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埋もれし一葉 は 長耳双子 ローレル に投票した
魔王 カナン は 長耳双子 ローレル に投票した
皇子 ロー・シェン は 長耳双子 ローレル に投票した
亡国の将軍 ヨセフ は 長耳双子 ローレル に投票した
銀月牙 アイリ は 長耳双子 ローレル に投票した
破光装置 クレステッド は 長耳双子 ローレル に投票した
流離の勝負師 ディーク は 長耳双子 ローレル に投票した
長耳双子 ローレル は 長耳双子 ローレル に投票した
長耳双子 ローレル は村人の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか?
現在の生存者は、埋もれし一葉 、魔王 カナン、皇子 ロー・シェン、亡国の将軍 ヨセフ、銀月牙 アイリ、破光装置 クレステッド、流離の勝負師 ディークの7名。
ここを抜かれてしまえば終わりだと誰もがわかっていた。
私たちは、人間の最後の砦を守る壁だと、皆が思っていた。
人々を守れるのならば、この命を投げ出しても惜しくない、と思っていたけれども、あの御方を見ていると少し違うなと思えてきた。
人々を守り、私自身も生きて帰る。
それが明日に繋げるということなんじゃないかと。
─── 渓谷に落ちていたメモ
人は生まれながらに善を目指すのか。
魔物は生まれつき、悪の性質を持つのか。
この問いに答えを出せるものは、まだいないはずだ。
人の中にも善人と悪人がいるように、魔物の中にも善いものと悪しきものがいるかもしれない。
同様に、清らかなものとされている生物にも悪に染まるものがいるかもしれない。
決めるのは周囲の環境と、本人がどの生き方を選択したかによるはずだ。
選択の結果、為したことには善悪はあるだろう。
けれども、その選択自体を非難する気には、私はなれない。
─── 『聖魔の狭間に』 著者不詳
埋もれし一葉 は、銀月牙 アイリ を投票先に選びました。
破光装置 クレステッドは、銀月牙 アイリ を投票先に選びました。
流離の勝負師 ディークは、銀月牙 アイリ を投票先に選びました。
/*
時間足りない過ぎて駆け足すぎて、
大変に、たいへんに申し訳なく…!!!!
ローさん、お相手してくれたのに半端ですまないすまない。
赤もヨセフ宛に何かやりたかったよ…。
あんだけ絡んでくれたのに無念である。
魔王様宛はもう、間に合うか心臓ばくばくしながら落としていたよね。
/*
Σげ。
最後間に合わなかったとおもったのに間に合ってやがる。
間に合ってないと思ったから灰に落としたのに…!!!!!!!
あああああ(頭をかかえる)
うっかりルビみらいを連呼してしまって、
どっかの誰かに怒られるみらいが見える…(
[ クレイモアの刃が、双子の左右の片腕を斬り落とす、しかし、彼等はそれでも怯まず、逃げることもせず、残った腕で短剣を握り、左右から再び男へと迫る。
恐るべき執念、恐るべき意志力と言えた。
これが魔王への忠誠心ゆえだとすれば、魔王には、心を持つ配下が、二人はいたということだろう...そんな考えを、男が抱いたのは、全てが終わった後のこと ]
くそっ!!
[ 今は、何ひとつ考える余裕も無く、判断は、瞬時、殆ど只の反射に近く身体は動く。
避けることは、もう出来ない、だから、その刃が届く前に、倒すしかない。
男は、一度、身を低くしたかと思うと、必殺の毒が届く寸前...懐から抜いた短剣を
― 鉄底族宿舎 ―
[委細承知と発する人間を、ゴルバは髭を撫でながら睨む]
誇り高き鉄底の一族は、常に最も激しい戦場にいる。
[示された宣誓書には手を伸ばさず、巌のような腕を組んだ]
このゴルバに物を言うのならば、勝ってからにせよ。
舌の回るものは好まぬ。
おぬしを斬らぬが、鉄底の礼と心得よ。
[斧で断ち割るように使者の言葉を遮り、是も諾も言わずに背を向ける。
おそらくは、勝負の前から何かを約束せよと言われたのが気に食わなかったのだろう。]
[ゴルバが去ったあと、鉄底族の若者の1人が案内をすると言い、念のため宣誓書を預からせてもらってもいいかと問う。
断らなければ宿舎の外まで、さらには魔軍の宿営地の端まで同行するだろう。
鉄底のドワーフと共にいる者にちょっかいを掛けようとする亜人は、そうそういない。]*
っ...!!
[ それは、どちらの短剣だったか、まるで最期の呪いのように、滑り落ちた短剣の切っ先が、ほんの僅か、クレイモアを握る男のひとさし
指の先を掠める ]
ぐ...あ......!
[ 忽ち紫に染まる指先...男の喉から苦悶の声が漏れた** ]
/*
て、やろうかと思ったんだけど、後がすっげー面倒になる未来しか見えないので埋めておきます。
すまねー、チート野郎ですまねーだよ、ローレル(&ローズマリー)
亡国の将軍 ヨセフは、銀月牙 アイリ を投票先に選びました。
[声は頼りなく、とぎれとぎれで、掠れてさえいるよう。
弱弱しくなっていく声に、暫く耳を傾ける。
双子がなぜそれを求めるのか、
頭など撫でる行為に何の意味があるのか、
魔王は理解すらしなかったが、最後まで聞いた。]
/*
あんま緑化してはいない!(にょき)
でもぼっちなのに、一人で中身墓下発言とか寂しいだろ!!?(
とか言いつつ、まあ単に何となくだったんだけどね…
えーと、お疲れさま。あと誰がおじちゃんだこのやろうw
ここ拾って広げ損ねたんだよなあ〜
[最後まで、最期までただ聞いて、
そのおしまいの一音が消えてしまいそうになってから]
───いいだろう。
[ひとこと。普段と変わらぬ滑らかな声で言う。]
はあ...は...
[ 最期まで一緒だった双子のエルフの短剣が床に音を立てて落ち、その身も血の海に倒れ伏す ]
.........
[ 二人の胸から短剣とクレイモアを抜いた男は、祈りの言葉は紡がず、ただ、一度だけ瞑目して、剣を収めた* ]
銀月牙 アイリは、銀月牙 アイリ を投票先に選びました。
[打撃は鎧の中へまで伝わったはずだが、男は倒れない。
お前はオーガなのか、といつか呆れて言ったこともあったか。
吼える、悲痛なほどの響き。
ヒトガタは小さく舌打ちした。命を獲ることにかまければ、異様な剣に破壊されかねない]
「はい。先生にもプレゼント」
『森で見つけたのよ』
「すっごく珍しいと思わない?」
『ワタシたちにちょっと似てるでしょ』
[記憶の中から声が聞こえたような気がしたが、もう忘れた。
手繰り終えた指先で団栗に触れれば、その肌に
暫くそれに目を落としてから、団栗を掌でゆっくりと撫でた。]
ヨセフ・トネール・ド・モンテリー!
[強い声は気を惹くためのもの]
奪われる前にだと……お前は守護者だろうが
何があって無様な姿を晒している!
[振り下ろされる刃をクレステッドの剣で受け止める。
それだけで聖性が空気を震わせ、肌に刺すような痛みが走った]
ツィーア。
双子が死んだ。
おまえにくれてやる。
[顔を上げればいつもの声で言い、団栗を足元に放り投げる。
─── そして、踵で踏み砕いた。]*
皇子 ロー・シェンは、銀月牙 アイリ を投票先に選びました。
― 鉄底族の宿営地 ―
承りました。 次は戦場にて。
[去り行くゴルバに礼をした。
充分な手応えである。
魔王への忠心を示すためなら、即座に使者を斬って然るべきところだ。
これ以上、彼らに危ない橋を渡らせるわけにはいかない。]
[部族の若者が、念のため、と誓約書を求める。>>4]
ああ、書状だけでなく、俺も残るつもりで来たが、置いてもらえるだろうか?
ロー・シェンに、戦場はここだと知らせる者が必要だ。
滞在中は、食費代わりに、ふいご係でも務めよう。
[保証人である、と面と向っては言わずにおいた。
臨機応変はディークのモットーである。**]
/*
あ、にょきった。
まあねまあね。それは分からなくもないよー。
傍から見るなら、ちょっと愉しいけd
お墓にもいろいろあるっぽいから、明日のお楽しみにしようっと。
シメオンもお疲れ様〜!アンデット大活躍!
え。子供から見たらオトナなんてみんなおじちゃんじゃないかw
随分と静かだが、 そっちは収拾ついたか?
[こっちもしばらく黙っていたから、お互い様だが、
ロー・シェンに向ってコエを投げる。]
/*
ローシェンメモ>
いやいや、こっちも面倒なもの出して申し訳ない…。アイリの魔法なら治せるよーとか、もっと詳しく書いておけば良かった。<毒
あとは、苦しむだけで死なないやつに換えとくかするんだったなあ…と今更ながら。
─ ツィーア ─
──
[双子が死んだ。
魔法兵器はゆるりと尾を揺らした]
『そうか
では喰らおう あれらを私の糧に』
[塔から薄く白い煙が天へ棚引いていく]
/*
アイリとも会えなかったなあ…くっ。もったいない。
そういえば、実は魔王様とも結局、現在軸では一度も会ってないんだよね…(
まあ、まあ、過去でいっぱいお会いできたから…。
ディーク...
[ 届いたコエに、揺れる心を支えられた心地で、息をつく ]
ああ、ヨセフの声が聞こえなくなった...一体何があったのか。
[ 双子との死闘については、今は口にせず、気配の消えたヨセフへの懸念だけを告げる ]
───…… 私 は、 一体 ……
[闇の晴れた瞳を彷徨わせ辺りを、自分の手などを見遣った後、ヒトガタへと視線を転ずる]
……テディ…… いや、 テディを元にした、
[人形、と言う言葉は紡がれず、丸めた瞳を戻しながら、男は眉尻を下げた。
何が起こっていたのかを理解していない様子で//]
― 鉄底族の宿舎 ―
[残る、と言った人間に、若者は困惑したようだった。
けれども、自分の責任で滞在を叶えると請け負う。
聞けば若者は族長の息子で、副長の妻の甥なのだという。
先日の戦いで、従兄弟が移動城塞に引き潰されて死んだ、とも言った。]
[なお、ふいご係への採用は、そんな筋力じゃ足らないということで却下された。
一緒に戦場に出るのなら、揃いの鎧を着てみるかとの提案もされる。
人間丈にも、一式くらいなら仕立て直しできる、らしい。]*
何の呪いか知らないが、情けないな
…無理もないか
[男と距離が離れると、ヒトガタは指を握り直す。
一太刀、打ち合っただけの身に消耗が積もっていた]
クレステッドは死んだ
俺たちは…戻らないものではなく、まだ手の中にあるものを想うしかない
[不意に意識が繋がった時には混乱するものだ。
闇の晴れた瞳を見つめ、男の記憶が整合を取り戻し始めるまで待った]
…正気に戻ったか、ヨシュ?
[は、と息を吐いて口元を緩め、左の指で溶けた魔法鉱石を掬う]
──では死ね
[印を結び、駆ける。
魔法の風を背に受けて加速したヒトガタは、無防備に突っ立っているならばその首を刎ねようと剣を振り上げた]
...ヨセフ、どこにいるんですか?
[ 彼がヒトガタと対峙しているとは知らず、再びコエを送る。そのコエは、かつて兄を亡くし、ヨセフの前で涙を見せた、その時の声音に近い ]
……ん。
[埋葬への同意が返ると小さく頷いて]
……少し休め。
案ずる気持ちばかり先走らせて崩れたら……皆に、怒られる。
[続けて向けるのは、こんな言葉。
気にかかるものがあるのはわかる、けれど。
それで動けなくなってしまっては、意味がないから、と。**]
……おにぃ。
悪い方に考えすぎるの、良くないぞ。
母様が昔言ってた。
信じるのが、自分にも、周りにも力になる、ってな。
[それができなくなって、揺らいだ結果が自分の7年間だった、というのは触れぬまま。
零れたコエには、案ずる響き。**]
― 平原 ―
私は、遺跡に───
[いたはずだ、と。
最後まで音は紡がれなかったのは、その直前までの状況を思い出したため。
強く眉根が寄る]
[金属の当たる音、腕にかかる衝撃]
だが俺はお前を殺すしかない
[押し返される力強い腕に笑みが零れる。
ギリギリと歯が軋り、瞳に光が走った]
[弾けて後方へ下り、亡国の守護者へ切っ先を向ける]
そのお前の剣では、俺を壊すのに足りない
手を抜くつもりか?
いい度胸だな…ヨシュ
[親友に笑う表情は記憶のまま]
― 平原 ―
[返される宣>>31に男は瞳を細める。
相手の剣を弾き、両手で大剣を握り直した後、相手から剣の切先を向けられる>>32]
足りぬかどうか……確かめてみれば良い。
[大剣の切先を相手へ向け、顔の横で水平に構える]
手を抜く心算など毛頭無い。
[付与も何もない男の愛剣が祓魔剣に劣るのは当然のこと。
だが今の男に祓魔剣を握る気はなかった。
祓魔剣が何かおかしい状態にあるということもそうだが、それがなくとも渡り合える自負があったからだ]
テディは死んだというならば、
お前がテディでないならば、
お前にその
[
大剣の切先を瞬間的に下げた後、一歩踏み込み相手の左下から逆袈裟の軌道で斬り上げる。
その成否に関わらず、斬り上げた大剣の切先を上方で円を描くようにして相手の右上方へと移し、袈裟懸けに斬り下ろすのを目論んだ**]
[ 悪い方に考えすぎるなという言葉には頷くが ]
信じてるさ...でも、
[ 説明のつかない不安を説明しようとするものの、言葉が続かず...しかし、その瞬間に、コエが聞こえる ]
...!ヨセフ?!
[ 明らかに呼びかけに応じたと思える、はっきりとしたコエに、男は安堵の息を吐いた ]
[ しかし、一度、名を呼んだだけでコエは再び途切れる ]
[ やはり、何かが起こっているのだという直感に、男は拳を握りしめたが ]
ヨセフ、待っていますから。
[ 再び送ったコエからは、不安の色は消えている** ]
[大剣の切先に向いていた瞳が、その瞬間ひび割れるように曇った。
表情が剥落する。大きく歪むように]
…ぁ
[ふわり、後ろに下がる。
男の逆袈裟には、先端が肉を切裂く感触があっただろう]
[舞いのように美しい軌跡で大剣が返される。
男の利き手側から振り下ろされる袈裟懸けはヒトガタの体を両断する筋で。
剣術の才、積み重ねた研鑽の末に得た強さを、羨ましいよと嫉妬でもなく賛辞した記憶が――
チリン。
その刃は、ヒトガタの左肩から胸の中心までを裂いて、硬いものに当たり止まった。
遅れて、片手剣を取り落とした音。重みで右足の土が沈む]
……、
[粘性の高い流動鉱石が大剣を絡めとっていた。
刃を深く飲んだまま、ヒトガタが足を踏み込めばずるりと前へ進み。
右の拳を男の顔面へ叩き付けた。
男が倒れずともその肩を掴み、足を払い、体をぶつけて]
……っ で は、な……
[馬乗りになり襟首を掴み。
零れ落ちる液体は半透明の粘液]
なん、と
呼べば いい のだ
……ヨセフ・トネール・ド・モンテリー…!
[嗚咽のように肩が揺れる。
振るえば骨を砕き命すら刈り取るだろう拳を、男の胸へ押し当てた]
― 魔都シラー ―
[ シャン、と、軽やかな鈴の音が、重く都を包む闇の中に響く ]
[ ある日、行われる筈だった処刑ショーが中止になった ]
『逃げたって...?』
『...誰かが逃がしたと...』
『いや、移送中に...』
『光の矢を見たって...』
『.........鈴の音が聞こえ......』
[ シャン...シャン...鈴の音は、重なる ]
『もうすぐ......』
『.........助けが...』
『...精霊の、お告げ......』
[ 人々の間に、複雑な文様のスカーフが、ひっそりと流行り始める。正体不明の流れ者の商人が持ち込んだそれは「精霊の御守り」だと噂された ]
今、ヨセフのコエが聞こえた。一度だけだったが、正気のようだった。
[ ディークとアイリに、それだけは伝えておこうとコエを送る。ヨセフ本人にも伝わるだろうが、それはそれで、こちらの懸念を伝える事になるだろうと考えて ]
今は、ヨセフを信じるしかない...彼は約束を違えた事はないから。
[ 不安を越え、なお揺るがぬ信をコエに込めて ]
ディーク、そちらの交渉は、どうなった?
