情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
舞踏の綴り は 煌風の幻燈師 ヴィンセント に投票した
煌風の幻燈師 ヴィンセント は 変幻騎士 メルヒオル に投票した
珊瑚の海蛇竜 ベルティルデ は 煌風の幻燈師 ヴィンセント に投票した
緑蛋白の雷鳥竜 アデル は 煌風の幻燈師 ヴィンセント に投票した
怪異の巨躯 ディーター は 煌風の幻燈師 ヴィンセント に投票した
変幻騎士 メルヒオル は 変幻騎士 メルヒオル に投票した
妖精の囁き は 変幻騎士 メルヒオル に投票した
金緑石の変彩竜 ツェーザル は 変幻騎士 メルヒオル に投票した
煌風の幻燈師 ヴィンセント に 4人が投票した
変幻騎士 メルヒオル に 4人が投票した
変幻騎士 メルヒオル は村人の手により処刑された。
次の日の朝、金緑石の変彩竜 ツェーザル が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、舞踏の綴り 、煌風の幻燈師 ヴィンセント、珊瑚の海蛇竜 ベルティルデ、緑蛋白の雷鳥竜 アデル、怪異の巨躯 ディーター、妖精の囁き の6名。
[思ったこと、いったことは撤回しない。だからやったこともしっかり謝るのである]
ん、なんだ……まだ怒ってるか?
[無性もあるといっていたのもあるし、直感的にはぐらかれそうというのを察しての行動というのも若干あった。]
俺の番いか。さて…色々と道半ばだからな。
[鍛えるのも、鍛え上げた後が終着点ではない。それからもまだ道があることも含めてである]
……それこそ、めぐり合わせだが、それも―――自らを貫いてからだろうな。
[そんな時だけは真面目に答えるのであった]
怪異の巨躯 ディーターは、珊瑚の海蛇竜 ベルティルデ を能力(襲う)の対象に選びました。
怪異の巨躯 ディーターは、怪異の巨躯 ディーター を投票先に選びました。
/*
なんとなーく、ベル嬢と戦うことになりそうじゃなって予感は確かにあったんじゃが…
思ってた通りになると流石にきょどるのぅ。
さておき、今日の投票先の賽を振ろうかの。──【6(6x1)】
緑蛋白の雷鳥竜 アデルは、煌風の幻燈師 ヴィンセント を投票先に選びました。
/*
ふむ、今日もヴィンセント坊に投票セットじゃな。
ちなみにデフォは妖精の綴りじゃった。
昨日はたしかメルヒオル坊じゃったのぅ。
舞踏の綴り は、怪異の巨躯 ディーター を投票先に選びました。
獲物でも対戦相手でも構わねえ、全部ぶつけろよ、俺もそーする。
[ 伝わるゆらぎを否定することなく、竜は真っ直ぐに、自らの敵手へと身を躍らせる。 ]
『願い、求め、掴み取るがいい…汝には、その時が在る』
[ぎちり、と翼は畳まれたまま。
腹部への衝撃で一時的に翼を動かす筋肉が強張ってしまったようだった。
幸い、身体の感覚を山猫に寄せていたため、身を翻すことで背から落ちることだけは避けられたよう。
メルヒオルは高所から着地する山猫のように足から舞台上へと降り立った]
もう一度……!
[翼はまだ軋んだまま。
広げようとすると翼は小刻みに震える。
足元には五芒の陣。
既に捉えられているとは気付かぬメルヒオルは、再び足場を使って中空へ飛び上がろうと目論んでいた*]
妖精の囁き は、煌風の幻燈師 ヴィンセント を投票先に選びました。
うん、全部ぶつける。
諦めない。
[届いた声は揺らぎを抑え、はきとした意志へと昇華させた。
望みを掴み取るためにメルヒオルは足掻く。
何度でも立ち向かう意志は、こうした支えからも生み出されていた*]
― 月の舞台 ―
そのくらいの意気で臨まなければ……勝ちに近づけませんもの。
[変彩竜の言葉>>*40にはそう返すけれど、内心に戦慄はある。
真っ向から受け止められるのは流石に予想外だったのだ。
こちらの虚を衝くという意味では、非常に効果的だったと言えるだろう]
[負傷を受けたのは主に左側だ。右側はまだ動く。
それを確認するように身を起こせば、急降下する竜の姿が見えた]
盾は……間に合いそうにありませんね。
[投擲に使用したそれは、両者の間合いの遥か外だ。
そして術を使用するにも、大掛かりなものは間に合いそうもない。
ならば、と覚悟決めるようにひとつ息を吐いて]
来なさい――白波!
[蛇竜の一声に、ツェーザルの眼前へ両者隔てる壁の如く白波が立ち上がる。
とはいえその壁は厚いものではなく、竜の突撃ならば恐らくは破られてしまうであろう。
目眩ましか、減速となれば御の字。
その壁の向こう側で、蛇竜はその装いを変えていた]
[上段に構えた両腕へ向けて、鎧が這うように体表を移動していく。
そしてそれが形成するのは、骨を芯とし鱗で固めた鋸歯状の剣]
[防御を脱ぎ捨てた簡素な衣姿で、前方に剣を構え、交錯の時を待つ*]
/*
って、しょうもないこと呟いてる場合じゃない。
出目が奇数→ディーターに投票
出目が偶数→ヴィンセントに投票
5(6x1)
珊瑚の海蛇竜 ベルティルデは、怪異の巨躯 ディーター を投票先に選びました。
/*
次の相手がどう考えても相性最悪な件。
…真面目な話、向こうに手加減がないと勝ち筋が見えないみたいなのはまずいですよね。
この子もそれなりに万能性はあるつもりだけど…"飛べない"はやはり大きすぎた。
[蹴りの与えた衝撃で崩れた態勢を整えるべく、翼で大気を打つ。
どうにか均衡を取り戻した所では、とひとつ息を吐き、弓を構え直した]
ほんとに、出し惜しみはできん、な……!
[呼吸を整えつつ、力を凝らす。
弓自体が零す真珠色の煌きの下を見やれば、山猫さながらに舞台へと降り立ち、そして、再び飛び立たんとする姿>>+0が見えた]
ここを逃すと、後がない、か。
[ならば、全力を出すのは当然の事。
先を案じすぎて出し惜しむのは愚策であり、何より、対する者への礼を欠く。
故に、幻燈師は躊躇う事無く弓弦を引く。
そこに生じるのは、ひときわ強い煌めき纏った真珠色の矢]
舞い踊るもの、揺らめくもの。
手を取り重なり自在に舞え。
[歌うように紡ぐ言霊、それに応じて舞台に刺した矢の間に真珠色の光が走る。
それらが描き出すのは五芒星。
舞台上に描かれた星は上へと向けて光の壁を伸ばし、それは中空でくるくると回る矢へと集約して、星型の光のドームを造り出した]
……我が力の描く幻燈の内にて。
舞い踊れ、煌風の閃!
[紡ぎの最後、宣のようなそれに応じるように風が唸り、それは無数の花弁や羽根を思わせる形の光の刃となって、五芒星の内で舞い踊った]
[光の羽根と花弁が織りなす乱舞は幻燈の如く。
けれど、容赦ない鋭さを持って、捕えた者へと牙を剥く]
……
全力、ぶつけさせてもらう……!
[宣と共に番えた矢を放つ。
それは真珠色の尾を引いて、真っ直ぐに騎士へと飛んだ。*]
/*
やれやれ、今回は拾えたから良かったが、ほんとに何なんだここ数日の引きつけは(とおいめ
てか、赤枠に書いてた文章が、白枠で保持されてたのは驚いた。
煌風の幻燈師 ヴィンセントは、緑蛋白の雷鳥竜 アデル を能力(襲う)の対象に選びました。
/*
と、忘れないうちに。
ちなみに、デフォはアデルだった。
そっちは襲撃先だと突っ込みつつ、てい。
1(6x1)
煌風の幻燈師 ヴィンセントは、怪異の巨躯 ディーター を投票先に選びました。
─ 月の舞台 観客席 ─
そうさな。
あのおのこは何を願って此度の舞台に上がったのかの。
[>>2:59男に応じる口元は扇で隠しながらも、好奇心は隠さぬままに。
妬むなどを抱いたかもしれぬこと、それを避けられたらしきを良かったという男にふむと頷き]
それはほんに良かったの。
嫉妬で力を増す性質の者も居るが、主には枷にしかならんじゃろうからな。
相手を認めて、その上で挑む方が主らしいじゃろう?
[口元を隠していた扇を、ぱちり掌に受けて鳴らした]
[>>2:60続いた会話の中、民冥書房とはなんぞやと抱いた疑問に返されたのは思いの外長い答え。
9分の間みっちり続いた説明の詳しさからすると、主と同じ出の魔族が書いた書物なのだろうか]
…ようわからんが、
世の中まだまだ広いんじゃのぅ…
[試合が終わる前に説明が終わったのは何よりだと思いつつ、しみじみとした呟きを落とした後。
そろそろ決着がつきそうだという主の言葉に、舞台上の二組の力尽す様子を見守った**]
おおっと…!
[ 降下する軌道を塞ぐようにして、白波の壁が迫り上がる。 ]
なかなか器用じゃねえか、ベルティルデ!!
[ 煌、と、一瞬竜の鱗が輝きを増し、その身の全てを二彩の光で覆い尽くす。 ]
うおおおおっ!
[ 貫くように飛び込んだ光が、白波を超えた時、そこに現れたのは、全身を鱗に覆われた二彩の竜。
手にしていた鱗の剣は、長い爪となって海蛇竜を狙う。
ぶんと振り回した腕は、しかし、骨と鱗の剣に受け止められ火花めいた光を散らした ]
ぐおおっ!
[ 光と共に血飛沫が散る。先に受けた棘の傷が、竜の力を削いでいるのは明らかだった。
その傷も、時と共に治癒はしているのだが、今、この瞬間の交差には間に合わない* ]
[まだ怒ってるか、という問いかけには是とも否とも返さぬままに。
どちらかといえば是、とは思っているが]
もう二度とこのような痴れ事はするでないぞ。
了承を得ずにやって良いことではないと、主も分かっておろうがの。
[後に引き摺らぬ為に、今ここで発散しきろうとしているのが大きいとも言える。
だから扇でぺしぺし叩き続けていった訳だが。
番いについての反応を見ればどうやらまだ居らぬのか、と伝わったので]
主の道に添うは中々骨が折れそうじゃから、難しそうでもあるがの。
主が道を外れねば、良き縁とも巡り合わせようよ。
[色々と規格外な男ではあるから、自ら縁遠くもしていそうだが。
男を見定めた上で添おうと決めた縁が既に此処にあるのだ、番う縁とも巡り会えようと微笑んだ**]
[飛び上がろうと足に力を込めたその時、メルヒオルの周囲に光の壁>>*4が競り上がる]
!? くっ……!
[光の壁が伸びる先には、くるくると回る矢があった。
床を蹴り、足場を作って駆け上がるが、光のドームの完成の方が早く、メルヒオルは中に閉じ込められてしまった。
拙い、と本能が危険信号を発する]
[突破叶わず、足場が消えて床へと逆戻りした頃、光のドームの中に異変が起こった。
舞い踊るように現れ出した、光の羽根と花弁>>*5。
傍から見れば幻想的なそれは、確かな意志を持って牙を剥いた]
おおおおおおおお!!
[乱舞する羽根と花弁は容易に避けられる数ではない。
それでも逃れるべく、光の壁すらを足場にして駆け回る。
次々と身を裂き行く刃は、メルヒオルの身体に幾重もの傷を生み出していく。
そんな中でも光の壁を駆け上がり、その頂点となる位置まで来ると、己の血で紅く濡れたランスの切先を、くるくると回る矢を目掛け突き出した]
[この空間から脱出せんと繰り出した一撃。
それが届くか否かの間際で、必殺の一矢がドームの外から飛来する]
《ドンッ》
[少なくない衝撃がメルヒオルの身体を揺らす。
真珠色の尾を引いた矢は、ドームの頂点で動きを止めたメルヒオルの胸の中央を確かに貫いた]
───── かはっ
[矢の衝撃で肺から空気が全て出てしまうような感覚を覚え、呼吸が止まったかのような感覚を得る。
数多の傷、その上に傍目致命傷と言える一撃を打ち込まれ、メルヒオルの身体は遂に力を失った。
右手から滑り落ちたランスと共に、光の羽根と花弁に刻まれながら再び舞台の上へと落ちていく。
落ちたメルヒオルの身体は、力の限界を示すように元に戻っていた*]
使えるものを、使っていくしかありませんもの……!
