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古ぼけた歴史書 は ベルサリス学館教師 マーティン に投票した
盟主 ジェフロイ は ベルサリス学館教師 マーティン に投票した
共和国大使 カナン は ベルサリス学館教師 マーティン に投票した
上級将校 サシャ は ベルサリス学館教師 マーティン に投票した
ベルサリス学館教師 マーティン は ベルサリス学館教師 マーティン に投票した
共和国大使補佐 シメオン は ベルサリス学館教師 マーティン に投票した
巫女姫 シルキー は ベルサリス学館教師 マーティン に投票した
山岳の民 ヴェルザンディ は ベルサリス学館教師 マーティン に投票した
貴族 クレメンス は ベルサリス学館教師 マーティン に投票した
貴族 ソマリ は ベルサリス学館教師 マーティン に投票した
兵器開発部 シロウ は ベルサリス学館教師 マーティン に投票した
元軍将校 ガートルート は ベルサリス学館教師 マーティン に投票した
騎士団 隊長 フィオン は ベルサリス学館教師 マーティン に投票した
影の軍師 アレクシス は ベルサリス学館教師 マーティン に投票した
ベルサリス学館教師 マーティン は村人の手により処刑された。
次の日の朝、兵器開発部 シロウ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、古ぼけた歴史書 、盟主 ジェフロイ、共和国大使 カナン、上級将校 サシャ、共和国大使補佐 シメオン、巫女姫 シルキー、山岳の民 ヴェルザンディ、貴族 クレメンス、貴族 ソマリ、元軍将校 ガートルート、騎士団 隊長 フィオン、影の軍師 アレクシスの12名。
王府軍を率いていた時の巫女姫、シルキー・カノエ・ナミュールと、ナミュール解放連盟を名乗る反政府組織の盟主、クロード・ジェフロイの会見は、連盟側による王府への宣戦布告という形で幕を閉じた。
これにより、両者の対立は武力衝突を容認するものとなる。
一方、マチュザレム共和国からの使節団の行方はこの時杳として知れないが、デ・モール火山近辺の温泉地に、共和国の使者が泊まったという碑が残る場所があり───
――― ロバート・ヘルグムント著 「ナミュール島年代記」
/*
「シロウ」と「マーティン」は、熱戦、お疲れ様でした。
墓下あたためよろしくお願いします。
時間の過ぎるのは早いもので、本日また事前投票デーです。
【本日24時(=3/13の0時)までに、次の墓落ちに推挙する PC2名 を挙げてください。】
その他もろもろローカルルールは初回投票と同じになります。
− クレメンス邸 −
[シメオンのカステラを堪能しながら、アレクシスとクレメンスの会話の成り行きを見ていた。
巫女姫を首都へ連れ帰るために、要の地・オプティモを確保しておきたいというアレクシス。
協力してくれれば褒賞を出すと約束しつつ、軍船で港へ乗りつけて領主の不在をいいことに街なかへ正規兵を展開したのはその布石だと、武力制圧を露骨に示唆しながらの要求だった。
対してクレメンスが返した答えは、これまた明確な実力行使──すなわち、抜刀。]
…なるほど、 甘すぎはしない。
[小さく洩らした感想は、カステラに関してか、あるいは。]
[刃を突きつけた側と突きつけられた側と、どちらの視線も揺らぎはしない。]
ユレ殿、
あなたにここで死なれると、先程のおれの伝言が宙に浮くわけだが。
[ややたって、穏当に声を挟む。]
巫女姫の身を思うあなたがリスクを未然に潰しておきたいのはわかる。
だが、忠誠を疑われたクレメンス卿の不満も当然だ。
このままここで武力衝突になったら、シュビトでの事変に対応が遅れる。
どちらのリスクがあなたにとって避けねばならないことか、答えは自明だろう。
頭ではわかっていても心配だろうから──保証をひとつ。
おれがあなたと一緒に船に乗り込む。
政治信条はともかく、クレメンス卿は我々の保護を買ってでてくれた侠気のある人物だ。
おれを見捨てて利敵行動をすることはないよ。
あなたが彼の人格を信用できなくとも、おれを裏切ることでマチュザレムの報復を受けたくないのは誰も同じ、そこは理解できるだろう。
如何。
[つまり、カナンを人質にとる代わりにオプティモから手を引くよう提案する。]
逃げ場のない王府派の船に乗るのは、おれにとって賭けでもあるのだけど、巫女姫に会う最短ルートでもある。
全員が少しのリスクを抱えつつ、望ましからぬ事態を回避すべく協力する。
そういうこと。
[内政干渉は避ける方針で、あくまでも提言のレベルに留める。
それが身を張った提言だとしても。
カナンはティーカップを持ち上げ、真摯な眼差しでアレクシスとクレメンスを見やった。*]
− マチュザレム市街地 (14年前・回想) −
すげぇご馳走だった♪ 美味かった♪
[カナンがこれほど陽気な笑顔を見せるのは久しぶりである。
マチュザレムへ留学に来て以来、思い知らされるのは、生国セドナが辺境の弱小国で洗練されていない田舎で自然環境キビしくて貧乏で──そんなネガティヴな現実の発見ばかりだった。
とはいえ、貴賓留学生を招いた今夜の歓迎パーティではそんな憂さも忘れてご馳走を堪能してきた。
なにしろ食べ盛りの14歳の少年である。]
メインデイッシュもだけど、スイーツなー
あれ毎日、食ってられたら、ヤなことあっても幸せになれるのに。
[と、パティスリーのショーウィンドウを見つけて、ヤモリのごとく貼付く。]
ああ、あれあれあんなの。
来られなかったシメオンにも食わせてやりたいな。
買って帰──
ぅあぁ…、
[値段を見てビックリ。
プラリネチョコレート一粒で一日分の生活費がまかなえる。
将来はこの国に就職して実家ならぬ生国に仕送りという名の経済援助をしなきゃとまで悲愴な覚悟に追い込まれていた小国の皇子に、その経済格差はほとんど絶壁のような重さと暗さをもって迫った。]
[寮に帰ると、シメオンにただいまの挨拶をしたきり、パタリとベッドに倒れ込む。]
追いつくとかさ、無理じゃねーの
個人の努力でなんとかなるものなの
生まれって変えられねーじゃん
世界の仕組みがそうなってんだよ
埋められない溝ってあるよね…
[スイーツの甘くない現実が自己嫌悪と世界諦念にまで成長してしまう、真面目すぎる青少年特有のアンニュイな懊悩を発症したもよう。
別名・急性スイーツ欠乏症。**]
/*
キャラ設定時、和み要素と女子受け狙ってつけた甘党設定が、ここまで発展するなんてまさかw
ルー・ガルー伝統のリンゴ菓子もどっかでほしいね。
/*
空き時間に覗きに来たら、何かぶっこまれてるwww
帰ったら直ぐに考えたいが、探し物先にやれよ俺。[自らへの忠告]
[>>2 異国の二人は当然の展開を、どう感じていただろうか。]
っふふ、まぁ、これもちょっとした挨拶のようなものですよ。
クレメンス様だって、ここで切り捨てる程、浅薄な方だとは思えません。
[それでも斬られる程の無礼を働いた自覚は、当然ある。
勿論、襲われるものならば、抗うまでだけれども。
クレメンスから意識を外さないまま、横目で心配そうに声をかけるカナンに応える。
>>3 そしてクレメンスに関する、彼の、続く言葉には、]
忠誠を疑う?
いいえ、であれば、「断ったらどうする?」なんて探りは入れないでしょう。
[>>2:428 やはりクレメンスは一筋縄ではいかない。
他の愚鈍な貴族達と同じように、相応の報酬を見せつければ大人しく着いて来ればいいものを。]
[アレクシスは静かに唇を舐める。やり方を間違えたか。
素直に考えれば、王府の転覆を恐れる貴族ならば、特に何の差し障りも無く王府側に付くはずなのに。
どうして一度、アレクシス・ユレを試すような事をしたのか。
また、此方も鞭だけで従わせようとしたわけではない。
あくまで「断ったら?」と聞かれたので、正直に答えたまで。
承諾を得られたら、相応の飴を与えると言ったのに。
何故、否定意見だけを聴いて逆上したのか。]
クレメンス様。
やはり、貴方は結界の外を――――……見たいのですか?
[貴族達の噂に依ると、確かラウド・レイ・クレメンスは若い頃、結界を越えて外洋へ出ようと試みた事があるとか。
それだけ諸外国に憧れがあるという事か。
であれば、彼は王府ではなく、開国派に端から付く気でこのように会話を誘導したのであろうか。
>>2:444 尤も、「若造」の問いに答えてくれるかは、この状況では甚だ疑問であるが。]
[>>4>>5 まだ此方の異邦人のほうが、幾分話が通じそうだ。
打開策、もとい妥協策を聞けば、]
カナン・リリ様。
貴方もなかなか隅に置けない御方ですね。
私が貴方を襲うだけの力はありませんよ。
だからこそ、そのような申し出をしたのでしょう。
賭けといっても、勝算をきちんと見出していらっしゃる。
[アレクシスは低く嗤う。
>>2:318>>2:324 今のナミュールが諸外国に対抗するだけの武力は持ち合わせていないと。
他ならぬアレクシス自身が、カナンに証明してしまったのだ。皮肉なものである。]
―――――……まぁ、その辺りが及第点でしょう。
私は、それで身を引きます。
クレメンス様、いかがでしょうか。
[細い双眸で、老獪な領主に尋ねた。]
― クレメンス邸 ―
[しばしクレメンスとアレクシスのやり取りを眺めていたが、あー、と声を零しながらカップを一度置く]
とりあえず、茶会に似合わねぇものは下ろそうぜ、おっさん。
[ここで惨劇を起こしたって最悪の末路が待っているだけだ。
守りたいものを巻き込んだ戦禍と言う末路が。
仲裁を願っての言葉を発した後、カナンが口を開いた>>2ためにシメオンは一旦口を噤んだ]
[カナンの口から紡がれたのは、現状に対する折衷案。
自らをも交渉材料にし、提示した案はそれぞれにどんな印象を与えたか。
シメオンは隣で聞きながらも、表情は一つとして変えなかった]
まったお前、大胆な手に出たな。
[
勝算と切り抜ける自信があるための案なのだろうが、いきなり出されてはなかなか心臓に悪いと言うもの]
[初見のアレクシスは含むものを感じる、底の見えない相手だった。
しかし今のアレクシスはその奥底に眠る情熱を隠すことなく曝け出し、
重なる言葉を聞く限りは、その根底には巫女姫の存在がかなり大きいように思えた]
(巫女は母、結界は父。
なら、その保護下にある
[親離れとは実際に離れると言う意味だけでなく、護られる側から護る側に変わると言う意味も持つ。
親とは、子にとって尊敬すべきものであり、護るべきものにもなるのだ]
(心は離れないと言う自信が無い、
と言っているようなもんじゃないか)
[アレクシスの懸念>>2:361が悲しいものに思えてくる]
……ユレ殿、一つ聞いて良いか?
アンタは、ナミュールの民達のことを信じているか?
[その問いは唐突に思われたかもしれない。
彼の心を知る切欠になれば、と願いながら、シメオンは赤い瞳でアレクシスを見た*]
[相手が立ち上がるに合わせ、此方も席を立つ。
両の手を腰の辺り揃えて、ぴんと背筋を伸ばし。
形整った所作で、見送りの深礼をひとつ]
実りある時間が、
実り多き明日をもたらしますよう、祈ります。
――――…、そうですね。 私も。
[浅く頷く仕草が、笑みを帯びる。
同意はどこか柔らかなものだった**]
/*
これ実は戦争しないで、
国民の信と意見を問う――とか国中でやれば
血を流すことなく解決するんじゃないのという気g
なんでもない。
[>>12 以前会った時とは違った印象を、シメオンには与えていただろうか。影の本音を零せば、銀糸の下、蠍のように燃える緋色が揺れる。]
…………こういう時、きっと巫女姫ならば
信じています、と美しく答えるのかもしれませんね。
[>>13 何処か遠い、寂しそうな色を空色に浮かべて、低く呟き。
嗚呼、巫女姫は今頃、大勢を前に決戦の覚悟をしておいでなのだろうか。]
[昏い問いは声にならない声で空へと消えて。
そして視線をシメオンに戻すと、]
いいえ、信じていません。
[きっぱりと否定した。]
国民全員が信奉者ならば幸せなのですがね。
色んな個性があって、面白いですよね。
学生の頃はそう感じていましたよ。
―――――ならば、今こそ、
― 14年前/マチュザレム市街地 ―
[その日はカナンが歓迎パーティに出ると言うことで、シメオンは一人寮に残り歴史書を読んでいた。
捲るページが半ばまで過ぎた頃、部屋の扉が開く音が聞こえる]
お帰り、カナン。
パーティどうだった?
[カナンのことだからパーティであったことをあれこれ話してくれると思ったのだが、予想は外れ、挨拶以外は何も返らず背後を素通りされてしまった]
カナン?
[ベッドへと倒れ込む様子に振り返り、疑問を投げかける]
[耳を澄ませば、ぶつぶつと愚痴めいた言葉がカナンの口から紡がれていた。
何か、カナン少年の心にクリティカルショックを与えるような出来事があったらしい]
……………
[何がどうしてそうなったのかの経緯が知れない。
いつもとは真逆のネガティブな発言。
カナンらしくない、と心中で呟く]
[何と言おうか考えながら、さめざめとしているカナンの、柔らかな金糸が流れる頭をぽんぽんと慰めるように撫でた]
…慌てる必要ねーんじゃねーの?
結果ってのは直ぐに出るものもあっけど、時間がかかるもんもあんだぜ。
……で、何があった?
