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比較文化学者 マルグリット は 医師 テオドール に投票した。
エンジニア リール は 医師 テオドール に投票した。
生物学者 チェリー は 医師 テオドール に投票した。
天文学者 ベリアン は 医師 テオドール に投票した。
医師 テオドール は 生物学者 チェリー に投票した。
生物学者 チェリー に 1人が投票した。
医師 テオドール に 4人が投票した。
医師 テオドール は村人達の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。
現在の生存者は、比較文化学者 マルグリット、エンジニア リール、生物学者 チェリー、天文学者 ベリアン の 4 名。
[テオドールが原因不明の病で亡くなった。原因は不明のまま。
残った隊員からは診断の結果、同様の症状は見られなかった。
そして、観測基地に取り残されてから2年の月日が流れた…
しかし、あの恐怖が去った訳ではなかった。
潜伏期間が長かったのか?
それとも、病原菌が原因ではなかったのか?
様々なことが不明のまま…]
【お知らせ】
・【村人】はコミットお願いします。【狼役】はアンカーをお願いします。アンカーのタイミングはこちらから指示させていただきます。
・PCにはランダムで[[ who ]]を引いてもらいます。出た人物に投票を合わせてください。多数決で次の犠牲者が決まります。但し、多数が狼役になってしまった場合、天声で変更を指示します。
・場面は、テオドールが亡くなってから2年後です。補完するしないはみなさんにお任せします。
・他にご質問がありましたら、匿名メモにてどうぞ。
[あの日、診断の結果は――
めまいの症状が現れたのは、神経の興奮とストレスによるものであり、何らかの病原菌に感染している可能性は無い、とされた。
結局、全員が診断を受け、陰性だったそうだ]
……すまない、リット。
逃げるなら、今のうちなのかも知れない。
でも俺は、いま病に苦しんでいる先生を置いて、KKへ降りることはできないんだ。
それに、確かに診断結果は陰性だったけれど、保菌している可能性はゼロじゃない。
ワクチンを打ったとしても、身につけている物に、もしかしたら脱出用ポッド自体に、何が付着しているかわからない。
今KKに降りることで、逆に最後の逃げ場をすら失ってしまうかも知れない。
「病原菌」の正体がわかって、それを正しく検出できるようになるまで……俺は、行けない。
[テオドール医師の眠る医務室から、
先生……。
[隔離された部屋に立ち入ることはできず、医療システムの示す数値を、別室のモニターから見ていることしかできなかった。
急激に低下してゆく、
天文学者 ベリアンが「時間を進める」を選択しました。
[診断結果は陰性だった。他の者も同様だったようだ。リットは安堵と共に非常に残念だなと思った。病原菌の可能性がある限り、全員同意の上でのKKへの降下の可能性は極限までなくなった。
ここに閉じこめられたままあと何年過ごさなければならないのか…考えただけでも憂鬱になった]
あなたが謝る必要はないわ。もうわたしも諦めた。
[ベ=リアンが謝る>>1のにそう答えた。しかし、リットの心の中ではベ=リアンとは全く異なることを考えていた。それは───単にタイミングを失ったというだけのこと。あの時は勢いでああは言ったが、準備もなしで降下したところで彼の地で生き残れる可能性はかなり低い。むしろ降下自体が自殺行為だったに違いない。
その後の話し合いで、KKへの降下は多数決で禁止されるだろう。そうなれば脱出ポッドも封印される。
つまりこの穴蔵のような密閉空間に自分たちは閉じこめられたことになる。
─────これを幽霊と呼ばずして、なんと呼ぶのか?
それから数日の間、リットは自室に閉じこもったっきり出てこなくなった]
[数日後、老医師は隔離された部屋で亡くなった。自室の通信機で訃報を知った。医療マシンが老医師の遺体を弔うことだろう。冷凍保存されるのか、それとも宇宙空間に射出されるのか。正直リットにはどうでもよかった]
…。
[それからもしばらく自室に籠もる生活が続いた。時折人がいない時を狙って食堂で食べ物を調達するときくらいしか出ない。ほとんどの時をベッドの上でシーツを被って過ごしていた]
次は…<<エンジニア リール>>の身になにか…。
[想像されるのは、悪い予感ばかり**]
比較文化学者 マルグリットは、エンジニア リール を投票先に選びました。
比較文化学者 マルグリットが「時間を進める」を選択しました。
お腹が空くと、少し安心して…
その後に罪悪感がくるね。…こんな時に、って。でも、生きてる証拠だし、いいよね。
ちょっとなにかお腹に入れとこうか。
[*カイザーゼンメル*を買って半分リールに食べるか聞く]
[バターをつけてカイザーゼンメルを食べながら]
嫌いなもの
…実は、タマネギが…
甘いのも苦いのもなんか苦手で。
[思い出しただけで苦虫を噛み潰したような表情]
僕、リールの検査の結果が出るまで待ってるから。
[その後、出た結果は全員陰性で安心したものの、テオドールは天へと召されてしまった]
― 2年後 ―
[テオドールの墓に*海棠*を、なにも入っていないプルプルの墓には*浜簪*を供えた]
プルプル、テオドール、僕の髪、伸びたよ。ほら。
[お団子に結っても背中まで届く髪。片足の爪先立ちでくるりと回るとふわりと揺れた]
散髪する機械もあるんだけど、なんとなく切る気がしなくて。
[背も少し伸びた]
僕は今でもKKの生物の研究をしてる。時々、母星の映像をリールと見るんだ。懐かしくて胸が苦しくなるよ。
以前より現在のほうが、ずっと。
[擬似の木漏れ日が眩しく、擬似の風が優しい、コロニーの中央に位置する中庭。そこに一人と一匹の墓がある]
伝染病は消えてしまったのか今は騒ぎがないけど、なんだか胸騒ぎがする。
[以前の生物学者がここへ持ち込んだらしい生物の屍骸を見つけ、レーダーで焼却したのはほんの数日前]
なにも起こらなければいいんだけど。
[何故か脳裏に<<天文学者 ベリアン>>の顔が浮かんだ**]
生物学者 チェリーは、天文学者 ベリアン を投票先に選びました。
/*
>>9
×レーダー(電波を対象物に向けて発信し、その反射波を測定することにより、 対象物までの距離や方向を明らかにする装置)
○レーザー(光を増幅して放射するレーザー装置、またはその光( レーザー光、光のビーム)を指す)
天才の名が泣くぞw
食欲は生き物の基本的な欲求だから、それが失われないのはいいこと…なんだよ、きっと。
いいの?ありがとう
チェリーもよかったら食べて
[勧められたカイザーゼンメルを受けとって、パスタを勧めた]
タマネギがダメなの?
