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聖神神官長 ルートヴィヒ は 大地の守護者 アイリ に投票した
― 聖神神殿・儀式の間 ―
……行った、か。
[世界樹の枝と根、それぞれに強い四大の力が生じたのを感知し、小さく呟く。
手にした四つの輝石は、どれも美しく輝き力を帯びていた]
力の強さは『以前』よりも遥かに上か。
……これならどうにか……。
[どうにかなるか、と。
最後まで言い切る事はできなかった]
……っ!
[不意に、衝撃が伝わる。
物理的なものではない──精神的、魔力的なそれは、力を注いでいた結界が揺らぐ事で生じた事]
来たか……『
[これ以上、その侵入を抑え込むのは難しい。
八人の勇者たちが十分に休養を取れたか確かめる暇もなく、神官長は手にした四つの輝石を傍らの台へと置き、愛用の長棍を手元に呼び出した。
真白の上にあしらわれた銀の細工の中央で、大粒の真珠が煌きを放つ]
気配が二つ……ご丁寧に、上と下からの同時攻撃、と来るか。
一方だけでも抜ければ重畳、とでもいうところか?
[梢には聖神の聖域があり、根は文字通りの礎。
どちらが抜かれても大事なのは変わらない。
変わらないからこそ──為すべき事は、ただ一つ]
……全員、聞こえるか!
[最早、物言いを飾る必然も余裕もないから、向ける言葉は素の口調のまま]
『世界樹』の結界が破られ、『混沌の王』が侵入した。
枝と根、それぞれに一つずつ、現身が出てくる。
……こいつを放逐しなければ、『世界』の混沌回帰は免れん……が。
今のお前たちなら、ヤツを叩き出す事ができる!
[きっぱりと言い切る。
短い期間での目覚ましい成長、秘めた輝きの強さ。
それらは、無茶と思える挑戦すら可能だと確信させるもの]
外への影響は、気にするな、そいつは、こっちで何とか抑え込む!
『世界』を救い、全てのものの
[叫ぶように言い放った後、神官長は神殿に残った側近を呼び出し、指示を飛ばす]
神殿に務める者全員と門前町の住人に触れを。
これより、我らは祈りの力を持ってして、『世界』救わんとする者たちを支える、と。
……近隣の町や村にも、届く範囲で報せを出せ。
状況への問い合わせがあったら、現状を説明して、『勇者を信じて祈れ』と伝えろ。
[『混沌の王』の現臨は、世界各地にも影響を及ぼすはず。
それへの対応なども含めた指示を飛ばした後]
……さて、ここが正念場、だな。
史書より抹消されし天の英霊とその血脈を継し者、として。
やれるだけ、やってやろうじゃねーか。
[一人、儀式の間に残ったその口元に浮かぶのは不敵な笑み。
遥か、古の戦いにおいて、四大の勇者と共に戦った者──天聖の勇者。
彼の存在は、とある事情により全ての記録から抹消されている。
その血脈を秘かに受け継ぐヴェルトラオム家の当主として、そして、輪転を繰り返す天の英霊を宿す者として。
何より、この世界に生きる者の一人として全力を尽くす、という意志を言葉に変えた後。
神官長は長棍を構え、静かに力を高め始める。*]
― 聖神神殿・儀式の間 ―
[自身の力を高めつつ、同時、拾い集めるのは祈りの力。
各所で高まり、集うそれを集中し、『混沌の王』へと挑む勇者たちへと向ける]
…………。
[戦っているのは、彼らだけではない。
そんな事は、改めて言わずとも理解しているだろうから今更は言う事はなく。
ただ、己が為すべき事を粛々と果たしていた……のだが]
……別に、一人で背負ってるわけじゃあねぇんだがな。
[ふ、とぼやくような声が漏れる。
根側に指示を出した時にタチアナに言われた事がふと、過って消えた。
あの時はこちらも余裕なく、なにも返す事は出来なかったのだけれど]
そも、一人で背負えるもんでも、背負っていいもんでもない……そのくらいは、わかってる心算なんだがねぇ。
[それが伝わりにくい原因は、何となくわかっているから。
零れ落ちる言葉には、その原因に対してぼやくような響きが混じる]
……天は全てによって支えられ、天は全てを包み、護る。
[小さく呟くのは、天の英霊の魂に刻まれし言葉]
どれか一つが欠けても、どれか一つが特化しても……成り立たん。
[だからこそ、勇者たちの覚醒を急ぎ、協調を、と繰り返した。
その成果は確実に現れている──だから。
自らの意思でその道を拓いた彼らに応ずるべく、再び、力の制御に意識を向ける。*]
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