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Have we trials and temptations?
Is there trouble anywhere?
We should never be discouraged,
Take it to the Lord in prayer.
Can we find a friend so faithful
Who will all our sorrows share?
Jesus knows our every weakness,
Take it to the Lord in prayer.
Are we weak and heavyladen,
Cumbered with a load of care?
Precious Savior, still our refuge,
Take it to the Lord in prayer.
Do thy friends despise, forsake thee?
Take it to the Lord in prayer;
In his arms He'll take and shield thee,
Thou wilt find a solace there.
[ゆっくりとそれはまさに美しい天使の歌声≠披露した]
― 丘の上 ―
あ、マーティンさん!
……うう、だから花嫁とかって話は、早いと思うんです……そもそもわたしまだ17歳ですし。
[と。花鏡で対話した折には気付く余裕の無かった言葉に、頬を染めるが。決して、マーティン個人がどうこうという理由ではない事には、本人も気づかぬまま。
探索の後、とはいえ。夕刻出かける事を見越して、しっかりとしたデニムに、黒のカットソー。ゆったりとした白いカーディガンが、夕刻の風に裾を遊ばせて。]
……突然、ごめんなさい。
その……ちょっとだけ、色んな事がありすぎて。色々、考えすぎちゃって……気が付いたら、マーティンさんの声が聴きたくなって。
[手を広げ、歓待を示しつつこちらへ向かう姿に。そのまま、近づいて。]
― 宮殿前 昼時 ―
[玄関に現われたシルキーは食事会のドレスの大人っぽさとは違う、活動的だが可愛らしい服装に変わっていた。]
会う度にあなたの微笑みは違う彩りを添えて素敵です。
僕も植物たちも、あなたを見て地上の時の移り変わりを知るかのようです。
ええ、僕もまたあなたの温もりに触れたくて歩いて来ました。
そのバスケットの中身、そしてあなたが案内してくださるという場所も楽しみですけれど。
思い出を追加しにゆきましょう。
― 自室・翌朝 ―
[エレオノーレが全体通信をし終わった直後、花鏡を取り上げる。
同じ過ちは繰り返さないように早めに起床して、身支度は整えてあった。]
”全体通信”
皆様、おはようございます。
先ほどエレオノーレからも通信があったように、本日正午に東の湿原にてヒーラールーが咲きます。
昨日花仙女様が伝えてくださった異変は、エレオノーレと私で調査した結果、ヒーラールーに関係があると分かりました。
通信でお伝えしたのは、万が一聞き漏らした方がいて、湿原に向かう時間に遅れたら・・・と懸念したからです。
・・・エレオノーレが言うように、本来は直接言うべき事柄でしょうけど。
[申し訳なさそうに一旦言葉を切るが、すぐまた話を続ける。]
エレオノーレと私は、咲く時間に合わせて東の湿原に向かいます。
私からも開花の様子を一緒に見届けてもらえたら、と願っています。何が起こるか分からないからこそ、できれば皆様と共に体験したくて。
東の湿原でおまちしております。
― 午後のテラス ―
[シルキーにどう思われているか分かりようもないが、見て思ったことを新たに]
シルキーは表情が豊かだな……今まで見て来た人間よりもずっと。
見ていて飽きない――
[先ほどずり下がった眼鏡を直しながらまた覗き込んだ。
自分が棲むところに来る人間は葬送の習慣に従っているため神妙な顔つきで来るので、活力に満ち溢れた顔を見るのは初めてかもしれない]
あ、あぁ……。
…………シルキーはあたたかいんだな。
これが人間の……シルキーの手か。
[距離が近いまま、差し出された手を取る――と本に従って。
触れた瞬間、急に自分の体温が上がったような気がした。
元が手というものがないから、人間の手の感触は未知の体験に近い。
しかも、シルキーの、と意識すればするほど、自分が熱くなることを抑えられなかった]
[歌声は森に共鳴し震え――
緑は若葉のごとく生き生きとし――
花は咲き乱れ――
小鳥はさえずり、森の動物たちが集まってきたのだった]
どうだっただろうか?変ではなかったか??
少しは私が天使であるということを、わかってもらえただろうか。
[しかし、オルゴールに合わせてステップを刻み始めれば――]
1、2、3……1、2、3、こうか。
わかってきたぞ、ダンスが。
[シルキーについてを消してダンスに集中するのではなく、意識をそのままにすることでシルキーの動きに三拍子のステップが不思議とピタリと合わさった。
打算などなく、心より楽しんだ時間はすぐに過ぎ去るだろうか]
[通信を終わらせると肩の力を抜き、隣の部屋に視線を向ける。
ちょうどエレオノーレと同じく、どのくらい聖騎士が姿を見せるだろうと考えていた。]
/*
>>107
(*゚∀゚)<いーーつくしみふかーーきー とーーもなるイエスはーーー♪
……かな?
― 宮殿玄関・昼時 ―
ありがとうございます。
でも私はあなたとお会いするだけで、自然と笑みが浮かんでしまうのです。それが素敵と言ってもらえるなんて、これほどの幸せはありません。
[少し眩しそうに目を細めると、これから向かう先を右手を大きく広げて示した。]
こちらが目的地になります。
きっとまた、良い思い出を作ることができますわ。・・・だって、セルウィンさんと一緒ですもの!
[そう告げると先に立って、だがセルウィンを気遣うのを忘れずに歩き始める。]
― 夢の風景・昼時 ―
[やがて、セルウィンが夢で告げたままの風景・・・金の穂がなびき、遠くに大きな四枚の翼を回転させる建物がある場所にたどり着く。]
さ、セルウィンさん、今日の目的地はここですわ。
風が気持ちいいですね。
[すぐ風景の説明をしても良かったが、まずは到着した余韻を味わいたくて、セルウィンを見つめてしばしの間黙り込んだ。]
― 聖なる森 ―
え、じゃあ……
[どうやら、天使の力に関連する物で、当たっていたようで。
得意分野>>106、と聞けば。どのような事なのだろう、と、興味津々に見つめる。
白い、膝丈のワンピース。ショールのように羽織った薄青のレース編みカーディガンは、森の静謐な涼しさを、心地よく纏い。
そうして、少し離れた位置で、シグルドが深呼吸をすれば。]
……わぁ…………!!!
[>>107静かで透明な、そして、穏やかな旋律。
……あたかも、傍に寄り添われるような。そんな、澄み透る歌声。
気付けば。歌声に緑は生い茂り、森の住人達も、興味深そうに顔を見せていて。]
へ、変だなんてそんな! とても、素敵でした!
シグルドさんが天使、とは、聴いてましたけど……凄い……!
[言動も、世俗離れはしていたが。目の前で、奇跡とも言える歌を披露されれば。感動は、少女の頬を赤く染めて。]
― 夢の風景・昼時 ―
[未知の場所へ向かう間も、同じ速度で歩いてくれるシルキーと直接交わす言葉、笑み、温もりが積み重なる。]
陸では晴れた昼間にはこうしてあなたの足下に影があって、離れることがない。
いいえ、曇りの日にも夜の間も、目に見えないだけで影は傍らにあるのでしょう。
僕もそれほどに切っても切れぬ存在でありたいです。
[やがて、ゆくえに波打つような一面の光の広場と羽根をもつ建造物が見えれば、感嘆の声を洩らした。]
ああ、本当に──
あれは、陸の船なのですか?
― テラス・午後 ―
・・・。
[ベリアンが棲む場所でよく見る人間の表情は限られているとは知らない。
でも例えそれを抜きにしたとしても、何だかすごい台詞を言われたとしか思えなかった。]
わ、分かりました。だったらベリアンを飽きさせないように。これからも、いっぱい新しい表情を見せますから。
[今度は視線を真っ直ぐに受け止める。
ある意味ずっと見ていて欲しいとの願望が裏に込められていたが、いまだ無意識だった。]
[差し出した手が握り締められる。ダンスの経験は数多いが、一瞬意識が手に集中した気がした。まるで全神経が集まったかのように。]
私の手が温かい?き、気のせいですよ、それって!