[思い出しただけで嫌そうな顔をしてる。その様子が歳よりさらに幼いようにみえて、思わずくすくす笑ってしまう]
ごめん、バカにしてるんじゃないよ。かわいい……っ
もうチェリー大好き!
[チェリーはむくれたかもしれないが、かまわずぎゅっと抱き締めて頭を撫でた]
[ベリアンもリットもチェリーも、自分も。全員が診断では陰性で少し安心したものの、その想いを打ち砕くように、数日後テオドールが亡くなった
それは『病魔は確実に周囲にせまっている』のだと改めて宣告されたような気持ちにさせた]
[それから2年が何事もなくすぎた。その静寂がかえって不安を煽っているような気がするが、努めて明るく振る舞うように心がけているつもりだ。
しかしふいに気になってしまう。次は誰なのだろうかと──<<生物学者 チェリー>>**]
エンジニア リールが「時間を進める」を選択しました。
[テオドール医師は「原因不明」のまま亡くなった。
その後、生物学者であるチェリーの協力を得て、病原を特定しようと試みはした。
リールの手を借りて、診断データの再解析も行った。
けれど、医者にも見つけられなかった答えに、そう簡単に辿り着く筈が無い。唯一のサンプルであるテオドールの遺体にも、触れるのは危険すぎた。
結局、何もわからないまま時間だけが過ぎた]
…………。
[すっかり自室に閉じこもりがちになってしまったマルグリットのことも、気がかりだった]
[あの日、医師からの伝言を聞く前に、彼女の手を取ったまま、立ち止まることなく逃げ出していれば良かったのだろうか。
どうせ感染はしていなかったのだから、KKにさえ辿り着けば、今頃はふたりで心安らかに過ごしていたのかも知れない。
けれど、もしそうしていたならば、やはり後悔していただろうとも思う]
『今夜は、*百合*座の方角に流星群が見えるよ。
モニターの回線を開けておくから、部屋の端末からでも繋いでみて』
[何日かに一度、マルグリットの部屋へ送る短い通信]
『調理機械の故障、リールが調整してくれて直ったって。
*タコス*なんか、前よりずっと焼き加減が良くなった』
[返事を求めることはしないけれど]
『――誕生日、おめでとう』
[自分自身は、結局、KK=103と惑星系の観測を続けていた。
もう何の役にも立たないけれど、自分にできることはそれだけだから。
チェリーやリールに対しても、以前と変わらぬ態度で言葉を交わし、時には一緒に食事を取ったり、資料室の映像を鑑賞した。
明るく振る舞う彼女たちにつられて、自分も笑顔を見せることがある。
ただ、以前のように軽口を叩くことは、しなくなった]
[誰かがかかるごく普通の風邪や、ちょっとした疲労の症状も、ひどく不安に感じる。
もし、例えば――<<天文学者 ベリアン>>が倒れるようなことがあったら]
天文学者 ベリアンは、天文学者 ベリアン を投票先に選びました。
[こういう状況では、やはり男が一番脆弱なのではないか。
次に倒れるとすれば自分だろうという予感が、どこかにある。
それでも、心残りは――**]
[老医師が亡くなってから半年ほどしてから、ベ=リアンの声かけ>>14にようやく答えるようになっていた。まるで檻に閉じこもった動物を誘い出すような優しいものだった。
最初は自室で星をみて。タコスに誘われ、皆と席を同じくして食事もするようになる]
え…?どうしてわたしの誕生日知ってたの?
[ベリアンからおめでとうを言われれば、驚いた表情で答える]
[それからまた半年した頃、ちょうど母星崩壊から1年が経とうとしていた頃、何を思い立ったのか、急に以前のような快活で、ある意味高慢な彼女に戻った。元々痩せ気味だった体がさらに細くなったのを除けば。顔色も少し病的だったかも知れないが]
おはよう。
[何事もなかったかのように食堂に現れた彼女を見て、他のメンバーは驚いたかも知れない。ベ=リアンは、今まで声掛けしてきたことが効果を現したと喜ぶかも知れない]
今日から、英語、スペイン語に加えて、中国語とインド語も聞けるようにしたから。あ、あと来週には日本語も聞けるようになるわよ。誰だっけ?日本のアニメ観たいって言ってたの?
[むしろ、それは異常な位のテンションだったかも知れない。しかし丸1年に渡りふさぎ込んでいた彼女を見てきたメンバーにとっては、歓迎すべきことだったろう。若干心配する者もいたかも知れないが]
ベ=リアン…。
今晩そっちに行ってもいい?
[ベ=リアンとふたりっきりになったチャンスがあれば、そう囁いただろう。彼が拒まなければ、夜そっと彼の部屋を訪れただろう]
[マルグリットに送ったメッセージに、いつも通り返事は無かった。
ため息をついて、モニタールームに入る。
メインモニターに映し出されるのは、百合座流星群。
KKの人々からも、これは見えている筈だ。
数多の星が、暗い空を彩り、流れる。
しばしその光景に見入っていたが、やがて、たったひとつの光に目を惹きつけられる。
マルグリットの部屋からの接続を示す、モニター脇の小さなランプ]
[チェリーとリールには、自分からマルグリットに声を掛けていることは伝えてあった]
君たちから言うより、まだ俺の方が、効果はあるかと思ってたけど……
何だか、急すぎないか?
吹っ切れたんなら、いいんだけど。
[マルグリット本人のいない場所で、そう首を傾げる]
……今晩?
