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……ありがとう。
動けないままだったら、その、運んでもらう……の、お願いするかもしれないわねえ。
[できることを探してこなそうとする、その気持ちだけでもじゅうぶん嬉しかったから。>>+4
笑みを見せて応えた。
そうこうしているうちに仔竜からの伝言とともに癒しの風が届き。>>2:215
自力で起き上がれるようになったミリアムは、
自分とキアラ、双方の負傷を治癒しにかかった]
ううん……。
[――が、派手に大技とも言える魔法を行使した後だったためか、
治癒魔法の効果は万全には及ばなかった。手は動かせるようになったものの。
休息は必要だろう。どのみち戻らなければならないし]
そうねえ、さすがに疲れちゃったみたいだし。
戻って……… って、え?
[戻ることを了承した直後。
かけられた言葉にやや首を傾げている間に、
キアラに抱きあげられていた、横抱きに。>>+7
運ばれる体勢としてそれは予想の範囲外だったわけで]
わ、ねえっだいじょうぶ? 重くない?
[鬼族だから腕力に不足はないだろうということを忘れ思わずびっくり顔で問いながらも、
その体勢のまま中層まで降りていった*]
[どうやらミリアムは予想以上に消耗していたようで、治癒魔法だけでは回復は不十分なようだった。>>+9
一度中層に戻る流れになった所で、徐にミリアムを抱き上げる]
アハハ、このくらい軽い軽い!
[驚いた様子のミリアムに笑って答えつつ、そのまま中層まで下りていく]
― 『世界軸』中層 ―
[中層には他の面々も戻ってきたようで、特にトーマスの部屋>>2:246からは良い香りが漂っていた。
誘われるままに部屋へ向かえば、もてなしと共に、島の特産品に関する進捗>>36も聞くことが出来たのだった]
なるほどねぇ。完成したら是非アタシにも試食させとくれ。
[鬼だから辛さへの耐性はあるが、それでも他種族向けの味付けというのは気になるのだった]
[そうしてその場の面々と言葉を交わしつつ、十分に体力が回復した所で『奥の院』へ向かう*]
― 『世界軸』中層・奥の院 ―
[休憩や準備を終えれば、ミリアムと二人儀式の間へ向かうことになるだろう。
光の輪へと触れれば、目の前には今までと異なる空間。
そしてそこに立つ神子の姿があった>>*0]
なんだい、アンタも随分と疲れているみたいじゃないか。
[『世界軸』に初めて迎えられた時と比べ、明らかに消耗している様子。
見えない所で行われていることを思えば、それも当然か]
―― 『世界軸』・中層 ――
[このくらい軽い、と笑みとともに言われ、>>+10
キアラの凄さを再確認などしつつ戻ってきた中層。
気疲れもあったため、今回ばかりは神殿の者に治癒を任せることにした後]
腹が減っては戦はできない……、お?
[美味しそうな匂いを嗅ぎつけ再びミリアムの身はトーマスの部屋にあった。>>2:246
色合いも材料も様々なメニューが並ぶ中、
シーフードカレーに懐かしさを感じて思わずおかわりまでしてしまった。
なにせ故郷においてはめったにたべられないごちそうであったために]
ああっ、そのお料理私も是非試食してみたい!
なんというか人間代表として?
[と、トーマスとキアラのやりとりに横から乗っかったりもした。>>36>>+11
なお辛いのはあまり得意ではない]
そうだね、のんびりお話している場合ではないか。
[残る八竜の名を挙げる神子>>*1に頷く。
しかしその口振りには、どこか引っ掛かるものがあった]
八竜以外にも、何かあるのかい……?
[疑問に思いはすれど、追究は今はせず]
――下層、ねぇ。
[神子が告げた言葉>>*2には思う所があった。
伝承が正しければ、下層の更に下には魔界が在り、鬼族の祖先はそこから現れたというのだから。
そう思考に沈んでいた所で、神子の思わぬ言葉に瞬いた]
妖魔の掃除って……アンタそんなことまでしていたのかい?
ああ、いいさ、後はアタシらの力でなんとかするから。
[ね、と、力強い眼差しを相棒へ向ける。
それからこちらを案ずる神子へ]
アンタもね。
無理するな、と言ってられる状況でもないけど……八竜でもなんでも、相手できるものなら引き受けてやるさ。
[少しでも神子の背負うものを減らせれば、と努めて声を張り。
ひらりと手を振って、下層へ繋がる門を潜った*]
[トーマスとニアミスしたかどうかについては、>>2:4
お店の名前を聞くことができていれば思い出せただろう。
とある街に滞在した時に話を聞いて、
珍しい食材を用いた食堂兼酒場というものに興味を抱いたものの、
なんとなく漢くさいイメージを抱いて入店に踏み切れなかった、記憶。
それが今こうして食事にありつき言葉も交わしているのだから、
縁とは奇なるものである。
やがては休息の時は過ぎ、中層に新たに現れた光の輪>>2:216を通って向かうは『奥の院』]
―― 『世界軸』中層・奥の院 ――
[そこにいた神子は、どこか疲れたような笑みを向けて二人を迎え入れた。>>*0]
良き形……ええ、そうねえ。
[結果は上々だ。
とはいえどのような心積もりであの試練を課したのか気になりはしたが、
のんびり話している場合ではないのも確か。>>*1>>+14]
下層ねえ……素直に上に行けって言われなかったからもしや、とは思っていたけど。
ともかく安定まであともう少しってワケね。
[神子の口ぶりからするとまだ安心できない要因がありそうだが。>>*1
まずは目前に迫る敵をどうにかすることを優先しよう、と思いつつ]
掃除? 私達が戻ってきた時いなかったのってそのせい?