[一瞬一瞬を必死に立ち回るしか、勝ちに近付く手段はない。
最後の賭けに挑んだ蛇竜の眼前、変彩竜は目映い輝きを放ちつつ飛び込んできた]
くっ……
[突き出された長い爪。
鱗剣はそれを受け止めはしたものの、勢いは殺し切れず。
火花めいた光が散ると同時、爪の掠めた腕からは紅色が散った]
[しかし、押し切られはしなかった。
鍔迫り合いに似た状況の中、互いの武器越しに、傷の治り切っていない相手の姿が見えた。
予想以上の深手を負わせたことに、心中疼くものはあるのだけれど]
負けるわけには、いきませんから……!
[僅かにだけ剣を引いた次の瞬間、背後へ動かした水で背を押すようにして、一気に鱗剣を振り下ろす。
鎧なき身は、抵抗あればそれ相応に負傷することとなるだろうが]
[――手応えは、確かにあった**]
[光が織りなす五芒星の陣の内、騎士の抗う様は感覚として伝わってくる。>>+3
陣を形成するコアが中央に位置する矢である、と悟るのはそう難しくはない事だろう。
故に、そこを突かれるのが先かこちらの力が集うのが先か──そんな、ある種の賭けとなっていた、のだが]
……届いた、かっ!
[ランスの切っ先が矢を捉えるよりも先、放った真珠色が騎士を貫く。>>+4
舞う幻燈の羽根と花弁がその刹那だけ、紅く染まった]
[舞台に落ちた騎士>>+5を追い、自身も舞台へと舞い降りる。
弓弦を一度かき鳴らすと光の羽根と花弁は溶けるように消え失せ、五芒星の陣も解けた]
……生きてる、か?
[見た目の負傷は、普通に考えたなら致死のそれ。
術の行使による消耗と、内側に通ったダメージにやや粗く息をしつつ、投げかけたのはこんな問いかけ。**]
[ 力だけであれば、深手を負っていても競り合える、そう踏んでのゴリ押しは、しかし、海蛇竜の意志と、水を自在に操る術に押し負ける ]
くあっ!!
[ 振り下ろされる剣を受け止めようとした竜の爪は、ぱきん、と音を立てて折れ、肩から胸にかけて、ざくりと袈裟懸けに切り裂かれた。 ]
は…俺も負けたかなかったけど、な…
『見事…と言うしか、ないか』
[ 身を覆っていた二彩の光が薄れ、青年の姿に戻った竜は、そのまま、仰向けに地に落ちて ]
きっつ…いなあ……
[ まさに、満身創痍……それでも、声音は軽かった** ]
[返事はもらえなかったが、その様子から怒ってないはずがないだろう。というのは伝わってくる。]
わかった。
ああ、流石に親しくもない相手にあんなことはしないぞ。
[ついでに、色々疑問を抱かなかった相手にも、である。そして了承も無断ながら一応取ったわけでの行動でもあるが、それをいわないぐらいの分別はあったようだ。
筋道の通った面であればはっきりと応対できるが、こういう細やかな意識を向けるのは不慣れであった。だから忠告には素直に頷いた。]
[番の件については、そうか?とでもいうように首を傾ぐ。
出で立ちも含めて、そうそう縁がなかったともいうし、自らが求めていなかった。ともいえるが]
一緒に戦うといってくれるアデルがいうならば、そうなのだろうな。
……ん?そういえばアデルは番い。という存在はいるのか?
[生活面から、基本は一人暮らしのようなものと思えているが、心配されるような、勇気づけられるような横で疑問が浮かんだので聞いた。
やったことがやったことなので、今更ながら気にしたともいえる]
― 月の舞台 観客席 ―
[気難しそうなメルヒオル。握手をかわしたヴィンセント。
互いの戦いぶりを見ると、何やら事情があるようにも思える。
変形した。とか、その辺りもだが、あそこまで思いっきり戦うだけの理由があるというわけだ。その点だけでも、観戦にきてよかった。]
そうだな、そのほうが俺らしい。
嫉妬して、力を増したのだとしても――それは結局、ただの暴力だったんじゃないか。って、後で悩みそうだ。
[愚直に進む魔族にとっての矜持としていう。らしい。という単語に口元に笑み、冗談めかしていう。]
[舞台へと落ちるまでの間、意識は途絶えていた。
それを呼び覚ましたのは、落下による背への追撃と]
………しん で ない
[舞台へと降り立った者>>*9からの呼びかけ。
声を返すものの、直ぐに起きられるほど負傷は軽くなかった]
かんたん には しなな い
すぐ なお る
[途切れ途切れの声。
その言葉が真実であることは、ヴィンセントの目にも明らかだろう。
深い傷が数多並ぶ中、いくつかの浅い傷が少しずつ治癒を始めていた]
…きみ は、 竜 なの?
つくられ た?
ぼくと おなじ?
[いくつかの問いかけ。
何かを確かめるようなそれは、相手に何を思わせただろう**]
俺は生きてきて、花茶というのを楽しむ時間はなかった。
それと同じことがアデルにもある。というのも、不思議ではないだろうしな。
[互いに、世界だけではなく、生きかたがそもそも違う。
強い力を得るために生きてきた時間。という共通項はあっても、それぐらいだ。
それに、9分にわたって語った文化、だってどこまで通じているのかわからないものだ。
ただ生きてきた年月を考えてば、相手が目上であり経験も豊富だろう。そんなのでも与えられるものが魔力意外にあるというのは、良いことだと思えた。
熱のこもった説明を終えて。アデル>>1とともに舞台のフィナーレを見遣るころ、その瞬間は互いに無言であったか。**]
「強者を決める戦い」
「望みを掴み取る戦い」
「勝ち続けて掴み取る」
「二人三脚で掴み取る」
「闘いは続くよ」
「まだ始まったばかり」
「激闘に次ぐ激闘」
「見ている方も心が躍る」
「楽しみだね」
「楽しみだね」
**
[一つの舞踏が終わった時のこと]
全力が出せる舞台。か。
どうだ……『 』……
[受け取った名を、ここで口にするわけにはいかない。だから口にはしない。
ただ竜眼を通して、念で彼女へとそのニュアンスを伝えるのみで]
……アデルは、アデルのままでいられそうか?
[思うままに振るえない力、抑制。そこから解放された時のことだ。
真名を授かったのは自分だけと聞くし、互いにやり口は考えども出し惜しみするような性質でもないだろう。]
……いっておくが、信頼してないわけじゃないぞ。
[枷が外れたからといって、どうこうなるほど相棒が弱いやつだとは思っていない。]
ただな。何かあっても受け止めるやつがここにいる。それだけは忘れるなってとこだけな。
[道に添うようしてくれるのならば、自らこそが標となる自覚をもつために、と。言葉にして、アデルへと笑みかけた*]
[手中の剣に返る、竜の爪が折れる感触。
そしてそのまま押し切る形で、鱗剣は変彩竜を袈裟懸けに切り裂いた>>+6]
…………っ!
[詰めていた息を吐く。
その眼前で、人の身に変じた竜が地に落ちた>>+7]
……勝った……の……?
[虚脱したように膝を着く。
鱗剣も円盤も力を失ったかのように灰燼と化し、蛇竜もまた人の身のみが残っていた]
[負けたくなかった、と、倒れ際に呟いた変彩竜へ伏し目を向ける。
その思いは互いに同じ。
なれば揺らぎを見せるのも、かえって失礼というものだろう]
ええと、無事……ではありませんよね……。
[そろり、と立ち上がりつつ。
天仰ぐ姿勢の変彩竜へと手を伸べる。
起き上がるなり移動するなりなら、手を貸す心算で]
貴方も、見事でしたわ。
それに、眩しくて……何より、美しかったですもの。
[海底から見上げても見えぬ光を、彼の者は見せてくれた。
それに何よりの感謝を述べた後]
― 月の舞台 ―
[ツェーザルとのやり取りの後、蛇竜は自らの主へと眼差しを向けた。
こちらが勝利したということは、主もまた同様なのだろう]
……勝てて、良かった。
[安堵に浸っていたい思いはあるけれど、間もなく次なる舞闘の幕が上がることだろう。
対戦相手が舞台上へ姿を見せたなら、そちらへ視線を向けた*]
親しい相手でも時と場合によるからの?
儂とて主が何をするつもりか分かっておったら最初から断っておったわ。
[ぺしぺしぺしぺし。
男の返答は扇を止めるにはまだ至らず。
男の分別がなかったら更に加速しただろうが、幸い言われなかったのでそれは避けられた。
竜自身も一応は了承を返した結果だと自覚もしているので、この程度の仕返しで済んでいるともいう話だが]
儂にも番いは居らぬよ。
軽々しく種を増やす訳にもいかぬ身じゃからのぅ。
というか、居ったら主は今頃消し炭じゃ。
[寿命の面からも、竜郷の在り様からも己が番う要は無かったからだが。
番いがあれば流石に許せぬ行為であったと告げるは、更に男の気がかりとなっただろうか]
─ 月の舞台 観客席 ─
うむ、そうさなぁ。
暴力も力の内ではあろうが、ちと無粋が過ぎるものよ。
そんなものを主には揮うてほしくないのぅ。
[男が舞台上の戦いに何を感じているかは言葉にされねば推察する他無いが。
>>2冗談めかした物言いに、竜の胸中を素直に明かし。
9分の講釈に対して落とした感想に返された>>3それには、やはりそうさな、と頷いた後]
長ぅ生きておっても、見聞きせねば知らぬことばかりよ。
やはり主らは面白いのぅ。
[しみじみと呟いた言の葉を最後に、そのまま舞台の決着まで静寂が訪れた。
それを破ったのは、勝者も敗者も、共に力尽した舞台へと向けた拍手の音**]
[舞台の決着がついたということは、闘う相手が決まったということ。
儂の相手は海の子か、と解した思考に男の念が入り込む]
うむ?
[預けた名を、声には出さず呼掛ける男の意図は何なのか。
問うように声を返せば、続けられた問いかけに軽く瞬きを返した後。
補うように続いた声に、緩く口元の弧を笑みの形に描かせて]
案ずるでない、我が主。
この場に喚ばれたこれまでの幾度よりも、此度が一番儂らしくあれる舞台じゃ。
主こそ忘れるでないぞ。
儂が名を預けても構わぬと見初めたは、主が主だからじゃ。
それを見失うでないぞ、ヘイハチロウ。
[ディーターでも、主でもなく。
彼が口にせぬ己の名の代わりのように、男の名を呼んだ**]
[呼びかけに返る声>>+8は、浮かんだ懸念を払拭するもの。
故に、最初に零れ落ちたのは安堵の息だった]
なら、いいが。
……しかし、凄まじい治癒力だな。
[自然治癒の始まっている傷の様子に、零れ落ちたのは純粋な感嘆。
持続力勝負になったら危なかったな、とは率直な感想だった]
ん? ああ……。
[向けられた問いかけ>>+9に、視線は、今は人の形の右手へ落ちる]
純粋な竜じゃあない。
だが、つくられた存在でもない、な。
[つくられた、というのが何を意味するのか。
様々な生物の特性を次々に見せた様子から予測できるのは、キメラ的な合成。
故に、最初に返したのは否定を二つ]
この翼も爪も、命くれた親父殿から引き継いでいる。
[次いで自身の出自を説明しつつ、ばさり、とひとつ、羽ばたいた。*]
[騎士とのやり取りの合間、意識向けるは盟約結びし蛇竜の方]
……お疲れさん。
まずは、最初の壁は越せたな。
[ぽつり、と零れたのは、労いの言葉、ひとつ]
― 月の舞台 ―
[対峙した騎士とのやり取りの後、改めて周囲を見回す。
同じく勝利した蛇竜の姿>>5に目を細めた後、ばさり、と翼を一つ羽ばたかせ]
さて……さすがに、連戦ってわけにはいかんし、まずは休息の時間をもらいたいところだな。
……疲れを残して全力を出せない、なんてのは、あちらにも申し訳ない。
[決着の後に響いた拍手の音>>6は捉えていた。
対峙したものたち全てに惜しみない礼を送って来た相手に対し、こちらも全力という名の礼を欠きたくはないから。
まず為すべきは休息、そして調子を整える事、というのは自然な思考だった。*]
[問いに返るのは否定>>*14。
それを聞き、複雑な想いが綯い交ぜになった息を零した]
召喚師 と、竜 の あいの 子
……そ、か。
本物 なんだね。
[純粋ではないにしろ、ヴィンセントの身に宿るのは紛うことなき竜の腕。
蜥蜴の腕が精々の己の腕を持ち上げ、ぐっと握り込んだ]
─── あげる。
飲めば、治癒が早まる。
[握り込んだ掌を広げ、ヴィンセントの方へと持ち上げる。
掌にあったのは、紅色の小さな粒が2つ。
メルヒオルの血を凝縮して固めたものだ]
つぎ、あるでしょ。
やすまなきゃ。
[勝ち負けのことは口にせず、かと言って、頑張れなどという応援も素直には出来ず。
ただ次の舞闘のことを告げて相手を促す。
メルヒオル自身は、もう少しだけ休めば、観覧席に移動するくらいのことは出来るようになるだろう*]
[その声が届いたのは、変彩竜と言葉交わしていた時であったか]
は、はい。ヴィンセント様も……!