[ふたりきりの囁きに、彼女の顔色を確かめるように覗き込む]
ああ。……待ってる。
[以前よりももっと痩せた体は、抱きしめれば壊れてしまいそうだったけれど]
[求められるのならば、傍にいようと思った**]
−母星崩壊から2年後−
[式典と言っては簡素なものであったが、母星崩壊の追悼式を行った。これで式自体は2回目のことだった。
リットは皆と一緒に黙祷を捧げた。
墓があるのは、プルプルのものとテオドールのものだけ>>8だが]
(お母さん、お父さん…そして…)
[もう会えなくなった人々のことを思い出した。この中途半端なテレパスのせいで物別れになってしまった人達も含めて]
[体調は1年前から比べてだいぶん良くなった。体重もここに来る前と差ほど変わらないくらいまで戻っていた。
ベ=リアンの部屋には、あれからも気が向いた時に寄る程度で、それ以上を求めることはしなかった]
今晩いい?
[簡素な式典を終えた夜、いつもと同じ調子でベ=リアンに声をかけた]
チェ=リー。
なんか、いろいろごめんね。今まで、八つ当たりばっかりで。年上なのに、リーダーの補佐もできないで。
[何かの作業をしていた時だろう、ふとチェ=リーに声をかけた。
彼女に対してこんな言い方をするのは初めてかもしれない]
リー=ル。
いつもありがとう。機械関係で無理言ってごめん。
でも、助かったわ。本当に。
[また別の時間、リー=ルにもこんな風に声を掛けた**]
[それからのマルグリットは、赴任当初の状態に戻ったように見えた。
むしろ、それよりも丸くなった部分さえある。
その後誰にも感染の兆候が現れないことで、落ち着いたのかも知れない。
ベリアンはそう推測していた。
テオドールの死因は特定できないまま。
KKに逃げ出すこともできないまま。
不安の原因を「取り除く」ことができないのならば、いっそ忘れて過ごした方がいい]
[時折、彼女は自分の部屋を訪れる。
ただ、それを受け止める。
自分から彼女を誘うことはしなかった。
彼女に情が移っていないと言えば嘘になるけれど、パートナーとして結ばれているわけではないと認識していた。
仮にチェリーやリールが同じように部屋を訪ねてくることがあれば、きっと同じように受け入れるだろうと、自分では思っている]
[若い二人は、年相応の成長を見せていた。
最年少のチェリーなどは、顔立ちも体つきも、目に見えて大人に近づきつつある]
背が伸びたんじゃないか?
テーブルの高さを、少し調整した方がいいかもね。
[未来の無いこの基地の中で、その溌剌とした生命力が眩しく――痛ましかった]
−ベ=リアンの部屋−
[夜いつもの通りに彼の部屋を訪れた。
いつもと違い、今日は部屋に入るなり、雑談を始めた]
そう言えば、前にわたしがなぜここに来たか、失恋してヤケになってきたんじゃないかって、聞いたわよね?
あれね、ピンポンよ。ちょうど振られたばっかりの時に辞令が降りたの。渡りに船だったわ。
[本当のところは、それがきっかけというわけでもなく、快諾したわけでもなかったのだけれど]
ううん。逆ね。その腹いせに、一所懸命仕事した。没頭するくらい。なにもかも忘れるくらい。
そういうこと。
[あっけらかんと言って]
そう言えば、ベ=リアンの恋沙汰の話聞いてないわよね?例の教授の娘の話聞かせてよ。
あと、今まで何人とつき合った?どんな人が一番好きだった?
[ベッドに寝そべりながらベ=リアンに尋ねた]
あ、あとベ=リアンって名前って不思議な名前よね。男なのに、リアンって。リアンって、女じゃないとなれないんでしょ。
[今日はいつも以上に饒舌だった]
そう?
マイナスの要因をバネにしてプラスの結果を出すのは、なかなかできることじゃない。
尊敬に値すると思うよ。
でも……俺の女性遍歴なんか聞いてどうするんだい?
全部話したら、一晩や二晩じゃすまないよ。
それに、過去の女性のことを、他の女性に吹聴しないのが俺の主義。
タラシとはいえそれが最低限の礼儀だと思うし、女性同士はどこでどう繋がってるかわからないからね。
当たり障りのないところを言えば……一番好きなのは、そうだねえ、やっぱり気の強い女性が腕の中に落ちてくるのが、何とも言えないね。
[やけに饒舌な彼女に、圧され気味である]
「リアン」は……音は同じだけど、いくらなんでもあのリアンじゃないよ。
どこかの古い方言で、探求とか、探索とかいう意味だって、親父が言ってた。
星空の探索はともかく、まさか女性を探求して回る人間になるとは、予想外だっただろうねえ。
わたしの人生、マイナスばっかりだったから…。
尊敬されてもな…。あはは…。
そう?じゃあ、ベ=リアンの千夜一夜物語ができそうね。あ、千夜一夜物語ってKKの物語なんだけど…。
それは安心だわ。じゃあ、わたしとのことも誰にも言わないでしょうしね。心の中にしまっておいてもらうわ。
[ベ=リアンを誘うように、上目遣いで見る]
気の強い女性が、好みなんだ…?
[意外そうに目を瞬かせる]
じゃあ、その教授の娘さんもさぞかし気の強い女性だったんでしょうね。
[挑戦的な微笑みで]
リアン…探求…。
そう、そういう意味なの…。
やっぱり、研究の成果を聞きたいものだわ。是非。
女の敵の研究材料として。
[と、冗談めいて]
ああ、資料の中で見たことがあるよ、千夜一夜物語。
確か、なかなかエロチックな場面も……こほん。
[女性とふたりベッドに横たわりながら、そんなところで言葉を濁す]
もちろん、誰にも言わないさ。
ふたりだけの秘密。
[上目遣いに見上げてくる額へ、口づけを落とす。
この先いったい、誰に話す可能性があるというのか。
それは二人とも気づかないふりをして]
……いや、教授のお嬢さんは、絵に描いたような箱入り娘だったよ。
これは、彼女の知人なら誰でも知ってることだから、言ってもいいかな。
ほんとうにおっとりした人だった。
[2年前の記憶が、とても遠い]
読んだの?
