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[水底から見上げる景色への憧憬が少しエレオノーレの沈鬱さを打ち消したようだと知れば嬉しげに微笑む。]
ええ、水の中から見上げる世界も、水の中の世界も、水の中のあなたもきっと綺麗です。
いつか一緒に──そう望んでもいいですか?
[シルキーにもどきどきしたのに、今目の前にいる女性にもどきどきしている。
ぎゅっと握り拳で胸元を押さえ、ひとり煩悶しているのは気付かれたくない]
[得意そうに鼻をヒクヒクさせるあでるに、感心した口調で答える。]
全部勝負して勝ったなんて、あでるはとても強いのね。
じゃあ、忘れられたら困るから、また会いましょう。
その度に何度でも名前を教えるわ。
[花園にいるならば、猫又の世界でも危機が訪れているのだろう。そして一族を代表してヒーラールーを求めてやってきたに違いない。
あでるから詳細を説明されなくともそうあたりをつけた。
やがて食堂にたどり着くと、ロスリンがひいてくれた椅子>>278に座り、用意された軽食を食べ始める。]
余は魔界第58階層を治める魔侯ユルマーティオニスである。
聖なる乙女にして余の花嫁となるだろうものよ。
そちの名を問おう。
[手を取ったまま、魔候にしては控えめな声で名乗りを上げた。]
― 宮殿 ―
[複数名に声を掛けた末。>>289無事ロスリンが見つかって、ほっと笑みを漏らす。
広い宮殿で、尋ね人に巡り合えた安堵で。少し不自然な沈黙には、気付かないまま。]
……えと、でも。まだ、聖乙女なのか……解んないんです、けど。
[それでも大丈夫ですか? と。首を傾げて。
それでも、部屋へ案内されれば。]
わぁ……!
ありがとうございます、ロスリンさん!
[シルキーの部屋と左右対称、と知れば。ますます喜び、はしゃいだのだろうが。
特別荷物も無いまま、体を休めようとして。ふと。]
……そうだ、ロスリンさん。
実は、身一つで来たから、着替えが無いのと……。
……花瓶、お借りしても、いいですか?
[シグルドから渡されたブーケは、強行軍にも負けず、けなげに咲き誇っていて。
その花を休ませようと、花瓶を問いかけて。]
後……。
……あ、ううん。なんでもない、です。
[一緒に、『この世界でドーナツの材料を揃えられるか』を、問おうとしたが。
……それは、シグルドと再会した後でも、いいだろうか。]
― 泉 ―
はい。
……でも、やっぱり。自信は無いってのには、変わりはないんですけどね。
[苦笑して、反芻された言葉に頷いて。そして。]
……ありがとう、セルウィンさん。
そうだと、いいな。……この世界に来た事。色んな人と出会えた事。
全部、必然なんだって……思いたい、な。
[>>291そういえば。あの時自分は、何を求めて月の影に触れたのだろう。
……思い出せないまま。かけがえのない人、という言葉に。笑みを浮かべて。]
はい、ぜひ!
でも、今はまだ。まずは、自分が此処に居てもいいのか、確かめなくちゃ。
[嬉しそうな微笑み>>292に。水の世界へ馳せる想いは、強くなる。]
……セルウィンさんも。きっと、綺麗なんだろうな……。
[先ほど一瞬だけ見えた、瑠璃と翡翠のきらめきは。
水底の揺らめきに、どのように輝くのだろうか。]
じゃあ……約束、ですね。
って、あ。……指切りって、こっちの世界にも、ありますか?
[そっと、手を伸ばし。小指をセルウィンに向ける。]
― 宮殿の木の側 ―
立て込んでいる――!?
