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………アレクにゃんは好きにゃけど、
『ガーディアン・スノウ』のシステムは、
理由のない、個人の勧告には従えないにゃよ!
[ フーフー! ] [ぶわりと毛を逆立ててから]
[その理由>>363を聴けば]
にゃーんだ。それを早く言うにゃよ。
マリにゃんのウィルスは、
致死性があるほどではないようにゃけど、
たしかに、備えるにこしたことはないにゃね…
[ 私の肩を撫でる手の優しさと温もりも本来なら無いものなのだろう。
きっと私が"奴隷らしくない"から。
奴隷のような装いをしていないから。
こんなにも優しく接してくれるのだろう。
慌てた様子で"彼"を見上げる。
いけない。これ以上気遣っていただくわけは。
この方の名声に関わるのだから。 ]
信じていただけないのでしたら……
[ 正座をしたまま器用に180度回転し手をかけたのは自分の首元。
今まで体を締め付けていた服のボタンを一つ一つ外していく。
驚かれてしまうだろうか。
止められぬよう、無礼を承知で背を向けたのだけれど。
けれど、証明する方法を他には思いつかなくて。
全て脱ぐわけではない。
主人に背中の焼印──契約奴隷の証が見えるようするりと服をはだけさせた。 ]
………これが、証拠でございます。
お会いした瞬間、この印が反応致しました。
[ これで信じてもらえるだろうか。
あぁ、しまった。
後ろ向きではご主人の事を見ることができないではないか。 ]*
わかったにゃよ。 動力を幾らか、
全艦のウィルス除去装置を最高稼働させるために、
融通するにゃ。
回せるエネルギーというと…うーん。
人の利用の少ない部屋の、照明エネルギーかにゃ?
ちょこっと薄暗くなる部屋があるかもしれないけど、
暫くがまんしてにゃん。
[白い猫は、アレクシスに頷いて]
[ご助言ありがとにゃん!] [白い尻尾をふわり*]
ー回想・メインサロン(過去)ー
[相手は興味を持ってくれた様子で。]
これはシャボンソウの花の芳香剤さ。
気に入ったなら、持ってくといいよ。
あと、何かあったら俺を頼ってね。
[怯える彼女に肩をポンとひと叩きしてそう言い残し、名前も聞かぬまま帰ってきたカレルに話しかけに行く。**]
―回想:カレルと―
[頑張ってはった虚勢は、カレルの追撃であっけなく崩壊した。>>1:146
カァァッと、耳まで真っ赤になりつつも、カレルもカッコいいよとそう言う。
そのときに、彼がほんの一瞬だけ、う、と何か妙な顔をした>>185 のに気付き、内心で首を傾げる。
(……かわいい系の方を目指してたのかしら?)
……明後日方向に勘違いしつつも、にっこり笑ったその顔に、つられて笑った。]
体が資本のお仕事だから……
それは、困ったわね……。
[そんなことを言いながら、彼の目元を撫でる。
その空色の瞳が、嬉しそうに……しかし何を思い出したのか、切なそうに細められるのを見ながら。>>186
ふと、その色と同じようなの色の瞳を持つ少女に出会ったことを思い出した。]
/*
んんん?!
アデル様、アデル様ぁぁぁぁぁぁぁ
ありがとうございますありがとうございますありがとうございます
[それは、何年前のことだっただろう。
いつものように、花屋で花を切っていると、一人の少女が駆け込んできたことがあったっけ。>>187
ワンピースを着た、ふわふわと柔らかそうなロングヘアの金髪の少女。]
いらっしゃ……い?
[一応そう声をかけるも、
『 た、助けて……っ! おねがい… 』
と、涙に濡れた目>>188で、背後を気にしながら懇願されては……助けないわけにはいかなかった。
勿論、驚きの方が強かったし、拙い案件じゃないの?と思ったけれど。
その空色の目がはらはらと、どしゃぶりの雨のように、涙に濡れるのどうしても憚られたので。]
こっちに来て!
……そう、こっちよ。
[咄嗟に彼女の手を引っ張って、店の奥手に続く、花の栽培施設の方に連れて行き、匿おうとする。
花屋に人がいなくても、ジョニーが相手をするから、不審に思われることはない。
ようやく一息つける段になり、彼女が裸足であることに気付いた。>>188
(どこからか逃げ出してきたのかしら?)
