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[>>4:103 新しい技なのか、とシメオンに訊ねるカレルに]
……あー、双子って似るよね。
方向性は違うけどなァ。でもまあ一緒か。
そしてまあ、カレルはそうだろうな。
あんなに正体ばれるの、怯えなくてもよかったんじゃないのかなァ、と思うが。
当事者ならそういうわけにも、いかねーか。
[>>4:96 柔らかく響く白い花の声。優しげな笑みが目に浮かぶようだった。
声が途切れると、閃光が走る。
無数の鏡が並ぶこの部屋で、軌道を読むことは難しい。
避けようとして避けきれず。
>>4:99シメオンが鏡に盛大に突っ込んだ]
――…嗜虐趣味者って、ドSってことか。
そんな言葉で足りるとは思えないんだけど。
あの笑みがまた、怖いよねぇ。
[冗談まじりに呟いていたが。
>>4:105 オクタヴィアの声を聞いているうちに、耳障りなかちかち、という音が聞こえた。
首を傾げると、音はリズムを変える]
……ッ、……う。
あ、れぇ。
――……あ。歯の音、だ。おれの。
[噛み締めていた歯が緊張に耐えきれず、カチカチと音を立てていることに気付いた]
……っかしいな。
ああいうの見るの、初めてじゃないのに。
[それどころか口答えまでしていた。……その勇気はどこから?]
だが、それは長くは続かなかった。
"山"は、早くに薔薇が咲いた。
最初に死んだのは、哨戒に出ていた俺の部下だった。
人間と魔族の決戦の場となった城の近くにあったのもその原因だろう
俺たちの仕事に、薔薇退治も含まれるようになった。
家内ら、歴史を守る連中は、薔薇とは一体何なのか古文書の紐を解いていった。
焼いても焼いても増えてゆく薔薇。
その毒性はいつしか触れるだけではなく、風にのった花粉までが人の命を奪うものとなっていた。
そうなれば、最初に死ぬのは抵抗力のない、体力のない存在――
老人と子供だった
[毛布にぎゅっと包まると、膝を抱えて地上を見る。
なんだかあちこちがすーすーして、寒い。
もしかしたら、寒いから歯の根が合わないのかもしれない]
―――あの方の意思、か。
[>>4:108確かな力を持つ彼らは、そうなのかもしれず。
そこに何かの意思が、あったのかもしれないが。
それを彼が聞く機会は、おそらくないのだろう。
どちらに転んだとしても]
[>>4:109 怯えながらも、オクタヴィアの言い回しに笑いが込み上げる]
歪みないねぇ、この人も。
……つか、エグいなぁ、おい。蓋したか、蓋。
こちらも。……正しいな。
[>>4:111 美しく輝く光が、呪いをより深く、シメオンの体内に押し込める。
カードを引き抜いたマーティンの姿を思い出しながら。そんなことを呟いた]
結論を先に言おう。
ドロシーもエリオットも、衰弱して死んだ。
いや、二人だけではない。山の子供らは先に息耐えた。
残った親らは、子供らを山に返せなくて、再び泣いた。
先祖らも眠る墓にも薔薇は咲いたし、それは死んだものたちの遺体にも芽吹いた。
遺体を焼く人手も減り、薔薇の研究は頓挫し、人は死を待つばかりであった。
俺も、家内も、そうだった。
共に薔薇の毒にやられ、いつ死ぬかわからない。
その中で、俺も彼女も、息をするのも面倒くさくなっていたと思う。
ただ、悲しく響きあった。
…………だいじょーぶ。
おっさんが、オクタちゃん……白薔薇を、倒してくれたから。
[顔に残る雫を、乱暴に拭う。>>63]
もう、きれいな布はないな……
[ぽつ、と呟いた。死んだ仲間が多すぎるのだ。
床に落ちていたベネディクトの矢と、シメオンの苦無を一本だけ。遺体は持っていけないから、形見代わりとして、刃側を上にして乱暴にリュックに突っ込んだ。]
[マーティンと共にオクタヴィアと応戦する。>>36魔石を失う前と変わらない勢いで放たれる光の矢と刃。必死で避けながら、その猛攻にの凄まじさにあれは弱点ではなかったのではないかと弱気な考えが頭を掠める。隙が生まれ、光る矢を避けきれずに時折腕や足に傷を負った。
>>44マーティンが進んで白薔薇の前に立ち、傷を負っていくのを見れば唇を噛み、必死で弱い心を叱咤してただ目の前の敵を倒そうと集中した]
マント…?
!
わかった!!
[マーティンが楯を投げつけ、自分を呼ぶ。意図を汲み、注文どおりに纏っていたマントをマーティンに投げた。
そして、マントによって視界を奪われたオクタヴィアの頭上に、斧が振り下ろされるのを見る。
頭蓋が砕ける音に、思わず目を瞑りそうになるが、視線は逸らさず。マントが徐々に赤黒く色を染めていくのをじっと見つめた。]
良かったら、カレルのマント、被せていってやってもいいかな。
[マーティンが斧を叩きつけたことで、マントが破れているならこの先使えないだろうし、と。
そして、白い砂へと歩み寄る。]
オクタちゃん……これ、ハンカチ?
トールから借りてた奴だっけ?
……大事に持ってたんだなー。
[形見になりそうなものはないかと思って見るも、これは形見とは違うような気がする、と考える。]
[>>4:113 ヒトとしての器を、というシメオンの声に。
少し目を細める]
……難しい話をしているな。
[聞こえているが、それは頭を通り抜ける。
わりと、関わりのない話だった]
[想像した所で栓無き事だと知っているが。
面影を思い出して、少しだけ思考を巡らせてみると]
――…本当の本音のとこは、わりと。
[シンプルだったんじゃないかな。
溜息まじりに呟いた声は、蒼い闇に溶けて。
それきり意味を失っていく]
[>>4:118 仲間の名を次々と呼ぶベネディクト。
そして、最後に呼ぶのはシメオンの名]
おや。良い勘してるじゃない、ベネ。
でも多分それは半分だけ正解、かな?
