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古ぼけた歴史書 は 上級将校 サシャ に投票した
盟主 ジェフロイ は 上級将校 サシャ に投票した
共和国大使 カナン は 上級将校 サシャ に投票した
上級将校 サシャ は 上級将校 サシャ に投票した
共和国大使補佐 シメオン は 上級将校 サシャ に投票した
巫女姫 シルキー は 上級将校 サシャ に投票した
山岳の民 ヴェルザンディ は 上級将校 サシャ に投票した
貴族 クレメンス は 上級将校 サシャ に投票した
貴族 ソマリ は 上級将校 サシャ に投票した
元軍将校 ガートルート は 上級将校 サシャ に投票した
騎士団 隊長 フィオン は 上級将校 サシャ に投票した
影の軍師 アレクシス は 上級将校 サシャ に投票した
上級将校 サシャ は村人の手により処刑された。
次の日の朝、騎士団 隊長 フィオン が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、古ぼけた歴史書 、盟主 ジェフロイ、共和国大使 カナン、共和国大使補佐 シメオン、巫女姫 シルキー、山岳の民 ヴェルザンディ、貴族 クレメンス、貴族 ソマリ、元軍将校 ガートルート、影の軍師 アレクシスの10名。
記録されている中で、ナミュール解放連盟とナミュール王府の最初の大きな武力衝突は、南島南部における戦いであった。
宣戦布告の後も南島に駐留を続けた王国騎士団と解放軍との間に起きた戦いで、騎士団は大きな打撃を受けて敗退している。
ナミュール全土に大きな衝撃を与えるに足る出来事だった。
同じ時期、北島の有力諸侯の間で緊張が高まり、一部では流血も見られたとされる。また南方諸侯のひとつスルジエ領へと討伐の軍が出されたのもこのころである。
ナミュールが揺れ動く中、巫女姫とマチュザレム共和国の使節団との正式な会見が行われようとしていた。
――― ロバート・ヘルグムント著 「ナミュール島年代記」
/*
「サシャ」と「フィオン」は、熱戦、お疲れ様でした。
墓下あたためよろしくお願いします。
本日、事前投票デーです。
【本日24時(=3/15の0時)までに、次の墓落ちに推挙する PC2名 を挙げてください。】
これより物語の後半に突入となります。
最終日(地上PC5名)を視野に入れつつ、選んでください。
疲れも溜まってきている頃合いでしょうが、体調に気をつけつつ盛り上げていきましょう。
― オプティモ・カナン出発後 ―
派手にやって良いなら調練もしっかり出来そうだ。
でもオプティモの民が怖がらないようにはしねーとな。
調練場所は関係者以外が立ち入らないようにして欲しい。
見学したい、ってのが居るなら自己責任の下でなら良いぜ。
それから、的に使う砂袋も用意して欲しい。
[隠さずとも良い>>3:486ならば、本来の調練方法でやるのが効率的。
ただ、そのためには民の安全だけは確保しなければならない。
民達を危険に晒してしまっては元も子もないのだ]
さっすがおっさん、頼りになる。
設計図とか
あ、鍛冶の人にはもう一つ、銃剣も作って欲しいな。
ナイフや剣と基本の作り方は同じだからそんなに難しくは無いはずだ。
アタッチメントの部分で苦労するかもしんねーけど。
こっちも俺がアドバイスする。
[クレメンスの顔の広さ>>3:487に感謝する。
作るための材料も確保が難しいかもしれないが、彼ならやってくれるような、そんな気さえしてきた]
反動強ぇーから気をつけろよ。
持ち方はこう、グリップを肩につけて固定するんだ。
こうすることで照準がブレず、命中の精度も上がる。
[私兵に対し持ち方を説明し、銃口を遠く離れた砂袋へと向ける]
《───ゴゥン!》
[耳を劈く轟音が響き、砂袋から砂が舞い上がった]
───とまぁこんな感じ。
弾の装填にはどうしても時間がかかる。
だから、隊を二つに分けて交互に撃つのが良い。
そのためには装填ももたもたしてられねーぜ?
[撃つ練習だけではなく、装填の練習も怠るなと言い聞かせる。
こうして、クレメンス私兵鉄砲隊の調練は着々と進んで行った*]
/*
時に、wikiには火薬はなしですとあったんだが、あれはナミュールにはない。だったのか世界観としてなしだったのか気になるところ(それもあってライフル描写悩んでた)
― オプティモ ―
[ アレイゼル領から脱出した私兵達は、真っすぐ帰領はせずに各地にばらばらに逃亡した。
私兵達の足は、サシャ・ヘイズナイトに鍛えられた僅かの間に、その能力を最大に引き出す術を覚えていて、殆どの兵は追っ手に追いつかれることなく、逃げ延びた。
そうやって逃れた私兵からの鳩が辿り着いたのは、丁度シメオンの求めた馬の用意が整った頃だった ]
― オプティモ ―
[ 果敢にも脱出した後に一度引き返し、サシャと二人の兵が領主自らによって討伐された事を確かめた者による報告もその中には含まれていた ]
ヘイズナイト...最後まで軍人らしい生き様だったようだな。
[ 男が彼女を連れ帰らなければ、彼女が死ぬ事はなかったかもしれない。
それを悔いる事はいくらでも出来たけれど、男はそうはしなかった。
その生き様を選んだのは彼女で、他者がその責を勝手に追うことは、彼女の生き様に対する侮辱でしかない ]
「あいつら、ヘイズナイト隊長をこっそり俺達の
[ 知らせを共に見た側近の私兵が呟いた ]
[ 私兵達の殆どは、疫病で係累を失ったり、海難や災害により孤児となった者で、それ故にもともと同輩を家族とも思う気風が強かった。
その彼等にとって、強く厳しい、けれどどこか孤高の色を纏った彼女の姿は、戦い続ける者の魂を導く存在とも見えていたのだろうか? ]
[大きな瞳を、きょとん。と瞬いた後――]
実験? …やだ、
[朗らかに笑う。鈴が鳴るような軽快なもの]
先生は御存知ないんですか?
この時期の、定番。…だそうですよ?
[自分も今年シュビトに来て初めて知った訳だが、
そんな素振りはおくびにも出さない]
はい、どうぞ。
手作りではありませんから、
味に間違いは無いと思いますけれど――…
[包みを解き、羊羹を口にするアレクシスの姿。
しかも物凄く喜んで]
ふふ、
[その様子が微笑ましくて。つい、にこにこと眺めてしまった]
…良かった。気に入っていただけて。
[少なくとも他の女学生は、教室の脇からこの光景を覗いていただろう。
「ユレ教官、喜びすぎ」
と、彼を巡る噂話?に新しい話題が加わったのは言うまでもない*]
――――、…え?
[付け足された一言。
まるで、自分が思い出していた記憶と共鳴するように。
響いたのは『羊羹』という甘い味の単語]
― オプティモ ―
アレイゼル卿、やはり動いたか。
[ 感傷は束の間、男の意識は、為さねばならぬ事へとすぐに引き戻される ]
伝令を。
近隣の領地から兵を集め、オプティモの防衛線を強化する。
王府の軍にも使者を出せ「北のアレイゼル領に不穏の動き有り、不測の事態に備えられたし」とな。
[ アレイゼル卿がどこへ向かって出陣するつもりなのかの情報は届かなかった。
だが、彼がジェフロイ達と会談した可能性を考えると、シュビトへの出兵は考えにくく、まだ小競り合いにしか過ぎない各地の王府と解放軍との争いに自ら乗り出す意味も、意義もない ]
− ブラバンド −
[アレクシスが戻り、謁見の日取りが告げられる。]
それで問題ない。
巫女姫には多忙な中、日程調整感謝するとお伝えを。
それでは、午後はブラバンドの視察をして過ごさせてもらうとしよう。
[コースや馬車の手配は任せた。]
― オプティモ ―
[ アレイゼル卿の狙いが異国の客人とその荷を隠す、このオプティモの地、いや、クレメンス卿その人であるならば、アレイゼル卿もまた、当地に反乱の兆し有りと主張するだろう。
元より、彼の先代アレイゼル卿との間に諍いの芽が在る事は周知の事実。
恐らく、これを時に乗じた私闘と疑い、王府の軍は動くまい ]
― オプティモ ―
[ シュビトの情勢はどう動いていたか ]
[ 騎士の誇りと巫女姫への敬愛を胸に散った騎士団の最期は、まだ、男の元へも届いてはいない* ]
― オプティモ ―
[ シュビトの情勢はどう動いていたか ]
[ 騎士の誇りと巫女姫への敬愛を胸に散った騎士団の...もう一人の
…、―――さて、
[続いて呼び寄せたのは、侍従]
明日はマチュザレム共和国の使節団との
正式な会見があります。
折角の来訪、手ぶらという訳にもいかないでしょう。
そうですね…
彼の御仁は、見事な金髪だと伺っています。
ですから金箔の品が宜しいでしょう。
職人の渾身の一品を、用意しておいてください。
[手配を済ませ、侍従を下がらせて。
久し振りに、――――私室でつかの間の休息に、身を浸した*]
/*
さて、ちょっと動きに迷ってるわけです。
主に、ソマリ氏にここで討たれるのは、流れ的にちょっと不味いんじゃないかい?という点で。
むしろ彼とは手を組む流れにしたいんだよな、やるなら...
ぶつかった上で手を結ぶ、は、個人的には熱血のような気がするし、おっさんも安心して後を託せるので良いのだが、ソマリ氏はどう考えてるかだねえ。
/*
おおう...まあ、ルディはいかにも落ちる準備だったよね、昨日の動きは。
くそお、触れぬまま終わるのか?[ ハンカチキリキリ ]
/*
一度ぶつかる→騎士団全滅の報→双方退く、は有りか。
ソマリ氏とジェフロイの約束があるしな。
ぶつからずに転進もありそうっちゃありそうだけど。
決戦はどこになるのかねえ...若干読みにくいな、ずっと南から戦線が上がらないのはちょっと、という気がするんだよね。王府に解放軍が迫る位の方が多分熱い。
− ブラバンド −
[ブラバンドの街は、巫女姫の南島御幸からの帰還に沸き立っていた。
彼女の人気の程が肌で感じ取れる。
その陰になって、異国使節の到着に目を向けた者は少ないようだったが、これだけ人目のある街のこと、皆無というわけでもなかった。
カナンが無蓋馬車で市内へ乗り出そうとすると、二人の男が駆け寄ってくる。
すわ、異国人排斥主義者の襲撃かとクレメンスがつけた護衛が素早く間に入ったが、フードを外してカナンに呼びかけるその男たちは、よく知った顔──飛行船の乗組員のものだった。]
サイード! ニール!
[カナンは馬車を飛び降りて、二人まとめてハグする。]
/*
とりあえず流れを見よう。
なんとかうまく、流れが繋げますように。
あと軍団戦ロールになったら、ちゃんと回せますように...(祈
よかった── 今までどうやって、
[経緯を問えば、二人は身振りを交えて交互に話し出す。
シメオンの的確な脱出指示で一緒に飛行船から飛び降りたから離ればなれになることなく済んだこと、
そして、異国人とバレると酷い目にあうかもしれないと考え、素性を隠したまま他の仲間の手がかりを求めて人の多い首都へやってきたこと、
仲間が怪我をして収容されているんじゃないかと病院に出入りしているうちに皆が厭がる天然痘患者の世話を進んで引き受けたので重宝がられ、臨時雇用されて生活していたこと。]
ああ、ナミールではまだ…
[街にあばた面の目立つ人たちがいるのは気づいていた。
天然痘にかかった痕跡だ。
強い感染力をもつその患者と接してどうして無事なのかと、サイードとニールは次第に周囲から不思議がられ、問いつめられて困ったという。
マチュザレムではすでに広まっている種痘接種を受けているせいだと言えば身許がバレるから「信心深いからだよ!」と言い逃れてきたが、それもそろそろ限界と思っていた──との話。]
病院にはあとで話を通す。
おまえたち、このままおれと来い。
[カナンは二人を馬車に乗せ、再会を喜んだ。]
シメオン、聞いてくれ!
ブラバンドで、サイードとニールが見つかった!
二人とも無事で、元気だ。
しっかり自活してたぜ。
[第一報を送る。]
二人からも、そっちの皆によろしく、だと。
― ブラバンド・会見の日 ―
[翌朝。
暖かい春の中でも、陽気が濃くて青い空が眩しい日。
私室の窓を開ければ、庭に植えられた桜の花が、
ちらちらと、薄紅を春風に遊ばせ散らしている。
小鳥の鳴き声と、花弁を啄ばむ嘴。
花のやさしい香りが此方まで伝わってくるようだ。
長閑で、のどかすぎて。
南島や地方で、激しい戦いが繰り広げられているのが
嘘みたいな心地にもなるけれど。
宣戦布告を告げた、鋭い琥珀の眼差しは
記憶に強く刻まれている。
王府と共和国の代表による会見が始まる時刻は、もうすぐ。
武器を取り合い剣を掲げあうものとは違うけれど。
これも国の命運を賭ける、もう一つの戦い]
[解放軍盟主と行った会見の仔細と、相手からの宣戦布告は、
昨日のうちに王府を纏める貴族諸侯へ報告を済ませてある。
巫女姫は王ではない。
軍政へ口を挟む機会を徐々に増やしてはいるが、
これまで国を治めてきたのは力ある貴族諸侯だ。
彼らの深謀や知恵無くして、今のナミュールの国政は無い。
ゆえに、彼らも等しく尊重すべき相手だ。
神殿に座しているべき巫女姫の身勝手な行動に、
多少なりの苦言はあったものの。
大きな処罰なく事が収まったのは、アレクシスの根回しの賜物だろう]
[白と藍の巫女装束に袖を通し、
陽金の髪には空色の房飾りのついた珠の簪を挿す。
祭祀で纏うものとは異なるが、
巫女姫が政務に顔を出す際に用いる公式なもの。
服地には、いつものように香木が焚かれている。
傍に寄れば仄かに立ち匂う、伽羅の心地よい芳香]
―――。 さ、参りましょう。
[支度の整った巫女姫が、侍従に笑み頷く。
歩き出せば胸元の真珠飾りがゆるやかに波揺れた]
― 南島戦場 ―
[最後の最後まで、枯色の目が
反らされることはなかった。
騎士の誇りと覚悟と、
生死の境界でいっそう強く放たれる念が、
彼女を内側から強く輝かせていた。
その胸に、剣の先が、深く、深く突き立つ。]
……〜〜っ …!
[肉を貫く鈍い感触。
どくりと脈動が一度剣を伝わり、あとは途絶えた。]
[剣を引き抜こうとした手は、そのまま止まる。
彼女の眦から零れ落ちるものを目にして。
重さのままに彼女の身体は剣からずるりと落ち、
赤い帯を宙に残しながら倒れる。
その唇が動くのを、確かに見た。]
…ぁ……。
[喉は干上がり、身体は石のように固まる。
音と視界が、すっと遠くへ引いていった。]
― ウェントゥスの里 ―
……騎士団が、近くまで?
[外に出る、先に進む。
そんな決意を固め、未だそれを渋る者たちを説き伏せつつそのための準備をする。
その報せが来たのは、そんな最中の事]
近く通って、南に。
……こっちに来るわけじゃ、ないんだよね。
それなら、様子見に行ってくれるかな。
無理に追いかけなくてもいい、見つかったら大変だし。
二人一組で見つからない距離保って、何かあったらすぐに報せ飛ばして。
[そんな指示を出し、鳥使いと弓使いの若者たちを組にして送り出す。
同様の組はスルジエの動きを見張るために幾度か出されているそうで、里の若者たちの反応は速かった]
あ、でも。
無闇やたらと突っかかっちゃ、ダメだからね?
『誰がやるか』
『いつぞのお前じゃあるまいし』
……うるさい。
[二年前の遭遇を知る鳥使いに揶揄されて、むうう、とむくれてみせる。
そんな所は今も変わらぬ子供っぽさを多々残していた]
……騎士団……あのひと、かなあ。
[若者たちを送り出した後、思い返すのはいつかの出会い。
つい最近、思いの外近くにいた事には、結局気づけないままだった]
……また、話しできればいいんだけど。
こうなっちゃうと、難しいかな。
[それが、『難しい』以前の話であると。
それを知る事になるのは、もう少しだけ先の事。*]
[謁見の間で待つことしばし。やがて扉が開き―――]
ようこそ、おいで下さりました。
ナミュール国が巫女姫シルキー・カノエ・ナミュールが
国を代表しまして、
マチュザレム共和国の大使たるカナン殿を歓迎いたします。
[案内されて来たカナンへ挨拶を述べて
巫女姫は丁寧に頭を下げた*]
『盟主!』
[衝撃と声とが同時に襲ってきて、
世界が急激に騒がしくなる。
ぐるりと回った視界の端で、
騎士に斬りつけられる仲間の姿があった。
その騎士もまた、無数の鋼の下で崩れ落ちていく。
戦場にいるのだ、と、頭のどこかが冴えた。]
[立ち上がり見回せば、もはや戦闘は殲滅戦の様相だった。
命乞いをする騎士などひとりもおらず、
背を向けて逃げ出すものさえもなく、
結果として、最後の1人までをも殺しつくす戦いになる。
戦いの音が消えた戦場は、酷い有様だった。
寡兵とはいえ王国騎士の実力は民兵とは比べ物にならず、
従う歩兵たちもそれぞれに勇猛だった。
彼らが、シロウの遺志を背負って戦っているのだとは
気づくことはなかったが。
多くの者が傷つき倒れ、
立っている者も重い疲労を背負っている。
そんな戦場を見回して、背を伸ばした。]
座りこんでいる暇はないぞ!
軽傷のものはもう一度隊列を作れ!
向こうでまだガートが戦ってるんだ。
加勢しに行くぞ!
[戦場の澱みを吹き払うような声に打たれて、
民兵らが動きを取り戻す。
少し混乱しつつも隊伍を組みなおし、
遊撃隊が戦っている方へと駆け出す。
結果として別に動いていた騎士団の背後を突き、
遊撃隊と共に挟撃する形となる**]
[戦いの終息と前後して、
騎士団のもう一方が向かっているとの知らせが入る。
民兵には無事な馬や武器を確保させたうえで
死者や負傷者と共に撤退させる。
騎士たちの遺体が見える位置に、まだ戦える者を伏せた。
差配をする目はひどく醒め、
死者をも利用する策に、躊躇いのひとつも見せなかった。
やがて、戦場へ到着したメレディス隊が
騎士団の同朋の変わり果てた姿を目にし、
声を失っているところへ、矢と銃弾を浴びせかける。
存分に撃ったところで、さっさと逃げ散った。]
[深刻な痛手を被ったメレディス隊は、これ以上の探索を諦め、
これまでの調査結果と同朋の遺品を持ち帰るべく、
南島からの撤退を決意する。
これに先立ち放たれた鳩は、猛禽の襲撃を逃れ、
一足先に、首都へ急を伝えた。]**
サイードとニールが!?
アイツらもなかなかしぶといな。
[伝えられた第一報に揶揄い交じりの声が返る]
あぁ、トマス達にも伝えておくぜ。
[これで見つかっていない乗員はあと五人。
手がかりは少ない。
けれど、二人が見つかったことで他の五人もきっと自力で道を切り拓いていると、そう思えた]
― オプティモ ―
おっさん馬は!?
[馬の用意が整ったと聞き、飛び勇んでクレメンスの下へと向かう。
これでようやくアレイゼル領へ行ける。
サシャの後を追えると思った]
[そんな思いも、続けられた報告により打ち破られることになる]
…ヘイズナイト、が───?
[彼女に宛がわれた部屋で見つけたもの。
その時に感じたものは虫の知らせだったのだろう。
報告を聞くシメオンの手が、身体の横できつく握り締められる]
………おっさん、出発は延期する。
折角急いでくれたのに悪ぃな。
[アレイゼル領で何かが起きている。
それを理由にクレメンスも今一度出発を引き止めようとしていたかもしれない。
それに先んじて告げた声に、怯えの色は無かった。
怖気づいたわけではないことは、赤い瞳に宿る強い意志が物語っている*]
………カナン。
ヘイズナイトが、斥候先で死んだ。
[その報告は乗員二人の無事を聞いてからしばらく経ってからのこと。
間に合わなかったと言う思いが低い声に表れる]
アレイゼル領主が、何か行動を起こすかもしれねぇ。
何も無きゃ、殺す必要まではねぇだろうからな。
/*
一発言目をつい独り言にしてしまいましたが、改めましてお疲れ様でした。
全然独り言使う暇も余裕もなかった。
爆笑どころは多かったのに。
男性陣がラヴ過ぎて困った。
/*
温泉回があるとは吃驚大仰天でありましたな。
[ どんぶらこと温泉中。
「撮影のためにタオルを着用しています」のテロップ付き。]
/*
可愛い系の顔は極力使わない無表情キャラを目指しておりましたが、あの辺(温泉)で破綻しました。
[ そんなキャラが一人称自分の名前とかあざとい!とかこっそりサシャ狙っておりましたが。死ぬ時、名乗らなかった癖にサシャ云々と漏らしているのは仕様です。]
では折角の墓下温泉。
甲冑を脱いだフィオレンザお姉様のバストサイズに注目のズームイン!
[ てっててーてれれれてってってーてれってれっ(BGM)]
― ウェントゥスの里 ―
[ウェントゥスの民の最得手は、弓。
元より狩猟民族だった、という事もあるが、長く受け継がれ、磨かれて来た技に自信がある者は多かった]
何かあった時に動けるのは……二十人くらい、か。
[兵力、として考えてしまうと、それは相当に微々たるもの。
とはいえここ数年、所謂少子化が進んでいる状況ではそれも已む無き事。
閉ざされ、他との関わりを拒む事で生ずる歪み。
それもまた、開かねば、と思う一端ではあった]
わかってるよ、人を射るための弓じゃないのは。
[物言いたげな父に向けるのは、苦笑]
でも、それが必要になるかも知れないんだ。
だから……。
[お願い、と。
自分よりも長身の相手を見上げて訴える]
『……戦うという事の意味、それに、一族を関わらせるという意味。
それを、わかっているか?』
……わかってる、よ。
ううん……ほんとに意味では、理解できてないのかも知れないけれど。
このまま、閉じた場所で消えていく事の方が、ずっと、怖いんだ。
……それに。
土から恵みを得るには、最初に鍬を入れなきゃいけない。
火からの恵みには、常に危険も付きまとう。
それ、教えてくれたの、父上だよね?
[こてり、と首を傾げて問いかける]
……辛い事や、痛い事を避け続けていれば、ラクだけど。
それじゃ、何にも得られないし、いつか澱みに呑まれて消えていくだけ。
……上手くいくかどうかなんて、今はまだ、全然わかんないけど。
このまま留まってるのは、やっぱり……ダメ、だと、思うんだ。
[幾度目か、繰り返した己が想い。
受け止める父は、どことなく複雑な面持ちをしていたものの、やがて、大きく息を吐く]
『……一体、誰に似たのだかな、お前は』
父上か母上のどっちかしかないよ?
『茶化すんじゃない。
……言い出したら聞かぬ辺りは、間違いなく、だが』
[どちら似、とも明言する事もなく、父は頭を撫でてくれる。
久しぶりの穏やかな時間は、長くは続かなかった]
[扉が慌ただしく叩かれ、鳥使いの一人が飛び込んでくる。
息せき切った様子に、自然、表情が引き締まった]
どしたの、リーパ!
『……今、リーウスから報せが……!
スルジエに、どこかの軍がやって来てて。
何があったか、までは掴めないけど、領主が捕えられたか殺されたかしたらしい、って……!』
……え?
[報せに父の表情は引き締まり、こちらはつい、惚けた声を上げる。
肩の上の白の小猿も、落ち着きなく尻尾を振った。
冷静さを取り戻させてくれたのは、父からの短い、問い]
『……お前の言っていたのは、この事か』
……多分。
[確証はないが、無関係とは思えないから、返すのは頷き一つ。
ともあれ、動きが出たならばこちらも返さなくてはならない、と。
過った思考は、横に置いて]
リーパ、リーウスたちには、そのまま様子見するように言って。
でも、深入りはしちゃダメだよ?
[短い指示に、わかった、と頷いた鳥使いは慌ただしく駆け出していく。
その気配が遠のくと、改めて父と向き合った]
……みんながいる所で話すと、騒ぎになりそうだから、今まで言ってなかったけど。
[そう、前置きして切り出したのは、集会の日の出来事。
話が進むにつれ、父の表情は怪訝そうなものから、険しいものへと変化する]
『……その者、本当に信を置けるのか?』
……それは……ちょっと、言い切れない、けど。
少なくとも、北の同胞との在り方を変えたい、っていうのは、間違いないと思う。
だから……行かないと。
目的はどうあれ、約を果たしてくれたなら、こちらも応えなきゃ。
[彼の白金の貴人が自分に何を望んでいるのか、それは読み切れないけれど。
宣する表情に、進む事への迷いはない。*]
― 南島戦場付近 ―
[里での動きが慌ただしさを増し始める頃。
山野に紛れ、騎士団の動きを追っていた里の若者たちは、二つの勢力の激突を目の当たりにする事となる。
無闇に手を出すな、と言われている事、それ以前に──場の空気に、呑まれかけ。
距離を開けて、その行く末を見守るのが精一杯となっていたのだが]
『……これが』
『外の、戦い……か』
[勝敗が決する頃、零れた呟きには微かな怯えの色がある。
彼らが里へと伝令の翼を放ったのは、鳩>>29が飛び立ち南の空を離れた後の事。*]
/*
やっとここまで持ってこれた……!
さて、後は北に向けて移動するとこと、男の子してる理由落としまでは今日中にもっていかないと。とと。
-ブラバンド-
タゲレオタイプ………?
[>>8 耳慣れぬ言葉にアレクシスはただ復唱するのみ。
箱に何か丸い突起物がついているだけのそれを、恐る恐る触る。
記録媒体と言っていたが、一体どうやって使うのだろう。]
ふむ………
確かに武器の類では無さそうです。
畏まりました、巫女姫にお伝えしておきます。
[一通り触って調べた後、それを謁見の場で使う事を認めた。*]
― 会見の前 ―
……、そうそう。
此方に来るまで、
カナン殿と御一緒の船旅だったのでしょう。
貴方の目から見て、…彼はどのような御仁でしたか?
[かの異国の人をアレクシスはどう評したのだろうと、知りたくて]
― ブラバンド・会見の日 ―
[翌朝。窓から見えるのは桜吹雪。
マルハナバチがずんぐりとした身体を花に預けている。
遠くで鶯の声が聞こえてくる。
長閑過ぎる程の、穏やかな景色は戦乱を一時忘れさせてくれるようだ。やがて、此処も戦火に見舞われるのかもしれないが。]
巫女姫、おはようございます。
[>>18 白と藍色の巫女衣装に金糸が栄える。
宵藍の双眸と、それはよく似合っていて、得も言わぬ美しさと。
触れれば壊れてしまいそうな儚さを覚えさせた。
近付けば、沈香のような薫りが鼻腔を擽る。]
私は軍服に身を固める巫女姫より、そちらの方が好きですよ。
[差し出がましい申し出だっただろうか。
もし咎められるようならば、一言、詫びも添えて。
カナン・リリが遣いに率いられ、現れるのを待った。]
[謁見の間で待つことしばし。やがて扉が開き―――]
――――………では、どうぞこちらへ。
[客人に席を勧め、巫女姫が口を開くのを待つ。
影は特に二人の対談に、率先して口を挟む事は無いだろう。
話しかけられたり、何かそそられる話題があれば、多少は進言したかもしれないが。]
………。
[暫くは二人の様子を見つめ、部屋の隅に居た事か。
然し、もし不穏な動きを覚えない、且つ対談が長引きそうならば。
そのまま影は、人知れず部屋を出ていくだろう。]
― 会見の前 ―
そうですね…………。
[>>=7 さて。どこから話すべきか。
そして、何処まで正直に話すべきか。
カナンが来るまでの間、暫し目を閉じて思案する。]
―――……なかなか侮れない男です。
単身、王府に身柄を拘束される事を厭わず。
且つ、それ相応のリターンを即座に計算出来る男です。
あの鉄火場で、なかなかあれだけの頭を回せる男はそうそう居ないでしょう。
流石、諸外国からの使者と言えるでしょう。
[>>3:4 そう言って、彼が此処にくるまでの経緯を掻い摘んで説明したか。]
そうそう。
カナン様から、お願いがあるようですよ。
私も実はよく解っていないのですが………
巫女姫に何やら、肖像モデルになって頂きたいとか。
…………。
危険かもしれませんし、お断りしても良いのですよ。
[そう、付け足しつつ。]
― 南島戦場より帰還途中 ―
[騎士団への襲撃から帰還する途中、銃担当の者から、
銃弾はもうあまり残っていないと報告を受ける。
それを聞いて、仕方ないなという顔で頷いた。
今回初めて実戦に投入したライフル銃であったが、
銃弾に関しては生産がほとんどできておらず、
最初にもたらされた弾だけを頼りにしていた。
試射や訓練でも少なくない数を消費しており、
今後、弾の試作や新しく製作される銃の試射にも
それなりの数が必要になることから、
次の戦いに部隊として運用できるほどの弾は無い。]
[そもそも、銃をこうして扱える人員を育てるまで
試行錯誤と失敗の連続だった。
なにしろ、参考にできるのが、
「バウマン先生が外交官と一緒に試射しているのを見た」
という、目撃情報程度だったのだから。
おかげで、耳をやられる人間は出すわ、
反動で骨を折る人間は出すわ、
暴発で重傷者を出した挙句に銃を駄目にするわ、
散々だった、といえる。
だが、それを乗り越えて出した結果は、満足いくものだった。
同時に、あれの数を揃えた軍が現れたら
恐ろしいな、とも思う。]
[銃に対して敵手が見せた嫌悪のことを思い出す。
その気持ちも、分かる気がした。
これは簡単にひとを殺す。
引き金を引くだけで、とても簡単に。
ライフル銃の威力は、機械弓の上を行く。]
……騎士の時代が終わっていくんだ。
[先の戦いで、槍を手にした民兵は、騎士たちに薙ぎ払われた。
仮に、民兵全員が銃を持っていたらどうなるか。
ひょっとしたら、騎士たちはこちらにたどり着く前に
全員絶命していたかもしれない。]
[巫女姫にだけ聞こえるような囁き声で、カナンの様子や人となりを伝えた。>>4:8 同時に、彼が異国の機械の肖像モデルになって欲しいと言っていた旨も。]
―――――………。
[然し、それにしても。
異国の文明が、いかに進んでいるかを、この僅かな時間だけでも嫌と言う程思い知らされる。
きっと、あの鉄箱も、自分では想像もつかないような魔法を見せてくれるのだろう。
だからこそ、]
……………このままでは、
[駄目なのではないのだろうか。
>>3:452 おいしい。
何の邪気も無く、異国の菓子に微笑む巫女姫の笑顔が。
美しかったゆえ、眩しかったゆえ。
それは―――――……決して良い意味ばかりの感情を。
アレクシスは覚えることが、出来なかった。*]
− ブラバンド (到着当日) −
[夕刻になって、宿泊に提供された部屋に戻ると、ブラバンドに滞在する官僚貴族から夕食の誘いが来ていた。]
お断りする理由はないが、手元不如意で土産はないぞ。
[こんなとき、シメオンがいれば手早く何か作って持たせてくれるのだろうが。]
[相手の貴族の名前を聞いて、クレメンスのつけた護衛兵が「現金でも受け取るでしょう。むしろ喜ぶかも」と教えてくれた。]
…なるほど、そういう手合いか。
[「なんなら立て替えておきますが」と、クレメンスの教育よろしき護衛兵は申し出てくれたが、カナンは手ぶらで行く、と答えた。]
交際のいろはも知らない異邦人よと陰で嘲笑うならそれで結構。 勝手に思わせておけ。
[カナンの潔癖な声に、護衛兵は「仰せのとおりに」と引き下がったが、ここまでも常識的な荷運びの
その辺は気づいてもいない皇子体質であった。]
− ブラバンド・貴族の館 (到着当日) −
[招待主は、友人の貴族たちも招いていた。
身内色の濃いざわめきの中、一等目立つ席を与えられて見世物にされた感もあったが、小国の皇子で留学経験を持つカナンは、そういった視線には慣らされている。
萎縮することもなく、むしろ人目を惹くくらい悠然と振る舞う。]
ええ、 ナミュールの建国伝説は知っています。
暴力的な外の世界から逃れて作られた、平和で豊かな理想郷。
確かにここは美しい島だ。
だからといって、外の人間を皆、怖い吸血鬼のようだと考えられても困ります。
触ってごらんなさい。 あなたと同じく温かい血が流れていますよ。
[ご婦人にはサービスもしつつ。]
[美酒美食を堪能しながら、好奇心と焦燥の入り混じった様々な問いを投げてくる貴族たちの相手を、根気よくカナンは務める。
明日の会見の予行演習──というより、このパーティ会場のどこかにも紛れているのだろう巫女派の手の者に、会話内容を報告させるつもりで話していた。
そうすれば、明日の会見では有効に時間を使えるだろう。]
「この国は自給自足できているから開国は必要ない」と?
なるほど、おっしゃるとおりなのでしょうね。
けれど、水は低きに流れるもの。
今、ナミュールは世界から見て、その「低い場所」なのです。
流入を阻止したいなら、動かなければならないのはあなたたちの方。
国民を守るためといいながら、
その具体策もたてられず相手に見逃してくれとお願いするだけの政府が、国民の、外国の、信を得られるとは思わないでいただきたい。
/*
んー。悩んでるうちに結局書かなかったけど、物語的には拾っておいた部分がよかったのかもなぁ……(反省)
本当、動き悪いなぁ……。
[カナンの指摘に、貴族たちは視線を交わし合った。
「具体策は巫女姫に一任している」という囁きも耳に入る。]
それと、「民主主義や共和制を受け入れたら、大混乱になる」…ですか。
まず、開国すなわち、民主化と同義ではありません。
我々は内政に干渉するつもりはない。
[そのあたりはアレクシスにしたのと同じ説明をする。>>2:330>>2:333>>2:334]
民主主義になったら貴族は要らない、だから皆殺しにされるなんて、流言飛語です。
学生たちの主張が曲解されて伝わったんだ。
共和国にも貴族はいますよ。
“経営者”と名前を変えていますけれど、意気軒昂です。
[為政者の資格をきつく問うた後で、安心も与えておく。
彼らの保守主義を崩すのは開国に必要だが、敵に回すつもりはなかった。]
[平和な時代が続き、緊急でない議題と根回し議決に慣れているのか、カナンの口舌に押されつつも、仮にも為政者として学を積んで来ている貴族たちは手を替え品を替えて抵抗感を訴えてくる。
既得権ゆえの他者排斥意識は高い。]
「開国すれば、伝統的な特色が破壊されてしまう」?
そうですね、おれも生国セドナの伝統的衣装を着ることはもうほとんどない。
毛皮でモフモフゴワゴワの服より、マチュザレムの服の方が洗練されていると思うから。
開国して、マチュザレム風に染まりたい者には勝手にさせておく、で何故いけないのです?
国民にナミュールの伝統的な文化を強制したいのですか?
伝統は、人の自由な気持ちを制限してまで守らねばならないものでしょうか?
[音楽や絵画、行儀作法だって、常に新しいものを取り入れ変革してゆく余地がなければもはや死に態だ。
そうなったら「伝統」ではなく「古典」だ、とカナン自身は考えている。
保護していいが、そこに則って生活できるものではない。
新しく来た文化がすべて悪いものだという考えは間違っている。伝統は守るものではなく生まれるものだと。]
[酒の席というのもあって、議論は深刻なものになる前に話題をすり替えられ、また新しい料理が運ばれて賑わう。
だいぶ酒も回った頃、貴族のひとりが「マチュザレムの進んだ文明というものをこの目で見たい」と求めた。]
プレゼントできる手土産は持参していないと申し上げたはずですが…
──いいでしょう。
[今日は、傍らに酒を止める人もいない。
議論に喉を使ったカナンは随分と杯を空けていた。
立ち上がり、広間の中程に出てゆく。]
明日のディナーにする羊を。
[召使いに頼んで連れて来させる。
宴会の席に家畜を連れ込んだことに顔をしかめる者もいたが、なんの余興かと笑う者もいた。
カナンは少し離れた距離から、拳銃で正確に贄の羊の額を撃ち抜く。
轟音 そして、血。]
[目の前で振るわれた激烈な力は瞬間の空白を生んだ。
か弱く気絶しかかる婦人を召使いが連れ出し、続けて屠殺された羊も運び出されるのを切っ掛けに、広間は音と動きを取り戻す。
どうせ見せろと言われるだろうと、カナンはシリンダーをスイングアウトさせて弾を抜いた状態で拳銃を貴族たちに回してやった。]
銃口は熱くなっています。 気をつけて。
[忠告を守らずに火傷した者がいたところで自業自得だ。]
[結果だけ見れば、弓で射殺すのと変わらない。
だが、空気を振るわす破裂音とコンパクトな装置のギャップは、未開の島民にマチュザレムの力を威示するのに充分なもの。
列席した者たちが、マチュザレムを敵に回してはならないことを肝に命じたならば、ひとつの命を奪っただけの価値は、ある。]
そろそろ、スイーツかな?
[戻ってきた拳銃をホルスターに納め、給仕に問う。
少し、酔っているのを自覚していた──熱と、酒と、血に。]
サシャ…──!
[この国に生まれた、マチュザレムの裔。
見たこともないその遠い国へ祖父の遺骨を届けることをただひとつの願いと告げ、そして、願いが叶った後のことは考えたことがないと言っていたサシャ。
一歩後ろに控え、徒歩を好み、愚直なまでに一徹で、執着せず。
彼女はいつだって、誰かのために働いていた気がする。
最期も、斥候先で迎えたと聞いた。]
連絡をありがとう。 シメオン、
ああ、遺骨はきっと還してやろう、な。
[サシャの亡骸は戻ったのか、と言葉にすることはしなかった。
戻っていればシメオンは、サシャの遺髪なり遺灰なりを祖父と一緒にしておいてくれると思う。
そうなっていなければ──遺品を取り戻すことすら叶わなかったということだ。
客地で死ぬというのはそういうものである。
自分たちもまた例外ではない。]
見つかる者もいれば、こぼたれる者もいる…か。
[「どうしました」と声をかけてくる宴の主人に、短く詫びる。]
失礼、
祈らねばならない──宿に戻ります。
[異教の風習と了見したようで、カナンは引き留められることもなく退席することができた。]
[帰りの馬車に揺られながら、カナンは建物の形に切り抜かれた矩形の空を見上げる。]
君は、不意に現われて、そして、 逝ってしまった。
[紙一枚と引き換えに預かった古い銃の重みを思う。]
[部屋に戻ると、蝋燭を一本請い、窓辺に灯した。]
…君が紅は、空の蒼にも海の青にも染まず、
せめて魂だに輪に還れ。
[窓の外で、潮風が鳴っている。*]
― 南島戦場近辺 ―
[大規模な戦いなどは、それこそ千年の昔に幾度かあったきり。
戦士としての誇りは伝われど、心構えまでは未だ行き足りぬ。
そんな状況で見た戦場は、外より齎されたもの──奇しくも、自分たちの手で見出し運んだ異国の技術の存在もあり、若者たちに畏怖の念を抱かせていた。
そんな状況で見咎められ、追われれば、条件反射も込みで逃げるは必定──なのだが]
『なんで追われなきゃなんないんだよ!』
『知るか!』
[なんてやり取りをしながら、逃げてゆく。
牽制のために矢を放つ、というのは考えてはいなかった。
それだけはするな、と厳重に戒められていたし、何より余裕がない]
[平時であれば、振り切って自分たちの領域である山野に駆け込む事もできたのだろうが。
余裕のない状況と追う側の数は、山の民の若者たちに不利に働いた]
『あー、もう、ルディの無茶のおかげでー!』
『いや、それ、違うだろ』
[最終的に取り囲まれた若者たちが上げるのは、どこかずれた文句とそれへの突っ込み。
伝令の翼も飛ばしたばかりで、まだこちらには戻っていない。
この状況下で二人の若者──鳥使いのシルワと弓使いのワリスが取れるのは、向こうに従う事。
勿論というか、状況を理不尽と思うが故の憤りは、確り瞳に浮かんでいたが。*]
− ブラバンド・謁見の日 −
[身支度を整える。
手伝ってくれたサイードが「二日酔いですか」と尋ねた。]
水風呂浴びて、リンゴも食べたんだが…まだ酒の匂いするか?
