『手を出して』[ 風が運んだ声に従い、彼らが手を出してくれたなら、その掌に蝶が止まり、忽ちその形を崩してキラキラと光る桜色の砂つぶのような結晶に変わる。 ]『貴方達が巡った森の中で集まった魔力の結晶。薬の素材にもなるし、機械の仕組みに使えば、その機能を助けるものにもなる。集めたのは、貴方達だから、持って帰って。』[ 彼らが森を巡るうちに、蝶に溜め込まれたほんの僅かな、けれど確かな森の恵み。この兄妹ならば、使い道もあるだろう。* ]