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古ぼけた歴史書 は 影の軍師 アレクシス に投票した
盟主 ジェフロイ は 影の軍師 アレクシス に投票した
共和国大使 カナン は 影の軍師 アレクシス に投票した
共和国大使補佐 シメオン は 影の軍師 アレクシス に投票した
巫女姫 シルキー は 影の軍師 アレクシス に投票した
貴族 クレメンス は 影の軍師 アレクシス に投票した
貴族 ソマリ は 影の軍師 アレクシス に投票した
影の軍師 アレクシス は 影の軍師 アレクシス に投票した
影の軍師 アレクシス は村人の手により処刑された。
次の日の朝、貴族 クレメンス が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、古ぼけた歴史書 、盟主 ジェフロイ、共和国大使 カナン、共和国大使補佐 シメオン、巫女姫 シルキー、貴族 ソマリの6名。
オプティモを巡る戦いは、オプティモ側の降伏という形で幕を閉じた。
オプティモ領主であったラウド・レイ・クレメンスは攻め手であるソマリ・フル・アレイゼルに街と兵を委譲した後、行方をくらましている。
同じ時期、ほぼ同じ場所で行われた解放軍と王府軍艦隊との戦いでは、王府軍の指揮官であり巫女姫の側近でもあったアレクシス・ユレが戦死を遂げた。
この二つの戦いを境に、戦乱は最終局面を迎えるのである。
――― ロバート・ヘルグムント著「ナミュール島年代記」
/*
「アレクシス」と「クレメンス」は、熱戦、お疲れ様でした。
墓下あたためよろしくお願いします。
この6dが最終日となります。
【投票を「古ぼけた歴史書」にセットしてください】
もし、3/20・8時より早く物語の決着がついたならコミットしても構いません。
エピでは即灰解禁、延長2回の予定です。
それでは、希望ある未来に向けて、おのおの熱い力を尽くしましょう。
共和国大使 カナンは、古ぼけた歴史書 を投票先に選びました。
古ぼけた歴史書 は、古ぼけた歴史書 を投票先に選びました。
貴族 ソマリは、古ぼけた歴史書 を投票先に選びました。
― オプティモ・クレメンス邸 ―
こうして信書も交わしたことだ、
これからは、ソマリと呼ばせてもらうことにする。
[密約という名の信用を交わした相手の呼び方を改めて、心の距離を言葉にした。]
おれのこともカナンと呼んでもらって結構。
いや、リリの方がいいかな…
貴卿が気にしていたこの仮面だが。
王府では公的な立場での援軍を断られ、本名を伏せてシルキーを護衛すべく採用したものでね、
リリエンタール・
長老殿ご本人もリリエンタールと呼んでくれたから、ま、お楽しみ枠ご公認ということで。
[カナンは、今一度、その仮面を装着する。]
長老殿は、おれには降伏の件を告げていかなかったし、街の人間にも説明はしていないようだ。
だがまったく混乱や抵抗運動がないから、長老殿は、何も言わずとも街の民が自分を信じて、その決断を支持してくれると信じていたに違いない。
そして、街の住民は応えた。
信じて委ねられていると信じる──
幸福な相互信用だ。
かくありたい。
ああ、かの御仁の行方だが、探しまわらずともいい。
おれは聞いている。
西の砦へクロード君に会いに行くと。
あの方のことだ、物騒な目的であるものか。
ふふ、顔も見せずにと不貞腐れるなよ?
ソマリには危うさを感じなかったという信用の裏返しなのだから。
[それでも、クレメンスの出発前に会話することができた自分にちょっとした優越感があるのはしょうがない。
クレメンスは無自覚に人タラシだ。懐に人を引き込み魅了する。
どうやら、シメオンもそうらしい。
相変わらず彼はカナンに近しい魂の双子だ。]
それより、
沖合を西航中の船団がオプティモを攻略対象とするのか確認し、備える必要がある。
長老殿がそちらに委ねた兵、船の運用に携わる者をいくらか俺に預けてくれないか。
おれはマチュザレムでは軍籍にある。
兵の動かし方は心得ているとも。
[そう手を打ったが、結局、王府の船団は、オプティモに寄ることなく西進していった。
アレイゼルとオプティモの紋章を並べて掲げたこちらの船を見て、すでにオプティモが陥落したと察しもしたろう。
飛行船を手放していたカナンが独断専行でその旗艦の甲板に舞い降りることもなく、思いはすれ違う。
そして、同じ女性を巡って対峙し、あるいは協力しあえたかもしれないアレクシスが生きて再びカナンに相見えることはなかった。
アレクシスの切なる献身の心は、煙となって天へと帰ってゆく。*]
─ 道中 ─
砂上の楼閣であれど……
ゆえにこそ出来ることも、御座います。
[朱馬車に揺られながら。
と、独りごちる巫女姫]
見栄えならある、ということですしね。
クロード・ジェフロイ…。
私も貴方も、きっと不器用なのでしょうね。
もっと器用な遣り方はあったのでしょうけれど……
敏腕たる貴族諸侯の皆様のようにはいきませんし、
適材適所という言葉も御座います。
───…私も、貴方も。
ナミュールの未来のかたちを描いて此処まで来た。
貴方は悩まずに、
私は悩みながら、
………………。
命が失われるのは哀しいこと。
けれど皆様が分かりやすい形というのも、
きっと時代に必要なもの…なのでしょう。
クロード・ジェフロイ…、
……いいえ。ロイ兄様。
― オプティモ ―
…っ!
[シメオンがクレメンスの死を伝えてきたのは、地平の果てに陽が沈まんとする頃だった。]
長老殿 が、
[呻く
「飛行船で戻られるのでしたら、沖の小島へ。篝火を焚いて目印にしておきます」
手回しよく指示され、カナンはその旨、シメオンに伝える。
深まる闇が、飛行船の到着を人目から隠してくれよう。]
お別れを 言いたい。
[懇願すれば、家令は無言で
そこで目印の火をたき、飛行船を待つ。*]
− ブラバンド・声明発表の日 − >>5:335>>5:336>>5:337
[オプティモを発った義勇兵たちは二日をかけて首都に帰着し、彼らを追い越した早馬や伝書鳩によって届けられていた西部戦線の推移と、ブラバンド開城を決めた巫女姫の声明を知ることとなる。
「反乱軍は貴族を皆殺しにすると息巻いている」といった流言飛語も飛び交う中、ブラバンドは逃げ出そうとする者、巫女姫の指示どおりに降伏の支度を進める者、様々な人間が行き交っていた。
元々クレメンスの護衛兵である男たちは、宿で待つ同僚およびカナンのアリバイづくりに残されたサイードと合流し、宿に届けられたシルキーの手紙を持って、馬を使い、急ぎカナンのいるオプティモへ戻ることにする。]
[一方、解散を指示された8名の義勇兵は、巫女姫が敵をひきつけるべく神殿に籠ったと聞くと、拳を握って誓い合った。
「巫女姫様をお護りするぞ!」
「姫様にすべておっかぶせて見守るだけなんて男のすることじゃねぇ」
「オレたちの暮らしを守ってくれるのは姫様しかいない」
そして、同志を募りドルマールへ向かう。
正規軍のような整然とした形ではない。
だがそれは、確かに、シルキーに白紙の未来を託された民のあげた「声」のひとつであった。*]
― オプティモ西砦付近・海岸 ―
[アレクシス・ユレの死をもって、戦いは終息へ向かった。
巫女姫への敬慕と指揮官の想いを宿し、
できるだけ時間を稼ぐべく戦い続けようとする者もいたが、
やがて彼らも武器を落とし、交戦を止めた。
可燃物を満載していた旗艦は激しく燃え上がり、
戦闘が終わった後も、天高く煙を立ち昇らせていた。]
[やがて旗艦の炎も燃え尽きるころ、
解放軍と王府軍との間で取り決めがなされる。
お互いの継戦能力が十分にあったことから]
条件は最低限のものとなった。
王府軍は武器を収め、死傷者を収容して立ち去ること。
解放軍はこれを攻撃しないこと。
砦の兵たちは船団到着直後は意気上がり、
解放軍を挟撃すべく打って出さえした。
しかし船団が戦いを止め、これ以上の抗戦は無駄と判断したか、
砦を明け渡して立ち去ることを了承する。
彼らもまた船に乗って首都へと戻ることとなる。
帰還に足りない物資は、砦から運び込まれた。
こうして、アレクシス・ユレを含む死者たちもまた、
ブラバントへと帰還していった。]
[解放軍はそのまま砦を占拠し、
事後処理と次に向けた準備を行う。
部隊の再編、武装の点検、負傷者の治療、死者の埋葬。
細々とした処理を行っている間、盟主は数人の同志と共に馬を駆ってオプティモの街へ向かった。]
ナミュール解放連盟盟主、クロード・ジェフロイだ。
ソマリ・フル・アレイゼル卿にお会いしたい。
こちらにおられるか?
[街の門の前で、騎乗のまま門衛に向けて声を上げる**]
― ベルサリス学館 ―
[戸棚の中、何かが軋むような小さな音がした。
ごく微かな、溜息のような音。
その音は、部屋の空気を揺らし、男の耳に届いた。
戸棚に歩み寄り、戸を開く。
並んでいたのは35年前のあの日の日付が書かれた
ふたつのグラス。
ナミュールが開かれたら飲もう。
約束していたグラスのひとつが、静かにひび割れていた。]**
― 飛行船 ―
[クレメンスの声がどんどん小さくなっていく>>5:330。
願うような声、けれどその先は紡がれずに]
───── っ 、 ぅ……
[支えているが故に分かる、消え行く鼓動。
滴る赤い雫も勢いを弱め始めた]
……っ、ニー ル、
もう しばらく、飛んでやって くれ
[既にクレメンスの瞳は閉じられてしまっているが、もっと見せてやりたいから、と。
ニールもその意を汲んで、しばしの間、クレメンスの魂を運ぶかのように飛行船はナミュールの空を漂った]
[シメオン達を息子のようだったと言ってくれたクレメンス。
ようやく伝えることが出来たのは、陽が沈まんとする頃]
……カナン。
おっさん、腹に 矢傷 受けてた。
それなのにクロードに会いに来て、アイツに道を示して。
──…手遅れ、だった。
[震える声でその死を伝える]
[クレメンスの死を知ったカナンから飛行船の着陸先>>9を聞き、ニールに小島の位置を示す。
徐々に落ちる闇の帳。
冷え始めたクレメンスの身体を抱きかかえるシメオンを乗せた飛行船が、闇の中に灯る
― オプティモ沖・小島 ―
[ニールが操る飛行船が小島へとゆっくり着陸する。
揺れが収まったのを確認すると、シメオンはクレメンスを抱えて飛行船を降りた]
カナン…。
[家令と共に待っていたカナンの傍に寄り、満足げな顔で眠るクレメンスを見せる]
俺達のこと、息子のようだった、だってよ。
[そう言って、ほんの少しだけ口端を持ち上げた]
[カナンがクレメンスにお別れを済ませた後、クレメンスは家令に引き取られる。
それと入れ替わるように渡された、一通の書状>>5:331。
中を確認すると、クレメンスの遺言が記されていた。
内容はカナンにも伝えておく]
カナン……いや、
リリエンタール・バスタード・クレメンス。
アンタの父親から預かり物がある。
[敢えて偽名で呼び、シメオンは託された紋章入りの指輪を
放蕩息子への形見分けだってよ。
確かに、渡したぜ。
[看取った者としての責を果たす]
[
けれど、助けられなかったと後悔はしていない。
クレメンスは死の間際、自らの役目をやり遂げたように満足げだった。
彼が満たされながら迎えた最期をどうして悔やめようか。
それに、ここで後悔して立ち止まってしまったら笑われてしまうような、そんな気がした**]
共和国大使補佐 シメオンは、古ぼけた歴史書 を投票先に選びました。
/*
お疲れ様です。
色々と、不甲斐なくってすみません……
読んできます。
でも、ちょっと連日の寝不足から、眠いです……
すいません、先に寝てきます。
― オプティモ・クレメンス邸 ―
良いだろう。では私からもカナンと。
私を名で呼ぶ者は少なくてね。ふふ、なかなか新鮮だ。
[呼び方を改められると、表情が微かに物珍しそうに動いた]
ウェントス族の者が救護所に。
情報感謝するよ、カナン。
彼、ルディは此れからの部族に必要な存在だろう。
後程私も救護所にしつれ…
…リリの方が良いのか?
まさか、異国では姓名の順序が逆であるなど…
[貴族は常に優雅で冷静足らねばならん。それが基本人の上に立つ者の振る舞いだ。
故に、紅茶を口から零しても尚、手を付いた卓が万力に揺れるのも始めて]
お、オプティモならば問題はない。
つうじょう、領地支配者が挿げ替えられる事による民衆の不満が噴出を始めるのは、十日は先。
つまり、悪政が目立ち民衆の暮らしに影響が認められた場合においてで…
[何とか、カナンに大丈夫だと云う説明をしようとしていたが。
ぷるぷると机にしがみ付く様では、頷き羨ましげな表情を浮かべる彼には届かない]
[漸く調子が戻り、居住まいを正して向き直る]
そうか、クレメンス卿は西の砦へ。
いや、そちらの方面では気にしてはいない。
クレメンス卿はこういう決断は潔い御方だ。
そこは気にしていないのだが…。
[然し大人しく領主館に留まらない所に不安を感じるのだ]
西航中の船団についてか。
本来ならば大使の立場に将兵を貸し与えるなど御法度なのだが。
いいや、今は云うまい。
オプティモの船乗りや投降兵は、カナンに一任しよう。
[然し机上で鑑みる限りでは、恐らくオプティモ攻略は遅すぎ
目標は南島か、或いは西砦の挟撃と云う所だろうかと予測はされる]
[結局、予想通りに西航船団は、オプティモを過ぎた。
それらは後に、アレクシス・ユレの戦死を伴い、報を知らされるだろう。
戦略性を見れば、敵軍挟撃を加味すれども勝機などとても薄い。
冷徹な判断を降せば、元々本気で勝つ気概は聞き受けられず。
それらはブラバンドを出立する巫女姫の動きと共に、朧気に形を成すだろう。
最期まで巫女姫を案じるその心に殉じて遂げた。
西の海からは、微かな煙が立ち上るのが見えたかもしれない]
― オプティモ・救護所 ―
[その後、地平に陽が沈む日暮れ頃に、男は救護所を訪れていた。
北の森林、南の山岳、古き民達も共に訪れている]
…そうか。処置の上では問題ないと。
やられたのが腕で良かった。
これで胴を穿たれていてはとても生きては居れまいだろう。
…全く、漸くこれから、融和から友好へ進めると云うのに。
その友人が潰れてくれては私も困る。
[飽くまで王国の利を見据える貴族としての言葉も多いに含むが。
経過は然程深刻でなさそうな事を理解して、安堵する様に頷いた頃。
救護所を纏める中年の女性に、『貴族様でもお友達でも、こんな団体で来るんじゃないよっ!!』と敢え無く放り出されてしまったのだが]
[そして後の経過や付き添いは、同胞達に任せて、男が再び領主館へ戻ると。
日暮れと共に訪れた飛行物体、そして遅れて知らされたのは]
… … …クレメンス卿がだと…
…っ家令、私を謀ってたか!!
[激した所で、既に全て承知していた家令は勤めて冷静でいた。
危惧した者とは違えた、男が微かに覚えたのは、後の王国を託すと云わん様子のクレメンス卿が、果敢無むのかと思い、一度は杞憂かと思い直したのだが。
家令を問い質せば、元々あの城塞撤退の折に、深い矢傷を受けていたのだと知り]
… … … … …つまりは手を降したのは私と云う訳か… …。
[額を手で抑え、呻く。元々クレメンス卿を手に掛ける事も覚悟しての戦だ。
今現在では事情が変われど、それは当初の規定路線に沿ったまでの話なのだ]
… … …緘口令を徹底させろ。
カナン、副使殿及び使節団の徹底は任せる。
家令、理解はしているだろうが他言は死を意味すると考えろ…。
[沖の小島へカナンを伴う姿を、男は見送る事にした。
最期を見送りはしない、今は伏せる事を伏せ、オプティモの安定を図る事こそが彼の卿の望む事だろうと思い]
― オプティモ ―
[その後。西の砦における戦闘が解放軍の勝利に終わり。
砦とオプティモを抑えた事実は程無く王国の全土に広がるだろう]
…盟主クロード・ジェフロイよ、待っていた。
既に君も知る通り、私は此処オプティモを抑えたよ。
クレメンス卿も今は領主館で御静養なされている。
[少数の同志を伴い、オプティモを訪れた彼等を、男は領主の暫定代行として出迎える。
彼の傍らにふと視線を向けるが。やはりそれは男の知る人物ではない]
[「おっさん」 「矢傷」 「手遅れ」 「だった」
もはや取り返しのつかない過去形でもたらされる知らせ。]
何故!
