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野茨公 ギィ は 野茨公 ギィ に投票した
神子 アデル は 野茨公 ギィ に投票した
吸血鬼 シメオン は 野茨公 ギィ に投票した
聖将軍 ソマリ は 野茨公 ギィ に投票した
聖光の ユーリエ は 野茨公 ギィ に投票した
純血種 アプサラス は 野茨公 ギィ に投票した
変わり者 アレクシス は 野茨公 ギィ に投票した
使徒 リエヴル は 野茨公 ギィ に投票した
公弟 ヴィンセント は 野茨公 ギィ に投票した
志願兵 オズワルド は 野茨公 ギィ に投票した
修道騎士 バルタザール は 野茨公 ギィ に投票した
騎士 ジークムント は 野茨公 ギィ に投票した
奴隷騎士 クレステッド は 野茨公 ギィ に投票した
野茨公 ギィ は村人の手により処刑された。
次の日の朝、志願兵 オズワルド が無残な姿で発見された。
聖光の ユーリエ は、野茨公 ギィ を護衛している。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか?
現在の生存者は、神子 アデル、吸血鬼 シメオン、聖将軍 ソマリ、聖光の ユーリエ、純血種 アプサラス、変わり者 アレクシス、使徒 リエヴル、公弟 ヴィンセント、修道騎士 バルタザール、騎士 ジークムント、奴隷騎士 クレステッドの11名。
■本日の予定
投票先はシメオン
人狼の襲撃先はリエヴルにセットしてください。
護衛はリエヴル以外でご自由に
アレクシスは本日、または明日、ギイに復活能力をセットしてください。
墓下は意識体状態でRPを続けてください。
意識体は現実世界に物理的な影響を及ぼすことはできません。
使徒 リエヴルは、吸血鬼 シメオン を投票先に選びました。
神子 アデルは、吸血鬼 シメオン を投票先に選びました。
聖将軍 ソマリは、吸血鬼 シメオン を投票先に選びました。
っぐ、かは――っ!
[容赦のない剣>>3:253は肺腑すらも裂き、呼吸をする度に空気の抜ける音がする。
口からも鮮血を垂らせば、周囲は瞬く間に花畑へと変わった。
頽れそうになる膝を必死に堪えて、脂汗浮かぶ顔を下ろさない。]
――!
[その時、城の様相が変わった。
城主の存在を示す野茨が灰塵へ帰し>>3:266、胸に触れる血玉が弱々しく明滅する。
ハッとした表情を浮かべ、血反吐を吐きながら背の傷へ触れる。]
変わり者 アレクシスは、吸血鬼 シメオン を投票先に選びました。
貴様ぁぁぁ!!
[確かな手ごたえを得るが形成は一瞬にして覆った。
主は盾にされた上、突き飛ばされてこちらへと向かってくる。
しかしながら、大鎌という必要のない付属がついてきたのだった。
この身が剣であるというならする事は一つしかなかった。]
聖将の剣をなめるなぁぁぁぁ!!
[己の体と剣を手に取り大鎌から主を庇う。]
―地下―
滅ぼされたくはないな。
逢いたい人がいるのだ。
――迎えにゆかねばならない。
それに、野茨公への手出しも遠慮願いたい。
彼の方なら喜んでお相手しそうではあるが。
[ユーリエにゆると首を振り、
それは受け入れられないと答えていた。]
― 廊下 ―
[頽れたオズワルドを抱きとめて支える。
彼の首筋にも、自分の首筋にも、赤い傷が刻まれていた。]
妹のためにここまで来た君の執念、
そして、そのために君が代償にしたもの──確かに受け取った。
だが、私は死ぬわけにはいかないのだ。
[影に命じて、オズワルドの身体を地下礼拝堂へ運ぶよう命ずる。]
[冷たい床にへたり込んだままのユーリエを
さすがに訝しく思い、歩み寄る。
彼女の前までゆけば己の膝を床についた。
高貴なる乙女に傅く騎士の如き仕草で]
――其処に居ては身体を冷やす。
[己の白いマントを取るとそれで彼女を包むようにして
細い肩へと滑らせる。]
仲間は呼べるか?
布越しとはいえ魔に触れられるのは厭わしいだろうか。
――…暫しの間、我慢できるなら、神子の元に連れてゆこう。
/*
ソマリとクレステッドの連携が熱い。
嬉々としてやられに行ってしまった。えへへ。
あとようやく左利き設定を出せたので満足です。
今は両利きですが、やっぱり左の方が力強いの。
このチップを見た瞬間に、変わり者+左利きっていうのだけが決まったのでした。そういう顔してる!
純血種 アプサラスは、吸血鬼 シメオン を投票先に選びました。
公弟 ヴィンセントは、吸血鬼 シメオン を投票先に選びました。
公弟 ヴィンセントは、使徒 リエヴル を能力(襲う)の対象に選びました。
奴隷騎士 クレステッドは、吸血鬼 シメオン を投票先に選びました。
[投げられた賽が止まらぬように、大鎌もまた、回転しながら容赦なく主従を襲う。
クレステッド>>3の叫びにも、守られるソマリ>>8にも、反応を見せることはない。いや、余裕がない。]
……くっ、あのお馬鹿さん……!
[胸元の血玉を強く握り締め、力を振り絞る。
背から止め処なく溢れる血液が床を這い、木の床から急速に大量の蔦が空間を埋め尽くし始めた。
それは彼らの足止めと、少しでも消えた野茨を誤魔化すための策。]
――っ!
[男の身体は蔦に隠れ、そのままどこかへ駆けて行く。
点々と床に垂れる血の跡は、ある場所を境に姿を消した。]
[オズワルドに壊された分だけは奪ったろう。
抉られた傷も打撲も、リカバーできるはずだ。]
当初の目的とは違ってしまったが──
[と、意識を向けたところで別の場所にいるギィの”声”が届き、野茨城に異変が起きた。]
[全力を超えた力任せの攻撃が後を引いていた。
負担を強いられた体の反応は鈍く、
初動が僅かばかりであるが遅れていたのだった。
残る方法は身を削っての迎撃の他に残されていなかった。]
だが、そんなことはどうでもいい!!
剣が打ち払わず、何をするというのだ!!
[手に持った剣で大鎌を打ち付ける。
去れど、勢いに乗った大鎌は其れだけでは止まらない。
ならばと剣を手から離し大鎌を手で掴み前へと進んだ。
その凶器が主に届かぬようにと――
熱い痛みが体中を走るが今はそんなことはどうでもよかった。]
[身体の中をギィの魔血が駆け巡る。
体内を蔓に食い荒らされながらも、強力な再生力を持つ修道騎士はかろうじてまだ生きていた。
吸血鬼の囁きが聞こえる。
呪とともに吹き込む言葉の、その何分の一ももう理解できない。
火を吹く瞋恚の眼で睨み返すのが精一杯だった。]
[蔦はしなやかな鞭のように、近づけば彼らに襲いかかるだろう。
数の多さは流れ出た血の量を示す。
しかし弱った身体で生み出したそれは、強い力を持たない。
剣が一閃するだけで息絶える代物であった。]
馬鹿やっちまって…もう逃げれねーんだ。
去ることすらできない…そんな幸運すらも存在しねーみてーだしよ。
[消えちまえれば楽なのに、この城を覆う結界がそれを許しはしない。最悪のタイミングでの邂逅。そんな不運はもう笑うしかない。]
だから…だから…
変わり者 アレクシスは、野茨公 ギィ を能力(復活)の対象に選びました。
─ 地下 ─
[ ジークムントは滅びたくないと言う。
では、本心では自身の罪を悔いていないというのだろうか。
いや、でも「人と逢う」だけなら魔物にならなくても出来たはずだ。 ]
……魔物にならなければ良かったのに。
[ 近づかれると、ハッとした。
しかし、背に回る白いマントは、死者を包んでいたもののはずなのに、
どこか温かだった。 ]
/*
アデルに会えればいいなあ。
野茨公のところに来られるなら、きっとお話できると思うんだ!
もし無理なら、墓下で回想を入れるつもりです。
せっかく振っていただいたのだし、とても嬉しいし!ヾ(*´∀`*)ノ キャッキャッ♪
何を 遺して いく、 と?
後悔… って…
[血の絆を辿り、呼びかける。 必死に探す。
それでも、触れるのは空虚な反響だけで。]
―――…誇り高き、俺の聖剣だ。
[息を散らして、つい、痛みを堪えて笑ってしまった。]
/*
とりあえず、手紙は死ぬ直前に渡す(というかそのタイミングしかないだろう
というのだけは忘れないようにしないとな。
どっちかというとそれが原因でぐっさりいきたい
/*
ソマリもクレステッドもたくさんありがとう!
頭爆発しそうだったけれど、すごく楽しかった!
バトルロール二回目なので、拙さに申し訳なさは募れど、もっと戦いたいと思ってしまったのでした。えへへ。
ソマリとはね、出逢いが違ったなら悪友にでもなれたかもしれないけれど、今の状況じゃどう足掻いても分かり合えないような気がするアレクシスさんでした。
理解はできても納得は一生出来ない。
幸せを願いながら死んでくださいって攻撃するような。
もう言葉を交わす必要はないと、さようならしました。
私はこういうの大好きなんだけれども、ソマリは大丈夫だっただろうか……?
心配そわそわ。
―― ガアァァァァァァッ!!
[限界まで開き切った喉から絶叫が迸る。
カッと見開かれた眼から、溢れ出た血が涙の如くに滂沱と流れた。]
そん… な、
[人を見ることには卓越していた”父”が、永き時を幸せに生きるために与えたもの、
世界を満たしていたものが消える。
魂の天秤は釣り合いを失って一挙に傾いた。]
/*
実はこう、血を霧にして少しずつ吸い込ませて、動き鈍らせるとか考えてた時期も昔はありました。
開放的空間なう。
でも屋根から入ってきちゃうりえさんがすき。
各方面と能力被りやら間の悪さやらで、どんどん設定ずらした結果、結局扇に頼る現在。
挙句風という点でソマリと被ってるのだけどね…
……ど、どうしようかしら…(汗
[>>3:249『そんなの当たり前だろ。お前はうちの家族も同然なんだから。』
冗談交じりに言った言葉には笑ってそう返したのだったか。
はにかみ、肩を組んで笑ったあの頃ような雰囲気など、今は欠片もなく。]
……。
俺も血親と同じ魔だ。
アプサラスを殺すならお前は俺も殺さなきゃならない。
――そうだろう?
[幼馴染の答えは拒絶。
それならば自分は吸血鬼としての意見を伝えよう。
血親を捨てて自分だけ助かるなど考えた事はない。
彼女を生かすのが自分の務めと、護衛役として彼女の後ろを歩いてきた。
憎まれ口を叩き、命すら狙う血の子を捨てる事をせず。逆に二年に及び居場所を与えられてきた恩は感じている。]
悪あがきを!!
その程度ならば!!
[掴んだ大鎌を握り血蔦を薙ぎ払うと
血蔦は力なく消え去っていった。]
さい、ごの足掻きだったようだ……。
とりあえ、ず一段落、だな。
主よ、アデル、もしくは回復が出来るものを探すぞ。
貴方の状態は捨ておいて良いものではない。
[自身もかなり傷ついてはいたが、
主の方が傷つき消耗しているのは明らかだったから。]
力に慣れたなら何よりだ。
もっとも、聖剣は褒め過ぎだがな。
[主につられて笑い出した。]
[マントはユーリエに預けたまま、ゆると立ち上がる。]
必要なくば捨て置くと良い。
――…聖女、ユーリエ。
無事、落ち延びよ。
[教会に居た時に向けたように。
眩しげに彼女を見詰め、ジークムントは踵を返す。]
[彷徨い漂う意識は、悲痛な叫びに呼び覚まされた。
"無"となった世界に、再び色が戻ってくる。
それはどこか、淡い色の硝子を透かしたような風景だったが。]
…… ヴァンス。
[呼び声に応えるように、"声"が零れる。
もはや、空気震わせることのないこえ。]
[慰めるかのように周囲に舞い降りる灰が、突如、黒い風に散らされた。]
… …、
[呆然とそれを見上げた意識に、不意に、破壊的な衝動が傾れ込んでくる。]
[自分は階段にいたはずだ。
だが、ここは。]
……そうだ。
死んだんだった。
[自分で口にして、
その響きが、なぜか可笑しくて笑い声を立てる。]
[摺り潰されるような痛み。
だが、奔流がそれさえも、塗りつぶして、ゆく。
魂の兄を失った余白は、裏返って、真空のごとく暗黒を吸い込んでゆく。]
──…っ !!
[絶望の力に蹂躙される。 命じる声なき声。
もはや、自分の意志とは異なる段階で、哀しみが暴走する。]
……。
[幼馴染は悪趣味な嘘をつく男ではない。
彼の言っている事は恐らくは本当なのだろう。
――そして続いた彼の願いには]
…っ、馬鹿か、
俺にそんな事が出来るわけ…。
他に何か方法がある筈だ。
俺も探すから。だから、
[だから諦めるなと告げる声には懇願の響きが乗る。]
これじゃ、もう……
[たとえ気を落ち着かせても、心が決まっても、何も――。]
何も、聞けないよ……――。
[なぜそうしたのか、わからない。
でも気が付いたときには、かき集めた灰を小さな革袋に入れて、両手で抱きしめていた。]
[リエヴルが血親に大剣を振りかぶるのが見えた。
男は震える喉で息を吸って]
…っ、やめろ…!!
[絶叫じみた声は此方にも響く。]
[見下ろすのは騎士の体。
血の涙を流して立つ姿。
蔓より解放され、自身の残骸たる灰へ駆け寄るアデルへ、そっと手を伸ばす。
やはり、触れられはしなかったのだけれども、背を撫でるように掌を動かして。]
君が知る運命になかった、ということだろう。
… すまないな。
[囁きも、彼の耳に届くことはない。]
[
筋肉の束は一回りも太くなって、精悍な身体を包んでいた黒衣を押し破った。
薬物投与でもそこまではならないほどに隆起した肉体が足元から変色してゆく。
城を包んでいた茨がヴィンセントの中へと逆流したかのように、赤黒い蔓の紋様が経絡を這い上り、透き通るようだった肌を覆い尽くした。
生ける刺青たる茨は、葉を茂らせぬ代わりに、どす黒い瘴気を吐く。
体躯のみならず、四肢にも貌にも烙印は及び、その姿はもはや二足歩行する獣のようだった。]
[絶望に狂い、餓えに支配された灰色の双眸が炯々と光り、魔眼と化して
るぉ ううぅぅ…!
