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記された一葉 は 力の探求者 ウェルシュ に投票した
瞬槍 リエヴル は 力の探求者 ウェルシュ に投票した
騎士 ヤコブ は 力の探求者 ウェルシュ に投票した
死霊魔導士 ベリアン は 力の探求者 ウェルシュ に投票した
騎士 シュテルン は 力の探求者 ウェルシュ に投票した
鷹の眼 イングリッド は 力の探求者 ウェルシュ に投票した
聖歌人 ローズマリー は 力の探求者 ウェルシュ に投票した
騎士 シェットラント は 力の探求者 ウェルシュ に投票した
力の探求者 ウェルシュ は 記された一葉 に投票した
魔王 テオドール は 力の探求者 ウェルシュ に投票した
力の探求者 ウェルシュ は村人の手により処刑された。
記された一葉 は、騎士 ヤコブ を占った。
次の日の朝、瞬槍 リエヴル が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、記された一葉 、騎士 ヤコブ、死霊魔導士 ベリアン、騎士 シュテルン、鷹の眼 イングリッド、聖歌人 ローズマリー、騎士 シェットラント、魔王 テオドールの8名。
「竜が駆けたよ。」「駆けていったよ。」
「天に昇ったよ。「昇っていったよ。高く。高く。」
「あとになにか残っているよ。」「竜がおいていったよ。」
「「「たくさんの種。明日芽吹く花。」」」
「それと、ひとつのちいさな夢。」
――― 草原を吹く風の音
純粋な、という言葉に人はいろいろな意味を持たせる。
透明な。穢れを知らない。無垢な。美しいイメージだ。
だが時に別の意味も持つ。無邪気で、気まぐれで、残酷な。
その意味で、彼はまさに純粋で、美しかった。
――― アーケン・フォン・ジェメリー 『殺人者たち・その世界』
記された一葉 は、鷹の眼 イングリッド を投票先に選びました。
騎士 シュテルンは、鷹の眼 イングリッド を投票先に選びました。
騎士 ヤコブは、鷹の眼 イングリッド を投票先に選びました。
魔王 テオドールは、鷹の眼 イングリッド を投票先に選びました。
魔王 テオドールは、聖歌人 ローズマリー を能力(襲う)の対象に選びました。
魔王 テオドールは、鷹の眼 イングリッド を投票先に選びました。
魔王 テオドールは、聖歌人 ローズマリー を能力(襲う)の対象に選びました。
― 戦場後方・カレン城壁側 ―
私の歌で?
[シュテルンから向けられた頼み>>3:313に、伏目だった視線を持ち上げて彼へと向ける]
それは、構わないけれど…。
…ここからじゃ遠すぎるから、やるならカレンに入らないと。
[喉の痛みはまだ完全には治まっていない。
ひりつく違和感は残っているが、頼みに否を唱えることはしなかった。
ただ、効果範囲を考えるとどうしても街に入る必要はある]
[兵がトロール部隊を抑えているなら擦り抜けることは可能だろう。
シェットラントも外へと出てきた。
入るルートは確保されているはずだ]
[敵軍が引き始めている>>3:301と言うのなら、入るのにも苦労はすまい]
…馬、借りてこないと。
移動に時間をかけていられないわ。
シュテルン君、乗せて行ってくれる?
[きっとシュテルンもカレンへ行きたい想いは強いだろうから。
それならば共に行こうと誘いを含め訊ねかける]
/*
一葉さんの追悼(?)も毎度、キャラにあった文言で素晴らしいと思う。
性格を掴んでいるなあ。
自分のときが楽しみ♪
― ゆるぐらさが 物語的建造物 ―
がーとるーど「おほほほほ」←一段目
あらん「バァさんだいえっとしろおおおお…」←最下層
死霊魔導士 ベリアンは、鷹の眼 イングリッド を投票先に選びました。
― ゆるぐらさが 土台はお静かに願います ―
がーとるーど「あぁら何かいったぁ?(ぎゅむぎゅむ)」←一段目
あらん「靴の踵で踏まれるのはごほうびです」←最下層
― 戦場・前線 ―
[前線にたどり着いたときには、もう魔軍が引いていったあとだった。
未だ守り固める騎士たちの列に近づくと、驚きの目を持って迎えられる。
無理もない。あの時受けた傷は、致命傷だった。
この場にいた誰もが、死んだと思っていたのだろう。]
謝るのは後にする。説明もな。
今はやることをやらせてくれ。
[騎士たちひとりひとりの目を見て言う。]
その代わり、カレンでは絶対にあなたを守りますから。
[一緒にと言うのは彼女の心遣いかもしれない。
一礼すると、野営地に走ってゆき、すぐに一頭の馬を引き連れて戻ってきた]
さあ、乗って下さい。
[そう言うと、ローズマリーが馬に乗りやすいように補助する姿勢を見せた]
― カレン南方 ―
[ 黒い波のような魔軍は、粛々と……とは行かず、騒がしく乱れながら引き始める。
……それはさながら、津波の前に潮が引くような様子で。
やがて、カレンから数時間南方に下った、魔軍が野営していた場所に、
禍々しい駐屯基地が建設され始める。
主な顔触れはおなじみのゴブリンやオーク。
周囲をうろつくのは屍鬼。
そして、その更に周りの森の暗がりには、不用意に近づく人間を連れ込み食らわんと、ブラックドッグが潜んだ。 ]
部隊を道中で切り分けて残し、軍を徐々に軽量化しながら駆ければ、
モーリスまで半月で戻れるだろう。
どの道、再び征く道だ。
[ 鉄の張られた、重厚な馬車の中。
そう目算し、テオドールは戦争中は中断されていた政治報告へ目を通す。 ]
騎士 シェットラントは、鷹の眼 イングリッド を投票先に選びました。
― 戦場後方・カレン城壁側 ―
ありがとう。
頼りにしてるわ。
[護ると言われて少し面食らってしまう。
やや照れが現れたのは、面と向かって『護る』と言われた経験が少ないからだった]
[シュテルンの手を借りて>>6馬上の人となり、向かう先であるカレンの城壁を見据える]
───行きましょう。
[呟き、シュテルンに出発を願う]
[唯一つ、ヤコブに連絡を入れることを失念していたが]
― 戦場・前線 ―
[戦場に行って、散った仲間たちを回収すること。
騎馬隊をカレンの街に向かわせて、街のみなを助けること。
先に北へ向かった敵軍の別働隊を、部隊を出して追撃すること。
明確な意思をもって騎士団に告げる。
この後、魔軍が反転攻勢をかけてくるかもしれないから危険だと諌める声には、挑むような視線を向けた。]
今、ここで勝っても、カレンやペンホールズがだめになったら意味ないだろ?
騎士ってのはなんで居るんだよ。
みんなを守るためじゃねえのか?
ここで話してる間にも誰か死んじまうかもしれねえ。
さっさと行こうぜ。
[できるだけ落ち着いた声でみなに訴える。
やがて、隊長らが敬礼をし、動きだした。
騎士の本分を指摘されて、動かぬわけにはいかなかったのだ。]
― 戦場後方・カレン城壁側 ―
[ローズマリーを馬に乗せ終わると、自分もその後ろに乗ってローズマリーを抱え込むように手綱を取った]
…………。
[体勢に僅かに照れてしまったが、今はそのような場合でもなかった]
[そうして騎士団が再び動き出す間に、陽動に攪乱にと動いていた騎馬隊が戻ってくる。
先頭を歩むのは、黒い馬。
その背に乗る人は、跨るというよりも力なく横たえられていた。
歩むにつれて揺れる手足に、不吉を覚える。
黒馬自身、落とさぬよう気を使って歩いているようだ。]
撤退する魔軍は、「退却」というより、まさに「凱旋」……。
遺体を引きずり、まだ息のある騎士を蹴り転がして遊び、
そして泣きわめく女騎士に無体を働きながら連れて……、
とまで書いてさすがにこれはまずいなと思って色々削除。
これはダメな人は生理的にダメそう。
[歩み来る黒馬を、誰もが沈黙で迎え入れた。
立ち止まる馬の背から、そのひとを下ろして布の上に横たえる。]
リエヴル……。
[体の半分が、赤く染まっていた。
それに比例するように、顔は白い。白すぎた。
痛みと後悔が胸に突き立つが、それを握りつぶす。
違う、と。]
[カレンへと駆ける最中、背に這う感覚を強く感じる。
ふる、と小さく震えたのは同乗するシュテルン>>13にも伝わったかも知れない。
また、死が届いたのだ]
っぅ、く……
[小さな呻きは何かを堪えるおと。
堪えきれず零れた雫は馬の鬣へと紛れた]
──絶対、に。
成し遂げなきゃ……!
[託された想い>>3:315を内に蓄積させる。
道を切り拓いてくれた
[ テオドールは大きな手のひらを額に当てた。
静かに肩が揺れ、 ]
……くくくく、
ははははは!!!!
[ やがて体を揺すって笑い始めた。 ]
どういう手段を使ったか知らぬが、あの世から舞い戻ったか。
全く……どこまでも俺の邪魔をしたいようだな、ヤコブ。
[ 小さく咳をして笑いやめ、手の平を外し、
どこか遠くを見つめる。
ヤコブが死んでから、不機嫌なままだった魔王は、
邪魔だと言いながらもどこか楽しそうにして、 ]
では、次はもう二度と生き返らぬよう、
俺が手ずから斬り刻み、打ちのめしてくれよう。
それまで、鍵は預けておくぞ……ヤコブ。
あんたの槍が見せてくれたもの、絶対に忘れねえ。
残してくれたものを、手放したりしねえ。
任せてくれよ。
絶対に、先を掴んでみせる。
だから、もう少しあんたの槍を貸してくれな。
俺の心の中に。迷わねえように。
[横たわるリエヴルは、満足げな顔をしているように見えた。
為すべきことをして散った。
そういう顔だ。]
あんたのために泣いたりしねえよ。
そんなことしてる場合じゃねえだろ?
あんたが拓いた道、まっすぐに駆け抜けてみせる。
[それこそが、何よりの手向けだと信じて*]
[ そして、伝令を呼びつけて、 ]
カレンの町へ忍ばせた者に、ヤコブの死体を探すよう言いつけてあったが、
そういう状況ならそれはもう要らぬ。
代わりに別の死体を探せ。
もしかしたら、別に安置されているかもしれぬが、
死ぬ気で探しだせ。
それは……、
[リエヴル・リンドブルムの体は、愛用の槍と共にカレンへと運ばれるだろう。
その前にまずは、カレンに残る脅威を取り除かねば*ならなかったが*]
……リエヴル様が、亡くなられた、わ…。
[問われて>>27、呼吸を整えてから感じ取ったことをシュテルンへと伝える。
ティレルを出て尚、ひた隠しにしてきた自分の力のこと。
唐突な話に信じてもらえたかは分からない。
けれどこの場でそれを隠して偽る余裕はなく。
また、感じ取ったことは隠すべきことでは無いと思ったのだ]
[そろそろとの言葉には、うん、と短く返事をしてその時を待つ]
― カレン市街 ―
[カレンへは思いの外すんなりと辿り着けた。
トロール隊が引き、散発的な戦闘は残るものの、動ける騎士達もまたカレンへと乗り込んでいる。
街からは悲鳴と、憲兵や騎士達が人々を誘導したり屍兵へと仕掛ける声が響いていた]
シュテルン君、そのまま馬で移動してもらえるかしら。
[移動で歌を途切れさせながら対処するよりは、このまま移動は馬とシュテルンに任せ歌い続けた方が体力的にも消耗が少ない。
浄化しながら移動すれば、範囲を必要以上に広げずとも最大限の効果を得られると判断した]
[生ける者に気付いた屍兵がゆっくりと馬へ近付いて来る]
…”
[馬上で背筋をピンと伸ばし、タクトで楽譜集の端を叩く。
ポーチの中で煙となる光魔法共通の触媒。
残りは後、僅か]
──
[歌が、光を伴い屍兵を*包み始める*]
/*
これは海に落ちて行方不明パターンもありかしら(
もしくは意識不明の重体…。
死んだかどうかはヤコブに任せちゃおうかな(爆
カレンのことが明日で収束するようなら、また何か考えないとー。
[──始まりは、一人のこどもが力を求めたこと]
[──魔物に大切なものを奪われたこどもは、それに対する力を求め]
[──純粋であるが故に強く、それ故に脆く儚い心に、とある妖精が引き寄せられた]
[──妖精はこどもに力を与え、代わりにあるものを求める]
[──永劫、己がものとなる事と、遠いとおい、先の時まで続く約束を]
― まどろみ ―
[感じた熱がいつ引いたのかはわからない。
それは、どこか心地よくもあったから、うっかり沈み込んでいた]
…………。
[思えば、砦の攻防戦からずっと、最低限の休息しかとってこなかったなぁ、とか。
帰還した日に魔女殿と飲んでから、ゆっくり飲む事もできなかったなぁ、とか。
そういや、後で飲みに付き合わせようと思ってたのに先に行きやがってあんにゃろう、とか。
ある意味どうでもいいような事がふっと浮かんで、消えて。
どこからか聞こえた、いくつかの声に、ふ、と意識がゆらいだ]
…………?
[聞こえた声のひとつは、もう聞こえないはずのもの。
だから、疑問を感じて、薄らと目を開けて]
……なん、で、だ?
[ぼんやり、呟く。
どこか惚けたこえ。
……この男、戦時はともかく、平時は意外に寝起きが悪かった。**]
ヤコブ、シェットラントさんも大丈夫ですか?
俺は、ローズマリーさんと一緒に今カレンに突入してる。
それから遅くなったけど……ただいま。
[あれから思念は飛ばしていなかったが、
ふと生存報告すらしていないことに気づいて]
それとヤコブ。無茶はするなよ。
もう、お前一人だけの身体じゃないんだからな。
[目を話しているうちに何かがあれば自分の責任だ。
念を押すようにそう言った]
― 平和な日 ―
[とある騎士との邂逅で、自分の進路は定め、そのためのあれこれに打ち込んではいたものの。
感情を抑えて周囲との関わりを少なくしていた関係上、当時の人付き合いは、これでもか、というくらいに悪かった。
自分から人に話しかける事はしないし、こちらに話しかけてくるのもソマリアードくらいのものだったか]
……でも、まだ、足りていない。
[受け答えする言葉も最低限に。
竜が孵りそう、という話>>3:+101にはちょっと興味を引かれたりもしたけれど、自分から深くは聞かずにいて。
そうこうしている内に、やって来たもうひとり。>>3:+102
なお、当時色々とちょっかいかけてくる彼が苦手だったりしたのは、余談]
[そんなわけなので、ちょっと引いて双子のやり取りを見ていたのだが。
何やら怪しくなる雲行きに、きょとん、と瞬き成り行きを見守った。
鏡面の打ち合いにちょっと目が持っていかれたのはご愛嬌……かどうかはさておき]
[踏み込まれたくないから線を引いていたのに、そうすればそうするほど、つつかれるらしい、と。
この一件で思い知り──考え方を変えた。
無理だ、これは避けられない。
ある種の天災だ。
しかも不可避だ。
このままだと、被害が拡大する。
なら、いっそ受け入れてしまえ。
そんな理屈を、自分の中にでっちあげる。
……当時は、色々とまわりくどい手順が必要な子供でした。
ともあれ、そんな色々の葛藤のような違うようなな思考を経て──]
……3秒か、そうか。
じゃあ、3点。
[気が付けば、そんな風に切り返せるくらいになっていた。
騎士としての修行を続けつつ、たまにサボって一緒につるんだりするようにもなっていた。
いなくなったら、きっと、面白くない。
そんな風に思うようになったのが。
なくしたくないものの中に数えられるようになったのがいつからだったかまでは、はきと覚えていないけれど。**]
− 廃都モーリスへの途上 −
[要所要所に拠点を設営しながら南下する魔王軍。
それはカレン南まで、楔を打ち込むように続く”魔王の道”だ。
矢継ぎ早に指示を飛ばすテオドールとは逆に、ベリアンは魔導研究に没頭していた。
そんなベリアンの元にふたつの亡骸が持ち込まれる。>>18>>25]
[冷たくなったウェルシュの顔を掌で挟んでほぐせば、死後硬直した筋肉が愉しげな笑みの形にとけてゆく。]
死の間際まで、こんな顔をしていられてよかったですね。
/*
……ねむいと文章が破綻するな、というか。
反応速くて、投下のラグが出にくいのはいいんだが。
キー感覚が違うが故の打ちミス多発が本気で泣ける……!
気が付くと、押すつもりなかったとこ押して、へんな誤字脱字やらかしとるんだよなぁ……。
/*
メモベリアン君>
気付いてくれて有難う。
楽しんでいるのは伝わってたんだけどね!w
こう、一応言っておいた方がいいのかな…(そわぁ)
という親心だったのよぅ(
[誰の仕業だ。
いや、こんなん演奏するヤツは多くない。
むしろ、一人しか心当たりがない]
……〜〜〜っ!
アラン、ってめ!
いきなり、何聴かせんだよっ!
[だからその、唯一の心当たりの名前を思いっきり叫んで]
[それから、ぽろん、ぽろろん、と竪琴を奏でて]
彼らを後押ししてくれてありがとう。
[礼をいうのである
自分がいなくなった後。彼らしい方法で、盟主の地盤を整えた彼に]
最初のイメージではもっと平行する戦いになるかと思ったが、
予定以上に魔軍優勢である。
屍鬼兵が破格の優秀さだったな。
死んでも使える、補充が容易、休息も糧食もいらないというのがまた。
ゴブリンやオークだけなら、こうはいかなかったろう。
無茶してねーし!
[直後の念押しにはぶうたれた声を出す。]
わかった。わかったって。
俺がどんだけ命もらったか、
どんだけの人の上にいるのかは、よーく分かったから。
無茶はしねえよ。
[声は軽い。しかしそこにある実感は重い。]
けどさ。
無茶はしねーけど、無理は通すぜ?
[付け加えたのは、不穏な台詞だった。]
俺たちが相手にしてんのは、無理も無茶もしねえでどうにかなるような、やわな相手じゃねえ。
そうだろ?
無駄にはしねえ。
けどさ。いざって時には、止めるなよ?
……で、カレンに突入してるって?マリーと一緒?
おまえもさあ。俺のこと言うけど、大概無茶しいだよな。
まあいいや。すぐに俺も行く。
怪我すんなよ。
― カレンの街 ―
[魔軍の撤退命令が出た後も、カレンの屍鬼たちは猛威を振るった。
夜でもあり、しっかり戸を閉ざしている家が多かっただろうから、実際の被害はそこまで大きくはないだろう。
だが港の消火活動に当たっていた民が巻き込まれ、街には投げ込まれた屍鬼や、感染して増えたものが徘徊している。
街の中が直接襲われ、知人が目の前で怪物になったことは、被害以上の恐怖を植え付けていた。
民がおびえ縮こまる家々の間を、美しい歌声が通り抜けていく。>>30
その歌声は光を呼び、屍鬼を退けた。
なによりも、恐怖に砕かれた人々の心に染みこんでいく。
この夜、カレンが崩壊を免れたのは、なによりも彼女の歌声あってのことだったろう。]
/*
そういや今回、自分の情景描写が妙に多いな。
必要だと思うからやってるんだけど、にてもなんでこんなに多いんだろ。
街の様子とか、ほんとは心底どうでも(ry
いやいや、だいじよ。だいじ。
[騎士団全体もまた一度カレンに撤収し、今後の方針を決めることとなる。
多くの騎士を失った今、どのように戦っていくのか。
不安と不満を募らせつつある民を、どう守るのか。]
こっちから打って出ようぜ。
[話し合いの中で、当然の口調で主張する。]
守ってばかり、してやられてばかりだから、みんな不安になるんだ。
ちょっとだっていい。
俺たちに力があるのを見せてやらねえとだめだ。
南に魔物が砦作ってるんだろ?
出来上がるまえに潰してやれば、みんなが安心する。
[同時に別の提案も行った。
起死回生に向けた一手を。
主だった騎士たちは盟主の提案にいくつか修正を加えたうえで受け入れることとなる。
再び、急ピッチでの部隊再編が始まった。]
[会議の後、シェットラントを捕まえた。
リエヴルのことや今後のことなど話したのちに、本題を切り出す。]
なあ。
おまえってあのポータルとかいうの?作れる?
そんなでかくなくていいんだけどさ。
俺と、あと何人かつれて、ぴゅんっていける感じの。
このまま戦ってても、どうにもなんねえだろ?
どうにかして門を閉めなきゃならねえ。
けどさ。俺が行くと、っていうか俺がここから消えただけで、警戒されるだろ?
だからおまえに先に行ってもらって、俺を呼んでもらえばいいんじゃねえかって思ったんだ。
[口調に比して、視線はひどく真剣だった。
死地へ行ってくれと頼んでいるのだ。]
他に良い手があればいいんだけどさ。
俺だと、これくらいしか考え付かねーんだよ。
おまえと、あと一緒に"門"に行った中で、おまえが使えそうだと思った奴連れてさ。
[一人で行くなよ?と付け加え、]
シェルティが門にいくなら、アニーズ周りの湿地帯を行くか、
カレンから船を出すのがいいかなと思ってるオッサンである。
手薄表現しておくか。
― "魔王の道" ―
[ モーリスへと向かいながら、
次にここを北上する時は、騎士団の終わる時だろう、
とテオドールは思う。
テオドールが先頭を征けば、道からは次々と魔物が合流し、
黒い奔流のようになって、魔軍は進むのだ。 ]
[ 道路の整備は優先しろと伝えてある。
次回の行軍の為であり、カレン南の駐屯基地への人品輸送の為でもある。
最後の進軍は、今回よりも早く、強くなるだろう。 ]
[ カレンの船は焼いた。
残してきた屍鬼は、ベリアンの指揮下を離れ、ただ本能に従って生者を襲うだけだが、
それでもそれなりの成果はあげるはずだ。
この戦時中のカレンに、避難せず残るような民間人は、勇気と実力を備えた船乗りが大部分だろう。
もしも、今回の民間人への直接攻撃が、逆に彼らを打倒魔軍に向かわせてしまったら厄介だが……。
いや、そこまで考えても仕方あるまい。 ]
[ そして、テオドールは、アニーズ周りの陸路を思う。
カレンからアニーズを回り、ホートン砦を避けて湿地帯を抜ければモーリスまで行く事が可能であるが……。
いや、しかし、これまでの時間軸で、この道が使われることはなかった。
恐らくこの時間軸でも、ここを渡るようなもの好きはおるまい。
警戒は必要だろうが、本気で封鎖まですることはないように思った。 ]
― 戦場後方にて・休息の前 ―
[ヤコブと言葉を交わす向こうから、
涼やかに優しい声が向けられる>>3:255]
…、いや。
[一瞬言葉に詰まって酷く短く言葉を返す。
どういたしまして。と、常のように涼しい顔で応じることが、
ほんの一瞬難しかった。ヤコブの所為だ]
大したことはしていない。
[結果、常よりも素っ気無い返答になってしまった]
ふん、
[だから彼からの言葉>>3:289にも鼻を鳴らす]
お前みたいに単純なつくりをしていないんだ。
こっちは頭脳労働したんだからな……
[身体を起こそうとして、頭の痛みに顔を顰めた。
ファミルの炎で受けたダメージも残されたまま。
つまりは現状、散々である]
言ったろう?お前が死ぬと何かと面倒なんだ。
[だから助けたんだとばかりの、素っ気無い響き>>3:=24
冷たい響きを乗せて見遣った、唇が微かな弧を描いた]
嫌なやつで悪かったな、単細胞。
そんなのお前が一々突っかかって来たからだ。
いいか。力を貸してやると言っただろう。
だがこれ以上無様な姿を晒したら、次は見捨ててやる。
だから……、
2周目の最初のソロールを書いたのだけど、
・ヤコをパパと呼ぶ
・キアラ、フランツが遠足に来ていて、シュテルンはいなかった
という2点を出すだけなのに、ひたすら長くなってしまって、
出すべきかどうかなやめる。
まだ1000ptもあるし、表動いてないから出すかなぁ。
─ 回想・?年前: "門" ─
[ 粘つくような雨が降っていた。
空は暗く、陰鬱に渦を巻き、
時折、刺々しい光を放った。 ]
[ 人間の住めぬ不毛の土地の南端。
バチバチと重い水滴に打たれながら立ち尽くすねじれた木々でさえ、避ける場所がある。
南の森の外れ、荒れた岩場と、その向こうに南海を望む、
小高い丘だ。 ]
[ 見捨てられた土地に不似合いな人造物がある。
土を汚し、生命を歪め、空気を穢すようにそこにある。
それが、
──"門"だ。 ]
──ッ……!!