[原因を聞かないことにはやはりかける言葉も見つからない*]
[相変わらずの突撃気質でシメオンを振り回しつつ、]
シメオン、
おまえは残ってもらうぞ。
ご隠居にカステラの作り方を教える約束があるから──じゃないのはわかってるよな。
[いつもどおりに楽しそうだった。]
巫女姫に親書を渡すのはおれの任務だから行ってくる。
おれが拘束されている間、いろいろ頼み事を飛ばすと思うから、動けるようにしておいてくれ。
― シュビト近郊・会談中 ―
[時折連絡を取りつつも、会談の動向に注意を払う。
その間にも連絡は時折やってきた。頻度を考えると近すぎなくてよかったと思う。]
荷物の送り込みはほぼ完了な、了解。
――おい、あんまりばたばた来るなって。何だよ?
[報告の途中で別の同志が慌ててこちらにやって来るのを見咎めたが、静まるどころか半ば涙ぐみながらされた報告の意味を、理解するまで少し時間がかかった。]
え
…………。
[ぐ、と一度指を強く握りしめると爪が食い込み、じわと痛みが染みた。]
……他に怪我人は?
[問いには首振る動作が返る。
相討ちした事、他の兵は引いた事、相手が非常勤で学館にも来ていたシロウだという事も聞き出すと眉が寄った。]
そうか、
…ならいつも通り、遺体は教会に。先生もシロウさんもだ。
馬っ鹿、嫌だとか言うんじゃねぇよ。
死んだら何にも
……どっちも、変わんねぇだろ。
[敵と味方の違いはあったがそれは生きている間だけだと、マーティンを慕いシロウを拒む仲間を促して。]
ほら行け。クロには俺から言っとく。
…手伝いたかったら行ってもいいぞ。
[どのみち一人では手も足りないだろうと、シロウを慕い顔を歪めて泣きそうだった他の仲間もそれに続かせた。]
− マチュザレム学生寮 (14年前・回想) −
[頭を撫でるシメオンの手は温かい。
穏やかな慰めの声に促されて、カナンは涙ながらに落ち込んだ経緯を語る。
ぐすぐすと行き来する脈絡を簡潔にまとめると、
・スイーツ美味かった
・けど、高くて手が出ない
・世界に絶望した
という話。]
おまえにも 食わせたかったよぅ…
― 私邸・敷地内―
甘い食べ物とはそんなに大事なものなのですか?
いえ、どうやらサシャの考えとは異なり、マチュザレム共和国の使者達はナミュールの国策を甘いもので解決しようとしているように思われます。
まさかと思いましたが、先ほどの甘味卿の事もありますし、南部の田舎者のサシャには思いも拠らぬ話ではったなと…。
[ 会談内でどのようなやり取りが行われているか知るよしはなく、更に当たらずも遠からずの様子である事が判るはずもなかったが、これまでからそれでも首を傾げるには十分な状況証拠が揃っている。
そんな暢気さから一転した緊迫が舞い込んできた訳であったが、それもなんだかんだで暴力的な展開に陥りそうもなければ警戒レベルを下げて、菓子談義に戻った。]
……。
[何人かが離れてから、天幕を見る。
もしもの為に注意しなければならなかったが、静かで変わらぬ様子に少しだけぼんやりしてしまう。]
…先生。
(ありがとう)
[味方についてくれて、と。
短い礼は胸の奥に落として。]
(…シロウさん、奥さん大丈夫かな。
まぁあの人の事だからもうどこかに逃がしてるとは思うけど。
悲しむ、だろうな。)
[幸せそうな二人を思い出すと、苦い物がこみ上げる。]
ブランバンドでは餡子菓子が主流でありましたね。
小豆に混ぜる甘蔗は産地ゆえにある程度の知識は承知しておりますが…。
[ シメオンの残した材料と手伝いをした使用人達の目撃証言を元に、クレメンスの料理人が試しだした菓子の再現品を近くに居たという理由で差し入れに貰いつつ、顔を顰める。]
( まだ見ぬかの国では甘い物が作れないと資格がないという事でもあったらどうしたものでしょうね。)
[ 野外料理ならば多少の心得はあるが、スイーツ作りなどした事がない。]
[ 現に料理の専門家でさえこのザマだとばかりに、目の前の作品を眺めた。
本人は使用人達の伝聞からの再現>>1:346を試みたようであったが、ふっくらと焼きあがった筈の生地は時間の経過と共にみるみる萎んでいき、刃を入れれば中が生焼けになっているものがトロリと流れ出し、どう見てもカステラとは異なるものになっている。
小麦粉を除くその場にあった全ての材料をまとめて一つの容器に入れ、湯煎をしながら色が白くなるまで泡立て器で泡立て、ふるいにかけた小麦粉を艶が出るまで混ぜ続け、一気に焼き上げたらしい。
後でシメオンがそれを知ればパンデロと呼ばれる菓子に極めて近い代物らしいが、当の料理人にすればカステラではないもの、つまり単なる失敗作であった。]
/*
大事な事を先にして。あとは現在軸様子みつつクロへの返事を考えつつ…。
んで投票。うーん、ソマリに会ってないうちに立候補するのは躊躇ってしまう…間に合うか的な意味で。
( …これ、大丈夫なのですかね?)
[ 腹を壊す惧れを抱いて、食べる事をせずに懐紙に包んで懐に仕舞う。]
いえ。なんでもありません。
甘い物は特に好きでない程度の事です。疲労回復には塩の方が良いですし。
[ 尋ねられれば首を横に振る。]
大事なのは菓子というこの謎の認識も兼ねて、
[ 勿論それは口実でしかなかったが]
今この時期だからこそ、足を運んでみたいですね。
この目で直接、様子を。
[ 巫女姫達の軍の動静を含めてシュビトの様子がわかり次第、オプティモがどう動くにしろ、鍵を握りそうな現段階での有力な仮想敵国、アレイゼルが気になった。]
( 腰が軽いというのは、やはり気になります。)
[ 動機はさておき、電光石火の勢いで兵を駆り立てる若き貴族。
ブラバンドの方はアレクシスが逆にこちらに来ている以上、更にというのは考え難い今、初手が読めるようにしておきたい。]
( 幸い先ほどは奇襲をやり過ごし、こちらを知られておりませんし――。)
[ それはシュビトの街に潜入し、暗躍していたのが彼とその配下という情報は彼女がスルジエの諜報兵達から離れ、オプティモやマチュザレムから情報を受ける立場にない、空白の期間のもので、受けていないからの認識であった。*]
― 会見の後 ―
[巫女姫の元を辞して外へ出れば、
おばちゃん軍団らがすっかりくつろいでいた。
そこかしこで輪を作っておしゃべりしたり、
何故か持ってきている弁当を広げたりしている。
王府軍の若い兵が何人かうっかり巻き込まれていて、
かわいそうに、後で上官に怒鳴られるだろうなとか
少しばかり同情した。]
みなさん、帰りますよー。
[声を掛けて促す傍ら、友に帰ると思念を飛ばす。
会見の様子を皆に伝えるのは、同席者に任せた。
女性の情報伝達力はすごい。
戦いになることの意味も怖さも、
彼女たちなら、等身大の言葉で伝えてくれるだろう。]
[ぞろぞろと街の人たちを引き連れてシュビトへ帰る。
王府軍の軍営からしばらく離れ、
迎えと合流すれば、ようやく肩の力が少し抜けた。
どうやら、友との約束を破らずに済みそうだ。]**
― クレメンス邸 ―
………そっか。
[アレクシスの心が推測の通り>>19と知って、短く嘆息する。
更にはナミュールの民達に考えてもらうと言う宣>>20。
詰まり、王府は反政府活動を行う者達と事を構えることを決めたというのか]
信は、信を以て返るもの。
アンタが信じなきゃ周りからも信は返らないと思うんだが…
アンタの場合は巫女姫に信が集まっていればそれで良いってことか。
…巫女姫ってのはさ、この国の象徴なわけだろ?
祭祀も執り行う特別な存在。
そう言う存在ってのは、国を開いたところで揺るぐものじゃねぇと思うんだが、どうよ。
結界を張り護るだけが巫女姫の役目じゃねーんじゃねぇか?
慣習を残しながら新たな道を拓く。
そーゆーのも出来んじゃねぇのかなぁ。
[アレクシスが巫女姫に重きを置いていると考えて、内政については取っ払って巫女姫の存在意義を説く]
つたねぇ案だけど、そう言う見方もしてみて欲しいな。
以上、一歴史家の戯言。
[そう言う国が無いわけではなかったから、と。
副使としてではなく、発言力の低い歴史家の端くれとして一案を投じた*]
ん……?
[自分はあの時倒れたはずなのになぜ意識があるのだろう。
むくりと起き上がると、そこは一面青の世界。
少し考えて]
なるほど。これがあの世ってやつか。
[と納得している]
/*
っとシロウもお疲れ様。
長々付き合ってくれてありがとよ。
と顔を出してはみたが、今日は寝る日に当てたいと思う。(今も少し寝てた。)
ああ、分かってる。
トマス達も居ることだし、人手も何とかなるはずだ。
おっさんに頼んで情勢把握出来るようにしとくわ。
ありがと。
常にオープンハートでおまえの声を待ってる。
おまえの、ユレ殿への主張、もっともだ。
新たな道を拓く──おまえのいつものスタンスどおり。
― 14年前/マチュザレム学生寮 ―
[少しは落ち着いたのか、カナンが経緯を話し始める。
不安定な人間特有の情報ループを何とか纏め直すと、酷い三段論法が現れた]
お前って奴は…。
[自分にも食べさせたかったと零す様子に、小さく苦笑が漏れる]
[このままカナンが泣きっぱなしなのは調子が狂う。
んー、としばらく考えた後]
……よっし、ちょっと待ってろ!
[ぽん、とカナンの頭を軽く叩いた後、シメオンは寮の部屋を出て行った]
[それから小一時間が経過して]
おらカナン!
食え!!
[慌しく戻ってきたシメオンが部屋に入る早々カナンへと迫る。
顔に白い粉をつけ、手にはところどころ焦げた茶色いものが乗った皿を持っていた。
焦げる匂いが混じりつつも、部屋には香ばしい匂いが漂う]
俺らはまだ子供だし、手が出ねぇもんはいっぱいある。
でも子供でも届くもんはあるぜ。
菓子なんて、無きゃ作りゃあ良いんだよ!
[お世辞にも見栄え良いとは言えない皿の上の物体は、寮の食堂でスイーツを担当している人から教えてもらいながら作ったクッキー。
カナンは甘いのが好きだから、と砂糖を多めに使わせてもらったりもしている]
食べたきゃまた作ってやっから、泣き止め!
[ずい、と皿をカナンの目の前へと押し出した]
― クレメンス邸 ―
おや、……もっと意外そうな顔をするかと思っていましたよ。
[>>36 アレクシスの予想と反して、銀糸の副官はどこか達観したような顔であった。それは副官としての表情ではなく、色々な歴史を辿ってきた者の、表情。]
私が信じるのは―――……巫女姫、ただ御一人だけですよ。
[興味深そうにその戯言を聴きながら、幾分表情を緩める。今まさに諍いが起きているというのに、我ながら呑気なものである。]
けれども多くのナミュールの民は。
特に南方の方ではそれを望む者ばかりではありません。
そして、その存在が脅かされているからこそ。
こうして今、内戦が起ころうとしているのですよ。
[然し、と。言葉は区切り、]
巫女姫がご存命であられるならば
私は、――――……
[この異郷の男に驚かされるのは幾度目か、最早数える事も放棄して、その恐ろしくバランスの取れた「提案」を聞く。
高度だが過度ではないリスクと、確実なリターン、利害の異なる相手に、損はない、と信じさせる、掛け値のない誠実]
大使殿…
[男は深く息を吐き、一度、シメオンに向けて苦笑めいた表情を向けてから、アレクシスの前から刃を引く]
全く、10年振りに本気で剣を抜いた結果が、こんな幕引きになろうとは…格好がつかんにも程があるな。
君を人質として、この地の安全を計れとは、シュビトの反乱軍から逃げてきた君を保護しようと約した私の立場はどうなるね?
[敢えてシュビトの学徒達を反乱軍と呼び、そうぼやく]
―――――いいえ、
なんでもありません。
シメオン様、面白いお話を有難うございます。
続きは移動の船のなかでも聴かせて下さいませ。
[穏やかに、そう告げた。
カナンの申し出がどうなったか。また、シメオンがそれについて来るかは、まだもう少し先の話である。*]
ああ、見たいとも。
[沈めた想いは、言葉とはならず、軽い口調でそう投げ返し]
だが、それとこれとは別の話だ。アレクシス・ユレ。
我々貴族にとって領地と領民は、身命を賭けて護るべきもの、その地を無断で踏み荒らされ、民の心を恐怖に陥れた事は、例え王府の使者であっても許し難い。
いくら報償を積み上げられようが、最初から意味を為さん。
[突然怒り出したのではない、最初から、怒っていたのだ、と、そう告げる]
これが私で良かったと、思ってもらいたいものだな。
私だから、この場で怒った。
だが…あのアレイゼル卿ででもあったなら、口では協力を約し、その実ありとあらゆる手を使って、君の尻の毛まで毟り取ってしまったことだろう。
[さらりと、先刻現れたもう一人の侵入者を陥れるが如き下品な例えを持ち出しながら、その口調はどこか、諭すようなものになっていた]
先にも言ったが、大使殿を人質として差し出す事は、私には承服しかねる。
だが…元より大使殿は、巫女姫への謁見を望み、そのために私の保護を求められたのだと理解している。その目的を果たされる事に否やはない。
故に、私の配下からの護衛を最低5名、同行した上で、王府までお連れするというなら、承諾しよう。
それと王府軍の駐留だが、町中からは退去し、シュビトに近い西の街道沿いにある砦を拠点とするなら、糧食の提供も、港からの軍備の搬送にも協力しよう。
先刻の軍師殿への無礼の詫びに報償は求めないが、糧食を運ぶ人足への手当だけは負担願いたい。
街から砦まではゆっくり行軍しても二時間ほど、大した負担とはならないはずだ。
如何かな?
