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― 喫茶『blau』 ―
あっこら、アレク!
[よくよく見るとコップは2つ。ついでに平皿に酒を注いだ跡がある。
3人(?)で呑んだなと、カシムの相手していた可能性が高い残った当事者を睨む前に逃げられた。その後ろ姿を、昔はよく追い掛けたなとふと思ったが、その間に見る間に背は遠退いていく。]
……このぉ、後で覚えてなさいよ。
[低い空気を纏わせて呟くが、ユーリエに声かけられたら、それらを息と共に吐いて気を切り替え。]
― 喫茶『blau』 ―
[青白く映る幼馴染の顔。
オズワルドの灯火が奪われてゆくのも
カシムの心が封じられてしまったのも納得できはしない。
絵師と絵筆に対しても、そう。
ただ常なら見ない振りをして隠してしまう心の一片を
絵師に対して打ち付けてしまったこともあり
その分だけ冷静でいられている。
その冷静さが何時まで続くかは定かでないが――**]
お願いできる?
店を空にするわけにはいかないからねぇ。
[こんな状況だが、閉めるる気にはならなかった。とはいえカシムがいる間は一時的に出入りを止めていたが。
たまに常連が覗きにくれば、後で開けるからと断りをいれて帰したりしつつ、彼女がカシムの両親を連れてくる間、酒盛りの後をかたずけて。
迎えに呼ばれた両親に運ばれて行く料理人を、少し案じるように見送った。]
ありがと……お茶入れようか?
[扉にかかったプレートをopenに変えながら残ったユーリエに労いを込めて尋ねる。
返事を聞くのとオズワルドが飛び込んで来るのはどっちが先だったか。
カシムと馴染みの彼の顔色もだいぶ悪かった。
今朝会った時との違いに、さすがに少しの違和感を覚えながら。]
用意するから座んなさい。
あんたの方が倒れそうな顔してるわよ。
[そう言い一度厨房に入り、二人分のカップを用意し、ユーリエとオズワルドの前に置いた。
やっぱり、の言葉に少し眉を潜めるも、香草茶の香りも温かさも、いつもと変わらないものだった**]
[・・・家に二人で居るはずなのに、
静かで少し淋しくて。
作りかけで止めていた料理を再開したら、
扉を叩く音がした。]
はいはーい・・・って、アレクせんせーですか。
えと、シェイの診察ですか?
[アトリエでの会話を思い出し、そんな言葉が口からこぼれた。
力があると知ってはいるが、どんな力かは何も知らない。
ついでに中で相談しようと、特に気にせず招き入れた。
怪電波受信の光景を見ても、
彼の力はこんな形かと深く気にする事も無く]
・・・アレクせんせーも色々大変なんですね・・・
何か書く物があれば大人しいアタシなんてまだ楽かー・・・
[砂糖に血液、カップの破片。
碌な形で出ない力だと思っていたが、
こうして言葉として出るよりはとやや自身の力への恐怖が薄れ。
アレクせんせーには作りたての謎料理(味は33)をご馳走した。
一人で食べるのもやや淋しくて。]
―店外―
あ、
[店を出て数歩もしないうちに、あることに気がついてはたと立ち止まる]
そうだ。
あれ、俺なんだよね。
[ふ、と遠い目をした]
……そりゃあ、顔もぱっとしないし、背も高くないし、力も並程度だし、
大して取り柄もないし、叱られてばっかだし、酒癖も悪いし、
ついでに最近ちょっと腹回りも気になるし……
[自分で言っててちょっと凹んできたけれど]
間違っても王子って柄じゃあない、けど……
それにしたって姫抱きはないよな……
[運ぶ手段としてはあれが最適かも知れないとはいえ。
なんだかがっくりきて、地面に両手と両膝をついた。
通行人の邪魔にならないのは幸いだけれど、ちょっと切ない]
[端から見たらどうでもいいかも知れないが、本人にとっては割と切実な問題でうじうじしている最中。
一つの足音が近づいてきて、聞き覚えのある声がした]
……にいさん。
[顔を上げて、予想した通りの姿に、困った顔になった]
また、食べてないんじゃないの。
[少し前に見た時よりも、幼馴染の顔色はずっと酷い。
でも案じてもどうすることもできないと分かっている。
声はいつもより力無かった]
[店の中に入って行った彼の呟きは聞こえなかった。
その後ろに小さな影が見えて、軽く目をみはる]
ドロシーちゃん、だ。
[封じられたと聞いた彼女が、必死に慕う青年の後を追うのを見送った。
こちらには気づかなかったかも知れない。
ついて行くのも躊躇われて、暫くの間はそのまま立ち尽くしていた**]
― 水晶花の花畑 ―
――――… 、 ぅ…
―――…くーの、にい…?
[どれくらい意識を落としていたろうか、気がつくと絵師に抱き起こされていた。
身体に力が入らない、それと同じように思考もまだ朧気で。
どうしてこんなところで、と思いかえして、思い出したのは。]
…っ、シェイ…!
[慌てて起き上がろうとして、がくりと身体がゆらぐ。
縋るものを探るように手が宙を掻いて、落ちて。
泣きそうな顔で、絵師を見上げ。]
クーノ兄、
シェイ、は…?
[震える指で絵師の袖を掴んだその力は、ひどく弱かった。**]
[意識が落ちたのは、あの感覚を感じてすぐだった。
目が覚めて、いまだに力が入らないのもさすがに自覚せざるをえなくて。
この事実と、さっきアトリエで絵師から聞いた話。
それを掛け合わせれば、自身に今どんな変化が起きているかも容易に推測できて。
思ったのは、自身と同じように囚われている人の安否。]
―――…オズワルド、さん、
だい、じょうぶ…?
…オズワルドさんも、視え、た…?
[絵筆の力が向かった先を、自覚したのは自分だけかと思い、問いかけた。
カシムのことを告げるべきかどうか、悩みながら。]
[続いた言葉は、一本調子。]
……。
……駄目だよ、姐さん。俺は、まだ、倒れるわけにはいかないんだ。
叶えてやらないと。
連れて行ってやらないと。
置いていかれるのは、辛いから――
[疲弊した頭は、何を声に出しているかほとんど判断していなかった。
耳の奥で、意識の中で。響き続ける思念が、辛うじて保っていた自我を飲み込まんと蠢く。
焦点の合わない視線が、ぼんやりと宙を漂った。**]
視えた。
……視えたよ。
仕方ない、仕方ないんだ。
空に行くためには、仕方ないんだ。
……くそっ!
早く、早く終わらないのか、早く……!