[何というか至れり尽くせりだが。>>*2
それで神子が疲弊してしまっては本末転倒なのではないか。
相棒が向ける力強い視線に頷きを返した後、>>+15
こちらを案ずるいろを眼差しに浮かべる神子にまっすぐなまなざしを向け、]
キアラの言う通りよ、確かに状況はまだよろしくないけれど。
今の『柱』である私達の代わりは誰にもできないように、
貴方にだって代えはいないはずよ、だから……、
[無理するな、と言いかけたのをそのまま飲み込んで、]
― 『世界軸』下層・心の広間 ―
[下層へと下った先には、『深淵』の時と同様広間があった。
しかしその中に待つものは、闇竜とは異なる姿をしていた]
こいつが心の龍かい。
なるほどね――アタシの故郷でいう"龍"と、同じ形のヤツもいるわけか。
[瑠璃色の鱗に覆われた胴は長い。一見蛇のようでもあるが、背には皮膜の翼があり、地を這うだけではないと示していた]
ま、形なんてものは関係ない。
どんな相手でも、雷で焼くだけさ!
[引き抜いた苦無を、翼の付け根辺りを狙い"真っ直ぐに"飛ばす。
図体が大きい分、咄嗟には飛べず対処が難しいと判断してのこと。
しかし――龍はキアラが苦無を投げるのと"ほとんど同時"に、翼を打ち下ろし苦無を弾いた]
なっ――速い!?
[単純な反応速度だけではない。
まるで、こちらの狙いが初めから読めていたかのような動きであった**]
―― 『世界軸』下層・心の広間 ――
これが……?
[広間で待ち受けていた八竜が一体、その姿を見てミリアムは驚きに目を見開いていた。
闇の竜とは明らかに違う。巨大な蛇に翼が生えた姿、と表現するのが近い]
へえ、つまりは東の方の“龍”ってワケね……。
[傍らのキアラに万全の状態での強化の魔法をかけつつ、>>+20]
そうねえ、ちゃっちゃとやっつけてあの神子様に、
元気な姿をお見せしてあげないと。
[初撃――翼の付け根辺りを狙って投擲された苦無は、しかし、
心の龍の翼に打ち落された。>>+21]
えっ、……ええっ!?
[いくらなんでも速すぎる。そう思った]
……もしかしたらこの龍、最初からこういう攻撃が来るって分かってたんじゃ。
[その可能性を確かめるために、『深淵』の時も用いた探査の水球を放ってみたが、
これもまた放たれたのとほぼ同時に対応が完了していた。
つまりは尾の一振りによって弾かれてしまったのだ**]
ふう、……今回は正面突破とは行きづらい相手のようねえ。
[考える。相対する心の龍の能力はいかほどか、と。
狙われている箇所や攻撃の軌道が最初から分かる――言い換えるなら“読める”なら、
“読みにくい”攻撃を放てばどうなるか]
キアラ、……真っ直ぐじゃなくてジグザグ軌道で苦無を投げつけるの行けるかしらねえ。試練の時みたいに。
アレをたくさん放てば少しは効き目があるかもしれない。
[全く効き目がなかった場合もはやお手上げかもしれないが、
まずは思いついた手をとにかく打って見るに限ると思いキアラに提案を。
相棒の方にも考えがあって、そちらの方がよさそうなら乗り換えるつもり**]
― 『世界軸』下層・心の広間 ―
そうだね。
[奥の院で交わした会話を思い、決意を新たにし>>+22。
『深奥』に対する初撃を放つも]
ちっ……そのようだねぇ。
[ミリアムの予想>>+23に頷く。
狙いを隠したつもりはないが、それは動きを見た所で避けられまいと踏んでのこと。
しかし『深奥』は、恐らくこちらが動き出すよりも早く、攻撃を見切っていた。
ミリアムの術に対する反応もまた、それを裏付ける]
まったく……やり辛いったらありゃしないよ。
[直情的なのは鬼の性、それでも力で押し通るのが鬼族流のやり方である。
しかし、どうやら八竜は、それが通るほど甘い相手ではないようだ]
なるほどね。やってみよう。
[ミリアムの提案に頷き、両の手に2本ずつの苦無を構える。
手から離れた物を操るにはそれなりの集中力がいる。
"読まれにくい"不規則な動きを実現するには、この数が限界だった]
いくよ!
