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――ここに来れば、何か変わるのかもしれないって思いました。
少なくとも
[そこまでを語って、蛇竜は長く息を吐きだした。
それから、ぽつり、と零したのは]
でも、そんなこと、申し訳なくて口に出来なかった……。
[もう一つ、心を縛っていたもの。
主への後ろめたさだった*]
[扇が変じた羽衣が、ふわりと竜の身を運ぶ。
膝に上がった男の胸に添えた手から伝わるは、鍛え上げた硬い肌。
けれど、もう一方の手、指で触れた唇は男に触れる竜のそれと似た柔さ。
相応、男の身にもこちらの重さ、温もりを伝えながら]
やはり主でも、こちらまでは鍛えられぬものなのじゃな。
[面白いと笑うその顔は、見目相応の少女のような素直さを隠さぬもの。
伸ばした手指へ、重ねられた手には最初、不躾を咎められたかと過ったが]
…ならば、此度の舞台は儂らの独壇場と出来るのぅ。
[月が身を引くならば、残る華が主役に成ると。
そう言って笑む竜のかんばせに乗るは自信に満ちた、けれど確かに恥じらいも含んだそれ。
重なる手はそのままに、視線をふい、と脇に逸らして]
さて、そろそろ降りるとしようかの。
時間もそうじゃが、主も儂もこの身形じゃ。
人目があればあらぬ誤解をさせてしまう所じゃろうて。
[己が纏うは、華霞に煙る雷光のような淡い薄衣。
肌を隠さず最低限の衣しか身につけぬ男の膝に上がる様相は、傍目があれば目を逸らされても不思議ではない。
小娘にでもなったような不思議な心持に、内心一つ、調子が狂うのぅ、と苦笑の溜息を落とした]
─ 回想/準備中 ─
[身支度を整えて、ぱちんと扇を鳴らしたは気持ちの切り替え。
そろそろ月の舞台へと向かおうか、と主からの呼び水に一度うむ、と頷いてから]
のぅ、主や。
儂はずぅっと、この場において座は飾りと言うておったろう。
何故儂がそういうか、主は分かるか?
[ふと、男に向けて切り出したのはそれまで交わした言葉とは脈絡のないもの。
主がどのような顔をみせるか、竜はそれには構わずに言葉を続ける]
この舞台が何故に用意されておるか、それは儂にもあずかり知らぬこと。
じゃがの、幾度と呼ばれた故にこの舞台の在りようは推し量れる。
この月の舞台は、言うなれば一つの『せき』じゃ。
主らの世界と儂らの世界を隔てる関であり、
この場に流れ込むだけの力を持ち、
この場が耐え切れるまでの力しか持たぬ者を通す堰。
本来の力がどれ程であろうと、この場に喚ばれた時点で力の差など有って無いようなものとなる。
それこそ、どれ程川幅が違おうと堰が通すを許す幅しか水が流れぬと同じ様にの。
主は魔術を上手く使えぬと言うておったが、主の身に宿る力は膨大じゃ。
それを使えばいくらでも魔術など使えるだろうに上手く使えぬ、ということは。
おそらくは主の身の内、もしくは主自身が堰となっておるのじゃろう。
[そういうと、男の胸に当てたままだった扇を己の手に戻して]
これを言うて何がどう変わるとは思うておらぬ。
じゃが、ほんの少しだけ頭の片隅に置いておいても邪魔にはなるまい。
…まぁこれは建前じゃがの。
主は儀式の折、儂の力を利用したであろう。
それなのに主自身の力は上手く使えぬなどと言われるが納得いっておらぬだけじゃしのぅ。
[そんな風に笑って言う竜の声音、隠す気もない気位の高さも男はもう馴染んだものか**]
竜神同士の本気の相対……。
そう、多く経験出来るものでもないですものね。
[それは蛇竜の心を縛っていたものの一端でもあったのだけれど。
眼前、皇玉としてでなく同じ竜神として対している雷鳥竜>>*35に、改めての敬意を抱きつつ向かい合う。
水の刃のせ振るった棒杖は、しかし蠢く蔓によって相手に達するのを阻まれた]
……この姿で、速さを褒められるなんて、
――――っ!
[返そうとした言葉は、しかし雷鳥竜の次なる動きによって途切れた。
振り子の如く振るわれた蔓、その先にあるのは――]
くっ!
[一旦退かざるを得ないと、振り下ろしで体重の乗った足で後方に跳びつつ振り子の先端へ水剣の柄を向ける。
胴への直撃は防いだものの、衝撃が一瞬攻撃の手を止めさせた]
こちらの武器を使われるのは、予想外でしたわね……。
[破損に頓着せずにいたことが仇となったか。
とはいえ半分はこちらの手中にある以上、"作り替え"は出来る]
なんにせよ、武器を届かせなければ、お話になりませんわ。
[棒杖は再びその長さを伸ばし、更に上部の先端からは、磨き上げた骨色の大きな曲刃が生える。
選んだ形は、草を刈り取るもの――大鎌]
これなら、どうですっ!
