――っ! これ、は……!
[しなやかに撓んだそれが、大鎌の柄を受け止め、その動きを阻む。
刃先に触れたなら切り裂けもしようが、腕力のみで押し切るのは無理というもの]
すごい……。山には、こんな"生命"がありますの?
[海の"生命"を力とするものとして、興味と感嘆の声を零す。
攻撃が通らない以上、一度退いて再度斬り直すしかない、のではあるが]
きっと、届きませんわね、それでは……。
[そう独り言ちながら、蛇竜は逆に、己の腕の限界まで矢竹と力比べをする。
そして]
伸びなさい――水柱!
[叫ぶと同時、蛇竜の身は撓んだ竹の反作用を受けて跳ね飛んだ。
無論、ただそれをすれば他の竹か床に激突するのみであるが――次の瞬間、上方へ向けて伸びる水柱が蛇竜の身を呑み込んだ]