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─ 前日 ─
[束の間の休息を水入らずで過ごしてもらう為、主たちの元を離れはしたものの。
成すべきも多い主の事、あまり時間をかけてはまずかろうと城下で幾許かの買い物を済ませるだけで戻る。
翌日の出立の準備の為妃の側を一旦離れた主を見送り、神妃と二人になった所で気になっていた事を問いかけ]
姫様。
…ほんとは、主様に付いていきたかったんやないですか?
もしうちが言ったせいで言えへんのやったら、うちから主様に言いますけど。
[自分が行きたいといったばかりに妃が遠慮したのでは、と抱いた不安は妃からの答えで案じる事は無いと解った。
安堵しながら城下の土産を渡せば、明るい笑みを浮かべる妃に喜んでもらえて良かったとこちらも同じ笑みを返し。
その後は主が戻るまで中庭などを散歩する妃の傍に控えた**]
─ 天上宮門前 ─
[翌朝。
主と共に赴いた門前には地上に向かう探索隊以外に見送りの人も集っていた。
>>1主の様に言葉にせずとも無事を願う心は、その視線からも伝わるものだったから]
ほんと、頑張らなあかんな。
[右手首に巻かれた白藍の組紐に視線を落としながら、錫杖を握る手に力が籠る。
どんな人達が一緒に行くのだろうと周りを見回せば主の神将が少年に声をかけているのが見えた。
誰だろうかと思うと同時、どこかで見覚えがある気がして首を傾げた。
昨日城下に買い物に行った際に>>12店前に居るのを見かけたからだが、その時は>>14兄弟らしき二人連れであった為に一人でいる彼は思い出せず。
記憶を辿るよりも、主が編んだ術によって地上へと運ばれていく方が早かった**]
─ 地上 ─
[>>4霧の繭によって運ばれたのは、どうやら山の中腹の様。
地に根を張り水を吸い上げていた身体ではなくなった今でも、土に触れれば水を感じられる心地に目を閉じた。
主に付いて天に上がって随分経つけれど、やはり本性というものは変わらないのだろうか。
最も、土を伝わずとも大きく開けた洞窟の奥からは清らな水の気配が届いていたが]
八角鏡…確かにお預かりします。
[散開を前に配られた鏡を受け取ると、続く主の言葉に首を垂れて。
一帯を包む結界、その冷気と陰気の両方に飲み込まれてしまわぬよう、密やかに気を張り詰める]
[眷属という事もあるだろう、然程の時を置かず結界を満たす気に慣れてきて。
この分なら緩めても大丈夫か、と息を吐き出した所に>>53女性の声が耳に届いた。
みれば、こちらに微笑みが向けられていて]
あ、いえ。
うちの方こそすぐ気がつかんくて失礼を。
[先ずは呼掛けにすぐ気付かなかったことを謝ってから、錫杖を肩にかけると空いた両の手を組み]
ご挨拶が遅れてしもて申し訳ありません。
玄武神が眷属、冬花のイングリッドと申します。
どうぞ見知り置き下さいませ。
[頭を下げ、名乗りを返した後]
…失礼ですがウルズ様、どこかでお会いしたことありました?