…たしか、アラビア語は、自動翻訳機には仕込んでなかったはずだけど…。
[ニヤニヤとにやけながら]
そうね、ふたりだけの秘密。
[額にキスされると、今度は目をつぶって、唇へのキスをねだる]
わたしはその人知らないから。そう…おっとりした人だったんだ?好みじゃないのに、ひっかけるとか、それは完全に遊びだったわけね…?
[遥か遠い昔の話をしているかのように聞こえる。本当にベ=リアンの千夜一夜物語が始まったかのように]
そうね。「ベ=リアンホイホイ」かしらね。
[大げさに驚いた表情を見せるベ=リアン>>41に、わざとKKの商品名とか挙げておく]
あ、見つけてなかったんだ?
英語版があったんだよね。
[わざと、閉じた瞼へ口づけてから。赤い唇をついばんだ]
そう、遊び。
辛い料理が好きでも、たまにはさっぱりしたものやデザートも食べたいし。
……俺を退治するなら、簡単。
こうやって女性に気を取られている隙に、殺虫剤を一吹き。
[ふっと、耳たぶへ息を吹きかけた]
あら、英語版あったの?いつのまに。
[瞼にキスされれば、ピクリと反応してしまう。
唇同士が触れ合うと、貪るように求めあった]
よほどグルメだったのね、ベ=リアン?
わたしは、辛い料理かしら?それとも、甘い料理?
いやん…。
[耳たぶに息をふきかけられて、体を縮みこませる]
[二人愛し合った後、ベ=リアンが寝息を立てるのを確認してから、そっとベッドから出た]
シャワー浴びてくる。
[と、念のため声をかけて。けれど、ベ=リアンの返事はなかった]
ごめんね…
[バスルームに入ると、シャワーのノブをまわす。
室内に湯気が立ちこめる。
同じく、バスタブにもお湯を満たしていく。
お湯がある程度溜ったのを確認してから、こっそりと持ってきた薄い金属片を手首にあてがう]
ごめん、ごめんね…
[痛みはなかった。やがて赤い筋が湯に落ち、広がっていくにしたがって、視界もボヤけていった**]
つーかこれシャワールームは俺の部屋にあるってことでいいのかいいんだよね
これ騒いだらチェリーとリールに思いっきり関係バレるw
[テオドールが亡くなったあと、リットが引きこもりがちになったときは心配で──自ら命を断つ可能性も考えたので──刃物の管理を徹底したり、チェリーも薬物の厳重管理をしたりとやきもきしたものだったが、杞憂に終わったようだと安心した]
[しかし約一年もの間ふさぎ込んでいたリットがある日突然なにごともなかったように食堂に現れた時>>18には驚いたが、ベリアンの声かけが功を奏したのだと心の底から喜んだ]
日本のアニメだって、チェリー!
楽しみだね!
[以前から映像コンテンツとして日本のアニメがKKで評判らしいということや放送データは受信していたのだが、言葉がわからないのでは理解までに至らなくて]
[甘くけだるい疲れの中、眠りに落ちて――どのくらい経ったのだろう。
かすかな水音で目を覚ます]
リット……?
[彼女がシャワーを使うのは、いつものことだった]
…………?
[違和感を覚えたのは、ベッドの中の、彼女の居た場所がもう冷え始めていたから]
リット?
[バスルームのドアに近づき、耳をすます。
一定の強さでただ、流れ続ける水の音]
[それから間も無く、血相を変えてマルグリットを医務室へ運び込む、ベリアンの姿があった]
─ 母星消滅から2年後/追悼式 ─
2年ってなんだか長かったですね。
[ぽつりと、そう呟いた]
[テオドールとプルプルの墓標に中庭に咲いていた花を手向けて、祈る。
病魔で失われた命。星間戦争で失われた命。
チェリーがいう生まれ変わりというものが本当にあるなら、彼らに穏やかな生が訪れることを──]
……チェリー、リットが手首を切った。
[簡潔に通信を入れる。
どこでどうやって発見したのかは、聞かずにいてくれと願いながら]
今は医務室にいる。
出血は止まっているし、もう心配は無いと思う。
……すまない。俺が迂闊だった。
あの時……君もリールも、リットが無理しているんじゃないかって言ってたのに。
[閉じこもっていた彼女が、唐突に皆の前へ笑顔で現れたとき。
それから、折り合いの悪かったチェリーたちに掛けられたという、別れのような言葉>>27>>51]
……俺はどうして、気づかなかったんだ……!
[そして、先ほど部屋を訪れたときの、やけに饒舌な様子]
なぜかこの村の中でのBGMはこれ
「神様はエレキ守銭奴」
http://www.youtube.com/watch?v=xCo3Raqk9fc&feature=related
全然世界観違うんだけどなw
[ベリアンからマルグリットの自殺未遂を聞かされて、驚いたと言うよりやっぱりと思った]
無事だったのだから良しとしましょう。
過去はやり直せないけど、これからがあるじゃないですか。貴方は、これからどうしたいですか、マルグリットとの関係を。
…僕に言えるのは、それだけです。
[リールとチェリーが医務室へ現れれば、診断システムの数値を示してみせる]
呼吸も脈拍も安定してるし、血圧はまだ少々低いけど正常値だ。
ただ、これから……どうするか。
[眠るマルグリットから離れ、声をひそめる。
こういう場合のマニュアルは、もちろん存在する。
危険度に応じて、刃物を遠ざける程度の対処から、拘束衣を着せるものまで]
どうすればいい……?
[けれど、知りたいのは、そんなことではないのだ]
ここに、いい男が居て良かった。
[通信でそう答えてリールと一緒に医務室へ。
ベリアンにどうすればいいか聞かれて少し困った]
統計的に、女のほうが長生きするとでているし、残して逝くことがあっても残せる何かがあればいいんじゃないかな、支えになるような。
抽象的なことしか言えなくてごめん。
[失血がかなり大量だったはずなのだが、バイタル低下の理由さえ分かってさえいれば医療マシンは万能だった。輸血と共に心臓の活性化を行い、一命を取り留めたのだった。
しかし、大量の出血だったため、意識が戻るまでは数日を要したことだろう]
…。
[そして、数日後、目が覚めるとそこには誰の姿があったか?]
ここは…?