[投擲した4本の苦無を電撃が追う。
それらは上下左右に紫電の尾を引きながら、ジグザグに飛行し『深奥』へ迫る。
しかし――]
ダメだ!
[先のように一瞬で叩き落とされはしないものの、ここだ、と鱗の隙間や皮膜を狙い加速すれば、僅かな身動ぎで急所を逸らされる。
多少の傷や電撃は通れど、効果は薄いようだ]
[縦横無尽に苦無を飛ばしながら、思案に耽る。
或いはそれすらも、心の龍には『読まれ』ていたのか。
不意に龍は咆哮と共に、翼を強く羽搏かせた。
そして鱗に当たる苦無をものともせず、急激に上昇する]
しまった!
[娘らしからぬ深い思索のせいか、一瞬反応が遅れた。
身を翻し円を描くように飛んだ『深奥』は、咄嗟に上方へ跳んだキアラの身をその動きの中で掻っ攫い、胴に巻き付いて締め上げようとする]
ああ……っ!
[呼吸もままならない状況に、浮かびかけていた答えはあっけなく霧散した*]
[やはりキアラもやり難さを感じている模様。>>+26
だからと言って引き下がる、なんて選択肢は初めからないのだけれど。
4本の苦無がジグザグ軌道で心の龍へと迫る。
一瞬で叩き落されはしないものの、急所を狙ったと取れる一撃はことごとく最小限のダメージに抑えられてしまう。>>+27
息を呑んだ]
! キアラ!
[ふいに心の龍が咆哮あげて両翼をはばたかせたのを見てとっさに名を呼んだ。>>+28
その声も、しかし、
彼女らしからぬ深い思索――その声は絆の石を通じて聞こえてきていた――から一瞬で引き戻すには至らず。
視界の先でキアラが動きだした心の龍から逃げきれず身をかっさらわれるのを見る]
キアラっ! そいつは―――
[言いかけた声を途中で飲み込んで胸元に手を当てる。
せめてもの対抗策にと声なき声に切り替える]
[ミリアムが名を呼ぶ声>>+30は意識を引き戻す手助けにはなれど、龍からの回避には間に合わず。
キアラの身は龍に巻き取られ、その足は宙に浮いた。
息苦しさに暗転しかける意識を、こちらに届く声なき声で必死に保つ]
も、少しで……掴めそう、なのに……。
[抜け出そうともがいているのは、体か、心か。
――キアラの左耳の黒曜石が、光を吸い込んだようにその昏さを増したのは、その時だった]
[龍の胴体に巻きつかれもがくキアラに手は届かない。>>+31
ただ、途切れそうな意識を保とうとしているのが声なき声によってわかるばかり。
祈るような気持ちでこの状況を抜け出す手立てについて思いをめぐらせる最中、
キアラの左耳で揺れる絆石が、その昏さを増したのを見た。>>+32
目を落とせばミリアムの胸元でも同じ現象が起こっていた]
[絆石が力を発揮した、その一瞬に手立ては決まった]
―――力をここに。
[杖を振っていくたびに広間の天井辺り、龍の頭上付近をほぼ中心として、
ミリアムが水を元に生みだそうとしているものが形を為していく。
それは雲。雨を降らせる灰色の雲。
時に雷をも降らせることのできる代物。
いくら心が読めたところで、広間全部を雲に覆ってしまえば、
逃げ場なんてどこにもあるまい]
[これだけの――大波よりもさらに大規模な魔法を可能にしたのも絆石のおかげだろうか。
感情の乱れをしずめて、その結果集中力を高めてくれたか。
ともあれ、十分な雲の展開を見た直後、
杖を真っ直ぐに心の龍に向けて、叫ぶ]
―――今よ、やっちゃってっ!!
[心すら覆いつくす闇の裡に、二人の絆という確かなものが存在する。
今やその感覚だけが、キアラの意識を保つ最後の一点だった]
――すごいよ、ミリアム。
[杖の一振りごとに龍の頭上を、灰色の雲が覆っていく。
出来るかどうかもわからない、ただ信じて託すしか出来なかったことを、相手はやってのけた。
治癒術を主体とするミリアムには、未知の領域の術だったろうに]
ありがとう。これでやれなきゃ――
赤鬼の名が廃るってもんよ!!
[鬼は畏れられる者、いつだって破壊と恐怖の化身だった。
時折は疎ましく思ったその汚名を、今は龍を倒す力に変えてみせる]
轟け、積乱の雷鳴!!
[絆がくれた力を全身に籠めて、力の限り叫ぶ。
それに応えるように頭上の雲は目映く輝き、そして轟音と共に幾筋もの雷を、『深奥』へ向けて降らせた*]
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