[死の魔獣は、失われた半身を求めつつ、破壊の衝動に駆立てられて、城内を彷徨いはじめた。**]
―地下武器庫―
[重々しい扉を開き中に入る。
実用に適した得物から鑑賞用にも見える繊細な装飾の施されたものまで
古今東西あらゆる武具が整然と並んでいる。
歩みを進め奥の壁に掛けられた長剣の前までゆくと
男はゆっくりとした動作でそれに手を伸ばす。]
――…お借りします、我が主。
[此処にはいない、この城の主に断りを入れて
鞘を左に、柄を右に、剣を引き刃を確かめる。
手入れの行き届いた、研ぎ澄まされた刃に翆玉を細めた。
影が手入れをしているのだろうか。
そんなことを思い、静かに鞘におさめる。]
そうだな、脱臼なら自力で治すが、砕けているようだ。
平衡感覚と意識が傾く。熱が身体に回ると判断力も落ちる。
[左手を己の肩に乗せれば、そこに硬い感触は無く。
眉間に皺を刻んだ。
平静を装うは誰より自らを落ち着ける為だ。
腕の一本二本で騒ぐ矜持を持ってはならない。]
――…それに奴が突如退いた理由が知れない。
何か起こっているぞ、クレステッド。
ユベール…
私は、 わたしが狂うのを止められなかった。
こんなことは── いけないとわかっているの に、
こんな姿で死んだら、 二度と 巡り会えない。
ユベール…。
[ふ、と違和感を覚える。
野茨公の事を想い目を閉じる。
意識を集中させても感じ取れないのは血の親の気配。]
我が君。
[呼び掛ける声が、掠れる。
ゆっくりと開かれた翆玉が頼りなく揺れて
『ギィ』と封じていたはずの名を、くちびるのみで綴る。]
[自らが血を与えた騎士の様子を見ようと視線を上げる。
その視界が、不意に切り替わった。
戸惑い揺らぐ視界が場所を認識するより先に、
魂を引き裂くような声が、叫びが存在を震わせる。]
―――ヴァンス…。
[廊下に蹲り、体を震わせる弟の姿を見止めると同時、
彼の声なき声が流れ込む。
己を呼ぶ声。
血を吐くような、魂が崩れていくような声。]
任務遂行に支障はない。
[無事かといわれれば否ではあった。
しかし闘えないわけではなかった。
むしろ闘志はみなぎっているのだから。]
そちらこそ、無事ではないな?
私よりもよっぽど措置が必要だろ。
さっさと当たりをつけるぞ!
二階か三階。
[ ぽつりを拾い、闇に溶けるように消える姿を見送る。
……不思議な男だった。
今まで見てきた魔物と、違った。
ジークムント。彼が教会に魔物を引き入れたと聞いたのは、1年ほど前だったか。
では、魔物になって1年経つかどうかというあたりだろう。
魔物に堕ちて間がないから違ったのか。
元が高潔な魂だったのだろうか。
もっと突き詰めると、 ]
魔物って、何なの。
[――ガキィィィィィン!]
ち…っ。
[受け止めた大剣は重く、男の手を束の間痺れさせる。
男は上体を捻る事によって起きる遠心力と吸血鬼の膂力で以ってリエヴルの大剣を彼の身体ごと弾き返す。]
[口からも鼻からも、血を吐きながらのた打ち回る。
胸に開いた大穴に、やっと張った皮膚が破れる。
全身の傷痕から、痙攣するたびに床に鮮血を撒き散らした。
魔血が体内に入れば自壊するようにと、あらかじめ強化手術の際に組み込まれていたのだと、聖将ならばそれを見て理解できたかも知れない。
貴重な実験成果が魔の手に落ちるのを防ぐ為に、それは本人にさえ知らされぬ間に仕込まれていた――と。]
新手の追悼。
絆がエゴ化して暴走、的な。
TRPG「ビースト・バインド」だと暴走中に死亡すると真の死になる。アブナイ!
[だからあえて、返事はしなかった]
なぁ…アプサラスって人…いや、人じゃないのか。まあどっちでもいいか。
率直にどう思ってるんだ?
[やめろといっても、もう動いていながらにして、自分と幼馴染との空白の時間を過ごしたであろう彼女のことについて問いかけた]
死に急ぎが多いのは困りものだ。
[呟いた声に思い出すのは、同国の士。
信寄せる騎士が今や、己と別の――、
魔に属する存在になったなどと、知りもせず。]
省みない輩が多いのは、困り者だな。
[呟いた声に思い出すのは、同国の士。
信寄せる騎士が今や、己と別の――、
魔に属する存在になったなどと、知りもせず。
彼への信を、疑いもせずに。]
ヴァンス、泣くな。
いずれ、私たちはまた会える。
こうしてここに私の意思があるのだ。
必ず、戻るとも。
[床へ降り、膝をつくようにして両腕を伸ばす。
漂っていた灰は静かに降り積もり、
弟の体を抱くシルエットを空間に浮かび上がらせただろう。]
兄さん…
野茨公が失くなった……
[血の子である彼なら。
いや城内の様子でクルースニクにも、城主が崩御した事は当に知られていたかもしれない。]
[ひらひらと舞う蝶は、未だ居ただろうか。
城主を失った異変に飛び去ってしまっただろうか。
もしも、まだ居たのなら、視線をツイと投げ。]
―――…見てくれるなよ。
格好がつかない。
[片腕を負傷したとして、折れる矜持は持たない。
だが、代わりに、彼女に似る蝶に見られることを恥じた。
色恋に関して利かない第六感は、蝶に気恥ずかしそうに、
己の失態を隠して身を捻った。]
―地下武器庫―
[野茨公の身に何かあったと思えば合点がいく。
けれど何かあるなどあってはならない。
信じたくはないという思いが強く
考えて打ち消してを繰り返していた。]
――……っ、
[瞠られた翆玉が凍りつく。
齎された知らせに、心の臓が鋭い痛みを覚えた。]
[そのとき不意に、弟が顔を上げた。
兄の存在に気づいたわけではないだろう。
彼の視線は自分を突き抜けて、さらに上へと向いている。
吹き下ろすのは不吉な黒い風。
それは、もはや肉体持たぬはずの己をも揺るがせて
灰を吹き散らし、弟の体に巻き付いていく。
見上げ見開いた弟の目がいろをなくすのを見て、
風が何を意味しているのかを悟った。]
[城主ギィの貴重な最期の血を与えられた血子が、吸血鬼に転化する前に壊れていく。
肉体は今も崩れる端から凄まじい速度で再生していくのに、
脳がまず耐え切れず、抹消していく。
修道会の騎士として、次いでクルースニクとして、
魔物を討滅する日々を、
剣として作られ、剣として生きた生を、
心を預けた友の思い出も、
孤児の兄弟たちともに、修道院で過ごした幼い日々も
もはや記憶にない、母の顔も、]
偉大にして寛大なる父よ。
あなたのいとし子に祝福を。
我々にひとしく愛を注がれたまう父よ。
あなたの使徒に力を。
憐れみ救い絶え間なく慈しみたまう父よ。
あなたの光を求める者に勝利を。
[ 地下の闇に、静かな声が響く。
唱え慣れた聖句は、聖書の第6巻第2節第9章「ゆるし」だ。
しかし、実はこの聖句には気になることがある。
題名である「赦し」が、本文に全く出て来ないのだ。 ]
それを使いこなしてくれるのだろう?
上階だな、了解だ。
では、いくか。
[軽口を叩きながらあるく。
その足取りは少しだけいつもより重かった。
当然といえば当然である。
今の自分は刃毀れ寸前の剣だったから。]
嫌な予感か、私にとっては好感も知れないがな。
[それでも闘える可能性があれば省みず飛び込むだろう。
それが剣の生き様だから。]
[アデルからの知らせに知らず涙が零れた。]
――…野茨公が。
[血の親を失ったと、理解するに至るのは
アデルの言葉であればこそ。
彼が嘘を吐くなど考えもしない。]
すぐにゆく。
だから、それまで気を強くもってくれ。
[実の父かもしれぬ存在とも聞いていたから
そう語りかけて視界を遮る潤みを拭った。]
修道騎士 バルタザールは、吸血鬼 シメオン を投票先に選びました。
修道騎士 バルタザールは、使徒 リエヴル を能力(襲う)の対象に選びました。
[ 幼い頃のユーリエ。
まだ、「おつとめ」を知らなかった頃に、
なぜ、どうして、と周りに聞いて困らせたことがある。
シスターも司祭もそういうものだ、ただ暗記すればいいと繰り返したが、
一番の老シスターだけは、少し違うことを言った。
『 聖書の内容は、時の教皇様のお考えで、
少しだけ修正されることがあるのよ。 』
救世主が唱えたそのままが現代に伝わってるはずなのに、
と、ユーリエはびっくりした。
『 元は本文にもちゃんと「赦し」という言葉があったのよ。 』
どこに?と幼いユーリエは聞いた。 ]
ヴァンス!
―――だめだ、それはだめだ…っ。
[悲鳴じみた声が自身から溢れるのを聞いた。
手を伸ばし、強く抱きしめようにも、それは叶わない。]
偉大にして寛大なる父よ。
あなたのいとし子に祝福を。
我々にひとしく愛を注がれたまう父よ。
あなたの使徒に力を。
憐れみ救い絶え間なく慈しみたまう父よ。
あなたの光を求める者に赦しを。
[ 「使徒が戦いに赴き、魔物を斃すための聖句」
と、今に伝わっているそれは、本来は、
「魔物すら許す聖句」「魔物すらひとしく救う聖句」
なのだと老シスターは語った。 ]
戻れ!
戻れヴァンス!
…頼む。戻ってくれ……
[祈るに似た行為ももはや空しく、
弟の体は変異を続け、狂える魔へと変貌していく。]
[>>~9アプサラスへ話題が向けられれば。]
…あいつは…。
あいつは俺の親だ。
[二年と言う歳月を孤独に暮らしていれば、きっと城主やアレクシスに噛み付く事もなく。
過去を思い出させる出自を持つジークムントと出会ったとしても目を逸らし、拒絶したままだっただろう。]
あいつが俺に居場所を与えてくれていた。
――だから俺は俺でいられた。
[彼女の存在がこの世からなくなれば男は軛から解き放たれ、自由の身となる事が出来る。
けれどそれを経て、永き時を生きていける自信はなかった。
自分の”家族”と思う妹や幼馴染の元には戻れないと自分を律していた故に、親殺しはそれ自体が孤独を選ぶという事。
孤独に蝕まれる事が怖くて、今まで殺せなかったのかもしれない。]
[喪失感を抱いたまま、それでも男は前を向く。
マントなきその背は些か頼りなくあるかもしれない。
それでも剣を帯び、足早に地下を抜けて
神子のいるその場所へと急ぐ。]
本当に――…
あなたは私の心を乱してばかりだ。
ヴィンセント様との稽古をご覧になるはずでしょう。
私の、相手をして下さるのでは無かったのですか。
[月とも薔薇とも謳った城主を想い、吐息を零す。]
[ もしかして、
そんなことはないと思うが、
考えるのはいけないと思うけど。 ]
[ 神も聖書も間違っていない。
いるはずがない。
でも、
教会にとって、少しだけ都合よく変えられた部分が、
もしかするとあるのかもしれない。 ]
[ 聖将の気配を探り、立ち止らないまま、
ユーリエは考える。
もう少しだけ、魔物について知りたい。
……もし、聖書が人間の手で歪められているのならば、
正したい、と。 ]
…………。
[死の魔獣が、犠牲者を求めて動き出す。
歪に盛り上がった背を眺め、
肉体に囚われた声を耳にしたとき、
初めてこの吸血鬼は、自身の死を後悔した**]
/*
よし、とりあえず弟の分だけ反応したところで寝よう。
ちなみに、落とし忘れたかもしれない一文はこれ
確認してないけど、たぶん忘れてる。
↓
[城主だったものが作る小さな山の中、血紅の薔薇が一輪咲いている。
半ば灰に埋もれながら、花弁はあくまでも鮮やかに紅い。
濃密な芳香の中に、微かな血の香が混ざっていた。]
[剣は主を選べない。
ただ、切れ味を変えるだけ。
彼の溢れる才を聖剣として使えるか。
それは自身の度量であり――――。
トントン、と数度彼の肩を労い叩き。]
君と俺の忠義と言う奴さ。
[前後を省いた言葉の意味は、彼に伝わっただろうか。
彼が尽くせば、己は応う。
それが、正しく剣と将の間柄。*]
[呼吸は、本当に息をしているのかと疑うほど細いが、鼓動は不思議なほど力強い。
不意に、目蓋が上がり、うっすらと目を開いた。]
― 逃げ延びた地下で ―
っぐ、ぅ……はぁ……っ!
[ぽたり、ぽたり。
限界を越えて創造した血蔦は、容易く剣>>29に絶たれたようだった。
しかしその隙に彼らから身を隠すことには成功したようで、血の上に花咲く地下道の途中で、耐えきれず膝をつく。
それと同時に、彼らの傍にあった赤黒い大鎌も消滅した。]
まったく、随分とやってくれたもの、です。
[血を操り、想像を繰り返すことは、ただの吸血鬼たる身には大きな負担を齎す。
体力や精神力の低下、自己治癒の遅延、血を求める渇き、代償に苛まれた身体は今にも意識を手放してしまいそうだった。
これだけの傷を負わせた主従に、苦々しい笑みが浮かぶ。]
[男が初期段階で施されたのは、再生能力の他に膂力や脚力の強化があった。
そのお蔭で魔物と渡り合えるようになったと言っても過言ではない。
けれど吸血鬼となった時に男は人間と吸血鬼の力の彼我を思い知った。――男は改造を受ける前よりも格段にそれらの能力が上がっていたのだ。
これでは只の人間は吸血鬼に敵わない筈だ。
だから教会は莫大な金を支払ってでも被検体を集め、研究をしているのだろうと。
けれど出来れば自分の預かり知らぬ所で密かに進められ、一生知らないままでいたかった。
――どの道、適性のあった幼馴染は否応なく巻き込まれていたかもしれないけれど、男はその事実を知らない。]
そうか。彼女に世話になったんだな。
感謝しないとな。
[吸血鬼。といえども、幼馴染が、自分のままでいられたというならば、感謝を向ける相手だ。
職業柄、今までの経験上、敵対する相手であるといっても、己に課したルール上は、そういう存在だ]
[呼び返す声の響きが酷く懐かしい。
男が知るのは一年前のアデルだが
思い描いていた姿に月日の流れを感じながら
駆け寄り、視線を同じくした。]
――…逢いたかったよ。
アデルが無事で、良かった。
[紡ぎながらも無事とは言えぬ存在が過りはするが
頬に伝う涙を拭おうと手を頬へと寄せる。]
[>>622力任せに弾いた幼馴染の身体は宙を舞う。それを目に収めて男は僅かに眉間に皺を寄せた。
もう一本の剣を使って力の向きを修正して壁に着地し、脚力で此方に飛び掛かってくる幼馴染の姿は、さながら獲物を狙う肉食獣のようで。――油断すれば喉を食い破られるだろう。
×の字に組まれた両手に握られた大剣と長剣によって放たれる一閃に対しては、左上から右下に向かって斜めに戦斧を振り下ろす事で応じ。
リエヴルの右手に握られた長剣は無防備になった男の左肩を斬りつけ、深紅の花が咲いた。]
ぐ…っ。
[走る痛みに顔を顰めつつも、男は後ろに一歩分飛んで戦斧を握り直し、相手の隙を窺う。]
しかし、まだ、死ぬ訳には、いかないの、ですから……っ!
[僅かに啜ったソマリの血を頼りに、内臓の傷だけを癒す。
生命活動に支障のなくなったところで震える足を叱咤し、ゆっくりと立ち上がった。]
お馬鹿さんには、返すものがありますし、ね。
[城主の崩御を知った吸血鬼の多くは、悲しみに包まれているのだろうか。
しかし男は涙も、痛む心も持ち合わせていなかった。
僅かな怒りと強い意思だけを抱いて、背中の傷口から溢れる血を翼の形に変える。]
ま、そういうことだ。
私は剣だが、主は違うだろう?
[相手が感心していることには気づかなかった。
おもったままを伝えただけだったから。]
満たされる事があればいいのだがな。
ま、使い倒してくれるというなら期待するさ。
[これからの闘いに期待しつつ上へと足を向けた**]
早く、見つけない、と。
[早く、早く、この命の灯火が消える前に。
気配の消えた今、彼の灰がどこにあるのか知る術はほとんどないに等しい。]
仕方ありません、ね……っ!
