情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[ 相手に意識があると気付くと、少し落ち着いたものの、やはり必死な様子で ]
怪我してない?!頭とか打って...あ、ぶつけたよね?
[ 自分の額とごっつんこしたのは、やっぱり相手の頭のどこかだったはず、と、問いかけて ]
神殿なら癒者が居るから、探して手当を...あ、メル兄さん居るんだっけ...
[ 思い出したのは遠縁の、子供の頃は兄のように慕った相手の事>>176彼が神殿所属の癒者となっている事は聞いていた ]
ボク探してくるから、ここでじっとしてて。
あんまり動いちゃダメだからね?
[ それは多分相手にとっては嬉しく無い指示だったろうけれど、おかまいなしにそう言って ]
セイン、彼の傍についてて、お願い!
[ 風精に手を合わせて頼み込むと、ぱたぱたと駆け出していく。止める暇は無かっただろう ]
[ 取り残された相手は、どんな顔をしていたか。その傍らにやはり置いていかれた風の妖精がふわりと近付いて、面白そうに覗き込む ]
『ウェルは落ち着きないから、困るわよねー。ところであなた、もしかして異界から来たお客さん?』
[ ひらひらぱたぱた、薄緑の翅が、好奇心一杯に*揺れていた* ]
[力の緩やかなる目覚めと共に生じる風の気配。
それは、同じ力を持つ者には伝わるか。
力の共鳴が思わぬ結果を生じさせるとか。
そんな事は、まだ予想もしていないけれど。**]
[ 衝突の衝撃から早くも立ち直ったらしい異界の少年が、風の妖精を目にして驚きの声をあげる>>198 ]
『うふふ、まさかの妖精さんでーす♪』
[ 答える声が楽しげなのは、相手の反応が妖精にとって、相当新鮮なものだったからだ。何しろ、この世界では妖精は「当然存在している」ものなのだ。然程一般人と交流が無いとはいえ、こんなに驚かれることはまず有り得ない ]
『あら…?』
[ そうして笑っていた妖精の周囲…正しくは少年の周囲に風が巡る。>>199
その意味は風の眷属たる妖精には明らかで ]
『ふふ…』
[ 風の姉妹である精霊達の囁き>>200に同調するように微笑んで、ひらひらと薄緑の翅をはばたかせた ]
[ やがて、煌めく翠の欠片を手にした少年の名乗りを受けると>>202薄衣の衣の裾を摘んで、風の妖精は、ふわりと空中で一礼する ]
『私はセイン。セインティア・ルウリア・シルフィエラ。ようこそフラクシヌスへ、星司』
[ 妖精の真名の名乗りは、特別な相手にしか為されぬもの、と、異界の少年が知る筈も無かったが、呼び慣れぬ筈の彼の名を正確に発音して、恭しく贈られた礼が、真摯なものであるのは*伝わっただろう* ]
[ 下敷きにしてしまった異界の少年は「じっちゃんのてっけん」がどーのこーのとうわ言を言っていたが>>195その様子は平気そうには全く見えなかったので、ウェルシュは、大慌てで助け手を探していた ]
え...?
[ その途中、ふいに周囲で風がざわめくのを感じて>>199足を止める ]
『かぜが、ふくよ』
『みちびきのかぜ』
『ねがいをちからに、きぼうをみらいにつなぐかぜ』
『ふたつのたましいが、じゆうなるかぜをよぶよ』
[ 囁く精霊達の声が、魂を揺らす ]
自由、なる、風…
[夢で見たのは、翠の光の中、駆け抜けて行く風
それが今、夢ではなく、すぐ傍にある、と
魂の奥底で声が…コエが、谺する]
[ 琥珀の瞳を瞬かせ、大きく手を振る相手が誰なのかを認識した途端、ぱあっと表情が明るくなった ]
良かった、会えたあー!
[ 近付いて来る青年に、転がるように駆け寄っていく ]
うん、久しぶり!ボクは元気だよ。ダッドもマムも元気。背、伸びたかなあ?
メル兄さんは全然変わらな…いや、ええと、すごくかっこ良くなったねっ!
[ 懐かしさと再会の喜びに思わず浸りそうになってしまったが、どうかしたかと問われて>>220本来の用事を思い出した ]
そうだ!助けてよ、メル兄さん。
ボクまた魔法失敗して、世界樹に激突しかけて落っこちて、そしたら下に人が居て、避けてって言ったんだけど、下敷きになっちゃって、てっけんせいさいがどうとか言ってるけど何か頭打ったかもしれなくて、急いで手当しないとって…
[ 一気にまくしたてた諸事情は、かなりとっちらかっていたが、手当をして欲しい人間がいる、とは、かろうじて伝わったろうか* ]
[ 魔力のキャパシティは充分、風との親和も申し分無い、おまけに伝説の大魔法使いと似た容姿…と、くれば、周囲に期待するなという方が無理な話。だが、どういうわけか、ウェルシュは子供の頃から魔法が苦手だった ]
[ パワーは充分な分、失敗すると暴走が半端ない。それが余計に少年を萎縮させたのか、次第に魔法の練習より剣の練習に力が入るようになり…今ではすっかり、剣の腕の方が魔法より上、と自他共に認める始末だ ]
[ それでも「出来る事をすればいい」と、ウェルシュの両親は寛容に息子を励ましていたものの「大魔法使いの血筋」にこだわる親類縁者の多くは事有るごとに「せっかくの血筋が」とか「大魔法使いの名に泥を塗る気か」と姦しい ]
[ そして今、世界の危機に、勇者の血筋として招集された息子に、普段は無理に魔法を使え、とは言わない父親が、「魔法で飛んで行ってみろ」と勧めたのは、恐らく、彼なりの息子を案ずるおやごころ、だったのだろうが…ものの見事に裏目に出たのが現状であった* ]
/*
先にボクを心配してくれるメル兄さんが優しくて大人でごろごろします。
[ ごろごろにゃーん ]
[ 自分の楽しみまっしぐらである ]
え、と、ボクは大丈夫。セインが結界かけてくれたから、ちょっとたんこぶ出来たかもだけど、怪我はないよ。
ありがとう、メル兄さん。
[ まず自分の身体をと心配してくれる人に>>237そう伝えながら、嬉しげに微笑む。
子供の頃から、癒しの術に長けた彼の事を尊敬もし、慕ってもいたのは、術の腕だけではなく、彼が本当に優しい人だと感じていたからだ ]
うん、お願い。彼に何かあったらボク...
