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[黙とうを捧げ終わり、そして覚悟を決めた。
それは、じわり、じわりと染みを広げたその紙を、"黒い紙"と決めただけのこと。
白く見える黒い紙……なんてものは存在しないのだから。
そして、カレルへと通信を飛ばす。
初めから通話目的ではなく。
ボイスメッセージで、「ソマリがそっちに向かったけど大丈夫?……気を付けて。」とだけ吹き込んで。
それは"万一"の保険であった。
カレルに頼むのは、とても心苦しかったけれど……。
もしソマリと会っていたならば、違和感を感じているかもしれないと思ったからで。]
[もし姿が見えたのならば、何事もなかったかのように「偶然だな」と軽く挨拶を交わし。
来る前か後ならば、まずは新たに増えた――自らがこの手に掛けたセルウィンのコクーンへと向かう。]
──── 医務室 ────
ぇっ……ぁ、ぃゃ……ロー様のせいではありませんよ…!
[ 誰が悪いわけでもないのに、謝られては慌ててしまう。>>237
……悪いといえば、私がお側にいなかったのが悪いのだ。 ]
それに、ロー様がお側にいて下さったのなら
絶対大丈夫な気がします。
[ 何でかわからないけど、そんな気がするのだ。
ベッドの上で正座すれば一度止められるけれど
"ふわふわしてて膝は痛くないですし、
これが落ち着くのでこのままでいさせてください"
とお願いし、そのままにさせてもらった。 ]
[ 質問する時、心臓がばくばくと大きな音を立てていた。
彼からの返答は、私の予想通りのもので>>238
やっぱり…と俯いてしまう。
けれど続けた問いに答えはもらえなかった。
こんなことは初めてだ。
彼から答えがもらえないなんて。
だから驚いて、はっと顔を上げて彼を見つめる。 ]
え…………?
[ 主人に直接、と言われて仕舞えば返す言葉もない。
…その通り、なのだから。
うぅ…と眉を下げてしょんぼりする。
口元に彼の指が近づけば、
今にも噛みつきそう勢いでそれを見つめただろう。 ]
[ そういえば、とこぼれた質問。
彼の口から告げられる名前。>>239
ぞっとした。
まさか、本当に2人のうち何方かの名前が出るなんて。
さぁっと血の気が引いていく。
嫌な予感。 ]
────っ、行きます…!
[ 彼の問いには食い気味にそう答えてベッドから飛び降りれば
メイン・サロンへと走り出した。
彼はついてきてくれるだろうか。 ]*
──── スノウ様とお話しした時 ────
[ 白くてふわふわしていて、綺麗な猫。
見ていてとても癒される。
────けれど。
私は伝えなくてはいけない。
"じんろう"だと思う人の名前を。 ]
……スノウ様。
今日は…ツェーザル様でお願いします。
[ 撫でられたならふわりと撫でて
"ごめんなさい…"と呟いた。 ]*
[偶然だなという彼>>254には、そうね、と答えた。
まっすぐにセルウィンのコクーンに向かいう様子を眺めながら。
その黙祷の間は沈黙を保つことにする。
自らが殺した男に、黙祷する様子には眉を顰め。
……たとえ殺された本人がそれを望んでいたとしても。
そしてそれが終わり、先ほどはすまなかったと言われれば。>>259]
ええ、構わないわよ。
私も、ちょっと気が動転してたみたい。
ちゃんと告げればよかったんだけれど……。
マーティンが恋天使じゃないか……ってね。
[つい、口に出せなかったと困ったように頬を掻く。
花に目を細める様子は、いつものソマリ。
……でも、もう……知っているのだ。]
[どうかしたのか?と不思議そうに聞かれれば、再びにこりと笑う。
上手く笑えていると思ったが、やっぱりいつもみたいにはいかないようだ。]
やっぱり、ソマリは分かっちゃうのね。。
[そう言って、困ったように苦笑する。
そして、そのまま彼と視線を合わせ……理由も動機も全部すっ飛ばした結果だけの言葉を放つ。]
……"約束"覚えてる?
ねぇ、ソマリ?
それを果たしたいって言ったら……
大人しく殺されてくれるかしら?