[予感がなかったとはいわない。
血の匂い。「限界でな」と笑った顔に過った疲労のいろ。別れ際に投げかけられた祝福の言葉。
それでも、抑えがたく感情は波立つ。]
[クロードが、面会に来たクレメンスを殺すことは考え難い。
クレメンスもまた、死をもって決起を諌めるような気質ではない。
シメオンが告げたように、傷を押して道を示しに向かい、そうして自ら見定めた死の眠りについたのだろう。
覚悟の死であったと予測はできる。
だが──、]
早すぎる…
[慟哭が吹き荒れた。]
[ややたって、カナンは家令の指示を告げ、飛行船を沖の小島へ向けるよう伝える。
少し嗄れた声。]
おまえが看取ってくれたんだな。
それがせめてもの──慰めだ。
ありがとう、 そして、
…やっぱり、 ありがとう、 シメオン。
気をつけて 早く 帰ってきてくれ。
おまえの抱擁が、 欲しい。
− オプティモ・沖の小島 −
[飛行船が戻ってきたのは宵闇の深まった中。
松明を振って誘導する人影に気づいて、ニールが飛行船を沖の小島に飛行船を着陸させる。
爆ぜる炎の揺れる明かりの中でシメオンと視線を交わすが、事実は揺らがず。
クレメンスは、触れて確認するまでもなく、もはや物言わぬ骸となって帰還したのだった。]
…おかえり、
[クメレンスの末期を語り、深い哀しみをたたえた切ない笑みを浮かべるシメオンと二人、血を流し尽くした痩躯を左右から支えてナミュールの大地へと横たえる。]
― オプティモ ―
わざわざの出迎えに感謝します。
[出迎えに現れたソマリに、不作法にも馬上で相対する。
型どおりの感謝を述べて目礼したあと、
クレメンスの消息を聞き、視線を揺らした。]
おっちゃ……クレメンス卿は大事ないようでなによりです。
昨日お会いした時は、怪我をされていたようなので───
[語尾が曖昧に消え、視線が逸れる。
ふると首を振れば、髪が馬の尾のように跳ねた。]
まずは、オプティモ掌握のお祝いを。
そして俺から、謝罪を。
貴方の従兄弟をみすみす死なせてしまった。
責は俺にある。申し訳ないことをした。
[謝罪の言葉を口にして、頭を下げる。
だがそこに、後悔も自責の念もない。
謝意を除けば、いっそ晴れやかな心があった。]
最期にお願いを。
共に、首都へ行こう。
貴方が俺たちとともに首都へ行くなら、
未来の形のこれ以上ない象徴になる。
[最後は誘いだった。
最後の一手を詰めるための同胞として、ソマリを求める。]
その時に合流してもらえると嬉しい。
共に、最初の一歩を刻もう。
[今にも砦へ駆け戻りたそうな馬と自分の心を押さえて、ソマリへと手を伸ばした。]
嘘みたいだ。
よく寝たと言って目を覚ましそうな、 そんな気すらするのに。
[満足げな死に顔に指を添える。]
まだ… まだ、 居て欲しかった。
あの船で一緒に外海へ── そう、 思って 、
それが もう 叶わないなんて。
[シメオンが、仮初めの名を呼び、クレメンスの形見の指輪を差し出す。
そこに刻まれているのは、遥かな海を渡った海賊の末裔、クレメンス家の紋章だ。
放蕩息子へ、との遺言に、
だが、それは痛みの涙ではなく、温かい涙へと変わってゆく。
慈しまれてあったのだと、故人の想いを胸に宿せば、それは未来へ繋がる力となる。]
[指輪を、左手にそっと嵌める。
小さく、ハグされるにも似た感触。]
皆が豊かに、笑いあい、希望を抱ける
[それには、主張するだけではダメだと。
仮にもクレメンスの姓を名乗ったのだ。彼の包容力を見習い、閉ざされた扉を叩こうと胸に誓う。
「ここで後悔して立ち止まってしまったら笑われてしまう」
クレメンスも兄弟と認めたシメオンの声なき声に頷き、その手を握って立ち上がった。]
──見守っていてください。 父さん。
[その後、秘かに荼毘にふされたクレメンスの遺灰は壷に収められた。
彼の望み通り、海へ還してもらうべく、家令に託しておく。
良き領主を慕った街の民も散骨に参加できるよう、戦が終わってからと話をつけた。
クレメンスの髪の一房は、シルキーから贈られた金箔細工の箱に納め、クレメンスが生涯をかけて再生した伝説の船に乗せておく。
サシャの祖父の遺灰と旧式の銃もまた船に安置した。]
ともに外の世界へゆく日まで、この静かな波に揺られて休まれんことを。
俺も、ようやく振り切れた気がするんだ。ガート。
[逸る気を押さえながら、
ここではないどこかへ語り掛ける。]
振り切れた、とは違うかな。
嘆くのも公開するのも後にしようと思えるようになった。
後ろを向いている間に失われていくものは多い。
なら、前へ、一歩でも先に。
そう思えるようになった、ってことかな。
クレメンスのおっちゃんには感謝しかないな。
俺の目を覚ましてくれた。
俺を、未来の側に引き戻してくれたんだ。
あとで、もっとちゃんとお礼を言わないとな。
それは恐らく、我が従兄弟も同じ思い。
王国の行く末に希望を見出し、戦い、立派に志を遂げた。
それだけの話だ。君が謝る理由などない。
[前に立ち、上に立つなら、後ろを下を向いてはいけない。
常に凛と未来のみを見定め。後悔するなら後で密やかに。
だが彼の瞳は、後ろ足に囚われている様では無さそうだった]
[最後には誘い。首都へ、ブラバンドへ往く英雄の意志]
…ブラバンドに残された民は不安を抱えているだろう。
巫女姫という柱を揺るがされ、戦という恐怖に怯え。
君が彼等をどう扱うか。この国をどう導くか。
[手が伸ばされる。そしてそれに手を出す前に彼の瞳を再び見上げて]
姫王陛下より課せられた最後の試練と行こうではないか。
千年の祈りよりも強く、民の思いをひとつに出来る炎があるのか。
このソマリ・フル・アレイゼルに見せてくれ。
君の、君達の瞳に浮かぶ炎を。
[そしてその手を、強く握り締める事で返した]
[カナンはシメオンとソマリ、そして呼べる場所にいるならばクロードにも招集をかける。]
シルキーから、手紙が届いた。
ドルマール神殿で待っていると。
[アレイゼルの斥候は既に、シルキーがわずかな手勢を率いて神殿入りした情報を掴んでいた。
ゆえに、呼んだのは皆に彼女の居場所を教えるためではない。]
― ドルマール神殿 ―
[三日月湖に囲まれた神聖なる神殿。
王国最大の聖地にして、巫女姫が祈りを奉げる聖域。
その聖域の前には、神殿への害を為す者を拒む2000の兵士達がいた。
アレイゼル軍の歩兵大隊だ。
堅牢なる砦を護る2000の歩兵隊は容易には突破する事など適わない。
然し宝珠を守る為のみに寄越された彼等私兵が、ある一団を目の当たりにする。
それは誇り高くも強力なる王国騎士団の精鋭400名と。
400の精鋭を率いて凛と辿り着きその姿を見せるは…]
[アレイゼルの歩兵隊が動き出した]
『全隊整ーー列!』
[号令を掛けられた歩兵隊2000全ては、巫女姫率いる精鋭隊の眼前に立ち並び]
『我らが神聖なる巫女姫の御帰還に敬ーー礼!』
[以前、軍編成の際に領主たるアレイゼルに命じられた通りに>>3:309。
王府軍、それも頂点たる巫女姫に刃向ける様子など欠片もありえず。
ドルマール神殿まで続く、両脇二列からなる2000の歩兵により作られた道が、巫女姫と400の精鋭を神殿の内側まで最敬礼で見送るだろう。
彼等2000の兵士は、巫女姫の神殿入りを認めると、やがて、アレイゼル領主からの帰還命令が下されるまで、神殿の前を守り続ける事となる*]
彼女は、「御提案いただいた件、折り良い返事をお返ししたく」と書いてきた。
折り良い返事、と聞くだけで脈が早まるが──、実際のところ、
ブラバンドの無血開城が提示され、戦の趨勢の定まった今、超法規的に王府軍に戦力支援をするためにおれが彼女に打診した内容は、もはや適応できない。
そして、神殿に退いた彼女自身、すでに国政の実質的な担い手ではなく、共和国にとって国交交渉の相手ではない。
ゆえに、彼女から折り良い返事をもらっても受諾できない。
残念なことだが、その機会は過ぎてしまった。
[恬淡と説明するのは、外交官としての立場と見解だ。]
今、彼女のもつカードは、「宝珠」そして、彼女自身の「命」と「愛」のみ。
そのいずれも──大きなカードだ。
最後のひとつは個人的な需要にしても、宝珠の秘密が明かされなければ開国実施は難しいし、彼女が死んだりしたらせっかく終息しかけている内乱は深い禍根を残して泥沼化する。
開国はナミュールのためだと、羽搏くための翼を国民に返してくれと、彼女に納得してもらうことは必須だ。
おれは、彼女が用意してくれたこの会見に応じようと思う。
何か、意見は?
あるいは、彼女に訴えたいことがある者は?
手紙には、一人で来いとは書いてない。
[正直に、それも明かした。
恋する心は軋みつつ。*]
ではまた後ほど、お邪魔する。
─── ああ、それと、
[手を離し、一礼して馬首を返す。
駆け出そうとする前に、一度振り返った。]
先日は不甲斐ないところをお見せしてすまなかった。
どうも意固地になっていたらしい。
若輩者が、気負いすぎだったと笑ってくれ。
[軽やかに笑ってみせ、馬の腹を蹴った。]*
― 後日・オプティモ ―
[やがて、出立の準備を整えた解放軍がオプティモの前に姿を現した。
先日の戦いで数を減らしてはいたが、それでも万を超える。
民兵が主体の軍は、相変わらず統一された軍装などはなく、武器もどこか生活環溢れたものが目立つ。
ただ、全員が赤と白の細い布を体のどこかに巻いていた。
赤は炎を表し、白は風を表す。
旧弊を焼き、新風を吹かせるというシンボルだ。
オプティモの門へ向かい、ソマリと合流しようとしたところへ、こちらへ向かってくる使者があった。]
外交官宛てに、巫女姫から手紙?
[呼ばれて中へ入り、手紙についての話を聞くこととなる。]
おいおい、巫女姫でいる事を決めてんのは巫女姫自身だぜ。
お前が気をもむとこじゃねーよ。
[>>5:~11束縛するとかいう声が聞こえてきた。]
まぁ周りがあの姫さんに、巫女姫で居てほしいって
思ってるから彼女は応えてる、って所はあるだろうけど
それでも戦場にまで出て来た姫さんだ。
自分の意思でやってる事をどうこう言う必要もねぇよ。
まぁ俺が言っても仕方ないけどさ。
[彼女の気持ちの全てを理解しているわけでもないのだから。]
…
[>>5:~12>>5:~13ふわりと友人の近くに浮いて、べしべし頭を叩いたが手はすり抜けるばかりだった。ああ死んだんだなぁと改めて思うがそれよりも気がかりは目の前にあった。]
おーい、しっかりしろ?
お。
[>>5:~15>>5:208自分の代わりに、ゴンと頭に剣が落ちるとけらと笑った。]
なんだ、俺がやりたい事、
解ってんじゃん。
[とても叩きたかったのだ。]
……ああ。
[ルディの言葉に頷く>>+97
北に赴いて北の民と共に戦うことを決めたこと。
そして戦場へ赴いたこと。
ルディが為して、語ったこと。語らなかったこと。
何かを背負っているわけではない自分には想像もつかない重責なのではないか、と思う。
それをやり遂げたルディが今までよりも一段と大きく見えて。
手を伸ばしてくしゃくしゃとルディの頭を撫でた]
……ぁ。
[蒼い世界で言葉交わしていると、また、声>>27が聞こえた。
ああ、そうだ、と思う。
自分はまだ、何もできていない。
北の森の同胞を、ラクスの民を。
南の山の一族と同じく、開かなくてはならないのに]
(ちゃんと、もどらない、と)
[揺れる意識は、また、此岸の方を顧みる。
けれど、戻るまでの揺れは未だなく。
風は狭間でふわりと揺れて──*]
/*
ふみみゃああああああっ!?
[いきなりハグされた]
[条件反射でじたばたした]
[……なんか一発くらい、いい当たりしたかもしんない]
[波立つカナンの感情が伝わり、必死に抑えていたシメオンの感情が共鳴を起こす。
感情は雫となり零れ落ち、嗚咽が慟哭へと入り交じる。
それが収まり始めたのは、カナンの嗄れた声が聞こえた頃だった]
……ああ。
俺も、最期に傍にいることが出来て、良かったよ。
俺がちゃんと帰れるように、
俺を受け止めてくれ。
[再会の場所は異なれど、約を違わずに居てくれと。
そんな願いも含めて声を伝える]
― オプティモ沖・小島 ―
[嘘のようだ>>36とカナンは言う。
シメオン自身もそう思った。
けれどそれはもう、叶わない]
[指輪を受け取ったカナンは新たな決意をしたよう>>38。
シメオンはそれを援くことを誓う。
誓いを示すようにカナンに手を差し出し、立ち上がる支えとなった]
必ず、ナミュールに良き未来を───
[残った者達全てで築かんと誓う]
[カナンの提案でクレメンスの遺髪、そしてサシャの祖父の遺骨と旧式の銃を伝説の船に乗せることとなった。
荷から遺骨の入った小袋を取り出し、旧式銃の傍に並べる]
必ず連れてってやるからな。
[祈りもまた誓いへと*]
― オプティモ・閑話 ―
[次手に備えるその合間。
シメオンはオプティモにある救護所を訪れる。
こそり、と一目を憚るようにして近付いたのは、未だ療養しながら眠る、ルディの下。
その傍に立ち、じ、と眠る顔を見詰めた]
…………
[徐に動かす右手。
伸びる先は、ルディの頭。
ぽふぽふ、と軽く撫でるように動かす]
「…何してんだよ」
[不機嫌そうな、警戒する声が背後から聞こえる。
見れば、太古の森でルディと共に居た山の民がシメオンを睨みつけながら立って居た]
何って、デートの約束。
「はぁ!?」
[けらりと笑いながら言った言葉に、山の民が激昂に近い声を上げる。
それを聞きながらシメオンは逃げるように救護所を後にした]
[直後、襲来した白い小猿により盛大に頬を引っ掛かれたという*]
― オプティモ ―
[解放軍が再び西砦に帰還した直後の事。
ブラバンドから文が届けられた。
紋を確かめ、紙を開き、男はそこに綴られていた内容を確かめた]
[長く綴られたそれらを確かめ、男は微かに三白眼を伏せた]
…姫殿下…
王国が揺れる動乱の世では、貴女はか弱い。
私の様な並居る貴族共に利用もされるでしょう。
やがては他国との対峙に心悩ませる事もあるでしょう。
[貫いていた。最後の文に於いても、巫女姫の願いは貫かれていた。
民衆と王国の全てが、四季心穏やかに、安らげる国である様にと]
… … …ですがこれ程までに民を思う心を貫かれるならば。
それはもう、民に愛され国の安らぎを願う、善王の資質だ。
己が才覚ひとつで臣下を統率し、他国と渡り合う、強王では決してない。
然し、臣民の心を惹かせ、共に手を取り合う形で導く、その様な心安らかな政は敷けるでしょう。
クレメンス卿が亡くなるまで、卿の心も私は読みきれなんだ。
… … …これでも私の目は随分と節穴な様だ。
[小さな溜息を付き。文末の言葉を男は何度も読み返していた]
もしもう少し速く、貴女のその御心を深く理解できていれば。
今の私は、貴女の傍で御身を御支えしてたのでしょう。
貴女には風通しの悪かろう貴族諸侯蔓延る王府の中で、それを見極めきれなんだか。
つくづく、私の目は霞んでいるらしい。
/*
地上が佳境だというのに、何やっとるかな俺は。
主に追悼関係ががこう...こっぱずかしいせいだが。
[ いたたまれないようだ ]
― 後日・オプティモ ―
[クレメンスの秘密裏な葬儀が終わり、オプティモも安定する頃。
今日明日中にはブラバンドへ出立するだろう、という段階でカナンより呼び出された]
…ほう。
既に私の手の者からもそちらの情報は入っているよ。
[肝心なのはそれを受けて、彼等が如何様な判断を降すかだ。
既に己の判断は済ませていたとばかりに、男は彼等の反応を窺っていた]
こらっ!
[ガートルートの声が聞こえると>>5:+114一転声は大きくなり]
ったく。
腕が立つなんていってたヤツが、なんで早々といるんだよ。
[とはいうものの。
何十、何百の敵を倒し、味方の為に退路を確保した彼のことを、本来なら褒めこそすれ怒ることはないのだ。
それでも無念は滲んでしまう]
……ま、お前を守る前にこっちにきちまったオレが言えることでもねぇけどな。
[この内乱において、既に巫女姫はブラバンドを戦火に巻き込む事をしなかった。
要するに実質上、大雑把な認識上では、既に王国内乱は解放軍の勝利が確約されたのだ]
カナンが大使としての本来の役割を果たせるのは
この内乱が完全に終息した後。
つまり国を動かす王府の形が再び定められた後の話だね。
ブラバンドには尚も王府派の貴族諸侯が幾つか残っているが、実質的に今の王国は瞬間的な無政府状態と認識しても対した間違いはない。
今更、云う必要でもないとは思うが。
このまま神殿の巫女姫をおいて、内乱を終息させる事は不可能だ。
[最後の言葉は、主に盟主であるクロードをして指す言葉。彼がその場にいれば彼の事を向いたろう]
熱に苦しむ民衆の為、そして王国の風通しを良くする為。
これが私に任された役割だろうからな。
旗を靡かせる風と大地を潤す雨を齎す為に。
大地に咲き誇る花を、慈しむ場所である様に。
[民が豊かにあり、四季穏やかに過ごせる様に]
カナン…姫様の御身は頼んでもいいかな…?
[狭間の揺らぎは、刹那の事。
自分の言葉に返る頷きと、頭を撫でる手に>>+8に、ふにゃりと表情が崩れるが]
……え?