奴隷であったり、実験体であったり、皆何かしらの事情を抱えている。
かくいう自分もそうであったため、問い詰めたりはすることなく。]
泣いてもいいわよ。
……涙はね、どんどん出すの。
そうしたらね、きっといつか……
自然に笑えるようになるわ。
……もう、大丈夫だからね。
[そう言って、にっこり笑う。
大丈夫、ここなら、この"船の中"なら、私が守ってあげられる。
馬鹿みたいに高い階級は、こういうときに、使うものだ。
まさか目の前の少女がル・ウルタールの第一位王位継承者の双子の妹サーラであるなどとは知らなかったから。
傲慢にも、そんなことを思っていて……。
彼女の涙が止まったら、花でも見せてあげようか。
それまでは彼女に寄り添って、嫌がられなければ、その柔らかい髪をなでながら。
滴る涙を、指先でそっと拭った。]
[しかし、その涙がようやく止まりそうになったとき……店の外がざわざわと騒がしくなる。
栽培施設に入ろうとする輩は、ジョニーにお仕置きをお願いしているが……それは少女は知らないことで。
何を思ったのかざぁっと、顔を青ざめさせて
『ごめんなさい…』
とその場を離れようとする。
そして、見てしまった……。
あの鮮やかな澄んだ空のような瞳が、諦めきったように、悲しく曇る様を。]
[実際の所、本当に二人とも危険種族であるのだが。
ただ単なるカマ掛けではあったが、先刻までの状況も手伝ってだろうか。予想外の反応を見受けられた。
思えばカサンドラがこんなに困惑した表情を見せるのは、記憶の中で初めてかもしれない。
ローと彼女が二人で話している間は距離を取っていたので、表情こそは見えなかったが人外の聴覚。
内容は耳に自然と入り込んで居た。
その彼女を更にどん底に追いやろうとしているのだから。
質の悪い冗談――いや現実を言ったものだ。]
……今日の友が明日の敵、か。
だが、俺は信じているから。そんなことは無いと。
カサンドラは、大丈夫だよな?
[何の意味も為さない気休めの言葉だけをだけを乗せる。
間も無く告げられる彼女の真実を聞けば、
予想を上回る衝撃に言葉を失う>>255。]
ちょっと、まって!!
[慌ててそう言って引き留めて、ちょうどポケットに入れていた生花用の切狭で、目当ての花をパチンと切る。
それは鈴蘭。
根や葉に毒性がある可愛らしいが危険な花であるが、今手折った花は、品種改良によってその毒性を取り払った種である。
下を向いた小さな白い花から、ふわりと香る甘い香り。
葉の緑色が鮮やかで、白と緑のコントラスト美しい、上品な花だ。]
これ、あげるわ。
……この子は鈴蘭。
毒とかないから安心して?
長い冬を耐えて、暖かい春が来た頃に
花を咲かせる花なの。
……それにね、
「幸せの再来」って意味もあるのよ。
[心なしか早口でそう言って、その花を、切りっぱなし、むき出しのままでその手に握らせる。
その空色の目が曇るのは嫌だった。
だから伝える、花で、花の持つ言葉で。
生きていくことを、生きていることを、諦めないで欲しいと、そう願って。]
……っ、 …………っか……
……馬鹿なことを言うな!
[ナイフを手に取ることもなく、声を荒げ怒鳴りつける。
カサンドラが今まで見せた中で
一番とも言える心からの笑みを受け取った礼を、
今まで見せたこともないような怒号で返す。]
お前は誰も殺していないのだろう?
なら何故そのようなことを言う?
命ってのはな、他人が簡単に奪っていいものじゃないんだよ!
生きたくとも生きられなかった奴らが
星の数程に居るのは知ってるんだろう?
お前の友人や仲間だってそうじゃないのか!?
[感情が迸るままに。
既に何も目に入らないまま声を荒げる。]
うぇーい疲れたぞ―身体重ーい
[『ミゲル』を名乗るこの個体は、ガルーとしては脆弱。
『器』を洗脳し、暗示をかけて動かさねば望む場所へも行けない程に。
きっかけさえあれば身体の管制を取れるが、それもせいぜい数時間から1日程度が限界だ。
故に、活動後は暫くの睡眠が必要だ。
その間この体は『ミゲル』でも無く『オズワルド』でもない、ただの『器』に戻るのだ*]
[そして、にこりと笑って、「逃げるなら裏口があるわよ、足を痛めるから、靴も履いて行きなさい?」と告げる。
引き留めはしない、それが逆に、彼女の心の責になるのは嫌だったから。
代わりに一言だけ、言った。]
いつでも来て、いいからね?