[条件を、ずらりと並べ、最後に浮かべるのは、常の通りの笑みひとつ。
もし、護衛の数が多すぎると言われれば、三人までは譲歩する]
― 会見 ―
[交わされる言葉、その重さ。
宿るのは譲れぬ、譲らぬ強き意志か。
場を行き交うそれは、強き力持つ言霊の如く響いていた]
…………。
[話を聞きながら、あれこれと思い巡らせる。
間近に見た巫女姫は、古老たちが忌み嫌う言葉を並べてるものとはあまりにもかけ離れていて。
だからこそ、どうしても、聞いてみたい事があった、から]
あ、あのっ!
[会見が終わり、場を辞す直前、思い切って声を上げた。
巫女姫に直接見える機会なんて、この先巡ってくるとは思えない。
だからこそ、今、問いたい。
これからの風向きを定めるためにも]
古き民が一、ウェントゥスの族長が長子、ヴェルザンディ。
無礼は承知で、一つ、問う事を赦していただき、たい!
[普段は口にせぬ真名を名乗りつつ、上げた声はいつもより高いもの]
千年の昔、我らは王府に沿うを拒み、森と山とに居を定め、関わる事なく生きてきた。
けれど、北の森の恵みを巡る争いは続き、南の山にも、領域を侵す者の手が伸びている。
[止められる前に言いきってしまえ。
そんな勢い任せの言葉が口を突く]
……今のままじゃ、古き民は王府に牙を剥くしかできない。
自分たちの在り方を守るには、それしか術がないから。
でも、それじゃいけない、と思うから……だから。
[ここで一度、言葉を切って、呼吸を整えて]
だから、知りたい。
あなた方にとって、かつて従わなかった我らは、異なる存在でしかないのか。
己が恵みのために踏みにじるを是とするものなのか。
[そこまで言い切り、一つ息を吐く。
肩に移った真白の小猿が、きぃ、と小さく鳴いた。*]
[シメオンの問いに答えたアレクシスにの言葉には、男は何も言わず、ただ静かに、その会話を見守るだけ]
ああ、それと、王府へ出立の前に、一晩は欲しい。
大使殿には我が屋敷で保護した客人達と会う時間を作って差し上げたいのでな。
悪いが、その間は船でお待ち願えるかね?
[ どうやら、王府の使者を屋敷に泊める気はないようだ* ]
/*
どしよっかなって、思ったけど。
ここ聞かないと、先に進めないんだよ、ね……!
何せ今日落ちる展開になったとしても、ここ固めとかないと動けないという懸案がだな(
しかし、推挙どっしよっかなー。
難しいにゃー。
― 少し前 ―
へ、そうか?
[>>2:~7鋭い所と言われても、自覚無く瞬いた。]
って、改めてしみじみ言うなよなぁ、ちょっと怖いぞ。
[良かった、などと言われると少し照れてしまいそうになるのをそんな風に誤魔化して。]
まぁ俺は北にも南にも足突っ込んでるから、
少し見てる角度が他と違うんだろ。
[血を流す事はに至ったそれは、今までにも聞いたことの積み重ねで。
それを否定する事はもうないので、軽く頷いた。]
…そうだな。
そもそも穏便で済むうちに、
こっちの話聞いときゃこうなってないんだから向こうが悪いうん。
[好き勝手言うと言った通りに、自分目線で理屈を語ってはわざとらしく言って。]
大悪党か…んじゃそのうち
「良い子にしてないとクロードが来るぞー」とか言われるんだろうな。
それはそれで面白いな。
[とは軽く言う。]
− クレメンス邸 −
[アレクシスとクレメンスは、カナンの申し出を受諾してくれた。
感謝の礼をひとつして、自分は巫女姫に無事に会わせてもらえればいいと、細かい条件の擦り合わせは彼らに任せる。
「私の立場はどうなる」と計算づくの繰り言を投げてきたクレメンスへは、申し訳ありません、と朗らかな笑みを向けた。
シメオンに腕に飛び込み、シュビトから逃げて来たのは事実だ。]
クレメンス卿、 短い間ですがお世話になりました。
シメオンたちは引き続き、お世話になります。
どうぞよろしく。
…そっか。
[友人が自分が戻ってきた事で意思をまたひとつ固めたのなら、自分が家を出たのもまた意味のある物だったのかなと、漠然と感じて少し目を細めた。]
上手くいくといいな。
…ちがうな、上手くいくんだ。
そうそうクロがやること、8割くらいは成功するもんな。
[とは子供の頃の悪戯戦績など加味してだ。
最後の嬉しそうな言葉には、また「おう」と短く返したが、
さっきよりも短かったのは、僅かな照れの表れだった*]
− マチュザレム学生寮 (14年前・回想) −
[やっぱり笑われた、と思った。
だが、シメオンのそれは馬鹿にした笑いではなく、一緒に辛さを噛むような苦笑。
待ってろと放置されて寂しかったけれど──]
…ん、
[やがて届く甘く焦げた香りに泣きはらした顔をあげる。]
― 更に少し後 ―
[従兄弟については同じく棚上げにしたが、会見の終盤の連絡と、ついでに自分たちの総称が出てくると、気まずさを吹き飛ばすように軽く笑った。]
おっ、それいいんじゃないか?
反乱とか名乗るよりは様になってるよ。
カッコイイ名前は大事だぜ。
やる気につながるからな。
[軽さが残っていたのはここまでで。]
― そして会見後 ―
…そうか、お疲れさん。
[>>~0待っていた報告が届くと、安堵と共に労いの言葉を送る。
何時もならもう少し軽く返していただろうが、この時の返事はそれだけだった。]
[食え、と生国では皇子たるカナンに命じるシメオンの顔には白い粉が散り、皿には少々歪な代物が乗せられている。
勧められるままに、そのボソボソとしたものを口に運び──]
…! なんで、 なんでこれが、
[驚愕の声をあげれば、
作れる、作りゃあ良いとシメオンは断言した。]
[泣き止めと言われたけど、カナンはまた泣いた。
初めてのシメオンの手作りスイーツはたっぷりの砂糖に涙の塩辛さがまざって複雑な味になる。
だが、今度のは、嬉しい涙だった。
そうして、カナンの世界に光が戻った。*]
おぅ、俺も大解放して待ってっぜ。
ユレ殿が不安に思うのも分かるっちゃあ分かるんだけどな。
凝り固まった見方してる気がしたからさ。
こう言うことは、少しずつ理解してもらってかねーと。
― シュビト近郊・会見後 ―
…終わったってさ。
全員に、警戒解除していいって伝えてきてくれ。
[何事も無かった事に、互いが安堵の表情浮かべる。]
まぁ忙しくなるのはこれからだろうけど。
俺はクロ迎えに行ってくるから、後任せた。
[そう告げ伝達を任せると、自分は帰路につく友人の元へと足早に向かった。]
― クレメンス邸 ―
[クレメンスからの視線>>41には、良い笑顔で無理無理止めらんない、と言う意味を込めた視線を返した。
カナンを送り出すにあたっての条件>>45などについては口を挟まず、アレクシスからの返答>>40>>42を耳にし少しだけ考える]
反乱軍、ですか。
[>>41 剣の切っ先を喉元から外され、小さく息を吐く。
泰然自若していたとは言え、カナンの提案が無ければ、己の首が跳ねられていたかもしれない。
そして領主が、「反乱軍」と敢えて言う事に軽く首を傾げる。
わざとそのような言葉を使ったと云う事は、反政府軍に与するという事ではないのだろうか。
もっとも、大人しく王府に下る性格とも言えないが。]
いえ。とても恰好良かったですよ。
震える思いでした。
[アレクシスにそんな褒め言葉を貰ったところで、クレメンスが喜ぶとも思えないが。
そんな麗句を添えておいた。>>43 何処か可笑しそうに遠くを見やる領主の双眸には、外界のマリンブルーが見えているのだろうか。]
[>>44 いくらか領主の怒りの理由を、遅ればせながら悟る。]
成程。
兵など用いず、最初から茶菓子でも携えてご訪問すれば宜しかったですね。
大変失礼致しました。
[立ち上がって慇懃にお辞儀をし、その恰好のままで。
>>45 続けてクレメンスが出した条件を聞けば、]
分かりました。わざわざ護衛まで、しかも5名も。
ご厚意、感謝致しますよ。クレメンス様。
砦も有難く使わせて頂きます。
有難うございます。
運送、食糧その他の後方支援、宜しくお願い致します。
勿論、王府軍は全てオプティモから撤退させます。
若造の申し出を受け入れて下さり、誠に光栄です。
[こうして長い会談はひと段落ついたか。*]
[しかしその考えたことは口にはせず]
それは、カナンが俺の同行を認めてくれたら、かな。
[な、とカナンに話を振った。
返答は>>50だと言う*]
クロ。
[変わらぬおばちゃんらを引き連れて、先頭歩いて行列作る姿を見ていると少し和んで、表情は自然と和らげられた。]
よー、おつかれ。
巫女姫は相変わらず美人だったか?
[と笑みを浮かべて近づいて、肩を組んで引き寄せてから。]
― アレイゼル領 ―
[数分前、新しく上げられた報告書を片手にしていた。
入れ違える形で、シュビトで起きた武力衝突。数人の将兵も、王府軍、解放連盟、共に死者も出たらしい]
ふむ。王府軍は無事、引き上げに成功したとの事。
引き上げ場所がクレメンス卿の膝元と云うのが気に入らんが、まあ仕方があるまい。
此度の抗争を想定するならば、オプティモは重要拠点。
尤も、我がアレイゼル領も戦時下においては同じ。
南島とを繋ぐ海路、何よりドルマール神殿に近した領地。
さて、このアレイゼル領、王国か解放軍か、どちらに役立てる事になるかな。
[想定される解放連盟の動き、従兄弟の性格に、天の時節。
来るならば、そろそろ彼らはこのアレイゼル領に来るだろう。
既にアレイゼルの私兵達には、解放連盟の者が現れれば通せと話しを繋げている]
[>>49 笑顔のまま、続く領主の言葉には、]
そうですね。
長旅でクレメンス様達もお疲れでしょう。
どうぞごゆっくり御寛ぎ下さいませ。
はい、私は船でお待ちしております。
まさか、星でも見にお出掛けになんてなる事は―――……
無いと、信じておりますよ。
[物分りが良過ぎる位に、素直に頷いた。
夜逃なんて事はしないだろうと、念を押しつつ、]
では私はそろそろ失礼致しましょうか。
シメオン様、お土産頂戴致します。
[>>2:404 お土産をそっと懐に抱えつつ。
特に呼び止められなければ、会談の部屋から出ようとしたか。]
―会見―
[ジェフロイは民衆を戦争に巻き込むという事を辞さぬ態度を示し、
巫女姫は彼の持ってきた提言と王府への宣戦布告を王府に持ち帰ると口にした。
――それは、国内で正式に戦争が行われるという事だ。
シュビトの民に告げたように、弓引く者を斬り伏せる覚悟をせねばならない。
相手が戦争に慣れていない者であったとしてもだ。
直立したままの女は黙したまま目を伏せる。
異なる思想を持った二人の盟主の対話の場は、やはり歩み寄りを見せぬままに終わった。
けれど二人は孰れまた対話を、と口にした。
それは恐らく、多くの血が流れた後だろう。
ジェフロイの側か、王府の側。
何方かが考えを改めるか、従う者達が力尽きて対抗する事が難しくなった時。]
― 14年前/マチュザレム学生寮 ―
[かけた声に上がった顔は、酷く泣き腫れていた。
あの後もずっと泣いていたのだろう。
早く泣き止ませたくて、早く食べるよう急かす]
[そうしてクッキーを口にして、一拍。
驚きの声を上げるカナンに、にっこりと笑みかけた。
断言した後、更に泣くカナンを正面から抱き締める]
泣き虫この。
[その涙が絶望からのものでは無いと分かったから、揶揄うように言って、軽くその背を叩いてやった]
次はもっと美味いの作ってやっかんな。
[カナンの世界が光で満ち溢れるように*]
[シュビトの代表が去っていくのを女は見送る。
巫女姫から王府に宣戦布告するという事の意味を聞かされた二人の女性は、何処にでもいる主婦のように見えた。
若い兵士らが会見が終わるのを待っていた弁当に付き合わされた事を耳にすれば、苦笑が浮かぶ。
恐らく騎士団ではないだろうが。]
…どうか貴女達は武器を取らないでくれ。
戦おうとしないで。
[数百の女性らの遠い背中に祈りめいた言葉を呟く。]
[女とて、大規模な戦を経験した事があるわけではない。
けれどいざ戦となれば――武器を持った者と持っていない者との区別しか付かないだろう。
実際、北の部族との小競り合いでもそうなのだ。
己には覚悟がある。
殺す覚悟も、或いは殺される覚悟も。
殺した者の親しき者に恨まれる覚悟も。
半端な覚悟で戦に加わり人を殺せば、戦場から離れてふと我に返った時に心が壊れてしまうかもしれないから。
そうした理由で騎士団を辞する者も少数ではあるが実際存在する。*]
…ガート?
[拍子抜けしたような心地で声を返す。
普段ならもうちょっとなにか言ってくるはず。
何かあったのか、という疑問は、
直接姿が見えたことで、一旦脇へ置いた。]
― シュビト近郊・会見の後 ―
よっ。
出迎え、ごくろう。
[友の姿を見つければ、手を上げて呼んだ。]
そりゃもう、美人だったさ。
巫女姫にしとくのがもったいないくらいのさ。
[肩を引き寄せられながら笑う。
その顔が、固まった。]
え … ?
