情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[我ながら呆然とした確認に、返されたのは苦笑。
気にしないでと言う声に何と返すことも出来ず、ただ見上げたままでいたけれど]
え…
[普段通りで話して良いという言葉に、目を瞠った。
記憶は無いはずなのに、何で分かったんだろう、と思ったのは一瞬だけ。
さっきが素の話し方と気づかない程、この青年は鈍くない。
だからといって、こちらの話し方も4年の間に頑張って身につけたもの。
簡単に頷くのは難しいこと、だったのだけれど]
…わかった。
じゃあ、二人で話す時はそうするな。
[記憶も戻るかも、の一言で返答は決まった。
自分のことは思い出してほしいのと、欲しくないのと半々だけど。
>>0:86何時かの夜、昼だけでは話が聞き足りなかった自分に教えてくれた旅の始まり。
あの時の、あの笑顔を見て、この人も故郷が大切なんだなって思ったのが、誰にも言わないでいた打ち明け話をする最後の一押しだったから。
大切なものを少しでも元に戻す手伝いが出来るなら、是も非も無い]
[>>115メレディスが自分の反応に何を思ったかは分からずも、彼の気遣いは十分に伝わってくる。
話はまた後でということで青年と別れた後、休息の為用意された部屋へと向かったのだが]
…すっげぇ。
こんだけ準備するの大変だったろ、これ。
[開けた扉の中は、自分の郷をそのまま持ってきた様な内装になっていた。
雪と氷、石で模った家具、敷かれている毛皮も郷近辺に居る獣のもの。
ワードローブの中には、今自分が身につけているのと同じ、特殊な編み方で冷気を保った布で仕立てられた衣装が用意されていて。
>>0:59確かに神子の言っていた通りだとは思いながら、これ程整えられているとは思わず目を丸くした]
[休息の時間はどれ程だったか。
余程暑い、もしくは熱い場所でも無い限り動くに支障は無いけれど、用意された部屋が思いのほか快適だったので殆どは部屋の中に居た。
ただ、>>20良い匂いを漂わせる部屋にはやはり引き寄せられて行ったから、他の人と全く会わなかったということは無いだろう。
提供された料理は郷のそれとは違ったけれど、どれも美味しくて。
部屋に置いてあったアレを使ってもらえないかな、と思ったら矢も盾もたまらなくなった]
あ、あの。
この野菜も、使ってもらえませんか?
うちの郷で作ってる雪下野菜なんですが、部屋に置いてあったので。
[白肌の根菜で、長細いもの丸いものと形は不揃いだが甘みが強くて歯ごたえも良い。
郷では獣肉と一緒に煮込んで鍋として食べるのが主流だとも説明した後]
これだけ美味しいものを作ってくれるなら、うちの野菜も使ってもらいたいなって思ったんです。
[自分でも料理はするが、トーマスが料理してくれたものを食べてみたくなったのだ、と。
そう言って微笑んだのは、やはりトーマスの料理に惚れ込んだから、ではあるが。
かつて、自分が何時かなるんだと夢見た様な強い男、を具現化した様な見目への憧れも無意識に入っていた**]
─ 休息の間 ─
[皆が思い思いに時間を過ごす中。
自分はメレディスの提案通り、話をする為に彼の部屋に来ていた。
彼の話を聞いて記憶を失っていても名前が分かっていた理由は知れたけれど。
それ以外のこと、何故記憶を失くしたかも分からないと聞けば先の広間での反応の大きさも理解できた。
記憶を取り戻す切っ掛けになるかもしれないと思ったのなら、平静を保つ方がきっと難しい]
…一年もの間、そんな旅、してきたのか。
[自分の記憶にある彼も旅の途中ではあったけれど、目的が違う。
あの、聞いてるだけでわくわくしてきた話の様な旅では無かっただろうと思うと、眉が下がり]
俺が兄ちゃん…メレディスさんと会ったのは、今から5年も前になる。
氷人族の郷の話を聞いたから、会ってみるかと思って来たって言ってたな。
うちの郷は雪原と雪山の真ん中辺りでよっぽど慣れてるヤツ位しか来ないから、珍しくて色々話してもらったりしたんだ。
[自分の中でメレディスの存在が大きいのは、話を聞いて憧れを抱いたことが一番の理由だけど。
あれから5年経っても彼の様な来訪者が居なかったのも、その一つ。
また来ようかな。
そんな言葉を残してくれたのは彼だけだったから──と考えた所で、あれは何を話していた時だったっけと思い返し。
