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……アレは。
………アデルは俺んだ。
[胸中に浮かんだのは嫉妬心。
同じ日、同じ母親の腹から生まれた対への。
心も体もすべてが欲しいと願った人のはただ一人。
アデルだけだった。
他はすべて、アデルの代わりでしかなかった。
蝶が華を移るのと同じようにしていたのはアデル以外、どうでも良かったからだ。]
……そうして皆様とお食事を楽しみ……といっても、疲れてる方も居たりで入れ替わり立ち代りという感じでしたわ。
歯を磨いて、片付けのお手伝いを始めた頃、ゾフィヤさんが広間へ入ってきたの。
おなかすいた、何か食べるもの無い? って。
― 広間 ―
[ソファで言葉交わす二人から向けられた視線には気づかず。
緩やかな旋律を紡ぎ終え、一つ、息を吐く。
邸の主の訪れは、それと前後する頃か。
扉の開く気配にそちらを振り返った若草色は、入って来た主の険しい面持ちに僅か、細められる]
……それで。
いきなり呼び集められたのは、どんな理由でしょうか、ヘル・ローゼンハイム。
[鍵盤の蓋をして、低く問いかける。
最初に返されたのは、深いため息。
それから、外の状況が知らされる。
昨夜の嵐で崖道が崩れた事、それによって邸が孤立した事。
道の状態については、実際に見てきたテオドールからも補足はあるか。
いずれにせよ、良い状況ではない、と。
その説明の後、邸の主は一度目を伏せて。
もう一つの異変の事──礼拝堂で見つかった、タチアナの事を、苦々しい響きの声で伝えてきた]
……は?
フラウ……が?
[誰かが『欠けた』のは、感じていたが、それがタチアナとは思わず。
口をつくのは驚きの声。
邸の主はまた、ため息をついて。
その亡骸の状態と、そこから導き出される一つの推測──とはいえ、彼にとっては確信なのだろうが──を告げる。
即ち]
……人狼……幻燈歌の、伝承、の?
[思わず上がった声に返されるのは肯定。
伝承に語られる人狼が、この邸の中にいる事。
同時に、それに対抗する術持つ者もいるであろう事。
邸の主はそれらを、端的に告げて。
最後に、自身の身の上を──人狼の脅威を取り除く事を目的とした『結社』の構成員である事を明かし、そして]
…………結局、そうなる、か。
[零れ落ちた小さな呟きは、邸の主の示した現状の打開策について。
人狼を見出し、殺すこと。
それが、生き延びる唯一の手段である、と。
それを伝えると、ローゼンハイムは深く、ふかく、ため息をついた]
わたくしお片付けが残ってますので、ソフィヤさまはゆっくりお食事なさっててくださいね。
お代わりもご遠慮なくどうぞ。
/*
いやもう、事前になんも用意しとらんかったから。
ほんとにざっくりさっくりになっちまったぜい!
[※30日多忙と悟った時点で、丸投げる気満々でした]
―広間―
[まず見たのはピアノの前の青年。
聴く者には心地よいであろうピアノの音色も、雑音のようにしか捉えられない。
面と向かって止めろと言える程ではなかったから、弾き手に睨むような視線を送るだけだったが。
その彼が刹那、視線を他方向に向けたのを見た]
[その先には年配の男性。
此処でも度々目にしたことがあり、義父と親しい間柄なのだろうとは想像できるものの、詳しいことは知らない。
ただ]
……あいつ、
[ふと思い至ることがあり、視線はややきつくなる。
幼馴染と少し距離が開き始めた頃、彼女の両親ではない知らない大人と一緒にいるのを見かけたことがあった。
記憶に違いがなければ、その大人と彼は同じ顔をしていて]
[とられてしまった、と]
[嫉妬めいた感情を抱いたのは、あれが最初で最後だったように思う。
今此処でその姿を目にするまでは、すっかり忘れていたものだったけれど]
……あっ、ごちそうさまってゾフィヤさまの声がしましたわ。 食べ終わったようね。
食器、さげてきますわ。
― エントランスホール→広間 ―
まぁ、それが良いだろうね。
[>>213広間に行くべきかという兄貴分に頷いてみせ。
傍らでいつものように拒むこともなく頭を撫でられていたゾーイからも同意を得られた>>212ので、広間へと足を向けた。
目に見えて気落ちしているゾーイが服の裾を握っているのに気付いても、それを指摘することもなく彼女の歩に合わせて歩くよう努めて。
アデルやトールの先を歩いていた為に、後方での二人のやり取りに気付くことは無かった。]
― →広間 ―
― 広間 ―
[広間に着いて、まずはゾーイを休ませようとソファーへ向かい。
腰掛けた彼女の手が己の服から離れたのに一瞬感情が過ぎったが、すぐにそれを収めて彼女の髪をさっきしたように緩く撫でた。
>>211昨日誤解を受けた(そして未だ解けていないだろう)女性が息子を叱る声にも、気を向けることはなかったが。]
──………え…?