[「いいえ、匂いじゃなくて目」とニールにも言われる。「赤いです」
それについては返す言葉もなかった。]
巫女姫の前で
──頼んでおいたもの、夜までに完成させておいてくれ。
[「了解」と敬礼する二人を残して、謁見の間へと向かう。]
− 謁見の間 −
[ゆっくりと扉が左右に開かれた。
写真機と三脚を持たせたクレメンスの護衛兵を後ろに従え、礼服の飾りと硬質な足音を石床に響かせながら、その中央を進む。
前方に佇む女性が巫女姫だということは、誰に教えられずともわかった。
煌びやかでありながら、瀟洒で清楚な装い。
陽金の髪が優雅な礼の仕草に揺れると、伽羅の心地よい芳香が漂った。]
──…、
[宵藍の双眸が上げられる。視線が交わる。]
…あ、
[そのままたっぷり何秒か。
アレクシスに促され、ようやく目を瞬いて名乗り返す。]
セドナの第二皇子 カナン・リリ 、
マチュザレムの──親書を、お渡しせんと罷り越しました。
肖像モデル…?
絵描きなのですか、カナン殿は。
[不思議そうに首を傾ぐ]
…、?
よく分かりませんが……
お願いを聞くかどうかは、
実際にお会いしてみて決めると致しましょう。
[
[…ふ。と、笑みの柔らかさが一層に増す。
花弁が綻ぶに似た仕草]
そのように、――――緊張なさらずとも宜しいのですよ。
[口上を噛んだことに暗に触れ、其れを水に流す]
[こちらの失敗を不問に付す、とシルキーの柔らかな声が届き、花の顔が微笑む。
部屋の明るさがひときわ増したかに思えた。]
すみません、
少し 胸が── 落ち着かず。
[心臓の辺りを押さえて、ゆっくりと息を吐く。]
マチュザレムの国立美術館に、『姫王』と題された絵画があって、貴女は──
いや、似てはない、
けれど、それと同じ衝撃を… 受けました。
― 対遊撃隊 ―
そうかいそりゃ奇遇なこった。
覚えが悪くて悪ぃな!
[>>467沈黙を是と受け取り、馬に踏み潰される事を恐れる事なく真っ直ぐに駆ける。長剣が優位の位置から振り下ろされると、片刃で受け止める。
力は五分だが位置が悪い。じりじりと押されたが、弾き返すと同時に馬の首を肘で殴りつけた。
強襲に馬が怯み、バランスを崩すような隙を捕えると鐙にかけた足を狙い切りつける。
ごりという骨に当たる感覚、呻きに血飛沫が届き馬から転がり落ちた男の首に、躊躇なく剣の切っ先を捻じ込んだ。]
共和国政府、は、 貴女 …ナミュール国との国交樹立を、望みます。
──望んでいます。
[大統領親書を差し出す。
誰かが取り次ぐシステムでなければ、直接、シルキーへ。
乙女の華奢な身長を見下ろす形になった。]
っ…。
[手ごたえと同時に肘に感じる痛みに、すぐさま剣を抜き下がると喉から滝のような鮮血が溢れるのが目に入った。
微かに「フィオン」と、水混じりにのくぐもった声が聞こえた気がしたが、誰の事かは解らなかった。]
[反撃は幸い軽いものの、ただで死ぬほど安くはなかった、と肘に残る線を見て思う。
そんな感傷に浸る間もなく、レオン、と名を呼ぶ声が聞こえる。
こいつの名前かと思ったが確認する術もない。
敵討つべくと追撃がくると、今度は馬の首を切りつけ暴れさせて盾替わりにした。]
――っと、俺に当てんなよ!
[持ち直した背後からは弓の応援がくるが、すぐ脇を通ったそれに声を荒げた。
何人かが後に続けとばかりに陣から飛び出してくるのに眉根を寄せたが。]
マチュザレム風の親愛の挨拶をしても?
[緊張に掠れた声で確認を入れる。
ぎこちない。我ながらぎこちない。構わずハグすればいいのに。いやしかし。
精一杯の自制をしつつ。]
そうだな、これが戦争で、
お前がやらかし始めた事だ。
一人二人殺したくらいで悲観すんなよ。
これからもっと俺たちは、屍を作っていくんだから。
敵も味方も区別なく―――っと。
[声をかけながら、意識は眼前にも飛んでいる為か淡々とした物だった。]
[が、やや間をあけた後、苦笑交じりの短い溜息を落として。]
…つってもまぁ、泣き言ぐらいは聞いてやる。
ここじゃ聞き耳立てれる奴はいないしな。
その代わり、外ヅラはしっかり作っとけよ。
盟主がしっかりしてないと様になんねーからな。
[一転、いつものような軽い口調に戻るとそう告げる。
こいつに甘いのは何時もの事かと胸中思いながら。]
― オプティモ ―
[クレメンスはアレイゼル領での出来事を警戒すべきものとし、防衛線の強化を命じた>>6らしい]
ライフル隊は切り札にはなるだろうけど…。
[如何せん弾薬に限りがある。
もし動員するなら、使いどころを考える必要があるだろう]
弾薬はもう半数近くまで減ってる。
ぶつかるまでに量産化が間に合えばかなりの戦力にはなるだろうが、現存数では相手の出鼻を挫くぐらいにしか使えねぇかも。
[ライフルの数も弾薬の数も、一軍を相手にするにはまだまだ足りてはいなかった]
ああ、必ず。
今オプティモはアレイゼル領主の動きを懸念して防衛線を張ってる。
それから、おっさんに頼まれてライフルの使い方を私兵にだけ教えた。
移民希望者の方は…舞の流布はしたけど、まだ日が浅くて浸透には程遠い。
それから、ライフルの複製・量産に関してはおっさんの手を借りてギルドと連携することになった。
準備は、少しずつだけど進んでる。
[サシャについての報告の後、オプティモでの出来事と、こちらの計画の現状を伝えた]
[報告を受けた夜、シメオンはサシャに宛がわれた部屋へと赴く。
月明かりのみが窓から差し込む、暗い部屋。
光は、取り遺された小袋へと注いでいた]
………約束は、願いは果たすぜ。
[光の中にある小袋にそぅと手を伸ばす。
肌身離さず大切に所持していたのだろう、袋がやや擦り切れている部分があった。
遺されたそれをどう受け止めるか、それは拾うものの心次第]
――――来たか。
全員円陣を崩してゆっくり前進しろ!
一気に片を着けるぞ!
[程なくクロード率いる本体が、レオンハルトを失い崩れかけた別隊の背後から襲い掛かる。
呼応するようにこちらも前進を開始させ、挟み込むようにして残った騎士隊を切り崩しにかかる。
投降が殆ど無かったのはこちら側にとって不幸だと言えただろう。
初めての本格的な戦に、南島流れた血は思った以上に多い、そう感じていた*]
[最初は追手かと警戒した。
同行することとなった道中も、普通に接しながらも一つ壁を置くようにしていた。
けれど、話すうちに知れる彼女の性格から、次第に警戒は消えて行って。
オプティモに着く頃には既に仲間として見ていた。
その仲間の死が悲しくないわけはない。
追うことが出来なかったことに悔しく思う気持ちはある。
けれど]
『もし大使様が必要があるならば、
サシャを一兵卒としてお使い下さい』
[彼女には覚悟があった。
軍人としての誇りもあったはずだ。
だから、後ろは見ずにサシャが拓いてくれた道を見据える]
アレイゼル領主は”何”を見据えて動いてる?
鎮圧か、開放か。
…それとも、別の何かか。
[貴族をマチュザレムの経営者と同種と考えるなら、後ろ暗いことを考えている者が居てもおかしくない。
混迷に乗じて動く───だとしたら、その矛先は、何か]
………人物像が見えねぇから推測も出来ねぇな。
分かってんのは、甘味好きで抜け目無さそうってことだけか。
[思考が纏まらず、大きく頭を掻き毟る]
でも………甘味好きだからって、味方になってくれるとは限らねぇわな。
[そこだけははっきりしている、と呟いて。
サシャが遺した小袋を手に月明かりの中から姿を消した]
― 翌日/オプティモ ―
なぁおっさん、やっぱアレイゼル領行こうと思うんだけど。
[前言撤回と言わんばかりにクレメンスに言う。
実際に行けるかどうかは、その時の情勢拠るだろうけれど*]
[巫女姫に会いに行くとカナンから報が入る。
その時は頼んだぜ、と平時通りに見送ったのだが、その後のカナンの様子がどうもおかしい]
………学生時代散々モテまくった奴が何狼狽えてんだよ。
[駄々漏れのひとり問答に突っ込みを一つ入れておいた]
シメオン! 聞いてたのかッ?!
おまえ、姫さんのこと、
美人て、いい匂いって、 言ったな。
ここまでだって何故、言わなかったーーー!!
心の準備なく見つめあっちゃったじゃないかッ
[つまり、支離滅裂になるくらいクリティカルヒットだった模様。]
お前が制御出来てなきゃ嫌でも聞こえるっつの。
ああ言ったな。
その通りだったろ?
お前なぁ、言葉で表せない美しさをどうやって伝えろってんだ?
俺の語彙ではあれが限度。
[などと言っているが表現をざっくり削ったのはあった。
あの時は普段はやらない一対一の会談とあって、シメオンも至極緊張していたのだ。
自分のことでいっぱいいっぱいで、カナンほどの衝撃はなかったと言う。
恐らくは当人達の好みの違いもあるのだろうが]
― 南島戦場近辺 ―
[手近な駐留地の近くまで帰り着いたところで、
なにか視界がぼんやりするな、と思う。
そしてすぐに、ああ、と思い当たった。
失血のせいだ。
フィオンから受けた一撃は、幸いにも骨を砕くまでにはいっていなかったものの、相応に重い。
戦場での応急処置は受けていたが、なるべく早くにちゃんとした治療が必要だろう。
左肩から半身にかけて血に染まった服も、気持ち悪い。
もっとも、血汚れは自分の血だけではなかったが。
それでも駐留地に戻らず、外で暫し留まっていたのは、
山の民を捕えたとの知らせがあったからだった。
駐留地は、あまり外部の者を入れる場所でもない。]
[戦いで興奮していた者らと出会ってしまったが故の不幸で、
がっちりとと囲まれた若者たちが連れてこられる。]
乱暴にするなよ。
いいから離してやってくれ。
[敷物一枚敷いた地面の上に座り込んで、
やれやれという顔をしながら、周りのものを少し下げた。]
悪かったな。
みんな、ちょっと興奮してるんだ。
大目に見てやってもらえると助かる。
[二人にも座るよう促しつつ、まずは謝る。]
それで、
なんであんなところにいたんだ?
よかったら聞かせてくれないか?
[問いの調子はいつも通りだったが、
琥珀の目は鋭い光を奥に呑んでいた。]
俺は、今回のこと、
山の民や北の森の民に迷惑かける気はないよ。
そんなつもりでルディを巫女姫との会見に
連れて行ったわけでもないし。
ただ、それで山の民が動くというのなら、
どうしたいのか、聞きたい。
[さりげなくルディの名を混ぜ込んで、問いかけた。]
― オプティモ・カナン出発後 ―
随分と、金のかかる使節殿だな。
[ 銃剣も作って欲しい>>2というシメオンには、そう苦笑しつつ、なんとかしようと請け負った。
実のところ、財産の全てを吐き出してでも、それを為そうと男は思っている。
彼等の武器や技術を使うだけではなく、ナミュールの職人や、兵達に教え込み、取り込むこと、先にはそれを、ナミュール全土の技術革新の始まりとする事は必須だった ]
そのライフルで受けた傷に効果的な手当の方法も知っていたら、医療ギルドの者に講習してくれ。
[ 男が医療ギルドも巻き込むことにしたのは、火薬調合に必要な技術を持つからばかりではない。
同じ飛び道具でありながら、矢とは明らかに違う、銃弾によって受けた傷には、専門の対処が必要なはず。
戦いの方法ばかりではなく、その後の処理もすべて、盗めるものは抜かり無く客人達から盗む所存だ ]
/*
とかゆーても、動きたいというのを止めるばかりなのもあれだよね。ストレス溜めちゃーあかんし。
うちで指揮執って戦ってほしかったんだが、仕方ないかねえ。
― オプティモ ―
まともにライフルを扱える者は、君の同胞を含めて、まだ僅かだ、君には彼等を指揮してもらわねばならん。
それに、君はリリ大使からの、大切な預かりものだ、危険と知って行かせるわけにはいかん。
[ 一息にそう言って ]
/*
待たんか、ソマリん!
俺の最終日理想メンバーは、巫女姫、クロード、カナン、シメオン、ソマリなんだよ!
[勝手言うんじゃありません]
私は、
[そっと、胸元に手を当てる。
形のよい桜色の爪先が、胸飾りの上辺に揃って並ぶ]
―――…姫王の魂を宿しておりますから。
[似ているのでしょうと。
衝撃を受けた理由となりそうな事実を、口にして]
先日の折、副使であられるシメオン・オリオール殿に
お会いしました。
親書も、条件も、全ては貴方から――というお話でした。
しばらく首都を留守にしておりましたので
なかなか会うことは叶いませんでしたが……
きっと、…お互い様ですね。
[共和国の使節団が、今は解放軍と名乗る学徒たちと
行動を共にしていたことは既に聞き及んでいる]
[ 男が、オプティモを離れる事をシメオンに許したのには、もう一つ理由がある ]
[ ソマリ・フル・アレイゼルは手強い相手だ。計算高い男でもあるから、まだ利用価値があるはずの異郷の客人を易々と殺すようなことはしないかもしれないが、万一オプティモが陥落すれば、それも保証の限りではない ]
あとで、殴ってくれよ。
それで、目ぇ覚ます。
[戦いのさなかに多くは語れない。
短い言葉に様々な意味を込めて告げた。]
[見上げれば、自然と相手の顔を覗き込むような形になる]
……親愛の、挨拶…、
[それがどのようなものかは知らない。けれど、]
親愛を向けたいと思う相手か、
…確かめてからにしても
遅くないのではありませんか?
[冴ゆる瞳が、碧眼へと静かに注がれた*]
― アレイゼル領 外壁 ―
[…倒れ付した名も知れぬ赤毛の将を、男は無表情で暫し見つめた。
赤く濡れているその腕の剣が、落命を何よりも如実に物語る]
… … … … …愚物など、よく言う。
良く駆ける兵は強くなる、か。
なるほど。治世は遅速、将兵は拙速。
それが貴様の遺言として、良く覚えておこう。名も知れぬ傑物よ。
[アレイゼルの領街では、何時の間にか騒乱が止んでいた。
見回りの兵や、火の手に巻き込まれたかも知れない領民達は、結局惨事は招かずに済んだ様だが。
この場所の奮闘にも紛れて、幾人かの間諜を逃がしてしまう失態を演じてしまった様だ]
[ 男の胸の内には、一つの決意がある。
オプティモを護り切るという、至極当然の決意と共に、ソマリ・フル・アレイゼルと、このまま戦うことになっても、
[ 強く誇り高い、白金の獣、その計算高さも強かさも全て、この先、結界を超えてくるであろう外からの風に対するには必要にして不可欠な資質、と男は見ている。
彼もまた、ナミュールの未来の光のひとつ、なのだから ]
…棺の用意を人数分。心苦しかろうが、彼らの分もだ。
[最終的に、絶命するまでに彼の赤毛の将の手に掛けられた私兵は、二桁を下らない。
十、十五、或いは二十以上が殺される失態を演じていた]
…私の良き兵を殺した…か。
… … … … …。
[男は静寂とした仲間の死を悼む私兵達の空気の中、その身を翻し、白馬へ再び騎乗した。
その白色の軍服は、今もまだ温かみを感じる、赤い返り血で微かに彩られていた]
…間諜狩りはこれまでだ…
全隊に召集を掛けろ! 出陣の時だ!
[己と将兵達を鼓舞する様に、男は眼前に迫る戦争を睨みつけていた]
/*
…おっさんの視線を物凄く強く感じるのだが… … …。
やだあああああ今日以上の落ち時がみあたらないのぉおおおおお
謀略で他人様陥れて、有能なサシャちゃんを多勢で圧殺しちゃう様な悪人なんて、死ぬべきが世の定めなのぉおおおおお!!!
(やっぱり突き刺さるおっさんの視線)
― オプティモ ―
[ライフルを受けた時の対処法を講習して欲しいと言うクレメンスの願い>>91は、専門じゃなくてもよければ、と諾を返す。
元々医療はナミュールに提供する予定にあった技術の一つ。
味方が銃弾を受ける可能性がある今、否やを言う理由はない]
[そうした日々を過ごして後のシメオンの願い>>87。
それに返るクレメンスの表情は至極呆れていた>>92]
命を捨てるために行くんじゃねーよ。
命を繋ぐために行くんだ。
[彼の言葉を真っ向から否定する]
アレイゼル領主がどこへ向かおうとしているのかは知れない。
けど、何かを起こそうとしているのは分かってる。
それも、武力で。
その力がどこに向くにしろ、その先には戦いが待っていることになる。
俺達が来たせいでこんなことにはなってるけど……無為に散らして良い命なんて無い。
防ぐ可能性を探しに、俺は行きたい。
おっさんの気持ちはありがてぇけど、ここに居るだけじゃ測れねーもんもあるんだ。
それに俺らはまだ、アレイゼル領主の心の内を聞いてない。
[この国を開こうとしている以上、様々な者の言葉を聞く必要がある。
これは使節の一人としての役目だと言うように言い切った*]
/*
あんまり、他の方の落ちどころにプレッシャーかけるもんでもないわな。(反省
確実なのはおっさんが落ちることだが、それにも躊躇いが生じとるというね...うーむ。
やっぱ、流れを見よう!><(投げやがった
――――………。
[>>77 大統領の親書は、特にアレクシスが取り次ぐ事は無い。
>>99 ただ静かに、巫女姫の白魚のような手がそれに触れるのを見守った。
影が、こういう場で何かするという事は無かった。
表舞台を輝かせるのは、常に、太陽であるべきなのだから。
その光が、ナチュザレムの皇子を見上げる。
それは何かを暗示しているかのような気分にさせられ、少し目を細めた。]
えっ
[>>80 然し、続く言葉には小さく驚きの声をあげた。
マチュザレム式の挨拶というものを、実はまだ正式に目にした事が無い。然し、想像するに、多分。]
………。
[アレクシスが、特にそこでも口を出す事は無かっただろう。
本当ならば、直に部屋を出ようと考えていたのだが。
若し、カナンが直接巫女姫と接触するというならば、見逃せない。
止める事はなかっただろうが、警戒するような視線をカナンに向けただろう。]
― 南島戦場付近 ―
[連行される間、二人の山の民は口を開く事なく。
連れていかれた先で謝罪>>89を受けると、ようやく、息を吐いた]
『ルディに、騎士団の様子を見とけ、って言われたから』
[促されるままに座り、問いに答えたのは鳥使いのシルワの方。
族長の長子の目付けのような役割を与えられていた鳥使いは、外への警戒心も比較的、薄い]
『……ええと、あんた、解放軍の盟主さん……で、いいんだよな。
巻き込むつもりはなくても、結果的に色々巻き込まれてるよ、おれら。
ルディは、今度の事を切欠に、一族を外に向かわせる、って意気上げてんだから』
[問いかけ>>90からの推察を確かめるような言葉を投げた後、一族の状況を端的に説明して]
『具体的にどうするかは、まだ決めてないけど。
とりあえず、あんたらと敵対はするな、って方針にはなってる』
[ぼそり、と付け加えた声には、にも関わらず追い回された事への不満が少なからず滲んでいた。*]
― クレメンス領オプティモ ―
[領主ラウドと、異国の副使が、西にある白金の思惑を語る、その丁度同時刻。
アレイゼルからの使いが現れる。
既に何言わずとも緊張状態にある領間。
武力の衝突を感じる者は決して少なく無い中。
アレイゼルからの使いの手で、領主クレメンス卿へ届けられるのは。
緊張状態をより踏み込んだ者とする、オプティモへ対する宣戦布告]
『 王国の未来を憂う、アレイゼルの領主の名に於いて。
ラウド・レイ・クレメンスを異邦の侵略者と手を結びし国敵として糾弾し、その断罪の戦を申し渡す。
汝が真の王国臣民として祖霊の御魂と諸侯に釈明を申し出るならば
以下の要求に従う事を強く願う。
一つ オプティモの領地をアレイゼル領主へ一時明け渡す事
一つ 私兵軍の武装を解き、抵抗の一切を禁じる事
一つ 貴卿の領地に匿われし異邦の侵略者である、カナン・リリ並びにシメオン・オリオールの身柄を差し出す事
一つ その際、貴卿が接収している異邦の資材、一切を提供する事
これらの要求が呑めず、武力で抗う場合、王国の異端者と断定するも止む無し 』
『 最後に一つ。
王国が為に、貴卿の良き将兵を殺し、申し訳ない。 』
[最後のその一文を添えて、宣戦の布告は締めくくられていた]
― オプティモ ―
[ 命を繋ぐため、と言い切るシメオンの表情は>>105その魂の強さを示しているようだった ]
...ここは戦場となる可能性がある、もし君が戻った時、オプティモには入れぬ状況になっていたら、シュビトのベルサリス学館の館長ジョゼフ・ジェフロイを頼り給え。
息子の方ではないぞ?間違えるな。
彼に繫ぎをつける方法は、この間君達と泊まった温泉宿の主人が知っている。
[ そのために、あの温泉に泊まることに執着したのだ、とシメオンには判ったろうか。自分が一度連れていった客人であるという事実が、シメオン自身の身分の保障ともなる ]
― オプティモ ―
[ 友は恐らく、己の託した意図を汲んで、シメオンがカナンと合流できるように取り計らってくれるだろう ]
気をつけて行け。
[ シメオンには、やはり三人の私兵をつけた。最初に彼がカナンと再会した日についていたのと同じ三人だ。
友への伝言は託さない。ただ、この先の生き様が伝えるべき全て* ]
― アレイゼル領 ―
[将兵の招集ひとつにも、短くない時間はかかる。
当然だ。今回の戦いはこれまでの様な、最低限の私兵ではすまない。
私兵の数が、三桁からひとつ桁を増やす、本腰の戦い。
それを待つ間、男は王国北島の、各貴族諸侯へと檄を綴る事となる。
既にこれ以上、立場を不明瞭にする予定はない。
ここからの男は、明確に『解放軍を支持する貴族』としての立ち居地に着く。
それは、アレイゼルの領主、と云う貴族が解放軍を味方する事実。
警戒心を多いに構える貴族諸侯は、疑うだろう、畏れるだろう。
その大半は打算と命欲しさの為に王府軍へ当然の様に着くだろう。
然し、この明瞭な立場ひとつで、貴族諸侯へと訴えかけるのだ。
『解放軍は無思慮に短絡的に、貴族という存在を排除する者達ではないのだ』と]
… … …まずはオルヴァル卿だろうかな。
放蕩息子ひとりならば、彼の卿も易々と切り捨てよう。
然し、今も尚、クローディアの婚約者である私がこちらに入ればどうだ?
ふふ、彼の逃げ場はやがて狭まり、解放軍に着く選択肢すら生まれる。
ひとりよりふたり。オルヴァル卿を懐柔できれば、貴族諸侯の流れも揺らぐさ。
[何より、婚約者である彼女とて、兄と対する立場は取りたくはないはずだ。彼女の説得も多少は力になろう。
諸侯へ向ける檄を綴る筆と、そして高まりつつある戦への気運が、窓の外から聞こえていた]
― ウェントゥスの里 ―
[外へと向かわせた者たちからの連絡を待つ間、北へと向かう準備を進める。
と言っても、持っていくのは最低限の身の回りの品と愛用の弓矢と短剣。
薬草の類に、山の民の数少ない甘味である蜂蜜飴くらいのものなのだが]
……やだなあ、もう。
そんなに暗い顔しないでってば。
[支度を手伝ってくれる母の物憂げな表情に向けるのは、困ったような笑み]
無茶してるのはわかってるけど、でも、死にに行くわけでも二度と帰ってこないわけでもないんだから。
[冗談めかして言えば、当たり前です、と真顔で叱られた。
てへ、と首を竦める仕種に、白の小猿が同じ動きで沿う]
『……でも、ルゥ』
なーに?
『本当に、これでよかったの?』
[確かめるような問いは、幾度となく繰り返されて来たやり取りの始まり]
『……外の知識を身に着ける、それがいい事なのかどうかはわからないけれど。
ここで、当たり前に得られるものを捨ててしまって、本当にいいの?』
それは……やっぱり、まだ、わかんないけど。
でもね、かあさま。
オ……わたし、は、外に出たかったし、出てよかった、って思ってるよ。
[他に誰もいないからこそ、話し言葉も声音もいつもは隠す本質を示すものへと自然に変わる]
『長の娘』として、血を繋げる……それも、大事な務めなのは、わかってるつもり。
でも、その先に新しい流れがないまま、ただ、血を繋げても途絶えるだけだと思うの。
……それなら、その繋ぐべき先をちゃんと掴みたい。
そして、それは、今この時を逃したら……できない気がするから。
[だから行くんだよ、と。
笑う表情に翳りはない。
族長の娘として生まれ、本来ならば一族の純血を守り通す事を務めとするはずの身。
けれど、生来の好奇心と新しきを望む気質は、それとは違う在り方を望んだ。
変化を求め、外へ羽ばたくを望む娘に対して族長である父が出した条件は、『女性であると他に知らせず、知られぬ事』。
そうする事で、『純血を繋ぐ』という枷から外れて行け、と。
男子のような言動や振る舞い自体は、幼い頃からのもの。
けれど、それを徹底しているのは父と交わした約があるから]
[笑みを絶やさず笑う娘に、母はどこか寂しげな面持ちで息を吐き。
それから、無言で抱き締めてくれた。
無事に帰りなさい、という囁きが耳元に落ちる]
……うん。
ちゃんと、帰って来るよ。
[それに小さく返しながら、ぎゅう、と抱き着く。
言葉にされなかった想い──それに対する、『ごめんなさい』という短い言葉は、心の奥に沈めたまま。*]
− 謁見の間 −
[外の世界にナミュールのことが伝わっているのか、との疑問に、カナンは背筋を伸ばして答える。]
はい。姫と民が去った後、当時の皇帝は「世界の損失」と嘆いたそうです。
それ以来、ナミュールは世界にとって失われた宝のまま。
世界を、再びひとつにするために、おれは来ました。
[強く求める気持ちが重なり、溢れる。]
人を殺して何ともない顔してる方が、
人間的にヤバいんだから多少はいいけどな。
[と既に慣れた自分が涼しい顔で言う。]
…殴っていいなら遠慮なくやるけどさ。
ま、後でだな。
[同じく戦いの最中、あまり意識を他所には避けない。
言葉の意味を今はそのままに受け取って、意識は再び外に割かれる*]
― 南島戦場付近 ―
死体は並べて置いておくんだ。
損傷の激しいのは…埋めるしかないな。
名前が解ればいいんだが、解らなくても身体の特徴だけは書いて残しておいてくれ。
[冬を越えたばかりの今の季節なら、まだ暫く腐敗もないだろうといくつかは王府へ返す事に。
それでも全ては難しく、幾人かはこの地に埋められる事になる。]
武器と防具は集めて、種類別に分けるんだ。
ただし紋章の入ってる物は死体の脇に。
[身元の証になるからという建前で、追剥ぎの証拠になるものは置いておく。]
―――何か騒がしいけど…。
ああ誰か捕まえたんだっけ?
[王府の間諜でないならさして警戒はせずに。
盟主が対応するようなので一任する事にしたが。]
おーい、クロ、怪我の治療。
血止めだけでも先にしてからにしとけよ。
[>>88腕にべっとりした赤い色を見て言った。
自分も肘に一線貰っているのだが、比較的軽いので棚に上げておく*]
皇帝の遥かな裔として、 そして、 新しい世界の魁として。
この巡り会いは、偶然ではありません。
時が来たのです、 シルキー。
[島そのものの姓を名乗り、転生する魂を持つと語る巫女姫を、ひとりの少女の名で呼び、手を伸ばす。]
[親愛抱擁の伺いをたてたカナンに対し、シルキーの形よい桜色の唇は是でも非でもない言葉を投げる。
それは躊躇いではなく、聡明さゆえの問いとみえた。]
それならば、おれに迷いはありません。
貴女以上に、この想いを捧げるに相応しい方はいない。
[そう答え、だが、伸ばした手でハグすることはせず、彼女の前に跪き、そのたおやかな手をとって己が口元へ運ぶ。
同じ部屋の中、陰の揺らぎに目をやることなく。*]
/*
カナンの凄まじい死亡フラグを確認!!
レッドです! アレクシス・ユレからレッドアラームです!!
パターン赤 軍師です!!
― 南島戦場付近 ―
[不満気な若者たちふたりの様子に、無理もないと苦笑した。
ともかく、ルディが呼び込んだ外の風は、山を動かしたらしい。
居住まいを正し、右手の拳を地面につく。]
ナミュール解放連盟の盟主として、
あなたがたには正式に謝罪する。
[上体を傾け、頭を下げる。]
そのうえで、伝えてもらいたい。
解放軍は、古き民の在り方には干渉するつもりはない。
けれど、この国の新しい形を共に考えてもらえるなら、
いつでも歓迎すると。
[若者たちの目を見つめて約した後、
ふたりを解放するようにと指示を出した**]
― 南島戦場付近 ―
[向けられる謝罪に、若者二人は戸惑い帯びた顔を見合わせた。
それでも、礼には礼を持って返すが一族の慣わし、と居住まいを正す]
『……いや、警戒されるような動きをしていたのも、確かだから』
[そう、早口に告げて。
託された言伝に、二人は改めて顔を見合わせた]
『……わかった、伝える』
[言葉少なにそう、返した後。
どこか躊躇うような空白を経て、口を開いたのはシルワの方]
『おれたちの事を蛮族、異民族呼ばわりして踏みにじろうとしてる連中は、結構いる。
けど、あんたらはルディをちゃんと受け入れてくれた。
……だから……おれは、あんたらを信じてみたいって。
そう、思ってる……一応』
[ぽつぽつと紡がれたのは、山の民の若者たちの間に広がっている想いの一端。
それから、二人の若者は背筋を伸ばし、山の民の正式な礼をクロードへと向ける]
『……あんたらの向かう先に、良き風がある事を』
[紡がれるのは、一族に伝わる短い祝福。
それを残して、解放された風の民は同胞の待つ地へ向けて、走り出した。*]
/*
よいしょっと、そうか解放軍側って明確にしちゃうか。
王府軍どう動くだろうねえ...向こうから動きがなければ、見捨てられたってことにしとけばOK?
― オプティモ ―
ベルサリス学館…館長のジョゼフ・ジェフロイ。
[万一のために、とクレメンス>>115は行き先を示してくれた]
ここが戦場になんてなって欲しくはねーけど…。
分かった。
ありがとな、おっさん。
[気を付けてと送り出してくれるクレメンス>>116に礼を言い、親愛の証として両手を広げた]
[出発の準備の際、シメオンはトマス達を呼び寄せる]
おっさんの手伝いよろしくな。
それからライフルの使い方とか、皆に教えてる諸々も。
心配すんな、ちゃんと戻って来る。
あ、そういやカナンから朗報があったぜ。
サイードとニールが首都で見つかったって。
二人共無事だってよ。
[使節団の仲間の無事を知らせると、三人共喜んでくれた。
その流れで、他の奴らもきっと無事だと言う話になる]
全員揃ってこそ使節団だからな。
この国を開国させるのが俺達の仕事だけど、残りの奴らを探すのも忘れんなよ。
[そうして想いを新たにそれぞれが活動を開始した]
[訪れようとしていた領地の主から届いた使者>>112。
その内容を知ることは出来たかどうか。
聞いたとしても、己の意思として向かうとして、シメオンは馬に跨った]
またよろしくな。
[護衛にと付けられた私兵に声をかけ、馬の腹を蹴る。
アレイゼル領には馬で一日は見る必要があるだろう。
土地勘無くとも進めるのは傍らにある者達のお陰。
戦禍迫るオプティモを離れることが出来るのは信置く者達のお陰。
様々な者達に支えられ、その者達の力になるためにシメオンは駆けた]
カナン。
俺ちょっとアレイゼル領主のとこ行って来る。
ヘイズナイトのこともあるけど……領主の話、全然聞いてねーしさ。
[これだけの行動力があるのなら、この国の未来を率いる者にもなり得る。
王府につくにしろ、解放軍につくにしろ、面識を得ておいて損は無いはずだ]
― アレイゼル領 ―
[休息を挟んでの旅程、そのためにオプティモ出発からは少なくとも一日以上が経過していた。
シメオンは馬から降り、手綱を引きながら街の中へと足を踏み入れる。
ピリピリとした緊張感を感じる中、警邏中の兵に不審者として呼び止められた]
随分と気が張ってんだな。
俺は遠方マチュザレム共和国より訪れた使者の一人、シメオン・オリオール。
アレイゼル領主に取次ぎを願いたい。
[兵に囲まれながらも表情一つ変えず、領主への取次ぎを願う。
囲んでいた兵の一人が伝達役となり、屋敷のある方へと駆けて行った*]
− 謁見の間 −
―――――………。
[>>127 カナンはそのまま巫女姫の前に跪き、白魚の手を取り口付けた。
然し、特にそれ以上の干渉はする事は無かった。
やはり、自分は少々警戒し過ぎなのだろうか。]
[けれども細めた目を緩めた訳ではなかった。
カナンに対し、幾ばくの嫉妬のような気持ちを、消す事は出来なかった。
然し、巫女姫に声を掛ける時は、極めて冷静なままで。]
―――――………何かあれば直ぐにお呼び下さい。
―――――………席を外します、失礼。
[会談の邪魔にならぬよう、声無き声で巫女姫に囁きかけると。
静かに影は部屋を抜けた。*]
― 首都ブラバンド:王府軍基地 ―
負けた?
[アレクシスが入室するや否や、王府の兵士達が敬礼する。
恒例行事となっているそれらを手で制するのも、いつもの事。
そして報告を聴いて、少し声を大きくした。]
―――――………そうですか。
[騎士隊長の戦死を聞けば、表情を歪め、ひとつ頷く。
巫女姫は、彼女と親しくしていたはずだ。聴けば悲しむ事だろうか。
もっとも、それはかつてアレクシスもシュビトで共にしてきた者でもあり。
そして、同じ軍であったからして、そう深くない交流をしていたか。
いずれにせよ、もう彼女と、言葉を交わすことは出来ない。
静かに、ブラバンドの空へと、視線を送り。祈りを捧げる。]
………それにしても彼女が敗北、ですか。
そこまでの計略を謀ったのか。
或いは、それ以上の兵が居たか。
……………。
[唇を舐め、思案する。何かが可笑しい。
とてもではないが、アレクシスには考えにくかった。
人数は多いとは言えど、クロード・ジェフロイ率いる学徒達は、一般民衆だ。一方でフィオンは女と言えど、騎士団の隊長である。
よく鍛えられた騎士団員が、簡単に負けるとは思えなかったのだが。]
兵の遺体を見る事は出来ますか?
幾らか、居たはずですが。
― アレイゼル領 ―
[火急の知らせと家令が驚愕冷めぬ表情で現れた]
… … …なんだと? シメオン・オリオールが?
[報告に男もまさかと耳を疑う。当然だ]
… … …死にに来たのか?
[奇しくも最初の感想は、これより戦を仕掛けようとしている、クレメンス卿が発した物と同一だった]
[先に送りつけた宣戦布告には彼の引渡しも降伏条件に含まれている]
ここで今更何をしに来たつもりだ。
… … …念の為、私兵を配しておけ。
但し異常なければ決して殺すな、後の外交に最悪触るやも知れん。
異邦の技術の引き出しにもなろう。
[命令を飛ばしながら、男は屋敷の外で待つ、私兵に囲まれた副使の元へ現れる]
[屋敷の扉を開くと、そこに確かに居たのは、オプティモで見た副使の姿だ]
… … …驚いた。本当にこのアレイゼル領にまで訪れるとはな。
副使殿は、私に何を望まれるのかな?
身の回りは調べさせてもらっても?
[目的は知れぬが、事実上、敵地単身で乗り込む勇気。
彼等には王国こそが異国の地だ。恐らく男がマチュザレムに単身赴けと云われても、警戒心が先立ち、真似は出来ない。
故にこそ、彼の話を聞いてみる気に至る]
[そのまま、遺体安置所へと足を運ぶ。
遠方からの帰還、しかも敗走なので、無事に連れて帰って来れた者はそう多くない。
アレクシスは、黙祷を捧げ、傍にしゃがみ込む。
王府へと無言の帰還を果たした、英雄たちの身体を眺め、触れやる。]
―――――………?
[甲冑に不自然な穴が空いている。
機械矢で射られたものではないだろう、傷穴はもっと大きい。
孔の周りは、何かで焼かれたような小さな焦げ跡も見つかった。
今までもこうして遺体を漁って、毒物や武器などを調べ、次の対抗策を講じる事はあったが。
このような創は、いくらアレクシスと言えど、初めて見るものであった。]
カナン様に、お話を伺う必要がありそうですね。
昨晩はお楽しみになられたようですし。
[>>52 仲良くさせて頂いている貴族の噂に依ると、カナン・リリは昨晩貴族に晩餐会に招かれたようだ。
そこでは、紳士淑女問わず、誰に対しても非常に友好的な態度であったようだ。流石、小国と言えど、一国の第二皇子である。この手の類は慣れているのだろう。]
けれどもまだ巫女姫とのお話中でしょうか。
ならば、もう少し時間を置いてから参りましょうか。
巫女姫に―――……あまり血腥い話はしたくないですからね。
[立ち上がると今度は、他の伝令の報告を聴きに足を運ぶ。先日アレクシスが、オプティモからスルジエ領に向けて送った一隊である。]
お疲れ様でした。
[意外にも早い兵の帰還に労いの言葉を掛けつつも、彼等の報告に耳を傾ける。>>37 スルジエ領主を拘束する事に成功したが、不慮の事故により、領主は死亡。
ちなみに、スルジエ領主は一貫して無実を主張していたとのこと。現在スルジエには王府の軍が若干名残り、混乱した街を鎮めているようだ。]
――――……分かりました。
鎮圧が済めば、そのまま第二部隊と連絡を取り、物流経路の確保に当たって下さい。
[オプティモ西の砦に向かわせた第二隊(>>3:163)と連携し、シュビトまでの進軍をスムーズに行う為だ。
まさかスルジエ領主を討った事で、まつろわぬ民の物語が進んだ事は、アレクシスには分からぬ事。]
― ウェントゥスの里 ―
[外からの伝令の翼が戻ってきたのは、支度が整った頃。
スルジエの動きは相変わらずはっきりとは掴めていないようだが、もう一方は]
……戦いが起きた?
[騎士団と解放軍が戦っていた、という報せ。
走り書きのようなそれが緊張感を高める中、すぐさま走り出そうとして押さえつけられたのは予定調和というべきか。
ともかく、シルワたちが戻るまで待て、と言い含められ。
『無理せず、一度戻れ』と記した文を持たせた翼を放った後、じりじりしながらその帰還を待つ事となった──のだが]
シルワ、ワリス!
[帰って来た二人の名を呼び駆け寄って]
二人とも、無事!?
それで、何があったの!
[安否を確かめた後、何が起きたかを問う。
伝えられる二軍激突の様子に、緊張感が走る。
特に、見た事のない武器の話はそれを更に高めたようだった]
『それで……戦いが終わった後』
[戦場の様子の伝達の後、シルワが言い難そうに切り出してくる]
……どしたの?
[妙に気まり悪そうな様子に首を傾げて問いかければ、伝えられるのは戦いが終わった後の顛末。
最後のクロードからの言伝>>128に、先とは異なるざわめきがわき起こった]
……そっか。
クロード兄さんらしいなぁ。
[伝えられた言葉に、零れたのはこんな呟き。
あの人にならば、預けられるだろうか、と。
同時に過るのは、そんな想いだがこちらは口にせず]
……とにかく、戦いは解放軍側が勝って。
騎士団の生き残りは、引き始めてるんだ。
……今なら、北島まで走り抜けるのもできる、か。
[騎士団が未だに残るようであれば、身動きは取れなかったが。
引くのであれば、駆け抜ける隙もできるはず。
陸路以外に辿る道のない身、ここで留まって道を閉ざされてる事は避けたい]
……父上。
明日の夜明けと同時に、北島に出発するよ。
シルワ、悪いんだけど、お使い頼まれてくれるかな。
兄さん……盟主殿に、手紙、届けてほしいんだ。
[静かな声音で宣する姿に、迷いはなく。
その様子に、族長はやや大げさに息を一つ、吐いた。*]
/*
[左を見る]
[目を逸らした]
あちゃあ……またやった……!