は、と気付いた表情はすぐ、伏せた瞼に隠して言葉を続け]
俺の聞いた話だと、あの時にはもう旅をして結構経ってたはずだよ。
確か…こっちも5年、だったかな。
『世界軸』の近くから始めて、あちこち旅して、でも1つの街に長く滞在するからまだそんなに回れてないとも言ってた。
実際、うちの郷にも1か月位居たし。
…でも、色んな街の話をしてくれたり、見たこと無い物を見せてくれたりして。
俺達みんな、兄ちゃんのこと好きだったんだよ。
[閉鎖されている訳ではないけれど、土地の不便と一族の体質のせいで郷を出る者も来る者も少ない。
外から来た彼は、あまり動かぬ郷の中の時を動かす、そんな存在だったのだ、と。
もう朧げになっている記憶もあるが、思い出せる限りを話す中。
あの頃自分が男として育てられていたこと、自身を男だと思い込んでいたことだけは、言えなかった**]
[メレディスと広間で交わした言葉通り、休憩の間に彼と話す時間も取れた。
何らかの切っ掛けになれたかどうかは解らないが、少なくとも自分の忘れていた─深く胸に沈み込めていた記憶は掘り起こされた。
彼が郷に来て、色んな話を聞かせてくれて。
兄ちゃんになら話しても良いかな、いや、兄ちゃんに聞いてもらいたい。
あの時、そんな思いで打ち明けた夢は、>>0:88何より嬉しい答えで返ってきた。
自分を信じてくれている言葉も、また来てくれるという事も。
誰にも言わないと約束してくれたことも、何もかも嬉しくて]
っ、いいんだよ!
まだまだこれから大きくなるんだから。
[>>0:89続いた揶揄いに頬は膨らんだものの、腕を取る手を振り切るまでには至らなかった]
[実際友人達の中ではそろそろ体格差も出てきていて、自分の細さは気になっていた。
自分より小さかったり細かったりするヤツも居るから、まだ悲観する程でも無かったけれど]
…でも、本当早く大きくなりたいな。
最低でも、あいつより背高くならないと恰好つかないし。
[小さく零した愚痴を拾われたなら、やはり内緒だと釘を刺してから。
好きな子より背低いままって格好悪いだろ、とぶすくれて言った。
これも時が過ぎれば解決出来ることだと、信じ切っていて。
そろそろ次の街に行くと、郷を出ていく彼の背に手を振り見送る時だって、次は夢を叶えた自分で出迎えるんだと思っていたのに]
[絆石を手に入れて、本当の性を知らされて。
強い男になる、一番に抱いていたその夢がもう叶えられないことを知らされて。
真っ先に思ったのは、兄ちゃんとの約束を破ってしまった、だった。
暫くの間、絆石を受け入れられなくて。
石に向かって酷い言葉を吐いたのも何度あっただろう。
幸か不幸かそれに応える声は無くて、時間が過ぎるにつれて俺も絆石を受け入れる覚悟が出来て。
でも、あまりに絆石を拒んでいたから、こちらから呼びかけることは出来ないままでいた]
[まさか、こんな形でメレディスと再会するなんて思ってもいなくて。
罪悪感で押し込めていた記憶を、こんな風に引っ張り出すことになるとも、思っていなくて]
…兄ちゃんの記憶が戻ったら。
俺は、どんな風にみられるんだろうな。
[記憶は戻って欲しい、でも戻った時彼はどんな目で自分を見るだろう。
そんな不安は、>>35神子からの報せに一旦しまい込むことにした]
─ 『世界軸』中層・儀式の間 ─
[呼び出しに応じ、儀式の間にやってきた少女はワンピースの様なゆったりとしたチュニックに、意匠の異なる腰紐を2本巻いた様相。
裾から伸びる足を見れば、薄手のボトムを履いていることも解るだろう。
これから討伐に赴く装いとは思われないかもしれないが、少女にとってはこれが何よりも戦いやすい服装だ]
…解りました。
[>>36神子から討伐対象を聞いた後、開いた光の門に視線を向けながら声を返し。
>>121それから同じ石を持つ彼に視線を向けると、行こうと差し出された手に目を瞬かせた]
[何時か、自分が差し出した時とは違うそれはほんの少し、戻せない過去が苦しく思えて]
うん、行こう。
[数瞬遅れてその手に自分の手を重ねた後、>>#0光の門に触れて上層へと移動した**]
─ 休息の間 ─
[メレディスの話を聞いて眉を下げるユーリエを見て、彼は小さく苦笑した]
僕はこんなことをしてたのか、って言う発見はある意味新鮮ではあったけどね。
……この部屋、随分殺風景だろ?