[ そして、漸く、もうひとつの懸案を口にする余裕を取り戻す。
交渉の一応の成立と、相手陣営まで出向けという条件を聞けば、当然のこととばかりに頷いた ]
それは想定内だ。必ず行く。
[ 次いで、ディークが、そのまま鉄底族の陣に残るつもりであることを事後報告の形で伝えられれば、小さく溜め息を零す ]
やるんじゃないかと思ったら、やっぱりか。
[ 以前、彼が陣営に放火にやってきた時と同じように、呆れたのか感心したのか微妙な声音で評して ]
解った。今度は俺がお前を迎えに行く。
再会の乾杯の用意でもして、待ってろ。
[ だから必ず無事でいろ、と、願う心は、疑い抱かぬ言葉の中に、隠す事無く顕われている* ]
[ 男は、双子のエルフを手にかけた事を、まだヨセフにもディークにも伝えずにいた ]
[ 姉姫を殺害したのが、双子であることは、ほぼ間違いないだろうという確信がある。自身が暗殺されかけた事も合わせれば、男の行動を、責めるものは無いだろう ]
[ けれど ]
[ ヨセフが、彼等の事を、己の身内のように心に掛けていた事が、男の中に躊躇いを生んでいた。
ヨセフは、また、大切な者を喪い...それをその手から奪ったのは自身であるという自覚に。
悔いる気持ちは無くとも、痛みは残る** ]
/*
今回、魔王様が心底「こいつうざいコロす」と思ってくれるような、ロードを目指してまして「折れない曲がらないめげない」が割と合言葉なんだけど、やっぱり時々落ち込むのは止められないよね...基本、なかのひと闇属性だし。
/*
あ、ちなみに、なかのひとは欠片もダメージ受けてませんので、ご心配なく。
PCへのダメージも楽しむタイプなんで(基本マゾくてサドい)
[ 後で読む人のために、アピール ]
……痛み、我慢するのは……ほどほどにしろ。
[察しがつくから、今、感じている痛みも何となく理解に落ちる。
多分、自分が『目覚めた』直後に感じて、今も引きずっているものと同種だろうと思うから。
囚われずにいるのが難しいとわかっても。
それに苛まれる様子を見るのは、あんまり嬉しいとは思えなかった。**]
殿下は、大事な人をたてつづけに失い過ぎた。
無理が祟るのもむべなるかな──
[ロー・シェンからの報告を受けて、言葉を落とす。
ヨセフ自身には明かさぬ惻隠の情。]
/*
そういや、魔王様がタッグマッチロールそのものはやりたいという可能性もあるのか?
まあ、勝利確定で話進めてもいいんかい?という懸念は一応あったが。
[ 引き分けとかに持ち込んで、こっちにつかなくても、手を引いてもらう、というラインも考えてました。とりあえず ]
[それでも、ロー・シェンが、彼の揺るぎない信を伝えれば、>>*8]
ああ、その覚悟だ。
強くあらねばならないと自分を律してきた男だ。
[そこまで追い詰められているともいえるが…、とは胸の内だけに秘めて、励ますようなコエを送る。]
おまえまで取り乱したら、今度は俺が困る。
[そうして、鉄底族との交渉の経緯と、彼らの陣に駐留する旨を伝えた。]
[渡り鳥をそろそろ呆れられているんじゃないかと思うが、溜め息ひとつ聞こえてきた後のロー・シェンのコエは、再会を約束するもの。
「今度は俺がお前を迎えに行く」と言われて、柄にもなく心音が跳ね上がった。
これだから、こいつは。]
白馬でなくてもいいぞ?
[そんな風に茶化すのが精一杯だった。*]
― 鉄底族の宿営地 ―
では、世話になる。
ディークと呼んでくれ。
[己が責任を持つ、と言ってくれたドワーフの若者──といっても立派な髭をたくわえている──に謝意を伝えた。
頑固者揃いで知られるドワーフだけれど、その誠実さは彼らの胸板ほどにも厚い。
危険を承知で好意的な理由を、聞かず語りに知った。>>21]
従兄弟殿のことは…残念だったな。
あとで、献杯させてもらう。
ああ、あの城は、桁違いだ。
あの城もドワーフの手によるものなのか?
[彼らの美意識とはだいぶ違いそうだが、専門家の目から見た弱点なりなんなり、わかれば助かると思って聞いてみる。]
[肉体労働での奉仕は、ぶいごの実物を見せられてすぐに引き下げた。]
食事係の方が、まだしも役に立てそうだ。
スパイスがあれば、ローグ風の肉料理も作れるぞ。
[修道院風のベジタリアン料理では受けなそうだが、軍学校時代にロー・シェンに教わった野外料理ならいけそうだ。
腕を振るってみせよう。]
[揃いの鎧を着てみるかとの提案には手放しで喜んでみせる。>>22
鉄底族のまとう石炭のような黒い鎧は質実剛健であるだけでなく、美意識にも響く。]
なんて貴重な。 男の憧れだ。
[聖騎士時代にフルプレートを身につけていたことはある。
だが、どうにも肩甲骨のあたりが窮屈な感じがして、ついぞ慣れなかった。
今にして思えば、物質化しないままに翼が違和感を生じさせていたのかもしれない。
いろいろ相談した結果、肩から手甲にかけての部分鎧を仕立て直してもらうことにした。
道行きが魔軍の目につかないよう、兜とマント状の鎖帷子もあった方がいいか。]
さっきの話に出たアルテス西南の土地だが、ミスリル鉱脈があるのではないかと言われているそうだ。
本当かどうかはわからなくても、夢があっていいじゃないか。
[野の花を避けて置かれた工具を眺めながら、ディークはドワーフの若者に伝える。]
ロー・シェンと君たちを引き合わせるのが楽しみだよ。
[戦いの先にあるものを、見たい。*]
/*
ちょっともう、決戦までの流れの想定を擦り合せといた方がいいのかもしれんなー
こちらとしては、
(5日目)
魔王軍出撃(鉄底族懐柔)
戦力多少拮抗したところで、
祓魔剣入手(ヨセフ帰還?...シラー解放はバルタザールさんに御任せも有りか)、アイリ落ち。
(6日目)
ロード魔王城へ乗り込む(多分ディークが一緒)
同時に、
魔王軍と王国軍最終決戦。(ここはヨセフとお城さんに御任せ?)シラー解放、ローグの援軍も到着。
魔王vsロード→エピ
こんな感じかにゃー?
― 鉄底族宿舎 ―
[ディークに名乗られて、族長の息子は黒足のバギスと名乗った。
従兄弟への弔意には端的に謝意を告げる。
城のことを聞かれると、畏怖と羨望と嫌悪が複雑に混ざり合ったような表情──と読み取るには苦労する顔の作り──で、あれは魔神の産物らしいと答えた。
スパイスを聞かせた肉料理はドワーフたちにも好評で、大いに喜ばれるだろう。
大いに食べ大いに飲む彼らの胃袋を満たすためには、それこそ小山のような量を作らされるが。]
[鎧の調整はディークの目の前で行われた。
ドワーフの手に掛かればそれこそ魔法のように金属の板が形を変え、見事に体に合った部分鎧が完成する。
行軍の時にはあれを着ろこれも持てと様々なものも渡された。ともかく、黒くなっておけ、ということらしい。]
[ミスリルの鉱脈に関しては、誓約書は族長に見せたから後は族長の考え次第だ、と断ったあとで、バギスはひとこと、
「夢では食えない」
と答えた。]*
/*
ふむふむ...なんか戦場関係魔王様に頼りきりで申し訳ないあるね(拝)
そいえば、黒竜くんの活躍も見たいよね。
お外で決戦の方向を探るべきなのか?
グリフォンvs黒竜の幻獣大決戦つきで。
[ 勝てなさそう、な、上に、そんな余裕あるのか?的な ]
/*
年下達の持ち上げっぷりよ…ww
あとテディはごめんよ!!
どんな反応するか気になってしまったサド心を許してくれ…(
反応は夜になってからだな、テディに謝るの忘れずに。
/*
・テディじゃないなら呼ばれたくないんだい!
・なんで泣いてんの!?
・名前呼んでるじゃないかどういうことだよ!?
・グリフォンに宙ぶらりんにされる
メモ
─ モーザック砦南 ─
[エルフの双子の命が咲かせた死の花が、薄れ拡散していく頃、魔法兵器の核は渓谷から山を挟んで西にいた。
その距離は少しばかり遠く]
[全ては喰らえなかった。
最後まで、ツィーアの手からすり抜けていこうとするかのような者達だった。
いずれにせよ、破光が大地に爪痕を刻んだ日より数日後、
魔王が進軍を命じる頃>>4:259には、その城砦もまた体を起こして亜人達の雄叫びに呼応するように咆哮しただろう**]
少しお茶に付き合ってくれ。
[ 天幕の中に半ば強引に連れ込んで(回りの兵士が慌てて目を逸らしていたが、気にしなかった)スパイス入りのお茶をいれる ]
......兄上が死んだ時、俺は、お前を置いて来た事を、酷く後悔した。
[ 身体を温めるお茶を口にし、張りつめた気持ちを解すように、深い息をついて、男は、今まで、避けてきた話題を口にした ]
最初から、お前を一緒に連れて来ていれば...お前が兄上を手にかけることも、なかったんじゃないか...でなくとも、俺がもっと早く、お前を捜していれば...お前が旅立つ前に、迎えに行けていれば...そんな風に、後悔ばかり浮かんで。
[ アイリは、どんな顔をしていたか。男の方は、言葉とは裏腹に、静かな笑みを浮かべている ]
でも、どんなに悔いても、兄上は戻らない。
兄上は、俺が嘆き続けることも望まないだろうから。
[ それは5年前、ヨセフに諭された言葉でもある ]
俺は悔いを誓いに変えた。兄上の代わりに、レオヴィルを護り...俺が喪いたくないと願う全てを護る。
そして、お前がもし、魔に捕らわれているなら必ず取り戻す...そう決めて。
それが簡単な事じゃないのは解ってた。だけど、色々なものや、人が俺を支えてくれた。
ヨセフも...あの人は、多分、一番に。
[ 言って、アイリの亜麻色の髪に手を伸ばし、確かめるように、そっと撫でた ]
そうして、今、お前がここに居る。
[ 過去の悔いも、慟哭も、未来の、今、この時に繋がっているなら、それは無駄ではなかったと、微笑む顔が告げる ]
ヨセフは、必ず帰ってくる、そう俺は信じる。
[ 彼が、信じてくれたように ]
俺はヨセフの大事にしている者を喪わせた、でも、だからこそ、この先は、彼を支えたいと、そう思う。
[ 魔王を倒し、人の世界が残れば、ヨセフはきっと、モンテリーの新国王となるだろう。
一度滅びた国の復興...それもまた、険しい道のりになるに違い無い。
護るべき愛する者達全てを喪ったに等しいヨセフが、その険しい道を迷わず進めるように、僅かにでも支えたい、と ]
だから、リー...お前は俺を支えて欲しい。
[ 翳りを祓った金色の瞳が、亜麻色の瞳をまっすぐに見つめた ]
この先も、俺と...俺達と一緒に。
[ 過去を越えて、未来へ...いつか笑い合える日のために** ]
/*
なんか地上、シメオンいなくなってから綺麗になったな!!
綺麗になったなあって思ってる……
ゾンビ消えたからかな((
すげえ未来に進ませない、過去の悔恨掘り起こしていこうか…ってスタンスだったからかな……ww
― 鉄底族の宿営地 ―
おお…すごい切れ味だ。
[調理道具に感激していた。
牛の骨もサクサク切れる調理鋏で、煮込み料理のコクはさらに増す。
焼肉のスパイス漬けは隠し包丁をきかせて味を染み渡らせ、火力充分で塩竈も上出来だ。]
はいよ、おまたせ!
[料理を運び、戦没者へ献杯し、食事をともにする。>>52]
[バギスと名乗った若いドワーフは、ディークの言葉に、「夢では食えない」と答えた。>>54
そこにあるのは、冷笑でも諦めでもないと感じる。
彼らは夢を持っているのだ。
幾度となく妨げられ、取り上げられてきた、いまだ叶わぬ夢。
魔軍の下で、夢を見続けることは、どれほど辛かろう。
それでも、彼らは狂気の手前で踏みとどまり、泥を舐めても生きてきた。
よく耐えた、などというありきたりの言葉をかけられたくはないだろう。だから、]
知ってる。
でも、歌で腹が膨れずとも、苦しい時こそ歌うんだ。
[酒の入ったところで、ドワーフの歌を教えてくれるか、と頼んだ。
一緒に歌おう、そう行動で示す。]
[工房から出てきたドワーフに、「おまえの他にも、ここへ来た者がいる」と言われ、目をみはった。]
…酔狂なヤツだ な。
[待て、まて待てマテ。
俺の存在は知られてるのか? っていうか、まだ居たりするのか?*]
― 魔軍 ―
[太陽が中央山地の頂に沈むころ、魔王の軍はついに動き始めた。
血気に逸る亜人たちを先頭に、渓谷の街道を進んでいく。
その後ろに鉄底族の黒い陣容が続き、全ての後ろに魔王を戴く城塞が地を削っていた。]
…狭いな。
[玉座に腰を落ちつけて進軍を眺めていた魔王は、ぽつりと漏らす。
今はまだ魔法兵器が通る幅があるが、この先どこかで通れなくなるかもしれない。
アルテスを地図上から消すためには、厄介な問題だった。]
[魔の軍勢は、モーザック砦を壊滅させた直後にはかなり数を減らしていたが、いまや以前とさほど変わらない規模になっていた。
北から続々と亜人たちがやってきては、魔王の軍に志願して合流しているのだ。
ただ、時間が経つにつれてその数は減少している。
原因は不明ではあったが中には、妙な布切れを巻いた人間に襲われた、と言うものもいた。]
[当然ながら先頭は立ち止まろうとするが、後続は構わず進もうとする。
混乱が起き、もつれあうようにして堀に落ちていくものが続出した。
それが続くうちに、仲間を踏み台にして堀を越えようとするものたちが現れる。
もう少し頭の回る連中は、端材を組み合わせて簡易な梯子を作り始める。
魔軍は少しずつ、空堀を乗り越えようとし始めていた。
それら狂騒のかなり後ろで、鉄底族は変わらぬ歩みの進軍を続けている。]
なにがあった?
[魔軍の後方で、魔王はいぶかしく耳を澄ませる。
聞こえてくるのは、亜人どもの悲鳴ばかりだ。
この位置からではよく見えない。]
ナール、行くぞ。
[もどかしげに玉座のひじ掛けを指で叩いた後、ナールを呼んで立ち上がる。]
ツィーア。
おまえは此処で待っていろ。
[いずれにせよ、もう少し進めば魔法兵器は身動きが取れなくなってしまうかもしれない。
玉座を後にして魔王は黒竜に跨り、渓谷の上空へと向かう。]*
― 遠い日 ―
シメオン……”おじちゃん”?
[なんだそれは、と。
語尾を上げ問いかけたのは、初めて双子に会った頃のこと…だっただろうか。随分と前のことだ。最初から賑やかでやかましい双子たちだった。]
なんだその呼び方は。
[冷ややかな問いは、さてどう響いたか。
魔将シメオンにそのような口を利くものは滅多にいない。
”おじちゃん”とは、年長の男性に対する…人の子の世界の、どちらかといえば親しみを込めた呼び方にも思える。やはり、そんな呼び方をする者はなかった。これまでずっと。]
それはお前たちの風習か。
[それでも怒るわけではなく問いを重ねたのは、彼らが魔王カナンの「お気に入り」だからである。気に食わないからと一刀両断するわけにもいかず───とはいえ、本気で気に障ったら躊躇わず殺したであろうが───シメオンは気難しげな顔を彼らへ向けた。
結局のところそれを許したのは、魔が双子の賑やかさに辟易した、つまりこれまた珍しいことに根負けしたのだと言っていい。彼らを追い出すのには、認めてしまうのが一番だと…その場での判断は正しかったが。]
[その後、堂々と双子がシメオンを”おじちゃん”呼びするのに、ひそかに配下の魔は顔を見合わせていたらしい。
とはいえ欠片でも、他に”おじちゃん”呼びしよう者があれば、即座に消されるであろうことは明確であったから、そのような無謀が試みられることはなかったが。
双子が訪れる。
シメオンが少し面倒くさそうな顔で、拒否はなく迎え入れる。
甘いお菓子が当たることはない。優しく甘やかすこともない。
気に入ってちょっかいを出すわけでもない。
そんな何気ない、どうということのない日の*魔の記憶だ。*]
/*
峡谷側の防衛描写、もうちょっときちんとしとこかな、と思ったら、魔王様がすでに突撃しておられた件...スミマセン...
