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─ 回想 ─
[神官長が近しい者だけを集め任せた特別な仕事>>1:51。
その責任の重きは、本来ならば自分が担えるものではない。
身体能力で劣らずとも、きっと足手纏いになる。
お前には無理だと言われる可能性は高いと解っていても、願わずにはいられなかった。
だからこそ、神官長>>1:*4からもバルタザール>>1:+14からも了承を得られたことに微かな驚きと、深い感謝を抱いて]
はい。
自分の身は、自分で、まもります。
[バルタザールから付け足された条件も、当然のことだったから否も無く頷いた。
同行する面々が誰か解らずとも、その中で自分が一番未熟なのは間違いない。
序列のみならず日常生活も力の差に影響される獣の性を持つ身なれば、尚の事力が上の者に迷惑をかける訳にはいかないから]
─ 回想 ─
バルザー、さん。
ありがとう、ございます。
私…がんばり、ます。
[神官長にバルタザールから許可を貰えた報告に戻る直前。
もう一度バルタザールを見上げ、礼を言って頭を下げる。
メレディスからの口添えがあったことは知れたかどうか、彼がまだこの場に残っていたなら彼にも頭を下げてから場を辞した**]
─ 現在軸 ─
[養い親も含めた、神殿の面々の見送りを受けて出立した先は聞いていた通り─否、それ以上の厳しさだった。
今まで自分は神殿や門前町など危険の少ない場所にいた、異変があっても一度に察知するのは片手で余る程度のものばかり。
四方八方から様々な気配、敵意を感じるのは初めてのことで疲労も緊張も今までとは比べものにならない。
それでも精一杯、鼻や耳、肌など己の感覚を全て研ぎ澄ませて団が進む先の気配、異変を探りながら此処まで来た]
………だい、じょうぶ。
[同行を貰えた報告の際神官長から言われた通り>>1:*5出来る限りの準備はしてきたし、そもそも前面に立ってはいなかったから怪我は無い。
癒者から問われた治療の必要には頭を振り、他の人の治療にあたってもらう。
ただ疲労が想像していた以上に激しくて、酷く休息を望んでいる身体を休めようと間近の根に寄りかかった刹那、その感覚が自身を襲った]
─────── …っ !?
[ざわり、肌が一気に総毛立つ。
極寒の寒気にも似た震えは、歯の根が噛み合わぬ程。
獣の感覚全てが、この先に在るモノの存在を畏れ、怖れる。
『こちらには何もないのでは』
何処からか聞こえたその呟きに、かろうじて頭を振るも声すら出せない。
そんなタチアナに代わり、近くに居た騎士が否定を紡いでくれた後]
…すごく、こわい。
おおきなの、が…いる。
[いる、と肯定するバルタザールの声>>+0に、微か頷き。
怯える獣の性を何とか抑え、震える声であげた同意はバルタザールの推測の後押しになったかどうか。
神官長への確認>>+1と、その返答>>*0を聞きながらも震えはまだ残ったまま。
この先に向かうことは出来るのか、そんな弱気が胸を占め始める。
バルタザールによる新たな部隊編成、それぞれにかけられる言葉>>+2。
その中にタチアナの名前が無いことが、より弱気を広めていったけれど]
…──わたし、です、か?
[共に来て欲しいという声>>+3に顔を上げれば、同行を許された時と同じ表情が見えた。
バルタザールがどんな思いで発したかは解らない。
けれど、共に来れるかでは無く、来て欲しいと願うその言葉が──
一緒に先を進むことが出来ると信じてくれている、タチアナにそう思わせてくれて。
収まることは無いかもしれないと思わせた震えを遠退かせてくれた。
だから、タチアナは迷う事無く、確りと頷きを返し]
いっしょに、行かせてください。
お願い、します。
[此処まで来るのもそうだったように、バルタザールは一番危険な所を進むだろう。
その行く先、少しでも安全に進める様に自分にしか出来ないことを頑張ろう。
その誓いを今、改めて胸に抱いて同行を願った**]
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