[傍らにいるであろう人物に尋ねた。意識はまだ朦朧としている。手足もろくに動かせないようだ]
[リールの見当違いという言葉に首をかしげ]
うーん、マルグリットさんが目覚めた時に僕達がいたら落ち着かないかもしれないから、彼女が落ち着くまでふたりきりにしてあげたほうがいいかも知れない。
[ベリアンとマルグリットが恋人同士なのではないかと時々思っていて、その考えが今は確信に変わっている]
/*
助けて、チェリー依存からぬけられぬ\(^o^)/
もうちょっとベリアンさんとお話しできてればなあorz
*/
[傍にいるのは、ベ=リアンだろう。彼の姿を確認すると、自分がまだ生きていることを認識した。
そして、ボロボロと泣き出した]
ど、どうして、行かせてくれなかったの…?わたしはもうこれ以上ここで生きていく自信がないの…。どうせ未来もないのなら、早く楽にさせてほしいと願ったのに…。
どうして…。
[切った手首がジンジンと痛んだ。しかし、それよりも心の痛みの方がずっと痛かった]
ベリアンも、体調に気をつけて。
それじゃ。
行こう、リール。
[俯くリールをそっと撫で、手を繋いで廊下へ]
ね、モニタールームでKKでも見ようか。食堂に寄ってクッキーと飲み物を持って。ちょっと楽しそうじゃない?
[ベ=リアンに強く抱きしめられた]
違うの…。
まるっきり逆なのよ…。
[朦朧としている意識の中でようやっと吐きだした言葉]
わたしは最高の幸せの中で逝きたかった。だから、1年間頑張ろうって思った。仕事もみんなとの仲も、そしてあなたとの仲も。みんな幸せに、わたしも幸せになって。そんな中で行きたかった。両親のいるあの世界に。
本当に幸せだったのよ。一緒にいてくれたこと。本当はありがとうを言いたかった。かりそめにも愛してくれたこと。でも、それは本心じゃないって知ってた。
それを本当の愛だと誤解している間に、逝きたかったの。
この先何年か生きたところで、もしかしたら、あなたが先に逝くかも知れない。そうなったら、わたしは絶対に耐えられない。
一つ、あなたに内緒にしていたことがあるの。わたしにはテレパスがあって、親しくなるに従って、相手に強迫観念を与えてしまうという作用があるの。そうやって、今までも何人の男達と別れてしまったわ。
[初めて吐き出す、自分の秘密]
仮母星に居た時には、いくらでも男はいると思ってたけど、ここにはあなたしかいない。もし、あなたに捨てられたら、やっぱりわたしは耐えられない。
どちらにしても、わたしにはこの先には絶望しかないの。だから、不安が絶望になる前にわたしがいなくなってしまえばいいと思ったのよ。
ごめんなさい。気丈に振る舞っても、結局はわたしは弱いの。結局もう全てのことから逃げることしか考えられなかった。
我が儘なのはわたしの方だわ。本当にごめんなさい。
[そうして、また昏睡に陥った。意識が完全に戻るまではまた数日を要することだろう**]
うん、ケーキも。
あのね、初めてKKを見た時、吸い込まれそうで怖いって思ったんだ。
宇宙空間に投げ出されて、ぐるぐる廻りながら落ちていくような感じがして。
でも、今は怖くないよ。綺麗で、近くて遠い惑星。
[モニタールーム。KKが見える。持ち込んだクッションを敷いて並んで座る。甘い匂いが広がる中、クッキーを一枚食べてから口を開く]
ベリアンとマルグリットさん、恋人なのかな。
僕は彼女に死ぬなとは言えないけど、ベリアンなら言えると思う。だから、大丈夫だよ、きっと。
[楽観かも知れないけど。
暫くKKを眺めてお話ししている**]
吸い込まれそうってチェリーが思ったのは、KKの重力を感じたのかな。
不思議だね。
アタシは初めてKKをみたとき、「懐かしい」って思ったんだ。
KKに来たのは初めてなのに。
そう、キレイで、こんない近いのに…遠い。
[モニタールームでKKを眺める。温かい飲み物と、クッキーとケーキを分け合いながら。
何かの弾みでモニタールームの音声が医務室に流れ出したのには気づかない。ベリアンか回線を切らなければ、二人の会話は医務室に流れ続けただろう]
恋人、だよね。アタシはそう思ってたんだけど、さっきのベリアンさんの様子だとアタシが思ってるよりもっと複雑な感情が混じってるのかなって、少し思った。
正直言うとね、アタシはこの任務が終わって母星へ帰還できたとしても、あまり輝かしい未来なんてイメージできなかったから…リーラとリーリを失ったのはすごく悲しかったし、絶望みたいな気持ちもあったけど、きっとマルグリットさんやベリアンさんみたいな深い悲しみってたぶん理解できてないんじゃないかなって思うんだ。
クローンとして生きて天寿を全うできればいい方で、処分されることだってあるって思いながら生きてきたから。
だからね、母星消滅は悲しい出来事だったけど、解放されたんだ…って気持ちもあって。
今、こうして隣にチェリーが居てくれて、ベリアンさんやマルグリットさんと普通にお話しできてるだけですごく幸せだって思う自分がいるんだ。
きっと価値観が全然違うんだろうなっていうのは頭では理解してるつもりでも、それじゃ悲しみに寄り添うことはできないし、それがどうしても引け目に感じちゃって。
でもチェリーの言う通り、きっとベリアンさんならマルグリットさんの痛みをわかってくれるよね。アタシにも、マルグリットさんの気持ちがわかるようになる日が来るのかな…。
[そこまで言ってから、飲み物やお菓子に手を出す。目の前にはKKがひっそりと輝いている]
KK……降りてみたいな。
ね、チェリー。何度か生まれ変わりの話してくれたじゃない?
想像してみたの。もし、生まれ変われるなら、KKみたいな惑星がいいなって。
クローンもキチェスも、星間戦争もない惑星。
まだ若い惑星だし戦争がないわけじゃないけれど、KKなら戦争もなくせる気がするの。
チェリーはどこの国がいい?
