情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[この言葉は内緒話をしているみたいで気恥ずかしくもあり、嬉しく思う。
言葉越しに感じられる自分への信頼を滲ませる波が心地よく、活力が湧いてくる気がする。]
はい、でも無理はしないで下さいね?
[癒しの術は扱えるけれど、やはり未熟な身。
何か大事が起きた時に魔力が足りずに助ける事が出来なくなるのが怖い。
――勿論、相棒たる彼女の為なら、無理を通してしまえる気でいるけれど。]
[あやめの花の容(Fleur de Lis)をした槍を杖代わりにして。
相棒の拓いた途に続き、高きにて待ち受ける七大蛇を目指す。
世界の脅威に挑む玲緒が身に纏うのは、
ベルティルデの用意してくれた胸甲と、
幼き水精の祝福を受けて編まれた水の紗幕の外套。
そして――心づくしの柘榴石のタリスマンだ。
軽装の部類とは言え、流水の加護とパートナーの想い。
重ねられた祝福が物理的にも精神的にも玲緒を支えてくれている]
うん、大丈夫。
こんなとこで、へこたれてる場合じゃないよね。
[>>195 振り返り、気遣ってくれるベルティルデに、
片手で小さくガッツポーズ(フラクシヌスの住人に意味が通じるかは考えていない)を作って見せてから]
私たちの敵って「荒れ地にすむもの」だったよね。
どんなやつなんだろ。
[道すがら、作戦の一つでも立てるべきかとベルティルデに問い掛けた矢先。
彼女の頭上から、幾つかの小さな物体が振ってくるのが見えたから]
ベル! 上! ――気をつけて!!
[注意を促すそうと叫んだ]
ベル、大丈夫!?
[>>207 小さく上げる悲鳴に、慌てて彼女の傍に走り寄ろうと。
剣の百合の石突で自分の両の足を軽く叩き、唯一覚えた魔法を掛けようとするが]
――……。
[小さな女の子のするような怒り方>>208を見て、
特に問題はなさそうだと、ほっと胸を撫で下ろす]
[休憩を取るように促され、按配の良い枝に腰を降ろして、
ベルティルデが魔法を行使するのを見ていた>>210
虹色に輝く幾つもの泡が、ふわふわと四方に飛んでいく]
すごいね。
魔法って、便利だね。
[日本では科学で行っているのと同じことを、
フラクシヌスでは魔法で行えるのだ。
自分たちを此方に引き寄せた儀式と云い、
この世界では個人の力でどれだけのことが出来るのだろうか。想像も出来なかった]
―聖霊節まで・大地の守護者と―
[>>163 大地の守護者だと紹介されたアイルリートが
口上と共にベルティルデの手の甲に口付けるのを見て、目を丸くする。
ベルティルデと同様、手の甲に口付けを与えられて>>164]
(……こんなことする人って、本当に居るんだ)
[未だ徹とのある種の漫才のような掛け合いや、
今、まさに発揮されようとしていた、率直過ぎる性格を知らないから、
容貌と振る舞いだけを見て物語の中の王子様のようだと思った]
……ええ、ベルさんは間違いなく味方で良い人だって、そう思います。
でもアイルリートさん。
貴方だって、きっとそうですよ?
[初対面の異邦人へと見せる気遣いは、彼を好感の持てる人物であると感じさせた*]
―世界樹―
{>>205 ベルティルデさえ蛇のことは話でしか知らないらしい。
敵の情報を手にする間を惜しまなければならない程、どうやら事態は切迫しているらしい]
七大蛇って分からないことだらけなんだね。
確実なのは名前と二つ名だけ。
私たちはベルの魔法があるから良かったけど、……他の皆は大丈夫かな。
[案ずるように遠くへと視線を向けた**]
―世界樹―
{>>205 ベルティルデさえ蛇のことは話でしか知らないらしい。
敵の情報を手にする間を惜しまなければならない程、どうやら事態は切迫しているらしい]
七大蛇って分からないことだらけなんだね。
確実なのは名前と二つ名だけ。
私たちはベルの魔法があるから良かったけど、……他の皆は大丈夫かな。
[案ずるように遠くへと向けた意識は、敵発見の報せに呼び戻される。
与えられた情報と提案。
もし本当に奇襲が叶うなら、それに越したことはない。
相棒の作戦に耳を傾けた]
[確実性を取るならば。
場を確保し、おびき寄せる作戦を選ぶべきだろう。
けれど、囮役を志願するベルの身が心配だし、
同じくらい、玲緒自身が攻撃役を全う出来るかが不安だった]
……ベルの魔法で「荒れ地にすむもの」を仕留めることは出来ないの?