[身体は疲弊し、心もまた呑みこまれてしまいそうで。
だけれども、何もできない。ただ暴走するのを、止められず視ているだけ。
やりきれない思いは、どこにもぶつけられずに。**]
・・・あ。
冷静に考えて気付いた。
オクティごめん、コレフラグ満たす前に落ちないと確実に狂うわ。
うん、救いのルート考えてよう。
急いでなるべく今すぐに。
・・・まず、単純にオクティ落ちでの発狂。
…えーと。
回避方法あんのかな、コレ。
絆不足での奈落落ちじゃん。ほぼ。
今、実は残ってる絆(縁故)はユーリエさんとオクティがほとんど。
しかも半分以上オクティで…
オクティとの縁故で奈落落ち防いでるような物なんだよね。
因みに、奈落落ちが分かんない人はエピでアタシに質問してくれたら解説します。
もしくは、『BEAST BIND』で検索しても良いかもねー。
次に、オクティ占って狼だった場合の発狂。
こっちは割と回避簡単。
絆のエゴ化を防げば…ってどんだけビーストバインドだアタシの脳内。
まぁ、オクティに対して絶望しなきゃ発狂は無いし。
もしこの状況が起きたら絵師様に伝えず直にオクティに相談に行ってみる予定だけど…
正直ラ神任せの上アタシとオクティの会話次第でもあるから微妙なのよね。
ま、このルートでの発狂はほとんどないと考えて良いよね。多分。
最後に、ユーリエさんが夜兎で呪殺発生した場合の発狂。
これは、前提がややこしい上発生条件も面倒な発狂なのよねー。
要は、『アタシが占った結果ユーリエさんが封じられた』って理解して発狂するわけだから。
最も、オクティとか絵師様に支えられたら多分耐えるよね。
アレクせんせーはむしろトドメ刺しちゃいそうなので除外(霊能で)。
…1と3の同時発生が完全発狂、1と2でほぼ発狂、1だけでかなり不安定、2だけで復帰の余地あり、3だけだと展開次第。
・・・123全て同時、は成立しないから除外で。
どんだけ狂う確率高いんだアタシ。
まぁ、多分狂わせてもらえないと思うけどねー。
完全発狂したら、『占い』に行動支配されるっていうのも面白そうだし。
…と、汝は邪悪なりとか言われそうな事考えるのでした。
つーかマジで邪悪だ。この発想。
わー、視界が灰色だー。
…いっそ、もっと独り言使ってネタ要素補完でもしようかなぁ。
これまでネタ成分薄かったから、良い機会だし。
と言うわけでゾフィヤのネタ補完劇場(連投阻止かネタ切れか灰切れで停止)はじま…らないっ!
むしろそんな連発したら迷惑だわ。
誰かが書いたらネタ補完、と隙間に挟む形でネタ補完して行こう。
ある司書見習いの一日・写本作成編
―図書館個室、昼過ぎ―
〜、〜〜、〜、〜、〜〜〜〜〜
[小さく鼻歌を歌いながら、ページをめくって文字を書き写す少女。
今写本して居るのは、彼女の好きな冒険小説。
少年は、やや鋭いけど自身に向けられる色恋沙汰には鈍感で。
少年に思いを寄せる少女は、そんな少年が好きだから直接は思いを告げられない。
そして竜はそんな二人をやきもきしながら見守っている、と言う少し複雑な巻で]
シェイもいつかこんな事になったりするのかなぁ。
その場合、竜はアタシになるのか他の誰かなのか。
[そんな空想にわくわくしながら、しばらく写本を続けていた。
そう言えば朝食を食べていないと気がつき喫茶へ向かうのは数十分後。]
― 水晶花の花畑 ―
大丈夫か?
[名を呼ぶ声に、意識を取り戻した事に一先ず安堵して]
ああ、無理しない、無理しない。
もうちょっと、休んで。
[起き上がろうとするのを諌めつつ、できるだけ楽な姿勢を取れるように身体を支えた。
泣きそうな顔で向けられる問い。
伝えるつもりで来た事でもあるが、ふと、疑問を感じた]
……シェイ、は……『絵筆』による封じを受けた。
今は、家に戻ってる……ゾフィヤも一緒にいるはずだよ。
[その疑問は、一先ず置いて。
起きた事を伝える口調は、出来る限り静かに。
それへの反応はどうだったか。
いずれにせよ、常よりも力なく見える様子は、やはり放ってはおけないから。
宥めるように頭を撫でるのは、やっぱり止まらなかった]
……オクタヴィア……一つ、聞いてもいいかな?
[やや時間を置いて、投げかけるのは、静かな問い]
どうして、いきなりシェイの事、聞いてきたのか。
……何か、感じるものでも、あったのか?
[消耗しているようにも見える様子と、目覚めてすぐの問いかけ。
そこから導き出せるのはある可能性、なのだけれど]
ああ……言いたくないなら、無理に言わなくてもいいよ。
[可能性を見据えつつも、こう付け加えてしまう自分は。
名前で呼んでくる相手には、どこか甘いな、と。
そんな自嘲が掠めて、消えた。**]
― 喫茶『blau』 ―
[冷静ではあったはずだ。
けれど忍耐力の方は余り無かった。
オズワルドの言葉>>81>>82を聞くうち俯き勝ちになり
カップを手にする女の肩が小刻みに震える。
声が止めば半ば残った茶をくいっと飲み干して立ち上がった。
ぼんやりとした幼馴染の前に歩み寄ると
彼の襟首を掴み軽く引き寄せる。
腰を折り吐息が掛かるほどまで距離を詰めれば覚悟を決めたような顔。
きっと睨むような強い眼差しを向けゴツンと額と額をぶつけてやった]
倒れたら如何なるって、何よ。オズの莫迦!
叶えてやるとかそんな所で甲斐性みせなくていいでしょ!?
置いていかれるのが辛いから、みんな置いていくの?
オズはほんとにそれでいいの?
しっかりしてよ、オズ!
[痛みに涙目になりながら一息に捲し立てる]
[すぅ、と一度呼吸を整えると
オズワルドの耳朶にくちびるを寄せ]
仕方ないなんて言わないでよ。
一人で抱え込まないでよ。
私たちずっと一緒に居るんだから
幼馴染なんだから
こんな時くらい頼ってよ ……
[聞こえた聲に呼応するように
切な音色を幼馴染に密やかに囁いた**]
/*
ユーリエの動きが素敵だなあ、と思うのである。
夜兎って、多分、一番動き難しいポジなのよね。
正直、引いたら赤より悩んだと思う。
ちなみに、『絵師』ポジでは霊媒師と守護獣以外は本気で悩んだろうなぁ……。
[どっちもくろねこの愛役職の系統なのはきっと偶然]
一応、どれ来ても対応できるようにはしてたけどね。
赤だったら、ひたすらにマゾかったが。
オズワルド、倒れたくないなら休みな。
身体を休めるだけじゃない、心もだよ。
そうやって、人間物事を先に先に繋げていくんだ。
休まないで走り続けても、望む所に行く前に倒れるのがオチさ。
[食事もそうだ。だから取るようしつこく自分を大事にしない連中に言って聞かせているのにと。
今は胸中だけで思い溜息つきながら。]
心の休め方は、今のあんたが一番よく知ってるはずだ。
[聞こえているかは分らない。だが言わずにはおれず。
そう告げた後、深く息をついてから、今度はユーリエの方を向いて。]
ユーリエ、あんたオズワルドから何か聞いてない?
