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― セルリアン宅 ―
[アレクが倒れていると聞かされても返事はせずに表情も変えない。
かわりに長い告白をしながら、尚謝罪続けるオクタヴィアの傍に座りなおして、ぽつりと口を開いた。]
………アレクは、さ。
たまに真っ直ぐ前しか見なくて、あたしやヴェルに怒られたりするし、男女で対応に温度差あったりするけど。
薬師として怪我人や病人の為に走り回ってる、優しい、大切な幼馴染だ。
カシムもさ、酒癖わるい上に仕事中にまで酒に手ぇ出すどーしようもない馬鹿だけど。
それでも、うちの大事な料理人だ。
だから二人が倒れて死に掛けてて、すごくやりきれない。
何とか元に、またいつもみたいに戻ってきて欲しいって……思う。
[正直な心の内を、彼女に告げて。
ぽんぽんと、オクタヴィアの頭を撫た。]
……でもね、そんな風に顔色変えて倒れて、立てないくらいに弱って。
ごめんなさいって謝り続けるあんたを……責めることなんて出来ないよ。
だから……いいよ。許してあげる。
カシムやアレクや、倒れたほかの皆、その家族の誰があんたを責めようとも。
少なくともあたしはあんたを許すよ。
…あたしが許してるんだ、だからきっと、あたしよりオクタヴィアともっと近いあの子たちも、きっとあんたの事を許してくれる。
だからそんなに嘆かなくていい。
やりきれなくて、辛かったね。
[そう言い、彼女の背に手を回して抱き寄せ、背中をあやすように叩いた。]
― 図書室 ―
[スケッチブックは落とさずに済んでほっと安堵の息を吐いた。
絵師から掛けられた言葉に緩々首を振るう]
邪魔だなんてそんなことはありませんよ。
ちょっと考え事していて……
[その考え事を声に出していたとは気づかず
驚いた理由を彼に伝えようとした]
あ、やっぱり。
こんな絵を描けるのは『絵師』さまの何方かですよね。
絵を描く為に絵師に……
[疑問への答えになるほどと納得。
絵師は心まで読めるのだろうかとかそんな事をちらと思いながら
口にするのはまた別の疑問]
絵師さま、あなたは如何して絵師になられたのですか?
― 水晶花の花畑 ―
[伸ばしていた手がぱたりと身体の横に落ちる。
瞳を閉じたまま、しばらく仰向けの状態でじっとして。
不意に瞳を開くと上半身を花畑の中から起こした]
そうだ…オクティ…。
[どこに行ったかな、と視線を巡らせる。
花畑にはもう、誰も居ない]
オクティ、辛そうだった…。
私なんかより、ずっと、ずっと。
[声は届かなくても、傍に。
そう考えて花畑の中から立ち上がる。
どこに行ったかが分からなかったから、とにかく行きそうな場所を探そうと水晶花の花畑を後にした]
/*
うわあああい。
店主愛してる!
あ、勿論幼馴染たちもね!
表じゃあんなんなっちゃったけど!
あれでもダークサイド落ちは避けましt
― 図書館 ―
ん、邪魔じゃなかったなら、良かったんだけど。
[首を振る仕種に、ほっとしつつ。
納得する言葉にああ、と頷いた]
鳥を描けるのは、『絵師』くらいのものだからね。
[軽い口調は、ここまで。
投げかけられた疑問に、一瞬、言葉が詰まった]
……難しい事、聞くなぁ……。
― セルリアン宅 ―
のーら、さ…
ご、め…ん、なさ…っ、…
わた、し、
ど、して、私じゃ、ダメ、なの、か…っ、わか、んない、の…
かなえたい、って、思った、の、わた、し、なのに…っ
なん、で…私、じゃなくて、みんな、なのか…!
