然神殿の奥に現れたのだと告白したとしても。信じられる者はいないであろう。
相手も平常心のまま、自分に接しているのを感じ取り、...は必要最低限の返事を返した]
「エエ。アル程度ハ…」//
−シグ・港−
っつーわけだ。ああまあ特に無茶はしてねーから、ざっくりとでいいぜ。
てかなんだか忙しそうだな?
え?一隻手間取りそうなのができた?
あ〜、ディークの船じゃん。
[積み荷を降ろし修理工と話をする傍ら、少し離れた所に停船する船を眺める。]
ありゃ〜
結構はでにドンパチしてきたな……
[近くで船を眺めるディークを見つけることができれば、歩み寄るだろう。慰め半分冷やかし半分といった面持ちで]
[シグの港を出れば、その先に続くのは何一つ遮るもののない青い空と海。
総帆に風をはらみ、黒塗りの巨体を軽々と波に載せて、旗艦シュバルツルックスは進路を北東に取る。
この風が続けば、数日と経たない内に、獲物に接近できるだろう。]
よしよし。あと何日かしたら、おまえにも分け前をくれてやるぜ、コーレ。
[船長室に戻って窓から外を眺めつつ、足元の黒猫に話しかければ、猫はにゃあんと鳴いて、ひとつ*伸びをした*]
[ふと視線を感じ振り返ると男が一人近づいてきた。
まずいところを見つかったものだと思いながら軽く手をあげて挨拶をする。]
よう。カーク。今帰りか?
ある程度……か。
神の子に感じ取れるのもそれぐらいだとすれば――発端すら起こっていないと考えるのが妥当なのかな。
先程は試すような事を言ったが、実際僕は君の力を疑ってなど居ないんだよ。随分苦労したらしいし、力は本物なのだろう。
[ぶつぶつとまるで自分に言い聞かせるように呟いた後、青年は顔を上げて神の子を見据える。
軽く首を傾げた後、その口元を緩めた]
海が――海の波が、戦いの予兆を告げている。
神殿の奥で祈り続ける君のような『神の子』も――巻き込まれない保証はどこにもない。僕はそう確信したんだ。
興味が湧いたから、ついでに忠告じみた事もしようと思いついて、さ。//
― シグの港 ―
痛そう。
[ドックへと運ばれる船、後方から眺めると、ぽつり]
もっと守ってあげたいけど。
船霊って言っても……本物じゃあ、ないものね。
[手を額に翳す、まぶしさを避けるように。あるいは、日の光に手を翳すように]
>>56
[手をあげたディークは、遠目に見た...からは少し元気がないようにも映り]
ま、こんなんになって浮かれる奴はいねぇわな。
[軽く呟くとディークの横に並ぶ]
おぅ。俺はアリサカでのいつもの仕事程度だからな。
……珍しいな。やっかいなのにでも当たったのか?
まぁ、アレだ。ここの修理工は優秀だからな。ちっと我慢すればすぐ直るだろうよ。
[...は少し悩むように頬をかきながら]
まあ、つーかさここで落ち込んでてもしょうがねえし、どうだ? 軽く酒でも引っかけにいかね?
近々でけぇのが来るらしいじゃねぇか。おっちゃんもいつになく気合入ってる感じだったしよ。
俺らも景気づけといこうじゃねぇか。
「…ナルホド」
[自分を試すような口調でありながら、瞳にはその色を宿してないと直感したのは、どうやら間違いではなかったらしい。
...は大きく頷くと、呟く青年の口元を見つめ返した。
おそらく相手も、何らかの異変を感じ取っているのだろう。でなければ、ここに来る理由などないと思った。
但し、疑っているとか苦労しているとかの言葉に対しては、青年が特に返答を期待している風でもなかったので、黙っていた]
……。
[果して青年は、自分を見据えた後、海に戦いの予兆が現れている事、そして忠告との言葉を口にした。何故青年がそんな気になったのだろうか? とちょっとした好奇心が呼び覚まされたが、その前に言うべき事があると考え付いた]
「ワザワザ忠告アリガトウゴザイマス」
[丁寧に頭を下げると、にっこり微笑む。
例え戦いに巻き込まれたとしても、それに屈する事はない。そんな強い意思を瞳に込めて]//
いいえ、どういたしまして。
いいね、そういう瞳。穏やかそうな顔をしている人間は、得てして強い瞳をもっているものさ。まったく、憎らしいくらいに良い瞳だ!