/*
えーっと、グリフォンが帰ってくるかどうかで、ちょっとどうしようかと思ってたんだけど、良く考えたらグリフォン目立つし、とっとと出掛けるか。
― 魔軍出撃の日 ―
[ 斥候から、魔軍本隊が動いたとの報せが早馬によって届けられたのは日暮れ時 ]
よし、いいか、俺達が戻るまで、必ず持ちこたえろよ。
[ 男と、アイリは、約束通り鉄底族の陣まで急がねばならない。必然、陣営の護りは、残る将たちに託されることになる ]
安心しろ、今度は、急いで戻る。
[ 出掛けるのは、アイリと二人だけだ。もちろん周囲からは泣きの涙で止められたが ]
護衛ならアイリ1人で充分。むしろ、ぞろぞろ着いて来られたら足手纏いだ。
[ そうだろ?と、アイリに水を向ければ否定は返らなかっただろう ]
[身を起こすよりも前にヒトガタが男に馬乗りになり、襟首を掴み上げてくる。
彼から零れ落ちる半透明の粘液は、まるで涙のようだった]
な……何を言って……
[男のフルネームを呼びながら問うヒトガタに男は困惑する。
名を呼んでいるではないか、と。
何故泣くのだ、と。
そう思えど、何故か言葉が出てこなくて。
顔面への一撃の時のようではなく、胸に押し当てられる拳にヒトガタの苦悩を見た]
お前……
[向けられる感情が、苦悩するその姿が、
[ 斥候からは、魔軍の大体の構成も報せが来ていた。鉄底族が後尾に近く位置しているのは予測通りだ ]
軍勢全部を突っ切るのはさすがに無謀だ。途中までは、崖の上を行こう。
[ 目立つ金髪をローグのスカーフを巻くことで隠し、鎧も着けず、馬も一般兵のものを借りて 、見た目は元の流浪の民に戻ったかのような姿となって、後ろに乗るアイリに告げる。
二人乗りにしたのは、途中敵に出会って分断されると面倒なのと、アイリが騎馬には慣れていないだろうという配慮からだった ]
[ 崖上までは、ポータルがひとつ繋がっている。基本荷運び用だが、人馬一組なら問題なく運べる]
ちょっと待っててくれ。
[ 崖の上に出てすぐ、男は馬を降りて、崖の上にぽつんと生えた痩せた樹木の影に、二つ並んだ、石を積んだだけの墓標の前に立った ]
「苦しんで」と言ってたな。
[ やはり祈りを捧げるではなく、男は墓標を見下ろしたままで、声をかける ]
確かに俺は「苦しんだ」...満足か?
[ 短剣の毒にではなく、双子の残した心の毒に...苦笑と共に、そう告げて、男は腰に提げた水筒から、少しの清水を、二つの墓標にかけた ]
[ 男が、立ち去った後、風に揺れた木から、ころりと団栗の実が落ちたのは...誰も知らない... ]
峡谷の北の端に、地元の人間しか知らない、馬でも降りられる獣道がある。一歩間違うと谷底に真っ逆さまだけどな。
[ アイリに向かって、脅すように言いながら、俺は慣れてるから安心しとけと、笑い、崖上をショートカットする形で、魔軍の後詰めの位置までを駆け抜ける ]
[ 崖を降りてからも、あまり手間はかからなかった。
鉄底族より前にでている亜人達は、まとまりに欠ける寄せ集め感が強く、馬を見て襲って来る者も居たが、槍を携えた男と、銀月の大鎌を揮う娘の敵ではない ]
ディーク!どこだ?
迎えに来たぞ。
白馬じゃないけどな。
[ その姿を探しながら、呼ぶ。早く無事な顔を見せろ、と、心の中の逸る気持ちは、操る馬の足取りのほうに宿った ]
[ 文字通り進む道を斬り開きながら、ディークにコエを送り、位置を探って、二人は鉄底族の長、偉大なる鷲髭のゴルバの元へと向かった// ]
[猛禽の鋭さがヒトガタの首筋を襲う。
響く鳴き声と羽音、引きちぎられた流動鉱石があたりへ飛び散った]
……っく
[右腕を持ち上げ首と頭を守ろうとするのは記憶に染み付いた習性、猛然と降る嘴と爪があたりに粘液の飛沫を広げていく。
ヒトガタはヨセフの上から逃れ、地面を転がって自分の剣を拾った。
よろめきながら立ち上がろうとした時には]
──……
[大きな羽音と風が頬を打った。
グリフォンはヨセフを掴み上げて宙へ舞い上がった直後だった]
[理論魔法の印を結ぼうとした左の指は、痺れて動きが鈍く。
届かぬだろうと知りながら、片手剣を飛去する獣の影へ投擲したのが追いすがる最後だった]
― 鉄底族 ―
[崖の上から突如現れた人間を、止められるような亜人はいない。
その騎馬が鉄底族の隊列に近づくのを見れば、近づくものもいなかった。
鉄底族の槍斧は、周囲全てを容赦なく砕くからだ。
だが黒い槍斧の穂先は、ふたりの前に開かれた。
隊列が動き、方陣が円陣へと変わる。
中心には、斧槍を手に立つ族長たる、偉大なる鷲髭のゴルバと、副長である石顎のガルドが並び立っていた。]
「果たし状、確かに受け取った。
鉄底族長の誇りと名誉にかけて、決闘を受けて立つ。」
[重々しく宣言してから、眉を寄せる。]
「決闘は双方二人ずつと聞いた。
もう一人はどこだ?」
[決してふざけている顔ではない。
そして対戦相手が冗談ではなくロー・シェンとアイリ──目の前の女であることを知ると、ざわざわと騒ぎが起こった。]
「女と決闘することなど、名誉に関わる!」
[激怒する族長と副族長を若いドワーフがどうにか宥め、すったもんだの末に円陣の中から別のドワーフが出てくる。
兜を取って見せた顔は、族長らとほとんど変わらない髭面だったが、髪が三つ編みになっていた。]
「我が妻、蒲公英のデアトリだ。不満は無かろう」
[副族長が不満顔で言う。
蒲公英のデアドリなる彼女は、髭面に野太い笑みを浮かべて、斧槍で地面を突いた。]*
― 峡谷の陣 ―
[ 魔王軍が、峡谷に到達した頃、人間達の陣も、備えをほぼ終えていた。
崖上に用意された石は>>4:191兵士達の努力によって、数メートルの直径を持つ巨大なものまである。もっとも、そこまで巨大なものは落とすのも手間ひまがかかりそうではあったから、大方は数十センチ〜1メートルくらいまでの石が中心だ。
完成した堀を越えた先には、四重の柵が 設けられている。
柵の直前には、柔らかい砂が敷き詰めてあり、更に砂の下には、足をひっかければぴん、と張る鉄鎖の古典的な罠が、殺到する魔軍の足元を絡めとり、転ばせる。
柵の内側には、弓兵と、生き残りのエルフの戦士が控えていて、堀を越えてきた者達に矢の雨を降らせた。
残り少なくなっている騎兵達は、弓で仕留め損なった固い敵を片づける役割を担い、柵の両側から、数騎ずつの塊となって突撃しては、敵を屠って駆け戻るというゲリラめいた戦法で数の不利を補う作戦を執っていた* ]
[コエが聞こえる。
待っていると呼びかけるコエ。
意識が無い間のことを案じるコエ。
男を信じるコエ]
(…ここで、立ち止まっては───)
[グリフォンに肩を掴まれ、浮遊感を覚えながら思う。
ヒトガタのことは気になる。
けれども男には成すべきことがあった]
『あれは美味そうであったのに』
[喉を震わせ、核が不満を零した。
ヒトガタはずるずると足を折って地面へ蹲る]
…そう、言うな
かたちを保つだけで精一杯……
[絡め取ったままの大剣を右手で引き抜いた。その穴もグリフォンによってボロボロになった体も、やがて再生する程度のもの。
ヒトガタを損なっていたのは、掠めただけの胸から自壊していく、祓魔の剣の効果だった]
……
[崩れてスライム状の塊へ還元しようとする流動鉱石を再び元の輪郭へ自己修復するまで、暫しの時を要した。
やがて、城砦ツィーアへ帰還したヒトガタは自らの口で魔王へ報告をする。
魔を祓うという剣が、既に人間の手に渡っているということだけを簡潔に*]
― 出撃より前 ―
[このところふらふらと出かけていた人形が、酷い有様で帰ってきたのは知っていた。
祓魔の剣が人間の手に渡ったと報告してきた人形の胸に、黙って手を当てる。ずぶ、と掌が胸の中にめり込んだ。
人形の記憶に直接触れ、読み取っていく。
自分の手で組み上げたからこその業だ。]
なるほど。
[手を戻した魔王は、短く声を発する。]
厄介だが、致命的というわけでもないな。
所詮は、剣一本だ。
[言葉にしたのは、それだけだった。]*
― 魔軍出撃前 ―
───すまない、心配をかけた。
[いくらか落ち着いた頃、男はコエを皆に届けた]
祓魔剣は見つけた。
見つけたのだが……
[歯切れ悪く紡いだ後、感情を整理する間を開けて続きを発する]
──私が辿り着く前に道が開いていた。
私にしか開けないはずの道が。
何者かが先に祓魔剣の下に訪れたようだ。
加えて、祓魔剣には、何か……良く分からないのだが、本来とは異なる作用が働いているように思う。
剣を手に入れて帰ろうとした後から、先程ロシェに呼びかけられるまで、私は何をしていたかの記憶が無い。
[その間に男がどんな様子であったかは、ロー・シェン達の方が分かっているだろう]
気付いた時には例の人形と戦っていた。
コエは聞こえていたのだが……返せずにすまない。
[状況を説明し、謝罪を重ねる]
今は戦闘から離脱している。
[恐らく案じられるだろう懸念を先に払拭させるために、現在の状況も伝えた]
…ロシェ、祓魔剣を預かっても良いだろうか。
クレイモアを回収出来なかったのだ。
[愛剣を手放しての撤退となるほどだったのは伝わるか。
男はこのまま、シラー解放へと向かう心算でいる//]
─ 鉄底族 ─
[黒の隊列に近づいた馬上の影を認め、円陣の中へ。
決闘に加わる四名の間へ立った。
魔軍の自動人形と、決闘のために訪れた放浪者のような格好の若者がよく似た面立ちであることは、恐らくドワーフの目にはあまり見分けのつくものでもないだろう]
決闘の立会い人を務めさせていただく
俺は意志もつ魔法呪具、
これは、レオヴィル王国の人間と鉄底族との間で、強者たるはどちらであるかを定めるための──
両代表者による公正なる決闘であることを認める
偉大なる鷲髭のゴルバ
蒲公英のデアドリ──
皇太子ロー・シェン・アウルム・ド・レオヴィル
それから
[ヒトガタは亜麻色の髪の人間へ視線を向けた]
…お前、クレステッドを殺した娘か
何故そこにいる
[温度のない声で呟き、しかし殆ど表情を変えずに瞬いた]
"人間の"戦士よ、名を名乗れ
[立会人は審判ではない。
闘いが始まるならば見渡せる位置に立って、それを見届ける構え*]
[ 開かれた槍斧の列をくぐり、男は、アイリと共に馬を降りて、鉄底族の長の前に立つと>>82頭に巻いていたスカーフを解き、金の髪を曝した ]
誇り高き鉄底族の長、偉大なる鷲髭のゴルバ殿、俺の申し出を受けて頂いたことを感謝する。
[ 槍は馬の腹に括っておき、得物として使うのはクレイモアだ。そのまま決闘に移ろうかとしたが、アイリが女性であることがひっかかったようで、起きた一悶着に>>83ちら、とディークの顔を見る ]
[ 「言ってなかったのか?」と、コエを使うまでもなく問う視線......だが、言ったら最初から断られる懸念があったのだろうな、という予測はついた ]
─ 出陣前 ─
[相手に隠れるつもりがあったとかは知らないが、
凝視しすぎての相手の迷惑顔にもめげず地底族の工房に入り浸るヒトガタは、あっさりばったりその人間にも出くわした>>63]
其方が果し状をもたらした使者か
…酔狂な奴だな
["記憶にない"男だったので最初ヒトガタの反応は淡白そのものだったが、そのうちツィーアが気配の主を察してソワソワしはじめたとか]*
― 魔軍出撃前/大空 ―
[戦闘を離脱後、男はグリフォンにぶら下げられたまま大空を翔る。
なかなかのスリルだ]
──向こうへ。
[男は下からグリフォンに指示を出し、シャスラ村の方を指し示す。
騎手が居ないため、置き去りにしてしまったのだろうと考えたためだ]
― 魔軍出撃前/シャスラ村付近 ―
[川を越え、少し拓けた場所で地上へと降り、男は一息つく。
それから少し遅れ、愛馬に乗せられ森を抜けてきたグリフォンの騎手と合流することが出来た]
すまない、面倒をかけた。
[開口一番に謝罪を向けると、騎手は男がいつもの通りであることに安堵の色を浮かべる。
様子がおかしかった、と告げられると男は腰に佩いた祓魔剣に視線を落とした]
何者かの手が加わったらしい。
今は、何ともないのだがな…。
[祓魔剣が抱く淡い光がいくらか昏さを減らしたように思う。
男の知るところではないが、徐々に自浄作用が働いているようだった]
[祓魔剣から顔を上げると、男の視界が揺れた。
鑪を踏み、愛馬に支えてもらい事なきを得る。
傍らでは騎手が慌てた様子で声をかけて来ていた]
…良い拳だ、
[殴り合いなどしたことがなかったな、と。
かつてを思い起こし苦笑を零す]
大丈夫だ。
……すまない、手拭を冷やしてきてもらえるか。
[案ずる騎手に、一度は問題無いと告げたものの、殴られた箇所に触れれば腫れが現れ始めていて。
これは冷やさねばなるまい、と騎手に頼み手拭を井戸で冷やしてもらった。
口の中も切れている。
しばらくの間は顔を冷やしながら、身体を休めることにした]
私は予定通りにシラーへ向かう。
君も同行してくれるか。
シラー解放が成った後、この祓魔剣を皇太子に届けて欲しい。
[休息の合間に戻って来るまでの話をして、これからについての指示を出す。
グリフォンと騎手の同行は男の独断だったが、現状ではこれが最善では無いかと思う。
祓魔剣の状態が確認出来ない以上、ロー・シェンに直ぐに手渡すのも躊躇われた]
私はミストラルと共に行く。
君は先行した軍と合流し、私が遅れて到着することを伝えてくれ。
[そうして十分な休息を取った後、男と騎手は森を抜けたシラー手前の峡谷を目指した*]
[短い報告の後、ヒトガタは黙っていた。
胸の中に手を差し入れられる刺激に引き攣った吐息を零しても、口を噤んだまま]
して、もう少し強くならぬか
動けるようにはなったが、非力なだけでなくまだ脆い
[ツィーアはチリンと核を鳴らした]*
道が?
[ 続いて告げられたこれまでの経過に、眉根を寄せる ]
判りました。その剣は貴方に預けます。そのままシラーに向かってください。
[ ヒトガタと闘ったらしい、ヨセフの身の無事が心配だったし、尋ねたい事も、確かめたいことも山程あったが、今はその時間が惜しい]
ただし、その剣に異常があるというなら、出来るだけ使わないように......もし、ローグの民に会えれば、占師に視せてみてください。呪いの類なら、解呪の方法が判るかもしれません。
[ 結局最後には、ヨセフ自身の意を汲んで、そう告げた* ]
やはり、あれを使うか。
[手を伸ばし、中空から転移させて取り出したのは笏だった。
装飾の少ないそれは、この世界のものではない黒い鉱石を削り出して作られた、腕ほどの長さのもの。
笏の先端には七つの宝玉が嵌められている。それらひとつひとつの表面は灰色に鈍く輝き、じっと見つめれば内部が不規則に蠢くようにも見えただろう。]
カナン・ディ=ラーグの名により命ず
形無く色無く声無き七よ 疾く参れ
[詠唱に応じて宝玉が生き物の目のように輝き、それぞれ細く白い霧を吐き出した。
やがてそれは、ふ…、ふ…、と一筋ずつ崖の上へ流れ凝っていく。
その数、七つ。]
[霧の中より現れ出でたのは、茫漠たる霧の塊めいた騎士。
それは、灰色の騎士と呼ばれ、魔王の七騎士とも呼ばれる不死なる僕。
首のない影の馬に乗り、すっぽりと頭を覆うフードの中には赤い光と虚無のみを湛えた姿は死霊とも見えたが、正確には死したるものでもない。
それらは、魔界の霧が瘴気に触れて形を得たもの。
魔王の力注がれて死の刃を得たもの。
ただの人間には触れることさえ敵わないが、それらの剣は容易く命を狩る。]
殲滅しろ。
[主君の命に従い、死の騎士が七つ、崖の上で死を振りまき始めた。]*
― 魔軍出撃前 ―
……王族の血を使われたようだ。
[ぽつりと明かすのは道を開くための触媒。
如何ほど使われたのかまでは伝えなかったが、コエが翳ったのは伝わっただろう。
現在、生死が不明な王族は限られている]
承知した。
ローグの民の占師か……探してみよう。
今のままでは流石に使う気にはなれない。
[また呑まれないとも限らないとは、男自身が理解していた。
男が囚われたのは、長男の死を知ったが故であるために。
ただ今は、あの時のような絶望感は薄れている。
支えるコエが意思を強く保たせていた]
何かあれば連絡を。
こちらも仕掛ける時にはまた連絡する。
[そうコエを向けて、男は為すべきことへ意識を集中させる*]
/*
ローレル達の追悼したい…だが教えてもらってない!w
ここは昔のことを思い出して……と思ったけど、コエで確認出来るじゃんと思って返って来なかったらこの男SAN値減少再びだぞ!?ってなってどうしようか悩んでるなぅ。
銀月牙 アイリが「時間を進める」を選択しました
銀月牙 アイリが「時間を進める」を取り消しました
─ 魔軍 ─
[渓谷をほぼ埋める幅と高さ、地を削る巨きな魔法兵器は、全ての後方で低く駆動音を鳴らした]
──
[我が王は玉座にいない。
尾を振れば岩の砕ける音が混じる。
兵器に顔がついていたとしても見えない前方で、死が咲いている。
触媒が次々と核へ流れ込んでいくのを感じながら、体躯を蠢かせて崖を削った。
此処で待て、と王は言った。
兵器は低く這うような唸りを絶え間なく響かせて待つ*]
お前の立ち会いの元の決闘、即ち魔王カナン・ディ=ラーグも、承知の上ということだろう。
ならば、この決闘の結果は、魔王と鉄底族の、これまでの誓約の如何に関わらず、有効と思わせてもらう。
[ やがてアイリの名乗りを待って、男は、朗と響く声で、そう宣する ]
そう言うな。
[人形の沈黙を愉しげな目で見ていたが、ツィーアが不満を漏らすと小さく笑った。]
おまえが今回壊れかけたのは、あの剣のせいだろう?