神子さんが何でも用意してあるって言ってたけど、僕の部屋は本当に必要最低限しかなかった。
旅をしていたせいもあるだろうけど……僕自身、何が必要なのか分からないからだと思う。
[多少の色のグラデーションにより部屋は飾られているとは言え、家具は宿屋にあるような最低限のものしかない]
こういう時こそ占いが頼りになるのかもしれないけど、占師は自らを占わず、ってのがあるからねぇ。
自分の力ではどうにもならない。
…もう一つの方法も、出来れば使いたくはないし。
[最後の言葉は潜めるように紡がれる]
[問いへの答えが紡がれる時は、真剣な表情で聞き漏らすことなきよう耳を傾けた。
自分が旅をしていた期間も、旅を始めた場所も、これまでは聞くことが出来なかったこと。
ユーリエとは他の者達以上の交流を持っていたことが窺い知れた]
理由が随分とアグレッシブだね……僕はそんな考え方をしてたのか。
[そうは言うものの、今も大して考え方が変わっていないことには気付いていない]
………そっか。
ユーリエの郷では、僕は楽しく過ごせたみたいだね。
[話を聞いて温かい気持ちになる。
心のどこかが反応しているように思えたが、話してくれた情景を思い出すには至れなかった]
…君の話し方、結構男性的だよね。
もう一方の話し方の方が女性らしくはあるんだけど……
── でも、今の話し方の方が君らしいと思うんだ。
覚えてないはずなのに、不思議だよね。
[ユーリエの話し方をすんなりと受け入れている自分がいる。
もう少し女性らしくすれば、とも思わない。
それが彼女なのだと思っている自分がいるのだ]
僕にとって君はなにか、大切な存在だったのかもしれないね ───。
[ぽつりと零して、メレディスは小さく微笑んだ*]
─ 『世界軸』上層・噴水のある広間 ─
[青年と休息の間交わした言葉は、嬉しくも苦しくもあって。
伝えたいことも伝えるべきこともあるけれど言えないまま光の門に触れた。
着いた先でまず目に入ったのは噴水と、上へと向かう四つの階段。
その内の一つ、右手首に在る乳白色と同じ輝きを帯びたものが自分達の上るべき階段だろう。
近付くにつれて、手首の温みが徐々に熱へと変わっていって]
…この上に、虚無の八竜が居るんだな。
[手は繋いだまま、見上げる階段のその先。
>>122先を歩く青年に頷きを返してから、自分も彼に続き歩き始めた]
─ →『世界軸』上層・天の階段 ─
─ 『世界軸』上層・天の階段 ─
[階段を昇り始めてどれくらいか。
目標を捉える前にと、>>143青年が切り出した話にまずは頷き]
うん、そんなに使ってる訳じゃなかったけど。
何だろう、こう…手品みたいな感じだったかな。
[あまり便利に使えないとも言っていたかな、とも思いつつ。
カードを用いている所が、子供心に手品と結びついた光景を思い出して。
続き、問われたことには少し考え]
俺は前の方が戦いやすいかな。
あんまり人と一緒に戦った事ないから、良くわかんないんだけど。
[人を補佐して戦うことに慣れていないから、自分が前面に立つ方がメレディスを巻き込む心配しなくて済むかな、と。
そう思ったのと、>>146目の前の人がふっと視界から消えたのはどちらが早かったか]
っ、兄ちゃん!?
[突然前に倒れた彼に何があったか、その場では解らなくて名前を咄嗟に呼んで。
階段を這う様に広がる蔓が彼の足を取り、飲み込もうとしていたのだと解った時には既にメレディス自身で対処が済んでいた]
行く途中でも仕掛けてくるってことか…
ってか、急に倒れたし受け身取れなかっただろ。
気休めだけど、ちょっと打った所冷やしときなよ。
[>>147メレディスの推測に、歩くだけでも油断出来ないのかと眉を顰め。
座り込んだままの彼に断られなければ、打ち付けた所を聞いて軽く手を当て冷気を分けた。
立ち上がるのにも手を貸して、また階段の先へと足を進め]
─ 『世界軸』上層・天の広場 ─
[>>149更に階段を上っていくと、ようやく開けた空間に出た。
乳白色の輝きは仄かだが、一面その輝きに照らされるとやけに明るく感じられて目を細め]
…で、肝心の『虚無』ってのはどこに居るんだ?