[上がった大声>>+19に、は、と振り返り。
手を振る仕草>>5:114が目に入ると、ひとつ、ふたつと瞬いた]
……なん、でぇ。
[ずっと別行動を取っていたから、彼がここにいる所以は把握し切れていないまま。
だから、つい、惚けた声が口を突いた]
/*
[ばたっとしたひとには、がるる、としつつ、しつつ]
ひとつ返した、と思ったらまた増えてるし……w
ていうか、プルウィアとアケル……www
[お約束過ぎてわらうしかできない]
[ソマリが首都ブラバンドへ赴き、国内の統制を図る意を告げれば、是、と頷く。]
まさに貴卿の領分だ。
[「既に姫からの御心は頂いている」という言葉に、彼もまた手紙を送られたのかと思い、少し妬けた。
それでも、シルキーを頼むと託されれば、我執は消える。]
名誉にかけて。
[誓う。]
うおっ!?
[>>+19怒られたのでびくっと肩を竦めた。条件反射のようなもの。]
あはは…やーまぁ、色々あったような無いような。
[と頭を掻きながら、何となく残念そうな声色に少し苦笑した。]
やー、そこは先生が気にする必要無いって。
死んだのはしゃーないんだしさー。俺含めて。
[>>+21ぼやんとした声が聞こえると、へらっと笑った。]
おー、死んだ死んだ見事にざっくざっくやられた。
そっちも死んだのか?
の割にはなんか違う気もするけど…。
[何となく、生きた匂い、のような物を感じて首を傾げた。]
巫女姫には、いずれ正面玄関からお邪魔すると
伝えて欲しい。
それと、その「折り良い返事」が
「愛」とやらに関してだったとして、
/*
>>+23
[その恰好で怖くない言われても、信用できないよ!]
[てわけで、たおる巻きお化けはがるる続行]
うん、駆け足でしか触れられなかった所は多かった。
シメオンは特に、ぎりぎりでの交差だったからなぁ……。
て、何故無念Σ
……それ、笑って言う事じゃない……。
[へらっと返され>>+25、思わず突っ込みが先んじる。
死んだのか、と問われると、んー、と首を傾いで]
……わかんない。
まだ、あっちとこっちでふらふらしてる感じ……かな。
もどんなきゃ、とは、思うんだけど。
どうすればいいのか、わかんないや……。
― 後日/オプティモ ―
[頬の引っ掻き傷がまだ完全には消えぬ頃。
カナンに届いたシルキーからの手紙。
それについての招集>>44を受け、主要な面子が一堂に会す]
ドルマール神殿……その様子だと、篭城すると言うわけではなさそうだな。
[精鋭を率いての神殿入り。
陣を敷いていた兵が居たはずだが、と思ったが、手紙の内容を聞く限りは無事神殿には入れたのだろう。
よくよく考えれば、陣を敷いていた兵はソマリの配下であったはず。
それを考えれば、巫女姫の妨害をするはずも無かった。
一人そこに納得しながら、続けられる話を聞く]
行かない選択肢はねーんじゃねーかな。
反対はしねーぜ。
俺の主張は大体クロードにぶつけてあっから…。
[後から向かうと言うクロード>>69に一度視線を向ける]
三者会談するのが良いんじゃねーか。
[またの名を三角関係と呼ぶべきか。
流石にそれを口にするのは止めた。
が、修羅場にならないことを願う]
/*
起きました。でも特にロルは回す予定は今のところなしです。
マーティン様には何か返す予定ではありますが。
雑談しつつまったり、かな?
まだ墓読んでいないので、ぷちぷち読みます。
/*
>>+16 クレメンス様
いえ、なんかもう毎日「私全然動けていねぇ……」と凹んでいました。不慣れ感ばりばりですいませんでした。
ちょっと、ハードルが高すぎました……あぅうう。
RP村不慣れではないはずなんですが、こういう村初めてで……
皆様の設定から覚えるの、すごく大変でした……
あと人数感覚、時間感覚、空間感覚、文化感覚……
この辺りがグレーゾーン過ぎて動き悩むマン……orz
あと多角苦手で……
と、終始溺れていましたorz
本当、ご迷惑おかけしました。
素直純真…?!(ふるえ)
まぁ、行動とかは真っ直ぐですよね。
私が思う「副官」というものをやらせて頂きました。
クレメンス様の絡みが、村のなかで一番楽しかったです。
素敵なものを有難うございました。
というか、クレメンス様うまいなー…って、はわわと見ていました。
/*
アレクシスと御隠居お疲れ様でした。
御隠居の魔手から可愛いアレクシスを護らねば。
[ アレクシスぽむぽむ。]
/*
こんばんわ。
…終わるまでにログが読みきれる気がしなくなってきたんだぜ。(既に眠い)
1日睡眠をとらなくても平気な体が欲しい。
[クロードもまた、先に首都へ向かうという。
彼がソマリと共にブラバンド入りすることを「未来の形のこれ以上ない象徴」と見なしているのは聞いていないが、クロードの目的はあくまでも国の新しい形なのだと推測する。
そのために、首都は踏んでおかねばならない地であることは事実。]
わかった。 伝えよう。
[笑顔の下の脅し>>71には、唇を引き結ぶ。]
君は、おれがシメオンと結婚してみせでもしない限りそう言い続けるのかな?
度重なる念押しは、逆に彼女のことを意識させる結果にしからならいと覚えておきたまえ。
[最後は軽く肩をどやしつけて、笑顔で幕をひく。]
/*
おはようございます、クレメンス様……ドゥフッ
[下を見つつ……目を逸らす]
>>+37
通報しました(
>>+33 サシャ様
どういうことなの……
と、言い掛けて、把握しました!!
可愛くはないです!!
[行くのを反対はしない、と言ったシメオンに顔を向ける。
彼の微妙な目つきは何を心配しているのやら。]
シメオンは? シルキーに会いたいなら来い。
そうでなければ、ここに残るなり、ソマリたちと行くなり──
ん、 その引っ掻き傷、どうした?
[キョトンと頬に手を伸ばす。]
/*
アレッ。
あ、しまったアレイゼル兵囲ってたっけ、神殿…。
済まぬ、撤退していたかと思っていたよすまぬ…。
なんか通されましたけど…。
皆さんの紡ぐログを覗きつつ。
最後の方向性をあれこれ考える、そんな夜。
/*
>>+32アレクシス
俺動けてねぇは良くわかるというか俺のが動けてないから安心するんだ!(こら
しかし年々返事が遅くなるのはもう直らんな…。
睡魔にも弱くなっておる。
とぼやきつつただいまーと。
/*
貴族なんて旗幟鮮明にするのではなくあっちこっちいい顔する生き物だと思っていたので、オプティモアレイゼルのお二人のぎっこんばったんぶりはサシャ楽しかったです。
ちょっと待ってくださいアレイゼル卿!
こんな、どこの馬の骨とも知れない… ───失礼。 でも外の人間に、巫女姫を任せるって言うんですか!?
俺は!反対ですから!
[巫女姫のこととなると、時折無自覚に超保守派となるこの男は、それだけ言い捨てて足音高く部屋を出ていった。]*
/*
>>+39>>+41
わ、分かられたΣ
あう、不慣れバレてたか><
ですよねー
温泉入りますー
ってか、温泉の下りもいきたかった……(しくしく)
はい、性別はガートルート様が暫くの間マジで女の子かと。
未だに男の娘に見える程度には……
>>+41 クレメンス様
巫女姫みんな大好きなので大丈夫(ふるえ)
いえ、すげぇ役得だなぁと思いつつも。
大した事は緑窓で話していないですよ。
うーん、緑窓は今日は無いですねー……
巫女姫はもう緑ロルはしないのかなぁ?(じー)
― サシャの部屋 その7 ―
カナ&ジェフ&ソマ「「「お願いします!!!」」」
[ 姫巫女の前で手を差し出す三人。]
シル「ごめんなさい。」
[ まさかのごめんなさい。]
/*
>>+44 ガートルート様
副官難しいですよね!
なんかうっかりするとストーカーになりそうだったんで、色々違うことしていたら、……まさかの巫女姫未エンカとかでしたよ……
つ、次は星の欠片しよう…
背伸びし過ぎました><
ふん……。
ちったぁ気にさせてくれよ。
[ガートルートにはそう返事をするが、気にしても仕方ないのは確かだった。>>+24
それに、命を落としたのは彼だけではない。
数多くの命が奪われることになるのを知っていて、それでも自分はクロードの願いを引き受けたのだ。
教え子とこの場で対面することが嫌でも、それも引き受けなければならないことだ]
[部屋を出た後も、クロードは凄く良い足音を響かせてくれた。
嗚呼、王宮楽師の太鼓の音なんぞよりも物凄く心地良い]
カナン。我々の文化ではね。
土産物を高く積んで、彼の様な人に土下座した挙句、殴られるという独特な求愛文化があってだね。
…おっと。その際の文句は君の発想に任せようではないか。
[何しろ巫女姫の心さえ伴えば、この上無く最高の恋愛兼政略婚なのだ。
共和国に対する開国準備も軽く五年は縮まる。寧ろ巧くいけば即時開国に於ける支障がオールクリアされるのだから、逃す手はない。
満足気ににこにこと。とても愉しそうににこにことクロードを見送った]
[クロードの言葉>>77に、そ、と頷いて見せて。
頬に伸びてくるカナンの手>>76に意識をそちらへと移した]
俺は巫女姫に会うよりも神殿内見て歩きたいな。
傷?
色男の証。
[カナンの問いかけに冗談めかして笑って返す。
頬の傷は軽く盛り上がり瘡蓋になっていたが、痛みはもう無いため、触れても厭う仕草は見せない]
/*
その場のノリで亡命したせいで、途端に動けなくなったサシャはこちら。
会談中する事が全くなくて、困りました。
スルジエ情勢はもう自分が関わる可能性がない以上、動かすのは違うと思ったし。
アレクシスが序盤ぼっちしてたので、アレクシスの息の掛かった二重スパイになろうかとちょっと思ったのですが、代々の重臣とかじゃなさそうだったので親子三代スパイ抱える感じじゃないなと思ったので止めました。
巫女姫 シルキーは、古ぼけた歴史書 を投票先に選びました。
死んでぎゃーぎゃー喚くほど未練も無念もないからなぁ。
[>>+28突っ込みには肩を竦める。
それでも生前ほんの少し零れた物はあったが、こちら側には持ち込まずに済んだ、と思う。]
お、なら生きてるってことか。良かったな。
死んでないのに話が出来るのは、嬉しいぞ。
[ぽふぽふ傾げる頭を遠慮なく撫でた。]
戻り方なんて解んねぇからなぁ。
…気合?
/*
いやいや、動けてない大賞なら俺のもんだ。
うん…すまんかったな。
ちなみにマーティンは墓下で誰よりも動いてる気がするんだがw
/*
シロウさんもおかえりー。
>>+50アレクシス
イエーイ☆-(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノ副官難しいなナカーマ
なー俺も次は欠片いくわ…。
まさかの未エンカふいた。そうだなそうだったな…w
まぁ秘話使えるから遭遇甘くなるのは何となくな…。
[ルディの言葉には困ったように頭を掻きながら>>+28]
うむ……。
絶対生きてやるぜ!と祈るとかか?
[なにせこの世界に来たのも初めてなら、ましてやここから戻ったこともないのだ。
奥歯にものの挟まったような言い方になった]
/*
>>+55 サシャ様
もともと入村遅れていたので、ログ読みのために敢えて遠い距離にしたのと。
シュビドが11人くらいの大所帯で「やべぇ行けね……」と引きこもりました。それが全ての過ちでした。すいません…
/*
>>+57 サシャ
元々、初回落ちも視野にいれてPC作ってるので生き残っていたら何やっていいかわからなくて困ってそうだ!
/*
>>+59 ガートルート様
そうそれな。
なんか緑で喋っているからエンカした気になっていました。
錯覚でした。
なんかすげぇ弱いキャラやりたいです……
というか、頭で戦うとか辞めておけばよかった。
身体で戦いたい。
(最初は弁慶みたいなキャラ考えていました…)
神殿散策を許されるかどうか。
そのつもりなら今回は、ソマリたちと同道した方がいいかもしれないな。
国の改革を間近で体験できる機会はめったにない。
これからの糧になるだろう。
あるいは、将来、本が書けるかも。
[シメオンにそう答えつつ、ソマリとクロードに強かな笑みを向ける。]
お二人とも、
シメオンに何かしたら──覚悟したまえ。
[色男の件については、後で話せよというように片方の眉をあげてみせた。]
[ソマリの語るナミュール文化に困惑しつつ、足音蹴立てて出てゆくクロードの背に肩を竦める。]
彼もそこまで言うなら、監視でもすればいいだろうに。
ああ、後で来るんだったな。真っ向正面から。
[「外の人間」と彼が言ったことに、その口調に少しばかり視線を落して、出発の準備にかかる。*]
……そ、なんだ。
[未練も無念もない、と返されると、それ以上は何も言えず。>>+56]
うん、そだね。
話ができるのは、嬉しい。
[そこは同意なので素直に頷きつつ。
頭を撫でる感触にふにゃ、となりながら、言われた言葉に首を傾げた]
気合に、祈り……かぁ。
[マーティンからの言葉>>+60も聞いて、更に首は傾ぐ。
色々を押し隠す必要性がない場所の為か、仕種や表情は普段見せていたそれよりも稚い]
……絶対戻る、って。
そう、思いきれたら、なんとかなる、かなぁ。
あまり、興味本位で行くと、シルキーが厭がるかもしれない。
ナーバスにならざるをえない状況であるし。
だから、今回は我慢してくれ。
おれの身なら心配しなくていいよ。
報告はこまめにする。
/*
やりたい事は決まってたけど、そこへのルートをどう作るかが悩ましかったなあ……。
結果的には、思わぬエンカからそっちに向けて突っ走れたけど。
最初はほんと、どーやってアクセル入れるかずっと悩んでた、うん。
− ドルマール神殿 −
[ニールが操縦する飛行船はアレイゼル領側から三日月湖を越えて、中の島にあるドルマール神殿へと接近する。
俯瞰すれば、湖は確かに欠けた月の形をしていた。
北に望む太古の森は天鵞絨のように滑らかに黒々と広がり、人を拒むかのよう。
ローブを伝って滑り降りたカナンは、飛行船を繋留して神殿の入り口へと進む。
荘厳だが、どこか懐かしい感じすらする造りだった。
カナンは静かな空気を胸に吸い込む。]
カナン・リリです。
[名乗れば、声は反響をともなって神殿の奥へ吸い込まれていった。]
お召しを受けて来ました。
あはは、ありがとなー先生。
[>>+53言葉に気づかいが感じられて、嬉しそうに笑う。]
でもさ、俺先生には感謝してっから。
俺らの味方になってくれて。
それだけでわりと、十分だよ。
だから、うん、ありがとうございました。
[そうぺこりと頭を下げた。]
/*
こんばんは。
そしてアレクシスさんとクレメンスさんはお疲れ様です。
追悼ロルにお返しして(遅い)、今日も早寝します。
んー、じゃあそうすることにしよう。
お前の言う通り、国の改革を体験出来る機会なんて一生に一度あるかないかだ。
歴史家として名を残すには良いかもしれねぇ。
てなわけでよろしくな、アレイゼル卿。
[強かな笑みを向けるカナン>>81とは対照的に、いつも通りの軽い笑みを向ける]
[若干捉え辛くも、何となく感じられた視線の動きを認め]
…君達は最初に引き受けられた者に恵まれたからだね。
クレメンス卿が特別奇特な御仁なのは今更の説明だろう。
彼も特別な隔意がある訳ではなかろうが。
まあ、千年嵐の岩戸に潜んできた者とはこういう物だ。
[それこそまさに隔意を抱いていた男が良い例題となる]
今更な事を。私はまだ彼の菓子を食う利に預かっていないのだよ。
[カナンの強かな笑みには両肩で返し、やがて男も出立の本調整に掛かり出す事にした*]
[クロードの言葉に視線を僅か落とす様子>>82には、ぽん、と肩を叩いて]
己を理解してもらうには先ず相手を理解せよ。
アイツはまだお前を理解し切れてないだけだ。
[励ますように言葉を向けた]
/*
地上は巫女姫どこへ行くが大注目ぽいなー。
俺はクロを応援しよう。負けるなよー。
>>+47アレクシス
wwwwwwwwwww
俺が女子!まぁ元グラ女子だしな…。
>>+63
wwwwどんまいだ(もっふもっふ
ほらまぁ次に繋げると思えば大丈夫だー。
次は肉体派にすればいい。
―王都ブラバンド―
[意識を揺蕩わせている内に騎士団は王府ブラバンドに到着していたらしい。
道中、>>4:183呼ばれたような気はしたが、傷ついた仲間達から離れる事は出来ず。
>>4:29伝書鳩で既に南島に残った王国騎士団壊滅の報は伝わっていたらしく、王国の民や貴族達の顔色は悪い。]
――…、
[彼らに対して謝罪の言葉を口にする事は出来なかった。
己の言葉は彼方側にいる彼らには届かない。
それに
>>4:+81納得の上で己は死んだのだ。]
[王国騎士団は巫女姫を、王都を――国を守る為に在る者。
それが誇りであり、守る為であれば命を投げ打つ事も厭わない。
革命者達はこの国の在り方を変えんとする者。
大部分がそれまで人を殺めた事もない筈の彼らが武器を手に取り、盟主に導かれて己が信念を王府に投じ、騎士団と合い見えた。
命のやり取りの中、己の、騎士団の矜持を通した。
これはその純然たる結果だ。
まぁ、死した後にこんな風に意識が残るなんて、思ってもみなかったのだけれど。]
/*
なんだろう。あるある過ぎてとても面白い。
まあ島国の人ですよねー、という。
幕末の日本人もこんな感じだったんだろうかなあとか思いつつ。
構わねぇよ。
この一件が無事終われば、いつだって機会があるだろ?