……まあ、どっちが先かってのはあるか。
でも多分――……。
[回復要員から潰すのは鉄則だ。
ツィスカとベネディクト、どちらが先か。
鏡の回廊で分断を狙い、そして今彼の状態は]
[昔を想い出すように暫し目を閉じる。
聞こえるのは、木々のざわめき。
闇に紛れ獲物を狩る獣の息遣い。
夜行性の虫のたてる羽音。
そして、白薔薇の最期の囁き。]
淡々と過去シアターしているのは、追いつこうとしているからであります。
見にくかったら消してちょ。
ちょっと必要なのです。
>>74
…ありがと。
これでも、魔法の練習、頑張ったんだよ。勿論、カレルも。
私が魔法をかけて、カレルが剣でやっつける。
聖痕の模様、逆なんじゃないかなぁとも思うんだけど…二人で一つだったらどっちがどっちでも、いいのかな?
でもまだ、完全に使いこなせているわけじゃないから…
オク…[憧れていたオクタヴィアの名前をいいかけ、彼女は白薔薇の魔物だという事実を思い出し口ごもる]
…まだ私たちと一緒にいた頃のオクタヴィアさんみたいにもっと、すごい魔法を使えたらいいのになって、思ってる。
[それでもやはり彼女に憧れていた事実は変わらない。そう思って、あえて名前を出した。同じ頃、弟達に倒されたとも知らず。]
せめてまとめて投下しようかね。
とはいえ、ノンストップで喉が切れるまで書き続けるとして、書きためると直したくなっちゃうんだナ。
できるだけ10コずつくらいで投下しよう。
………
[だがそれだけで、幼いころから一緒にいた兄代わりの人物を疑う材料にはならず、すぐに違和感を心の中で呑み込んで、トールについて歩いていった…]
あれ……本当だ、いない!?
[一応、本人に返してやろうかとハンカチを拾ってポケットに入れ。近くに転がっていた銀の腕輪を拾い上げて、こちらはリュックに仕舞っておく。
しかし、鏡やガラスがなくなっても、そこにトールとツィスカの姿はない。>>77]
戻った…ってことはないよな。
もしかして、出口見つけて先に行ったんかな。
ツィスカ、見えるか?
"これ"が、青薔薇……だよ。
勿論、これでも覚醒はしていない。
ローゼンハイム、ラヴィ、リーゼロッテ、ルートヴィヒ、シメオン、ベネディクト、それからオクタヴィア……
これだけの命を吸いながら、まだきちんと目覚められないでいるんだ。
随分、ねぼすけな親分だと思わないか?
[握りしめたツィスカの左手を離すことはなく。]
/*
今日は展開速いなー
マーティンのログを引っ張る力はすごい。。。
俺はよく様子見をするのでかなり長引く…
あまり強硬に進めるのが、得意で、なくて
まだ、足りないんだ。
だから――ツィスカの、命もくれるね?
[普段と変わらない笑みを浮かべながら、少女の身体を引き寄せた。
左手には、見慣れた黒鉄の剣が握られている。]
1クールアニメくらいの展開を6日でやってるわけで
多少ソードマスターヤマトになってもおかしくないとは思うんだけどな
というか、俺もかなり、してるし
え?え??
ここ、にいさまきたことあるの???
それとも、記憶の中にある道を再現…それなら、うん。
[トールと爽やかな笑顔とどう考えても人が踏み入れるはずのない場所である事実が一致せず、混乱したように視線を泳がせるが、何かの術で場所がリンクしている可能性に思い至って自身なさそうに呟いた。
どこから現れたのか、鴉の鳴き声が酷く煩い。
空気は澱み、ねっとりと重く…瘴気の濃さに怯みそうになるのを抑えて更に先へと足を進める。]
……青い……宝石……?
青いのに…昏い……
これ……………
い、痛い…姉、ちゃん……!?
[この痛み方には覚えがあった。今よりもっと昔、まだ幼かった頃、姉が森ではぐれた時。こんなに酷くはなかったけれど、ちくちくと痛む手と、そこから伝わる良く分からない不安と焦り。
幼いながらも、自分の片割れに何かあったのではと酷く怖くなって、トールに泣きついたことを思い出す。]
姉ちゃん、姉ちゃんに何か起きてる…!
探さなきゃ! 早くっ…!!
そう。
俺は、皆とは違う。
薔薇の毒に対する耐性を持っていたわけでもなく
聖なる力や強靭な魔力、異能に支えられていたわけでもない
ごくごく普通の人間だった。
本来ならば命を失うだけの。
うん。本人に聞いてみよう。
[ポケットに入れたハンカチを、上からぽんと叩いた。
人間への情を失っていた白薔薇が、何故トールのハンカチは捨てずに持っていたのか。
よく考えればおかしいと思えたのかもしれないが]
えっ、な、何、えっ、な、何かやばいん!?
ど、どっち!?どっちだ、カレル!
[カレルの尋常でない様子にそれどころではなく焦り。]
[状況に理解が追い付かず、精霊を呼ぶこともなく呆然と立ち尽くす。]
[強い違和感……右手の熱……警告………
この場で「命が足りない」のは、自分達をさしているわけでは絶対ない。
…目の前で種の様に眠る石が蒼く淡く輝いている……」
/*
うわあああああああああああ
ぎゃあああああああああああああ
いやあああああああああああああああああ
(ツィスカのピンチにじったんばったんじったんばったん)
おっ、おっちゃん、動ける?