何をいっているんだ、レイヴン…
[質問に素直に答えが返ってこなくって、困って。
エレオノーレが言う気持ち≠ニいうのは、難しいと思いながら]
悪魔に用はない。
運命を変えたくって、ここへやってきた。
争いにきたのではない。
(飛べないとは不便だな。人間ならどうするのだろう)
[シグルドにはただただ見えげるしかなかった]
― 食堂 ―
[テーブルに座り、グラスにあけられた猫缶に、お行儀悪く直接口をつける]
うまいのだ。おれさまはご機嫌なのだ。
これは、食べたことがある味だ。
昨日、近所の猫と一緒に食べた気がするぞ。
[口元についたしっとりフードを、手の甲でぬぐい、更にその手をペロペロと舐めながら]
……ん。
[そして、一緒に置かれたまたたびに気付いて、鼻先を押しあてる。
すぐに目を細め、人間の姿でどうやっているのか、コロコロと喉を鳴らし始めた]
ふにゃ、ふにゃぁぁ。
ふなぉ〜ん。
― 宮殿入口回想 ―
じゃあ、時間があったらお願いするわ。
エルがどんな妖精を演じるのか見られたら嬉しい。
[友人を誉めてくれたエレオノーレの心遣いが嬉しくて、飛び切りの笑みを向ける。
ここにいてもいいと問われれば、当然と言うように深く頷いた。]
もちろん。私ね、エルと知り合えて嬉しいの。
だから確信しているわ、あなたも聖乙女だって。
安心してここで過ごせばいいわ、きっと他の人もあなたに出て行けなんて絶対言わない。
あなたを見れば、分かってくれるって信じているもの。
[エレオノーレの頬に流れる涙に気づいて、無言でハンカチを出して拭う。
自分の言葉で不安が少しでも解消されるなら、こんなに嬉しいことはない。
ロスリンと無事会えたエレオノーレが、自分の隣の部屋を提供されたと知れば喜ぶだろう。今はまだ先の話ではあるが。]
[泥酔したオッサンよりもだらしなく、テーブルの上に寝そべって]
にゃぁ、にゃふぁ〜ん。
なぁぉ〜、なぁ〜ぉ〜ぅ。
[変にながーい声で鳴きながら、ころり、と寝返った拍子に、テーブルから転げ落ちた]
[差し出されたエレオノーレのゆるいカーブを描く小指に自分の濡れた小指を絡ませる。
貝の渦巻きにも似た小さな螺旋。]
約束──嬉しいです。
あなたが喜んでくれるなら、僕はたくさんの煌めきと驚きを差し上げましょう。
水の潤いが必要なときにはいつでも僕を呼んでください。
靴が届いたら僕も陸へ上がりますから、どうぞ気にせず宮殿へ向かっていてください。
[前へ向かうエレオノーレの意思を促した。]
― 花園の小径 ―
[……何だろう、《セイオトメ》って。苺の新しい品種?
この言葉が、後のシルキーの言葉>>247と結びつき、体を休めた頃合いに彼女が両手を打つのは。もう少し、後の話。]
うるわし、く……。あ、ありがとうございます……?
[それでも。目の前の《推定魔王》の、見た目以上に紳士的な言動に、すっかり警戒を解いて。
……慣れない美辞麗句には、やはり、頬を赤らめてしまったのだが。]
……わ。
[ふと。触れた手に、予想に反した慎重さと柔らかさで、包み込まれれば。
戸惑いと、意外さとに。瞳を瞬かせて。]
ゆる、まー……?
……あ、えと。
エレオノーレ、です。エレオノーレ=トロイって言います。
[>>296その名乗りの持つ意味が、どういった物なのかまでは、解らなかったが。
名乗りに応じて、自らも、名を名乗って。受け止められた手を、ほんの少し、握手のように持ち上げて。微笑みを浮かべた。]
― 食堂 ―
[ジャンに指示されて、ロスリンが用意してくれた軽食はとても美味しかった。]
ご馳走様でした。
[ナプキンで口をぬぐって手を合わせると、またたびに喉を鳴らしているあでる>>304に気づいた。
にこにこ笑ってその様子を眺める。]
ごきげんね。
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