[武器を変化させる間に、相手はなんらかの態勢を整えていたかもしれない。
それでも構わず踏み込んで、上段より大鎌を振り下ろした*]
そうさの。
その点においては其方よりも儂の方が有利じゃな。
いうて其方も、一戦を経ておる分儂よりも身体を動かしやすいという利があるがの!
[過去の経験よりも直近の実戦の方がより強い利だと翠が笑う。
それは侮りからではなく、>>*42向けられた敬意を受け取ったが故。
その証拠に、竜が対峙する海の者へ向ける戦意の手は緩まない。
振り子の如き蔓が狙った一撃は、水剣の柄に防がれてしまったが]
使えるものは何でも使うは、儂の主から学んだ事での。
なりふり構って出来る事をせぬなど失礼じゃろう?
[>>*43鎧の空きを作ることは出来なかったものの、御陰で更なる追撃は避けられた。
開けた距離は互いに仕切り直しの時間も稼ぎ、ぱちんと扇が閉じた音に蠢く蔓は消え。
対する竜が棒杖を繰り、新たな得物を作り上げるその様を見ながら翠は再度、扇を開く]
其方の得物はまるで無尽蔵じゃのぅ…良い、良いぞ。
ならばその刃、儂に届くか試してみぃ!
[言いながら横に扇を薙ぎ扇げば、ざ、と挙動に合わせて矢竹が生え伸びる。
細く、けれどしなやかな強度を誇るそれらは、振り下ろされた大鎌の挙動をどこまで逸らすか*]
[「竜」の偽物。
その言葉に対して頷きを返す。
出自が原因で竜に劣等感を持つ、と言うことはないのだが、憧れに似たものは抱いていた。
ただそれも、ツェーザルの言葉で「竜」の偽物という意識から、個としての自信に転化されていく]
…うん。
ぼくは、ぼくだ。
ありがと、ツェーザル。
[とんでも理論だったとしても、救いとなる言葉]
ツェーザルが、出来損ない?
[俺の方が、と語り始めるツェーザル。
再生せずに鱗が剥げたままの肌が痛々しい。
その場所を労わるように、そっと手を伸ばす]
……そ、なんだ…。
そんなことがあったんだね。
……そっか、だからもう一人、竜の姿が見えたんだ。
今もツェーザルと一緒にいるから。
[もう一人の声も聞こえたことがある。
今もツェーザルの片割れはツェーザルの中で生きている、そんな気がした]
[初めて聞く、ツェーザルの願い。
自分のことで手一杯で、彼の話を聞けずにここまで来た。
その願いが、叶えられていたと知り、メルヒオルは目を円くする]
ぼくが、きみを召喚したから……。
ぼくが起こして、喚んだから。
ツェーザルは自由に飛べたんだ。
そっか……そうなんだぁ。
[ツェーザルの願いを叶えたのは自分。
その事実が心を温める。
ふわふわしたこの感覚が『嬉しい』という感情であるとは、今は気付かぬまま]
……ね、ツェーザル。
このままこっちに残る気、ある?
ぼくは、”ぼく”であることについては自信を持てた、けど。
生きる意味をまだ見つけてない。
一緒に、探して欲しい。
[舞闘会が終わった後も一緒にいて欲しい、と。
目線だけで見上げるようにして願う*]
― 個別領域 ―
[草原に聳え立つ大木。
その下で寝転がり、休息を取ることしばし。
傷の治癒は進み、重症だった胸の矢傷も内と外の両方から塞がっていく。
完治にはまだ時間がかかるが、動くには支障がない程には傷は治癒していた]
ツェーザル、傷の具合は?
[魔力やメルヒオルの血が必要であれば分け与えようと問いかける。
既に流れた血では治癒の効果はない。
ヴィンセントに渡した時のように凝縮したものならば話は別だが、治癒効果があるのは鮮血の時だけだった。
血を求められるなら、最初に与えた時のように小型化したランスで指先を突く心算*]
[意外、という言葉>>*38にあ、やっぱりズレてる、なんて思ったけれど、それ以上は触れる事無く。
ぽつりと落ちた言葉>>*39に返す間はなく、舞台へと落ちる。
とっさに風を手繰って衝撃を和らげるクッションを作ったものの、痛みを完全に止める事はできなかった]
……ってぇ、が……。
まだ、飛べる範囲だな。
[翼の動きは損なわれてはいない、ならば、と。
思った所に向けられた問いかけ>>*40に紫苑色が瞬いた]
……別の理由?
