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[足音が聞こえた。ふとそちらをみれば変わって尚目立つ髪色が]
ギィ
[少しだけ、彼から目を背け、その問いにゆっくりと口を開いた]
好きだ、といわれた。だから側にいてほしいと、愛していると返した。
[心のなかで未だにあれを是としない感情があったからかもしれない。彼になんと言われても傷つくような気がしたがその言葉はするりと出ていた]
[―そして男はいつものように笑う。
普通でないこの状況での変わらぬ態度は、不自然に思われるかもしれないが。]
ソマーリュ、そろそろ風呂から出ようか。
それとももう少し浸かっていたい?
―あぁ、そういえばその羽根は服に通るのか?
[緩く首を傾げながら問いかける。
出ると言うならば、手を引いて彼を外に連れて行くだろう。**]
― 回想・王子と ―
[Esに入隊した男は、その日の夜に王子に夜伽を命じられた。
寝所で生まれて初めて己の身体を開かれ、声が枯れるまで啼かされ。
その翌日、呼び出された男は何食わぬ顔で王子に面会した。
心の中は実家の事で荒れていたが、王子の前では余所行きの笑顔を張り付けて。]
『昨日は散々泣いていたものだが、それにしては元気そうだな。』
身体の節々は痛みますが、王子のご用命とあれば馳せ参じないわけがないでしょう。
『―今宵も来いと言えば?』
勿論、参りましょう。
[それから数日夜伽が続いたが、男はそれを受け入れた。
検査や実験と称されて身体が傷つけられて痛苦を味あわせられても、翌日には何事もなかったかのように振る舞う男を王子は‘おかしな男だ’と笑っていた。]
『お前は此処を出たいとは思わないのか。』
[入隊してひと月が経った頃、久々の夜伽の後に王子にこう聞かれた。
恐らくはイドにでも、様子を見させていたのだろう。]
いいえ、思いません。
[笑顔で首を振る男に、王子はさらに問いを投げ掛ける。]
『自由になりたいとは思わないと?』
王子、人には色々な思いがあるように、それぞれに信じるところがあります。
ですから俺が此処を‘楽園’と思うなら、俺にとってはそれが真実ではないかと。
少なくとも前の別荘よりは快適かと。
―それに、俺にはもう此処以外に居場所はないのですよ?
住まう場所に慣れる事に何の不都合がありましょう。
[男はゆるりと首を傾げて見せ、王子は笑った。
「慣れる」事は、これまでに父母を失い、家を失い、そして帰る家も失った男にとって生きる為の処世術だった。]
『ここが最後の場所だとよいな。』
はい、元よりそのつもりです。
貴方の為にこの身をお使い下さい。
[それ以降、時折王子に私的に呼び出されるようになった。
その際に彼から研究の話などや王子の宿願について語られる事もあっただろうか。
国外の遠征にも命じられれば欠かさず参加し、つき従う姿はまるで従者の如く。
新たな仲間が入隊し、或いは失い。
王子の思いついた無理な実験を強いられても、男はそれらに淡々と順応していった。*]
[膝を折り、リエヴルを真っ直ぐ見据える。
何処か憂いを帯びて見える彼の表情に違和感を得たが
その唇から紡がれた言葉は想定外だったらしく
驚きに、双眸を瞠らせ凍り付いていただろう]
そ、うか…、いや、驚いた。
あいつに、そんな告白が出来る度胸があったとは。
それに、……お前が男に、そんな言葉を紡ぐとは意外だったよ。
[告げる言葉に感情が上手く重ならなかった。
今、リエヴルの事を、そしてディークの事を、
二人の事を考えることが出来ないほどに、動転していて、
口に出す事を禁忌としていた言を、咄嗟に発し]
……結婚経験があるしな、お前は。
――自室――
[暗い室内を見渡して、其処が自室であると認識する。
彼が傍に居ない事を少しだけ残念思ったけれど、無事であることは誰かのイドを通じて理解していたから、我儘な落胆には気付かぬ振りをした。
自分は吸血鬼ではなく蝙蝠の仲間入りでもしたのだろうか、溜息を零す間にもイドが運び行き交う情報は頭に流れ込んでくる。小指で耳をほじってみても聞こえる筈の無い遣り取りは変わらず頭に流れ込んでくるから、耳で聞いて居るのではないのかもしれない。
其処彼処で喧しいお蔭で頭が割れそうに痛い]
……――――、違うな。貧血、か。
[偏頭痛の正しい原因に思い当たって、独り納得する。
だからといって、血を摂れと言われても余り食指は動かない。
未だ、片っ端から何にでも喰らい付く飢えた獣の様には理性は欠落していないらしい。
けれど、それも時間の問題だろうか…]
.....なんで.....どうして知ってる
[結婚歴があると知っているのは王子やその周りの人物だけ。王子が漏らしたのだと気づいて唇を噛んだ]
ディークは、そういうのじゃない。息子のように、家族のように愛している。
.....なのに私は側にいてほしいと縛り付けたんだ
[自らの体を抱き込むようにして俯く。]
軽蔑するか、こんな私を。
[水浸しにした靴と衣服の代わりが用意されている事に気付き、のそり、重い身体を起こせば着替えを済ませる。
支給品のスラックスにタイを結ばず幾つか釦を開けたYシャツ、邪魔な袖を幾つか捲った、寝癖も気にせぬ普段通りの出で立ち。
血の気が薄く酷い顔色なのを除けば、恐らくは、総て普段通り]
……――みず。
[血を欲する餓えに似た渇きだけではなく、純粋に咽喉が乾いて居る事に気付けば、ふらり、歩き出し水場へと向かう。
多分しっかり歩けるけれど、脈打つように絶え間ない痛みを覚える頭痛に足腰ではなく気分の方を挫かれて、壁伝いにのろのろと、部屋を後にし…]
――自室→厨房――
――…察しろ。
詳しくは、聞いてはいない。
[悪趣味な王子のこと、男がリエヴルと同期と知るが故、
反応を窺うか、面白がってリエヴルへ詰め寄り
詳しく聞くことを望んだか。
けれどそれを耳にしても、彼に直接尋ねたことはなかった。
唇を噛む様子に微か眉根を寄せて]
――お前…、奴の気持ちを知っているんだろう?