[ユーリエが耳元で囁く言葉は聞こえない。だから彼と幼馴染である彼女は何か知りはしないだろうかと問いかける。
その時は、もしかしたらオズワルドの疲弊は、アレクや自分のように絵筆に影響された何か特殊な力を持ち合わせているからかもしれない。
そんな事も考えていた**]
クーノ兄も下手だよね。
絵師様になってからは特に。
[何時以来だろう。自分では懐かしい呼び方をしながら絵師が出てゆくのを見送った。
溜息をつきながら姉の肩に手を伸ばすが、当然ながらシオンにしたようには出来ず、すり抜けてしまうだけだった]
違う。それはいい。
無理しないで欲しいだけ。
[我に返ると何度か首を振って重たい気分を振り払う。
今度はすり抜けないように、触れるように肩の上で手を止めた]
なんでフィーにこんな力があったんだろう。
変わってあげられれば良かったのに。
[眉を寄せて言うのも詮無いこと。
大きく息を吸って吐いて。今度こそいつもの顔に戻る]
― 自宅 ―
[有言実行し始めるフィー>>が料理するのを見て。
あちゃ、とか片手で顔を覆ったのは出来が予想できたから。
それでもアレクが来てどうにか普通に行動し始めるのを見れば、今はこれ以上どうしようもないだろうと思う]
触ることすら出来ないし。
[もう一人の幼馴染のことも気になって。
頼もうとしていた自分が倒れてしまったから、多分絵師が直接行っているだろうと思うけれど]
オクティも、広場で見た時に変だったんだ。
いきなり走り出したりして。
フィーも変な顔してたけど。
[それらは与り知らない誤解のせいで。
そうとは分からないから同じく絵筆の影響なのかと、別の意味で正しいかもしれない予感がしていた]
― セルリアン宅 ―
本当、二人とも、下手だね…。
一人で背負い込んだら、苦しいだけだよ…。
[『絵師』になってからと言うもの、コンラートとはどこか壁のようなものを感じていた。
それを減らしたくて、『絵師』と呼ぶのを拒んで、ずっとクーノ兄と呼び続けている。
何度窘められようとも、直そうとはしなかった]
―喫茶『blau』―
[カシムさんには気づかない。オズワルドさんしか見えていなかった]
え…?
[オズワルドさんの言葉、自分の聞き間違い?ううん、ノーラさんの声がする。聞き間違いじゃない。
つまり、それは、まるで…]
……
[それでも、自分には確認する方法は無い。もしできても、なにもできない。
ぎゅっと胸元の服を手で掴み握る]
/*
とりあえず、いるよの主張だけはしておいて、と。
さてさて、ここからどう流れますかねぇ……。
ちなみに、エンドに関しては、どういう形にでも落ち着ける。はず。
俺途中で落ちても、きっと何とかなる……!
と、思う(ぉぃ
―喫茶『blau』―
ぅおっ!?
[ごつんと衝撃。
瞳を何度も瞬かせ、目の前の幼馴染の顔をぽかんと見つめた。]
あ……えっとだな、その、
いや、全然よくねーんだけど、あれ……?
[直前に発した言葉の大半が記憶から吹っ飛んでいたので、
結局言い返すこと無く、ユーリエの言葉を素直に受け止めるしか無かった。]
……ごめんな。疲れてんだな。
変なこと言っちまった。気に――
[気にしないでくれ。
そう続けようとした瞬間、耳元の囁きに目を丸くする。>>87]
お前、なんで、それ……
[倒れたくないのならば休め。店主の言葉が耳を打つ。>>89
少なくとも、幼馴染には、いつまでも誤魔化せないだろうと悟る。解決策は見つからずとも、吐き出すことはできるから。
いい加減、少しは楽になりたかった。
意を決して、大きく息を吸う。
ユーリえの瞳をまっすぐに見つめ返して、問いかける。]
本当に、頼っていいんだな?
お前、頼られてくれるんだな?
もし、いいって言ってくれるんなら――
[流石に客の居る中で出来る話ではないから。
喫茶店の外を、ちらと目線で示した。]
じゃあ、次はオクティのところだね。
…立ちくらみ?
具合、悪かったのかな…。
[話を聞いて心配げに眉尻が下がった。
騒動が起きる前はそんな様子は無かったけれど、と呟きながらシェイと共に彼の家を出る]
ひとまず家に行ってみよう。
もしかしたら、戻ってるかも知れないし。
[そう言って、シェイと共にオクタヴィアの家へと移動して行った]
― セルリアン家 ―
こんにちは、ゾフィヤさん。
ええ……絵筆が原因では、私に出来る事は殆ど無いのですがね。
[診察ですか?と言うゾフィヤ>>77に招き入れられれば、苦笑をこぼしてそう応じる。
さすがに家族に倒れられた者を相手に、いつも女性に向けているような挨拶を口に出しはしない。
家の前に立っていた段階から、眩暈と耳鳴りはあった。
シェイの寝ているベッドに近づけば、それらの症状は悪化して。顔色の悪い頬に触れれば、案の定耳の奥で響く“声”。
無論、シェイが絵筆を持っている筈がなく]
絵筆に心を奪われた人に触れない限りは、大した事は無いんですがね。
……ゾフィヤさんも、何かあるのですか?
[色々大変なんですね、という言葉には苦笑を返し。
何か書く物があれば大人しい、という部分に瞬き首をかしげた。
彼女の力について、その場で聞く事になるだろうか?]
私が頂いて良いのですか?
……では、ありがたく頂きます。
[作りたての料理をご馳走してもらう話には、ちょっと驚いたけれど。
唯一の家族が倒れた今は、一人で食べる食事は寂しいのだろうと察してご相伴に預かる。
料理の味については、女性がご馳走してくれる物に対して、どうこう言う筈がない。
いつも通りの笑顔を崩す事無く、用意してもらった料理は平らげただろう。
………先程サンドイッチとお茶と酒を摂ったばかりなので、ちょっとお腹は苦しかったが]
[ところでその頃もさもさは。
暫くはヴェルや絵師やゾフィヤの周囲をうろうろしていたが、最終的にヴェルの後をついて行き。
林檎番の傍で土をほじくり返したり、どこかへ行ったかと思ったら大きな蜥蜴を咥えてヴェルナーの前に置いて、褒めろと言わんばかりに尾をふったり、好き勝手やっていたがやがて飽きたのか、制止されなければどこかに走っていっただろう。]
― →バウアー宅 ―
[ややあって辿り着くオクタヴィアの家。
ちょっとだけ中にお邪魔して、オクタヴィアの姿を探した]
……家には居ない、ね。
畑、居るかな。
[用が済めば直ぐに家の外に出て、今度はキノコ畑を探してみる。
そこにも居なくて、困ったような表情になった]
どこ行ったんだろう、オクティ…。
[あの状況で走り去って向かうとすればどこになるか。
彼女がどんな心境で居たかが分からないため、想像するのが難しかった]
― 水晶花の花畑 ―
[無理しないようにと言いながら体を支えてくれる絵師に、小さく頷いて。
シェイのことを告げられると微かに震えながら、やっぱり、と呟いた。
頭を撫でてくれる絵師の手には、少し身が竦んだものの拒否することはなく。
けれど何かを耐えるように目を瞑っていた。]
― 水晶花の花畑 ―
[しばらく沈黙が続いた後。
絵師から、何故シェイのことを聞いたのかと問われて顔を見上げた。
話したくないなら話さなくても良いと言ってくれた、けれど。]
………視え、たの。
シェイと…カシムさんが。
シオンもシーちゃんも、長の時も、視えなかったのに。
シェイと、カシムさんが、視えたの。
ねぇ、クーノ兄、私―――…っ
[更に言い募ろうとした、時。]
[しばし考えたが、目の前の相手は筆を持っていないと確証も取れている。
その事も込みで、自分の力と制御できていない事を伝える事にした。
一緒に食べた料理を一口食べて、ああ、失敗したなと気がついて。
それでも何も言わずに食べきったせんせーに、若干尊敬のまなざしを向けるのであった。]
・・・アレクせんせーは、絵筆に関してどう思います?
