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星司は、風そのものみたいだ。
自由で、強い、風。
[ どこか羨むように胸に落ちるコエは、風に乗り、届いたろうか ]
[風の伝える声。
自分を風そのものみたい、と評したそれが届いた時には、なんか気恥ずかしくて答えを返せなかったけれど]
ん、一緒にがんばりゃ、なんとかなるよな。
[今、届いた声には変わらぬ調子でこう、返す]
だって、私達、相棒ですものね?
[同じ流水の加護を受ける者のみに伝わる言葉。
その声で紡いでみせると、少女は片目を瞑ってみせた。]
[流水の加護により繋がる二人だけの言葉。
それは何よりも、玲緒が独りではないことを教えてくれた]
……うん。
私、頑張るよ。
[今だけは澄ました態度も鳴りを潜めて。
素直な信頼の気持ちが波のように、パートナーに伝わるだろう]
― 精霊節まで ―
僕としては何より解せぬのは、先進的な文化と旧時代的な文化が入り混じる所だな。
[小さく息をつきながら、話を継いでいた>>178]
なんだ年功序列とは、そんな不味い物、僕は知らんぞ。
より正常で円滑に世をまわすのに、最も重視すべきは、個々の実力であろう。
僕も、11の頃にはマガーネルの当主になったが
それで周辺諸侯にくどい事をいわせたことはそう長くなかったぞ?
……その点を云えば……あの腹黒……
神官長も、フラクシヌスの中ではかなりの実力派であり、推進派であるのは間違いないがな……。
あれは、下手したら妙なのに危害を向けられかねんほど、スレスレの綱渡りを地味にしておるぞ?
……まあ兎も角、おまえの話を聞いておもったのは。
僕にはその『ブカツ』とやらは到底向かなさそうな事くらいだな。
年功序列以前の問題だ。
複数で事にあたる事は、どれだけ難しい事だと思っている。
協調とか遠慮や序列とか、そういう問題以前にだ。
誰かひとりがしくじれば、それに釣られて全体が落ち込む。
些細な主張で輪を乱せどもいかん様なやつならば、本音も噤まねばなるまいて?
他人の目に耳に気にしすぎれば、結局、個の力も存分にでないだろう。
何処かで息苦しさを感じたりなどはしなかったのか?
[異界の文化も、良しもあれば悪しもあるな。
最後にそういう結論付けをして、アイリは実際どうだったのだ?とトオルを視たりもしたか*]
[この言葉は内緒話をしているみたいで気恥ずかしくもあり、嬉しく思う。
言葉越しに感じられる自分への信頼を滲ませる波が心地よく、活力が湧いてくる気がする。]
はい、でも無理はしないで下さいね?
[癒しの術は扱えるけれど、やはり未熟な身。
何か大事が起きた時に魔力が足りずに助ける事が出来なくなるのが怖い。
――勿論、相棒たる彼女の為なら、無理を通してしまえる気でいるけれど。]
― 精霊節まで ―
11!?
……こっちならまだ小学生じゃねーか、そんな話歴史の教科書くらいでしか見たことないぜ。
[アイリが当主を継いだという年齢に面食らう。
しかも所謂傀儡ではなく、きちんと立場を明確にしてのことだ]
そりゃ、出来るやつはそれでいいだろうが。
出来ないやつを全部置いてきぼりにして、それでいいのかって話だろ。
つーか神官長ヤバいな……。
[そりゃ、いきなり有無を言わさず人を異世界に呼んで危険に放り込むような人間だ。
常にその調子なら、誰かしら刺そうとする奴が出て来てもおかしくはない]
あー……そりゃ同意だ。
[アイリの出した結論に頷くが、続く言葉にはむ、と顔を上げて]
いや、そのしくじった奴を支えるために全体があるんだろ。
駄目な奴だけがしくじる訳じゃねーんだよ。
一見何でも出来そうな奴だって、一人じゃどうしようもない出来事にぶち当たるかもしれねーだろ。
[そう言って、相手へ向けた視線は気付かれたか否か]
……別に、
[息苦しさと、言われてふと過ぎるのは、レギュラー落ちした自分へ向けられた視線]
常に完璧だとは正直言えねーよ。
でもさ、やっぱ一人だから出来ることより、仲間がいなきゃ出来なかった方が多いって。
それって全体で見たら、全員バラバラよりまとまってる方がいいってことになんねーかな?
[理想論すぎる、かもしれないけれど。
少なくとも自分は、そう信じて今までやってきた*]
こんなん、すぐにぶった切ってやっから!
意識、ちゃんと保てよ!
[直接の呼びかけは、上手く届くかわからなくて。
これならきっと届くから、と風を介して言葉を送る。**]
仕方がないだろう?