[どこか芝居めかした口調で言い放ち、肩を竦める。
それからふと思いついたように。付け加えてしまうのは、生来の座りの悪い心根故だろうか]
神殿から引きずり出されるような事になったとしても、君ならきっと後悔はしないのだろうね?
――それじゃ、またお邪魔させてもらうよ。今日はとりあえず、忠告に来ただけだからね……
[他人の城に土足で上がり込んだ青年は、そんな言葉を言うだけ言って。
くるりとステッキを一振りし、その場から消え去るのだった**]
―― コルト軍港 / 夜 ――
[自分が乗り込む《銀嶺号》まで行き、甲板へと架けられたタラップの手前で、官姓名を名乗り、通してもらう。
そこにいた兵士も顔見知りだったから「今夜、当直とは不運だな」と慰めてくれた。]
おれは充分、楽しめた。
君も交替したら飲みに行くといいよ。
残しておけと言ってあるからね。
[夜風が乱した榛色の髪を額の真ん中から掻き上げ、船に乗り込む。
港湾内の波は静かだが、それでも船はゆったりと揺れていた。
足の裏で自然とバランスをとり、舳先へ向かう。]
……ばっちり見えてるじゃねーか……。
あれはな……聞いて驚くな?
俺の彼女だ。
……あ、今嘘だって目をしたな。いーや、絶対にした。
[そんな会話をしてる間にどんどんユーリエは近づいてくる]
[自分と交替する当番兵が待っているはずだった――が、そこにいたのは兵士には見えぬ不審な人影だった。]
――動くな!
[銃を構えて警告する。]
/*
今回のチャレンジ。
内心描写をしないさとられプレイ。
ト書きを長くしない。
ちゃんと死ぬ。
……全部難しい気がしてきた。
[侵入者は、リヒャルトに気づくと、ためらいなく船縁から身を踊らせた。
リヒャルトは銃を構えたまま駆け寄る。
が、予期した着水音はしなかった。]
――?!
[直接、ボートにでも飛び降りたか。あるいはロープでも結んでいたか。
船縁から覗き込んだが、それらしい姿はない。]
[いずれにせよ、異状を報告をせねばならない。
首に下げた号笛を口に当てたリヒャルトは、船首に置かれたものに気がついた。]
――――!
[黒い皿に灯る緑の炎。]
海賊への合図か。
[リヒャルトはとっさに、皿を船首から叩き落とそうと、銃を構えた。]
[その瞬間、炎は緑柱石(ベリル)の巨大な結晶と化したように巻きあがり、リヒャルトを包み込む。]
――う、あぁ……っ
[不思議なことに熱さも痛みもない。
ただ、血を抜かれるように全身の力が奪われてゆく。]
― 回想 ―
いつからそこにいたのかはわからない。
ただ気付いたときには彼女はそこにいて。
見知らぬ――しかも女が船に乗っているのが不思議だったのと好奇心とでちょっかいを出してみた。
だが彼女に触れることは出来なかった。しばらくして幽霊なのだと思い当たった。
幽霊が住みついたとなれば運に見放された――はずだった。
だが予想に反して、ほんの小さな幸運がついてくるようになった。
それで追い払うこともせずになんとなくそのまま落ち着いている。
/*
というか、リヒャルトがひとりぼっちで非常に遊びに行きたいです。
よし、海の生物でも送ろう、念で。何にしよう……金目鯛? 干物にしてください(遊びすぎです、自重せよ)
[銃を杖に、懸命に顔を上げれば、海の底に差すような偏光した煌めきの向こう、海に突き出した船首像の“先端に”立つ者の姿が見えた。
それを最後に、リヒャルトの意識は冷たい闇に飲み込まれ――]
……。
[肩を竦める青年の唇から告げられる、舞台の上で使われるような台詞回しから、もしかして何かを持て余しているのだろうか? そんな勘が閃いた]
”…こくり”
[しかし、そんな様子はおくびにも出さず、後悔はしないのだろうね? の問いかけに軽く首を縦に振る。
それが神が自分に課する運命ならば。逃げる理由などないし、逃げるつもりもない。
再会の予告を最後に、その場から青年が消えた後も。...は、その言葉を反芻していた。
もし自分が神の島を離れる事になったとしたら、どんな事件が起こる時だろうか。
そして、名も知らぬ青年と再会するのは、この神殿だろうか? あるいは別の場所だろうか?