[胸元から血玉を取り出せば片手で強く握り締め、地上へと向かう。
魔の力で天井を破壊する音が、城に響き渡っただろう。
その地点から、男の居場所を辿るための痕跡>>9は途絶えている。]
…親だとおもって感謝してるってんなら、守れよ。
"あれ"は置いといたらお前の親を殺しにいく―――お前の家族を奪う敵だぞ
お褒めの言葉に感謝する。
褒美には更なる戦いを頼むさ。
[ねぎらいを素直に受け止めた上で闘いを求めた**]
/*
アレクシスさん中二病じゃないですか疑惑については、黙秘させていただきます。
だって背中怪我したら! 血の形を変えられるなら! 翼生やしたいじゃないですか!
いやそれ以外にも世界皆敵とか大鎌とかその他色々、うむ。
せっかくのファンタジーだからこういうの使いたかったんだ……!
/*
白と背信窓のギャップが堪らなく切ない。
幼馴染殺したくないよー。
一応考えてるプランとしては双方共倒れな感じなんですが。
いい感じにジークムントさんにも血を吸って頂いたし。
そういや今日も吊り先デフォリエヴルさん?
ずっと一緒なのかな。明日には落ちますが。
/*
でで、このまま野茨公のところ直行しようかとも思ったのですが、バルタンの変化と兄弟の再会が発生しているので、少し待機した方がいいのかなかな。
イベント多すぎると混乱するよね。主に私が混乱するよね。
[中空をぼんやりと見つめ、一度だけゆっくりと瞬きをした。
不意にきろりと眼球が動き、やっと彼の存在に気付いたのか、アデルを見遣る。
唇が呼びかけるように開いて、]
見て……
なんだか、様子が変なんだ…――
[奇妙に静かなバルタザールの、纏う気配の変化に困惑を隠せず、眉尻を下げる。
同じく血子となったジークムントには、騎士に身に何が起きたのか、すぐに分かったかも知れない。]
― 3階への階段踊り場 ―
[突如大きな音がなったかと思えば、階段の一部が崩落する。
土煙の中現れたのは、全身血まみれの男の姿だった。
到着と同時に翼は霧散し、弱々しい気配だけが残る。]
……嗚呼、やはりここですね。
[ジークムントとバルコニーへ向かった男>>87――そして、野茨公が腕に収めた少年>>88。
一人確信に至れば、掌で握り締めていた血玉のペンダントを離した。
胸元で揺れるそれは、深く暗い色を宿して、ただ静かに揺らめいている。]
か……は、ぁ。
[血反吐を床に零せば、また淡い花が咲く。
三人のことを気にする素振りも見せず、野茨公の亡骸を、灰の欠片たちを、夜の湖面に似た黒い瞳が探し始めた。]
/*
私は知っている。
早すぎないかって辺りから始めたくらいで、だいたい丁度良かったりするのである。
なので悩んだ末にお邪魔しました。どうせ行くなら、まだ色々始まる前に行ってしまえ精神。
問題はまだ蘇生方法を考えてないことだよね!
身体がないから、血を飲んでもらうってことができないんだよなあ。
そもそも、全部の血をって考えると、身体を創造してから、自分で飲んでもらった方がいいのだろうか。
――俺はお前を失いたくない。
[それと同時にアプサラスも失えない。
二年と言う歳月が、いつの間にか彼女に対する情を生んでいたのだろうか。]
[飛びかかり抜けた先、反対側の壁に足を着く。剣が手を離れ、再度の突撃は叶わない。
膝を曲げ勢いを殺したのち、軽く蹴って着地して向き直るまでの間隙に、幼馴染はどのように動いていたか**]
薬屋さん……――?
[森で暮らした幼い頃、熱を出すたびに彼の薬に世話になっていた事は、母の口から聞いていた。
彼の調薬は一番良く効くと。
たまに母のお使いでお店に行ったことも、思い出した。]
[こちらを注視するアデル>>89の喉元に、吸い寄せられるように開いた口を近付けようとして、
それにアデルが気付く前に、盛大に破砕音が轟き、彼の注意はそちらに逸れた。]
大丈夫ですか…!
[血を吐く様子に思わず近寄ろうとするが、彼が床を見て必死に何かを探しているように見えて。
もしかしたら――と、野茨公の灰をかき集めた小袋を取り出した。]
あの…、野茨公ならここに…――
[そっと、彼に革袋を差し出す。
彼に再生の力がある事は、知らない。
彼が吸血鬼だったことも、今此処で初めて知った。
でも、薬屋さんなら。
いつもお腹が痛いときや、熱で苦しいとき、すぐに治るお薬を作ってくれたように。
きっと何とかしてくれるかもしれない――、と。]
……?
[男の意識を戻したのは、まだあどけなさすら残る少年の声>>95だった。
一度見ても思い出せなかった姿も、その声と動く表情も合わせれば、薄い記憶が蘇ってくる。
男に取って薬屋はあくまで生きるための術で、客の顔などほとんど覚えていない。
笑顔で言葉を交わし、求められる物を提供できるのも、人間たちが男の正体を知らないからだ。
真実を知れば、笑みに細められた瞳がどんな色を宿すのかを、己は嫌と言う程知っている。
故に、有象無象としか認識しないように心がけ、黒ずくめの男たちが己を殺しに来た際も、店への未練など欠片もなかった。]
貴方、は……、
[しかしただ一人、覚えている小さな姿がある。
森の中で暮らしていた親子。
その息子は人でありながら、魔の気配を僅かに漂わせていた。
幼い彼は身体が弱かったのか、よく解熱剤を調合したものだ。
時折おつかいにやってくる際は、何もあげられない代わりに頭を撫でていたのを覚えている。]
いらっしゃい、と言いたいところですが、生憎お薬はありません。
おつかいでやって来るには、ここは随分と危険な場所ですよ。
[にっこりと、昔を思い出させる笑みを浮かべる。
しかし右の耳は欠け、あちこちに小さな切り傷、更には背中を袈裟がけに斬られた深い傷跡もある。
笑顔を浮かべるには、異質過ぎる状況だった。]
[すん、と鼻を鳴らす。
匂いの源を探ろうとするように首を廻らす。
それが、全身血塗れの黒髪の男から発せられたものと分かると、じっと凝視した。]
悪いなんて一言もいってないだろ。ただ、シスコンって。いっただけだ。
むきになるなんて、図星を突かれたようにしかみえねーぜ?ファミルちゃんがなかなか結婚できなかったのってお前のせいだと思うぞ。
[妹を大事にしすぎる兄をもつなかで、恋人をつれてきたファミルには驚いたものだ。そして紹介されたときの幼馴染の顔といったら。と思い出し笑いが漏れる。
もう少しこんな時間を――初めて見たこともない神へ祈るものの気持ちを知った気がする
そんな家族思いなやつだということは重々承知している。]
何かするためには、リスクだって必要な時がある。といっても、俺も教会は好きになれそうな気は欠片もないけどな。
[だから自分のためにだって許せない>>~15といってくれている。それが嬉しくもあるし辛くもある。]
[ジークムント>>98の声に僅かに視線を向け、アデルに触れる様子を見つめる。]
貴殿は教会におられたのでしたね。
……そちらの味方をするのですか?
[二人が知り合いなのだと理解すれば、平坦な声が問いを投げた。
それから視線を名を知らぬ男>>96へ移し、出逢った時とは異なる気配に瞬きをする。]
彼はジークムント殿が……いえ、聞かなくても分かります。
あの方が無茶をしたのでしょう。
一発殴ってやりたいところですが、残念ながらそれもできないようだ。
[肩を竦めて、安易に野茨公の崩御を皮肉に変える。]
[それから、アデルに差し出された皮袋>>99を見て、不思議そうに目を瞬かせた。]
貴方は私が人間ではないと気づいたのではないのですか。
敵に塩を、いえ、灰を送ってどうするのです。
[どこか呆れたような声音で囁いて、以前のように頭を撫でようと手を伸ばす。
しかし己の手が血で真っ赤に濡れていることに気づけば、躊躇に手が止まった。]
[より甘く、比較しがたいほど香り高く。
蛾が灯火に引き寄せられるが如く、彼にゆるりと近付こうとする。
滴る血の、その一滴なりと舐め取ろうと。]
[アデルへ視線を落としていれば、新たな同胞>>103の視線に気づく。]
嗚呼、お腹が空いたのですね。
[赤子が乳を求めるように、生まれたばかりの吸血鬼も血を欲するのだろう。
納得したように頷いて、アデルの手から皮袋を奪うように取る。]
通常であればお断りするところなのですが、今なら構いませんよ。
その代わり、あまり吸い過ぎないでくださいね。
貴方の親を復活させるために必要な血液ですから。
[片手にしっかりと彼の親を抱えながら、ゆっくりと男に近づく。]
――お名前を言ってごらんなさい?
[躾を施すように、血に濡れた指を彼>>108の唇へ押し当てる。
欠けた耳から零れた血液が、頬を伝い、そして首筋へと落ちた。]
[斬。音をたて、纏っていた魔を斬りはらう。
せめてもの抗い、最低限であるが、今の自分には出来過ぎた希望]
魂まで堕ちないようにする。
[限界まで改造された体は、もう、自分のものともいえない。
だが魂は、己のもの。鎖を払うまで逃げ切る。]
[振り返った時、幼馴染は男の左肩を切り裂いてそのまま脇を抜けていき、反対側の壁に着地していた。]
はあああぁぁっ!
[男は再び戦斧を握りしめ、間合いを詰めながら幼馴染に向かって得物を振り下ろす。
聲を通して聞いた、幼馴染の望みを叶えようと。**]
[ジークムント>>111の答えには、満足そうな笑みを浮かべる。]
今は、それで構いません。
[教会は野茨公の敵だ。しかしアデルは分からない。
その身に宿る気配、教会側の者であるはずなのに灰を手渡してきたこと。
今判断すべきは、己の敵ではなく、野茨公への脅威だ。]
[渇いた唇に押し当てられた指。
ちゅう、と乳呑み児が乳房にむしゃぶりつくように無心に吸う。
舌で一心に舐り、綺麗に舐め取った後も、もっとと強請るように切なげに見つめた。]
[彼が望んだ訳ではない。己の我が儘だ。
自分の願いの為だけに動く、ひどく自分勝手な行動だと自覚して尚、その唇は止まらない。]
貴殿は野茨公を裏切らない。
そうでしょう?
[それは、確認よりも呪縛に近い言葉だった。
答えを求めない問いは、深い笑みと共にジークムントへ投げられる。
そして視線は、再び生まれたばかりの吸血鬼へ戻った。]
聖光の ユーリエが「時間を進める」を選択しました
[血に濡れた指は舌で拭われ>>117、代わりに唾液を纏う。
吸い上げられる感覚にも表情を変えることなく、別の指を宛がった。]
ほら、もっと欲しいでしょう?
[もし彼の身体にまだ傷が残っているのなら、瞬く間もなく塞がってしまうだろう。
痕跡すら残らず、滑らかな肌へと生まれ変わる。
その代わり、血を得る度に少しずつ、微かな喉の渇きに苛まれるはずだ。]
そう、名前。
ひとつできたら、ひとつ。
ご褒美をあげましょう。
[幼子に言い聞かせるように、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
教育と洗脳の狭間、甘露を眼前に吊るして。]
そうですか、バルタザール。
貴方はきちんと返事のできるいい子ですねぇ。
ご褒美をあげましょう。
[にっこりと微笑んで、新たに押し当てた指を唇の中へ滑り込ませる。
そのままもっと身を寄せれば、血の香りは更に強くなった。]
ではもうひとつ、貴方の親は誰か分かりますか?
[近づいた距離、耳元へ唇を寄せて、そっと囁いた。]
─ 1F:キッチン ─
[ 痛めた足で、可能な限り急いで歩いた。
上階へ向かう狭い階段を見つけて、
シスター服の裾を持ち上げ、慎重に上がる。 ]
……ここ。
[ 蝋燭の明かりに目を細めた。
水の匂い、灰の匂い、そしてお酒の匂い。
……水と聖餐以外の食事を知らぬユーリエは、
置かれた食料の名前を半分も当てられない。 ]
魔物も食べ物を食べるのかしら。
[ 何を悠長な、と自分を戒める。
秋色の聖将と烈火の騎士の聖気が、
ゆらゆらと不安定なのも気になるが、
今は神子の震える心が気になった。 ]
……。
[ 神子の傍に、何か良くわからない気配がある。
見覚えがあるようなないような、
でも、あまり良くない感じのもの。 ]
ん。
[ 壁や台を手すり代わりに、急いだ。 ]**
[ジークムント>>121の忠誠に、バルタザールへ身体を寄せたまま、視線だけを移す。]
貴殿は、野茨公のためだけに動けばいいのです。
私に傅く必要などありませんよ。
[男は仲間を持たない。
それは野茨公のためだと言っても変わらなかった。
ゆるりと目を細めて、視線をアデルへ移す。]
あの方は、その少年を気に入っているようでした。
教会の魔の手から守ってさしあげれば、喜ぶやもしれませんねぇ。
[沐浴場でアデルを抱きかかえた野茨公の表情を思い出して、そんな言葉を紡いだ。
あとは自分で考えなさいと言わんばかりに、視線は逸らされる。]
ん…… ふ、
[新たに宛がわれた指にも舌を這わせ、指の股まで絡ませる。
そのひと舐めごとに、再生は進み。
胸の大穴の痕は目覚めた時にほぼ閉じていたが、歪に塞いだ皮膚すら綺麗に修復されていた。
まだ餓えしか知らない新生児は、募る渇きの正体も知らず、乳母たる青年の促すままに血を貪った。]
そのシスコンっていう響きが嫌なんだよ。
俺なんてそう逸脱してねぇだろ。普通だ普通。
…な…。
[>>~19男にシスコンの自覚はない。
妹のいる家に帰る為に外出時には門限を設定していたり、気になる女性と妹の用事が重なれば妹を取ったり。そういった事はごく普通だと思っていた。
お蔭で失踪するまで長く続いた女性などいなかった。
妹が結婚出来なかった事は自分の所為と聞けば目を丸くし。
妹が恋人を連れてきた時は魂が抜け出たかのようにろくに話す事も出来ず。――その夜は幼馴染を巻き込んで自棄酒をして、翌日は二日酔いに悩まされた。
まだ時間が足りない。
二年も離れていたのだ。もう少しこうしていたっていいではないか。
教会に対して怒りは募るばかりだが、これに至っては神に縋りたくなる。]
…お前じゃなかったら一思いにやれるんだ。
他の誰かならこんなに辛くは…。
[お前以外なら誰だって、と身勝手な事を口にする。
実際にはそれ以外にも切れない人物はいるのだが、其処からは目を逸らし。]
ふ……ぅ
[唇の中に入り込んできた指>>124を、乳首を吸うようにしゃぶる。
身を寄せられた時にぷんと漂った血の香が、更に飢えを煽った。]
お や ?
