情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
ああ、行こう。
[ 門を潜り、迷い無く先を見据えるクラリッサに頷き返して>>112男は足を踏み出す。
共に行く相手の歩調に合わせて* ]
……ふにぇぃ?
[届いたコエに、零れて落ちるのはどこか戸惑ったようなコエ]
あー……うん。
それも、わかってる、よ。
うん。
[ 送ったコエに返る、どこか戸惑うようなコエ。その響きに男は、また笑みを浮かべる ]
判ってるならいい。
[ いちいち反応が面白くて、構わずにいられないのは最初からのことで、実際今も楽しんでいた ]
― 『世界軸』上層 ―
[ 紫水晶の絆石は、男がクラリッサの頭に乗せたの右手の甲...硬い表皮に埋め込まれて光っている。龍の血で周囲を固められた石は、腕を斬り落としでもしない限り、そこで輝き続けている筈だった ]
さて、地に棲む龍は俺達の一族の他には居ないからな、俺にも伝承以上のことは見当つかないが......
まあ、とりあえずお前よりはでかいんじゃないか?
[ クラリッサの疑問に>>124応じるのは殊更に軽い口調だ ]
………………。
[伝わる笑みの気配に、ちょっと沈黙が落ちた]
……もしかしなくとも、面白がってないかい?
[それを経て、ぽつ、と零れた疑問には、拗ねたような響き]
うん?そうだな。
お前を見てると面白いからな。
[ 拗ねたような響きに返る答えは素直なものだ ]
それに......いや、まあいいか。
[ 言いかけてやめたのは、今言うと更に拗ねられそうな気がしたからだった ]
けど、馬鹿にしてるわけじゃないぞ?
俺が面白いと思うのは、お前の反応が俺にとっては新鮮だからだ。
俺の周りには、対等な相手ってのがそもそも居なかったからな。
[ 付け加えた声には僅かに寂しさのようなものが混じった ]
― 『世界軸』上層 ―
[ 小ささへの自覚はあるらしいクラリッサの言葉>>128に笑う ]
ああ、確かに小さくても強いやつはいるな。しかし「虚無の八竜」が、そんなに小さいと聞いた覚えはないなあ。
[ 「小さい」と言う時にはわざわざクラリッサの身長の位置に手を翳して「小ささ」を示して見せてから、一転、真顔になった ]
でかくても小さくても、伝承に残るからには、一筋縄ではいかないだろう。
俺に出番を寄越せってのは本気だぞ。
俺の方が力も身体も強い。お前の腕は信じてるが、前に出るのは今度は俺だ。
[ そこだけは譲らないという視線の強さは伝わったか ]
見てると面白い、って……。
[どーゆー意味で、と。
更に重ねようとした疑問は、続けられた言葉に途切れた]
いや、まあ。
馬鹿にされてる、とまでは言わないけど、さ。
[言葉にできない何かがあるんだから仕方ない、と。
言わなかったのは、付け加えられた声音に宿る響きのため]
……仕方ないなー、もう。
[間をあけて、零れたのはこんな一言]
まあ、あれだよ。
子供扱いしてるんじゃないんなら、いいんだ。
さすがに、もうじき二十歳になるっていうのにそれが理由で、っていうのは、ちょっと色々ありすぎるからね。
[引っかかる理由の一つのついでに年齢を告げたが、多分そこは一年前には言っていない事]
なんだ、坊主って呼んだの、まだ気にしてたのか?