きついようなら、お、俺支えていくし!
[相当なダメージを追っていそうなマーティンに声をかけると、カレルの後を追わなければと目を向けて]
なっ!? ツィスカにか!?!?
おい、カレル!先走るな!! 迷子になるぞ!!!!
たく、しゃーねー
[二人の絆の深さは知っている。家族の危機に、いてもたってもいられなくなるその気持ちも痛いほどわかる]
行くぞハンス!!
[盾は置いたまま。ガッシャンガッシャン騒がしい音をさせながら、カレルの後をついで走る]
[転々と、赤い血が、その足跡に混じった]
[白薔薇が倒れ、硝子と鏡の回廊が消えてしまった今、4階に登る階段を見つけるのは、そう困難ではないだろう。
階段を登ってやって来た勇者達が見るものは
黒い森ではなく、
一面黒い薔薇咲く茨に覆われた部屋と ――
黒鉄に胸を貫かれた、ツィスカの姿。]
だーいじょうぶだ!
おっさんは生涯現役なんでな!
[ハンスの申し出を走りっぷりで断った。触れさせなど、しないとばかりに]
うぁ………
[マーティンの血が、落ちていくのに、痛ましげな顔になる。>>102
けれど、手当てする暇はなさそうで。]
お、おっちゃん、現役なら頑張ってくれよ!
あとで手当てするから!
[そして、カレルの後を追って。4階へと…]
はぁ、はぁっ、姉ちゃん…姉ちゃん!!!
[廊下を駆ければ次第に強くなる痛みに顔を顰める。ズキン、と痛み足を止めれば、目の前には四階への階段。]
ハンス!!おっちゃん!!こっちだ!!!
[後方の彼らに大声で呼びかけた後、階段を駆け上がる]
[>>4:120 >>4:121
青い石の腕輪について、ベネディクトとシメオンが語りあっている。
いかにもそれらしき、装飾品。色も、マジックアイテムとしても、よくある形]
……そんなベタな所にあるかな、とみせかけて。
わりとありそうな気もするんだけどね。
他にはどこに、身につけてたかなァ。
[何かのクイズを考えるような呟きは、切迫感がない。
観客のお気楽さ。……舞台から弾かれたものだけが持つもの]
[>>4:123 オクタヴィアの語る仮説。なんだかそれは、ありそうに思えた。
しかし、”あの方が読みを違えることなどない”とは、思わなかった。
なぜなら――…]
だって、あの時だって――……。
[続けようとした言葉は、ぷつりと途切れる。
取りだそうとした答えは、今ここにはなかった。差し入れた手は空をつかむ]
あれ。
あの時?
――……いつだ?それ。
[>>4:124 オクタヴィアの語る”あの方”と、シメオンの語る”あの方”の姿。
食い違うそれは、自分の持っていたものとも違っていた気がした。
違っている事だけは、わかったが。
もうそれを、確かめることはできない。
他の何かと一緒に、あの時。
自分の心臓と一緒に吸い込まれ、消えてしまった]
[>>4:126 眼鏡を乱暴に取り、苦痛に耐えながら持てる力を使うベネディクト。
顎に手をあてながら、ふう、と溜息を吐く]
かぁっこ、いい。眼鏡って良いアイテムだよね。
[眼鏡をこう、外してあげて。
顔を斜めに近づけて、とか、そんな光景。
今ではないどこかの、彼ではない誰かを思い出しながら、くすりと笑う]
[右手の聖痕が強く明滅する。目の前に黒い剣が下りてきて、まっすぐに自分に向かって降りてくる。]
に……さ……ま………
……何…で……――
[動きはとてもゆっくりなのに、凍りついたように動けなかった。
声をあげようにも、喉がはりついたように音が出ない。呼吸をする空気の流れる音だけが細く響き…
貫いた剣と共に、少女の生命が昏い森へと流れ出していく。]
―――ッ、ん。
合流、できるかな?
[それには、多分意味があった。いくつかの。
一人で死ぬか、誰かと死ぬか。最悪、それだけの話になるとしても]
……それでも、一人よりはいいかな。
おれは、だけどね。
[>>4:128 >>4:133
シメオンとオクタヴィアの、すれ違う言葉たち]
……あ、シメオンこいつ、揺れてら。
願望、かな? それとも事実?
[唇に手を当てながら、目を細めて二人を見遣る]
おれとしては、ここだけはタヴィアに同意するかな。
タヴィアが捨て石でいいと思ってるかどうかは知らんけど。
――……ああ、なるほどね。シメオンは、そういうことか。
それは、想像は、できるかも。
[――勝手な、想像だけならば。
生きながら捨て石にされる非道さと。
石が捨てられる事とは、全く別の話なのだろうから]
カレルはどじっこだなァ。
主人公属性としては重要だぞ。うんうん。
[くっだらないことを言いつつ。
>>4:134 鏡の迷宮で鏡にぶつかるベタなカレルに、くすりと笑みが漏れる]
あのマントは特別製だったかな。……どうだっけ?
[鋭い矢をマントで防ぐカレルに、それを入手した時の事を思いだそうとしてみる。
何度か探って、あっさりと諦める。旅の途中の記憶は既に、ばらばらになっていた。
いろんな事があったのだろう、きっと。
そこに自分の顔をした誰かが居た事が、とても奇妙な感じがした]
――きちゃったか。まあな。
こりゃ二択クイズ、当たったかな。
[軽い口調で囁きながら、>>4:137 >>4:142ベネディクトがそこへ辿り着くのを眺める。
既に、チェックメイトが近い状況だった]
……趣味か。悪くないと思うけどね。
[むしろお似合いというべきかな、と。
いろんな事を勘案しつつ、ぼそりと呟いた]
[>>4:141 黒薔薇の弱点を、と語るシメオンに、目を細める]
ホントかなァ。……本当だとして、それで時間が稼げるのかな。
望み薄だと思うけどなァ。
でも、目の付けどころはいいかもしんない。
―4F・黒薔薇の部屋―
[息を切らして扉の前にたどり着く。痣は鮮やかに明滅し、強い痛みを訴えていた]
姉ちゃん!!!