[ どこから、いつの間に現れたのか、
一人の少年が門の前に蹲っていた。 ]
[ まだ未熟で細い手足だ。何かを抱きしめるように、体を丸めている。
少年の体は細かい傷だらけで、衣服はあちこち汚れ、擦り切れていた。
特に酷いのは背だ。
黒く穴だらけになった服から、広範囲にわたる火傷の痕が覗いている。
いや、火傷……なのだろうか? まるで、焼印を押しあてられたように、その痕は奇妙な模様を描いている。 ]
[ ……門だ。それはすぐ傍にある門の紋様だ。
しかし、門は雨に濡れて冷たく、
とうてい少年にこんな火傷をさせるようには見えない。
門はただ、重厚に、不気味に、
そして、うっすらと開いた隙間から、人知を超えた力をこぼしながら、
ただそこに、
ある。 ]
[ ひ、っく、と少年は……、
12歳の少年テオドールは、小さく泣き声をこぼした。
横殴りの風と、春でもまだ冷たい雨がそれをかき消していく。
背を打つ雨は、最初は火傷のほてりを冷ましてくれたが、
それを過ぎた今は氷のように体を凍えさせ、
テオドールの体力を削り取って行く。 ]
[ べしょ、と足音がした。
べしょべしょ、と足音が足音がした。
門を囲むように現れるのは、オーク達だった。
この呪われた門の周囲に住みつく、いやらしい闇の住人だ。]
[ テオドールは、弾かれたように顔を上げた。
抱きしめていた物……1m半近くある長剣を、強く抱き寄せる。
少年の背丈では大きすぎて、とうてい扱える品物ではない。
しかし、今、少年には自分の身の他にはこれしか持っていなかった。
父の遺品であるこれしか。 ]
/*
なんだよかわええなぁぁ
照れるなよ!照れてんじゃねええよ!!!
うwwwはwwww
やべー萌えるwwwww
ちよっときみ職員室に来なさい(どこ)
やだもうなんなのこの可愛さ!!!
[ 命を賭けた鬼ごっこが始まった。
泥を蹴立てて、何度も転びながら少年テオドールは走った。
あちこち向きを変えて降りしきる雨の中、すぐに方向感覚は失われた。
魔境の中、
成人も迎えて居ない少年ひとりでは、ただ生きて行くことすら困難だった。
昏い森の中に引きずり込まれそうになったこともあれば、
冷たい南海の波間から、白い手に招かれた事もあった。
雨水を飲み、得体のしれない果実を齧った。
1日か、3日か、一週間か……時間の感覚すら分からなくなった。 ]**
/*
はああぁぁぁwww
ツボる。良いwww
そうか。ツンデレ萌というのはこうやってできていくものなんだなwww
やだもうwww
[ 面食らうその人に、テオドールはしがみ付いた。
当り前だろう。テオドールがパパと呼んだその人はまだ十代の最後。
早い者は結婚していることもあろうが、こんな大きな子供がいるはずもない。
……その頭上に影が差した。
眠りから目覚めたトロールが、怒りと共に腕を振り下ろしたのである。 ]
『 気をつけろ! 』
[ ふたりを救ったのは、明るい金髪の放蕩者……若い騎士たちを門までの遠足に連れ出していた自称吟遊詩人だった。
テオドールはこちらも知っていた。 ]
アランおじさん!
[ 他の遠足の参加者も、次々にトロールに立ち向かった。
歌っているのはローズマリー。
前衛には騎士フランツ。
キアラもいた。騎士団員ではないが、門を見たいと着いて来たのだろう。
それと、荷物持ちの従騎士が数名。
全員、テオドールの知っている顔だった。
[ ここに至って、やっとテオドールは確信出来た。
魔法は確かに発動した。
ここは間違いなく過去の世界だ。
テオドールは時間を遡行したのだ。 ]
[ そして、
それが事実ならば、触媒について聞かされたいたことも事実だろう。
時間遡行魔法の触媒として使用された人間は、その存在の全てが消滅する。
肉体も人々の記憶からも消え失せ、最初から存在しなかったことになったのだ。
……テオドールの母親は。 ]*
/*
ごめんねテオさん、真面目な回想の下でこんなことやっててwww
昨日、大喜びしてるオッサンに激しく萌えていたことは告白しておくわwww
あれも大層可愛らしかった!!!
好きだ!!!wwww
……と、
考えた末に、半分出して半分埋めるという折衷案にしてみる。
あんまりいい奴になったら戦いにくいよね。
このテオテオは、最後の最後まで悪でなければ。
/*
おー。12歳のテオさんだ。
ほんと、何があったんだろうなぁ。
一応、直接会うまでは考えないことにしてる。
やこぶん知らない情報だしねー。
/*
ああでもこれ情報収集ネタはアードから振ったものだから、アランをだしにってのは厳しそうだなあwww難しいね。
― 戦場後方・魔軍撤退前 ―
[やがてヤコブが飛び出していくのを、半ば呆れ顔で見送った>>3:311
やっぱり頑丈さがとりえなんじゃないかと思う。
術で引きとめたとはいえ、先まで死にかけではなかったか]
俺も問題はない。
自分の身体くらい自分でみられるから、もう大丈夫だ。
父上はこちらに?そうか、お会いする。
[どうやら無事に生き残っていた父と、手短に会話を交わす。
互いに薄汚れた姿は、互いに戦場を潜って来たことを物語っていた]
シンクレアの手勢をお貸し下さい。
魔法結界が崩れ、カレンの守備が手薄になっています。
手勢を以ってトロール隊を打ち崩し、カレンの支援に回ります。
小廻りに動くのは俺たちの役割、
この場をとり纏めるのは父上たちの役割だ。…でしょう?
[生意気な言い分に、父の眉が上がる。
だが結局、その主張は通されることになった。
どちらにせよ今、騎士団の陣は散らばりすぎてしまっている。
後方でそれらを取りまとめ、再編する必要があるはずだった]
……。馬鹿なやつです。
小手先が通用しない、真っ直ぐで不器用な馬鹿です。
けど…あいつにしか出来ないことがあるんじゃないか。
そんな風に思わせてくれる男です。
面白い、変なやつです。
[微笑んで告げた評価を、シンクレア卿はどう受け止めたか。
一礼を残し、シェットラントは再び戦場へと向かった*]
図書館でついうっかりロードオブザリングの写真集を借りてきたので、読みふけってるオッサンである。
ドラマ性や謎解き要素で言うと、もっといくらでもすぐれた作品はあるけれども、
やはりこの重厚で緻密な世界観はたまらんね。
オッサン原作派だけど、あの配役は本当に良かったと思う。
あと、オーディオコメンタリーで「ピー音」が入ってるのを初めて聞いたよwww
おまえら世界中に何を発信してるんだwwww
首魁はこちらの世界では絶対に倒せない。
倒せるのは、あちらの世界でだけ。
……というのはどうだろう?
だから、「門の向こうに行った誰か」は、首魁を倒せた。
しかし、帰って来れなくなった。
それは「誰か」が今や、首魁その人になってしまったからだ。
「門の向こうに行って」
かつ、
「引きもどしてくれる友人」
が居る事。
これが門を真に閉じる方法。
しかしなあ。
「果断な決意を持って、閉じる事」
で、おーるおぶおっけーにした方が、
スッキリ解決する気はする。
しかし、「誰か」は誰が救うんだ?
そこに首魁以外の「誰か」が居る事は確かなのだよな。
(ソマリ説)
そこを考えると、
「門の向こうに首魁と「誰か」の2人がいる」
よりも、
「「誰か」1人が居る、そしてそれは首魁である」
の方がすっきりするような。
よし、まあ、
「門の向こうに、首魁を倒したが帰れなくなったグラムワーグ王が居る」
は確定で行こう。
「門の向こうなら倒せる」ことは?
これはオッサン知ってる方が話が早いな。
しかし、それなら「絶望」しない気がするね。
オッサンが行って倒し、ヤコブが閉めればいいのだから。
……ん?
そうか、「息子」だから閉められなかったのか。
じゃあ、「敵」なら閉めれる?
だから「敵」になろうとした?
ちゃうちゃう。
それなら、やっぱり「誰か」は親友の方がいい。
鍵に選ばれしクロドルフ。首魁を倒しに行った友人。
鍵に選ばれしヤコブ。首魁を倒しに行ったテオ。
鍵を閉められなかったクロドルフとヤコブ。
うん。
しかし、「ヤコブに嫌われる為に悪になった」だと弱い気がするね。
やはり、「誰も門に近づけない為に」の方が、今の苛烈なテオテオの行動原理に会ってる気も。
まあ、まだ先があるし、ゆっくり考えよう。
― モーリスへの道中 ―
[ マントを口元にあて、咳き込んだ。
吐きだされた血の量を見て、眉を顰める。
時間がない。
早く、世界を支配せねばならない。
誰も門に近づかないようにするのだ。
もう誰にも頼らない。誰にも期待などしない。
テオドールが、やらねばならぬのだ。 ]
[ 伝令がひと段落吸すると、
テオドールは馬車に誰も近づけないように伝え、
愛剣を抱いて、少しだけ眠った。
補整が完全でない道で、車輪が石を噛む度、
ハッとして目覚め、またとろとろと眠った。
冷たく色の薄い目が閉じられている時の魔王は、
ただの疲れた壮年の男だった。
寄せ続けた眉間は、眠っていてもなお皺の痕が残り、
目元や口元にも、年齢が刻まれていた。
整えられていない無精ひげが、呼吸に揺れた。 ]
/*
シェットラントに何か返そうかと思うのだけれども、あのままで幸せなのでそっとにやにやしておくのである。
にやにや。にやにや。
ところで人の聞いていないところで奴はなにを言ってるのかね。
/*
あー。もうちょっと落ち着いてからにしようかな。
1人だけ時間軸の先を突っ走ってるから、あれだよね。
メモ:
・リエヴルの馬をシュテルンに押し付ける
・飛竜とバトル
・魔軍駐屯地襲撃作戦を展開する
― 回想 ―
[かつて華やかな人を見かけたことがある。
あれはクロイス家でのことであったか。
以前、騎士団に所属していた顔だ───確かミランと言ったか。
ソマリアランと親しげに言葉を交わしているのを見た。
綺麗な笑顔を彼へ向ける姿を、覚えている]
― カレン ―
[屍鬼掃討の後、再び軍が動くまでの間の少しの時間、
シェットラントの姿は、再び城壁近く…
正確には、死んだ商人の亡骸の傍にあった。
悼みに来たわけではない。
しかし遺体を放置するのは気が進まずに、やって来たのだ]
…?
[ふと。空を小さな影が過ぎった>>2:484
何とはなし気になって空を見上げる。
二度、三度。鳥は何かを求めるように旋回した。
その様は普通の鳥のようである…が、何か引っかかった。
このような戦場に、何故鳥が飛んでいるのか…?]
万能なるマナよ───
[ごく微量の違和感。
それに従い、密やかに呪を紡いで水晶の指輪を空に掲げる]
見えざる鞭となりて敵を絡めよ。
[不意に鷹は宙でバランスを崩した。
そのまま不自然に手元へと落ちてくる。
もがく鷹を手にしてみれば、違和感はより一層強くなった。
ごく微量の魔術の名残。これは、]
精霊魔法か……?
[ファミルの力と同種の気配]
[鷹を手に、シェットラントは暫し思案した。
これは恐らくファミルへと向けられた使いであろう。
彼がどのように連絡を取っていたのかは知らぬ。
が、このまま鷹を黙って離す手はないと考えた]
手紙ならば仕方ないが、
[生憎死者の筆跡は写せない。
そこは諦めて、鷹へと呪を紡ぐ]
万物の根源たるマナよ、
万能の力もて、響きを光と成さしめよ。
我が言の葉の響きは種族を越える。
言葉は光に、光は心に。……繋げ、
[キン。と澄んだ音を立てて携えた水晶の破片が砕け散った。
ごく初歩的な暗示を使って、鷹に偽りの報告を託す。
精霊魔法ではない論理魔法による伝達だ。
相手に魔法の素養があれば見破られてしまう恐れはあるし、
論理魔法を知る…例えばベリアン辺りには通用しないだろう。
けれど、ひょっとしたら]
『…亡くなったソマリアードに代わり、』
[相手が、これに掛かるかも分からない。
ただ、ファミルはソマリアランの死を知らなかった>>2:488
では相手もそれを知らない公算は高く、
何らかの動きを引き出せる可能性があると踏んだのだ]
『ソマリアランが戻り、指揮を引き継いだ。』
『ソマリアランは、カレンを仮の本拠と定めたようだ。』
『引き続き、こちらの情報を探る。』
[短い伝令を託して、鷹を離した。
可能な限り細工の痕跡は消してはみたが、さてどうか。
どのみち失敗してもさして痛い手でもない。
南へと向かう鷹を見送り、ほっと息を落とした]
───、すまない。
[あの時>>2:490告げ損ねた謝罪をファミルへ置き、瞑目する。
やがて長い息を吐き、遺体を埋葬するよう指示を告げて踵を*返した*]
― カレン市街 ―
[シュテルンに手綱を任せ、ローズマリーは歌い続ける。
近付き、引き摺り落とそうとしてくる屍兵にはシュテルンが剣を振るったか。
彼は『護る』と言う約束を見事果たしてくれた]
──
[触媒の続く限り、浄化の歌を繰り返す。
歌の効果をまともに受けた屍兵は朽ち、そうでない者達は光から逃げ続けた。
逃げる屍兵を憲兵や騎士達が追い、その数を少しずつ減らしていく]
────けほっ けほっ!
[歌が途切れたのは喉の限界を感じてのこと。
咳き込んで、馬上で縮こまるように身を折った。
シュテルンが支えてくれなければ落ちていたかもしれない]
…っ、は…
あ、りがと……大丈、夫。
[呼吸を整えて、シュテルンに礼を言う。
僅かに振り向いた顔には疲労が色濃く現れていた]
― 夜が明けて ―
[残りの屍兵の駆逐は騎士達に任せ、ローズマリーは崩れ落ちるように眠りについた。
体力的にも、精神的にも疲労が積み重なっている。
休息を求める眠りだったが、目覚めても身体が重くだるい。
喉の痛みも引く様子がほとんど無かった]
[カレンにて今後の方針が纏められている頃、ローズマリーは外の空気を求めて街の中を歩く。
あちこちで惨劇の痕があり、憲兵や騎士がそれを片付けていたり、犠牲になった者の縁者が嘆いたりしているのが見えた。
その一画で、何やら怒鳴るような声がするのを耳にする]
……なに…?
[声のする方へと向かうと、数名の騎士達に対して言い募る一団が目に入った]
「俺達を護ってくれるんじゃなかったのか!」
「何もかも滅茶苦茶だ!どうしてくれるんだ!!」
「こんなことになるなら向こうに投降すれば良かった…!」
[口々に紡がれる言葉は騎士団を非難するもの。
騎士達は宥めようとしているが、街の人達は憤慨する一方だった]
……魔軍に下った先に、あなたの望む未来はありますか?
[少し離れた場所から街の人達に問いかける。
昨夜の歌を聞いた者なら、その歌い手であることは知れたことだろう]
世界が闇に覆われてしまえば、そこに光はありません。
光の無い未来に、あなたの希望はありますか?
このようなことをする魔軍が、
本当にあなたの命を、未来を保証してくれると、思いますか?
[ゆっくり歩を進め、問いかけながら街の人達の傍へ。
彼らを見上げるローズマリーの瞳は静かで、それが余計に責めるように見えたかもしれない。
街の人達はたじろいだようだった]
…護りきれなかったことは申し訳なく思います。
それで済まされないことは百も承知です。
けれど、私達はみんなが笑顔で暮らせる未来を目指しています。
そのために散った仲間達も居ます。
それに順じろとは言いません。
……魔軍に投降するというのだけは、考え直して頂けませんか。
あなたの未来を護るために。
[真摯に見上げ紡ぐローズマリーを街の人達はどのように見たか。
彼らが言葉を失っている間にローズマリーは踵を返し、また街の中へと消えて行く。
同じような場面を他でも目にしたなら、同じように街の人達を説得するつもりだ*]
―人間がこれから必ず犯す罪―
[テオドールの目的。それは、人間の支配だ。
――冷酷無慈悲に人間を殺し、このグラムワーグ大陸を支配することを目的とする魔王。
彼が”鍵”を求めるのは、魔物を解放し目的遂行の手段とする為であるかに見えよう。
…だが、実際は。]
“門”の守護者に、なること…>>*3:2
[明かされた真の目的。それは、この世界そのものの救済。
――彼が何のためにこのような行いをしているのか、この時間軸の誰も知りはしない。
近い将来、必ず起こる世界の終末…誰かを止めても、また他の誰かが、門を、開く。>>*3:3]
[ヤコブは毎回、門を閉じることに失敗したという。
門を閉じることができないのなら?
…最悪、門が開かなければそれでいい。
かつて交わした約束。
テオドールが、ヤコブとした約束。>>*4>>*5
彼が生まれたのは3年前の春嵐の日。
1周目のその日に、生を受けた。
…思い出すのは、嬉しそうな声をあげる少年と両親の夢。
若く見えた父親は、テオドールに――ヤコブに、よく似ていた。]
[一つの仮説が浮かぶ。
“鍵”を使うことに失敗したヤコブは、
息子であるテオドールに全てを託した。
『人間に門を開けさせるな』
……しかし結果としてテオドールは、世界の終わりを目の当たりにしたのだろう。
ヤコブとの大切な約束を果たすため。この世界に生きる全ての者の未来を繋ぐため。
この広い世、いつ、どこの誰が犯すともわからぬ取り返しのつかない罪を阻止せんと、7度も同じ刻を繰り返している…
その重大な責任をただ独り、背に負って。]
[人の心を、欲望を止めることはできない。できはしない。
いつ、何が引き金となるかわからない。
――例えば彼の見た終末の一つは、イングリッドが引き起こしたのだとしてもおかしくはないだろう。
門の力を求める者が皆、世界を統べることを目的とするとは限らない。
カスパルのいない世界に。
ソマリアランと道を別ち、もう戻ることのない世界に。
大切なものを失い絶望したイングリッドは、願ったかもしれない…全ての終わりを。
あぁ、そうすればもう、誰も哀しむことはない。
皆平等に、無に還るのだと。
…当時はそのようなことなど、考えもしなかった。
だが、手にした情報が一つでも違ったなら?
ないことではない…背筋が凍る思いだった。
現に自分は、テオドールの目的が「人間の支配」であると知ったうえで、こうして仕えていたのだから。]
[自分は弱い人間だと思う。
大切な人を失った。ただそれだけで世界を呪わんばかりだった。
しかしそれは、テオドールが直面した出来事に比べればなんと小さなものだろう。
6度繰り返された絶望と孤独。
その先に、彼は更なる孤独を選ぶ。選ばざるを得ない。
目の前の男は自らを犠牲にして、
この世界の誰にも理解されず、悪と呼ばれようとも、
その道を貫き通そうとする、そんな強さを持つ人間だった。]
[世界を救うために。
ヤコブとの約束を果たすために。
…そのための手段は、きっと間違っている。
けれど、6度も過去に戻り、尽くせる手を尽くした末の結果だろうとも思う。
だから否定できない。
経緯を知らぬイングリッドには、
彼の選択を否定する権利が、ない。]
[全てを知ってしまった。
テオドールが嘘をつくはずもない。
もうこれしか手が残されていないのだとしたら、
…協力するほか、ないではないか。
今までの時間遡行、彼の努力、その人生を無駄にするわけにはいかない。
テオドールが、永久的に人類を支配する未来を…なんとしてもこの時間軸で実現させる。
しかし、それは――…]
[…――それは。その選択は。
テオドールの歩む道、その先にあるのは、永遠の孤独。
多くの人から恨まれ、嫌悪される存在。
だが実際は、彼らの為に生き続ける"門"の番人だ。
誰も、彼に笑顔を向けることはない。
優しい言葉がかけられることもない。
決して報われない、終わりの無い人生。
その選択で、たしかに"世界"は救われるかもしれない。
でも。
テオドールは決して救われない。
それは本当に、最善の選択なのか―――?]
[…結果として。
これからも傍に――その願いは許された。>>*13
そして、この先も女として扱うつもりがないと言い渡され、
イングリッドもそれを受け入れた。>>*16
――テオドールの為に戦う。
この命が尽きるその時まで、と。
……小さく、微笑み返した。]
/*
こんな感じのを昨日すでに書いていたのだけど、
イングリッドがというより、PLが悩んでついに投下できなかったという(
このタイミングで裏切るのはありですか、ないですかねw
ずいぶん悩みました…これを書かなければ白ログ進まないという残念な僕です…
しかし昨日は酷い。灰一つ落としていない。リアが死んでたw
職場変更がわかった時点で辞退すべきだったのかもしれないけれど、
流石に開催ひと月前にキャンセルは申し訳なくて…設定相談も進んでいたし…
/*
ひと月前切って、だな。
ところでシェットラントありがとうありがとう!
素晴らしい拾い方に僕は感動している!!!
ほんと、同村者さんに救われるよね…
―半島南部への帰還―
[連れてきた魔物の半数をカレン包囲軍とし、残りは魔都モーリスを目指し南下する。
一時的な帰還を選んだテオドールに、イングリッドも従った。]
うん。わかってればいいんだ。
まあ、今回のことは俺も止めなかったんだし……。
[僅かに反省の色を見せる。
だが実際のところ、ヤコブの取った行動は正しい面もあるとの考えに揺らぎはない]
無茶じゃなくて無理か……。
うん、そうだね。
それほどに魔王の力は強大だ。
[続く言葉に頷いて]
ん、止めるのは任せて。
とある人に、いい方法を伝授してもらったんで。
[そう楽しげな口調で告げる]
[…全てを、知ってしまった。>>3:267
彼の過去、歩んできた道程、……真の目的。
全てを明かされ、それでも共にありたいと願うと、
テオドールはそれを許し、これまで通り一人の部下として、駒としてイングリッドを扱う事を告げた。
――もちろん、異存はない。
過去に彼が"イングリッド"とどのような関係であったとしても、
この時間軸のイングリッドは最初から、彼に"仕える"存在だった。]
― ソマリアードの竪琴演奏 ―
1.気分気侭に
2.適当をぶっこく
3.楽譜は読まない
4.即興で適当にうたう
つまり:超適当
[物思いから覚めたのは、使いに出していた一羽の鷹が戻ったから。>>59]
…随分と遅かったじゃない。
そんなにファミルは隠れるのが上手かったの?