[労いの言葉にそう返す。
動きを付けるなら一礼を向けていたことだろう]
良かった、です。
……前に進むことが出来て。
[最初の壁、ではあるけれど、それでも大きな一歩という実感はあった]
とても、お強いお方でしたから……。
― 月の舞台 ―
[送られた拍手の音>>6に、はっとしたような顔をする。
今の今まで、自身の舞闘を誰かに"見られる"ものとは意識していなかったのだ。
次なる対戦者の動きを待っていた所、聞こえた羽ばたきの音>>7に意識を引き戻す。
自身も主も当然ながら無傷ではなく、疲弊もある。
そのまま次戦に臨んでは、確かに全力での相対とはいかないだろう]
ええ……そうですわね。
見せる力に不備があってはいけませんわ。
[主の言葉に頷き、一時休息を取ることに同意した*]
まけ、ちゃった……
[ぽつ、と声が零れ落ちる。
落胆の色はあるものの、強い悔恨などはなく。
呼吸を整えるように長く息を吐き出した]
やっぱり、ぼくは失敗作なのかな。
にせものだから、ほんものには勝てないのかな。
[脳裏に捨てられた時の記憶が甦る*]
時と場合……か。難しいな。
[...の考える時と場合というのにはどのようなことが考えられていたのか。忠告を受けつつ、神妙にぺしられている]
そうか、それはよかったわけではないが、一生を得たようだ。
[番がいないと聞くが、いないことに、やった行為も含めて、それを喜ぶべきところではない自覚はある。
ただ安堵したのかといえば、引っかかるように異なる面はあったりしたが、やはり窮屈である。ということだけはありそうだとは思ったが]
無事じゃないのは、お前さんのおかげだってーの。
[ 近づいてきたベルティルデに投げた言葉は皮肉気だが、声は恨む風でもない。
手を貸そうという素ぶりを見れば、少し首を傾げてから素直に手を差し出し、意外に身軽にひょいと立ち上がった。 ]
俺の力は大体借り物だからな。そういう意味では、お前さんの方が本物の強さだ。
[ 返した言葉は謙遜でもなんでもない本音だったが、美しかったと言う賛辞には、照れたように笑った。 ]
そーか?ま、目だけでも楽しめたなら良かったぜ。
[ 言いながらも、視線はもう一組の舞闘を演じた二人の召喚者へと向かう。
メルヒオルと繋がる魔力が一瞬途切れた感覚から、勝負の行く末自体は予測済みだったが、生きている姿を改めて目にすると、小さく安堵の吐息をついた。 ]
…俺の願いは、もう叶ってる。
『それは、汝のおかげでもあるな』
[ ばさりと竜は翼を広げる、二彩の鱗がその動きに従ってバラバラと剝げ落ちるように地に撒かれた。 ]
次は皇玉とやるんだろう?
今度はお前の願いが叶うよう、祈っててやるから、格上だなんて遠慮せず、ぶっ飛ばしてこいよ。
[ 言い残して、竜は中空へと身を運ぶ、向かうのはまだ十分には動けぬ風の、
― 月の舞台 観客席 ―
[胸の内のすべてを語りはしなかったが、ただ素直に明かされたアデルの言葉>>6には、ああ。頷いて返し]
そうだな。俺からみても、同じ場所に住んでるはずの二人も、不可思議で新鮮なやつに見える。
[それを面白いという捉え方をするほど達観とはしていない...ではある。
佳境ともなれば、口数は減り、そして一つの結末を迎える。死に至る様子はないことだけ確認したりもしつつ。]
……んむ、見事な戦いだ
[拍手をする横で、ぐっと親指を立てた]
俺たちの番は、あちらが準備が整ってからだな。
それまでは……アデルに話し相手でもしてもらおうか。
[だがすぐに戦う。というのは、少々納得がいかぬものがあるわけで]
メルヒオル。そしてメルヒオルの竜よ。歩けるか?
[待ち時間はあるわけだが、彼らの個別領域かどこかに運ぶぐらいはしようか。そんな風に声をかけたが、特に必要なければ見送るだろう*]
[楽しみだろうか。という確認と少しの心配を交えて聞いた言葉は、笑みをもってかえってくる。]
ふっ。それならいいな。
それは玉に属する竜と相まみえるからかと考えたが、今までの経験もある中で、一番の舞台といわれるならば、己惚れるように自分の力もあるのだと思っておこう。
……俺はな。強くなるためにやってきたことがある。
いろいろなものを捨ててきた。
だが捨てられぬものもある。ここにきて、また増えた。そう思っている。
[少しだけ今までを思い返しながら、忘れるでない。という言葉に直接とした返事ではない言葉を返し、アデルを見つめる]
俺たちが二人で戦っていたという時間を穢すような真似はしない。
主としての意地ぐらい張らないとな。
[最後は少しだけ力の抜けた声となって、だから安心しろ。とも、任せろ。ともいうように力強くうなずいてみせた]
ん、ああ。
……そう、なる、な。
[零れた息と、本物、という言葉>>+10に宿るもの。
それを察しきる術はないが、騎士には騎士なりに思う所があるのだろう、とそれ以上は言葉重ねず]
……あげる……って?
[握り込んだ後、差し出された掌の上。>>+11
二つの紅い粒に、紫苑色を瞬いた]
……治癒が早まる、か。
次も手を抜けないわけだし、ありがたくいただく。
[次の舞闘を示唆しての言葉に、素直に頷いて粒を受け取り。
それから、一つ息を吐いて居住まいを正した]
……良き乱舞の刻を得られた事に、感謝する。
お前さんみたいなタイプとやり合った事はほとんどなかったからな……色々と、いい驚きをもらえたよ。
ありがとう、な。
[礼の言葉と共に向けたのは、穏やかな笑み。*]
なんだ、負けてへこんでるのか?
『汝の願いは勝利のみであったか?』
だいたい、勝てば本物だなんて、そんな単純なものでもねーだろ。
[ 自分を偽物と呼ぶ、メルヒオルの真意を知るわけではない。けれど ]
お前が自分をどう思ってようと、俺を呼んだのは、お前だけ。お前が俺の唯一の「主」だ。忘れんなよ。
あーあ、お前もだいぶ無茶やってんなあ。
[ 竜が舞い降りたのは、メルヒオルとヴィンセントの対話が一区切りついた頃だったか。 ]
そら、向こうで休もうぜ。
[ メルヒオルが拒絶しなければ、その身を抱き上げようと手を伸ばす。 ]
― 月の舞台 ―
[こちらを振り返った蛇竜の様子に、微か、笑みが過る。>>8
本当に、初めて尽くしなんだなあ、とか考えてほのぼのとしていた、という思考は伏せて]
ああ、そういう事だ。
幸い、騎士殿から治癒のおすそ分けを戴いたから、時間はあまり取らずに済みそうだが。
[見せるのは、先に騎士からもらった紅い粒。
その一つを手渡し、残ったひとつを躊躇いなく飲み下す。
休息のために必要と言うなら一度領域まで戻り、十分に気力と体力、魔力を回復させた後。
幻燈師は再び、舞台へと立つ。*]
そう……ですわよね。
[ツェーザル>>+12に複雑そうな表情を向けるも、恨まれてる風ではないとわかり、少しばかり気は楽になった。
差し出した手を借りはしたものの、彼の者の動きは思ったより軽そうだ]
借り物だなんて思いませんでしたわ。
……いえ、どちらにしろツェーザル様の"強さ"だと思います。
[照れたように笑う変彩竜へ、そう、思う所を伝えた。
召喚主を気にする素振りを見れば一歩を引く]
……わたしの願いも、半分は、叶ったようなものですわ。
[ツェーザルに答えるように、そう呟く。
彼が翼広げ舞い上がるなら、見送るように視線を上げて]
ありがとう、ございます。
……負けられない理由が、また、増えてしまいましたわね。
[格上の相手との一戦、ではあるけれど。
後ろ向きな気持ちではいけないと、思いを新たにする。
その視線の先で、変彩竜は盟約者の元へと去っていった*]
あんたの相棒も、綺麗な顔して、相当容赦ねえと思ったけど、似た者同士みたいだな。
[ 去り際、ヴィンセントに視線を投げ、口にするのはやはり、恨み節にも似た言葉だが、どこかあっけらかんとした口調に、やはり、相手を責める色はない。 ]
次は、ゆっくりみせてもらうぜ。
『楽しみなことだ』
[ 言い置いて飛び立つ竜は、紅と碧にきらめく鱗を舞台を彩る飾りのように振り撒いていった* ]
…お前と俺も、結局、似た者同士みたいだけどな。
[ ぽつりと、声はどこか切なげに響いた。* ]
― 月の舞台 ―
[主の内面>>11も知らぬまま。
先走ったことへの恥じらいからは全力で目を背けて、差し出されたものへ視線を送る]
メルヒオル様から……ですか?
ありがとうございます。
[主への礼と、騎士の姿が視界の届く範囲にあるなら、そちらへ向け黙礼を一つして。
紅い粒の一つを受け取り、主に倣うように飲み込んだ。
暫しの休息を経て、改めて舞台へ立つことになるだろう*]
/*
スタンスふわっふわというか頭の中がまとまりきらなくて…。
ヴィンセント様には本当に申し訳ないのです。
ただちょっとネガティブになり過ぎてたので、気持ち的に軌道修正していきたい。
/*
あとツェーザル様へ。
自分がうっかりえげつなさすぎる武器を出してしまってあわわとなってるだけで、負傷描写について責めるつもりはないのです…。
というかこの能力だと、なまじ切れ味が鈍いせいで負傷の仕方がえぐい武器しか作れないという、ね。今更気付いた(
(モン〇ンの武器みたいなのイメージしてて、相手も竜だしええやろ、みたいな安直な考え)
─ 月の舞台 観客席 ─
儂と同じ竜たちも、中々面白いしのぅ。
同じ場に喚ばれたのがあの者たちで良かったわ。
あちらで会っていたらまた違う印象となっておったでのぅ。
[座の違いが戦力の差と繋がらぬこの場だからこそ、と。
>>9主に同意を返しながら、舞台の行く末を見守って。
>>7>>8拍手の音が勝者に何を思わせたかまではこちらには分からぬも、自身の経験から拍手がきちんと届いているとは分かっている。
充分な回復と続戦の支度が整うまでどれ程の時間を要するかも]
そうさな。
儂らは充分に休息を得られておるし…
いや、ちと支度をせねばならぬのぅ。
主と話をしながらでも済むことじゃがの。
[しようと思えば今でも出来ることではあるが。
>>10主の言葉に、一旦は個別領域へと戻るが良いか、と首を傾げた。
対戦相手が舞台の上から下りぬままならば、この場で済ませる事となるが]
[時と場合についてと、番いの話題。
竜が告げたそれらに男が何を思うかまでは見えぬこと。
難しいというその言葉には、考えるも悪くないことよ、と笑みを含ませ]
同じ竜の身の者と闘うは毎回変わらぬことじゃからの。
儂の一番を決めたのは己惚れではなく、主自身よ。
主の捨てられぬものの中に儂が入ったと思うも、己惚れではないと受け取って良いな?
