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……仔細は、直に見えた際に話すが。
ここは、『譲葉』。力ある者の集う地。
そしてこの地は今、
その、王を選び出す場所が『王座への階』。
……そなたが今いるのは、異界と『譲葉』を結ぶ『異界門』。
先にも言うた通り、そなたは俺の桜花に触れるが適った──故に、こちらへと呼び寄せた。
『王華の選』に挑むに、異界より寄せし『蕾』の力は不可欠故にな。
[声音をやや真面目なものに変えて、伝えるのは最低限の現状説明。*]
[戯れた、の言葉に苛っとした気配はきっと伝わったろう。
目の前に居るならば半目で睨んでいた。
文句の一つでも言ってやろうかとも思ったが、その後に真面目な声色が続いたために未遂に終わる]
……ここが私の居た場所とは異なる場所と言うのは分かったわ。
私が花びらに触れたから呼ばれた、と言うのもとりあえずは理解したけど……。
私が居なきゃ挑めない『王華の選』って。
何をさせる心算よ?
[自分の持つ常識が通用しない場所と理解したがために、問う声には不安の色が滲んだ*]
[改めて周囲を見遣れば、新たに人が増えているよう]
……呼ばれた者と、呼んだ者。
何があるって言うの?
[ここへと現れた当初よりは落ち着いた態。
それはこの地を多少なりとも理解した証。
ナネッテの瞳は誰かを探すように彷徨った*]
[仮に文句を言われたとしても、全開の笑顔が伝わりそうな調子で流した──というのはさておき。
一先ず、現状を理解したらしき相手の問いに、一呼吸分間を置いて]
……『王華』の座を競うもの──『四君子』同士は、互いに刃を交わせぬという決まりがある。
そのために、共に戦うための異界の魂を呼び寄せねばならなくてな。
[ここまでは、真面目な声音で紡ぎ、それから]
まあ、言ってしまえば。
代理戦争に手を貸してくれ、という事になるのだがな。
[一転、軽い口調で身も蓋もない物言いをした。*]
[『四君子』。
競うと言うからには複数居るのだろう。
刃を交えないと言う言葉を聞いた時点で嫌な予感はした]
っっ、簡単に言わないでよ!
いくらスポーツをやってるって言っても、私は戦う術なんて持ってないわ!?
[はきと告げられた代理戦争と言う単語。
この闇桜と言う者は、ナネッテを戦いの場に放り込む心算らしい。
不可能としか言えない状況に声を張り上げるも、その声色は震えていた*]
……勿論、それは承知しておるよ。
[戦う術などない、という主張に返ったのは、至極あっさりとした言葉]
俺とて、何の力も持たせずに戦えなどと言う気はない。
……そのための支度は、確り整える故、そこは案ずるな。
[滲む不安を感じてか、声音は僅か、穏やかなものを帯びる]
まあ、なんだ。
先にも言うたが、仔細は直に見えた時に、だな。
……迎えに赴く故、しばし待て。
桜花を辿れば、俺の所に届くであろうから、そちらから来ても構わんぞ?
[声繋ぐ桜花は、互いの存在の標ともなる。
姿知らずとも、その力を辿れば見つけ出すのは容易い事……との説明は、見事に省いた。*]
[人が集まる中、空気がすぅと冷えたように感じた。
上着も無く、汗も引き始める頃合。
冷える空気は人とは異なる者の影響であることは気付かぬまま、胸の下で組んでいた腕を掌で擦る]
[震える声に帰るのは穏やかな声色。
ただし、その内容は安堵出来るものでは無かった]
何が何でも参加させる心算ね…。
……会ったら張り倒してやるんだから、覚悟しなさい。
[拒否権が無いならばそのくらいはさせろと言わんばかりに言い、ナネッテは短く息を吐いた。
まだ納得したわけではない。
けれど、拒否するだけでは何も進まないと言うのは感じ取っていた]
私から探し出したら、大人しく殴られてくれるかしら?
[迎えにいくと言いながら、そちらから来ても構わないと言う言葉に、ナネッテは至極良い笑顔、な気配を乗せて問う*]
聡いな。
[何がなんでも、という言葉に返るのは短い肯定。
続いた張り倒す、という物言いと、笑みの気配帯びた問いかけ。
応えが紡がれるまで、数拍、間が空いた]
……ほう、これは。
実に、面白い事を言う。
[『四君子』として『王華の選』に加わるようになって幾星霜。
呼び込みし『蕾』には様々なものがいた。
が、恐らく、張り倒すだの殴るだの、と言って来たものはなく]
……ふふ……そうだな。
考えておこう。
[返す声音は、変わらず楽し気なもの。
けれど、それが先ほどまでとは違い──妙に、弾んだような響きを帯びているのは隠しようもなく。*]
[聡いと返る言葉に小さく鼻を鳴らす。
今回に限り、理解が早いと言われても喜べやしない。
不満げな雰囲気を漂わせた後、宣に対する反応に間が空いていることに気付くと、不思議そうな気配を乗せたのだが]
………何楽しそうにしてんのよ。
むっかつく!
[これまでと違う響きを乗せた声を聞き、苛立ちを隠さずに吐き捨てる。
絶対に殴る、と心に誓ったのは言うまでもない]
[祭壇を離れてからの道のりは思いの外長かった。
目的地がこの先であると確信出来るのは、そこに
肌に付着したままの桜の花弁に導かれるように、歩を進める足が段々と速度を増していった]
[相手との距離が拳の届く間合いから二歩前となった辺りでナネッテは腰を捻る。
右腕を顔の横まで掲げ、後ろへと肘を引き、左足を前に置く形でツーステップ。
リズムを取るようにして前進した後、前に置いた左足に力を込め大地を踏み締め、それを軸に捻った腰を逆へと回した。
連動して後方から滑り出すのはにこやかな笑みを湛える相手>>164の頬を狙った右の拳。
宣>>151と共に放ったそれだったが、ほんの僅か、直前に巡らせた首の動きだけで躱されてしまった>>165]
──── きゃあ!?
[拳が空を切っただけでなく、相手の腕がナネッテの身体へと回される。
不意を突かれたことに驚きの声が上がり、体勢を崩したがために相手の胸に飛び込むような形になってしまった]
殴るのに許可なんて要らないでしょ!
[身体を支えるために相手の胸に突いた手に力を込め、身体を離そうとしながら言い返す。
最大限の力を出そうと大きく息を吸い込むと、甘い香りが鼻孔を擽った*]
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