他の損傷はおまえの復元能力があれば問題ない。
それでも硬さを求めるなら鎧でも身に着けるがいい。
そら、あの騎士の記憶があれば鎧も再現できるだろう。
…そうだな。あの剣は厄介だな。
それ以外でも光の攻撃で容易に壊れるか。
──なんならゴブリンシャーマンの記憶を植え付けるか?
連中なら、聖属性を防ぐ魔術もいくつか知っているだろう。
それが嫌なら、自分で習得するのだな。
[付け加えたひとことは、人形に向けたもの。]
[ 男がこの計画に抱いていた、唯一の懸念事項。それは、鉄底族が誇り高く、契約と誓約を重んじる部族であるが故に、例え勝利したとしても、部族全体の、魔王との契約破棄までは望めないのではないかということだった ]
[ もし、そうであるなら、魔王の城の進撃によって犠牲となった、死者の弔いの間だけでも、戦場には出ぬことだけを、求めるつもりでいたのだが ]
/*
実はツィーアからのお知らせがないから、魔王はこの決闘のこと知らないんじゃないかと思うんだよね…
いや。人形の記憶引っこ抜けるなら、知っていてもおかしくはないけど。
/*
あかん。
散々全体通信してんだから、コエに反応が全く無いことに疑問を持つじゃないか、と思ったら余計に追悼出来なく…。
めんどくせぇなこいつ!![自分です]
/*
どーすっかなー。
このタイミングで問い質しはしたくないし…。
あー、個別で呼びかけて返事が無い→もしかして戦場で、ってなった方が自然か。
いやでもこれでもSAN値減るぞ(
返事出来ないだけだ、って事には出来るか。
自分もそうだったんだし。
― 魔軍出撃前 ―
王族の血...?それは...?!
[ 初めて聞くその話に、男は思わず「誰の」と問いかけて、言葉を呑み込んだ。
モンテリー王族の殆どはシメオンの操るアンデッドとして、戦場に姿を現し、残るはヨセフの二人の子供達だけ...その事は知っていたから ]
(また......)
[ 無理が祟るのも、と言ったディークの言葉が思い出される。
それでも、こうして、心を立て直し、なお護るべきを護ろうとする、その強さと優しさへの敬意と深い感謝と共に ]
ヨセフ...俺は、ずっと貴方に支えられてきました。でも、この先は、貴方の支えでありたい。
[ アイリに告げた言葉を、ヨセフ本人にも伝える ]
どうか、俺に、その願いを果たさせて下さい。
[ 心からの、願いを ]*
[ロー・シェンがヒトガタに険しい視線を向けた時>>97
銀の瞳は確かにそちらを見返した。
一度唇を薄く開き、閉じる。
続いたその男の言葉>>107には反応を返さなかった。
ヒトガタは魔王へはこの決闘沙汰について何も言っていない。隠すも語るもなくツィーアの核には筒抜けだが、彼の人外が報告連絡相談をしているかどうかは問題ではないと思考している]
この決闘は、強者たるはどちらであるかを定めるためのもの
その意味を名誉ある鉄底族は理解しているだろう
[ただそれだけを繰り返した]*
― ミュスカ森進軍中 ―
[愛馬に跨り疾駆する男はやがて慣れた森の道へと足を踏み入れる。
かつてはこの地で長男と共に双子と交流を深めていた]
…そう言えば。
大人しくしているだろうか。
[峡谷の陣へと向かったはずの双子を想う。
迷惑をかけていなければ良いが、と思ってしまうのは親心に近い]
ローレル、ローズマリー?
[そ、と彼らに呼びかけてみる。
けれど直ぐにコエが返ることは無かった]
…大丈夫かな。
[心配げなコエが落ちる。
何かに夢中になって気付かない可能性はある。
そう考えて、その時はそれ以上コエを届けることはしなかった]
……いずれは伝えねばなるまいか。
[長男と仲良くしてくれた彼らはどんな反応をするだろう。
男の中でもまだ可能性の範囲ではあるが、目の当たりにしたものを見る限りは絶望的とも言える]
彼らだけでも護り通したいものだ。
[その命が既に散ってしまっていることを、男はま
……いずれは伝えねばなるまいか。
[長男と仲良くしてくれた彼らはどんな反応をするだろう。
男の中でもまだ可能性の範囲ではあるが、目の当たりにしたものを見る限りは絶望的とも言える]
彼らだけでも護り通したいものだ。
[その命が既に散ってしまっていることを、男はまだ知らない*]
ここで、お前の顔を見るとは思わなかったよ、ヒトガタ。
[かつて獲った獲物から作られたもの。
魔将の元にいた時も、近寄る事は避けていたそれの落とした呟きに、は、と息を吐く]
命の礼を、命を持って返すため。
戦士の誇りに基づき、あたしはここにいる。
[この場にいる理由は多々あるが、それが大きいのは確かだからそう告げて]
……あたしは、アイリ・ファタリテート。
異界の魔戦士レオンハルトが娘にして、魔鎌アヴァーンガルデを継ぐ者、だ。
[宣するのは、己が名と在り方。
魔戦士の名を知る者がいれば何かしら、反応はあるかも知れないが。
それを顧みる事無く、娘は銀月の牙を具象しその手に握る。*]
魔王 カナンは、銀月牙 アイリ を投票先に選びました。
/*
予想してたけどやる事多いよね!
しかし懸案事項はまあ、うん。
ここでやっとかないと、だもんね……!
さて、どうしよう(ぉぃ
[ゴブリンシャーマンの記憶を、と聞いて睫毛を震わせた人形は、幼子めいた仕草で首を横に振ってから俯くように頷いた]
天使?ああ…
あれは面白くて好い
あれも欲しいな。捕まえてみるか*
/*
鉄底さんたちの会話はきっとこんな感じ。
族長「女だと!? 聞いてないぞ!」
副長「女相手に決闘できるか!」
息子「まあまあ。相手は戦士なのですから」
副長「戦士だろうと女は女だ!」
族長「女相手だから勝ったと言われるのは屈辱!」
デアちゃん「あーあー、ごちゃごちゃうるさいねぇあんたたち。女相手に負けたら恥ずかしいからそんなこと言ってるんだろ。軟弱な男はどいてな。アタシが出てやるよ」
副長「べつに、負けるとか、そんなこと…(ぶつぶつ」(不満顔)
[人形の反応を笑って、それ以上は記憶については言わず]
おまえも好いと思うか?
あれも美味そうであったからな。
捕まえたなら私に見せるといい。
一部でも構わないぞ。
[まさかその天使がすぐ近くにいるとは知らずに、機会があったらな、という程度であった。]*
― 魔軍出撃前 ―
[言葉を飲み込む様子に伝わったのだろうと男は察する。
それ以上は、失われたものについて口にすることは無かった]
ロシェ…… っ、
[伝えられるコエに、言葉に、男はコエを詰まらせる。
支えるべき者に支えられる。
失うものが多すぎた男にとって、身近に在って気付けなかったもの]
[離れた場所で良かったと思う。
きっと、男は泣きそうな顔をしていただろうから]
──── ありがとう、ロシェ…
[コエであるが故に震えなども伝わらずに済んだのも僥倖だ。
齎された言葉を噛み締めるように受け止め、男は感謝をコエに乗せる*]
/*
あっ。意外にpt減ってるぞ。
もしかして、こんなに少なくなったの初めてじゃないかな。
(いつもどれだけおサボりしているかよくわかるなにか)
命の礼、戦士の誇りか
[始まった決闘を眺めながら、ヒトガタは滑らかな仕草で唇へ指を当てた]
…クレステッドを殺したのに?
お前が当然のようにいるそこは──
[戦士アイリ>>117を向く眼差しには温度の低い焔が宿っていた]
― 鉄底族の宿営地(出陣前) ―
[鉄底族のところにいる間、目立たぬようにはしていたけれど、ハギスの仕事ぶりも見せてもらったりしていたから、足しげく通ってくるヒトガタと遭遇するのは時間の問題だった。>>94]
まあ…、反論はしないけど。
[目の前にいるのは、”あの男”である。
前皇太子の姿をして、魔軍の前線指揮を執る、妖しの銀。
だが──思っていた反応と違う。
こちらのことを、まるで覚えていないようだった。]
…2号?
[元皇太子を型に、いくつもスペアがあるのではないかという怪談が頭をよぎる。
確かめたい。
だが、自分に何かあったらハギスが責任を感じて罰を請うのは見えていたので、こちらも素知らぬふりで、なるべく近寄らずにおいた。
手料理を食わせてみたくて仕方なくて、通り道にそっと置いてみたりはしたけども。*]
― 戦場/鉄底族と ―
[魔王より出撃の下知がくだった日。
黒い装備で体躯を覆ったディークの姿もその中にある。
コエを使って、ロー・シェンに鉄底族の位置を伝え、両者が過たず遭遇できるようにした。]
/*
おそらのほしは、地上のみんなのことが見放題なんだよ。
特等席だよ。
シメオンはきえちゃったのか。せつない…。
しかしシメオンらしいなあという気がとてもする。
/*
あっ。おじちゃんが回収されてる!!わあい。
配下の魔の困惑が想像できて楽しい。
呼んだらどんな反応するのかなーっていう
完全出来心だったよねw
― 戦場/鉄底族と ―
[ヒトガタが進み出て、立会い人を務めると──己を「意志もつ魔法呪具、Zの瞳」と名乗るのを、刮目して見る。]
ほんと、酔狂な御仁だ。
ロー・シェン・アウルム・ド・レオヴィル...参る!
[ 改めて名乗りをあげ、クレイモアを手に、男は偉大なる鷲髭のゴルバに向かって駆け出した *]
/*
ローさんが苦しんでくれたのも嬉しいなあ。ふふ。
魔王様の命令が、「殺せ」じゃなくて「苦しませろ」なので
ああなったのです。
ヨセフが気遣い続けてくれているのも、ほわほわ嬉しい。
…というかヨセフにはがっつりバラす気でいたのだが
結局騙したままでごめんね!
[ハギスに礼をし、外套を脱ぐ。]
使者の庇護はここまでで充分だ。
とてもよくしてもらった。
立会人もいることだ、仕合に問題は起きまいが、俺も抑止力程度にはなろうさ。
[これよりは、仕合が正しく遂行されるよう身柄を預ける保証人となる、と知らせた。]
― 魔軍出撃前 ―
[ ありがとう、と届く、ヨセフの言葉の柔らかさに、僅かにでも、彼の心が和らいだのかと、安堵する ]
待っていますから...どうか、御無事で。
戻ったら...そうだ、ディークと一緒に手料理でもごちそうしますよ。
[ そうして、彼の無事と、己の無事と、双方が揃わねば果たせぬ再会の約束を手渡した* ]
─ 閑話・ツィーアの散歩 ─
[人形の稼働に食事は要しない。
よしんば空腹を覚えたとしても、滅茶苦茶にお育ちの良い生粋の王族育ちの記憶が、道端に落ちている料理>>120を拾い食いなどするだろうかいやしない]
……
[一度は素通りしたヒトガタは、しばらくして小声でボソボソ呟きながら戻ってきた。
その日は、ツィーアがヒトガタを介して、物理的な意味での味覚を初めて開発した記念日となり。
それから少しの間、同じ道を何度も通りかかる疲れた表情のヒトガタの姿が見かけられた]**
対峙してみれば、求める強さは伝わるものだ。
ふたりとも、まっすぐに自分をぶつけてこい。
彼らの夢を、我らの希望と同じところまで、引き上げるんだ。
[ 重い斧槍が、唸りを上げて男の横腹を襲い、それを躱して、高く跳ぶ ]
はああっ!!
[ クレイモアを掲げ、頭上から振り下ろす。
その重く見える体躯からは想像もつかぬ素早さで、斧槍を振り上げたゴルバによって刃は一度弾かれたが、男はそのまま身を捻り、ゴルバの目の前に着地しながら、下からの一閃を斧槍の柄に叩き付ける ]
ぬおっ!
[ 宙に跳ね飛ばされた斧槍が、がしゃん、と音を立てて、取り囲むドワーフ達の間に落ち ]
…これで、如何です?
[ 息を荒げながら、無手となったゴルバの喉元に、男は、クレイモアの切っ先を突きつけて、口の端を上げた* ]
[ 男の身体にも、掠り傷はいくつも残り、体躯は汗に塗れ、息も苦しげだ。
けれど、戦いの間、男はゴルバに対して、敬意を示す言葉使いを崩さず、常に正面から、その刃を揮い続けた。
男の身体能力をもってすれば、背後に回ることは容易かったにも関わらず ]
偉大なる鷲髭のゴルバ...貴方のような戦士と闘えたことを、俺は誇りに思います。
[ 試合の決着を、ゴルバが認めれば、自ら斧槍を拾い、好敵手に差し出しながら、一礼した* ]
[大鎌と斧槍、まともに打ち合えばこちらの方が脆い。
まして、こちらは防具などは一切まとわず、当たれば一撃で砕けるであろうことは、誰の目にも明らかだろう]
……おっと!
[それならばどうすればいいか。
結論は単純、当たらなければいい。
身軽さを生かし、重い一撃をかわしながら探るのは、確実な一撃を撃ち込む隙。
だが、あちらもこの場に立つ事を請われた者、中々それを与えてはくれず]
……は。
魅せてくれる、な!
[上がる声は楽し気な──天性の戦士故のもの。
それでも、長く打ち合えばこちらが不利になるのはわかるから。
繰り出された突きの閃をすれすれのところでかわしつつ、くるりと身を翻し。
それと共に、大鎌を高く高く差し上げて]
……っせい!
[気合と共に、一気に振り下ろす。
鋼の武装と、斬り裂く大鎌の相性は悪い。
故に、狙ったのは柄による肩への打撃。
衝撃を当たえつつ、かつ、刃の内に相手の身を捉える事。
甲高い金属音が響き、走った衝撃が力を奪ったか、斧槍が落ちる。
落ちた位置は至近。
あちらが切り返すのが早ければ、こちらが一撃を受けていてもおかしくない──そんな、接戦の果ての結果だった]
……は。
予想してた、よりも。
ずっと、強いな、貴女は。
[速さで勝るが故に先に一撃を繰り出せたが、そうでなかったらどうなっていたか、と。
語る様子は、どこか楽し気なもの]
とても、良いもので魅せていただけた。
……感謝する。
[刃を離して一礼する、その様子には。
ただ、命を刈るを目的としていた時にはなかった清々しさがわずか、滲んでいた。*]
……7年前。
あたしが旅に出たのは、探したいものがあったからだった。
あたしと母様が、隠れ住まなければならなかった理由……魔族に見つからぬようにしなければならなかった、訳。
あたしの、父様の事、何でもいいから知りたかった。
[母娘の事情は、そのほとんどが周囲に伏せられていた。
それでも深くは聞かれぬ環境に、母が安堵していたのは今ははっきりと思い出せる]
そうして、ようやく宛を見つけて……辿りついたのは、あたしが異界より召喚された魔族の戦士と、人の間に生まれた半魔、っていう事で。
そのせいで、人に追われて……途方に暮れていたところを、あのひとに……魔将に、見出された。
― 鉄底族 ―
「参った」
[ゴルバとデアトリが、それぞれに負けを認める。
勝敗が決した瞬間、ドワーフたちは一斉に武器を置いた。
それは、強者への礼であった。]
術をかけられて、自由を奪われていたのは確かだけれど。
でも、戦いに臨んだのは、その殆どがあたし自身の意思だ。
……戦いを求める魔戦士の血、それに任せて、狂って。
無用の血を流した事も少なくはない。
……今は、戦時だ。
戦う力として、役には立てる、けれど。
それが過ぎれば……出きる事なんて殆どないし。
それに……。
[言いかけて、言葉が止まる。
これを言ったら、どんな反応が返るか。
そこだけは、どうにもこわいから、結局は飲み込んで]
……正直なところ、あたしに支え手ができるとは思えない。
今は、黒の御仁や、皆のおかげでこうしていられるけれど。
裁かれるべき立場であるのは、自覚してる。
……それ、全部、わかってるんだよな?