[やはりあの少年と同じく、見覚えがある様に思うのだがと内心首を傾げながら問いかけた*]
― 洞窟前 ―
[>>66武人らしい精悍さと女性らしい優美さを兼ね備えた相手とあいさつを交わした後。
>>67感じる既視感に問いかけた答えは思いもよらぬもの、だったけれど]
うーん、うちもウルズ様みたいに目ぇ引く美人さんやったら覚えてると思うんですけど。
どっかですれ違っただけで、印象に残ってたんかも。
[主達の供を務めている時にでも見かけたのかもと思いながら、>>68笑う彼女に頷いた]
[ともあれ、挨拶も一段落した所で準備も整えに入り。
>>50朱翼も合流して>>51全体の準備が終わるを見計らった主の声がかかる。
主らしい端的な忠告からして、初手から北方と東方は避けた方が良さそうだ]
とすると…
まずはこの辺から様子見しつつ北か東に広げてくんが良いかなぁ。
[南方西方には地形や地質から火気が強く感じられる。
自分の木気と相性の悪い場所に行くのも無謀そうだと眉を寄せて]
[悩んでいたら>>62ウルズからの問が聞こえる。
誰かに、ではなく周囲に問いかけていると分かったから]
うちはとりあえず、この近くから徐々に広げてこうかと思ってます。
単身で突っ込んでくにはちょっときついとこが多そうやし。
[いざという時の奥の手はあるが、最初からそれを当てには出来ない。
最も、木気を要とする方が居るなら共に赴くつもりですが、とも付け加えた*]
― 洞窟前 ―
[>>78目を丸くして手を振るウルズには笑顔を向けるだけで言葉はこれ以上重ねない事にした。
何処で会ったかは分からずとも、彼女が武人らしい人柄だとは分かるから]
えぇ。
及ばん所は多いと思いますけど、頑張りますから。
こちらこそ、どうぞよろしく願います。
[しゃん、と肩で支える錫杖を鳴らしながら微笑み返した*]
[周りの反応はそれぞれ。
少なからず、単身で動く方が多く見える様だが]
はい。
土の気が強いとことかは、うちだと分からへん事もあるでしょうから。
そん時はよろしくお願いします。
[>>81ウルズからの厚意の言葉は気負い無く受け取って。
こちらからも頼る意思を示した所で>>77主を同じくする神将の声が聞こえた]
相変わらずやなぁ…
[主と彼のやり取りは、主従であれば見慣れたものだ。
単独で危険な場所に行くと言っているのに、浮かべるのは苦笑だけ。
同じ主を掲げているとはいえ、己よりも強い力を持つ彼を案じるのも無礼だと思っているのも事実だが]
心配してくれる人が居てる事、忘れたりしませんもんね。
[天上で待つ神妃のみならず、彼を案じ信じている者を蔑ろにはせぬだろうとの信があるから]
[それは自分の思い込みだけでもないだろう。
>>86主が神将に向ける、探るような視線。
どこか楽し気に見えるのもきっと気のせいではなく]
レト様。
木気を探るんがきつう感じたら、うちにも手伝わせて下さいね。
少し位はお力になれると思いますから。
[気楽な口調でそう声をかけた後、各々思い通りの方向に向かう姿を見送ってから付近の探索に取り掛かろうと**]
― 洞窟前 ―
はい。
ウルズ様も、無茶はせんといて下さい。
[>>97ウルズからの言葉に伝わる思い遣りに、浮かぶのは嬉し気な笑み。
天上に務める武人たる彼女を案じるは無粋と思いつつも、こちらからも無事を願い声を向けた]
[踵を返した彼女を何となく目で追っていたら、>>94少年が近付いていくのが見えて。
そういえば、主の神将も見知りらしいこの少年はどなたなのだろう、と疑問が浮かんだ。
とはいえ、もう出立しようというこの場で名を問うも名乗るも失礼か、と声をかけるは控え。
代わりという訳ではないが、単身で北に向かう神将へと声をかけたら>>99案じる声が返された]
ありがとうございます。
でもこんだけ主様の気ぃが強いとこなら大丈夫ですよ。
それに、いざとなったら姫様のお力も借りるつもりですし。
[天ならばともかく、地上で瘴気の障りがどれ程の影響かまだ分からない。
己の経緯を知る彼から案じられるのも当然だ。
けれど、無理をするつもりは無いからと笑って返した後北に向かう神将を見送った*]
[朱翼持つ方もどうやら行先を決められた様。
この場を離れられたのに気付けば、自分ものんびりしてはいられないなと視線を巡らせる。
感じる気配は相剋も強くあるが、洞窟からと、何より主の水の気が満ちているおかげできつくはない]
んー…思ったより草やら生えてないなぁ。
これやったらしらみつぶしで探すんも無理やないかも。
[辺りを見回して感じた事をそのまま口に出しながら、歩を進めて]
[瞳を閉じて気を高めると、かつて張り巡らせた根の如く、木気が土を辿り水を伝い広がっていく。
微かな残滓も見逃さぬ様に細く長く伸ばしていった気の端、ふと地には存在し得ない気配を感じた所で瞼を上げたのだが]
………これって。
[確かに天に在る気配なのだが、微妙に地のものと混ざっているようにも思える。
>>22レトが言っていた通り地上の生き物の中に隠れている可能性は高そうだ、と今更ながら厄介さに眉を顰めた**]
[多少の危惧は感じるものの、手掛かりを掴めたのは確かなこと。
天の気配を察知した方角へと歩み進めていくと、徐々に草の生える範囲が広がって]
…これ、ちょっとまずいかも。
[恐らく仙花だろう気配を掴めたのは同じ木行だからが大きい筈だ。
けれど、天から下りたばかりのそれより地上に元から存在する木気の方が強いのは当然のこと。
加えて自分が掴んだ気配は地のそれに混ざり込んだようにも感じられるものだった。
地上の花木が増えればそれだけ気配は溶け込んで分からなくなってしまう。
内に浮かんだ焦りは、気付かぬ内に歩みを早く駆けさせて。
それでもその場所に着くには、相応の時間を要した]
[目の前を遮るのは、大きな倒木。
時が経ち朽ちて倒れたものか、それとも雷にでも穿たれたか。
どちらにしても自然によって倒れたもので、それに違和を感じはしなかったのだが]
……兎?