[扉を開け、そこに見たものは一面の薔薇の中、見覚えのある剣で、胸を貫かれる姉の姿。
そして、その剣の持ち主の姿を認め]
―階段―
ったく、生涯現役じゃなかったらここで折れてるわい。
[軽快に階段を登っていくカレルに続くのも、一苦労。
顔を流れていた血は瘡蓋となって止まったが、今度は脂汗がじわり、その頭に浮かんだ]
見失ったら大事だ!
死なない程度に頑張れよ、ハンス!
― 蒼い世界 ―
――誰かが言ってた。
信じすぎたら、いつか大事な人をなくすよって。
予言だったの、かなぁ。
[力を失っていくツィスカと、呆然と立ち尽くすカレルを見ながら。ぽつりと呟いた]
―4F:黒薔薇の部屋―
おっさんもな、な、
一番大怪我してんだから、むり、すんな、
[ぜーぜー言いながら、階段を登りきり。]
カレル、ちょ、ま、足はやい……
あっ、ツィスカちゃん、無事っ!?
[息を切らしながら、立ち尽くすカレルの後ろから、中の光景を覗き込んで……
言葉を失った。]
我慢できずに現在軸にも顔を出す
これはリアルタイム観戦したかったところだけど、それはそれで頓狂な感想しかでないだろうことが分かっているのであった。
もう頓狂でもいい。この臨場感!
みんなかっこいいなー!!
ああ、……お前も、…
[魔族も、贄となるのだろうか。
ならば自分も、それ故にこうして食われているのか。
けれどその声には苦痛も弱々しさもなく、
そうではなさそうだ、とやがて断じる。
そして、それよりも気になる事が、ほかにあった]
……桃薔薇、か。
なぜ、そちらの名前を名乗る?
お前も、俺と同じように此方側にに来た筈だ。
賢者殿らには、会ったか?
今どうしているんだ…?
―4F 黒薔薇の部屋―
[カレルから遅れることどのくらいか]
[息を切らして到着した時――]
何で、―― 何でだ?
何で、だよ
[信じられないものをみたかのように、血に濡れた剣を持つトールと、そして、血の中に倒れ付した金色の髪の少女を認めて、掠れ声を……]
遅いぞー、カレル。
[現れたカレルの姿を見とめると、待ち合わせに遅れた弟を嗜めるように、肩をすくめた。
力を失ったツィスカの身体を床に投げ出し、剣を抜く。
カラカラと音を立てて、ツィスカの手にしていた杖が転がった。]
お前が来るのが遅かったから、ツィスカは森に囚われたまま、帰ってこれなくなっちゃったじゃないか。
ハンスもマーティンさんも。
オクタヴィアを殺した手応えはどうだった?
[>>+95 響く言葉に。……少し考えてから。
首をかしげつつ、言葉を紡ぐ]
……んー。
ごめんねぇ、難しい事はわからない。
でも、もう、っていうのがあたしのことなら。
あたしはとっくに持って行かれてる。
[少し笑いながら。……自分を笑ったのだ。
拡散しそうな意識をもう少し延ばして、そこと繋がろうと試みてみた]
――なぁ、何故、それを知ってるんだ、トール。
お前は、まさか、嘘だろう、お前も、魔族なのか――
[シメオンから聞いた話を思い出す。4Fには、黒薔薇が待ち構えているという]
[それは――]
[それは――]
[だとしたら――]
[筋が、通る]
お前がっ、黒薔薇なのか!?
[>>+96 呼ばれる名称に、眉を顰める]
……桃薔薇?あ、ああ。
んー……と。えっと、あと賢者様?
[途切れそうな糸を繋ぎ、なんとか後ろを振り向くと。あたたかそうな毛玉が見えた]
うさちゃんはいるよ。
ベネディクトとルートはわからないな。……どこかに居そうな気配はするんだけど。
なに、言って……なに、やって……!
なんだよ、これ……
[呆然と呟いたが、カレルが走り出したのに気づき。]
かっ、カレル!
今、あっち行ったらあぶねー!!
[無防備にも見える動作で、ツィスカへと駆け寄るカレルに、叫んだ。]
あ、ああ、ああああ、あ…
[血溜まりの中、震えながら姉の体を抱き起こす。刺された所からはまだ鮮やかな血が流れだしていて、それを留めようと必死に掌でそこを抑える。]
姉ちゃん、姉ちゃんっ…!!
起きて、起きてよ姉ちゃん…起きろ…
起きろよ!この寝ぼすけツィスカ!!
早く目を開けろよ!!
[体を揺らし、半狂乱に呼びかける。姉の嫌がっていた呼び方をしても応えることはなく、姉の体はただ揺さぶられるだけ]
――とても気持ちよさそうだった君に聞くけど。こちらに来る気はある?
多分そこでさせられることは、もう終わってる。君の気配が下の方でするから。あと、多分何か近しくなってるのがわかるから、多分そう。
いまなら。
呼べるかも。
――そこにいたいなら、止めない。
それもわかる。
[要領を得ない言葉。
だが、声音は真剣そのものだった。本人は、事実をただ語っているだけのつもりらしい。
その説明が様々なものを端折っていることには、思い至らないようだった]
…………!カレル!