やりたい事たまってた上に、休みだとこれだよ、もう。
朝更新で回復タイミングがあれなんだから、考えろよと小一時間……!
― アレイゼル領 ―
[兵に囲まれたまましばし待つと、前方の人垣が割れ領主が姿を現した>>141]
よ、邪魔してんぜ。
目的は、まぁ色々。
学術的なこともあるし、俺がこの国に訪れたことに関わることも。
物騒なもんは持って来てねーぜ?
あ、護身のためのナイフは入れてあるけどな。
[旧友に挨拶でもするような口調で領主へと挨拶をする。
問いに答えながら身体チェックには是を返し、敵対の意思は無いことを示した。
所持していたライフルは敢えて置いてきている。
護衛付きとは言え、無防備とも言える姿に相手はどう思うか。
既に驚いてはいるようだが]
/*
[かぽーん]
墓下に来てみたら温泉だった…だと?
あ…、いい湯だ。
[ちゃぷんと湯の中に足を入れて思わず頬を緩ませる。
「撮影のためにタオルを着用しています」のテロップ付きで登場。]
/*
こんばんは。
先生方も、サシャさんもお疲れ様です。[温泉まんじゅうに手を伸ばしてみる]
サシャさんと相討ちとか考えたけど、素人の民兵と戦いたくて…。
立候補は考えたんですが、自信がなくて断念しました。
/*
姉さんこんばんは。
生前は色々テンパってしまい御迷惑をば。
相打ちは前日あったからもういいかなと思いつつ、ソマリさんかガートルートさんと接触できなそうで、フィオンも相手いなさそうならぐらいに思っていました。
― 南島戦場付近 ―
[友が騎士団の遺体処理を指示していたと聞きつつ、
これまでに積み上げた死の数を思う。
騎士団、そして民兵。
数は優に4桁を超える。
その最初のひとりを生み出した一矢。
かの射手は、今はどうしているだろうか。
話を聞いてみたいと思った。
その願いが、もはや永遠に叶わないとは知る由もなく。]
わかってるって。
[怪我の治療を言う友に無事な方の手を上げ、]
人のことばかり言ってないで、
おまえもさっさと治療しとけよ。
[友の肘に走る赤い線を見て、返しておく。]
ふむ。その程度ならば私も構うまいさ。
[武器と云えば護身用程度の物。故に私兵に取り上げもさせずにおいた]
学術的な事、といったか。
ああ、そういえばカナン・リリは教師の真似事も出来たとは聞いている。
まあ尤も、急かす事はあるまい。
ゆっくりと紅茶でも傾けながら貴公の話を聞く事にしようではないか。
[副使の割に軽々しく砕けた様子も、侮り難い雰囲気を男は感じる。
故にこそ余裕を持たせる様に、男は彼を応接室へ通し、紅茶とそして、その味をしたプリンを彼に供しながら。
何を話すのだろうかと、彼が口を開くのを悠然として待つ]
/*
>>+11こんばんは。
いえいえ、こちらこそ確認不足で本当に申し訳なかったです。
サシャさんの最期、昨晩は追う余裕がありませんでしたが昼間に読ませて頂きました。
凄く格好良かったです。
相討ち連続になる…は確かに。
英雄さん方お忙しそうだったのでNPCとの戦いで死亡(最後の方にジェフロイさん来られたら嬉しいなぁくらい)…も考えたのですが、解放軍二人が来て下さったのは有難かったですね。
前日の先生方の最期が格好良すぎて、昨日はどうすれば盛り上げる死に方出来るだろうとおぶおぶしてました。
/*
サシャさんは口調から女性?でも身長あるから男性?と確定するまで悩みながら、
男性でもおいしいじゃないかと思った中身です。
温泉にお菓子、何ここ和むーと思って見ておりましたよ。
[温泉饅頭もぐもぐ]
[そして、もっと軽い任であっただろう第二部隊からの報告に目を丸くする。]
え、ソマリ・フル・アレイゼルが―――……?
[>>113 それはプリン領主、もといアレイゼル領主がクレメンスに宣戦布告をしたとの報告であった。
それだけならば、貴族同士の領地争いかと看過する事が出来るけれども。宣戦布告した理由に、さらに驚きの声を重ねる。]
ラウド・レイ・クレメンスを国敵として、ですか?
――――……どういう事でしょうか。
つまり、ソマリ・フル・アレイゼルは王府に従うという事ですか。
此方はそのような類の言は受けておりませんが。
[ソマリ・フル・アレイゼルから受けた手紙と言えば、スルジエの一件だけだ。
まさかあれだけで、巫女姫の忠義を伝えた訳でもあるまい。
然し、続く報告に依ると、神殿を含めたドルマール周辺の警護(>>3:309)にも兵力を割いているとのこと。]
ソマリ・フル・アレイゼルにも会う必要がありますか?
…………やる事が多くて困りますね。
いっその事、彼からブラバンドにいらっしゃったら話は早いのに。
[然し、と言葉を区切る。]
…………。
此方は、ラウド・レイ・クレメンスにも部分的ですが、協力を依頼したばかりなのですが………。
ソマリ・フル・アレイゼルがあくまでも王府側を名乗るならば、即ち。
今後のラウド・レイ・クレメンスの協力は望めなくなりますが。
………。何かが可笑しいですね。
そもそも、額面通りに受け取るならば諍いが起きる事自体、違和感なのですが。
[こめかみを押さえ、暫し思考を整理する。]
/*
>>+4そ、そこ!何をしている…!
[ズームインに気付いてタオルを巻いた胸元を抑えながらわたわたする。
因みにサイズは上から░▓▒▓█▓░░▓▒です。]
― オプティモ ―
[両腕を広げたシメオンを、すでにすっかり慣れた仕草で、背を叩いて送り出して、いくらもせぬうちに、アレイゼル領主からの宣戦布告は齎された>>117]
欲深だな。さすがは、ソマリ・フル・アレイゼル、と、いうべきか。
[要約すれば、手持ちの駒全てを己に明け渡せ、という内容の布告は、すでに王府の臣としての建前さえ被っていない。
あくまで王府に従うことを形だけでも示すなら、引き渡し先は王府でなければならない筈だ]
…解放軍に賭けたか。
[それは、こんな状況の中でも、男に僅かに安堵の念を抱かせる。この事態を知って諸侯がどう動くかは判らなかったが、少なくとも、それは、決して壊れぬと思われた壁が一つは壊れたことの証拠だった]
ふむ、しかし困ったな。例え降伏したくても、この条件を満たすのは無理だ。
[どこか楽しげに、男は家令任せではなく、自らアレイゼル領主への返信をしたためる]
『親愛なるソマリ・フル・アレイゼル殿
貴公の要望は拝読した。しかし、要望にお答えする事は不可能である。
一つ、オプティモの領地は巫女姫の名の下に王府より賜ったものであり、我が裁量にて貴公に明け渡す事は出来ない。またすでに領内に王府軍が駐留しており、貴公の手を煩わせるべき憂いは無い。
一つ、私兵軍などというものは存在しない。我が家の使用人のうち護衛の任を勤める者は居るが、武装解除したのでは護衛とは言えず、それに応じる者も居ないだろう。
一つ、カナン・リリ大使は既にブラバンドに出立し、巫女姫と謁見中であると推察する。またシメオン・オリオール副使は既に当家には滞在していないため、引き渡しは不可能である。
一つ、当家に保管される使節団の所持品は、カナン・リリ大使より正式に当家に譲渡されたものであり、提供には応じられない。
この返答をもって尚、当方を国敵と呼ぶのであれば、貴公の目は節穴と言わざるを得ない。
貴公の兵が、我が領地と領民に仇為すとあれば、我も又、武をもって信義を天に問うを厭わず』
/*
昨日はお互い自分のレスであぷあぷでありましたね。
そちらこそ、戦死らしい戦死をばでありましたです。
戦場で討たれる流れ、お見事でありました。
将来的に大物同士の相打ちもあるかも知れませんし、なるべく回避の気持ちは一応。私もソマリさんの私兵の中で死ぬ事も考えていました。宿で篭城戦想定して、宿の名前を池田屋にしたのもその名残です。
/*
…取り敢えず、これは拾っておかねば、と。
フィオンもなかなか笑顔は使いませんでしたね。
昨日は巫女姫様にデレまくっておりましたが。
マーティン先生もお疲れ様です!
[そして、長い溜め息を吐いた。]
―――――……厄介な事になりました。
ソマリ・フル・アレイゼルはそれが狙いでしょうか。
[どういう事ですか?と兵の一人が問う。]
私の考え違いでした。
ソマリ・フル・アレイゼルは王府ではなく、クロード・ジェフロイ側に付いたという事です。
それらの文句は、ただの大義名分でしょう。
つまり、王府の為、巫女の為というのは詭弁。
その真意は、反政府軍に与したという宣誓です。
恐らく先日、私がラウド・レイ・クレメンスと会っている所から推察し、先手を打ったと思われます。
[軽く腕を組み、対抗策を考える。
先日、ラウド・レイ・クレメンスからオプティモに撤退を求められたが。
こうなれば話は別だろう。クレメンス軍だけで対抗出来るならば問題は無いが。オプティモが陥落しては此方も困るのだ。]
砦に居る兵に伝えて下さい。
オプティモに向けて援軍を送りましょう。
ラウド・レイ・クレメンスには私から伝令を送ります。
もし、彼が援軍を辞すようならば、それでも構いません。
ただしオプティモが、ソマリ・フル・アレイゼルに乗っ取られぬよう、注意して下さい。
[そして兵の一人が尋ねる。『ドルマールへの進軍は?』]
[真実は五割、虚構が五割、味付けの挑発が少々といったところか。
「真実」のひとつであるシメオンは、既にソマリの元に現れているかもしれない。
先の布告の最期に付け加えられていた言葉には何の返信も書かれてはいない。
兵を送った事を事実と認める事は出来ないからだ。
だが、天に勇者の魂を連れて昇る
過去の漂着物の一つであるその精緻な絵画が、実は彫像を被写体とした「写真」であるとは、贈った男自身も気付いてはいなかった*]
――――……放置で。
[尋ねた兵が素っ頓狂な顔をする。]
最悪、神殿は陥落しても構いません。
寧ろ、わざわざドルマールまで貴重な兵力を割いてくれて感謝したいところです。
[恐らくソマリ・フル・アレイゼルは気が付いていないか。
或いは、もともと巫女の文化には疎いだけなのかもしれない。
今、そこに王府の兵力を割く必要が無いのだ。
>>0:6 そこに
/*
>>+16あっぷあっぷでしたね。
これでメレディス隊も加わってたらパンクしてたと思います。
わぁ、ありがとうございます。
精査すると色々とおかしいところがあるので目を細めてご覧下さい…。
解放軍の前に立ちはだかりたいなぁ、とこっそり思っていたのです。
英雄同士の相討ちも滾る展開ですよね。
成程。
池田屋はそれでだったのですね…!!(今気付いた残念な人)
― 南島戦場付近 ―
[先頭処理先頭に立って指揮をとる。こちらも無傷ではない為怪我人の治療や、王府の騎士らの死体の送り込み、そこらの雑務は引き受けた。
本格的な戦闘は、人を殺す恐怖と勝利の興奮を呼び、疲れを生む。比較的動ける者が動いて他への負担を減らすように努めた。
その中で外交官が持ち込んだ武器は効果的だったとか、そんな話も耳にする。]
まぁ獣追ってるだけなら要らない武器なんだけどな…。
[人を殺す武器が発達した外の国。
これが人以外に使われるとはあまり思えない。
外も人同士殺し合ったりしてるんだろうかとか、そんな所に意識は行った。]
…大して、変わらないっつーか…。
[何とも言い難い顔をしながら一人呟くと、頭の後ろを掻いた。
上手く言葉が出ない時は、そんな仕草をよくしていた。]
― アレイゼル領 ―
学術的な方はカナンよりも俺の興味と言うか…。
こう見えても学者でね、主に歴史を研究している。
[返される言葉>>154に一つだけ訂正を入れて、没収されなかったナイフを懐へと仕舞い直した]
こんな時勢に押しかけてすまねぇな。
お邪魔するとしよう。
[余裕ある態度に人の上に立つ者としての風格を見る。
しかし油断しては居ないだろうことはシメオンにも分かった。
護衛の私兵も気を張り詰めているよう。
万一以外は動かなくても良いと言い含めてはいるため、動くようなことはしない]
[通された応接室では紅茶と、プディングから派生したらしい同じ味のプリンが出された]
へぇ、この発想は無かったな。
甘い中にも香る風味、紅茶が無くとも飲んだ気になれる。
…でも、同じ味の紅茶と一緒じゃあ、感激も半減だなぁ。
このプリンは紅茶と一緒に食すよりも、単品で頂いた方が紅茶の風味を強く感じられて良いと思う。
[甘味に妥協しない男は警戒された地でも妥協はしなかった]
と、こんな話をするために来たんじゃなかったな。
今回アレイゼル卿の下を訪れたのは、貴公の領地を巡り歩く許可を貰いたかったことが一つ。
この地にある”太古の森”をこの目で見てみたいんだ。
ナミュールにはマチュザレムを始めとした外の国々には無い動植物も生息していると見える。
その調査……とまでは行かないが、一目見たいと思って来た。
……叶うなら、ドルマール神殿も拝見したいんだがね。
[一つ目の話の最後辺りはダメ元、と言った様子で口にする]
[ある程度の処理に、休息の算段が付いた所で腕の治療を受けた。
>>152これから会いに行くのにさっきのままだと、小言に変わりそうなのは目に見えていたからだ。
しっかり布を巻いてもらってから、盟主が休んでる天幕に顔を出した。]
よ。外の事はだいたい終わらせてきたぜ。
[言いながら、どさりと友人の前に腰を下ろした*]
この地を訪れたもう一つの理由は。
貴公が、開国についてどう考えているか。
それを聞きに来た。
[続けたもう一つの理由は、探るでもない真直ぐな問いかけ。
これを問うのに小細工なんて必要ない。
シメオンらマチュザレムからの使者がそのために来ていると言うのは明白なのだから]
[ひとつ重い息を吐き]
貴方がたは、見知らぬ世界の方々ではなく、
遥か昔の…広い意味での同郷の徒だったようです。
…ただ、
[しばし口を噤む。
宙を漂う言葉を、掴み纏めるような心の仕草]
― オプティモ ―
しかし、こうなると、シメオンを行かせたのはやはり間違いだったか...
[ 宣戦布告が届くまでは、ソマリが、こうまで露骨な要求をしてくるとは思っていなかったために、彼が軽々しくシメオンを害する事は無いだろうと信じて行かせたのだが、捕らえられて、カナンに対する人質にでもされては目も当てられない ]
[ 救出の為の一隊を新たに送るべきかと、思案していると、また別の一報が届く ]
[その沈黙の合間を縫うように、カナンが動く。
避けることをしないのは、
目を逸らさず、逃げもせず。
向き合うことを決めているから。
己が描く、国の在り方と同じように]
― ウェントゥスの里 ―
[出発を定めた後、自室に戻って手紙を書き始める。
内容は、至ってシンプルなもの。
騎士団との戦いの事には触れる事無く、一族の者を無事に返してくれた事への感謝を最初に綴って、それから]
『オレはこれから、北島へ行きます。
理由は二つ。一つは、北の森の同胞に会うため。
もう一つは、北島のアレイゼル卿との約を果たすため。
ウェントゥスの風は、解放軍の作る新しい流れの先を見る事を望んでいます。
まだ少し、意見の調整とかで時間はかかるかも知れないけど、後で族長イムベルからの使いが向かうはず。
それまでに戻れるようにはするつもりだけど、遅くなりそうな時は、ウチの頑固親父をよろしくお願いします。
ヴェルザンディ・ウェントゥス』
[シメオンから、アレイゼル領主のところへ行くと、声が届いた。
「アレイゼル領」ではない、「領主」だ。
クレメンスが警戒して防衛に出たという相手。
サシャの死も彼の命令によるものだろう。
シメオンの報告から組み立てられるソマリは、油断のならない牙もつ男だ。]
ああ、 おまえが自分の目で見て、感じたことを伝えてくれ。
[わかりきった危険を口にすれば、現実になりそうな怖さがあるから。
カナンはただ、欲するものだけを口にする。]
おまえはおれのものだ。 誰にも奪わせるな。
これでよし、と。
[書き上がった手紙に厳重に封を施す。
最後に真名を記したのは、最大限の敬意の現れ。
山岳で採れるハーブを加工した、疲れを取る効果のある香草茶と共にそれを届けるように、と頼んでおく。
手紙を届けるシルワの疲労を鑑み、ゆっくり休んでから、と釘を刺しておくのも忘れなかった。*]
[巫女姫ではなく、彼女自身の名を呼んで。
手の甲に、彼の親愛が印される。
時が来た、と。
南島で聞いたものと、同じ台詞を口にして]
……、カナン殿。
シュビトに最初に訪れた貴方は、
少し見誤っていらっしゃいます。
世の中は、足の早い人ばかりでは無いのです。
外の国のことなんて、
今まで縁遠かった方々が…北島には沢山いるのですよ。
/*
可愛そうなシュテファンでしたね。
姫巫女様からは追悼されましたが。
あの頃はあんなスタンドプレーできるのは今ぐらいで、どっかの配下に収まるだろうぐらいに思っていました。
/*
因みに自分が使うNPCはチップに使わない名前を考えていましたが中身透けになるかもと回避。でもそれやる時はすごろく村とかだった気がするのでただの自意識過剰だったという。
――――時は、来たのでしょう。
ただしそれは、開国の時ではありません。
国を開くか否かについて、
ナミュールの皆様が向き合う時の、始まりです。
[深い夜の色の海原に、月の影が落ちるように。
宵藍が、譲らぬ意思を灯して煌いた*]
/*
皆さんのメモにありがとうございましたと頭を下げつつ。
>ガートルードめも
いえいえ、こちらこそお付き合いありがとうございました。
>カナンめも
フィオン、旦那さんの病気についてとか弄りたいと思いつつ会えず仕舞…そっちでも惚気ててください。
今回、王府側に寄らせましたが、病気について触れられると弱かったのでした。
弄、り…?(首こてん)
…こ、今回は弄られ枠じゃない筈…。きっと。
[危険だと止める声はない。
けれどそこにあるカナンの不安は感じ取っていた。
だからこそ、シメオンもまた不安を煽るような言葉は紡がない]
ああ、お前の代わりに見てくるぜ。
必ず、お前の下に戻る。
[カナンが求めるもの、シメオンが願うもの。
一致するそれは誓いへと昇華される]
/*
深い意味も意図もなく、南国だからと安易に南国特産を出そうとサトウキビ産地設定出したら、アレイゼル卿にあれほど食いつかれるとは……恐るべし、甘味村。
[ という思いが三日目辺りの冒頭のロールだったりも。]
/*
可哀想な羊でした。(なむなむ)
でも彼のお蔭でシュビトに突っ込む事が出来たので、巫女姫様に助けて頂きました。
撃たれた時、(これはジェフロイさんにケンカ売る口実になるぞー)と思った中身。
サシャさんがマチュレザム側に寄った後は、兵士として以外の面も見れて良かったです。
急がねばならんな...
[ オプティモ市街以外の領内の、兵力とはならぬ民に、避難を指示する。
オプティモの市民には、不要な外出を控え、いざという時には定められた避難所に集まり隠れること、戦える者は武器を持って領主館に集まり自ら街を守る事を要請する ]
[ 命令ではなく要請、と、したのは、カナンの影響だったかもしれない ]
「アレイゼル卿は、本当に攻め込んでくるでしょうか?」
[ 問いかけた側近に、男は、さあな、と肩を竦めた ]
或いは、戦う相手は、卿ではなくなるかもしれん...
/*
>アレクシスめも
いえいえ、こちらこそ授業のシーンにでも触れられたら良かったですね。
王府陣営として見守っております。
/*
デモでも喧嘩でもなく、殺し合いになぁれと思いながら。
スルジエの隊長と兵士、暴動の中で壊滅近くにまでさせたかったのです。隊長は生かす気でしたが、殺す人出たら死んでもいいやぐらいに。
何か使節一行を延々と追いかけてたら、引っ込みが付かなくなったというか、咄嗟の思いつきで亡命発言を。
/*
[倣って手を合わせてみる]
レオンハルトは南無…。
戦って下さったガートルードさんに感謝です。
メレディスは死亡フラグを取り敢えず脱したぽいのお疲れ様。
死に触れて下さるのはじんときますね。
しかし戦乙女は照れてしまう。
/*
王府が動いたとなると、俺もソマリ氏も多分死ねない...と、思うので、自薦は延期。
やっぱ胃が痛いなあ...まあ最終日にはいない、うん、いない。
/*
サシャはチップが愛らしく凛々しい子で、過去見ているものもそういうイメージがあったので、少し違ったものをと思っていたのですが、抜け切れずぐぬぬ…でありました。
高身長のサシャは達成できたのでよし(設定によるごり押しとも言う
[当初は一人で向かうつもりだった。
そも、約を交わしたのは自分だから、というのもある。
だが、それだけはさせられぬ、という族長の強い意思もあり、鳥使いの青年が一人、同行者としてつけられた]
……に、しても。
騎士団の部隊が全滅、か……。
[北へ向かう途中、ぽつり、と零す。
戦いである以上、命が失われるのは避けられぬ、と。
頭でわかっていても、感情が覚束ない]
あのひとも。
もう、いないのかな……。
[小さく呟く。
結局名乗る事なく、名も聞く事もなかった人。
けれど、強い印象を自分の内に残した人。
ある意味では、自身の興味をより強く外へ向けた彼の人も行ってしまったのかと。
そう思うと少しだけ、苦しいような、そんな心地がして。
小猿が案ずるようにきぃ、と鳴くのに大丈夫、と返すものの瞳の翳りはしばらく晴れなかった]
[それでも、火山の横を抜け、北島に踏み入る頃には、初めて立ち入る地に気持ちは少し上向いていた。
とはいえ地図を頼りに知らぬ地を進む、というだけでも緊張するもの。
まして、戦時となればそれは更に強くなる]
……それでも、行かないと、ね。
[出立してからの口癖となった言葉を小さく呟いて。
南の山から吹き下ろした風は、北の森を抱く地へと馬を駆る。*]
― 南島南部 ―
[天幕の中で考えていたのは、これからのこととか、
外の国のこととか、そんなとりとめもないこと。]
おう。おつかれ。
[入ってきた友へと視線を上げ、肘の布ににやりと笑う。]
ちゃんと手当してるじゃん。
[いつもは舐めときゃ治る、なのに。
なんてからかう言葉は、今は唇の中に収めたまま。]
/*
どうやら今日落ちの大勢は決しましたね。
アレイゼル卿にはもう一踏ん張り、二代目蝙蝠の称号と共に頑張っていただきましょうか。
明日の朝、皆に知らせを飛ばす。
集結し、王府の砦を一つ抜いて、北島へ向かう。
[口に出したのは、進軍のことだった。]
だからその前に、
───殴ってくれよ。
[立ち上がって、友に視線を注いだ。]
/*
>>+25
甘味喰いつきの良い村ですね。
カナンさん周りはそういう話も出るかなと思ってましたが、予想外に膨らんでました。
カステラもどきが出たり、プリンの改良も凄かった。
成程…[三日目の冒頭ロルに目を通しつつ。]
>>+27
おお…場を掻き回す意図は感じておりましたが。
フィオン周辺が舌戦になってしまって申し訳ないです。>殺し合いになぁれ
Σ咄嗟の思い付きだったのです?>亡命発言
報告は以上ですか?
[一通りの報告を聴き、それに沿った指示を与える。まだまだやる事は多そうだ。>>11 昨晩の巫女姫の顔が思い浮かぶ。馬車馬とはよく言ったものだ。書簡の整理をする為、軍にある自室へと戻り、筆を取る。]
『ラウド・レイ・クレメンス様
先日は手厚い歓迎、有難うございました。――――……』
………。
私は手紙にすると、いちいち長くなってしまいますね。
[火急の内容だというのに。随分と冗長的なものだ。
5(6x1)枚にもなってしまったそれを封筒に入れ、伝令に手渡した。]
さて、そろそろ対談も終えた頃でしょうか………。
[もう一度城へと戻り、謁見の場へ顔を出そうか。
もしカナンがあの鉄箱を紹介したいと言うならば、その部屋に再び案内もしよう。]
[甘味への妥協無き、副使の評に男は両肩を竦めてみせる]
おや、そうかい?
これでも私は紅茶もこよなく愛していてね。
紅茶の味と紅茶の味で、ほどよい甘味を愉しむ。
素晴らしいではないか。
[尤も。その理屈は、紅茶好きの甘味好きである男で無ければ共感は得られない様だ]
― 領主館 応接室 ―
そうだとも。菓子と紅茶の話はまたできるさ。いつでもね。
ふむ、我が王国の見識を広め、この国の文化を知ると云う所かな?
君が学者と云う事には少々意外だが、なるほど。
貴公もご存知の通り、今現在は、多少忙しくてね。
家の掃除を行き届かせ、良く御来賓を御持て成しするには不十分。
然し、それもそう長く掛かる事はあるまい。
その後でも宜しければ、是非ともご案内しようとも。
ドルモール神殿は、申し訳ないが巫女姫の管轄でね。
例え貴族諸侯と云えども、一存で許可を降ろす事はできないのだよ。
[にこりと笑顔さえ浮かべて、和やかな談笑を楽しむ。
屋敷の外では既に、兵の気運高まる様子が伝わるというのに]
[続ける様に告げられた、小細工も言い回しも不要な言葉]
… … … …ふむ。開国についてか。
尤もだ。
貴公等はそれを目的で、命を賭してまで王国を訪れたのだからね。
[紅茶のカップを傾けた。赤色に近い水面がゆらゆら揺れる]
開国自体にも、メリットとデメリットが存在するだろうね。
当然、技術や文化の流出入は最も足るもの。
そして諸国の脅威に晒される警戒が生まれるのはご承知の事かと思う。
但し私自身は、開国自体が王国の致命傷となるとは思わない。
貴公等諸国にとって、最大の邪魔な壁が払われる事を考慮してもだ。
[それで無ければ解放軍に肩入れを決める事などとても出来ない。
開国自体が、王国の致命傷になると考えるならば、選択肢はひとつなのだから]
… … …だがね。マチュザレム副使、シメオン・オリオール。
[三白眼は綿絹の様に柔らかい笑みを浮かべながら、彼の瞳を覗きこむ様な眼差しを送りつけた]
私は諸君が漂着してこの方、散々手の者に諸君らの事を調べさせた。
諸君らの名に立場。
保護者の特定と残骸の行方。
首都ブラバンドでの貴公との会見にシュビトに於ける演説に。
どうしても諸君を見て信用のできない事があるのだよ。
…何か心当たりはあるかね?
/*
あー、宣戦布告中の私兵軍は、ふつーに領内の正規軍のつもりだったかもなー。
中世の軍構成読み込みすぎたかも。
[大貴族の兵力は小領主である下級貴族や騎士を束ねて、編成したもの。
私兵は軍とは別、という概念]
『利』だよ。 この開国を求める君達の『恵み』なのだよ。
安全性の保証も出来ないまま、結界の突破を。
共和国は異国の王族という重要人物に敢行させた。
…そこまでして、ナミュールに開国を求める『利』は何だね?
異文化の交流か? いいや、技術格差の生じた云わば格下の国相手に価値など薄い。
技術と文化、それらを『与える』ばかりとなり
君達が国交で『得られる』物のメリットが、少なすぎるのだよ。
然し君達はそれ以上を敢えてか何故にか、語らないね?
解放軍と王府を巧妙に渡り歩き、民衆や貴族諸侯に技術を伝える。
そうする事で、王国に対して『開国のメリット』を伝え、感情を動かす。
然し、何ゆえ君達は開国を求めるのか。それはどうしても解らない。
国交と云う仮初の友好を盾に、共和国へ対する負債か忠誠が欲しいか?
暴風の結界を巡らせる、技術力で説明のつかん、姫王陛下の宝珠でも望みか?
… … …それとも、謀略を駆使してやがては
このナミュール王国の領土その物がご所望か?
/*
ふむ、ヴェルザンディさんも落ち予定で、表は巫女姫様の紅一点となりますか。
ガートルードさんがいなくなった後、ジェフロイさんの動きが熱くなりそう。
[三白眼を怪しく歪ませて、男は異邦の副使を見据える]
…私の嫌いな物はこの世でふたつある。
ひとつは、己が立場を軽々と揺るがす薄汚い蝙蝠。
そしてもうひとつは、相手の得る利の読みきれん交渉相手だ。
…さあ。どうかな?
マチュザレム共和国副使、シメオン・オリオール殿。
[彼等、異邦から来る者達の本心に踏み入るべく、その口端が弧を映した]
/*
誰の立場からも敵という配置にしようとごちゃごちゃ書きすぎたという反省も。
亡命は思い付きでした。
スルジエの自分派の敗残兵と新兵を回収して、数十名〜の一隊で三陣営のどこかに軍として加わるつもりでいました。
ジェフロイ達と別陣営としてカナン達が存在している以上、彼らも独自で兵を持つ流れもあるかなと思って、クレメンスとの関係が何処までになるか見守っていました。その場合、主を持たない数十の兵は都合がいいかなと思っていたので、最初に接触狙いは変わらなかったので、早めに会って置きたかったら、撤退の流れだったのでわたわた追ってたら、あれ? もう飛び込んだ方がいいかな?とw
/*
>>+27
サシャのあそこらへんは、結果的にサシャのいないNPCの軍勢になったのが、そこですぐ殺し合いって感じにならなかったのかなーとか。
[「世の中は、足の早い人ばかりでは無い」と、シルキーは告げる。]
ああ、 おれもそれを罪だとは言いません。
開国したからと言って、誰もが外の世界を直視する必要はないんです。
[弱者を守ろうとするシルキーの視点は、子に対する母にも似ていると思った。]
/*
>>183にぶわわっと。
あの会見のとこ、反応しときたかったなぁ。
此方視点だけでも、あの時の若者だと確定したかった。
/*
忘れないうちに入れとくか。
実質二択の推挙だが、従兄弟にはもうちょっと頑張ってもらおう…。
ところでにーちゃんカッコイイなw
国民が現実と向き合う時──か。
[自ら国民を向き合うことを選んで神殿から出た巫女姫の言葉には、実感があった。
決して言い逃れや時間稼ぎの理屈ではないと感じる。だが、]
例えば、ウェントスのような古き血筋が国民であるのか、それともまつろわぬ民であるのか、
貴族たちが1000年の間、放置してきた問題と同じことを、今から協議したいと、貴女はそういうのだろうか。
その話し合いで全員一致の見込みがあると?
[それこそ現実的ではないと、首を振った。]
そう、あなたが指摘したとおり、おれはしばらくシュビトのベルサリス学館に寄宿していました。
そこで、生徒たちから学んだことがある。
それは、「前例がない? なら、やろう!」という心意気です。
[シルキーが学館に滞在したことがあることは知らぬままに、その理念と情熱を示す。]
聡明な貴女には、わかっているはず。
あるいは、もう始めているのかもしれない。
おれも…待てないとはいいません。 貴女がほしい。
ですから──期限を切りましょう。
[いつまでに答えを貰えますか、といまだ離さぬ指先に、わずかに力をこめた。
国の柱を担う姫を親しくシルキーと呼び、その手に接吻けたカナンは、持ち前の強さを、事態に対する主導的立場を取り戻しつつある。
口調にも、それが出た。
恋い焦がれることを隠さない視線はいまだシルキーの上をひたと離れず、動悸は全身に熱い血潮を送り続ける。]
/*
ソマリの指摘がいちいち的確で素晴らしい。
やっぱりあなたは最後までいるべき存在だと思うよ。
貴族を取りまとめる必要性という意味でも。
/*
>>+33
その立場に、という意図は伝わってたので、上手く拾えなかったなぁと。
ふむ。
三陣営がそれぞれ兵を持つ展開は流れによってはアリだったと思いますよ。
マチュレザムとシュビトが早い段階で共鳴してたので、軍隊持つとしたら連合になるかな?と見てました。
貴族組の動向は気にしてましたが、お二方になかなか触れられず。
確かにあそこの撤退は早かったですね。
顔をチラ見する機会あるかな?と思ったのですが、いなかったw
/*
真面目に援軍くれるとは思わなかったよアレクシス。
なんかもう、実は君が一番素直なんじゃないかと...
王府軍の後ろからさっくり、しようとしてたとか言えない(*ノノ)キャ
/*
>>+36
うむ。クロードのメモ見ててなんとなくそう思ったんだな。
違うかも知れんが。
オレ自身は、王府軍やフィオンの騎士団ばかりに目がいっててクロードの動きがあるまで、なにも触ってなかったなぁ……。
オレの灰はオレの動き悪いなぁ……ってのがほとんどだった。
― 南島南部 ―
誰かさんが「お前が手当てしてないから俺もー」
とか言い出さないためにだばーか。
そっちは治療したか?
[>>185と視線は腕に。赤い色がむき出しなら、視線は自然と厳しくなるが。
そうでなければ話の続きを促すように視線は戻る。]
あー…うん、覚えてる。
[尋ねられ、思い出すまでにやや間があいたが。
探検しようぜと息巻いて、歩いた先に見つけた物に興奮して乗り込んで――相当怒られたのは記憶に強く残っている。
あの時から失礼にもおっさん呼びだった。]
さぁな。あの時は秘密基地そのものだって思ったりもしたけど。
…まぁ今思えば隠してあんな所に別宅作る必要もないだろうから、
あそこに無いと困る物、あるいはあそこにあると都合がいい物、
だとは思うけど。
[漠然と言いつつそれが何なのかまでは断言出来ない。
見つけた時の記憶は遠く、思い出の中のそれが正しい形をしていたかも自信がなかった。]
ん、了解。
[>>187進軍に関しては異論もなく頷く。
が、次に出て来た要望に、「殴れ」と言われたことを思い出して微妙な顔をする。]
あー…
[あの時はいくらでも殴ってやると言いはしたが。]
[あーそうだこいつ言い出したら聞かない奴だった、とは胸中で。
かと言って自分が本気で殴りにかかったらどうなるかはお察しである。
暫く微妙な顔のまま考え込むように黙っていたが。]
………ん、わかった。
よしちょっと顔よこせ。
[こちらも立ち上がり、くいくいと顔を差し出すように言った。]
/*
>>+37
因みにどの辺りのメモです?
好きにしていいNPCは、触れていいかちらちらしてしまうのと、人数の多い隊の方が確かに気になるかもしれません。
うむ。クロードのメモ見ててなんとなくそう思ったんだな。
違うかも知れんが。
人数が多い村ですしね。
私はマーティン先生が動き悪いとは思いませんでしたよ。
特にこの村は英雄さんのところにロルが集中しやすいのもあって、序盤の動きはなかなか迷うかもしれません。
― 領主館・応接室 ―
はは、そう言う考え方もあるか。
その人にはその人の楽しみ方があるってことだな。
じゃあ今は貴公の楽しみ方に準じるとしよう。
[プリンの楽しみ方>>189に共感はせずともその楽しみ方の在り方は認める。
紅茶を口に含み、喉へと送った後に紅茶プリンを口に運んでみると、なるほど、紅茶味の中に甘味が際立った]
うん、悪くない。
[満足すると甘味の話題はそのくらいにして、こちらの要望についての返答を聞いた]
貴公の言う通りだ。
俺達は確かにこの国に開国を求めに来た。
けれど外には無い智がそこにあると言うのは、学者にとって甘味好きの甘味と同様でね。
居ても立ってもいられないんだ。
案内してもらえるならありがたいが…時間が必要か。
直ぐそこにあると言うのにもどかしいな。
[浮かべられる穏やかな笑み>>190。
けれど言葉の裏に潜むものはやや物騒ではあった。
掃除とは良く言ったものだと、館の外の緊張を感じながら心で呟く]
神殿は無理か……いや、無理は承知で願ったんだ、問題無い。
太古の森に行く時に外観だけでも拝見したいが、それは可能か?
[神殿については無理は通さずとも別の提案だけはしておいた]
[小細工無しの問いに返るのは、僅かばかりの沈黙>>191。
真直ぐに見詰める相手から紡がれた言葉>>192は、一見是寄りのものにも聞こえた。
ソマリは国を開くこと自体に抵抗は無いように思えた]
では────
[それに対し言葉を返しかけた時、こちらを探るような眼差しと言葉>>193が向けられる。
表情は柔らかいながらもこちらを覗きこむ視線は鋭い]
……信用が出来ない、とは?
[心当たりが無い、と言わんばかりに問いを返す]
[問いに返すように紡がれた>>194のは、ナミュール側ではなくマチュザレム側が得るだろう”利”について。
ソマリは良く情報を集めている。
それだけ国を想い、護ろうとする意識が高いのだろう。
交渉事にも長けていると見える。
小物であるならば自身の主張を口にすることなく説き伏せられるだろう]
(頭も回るし用心深い。
口先の出任せには揺らされやしねぇ、か)
[さてどこまで明かすか、一度紅茶を口に運んで思考のための時間を作る++]
/*
>>+34 マーティン
あー、そうでしたか。
王府軍と革命軍の衝突という構図で動かないと思ったので、南部軍は+α存在だと思っていてその辺までは意識してませんでした。
そうなら、スルジエ以外の南部はどう動いてもいいからと丸投げしまくったせいはあるかもですね。
南部貴族総意を自分一人で確定させていいのかという気が当時ありましたが、手綱をとる人確かにいませんでした。
>>+35 フィオン
使者だからこそ言葉でというのは予想していましたが、そのままでいくなら少数なら警護代わりでもいけるし、とも。残り陣営の二人の身柄争奪戦になったら護って死ねるしーとかも。
2陣営が完全一体化は中盤以降はあっても序盤だとないだろうなと。傭兵を雇うに似た形で。ただクレメンスが完全に保護者になるならその役目するだろうから、軍を引き連れはないかなとか考えていた気がします。
おまえでも、か。 ガンバレ。
[シメオンの苦笑に寄り添う声。
カナンもソマリには、フられた身だ。]
中央からも遠く、太古の森を抱えて、随分と、難しい領地経営をしてきてンだろうな。
でも、余力を持て余してるから、外にちょっかいをかけるんだろう。
あるいは、彼なりの正義感か?
ソマリはマチュザレムと似てると言えば似てるかもな。
/*
あ、話を読み違えてたかも。
隊長達全滅は誰か優先的に活躍ロールの生贄に使わないのなら自分で書くつもりでした。
(磨り潰してOKというのは、何方かの活躍機会に使いたければどうぞ、の意味でした。火事場泥棒は格好の的だと思ったので。)
カナン達と接触したら、スルジエ軍のロール書いて、兵を引き取りに行く予定でしたが、亡命してしまったので、隊長達も「南方軍のその他大勢」にしてしまって好きにしてOKという名の私の丸投げを、ジェフロイ様が処理してくださったのがあの流れかと。
― アレイゼル領 ―
[少数である事の利を生かし、たどり着いた先。
慎重に歩みを進めつつ、感じていたのは張りつめたような空気]
……ここでも、戦いの準備……なのかな。
[零れた呟きに、同行していた鳥使いのアケルがさあ、と肩を竦める。
ともあれ、行ってみなければわからない、と進もうとした時、鋭い声が止まれ、と言ってきた]
……な、なに!?
[突然の事に戸惑いながらも馬を止める。
肩の小猿が警戒の唸りをあげ、今にも飛び出そうとするのは片手で抑える間に、周囲は兵らしき者たちに取り囲まれ。
その内の一人が、まつろわぬ民が何をしている、と問いかけて来た]
え……え?
ええと、オレたちは確かに、古き民だけど……。
[北の森の同胞が、周囲に住まう者と折り合えずにいるのはわかっているが。
ここまで警戒を向けられるとは正直思っていなかった]
あ、えっと、ちょっと待って! プルウィアもアケルも落ち着く!