もし可能なら、囮は私の方が良いと思う。
[先ほど使いかけた>>213のは剣の百合の祝福。
流水の加護により、水の流れのように滑らかに素早く動けるようになる魔法だ。
槍としての能力と合わせれば、きっと囮役もこなせるはず。
それでもベルティルデが囮役を譲らないなら、
玲緒も覚悟を決め、アタッカーに徹するつもりでいる**]
[淡藤色の瞳を見つめ返す玲緒の視線は、迷い、揺れる。
怪物と戦いは恐ろしかったし、
上手くやれる自身なんかあるわけがない]
大丈夫、とは言わない。
……でも、やらないわけにはいかないから。
[『剣の百合』握る右手が震えた。
隠すようにさりげなく左手を添え、
ベルティルデに笑ってみせたつもりだが、
上手く出来たかは自分でも判らない]
[玲緒が囮役なら、仮に失敗してもベルティルデは退却することが出来る。
それは決して勇気ではない――いや、自己犠牲ですらなかった。
囮役を志願するのは、自分の失敗がパートナーを危地に陥れることへの恐怖。
――ただのエゴだ]
魔法二回分を稼げば良いんだよね。
……じゃあ、いってくるよ。
[ベルティルデの返事を待つことなく。
槍の石突で両足を軽く叩き、水精の祝福を希う。
長靴の両側面に現れたのは、水が形作る小さな翼。
流水の加護を得て、玲緒は戦場へと駆け出した]
―「荒れ地にすむもの」・モーイン―
[魔法の泡に導かれ駆け下りていくと、
世界樹の大枝が無残に圧し折られて作られた、開けた場所に至る。
その中心に世界樹を食む巨大な蛇――
「荒れ地にすむもの」モーインの姿があった]
――……。
[巨体を覆う鈍く輝く鉄色の鱗は、
如何なる攻撃も通じない、堅牢な城塞のようだ。
世界樹に喰らいつく、あの巨大な牙にかかれば、
玲緒の小さな身体など、あっという間に噛み砕かれてしまうだろう]
[『剣の百合』を構えて玲緒は足を止め、
ベルティルデが魔法を投射する為の位置を確保するのを待つ。
緊張に口の中が渇いていた。
竦みそうになる足を拳で叩き、懸命に自分を奮い立たせようとする
その時――]
『――――――――!!!!』
[モーインの咆哮が世界樹を揺らした。
血のような昏い紅色の眼が玲緒に向けられ、次の瞬間。
闖入者を圧し潰そうと、うねる巨体が地響きを立て押し寄せてくる]
ひっ!?
[世界を救う者とはとても思えない、
恐怖のいろ滲む音が細い喉から零れた。
死に者狂いで地を蹴り、頭上の枝に飛び上がると]
やだっ!
あっち行ってよ、来ないでっ!!
[かちかちと音を立て、迫りくる牙を追い払おうと
『剣の百合』を振り回した]
―回想・精霊節まで―
[>>205 精霊節までの短い間。
自分の生い立ちや家族のこと、この世界のこと。
ベルティルデは様々なことを話してくれた。
衒いのない言葉からは、
彼女の飾らない人柄を窺うことが出来た。
連れてこられた異界。
不安を覚える少女を慰めようとしてくれていることも理解できて、
自分のパートナーが彼女で良かったと心から思う]
[玲緒もつられて、自分のことを話した。
好きな食べものや趣味――身体を動かすのは苦手で、本を読むことが好きだとか。
学校での生活。例えば放課後、電車に乗って二駅先の塾まで通っていること。
ぽつりぽつり語られる、ささいな話を。
ベルティルデは楽しそうに聞いてくれた]
――うん。
家族は……まあ、ね。
[ただ一つ――家族のことだけは曖昧に口を濁した。
そしてベルティルデと伯母
――実際には離れた世代らしいが、との絆の強さや、
楽しそうに語られる家族のことを聞き、心の隅に微かに染みる羨望から眼を逸らす。
そんな玲緒をベルティルデが如何思うかは兎も角。
無理に聞き出そうとしなかったことだけは確かだろう*]
[振り回す槍は鉄鱗に跳ね返され、甲高い金属音を立てた。
柄を握る両手に痺れが走る。
危うく槍を手放しそうになるのを、奥歯を噛み締め懸命に耐えた]
……くっ!