心配するなって方が無理な話だが、信頼はしてる。
囚われの姫を救って来い。
朗報を待ってる。
ふふ。有難いことですね――。
[最敬礼での見送りを、確かに受け取りながら。
巫女姫は久方振りに神殿へと帰還した。
―――…本来の彼女の在るべき場所に*]
[当てもなく彷徨った先。
王府軍の基地で>>4:137軍師を務める男の姿を見とめれば、王国騎士団敗北の報を耳にするところで。]
…ユレ殿。
[学生と教師であった時には‘フィオンです。’と頑なに主張していたものだが、
彼が王府に呼ばれ、騎士団にも号令を出せる立場となって以降は苦笑してそれを受け入れていた。
女の顔に浮かぶのは、その時とはまた違った色合いの苦み。
――実際、隊長の任に着いてからは貴人や役人と直接言葉を交わす機会も多くなり、本名で呼ばれる事も増えた。
いちいち反応するのは大人げないとメレディスに諫められて以降は受け流してきた。
彼と名前に触れてそんなやり取りをしていたのがもうずっと遠い時の出来事のように感じるのは、己が死んだからだろうか。
今はとても懐かしい。]
[出発した後で、そういえばシメオンは(お菓子的な意味で)ソマリの垂涎の的だったと思い出して、あ! となったとか。
シメオンが「
申し訳ありません。
少しでも兵を減らせればと思ったのですが――
[巫女姫を影で支える立場であり、同じ学び舎で言葉を交わした縁のある彼に対してはそんな言葉を紡ぐ。
>>1:76>>1:77彼の講義は、女にとっては真新しいものだった。
昆虫がそのような動きをする事は知っていても、そこには明確な意図があるという事。
またそれらをつぶさに観察し、研究している人間がいるという事。
そうである事を知っているのと、深く識るという事は全く別の事なのだと知らされ、感銘を受けた後は講義の後には幾度か質問をしにいったもの。
‘蛾は何故光に向かって飛んでいくのか’と、大真面目に質問をしに行ったのが最初だったかもしれない。
彼がシュビトを発つ事が決まり、見送りの際には女もその列に参じ、王都でまた、と再会を約する言葉を掛けたもの。
共に学館に在籍していた一年間の後、その正体を知らず、遠目にその姿を見るのみだった巫女姫と比べれば、アレクシスと顔を合わせる機会の方が多く。]
[>>4:138そんな事を思い出している間に、彼は騎士団が破れた原因について思案していた。
それは彼が教師ではなく、軍師である事を思い出させた。
その原因を女の口から彼に告げる事は出来ない。]
貴方ならご存知でしょうか。
[そんな事を言いながら、遺体を確認しに行くという彼の後ろ姿を見送る。
身内の屍を再度目にする気にはなれなかった。*]
― ドルマール神殿 ―
[酷く静かな、神殿の中で。
此の国の行く末を想い。
訊ねてくるであろう相手を待つ。
そんな日々を、少し、重ねた]
[ふわりと身体は揺らぎ、謁見を済ませたらしい巫女姫の姿を見つける。
魂だけの存在というものは、距離をものともしないらしい。
女は謁見の様子を目にする事はなかった。
もしも目にしていたならば――巫女姫殿下に狼藉を!と叫んで斬りかかろうとしただろう。
>>4:331王府内の喧騒を不思議に思ったらしく、侍従から仔細を聞いた彼女の顔に浮かぶのは――]
…ごめんなさい。
[宵藍に光るものを見て、女は枯色を伏せる。
失われた魂を悼んでくれた事に感謝しつつ、最初に口にするのは謝罪。
優しい心を持つ巫女姫を哀しませてしまった事に。
>>3:362無事を祈ってくれたのに帰れなかった事に。
――もうこの手で守れない事に。]
/*
>>+66クレメンス
おっちゃーん(ぐわしっ
おっちゃん超多忙だったから仕方ない!おつおつだー。
俺も過去話は色々ちらっと考えつつ、形にする時間は無かったなぁ…。
そして魁回りは楽しそうで何よりだった。
[>>4:332続いたのは、落命した騎士達を讃える言葉。
女は瞳をを丸くした後に]
――… ありがとう ございます。
貴女が巫女姫で良かったと、騎士団で会って良かったと。
心より思います。
[黙祷する彼女の姿。
強い風が吹いて満開になった桜の花弁が舞い散る。
枯色の双眸が滲み、涙が零れ落ちた。*]
ん。
…まぁちょっと、クロの事は心配だが…
何とかなるだろ。
[もし未だ未練があるとしたらそこだった。
ちらと生きてる者らに視線が走ったがすぐに戻して。
>>+69なんか擬音が聞こえるような様子を見ると笑った。]
おう、勢いだな。
それに、呼んでくれる人がいるなら、
帰り道はきっと勝手に出来るだろ。
あのちっこいのも待ってるんだろうし、
早い所帰って安心させるんだぜ。
/*
動き悪かったのは私もですよ。(震えながら挙手)
あちこちに気を遣わせてしまったんじゃないかと。
頭脳戦とか出来ないので英雄さんや貴族様たちに憧れます。
というわけで辻斬りのようにアレクシスさんとクレメンスさんをもふって落ちます。
アレクシスさんは表でこの辺り拾えばよかったなぁと後悔したのです。
マーティン先生のは明日拾えたらと…。
それではおやすみなさい。**
[ここは、時間の流れが他と違うかのようだ。
神官の古めかしい衣服、その典雅な所作も。
カナンは招かれるままに、静謐の奥へと向かった。
己が始めての異邦人とは知らぬ。
だが、見るよりも見られていると感じた。]
― ドルマール神殿・檜の間 ―
[磨きぬかれた檜が敷き詰められた床。
木の香りが、穏やかに濃い空間。
四方の壁は簡素で何も飾られておらず。
だが其れが逆に、如何なる装飾も不要と謳っているかのよう。
案内をする神官が、静かに扉を開けると―――…
部屋の中央に座しているのは巫女姫その人。
純白の巫女装束に身を包み、僅かに頭を垂れて、
訪れる相手を出迎えた]
此処までの御足労、真に感謝いたします。カナン殿。
…。
[>>5:~14クレメンスを見て胸中揺れる声には、何とも言い難い顔をした。]
用事があるんだからしゃーない。
ま、顔会わせて話せば…なんか変わるかも知れないし。
[落ち着け落ち着けと、届かない声は、声が聞こえた時と変わらず落ちた。]
[心配、と言う言葉>>+88とそれが向かう先に短くあ、と声を上げる。
そこが気がかりなのは当然かな、と思いつつ]
……うん、そだね。
やらなきゃなんない事も、たくさんあるし。
[言いながら、左の腕に手を触れる。
それは、普段は晒さぬ印の刻まれた辺り]
プルウィアも、ほっといちゃダメだし、ね。
道、できるって、信じて……頑張る。
[具体的に何をどうすればいいかは、わかっていないが]
― ドルマール神殿・檜の間 ―
[謎めいた木目が唯一の飾りとなっているその空間。
佇むシルキーは今日も美しかった。
その美しさはこの場にあっては、可憐さよりも神秘めいた色合いを強める。
カナンは自然と膝を折って礼をした。]
貴女も、よく戻られました。
不自由はありませんか。
[ガートルートに頭を下げられる>>+73と慌てて]
おい、よせよ。
頭なんて下げられると、こっちがどうしていいかわかんなくなるだろうが。
[生前にもこんなことがあった。
あれはクロードだったか。
彼らがどれほど自分に感謝しているのか。
それを感じると、常日頃の軽口がさっぱり出てこなくなって。
不覚にも若干照れてしまった]
[巫女姫は佇まいを微動だにさせず。
ただ静かに、声のみを笑みに震わせた]
此処は、元々私の家のようなもの。
なんの不自由を覚えましょう。
……カナン殿、
既に春の嵐はナミュール全土を吹き荒れて、
人々に新緑の訪れを謡いました。
今は風の強さに目を瞑る者も、
いずれ周りの暖かさを知れば
貴方がたの訪れは、ナミュールを変えました。
もう一人の―――…強き太陽と共に。
― ブラバンドへの道 ―
[やがて盟主率いる解放軍はブラバンドへの道程を目指す中。
行軍中の天幕で、男は
… … …アレイゼル家とクレメンス家は仇敵でね。
ここ三十年四十年の話だ。
先代である父が、妙にクレメンス卿に敵愾心を抱いていたんだよ。
[行軍中にパティシエを連れて来る事を失念していた!!と催促しておきながら。
ぽつりと唐突に語り出したのは、確執]
先代は、記憶通りならばクレメンス卿と同じ年でね。
生憎、息子である我が目からも父の能力は彼の卿には負けていたよ。
私が生まれるより前の話なのだがね。
随分昔、彼の卿は小船で異国を目指すという愚挙をやらかした事がある。
聞いた事はあるかな?
尤も。彼の卿を見た通り、それは失敗した。
クレメンスの放蕩者、長じては海賊卿、奔放すぎるあの方は敵も多かったからね。
『そんなに王国より外界が大事か』――…。
異国を目指した、彼の卿を罵る時の、先代の口癖だ。
その様に、我が父に歩み寄る姿勢が無かった事と、我がアレイゼル家とクレメンス家の格式が丁度凡そ同等である事から。
自然と、今回のオプティモの様な表立つ貴族間対立は、両家間が多くてね。
[紅茶から立つ暖かな湯気を眺めながら、語る言葉は続く]
先代は結局、最後までクレメンス卿の心は王国の外にあると考えていた。
私は、そうだな。私個人はクレメンス卿に敵意は無かったつもりだが。
然し、父親の影響は少なからず存在したらしい。
… … …惜しい方を亡くした。
彼が今此処にいれば、王国の安定は随分楽に進んだろう。
その才覚と国を想う心が、よりわかりやすい形で伝われば。
彼の卿が没した時はそう思わなくもなかった。
… … …先代当主、ダルメシアン・フル・アレイゼルは… …。
私にはもう、国を代する権利は御座いません。
それでも――…お願いしたい儀があって、
貴方においで頂きました。
[宵藍の瞳を、真っ直ぐに相手の双眸に注ぐ。
何処か、覚悟の色がした]
若しかしたら、卿に嫉妬でも覚えていたのかも知れないな。
[浮かべたのは微かな苦笑と、亡くした父と彼の卿を思い出すそれだ]
同じ貴族の家柄、年も近い。
それなりに交友もあったろう。ライバルとしての対抗心も十分。
然し己を上回る才覚。だがそれは認めて、やがては王国の柱と。
そんな考えを抱いていたから、勝手に裏切られた感覚に陥った。と。
折角の、己よりも秀でた腕があるのにと、卿の心を理解できずに。
…我が父上は、あれで意外と人間臭さがあったと。
彼の卿を亡くしてから、なんとなくそんな想像が浮かんだよ。
…すまない。妙な話に付き合わせたかな?
[此処で話は終わりと切り、男はシメオンに向き直る]
ブラバンドは近い。
この王国が此れからどの様に生まれ変わるのか。
シメオン・オリオール。君もその目で共に見届けよう。
[やがて行軍が続いた先に、解放軍は辿り着くだろう。ブラバンドに**]
― オプティモ・救護所 ―
[ブラバントへと発つ前に足を運んだのは、小さな救護所だった。
「今日は千客万来だね」と不機嫌そうなおばちゃんの横を通り抜け、昏々と眠るルディの顔を見に行く。
顛末は、おおよそシノワから聞いていた。
今はただ、回復を祈るばかりだということも。]
一緒に、新しい風吹かせるんだろ。
[青白い顔で眠るルディに話しかける。
触れようとしたら周囲の古き民にやたら警戒されたので、やめておいた。]
俺はこれから、首都まで風を届けに行く。
そして、新しい国の形を探してくる。
早く起きてこないと、最初の風に乗り遅れるぞ。
[言葉を残して立ち上がり、邪魔にならぬうちにと退散する。
途中、ルディの肩にいた白い猿を見かけ、シメオンの頬の傷を思い出して、あ、となったのだった。]*
― ドルマール神殿・檜の間 ―
そうでしたね、巫女姫は本来、この神殿で生活するのでした。
[しっかりとしたシルキーの反応に、春の綻ぶごとき笑みの気配に、ふ、と息をはく。
彼女は自分の芯を見失っていないと安堵して。]
[嵐に託してナミュールの変革を語るシルキーの清楚な声が檜の香りを伴って届く。
自然であれば、風も熱も悪ではない。
だが、戦を起こしたのは人だ。
彼女はどう思っているのだろう──
全神経を澄ませて傾聴する。
シルキーは「お願いしたい儀」があると続けた。
その宵藍の覚悟を受けとめるべく、カナンもまた静かに応じる。]
どうぞ、仰ってください。
/*
飴足りなくなるよな、人数減ると...というか、そんな時にわざわざ一杯PT使って追悼してくれた方々には頭が上がらんです。
ありがとう、ありがとう。
/*
ルディ追悼?を忘れていたので、そろっと挟んでみる。
ソマリとカナンはなにをエールの送り合いしてるんだ、と思ったら、ふたりともpt無かったのか。
― ドルマール神殿・檜の間 ―
――――、
[巫女姫は、詰めた息を飲み込む。
緊張に、喉が僅かに鳴ってしまったのが
果たして聞こえてしまったかどうか]
恙無く安然な、
ナミュールの未来の為に――――…
巫女姫シルキー・カノエ・ナミュールと、
マチュザレム共和国が大使、カナン・リリ殿の
……、婚姻を。
此処に御提案させて頂きたく存じます。
[緊張を隠せぬ声で告げた後。
三つ指を軽く床につけ、粛々と深くお辞儀をした]
/*
熱血、という形じゃなくなっているような気がして
どうしよう。という気も、します……。
が、がんばりたい。いろいろ。
/* ふぁっ!?
姫様が想像以上に大胆に迫るのを認識して、貴族は貴族はおもわず声がリアルにでたで貴族。
さあ、クロード君はやく神殿にいくんだブラバンド後でいいから!!
そして今すぐ貴族に修羅場をみせてくれ貴族!!(
/*
来たなあ、これ。
さて、がんばれクロード。
形見の指輪は実はマジックアイテムにもなるんだが、使われるか否かだな。
カナン氏もソマリ氏も勘がいいから、どっちか気付くと面白いだけど。
[ ヒント:「父」の形見 ]
/*
っと、ちょいリアルが立て込んでるのでこのまま落ちそうだ…。
寝た人お休みーといいつつ俺もまた明日!
なんか表はこれ、荒れそうだな…wwwクロファイト。
/*
あー、と思いつつ、思いつつ。
睡魔さんがひどいんで、大人しくねまーす。
表への反応は、後で頑張って落とすん、だ……!
というわけで、おやすみなさーい。**
― ドルマール神殿・檜の間 ―
[シルキーが言葉を告げる前に息を詰める。
それは揺らぎではなく、緊張。
だが、発せられた言葉を聞いた瞬間、今度は緊張に固まったのはカナンの方だった。]
── つ、 …っ、
[床に三つ指をついたシルキーの傍らに、そっと膝をつく。]
御国のため ですね。 よくお覚悟を。
ここへ…、かどうかはわかりませんが、
クロード・ジェフロイから、いずれ正面玄関からお邪魔すると言伝を預かっています。
[約束はきっちり果たしておく。]
おれは、彼と殴り合うはめになるかもしれませんが──
それでも、貴女に望んでいただけるならば、喜んで。
― ブラバンドへ ―
[無血開城すると聞いても、兵を減らすことはしなかった。
それなりの威儀を整える意味もある。
南島のものたちに、首都を見せておきたくも、
首都のものたちに、南島のものたちを見せておきたくもあった。
数日の行軍を経て、解放軍は首都ブラバンドへ到着する。
この動乱の始め、
巫女姫が率いて下って行ったのと同じほどの兵が、
今度は南から訪れて、門の前に居並んだ。]
ナミュール解放連盟盟主、クロード・ジェフロイだ。
ソマリ・フル・アレイゼル卿と共に、この地へ至った。
開門を願う!
[兵の間より進み出て呼びかければ、
果たして矢を射かけられることもなく、門が開かれる。]
[降伏を告げる使者を迎え入れ、
ソマリと並んで街の中心部へと向かう。
歩みゆけば、人々の恐れと不審と猜疑の視線が両側から飛んでくる。ただ、中には興味や好奇心も混ざっているようだった。
街の中心部までついたところで、ソマリを見る。]
アレイゼル卿。
街の機能の掌握はお任せします。
俺は、人心の掌握に努めてみますよ。
[さらりと言って、準備に取り掛かるのだった。]
― ドルマール神殿・檜の間 ―
[相手の興奮とは間逆に座して。
巫女姫は、静かに彼の上擦った声を聴いていた]
……ただ。
既に御存知のこととは思いますが、
私の手は、決して綺麗なものとは申せません。
戦に出て――自ら、此の手を赤く染めた身。
貴方が穢れを感じられても、
致し方ないと考えます。
其れでも、カナン殿は構いませんか?
― サシャの部屋 その8 ―
手が綺麗な人ってこの村にいるんですかねぇ(震え声
シメオン「あ」
あ。
[ …┌(┌ ^o^)┐]
──穢れ?