何故、そんな事を。
[彼の考えていることが、わからない。
友は、なにを目論んでいる?
思案しても答えは出ずに、ただ静かに彼を、見据え]
軽蔑するどころか、…私には、お前がわからないよ。
何故、か。
[漂う瞳は彼の赤髪を映し更に赤く輝き]
皆は言う。私は優しいと。だが違う、結局のところ私のエゴだ
妻であった女性が病で死んだと聞かされた時、守ってやれなかったことを悔やんで、救えなかったことを悔やんで、それでもこの鳥籠から出られなかったことに絶望して私は本当は死にたかったんだ
[ぽつりぽつりと溢れていく言葉は彼の語ったことのない内側を見せるもので]
それでも私は出来なかったんだ。本当は彼女を失ってしまったことにそこまでの喪失感を覚えていなかったから
ただ一人、共にいてほしい人がいればなんでもいいという傲慢な心に気づいてしまったから
だから私は翼を折った。飛べぬからここにいる、そういう理由がほしかったから。そうしてわたしは生きるのを止めた
[足首をゆるりと擦る。激情のままそこにナイフを突き刺した日から数日は熱に魘されたものだ]
誰かを助けるのもそう。妻を助けることが出来なかったからそうしたいだけ。ディークが、彼が私が側にいれば救われると言うのなら私は彼に好きはあげられないが愛は与えよう。
[そうして広げた手は彼のもとに伸びる。]
私はそれに満たされ、彼らはそれに癒される。ただ、それだけの話だよ
...ここまで聞いて尚、私は庇護すべき存在かな?皆にあのようにすかれるべき存在、なのだろうか
[答えは否だと思っている。それでも私はそうでないと今ここにいられないから]
――→厨房――
[>>216「考えることをやめるな」と、先生は言った。
けれど、別に考える事を放棄した訳では無い。自分の頭ではいくら考えてみても、同じ回答しか出てこないだけで]
[大事な大事なペットたちに壊れない細工を施して、欲望の欲するままに喰らい合う泥仕合でもさせる心算だろう。
そうして一番最後に残った一匹を待ち受けるのは、あのひとのご褒美か、それともただの絶望か…]
[器が壊れなくたって、元は只の人間だ。中身も壊れないとは限らない。それが、自分にとってもっとも恐ろしい事でもあり、…観客であるあのひとから見れば最高のスパイスになるだろう]
[…そんな夢も希望も無い仮説、仮説の侭であって欲しいから、クレステッドには話さなかっただけだ]
[…ぼんやり思考を巡らせながら辿り着いた扉を開ける。其処に居る面々を興味無さ気に見渡しながら合間をすり抜け水道迄]
城中に血の匂いが満ちてる
本当に――……色々あったみたいだな
あァ、兄ちゃんはその……大丈夫だ
[ソマーリュとの事を話すわけにもいかず、曖昧に濁した。
そしてぽんぽん、とゆっくりディークの頭を撫で]
しかしリエヴルには随分と世話になったみたいだな……
何処と無く父さんに似た人だとは思っていたが
あとで、俺からも礼を言わなくちゃな
[赤い瞳を、真っ直ぐに見つめ返す。
聞き慣れた友の声が、これまで押し留めていたのであろう
心情を紡いでゆく。
妻と引き離され、妻の死が彼の裡に昏い影を落としたのだろう。
それでも、以前の自分であれば彼の行動を
"仕方が無い"と、易々と受け入れてられていたかもしれない。
本能を戒める枷がまたひとつ、今 砕け落ちた]
――くだらない。
後を追って死ねたから本当に好きだ?
死ねないから好きじゃない?
――誰でもいいから、道連れが欲しかった?