[カレン上空で情報を集めながらでいい、ついでに探せと命じていた。
彼が裏切る様子がなければ構わない、と。
…だから、実際の接触は戦闘の収束後だったのだろう。]
[予感はあったのだ]
……そうもいかん事情があって……な。
[彼の遺言めいた言葉が胸に蘇る。
あの時、自分は彼の身体を心配はすれど、一度も一緒に見届けましょうとは言えなかった。
彼がどんな覚悟をして自分を訪ねてきたのか。
そう考えると、口に出来る言葉ではなかった]
[きっと前を見据える。
今の自分にはローズマリーを護る使命がある。
とても長々と物思いに耽られる状況ではない。
だから、生まれ育った大事なこの街を。
ローズマリーを。
そして最後までヤコブが作る未来を一緒に見続けてゆくことで、手向けにかえよう]
― ぶっちゃけるとさー ―
[どこかのやっすい居酒屋にて]
……ん、ぼくが吟遊詩人やってる理由?
そーだねー。
昔は、それはそれは歌とか音楽とかはだいっきらいだったね。一音外せば叩かれるし(風の鞭で)、遊びも許さない完璧ななんとやらーとかいわれて窮屈でさー
[さらにメッセンジャーとして託された歌がいろんな意味でげろ最悪だったのもあって、ものすごーくやだった]
でもね。うん、比較的ご近所さん(きみんちだよ)で、子供が生まれる時に、子守唄の練習をおくさんがなさっててね(きみんちのおかあさんね) それを聞いていると、ああー、ああいう風に落ち着く曲ならいいや、ってやつ。
ちょっと考え事とかしているときも手元にあると落ち着くんだよね。まさか今、これでお金を稼いでいるとは思わなかったよ。
[よっぱらは口が滑らかだった*]
[籠手に鷹を止まらせれば、思考へと直接流れ込んでくるような伝言。>>59]
…あの子、いつの間にこんな堅苦しい言葉覚えたのかしら。
[まぁ何にしろ、役に立ってくれるのなら構いはしない。
…魔法の理論には詳しくないイングリッドのこと。
鷹にかけられたものがファミルの使わない論理魔法であると気付くはずもない。]
…それよりも、大事なことは。
[伝言の中身だ。
行軍の最中ではあるが、テオドールの元へと馬を進める]**
テオドール様、ファミルから伝言が。
ソマリアランが帰還したようです。
騎士団の指揮を引き継ぎ、カレンを仮の本拠にすると――
/*
私も自分がソマリアードかソマリアランだったのかわからんくなってきたwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
― モーリスへの道中 ―
[ うたた寝から目覚めた。
鉄を張った馬車の中、鞘におさめた剣を抱えたまま、
ゆるく首を振って、ここがどこかを思い出す。 ]
/*
がんばれイングリッド!ww
ここまで方針が決まってなかったのか!!www
さて、ラブレターどうしよっかなー←
赤ログみえないから齟齬りそう
[ 口元を隠して咳をし、こめかみを揉んでいたら、
外からおずおずと声がかかった。
指先で窓を開ける。 ]
イングリッドか。
[ 馬が近づき、その姿が覗く。
報告>>76を聞いて、しばし考えた。 ]
[ 「ソマリアランが帰還」?
アランならば、テオドールがこの手で倒した。
背を貫く致命傷の感触も思い出せる。
しかし、あれは対外的には「ソマリアード」ということになっていた。
……ということは、帰還したソマリアランというのは、
「目覚めたソマリアード」ということなのか? ややこしい。 ]
……面倒くさい双子め。
[ 小さく呟いてから。 ]
ペンホールズのクロイス邸を探れ。
「眠っているソマリアード」が、現在どうなっているか、確認せよ。
本宅に居なければ、別宅も全て確認しろ。
もしも「居た」ならば、処理して構わん。
[ 事情を問われるようならば、中へ乗れ、
とイングリッドを促す。 ]
ソマリアランは俺が殺した。
騎士団指揮をしていたのは、あれはソマリアランだ。
指揮の手腕など、アランにしては卓越し過ぎていたように思うが、
俺が戦ったのは間違いなくアランの方だ。
……だと思ったよ。
まーったく、この。
無茶しいどもめ。
[は、と息を吐いた後。
ずっと言おうと思っていた事を、ようやく突っ込んだ。
人の事は言えた義理じゃないのは棚上げどころか大遠投している]
[ イングリッドに3秒をやった。
「ただの女」から、「魔王の配下」に戻る為の時間だ。
その猶予を与えてから、
「男と女の話」ではなく、「作戦会議」を続ける。 ]
指揮官がアランだったのならば、アードはまだ眠っている可能性が高い。
……そう考えると、実に単純な影武者に踊らされていたことになるな。
[ あごヒゲを撫でて考える。 ]
ま、もう時効だからいってしまうとね。
ぼかぁ、魔術もちょっとだけ使えるんだ。
[いちおう世間的には、外国に留学していたけれども、見込み無しで返されてきた、さらには学舎入りしたら問題起こして一ヶ月でかえってきたということになっているのをさらりと訂正し]
寝ているときだけ、アードが何を考えているのかわかる、って魔術なんだけれどもね。
もちろんアードも、ぼくが何を考えているのかわかるし、寝ているときだけ好きなだけお話できる。
アードはずっと寝たままだったけれど、ずっとぼくにアドバイスをくれていたんだよ。ぼく一人の力だったら、あそこまで無茶で押し通せないさ。
[まさか今もどっちが死んだである種の混乱があるとは知らず、双子の秘密を明かした]
こちらとしても、剣の達人ではあっても放蕩者の弟よりは、
騎士団長である兄が死んで居る方が、対外的に都合が良い。
わざわざ訂正するつもりはない。
[ 剃る時間もなかった無精ヒゲは、随分長くなった。 ]
双子の入れ替わりは恐らく、アランの発案だろう。
そういうことを考えそうな奴だ。
そして、このタイミングで「ソマリアラン」を名乗る者が現れるのだとしたら。
……それもアランの遺言した策略の可能性がある。
むざむざと乗ってやる必要はなかろう。
……にしても、無茶だろ。
いや、必要だったのはわかるけど。
[は、と息吐き、軽く頭を掻いて]
ま……なんにしても。
慣れんあれこれ、お疲れさん……。
……そろそろ、戻りましょうか。
あなたのお陰で、だいぶ屍鬼の姿は見えなくなりましたし、後は騎士達でなんとかなると思います。
だから戻ってゆっくりと休んでください。
……この街を救っていただいて感謝しています。
[すでに平原での戦闘も終了し援軍が出ていたのだろう。
混乱がだいぶ収まりつつある、カレンの街を後にしてローズマリーを送り届けた]
[テオドールの馬車に近付き、そっと声をかけるとすぐに返事が返る>>78
面倒な双子だという言葉に同意しつつも、続く指示には疑問が湧いて]
…ソマリアードが、ですか?
それは一体、どういう…
[馬車内へ、と促され、
密かに告げられたのは”ソマリアラン”の死>>79。]
色々考えたけど、なんでシェルティがこんなすぐバレる嘘を言ったのか分からないwww
ごめんねごめんね、乗ろうにも稚拙すぎてwww
>>+35
おお、ありがとうありがとう。
ほんとアードは何故あれをできたのか、と。
肩が凝って仕方がなかったよー。
[まぁもう凝るも何もないのだが、とのびをしてみせて]
無茶だけれども、自分のためさ。
後悔はしていない……疲れたけれど。付き合ってくれたアードのほうは未だ寝てから起きないけれど……
[そう肩をすくめ]
親父殿がアレだったら、せめて代理できるひとがいないとうちは円卓会議しているうちにペンホールズ防衛戦になっていたからねー
でも結局、ぼくはどこにいってもぼくでしかなかったな。
[結局、最後は自分でサシで決めようとしてしまったし]
― カレン ―
[戻れば、主だった騎士らの会議があったらしい。
シェットラントはそれに参加していない。
代わりにヤコブから、あらましを聞いた>>37]
ポータル?
[幾つかの伝達の後に飛び出た単語に、眉を顰める。
随分大掛かりな魔法だ。難しい顔で、ヤコブを見返した]
作ったことはない、が…。理論は学んでいる。
試すのは構わないが、時間が掛かるな。
[相応の準備と手間が掛かると、ヤコブへ告げて]
……ふん。そうだな。
[ただ。彼の言い分にも一理あると苦笑する心地で頷いた。
このままではいつ門に辿りつけるかも分からない。それでも、]
[魔王の言葉は続く。>>81>>82]
…なるほど。
どちらにしろ、死んでいるのはソマリアランの可能性が高い、でしょうか。
しかし確かめなければ、なりませんね。
ご指示通り、ペンホールズへ向かいます。
[表情は変えず、表向きは冷静に。
来た道を戻るべく、魔王の馬車を後にした。]**
[ウェルシュの亡骸と共に、可能ならば屍鬼にして戦場に立たしめよ、というテオドールの意向が届いていた。>>18
屍鬼にするのは難しいことではない。
だが、生前の彼に等しい戦闘力を与えるには、これまでの屍鬼化魔法では無理だ。
以前、俊足だったという男の死体を屍鬼化したことがある。
他の屍鬼となんら変わることのない鈍い動きしかしなかった。
弓の名手だったという男の死体を屍鬼化したこともある。
弓を握らせることはできたが、その使い方を思い出させることはできなかった。]
覚えているか?3年前のあの時のこと。
あの男は確かに「二度と門に近づくな」と言った。
つまりはそれが、鍵なんだろう。
[結局のところ、門を目指すことは最優先だ。
3年前の脅し>>0:406はそのまま行くべき場所を指し示す]
承知した。ポータルを開こう。
一度ペンホールズに戻らせてくれないか?
万全の準備で臨みたい。
[戻れば魔術書も存在する。
つまりそれだけの術だとは彼へと示し、]
…、ああ。お前みたいな無茶は俺の趣味じゃない。
目処がついたら連絡をする。
それまで、こっちは任せた。
なに、心配は無用だ。
…───俺に出来ないわけが、ないだろう?
[その先の心配も承知は無論していたけれども。
常の華麗な余裕の顔で、頭を下げる彼へと笑ってみせた*]
何かあれば、いつでも仰ってくださいね。
…たとえこの身は離れていても、心だけはお傍に。
[かける言葉は以前と同じもの。
――部下としてお慕いしている。それでいい。]**
ああ。
お前の能力と、情報収集力は貴重なものだ。
頼りにしている。
[ イングリッドの方は見ずに、そう言った。 ]
― カレンの街・夜が明けたあと ―
[戦いが終わり、人々がようやく一息ついたころ。
リエヴルの愛馬は、街からも戦場からも姿を消していた。
一番に騒ぎ出すはずの彼の部下たちが静観していたから、特に触れられないままとなる。
やがて夜が明けて、日が高く上るころ。
黒馬は空の鞍を載せたまま帰ってきた。
鞍袋に白い花束と手紙を入れて。
手紙はリンドブルム家の長女の手によるものだった。
それらは開封されることなく、棺に入れられることとなる。]
[もうひとつ、ウェルシュとは別個に届けられた亡骸は、老人のものだった。>>25
新旧含めて体中の刀傷と、火に爛れた皮膚。
腕も胴体も切り離されている。
墓から掘り起こしてきたという古さでも雰囲気でもない。
最近の戦死者だ。]
…この者は一度、屍鬼になっていますよ。
[老人の顎を抉じ開け、黒ずんだ舌の色を確かめて呟く。]
だが、これしきの損壊で動かなくなっている──
[浄化魔法に晒されたなら灰になっているだろう。
そうではないとすれば、これは、]
なんらかの力を帯びた武器で斬った、ということですか…。 >>3:73
[呪われて人の世界を逃げてから、考えを独白する癖がついたようで、今も我知らず、死体に語りかけるようなシチュエーションになっていたけれど、むろん、死者は返事をしなかった。]
わたしの要望に応えて、閣下がわざわざ取り寄せた「縁者」です、有効に使わせてもらいますよ。
[今は、塩漬けの防腐処理を施して馬車に積み込んだ。]
それにしても…、
閣下も剣の鞘からいきなり生まれたわけではなかったのですね。
[3年前に進攻を開始した時点より過去は、どこで何をしていたかも判明していないテオドールのこと、
縁者だという死体が実際に運ばれてきてみると、不思議な気がする。]
/*
テオテオには萌えるところしかないwwwwwww
おっさんが、わたしはおまえのむすこだ!っていうシチュエーションだけで萌えるわwwwwww
……ま、そこは。
お前がお前だから、ついてきたって連中もいるだろうし。
……結果はともかく、悪い事ばっかりじゃなかったと思うがな。
[最後のあれこれ、思う所はあったし、思いっきり馬鹿呼ばわりもしたが。
同時に、らしい、と思っていたのも事実だったとか]
/*
あれ? と思ったらやっぱり誤爆だったか……wwww
しかし、言いたい事ようわかる、わかる。
そして、こんにゃろ、狙ってなかったとはいわんがあえて表に出さんかったことをやってくれやがってこのwwwwww
― カレン ―
[ローズマリーを送り届けたると、よほど疲れていたのだろう。
寝られる場所に辿り着いて寝転ぶと、次の瞬間には眠っていた。
起きだすと真っ先に側にいた騎士に、リエヴルの居場所を尋ねた。
彼にもう一度会って起きたかったのだ]
― ぶっちゃけられたりしたとさ ―
[居酒屋、それはすばらしい店だ。
酒も料理も食べられない事がないわりに安い。>>+23]
お前、なんで吟遊詩人なんてやってんの?
いやまぁ、お前見てると天職だろって思うけどさー。
[何気なく話しをふった。切欠は何だったか、おっさんが突然泣き出してからまれたのを、ソマリアランが歌と物理の力で黙らせた事だったか。]
お、おう…
なんだ、なんていうか…お前の先生、鬼畜だな…。
遊ばない歌と音楽って何だよ。
[歌とか音楽が大嫌いとか。
半分はエルフの身にとっては、歌も音楽も比較的好きだった。その理由が当社比楽に恩恵を得られる手段だからであった。
ちなみにファミルは歌が上手ではない。ファミルの歌でテンションを上げたのは幽鬼とかそのへんである。]
へぇ。
子供がね……子守唄、か。
[感慨深いのは、母(と、別の誰かと言う名のにーちゃん)の歌を思い出すからか。
歌が苦手でちょっとばかしアレでも、それだけはなんとか調子っぱずれにならずにすんだ。笑われたくなかったからだ。]
……………。
殊勝なこと言うつもりねーけど、お前の歌は金払ってもいいもんな。
[歌とは単に美声がそれを決めるのではない。
回りの精霊を見ていれば、解る。この男がどんな即興を歌っても、きゃっきゃとゆかいそうに騒ぐのだ。
そこまでは言うつもりはなかったのだけど、このドけちに価値があると言わせただけでも伝わってしまったかもしれない。*]
−死すべき時−
『人は誰しも死すべき時がある
それを采配する鎌はいつだって不平等で、唐突だ。
だからこそ、命とは大事にしなければならないよ。ウェルシュ』
[そう語った兄は、一般に立派、と呼ばれる人だったのだろう。
いつも僕の頭は彼に温められ、ぬくぬくとしていた。]
−兄とのさようなら−
[反対に自分という人間はきっとどうしようもなく性根から狂っていた。ただ血を流し死んでいくそれらが途方もなく愛しく、病弱で動けぬ兄の血潮がまだ鼓動を波打つうちに自分は彼を綺麗にしたかった。]
…っぁ、はぁっ
[だが初めてだった。犬や猫を初めて殺した時以上の快感を得たのは。そして、それ以上の絶望を得たのは。
それをウェルシュ少年は輝きのない、生きて抵抗する術のない物を殺したところでつまらないのだとただ解釈した。兄は輝いていたというのに。誰よりも、誰よりも輝いていたというのに。]
[人生、最初で最後の涙だった。そのいっとき、彼はただ兄の弟であり、人であった。
それももう、狂った心を前に忘却の彼方である。何故ならば彼は、それを哀しいと同情する術もないほど、同時に興奮を得ていたのだから]
―少し前・ペンホールズ―
[馬を駆り、カレンを過ぎて、ペンホールズへ。
夜遅く、真っ直ぐに向かったのはクロイス邸。
隠れもせず、正面から堂々と訪ねる。
イングリッドを出迎えたのは一人の女性だった。
情報屋が再び顔を出したなら捉えよと、"彼"は騎士団に命じていたが、
彼女は息子のかつての恋人の顔を、よく覚えていた。]
−まどろみ−
んー
[だが果たして、目を覚ました男は死ぬ寸前のそれとは違っていた。目をこすり、辺りを見回し、誰も知らぬ人がいないとわかると不安に顔を歪める。そんな子供の精神だったのである]
どこ?
[死んでいるとも知らず立ち上がり所在なさげにズボンをぎゅうとつかむ。今にもその両目は泣き出しそうに潤んでいた]
[イングリッドが彼女に対して敵意を持っていないことは伝わっただろう。
――ただ、知りたい。それだけだと。
双子の母親に案内された先、ベッドに横たわるのは蒼白な顔をした男。
眠っているのか、死んでいるのか。やはり呪いは解かれていなかった。
…触れて確かめようとは、思わなかった。
生死について、訊ねることもしなかった。
しかし、一つだけ確認を取る。
その答えを聞いて、静かに目を閉じ――]*
― モーリスへの道中 ―
[ テオドールが乗る馬車は、夜間は魔狼が引き、
昼間は馬が引いた。
足の遅い魔物は置いてゆく。どうせ、次また進行する時は足手まといになるのだ。
ならば、遅い者ほど、カレンに近い拠点に置いておく方がいい。
自然、テオドールの傍は、狼乗りや騎馬が中心となった。
ベリアンが望むようならば、彼も馬車に乗せて。 ]
[教えられた場所に向かうと、リエヴルは静かに棺の中に収められていて、彼を惜しむ人々が思い思いに彼とのお別れをしていた。
棺の前まで行くと、じっと彼の顔を見詰める。
相当の出血をしたのか、彼の身体の半分は赤黒い色に染まっていて、戦闘の激しさを物語るようだった。
遺体のまわりは、時節柄か色とりどりの美しい花が飾っていた]
[ 途中、小さな村に寄った。
行きは横目に通り過ぎたティレルだ。
住んでいた村人が退避した後は、ゴブリンなどの住みかとなり、
見る影もなく荒れ果てている。
テオドールは馬車を止めさせ、外へ降り立った。 ]
……。
[ ある小さな一軒を見上げる。
そこもまた、他の家と同じく汚物とゴミで汚れていた。
しかし、元は質素ながらも居心地よさそうな家だった。
植木の一つ、飾りの一つもないから、女手はなかったのだろう。
庭には、使い古されている藁の剣術練習人形があった。 ]
―???・???―
…シェットラント・シンクレア。
あなたに一つ、頼みがあるの。
―――ヤコブ・バルドのところへ、私を案内して。
[ゆらり、薄暗がりから、フードを被った人影が姿を現す。
…騎士団の若手、シェットラントがペンホールズを訪れていたのを知ったのは偶然だったが。]
[さて、この青年はイングリッドのことを覚えていたのだったか。
イングリッドが、彼の敵に与する者であるという情報を持っているだろうか。
怪しげなこの頼みに、聴く耳を持ってくれるだろうか……
…どんなに優秀な情報屋とて、人の心までは知ることができない。]**
ふふ、ふぁみふぁみがそんなことをいうなんて…
まさか新しい商売ちゃんすが巡ってきたって話かい!
[普通に褒めているところを力いっぱい茶化す。それはもうとても楽しそうに]
ふぁみふぁみもやってみればいいよ。
いいぜー、吟遊詩人
謳ってウケれば懐もうるおうし心も潤う
さらに金持ちとコネをつくればおいしいものもじゃんじゃんうはうは!
場合によっちゃ王城とかにも上がれるぜー
是非1度歌ってみてよー
[そしてその歌を聴いたとき、君は死霊魔術がむいている! と思ったがさすがに臭い魔術を人に勧めるのもどうかと思ったのでやめておいた*]
― カレン・進軍準備中 ―
[当初からずいぶんと目減りした騎士団だったが、シンクレア卿ら古株の騎士たちの手腕もあって、再び部隊としての形を整えつつあった。
攻城兵器の準備も行われ、投石機や攻城塔などが移動・組み立て可能な形で用意されていく。
これらの製作には、船を焼かれて怒り心頭となっている一部の船乗りたちが積極的に協力してくれていた。
減った人員を補充するために民兵の募集も行われたが、戦力となるにはしばらくかかるだろう。
もとより騎士団としては彼らに直接戦わせるつもりはなく、後方支援の人員としての役割を期待していた。]
― カレン・魔女最期の戦い(続き) ―
[魔王――テオドール・グラムワーグ。
傲岸にもグラムワーグの名を名乗り、
魔物を従えて、新たなる伝説を世界に誘いし男。
魔女は彼のことを、よくは知らない。
3年前の遠征には同行しなかったし、
帰ってきたヤコブらは言葉少なで、詳しい話は聞けなかった。
だから。
戦場を駆け抜け、その人を目にした時―――二つの驚きに遭遇した]
あんたがぁ…知るぅ、未来?
キアラが生きて、それって、
[まだ娘が生きていた頃。
…――魔女が夢見ていた未来のカタチだ。
娘の成長を見届けて。
娘に想いを託して。]
…、っ、は、ぁ。
[まだだ、まだ。
翠の双眸に戦意を失わぬまま、必死で魔術を撃つ。
術の構成を練る度に、触媒が減ってゆく。
纏う光輝が弱くなり、躯が少しずつ幼くなる。
最期に編んだ魔術の炎弾が、魔王の眼前…彼に届く前に
ぱちり。と無念そうに弾けた。
此処までだった。…もう、届かせることすら出来ない。]
― カレン市街 ―
[どれだけの間そうしてカレンの街中を歩き回っていただろう。
体力もまだ回復しきっていない中で歩き回っていたため、また疲れが出てきた。
広場の一画に座れる場所を見つけ、そこで一旦休息する]
はぁ……
…みんな、だいぶ参っちゃってるなぁ。
[騎士団は未だ結果を出せていないと言えよう。
街の人達が苛立つのも無理は無い。
喉の痛みに笑みを浮かべられずに言い回っていた説得も、どこまで効力を持つのやら]
……わ─── っ、 けほっ!
[歌で少しでも人々の心を宥めようと口を開いたけれど、喉の痛みが邪魔をした。
再び歌うためには今しばらく喉を休めなければいけないらしい]
──は。
…無理、しすぎちゃったな。
[右手で喉を撫でながら呼吸を整える。
昨夜、歌い続けることでカレンを救うことが出来、シュテルンにも感謝>>84されたけれど。
その代償は存外大きいものだった。
光魔法の触媒も使い果たしてしまっている]
足手纏いにはなりたくない、けど。
[戦場に出ないと言う選択肢は取りたくない。
いざと言う時に歌うのはどうにか可能だろう。
それまで、歌わず休ませておけば、の話だが]
― とてもゆるいぐらさが 光の魔法 ―
ろーずまりー
「にさんかちたん! きん! ぎん! におぶ!」
屍兵
「やめて! 光酸化反応で臭いから分解しちゃう><」
− モーリスへの道中 − >>109
[途中に手勢を残してゆくから、テオドールの馬車に従う者の数は徐々に減っていった。
ファミルは戻らない。
ウェルシュは死んだ。
イングリッドは密命を帯びて出かけた。
事情を知らなければ、凱旋の軍には見えないかもしれない。]
>>+63
ご先祖さまが、かぁ……
「いつか」来るっていわれれば、そりゃいつかに備えるよね。
リエヴルは、それを自分の代で終わりにしたんだね。
[そして彼には子供はいないから、そうぽつりと呟いて]
うん、ウェルシュがいる、って話を、イングリッドから聞いていたんだけれども……
ま、ホートン砦の話は聞いたよ。イングリッドがもたらした情報がアレで、ぼくが帰ってくるかも、みたいな話もあって、砦の門開けっ放しにしていたらそりゃー、もう豪快にいろんな魔物がやってきて門がいきなり破損したりしたと……
アードは早いうちから彼女は敵と内通しているって見抜いていたんだけれど、正直ぼかぁ半信半疑でねぇ。直接会ったら、黒だなー、って思って、捕縛命令を出したんだけれど。敵の情報教えろ、でちゃんと出すもの出していたんだなー、って。
[元々リエヴルにとっても彼女は後輩だ。昔アランの恋人X号だったというのはご存知だろう]
おお!
