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敗北しようが……
[自身の最強を打ち破ったのだ。それが...にとって結果としてのすべてである。そこは大いに認めてしまうが]
……膝は……突かん!!
[未来に向けて、あるいは相棒とともに在るという意地を通すように吼えると、仰向けに倒れるのであった*]
─ 月の舞台 ─
[対峙している竜は海を、己は山上を住処としている。
今見合い立つこの舞台は、互いに己の本領ではない場所だ。
だからこそ、持ち得る力も重ねた年月経験も、何より座したる地位なども。
この舞闘には、然したる意味も持ち得ない]
儂もじゃ。
主の刃は中々効いておる。
得物を用意しようにも、この竹程度では歯が立たぬでのぅ。
[>>*2辛うじてだという海の者に、空近くに住む己が笑う。
潮に負けると言っても、毒含む花など使えば傷など受けぬままに闘えただろう。
けれど、今までの舞闘ではそれを使う程の本気は抱けず。
此度の舞闘は本気だからこそ、使う気などは起きなかった。
静かに、けれど揺らがぬ戦意を宿した瞳の先、水気が強く増していくを見据え]
無手で闘うには、流石に其方とは並び立てぬ故。
儂の全てを、ぶつけさせてもらおうぞ。
[瞳と同じく、静かな声音での宣に続いたのは、
反して激しく迸る雷光。
大きく膨れ、弾ける様に形成すそれは、翠の竜そのものの姿。
それが思うままに飛び立てば、嵐諸共に海の蛇竜を撃ち抜けただろう。
けれど]
っ…!!!
[蛇竜が身に纏っていた鱗や骨、全てを一振りの剣と変えたことでより増した疾さが。
雷光の竜を出し抜き、その切っ先を人の身へと届けるを叶えさせた]
[振るう者の心根のごとく真っ直ぐなそれは翳す扇を裂き、更に鎌の一撃を受けた肩を貫いて。
竜の御姿を模っていた雷光が、降り注ぐ水と竜自身から溢れる血をも取り巻き渦巻く嵐へと霧散する。
それを視界の端に捉えながらも、視線はまっすぐ己を射抜く蛇竜の瞳と合わせ見て]
…見事、
其方の勝ちだ。
[流れる血に薄れる意識、反して強まる痛みに苛まれながら。
はきとした声で、そう告げた*]
[己がこの場にて求めたものは、ある意味では単純なもの。
人でもなく竜でもなく、けれど、その双方でもあるもの。
そのような存在が生まれる契機となった場所が如何様な場所であるか。
そして、そこでどこまで翔けてゆけるか知りたい、という、欲求。
この場所が、『舞闘会』という催しが無ければ存在しなかった者であるが故に抱いたもの、その昇華。
だからこそ、止まらず進む事に全力を傾けた。
そうしなければ、それは成し得ぬと感じていたから]
[二者より引き継いだ力持て放った一閃。
直後、届いた呟き>>*6に刹那、瞬くものの、返す爪の閃は止まる事はなく]
……っせい!
[気迫と共に振り切り、紅い彩が散る。
勢いをつけた閃を受け、落ちながらも巨躯は崩れる事はなく、向けられるのは鋭い視線。>>*7
それを真っ向、見返しながら、ふわり、舞台に舞い降りて]
[敗北は認めつつ、けれど、膝を突く事>>*8を厭う姿に目を細める]
むしろ、そこで突かれたからきょどったぞ……。
[ぽつ、と落ちたのは素の心情。
それは、ここに至るまでの交差から感じたものの素直な現われで]
……だが。
あんたとぶつかれて、良かった。
[告げた後、視線は一時、自身の右の手へ]
……良き時間を、共に出来た事。
感謝する。
[それから、紫苑色を改めて巨躯へと向けて。
浮かべたのは、穏やかな、笑み。**]
[自分が勝手に何かを感じ取るように、相手も自分から色々感じ取っていたらしい。
何せこのような場所だ。さもありなん。勝つにせよ、負けるにせよ。相対したものの願いを汲み取って進むのが自分の考えた筋道。]
んむ?そうかそうか。
[膝を突く。というのはあるが、地に伏せられるよりは、自らの意志で倒れているほうがいい、そんな矜持もあるが]
はっはっはっ!こちらこそ進もうとする道筋がどのあたりか見えた気がする。
んむ、ヴィンセントは強いな。俺は俺でまた鍛えなおしとせねばならんようだ。
[穏やかな笑みを浮かべるヴィンセント>>*16へと豪快に笑み返して言いつつ、裂傷を帯びた左肩を右手でつかんで、ぐぐっとしている。