[正しく扱えていたなら、水精の加護を受ける『剣の百合』は、
七大蛇をも打ち倒せる武器だ。
けれど、今の玲緒の恐怖で逆上せた頭からは、
修練で得たはずの武器の扱い方は抜け落ち、ただ闇雲に槍を振り回すばかり]
[このまま逃げ出してしまいたかった。
そもそも、ただの中学生に過ぎない玲緒に、
怪物退治なんて、出来るはずがないのだ。
恐ろしくて叫び出したくて、涙が零れそうになる。
それでも――玲緒は逃げない。
逃げ出してしまえば、ベルティルデに危難が及ぶと分かっていたから。
玲緒を信じてくれている、彼女を裏切ることは出来ない]
わああっ!!
この、――あっち、行っちゃえ!!
[どんなに無様を晒しても、踏み止まって戦うしかない]
[恐怖は焦燥を生み。
焦燥は冷静な判断を失わせる。
枝の上を駆け回りながら牙を避ける玲緒は
モーインの攻撃が激しくとも、単調なものであることに気付けない。
戦いの経験が皆無であっても、
冷静に考えることが可能ならば、
その意味を理解することが出来ただろうか]
――――!
[視界の外から振り上げられる、鞭のように撓る尾の一撃。
かわしきれず、小柄な身体は枝から投げ出された]
レオ、魔法を放ちます!
巻き込まれないように距離を取って!
[そんな声が、泡玉が弾けるとともに彼女の耳に届いたか。]
レオ、大丈夫ですか?!
[魔法は無事に射抜いたように思えるが、彼女は無事だろうか。
焦った雰囲気が声から伝わるだろうか。]
[モーインの尾に弾き飛ばされ、流れて行く景色の中。
ぱちり、と泡玉が弾け>>311
注意を喚起するベルティルデの声が耳に落ちた。
――その直後。
鋭い風切り音と共に飛来する、四つの空色の珠が、
獲物に止めをさそうと鎌首を擡げた七大蛇を貫くのを見た]
私、は、大丈夫――。
だか、ら……次の魔法の準備、を。
[焦りを纏うベルティルデの声に、
痛みに耐えながら、止めの魔法の準備をするよう要請する]
[モーインの尾は直撃こそしなかったが、
弾き飛ばされた勢いで、世界樹の幹にしたたかに身体を打ち付けてしまう。
衝撃と痛みに涙が零れ咳き込むが、
槍を支えにしてふらり、立ち上がると。
傷つき苦悶にのたうつ巨大蛇へと向かい、挑発するように大声で叫ぶ]
お前の敵は私だ! かかってこい!!
[貴重な時間を稼ぐため、囮となるべく再び槍を構えた]
[左手を柄から穂先にかけて滑らせると、
『剣の百合』は玲緒の背丈の三倍はあろうかという長槍に姿を変える]
うりゃあっ!!
[躊躇なく踏み込むと、柄で手負いの巨大蛇を殴りつける。
怒りの咆哮と共に、振り回される尾。
バックステップでかわしながら頭上で槍をくるり回し、水珠が貫いた右目に槍先を突き入れる]
にゃっ!
[恐怖と苦痛を抱えたままで。
それでも玲緒が戦えるのは、ベルティルデを信じているから。
きっと、この恐ろしい敵を倒してくれると確信し、その時を待つ]
[>>339空から月白色の泡が降り注ぎ、地を這うモーインを覆い尽くす。
堅牢な鉄の鱗を以ってしても浄化の魔法から逃れられず、
七大蛇の一角は断末魔の咆哮だけを遺し、大地へと還った。
『剣の百合』を構えたまま、茫然と消え行く泡を見つめていると、
視界の端に水の球に包まれて、こちらに降りてくるベルティルデの姿が映った>>341]
私たち、勝った――の?
[駆け寄るパートナーの姿に安堵したせいか、
全身から力が抜け、立っていられずに膝から崩れ落ちた]
[>>361傍らに膝をつき、目線を合わせて来るベルティルデの瞳に滲む涙。
顔をくしゃくしゃにしたパートナーに声を掛けられれば、
もう我慢することなど出来ず、ぼろぼろと大粒の涙が零れ落ち]
よかっ……良かった、よぉ。
[縋りつくようにして、小さな子供のように泣きじゃくった]
[そうしてどれほど涙を流していたか。
ようやくベルティルデの申し出>>364に応えられる位には、気持ちが落ち着くと、戦いに昂ぶることで忘れていた痛みが蘇る]
……見てくれるかな。お願い。
[水精の外套と胸甲を外すと、
上着を脱いで白い背中をベルティルデに見せた。
激しく打ち付けたから痣の一つは覚悟している]
どう?
[肌を晒しているせいか、落ち着かない気分だ]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新