[暗に体温が上がってると指摘されたのでは。どきりとしているのをごまかすべく答えてからステップを踏み始めた。]
そうそう。とても上手ですよ。
[ベリアンの動きに合わせ、時にはリードし。軽やかにダンスを楽しむ。
声をかけたのは、ベリアンに返事をした一回のみ。あとは黙って音楽に合わせて、軽やかに踊る。
やがてあたりに静けさが訪れ、胸弾む時間が終わったと悟ると、ふうと息を吐いてベリアンを見つめた。]
エレオノーレに喜んでもらえたら、よかった。
君のために、何をしてよいやら迷ってしまってな。
…もうできぬ事かもしれぬし。
[っと少し寂しそうに笑った]
これは我々が、主に捧げる歌だ。
不思議だな。人間界でも歌われている。
結婚式とかいうのにな。
「なんて我々は罪深きものなのだろう。主に祈りなさい。汝はそこで癒されるだろう」
今の私気持ちは、まさにこの歌の通りだな。
なんて私という存在は、エレオノーレ――
君の前では、罪深きものなのだろう…――
[目の前まで近寄って、広げていた両手でそのままエレオノーレの肩を叩く。]
―――聖乙女となるべく育てられた、という者でもなければ、
今の状況に混乱し、気疲れするのは当然のことであろう。
その小さな肩に、突然重い役割を背負うことになつたのだ。
時折は荷を下ろし、休むことも必要であろうよ。
余がその手助けとなるのであれば、そちが望むだけ付き合うぞ。
エレオノーレ――
どうか我を癒したまえ――
[ゆっくり歩み寄ると頬を染めるエレオノーレに、ひざまずいて白いワンピースの裾に、そっと唇を落とした]
[セルウィンに言われて、周囲を見回してみる。
すぐ近くにはいないようだ]
おれさまは縄張りの見回り中だぞ。
どこかで会えたら、遊んでやってもいいぞ。
[いかに花鏡が高性能といっても、臭いまでは届かず。なので、食事会で「さかな」と認識した相手だとは、気付かなかった]
― 夢の風景・昼時 ―
[目的地に向かう間、セルウィンと会話を交わす。
その途中で影の話になると、こくりと頷いた。]
ええ、セルウィンさんの仰る通りです。いっとき見えなくなることと、存在がなくなることはイコールではありません。
意識せずとも影が常に己の傍らにあるように。あなたがそばにいてくださるなら。そして私があなたのそばにいられるなら、嬉しいです・・。
[恥ずかしそうに告げる言葉は、語尾が少しかすれていた。]
― 午後のテラス ―
[シルキーを見ていれば、リードに従ってステップを踏むだけで踊れた。
それ以上に、シルキーを見ていればダンスを楽しむことができた。
上手と言ってくれて、そして特に指導が無かったのだからうまく行っているのだろう――技術以上に、心の方に充実感を覚えたのがその証拠だ。
やがて曲は終わり、静寂が訪れて――そっと手を離して、シルキーを見つめた]
……ありがとう、楽しかった。
あと――嬉しかった。
[静かになったテラスにその言葉だけが響いた]
[感嘆するセルウィンを見て微笑んだ。]
いいえ、違います。
金の穂を食べられるようにするために、あの建物で粉にするのです。羽根は地上の風を受けて回り、動力を作ります。金の穂は小麦といいます。私達人間にとって大切な食べ物です。
[説明を終えると、バスケットを下に置いた。]
さあ、そろそろお昼にしましょう。今日持ってきたピザは、あの小麦から作った粉を使ってあるんですよ。
[バスケットを開けて、トマトの赤・チーズの白・バジルや野菜の緑が乗った、鮮やかな色彩の生地を取り出した。]
それにしても、あっちぃ〜……。
人間はか弱いってのが獣の世界での定説だけど、けっこうハードな運動しているんだなぁ。
[カラスの姿ではできない運動をしたせいか、それともシルキーの体温や過ごした時間を感じたせいか――もう涼しい時間帯なのに暑さを覚えて。
タイを緩め、首元のボタンを外し――シャツの襟元を掴んでぱたぱたと動かし胸に風を送って冷やす]
おっと、いけね。
人間の男も、女の前でこういうことしちゃいけないのか?
っとと……またな、今度はふたりで出かけようぜ。
[また蒸し返したのは、人間の男は羞恥心を感じるものなのか知らなかったのもあったが――単にイタズラ好きなのだろう、表情の豊かなシルキー相手なら特に。
シルキーがどう反応したとしても、次を一方的に約束してからカラスに戻り、樹に向かって飛び上がって行った。*]
― テラス・午後 ―
[自分から離れたベリアンの手に、一瞬だけ視線を落として頷いた。]
私こそ、運動したいとお誘いくださってありがとうございました。
とても素敵で、充実した時間を過ごせました。この曲に合わせて踊る経験は何度もありますけど、ベリアンと踊った今日は、特に楽しかったです。
[急に静けさを取り戻したテラスでは、さっきより声を潜めても大きく響く気がする。
恥ずかしかったが、それでもベリアンを見つめ続けた。]
・・・また気が向いたら。私を誘ってください、ますか?
[恐る恐る問う声はどこか心細げに響いた。]
― 丘の上 ―
……生まれてすぐ? でも、後3年経てば、成人式ですもん。
[>>123小首を傾げるマーティンと、同じ方向へと首を傾げる。
17歳は、確かに子供ではあるが。そう言えば、花園に集まった皆さまは一体幾つなのだろう、と。目を瞬かせて。
ただ、続く言葉に。]
……心労、ではないんです。むしろ、わたしでできる事があるのなら、何だってします。
でも……ちょっとだけ。……本当に、ちょっとだけ。不安になってしまって。
[一瞬落とした視線。しかし、肩を叩かれれば、上を見上げて>>125。]
……マーティンさん。
ありがとう、ございます。
突然、こんな事になって。いつもシルキーに教えられてばかりで、本当に……本当に、わたしで勤まるのかな、って……。
[明日、もし花が咲かなかったら。それはきっと、自分のせいなのだろう、と。心のどこかで、不安に感じてしまって。]
……はい。
どうすればいいのか、解らなくなった時……マーティンさんの顔が浮かんだんです。
甘えてばかりで、本当に……
[と、薄く涙が滲んだ時。]
[シルキーから説明を受ければ、その知識をしっかりと咀嚼する。]
確かに、帆船とは違って風を得て自身が動いているようすはありませんね。
この風を動力に──ですか。
人は自然の力をうまく使うのですね。
[そして、シルキーが取り出したランチを見ればまた興味津々。]
ピザ──これは火を使った料理ですか?
シルキー、あなたが手づから?
[複雑な香りのハーモニーをまず味わう。**]
― 夜の樹 ―
[夕食後、どれぐらい経ったろうか。
肩口の痕がまだ残っているようなのを訝しんで、人間の姿になる。
手をやってみると、やはりベストは相変わらずほつれたままで]
……。
[理屈は分からないが、対処法は分かる。
暗くなった樹の上で、花鏡を操作……手探りなので慎重に]
[くゎ……とあくびをして、今は毛のない手の甲で、顔を拭う。
はだしの足に、風が気持ちいい。首の鈴が、りんと鳴った]
[極東では、今もおんみょーじ達が、猫又という気まぐれな種族に、最後の希望を託した心労で苦しんでいるが、猫は気にしない。
ぺろりと、肉球のない手の平を舐めて、そういえば腹が減ったと考えた]
・・・。
[だが暑いと言い出して、ベリアンがネクタイを緩めてボタンを外した段階でとっさに視線を外した。会う人は全て身だしなみを整えていたから、全く免疫がない。
だから、シャツの襟元から風を送っているなど思いもよらなかった。]
あ、あ、当たり前じゃないですか!
『常に紳士であれ。』というのが、人間の男性のしきたりですっ!
[正確にはそういう行動原理では動かない者も存在するが、自分の常識に従ってきっぱりと言い切った。
だが、次を約束する言葉を耳にすると、そっぽを向いたままであったが嬉しそうに両手を口元に当てた。]
・・・は、はい。楽しみに待っています、から。
きっと来てください、ね?
[羽ばたきに気づいて振り返れば、ベリアンは飛び立ったあと。笑顔で手を振ってから、部屋に戻った。]
― 聖なる森 ―
もう、できない事? どうして……
[と、問いかけて思い出した。
霊体に近いという、天使の姿。そして、務めが終われば帰らなくてはいけない、自分。
寂しそうな笑いを見つめれば、そっと、傍に近づいて。]
……結婚式……あ、そう言えば、聞いた事あるかも……?
[と、先ほどの旋律を思い出したが。]
!? 罪だなんて、そんな……!
シグルドさんは、誰よりも心の綺麗な人じゃないですか!
なのに……
[>>124天使、という言葉に相応しい彼の言葉から、そのような言葉が出る事に驚き。慌てて、その目を覗き込もうとして。]
…………えっ……。
シグルド、さん…………?
[>>127さらりと流れる髪。跪く、彼の姿。
彼の手が、唇が触れているのは、服の裾のはずなのに。何故か、布地の糸一本にも神経が通っているようで。頬は更に、赤く染まり。]
"エレオノーレ宛て"
昼頃に話した件なんだが……憶えてるか?
オレの服直してくれるヤツ。
明日あたり、やってくれないかな。
どれぐらい時間と手間がかかるか分からんから、いつ頃かは任せる。
[ベストのほつれた部分をちょんちょんと指差して見せた]
― 夜・自室 ―
……そういえば。
[昼ごろ、ベリアンと話をした際に服がほつれた話を聞いた気がしていたが。
結局その後、どうなったのだろう?]