[耳に届いた音色>>227に、思わず声をあげてその音の先を見た。]
兄、さん?
あは、やっぱりみつかってたんだぁ、あのこ。
[あっけらかんとした笑い声が赤い世界に響く]
そうね、わたしたちをみつけてころさないと、じぶんたちがしんじゃうものね。
でもわたしたちも、あなたたちをころさないと、いきられないの。
だから、わたしはためらわないわ?
そうやっていきてきたんだもの。
[そこにいたのは、フィオン。
いや、彼がピアノを弾いている事自体はおかしくもない。
幼い頃からの彼の癖のことは知っているから、きっと落ち着こうとしてのことだろう。
おかしいと思ったのは、今彼が紡いでいる旋律。
自分だって演奏家のはしくれだ、耳には多少の自信がある。
幼かったとはいえ何度も聴かせてもらった曲を忘れるわけがない。
例えその音の対が欠けていたとしても。
でも、だからこそ驚いたのだ。
その音色は、彼の過去と切り離せないものだったから。]
お片づけトールにぃだけで大丈夫だよって引き受けてくださったの。
広間へ戻ったらゾフィヤさまは折角だし、とエントランスのお人形を一抱えにして礼拝堂へと向かったわ。
―広間―
[睨んだ先が如何な反応をしたにせよ、義父が姿を見せたならば視線は外される。
義妹のことは既に知っていたから、そこに驚愕はない。
ただ見てしまった惨状を思い浮かべて、視線は揺らいだが。
何れにせよ、仮にも身内を喪ったにしては薄い反応だった]
[5年前。
この薔薇の香り漂う邸で偶然に再会した彼は、自分の知る彼とは随分印象が変わっていた。
明るく社交的な印象は、どちらかといえば彼の妹のものだったから。
それに多少の違和感を感じなかったとは言わないが、幼い自分を可愛がってくれた兄のような彼に会えた嬉しさがそれに勝った。
そして、何気なく聞いたのだ。
彼の妹は…家族はどこにいるのかと。]
[その返答はどうだったか、実はよく覚えていない。
はっきりとだったか、曖昧だったかすら。
ただ、その問いに対してはきっぱりとした拒絶があったことだけが強く心に刻まれて。
それ以来、聞こうとしたこともない。
その為、お互い消息を断っていた間に何があったのか自分は知らない。
フィオンだけでない、彼の妹も両親も大好きだったのだ。
彼女らがどうなったのか知らぬままで平気なわけではない。
ただ、過去の記憶はフィオンを傷つける。恐らく、今も変わらずに。
自分が訪ねることすら、本当は辛いことかもしれない。
それでも、また来たいと願った自分のことを彼は厭わないでくれた。
だからせめて、昔の記憶に触れることは極力避けていた、のだが。
今紡がれている旋律は、彼が己の半身と共に奏でていたものだった。]
[フィオンが何故今それを弾いているのか解らず眉を寄せて彼を凝視していたから、ゾーイの元にシュテラがやってきたことに気付くのが遅れて。
傍らで二人が会話を交わしているのようやく気付くと、驚きに2、3度目を瞬かせた。]
あれ…二人、知り合いだったの?
[そう問いかけたところで、邸の主が広間に姿を現しただろうか。
意識はそちらに向かい、そして。]
………、…は…?