[>>+61奇怪な音楽だった。いや、綺麗な竪琴ではあるのだが。そしてまたそれが子供心をくすぐり、顔がぱあっと輝いた]
すごーい!
[触りたいと素直に手を伸ばす。多分この男の腕力では握った途端ぼきりといってしまうだろうが。]
[ベリアンがテオドールの馬車に向かったのは、「不滅の魔王」の話をするためであった。
目指す魔王の鉄の馬車は小さな村に停車しており、テオドールは戦災にあった軒先に佇んでいた。>>111]
──、
[そぐわない、のではない。
隔てられてしまった何かが残る場所は、そこにありながら帰れない場所だ。]
[
竪琴は消耗品である。
たとえば物理で殴ったり殴ったり、時々弦が切れたり歪んだりもらったり、物理で殴ったり殴ったり
このへんが理由だ。
いいんだ、優れた吟遊詩人は楽器は選ばない!]
― カレン・広場の一画 ―
[瞳を閉じてこれまでを思い起こす。
開戦してからこれまで、多くの者が死んだ。
ガートルードもリエヴルも、死の際を見てはいないが、死の瞬間と想いは感じ取った。
託された
[ラクシュはしばらくおとなしく撫でられていたが。
不意に背中へと促すように頭を後ろに向けた]
……お前。
ご主人様の代わりに、俺と一緒に見届けるかい?
[僅かな沈黙のあと再び口を開く。]
じゃあ一緒に行こうか。
望む未来を目指して――
て、テメェ…俺が珍しくッ…ぐぐぐ……!!
[珍しく褒めたと思えばこれだ!>>+52
だから嫌なんだクソックソッと悪態つきつつ、両手をぎゅっと握ってぷるぷるする。
その「ウケ」るのが問題なんじゃねえか!とは言えなかった。
だってお年頃なのである。]
ぐ……ぐぐぐ………お、俺はうたわn
[何かもう歌わなきゃいけない雰囲気になっていた。
泣く泣くすぅっとくうきを吸って歌い出した時、そのへんの幽鬼たちはテンション上がってポルターガイストをおこし、少し年代物の幽鬼は『あの伝説のライブに再び参加できるなんて…―』などと口走り、物理で黙った酔っ払いが起きて鬱々しい顔で帰っていったのである。
死霊魔術とか言われたらきっと闇堕ちしていただろう。きっと。*]
……俺について、聞きたい事があるなら、聞け。
話せることならば、話してやる。
[ 抑えてはいるが、焦りの色が零れた。 ]
おう、かぶった。
丁度話したいと思った時に白も来たし、
なんというかバイオリズムが合うな。
↓書きかけてたログ
[ 連絡や指示がひと段落つき、久しぶりにゆっくりと食事をとる時間が出来た。
ふと、思いつきで食事の席へベリアンを呼んで見る。
野外であるから、全ては略式だ。格式張らなくていい、と伝えて。 ]
人間の料理人に作らせた物だ。
魔物の食べ物は……他になければ食うが、進んで食べたい物でもないのでな。
[ そして、時間を無駄にせず本題に入る。 ]
― ふわふわしていた所に ―
[ああ、あれ懐かしいな、と。
庶民的かつこれを超絶技巧で弾きこなすにはそれなりに熟練しないといけないアレを聞きながら、ぼんやりした目でソマリアランを遠巻きに見る>>+61。
だって近くに明らかにこれは強い騎士>>+64ですむしろ腕のなんか籠手っぽいやつに酸投げつけたあの騎士っぽいしバレてたらシメられるとかなんとかかんとか。決して小心者なのではない、これは戦略的撤退とかそういうのです。]
物理の力ってすげー。
[今じゃちょっと触っただけで竪琴をぼっきりやりおるんだと。
竪琴がばきっといきやがった。>>+67
あれも近づいたらアカン生き物だ、気づかれないように空気と化すしかない。だってまだ死にたくない。死んでるけど。]
/*
こ、ここまで動かしにくくなるとはっ…!
ローズマリーにシンクロ出来てないなぁ…。
死に際考えなきゃならないこのタイミングでこれは、拙い。
一回寝ればリカバリ利くかな。
明日はほぼ張り付けれるし。
[テオドールの口から研究成果について問われれば、ベリアンの意識は魔導へと引き戻された。>>125
魔王の命の不安を感じさせる話を他の耳目のある場所でするのも避けるべきだ。
誘いに恭順に馬車に身を預ける。]
あっはっは、
いやあ、たのしいなあ思春期! 歌を恥ずかしがる時期
みんなあるらしいねー
[そしてこの男になかったのは恥を恥と思ってなかったからだ!]
すごいじゃないかー! ファミファミ! 今のお年寄り(幽鬼のことである)が大うけするなんて、いよー、スーパークラシック!
[大爆笑しながら塩まきのお手伝いをすることになったのであった*]
ミシェイル!
[深緑の鱗が陽の光を弾いてきらめき、長い尾がくねる。
笛に呼ばれた飛竜は、呼んだものの前に滑らかに舞い降りて、いきなり蹴りを食らわせた。
飛竜は、激怒していた。
それはそうだ。ペンホールズからわざわざ飛んでくる途中、嫌な音を散々聞かされていたのだから。]
くっ。よくもやったな!
[蹴り飛ばされて凹むようなヤコブではない。
怒り狂う飛竜相手に、素手で取っ組み合いを仕掛ける。]
いえ…、
死霊魔導士としてのわたしは、今の状況に満足しております。
閣下を問いつめるようなことは何も。
けれど──、
ずっと、あなたを見てきたベリアンは、憂いております。
…あなたは、幸せになりたくて永遠を望むのではないのですね。
[翌日。
再びミシェイルを呼び出して2回目の戦いを挑み、KO負け。
まったく懲りずに夕方もう一度呼び出し、今度は惜敗。
さらに日をまたいだ朝。首にしがみつき背に乗ることに成功するも、あっさり振り落とされる。
本当の意味で空を飛んだのは、その日の昼だった。]
[ヤコブが空き地に現れると同時に、笛を待つことなくミシェイルが飛来する。
口には大きなブラシを咥えていた。]
なんだよ。鱗磨けってか?
[そうだ、と言うような竜の目に睨まれながら、持参のブラシで鱗を磨いてやる。
暫くあちこちを磨いてやると、やがて気持ちよさそうな顔で竜は姿勢を低くした。
地面まで下ろした顔をこちらに向けてくる。]
……乗っていいのか?
[なんとなく許された気がして、竜の上に跨る。
と、ミシェイルは首を持ち上げ、翼を大きく広げた。]
[体が空へ引き上げられ、風景が後ろにすっとんでいく。
強い風の中、ゆっくり目を開けば、見たこともない光景が広がっていた。
遙か下に見えるカレンの街。
周囲に広がるのはセッペルト半島の大地。
北を見透かせば大山脈が聳え、
南を見れば深く濃い森と山々が見える。
その向こうに、門があるのだ。
いつか、必ず。
決意を新たにして、ミシェイルと共に元の場所に戻る。]
[>>+69して、竪琴は小気味いい音をたてて真っ二つに折れた]
あ
[だがそこは破壊神。精神は子供といえどちょっとした破壊ではなんのその。悪気もなく壊れちゃったと呟けばぽいとそれを放ってしまった。]
…!
[次に楽しい物はないのかと見上げる視線はあくまでも純粋に輝いていた。]
……。
[ 人間というのは……イングリッドもそうなのだが、
時々、テオドールを面食らわせる。
力こそ全て、悪こそ喜びとする魔物とは違う。
彼らは彼らの理由があって、魔軍に居るのだなと思い出す時である。 ]
幸せか。
望んではいないな。
[ ベリアンの言い回しは、テオドールが自問するときのやり方を思い起こさせた。
魔王はこちらを望む。テオドールはあちらを望む……そんな風に自分の中で意見が割れた時は、いつも「魔王」を優先してきた。 ]
……お前は、人を幸せにするために死霊術を磨いているのではないか?
[ 時折感じていたことを口にする。
ただ異端なだけで、一途でまっすぐな探究者。 ]
― カレンにて>>103 ―
3年、か…。あっという間だったな。
[あれから、と。ヤコブの言葉>>103に頷きながら、ふと思う。
あの時の衝撃は、シェットラントにとっても転機であった。
───騎士であること。それを強く思い直したと言っていい。
その前年、あの忌まわしい事件でキアラを失った。
それから暫く、それに心囚われていた青年に再び前を、
大切な目的を思い起こさせたのは三年前のあの事件が切欠だ。
或いは、ソマリアランはそれも見抜いていたのだろう。
気にかけてくれていたのだと、改めて思う。
また、その想いに報いなくては、とも]
なに、『使用期限』?
[思いがけない言葉にはっとして息を呑む。
半ば以上消え失せた鎖の文様に、軽く声を失った>>104]
これは───、思った以上だな。
[減りが激しい。
当人も分かってはいるようだが、
果たして戦いの最中にどれほど減りが押さえられるか]
分かった、こちらの準備を急ごう。
ポータルは──…カレンから開く。それでいいな?
[恐らくそれが一番無駄がないと結論付けた。
ヤコブを一々呼び戻すのも、また困難だろう]
ああ、そうだ。こちらからも報告があった。
[話し終え、ついでとばかりに声を上げる。
先の、鷹に託した伝令>>59の件を彼に話した]
さしたる効果は期待出来ないかも知れないが、
単純な分、何かの動きを呼ぶかも知れない。
間諜が他にも紛れ込んでいる可能性もあるけどな。
じゃ、また。行ってくる。
[言葉を切り、短い挨拶を置いて彼に背を向けた。
気をつけろとも無理をするなとも言わない。
それは分かり切っていることだったし、その程度の信は置いた。
ペンホールズへと向かう。思いがけない再会が待っていた*]
ん、ちょっと喉の調子が、ね。
でも大丈夫、もうしばらく休めば歌えるようになると思うわ。
[体調については否定せず、問いかけに頷いて見せる。
ただ、続けた言葉は希望的観測に過ぎなかった]
ヤコブこそどうなの?
随分身体動かしてるみたいだけど。
[街外れのこととは言え、竜が舞い降りるのはとても目立つ。
取っ組み合いまでしていた>>128と聞けば、怪我の心配も出てくると言うもの]
/*
気を使わせたかな、ごめんね、ありがと>ヤコブ
どうしようかな、生死不明狙いたい気がしてきた、けど。
良い方法浮かぶだろうか。
わたしには人から隔離すべく呪いが施されています。
閣下には、効き目がなかったようですけれども。
[その強さがどれだけ救いであることか。]
/*
わかいこらは本気でかわええなぁ、もうwwwww
というか、うん。
ラクシュはできれば若人に託したかったから、すっげぇ嬉しい俺がいてますw
それもあって、シュテルンに色々吹っかけたわけだからなぁ……www
― カレン・広場の一画 ―
そうか?
あんまり、無理すんなよ。
[大丈夫、という幼馴染に心配の目を向ける。]
おまえの歌が大好きですー、とか、
歌声に救われましたー、とか、
そういう連中がいっぱいいるんだぞ?
無理して喉壊したら、連中泣くぜ?
だからさ。しっかり治せよ。
俺も、おまえの歌、好きだしさ。
俺?
[尋ねられれば、いやあと笑って頭を掻いた。]
ミシェイルのやつ、なかなか手こずらせやがってさあ。
でも、乗せてくれるようにはなったんだぜ?
もうちょっと練習したらさ、おまえも一緒に乗っけてやるよ。
絶対、気に入るから。
[ ベリアンの返事はYESでもNOでもなかった。
どんな応えでも、ベリアンを手放す気も死霊術を取り上げる気もなかったが。 ]
[ ……学問は、本来どんな物でも人を幸せにするものだ。
しかし、死霊術を異端と定め、ベリアンが隔離されなければならなかった理由は、
分からないでもない。
死なず、飢えず、報償を望まず、命令違反する事もなく、
戦争が続く限り果てなく補充が効く兵士。
どんな将校でも、こんな部下が欲しいと望むだろう。
……死霊術は、戦争に都合が良すぎる。 ]
……俺はもう、人ではないのかもしれないな。
[ 嘯いて、視線をやる。 ]
世界の支配が叶った暁には、好きなだけ研究に没頭できる環境を、
お前に約束しよう。
その時、死霊術がどう使われようと俺は構わぬ。好きにせよ。
[ 今、ベリアンに与えられる物はないから、
将来を担保にして。 ]
だから、お前は、
俺がこの約束を覚えていられるようにすることだけ、 考えていればいい。
/*
まだ起きてはいるが、こっちは落ちておこう。
しかし、なんというか。
やっぱり、墓下入ると色々と緩むな、俺は……w
― カレン・広場の一画 ―
うん、今は、休んでおく。
[あまり心配かけないように幼馴染>>142には微笑みかけて。
続けられた言葉には、少し面食らったように瞳を瞬いた]
…そっか。
ちょっと、恥ずかしいけど…嬉しい。
ちゃんと伝わってるんだね…。
[嬉しそうに笑いながらしみじみと呟く。
焦燥する街の人を多く見て来ていたため、そんな声を聞く機会が少なかった。
皆の力になれていると思うだけで力が湧いてくる]
うん、きちんと治して、またみんなに聞いてもらわなきゃね。
勿論、ヤコブにも。
[全てを成し遂げて、その上で歌を歌えたならどれだけ楽しいだろう。
想像するだけで心が躍った]
え、もう乗れるようになったの!?
すごーい…。
竜は気難しいところがあるって聞いてたのに。
[問いに返った答え>>143は予想以上のものだった。
ローズマリーは歌で心を伝えるが、ヤコブは拳で想いを伝えるとでも言うのだろうか]
[与えられた担保に、御意、と、いつもの言葉で諾う。]
わたしは、「見出す者」です。
知識を、技術を得ることが喜びであり、それは御し難い欲望です。
今も、あなたの望みに添うことが、あなたを、世界を不幸にすると感じていても、
それでも、実現の方法を求めている。
私も? 良いの?
わぁ、楽しみ!
[竜に乗れる機会など滅多に無い。
空を飛ぶと言うのは未知の体験だったが、ヤコブとならどんなものでも乗り越えられると、そう思えた。
両手を胸の辺りで合わせ、待ち遠しそうに言葉を紡ぐ]
― ペンホールズ ―
[帰りは陸路を採った。
カレンの港はまだ、屍鬼による攻撃からの復旧が半ばだったし、
定期便もあれから運行を止めている。
単騎馬を駆り、北へと向かう。
知らず、イングリッドと丁度同じ道を辿ることとなった。
ペンホールズに着くと、真直ぐに自宅へと向かった。
目当ての魔術書を引っ張り出し、黙々と目を通す。
触媒や呪具を引っ張り出しながら、ふと思う。
こんな時、助けになってくれていたひとがいた。
もう、かの魔女はどこにもいない]
…とはいえ、
[面影にふっと笑う]
弱音を吐いたら、貴方には怒られるでしょうからね。
[彼女の助けがなくともやらねばならない。
一度目を閉じ面影を追って、再び手を動かす]
“人”とは何でしょう。
“人として生きる”こととは。
わたしは、死について研究することで、生を知ろうとしてきました。
──生きている限り、探求し続けるでしょう。
それがわたしの在りよう…、
あなただけが認めてくださった、わたしの生きる意味なのだと思います。
[向かい合いに座ったテオドールの顔を見上げながら、感情を抑えた声で研究の進捗を報告する。]
閣下に飲んでいただく”霊薬”の開発を進めています。
屍鬼から抽出したエキスに、拒否反応を押さえる成分を調合したものです。
それを日々、飲んでいただくことで、生きながらにして肉体を屍鬼に造りかえてゆきます。
屍鬼化した肉体はそれ以上、老いることなく、痛みを覚えることもなく、仮に損壊したとしても、別の屍鬼から部位を移植することが可能です。
記憶の書庫たる脳幹以外は、ですが。
肉体が変化を完了した後も、拒否反応を押さえるために霊薬を飲み続けなければならない手間はあります。
むろん、わたしがいなくても調合ができるよう手順は残します。
それと、身体が完全に屍鬼化すれば、食事をとる必要がなくなると同時に──霊薬以外のものを糧にすることができなくなります。
──これが「不滅の魔王」の基本方針となります。
わたしは、閣下の肉体と意志を永遠に地上に止める代わりに──《魂》を壊してしまうかもしれません。
それでも、 お望みになられますか。
>あなたの望みに添うことが、あなたを、世界を不幸にすると感じていても〜
せやな。
「崩壊」よりは「不幸でも存続」を。
「消滅」よりは「死」を。
願った。
でも、誰も幸せにならないという点で、
このオッサンはどこまでも間違っている。
許す。
[ 知識を渇望することを。
探究することを。
そのままの有り様を、全て。 ]
[ 魔境が近づくにつれて、道は悪くなる。
時折、車輪が小石を踏んで揺れる。
そんな中、テオドールはベリアンの報告を静かに聞く。 ]
[ 老いることも痛みを感じる事もない。
食事を採らず、恐らく眠ることもなく、死ぬ事もない。
それは死んでいるのと同じ。
生きた死者だ。魂の無い、汚れた魔物。
……だが、テオドールは頷いた。 ]
無論だ。
魂などという、形のないものよりも、
俺には、実際にこの手にできる時間が必要だ。
[ 魔境が近づくにつれて、道は悪くなる。
時折、車輪が小石を踏んで揺れる。
そんな中、テオドールはベリアンの報告を静かに聞く。 ]
[ 老いることも痛みを感じる事もない。
食事を採らず、恐らく眠ることもなく、死ぬ事もない。
それは死んでいるのと同じ。
生きた死者だ。魂の無い、汚れた魔物。
……だが、テオドールは頷いた。 ]
無論だ。
魂などという、形のないものよりも、
俺には、実際にこの手にできる力が必要だ。
[ 剣タコのある手を握る。
過ぎゆく時間を捕まえようとするように。 ]
その方向で進めよ。
人体実験をしている時間はなかろう。
形になれば、すぐに投薬を開始して構わぬ。
― ペンホールズ ―
[数日の後。
準備を終えて再びカレンに戻る前にクロイス邸へと立ち寄った。
再びこの地に生きて戻る保証はない。
その前に挨拶をと考えて立ち寄ったのだが、]
ソマリアード兄さんを訪ねて、客が来たと…?
[思いがけないことを耳にした。
イングリッド・ミラン、と。
聞き覚えのある名前に、軽く息を呑む>>107]
― ???・??? ―
[その後。薄暗がりから現れた人影があった>>112
フードを被った姿に警戒の目を向けて、
その下から現れた顔に僅かに目を見張った。
──イングリッド・ミラン。
クロイス邸で聞いた、あの名前だ。
ここで彼女に出会ったのは、さて偶然か。
その場に鷹があれば、より推論の絵は鮮明さを増しただろうけど]
[シェットラントは、貴公子然とした顔に涼やかな笑みを浮かべた。
場違いな笑み───ただ、蒼氷色の瞳は冷えたままに]
あれは、何の役にも立ちませんよ。
[幸か不幸か、イングリッド捕縛の命は耳にしていない。
だから即座に敵意を向けることもしなかった。
よしんば聞いていたにせよ、ここで彼女に剣を抜く気はなかったけども]
― カレン・広場の一画 ―
[幼馴染の体調はやはり心配だったけれども、笑顔を見ればこちらまで嬉しくなった。
街の中で、不満を溜めている人がいることは知っている。騎士団に怒鳴りつけてくる人だっている。
息子を返してと泣くおばあさんに会ったときは、どうしたらいいかわからなかった。
そんな中で、彼女の歌は皆を励ましていて、
それは自分にはとてもまねできないことだと思う。]
はは。楽しみにしてる。
[彼女に、そんな気持ちが伝わっていたらいい。]
ああ。ぜったい乗せてやる。約束するって。
まだちょっと危ないから無理だけどさ。
うまくなったら、すぐに誘うよ。
絶対、気に入るぜー?
[やくそく、と小指を立てて彼女の方へ出し、*笑った*]
―ペンホールズ・クロイス邸―
…彼は、
アードですか?…アラン、ですか?
[訊ねたのは、その一つだけ。>>108
ソマリアードだ、と答えを聞いて、静かに目を閉じる。
あぁ、私は、目の前の男がどちらであって欲しかったのだろう。
――どちらにしろ、そう変わりはしないのに。]
[テオドールに命じられたのは実質、残った双子の始末>>79
…しかし、イングリッドはそれをしなかった。
クロイス邸を後にし、煌々と輝く満月を見上げる。
――双子の母親から聞いた話。
倒れたソマリアードの代わりに騎士団を率いることにしたソマリアラン。
彼が期待を寄せていた騎士団の若手達のこと。
彼が彼女にどこまで話していたのかはわからない。
だが、母親は息子のことをよく見ていた。
彼を他所へ預けていた分を取り戻すかのように、ずっと見守っていた。
そして、彼をよく知るその人は言う。
『アランの意志は、ヤコブという青年が受け継いだだろう』と。]
……アラン。
あなたは本当に、大馬鹿者よ。
[真夜中、外を歩く者は誰一人としていない。
蒼白い世界の中、ぽつりと呟いた声は闇に溶けて消える。
――あの日、
騎士団本部を訪ねた時に会話したのはソマリアランだった。]
…また騙されたわ。
最後まで、本当に酷い人。
[嘘では、なかったのに。
せめて仲直りくらいは、と。>>1:51
あの時、ソマリアランが正体を明かしていたなら、
イングリッドは迷ったかもしれなかった。]
……俺の幸せか。
[ ベリアンの去った馬車内で、ふとつぶやく。 ]
何だろうな。
[ すぐに思い浮かぶのは、両親が共にいた幼少時代、
そして、イングリッドと過ごした穏やかな日々のことだ。 ]
……リッド。
[ 彼女が今、ここにいなくて良かったと思った。
魔王の顔をしていられなさそうだ。
弱い姿は見せたくなかった。 ]
― カレン・広場の一画 ―
うん、待ってる。
[大空から見ることが出来る景色なんて想像がつかない。
やくそく、と差し出された小指>>163に自分の小指を絡め、子供の時のように笑った。
絡めた指ごと手を軽く揺すり、約束の契りとする]
楽しみにしてるからね?