[ 子供扱いという言葉に思い出したのは出会いの時のことだったから、そう言って ]
うん、大概の種は20歳くらいが成人だったっけな。龍だと、まだ仔龍って呼ばれる年だが...ああ判ってる、もう一緒にはしてないって。
お前がちゃんと大人だってのも解ってる。
[ やっぱりコエに乗せなくて正解だった、と思ったのは、「可愛い」というこれも素直な感想だった。
純粋に褒め言葉なのだが、到底きちんと伝わるとは思い難い ]
― 『世界軸』上層 ―
[ 「小さい」ということを、クラリッサが気にしている事は一年前から解っていた。しかしそこを避ける事無く、男は、簡単に話題にもした。
それはクラリッサの特性であって、欠点ではない、と、理解していたから ]
ああ、お前の「銃」は、それが強みだからな、俺が必ず隙を作るから、目一杯お見舞いしてやれ。
[ 後衛に回ることを了承した様子に、ほっとしたのは顔には出たか ]
そう簡単に怪我なんぞしないさ。
心配するな。
[ そして付け加えられた言葉に>>141そう返した、その直後 ]
.........出たな。
[ 階段の上に雲が漂う。それは、内に在る禍々しき存在を覆い隠す帳 ]
[ オズワルドは、その雲を睨み据えながら、ゆっくりとひとつ瞬きをする ]
......始めるぞ、クラリッサ。
[ 瞼を開いた時、黄褐色の両眼は、本性を隠す術を解かれ、右は縦に銀の光彩を持つ龍の眼に、左は、煌めく黄褐色の宝玉......皇龍たる男の、本質を顕す天命の石の姿となる** ]
/*
ねむっと、なりつつ行けるとこまで行っといた。
オズワルドの両眼って、形違うように見えるんだよねー、というのが、このギミックになりましたとさ。
まあ、バレてただろうな、相方にはw
/*
ちなみに天命石はインペリアルトパーズです。多分使うの二回目じゃなかろうか?前は普通にトパーズ色の眼ってことだった筈だけどね。
好きなんだよなあ、闇に潜む魔を暴いて祓う宝玉っていう由来とか。
……気にしてるとゆーか、なんとゆーか、だけど。
[思う所の意図は、正確には伝えて。
というか、何でここまで引きずってんだ、と自己突っ込みしたいくらいなので、それ以上は言わず]
……うん。
それなら、いーんだ。
[わかっている、と重ねて言われてまで続けるのもなんだし、と気持ちを切り替えた]
[なお、言わずおいた一言を言われていたら、真っ直ぐに取る事は相当に難しかった。
その辺り、理性と感情のせめぎ合いが色々とあったりするので]
―『世界軸』上層・影の広間 ―
お前は、ほっとくと、行けるとこまで突っ走るからな。
[ 心配性、と言われれば>>152確信込めて、そう返す。大地を護る龍族は、基本不動であり不変だ。だから男にしてみれば、目を離せばどこへ行くか解らない、正に気紛れな猫そのもののクラリッサの性質を、案じるなという方が、無理なのだ ]
だから、お前の走る道を俺が創るっ!!
[ 龍眼にも、左目の代わりに輝く天命石にも、クラリッサが恐れを抱いていないと感じ取れた事が、男の気合いを上昇させて、長槍を握る手には、脈打つ力が漲る ]
うりゃあああっ!!
[ 雄叫びあげつつ、雲の中に突っ込むと、男は、ダン!と、地響の如き音を立てて地を踏みしめ、大きく頭上で槍を旋回させた ]
[ 皇気宿した黄玉の輝きは、潜む魔を暴き、退ける。
その伝承を証明するかのように、龍牙に切り裂かれた雲が、瞬時霧散して、その向こうに隠れた深い紫の影を暴き出す。
そして、同時に、背後から放たれる六連射>>155 ]
オォォン...!
[ 蠢く影は、未だぼんやりと朧に霞んでいたが、身を曝された事を怒るように、低い唸りをあげ、更に飛来した弾丸をその身にうけてのたうった。
その唸りに応じるように、周囲にまだ残る雲から、鋭い刃のように尖った灰色の雹が降り注ぐ ]
邪魔くせえっ!
[ オズワルドは、その雹を避けることなく、縦横に槍を揮って、打ち払いながら、ずかずかと前に進む。
払いきれない雹は、その身を打ったが、硬い音と共に、全てが、石の如き龍の表皮に弾かれて地に落ちた ]
[ 決して避けぬのは、背後に在るもう1人に、雹の礫が届かぬようにするため、だったが、この程度のものに傷付けられはしないという自負も確かなもの ]
ヴオォォォッ!!