[聞かされたタチアナの訃報に、理解が追いつかず。
呆けた声を上げた。]
― 広間 ―
[外した視線は、一度か二度か、殆ど聞いたことの無かった曲が子守唄へと変わったピアノへと向けて。
合わせて息を吸い込んだ所でセルウィンからの問いが届いた]
はい。この村へ来る以前に。
[詳しく説明するところまでは至らなかった。
扉の開く音がして、子守唄が止んで。
挨拶をし損ねたままだった屋敷主からの状況説明に、ゴクリと息を飲み込んだ]
[ローゼンハイムが『結社』の構成員であること、自分達のやるべきこと、それらも言葉を失ったまま聞いていた]
幻燈歌…が、現実、に…。
[脳裏に過ぎったのは、エントランスホールに飾った人形達。
幻燈歌を基にしたその人形の1体が切り裂かれ、少女の人形と年格好の近いタチアナが人狼に襲われた。
無関係とは思えない符合。
膝に置いた手がまた硬く握られた]
― 広間 ―
そんな……。
[人形が壊されたことは当然無関係でないだろうと思っていた。
しかし既に襲われた後だとは思っていなかったから。衝撃を受けた様子は演技ではなかった]
対抗する、術。
[それでも。何も知らないよりは動揺も小さく。
続く話も確りと聞き取れて。
その一言を繰り返すように呟き、窺うように周囲を見回した]
― 広間 ―
[齎された報せは、落ち着かない空気を作り出す。
それもそうだろう、とは、思う。
『以前』がなければ、自分とて落ち着いていられたかどうか定かではない]
……人と、人狼と。
幻燈歌の再現……か。
[低く呟いた後、広間に集まる者たちを見回し、一度目を閉じる。
始まっている、逃げられない。
それは、タチアナが『欠けた』事を感じた時点でわかっていた事。
それを感じた、という事は、死を持って他者を見定める力が、15年前と変わらず目覚めているという証に他ならないから]
ゾフィヤさまの涼やかな声が礼拝堂を満たしていく。
雨の打ちつける音も……吸い込まれて消えていきそうで……。
何れの地より彼らが来るか。
何れの刻より彼らが在るか。
それ知る者は世にはなく。
ただ、伝わりしは幻燈歌。
朱に染まりし月の映すゆめ。
始まり兆すは紅の舞い。
絡み合いしは、縁の糸。
呼び集められしは、いとし子たち。
月の、神の、愛でし子ら。
月のいとし子は牙の主。
鋭き爪と、牙持て引き裂く夜の獣。
人でありながら人でなく。
内に獣を秘めし者。
他者の血肉を渇望し。
その思いのままに、夜を駆ける。
月に対するは、神のいとし子。
蒼と朱、ふた色の花。
対なる双花を身に帯びし、『双花聖痕』。
彼らは象徴。彼らは導。
力なき者を導く使命を帯びし、神の御子。
されど、甘美なるその花は。
時に強く、激しく、月の牙を引き寄せる。
双花支えしは見出す者たち。
神より授かりし力持て。
闇に潜みし、月のいとし子たちを見出さん。
一つの力は生ある者を。
一つの力は死せる者を。
それぞれ見極め、導となさん。
光なるものと闇なるもの。
狭間に揺らぐは影の護り手。
一つは光。
闇より迫る牙退けしもの。
一つは闇。
闇に潜む牙を護り、生かさんとするもの。
二つの護り手。対ならざる対なす者たち。
その存在は、合わせ鏡の如きもの。
月のいとし子、神のいとし子。
力ある者を巡る者たち。
力無きが故に弱く。
力無きが故に強く。
朱の月の彩る世界の内で。
何を求め、何を信じる……?
月巡り、刻巡り、『場』が築かれしとき。
選びうるは、生か死か。
生の望みは、他者の死を持ってのみ叶うもの。
死をもたらすは、月の牙か、人の刃か。
何れなろうと、死せる者は。
囚われ、ただ、行く末を見届けるのみ。
泡沫酔夢、夢幻の如く。
紡がれ行くは、物語。
月のいとし子、神のいとし子。
縁重なり、想い重なり。
描く未来は、如何なるものか。
語り継がれし物語。
水面に映るは、朱の幻燈……。
―広間―
[けれど話が事の要因――幻燈歌や、人狼などといったことに移るにつれて、蹲る身体が徐々に震え出す。
そこにあったのは恐怖だけではない]
……ふざけるな。
[出た声は、思ったよりも大きなものだった]
それじゃ、全部あんたのせいじゃないか。
あんたが何も考えずに客なんか呼ぶから、こんなことになるんだ……!