[自分の歌を待ち遠しそうにしてくれる幼馴染>>162と同じように言葉を返し、屈託の無い笑みを*浮かべた*]
[…だとしても、それは既に過去のこと。]
…あなたが悪いのよ。
止まり木を失ったら鳥は、他所へ行くしかないのだもの。
[若木を離れ辿り着いた先は、孤独に佇む古木だった。]
…さよなら、馬鹿なアラン。
……愛していたわ。
[優しい月明かりが、そっと言葉を包み込む。
――最後に一回、心を込めて、別れを告げた。]*
/*
しかしかわいいな
いいねいいね。イングリッド楽しい、頑張れ…
てかこの華やかどころが、本日の纏め落ち か。後は男のみ……
["ソマリアラン"のくれた、最後の言葉に忠実に生きようと思う。
『君が一番大事なものを失うことがないことを願う』>>0:70
飛び疲れた鷹に、羽を休める枝を提供してくれた一本の木。
周囲は不毛の地だったが、その木は必死に天を目指していた。
劣悪な環境で捻じ曲がり、枯れる寸前にも思える古木に身を寄せて…
…そして鷹は知る。]
[…もしアランが本当に生きていたなら、聞いてみたいことがあった。
彼ならこんな時、どうしただろうかと。
"最善"の結果の為に、
―――全てを、知ってしまった。
アラン。もしあなたがこれを知ったなら、どの道を選ぶ…?]
[そのアランの意志を、ヤコブが継いだという。
…ヤコブが。
テオドールを、何度も裏切ったというあのヤコブが。
しかし、情報として知ってはいるが、実際に彼と話したことはない。
ヤコブとは、一体何者なのか。
――会ってみたいと、そう思った。]*
―???・???―
[対峙した騎士の纏うは、氷の如く冷やかな空気。
にも関わらず、その口調は冗談染みていて、>>159>>160]
…そうね、
[シェットラントから、敵意は感じられない。]
お察しの通り、もっと大事な案件よ。>>161
――ただし。場合によっては、本当に恋の相談かもね。
[軽く肩を竦めて、困ったように苦笑する。]
ソマリアランから”鍵”を受け取ったヤコブ・バルドに、聞きたいことがあるの。
……安心して。これは私の独断よ。
テオドール・グラムワーグに指示されたわけでもないし、
報告するつもりも、もちろんないわ。
疑わしいと思うなら、それでも構わない。
あなたの手を借りずとも、自力でどうにかして、会いに行けるもの。
[ただしそれは、非常に面倒な手段だ。
皮肉なことだが…騎士団に頻繁に出入りしていたことが仇となった。
単独で、古参の騎士の目を盗んでヤコブの元へ辿り着くことは、そう簡単ではないから。
だから、シェットラントの立場を使う。
フードを被り顔を隠した怪しい女を、そうでもしなければ彼らは通そうとしないだろう。
ヤコブに何を聞きたいのか、とシェットラントに問われれば、或いは話したかもしれない。
聞かれないなら、ここで多くを語る気はなかった。]**
/*
いよいよ本格的にフリーダム(
イングリッドったら酷い本当に酷いw
テオ様がデレてくれたタイミングで裏切り発覚ですよ、えぇwww
ヤコブに投げる言葉は、たぶん答えが簡単な種類の質問だと思うんだ(´・ω・`)
僕、あまり難しいこと考えられない。
考えようとするとパンクする←
明日の日中に投げて、さてどうやって死のうかね。
やっぱり敵じゃん!って殺されるか、
おまえ裏切ったな!って殺されるか、
ロゼとの兼ね合いもあるからなー
― 遠足スタート・ホートン砦にて ―
[遠足メンバーが全員そろったのはホートン砦であった。
騎士団領を歩いてここまで来るだけで波乱であったが、明日からついに魔境入り。
そういうわけで、ささやかながら宴会を開いたのであった。
若者よ、酒を学ぶのもまた社会勉強である]
ふっふっふ、それじゃあそろそろお楽しみといこうか。
[ぽろろんと竪琴を弾き、音階で指鳴らし]
それじゃ、ローズマリー。歌って
あ、聖歌ではなくって、景気付けだから楽しくいこう。
[そんな注文をつけた無茶振りである。
そして、跳ねては踊って、とても楽しそうにハーブで旋律をつくりあげる。
乗ってくれば逃げ、おいかけてくればあがる。
そんな楽しげな協奏曲を>>2:408]
おみごとでした。
いやー、やっぱり若い女の子が歌うと楽しくなるね!
それじゃあ次はーみんなで歌ってみよっかー
[門の旅路の前の一ページ。
さっきとちがーう という苦情を実に楽しげに笑って、音を、歌をぞんぶんに楽しんだのだった]
[そして宴が終わった後に]
ローズマリー、ありがとう。
やっぱり、ああいう明るい歌はいいね。
ぼくも、送られるときはああいう歌に送られたいよ。
[そう、明日からは魔境。夜は見張りを立て、息を潜めて移動をする。
その前の気晴らしになった、とばかりに彼女を労った。了]
/*
この双子の母上とかwwwwww
しかもwwww彼女をげろっているとかwwww
おもしろwwwすぎるwwwwwwwなるほどwwwwww母親には素直なのかwwwwww
ひょっとしなくても、ブラコンにしてマザコンにしてファザコン、、、しってる、ファミコンってこと!!!!!
昨日のオッサンのハシャぎっぷり、って、
アレか。
ヤコ生きてたーよかったー!
の方じゃなくて、
メモの小芝居の方かwww
オッサン余計恥ずかしいじゃないかw
やめろください。
[テオドール・グラムワーグ。彼の名を出すイングリッドに、
シェットラントは黙って目を眇めた。
穿つように鋭い視線が彼女へと向けられ、やがて頷いた]
残念ながら、非常に疑わしいが、
[けれどそれは拒絶ではなく]
いいだろう。貴方をヤコブの元へ連れていく。
俺も同席させて貰うが、構わないな?
[目を離すつもりもないと、確認の形を取った宣言を置いた]
ただ…、…一つ聞かせてくれないか。
貴方はソマリアラン兄さんと親しかった人だろう。
今もまた、こうしてペンホールズに出入りしている。
何故。何故魔王になど与したんだ?
…聞かせてはくれないか。
[脳裏にファミルの姿がある。
彼ともっと言葉交わせていたなら、と。
強いるのではなくただ静かに、彼女へと問いを向けて視線を*流した*]
──御心のままに。
[「不滅の魔王」の実施を望むテオドールから視線を外さずに答える。>>156
多くの者が悦楽を追い、あるいは死を嫌って永遠に生きたいと願う。
だが、テオドールは違った。
季節の実りや美酒を味わう喜びも、温もりを感じることも捨てて、なお時間と力が必要なのだと言う。
それは己に修行を課すストイックな聖騎士のようですらあった。]
[動き出した馬車の中、不規則な揺れを背に受けながら、ベリアンは先程の光景を思い出す。
哀愁滲む男の背中を。>>111]
…かつて、あそこに暮らしていた者の
[モーリスへ向かうテオドールの背後に遠ざかる家。
今、ここでしか口にできないだろう問いは、死霊魔導士として発したものではなかった。
自ら屍鬼にならんとする者への、祈りにも似た想いだ。]
○月○日
死体から情報を取り出すことにまだ成功しない。
仮説 : 記憶とは、経験とは、頭の中の書庫のようなもので、死んだ瞬間に灰燼に帰す。
○月○日
屍鬼同士でなんらかの意思疎通は可能なのだろうか。
現状、その証拠は見出せていない。
― カレン・広場の一画 ―
…ねぇ、ヤコブ。
みんながどう思ってるかは分からないけど…。
私は、ヤコブなら絶対”門”を閉じれるって信じてるから。
だから、一緒に頑張ろうね。
[どこへ行こうともついて行くと言う想いを込めて、ヤコブへと言葉を向ける]
[───傍にいる───]
[───置いて行かないで───]
[色んな想いを綯い交ぜにして。
『一緒に』と言う言葉に全てを詰めた*]
/*
さて、時間取れるのだから何か紡ぎ出したいところなのだけど。
…あ、シュテルン君に改めてお礼言わないとだった。
時間軸前後するけど、馬のところにお邪魔しちゃおうかな。
/*
シェット君と絡み損ねてるのは痛かったかな…。
でもヤコブとシェット君のやり取り見て、仲良いなぁとか良いコンビだとか安心して見てる気がする。
ヤコブとは別の信頼感。
出すとしたら死に際かな。
[ この時間軸のテオドールは、あの家で暮らした事はない。
あの家には、最近まで老爺とその孫が暮らしていたはずだ。もう少し前には、その孫の両親も。 ]
[ しかし、別な時間では、もっと多い人数が幸せに笑っている時間もあった。
マックスと、その孫のヤコブ。
ヤコブの妻。…そして少年テオドール。 ]
[ 最初の時間遡行の触媒として消したのは、
テオドール自身の母親だ。
だから、鍵使いの可能性が高い者を探し出して、
手管を使って誘惑し、結婚までこぎつけた「門研究者」の女は、もうどこにもいない。
そのふたりの間に出来るはずだった子供も、もう生まれない。
何度繰り返しても、テオドールがテオドールに会うことはない。 ]
― カレン ―
[歩き回れる時にシュテルンの姿を探す。
他の騎士達に訊ねることを繰り返し、ようやく厩舎に居ることを突き止めた]
あっ、シュテルン君、見つけた。
[言われた通りに馬が集う厩舎へと足を向けると、世話をしているらしいシュテルンの姿を見つける。
その傍に居るのは見覚えのある漆黒の馬]
その子、リエヴル様の…?
[探していた目的を一旦忘れ、しなやかな肢体の馬に目を奪われる。
その馬には一度乗ったことがあった>>0:315>>0:424。
速度を優先すると言いながら、乗り心地は酷くなく、むしろ気遣ってもらっているのが解る程。
これは乗り手だけでなく、馬自身も気遣う心を持っていたためだろう。
緊張していてもそれを感じ、賢い子だと思った記憶がある。
その時の『おまけ』に浮かべたリエヴルの表情までは気付けていなかったが]
そっか…シュテルン君が乗ることになったのね。
[世話をすると言うことは乗り手になったと言うこと。
騎馬は、馬との信頼関係も大事だ]
賢い子だから、きっとシュテルン君の助けになってくれるわ。
[乗り手が変わっても力を発揮出来ると。
黒馬の瞳を見ればそんな風にも思えた]
あ、と。そうだった。
シュテルン君にお礼を言いに来たの。
[しばし馬を見上げていたけれど、目的を思い出してシュテルンへと向き直る]
──…護ってくれてありがとう。
街を護れたのはシュテルン君が私を護ってくれたお陰でもあるわ。
[引き上げる時に言われた感謝>>84。
確かに屍兵を土に還したのはローズマリーだが、それが為せたのは護る者が居たからだったから]
/*
プロのリエヴル様のにようやっと反応出来た…!
長かった。
そしてやっぱり酒入ってる時は頭まわって無いね(爆
昨日は浮かばなかった。[だったら飲むな]
[怪しい自覚はあった。>>177敵である自分をヤコブの元へ連れて行けなどと。
…だが、だからこそ正直に案内を頼んだ。何かするつもりなら、こっそり行くのだと。]
ありがとう、シェットラント。
もちろん、あなたにも同席してもらいましょう。>>178
…気になるようなら、
身体検査でもして、武器を取り上げてくれても構わないわ。
[こっそりと、溜息をついた。
話のわかる子で助かった、と思いつつも、
何故この頼みを了承したのかは、よくわからない。
不思議に思っていれば投げられた問い。>>179
…刃物のような鋭さを持っているけれど、この子は存外優しいのかもしれない。]
あぁ、それは…たしかに、不思議に思うでしょう。
…あなたも知っている通り、数年前、アランは私の恋人だった。
でもね。彼は私を裏切ったわ。
アランとアードは、私の唯一の家族である、カスパルを見捨てたの。
騎士団での任務中、強力な魔物と出会った時のことよ。
襲われたのは二人。でも助けられるのは一人。
…カスパルは選ばれなかった。ただ、それだけのことよ。
頭では、理解していたわ。
無理をして助けようとすれば、騎士団の被害はもっと酷いものになっていたでしょう。
カスパルの命を捨てることは、組織として最善の選択だった。
実力もないのに単独で助けに走ろうとした私を止めたことも。
……でも、でもね。
許せなかった…カスパルは、兄さんは私の心の支えだった。
その気になれば助けられたかもしれないのに、
騎士団はその努力さえしようとしなかった…
自分の大切な人じゃないから、
だから、そう簡単に見捨てることができるのだと思ったわ。
[ 全てを、アランが知ったらどうなるか?
……テオドールはすでにその答えを知っている。
きらきら輝く騎士団が、白い大河となって南下し、
首魁を打倒し、世界を救わんとしたことを知っている。
その軍事手腕を見て、こいつだけは敵にしたくないものだとため息をしたことを覚えている。 ]
[ 全てを、ヤコブが知ったらどうなるか?
その答えもまた、テオドールはすでに持っている。
首魁を倒し、落ちた者は救出して、
世界に平和と笑顔を。
希望と力に満ちたその言葉が、どんなに輝いていたかも知っている。 ]
[ そして、その全てが失敗したことも。 ]
正直ね、
アードが死んだことで、アランや騎士団のみんなも、私と同じ気持ちを味わえばいいと…そう思っていたの。
…でも、それはたぶん、間違っていたのね。
ペンホールズの街を歩いて、それを知ったわ。
カレンと違って、騎士団員の減ったこの街は混乱させやすいように感じていた。
降伏宣告の後、住民達が疑心暗鬼になるように色々と手を打ったし、その効果は出ていたように思うのよ。
…それでも今、ペンホールズの住人はみんな前向きだわ。
騎士団長を失っても、絶望に打ちひしがれてはいない。
カレンを支援するために、皆が手を取り合っている…
[いつか見た、一人の女。>>1:306
邪魔だと思った。信じるなどと、適当なことを言っていると。
大切なものを失った時、きっとこの女も絶望するのだと。
再び街に戻った時、その女はまだ希望を捨てていなかった。
聞けば彼女は、あのリエヴルの妹だという。
…兄を失っても、真っ直ぐ前を向いていた。
街の人を勇気付け、鼓舞する姿は、眩しかった。]
[ふっと、小さく息をついて、]
…ごめんなさい、そういう話じゃ、なかったわね。
まぁ、とにかく。
アランを殴り倒して私は騎士団を飛び出したの。
最後に投げつけた言葉のせいでしょうね…彼は私を追ってはくれなかった。
カスパルもアランも、もう私の隣にはいてくれない。
暫くは何の目的もなく、抜け殻のように半島を彷徨ったわ。
…そんな時に出会ったのが、彼だった。
私の力が必要だと。…ちょっと、強引だったけれどね。
私は、私自身の傷を癒すために、それを利用した。
いなくなった兄と恋人の代わり。その穴を、彼で埋めたということよ。
私の護るべき、大切な人。
私の生きる糧。…そう信じたの。
…えぇ、そうね。
彼は私に特別の愛情を注いでくれたわけではなかったわ。
それでも、私を必要として、傍にいることを許してくれた。
置いて行くことも、裏切ることもしない…それだけで良かったの。
[自嘲的な笑みが漏れる。]
3年前、なぜ彼の誘いに乗ったのか。
…その理由に気付いたのは、実はつい最近のことなのだけれど。
無自覚だったのよ。
地上を見下ろす鷹は、前方が疎かになる。
…視野の狭い、馬鹿な女だわ。
本当は、アランに聞いてみたかったの。
私にはもう、何が正しいのかわからない。
……だからそれを、確かめに行くのよ。
[ぽつりと零した言葉は、今までとは少し異なる響きを帯びて…、
静かに首を横に振る。]
さぁ、これで満足かしら?
よく知らないあなた相手に、ちょっとお喋りが過ぎたわ。
…こんなこと、滅多に話さないのよ。
[シェットラントの答えを、待った。]*
……と、いうかだな。
俺は、俺の思うままにやって来ただけ、って、何度言わせる気だ?
[礼の言葉に浮かぶのは、笑み。
心許したものだからこそ見せる表情]
……お前らがいたから、俺がいた。
それだけの事だ。
……改まって礼なんぞいうな、調子が狂う。
[口調は冗談めかして。
想いは──感謝の念は、声音にのみ、響かせる]
テオとリッドの夫婦はどうやって家事分担してたんだろうな……。
エプロンつけて子供をおんぶしつつ、ゴミ出しする魔王(24)
そういえば、いい魔王(?)になろうと、
リーダー論も読もうとしたんだが、買ってきたこれちょっと違うやつや。
「ゆとり社員をうまく働かせるには」
みたいな内容だった。
一生懸命勉強しつつ、
「近頃のゴブリンはちょっと叱るとするやる気をなくす」
って、悩んでる魔王様。
さっさとぉ、めぇさましてぇ、まえにぃ…すすむのよぅ。
ワタクシたちがあんしんして、
まどろんでサボっていられるようにぃ、ね?
[ふふ。と軽い笑みが、川辺に響く]
――――…やこくんならぁ、できるわ。
みんなのおもいをうけとって、いーいおとこにぃなったものぅ。
[魔術が解放され、意識を失ったシェットラントの幻に手を伸ばす。
もう、…届きはしない。だから気持ちだけ。]
…、ん。ん。おつかれさまぁ。
[なでなで。
幼女が背伸びをして、自分より年上になってしまった青年を労う]
しぇっとくんはぁ、つよいからぁ。
あぁんまり、ワタクシがいうこと、ないんだけどぅ。
[ふ。と、息を吐いて緩く首を横に振った>>192]
いいや。身体検査には及ばない───、が。
何か武器をお持ちならば、預けては頂けませんか。
[言葉遣いが僅かに変化している、自覚はない。
ただ。目前の彼女は、偽りを口にしていないように思えた。
言葉の真摯な響きに応じる姿勢も、また変わる。
無論野放しにする気もなければ、
不審あらば斬り捨てるに躊躇うこともありはしない。
けれど今向けるのは、同じく真っ直ぐな視線]
きみのせいじゃぁ、ないからぁ……ね?
[自分のことも。娘のことも。
気に病むのは違うのだと。
逆に、自分が…自分たちが、伝えたいのは、]
貴方は、
[どうして、と。ファミルへ聞いた時のような問いはない。
語られたのはあまりにも悲しい過去、彼女自身の心だ。
傷つき迷うような告白に、僅かな時間沈黙が落ちた]
…優しい方だな。
優しい、聡明な方だ。
[そうか。と、思う。
ソマリアランがかつて、心を許した相手。
そうなのだと、腑に落ちるようにして思う]
真の愚か者なら、立ち止まることはしないもの。
それをしない貴方は、愚かということはあり得ない。
[抱え続けて来た痛みを。
その行く先を思って、瞳を伏せた。
続ける声からは、先の鋭さは失われている。…ただ静かに]
[青年に届けばいいと、魔女はそっと囁きを紡ぐ]
……――――、ありがとう。
[これまでのことも。
…これからの、ことも*]
貴方の事情は承知した。
貴方の心も、確かに聞いた。 …、が。
俺は───俺たちはどうしても、
かのテオドールの言葉を聞くわけにはいかない。
人の半数を殺し、恐怖と絶望の淵に叩き込もうとする彼を、
そのままにしておけるはずがない。
[それが再び、彼女の大切なものを奪うことになっても。
無論彼女も承知だろう、それを敢えて音にして、]
出来れば、貴方の心が穏かになればと願います。
ソマリアラン兄さんも…、それをきっと喜ぶでしょうから。
[話を終えれば、彼女を目顔で促した。
再びフードを被って貰う必要がある。
そのまま彼女を連れていくわけにもいかなかったから]
…ああ、そうだ。
[カレンへと向かう道中、彼女へと声を掛けた。
空に目を遣り、再び彼女へと視線を流す]
カレンで鷹を一羽、捕まえました。
恐らくは貴方の鷹でしょう。
[謝罪は置かずに、事実のみを告げて僅かに首を傾けた。
短い言葉で手の内を少しだけ晒してみせて、馬はカレンへと向かう*]
ヤコブ。
[カレンへの帰路、ヤコブへ向け声を投げた]
準備を終えた。カレンへと戻る。
あと…客人を一人、連れて帰る。
[ほんの僅か、中途半端な間を置いて]
話を、してみて欲しい。
[これもまた、ひとつの”鍵”なのかも知れない。
そんな思いを心に沈めて、頼みの形で来訪者の意を告げた]
[返された答え>>205には、僅か目を瞬かせた。]
…おかしな子。
あの話を聞いても、そんなこと言うのね。
あなたの目の前にいるのは、ただ道を踏み外した愚かな女よ。
[真の愚か者は立ち止まることはないと。>>206
だがその愚かさも、時には強さであると思う。
愚直に、真っ直ぐに、走り抜ける。
心の弱い者は迷う。楽な方へと、簡単に靡く。
…イングリッドがそうしたように。
それでも、青年の言葉に棘はなかったから、
紡がれるものにいくらか救われたような心地がした。]
…えぇ、そうね。
騎士団が素直に彼に従うとは、思っていないわ。>>207
でも、譲れないのは私も同じ。
あなた達が彼に刃を向けるなら…私もそれを阻止しようとするでしょうね。
[それだけは、言い置いて。
続く言葉と視線>>209に、フードを被りながら、]
…ありがとう。優しいのね。
良い部下を持ったわ、アランは。
あの人には勿体ない…本当に。
[どこか感慨の込もった口調で呟く。
…実際、勿体ない。アードならさておき、あの適当男になんて!
感傷に浸らずそんなことを考えられるようになったのは、
アランとの別離をようやく受け入れたから…だろうか。]
[シェットラントがこの日、カレンへ発つ情報は掴んでいたから、
所持していた弓矢と剣を預けて、そのまま同行する。]
…鷹を?私の?
[あぁ、なるほど、と。
ファミルにしては堅苦しい報告だと思っていたら…この青年の口調、納得がいった。]
……優しいという前言を撤回するわ。
随分と趣味の悪いことしてくれるじゃない。
私の鷹と知ってのことなら、なおさらよ?
[ぐっと一睨みして。
べ、別に、騙されたとか、うっかり期待したとか、
そんなことは、……]
[しかし、ふっと視線を和らげる。]
…でも、感謝するわ。
あれがなければ今、私はここにいないもの。
[それだけを告げて、足早にシェットラントを追い越す。]
急ぎましょう。
時間がない…あなた達にも、私たちにも。
[脳裏に過るのは、咳き込んでいたテオドール。
べリアンに、自身の屍鬼化を頼んだと言っていたが…]*
―ペンホールズを発つ前に―
[随分と長いこと、報告を上げていない。
いつもと同じように…努めて平静に、呼び掛ける。]
テオドール様。
報告が遅くなってしまったことを、お許しください。
ペンホールズに数日おりましたが、彼の生死を知ることはできず…
確認のため、一度カレンへ向かいます。
……ヤコブの件についても。
私自身の目で、どんな状態か確かめてこようと思います。
[…嘘は、ついていない。
ベッドに横たわるソマリアードの生死は、確かめていない。
ヤコブに会いに行くことも、それとなく伝えた。
嘘ではない。嘘では……]*
そういえば、すぐばれる偽情報は、鷹使いに更に情報を集めさせるためと気づいて納得したのだった。
わざと乗ったんじゃなくて、オッサン、PLレベルで引っ掛かったよ……。
シェルティうめぇ。
そうと分かっていても、戻れませんか。
道を踏み外したのだと知っていて、尚。
[責める口調ではなく問いを向けた。
興味が向いたというように、軽く眉を上げてみせ]
───それほどに魅力的な男ですか?