[ノーラの手が温かくて優しくて、余計に胸が痛くなる。
顔を伏せた彼女の肩を涙で濡らしながら、胸の内を吐き出した。]
[どこか困ったように言いながら、右手で左の上腕──『月』のある場所に触れる]
……最初は、ね。諦めだった。
『月』の事を聞かされて、逃げられないんだって思って。
そうするしかない、って思って、引き継ごうと思った。
……けど、お節介なヤツがいて。
そのお節介のために……って言うとおかしいけど。
あいつを送り出すために……その役割を、誰にも渡したくて、『絵師』になった。
[する、と右手は落ち。左手が、そこで鈍く煌めく水晶に触れる]
まあ……なった直後に、そのお節介は、いなくなったわけだけれど、ね。
……あ、これ。
ヴェル兄……林檎番のヴェルナーには、ご内密に。
ヘタに教えると、絶対うるさいから。
[ため息混じりに言った後。
すぐに冗談めかした口調で付け加える。
知れば恐らく、負い目を増やしてしまう、という。
そんな自覚もあったから]
/*
ええと。
なった理由、だから、こっちで大丈夫、だよ、な。
『絵師』としての決意と矜持は、『記憶』引き継いでからのものだから。
……うん、ややこしい設定してて、すまぬね!
― 喫茶『blau』―
[ アレクの事は、彼の父であり師でもある薬師に預け、男はノーラの喫茶へと向かった。もう一人の幼馴染に、アレクの事を伝えなければいけないと思ったのと、先に告げられたカシムの件もあり、彼女の様子が気になったこともある ]
こんちは…あれ?ノーラは?
[ 所在無さそうに居残っていた客に尋ねると、絵師が倒れて、その後店主も出て行った事、当の絵師も意識が戻ると消えてしまったことなどを聞かされる ]
そうか、行き違いになったかな?
やあ。
引っ掛かり易さは相変わらずだねえ。
[前にも同じように引っ掛かってくれた気がする。
相手がこちらを向いたら、何事もなかったかのように片手を上げて挨拶した]
― 図書室 ―
鳥と空――…
とても綺麗なものなんですね。
空に焦がれる気持ちが少しわかります。
[再びスケッチブックを開き
鳥と空が描かれたページを見つめる。
綺麗だと思うのは写字生当人の心。
絵筆の干渉によるものだけではないはずで]
……?
難しいんですか。
[難しい事を聞いた心算がなかったのか小さく首を傾げる]
…に、しても、あの馬鹿、具合が悪いのにふらふら出歩きやがって。
[ ぼそり、呟いた低い声が聞こえても、それが誰を指しての言葉なのか、客には多分判らなかったろう ]
[スケッチブックから彼の右手が触れる場所を見て
絵師になった理由を語るコンラートへと眸を向ける]
諦めから始まるものもあるんですね。
――…『月』
逃げられない、そんな思いからの始まりは……
つらい、ですよ。
[絵師の言うあいつ。
絵師の恋人のことは辛うじて知っていて]
絵師さまも、優しいんですね。
やっぱり優しいから絵筆にも好かれちゃうのかな。
とりあえず、ノーラが戻ってきたら、俺が探してたって伝えてくれるかな?
[ そう頼むと、客の一人が、ついでだから引き受けるよ、と苦笑混じりに請け負ってくれた ]
悪い。後で蜂蜜届けるからな。
[ こちらも苦笑で返すと、店を出る ]
[絵師が内密にと言えばはたり瞬き]
言いません、けど。
絵師さま本人の口から伝えて
うるさく言われるのもいいんじゃないですか?
うるさく言うのって
それだけ絵師さまのこと林檎の…、
あ、ヴェルナーさんが大事に思ってるって事でしょう。
[彼の真意に気づかぬままゆるく笑み浮かべた]
/*
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
もう何も言うまい。
自分が気にしてるだけなんだから、自分が我慢すれば良いんだ…。
― 図書館 ―
そう、だね……ラクじゃないのは確かだ。
おかげで、散々馬鹿だと言われたし。
[先に見た夢、それを思い返して苦笑する]
……俺は、優しくないよ。
それに……今はむしろ、『絵筆』に嫌われてるし。
[オクタヴィアとのやり取りの事を思い出して肩を竦め。
うるさく言われるのも、という言葉に、一つ、息を吐いた]
うん……それは……わかってる。
わかってるんだけど、ね。
[続いた言葉は、ごく小さなもの。
わかっているから、避けてしまう事だから。
それしか。言えなかった]
/*
そも600程度で促しとかどうよ、と思うんだけど如何なものか。
300とか200ならまだしも。
あと1時間だよ?
あとそうやって主張するぐらいなら表出て来い、とか。
仕事中とかなんかやってるとかしてるのかも知れないけど。
何かもう昨日からダメだ…。
― 都市の通路 ―
[ 店を出て、さてどっちへ向かおうかと考えた所で、いい加減見慣れてしまったもさもさが、通路の向こうからとてとて歩いてくるのが目に入った。気のせいか、いつもの勢いはなく、どこかしょんぼりしているように見える ]
おい、お前、ノーラの居場所知らないか?