[それでも、このまま戸惑っている場合ではないから、とまずは連れたちを制して]
確かに、我らは古の民。
南島の山岳に住まいしウェントゥス一族の者!
[北の森の一族の名は、確かラクス、と言ったか。
彼らがそこまで知っているかはわからないが、とにかく、森の者ではない、と告げて]
あんたたち、ソマリ・フル・アレイゼル卿の配下か?
なら、彼の人に伝えて。
『ウェントゥスのルディが、約を果たすためにやって来た』って!
[隠しても仕方がない、とやって来た目的をそのまま伝える。
どちらにしても、会うための伝手などはない。
真っ向ぶつかる以外に、手段は思いつかなかった。*]
/*
正直スルジエの主のことばかりかんがえていて、他はいい加減だったとか。
そんな割と行き当りばったりでありましたです。
/*
集計の結果、4d→5d落ち(3/16・8時)は、「ガートルード」と「ヴェルザンディ」に決まりました。
【投票を「ガートルード」にセットしてください】
おう。
…いくぜ、歯ぁ喰いしばれよ。
[と言われなくても、忠実に喰いしばってる様子は見て取れたが。
ふっと意識を集中させるように間をあけた後。]
せー のっ!
[と言うと同時、ジェフロイの両肩に手を乗せて―――]
/*
明日も早めなのでそろそろ。
今回は票割れもなく本決定出そうですね。
>>+39サシャ
サシャさんの軍勢の規模なら警護要員としてもいけたでしょうね。
序盤で両者に完全に手を組まれると王府側が大変でしょうし。
星の欠片ポジが何方につくかが物語を大きく動かすので、保護者ポジになるか否かの明言は序盤は難しいかも。(といいつつも、私は王府側に偏ってましたが…)
私は騎士団を動かす心算だったので、貴族達の様子はもし誰も動かさないようだったら…、のスタンスでした。
>>+40マーティン
時間詳細までありがとうございます。
ちょっと見てみたいな、と思ったので。
古ぼけた歴史書 は、元軍将校 ガートルート を投票先に選びました。
古ぼけた歴史書 は、山岳の民 ヴェルザンディ を能力(襲う)の対象に選びました。
貴族 ソマリは、元軍将校 ガートルート を投票先に選びました。
盟主 ジェフロイは、元軍将校 ガートルート を投票先に選びました。
/*
本日の集計結果
ガートルート(立候補) 8
ヴェルザンディ(立候補) 8
ソマリ 1(未提出)
あ、天声で「ガートルード」って書いてもうた。末尾、清音な。
/*
とか打ってたら、本決定の時間でした。
それではまた明日。
明日にはちょっとロル書きたいな。
お先に失礼します。
おやすみなさい。
[ちゃぽん**]
共和国大使 カナンは、元軍将校 ガートルート を投票先に選びました。
――――――――――っ
痛っ てぇえ!
[天幕の中に響く鈍い音の後、悲鳴を上げたのはこちらだった。
友人の顔、というか額に勢いよく叩き込んだのは自分の額。
反動でこちらも相当痛かった。額の色が変わって薄ら赤いものが滲んでいる。
剣で切られた時も痛いは痛いのだが、脳が揺さぶられる痛さはまた格別で涙目だ。
思わずその場に額を押さえてしゃがみ込んだ。]
…あのなー、これから顔見せする回数なんか増えるのに、
俺が殴って跡残すわけにはいかないだろ。
だからこれで我慢しとけ。
[暫く痛みに呻いていたが、痛みが薄れてくると、少しは気が晴れたか、と言いたげな眼差しでそう告げた。]
また…今でも、海を渡って僅かには紛れ込みますが、
外来種もこれまで以上に海を越えてくるでしょう。
そういったものはすべて弱肉強食――自然の理と
看做すのは簡単ですし、ある種の一面ではありますが。
…島固有の種を大事にしたいとも、想います。
元軍将校 ガートルートは、元軍将校 ガートルート を投票先に選びました。
本当は、……動物も植物も、ナミュールに生きるものは
等しくナミュールの住民ですから、
彼等の言葉も聞けたら良いのですけれどね。
さすがに言語を解せませんから、
其処は諦めていますけれども。
[冗談めかして、小さく笑う]
[南島での会見の最後に、出会った
何をおかしなことを。
協議など必要ありません。
――――彼らは国民ですよ。
私がそう、判じております。
それに人の考えは変わるもの。
昔に囚われて、今を否定しているのは貴方ではありませんか。
私は、ナミュールに暮らす民の皆様を信じております。
[現実的でないと首を振るカナン自身を否定して、
被せるように首を振る]
[おそらく、カナン自身が「前例がない? なら、やろう!」という心意気の人なのだろう。
ゆえにこそ、学生たちの考えが響いたのだ――と思う]
それは、あの学館の生徒たちだからですよ。
そこまで身軽な方々ばかりではありません。
妻子の生活が掛かっている時、
白黒分からぬ新しい仕事に飛び込むよりも、
色の分かる堅実な仕事で生活費を稼ぐ方もいるでしょう。
その決断は、臆病者と謗られるものではない筈です。
期限、ですか……。
[あくまで、上から目線の言葉だった]
厭、 と言ったらどうなさいますか?
頭ごなしで強引な男性は嫌われますよ。
[か細い手は未だ囚われた侭、
尚引かぬ意思が、其の指先を固くする]
― 領主館・応接間 ―
……マチュザレムがこの国に求める”利”か。
[紅茶を口にしてから一拍。
吸気する間を空けた後、シメオンは口を開く]
先ず断っておきたいのは、貴公が例として挙げた「共和国へ対する忠誠」「この国の領土」。
俺達が欲しているのはこれらじゃねぇ、と言う事だ。
俺達はこの国の内政に干渉しないことを開国の条件としている。
だから、今挙げたものは俺達の”利”にはなり得ない。
「結界を作る宝珠」は……興味を持つ奴も居るだろうが、俺個人はマチュザレムに必要なものとは思っていない。
こう言っては貴公らこの国の者達の気分を害するかもしれないが…。
今は外界を隔てる最大の壁でも、いずれ崩される日が来ると思えるからな。
それだけ、外の技術は進んでいると思ってくれ。
それに、巫女にしか扱えないとなるなら、あっても意味ねーからな。
[そもそも存在するかも知れぬ
未知なる興味はあっても、実用性には欠けると思っていた]
それからよ、得るものは何も形在るものだけじゃねぇぜ。
さっき俺が言ったように、学者は”智”に目が無い。
この地にしかない動植物、文化、伝統。
それらは無形の”利”となる。
また”利”とは現存するものを得ることばかりじゃねぇ。
貴公は俺達が持ち込んだカスタードプディング……そこから派生したたまごプリンを更に加工して新たな菓子を作り出した。
それと同じように、二つの文化が融合して新たなものを作り出すこと。
これもまた俺達が得られる”利”となる。
[話を聞いたソマリがどんな表情をしているか具に見遣る]
もしかしたら貴公には理解出来ない理屈かもしれない。
でも、世は自分の中の理屈だけでは測れねぇものが沢山在る。
…マチュザレムはさ、こうして他の国と交流して、新たな未来を生み出していくことを是としてんのさ。
閉ざされた国を開き、技術や文化を伝えて、その国を含めて世界が更により良くなるように───。
綺麗事だと感じるかもしれないが、マチュザレムと言う国はそれが全てだ。
[そう言い切って、紅茶プリンを一口含む。
仄かな甘さが口の中に広がり、満足げな表情をした]
期限が切れたらどうなさいますか。
……貴方がいつまでもマチュザレム共和国に戻らぬと、
ナミュールが敵対したとみなされて
此の国を攻撃してくるのでしょうかね、共和国の皆様方は。
[それは解放軍の盟主が危惧していた来絵図だ]
共和国大使補佐 シメオンは、元軍将校 ガートルート を投票先に選びました。
だから開国に従え――――、というのでしたら、
脅しに近い、模様です。
[貴方の本音は何処ですか?、と
熱のある視線を振り払わぬ代わりに問うた*]
巫女姫 シルキーは、元軍将校 ガートルート を投票先に選びました。
/*
…………。
改めて見て、そして気づく。
投票デフォだった!
[ちなみに今回のデフォ変遷は、ガートルート→フィオン→ガートルートだったりする]
[寄り添う声に力を分けてもらい、一息つく]
マチュザレム共和国が望む”利”は何か、って問われたよ。
アレイゼル卿は利害に敏感らしい。
望む利が見えない相手はお嫌いだとよ。
自分への利害がはっきりしていないと不安なようだな。
それもこれも中央から遠く離れてるがために築かれた自衛手段なのかね。
[紡ぐソマリの評は酷評に近い。
けれど、そう言う彼のはきとした態度はいっそ清々しいとも思えた]
他に流されない強さは持ってると思うぜ。
似てるといえば、似てる、のかな。
[殴られるのを覚悟して、それでも目を閉じないでいようと思っていたら、両肩に重みが掛かった。
え、と疑問に思う間もなく、友の顔がぐんぐんと近づいてきて]
/*
ちょとソマリ氏とシメオンの様子見中なう。
援軍の話が、ソマリ氏が実際に動くかで変わるのよなー。
ところで、もしかするともう使えないかもなので、シメオンに振りたかった話は
「カナンが大使に任命されたのは皇太子ではないからか?」でした。
と、埋め埋めしておきます。
だって、死ぬかもしれない大使に皇子様って...ねえ?
失礼致します。
[影は再び会談の場に戻る。存在感の薄い男は、そもそも、部屋を出た事すら気が付かれなかったかもしれない。
まだ話は続いていたようだ。
>>200>>229 熱の孕む視線を互いに交わし、ナミュールの未来について語っていた。然し、互いに平行線で。交わる事は特に無いようであった。
>>217>>218>>220 ナミュールの海の事や、まつろわぬ民の事。
巫女姫は頑として、自分の意見を譲らなかった。当然か。
アレクシスは再び、静かに部屋の隅に立ち、その様子を見守った。]
――――……。
[>>200 憧憬の視線を隠すこともなく送る様子に、幾分冷ややかな視線を投げつつも。アレクシスはその双眸を僅かに細める。
>>48 先程、巫女姫にカナンの人となりを聞かれた時、全てを正直に話さなくて良かった。
>>2:362 部分的交流ならば良いのではないか?という妥協案を出した事や。
>>3:380 船上でのカナンの様子。
そして度々知らしめられるナチュザレムの進んだ文明に。
>>48 アレクシス・ユレが――――現体制維持に、少しばかりの揺れを抱きつつあるなんて。
巫女姫に報告出来るはずも無いのだから。**]
影の軍師 アレクシスは、元軍将校 ガートルート を投票先に選びました。
― 謁見の間 ―
[シルキーは個々の問題を取り上げて、ナミュールへの愛と信を語った。
その純粋な心は、まさに巫女にふさわしい。]
男として、貴女に嫌われるのは、 その…
いたたまれません。
[包み隠さずに答え、耳元まで赤くなる。]
[公人としての自分が曖昧になりそうで、視線を反らした。]
しょうのない人たちだ。
内政干渉は避けたいところですが、ひとつだけ忠告を。
おれは、マチュザレムとナミュールの”国交樹立”の交渉に来ました。
”結界”問題については、マチュザレムには独断できる自信があるからです。
おれがここにいることが、その証と思っていただきたい。
[シルキーが「脅しに近い」と言った予測を半ば肯定する。武とは限らずとも実力行使に出るだろうと。]
”結界”は、いずれ、なくなります。
マチュザレムが検討している方法がベストだとは──言いません。
できればおれは、貴女の力を借りて、別の方法を選びたいと思っている。
率直に聞きます。
貴女は、”宝珠”に働きかけて、”結界”をどうにかしようとしたことがありますか?
姫王は人々を外に出すまいとして結界を作ったのではないはず。
行きたい者は行かせ、残りたい者は残ればいい、そうは思いませんか。
そうして自己責任でナミュールに残った者を、また、外の世界から戻ってきた者を保護するのが、為政者の務めだと。
貴女が決心するまでの時間にも、流される血が、失われる命があることを忘れないでください。
そうそうイケメン。
その勢いで今度こそ巫女姫も口説いてこいよ。
………っ、頭に丸アザ出来てっけどな
あはははは………いててて
[>>232軽口に額を抑える様子を見てこっちも笑うと、同じように痛みがぶり返して額を抑えた。
大の男二人が額押さえて呻く姿は滑稽だ。]
仕方ないだろー俺が手で殴ったら額カチ割れるぞ多分。
[上手い事手加減しつつ友人が納得できる痛みに調節する、という芸当が出来る気がまるでしなかったので全力で額で殴る事にしたが、ちょっと止めておけば良かったとは視界の端の点滅具合を見て思う。]
…で、気は済んだか?
[笑いがひとしきり収まった頃、少し真面目に聞いてみた。]
おう、お疲れさん。
マチュザレム共和国が望む”利”は何か、って?
そんな、半分商人みたいな
[くく、と笑いが混じる。]
その点はアレクシスと似ているかもな。
[ソマリの人物評はおおむねシメオンと同じようだ。]
[内政に干渉しない。その言葉は果たして。
貴族として生きる男には、素直に額面通りの意味として受け取りがたくはあるが。
彼から語られる、共和国の『利』と謳う者に耳を傾ける。
反応は。ない。
ひとことも返す事無く、言葉のひとつひとつを噛み砕く。
片方の瞼を伏せ、時折眉が揺れる、その男の表情は。
まるで、良く噛み切れない筋肉を努力して咀嚼する様なそれだった]
…なるほど。 よくわかった。
元より結界の絶対性など既に砂上の楼閣。
今崩すか数年後崩すか、やがて崩れる時に備えるかだ。
無形の利についても、理解を示せないでもない。
数多ある異郷の智、文化。
王国が世の扉を開けば、それらは瀑布の如く流れ、王国を育ても変えもするだろう。
…なるほど。 よく理解した。
貴公の謳うマチュザレムの理念が偽りないなら。
それは、私には凡そ理解の及ばぬ異国だと云う事を…よく理解したよ。
いいや、王国の巫女姫、ナミュール王国そのものの、難題なる理解だろう。
[同じくプリンのひとくちを含む事で、口の中に感じた奇怪さを直そうとした。
同時に予感する。解放軍ならばいざ知らず、恐らくは、今ブラバンドにいる大使の謳う共和国の理念では、とても彼の巫女姫を説き伏せる事は出来なかろう。と]
んんー、畑に種を播くのは収穫という”利”を狙ってのものだけど、
山に登るのは、そこに山があるから、なんだよなぁ。
あと、障害のある恋ほど燃える! って言ったら通じるかね。
[自分の方、ちょっとそれ冗談じゃなくなってるんだけど。]
… … …後学の為に、ひとつ歴史講釈をさせて頂こう。
嘗て、我らが王国の国母陛下たる姫王が祖霊は。
脅威から逃れるべくしてこのナミュールに王国を築き上げた。
我ら王国民は、そんな姫王の慈愛溢れた建国を褒め称えるが。
敢えてここで歴史家が好むだろう切り口で表現を変えよう。
それはつまり、このナミュール王国の起源はそもそもが。
数多な悪意に破れ、惨めに海の外まで逃れた哀れの姫君の終点地なのだよ。
わかるかね。私に当時の臣民の気持ちを推し量る事はできなんだが。
我ら王国の民は、根源的に、外界へ対する敵意と警戒心を持ち続ける者が決して少なく無い。
諸君ら共和国の美しき綺麗事の理念を信じるには聊か信頼が足りない。
そういう国だ。
そして、その最も足る者が
今この時にブラバンドに居わせられる姫殿下であるのだよ。
… … …貴公等にしてみれば。
今すぐにでも国を開き故郷に帰る事を望むだろうね。
[ひらり、と男は文書に捺されたクレメンス家の家紋を見せる。見覚えがあるだろうか]
然し、開国を決めたとしても、国内の統制、反逆者の処分、想定事態の対策準備。
私の見積もりでは、最速でも数年は先の話となる。
いや、正しく云おうか。
私は王国臣民がひとり、アレイゼルを預かる者として。
此処で貴公等を不必要に遊ばせて、やがて来るかも知れない開国の時期を見誤らせる訳にはとても行かないのだよ。
[そうして話をその場で断ち切る様に、男は立ち上がった]
さあ、シメオン・オリオール。君はどうするかね。
これ以上、開国をせっつかず、王国の成り行きを大人しく見届けて頂けるならそれで由。
私はアレイゼル領主として、貴公を不自由なく持て成す用意がある。
紅茶と菓子の時間は、毎日十時と三時と九時だ。
然し、再びオプティモに帰ると云うならば、申し訳ないが命の保証は出来ない。
君達に懐柔されたろう、クレメンス卿諸共、王国の礎と消えてもらう予定となる。
マチュザレム共和国には、『結局結界を越える事できず人知れず没した』と理解して貰う事になるだろう。
… …とても残念な事だがね… … …?
[何かの気が変わったのか、男は私兵を用い副使を拘束せず。
まるで意志を問う様に、首を傾げて見せたのだ。
そして程なく、家令により、新たに訪れた客人の事が知らされる*]
そりゃ違いない。
[自分だって、友に全力で殴られると考えればぞっとしないが、それでも、これが欲しかったのだ。]
ああ。おかげさまでな。
この先俺が、どれだけこの手を血で染めることになっても、おまえのこれより痛いものはない。
そう思うことにする。
[額の痕を指さして、唇を上げる。]
あの時は悪かったよ。
……おまえがいてくれてよかった。
ありがとな。
[口にするのが恥ずかしくて、思念だけで伝え、]
しっかし、おまえとお揃いとはなぁ。
[明日になれば二人して真っ黒な丸痣を額にくっつけているんだろうなと思うとおかしくて、また笑った。]
― オプティモ ―
[騎士団の部隊全滅の報が届いたことによって、シメオンに迎えの兵を寄越すことは却って彼を危険に曝すであろうという結論に到達した。むしろ、アレイゼル卿が、彼を保護してくれるならその方がいい]
王府から手紙?
[アレクシス・ユレから、援軍を送るという手紙(挨拶やら先日の礼やら、どうでもいい内容が、やたらに長くて冗長だったため、5枚目を残して残りの部分は捨てた)が、届いたのは、しばらく後のこと>>188]
援軍、と、言ってもな…このままずるずると駐留軍の規模を上げられては…
[殆ど反射的に、断りを入れようとして、はた、と考え直す]
いや、是非共援軍を寄越してもらおうか…
― アレイゼル領 ―
[山岳の民を待たせて暫く、やがて足早と家令が先に現れる]
『お待たせして申し訳ありません、当主からの言付けをお預かりしております。
「過日の約を覚え、我が領まで足を運んでくれた君の厚き義に感謝を」との』
[その後、当人が訪れるまではその初老の家令が相手を勤める事となる。
領主の指示によるものか、行動の制限が随分と緩くなる。紅茶などを出せる場所ではない物の。
周囲で良く見られる私兵の行き交いについて問われれば、家令は貴族との戦の準備と答えるだろう。既に事此処に至れば隠し立てる理由も無い事故に]
― オプティモ ―
[ 男が王府の援軍を受け入れれば、オプティモの領主は王府についたのだ、と喧伝するまでもなく広まるだろう。
ソマリが解放軍を認めたという情報>>117と共に、その推測は諸侯の間を駆け巡り、最終的に、貴族達を更に明確に色分けする ]
[ 口を拭って隠れる者、新しい力に靡く者、旧態を維持しようとする者、そして情勢次第で変幻する、猫の目のような意志を持つ...いや意志そのものを持たない者 ]
振るい分けには丁度いい機会だ。
[ いつかは、やっておかねばならぬ仕事がひとつ片付くかもしれないと、男は、笑みを浮かべた ]
おう、なら痛い思いした甲斐があったな。
[人を殺す事に慣れなくていいが、人を殺す事で悲観してもならない。
その事を理解しているだろう友人の様子に、少し笑った。赤丸痕が良く似合っていたのもあるが。]
んー?なんか悪い事言ってたか?
[伝わる声にはけらりと笑った。]
もっと泣き言ってれば良かったのに。
の方が、後で指差して笑ってやれたのにさ。
― アレイゼル領 ―
[真っ向叩きつけた用件は無事に望んだ所まで届いたらしく、程なく現れたのは初老の家令。>>252]
あ、えと、いきなり押しかけたのは、こっち、だから。
[待たせている事への謝意にふるふる、と首を横に振る。
向こうもこちらをちゃんと覚えていてくれた事に、秘かに安堵の息をついていたりもするのだが]
それにしても、なんだか、慌ただしいような……何か、起きるの?
[対面を待つまでの間、ふと浮かんだ疑問を家令に向ける。
問いに返されたのは、貴族との戦の準備中との答え]
……そ、か。
ここでも、戦いが……。
[小さく呟き、目を伏せたのは僅かな時間。
再び視線を上げた時の表情に嫌な予感を覚えたのか、アケルがじとり、とした視線を向けてくる]
『ルディ、まさか……』
ん……必要なら、ね。
[求められているのが何かはわからないが、必要とあれば戦場に立つも辞す気はない。
戦いを知らぬ身に何ができるかはわからないが]
……アケルも。覚悟は、しといてね。
[小さく同胞に告げる声音に、揺らぎはない。*]
今がわりと大変できっつくて、
あーこりゃ駄目だ死にてーって思ってても、
時間が経てば案外楽になるもんだ。
いつか全部、酒でも飲みながら笑い話にすればいい。
そうするためにも今は――もう少しやる事やんねーとな。
[だがお揃い発言には一瞬瞬いた後、とても微妙な顔をした。]
あー…その発想は無かったわ。
[この年で同じ場所に同じ痣は少し恥ずかしい。]
前髪で隠しとこ…
[ずいぶん伸びた赤毛を撫でつけて、額の赤色を赤茶で覆った*]
/*
残241pt……。
飴二個もらってこの数値って、なんなんだろう。
今日は大半がソロルだったんだよ……!
……落ちるための道筋作るために、長文落としまくったからなあ……。
― オプティモ ―
[ 同時に、その情報がシュビトの解放軍にも届く事も、男は想定していた。
彼等を支持する貴族アレイゼル卿と、王府に与する要衝の地の貴族が首都にも程近い場所で衝突する ]
これを機会と捉えられぬようなら...お前の教育も大したことがない、と笑ってやるからな、ジョーイ。
[ アレイゼル卿に加勢して、オプティモに迫るか、或いは、この戦にいくらかでも王府の戦力が裂かれる隙をついて、首都へと攻め上がるか。
いずれにせよ、解放軍にとって、南から北へ、戦線を押し上げる、その好機となるはずだ* ]
― 領主館・応接間 ―
[シメオンが語る間に見えたソマリの表情>>241は、どこか居心地の悪そうなものに見えた。
遮られること無く語り終えた後、こちらの言葉を噛み砕いて理解せんとするソマリの言葉を待つ。
予想はしていたが、あまり賛同が得られているとは言えないよう>>243だった]
[後学のために、と語られる歴史講釈>>244を静かに耳にする。
聞く限り、この国における姫王、巫女姫の存在はやはり大きいように思う。
その根底にあるのは、姫王がかつての世界に追いやられてこの地へと下りざるを得なかった歴史。
それを基点とするならば、なるほど、外への警戒心が強いというのは致し方ないと思える]
……それはもはや過去のこと。
と言い切るにはこの国の人達は外を知らない、か。
信頼が足りないってのは尤もな話だ。
いきなり来た奴に開国しろと言われて、はいそうですか、と返せるほど簡単だったら、何のために閉ざしてたんだってこっちが疑いたくなるよ。
何百年も閉ざされていた国を開こうってんだから、それが容易じゃねぇことは百も承知だ。
早めに国を開きたいというのも間違ってはいねぇ。
それから、俺も現状では開国の準備が整うには数年かかると思ってるよ。
こうして国が分かれてる状況では尚更な。
…俺自身は国が整うのを待って、って形でも良いと思ってるが、共和国がそれを待てるかどうか。
今の状態じゃあ連絡も取れねーしな。
[自分達がどうなろうとも、時間がかかりすぎればこの国の未来がどうなるか分からない。
それを言葉の中に混ぜ込む]
[これにて話は終いだと言うように立ち上がるソマリ>>245。
シメオンは座したままそれを見上げた]
開国に向けてナミュールが動くというなら座して待つも吝かじゃない。
けどそうじゃねぇなら、俺達もそこまで猶予があるわけじゃねぇからな。
出来る限り働きかけは続ける。
貴公らが譲れぬものがあるように、俺達もそれは譲れない。
それから今のところオプティモに戻る心算も無い。
言っただろ、太古の森が見たいと。
[平行線を口にしながらも、戻らぬ意思を紡いでソマリへと笑みかける]
紅茶と菓子の時間まで招待してもらえるのはありがたいが、菓子は供される側ではなく供する側なんでね。
この街に宿屋はあるかな。
そっちで世話になろう。
勿論、菓子を供せと言う場合は参上仕るぞ?
むしろ菓子持って押しかけるかもしんねーけどな。
[領主館で世話になることは辞しつつ、冗談めいた口調でまた訪問する可能性を示唆してシメオンもまた立ち上がった]
ホントになぁ。
おっさんの行動基点は”面白いかどうか”だから、比べるのもあれかもしんねーけど。
[漏れ聞こえた笑いにつられるようにシメオンも笑う]
自分の理屈じゃ測れないものもある、ってのは理解してもらえたようだが……色好い返事、ではないな。
信頼が足りないと言われた。
開国に反対ではないが、俺達を信じるにはまだ足りない、だと。
ただ、このままでは開国の準備が完了するまでに数年かかるって言うアレイゼル卿の推測は同意だ。
マチュザレムは何年まで待ってくれるかな…。
[絶対そこまで待ってはくれないだろうな、とそんな思考が過ぎる]
アルピニストの理屈も理解してもらえねぇんじゃねぇかなぁ…。
…で、お前今燃えまくってんの?
[登山の理屈は機会があったら聞いてみようと思いつつ、続いた例を揚げ足取りの如く突いてみた]
/*
これで戦線引き寄せて、オプティモ決戦でおっさん死んで、屍を越えてってもらえるととても嬉しい。
まあ、スルーして巫女姫のとこ行ってもいいけどね。
……ん。
そいつはいいな。
じゃあ、将来の美味い酒のために、
もうひと頑張りするか。
[友の心遣いに、笑みを浮かべた。]
[髪を撫でつけてる友の姿が可笑しくて、声を殺して笑う。
単純に、大笑いするとまだ頭に響くからだ。]
おまえ、いい加減にその髪切れよ。
おばけみたいだぞ、それ。
[遠慮なく指さしてからかう。
こんな時間が、今は愛おしかった**]
…ふむ、それは少し意外だ。
共和国の理念から、聊か君を誤解していたかな?
[数年の猶予を現実的に認識していた彼が、何処まで本気かは知れぬが。
共和国の副使としての彼は随分理解の困難な存在だが。
然し、唯の学者としての彼は、それなりに理解出来る人物である事を此処で気付いた]
太古の森は、街の北門から中途まで街道が延びているだろう。
[譲れぬ平行線を辿るのを認識し、さてと内心で男は考える]
(無駄に泳がせると王国の毒となる、が。
ラクス族の森を訪れるに偽り無ければ、そこは寧ろ都合も良く…)
ならば、国内が落ち着けば何れ君の菓子を賞味する事にもなろう。
オプティモに比べ居心地の悪い持て成しだろうが、ゆっくりと領内を見たまえ。
ああ、我が領街には街があるぞ。ポンドフィールドと云う――…
[当然だが監視の為に数人程度の私兵はつけるのは決めているが。
副使としては兎も角、私人としての彼は漸くの体で凡そ理解できた事により]
(… … …今は構わんか… …)
ああ、何れ新しい菓子のレシピも非常に気になるね。
近々、甘料の生産地をせしめ次第、増産体制を築く予定だ。
やがては近いうち、我が国の嗜好事情も民衆にも―― …
[立ち上がり、後は領内の街へ行くのだろうか。
そんな彼を、結局どうする事も無く、男は領主館の外まで送り届ける事となったのだった*]
― 解放軍 ―
[王国騎士団殲滅という戦果を得て、
解放軍の意気は大きく高まっていた。
この機を逃すまいと、解放軍は北島への進軍を開始する。
南の地から盟主と共に北上を始めたのは、300名ほど。
そこへ各地から人々が合流し、みるみる膨れ上がっていく。
シュビトの南西、デモール火山との中間地点に到達する頃には、その数は5桁を軽く超えていた。
この大規模な動きは人々の目に留まり、
王府へも容易に知れ渡ることになるだろう。
折しも北ではアレイゼルがオプティモに宣戦布告している。
形だけ見れば、アレイゼルと呼応してオプティモを挟撃する意図ともとれた。]
[受け取った手紙に目を通し、少しの間瞼を閉じた。]
そうか。
彼も、動き出したんだな。
[自分と、一族の未来引き寄せるために、
彼もまた走っているのだと知る。]
ルディと、ウェントゥスの民の決断に感謝する。
新しい未来へ向けて、共に手を携えていこう。
[型通りながら、心からの謝意を込めて告げた。]
ルディが戻ったら伝えて欲しい。
君の試みがうまくいくことを願っていると。
それと、お茶もありがたく飲ませてもらうよ。
[返事を口頭で伝えてから、琥珀の瞳に光を乗せる。]
そもそも、俺たちは互いを知らなすぎる。
知らないから、分からないからこそ、
相手を蛮族だ侵略者だと蔑むんだ。
俺たちの祖先がしてこなかったことを、
俺たちがしていこう。
[内なる異国に対しても、外の世界に対しても。
意思載せた言葉を託し、使者を送り出した。]
[若者が去ってから、もう一度手紙を読み直す。
そして、署名のところに目を留めた。]
あれ。
ヴェルザンディ、 …って、
女の名前、じゃないのか?
[そういえば巫女姫の前でもそう名乗っていたなあと思い返しつつ、首をひねった。]**
/*
5桁wwちょっと兵力考え直すわ、おっさん(現状想定5000)
ガートルードはおっさんが殺さんとダメなんだろうなあ...つらい...つか、ルディはどうする気やねん?
/*
とりあえず、現状の陣営分布的に、どっちかアレクシスに受け持ってもらわないと、どないにもならん予感がする...ので、援軍受けたのもあるのよ?伝わってますかねえ...
/*
ああふむ、ルディがこっち来る可能性有りか、ソマリさんと一緒に来るなら、むしろそっちの可能性の方が高い。
えー、19のおにゃのこ、殺せないよ、おっさん...
返す返すもソマリ氏のかっこよさが分けて欲しいorz
― アレイゼル領 ―
[副使が赴く先は、街か、北の森か。彼を平然と見送りだした暫く後。
少々開けた、風の香る場所で山岳の民は待たされていたろう。
家令が姿に気付き、礼で迎える。そこに現れるのが白金の貴人]
…ようこそ、ウェントス族のルディ。
王国の貴族という信頼の難しい間柄の中、義と約に従い訪れてくれた事にまずは感謝を。
本来なら、良く持て成したい所なのだが…。
[この通り、慌しくてね、と薄く笑いながら、己は先ほどの副使との対談を思い出す。
幾年にも渡る敵対の縁、信頼を得難いその関係、閉鎖的な者達。
事情が大きく異なる。王国からは年単位の熟慮が必要だ。
然し彼等異邦人の視点に立てば、外界諸国とナミュールの関係はまるで。
まさに、王国とまつろわぬ民の関係を拡大した様な物にも映るのかも知れない。そんな事をふと思う]
風の知らせで、君達ウェントスの流れも聞いたよ。
飽くまで私個人の思惑が為もあるが。
君達、山岳の民へ対する憂いへの一助となれた様で重畳だよ。
あれから幾日かが過ぎる内に王国は動いている。
時代と云う名の流れだ。
外界へ向けて波を打ち、また岸辺へ向けて潮を引く。
風に揺らぎ、潮にたゆたい、その流れの中で私も幾つかの覚悟を決めた。
[古の民、彼等の表情を、男は見定める。
そこには警戒心もあるだろう、もしかしたら敵意に近い物もまだ滲ませた物もいるかも知れない]
過日の言葉を覚えているだろうか?
今、時代の波は、新しい場所にある未来へ向けて波を打っている。
嘗ての関係よりもより前へ。
理解できぬ事もあろう、受け入れられぬ事もあろう。
然し私なりに、澱む歪みを是正し、より良き未来へ行く術を考えている。
[並べて思い出すのは、彼の盟主の瞳に見出した、炎の色と熱さ]
…ウェントス族のルディよ。
私はこれから、熱き炎を運ぶ解放の風と共に歩むつもりだ。
今ある君の。ウェントス族の意志を聞かせてくれないか。
今の私達は、同じ風に吹かれているのだろうか?
願わくば、王国と古の民の関係を進め、やがては同じ風の導き先へと行きたい。
それが過日の約束、私が今願う、私達の『恵み』だ。
[締めくくり、友誼を結びたいとそう告げた、古き民の青年の意思に問いかけた**]
/*
三つめの飴が来ていた事に愕然としつつ。
今無理するより、ちゃんと寝て、残念化を防いだ方がきっといいから、ね……!
しかし、周囲の男子認識の歪みなさが素晴らしい(
― 領主館・応接間 ―
共和国の理念は共和国の理念。
俺は俺。
[そこは別物だと言い切った。
それから、はた、と思い出すようにして]
…俺は、俺とカナンは、この国が納得行かない形で開かれるのを防ぎたい。
そのためにはこの国の色んな人と言葉を交わさなきゃならない。
何を懸念しているか、何を不安に思うか、何が必要なのか。
それを知るには、話をしてみるしか方法が無いだろ?
だから、俺はここに来た。
貴公の心の内を知るために。
喩え命を落とす危険性が在っても、貴公を例外にするわけには行かなかった。
この国が望む未来を繋ぐために。
[これを伝えていなかったと、ソマリから目を逸らさずに穏やかな口調で言う]
[部屋を辞する前、ソマリから太古の森への道や宿についての話を聞く]
ああ、そうさせてもらう。
森も興味があるが、貴公が治める街がどんなものかも気になるしな。
宿はポンドフィールドだな、感謝する。
確か、紅茶に合う菓子を探してたよな。
何か見繕ってお邪魔することにしよう。
楽しみにしててくれ。
[甘料の生産地をせしめるという言葉に情勢の変化を感じ取ったが、それは表に出さず。
いくらか会話を続けた後にソマリに伴われ館の外へと出た]
[護衛と共に街へと向かう最中、しばし思考を巡らせる]
(戦の仕掛け先はオプティモで確定、
おっさんにも布告済みってことか。
戦自体防げればと思ったが、無理があったかな。
なかなかに深謀遠慮の士だった)
[話の最中に見せられた、クレメンスの家紋入りの手紙。
時間的に、宣戦布告の返書なのだろう。
シメオンがここに来た時点では既に避けられぬものとなっていたらしい]
(それから、スルジエが落ちたみたいだな)
[甘料の生産地をせしめると言う言葉。
それは領地が浮いたが故のものだろう。
スルジエと言う領地の名に、サシャのことを思い出す]
……………
[サシャの故郷としか知らぬ地。
薄情ながらシメオンに思うところは無い。
けれど、どこか寂しさを覚えていた]
…馬を宿に繋いで少し休んだら、街の中と森への道を確認しよう。
そのまま見に行くかは、その時次第で。
[護衛にそう告げて足は街にある宿、ポンドフィールドへと向く。
そこにサシャも泊まっていたと言う事は終ぞ知らぬこと**]
カナン。
アレイゼル卿との対面が終わった。
…彼はオプティモ──おっさんに宣戦布告したようだ。
近々戦になると思う。
それも防げればと思ったんだが…後手に回ってるな。
[零れる嘆息。
力不足を痛感する]
ドルマール神殿に入れないかも聞いてみたけど、案の定断られたよ。
領地内にはあるが、あそこは巫女姫の管轄だとよ。
忍び込んだりすると後々に禍根を残しそうだから、自重しとくわ。
それから…折角ここまで来たから、太古の森にも行ってみようと思う。
何か、新しいことが分かるかもしれねぇしな
/*
まあ本筋じゃない部分だからいいかな。
誰も気付かなければ、その程度の問題とも言えますし。
しかし今日は皆さん良く喋りましたね(pt見つつ)。
“結界”、ですか。
…、そうですね。私ではない“私”でしたら―――ありますよ。
[歴代の巫女姫とて、静かに祈りを捧げていた娘たちばかりではない。
なにせ民を導いた姫王――その魂を継ぎし者たちだ。
国を護る大いなる力だが、
それを制御出来るならばナミュールは一層の最善を得る筈だと。
神殿に残された手記には、丁寧な手書きの文字で
“宝珠”と“結界”についての試行錯誤の歴史が綴られていた]
[ほろ苦く笑って、袖を振る。伽羅が甘く立ち香る]
“結界”が自由に扱える代物でしたら
私共は、もっと器用に振舞っていると思いませんか――…?
一度失えば、戻せないもの。
なればこそ――短慮に行動するを躊躇うのです。
ナミュールの民の皆様が、真に外の世界を望むのであれば、
開国の影で、声小さく弱き方々が涙流すことが無いのであれば、
――――、その時は、…
私の心からの願いなのです――――――…。
[巫女装束を身に纏い、手を揃えて祈りの仕草をとる姿は。
…、何処までも静謐で澄んでいた]
故郷に直ぐに帰すことの出来ぬ点は、お詫びいたします。
[謝罪を口にし、そっと頭を下げる]
けれど、そこまでは……おそらく、お待たせしないと思いますよ。
枯れ草に火を付けられてしまいましたから。
山火事にならないことを祈るのみです。
― 続・サシャの部屋 ―
お前たち。
嘗てこの国は二つの勢力に別れて血で血を争う抗争を繰り広げたのは知っているな!!
[ わかるか?と、辺りを一瞥する。]
― 続続・サシャの部屋 ―
お前たち。
時代背景を良く考えて改めて皆のメモを見るんだ!!
[ 気付いたか?と、適当な誰かの顔を眺める。]
/*
おはよう。
全然読めてなくてすまんが、今日の落ち先は決まったのだな。
そして間近のサシャwwww
ちなみに餡は苦手でつぶあんしか食えん。
きのこたけのこならたけのこ派。(この時代にない気しかしない)
― 教会 ―
[腕組みをしながらじっと自分とシロウの遺体が運び込まれるのを見つめて]
ははっ、なんか変な感じだな。
こうやって自分が死んでるのを見るのはよ。
こんなもんなのか?
[学生の目の前でひらひらと手を振ってみるが反応がない辺り、やはり向こうからは見えてはいないようだ]
ああ、まああんま湿っぽくすんなよ。
こんな雰囲気はどうも苦手でいけねぇ。
……しかし、案外、好かれてたんだな。
[自分の死を嘆く学生たちを見て、困惑の中にも若干嬉しい気持ちもあるようだ]
― 謁見の間 ―
“御冗談”ではないのですよ。
おれは本気で貴女に訴えています。
ここへ来たのも命がけでした。 ゆえに──
[男心を解さないシルキーに零す声は意味を重ね、恋する外交官は彼女を見上げる片膝突きの姿勢から立ち上がる。]
歩み寄りましょう。
本来は、開国を前提とした友好条約なのですが、“結界”は非常にデリケートな問題だ。
ですから、おれの一存で、保留事項とします。
ご安心を、
共和国大統領からは友好条約の内容に関して現場での裁量を任されています。
[交流を前提としない国交樹立。おそらくは前代未聞であった。
それは、譲歩などという段階を飛び越えたアクロバットな発想転換である。]
ここに来るまでの船の上で、彼とゲームをしたんですよ。
その成果だ、と申し上げておきます。
[いつの間にか戻っていた
/*
陣形を勉強しつつ、カナン殿頑張れするターン。
が、巫女姫もここで即答はできなかろうなあ。
陣形難しいよ、陣形...でもここ戦記村だからね!多分ハイライトなんだよなあ...前半で落ちる予定がどうしてこうなった?
うわーん(泣
海からの攻撃を考慮して海岸線防御した方がいいのだろうか...資料がない...(ぱた
信用の問題は…、確かにおれたちゼロベースからだし。
いや、この国の歴史から見たら、むしろマイナススタート?