テオドール・グラムワーグという男は。
[淡々と向けた問いは、さてどう響いたか]
優しい?さあ、どうかな…。
我侭なだけです、俺も。
[向けられた評価>>213には、軽く肩を竦めた。
彼女の内心は知らず、だから向ける表情は常の冷静なもの。
ヤコブのいう、鉄面皮だ。ただ、]
、別に貴方のものと知っていたわけじゃない。
けど、貴方と会って糸が繋がった。
…危害は加えていませんから、許して下さい。
[鷹について睨まれれば、勢いに押されたようにして頭を下げた。
そうして和らげられた視線に、僅か眉を下げる。
かのハーフエルフに成したことに謝罪の言葉は持たぬまま、
追い越してゆく背に向け黙って目を伏せる]
はい。
[先を促す言葉>>217に堅苦しく、頷き返した。
時はない。それだけは間違いのない事実であった。
…時はない。
示された期限>>104を思い、音にならない息を落とした*]
― カレン ―
[カレンの街へと入る前、]
失礼。
[そう断って、イングリッドの目に布を掛けた。
顔を覆うようにしたその布は、騎士団へ向けての目晦ましであると同時に、彼女に内部を見せぬが為のものでもある。
既に武器は預かってある>>214
言葉どおりにそれ以上の詮索はせずに、彼女をカレンへ入れた。
怪我人を保護して来たということに、した]
[出立前、主にようやく一報を入れた。
双子の片割れの生死を確かめられなかったこと。
カレンへ向かうこと。ついでにヤコブの様子も見てくること。
…実際、嘘ではない。]
[ヤコブに会って、自分は一体どうしようというのか。
彼に何を求めているのだろう。
彼に何を期待しているのだろう。
…期待?ヤコブに?
そうしてテオドールは何度も裏切られてきた。
その話は聞いたはずだ。はずだったが。
――会ってみなければ、わからない。
そう思い始めている自分がいる。
わからない。わからない。
人の強さを。弱さを。これまで目の当たりにしてきた。
誰を信じ、何を選べば良いのだろう。
大切なものを護る。
そのために自分が取れる、最善の手は――?]*
お。久しぶり。早かったな。
客? 俺に?
誰だ?
[遠く離れた相手から声が届く
準備完了との知らせに声は弾んだが、客と言われれば疑問符が並んだ。]
ん…。
話するのはかまわねーよ。
おまえがわざわざ言うんだから、大事なんだろ、それ。
[相変わらず心の声は雄弁だ。
ちらと思ったことまで全部"声"に出た。]
― カレン・騎士公館 ―
[シェットラントから帰るという連絡があって、ヤコブはカレンの騎士公館で待っていた。
カレンの街には今、騎士団の姿がほとんどない。
守備の兵と、親衛隊くらいだ。
シェットラントが戻ってきたら公館に入れてくれるよう街の門衛には頼んであった。
もう一人一緒だとも話しておいたから、門衛は連れの姿にさほど疑問は持たないだろう。]
[ 少し時間差があって、 ]
そうか。
[ いつものそっけない返事を返す。
遅れたことを咎めるでもなく、先を促して。 ]
実際にアランの手であれば、
そう簡単に掴ませるような愚策はとらぬだろうな。
[ 思考をめぐらせる時間を置く。
チェスの差し手同士の、先読みに慣れたテオドールには、
まさかそれが、テオドールではなく、駒そのものを狙った小細工であるとは気付かず、
ただ、いない勝負相手の思考を読み解こうとして。 ]
カレンか。
そうだな。お前が探して見つからなかったのならば、
ペンホールズにはもうおらぬのかもしれんな。
良かろう。
カレンの騎士団状況確認及び、カレンの駐屯基地の報告をせよ。
魔軍の馬鹿共が手抜きをしているようなら、叱咤して来い。
……別なルートから、カレン基地建造は順調だと報告が来てはいるが、
その報告も当てにならぬ。
[ イングリッドが言うなら信じるが、
という一言は言葉にせずとも察しろと。 ]
ヤコブ、
[彼女を案内するより前に、呼び掛ける]
今から連れていく客は、
テオドールの手先…かつてのソマリアラン兄さんの恋人だ。
[何故そのような者を連れてきたのか。
その理由を声に響かせる]
先日俺が戦った精霊魔法の遣い手は、
ソマリアラン兄さんの多分……友人だった。
その死を心から悲しんでいた。
俺に向かって、俺が死んだら悲しむ誰かのために投降しろと、
その為に他人を殺せと呼びかけて来た。
今日の客…イングリッド・ミランは、かつて騎士団にいた。
だが騎士団は彼女の兄を助けられず、裏切られたと彼女は感じた。
ソマリアラン兄さんに見捨てられたと感じたらしい。
その為にアラン兄さんの元を離れて魔の元へ走った…、と。
彼らの話の全て頷けるわけじゃない。
けれど彼らの悲しみは本物だと…俺は思う。
お前、覚えているか?
3年前にアラン兄さんが語って聞かせてくれた伝承>>0:307を。
気付いているか?
あの男の語った台詞>>0:537との違いと類似に。
お前の持つ”鍵”は確かに鍵だろう。
ただもしかしたら、もうひとつの鍵はここにあるかも知れない。
それを探ってみるのも悪くないと、そう思った。
[甘いのかも知れない。
ふと過ぎった想いは、苦笑と共に裡に沈める。
多分、自分が見たかったのだ……聞きたいと思った。
ヤコブが何を思い、何を口にするのかを]
───。武器は取り上げてある。
何かしたら斬り捨てるから、心配はするな。
[ただ、音にしたのは常の素っ気無い内容だ。
そうして、事前の説明は終えたとばかりに口を閉ざした]
― カレン ―
[この戦いがはじまってから。
特にヤコブが盟主になってからは彼もやることが沢山あったし、自分は自分で考えて行動することも多くなって、ヤコブと話す機会がなかなか作れなくなっていた。
それは構わないのだが、どこかに寂しくもあった。
それに――少し気になったこともある。
若干の躊躇を覚えながらも、それでもヤコブを見掛けると声を掛けた]
ヤコブ……ちょっと、いいかな。
― カレン・騎士公館 ―
[イングリッドを伴って、真っすぐに騎士公館へと向かう。
既に彼へは、帰還と客を伴う旨を伝えてあった。
イングリッドを誘導するに無理をさせることはない。
視界を奪ってはいたものの、問題なく歩けるよう気を配った。
傍目には、怪我人を気遣うかのようにでも映るであろう]
ヤコブ、
[部屋へと入れば、ここでイングリッドの目を覆う布を取り去る。
そうして部屋の主へと目を向けた。
既に来客の簡単な紹介は”声”を通じて済ませてある]
―カレンへ向かう道中―
[共に馬を駆りながら、無言の時が過ぎる。
しかしふと、ペンホールズでの会話を思い出して>>218]
―回想―
えぇ、戻れないわ。もう。
…あぁ、いいえ、でも。ヤコブ次第では、…
[言いかけて、そこで止めた。一つ肩を竦める。
…こんなことをしておいて今さら戻れるとも、受け入れてもらえるとも思えなかった。]
…我が主について?
魅力的よ。それはもう。
[続きには、言葉少なに首肯したのだった。]
イングリッド・ミラン。
…伝えておいた、客だ。
[敢えてそれ以上の説明を置かずに、彼女から身体を離す。
少し距離を置いて、斜め後ろへと立った。
口を閉ざして、彼らの様子を見守るつもり*だった*]
テオドールの手先?
アランの、恋人!?
[手先、という部分で声が高くなり、恋人というところでさらに跳ねる。
なんだよそれという疑問は、続いた言葉を前に呑みこんだ。]
―並走しながら―
…シェットラント。
あなた、もてないでしょ。
はぁ…せっかく顔がいいのに勿体ないわ。
[淡々とした問い>>218を思い返して。
…この朴念仁に、女の機微はわかるまい。]
好きでもない人に、ついて行く馬鹿がいるものですか。
道を踏み外してでも従うなら、そこにあるのは愛よ、愛。
………。
[話を聞いてしばらく、沈黙が落ちる。
言われた言葉を理解し、噛み砕く間。]
……わかった。
会って話せば、なんかわかるかもしれねーってことだな。
[噛み砕いた結果が、それだった。]
おれたちの知らないことが、なんかある。
そいつを見つけ出さなきゃ、めでたしめでたしにはならねえってことだろ?
なら話してみるさ。
―――いや、心配はしてねーよ。
おまえ、その辺は抜け目ねえからな。
[締めくくる言葉には、さらりと笑った。]
― 騎士公館・訓練室 ―
[書類仕事などさっぱりなヤコブは、部屋に閉じこもってなどいなかった。
だから、二人に会うのは室内で汗を流せる場所ということになる。
到着した、との知らせに練習用の剣を置いて、汗をぬぐった。]
おう。おかえり。
そっちには、初めましてだよな。
[シェットラントが入ってくれば明るく声を掛けた。
一緒に来た人物へはじっと遠慮のない視線を向ける。]
…簡単なことじゃ、ないのよ。
来いと言われて、はい喜んでだなんて、
当たり前じゃないのよ、共に歩む道を選ぶことは。
あなたもいつかそういうことがあったら、
…覚えておきなさいな。
選んでくれた彼女の気持ち。その愛と、覚悟を。
[眉目秀麗な若い騎士には未来があるだろうと、ちょっとしたお節介を焼いたが。
その言葉が彼にどう響いたかは、イングリッドにはわからない。]*
えっ。
あ、 はい…そうですか…
[しかしながら後述、リエヴルの紹介を聞いたらびくっと肩を跳ねさせた。
なんか実はめちゃくちゃすごい人に(魔女と比較すればそりゃあ簡単な小石レベルの当て逃げだろうが)攻撃を仕掛けてしまっていたこととか、彼の様子から見て気づかれた風ではないとか、もしこれバレたらえらい目に会うんじゃないかとか。
千を超えるってお前。
千って。
一騎当千とかそういうレベルじゃないじゃないか怖すぎる。
すっかり竦み上がって、まるで本物のヤクザに対面したチンピラみたいな感じでできる限り視界の隅っこでぴたっと静止したりしていた。*]
― カレン・シュテルンと ―
[戦いの準備(と飛竜との格闘)に駆けまわるうち、日々はあっという間に過ぎていく。
目まぐるしい時間の合間、シュテルンに呼び止められればくるりとそちらを向いた。]
お。どうしたんだ?
なんか深刻っぽい顔して。
[そう見えたわけじゃなくて、軽くからかってみただけ。]
[暫くして返ってきた言葉に、ちくりと胸が痛む。
…これは、裏切りに当たるのだろうか。
嗚呼、そうでなくて何であろう。
――"痛い"というのは、きっとそういうことだ。
それでも、今一度、模索したかった。
大切なものを…テオドールを、救う道を。]*
>>*18
ばか。
オッサンは死なねばならんよ。
人類史上、これほどに殺し、憎まれ、
これほどに悪意に満ちた者が、オッサンの他にあっただろうか。
更には、これから不死の魔物にまでなるという。
オッサンを放置すれば必ず禍いになろう。
オッサンを救うなんて馬鹿な事を考える必要はない。
[会釈>>+105をされれば普通に返すが、何故そこで後ずさる、とか。
そんな突っ込みが内心を過ったのは、余談。
紹介への突っ込み周りはさておき]
……いや、別に。
取って喰いはせんのだから、そんなに固まる事もなかろうが。
[>>+107 竦み上がって静止する、その内面のあれこれは知る由もないわけだが。
さすがにちょっと挙動不審にすぎるだろう、と、じーっと見た。
……その視線が多分、物凄く怖い、という事には残念ながら気づいていない。
ちなみに、殴り殴られは戦場の常、別に恨んだりする事はなかったりするわけだが。
実質初対面の相手がそこまで知っているはずもないわけで。*]
リッドには全部話した、と言いながら、
ちょいちょい話してない事があるオッサン。
ヤコのこととか。
門を開けた向こうのこととか。
……だって聞かれなかったから……。
―カレン―
[ついてすぐ、目を隠すように布で顔を覆われる。
騎士団の目を誤魔化し、イングリッドの”目”に仕事をさせない一石二鳥の策である。>>222
連れて行かれたのは騎士公館。>>225>>227
イングリッドは敵であったが、シェットラントの案内は丁寧だった。
部屋に通されると、おかえり、と快活な声が響く。>>231
ほどなく、覆いが外され、目の前にいたのは、]
…初めまして、ヤコブ・バルド。
[私は、一方的にあなたを知っているけれど。]
イングリッド・ミランよ。…あなた達の、敵の。
まずは、会ってくれてありがとう、と言うべきね。きっと。
あ、あのさ。
俺、3年前は気づいてなかったんだけど。
テオドール・グラムワーグってヤコブのお父さんに似てたような気がするなって……。
子供の頃の記憶だから、本当に似てたかっていうとちょっと自信ないけど。
[なんとなく心に引っ掛かっていたことを、ヤコブに告げた]
[魔導士に真の名を預けることが、いかなる意味を持つか知らないテオドールではあるまいと思う。
その名を口にした時のテオドールの表情は複雑だったが、偽わりの色はなかった。>>184
やはり、かつてあの場所で”人として”暮らしていたのは、このテオドール自身であったのだと得心する。]
[遠慮の無い、真っ直ぐな視線を受けとめる。
…なるほど、やはり彼にはテオドールの面影があった。]
事前に伝えてあるようで助かるわ。
私はテオドール・グラムワーグの配下の人間だけれど、
今日はそうでなく、イングリッド・ミランとしてここにいる。
だから、今はあなた達をどうこうするつもりはないわ。
話をしに来たの。…今はね。
…ヤコブ。
あなたが、アランから"鍵"を託されたと、
彼の意志を引き継いだと、そう聞いたわ。
本当はアランに聞いてみたかったことがあったのだけど、
…もう、それも適わないから。
彼と同じ道を行くと決めたあなたに、代わりに質問してみようと思ったのよ。
[そして、その家名は、先日、別の質問に答えてテオドールが口にしたものと同じ響きをもっていた。
「"鍵"に選ばれた者」であり、「騎士団を率いる盟主」である「元は一介の田舎者」、「俺の父」ヤコブ・バルト。>>3:251]
──…、
[さらに語られる「グラムワーグ」の末路。>>191
"門"の向こうへ取り残されたクロドルフ・グラムワーグ王が、世界を滅ぼすことだけを望んでいる──と。]
“裏切られた”のは、クロドルフ・グラムワーグ王のみではありますまい…
[高い克己心。苛烈なまでの使命感。焦燥と怒り。 そして、悲哀。
自分の目の前にいる男こそ、裏切られた者の目をしている。]
[ひとつの問いがいくつもの物語を引き出した。
けれど、ベリアンにとって一番重く感じられたのはテオドールの真の名だ。
術に使うつもりはない。
質とするつもりも、政治的にどうこうするつもりも。
ただ──、彼が持ってゆけなかったものを、拾い上げんがため。
生きながら死んでゆくことを決めたこの男への、せめてもの救済たらんと、胸に抱く。]
/*
寝ていた、だと…orz
それは置いといて。
ヤコブ可愛いヤコブ可愛いヤコブ可愛いヤコ(ry
ヤコブのために生死不明扱いにしたいな…しちゃって良いかな…。
行方不明になりたい(
― カレン・騎士公館 ―
[シェットラントと一緒に現れた人物が、布の覆いを取る。
下から現れた顔に、軽く目を瞠った。
おお、美人じゃん。アランってやっぱり面食いだよな。
……なんて思考は賢明にも頭の中に留め置いて]
いや。礼はいいよ。
俺が会って話してみたくなったんだから。
こんな危ない真似までして、話したいことがあるんだろ?
聞かせてくれよ。
[適当な椅子にでも座ってくれと示し、自分も適当に座る。]
[イングリッド・ミランと紹介され、名乗った彼女が話し始めれば、黙って耳を傾けた。
今も"鍵"は身に着けている。
その柄に手を置いて、頷く。]
俺はアランじゃねーから全部答えられるかわからねえよ?
けど、できる限りは答える。
言ってみてくれ。
閣下の真の名、
確かに、お預かりいたしました。
不滅の魔王の通る後に歴史はできましょう。
人が立ち向かうなら制圧し、魔が逆らうなら切り捨て、神に逢っては神を殺し──
ゆかれませ。
俺は征く。
お前も来い。
[ 視線を戻し、短く言った。 ]
俺の命をお前に預けよう。
俺に詰まらん死に方をさせるな。
[ そうして、話を打ち切った。 ]
ちなみに、トーマスは名字ないのだよね。
ヤコブが騎士叙勲されて名字がついたので。
だから、「テオドール・バルド」がヤコブの血縁ならば、それは息子とか孫になる。
― 首都モーリス ―
[ かつての廃都は、今や魔軍の中心都市へと変貌を遂げている。
魔物と人間の比率は、7:3と行った所か。
どこにも行き場のない犯罪者や、追放者が、日々増えていた。
価値観の違う魔物同士や、魔物と人間の間で、いざこざは絶えない物の、
そこは確かにある種の活気に満ちていた。
これから発展していく、チャンスにあふれた場所であった。 ]
[ テオドールは、大陸の間に飛竜の定期便を交わしていた。
機を見るに敏い、いくつかの大陸の国は、カレンでの騎士団長代理敗北を見て、
魔軍へ下ったり、魔軍との協力関係を提案してきていた。
別の時間軸の通り行った国もあれば、正反対の対応をする国もある。
その理由を探りあて、ソマリアランの影を見つけると、
テオドールは苦い思いを抱えた。 ]
お前はいつも、俺の前に居るのだな。
……ソマリアラン・クロイス。
[ アランはテオドールがいつか大きな敵になる予感を得て、
大陸のいくつかへ、半島への助力の約束を取り付けていたらしい。
全く持って、3年前の魔境でアランを逃したのは大きな失敗であった。 ]
[ 魔軍との友好を望んだ国からは、
いくつかの物が贈られてきた。
見事な武具は魔境では得られない物だ。テオドールは自らの物にしたり、勲功のあった臣下に下賜してやった。
形のある物だけではなく、名誉貴族や、騎士の称号もあった。こちらは鼻で笑って破り捨てた。
テオドールが名乗るのは「王」もしくは「大将軍」その称号だけだ。 ]
[ ただ、「紋章」という贈り物は気に入った。
センスのない魔物に任せていては出てこないようなデザインだ。
炎を噴く火竜というのは少々苦笑せざるをえなかったが、
大陸に飛ばせた火竜は、彼らの心に相当大きなインパクトを残したのだろう。 ]
この紋章を掲げた国や町は、「人類半数の殺害」の例外とする。
この紋章は、俺だと思え。
俺の臣下を自認する者は、この紋章には手を出してはならぬ。
もしも出した者はその場で処刑して構わぬ。
しかし、そうでない者は、お前達の好きにしていい。
[ 魔軍には、その命令を徹底させた。
……魔王の紋章の元に居た方が安全であることを、人々もやがて学ぶだろうと見込んで。 ]
― カレン・戦闘準備 ―
[騎士団の出撃準備と並行して、カレンの防衛体制も整えられる。
希望する人々を募り、ペンホールズへの避難が行われた。
残る人々には簡単な軍事訓練を行う。
魔物への対処法を教え、いざというときには自力で身を守れるようにと。
敵襲の場合に避難する場所を定め、効率的な防衛が可能となるようにした。
時間がほとんどない中での準備だったが、やれるだけのことはしておく。]
― カレン南砦攻略作戦 ―
[シェットラントらがカレンに到着する前日、
騎士団の大部分は、すでに進軍を始めていた。
最初の戦いと同じ場所に野営地を置き、戦いに備える。
攻城兵器は組み立てられ、作戦の最終確認が行われる。
敵が突出するならばこう。立てこもるならこう。
事前に決められた作戦が、各隊長に伝達された。]
― まどろみは今日も賑やか ―
[ぼんやりまどろんでいる間に、
また気配が増えた気がする。
もぞりと起き上がり、声のする方に
てとてと歩いた。
ちなみに昨日に比べると触媒が集まり
多少は成長(?)して、少女くらいになっている]
― カレン・広場の一画 ―
うん。
[指きり>>234なんていつ以来だろう。
小指だけに伝わる温もりは特別な繋がりを生むもののように思えて。
大事に、大事に、内に溜める想いへと加える]
[小指を絡めたまま交差する幼馴染の視線。
光り輝く意志が込められたもの。
彼の持つひかりの傍に在りたいと思った。
彼の持つひかりの援けになりたいと思った。
だから最後まで、共に]
うん、全部、一緒に。
[そう言って頷くと、幼馴染は絡めていた小指を解きローズマリーの手を包み込む]
[自分の手を包む幼馴染の手は大きく、男性らしい太めの指をしていた。
掌には剣だこだろうか、硬めの肌が自分の手に触れている。
熱心に剣の稽古をしていたのだと再確認すると同時、幼馴染が立派な男性になっていたことを認識した。
それを感じた途端、急に気恥ずかしさが現れてくる。
少し強張った表情が疑問の色に見えたか、この仕草が何なのかを幼馴染は教えてくれた>>236]
…ぜんぶうまくいく、
…うふふ、すごい魔法ね。
何でも出来そう。
[ガートルードの想いはここにも生きている。
そんな風に感じて嬉しそうに笑った*]
そうね。…あなたはアランの目指すものを引き継いだかもしれないけれど、
その答えが同じとは、確かに限らないわ。
あなたの言葉で構わない。
…今、鍵を握っているのはあなただもの。
[ヤコブの返答は真摯だ。>>246
自分よりも若い子にこれから聞こうとしていること、
…その質問にきっと、完璧な答えはない。
だが、未来を握るのは間違いなく、彼だろう。]
この先、人間が絶対に"門"を開けない世界を、作れると思う?
もし、”鍵”を使うのに失敗したら?何か手はあるの?
[続けて一息に捲し立ててしまったが、
それらを自ら否定するように首を横に振る。]
ううん…そんなこと、聞いても、仕方がないわよね。
[世界は、必ず滅びる。ヤコブ・バルドは失敗する。
…それが、テオドール・グラムワーグの”予言”。]
――話を変えましょう。ちょっとした、昔話よ。
ある時、凶悪な魔物が暴れているという報告が、騎士団に入ったの。
それを討つべく、数人の騎士が派遣されたわ。
騎士たちは必死に戦ったけれど、敵は強かった。
…そしてある瞬間、二人の命が失われようとしていた。
二人を、どちらも助けることはできない。
そんなことをすれば、騎士団が壊滅的な被害を被ることは目に見えていた。
でも、どちらか一人であれば…確実に救うことができたの。
…こんな時、あなたならどうする?
[それは、イングリッドの過去の物語。]
[ヤコブの答えを待って、続ける。]
……私は、救いたかった。二人とも。
でもその選択は、現実的ではなかった…少し考えればわかることよね。
結局、一人の命を捨てて騎士団は態勢を立て直し、見事魔物に勝利した。
…二人を助ける選択をしていたなら、この結果はなかったでしょうね。
大局を見極め、小を切り捨てる。
…これはこの先絶対に、必要なことよ。
世界から見れば小さなそれが、
あなたにとってどんなに大きなものだとしても。
――その選択が、あなたにはできるかしら?