[伝えられたことがすぐには頭に入らなくて
しばらく硬直する。]
…やめろよこんな時にそういう冗談はさ。
あの先生が死ぬわけないだろ。
だって、あんなに元気だったんだぜ。
[固まったまま明るい声でそこまで言って、
ふるりと肩が震えた。]
/*
ふええ、後もうちょいで▲▼希望締切じゃないですか。
でもちょっとシロウさんとマーティンさんの追悼に回りたい。
− クレメンス邸 −
さすがについたところでとんぼ返りはね。
一晩の猶予をくれてありがたい。
では、明日。
そちらの準備ができたら迎えを寄越してほしい。
[この成り行きで逃げるなと念をおすとか──心配性というより嫌味だろう、あれは。と内心苦笑しつつ、礼を述べてアレクシスが退去するのを見守った。
しっかりとシメオンの土産を抱えてゆく様子は憎めないものがある。]
さて………。
少し予定は狂いましたが、大まかには手筈通りですか。
些か時間を使い過ぎてしまいましたね。
[カステラの小箱を抱え、少し機嫌が良さそうに。
然し警戒を怠る事なく、クレメンス邸を抜けようとする。]
――――……ん?
[>>32 そして視界の先、赤立羽蝶のように鮮やかな赤が見える。
あれは確か、スルジエ領主の私兵軍に属する上級将校だったはずだが。]
さ、サフィー・ヘイズアイ……でしたっけ。
どうして此処に、居るのでしょうか。
[うろ覚えの名前を口にしながら、緩く首を傾けた。
彼女は此方の視線に気が付いたか。或いは、気が付いたとして反応はあったか。
特に反応が無かったり、気が付かないようであれば、そのままクレメンス邸を抜けただろう。]
あの
根本的に損な性格ってヤツ。
[呟いた後、クレメンスに改めて挨拶をする。]
重ね重ねご配慮、ありがとうございます。
同胞に会える時間をいただけて嬉しい。
”積み荷”の鍵はシメオンに渡しておきます。
できれば、開封は彼の立ち会いのもとで。
[事故がないようにと、申し伝えておく。]
それとご隠居、
貴殿にお願いがひとつと、 提案がひとつあるのですが。
[そう切り出した顔には感謝と同時に、悪戯っ児めいた色が浮かんでいた。]
― クレメンス邸 ―
おぅ、冷めても美味いからな。
安心して食ってくれ。
[土産を抱えて辞すアレクシス>>61を笑顔で見送る。
ご機嫌のように見えるのは話が纏まったからなのか、土産のお陰か。
土産は巫女姫にも届けば良い、と言う想いもあったが、アレクシスが喜ぶならどちらでも良いかと考えていた]
さって、また慌しいことになるなぁ。
カナン、誰か一人連れてくか?
[恐らくは否が返るだろうが、トマス達の中から誰か連れて行くかを問う。
クレメンスに願う悪戯っ児めいた色>>72が見えれば、あ、と楽しげに心中で声を零した]
― クレメンス邸 ―
[アレクシスの退出を阻む者はもちろん居なかった。彼が生きて屋敷を出たことにより、サシャやオプティモ守備軍>>2:454と、王府軍の血を見ることもなかったろう]
やれやれ、とんだ年寄りの冷や水だったな。
[苦笑と共に、とんとんと腰を叩いた男の元に、家令が何事かを告げていく]
ん?ヘイズナイトが?そうか…
[くすりと笑って、家令に指示を出す]
オプティモ守備隊にも彼女が私兵団の小隊長となったと伝えておけ。
王府軍が退去したら物見は昼夜通して四時間交代で徹底的に強化。どんな小さな動きも見逃すな、と伝えろ。
[必要最低限の指示を出したところで、カナンから声がかかる>>71]
いや、そのことだが…
[言いかけて、お願いと提案、と、続けられた言葉に、口をつぐみ、耳を傾けた]
― シュビト近郊・会見の後 ―
…冗談なら良かったんだけどな。
[心話で伝える事もできたが、しなかったのは直接伝える内容だと思ったのと、今後の事を考えてだったが。
なるべく後ろのおばちゃんらに悟られないよう、前を向いたままの報告になった。]
近くの工廠を襲撃しにいった帰りに、シュビトに向かってる王府の兵…シロウさんたちと遭遇、そのまま交戦して、らしい。
[死に至る経緯は、伝聞そのままを伝えるしかなかったが。]
…先生が交戦に入ったのは、少し前に聞いてた。
でも、大丈夫だろうと思って加勢は出さなかった。
俺の判断ミスだ。悪い。
[自分の非も淡々と、伝えながら足は止めなかった。]
― オプティモの街 ―
会談は終わったようですね。
[ 犬のように指示を待ち続け、得た指示と共に小さく息を吐く。
自分が戦を始めるものではなかった。
ジェフロイやカナンらのような熱い熱を持った人間が、己の信念が内側から溢れ出し、行くつく所が武であった時のみ、戦争というものが始まる。
見たことがない当代の姫巫女もその資格を持っているのかも知れない。
あの執政を務める男も王府の正規兵を率いながらも戦争を始める様子はなかった。アレイゼルの貴族も、クレメンスも今はまだ喧嘩の大将でしかない。
戦争を始める人間ではなかった。
執政の男は数名に見送られながら自身が乗ってきた船へと戻ろうとしている。指揮船らしい船にはいざとなれば乗り込む準備もされていたようだったが、まるで何事もなかったかのように、穏やかな海の上に他の船と共に浮かんでいた。]
/*
そうこうしてるうちにこの時間…。
(手を上げたり下げたりしているノシ←こんな感じ)
そしてソマリは待たせてすまな…
暇してるだろうなぁこれ(ごろごろ
( 一晩。)
[ 一晩を経て、カナンは彼と共に王府へと本来の役目である使節としてブラバンドに出航するらしい。副使のシメオンも同行するだろう。
有象無象の身分低き者としての利をここまでは生かしてきたが、ここは逆にだからこそあるべき位置に戻るべきであった。
あるべき位置。]
( さて――。)
[ 地方軍の一隊長以下の将校である自分。
上の人間――所謂偉い人間は雲の上であって、人は雲を見上げても、雲は人を見る事は無い。
雲からの気まぐれな雨が、結果として人を濡らすだけだ。
雲は人如きを濡らそうなどと思って、雨を降らしたりはしない。
だからこそ]
− クレメンス邸 −
[クレメンスの言いかけたことを遮った形になったことを申し訳なく思いつつ、自分の計画を手短に説明する。]
お願いというのは、このオプティモ──あるいは、貴殿と取り引きや親しく交流のある街の住人のうち、マチュザレム共和国への亡命、あるいは移民を希望する者たちの名簿を作ってもらいたい、というものです。
サシャや──かつてのあなたのような人たちを、放っておきたくはない。
[オプティモへ向かう船上で聞いたクレメンスの過去。>>2:301
そこにあった憧憬と切なさを思う。
開国が叶えば、それは叶わぬ夢ではなくなるのだ。
それに、実際、多勢の名が集まれば、それは開国を求めた民衆の声の碑となる。
マチュザレムでいう「署名活動」である。]
そうですね、……
本来であれば古き民の住まう地には、関わらぬ約束でしたが、
それが最近――、心無き者たちによって守られておらぬ事実は
聞き及んでおります。
それは、侵犯する方々を制することの出来なかった
私共が受ける責です。
[申し訳ありません、と頭を下げる]
ヴェルザンディ。
私は、……貴方を、古き民の皆様を、
異なる存在などと思っておりませんよ。
私共は、等しくナミュールに生き、
その豊かな自然に囲まれながら生活する同志です。
出来るならば――――、
今のように別れて暮らすことなく、
共に手を取り合っていければと思っております。
[そっと、祈るように指先を組む。
真摯な声。冴ゆる空気のように]
……逆に、貴方がたはどうなのでしょう。
千年の時、私共と交わるを良しとせずに
独自を生きてこられました。
私共は、永遠に異なる存在なのでしょうか?
[変わろうともがくような素振りの相手。
巫女姫は古き民の青年を、静かに見返した*]
( オプティモの兵士ならば卑屈過ぎるのは逆に、怪しいですね。もし絡んできたら逆切れして見せましょうか。)
[ 失態に気付く事無く、ただその場をやり過ごすべく恐縮して見せた素振りを見せていたが、そんなしれっとした様子をアレクシスはどう感じただろうか。*]
― シュビト近郊・会見の後 ―
[は、と息が漏れた。
立ち止まりかける足を無理やりに動かす。]
そっ、か 。
[経緯を聞いて頷き、
友の謝罪も聞いた。]
……いや。
相手があのマッキントッシュ先生じゃなきゃ
その判断は正しかったろうさ。
おまえが隊を動かせなかったのは、
俺が王府軍の中にいたからだし。
[掠れた声で言って首を横に振る。]
それで、先生たちの 、遺体は、
今、どうしてる?
………?
[>>79 サフィーなんとかの、超うろ覚えの彼女は何やら不思議な動きをしていた。
まるで菓子を危険物でも眺めるかのような面持ちで見つめ。
そして、自分と目があったかと思うと、恐縮して目を伏せる。
此方の正体は分かっているのだろう。けれども、]
こんにちは、以前どこかでお会いしましたっけ。
ああ、勘違いでしたら、すみませんが。
それにしても、………美味しそうですね?
食べないのですか?
[>>86 まったく、ソマリと言い、この女と言い。いつからこのナミュールはスイーツ国家になったのだ。それも異邦人のせいなのか。
ゆるりとした動きで近付き。菓子を同じように見つめてみやる。もし食べない様子ならば、手を伸ばしてしまおうか。]
―会見後―
[やがて、女は外の警備に回っていたレオンハルトに声を掛けられる。]
ん?どうしたんだ、一体。
そんな真面目くさった顔をして。
お前らしくもない――…。
[其処まで言って女は口を噤む。
いつにない彼の神妙な顔に胸騒ぎを感じた。
そうして彼の口からシュビトの近郊で戦闘が行われたらしい事が女の耳に入る。
>>1:446>>1:447指揮官の遺志を携え、騎士団に下るという軍の手勢五十数名が今しがた周辺を警備していた王府軍に保護されたのだという。
それを見に行ったレオンハルトは偶然にも傷ついた彼らの声を直接聞く事となったらしい。]
……。
ちょっと待て。
戦死したと思われるのは誰だと言った?
[聞いた事がある名前であったのに、耳が拾ってくれない。
或いは咄嗟に理解するのを拒否したのか。]
…マッキントッシュ先生と、バウマン先生が相討ち…。
[共に学館の教師であった二人。
軍に身を置いていたという共通点もある所為か、仲がいいと思っていた。
その二人が王府側とシュビト側に分かれて隊を率い、相討ちしたらしい。
それ以上の言葉は紡ぐ事が出来なかった。]
だから。既に、……覚悟は、出来ております。
本音を言えば、殺したくは――ありません。
けれど、そうでしか為せぬものが、あるのならば。
…私は、
船がこちらに…
[ シロウの最後の指示>>2:294による引き上げ船の存在を、クレメンスは会談の前後にどう扱っていたか。
接触を済ませていれば、シロウ・マッキントッシュの戦死の報も知る事となり、南の地に身体を向けて軽く黙祷を捧げる。]
( …奥方は大丈夫でしょうか。)
[ 死を知らされているにしても、いないにしても一番大事な時期の船での旅は母体に悪影響を与えないか不安になる。]
( いえ、気にしても仕方がないですね。気にしても…)
[ 思ったから何かできる訳ではないのだ。嘆いたり同情をしてみせるだけで何かをした気になるのが嫌で、思考から追い払った。]
何か新兵器でも船に積んでいればいいですね。
[ 結局どうでもいいことを口にした自分が、情けなく寂しかった。]
……先生の率いていた兵が騎士団の麾下に入りたいと、それが先生の遺言だとそう言っているのだな。
[気持ちを落ち着けようと、女はレオンハルトに確認する。]
――巫女姫殿下と副団長に、私の隊に加えたいとお願いしにいこう。
何処か受け入れる先があるほうが話も纏まりやすいだろう。
先生の代わりが務まるかと言うと自信はないがな。
[その情報は巫女姫らの耳にも入った頃だろうか。
女は副官を伴って、足早に巫女姫の天幕の方へと向かう。]
― クレメンス邸 ―
[クレメンスと共にカナンの計画>>81を聞く。
サシャのような存在が居るのでは、と言う話をしたのはつい先日のこと]
移民希望者の声、か。
[望む者が居れば受け入れる──共和国主義の申し子たるカナンらしい計画]
補佐とセミナーな、了解。
そこはしっかりやっとかねーと、詐欺以前に実際に出ることになった時に困りかねねぇ。
任せとけ。
[クレメンスの補佐>>84を願われると二つ返事で是を返した]
― シュビト近郊・会見の後 ―
教会に運んどくよう言ってある。
行くか?って行くよな。
[掠れた呟きを肯定も否定もせず、問いには短く答えてから。
時間はあまりある方ではないが、行かない選択肢が見つからない。]
顔見るだけでも違うからな。
[マーティン・バウマンは強面だが、その見た目に反して面倒見のいい教師だった。
非常勤のシロウよりも捕まりやすくはあるが、生徒からの人気が高かった故に鍛錬の相手を願い出るのは少し気が引けて。
それでも学館に身を置く間に何度か稽古をつけて貰ったが、彼の受け持つ授業とそうした稽古の時間で彼と言葉を交わす事はなかった。
シロウ・マッキントッシュは軍の開発部に身を置いているという事もあり、姿を見かければ話掛けに行った。
剣の稽古や、兵の動かし方。
そんな事を熱心に聞く己を彼がどう思っていたか、知る術は絶たれてしまったけれど。
ひっそりと師として仰いでいた。
――それでも学館を離れた後に彼を訪う事はなかったが。]
― オプティモ・クレメンス邸 ―
移民を募る、か、面白いことを考えるものだ。
なるほど、確かに、オプティモは、昔から率先して漂着民を受け入れてきた地だ、そういった者の数もある程度は見込めるだろうな。
[実際のところ、領主にとって領民は貴重な税の財源でもあり、他の領地に移住されることさえ制限、或いは禁止されているのが実情。
しかも、今、この時、公然とそんなものを集めたのがバレた日には、忽ちマチュザレムの手先となって国を売る売国貴族の汚名を着せられるのがオチの筈だが、男は危機感なぞ、微塵も感じぬ様子で、面白そうに笑った]
いいだろう、資金は出そう。
だが、そのせみなーか?それは少し待ったほうがいい。何しろ、今この街のすぐ傍には、王府軍がいる。他にも隠れた耳目は多いからな。
[ アレイゼル卿の細作は言うに及ばず、今は様々な目が光っているからと、そう言って、当面職能ギルド等を通して、こっそり名簿を作る方がいいと、返す ]
――…一度会いに行けばよかったな。
[シュビトの気風に女は染まり切らなかった。
生徒とも幾分か言葉を交わすようになりはしたが、盾仲間程の関係とはなり得なかった。
2年という期間が終われば騎士団に戻ると決めていたから、彼らと無意識に距離を置いていたのだろう。
けれど離れる決心が鈍るものが出来るのが怖くて。
――ぽかりと胸に穴が開いたようだ。
目の奥が熱くなるのを拳を握り締める事で耐える。
どうやら己は思っている以上に彼らを慕っていたらしい。]
― 会見 ―
[勢い任せに投げかけたのはは、外に出て諸々を学ぶようになってから、ずっと抱えていたもの。
それに対し、最初に返されたのは謝罪。>>80
続く言葉綴る声音は真摯で、そこに偽りの翳りは感じられない。>>83
内へと強く響くそれに小さく息を吐いた所に、逆に問いが向けられた]
……北の森の民が、どう思ってるかは……わからない。
居場所違えてからは、互いに、触れる事もなかったから。
でも、南の山の民は。
古きを重んじる者ほど、共にある事を拒んでる。
[向けられる静かな瞳>>85を見返しつつ、最初に綴るのは、自身の知る現状]
……でも、それは違う、って。
オレ個人は、思ってる。
古き在り方は大切だけど、でも、変わらないままじゃいられない。
……新しい流れがなきゃ、風も、水も、澱むから。
[だから、と。
ここで一度、言葉を切って]
変わる事はできると思うし、変えていきたいと思う。
だから……あなたの言葉、聞きたかった。
新しい風を呼び込んで、その向きを決めるために。
[告げるのは、改めて固めた自分の意志]
新しい風が、どこに沿って、どこに向かうかは、わからないけれど。
……今、いただいた言葉は、必ず糧にします。
[仮に、外との関わりを取り戻す道を選んだとして。
今のこの状況で、どの勢力に沿う事になるかはわからない]
お話しくださって、えと、ありがとうございました。
[表情和らげ、出来る限り丁寧な礼をする。
肩の小猿も、習うようにぴょこりと頭を下げた。*]
[天幕の中に巫女姫と副団長の姿を見とめれば、女は膝をついて首を垂れる。]
失礼致します。
巫女姫殿下。副団長。
お願いがございます。
――マッキントッシュ殿の軍勢をどうか私の麾下に。
彼には学館でお世話になった縁がありますれば。
[言い終えた後にじっと彼らを見上げる顔には彼の遺志を無駄にすまいという決意が浮かんでいた。*]
― シュビト近郊・会見の後 ―
行く。
…行こう。
[即答の後、躊躇ってからもう一度頷いた。
やるべきことは多く、時間は一分一秒でも惜しい。
だが、逡巡の理由はそこではない。
顔を見るのが、怖かったせいでもあるが]
街についたら、すぐに向かうよ。
[青い顔で、そう言った。]
/*
うん、予想以上にいいものもらえた。
何気に、遭遇一番難しいだろうなー、と思ってただけに、ちょっと嬉しいw
そして30分前だがどーする、ほんとに!