私は日本がいいよ。技術に向かう姿勢がすごく好き。
以前マルグリットさんに教えてもらったけど、「ロボットは友達」って考え方は日本だけのものなんだって。機械と友達って言える世界って素敵だと思うの──……。
[チェリーが早く気づかなければ、音声がオンラインになっているのに気づくのは部屋を出る時だろう]
重力か、そう言われてみれば納得な感じ。
[音声が医務室に流れているのは気づいていない]
複雑な感情か。…大人になったらわかるのかな。それとも、恋をしてみないと解らないのかな。
[ここに居る限り、その機会は無いのだろう。悲しみはなく、淡々と乾いた声]
[お菓子を食べる手を止め、自分の服で軽く拭ってからリールを撫でた]
僕は、そもそも帰れるかどうかすらわからなかった。
KKが居住可能なら先に降りて、KKの知的生命体との交流と…
彼らとの間に子が生せるかどうか、試すようにと言われてた。
[目を伏せ、表情を感情を殺して、片手をぎゅっと握り締める]
KKに降りたくなかったのは、それを思い出すのが嫌だからかもしれない。
だから、僕が降りずに済むのならベリアン達がどうしても行きたいと強行するなら、止めるつもりはなかった。
伝染病の話を聞くまでは。
[ほんとうにあったのかどうかわからない伝染病に運命を変えられたふたりをかわいそうに思う。
ちゃんと準備すれば無事にKKで暮らせただろうに]
僕達、似てるね。
[リールの話>>80>>81に自分との共通点をいくつか見出した。膝に頭を乗せリールを見る]
でも、大切な人が居たんだからリールのほうが…
なんて言ったらいいんだろう、人間、って言うのは違う。クローンだって人間なんだから。
んー。 羨ましい かな。うん、多分それが一番近い。
価値観なんてひとりずつ違うよ。似てる場合もあるけど。
誰でもおんなじじゃなく違うからこそ、寄り添えるんじゃないかな。
マルグリットさんにならなくていいよ、リールはリールでいい。ううん、リールがいい。
[喋りすぎて渇いた喉を温かい飲み物が癒してくれる]
生まれ変わってKKへ?
そうなったらいいね。普通に学校に行って、アニメを見て、…
リールが日本に生まれるなら、僕も日本がいいよ。
また、巡り会いたいから。君と。
リールの理由と比べたら、ちょっと軽薄かなって思うけど。
[結局音声に気づいたのは部屋を出る時で、ベリアンが聞いてるかはわからなかったけど]
お聞き苦しいことを、ごめんなさい。でも疚しいとこはないから。
[そう言って音声をオフにした**]
[学者として優秀だとしてもチェリーは派遣メンバーの中で一番若い。そんな彼女がリーダーとして選ばれたのは何か重要な任務を帯びているのだろうとは思っていたが、告白されたのは予想以上の、理不尽とも言える任務だった>>84]
こどもを、KK人との間に…
[押し殺された感情は強く握りしめられた手に現れていた。その上に手を重ねて、もう一方の手でチェリーを抱き締めた。
かつて母星がなくなって、伝染病がこの基地を襲い、ワクチンが一本だけあると知らされたとき、チェリーにワクチンを打ってKKに降りろと言った。それはチェリーに生きて幸せになって欲しいと願ったからだ。
でもチェリーに課せられていたのは、それを任務として受け入れることで。]
そんなの、ひどいよ。
結婚どころか、恋もしたことないチェリーにそんなこと……!
アタシ全然知らなくて…ひどいこと言ったんだ。
あれじゃ同じことをチェリーに言ったも同然だもの。ごめんね、チェリー。
[あの時の頑な拒否の理由が、やっと腑に落ちた。チェリーが抱えていたものの一端を知って涙が浮かんだ]
うん、日本で一緒に──学校に行ってアニメ観て、時々恋の話もしたりして。
そんな風になれたら素敵だなって思う
軽薄だなんて、そんなの想像なんだからなんでもいいんだよ
[そう言うと二人でくすくす笑って、あとは他愛もない話が続いただろう*]
−あれから数日後−
[ようやく昏睡から目覚め、意識もはっきりしてきた。多分、ベ=リアンがつきっきりの看病をしてくれたのだろう]
ごめんなさい。
[最初に発する言葉は、多分この言葉**]
君が弱いなんてこと、最初から知ってる。
俺はきっと、自分より弱い人間がいることで、安心してたんだ。
君を慰めることで、自分が誰かの役に立っているような気になってた。
……君が部屋から出なくなったとき、もう一度笑うようになって欲しいと思ったのは、本当だよ。
でもそれは、俺の自己満足でもあったんだ。
君が俺を頼ってくれたら、俺には役目ができるから。
俺は……
[愛していると言えればいいのに]
リット。
君と一緒に、本当の幸せを作りたい。
[何百人もの遊び相手に、何千回も軽々しく口にしたのに]
いつか命の終わりが来ても、胸の奥で消えずに在り続ける、本当の幸せを。
[この期に及んでさえも、腕の中で泣きじゃくる彼女への感情は、
愛よりも同情――否、罪悪感に近いもので]
だから、どうか、それまで……死なないで。
[彼女に贈りたいものは、真実]
自分の手で命を絶とうとなんて、二度としないでくれ。
[なのに、だから、「愛している」という嘘がつけない]
[再び意識を手放した彼女に、どこまで届いていただろう]
辛い秘密を……打ち明けてくれて、ありがとう。
本当の君ごと全部、知りたいから。
本当の俺に、辿り着きたいから。
俺にもっと、時間をくれないか。
君と生きる時間を、もっと。
[有限の時間の中で、どこまで届くのだろう*]
[深い睡りに落ちたマルグリットの体を、そっとベッドへと横たえる。
涙を拭ってやってから、まだ血の気の少ない唇へキスを落とした]
…………?