[ なんとなく、このもさもさなら知っていそうな気がして声をかけると、もさは、おん!と鳴いて、今来た方へとくるりと向きを変えた。そのままとっとと駆け出すのを追って、男も足を速める ]
ん?そっちは…
[ アレクの家とはまるで違う方向だと気付けば、不安に駆られて、速度も上がる ]
― 都市内通路 ―
[あの後も『絵筆』により封じられた者が居るとは知らぬまま。
先ずはキノコ畑を確認して、オクタヴィアの自宅を確認して。
姿が見当たらないと知ると、あちこち彷徨いながらオクタヴィアを探した]
どこ行ったんだろう…。
[具合が悪いなら薬師のところか。
それとも誰かに会いにどこかへ行ったか。
浮かぶのは幼馴染の一人であるゾフィヤのこと。
闇雲に探すよりはどちらかに絞って探した方が良いかと考えて。
ひとまず両者の分岐点の位置まで移動することにした]
さて…と。どうしたものでしょうね。
[出て行くヴェルナーを見送り、ため息をひとつ。
自分の体から離れても大丈夫なものかどうか、と迷いつつ。
薬師としての師匠であり、父でもある人物が。
ヴェルナーが立ち去った後、仮死状態の自分の体に縋って泣きながら『何で私を置いて死んでしまったんだ、フレデリカー!!』などと亡き母の名を呼んでいるのを聞けば、深い深いため息を落とした]
まだ一応死んでいない、とか。
私は母さんじゃない。とか。
というか、他にも被害者出てるでしょうに、そんな事してる余裕あるんですか、とか。
どこから突っ込めば良いんでしょう。これ。
[いや、ツッコミたくても、そもそも相手には聞こえないんだが]
― セルリアン宅 ―
どうしてか…きっと、誰かさんもそう思ったんだろうねぇ。
なんで自分だけ空に行けずに取り残されるんだろう…って。
ずーっと溜め込んでたのかね……そういうやりきれなさを。
[泣くオクタヴィアの背を子供にするようにあやしながら、彼女に、というよりは別の誰かに言うように。]
……もしもあんたが、ここで泣いてる子達の嘆きや恨みを全部聞いて、それでも空に行きたいと望むなら……あたしには止められない。
たとえそれが、もしかしたらここの人間全部を死なせかけるような事になっても、きっとそれは、あたしたち全員の責任なんだ。
そんだけ深かった誰かさんの辛さを分ってやれなかった、そのツケを今払ってる……それだの事けさ。
― 図書館 ―
[願いを託される絵師。
その役目の重さは如何ばかりか。
思えば、眉間には皺が寄ってしまう]
『絵筆』に嫌われてる……?
んー、同じだから今は反発している、とか。
ほら、反抗期が『絵筆』にもあるのかも……?
[如何やら家出した反抗期の子、という印象を抱いていたらしい。
主な理由は持ち主の手から消えた、その一点なのだが]
……分かってるならいいです。
分かってるなら、きっと大丈夫だと思うし。
お節介が過ぎましたね。
[小さな絵師の応えにゆるく頭を下げた]
そういえば……私がこの状態と言うことは、ほかの方も同じように体から離れてフラフラしてるんでしょうか?
[最初に倒れた長。ジュベールさんちの姉妹。カシムとシェイ。
そして……前回・前々回と同じなら、自分とほぼ同時に倒れているだろう誰か。
仮死状態になった経験も、自分の体から心だけ(?)離れて活動した経験も、当然無い。そんな話を聞いたこともない。
自分の体から離れても大丈夫なものか、と迷ったものの。やはり気になったので、街に出て見て回ろうかと]
― →都市内通路 ―
― セルリアン宅 ―
[ もさもさは、つい先刻、男も訪れた家の前で、おすわりすると、また「おん!」と鳴いた ]
ここ?もしかしてゾフィヤの様子でも見に来たとか、か?
[ 気の優しい幼馴染なら、それも有り得る話かと、少しだけ安堵して、扉をノックする ]
ゾフィヤ、ヴェルナーだ。ノーラが来てないか?