街や港などの雑踏に紛れ込めば、周囲にいる普通の人間との違いを感じさせないであろう青年。だが彼をまた目にする時は、きっと予想すら出来ない事が起きているに違いない。
...は、自分の中からそっと囁きかけられる声に、強い確信と共に頷いた]**
11人目、海軍司令 ゾフィヤ が参加しました。
海軍司令 ゾフィヤは、首無騎士 を希望しました(他の人には見えません)。
良くない知らせね。
また、海賊たちが騒ぎだす。
[手元の海図に目を落としながら、黒髪の女は冷えた声で呟いた。]
ルワージュの商人たち、護衛がガレー船2隻だけだなんて。
それじゃあまるで、どうぞ襲ってくださいと言っているようなもの。
最近は、巡礼船も護衛無しでは満足に航海できないというのに。
[手元のベルを鳴らし、従卒の兵を呼ぶ。
現れた少年に、紙を一枚手渡し、下すのは簡潔な命令]
出航の準備を急いで終わらせるよう、艦長たちに連絡を回して。
今すぐに。
[走り去る少年兵を見送ってから、もう一度海図を見る]
まずは、近々出帆する巡礼船の護衛。その後は、商船団と合流して護衛。
本格的に海賊を叩くのは、その後…ね。
[確認するように声に出してから、優美な物腰で立ち上がった。
手早く身支度を整え、2本の曲刀を身につける。
その動作の一つ一つが、舞いのように優雅でよどみなく、無駄がない。]
[部屋を出る準備を整えてから、南の壁に設えた簡素な祭壇の前へと膝をつく。]
我が神よ。
あなたの大いなる光が私の行く手に輝かんことを。
[短いが、真摯に祈りを捧げた後、艦隊の様子を見に行くべく、部屋を出て港へと向かった。**]
[ついでユーリエに向かって]
俺達飲みにいくんだが……どうする?
俺は別についてきても構わないぞ。
[とはいえユーリエが飲み食いしている姿なんてお目にかかったことはないのだが。]
[ディークと彼を見上げる少女>>93には、軽く微笑み]
>>94、>>95
ユーリエちゃん……ね。おっけおっけ。ディークの彼女さんとか延々呼ばされると思ったらおにーさん困ってたとこだったぜ。
ま、立ち話もなんだしそんじゃ行きますか?
[二人を連れ、馴染みの酒場へ足を運ぶ。少し浮いた存在に映ったユーリエに配慮し、隅の方へ陣を取れば、馬鹿話を交えての歓談。二人については特段踏み込んだ話をするわけでもなく、もっぱら最近やったへまなどを面白おかしく語って聞かせるだろう]
ま、そんな感じでよ。せっかくおっちゃんに色々助けて貰ってんのにさ。危ない橋渡りすぎっての。
なぁディーク?