[そうと納得していても、信用できないという宣言は傷つくものだ。
想いの中でシメオンをハグする。]
信じるにはまだ足りないと言われても、諦めたらそこまでだからな。
真心を貫く他ない。男だもの。
開国の準備に数年、か。
そりゃあ、ある程度まともな形が想定できるまでを、無理なくやろうとしたら時間がかかるという答えがでるのは当然だ。
理想の結婚生活みたいなものだよ。
[どうも思考がそちら向きの喩えになる。]
だから、はいはいと従う必要はない。
勢いでなんとかなる──なんとかするのが人間だ。
アレイゼル卿に自転車を見せてやりたいな。
むしろ乗っけて坂道に突き出してみたい。
/*
地形と時間から見て、アレイゼル軍が船でオプティモに攻め寄せる可能性は低いよね、途中でばれる。
どちらかというとシュビトからゲリラ戦術で船が来る確率の方が高いけど、そこまで本気でおっさんを殺そうとしてくるかが疑問。
うーん、普通に船並べて弓兵置くか。火矢は基本だよな。海岸線にも投石機置いて街の人に操作してもらうといいかも。
燈台はあってもいいよね、上から偵察。
/*
海上防衛は、配備だけで数とか明記せずにおいたら、向こうが海戦望むかどうかが判るかな。
飛行船の乗組員さんは、そっちに行ってもらって、いざとなったら船で逃がすという方向がいいかもね。
[しかし、ソマリの行動について聞けば、愉快そうな響きは鳴りを潜めた。]
オプティモに宣戦布告?!
名分は?
[問いを発してはみたものの、それこそ”利”についてはいくつでも挙げられるから、大義名分などなんとでもなるのだろう。]
もはや、内乱だな。
王府の抑えが効いてない。
やはり、シュビトのあの集会からすべては始まったか──
[自分とシメオンにとっては再会の場だった。
感慨深げに思い起こす。]
とはいえ、アレイゼル卿がクロードの主張に心底賛同するとも思えないから、機を、あるいは器を利用したと考えるのが適当か。
こうなると、
──って、おまえまだアレイゼル領にいるんだよな?!
無事か?! 人質にされたりは?!
[太古の森へ向かうと言っているからには自由の身なのだろうが。]
アレイゼル卿も、共和国を敵に回すのは”利”がないと判断したか。
ただ、おまえもそれを過信して無茶はするなよ。
太古の森の民とおまえが手を組んだら、アレイゼル卿の背後を突ける。それをわかっていない男とは思えない。おまえは泳がされているのかもしれん。
おれも、シルキーとの交渉が終わればオプティモに戻ろう。
上手くいけば、援軍を連れていける。
彼女が──受け入れてくれれば。
[任務とも私情ともつかない感情が混じった。]
/*
王府軍のいる西の砦までは8〜10kmてとこかな。
別に援軍が来るってことだから、連携考えるとその軍は西にまとめて配備だよね、正面と東を正規軍。だけど、東には穴あっていいか。王府の方からじゃないと攻め込めない。
北と西に特化した防御だな。東から崩すか、海側から侵入してね、と。
― 解放軍 ―
[解放軍の北上と並行して、海上でも動きが始まっていた。
南島各地からシュビトへと船が続々と集まりつつある。
漁船や商船など、様々な船がシュビトの港を埋め尽くし、
各地から運ばれた物資が積み込まれる。
明らかに、数日間の船旅以上のものを想定したもの。]
― アレイゼル領 ―
[柔らかな風を感じる間に思うのは、後にしてきた故郷の事。
自分の託した手紙は届いたか。
それを届けたシルワが里に戻り、スルジエの状況が確認できたなら、父は動き出す、と言っていた。
外の流れの一端を知る身としては酷くもどかしくもある。
けれど、いきなりは動き出せない、というのもまた、理解には落ちていた]
……ちゃんと、間に合えばいいけど。
[そんな呟きを漏らした直後、白の小猿がきぃぃ、と鳴いた。
その声に我に返れば、家令が恭しく一礼する姿が目に入る。
彼が見やる先に立つのは、白金の貴人。>>272
慌てて傍らのアケルを肘でつつき、居住まい正して礼をした]
お久しぶりです、アレイゼル卿。
交わした約を果たすのは、当然の事。
あなたが齎してくれたもので、留まっていた風は動く期を捉えられましたから。
応えない選択肢、なかったです。
[礼の後、告げるのはここまで来ようと決めた理由の一端。
慌ただしさの理由は先に聞いていたから、持て成しの話題には、お気遣いなく、とだけ返して]
[傍らのアケルは、初めて見える北島の貴族に対する警戒を拭えていない。
やや半眼になった目からは、それがはきと伺えるだろう。
けれど、彼自身も感じている変化、流れの中で決めたという『覚悟』という言葉に、僅かながら興味をひかれたようだった]
……うん、覚えてる。
[動こう、と思った切欠のひとつ。
貴族と呼ばれる存在への概念に変化を与えたそれを忘れた事はなく。
続けて告げられた向かう先、共に歩むという存在。
それが何かは、問うまでもなくわかるから。
零れた息には、少なからぬ安堵が込められていた]
最初にあなたに会った時は、まだ、一族が無事に過ごすにはどうすればいいか、の方だけ考えてた。
けど、その後、色々あって。
色んな人の決意とか、思いとか、見て。
『この国に生きる者』として、どうすればいいのか、っていう方に、考え方、変えた。
[真っ直ぐ見上げて、語る声音は静かなもの]
南の山の風、ウェントゥスの一族は、解放を望む。
在り方を変える事なく、でも変化を取り入れて、先へと進みたい。
そのために……解放を志す者に添うて吹き抜けると決めた。
[だから、と。
そこで一度、言葉を切って]
今のオレとあなたの向かう風向きは、同じ。
願う先、求める『恵み』も同じだよ。
[続ける声音は、少しだけ軽やかなもの]
同じ向きへと吹き抜けるなら。
それが齎す『恵み』を得るために。
あの時の約を果たすべく、全力を尽くすと改めて誓うよ……アレイゼルのソマリ殿。
[それでも、見上げる瞳に迷いの翳りはなく。
その道を駆け抜ける、という強い意志がそこにあった。*]
[この日、解放軍の軍営には主だった同志らが集まり
今後の方針について協議していた。]
このまま北上し、
アレイゼルとオプティモの間で紛争が起きている間に
さらに北上して首都ブラバントを突くという案もあるが、
結局はクレメンス卿の領土を通ることになる。
俺たちはここの紛争に巻き込まれるのを避け、
中央部が混乱しているうちに海路を使い、
より深く攻め込むことにする。
[ここまでは幾度か協議した内容の確認だ。]
本隊から8000を分けて先発させ、
北島の北部を大きく回って首都の真北付近に向かい、
そこに橋頭保を築いてもらう。
出発準備ができ次第、ここに3000を残して
本隊15000も後を追う。
ここまでもいいか?
[一度陸に上がってしまえば、そうそう撤退はできない。
負ければ海に追い落とされるだろう背水の陣だ。
いくつか質疑のあと、皆が頷く。]
先発隊の指揮はガートに執ってもらいたい。
頼めるか?
[もっとも危険で重要な役を友に打診する。
できるなら自分も一緒に行きたいと顔に書いてあるのは、
友ならよくわかっただろう。]**
/*
ジェフロイ、毎度、墓落ち戦場の仕込み、お疲れ様ですw
友好条約うまくいったら、おれかアレクシスが対戦に向かうことになりそうだねー
― 解放軍 ―
『ルディなら、北島に向かって飛んで行った。
多分、仔細はこれに書いてある』
[使者として訪れたシルワは礼の後、近況を問う声>>268にこう返して預かり物を差し出した]
『こっちのは、山の香草茶。
疲れに効くからに飲んでくれって、あいつから』
[添えられた小箱の内容を説明し、変える言葉にそりゃそうだろ、なんて思ったのは心の内。
解放軍が動き続けているのは、山の民も捉えている。
大きな流れ、変化を求めるもの。
その熱気は、当面の脅威が取り除かれた事とも相まって山岳にもじわりと浸透してきていた]
[手紙が読まれる間と、その後の空白には何も言う事はなく。
謝意を告げられると、居住まい正してそれを受け取り]
『ああ、そっちは、翼で伝えておく』
[すぐに知りたがるだろうから、と手紙の返事は伝令を使う事を決め。
続いた言葉>>270に、山の若者はひとつ、瞬いた。
ルディが解放軍と共に、と決めた理由。
その一端が感じられたような気がして]
『……今の言葉も、ちゃんと、皆に伝える』
[はきと頷き、再度、礼をして退出する。
……なお、その後の疑問>>271を彼が耳にしていたなら、『あんた、案外鈍い?』との突っ込みが飛んだであろう事は、余談]
[使者として赴いたシルワの帰還と、スルジエ情勢の把握。
二つの条件が整った所で、ウェントゥスの族長イムベルはようやく腰を上げる事となる。
脅威となりつつあったスルジエの領主が命を落とした事と、それによる混乱を王府軍が鎮めている、という事。>>144
情勢も相まって、山岳に手出しをする者はなかろう、という見立てから、族長は特に優れた腕を持つ射手と、偵察や奇襲に長けた鳥使いなど、合わせて30名ほどを、先だって解放軍へと参加させる。
絶対数は少ない、けれど。
色鮮やかな古の民の装い──それも、長く使われる事のなかった羽飾りをあしらった戦装束は、他者の目を引くもの。
それは、古き民もまた新しき流れを望んでいる、という事の、何よりも端的な主張となるだろう。*]
そうだな、アレイゼル卿も「かつての世界からの数多の悪意に破れたがためにこの国が出来た」と言っていた。
それが根付いているとしたら、マイナスもマイナスからのスタートだな。
でもその中でプラスになったものもある。
諦める選択肢なんてどこにも無い。
[信用無いのは当然と思っているが故、受けたダメージは然程大きくない。
けれどカナンの心遣いが嬉しくて、ハグをするかのような気配を甘受した]
お前、頭の中が春のままだぞ。
[喩えに突っ込みを入れつつ、カナンが紡ぐスタンスには是を返す]
準備に時間がかかるという点に関しては同意はしておいたが、働きかけは止めないと宣言して来た。
時間的猶予が無いことも示唆してある。
ぶはっ、自転車に乗せて急勾配をか。
あの澄ました顔が驚愕に見開かれるのが想像出来るぜ。
オプティモへの宣戦布告の名分は教えてくれなかった。
ただ、おっさんからの返書が来たのは見せられたよ。
おっさんの方には王府軍が駐留してる。
これに乗じて解放軍が動き出すとするなら……国を大きく二分しての戦いになるかもしれねぇな。
そう、アレイゼル卿は自身の利のために動いてると思う。
そのために利用出来るものは利用する……。
機を読み、先んじ動く、狡猾な男だと思うぜ。
ん、ああ。
今のところ拘束されてはいない。
おそらく監視は少なからず付くだろうけどな。
どうにか上手く立ち回るさ。
[心配するカナンに大丈夫、と声を返す。
古より住まう森の民、手を貸してくれるかはまだ未知数だ]
───結構重症だなぁ。
[本気で打ち抜かれてしまったらしい、とカナンから伝わるなんとも言えない感情に小さく呟く]
俺は監視されてる以上、オプティモに戻る素振りは見せられない。
万一の時は……ベルサリス学館へ向かう。
おっさんが館長を頼れって言ってくれたんだ。
だから、合流するとしたら、そっちで。
[再びシュビトで会おうと、そう告げた]
――――……。
[>>296 カナン・リリから船上での出来事について話を振られれば、肯定とも否定ともつかない様子で。ただ黙するのみ。ただ、警戒していた目尻を僅かに緩めたか。]
/*
アレイゼル領の街並みを探すターン……。
産業は林業と漁業を齧る程度、だったっけ。
状況としてはサシャの出来事から継続して警戒網が張られてる感じかな。
ところでポンドフィールドって放火されてなかったっけw
/*
この先のタイムテーブルとか、展開とか、
諸々考えて迷っております。諸々…。
カナンはお待たせして申し訳ない。昨日からほんと。
こーーれーーはーーー。
いや、ジェフロイたちと最後に一戦は規定路線なんだけれど
対カナンをどうしよ…う?
開国は、今は認めちゃダメだ!なんだけど、
保留にされてしまった。うみゅう。
[戦いの流れは止められないところまで来ている。
シメオンの報告を聞いてそう思う。]
伝統という惰性の強さ、
民という無数の声が作る時代の雰囲気、
おれたちはこの国の分水嶺に立ち会っている──
[そのただ中に、君主国に生まれて共和国に育った二人がいることの奇遇を思う。]
[シメオンはオプティモへ直帰はできないという。
敵地にあって、繊細な立ち回りを要求されるのは仕方ないことだった。
彼の無事を願う。
彼が指定した合流の場所は、シュビト。
かつて二人が再会した街だ。]
了解。
今度は、おれが抱き留める番かな?
飛び込むタイミングを間違わないようにするさ。
[小さな島国の中、心理的には遠い場所になってしまったその街を思う。
今、あの演壇に立ったら、自分は何を語るだろう。]
[成果との言葉に、相手の後を追うような形で
アレクシスへ視線の欠片を投げてから。
言葉に出来ない感情が、深く重い吐息を零す]
…、随分と、懐が広いのですね。
交流するかは棚上げして、
私共が、ただ。貴方がたの友であれば良いと?
[つ、と自らの掌を見下ろし、上向きに返す]
…………、
[空っぽの小さなてのひら。でも、
此処に沢山の想いが乗っていることを、知っている]
[触れた刹那。
舞い降りた小鳥は羽ばたいて、
ぎゅ。っと、自らの指先を握り締めてしまう]
友と呼ぶ相手を、 拒否するのは不誠実です。
[潔癖な精神は、生真面目で不器用な性格ゆえのもの]
その手を取ったら、私はきっと
貴方がたを拒めない――――。
私が、道を、作ってしまう。
私がナミュールの皆様にお渡ししたいのは、白紙なのです。
指導者が引いた道では、無いのですよ。
…、先程お聞きした条項を、
王府の皆様にお伝えし、
民の皆様の望む道をお聞きいたしましょう。
貴方がたの誠意は、よくよく承知しました。
ですから考える為の、今しばらくの時間を。どうか。
――――…どうか、今日はお帰りくださいませ。
[深々と頭を下げる、静かな礼の仕草。
明日は無いかもしれない。
彼等の交渉相手は、ひとつではないのだから。
それでも、………今は首を縦に振れなかった*]
― オプティモ ―
[ブラバンドで恋する外交官と、些か鈍感な巫女姫との会談が為されている頃、オプティモでは、最早避けようもなくなったアレイゼル領主軍との戦に備えた防衛配備が着々と進んでいた]
[王府に近い東の半島部分は農村地帯で、そこに広がる畑が、多くのナミュールの民の腹を満たしている事は、アレイゼル領主ばかりではなく、解放軍も知るはずだった。
そのため、挙兵の義を失いかねない、この地帯への直接攻撃は為されないものと判断して、海岸線のみに火矢を備えた軍船が並べて配備される]
[祖先が海賊と、言われるだけあって、オプティモの海軍力は、他を凌いでいる。デ・モール火山を遥かに望む港と、街の西に連なる貴族諸侯の別荘地域の沖合にも、弓兵と、歩兵を乗せた軍船は展開され万一の奇襲に備えたが、護りを固めながらも、実際に海からの攻撃がある確率は高くないと、領主は考えていた。
アレイゼル領からの海路は南島部分を大きく迂回せねばならない。途中に設けられた燈台からの物見に発見される可能性も高く、奇襲としての成功率もあまり見込めないだろう]
/*
散々悩んだ挙句、の……。
手を取ったら、戦闘以外の道を模索しようとする
未来しか見えなく て。がうがう。
基本的に平和を祈る子だからね巫女姫…。
国の平和を思えば受諾するべき。ではある。
さて合戦の準備…を…。
あちらさんお待たせして申し訳ない。急がねば。
オプティモ港に近付かない船は無視しろ。どんな船であってもだ。
[「無視ですか?報告は?」と、海側の監視を受け持つ隊の隊長が尋ねてきたが、男は必要無い、と言い放った]
どうしても報告したければ、私に直接寄越せ。王府軍には、知らせる必要はない。
[強調された言葉に、何かを呑み込んだ様子で、隊長は「了解しました」と真顔で頷いた]
港には投石機を出しておけ、街から出た民兵に操作を任せられるか?
[その問いには、訓練済で問題ないという返答が返る。オプティモ市民の街を守る気概は意気軒昂というわけだろう]
投石機は、街を囲む城塞にも配備。弓隊と共に主に敵の騎兵を狙う。ああ、そうだ、客人には港の防衛の方へ、回ってもらえ…私兵を三組つけ、万一があれば、船で逃がす。
[これには「心得ました」と側近の私兵が頷く]
王府からの援軍は、西に回らせろ。西側の砦との連携をとるつもりならその方が都合いいはずだ。諸侯の別荘地域を守ることにも繋がるから、ユレも文句は言うまい。
[5桁にまで膨れ上がった解放軍の進軍は、男の耳にも入っている。もし彼等が陸路を来るなら、先に目にするのは王府軍の旗印になる。王府から援軍が出ている事を知れば、転進も考える事が出来るだろうとの目算がある。
何よりも、アレイゼル領主の主力は恐らく北寄りから攻め寄せてくる。
王府軍とアレイゼル領主軍を直接に対峙させることを、男は良しとしなかった]
王府に仇為す逆臣ソマリ・フル・アレイゼル討伐は、このラウド・レイ・クレメンスにお任せあれ、とでも、伝令しておけ。
[アレイゼル領主は、クレメンス領主と戦する。が、王府軍と本気で事を構えてはならない。
この戦がどのように決着するとしても、それは守るべき一線だ。
ソマリ・フル・アレイゼルが、男の思う通りの男だとすれば、それは彼自身にも判っているはずだった]
― アレイゼル領街 ―
[こんな時勢ながら街には活気があった。
領主が良く治めている証拠だろう。
けれど、少なからず不満も出ているらしいことも耳に入ってくる]
出兵の準備……そうだよな、物資やら何やら、戦に出なくても民には負担がかかる。
[今頃オプティモでも戦の準備が進められているだろう。
トマス達はどうしているかと思考が巡る。
戦い方を教えた民は、農業技術を教えた農民は]
(……戦いでしか決せぬものも在る、か)
[技術躍進した国で武器が残る理由。
それは、必要であるからに他ならない。
戦えぬ者達を巻き込みたくないと思っても、そうは行かないのが現状。
ならば未然に防げば、と思ったが、それも叶うことは無かった]
[紹介された宿は街の人に訊ねることで直ぐに辿り着くことが出来た。
その際、最近その宿屋が放火に遭ったことを聞かされる]
また穏やかじゃねぇな。
恨みでも買ってたんか?
[聞けばその時、街では領主の私兵や警邏が何かを探してあちこちを検めていたとのこと。
間諜のことを知る由も無い街の人々は犯罪者でも追い詰めていたのでは、なんて話をしていた]
そりゃまたとばっちりだったな…。
じゃあ宿自体に問題はねーんだな。
[確認には、もちろんさ、と即答が返って来る。
宿屋の主が少し焦燥しているが、質は落ちていないと告げられた]
そっか、ありがとよ。
[そうしてシメオンは宿屋・ポンドフィールドへと足を踏み入れた]
― アレイゼル領街・宿屋ポンドフィールド ―
[護衛の一人に馬を厩舎に繋いでもらいながら、シメオンは宿泊の手続きをする。
宿屋の主の前の姿は知らなかったが、どこなくやつれているような印象は受けた]
さっき話を聞いたぜ、災難だったなぁ。
[世間話のように声をかけ、数日の宿泊の代金を先払いする。
返って来るのは力ない笑い。
あまりの焦燥ぶりにそれ以上聞くことはしなかった]
[客室へと入ると、護衛の三人と顔を付き合わせ今後の予定を確認する]
あの領主のことだ、ほぼ間違いなく俺らには監視がついてる。
迂闊な行動は出来ねぇけど、領主に宣言した行動を取る分にはひとまず問題無ぇだろう。
ドルマール神殿にも拘っといたから、湖までくらいならきっと何とかなるだろうさ。
[その言葉に、諦めてなかったのか、と護衛達が呆れた顔になった。
その表情を見てシメオンは、にっと笑いかける]
悪ぃな、学者の性だ。
[数百年も聳え立つ歴史的建造物。
それを見ぬままでは学者の名が廃る]
先ずは街で太古の森について調べてみることにする。
ここは林業が産業の一つと聞いた。
なら、森のことを良く知る者も居るはずだからな。
[当面の目的を纏め上げ、シメオンは再び街へと繰り出した*]
…どっちも尊重される未来に繋がれば良いんだがなぁ。
[雲を掴むような理想だと言われても願いたいもの。
理想なくては夢は語れず、高みを目的とした行動に繋げない。
だから、喩え困難であろうともそれを目指して邁進する]
ああ、ちゃんと受け止めてくれよ?
…あそこは今、解放軍の本拠地だ。
来ることになったら、お前も気を付けてな。
[シュビトへ向かうとなれば、王府軍と解放軍、どちらからも妨害がある可能性は否めない。
カナンがシメオンの無事を願うと同様、シメオンもカナンの無事を願う]
きっと貴方でしたら、
もっと…、器用に受け答えされたのでしょうね。
[ひとまず頷いておいて友好を保ち、
解放軍と彼等が与さぬよう均衡を保つ手もあった。
口の上手い人間ならば、
幾らでも立ち回りは選べただろうに。
いつも王府の貴族諸侯と遣り取りしているアレクシスならば
おそらく日常とも呼べる駆け引きだろう]
[カナンとの謁見を済ませた後。
王府内を覆う騒がしさに眉を潜めた巫女姫は――侍従からの報告を受け、仔細を知った]
……!! ――――、 っ …
…… フィオン…。
[南島を離れる際、最悪の事態は想定していた。
けれど、それでも。
あの優しい枯色の瞳に、もう二度と逢えないのだと。
既に沢山の血が流れ、大事にすべき命が失われたのだと。
…分かって。哀しさが溢れ、……ふつり。と頬を零れ落ちた]
貴方は、
貴方がたは、
紛うことなき、王国を護る騎士でした――――…。
[指先を祈りの形に組んで、遠く南の空へ黙祷を捧げる。
不意に、荒い突風が吹く。
満開の桜が涙を流すように、はらはらと花吹雪を舞い散らせた*]
― 謁見の間 ―
[長い逡巡と重い吐息の後、シルキーの仄かな唇は、是でも非でもなく、考えるための時間を求めた。]
白紙?
[さすがにこめかみが引き攣る。]
[外の世界のことなど考えたこともなく、これまで1000年を恙無く自給自足してきたこの国で、
このまま、閉ざされたまま、
あなた方を信じていますと白紙を渡された民に、襲い来る嵐の中で何が決断できるというのか。
なにより国の魂、護りの象徴たるシルキー自身が独り善がりな決心をしたくないと切望しているというのに、
国民がそれに倣わないとでも?]
乳飲み子が開国の意義を理解して自身の判断を示すまで待つうちにも、新しく子供は生まれてくるのですよ。
[いつまでも待てるわけではないのだと、吐露する。]
[あくまでも静かで優雅なシルキーの仕草に、
届いていない虚しさ、もどかしさが心に渦巻いた。]
貴女は──
[民を信じるのはいい、
だが、進むべき道も示さず、ただ全員が幸福な未来を祈るこの少女は──
巫女なのだと、ようやく腑に落ちた。]
どうか、お忘れなきよう、
[理屈ならば彼女にもわかっていて、それでも彼女には決断することができないのだろう。
「此の国の皆様が、心健やかに、四季世豊かにあることが、私の心からの願い」
それこそが偽らざる彼女であり、そこにしか彼女はいない。
神殿の外にあっても、戦場にあっても、変わることなく。]
貴女にしか、できないことがある。
[悠久の巫女姫に対峙し、皇子であり大使であるカナンは、決断を下した。]
…お言葉どおり、今日のところはこれにて失礼させていただきます。
ナミュールの国民が、両国の友好を願ってくれるよう、努力は惜しまないつもりです。
お時間をいただき、感謝いたします。
[身を引こうとする小鳥を、清廉な少女を追い、今度こそ両手の中に抱き寄せた。]
再びのお呼びをお待ちしております。
どうかお元気で。
一緒に背負わせてほしい。
[儀礼的なハグよりも一瞬だけ長い、抱擁。*]
― ブラバンド・宿 ―
[謁見を終え、宛てがわれた部屋へ戻って来たカナンは礼服を無造作に脱ぎ捨てる。]
内乱が起きているというのに、マチュザレムの支援はいらんそうだ。
[出迎えたサイードが、「会見の席ではスイーツ出なかったんですね」と、察したように頷きながら礼服をクローゼットに仕舞う。]
確かに出なかったが、そこ問題にしてないし!
[でも、ニールが「はいよ」と差し出した菓子はパクリと口へ。
キャンディかと思ったら黄な粉を丸めたものだったので、ちょっと微妙な顔になった。]
[立ったまま、苦くない茶を飲み干して、言葉を続ける。]
サイード!
今からおまえが、「カナン・リリ大使」だ!
大使は重篤な病にて面会謝絶、いいな。
[「いーけど、そっちは何様になるんですか」と、シメオンほどではないもののカナンの気質を把握している同胞は、今後の成り行きを伺う。]
志願兵だ。募兵して、その指揮官になる。
風来の義侠──いや、貴族の私生児の方が動きやすいか。
伍長、この前、金を立て替えてくれると言ったな。
貸してくれ。
あと、
うん、この際、クレメンス卿の私生児と名乗ってもいいかね。
[同意を求められて固まる護衛兵の肩を叩きながら、カナンは室内の一堂を見回した。]
マチュザレムによる援軍は断られた。
よって、おれは個人的にシルキーを──王府軍を支援すべく出陣する。
私は此れより、王国の為の戦争を始める。
[吹いた風に揺られた白金の中、曇り無き瞳を男は覗かせる]
此れまでと比べ物に為らん大規模な物となるだろう。
中では決して無視できん数の血も流れるだろう。
然し、これが今、ナミュールと云う王国の為には最善と。
私はそう信じて戦いを始めるのだ。
[それは王国の為と云う意志に、揺らぎの無い瞳の熱。
男は善者でも徳物でも決して無い。然し王国を思う心だけには何の偽りも含まれてはいないからこそ。
今、三白眼の双眸は熱をあげる。来る戦いの気運に高まる様に]
ウェントスのルディよ、君達の戦い方は君達自身に委ねよう。
解放軍は、私の動きに呼応して、戦局の舞台をこの北王国へ移すだろう。
北の街道を抜けた先では、ラクス族の同胞と会う事も出来よう。
如何なる方法か、北上する解放軍と足並みを揃え彼等と戦う事も出来る。
無論、君達の決意あらば、私と共に戦場を駆け抜ける事も私は受けよう。
君達自身の意志の風向きにそれらは委ねよう。
古きに留まろうとも新しきに飛び出そうとも。
それこそは変わる事の無い、君達が君達としてある所以なのだろうから。
[青年にもし人を指揮する才覚があれば、千、二千、その辺りを貸すも想定圏内だ。
尤もそんな機会は始めてだろうが、人手はあるに越した事は決して無いのだから]
では、いよいよ私達は向かいだすとしよう。
これより先は、薄暗がりの知恵や憂慮など、大した役には立たない。
必要なのは炎。人々と王国と意志を変える炎の熱さと。
それらを、千年紡がれた祈りの果てまで届ける、時代の風なのだから。
[男はそして、身を翻す。いよいよ準備の全ては整えられた。
王国の未来を変える為に、この戦いは不可避が故に。
だからこそ、この戦の行方以上の血を流さず、王国の未来を定められる事を願って*]
― 解放軍本営 ―
[進軍の準備が慌ただしく進められている本陣に
鮮やかな衣装に身を包んだ一団が到着した。
皆の好機と詮索、不審の視線を集める中、
心得た同志が彼らを先導してくる。
知らせを受けた盟主は彼らを出迎え、
古き民の様式に従って歓迎の仕草を示した。]
よく来てくれた、友よ。
俺は、あなたたちを待っていた。
[ウェントゥスの代表を親し気に招き入れ、
肩を叩いて会えたことを喜ぶ。
衆目の中で行われるそれは、
一種のパフォーマンスでもある。]
[ウェントゥスの族長の決断に大いに感謝し、
共に戦っていこう、と握手を交わす。
そして、人垣を作っている周囲を、ぐるりと見回した。]
皆、聞いてくれ!
今日、俺たちの古い隣人が駆けつけてくれた!
俺たちと共に、戦うためにだ!
[身体をゆっくり回しながら、全員に向かって呼びかける。]
俺たちはこれまで、隣人との間の門を閉ざしていた。
これからは違う。
大いに門を開き、互いに交わっていくべき時だ。
[ざわざわとざわめきが起こる。
戸惑いの声。訝しむ声。不安の声。
手のひらを前に差し出し、ぐるりと周囲を指した。
両手を広げて、皆に問いかける。]
俺たちは何のために戦っているんだ?
古い因習を打壊すためだ。
外に向かって大きく開くためだ。
新しいナミュールを作るためだ。
そうだろう!?
[問う声は鋭く深く、斬りこむように。]
なら、俺たちと古い隣人との関係も、
古臭い偏見を捨てて、新しく作り直すべきだ。
これから世界に向けて門を開こうというんだ。
ずっと側にいた隣人に対してそれができないなら、
ナミュールは世界の笑いものになる。
[周囲を見回し、一人一人を見る。
戸惑いは消えない。けれど、楔はひとつ、打ち込んだ。]
これから俺たちはしばらく共に過ごすことになる。
作業でも食事でも一緒にして、
お互いのことを良く知り合ってほしい。
人間同士の付き合いは、そこから始まるだろう?
世界を知り、人を知り、己を知れば、即ち道を識る。
皆もよく知り合って、良い道を見つけてくれ。
[三知識道。
ベルサリス学館の教えを引いて言葉を締めくくった。]**
/*
つーかもう、私生児とかほんとにねww
何度私の腹筋を崩壊させる気なのだ、カナン殿www(この、芝は、ゆるして!!)
こちらも話し合いは終わった。
[少々、尾羽打ち枯らした声。]
結局のところ、シルキーには、新しい道を拓くことは不可能だと言われた。
神殿を出て親征するくらいの人ならば、と思っていたけれど、この国の構造を読み違えていたようだ。
彼女は「象徴」なんだ。
― アレイゼル領街 ―
[友が愛に生きているその頃。
シメオンは太古の森に向かうべく事前調査をしていた]
太古の森って慣れてねー人が行っても迷わねぇ?
奥深くに行かなきゃ大丈夫?
そっか。
普段は街に面してるところを伐採してんのか?
…へー、一回に伐採する量は然程じゃねーんだな。
必要分だけ、って感じかな。
あれ、伐採した場所に植林はしてんの?
森が無くなったらこの街も困るんじゃね?
[等々。
異邦人が来ている噂は既に広まっているらしく、あれこれ聞くことに幾分の警戒は抱かれつつも、単に知りたいだけと伝わればそれなりの情報を引き出すことが出来た]
森には先住民が居るって聞いたんだが、そっちとはどうなんだ?
[それを問うと、人々は顔を見合わせて苦そうな顔をしていた。
曰く、伐採のことはきっと良くは思っていないとのこと。
先住民の牽制は領主が対処してくれているようだが、大昔に欲を出して大量に伐採した者は報復を受けたらしい]
なるほど、そう言うこともあったのか。
じゃあ行く時は気をつけねぇとなぁ。
[目をつけられては適わない、と。
その時はおどけながら言って小さく笑った]
[粗方情報を引き出した後、シメオンは護衛を伴い街の北街道へと向かう]
さぁて、薮を突いたら何が出るかな。
[緊張からか、唇を小さくぺろりと舐めて。
街道のど真ん中で遥か先に続く道の先を見遣った*]
― アレイゼル領 ―
[何事もなければ交差するはずもなかった縁。
偶然に、様々な意図が絡み合った結果、それは一つの意志へとたどり着く。
宣に返る言葉>>343にそんな事を考えつつ、向けられた言葉を受け止めた]
……王国の為の、戦争。
[言葉だけ口にするならば、そう、難しくないのかも知れない。
けれど、実際に事を起こすとなれば、それには様々なものが付いて回る。
それらを全て承知した上で、更にその先を求める強き意志。
揺らぐ事なき想いを礎とした焔燃える瞳に、それを感じた]
……オレは、一度北の森へ。
北の森の同胞、ラクスの民に呼びかけてきます。
解放軍には、ウェントゥスの戦士が合流するはず。
北の森のラクスの民が共に立ってくれるなら、北と南に別たれたものが、同じ目的の元に集う、という印にもなる。
[実際にどうなるかは、わからない。
けれど、そうする事で、訴えかけられるものもあるだろうから、と。
それは、ここに来るまでの道中にずっと考えていた事]
その後は、そちらに合流しますけど、いきなりの連携は難しいかも知れないから。
遊撃隊として、動きます。
[例えラクスの民を動かす事ができたとしても、長く続いてきた対立を乗り越えるのは容易くはないだろう。
関わりを断っていた南ならともかく、ぶつかり合う歴史を重ねてきた北の民には。
だから、と伝えるのは遊撃隊として動く意思]
炎の熱を、届けるための風。
[炎と風。
今必要とされるのは、確かにそれだろう。
動く事なき大地の上を、静謐なる水の如く流れていた時を変えるためには]
ならば、我らはその風となるために。
全力を持って、駆け行きます。
新たな流れを掴むために。
[決意新たな宣の後、視線向けるは、北の森。
余り時がないのは察している。
だからこそ、迷う事無く動き出す。*]
[抱き寄せられ、視界が変わる]
…、ぁ
[か細い声が、零れた]
はな、して―― ください。 離し、…
何故…。貴方が、わからない。
[華奢な腕で、振り解くようにもがく]
[アレクシスが止めに入っただろうか。
それとも彼女には長い時間に感じられただけで、
実際には直ぐにカナンは離れただろうか。
ともあれ解放されれば、荒い呼吸を整えてから]
――― っ、
…最後の無礼は、先程の貴方の提示された条項に免じて
不問にしてさしあげますっ。
[赤い顔のまま言い捨てるように告げて]
失礼、いたします…っ。
[謁見の間を早足で去る。
拒むように、扉がぱたん、と軋んだ音を立てて閉じた*]
これより、王府は全力で内乱の収拾にかかるだろう。
マチュザレムとしては静観して構わない局面なんだが──
その、 ちょっと加勢してくる。
サイードを身代わりにたてて大使は病気ってことにしたんで、おれが寝込んでるって話を聞いても心配しなくていいからな。
『 私、ソマリ・フル・アレイゼルは栄えある王国臣民のひとりとして
天地人の義は解放軍にこそありと認め、これに加わる者とする。
それは王国へ反逆すると云う意味では断じて無い。
文化と伝統と歴史とをより豊かにし王国の繁栄を願い
近くも遠い将来、やがて我らが王国を今再び襲う外敵の脅威に
我ら姫王が祖霊の子孫たる王国臣民が今ぞ一致団結し
栄えある王国の未来に奉仕する改革と解放の戦士達である』
『古くも悪しき因習は此れよりのナミュールには不要。
森の奥底、山の向こうとの対立も今やそこに深き溝は無く。
この島に住まう者達のすべてが我らが楽園を想いて集う時が来たのだ。
王国を愛し未来を見据える心ある諸侯達よ、我らが元へ集え。
その正義の刃が切り裂くべきは巫女姫に非ず。
古くも悪しき因習に固執し繁栄の妨げとなる悪逆の徒を討ち果たし
奸臣共の魔の手から我らが敬愛すべき巫女姫を御救い奉る事にこそあり。
我らが元へ集え、諸侯よ。
始祖たる姫王が千年祈られ愛されたナミュールの衰退はこの戦にこそあり』
お疲れさん。
……あまり芳しくなかったようだな。
[やや零落した声に状況を幾分か悟る]
「象徴」……国を動かすほどでは無かったか。
知識と行動力を見る限りは、上に立つ存在だと思ったんだがな。
[大きな読み違いだったと嘆息が漏れた]
[しかしその嘆息も直ぐにやや呆れた声色へ変化する]
お前………んっとに重症だな。
[今度は声を潜ませずに言った]
…アレイゼル卿が率いる兵は見るからに錬度が高い。
指揮官も抜け目無く優秀だ。
くれぐれも気をつけろよ。
[止めたって止まりゃしないのだから今更止めようとは思わない。
代わりに忠告を投げ、友の判断力を信じることにした]
― 太古の森へ ―
『……なー、ホントに、大丈夫かぁ?』
やってみなきゃ、わかんないでしょ。
『いや、そりゃそーだけど。
同胞って言っても、千年前からずっと関わりなかった連中なんだぜ?』
だから、そんな事言ってたら、始まんないでしょ!
源流辿れば、同じ血脈、気合で押し切れば、きっとなんとかなる!
『…………跳ねっ返りの無茶しい』
なんか言った!?
[そんな、賑やかと言えば賑やかなやり取りをしつつ、北へ向けて馬を走らせる。
特異な装いに肩の白猿、髪をまとめる濃紅の結い紐。
従う青年の肩には、鋭い爪と嘴を備えた猛禽が一羽。
これで目を引かなかったらどうか、という組み合わせが北の森へと向かう様子は、見るものに何を思わせるか。*]
――――……。
[>>296 カナン・リリから船上での出来事について話を振られれば、肯定とも否定ともつかない様子で。ただ黙するのみ。ただ、警戒していた目尻を僅かに緩めたか。
最初会った時よりも、アレクシス・ユレの様子は幾分、緩和されていただろう。
実際、アレクシスは多少、絆されていたのかもしれない。
この異邦人に。
蛮族と罵った当初よりもずっと友好的で頭のいい―――]
―――― 大変仲睦まじい会談中、失礼致します。
巫女姫は、遠征から戻られたばかりです。
そろそろ御労りのほどを。
[>>338 あくまで穏やかな口調のままで。然し、視線は凍てついていただろうか。前言撤回。やはり侮れぬ男だ、よくも堂々と謁見の場でそのような不敬を。]
カナン・リリ様。
宿へは私がお見送り致しましょう。
―――――― どうぞ。
[>>339 半ば強引に彼を巫女姫から引き離すと、彼をブラバンドへの宿へと案内した。>>8 肖像モデルの件は当然、白紙に戻す。*]
― オプティモ ―
[領主の元へは、領内に飛ばされた伝令により、各地より集められた兵力が報告される。領主直轄のオプティモの守備隊を合わせ、騎兵300、歩兵3000、弓兵1000、他に、遊撃隊として動く私兵団が、50名単位の小隊で5隊、街から集められた非正規兵から成る民兵約1000]
ライフルの方は?
「試作以上のもんはまだ出来てませんから、荷にあった20挺が全部ですね。使えそうな者は10名程度です。後は引き金は引けても、当たりませんな。弾丸の増産も間に合っていませんから、あまり戦力にはならんかもしれません」
では、とりあえずその引き金の引ける程度を10名、ライフルを持たせて、正面城塞上に配置しろ、銃剣は完成していたんだったな?