― アレクシス接触時 ―
いえ。
私めが都の摂政様にお会いした事など…
そう仰って頂けるだけでも光栄です。
仲間に、自慢できます。
[ 対応に迷いが混ざった分、ちょっとしたお偉方に立ち会う羽目になった下っ端のように、軽く頭を下げる程度にしながら恐縮してみせる。態度が下手なので、そのような偽装は上手くいっていなかったかも知れないが。]
( 会った?)
[ すかさず自分の中で過去を紐解いていく。目の前の男の記憶力は歪みを持たない。ないものをあるとは言わない。カマをかけている様子にも見えない。]
これは異国の菓子をオプティモで再現できないかと、料理人が腕を振るった菓子であります。
ただ…、異国の菓子というのがどうにも不安で…
( ブラバンドで行われた諸国の地方軍による閲兵式に参加した時ですか?)
[ 適当な言い回しをしながら記憶を廻していく。
スルジエが厄介者的存在である認識は共有していたが、相手からして危険な存在であるという認識は把握していなかった。
常に底の浅さを見せる事で、過ごしているつもりでいた。]
あ、宜しければどうぞ!
摂政様のお口に合うかわかりませんが…
[ 手を伸ばす様子が見られれば、慌てて進呈する。突きつけるようになったのは、愛嬌だろう。*]
/*
ですよねぇぇぇ。
こういう形式初めてで。
悩まし過ぎるー。
フィオンも死亡フラグ立ったと言えば立ったのかな。
− クレメンス邸 −
職能ギルドか、 なるほど。
[クレメンスの補正案に同意する。
「住民の移動が禁止」というのは、基本的人権という考え方が敷衍しているマチュザレムから来たカナンには想定外のことだった。
そうと気づかぬままに、クレメンスに危険な橋を渡らせることになる。]
シロウ・マッキントッシュ殿が、
学館に味方する……マーティン・バウマンと、相打ち…?
[どちらも、師事した記憶のある懐かしい名前。
それが、今、なんて。 ……え?]
……――――、…。
[巫女姫が、彼らを知っている筈はないのだから。
此処で動揺してはいけないと、頭では分かっているのに。
それでも、立派な教師だった二人の死に、
心の底が冷えるのを止められなかった*]
ご隠居には本当にお世話になりっぱなしだな。
シメオン、
セミナーという形が使えないといろいろ厳しいんだけど、おれの留守の間に、鍛冶ができる者にライフルを複製させたり、移民希望者に”自衛のため”の訓練をさせたいんだ。
[すなわち、いざというときには、自分たちの味方として動かせるように準備しておきたいのだと告げておく。]
積極的に交戦するつもりはない。
だが、傍観者ではないと、
我々は開国の意志をもってここに来ているのだと、目に見える形にしておくことに意義がある。
なんか、いいやり方ないか?
― サシャ接触時 ―
そうですか。
では私の勘違いでしたね。
失礼致しました。
[>>104 慇懃な様子で。
然し男性に向けるそれよりも、更に丁重な物腰で一礼をする。
サシャの葛藤など露知らず。
ただ、その慇懃な様子とは裏腹に、何か底知れぬものを感じるばかり。
然し、アレクシスもまた、いつものような笑顔の仮面をつけて。
何も知らない摂政のふりをしてみせた。]
[>>105 そして視線は再び菓子へと向けられ、]
ではひとつ。
[ひょいぱく。突き出されるままに、口にしてみた。]
[不味い。甘過ぎる。
そんな感想は心のなかで殺して。
些か剽軽な様子で、彼女にも勧めてみせた。]
/*
こ、これは…展開に拍車掛ける期待票と受け取っていいのでしょうか?
格好いい死にざま…。
サシャさんと相討ち?(首こてん)
― シュビト近郊・会見の後 ―
おう。
待たせてる奴もいるし、早い方がいいしな。
[ここで数分、数十分費やしてもさして変わらないだろうが、時間が惜しいことに変わりはなく。
小声での会話が終わると、促すように教会へと向かった。
途中、後ろにルディの姿があるようなら、マーティンらの事を話すかどうか逡巡する。
個人的にはあまり話したことのない相手だが、学館に在籍した人間なら知る相手だろう。
知らないままでいるよりは、知った方が良いかと、もしこちらの様子に気づくようなら、訃報はその時伝えておいた*]
― クレメンス邸 ―
へぇ、ここらは昔から漂着民受け入れてんのか。
[道理で自分がここへ来た時も、民の慣れ方が早いと思った、と。
クレメンスの言>>97に納得した色を見せる]
んー、セミナーやらねーなら、何か別のことすんのも手だな…。
[名簿の補佐はトマス達でも出来るだろう。
ならば自分が出来ることは何か。
勿論、菓子作りなどではない]
/*
マーティンさんもぐるぐるしたのかな。
私も格好いい終わり方を出来る自信がなくて立候補は出来んのです。フィオン死ぬなら、戦って散りたい。
出来たら俺の屍を越えて行け的な言葉を吐いて()
ヴェルさんに票入れてるけど、個人的には死亡よりも失踪とかがいいな。
お、美味しいでありますか?!
[ つい声が大きくなった。]
そ、それは…
[ 姫巫女至上主義の国粋主義者。そんな話を聞いていたので、異国の菓子というだけでも拒絶されるのではないかという内心の予想をひっくり返すどころか、笑顔まで作って見せたこと>>110に驚愕する。]
あ、え、その…
あ…
[ 全くの想定外に脆い弱点が祟り、言葉に詰まる。できた事といえば]
せ、摂政様の御相伴に預る訳には…
[ 美味しければ全てお納め下さいとばかりに、そのまま是非と、進呈の素振りを見せるが重ねて薦められれば、断らない覚悟を決めた。
すっかり仮初の仮面は剥がれていたので、彼の奇襲としては成功していた。]
― 教会 ―
[おばちゃんたちとは街の入り口で別れ、
友と共に、教会へと向かう。
そこには、静かにすすり泣く声があった。
学館の若い仲間が何人か、そのひとを取り囲んでいる。
横たわっているその人は、眠っているようだ。
色の無い肌と、首を裂く傷に目をつぶれば。]
バウマン先生。
[自分が来たと知って、仲間たちが場所を開けてくれる。
傍まで行って、見下ろして、声を落とした。]
[自分がお願いなどしなければ、この人は死ななかった。
明るくて、豪快で、鬼みたいに怖くて、根っこは優しかった
この人は。]
……… っ。
[自分のせいで死んだ。
これからも、自分は死なせていく。
大事な人を死に向かわせて、誰かの大事な人を殺す。
その現実を、突きつけられた。]
[拳を握りしめる。
爪が、掌に食い込むほど強く。
膚が破れ、血が流れればいいと思った。
この人が流した血の量に、到底届かないとしても。]
先生、 俺は ───
[怒鳴り声が聞こえた。
現実の声じゃない。記憶の中から聞こえる声。
馬鹿か、と怒鳴られた。
しっかり貫け、とどやされた。
奥歯を強く噛みしめ、息を吸う。]
[教会には、もうひとり知っている人が運ばれていた。
かつて、幾度か剣を指導してもらったことのある、
シロウ・マッキントッシュ先生。
とても鋭く、迷いのない剣を使うひとだった。
何かのために振るう剣を知っているひとだった。
奥さんがいて、もうすぐ子供が生まれるとも聞いた。
新婚の頃は、それはもう、幸せそうだった。
剣の指導はちっとも甘くならなかったけれど。]
マッキントッシュ先生。
俺は、謝ろうとは思いません。
許してもらいたいとも思えません。
それでも、先生のために祈ることくらいは、
大目にみてください。
[死者へ捧げる祈りを口の中で呟く。]
俺らじゃあ人脈はまだ到底手に入れられないものだからな。
ホント、おっさんが手ぇ貸してくれて助かるぜ。
自衛のための備え、か。
首都と目と鼻の先、ってのが厳しいな。
ユレ殿の言葉から察するに、近々北と南がぶつかる可能性が高い。
ちょっとした動きでも過敏に反応されかねねぇな。
ライフルの複製方法については少し考えさせて欲しい。
自衛のための訓練については……舞を使えねーかな。
この国に舞踊があるなら、それを昇華して剣舞めいた動きを加えるんだ。
ライフルの訓練はどうやったって難しい。
けど剣や槍とかのこの地に現存する武器なら、取り扱いや使い回し方を舞を通して教えるのも出来るんじゃねぇかな。
勿論、練習には木の棒を使うことになるけどな。
最初から武器は持てねーだろうし。
[そういえば、奥さんたちはどうなったのだろう。
まだ家にいるのだろうか。
それとも、既にどこかへ避難しているだろうか。
あれほど奥さんを大事にしていたシロウなら、
ちゃんと、手を打ってある気がする。]
王府軍として戦ったのなら、
あちらに返すべきだろうな。
[荷車をいくつか準備してもらって、
シロウや、その他の兵らを運ぶ用意をする。
その日のうちに、彼らの遺体は王府軍へ引き渡されよう。]
[ただ、彼らの武具だけはありがたく頂戴しておいた。
密やかに準備していたといっても、限度はある。
マーティンの剣とシロウの剣、
ふたつを並べてみて、結局二つとも腰に下げてみた。
学館で見かければ、いつも親しげにしていた二人だ。
これくらいは許してくれるだろうかと。]
[>>114 先程の、どこか余所余所しい仮面はどこか剥がれ落ちて。
年相応の、花のような表情を見とめれば、]
…………。
ええ、美味しいですよ。
っふふ、そんな畏まらずに。
[甘過ぎる砂糖菓子を嚥下して。笑顔で彼女に菓子を勧めた。]
上級将校 サシャは、上級将校 サシャ を投票先に選びました。
/*
集計の結果、3d→4d落ち(3/14・8時)は、「サシャ」と「フィオン」に決まりました。
【投票を「サシャ」にセットしてください】
元軍将校 ガートルートは、上級将校 サシャ を投票先に選びました。
共和国大使補佐 シメオンは、上級将校 サシャ を投票先に選びました。
古ぼけた歴史書 は、騎士団 隊長 フィオン を能力(襲う)の対象に選びました。
古ぼけた歴史書 は、上級将校 サシャ を投票先に選びました。
共和国大使 カナンは、上級将校 サシャ を投票先に選びました。
/*
デフォがソマリであったよ。
うーん、ソマリとも対面しに行きたいんだが…。
どうも進みがおs(げふんげふん
48hでは足りぬというのか…。
貴族 クレメンスは、上級将校 サシャ を投票先に選びました。
貴族 ソマリは、上級将校 サシャ を投票先に選びました。
/*
本決定出たー。
了解です。
刻限は明日の1時まで。朝は無理(真顔)
巫女姫の許可が出たらブースト掛けていこう。
騎士団 隊長 フィオンは、上級将校 サシャ を投票先に選びました。
影の軍師 アレクシスは、上級将校 サシャ を投票先に選びました。
ほう、舞いか!