[ぱちん、扇をたたむ音と共に自信に満ちた笑みを主へと向けた後]
お褒めに与り恐悦至極、とお返ししようか。
[向けられた言葉>>+15に返す言葉は軽口めいたもの]
……そもそも容赦なんぞ、する余裕もなかったからな。
[さらり、と告げるのは全力を持って対した結果だ、と言外に伝えるもの。
もっとも、その辺りは言わずもがなな部分もあろうが]
……ま、楽しめるように、全力は尽くす。
[飛び立つ竜へと向ける言葉は、どこまでも軽い調子を崩さぬもの。*]
― しばらく後 ―
[対戦者同士のやり取りを見届けたり、休憩時間をまち、再び彼らが舞台にあがる準備が整う]
征こうか。アデル。
[夜が明ける前に、月明かりのない秘めやかな舞踏へと、既に自然にそうするように手を取ってエスコートした。]
[個別領域に戻ったか、闘いの舞台へと続く道中か。
支度をすると言った通り、竜の身に纏う着物が翠に揺らぐ。
蜃気楼のように重なったシルエットが形を持って、数瞬の間にはっきりとした輪郭をもったのは身体の線がはっきりと見える洋装。
最初からこの衣装であったなら、男に要らぬ怒りを抱かずにも済んだかもしれないが]
この格好はあまり慣れぬ故、出来ればしとうないのじゃが。
見苦しい恰好を見せる訳にはいかぬでのぅ。
[着物と違い、はだけたり着崩れたりする心配が少ない恰好の方が人身であっても存分に戦えるから、という理由。
それでも、扇だけは変わらぬ形で手の中に*]
[個別領域に戻ったか、闘いの舞台へと続く道中か。
支度をすると言った通り、竜の身に纏う着物が翠に揺らぐ。
蜃気楼のように重なったシルエットが形を持って、数瞬の間にはっきりとした輪郭をもったのは身体の線がはっきりと見える洋装。
最初からこの衣装であったなら、男に要らぬ怒りを抱かずにも済んだかもしれないが]
この格好はあまり慣れぬ故、出来ればしとうないのじゃが。
見苦しい恰好を見せる訳にはいかぬでのぅ。
[着物と違い、はだけたり着崩れたりする心配が少ない恰好の方が人身であっても存分に戦えるから、という理由]
― 月の舞台 ―
[対戦相手へと歩みより、一定の距離で足を止める]
もう大丈夫のようだな。ヴィンセント。
[その様子を、あるいは意気込みをみてそう断ずるように言う。]
舞踏の相手ともなれば、子洒落た一言でもいえばいいのだろうが、あいにくとそういう言葉は入荷されてないのでな。
[そのむき出しの体や、多少なりとも会話したところから察されてるかもしれないことを口にする。]
俺は……決意をこめて、これに臨む。
[真っ直ぐに、相手を見据える。短く告げるべき言葉を告げ終える。
ヴィンセントからの返事を聞いたりしつつ、戦気が昂っていくのを肌で感じ取る。
そして、戦気が極限まで上り詰めるのが合図というのは互いに察しあえただろうか。]
恨みっこなしだ!
剛健術開祖ヘイハチロウ・D・タチバナ。
征く!
[前頭姿勢。ゴッと鈍い音を響かせ、一足で最高速に乗り、目指すのは最短であり、右腕を逸らすように振り上げる動作。
そして腕を突き出すのではなく上から振り下ろすに振るう。
ヴィンセントを、あるいはヴィンセントが立っている、その足元を破壊する、そのような破壊的な一撃。
荒々しい舞踏の開幕であった*]
主よ、待たせたな。
支度は済んだぞ。
[唯一変わらぬ形を保つ扇を手に、傍らの主へと顔を傾け。
>>15この場に喚ばれてから何度と差し伸べられた手に、やわりと微笑み返した後]
うむ。
往こうか、
[今までと同じように手を重ね、月の舞台へと足を進めた*]
― 準備中のとき ―
おお……
[服が蔦やウロコ、あるいは翼のようなものととっていたが。
それは和装から洋装へとも変えることができたようだ。
最初に見ていれば、デコを赤くするようなこともなかったのだろうが、その辺りに特に文句などはなく]
そうだな。あちらも真剣に望んでくれるわけだからな。
[意図を汲んでしっかり休むこともしている潮の香がした竜。
それ以前に戦っていた姿は、見た目とは違い弱々しいような意志がないのだしな。と頷いて、舞台>>19へと連れていった]
服装だけでぱっと印象が変わるな。
雅から―――あー、えっと
[可愛いといったらだめだった。少しだけ悩んで]
……月がでないのも仕方ないというやつか。
[とある意味合いに乗せた感想を口にした]
[そんな風なことを言いながら、時には無骨なエスコートで、時には読めぬ行動をとったり、時にその力と意志を確かめ合ったり、時に雅に茶会を楽しんだり、短い時間で様々な時間をとった。
そしてまた新しい時間が刻まれることになるのは、舞踏開始前のこと]
……雷華。
[相棒の名を呼ぶ。竜眼が熱を帯びたような気がする。好きなように魔力はもっていけとこちらは流れるままに任せてしまうだろう。
窮屈なき、雅な美竜の解放を謳うように、その真名を言霊に乗せる]
一番、雷華らしい。という姿を見たい。
[名を口にしたならば、意気込みなど既に不要。
主、主と言われて、少し不慣れな面はあるから、やはり主従のような命を下すようないいかたはできないでいたが]
…飛びきり、心に残るような、捨て去れないようなものをな。
[そんな一時を、できるだろ?と先にもらった自信に満ちた笑みに返すように、命令ではなく要望をと口にして舞台へと上がる]
/*
あーーーーーーーーーー儂の相棒ほんにのぅほんにのぅ…!!!
ここまで恰好良すぎるのずるぅないか…?
これを越えられるものなんぞ思い浮かばんぞ…
……うん。
[ありがとう、と言われて>>*16、上手く言葉にならず、ただ頷くだけになり。
粒が無くなった手をゆっくりと下ろす。
ふ、と短く息を吐いていると、近くにツェーザルがやってきていた>>+14]
ツェーザル。
[動くにはまだ辛い身。
メルヒオルを抱き上げようとする彼に手を伸ばし、彼の服の一部を握り締めた。
そうしてメルヒオルはツェーザルの手で舞台の外へと運ばれて行く*]
……わかんない。
でも、勝てば、”ぼく”というものの証明になったのかな、って。
[問い返された、願いについては首を横に振ったものの。
己というものについての疑念は以前から残ったまま]
ぼくは、竜を人工的に作ろうとして出来たって、言われてて。
作ったひとにしてみれば、出来損ないの失敗作だったんだ。
それで、捨てられて。
しばらくは継ぎ接ぎの獣の姿のまま彷徨って。
ようやくこの姿になれるようになったんだけど、”ぼく”は何のために生きてるのかが、わからなかった。
それを見つけるためにこの闘いに挑んだってのは、言った通りなんだけど。
[そこまで言って、考えるようにしばらく間が空く]
……ぼくが望んだものは、勝ち負けで得られるものじゃないってことは、何となく、分かってた。
ぼくは、”ぼく”である自信が欲しかったんだと思う。
失敗作と捨てられても、ぼくとして生きていく証明。
─── きみを喚んだことで、それはもう得られてたんだ。
[ツェーザルが、忘れるな、と言ってくれた内容こそが、その証明。
メルヒオルを『
人との交流に問題があったが故に抱いていた願いは、全てを受け入れるように接してくれていたツェーザルが既に叶えてくれていたのだ]
― 月の舞台 ―
[休息を経て、戻った舞台。
やって来た巨躯の姿>>17に、微か、口の端を上げる]
ああ、お陰様でな。
[断ずる言葉に返す口調は軽いものだが。
揺らがぬ紫苑色の瞳は、そこにある意志を端的に物語るか]
ま、その辺りは好き好きだからいいんじゃないかね。
各自の流儀ってものもある。
[その辺りは、召喚前のやり取りやら何やらで察しもついている所。
故に、軽くそう返すに止め]
そこは
[短く告げられた言葉>>18に、返す宣は静かに響く。
戦意の昂りが示す開幕の刻──それに、先んじたのは巨躯の方。
名乗りの後、繰り出されるのは破壊的な上からの一撃]
……やれやれ……。
[ばさり、と音を立てて翼が羽ばたく。
真珠色の煌き帯びた風がふわり、舞って]
[振り下ろしの一撃は、確かに幻燈師を捉えていた。
けれど、返る手応えはない。
伝わるのは恐らく、虚空を拳が切る感触のみ]
さすがにそいつをまともには、喰らえないんでな!
[直後、声が響くのは中空から。
視線上げれば翼広げ舞う幻燈師の姿がそこにある。
風で軽減するにしてもこれは限度を超える、との判断から、とっさに幻影の分身を生み出し、自身は可能な限りの高速でその場を離脱して強引な回避を決めていた]
恨みっこなしは望むところ。
ヴィンセント・アドウェナ・アウィス……推して、参る!
[一歩遅れて返す名乗りと共に、左手に握るのは真珠色の長弓。
かき鳴らした弓弦から大きめの風の刃がひとつ飛び立ち、巨躯へ向けて真っ直ぐに飛んだ。*]
― 月の舞台 ―
[改めての対峙は、一度舞台を降り、十分の準備と休息を経てからのものとなった。
こちらは傷こそ癒えたものの、先と同じ簡素な貫頭衣。
対する翠の竜は、装いを新たにしていた>>16]
それが貴方の"鎧"、なのですか?
[着物よりより動きやすさを重視した服装に、皇玉の本気を思う。
自分はそれに見合うだろうかと、後ろ向きそうになる思考を奮い立たせ]
海蛇のベルティルデ、座は麗玉。
胸をお借りいたします……!
[身に纏うは、鱗と骨にて編まれた鎧。
そして右拳を前方に突き出せば、それを中心に左右に伸びる形で、乳白色の棒が出現する。
身の丈を超えるほどの長さまで伸びたその棒の、中心部を両手で握り一回転させれば、両端から水の帯が尾を引いた]
行きます!
[地を蹴り、翠竜へと迫り、突き出すような棒術の一撃。
先端から噴き出す水は、刃へと変じ、得物のリーチを見た目以上に伸ばす*]
― 月の舞台外 ―
[ヴィンセントへと渡した『薬』は無事、彼の竜>>12にも渡った模様。
こちらに黙礼してくる様子を目に留め、柔らかく口端を持ち上げた]
折角の舞台だもん、全力出せるようにしなきゃ。
[その手助けをすることは、勝ち上がった彼らに出来る唯一のことだったから。
素直に出来ぬ応援の代わり、と言ったところだ]
[もう一組からの拍手の音>>6は届いていたが、身体を動かせぬ故に反応する余裕は無かった。
メルヒオル達と入れ代わるかのように舞台に立つ彼ら。
次の闘いで此度の舞闘会の勝者が決まる。
熾烈な戦いが始まるであろうことは、場の雰囲気が物語っていた*]
― 回想/個別領域 ―
[蛇竜にとっては思わぬ形で与えられた、休息の一時。
半人半蛇の姿で小さな海に潜りつつ、思い巡らせていたのは二つのことだった]
[一つは、命運預ける相手として出自を明かしてくれた召喚主のこと。
もう一つは、願いを賭けて戦い破った対戦者のこと]
あの……ヴィンセント……様。
[意を決したように水面へ上がり、小島に手を付いて半身を覗かせる形で言葉を掛けた]
こんな時に、すみません。
……少しだけ、お話させて頂いてもいいですか?
[次なる対戦に響かぬように、とは思いつつも。
蛇竜はぽつ、と口を開く]
大したことでは、ないんです。
ただ……心残りがあるまま最後の戦いに臨むのも、良くないと思って。
[主を煩わせるべきではないのかもしれない。
ただ、信頼の証として語ってくれた相手に、こちらが同じものを十分に返せていなかったのは事実だ]
わたし……はっきりした願いの形があるわけじゃ、ないんです。
ただ、自分の力が怖くて……でも、"ここ"に来れば、何かが掴めるんじゃないかって。
だから、あの力に呼ばれた時、手を伸ばしたんです。
[言葉を吐き切って、大きく息をつく。
空気に晒された肩は、小さく震えていた*]
[俺には俺の、相手には相手の望みがあってこの舞台に立つのだ。
伊達や酔狂でないならば、意志をぶつけ合うに相応しい。
ヴィンセント>>22に対して、敵対というような憎しみのようなものや怒りはない、競争相手ではあるが、一種独特の感覚を共有してるように、無言で笑みが浮かぶ。
だからこそ全力でもあった。
拳は、その実像を捉えたようで空をきり、地響きをたてて舞台を揺らし砕き、石の破片が宙を舞う]
そこか。
[声と気配との二つの情報より上を見上げる。上空より弓でこちらに狙いを定めるヴィンセント>>*20の姿。番えられているものは、ないようで、そこに在る。
幻影であったことに戸惑いのなさとの同様、晒した筋肉により、文字通り空気を筋肉で感じる鋭さによるもの]
剛健術。掌底流し!
[風の刃の速さ、鋭さを読み取ると、足を強く踏みしめ、左手を天へと伸ばして掴み、せめぎ合うような勢いのまま横へと流してしまう。
なお、術といいながら、一切魔力のない術<力づく>ではある]
しかし届けるのが大変だな。
[体がでかかろうが、空には手が届かない。当たり前のことだ。そこに対して落胆などはない]
まあそういう相手には、使わざるをえないな。
[ドンっと音をたて、舞台を改めて揺れ、宙をまった石の破片を両手に掴み、腰を捻ると、振りかぶる。]
剛拳隕石!