アタシ、ときどき思う事があるんです。
絵筆の封じも、アタシやせんせーの力みたいに暴走してるんじゃないか、って。
そうだとしたら、絵筆を持ってる人を見つけたら封じは止まるんでしょうか?
絵筆を持ってる人を見つけて、絵筆を受け取ってもまた受け取った人が媒介になって繰り返すだけじゃないのかな・・・
[ずっとうっすら感じていた不安。
同じように制御できない力を持つ相手に、それをこぼしたのは多分楽になりたかったからなのだろう。]
[すぅ、と。
表情の色が消えた。
ゆっくりと、唇が動く。]
あなたには、言えない。
[それだけ言うと、まるでスイッチが切れたように力が抜けた。]
―喫茶『blau』―
[ユーリエさんって言うみたい。女の人。オズワルドさんが仲がいいみたい。恋人かな?]
……
[オズワルドさんが元気になれるのは嬉しい。
嬉しい。嬉しい……、嬉しい………、うれしい……はずなのに]
…………
[よくわからない、兎さんを抱きしめようとする。無い。
何も……、ぎゅっと強く自分の服を掴んで握る。強く。強く…]
・・・
今日、アタシは誰を占うんだろう。
オクティ占いだったら、オクティには落ちて欲しくない。
ユーリエさん占ったら、速攻落ちたい・・・とまでは行かないけど、あまり占いたくない。
正直、どっち占っても発狂フラグなんだよねー。
いや、むしろどっちも占わず落ちる可能性が一番あるけどさ。
[何かが自分にとってかわったような感覚に、どうしたのかと思う間もなく口が勝手に動く。
それとともに、脳裏に伝わる声。]
『逃がさない』
[朦朧とする意識の中、響く声。
それは、空をと願うのと同じような、違うような。
曖昧な、声の色。]
………いま、の…
[何が起きたのか、自分でもわからなくて。
ただ、自分が絵師に吐き出そうとすることは許されないことなのだと。
まるで何かを抜き取られたような身体の感覚が伝えていた。]
―喫茶『blau』/屋根―
[店内に入って行った彼らの様子は気になるけれど、何となく戻る気にはなれない。
かといってこの場を離れる気にもなれず。
悩んだ挙句に選んだ位置は屋根の上]
……便利なんだか何なんだか。
[上ったことなど一度もない場所だったが、身体がないからあっさりと上れた。
高い場所から、なんとなく行き交う人たちを眺めていた。
店の中の様子は見えないし、聞こえない]
聞こえ……てた、の、か。
……なんだ、やっぱり耳の調子悪かったんじゃないか!
[とっさに出てきたのはそんな言葉だった。
彼女の声は聞こえなかったけれど、もしかしたら、彼女も?
それは分からないけれど、この幼馴染には隠せないと分かったから。]
姐さん、ありがとう。
吐き出したほうが、いい時もあるんだな。
[幾分さっぱりした表情で代金を置く。
重い足取りはそのままに、喫茶店を出た。]
―都市通路―
……俺が頼ったのは、お前だけだ。
頼むから、他言はしてくれるな。
[人目のないところで、外套の中に手を差し込んだ。
幼馴染の前に、差し出す。
彫り物のされた、漆黒の絵筆。]
……寄越せって言われても、無理だ。
絵師の所に持って行けって言われても、無理だ。
それは、出来ないことになってる。
[ちらと、顔をしかめる。
もう一人の意識の中に、響いた言葉。]
お前も、聞こえたなら、分かるな?
制御が出来れば、少しは違ったかもしれない。
だけど、ダメなんだ。時間が来たら、削られていくだけで――
だから、
頼るっつっても、
……話すぐらいしか、出来ないんだ。
ごめん。
[絵師のところには持っていけない。
もう一度、しっかりと、それを繰り返した。]
な、んで…
[力が入らない。
絵師に、絵筆のことを言おうかと、悩んだのは事実だけど。
口に出そうとしてもいけないのだろうか。
これは、見せしめ?
囚われた自分は、逃げてはいけないのかと。]
― 喫茶『blau』 ―
[ユーリエの曖昧な返事>>102に怪訝そうにしながらも。
どうやらだいぶ意識ははっきりしてきたらしい>>94>>92オズワルドの方をちらとみて。]
わかったわよ。
ま、あんたがいれば心配するような事もないでしょ。
いってらっしゃい。
[言いながら空になったカップを取り、片付けに厨房へと向かっていった。]
やっぱり、絵師には言えないのか……
[オクタヴィアの意識に響く声に、少なからず衝撃を受けた。]
オクタヴィアさん、大丈夫……じゃ、ないか。
身体、動かないのか?
近くにいるのは、絵師様なんだな?
― 水晶花の花畑 ―
[問いを発しながらも、答えは強くは期待していなかった。
ただ、もし話してもらえるなら、と。
そう思って投げた問いへの答え。>>97]
視えた……シェイと、カシムの時、だけ?
[それ以前は視えなかった、というのはどういう事なのか。
疑問を感じつつ、言い募られる言葉の続きを待って]
……っ!?
[消える表情と、淡々とした言葉。>>101
表情が、険しさを帯びる]
……『俺には』とは。
大分、手厳しいね。
[推測が、確信へと動く。
けれど、ここで強く出る事はすまい、と思った。
それは、恐らく負担になるのだろうから]
……わかった。
それなら、それでもいい。
でも……願えるなら……これ以上、苦しめないでくれ。
[だから、小さく、こう紡ぐだけに止める。
四年、共に会った番の『漆黒』へ向けて]
……大丈夫か?
ごめんな、無理させたみたいで。
[それから、オクタヴィア>>103に向けて、笑いかける]
ほんとに……ごめん。
[言えるのは、それだけだけれど。
言わずにおれないのもまた、事実で]
う、ん…
[オズワルドの声が聞こえる。
自分と同じ、とらわれた人。]
クーノ兄と、いっしょにいる。
ごめん、ね。
私、クーノ兄、に。
[自分の感覚は彼に伝わっているのだろうか。
もしそうなら、自分のせいでオズワルドまで、と。
唇を弱く噛んだ。]
― 都市通路 ―
調子悪いわけじゃないもん。
ちょっと変なだけだもん。
[オズワルドに子供染みた言い訳をする。
この幼馴染ほど調子が悪いわけではないらしい]
――…そんな風に言われたら誰にも言えないよ。
[前置きに困ったような微笑を浮かべた。
そうして彼の手から差し出された絵筆へと視線を落とす。
三人で食事をしたあの日に見たいと言ったそれ。
もう一人の幼馴染を封じてしまったもの。
目の前の彼を苛むもの――]
これが、そう、なんだ。
厄介なのに見込まれちゃったね、オズは。
いや。
……想定内だから、大丈夫だ。
絵師様は……クーノ兄さんは、まだ、側にいるか?