送信して聞いてみる……んー、こっちから煩く言わない方がいいのかな。
でも、気になる……。
[思い出してしまえば、気になる物で。花鏡を手に悩んでいた所。]
わ! ……あ、ベリアンからだ。
[突然の着信。届いた内容を見れば、丁度、ベストの話で。]
…………。
[ほつれた部分を見れば、直すのにさほど手は掛からなさそうで。]
……明日、かぁ。
[開花を思えば。明日は、忙しくなってしまう恐れがある。少し考えて。]
“ベリアン>>*26宛て”
丁度良かった!
もちろん、覚えてるよ。ほつれた所でしょ?
直す道具も、ちゃんと借りてるよ。
今映像で見た感じだと、直すのには時間掛からなさそうだから……
もしまだ起きてるなら、今やっちゃおうか?
[勿論、彼がもう眠ってしまうのなら、明日どこかで時間を取ろうかと考えつつ。小首を傾げて。]
[二、三度風を巻いて羽ばたいたかと思えば、
ふわりと浮き上がる感覚と共に、
世界が下へと吸い込まれるように落ちていき―――
――― 瞬きふたつほどの間にふたりは地を離れ、
茜色に染まる《花園》を眼下にして、風の間を滑っていた**]
[返信を待ちながら、裁縫道具を広げて。
針、糸、布、鋏、ボタン。それぞれ、改めて中身を確認していると。]
…………。
[青い端切れを数枚手に取れば、手慰みに縫い合わせていく。
さて。縫い終えた頃には、何ができるだろう?]
他にも水の流れを利用した、水車と呼ばれるものも存在します。
光を反射してきらきら光る水がとても綺麗ですよ。言葉だけで説明するより、実際に見た方が分かりやすいかも。
[花園に水車もあるといいなと思いつつ、知識を吸収しているらしいセルウィンをじっと見つめた。]
― 聖なる森 ―
さあ、どうしてだろうか…――
エレオノーレ――
今は答えないでおこう。
いずれだわかるろうからな。
[覚悟は決めていた――
乙女の存在に触れてから――
口を噤んだのは、エレオノーレが悲しく思うと思ったから]
[続いてシュークリームも取り出す。苺の赤と生クリームの白の対比が鮮やかだ。]
これが甘いもの・・・シュークリームです。赤いのは苺という甘酸っぱい果物で、白いのは牛乳から作ったクリームになります。
こちらは温かいお茶に良く似合いますよ。どうぞお召し上がりください。
[コップにお茶を注いで差し出してから、自分もピザを口にする。
セルウィンと二人きりで食べると思うと、とても美味しく感じた。]
[だが、ピザについて問われると視線を落とした。]
はい、そうです。火を使って焼き上げる料理です。
・・・でもごめんなさい。今日は時間がなくて、宮殿の料理人の方に作っていただきました。
でもセルウィンさんがそう仰るなら、次は私が何か作ります。
だからもし良かったら、今日まで地上で食べた料理について感想をもらえませんか?
できるだけあなたの口に合うように用意しますから。
[心地よい風が吹き渡る中、にっこりと笑ってみせた。]
― 夜の樹 ―
[エレオノーレからの返信を受ければ首をひねる]
……今から?
[カラスは人間より寝るのが早い。
まだ眠くはないが、カラスの価値観だと夜遅い時間帯に押しかけて本当にいいのだろうかと少し不安になった。
カラスの場合、別に鳥目だからということはない。]
そうか…――
私の心が綺麗だと、エレオノーレは言ってくれるのか。
君に言われると、とても嬉しい―
けれど何故だろうか…
エレオノーレの前だと、罪人の気持ちなのだ。
もっとエレオノーレを知って近づいて――
もっともっと触れていたいような―
[そっと立つと。ますます染まる頬にそっと触れて]
"エレオノーレ宛て"
オレは構わんが……大丈夫なんだな?
疲れてるなら無理しなくていいからな。
[明日の発表を知らないということ、昼間エレオノーレがシルキーと遠出したのを知っていること――この2点から、承諾の前に確認をとった]
それで……どこに行けばいい?
[外から入れるなら簡単だが、と付け加えた]
― 自室・夜 ―
うっかり聞くのを忘れたけど、あでるはいつ来るのかしら?
[明日の用意と寝る準備を整えつつ独り言を呟いた。]
”あでる宛の通信”
あでる、いまどこにいるの?
そろそろ明日に備えて眠らない?
また撫でてあげるから。
[あでるがお腹を減らしているかどうかわからないが、部屋には猫缶の用意もある。]
― 丘の上 ―
[>>146深くは問わず、手を掴む存在に。何故か、今は安堵して。
腰を持ち上げられ、背に乗せられれば。]
! ……は、はい!
[思いがけず、密着した体。体温を間近に感じて、頬を背に当てた時。視界の端で、翼が翻り。]
…………わぁっ……!
[風の奔流を、横に感じれば。瞬く間に、地上は遥か下へ。
マーティンが、紅の空を駆ければ。聞こえるのは、風を切る音と……自分の鼓動。]
― シルキーの部屋 ―
[ノックもなしに、ばーんと扉が開いて、大きいのが駆け寄って来て、どーんと飛びついた]
しるきー!
来てやったぞ!
大天使 シグルドは、栞を挟んだ。
― 聖なる森 ―
…………?
[いずれ解る>>150、という言葉と。何かを言いよどむシグルドの姿に、一瞬覚えたのは、不安。]
はい。
……シグルドさんは、思うままに触れて、思うままに感じる、とても綺麗な心を持つ人だと思います。
[>>155嬉しい、という姿は、やはりどこか影を帯びているように見えて。それに。]
……それじゃまるで、祈りを捧げてるみたい……
[と、手を伸べようとした所で。立ち上がった彼に、頬に触れられて。]
…………。
[>>156囁きと、優しい指の動き。
目を逸らす事も叶わぬまま。逆に、瞳の中に吸い込まれそうな錯覚すら覚えて。]
― 自室・夜 ―
きゃっ、あでる?!
[呼んだのは自分だが、扉をばーんとされてどーんと飛びつかれたらさすがに驚く。
着替えをしている最中でないからまだ良かったが、あやうく転びそうになって、すんでのところで立ち直った。]
ず、ずいぶん早いのね・・・?でも来てくれてありがとう。
お腹とか減ってない?大丈夫?
― 夜・自室 ―
[返信は、さほど経たないうちで。
一針二針進めた辺りで、花鏡の光に気が付けば。]
…………?
[無理をするな、と言われ、首をひねる。
まさか、昼間の遠出が彼にばれているとは、気が付かずに。なんだか念を押すような言葉に、疑問は持ったものの。]
“ベリアン宛て>>*28”
うん、大丈夫だよ。
ベリアンこそ、眠たくない?
[そう言えば、鴉って夜行性だっただろうか。違っただろうか。
ただ、《鳥目》という言葉から、昼に行動する種が多そうな事は記憶にあって。]
えっと……わたしの部屋、おっきなベランダがあるから、今からそこに出てるね。
解らなかったら、また呼んでくれればいいから。
[※エレオノーレさん。それ、ベランダじゃありません。テラスって言います。]
……ん。
じゃあ、ベランダで待ってよっかな。
[と。進めかけていた針は、しっかりと針山へ預けて。
まだ眠たくないし……と着ていた、青いシャツワンピースとレギンス姿のまま。
……ベランダ? バルコニー? テラス?
…………ともかく。窓を開ければ、続く床へと足を踏み出して。]
/*エレオノーレ>>*30
テラスっていうと、ロミジュリの逢瀬に出てきたような浪漫溢れる場所になるが、ベランダって言うと浪漫の代わりに洗濯物が干してある印象。あぁん夜になったら取り込まなきゃ駄目よ的な。
自分の偏見と独断やけど。
ん?
[なんで、シルキーはこんなにフラフラしてるんだろうと思ってから、今の自分の姿に気付く。
猫の時よりは大きいからだろうか]
うむ。おれさまは、腹減ってるぞ。
また「しょくどう」へ行くか?
[一応、倒さないように注意しながら、肩口に頬を擦り寄せた]
― 夜の樹 ―
ベランダ……?
[人間の建築用語に詳しいわけもなく。
しかしシルキーのテラスと似たようなものだろうか、『出る』という行動の共通点でなんとなく想像をつけた]
ま、エレオノーレがいるところに行けばいいんだ。
すぐ見つかるだろう。
[このあたり楽観的な種族である。
樹から飛び立ち、宮殿の壁に沿いながらぐるりと。
エレオノーレの姿を見かければバサバサと手すりに降り立ったろう]
― 自室・夜 ―
あでるっ、猫又の姿と人間の姿では飛びついたとき受ける衝撃が違うから。
人間のときは注意してもらえると助かるわ。
[猫又時でも飛びつかれ方によっては惨事が発生する可能性はあるが、普通の猫と違って言葉が通じる分ましかと思い、それ以上言及しない。
だがお腹が減っていると聞けば、肩口に頬を摺り寄せるままにさせておいて声をかけた。]
ごはんなら、まぐろ味の猫缶がここにあるわよ。
[器用に猫缶を取り出して蓋をあけると、用意していた皿に盛る。]
しるきーの頼みなら、聞いてやってもいい。
[偉そうに言うが、猫缶があると聞けば、ころりと態度を変えて]
ごはんにゃあ〜。
おれさま、腹が減って死にそうにゃぁ〜〜。
[甘えた声でねだる。
食事の体裁が整うと、さっそく皿に飛びついた]
よろしくね、あでる。
[俺様口調はあでるの個性と思っているから気にならない。
猫缶を食べ始めるあでるの近くでしゃがむと、じっと様子を見守る。]
今度の味はどうかしら?