「はい」
残り10名は、銃剣装備のうえ、私の近衛として出陣。
[本陣はオプティモの街の北正面、街からはあまり離れず、駆け戻れるぎりぎりの位置に置かれた。
本陣前方には弓隊が、正面200、左翼100、右翼100と三隊に別れて配置され、さらにその前方に騎兵100が、20列に並んだ槍装備の歩兵1000を引き連れて厚く護りを固める]
[残る兵のうち、騎兵200と歩兵1000は、最前線から本陣の位置まで斜線を描くようにして、両翼に配置され、弓兵600と歩兵1000、更に民兵1000は、街の城塞と海上の守りに回された]
[領主クレメンスの周囲を守るのは、本職の騎兵では無いながら、騎馬を与えられた私兵団50名と、銃剣装備のライフル隊10名。
ある意味、雑多な印象を拭えない近衛団、ではある]
― アレイゼル軍中 オプティモ行軍 ―
[行軍の最中にも私兵軍は慌しく人を行き交わせる。
戦の最中だ、当然少なくない間諜が囚われ処理されてしまう事だろうが、既にオプティモからはそれに見合う分の動きが伝えられていた。
最も足るものは、アレクシス・ユレ操る王府軍が援軍を派遣し
クレメンス卿が此れを受諾。これにより対外的には、クレメンスは王府軍派に付いたとも取れる情報だ]
… … …なるほど。そちら側の方針で来たか。
[報を受けた時、男は確かににやりと口端を歪めた]
私が解放軍として動けば、アレクシス・ユレは必ず動く。
起こりうる方針は、ふたつにひとつしか無い。
クレメンス卿と仮初の手を結び、私達と相対する対立の構図か。
解放軍と王府軍が争いつつもオプティモを狙う三つ巴の構図かだ。
これもまた、解放軍の名乗りをあげた『利』のひとつだ。
そして此方の方針ならば諸侯共の勢力図も二分される
[それは正に、敵地オプティモで未来図を描きて笑う男と
全く同じ思惑に浮かべた会心の笑み]
この大戦に乗じて、我ら敵同士が互いに互いに殺し合う。
王国に有用足る者と愚物共の振るい分け。
無能な諸侯に有害な者共、それらを纏めてだ。
我が思惑を汲みしは刃交えし者にこそ。
狐の敵は古狸 か 。
[貴族らしかぬ奔放とした振る舞いに奇抜な発想と行動力、敵も少なく無い彼の卿がそれでも好きに振舞えるのは。
王国貴族クレメンス家は、間違いなく王国二分の旗を努めるにも相応しき、ナミュールの最も力ある貴族のひとりなのだからだ。
王国の為には避けて通れぬその思惑に、北西より至る白金の狐が笑みを浮かべた]
お前のミスなんかじゃねぇよ。
強いて言えば、シロウがいるのがわかっててもっと人を寄越すように言わなかったオレのせいなんだからよ。
[自分の非だというガートルート>>3:76に手が届けば、額を指でぴんと弾きたいところだが、残念ながらこの身は世界の何ももう掴むことが出来ない]
/*
クロードの追悼、やっぱ熱いなぁ……。
クロード視点で描かれるマーティンが素敵キャラすぎて、自分のロールがそこまでおっついてない!ともだもだもするけどな!
影の軍師 アレクシスは、栞を挟んだ。
― オプティモ北 ―
[北西より到るアレイゼル軍はやがてオプティモの北門を目指す。
南島より北上する解放軍の軍勢は南か西を攻めるだろう事も予期すれば尤もな方針だった。
オプティモの北正面は、北西のドルマール湖に到るまで大地の高度が緩やかに下がる地形となる。
地の利があちらの物なのは当然。然し兵の物量はアレイゼル軍がまだ上回る様だ。
アレイゼル軍の編成は、最低限の領地守備隊以上を出陣させ、歩兵3500、弓兵1000、騎兵400が集い、領地で徴集された非正規民兵が1500である。
民兵の錬度は大したアテには成るまいと判断するが、然し本命は最後。
歩兵500、騎兵100。各50名規模の小隊と、騎兵10歩兵50から成る混成小隊5隊から成る、ソマリ・フル・アレイゼル選りすぐりの私兵軍だ]
[全てを合わせ、凡そ7000の兵力に加えて、幾つかの攻城兵器が持ち出された。
数は有限、使い所の困難な、攻城戦の要とも呼べる]
四基の攻城塔は、指示あるまで前線の射程外へ。
投石器の的になる事だけは赦さん。
此方側の投石器五基は横列に展開。
前線が押し上げられ次第、城塞を打ち壊しにかかれ。
[陣容を構えるアレイゼル軍は、微かな高低差を城塞に感じる程度の距離から始まる。
後方の本陣から正面に、騎馬200を中核に構成される突破陣が組まれる。正面は1500から成る歩兵の盾に守られた弓兵300が続き、両翼に到るまで1000ずつの歩兵が翼を為す。
翼の両端には更に騎馬が100騎と弓兵が200ずつ控え、400ずつ程の民兵がそちらへ配置される。
本陣を守る、100の近衛歩兵も考えると、クレメンス軍の雑多な印象とは対象に、比較的規律正しさと基本の忠実さが映る陣容だ]
― 解放軍・北上中 ―
そういうのもあるんじゃないのか?
俺もそうだし。
[>>271ふと耳に入ったので首を突っ込んでおく。]
まぁ俺の場合は……あいや、何でもない。
[母親から「お前が跡継ぎになれないように」と、呪いを込められた名だとは言えずに笑ってごまかした。]
これでまつろわぬ民も動く、か。
こっちに味方してくれんのは有難いな。
[それに尽力つくしているだろう小柄な青年の事を思い出す。
親征と称して軍が北のまつろわぬ民と事を構えた事も幾度かあった為、ルディとはこちら側から積極的に関わろうとはしなかった。
ただ良く動いている姿はちらちら視界の端に入れていたので、独楽鼠みたいだなぁとか思っていたのは当人には言ってない。]
解放連盟もいよいよ大きくなってきたな。
[細かな思惑が見えない現状、こちらからはわりと理想的な形になってきているような気がしていた。]
― 解放軍・協議中 ―
[話し合いの前後、アレイゼルがオプティモに進行中との話を聞くと少し驚いた。]
ソマリがクレメンスのおっさんとこと事を構えるって…。
[>>3:306去り際の話はこういうことかと思ったが。]
恰好だけ…かな?
…いやまぁいいか。
ソマリの方にも何か思惑はあるんだろうし。
[解放軍側についたと明示している以上、こちらの不利になるような事ではないのだろうと、任せろと言った従兄弟を信用してそこは投げた。]
[>>304>>305今後についての大まかな流れは頭に入れておく。
>>306先発隊の指揮を任されれば迷いなく頷いた。]
ん、了解。
ソマリたちと挟撃出来ればもうけもの。
睨みきかすだけでも十分って所かな。
[>>306顔に一緒にと書いてあるのは見えていたので、いい笑顔で受け止めて。]
先に行くのは俺だけな。
[安全なところで胡坐をかかせるつもりもないが、わざわざ今前線に連れていく必要も今は無いだろうと判断し。
また残った18000の指揮取りも任せる意味でそう言った。]
まぁ後からゆっくり来いよ。
それまでには居心地いい場所に均しておくからさ。
あ、その前にお茶一杯くれ。
[>>270ルディから渡されたお茶を一杯ねだったりも*]
― 太古の森へ続く街道 ―
[街道の真ん中で進まんとする先を見遣る]
……やっぱ馬連れて来ないとだな。
[徒歩で行くのは無謀と判断。
折角街道が敷かれているのだからと、馬で行こうと踵を返した]
[その時]
───── !!
[馬の上で言い合いながら太古の森へと進路を取る二人組>>366がシメオンの横を通り抜けていく。
馬が起こした風に銀糸を靡かせながら、シメオンは駆け抜けていく者を見遣った。
彼らが身に纏う装束には見覚えがある。
更にはもう一つの特徴]
っ 、
早く馬連れて来てくれ!!
[はた、と我に返ると、慌てて護衛に馬を連れてくるよう願い。
馬が到着して直ぐに二人組の後を追った]
/*
現状把握にえらい時間かかっ…
カナンが一目ぼれして王府について出てくんのは把握した。
カナンすごいなこのフットワーク…。
― 解放軍本営 ―
[族長の命によって派遣されたウェントゥスの戦士たち。
事前に聞かされていた事は多々あったが、他と関わる機会を持たなかった者も多く、合流当初は酷く、緊迫していた。
そんな緊張も、盟主自らの出迎えにより、僅かに緩む。
向けられる歓迎は、他の意図を含むとしても響くもの。
故に、握手交わす手に込められた力は、自然、強いものとなっていた]
(……ほんと、大したもんだわ)
[朗々と響く演説を聞きつつ、選抜隊に選ばれた鳥使いシルワは一つ、息を吐く。
変化を求める族長の子が、同じ道を行ける、と言い切った者。
その言葉は、未だ猜疑を抱いていた一族の者たちの内にも浸透しているのが、目に見えて感じられた]
『我ら風の民は、これまで、外との関わりを断ち、閉ざされた中で生きてきた。
けれど、今、この時を持って、古き在り方からは抜け出そう、と思う。
新しき流れを得て、澱みを吹き払うために。
我らの風、皆の歩みと共に……!』
[盟主の演説の後、代表を任されたシルワが口上を述べる。
長の親戚筋に当たるが故に、一族の代表を押し付けられたのだが。
これって、ルディの仕事だよなー、と思っていたのは余談である。*]
……お
[自分の死体を前にクロードが何を思っているのか。>>3:115
この姿になっても人の心の中までもは見通せるものじゃないようで、きつく拳を握りしめる彼の表情から読み取ろうとするしかなかった]
おい。もし死なせちまって後悔してんならよしてくれよ?
今更、そんな生半可な覚悟じゃねぇってことは信じてるけどよ。
[聞こえないことをいいことに、思ったことを堂々と口に出す]
― 太古の森へ続く街道 ―
[先へ急ぐ事に気を取られていたから、自分たちが誰を追い越したかなんて気にしていなかった。
だから、その人物がこちらを追って来るなんて、当然の如く予想外の事で]
『ルディ、なんか、追ってきてるのがいる!』
……なにそれ!?
『いや、俺が知るか!』
あー、もう、この忙しい時にっ!
[そう、思いながらも肩越しに振り返る。
追ってくる姿に見覚えはない。
ないからこそ、追われる理由が気になって、手綱を引いた。*]
なんか、用事!?
こっち、急いでるんだけど!
[やがてクロードの口から零れたのは確かな決意>>118]
なんだ、やっぱりわかってんじゃねぇかよ。
[最後に話をした時に伝えた言葉。
それが彼の心に届いて、そしてそれが彼の行動に少しでも影響を与えるなら。
師としてこれ以上の喜びはなかった。
安心したように破顔して]
ま、お前が今後迷うことでもありゃ、夢の中にいってどやしつけてやるからな。
― 太古の森へ続く街道 ―
[相手も馬だ、追いつけるかは出せる速度次第。
そう思っていたのだが、先を行く馬が速度を落とし、こちらへと声をかけてきた>>388。
シメオン達もまた速度を落としながら近付いて行く]
君、ルディ、だろ!?
[やや距離のある状態で声を張り上げた]
カナンを助けてくれた子だろ。
それから、俺に伝統装束を譲ってくれた。
[更に距離を詰めれば声は通常のトーンへと落とす]
俺はシメオン・オリオール。
カナンと一緒にこの地に来た、マチュザレム共和国からの使者だ。
常々礼を言いたかったんだ、ここで会えて良かった。
カナンを助けてくれてありがとうな。
[本当ならハグで感謝を示したいところだったが、馬上ゆえにそれは断念して。
代わりに手綱から片手を離して握手を求めた。
応じてもらえるなら、相手の手を持ち上げ指先に口付けも落とそうとする*]
― オプティモ・クレメンス軍本陣 ―
来たな。
「ははあ、大層な大軍で」
呑気に言うな。
「うちも
煩い。
[側近の言う通り、男の本来の領地の広さから鑑みれば、あと数千の兵は集まっても良い筈だった。
だが、ソマリ・フル・アレイゼルがナミュール全土に飛ばした激は、クレメンスの領地内の小領主や騎士達をも動かした。「義無き戦に参じることを辞す」と、伝えて来た者には、丁重な絶縁の使者を送ってある]
思ったよりも骨のある者が多かったな。
[小さく笑って、男は、最初の命を発した]
正面突破を狙う敵軍を視認しても動くな。引き寄せられるだけ引き寄せろ。
[命の通りに、クレメンス軍は迫るアレイゼル軍に対して動かず、沈黙を守ったまま、その突撃を待ち受ける。
陣に加わらず、城塞の内に籠もったままの遊撃隊となるべき200名の私兵も、未だ姿を現すことはない//]
― ブラバンド北 ―
[解放軍8000を乗せた船は西から回り、丁度ブラバンドから北に位置する岸へとたどり着く。
弓兵交えた歩兵が6000、騎兵1000(内精鋭は100)残り1000は衛生兵や工兵などを連れて来た。
民兵が多いが、それなりに戦える者も混じった混合編成だ。
まつろわぬ民はジェフロイの方に任せる事にした。]
さーて、船旅で疲れてるだろうがとりあえず地ならしだ。
天幕張って野営に備えろ。
それから簡単なバリケードも。
あと近隣の村に行って食糧確保。
あ、こっちが解放軍だとかそういうのはあえて言わなくていいぜ。
ただ相手が不審そうにしてたりとか、攻撃的だった場合は、
俺たちの事を理解してもらえるように説明してくること。
その結果追い出されるようなら…まぁ仕方ないけど。
[南から離れた北側は、ある意味巫女姫の膝元だ。
そこに解放連盟の理念や意義が伝わるのは難しいとも思っている。
ひとつひとつ説き伏せていってもいいが、今はその時間も惜しい。]
さて滞りなく地ならしが出来りゃいいが…。
[首都のすぐ南でソマリ達が事を構えているなら、王府の余った手はこちらに向くだろうとは予想している。]
(こっちはこっちで正念場だな)
― 太古の森へ続く街道 ―
……え?
[近づいてきた相手が口にしたのは、自分の名前。>>389
思いも寄らぬ事に、惚けた声が上がる]
なんで名前……って。
え?
[問いは、続いた言葉に遮られる形となり。
ぽかん、としたまま、向けられる笑みを見つめる形となった]
あんたが、シメオン……服欲しいって、言い出した、変わった趣味のひと?
[以前のカナンとのやり取りを思い出しつつ、その時感じた事をそのまま口にして]
[なんでこんな所にいるんだろう、とか。
色々と、考える事はあったものの、握手を求められれば、それに応じて手を伸ばす。
傍らのアケルは、警戒と共にそれどころじゃねーだろー、という気配を滲ませていたりしたが。
なお、単に握手だけだと思っていたのと、挨拶の習慣の違いもあって、それ以上があるとは思わず──結果]
……え?
[指先に口づけが落とされる感触に、きょとん、と瞬く。
肩の小猿が、きぃぃぃ、と甲高く鳴いて]
ちょっ……!
なんで、外の人らって、みんなそうなのーーーー!
[慌てて手を振りほどき、距離を取る。
落ち着け落ち着け、ここで取り乱したら、この先の交渉に差し支える、と。
動悸を必死に押さえつけながら、呼吸を整えた]
『ルディ、大丈夫か、おい』
……な……なんとか。
[問いかけるアケルには、どうにかそう返すものの。
動揺のいろは、全く隠せていなかった。*]
あ、紐あるか紐。細い奴。
[準備にせわしなく動く同志らに頼み、紐を一本貰うと、>>263おばけみたいだと友人に揶揄された髪を後ろでひとつに結んだ。
あの時は「うるせー願掛けしてんだよ」と返し実際その意味も無くはなかったが。]
おーい注目。
盟主がいない間、これから俺の事は
盟主代行、略して盟主って呼ぶ事。
似てねーって言うな、うっせーぞ。
[ジェフロイほどには伸びなかったので、後ろで結んだ紙は短い尻尾にしかならならず、顔の作りも体つきも当然似ていないが、茶に近い赤毛は遠目からみれば、盟主っぽく見えなくはない。]
盟主がこっちに来てるって聞けば、
向こうの意識は嫌でもこっちに向くだろ。
んじゃそういうことで、準備急げよー。
[言いながら、自分も野営の準備に取り掛かった*]
/*
まあ、ルディは、殺されちゃうと色々微妙な立場になっちゃってるよね。折角の山の民との融和のきっかけが下手するとチャラになる。
− ブラバンド港 −
[目元を隠す黒い
そのあからさまに怪しい出で立ちに漁師たちは警戒し、船はもう供出してしまったと言い訳する。]
おれが欲しいのは船ではない。
勇気ある男、それから予備の帆布、防水に使う瀝青、使い古した網、日乾し煉瓦、魚脂──そういった、ここで手に入るものばかりだ!
[男の目付とおぼしき──こちらはまともな恰好をしていた──護衛兵が、漁師たちに、「すまんな。リリエンタール様は妾腹で、継母の妨害で正規軍に入れんから、ああしてお忍びで志願兵を募っているのだ」と耳打ちした。
「なるほど貴族の坊ちゃんか」と妙に納得をしてくれた漁師たちは、”リリエンタール”が要求した品を提供してくれる。(護衛の男が支払いをしていった。)
中でも物好きだったり、一旗挙げたいと思っている若者が義勇兵に志願してくれる。]
8人か──まあいい。 よろしく頼む。
[いきなり親密にハグを仕掛ける”リリエンタール”を囲んで賑やかに、押し掛け援軍は結成された。]
― 太古の森へ続く街道 ―
変わった趣味とは失礼な。
学術的興味だよ。
[ルディの言葉>>395に訂正を入れながら、どーゆー説明したんだアイツ、と友に突っ込みを入れる。
一方的に話を進めるシメオンに対し、ルディの連れが不機嫌そうにしていた>>396が、シメオンにとって感謝を伝えるのが最優先だった。
そうして流れるように手を掬い上げ、指先に落とされる口付け。
振り解かれれば>>397その手は直ぐに離れる]
[正規軍の指揮系統には入らぬものの、義勇兵名簿には「リリンタール・
その携行品目は荷馬車、布、ロープ、建材、燃料と記述され、まるで輜重隊のように見えるだろう。
だが、その実、
あ、すまねぇな。
つい嬉しくて。
[自分達の挨拶に慣れない者も居る、と言うのは頭で理解していたが、ようやく会えたと舞い上がった感情に制御装置は作動しなかった。
周囲では三人の護衛も呆れ顔で様子を見ている]
[尚、貰った服のサイズから相手が女性と思い込んでの行動である]
しっかし……君達は南の山岳に住まうと聞いてたけど、何故ここへ?
[一定の距離は保ったままに、急いでいるだろう相手に問いを投げかけた*]
ん。気を付けろよ。
王府軍、そっち潰しにくるかもしれないし。
おまえに言うようなことじゃないけどさ。
[軍事の専門家に軍略を説くようなもので、
未練がましくなにか言っていたが、諦めて沈黙する。
お茶を要求されれば、心得たと急須を用意した。
良く蒸らした香草から爽やかな香りが立ち、
淡い色の茶から柔らかく湯気が昇る。]
ほらよ。
[茶碗を友の方へ押しやって、自分の分を啜った。]**
一気呵成に攻め落とし、我らが手に勝利を掴みとるのだ!!
翼央騎兵歩兵隊、敵正面へ向けて突撃せよ!!
眼前に聳えるオプティモの盾を突き崩せ!!
[その強き号令にあわせる様に、アレイゼル軍は突撃を開始する。
正面の200騎兵と1500歩兵軍が突撃を始め、それらの後を追う様に、両翼の翼が尾を引きながら足並みを揃えて進軍を開始した。
それらを待ち構えるのはオプティモの兵士達。そしてやがて時代をも変える虎の子の存在を、男はまだ知らずにいた]
― 太古の森へ続く街道 ―
がくじゅつてき、きょーみ?
[言われた言葉>>402の意味は一瞬掴みあぐねたが、とりあえず、自分で着る訳じゃなかったんだ、とそこでの勘違いは解けた。
もっとも、直後の出来事でどこかに飛んだが]
……嬉しかったから、って。
[なんか問題ちがう、とか色々と思う所はあったものの。
今はそっちに気を取られてたらダメ、とどうにかそちらは振り切った。
なお、服のサイズから女性と判じられている>>404、とは思っておらず。
なんでバレてるんだよ、なんて考えも過っていたが、それもどうにか押し込んで]
……北の森の、同胞の所へ行く。
[何故ここへ、という問い>>405に返す時には幾分気も鎮まっていた。
肩の小猿は、警戒するような視線をシメオンに向けていたが]
新しき流れを導くために、留まったままの
[そう、静かな声音で告げた後、一度北へと視線を向けて]
そーゆーわけで、今、急いでるから!
話とかそういうのは、ぜんっぶ落ち着いて、でもって、機会があったらね!
[半ば一方的に言い置いて、馬首を巡らせる]
行くよ、アケル!
出遅れるわけには行かないんだから!
[警戒しつつも成り行きを見守っていたアケルに呼びかけ、馬を走らせる。
呼ばれたアケルはおう、と答えて、同じように馬を走らせた。
駆けだす間際、じとり、と睨むような視線をシメオンに投げかけてから、*]
/*
[浴衣で足湯ちゃぷちゃぷ。]
こんばんは。
ちょっとの仮眠のつもりがン時間経過してました。
取り敢えず、昨夜のサシャさんが絶好だったのは把握。
− ブラバンド郊外 −
[荷台から大きな布が下ろされ、地面に広げられる。
荷台の横板にフックでロープが掛けられ、荷台の中央では炉に火がつけられた。
やがて、布でできた紡錘形の袋の中に熱せられた空気がのぼってゆき、軛を外した荷台がユラリ地面を離れる。]
配置につけ!
[
残る二人の護衛兵は地上に残り、荷馬と軛を引いてゆく。
経験者のニールが熱気の排出角度と量を管理し、飛行船の進路を操る。
速度が必要な時はプロペラも併用できた。
ただし、足漕ぎなのでけっこう体力が必要である。]
[帆布は、昼は白、夜には裏返して黒を用いた。
義勇兵の訓練のために飛行船を飛ばし、高高度から偵察を行いもした。
そうして王府軍およびクレメンス軍、海と陸に別れた解放軍およびアレイゼル軍の進軍の俯瞰的な情報を得る。
注意力のある者は、空をゆく不思議な物体を目撃したかもしれない。]
― 解放軍・本陣 ―
[ガートルート率いる先遣隊が北へと発ったあと、
本隊もまた北へ向かう準備を進める。
同じく海路を北上するのだが、それとは別に、
残留の3000のうち半分を後方支援としてシュビトに残し、
残りの半分を前に進めさせた。]
ハイン、頼む。
『おっしゃ。任せろ!』
[ごく短い会話で兵を率いていったのは、
ハインリヒ・カッセル(24)だった。
猟師の息子が学館に来て紆余曲折ありつつ
反政府活動に身を投じた当初からの中核メンバーの1人だ。]
― 太古の森へ続く街道 ―
そ、学術的興味。
[繰り返される声>>413に首肯して肯定する。
訂正は功を奏したか、誤解が解けていることを願うばかりだ]
[異文化の壁は高い。
感謝の印は相手に警戒>>414を抱かせたよう。
それは感じ取れたために、離れた距離以上は今のところ近寄ることはせず。
問いに返る声>>415を聞いて、赤い瞳を一度瞬いた]
……ラクス族の下へ?
[ソマリから聞き及んでいた森の民の下へ、ルディは向かうと言う。
その理由を咀嚼する間にルディとその連れは馬首を返していて>>416]
あ。
[と言う間に森の中へと馬を走らせて行った。
小猿とアケルと呼ばれた青年に向けられる警戒。
けれど、睨まれたところで動じるシメオンではなかった]
後を追おう。
ルディ達の邪魔はせず、様子を見る方向で。
[護衛の一人が先行し、ルディ達の進路を確認してもらいながらシメオンもまた森の奥へと馬を走らせた*]
[ハイン率いる1500名ほどの兵は
デ・モール火山の裾野を抜け、オプティモを目指す。
正確には、街道沿いにある王府軍の砦を目指した。
解放軍につくという旗幟を鮮明にしたアレイゼルを支援するため。そして王府軍の目を引きつけるためでもあった。]
『いいかー。まともに戦うなー。』
[南島では遊撃隊を率いていたハインである。
砦から王府軍が出てくれば逃げ、去ろうとすれば攻めるような、ひたすら"癪に障る"戦いかたを得手としていた。]**
― ブラバンド・宿 ―
[謁見から数刻後。
カナンが滞在する宿に、ひとつの贈り物が届けられる。
此度の謁見に赴いてくれた礼だと、運んできた使いの者は伝えるだろう。
金箔の貼られた文箱だった。
限られた資源を有効活用せねばならないナミュールで
盛んになった伝統技法のひとつが、金箔だった。
僅かな金が職人の技術で大きな一枚に仕立てられた其れは、
草花に遊ぶ鳥の文様を、漆黒の文箱の蓋に描いている]
『私が唯のシルキーでしたら…
貴方の手を取っていたかも しれません――――』
[そう書かれていた筈の手紙の後半は、破り捨てられて――…]
[蓋を開ければ、まず香るのが巫女姫が好んで用いる伽羅の匂い。
中には、薄紅の一筆箋が、桜の小枝と共に収まっている。
ただし其れは、縦半分に千切られた一筆箋だ。
本来の半分程の幅の紙片に、墨で書かれた直筆の文字は、]
『私が唯のシルキーでしたら…
[その後半は失われている*]
は? 飛んでる?
[唐突に聞こえた声に、返す声がひっくり返った。
反射的に周囲を見るが、頭上には梢が繁る]
悪ぃ、今森の中だから見えねぇわ。
もしかして、小型の飛行船でも作ったか?
― ブラバンド・舞殿 ―
[四季祭の祭祀で使う場所に、
巫女姫はいつものように巫女装束に身を包み、
背筋を正して座し。
――――始まりを待っていた。
既に、触れを見た民衆が続々と舞殿の周りに集まっている。
舞殿を良く見渡せる一段高い貴賓席には、各諸侯や貴族が顔を連ねているが、そこには風花祭の時とは違い――アレイゼル領主を始めとする幾つかの貴族の顔が無い。
歯抜けになっているのは、既に解放軍に組みすると心決めた諸侯たちの席だ。
その数は、おおよそ半分程だろうか。
北島へと北上する解放軍の総数が、五桁を軽く超えるものになっていた>>267ことが、諸侯を一層に浮き足出させた結果だ]
[様々に揺れ動く、思惑の模様。
迫る血生臭い戦の気配。
王府を取り纏める主要な貴族諸侯は、此処へ来て
ある決断を下す。
それは、このところ前に立って事に当たっている巫女姫を矢面に立たせて、全てを任せてしまおうというものであった。
もし何かあれば其れは巫女姫のせいにして、彼女を失脚させてしまえば良い。
神殿に幽閉すれば、臭いものには蓋が出来るというものだ。
“―――…謹んで、お受けいたします。
ただし。私の遣り方で、やらせていただきますよ…?”
それが巫女姫の返事だった。彼女は彼女で待っていたのだ。
王府の巫女姫としてだけではなく。
ナミュールの巫女姫として動ける時を]
[桜はもうすぐ舞い散り終わり。
あと幾日も経てば、新緑の眩しい季節がやってくる。
時は巡り、新しい命が芽吹き、
…、生きてゆく]
――――…、お集まりの皆々様。
[集まった民に向けて、巫女姫は深く頭を下げる]
今、我が国ナミュールは国難に瀕しております。
皆様も既に聞き及んでおりましょう。
シュビトの学徒たちが中心となり、
解放軍と名乗った彼等は、
自らの主張を国全体に押し付けんと、
武力を以って、北へと駆け上がっております。
[流れるような所作で立ち上がる。
しばしの沈黙を挟んだ後、
――――裸足で、とん。と強く舞殿の床を叩いた]
押し付けられる解放は、解放とは呼べません。
それはただの独り善がりです。
私は、―――…
皆様に、白紙の地図を差し上げたい。
既に『開国』へ繋がる二本線が引かれたものではなく。
慌てて決意する内容でしょうか。
慌てて決意出来る事柄でしょうか。
私は――そうは思えません。
外の国のこと、マチュザレム共和国のこと、
学ぶ機会の薄かった私共は、知らないことが多すぎます。
脅かされると思っている方もおりましょう。
好奇心を刺激されている方もおりましょう。
それでいいのです。
皆様方に、そうして考えて頂く事が私の本意。
考える為の時間を護るのが、願いです。
そのためには最初から答えありきではいけません。
どちらの選択も、拒絶しない――其の環境こそが肝要なのです。
自由な感情は、自由な場から生まれるのですから。
この巫女姫シルキーと共に。
迷って悩んで、
それぞれの皆様が望む道を、探してみませんか?
…そして其の為に、解放を強制する方々に
拒否を申し上げる力を、お貸しいただけませんか――?
[解放軍は数万規模。
王府の正規軍だけでは、到底対抗する数が足りない。
民を、血生臭い戦に駆り立てる為の声明。
…分かっている。
それでも、望む未来の形の為に―――]
― 太古の森 ―
[振り切った者たちが後を追ってくる事は知らぬまま。
道を駆け、森へと近づくにつれて感じるのは静謐の空気。
緑の内へと駆けこんだなら、より一層強く感じるそれは、どこか馴染んだものに似ているような気がして。
それに僅かに気を緩めた──のは、束の間の事]
……っ!
[微かに届く、大気の震える音。
馴染んだその音に、反射的に手綱を引いて馬を止めた。
その眼前に、数本の矢が突き刺さる]
『ルディ、これ……!』
わかってる。
[矢羽になされた意匠は、自分たちも良く見知ったもの。
同じ伝統を守り、受け継ぐ者の手による品なのは、一目で知れた]
……北の森の同胞、ラクスの民!
我らは南の山に居を構えし、ウェントゥスの者!
どうしても、聞いてほしい事があって、ここまでやって来た!
[呼びかける声に対するのは、微か、戸惑うような気配。
間を置いて、木々の陰から姿を現したのは、自分たちとよく似た、けれど、少し違う出で立ちの射手が一人]
『南の山のウェントゥスの者……二度と互いに触れぬ、と定めたはずの者が、何故ここに?』
古き殻を打ち破り、先へと進む流れを築く刻が来たと伝えるため。
……ウェントゥスの族長、イムベルが長子、ヴェルザンディがラクスの長との面会を望む!
[名乗りと共に左の腕の袖をまくる。
そこにあるのは、何かの花を模した刺青。
それが、『純血を繋ぐ者』── 一族の長の娘に刻まれる印であるのは、森の民には伝わって。
伝わったが故の困惑が、森の民からは感じられた]
『……その印を持ちながら、何故、在るべき地を……』
そんな形に捉われてる場合じゃないの!
今、この島は大きく変わろうとしている。
変革へと向かう、大きな流れが生まれようとしてる。
……南の風は、その流れに沿う事を選んだ。
その事を、北の水に伝えに来た!
[だから族長に会わせて、と。
訴えかける勢いに押されたか、北の森の射手はしばし待て、と言い置いて緑の奥へと一度消える]
……止まっている余裕なんて、ないんだよ。
大事なもの、掴むためにも。
[ 大きく翼を広げた猛禽にも似た、アレイゼルの軍が、凪いだ水面のように動かぬクレメンス軍に襲いかかる。熟練の騎兵200と、勇猛果敢な歩兵1500は、さながら獲物を屠る大鷲の爪。>>412
鋭さと、力強さを内に秘め、大地を揺らし、風さえもその唸りの内に巻き込んで、凪の海を嵐の波涛に変えんとする ]
[ しかし、その爪が、水面を揺らすその前に、漸くにして、男は第二の命を発した ]
開け!
[最初に動いたのは防御陣の最後尾に在った、弓隊。両翼に四列ずつとなって別れていた二隊が、二列となって横に広がり、更には中央を守っていたはずの一隊までも、左右に別れて背後に入り、両翼に四列の配置と変化する。
列が整うと同時に、襲い来る猛禽に向けて一斉に放たれる矢の雨]
ああ、手製の熱飛行船だ。
ありあわせのもので作ってるから、居住環境いいとは言えないけどな。
森? おまえは太古の森にいるのか。
[“宝珠”を神殿を包む古い力を宿す森──と思考が漂う。]
[その雨が、一時でも敵の行軍の足を緩めたなら、騎兵と槍持ちの歩兵も動く、ただし、敵軍を迎え撃つためではなく、弓兵と同じく、大きく横に開いて、中央を開ける為だ。
誘い込むためにしても、明らかに異常な陣の動きを、アレイゼル卿はどう見たか。
今や素通しとも言える、本陣正面、片膝をつき、銃剣を取り付けたライフルを構えた10人の兵が、斉射の号を待つ//]
-王府軍基地-
[さて無事に(?)ナミュールとセドナの会談も終わり。
暫しの休息の後、王府軍へとアレクシスは戻った。
>>429 時を同じくして、ブラバンドの民へ、巫女姫もまた語り掛けていたことか。ならば此方は、此方で出来る事をするだけ。]
来ましたか。
[謁見の間で色々な事が起こっている間に、戦況も大きく動いたようだ。
>>251 伝令の報告に依ると、ラウド・レイ・クレメンスは王府軍をあしらうという事はなく。かと言って完全に受け入れるという訳でもなく、西側の砦の方に戻る事を要請した。]
あくまでソマリ・フル・アレイゼルとは自分の手で……という事ですね。
王府に下手に貸しを作りたくないというのもあるかもしれません。
――――……分かりました。従いましょう。
此方もクレメンス様とは波風を無理に起こしたくありませんから。
[ひとつ頷いて、クレメンスの要請に従う事にする。
此方もソマリ軍にばかり、かまけている余裕は無い。]
[恐らくそろそろか、と頭の中で計算をし始めていた頃にその伝令は来る。>>438 舞殿の方にも時を同じくしてその報は来たか。]
――――― 反政府軍が海路を通って?
しかも、北側から……ですか。
[オプティモ西の砦に兵を集め、シュビトからの迎撃用に備えていたが。もはや意味は薄いか。]
………そこまで阿呆でもありませんでしたか。
分かりました。
至急、海戦用に部隊を再編成します。
ブラバンド港に至急、兵を集めなさい。
機械矢と、あと、兵糧を直ぐに準備して乗せない。
準備ができたものから出航を。
また、ブラバンドの護りを固めなさい。
櫓を応用しなさい、海への警戒を中心に。
―――――……私は、少し急用がありますので。これにて。
また来ます。
後はお任せしましたよ。
[手早く指示を送ると、軍から抜けようと足を進める。
目指すはカナン・リリの居る場所。
彼には色々と聞きたい事がある。
巫女姫とも相談したかったが、ひとまず後と。
踵を返すと、彼の居る場所へと向かった。*]
/*
お、海から?
海戦するつもりで来てないからやや陸路側に張るか…。
と思ったら相手は巫女姫でいいのかな。
まぁもうちょい待機ー(ぷかー
/*
いや、アレクシス、砦に戻れじゃなくて、砦に近い方がいいだろうからオプティモの西側に配備...なんだけど、まあいいや。
― 太古の森 ―
[踏み入れた森は原始の森と言って良い様相だった。
聳え立つ木々は幾年も年を経た隆々としたもの。
種としてもマチュザレムでは見ぬものばかりで、シメオンの目には智の宝庫として映った]
うっわ……こりゃあ生物学者が喜ぶぞ。
[専門ではないために詳しいことは分からないが、学術的価値がありそうだというのは知れる。
聳え立つ木々だけでなく、それに這う蔦や下草となる植物も、調べれば薬効などがあるかもしれない]
「…先行かないと迷いますぜ?」
っと、そうだった。
ルディ達はどっち行った?
[護衛に呼び戻され、現在の目的を思い出す。
先行した護衛の案内を受けて、それまでと空気が変わる場所の近くまで来た]
[ルディ達が居るところ>>433からはやや離れて様子を窺う。
声は既に止み、今は誰かを待っている>>435ような雰囲気だった]
……この辺りは既に森の民──ラクス族の領域らしいな。
[ルディ達の前に突き刺さる矢を見て、したり顔で呟く。
護衛はシメオンを囲むような位置取りで周囲の警戒を徹底していた]
「これは……囲まれてますぜ」
だろうな。
いつ矢が飛びかかって来てもおかしくない。
でも俺達がここで動いたら、ルディの邪魔になっちまう。
俺は、彼女が何をしたいのか見極めたい。
[彼女、の言葉に護衛は、ん?と思ったようだが、シメオンは構わず赤い瞳を鮮やかな出で立ちの少女へと注ぎ続ける*]
―――――……いいえ、まさか。
[>>=15 揺れる緑の問いかけに静かに応える。]
器用に応える事ばかりが、外交ではありません。
[それに、と言葉を区切って。]
その方が――――……巫女姫、貴女らしいです。
[確かに自分が彼女の立場なら、もう少し穏健な態度をとれたかもしれないが。
それが百点満点の回答ともあるまい。そういうものと、頷き。
内心、少しだけ安堵した自分が居るのも確かだった。]
………巫女姫。
貴女から見て、カナン・リリはどう思いましたか?
[>>=7 先程同じ問いを、今度は彼女に返す。]
[敵は気骨も気概も溢れるだろうクレメンス軍だ。
故にこそ男は当然、正面同士の兵が激突する物と信じていた]
…隊を開けただと?
翼央前列盾構え! 恐れずに敵を打ち破れ!
[襲い来る矢の雨は行軍を緩める、幾兵かの騎馬が矢を浴びせられ倒れる。
然し未だそれも許容できる範囲だ。危険な役割と理解しているが故に、中央の騎馬200には錬度の高い騎兵を集めたのだから。
天より襲い掛からんばかりの矢の雨を睨み、はたと男は眼前の光景に瞳を瞠る]
… … …中央を丸ごと空ける…だと?
愚かな。正気の沙汰では… … っ!?
[異常過ぎる。その戦略戦術として常軌を逸脱したクレメンス軍の動きに、幻視した。
海原の水底まで引き落として獲物を喰らい尽くす、恐ろしい大蛇の牙を]
― ベルサリス学館 ―
[学館の一室で、ひとり静かに坐すものがいた。
学館を預かる、ジョゼフ・ジェフロイその人である。
解放軍のもたらす熱気はここまで届いており、
慌ただしく出立していく無数の船が窓から見えていた。]
『いよいよ、か。』
[南島で行われていた小競り合いの比ではない、
数千、数万という規模の戦いが始まろうとしている。]
下がれ…翼央騎馬隊、後退しろ!!
何かを隠している。追い縋るな!!
右翼、左翼、弓隊伴い前線へ突撃せよ!!
両翼に射撃!!
中央の後退を救援するのだ!!
[奥も見透かせぬ暗い水底に巣食う大蛇から逃れようとするも。
止まれない、命令が届き騎馬隊が逃げるよりも、猛毒の牙が届いてしまうそれが先//]
[自分がするべきことは終わっている。
あとは、自分のしたことの結果を見守るばかりだ。
学館の子供たち───我が子と、陽光の髪をした少女が、
それぞれに学んだことを生かしてくれることを、
そして古い友がやり遂げてくれることを、
ここから祈るだけだった。]**
― 太古の森 ―
[しばし待て、と言い置かれてからどれだけ時間が過ぎたか。
やがて、現れるのは剣を携えた長身の男性]
『……よもや、千年の時を別ちし同胞がこの地を訪れる事があろうとはな。
我はラクスを束ねし者、ネムス。
南の風の娘、用件を聞こう』
[静かに投げかけられる問いに返すのは、ここを訪れた目的。
森の外で生じている事、変革の兆し。
そして、その中での南の山の民の選択。
それら、全てを語り終え]
……北の森が恵みを奪われ、そのための諍いが繰り返されているのは、知ってる。
南の山も、同じような事が起きていた。
けれど、それは、我らが閉ざして、拒んでいたから生じた部分も、ある。
『……故に、開けと?
そうして、我らを蔑みしものに屈せよと?』
屈する必要なんてない。
……古の民を、この地の者と認めている人がいる。
古きと手を携えて、新しきを掴もう、としている人がいる。
その心と言葉に偽りはないよ。
『…………』
すぐに、全部信じて、なんて言えない。
でも、このまま閉じこもって、目を塞いで。
それじゃ、なんにも変われない……それは、間違いないんだ。
だから、お願い。
今だけでもいいから、外へ目を向けて。
新しい流れを掴むために、一緒に、戦って。
[迷うことなく、ただ、己が想いを言葉に変えてぶつける。
無茶を言っている自覚はある。
ついこの間まで刃交えていたものと共に進め、と言われてすぐに頷けるとは思っていないが、それでも。
やらない訳にはいかないから、と。
強い意志の滲んだ瞳に、ラクスの長は目を細め──やがて、一つ息を吐いた]
『……森の外が慌ただしく動いているのは、知っている。
それが、我らに牙剥くものか否か。我らはそれを探ってきたが。
お前の言葉を信じるならば、それは、この地の在り方を変えるための刃である……と言う事か』
そう、言って、構わないよ。
アレイゼル卿の言葉に、偽りの音はなかった。
[アレイゼル卿、の名に、場にいた森の民がまた、ざわめく。
北の森の長はそのざわめきを鎮めた後、鋭い視線をこちらに向けて来た]
『……我らの恵みは、外の者に搾取され続けてきた。
その意図はどうであれ、それは、侵略。
故に、それを為して来たものに、容易く信を傾ける事はできぬ』
…………。
『……だが。
南より訪れし風……お前を信じるのは、吝かではない』
……っ!
それじゃ!