[「親」と言う概念は、男には理解し難かった。
生前の自我の形骸を纏う男には、親と呼べるものの経験が乏しい。
そもそも、他人の名前が分かるほど、まだ脳の配線が繋がっていないのだ。
吸血鬼の人格は血親の存在を知覚すれど、名を言葉で再現できるほどは、生前の記憶と統合されていなかった。]
……っ、そうです。
貴方はこれから、血を糧にして生きるのですよ。
[指に吸い付かれ>>130、指の股にまで舌を這わせられれば>>128、ぴくりと身体が震える。
優しく言い聞かせるようにしながら、口内へ導かれた指で、新しく出来たばかりの牙をなぞった。]
ですが、舐めるばかりではいけません。
こうして……んっ、牙へ皮膚を破れば、ほら。
[指先に牙の先を強く押し当てると、ぷつりという音と共に新たな赤がバルタザールの口腔へ溢れる。
彼とは違い、未だ傷の修復のならない身体は次第に力が抜け始め、バルタザールへ凭れ掛かるようにしながら、それでも指導をやめることはない。]
貴方の親は野茨公。ギィです。
貴方はこれから、彼を守るために戦いなさい。
それこそ、貴方に与えられた使命なのですから。
[柔らかな声が、繰り返し繰り返し、彼の頭に言葉を刻み込む。
血の香りは麻薬のように、彼の思考能力を奪おうとした。]
魔は悪ではありません。
教会は正義ではありません。
どちらも同じくらい愚かで、哀れな存在です。
[だからだろうか。
普段ならば零さないような言葉も、余分に溢れてしまう。]
バルタザール、野茨公の息子、ギィの子。
貴方は自分の信じる道を進みなさい。
それを悪だと言う者がいたとしても、野茨公は必ず、貴方の味方です。
[こんな言葉を呟いてしまう辺り、やはり自身は甘いのだろう。
苦笑を零しながら、贈る言葉は終わりだと言わんばかりに、甘い血の快楽へと誘って行く。]
[尖った牙が皮膚を貫く感触の後に、圧倒的な美味が襲う。
新鮮で、熱く甘く濃い、
ん、く、 ンン
[喉を鳴らして飲み込み、啜る。
いつの間にか、乳母の青年に腕を伸ばして抱き支えていた。]
[耳元に囁かれる声はそっと、染み渡るように空気を震わせた。
話し終えた後、未だ赤の溢れる指を引き抜いて、バルタザールの視線を誘いながら、首元の衿を肌蹴る。]
バルタザール、自分でやってみなさい。
飲み過ぎてはなりませんよ。
我慢も覚えなくては。
[鎖骨の窪みには、耳から溢れた赤が僅かに溜まっている。
牙で裂いた指先で、首筋に赤い円を描いた。
反対の手でバルタザールの後頭部を抱き寄せ、吸血を促す。]
[赤子の背を抱きながら彼>>132に身体を預け、静かに目を閉じる。
皮膚に牙を立てられる瞬間を待ちながら、そっと睫毛を震わせた。]
[未成の魔に繰り返し囁かれる「ギィ」の名。
青年の語る「教会」や「悪」や「正義」の単語は、まだ空虚な意味しか持たない。
けれども、乳母に愛着を感じ、その声に耳を傾けるほどには、いきものらしい感情が芽生えつつある。]
/*
割り込んだ形になったような、大丈夫でしょうか……?
生まれたばかりの吸血鬼さんを導く人がいないような気がしたらつい、ね!
こんばんは、乳母です!(`・ω・´)しゃきーん
ジークムント殿やアデルがやりたいことあったのなら、お邪魔してしまって申し訳ない!
アレクシスさんは、野茨公の「二度目の死」を防ぐために画策中です。
でも子を持ったことがないので、無意識に愛着が湧きそうになって危険です。
甘っちょろいです。
[抱き寄せられ、血潮の源に導かれる。
己に手ほどきをしてくれる乳母に、幼児のようにこくりと頷いた。
まるく描かれた赤にそっと口をつけ、己が牙でやわらかい皮膚を貫き、血管に突きたてた。
すると、指先とは比較にならぬほどの熱い奔流が口腔に溢れる。
喉を鳴らして夢中で飲み下す。]
/*
(仮)って書くと、ガールフレンド(仮)しか出てこないね!
吸血鬼フレンドですか教会フレンドですか乳母フレンドもありですか。
寝よう。
/*
いいなぁいいなぁあれいいなぁ。
(ごろごろ〜ごろごろ〜)
私が起きるころにはいろいろ目覚めちゃってるかなぁ。
(もだもだ〜じたじた〜)
武器庫、か。
[自分と我が子の位置を認識し、
そういえばバルコニーの戦いで剣を折られていたと思い出す。
見れば彼の服にいくつか傷の痕が残り、
袖には焦げた跡さえあった。
自分が見ていないところで、我が子もまた戦ってきたのだろう。]
ジーク。 …。
[正面から向き合っても彼の翠玉がこちらを向くことはなく、
ただ、懐かしい形に動いた唇に、指をそっと触れさせる。
指先が唇と混ざり合う感覚が、くすぐったい。]
[我が子の表情が、不安から痛みへと変わる。
その変化に、こちらまでが胸を突かれた。
肉体などないのに痛むのは、心が傷つくからだろうか。
どこかでぼんやりとそんなことを思いながら、
我が子の体に腕を回し、頬に口付ける。]
愛しい私のジーク。嘆かないでおくれ。
私は、ここにいる。
[抱きしめる肉体の無い切なさを、あらためて噛みしめる。]
……っ。
[自身の存在を突き抜けて我が子が歩き出す。
その短い交錯に、全身が打たれる心地がした。
感情が、思考が、熱と質量と鼓動が、
いちどきに流れ込み、流れ去っていく。
全身が、相手と合一する、
それは、肉体ではなしえない類の―――]
………は 。
[自失から引き戻したのは、我が子の声。
いつの間にか追うように移動していたらしいと気づき、
苦笑しながらも、嘆く我が子の髪をそっと撫でる。
どうにかして慰めてやりたい。
今は、叶わぬ思いだが。]
[引かれるままに漂い動き、
やがて我が子の足が、自身の死した場所へたどり着く。
そこで行われた再会に、軽く目を瞠った**]
ヴィンスが魅力DOWN中というのは、
魅力0開始で、これからあげていこうという私と反対で面白いわね。
しかし、ヴィンスにくらべて、ジー君は割とギィの死に淡白ね。
アレ君の能力と方針を知って、信じてたってことでいいかしら。
今、クルースニクがアレ君を奇襲したらどうなるかしら。
冷静さが、アデルんを取り戻したことが原因なら、動揺せずにいられそうだけど。
―アレクシスがバルタザールの元へ行く前―
[>>102身体中、傷だらけのまま微笑む姿は昔見たとおりの彼であった。状況的に敵であることは確実なのに、躊躇無く近づいてしまった理由は。
彼が己にとって信頼できる"薬屋さん"のまま、だったからだろうか。]
…お使いじゃないです、でも……
[子供のお使いなんかではなく、これは魔を制圧するための侵攻のはずだった。それでも彼の言う通り、敵である城主の灰を彼に手渡そうとしている。]
床を探してるみたいだったから、もしかしたら――これかなって…。
[>>107血濡れの手が伸びてきても避けることもなく、灰を差し出した理由を告げる。
何か方法を知っているのかも知れないと言う期待もあった。でももっと大きな理由は、何か大事なものを探しているように見えたから。]
[男には子がいない。
更にバルタザール>>51の拒否反応を目にしていないため、彼が本当に赤子のような状態になっているとは知らなかった。
故にひどく不器用な言葉は、彼にどれ程届いただろうか。
傲慢な願いが少しでも届くように、繰り返し、繰り返し。]
……っん、あぁ……っ!
[初めて首筋へ牙を立てられて>>135、脳天をも貫く甘い痺れに熱い吐息が漏れる。
後頭部へ回した指が震え、くしゃりと髪を掻き乱した。]
そう、上手、です、よ……っ。
[毒に似た血は甘く、狂おしい程の快楽を与える。
それと同時に渇きをも生み出し、呪による枷をつけるのだ。]
少しの辛抱、ですから、ね。
[一時の快楽と引き換えに与えられる、一生の呪縛。
故に男は、誰かに血を与えることを拒み続けた。
この呪に触れたのは、この手にある灰の主と、別離を告げた聖将だけだ。]
う……、はぁ……。
[しかし今は違う。
己の死と引き換えに解放することができる。
幼子を壊さぬよう、震える手が彼の背を撫でた。
血と共に体温も奪われていく感覚に、目の前が時折霞み始める。
バルタザールに体重をかけたまま、頽れてしまいそうな足で床を懸命に踏みしめれば、背中の傷からじわり、赤が溢れた。
二人の足元には、淡い花が咲く。]
[総身を貫く官能の柱は、指の血を吸っていた時とは比較にならぬほど激しく豊かで深い。
修道騎士の生ではついぞ味わったことのない快感に恍惚と打ち震えながら、己に血を供する乳母の青年を抱き締める。
目覚めてすぐの初乳の血に、創造の呪を受けた血を与えられた魔は、血に淫する中毒者となっていた。]
[唐突に、花が開くように世界がクリアになる。
ぼやけた薄暗がりの世界に、突如として光が差し、色がつき、音が生まれた。]
[思考が形を取る。]
っ、……ハァッ、あ、
[このまま尽きるまで貪りたい欲を抑え、乳母の青年の首から必死に己を引き剥がした。]
― バルタザールの乳母になる前に ―
[アデル>>136は身体は大きくなれど、昔のままのように思えた。
母を心から慕い、動物たちを愛し、よく笑っていたような気がする。]
正解です、ね。
よく出来ました、と言えばいいのでしょうか。
[にっこりと微笑んだまま、彼の願い>>137を耳にする。
少年と野茨公の間に何があるのかは知らない。
故に男が口にできるのは、表面をなぞるような慰めだけだ。]
会えますよ。
私が連れて来ましょう。
だから貴方は笑っていなさい。
お母様も、貴方の笑みを見ていると元気が出ると言っていました。
ジークムント殿も野茨公も、きっとそうなのではないですか。
……私には理解できませんけれど。
[彼の母についての話は偽りだ。
もしかしたらそんな話をしたかもしれないが、そんな昔のことは覚えていない。
記憶に残るのは幼き子が母の後ろをついて回る姿、懸命におつかいを遂行しようとする表情、浮かべる笑み、薬屋さんと呼ぶ声。
――彼ならば、人間も魔も関係ない世界を造れるのではないかと、そんな馬鹿げた夢を一瞬でも抱いた過去の自分も。]
[それ以上は言葉を告げることなく、先程は躊躇した血濡れの掌をアデルの頭に乗せる。
柔く髪を梳けば、血で汚れる前に手を離した。]
少しだけ時間をください。
そうすれば、貴方の願いは叶いますよ。
[アデル、と唇の形だけで初めて名を呼んで、穏やかに微笑んだ。
声が震えてしまいそうになるのを奥歯を噛みしめることで堪えながら、近づく幼子へと歩み寄る。
後ろで憂う少年へ振りかえることは、もうなかった。]
[唇を血で濡らしたまま、激しい呼吸を繰り返す。
失血した青年を両の腕で力強く支えつつも、その身体を僅かに引き離した。
首筋の朱に、魅入られたように視線を外せない。
が、苛烈な克己心が、口をつけさせなかった。]
― 血の呪縛を ―
[バルタザール>>141に支えられるまま、己が血を与え続ける。
罪と引き換えに囁いた言葉は、次第に弱々しく掠れていった。]
く、ぁ……っ!
[ずるり、と。
牙>>143が身体から抜ける感触に、全身を震わせる。
力の抜けた身体は震える足で何とか立っているような状態で、首筋の傷跡から、鮮やかな赤を零した。]
おはようございます、バルタザール。
気分は、いかが、です、か……?
[戦いと拒否反応で血に濡れた彼の頬を、ゆっくりと撫でる。
しかし己の掌も赤く染まっていて、拭おうとした動きは、意味を成さなかった。]
/*
私のptだけ何か特殊な計算方法が用いられているんじゃないだろうか(真顔)
確か昨晩既に飴貰ってますよねアレクシスさん。
どうしてもう500切ってるんですかねアレクシスさん。
[釘付けになりそうになる視線を引き剥がし、青年の顔に何とか向ける。]
……しっかりしろ、
[気遣いと言うにはあまりに硬質な声音と表情だったが、そこに何がしかの情は篭っていた。]
吸血鬼 シメオンは、吸血鬼 シメオン を投票先に選びました。
貴方にそう言われるのは、何とも遺憾ですねぇ。
大丈夫ですよ。
まだ生きてますから。
[現状彼に支えられている状態なのだから決しておかしなことではないのだが、少し前までは確実に敵であり、直前まで幼子のようだった姿を見ているが故に、どこか複雑な表情を浮かべた。
相変わらず減らぬ口を叩いて、何とか己だけの足で立とうと、バルタザールの胸元に掌をつく。]
……それで、貴方はどうなんですか。
[どう、という言葉にいくつかの意味を込める。
身体の調子、血への中毒症状――バルタザールの立場。
向けられた視線に波のない湖面の瞳を向け、ひどく静かに彼を見つめた。]
[気分を問われ、一瞬、戸惑ったように眉を顰める。
創造の血は、短時間の間に驚異的な再生をもたらしていた。
肉体を癒しただけでなく、記憶を壊され廃人と化していた男を、ほぼ転化前の人格を取り戻すまでに、修復していた。
だが。]
気分は……良くもあり、悪くもある。
[無意識に唇の血を舐め、青年に説明する言葉を探し出す。]
爽快だが、落ち着かない。
[決定的な「何か」が足りなかった。
今のバルタザールには、この男を修道騎士たらしめていたものが、ごっそりと欠けていた。]
[むっつりと答えたところで、眉間の皺は更に深くなった。]
――貴様は、誰だ。
[男は青年の、名前も、顔すらも知らない。]
[むっつりと答えたところで、眉間の皺は更に深くなった。]
――貴様は、何だ。
[男は青年の、名前も、顔すらも知らない。]
[頬を撫でる青年の手を、心地好いと感じる。
触れた肉体の感触も、決して厭うものではない。
そう感じる己を異常とは、全く感じていなかった。]
まぁ、存在の根本から変わってしまったのですから、何も問題ない方がおかしいでしょう。
[修道騎士であった頃の彼を知らない。
故に欠けた「何か」を理解することはない。]
――バルタザール、貴方は吸血鬼として生まれ変わったのです。
[伝えられるのはただ一つだけ。
己の知る事実を、はっきりと声音に乗せて謳った。]
何、と言われましても。
[顔を顰める様子に肩を竦めると同時、額から汗が零れる。
立っているだけでもやっとの状態、話すことさえ苦しくなり始めた。]
アレクシスと申します。
貴方と同じ、吸血鬼ですよ。
[血の呪縛については自ら口にすることはない。
青く染まる唇を笑みの形に変え、優雅に一礼した。
背に残る大きな傷跡が、じくりと痛みを伝える。
ぴくりと頬が痙攣し、眉間に皺が寄った。]
吸血鬼。
[与えられた言葉を声に乗せる。
そうすることで確認する。
それが何であるかは、歪に繋がった記憶の断片に情報が浮上する。
人間の血を吸う、呪われた存在、
しかし転化前の己と断裂した意識は、記憶があるにも拘らず、あっさりとそれを受け入れた。]
――アレクシス。
[声は硬いが、篭る響きはやわらかい。
と、優雅に身をかがめた青年が、痛みに顔を引き攣らせるのを見て、]
無理はするな。
[鋭く嗜め、腕を取ろうとする。]
[生まれて間もない雛鳥が、最初に目に入ったものを母と思い込む程度には、乳母をつとめたこの青年に心を繋がれている。]
[すんなりと事実を受け止める様子に、僅か目を見開く。]
ちゃんと、分かっていらっしゃいますか?