[わかっていないはずはない、と思うけれど。
そこは、自分の中では決して譲れない所だから。
確かめるように問う声は、少なからぬ震えを帯びたもの。*]
「見事だ。ロー・シェン・アウルム・ド・レオヴィル、ならびにアイリ・ファタリテート。」
[偉大なる鷲髭のゴルバは立ち上がり、ロー・シェンを見上げる。]
「而して、勝者はなにを望む?」
[差し出された斧槍を受け取り、それを再び地面に置いて、大気が震えるような大音声で問う。]
[ 潔く、勝敗の決したを認め、望みを問うドワーフの長の顔を、男は剣を収め、真っすぐに金の瞳で見据えた ]
俺の望みは、偉大なる鷲髭のゴルバ率いる、誇り高き鉄底族と、我が国レオヴィル王国との永劫の友情と同盟。
そして、共に力を合わせ、魔に支配され、虐げられし全ての部族を解放し、大地を、そこに生きる者の手に取り戻さんことを!
[ きっぱりと、告げるのは、条件ではなく、男の目指す未来の姿 ]
― ミュスカ森林/シラー側入口 ―
[休息を挟んで一昼夜程。
愛馬で駆け抜けた男はようやくミュスカ森林のシラー側入口付近へと辿り着いた。
そこで先行していた副官が率いるシラー解放軍と合流する。
予定していた山間よりも奥まったこの場所で待機をしていたことに首を傾げながら、男は副官に状況を問うた]
……なるほどな、北から続々と雪崩れ込んできているのか。
[断続的にマルサンヌ砦とシラーの間を魔軍が通るなら、その近くで陣を張るのは危険だ。
副官の判断に感謝する]
仕掛けるなら陽が昇っているうち、だな。
わざわざ相手の時間に合わせてやる必要はない。
こちらはずっと、相手の時間に合わせてやっているのだからな。
今度はこちらに合わせてもらう。
[昼ならば北からの流入も散発的になるだろうという予測の下、陽の昇るうちに仕掛けると決める。
あちらの規模が見えないのが問題だが、ざっと出入りの様子を見た限りでは、ほとんどの亜人はシラーを通過し南下しているようとのこと]
ここを食い止めれば魔軍の戦力の分断も可能か。
[そうなれば南の戦場も幾分か有利にことを進めることが出来るかもしれない。
改めてこの作戦は重要なものであると感じた]
[腰に佩く祓魔剣に一度手をやる。
支えを得た男に再びの異変は無い。
意志強くある間は、どうにか扱えそうな気がした。
異変を起こす可能性はあるが、この聖性は魔に十分な効力を発揮し、人々に希望を与えることが出来るはずだ]
陽が昇り次第打って出る。
それまでに身体を休め、支度を整えろ。
[男の軍は木々に紛れ、反撃の機を窺った**]
「よかろう!」
[再び大音声が響いた。]
「我ら鉄底の一族は、ロー・シェン・アウルム・ド・レオヴィルとその国レオヴィル王国との、永久なる友誼と同盟を結び、共に戦わんとする!」
[大地が、どん、と揺れた。
ドワーフたちが一斉に足を踏み鳴らして大地を踏みしめ、斧槍を手に取って地に突いたのだ。]
「儂らは、機を待っていた。今が、その機ということだろう」
[最後の言葉と微笑みには、相変わらず渋面の言葉が返る。
不機嫌なわけではない。地顔だ。]
「しかし、あの条件にはいささか難がある。
後でとことん話し合ってもらうぞ」
[そしてゴルバはヒトガタへと向き直った。]
「立会人殿。我らはこれよりカナン・ディ=ラーグと袂を分かつ。
戻るがいい」
[周囲のドワーフたちは槍斧を掲げたまま動かない。
だが、何かあれば即座に戦闘に入るのは明白だった。]*
[そんな緊迫した場の一角。
アイリと刃交わした蒲公英のデアトリは、アイリにそっと耳打ちする。]
「アンタ、見かけによらずなかなかやるわね。
そんな細い腕で、感心だよ。
ちょっとアンタ、うちの息子の嫁、考えてみないかい?」
[髭面も笑うと、案外チャーミング、かもしれない。]*
/*
だいたいねこみちのPC(今回はNPCだったけど)を説得するには、ごちゃっと条件いろいろ言うよりも勢いが大事かも。
でも勢いしかないと、条件言って突っぱねるから、状況条件整えたうえでの勢いか。
[ ヒトガタはどうしていたか。彼が立ち去るまでは、さすがに、実際の行動に移るわけにはいかない。
男は、静かな視線を、兄の面影そのままの、人形の顔に向けた** ]
/*
この村で何がやりたかったって、この、完全に敵陣営なのを引っこ抜いてくるのがやりたかったんだよね。
拳で育む友情的ななにか。
だから、レオンハルトと村の戦士の話もわくわくしながら見てた。
あの村の戦士に英雄属性付いてたら、レオンハルトと友誼を結んで、ということになってたかもね。
― 出発前/天幕にて ―
[ 男の願いに対して、アイリは、すぐには頷けないと返す>>135
そして語られた事柄は、男にもすでに幾らか予想はついていたこと... ]
ああ、知ってる。
[ ことに彼女の父が魔戦士だという話は、実は、生死の狭間の闇の中で、耳にした言葉からも察していることだった ]
お前の血、お前の生きてきた道、そして奪って来た命も...軽々しく扱えないってことは俺も解ってる。
でもアイリ。それなら俺だって同じだ。
俺の力なんて、平和になったら、きっと少しも役には立たない。
[ 平和な世を治める力、それは、兄が持っていた...兄にその力を生かせる世界を手渡したいという夢は、もう果たせない ]
戦いに酔うこともある...魔王に心から従っていない亜人達も居ると知っていながら、その命を奪うことだって、人の命を奪うのと、少しも変わらない。
[ そう、次々と言葉を重ねて ]
勿論、お前が裁かれるべき立場に居る事も、解ってる。
[ 震えを帯びた声にも、きっぱりと頷いた ]
でも、そうなっても、俺はお前を助けてみせる。
[ アイリが魔将の支配を受けていた事は、恐らく証明できる。だから、そのことで、情状酌量を求めることは出来る筈だと ]
それだって、お前だけじゃない。
知ってるか?ディークは、最初から、もう姉上誘拐犯で、殺害容疑者の、脱走犯だぞ。
[ そこでは、少しだけ悪戯めいた笑みを浮かべて ]
でも、俺は、あいつもお前も、手放す気は無い。いざとなれば職権乱用でもなんでもしてみせるさ。
[ そう告げる言葉に屈託はない。そして、この男は、やると言ったら本当にやってしまうのだ。とは、アイリも知っているだろう。
人の世の法を軽んじる訳ではないが、男にとって、それよりも重い、守るべき法は、他にあるのだ ]
アイリ...支えになれるかどうか、なんて、もう決まってるんだ。
俺が、お前が必要だって、そう思うんだから、支えにならない筈がないだろう?
[ そしてまた、男にとっては当然の理である言葉を紡ぐ ]
俺は、ただ、お前の気持ちが聞きたい。
どんな条件も、法も、関係なく、お前が俺の傍に留まりたいと思ってくれるかどうか、それだけを。
[ 欲しいのは、ただ正直な心だと* ]
素晴らしい闘いだった
[決闘の結末を見届けて、ゴルバとロー・シェンが立会人へ向き直れば、
ヒトガタはその表情を微笑ませた]
これが正当なる決闘であったことは俺が保証しよう
勇気あるものたちの決断に、誉れあることを
…大きくなったな、ロシェ
[落ちた言葉は唇の前で消えるほどに小さい。
クレステッドの口癖もクレステッドの用いた愛称も、このヒトガタに使う資格はないと弟はきっと言うだろう]
……
『ドワーフの技は面白かった
私はおまえたちが好きだ』
[笑みを消し、僅かに俯いたヒトガタの喉が別の声を紡ぐ。
ツィーアの核がチリン、と澄んだ音をたてた]
『して…もう、おまえたちは喰ろうていいのだな?
好きなものの死を得るのは私の喜びだ』
[重低の咆哮は、魔法兵器のもの。
最後尾といえその距離は決して遠くはない。
魔王の城は我が王を呼びながら、渓谷を動いて進み来ようとしていた]
[ロー・シェンとアイリが武でもって勝ち取ったのは、鉄底族との友誼だ。
「機を待っていた」とゴルバの言葉に、彼らの深い喜びと希望を感じる。]
バギス、
ここからは友軍だ。
あらためてよろしくな。
[拳を付き合わせる形で向けた。]
[ドワーフたちが打ち鳴らす石突きのリズムは心音のようで高揚を誘う。
唯一、その鼓動と無関係そうな、”Zの瞳”に、ディークは視線を向けた。]
見届け人、
あんたも、ロー・シェンに負けてみるか?
[ある意味、ロー・シェンは崇敬していた”兄”の前で、その勇姿を披露できたのだ、と一抹の感慨が過る。]
ああ、話し合いはこの後に、双方の納得の行くまで。
ただ、この前に魔軍を押し返さないと、食卓にもつけないぞ。
[崖の上で、何か異変が起きている。>>103>>104
そして、最後尾でもまた、巨大な災厄が動き出そうとしていた。>>159**]
…其方達の足で今から崖上へ逃げるのは得策とは言えないと思うが…
ここで俺と闘いながら、魔王の騎士が来るのを待つか?
立ち去れというならそうしよう
[ヒトガタはゆるく、剣の柄に手をかけた]**
― 渓谷上空 ―
[渓谷の奥までナールを飛ばせた魔王は、七の騎士たちが存分に働いているのを眼下に見ながら北に向かって戻る。
低く轟く音に視線を先へ向ければ、動き出す
待てと言っておいただろうに。
[仕方のない奴だという調子で呟き、思念を手繰る。]
― 決闘の終わった直後 ―
[ 鉄底族の斧槍が地面を鳴らす音を聞きながら、男はドワーフの若者と拳を突き合わせるディークに視線を向けた ]
ディーク、この希望は、お前がもたらしてくれたものだ。ありがとう。
[ 友へと送るコエは、労りと感謝を込めて** ]
/*
アイリが伏せてたことを、つらつら考えてたんだけど、あれかな?お父さんの能力継いでる的な事かな?敵の生命力喰って闘ってるとかだったよね?(あんま、自信はない)
[弱いものが死ぬのは魔界の常識だという。
ドワーフが人間よりも弱いことがわかったらしいから、彼らは死ぬ。ツィーアの思考は明瞭で、]
[魔王と袂を分かつ、とドワーフの長が言った時点で、彼らを殺さずにおく理由はなにもなくなった。
待機を命じられながら動き出した兵器は、我が王をその音で呼ぶ]
……は?
助ける、って……。
いや、いくらなんでも無理ありすぎるだろ!?
[情状酌量の余地とかあるのか、とか。
裁かれるものと思い定めていたから、色々が予想外に過ぎて。
初めて知ったディークの事情にも、呆気にとられたりしていたが、何より]
……職権乱用、って。
無茶過ぎるだろ……ほんとに。
[思わず呆れた声が上がるが、やると言ったらきっとやる。
そういう気質も変わっていないのは、感じていたから、落ちるのはため息のみ。
求められているものが何か、改めて示された亜麻色は、ふ、と移ろって]
正直、言うと。
あたしも、自分がどうしたいのか、よくわかんない。
ただ……あたしは、月で。
ひとりでいると、闇に沈むしか、ないから。
……陽のひかり、届くところに、いたい、よ。
[陽のひかり、が何を示すかは言わない。
言わずとも理解しろ、と言う無茶を言外に投げつけた。
声音にあるのは、願う響き。
幼い頃には出せなかった、おいてかないで、という想いを写したもの。**]
ドワーフだ
あれらは人間よりも弱かった
敵対するようだから喰らって良いな?
[手繰られた思念が波動を捉えると、ツィーアは嬉しげに鳴いた。
退屈は嫌いだ。特に我が王が玉座にいない時は]
ほう?
ドワーフどもがか?
[人間より弱い、と、敵対するようだ、の繋がりがわからなくて首を傾げる。
けれど、沈黙はごく短かった。]
/*
たぶんねー。
ドワーフたちアーマーナイトだから山地形に入れないんだよ…
(FE的思考)
短足補正で移動力3だし。
平地と道以外は1歩で移動力3食うし。
川と山地と砂漠はそもそも侵入できないし。
でも大概の攻撃は弾くよ!
/*
ところで、七騎士が下に降りるってことは、上の王国軍壊滅してませんかとかそこはかとなく思うのだけれども、まあ良いようになればいいと思う。
/*
たぶん、だけどドワーフが生き残る道は前の亜人を蹴散らしながら全力で前に突撃して、ツィーアがどっかで崖につっかえるのを期待すること。
でも、ツィーア、意外と足速いからな…
/*
ほうれんそうといえば、シメオンだって連絡しかしてなかったよな?
それ以外はあいつ、趣味に生きてたよな?
魔軍で一番ほうれんそうしてたの魔王様の可能性…
/*
よく考えたらドワーフさんたち、ビヤ樽短足フルプレートに加えて、身長×2の斧槍と身長サイズの丸盾持ってるんだった。
そりゃあ…うん。
[ やがて、亜麻色の瞳が揺れて移ろい、零れ落ちる言葉...自らを月と呼ぶそれに>>169男は僅か、目を見張る ]
[ 以前、姉姫が言っていたことがある「兄さまとロシェは月と太陽みたいね」と。
月は太陽を助けその光で闇を照らし導く、そして太陽はその光で月を輝かせ、暖める。
それは言い過ぎだ、そもそも太陽は王を示すんじゃないのか?逆だろう、と、その時は思ったものだが ]
お前が月だと言うなら...きっとお前が俺を闇の中でも道を見失わないように導いてくれてるんだ。
[ 隠れていた月が、太陽の傍らに戻ること...それは、兄と姉の導きのようにも、思われた ]
リー...ずっと、お前を捜していた。もう決して、ひとりにはしない。
だから、
[ 男は、娘の手を取り、その手首に結ばれた石と自分の手首の石とを重ね ]
傍に居ろ、ずっと...傍に居てくれ。
[ そうして、願いの言葉を重ねた** ]
[魔王は、ドワーフ相手に"裏切った"とは言わなかった。
ドワーフと言えど、所詮はいくらでも替えの利く凡百の雑兵と同じ。
敵対するとなっても、所詮はツィーアで一掃できる程度の相手だ。
裏を返せば、シメオンにはそれだけの信を置いていたということ。
魔界での信用に価値は無いが、手放すには惜しいという程度にはかの魔将を評価していたのだった。]
/*
ドワーフの崖登り…。
[先頭のドワーフが滑って転がって後方のドワーフ全部巻き込んで、ドワーフ全員で魔軍に雪崩アタックかますところまで幻想した]
早く満ちねば。アルテスの湾を広げるために?
[諾が返れば喉を鳴らすように]
そう、あれもいるぞ
天使と…レオヴィルの王族か。あれはお前が壊すのだろう
[ロー・シェンについて言及する時、ツィーアの波動は不機嫌さを滲ませた]
私に、美しい姿を見せてくれ
そこに人形がいる
負けてみても、…意味はないのだろう?
[レオヴィルの使者>>161に返すのは細い笑み。
それはロー・シェンの視線と態度が既に語ったこと]
ツィーアは其方を招きたいようだ
随分と気に入られてしまったものだね
[それが遊び相手としてなのか料理人としてか、人形を改良する素材としてなのかで彼の扱いはまるで違うだろうが]**
そうだ。
人間どもの都を丸ごと海の下にな。
[伝わってくるツィーアの波動は楽しげだ。
…と思ったが、それが少し乱れた。]
天使───
…と、あのロー・シェンか。
[天使の名もツィーアの不機嫌も意識から落ちて、声が煮え滾る氷点下の色を宿す。]
そうとも。
あれは、我の手で引き裂いてやらねば。
― 渓谷上空 ―
人間どもの後ろにいるのかと思ったが、
まさかそんなところにいたとはな。
会いたかったぞ、ロ・ーシェン
[唇に乗せた音は恋人に囁くほど甘く、
凍り付くほどに冷ややかな響きで滴り落ちる。]
[ロー・シェンの視線とコエを受け、屈託ない笑みを浮かべた。>>*34]
それぞれのなすべきことを果たした結果だ。
ああ、おまえに感謝されると嬉しいな。
俺は、少し調子に乗ってるくらいの方が、いい動きができるようだぞ。
[残念ながら、ゆっくりと再会に浸っている余裕はない。けれど、]
一騎打ちに負けて、ロー・シェンにその身を委ねてみれば、ロー・シェンがおまえに望むものが聞けると思わないか?