[世間話が尽きれば、話は自然と仕事と、王国の話にシフトして行くだろう。ユーリエの手前血なまぐさい話は避けるだろうが……]
ああ、おっちゃんの言うとおりこいつはかなりでかい話になりそうだ。
まあ、それだけの商船が動くのなら、確実にやっこさんも力入れてくるだろうな。地の利はあるんだろうが……だがいかんせん数がわからねぇとどうやるべきかもわからねぇ。
動き出す前に少し探った方がいいかもしれねぇな。向こうもやっとこさ本腰あげるってんなら、その指揮官の面ぐらい拝んでおきたいし……
[喧噪から少しはずれたテーブルで日はゆっくりと落ちていく**]
―シグの酒場
[…酒を飲みながら、ゆっくりと昔の事を思い出していた。15年前己がはじめて騎士として叙任を受けた日の事を……聖騎士であったので、主君ではなく、当時の教会での最上位にいた者……確か当時「神の子」の名を継いだシメオン(私は以前どこかで見たような気がするが、それがどこだったか、現世でか夢の中かすら思い出せなかった)より騎士としての拍車を受け取った ]
[そして10年前……「反乱者」として逃亡したのは、ちょうど(私に追っ手を差し向けた)バレンチーノが反逆を行う、少し前であった。そのバレンチーノも今は行方がわかっていないし、今となっては私にとってはどうでも良い事でもあった。 ]
[むしろ、今だからこそ、もう一度「神の子」に会い、問うてみたい事もある……そういう意味では、私はもう一度あの島に向かわなければならないのかもしれない。しかし、今の私は(バレンチーノがいないとはいえ)教会にとっての反逆者である事には変わりは無いし、(バレンチーノの手の者かどうかはわからないが)教会の者をこの手にかけた事も変わりはしない]
……そんな私が……赤き十字架を背負い、黒き甲冑を身に纏うようなこんな私が、果たして神の子に会う資格があるのだろうか……。
[そう言って、ただ静かに酒を飲むのであった** ]
―神の島・神殿の奥―
……。
[久しぶりにバレンチーノの事を考えたせいだろうか。聖騎士だった漆黒の髪の青年を思い出した。
忘れる筈は無い。自分が初めて騎士の位を授けた相手。
バレンチーノへの追及がもう少し早ければ、逃亡の運命を避けさせられたかもしれない。それは苦い後悔として残っている。
当時バレンチーノは、多額の寄付金と引き換えに、息子を聖騎士にする依頼を信者から受けたらしい。しかし聖騎士は定員がある上に、叙任式が行われた直後で、補充が望めない状態だった。
そこでバレンチーノは、悩みを抱えていたその聖騎士に目をつけ、追い出そうと画策したらしい。
らしいとしか言えないのは、バレンチーノと信者の繋がりや、どんな計略を使ったかの辺りは、残念ながら証拠が掴めなかった為である。故に表向きは一応、異教徒の子供を庇い上司を手にかけた反乱者、異教徒の戦士として彼の名前は認定されている。
それでも事件が発生した時、妙に追っ手を出すのが早かった事。一聖騎士の不祥事なのに神官長が自ら乗り出して、必ず捕まえると宣言した大仰さ・不自然さから、バレンチーノが関っているだろうと、...は思っている]
[実は...の指示により、元聖騎士の追っ手は既に撤退している。何故なら、その命令を出したのがバレンチーノである事を理由に、反逆者の影響を極力減らし、神の島を立て直すべきだとの見解を示して、事実上無効状態にさせたのだ。
但し、一部からは流石に不満の声が上がった。反乱者を野放しにしておくのは、我等の威厳に関ると。
とはいえ事件の影響で巡拝者が激減し、厳しい状況に直面したせいで、それら反対者も資金面を考慮して沈黙せざるを得なくなった。
公式発表の手前、本人にもう逃げる必要はないと教えられないのが、本当に心残りである]
「今頃、彼はドコデ何ヲシテルノ、カナー?」
[するとオウムが、主人の心を読んだかのような言葉を呟いて、...の顔を覗き込んだ。
それに軽く頷いてみせると、再び祭壇へと向き直る。
実現するか否かは分からないが、自分も元聖騎士に再会したい。直接顔を合わせて、何を悩んでいたのか、何を考えてあの行動を取ったのか、是非聞いてみたかった]**
−シグ・酒場−
……しっかし、むさ苦しい酒場に花ってのはこういうことなんだろうな。
ああ、別に変な意味じゃないぜ。そんだけユーリアちゃんがべっぴんさんだってことだ。
ったくよぉ、ディークもいつの間にか男の子になっちゃって、おにーさん嬉しいぜ。
[軽口を叩きながら二人をさりげなく観察する。見れば見るほど不釣り合いな
……いや、ユーリアという少女、彼女がそれだけ際だっていると言うべきか。
そもそもシグは荒くれ者共の巣窟。連れ去ってこられたとか、あまり良い意味とは言えないケースを除けばこの手の娘がいること自体稀である。ディークに限ってそういうことなどするはずもないのは...自身よくわかっていたし、彼への懐きぶりを見せられれば、端からそんな考えなどよぎるはずもない。
更に言えば、普通の年頃の娘にしてはやけに浮世離れしているというか……
ああストレラに住んでる連中の雰囲気、に少し近いか……ストレラ…あまりいい思い出はない。...は小さくため息をついた]
……そういや、浮いてるって言えばあいつもか?
