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[続く玄武神との会話から、レトが大物の妖魔と遭遇したことが知れた]
ウルズ、レトの所に……
いや、一旦引き返そう。
何かあったら、すぐに動けるように。
[すぐにでも援護に向かいたい所だったが、森を突っ切る形で北へ向かうのはさすがに無茶というものだろう。
故に一度拠点へ戻り、必要があればそこから北方へ向かうことを提案する*]
無事……だよね……?
[無理な行軍はしないという判断はしたものの。
焦りや不安は、八角鏡越しに漏れ出してはいたか*]
― 西方・山岳 ―
……しかし、数が多いな。
[纏めて斬り払った後もわらわらと集まる妖魔に舌打ちひとつ。
殲滅させる必要はないだろうが、群れ集まっている、という事態は見過ごせない]
手間をかけるわけにもいくまいし、まとめて焼き払う、か。
[なればどうするか、の思考は早い]
朱红的火焰猛烈燃烧。
[ばさり、と大きく翼を羽ばたかせ、火気を生じさせる。
次いで紡いだ言霊に応じ、生じた火気が太刀に宿った]
沿着我们的意,烧光作为我们的敌人的者们!
[揺らめく火気を纏う太刀、それを大上段に振りかぶり]
……做朱紅的火炎華,混亂!
[言霊と共に振り下ろした刃から、零れ落ちるのは朱の焔華。
舞う花弁は妖魔たちの上に降り注ぎ、その身を焼き尽くす。
焔が場に集った妖魔を駆逐したのを確かめると、これ以上呼び集める前に、と大きく羽ばたき距離を開けた]
……今のところは、さっきの連中の気配だけ……か。
[感じ取れるのは土地由来の気の他は、妖魔の気配。
天の気らしきものは感じ取れず。
場所を変えるか、と思った所に響くものがあった]
……山の方には、それらしき気は感じられないかな。
[気配を問う声に、まずそれを返し]
手がいるようなら、そちらに向かうか?
駆けつけるなら、一番速い自信はある。
どこかに誘導するなら、合わせる。
[その場で対するにしろ場所を変えるにしろ、対応しやすいのは空翔ける己である、との自覚はある。
故に口にするのはこんな問いかけ。*]
[ 妖魔に追われながら、足を早める。その間にも、八角鏡を通して返る声 ]
邪魔だ、退けーっ!
[ 山に近付くにつれ霧は薄れたが、今度は小怪の類が増えてわらわらと群がってくるのを、浄化の水気纏った双剣で薙ぎ払う ]
[多少の危惧は感じるものの、手掛かりを掴めたのは確かなこと。
天の気配を察知した方角へと歩み進めていくと、徐々に草の生える範囲が広がって]
…これ、ちょっとまずいかも。
[恐らく仙花だろう気配を掴めたのは同じ木行だからが大きい筈だ。
けれど、天から下りたばかりのそれより地上に元から存在する木気の方が強いのは当然のこと。
加えて自分が掴んだ気配は地のそれに混ざり込んだようにも感じられるものだった。
地上の花木が増えればそれだけ気配は溶け込んで分からなくなってしまう。
内に浮かんだ焦りは、気付かぬ内に歩みを早く駆けさせて。
それでもその場所に着くには、相応の時間を要した]
[目の前を遮るのは、大きな倒木。
時が経ち朽ちて倒れたものか、それとも雷にでも穿たれたか。
どちらにしても自然によって倒れたもので、それに違和を感じはしなかったのだが]
……兎?
[>>113もふもふと柔らかな草を食む、小さな獣。
倒木の影に隠れるには目立つ白は、野兎にしては珍しい毛色。
何より、主の結界内で目覚めている時点でただの兎であるはずがない。
手を伸ばしても逃げる気配も無いそれを抱き上げれば、自分が感じた気配はこれだと分かった]
……遅かったなぁ。
[兎から伝わるのは確かに天の気配、だが]
この子の中にはもう居てへん…他の子ぉに移ってしもてる。
[抱き上げている今も徐々に薄れていく気配の残滓は、程なく兎の中から消えてしまうだろう。
食んでいた付近の草に残る跡をみるに、鹿か何かに移ったのだろう。
少なくとも兎と比べて体躯の大きい獣なことは間違いなく、移動の速さも行ける範囲も一気に広がってしまったとは分かる。
せめてどちらに向かったか位は掴もうと、先と同じく気を集中させたのだが]
……あかん、ここやと飲まれてしまう。
[気配を追うのに夢中で、森に近づき過ぎていたらしい。
周囲の木々からの木気と潜む妖魔が放つ瘴気が邪魔して天の気配を隠してしまう。
探るにしても、一度戻って誰かに協力を頼もうと思った所で鏡から声が届いた]
レト様?!