貴方がここに来た理由、そして貴方がその標的になったこと。
[このままでいた方が都合がいいことが分かっているのに、思わず確認するような言葉を投げてしまった。
実際目にしたことはないが、生まれ変わった後というのは、こんなにも容易に受け入れられるものなのだろうか。
未だ血を飲むことに抵抗のあるジークムントを横目に見て、怪訝そうな表情を浮かべる。]
別に覚える必要はありませんよ。
それよりも、貴方の父の名の方を忘れないでくださいね。
[どこか柔らかな響きの秘められた声に、落ち着かない気持ちになる。
己の名を呼ぶ者は大抵、憎悪や嫌悪を滲ませているし、そもそもそう言った者たちが知っているのは、ベルンシュタインという家名だけだ。]
これも野茨公の血の為せることなのでしょうか。
[困ったように眉を下げ、苦笑を零した。
そのまま腕を取られれば、細くも強い力を秘めた手が反射的に彼の腕を掴む。
短い言葉を理解するのに多少の時間を要し、瞬きの回数を増やしながら、バルタザールの顔を見つめた。]
ふふ、私の心配など、する必要もありません。
貴方に支障がないのなら、私の役目は終わりですねぇ。
[はぐらかすような返事しかしないのは、これから無理も道理も通り越した行為を行うからだ。
決して嘘を吐いた訳ではないが、真実も紡がない。
にっこりと笑って、乳母としての役目を終えようとしていた。]
[むしろ青年のほうが慌てていた。
眉根を寄せ、考える素振りを見せるが]
理解はしている。
何か問題があるのか。
[平然と答えた。]
ギィの名は覚えた。
[それで充分だろう、と言わんばかりに見つめ返す。
幼い雛に何度も吹き込まれた名。
繰り返された、命。
忘れる筈もない。]
/*
ろぐ読みつつ。
ソマリが、毎秒格好よくてほんとに困るわ……
途方に暮れるじゃないの。
すごく会いたいけど、落ちる当日まで再会しない予感がひしひしとするわよね……
しかもこちらとしては、殺伐と誑かし&刺し違えにいくしか道がない現在。
でもソマリなら、何とかしてくれると信じてる(他力本願
……ふぇ、会いたい。会いたいよう。
(←息子落ち予定で余計に心の弱る母
ユーリエ<量産型聖女(候補)>
■聖血カウンター:LvMax
触れたら魔物は死ぬ。罪人も苦しむ。
■聖別:Lv高
ただの水やパンを、聖水や聖餐に変える。場を浄化したり結界を張る。人や武具や小動物を教化・強化する。
■聖気サーチ:Lv中
仲間のだいたいの方向と状態を知る
■魔物サーチ:Lv低
魔物のふわっとした位置を知る
■祈り:Lv高
周囲の使徒の全ステータスUP
■聖女特性:Lv高
周囲の使徒の信仰心UP。魔攻撃で受ける自ダメージが増加。自己犠牲が使用可能。
■自己犠牲(特殊):LvMax
聖女の命と引き換えに、教皇ランクの奇跡可能(1回のみ)
[はぐらかす苦笑>>164に怪訝な顔をする。
ここで問うという選択肢は男にはない。
が、それでも、掴んだ腕を放そうとはしない。]
……いいえ、それならばいいのです。
それで、いいのです。
[仲間を知らない己が抱く懸念など、所詮は空想でしかない上に、それを問題として言い聞かせるなどという優しさなんて、持ち合わせていなかった。
何も問題はない。願いは幼き子の心に染み渡った。
それなのに、まるで自身に言い聞かせるような声でバルタザールを肯定する。
これでいいのだと、己のことだけを考えていればいいのだと、迷いを振り切るように。]
それでは私は、少し仕事を済ませてきます。
手を離してください。
[身体を支える為にバルタザールの腕を掴んでいた掌から力を抜く。
そのまま身を引こうとして、彼>>169の手に阻まれた。
人目の多い場所で倒れる訳にはいかないと、震える身体を隠して声を発する。]
[男の心は強く在った、或いは強く在ろうと努めた。
何故ならそれこそが、我が身が背負った義務であったからだ。
義務を背負わず、自分で在れるのは限られた世界。
それを罪と覚えぬ相手は極限られ、
彼女はその中の一人だった。
ひらひらと舞う蝶が居たのなら、
祝福を強請った唇が気恥ずかしげな苦笑の形に変わり。]
―――君とは花畑で逢いたかったな。
きっと戦場よりも、よく似合う。
[無知の言葉が、蝶を通じて彼女を苛むとも知らず。
ただ、純然と小説の中のワンシーンめいて呟いた。
蝶に誘われ、再会成すなど、遠い夢物語に過ぎず。
どれだけ抗い、どれだけ夢想しても、運命は勝手にやってくる。
血に濡れた月下で、きっと必ず、後悔と絶望を抱いて回り逢う。]
[出逢った事すら罪なのだ。と、
互いに退けぬものを抱える両者は、
聖に、魔に、咎に、
友に、血子に、
―――重い裁きを受ける事となる。*]
/*
たぶんね、飴を既に4個くらい貰ってる\(^o^)/
ありがとうありがとう!
pt内に収めるのも技術だと思うので、もうちょっと気をつけねば……!
でもまだ大事なイベントが残っているので、今日だけ、今日だけ、ね(言い聞かせ)
[吸血鬼にとって血は生命だ。
見れば満身創痍の彼は、その上更に自分に糧を与えて、何事もないはずがない。
現にアレクシスの傷は塞がっていない。
低く唸って奥歯を噛み締める。
渋々といった態で、手を離した。]
…………
わたくしが青ぐらい修羅をあるいてゐるとき
[異形化した爪が、茨の消えた壁をガリリと掻く。]
おまへはじぶんにさだめられたみちを
[怒り、破壊の衝動と餓えが渦巻く黒い獣の牙から滴る瘴気は、散り咲く小さな花を焦がした。]
ひとりさびしく往かうとするか
[無声慟哭。]
[離してもらった腕を振って、浅く熱い息を吐く。
身体は糧を欲してはいたが、これから生きる者の血を奪うつもりはなかった。
本来であれば塞がり始めるはずの傷口は未だに血を流し、足元にいくつもの赤い模様を作る。
場違いな花畑が、眩暈で霞んで見えた。]
いいですか、バルタザール。
もう少しの間、貴方は逃れようのない渇きに襲われるでしょう。
ですが自我を失ってはなりません。
時がくれば、貴方にかかった呪縛は解けます、から。
[最期に、生涯で唯一世話をした子に言葉を投げて、三人に背を向ける。
灰の入った皮袋だけを持って、ゆっくりと歩き始めた。
己が壊した階段を飛び越え、三階へと向かおうとする。
しかし、耳に届いた呟きに、進み始めていた足が止まった。]
止める?
何をですか?
[男にしては珍しく、素直に不思議そうに目を瞬かせて疑問を紡ぐ。
心から分かっていないような声だった。]
[憤懣やるかたない様子で、階上へ消えようとするアレクシスを見送る。
その彼が、己の呟きに振り向いたのを確かめると、ジークムントとアデルを憚るように声を潜め、短く鋭い一言を発した。]
― 少し前・二階個室 ―
[『自分の思う事を、思うままに』
息子の言葉に、真っ赤な唇の端が、微か満足げに吊り上がる]
――…そうね、正しくその通り。
偶々“運悪く”結ばれただけの、全くの別物だけど。
それでこそ、自主性を重んじる我がシュトラウス家の息子だわ。
[囁いたのは、その色に似た虚言ばかり吐く女が、宴で騙った一代限りの家訓>>0:255
何故こんな身体にしたのか、そう息子に詰め寄られる度、返す答えは毎回違ったが。最後はいつも『運が悪かった』のだと、悪辣な言葉ではぐらかしてきた>>0:65
魔物の身体を厭い、絶望する青年に、幾ら謝罪を尽くしたとしても、魂を祓い清める手は持たず。
今眼前に在る彼を否定するに等しい後悔も、口にしたくはなかった。
――昨日までの同胞が、一夜で糧へと変わった彼が、納得できる理由など何処にもない。魔として生を享けた自分でさえ、その隔たりは未だに、ずっと解らないのに]
私がこれからすることを、貴方が知っているとでも?
[皮肉を交えた声が、バルタザールにだけ届く大きさで発せられる。]
そもそも、止められるものではありません。
――邪魔をするなら、貴方も私の敵です。
[生まれたばかりの赤子に、本人が望むかも分からない、増してや野茨公すら望まないであろう、自分勝手な願いを託した。
そのことに浮かんだ罪悪感はあれど、これからの行動には一片の迷いもない。
冷えた瞳がバルタザールを見下ろし、鋭く言い放つ。]
お姉さまに会いたいけど、リエリエたちの戦闘が終わるまで動けないよね……よね……。
あっ、私が会いに行けばいいのか。
― 少し前・二階個室 ―
[魔物と人間。捕食者と糧。
そう定められているなら何故、魔に転じても酷似した形をとるのか。
姿も心も、時として在り方さえも境界が滲む。
屠るための家畜のように、人を襲う野の獣のように、
同胞にはなりえないと一目で解り、言葉も心も通じずに済むのなら、まだその方が。
隣人としては生きられない互いにとって、せめてもの幸いになったのではないかと思ってしまう]
――……、
[爪で傷付けた掌から滴る真紅は、ドレスの裾の影で、小さな水溜りを湛えつつあった。呪力で人間の足を掬い、動きを封じる心算で。
封じて、そして――――その後は?
逃がすか、殺すか、魔物にするか。
己の選べる道は全て、新たな禍根に通じるだけだと浅く息を吐く]
ギィの消滅に気づいたら、「仕事半分終わった〜ほっ」てなる気しかしない。
でも、せっかく墓落ちしたのに、気づきもしないって、
もったいないよねえ。
― 踊り場・階下 ―
[ ひゅ、と息を呑んで立ち尽くした。 ]
……どうして。
[ ユーリエから見えるのは、寄り添うアデルとジークムント。
そして、バルタザールに似た誰か。 ]
……どうして生きていないの。
バルタザール。
――知らん。
[「敵」と口にした青年に、苛立ちを籠めて吐き捨てた。]
だが、貴様が真にやり遂げようと望むことを、私が止めると思うのか。
[心が流れるのは、血を与えられた時の刷り込みの所為だろうか。
であっても、修道騎士であった頃なら、ソマリにそうしたであろうように、この青年にもそうするだけだ。]
/*
バルたんオフっておられるの気づかなんだ。
でもフィルタでおんおふ確認できるのすっごく便利だね!
そしてバルたんが可愛すぎて死ぬのがちょっとつらい。
野茨公の力になってもらうために血を分けたけれど、ちゃんと情も湧いてはいるのです。
だから吹き込んだ願いで、バルたんが苦しまなければいいと、少し未練ができちゃった。
でも自己完結の人なので、決めたことを邪魔されるのは嫌い。
いくら拗ねるのが可愛くとも、可愛くとも……可愛いいいヾ(:3ノシヾ)ノ
でもツンツンしちゃう……可愛いのに(ノシωヾ)
この後ちょっとだけデレる予定だよ!
[ 心の目で触れる。聖気をなぞる。
でも、見えない。使徒バルタザールはここに居ない。 ]
……アデル。
貴方は何をしているの。
[ バルタザールに何も感じないのか、と。
ジークムントと何故一緒に居るの、と。
ふたつをこめて。
ああ。
ジークムントに忠告された通り、まずはソマリとの合流を優先すべきだった、と思った。
もう遅いけれど。 ]
ばるたんを挟んで、アデルとの立場の違いの明確化をしたかったので、
ばるたん達のタスク増やすのはわかってたけど割り込み!
たぶん、アデルは魔物と人間の共存ルートに行くだろうけど、
私は魔物救済(殲滅)ルートに行くのでな!
[口中に嫌なざらつきがある。
青年から離れると、それは更にじりじりと神経を灼く焦燥に変わる。
衝動に任せたなら、青年に飛び掛ってその首筋に思い切り牙を沈めただろう。
だが、それら一切を押し殺し、最後に一言だけ告げる。]
……―― 感謝する。
[おそらくは死地に赴こうとする、仮母に手向ける、別離の言葉を。]
……ユーリエ。
[一歩そちらに向けて足を踏み出し、記憶を確かめるように名を呼ぶ。
修道騎士だった男は、全身が乾いた血で赤黒く染まり、死者の如き姿を晒していた。
大きく胸部を破損した銀鎧は、燻したように黒ずみ、聖性を思わせる鈍い輝きを失っていた。]
[血の繋がりが、バルタザールの感情に呼応する。
拗ねた仕草、吐き捨てられた苛立ち。
誰かとの関わりを知らぬ男は、そこでようやく彼の心に思い至った。]
知っても尚、邪魔をしないのですねぇ。
そう来るとは思いませんでした。
[伝わるはずがないと、知ったのなら邪魔をするのだろうと、いつだって敵しかいなかった男には、その考えしかなかった。
目を瞬かせて、音にした言葉を噛みしめるように呟く。
そして穏やかに柔らかに、微笑みを浮かべた。]
バルタザール、ギィの子、魔に染まった騎士――私の、
わたし、の……、
[彼は自身にとっての何だろう。
少なくとも、敵ではないことは分かった。
それだけ分かれば十分だと、そっと目を閉じ、暖かな別離の言葉を受け取る。]
貴方の選ぶ道の先に、幸福がありますように。
[男にしては珍しく、とても素直に彼の未来を願った。
それは先程まで繰り返した己のための祈りではなく、目の前の、血を分けた男のためだけに紡ぐ音色だ。]
[背を向けた男>>183を見下ろし、満足そうに微笑んだ。
それでいい。正しい選択だ。
過去を振り返る必要はないと、血を分けた同胞へこれ以上声をかけることはなかった。]
……。
[寄り添うジークムントとアデルにも微笑みを贈ったところで、苛烈な程の聖の気配>>182を感じる。
じくりと痛みを増す傷口に、小さく舌打ちをした。
そのまま踵を返し、最後に一瞬だけ、己が壊した階段を見つめた。]
頑張って修理をしていただくとしましょうかねぇ。
[野茨公>>2:237の言葉を思い出し、血反吐と共に笑みを零す。
その言葉を最期に、足跡代わりに花を咲かせながら、男はその場から姿を消した。]
[ 一歩近づいた距離を、一歩下がることで保って。 ]
来ないで。
[ 対するこちらの聖女も、左袖は血を吸って乾いてごわごわしているし、
シスター服のあちこちは灰だったり血だったりで汚れている。
ロングスカートで見えないだろうが、右足にはまだ体重をちゃんと乗せられない。
しかし、いまだに銀髪は綺羅として、穢れを知らぬ魂はあかるく輝いて。 ]
バルタザールは魔物に対して、
冷酷で苛烈だった。
そして、潔癖だった。
[ ジークムントという魔物が後ろに居るのに。 ]
魔物に背を向けて、私を見るバルタザールは、
私の知っているバルタザールじゃないわ。
[ 言葉にすると、
感じていた違和感が、納得できた。
と同時に、堪らなく悲しくなった。 ]
ああ、茨がおかしい。
これは先程の魔の眷属の最後の茨より弱い。
[状況を整理していると不意に変わる主の表情。(>>159)]
どうした……??
[質問を投げかけると同時に聞こえてくるアデルの名。]
アデルが拙いのか。
急ごう、聖女と貴方とアデルは要であろう?