/*
…完全RP村の認識って、今どうなってるのかなぁ…。
拘りすぎなのかな…過敏すぎるのかな…。
促しについて、失敗した、とか、促したい、とかはRPではないのだから、そう思っても独り言に仕舞うものだと思ってる。
…頭固いかな…はぁ。
でもそれであんたは、胸張って空を見上げられる?
[最後にそう、見えない誰かに問いかけてから、もう一度強くオクタヴィアを抱きしめて、ゆると力を抜いた。]
……まぁ、あたしが思ってる戯言さ。
そんなわけだから、もし私がどうこうなっても何も言わないよ。
それよりとりあえずあんたは、もうちょっと休みな?
歩けるなら、家に帰ってゆっくりするのが一番なんだろうけど。
[他所の家じゃ落ち着かないかねと、少し笑って頭を撫でた。]
― 図書館 ―
[眉間に皺が寄る様子には、気づかずに。
仮に気づいても、理由を問う事はしなかったろうけれど]
まあ、実質、家出みたいなものではあるけどね。
……とはいえ、反抗期の一言で片付けるわけにはいかないよ。
押しかけ先に、酷い迷惑かけてるんだから。
[現状、一番の問題は、それ。
そしてそれがあるから、何とかして解決をと望むわけだが]
……いや、気にしないで。
そう、言われる自分に問題があるのも……わかっては、いるから。
[ゆるく頭を下げての言葉には、ぽつり。
小さく返して、頭を振った]
/*
何も言うまい、とか良いながらがっつり言ってるな、自分。
言うなら別の場所に吐き出し口作るべきなんだろうけどなぁ…。
ダメダメだぁ。
― セルリアン宅 ―
[訪問者の聞き覚えのある声に、うわっというような顔をする。]
あー……。はいはいっと。
[一瞬居留守も考えたが、ゾフィヤの事を黙っておくのもあれかと思うし、オクタヴィアが帰りたがったら運んでもらえるかと思いながら、玄関先まで行って扉を開けた。]
やほヴェル。微妙なタイミングよね…。
ゾフィヤなら倒れたからシェイの隣で寝かせてる。
[そう簡潔に言うと、中に招いた。
一緒に戻ってきた白もふに、こいつはヴェル好きよねとしみじみ思ったりとか。
もふはちょっときゅーんとしながらも室内に入り込んできた。]
― セルリアン宅 ―
[ノーラの言葉は、自分以外にも向けられているとすぐにわかった。
ただ黙って聞いて、ゆるく力が抜けて離れるノーラを見上げた。
家に戻り休むようにと勧められると、少し考えて。]
…うん。
立てるように、なったら、戻るよ。
ノーラさんは、お店、戻って?
[そう言うのと、ヴェルナーの声が聞こえたのは同時だったろうか。]
/*
なんかやっぱメモ取ってないと仕事中に考えてた言いたいこと忘れるなぁ…。
言いたいことの整合性考えたり文章組み立ててたらえらい時間が(´・ω・`)ごめん。
てかオズワルドは大丈夫かな。
珍しいね居ないの(赤潜伏だろうか)
― 都市内通路 ―
[薬師の家とゾフィヤの家へ向かう分岐点。
どちらへ行こうか悩んで、薬師の家のある方を見た時だった]
あ、アレク先生。
ここにいるってことは、オクティ行ってない、のかな。
[向こうからオクティが来たのは見ていなかったためにそう考えて。
それならゾフィヤの家に行ってみようと、視線をそちらへと移す。
アレクシスまで封じられているとは気付いていないため、訊ねられないと判断していた]
― セルリアン宅 ―
ゾフィヤが?!まさか絵筆のせいか?
[ ノーラの言葉を聞くと、男は驚きに目を見開く。では、絵筆の影響を受けた者が狙われたということなのか?と、心に過る ]
と…君は、オクタヴィア、だったか。どうしてここに?
[ コンラートと親しい一人としてオクタヴィアの名は知っていた ]
反抗期の家出で済まされたら良いんですけどね。
連れ戻して一喝、お説教して
一晩経ったらまた元通り。
……そんなに単純ではないみたいですけど。
[押しかけ先の事を絵師が言えば
ふ、と息を吐きスケッチブックを閉じて]
押しかけ先の負担を減らす手立て、って
無いんでしょうか ……
[ぽつと呟く言葉は其れを知ると認めるようであり]
……ありがとうございます。
随分不躾なこと言っちゃってるとは分かってるので
そう言ってもらえると助かります。
[へら、と笑いながらスケッチブックを元の場所へ]
― 都市内通路→セルリアン家 ―
[いつもより軽く感じる体(?)で、ぴょこぴょこと都市内を徘徊する。
ゾフィヤも倒れた事は知らないが。シェイの体があるあの家に、もしかしたらシェイが居るだろうか――と思っての事]
……おや?