[はぐはぐと食べつつ]
おれさま、これ、好きだ!
おいしい、おいしい。
[皿まできれいに舐め終え、それでも物足りなそうに口の周りと、自分の手もしっかり舐めている]
そう?良かったわ。
[遺憾なく食欲を発揮して、お皿まで綺麗に舐めたあでるの頭をそっと撫でる。まぐろが好き、と心のメモに記入した。
続いて小さく欠伸をする。
自分ではまだ寝るのは早い気がするが、今日はエレオノーレと祈りを捧げたから、眠気に襲われたようだ。]
あでる、そろそろ寝ましょうか?
[無意識のうちにあでるが寝るなら猫の姿と思い込んでいる。]
― 浴槽 ―
もう、エルったら意外と子供っぽいところあるんだから。
[そも不意打ちしたのは自分の癖に思い切り棚上げ。
さっき慌てたところをごまかすつもりなのか、はたまたしてやったりと微笑む瞳に対抗したいのか。
口調は普段よりも拗ねた子供に近かった。
それでも提案に頷けば、浴槽に浸かって軽く体を温める。
次の目的地は南の草原。ただ今の時間は傍から見れば沐浴と言うより、女の子同士のお泊り会的入浴風景かもしれない。]
[撫でられて、いとも簡単にゴロゴロと喉を鳴らす]
いいぞ。
おれさまも遊び疲れたのだぞ。
[シルキーの提案を了承すると、先に自分がベッドに飛び乗った。
……丸くなる姿は、猫の時と同じだが、サイズとか他色々なモノが違う]
[ベッドに飛び乗るあでるを見て、ちょっと目を丸くする。あれ猫又の姿にならないのか?と。
じーっと覗き込んでから、再度そっと撫でて。
思い切って尋ねた。]
・・・今夜は猫又の姿にならないの?
ふにゃぅ……。
[スイッチでも切り替わったように、もう眠くて仕方ないらしい。
片目を半分開けて、抗議するような声を出すと]
……。
[また目を閉じてしまった]
・・・。
[あでるは質問に答えず、一旦開いた片目を再び閉じてしまった。
一瞬どうしようか悩んだけど、眠いのに無理矢理起こすのは気の毒に思えたし、楽天的な性格もあいまってこのままでいいかと思いなおした。
さすがに人間の姿で布団の中にもぐりこまれたら驚愕するかもしれないが、猫又姿のように丸くなって寝ているなら気にならない。]
おやすみなさい。
[起こさないように小声で言うと、素早く着替えを済ませて自分もベッドに横たわって寝た。**]
[──朝。見られるだけの花鏡にて、ヒーラールーの開花予告を聞いた]
…誰もが望み、願ったこの時…
なのに…この胸に灯る気持ちは喜びだけじゃない…
[理由はわかっている。ヒーラールーが咲けば、彼女にはもう会えなくなるだろうから]
でも、その時が来れば笑っておめでとうって言わなきゃね。何処に居ても幸せでいて欲しいとも。
[一方的な望みの押し付けだけれど、幸せを願うくらいは許されてもいいだろう]
さ、今日も頑張ろう。
全部終わったら、しばらく里帰りさせてくれないかってジャンさんにお願いしてみよう。
[今日も、昨日と一昨日と同じように働き始めた**]
― 夢の風景・昼時 ―
[シルキーが教えてくれた「水車」の存在。
光と水のコラボレーション。
それはどこかシルキーと自分にも似て。]
ええ、是非、訪れましょう。
人の叡智が作り出す美しい光景の中にあなたと歩いてゆきたいです。
[バスケットの中からピザに続いて、黄色い石にも似た「シュークリーム」が取り出される。]
これが甘いもの…
[見た目から想像がつかなくて、差し出したシルキーの指先ごとマジマジと見つめる。
液体を飲料として用意されるという行為もまた初めての経験だった。]
いただきます。
[シルキーの所作を見ながらピザを口へ運ぶ。]
ふかふかと不思議な食感ですね。
とても味が濃いです。
[確かにお茶に合わせると食べやすかった。]
シュークリームはサクサクと…
これが甘さ…!
斬新な味でした。
きっと好きになれると思います。
僕は水の中で暮らしてきましたから、火を使った料理は初めてなんです。
よい経験をさせていただきました。
なにより、シルキーと一緒に爽やかな風の中でいただいたものですから。
ピザとシュークリームを見る度に、僕はこの時間を思い出すでしょう。
[料理人に作ってもらったものだと打ち明けるシルキーの正直な告白にうなずく。]
これらは作るのに時間がかかるものなのですね。
あなたに「作ってくれ」とは申しません。
お手伝いしますから「一緒に作りましょう」
ヒーラールーのことにしても、僕は聖乙女だけが世界を救わなくてはならないとは思いません。
どうか、一緒に。
具体的にどうすれば力になれるのか悩ましいですが…
そうだ、
シルキー、僕の髪で細い三つ編みを作ってくれませんか?
[いつでもしっとりとしたオーシャンブルーの髪を傾ける。**]
― 空 ―
うむ。
やはりそちはぬくくて軽くてふわふわしておるな。
[背に触れる感触に、思わずそんな感想を零し、
照れ隠しのようにばさりと大きく翼を振った。]
すこし速くするぞ。
[伝わる鼓動のリズムで翼が空を打ち、
《花園》の全景を眼下に、昼と夜の間を駆ける。
体の上を滑り抜けていく風の爽やかさが
火照った身体に心地良い。]
[《花園》の上をぐるりと一周回ったところで
翼を緩め、背後を振り向く。]
どうだ?
怖くはなかったか?
[いいながら手を伸ばし、
乱れた髪を軽く梳いてやった。]
セルウィンのカルチャーショックぶりがいいにゃあ。
感情と感覚を初めて得たシグの方が、ショックは上だろうけど、感情と感覚がない存在というのは、生き物ではないからにゃ。
「想像がつく」という点で、セルウィンの驚きは生々しいにゃ。
― 夢の風景・昼時 ―
ええ、私からも是非お願いします。
セルウィンさんと新しい風景を見るたびに、思い出が増えるたびに。少しずつあなたとの距離が縮まるような気がして、とても嬉しいですから。
[セルウィンが水車の説明を、自分達二人に似ていると考えているとは知らない。だがセルウィンの表情から何か感じ取っていたのだろう、じっと目を見つめて弾む声を上げる。]
嗚呼、どこから行くか迷ってしまいます。セルウィンさんと見たいものはまだまだたくさんあるんですもの。どんなに時間があっても、足りません。
[ピザとシュークリームを口に運ぶセルウィンに微笑みつつも、どこかはらはらした様子で食べ方を実演した。
二つの食べ物について説明をしつつ、どんな感想を言われるのかとても気になっている。
自分はいつも食事の際飲み物を添えるが、セルウィンにとっては珍しいらしいのだと表情から読み取った。
海の中で暮らしているのだから・・と思えば当たり前なのに、その違いの発見もまた楽しい。]
ピザはこの他にも、かりかりとした食感のものもあります。上に乗せる材料を変えて、違いを楽しんだりもしますよ。
シュークリームは、さくっと焼き上げたあと、中に白いクリームを詰めて作りました。
・・・良かった。実はセルウィンさんにどう思われるか心配だったんです。
私達も生の食材を口にしますが、火を使う料理も多いです。焼く以外にも、揚げる・炒める・ゆでる・蒸すなど、様々な方法があります。
[それからセルウィンの言葉に照れたのか、頬を染めて俯いた。]
あ、ありがとうございます。私も同じ気持ちです。ですから今日のこのひと時を思い出すために、また一緒にピザとシュークリームを食べましょうね?