万全ではないのなら私が切り開く。
[地上に出る主を追い越して前に出る。
自身も万全ではなくとも今の主よりは闘えるはずだから**]
ジークは「クルースニクじゃないから魔物」で見破ったとしても、
ばるたんを見破ったのは聖女様さいきょーすぎである。
……でも、ちょっとずつ推理展開していく時間も喉もないのであった。
[血子と友人の命が決する、その時まで。
己の咎に下る裁きを、見届けるまでで良い。
どうか強く在りたい、在らねばならないと己に戒める。
願いを掛ける神を持たぬ身、どうかそう在れますようにと縋る想いが、ふと手繰り寄せたのは――]
― 城主の部屋前 ―
ここまで来れば、大丈夫でしょう……か……ぅ、
[四人の声も気配もどこか遠いのは、随分離れたからなのか、或いは意識が遠のいているのか、もうよく分からなくなっていた。
豪奢なマホガニーの扉に寄りかかるようにしながら、そのまま床にずるずると座り込む。
痕を辿るように赤い血が太い線を描き、身体に纏わりつくように蔦が伸びた。]
はぁ……っ、ベッドじゃないですけれど、我慢、して、ください、ね。
[震える指先で皮袋の紐を解くと、床へと灰を落としていく。
指先で何度か掬った後、荒い息の中で笑みを零した。
掌に牙を突き立て皮膚を裂けば、赤い花が舞う。
復活の儀は、たった一人の空間で、静かな始まりを迎えた。**]
[ こんな風にたくさん話すのはいつぶりだろう。
「聖女」は声を乱してはいけない。感情を表してはいけないのに。 ]
[ バルタザールじゃないものが動いている。
そして吸血鬼が傍にいる。
ユーリエは魔物の気配は感じ取れても、血縁関係まで読める程ではない。
だから、 ]
バルタザールが、自分から魔物になりたがるなんてありえない。
どうしてこんな酷い事をしたの、ジークムント。
そんな人じゃないと思ってた。
[ 誤認をした。
一度うつむいてから、羽織っていた白いマントを払い落した。
決別のように。 ]
[「私の知っているバルタザール」。
聖女の拒絶の言葉に、男は不思議そうに目を細めた。
そして、聖女の咎める視線の先を辿り、「兄」に当たる銀髪の青年を見遣る。]
ジークやアデルと主義主張の違いをはっきりさせたいけど……、
どう見ても不在ですありがとうg(ry
ばるたんをキープし続けるのも悪いし、
ふたりとの論戦はうやむやにして、適当に逃げるかなぁ。
「死」っていうのをちゃんと見たいので、リエリエ野とこ行ってみたいね。
貴方はいったい、何を…――
[階上へと歩き去るアレクシスの言葉が気になって、傷だらけの彼を追いかけようとして。下から息をのむ気配に気がつく。茫然と立ち尽くす聖女と視線が合っただろうか。]
[不意に浮上する記憶の断片。
――そう言えば。
頼まれていた。
などと、思い出していた。
あの時は、瀕死とて、敵の言ということもあり、しかと考える余裕などなかったのだが]
[微笑で、皮肉で、虚言で、幾重も隔てた帳に差し込んだ、陽の光にも似た金髪の男。
月夜に垣間見た、何処か稚さを留めた男の笑顔。
柔らかな全てを冷徹な仮面で覆い、智謀を振るい、戦場で強く在る聖将の姿。
似合う場所は、あの笑みが綻ぶ場所は、もっと違う処にあるだろうに。
――焦がれて灰と消えても、もう一度だけ、と。
身の奥に潜む願いを照らし出すように、蝶は戦禍を率いる男に、つかず離れず纏わる。
願う罪の深さを恥じ入るよう、闇に溶ける黒い翅で、その気配を運び続けるため]
[視線は叫ぶアデルへ移った。>>196
ゆっくりと身体ごと向き直る。
そうして、修道騎士であった頃ならば絶対にしなかったであろうことをやった。
――笑ったのだ。]
/*
ソマリがリーダーになった時点で、フラグが立った気はしてた、けど……
おかしいわ、双方ハッピーエンドを目指してる筈なのに、ロミジュリ一直線じゃないの…
しかもこちらが刺し違えにいきそうで…
息子が落ちたらどうなっちゃうか、自分で読めないのよ…(おろおろ
[クレステッドの背中を見やりながら、間々ならぬ右腕が惜しい。
己は剣を握り、義務を果たさんと立ち向かう立場。
明らかな瘴気は物々しく、湿る重圧を場に漂わせている。
手負いの身では、足手まといになりかねない。
それを理解すると、男の行動は早かった。
口腔で呪を唱え、ふわりと動かす風精の祝福。
強化を掛けるのは慣れた自身の身にではない。
クレステッドの肢体に、風の加護を与えた。
彼の手足に絡める風は、運動性能を底上げする。
怯まぬように、竦まぬように、魔を打つ一刃と使わんが為。]
君を使うぞ、クレステッド。
その献身を示せ。
アデル――アデル。
[揶揄の響きこめて、歌うように名を呼ぶ。]
ギィに血を供したのだろう?
望んで魔物に随従して、
今更何を聖女に弁明する?
[幼子の如くいやいやをする聖女>>204を流し目に見る。
その眼差しの、温かみの欠片もない冷厳さだけは、かつてのバルタザールと同一だった。]
[ 更に一歩を下がり、
ユーリエは琥珀の目で今のバルタザールをじっと見上げる。
かつてのバルタザールによくしていたように。 ]
お前は何の為に居るの。
[ 信仰のためではなく。破魔のためでもないならば。 ]
ところで、アレ君のメモを見て、
自分の未熟さの言い訳を、アレ君になすりつけてた事に気付いたわ。
これはナチュラルに恥ずかしい。
後で謝ろう。
[不意の問い。
こちらを見上げる聖女の瞳は澄んだ琥珀をしていた。]
私は、
[修復された男は、自らの内側を探る。
神、と言う単語が浮かんだが、形骸と化した思い出に、その信仰の拠って立つ感情が想起されないのだった。
沈淪の裡に掬い取ったのは、揺籃に繰り返し囁かれた言葉。最初の血を与えてくれた乳母の青年の冀求 。
その
ギィを守る為に在る。
私は彼の剣、
切り裂き、突き立ち、折れるを厭わぬ、ひとふりの剣だ。
[かつて神への信仰を告白したと同じ声、同じ表情で、今はギィへの忠節を語る。]
[まるで、「神」の中身が「ギィの守護」へとそっくり入れ替わったようだった。
剣として形づくられた男は、自らを支える信仰がなければ、瓦解してしまうほど脆い。
そのことに、果たして何人が気付いていたか。]
[正確には、
ギィに対して忠誠心があるかといわれれば、
定かではない。
誕生前に血親が灰化してしまったために、対面したことがないからだ。]
お前をそうしたのは、ギィなの。
[ だとしたら、2人の間にどんなやり取りがあったのだろう。
……ただ、どんな状況だとしても友好的ではないことは確かで。
バルタザールの信念を折り砕き、首輪をつけて自分のものにするような、
そんな形の忠義は歪んでいると思った。 ]
りすを、
教えてくれた時、嬉しかった。
[ 次に下がった一歩は、細い体を半身にするもので。 ]
バルタザールは優しくなかったけど、
嘘を言わなかった。
そんな彼を、私は嫌いじゃなかった。
[ 聖女は好き嫌いなど語ってはいけないのに。 ]
バルタザールが死んでしまってもう居ないことが、
私はかなしい。
[ 次の一歩で後ろも見ずに駆けだした。 ]
バルタザールはちっとも優しくなかったけど、
嘘を言わなかった。
そんな彼を、私は嫌いじゃなかった。
[ 聖女は好き嫌いなど語ってはいけないのに。 ]
バルタザールが死んでしまってもう居ないことが、
私はかなしい。
[ 次の一歩で後ろも見ずに駆けだした。 ]
[部屋の片隅に退き、凝らす瞳は、剣戟の隙間を見定めるべく。
シメオンの振るう戦斧が、迎撃した男の大剣を弾き、男が態勢を整える僅かな間>>94]
――…、……
[口内で短く呪を唱えると、足元の血溜まりから、赤黒い影が一瞬で細く静かに滑る。
シメオンの脚に、仄かにひやりと纏わりつき、そうして直ぐに解けた。
主の許へと帰る影は、血の呪を吸い上げ、幾分か濃さを増し]
[血親の感知できない所に行けぬよう、彼自身を害する事ができぬよう、重ねて封じていた呪縛。
魔として生きる道、人間を生かす道、或いは、共に果てる道を自ら選び取るならそれも良い。
ギィと、アレクシスと、ジークムントと。
同族と対する彼を見て、囲った己の掌から、解き放つ頃合いだとは感じていた]
[我が愛し子と森の仔が、どこで出会い、
どのように友誼をはぐくむことになったのかは知らぬ。
だが、彼らの親し気な様子を見るに、
ますます、ひとつのことが確信へと変わっていった。
アデルは、こちらにいるべき存在である。
彼を殺せばジークは悲しむだろう。
森の仔が覚悟を決められないようなら、
記憶を奪ってでも―――…。]
[ふたりの邂逅から視線を移し、己が変貌させた騎士を見る。
横たわる騎士の様相に、ひとつの違和感を感じた。
存在が希薄で、空虚だ。]
……?
[ゆるやかに近寄り、手を伸ばす。
胸の上、鎧の砕けた穴に手を差し入れれば
腕は抵抗なく彼の体の中へと潜りこみ、]
此処は任せる。
力を揮え、勝ち残ったら、
――――次も血の道だ、我が剣。
[斬り捨てて、屠り、それでもまだ男の道は血塗られている。
彼に己が呉れてやれる唯一の褒賞は、いつも、いつだって、戦の熱。
自身の剣として戦乱を駆け抜けよ、と、強き思いを彼に託した。]
[途端、右腕に風の力を集め、制御に難のある腕が揺れる。
奥歯を噛み締め、上り来る痛みと熱に眉を顰めた。
掻き集める力は、どうしても千々と零れ、
意識に対し、出力が下がる。
だが、不調に構わず力を一気に解き放った。
それは二度に渡り、城を破壊したものではなく、
己の身体を風の障壁で包んで戦局から離脱するもの。
大きく飛びのくと、一度、黒き獣を睨みつけた後、
聖女の光を目指して駆け出した。
金色の長い尾が、軌跡を描き、靴音が高く響く。
聖将の背を追いかけようとも、己の従者がそれを拒むか。
―――彼が失った絆と似た、
剣と将の絆をありありと見せ付けるように。]
[騎士の存在に空いた"穴"に気が付いた。
千々に砕けた心の欠片と、失われたもの。
教会に関わるなにかの残滓が、感じ取れる。]
……これは、どういうことだ?
[血を与えた人間がこのような状態になるとは、思いもしなかった。
目を覚まさない騎士の上に漂い、憂い帯びた視線を投げる。]
― 廊下 ―
[黒い獣は探している。
灰と化した兄の魂を。
その途上に教会の使徒たちが立ち塞がる。
ソマリは先程よりもだいぶ負傷の度合いを増しているように見えた。
その傍らの
そして、聖女の姿は視界の中には見当たらない。]
― 廊下 ―
[黒い獣は探している。
灰と化した兄の魂を。
その途上に教会の使徒たちが立ち塞がる。
ソマリは先程よりもだいぶ負傷の度合いを増しているように見えた。
その傍らの
そして、聖女の姿は視界の中には見当たらない。]
[ソマリがなんらかの術を行使したのだろう、城を覆う灰が風に乗ってクレステッドの方へと動き出す。
同時に、魔獣も灰を巻き上げて疾駆していた。
丸太のような腕でクレステッドを殴り飛ばさんと突撃する。]
[言葉を交わす三者。目覚める騎士。
彼らの声を聞き、様子を見つめて、
死せる城主はいくつもの驚きを重ねる。
アデルがアレクシスと既知であったことは、納得できる。
だが、アレクシスはなんと言った?]
私を、連れ戻す……?
[満身創痍の吸血鬼が、なにを言っているのだろうか。
眉を潜め、頭は大丈夫か?のしぐさをするが、
どうせ相手には見えていないので、途中でやめた。]
そうまでして私を殴りたいのか?
[答えがないのを承知で、茶化すような問いを投げる。
彼の来歴と能力とこれまでの言動がひとつに組み合わさっていくのを、あえて、意識の下に沈めた。]
─ 廊下 ─
[ 幼いユーリエが教会の外を聞くたびに、
外には恐ろしい物がたくさんあるとシスターたちは、
口酸っぱく言った。
魔物や異教徒や心歪んだ者がいるから。
やがてユーリエは「無駄だから」という言葉を覚えた。
無駄だから話さない。
無駄だから泣かない。
無駄だから興味を持たない。
そうしていれば世界は平穏だった。
なのに。
今更になって。 ]
[ユーリエ>>192の意識が此方に向くと
僅か驚いたように翆玉を瞠る。]
…………。
[肯定も否定もしない。
実際の所、バルタザールに怪我を負わされたあたりで
された覚えはあってもした覚えはなかった。
語る必要のない事と思えば言葉は失せ溜息だけが零れる。
どうして、に答える為の言葉も心当たりない男にはわからない。
彼女の肩から、落された白。]
君は私をどのように思っていたのか。
[少なくとも幻滅されたなら滅ぼすべき魔というだけではなかったろう。]
魔と呼ばれる者にまで心砕いていては
君の心がもたなくなる。
[微かな呟きを落した。]
投下したらソマリの発言が見えたので削除してみたんだけど、削除すると白反転文字が見えてしまうのなw
白指定だから、削除発言の地の文字色と一緒になって、そこを削除して新発言をしたようにも見える罠。
[掌から零れる鮮血は、雨だれのように野茨公の灰へ落ちて行く。
頭の中ではこれまで己が見てきた、彼の姿を思い浮かべていた。
血玉を受け取った今日。
何度挑戦してもビリヤードで勝てなかった夜。
ジークムントを子として連れてきた1年前。
図書室で読書の途中ちょっかいをかけられた初めの頃。
――命を救ってくれた、あの日。
気がつけば痛みすらどこか遠いものになっていて、口元に笑みが浮かぶ。
赤の混じった灰が渦巻いて、横たわる野茨公を創造していった。]
――っ、
[限界値を超える血を失って、傾ぎそうになる身体は、扉から生えた蔦に絡め取られ、支えられている。
彫像のように形成を終えれば、灰で固められただけの唇に、ゆっくりと赤を落とした。
一滴落ちる度に、しとり。
肌の質感が戻り、均整のとれた裸体が露わになる。
一滴零れる度に、じわり。
滑らかな赤い髪が、艶やかな色を取り戻していく。
全身に呪を纏った血が行き渡れば、男の目の前には
[他の熱心な信徒や修道騎士が受ける第二段階の実験>1:158とは違い。初の試み数多の犠牲の中で生き残った第一段階という犠牲を前提にしたサンプル。
それがリエヴルであり幼馴染である。
どのようにすれば強くなるか。力は?耐久能力は?体力は?能力は?再生能力は?数多の戦場で必要な因子を多岐に渡りいれ、どこまでか限界値かわからない実験を強いられた第一段階の使徒
だが使徒にするにはそれだけではたりない。当たり前だ。
力があっても誰にでも振るうようなものではならない。ちゃんと、教会に献身的な忠誠を尽くし、魔を滅せるようにせねばならない。
その実験の半分は失敗する。リエヴルは信者にはならなかった。ただ魔を滅する念を強めることができた。その際に出来上がった代償など、教会の人間にとっては些細なことだったのだろう]
/*
帰ってこれたー!
そして、お母様の愛に(;ω;)となった夜。
…ふふふ、まさか本日の仕事が日勤でなかったとは。(震え)
[ 左右非対称な足音で、廊下を精一杯に走る。
やがて、か細い声で、 ]
ソマリ……ソマリ、
クレステッド、リエヴル。
[ そして、 ]
オズワルド、
オズワルド、どこ。
[ バルタザールの聖気が感じられなくなって、
そして、バルタザールは違う人になっていた。
では、同じく聖気を感じられなくなったオズは……?
