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[ふと気がつくと、私は展望室の中空に浮かんでいた。
浮かんで、いた?]
…って、何で浮かんでんのさ。
重力発生装置でも壊れた?
[あり得ないことを、口に出す。それなら固定されていない、例えばあそこのドロイドなども浮かんでいるはずだ。
そこまで考えて、異変に気づく。
いつもは静かに動いているドロイドが、動きを止めているのだ。]
えーっと…何で、こんなことになったのかねえ。
[記憶を辿る。
部屋に戻って、ドロイドに料理を注文し、仕事を進めていた。]
うん、それで…。
[すこしそうしていた所に、ノックの音が響いた。
てっきりドロイドが料理を持って来たのだと思って、確認することもなく、
無用心に、
ドアを、 開けて ]
[…そこから先の、記憶がない。
そのドアの向こうには、何が、誰がいたのか。
思いだそうと、試みる間に、メリーのアナウンス>>#0が聞こえ、次の瞬間、
その声が、俄に緊急事態を告げる>>#1。]
ひ、避難…!?
[この状態で、避難もなにもあるのか、と思ったが、とっさに出入口へ向けて身体が動く。…浮遊しながら。
どうやらこの状態でも、動くことは出来るようだ。]
[ともかく、避難しようと出入口の方へと進む。
その時、出入口のそばに備え付けられていた船内の情報掲示板>>4に目が留まる。
普段は部屋の雰囲気を出す為か、雄大な銀河の映像などを流していただけであった掲示板に、彼女にとっては耳慣れた、しかし圧倒的に不吉な単語がちらつく。]
ぼ、防疫!?どういうこと、まさかテロ!?
それも、BC兵器を使うようなーー
[掲示板の簡潔な情報のみでは、何が起きているのかわからない。だが、何らかの危険な微生物が艦内に侵入したであろうことは、容易に想像がつく。
それも、おそらくは何者かの手でーーーー]
[そこまで考えて、自分の掲示板に伸ばした手が透けていることに気づく。
この尋常ではない事態、宙に浮く身体、半透明の手。
一つの言葉が、脳裏をよぎる。]
臨死、体験……!?
[そう、人が死ぬ間際に見るとされるビジョン。
よく言われる花畑や、トンネルをくぐる感覚、そして、]
意識が、身体を離れて、どこかへ飛んでいくような感覚……
[今の状況は、これなのだろうか。
そうだとしたら、]
自分が死んだ原因ぐらい、知りたいよね…!
そうやすやすと、死んでたまるかッ!
[そう、決意を固め、とりあえずは第一エリアへと向かおうとしたが、
宇宙船全体を、亜空間に突入したことを示す、独特の振動が揺るがす。
それは、浮いている…にも、容赦なく襲いかかる。]
きゃあッ!
[その身体は空中で一回転し、半ば地面にめり込んだような状態で止まる。
自分の身体が物質を通り抜けることにすこし驚くも、次の瞬間、さらに大きな驚きが襲う。
目前の巨大な天井の向こうの星空、それが、亜空間に突入したことを示す歪んだ暗黒に、変わっていたのだ。]**
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