[だが告白のあとセルウィンから告げられた内容は思いがけないものだった。息を飲んで顔を向けなおす。]
一緒に料理を・・・。
はいっ!今まで一度も考えてなかったけど、それも楽しそうです。
[破顔一笑すると胸の前で両手を組む。]
当然です。世界を救うには聖乙女と聖騎士、どちらが欠けても成功しません。
私からもお願いします。どうか力を貸してください。一緒に呪いに立ち向かってください、と。
さすれば私は、現在持っている力全てを出し切るだけでなく、より多くの奇跡を起こせるでしょう。
いいえ、悩まずとも平気です。こうしてあなたと共に時間を過ごし、様々な体験を共有し、あなたの優しさに包まれて気遣いの心を頂けるだけで。私は体の内に温かな感情がわきあがってくるのを感じます。
やがてそれは、花仙女様のお言葉通りヒーラールーを咲かせる原動力になるでしょう。
髪を?・・はい、分かりました。では失礼します。
[セルウィンに頼まれるがまま、荷物から身だしなみ用のくしを取り出して、セルウィンの髪を編み始める。
指先に絡む感触に全神経を集中させ、左右に三つずつ細かい三つ編みを作ると、正面に回って手鏡を差し出した。]
私、男の人の髪を編むのは初めてです。ですから緊張してしまいましたが、どうでしょう?上手く編めていますか?
[セルウィンの返事を聞く前に、気まぐれな風が吹きつけてきて、麦わら帽子をさらっていった。]
あっ、すいませんセルウィンさん。ちょ、ちょっと待っててください。
[一言断ってから帽子を追いかける。すぐに回収できたが、金の髪は見事に乱れきっていた。]
地上を渡る風は時折このようにいたずらをするんです。このままだと少し恥ずかしいですから、私もこうして・・・。
[普段結い上げている髪を下ろして乱れを直してから、左右に二つの三つ編みを作って微笑む。]
これでセルウィンさんとおそろいです。
ー 夜・自室 ー
[辺りを見回していると、闇色の羽音が近づいて。]
あ、ベリアン! こっちこっち!
[>>166手摺に落ち着く姿に声を掛けて。
部屋へ続く大きな窓に手を掛ける。]
来てくれてありがと!
夜中にゴメンなさい……外寒くなかった?
[問いかければ、中に入るよう促して。]
散らかってはないけど……好きなトコに座って、ちょっと待っててね。
[そう告げれば、裁縫セットを再び広げる。
色とりどりの布に、小さなボタン。宮殿の物だけあって、整然と並んでいて。]
じゃあ、ベスト貸りるね。
[既に彼は人の姿に戻っただろうか?
手を伸ばし、ほつれた箇所を肉眼て確認しようと。]
ー 空 ー
やわくて……そ、そうですか?
[上擦る声。疑問符はつけたが、触れた体>>184はがっちりとした体躯を、この身に伝えて。]
って。わ、きゃ!?
[突如上がるスピード。進む高さはジェットコースターより余程高いが、しっかり掴める安心感から、感じるのは、疾走感のみ。]
すごーい……!
[流れる景色に、目を輝かせて。]
[ぐるりと。見覚えある景色に戻ったところで、やや緩やかな速度に転じ。]
大丈夫でした、マーティンさんの背中ですし!
それよりも、景色が凄く綺麗です……!
[撫でられた髪。心地よさに*瞳を細めて*]
― 夜、エレオノーレの部屋 ―
[手すりにつかまれば、エレオノーレの手の振る姿。]
[挨拶代わりの一鳴きは、所詮はカラスの鳴き声に過ぎなかったけれど。
促されれば手すりから飛び降りてから人間の姿に変わる]
オレも夜遅く押しかけて悪かった。
カラスのときは羽毛があるからあたたかいけど、人間の肌はそういう防寒機能はあまり無いんだな。
衣服があっても一晩中外にいるのはちょっと寒そうだ。
[そういうと軽く風が吹き込んで、身震いして部屋にあがりこんだ]
ほぅ……いろいろ鮮やかだな。
色はこっちか、こっちもいいな……エレオノーレにしてもらうなら、こういう感じのほうが合っているよな。
[部屋の中で広げられている布地やボタン、道具の数々に目を見張った。
希望はあるかと訊かれる前から勝手に選び始めて。
ひとつには絞れなかったものの、南の草原で垣間見たエレオノーレのイメージから寒色系の布地を候補に挙げていった。
ベストに合うかどうかは全く考慮していなかった。
言われた通りベストを脱いで手渡せば、シャツとタイの姿で近くの椅子に腰掛けて――あとはエレオノーレの動きをじっと見ていた。]
― 執務室 ―
[この宮殿の雑務を担当する男の朝は早い。
誰よりも早く起き、身なりを整え、執務室で今日も今日とて書類とにらみ合っていれば、受信を告げる花鏡にふ、と表情が揺らぐ]
……事が無事に成りそうですね。
[鏡面を一つ撫で、息を吐く]
お祝いの準備をしなければ……。
[席を立ち、召使いたちの詰所へと向かう。
聖乙女や騎士たちに幸いあれと、胸中で呟きながら**]
― 夢の風景・昼時 ―
[風のままに揺らぐ金の海と回転する翼を眺めながらシルキーと勧めてくれる物を食べる。
地上の要素を取り入れるように。]
ええ、カリカリしたピザも食べてみたいです。
こんなことばかり言っていると食い意地ばかり張っていると思われてしまうかもしれませんね?
[食事の後、シルキーが櫛で髪を梳いてくれた。
それから、シルキーの指が髪を編む感触。
とても気持ちがいいい。
うっとりとする。]
[シルキーの麦わら帽子が風に飛ばされた瞬間には、待っているように言われたけれど立ち上がって懸命に追った。
前傾姿勢で倒れる前に次の足で地面を蹴るのは歩くより楽ともいえる。
止まるのは大変だったけれど。]
取り戻せてよかった!
[シルキーが乱れた髪を手際良く直すのを魔法を見るように眺める。]
おそろい──
それは素敵ですね。
[自分の三つ編みの先を指先で弄ぶ。
その後で、片方をサクリと切り落とした。]
これを、持っていてください。
何かの時には僕の名を唱えて地面に投げ落とせば、大量の海水が湧き出して、あなたを安全なところまで運んでくれます。
もう片方は、「願掛け」して、望みが叶うまで、このままにしておきますね。
[シルキーが編んでくれた小さな髪の束を大切そうに撫でる。]
/*ジャン>>198
「〜の朝は早い。」って言い方、凍滝ヤコブの登場時も言ってたような。
何か元ネタがあるんやろうか?
― 夢の風景・昼時 ―
いいえ、ちっとも。
私、セルウィンさんと食事をご一緒するとすごく美味しく感じます。だからそう言ってもらえて幸せですよ。
[生地がカリカリのピザに興味を示すセルウィンに首を横に振った。
セルウィンが地上にこれほど興味を持ってくれるのも嬉しかったし。]
セルウィンさん!
[帽子を追いかけるのに夢中だったから最初は気づかなかったけど、セルウィンが自分と一緒に帽子を追いかけていて驚いた。急に走って大丈夫なのかと。
でもセルウィンの表情を見たら懸命に追ったのだと分かり、ふふっと笑い声をもらす。]
ええ。急に風が吹いてきて慌てました・・・でもまた思い出がひとつ、増えましたね。
[照れくさそうに口元を拾った麦わら帽子で隠し、腰を軽くかがめて上目遣いでセルウィンを見上げた。]
[素敵と答えるセルウィンに頷いていると、突然髪を切り落とす様子に目を丸くする。
差し出された髪とセルウィンを何度か交互に見つめてから、受け取った髪を両手で包むように握り締めた。]
はい、ありがとうございます。セルウィンさんのお心使いが伝わってきて、胸がいっぱいです。
この髪をセルウィンさんだと思って大切にします。
[潤んだ瞳で告げると、白いレースのハンカチを取り出して髪を丁寧に包んだ。
「願掛け」は気になっても、願いを無闇に人に教えると叶わなくなるという話を思い出して、問うのはやめた。]
叶うといいですね?私もお祈りしています。
[宮殿に戻ろうと差し出された手を握ると、空いた方の手の人差し指を唇の前に立てていたずらっこみたいに少し拗ねた口調で告げる。]
ええ、そろそろ帰りましょう。一緒に・・・そうすれば、少しでも長くあなたと一緒にいられます。
でも今は・・・セルウィンさんが私に時間を下さったこのときだけは、他の人の話は止めて欲しいです。
・・・だって私はセルウィンさんに独占されている最中、なんですから。
[いつになく大胆な台詞を告げると、手を繋いで会話を交わしつつ共に宮殿に戻った。*]
― 夜、エレオノーレの部屋 ―
[しばらく部屋の景観を見渡していたが、エレオノーレがベストを縫い始めたなら、そのさまを椅子からじっと見つめる。
主に横顔と……指先。]
エレオノーレは他所から来て……何もかもが違っていて驚いたと思う。
でも凄いよな、わけの分からんところに連れて来られて、無理難題ふっかけられて――
もっと迷んだり悩む時間があってもよかっただろうに。
けど聖乙女として頑張ってる。
そして今、オレの服を縫ってくれてる。
……そんな小さい手でさ。
[エレオノーレの作業の邪魔にしないよう、独り言のように話しかけている]
オレは、エレオノーレが違う人間だと知ってる。
……けど、
なんかこうエレオノーレ自体が違って見えるよ。
[眼鏡を直して、より深く、じぃっと見つめた]
― 翌朝・自室 ―
[花鏡による全体送信を終えると、クローゼットを開けて東の湿原に着ていく服を準備する。
それからエレオノーレに囁きを送った。]
さっき送られてきた通信聞いたわよ。エルの真剣な思いが伝わってきて、とてもよかった。
いよいよヒーラールーが咲く瞬間が訪れるのね。
すごく緊張してきたけど・・きっと綺麗な花なんでしょう。そう思うとわくわくするわ。
ところで、今話しかけたのは、ひとつ聞きたいことがあって。
東の湿原に行くとき、どんな服を選ぶ?