[静かに告げられる言葉に、自然、声が上ずる。
傍らのアケルも、期待を込めた視線を長へと向けた]
『ウェントゥスが長の娘、ヴェルザンディ。
お前に一時、力を貸そう』
[その視線に返されるのは、静かな宣。
それを聞いた途端、緊張が、解けて]
急ごしらえならそんなもんだろう。
飛ぶだけ良いってもんさ。
ああ、太古の森に居る。
そうそう、ルディにも逢ったぜ。
[確認されたついでに遭遇した人物について口にする]
───………
[太古の森から連想したか、”宝珠”についてを問う声を向けられた。
思考を巡らせるため、沈黙が一時落ちる]
あ……ありがとっ!
[ぱ、と浮かんだのは、年相応の表情。
その変化に長はやれやれ、とため息をつき、それから。
こちらを伺う気配>>443の方へと、鋭い視線を向けた。*]
― ブラバンド北 ―
[騎士団の正規軍のうち、金属鎧に身を固める重槍兵が500、これがまず中央前方に位置する。
その後ろを軽歩兵及び弓兵が1500。
ここに、貴族の私兵と民兵が6000が混じることになる。
その割合は、ほぼ半々といったところ。
武器はばらばらで、長剣から両手もちの剣や斧などなど、ほとんどが抜き身である。
民兵のうち、武器の代わりに円盾が支給されているものが100。
これは前方に配置され、矢を射掛けられたら防がんと大きな盾を構える。
左右には騎兵を1000ずつに分けて配置、遊撃を行える位置にある。
相手の野営と、簡単なバリケードが設置されているのが遠目に見える位置>>393。
丁度相対し睨みあう場所に、王府軍は布陣を敷いた]
/*
布陣とか兵数とか、なんとなくでいいんだよー。
うりゃー、ってぶつかって、わー、って言って、
一騎打ちだこのやろー、で決着つければ形になるから。
(悩んでいるだろうシルキーに、そっとエアエール)
(だがシルキーに一騎打ちは無理な気もした)
/*
[自分のptを見る]
[あれ、なんかおかしいよ???]
……またか、と言いたいこの長文連投体質。
でも、ここは妥協したくなかったんだよおお……!
[アレイゼル領から太古の森へ向かったシメオンが、ルディに会ったと言う。]
そりゃ、随分と遠いところで。
里から出るのすら厭がられていたはずなのに、どういう風が吹いたのやら。
[シメオンの口調から、今は一緒にいないのだろうと予想し、言伝を頼むことはしない。]
― 太古の森 ―
[矢を向けられているにも関わらず、動かずただじっと目の前のやり取りを>>450赤い瞳に納める。
垣間聞こえるルディの声は真摯で、建国時から別たれていたもの何としてでも動かさんとする想いは誰よりも強いものに感じた。
それは利己的なものなんかではなく、純粋な、より良くあろうとする高尚な心の現われ]
(…ふぅん、古きからの末裔を動かしたのは、アレイゼル卿か)
[ラクス族とは森を巡って対立しているものだと思っていた。
けれど彼は、そこに変化を望んだらしい。
森の民達にざわめきが走る。
それが鎮まった後、ラクス族の長が下した決断>>453はルディを喜ばせるに至ったらしい>>454。
次いで、警戒を隠しもせぬ視線がシメオン達の方へと向いた]
[全力で疾駆する騎馬は、そう簡単には後退できない。いかな熟練の騎兵であろうとも、無理に馬首をかえそうとすれば落馬するのがオチだ。集団となって進む歩兵も然り]
[男の腕が、一度天を差して伸ばされ、真っすぐに、前方へと降ろされる]
撃てーっ!
………。
[思うのは、使節団を運んできたという空飛ぶ船のこと。
もしや、外からの新しい仲間が来たのだろうか。
見上げる目つきは、自然と厳しいものになっていた。]
― クレメンス軍・本陣 ―
[一斉に放たれたライフルの弾丸は10発、同時に、合図を待っていた城塞の上でも、10のライフルが火を噴いた。盾に守られた歩兵の盾を貫き、鎧に守られた騎兵の鎧を貫き、最も勇敢であったアレイゼル卿の兵達を10名、一瞬にして地に墜とす。
城塞から放たれたライフルは、誰にも当たらなかったが、その轟音は、上空から地上の音と呼応して、まるで天から雷撃が襲い来たようにも聞こえたろう//]
[アレクシスからの反対は、恐らくあっただろう。
けれど我侭と尤もな理由を重ねるという
いつもながらの技を発揮して、結局出陣の許可を取り付けた*]
― ブラバンド北 ―
……。風が、強いですね。
[そうして今、巫女姫は戦場に居る。
肩に軍服を羽織り、一万の兵を率いて。
前方の解放軍――その向こうに居るであろう
“盟主”を見据えながら]
“宝珠”はな、
イワシの頭も信心、って言うくらいだし、やっぱり「象徴」なんじゃないかと思うんだ。
”宝珠”を壊すことで、ナミュールの民がもう猶予はないのだと目覚めるなら、
シルキーがその務めから解放されるなら、壊してしまいたいと思う。
だが、”宝珠”と巫女姫の繋がりの深さを思うと、危機感も覚えるんだ。
積み重ねられてきたものは──怖いな。
― 太古の森 ―
[長の視線が、自分を通り越した先へと向かう。
あれ? と思って振り返った先にあったのは、妙ににこやかな笑み。>>457]
な……なんで、いるの!?
[口を突いたのはこんな一言。
お前の連れか、という問いに、一瞬言葉に詰まるものの]
ええっと、なんていうか。
……知り合いの、学者さん。
[シメオンの正式な立場など、説明していたらきりがない、と思うからそれだけを告げる。
一応、嘘はついてない。はずだ]
……えーっと。
[どこからどこまで聞かれたんだろう。
というか、この人の立場的に今の話ってどう思うんだろう。
色々と、思う所はある、のだが]
さっきも言ったけど、色んな話する時間、今、ないから。
全部落ち着いてから、改めて、ってもう一回言っていい?
[今は騒がず引いてくれ、と言外に訴える。
ここで時間を取りたくない、という意思は、伝わるか。
伝わってくれないと困る、とも言うのだけれど。*]
― 出陣前:王府軍基地 ―
[>>458 全く耳の早い姫だ。
立ち去る直前の言葉、そして申し出には。]
―――――……駄目です。
[一言。冷たくあしらった。]
何度言えばお解りになりますか。
向こうの狙いは巫女姫を失脚させる事であり。
そして貴女の護る宝珠です。
早い話――――
貴女を護り切ればこちらの勝ち。
負ければ、こちらの負け。
そう言う話です。
[我儘な姫をどう言えば納得させる事が出来るのか。
聡明さと、勇敢さを持ち合わせているがゆえに。
説得も一苦労であった。]
そして貴女も分かっているはずでしょう。
王府側には味方ばかりではありません。
貴女を失脚させ、巫女を形骸化させようとする貴族諸侯もいるのです。
ソマリ・フル・アレイゼルがその良い例です。
自ら戦地へと赴くなんて――――
鴨が葱を背負ってきたようなものですよ。
/*
アレクシスおちつけー。
基本的には墓落ちする人を中心にして欲しいので、
明日もある人は、些末事は後で回想ででも回せばいいと思うのだ。
そうもいかないときも多々あるんだけどね。
― ブラバンド北 ―
[地ならし、と称して作るのは簡単な作りの砦だった。
後の仮拠点を想定して、規模は今いる人数分よりも大きなもの。
それがうまく作れれば、ここを足掛かりにすることも出来るが、同時にこちらに意識を集めておけば本隊、ならびにソマリ側が動きやすくもあるだろうという利点もあった。
>>455その設営が7割ほど進んだ中、王都での動きを見張らせていた者から報告が入る。
数日前に巫女姫の声明が出され、義兵が集まり兵が膨れ上がったという話は出ていた為想定出来た事態だった。
なお報告の中に>>418空に不思議な物体が浮いていたらしい、という未確認情報も含まれており。]
空関連なら、多分外交官だとは思うんだけど…何やってんだ?
[巫女姫恋しさに自ら仮面の男を演じ王府に組している、という詳細情報までは入手できていないため、とりあえず置いておく事になる。]
中央に重兵500前にして、後ろに弓2000と軽歩兵3500並べ。
騎兵は両脇を500ずつ固めろ。バリケードより前には出るなよ。
[機械弓は全員分は揃えきれず、半数以上は通常の弓を手にした一軍が布陣する。
更にその少ない機械弓を半分、騎兵に装備させた。
その準備が整う頃、遠目に一軍が見えた。視界に入る位置に布陣しこちらを見据えている。]
来たか。
前に盾持ちが前にいるな…機械弓対策か。
[どうする?との声にも少し笑って。]
いいさ、このまま迎え撃つ。
向こうが射程に入るまで我慢だ。
弓兵、弓の準備を。
……あ、念のため、海側に見張りつけとけ。
もし何かあったらすぐ連絡を。
[こちらに海戦の準備はないため、背後からの襲撃には脆い。]
まぁそこまで人数割けないしな…。
もし挟撃されたら…撤退するか。
[避けなければならないのは全滅する事だ。
8000という数は少なくない。ここで減らす訳にはいかないと、王府の軍、ならびに巫女姫がいるだろうその奥を見据えた。]
[天から轟く大蛇の咆哮が、まるで魔法の様に兵の命を奪った]
… … …なん…だと…。
ほんの数える程の寡兵に…。
[唯一、敵陣正面に残された敵兵は、その数、十。
勇敢で錬度の高い兵は、例え弓矢にも臆さない。鎧や盾の守りと調練の技術により、弓矢は、ある程度耐え凌ぎ、防げる可能性もあるからだ。だが。
鎧を引き裂き、盾を食い破り、守りと云う守りを貫通した謎の武器は。
アレイゼルの勇敢で勇猛な兵を、嘘の様に地に墜とした。十名分]
[然し動揺を見せすぎる事は将には赦されない]
…っ 翼央後退しろ!!
中央騎兵は最前線への突出を控えよ!
両翼共に、中央の後退を援護しろ!
弓隊、撃て!!
[無理矢理にでも、己が気を引き締めて、兵に命令を下す。
その意識を回転させて男は考える。あの異常な新兵器の正体は考えるだけ無駄だ。中央以外にもあれらは配されているのだろうか。
何にせよ緒戦の頭を押さえつけられた形。両端を率いる正規の歩兵、弓兵は兎も角、従軍する民兵が天劈く轟音に怯みすら見せているが、とても責められまい。
後退する中央、前進すると同時に、分かたれた両端のクレメンス軍へ矢の雨を射掛ける両翼は、丁度横並びの横列陣へとその陣形を変える事となる。
戦局を変えかねない、理不尽なほどの新兵器を目にし、一事アレイゼル軍は中央を下げつつ、次なるクレメンスの出方を窺う//]
― 太古の森 ―
[ルディの口から学者と言う言葉が出る>>466]
そ、この森の価値を周りに示すために見学に来た学者。
[それに合わせるようにシメオンも言葉を紡いだ。
勿論、嘘は言っていない。
周り、が遥か遠い国を示す以外は]
構わないよ。
俺は森を見に来ただけだからな。
[何を急いでいるのか気になるところではあるけれど]
後で話をしてくれるならそれで良い。
[何を考えているか分からない態でルディの願いに諾を返した。
彼女が一足先に戻ると言うのなら、引き止めることもしない*]
……ん?
お前も来てくれたのか。
[だいぶ人も疎らになった教会にルディの姿が見えると表情が和らぐ。>>3:322
結局、直接会話をするのは集会の前が最後になってしまっていたから、気になっていたのだ]
あれから、お前の気持ちはどうなった?
『……見た上で、自分の行くべき方向を探したい。』
[そう言っていたルディの気持ちを知ることもないままになっていた。
シルキーとの邂逅でルディが何を話したか、知ることも出来ない]
どっちに転がっても、お前自身が後悔しない最良の選択をしていることを願ってるぜ。
いかんな。こうしてお前ら見てるとさ。
後悔はないが未練が残って……。
[こうして自らの力で立ち上がってゆく学生たちを見ていると、もう教えられることなど残っていなかったのかもしれない。
だが、もっと教えてほしかった>>3:323と聞くと、自分ももっと彼らと共にありたかったという思いが沸き上がってくる]
……感傷、だな。
[ルディが紡ぐ祈りの言葉>>3:325
馴染みのないその響きが、すっと胸に入ってくる。
短いそれに耳を傾けて聞き入りながら、暫しその感傷に身を浸した。
いつも連れている小猿をぎゅっと抱きしめる仕草が、今にも泣き出しそうで。
ここで泣かれたら、自分も珍しくもらい泣きしてしまいそうだった]
/*
ルディは生死不明か。
口を挟むことではないけど、生きててくれると嬉しいなぁと思っていたおっさんだった。
よう元気?
こっちはお日柄もいい中交戦開始だ。
王府はこっちより数千多いくらい。
場合によっちゃ、仮砦放棄して逃げるかも。
[戦闘開始報告にしては軽いがある意味いつも通りだった。]
きっと、視野が広いのでしょう――――。
だから彼の見ている景色が、
私にはまだ、遠いです。
[そう静かに締めくくった*]
― 太古の森 ―
[こちらの説明に返るのは、肯定。>>477
どうやら意図は伝わったらしい、と安堵する反面。
まだ居残りそうな気配に、大丈夫かな、なんてちょっとだけ思いもしたが]
……うん。
じゃあ、また後で。
[短くそう告げて、長へと向き直る]
……とりあえず、一度、戻ります。
支度、整ったら、来てください。
[短くそう告げて、ぺこり、と頭を下げる。
長も森の民も胡散臭い、と言わんばかりの視線をシメオンたちに向けていたが、一先ずはわかった、と頷いてくれた。
それに、もう一度、ありがとう、と告げた後。
風は一度、森の外へと。]
[ちなみに、その場では特に咎める事無く引いた森の民だったが。
協力のための戦士を外へと送り出す直前には、徹底的な森の人払いを行っていた。
それは未だ、森が開かれ切れていない、という一つの証。*]
おう。
[こちらも軽い調子で返すも、開戦の報には少し息を呑んだ]
…こっちもそろそろ出るから、
その、なんだ。よろしくやっておいてくれよ。
逃げるんなら、どこかで落ち合おうぜ。
― クレメンス軍・本陣 ―
[すでに後退を始めていた、アレイゼルの突撃隊に、左右に別れていた槍持ち歩兵と、騎兵の一団が襲いかかる。
轟音に怯みながらも、背を向けて逃げ出す兵は一人も無く、アレイゼル軍は、中央を下げつつ、両翼が援護を放つ形で、横列陣を維持している]
さすが、と言うしかないな。
[一度開けられた中央には、最後尾に居た騎兵50と歩兵200が詰めて再び防御を固め、その間にライフル隊は第二射の為の弾丸込めを急ぐ。
つまりこの陣は数度しか使えない。使い捨ての陣形ということだ]
もう少し、混乱してくれねば困るな。
[ 勝手な事を言いながら、男はちらりと背後を見やる。
オプティモの街の東と西の門からほぼ同時に飛び出した、50名から成る遊撃2隊が、早駆けに駆けて、戦場を迂回しアレイゼル軍の背後を目指している事に、気付いた者はあるか// ]
[>>464 それでも頑として巫女姫は自分が往く事を譲らなかっただろう。
決して穏やかで、感情をそれほど崩さず。ましてや、激昂など。
特に姫の前では見せなかった、アレクシスが、]
――――――……ッ、
[平手打ちを一発。
巫女姫にした事なんて、本人ですら意外な事であっただろう。]
………。
畏まりました。
私は直ぐにブラバンド港から出立して、海戦から攻めます。
先ずは、ガートルート・フル・オルヴァル率いる先遣隊を討ちましょう。何かあれば直ぐに知らせて下さい。
[若しかしたら、軍法会議で問われるかもしれないが。
知った事ではない。
そのままアレクシスは踵を返し、軍を出ていった。*]
”宝珠”も象徴……あり得る、か。
姫王が”宝珠”を使って作り上げた結界。
それを引き継ぐのが巫女姫。
何百年も引き継がれてきた慣習。
壊せば、巫女姫の存在意義が揺らぐ可能性は、高い。
[それは以前アレクシスが危惧していた事柄]
しかしそうなると、巫女姫──シルキーが自分から務めを終わらせるように仕向けるしか方法が無くなるぞ?
根が深いものを終わらせることが出来るのは、外部ではなく当事者だ。
― アレイゼル領 ―
[北の森の民の内、戦いに参じたのは100名ほど。
短剣や斧などの武器を巧みに操る戦士70と、弓兵が30。
少数民族故、数はやはり、多くない]
『……それでも、ウチよりゃ人数多いよな』
……それ、言わない。
[そんな言葉を交わしつつ、北の森の戦士たちを見回す。
出立の準備に時間がかかった事もあり、こちらが動けるようになった頃には本隊は既に出陣していた]
あんまり遅れると、格好つかないし……急いで、追いかけないとね。
[は、とため息をついた後、意識を切り替えて]
この数で、真っ向から立ち向かうのは色々な意味で難しいから。
オレたちは、遊撃隊として動くよ。
[元より、その意思は伝えてある。
本陣の布陣を遮る事なく、かつ、北の森の民もまた、解放を求める流れに沿うと示すためはそれが一番やり易い、と思うから]
古き民もまた、新しきを望む事。
それを、確り示すために。
[ここで一度、言葉を切って]
− シュビト港 (演習中・回想) −
久しぶりだ、クロード君。
随分と兵站の準備が進んでいるようだね。
[地上からの挨拶に、軽い敬礼をして応える。]
残念ながら、元気ではない。傷心中だ。
……南の山の風と、北の森の水。
その意志を、大地に示すために。
……行くよ!
[宣の後、向かうのは
そこでちゃんと立ち回れるか、あの時のように動きを鈍らせはしまいか。
不安はある──が。
今、迷いに囚われたら、それこそ止まってしまう、と念じて、走り出す。
森の民との交渉の成功自体は、伝令を飛ばして伝えてあるから。
本陣に合流する事無く、独自判断で戦場を駆ける。*]
報告しておこう、シルキーと会った。
それ以上の朗報が伝えられなくて残念だ。
[つまり、トップ会談でも開国問題は解決しなかったと伝える。]
彼女は──哀しい人だね。
おれが解放してあげられればいいのだが。
/*
wwww
巫女姫がのってくれてる変装をアレクシスが暴露してるのに吹いてしまったw
あれどっかでばれてたかな。まいっか。
[”宝珠”の話題になるその前。
ルディとは一緒に居るようなそうじゃないような状態であることはさておいて]
ざくっと聞いた限りでは、新たな風が吹いたらしいぞ。
それから、森の民についても一足遅かったみたいだ。
彼らはルディに力を貸すってよ。
[聞いたやり取りの結果だけを先に伝えておいた]
炙り出させていただきましょう。
―――――― 皆様、お願いいたします。
[巫女姫の号令のもと、右翼の騎兵1000が動き出した。
砦から見て左の側面へと、機動力を生かして一気に距離を詰める。
矢は飛んできただろうが、狙いを定められにくいように馬を加速させる。
そしてある程度近づけたらならば、
火をつけた油壷が先についた紐をぐるぐると回して、
――――砲丸投げのように、次々と投げ込む。
砦の壁にぶつかれば壷が割れ、炎が灯る寸法だ]
― ブラバンド ―
お急ぎなさい。
[アレクシス率いる海戦隊の足並みはそう早くない。
然し、間に合えば、彼等の背後をつく事が出来る。
>>474 巫女姫率いる陸戦隊の報告によると、彼等は海路を通ったにも関わらず、海戦の準備は殆どしていないようだった。ならば、丁度背後から奇襲するような形で襲う事が可能か。]
機械弓の準備を。
そろそろ陸が見えてきます。
敵兵が見えれば構わず打ちなさい。
[見張りの兵が居る事も警戒し、そのように指示をする。
船上にいる兵たちに緊張が走る。]
――――……さて、カナン・リリをうまく使えたら良いのですがね。
[彼はジョーカーのようなものだ。諸刃の剣である。
潮風を受けながら、昨日のカナンとの様子を、思い返す。]
[騎兵の進軍と呼応して……一呼吸を遅らせるくらいのタイミングで、
王府軍の本陣が、重槍兵と円盾部隊を先頭に
じりじりと進軍を始めた。
その合間には、弓を番える火矢部隊が続く。
砦との距離が縮まれば、こちらも一斉射撃を開始する]
[浮かんだのは夫の顔。
よく笑う人だった。
その笑顔が一番好きだった。
刻々と死ぬ時が迫っているのを感じていても、苦しいだろうに看病する女の事を気遣い、女のするささやかな話を聞いては笑っていた。
そんな彼が己の居ないところで顔を歪めて涙を流しているのに気付いたのは死の数日前。]
「フィオレンザ。
…君を遺していくのが辛い。」
[僅かに開いていた扉から洩れた嗚咽に、女は水差しを抱き締めて涙を堪えた。]
[最期のその時まで、彼は笑っていた。
‘今までありがとう。
短い間だったけど君と一緒に居られてよかった。
君は僕の自慢の妻だよ。’
そう言って――死んだ。]
おー、巫女姫出てきてるっぽいからよろしくやってくるわ。
しかしはねっ返りな巫女姫だなー…。
そういや前にシュビトで身分隠して勉強に来てたんだっけ。
[ちらっとそんな話をしたことを思い出して。]
逃げるなら…そうだな、位置考えたらアレイゼル領か。
ソマリがオプティモに出てるんだったら、人減ってるだろうし丁度いい。
[従兄弟にはいい迷惑だろうがこの際おいておく。]
[子供が居たなら少しは違っていたのだろうか。
それでも騎士でいたような気もするし、
騎士団に復帰して学館にいた事、それから歩んだ人生を悔やむ心算はない。
繰り言は無粋であり、意味のない事だ。]
― シュビト港(回想) ―
準備はね。ごらんのとおりの…
…傷心中?
[この、いつ見ても前向きかつ何かに満ち溢れていたこの男が、傷心するようなことなどあったのだろうか。
そんな疑問を抱いていると、報告が降ってきた。]
会ったのか。そうか。
それは残念だったな。
[つまりは会談は不調に終わったのだと理解する。
もちろんそれは予想の範囲内だったので驚くこともない。
ただ、それだけでこの男が落ち込むか?とも思う。]
――…?
[目を覚ました時、眼前に広がっていた世界は。
蒼い紗を通して見たようなもの。
其処には民兵たちと騎士団、そうしてシロウより引き継いだ軍の兵らの屍の築いた山。
絶命した馬も数多く転がっているのを見とめれば、女は目を伏せる。
その中にじっと息を潜めている者がいた。
格好から、敵対していた者達である事が分かる。
敗残兵でない事は、騎士団の屍の多さから判断で来た。]
ああ、おまえの言う通り、
出来るのは、外部ではなく当事者、だ。
悩ましいことに。
[シルキーという少女に惹かれるカナンは、彼女を縛る巫女姫というシステムにいまや賛同しかねているけれど、破壊はやはり本意ではない。
ましてや、”宝珠”の崩壊にシルキーが引きずられることがあっては、と思う。]
破壊ではなく、システムを変えることができれば──
例えば、1000年──30万日の祈りの力を、30万の人間に還元して与えることができたら、いいのにな。
[近付いてくるのは片翼を為す白銀の騎士達。
急いだように馬を繰って来たが、味方の屍に気付いて唖然としている親友の顔。
己を殺した指揮官の背中が見える。
息を潜めていた者達は彼らに向かって弓矢を構えていて]
――ッ、
メレディス、離れろ…!!
[咄嗟にそう叫んだが、
死者の声は、生者には届かない。]
[そんな疑問は、続く言葉でいくらか解消された。]
おまえさ。
彼女に惚れただろ。
[あてずっぽうだが、男だからだいたいわかる。
ナミュールの男なら、誰でも一度は通る道だ。]
[弓で射られた者。
見慣れぬ武器で撃ち抜かれた者。
不意打ちを食らった形の騎士達が幾人も斃れていく。]
や、――ッ!!
[やめろ。
上手く声が出なかった。
力づくで止めようと民兵に掴みかかろうとしたが、その手は彼らを捉える事は敵わない。
それ故に漫然と眺めているしかなかった。]
くそ、
撤退しろ、メレディス。
早く――!
[メレディスに向かって叫ぶ。
彼の視線に縫い止められていたのが、己の屍である事には気付かないまま。]
お、森の民とも接触できたのか、おめでとう。
まあ、結果はともかく。
彼らもルディと手を組んだのなら、そう悪いことにはならないんじゃないか?
離ればなれになってた兄弟の仲直りみたいなもんだろ?
[軍事交渉だとは気づいていなかったけれど、本質的な感覚で、そう祝福する。]
[やがて、攻撃は終了する。
素早く撤退していく彼らを見送る女の目からははらりと涙が零れ落ちる。
しかしその雫は地面に触れることなく、蒼い世界の中に溶けていった。]
…メレディス、
[地獄のような有様の中、まだ息のある者達の中に盾仲間の姿を見つけ、届かぬ声を掛ける。
五体満足とはとても言えない様子だが、彼は幸いにも生き永らえたようだ。]
「フィオン、 レオンハルト…ッ。
…言っただろう、酒を飲もうって。
なのに――」
[彼の声は苦痛と後悔に満ちていた。
レオンハルトの名前を紡ぐのに女は瞠目し、永遠の友情を誓う盾仲間の死を知る。
先に死んだ女は彼の死に様は目にする事が出来なかった。]
…そうか、レオンハルトも――
[メレディスの伽羅の瞳に光るものは涙。
目に収めるのは憚られ、そっと視線を逸らす。
他にも親しき者の死を知って声を殺し泣いている者が大勢いた。
暫くしてから目元を拭い、仲間の遺品を持って王府に帰る旨を部下達に指示する彼を見守る。]
[己の荷物を手に取る姿にふと思い出す。]
――あぁ…そういえば
頂いた菓子がそのままだったな…。
…別れる前に三人で食べれば良かったか。
[水盃ではないが。
と、そんな事をぽつりと零した。
死ぬ危険は承知の上での志願だった。
ジェフロイ達を恨む事はない。
彼らは彼らなりのやり方で戦った。
只それだけの事。
命を賭して戦った事、死の瞬間に悔いはなかった。
けれどこうしてまだ意識を残っていると
味方の命が大勢奪われてしまった事が、もう守れぬ事が
只々、哀しい。]
― オプティモ・遊撃隊 ―
[少なからず出遅れた事もあり、最前線への到達は望めない。
それとわかっているから、狙うとすれば隙を突いて懐に飛び込む事──短剣で近接戦をする時の常套手段]
『……そんな簡単に行くかね』
それこそ、やってみないとわかんないよ。
[アケルと交わすのは、いつもの軽口。
そうする事で紛らわせようとした緊張は、齎された報せによって張りつめた]
『後方に向かおうとする部隊があるぞ!』
……え!?
『あー、と。もしかしなくても、俺らと同じ趣旨の連中?』
……多分ね……追うよ!
[前線はどうやら混乱している様子。
ここで後背を突かせる訳にはいかない、とそちらへ向かう]
二手に分かれる! アケル、半分お願い!
『いいけど、無理すんなよ!』
そっちもね!
[軽口の応酬の後、鮮やかなる色を纏った部隊は二手に分かれていく。
進んだ先、伝えられた部隊>>483の姿が目に入ると、自身も愛用の弓を構えて]
……先制する!
[短い指示と共に仕掛けるのは、弓兵による一斉射撃。*]
は?
巫女姫が出てる?
そいつはまた、驚いたもんだな。
[まさかまた親征とは、と舌を巻きつつ]
そうそう。
一緒に講義とかも受けたな。
あー、言われてみれば、
あの時から気が強い女だったよ。
[納得、と溜息をついた。]
アレイゼル領か。わかった。
どうにか合流の手筈は考えるけど、
まずは間に合わせる方だな。
[持ちこたえてくれよ、などとは言葉にしなかった。]
[放たれた鳩が王府へ向かって飛んでいく。
片翼を捥がれたメレディス隊の王府へと引き返す歩みは遅い。
女の魂はそれに随行する。
己の他に死者の姿は見えない。]
…皆、先に逝ってしまったのだろうか。
レオンハルトも、挨拶くらいしていけばいいものを。
[口元に浮かぶのは苦笑。
去り際に女は戦場となった地を振り返る。
騎士団に味方の死体を弔う余力はない。
山となった死体はやがて土へと還ってゆくのだろうか。*]
/*
ていうか。
どこで。
こんなに使ったんだ、自分……!
昨日だけで三つもらったよね、三つもらったよね!
休日こわい(
/*
地上を応援しつつ、今日落とすロルは此処まで。
マーティン先生もお疲れ様です。
昨日のメモの件「対応遅くなる〜」は、
英雄さんは特にタスクが多いので、やはりPLの動かしてるやり取りの方に意識が向かってしまうのだろうなと。
/*
以下、自己満な反応。
*/
―サシャの部屋―
[銀地に木賊色のラインの入ったジャージ姿。
ブレザーの案があったが、膝上スカートだったので却下した。
>>+49サシャの言葉に不思議そうに首を傾げる。]
ブラスバンド?
ぶらばん…?
[>>+50吠えるサシャにびくっとなった。]
な、何だ。
アレイゼル卿がどうかしたのか?
[事態を把握出来ていない模様。*]
―続・サシャの部屋―
[>>+51首こてん。]
この国で、そんな大きな戦があったか?
[少なくとも己の記憶にはないのだが。
続く言葉にこくりと喉を鳴らす。]
――…哀しい戦だったな…。
[>>+52枯色の瞳を伏せる。
因みに女はこしあん派であった。*]
― 太古の森 ―
[森を去るルディ>>481を見送り、その場にはシメオンら森の外より来た者達と、それを囲む森の民達だけとなる]
…真直ぐな子だね。
[森の民達に語りかけるように呟く]
俺はアンタ達の因縁は良く知らないが、それが古来より続く根深いものだと言うのは聞いた。
それを一時と言えど動かした
新たな未来を紡ぐかけがえの無いものだと思わないか?
積み重ねた歴史は今を形作る。
けれど、これから紡ぐ
彼女の願い通り、ほんの少しでも外を見てみると良い。
時代とは、日々変化していくものだよ。
―続続・サシャの部屋―
…?
すまない、私にはよく――
[>>+53申し訳なさそうに眉を下げた。]
わ、私は一応結婚したから過半数以外だよな?
[>>+54行き遅れには該当するかもしれないが。]
…この森は良い森だな。
古くからの形を保ち、生態系の維持する役目を持つ。
伐採されてしまっているのが、とても惜しい。
ルディがアンタ達に運んだ風。
それがアンタ達にとって良き風になることを祈るよ。
[そう言って、森の民の長に穏やかな笑みを向けた]
そんじゃあ邪魔したな。
[学者として植物採取等をするでもなく、宣言通り見物だけしてシメオンは森の外へと向かった*]
ナミュールの晩婚化にアレイゼル卿が裏で手を引いているというのか…。
[>>+55ごくりと唾を飲み込む。
真顔である。*]
− 戦地に赴く前:ブラバンドのどこか −
探しましたよ、カナン様。
先日は素晴らしい会談、お疲れ様でした。
[>>418 丁度カナン達が空の偵察を終えた頃だろうか。
含みをもたせたような言葉と笑顔で彼に話しかける。
彼は此処にアレクシスが居る事に驚いただろうか。
そうしたら、「ブラバンドで知らない場所はないですよ」と地の利(>>1:35)をひけらかしたか。]
病の方は大丈夫ですか?
面会謝絶と言われるくらいの重病だそうですが。
[軽く首を傾げ、心配している訳でもなしにそんな事を問いかけた。]
―続続続・サシャの部屋―
[>+56勢いに飲まれて姫巫女を連呼する。]
…?
ともかく、10回言えばいいんだな?
ひめみこ、ひめみこ、ひめみこ、ひめみこ、ひめみゃ、
[噛 ん だ 。]
ところで、クレメンス卿にひとつ働きかけておいたんだけれど、何か便りはあったか?
“公選挙”のことだよ。
…その顔は、知らないといった風情だな。
[カナンは、クレメンスを唆したのと同じ内容をクロードに告げる。
ただしもクロードが勝つだろうと予想したことは省いて。]
君が、誰にも恥じぬ方法で、自分たちで未来を決められるのだと証明するのを、期待している。
[そろそろ戻れと上でニールが合図した。
風向きが変わったのかもしれない。]
……。
…忘れろ!
[>>+57シルキー以下に続く以前の問題だった。
その後もリテイクを4(6x1)回ほど繰り返して涙目になったのは余談。
職員室にはいそいそと向かったという。*]
宝珠は護らねばなりませんが――…
[アレクシスの言う言葉はいちいち耳に痛い。
確かに彼の反論は間違っていない。
いないが、引き下がれるか―――というと、また別の話だ]
[中央の後退に伴い、陣形が横列に移る頃には、敵中央は再び兵が再配置された。
然し再突撃しても遅い。再び同じ手を喰らい無駄に兵の命を散らすだけだろう]
古狸め、異邦人達からあの様な隠し玉まで…!
[正面をガラ空きにした無防備な陣形かと思えば、とんでもない]
…攻勢には出ないか。然し時間稼ぎは寧ろ我らの利。
ならば、クレメンスの奴が考える事は… …。
[水底の蛇は鎧に覆われている。必殺の時にその牙で飛び掛る。
貴族として幾つもの謀略を好み、立ち回るのがアレイゼル領主である自分だが。
忘れては決していけない。今己が戦う相手は、男の父と同世代の老獪なる先人であり。
いざ腕を振るえば、謀略の深さも戦略の冴えも、己を上回る大敵であるのだと改めて認識する]
…今の命令は取り消す。
投石器を横列に出し、二機の攻城塔を中央へ纏めろ!
両翼、全隊前へ進め。
騎兵は突出を控え、敵弓兵の隙を窺え。
[アレイゼル軍の動きに変化が出る。両端の隊が、横合いからの守備を無視する様に前線へ出始めて、横列は鶴翼へと移り変わる。
然し防備を固めているとはとても言い難い。民兵の手により前線近くにまで投石器が押し出され始め、同じ投石返しや弓による破壊も恐れず、敵陣へ向けて投石を開始したのだから。背後でも何やらの櫓らしき二基が動き出すが敵本陣にも窺える事だろう]
― オプティモ・遊撃隊 ―
[ 突然に降ってきた弓の雨に>>499、50騎の私兵団は、動きを乱す。数人は、落馬し、若しくは、馬に矢を受けて動けなくなったが、妨害は予想の範疇だったから、すぐに剣を抜き矢を打ち祓いながら、敵の位置を確かめようと馬首を返した ]
「隊長、あれ...」
[ 一人が、狼狽えたように、隊長を仰ぎ見る ]
「古の民だな、こりゃ不味い」
[ これが正規兵であれば、違ったろう。だが、クレメンスの私兵団は、特異だ。実を言えばここに居ない兵の中には、古の民の出身者までいる。
そして彼等は、軍としては有り得ない程の自由裁量を持たされていた ]
「逃げるぞ!」
[ 号令一下、落ちた仲間を拾い上げて、くるりと反転して元来た道を駆け戻っていく// ]
[恋に生きる友はどうも開国云々だけでなく、巫女姫と言うシステムそのものをどうにかしようとしているらしい。
確かに、そこが解消されれば開国にも繋がるかも知れない、が]
お前は次々ハードルを上げるなぁ…。
俺が思うに、この国に於いて巫女姫と言う存在は必要不可欠。
民意による開国となっても、このシステムは残る…と思う。
これは言わば宗教的な意味合いが強いと思うんだが、どうよ?
森の民に接触出来たのは、ルディのお陰かな。
完全なる仲直り、とまでは行かなかったけど、まぁ概ねそんな感じ。
ルディの真直ぐな心に動かされた感じだな。
…ただ、森の民と街の人達の確執は根強いな、と思う。
アレイゼル卿が歩み寄りをしたい、って姿勢を見せてるらしいんだが、森の民はまだ警戒してるようだった。
ま、森を削られ続けてたんだから無理もねーけどな。
― オプティモ・遊撃隊 ―
……引いてく?
[先制の矢雨に対する向こうの動き>>514は想定外のもの。
そこにある意図などは知る由もなく、生じるのは戸惑いの時間]
『どうする、風の!』
[そこから引き戻したのは、北の森の射手の声。
ふる、と首を振る仕草に、白の小猿が大丈夫? と問うようにきぃ、と鳴く]
追うよ!
あのままほっといて、噛みつかれたら厄介だ!
[逃げる理由は知る由ないが、こちらには追う理由がある。
アケルの隊も、状況的には似たようなものか。
あちらは自分の判断で動くだろう、と思い切り。
道を駆け戻る敵部隊を追って、駆け出した。*]
― シュビト港(回想) ―
仕事熱心なことで。
[公務を放り出していないというなら、
こんなところで何をしているのだろう。
意図を探る思考は頭の隅に置いておいておく。
と、また耳慣れない単語が降ってきた。
いや、学館での彼の講義で聞いた気もする。]
聞いてないな。
シュビトの ……市長に、俺が?
[全くの予想外な言葉に、暫し固まった。
それは全くもって、想像したこともない発想だった。]
市長かぁ。
あはは。まさかそんなこと考えてたなんてな。
いや、面白いけどみんなが乗るかな。
それに、今の状況で市長を決める意味が俺には見えないけど。
[ひとつ、肩を竦める。]
俺は、俺の信じた道を行っているし、
誰に恥じることもしていないよ。
そちらの期待には添えないかもしれないけど、
俺たちは、この手で未来を掴むと決めたんだ。
しばらく、そうやって見てるといいさ。
− 戦地に赴く前:ブラバンドのどこか −
そうですか、それは良かったですね。
ならば、特に良い医者を紹介する必要は………ございませんね。
[笑顔を崩さぬまま、静かに頷く。
特に此方から捕まえたり、上層に報告する気はない旨を示唆した。
以前にも述べた通り、アレクシスからカナンに危害を加える事は難しいのだから。
だからこそ、ある程度、カナンにも余裕はあるのだろう。
>>142 それに、カナン・リリにはもう一つ、聴きたい事もあった。]
カナン・リリ様。
先日、敗走した兵士の甲冑を調べたところ。
何か、火傷を伴ったような、不自然な孔を見つけました。
――――心当たりはありませんか?
[疑問形ではあるが、確信を持って、黒仮面の彼に尋ねた。
あの騎士団が負けるなんて、何か此方にはない切り札を反政府軍が握っているという事だろう。]
/*
帰宅中に思い付いてしまったもの。
※元ネタはあのBGMとネットで閲覧可能な知識しか知りません。
騎士団必携
「巫女姫のためなら死ねる」
・通称「みこしね」。
王府を護る騎士団の一員となって鍛錬を続ける調教用ゲームです。
予想外のハプニングにあっても自制心をもって行動しましょう。
これをクリアする頃には貴方も立派な騎士に!
・任務のミニゲームを失敗すると、隊長から叱責とビンタが飛び、最初からやり直しになります。セーブは一つのみ。
成功すると次の話に進めます。全98話。
・まにあっくモードではポイントに応じて巫女姫の服を着せかえられます。(着替え中は分厚いカーテンで覆われます。お色気衣装はありません。)
― ブラバンド北 ―
弓兵、引きつけろよ。
[じりじりと迫りくる一軍を前に、こちらは不動のまま相手が攻めてくるのを待つ。
先に動いたのは右翼の騎兵だった。]
―――――撃て!
[2000の矢の雨が真横と上から、1000の騎兵へ降り注ぐ。
加速する馬に矢は半分と当たらず、特に先頭を駆ける騎兵はそのまま砦へ向かって突撃した。
騎兵が狙うのは砦。油の匂いに眉を顰める間もなく、仮設置でしかないむき出しの砦の一部が景気よく燃え上がる。]
チッ…左翼の騎兵、敵方に応戦!
数で負けてるからまともに打ち合うなよ!
機械弓持ち中心に引き剥がせ!
[やや遅れた号令にこちらの騎兵も動き出す。
機械弓を持つ騎兵をやや後方に置き、前面の騎兵が打って出ると同時に後方から弓が飛ぶ。]
衛生兵、麻布を水にぬらして持って来い!
工兵は消火を!水が追い付かないなら砦は壊していい!