[一人取り残されていやしないかと、問いかけて。]
側にいるなら……落ち着くまで、居てもらいな。
吐き出せる範囲で、吐き出さないと、持たない。俺も、オクタヴィアさんも。
[絵師からの謝罪に、緩く頭を振る。
力が入らない。]
…… 、クーノ、兄の。
せいじゃ、ない。
私…
―――…ごめん、ね。
シオンも、シーちゃんも、…シェイも。
きっと、私の、せいなんだ。
[どうしてと。
絵師を問い詰めたのは、それを認めるのが怖かったから。]
― →水晶花の花畑 ―
ここまで来たし、花畑の方も覗いてみようか。
[キノコ畑から程近い、水晶花の咲き乱れる場所。
そっちの方へ行っているかも知れないと考え、シェイに提案して花畑へと向かってみた。
透き通った花弁を開く花の中。
そこにオクタヴィアとコンラートの姿を見つける]
あ……クーノ兄も。
[何かを話しているようだったけれど、ここからでは聞こえない。
シェイと顔を見合わせてから、二人の方へと近付いて行った]
/*
おおぅ、中身が表に漏れとるよゾフィヤ。
ミスなら仕方ないんだけどね!
←まれに中身誤爆をしてorz状態に
私、みんなが、大切で。
だいすきで。
だから、きっと、私の――――…
[続けようとして、声が詰まる。
それ以上は苦しくて、言えなかった。]
―→都市内・通路―
[惹かれるように、付いて行く、二人の後ろ姿に。
ふらふらと、カシムさんにも気づかず。足取りはおぼつかない様子で、それでもまっすぐについていく]
[行けば、きっと、もっと悲しいけど、それでも、行く]
― 喫茶『blau』:厨房 ―
さーてっと……。
[厨房で片付けをしながら呟く。
オズワルドが絵筆に関係している事は確信した。
自分やアレクのように影響されている方か、それとも絵筆の持ち主か。
可能性が高いのはおそらく後者だろう。]
っても、確定ではないのよね……どーすっかなぁ。
ヴェルあたりに知れたら事だろうし。
[弟のような絵師が消耗していくのを見ていられない幼馴染は、彼を優先させるべく多少強引に出るかもしれない。
そう思うと不用意な事は口に出来なかった。]
[絵筆を見つめながら思うのは
“これ、燃やして供養しちゃえないかな”とか
そんな物騒なことだった。
絵師の元に戻しても絵師を苛むのだと思えば
すんなりと彼の元に戻すという選択肢は無かったらしい]
……ん、分かってる。
[絵筆から視線を外しオズワルドに確かな頷きを向けた]
勝手に聞いててごめんね、オズ。
[聞こえ始めた時から思っていた事を彼に告げる]
削れていく、の、イヤだなぁ。
これ、一緒に持ったらオズの負担減らせたりしないかな。
[オズワルドを見つめながら絵筆へと手を伸ばした]
― セルリアン家 ―
……そうでしたか。
貴女も、絵筆の影響を受けているのですね。
[ゾフィヤの力についての話>>100を聞けば、納得したように頷いた。
その後の、絵筆に関しての考えを聞けば、少し考えて]
………確かに、絵筆を見つけてもまた暴走を引き起こすかもしれません。
ですが。絵筆を見つける事ができなければ……シェイたちを起こす事もできないですから。
今はまず、絵筆を探して。
もし見つかっても、また他の誰かを使って絵筆が暴走を続けるのであれば、その時は………その時になってから、考えます。
[その時は最悪、絵筆を燃やしたり折ったりなどの手段で破壊する事はできないだろうか。
そんな考えも過ぎったが、絵筆と絵師を救いを齎す存在と信じる者の多いこの都市で、下手な事は言えずに、笑顔でごまかそうとしたが。
多分に黒い感情の混じったその笑顔を見れば、そんな考えを察する事も可能だろうか]
[絵師に吐き出せる限り吐き出した方が良いという言葉に、目を伏せる。]
――――…でも、私…
[自分が絵師にたよって良いのかわからない。
絵筆に囚われているのは確かだけど。
絵筆の望みを、かなえてあげたいと。
自分自身が望んだのもまた事実だから。]
― 水晶花の花畑 ―
まったく……そんな言い方、するんじゃない。
[自分のせい、と言い募る様子>>113に、零れるのは小さなため息]
誰か一人が悪いわけじゃない。
……ある意味では、誰も悪くないんだよ。
[事の起こりを思えば、そこに思い至るのは容易い。
発端は、『絵師』の定めと『絵筆』の呪縛。
けれど、それを定めたもの、それを厭う事も恨む事もできはしないから。
紡ぐ言葉は、どこか、気休めめいたものになってしまう]
ああ……ほら。
無理に、話さなくていいから。
[声を詰まらせる様子>>114に、ぽふ、と頭を撫でて、それから]
ほんっとに……。
こんな苦しさ味わうの、俺一人で十分なはずなのに。
……覚悟決めてたって辛いんだから、そうでなかったら、もっときついだろ……ったく。
[つい、ぼやくような言葉が漏れたのは。
状況の理不尽さを、改めて思い知ったが故の事]
― 喫茶『blau』:厨房 ―
好き好んでやってるわけじゃないみたいだし。
ユーリエが説得して、どうにかなるならいいんだけど。
[希望的観測だった。自分たちのようにどうにもならない可能性の方が高そうだ。それでも少しは前進したんだと思いたかった。]
そういえばあれどこ行っ……
あああそういえばヴェル達んとこ置いて
[ついでに今更ながらにもさもさの事を思い出して頭が痛くなったとか。]
/*
貴様らwwwwwwwwwwwww
破壊からは離れろ、頼むからwwwwwwwwwwwwww
ったく、そらゆめオトといい、こいつらといい。
それをやると、身も蓋もないんだからっ!
[止める理由ってそこかよ]
― 都市通路 ―
オズが謝ることじゃないよ。
話してくれて、嬉しい。
でも、如何にか出来ないかな。
このままじゃ本当にオズが倒れちゃう。
[何か対処法はないのだろうか。
このままオズワルドが疲弊してゆくのを見過ごせない。
何もせずに見ているだけは性に合わないようだった]
・・・
なんで絵筆があるんだろ。
なんで空を求めるんだろ。
[ふと口をついて出たのは、己の願い自体に対する疑問であった]
空に行けるって誰も知らなかったら、きっと誰も空に行きたいって思わなかったのに。
そうすれば絵筆も単なる筆だったろうし、
シェイやシオン達が封じられる事も無かっただろうし。
・・・空って、そんなに良い所なのかな。
[何人も倒れるような事になってまで行きたい場所。
そんな風には思えなくて、
シェイ達を起こしたら絵筆を折ってしまおうかと一瞬思った。]
厄介だろ?