[さすがに、目的の家の前にヴェルナーがいたのには驚いたけど]
ヴェルナーさん、それ、…なぁに?
[白もふみたいな動物をみたのは初めてで。
連れてきたようなヴェルナーなら知っているかと思って聞いてみた。]
[こちらも林檎番である彼は知っていた。
畑守の娘という立場もあるが、シオンがいつもお世話になっていたから。
彼からどうしてここにいるかと問われ、目を伏せる。
どう説明すれば良いのか悩む。]
― セルリアン家 ―
[その家でヴェルナーを出迎えたのが、ゾフィヤではなくノーラだった事に少し驚き。
続く、ゾフィヤなら倒れたから…という言葉にさらに驚いた。
さらに、白もふで遊んでるゾフィヤの姿が見えて]
………えぇと。ゾフィヤ?
[ためらいがちに声を掛ければ、逃げられただろうか]
― セルリアン宅 ―
多分ね、症状は皆と同じだから。
一応暖かくしておいたわ。
オクタヴィアも様子見に来て倒れてたのよ。
2人も運ぶの大変だったんだから。
[説明をしつつ来るの遅いわよ、などと冗談半分に言いながら。
白もふはオクタヴィアの傍に大人しく座ると尾を振っているようだった。]
[……………見られた。
なんかとても恥ずかしい姿を、アレクせんせーに見られた。
アレクせんせーなら黙っててくれるかも、とかむしろアレクせんせーだから恥かしい、とかの色んな思いが頭の中を駆け巡り…]
忘れてぇぇッ!
[とりあえず家から脱走した。
壁をすり抜けられるとか知らないから、玄関通って。]
― 図書館 ―
……本当に、ね。
それで済ませられるなら、どれだけ楽なんだか。
[零れ落ちるのは、本音。それで済んだらどれだけ楽かと。
ぽつり、と呟かれた言葉には僅かに眉を寄せる。
そこを気遣い、術を気にする理由。
思い当たる節はあれど、その場で口にする事はなく]
……難しい、な。
過去にあった『絵筆』の盗難の際は、当代が全ての負担を引き受けていたようだけれど。
今回は、俺と『絵筆』の関わりが薄くなっている分の負荷が今の所有者にかかっているわけで……。
……結局は、手放させる以外の術はないかも知れない。
まあ、それが簡単に行かないからこその、現状なんだろうけど。
[がじ、と紅の髪を掻いて、零すのは嘆息。
笑いながらの言葉には、以前言われた事を思い返して、ほんの少し苦い笑みを浮かべたりしていたが]
― 中央広場 ―
ああ。どうしても驚くよね。
アレク先生だったのは良かったのか悪かったのか。
一人だったら運ぶのも大変だっただろうね。
[やはり絵筆に封じられたとは思わぬまま、小柄な若薬師を思い浮かべてそんなことを。自分も似たり寄ったりなので悪意はこれっぽっちもない]
僕の時は……クーノ兄、がいたし。
ヴェルナーさんもいた……から。
[前とは逆に絵師様と呼ぶのが躊躇われて戸惑いながら。
そのまま、どうやって運ばれたかも思い出して、少し詰まった]
……ほんとなんだろうねコレ…。
朝起きたらいたのよ。いやほんとに。
[コレ呼ばわりされてもさはきゅーんと啼いていた。
ちょっと申し訳なくてわしわしと頭を撫でたら機嫌を直したのか尾を揺らす。]
よくわかんないけど、ヴェルが好きでよくヴェルの周りをうろうろしてるみたい。
[よくわからないなりの説明を加えたが、よけいに分らなくなった気がしなくもない。]
[エプロンの上から絵筆に触れ、目を閉じ語りかける。]
―…ノーラさんの声、聞こえた?