[チェリーに名を呼ばれた気がして、室内を見回す。
ここには自分と、マルグリットしかいない。
その声は、スピーカーから聞こえていた]
ああ、またか。
[去年のことだったか、ベリアンが風邪を引いた。
診断を受け、すぐに単なる風邪だと判明したのだが、咳が酷かったし、他のメンバーに感染すると面倒なのは確かなので、自主的に医務室でしばらく過ごした。
その際仕事のために、モニタールームから回線をひいてみたのだ。自分でやったら何かが間違っていたらしく、なぜか音声データの送信スイッチが勝手に入ることがある。
さほど害は無いので放っておいたが、またそれがONになっているようだ]
[恋人だよね、とリールの声がする。
大人になったらわかるのかな、とチェリーの声がする。
その声が、とても幼く響いた。
さっきの今だし、話題が自分とマルグリットのことになるのは無理もない。
プライベートな会話を盗み聞きするのも申し訳ないと、すぐにスイッチを切ろうとしたとき、思いがけない言葉が聞こえて手が止まった]
クローン……?
[リールが口にしたその言葉は、彼女自身を指すようだ]
[処分されるかも知れなかったと、リールは淡々と語る。
普通に話せることが幸せだと言う。
KK人との交配を試みる任務があったと、チェリーが静かに語る。
だからKKに降りたくなかったのだと言う]
…………。
[まだあどけなさの残る彼女たちの、背負っていたものの重さ。
それは想像以上のものだった]
[「生まれ変わり」を、若い彼女たちは語る。
ごく普通の生活への憧れを、夢みる声で語る。
胸を締め付けられて、音声受信スイッチを切った]
チェリー……
リール……
[自分の未来は、母星の崩壊で失われたけれど。
ふたりの未来は、初めから奪われていたのだ]
―ある日―
ああ、チェリー?
起きたら何だか熱っぽいんで、医務室で調べてから顔出すよ。
[自室から通信を入れる。
テオドールの死後2年以上、誰にも伝染病の症状は出なかった。
不安は消えていなかったし、警戒は怠っていないからこそ、必ずすぐに診断を受けるようにしているのだが]
去年みたいに風邪だと思うんだけど、一応ね。
結果が出るまでは、誰も医務室に来ないように伝えておいてほしい。
リットには、俺からも連絡入れるけど。
[今回も、たいしたことはないだろうと――思っていた]
−あれから数日後−
[最初に謝りの言葉をかけた後、ベ=リアンの抱擁>>101に身を委ねるようにして。同じく微笑みを返す。
それからゆっくりと一つ一つを思い出すように話し始めた]
自分を騙したまま…。
わたしはいつも自分に嘘をついて生きてきたような気がするわ。神童と呼ばれていい気になってたけど、言葉を覚えるのに楽しかった覚えがないの。イヤでしょうがなかったわ。でも、いい子でいるために、楽しいフリをして。
その頃は一生自分を騙して生きていくものだと思ってた。
でも、母星が消滅して、そんなの虚しいってようやっと気がついたの。でも今更自分を変えることなんてできないと思ってた。
でも、母星が消滅して、そんなの虚しいってようやっと気がついたの。でも今更自分を変えることなんてできないと思ってた。
自己満足って言ってたかしら?ベ=リアン、あなたも相当の嘘つきね。
あなたはそんな人じゃない。心から博愛なんだわ。ここにいる間ずっと見てた。誰にも平等に優しいし心遣いができる。結局はみんな、あなたに頼ってきたのよ。
こんな人に惚れない女はいないわよね。
[ふふふと自嘲に似た笑いをした]
本当の幸せって、なにかしら?命の終わりがきても残り続ける幸せ…。そんなものがあるなら見てみたい。わたしと一緒につくってくれるの?本当に?本当に約束してくれる?
なら、わたしはもう二度と自分の命を断とうなんて考えない。
たとえわたしたちのどちらかが先に逝ってしまっても心の中で生き続ける本当の幸せが…
[一息ついて]
…本当にあるなら。
あげるわ。
わたしの時間を全部、ベ=リアンにあげる。もうわたしは何もなくすものはなくなったのだもの。この命でさえ。
わたしたちふたりの本当の幸せのために、わたしの時間を全部あなたに捧げるわ。
[先日は朦朧とした意識の中で聞いていたので、これで返事になっているかどうかが不安ではあったが、あとは黙ってベ=リアンの返答を待った]
―医務室・マルグリットが目覚めた日―
いいや、俺は嘘つきだよ。
女性になら誰にでもいい顔をして、束の間のいい気分に浸っていただけの、大嘘つき。
だけどね、リット。
人は……変われるよ。君も俺も、きっと変われる。
「本当の幸せ」が、本当にあるのかどうか、本当はわからない。
でも、作るんだ。
一緒に。
君の全てと、俺の全てで。
約束するよ。
[捧げるのは心からの言葉と、優しい口づけ]
―ある日>>103―
[風邪だというベ=リアンからの連絡があった]
だめよ、風邪だって気を付けないと。
わたしもこれから医務室に行くから。
[とだけ言って、通信を切って、急いで医務室に向かった。何か胸騒ぎがしたのだ]
ベ=リアン。大丈夫…?
[医務室の扉は閉まっていた。声を掛けても彼は扉を開けなかった。そして、しばらくして、ドアのディスプレイに『隔離』の文字が現れた]
ベ=リアン!?ここを開けて!どうしたの?どうして、隔離なんて?
[2年前の老医師のことを思い出した。急に恐怖に襲われる]
[それからは、マルグリットと堂々と「恋人」として過ごした。
不安を紛らすための情交ではなく、互いの形をゆっくりと確かめるような睦み合いを重ねる。
罪悪感に満ちていた場所から、愛おしいという気持ちが芽を出していることに、ようやく気がついた。
このまま根を張り、大きく育ってくれればいいと願う。
チェリーやリールとは、今まで通り和やかに、穏やかに過ごしていた。
あの日、ふたりがモニタールームで話していた内容には、こちらから触れることはしなかった。
そんな日が、続くと信じていたのに]
―隔離された医務室―
[ドアを叩く音がする。
悲鳴のような、マルグリットの声]
……リット……?
ごめん。
約束を守れなかった。
[ドアを開けることはしない。
通信機を通して、言葉を送る]
[その日がくるまでどのくらいの時間が過ぎたのだろうけっして長い時間ではなかったはずだが短い時間でもなかったろう。
ベ=リアンの自分を見る目が以前とは全く違うことには気がついていた。まるでフィルタを一枚はずしたかのように、クリアに感情を伝えてくれる。まるで先日まで付き合ってくれたベ=リアンとは別人のよう。
同じように自分も変わっていたことには自身気がついていない。明らかにチェ=リーやリー=ルへの対応もまるで別人のようで、二人は「すっかり棘が抜けた」と話し合っているかもしれない。
けれど、そんな甘い時間は長くは続かなかった]
原因不明…?