[誰に語るわけでもなくぼそりと呟きながら、片隅で独り酒に浸る男を横目で眺めた。
ユーリエとはまた違った意味で、ここには似合わない佇まい。シグに居ながら海賊の雰囲気をまるで纏わぬ壮年の男。漆黒の甲冑などはむしろここではお似合いなのかも知れないが。
いつからかは忘れたが、時折目にする男には常に陰を纏い……
そういえば何度か話し掛けてみたが、あまり話が弾んだ記憶がない。
まあ自分のような海賊的に言わせると“辛気くさい”とも言うべきか?
いつもならば気にもとめないのだろうが、見慣れない少女を目にしたせいだろうか? 今日はやけに、彼の存在が気になった様子で……]
よ! またひとりでやってんのか、大将?
つか、大将いつも思ってたんだけど海で何かやってるって感じじゃねぇよな。
[ボトルを片手にふらりと立ち上がり歩み寄れば、軽く声をかける。嫌がらないようならば傍に腰掛け、グラスに酒を注ぐだろう**]
……やあ、カーク卿。君はあいかわらず調子がいいようだね。
[昔の私なら、海賊という存在を認めてはいなかったであろう。しかし、この旅は私のそういった考え方を変えた。そうでなければ、彼のような気さくな男と話せる機会はなかったであろう。そういう意味では、この長い旅自体を後悔はしてはいない。ちなみに、私は冗談で「卿」の称号を付けて呼んでいるが、彼の素性を知っているわけではない。]
私は、これでも傭兵をしているよ。
まあ、遊歴の身だと思ってもらえればいい。
[別段、自分が貴族である事は隠してはいない。まあ今の私はその家から勘当同然の状態であるから、ある意味ウソをついている事になるのだが。まあ、もっとも彼はそんな事は気にはかけてはいないようだ。海の男のおおらかなところであろうか……私はそういう雰囲気は嫌いではなかった。 ]
海軍司令 ゾフィヤ が村を出ました。
11人目、守護騎士 ゾフィヤ が参加しました。
守護騎士 ゾフィヤは、首無騎士 を希望しました(他の人には見えません)。
[かつて――まだ10にもならない幼い頃。
神の子となる素質を見いだされて、スレトラに連れてこられた。
日々祈りの言葉を唱え、神に捧げる舞いを覚え、神に仕えるために身を清めた。
だが、そこで開花したのは別の才能。
結局、3年と経たない内に神の島を出て王国の神殿騎士団に入り、剣の技を覚えた。
人々を守るための、神の敵を滅ぼすための技を。]
[数年を経て、正式な聖騎士叙勲を受け、さらに数年後には軍に招聘され、やがて巡礼の船を守る小さな艦隊を任されることになった。
敬虔なる人々に守護を。良き人の命を奪うものに、死を。
神の島に、平穏を。
それこそが神から自分に与えられた役目なのだと。
そう信じて、日々の任務をこなしている]
―シグ・どこかの倉庫の中―
★あーあ。退屈過ぎるぜ。
[沢山の荷物に囲まれた一人の青年が、暇を持て余して大あくびした。
その銀髪紅眼と、背格好や容貌は神の子に瓜二つ。神殿に仕える者でも、ぱっと見だと区別がつかない程であるが、実は赤の他人である。
3年前骨島近くを航海した際、乗っていた船が乱気流に巻き込まれて難破。運良く他の船に拾われたものの、搭乗者は全員死亡した上に、記憶喪失になっていた。
それ以来命の恩人? に匿われて、世を忍びつつ生きてきた。今まで大人しく従う振りをしてきたが。他人の意のまま、悪事に利用されるのが面白くないのと、近頃自分を縛っていた枷が漸く外れた事もあって、出し抜いてやろうと考えている。
但し良く観察すれば、神の子とは纏う雰囲気が全く異なると気付くだろう。