父様が遺したマガーネルの権限の継承権はあいにく僕だけでな。
あの当時は、なにやら、クレメンス……
うちの執事やら家令やらもこそこそお節介を焼いてくれていた様だがな。
[驚くトオルに肩を竦める。まあ此方は文化の違いをさしひいても驚かれるのは想定内だ]
ああ、でもあの腹黒の事を心配する必要はきっとないさ。
結果さえ伴えば、あいつは何とでもして追求を黙らせる。そういうやつだ。
そういう意味でいうならば。
召喚した勇者も血脈も全滅し、世界の異変にも対処できませんでした、とならん限りは恐らく平気だから。
いやな意味での一蓮托生ということだな。はは。
[露天で買い求めた、喉越しのいい花蜜のジュースを傾けながら冗談めかしてみせた。
実際、あれで戦闘能力もそこらの神殿騎士より強いのを知っているアイルリートは、あの腹黒を刺せる様なやつなんてそうそう転がってはいまいと考えていたり]
[その後に述べた考えに、む、と不満気な顔をみせたトオルの言葉に]
…… ……ふんっ。
[思い当たる所が無いではないのか、此方もすこし不満そうな表情で瞼を閉じた]
出来ないやつは、結局出来るようになる公算は低いのだから
結局なにも出来ずに、個人も全体も落ちこむよりは
はじめの内に後ろへ下げたほうがいい場合もあるだろう。
見捨てる排除するではなく、それもひとつの考えというまでだよ。
……まあ、僕がそういった所で。
お前の頑固な強情もそう簡単に変わりはしなかろうなのは理解している。
トオル、そういう理想論は『ニホンジン』の特質か?それとも?
[じ、と途中で少し勢いを無くした様に感じたトオルをみるも、結局肩を竦めたが]
......ボク
負けない、から。
[ 返ったコエは、必死の響きを帯びて ]
トオルっ、コレの弱点は当然頭部だが危険だ。
今なら尾に近づくお前への注意は逸れているはずだ。
危険を侵してでも頭を潰してさっさとケリをつけるか
このくそデカい尾から潰して確実に仕留めるか。
戦うのなら……判断はお前のものだっ
僕はもうとめたぞ。
それでも戦うというなら、踏み出すというなら。
喰らいついてみろっ
おうよ、始まったばっかで、負けちゃいらんねーぜ!
[呼びかけに声が返る。
大丈夫、これなら大丈夫。
だって、『答えがかえってくるんだから』。
そんな想いを過らせつつ、檄を飛ばして]
……今丁度、上と下にわかれてるし。
タイミング合わせて、上と下から同時に頭狙ったら、ダメージ通んねぇかな。
このままバラバラに斬りつけてても、ラチ開かねぇっぽいし。
一撃必殺、狙ってみるのもありじゃね?
なるほどな……。
家柄とかよくわかんねーけど、それはそれで面倒なんだな。
[肩竦めるアイリに呟いて]
ああ、結構形振り構ってられない状況なんだな。
それでも揉めるってのは……まあどこの世界でも変わらんか。
[一蓮托生の言葉には少しばかり顔が強張るも。
とりあえずこの危機さえ乗り越えれば後は神官長がどうにでもすると、その点では安心が出来そうだった]
[こちらの学校に関する考えを聞いたアイリは不満げに瞼を閉じる。
無論自分の考えが常に正しいとは思っていないし、アイリの言葉にも一理あるとは思うのだが]
――これだけは言っておくぞ。
出来ない奴ってのは、何も出来ないって意味じゃねーんだ。
そりゃいっこの物差しで測りゃ、どうしたって差は出る。
でもな、そこで別の物差しを出すのは、無意味なことじゃないと思うぜ。
[アイリに見越された通りの頑固な男は、思わず主張せずにはいられなかった。
その言葉に妙な実感が籠っているのは、果たして見透かされたかどうか]
……ま、日本人でもお前に近い考えのは居るし、逆でもここまで言う奴は珍しいだろうが、な。
[出来ない奴は諦めるか、もしくはなあなあにしてぬるま湯に浸かるか。
どちらでもない人間を『馬鹿』と評する辺り、世の中の考え方は推して知るべしだった]
丁寧な解説ありがとよっ!
[精霊を介し届いた声に、得物を握る手の力を強くする]
ああ――やってやるぜ!
[叱咤する声に応えるように、枝絡み合う足場を強く、踏み切った]
うん、星司。
キミのスタートに合わせて、ボクも上からあいつの頭を狙う。
今度は捕まったりしないから、任せて!
よっしゃ……んじゃ、上は任したぜ!
俺も、今度は吹っ飛ばされたりしねーからな!
レオ、魔法を放ちます!
巻き込まれないように距離を取って!
[そんな声が、泡玉が弾けるとともに彼女の耳に届いたか。]
レオ、大丈夫ですか?!
[魔法は無事に射抜いたように思えるが、彼女は無事だろうか。
焦った雰囲気が声から伝わるだろうか。]
私、は、大丈夫――。
だか、ら……次の魔法の準備、を。
[焦りを纏うベルティルデの声に、
痛みに耐えながら、止めの魔法の準備をするよう要請する]
[アイリ、と。毒を受けた時に聞こえた呼び方>>259。
今では大喰らいの地精霊くらいにしか呼ばれてない]
うるさいっ!
こんな蛇に殺されても僕が迷惑なんだ!
『死体に回復魔法は効かない』んだ!
[じくじく肌を爛れさせる毒素を抜きながら、蛇腹に連撃を叩き込む]
できるなら初めからそうしてろ!
壊れて当たり前だといっただろう!
[魔法の素養はある様に思えないトオルだが
あの蛇頭に吹き飛ばされた割に元気だという事は、大丈夫なのだろうか、と呆れた嘆息を小さく吐きつつも]
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