[ヒトガタの笑みに、いっそ甘やかに返した。>>173]
ん? えっと、俺を招待?
[不意に、こちらに話の矛先が向いて、目を瞬く。]
[ツィーア。意志もつ魔法呪具。究極の破壊兵器。好奇心の先にあるもの。]
俺も、まさにそれを考えていたところだ。
相性ピッタリか。
[そう笑う目は、自軍を支えんとする軍師のそれ。
あの城の動きを止めるために、魔導炉を破壊しにゆくつもりであった。]
お受けしよう。
というわけで、俺ちょっとまた、向こう行ってくるわ。
[さらっと言ってのけた。
緊急後方移送用に、ロー・シェンの近衛に瞬間移動術の使い手くらいいるだろうから、それ利用するつもりではあったが、別の方法で招待してもらえるのかな?]
というわけで、アイリ、
あの崖の上のヤバそうな騎士たちは、おまえに頼む。
あの連中、おそらくは、魔力ある武器でしか倒せない。
[アイリが自分のことをはぐれ魔族だと打ち明けた時、ディークはあるがままに事実を飲み込んだ。>>4:283
それ以降も付き合い方を改めることもなく、「普通じゃない怪力娘」として、敬して揶揄うといった調子であった。]
魔界のものだろうが、女の子だろうが、
この際、使えるものは使わせてもらう。
[託す声に、悲壮感はない。]
ロー・シェン、おまえは──
[ヒトガタの相手を、と考えていた。
が、空を翳らせて黒竜と魔王が来襲する。>>175
無理だ、と即座に諦めた。]
[ロー・シェンといえども、魔王と黒竜と両方をあしらうのは難しいかもしれない。
ヨセフがいれば──、と思いはするものの、無い袖は振れなかった。]
/*
魔王様からの、ラブコールに、キャーq(≧∇≦*)(*≧∇≦)pキャーとかしてたら(嬉しそう
なんかまたディークが突っ込んで行ってるな。
いや、止めませんけど。食べられないでね?
[ 天使とか喰ったら、魔王城即フルチャージしちゃいそうですがな ]
殿下、今どこだ?
峡谷はまだ持ちこたえている。
鉄底族と同盟を結んだ。
だが、黒竜に騎乗した魔王が、ロー・シェンに目をつけて、狩りにくる気だ。
[こちらに来られるか、とは問わない。
ヨセフにも抱えている戦場がある。
せめて、ロー・シェンにコエを届けて、力を与えてやってほしい、と希む。]
[黒い鎧をつけたディークの手を、いかつい指がつかんで引く。
次の手を察してもらえているというより、むしろ急かすようなその合図に、素早く頷いた。]
ええ、もちろん。
ゴルバ殿、貴殿らはツィーアの瞳を塞いでもらいたい。
[ロー・シェンの代わりを託す。]
[重武装で足の遅い彼らを崖の上まで送るのは難しい。
ましてや、彼らがこの場の敵に背を向けるのを承知すまい。
ならば、ここでヒトガタを抑えてもらう。
接近したディークの前に入り口を開いたような城であるから、感覚器は瞳ひとつではあるまいが、視線を釘付けにしておけるならば、間違いなく利となろう。
味方でありながら城に蹂躙された記憶も新しい鉄底族には、その前途に身を置くことがどれほど危険か充分に身にしみている。普通ならば、拒否されてもおかしくはないところ。
だが、恐怖に潰される者たちではないと、わかっていた。*]
/*
魔導炉突入やるかー、と思ってたら、向こうからお誘いが来てて、以心伝心〜☆ って楽し過ぎた。
いっそ合体し…(
[渓谷を揺らす地響き、削られた岩肌が落下し砕ける大地の悲鳴。
巨大な兵器はこの渓谷にあるもの全てを踏み躙らんと迫り来る。
鉄底族の陣よりも北の方では遠く、阿鼻叫喚の騒ぎが始まっていた。
シラーから流れ来て、労せずに儲けを得ようと後方に位置どっていた亜人達が為すすべもなく巨大な城砦に轢き潰され、逃れようと南に争い雪崩れては将棋倒しとなり互いを殺していく]
魔王が動いているのか。
[祓魔剣を預かったのが徒になったかと悔やむ。
だがそれも一瞬のこと、直ぐにそれを掻き消して]
北の山脈から断続的に魔の軍勢が流入してきている。
シラーを通過している者達が多いことから、そちらを目指して移動しているのだろう。
明けを狙い仕掛ける心算だったが、こちらにも目が向くよう仕掛けた方が良さそうか。
[報告と共に提案にも似た言葉を紡いだ。
ディークの願いには当然のように是を返す]
ロシェ。
[意識をロー・シェンに向け呼びかける]
こちらはシラー付近まで辿り着いた。
機を計り奪還へと向かう。
[先ず紡ぐのは現状報告。
次いで、届けるコエに柔らかさを乗せて]
戦勝の暁には手料理を、だったな。
食後には私の手製の香草茶を用意しよう。
なかなか評判が良いのだぞ。
[先の約束に一つ加え、
…ここが正念場だ。
皆と共に乗り越えよう。
[人々の
[使者の男の甘やかな声>>176に、ヒトガタの笑みはいよいよ儚く細った]
十日前ならば
聞きたいと望んだのかもしれないな
[ロー・シェンの放った矢は、人形を砕いたが殺しはしなかった。
たとえ次には、呪縛された記憶ごと紛い物全てを消し去ってあげる──と言われたとしても。
今のヒトガタはもうその夢に浸ることは出来なくなっていた]
では、気をつけて行くといい
潰されないようにな
[ツィーアは天使を捕まえたいとは伝えてきたが、案内する方法など考えてすらいないらしい。
ヒトガタとしても、自ら転移魔法で連れて行くことなら出来るが…どうやら此処から立ち去ることは望まれていない。
迫る死の音の方向を軽く顎で示して、がんばれ、とそっと応援するに留める]
銀月牙 アイリが「時間を進める」を選択しました
[ツィーアの実質的な本体であり、刈り取った死の触媒を溜め込んでいる"核"がヒトガタの胸に置かれていることは、伝えなかった。
純粋なエネルギーの塊である核を破壊するのは、恐らくあの移動城砦をバラバラに解体するよりも難しいと思う。
無力化する方法ならば幾つか思い付かないでもなかったが──どうでもいいことだ。
そもそも尋ねられてもいない]**
銀月牙 アイリが「時間を進める」を取り消しました
/*
とりあえず、過去軸を終わりにしないと。
蒲公英さんにお返事できないんだけど、まったくこんにゃろうやりやがって……! ってなってる。なってる。
― ミュスカ森林シラー側入口 ―
[明けを狙い仕掛ける心算でいた男の表情が曇る]
急いだ方が良さそうか…。
[コエでの通達はドワーフ達との同盟成立と、これまであまり前に出てこなかった魔王が前線に現れていると言うものだった。
それを聞き、男はシラー奪還の前倒しを考える]
斥候を。
シラーの門扉がどうなっているかと見張りの数。
可能であれば抜け道をこちらから使えるかも確認してくれ。
それから北の山脈から押し寄せる亜人共の規模の確認を。
[斥候隊に指示を出し、奪還の準備に入った*]
[上空から矢のように飛びきたったナールは、ばさりと羽音を立てて人間とドワーフの集団よりやや南に着地した。
真下にいた不運なゴブリンを爪で払いながら、翼を畳み身体を揺らす。]
聞け。
[ナールの背に跨る魔王が声を上げれば、周辺にひしめく亜人たちが一斉に注目した。]
ドワーフどもは我ではなく人間どもに使われるを選んだらしい。
全て殺せ。
根絶やしにしろ。
[言葉を飲み込むための間が一瞬あった後、わああと喊声が上がって周囲の亜人たちが一斉に背後を振り返る。
そして、ドワーフと人間の集団めがけて殺到した。]*
/*
ラストバトルではテディとぶつかりたい…(ごろごろ
伝えてみたいことがあるんだよなぁ。
どんな反応が返るにせよ、やってみたいやつ。
ともあれ、先ずはシラーの方頑張らねば。
全く、お前は落ち着きが無いな。
[ 知ってはいたけど、と、また魔王の城...動き始めた災厄の中へ飛び込むと言い出したディークに、幾度目かも判らなくなった苦笑を向ける ]
行くってなら止めないが。
[ おとこはディークに近付き、その肩に手を置いた ]
俺はヨセフに、帰ってきたら、お前と一緒に手料理を振る舞うって約束したからな。間に合うように戻ってこいよ?それと...
[ 懐に忍ばせていた小さなクリスタルを取り出して、ディークの手に渡す。忠実な従者が、砦から持ち出していた姉の手紙の中に入っていたクリスタルだ ]
姉上から伝言だ...石に咲く花は無かったけれど、石の中に花を咲かせることは出来た...お前のおかげだと。
[ 耳元に声を寄せて囁いた言葉の通り、クリスタルの中に封じられていた押し花は、闇色の空から零れる月の光を浴び、柔らかな花弁を開いた、生花さながらの姿で淡く輝いている ]
[激流のような亜人たちの流れを割りながら、ナールは悠然と歩いて鉄底族の陣へと近づいていく。
黒竜の背から降りぬまま、魔王は手を挙げた。]
我が騎士たちよ。
あれらを逃がすな。
ドワーフどもの命を刈り取り、我に捧げよ。
[言葉が風に流れて間もなく、崖の上から滑るように音もなく七つの影が降りてくる。
灰色の騎士。七の騎士。崖の上で恣に人間どもを刈っていた霧の騎士たちが、主君の命に応じて集まってくる。
彼らは途中を遮る亜人の群れなど無いもののようにすり抜けた。
首のない馬は、垂直の崖であろうと構わずに駆けた。
そして、彼らの周囲からは濃い霧が吹き出して峡谷に溜まり、夜の闇をさらに深くした。
冷え冷えと霧の取り巻く戦場に、死の騎士の白刃が閃く。]*
……うん。
一緒に、いるよ。
[小さく紡いで、微かに笑む。
この陽に添うならば、先に何があろうと悔いる事はない、と。
そんな事を、思い定めながら。**]
……
前を向いて貰えまいか
[片手剣を抜きながら、ぽそ、と小声で呟いた。
上空から舞い降りた黒竜と、その背にある魔王に、ヒトガタの眼が釘付けになっていたので。
それもほぼ真後ろを向く形に首を回された。ヒトガタにはまだ痛覚はある]
お褒めに与り、光栄……では、あるが。
……あたしの月は、添うべき陽を定めているのでな。
それは、お受けできない。
[ほんの少し、困ったように笑んで見せる。
仔細語らずとも、一瞬だけ金へと移ろった視線で言わんとする所は伝わるか。*]
[流れる霧の中を、ナールは迷いのない足取りで歩いていく。
他の戦場を放置してここに戦力を集めるのは、魔王がその命を欲する相手がいるため。
人間の軍の指揮官であり、希望の灯である、ということは魔王には関係ない。
ただその命を無残に散らさなければ、人間ごときに傷を受けた屈辱は晴らせそうにない。
ナールの背の上で、魔王は右手に魔力を凝らせる。
それは烈光となって右手を覆い、さらに長く伸びて槍のような形となった。]
ロー・シェン。
また会えるのを待ちわびていたぞ。
[炯と輝く目で、太陽の申し子を見据える。]*
[ツィーアがヒトガタの首を元の位置に戻すころ。
亜人達と七の騎士がこの場に争いの火を灯し、鉄底族もまた完全な戦闘態勢に入り陣形を組み直していた]
…決闘の始末がまだだったな
立会人として、そこまでは俺が担おう
[首をさすっていた左手を下ろし、治癒の印を指で結んだ。
理論魔法に属性はない。
再生と体力の補充を呼ぶ魔法は、決闘に参加した四者に対して速やかに効果を及ぼした]
では、手短に死ね
[ヒトガタの体は跳躍して、鉄底族の中へ突っ込んでいく]
ナールにおまえの認知が繋がったら、おまえは私を乗せられるようになるわけか。
今もおまえに乗っているようなものだが。
───いずれおまえには、もっと感覚器官を付けてやるべきかな。
[ツィーアがこちらを見すぎて、人形の首がおかしなことになっているのにも気づく。
崇拝の眼差しは悪くないが、あれでは動けまい。]
自由に戦わせてやれ。
また壊れるぞ。
― ミュスカ森林シラー側入口 ―
[支度の最中、男は左腕にローグの民達が身につけるスカーフを巻きつけて結んだ。
彼らに出逢った時、直ぐに示すことが出来るように]
剣の予備はあるか?
[祓魔剣のみを帯剣する男は、それをなるべく使わないようにと告げたロー・シェンに従い別の剣を求める。
男の愛剣は自分用に鍛え上げた特別製。
それと同様のものは流石に得られず、兵が使う量産型のロングソードを身につけた]
[やがて斥候が戻って来る。
門扉は北の山脈からやってくる同胞を受け入れるためにか開かれており、見張りはオークと亜人の混合部隊が行っているよう。
抜け道を確認するほどは近付けなかったため、正面突破を行うことになりそうだ。
北の山脈からの次の軍勢がシラーへ到達するのはもうしばらく先と推測された]
ならば今が機だな。
[そう呟き、男は愛馬に跨る]
[男が率いるのは騎兵の一団。
移動の迅速さを優先しての構成だったが、門扉が開かれているならば持ち得る突破力を発揮出来る。
今動くべきと決断した理由の一つでもあった]
征くぞ。
黎明を齎す時だ。
[深く濃くなった闇を祓うために。
男は軍を率い森を抜け、速度を上げてシラーへと駆けた*]
[ シラー近郊まで着いたというヨセフのコエが届くと、男の内に、安堵と、僅かな緊張が同時に生まれる ]
はい。どうか御武運を...
[ 祈る、と、伝えた所で、柔らかく響くコエ ]
...ありがとうございます、ヨセフ。
[ 彼も、こちらの状況を知っているのだ、と、その声音と言葉に確信する。恐らく報せたのはディークだろう......随分と過保護な友だと、少しおかしくなった ]
俺も楽しみにしています。ええ...
/*
あっ。
もうローシェンに攻撃しかけていいのかな?どうかな?
最近軍団しか動かしてないから、対人のログの書き方ちょっとわかんない(
がんばろ!
/*
でもさー。
こっちが先走りすぎてて、相手さんを置いてけぼりにしていたらどうしようと思うよね。どきどき。
こちらが昼間に進めるものだから、まずは状況把握と対応からやらないといけないのだろうし。
でも、声かけるくらいはそろそろしてもいいかな。かな。
……妙なところで律儀と言うかなんというか。
[思わずこんな突っ込みが落ちたが、喧騒の中では届くまい。
ともあれ、ヒトガタの相手は自分の領分ではない。
己が当たるべきは、灰色の騎士たちだから、と意識を切り換えて]
……いくぞ、アヴァーンガルデ。
陽の進む道を拓くために……あの霧を払う!
[宣に応じるが如く、銀月の牙がひかりを零す。
そのひかりをふわりと受けた赤紅が翻った。*]
[ヨセフは、シラーの近くにいると伝えてきた。>>*38
遠い。
シラーとアルテスの間にポータルは生きているのか。
それがあってもなお、魔王とロー・シェンの距離に比べれば、絶望的に離れている。]
いいえ、目の前の戦場に集中を。
そこに、殿下を求めている者たちがいます。
[陽動を提案する声には、短くそう告げておく。>>*39]
[肩に触れるロー・シェンの手。>>*42
その温もりは、魔窟に飛び込まんとするディークに力を与えてくれた。]
はは、ロー・シェンの手料理か。
それは楽しみな約束だな。
そうそう、鉄底族にローグ風の肉料理を振る舞ったんだが、とても好評だった。
俺も、軍学校の頃を思い出したよ。
ドワーフの歌もたくさん覚えた。
今度、披露してやるよ。
[快闊なコエは、ユーリエからの品を託されるに及び、すっと静かで落ち着いたものになる。]
あのひとらしい伝言だ。
いつでも、物事のいい方を見て、前向きだった。
おまえに、とてもよく似ていた。
[ロー・シェンは、苦笑でディークの放埒を許した。>>193
後悔先に立たずだが、最初からすべてロー・シェンに話しておけば、長い間、彼を苦しめることもなかったはずだ、と胸が痛い。]
俺は、勝手な男だよ。
[この想いもあわせて、そうだ。]
今度は、長くは待たせないさ。
[ロー・シェンから受け取ったものは、しっかりと胸の内に収めておいた。]
[魔王を乗せたナールは、真っ直ぐにロー・シェンを目指した。
四つの足で地面を蹴り、しなやかな体をくねらせて距離を詰める。
口の端からは時折、黒い霧が漏れた。]
来い、ロー・シェン。
我の手で死ぬ栄誉を与えてやろう。
[くああ、とナールが前脚を半ば浮かせて威嚇する。
そして、猛然と突進した。
愉しげな笑みを浮かべた魔王は、槍試合のように長槍を構えている。]*
[どこからともなくカードを一枚、取り出して、ロー・シェンに差し出す。]
これ、お守りに持っててくれ。
[ある意味、ディークの身体の一部である。
それを知るロー・シェンに、残してゆく。]
助けが欲しくなったら、俺に呼びかけろ。
遠隔操作で閃光炸裂させる。
目くらまし程度だろうが、その一瞬の隙があれば、おまえなら活路を見出せると期待してる。*
/*
あ。ディークがちゃんとアイテム渡してる。
よし。これで祓魔の剣完全防御しても問題ないな!(←
今日、消費されなければだけどー。
/*
やっぱりねー。
こっちが文章落とすタイミングがちょっと早いんだよねー。
だから、相手の文章を取りこぼすという悲しさ。
承知した。
そちらは頼む。
十分に気をつけてくれ。
[背を託すかのように紡ぎ、男は為すべきを為しに行く。
シラー奪還が成ればあちらへの加勢も可能となる。
己が為すべきはただ一つ、と。
男は前を見据えた**]
/*
実はこの灰をだらだら落としまくるスタイル、保留時間の関係で後から挟まってくる通常発言を見落としやすいんである。
(自重しなさい
[灰色の騎士たちの戦場──否、そこだけは既に狩場の様相か。
ともあれ、立ち込める霧に近づくほどに感じるのは強い瘴気]
……っ!