何故なら退屈と盛んに愚痴をこぼす青年は、どう見ても同年代と変わりがなく、世俗を離れた清廉潔白な態が身についてないからである。
しかし、彼を利用しようと画策している者は、そこまで深く配慮してなかった]
★[青年を助けたのは、反逆者として神の島から追放されたバレンチーノの一味である。
10年前の事件を逆恨みし、神の子へ復讐をするべく密かに悪巧みをしていた矢先、偶然青年を発見した。容姿がそっくりだと目をつけた彼らは、青年を神の子に仕立てて入れ替え、神の島を自分たちの思い通りに操ろうと考え付いた]
余りにも杜撰過ぎる計画としか思えないケドネ。
[協力しろと強制された当初から、そんな風に呆れていた青年は、苦笑する。
神の子は、神殿の奥深くで生活をし、周囲は厳重に警護されている。更に追われる身なら、神の島にすら入れないのに、どうやって入れ替えようというのか?
第一神に仕えた事がない青年が、周囲の人間を誤魔化すのは無理に決まっている。こんな簡単な理屈も理解出来ないのか、と言いたくて仕方がなかった]
過去の栄光や贅沢にしがみついた年寄りって、実に救いがたい。
[青年は誰に言うでもなく呟くと、肩を竦めた]
―コルト軍港/夜―
[倒れ伏した男の傍ら、かつりと黒いステッキが立てる音が一つ。
舳先に置いていた黒い皿も、翠の炎も、――最早どこにもその残滓すら残さない。
港を走る夜風はどこまでも穏やかだ]
残念だが、意味なんてどこにもなかったのさ、リヒャルト君。君がもしもこの皿を撃ち落としたとしても、僕は君の視力を奪っていた。
だが、皿の炎が君を取り囲む――そんな演出があった方が、君達人間には『分かりやすい』かなと思ったのさ。
昔の僕は、それこそ翠の炎を力の寄り代としていた。悪い魔法使いの魔術にはぴったりだろう?
ああ、それにしても夜風は気持ちがいい……風の感触だけは、海の底では味わえないからね……
[頭上に輝くのは満点の夜空。
倒れ伏した青年と転がった銃の傍らで、彼は暢気にすら見えるような伸びを、一つ。
こつこつと兵士達の軍靴の音が聞こえても、彼はしばらくその場に立ち続けていた]
★[バレンチーノらは追放された後、一部の粗暴な海賊と手を組み、船を選ばす片っ端から襲って、私腹を肥やしている。だが、神官長として頂点に立った栄光が忘れられないらしく、時々偉そうに説法する姿を、青年は度々目撃していた。
元聖職者にあるまじき欲深さといい、本当に辟易する]
…いよいよ例の計画を発動させる時が来ましたかね?
[青年はニヤリと笑い、そこらの荷物から黒のスカーフと上着ズボンを取り出した]
★[そして、着ている服を一息に脱ぎ捨てる。
3年もの間、剣舞の特訓を散々受けさせられたお陰? で、引き締まった身体へついた筋肉には、取り敢えず満足出来るけれども。太陽を全く浴びせて貰えない肌は、深窓の令嬢並に真白で、青年は己の胸板を撫でつつ、ため息をついた。そこには、3年前の事故でついた大きな傷跡がある。
見ていてもあまり愉快ではないので、青年はさっさと着替えを終わらせた。
最後にスカーフで長い髪を隠せば、一応海賊らしき格好になる。
最近積み替えた箱を利用して、倉庫の天井近くに設けられた小窓から脱出する。器用な動作で屋根に飛び移ると、見張りに気付かれる事無く、逃走に成功した]
★じゃね。皆さんごきげんよう。
[倉庫から見えない所まで一気に走ると、青年は笑顔で背後に手を振った。あそこへは二度と戻る気はない。茶番に付き合うのは、もううんざりだ]
さて、と。どこに行きますかね?