勝手にやってきて、勝手にわめいて、勝手に力使って、勝手に他人の意識、奪ってさ。
それでも、俺はまだいいんだ。
ドロシーや、カシム……。
[泣き笑うような声で返した。
意識があって、言葉も話せて、動けて。
心を封じられてしまった者のことを思えば、囚われているぐらい。]
俺は……よかったよ。
お前が聞いてくれて、よかった。
[でなければ吐き出すことすら出来なかっただろうから。
何度か頷きながら、ぽつりぽつり、返す]
― 水晶花の花畑 ―
[小さく溜め息をついたあと頭を撫でてくれる絵師に、顔をあげることが出来なかった。
けれど続いて聞こえたぼやきに、息を飲んで。]
クーノ、兄…
私…… ………ごめん、なさい…
[謝るしかできない自分が、悲しかった。]
― セルリアン家→都市内通路 ―
[その後も少し、ゾフィヤと話をして。
帰り際には、シェイの寝台に用意した湯たんぽのお湯を時々入れ替えてあげてください、とゾフィヤに告げてから辞した]
心を封じられた人たちを助ける為に、絵筆を見つける事は、今のところ最優先。
ですが……そもそも、絵筆なんて存在無ければよかったような気がしますねぇ……
[都市内通路を歩き、すれ違う人々に時折挨拶などしながら。先程のゾフィヤとの話を思い返し、呟いた。
もちろん、すれ違う人々に聞こえないよう、声量は抑えてのものだが。
空にあこがれる気持ちも、そこへ行きたいという気持ちもあるが。
元々絵師の抱えるデメリットについて察していた薬師は、今回の事件で絵筆の存在に対しての疑問を抱いている。
何となく、すぐに家に戻って薬師の仕事の続きをする気にはなれなかった。
かといって、いつものように喫茶『blau』に行ったりなどすれば、間違いなくノーラに怒られる。
という事で、その足は何となく、ヴェルナーがいるであろう林檎の樹の方へ向き。
途中、もふもふした生き物がわさわさと歩いているのを見つけて、目を輝かせたり]
……やめろ。
[ユーリエが筆に手を伸ばそうとしたので、表情を険しくした。
絵筆を外套のポケットに急いでしまおうと。]
下手に触って、お前が封じられたらどうする!
カシムだって、あんなになっちまったんだ。これで、お前までなんてなったら、俺は――
― 林檎の樹の下 ―
[ 男はいつもの通り、ミツバチ達の様子を見て、いくらか蜂蜜を回収してから、林檎の樹の世話をした ]
お前なあ、ほんとに何やってんだ?
[ いつもと違うのは、すぐ傍で、もさもさが駆け回っていたことだが、だんだんその存在にも慣れてきてしまった ]
この海藻は無駄にできないしな…
[ シェイから受け取った海藻を燃やして、害虫を燻しながら、その火で、もさもさの捕ってきたトカゲを焼いてみたりして、ここだけ見れば日常から少しも離れていないようにさえ思える ]
[オズワルドさんが、絵筆を、持っていて、でも、それはどうにもならないらしい]
……
[あの時、嘘をつかれていた、らしくて、言えなかった?
よくわからない、もう、なにも、わからない]
なんで……
[自分が何したいのかも、目の前で起きてることも、自分がなんなのかも、わからない。
悲しい?寂しい?悔しい?]
― 水晶花の花畑 ―
……だーから、謝らなくていいってのに。
[堂々巡りだな、と思いつつ、一つ、息を吐いて]
……そも、俺は自分の意思で、『絵師』になったんだから。
命を削る事も……最後に、空へいけない事も。
代々の『記憶』を背負い続ける事の重さも。
全部、自分の意志で、選んだ。それを、悔いてはいない。
……ま、全然辛くない、って言ったら、嘘になる、けど、な。
[ここで、一度、言葉を切って。
浮かべるのは、苦さを帯びた笑み]
それでも……俺は。
皆が、あの色を見れるなら。
その手助けになれるなら。
構わない、って、思ってる。
……グレーテが還るのと、同じ空にいけないのは、辛いけれど。
『始まりの絵師』の想い……何とかして、外へ、遠い故郷へ、っていう気持ちも。
何となく……わかるから。
……さて。
いつもまでも、ここで話しててもなんだし。
俺は、一度喫茶店の方に戻ろうかと思うけど、オクタヴィア、どうする?
[滅多に他者にさらさぬ内心を、ぽつり、零した後。
向けるのは、日常的な問いかけ]
― 林檎の樹の下 ―
[ やがて、もさもさも、静寂に飽きたのか、どこかへ立ち去ってしまい、男は一人取り残される。いつもなら、時折訪れる都市の人々も、今日はそれどころではないのだろう。
聞こえるのはミツバチの羽音と、遠く、綿毛草の上に開く隙間から吹き込む風の音だけだ ]
― 水晶花の花畑 ―
クーノに……
[絵師の名を呼びかけて、声を詰まらせた。
絵師たる者の想い、決意。
それは、想像すらしたこともなくて。]
………私は…
ただ…空に、行かせてあげたいと思ったの。
同じ、空に。
― 水晶花の花畑 ―
───『絵筆』、オクティが、持ってた…?
[幼馴染を見詰める瞳が揺れる。
それを一人で抱え込んでいたのかと思うと、案ずるような表情が顔に浮かんだ]
っ、クーノ兄、オクティから『絵筆』を、『絵筆』を取り上げて。
もう、オクティに『絵筆』を使わせないように───。
[祖母から聞いた代償の話が脳裏に浮かぶ。
『絵師』が死者の心を封じる時に何かしらの代償を払っているとしたら。
『絵筆』を使うことでそれが発生しているのだとしたら。
オクタヴィアもまた、それに準じなければならない可能性があるから──]
うあー。
ユーリエさん占いたくない・・・
でも、ランダムだから占い対象外せないんだよなー。
よく考えたら、再占いする可能性だってあるし。
占い前に落ちる可能性もあるし。
ラ神よ私に力を・・・
ごめんやっぱ授けないで怖い
― 水晶花の花畑 ―
[切実な願いの声を、ずっと聞いていたから。
だから、ただ、望みをと。
それだけだった、けれどそれは苦しみを伴うもので。
自分一人だけの命が使われたのなら、これほどに苦しくはなかったろうに。
そう思いながら、目を伏せて。]
…もう少し、ここにいる。
立てるようになったら、自分で行くから、先に行ってて?
[絵師の誘いに、微かに微笑んで首を横に振った。**]
[ 男は夜の夢が嫌いだった。だからいつも林檎の下で夢を見る。林檎の甘い香りは、それを好きだった妹の笑顔を蘇らせる。護るはずだった妹…護れなかった命…悔いはすでに胸の底に沈んでいるが、夢だけはいつも鮮やかだ ]
―都市内通路―
[二人の会話は既に遠かった。
呆然とその場に立ち尽くして、やがて]
……ははっ、
[乾いた笑い声が洩れる]
ああ、そうだな。
だけど……
[どうすればいいのか。
分からないから、静観するしか、なかった。]
導くだけではなくって、言っていたから。
この絵筆に想いを込めた人は、空には行けなかった……
それも、辛いよなって……
ユーリエも、カシムも、姐さんも居ないところで、一人残されたらって……
絵筆の人も、そうなのかなって、思うとさ。
それなら、全部やっても、いいって思っちまうんだ……
[彼女の言葉に、背中を押されるように。
ぽつり、ぽつりと。思っていたことを、語った。]
起こしに行ったとしても、お前は最後だからな。
[首筋にかかる腕。
おずおずと、彼女の背中に触れる。]
……ありがとう。
[低い声で、囁いた。]
― 喫茶『blau』 ―
[あれを見られたら…と、思ったのは一瞬。そういえば一緒に居ないんだし問題ないわと気づくと、あっさりもさの事は置いておくことに。
もし追いかけられても捕まる事はないだろう、何故だかそんなふうに楽観していた。もさを追いかけて足の速さを知ったせいもあるが。
そんなわけで変わらず店を開けていたら、ぽつぽつとだが常連がやって来る。そして常連以外もそれなりに店を訪れてくれた。他の店は休業が多いから営業してる店があって良かった、そう言って注文していく客らを見ると、店を開けてよかったと思う。
そうして暫くは忙しく厨房と店内を行き来して客を捌かせていたら、客の中に知りすぎる顔があって瞬いた。]
あら叔父さんいらっしゃい。
どうしたの?こっちに来るなんて珍しい。
[親代わりの叔父であり、『blau』の前店主。
父も母も物心つくかつかないかの頃に亡くなって、親の記憶はあまり無いものの、叔父には可愛がられ育ててもらい、良き幼馴染に恵まれたおかげ寂しさを感じることは殆どなかった。
周りが男ばかりだった為、女性らしさはあまり育たなかったしそれに悩む事もあったが、今となってはそんな思い出も遠く懐かしかった。]
[叔父いわく、『blau』の店員が倒れたと聞いて心配してやってきたらしい。]
ああ、あたしだと思ったのね。
ご覧の通りこっちはピンピンしてるわよ。
倒れたのはカシム。叔父さんも会ったことあったわよね?