なんかワクワクするな。
ああ、おまえのアイデアでいこう。
いろいろ臨機応変な対応が必要になってくると思うけど、
任せた──頼むぞ。
[毅然とした信頼を投げた後で、カナンの声は柔らかく言い聞かせるトーンになる。]
いーか、トマスたちにも協力をさせて、おまえだけに負担がかからないようにな。
休暇は労働者の権利だぞ。
― オプティモ領 ―
クレメンス卿か、その家令殿に伝令。
アレイゼルに潜入します。
主要施設は警戒されていて近づけないでしょうが、街の空気を吸うだけでも得られるものがあるでしょう。
( 折角ですので、道中はサシャの騎馬の稽古も兼ねましょう。)
[ 暫くオプティモや北で斥候活動をするのであれば、騎馬の扱いに慣れておかなければいけない。私兵を一人走らせてクレメンスが管理する牧から駿馬を一頭借り受けるべく、必要な手続きを頼む。]
できれば、集めた中の技術のある者たちで、小型飛行船の作成までやりたいと考えていたんですが、
[クレメンスに提供すると約束のアレである。
だが、署名活動はともかく、飛行船はどうしても量がはる。
駐留する王府軍の警戒にひっかかって問題になる可能性を秤にかければ、やはり厳しいかと唇を引き結んだ。]
いい手が思いつくまでは、保留にするしかない、か。
― 会見 ―
――…さしずめ貴方は、新しき民なのですね。
[古き民の中に現れた、新しい息吹を求める人。
あるがままを守るのではなく、
変わってゆくことを在るべき形だと――選んだ民]
古きも…ただ古きまま、ある訳ではありません。
その時代に沿うよう形を変えながらも、同じを保つ。
それが私共の、在り方です。
潜入が不得手なものは待機。
シュビト情勢に備えてください。
見つかった時、ただの斥候として見逃してもらえれば幸いですが、そうでない場合のリスクを減らします。
[ 旅芸人や商人に化けるのが得意なのがいればそんな装束に、自身も主に北部の庶民が着る様な平服を、自室に戻って着替える。
自室も無論、つい先ほど与えられたばかりの借り物だ。
殺風景な空き室でしかなかったそこに、邪魔になる拳銃の預り証と、祖父の骨の一部が入った小袋を、置いておく。]
/*
やることタスク
※船をカナンとシメオンに見せる
※サシャと話す
※ジェフロイに会う
※巫女姫に会うか捏造過去を贈る
※とりあえず戦場に行かねば?
※死にフラグをたてる。
死ぬなら土日なわけだよ...
だから遺言状をだな...ぶつぶつ
[彼が口にしているのは、王府には従えないという意志。
けれど相手が見せる素直な心情の吐露は、
どこか初夏の爽やかさを感じさせるもので。
…、悪い気はしなかった]
貴方の意志は、尊重いたしましょう。ヴェルザンディ。
その視点も、ナミュールのひとつの側面です。
新しい風を、――――
どうぞ呼び込んで御覧なさい。
北の森の皆様にも、王府の皆様にも、届くように。
貴方が其れを為したいと、想うのならば。
潜入が難しい場合は、無理をせず個人の判断で帰還する事。
あちらも非常時、何があるか判りません。藪を突くような事態にならぬよう…。
[ 着替えて兵達の前に戻れば改めて卓上に広げられた付近の地図を見て、地形を確認しながら打ち合わせを済ませると、私兵達と共に、各々アレイゼルに向かった。*]
[止めはしない。
風を、止めるなど愚かゆえに]
貴方という風の行く末を、
楽しみにしておりましょう。
[礼をするヴェルザンディへ、会釈を返し。
主人を真似る白猿の仕草には微笑ましげに、目を細めた*]
/*
サシャさんはアレイゼル領ですか。
うーん、どうするかなぁ、解放軍の方に行こうか。
それとも追いかけるか…。
巫女姫 シルキーは、上級将校 サシャ を投票先に選びました。
― クレメンス邸 ―
なるほどなぁ。
同胞意識を得られるなら、打ち解け馴染むのも時間がかからない。
互いの苦労も知ってるから、親身にもなれる。
よく出来てるよ。
[馴染みやすさはこの身で体感した。
クレメンスの言>>123に再び納得の意を示し、オプティモの民の懐深さを再確認する。
その気風はきっと、この地方を護るのがクレメンスだからと言うのもあるのだろう]
楽しみながら学ぶ───長く続く秘訣だと思わねぇ?
鍛錬でも何でも、継続することが重要だからな。
そう言う意味でも、舞を利用するのは悪くねーと思う。
ま、何とかやってみるさ。
[任された、と向けられた信頼をしっかりと受け止める。
続く声に変化を感じると、届いた言葉に小さく笑いを漏らした]
そーだな、疲れて動けなくなったら元も子もねぇ。
適度に休息を入れるさ。
お前も無理だけはすんじゃねーぞ?
おまえ、教師に向いてるなぁ。
[カナンについて軍になど入らなければ師範課程に進み、郷里のアカデミアに帰って教師になっていたかもしれないシメオン。
彼がここにいるのは自分ゆえだとしみじみ思い返す。]
− マチュザレム (10年前・回想) −
[カナン18歳。
留学も教養課程はそろそろ卒業となる時期になっていた。]
おれ、軍に志願する。
マチュザレムのな。
[この先の進路についてそう語った。]
この国には世話になった。
国防の仕事に従事するのは、恩返しみたいなもんだ。
軍なら衣食住の面倒もかからないしな。
兵役のつもりで3年くらい務めて、その後のことはまたその時になったら考える。
[結局、そのまま軍に居着いてしまうのだが、この時点ではそんなことは知るよしもなく。]
― 教会 ―
[ジェフロイが恩師らを前に口を開くのに反して、こちらは静かに瞑目する。
数多というほど多くはないが、少なくない数の人間の死を看取った。
数として見るには、想いの強く残る人たちだったが。]
…。
[祈りに合わせて、短く軍式の敬礼を取る。それがささやかな餞だった。]
シメオン、 おまえはどうするんだ?
アカデミーからは師範待遇の話も来てるんだろ? 兄さんの手紙に書いてあった。
でもさ、おまえがここでまだ勉強を続けたいなら、修士課程へ進むといい。
国費留学打ち切られても、おれが軍に入れば学費くらい都合してやれる。
あとで、利子つけて返せー
[利子云々は、シメオンが遠慮しないようにという冗談だけど。*]
それどっちも使うのか?
[>>121とは二人の剣を腰にさす友人に対してだ。
使い慣れてなければ錘にもなる為、若干だが難色も示すが反対はしない。]
慣らす為に体鍛えます、って事だもんな。
[という理由で。]
おう。
準備は出来てる。
目指すは――アレイゼル領だ。
[>>124視線を受け取ると頷いて。その決意に沿うように、約束した従兄弟が待つ地へと、向かう*]
― クレメンス邸 ―
「船」?
[このタイミングで何を、と思ったが、クレメンスのこと。
「船」とは何かの隠語かも知れないと意識が向く。
首を傾げながらもクレメンスの希望>>134には是を返して、その後について行った]
ご隠居殿の、「船」?
[意外な展開に、好奇心を隠せない。
もうひとつの「提案」の方は、とりあえず後回しにして、喜々として同行する。]
/*
ん、シュビト勢がアレイゼルに集まりそうな予感。
アレイゼル領に行った方が良いのでしょう、か。南が気になるのだけど。
NPC相手に無双→死亡はやりづらい。
―サシャ接触時:>>135―
ええ、とても甘くて。
それはそれは。
[どうやら女性の口でもそれは甘過ぎるようだった。
何やら満足した様子で唇は弧を描き、口元を拭い。]
では私はこれにて失礼致します。
ご馳走様でした。
[軽く一礼をして、赤立羽蝶に背を向けて歩き出した。]
―――……スルジエ領で何かあったのでしょうかね。
或いは、シュビドでの動乱に乗じて移動を?
[クレメンス邸から抜けて、雑踏に混じりながら蜉蝣は腕を組む。
一度、船に戻って、南方の情報を整理する必要がある。
親征軍との連絡とも取らねば。
明日の出立に備え、アレクシスはオプティモ港へと急いだ。
>>2:129 そのスルジエ領の謀反を伝える鳩が来るのは、
間もなく。*]
/*
クレメンスが船を作ってるというと、ルー・ガルー4を思い出すw
あの回もおれ、お貴族様でしたね。
カナンの方がむしろ庶民っぽいけど (←
― オプティモ ―
[ 男が二人の異邦人を案内したのは、屋敷の地下から続く細い洞窟のような道。人一人が通るのがやっとという長く暗い穴の中を、カンテラを灯した側近の私兵が先導していく ]
[ やがて、洞内には湿気と潮の香りが漂い始め、10分も歩けば、細い洞穴は急に開けて大きな花崗岩の洞窟の内部へと出る ]
― アレイゼル領 ―
[領主在領中のアレイゼルは、その頃普段より厳しい巡回体制が敷かれていた。
戦時下である上に、解放軍との会合は、当然非公式だ。平時よりも厳戒になる。
然し貴族諸侯が、平時から他領に耳目を忍ばせるのは日常茶飯事の事であるし、必要以上に斥候潰しに気を取られる事は到底無理がある。
つまりそれらはアレイゼルへの潜入及び水面下での調査は、可能という事。
優秀な将兵、斥候ならば、それらに対する造作は何もないだろう。
減税政策にそこそこの物資により、民の機嫌は多少取られているが。
然し解放連盟の熱気が伝わり、若い世代を中心として領民の中に、反領主、反王府的気風の声は、決して無い訳では無いのだ。
それらの、極論、漏れてもいい程度の情報を探り、帰還する程度は大した造作ではないだろう。
但し、必要以上の深入りをしてしまうその場合には、話はまた変わるのだが…]
― →アレイゼル領 ―
[>>60王府軍を避ける為、海路を経て陸路を通りアレイゼル領へと入る。領地を通過する際、顔を隠さずにいれば領地内部へは支障なく入ることが出来た。
私兵の姿はちらつくが、こちらを見ても見るばかりで。従兄弟が手を回しているだろう事に気づけば、殆ど最短距離を経てアレイゼル領主の屋敷へとたどり着いた。]
ガートルートが来たと伝えてくれ。
盟主と一緒だ、と。
[見覚えある門番に取り次ぎを頼み、従兄弟の招きをしばし待つ。]
結構アレイゼルでも反領主って言ってる奴多いのな。
[待つ間に、久しぶりに訪れた領地の感想が落ちた。]
山岳の民 ヴェルザンディは、上級将校 サシャ を投票先に選びました。
― オプティモ沖・洞窟 ―
ここは、オプティモの沖合の島の内側だ。このナミュールに最初に漂着した時、先祖が風雨を凌いだのは、この洞窟だったという伝説がある。
館からの通路を繋げたのは曾祖父の代らしい。うちは代々、色々とトラブルの多い家系でね。
[ つまりは、いざという時の脱出口であるとは伝わったろう ]
― 会見 ―
[新しき民。
そんな風に言われるなんて思っていなかったから、きょとん、と瞬いたのは刹那]
……形を変えながら、同じを保つ。
[変える事、変わる事。
それを重視していた自分には、それは思いも寄らぬ言葉だった。
だからそれも確り、内へと刻み込み]
[従わぬ意志を示してもそれを否定する事なく、尊重すると、新しい風を、と告げる巫女姫。
揺らがぬ芯がある、と。
改めてそう、感じた]
……はい。
風は、風の赴くままに。
[行く末を楽しみにする、という巫女姫にそう返し。
非礼をわびるように、もう一度礼をしてからその場を辞した。*]
― 会見の後 ―
……ふみゃあああああああ。
[会見の場を辞し、クロードについておばちゃんたちの所に戻った途端、妙な声が出た。
ついでに、力が抜けた]
あー、うん、へーき、へーき。
ちょっといろいろ、はってたのが、きれただけだから……。
[大丈夫かと問うてくるおばちゃんたちにこう返す。
甘いものやお茶をもらって、帰りの号令が出る頃にはどうにか立ち直っていた、のだが]
………。
不謹慎と思われるかもしれませんが……
[>>=2 巫女姫の声が、震える。凛とした声に混じるのは、迷い。
その様子に少しだけアレクシスは唇の端を緩めた。]
少し、安心しました。
まだ、人を殺めていないのですね。
[美しいままの、巫女姫であって欲しい。
切なる願いは、まだ、穢されていなかった。]
……あれ?
[無事に迎えと合流しての帰路。
先を行く二人の様子がなんだかおかしい気がして]
……なんか、あったの?