[苛立ちから出る言葉は止まらない。
当の客人たちに聞かれることも構わずに、棘を叩きつけた先は義理の父。
“父さん”だなんて呼んだことは一度もなかった]
…ふむ。
まぁ、それはあるのかもしれないな。
[多分、その推測も原因の一つなんだろうなぁ、と思ってその話は終了となってしまうか。]
[自分の疑問に対してのシュテラとゾーイからの返答>>289>>290に、反応を返す余裕も無く。
タチアナの死を飲み込む間も無く続けられた説明に、困惑の色を強めた。]
いや、あの…
人狼とか、結社とか、ちょっと待って下さいよ。
幻燈歌は良く知っていますが、現実に起きるなんてそんなことあるわけ無いじゃないですか。
[『場』に巻き込まれたこともなく力もない男は絵空事にしか思えず。
ただ眉を顰めてそう邸の主に言ったが、ローゼンハイム自信が結社の一員であるという時点で現実に起きているのだと返されると何も言えなくなり。
そこに響いた声>>294に視線を向けると、名も知らぬ少年がそこにいた。]
[“人狼”だなんて、何も知らなければ伝承だと一蹴してしまいそうな話。
苛立っていたとは言え、それに何の疑問も抱かなかったのは、あの傷跡を見たからなのだろう]
大体嫌だったんだ。パーティだのなんだの、事あるごとに人集めやがって。煩くて仕方ない。
村のやつならまだしも、何処の誰かも分からないようなやつまで泊めてさ。
そんなことやってるから殺されるんだよ。
……自業自得じゃないか。
[溜まっていた恨み事を吐き出す間、義父の顔から視線は外れている。
だから彼がどんな表情をしていたか――その瞳に浮かぶ濃い疑念の色に気づくことはなく]
[それから視線を向けるのは、集まっていた客人たち。
こちらを見ている者にも、そうでない者にも、はっきりとした敵意を向けた。
幼馴染に対する時だけそれはやや揺らいだが]
犯人探しでもなんでも、お前らで勝手にやれよ。
ボクには関係ない。
[言い捨てて踵を返す。
呼び止める義父の声は無視した]
―広間―
ふむ…
[話を聞いてからどこか考えこむように、周りの話している事は聞くともなしに聞いていた]
人狼か…
[呟きながら伝承に聞くその存在を否定も肯定もするつもりはなかった。
ディークの姿に気づけばそちらを見て、僅かに表情を崩してみせただろうか。
場には余りそぐわない態度だったかもしれないが、その自分の僅かな表情の変化など二人以外にはわからないことだろう]
― 現在・広間 ―
[文句を言ったところで、息子の意思が固いのくらい、母はよく知っている。
人も増えれば、あまり文句を言うこともかなわず、少し離れて腰を落ち着けた。
色々と考えることは多い。
とはいっても、若者たちにその悩みを打ち明けることもなく。
館の主に直接話そうともしなかった。
人形が飾られていたことも、その一つが壊されていたことも。
そして外へ出られない、
――場が整ったことを、
彼女は知らない。
ただ空気は重く、溜息が一つだけ落ち、そうしてすぐにいつもどおりに強い母の表情へとかえるのだった。]
[一度意識は吐き捨てるセリフとともに立ち去るイェンスの方へと。
こういうときにはぐれるものが一番危ないとは思うものの止めることもしなかった。
本人に大丈夫だと確信できる何かがあるのかもしれないし、そもそもそれほど知った仲の相手でもなかったこともある]
とはいえ、感心のできる行動ではないか…
[思わず声に出して呟いてしまいながら、立ち去った方を見送るようにしばし眺めていた]
[だがそれも、やってきたローゼンハイムの告げた事実で、一度なりを潜める。]
タチアナが?