[ごくごく自然に、花屋のテーブルで向かい合い、世間話でもするかのように。
そう言って、にっこりと微笑んで、滑らかな動作で腰のナイフを抜いた。
それは本気をと覚悟を示す証。
迷うことなく切っ先をソマリに向けたのならば、彼はどんな反応をしただろうか。]
―船内のあちこち―
[クレメンスとツェーザルの、決着がついた後のこと。]
二ンゲンとシステムにより、
貴方が現時点で、最も危険と判断されました。
………【ツェーザル】
[ふわりと空に現れた白い猫は。
死神に弄ばれる運命となった男の、首から下がる指輪に。
哀しげに碧い瞳を細めながら、そう告げた。]
[それを見ても、笑顔で殺すと言って来られても、特段驚くことも無かった。
――ああ、そうか。気付いたのだな。
とだけ。後で感情が追いついてくるのかもしれないが、今はまだ知ることは出来ず。]
そうか、気付いたのか。
……そうだよ、俺は人狼だ。
今まで隠していて済まなかったな?
だが、隠さないと、このようにすぐに命を狙われるものでな。
[もし切りかかって来るならば、言葉とは裏腹に回避の行動を取ろうか。
――まだ、“ソマリ”としての意識は保ったまま。*]
[ 正座をして謝られたならば
居心地が悪くなるので止めるところだけれど、
落ち着くのでこのままで、と言われたら>>256 ]
それほど言うなら好きにし給えよ。君。
[ と、ベッドに正座する彼女と向き合う形になる。 ]
……僕が傍にいたら…。か。
本当にそうかどうかはわからないけど…
そうだな…、そう言ってもらえると少し…嬉しいかな。
[ ローが側に居ればカレルは大丈夫な気がする、と。
それは彼女の直感のようなものだったのだろうか。
そうだったにしろ、違ったにしろ、
彼女の純真無垢な灰色の瞳で言われたら、
薄らと笑みを浮かべて、ありがとうと学者は言った。 ]
[ 彼女からの質問には秘密、と返し。
しょんぼりと眉を下げる彼女の頭まで
そのまま伸ばした手が避けられないなら、
軽く彼女の頭を撫でようと試みて。>>257 ]
そうがっかりしなくても、
君のご主人は優しい人のはずだ。
君に――君が聞きたいと望むなら
きっと、教えてくれると思う。
[ 撫でることが叶っても叶わなくても、 ]
……ねえ、ヴィクトリア。
…カレルを――きっと、守ってくれ給えよ。
[ 答えを気にする風でもなく、
満面の笑みで、一方的な約束でも結ぶように。
蠱惑的に囁いたならば、椅子を後ろへ動かして距離を取って。 ]
命を賭して…なんていうのは、冗談だけど。
[ へらっと笑んだ後。
ソマリの名を出せば。
ヴィクトリアの顔色があからさまに悪くなって>>258 ]
……わかった。それじゃあ急ごうか。
[ 声を遮るように行きますと声が返れば、
学者は先に走り出したヴィクトリアの後を追って
メイン・サロンの方角へと走り出したのだった――。* ]
[隠さないとすぐに命を狙われるという言葉に、酷く切ない音を感じて。
一瞬表情が揺らいだことに気付かれただろうか。>>266
感情は置いてきた……なんてそんなものは思い込みにしか過ぎない。
少しのことで簡単に蓋は開く……。
それでもナイフの切っ先はずらすことなく、ソマリの顔を逸らすことなくジッと見つめた。]
私もやりたいとは思わない。
この行動が人狼にとって……
酷く身勝手で、人間の独りよがりな行為
だってことも理解する。
……でもね。
ソマリが誰かを殺すのを見るのは嫌よ。
[自分ならば、殺されても仕方がない。
しかしその爪が、カレルやロー、ヴィクトリアといった大事な人に伸びるのならば。
私は貴方を"止めなくちゃ"ならない。
それが殺すという行動とイコールなのだとしても。]
[彼にはそう告げたのを最後に、トンっと、軽い動作で地面を蹴って……。
身軽な体躯を生かして、その懐にもぐりこもうと距離を詰める。
突っ込んだ勢いのまま、ナイフを真横に一直線に振ったならば……
その切っ先は、彼の皮膚を捉えただろうか。*]
.
―少し前/ヴィクトリアの申告―
[ヴィクトリアの告げた名>>260に] [白い猫は頷いて]
[撫でて貰えば碧い瞳を細める]
[彼女の肩に] [舞い降りた時のように>>128]
[あの時は]
[彼女の語る話>>129>>130>>131に]
[白い毛におおわれた耳を傾け]
少しも変じゃないにゃよ。
スノウは、リアにゃんの“意思”と“勇気”を、
素晴らしいと思うにゃよ。
リアにゃんは、生まれながらに意思と自由をもつ、
ひとりのニンゲンにゃからね。
[そう囁いて] [彼女の涙の伝う頬に]
[柔らかな頬を] [そっと摺り寄せたのだったか。]
[ナイフの輝きが彼女の揺れた表情を照らす>>270。]
誰もかも、出生と親は自分で選べない。
俺は、生まれながらに人狼の子として生まれた“罪“を背負っているんだよ。
本来は、人と狼の共存する星で一生を過ごす筈だった。
だが、それすら許されることなく人の世に放り出された。
宇宙連邦に見捨てられてな。
俺らは平穏に生きる事すら許されない。
……俺は、生きる為に多くの命を奪ってきたさ。
こうして、人間が異質を排除していくのと同じようにな。
つまり、同じなんだよ。
人間も、人狼もな。
……分かるか?