[尋ねれば酒癖の悪いあいつかと返って来て苦笑した。
重ねて店の方は大丈夫かと尋ねて来る。元店主なだけあって気になるのだろう。]
平気よ。あたしが倒れない限りは営業縮小しても店は開けるわよ。
ま、万一倒れたら叔父さんよろしく頼むわ。
[そう笑って言うと、縁起でもないと渋い顔をされて、ごめんごめんと謝っておいた。]
[それから注文されたサンドイッチと香草茶を出すと、サンドイッチの方は前に食べた物より味が劣るとケチつけられた。腐っても本職よねアイツとは内心思う。香草茶の方は合格点だと言われても、苦笑するしかなかった。
帰り際、叔父を見送る際にふと思いついたように。]
……ねえ、叔父さんはさ、やっぱり死んだ後、空に行きたい?
[そう尋ねたら、おうともと目を輝かせて言う。
叔父は昔見た冒険物の本の世界に憧れており、空に行くのは希望だと嬉しそうに語る。だから、絵筆が紛失された今の状態を心底憂いていた。]
…そう。ううん、何でもないの。
絵筆早く、見つかるといいわよね。
[そう言い交わし、叔父は少し遠い家へと帰っていった。]
― 林檎の樹の下 ―
…レ……テ…
[ 零れ落ちるのは夢の欠片 ]
ん…ん?
[ 次の瞬間、何かの焦げる匂いに男は、ぱちりと目を開く ]
うわ…もったいない…
[ 目の前にはトカゲの黒焼きが出来上がっていた ]
― 水晶花の花畑 ―
……そう、か。
[告げられる言葉に、小さく呟く。
先達の声に込められた想いには、自身も少なからず共感していたから。
そう、願ったオクタヴィアの想いもまた、理解はできて]
……ん、そうか。
じゃ、待ってるから、な?
[一人で置いていくのも不安はあるが。
『絵師』である自分と言葉を交わす事が負担となる部分もある、というのもわかっているので、無理に連れてゆく事はせず。
もう一度、頭をぽふぽふ、と撫でてから立ち上がった。
それから、歩き出そうとして、ふと、ある事を思い出し]
/*
そういや家族の事を全く出してなかったので、自分が死んだ後の死体の処遇に困る気がしたので叔父さん出しておいた(
……あ、それと。
シェイの事、ちゃんと信じてやれな?
[ふと感じた誤解の方は、まだ推測の域は出ていないのだが。
何となく言っておきたくて、軽い口調でこんな一言を放り投げてから、花畑を離れて行った]
/*
普通村なら完全に襲撃誘い体勢ですw
いや、今日は、いつまで居れるかわからんので、人に絡みにいきにくいのよー><
[体に触れる感触。そんなことあるわけないのに。振り返る。
よく見えない。誰かがいる気がする。今の自分がどうなのか、わからない]
……
[お姉ちゃんじゃない、誰か、にじんだ先に見える、色が違う。
言葉もなにも、出ない。よく、見えない]
― 都市内通路 ―
[花畑を離れ、キノコ畑を抜けて。
街中に戻ってきた所で足を止め、紅の髪をがじ、と掻く]
……らしくない……な。
[『絵師』となる上での覚悟、それを誰かに話したのは四年ぶり。
もう二度と、誰にも言わずにずっと秘めておこう、と思っていたはずなのに]
……俺の考えが、先達の思念に影響を与えるとも、思い難いけど。
[それでも、言わずにおれなかった。
先達が空を望む理由は、はきとはわからないけれど。
今の自分が、どんな想いで『絵筆』を取っているかは、伝えたかったから]
…………。
[都市を覆う岩の天井を、しばし、見つめ。
それから、足を向けるのは、喫茶店の方]
[伸ばした手が、柔らかい少女の髪に確かに触れた。
振り返った少女の目には涙]
……同じ。
[小さく呟く。
届いたかもわからないそれが示すのは、『絵筆』に封じられたこと、それだけではなくて。
苦い笑みを浮かべて、そっと頭を撫でた。可能な限り優しく]
/*
はっ、セルウィン今日は動かしてない!
幼馴染のが大事だから仕方ないね。
餌付けしてくれる隣人ポジだったが
酒宴でいっぱい食べたから必要なくなったともいう。ひどい。
― 喫茶『blau』 ―
お邪魔しますよ、と。
[途中、不安げな住人と言葉を交わしたりしつつ、たどり着いた喫茶店。
扉を開けながらかける声は、いつもと変わらないもの。
他の客の視線には、いつもと変わらぬ笑みを返した。
そんな、『象徴』としての務めは、ある意味条件反射]
[髪をなでる感触。お姉ちゃんが、お父さんが、お兄ちゃんがよくしてくれた。
自分を慰めるために、自分のことを思いながら…、してくれた。
オズワルドさんも……]
……
[声はでない。出せない。
目の前もよく見えない。わからない。
でも、声は聞こえる。『同じ』って。
なにか?わからない。
わかない?本当は……]
[ただ、黙って、自分を撫でる人を、見上げていた]
― 林檎の樹の下 ―
ええと、トカゲの黒焼きって、なんか薬になるんだっけな?アレクなら使えるか?
[ せっかくの、もさもさからのプレゼント?を捨てるには忍びなかったので、黒焼きになったトカゲは大きな布袋に保管しておくことにした。燃やした海藻もすっかり灰になって、害虫駆除も滞りなく終わったように見える ]
これで、当分は大丈夫か。
[ 灰はそのまま肥料代わりに林檎の樹の根元に撒いて、ぽふ、とその幹を叩いた ]
もし、俺が居なくなっても枯れるなよ?
[ 自分が封じられる可能性も、男はもちろん考えている。今までの例を見ると、絵師に近い者、或いは接触した者が封じられているように見えたから。カシムが封じられた事はまだ知らなかったが、それでもあまり考えは変わらなかったろう ]
筆に宿ってるのも絵師の想いだからってことかねえ。
けど、なあ…
[ かつて、幼馴染が絵師となると知った時、それでいいのか?と、問うた自分に妹が言った言葉を、男は思い出していた ]
わかった。
無理はしないよ。
[幼馴染が離れれば、ぽつりと漏らす。
さて、と往来の方をみやった。]
ユーリエは、これからどうする?
喫茶店、戻るか?
― 喫茶『blau』 ―
……希望、か。
そう思う人がいるのも事実なのよね。
[だとしたら、絵筆をどうこうする手段も取り難い。
叔父を見送った後でふぅと溜息を零していたら、再び扉が開いて条件反射的にいらしゃいと迎えた。]
あら絵師様いらっしゃい。
お茶と何にします?