[イングリッドには、それができなかった。
…そして今もまた、迷っている。]*
― カレンの草原にて ―
[リエヴルの弔いの場でラクシュと出会って、彼の副官にラクシュを譲り受ける話を通してからというもの。
たびたび街の外に出てはラクシュとの信頼関係を確立しようと、共に草原を駆ける日々が続いていた。
なんといっても天下無双の槍使いが騎乗していた愛馬だ。
実力の低い自分に代わってラクシュが物足りない思いをしなくて済むように、少しでも馬にふさわしい乗り手になりたかった]
[初めて乗る時はさすがに少し身構えた。
普通ならば、そんな緊張状態で騎乗でもしたら、馬に舐められて落馬するのがオチだ。
だがラクシュはその自分をも受け入れてくれて、幾分気が楽になると徐々にスピードを早めるように指示をだす。
すると気持ちの変化を感じ取ったのか、ラクシュはすぐさまその指示に応えてくれた。
軽い高揚感に包まれた身体を、さわやかな風がほどよく冷ましてくれて気持ちがよい。
それからというもの、ラクシュに乗るのが面白くなって、停止からの急発進や人馬揃っての重心移動など様々なことを試してみる。
そのどれにもラクシュは自分がやりたいように走ってくれて、これが名馬のもつ力なのかと感嘆した]
― カレン・戦闘準備 ―
[喉は未だ万全にはならず。
けれどその時は着実に近付いてきた]
……大丈夫、やれる。
[出来ない未来は描かない。
皆と一緒ならば成し遂げられる。
想いは依然、変わらない]
[ヤコブは後から合流すると言うことでローズマリーは他の騎士達と共に進軍した。
搬送用の荷台に乗り、到着を待つ。
野営地が出来れば炊き出しの手伝いをしたりと、出来うる限りのことをした。
砦攻略まで後僅か。
緊張感が野営地を包んだ]
…できるか、できねえかじゃねーんだよ。
やるか、やらないかだ。
[間を置いて、静かな声で言う。]
一人を見捨てて勝ったって、それは本当の勝ちじゃねえ。
誰かを犠牲にしてみんな助かろうなんて、考えちゃいけねえんだよ。
助かるかもしれないなら、最後まで手を伸ばし続けなきゃだめだろ?
その2人が、俺の大事な奴と嫌いな奴でも、両方助ける。
でなきゃおかしいだろ?
それで騎士団全部を危険にさらすのは、
―――被害を出して魔物を倒せないとなったら、
それは俺の責任で、罪だ。
[脳裏に浮かぶのは、先の戦いでのこと。
自分が暴走したせいで、多くの騎士が失われた。
少女を助けようとして助けられず、多大な被害を出した。
その事実に、押しつぶされそうになったこともある。]
……でもな。
一人でも見捨てる選択をしたら、俺は俺じゃなくなる。
俺に託してくれた人と、俺自身を裏切ることになる。
だから俺は両方を助ける。届くまで手を伸ばす。
ええ。そうです。この馬、ご存知だったんですか?
リエヴル様が生前乗っていらしたのを、俺が譲って頂いて。
[不思議な縁だと感じる。
あの日、リエヴルの想いを託されたように、彼の愛馬もまた託されたように感じて。
その愛馬とともに、彼が見届けられなかったものを共に見届けようとしている。
ラクシュが自分の思うままに駆けてくれると、ラクシュにも、そしてその主人であったリエヴルにも認められたようで嬉しくてたまらない]
本当に賢いんですよ。ラクシュは。
今も本当に助かっています。
[ラクシュを賢いと褒められれば、また自分のようのことに嬉しい。
すっかりラクシュのことが大好きになっていた]
えっ、お礼?
[話題が変わると>>189、一転戸惑いの表情を浮かべる。
自分がお礼を言うことは数あれど、ローズマリーに礼を言われることを自分はしていただろうか。
何のことだかわからずに彼女の話す言葉を聞いている]
ああ、いや、あれは当然のことです。
だからお礼なんて言わないで下さい。
俺こそあなたには感謝してもしきれない。
あなたは俺の生まれ育ったカレンを護ってくれたのですから。
屍鬼の脅威からだけではなく、カレンの人々の心も。
礼を言うのはこちらの方です。
本当にありがとうございました。
[彼女が街に入っては、街の人達の説得をしていることは聞き及んでいた>>65]
あなたがそうして説得してくれたのだから。
今度は俺たちがあなたの説得を本物にするために、実現しなければなりませんね。
[そう告げて、ふと照れくさそうに笑った]
えっ…
あっ、え、ええと…
ぼ、僕の事は空気か何かだと思っていただければ…
[>>+108脳内ではきちんと、
都って食わない(けど吊るしはする)固まる事はない(だって拘束するとき面倒だから)に変換されていた。]
……………・・・・・・、
[しぃん、と静止。
そのあと、その視線の怖さにぷるぷるし始める。
これは怖すぎる。
お前一歩でも踏み出してみろその首がくっついてると思うなよ、と言われている気分である。あくまで気分である。
後ろめたい事があるからである。
そんな爽やかなタチだと知って居たらさーせんの一言二言で誤魔化そうとするだろうが、むしろそちらの方が拳を頂きそうな事は全く気付いていないようだった。]
― カレン・シュテルンと ―
ええ、以前移動の際に同乗させて頂いたことがあって。
[詳細は割愛するが、黒馬について>>280はそう答えて。
黒馬のことで喜ぶシュテルンを見ると、黒馬が大好きなのが伝わってきてこちらも嬉しくなってくる。
シュテルンとリエヴルの間にあったことは知らないが、そこには独特の絆があるように思えた]
貴方にとっては当然でも、私にはありがたいことだったから。
お礼だけは、言わせて。
[無防備な自分を護ってくれたのは事実だから、とそこだけは譲らず。
重ねられる礼>>281には微笑みを向ける]
みんなの力になれているなら、私も嬉しいわ。
私に出来ることは、してあげたかったもの。
どう致しまして。
[礼を辞すことはせず、喜びと共に受け止めた]
ふふ。
大丈夫、シュテルン君達なら出来るわ。
私はそう信じてる。
[照れくさそうに笑う相手>>282に向けるのは、自分が出来る最大限のエール*]
やるか、やらないか。…それはそうだわ。
騎士団一つなら、それでもいいのかもしれない。
でもね。…ダメ。ダメなの…
それでは、その選択では、ダメなのよ…っ
[ヤコブの選択は、自分が選びたかったもの。>>274>>276>>277>>278
――だが、それでは世界は救われなかったと、テオドールは言った。]
…ダメなの、あなたのやり方では!世界は救われない!
何度やっても、無駄なのよ!そのやり方は、間違ってるの!
[ヤコブの胸倉を掴んで揺さぶる。
急に飛びかかったイングリッドに刃を向けられたとしても構いはしない。]
あなたのその甘さが!世界を滅ぼすの!
責任?罪?本当にあなたが、それを背負えると思っているの?
[騎士団の話は、この世界の、未来の縮図だ。
話が世界へと及べば、或いは戸惑わせたかもしれないが、]
― 回想:三周目 ―
[ 23歳。ヤコブのひとつ年上になったテオドールは、
その時は前回の失敗を生かして、ヤコブの従兄弟を名乗っていた。 ]
リッド、今日は早く帰れそうだ。
今夜は、魚が食べたいな。
ほら、リッドの故郷の料理。ティレルじゃ食べれないからさ。
[ 年上の妻にそう伝えて、いってきますのキス。 ]
味付け間違えても俺は全部食べるけど、
焦げすぎだけは勘弁だぜ?
[ 笑顔で拳が振って来るのを、テオドールは軽々と避けた。 ]
[ そんな時間もあった。 ]*
− 廃都モーリス近郊 −
[ベリアンがテオドールに再び謁見を申し入れたのは、モーリスへの到着を控えた頃。
小箱を携えて歩むベリアンの後ろについて来るモノを見て、ゴブリンたちは落ち着きをなくす。
失禁して逃げ出す者すらいた。]
あなたの選択一つで、世界が終わるの…!
この世界に生きる全ての生き物の命が!
…そんなもの、どうやって贖うの?責任なんて持てやしないわ!
あなたのその選択が、言葉が…!
どれだけ彼を追いこんでいるのか、理解してるの……?
[違う。違う。
それは、彼ではない。この時間軸の、ヤコブではない。
…そう理解していても、言わずにはいられなかった。]
閣下、
ご検分いただきたいものが。
[現れたのは、8本の脚をアーチ状に曲げて歩く巨大な妖蜘蛛の屍鬼だ。
そして、本来頭部があるはずの場所には直立した人間の上半身が生えている。
かつてウェルシュだった肉体である。]
全ての責任を負う気でいても、そうできないことだってあるわ。
あなたはその時のこと、考えたことある?
…残された人は、どうすればいいの?
目の前で苦しんでいる人のことだけじゃなくて、
…考えて、ちゃんと。もっと先のことも。
――――…ッ、
すんません今金持ってませんッ…――!
[絞り出すようにして土下座に入った。
あまりに流れるような動作、いつか騙されてはっぱのお金を手に入れた時のような、軽やかかつこれが戦闘で出せればそれなりにできるだろうにと言いたくなるほどのこなれた動き。
内心、2、3発ぶん殴られたら許してもらえるかな、なんて欲もあった。]
[これは、別種の素体を魔法的に融合させる新しい死霊魔法で──といった自慢話は手記に書いておくだけにする。
この人蜘蛛屍鬼は、動作速度こそ他の屍鬼と変わらないが、多脚と体躯の大きさとで歩幅は大きなものとなり、それが動きの鈍さを補っていた。
堅い外皮は鎧であり、武器でもある。
脚の尖端は金属の杭にも等しい。
人間部分の意義はというと、相手に与える恐怖のインパクトと──]
― もうひとつ、託したもの ―
[
自身に刻まれし『印』の呪いと、漆黒に与えられし魔術の祝い。
二つの波長を均すために、と。
仔馬の時分から共にあり、共に鍛錬に励んだ黒馬は、ある意味では、自身の半身のようなものとも言えた。
誰とも運命を共にしない、と定めた自分に唯一沿うもの。
友とも、妹とも違う──けれど、同じくらい大切なもの。
だからこそ、漆黒が自分と共に死する事は赦さなかった。
[伺候したベリアンが開いてみせた小箱には、ウェルシュの遺髪を編み込んだ腕輪と、遺品の大斧を融かして作った首輪が収められている。
テオドールが愛でた
あわせてひとつの魔力を付与した品である。]
この首輪をあれに、腕輪を閣下が装着することで、わたしと同じようにあれに命じることができます。
生前の記憶はありませんが、閣下が特定の音──例えば名を呼ぶことで近くに来いという命令を定めれば、以降はその音に──閣下の声だけに反応するでしょう。
さっきの話は、この世界でこれから起きることを、わかりやすく小さな事象にしたものよ。
方法はどうあれ、何らかの形で”門”が開かれれば、世界は終わる。
もし、鍵が使えなくなったら?
”門”を閉じることができても、また開ける人がいたなら?
どうやってそれを阻止すれば良いと思う?
世界が終わることが、最悪の結果であるとしたら。
その原因だけを、完璧に取り除くことができないのだとしたら。
…それができないよう管理すればいい、そう思わない?
開門を防ぐため、そのためであれば、多少の犠牲は仕方がないのよ…
― ゆるぐらさが 改造 ―
べりあん「うぇるしゅの遺体をもとに、屍鬼まーく2をつくりました!」
まおう「おおお でかしたぞべりあんよ」
べりあん「100万馬力の鉄装甲戦車(棘棘仕様)の砲門にうぇるしゅ装備! これが最強の屍鬼です!」
まおう「まって、まって、それ屍鬼きっといらない…!」
[「不滅の魔王」については、程なく、とだけ告げた。
その表情は険しいものではない。
移動中には無理だろうが、モーリスに着いて、きちんとした実験器具が使えるようになれば進む目処はついている。*]
騎士団の壊滅阻止を優先しても、騎士の二人のうち、一人は助かるの。
世界の終焉を阻止するために…人類のうち、半分を殺しても、半分は生き残るわ。
どんなに酷い世界でも、それでも続くの。
世界自体が滅びれば、誰一人存在しなくなってしまうのよ。
それよりはずっと、ましではない…?
…今の私の、私の行動理由は、これ。
私が私でなくなっても、もっと大勢の人を護るのよ。
[間違っていると思う。そんな方法で開門を阻止することなど。
だが、テオドールの選んだ道は、小を捨て大を生かす道。
…あの日、クロイスの双子が選んだ道と同じに見える。
これが正しいと、認めて欲しかった。
…そうでなければ、
自分の取りたかった道を彼が貫き通せると、示して欲しかった。]*
……ちょっと、待て。
その発想は、どっから出てきた。
……そもそも、ここで金って意味あんのか。
[突っ込みは一部、妙に冷静でした]
いや、それ以前にだな。
……そこまで怯えられる理由が全くわからんのだが。
どっかで、出くわした事、あったか?
― まどろみの中で ―
ファミファミが愉快なことになっているねえ
[助けません。
負い目があるとすれば、それは誤解もあるでしょうが、本人に心当たりがあるからなのです。
そんな菩薩系をキメるのであった]
/*
イングリッドさん、それは詭弁ってもんだぜ!
…と中の人が言ってる(
あれだ、言葉が支離滅裂だw
赤で読んだのか、白で既出なのか、
自分の発言さえ、どっちで言ったのか時々わからなくなるからな…
伝わりますように。…ごめんなさい皆さん←
[ 生前のような笑顔はないウェルシュ顔を覗き、
ほんの一瞬だけ困ったような顔をした。 ]
お前が戦うべき相手が居なくなったら、俺が殺してやると言ったのに、
……お前は、俺の知らぬところで勝手に死におって。
罰として、簡単には眠らせてやらぬ。
恨むならば恨め。
え?
あっ、ああ、あっはっへへへへへへへ、
どーやら俺の勘違いみたいですぅ〜すみませぇ〜ん〜!
[全く分からない、どこかで出くわしたか。
その一言は救済の神の御言葉に似ていた。
突然元気を取り戻してばちんとウィンクかまし、異様なほど媚び満載の口調で謝りながら距離を取った。
誤魔化しきるつもりで居やがった。]
[ そして、いつもの冷淡な魔王の顔に戻って言う。 ]
お前が覚える命令は2つだけだ。
ウェルシュ、来い。
ウェルシュ、殺せ。
……良く覚えておけ。
俺がお前の飼い主だ。*
ん。そうだね。
あいつがヤコブと関係あってもなくても。
俺達はあいつを止めなくてはいけないんだ。
俺は……いつだってヤコブを信じてるから。
[脳裏に蘇るのはテオドールの宣戦布告。
護りたいものがあって、それがテオドールと相容れない以上、戦いを避けることは出来ない]
[ヤコブの言葉には、力があった。
テオドールが彼を信じた、その時もきっと同じ想いだったろう。
――ヤコブを、信じたいと思った。
自分と同じ選択を、それ以上の選択をしようとしている彼を。
彼の言葉には、それを実現できると思わせる、何かがあった。
…ただ、それはただの言葉に過ぎなくて。
本当に実現できるかと言えば、それはまた別問題だった。
実際に、彼は失敗している。もう何度も。
でも。それでも。
信じてみたかった。託したかった。
この時間軸のイングリッドが、別の時間軸のイングリッドと異なるように、
目の前のヤコブもまた、これまでと違った世界を作ってくれるのかもしれないと――]
……そこでいきなり切り替わられて、はいそーですか、って。
納得するのってのは、はっきり言って、難しいんだが。
……ちゃんとお話しするなら、今のうちだぜ?
[ちょっと怖い方向性の笑みを浮かべて、首を傾げた。
今度はちょっと意図的に、恫喝っぽくなってます]
はて。
しかし、このテオドール案は、「絶対の悪」がコンセプトだったのに、なんでこんないい奴になってるの?
おかしい……オッサンおかしい……。
― カレン・騎士公館 ―
[飛びかかってきたイングリッドに胸倉をつかまれても、振り払うことはしなかつた。
ただ、彼女の叫びを眉を寄せて聞く。
世界の終わり。すべての命の終わり。
途方もない大きさの話に、理解が一瞬飛ぶ。
それでも、イングリッドが言う"彼"が、テオドールを指していることはわかった。
彼女がすべて話し終えてから、その手首を握る。]
たとえそうでも、俺は自分の選択を変えねえよ。
世界が滅ぶかもしれない。
そう言って手を止めるのが正しいなら、アランだって、"鍵"だって俺を選んだりしなかったはずだ。
俺が、選ばれた。
なら、俺のやり方で、やるべきなんだ。
間違ってる? 世界は救われない?
そんなの、誰が決めたわけでもねえだろ。
たとえ未来がそうだと決まっててもな。
それをぶち破っていかなきゃ、先には進めねえんだよ!
[ふつふつと溜まっていた激情が声に噴き出す。
イングリッドの手首を握ったまま、想いのたけをぶつける。]
半分を殺して、半分生き延びればいいなんて世界なら俺はいらねえ!
そんな世界、生きてても死んでるみたんなもんだろ!
俺はあきらめねーよ。
誰一人、誰一人だ!犠牲にしないで済む世界をあきらめねえ!
諦めたらその時点で死んでるんだよ!
あがいて、あがいて、最後まであがき通すのが人間だろ!?
俺は、皆が笑って生きていける世界を作るんだ。
誰かを殺して生き延びる世界になったら、だれも本気で笑えなくなる。
そうなったら、俺を信じていった連中に申し訳がたたねえ。
俺は、俺の未来を作る。
運命だのなんだのが邪魔しても、だ。
そいつをぶち破って、新しい未来を掴む。
それが俺のやるべきことで、俺の"一番大事なこと"なんだ。
[そこまで言って息を吐き、イングリッドから手を離した。]
― カレン南駐屯基地攻略戦 ―
[夜の時間が終わりに近づいたころ、騎士団は静かに進軍を始めた。
攻城兵器は牛に牽かせているため、進軍速度は遅い。
道中の襲撃はなく、魔軍駐屯地を目視できる位置まで到達する。
できるだけ静かに進んでいるとはいえ金属鎧を身に着けた一団である。
加えて、大きな攻城塔は遠くからでも目立つ。
それでも魔軍からの攻撃なくここまで進めたのは、魔物たちが守備に徹するつもりかとも思われた。
実態は、恐怖の支配者が南へ去り、監督する者にも欠けていたための動きの鈍さであったが、さすがにそんな予想は成されなかった。]
[隊列を保ったままさらに近づけば、生者の接近を感知して屍鬼たちが集まってくる。
次々と現れた屍鬼だったが、そこに秩序や明確な意思は見られなかった。
同行させていた祈祷師たちが彼らを塵に帰し、小袋に聖水を詰めた矢を持つ弓兵たちが数を減らしていく。
それを超えて襲ってくる屍鬼に対しては、事前に清めた武器を支給されている一隊が前に出て、打ち払った。
屍鬼の攻撃をしのぎながらさらに前進し、カタパルトの設置位置まで進む。
ここにきて、駐屯地からゴブリンやオークたちが現れた。
手に手に雑多な武器を持ち、ひと固まりになって向かってくる。
これまでと違って無秩序な様子に、さすがに騎士たちも首をひねった。.]
[歩兵で受け止め、騎兵で横撃を加える。
奇を衒わない用兵で魔軍を押しとどめている間に、攻城兵器がその威力を発揮し始める。
カタパルトに装填されたのは、油やコールタールの袋だった。
攻城塔に登った弓兵たちが構えるのは、火矢だ。
それらの兵器から、炎が魔軍駐屯地へと降り注ぐ。
真昼に、なおも明々と炎が燃え盛った。]
[魔物を倒してもすぐに屍鬼となって蘇り、再び襲ってくる。
その事実は、騎士たちも認識していた。
ならば、屍鬼となってもすぐに葬ることができるよう、燃やしてしまえばいい。
これが、今回の作戦の要だった。
火の雨に混乱した敵前線が崩れ出せば、騎兵は一旦本陣後方に戻る。
松明とわら一束を持って再び駆け出し、防御の薄い場所を狙って駐屯地を囲む壁に近づき、火を放つ。
何重もの火計と、風の向きを計算した配置が功を奏し、やがて炎は天を衝くほどに高く上がった。]
[この戦いの最中、盟主の姿はミシェイルとともに空中にあった。
ペンホールズのクロイス家から送られてきた竜具を装着し、専用の鞍に跨って飛竜を操る。
今回の作戦、自分の役割は戦況の把握だった。
上空から見た敵の動きをリアルタイムでシュテルンに伝え、時には指示を出す。
古参の騎士から大きく戦局を見るよう勧められた結果であり、空からの偵察が効果的だと知れた結果でもある。]
/*
ウェルシュ君が楽しんで見ててくれるといいのですが。>ウェルシュ改
人の上半身+蜘蛛の脚は、いろんなゲームなどに登場するから、あとで戦闘する際に全員にイメージしやすいかなと。
(「蜘蛛 妖怪」で画像検索するとたくさんヒットする。たいてい女性ボディですが)
脚8本+人腕2本だと、カウントは10脚だな…
― モーリス ―
[ 若い騎士が己を磨くのと比例するかのように、、
悪の勢力も日に日に勢いを増していた。
魔軍には新しい部族が加わった。
獰猛で邪悪なバシリスクども。そして、闇の眷族ナイトメア。
魔王に従属するにあたって、バシリスクは週に1人の赤子を求め、テオドールはこれを許可した。
そしてナイトメアは、 ]
『 お前の安眠を。この先永遠に。 』
[ この夢魔は、それでテオドールが怯むとでも思ったのだろうか。
鼻を鳴らし、テオドールはこれも許した。 ]
構わん。
好きなだけ奪え。
……ただし、睡眠時間が短いと後から文句を言っても知らぬぞ。
[ そして、
鮮血色の目以外は、タテガミも蹄も漆黒の獣が、テオドールの乗馬となった。 ]
[ 昼の間も、モーリスの上には黒く重い雲が立ち込め、
これから地上に顕現しようという地獄を予告するようだった。
悪の軍勢は大陸にも侵略を開始し、
カレンやペンホールズにも現れては家畜を浚ったり、子供を怯えさせたりした。
……決戦の時は近い……。 ]
[ 昼の間も、モーリスの上には黒く重い雲が立ち込め、
これから地上に顕現しようという地獄を予告するようだった。
悪の軍勢は大陸にも侵略を開始し、
ペンホールズの近辺にもちらりと現れては、家畜を浚ったり、子供を怯えさせたりした。
……均衡が破れようとしている……。 ]
[イングリッドの言葉を全て否定して、
その通りに世界を救ってくれることを、本当は願っていた。
彼ならやってくれる、その確証さえ持てれば…
…無茶な希望を抱いているのは、承知だった。
可能なら、”門”を永遠に閉じ、全てを終わらせたい。
この悲しい時間遡行から、彼を解放したい。
でも、彼に”次”が残されている保証はないから…失敗はできない。
これまでの彼の努力を、無駄にするわけにはいかなかった。
――全てを救うか、全てが終わるか。
もう、その2択しか、ないと。]
[そして想像通り、彼は彼の信じる道を示す。>>306>>307>>308
……いや、想像していた以上のものを、返してくれた。
それは、ただの言葉に過ぎなかった。
まだ何も、成されてはいなかった。
――それでも、
イングリッドを真っ直ぐ見つめるその目に、
手首を掴む、その手に、]
私は…!私だって…!
そんな世界、嫌だ…っ
いらないに、決まってるじゃない…!
[そこには確かに、未来があった。
…それだけで、十分に思えた。]
…あなたに一度、チャンスをあげる。
”門”の近くに、確実に行けるように。
…だから、お願い。
必ずやり遂げて、新しい世界を作って。
救ってあげて…世界を、――あの人のことを。
[胸元を掴んでいた手には、もう力は籠っていない。
最後には小さく呟くように自分の結論を伝えて、
そうしてヤコブを解放した。]*
おまえの前で変なとこ見せられねーしな。
任せろ。
絶対にぶちのめしてやる。
…いや、一緒にぶちのめしてやろうぜ。
[昔のガキ大将としては、これ以上の無様は見せられないところ。
任せろと請け負いかけて、拳をぐいと前に出した。
拳を打ち合わせるいつものしぐさ。
頼もしくなった友人と一緒に困難に立ち向かう。
なによりも心躍ることだった。]
[この男、何気に無言の圧迫が一番怖い、とか。
そんな風に言われる事は多い。
表情動かす相手が限定されてる反動なのだが、とにかくじーっと見られるのが怖い、というのが、一般的な評価である……というのはさて置き]
/*
繰り返しても変わらない、と言っている陣営に確証を見せるのは大変なのです。
何を言っても単なる言葉。そう。単なる言葉。
なにかこう、いろんなものをひっくり返せるような考えが思いつければいいと思うんだけれども、今のところは青臭い理想論で押しまくるしかない。
新しい未来、がこちらのキーワードかなあ。
― カレン南駐屯基地攻略戦 ―
[盟主であるヤコブの合流を待って開始された攻略戦。
進軍中の妨害が無いことに疑問が浮かんだりもしたが、攻城兵器も合わせ目的の位置へと辿り着く。
事前の準備が功を奏して屍兵に対してでも効果的に応対することが出来ていた]
[そうして露払いをしている間に、攻城兵器が動き、弓兵達が火矢を放つ。
燃え上がる駐屯地から逃げ出す魔物もままあったことだろう]
これまでのような統率がなくなってる…。
指揮出来る者が、居ない?