[ 急ごうという相手に>>238頷き返して、案内に立ちながら、軽く胸元を押さえる。
彼に本当に何かあったら、とても嫌だ。
そう強く思うのは、どうしてだろう? ]
/*
どうもこのこ、人を嫌うことがあんまり無さげなので、開き直って懐きまくることにした(ドヤ
アイリも色々振ってくれてるから会いに行きたいけど、お互いまだ会える位置にいなさそうだなあ...頑張ろう。
[ 焦る心を宥めるように、さわさわと風が巡る ]
こっち、あそこだよ、メル兄さん!
[ 指し示す先もまた、風の気配が包むのを感じて、ウェルシュは、足は止めぬまま目を見開いた* ]
/*
ところで今思ったが>>244は、「恋かしら?」と、ボケる案件だね。
ちなみに、今回の二人でそれだけはないwと断言しておこうwww
……んにゃ?
[問いを口にした直後に、ふと、何かを感じた。
ふわりとふれるそれは、全力で走っている時に近くに感じる風にも似て]
……なーんだろ、これ……?
[意識の内、零れて落ちるのは、素の疑問。*]
― 裏庭 ―
『うふふ、ありがとう。普段はセインと呼んでくれればいいわ。ウェルもそう呼ぶし』
[ 名乗りを済ませば風の妖精は気安い口調に戻って ]
『ウェルには、私が風の結界をかけておいたから大丈夫...あ、ほら、戻って来たわよ』
[ 案じる様子>>255を見ればそう告げて、メレディスと連れ立ってやって来る方を指し示した ]
― 裏庭 ―
[ メレディスの問いに笑顔で応える少年を見ると>>270不安が少し和らいで ]
ほんとに大丈夫?
ごめんね。ボク魔法が苦手で...ちゃんとキミを守ってあげられると良かったんだけど。
[ 謝罪してから、メレディスが具合を診てくれるのを見守り、大丈夫そうという言葉に>>274安堵の息をついた ]
.........ええと?呼ばれたってメル兄さんそれ...?
[ 続いた問いかけ>>277に、そういえば普通の住人とも神殿の人間とも様子が違う、と、漸く気付いて、首を傾げる。
ウェルシュは、まだ神官長に目通りしておらず、何の事情も把握していなかった ]
[ ふわふわと、人間達の会話を聞いていた風の妖精が、くすくすと笑う ]
『星司は「疾風の御魂」よ。さっき精霊にも認められたもの』
[ 楽しげにそう告げて、つん、と、揶揄うようにウェルシュの髪を引っ張った ]
『ウェルも頑張らないと、異界の風に負けちゃうわよー?』
いて...え?疾風の?じゃあ、さっきの風...
[ まじまじと星司の顔を見つめること数刻 ]
そっかあ...だから、こんなに気になったんだね。
[ 次の瞬間、ふにゃりと破顔する ]
会えて嬉しいよ、ええと、星司でいい?
[ 名の発音は妖精と同様に正確 ]
ボクは、ウェルシュカーディ・シルフィオレ。
疾風の守護者だよ。名前長過ぎるだろうからウェルでもウェルシュでも好きに呼んでね。
ボク、全然未熟で、頼りないかもしれないけど、キミと同じ風の眷属だからね。
一緒に頑張ろう?
[ 相手がこの立場をどう考えているか、とか、どの程度の実力なのか、とかは、とりあえず置いておく。
少なくとも精霊が認めたという事、彼が笑顔を見せてくれた事、それだけでウェルシュには充分だった* ]
うん、メル兄さん、ありがとう。
[ 神官長に挨拶に行けば、というメレディスの勧めにも素直に頷く>>308
星司が異界から召喚された存在であり、同じ風の眷属とは理解し、それが世界の異変と関わることも察してはいたが、具体的にどうすればいいのかは、まだまるで掴めていなかったから ]
でも、神官長様って、ちょっと苦手なんだよねえ...ボク。
[ なんか時々笑顔が怖い、と、心の中で呟いたのは、もしかしたら簡単に読み取れたかも ]
やれる事、か、そうだね。「やれる事」をがんばろう!
[ 星司の言葉>>311に、思いっ切り力を入れて頷いたその心の内は、ちょっと複雑ではあったが ]
それじゃボク、神官長様に会いに行ってくるよ。
メル兄さん、星司も、また後でね!
[ やがて、そう宣して手を振ると、身を翻し、ぱたぱたと駆け去っていく ]
『やっぱり落ち着きないわねえ...』
[ 呆れたように零した風の妖精も『またね』と笑ってその後を追った* ]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新