そして負けたなら、当然また鍛えるのである。
やられたからといって、くよくよ悩むようにできてない...は、次を目指すようにして、体を起こし、相棒を探すように顔を動かした**]
[此度の舞闘は、選ばぬ手はあれ出せる限りの力は尽くした。
その結果の決着に、後悔などは抱かない。
そのつもりではあるし、そうだと言い切る己もあるが]
…あぁ。
負けてしもうたな。
[これまでの幾度の舞闘でも、最後まで勝ち上がったことは無かったが。
こんなにも勝利を望み、こんなにも勝てなかったことが悔しいと。
そう思える自分がいた事に驚く思いと]
[何があっても真っ直ぐ、真っ向、突き進むような在り方。
それに、他に膝を突く姿はそぐわない、と。
零れ落ちた思いにあったのはそんな思考。
もっとも、そこまで表に出る事はなく]
そう……か。
[進むべき道が見えた気がする、という巨躯>>*17に、自らが手繰るものを重ねた言葉を返し]
……強い、か。
とはいえ、その評価に胡坐をかけば、あっという間に誰かに叩き堕とされるからな。
[そこはかわらんな、と笑った後。
紫苑色は、盟を結んだ竜へと巡る。**]
― 月の舞台 ―
[全てをぶつけるとの宣と、激しく迸る雷光>>*10。
敗北を予期させるには十分な力であったが、鎧による身の守りを捨て、臆する心を置き去りに、蛇竜は駆けた]
――――っ!
[目映い光の先、斬り込んだ切っ先に手応えはあった。
雷鳥竜の手にする扇を裂き、更にその先の肩の傷まで、刃は達する。
そして嵐の如く降り注ぐ水が、雷光と血を霧散させて洗い流し]
――わたしの……勝ち……?
[雷鳥竜の翠の瞳と、己の藍白が向かい合う。
はきとした声が告げる>>*12のを、茫然とした面持ちで聞いて]
[直後、はっとしたように剣を引き、地に落とす。
意識薄れる様子を見れば慌てて支えようとするが、スマートにはいかずほぼ抱き着くような形になってしまうかもしれない。
それらの行動をこなしながらも、胸の内は喜びや安堵や、言い表せないもので一杯になっていって]
─ 月の舞台 ─
[>>*21己目掛けて駆けてくる蛇竜の瞳に、初めて交わした中にあった臆する色は見当たらず。
に、と満足気に口端が上がったのは雷鳥竜にとっても無意識の内。
全てにおいて上を持する雷鳥竜を、己が意志で乗り越えた海蛇を最後まで対峙して]
…あぁ。
麗玉の海蛇竜。
煌玉を制し、皇玉を降した。
此度の舞台は、其方の勝ちだ。
[>>*22呆然と、未だ理解が追いついていない様子の竜へ。
これまでずっと、座など飾りと言い続けた翠が、座を越えた竜の勝利を讃え告げる。
ようやく事の把握が追いついたらしき竜が得物を手放したおかげで、肩を貫く刃は無くなりこれ以上傷を開く恐れも消えたのだが]
お、っと。
[ぼす、と。
海蛇の娘に抱きしめられたと分かったのは、その行動が為されたから。
己が容易に触れられた事、それを不快にも思わぬ事に気付くと失血のせいで色々鈍っているようだと苦笑が浮かぶ。
だが、支えようという気遣いからの行動とも察せられるから、無理に引きはがすことはせず]
気遣いはありがたいが、これでも儂は皇玉じゃ。
それに、勝者が血に塗れるは似合わぬぞ。
[そう言って、娘から離れるようにと向けた笑みは。
娘の表情、感情の弾けたそれに、一度ぱちり、瞬きに消えた後]
…これではどちらが勝ったか分からぬのぅ。
だがまぁ、良い良い。
儂に勝った褒美じゃ、幾らでも濡らすが良いぞ。
そうして、主に良き顔を見せるが良い。
[ぽん、ぽんと。
童のように泣きじゃくる海蛇の娘の頭を、緩く撫でた**]
― 月の舞台 ―
[相対した雷鳥竜の讃える声>>*24に、ようやく色々の実感が湧く。
突然抱き締めるような行動が、礼を失するのではと気付くのも、彼の者から声を掛けられてからのこと>>*26。
そしてその時にはもう、感情の弾けるままになっていて]
ごめ……なさい……。
すごく、嬉しいのに……。
こうなるなんて思ってなかったから、どうしたらいいのかわからなくて……。
[思うがままを口にしつつ、雷鳥竜の言葉通りに彼の者の衣を濡らしていく。
そのような有様も受け入れるかのように、頭を優しく撫でる手があった>>*27]
[――それから、しばしの時が過ぎて]
おっ……お恥ずかしい所をお見せしました……!