[他よりも耐性があるとは言え、長く晒されればただでは済まない。
万全であるならともかく、今はそうとは言い切れない状態だからだ]
さっさと、片付けるに限る……か!
[低い呟きの後、一騎との距離を詰める。
灰色が翻り、赤い光がこちらを向く。
それに返すのは、揺らぎなき亜麻色の瞳]
……はっ!
[気合と共に地を蹴り、高く跳ぶ。
大鎌は右肩に担ぐ構えで振りかぶり、勢いを乗せて騎士へと振り下ろした]
くっ……!
[大鎌の刃が触れた瞬間、灰色のフードが裂けて中に渦巻く瘴気があふれ出す。
それが齎す衝撃は少なくないが、そのまま勢い任せに斬り下ろし、影の馬諸共に斬り裂いた]
……ひとつ!
[数え上げつつ、地に膝を突いて。
低く身構えながら、次の一騎との距離を測った。*]
転移術、一回分、使わせてもらうぞ。
[ロー・シェンに許諾をとり、しかるべき者に施術を頼む。
ヒトガタ同伴のチャンスをふいにしたかもしれないなんて、そんな残念なことは知らぬが仏。>>186
「どこまで飛ばせばいいんですか」と問う術者に、吼え猛る城を指さして絶句された。
儀式の準備が整うまで、野の花でミニブーケを作り、杖代わりになりそうな枝を一本、調達しておく。]
お招きいただいて、手ぶらというわけにもいかないさ。
[術者は黙って首を横に振り、かくして、魔導炉への瞬間移動の術が執り行われる。*]
姉上が俺に?
[ 良く似ていたというディークの言葉に、不思議そうに瞬く ]
兄上には似ていると、最近は言われるが...ああでも、父上は俺の笑う顔が姉上に似ていると言ってたな。そうか...
うん、姉上は、優しさと強さを内に秘めた人だった、似ていると、お前が思ってくれるなら、俺も嬉しい。
[ そう答えて笑う。その笑みこそが良く似ていると、父王がここに居たなら言うだろう ]
あの時に死んでおけば、苦しまずに済んだだろうに。
[疾駆する竜と馬との交錯は一瞬。
魔力の槍は、真っ直ぐに太陽の旗手へと向けられる。
魔王自身は、一切の回避を考えない体勢だった。
ただ、左手が手綱から離れ、こちらも魔力の光を帯びる。]
その減らぬ口を、貫いてくれる!
[すれ違う瞬間、魔力の槍が突き出される//]
ハアアッ!!
[ 騎手を振り落とさんばかりの跳躍にも、小揺るぎもせず、男が槍を突き出し狙ったのは、魔王その人、ではなく、黒竜の右目* ]
─
[空間の歪みを感じ取る]
──
[渓谷を削り、瓦礫で埋めながら進む魔法兵器の速度がやや遅くなった。
魔の波動がうねり、獣が喉を鳴らすような音を立てる]
『来た』
[顎を開いたツィーアの内部で誘う光が走るのは前回と同じ。ただ、より不穏に蠢く気配に満ちていた]
/*
あー。そうくるかー。
ナールは後で消費する予定があるから、ちょっと死なせられないな。
右目ぐらいはどんどんあげちゃうけどねー。
[突然飛び込み、一騎を両断した娘を灰色の騎士たちが取り囲む。
どうやら、こちらを危険と見なしたらしい──或いは、近しき力に寄せられたか]
……どちらにせよ、単純だな。
[引き寄せられるならばその方がいい。
これがあちこちに散ろうものなら、それこそ大惨事だ。
一騎ずつ、確実に仕留めなければ、と。
そう思いながら呼吸を整え]
……次、もらうぞ!
[一声あげて、駆けだす。
低い姿勢のまま、大鎌は自身の右横に流す態。
騎乗する敵と相対するならば、『低さ』を利用するのも一つの手。
もっとも、視覚に頼らぬ騎士たち相手にはその効果は薄かろうが。
灰色の一騎に真っ向から向かう、と見せかけ、直前で横へと滑る。
円陣組む二騎の間に滑り込み、右手の向きを変える事で力をかける方向をも変えて]
はっ!
[気合と共に石突を前へと突きだしつつ、同時、手前にかけた左腕を引く。
銀月の刃が弧を描き、影の馬の一頭の前脚を斬り払い、もう一頭の後脚を打ち据えた]
[本来であれば、物理的な衝撃などは物ともしないであろう、影の馬。
それに、打撃による衝撃が通ったのは、異界のむ戦士の血より生じし魔鎌のそれであるが故か。
何れにしろ、前脚を失った馬は霧に溶けるように消え失せ、柄に打ち据えられた馬は大きく身を震わせ、態勢を崩した。
その隙を逃すことなく、娘は再び右手の向きを変えながら体の向きを変え]
……そらっ!
[掛け声と共に跳ね上がりながら、同時、大鎌を切り上げた。
霧を裂き、天に昇るが如き動きで銀月が舞い、それは灰色の騎士を切り裂いた]
……ふたつめ!
[霧の中、響く声音に宿るのは、どこか楽し気ないろ。*]
/*
は、いけない。
楽し過ぎてついついじっくり書いてるけど、ある程度巻いていかなくては。
[※大鎌アクション久しぶりでなんかこわれている]
[ナール鼻先で、馬が跳躍する。
その騎手の槍先が、真っ直ぐに黒竜の目に向かい、過たずに貫いた。
すさまじい咆哮を上げながらナールが後脚で立ち上がり、腐毒の霧を吐き散らしながら尾と翼で周囲を薙ぎ払う。
さしもの魔王も、バランスを取るのに気を取られた。]
ナール。見苦しいぞ。
[低い声で囁かれて黒竜は暴れるのを止め、残る左目で敵を探す。]
あそこだ。
[魔王は手にしていた槍をロー・シェンめがけて投げ放つ。
それを追うようにナールの首が動き、牙の並んだ口が開いて爛れた霧が奥から噴出した。]
/*
アイリちゃんが楽しそう。
でも、時間を見るね。ガン見するね。
11時ぐらいから仕掛けようか。
そうすると最低でも三合くらいはできる、気がする。
/*
それとも、さっさと仕掛けておいて、後はツィーアに任せるのもあり?
ううー。せめて七騎士が半減くらいしてからがいいのう。
─ 魔都シラー ─
[各地に築き上げられた物々しい監視塔。
その時、塔にいたのは殆どが人間だった。
奴隷に奴隷を監視させ、奴隷に家畜を虐げさせる。
人間同士に上下を作り不信と絶望を増やしていく、シラーを纏めるオークにとっては当然の統治術。
反抗勢力との小競り合いこそあれど。たまに取り逃がす程度のことは些細だと判じていた。
家畜は殴れば悲鳴をあげる、いつも通り。いつも通り。
闇の中で響く鈴の音>>5:42にも、監視塔に配置した奴隷達が口ずさむ歌>>4:265に注意を払いもしなかった]*
― Z ―
[空間転移して出現したディークを、城は顎を開いて呑み込み迎える。
魔王の作り上げた破滅の装置。
唸るような振動に、肌がビリビリ震えた。
誘う光の先、魔導炉の上で、ディークは壁の装飾の間にひっかけた杖に片手でぶら下がる。]
ディークだ。
この度は、お誘い、感謝する。
こうしているのも疲れるんで、休める場所を用意してくれるとありがたいな。
あと、花瓶ある?
[手にした花を振ってみせた。]
/*
あっっ。
ひょっとして、そのまま距離取ったような気がしてたけど、
もしやナールの頭にとりついたまんまだった??
そんな想定だったらすまんすまん。
あわあわ。やっぱり対人戦難しい。
[二騎目を霧へと戻した背後に、先に馬を無くした騎士が揺らめき立つ。
無音で振り上げられた剣が赤紅へと振り下ろされた]
……っ!
[こちらは不安定な態勢からの連撃のため、安定を欠いている。
とっさに前へ向けて転がるものの、冷たい刃が僅かに右の肩を裂いた]
……ち。
あまり、傷はうけられない、な……!
[傷から零れたのが血だけではないような気がして、低く呟く。
所謂生命力とか、そう言ったものが奪われるような──そんな心地がしていた]
[態勢を立て直し、徒歩となった騎士と正対する。
直後、一気に駆けだし、大鎌を真横に一閃した。
時間をかければこちらが不利になるし、戦況にも影響するだろう。
霧から放たれる瘴気に当てられている者も少なくはないはずだ]
……みっつめ!
[横薙ぎの一閃で目の前の騎士の胴を斬り払い、その勢いに乗せてくるりと身を翻す。
ふわり、と舞う赤紅の花弁は霧の中でも鮮やかに花開いた]
ついでに、もうひとつっ!
[花弁が揺れる間も銀月は止まる事無く、上を向く。
高く掲げられた牙は背後に迫る灰色の騎士と正対すると同時、勢いよくその上へと落ちた。
四度散る、霧と瘴気。
亜麻色は周囲を見回し、残りの騎士との距離を測る。*]
『ディーク』
[腹の中にある気配。
声を振動として読み取り、その名を繰り返す。
ずると壁から生えるのは、先日はなかった滑らかな触手。
動物性でも植物性でもない巨大な鞭は、淡く光る舌を広げて気配の下に広げた]
『花瓶?なんだ
"料理"か?』
[動く小さな何かに誘われるように、空中の光がゆらゆら動いた]
[ 槍は狙い通り黒竜の右目を貫いたが、暴れる竜の上から、魔王を落とすまでには至らない。
ばかりか、言葉ひとつで黒竜を制した魔王の手から、魔力の槍が、男めがけて投じられ、同時に、片目を失い、怒りに燃える竜の口から爛れた霧が、吐き出された ]
くあっ!
[ 咄嗟に手綱を引き、魔力の槍を横へと避けたが、その光が掠めただけで、首筋と肩に同時に幾筋もの裂傷が走る ]
ぐ...。
[ 遅れて襲ってきた霧は、触れれば死を齎すものだと知っている。
男は、霧から逃れるように、馬首を返して、大きく左へと迂回する* ]
― 牙の舞いを遠望して ―
[ロー・シェンと対峙する間にも、周囲の戦闘は激化している。
その中に、宝石が砕ける音を拾って魔王は視線を横へ投げた。
ナールの鞍に乗せておいた笏の宝石が、半数以上砕けている。]
なに───?
[遠くに視線を遣れば、鎌持つ娘一人を囲む七騎士の、数討ち減らした姿が見えた。
……シメオンの玩具か。
己の玩具の始末一つできぬとは、死してまでも使えぬ奴…
───いや、あれは、…そうか。
[娘を見やる視線が一旦止まる。
首のあたりに感じるのは、よく知る気配だ。]
なるほど。
少しは面白いものも残してあるということか。
いいだろう。我が遊んでやろう。
[低く笑うと、呼びかけるように娘の方へ手を差し出す。]
シメオン=カザエル・ユートエニアムが残せし力の残滓よ
我が求めに応じ、今一度形を成せ
[呪に応じて、娘の首を取り囲む黒い痕から闇が伸び、実体を持つ環として再生する。
支配の力は無い。
だがそれは単純に娘の喉を締め付けて息を細くした。]*
[城の速度が遅くなったのは、地形のせいか、ディークに関心が向いているからか。
壁から触手が生えてくるのを見て、怖いと思いつつも、好奇心を掻き立てられる。
さすがにあそこに座れというわけじゃないよな?]
いや、食用ではないんだが…見えないなら、触ってみるといい。
おまえへの贈り物だ。 綺麗なものだよ。
[淡く光る舌のような部分に、ブーケを放った。]
[外していた視線を再びロー・シェンへと戻す。
目のない側へ動かれるのを嫌がって、ナールは大きく首を横に曲げた。]
あの娘、よくも手懐けたものだな。
シメオンのお気に入りの玩具であったが、
……ああ、そうだ。
シメオンがいなくなったのだから、あれも我のものにするのだった。
[再び槍を生じさせながら、魔王は良いことを思い出したとばかりに幾度か頷く。]*
─ 渓谷 ─
[深い霧と瘴気、そして死が満ちる谷。
鉄底族のハルバードの前には、群れ集る亜人達など無力に過ぎない。
ドワーフにとってもっとも脅威となるはずの魔王直属の騎士達は、銀月牙を相手にその数を減らしつつあった。
だが]
……っ!
[ぐあん、という轟音と共に、強固な陣を組んでいた鉄底族のうちの一体が輪から弾き飛ばされる。
そのフルプレートに覆われた体躯は亜人の群れへと投げ出され──起き上がる隙をとらせまいと殺到する有象無象によって瞬く間に見えなくなった]
― シラー ―
[街道付近までは全速で駆け抜け、街道に出た後は駆け足で先へと進む。
闇の帳落ちる街道を行く一団は着実にシラーへと近付いていた。
民達は恐怖の中、震え眠りにつく頃だろうか。
それとも
逸る気持ちを抑え、軍の足並みを揃える。
やがて、シラーの城壁が暗闇に浮かび上がってきた]
全軍、全速。
門を駆け抜けよ!
[先頭に立ち、男は突撃の指示を出す。
闇に棚引く土埃は見張りの亜人達の目にも入っただろう。
異変に気付き門を閉めんと慌てふためく中を、男は先陣を切り門を駆け抜けた。
後に続く騎士や兵の一部が門に留まり見張りをしていた亜人達に斬りかかる]
民の保護を優先せよ!
逃げる者は追わずとも良い!
我らが目指すは我らの国をこの手に取り戻すことである!
[男の軍が雪崩れ込んだことで門扉周辺は騒然となった。
見張りだけでなく、そこかしこで宴をしていた亜人達も顔を覗かせ、戦いに加わってくる。
その中で、商いをするような亜人達は我先にと逃げ出す者が多かった。
逃げるであれば力は持つまいと、男は民の保護を優先させた]
は…
[軽く息を吐き、
振り下ろされる斧槍を視界に捉える。
豪速のそれを受け止めることはせず、風をひとつ吹かせた後にはヒトガタはドワーフの戦士の背後]
…、
[するりと伸ばされた手は兜の横から女の耳を掠め、
三つ編みと繁った髭を切り落としながら首筋へ短剣を突き立てた]
魔法兵、声を。
[緒戦でロー・シェンが使った声の拡大魔法を魔法兵に指示する]
シラーに在りしモンテリーの民達よ!
黎明の時は来た!
今こそ立ち上がり、我らが地をその手に取り戻せ!
[響く声にそれまで静寂に包まれていた場所からも声が上がり始めた]
「あの声は将軍だ、間違い無い!」
「将軍が戻って来たぞ! 俺達も加勢に行こう!」
[守備隊としてシラーに詰め、民を護るためにそのまま囚われていた兵達が立ち上がる]
「黎明…?」
「夜明け……ううん、希望だ。あれは私達の希望だよ!」
[監視塔で人々を監視させられていた者達が瞳に光を宿す]
「この機を逃すな!」
「これまでの借りを返してやる!」
[抵抗を続けていた有志達が声をあげ戦線に加わる]
[斃れる戦士を離れたヒトガタの軌跡は、鉄底の強固な檻を流れる水のように、
すり抜け掻い潜って、また懐のあいた戦士を見つけ出すと体当たりを加えた。質量の差を無視した衝撃はドワーフの体躯を宙へと舞い上がらせる。
そして振り返りざま、目の前の戦士の肩上へと飛び上がって鎧の隙間へ片手剣を柔らかく挿し込んだ]*
[そこかしこで声や戦闘音が響く中、男はシラーに駐留する魔軍の頭を探し駆けた]
我らが地に巣食う魔の者共よ!