[落下ではないという点を除けば、言葉通り、隕石のような勢いで、一投。二投。ヴィンセントめがけて、押し投げた*]
─ →月の舞台 ─
[>>20主から見れば、装束の変容も術のように見えようか。
あちらも真剣に望んでくれるという声に、あぁと頷きを返し]
あの海の子も良き主に喚ばれたようじゃからの。
座の違いなどこの場においては些細なこと。
己の心次第でどうとでもなると、身体で分かっておろう。
[笑って男のエスコートのままに進んだ舞台の上には、既に海蛇の竜の姿はあったか。
己より先か後か、>>23舞台上に在るその姿を見止めると同時、ふわり微笑み]
─ 月の舞台 ─
うむ。
主は人の身で闘うが主の型に見えたでの。
儂もこの姿の方が闘いやすかろうと思うてな。
まぁ、鎧というにはちと薄いがの。
[かちりとした洋装に身を包んだ中で、唯一不釣り合いな扇をぱちりと鳴らす。
相手の名乗りに、含まれた想いの強さを感じ取れば、笑みは更に深まって]
そういえば、名乗るを忘れておったな。
儂は雷鳥竜のアデル。
よしなに、の。
[初めて視線を交わした時には告げた座は言わず、名乗りを上げた*]
[対峙する海蛇の竜が纏うは鱗と骨。
あれらは削り取ろうと、竜自身には傷の内にも入るまい。
対して竜が身に纏うは、衣服に見えるだけで己が身の内。
斬られれば血が出ぬにしろ、竜自身の傷となる]
うむ。
共に舞おうぞ。
力を尽くして、な!
[だからこそ、簡単に斬られる訳にはいかず。
突き出された一撃は、水に濡れるを避けようと扇を開きながら受け流そうと動きかけた]
[けれどその水が刃に変じ、更に伸びてきた刃先は完全には避け切れず。
ならば、選択するは応じて受けとめること。
扇の軌道を変え、自身へと伸びる刃先を扇の骨で食い止める]
っ… 傍から見ていても思ったが、
其方、中々に器用じゃのぅ!
[刃先が突き刺す扇から、蔓が棒を伝い絡め捕らんと這い伸びさせた*]
[こちらの回避により、打ち砕かれたのは舞台の床面。
その様子に避けて正解だった……なんて考えていられたのは短い時間の事]
……って、どこまでも豪快だな!
[風の刃を受け流す様子>>*22に、口を突いたのはこんな一言。
術と言ってはいたが、どう見ても物理だろあれ!? なんて思考がぐるりと回るが。
同時に、あれが彼の『らしさ』なのかとも思えば浮かぶのは笑み]
[こちらは空、あちらは地。
その違いを向こうがどう埋めてくるか。
そんな事を考えながら再び弓弦に手を掛けるのと、巨躯が石の破片を掴むのはほぼ同時]
……って、そう来るか!
[剛腕を持って投げつけられた石、二つ。>>*23
とっさに発生させた風の刃により到達直前に打ち砕くものの、砕けた破片は勢い失わず、細かい衝撃が幾つも身を掠めた]
ん、のっ……!
[ひとまずだけは庇いつつ、力を凝らす。
引かれる弓弦に応じるように真珠色の矢が番えられた。
三連続で放たれたそれは、どこまで到達できるか。
そんな事を考えつつ、幻燈師は次の一手のために力を凝らした。*]
[ メルヒオルを抱き上げた竜は、ゆっくりと低空飛行で月の舞台の外へと向かう。観戦していたディーターとアデルの側を掠めるように飛んで、ニッと笑みを浮かべたのは、拍手への返礼のようなものだ。
そうして、どちらも傷だらけの身を休めようと、一度個別領域の草原へと向かう。動ける程に傷が癒えたなら、当然、最後の戦いを観戦するつもりだった。* ]
― 回想/個別領域 ―
……ん。
どうか、したか?
[領域に戻って取った休息の時。
小島に立つ木の枝の上で幹に寄りかかり、のんびりと微睡んでいた所に届いた呼びかけに、紫苑色が瞬く。
どこかぼんやりとした様子は、半ば寝ぼけているため……というのはさておいて]
話をするのは構わんが……どうした、改まって。
[緩く首を傾いだ後、前置きに僅かに眉を寄せて。
綴られる言葉を、黙って聞いた]
願いの形が、ない……か。
[己が力を恐れるが故に、その在り様を求めて召喚に応じた、と。
告げられた言葉に、ふ、と息を吐く]
……己が如何にあるべきか、どう進むべきかの指針がない……って感じか、そりゃ。
[肩震わせる様子に眉寄せて。
投げ返したのは、こんな問いかけ。*]
[舞台へと上がる前の短い時間。
変じた異装に、主が述べた感想はあれやそれやで考えた結果と分かるもの]
…ふ。
もう良いよ、主が思うたなら素直に言うて構わぬ。
[時と場合、と言った竜の言葉に倣ったと分かる男の様子に、毒気を抜かれたと笑いかけた]
[そうしているうちに時間も過ぎていき。
さて、もうそろそろ舞台へ向かおうかという頃合いに主から呼ばれたのは、預けた名。
身に宿る仄かな熱は、主から流れる魔力が齎すものだったが。
頬に差した熱は、主から向けられた願いのせい]
儂の、か?
[一番、らしい姿を見たいというそれは、竜身を指してではないと流石にわかる。
続いて加えられた条件は、主たる男の想いが透けたように思えると。
そんな自惚れを抱いてしまいそうなものだったから]
はっはっはっ!生来より不器用でな!
[いやいや、物理じゃなくて、剛健術<力づく>である。
こちらは考えもしない、ただ評された通り>>*26の豪快な笑い]
拳で直接殴れてないからわからんな。
[投擲したものの、拳で貫くような感触がない以上、手ごたえもわからぬ。
ただ倒れてないことであれば深く考える必要もない。
石をさらに拾うよりも、選んだのは、矢を改めて番える男への肉薄。わずかに屈むように姿勢を変える]
ふんっ…!
[最中にきた三連の矢。顔にかかるものだけが払い抜けるように拳で凪ぐが、残りは放たれるに任せ、ガキンッ。と筋肉と矢がぶつかり合う音がする。
衝撃をそのまま受け止めるのに顔を顰める――回避するという考えよりも、よりはやく動くことを選んだ...は、真珠色の矢は力を尽くしたように落ちていくのを見とめることなく、その足で、飛翔する。]
とぉりやぁぁぁ!!
[体を捻り、上下に、左右に、体を回転させながら、空中のヴィンセントより高く飛び上がり、そして重力に従って落下する勢いも合せて、放つ、空中回し蹴り*]
[竜が男に喚ばれ、この場に至るまでの時間はけして長くない。
それでも、竜の生きてきた悠久とも思える時のどれよりも得難い時間だった。
怒ったことも、笑ったことも、名を預けるに至った想いも。
竜には既に、けして忘れ得ぬものばかりだというに]
………憎らしい、おのこじゃのう。
[小さく零した憎まれ口は、それでも表情まではぐらかすことは出来ず]
雷鳥竜――
[対戦者とその主との、先の戦いは目にしていなかった。
故に、その名乗り>>25で気付かされる。
座の違いだけでない、こちら側の不利を]
[しかし蛇竜は、為すべきことを止めなかった。
突き出した棒へ、更に水の刃を生やす。
しかし相手もそれに応じ、扇の骨にて刃を止める>>*25]
……ほんに、まったく。
主はどれだけ
儂の初めてを奪えば気が済むのじゃ?
[そう言いながら、揺らがせた翠は涼やかな翠の紗と、羽衣へと変じて。
ふわり男の膝に上がると、そっと男の唇に指を押し当てた**]
……器用は、お互いさまではありませんか?
[虚を衝く動きへ瞬時に対応し、更にこちらの得物を蔓にて絡めとる。
経験に裏打ちされた体捌きや術の扱いに舌を巻く。
とはいえ為すがままになる気もなく]
[絡まれた棒に通している己の気をわざと弱め、中程から折りとるようにして蔓から逃れる。
当然ながら短くなった得物を、剣の柄の如く握り直し]
はっ!
[連撃加えるべく踏み込んで、上段から袈裟懸けに振り下ろす。
折れた部分より噴き出すようにして形成されたのは、先より長い刃渡りの水の剣**]
[身体を動かさずにいれば、治癒は徐々に進んで行く。
ツェーザルに抱えられ移動する間も傷は塞がっていっていたが、胸に受けた深い矢傷が塞がるには時間がかかりそうだった]
[個別領域の草原へと着けば、最初にしたように大木の根元に横たえてもらう。
胸の傷に障らぬよう、仰向けに寝転がってしばしの間治癒に専念した**]
いや、十分器用だろ!
[ここだけは飛ばしたい、そんな突っ込みを投げておく。>>*28
器用不器用の指すところが微妙にズレているかも知れない、というのは置いておいて]
[放った矢は巨躯を捉えるものの、動き止めるには至らない。
否、あの程度で止まられても、という思いがある。
とはいうものの]
……物理的に跳ぶのが流行りか、ここは。
[捻りからの回転を持って宙へと駆けあがる様子>>*29に、口を突いたのはこんな突っ込み。
とはいえ、状況はそんな悠長では、ない]
[上から迫る回し蹴り。
まともに喰らえば身が砕けるかも知れない、という予測がちら、と過る。
ならばと弓弦かき鳴らし、纏うのは真珠色の煌き帯びた風。
それは刃の鋭さ帯びた、攻防一体の質を持つもの]
……っ!
[急所の強打だけは辛うじて避けつつ、けれど、胴体に重い衝撃が走るのは止めようがない。
衝撃に態勢が崩れ、幻燈師の身は地へと落ちる。**]
[己の名乗りに浮かんだ表情を見れば、>>*30対峙する相手の思いは知れる。
それでも闘う意志を失くさぬ様相から、やはり彼女も良い縁を得られたものだと仄かに笑い。
突き出された棒、その先から伸びた水の刃の挙動に応じた竜の動きはこれまでの経験則]
何、これは年季の違いという奴よ。
伊達に幾度も喚ばれてもおらぬでのぅ。
[あくまで皇玉としてではなく、この場に喚ばれた同士として笑う。
折られた棒はそのまま絡め捕ったまま、扇から伸びた蔓は更に蠢き]
[年若く疾さも持つ海蛇は、得物を握り直す暇も短い。
上段から振り翳された棒から噴き出す水の刃は、先よりも長く形作られて。
ざくり、音を立てて斬られたのは竜を護るように蠢き続けた蔓の一端]
っ、早いのぅ!
主の動きを追うが精々じゃ!
[その音に、振り下ろされた軌道を知った竜が飛び退くのと。
難を逃れた蔓、絡め捕ったままの棒の先が振り子のように元の持ち主の胴めがけ打たんとする
ふうん、だから「竜」の偽物か。
[ メルヒオルが問わず語りに口にした出自を、変わらぬ軽い口調で受け止め、竜は目を細める。 ]
その竜を作ろうとした奴は失敗したのかもしれねえけどさ、お前自身が竜として生まれようとして失敗したわけじゃないんだろ?だったら失敗したのはお前じゃないし、お前は最初から竜の出来損ないじゃなくて、別の生き物だ。
偽物なんかじゃねえよ。
[ ある意味とんでも理論だが、竜は大真面目だ。 ]
出来損ないっていうなら、俺の方がそうかもな。
[ ぼろりと、紅と碧の鱗が、竜の腕から剥げ落ちる。剥げた部分の鱗は再生せず、青白い肌が見えるようになっていた。 ]
さっき、闘ってるうちに、全部思い出したんだ。
俺には、同じ卵から生まれた片割れがいた。
竜としての力はほとんど全部、俺の片割れに備わって、俺はただ、竜郷の片隅で生きてるだけ…
きっと、そう遠くないうちに、力尽きて消えるはずだった。
ある日…いつだったかは、もう思い出せねえくらい前、片割れは舞闘会に召喚され、消滅寸前まで魔力を使い切って、小さな宝石になって戻ってきた。
片割れの記憶と、残った力を封じ込めたそれを俺は取り込んで、それからずっと眠ったまま、消えるはずだった命を繋いでいた。
……お前に呼ばれるまで、一度も目覚めることなく。
メルヒオル…俺は、ずっと、竜郷を出て、自由に空を駆ける事を願ってた。
お前がその願いを叶えてくれたんだ。**
[呆れられた。というニュアンスではなかった。
諦められた。というほうではあるかもしれないが、少なくとも悪い類の笑みではないことだけはわかって、今まで通りでいいようだ。と少し安堵した。
だから今まで通りというように伝えていく]
[他者に力を借りるというのは多少の忌避もあった。
自分の望みともいえるものに巻き込みたくない。というのもあるが、自分が高みを目指すにあたり、余計な何かを容れるのを嫌であった。
でもこの、一つの高みにいたった竜といえば]
ん……まぁ……
[小さな憎まれ口。密やかなる思いを告げるような意識も途絶え、少しだけ困ったような表情に変わる]
[天女のように舞うような雷華を少しぼんやりと見つめる。
自らの心にあることが是とうつり、膝にあがる雷華を容認するように抵抗もせずにいる。
通じるまでは、自らとアデルとの差に、理解できないようなもどかしさもあった気がする。
今は―――ああ、そういえば――と。唇にふれる指に、ふと浮かんだ言葉。
そっと手を重ねるように優しく重ねて]
…ああ、そうだ。
月も恥じらい己を隠す。というやつか。
[先ほど、少しの逡巡の後にいった言葉を思い出したように、口にした**]
捨て去った者には、意外な誉め言葉だ。
[器用という言葉に、内心首を傾げなかった。
自分自身を評するならば不器用といえるが、他者が自分をどう評する>>*32かまで口を出しはしない。素直に受け止めた。
その直後のぼやき>>*33は、まあ聞こえなかったわけだが]
[竪琴のように響き、そして肉眼として広がる真珠色>>*34
それがただの色でないことは理解しながら、なんら躊躇はしない。]
…それが、ヴィンセントの、命の輝きとするなら、柔らかい色だな。
[厭うでも揶揄るでもない。ただ率直な感想のようにぽつりと述べる。
頬に、腕に、そして風の刃ごと叩き落とすようにふるわせた足にピシリと罅割れるような切り傷を生みながら、確かな感触とともにヴィンセントの胴部を蹴り飛ばし―――そして追撃…なんかできず、蹴り飛ばした場所とは違う場所に自分も落下して、結果的に、最初の立っていた位置と入れ替えるような形となったか。]
うぉっとっと。
[足甲のCの文字をわずかに光らせて、でかい音を立てずに、静かに着地をして、落下した先の者のほうに体を向けなおす]
なぁ、俺が思うに、へこたれた試合ができないのは、別の理由も多少はないか?