[居るはずだと思っていた姿が見当たらないと、水平に視界を動かしていたから、上に差した影には気付かなくて]
え?
───うわっ!?
[>>150名前を呼ばれた刹那、ぐん、と引き寄せられて。
何が起きたかは目の前、つい今まで立っていた地面を打ち付ける大きな尾が雄弁に語っていた。
メレディスが引き寄せてくれなかったら、あの尾に押し潰されていただろう]
…ごめん、ありがとう。
[まずは手を煩わせたことの謝罪と、助けてもらった感謝を紡いで。
それから、長い尾をくねらせながら悠然と宙を舞う白磁の巨体を真っすぐに見据え]
どうなんだろうな、蛇だったら寒さに弱いけど。
[>>151弱点を問われ、竜とは別物だろうなと思いながら重なる見目の弱点を口にしながら腰紐を一本外し]
…緋色は火色にして氷色
相反するもの 秘めし天命
[声に乗せるは一族に伝わる言い伝え、だが後に続く一節は異なって]
その力 我が意志によって解き放たん
[石の力を用いる為のその言葉を唱え終わると、腰紐が氷を纏い槍の様に長く硬い棒に変わり終えるはほぼ同時。
>>151メレディスの牽制を受けて隙を作った巨竜が地に落とした尾から、その巨体を駆け上がろうと走り出した*]
─ 『世界軸』上層・天の広場 ─
[自分の術は、氷雪を産み、操るもの。
氷人族の者なら誰でも使える術ではあるが、一族の中でも自分が秘める力は随一らしい。
だが、それを引き出せるかどうかは自己研鑽にかかっている、と。
ユウと呼ばれていたころからずっと、父や長老たちから言われてきた。
これまでの研鑽が足りているかどうかは、自分には解らぬこと、だけど]
うん!
飛んで逃げられたら、追いかけようも無いもんな!
[>>190先ずは翼を、というメレディスの言葉に頷き駆けだしたのは対峙する巨体を地に落とす為。
地に垂れた尾を辿り、その体を駆け上がるのは容易では無いと思ったが]
っ
ありがとう!
[身をくねらせ、動こうとする『虚空』が不意に止まる。
何が起きたかは解らない、でもきっと時間を操作する力だと言っていたメレディスが何かしてくれた。
だから即座に礼を言って、>>191作られたチャンスを物にしようと、駆ける足を更に早め]
緋色は氷色 思いのままに凍らせよ
[巨竜のその身体に足を乗せると同時、詠唱すると靴裏は鏡面の様に凍り。
爬虫類めいた竜の鱗にも氷を這わせると、そのまま中腹まで溶かすと凍らせるを繰り返して滑り移動した。
そうして翼を狙える位置まで辿りつくと、手に持ったままの槍をぐ、と握り]
凍は氷 雹は漂
思いのままに 吹雪かせよ
[詠唱によって産みだした吹雪に身を翻させ、風の勢いを借りてそのまま翼を貫かんと槍を振るう。
吹雪に至っては先の会話で口にした弱点をあてにした訳でもないが、少しでも動きが鈍れば儲けものという考えも含んでいた*]
─ 『世界軸』上層・天の広間 ─
[振るう槍の芯は、一族に代々伝わる意匠の紐。
その紋様は、術を強化する触媒となっていると聞かされてきた。
実際、他のものに纏わせるよりも強固な氷になるのは体感で知っている。
だから、この竜の肌がどれ程硬かろうと、貫けない訳が無い。
そう信じて振るった槍は、>>205届いた声からも力を得たのか狙い通りに翼を貫き、切っ先で穴を広げて]
…やった!
[反対も同じ様に出来ればこの巨体を落とせる、そう思ったと同時>>206輝きの咆哮が放たれた]
兄ちゃん!!!
[『虚空』の上からでは、地上の様子は確認が難しい。
>>207耳に届く声や音、青年の無事を案じて咄嗟に彼を呼ぶも身体が動くより先に>>208その声が聞こえて]
っ、
わかった!
兄ちゃんも、もう少しだけ頑張って!
[巨竜の背から振り落とされぬ様、足をぐっと踏み堪えると反動を一気に駆け上がる力に変えて。
首に提げた緋色に意識を落とすと同時、手に掴んだままの槍へ更に氷を纏わせる。
駆ける中、視界に入るカードが時間を稼いでくれているのが分かって嬉しくなりながら]
緋色は氷色 思いのままに全て貫け!!!
[杭の様になった槍を、再度咆哮する素振りを見せる『虚空』の口が二度と開かぬよう、上から下へと突き立てた**]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新