[不思議なことを言われた、という顔をする。]
浄めの巫女であれば、それは確かに障りとなりましょう。
あるいは、それが法で裁かれる類の犯罪行為であれば。
だが、軍人の妻になるのに、自ら戦ったことが瑕疵となることはありません。
[確固とした態度で答える。
衝撃に上ずった声も、今は覚悟のいろを定めて落ち着いた。]
むしろ、ナミュールの民は、おれが貴女を穢すと考えるでしょう。
それは、よいのですか?
― ブラバンドへの道 ―
[解放軍と共にブラバンドを目指す際、万一に備えシメオンには護衛がついた。
これまでも同道したことのある、クレメンスの私兵の三名だ。
短い間ではあるが、共にした時間も多く、気心も知れている。
全く知らぬ者がつくよりは良いだろうと言う配慮から来ていた]
[そうして出発した道中でのこと。
パティシエが居ないからと呼び出されたソマリの天幕で、シフォンケーキを作り彼へと供した。
無論、添えられた生クリームも手作りである。
シフォンケーキを皿に切り分け、生クリームを添えるその時、ソマリの口からアレイゼル家とクレメンス家との確執が紡がれる>>97]
[シメオン達が生まれる十年以上も前から続くもの。
聞く限りは、悲しいすれ違いが発端なのではと思える内容だった]
所謂腐れ縁、ってやつだったのかな。
アンタの親父さんとおっさんは。
ああ、おっさんが結界を越えようとした話は聞いた。
[問う声>>98には相槌を打ったりもして、齎される話を一つ一つ耳にして行く。
クレメンスがソマリの父をどう思っていたかは聞くことすら出来なかったが、ソマリの父はクレメンスを敵愾心を抱きながらも、その実力を認めていたよう。
認めていたからこそ、裏切られたように思い歩み寄ることが出来なくなったのではとソマリは推測したらしい]
アンタもおっさんの力を認めてたから、親父さんの気持ちが分かるようになったのかもな。
大切なものは失って初めて気付くことが多い。
予め分かっていても、手から零れていくこと数多。
人の心は己の物差しでは測れず、世は斯くも無情かな。
…もっと、言葉を交わす機会があれば、また別の未来があったのかもしれねぇな。
[言葉を重ね、拳を重ね、結論を出したと言うクレメンスとクロードの父の話を思い出す。
そこまではせずとも、歩み寄る姿勢をソマリの父とクレメンスが取ることが出来たなら。
そう思わずには居られない]
いや、貴重な話を聞いた。
互いを理解しようとする姿勢が如何に大事か、改めて実感したよ。
[話の締め>>103にはそう返して、こちらを向き直るソマリを静かに見返す]
ああ、この目でしっかりと見させてもらうぜ。
[共に、と告げるソマリに、同意の首肯と共に笑みを向けた**]
…、あ。 軍人の方、だったのですか…。
[共和国大使であり第二皇子。
巫女姫は、彼の二つ分の顔しか知らない。
ならば言葉の通り、戦場に立ったことは
カナンにとって問題ではないのだろう。
彼は外の国の人。
巫女姫が戦場に立つことへの嫌悪も、
ナミュールの国民と比べれば薄いに違いない。
『妻』という言葉に、どきりと胸の奥を驚かされた心地がした。
……その音が、慣れなくて]
私が――…… 巫女姫自らが望んだ、と
流布すれば宜しいでしょう。
貴方が穢すのではなく、
私が寄り添うのだと。
王府を率いて解放軍に敗れた巫女姫でも、
幸いなことに民の皆様の親愛は失われていないようです。
[この神殿に入った時のことを思い起こす。
ずらり、並んだ最敬礼の数。
楼閣は、砂上に在っても楼閣なのだ]
ゆえに巫女姫が、
マチュザレム共和国の方々を認めた――…という事実は
外の国との交流に不安を覚える民の皆様の気持ちを、
安らげることに繋がると思っております。
貴方がたにとっても……
開国に向けた、恰好の宣伝になりましょう。
[ようは遣り方次第だ。
そして―――…そういった手口は、アレイゼル卿辺りに任せれば、
手際よく仕立ててくれるだろう]
[……それは、きっと。
影に任せても大変上手く、
“事実”が人々の間に浸透していっただろうけれど。……と、
今はいない人の、面影に笑いかける]
カナン殿の快いお返事、大変有難く――――…
国を愛する私の想いを汲み取っていただき、
感謝のあまり、言葉も御座いません。
[再度、深く礼をして]
…されど、始めにも申しました通り。
今の私は唯の巫女姫。
国絡む取り決めを、勝手に行う訳には参りません。
今、ナミュールを代表するのは
クロード・ジェフロイでありましょう。
ですから彼の同意を得た暁に、
改めて此のお話を進めさせていただければと願う次第です。
それで…、…――――宜しい でしょうか?
[傍にあるカナンの碧眼を見上げて、ゆるり首を傾いだ**]
― ドルマール神殿・檜の間 ―
[カナンが軍人であることを知らなかったと驚くシルキーへ小さく微笑む。]
これからもお互いを発見してゆきましょう。
貴女にとってこれは政略結婚──国のための人身御供に他ならないのかもしれない。
ナミュールの民はおれを略奪者として恨むかもしれない。
ですが、おれにとっては愛しい人からの、この上ない申し出です。
政略結婚が必ずとも不幸なものと決まっているわけではない。
おれは貴女を大事にしてきっと幸せにします。
それは、二人の努力でできることでしょう。ならば、やり遂げて見せます。
その…流布とか宣伝というか、あなたが本当に幸せそうにしていれば、国民も祝福してくれるでしょう。
あなた次第です。
[そっと手を重ねる。]
公表の手順などを、公的なものとして計らなければならないのは、その通りです。
ソマリは心得てくれるでしょうが、クロード君とは、まあ…、
先程、申し上げたように、向こうから来ますよ。
しかし、巫女姫というのは、結婚するものなのですか?
それとも、これは貴女が始める新しい歴史なのですか。
[おそらくナミュール国民には当然の知識だろうが、カナンは怖じずに問うた。]
そして、宝珠と結界についても、教えてください。
宝珠はどこにあり、貴女はどのようにして結界を制御しているのですか。
― ブラバンド ―
[兵たちは街の外、幾分離れたところに野営地を立てさせた。
治安維持に必要な分だけ街に入れ、
できるだけ王府の正規兵に協力を求めることとする。
解放軍兵士の姿が減ったことで街が幾分落ち着いたころ、
地区の長や組織の長などを通じて街全体に布告が出された。
解放軍の盟主から皆に伝えたいことがあるので、
聞きたいものは明朝、広場に集まるようにと。]
[息を殺して家の中に隠れていた街の人々も、
夕方になれば外に出て、街のあちこちで集まり
解放軍のことや布告のことを噂しだす。
夜には酒場でもその話題が持ち出された。
気の利いた同志や民兵を街の各所に送り込んで
さらに解放軍の噂を広めていく。
布告に関する話が、じわりと町に広がっていった。]
― 開城翌日・ブラバント ―
[一夜明けた朝、ぽつりぽつりと人々が広場へ現れた。
その数は次第に増え、人の流れができ始める。
やがては人の波が揺れる広場の中央、
舞殿の脇にしつらえられた壇の上に
解放軍の盟主は姿を現した。]**
− 間奏曲 −
[これはまだ、二人が生国セドナを離れて程ない頃、
始めて”声”を通じあわせた日の物語──
夏だった。
湖にボートを出して、カナンとシメオンは涼をとっていた。
シメオンの注意を引こうと、カナンはわざとボートを揺らす。]
/*
ここで演説とか落とし始めたら、1ページまるまる俺の顔!
……それはないか。墓下の皆さんは動いてるだろうし。
(手を振ってみた)
(見えない)
― ドルマール神殿・檜の間 ―
[愛しい人と言われ、戸惑うように宵藍の瞳が揺れた]
………、あの。
それが、…その。 わから ないの です。
何故そのように おっしゃるのか……。
私共がお会いしたのは、此れで二度目…ですし。
そのようにおっしゃるに足る理由を、
見つけることが出来かねます。
[一目惚れという事象を解すことの出来ない巫女姫だった]
[相手の手が触れれば、反射的に肩が大きくびくりと震えた。
緊張で力が入りすぎた指先は、爪まで白く。
化粧を施し朱を塗った唇だけが、
かろうじて血色を保っている様を模している]
……わたくし は、
ほんとうは、 こわい…
きっと。
開国を前にした、ナミュールそのものです。
知らないことばかりの相手のところへ。
無防備に飛び込むというのは。
どうしたって、……戸惑ってしまう。
[ごめんなさい。と小さな謝罪が漏れた]
[カナンの言葉は、此方への労わりに溢れたもの。
緊張して冷え切った指先に、触れる掌はあたたかい。
最初の会見の時の、
開国を抜きに交渉しようとした誠意も、知っている。
…今は、まだ。
この身体の強張りを解くことが出来ないけれども。
いつかは―――…素直に寄り添うことが出来るだろうか]
…しあわせ、……
アレクシス。
私だって、貴方と一緒で―――… 幸せだったのですよ。
[あの時は、気が動転していて言えなかった言葉。
伝えたかったのに、伝えきれなかった言葉]
…努力して、いつか、
幸せに、……なりたい です。
[透明な雫が珠の形を成して眦に浮かび。
金糸の零れ髪が飾る頬を、祈りのように滑り落ちた]
[巫女姫の歴史。
確かにカナンは知らぬだろうと、
ドルマールの神官から講義を受けた記憶を紐解いて
巫女姫は説明に口を開く]
巫女姫の多くは生涯独身を貫きます。
ですが、結婚の前例が無い訳では御座いません。
そう、何百年も前に…
クレメンスの若き領主が、当時の巫女姫と恋に落ち。
周囲の猛反対を全力で説得した末に結婚した――というのが、
最初の記録とされております。
始めは、臣民の皆様も戸惑ったそうですけれどもね。
たいそう仲睦まじいお二人を見て、
やがては赦す世論になったそうですよ。
随分と、宝珠や結界について御興味をお持ちなのですね。
[軽い笑みを散らし]
宝珠は、……そうですね。
此処、ドルマール神殿に祀られている。
――というのが公式な情報として、
多くの皆様が知っているものでしょう。
ですが本当は、巫女姫と共に在るもの。
この動乱の中でも常に私の傍に置いてありましたし、
神殿に戻った今は、神殿のしかるべき場所に祀っております。
[一度息を継ぎ、更に言葉を重ねる]
随分と、宝珠や結界について御興味をお持ちなのですね。
[軽い笑みを散らし]
宝珠は、……そうですね。
此処、ドルマール神殿に祀られている。
――というのが公式な情報として、
多くの皆様が知っているものでしょう。
ですが本当は、巫女姫と共に在るもの。
この動乱の中でも常に私の傍に置いてありましたし、
神殿に戻った今は、神殿のしかるべき場所に祀っております。
[一度息を継ぎ、更に言葉を重ねる]
宝珠は巫女姫――姫王の魂が傍にあって、
その力を完全とするもの。
姫王に添うもの。
ゆえに、制御という概念は御座いません。
…国を外敵から護りたいと想う心が、
結界を維持するのです。
[だから、シルキーは 思っていた。ずっと。
自分がベルサリス学館で外の国のことを学んでしまったから。
外の国の技術を学ぶべきだという議論の輪に加わり、
僅かながらでも開国の必要性を、考えてしまったから。
結界は、技術力に屈したのではなく。
結界が揺らぎ、外の国の人を招いたのは、
他ならぬ自分のせいなのではないか――――…と]
/*
歴史や宝珠についてを捏造するターン!
宝珠を巫女姫と一緒に移動しといたのは、
ドルマール神殿を護らなくていいようにする為でしか
ありませんでしたよね…(
― 開城翌日・ブラバンド舞殿前 ―
ブラバンドの皆、そして北島に暮らす皆。
どうか、俺の聞いてもらいたい。
[集まっている人々に向けて、まずは穏やかに語り始める。]
まずは、門を開いて迎え入れてくれたこと、ありがたく思う。
この街を戦火に晒さぬようにという、巫女姫の御聖断に感謝し、それに従ったみなの勇気と忠心を称えたい。
俺たち解放連盟は、この街を占拠しに来たわけじゃない。
何かを奪いに来たわけでも、皆の暮らしを壊しに来たわけでもない。
ただ、聞いてもらいたい。
俺たちの、皆の愛するナミュールは、
今、これまでにない変化の風に晒されている。
それは、外から吹いてくる風だ。
結界を超えてでも吹き込もうとする強い風だ。
今まで通り結界があるからと委ねきっていたら駄目だ。
貴族に任せておけばいいだなんて知らない顔をしていたら、
風に吹かれて、ナミュールはバラバラになってしまう。
俺たちは、ナミュールを壊したくなくて、ここまで来たんだ。
新しい風は、南からも吹いている。
人々の声だ。
自分たちの国を、自分たちで良くしたいと願う者の声だ。
自分たちで国の未来を考え、目指す先を決めたいという声だ。
ナミュールは、一握りの貴族だけのものじゃない。
ナミュールに住む皆のものだ。
だから、一人一人がもっとこの国のことを考え、
この国の未来について考えるべきじゃないか?
南島の多くの人間は、そう考えている。
俺は、その声をここへ届けに来た。
巫女姫も、皆に考えて欲しいと願っている。そう聞いた。
俺も同じ気持ちだ。
自分の未来を人任せにする時代は終わりだ。
一人一人がナミュールの民であるという誇りと魂を持って、
この国の未来に自覚と責任を持ち、
外の国々へも、堂々と胸を張って立ってもらいたい。
[締めくくりの言葉が風に運ばれて広がっていく。
おそらく、声は端までは届いていないだろう。
それでも身体全体を使って話す熱気は、伝わっていると思いたい。
檀上にある自分は、論者というよりは役者だ。
人々を煽るのではなく、一人一人が考えることを促すため、
皆がナミュールの民であるという自覚を持ち、
もっとこの国の未来に対して主体的であれと啓蒙するために、
自分の思いのたけを言葉にしてぶつけた。]
俺から皆に話しておきたいことは以上だ。
俺はこれから、巫女姫のところへ行く。
そして、ナミュールの未来について話し合ってくる。
皆も、よく考えていて欲しい。
[最後にそう告げて、檀上から降りた。]*
これが今の俺に言えるすべてだ。
俺の言葉がどれだけブラバンドの人間に受け入れられるかはわからないが、伝えたいことは全部伝えた。
後は、行動あるのみだな。
/*
追悼へのお返しをぽちぽちしていたら、何か巫女姫から、爆弾が投げられてららら
俺、巫女姫の、遠い親戚だった、ですか?!
[おっさんは、心底びっくりした]
― ブラバンドへ ―
[クロードとソマリと同道する形となったブラバンドへの道。
解放軍の規模は減ることなく、押し寄せる波のように東進し。
数日を経てブラバンドへと到着した]
[高々と張り上げられる開門を願う声>>114。
良く通るそれは門を開く鍵となる]
[ブラバンドは降伏という形で無血開城するに至った。
それはこの国が新たな未来へと踏み出す一歩。
限られた兵に紛れブラバンド内へと入ったシメオンは、それを赤い瞳で見届けた]
『長いようで短い期間で起きた内乱は、
ブラバンド無血開城と言う形で終止符を打った。
無血開城だからといって、
解放軍が圧倒的に優勢だったと言うわけではない。
巫女姫、解放軍、両者ともが刃を収め、
歩み寄った結果であると、私は信じたい』
……んー、歴史書にするなら事実だけにしねぇとか。
これは手記だな。
[クロードやソマリがそれぞれの役割を勤める間、シメオンはブラバンドの様子を眺めながら様々なことを書き記していた]
― 開城翌日/ブラバンド ―
[前日に流布された解放軍盟主の演説の話は一夜の内にブラバンド全体に広まったようだ。
舞殿前に集まった民の数は計り知れない]
うへぇ、シュビトでの集会以上だ。
[人の波に押し流されないよう気をつけながら、クロードの演説が始まるのを待つ。
壇上にて熱を孕む通る声が上がる>>143と、ざわついていた人の声がしんと静まったように感じた]
[シュビトでの演説と似ているようで違う。
あの時燃え上がっていたのは、全てを燃やし尽くし、破壊することで再生を生まんとする劫火。
それが今は、人の営みを援け、吹きつける風に合わせ燃え上がり、人々の
あん時より断然良いや。
[壇上から降りるクロード>>147の背に、密やかに拍手を贈った*]
/*
しまった、知ってたら、我が遠き孫娘よ、とかなんとか言って、ハグしにいく手が...!!
[ 通報していいよ ]
― ドルマール神殿・檜の間 ―
薔薇の花は、蕾の頃よりすでに人の心を奪います。
それと同じことでしょう。
[まだ二度しか会っていないのに、というシルキーに、囁くように告げる。]
ご不安はわかります。
これまでが不自由ない暮らしだったならば、なおさら。
けれど、どうか、勇気を出して、その御手を預けてください。
おれがあなたを護り、エスコートします。
[「幸せになりたい」と囁き、綺麗な涙をこぼすシルキーの頬をそっと拭う。]
この涙が、喜びの涙に変わるように。
[過去の事例としてクレメンス家の名が出れば、は、と笑みの色を変え、]
クレメンスもまた、革命児の血筋に連なるものでしたか。
その前例が巡り巡って、祝福となるとは。
[形見の指輪にそっと触れる。]
宝珠は──気になって当然です。
だって、ここはかの伝説の神殿だ。
意識しないでいられますか。
[今、この神殿に宝珠の脈動が感じられるか感じ取ろうとするように視線を投げる。]
長い時間を経て、巫女姫の祈りに育まれた宝珠は、きっと、これからもナミュールに恵みをもたらすでしょう。
人々の交わりを阻むものとしてではなく、この国の皆が、心健やかに、四季世豊かにあるよう、歩き出す力として。
貴女の願いのあるままに。
[かくあれかしと、心の裡で祈りを捧げた。]
/*
ふむ、良く考えたら親戚じゃなくて、巫女姫自身の元伴侶の子孫...