[落下したヴィンセントに呼びかける。わずかに視線を向けるのは、各々の竜が戦う方角であるが、すぐに視線を戻す。]
ま、戯言だ。
[どうなろうが、自分の相棒を言い訳にするわけにもいかないしな。]
ただ、強い思いというのは力を生むものなんだろうな。
[僅かににじむように流れる腕の血を指でぞんざいに払うように触れた後、むんっと力を込めて筋肉が膨れ上がる。
それは傍から見れば、怪異という呼び名をまざまざと見せつけるように、受けた傷口が新たな肌で埋められるようにして治ったようにすら見えただろうか。]
続けるか。また飛ばれたら叶わんしな。
[素直に大変なことは大変と口にしながら、片足を軸にして腕を腰をひねるようにして、独楽のように回る。
巨躯は逆巻く風となり、途中からは蒸気のような熱さえも発して、生きた災害のように、ヴィンセント目掛けて、回転したまま突き進んでいった**]
/*
……いや、まぁ、のぅ。
ペア組決まった時から主の恰好良さにも、一筋縄ではいかぬ一癖二癖あるだろうとも分かってはおったがの。
少しは手加減してくれてもいいと思うんじゃがのぅ!?
儂の主は赤フン一丁と唱え続けるこちらの身にもなってほしいものよ…
どう見てもおかしい身形なのに恰好良いとかタチ悪すぎじゃ…
― 回想/個別領域 ―
[どこかぼんやりとした様子の主。
樹上にて微睡んでいたらしい所に話し掛けるのは申し訳なくもあったけれど、今しか出来ないことだからと、言葉を続ける]
[拙い調子で話す言葉を、終わりまで黙って聞いた後。
軽く息を吐き、向けられた問いに小さく頷いて]
今でこそ、ずっと海の中で暮らしていますけれど……。
もっと若い頃に、海の外や陸の世界も、見たことがありました。
空を飛ぶ竜の姿を見て、自分もいつかあそこに行くんだ、なんて思っていて。
でも……わたしの力は陸を壊すし、地に染み込めば植物を侵します。
何より、多くの生き物は、水の中では生きられないと知りました。
[自分にとっては当たり前で、意識することもなかった数々のこと。
陸の上で無邪気に力を揮った時、齎されたのは予期せぬ破壊であった]
だから、海の中にいれば……。
大海の中で幾ら海流が暴れても、表の世界に影響することはない、って。
[思い込みに過ぎないことかもしれない。
けれどそれはずっと、海に沈むことを選んだ蛇竜の心を縛ってきた]
――ここに来れば、何か変わるのかもしれないって思いました。
少なくとも
[そこまでを語って、蛇竜は長く息を吐きだした。
それから、ぽつり、と零したのは]
でも、そんなこと、申し訳なくて口に出来なかった……。
[もう一つ、心を縛っていたもの。
主への後ろめたさだった*]
[扇が変じた羽衣が、ふわりと竜の身を運ぶ。
膝に上がった男の胸に添えた手から伝わるは、鍛え上げた硬い肌。
けれど、もう一方の手、指で触れた唇は男に触れる竜のそれと似た柔さ。
相応、男の身にもこちらの重さ、温もりを伝えながら]
やはり主でも、こちらまでは鍛えられぬものなのじゃな。
[面白いと笑うその顔は、見目相応の少女のような素直さを隠さぬもの。
伸ばした手指へ、重ねられた手には最初、不躾を咎められたかと過ったが]
…ならば、此度の舞台は儂らの独壇場と出来るのぅ。
[月が身を引くならば、残る華が主役に成ると。
そう言って笑む竜のかんばせに乗るは自信に満ちた、けれど確かに恥じらいも含んだそれ。
重なる手はそのままに、視線をふい、と脇に逸らして]
さて、そろそろ降りるとしようかの。
時間もそうじゃが、主も儂もこの身形じゃ。
人目があればあらぬ誤解をさせてしまう所じゃろうて。
[己が纏うは、華霞に煙る雷光のような淡い薄衣。
肌を隠さず最低限の衣しか身につけぬ男の膝に上がる様相は、傍目があれば目を逸らされても不思議ではない。
小娘にでもなったような不思議な心持に、内心一つ、調子が狂うのぅ、と苦笑の溜息を落とした]
─ 回想/準備中 ─
[身支度を整えて、ぱちんと扇を鳴らしたは気持ちの切り替え。
そろそろ月の舞台へと向かおうか、と主からの呼び水に一度うむ、と頷いてから]
のぅ、主や。
儂はずぅっと、この場において座は飾りと言うておったろう。
何故儂がそういうか、主は分かるか?
[ふと、男に向けて切り出したのはそれまで交わした言葉とは脈絡のないもの。
主がどのような顔をみせるか、竜はそれには構わずに言葉を続ける]
この舞台が何故に用意されておるか、それは儂にもあずかり知らぬこと。
じゃがの、幾度と呼ばれた故にこの舞台の在りようは推し量れる。
この月の舞台は、言うなれば一つの『せき』じゃ。
主らの世界と儂らの世界を隔てる関であり、
この場に流れ込むだけの力を持ち、
この場が耐え切れるまでの力しか持たぬ者を通す堰。
本来の力がどれ程であろうと、この場に喚ばれた時点で力の差など有って無いようなものとなる。
それこそ、どれ程川幅が違おうと堰が通すを許す幅しか水が流れぬと同じ様にの。
主は魔術を上手く使えぬと言うておったが、主の身に宿る力は膨大じゃ。
それを使えばいくらでも魔術など使えるだろうに上手く使えぬ、ということは。
おそらくは主の身の内、もしくは主自身が堰となっておるのじゃろう。
[そういうと、男の胸に当てたままだった扇を己の手に戻して]
これを言うて何がどう変わるとは思うておらぬ。
じゃが、ほんの少しだけ頭の片隅に置いておいても邪魔にはなるまい。
…まぁこれは建前じゃがの。
主は儀式の折、儂の力を利用したであろう。
それなのに主自身の力は上手く使えぬなどと言われるが納得いっておらぬだけじゃしのぅ。
[そんな風に笑って言う竜の声音、隠す気もない気位の高さも男はもう馴染んだものか**]
竜神同士の本気の相対……。
そう、多く経験出来るものでもないですものね。
[それは蛇竜の心を縛っていたものの一端でもあったのだけれど。
眼前、皇玉としてでなく同じ竜神として対している雷鳥竜>>*35に、改めての敬意を抱きつつ向かい合う。
水の刃のせ振るった棒杖は、しかし蠢く蔓によって相手に達するのを阻まれた]
……この姿で、速さを褒められるなんて、
――――っ!
[返そうとした言葉は、しかし雷鳥竜の次なる動きによって途切れた。
振り子の如く振るわれた蔓、その先にあるのは――]
くっ!
[一旦退かざるを得ないと、振り下ろしで体重の乗った足で後方に跳びつつ振り子の先端へ水剣の柄を向ける。
胴への直撃は防いだものの、衝撃が一瞬攻撃の手を止めさせた]
こちらの武器を使われるのは、予想外でしたわね……。
[破損に頓着せずにいたことが仇となったか。
とはいえ半分はこちらの手中にある以上、"作り替え"は出来る]
なんにせよ、武器を届かせなければ、お話になりませんわ。
[棒杖は再びその長さを伸ばし、更に上部の先端からは、磨き上げた骨色の大きな曲刃が生える。
選んだ形は、草を刈り取るもの――大鎌]
これなら、どうですっ!
[武器を変化させる間に、相手はなんらかの態勢を整えていたかもしれない。
それでも構わず踏み込んで、上段より大鎌を振り下ろした*]
そうさの。
その点においては其方よりも儂の方が有利じゃな。
いうて其方も、一戦を経ておる分儂よりも身体を動かしやすいという利があるがの!
[過去の経験よりも直近の実戦の方がより強い利だと翠が笑う。
それは侮りからではなく、>>*42向けられた敬意を受け取ったが故。
その証拠に、竜が対峙する海の者へ向ける戦意の手は緩まない。
振り子の如き蔓が狙った一撃は、水剣の柄に防がれてしまったが]
使えるものは何でも使うは、儂の主から学んだ事での。
なりふり構って出来る事をせぬなど失礼じゃろう?
[>>*43鎧の空きを作ることは出来なかったものの、御陰で更なる追撃は避けられた。
開けた距離は互いに仕切り直しの時間も稼ぎ、ぱちんと扇が閉じた音に蠢く蔓は消え。
対する竜が棒杖を繰り、新たな得物を作り上げるその様を見ながら翠は再度、扇を開く]
其方の得物はまるで無尽蔵じゃのぅ…良い、良いぞ。
ならばその刃、儂に届くか試してみぃ!
[言いながら横に扇を薙ぎ扇げば、ざ、と挙動に合わせて矢竹が生え伸びる。
細く、けれどしなやかな強度を誇るそれらは、振り下ろされた大鎌の挙動をどこまで逸らすか*]
[「竜」の偽物。
その言葉に対して頷きを返す。
出自が原因で竜に劣等感を持つ、と言うことはないのだが、憧れに似たものは抱いていた。
ただそれも、ツェーザルの言葉で「竜」の偽物という意識から、個としての自信に転化されていく]
…うん。
ぼくは、ぼくだ。
ありがと、ツェーザル。
[とんでも理論だったとしても、救いとなる言葉]
ツェーザルが、出来損ない?
[俺の方が、と語り始めるツェーザル。
再生せずに鱗が剥げたままの肌が痛々しい。
その場所を労わるように、そっと手を伸ばす]
……そ、なんだ…。
そんなことがあったんだね。
……そっか、だからもう一人、竜の姿が見えたんだ。
今もツェーザルと一緒にいるから。
[もう一人の声も聞こえたことがある。
今もツェーザルの片割れはツェーザルの中で生きている、そんな気がした]
[初めて聞く、ツェーザルの願い。
自分のことで手一杯で、彼の話を聞けずにここまで来た。
その願いが、叶えられていたと知り、メルヒオルは目を円くする]
ぼくが、きみを召喚したから……。
ぼくが起こして、喚んだから。
ツェーザルは自由に飛べたんだ。
そっか……そうなんだぁ。
[ツェーザルの願いを叶えたのは自分。
その事実が心を温める。
ふわふわしたこの感覚が『嬉しい』という感情であるとは、今は気付かぬまま]
……ね、ツェーザル。
このままこっちに残る気、ある?
ぼくは、”ぼく”であることについては自信を持てた、けど。
生きる意味をまだ見つけてない。
一緒に、探して欲しい。
[舞闘会が終わった後も一緒にいて欲しい、と。
目線だけで見上げるようにして願う*]
― 個別領域 ―
[草原に聳え立つ大木。
その下で寝転がり、休息を取ることしばし。
傷の治癒は進み、重症だった胸の矢傷も内と外の両方から塞がっていく。
完治にはまだ時間がかかるが、動くには支障がない程には傷は治癒していた]
ツェーザル、傷の具合は?