[彼女がどういう反応をしたのだったっけ。
去ってゆく背中を見ながら、結局のところ何も出来ない自分が歯がゆくて、困ったように頬を掻いた。
そんな記憶。*]
[ 貨物室へ入れば、
彼がなにかしたのだか
辺りが霧のように真っ白に煙る。
非科学的な現象なので、
何が起きたのかは分からないが、
感覚が研ぎ澄まされた耳は
的確に"獲物"の動く音を拾い分けた。
貨物室に鼠のいるような古い船ではない。
此処は最新式の宇宙船、
シルバー・メリー号、なのだから。
何一つ動くものもなければ、
近づく足音には>>368当然、気が付く。 ]
残念だけど、"僕ら"は目を潰されたくらいで
人間一人見つけられないような弱い生き物じゃあないんだ
[ ひょいと少しだけ身体をその場から動かせば
彼の胸元にある綺麗な雫色が目に入って。 ]
……ねえ、それってもしかして君の大切なもの?
[ 獣じみた嗜虐的な笑みで、
素早く爪を閃かせたら…ぱりん。と。 ]
[ いとも呆気なくそれは砕けてしまっただろうか。>>369 ]
嫌いなんだよねえ
大切なものを一等大事にそうやって…
いつまでもいつまでも取っておいてる人ってさ
……まるで、僕みたいで
だから――なんていうのかな
こうやってバラバラに壊すとさ、すごく
心が晴れた気持ちになるんだよねえ
[ 雫色の石を砕いた前か、後か。
更に抵抗しようとでも言うのか
踏み込もうとした彼の足>>370に、そっと。 ]
[ ダーツでも投げるかのような気軽さで
ハンティングナイフを一本、投擲すれば
それが彼の足を床に縫いとめてくれただろう。 ]
またうろちょろと動き回られても嫌だからさ
そろそろ、僕も飽きてしまったし。
[ 痛み故か無様に床に転げる姿を見下ろして、
学者は再び、にんまりと笑みを浮かべると
彼の顔に自分の顔が近づくようにしゃがみこむ。 ]
[ 言うだけ言えば、
ナイフを取り出そうとしたその手を>>377
掴んで――手折ってしまおうか。
少しくらい声が漏れたって構わない。
彼の口は、黄金色の狼の腕が押さえ付けていたから
きっとくぐもったものにしかならなかっただろう。 ]
[ そのまま彼の腕を捻り上げた手のひらは
彼の背中に向かって深々と振り下ろされた。
心臓を抉り抜く一撃は彼の意識を直ぐに刈り取っただろう。 ]
[ 彼の身体の中に流れる赤い血が
花と成ってそこかしこに飛び散るのを
無感動な目で眺めながら、更に
彼の背に片腕を這わせて、腕に血液を纏わせる。 ]
[ 果てのない欲望は一時、もう満たされていたけれど ]
[ 壁に指を這わせて、
鋭い爪痕と血液である文字列を書き出したら
赤く濡れた服を誰かに見とがめられないうちに
音も立てず貨物室の扉を開けて廊下へ飛び出した。
広がりゆく血の海はやがてメイン・サロンへも
その匂いを届かせるかもしれないが
その頃にはどこにも犯人の姿はないだろう。 ]
『
[ 遺されているのは赤い色で綴られたメッセージだけ。* ]
[そんな記憶を思い出しながら、合わさったのは、困ったような空色の目。
警備に差し支えるから、それでいいという彼>>190は、明らかに嘘をついていて……。
(ごめんね、カレル。わざとなの。)
強目に調合するのは簡単だ。
効き目の強いものを、たくさん使えばそれだけ効果が出る。
……でも当然身体にも負担がかかるし、それに……慣れたら……また眠れなくなってしまうだろう。
だから、何も分からないふりをして、にこりと笑うのだ。]
ええ、期待に添えるように頑張るわね。
[肝は、調合のバランスだ。
睡眠薬ではいけない、けれど気休めでもいけない。
ちょうどギリギリのラインを……調合する、してみせる。
あの少女には何も出来なかったけれど。
今度は、出来るだろうか。
同じような空色の目を持つ彼を、夢など見ずに、もしくは幸せな夢をみせて……眠らせることが。
離れる彼には手を振りながら……そんなことを考えていた。**]
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