[巫女姫、生まれ変わりだったよね]
びみょーな...
― ブラバンド ―
[演説を終えれば、すぐに出発の準備を整える。
少し悩んだが、兵は最低限を連れて行くこととした。
友が鍛えた精鋭200騎。
先遣隊に加わって負傷したり命を落としたものもいるので、
今は、180に少し欠ける。
ソマリにも、その側にいるはずのシメオンにも、
演説が終わればそのまま出発すると伝えておいた。
一緒に来るつもりなら門のところで合流しよう、とも。]
[街の門へ向かう途中、大通りの露店で足を止めた。
風花祭でも食べた団子を買って食べつつ、
隣の店を覗いて、視線を止める。]
おばちゃん、これいくら?
[買い求めたのは髪飾りだった。
月と兎をあしらった、扇形の櫛。
なんということはない。ただ、似合うだろうなと思っただけ。
解放軍盟主の顔が、
まだあまり広く知られていなかったのは幸いである。]
[クロード・ジェフロイの背の向こうに、
新しいナミュールの大地を見たと朗らかに笑う人々が居た。
一人ひとりが、立ち上がり、築き上げ、
共に誇りある明日を作る――…
そんな未来のかたちを見た、と*]
― 間奏曲 ―
[北国生まれの二人にとって、マチュザレムでの生活は時に気温に当てられてしまう日があった。
そんな時は何らかの方法を講じて涼をとる。
その日はボートで湖に繰り出し、涼やかな空気に身を晒していた]
涼しいなぁ…。
[湖面に手を伸ばして浸したりと、あれやこれや試してみたりもする]
[そんな中で、不意にボートが揺れた]
うわぁっ!?
[波も無い湖。
他のボートとぶつかったかとも思ったが、ぶつかる音は聞こえていない。
視線を巡らせば、カナンが自分達の乗るボートを揺らす姿が見えた]
カナン、止めろって!
/*
こう、演説に対する聴衆の反応って、人に書いてもらえると涙が出るほどありがたいよね。
自分で書いた最初のは、えらく恥ずかしかった。
聴衆にサクラを仕込んでいたとはいえ、な…
− 間奏曲 −
ただでは止めん!
だって、おまえ、「どうして湖の上は涼しいのか」とか、そういうこと考えてそう。
もっと元気に遊ぼうぜ?
[ケラケラと笑いながら揺れるボートの上で立ち上がり──、そのまま後ろ向きに湖へドボン。]
[…友の育てた光を守るために、この命は使い切る。その誓いは果たされた。守り切れなかった光にも、現身を離れれば、会いに行く事も出来るだろうか?]
どうか…
[途切れた最期の言葉の続きは、きっと残された光が紡ぎ出す]
[夕日が空を紅に染め、海は朱金の波に揺らめく、その身は風を感じることはなかったが、鮮やかな日暮れの景色を目にして、男は笑みを浮かべる]
『もう しばらく、飛んでやって くれ』
[男の亡骸を支えたまま、言葉を絞り出したシメオンに視線を向ける]
ありがとう、シメオン…すまんな、辛い役目を押し付けて。
[既に、人の世での役目は終えた身。人知れず、波間に身を沈める事も考えた。だが、彼とカナンには、どうしても伝えておきたかったのだ]
[最初は、ただ試すだけのつもりでいた。「越えられぬ壁を越えて来た者」達が、この国に何を為そうとしているのか、何を欲しているのか。
それは、巫女姫が、そしてソマリ・フル・アレイゼルが抱いたと同じ疑念。
彼等が、ナミュールを、踏みにじろうとする者であるなら、自らの手で片付けようという気さえ持っていた。
それが可能なように、10年の間、王府からも距離を取り、己が為すことが、必ずしもナミュールの国是ではないのだという言い分が立つように振る舞ってきたのだ。
だが、彼等は違った]
[理想を語り、信念を貫こうとする気概と、賢者の深慮、曇り無き誠実。それが、共和国の全てではないことは、男にも解っている。彼等は希有な例外であるのかもしれない。
だが、それでも、その光を、ナミュールに最初に送った意志と力が、確かに存在する…ならば、それは守るべき希望の一欠片だ]
― ドルマール神殿・檜の間 ―
[分かったような、分からないような薔薇の例え。
困った気持ちを誤魔化すように、笑みで誤魔化すことにした]
…―――― はい。
[頬を拭う指先に、巫女姫はたおやかな小声で頷いた]
[指輪に触れる仕草には、不思議そうに首を傾げたものの。
クレメンス卿に彼らが保護されていた事実は知っている。
ゆえに…縁あるものだろうと、指輪に宿る想いに馳せた]
[そうと判じて、差し伸べた手を、彼等は力強く握り返し、想像した以上の景色を男に見せ続けた。
それは、本当に…]
おもしろかったよ。
[聞こえぬと知りつつ、男はカナンにも告げた言葉をシメオンに囁く]
君と、カナンは…俺の生涯最大の、最上の拾い物、だった。
……ええ、と ?
開国を求める貴方がたは、宝珠を壊したいものとばかり…?
[これからも――と言われて、驚きに瞳を大きく開いた]
……私は、宝珠の処遇を
クロード・ジェフロイに委ねる心積もりでおります。
ですから、どうなるかは彼次第かと。
[戸惑いつつ]
[いつか日は沈み、宵闇の中、飛行船は、男の生まれた場所へと戻っていく。
揺れる篝火の元、カナンが、男の亡骸に伏し、咽び泣く姿を見れば、瞼を伏せる]
「息子」に泣いて送られることが出来るとは、夢にも思わなかった…
[浮かぶのは仄かな笑み。シメオンに託しカナンの手に渡した指輪は、正しく彼が、「父」として認知したという証だ。それは、現実には起こりえるはずのない、結ばれる筈もなかった絆の証]
『皆が豊かに、笑いあい、希望を抱ける
[指輪を手に、常に変わらず、真摯な言葉を口にしたカナンの背を、男の魂は、そっと、抱擁した]
― 間奏曲 ―
[思考を言い当てるカナンに、ぐぬ、となりながら]
この世の事象には須らく理由がある。
それを考えて何がわ───
わぁ!! カナン!!
[反論したところでカナンが湖へと水飛沫を上げながら落ちていく。
不用意に立ったがために落ちたと思い込み、慌てた声を上げた]
おい、カナン!!
[船縁に身を預け、カナンが落ちた場所へと手を伸ばす]
[死せる魂は、己の愛する地を巡り、やがて生まれた館へと辿り着く。そこに在った、かつての好敵手は、男の死を喜ぶようには見えなかった]
『…手を降したのは…』
君ではないよ、ソマリ・フル・アレイゼル。
[漏らされた言葉に、男は静かに首を振る]
これは、俺の天命だ。いや、違うな…俺自身が引き寄せた最期だ。
[命を落とそうとした訳ではなかった。けれど、命がけでなければ、目的は達することが出来ないと知っていた。
戦の火を、その為に利用し、己の元に導いたのは、男自身。その結果としての最期であるなら、為したのは己自身だ]
…しかし、さすがだな。
[ソマリ・フル・アレイゼルは、一時の感傷に流されるような男ではなかった。遺言を聞くまでもなく、すぐさま緘口令を徹底させる周到さに、男は満足の笑みを浮かべた]
大統領に、というのは、冗談ではないぞ?この内乱が終わったら、検討してみたまえ。
[クロード達が望みとして掲げ、カナン達が伝える、民主主義がナミュールに正しく導入されたなら、それは、貴族も平民も、全てが同じ舞台に立って、国の行く末を決める道となるはずだ。
だが、情熱や善意だけでは、国の元首は勤まるはずもない。ましてや開国の動乱期の元首であるならば、計算高さと、強かさ、虚実を自在に操る力さえも要求される。
その役に、ソマリ・フル・アレイゼル以上の適任者を、男は知らない]
[彼の父、ダルメシアン・フル・アレイゼルは、気付いていただろうか?彼の息子を、その賢明にして誇り高く、時に、老獪と呼ばれる己の意図の裏まで掻いてみせる、その才気を…そのような息子に将来を託す事の出来る彼を、心の底、男が羨んでいたことに]
[人が眠りにつくように。
やがてカナンとの会話も、ひとまずの終わりを見せただろうか]
此度はお越しいただき、有難うございました。
ではまた、―――…
[丁寧な所作でお辞儀をして、カナンを見送ったことだろう*]
ジョーイ…
[想いは魂を、心が向かう場所へと運ぶ。
再び共に、その約束が二度と果たされぬことを教えるように、ひび割れたグラスを、声無く見つめる友の顔を見つめ。男は苦く笑った]
すまんな、俺は結局、お前に嘘ばかりついている。
[だが、と、男は強い目を向ける]
クロードは、きっとやり遂げる。そう請け負ったのは、嘘ではなかったろう?
[聞こえる筈も無い、声。けれど、友と一瞬だけ視線が合った気がしたのは、気のせいだろうか]
いつか…俺の息子達にも、会ってくれ。
[それが適うなら、全ては彼に伝わる筈だった**]
― 王都ブラバンド ―
[立ち並ぶ兵、炎を瞳に宿す民衆達。
先行きを夢見る者達、多くの者が門の前にいた。
無血開城。
それは対外的における王国の内乱が解放軍の勝利で確定されたというひとつの形。
不安と疑心、恐怖と慄き、ブラバンドの臣民はそれらを感じているのだろう。
だが、それらをどう扱うかは、彼の英雄の役目だ。
門が 開く ]
[然し王都の住民と云えど、敵ばかりではなく、期待や好奇心も存在する。
新しい事に目を向けたがる若者は特に。これまで巫女姫や貴族しか国を動かして来た事の無いこの国で。
この盟主、英雄、クロード・ジェフロイが今から何をしようというのだろうか。
それを見てやろう、見てみたい、そんな眼差しだ]
恙無く任されたよ。
こちらも街と、後王府の掌握を任されよう。
オルヴァル卿…いや、我が婚約者殿も動いてくれている…。
[演説の準備を幾分かの兵士にも手伝わせるも。
男は民衆が恐慌せぬ様に停滞する行政やブラバンドの流動を預かりつつも。
― ドルマール神殿・檜の間 ―
[シルキーが宝珠をクロードに託すというのを聞いて、わずかに首を傾げる。]
何故、彼に?
それこそ、一度、会見しただけの相手なのでは?
いえ、反対するつもりはありません。
クロード君がどう対処するのか、おれも見守りたい。
[カナンはクロードを語るのに、これまで「革命家」「破壊する者」という言葉を用いてきた。
シメオンを通じ、クレメンスとクロードの会見の様子を聞いてからは、少し変わってきているけれど──
彼の実が試されることになろうと思う。]
[然し王都の住民と云えど、敵ばかりではなく、期待や好奇心も存在する。
新しい事に目を向けたがる若者は特に。これまで巫女姫や貴族しか国を動かして来た事の無いこの国で。
この盟主、英雄、クロード・ジェフロイが今から何をしようというのだろうか。
それを見てやろう、見てみたい、そんな眼差しだ]
恙無く任されたよ。
こちらも街と、後王府の掌握を任されよう。
オルヴァル卿…いや、我が婚約者殿も動いてくれている…。
[演説の準備を幾分かの兵士にも手伝わせるも。
男は民衆が恐慌せぬ様に停滞する行政やブラバンドの流動を預かりつつも。
アレイゼル家の私兵達が、民衆達に隠れつつも、王府に残る官僚貴族達の邸宅にそれぞれ向かっていた]
感謝は、おれからも。
よく心を決めてくださいました。
[シルキーが立ち上がるのに手を添える。
今は、それだけ。]
外に、飛行船をご用意してあります。
空の旅を、ご一緒にいかがですか。
上から見るナミュールも、とても綺麗です。
[誘いはしたけれど、シルキーが祈りに入るならば、邪魔はしない。*]
[アレイゼル軍を用いて来たのは、治安維持以上にこちらの本命。
そう、兼ねてよりクレメンスとの対峙で大きく浮き彫りに晒された、貴族諸侯の一斉摘発。
コレから国は生まれ変わる、新しい場所へと行くのだ。
その為には不要と判断する物。花に群がる害虫を摘み出す機会は、やはり今この時以外には存在しない。
年末の大掃除もしないで、美味しい節は食べられないからね。
地区や組織から提出される治安や行政の書類を裁きながらも、共和国の副使が居る時、男はそう、穏やかそうな黒い笑みで事も無げに告げていた。
正面から見れば、悪辣な貴族への制裁だろう。
背中から見れば、己に従わない貴族を陥れる残酷だろう。
そして側面で見れば、これからのナミュールに本当の意味で必要と判断される貴族の選別。
益ならぬ虫の中にもいる、花より蜜を授かり粉を運ぶ事の出来る者達を見出し。
咲き誇る花をより豊かに]
[夜が深まり闇の中でも、時間は流れていく。
明日の朝日を迎える為に、確実に。
怯える民衆もやがては想像する恐怖の無い、平和なブラバンドに気付き姿を見せるだろう。
解放軍の演説が明日行われる、水面の波紋の様に静やかに広まる解放軍の噂。
街に広がり人々の心に欠片でも届いていき、やがて朝は訪れる]
共和国大使 カナンが「時間を進める」を選択しました
― 間奏曲 ―
[泳げないわけではなかった。
だが、見えない流れがあるのか、湖に落ちたカナンは底へ底へと引きずられる。
胸が潰れそうになって、肺の空気がコポリと溢れた。
泡は砕けて散って逃げてゆく。
覗き込むシメオンの顔が歪んで見えた。
繋がりそうで 届かない 運命の糸は 半ば ]
/*
こんばんはだ、シロウ殿。
誰もいないので、おっさん無双しておった。
皆疲れてるのかもな。
ログ読みがんばれ。
つ[ 温泉卵プリン ]
― 開城翌日・ブラバンド舞殿前 ―
[舞殿、本来巫女姫以外には赦されぬ場所に、新たな存在が立つ。
王国の歴史では到底起こりえない奇跡にも近い出来事だろう。
故にこそ、多くの民衆がこの場所に訪れるのだ。
今王国の歴史が変わる、その場面を見たい、そう考えてしまうからこそ]
同じで考えてはいけないね。
何せ単純な人口でも倍以上の開きがあるのだから。
…何よりも、シュビトでの時は
未だ若者達の反乱決起に過ぎない彼等だった。
だが今は違う。
[人波に気をつけるシメオンの隣で、そう語る男の瞳は舞殿に向けられていた。
そこに立つ者、国を、未来を導いて此処まで連れてきた者を]
/*
温泉卵プリンもぐもぐ。
長丁場だからな。みんな無理はしないでほしいな。
そうそう、地上にいるとき密かに温泉と同じくらい、
スイーツが羨ましかったんだ。
[壇上にひとり立つ、英雄の演説は、あの時の物とは違う。
巫女姫を立て、王国を想う言葉を静かながらも強く開き。
声はひとつの暖かい風となり、民衆の心に染み渡らせる。
暖かい風だ。炎を纏う様な、焼き尽くす風ではない。
旧態を否定する、貴族を否定する、王国を否定する。
瞳の向こうにある未来の手前には焼け野原のある、そういう色の風ではなかった。
自分たちの手で。
自分たちの想いで。
誇りを抱き、祈りを紡ぎ、王国を支えるそんな願いの込められた]
…ふふ。 今度は素直ではないか。
多少たどたどしい所もある。
だから上辺を取り繕う様な嘘がない。
思いの丈をそのまま人々へ与えて、繋げて行く。
悪くない言葉だよ。
それは決して、何に劣るも勝るも無い。
純粋に未来を想い願う、強い祈りにも似た気持ちだ。
…クロード・ジェフロイ。 それが君の考え歩んだ道だ。
よく此処まで来た。
[そう呟いて。 男はゆっくりと、然し惜しみの無い拍手を。
民衆の中、共に贈っていた*]
貴族 ソマリが「時間を進める」を選択しました
[蒼い彼岸に揺れる風に向け、此岸からの声>>57がまた届く]
……約束……。
[ああ、そうだっけ、と思い出す。
とにかく気が急いて急いでいたからまた後で、と。
そう、言い置いてそのまま走ってきたのだっけ、と]
……うん。
聞いてみたい事も、たくさんあるし、ね……。
[自分の知らぬ事。
それを、彼は多く知るだろうから。
そんな思いを込めて、呟く。
……その後、真白の小猿や幼馴染がどんな反応をしていたかまでは、伝わってこなかったから、そこへの突っ込みはなかった]
[それから少し間を置いて、また、違う声>>104が届く]
……一緒に、新しい風。
うん、そだね。
忘れてない、よ。
[今までと違う、変化をもたらす風。
それを望んで沿う事を望み、そのための道を一族に示したのだから]
……うん。
ちゃんと、起きるよ。
絶対、乗り遅れたり、しないから、ね……!