[魔力やメルヒオルの血が必要であれば分け与えようと問いかける。
既に流れた血では治癒の効果はない。
ヴィンセントに渡した時のように凝縮したものならば話は別だが、治癒効果があるのは鮮血の時だけだった。
血を求められるなら、最初に与えた時のように小型化したランスで指先を突く心算*]
[意外、という言葉>>*38にあ、やっぱりズレてる、なんて思ったけれど、それ以上は触れる事無く。
ぽつりと落ちた言葉>>*39に返す間はなく、舞台へと落ちる。
とっさに風を手繰って衝撃を和らげるクッションを作ったものの、痛みを完全に止める事はできなかった]
……ってぇ、が……。
まだ、飛べる範囲だな。
[翼の動きは損なわれてはいない、ならば、と。
思った所に向けられた問いかけ>>*40に紫苑色が瞬いた]
……別の理由?
[言われた言葉と、視線の流れ。>>*40
紫苑色は再び瞬くものの、戯言、と続けられればそれ以上は追求せず、ただ]
魔術の根本は、意志の力だと、
だから、願う事、思う事を忘れるな、とな。
[静かな口調で言いつつ、態勢を立て直す。
筋肉の隆起による治癒……なのか、とにかく傷が塞がる様子にとんでもないな、と呟いて]
……いや、ちょっとまて。
[独楽のような回転から生じるあれこれ。>>*41
どんな作用だ、と思いながらも翼を広げる]
さすがに、そいつは喰らえんぞ!
[風の障壁のお陰でダメージの軽減はできているが、基本的には打たれ弱い。
弓を主武器としているのは、そこもあるわけで。
躊躇う事無く再び舞い上がるが、逆巻く風や熱気の影響は少なくない。
煽られるような感覚に舌打ちしつつ、それでも]
止まるつもりは、ないんでな!
[宣と共に弓弦を引き、天に向けて矢を放つ。
まともに狙っても当てるのは難しいだろう。
ならば、と狙うのは数の掃射。
天に向いた矢は無数の矢へと転じ、巨躯へ向けて降り注いだ。*]
― 回想/個別領域 ―
[問いかけに返ったのは、頷きによる肯定。
次いで語られるのは、蛇竜の過去。
海のものであるが故の憧憬と、それ故の相容れなさが齎したもの。
それはどこか、懐かしさを感じるもの]
……
人の世界に興味を持って、一人で飛び出して。
……ま、色々あって、自分が異端と思い知る結果になったが。
それで一時期、魔界に引きこもった事もあった、な。
[状況は異なるだろうが、似たような過去を経てきたのであれば、それも呼び合う要因となったか、などという分析は今は置いて]
……確かに、ここは力の集う場所。
故に、滅多な事じゃあ壊れない。
ここでなら己が在り方を、力の方向性を見出せるかも知れない……って思うのは、まあ、ありだろ。
[ひとつ息を吐き、紫苑色を領域の空へと向けて、零すのはこんな言葉]
……ま、何というか。
きみはもしかしなくても、考えすぎる癖がついてないか?
この場所に集う者は、皆それぞれに思う所を持つ。
それは他者があれこれ言って、どうこうできるものじゃない。
で、少なくとも、その理由は、
[ここで一度、言葉を切って]
だから、ま。
……申し訳ないとか、思う必要はない。
まだ望みがないなら、ここでの事を探す契機にすればいい。
案外、何とかなるもんだぜ?
[笑みと共に向けたのは、軽い口調の言の葉、ひとつ。*]
[確かに先の一戦は、人の身に慣れ温める意味でも効果があった。
互いの利を確認し終えた所>>*45で、戦闘は仕切り直され、新たな局面を迎えていた]
あの御方から……。
[脳裏に少しばかり奇抜な、しかし心根の好さそうな男が思い浮かぶ。
華麗な雷鳥竜とは対照的とも思えたが、しかし良い相棒でもあるのだろう]
わたしも同じですわ。
決して、出し惜しみしないこと――
[微かに笑みを浮かべて再び床を蹴る。
こちらが武器を用意する間に、相手もまた手を変えていた>>*46。
生え伸びる緑の植物の名を、蛇竜は知らなかったが]
――っ! これ、は……!
[しなやかに撓んだそれが、大鎌の柄を受け止め、その動きを阻む。
刃先に触れたなら切り裂けもしようが、腕力のみで押し切るのは無理というもの]
すごい……。山には、こんな"生命"がありますの?
[海の"生命"を力とするものとして、興味と感嘆の声を零す。
攻撃が通らない以上、一度退いて再度斬り直すしかない、のではあるが]
きっと、届きませんわね、それでは……。
[そう独り言ちながら、蛇竜は逆に、己の腕の限界まで矢竹と力比べをする。
そして]
伸びなさい――水柱!
[叫ぶと同時、蛇竜の身は撓んだ竹の反作用を受けて跳ね飛んだ。
無論、ただそれをすれば他の竹か床に激突するのみであるが――次の瞬間、上方へ向けて伸びる水柱が蛇竜の身を呑み込んだ]
[水柱の勢いにより、幾らかの幹や枝は横へ押し退けられただろうが、強引な上昇により枝葉がぴしりぴしりと顔や腕を打つ。
しかしそれには構わず、矢竹の林の高さを追い越して]
ここです!
[中空に身を投げ出し、再び大鎌を構える。
そして雷鳥竜の居場所向け、落下しつつも振り下ろした*]
[新月の空のした。
月の舞台に力が踊る]
『さてさて』
『此度はどちらに傾くかな?』
[楽し気な声の後、しゃらん、と鳴るのは微かな鈴の音。*]
[こちらにきてから、いまいち意識していない評ばかりもらう。という認識でいた。
ずれてる>>*47というところまではわかっていなかったが]
ヴィンセントの先達の言葉、いい言葉だな。俺もそう思う。
[ヴィンセント>>*48の言葉に深く同意を返す]
…今は一人分とはいえないものだが、それも悪くはない。
[見遣っていた竜との戦い。相棒からの意志も汲み上げたいのは主の勝手。
悠長に話しかけずにすぐに追撃をかけなかったのは余裕でなく、己の矜持によったもの]
俺にとっての魔術は、剛健術を可能とするこの体そのものだ。
[拳一つ。足一つ。その全てに必殺をこめる。溜めもなく、様子見もなく、他の選択すら思考にあげないからこそ、行動は速く迷いもなく――そしてバカバカしいほどのことも行う]
[降り注ぐ矢の雨>>*49。文字通り止まるつもりがないのだろう。弾き飛ばす要領で幾多の矢を弾き飛ばすが、台風の目を穿つように落ちた一つの矢が、左瞼上より、ざっくりと切り裂かれるが]
それはな……俺も同じことなんだよ!!
[今までの行動はといえば、全てが一打。そのあとの追撃ができていないものばかりであった。
独楽のように回り、腕で、足でなぎ倒すような回旋は、攻防一体という意味もあれば、次のための予備動作、空中へと逃れたヴィンセントを追うように、軸足とは逆の加速させていた足で地を蹴り。
それは一直線に正面のヴィンセントへと向かう軌道のようで、その中途に足甲のCの文字が光り、空を足場に遊歩するようにして、側面へと軌道が変わり、だが直接触れ合うほどの距離の前に、腕が振りかぶられる。]
[熱を帯び、赤くそまった両腕の筋肉、焔を宿したように、その熱が大気が揺らがせ]
まだ名前は考えていない!!
[なんか宣言しながら、解き放つように拳より放つのは炎熱を帯びた風の拳であった*]
― 回想/個別領域 ―
[迷いと、少しばかりの恥じらいと共に語った過去。
それを受けての召喚主の語りに、蛇竜はゆっくりと瞬く]
ヴィンセント様、も?
[出自に思う所があるとは、先にも聞かされていた。
自分には立ち入れない事と思っていたけれど、それによる行動や惑いにどこか似た部分もあると知って、蛇竜は小さく詰めていた息を吐く。
翼持つ主を、目映く自由な存在としてどこか遠く見ていたことに、密やかな自省の念を持った]
[それから告げられるのは、この場に来た理由――或いは理由がないことへの、肯定。
考えすぎると言われれば赤面するよりないのだけれど、そうして主に受け入れられたことに、何よりの安堵を覚える]
ありがとう、ございます……。
[口にしてしまえば、些細なことだったかもしれない。
しかしここに至るまでの蟠りが解けたことに、目元が海水ではないもので潤んだ]
まだ、迷いながらで、至らない所もありますけど、でも――
[そうして全てをさらけ出した後に口にするのは、今この場において願うこと*]
どうか、最後まで、共に戦わせてください。
[むき出しの肌に這う手を許し、むしろ抱き止めるように背中側に手を回す]
顎や歯は鍛えられても流石にそこを鍛えようと考えてはいなかったな。
[必要ないと思えたことはしてこなかった…なんて考えをしておくのは、今までよりもずっと近い位置でみる雷華に、意識を取られ過ぎないため。
種族が違うから、年齢が違うから、そういう垣根を超えて見せる表情は、見た目不相応に老練とした気配が抜けた、見た目相応なものにみえた。]
…ふむ、確かに。
[見られたら、確かに誤解を受けそうな恰好だ。
自分はこの通りだし、雷華もまた薄衣を身に纏うのみではあり、姿勢を言われれば納得ができるものがあったが]
今気づいたんだがな。雷華
[膝の上から退去しようとする雷華を一度、ぐっと抱き寄せる]
見えたのか。ほんとに?
[ もう一人の竜の姿が、と言われて、竜はぱちりと瞬く。 ]
長い間に、もう俺とあいつは殆ど一つに溶け合ってるんだけどな、時々、あいつの記憶に俺が引っ張られたりもするんだ。
[ 口調が変わるのはそんな時なのだと、それも、先刻思い出したばかりだったが ]
姿まで見えたっていうなら、あいつの記憶以外の魂みたいなものも、ちっとは残ってるのかもしれないな。
なんか、ややこしいけどよ。
[ ぼやくように言いながら、竜の紅い瞳には嬉しげな光が灯る。 ]
俺とあいつは、もともと一つだったから、意志も好みも同じなんだ。
あいつもお前を気に入って、姿を見せたいと思っのかもしれねーな。
雷華の姿は写し身なら、その見た目からして初めてなこと、って、まだまだあるんじゃないか?
[純粋に喋ることなく、一緒にいたとして、見た目でいえば、自分より年下にすら見えるとは思える。
心情まで文字通り年を取っていたら、老婆のような姿ではないだろうか。そのような想像でもあった
そんなことを考えるのは、先ほど覗かせた、誇りをもった自信と不慣れな恥じらいを乗せた表情を見たせい。というのもあるのだろう。]
[だから年下扱いするな。というほど、自分は見た目相応に成熟しているとは思っていない。
ただ、今は、目線を合わせるように、軽く体を起こす。
立っていれば見上げられて、竜の姿であればさほど変わらぬが。人化でこうして視線を同じくして見せて]
色々な初めてをもらえた俺が、雷華を、可愛い。と告げること、間違いはないだろ。
[こんな調子でいるのは初めてだな。と似通った気持ちを内心で呟きながら伝えると、寄せるようにこめていた力を解いた。]
― 回想/準備中 ―
ん?そりゃ、偉ぶる気もないため、あるいは召喚者を調子に乗らせじゃないのか?
[舞台に向かう直前のこと。
アデル>>26からの問いに、首を傾げこたえる。
舞踏会初参加者として、さほど考えていなかったことであり、推察>>27を聞いていく]
ほう、言われてみれば強い竜を呼べば、それだけ優位になるというのは意味を考えるならば、ルールとしての公平さは損なわれていると見えるか。
[舞台を整えているものがどのような意図をもっているかまでは知らぬが、制限をかけられて尚。立ち上がれる強者ともいえるものが選ばれた。
篩いにかけられ、そして篩いをかける。そういう仕組みであるともとれば、合点がいく面もあったが――あくまでそれは竜に関してのみと思っていたところで、扇>>28で胸を軽くたたかれる]
ああ、力だけあって使えないな。
声帯はあっても発声するための口がない。のと同じだ。と言われていた。
[生活魔術――その延長の錬金術の一部だけ、というものであったが、アデル>>29からは違う評をもらう。といってもだ。]
…むしろ、堰がかけられたのはアデルのほうではないか?