[>>113もふもふと柔らかな草を食む、小さな獣。
倒木の影に隠れるには目立つ白は、野兎にしては珍しい毛色。
何より、主の結界内で目覚めている時点でただの兎であるはずがない。
手を伸ばしても逃げる気配も無いそれを抱き上げれば、自分が感じた気配はこれだと分かった]
……遅かったなぁ。
[兎から伝わるのは確かに天の気配、だが]
この子の中にはもう居てへん…他の子ぉに移ってしもてる。
[抱き上げている今も徐々に薄れていく気配の残滓は、程なく兎の中から消えてしまうだろう。
食んでいた付近の草に残る跡をみるに、鹿か何かに移ったのだろう。
少なくとも兎と比べて体躯の大きい獣なことは間違いなく、移動の速さも行ける範囲も一気に広がってしまったとは分かる。
せめてどちらに向かったか位は掴もうと、先と同じく気を集中させたのだが]
……あかん、ここやと飲まれてしまう。
[気配を追うのに夢中で、森に近づき過ぎていたらしい。
周囲の木々からの木気と潜む妖魔が放つ瘴気が邪魔して天の気配を隠してしまう。
探るにしても、一度戻って誰かに協力を頼もうと思った所で鏡から声が届いた]
レト様?!
[>>*0聞こえた声の鋭さは、何が起きたか案じさせる。
だが、それを問うのは自分の役目ではない。
>>*1主が名を呼ぶのに任せ、自分は自分の役目を果たそうと]
仙花の居場所はわかりませんが、気配の残滓は掴みました。
レト様が言うてた通り、地上の生き物の『中』に入っているようで。
恐らく今は、鹿か何か…脚の強い獣の『中』に居てはるかと。
[八面鏡を通じてレトに答えれば、皆へも情報を共有しようと*]
[八面鏡からは、知る声も知らぬ声も区別無く聞こえてくる。
何事が起きたかは分かるが、其処に駆けつける手段も持たぬ自分に今出来る事は]
とりあえず、一緒行こな。
[天の気配を残している間は、他の妖魔に襲われる可能性も考えられるから。
抱き上げたままの兎に声をかけると、そのまま来た道を引き返して拠点へと戻ることにした*]
[>>*10聞こえた呟きは、若さの残る声。
面子の中で一番年若く見えたあの少年かな、と思い浮かべ]
元は小っさな兎の中に居てはったみたいなんですけど…
状況を見るに、移動するんに支障が出たんで楽に動ける子ぉに移ったんやないかな思います。
[倒木を越えるなり、森の中を通るなり。
兎には厳しくとも鹿なら普通に進めるだろうから、と口にした推測は。
裏を返せば、状況に応じて姿を変え続ける可能性も示唆するものとなるか*]
― 拠点 ―
[兎を抱えたままでは走る訳にも行かず、出来る限りの早足で戻ってきた拠点はまだ閑散としたものだ。
八面鏡からの声で助勢に向かっている方もいれば、日がまだ出ているから探索を続けている方も居るだろう]
…此処やったら妖もそう寄ってこれへんやろし。
気ぃが抜けるまで、大人しぃしとってな。
[まだ白緑色の抜けない兎を草のある地に降ろすと、もふもふ食み始めた様子にふふ、と笑った後。
少しだけ息を吐き、表情を改めた]
[兎から感じる気配を知った御陰で探る気を絞ることは出来た。
これならば、遠く離れた場所までも辿る事は出来ないかと試してみたのだが]
…やっぱりあかんか。
[広がる木気は、末端になるにつれ薄くなる。
相性の良い気が満ちているばかりの地ならばまだやれたかもしれないが、五行が揃っているこの一帯では難しい。
やはり無精は出来ないか、と思いながら鏡から伝わる動向に意識を向けた**]
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