[間に合うか。間に合わないか。
でも、リュックを投げて走った。
トールがカレルに攻撃しようとしても、庇えるように。]
[白は散った。ならば残るのは───…あとのものは。
微かに聞こえていた唄は途切れた。
だから今は、もうひとつの世界へと目を転じる]
……っ、トールか──…
[眼鏡の奥、灰銀の双眸を見開いた]
[青き薔薇に命の灯が注ぎ込まれる。またひとつ。
そうして世界は歪んでいく。
いや、こちらのほうが正しいのかも知れない。
分からない。
───捕らわれた魂は、最後にはどこへと行くのだろう?]
[視界は、暗い。
血液が流れすぎたせいか。
朱色の体液は衣服を伝い、座り込んだ硬い床を真っ赤に染めていた。
ヒトであればもう、全身の血液が流れていてもおかしくないはずのそれは、しかし、噴出すこともない代わりに、枯れることもない。]
[ただ、今、分かるのは]
……。他にも───…誰かいるのか?
[この闇の続くかに見える空間に。
現ならぬモノを見通したはずの、目は最早効きそうにない。
だから無明の闇の先へと、気配を探るように問いだけを投げる]
ぶごふっ!
[リュックの攻撃!
ハンスは、痛い思いをしながら弾き返された!>>122]
こここ、このやろー!
カレルにまで何かしたら、承知しねーぞ!
[ツインテールが、ふわりと浮かび。別の方向を指し示す。それに引っ張られつつ、根元を慌てて抑える]
……やぁ、また、取れちゃう。
そっちにいるのは、ベネディクトでしょ?
わかったから、そんなにそっち行かないで。
ベネ、ここまで来れる?
……それともお迎えがいる?
[蒼い空間に、言葉を投げながら。
シメオンの答えを待った]
その声……、リーゼロッテか。
[桃薔薇と言いかけて、やめた。
何故かは分からない。きっと、声の響きの所為だろう]
……、…。
[沈黙。逡巡の時間は、先の唄>>+54
その響きが、ずっと心に引っかかり続けている]
[>>+105 シメオンの応えに、小さく肩を竦めた]
決断を君に迫るのは、ちょっとそぐわない状況かな。ゆっくり待ってらんないの。
おれ……あたしに余裕がないんだ、……ないの。ないんだよ。
――と、いうことで、嫌なら抵抗しろ。
そこまで嫌じゃないなら、身を任せておけばいい。中途半端はやめてね。おれがしんどいから。
[言うや否や、服の下からもこもこしたものを取り出して、両手で軽くより合わせ。
それを、声の聞こえる方へとしゅるりと伸ばしていく]
───うたを、
[行くとも行けぬとも言わず、声を返す。
実際に”声”なのかも分からないけど]
────聞かなかったか……?
[そんな問いを投げた]
……え、何もしないのか?
[素で尋ね返す。>>125]
お、お前一体何企んでんだっ。
ツィスカちゃんを刺しておいて……
カレルだけ、傷つけないってことはないだろ!
[>>+108 ベネディクトの声に、ツインテールがぴこりと反応する]
……うさちゃん。気になるのわかるけど、待ってちょうだいな。いっぺんに引いたら、おれが裂けちゃうよ。
――…うた。聴いたよ。だから今引っ張ってンだよ。声の主をね。
君も気になるんなら、とっとと来て加勢して欲しいくらいだ。まあ来たいかどうかは知らんけど。
――ひとりで来れるなら、おれの髪を辿っておいで。今そっちに行くから。
[そっちに行きたがるツインテールのひとつを、ぶちっと抜いて。ぱっと手を離す]
もしかしたら、おれも引き込まれちゃうかも。
そうしたら、うさちゃんと一緒に助けに来てよ。
シメオンだけならなんとか、サルベージできるんじゃないかな?
[>>+110 行けない、という言葉に。ぎり、と奥歯を噛み締める。何かがざりっと砕ける音がした]
行けない、んじゃない。
お前が行きたかないんだろ。
そこから動きたくない。そういうことなんだろう?
……言葉は正確に使えよ。
[待っている時間はなかった。両側からひっぱられないとしても、近づけばみるみる存在があやふやになるのがわかる。
伸ばした糸を、逆にたどって。少しずつ声の近くに進んでいく]
[声の主。その言葉に、少しの間沈黙をする>>+111
かの声の主はそうなのか。問いは音になることはなく、]
髪を、たどる……?
[意外な言葉に瞬いた。
何だという間もなく、ふわりと目前に淡い桃色の光が浮かぶ。
くるりと周囲を巡って、誘うように導こうとするそれ]
いぎっ!?
[気づいた時には遅かった。
黒薔薇の茨にリュックごと締め上げられて。>>129]
こっ、こんなのっ、何もしないに入るわけあるかー!
いっ、いでえええええええええ
[小さな傷でも広げ、中へ入り込もうとする茨に、汚い悲鳴をあげる。足をじたばたさせた。]
[思考が徐々に戻ってくる。姉の体を、ぎゅ、と抱きしめた。溢れる涙が姉の前髪を濡らす。
力を取り戻しはじめた瞳が、トールを睨みつける]
…・・・・
騙してたのか。ずっと、昔から、…子供のころからずっと!!
オレと姉ちゃんを…騙してたのかっ!!
[気を吐く。動け動け動け動け動け動け動け動け、身をよじる]
俺ぁよ、今まで聖痕の勇者2人がいれば、きっと世界はよくなる、って思ってここまで来た。
だが、よ。
そこにいるのは、ただの姉を失って悲しんでる坊主だ。
俺は今まで、子供らに希望と縋ってここまでやってきたと思うと情けなくてな。
――もう二度と、うちの子らみたいな子供を出さないと家内と約束してここまで来たってのに、ほんっとーに情けない話だぜっ
聖痕? 世界の選ばれたもん?