[ 怯む気配も無い皇龍の姿に、紫の影が一際濃くなって、怒りに満ちた雄叫びをあげる。どこか影のように霞んでいた姿が、一瞬はっきり雲の中に浮かび上がった** ]
……大丈夫なのは、わかるけど!
見た目でいたそーなのは、程ほどにしてよねっ!
[装填しつつ、こんな突っ込みが飛んでしまったのは、条件反射のなせる業]
ああ?
[ 歩調を変えず進みながら、聞こえたコエに、不思議そうなコエが返る ]
痛そう?
ああ、そうか...そう見えるか。
大丈夫だ、俺は龍だから、お前程柔肌じゃない。
[ 毎度の如く、とても素直にそう告げる、が、素直すぎて、どこかずれているかもしれない ]
心配してくれたのは嬉しいがな。
[ 最後にそう付け加えるコエが本当に嬉しそうなのは、事実だったが ]
はっ!誤摩化しってのはいつまでも使える手じゃないぞ。
貴様も龍の姿をしているなら、いい加減に観念しろ!
[ 姿を現した敵手が、龍体であることが、男の表情に怒りを浮かばせる ]
[ 雄叫びあげた深紫の喉元に向かって、真っすぐに放たれる弾丸>>195
そこに宿る真っすぐな意志こそが、強く男の背を押す力となる ]
オォオオッ!!
[ 弾丸の軌跡を追うように、オズワルドは地を蹴って走り出す。
猫程身軽ではない地の龍は、高く跳ぶことは叶わないから、脇に引き寄せた長槍が狙うのは、相手の腹だった、が ]
何......?!
[ 次の瞬間、喉元に弾丸を受けた紫の影が、急に大きく跳ね上がった ]
うわっ!!
(逆鱗、だったか?!)
[ 過った思考は一瞬。
既に駆け出していた男は、咄嗟に地面に身を転がしたが、大きく長さもある龍体が、暴れながら落下して来る軌道は予測不可能。
ずうん、と大きな地響が立った、その瞬間には、下敷きに成るかならぬか微妙な位置。
クラリッサの視界からは、完全に男の姿は一度見失われた筈だ* ]
……いやだから、そーゆー問題じゃなくてだね……。
[突っ込みに返ってきたのは、とてもとても、素直な言葉だった]
そんなん説明されなくたってわかってるんだよ、ただ……。
[わかっていても、思う所はあるのだ、と。
言うより先に、なんか言われて]
……〜〜〜っ!
そこ、喜ぶ所かああああ!!!!!
[心配されるのが嬉しい、と言われても、こっちは全然嬉しくない。
それならそも心配させるな、とも言いたいのだが。
状況は、それ以上の突っ込みを飛ばす猶予を与えてくれない]
―『世界軸』上層・影の広間 ―
グォオオオオ!!
[ 逆鱗を撃たれ、さらに額をリミッター解除した銃弾に撃ち抜かれた深紫の龍は、大きく顎を開いて咆哮をあげる。
最後の力を振り絞り、自らに致命傷を与えた小さな獣人に迫ろうとした、その顎は、しかし、開いたまま閉じられる事は無かった ]
観念しろ、と...
[ ぼこり、と、円錐状の硬い岩が龍の胴を突き破り、貫いて ]
言っただろう!
[ その岩がひび割れ崩れた後には、槍を突上げた男の姿が現れる。
『雲翳』の下敷きになろうとした瞬間に自らを岩で覆い、その岩と槍を一体として龍の腹を刺し貫いたのだった ]
クラリッサ!
[ 深紫の影は崩れ落ち、影に相応しく薄れて消えていく。
その姿を顧みる事もなく、オズワルドは、吹っ飛ばされたクラリッサに駆け寄った ]
おい、怪我は?どこも痛くないか?
[ 案じる声は、真摯なものだった* ]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新