[先にそう言い、暗に何か口に入れるように告げながら空いた席へと案内した。]
/*
>>150
あれ、それってヴェルの幼馴染の誰かが絵師になったってこと?
それとも現絵師様(コンラート)のことかな。
― 喫茶『blau』 ―
[何か言う前に、『お茶と』と言ってくる店主の言葉>>152に、へにゃ、と眉が下がった]
……それじゃ、サンドイッチで。
[とはいえ、何か食べないと、という意識はある。
そんな考え自体、久しぶりすぎる気がするのは、取りあえず蓋をしつつ、案内された席でこう返した]
― 林檎の樹の下 ―
『だって、私も彼に描いてもらえるもの』
[ 微笑んで言った妹に、男は返す言葉を喪った。馬鹿なことを言うな、と、いつもなら叱ったはずなのに ]
『ナイショにしてね』
[ 最後にそう言われたから、今も、その事はコンラートには告げていない ]
[幼い頃は姉と同じように本を見るのも好きだった。
あおいそら。しろいくも。どこまでもひろがるうみ。
想像のできないそれらに憧れていた。
今では図書館に寄りつきもしない。
そこに姉がよく居るからではなく。
本そのものを読もうとはしなくなってしまった。
ユーリエの顔を覚えていなかったり、ドロシーとの距離が埋めがたいものとなってしまっているにも影響していたか。
そらにいきたい。そとにいきたい。
その思いは深い所に刻まれたままなのだけれども]
・・・
絵筆折ったら、きっと怒るよねぇ。シェイ。
[弟のそばに座りながら、静かにそんな事を思っていた。
片手には、何時占いが来ても良いように持ったインク瓶。
そしてゆっくりと弟を撫でながら思う。]
アタシは結局、どうしたいんだろうね。
シェイと同じように封じられたいのか、
シェイを起こす為に絵筆を見つけたいのか。
…使いこなせればいいんだろうけどね。
この占い。
俺は、仕事の続きに戻るよ。
無理しないっつっても、出来るうちにやらないといけないから。
[問いかけられれば、工房に戻る旨を伝える。]
忘れ物、か。
場所の見当は付いてるか?
一緒に探さなくて、大丈夫か?
[一応尋ねてしまうのも、生来の気質故。]
いや、……違う、か。
[思い出した。
『絵筆』が暴走した日、彼に抱きつく少女を遠くから見て、もう一人と交わした会話]
大丈夫。
きみのことは、大事に思ってくれてるから。きっと。
[つい疑ってしまうほどに仲良さげに見えたから。多分。
自分のことはもう分からないけれど。
ぽん、ともう一度頭を撫でてから、離した]
出来るうちに、って……
オズはまだまだ若いんだからそんな事言わない。
[先が限られているようなそんな物言いに聞こえたが
それを口にするのは躊躇われて
オズワルドにいつもの軽口のような口調で嗜める]
仕事なら…、うん、頑張ってね。
食事と睡眠は忘れないこと。
[いつもなら言わない言葉。
体調が悪いと思えばこそ添えられた]
たぶん、喫茶店にあると思うから大丈夫。
ありがとね、オズ。
[にっこりと笑い感謝の言葉を紡ぐ]
/*
まあ、なんだ。
この辺りのあれこれは、さすが、と言っていい、よね!
……いやほんと、初期設定捨ててよかったわー。
まあ、あっちは本気で閉じた世界だから、ってのもあったんだけど。
― 喫茶『blau』 ―
はいはい、カシムのよりは味が落ちるけど勘弁してね。
[コンラート叔父に言われた事が地味に残るのか、笑いながらだがそう言って一度厨房へ戻った後お茶とサンドイッチを持って絵師の前に置いた。
用意している間オズワルドの事を言うかどうか少し悩んだが、結局今は保留することにした。]
お待たせしました。
せめてここにいる間はゆっくりしていって下さいな。
[そう少し笑みながら言った。
絵筆の事は気にかかるし今一番の重要事項だが、休息も必要だ。
そんな事をオズワルド達を見ながら改めて思ったのも、黙っていた理由の一つだった。]
― 喫茶『blau』 ―
はいはい、カシムのよりは味が落ちるけど勘弁してね。
[叔父に言われた事が地味に残るのか、笑いながらだがそう言って一度厨房へ戻った後お茶とサンドイッチを持って絵師の前に置いた。
用意している間オズワルドの事を言うかどうか少し悩んだが、結局今は保留することにした。]
お待たせしました。
せめてここにいる間はゆっくりしていって下さいな。
[そう少し笑みながら言った。
絵筆の事は気にかかるし今一番の重要事項だが、休息も必要だ。
そんな事をオズワルド達を見ながら改めて思ったのも、黙っていた理由の一つだった。]
[違う?何が?よくわからない。
大事に?オズワルドさんが?自分を?どれくらい?]
あっ……
[手が離れる。思わず声がでる。
見上げてる姿、青くて、カシムさんが倒れたって、そういえば…
カシムさんは、確か青い髪で、自分に触れるその人は]
……
[ぎゅっと、カシムさんのズボンの裾を掴んでいた]
おう。
まずは生活習慣の改善から、だな。
[軽く笑って、頷いた。]
そうか。
それじゃ、行って来いよ。
本当に、ありがとな。
[幼馴染を見送る形になるだろうか。
往来の中、深い溜息を吐いて、空の見えない天を見上げた。]
あ…、ありがとう……
[ぽつりと、お礼の言葉。
自分のこと、心配してくれてる。
また、誰かに、心配させてしまった]
ごめんな…さい……
[呟く。声が震えている。自分でも分かる。ぎゅっと目を瞑る]
― 喫茶『blau』 ―
いや……それは言いませんよ。
[カシムの名前に苦笑する。
サンドイッチが出来上がるまでの間、こちらもオクタヴィアの事を伝えるべきか否か、思い悩み。
答えが出る前に、注文が届けられた]
……ええ、そうですね。
今は……焦っても、どうにもならない。
[こちらに打ち明ける事も阻まれているのであれば、他者を介しても似たような結果となるのだろう。
どうすれば、負担を軽くできるのか。
考えるのは、そんな事]
― 水晶花の花畑 ―
…うん、ありがと、クーノ兄。
[自分の言葉に頷いて、先に行こうと立ち上がった絵師に笑顔を向けて礼をいい。
そのまま立ち去る姿を見送ろうとして、付け加えられた言葉に瞬いた。]
[例えば彼女の慕う幼馴染ならば、彼女の言いたいことを察することができたかも知れないけれど。
生憎付き合いすら短い為に、拾えるのは実際に音になった言葉だけ]
…… うん?
[だから彼女が裾を掴むまでに至った経緯は分からない。
瞬いて、でも振り払ったりはせずに、その顔を見た。
できるだけ穏やかな表情を心がけて]
ふふ。
私もオズの事言えないんだけどね。
[幼馴染の笑みに安堵するように眼差しを柔らかくした]
うん。
……何かあったら呼んでね。
少しくらい離れてたって聞こえるから。
何時でも駆けつけるから。
[自らの耳に触れる仕草を見せてから
くるりとスカートの裾を翻した]
またね、オズ。
[一度振り向き、そんな言葉を残して、喫茶店に戻ろうとした**]
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