私は昨日西の斜面でイメージに浮かんだ白いシフォンワンピースを着る予定。まだ寒いかもしれないから、長袖にしてみたの。
― 夜・自室 ―
そうだね、だから人間は厚着しなきゃいけないんだよ。
……ベリアンは大丈夫? 何だったら……
[と。身震い>>196する彼を見て、その一瞬前に言われた事はどこへやら。反射的に、屋根を貸すかと問いかけて。]
……な、何でもない。ごめんね、暖かい物出せればいいんだろうけど……。
[自分の口走ろうとした事に気付き、慌てて撤回した。
それにしても。この部屋をいつも使っている人達って、寝る前に紅茶が飲みたくなったら、どうしてるんだろう。
……アレ鳴らすのかな、と。部屋の隅に置いたままにしている、鳴らすと誰か来そうなベルに、一瞬だけ視線を向ける。]
えーと、ベストは……こんな感じの色かな?
ねえねえベリアン、コレとコレだったら……って、あれ?
[布の中から、修繕に使えそうな色味の物を探しだし。
ベリアンに数色見せようとしたが、その前に彼が、>>197希望の色を選んでいて。]
……コレがいいの?
でも、これだと、ココだけ色が浮いちゃうよ……?
[ほつれは、目立つ位置だろうか? 希望の色合いは、自分の好む色ばかりで、「合う」と言われてなんだか少し嬉しくはあったが。]
…………。
……よし。こっち側も、同じ感じにしちゃおっか! ベリアン、いいかな?
[それならいっそ、反対側にも同じように布を当ててしまえば、そういうデザインと主張できるかもしれない、と。候補の中から光沢の近い布地を選び、ベストを持ち主から受け取れば、針を糸に通した。]
[布を、ほつれに合う形(+、多少格好を付けて)にカットして。
待針で数か所止めれば、目立たないように針を進めて。
椅子からじっと見つめる視線は、少しだけ気恥ずかしい物だったが。それでも、針を進めるのは楽しくて。]
……ん?
んー……そだね。花が光ったと思ったら、花畑にどさっ! だったから……。
[ベリアンが口を開けば、相槌を打って。]
どうだろ。悩む時間ができちゃったら、元の世界に帰る方法、本気で探しちゃってたかも?
……でも。ここに居るみんなの事を知ったら、そんな気も無くなっちゃった。
[針を動かす手は、休めずに。時折、布地が引き攣れていないか、確認して。
本当は、使用人に言えば、きちんとした仕上がりになるのだろう。
……それでも。何かをしたかったのかも、しれない。]
よし、片方終わり! ベリアン、どうかな……
[と。仕上がった場所を示しながら、ベリアンに笑みを向けたが。]
え? そ、そんな事……。
[>>210じっと見つめる視線を直に受けて。数回瞬けば。]
……そんな事、ないよ。言ったでしょ? わたしは、聖乙女に選ばれなかったら、ただの異邦人だもん。
[真っ直ぐな眼差しに。笑みは、自然に作れていただろうか。]
― 翌朝・自室 ―
[自分のすぐ後に、シルキーの通信。
恐らく、既に起きて待機していたのだろう。堂々とした言葉に、とてつもない心強さを感じて。]
……あ。
[と。シルキーから、聖乙女の囁きを受けて。]
ううん、シルキーの通信の方が凄かったよ。
すっごく、心強かった。
そうだね……いよいよ、だね。
なんだか、長いのか短いのか、解らない時間だったけど。
[けれども。浮き立つ気持ちと戸惑う気持ちの影に、少しの寂しさがぬぐいきれず。]
わたし、は。ここに来た時に着てた、舞台衣装がいいかな、って。
ほら、なんか儀式っぽい感じするし。
[防寒は意図されていない、精霊の衣装。務めて明るくふるまったが。
……もし、咲いた瞬間、元の世界に戻る事になってしまったら。綺麗に洗濯された衣装が届けられたのを見て、そんな事を考えていて。]
・・・そうね。
あなたと初めて会ってから随分長い時間が経ったような反面、ほんの一瞬で過ぎた気もするわ。
[エレオノーレの言葉に触発されて返事をするが。
何も言わずともお互い気持ちがシンクロしたのか、充実している気持ちの裏に同じような寂しさを感じて。]
あの舞台衣装、エルにとても似合っていたものね?
・・・でも、肩が出ていたから湿原では寒いかもしれないわよ?
もし良かったら、私が持ってきた黒のカーディガン貸してあげる
[務めて明るく振舞うエレオノーレの態度に何も気づかない振りをして、でも内心花が開花した瞬間がエレオノーレとの別れとなってしまう可能性を考えつつ提案する。]
この箱庭の如き世界に、人も、魔物も暮らしておるのだ。
世界と、自分にとって、なにが良いことかと悩みながら、
己の力の範囲で出来ることをして暮らしておる。
エレオノーレ。
そちが不安に感じるのも当然だ。
自分がやったことが正解だったか、努力が足りていたか、
それを知ることの出来るものなど、どこにもおらぬ。
だがな。
そちはもう、胸を張って結果を待っておればよい。
[顔を見ぬまま、ただ声だけを風に乗せて語りかける。]
《花園》はそちを選んだ。
そちは、そちにできることをした。
ならば、あとは世界がそれに応えるのを待つだけであろう。
[言い切ってから、小さな笑いを零す。]
なに。咲かなければ、咲くまで余がこうして羽を伸ばせるだけのこと。
深刻に考えずともよい。世界は、花ひとつで滅ぶほど柔ではない。
そちはあるがまま、そちの手が届く範囲のことをしていればよい。
それで、自ずと結果はついて参ろう。
―――少なくとも、余はそちについてゆくぞ?
余の花嫁であるからしてな。
― 夜、エレオノーレの部屋 ―
カラスは黒いからって、地味なのが好きってわけじゃねーんだぞ。
それに、エレオノーレに直してもらったってわかりやすくていいじゃないか。
……せっかくしてもらってもさ、それがどこか分からないって寂しいと思うんだ。
特にエレオノーレのなら、ずっと分かるようになったほうがいいさ――って考えは人間には無いかもしれないけどな。
[「浮いてしまう」という話>>213には、構わないというより歓迎の意を表した。
エレオノーレのイメージに合うカラーだと挙げた候補はどうやら通じてくれたようで、もう片方もと言われれば思わず机を叩いた]
おおっ、そりゃいいな。
エレオノーレが左右両方に残るんだな。
うんうん、是非やってくれ。
[彼女からの提案には思いっきり頷いた]
[あながち冗談でもない調子で言った後、
緩やかに高度を下げていく。]
ヒーラールーが咲いたならば、
余からそちへ贈り物をひとつしようではないか。
不安ではなく、楽しみとともに咲くのを待っておれ。
[もう一度、わしりと頭を撫でて、ゆっくりと地上へ降りていった**]
……うん。
こんなときじゃなかったら、もっともっと、色んな所に行きたかったな。
[気持ちとして、形にはしなくても。お互い感じる何かがあるのだろうか。]
えっ……。
……。……うん。ありがとう、シルキー。
[返せなかったらゴメンね、と。呟いたのは、囁きではなく、部屋の中独りで。]
― 空 ―
わわっ。……ふふっ。
[>>217優しい手が、髪を撫でる。少しだけ勢いの良いその動きに髪は乱れても、笑顔で。
頷く魔候に、景色を問われれば。]
ですね。
……でも。こんなに小さな世界なら、なんだか、わたしにも護れるんじゃないかって気がしました!
[少し前に、涙すら浮かべていた少女の言葉としては、やや過激かもしれないが。
心地よい風を頬に受けながら、笑って。]
…………。
……えっ……マーティンさん……?
[>>218>>219静かに届く声。
もしかして。この人は既に、開花の時を察しているのだろうか、と。
少しだけ顔を上げても、見えるのはただ、後ろ姿。]
……世界が、応えるのを…………。
[そうして。風が運ぶ言葉は、胸の奥まで染み渡り。]
…………。
はい!
精一杯、できる事を積み重ねれば。きっといつか、花も開きますよね!
[と、小さな笑い>>220に。腰に回す腕を、ほんの少しだけ強くして。]
……は、い。
[再び、花嫁という単語が聞こえれば。本当は、否定するべきなのだろうが……男の背で、微笑んで。]
[ゆっくりと、地上が近づいて。
小さかった世界は再び、滅びと戦う、聖乙女を待つ《花園》へ戻っていく。]
贈り物、ですか?