知りたくて、
知るのが怖くもあった。 ]
[グチャリと、生々しく肉を絶つする音が響く。
刃ではなく柄を狙った結果として、斧の刃が左肩に食い込む。だが容易く両断には至れない。破れた外套と服の間からは黒い鱗が浮き出て戦斧を阻んでいるのが見えるだろう。
ショーテルの一撃がどうあれ、その一撃で滅せるような相手ではなく
懐にいれた、左手より出した、聖銀のナイフを手首を捻り、至近距離から喉元へと投擲した]
[アレクシスと騎士が見せた交わりも、驚くべきものだった。
生まれたばかりの仔に獣が乳を与えるような、
それよりはもっと官能を帯びた食餌の光景が、
不器用な薬師と空虚な騎士の間で繰り広げられる。
かれらの間に交わされた会話は、半分ほども聞こえなかった。
ただ、そこに生じる"想い"の強さを見る。]
………。
… ずるい。
[誰に聞こえるわけでもないけれど、思わず声を低くして呟く。
自業自得なのは、承知の通り。]
[その姿を目にして、僅かに瞳が揺れる。
震える指を伸ばせば、青白い頬に触れた。
ギィ、と唇の形が彼の名を呼ぶ。]
本当、貴方は自分勝手な方だ。
私よりもなんて、きっと世界中で貴方一人だけです。
[手の傷は既に塞がっていた。
頬に赤い指が触れても、彼を汚すことはない。
それはまるで、もう二度と交わることのない未来を表しているかのようで、無意識の内に苦笑が零れた。]
思えば、今日は起きた時からおかしい日でした。
不思議なことというのは続くものなんですねぇ。
[最期の会話、一方的な呼びかけ。
両親の殺された家にたった一度だけ、足を踏み入れたことがある。
そこに唯一無事に残されていた一冊の本>>0:32は、男に命を呼び戻す術を授けた。
記憶の中の文字をなぞるように、指先を牙で裂き、血のインクを滲ませる。]
教会の方とお会いしたのは久しぶりでしたが、今回の方たちが一番面白かったですよ。
最初に逢ったのは……嗚呼、そういえば名前を聞きそびれました。
酒を酌み交わしてもいいと思える程、潔く残酷な方だったのですがねぇ。
[前庭で逢ったリエヴルを思い出しながら、野茨公の肢体に己の血で呪を描いていく。
今から遠い昔に用いられていた文字や意味すら分からぬ模様、決して間違えることのないよう、ゆっくりと滑らかな肌をなぞった。
決して本気で告げた言葉ではなかった。
けれどこれで、彼との約束が二度と叶わないことを知る。]
[聖女は悲痛な顔をしていた。>>230
本来なら、彼女は未だ幼子。
その双肩に過酷な宿命を背負っていても、
迷子のように使徒の名を呼ぶ彼女に、逸る気が抑えきれなかった。
駆け寄る彼女の小さな体躯を我が身で受け止め、
彼女の背を労うように撫でた。>>233
剣を握るままの左手で、彼女に触れるのは不遜であったが、
その様子から大事を知るのは容易かった。]
ユーリエ、如何した。
何があった。君を脅かす何が―――、
[切れた息を弾ませ、言葉の中に気の置けぬ騎士の名を聞くと、
己の腹の底に溜まっていた予感が、ズルリと這い回る。]
―――…バルティ、が…?
私が欲しかったのは―――。
[言いかけて、言葉を切った。
もはや言っても詮無きこと。
雛に血を与え、吸血鬼としての性を教えるアレクシスから
視線を外し、意識を閉じた。]
[意識開いた眼差しが捉えたのは、
天井が崩れ、調度が焼け焦げた部屋の惨状。]
まったく。どこもかしこも…。
[己の城に加えられる数々の仕打ちに、軽く憤る。
だが、その場にいるものたちの姿を見れば、
そんな思いは吹き飛んでいた。]
/*
実はろくに読んでないので、戦闘場所違ってたらごめん。
墓下だから対して影響ないだろうとか思うと、
いろんなことが適当になるねw
[部屋の中で刃交えていたのは、
アプサラスの子供と、襲撃者の1人である剣士。
戦う彼らの間に、殺意以外のものを感じ取って
何があるのかを見極めようとする。
しかし、それより先に呼ばれた名と声が胸を締め付けた。]
[ ソマリの広い胸にしがみつく。
司祭たちの服のようにいい匂いはしなかったが、
背を撫でる手は優しくて、つい、「聖女」の仮面が壊れそうになる。
一番厳しく聖女であれと態度で示してきた相手なのに。
一度息を吸って、とめて、
腹から吐いた。
ソマリの顔を見上げて。 ]
バルタザールが、魔物を斬らなかったの。
残酷な方と言えば、ソマリがきっと一番ですかねぇ。
もっと違う出逢い方をしたかったとも思うけれど、それではきっと、言葉を交わすこともなかったのでしょう。
優しいなどと、随分とふざけた戯言をいただきました。
[誰も聞いていない言葉さえ、捻くれたものしか落とすことができない。
肩から腕へ、脇腹を通り抜け足へと、蔦の支えを借りながら、身体を腕を伸ばす。
ソマリともう一人につけられた背中の傷は、もう治ることはないだろう。]
あの方には剣がある。剣は主を守る。
……ほんの少しだけ、羨ましかったです。
[似て非なる者、決して交わらぬ彼ともう一人の騎士の関係に、眩しそうに目を細めた。
文字を掻き損ねたことに眉を顰め、そろりと舌を伸ばす。
ん、と苦しげな声を漏らしながら、陶器のような肌の上を舐め取った。]
[ 言葉で物事を伝えることを、怠って来た報いは大きい。
事情をうまく伝える事が出来なくて、ひとつ、ひとつ異常を拾うように。 ]
聖気が見えなくて、鎧も、体も汚れてた。
アデルを嘲った。
野茨公を、
……護るために居ると言ったわ。
あれは、バルタザールじゃない。
あとは……そう、バルタザール。
貴方が幼子を置いていくから、私が世話をする羽目になったではないですか。
まったく、欲しいものを得るのは自由ですが、責任は持っていただかないと。
[呪を描くのとは反対の手で、首筋の傷跡をなぞる。
じわりと広がる痛みに先の快感を思い出して、睫毛が僅かに震えた。
熱い吐息を漏らし、潤んだ瞳を瞬かせる。]
私は子を持てないから、少しだけ不思議な気分になりました。
彼のこと、ちゃんと見てやってくださいね。
私があの子の……邪魔をしてしまったかもしれませんから。
[繰り返し囁いた願いは、バルタザールの枷にならないだろうか。
それだけが唯一と言っていい程の未練で、けれど何度あの瞬間に戻ろうとも、己の行動は変わらないのだろう。
足の先まで血の模様を描けば、青白いキャンバスに異様な雰囲気を持つ呪が形になった。]
[駆け逃げるユーリエの後ろ姿を、その場に立ち尽くし眺めた。
随分と経った後に、おもむろに後を追うように階段を降り始めた。]
……そう言えば。
[と何気ない口調で語り始める、]
ギィから頼まれたことがある。
自分の子に形見を渡してくれと。
[ジークムントを振り返りもせず、歩を進める。]
/*
同族に懐き過ぎると、毎夜心を痛める上に、ソマリへの敵愾心が跳ねあがるから、そこまで懐っこくならないようにしましょう、
そんなことを思った時期もありました。
全員にそれぞれ違う形でしっかりばっちり懐いてるじゃないのよ…
アレクシスが素敵に切なくて、もう。
立場的にそっちに迎えないけど…!
そして中身は、息子は勿論りえ様がいなくなるのも寂しい。いぢわるいメモまで素敵>母の前で
…君にそんな顔はさせたくない。
私に、できることがあればいいのだけれども。
[意識を凝らして手のひらに白い薔薇を一輪咲かせる。
アプサラスの髪にそっと置いたそれは、
造り主の手が離れれば、溶けるように消えた。]
[>>231男の振るった斧の刃は幼馴染の左肩に食い込む。――只の人間であれば、胴体を両断出来たろうが、相手はクルースニク。
幼馴染の服の間から黒い鱗が見えれば男は僅かに目を眇めた。]
が、ぁ…っ。
[幼馴染が懐に入れていた左手には聖銀のナイフが握られており。
至近距離から投擲されれば、避けようとも身動きの取れぬ男の首筋を傷つけ、そのまま男の背側にある壁に突き刺さる。
聖なる銀が触れた場所は魔物の身体を焦がし、男の顔は苦しげに歪んだ。]
く…っ。
[男は左手のみを幼馴染に阻まれた戦斧から離し、幼馴染の肩を強く押して引き倒そうと試みる。
引き倒せたなら、体重をかけて圧し掛かろうと。]
[残るは首元と、まるで眠っているような顔だけだ。]
貴方の気に入ったアデルは、私の思い出の住人でしたよ。
子どもというのは、あっという間に大きくなるものです。
何か貴方に求めるものがあるようだ。
あまり意地悪をせず、答えてやってくださいね。
[首筋へ濡れた傷口を押し当てれば、彼の血を奪いたい欲求に駆られる。
しかし今はまだ器しか創造していないため、いくら牙を立てようとも糧を得ることはできない。
こくりと粘ついた唾液を飲み込み、眠る城主の顔に触れる。]
レディ・シュトラウスもシメオンも、無事でしょうか。
あの親子はもう少し、お互い触れ合えばいいと思うのですけれど、私が口を出すことではありませんし。
ジークムント殿は落ち着いておられましたが、ヴィンセント公は大丈夫でしょうかねぇ。
お二方とも貴方に傾倒しているというのに、何とも罪なお方だ。
皆、私に憎悪も嫌悪も向けない、本当に馬鹿な方たちで――…
[意識を保つことに精一杯で、既に周りの気配を察する余裕はない。
彼らと共に過ごした時間が走馬灯のように流れ、そして。]
[慰めることもできない自分に嫌気がさして、
そのまま部屋に空いた穴から外へと漂い出る。
そろそろ、意識の体を動かすのにも慣れてきていた。]
了解した、期待している!
神の子や聖女に気をとられすぎないようにな。
今の貴方は少しばかりですまない状態の悪さだ。
[任された闘いを引き受けた上で身を案ずる。]
弁明なんてしない――彼の言う通りだから!
[そうだ、彼は何も嘘は言っていない。]
自分勝手な目的のために、血を捧げた。
矛盾したことを言ってるのも、分かってる――
[それでも彼女には――]
でも、(僕は…)
君に無事でいて欲しいんだ!
だから逃げて! どこまでも!
[走り去るユーリエに向かって声を飛ばす。
そうだ、それでいい。
どこまでも走れ、闇に囚われないように――。]
― 三階へ続く階段 ―
[がしゃりと具足を鳴らし、破壊された石段を律儀に一段ずつ降りる。
決して急いてはいない。]
それ以上は覚えていない。
私には、何を託されたのか分からないのだ。
[最下段で一度だけ足を止め、]
……ただ、遺していくことを気にしていた。
[それだけを告げると、もう省みることはない。
聖女の痕跡を追い、疾駆を始めた。]
[外に出てみれば、相変わらず頭上は結界に覆われている。
近づいてみたが、聖性の力が強くて触れられもしなかった。]
忌々しいな。
……まったく、忌々しい。
[結界を見て呟いた言葉を、下を見てもう一度呟く。
見下ろせば城のあちらこちらがひどく崩れ、
荒れ果てた様相になっている。
野茨が散り失せた城は灰の白に染まり、
ひどく殺風景で、荒涼として見えた。]
[迫る黒き魔獣。
本来であればその突撃を受け止めたい所だった。
しかし、あえて回避を試みた。]
粋な計らいだ、さすが我が主だ。
これで、もっと闘えるぞ。
[主の加護(>>200)を試しのだった。
闘いを寄り楽しむためには状態の把握が必須だったから。]
愛している。
愛している…愛している
愛している…愛している…愛している
愛している…愛している…愛している…愛している
愛している…愛している…愛している…愛している…愛している
……そうか、―――…そうだな。
[彼女の一言ずつに返す首肯。>>241
胸に篭る思いは、きっと誰も理解し得まい――彼の友以外は。
一度顎を引き、金の紗に視界を隠して。]
…………本当に、奴は、
[呟くように漏らせば、唇の裏を噛んで、そっと彼女の腕を取った。
相手の掌を己の右手に添わせ、熱を分けるよう、力が繋がる。]
良いかい、ユーリエ。
……君は聖女に成りなさい。
―――…少しだけ、力を分けよう。
[消耗し続ける腕に宿した風精を彼女の掌に移し、僅かながら刃を生み出す力を与えようか。
転写と言うよりは、一度二度、彼女に答える程度の風量。
聖女の手さえ、血に染めさせる男の断。
衛術に近い体温を彼女に分け、そっと、彼女にのみ聞こえる声で囁いた。]
――――……強く在れ、ユーリエ。
何もかも、救う力は、君の中に在る。
[科すのではなく、願うように、囁いて笑んだ。
そう、自分は救世主足り得ないが、
聖文変えて、世界を変えて―――、
朝を呼べるのは、未だ見ぬ
─── 取り戻したいものだ。
[すべてを。
あるべき姿を。
願いが想いに共鳴したかのように、不意に意識が引き下ろされる。
見えない糸で手繰り寄せられた先は、自室の中。]
/*
間に合いそう。大丈夫そう。
飴をいただいた個数はもう考えないことにしました。埋まろう。
そしてバルたんにひとつ。
なぜママンなのか。パパンだよ!!!
[機敏な動きで、うなりをあげる拳が躱された。
それが、クレステッドに与えられた風の加護とは、魔獣は知らないし、考慮もしない。
瘴気を纏わせた腕を再び振るう。]
[城主の部屋もまた、主の欠如によって
白い灰にあちらこちらを覆われていた。
薄く積もる灰の上に足跡を残すことなく、
絨毯を踏んで歩き、扉に近づく。
そこに、声があったから。]
僕はまだ、答えを聞けない――
でも、ジーク兄さんも守りたい……
[こんな状況でも己のみを案じてくれる兄に、申し訳ないと思った。
彼を傷つけたくない、ずっとその手を放さずに傍にいたい、守りたい。
でも同じくらい、ユーリエも守りたかった。]
せっかく会えたのに、ごめんね……
[そっと身体を離せば、震える息を吐く。
くしゃりと前髪を乱し、邪魔な眼鏡をずらしながら目元を拭った。]
貴方と出逢って過ごした数年は、私にとってありえないことばかりでした。
悪意に晒されない空気は生温くて、毒されていくような気さえした。
それが今では心地良く思えてしまうのだから、一番馬鹿なのはきっと、私なのでしょう。
……面倒を、かけました。
[それは、初めて出逢った時>>0:130から抱き続けた思いだった。
己を城に囲うことで、きっと不便をかけただろう。
そのことをおくびにも出さない彼に、何と声をかけていいのか分からなくて。]
[疾走に移る前に、床に転がっていた剣を拾い上げる。
ギィの血を吸った剣は、彼が灰化した際に、踊り場から転がり落ちていた。
握れば、刃からチリチリと熱気に似た不快な気が発せられているのを感じるが、バルタザールはそれを無視した。
聖別銀の刃は、魔血に浸された血曇りで輝きこそ減じていたが、今でも魔に対しては充分に強力な武器であることに変わりはない。
握りこそ革が巻いてあるが、銀にダメージを受ける魔物なら、手に取ることさえ避けるであろう。
にも拘らず、男は愛用の武器であったそれを、躊躇いもなく手にした。]
ありがとう、ギィ。
これは私からの、精一杯の恩返しです。
[目の前が時折暗くなる感覚に限界を悟りながら、右手の爪を鋭く尖らせる。
ひとつ、ふたつ、息を吐いて。
勢いよく、心の臓に己の剣を突き立てる。]
わたし、の……さいしょ、で、さいごの、やさしさ、は。
あなたに、ささげ、ます。
[震える指を伸ばして、鍵となる命の源を彼の唇へと落とした。]
交わすだけではな。
そもそもそれでは血が踊らんのだ!!