私も、ノーラさんと同じ。
今だって、私、空へいかせてあげたいよ。
でも、関係ない人たちを無理やり巻き込んじゃ、だめだと思うんだ。
そんなことして、同じ空にきてくれても…
きっと、空で待っててくれるひとは、悲しむんじゃないかな。
だから、みんなを…
皆の心を、返してあげて。
― 中央広場 ―
こっちは近くにシオンもいたし。
パニックにはならずに済んだんだ。
[間を埋めるように早口で言って説明を閉じる]
何がしたいのか分からないけど。
もっと他の方法、ないのかって。
絵筆に文句言っても始まらないかな。
[掠めた笑みは苦いを通り越した冷たいもの]
いい加減にしろよ。本当に。
[そこに篭められた思いは実感できていないから。
つい腹立たしさが沸いてきてしまう]
…えっ、と…
[ヴェルナーもノーラも、白もふがなにかわからない様子をみせるので首を傾げた。
気がつけば自分のそばで尾を振っている白もふに恐る恐る手を伸ばしたら、思いの外ふかふかで。
そのままふかふかとした頭を撫でてみた。]
― セルリアン宅 ―
絵筆に宿ってる絵師の遺志ってのは…何を望んでるんだろうなあ…
「おなじそらに」て言葉は俺にも聞こえたが、それは、都市の外へってことなのか?
だって、まだ、そこには誰も居ないだろう?
今、絵筆で人の心の力を奪ったって、一人きりのままじゃないか…
[ 目の前に、その絵筆の持ち主がいるとは知らずに、漏らしたのは、道々考えていたこと ]
[誰が持っているのかと問われない事に安堵する。
問われても自分の口からは答えられないから。
難しい、と絵師から聞こえれば
沈む気持ちに釣られるように少し俯いて]
そう、ですか。
手放させる以外……
[絵師に返せないと幼馴染は言っていたはず]
もし手放させることが出来たとしても
絵師さまの元に戻ったら絵師さまに負担が掛かるんですよね。
よく知らなかったから、両親の『絵』を描いて貰った時も
それが当たり前のように思ってました。
いえ、勿論、感謝はしていたんですが…、ね。
知らなくてごめんなさい。
父と母の『封じの絵』を描いてくれて、ありがとうございます。
うちの親、綿毛草の伝説信じてて、すごく好きだったから
きっと絵師さまに描いてもらえて喜んでると思います。
― セルリアン宅 ―
[真面目に返すそれ>>94に苦笑しつつ。
真っ直ぐに告げられたそれには、驚きはしないものの目を伏せる。]
そう、やっぱり…。
あんたのところで倒れたのは不幸中の…かしらね。
運搬お疲れ様。
[そう苦い顔する幼馴染の肩を、労うようにぽんと叩いた。]
クーノ兄って……ああ、絵師さまか。
[聞き覚えのある呼び名に記憶を手繰り寄せ。
アトリエで鉢合わせた時、墓守の少女がそう呼んでいたのを思い起こす]
俺も店だったから、後から店主が来て……
うん?
[ちょっと詰まったのを見て、首を傾げた。
まさか同じ体験をしたとは思っていないので]
あいつは、絵になっても、解放の時が来ても…コンラートの傍を離れないって、そう言ってた…
そう思ってくれる相手は、その絵師には居なかったのか?
[ 誰にも言ったことはなかったけれど、男は信じている。絵に封じられた人々の中に、妹と同じ想いでいた絵師を大切に思っていた者も他にきっと居ただろう、と ]
…………きっと…
もう、おいていかれたく、なかったの。
残されることが、つらいって。
誰よりも、思い知らされ続けたのは…
絵筆、自身だったんだよ。
[ヴェルナーの呟きを拾い、声を零した。
白もふを撫でる指が、小さく震える。]
― 図書館 ―
俺以外の手元にある、というのが、まず不自然な状態だからね。
それを解消するのが、一番の解決策だと思う。
[ユーリエの秘める思いは知らない。
だから、口に出来るのはそれだけで]
……え? ああ、まあ、そうなる、けれど。
でも、それは俺が望んでやっている事だから。
皆が、空へ向かえる、手助けになれれば……って。
それが、俺の、『絵師』としての在り方だから。
[続けられた謝罪と、感謝には、戸惑うものの。
それは自分の選択肢で、自然だから。
こう言って、わらった]
そうか。
……そうだなあ。
悪いのは『絵筆』だとは、俺も思うけどさ。
[距離が空いてしまったと思っていても、幼馴染たちを憎むかどうかはまた別だった]
まあ、ほら。きっと、『クーノ兄』が、何とかしてくれるよ。
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