[娘を失った父を見た後、視線はジャンへと。トールへと、向かい。
再びローゼンハイムに向けた視線は、痛ましいものを見るものであった。]
苦しかったろう、ね……。
あんたも。
―― はやく みつけ なけりゃ ね。
― 広間 ―
[突然上がった声には息を飲むしか出来なかった。
どこの誰かも分からない、などと言うのを聞くと、それに該当する自分まで否定されている気分になり、申し訳なさも相まって眉尻が下がる。
先程から動揺を誘う出来事ばかりが身を襲い、叫んだ少年の違和に直ぐ気付くことは出来なかった]
……人形、傷付けたのも、人狼、なのかな……。
[小さな呟きは傍に居たものにしか聞こえないもの]
― 広間 ―
[言葉を叩きつける少年>>297と、彼に対して向けられる、邸の主の瞳の色。
感じるのは、微かな違和感。
当の少年から向けられた敵意>>300には、一つ、瞬くが。
踵返すのを、止める事はしなかった]
……ま、確かに。
無用心である、というのは、否定できませんよね、ヘル・ローゼンハイム。
[代わりに、というわけではないが、声をかけるのは後に残った主の方]
知っていたのに。
知っているのに。
……事が起こる可能性、考えられなくはないはず……ですよね?
[低い呼びかけは、周囲にどう取られるか。
けれど、逃げられぬのであれば。
隠し立てしていても仕方ない──という思いが、言葉を止めさせなかった]
なにおこってるんだろーね、あのこ。
[タチアナとの関係は知らなかったから、不思議そうに首を傾げる気配を醸し出す]
おじさんは『結社』のひとかぁ。
このままいられると、ちょっとじゃまかな?
[首を傾げる気配はそのままに、ぽつりと一つ呟いた]
[周囲の様子を気にしながら、最後に視線を彷徨わせるのは自分が親しくする二人の間で]
私も少し席を外させてもらう。
[手にした無残な姿を晒す人形は隅の方の机の上におき。
広間を後にしようとしとイェンスが出て行った出口へと向かった]
[少年はどうやらローゼンハイムの息子らしいと、会話から察することはできた。
けれど今まで一度も見たことのない顔に疑問が浮かぶも、そういえば、と以前タチアナから義理の兄がいると聞いたことを思い出した。
彼がそうなのか、と内心で理解しながら義父に対して声を荒げながらの非難に眉をしかめた。
父に対してだけでなくこちらにも敵意を視線を向けられると、自然とその瞳からゾーイを庇うように体を傾け。
広間から出て行く少年の背を無言のままに見送った。
[何処の誰かも分からない奴。そこには自分も含まれるだろう。少し俯いて。
けれどここでただ落ち込んでいるわけにはいかない。
名前と屋敷主との関係性は、二人の会話から聞き取れた]
イェンス、様、ですか。
悲しくはないのですか。
突然のご家族の悲報でしょう。
[立ち去る背中へと言葉を投げた]
探せというのなら、探します。
……私が。
[イェンスが文句を言って出て行くのに、視線を向ける。
この家の彼らの関係があまりよいものではないとは、知っていた。
もちろん、少年の出自についても。]
あんな噂話は信じちゃないが……。
[リクセトの家の話題は、今ではさほどのぼらない。
だいたい狭い村での話題なんていうのはゴシップめいたものが多いのだ。
おそらく、自分の出産のときもかなりの話題になっていただろう。――と、そのあたりの事情をよく知る弟分へと視線を向ける。
そうしてフィオンとの間の様子に軽く驚いた目をして、苦笑した。]
どこも子供には苦労するってことだね。
ほら、お前たちもそう責めてやるんじゃないよ。
ローゼンハイムは、喪ったばかりなんだ。
イェンスだって、義理の妹を喪ったんだ。もうちょっと気を使いなさい。
守ってくれるのだろう?
[呼び止めるトールに、さらりと表情を変えぬままにしおりを挟んだ本を一振りして見せて、
それでも傍に来るのを出口前で待っていた]
[私が、と言った所で言葉を切って、口元を軽く押える]
私は。探します。
ローゼンハイム様が、流浪の身でも隔てなく招き入れて下さったからこそ。そのご縁があってこそここに居られたのですから。
[少しずつ語調は小さくなっていった。
言い過ぎたというように俯いて。外へと出てゆくイェンスを追いかけようとはしなかった]
放浪小説家 アデルは、放浪小説家 アデル と 料理人 トール を能力(結ぶ)の対象に選びました。
確か、タチアナとあいつは義理の兄妹だって話を聴いたことあったな。
[双子の片割れからの情報を思いながらつぶやく。]
ま、この先の障害は少なければ少ない方がいいからな。
ローゼンハイムのおっさんには悪いが、俺らの食事になってもらおうか。
[常なら浮かべぬ笑みを浮かべ、非情の決断ともいえる言葉を発した。]
あっちのおにーさんは、なにかしってそう。
[フィオンが紡ぐ言葉を聞いての印象]
『場』のこと、しってるのかな?