[上がった敏捷性は剣速を上げる為に生かす。
いつもより速度を上げた剣が瘴気を纏う腕へと向かう。]
[扉の向こうから響く、アレクシスの声。
それは、自分へと語り掛けているように聞こえた。
世間話をするような穏やかな調子で、
ただ、その声には明らかに力が欠けていて、]
アレクシス。
[何か言おうとして、唇を閉ざす。
そのまま、扉に背をもたれさせるようにして、聞いていた。]
――…私も、アデルを護りたい。
大事に思っているから、傷ついては欲しくないのだ。
いや、謝る事はないよ、アデル。
君は自分の信じる道を歩めば良い。
[優しいが故の言葉と感じ
兄は弟に己の思いをそっと綴る。]
力。
[ 繰り返して、見上げる。
どういう意味だろう。
聖女最後の自己犠牲、命を賭けて起こす奇跡のことだろうか。
しかしそれならば、「強く在れ」とは少し違う気がする。
「何もかも」が、魔物も含めた何もかも、
と言う意味に聞こえて、どきりとする。
掴みかけて掴めない、自分の進む方向に触れた気がしたから。 ]
恥ずかしくて相談しづらかったんだろ、兄が妹を大事にするぐらい、妹も兄を大事にしていたってことだよ。
[だから、自棄酒にも素直>>~31付き合った。
もちろん連れてきた恋人がくだらないものだったら、幼馴染と一緒に、"丁重に御帰りしてもらうお話"をしてもらっていただろうが、そうではなかった幸運だったといえたから。]
会いにいけ…とはいわないが、伝言を送るぐらいはできるだろ。それぐらいしてやれ
[もう、終わりの時間が近いのがなんとなくわかってしまったから。
一緒に会いにいこうとは告げることなく。闇をまた祓うように剣を振るった]
[『ジークムントを傷つけることなど出来ない。』
だから答えはもう、半分出ているのかも知れなかった。
それでも、自分はまだ血子ではない。
誰かの意志に寄らず、自分の意志で決められる――。]
[殴り掛かる腕に、クレステッドの刃が深く食い込む。
ギシリと筋肉の束がその動きを止める。
明らかにダメージは通っているが、それは大樹から葉を一枚、落とす程度にしかなっていない。
そして、魔獣はクレステッドの首を掴もうと、もう一方の腕を突き出した。]
[たたずみ、耳を傾ける心に、別の響きが微かに伝わる。
それはひどく遠く、切なく、
ただ狂おしいほどの想いを響かせるもの。>>*12]
ヴァンス、…
[弟が苦しみもがく気配。
すぐにも飛んでいきたいと心が逸るが、
意識体は、縫いとめられたようにその場から動かなかった。]
[アデルを護りたいと思う。
傍に居たい、とも思うが――。
ユーリエとバルタザールを追ったと思えば足は動かない。]
私が行ってもアデルにとって不利となるだけ。
――…それなら、行けるはずもない。
[少なくとも二人はアデルに攻撃はしないだろうという思いがある。
慈しみの聖女なら、神子を傷つける事はないだろう、と。]
[土煙の向こう、横たわった肢体に血の跡は残っていない。
その代わり、青白かった唇に仄かな色が灯った。
次第に熱が広がり、彼の目も覚めるだろう。]
あ……ぅ……。
[魂の宿った気配に安堵の吐息が零れる。
もう身体を動かすことも出来ず、蔦に導かれるまま、扉に背を預けた。
掠れた視界、震えた指で、床に手を伸ばす。
弱々しい筆跡が、最期の言葉を記した。]
"Viel Glueck."
[男は静かに目を閉じる。
穏やかな笑みを浮かべたまま、ただ、彼らの未来を祈って。]
……っ。
[歯噛みし、拳を握り、ひたすらに意識を澄ませる。
扉の向こうで何が行われているか、
もはや嫌が応にも理解していた。
魂が縛られている。
儀式の呪に。
もはや、すべてが終わるまで待つしかない。]
[遠くから谺が返る。
揺れる漣に浮かぶのは、感情の萌しにも感じられた。
「愛」という言葉を告げたように、求める者の名を刻む。]
ずっと共に生きたかった── ユベール
[手ごたえは軽かった。
剣が食い込むも断ち切るには至らないのが、
それを如実にあらわしていた。]
厄介な体をしている!!
しかし切断してみせる!!
[力を入れた瞬間に首に迫る手に気づく。
もはや交わすことは叶わなかった。]
し、しまった!?
[走り来る騎士は、地を這うような前傾姿勢、さながら走駆する獣か影のよう。
ふたりを前に制動を掛けるも、慣性を殺し切れず、盛大に灰と礫を蹴立ててもんどり打つ。
舞い上がる灰の煙幕の中から、やがてゆらりと人影が立ち上がった。]
[クレステッドの首を掴んだ指は万力のような圧をもって喉を締め上げる。
そのまま、クレステッドの身体を持ち上げて吊るそうとした。]
[豪奢な扉、絡まる蔦に紛れて、血まみれの男が眠るように座っている。
呼吸を止めたそれは既に吸血鬼ではなく、糧を身に蓄えた人形だ。]
[その前の床に、一人の男が横たわっている。
描かれた呪は、爆発する力と共にその身へ染み込んだ。
目覚めれば、これまでとは比にならない中毒症状に襲われるだろう。
欠けた力を補うために必要な最後の行程へ導くために、狂おしい程の衝動が誘う。]
[甘い血の香りを纏った人形は、器としての役目を終えると同時、灰となり消えて行く。
首元に下げられていた赤い玉だけが残って、他は皆、跡形もなく。
その瞬間、血の呪縛は掻き消える。
それが男の望んだ、自分勝手な恩返しだ。]
[男は己に向けられた剣>>271を知覚する。]
……ソマリ。
[聖女を背に庇い、満身創痍に拘らず、聖騎士然として立つ男。
ああ、いつも奴はそうだった、と不思議な感慨が湧き上がる。]
[豪奢な扉、絡まる蔦に紛れて、血まみれの男が眠るように座っている。
呼吸を止めたそれは既に吸血鬼ではなく、糧を身に蓄えた人形だ。]
[その前の床に、一人の男が横たわっている。
血で描かれた
目覚めれば、これまでとは比にならない中毒症状に襲われるだろう。
欠けた力を補うために必要な最後の行程へ導くために、狂おしい程の衝動が誘う。]
[甘い血の香りを纏った人形は、器としての役目を終えると同時、灰となり消えて行く。
首元に下げられていた赤い玉だけが残って、他は皆、跡形もなく。
その瞬間、血の呪縛は掻き消える。
それが男の望んだ、自分勝手な恩返しだ。]
[豪奢な扉、絡まる蔦に紛れて、血まみれの男が眠るように座っている。
完璧な死を待ちわびるように、唇へ微笑みを湛えて――。*]
こんな所でやられてたまるかぁぁぁ!!
[首をつかまれ持ち上げられようとしたところで、
頭の中で何かが弾け飛んだ気がした、
所謂ひとつのリミット的なものが開放されたのだ。
意図せず、体を中心として微弱な聖なる力が漏れ出す。]
くっ、我ながら微弱で反吐が出る。
だけど、つ、かわない手はない、な…。
[息も絶え絶えながら漏れ出した力を剣に集める。
そして魔物に当てるべく振り下ろした。]
[静かに歩み、落ちたままの白に手を伸ばす。
ユーリエの肩に一度は掛けられたマント。]
――…一時でも聖女に必要とされた。
それで十分ではないか。
[己を宥めるように呟いて拾い上げると
ばさりとそれをはためかせ再び纏う。
服だけでは隠しきれぬ線の細さもそれで繕えよう。]
[そっと、左手でつかんだ便箋を幼馴染の目の前に差し出して、口を動かしてみせるも、空気が漏れ出るような音しかでないのは力が再生に勝手にまわされているからだ。口惜しい。
言ってやりたい言葉とか色々あった気がする。のだ。
聖将にも、副将にも、神の子にも、聖女候補にも、クレスにもオズにも。
前庭であった吸血鬼や、アプサラスという名の吸血鬼にもだ。
それも命とともに徐々に落ちて消えていく。
一度だけ首を緩く曲げ、女吸血鬼>>277を見遣るもやはり声はでず、だが目の色には増悪や敵愾心ではない怒りと感謝を綯交ぜにした色を宿して幼馴染のほうに顔を戻した]
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自分の中の精一杯は出し切った。愛はたくさん込めた!
そして力尽きた_(┐「ε:)_〜( ε:)0
も、もちろん墓下でもちゃんと動くよ!
[背負わせたもの、残酷な願い。それを聞き届けてくれた幼馴染の名を呼んで]
――――ありがとう。
[謝罪ではなく。短く礼の言葉を告げた。]
[だが途中から、体のほうが理解したのか。再生をとるのをやめた。
それでもまだ体内では動いている。最後の役目を果たそうとして]
/*
最後の部分だけは、できるだけ分かりやすく書いたつもりだけど大丈夫かな。
時間に間に合うように〜で、途中がぐちゃぐちゃになった気もする。心配。とても不安。
皆への愛に技術が追い付いてますように!
ご飯食べるよー(よろり)
[握りつぶさんとした喉から雄叫びがあがる。
同時に右腕に食い込んでいた剣が聖なる力で肉を焼いた。
小さな、だが、針で刺されるような激烈な痛みに筋力が緩めば、剣は自由になって、高い位置から振り下ろされる。
その切っ先は、瘴気の襞を切り裂いて、魔獣の肩口を斜めに切り裂いた。
奇しくも、クレステッドの主人たるソマリが斬った位置と同じ。
苦悶に撃ち震えて、魔獣は左手で掴んでいたクレステッドを壁に向けて投げつけた。]
[彼の強さが信仰に基づくものだとは気付いていた。
一本の芯を通して、生き様を見せる。
自身の知るバルタザールと言う男はそう言う男だった。
危なっかしい男だと思っていた。
聖将の名を背負っても、
人を変えるのは神ではなく人なのだと信念を持つ身。
言辞を弄して、と告げられた言葉を未だ覚えている。
彼は実際のところ、身に染みる感化に甘いとも。
だから、敢えていつもはぐらかした。
神の為でなく、野茨公の為ではなく、誰が為でなく。
自身が為に戦う彼を、いつか見てみたかったから。]
当然だ。
私は剣、
何を斬るに躊躇いなどない。
[僅か数刻前に城主ギィへ宣りしたと同じ言葉を、今度はともに向かって言い放つ。]
面倒だと思ったことなどない。
私は、私が思うままにしただけなのだから。
だから、君が恩に感じることはないんだ。
[届かぬ言葉をいくつも綴る。
そうせずにはいられなかった。]
君は、君の生を生きてよかったんだ。
こんな…
―――ああ。こんなことをさせたのは、私だったな。
[聖なる力の利用で抜け出したのはよかった。
だが壁へと叩きつけられた事によって状況は好転することはない。]
ちょっと、よろし、くないな。
[発した自身がらしくない弱気な声だと感じた。
連戦によるダメージ蓄積が精神まで蝕みつつあったのかもしれない。]
[「
狂気に引き寄せられていた意識に、アンカーが下ろされる。
「あとを、たのむ」と、ギィは言い残した。
応えねば、教えねばならぬと、心が動く。]
[いつか、を考えることはしなかった。
義務の果ての未来など、どうせ知れている。
だが、己を強くと掻きたてる義務が無くば。
その仮面が落ちてしまえば。
己が散々見ない振りをして、
知らない振りをしてきたソマリと言う、
本当の男が追いかけてくる。
本心を踏み躙り、貴族として強く佇む己へ。
血の徳を超えた、運命がやってくる。]
ああ、 ユベールこそは 愛
愛し、愛されることによって生き、 愛なくば、愛を生むために滅びるを怖れない。
愛して──愛されている。
”しらない”としても。
[いっそ晴れやかな笑いを浮かべて、抜き身の剣を掲げる。
上段から真っ向から打ち割る、剛剣を。]
さあ、私を倒してみせろ!ソマリ!!
[そのうちで、痛みの蔓が頭蓋の内を這い伸びていく、]
[これから起こることを理解ができたときは、もう何もできないという無力。幼馴染を突き飛ばそうと伸ばした手は触れる以上のことはできず――ここに居た部屋の吸血鬼たちは、反応できた確かめる術もない。
―――轟音とともに、全てを焼き尽くさんとばかりに浄化の炎が茨の城を焼く
城に棲む影の手を煩わせることさえない。跡形もなく使徒は炎に消えた*]
[ ロザリオを両手に、祈る。
神は、乗り越えられる試練しか課さないはず。
でも、この試練は非情に過ぎる。
どうして、神の忠実な神聖騎士だったバルタザールが魔物にならなければならないの?
どうして、仲間同士で戦わなければならないの?
こんなの、誰も救われない。
ああ、
外の世界がここまで恐ろしい場所だったなんて、
知らなかった。 ]
謝るな。俺が、いったことだ。
おかげで…俺の意識はまだこうしてあるんだからな。
[己の体の異変には未だ気づかず最後ぐらいは笑っとけとばかりに笑う。]
[傷を負ったものの、魔獣はクレステッドに休息を与えず、攻撃を続ける。
廊下に設置されていたソファを抱え上げて突撃したのだ。
素手攻撃をやめたのは、剣の力を警戒したゆえで、狙いは、その剣を使えなくすることだった。]
[細く暗く長い路を通って吸い込まれていく感覚。
遠く微かに見えるのは、紅い、紅い、闇の光。
先へ行こうともがくごとに、路は狭く苦しくなるが
前へ進む力が弱まることはなかった。
手を引くものがある。
やさしい、あたたかい手。]
さて、どうする!?
[任された以上、撤退という選択肢はない。
そもそも戦いから逃げるという選択肢自体が存在しない。
速さを剣に乗せても斬れなかった。
次の手を模索する。]
[心臓からしたたる血のしずくで綴られた言の葉が、「愛」を語る。
「愛」の意味すら知らぬ何ものかは、
「愛」の何たるかを知らぬままに、
乾いた大地が慈雨を吸い込むように、無心に耳を傾けた。]
/*
ど、どう、しよう……(おろおろ
ほっといたら失血死ということは、母の血注いだら助かってくれる、ということかしら……
とりあえず、りえ様の自爆への息子の反応待機。
自分のせいで友人討たせといて、助けるって残酷すぎないかしら…
どうしてもっと冷血な魔物にしなかったのかとは、割と初期から思いつつ。
でもみんな素敵だったからデレが止まらない(言い訳
[これで本当に、解放されるのかはわからない。だがここまでしてくれたのだ。抗える。そう自分に言い聞かせていたため、…変化に気づくのが遅れ]
シメオン!!…にげ…!!
[警告が間に合っただろうか*]
[結論は全てを篭めるという原始的な手段。
主の強化で増した敏捷性とリミットが外れて、
一時的に多少増えている聖気。
その二つをあわせて一撃として放つ事だった。]
行くぞ、我が力をとくとしれ!!
[壁を蹴り加速をつけて力を剣に集め、
大上段から振り下ろして聖なる斬撃を放つ。]
[深手を負った身体では瞬時には逃げられまい。
そう判断した男は血親の身体を押してリエヴルから離れさせる。
そしてリエヴルの身体と血親の前に立って、武器を構え彼女に掛かる被害を最小限に食い止めようと。]
[最初は何も見えなかった。
肉体の動かし方も忘れたというように、
指先ひとつ、瞼ひとつ上がらなかった。
やがて、身体のすべてに意識が通い、
肌の感覚も取り戻す。]
[――文字通り、その身を盾に。
爆発を近距離で受けた男の身体はあちこちが焼け焦げていただろう。
意識を失ったまま、目覚める気配はない。*]
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