[自分がいなくなったのが分かれば、すぐ追われるのは間違いない。
…とはいえ、青年の所へ見張りが顔を出すのは、最大でも日に一度。下手をすれば、何日も来ない時すらある。食料は、倉庫に設けられた小窓を利用して渡される。脱出が判明するのは、早くても明日の昼過ぎだろう]
取り敢えずは酒、酒! それと食いモン!
[青年は大きな声で叫ぶと、一直線に酒場を目指し始めた]
― →シグの酒場―
―シグの酒場―
★おねーちゃーん! まずお酒ちょーだい。あと食べ物も宜しく。
[適当な席に陣取った青年は、勢い良く店員へ注文をした。
偶然同じ店に、ディークとカークとユーリエ、バルタザールがいたが、知らない人物なので、声をかけなかった]
……くーっ。この一杯が溜まらねぇ! 五臓六腑に染み渡るぜ。
[早速運ばれてきたグラスの中身を一気に飲み干し、歓喜の声を上げる。
3年もの間、精進潔斎の日々を強いられ、娯楽もなかったのだ。流石に鬱屈が溜まっていた]
おおっ。この魚料理も美味いな。
[テーブルに置かれた皿を引き寄せると、熱心に食べ始めた]**
―コルト・軍港―
[軍の港は、出航を控えた活気に包まれていた。
荷を積み込む水夫たち、武器弾薬の数を確認している砲長、船体の最終チェックをしている船大工。
従卒の兵1人を連れて自分の船へと向かえば、皆が敬礼や挨拶をしてくる。
そのひとつひとつにいちいち応えて歩きながら、従卒を振り返った。]
キャリコからの船が一隻、巡礼船団に入るという連絡があったはずね。
もう、到着しているのかしら。
[確認してきます、と走っていった従卒を見送ってから、桟橋に立って海を眺める。
少し、小舟を走らせたい気分だった。]
[バルタザールは、カークと話をしながらも、店に出入りする客を目の端にとらえていた。……当然である。彼はれっきとしたお尋ね者なのだから。それらしい人間が入って来たら、いつものように冷静に対処するだけだ。しかし、今回目に入ったその者は、いつもと違っていた ]
!?
[バルタザールは、テーブルを叩き思わず立ち上がってしまう。そう、目に入ったのは、まさに先程まで思い出していた、「神の子」その人なのである。 ]
[いや、それはありえない事であった……しかし、しかしである……これこそが、まさに神の思し召し……]
ははははは、少し酒がまわったようだ。
[バルタザールは席に座り直した。どうやら、まだ聖騎士時代のクセが抜けていないようだ……この10年、自ら歩んで来た道は、その「神の思し召し」に頼らないものではなかったのか。それが今になってそれを望むのは、ものすごく都合の良い事だ……もちろん、そんなモノはありはしない。目に映る存在も「たまたま」神の子に似たように見えた……いや、そう思いたかっただけなのかもしれない ]
[偶然の一致が重なったとはいえ、随分と取り乱してしまったようだ。カークは私の挙動を不審に思ったかもしれない。どうやら、今日は少し飲み過ぎてしまったようだ。** ]
[とカークが立ち上がり黒の鎧をきた男のほうへ寄っていくのを眺める]
ん?知り合いでもいたのか?
なんでもいいけどちゃんと奢ってくれるんだろうな。
あ……あいつ……確か……。
バルタンだったかバルサミコだったか……。どっちだったっけ?
……ま、いいか。
[ウィスキーのグラスをかたむけた]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新