これをしってるのって、けっこうかぎられるきが、するんだけどなぁ。
[次いで意識が向くのはゾフィヤとも懇意であるシュテラの言葉]
あのこ、さがせるんだ。
ちゅういしとかないとだね。
[ゾフィヤが碌に思考出来ない状態であるのに対し、イサーラはしっかりと周囲を見詰め、今後の糧にしようとしていた]
[引きこもりの少年に気をやっていたのを知っている。
だからこそ、言ったのであったが。
ローゼンハイムの表情は、晴れてはいなかった。
娘を喪ったからだけではないようだと気付けど、シュテラの言葉に問いかけは言葉にならずに消えてゆく。
――“探します”
彼女へと向けた視線は、ただシステムが動かす無機質なもの。
ほんの一度、目を留めただけで、瞬きをすればそれは消えたけれど。]
[出ていったイェンスを追いかける義理は無かった為に、ゾーイの傍から動くことは無く。
彼女の零した小さな呟き>>305を聞き逃すことも無かった
それが耳に届くと、微かに表情を翳らせるもすぐにそれを消して。
声をかける代わりに、わざと乱暴に頭をわしわしと撫でた。]
/*
予定外に仕事がつまったな…鳩からはきついぜ。
とりあえず帰るまでにちゃんと読むか。あいもあるようだし(
今回いい不縁もらったなぁ*/
[『探します』という言葉が何を示すかは知っているから。
その言葉が、シュテラから出て来た事に感じたのは、戸惑い。
それでも、しばしの逡巡の後、その傍らへ歩み寄って]
……シュテラ、それは。
その力を持っている、って事……で。
いい、のか、な?
[問いを投げかける声には先とは一転、微かな震えらしきものがあった]
わかってくれればいいんだよ。
[シュテラの声とフィオンの声に表情を緩める。
先ほどの様子はもうなく、しかし返した後に少し顔を顰めた。]
……あぁ、トール、アデルも気をつけて。
[喪いたくない子の一人。
そして彼が大切にしている子。
二人ならば大丈夫だろうと声を投げて、止めることはなかった。]
イェンスもショックだろうし、あとで見に行ってやらないとね。
ローゼンハイムは休んでおきなさい。
あんたがもし倒れでもしたら、……タチアナは悲しむよ。
あの子は良い子だったからね。
─…兄さん?
[ゾーイから手を離し視線をもう一度邸の主へと戻すと、フィオンが彼と相対していて。>>308
問いかける彼の声はいっそ穏やかだけれど、何かを含むような言い方が引っかかり眉をひそめた。
アデルも広間を出ていこうとしているのは聞こえていたけれど、それに気をやる間も無く。
シュテラの宣言>>312に、視線を向けた。
探す、と。
強く言い切るような口調は自分の知っている彼女からは珍しいものだった。]
シュテラ、さん?
― 広間 ―
[幼馴染の心境も知らぬまま、
師匠の姿が見えると、あ、とそちらに向いた。
思わずほっとした表情で近寄った。
けれどその表情は険しかったのだろう。]
…師匠?
[師匠の視線は、私の右腕に来ただろうか?
そうだとしても、私は気付く事は出来ないけれど。
視線の意味、表情の理由は、すぐに知れる事になる。
>>273>>274>>275]
え?
[けれど、すぐにその話を理解するには至らずに、
ただ困惑だけを表情へと乗せ、
やはり理解ままならぬ間に、聞こえてきたのは、]
そうだな。
[ディークのことをいわれればそちらの様子を伺うようにちらりと見る。
少しだけ申し訳なさそうな様子が伺われたかもしれない]
二人のことは大切に思っている。
だからこそ、二人に心配をかけるのは忍びない。
[先ほどのことを見られていたり、そのときのディークの様子など知るはずもなく。
それを知っていれば少し変わるとこともあったのかもしれない。
いつまでも二人が大切とそんな関係を続けられないことは自分の中で理解はしていた。
それだけに普通に仲がいいだけの相手と、
自分にとっての二人はそうではなくなっていたから]
ウィニーなにすんのよぅ!
[乱暴に撫でられて、思わず抗議の声が上がる。
そこだけ見れば、いつも通りの調子が戻ったように見えただろう]
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