[こちらを振り返ったガートルート>>111に近づいて、小声で問いを投げかける。
知らされたのは、学館で教えを受けたひとの死。
思わぬ報せに、え、と小さな声が上がった]
……なん、でっ……。
[口を突いたのは、掠れた呟き。
白の小猿を腕に抱え込み、ぎゅう、と抱きしめる事で溢れだしそうになる諸々を飲み込んで]
……教会に、いるんだ。
あとで、あいに、いく、ね。
[小さくそう呟いた後、また、距離を取る。
抱え込まれた小猿がきぃ、と短く鳴いた。*]
なあガート。
[教会を出たところで、友の方を向いた。
ごくわずかな間を置いて、言葉を継ぐ。]
できればおまえには、こっちに残って戦闘部隊の束ね役と、
集まってくる皆の戦闘訓練、頼みたいんだ。
それと、機があれば王府軍への襲撃も。
[断ってもいい、との意を含みつつの言葉はやはり、
マーティンを失った痛みを引きずっているのかもしれない。]
宜しいでしょう。
想いは、受け継がれて、一層強くなるものです。
マッキントッシュ殿の軍政は、
フィオン殿、貴方に全権をお預けいたします。
どうか、彼等が悔いなきように。
―――お願いいたします。
[彼女の決意の表情を自らに刻むよう…視線を据えて。
深く強く、頷いた*]
―――――……。
オプティモを完全に掌握する事は出来ませんでしたが。
ラウド・レイ・クレメンスの部分的協力を得ました。
―――――……明日、オプティモを離れます。
巫女姫がたが率いる、親征軍と合流する予定です。
一部は陸路より先遣隊として、そちらに向かわせます。
私も、海路より追いますが……
合流地を決めておきましょう。
こちらは、蛮族――――……失礼。
共和国のお客様が、いらっしゃいます。
いうなれば、人質のようなものですが。
まぁ、大義名分のようなものですね。
そして、クレメンスの飼い犬が五匹ほどを連れて参ります。
海路からの移動とはいえど、……
少数ゆえ、そんなに時間は掛かりません。
― シュビト ―
[教会を出たところへ、やってきた人がいる。
まだやることがあると街に残っていた、鍛冶屋の親父だった。]
『ちょっとこいつを見てくんな。』
[手渡されたのは、ずしりと重い金属の棒。
ではなく、真新しいライフル銃だった。]
『ただ、問題が一つある』
[告げられたのは、銃本体についてではなく、
弾丸を発射するのに必要な火薬についてだった。
殆どの材料はこのあたりで賄えるが、
ひとつだけ、足りないものがあると。]
硫黄、ですか。
[弾丸と火薬は当面は足りるが、
もし本格的に運用することを考えるなら
硫黄の確保は必要だと言う。]
教師よりも研究者希望だなぁ。
ま、兼任する奴も多いけどな。
[そもそもが歴史を研究する家の出。
学びながらそれを伝える職に就く、と言うのは実際考えていたこと。
留学前はそうなるのだとずっと思っていた。
けれど、実際はこうしてカナンと共に軍に居る]
― 10年前/マチュザレム ―
え、帰んねーの?
[流れで進路の話となった18歳のある日のこと。
カナンがマチュザレムの軍に志願すると聞いて、シメオンは赤い瞳を見開いた]
恩返しか……確かに良くしてもらったし、色んなことを学ばせてもらったしな。
[その話から、いつかは戻る前提なのだと推測する。
そう思いはしたが、皇太子の話題になると、それもまた違うようにも思えてきた。
カナンの言うことにも一理ある。
先進国たるマチュザレムで学んだというのは大きなアドバンテージ。
余計な火種にもなり兼ねない]
俺は───
[問われて、かつての未来図が頭を過ぎる]
ん、まぁな。
こっちで学んだことをアカデミーで生徒に教えて欲しいって。
でもなー、放り投げられた身としては戻るのも癪なんだよなー。
[カナンに対しての蟠りは無くなったが、留学の切欠を作ったアカデミーに対しては禍根が残っている]
────よし、俺もお前と一緒に軍に入るっ。
俺が学びたいのは歴史だし、マチュザレムの歴史はもう大体学んだから、これ以上勉強を続ける必要はねぇ。
後は独学で何とかするっ。
[そもそもが自分から希望しての留学ではなかったこと。
アカデミーに対しての反発心。
それらがシメオンの行く末を決めた。
そして何より]
お前が目指す先を見てみてぇしな。
それに俺が一緒じゃなかったら、お前甘味どーすんだ?
無しで生きてけるか?
[抱いていた想いに加え、需要と供給が成り立っている事柄を出して揶揄うように笑った*]
− オプティモ・海底洞窟 −
[屋敷の地下にこんな秘密通路があるなんて思いもしなかった。]
どれだけ古いものだろう…
ん、潮の匂い… 海か。 え、 島?!
[不意に視界が開ける。
すでにオプティモの沖合にある島内だと説明され、自分たちは海底を歩いて渡ったのだと知って驚愕した。
「色々とトラブルの多い家系」については謹んでノーコメント。]
-オプティモ港:船上-
[丁度アレクシスが船に乗った頃だろうか。
鳩が、アレクシスのもとへと降りて、文を届ける。]
鳩?――――……ふむ。
[>>2:129 差し出し主は先程三百もの兵を引き連れて、プリンのレシピを要求してきたあのソマリ・フル・アレイゼルであった。全く、つい先日は巫女姫に近付いたかと思えば、今度は此方に。
手が早い男である。正直、彼の考えは、アレクシスですら全てを慮る事は出来なかった。
彼は彼で、貴族らしい強欲と、そして好奇心から動いているのだろうと推察する。
訝しげな様子でその封書を開ける。
あの男らしい、堂々たる言葉で、その内容は綴られていた。]
暗殺?
あの、スルジエ領主が、ですか。
[スルジエはシュビドからそう遠くない場所に位置する。
とすると、確かにシュビドに赴いていた巫女姫を討つ事は可能ではあるか。
然し、それにしても、差出人が胡散臭い。
わざわざあの男がアレクシスに手紙を向けるなぞ、魂胆が無い方が可笑しいのだ。よもや、純粋な忠義の念ではなかろう。そんな事くらい、当に悟っている。けれども、]
―――――……まぁ、良いでしょう。
一応、信じて差し上げます。
真偽はどうあれ、これでスルジエを討つ大義名分が出来ました。
シュビドに近いあの地を征服出来れば、大きく前進致しますしね。
感謝致しますよ、ソマリ・フル・アレイゼル。
アレイゼル領にも近いうちに顔を出したいですねぇ。
[クレメンスとはまた違い、一癖も二癖もある男だ。
彼と対談となれば、また、それ相応の準備と謀略が必要になってくる。
ゆえ、直ぐに出立という訳にもいかないが。
もし折があれば、ぜひゆっくり話してみたいものだ。]
[ソマリからの手紙を仕舞い、兵へと向き直る。]
皆様、お疲れ様でした。
明日直ぐにシュビドを出ます。
第一部隊は陸路を通り、巫女姫率いる親征軍と合流して下さい。出来る限り早く。
第二部隊は海沿いの街道を通り、シュビド西の砦に向かって下さい。
第三部隊はスルジエ領に向かって下さい。
[手際よく指示を出して、兵を纏める。
デッキの手摺に手を掛け、オプティモの澄んだ海を見やり、]
貴方のこういう汚いところ、
本当に食えなくて―――――……好きですよ。
[その場には居ない貴族に、同じような腹黒い微笑みを向けた。*]
― オプティモ沖・洞窟 ―
今は、私の秘密の隠れ家、といったところかな。
さて、あれが、私の船だ。
君達には珍しくも無い代物かもしれないがね。
[ 洞窟は進むに従って広くなり、その到達点では、大きな教会ひとつくらいなら入りそうな空間が開けている、その石の地面は途中から海に繋がり、満々と海水を湛えた大きな天然の船渠となっていた ]
[ そこに繋がれていたのは、一隻の帆船。この国の海を行く貨物船や軍船の数倍の大きさの、白い三本マストの船だ。
それは、海を...遠洋を渡るための船、だった ]
/*
フィオンの落ち、どうするのかな。
騎士なのだし戦闘で落ちた方が華があるのだろうけど、
遠隔で動かしつつのNPC軍相手とかだと
まったく熱血っぽくならぬしな。
むう。
[ 注意深く見れば、分ったろう。この洞窟の出口、船渠の出口となるはずの場所は、洞窟内部より狭く、帆船のマストが通らぬほどの高さしかない ]
[ この船は、このままでは、海へは出られぬはずの船であると ]
― オプティモ ―
[クレメンスに案内されて向かったのは屋敷の地下>>144。
そこから伸びていた細い洞窟のような道を、やっとのことで通り抜けた。
徐々に強まる潮の香りがどこへと近付いて行るのかを知らせてくれる。
シメオンは辿り着いた場所を珍しげに見上げた]
えっ、てことは俺達海の下通って来たのか?
[そんな場所があるのかと、クレメンスの説明>>148を聞いて目を瞠る]
こりゃあなかなかのものだ。
[逃げ場所にもなると聞いて、感心ばかりが口を付いて出た]
― オプティモ沖・洞窟 ―
見ての通り、この船は、使うことは出来ない船だ。少なくとも、今のこの国ではね。
だがまあ、倉庫代わりにはなるものでな。
ここに君達の飛行船の荷も隠してある。
そして… クロード・ジェフロイだな。
[従兄弟が評すれば裏ありそうな微笑は、そして盟主へと向けられる]
……あれはもう五年前……
父が存命の頃にベルサリスで君を見た事が一度ある。
そして君はあの頃既に印象に残された時と変わらないまま成長した様だ。
瞳の炎が だ。
[ふ、と口元が思惑に綻び、そして再び微笑に戻る。
中で詳しく話そうではないか、と男は二人や、必要あらば共にいる手の者も招き入れるだろう。
領主の応接室には、早速、アレイゼルお抱えのパティシエによる、紅茶の風味を存分に閉じ込めた『紅茶プリン』とも呼ぶべき、たまごプリンの亜種、その試作品が供される事となる]
― アレイゼル領 ―
[数日の船旅と徒歩の旅を経てアレイゼル領へと入る。
南島での人々の集まり具合が気には掛かったが、
残してきた仲間や精鋭らを中心に組織化と訓練が続いているはずだ。
領主への館までは滞りなく辿りつく。
まずはここまでは来た、と気を引き締めた。
街の中でちらりちらりと聞こえてくるのは、
領主や王府に対する不満の声。
どうやら変化の風はここまで到達しているらしい。]
やっぱり紅茶出るのかな。
[館で待つ間に口に出したのは、そんなことだったが。]
-オプティモ港:船内-
……流石に、少し疲れましたね。
[殺されかけたのだから当然といえば当然か。
自室に戻り、書簡の整理をする。束ねていた髪を解き、長い嘆息を吐きながら、それらに読み耽る。]
巫女姫は結局―――……
クロード・ジェフロイとお逢いになったのですね。
[クロード君。かつてのようには呼ばない。
もう、そんな間柄ではなくなってしまったのだから。静かな部屋で一人、瞬きしながら呟く。
本当は自分は逢う事を勧めなかったのだけれども。
巫女姫は、彼女は、前へ、前へと進んでいく。己が進言すればするほど、巫女姫に煙たがられているかのような。
そんな、――――孤独感。
>>71 カナンのその言葉は、立ち去るアレクシスには当然聞こえていないが。
その指摘は、当たらずとも遠からず。
シュビドに居た時よりも、敵はぐっと増え、ずっと友は減り。否、ブラバンドに訪れてから。友と呼べる者は果たして居ただろうか?]
――――……だからこそ、お酒を飲んでみたいのですがね。
[どこか寂しげな様子で双眸を細め、続く書簡を開く。
>>1:78 それはシュビドの親征軍の後援と偵察を兼ねて飛ばした、一隊からによるものだった。
巫女姫は無事であること、街の様子や、反政府軍の情勢など、細かに綴られていた。
そして主だった戦死者の名前も―――]
― 回想・オプティモへの船中 ―
なるほど。
正使様と副使様はその、セドナという国の出身なのですか。
[ 話を聞く機会があれば、遅ればせながら彼らが純粋な意味でのマチュザレム共和国の人間では無いのかと納得した。]
では祖父の事を委託しても御迷惑でありましたでしょうか。
[ セドナ以外にも幾つもの小国をも取りまとめた存在だとして、彼もその中の一人であれば探すのは難しいかもしれない。手掛かりとしての旧型拳銃の刻印から手繰れる可能性があると知れば、重ねて頭を下げる。
どうか祖父の骨を、故国の地に埋めてやって欲しい――と。
亡命への希望も結局はその為だとわかるように見えたかも知れない態度で頼み込んだ。
そしてそれが叶ったらどうするのかと問われたら、少し困った顔をしただろう。]
マーティン……
――――……貴方ほどの強い御方が……
どうして。
[静かに問う声は、夜のナミュールの海に。溶けていく。*]
[ 洞窟の中には、海からの荷を運ぶためか、小舟も数艘繋がれている。その小舟を指し示して、男はカナンとシメオンに振り向いた ]
荷の中から貴重なもの、使えそうなものを選んであの船に乗せて、今なら、ここから脱出することもできる。
アレクシス・ユレは目敏い男だから、あまりお勧めはできないがね。
[ しかし、そのつもりがあるなら、止めはしないと、視線で告げた ]
どうしましょうか。
サシャはその事ばかりで、その先を考えた事がありませんでした。
[ まだ知らぬマチュザレムの地を踏んだ後、ゆっくりと考えて見ますと言いながら。*]
― オプティモ沖・洞窟 ―
[洞窟の奥に鎮座していたのは、一艘の外洋帆船。
蒸気船が主流となったマチュザレムでは廃れたその三本マストの船は、]
──綺麗だ。
[思わずこぼれた声が洞窟の壁に反響する。
それは哀しげな響きを籠らせた。
青い海の見えぬ場所に閉じ込められて長い船。]
― 回想・十数年前スルジエ ―
サシャの望み、ですか?