生きているだけで死ねと言われる者の思いが!?
[今まで言えなかった本心と感情を吐き始めると同時に、ぼうっと瞳に緋が宿り始める。]
じゃあ何?
ソマリを殺さない、だから私達も殺さないでって言えばいいのかしら。
それとも、殺しても本能だから仕方がないっていうのかしら。
そういう種族だから仕方がないって?
……傲慢よ。
それを許可していたら、人間だって殺人を犯す犯罪者で溢れてるわ。
人間も人狼も同じよ、それは理解できる。
でも本能だからって、その本能に、ただ従うだけなのは納得できない。
分かるか?ですって?
分からないわよ!!
分かる訳ないじゃない!!
ソマリが私を完全に理解できないように、私も貴方を完全には理解できないわ。
[一息でそう言って、ナイフを振りぬいた。
しかし、鋭い切っ先が彼を、捉えても、捉えなくとも。
力の差は火を見るよりも明らかで……。
ソマリがそのナイフを持つ手を捉えようとするならば。
いとも容易くとめられてしまうだろうが。]
[少し様子のおかしい姿を見せるクレメンスにも御構い無しに死神はナイフを構えて突っ込んで行った。>>203>>204
男にとっては幸いか、左足を切り裂いてはしまったが突き刺さる事は回避してくれたのだ。
そのおかげでこちらは体勢が崩れて転びそうになったものだから、当然死神がそこから立て直そうとする……が、何か足に引っかかって失敗し床に体を打ち付ける形ですっ転んだ。]
……っ?!
[転ぶ寸前に見えたのは相手の左足、足掛けをされて体勢を崩されてしまったらしい。>>205
急ぎ立て直す為に立ち上がろうとする死神だった、が……少し上体を起こしたところで動きが止まる。
立ち上がろうにも、左むねに……ナニカ、が……]
[男の声のようで、明らかに男のものではない虫の鳴き声のような耳障りな音の混ざった声を上げて
しかしすぐにその声はピタリと止まって]
ごめん、な
[声量のない掠れた声で一言そう溢して、バタリと床へ倒れた。
”落し物”の指輪を渡してくれないか、とか
やっと死ねるんだ、とか
言いたい事はもう少しあっただろうに、男が最期に残した言葉はたったそれだけだった。]
[そうして男が事切れてすぐ、刀を突き刺さっている傷口から指先よりも小さな物体が血に混じって流れ出たが、それをクレメンスが見つける事はあっただろうか。
よく目を凝らして見ない限りは気付けない大きさだけに、見逃してしまっても無理はないが
もしその物体を見つけられたなら、暫しもがき苦しんだ後ピタリと動かなくなる虫のような姿をした小さな生物を見る事が出来ただろう。
どちらにせよ、小さな虫の姿をした”死神”が絶命すれば”遊び”は死神の敗北で幕を閉じる。
クレメンスを蝕んでいた強烈な負の感情もすぐに消え去るだろう。
それでも”遊び”の記憶は大なり小なり残ってしまうが
死神と、死神として生きて来た男が死んだという事は確かに理解出来るはずだ。**]
命がけで殺してみろよ。
なら、俺も命がけでお前を殺してやる。
そうすれば、俺の思いが分かるだろう。
……それにきれいごとを言っても、どうせお前は俺の仲間なんだよ。
外に出れば迫害される。
そうなった時、俺が言っていた意味が真に理解できるだろうな。
[一旦怒りと感情に支配されれば、制御など何処吹く風。
カサンドラがナイフを持つ腕をさっと掴もうとする。
既に爪は、先日セルウィンの腕に多大な傷を作った時のように伸びていた。
掴む事に成功すれば、当時と同じようにじわりと力を込め握り締める。
セルウィンの時と違うのは、ソマリの意識があるか否かのみ。
当時の意識は無く、今は“在る”。*]
……良い顔だ。
なら、俺も遠慮せずに行ってやろうか。
[カサンドラの笑顔には笑顔で返し、人狼の身体能力で瞬時に懐に迫り、鋭い爪で首筋を押さえ込もうと、手を振りかざす。
通ればそのまま力を込め首筋を握り締めて。]
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