……はい! じゃあ、楽しみに待ってますね!
[それでも。この人の傍に居れば、いつだって、世界はジオラマになる。
頭を撫でる手に、目を細めれば。地上に着くまでの間、ずっと、腕を回したままでいた。]
― 夢の風景・昼時 ―
[口元を麦わら帽子で隠しながら見上げてきた視線。
贈った髪束をレースのハンカチに包む指先。
願いがかなうよう祈ってくれた小さな海をたたえた双眸。
いくつもの表情が思い出のアルバムに焼き付けられる。]
・・・私もエルといろんな場所に行きたかった、な。
[それはささやかな本音。
聖乙女としての役目で訪れた南の草原と西の斜面も、終わってみれば楽しい思い出として甦る。
ならば純粋に友として遊びに行けばもっと楽しいだろう、と考えて。]
どういたしまして。湿原に行く直前に渡すから、ね。
[エレオノーレが部屋で呟いた謝罪は聞こえない。
だが例え返してもらえなくても構わないと。エレオノーレが異世界に戻ったのち、自分を思い出すよすがになればいいと思っているから。]
じゃあ、そろそろ準備する時間ね。またあとで。
[そう答えると、名残惜しさを感じつつも囁きを終わらせた。]
[そんなシルキーが帰り際に言った言葉。
「セルウィンさんが私に時間を下さったこのときだけは、他の人の話は止めて欲しい」
「私はセルウィンさんに独占されている最中、なんですから」と。]
──はい。
[頷きながら胸の奥に熱い火が宿る。
大切に思われていることが嬉しくて。]
僕は、気高く優しいあなたが皆に慕われることを厭だとは思いません。
皆に愛されるあなたは素晴らしい人だと思います。
けれど、
あなたのナンバーワンになれるようこれからも努力します。
[つないだ手に小さく力をこめて告げた。]
― 夜・自室 ―
うん、知ってるよ? わたしの世界のお話だと、昔、カラスは太陽の神様に使える鳥だったんだって。
国によっては、カラスは白銀の羽を持ってたんだとか、そんな話もあってね。
……あと、ほら。光り物好きそうってイメージは……あるし……。
[と、最後は恐る恐る。カラスにも個体差があるだろう、と、控えめに。]
……。……ずっと、解るように……そっか。目立たないように直した方がいいのかな、って思ったんだけど……。
[>>221予想外の言葉に、目を瞬かせた後赤くなって。提案に頷かれれば、笑顔で応える。]
……あ、そっか。
ううん、……寒くない? ベリアン、ずっとシャツのままだったから……早く返した方がいいのかな、って思ってて。
……えへへ。じゃあ、おしゃべりしながらやれば、大丈夫だよ。
[>>223思いの他、寂しそうな言葉に。シャツとネクタイ姿に、急ぎで針を進めた事を、少しだけ後悔しつつ。
もう片方の布も固定すれば、少しだけゆっくりめに針を進める。]
わたし、だから?
[と。眼鏡を直す様子を見つめると、何故か落ちつかなくて。]
― 聖なる森 ―
エレオノーレ…――
[見つめあったまま顔の距離は、徐々に近づいていき
心地の良い触れていた頬に、唇を落としてそっと抱きしめた]
しばらくこのままで良いか?
[今まで感じた事ない感触≠ノ離れがたい想いを抱きそういって、頭を撫でて。
まるで時が止まったかのように、エレオノーレと二人っきりの世界は、今しばらく続く――
熱き想いと共に――*]
…………。
ありがとう、ベリアン。
……突然ここに来ちゃったけど……ベリアンに会えて、よかったなって……思う。
……ねえ、ベリアン。
わたしの
わたしは……どこへ行けば、いいのかな。
[ベストに縫い付けられる、青い布。ベリアンがこの服を持ち続ける限り、きっと、この布もずっと残るのだろう。
……例え、そこに自分が居なくても。元の世界へと戻っても。]
……うん。
遠足じゃない、って、仙女様には怒られちゃうかもしれないけど。
[テレパシーで話している今なら。もしかすると、遠足の大体のイメージも、伝わるかもしれないが。
こういう形ではなく、友として出会えたなら。それは、どれほど素晴らしいことだろうか。]
ありがと、シルキー。……大事に、着るから。
[こんな話をするくらいだ。もしかしたら、彼女にも朧に伝わっているのかもしれない。
もしそうなったとしても。……二人で過ごした時は、夢ではないのだと。カーディガンを見るたびに、思い出すのだろう。]
うん! じゃあ、また後でね。シルキー、頑張ろうね!
[名残惜しいが……それ以上に、慌ただしさもあって。思いっきり笑顔を浮かべれば、囁きを終わらせて。]
― 聖なる森 ―
[>>233近づく唇が、頬に触れて。
羽で包まれるように、抱きしめられれば。]
……はい…………。
[そっと、その背に腕を回して。
頭を撫でられる度に、シグルドの指が、さらさらと髪に触れる。
祈りを捧げるのなら、神様ではなく。
……この時が終わらないように、祈りを捧げたいと。静かに、瞳を伏せた*]
― 丘の上 ―
[エレオノーレを乗せて飛び立った丘の上へ舞い降り
四肢が再び大地を踏みしめる。
乙女の小さな体を背から下ろし、
柔らかな髪をもう一度撫でた。]
また空に遊びたくなったら余を呼ぶがよい。
余は、そちの声あらばいつでも飛んでゆくぞ。
―――だが今日はもう遅い。ゆるりと休め。
[穏やかにエレオノーレを見つめ、
片手をあげて、別れのあいさつに代えた*]
― 泉 ―
[昨日と同じようにシルキーを部屋まで送って行った後、今回は迷わずに泉まで戻ったセルウィンは、杖を泉に近い柔らかな地面に突き立てて陸上で動く稽古中。
シルキーが帽子を追う姿を真似て走ってみたり、エレオノーレが踏んだステップを繰り返してみたり。
徐々にその動きは滑らかになる。]
― 自室 ―
そうであったな。
どうにかしなくてはならぬな。
[ヒーラールーが咲くという答えを運命の乙女に聞いて、忘れていたわけではないが自分の体の変化に気がついていて。
天界には「滅びを受け入れよ」と言われているが、乙女らの努力を無駄にすることは、とても出来そうにもなくなんとかヒーラールーを天界に送れる様に至難していただろうか]
― 丘の上 ―
[>>236背から下ろされ感じるのは、名残惜しさと、失われた平衡感覚。
けれど、大きな手に髪を撫でられれば。]
……はい!
でも。わたしだって、飛ぶ事はできないけど……こうやってマーティンさんの傍に来る事は、できますよ。
マーティンさん、ありがとうございました!
……花園いっぱいに花を咲かせられるように、頑張りますね!
[穏やかな眼差しに、片手と共に見送られれば。一つ礼を返して、昼と夜の狭間を駆けた*]
【運命に乙女宛へ、ヒーラールーについて】
あいわかった。
わざわざ連絡をありがとう。
東の湿原だな、向かわせてもらう。
【シルキー宛】
陽は落ちましたが、泉の温度は変わらず。
ただ、魚たちの鱗が朝方よりも煌めいている気がします。
きっとよい印です。
明日はもっといい日になるでしょう。
おやすみなさい。
― 朝 ―
[シルキーより先に起きると、耳まで裂けそうな大きなあくびをして、猫の時と同じように伸びをする。
りん、と鈴が小さく鳴った]
くぁ。
[ぷるるっと耳ごと頭を振ると、ぴょんと寝台を降りた]
……。
[振り返って、シルキーの頬に、自分の頬を擦りつけて挨拶すると、彼女が起きてるかどうかも確認せずに、テラスの方へ]
[凛々しく尻尾をピンと立てて、朝の見回りへ]
― 夜、エレオノーレの部屋 ―
太陽かぁ……。
確かに"上"のほうにも用事で行くけどさ、オレたちはそこまでいいものじゃないな。
魂を運ぶのがオレたちの務めでさ、代わりに餌が採れる森とかに草原に恵みをもらって暮らしてる。
まぁ……死者の魂を運ぶだけで、遣いというより雇われている感じだな。
[そこまで言ってから、あることに気がついて数度瞬いて]
そう言や、何でオレがヒーラールーを取りに来たのか言ってなかったな。
……ある日な、その日を境にカラスは魂を咥えられなくなっちまった。
魂を運べなくなったのに、そんなカラスの問題を知らない近場の人間たちは魂を運んでもらおうと葬りにどんどん来る――おかげで、浮かばれない人間の霊魂が地上を彷徨うようになっちまって洒落にならん。
[入って来た窓の方をちらりと見て、その外の風景の――そのさらに遥か先の夜空を、自分の故郷を想いを馳せる]
【シルキー宛】
夢が現実になる歓びを知った一日でした。
あなたの与えてくれた陸の滋養が強ばった筋肉に活力を与え、あなたの記憶が明日への希望になります。
今夜、あなたの夢へ訪れることができたら素敵です。
おやすみなさい。
……オレさ、ヒーラールーを取りに来る役に選ばれたとき、あまり乗り気じゃなかった。
別に今日明日で種族が滅びるわけでもないし、放っときゃ治るかもしれないんだし――何より面倒だった。
でもな、エレオノーレとこうして会ってさ――オレたちに降りかかった呪いで人間にも辛い思いさせてるんなら、何とかしないとなって……そう感じるようになった。
何より、今こうして直してもらってるんだ。
ヒーラールー、絶対咲かせような――オレにできることあったら言ってくれよ?