知るもんか。
俺は、戦っ……ぐぅぅ
[黙れとばかりに首を締め付けてくる茨に、苦悶の表情を浮かべ]
アレ、な…
[ちらりと青薔薇に視線を走らせると]
まあ、そう焦るなよ、マーティンさん。
ますます禿げるぜ。
メインディッシュはもうちょっと後だ。
[二人を絡めとった茨に咲いた黒い薔薇が咲き、濃厚な香りが部屋を満たした。
それは、リーゼロッテの幻覚にかかる感覚にも似ていたが、決して幸せな幻覚を見せることはなく、心の奥に潜む、"憎悪"の記憶を引き出すのみ。]
――ここから、…抜け出した、ところで、
[自嘲の笑みが唇に刻まれ。
ぽたりと、耳を伝わって赤い雫が血に滴り落ちる]
アイツに、…なんて詫びればいい…?
[護れなかった。
――せめて護りたいと願った、最期のものすら]
[>>+116
シメオンの言葉に、堪え切れずに小さく笑みを漏らし。
腹に力が入らない代わりに、喉に力を込める]
……わかってるって。大丈夫。なにもかも今更のことだよ。ここに魂なんてないんだから、
下手をしなくても、ちょっと気を抜いたら消し飛んじゃうからねぇ。来る気があるんなら、君も頑張るといい。
――おれの話を聞く気があるのなら。
おれじゃなくても。うさちゃんや、ベネの話を聞く気があるんならな。
[言われた言葉をそのまま投げ返して、黙り込む。無駄口は終わり。
一歩ずつ近づくそこは。歯を食いしばっていないと、形も意識も、何もかもがばらばらになってしまいそうだった]
――……。
[空間のどこかで。誰かの声を聞いた。
きっとベネディクトは、あれを見つけたのだろう]
[淡い桃色の導きを辿り、闇を渡る。
曖昧な空間に、曖昧な姿。
ただ、己のここにあるという自覚のみが形を保つ。
闇の中、掌へと視線を落とす。
今際の際に握り締めた紫銀の砂>>4:252
闇にも淡く輝くその幻影を、再び手の内に握った]
…リーゼロッテ。
────シメオン
[居場所を示すよう、名を呼びかける]
山に対する、いや、山に住む人たちに対する恩の返し方が、こんなことになるだけなんて。
遺体を焼きながらそうため息をついた。
嘆いても始まらないから、俺も彼女も、静かに余生を送るつもりだった。
言葉なく、日常を送るだけの日々。
ぽっかりと明いた子供部屋が寂しかった。
彼女は静かに魔族についての本を読み、俺は、侵食する薔薇を食い止める為に斧を用心深く振るった。
ますます禿げるだなんて、おっさんにはもう失う毛はないと知って、なんてひどいことを…!
くっ、あっ………
[むせ返るような黒い薔薇の香。
目が虚ろになり、憎悪の記憶を引き出される。
……割とのんきに生きてきて、唯一の肉親であるおかーちゃんも無事である情報屋に、今までの人生における憎悪の記憶は微々たるもの。
だが、旅の途中で仲間を失うたび、魔族に対する憎悪は胸にくすぶっており。]
……な、にを……
[弱々しく呟いた。]
[>>+121 たどたどしい気配に、状況を察知して、軽く舌打ちをする。見えすぎた彼の目。消耗を強いたそれは、おそらく今は]
――…気合でさっさと助けに来い。
無茶言ってるか。まあたまにはいいじゃん。
おれが本当の無茶を言った事は、……多分なかった。
そうでしょ?
[おぼろげな記憶を辿りながら、ベネディクトに語りかけつつ、腹から下の感覚が消えるのを感じた]
しゃべるとっ 集中が、切れるっ!!
[やつあたりのように叫ぶと、指の先が異質のものに触れる。そのまま手を伸ばし、そこへと潜り込む。
――潜り込む。懐かしい感覚だ]
[さぁ、吸え、とばかりに一旦は呼吸を開放され]
げっほ……なんだ、この香りは……
や、やばい……!
禿だと俺のことを馬鹿にした奴を全部首すっ飛ばしたくなってきた…!
[軽度]
…………ぅぅ……
[憎悪の記憶。
世界から薔薇を狩り尽くすと誓い、薔薇に埋もれた、自らの骨を埋めるつもりだった、山に火を放った]
[紅蓮の中に消えてゆく、家、墓、畑だったところ、学校、子供らがよく遊んだ手作りブランコ――]
[それからは。新しい心のよりどころが出来たと思えば、薔薇によって奪われるの繰り返し]
[ここに来るまでに、何人の仲間を失った?]
[ここに来てから、何人の仲間を失った?]
[薔薇が、憎い。――仲間を殺した、魔族が憎いッ]
[>>+118 シメオンの言葉に、歯を食いしばりながら笑い声を漏らす]
――どう、詫びればいいかとかさァ。
相手に詫びる勇気が持てるかを先に考えなよ。
詫びる相手があの人なら。
そのままそこで朽ちるがいい。
でもそれ多分、詫びにゃあなんないぜ。
あんたたちが知ってるものとは、別のものを見た。
どっちも嘘じゃないんだろうけど―――……。
[そうかな、どうかな。言いながら、内心で苦笑する。
どうせなら、見たいものを見てからがいい。忘れてしまうにしても]
もし、そうでないんなら―――。
まずは顔を合わせる事を考えるこった。
[闇の中で辿るは、ただ感覚のみ>>+122
見えている。見えているはずだ───そう思う。
けれど、頭痛も吐き気もなくなったのに、
何故こうも上手く辿れないのか]
気合?