[>>*0聞こえた声の鋭さは、何が起きたか案じさせる。
だが、それを問うのは自分の役目ではない。
>>*1主が名を呼ぶのに任せ、自分は自分の役目を果たそうと]
仙花の居場所はわかりませんが、気配の残滓は掴みました。
レト様が言うてた通り、地上の生き物の『中』に入っているようで。
恐らく今は、鹿か何か…脚の強い獣の『中』に居てはるかと。
[八面鏡を通じてレトに答えれば、皆へも情報を共有しようと*]
[八面鏡からは、知る声も知らぬ声も区別無く聞こえてくる。
何事が起きたかは分かるが、其処に駆けつける手段も持たぬ自分に今出来る事は]
とりあえず、一緒行こな。
[天の気配を残している間は、他の妖魔に襲われる可能性も考えられるから。
抱き上げたままの兎に声をかけると、そのまま来た道を引き返して拠点へと戻ることにした*]
ん、了解した。
[引っ張ってくから、という言葉>>*7に返す声音に迷いはない。
対するものの属がなんであっても、そこに迷いや躊躇いが生じる事がないのは主と同様。
内心思われている事を知ったら、「良く言われる」と笑って返すのは余談としておいて。
他にも届く情報>>*8は内に刻んでおく。
それはそれで、探しにくいか、などと思ったのは状況的にも積んでおいて]
……北側からこっちに……か。
とりあえず、水気を辿るか。
[鏡越しに届いた声に小さく呟き、翼で大気を打つ。
零れる朱の煌きが風に散る中、北方面へと空を駆ける。
進むにつれて感じるのは、強い水の気。
水怪の類がいるのは察しがついたが、朱翼の速度が落ちる事はなく]
……あれ、か?
[空の上から九頭の蛇身を認めたなら、大太刀握る手に力を入れ直した。*]
………
[ 八角鏡を通じて伝わる各々の声と状況を暫し黙って聞き取り、玄武神は、控えていた洞窟の泉の中に携えていた七星剣の切っ先を浸し印を切る ]
七星招来…
[ 人里近い地においては天に喚ぶわけにはいかない七つ星を泉の内に喚び出して、その泉の水が滴る剣をそのまま宙に振る。
剣先で描かれた八角の印…剣に纏われた水の軌跡は散りも弾けもせず、そのまま宙に固定され、輝く神印と成る ]
文曲降臨…!
[ 七星のうち木気に寄る文曲星、その星の力が八角鏡を通し、カスパルへと送られたのは本人にも感じ取れただろう ]
[>>*10聞こえた呟きは、若さの残る声。
面子の中で一番年若く見えたあの少年かな、と思い浮かべ]
元は小っさな兎の中に居てはったみたいなんですけど…
状況を見るに、移動するんに支障が出たんで楽に動ける子ぉに移ったんやないかな思います。
[倒木を越えるなり、森の中を通るなり。
兎には厳しくとも鹿なら普通に進めるだろうから、と口にした推測は。
裏を返せば、状況に応じて姿を変え続ける可能性も示唆するものとなるか*]
[ 妖魔に対峙しようとする者へは、助力となる力だけを送り、戻ってくる者達を待つ。
己が眷属と朱雀のいとし子、二人掛かりで倒せぬ妖魔とあれば、自ら動くしかないだろうとは思っていたが、そうはならぬだろうとの確信もあった* ]
カスパル殿!俺が、あいつを引きつけてる間に、上から叩いてくれ。
あんだけ頭があるんじゃ、狭い山道で、そうそうは避けられない筈だ。
― 拠点 ―
[兎を抱えたままでは走る訳にも行かず、出来る限りの早足で戻ってきた拠点はまだ閑散としたものだ。
八面鏡からの声で助勢に向かっている方もいれば、日がまだ出ているから探索を続けている方も居るだろう]
…此処やったら妖もそう寄ってこれへんやろし。
気ぃが抜けるまで、大人しぃしとってな。
[まだ白緑色の抜けない兎を草のある地に降ろすと、もふもふ食み始めた様子にふふ、と笑った後。
少しだけ息を吐き、表情を改めた]
金生水……水霊招来…護法結陣…!
[ 炎と水の攻撃が来る事は判っている。追いつかれれば加えて物理的な八つ頭との攻防も始まるだろうが、まずは遠隔からの攻勢に耐え切らねば意味がない。
幸いにも鉱脈を持つ山には金気も宿り、水の結界を強める助けとなった ]
さあ、来いよ、間抜けな蛇野郎!
[ 相手が人語を解するかは、分からぬままの挑発だったが、即座に炎と水が、同時に飛んできたところを見ると、どうやら通じているようだ ]
っく…
[ 水の盾にぶつかる力、そして何より濃い瘴気に顔が歪む、が ]
は!まだまだー!ぜんっぜん効いてねえぞ、間抜け!!
[ 更に挑発を重ねながら、かざした双剣に浄化の気を注ぎ込んでいく* ]
[兎から感じる気配を知った御陰で探る気を絞ることは出来た。
これならば、遠く離れた場所までも辿る事は出来ないかと試してみたのだが]
…やっぱりあかんか。
[広がる木気は、末端になるにつれ薄くなる。
相性の良い気が満ちているばかりの地ならばまだやれたかもしれないが、五行が揃っているこの一帯では難しい。
やはり無精は出来ないか、と思いながら鏡から伝わる動向に意識を向けた**]
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