[通信機から漏れるベ=リアンの言葉>>112に蒼白になった]
それって、テオドール先生と同じってこと?
[医務室に駆けつけてきたリー=ルを見るや]
ベ=リアンが…ベ=リアンが…
発病したの…。
[そう言って、リー=ルにしがみついて、その場にへたりこんだ]
[リットが泣き崩れる]
ベリアンさんが発病……
[テオドールと同じ病。忘れていたわけではないけれど、ベリアンとリット、チェリーとともに穏やかな時間がこのまま続くのではとも思っていたのも事実で。
その言葉に呆然とする]
リット、泣かないで。
先生と同じ経過なら、何も今すぐってわけじゃない。
……話は、通信でもできるから。
部屋へ戻った方がいい。
その声は、リール?
お願いだ、リットを連れて、ここをなるべく離れて。
[更に熱が上がってきたのか、呼吸が乱れ始めていた]
いや!ここを開けて!
わたしはここを離れないわよ!
だって、約束したじゃない。一緒に幸せになるって!
そんな、あんまりにも…早すぎる…そんなのってない!
[リー=ルの足下で泣き崩れた]
ベリアンさん!
[夢中で声をかけたもののその声は苦しげで、離れるようにとの指示は悲痛でもあった]
……。わかりました……
マルグリットさん
[リットの身体を支えるように]
ここに居ては、ベリアンさんにかえって心配かけちゃいます
[そう声をかけたものの、自分がリットの立場ならきっと開けろというのは痛いほど理解できる。何が最善なのかわからなくて躊躇する]
ねぇ、リー=ル、ここ開ける方法ないの?
お願いだから、開けて。開けてよー。
[まるで駄々をこねる子供のように、リ=ルに縋った]
……そうだね。
確かに、早すぎるよ。
もっと、話したいことがあった。
来年ここへ接近するバレー彗星も、君と一緒に見たかった。
忘れられない思い出を、もっともっと君と作りたかった。
本当の幸せには、まだ全然足りない。
だけど……
わがままな俺の願いは、君がずっと元気で、笑って……生きていてくれる、ことだから。
今、君に感染……させるわけには、いかないんだ。
……ねえ、リット。
俺も少し、眠りたい……から。
[通信を、ぶつりと切った。
途切れがちな声を、これ以上、聞かせたくなかった]
[ベリアンの通信で体調不良を告げられた]
そうだね、ちゃんと検査して養生しないと。
もう貴方ひとりだけの身体じゃないんだから。
[最近のマルグリットとの仲睦まじさを茶化す。
いつもどおりなんてことないと思っていたから]
[リットの声で動けなくなる。告げなくてはならないのは辛い言葉]
隔離モードが作動すると、簡単には…開きません
最優先されるべきなのは、生存者への感染を防ぐこと…
ここを開けるには──
[内部にいるベリアンのパスワードと、リーダーたるチェリーのパスワードが必要だ]
ごめんなさ…い…。
ね、マルグリットさん、ベリアンさんもこう仰ってます。食堂に戻って、少しやすみましょう……
[リー=ルに促されても91分の間ドアからしがみついて離れなかった]
ごめんなさい。リー=ル。
[ようやく諦めがついてリー=ルと共に食堂に向かう]
本当にダメね、わたしは…。
[おぼつかない足取りでリー=ルについていく]
いいえ、謝らないでください。
私こそ力になれなくてごめんなさい……
[ずっと隣に居ることしかできなくて。それでもひとりにしないことだけが唯一の己にできることなのだと思う。
ふらつく足取りのリットを支えて、食堂へ着くとホットココアを差し出す]
[閉じられた医務室の扉。次に開くのは、ベリアンが快復するか、ベリアンが生命活動を終え、遺体が特殊シリコンで包まれて室内の空気が入れ替えられた後か。
ベリアンの意識がある時に何度か通信した]
遣り残した事はない?
…心残りはない?
[代わりに出来ることなら請け負おうと思ったが、酷なことを聞いただろうかと心が沈んだ]
[全員宛に、突然ベリアンからの通信が入ったのは、発病してから何日後のことだったか]
……突然すまない。
いよいよ、お別れみたいなんだ……そんな気がする。
だから、遺言だと思って、聞いて欲しい。
[そう前置きして、話し始める]
チェリー、リール。
ずっと内緒にしてたことがあるんだ。
母星系崩壊の報せを聞いた時、俺は一度、リットを攫ってKKに逃げようとした。
君たちや、テオドール先生を置いて。
行かなかったのは、ただタイミングを逸したから。
でもあの時、具合が悪かった俺を気遣って、話は明日にしようって、リットが言ってくれて。
死なばもろとも、って笑顔で言ってくれたチェリーを、もう裏切ることはできなくなった。
リールもそう。俺たちへの感染を防ごうと、咄嗟に隔壁を閉じたんだろう?
チェリー。
君は立派なリーダーだった。
君の落ち着いた判断に、いつも助けられていたよ。
君の気持ちを休めてもらうのは、リールに任せっきりにしてしまったね。
ふたりで仲良く過ごしているのを見るのが、好きだったよ。
リール。
いつも、頼みごとをすぐに解決してくれて、解析の相談にものってくれて、ありがとう。
昔はしょっちゅうからかってごめん。
君が可愛いのは、本当のことだけど。
……今は、大切な人ができたから、もう言わない。
ふたりが生まれ変わりのことを話しているのを、聞いたよ。
あれが本当になればいいって、願ってる。
ごく普通の家に生まれて、ごく普通に学校へ行って、友達をたくさん作って、恋をして……そしてまた、ごく普通の家庭を築くんだ。
−食堂−
どうしよう…
もし、ベ=リアンの身になにかあったら、わたし生きていけない…。
もう二度とあんなことはしないって、彼と約束したのに…。…でも、自信がない…。
[頭を抱えながらリー=ルにこぼした]
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