[誰に対しても等しく優しい、面倒見のよい男だと思っていた。
誰よりも彼を理解し、理解されていると感じていた。
聖人君子のようだ、などとは思わなかったし
誰しもそうした暗い部分は持っているだろう、けれど――
『私はそれに満たされ、彼らはそれに癒される。』
その言葉が酷く、神経に障る。]
見返りの為の仮面だった、ということか。
――リエヴル、お前…、歪んでいるよ。
[彼のことをそんな風に、非難出来る自分ではないと
解っていたけれど。
本当の彼を受け入れ難いのは、そう――
自分もまた、リエヴルを"守る"ことで、優越を覚えていたのだ。
庇護する事で、庇護欲を満たしていたのだ。
その事実に、気づいてしまったからで]
それでも、皆はお前に手を差し伸べる。
それはお前が望む、望まぬに関わらず、だ。
[伸ばされた指先を、そっと掬い上げ、握ろうと]
[皆が賑わい話して居ても今迄、自主的に会話に混ざろうとした事は数える程度、あるかないかだったけれど…、今くらいは参加しておくべきかと、グラスに水を汲みながら、>>383オズワルドの話に口を挟み]
「治る」だけで、何処かから補われる訳じゃない。
「治す」エネルギーだって身体の内から消費されている筈だ。
飲まれた血がそっくりそのまま飲んだ者の血になるか?恐らく違う。
食事と同じ、総てが都合よく望んだエネルギーとして還元される訳じゃない。
つまり、餌同志、喰らい合っても、皆が皆、平等に飢えるだけの話だ…――と、俺は考えるんだが、違うだろうか?
― 回想・ソマーリュと別れた直後の自室 ―
……――ッ、血、が。 血が、足りない……っ!
[ソマーリュから受けたキズは、吸血種の超回復能力により
その大半が癒えようとしていた。
だがその反動として、ひりつくような乾きが襲い来て]
誰か、近くに……
この反応、カシムか……
[イドが、カシムの所在を告げる。
ふらりと立ち上がり、彼の部屋の扉の前へ――…]
[血の気の足りぬ顔色の侭に、虚ろな眼で振り返り、>>389彼の開いた唇から覗く牙をぼんやり眺め見る。…そういえば、自分の牙は何処へ行ったんだろう?伸びたり縮んだり可笑しな仕組みだと気付いて、一人感慨深げに舌で口の中をもごもご探った]
血は要らない、未だ――…
[渇きを覚えない訳ではないと、含ませることで返答に代えて、グラスの水を一気に煽って流し込む]
……っ、ごほ、……――ぅ、……ッぐ、
[空っぽの胃が驚いて、逆流しかけたものを、口元を掌で塞いで堪えた。どうせもう吐く物は入っていないけれど、嘔吐すれば只でさえ足りぬ体力が削られるだろう。幾つか咳払いをして、呼吸を落ち着ければ、今度は、少しずつ、二杯目の水を口に含み]
[くだらない、その言葉に瞼を閉じる。本当は誰でもいいわけじゃない。いつだって共にいてほしいのはたった一人。でもその心さえ自ら偽って]
歪んでいるか、そう.......だな。その通りだ。私はこうなるずいぶん前から歪んでいた
[見返りが第一と言うわけではない。この男の性分として黙っておけなかった部分も多々あるのだろう。だがそれも全てエゴだと言い切って]
君も手をさしのべてくれるのか?
くだらないのだろう?歪んでいるのだろう?
そんな私など捨て置けばいい。
[ゆるり、彼のその指から離れるように手を払う。]
[あのとき死ねなかった本当の理由は目の前の存在がいたから。
全て見抜かれていて王子に言われた。外出許可をくれと泣きわめくがお前は結局外に出たくないのだろうと。お前がいなくなればあの男はどうなるとも知れないと。
それだけはさせてはならぬと思った。これは見返りなど求めない、ただ彼に知られぬように知られぬようにと努力した王子との誓い。
知られなくていい、想い]
[そうして――…
同意を得られれば、その場にいた者達と共に
カシムの部屋を訪れただろう。
途中出逢った者がいれば、
恐らくその者へも声をかけて。
不死身の吸血種同士の血の交換。
それは画期的なアイディアであるように、その時の男には思えた。
まさか。
吸血による高揚が、陶酔が。
あんな結果をもたらすとは――…
気付けば、カシムは――……]
[彼の真意を読み取れてはいかなった。
真意どころか、此処まで自分が見てきた
リエヴル・ウィンスレイという男の何処が本当の彼であったのか――
脳裏にいくつもの、共に過ごしてきた残像が走る]
[リエヴルの枷が自分だった事は知らず、
自身の生命を絶つことを彼が本当に実行していたら
王子の言う通り、己も後を追っただろう。
あの頃の自分は彼がいないこの城に、未練などなかった。
彼が自ら翼をもぎ取る以前から、己は彼に依存していたのだ。
嵐の夜が平穏な日常を連れ去り、血の雨に塗り替えた事で
小さな罅が、大きな歪となって男の心を抉る。]
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