[返す言葉は届かない、けれど。
そこには確りとした意思が宿る。
蒼の彼岸を抜け、此岸へと戻る意志は、少しずつ、揺るぎないものへと変じていく。*]
― ドルマール神殿・檜の間 ―
[一度だけ、との言葉には曖昧な笑みを浮かべ]
そうですね…。
これからナミュールを担う彼が――…
どうなさるのか。
知りたいからかも、しれません。
[空の旅の誘いに、
ふわ、と好奇心に近い笑みが浮かび上がった。
先程までの緊張が薄らいだのが、
我ながら現金だと思う]
…―――― ならば、御言葉に甘えて。
観せてくださいませんか。
私共では見ることの叶わなかった、
この国の新しい魅力を。
[知らないものを知ること。
それは、決して悪いものではない――――*]
/*
なるほど。
俺はもうそろそろ寝るから最終日なのに地上の動きを見守っていられないが、
更新くらいには立ち会えるといいな。
/*
しかし、皆の持ち上げっぷりに半笑いになる。
嬉しい。けど痛いwwwあうあうあ。
なんか恥ずかしいね。
そうそう。頑張って2回目の演説したのは、どこかでソマリに「次の演説では期待したい」云々言われたからでした。
― 間奏曲 ―
[落ちたカナンが浮いて来ない。
伸ばした手を掴んでこない。
泳げるはずなのに、金色は湖底へと沈んで行く]
───んなろっ!!
[悪態をついて、シメオンは大きく息を吸い込んだ。
少しでも動きやすいように上着をボートに脱ぎ捨て、頭から湖へと飛び込む]
古ぼけた歴史書 が「時間を進める」を選択しました
……?
[ふわりと漂う蒼い紗幕。
現世と隔絶された世界の切れ目は見えない。
その中に幾つかの魂の気配を感じ、女は首を捻る。
内の一つは揺らいでいるような気がしたが、その理由は分からない。
>>+5:79不意に恩師の声が届けば]
…バウマン先生?
[意識が向かえば、彼の近くへと動くだろうか。
その傍には彼の教え子の姿があったかもしれない。]
――私は、あの学館に来る前から剣を持つ身でしたから。
[ナミュールに変事あれば戦うのはごく当たり前の事だったのだと、そう答えた。*]
/*
と、すごく遅い反応をしながら。
シロウさんはお疲れ様です。
Σもふったらハグされてたですと?
[狸の尻尾をもふってから逃げた。]
共和国大使補佐 シメオンが「時間を進める」を選択しました
― ドルマール神殿・夜 ―
[カナンと面会した日の夜。
柔らかな夜風に吹かれて、巫女姫は神殿の高台に居た。
その中央には石造りの小さな社が置かれており、]
……――――、此の宝珠が、これからも…?
[腕を伸ばせば届く距離。
中にはナミュールの神秘たる“宝珠”が祀られていた]
/*
フィオンさんもこんばんはー。
>>+131
カウンター入れない理由が、ないっ!
そしてメモの理由が。
あれは絶妙のタイミングだったよね……うん。
……。
一番良い結界の形とは、如何なるものなのでしょうね。
[呟いて、巫女姫は高台の欄干に寄り掛かり、
力抜いて腕をもたせかける。
闇に浮かぶ、煌々と冴ゆる月を見上げ。
彼女の唇から柔らかな旋律が紡がれてゆく]
― ドルマール神殿 ―
[ブラバンドから馬で駆けに駆け、
やがて三日月湖に抱かれた神殿の優美な姿を、朝霧の中に見出した。
付近を警備するアレイゼルの兵たちへは、
卿からぬかりなく連絡が届いているだろうと思う。
彼らの横を抜けて、神殿の島を望む湖畔に立つ。]
/*
スイーツ?
甘いものなら南国の果物で十分じゃん金持ちの考える事はよくわからんなー的キャラも考えたけど、何の役にも立ちそうにない設定なので投げました。
[ ごろごろ。]
クロード・ジェフロイが巫女姫にお会いしに来た。
快く迎え入れられることを願う。
[声を張り上げ、神殿へと呼びかける。
周囲の兵たちと共に、静かな緊張のうちで待った。
巫女姫は騎士団を伴って神殿へ入ったと聞いている。
必要とあれば、押し通ることも覚悟のうちだった。]
ゆめみしは きみのえがお
そらかける にじのはし
ゆらゆらうかぶ ふねとほく
きょうよりここが わがこきょう
ゆめみしは みなのえがお
きみのとなりで つむぐねがい
はらはらながる かざちるはな
きょうよりここが わがこきょう
[千年前、姫王がナミュール島に辿り付いた際に
口ずさんだとされるもの。
今では誰もが知っている、故郷を匂わせる民謡になっている。
月夜の空の下。
静かにゆるやかに、巫女姫は歌う。
祈りを篭めて、彼女はうたう。
その音色は、巫女姫を護らんと付き従った騎士団の精鋭たちに、
またドルマール神殿を囲むように護る兵士たちに。
染みるように響いていっただろうか*]
/*
こんばんはー。
[ヴェルザンディのカウンターに拍手をした]
…若干パワーアップしたような気がするのは気のせいでしょうか?>秘密
>>+132こんばんは。
いえ、抱擁は慣れないので…。
[距離を取ったまま、狸の尻尾に熱い視線を送っている]
天の岩戸は開くかな。
何事もなく、太陽が出てきてくれれば助かるんだが。
[どこかの昔話を引いてきて呟く]
打ち砕くには、ちょっと硬い石扉だからなぁ。
[投げかけた”声”がしっかりと響いていることがわかる。
読心術ではなく、骨伝導でもなく、不思議と──話せるのだ。]
ひとりじゃない… なら、 死んでたまるか。
[伸ばした指先にシメオンの手が、想いが絡む。
ふ、と身体が軽くなった。]
― ドルマール神殿 ―
ええ、 是非。
[今度はカナンがシルキーを神殿の外へと導く。
やがて、ゆっくり空に舞いあがる飛行船の下に広がるのは、クレメンスが最期に讃えた美しいこの国の姿だ。
碧い森と宵闇迫る空の境目は朧に霞み、天穹にいつしか群れ集う 星。*]
/*
うおおお、なんかもう...いたたまれない
自分の所業が痛いというか...
[地上で名前が出る度に七転八倒しております]
― ドルマール神殿 ―
[クロードの呼びかけの後、
しばらく神殿はしん…、と静まり返っていた。
息潜めるような気配はある。
けれど、迎えの神官一人、顔を出さない時間。
神殿に掛かった朝霧が薄くなる頃。
ようやく顔を出したのは、陽金の髪を結い上げた巫女姫その人だった]
[神聖な存在たる巫女姫自らが解放軍盟主を出迎える意味、
その価値を、彼女はよく知っている]
――――…、お待たせいたしました。
[純白の巫女装束姿が、静かに礼をひとつ]
此の神殿は、太古からの神聖なる場所。
万が一が起きよう筈も御座いません。
そちらの兵の皆様は、
此処でお待ちいただくようお願い申し上げます。
[空気無き水の中、振動で伝わる音ではない声。
あり得ない事象。
あり得た事実。
この事象に理由をつけるならば、それは”絆”と呼ばれるのだろう]
死なせて、たまるか。
[絡んだ指を、手を、想いを。
しっかりと握り締める。
心なしか軽くなったカナンの身体を自分の身へ引き寄せ、抱えるようにしながら湖面へと浮上した]
ぷはっ!
[顔だけを湖上へと出し、呼吸を確保する。
ゆらり漂っていたボートを捕まえて、その船縁にカナンの手を掛けさせた]
カナン……ッ
[切羽詰った声で呼びかける]
/*
>>+135
そ、そうですね、>気の所為
経験を重ねれば慣れもしましょうが…。
甲冑姿で宜しければ!
[尻尾のもふもふに癒されつつ、浴衣の上から甲冑を着だした。]
― 間奏曲 ―
[シメオンの腕が身体を支え、水を掻く。
重い束縛が剥がれてゆくようだった。
ほどなく頭が水面に出る。
シメオンの手で引き寄せられたボートの縁につかまって日差しの温かさを背に受けた。]
はははは…! あはははは!
ありがとう、シメオン、 やったな! 嬉しい。
[溺れかけたばかりだというのに、弾けるように笑う。
生きている、そして、生きてゆく上でとても大切なものを得た実感が身体を駆け巡っていた。]
― ドルマール神殿 ―
[呼びかけに応じる者は、しばらく現れなかった。
だがこちらを窺う視線や、微かな気配を感じる。
緊張を途切れさせることなく、辛抱強く待ち続け、
もう一度呼びかけようかとしたところへ、太陽が姿を現した。
朝霧を払う陽光の金。
清浄の白を纏った姿に、目を細める。]
[盟主が馬から降りたのを皮切りに、
続く兵たちがみな馬を下り、跪礼の姿勢を取る。
盟主はひとり、前へと進み出た。]
巫女姫御自ら出迎えいただけたこと、心から感謝します。
ならば俺だけ、そちらへ参りましょう。
[ひとり進み出た盟主に、頷いて。
そのまま見据えるは琥珀の瞳]
ちゃんと――… 正面からいらしたのですね。
誉めて差し上げます。
[ほんの少しの冗談混じりを、軽く投げて]
…さ。此方です。
一番相応しい場所に、御案内いたしましょう。
[と、神殿の中に誘う]
― 間奏曲 ―
[至近距離で笑い声が上がった。
溺れかけたカナンのもの]
お、っまえ、 どんだけ心配したと……!
[笑う声に呆気に取られた後、激しかけた声が上がる]
[幾つもの通路と階段を抜けた先に、空があった。
天井の無い高台は、周囲の三日月湖を見渡すに最善の場所。
中央には石造りの小さな社。
簡素だが堅牢で重厚な造りの建物の正面は
両開きの格子扉で閉じられている]
―――此処は、ドルマール神殿の中で最も神聖なる処。
“宝珠”を祀る、祈りの場です。
………ふ、 あはははははははは!
[けれどそれも、直ぐにつられるような笑い声に取って代わった]
まさか、繋がれるなんて。
俺も嬉しいよ。
[湖面に浮きながらカナンの身体を抱き締める。
繋ぎ止めた絆は、唯一無二のかけがえのないもの。
失わずに良かったと、心底思った]
/*
>>+142
何事も経験、なのでしょう?
[素直と言われて緩く首を傾げるが]
…あ、
……あの、私は26なのですが。
[子供にするような手つきで撫でられれば、遠慮がちに言った後にじわりと赤くなった]
― 間奏曲 ―
[日差しとは異なるシメオンの肌の温もりが伝わる。
笑いに転じた声が水面をキラキラと波立たせた。
ひとしきりじゃれあってから、
よいせ、と手を貸し合ってボートに上がり、脱いだ服を絞って水を切る。]
おれは生まれた時に、予言されたそうだ。
「この子はすぐ近くと 果てしなく遠くに かけがえのない宝を見出すだろう」って。
なんとでも解釈できそうな予言だけど──
こうして血よりも強い絆を得たんだから、信じてもいいな。
― ブラバンド ―
[演説後、直ぐに神殿へと出立したクロードを見送って、シメオンはブラバンドへと残る。
これと言って目立った何かをすることは無かったが、ブラバンドに残ることでこの国の変化を見るに至る]
[先ず一つに、ソマリによる貴族諸侯の一斉摘発。
大掃除>>171と称したそれはソマリの手腕の下、恙無く進められているよう。
穏やかそうな黒い笑みを伴っての言葉だったが、嫌悪を抱くような印象は受けなかった]
必要悪にでもなる心算かい?
[冗談めいた口調でそんな風に問うたのも記憶に新しい]
[次に、演説を受けての民の変化。
裏の無い真直ぐなクロードの言葉は、ブラバンドの民にもしっかりと届いたようで、街を歩く中で演説についてを話題にしている声を良く聞いた。
具体的に何をするのか等はまだピンと来ていないものも多いようだが、こうして話題に上がり考えることこそが最初の一歩となろう]
正しい判断をするには、それに対する正しい知識を得ることだよ。
人との付き合いもそう。
相手のことを正しく知ることが、良き付き合いに繋がるんだと思うぜ。
[好奇心の強い者等が、シメオンをマチュザレムの使者と知って話しかけてきた時など、話す機会があるのならば正しい知識を与えて思考のための材料にさせる。
押し付けることはなく、あくまで求められた時のみ知識を与えた。
進んで技術や思想を伝えるのは、もう少しこの街が安定してからのこと*]
― ブラバンド王城 ―
[この王国を導いていく新たな演説が熱気と拍手と。
そして何より、自分達が住まい、愛するこの王国の行末を民衆達自身が自分の胸で考える。
そんなささやかで、然しコレまでと決定的に違う、明日の王国への始めの兆を芽生えさせる頃]
…やあ、クローディア。
まさか君が、そこまでお転婆さんだとは、私も予想していなかったよ。
ガーティは、姫王の時代より続きし代々の武人として非常に優秀だった。
だが君は、どちらかと云えば私に近い人種として成長したね。
ふふ。君達兄妹で、オルヴァルの上澄みを分け合ったという所かな?
[王城。それは執政官や大臣が常に在し、時には巫女姫を交え、王国の舵取りを行う、王府。
巫女姫の清廉さを表す様に、清らかな白で統一される王城の広間で、男は私兵達を供に、淑女らしく歩んでくる従兄妹を軽く抱きしめてみせた]
[小さな冗談にほんのりと笑みを返し、
誘いに応じて白い背を追う。
初めて目にする神殿の内部に時折視線を走らせながら
通路を抜け、階段を抜けた先に広がる眩さに、手を翳した。]
ここが、"宝珠"の───
[巫女姫の言葉に耳を傾けながら、正面の社に視線を注ぐ。
ならば、あの中に祭られているのだろうかと。]
――… これはこれは。お待たせ致しまして申し訳ございません。
日々ブラバンドより王国の行末を占われし皆々様方。
[王府の会議室、そこには多くの私兵が武器を手に控えていた。
然し兵の全てはアレイゼルの。
そして会議室の席に、無理矢理揃えたのは、幾名かの貴族諸侯]
[彼等、王府の主要な貴族諸侯は、ひとつ現状への心当たりが存在している]
さて、皆様方に於かれましてはこの様にしてご足労願いました心当たりがあられる御様子。
王府と王国の行末を取り纏められる、諸君らの大事な身柄。
実に堅実な手堅い采配を一致団結なされて、此度の国難を乗り越えようとされました事。
このソマリ・フル・アレイゼル、先達方の御慧眼に感服するばかりで御座います。
[貴族諸侯の何者かが大声をたてるが、男はどうしたと小首を傾げる]
…おや! どうなされました?
貴公達は誇りある王国貴族の一員、今日まで民を導き続けてきた先頭者としての地位に相応しき風格を、どうぞ。
寛大にして慈悲深き我らが姫様は感謝されておりましょう。
貴公達がここブラバンドに居られるからこそ、御自身は王都に戦禍を招く事を避ける御英断をなされたのですから。
[巫女姫の英断はそして、アレイゼルの領主の助けにも図らずともなっているのだ]
…然しそれらも今日までで宜しいのです!
[笑顔を浮かべ、男は、会議室の卓をぐるりと一周する様に歩いて。
私兵達により物理的に抑えられている貴族諸侯達の肩を、優しく叩いていく]
ブラバンドの演説を既に聴かれましたか?
彼等はこれからの王国を導いていく、新たな旗です。
新しき旗には新しき風を。
姫王陛下千年の歴史を支えた諸君らの献身と忠誠は、
今漸くひとつの荷が下りるのです!!
これまで日向と影と、王国の繁栄を支えて頂いた諸侯らに、私達は感謝と礼節を以ってその勲を労わらねばならない。
[そして最後に元いた場所に戻り、再び男は良い笑顔を浮かべた]
俺は、君に聞きに来たんだ。
[社から巫女姫へと視線を戻し、最初の言葉を発した。
戦乱の結末や首都の様子など、様々な話を置きざりにして、
最初から、一番言いたかったことを話し出す。
余人の見えぬ空間の中、口調はずっと昔に戻った。]
君が、このまま巫女姫であり続けたいのか、
市井に下りて一人の女性として生きるつもりがあるのか
それとも、姫王として立とうという覚悟を持っていたのか。
俺は、それを聞いてから、新しい国の形を考えたいと思っている。
王国に仕えし忠義の士に相応しき、最上級の部屋を用意しております。
どうぞ皆々様はそちらで、御緩りと楽隠居戴きます様…。
[男はそして興味を失くしたか、会議室の扉へ手を掛けた]
… … …最期にひとつ、後学の為に教えてやろう。
千年の祈りを込めて姫王陛下が御育てになられた花はひとつきり。
花に侍る蝶達は、蜜を吸いつつ粉を捧げ共生する物。
花に侍る怠惰に、翼失くした害虫と成り下がった時に。
諸君らは間違えたのだよ。
[そして私兵に命じ、背中では貴族諸侯達が動かされる音が聴こえた。
それらを背後にし、男は扉を潜り……静かに閉じられた]
― ブラバンド ―
[演説後、巫女姫の元へ、ドルマールへ出立した盟主を見送り。
男は、共に残される、共和国副使と共に彼らの帰還を待つ]
…然し、歴史の転換期に立ち会う栄誉を得られたとはいえ。
私達も、なかなか大変な役回りを任されてしまったね。
…シメオン、これで満足かい?