― 太古の森外 ―
[取り囲む森の民はシメオンが外に出るまでついて来た。
これ以上森をうろつかれないため、と言うのは向けられる殺気で知れる。
そのため、帰りは寄り道することなく森を出ることとなった。
森を出てしばらく進めば、森の民の気配も消える]
すっげー警戒心強いのな。
ここでルディに逢えたのはある意味ラッキーだったわ。
[シメオン達だけで進んだなら、途中で阻まれ追い出されるのがオチだったろう。
印象はどうあれ、面識を残せたのは収穫だったと思う]
さって…この後はどうするか。
今頃アレイゼル卿はオプティモ攻めに従事してんだろな。
既に出発してるとしても、恐らく監視は残ってる…と。
こっから三日月湖までどんなもん?
「馬なら然程かからない」
じゃ外からだけ拝みに行こうかね。
[嘆息する護衛の声が聞こえる。
それを聞いて笑いながら、シメオンは馬を走らせ森から南下した*]
巫女姫なんてシステム、実権をとりたい官僚たちが王を不在にしておくために作ったんじゃないのか?
でも、こうして続いて来た今、巫女姫が現人女神みたいなもんだってことはわかるよ。
開国したら、何を司るかは変わってくるのかも知れないけど。
…攫って逃げたらマズいよなあ。
「私が唯のシルキーでしたら」── ああ。
[届いた手紙──もうすっかり暗記してしまったその短い言葉を呟く。]
― クレメンス軍・本陣 ―
...?動きが変わったな。
[ 警戒を強め、動きあぐねていた様子だったアレイゼル軍が、ほぼ横一線から両翼を前に進め、鶴翼の陣を張る ]
防御陣?いや...
[ いかに、ライフルに驚かされたとしても、攻め手にありながらの防御陣を選ぶとは、ソマリ・フル・アレイゼルとも思えない。
そもそも、膠着状態に近い状態から更に防御を固めるなど、と、思うも束の間 ]
...っ!?投石機をここで使うか?!
[ 攻城の要となる投石機を、城塞に手が届く前に前線に出してくるとは、さすがに予想だにせず、男は、慌てて前線に向けて指示を飛ばす ]
両翼!騎兵は散開しろ!弓隊前へ、援護しろ!
[ 投石機のような射程が長く、重い武器を相手にする時、密集隊形は命取りになる。騎兵の独自判断と機動力を信じて、散開させ、弓での投石機の破壊を狙って陣を動かす ]
[>>494炎に対応するため衛生兵がせわしなく走り回る合間にも、本陣はじりじりとこちらにやってくる。]
そう簡単に炙り出される訳にもいかねぇんでな。
布が来るまで耐えろ!持ち場は離れるなよ!
[幸い水なら大量にあり、火そのものが兵士に移ることは免れそうだが。
降る矢もまたバリケードで防ぎながら同じく弓で応戦の構えを取る。]
弓兵、盾持ちの奥を狙え!
重兵は槍構えろ!来るぞ!
[海からの襲撃がくるのは、もう少し先の事*]
― ブラバンド近海 ―
――――……上陸。
[>>491 火柱が幾つも上がる。それが上陸の合図であった。
上陸する事は容易かっただろうか。
ある程度、反政府軍の反撃を受けてしまったかもしれないが。
こちらは規模としては陸戦隊の半数といえど、護りの薄い裏側。
兵力はあまり失う事なく、海側から攻める事が出来ただろうか。]
ある程度は船に控えたままで良いです。
火に炙られ、海に逃げるであろう兵を迎え打ちなさい。
それが狙いです。
[アレクシスは静かに船の上で戦況を見守り、指示を出す。
火で焼かれた兵の逃げ道を断つかのように、船は控える。
その先の水は――――死の水だと。]
[ だが弓隊を前に出すという事は、男の前の防御は薄くなるということ ]
「
[ 側近の声に、男は正面の戦場から、その端で行われている追いかけっこに視線を向けた ]
− シュビト港 (演習中・回想) −
[クロードの、静かな熱の宿る言葉を聞く。]
市長も知事も、名ではあるが、自分で名乗るのと、無辜の市民に選ばれたのとでは意味が違ってくる。
──というのはおれの世界の常識なのかもしれないが。
ともあれ、
君はまだ「破壊するための組織」しか作っていない。
その在り方次第では──邪魔させていただく。
今日は、君に会えてよかった。
──殺されるなよ。
[あの日と同じ祈願をして、上に合図を送ればロープが引き上げられ、高みへ登ってゆく。]
最初はそうかもしれない。
でも日を追うごとに意味合いが変わるものが在る。
巫女姫はそういったものだと俺は思うぜ。
攫って逃げたら普通に国際問題だろうよ…。
[ああ何か囚われてる、と。
カナンの様子にそんなことを思う]
(……これが向こうの作戦だとしたら、怖いな)
[カナンは見事に心を鷲掴み状態。
あちらが思っている以上に強かだったら───]
[そんな思考が一時、過ぎる]
おかげで向こうの士気は上々すぎるくらいだ。
人数もけっこういるな、1万くらいか。
[溜息には呆れが多いが、若干の焦りもある。
持ちこたえられるか怪しくなっていた。]
気が強いもあるが…
お前に執着してんのかもな。
何となく、だけど。
そんな感じがする。
― オプティモ・遊撃隊 ―
[下がる敵部隊を追いながら、中央のぶつかり合いへと視線を向ける。
大規模な攻城兵器や騎兵、重装兵の動く戦場は、ついこの間までは全く縁のなかったもの。
そんな存在の近くに在る事に感じるのは、少しの戸惑い]
(……もし、あの時……)
[里に戻っていなかったら。
空から来た異邦人に出会わなかったら。
今の自分の立ち位置は、きっと、変わっていた。
こうして北島の地を、初めて見えた同胞と共に駆ける事はなかったかも知れない。
そんな思考に囚われたのは、僅かな時間]
[きぃぃ、と上がった声が、意識を現実に引き戻す。
肩の白猿は戦場の空気に興奮しているのかずっと落ち着きを欠いていたのだが。
今、上がった声は、それとはまた違ったもの]
どしたの、プルウィア!?
[人ならぬ感覚が何か捉えたのか、と。
そんな疑問を感じながら、視線を肩の真白へと向ける。
僅かな刹那、周囲から逸れた意識は、自身に向けられる銃口>>531に気づくのを、僅かに遅らせた。*]
− ブラバンド (お忍び中・回想) −
[アレクシスはこの邂逅を内密にしておくと言外に告げる。
それには別段の反応を示さなかった
証言する者が誰もいなかったということは、その騎士団、全滅したか。
──勇猛なる者たちよ、英霊の園に迎え入れられたまえ。
[短く祈りの仕草をしてから、アレクシスに視線を戻す。]
― ブラバンド北 ―
[豪雨のような矢が、訓練を重ねた騎兵に牙を向いて襲い掛かった>>521。
足を穿たれて、馬が横倒しになる。その上から、更に止まらぬ矢雨。
馬の腹を影にしても限度があるし、なんとか矢から逃れたと思ったら、討って出た相手の騎兵の槍に、希望を打ち砕かれた。…そんな光景が、あちらこちらで起きる。
けれど多数は難を逃れ、仮の砦に火の手が上がる。
後方に位置する巫女姫にも、その光景は見てとれた]
…まずは上手く行きましたね。
[そうしているうちに、相手の騎兵と此方の騎兵がぶつかった。
刃がぶつかり合い、剣戟が軋んだ音を響かせる。
が、上がる音は兵の数と比べると少ない。
少し交戦して、下がる仕草。
追えば其処を機械弓が穿つ]
火傷を伴ったような、不自然な孔──それならライフルだろう。
我々がマチュザレムから持ち込んだ”文明の利器”のひとつだ。
火の力を使い、高速で鉛の弾を射出する。
[貴族のパーティで羊を撃ったことは彼の耳に入っていないらしいと察する。]
ナミュールの鎧で防げるものではない。
相手が、黒くて長い筒を持ち出してきたら、物陰に隠れろ。
と言っても、ドアくらいなら撃ち抜いてくる。
石壁が有効だ。
[簡単に対処法も教えておく。]
しっかし…また出てきたのかあの姫様。
[向こうはどうだか知らないが、巫女姫の事は勿論知っている。
とはいえそれは表面上の事だけで、ジェフロイが語る彼女の人物像はまるで違っていたのに、聞かされた時は驚いたものだが。]
あいつが言う通りなら逆に出てきて当然、か。
[心底民想いでまっすぐな、美しい巫女姫。
「その実気が強い」、とは友人評だ。]
でも本隊は向こうなのにこっちに迎え撃って来たって事は…
[ふと後ろに結んだ髪に触れた。]
あの姫様クロに執着してんのかね。
[何となく、だがそう思う。]
[声を聴いて、すぐには返事が出なかった。
巫女姫親征の、数で勝る相手となるとそれは厳しいだろう。]
…ん。
無理だと思ったら早目に下がっていいからな。
……?
俺に、執着? 巫女姫がか?
[あっけにとられたという感で、声が途切れる。]
[森の民の話に別の名が出た。
そこの領主なのだから、意外というほどでもないが──]
アレイゼル卿が森の民に?
その働きかけは以前からあったのかね?
それとも、このタイミングでか──
だとしたら、ホントにいろんなものが地滑り的に一斉に動き出しているな。
[歴史の蠢動を感じる。
こういう時には得てして──多くの血が流されるものだ。]
ん、…なかなか、火が広がりませんか。
[思っていたよりも炎の勢いが弱い。
どうやら消火に回っている兵の数が多いようだ。
砦を建築中ということで、おそらく火責めへの警戒もあったのだろう。
水を回す様子は、こちらから見ても迅速だった。
こちらが届く射程ならば、同時に相手も届くということ――。
相手の弓が、円盾の隙間を抜けて、奥を進む弓兵に当たり、風穴を開けた。
慌てて阻もうと、盾を持った兵が手元を動かす。
だが全ては捉えきれずに、火矢部隊は半数程に減った]
仕方ありません、
重槍兵、そのまま進んでください!
[相手の弓が奥を狙っている間に、重槍兵は砦との距離を詰めていた。
消火に集中していた工兵や、近づけまいと応戦する敵兵に向けて、
重槍兵が槍を突き出す。
更にまだ完成していない、砦の脆い部分から中に入らんと、歩兵の一部が剣斧を構えて雪崩れ込んだ*]
[「攫って逃げたら普通に国際問題」と指摘され、]
いや、もちろん同意の上でだな!
[律儀に弁明する。
シメオンに心配されていることはわかったけれど、自分では、まだ自制できているとは思っている。
少なくとも、使命を忘れてはいなかった。
この国は、開かれねばならない。]
― シュビト港(回想) ―
[「破壊するための組織」
そう言われて、仄かに苦い思いを噛みつぶした。]
ナミュール千年の歴史を動かすには、
生半可なことじゃ駄目なんだよ。
壊した先にこそ、新しい未来があるんだ。
[これが、行くと決めた道。]
そっちこそ、死ぬんじゃないぞ。
[上へ昇って行くカナンを見ながら、言葉を返す。
彼の姿がだいぶ小さくなったところで、
両手を口のまわりに当てて、声を張り上げた。]
巫女姫に手ぇ出したら、
いくらおまえでも承知しないからなーー!
.
− 戦地に赴く前:ブラバンドのどこか −
――――……侮っていました。
私の采配のミスです。
………惜しい部下を、失いました。
[>>534 ひとつ頷き、白銀の乙女に祈りを送るかのように、目を閉じる。>>536 続くライフルという新しい兵器の情報に、やはりと小さく声を上げた。対策法も一先ず信じる事にする。現状、それしか無いのだから。]
分かりました。
直ぐに兵にそれらの情報を伝えましょう。
[それは来るべき陸海戦に、有効に活用されただろうか。]
有難うございます。観光が終わりましたら、速やかに城に戻られる事を勧めます―――…
[そう言いながら、踵を返そうとしたが。はたと止まって。]
………いいえ。やはり聴いておきましょうか。
カナン・リリ様。貴方はどちらに付くおつもりですか?
それともどちらにも付かないつもりでしょうか。
[会談のカナンの様子。あれを見る限り、若し、出来る事ならば、彼は此方に引き入れる事は出来るのでは?と。
アレクシスの内心とは別に、そんな打算的な計算を先に打ちだし。そしてそれを口にした。アレクシスはそういう男である。]
― 三日月湖付近 ―
「これ以上は行かねぇ方が良い」
[ドルマール神殿を見るべく移動する矢先、先行していた護衛が報告に戻るなりそんなことを言う]
何で?
「神殿の周りに兵が陣を敷いてた。
不用意に近付けば不審者として対処されかねねぇ」
随分物々しいな。
誰だそんなことしてんの。
……一人しかいねーか。
ちぇー、あと少しなのに。
[領地内の重要箇所が襲撃されることを危惧してのことだろう。
一隊を相手に立ち回って見るというリスクは流石に背負えない]
― アレイゼル軍・本陣 ―
[戦争の歴史は、常に強き武器を持ち出した者が勝利を収めていく。
剣に始まり、長柄の槍、投石、弓に到りやがて機械弓という武器も生まれた。
恐らくクレメンス軍が擁するあの虎の子は、それら武器の歴史に続く、戦の異端児となる技術なのだろう]
それらを相手に勝つならば。
此方も常軌を逸した戦いで出迎えねばならんだろう。
投石器などはくれてやろうではないか。
[アレイゼルが繰り出した突飛な動きに、クレメンス両翼が動く。
騎兵が散開し、弓隊が投石器を狙う為に前方へでる。その動きを望んでいた]
[今だ。背面側面からの奇襲を無視できる、戦局を変える攻勢は今だ]
今だ、 攻城塔を出せ。
全軍突撃!!
両翼騎兵隊は敵弓兵を打ち滅ぼせ!!
[敵の弓兵が、投石機を狙うが、投石機は後退もせず、破壊される寸前まで、敵軍に被害を与えようとするだろう。
ひとつ、ふたつ、操作する民兵や兵器その物が破壊されて機能は停止するかも知れないが。
いっそ構わない。
その敵弓兵を狙う様に、両端100騎ずつの騎兵隊が、歩兵を引き連れて激しい攻勢に繰り出す]
[そして、アレイゼル軍に齎された命令は、『全軍』突撃。
敵陣両翼の矢の雨を抑える隙に、然し未だ変わらぬ異国の兵器が待ち構える、正面部隊も突撃を敢行した。
彼等、正面隊の背後には今度は別の兵器が存在する。
攻城塔。前へ進む櫓には弓兵、全軍攻勢で敵を抑えるその背後から、異国の兵器を持つクレメンス軍の虎の子を狙う、弓の弦が引き絞ると同時に。
その木造の高き巨体が、飛び道具の障害物となる事を期して、前へ前へと前進してくる。
此れならばどうだ。今、搾り出せる限りの策の成果を見定める男が、つ、と戦場の端へとその眼差しを向けた時。
遠く正面戦場の端で認めた、あの特色ある色鮮やかな衣の翻りに、瞳を瞠り。
近すぎる、離れろ、そんな警告など遠く離れた場所まで届くはずがなく。
劈く轟音が敵陣から放たれるのを見た**]
いや、恐らく今だからこそだと思う。
前々から働きかけがあったなら、森の民ももうちょい頭柔らかいんじゃねーかな。
ああ、一気に動き出してる。
そんな感じがする。
当人が同意の上でも、周りがそうはいかねーだろ。
[律儀に弁明されたが、本当に友は大丈夫だろうか、と思ってしまう。
突っ走ってしまっているわけではないため、まだ大丈夫なのだろうとは思うが**]
― ブラバンド北 ―
…妙だな。
[>>535重兵がぶつかり矢もまた定期的に降り注ぐものの、決定打を与えるような行動が見られず目を細める。
騎兵の方も同様に、こらを誘うような素振りを見せるばかり。それに乗りはしないが、じわじわと蛇が絡むような気持ちの悪い感覚に眉根を寄せた。
>>492その寒気の原因が、背後からの強襲報告であると知れば顔を顰めた。]
げ、ほんとに来たか。
[しかも思ったよりも多く、早い。
>>527火矢にやられ、水を求めた兵らは既に刈り取られ断末魔の悲鳴が背後から届く。
今度はこちらが挟撃される側だと判断した次の指示は早かった。]
よし解った。
――全軍撤退する。
[「えー」という声には苦笑した。まぁ早い撤退だろうとは自分でも思う。]
ここで留まってもジリ貧だろ。
ならとっとと捨てて本体と合流する。
撤退場所は、アレイゼル領だ。
[とはさっき友人と共に決めた事。
従兄弟に迷惑かけるだろうが今はそうも言っていられない。]
船はいい、今乗り込んだら確実に時間食うから放置。
運んだ物資は予定通り、隠してあるな?
[砦の真下に石で作った部屋を作ってある。
堅牢にしてあるかと言えばそうでない為、暴かれる可能性もあるが仕方ない。]
衛生、工兵は先に砦を出てアレイゼル領へ走れ。
歩兵、弓兵、騎兵は随時離脱。
重兵は最後まで残って、殿だ。
勿論俺も残る。
あ、騎兵半分は馬おいてけよ。
[重兵が逃げる為の足は残しておく。]
― オプティモ・遊撃隊 ―
[向けられていたそれが何なのか。
以前目の当たりにした若者たちはここにはおらず、話に聞くだけでは今一つ掴めずにいたから、それが、異邦の武器である、とは気づけずに。
また、距離を開けた本陣からの声>>549が届くはずもなく]
……っ!?
プルウィア、逃げて!
[響く轟音、撃ち出される弾。>>539
とっさに取ったのは、肩の小猿を払い落とす、という動き。
真白の塊が転げ落ちた後、到達した熱い塊が右の肩を撃ち抜く]
…………っ!
[いたい、あつい。
感じたそれは、言葉にならない。
息が詰まったみたいで、声が出せない]
『……風の!』
[轟音と、それが齎したものに気づいた北の森の戦士が呼びかけてくる]
……だめ、近づいちゃ……。
さがって、アケルと、合流……!
[ダメだ、これ以上同胞を踏み込ませちゃダメだ、アレは危険だ。
そんな想いが口走らせたのは、そんな事で]
[痛みが酷い、立っていられそうにない。
その場に崩れ落ちると、紅いいろが目に入った。
淡萌黄に刺繍を施した上着が、不自然な紅に染まっている。
それがなんのいろか。
考えるより先に、探したのは先に払い落とした真白の小猿]
……プル……ウィア?
へーき?
[短い問いに返るのは、興奮した小猿の鳴き声。
少なくとも無事であるのは、それでわかったから。
いたくてあつくて動けないけれど──ほっとした]
(……あ……でも……)
(これ、みんなに、おこられる、なぁ……)
[少しずつ、意識に霞がかかっていく。
戦場でこれはいけない、とわかっているのに、動けない]
(まだ、やらなきゃならないこと、あるよ)
(きたのひとと、もっとたくさん、はなしして)
(みなみのこれから、みんなで、きめて)
(……おばちゃんに、あずけたまんまのはちうえ、ひきとって)
(…………おちゃのかんそう…………きいて、それから…………)
[やりたい事はいくらでも浮かんでくるのに、それは意識を空回り]
……かぜ……つかま、なきゃ……。
[呟きと共に、まだ動く左の手を、空へと向ける、けれど。
それは、何も掴めないまま、ぱたり、と落ちて。
意識はそのまま、くらい淵へと落ちてゆく。**]
[風の娘の意識が落ちた後。
北の森の戦士たちはその身を護るべく動き出す。
盟を結んだのは、あくまで彼女だから、と。
その意志は途絶える事はなく。**]
[でも、彼は南島を背負って来るのではないのか。
それを見せ付けるように、王府まで進軍するのでは無かったのか。
それが、彼の――――意を届ける方法では、無かったのか。
真っ直ぐな彼女の気性ゆえに。
反発が心を焼く]
それ程までに、王府を壊したいですか。
クロード・ジェフロイ。
[挟んで、滅ぼす。
背後から奇襲する…]
ならば、せめて―――… 正面から来る気概を、見せなさいっ。
[事実を紐解けば、思い切り的外れな文句なのだけれども。
この時の巫女姫は、偽者を本物と信じて悪態をついた]
[指示を出す合間に、砦の各所でうわぁと悲鳴が上がる。
>>540重槍兵が無防備な工兵や歩兵を討ち砦へ歩兵がなだれ込んで来たらしい。]
っ、思ったより早い…。
[おそらく士気は巫女姫が居る分向こうの方が高いのだろう。
やってくれるとは胸中でだけ呟いた。]
まだ完全に取り囲まれてない、今なら間に合う。
騎兵は撤退してる奴らに敵兵が貼りついたら剥がせ。
いいな、それじゃ――全員撤退!
[号令と共に、崩れた恐れをなしたかのように砦からぱらぱらと兵士が逃げ始めた。]
― クレメンス軍・本陣 ―
(抜かった...!)
[ 男は心底悔いていた。まさか、彼等がこれほど早く、戦に参戦してくるとは、予想していなかった]
言い訳にもならんな。
[ 呟いて馬に鞭を当てる、その後を無言で三騎の私兵が着いてきた ]
− シュビト港 (演習中・回想) −
そうだな、1000年の歴史に比べたら、我々の命は短い。
生きているうちに結果を見たい者は、急がねばならないのだろう。
ただ、君の作った道を、これから多勢の人間が歩む。
その覚悟を常に持って進むことだ。
それが君の宿命だよ。
[二人の距離は、そうして再び離れてゆく。]
[飛行船の荷台まで辿り着いたところで、下方からクロードの雄叫びが聞こえた。
それは何故か、非常に個人的な感情を感じさせる声。
カナンは荷台が傾くまで身を乗り出す。]
それを言うなら、 君もだ──ッ
[「危ねぇ危ねぇ! もう出るんだよ!」
ニールにベルトを掴まれて床に転がされたのだった。*]
「…って言われてるけど」
[>>561とは残った重兵の一人が、崩れた砦の影から苦笑して言う。巫女姫のよく通る声は、ここまで届いていた。]
見事に引っかかってくれてんのはちょっとかわいいな。
[戦場の中だというのに思わず笑ってしまった。]
「だよなー巫女姫可愛いよな。
俺も初めて風花祭で見た時にこう、きゅんって…
ガー…っと、盟主もそうだろ?」
あー、残念。
俺どっちかっていうと年上派だから…。
[妹がいるおかげで、妹より下の娘は妹としか見れてないためナミュールの男が通る道は通れてなかったとか。]
撤退、…ですか?
あまりに――――早い、
[まるで準備していたかのような…。
そんな危惧が頭に浮かび]
もしやあちらも、陽動…――っ?!
[騙された、と唇を噛む]
― シュビト港(回想) ―
宿命、ね。
[高い空の上を、悠然と去っていく飛行船を見送る。
低く呟いて、しばらく思案の顔をしていたが、
周囲の人だかりが自分を注目しているのに気付くと、
ぱんぱんと手を叩いた。]
はいはい、仕事仕事。
さっさと進めてどんどん終わらせるぞー。
ほら、行った行った。
[ぱっぱと手を振って人だかりを散らせる。
途中、にやついたおっちゃんに肩をどやされて、
なんだよもう、と頭を掻いた。]*
― クレメンス軍・本陣 ―
[ 銃声と同時に、アレイゼル領主の兵達は、距離を取っていた。
事態に気付いた遊撃隊が立ち戻って取り囲み、怪我人を中心に庇う森の民との間で、睨み合いが続いている ]
君達は、太古の森の民だな?
[ 男は、私兵達の前に出て声をかけた。こちらの身分に気付いたのかどうか、森の戦士達は強い視線で睨みつけてくる ]
この戦は、私とアレイゼル卿との私闘に近い。君達が関わって命を賭ける事を私は望まない。
「今更何を言う!」
[ 鋭い糾弾の声に、男は目を伏せた ]
− ブラバンド (お忍び中・回想) −
[ライフルの存在を知らないまま、騎士団を送り込んだのは自分の采配ミスだとアレクシスは瞑目する。
その声にカナンやライフルを恨む冷たさはなかったけれど──]
は!
[己の立場を問われ、
知れたことを。
おれは、セドナの第二皇子にして、マチュザレム共和国の大使カナン・リリだ。
共和国政府の意向に沿わんがため、ここにいる。
[それに背く工作は一切効かぬと眼差しに込めて。**]
[敵の衛生兵が、まず我先にと逃げてゆく。
………だが、巫女姫はその背を攻撃しろと
命ずることが出来なかった。
彼等も、戦に参加した兵士たちだ。間違いなく。
なれど医療に従事し傷を癒すが役目の彼等を、
それも背を向けて逃げている、武器持たぬ人を……、
甘いと分かっていても、…狙えなかった]
― そして現在/シュビト港 ―
[何日か見えに見上げていた空を、今日も見上げていた。
今日は飛行船が飛んでくるということもなく、
ただ、青い空が広がっている。
見ているのは、遙か北の地だった。]
ガート…。
[思念で聞こえてくる戦況は、思わしくない。
こんな時、近くにいないのがもどかしい。
だから一緒に行くって言ったのに。言ってないけど。
内心で零しながら、じりじりと出発の時を待つ。]
んでも…あんなに熱いラブコール出してんなら、
別人とはいえ出てくしかないよな。
ちょっとそれ貸してくれ。
[そう重兵の兜を借りて被った。
これなら顔は見えず髪しか目立たない。
おい何するんだよと言う仲間へ、少し笑って。]
撤退に決まってんだろ。
俺が飛び出したら全員離脱な。
[そう告げ髪を一つに結んだ男が飛び出し、敵兵の前に躍り出る。
もはや偽物と解っていたかもしれないが、だからといって捨てて置かれるほど、元軍人の腕は悪くない。
仲間の退路を作るべく、砦に群がる兵を一人また一人と切り崩しにかかった。]
― クレメンス軍・本陣 ―
[ 前線では、ソマリの全軍突撃命令による総攻撃が始まり、激しい戦闘が繰り広げられている 投石機を犠牲にしての、捨て身とも言える攻勢に、徐々にクレメンス軍は後退を余儀なくされつつあった]
許せとは言わん、だが、その者はまだ生きているんだろう?
すぐに手当をすれば助かるかもしれん。だが、遠くまで動かせば恐らく保たん。
どうか、オプティモの街で、手当をさせてもらえないか。
頼む。
[ 深々と頭を下げた男の姿に、森の民達の戸惑う気配が伝わる ]
決して、これ以上の危害は加えない。無事に命を取り留めたなら、間違い無く君達の元へ帰すと誓おう。
このラウド・レイ・クレメンスの、王国貴族としての名誉と誇り、そして同じ地に住まう人としての信義にかけて。
― サシャの部屋 その4 ―
ヴェルザンディ「(自分の身柄)どうぞどうぞ」
クレメンス「どうぞどうぞ」
ソマリ「どうぞどうぞ」
[ 地上のメモを貼り出しながらぺしぺし。]
/*
時間が時間なので巻き気味ですすいませ…
いや俺はまだ、まだいける!けどこれ姫様まずいだろぉぉ2時過ぎてるよぉぉと土下座物である…
/*
飴投げてくださった方、有難うございます(深々)
ちょっと今日は調子に乗って喋りすぎました。
いやほら、前半割と抑え目だったし…。
[それから暫くの間、呼びかけられたとしても無言だったが、ふいにまた声が落ちる。]
うん、やっぱりお前に執着してると思うぜ。
今お前宛のすげーラブコールも届いたし。
[とは楽しげに。
たった今死出の道を歩き出したとは思えないほどいつも通りだった。]
ああ、構わないさ。
予定の変更はよくあることだろ。
人生、うまくいくばかりじゃつまらない、って。
[軽口を叩いてみるが、いつもより早口だったかもれしない。]
…無事に戻れよ。
[言わなくてもいいひとことまで付け加えてしまった。]
[不意に本陣の緊張が増した]
「“解放軍盟主”、こちらに向かってきました!!!」
[鉄の兜を被った男が、髪を遊ばせて馬を駆る。
阻まんと、慌てて兵士たちが前に出るが次々に薙ぎ倒される。
人を倒すことに、慣れた仕草。
軍の騎士たちと似た動き。
それをじっと、見つめながら……
ひとつの記憶を掘り起こす。
詳しくはない。
けれど、学館で姿を見かけたことがあったように思う。
クロードと親しくしていた、あの、]
ガートルート・フル・オルヴァル…――!
[覚えていた、その名を叫んだ]
…………。
……………。
… ガート、
[声が聞こえてこないことが気がかりで、
戦闘中なのだからと呼びかけを控え、
それでもただ待っているだけの手持無沙汰で
声を投げかけてはやめて。
それを繰り返していたころに、
何でもないような友の声が聞こえてきて]
― クレメンス軍・本陣 ―
「本当に...助けてくれるのか?」
[ 必死の目で確認してきた相手に、頷き返す。その間にも娘の身体は冷え、命の証は零れ落ちていく ]
「判った...だが、もし彼女が命を落とせば」
その時は私の命で購おう。この年寄りの命くらいでは足りないかもしれないがな。
[ 瞬時の間も置かず、そう宣言すれば、漸く本気で言っている事が伝わったようで、森の戦士達は、武器を向けたままながら、娘を囲む位置から身を退いた ]
感謝する。出来れば君達も、この戦場からは撤退して欲しい。
それが無理なのであれば、街中に攻め入ることだけは避けてくれ。
[ 彼女を運ぶ医院も、街にあるから、とそう伝え、遊撃隊の数人が、そっと娘の傷ついた身体を運んで行くのを見送った ]
― クレメンス軍・本陣 ―
[ 森の民と別れた後 ]
「
[ 男は、呼ばれた声に、振り返り、ひとつ頷く ]
我々も撤退する。
全軍、オプティモ城塞内に退却!
[ ソマリの降した突撃命令とは、真逆の号令一下、クレメンス軍は、オプティモの街を囲む城塞内に順次撤退を始めた** ]
― サシャの部屋 その5 ―
この圧倒的なロンゲ率…。
[ 参加者メンバーを改めて見回すが、一人のところで目線が止まる。]
[飛び出した“盟主”の影武者は、そのまま仲間を救うように
砦に群がる兵を薙ぎ倒した。
彼の作った退路から、多くの解放軍の兵が離脱する]
「たかが一人だろう!」
[隊長格の兵長から、そう檄が飛ぶものの、
その一人がどうにも切り崩せない。
少なく見積もっても半数以上は、速やかに砦を離脱しただろう]
はっ、オルヴァルの不詳の息子を覚えててくれて幸いだ。
[こちらの名を一字一句と口から落とす姫に笑った。覚えのいい姫だと思う。]
平和の為に自ら血を流しに来た戦姫様、
悪いがこの先は簡単には通させねぇよ。
[言うが早いが、馬の腹を蹴り、あえて巫女姫へと向かって走り出す。
さも姫の命を狙わんとする悪鬼の如く。
目立つよう動きながら、その背後では重兵が随時離脱してゆく。
討たれた兵もいたが、それでも半分以上が逃げ出せれば上等だと胸中思った。]
はっ、オルヴァルの不詳の息子を覚えててくれて幸いだ。
[こちらの名を一字一句と口から落とす姫に笑った。
覚えのいい姫だと思う。]
平和の為に自ら血を流しに来た戦姫様、
悪いがこの先は簡単には通させねぇよ。
[言うが早いが、馬の腹を蹴り、あえて巫女姫へと向かって走り出す。
さも姫の命を狙わんとする悪鬼の如く。]
たかが一人でも―――
仇なす者を千と殺しきれる戦士であれ、
それが昔姫に付き従った近衛兵隊長、
オルヴァルの教えだ…!
[目立つよう動きながら、その背後では重兵が随時離脱してゆく。
討たれた兵もいたが、それでも半分以上が逃げ出せれば上等だと胸中思った。]
[>>~26無事に戻れ、の返事には聞こえないふりをして答えない。
時折聞こえる呼びかけにもまた同じように答えなかったが。]
姫を守るはずの力で姫を迎え撃つとか、
ほんとご先祖への冒涜だよな
[たまに独り言のように関係のない言葉は落ちた。]
戦姫様、…ですか。
この姿では、否定できませんね。
[皮肉が笑みに散った]
「止まれ!!」
「巫女姫殿下に、近づけさせるな!!」
[巫女姫の周りは、騎士団でも生え抜きの精鋭が揃っている。
ガートルートに繰り出される剣や槍の勢いも鋭くなる]
/*
しかしこの更新時間…夜更かし勢には有難いけど時間に余裕があると思ってると死ねるね!
皆命大事にしておくれ…
「王府を壊したいなら、正面から来る気概を見せろー」
ってわざわざ言いに来てたよ。
[だから前に出た、とは言わなかった。]
慕われてるなー羨ましい事で。
ですが、――――例え今、血を流しても、
胸を張れる平和を目指します!
後悔など、…いたしません!
[それは、目の前に幾多の死を見たからこそ]
いちいちそれで怒ってたら、おまえんちのご先祖様は、今頃10回は墓の中から出て来て恨み言言ってるよ。
[聞こえてきた言葉を拾って返す。]
もうすぐ、こっちも出発できそうだ。
[だから頑張れ、と、続く言葉は出なかった。]
っ く
[巫女姫を狙えば当然こちらへの層が厚くなる。
その分後ろは薄くなっただろうかと期待したがもう振り返る余裕すらない。
前しか見ずに、ただひたすらに、
今は眩しい光に焼かれるようにただひたすらにそこを目指して駆け抜ける。]
っぁ ――――――!!
[何十もの剣の壁が行く手を阻み、腕を足を馬を掠めて血が流れる。
途中で馬が悲鳴をあげ崩れ落ちるが、それでもなおそこから飛び巫女姫の前を目指した。
重兵と一緒になって逃げれば、逃げ切れたかもしれない。
こんなになってまで巫女姫の前を目指す必要もなかったはずだ。
それでも、なお足は彼女の元へと歩を進め―――。]
ぐ ぅ!!
[号令と共に、無数の剣が振り下ろされ身体に突き立てられ、
巫女姫の前にたどり着いた所で剣が落ちる。
身体には無数の剣を立てられながらも、視界には金色の娘を捉えていた。]
(ああ、そうだ。
何か言いたい事が、あったような。)
[解放軍の正当性やら、その意義やら、それが理解してもらえない事へのジレンマやら。
この国がどうだとか、色々あった気がしたが、いざ巫女姫の前に立つとそれを言う気も血と共に流れて失せた。]
馬鹿みたいに意地張ってっと、
いつか、死ぬより後悔する よ…
[言いながら、これは自分への言葉な気がして苦笑する。
もっと父親や母親と向き合って駄々でもこねれば、自分の家は壊れなかったんじゃなかろうか、今更そんな思いが過ぎり。]
そーりゃ 元気だな、俺の先祖
そんだけ元気なら、……
[返る言葉に何時もの調子で、
そろそろ返せたのは途中までだった。]
ん、そか
頼んだ、多分
半分くらいは、行けてる
[そういや出る間際に言われた実家の問題も残っていたが、そっちは妹が何とかするだろうと思って投げた。
身体が傾ぐ。
肩から半端に結んだ髪が零れた。]
(髪 切れなかったな。)
[いつか開国出来たなら切るか、
という願いは生きてるうちには叶わなかった。]
[いつもの声が、不意に色を変える。
ずき、とわけのわからない痛みが胸に走った。]
ガート?
なあ、ガート、
[ざらりと、ひきつるのは自分の声。]
半分、ってなんだよ。なんのことだよ。
おい、ガート、
こんなときに変な冗談やめろって。
[掠れる声の意味から、目を逸らして]
おいってば
なにやってるんだよ。
[幾度も、呼びかける。]
― シュビト港 ―
[周囲から見れば、ただずっと空を見ていたように見えただろう。
呆然と立ち尽くし、遠い空の彼方を見つめ、
喉の奥から吐息を零す。]
『出港準備が整いました』
[背後から声を掛けられて、ゆっくりと振り向く。
琥珀の瞳は、目の前のなにをも映していなかった。]
…わかった。 行こう。
[唇が動いて言葉を紡ぎ、色の無い声が出る。
そうして、船上の人となった。**]
[巫女姫の周りが何か言ってる気がするが、もはや何をされても何をする事も感じる事も出来なかった。
ただ最後にぼんやり思うのは仲間や従兄弟や、
未だ細い声で繋がる唯一の友の、その未来。]
(クロ、俺は)
[だが何も不安に思う事はない。]
(俺は、お前を
――――信じてる)
[今この時も、きっといつまでも。
ぐらと傾いだ体は地に落ちる。
そうしてそのまま、二度と動くことはなかった**]
ばーか、んな 呼ばなくても聞こえて…
[もう半分の意味も説明できないほどに声は細かった。
それでも、最後の力を振り絞るように]
…なぁ、クロ
お前と 一緒に
それ、
見たかった …なぁ
[果たせぬ夢を、惜しむように。
最後の言葉は、ほんの少しの後悔で濡れていた**]
/*
と言いつつ、あとにーちゃんへのお手紙があるんだが俺の睡魔が間に合うかどうか…(/-`)
とりあえずいったん寝なければ死ぬので寝よう(ばたむ
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全然来れてなくてすまんな。
そういや、昨日の墓下よんでて思い出したが、
サシャを性別誤認していたのは済まなかった。
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ところで昨夜は反応する余裕なかったけれど、
ジェフロイとカナンは、貴方がた何を言ってるのだと。
ナミュールの男なら誰もが通る道とか訳分かんない盛りを…!
ガートまで乗っかるし!!はわ。
― ある日の事 ―
[オルヴァル家の一人娘は私兵を連れて、館の二番目に豪華な部屋を訪問した。
扉を開けると丁寧に腰を折るも、背後からなだれ込んだ私兵数名に囲まれ、さすがの母親、オルヴァル卿の夫人も驚いた様子だった。
長年彼女に連れ添った年老いた彼女の乳母が怒りを露わにしたところで、娘の顔はこやかな様子を崩さなかった。]
「ご機嫌ようお母様。
本日お母様をこのように訪問いたしましたのは、
これよりお母様には
オプティモの荘園で療養していただこうかと思いまして。
お心を病んでおられるのですから、仕方ありませんよね。」
[実質的な幽閉だ。乳母が騒ぐ中妹は笑んだままだった。]
「ええ、私も心苦しいのです。
実の母が病に苦しんでいるのに、
一人荘園に寂しく置いておくなんて。
ですが――
兄さんが本当はお父様とお母様の子供だった、と、
お父様にお話しして頂くわけにはいきませんので。」
[その声に涼しげな顔をしていた母親の顔色が変わった。
やはりかと娘は諦めに似た溜息を胸中でついた。]
「解っておりますのよ。
お父様が自分が手塩にかけて育てた跡取りを見捨てて、
殺すような結果になってしまったとしれば――
あの方は自害なさるでしょうね。
お母様はそれがお望みなのでしょう?」
[オルヴァルに残る深い闇。
その闇を静かに、見かけだけはたおやかと称される強かな妹は然と見据えていた。]
「私、お母様には怒っておりますのよ?
愛情の欠片も与えてくれない人との望まぬ結婚は、
お母様にとってどれだけ苦痛な事だったか…
お母様の境遇には同情しております。
けれどその為に、自分が産んだ子の人生を狂わせるのは、
いささか間違っているのではありませんか?」
[一見にこやかなまま、だがその内に積年の怒りを蓄えた娘は吐き出すように母親を糾弾する。]
「私も兄さんも駒ではありません。」
「…でも今となっては、私もお父様の有用な切り札。
私も今暫くは、駒のままでおりましょう。」
[ふっと息をつくと、私兵は老いた母親と乳母を取り囲むようにして、用意していた馬車へと連行する。
その二人に向かって、娘は淑女の礼を深々と取った。]
「ではそういう事で…
さようなら、お母様。」
[――それから暫くの後、アレイゼルからの打診と娘の後押しにより、オルヴァル家は正式にアレイゼル側に組する事を宣言する**]
……、なに を、
[素直になれ、と言われて]
……貴方は、馬鹿です。
[最初に反応した部分は、何故か己の涙腺で。
……相手の死を悼んで、頬を落ちる涙だった]
こんな、っ、 風に、 死ぬ なんて…
[言葉我つっかえて、もどかしい。
彼は恐らく、クロードが深き信を置いた相手だろう。
これだけの手勢を任され、最期まで仲間を護る為に命を削り。
解放軍が描く未来の実現、そのために。
全力を尽したひと。
きっと。きっと。 ……喪うに惜しい人、だったと。思うのに]
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