[言われた言葉と、視線の流れ。>>*40
紫苑色は再び瞬くものの、戯言、と続けられればそれ以上は追求せず、ただ]
魔術の根本は、意志の力だと、
だから、願う事、思う事を忘れるな、とな。
[静かな口調で言いつつ、態勢を立て直す。
筋肉の隆起による治癒……なのか、とにかく傷が塞がる様子にとんでもないな、と呟いて]
……いや、ちょっとまて。
[独楽のような回転から生じるあれこれ。>>*41
どんな作用だ、と思いながらも翼を広げる]
さすがに、そいつは喰らえんぞ!
[風の障壁のお陰でダメージの軽減はできているが、基本的には打たれ弱い。
弓を主武器としているのは、そこもあるわけで。
躊躇う事無く再び舞い上がるが、逆巻く風や熱気の影響は少なくない。
煽られるような感覚に舌打ちしつつ、それでも]
止まるつもりは、ないんでな!
[宣と共に弓弦を引き、天に向けて矢を放つ。
まともに狙っても当てるのは難しいだろう。
ならば、と狙うのは数の掃射。
天に向いた矢は無数の矢へと転じ、巨躯へ向けて降り注いだ。*]
― 回想/個別領域 ―
[問いかけに返ったのは、頷きによる肯定。
次いで語られるのは、蛇竜の過去。
海のものであるが故の憧憬と、それ故の相容れなさが齎したもの。
それはどこか、懐かしさを感じるもの]
……
人の世界に興味を持って、一人で飛び出して。
……ま、色々あって、自分が異端と思い知る結果になったが。
それで一時期、魔界に引きこもった事もあった、な。
[状況は異なるだろうが、似たような過去を経てきたのであれば、それも呼び合う要因となったか、などという分析は今は置いて]
……確かに、ここは力の集う場所。
故に、滅多な事じゃあ壊れない。
ここでなら己が在り方を、力の方向性を見出せるかも知れない……って思うのは、まあ、ありだろ。
[ひとつ息を吐き、紫苑色を領域の空へと向けて、零すのはこんな言葉]
……ま、何というか。
きみはもしかしなくても、考えすぎる癖がついてないか?
この場所に集う者は、皆それぞれに思う所を持つ。
それは他者があれこれ言って、どうこうできるものじゃない。
で、少なくとも、その理由は、
[ここで一度、言葉を切って]
だから、ま。
……申し訳ないとか、思う必要はない。
まだ望みがないなら、ここでの事を探す契機にすればいい。
案外、何とかなるもんだぜ?
[笑みと共に向けたのは、軽い口調の言の葉、ひとつ。*]
[確かに先の一戦は、人の身に慣れ温める意味でも効果があった。
互いの利を確認し終えた所>>*45で、戦闘は仕切り直され、新たな局面を迎えていた]
あの御方から……。
[脳裏に少しばかり奇抜な、しかし心根の好さそうな男が思い浮かぶ。
華麗な雷鳥竜とは対照的とも思えたが、しかし良い相棒でもあるのだろう]
わたしも同じですわ。
決して、出し惜しみしないこと――
[微かに笑みを浮かべて再び床を蹴る。
こちらが武器を用意する間に、相手もまた手を変えていた>>*46。
生え伸びる緑の植物の名を、蛇竜は知らなかったが]
――っ! これ、は……!
[しなやかに撓んだそれが、大鎌の柄を受け止め、その動きを阻む。
刃先に触れたなら切り裂けもしようが、腕力のみで押し切るのは無理というもの]
すごい……。山には、こんな"生命"がありますの?
[海の"生命"を力とするものとして、興味と感嘆の声を零す。
攻撃が通らない以上、一度退いて再度斬り直すしかない、のではあるが]
きっと、届きませんわね、それでは……。
[そう独り言ちながら、蛇竜は逆に、己の腕の限界まで矢竹と力比べをする。
そして]
伸びなさい――水柱!
[叫ぶと同時、蛇竜の身は撓んだ竹の反作用を受けて跳ね飛んだ。
無論、ただそれをすれば他の竹か床に激突するのみであるが――次の瞬間、上方へ向けて伸びる水柱が蛇竜の身を呑み込んだ]
[水柱の勢いにより、幾らかの幹や枝は横へ押し退けられただろうが、強引な上昇により枝葉がぴしりぴしりと顔や腕を打つ。
しかしそれには構わず、矢竹の林の高さを追い越して]
ここです!
[中空に身を投げ出し、再び大鎌を構える。
そして雷鳥竜の居場所向け、落下しつつも振り下ろした*]
[新月の空のした。
月の舞台に力が踊る]
『さてさて』
『此度はどちらに傾くかな?』
[楽し気な声の後、しゃらん、と鳴るのは微かな鈴の音。*]
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