[語尾が上がる。けれど、その響きにそれ以上は口にしない。
必死とも言える口調に、短い沈黙が落ちた]
……誰に向かって言っている。
[出来る出来ないではない。
やると決め、その先の闇へと感覚を辿る。
向かう先、掴み取るのはリーゼロッテの姿か、それとも]
ふ、ぐ、うう、
[胸を焼くような憎悪。
憎くて、悲しくて、憎くて、痛い。
憎しみを引き出す為に悲しみの記憶も呼ばれるから、痛くて苦しくて、涙が零れた**]
[>>+123 シメオンの言葉に、笑おうとしたが。ちょっとその余裕はなさそうだった]
危険なのはわかってる、っての。
おれの魂は、こっちにあるンだよ。だから、来るのは、できるんだ。
……問題は、戻れるか、だな。
おれはおれのそれを、そのままにしておきたい。
できるなら、だけど。
[ぬめる、重くて厚い膜を潜って。魂が呼ぶ方へとただ身体を進める。
――そうして。
声はもう、目の前にあった]
勢いだけで走っているが、これ、なんとかなるのだろうか。
あれ?もしかしてこれ、トランスしてんの?
いや、まだ、してない。してないよ。してない。
あー……、しかし、いきあたりばったりすぎる。
[憎い]
[悲しい]
[痛い]
[苦しい]
[茨を通じて伝わる負の感情の連鎖に、青い貴石がどくりと脈打つ。その色はツィスカの生命と、吸い出された憎悪によって、先に見たときよりも更に暗く、黒く濁っている。]
違う。ここに、来なきゃ兄ちゃん達は魔族にならなかったかも、しれないけど。
でも、それじゃ何も変わらない…オレ達は、皆で世界を良くしようって思って…
[顔を歪めて、呟く。]
[>>138トールの言葉に、腕の中の姉を見つめる。体温は失われ、冷たくなっていく体に、また涙が零れる]
…
兄ちゃんも、姉ちゃんも、ずっと、オレの大事な家族、だったから。
オレの兄ちゃんは、優しくて、でも怒ると怖くて、オレと姉ちゃんをずっと大事にしてくれた。
・・・・・・・
姉ちゃんを、殺したお前は、兄ちゃんなんかじゃない。
[頬を濡らしながら、睨みつけると、姉の亡骸を抱いて立ち上がる。]
[>>+130 力なく、はは、と笑って。
ソレに手を伸ばす]
……聞こえるんだろ?人の話はろくすっぽ聞かない癖に、ゲンキンなもんだなァ。
――ほら、頑張って。
おれだけじゃ、おれが吸い込まれて終わりそう。あんまりそれに触れないんだ。
気を抜くと、おれの、魂が――……
[触れた蔓が、僅かに桃色に光り。
―――指先がそこに、ぴたりと吸いついた]
………ッ。
あるとき、彼女は、かつての魔族と人間との戦いの記録を発見したと喜んでいた。
これで助かるかもしれない、と。
帰ってこないものもあるし、自分たちも失われつつあるが。
それで、最期に誰かにとっての幸いになれればいい。
彼女の心は、強く私の心に響いた。
当然、最初に、彼女の魔術の実験台になったのは俺だ。
寝かされて、彼女に魔術の文様を掘られてお香をたかれた。
くすぐったかったが、じっとしてろとすごい目で睨んできたもんだから、俺は耐えた。
だが、お香の臭いをかいだ瞬間に意識が飛んだ。あれは睡眠薬だった。
次に俺が起きたとき、彼女はいなかった。
俺の身体にも、薔薇の毒は残っていなかった。
心で呼びかけても、何も帰ってはこない。
身体は久しぶりに、走り出したい気になった。
薔薇の中を走り回り、叫び、刈り取り。
声が、聞こえない。
俺は、今度こそ一人ぼっちになってしまったと悟った。
[広間の隅に来ると姉を下ろし、剣で茨を切り払う。茨を取り除いたそこに姉の体を横たえると、姉の手を胸の上で組ませ。輝きの失った痣の宿る右手を、一度だけぎゅ、と握る]
…姉ちゃん。少しだけ、待ってて。
[小さく呟き、立ち上がる]
彼女は俺に手記を残した。これは成功率の低い賭けだと。
彼女は、古の護りの魔術を俺にかけた。
術者の命と引き換えに、対象にかかったあらゆる呪いを解くというものだ。
そうか、薔薇は呪いだったのか。――妙なところで感心した。
彼女は、俺に命令を下した。
「誰かの為に、生きて。命ある限り救え。子供に世界を残せ」
めちゃくちゃだと思ったが、なるほど、彼女らしい。
俺たちは二人で子供を、そして多くのものをなくした哀しみに囚われたが、俺たちだけじゃないもんな。
どこまでも前向きで、夢を追っていた彼女の横顔を思い出し、俺は旅立つ決意をした。
山の村、祝福を受けた寺院、羊のいなくなった牧場、子供らの遊び場のブランコ、家、
いろんな思い出があったが、どこもかしこも紅蓮の炎に消えた
幸福だった時代の記憶は、自分の心の中だけにあればいい
炎を焚いたのは、俺の涙で最期に離れる心の故郷が歪まないようにするためだったのかもしれない
さてシアターに戻ろうか。
明日トランス出来てなかったらどうしよう。今もしてないんだけど。
本当は、取り込まれる方が。
リーゼロッテの求めるものは手に入る。
消えたいのではなく、残したいために。
まわりたいために消える。
……そうなるかと思ったけどそうならない気もしてきた。
― 過去シアター ―
[>>4:145 マーティンがその鍛え抜かれた身体を叩きつけるたび。
脆い鏡は粉々に散っていく]
うわー、さすが重戦車。
つか元気いいな、おっさん……。
[頭からガラスに突っ込んだら。
頭から血が出たりして、髪みたいになったりするのだろうか。
それを想像して]
――――…ッ、ぐ、う……、想像するんじゃなかった!