[一応ああいうように、術を利用する―――というよりも解除して扱う。ということだけはしてきたが、あそこまで上手くいけたのが作用したようなとは思ったが、次の言葉>>30は納得がいくものがあった。主にそのいいように]
では、やはりそういうことで……とはいえそうだな。できぬできぬというのも誇りを穢すということは覚えておこう。
[その辺り、相手を選べ。そういう認識のように思いながら、気位の高い言葉にも慣れたもの、むしろらしいな。と口元を緩めて頷き答えた*]
其方もか。
あの竜のいとし子はやはり良き主なのじゃな。
おそらくは其方と舞ったあの二彩も良き主なのじゃろう。
此度はほんに、良き縁と巡り逢えたものよ。
[>>*50見受けられる微笑みと耳を打つ同意の言葉に、浮かべるは闊達な笑み。
先の一戦を思い返せば、彼女と舞闘を交えた竜もまた、主に添い力尽し切っていた。
言葉は交わしておらずとも、見える絆は温かに伝わって。
だからこそ、後悔のない戦いを。本当はもっと力を出せるなど、心に浮かばぬように]
[ザ…ッ、と音立てて広がり生え伸びる矢竹はそのしなやかな頑丈さのみならず、豊かな葉が視界の邪魔をする。
振り上げられた鎌の柄は、当初の狙いのままには振り下ろさせずに済んだものだが]
他にもあるが、其方とは相性が悪いでのぅ!
潮は草木を枯らす故、其方に向けるは分が悪い。
[>>*51向けられた感嘆に返すのは、偽り無き答え。
多少なりと潮風にも耐え得るものを選んだが吉と出るか否かは読めない。
力比べにもどれ程敵うものかと視線はそらさぬまま、扇を咥えて空けた手を一つ、打ち鳴らし。
生んだ稲光で身近な矢竹を一本撃ち焦がすと、葉を落とし硬さは保ったままのそれを両手に持って。
そうしている間にも上がる水柱は、見る間に己を囲う矢竹の壁を乗り越える。
見上げた空に見えるは、水の揺らめきをそのまま刃と変えた大きな鎌と、潮香纏う蛇の竜]
……っ!!!!
[その鎌を受け大きな音を立てたは、両手で頭上へと撓ませた矢竹。
しなやかなそれが刃を滑らせたおかげで狙いは多少外せただろうが、その代償として受けた矢竹は刃に折り切られ。
勢いを殺し切れなかった刃は、翠の肩へとくい込んだ。
痛みに耐えきれぬ声が漏れ出るは、経験があろうと避けられぬこと]
[翠が一撃を受けたは事実。
だが、これは海蛇がこの手に届く距離まで近付いたともいうことで。
肩に食い込んだままの大鎌、その先の棒杖を右手で掴むと口端をにぃ、と上げ]
…よう来たのぅ、
儂の手中に!!
[空いた左手で咥えていた扇を取ると、ばっと開いた動きに合わせて雷光を奔らせた**]
[先達の言葉への同意>>*53に、掠めたのは笑み]
……まあ、確かに。
あんたの魔術は、存在そのもの、か……。
[ぽつり、と落ちたのはこんな呟き。
その在り方だからこそ、織りなせる力。
己には立ち入れぬ領域、故に、興味は尽きない]
…………。
[ふ、と紫苑色を移ろわせる。
先にあるのは、盟を結んだ蛇竜の姿。
対する巨躯が悪くない、と称するのは、ここで結んだ絆に基づくものか、と思いつつ。
そういう所は変わらんのかな、なんて思考は意識の底へ一時、沈めて]
そりゃあ、そこは誰だって変わらんだろ!
[同じ事、という言葉>>*54に、口の端が上がる。
矢の驟雨は大半が弾かれるものの、風の渦の一点を穿った矢が一筋、傷を与えたのは見て取れた]
あれだけ撃ち込んで、文字通りの一矢か……!
[本気でとんでもないな、と思いつつ。
ならば次の一手を、と思うより先、巨躯が地を蹴る]
……なにっ!?
[直線で来るか、と思った相手は途中で軌道を変え、側面から赤が迫る。>>*55
炎熱を帯びた風の拳──往なすか避けるかそれとも、の思考の果てに選んだのは]
……いや、逐一名付けにゃならんのか!?
[ちょっとだけ気になっていた事への突っ込みと共に繰り出す、右手の竜爪。
それは真珠色の光を帯びた風を纏うもの。*]
[ やがてメルヒオルの口にした問いと願い。 ]
いいぜ。
[ それに返る答えは、常のようにあっさりと軽い。 ]
俺たちはほんとに似た者同士だ。
竜郷の隅っこしか知らない俺と、生まれて間もないお前…きっと、世界の事も殆ど何も知らねえ。
― 回想/個別領域 ―
ああ、まだ子供と言える頃にな。
[瞬きの後に上がる疑問の声に声すのは首肯。
その時と、その後の葛藤を経て、今ここにいるのだと。
言葉にて語らずとも、その意図は伝わるか]
[告げた言の葉が齎したもの。
目元が潤む様には紫苑色を瞬いたものの]
いや、それはこちらこそ、だ。
[告げられた礼の言葉に静かに返しつつ、ふわ、と樹上から舞い降りて]
迷いながらも至らないも、人の事は全く言えん
きみが共に戦ってくれるのならば、最後の瞬間まで、全力で翔け行こう。
と、いうわけで。
改めて、よろしく、だな……ベルティルデ。
[屈託ない笑みにのせるのは、初めて言の葉なした、蛇竜の名。**]
ええ、本当に――強く美しい御方でした。
[二彩の名に頷きを返し、良き縁への感謝の念を抱く。
必死に食らいつくのみの蛇竜には、雷鳥竜>>*56の思う所までは至れなかったけれど]
ふふ……そうでしたわね。
[潮は草木を枯らす>>*57。
聞こえた言葉に僅かに自嘲を浮かばせるけれど、今この場においては強みであることに違いはなかった。
跳躍からの上昇、目まぐるしく変化する視界の中で、雷鳥竜が何を為そうとしているかまでは判断つかぬまま]
[見下ろす視界の中、矢竹構える雷鳥竜向け、構わず大鎌を振り抜く。
刃が滑る感触こそあったものの、その先の手応えは、確かに雷鳥竜へ届いたことを伝えていた。
痛みに呻く声が聞こえた――その直後]
ああっ!?
[大鎌の柄を掴む手、奔る雷光>>*59。
それは雷鳥竜の手中にあった蛇竜を、過たず撃った。
反射的に得物から手を離し、地に落ちる]
さす、がに……効きますわ……。
[海水は雷電を通すものだ。
当然の理を突き付けられて呻きを漏らす]
でも……。
[じりじりと地を這い、手を探る体で雷鳥竜を睨みながら。
蛇竜は水の気を背後にて高めていく。
不利を打ち崩す一手へ、手を届かせるために*]
そうさな。
ここは鍛えたとしても活かし様が無さそうじゃしのぅ。
[主の言葉を受けた竜は、詠うように笑う。
本来不安定な体勢を危なげなく支える手の主が、何を考えているかなど知る由もなく。
けれど流石に現状の危うさ恥ずかしさを自覚すれば、そろそろ離れようと思考は動いた訳だが]
?
どうしたの、じゃ?
[竜の言葉に同意を返したはずの男の手が、離れるでなく逆の動きで己を抱き寄せるのに目を瞠る。
先までも近かった顔はより間近に見上げる形に、触れていた肌はよりその硬さ厚さを教えられて。
気付いたという主が続けたその言葉に、浮かべた表情はきょとりとしたまぁるい眼。
それが緩く、仄かな色づきを広げていく様は間近で見ている男の眼が見逃すはずもないだろう。
一度、二度。
唇を開きかけては閉じるを繰り返した後]
そりゃまぁ、確かに、無いとは言わぬ、言わぬけれどもな。
[我ながら、今の己はらしくなく。
言わぬというよりも言えぬ、としか言えない訳だが]
主ももっと言い様があるというか、その、なんだ。
口説いておるような言い方だと、自分でも思わぬか?
[主の性質を考えれば、これを素で言っているのも有り得るが。
流石にこの状況、この体勢で言って良い事では無いのではないかと告げた後]
ははっ!だな!
[無邪気に嬉しそうに笑った。
まったくだ。同じことだろう。意志をもって戦いを挑み。
互いをぶつけ合う。主という肩書を持ち、背負い育んだものもこめてゆく。
同じ時間を共有したものという感覚>>*59 >>*60での笑みだ]
― 回想/個別領域 ―
[樹上より舞い降りる姿に、自身もまた小島へと這い上がる。
羽毛竜の血を引く召喚者と、海蛇の竜神。
姿は違えど、ようやく同じ高さを得た気がした]
はい。よろしく、お願いします。
――ヴィンセント様。
[言の葉に乗せられた自身の名に、沁み入るような喜びを感じ。
そしてこちらからも彼の名を呼び、深く頭を下げる]
[そして再び、月の舞台へ赴く時。
蛇竜の瞳から、懼れはもう消えていた**]
[ただそんな中でもアデルが竜の力であるともいっていた、腕>>*62が現れ、熱を纏った風の拳に対抗するように繰り出されのは、竜の爪。ヴィンセントを象徴する輝きにも見える真珠色の風。
んむ、慣れない絡め手を選んだ甲斐があった。
飛び上がった空中で、足甲のCの文字を輝かせたまま、大地を得るように空気の上に着地してみせ、熱風と真珠の風が、せめぎ合う余波を防ぐように片腕で顔の辺りを覆わせて、荒ぶ風の嵐と、自分の動きや熱に、マントも上着も破け、下帯だけの姿となりはてながら、渇望する勝利を目指し笑みを浮かべる]
全てをだし、決着をつけようか。
[もうこれ以上出すといけない。とかいう姿でいうがその意味ではない。]
……まったく。
主は、儂をどうしたいのじゃ。
[小さく零した言の葉は、老獪な竜には似つかわしくない声音であったろう*]
[真珠色の風の元凶。竜の力。それにむしろ打ち克つべく。傷を負った左目さえ見開き、見据え、静かに息を吐き出し、その力の奔流へと突き進むように空を駆けて]
勝負!!!!
[言葉に放たされた気合はその意志に乗るように、衝撃破を大気にまき散らす。
己の体こそ最も信頼と自信をもつ力。
直進愚直な拳一つにて勝負を賭けた*]
― 個別領域 ―
[ 体の方は元気に見える竜だったが、剥がれ落ちた鱗が、ほとんど再生しないのは、やはりそれだけ、力を使ったということだろう ]
大丈夫だよ。
[ それでも傷を案じるメルヒオルに>>+21竜はそう答えて笑う ]
あー、でもお前の血は魅力的だな。
いや刺すなよ?
[ 自分に血を与えようとメルヒオルがランスの切っ先を指に向けると、慌てて止める ]
時間はあるんだから、今はいい。
それより、舞闘会のフィナーレ、見に行こうぜ。
[ ある程度回復すると、決戦の様子を見に行こうとメルヒオルを誘った* ]
[無邪気な笑み>>*66は、見ている方も気持ちいいもの。
こういう感覚も悪くないな、と。
そう、思わせるのは対する相手の気質なのか、と。
そんな事を考えたのは一刹那]
……って、大事なのかよ!?
[異様な力を込めた声量で断言>>*67されて、つい、突っ込みを重ねてしまったのも、感化されての事……としておくべきかも知れない]
[二種の風の交差が引き起こす乱舞。
荒ぶる嵐が引き起こした事態への突っ込みは入れなかった。
そろそろ、突っ込み自体が品切れしているかも知れないが、それよりも]
……全力勝負は、望むところ……!
[全てを出し切る、というのは吝かではない。
故に、竜爪の間に力を──魔力を、溜める。
人と竜の狭間にある者としての、全力を見せるために。*]
[>>*63返された頷き、向ける笑みは穏やかなもの。
舞闘においては不釣り合いなそれは、すぐに不敵なものへと取って代わるが]
じゃからこその此奴らよ。
これらは潮水に浸かっても早々朽ちぬでのぅ!
[少なくとも、即座枯らされたり強度を案じる不安は無いと。
海蛇が浮かべた自嘲には触れず、潮に強い種を選んだと笑う竜を伸び生える矢竹が囲う。
跳躍上昇に激しく動く海蛇から、けして視線を外さずに。
だからこそ、その鎌の軌道も確と見止めることが叶ったのだ]
[バキリと大きく音を立てて折り切られた矢竹は足元に。
己が右手に在るは大鎌の柄、左手に在るは翠の扇。
肩から流れる血は身に纏う洋装を赤に染めていくも、竜は揺らぐ事無く立ちはだかる]
主は海の者じゃからな。
流石に距離を取られては、儂の力も薄れてしまうと思うてのぅ。
…今の雷をよぅ耐えた。
[>>*65得物を落とし、けれど地に伏す事無く水の気配を強める竜に。
こちらも笑って、開いたままの扇を己が前へとつい、と動かし。
人の身を覆うように奔る雷が竜の形を成し行くと、海蛇の一手が成るはどちらが早いか*]
[戦いの中、他のことを考えるのは、無駄な余裕の表れとして、思考していなかった。
でも今は、二人で戦っている。だからこれは違うのだ。と思うのは言い訳なのかどうかだが]
雷華
[どうしたいのか。それは、一区切りしてからだ。ただ、彼女を輝かせるように、その真名をつぶやく声は、柔らかかった]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新