然しまだまだ、歴史の節目は幾つも訪れるだろう。
まさにこれこそ、動乱の時代だ。
[先日の生クリームを添えたシフォンケーキを再び頼みつつも、男は書類に筆を走らせていた。
巫女姫との講和調停に、王国の方針決定、古の民達との友好に、やがて開国が待つ]
歴史家、学者としてはこれ以上ない収穫だろうね。
何せ歴史の瞬間を生で見ることが適う。
それもこの千年閉ざされた王国の歴史をだ。
…尤も、結果としてその裏方を勤めさせて貰った私については。
後の歴史家の評はそれはそれは無残な物となるのだろうがね。
[何せ表と裏をある程度みれば、王府への反逆に貴族への大粛清、陰謀渦巻く旧貴族代表として恨みや妬みもそれは訪れるだろう。
然しそういう割りには男の言葉は随分と気楽な物なのだが]
/*
アレクシスさんはお疲れ様です。
もう1時ですか…。
>>+144
そ、それはそうなのですが。
[相手がにこにこしてるのでそれ以上言うのはやめる]
[その時の時勢にもよりますが、普通にこんな感じになりそうで]
― 間奏曲 ―
予言?
[お互いの力を合わせボートによじ登り、服の水を絞っている時に語られたカナンの運命。
宝、と示されると赤い瞳を何度も瞬かせた]
すぐ近く、が俺ってこと?
へへ、そっか。
それなら、もう一つもいつか見つかるだろうな。
ここに予言の証明者が居るんだから。
[何だか誇らしく思えてきて、ついつい偉そうな物言いになる。
自分を示す単語には、それ女性に対して使うんじゃ、なんてことも思ったが、大切な人と言う意味では使い方は間違っていない、のだろう]
ああ、よろしくな。
[ずっと添うであろう、己の
必要悪、と君はいったが、それは少しだけ違う。
貴族とは利に聡くも貪欲でなければいけない人種。
それは時に、必要とあらば主君を利用もするだろう。
然し、蜜を吸い尽くしてはいけない。
民衆も、貴族も、そして主君も、適度に花粉を与えれば
それらはやがて、再び蜜を取り戻す。
花が潤う時には潤沢な蜜を賜り
花が枯れそうな時には持てる花粉で花を支える。
それが理想的で、恒久的な利の取り方だ。
領地の運営しかり、巫女姫との立ち回りしかり。
…結局は、貴族は商人に向いている人種。
つまりはそれが私という人間という訳だ。
その点で云えば、クレメンス卿もとても貴族らしい貴族だった。
これで漸く、王国は新しい場所に行き着けるだろうね。
それがどの様な形として実を結ぶか。
まずは英雄達の帰還を、共に待とうではないか。
[そして紅茶を含みながら、甘くも素晴らしい異国の菓子を愉しみ、男は振り返る]
… … …ああ、生クリームの代わりはあるかな?シメオン**
………。
[クロードの問いには応えない侭――――。
巫女姫は、社に近づき。そっと格子扉に手を掛けた。
躊躇うことなく奥に指を伸ばし、
……――――― 中身を、取り出す。
柔らかで淡やかな黄金色の光を放つ球体。
“宝珠”と呼ばれるナミュールの宝が、
次の瞬間には巫女姫の掌の中にあった]
[その宝珠を抱いた格好でクロードを振り返り、
目を伏せる]
ブラバンドでの、貴方の演説。
仔細を知らせる手紙を送ってくださった方が
いらっしゃいまして。内容は存じております。
……、少し。
誤解を していたのかもしれません。
私はもっと、貴方が強引な思想を強いてくるかと
思っておりました。……
/*
巡視設定は、彼方此方と顔見知り縁故(正負問わず)繋げられるかなという目論見でしたが、生かしきれなかったかなぁ。
ヴェルザンディさんとサシャさんに繋げられて良かったですが。
止めましょうか、こういうの。
[不意に言葉を止めた巫女姫は、ぽつ、と言い切り。
ずっと昔の口調に戻った人へ、
宵藍の双眸を真っ直ぐに重ねた]
…ロイ兄様、
[本人を前にして呼ぶのは、五年振りとなるか。
その懐かしい響きを、声に乗せて]
貴方はどうして欲しいのですか?
自分で言うのもなんですが…
“巫女姫”には未だに価値があります。
これからナミュールは、ひとつの山を乗り越える。
困難も多いであろう其の道を、楽に出来るものなら。
使えるものは使う選択肢だってあるでしょう。
/*
あ、更新忘れ。
サシャさんはこんばんは。
このまま普通に更新待ちでいいんじゃないかな、とは。
>>+150クレメンス
騎士として当然の事です。
[大人しく撫でられつつ、紡ぐ言葉には誇りを籠めて]
>>+151だったので、過去に接触も可能だったのですが私の手が足りなかったのです。
/*
>>+153クレメンス
何かの時に会っていたり、挨拶などには行っていたと思うのです。
旦那さん設定は、名前の他は自由にしてましたので、拾われていたら尻尾を振っていましたね。中身が。
ソマリさんのも中途半端に終わってしまったのが無念で。
傍目から見てもクレメンスさんは忙しそうだなぁと思ってました。
/*
深夜から早朝になったところで感があるかなと。
巡視は絡み頂きありがとうでありました。
なのに返しが酷くてメンゴであります。
/*
サシャが既にお手つき…ですって…。
[ ざわっ…]
サシャは個人的に両貴族殿がそれぞれどっち陣営に動くのか連日右往左往してたのが楽しかったですよ。
蝙蝠こそ貴族の華であります。
[こちらに背を見せ、社に向かうその姿は
やはり巫女姫であり、それ以外の何物でもないように思えた。
社から取り出された宝珠が、彼女の腕の中で光を放つ。
ナミュールの魂。ナミュールの至宝。
ふたつの金色が共に輝きを纏い、
ここに太陽の欠片が降りてきたような錯覚を覚えた。]
俺が思っているのは、最初からただ一つ。
ナミュールを壊したくない。それだけだ。
[革命家でもなく、扇動家でもなく、
解放軍の盟主という立場ですらなく、
ただのクロードとしての言葉を紡ぐ。
宵藍と琥珀が、重なり合った。]
キール。
俺は、君が───巫女姫が姫王になればいいと思っていた。
姫王という太陽を天に頂き、
その下で、法の元で貴族と、民とがそれぞれ代表を出しあって国の政を話し合い、行くべき道を決めるように。
いきなりすべてを民衆で決めるのはあまりにも無謀に過ぎるから、姫王という舵を置いておくことで、安定して進めるんじゃないかと。
[懐かしい呼び名は、空気を一気に5年前へと引き戻す。
教室で議論をしていた口調そのままに、自分の考えを言葉にした。
それは例えば、立憲君主制とも呼ばれる国の形。]
/*
サシャさんがお手付き…?[ざわっ]
>>+156サシャ
絡み、とても楽しかったですよ。
ありがとうございました。
>>+157クレメンス
何処につくのだろう、と動向を見守るのが楽しみでした。
巫女姫様にはプレゼントのエピソードを投げておられたではありませんか。
そう考えると、フィオンが一番遠かったかもしれませんね。
常に人に囲まれてましたもんね。
絡んだらきっとファンになっていたと思いますよ。(中身はファンでした)
/*
私は何もなければ王国側の戦力として死ぬ心算だったので…バランスとって下さった方々はありがとうございました。
姫王の魂は国に添う。
皆の笑顔が彼女の願い。
―――…私は此処、神殿で。
そう刻まれて生きてきた。
貴方がシュビトで、外の新しい風に触れて育ったように。
私はドルマールで、古の伝統を宿して育ってきたのです。
[掌の中の宝珠を、撫でるような仕草をしながら。
クロードの本音を聴いた]
不思議ですね。
こんなに違う筈なのに――――…
考えることが、余りに同じで。
[ナミュールを壊したくない。
その想いが、触れあって…響き満ちる]
ロイ兄様。
私は、貴方が―――此の国を導く英雄になればいいと
思っていました。
千年の時を経て、王府の腐敗は避けられなかった。
勿論、国を想う人々も沢山居た。
けれど、虫に害された葉を抜かねば畑全部に広がるように。
このままではいつかは…崩れる。
予感は、ずっとありました。
ただ……、
私に全てを変える力は無かった。
世を動かす炎を灯したのは、ロイ兄様。貴方です。
私はいつか来る其の日を、…――多分何処かで、期待していた。
/*
ご隠居には助けられました。船に乗らなくていいという選択肢の真意は判っていたのですが、サシャ視点NOは間抜け過ぎて言い辛いので、誤魔化しながら乗れないかなとあれこれ悩んでましたw
初日落ちなら、使節団襲撃引誘して、「ここは任せて先に行け」的に死ぬ流れがいいかなと。アレクシス暗殺失敗死も一応。
あとはアレクシス以外でもスパイルートも少しだけ。
ただ……、
貴方の炎が、余りに苛烈だったから。
私は不安にもなりました。
会わなかった此の五年の月日は、
ロイ兄様を如何様にか、変えてしまったのではないかと。
………杞憂、だったみたいですけれど。
[ブラバンドで発せられた演説の内容を
脳裏に浮かべ、柔らかく呟く。
一方で。彼を今まで支えてくれた人が
その炎を正しく導いてくれたのかもしれないとも、思う]
私の意思…ですか。
[ゆっくりと、微笑った]
同じですよ。貴方と。
ナミュールの未来がより良い形であることが、
常変わらぬ私の願い。
/*
さて、ゆうべは寝落ちてしまったので、今日は大人しくそろそろ寝ておこう。
シルキー、クロードがんばれ!
と、エールを置いておくよ。
おやすみ**
― 回想・船上 ―
えらいひとは、くものうえ。
[ 月明かり無い夜の空。見上げる先は、ただただ遠い。かの国にあるという空を飛ぶ船とやらから見上げれば、景色は異なるのだろうか。
平時であっても乱時であっても、
物事を動かすのは、動かす意欲と強い意志を共に備え持った者達。
熱い、とても熱い熱を持った人達。
彼らは人を惹きつけ、己の熱を分け与える。
伝染させ、その熱を自分のものと思わせる力を持つ。
それはとても恐ろしい。
熱を持たされることが、ではない。
自分の熱だと思わされることが。]
( かの人はそんな熱を厭うていました。)
[ その癖、たった一度だけ、戯れの問いに紛れて忍び込んだ熱が、今もとても胸を焼いて痛い。焼き鏝で押し当てられたかのように胸の奥をじりじりと苛み、自分を狂わせる。]
( はぁ……。)
[ 祖父の遺志はただの執念であって他人事でしかなかった。それを自分への呪いにしてしまったのはあの愚かなひと時の呟き。それが、何もかもと引き換えにして、今この場所に自分を置いている。]
( クレメンス卿は、異国の地を夢見ていたとか。)
[ ならば嘗て自身が抱えていた熱を自分が抱えていないのはとっくに理解しているだろう。同行を承知したのは、彼なりの思惑があったからだ。カナン達もそうかも知れない。彼らは何を考えているのか。]
( 見えませんし、覗けません。)
[ 遠い遠い世界。空を翔る事などできない。だからじべたを這いずり回る。]
( えらいひとは、くものうえ。)
[ もしもあの時、自分が違う事を口にしていたらどうなっていたのだろう。彼の眼差しに怯えず、見詰め返していたらどうなっていたのだろう。あの時の彼なら、今の自分ならばきっと――、きっと――。]
冷えてきましたね。戻りましょうか。
[ 見張りも兼ねているだろう私兵の一人に声を掛ける。言い渡されているのだろう。自分が何をしていても邪魔をする事はなかった。**]
[互いの生まれと育ちは火と水ほどにも違い、
思い描いてきた国の形も、まるで違うだろうに、
ふたりとも、願うものはただひとつなのだ。
ただナミュールのためを思い、ここまで来た。
一度別れた道が、ようやく再び出会う場所まで。]
俺は、英雄の器なんかじゃないよ。
[向けられた言葉に、ゆるく首を横に振る。]
いくつもの仮面を付け替えて、
自分と他人を騙し続けてきただけの
せいぜい、道化がいいところだ。
威勢のいい言葉も、強硬な態度も、
だいたいが計算づくで───
───ただ、でも、
仮面を捨てた方が人の心を掴むことがあるってことを、
つい最近、実感したかな。
[脳裏に浮かんだのは、ブラバンドで演壇に立った時の光景。
話し終えた時の、温かで力強い熱は今まで感じたことがない種類のものだった。]
だから、これからは素の自分でいこうかと思っている。
[シメオンには釘刺されたし、クレメンスのおっちゃんにも心配かけてたし。そんなことを思いつつ。]
俺と、君の願いが同じなら…
やっぱり、君には姫王として立ってもらいたい。
君に、今よりも負担を強いることになるかもしれない。
だけど、ナミュールにはやっぱり君が必要だ。
これから、ナミュールは外に向かって開かれる。
今すぐじゃない。でも、近いうちだ。
その時、みんなの支えになれるのはやっぱり君なんだ。
巫女姫を心の拠り所として抱いていれば、
外の国に対しても、媚びず流されず、誇り高くいられる。
それに、
俺が推し進めようとしている変革からは、
弱い人たちが零れ落ちてしまうかもしれない。
それを指摘して、掬い上げられるのも君なんだ。
どうか俺たちの上に立ってほしい。
必ず、支えるから。
[真摯な顔で膝をつき、手を伸ばす。
貴人に誓いをする騎士さながら。]*
それを言うなら、私だって同じです。
[くすくすと朗らかに笑う]
まあでも、あれですね。年季。
巫女姫の役、やっているの長いですから。
[仮面を捨てたと言うクロードを見て。
ふと思い出したように胸元に手を当てた。
宝珠を片手に乗せて。
空いた方の手で懐から懐紙を摘み出す]
でも、あの時は其れが最善だと思いました。
だから――――謝りません。
後悔は、飲み込んで糧にし。
強く、前を見据え。
犠牲を生かさんと――――… 先に、進むことが。
遺志継いで生き残った私たちにとって
大事なことだと、思いますから。
違いない。
[年季。その言葉に頷いて、笑う。
ほんとうに、素直でなく生きてきたものだ。
そんな感慨の前に、ひと房の髪束が差し出された。]
あいつ、変なとこ鋭かったからなぁ。
見えてたんだろうな。
俺と、君の、足りないところ。
[声の調子は落ちはしたが、昏く沈むものではない。]
あいつの命を奪ったのが君なら、
あいつを死地に送り込んだのが俺だ。
でも、その道を選んだのは、あいつだから。
その選択はあいつ自身の、あいつだけのものだ。
俺たちがそれを侵すことなんて、できないんだ。
……キールは、強いな。
[謝らないと言う彼女を、眩しげに見やる。
その、前を向く眼差しの強さを。]
俺は駄目だったよ。
全部抱え込んで、俺のせいだって言って、
どうしようもなく落ち込んでた。
クレメンスのおっちゃんに言われなかったら、
ずっとあのまんまだったろうな。
ここに来るまでに何人も死なせたし、
何人も殺してきた。
バウマン先生、マッキントッシュ先生、
フィオンに、…ユレ先生も。
彼らの死が必要なものだったと強弁するつもりはない。
ただ、俺は、この戦いを起こした責を持つ人間として、
彼らの生き様を刻み、共に先へ進みたいと思っている。
……、ふふ。
[なんだか可笑しくなって、笑った。
変な笑いが、込み上げた]
ねえ、ロイ兄様。
学館で議論した時のこと――覚えていますか?
ほら、
私の目論見――――…当たっていました。
[議論を言い負かしたかのような。
やっと、兄に追いついたような。
そんな心地が、なんだか可笑しくて、嬉しくて]
ふふ、…… は、 っ、
[いろいろ。回り道をしたり、
多くの犠牲を生んでしまったり、
もっとこうすれば良かったとか
ああすれば良かったとか、 沢山たくさん あるけれど。
それでも――――…
やっと。報われた心地が、雫になって頬を濡らした]
此のナミュールの為に。
私たちの愛しい祖国の為に。
壊さず。護り。
新たな変化の風を得て、
四季世豊かな未来へ繋ぐ 其の為に。
だから、――――…支えてください。
皆が笑顔になれる
私の隣で、紡いでください。
クロード・ジェフロイ…、 ロイ兄様。
[あたかも姫に添う騎士のように、伸ばされた手に。
深い想いを篭めて、手を重ね合わせた*]
巫女姫 シルキーが「時間を進める」を選択しました
でも、多分。
これで良かったんですよね―――… アレクシス。
[貴方が今、傍にいないこと。
それが心辛くは、あるけれど]
ふふ。 どうか、見ていてくださいね?
黄昏のように金に輝く明日を、皆と共に、紡いで。
ナミュールの黎明を、迎えてみせます――――。必ず。
もちろん、覚えてる─── ……?
[5年前の議論に触れて笑う彼女に、つられて笑う。
そうだ。自分も、他の皆も、ナミュールのたくさんの人が、巫女姫を信じている。]
こいつは、してやられたなぁ。
[これは負けを認めざるを得ない。
でもそれは、すがすがしい心地のする負けだ。]
[彼女の頬を濡らした雫に指を伸ばし、拭い取る。
涙を握りこんだ拳を胸に当てて、彼女の決意を聞いた。]
きみのとなりで つむぐねがい
[紡がれる唄に声を合わせ、
重ねられた手を、しっかりと握る。]
君にはしてやられたけれども、
俺の思いはあのころと少しも変っていない。
君だけに全てを背負わせたりしないと約束するよ。
共に行こう。
豊かで美しい、俺たちのナミュールのために。
クロード・ジェフロイは、
シルキー・カノエ・ナミュール陛下の御為に。
ロイ兄さんは
気が強くてお転婆だったキールのために。
力を尽くすことを、誓おう。
[格式ばった口調はすぐに消え、悪戯な笑みを浮かべる。
でも、誓いの言葉だけは、掛け値なしの本心だった。**]
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