やばい、ちょっと面白すぎる……。
[口元を抑えながら、もごもごと笑いをかみ殺す。
笑っても誰にも聞こえはしないが、地上の声が、音が、よく聞こえなくなるのは困る]
[流血をものともしないマーティンに、カレルが心配そうに叫ぶ。>>4:149
それに豪快に答えながら、マーティンは鏡を砕く手を休めない>>4:155 ]
いいな、カレルのモテ期はこれからか。
おれ、そういうのあったかなぁ。いっぱい喰ったけど。
こっちから迫って口説いて押し倒すのは、でもって闇討ちのように夜這いかけるのは、モテとは言えないかもしれんなァ。
はあああっ!!!
[駆け出し、ハンスとマーティンを戒める茨を剣で切り落とした。怒ったように茨が此方を目掛け向かってくるが、それらも全て切り落としていく]
……あ、カレル赤くなってら。かーわいー。>>4:163
てだれのおねーさまに喰われちゃわないか心配だな。ああ惜しい惜しい。
[惜しいという意味は、勿論別の意味。
……もう叶わないことだが。半分くらいは冗談だった]
[>>4:146 ハンスの呟きに苦笑して]
ナイフくらい扱えた方が、いんじゃないかな、ハンス。
至近距離で何かする位なら、逃げた方がいいと思うしな。
怯ませる程度のモノでいんだよ。
[届かないことを知っているので、好きな事を呟いた]
[やがて、姉の血に濡れた剣を持ち、笑うトールに向き直ると]
兄ちゃん……、いや。
黒薔薇トール!
オレは、お前を倒す!!
[剣の切っ先をトールに向け、告げた**]
[>>4:154 ハンスの書き付けを。羨ましそうにじっと見つめる]
あれがあったら、便利そうな気がする。
でもそういえば俺、文字があんまり………。
誰か、覚えててくれないかなァ。
[>>4:151 ――とても親しくなられたようですから。
オクタヴィアの言葉に、思わずぶふっと吹きだしてしまう]
……見てたね。まあ、見てたか。
うん、そうだね……くっくっく。おれも見てた。
まあ、その交渉は正しい。決裂前提だが。
[面白いという意味で、正しいと頷いて。
>>4:160 俺の言葉など聞くものか、という声に苦笑する]
言ってろよ、というべき所だな、こりゃぁ。
――さぁ、て。
護れるかな………?
おれと俺がごちゃまぜになるうううああああ
リーゼロッテがわからない。この人どういう価値観で動いてるの。
生きてないでしょう。
生きてないのに。
俺のトランスに付き合わせて済まなかった。
口では「ゆっくりやすんでね!」
やってることは「あっはっはー!あそぼーぜ!」
説得力が皆無すぎる
[>>4:156 表情を曇らせるツィスカに、小さく首を振る]
予想だけど。
……ツィスカの試練はもうちょい、ヘビーな形でくるんじゃないかな。
[誰かの面影を瞼に映しながら。煌めく剣の切っ先を思い出す]
……慣れろ、とは、言わないけれどね。
おれもつっついた。
謝らないけれど。
[泥を啜ってうつくしく笑いながら正道を行くにしては、勇者たちは幼すぎる。
それは、そういうものだ。それでいいのだろう。
どんなことにも、強みと弱みがある。
その優しさで人々を惹きつけ、ひた向きさで持って生まれた才能を輝かせている彼らは。
それゆえのデメリットも、共に抱える事になる]
/*あらためてみるとすっごい恥ずかしいなこの主人公ノリ…
正統派熱血系主人公といえば
・「!」多用
・無駄に前向き
・負感情に傾かない
・豆腐メンタル
だと思っているオレです…
超次元サッカーの人とボーガーの人を足して2で割ったようないめーじ…
あと「殺す」とか物騒な単語は使わない子供向けいめーじ
オーッナンチューコトッ!!
多分使わなくても大丈夫な伏線とか
・ハンスに渡した剣
・黒い痣が刺青のように!
・青薔薇破壊→俺の時代キタコレ!
拾いたいけどどうかな
・ハンカチ
・ますますハゲて励ます
最初に資料を持ち寄ったのは、学問の都
終わりもしない会議を延々と繰り広げているところで、彼女の知り合いの賢者を訪ねた
アポを正面から取るのは大変だったので、泥棒らしく入ったが。
彼らはよくやってくれた。
彼女の資料の不備を解明し、そして聖痕を持ちしものが魔族に対する対抗策になると。
解明にかかっている間、俺は街の用心棒をしていた。
ここまで離れれば"山"の山賊の頭なんぞ知りはしなかったし、皆薔薇でそれどころではなかったから、案外馴染んだ。
それくらいになれば、もう一つわかったことがあった。
俺と彼女の方法は、偶然が重なってできた奇跡であって。
俺と彼女のように、精神的にどこか繋がっている二人組でなければ同種の奇跡は成り立たないであろう、と。
ああ、俺は彼女に生かされた。
いなくなってしまった子供が、いなくならないように
どこまでやれるかわからないが、とにかくやってみよう
やる前から諦めてしまったら、彼女に怒られてしまう
そうだろ、シルキー?
[>>4:158 ハンスの逃げまどう姿を、初めて冷静に見てみる。
旅の途中は……多分、危なっかしさに頭がいっぱいで、隙ばかり見えたものだが]
……意外に、クリティカルな所は避けんのね。ハンス。
勘が良いのかな。
まあ、磨かないと伸ばせないだろうけど。
[絶妙な角度でリュックに刺さる矢の多さ。それは、彼の心臓を狙ったものだ]
旅の途中で、オクタヴィアがきゅるるんっとおだてたらよかったナ。
そうしたらもっと、楽だったと思う。彼はね。
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