[柄にもなくしんみりとした話をしたせいか、少し顔を伏せてまた眼鏡を直して、微笑んで見せたのは無理が伝わったかもしれない]
[目立たないようにするつもりだったと言われれば、当てた布のところを横向きに指でなぞって]
なんなら、私が直しましたって意味で名前も縫い込んでくれてもいいぜ?
[エレオノーレの性格的にそこまではやらないだろうなとは思っているので、これはただの冗談。]
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>>242
おいちょっと待て。
あでるもだったけど、予想以上に凄い危機になっていた。そうか、それだけ大事な花を咲かせるんだものね……!
がくがくぶるぶる。
― 自室・翌朝 ―
[部屋を出る前にもう一度、クローゼットの中から、屋敷から持ってきた黒のカーディガンを取り出す。
今日着替えた中には予め花園が用意してくれた服も混ざっていたけれど、これは違う。
これから特別な用途に使うこれだけは、自前の服にしたかった。
他の人から見れば、つまらないこだわりに思えるかもしれない、けれども。]
・・・。
[カーディガンを見ていたら、思わずため息をついてしまったが、吹っ切るように顔を上げた。]
……礼を言うのはオレもさ。
オレだってエレオノーレに会えたんだから。
エレオノーレの
今は呪いのせいでくわえられないけど、ヒーラールーが咲いて呪いを解いたら、また戻って来る。
[エレオノーレを見据えて、そう言い切って。
しばらくそのまま時間が流れれば――]
さ、おしゃべりはそろそろ終わりにするか。
エレオノーレも寝るの遅くなったらいけないしな……明日、何かする気なんだろ?
魂がそう言ってるぜ?
[昼間のあの儀式を見れば、その翌日続きで何か起こるだろうと――魂が見えると言ったのはただの誤魔化し。
エレオノーレが再び作業に没頭し始めれば、今度は黙って見つめていた。]
― 泉 翌朝 ―
[まどろみから目覚め、聖乙女たちからの告知を知る。
「正午に東の湿原にてヒーラールーが咲く」と。]
ああ、
世界を慈しむ心が花へ届いたのですね。
[泉を出ると人の姿をとり、教えられた奇跡の地へと一歩ずつ進んでいった。]
― 丘の上 ―
[去っていくエレオノーレの後ろ姿を見送って、
太陽の温もりが残る草に体を伏せる。
紅に燃えていた空は、
いつの間にか穏やかな紫から藍色へと色調を変え、
金の円盤のような月が東の地平線に浮かび上がっていた。]
――― 今宵は満月であるか。
[目を細めて真円の月を眺め、低く、遠く吼える。
今宵は、妙に心がざわめいていた。]
― 自室・前日夜 ―
[セルウィンのメッセージに気づいたのは、部屋に戻ったあとだった。
通信の内容を読んで、嬉しそうに微笑むとどう返信しようか悩む。]
まだヒーラールーについては言えないもの、ね。
慎重に考えなくちゃ。
[己が感情を顔に出しやすい性質なのは自覚がある。
しばし考え込んだあと、無難な返事を送った。]
[花鏡から通信を受け取ったのは、そんな見回りの途中]
え……。
もう、咲いちゃうのか。
[耳をぱたり、と倒す。
数日前に、「咲いたら真っ先に教えろ」と、詰めよった勢いはもうなく]
”セルウィン宛の通信”
泉の中できらきら輝く魚の鱗はとても綺麗でしょうね。
想像しただけでどきどきします。
セルウィンさんがそう仰るならば、明日はきっと良い一日になりますわ。
おやすみなさい。今日のあなたとの思い出を胸に、私は眠りにつきます。
― 翌日、東の湿地へ向けて ―
どうにかヒーラールーを、天界に運べそうだ。
天界に情報が漏洩しないことと…
必ずこの体…たせようぞ…
[この体の悪化は、気がついていた。
すべては運命に抗うために――
決意をあらたに、ヒーラールーが咲くという地へと向かっていた。
自らの足で、想いそのままに――]
― 自室・翌朝 ―
[目覚める直前のまどろみの中で漂っている最中に、ふと鈴の音を聞いた気がした>>241。
それで本格的に目覚めるとはではいかず、まだ夢の中。
ころりと寝返りを打って横を向いたあと、頬に温かいものが触れる。]
・・・。
[唇がわずかに動くが、声にはならなかった。
結局目を覚ましたのは、あでるがテラスから朝の見回りに出かけたあとだった。]
― 丘の上・朝 ―
[草の上でゆったりとくつろぎ、
陽の光に輝く白亜の宮殿を眺めていたころ、
花鏡が通信のあることを伝えてくる。
呼びだした鏡の表に聖乙女らの姿を見て、
でれりと相好を崩して眺めていた。
誰も見ていないと思って、ゆるみまくりである。
だが、ヒーラールーの開花と聞けば、
多少は表情が引き締まる。]
なるほど。
聖乙女らの愛と慈しみが満ちたということか。
呼ばれたからには、ゆこうではないか。
[当然のこととして立ち上がり、東へ歩いていく。]
【エレオノーレ宛】
おはようございます。
知らせを受けて今、東の湿地へ向かっています。
あなたの不安は間もなく安堵と歓びに変わることを僕は信じてやみません。
一緒に開花の時を迎えましょう。
【シルキー宛】
昨夜はメッセージをありがとうございました。
今朝も魚たちは元気で、僕の身体もまた陸を歩きたいと求めています。
梢では小鳥たちが朝の歌を歌っています。
その道を僕は今、東の湿原へ向かって進んでいます。
その地であなたとヒーラールーの開花を見届けるために。
その時はもう間もなくですよ。
エル、そろそろ東の湿原に行きましょう。
迎えにいくわ。
[エレオノーレ宛に短い囁きを送ると、部屋を出る。
・・・奇跡の時間が迫っていた。]
― 夜・自室 ―
やりませんっ。……それじゃ、そのベストがわたしのですって言ってるような物でしょ。
[名前を入れるか>>244と問われれば、ジト目で見つめて。
そうして、彼の口から語られたのは、この世界のカラスの話。]
へー……。
でも、そのおかげでみんな、迷わずにそれぞれの世界へ行けるんでしょ? それは、凄い事だと思うけど……。
[しかし。続く言葉を聴けば。]
……え!? そ、それ……大ピンチって事じゃないの!?
[地上を彷徨う、連れていってもらえない魂の群れ。その光景は、怖いという以上に、悲しい物で。]
…………。
[>>243ベリアンの話をじっと聞けば。]
……それでも、ベリアンは此処に来てくれたでしょ?
わたしも……この世界の話を聞くたびに。花を咲かせなきゃ、って思う。
初めて来た世界だけど。このまま帰っても、きっと、ベリアン達に何もできなかったこと。一生、後悔すると思う。
……うん。勿論その時は、ベリアンにもお願いするね。
ヒーラールー……必ず、咲くよ。こうやって、みんなの祈りがあるんだもの。
[微笑みは、少しだけ無理をしているようにも見えたが。それでも、真っ直ぐ見つめ返して。]
ベリアン……。
[>>246
また戻る、という言葉に。暫くの間、見つめ合う形となっただろうか。
……そうして。そのまま、少しの時間が流れれば。]
うんっ。……って、え!? そ、そんな事は……!
[何故ばれたのだろう、魂を見るというのはソコまで解ってしまうのだろうか、と。結局尾行に気付かなかった少女は、目を白黒させたが。その言葉は、確かにその通りで。]
……はい!
ちょっと、かっこ付かないかもしれないけど……どうかな?
[色合いは違うが、できるだけ似た光沢を持つ布を当てた分、デザインと言い張れる程度にはなっただろうか。
……けれども、所詮は素人の仕事で。
ベストを渡せば、彼は……夕時見かけた樹へと戻るのだろうか。]
“セルウィン>>*36宛て”
ありがとうございます、セルウィンさん。
……はい。
奇跡の花が咲くその時を、一緒に、見届けてください。
[少しだけ、緊張した面持ちを、隠せないまま。]
― 自室 ―
[それと前後する頃合いだろうか。
シグルドからも、通信が来ている事に気付けば。]
…………。
大丈夫。……きっと、大丈夫。
[心を落ち着かせるように。そっと、深呼吸をして。]
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