[雷鳥竜から身を離し、自ら生んだ海水で顔を洗って身なりを整えた後。
改めて先の対戦者に頭を下げる。
冷静に考えれば、勝者の特権どころでない色々をやらかした気がするが、今となっては赤面しながら平身低頭するより他にない]
改めまして、此度はよき舞闘を、ありがとうございました。
[今更に過ぎるかもしれないが、礼儀を正した感謝の言葉を述べる。
一度下げた頭を上げた時、蛇竜の顔には先までとは違う、目を輝かせた子供のような笑みが浮かんでいて]
あの……わたし、ずっとずっと昔に、空を飛ぶ竜を見て……憧れていたんです。
[それが眼前の雷鳥竜と同一かはわからないが、眩しい憧れを与えてくれた存在という意味では同じと言えた]
また、何処かで会うことは出来ますか?
[無邪気な思いそのままに口にした問い。
それは裏返しにすれば、その場へ"会いに行く"という意味だということは、意識には上らぬまま*]
─ 月の舞台 ─
[>>*28翠に抱き着いてきた海蛇が、声を上げて零す水は彼女が纏う潮の気配に似て非なるもの。
幼子をあやすように、けれどけしてその涙を無理に止めぬようにと頭を撫でれば紡ぎ出される素直な思いに手つきと同じように柔く笑む]
これは其方が臆する事無く挑む勇気を以て勝ち取った権利じゃ。
気にすることは無い、存分に流せば良い。
其方がもう良いと思うまで。
[勝利の昂りも、不安も、翠にとっては何時か昔に通り過ぎたもの。
落ち着けば自ずとどうすれば良いかも見えてくるだろうし、見えずともこの娘の縁が導きとなるはずだから。
今はただ、思う存分気持ちを弾けさせてやろうと撫でる手つきも抱きつく腕もそのままに]
[>>*29そうして暫く時を過ごせば、やはり落ち着きを取り戻した竜の娘が自ら身を離す。
身形を整えた後、こちらに頭を下げるのを見れば微笑ましさに口元が綻んで]
良い良い、儂の主がしたことと比べたら其方はほんに可愛いものよ。
…いや、其方とあの主を比べる方が失礼やもしれぬな。
[中身はともかく身形が身形だ。
悪かったの、と苦笑をうかべて、顔を上げて欲しいと促した]
儂の方こそ。
其方と此度の舞台を共に在れたこと、光栄に思う。
[>>*30そうして、改めて舞闘を共にした礼を受けて。
自身も対峙した彼女への賛辞を述べたのだが、続いて憧れていたという言葉にぱちりと瞬きを返した後]
あぁ。
其方が望むなら、何時でも其方の元に赴こう。
儂の元に来るならば、それでも良いぞ。
道を整え、其方に見せたい花でも用意しておく故。
[そう言って微笑んだのは、彼女が草木を枯らさずに済むように。
雷鳥竜の答えは、海蛇の笑顔に更なる花を添えられたろうか*]
― 月の舞台 ―
[雷鳥竜にとっては遠い昔に通り過ぎた感情の、真っ只中を越えた後。
改めての謝罪には微笑みが返される]
貴方の主様、が……?
[思わずその声>>*32の指し示す赤色を見た]
一体、何を――あ、いえ。
[なんとなく聞くべきではないような予感がした]
[互いに賛辞を交わした>>*33後、個人的な願いを告げれば快諾を返される>>*34。
それには蛇竜も、更に表情を綻ばせて]
ならば、とっておきの浜辺を探さなければいけませんわね。
それに、お花や木々を見に行くのも楽しそうですわ。
[これまでなら考えられなかった"ちょっとしたお出掛け"を、すぐそこにある未来のように、弾んだ声で語った**]
ああ、見えたな。
[標となった。という言葉に頷きながら、傷口をぐっと抑えていて]
…よし、治った。
[傷がふさがった]
ということで早速標となってくれないか?
[進むべき道が見えたのなら、早速する進むのがこの男。
ヴィンセント>>*19を真剣に見て]
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