我が前に出やれ!!
我が名はヨセフ・トネール・ド・モンテリー!
この地を守護する者なり!
[声を張り上げながら疾駆すると、処刑台が立てられた広場に数体のオークが待ち構えていた。
視線が交わされるとどちらとも無く距離を詰め、その手に握る得物を打ち合わせる。
男は愛馬を繰り、オーク達の間を駆け抜けながらロングソードで相手の武器を弾くと、距離を取った先で愛馬から飛び降りた]
──── 推して参る
[右手にロングソードを握り、左半身の体勢でオーク達に向き直る。
この地の統治者らしきオークの一団目掛け、男が単騎で躍り掛かった*]
[四騎落として、残るは三騎。
瘴気を帯びた霧に触れ続けた銀月の牙は、薄暗いその場で仄かに煌めく]
……は。
アヴァーンガルデを正式に担ってから、場数は踏んできたが。
こんな状況での戦いは、初めてだ。
[口調は楽し気だが、ほんの少し息が荒い。
半魔の身とは言え、濃い瘴気に晒され続ければさすがに堪える。
それでも、これは自分が、自分だから為せる事だから、と。
そう、繰り返す事で意識を保った]
……月は、狂気の象徴、とも言うがな。
[低い呟きと共に、息を吐いて]
あたしは、瘴気に飲まれて狂気に走る事は、もう、しないっ……!
[闇に飲まれた孤独な月ではなくなったのだから、と。
そう、言い聞かせる事で自身を奮い立たせる。
照らしてくれる陽があるのだから、闇に沈みはしないのだ──と]
……そろそろ、終わりにするぞ!
[宣と共に、残る三騎へ向けて駆ける。
灰色の騎士たちが応じるように剣を構えた。
駆けた娘が向かうのは、右手の騎士。
軽い跳躍から横薙ぎの一閃を放ち、そのまま、隣の騎士へと向けて刃を振り抜いた。
相手が近接していた事と、人ならざるものから継いだ身体能力故に適う無茶。
二騎を更に斬り払い、残るは一騎、と。
そう思いながら地に降りて、態勢を整えるべく後ろへ飛びずさった時]
……!
[締め上げられる感触に、息が詰まる。
与えられた呪が為すのがそれだけとは知る由もなく。
牙の動きは刹那、完全に止まった。*]
……や……だ。
[締められる感触が思い起こさせるのは、自由を失った日。
違う、あの時とは違う──と、思いながらも恐怖が蘇るのは止められず]
…………たすけ…………シェン…………。
[無自覚、落とすのは、あの時と同じ、助けを求めるコエ、ひとつ。*]
[ 霧に巻かれぬよう、竜の死角となるはずの右目の方向へと迂回しながら、男は魔王の様子が変化したのを見て取った。>>240
その視線が、死霊の騎士と闘うアイリへと向かうのを見て、瘴気に巻かれて地に倒れていた鉄底族の戦士が握っていた斧槍を、自らの槍の穂先で引っ掛けるようにして掬い上げ、ずしりと重いそれを手にする ]
お前の相手は、俺だっ!!余所見をするな!!
[ 吠えるように声をあげながら、斧槍を両手で握り、一度背後に引いて回転をかけるようにして、勢い良く魔王と黒竜に向かって投げつける。あまり狙いの定まらない投げ方ではあったから、当たるどうか、当たり所も運次第に近い ]
─ Z ─
『休むのではないのか?』
[ディーク、の代わりに落下してきたのは軽い感触。
先日ヒトガタと共に訪れた西の平原で、匂いを嗅いだ"花"とそれが同じものだと思い当たるまではかなりの時間がかかる]
『美しいものは不要だ
だが贈り物ならば、受けよう』
[ブーケを拾い上げた別の細い繊手がそれを矯めつ眇めつするように揺らし、
やがてそれを壁の一部にあった装飾のくぼみへ挿した。
凹みに物を置くのは、我が王がやっていたことの真似だ]
『それで、遊びに来たのだろう
遊んだらお前を裂いてみよう、好いな』
[ 魔王の術に喉を締められ、助けを求める娘のコエが届けば、男の心は、一気にそちらへと引き寄せられる ]
リーッ!!
[ コエと同じ叫びを声にも乗せて、魔王の槍の行方も見ず、アイリの元へと駆けようとする* ]
礼儀正しいな。
それも魔王の薫陶か?
[意志をもつ大きなものと過ごすのは、楽しい。
けれど、これは、ここにあってはならぬものだ。
人間の都合によれば、そうなる。
何故、自分を求めたか聞こうとした矢先──Zの方で確認の言葉を投げてきた。]
ああ、んん。
命がけの遊びだな。
俺が来たのは、おまえを止めるためだって──言っとくな。
これ以上、動かれると、みんな無くなってしまう。
俺を裂くなら、おまえも壊れる覚悟でよろしく。
[飛んできた斧槍を顔の前で受け止める。
柄ではなく、分厚い刃の部分を掌で掴んでいた。
刃は、手に集められた魔力にわずか食い込んで止まっている。]
ほう?
[今までとは違う様相で叫んだ敵手は、続けて攻撃を仕掛けてくるのかと思いきや、この魔王に背を向けて娘の方へと駆けていく。]
なるほど?
余所見をするなと言わなかったか?
それとも、あの娘がそんなに大事か?
[手にした槍の形状が微妙に変わった。
三つ又の槍を、馬の脚めがけて投げつける。]*
[同時に、空いた右手を宙に挙げて、糸を巻き取る様な動作をした。
銀月牙の娘の首輪に繋がった、見えぬ糸がぴんと張る。
それを、さながら首輪の綱を引くように引き寄せる。
抵抗すれば引き寄せられない程度の力。
そして、切ろうと思えば切れる糸ではある。]*
[カードで敵う相手ではないのは先刻承知の上だ。
ここには、知られて困る人目もない。
ディークは額のバンダナを捨てた。]
《
[閃光の中で、天界人としての姿を発現する。*]
ツィーア。
ドワーフどもなど後回しで良い。
あれだ。あの娘を殺してこい。
ロー・シェンがいい顔を見せてくれるに違いないぞ。
…よそ見をするなと言っているぞ…
[小声の呟き。
降りしきる血霧を躱して跳躍しながら、瞳は魔王の姿を探している。
嗜めるような言葉を紡ぎながら、ヒトガタの意識はロー・シェンの動く姿を追ってもいた]
我を目の前にして背を向けるほどだ。
よほど心寄せるものなのだろうよ。
喰らっていいぞ、ツィーア。
身体を持ち帰ったなら、人形をまた改良しようか。
あれの戦闘能力は素晴らしい。
あの鎌は、使えるようになるだろうかな。
/*
あっ。
ひょっとしてこれ、
魔王様が自分でキリングした方が良かった奴じゃね?!
あわわわ。やっちまったぜべいべ。
でもね、でもね、
隙あらば体もってかえりたいからね!(
多分ローシェンも持って帰りたいだろうけれど
お持ち帰りしたいからね!!!
……
[ガツ、盾を砕かれたドワーフがたたらを踏む、その頭上を飛び越えた]
──殺せばいいのか
[ツィーアの核が涼やかに鳴った。
ヒトガタの動きは人よりも馬よりもずっと速い。
ひとつ、ふたつと鼓動を盗むように霧の中を駆けて]
[ ヒトガタの核の鳴る音は、男の耳にも聞こえた ]
......!
[ はっと、顔を向け、同時に痛みを堪えて地を蹴り、走り出す ]
リーッ!逃げろっ!!
[ 駆けながら、腰のクレイモアを抜き、首から小袋を引きちぎるように取り、最後に残った魔石を掌に握る......けれど、全力で走ったとしても、ヒトガタの速度には及ぶまい* ]
おまえが我から気を逸らすからだぞ?
我はこれほどにもおまえを引き裂きたくてたまらないというのに。
我よりもあの娘の方が大切だと言うのなら、先に懸念を取り除いてやろう。
おまえの前で、あの娘を殺してな。
[嬉々としてロー・シェンに言葉を投げて近寄っていく。
歩む彼を踏みつけるべくナールの足が振り下ろされた。]
……気楽に、いわない。
[現実に叫ばれた、逃げろと言う声。
それへの突っ込みは、コエに落ちた]
諦める気、ないけど……ちょっと、難しい、よ……。
─ Z ─
[魔王カナン・ディ=ラーグによって重い封印をかけられたまま、凪の面を覗かせている魔導炉。
その上に光──魔の光ではない天のいろが輝いた]
『ああ、 天使』
[魔導の波動は声を紡ぎ、音を揺らす]
『何故だ?
すべてを無くすためだけに私は生まれたのに』
[翼もつ者に、足場はいらないだろう。
触手は滑らかな肌を広げるのをやめ、鞭のごとく撓って天界人へ伸びた]*
人形の素体を刈ってきたのがあの娘で、
あの娘の命を刈るのが人形か。
なんとも麗しい円環ではないか。
ふふ。きっとロー・シェンも楽しんでくれようよ。
[機嫌のいい魔王の声は、返事など待たずに紡がれる。
愉快でたまらない、という風だった。]
/*
そうだよねー。だよねー。
あの瞬間に魔王の槍がアイリをざくー!でもよかったよねー。
そうしたら、アイリとローシェンがたっぷりお別れの会話できたよねー。
でも、きっとそのままローシェンがアイリ持って帰っちゃうからさー。魔王様的には嬉しくないわけでさー。
やっぱりー。魔王様としてはー、アイリ欲しいじゃん?
(ぐたぐだと管を巻く魔王様)
話したいこともあった
クレステッドではなく俺の、怨嗟を
[娘から視線を銀の月へ向ける。
それを拾い上げることはせず、左手を宙へ上げた。
何もない空に 半透明の鎌を生み出す]
……だがもう殺す
[あの胸をアイリの月が貫いた時──
記憶は鮮明に何度でも、死の瞬間を繰り返してきた。
ヒトガタはその記憶を参照し、再現する。
振りかぶる死の鎌は狂わぬ軌跡で 娘の背を指した]
/*
そしてふたたび桟敷席に引っ込む魔王様。(お茶ずずー
やあ、最近ずっとここだったから、こっちの方が落ち着くわぁ。
(お茶菓子ばりばりー
[もはや、身体を支える杖は不要だった。
背に負う二枚の眩い翼がその身を宙に浮かべる。
伸びやかな鞭が迫るのを、目を細めて見た。
「すべてを無くすためだけに私は生まれた」と音を生む波動に包まれる。]
これから別の夢、奏でてみないか。
[光はなおも白熱し、ほとんど天青石の色をした焔となって、翼の起こす風に乗せて吹き荒れた。
出し惜しむ気はない。全力である。]
だって
『だって…』
ボクらは先生のもの
『ワタシたちの生も、死も、―――』
最初に生かしてくれたのは先生だから
『最期に壊してくれるのも先生がいいの』
――――… ボクらのすべてはあなたのもの
[死して変わらぬ *永久の誓い*]
……うん。
あたしもね、一緒にいたいよ。
でも……身体、持たない、かも。
命、使いすぎてる、から。
[ぽつり、と落としたのは、今まで隠していた事]
…………あたしの治癒の対価は、自分の命。
だから、ほんとに大事な……使っても、絶対に後悔しないひとにだけ、使いなさいって、言われて、ね。
……途中、ちょっと無駄づかいしたのも、まずかったかなぁ……。
[落ちるコエは、いつもと変わらない──否、いつもよりも穏やかな響きを帯びたもの]
……怨嗟……おま、え、の?
[綴られる声に、掠れた声を落とす。
疑問に返る声はなく──生み出されるのは、半透明の鎌]
……っ!
[避ける事など叶わぬ状況、半透明の刃は背から胸を貫いて──]
[貫かれる衝撃に、息が詰まる。
鋭い痛みに、ああ、こういうものなんだ、という妙な感慨が過ったのは刹那の事]
…………シェ…………ン…………ごめ…………。
[ごめんね、と。
言いかけた言葉は、ただ、風に舞って──散り果てた。**]
ああ、強いぞ。
とても強い。
なにしろ、我の騎士を壊滅させてくれたからな。
何と言っていたかな…半端者?
…いや、掛け合わせだ。
魔物と人間の半分ずつで、戦闘技術は申し分ない。
人形にこの娘の記憶を加えたら、また強くなるだろうなあ。
[鎌を握る指が震えた。
兄上、と記憶の通りに呼ぶ声がする。
顔を上げないまま、喉を引き攣らせた]
……無理だ
俺は
ロシェ──逃
[囁くような、記憶の再現。
月の背に、銀の月が飲み込まれていくのを薄青の瞳が見つめていた*]
知ってる...知ってた...お前が、お前の命で俺を救ってくれたって、知っていたよ、リー。
[ 男は、それを予測していた...けれど、止められなかった ]
俺は、結局、お前を守れないままなのか?
お前の笑顔を...
[ コエは、哀しみに満ちて ]
……シェン、ごめん、ね。
探してくれて、見つけてくれた、のに。
…………約束、ちゃん、と。
果たせなく、て。
…………言いたい事、まだまだあったんだけど。
おいつかない……や。
[それでも、と。
ひとつくらいは、と、意識をぎりぎり、保たせて]
― シラー奪還戦 ―
[男は左腕を視界の軸とするように前方に掲げ、振り下ろされるオークの武器を紙一重で、或いは籠手を当てることで往なし、その懐に踏み込まんとする。
己の右側に武器が通れば相手の首を狙い剣を繰り出し、左側に往なせば前方へと踏み込みながら右回転をかけ、振り返り様に胴を薙いだ。
屈強なるオーク達は流石に一撃では倒れてくれない。
けれど男は確実に、時に反撃を受けながらもオークの体力を削いで行った]
っ は、 ぁ、
[いつもは使わぬ武器であるために、男の動きも万全ではない。
ただでさえオーク数体を相手にするのは骨が折れること。
息を上げながらも男はそれでも諦めなかった]
……ううん。
まもってくれてた、よ。
あたしが壊れなかったのは、シェンのおかげ、
だから。
だから、また、逢えて。
うれしかったのは……ほんと、だよ?
[ぽつり、と落ちたのはどこか稚い響きの感謝のコエ。
その後に落ちるのは──沈黙、のみ。**]
せいっ!
[武器を振り上げるオークに先んじて蹴りを一つ放つ。
体勢を崩す間に横から飛びかかってきたもう1体のオークの武器を振り上げた剣で受け止めた。
拮抗する力にギチギチと武器同士が悲鳴を上げる]
[離れねば、と剣を引く機を窺っていた時、蹴り飛ばしたオークが体勢を戻し再び男に襲いかかって来た]
しまっ───!
[間に合わぬ、と身に衝撃が走るのを覚悟する]
[けれどその衝撃は終ぞ男に届くことはなかった。
眩い矢がかけたと思うや、武器を振りおろさんとしていたオークに直撃する。
聖の力を帯びた矢を受けて、オークは断末魔の叫びを上げて地面を転がった]
っ、 おおおおっ!
[男は突然のことに驚きながらも、受け止めていた剣を引き、相対していたオークと距離を取った後、前のめりになったオークの横を駆け抜け、首へと剣を振るった。
血飛沫を撒き散らし、オークの身体は頽れる]
[顔へと返った血を拭いながら、男は光の矢が飛んで来た方を見遣った]
「案外無茶をするのね。
これだけのオークを相手に一人で立ち向かうなんて」
[鈴のような透明度のある声が響く。
姿を見るに踊り子のようだ]
助力感謝する。
……もしや、貴女はローグの民か?
[手助けの礼を告げ、次いで問いを男は投げる。
彼女がロー・シェンから渡されたスカーフと同じものを身につけていたからだ。
「そうよ」と短い肯定が返る]
ロー・シェン・アウルム・ド・レオヴィルからの伝令は聞いているだろうか。
…申し遅れた。
私はヨセフ・トネール・ド・モンテリー。
彼と共に魔軍との戦いに身を投じている。
[気が逸り、伝令のことを問うてから己の名を名乗る。
左腕のスカーフを見せれば、踊り子はどこか納得した様子で頷いた]
「えぇ、聞いているわ。
ここに滞在していたのもそのためよ。
私達は貴方方に加勢するわ」
…感謝する。
[色よい返事に男はロー・シェンに感謝しながら、安堵の息を吐いた]
先ずはシラーから魔軍を追い払い、民達の安全を確保したい。
[目的を告げると踊り子は諾を返し、方々に居るローグの民達へその意思を伝えてくれた。
彼女らローグの民とは落ち着いた頃に再び会う約束をして、男は戦列へと戻る]
[魔が蔓延る
深い闇が斬り祓われ、光が満ち行くのは最早時間の問題だった*]
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