[無秩序に動き回る魔物に呟いて首を傾げた。
祈祷師に紛れ屍兵に対処する合間、燃え上がる炎に更なる追撃を加える]
”
[始まりの言葉を紡ぎながら、楽譜集の端をタクトで叩く]
──
──
──
──
[喉の痛みに耐えながら、どうにか歌を歌い上げた。
振り上げたタクトの先から焔が走り、駐屯地の一角へと降り注ぐ]
― 子育て奔走記 ―
[騎竜の調教方法にはいろいろある。
だが、いろいろ聞いた挙句、卵をもってきたソマリアランの取った手段は――]
ちちうえー、ほんとに好きなのもっていっていいんですか!
[ローゼンハイムに案内されたクロイスさんちの武器庫。
そこでソマリアードは自分の身の丈にあった武器と防具のセレクトをする]
「いいなあ、アランばかりー」
[そうぼやいて見守るだけなのはソマリアードである。
だが仕方がない。父親から「アランから3本勝負で1本でも取ったら」といわれて、三戦全敗のアードには参加する資格がないのだ]
[そうして、扱いやすそうな短剣を2本携え見守る子供のそばで、いよいよ殻にひびが入る。竜の視界に入らないように、隠れる見物人。そして、いざとなれば助け舟を入れられる位置にローゼンハイムが入る]
[そうして生まれた竜が翼を広げれば、全長は子供と同じくらいに見え、爪や牙の鋭利さも、子供が持つ短剣と同じくらいに見えたのだが――]
わーい! かったー!
[わりとあっさりと。竜は両角を折られ(片方でよかった)、常識の知らない子供に屈服させられるんであった。この時の角から削りだされたのが、2本の竜笛である。普通竜笛は1本しか作らないのに、余分に人間に痛い目をあわせられ、そのせいで調教がうまくいかなくなったのが今のミシェイルなのであった]
[そうしてしばらくは、おんぶひもについているのが卵ではなく、竜になった。
竜も仕方ねえなあ、という感じで物理を畏れ、アランのいうことはきいた。
アードのことは、生の豚肉を切って、ミルクくれるひと、という認識になった。アランはわりと適当だったから相手が赤ちゃんでえさを定期的にやらねばならぬということを忘れてしまうのである]
[この間、あちらこちらのご家庭に幼竜を連れまわしては、竜が牙や爪をむくことにアランの教育的指導が入るという、誰に危害を加えてはならないのかという教育が徹底的になされた。
リンドブルムさんちはわりと寛容であったが、シンクレアさんちにはそれはそれは怒られたのはいうまでもない]
[だが――一つ問題が起きた。甘やかしすぎたのである]
[やわらかい畜産の豚肉しか食べない。
それでは、いざ外へ連れ出したときに何の役にたたない。おなかへったから、とすぐに人里入って豚肉を食わせているようでは、お前故郷の火山に帰れない、というか野生に戻れないだろ! というやつである]
ちちうえ! 家出します
[すがすがしい家出宣言]
[夕飯までに帰るんですよー、という母の声にも元気よく頷いて、それはもう勢いで家出していった]
ちちうえ、スリングください!
[ちゃんと小竜と夕飯に帰っての話である]
[兎に角竜に狩りを教えるのにあたって、同じように物理で飛び掛っていては意味がない。
滑空、飛び掛り、それらを効果的に教えないと―― そうして選んだのが、子供だって簡単に使用できる投擲道具だった。]
[こうして、近場の森や林で、狩りをしてはミシェイルに狩りを教え、これが野生の生肉だー、しかと食えー、みたいな教育的指導をしていた]
[従卒やっているアードが館に帰ってきた時も、一緒に狩りにでかけた。これがまた大変笑い転げるように面白かった。とりあえず、焼いた肉の味は覚えさせてはならないと二人心に誓った]
[そうして、森と家と、往復する感覚が少しずつ長くなる。
ミシェイルには野生の夜を、火山を教え込まねば! という親としての使命に目覚めたのである。
ちなみに、ミシェイルがアランのことを親として慕っていたかといえばNo.である。じゃれつく以上の苛烈な攻撃があり、アランはそれを悉く撃退した。自分よりも大きな化物に正面から堂々と優位さを見せ付ける。……そういうやり方の師匠は、ミシェイルだった]
/*
wwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwww
だめだやっぱつらい。
これポータルなくてもいけるな!?って乗るべきなのかどうなのか、なんもインスタントに事が運ぶけれども!!
[そんなある日のこと]
[生肉の強奪事件にあった。
鷹に奪われた生肉を、ひとりと一匹でおいかけた時に――自分よりも幼い女の子が、鷹のしつけの練習をしていた。
竜を手名付けるのに生傷だらけの自分。
とても信頼関係の構築されている若き鷹匠。
……あのこすごい! という感嘆とともに、声をかけようかと思ったが――、ミシェイルが鷹を食べたそうにしていたので、そっと森の奥へとひっこんだ。
この後、彼女と再会するのはアードが正騎士になった後のことである]
―1度きりのチャンス―
私がいれば、魔物の支配する半島の南を抜けることも容易だわ。
ただし、連れていける人数は限られている。
…今回、私がしてもらったのと同じことね。
一人…精々二人、かしら。
だから、
モーリスより先、"門"の手前にポータルを開くのはどうかしら。
[一回だけ与えると決めた機会。その方針について提案する。
奇しくもそれは、彼ら騎士団が行おうとしていたこと。]
[やがてミシェイルは、幼竜から子竜へと脱皮を経て、クロイス家から飛びだっていった。
飼い主が呼ぶまで帰ってくるな、が基本であったのだが。
それでも怪我したときや、豚肉食べたいときとかに、クロイス家にいるのはご愛嬌である。了]
私は、魔法はあまり詳しくないの。
そういうのはパスカルが…兄の方が、得意だったから。
そんな人でも発動できる呪具があるなら、私単身で向かっても構わないわ。
そうでなければ、術師を寄越して。
…早馬で3日あれば、辿り着けるはずよ。
[この行動がテオドールに知れたら…
その先は、考えないようにした。
…彼のためだった。
彼を救うため、自分の取れる最善の手段を選んだ。
彼のために、戦うと決めた。
この命が尽きるその時まで――
もう、失いたくはなかった。
大切なものを護るのだと、そう覚悟を決めたから。]*
― 初酔いの夜 ―
[それは騎士団に席を置くようになって、左程経っていない頃のお話。
シェットラントは、まぁ理由は分からないではないけれど、あまり此方には寄りつかず。
ヤコブは、遠目にたまーに見守っているもののまだ成長途上で先が長い。
魔物はたいして現れず、世界は平和で、民はつかの間とは知らない春を享受しており。
けれど騎士団は騎士サマの集団だけあって、キリリと真面目な人間が多く、気を抜かずに警戒を怠らず修練に励んでいる。
怠惰な魔女は、暇だった。
…と誰かに喋ると、なにもしないから暇なんだろうと仕事を押し付けられそうになったが、そうではない。
そうではないのだ。仕事は丁重にお断りした。
暇なのが嫌とは言っていない。
ただ、暇なのだ。
なにかしたい。でも仕事じゃあない。気晴らしがしたい。
―――魔女は大層我儘だった]
[とある夜。
酒瓶を片手に、騎士団の宿舎を歩く魔女の姿があった。
ホートン砦警護の為しばらくペンホールズを出ていたリンドブルム卿が、帰還したとの情報を耳にしたからだ。
魔女には友達がいない。
だから酒を嗜む時も基本は独りである。
この日も、ひとり部屋で杯を傾けていたのだが、そういえば…と先の情報を思い出したのだった]
[酔った頭で考える。
なんで行こうと思ったんだろう。
騎士団で一番真面目そうに見えたから、あえて酔わせてみたくなったのかもしれない。
酒を持って急に押しかけ時の反応が見てみたかったのかもしれない。
暇な魔女の、迷惑な思いつきの遊び。
…ちなみに騎士団長の息子ソマリアードも、真面目ランキングでは上位に食い込む御仁だったが――あちらは妻帯者。
そこんところは気を使った魔女である]
[リエヴルの部屋の前で、とんとん。軽い調子でノックする]
突然だぁけどぅ、誘いにぃきたのよぅ。
[開いた扉の向こうにいた相手へ
手元の酒瓶を見せるように掲げてから]
[そう、ただでさえコイツぁ騎士様だな真正面からやったら魔法発動までにぶっ殺されちまう、と思った相手である。
めちゃくちゃ早いし強い。勝ち目とか正直ない。>>+136
しかもご紹介頂いた内容が。
千体屠った矛であると。そんな相手の肉体言語が弱い訳がない。間違いなく。]
あっ、
[勢いよく走り出したはいいが。
何かにおもいっきりけつまずいて、ずさーっと顔面から転がっていった。正直一発打たれる方がマシだった。
どこまでも残念なやつだった。>>+137>>+138
しかし、あの投げた酸が、彼の馬に傷を付けなくてよかったと思う。
もし傷ついていればきっとこれでは済まなかった。同じ目に会された(被害妄想)だろうから。]
― 首都モーリス ―
……カレン南の駐屯地が、攻められている?
[ 翼を痛めつけて飛んできたハーピーからの報告に、
テオドールは読んでいた文書を床へ叩きつけた。 ]
何故、実際に攻められるまで気付かなかったッ!
飯炊きの煙、人の出入り、馬の飼葉の入荷具合、
そんなものから察する事は出来ただろうがッ!
[ 激昂したが、ここからカレンまでは遠い。
今から援軍を差し向けても遅すぎる。
唯一の方法は。 ]
イングリッド!
そんな報告は受けておらぬぞ!
[ カレンに派遣してあるはずの情報屋へ、「あかいこえ」で叫んだ。 ]
[かなり問答無用だったが、無理やり部屋に入り込んで杯を要求した。
秘蔵の酒だからぁ、とか言った気もする]
…、独りじゃぁ…美味しくないんだものぅ。
[結局押し切って酒を飲んだ。
今考えても、よく追い出されなかったと思う]
― カレン・騎士公館 ―
[離れていくイングリッドの手に、ちらりと視線を落とす。
彼女の最後の言葉には、少し驚かされた。
魔軍のためであれば、利敵行為だ。
でも彼女はただ、彼のことだけを考えているのだと知れる。
テオドール。彼女にそこまで思われている男。
自分が知らない彼の顔があって、そのためにイングリッドは彼を救おうとしている。
そう考えると、不思議な心地だった。]
……信じてくれてありがとな。
後悔は、させねえ。
必ず、やり遂げてやる。
で、そのチャンス、今すぐじゃねえと無理か?
俺はすぐには動けねえから―――
[ちらとシェットラントを見た。]
[会話は多くもなく、少なくもなく。
ゆっくりと他愛も無い話題を重ねた後。
なんで誘いに来たのか問われ――とろんと翠の瞳をリエヴルに向けた]
[シェットラントと言葉を交わし、方針の確認をする。
その結果はともあれ、話の最後にひとつだけ、とイングリッドを見た。]
聞かせてほしいんだけどさ。
あんたから見て、テオドールってどんな奴なんだ?
[今まで相手の姿も知らずに戦ってきた。
きっとそれじゃいけないのだろうと思うのだ。*]
なぁんて、…… ねぇ――――…
[ぽやんと冗談めかした笑みを添え。
傍のクッションを抱えて、ぐぅ。と眠りこけてしまった。
それが、初めてリエヴルと飲んだ日の…記憶*]
― カレン・騎士公館 ―
[会見の間、シェットラントはイングリッドの斜め後方、壁際に立つ。
もっとも出入り口に近い場所でもあった。
そこで沈黙を保ち、ヤコブとイングリッドの会話に耳を傾けていた]
───余計な世話です。
[カレンへと来る途中。
イングリッドの零した感想>>230へ返した声はやはり、にべもない。
それが余計に彼女の癇に触ったのだろう。
続く言葉を拝聴する羽目になったのだが]
────。
[その最中、シェットラントの顔がより一層硬くなったことに、彼女は果たして気付いただろうか。
氷の人形。過去に受けた称号そのままに]
…っ
[シェットラントが一度身じろいだのは、
彼女がヤコブの胸倉に掴みかかったその時だ>>287
だた。彼女には殺気がなかった。
故に背後から術も刃も向かうことはなく、その様子を見守り続ける。
彼女の口から、その提案>>319が成される時まで]
一度だけのチャンス?
[背後からその意を問うて、続く言葉に沈黙を置く。
ちらりとヤコブの視線がこちらへと投げられる>>328
それへと視線を返し、頷き返した]
― カレン南駐屯基地攻略戦 ―
[上空から見下ろす地上は、まさに火の海だった。
作戦がうまくいっていることに喜びながら、
地上の様子を見つめ、敵の動きを読み、伝える。
戦いの全体を知ることの大切さを、身に染みて感じていた。
時折飛行する魔物に襲われたが、ミシェイル自身が叩き落とすか、自分の愛用の剣を抜いて応じた。
"鍵"の剣は腰にさしたまま、抜いていない。
こんなところで『使用期限』を減らしたくなかった。]
― カレン・騎士公館 ―
では俺が共に行きましょう。
俺と、出来ればもう一人……いや。
何でもありません。
[言いかけて首を振ったのは、罠の可能性を考えてだ。
罠でなくとも何が起こるかわらかない、行き先は魔境である。
損害は最小限に済ませるのが最善だろう]
道行きにはつまらない相手かも知れませんが、ご容赦を。
[道中の会話を引いて、イングリッドへ薄い笑みを向けた*]
― カレン南駐屯基地攻略戦 ―
けほっ けほっ
……えぇ、大丈、夫。
[歌い上げたは良いが、咽てしまい身体を軽く折り曲げ手を口許に手を当てた。
無理はせずに、と祈祷師からも声がかかるが、それはやんわりと断りを入れる]
[燃え盛る炎は天を突き、その先を見上げるかのように視線を上げる。
そのまま周囲へと視線を移すと、一騎の竜が空を舞う姿>>334が目に入った。
良く見ればこちらに手を振っているようにも見える]
ヤコブったら。
[この場で竜に乗る者など1人しか居ない。
戦場に居るとは思えない仕草に苦笑したが、タクトを持つ手で一二度、空へと手を振り返した]
/*
シュテルンに来て貰うのが美味しいのかどうなのか
何がどう動いていいのか 悩ましくなって来ていて、お忙しそうだからなあああ
イングリッドさんにはさっきの勘違いをすまないと言う。
他の手段でぽーんと飛ぶのかと思ったの!!!w
きゃあああああああ!!!
[天を突いた焔ごと押し潰さんばかりの劫火が騎士団目掛けて吐き出された。
戦っていた魔物ごと焼き払うかの如き吐息は地面を這い、逃げ惑う者達の後を追う]
[その場に居たローズマリーもまた、例外なく劫火に巻き込まれた]
…もちろん、今すぐにとは言わないわ。>>328
ただ、急いで欲しいのは事実よ。
私にも、時間がないから。
[一度のチャンスだ。彼もじっくり準備を整えたいだろう。
シェットラントと相談する様子を見て、答えが出るのを待つ。
やがて返される答えに頷く。>>336]
よろしく、シェットラント。
…あなたの準備が終わったら、声をかけて。
/*
既に地上で死亡フラグバリバリだというタイミングでロズマリちゃんに捧ぐ…。
魔女のオマジナイ効果ないですねすみませんwwww
[会話の最後には、やはり聞かれた。
シェットラントも疑問に思っていたようだったが。
…それはそうだろう。
人類の半分を殺そうとしている、冷酷な魔王の部下がこれでは。]
テオドール・グラムワーグは…真面目な人よ。
無茶な約束でも必ず果たそうと奮闘する、
…そうね。ヤコブ、あなたみたいな、真っ直ぐな人。
それから、
[ふっと笑って。]
…温かい人よ、本当はとても。
忘れないで…彼も私たちと同じ、血の通った人間なの。
父も母も、妻も子もいる人なのよ。
――だから、助けてあげて。
[何から、とは言わなかった。
ヤコブに怒鳴りかかりながら、つい自分が口走ってしまったものに関しては…
…彼は疑問に思ったかもしれないが、問われてもそれ以上語ることはなかった。]*
― カレン南駐屯基地攻略戦 ―
どうした!おい、って!
落ち着けよ!
[暴れるミシェイルを苦労してなだめ、幾度か振り落とされそうになりながら落ち着かせる。
だが、その時には上空に巨大な赤い竜が迫っていた。
かぱりと大きく開いた口は洞穴のよう。
黒々とした喉の奥からせりあがるように、劫火が渦を巻いて伸びるのを見る。]
[このまま上昇し、炎の範囲から抜けることはできただろう。
ミシェイルはそうしたがったし、それで助かることも分かった。
だが、地上には幼馴染がいた。
一緒に最後までいこうと約束した、幼馴染がいた。]
させるかっ! くそおおぉぉぉっ!!
[幼馴染を守るように炎の前に立ち、"鍵"を抜いてかざす。
守るつもりだった。
どうあっても。
この剣で炎に対抗できるかはわからない。
それでも、身体は動いていた。]
ローズマリーさんに信じてもらえるのって嬉しいですね。
うん、任せて下さい。
[妙にくすぐったい気分がした。
それは、きっと彼女への憧れ――]
[この時間軸で、
たとえ父が、もう父となることのないヤコブであったとしても、
たとえ母が、世界の輪廻から外れた存在になっていたとしても、
妻が一介の部下になり、子が生まれていなくても、
――それでも、彼の人生に於いて、彼らは確実に"存在した"。
だから、"いる"と。そう伝えたのだった。]
俺の準備は、もういつでも。
[イングリッド>>342へと返す口調は軽い。
準備は既にペンホールズで整えてきた。
それゆえの速さと聡い彼女ならば気付くのかも知れないが、
構う必要はないはずだった]
[ まさか、と思ってから、
あり得ない、と否定する。
どの時間軸であっても、彼女は自分の味方だった。
最後まで傍に居てくれた。 ]
[ だが、だが……。
ここは、「類稀な未来」だ。
だから……。 ]
/*
興奮して落ち着きがないなうww
マリーは、最後にこんなの差し挟んでごめん!
でも、こいつならきっとやると思ったんだ…。
− 魔王凱旋後のモーリス −
[今や、モーリスを廃都と呼ぶのは実情にそぐわない。
「グラムワーグ魔王国」と称する勢力の首都に定められたそこは、流れ込む者たちが無節操に建てた傾いだ住居や生活の匂いに満ちあふれた──混沌の都だ。
賞賛されることを喜ぶくせに、人目を避けたがるベリアンはそんな喧噪を離れ、モーリス近郊の森の中にある池の浮き島に草庵を結んで、死霊魔導の研究に専念していた。]
[ヤコブらが魔軍への攻撃を開始した、その朝。
イングリッドはシェットラントを連れてカレンを発ち、一路南を目指した。
途中、あちこちに点在している魔軍の駐屯地にて、馬を変える。
シェットラントは騎士であり、馬にも乗り慣れている優秀な魔術師だった。
…だから、どの伝令より、早い自信があった。
この行動がばれるとしても、それはきっと、彼を"門"の近くにまで送り届けたあと。]
[池の周囲を屍鬼が徘徊しているせいで、魔物は近づかない。
そもそも、草庵へ歩いて渡る橋もなかった。
出かける必要がある時には、池に入った屍鬼に浮き島の根を掴ませ岸まで引かせる。
最近は、それらの屍鬼もますます奇矯な形をしたものが増えていた。
屍鬼同士を融合させる術の賜物である。]
[ テオドールがイングリッドに求婚せず、別な娘と政略結婚した4周目のように。
あるいは、
テオドールとイングリッドが出会わず、彼女が騎士団についていた6周目のように。
だから、そんなことも、
もしかしたら。 ]
/*
ここまで時間が押すと、イングリッドの墓落ち大変そうだなあとおもうけど、きっと魔王様がどうにかしてくれる!はずだ!
あとはマリーを応援するだけの簡単なおしごとです。
[熱い] [痛い]
[そう思う間も無く降り注いだ炎。
周囲にちらほら残る草木も燃え、辺りは地獄と化していた]
………ぁ………ぅ………
[感覚が無くなるとはこのようなことを言うのだろうか。
服もあちこち焼け、その下の肌も爛れている。
それなのに、『痛い』と言う感覚が全く湧いてこなかった]
………ぉ…”
[自分の状態を省みず、歌を紡ごうと声を絞り出す。
感覚が無くなると同時、喉の痛みも無くなっていた]
[予想通り、テオドールから"声"が上がったのは、
シェットラントを門の近くまで案内したあと。]
テオドール様、私は…私は…
今、モーリスの近くまで、来ております。
[そう、正直に話すほかなかった。]
──
──
──
──
[歌に一節増やしたためか、ローズマリーの執念とでも言おうか。
ローズマリーの周囲に光の粒が現れ、それは緩やかに周囲へと広がっていく。
死した者には安らかな眠りを。
傷を負う者には癒し、立ち上がる力を。
ローズマリーの願いが込められた歌が、か細いながらも広がっていく]
[ただし、触媒無しの代償として、ローズマリー自身から削られるものもあったが]
(──ごめん…ヤコブ…)
(約束、護れない、みたい──)
(──でも、ずっと、信じてるから)
(ヤコブなら出来るって……信じてるから───)
[声は途切れ、唇が力を失う。
伝えたい言葉が音になってくれない]
[幼馴染は、
[その日、ベリアンは草庵を離れて、モーリスへと向かった。
テオドールに”霊薬”を届けるべく。
浮き島と魔王城とにテレポーターがあれば、二者間の移動が手っ取り早いことは理解している。
だが、あれは実に精密な構築を必要とする論理魔法だ。
少しでも挿入要因が狂えば、うっかり壁の中なんて悲惨な事態にも起こりかねない。
あれを扱えるのは──
ともあれ、風で移動してしまう浮き島に設置するのはまず無理であった。]
シェットラント、この先は、一人で行って。
私は…行かなければならないところが、できたわ。
[そう言って彼を置き、足早にそこを去ろうとするだろう。]
あの頭数が居て……無能揃いめ!
……ホートンの防衛を増強せよ!
斥候をいつもの倍出せ!
カレン南部駐屯基地へ、周囲の駐屯地から兵を出せ!
騎士団が南下するならば、食い止めねばならない。
……いや、むしろ、こちらから討って出るか。
決戦の準備だ!
…テオドール様、
ごめんなさい、私…
私は、貴方のために、
貴方を救いたくて、それで、
[テオドールの声が頭に響く。
…上手く、言葉を紡げない。]
貴方のためなんです。
…貴方を愛しているから、だから……!
[事情も説明せず、何のことか彼にはわからないだろう。]
今、そちらへ向かっていますので…
だから、そこで直接会って、全てを……
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