[ まだ自分が子供の頃、スルジエの宮殿のような屋敷に詰めていた時だった。
人質も兼ねつつ侍従のような役目を他の同世代の子供達と務めていた頃、当時のスルジエの主に問われた事がある。]
特にこれといってありませんが…。
[ 人間が叶う事のない存外な欲望でも、身の程を弁えぬ不埒な願いでも、あまりに馬鹿げて居る事でもなんでもいい――汝の願いを言え。
その時のスルジエの主の眼差しは酷く鮮烈で、眠たげな眼を向けている普段とは別人のようであった。
欲の無い人間は信用できない。
そんな在り来たりの問いであるのか。ならば続けて言った、実現不可能な無茶な願いでもという部分に首を傾げざるを得ない。]
− マチュザレム (10年前・回想) −
[シメオンが学友に抜擢された経緯を無理に聞こうとしたことはなかったけれど、]
「放り投げられた」って、おまえ、そんな、モノみたいに。
気前のいいカナンのとこで良かったなー?
[ハグして抱え込んで、頭をわしゃわしゃ。]
[一緒に軍に入る、と言われ、おまえの主体性は! とからかったけど、実は嬉しかった。
実は、と断るまでもなく顔に出ていたろうが。]
いや、おまえが独立してパティシエになったら、おれは兵舎の門限ぶっちぎっても食いに行くだろうな。
うんうん、
銃を振り回すパティシエより、菓子を作れる兵の方がカッコいいぜ。
そうしろ、一緒に軍に来るんだ。
[照れて誤摩化したいお年頃だったけど、まったく誤摩化せてなかった。*]
―会見の後―
[>>149呼び掛けに巫女姫の視線が此方へ向く。]
…えぇ、本当に――。
[公には出来ねど、一年という短い時間ではあれど。
彼女もキールとして二人に師事していた身。
彼らの死を悼む言葉に女は目を伏せる。
この場で学館での思い出を口にする事は出来ずとも、せめて一時心を寄り添わせる事が出来たらと思った。]
[ かなり思い悩んだ挙句、主を待たせている事に焦った自分が慌てるように口にしたのは
『祖父の願いを叶えたいです。』
だった。
それはサシャが祖父っ子だった事からの他愛ない願いだった。
ずっと抱えていたが口にした事はなかった。祖父は同情されるような言葉を厭う。だから、初めて口にした言葉であった。
そんな主の眼差しに恐れながら口にした言葉に、彼はじっと自分を見てから、暫く置いて告げた。
今口にした言葉、一生忘れるな、――と。*]
[やがて、>>155巫女姫よりシロウの率いていた兵を麾下に置く許可が下りれば]
ありがとうございます。
ご期待に添えるよう尽力致します。
――必ずや、彼らと共に王都の為に働いてみせましょう。
[女は甲冑に包まれた左胸に手を添えて、力強く頷いてみせた。*]
― 回想・オプティモへの船中 ―
[ 今こうしてスルジエを離れ、嘗て口にした願いに直進するような道を歩んでいる。
嘗て口にした、たった一つの願い事。
その一つの為に結果として、スルジエで持っていたもののほぼ全てを失っている。
まるで嘗ての願いと引き換えにしたように。代価であるかのように。
これは――偶然だろうか。]
( 仮にまだ、あの願いに代価が足りていないのだとすれば、)
[ 自分があの望みに対して更に支払うべきものは、果たしてなんであろうか。*]
[その後は副団長と今後について話す事となる。
親征軍は王都へと戻るらしい。
騎士団もそれに随行する事になるだろう。]
――…私は、暫し南に残ります。
避難民と判じるには怪しい輩もシュビトを出たようですので。
[避難するのは主に女性や子供、年寄りなどの弱い立場の人間の筈。
副団長らは、避難する民の中に若い学生が混ざっているのを見たという。
船が出た、との報告も物見から受けているが、既に弓の届く範囲にはなかった。]
[民の助けにと出した数十名は門前払い。
バリケードが張られていて中の様子を窺い知る事は出来なかった。
大勢の兵らの野営や会見の準備と警備とで騎士団の手は回らず、その後新たな情報はあまり得られていない。
加えて、ジェフロイは会見の場に4、5000人の女性を引き連れていた。
その時に違和を感じたのだ。
女性達があれだけ街に残っているのであれば、シュビトから避難したのは誰だ、と。]
[あの熱狂の中、もっともジェフロイに共感していたのは若い学生達の筈。
多少熱が冷めたとて、尻尾を巻いて避難するだろうか。
彼らが避難民に混じって出て行ったのなら、向かうのは何処だ。
彼らの指揮官は王府と戦おうとせんとしている。
その為に各地に仲間を集めに行ったのではないか――と。
同士を募るならば、北よりは南な筈。
それ故に女は南に留まる事を選ぶ。]
― オプティモ沖・洞窟 ―
[クレメンスは、これを使って逃げられると告げる。
彼にとっても非常手段だろうに、それを異国の客人に差し出そうというその侠気に、カナンは胸に手を当てるセドナの最敬礼をもって応えた。]
ありがとうございます、長老。
[セドナの古語では「父」をも意味する尊称で呼ぶ。]
― アレイゼル領主館 ―
[程なくやってきた領主の姿を、しばらく見つめていた。
服のように自信と優雅さを纏っているさまは、
まさに貴族らしいものだと思える。
どことなくカナンに似ている、
そんな思考とは別に、記憶の棚をひっくり返していた。
彼の笑みがこちらへ向けば、自分もまた笑顔で答える。]
やはり、あなたでしたか。
俺のことを覚えてもらえていたなんて光栄です。
俺も、あなたのことは覚えていますよ。
キールに、様を付けていた変な人だった。
[相手の言葉に戯言を返す。]
……なんですか、これは。
[応接室に通されて「紅茶プリン」が供されれば、
暫くじっと眺めた後に、聞いた。
なにか、予想と違うものが出てきた。
そんな顔で、匙でプリンをつついている。
ぷるぷるしていて、ちょっと面白い。]
[ 不意にオプティモの港に停泊している船にシロウの妻はいるのだろうかと考える。
無論彼女とは会った事がない。
妊婦はそれなりの数を見てきたが、常に他人事にしか思えなかった。
実を結ぶ事で初めて血は意味を為す。意味を為さない血はただ流れるだけだ。ただ、ただ流れ続ける。]
( 不条理……です。)
[ どれだけ身体を鍛えても、腸の奥まで鍛える事は不可能だった。
月に一度、少しづつ作り上げたものを毀しながら、剥がれ落ちていく。
十数年前から、一度たりとも馴れたことがなかった。それどころか年々酷くなっているような気すらしていた。
本来の周期を外れたのは馬に乗ったからか、怪しげな菓子を口にしたからか、シュビトを発ってからの日々があまりに自分にとって目まぐるしいものであったからか。]
― オプティモ沖・洞窟 ―
うわ、マジでけぇ…。
[この洞窟が自然の力で出来たもの、と考えると神秘ささえ浮かんでくる。
その中に見えてくる、かなり大型に作られた一隻の帆船>>165。
この地で見た中では一番だと言える大きさを誇っていた]
……これ、外洋用だな。
本の挿絵でしか見たことねーけど。
[これだけ大きいと沿岸航行の方が大変なはずだ。
これで出る心算だったのだろうかとクレメンスを見遣る]
……あれ?
[そうして船と洞窟を見比べていると、そのズレに違和感を覚えた]
これどうやって出んだ?
[その疑問はクレメンスの言葉>>168で解決を見る。
倉庫代わりとして使い、回収した荷があることを聞いて、至極納得の表情をした]
ここに隠してた、ってことか。
[そんな中で示される、外洋船とは別のいくつか繋がれた小船>>177。
密かに出ることが出来ると言われ、赤い瞳を一度瞬いた]
なるほどなぁ。
確かに脱出には持って来いの場所だ。
……でも、
[そこまで紡いで、カナンを見る]
いえ、大丈夫です。
[ 部下となった者達に指揮官は弱みを見せない。
微かに青褪めている表情を、馬による不慣れという理由に差し替えると、自分にも苦手なものがあったのですねというニヤリとした返事が返ってきた。
馬が苦手なのは既に知られている以上、彼らに隠す必要は無い。]
― アレイゼル領主館 ―
出ないはずがない、になら賭られる。
[>>171友の声に掛け金のない賭けを持ち出したりした後、主の訪れに視線が上がった。]
おっと、聞こえてたのか。
官僚貴族が槍玉…か。まぁそうだよな。
[>>169声を拾われると、少しバツが悪い顔を見せる。
槍玉にはだよなと思う反面、巫女姫への不満の声は一切無かったのも印象に残っていた。]
[殺めていない、と言えるのだろうか此の手は。
既にステファン・オレイソンは死に、
今またマーティン・バウマンと
シロウ・マッキントッシュの訃報が届いた。
宣戦布告を受け取り、戦いを辞さぬと決めたが故に
これから更に死を招く。
自分の決断が、確かに人を殺めているのだ……]
お心は、確かに受け取りました。
おれは、この船を、遠く青い、
[そのためにも、今は逃げずに巫女姫に会わねばならない。
その決意を新たにする。
千年の昔、外洋から人々を運び、朽ちて、また蘇った伝説の船を見上げ、強く明るく微笑んだ。]
最後に会ったのは3年より前か。
そりゃそっちに比べたら、未熟もいいとこだったろ。
[二つ下という点でも、知恵を武器にするという点でも、容易に敵う相手ではないことは知っている。]
久しぶりだ。
健勝そうなのは何よりだ。
[差し出された手は、遠慮なく受け取って握り返した**]
アレクシス。
よく、――――聞いてください。
[学館で教師を務めていた彼は、
1年だけ生徒だった自分などよりもずっと
亡くなった二人とも親しかっただろう。
であればこそ、残酷な事実を告げる声は……少し、震えた]
王府軍を率いたシロウ・マッキントッシュと、
解放軍に組みしたマーティン・バウマンが亡くなりました。
相討ち、…だそうです。
[ アレイゼルが近付くにつれて、徐々に重くなっていくのがわかった。軋むような痛みは生きている証である筈だったが、命の源でありながら塵溜めに吐き出される怨念のような重さが自分を苦しめる。]
( …長居は不要ですね。)
[ 引き返すべきだと、思った。だが、実質的な初出動を自分の体調不良で取り止めにしていいのかという逡巡と]
( いざとなれば病人の方が街に居続ける理由として、都合がいいですし。)
[ 拙い後知恵が、その判断を果断とは程遠いものにさせていた。
サシャ達がアレイゼルに潜入にするのに前後して、解放軍の重鎮がアレイゼルに入場する。
そしてサシャは部下達にその様子の監視を命じると、自身は宿で耐え切れずに倒れ、街の医者の問診にかかる事となった。*]
[――結果、副団長から差配された騎士及び兵の数は800余り。
その中には軍より麾下に入った兵も含まれている。
女は与えられた兵を親征軍に同行してきた盾仲間と己とにそれぞれ400余りの軍勢に分ける。
必要であれば更に二つに分ける心算で。]
…メレディス。
お前も学館で共に学んだな。
これも奇縁という奴か。
[女は複雑な感情混じる笑みで同じ隊長職に就いた銀髪の盾仲間の肩を叩く。
奇しくもベルサリス学館で学んだ三人の騎士が集う。
剣振るう相手の中には知り合いもいるかもしれない。]
此方側も、現在シュビト撤退の準備を進めているところです。
もうまもなく出立出来るでしょう。
合流は、そうですね――――。
デ・モール火山の麓辺りで、いかがでしょう。
此方は一万の軍勢ですので、
そこまで足が速くもありませんし…
距離的には丁度よろしいかと。
あら。共和国のお客様も一緒に来られるのですか。
それは…お会いするのが楽しみですね。
― アレイゼル領主館 応接室 ―
[応接室には既に家令や部下達の手で
三人分の紅茶と茶菓子が、飾りより質を重視した高級な卓に誂えられていた。
紅茶には、さりげなくも銀のスプーンが添えられている。
茶菓子を面白そうに突くクロードに微笑を向けながら]
パティシエに作らせた試作品はどうかな?
部下の評に問題がなければ、近々領地でも販売するつもりだ。
…さて、久方ぶりに可愛い従兄弟と旧交を温め
君とも近頃のベルサリスにおける生産的な学術論を交して見たい所だが。
君達が此処に来たのは、紅茶を飲む為ではないからね。
[やがて暫く紅茶を愉しみ至極簡単な談笑を経て男は居住まいを正す]
早速だが本題としようか… … …建国記は覚えているかね…?
[ぷるぷると心地よい弾力をしたプリンを若干の笑顔で賞味しながらも、男は静かに語りだす]
往こうか。
王都を、この国を護る為に芽は摘んでおかねばならない。
[己は守りたいと願うものを護る為、この命を燃やして力と変えるまで。
死ぬまでその歩みを止める心算はなかった。
そう決めたあの日から。*]
それは王国暦が始まるより以前の伝承。
海向こうの異国から追われ逃げてきた姫と民の昔語り。
自国の内乱、他国の魔の手、それら全ての脅威に晒された姫君は
決死の思いで海原を越えた先に漂着した島で、何者をも寄せ付けぬ神聖なる結界を張り巡らせた。
それら全ては生きる為に。
外敵を跳ねつけ、民を守り、我らが安住の地を手に入れる為に。
そして王国は築き上げられた。外敵を寄せ付けぬ、安住の楽園として。
千年経て今尚、我らが敬愛し奉るべき始祖姫王。
永代国王陛下アンゼリカ・カノエ・ナミュールに拠る建国記だ。
多少、私なりの解釈も混在しているがね。
… … …さて。まず初めに君の見解を訊かせてくれないかい?
クロード・ジェフロイ。解放軍の若き英雄よ。
君は、巫女姫が奉る暴風の結界。アレをどういう物だと捉えるかね?
[王国の結界は、それそのものが始祖姫王の神聖さを今尚伝える物。
然し千年の時を経た今、それに対する見方は幾つかの別の見解も生まれるだろう。
外界を閉ざす障害、外敵を防ぐ盾、彼は如何にあの結界を見るだろうと]
/*
月のもの表現は極めて抑え気味にしましたが、それでも不快でしたらすみません。
エドナ戦死する流れだったら出すフラグだったんです。過去。
― 10年前/マチュザレム ―
いやもうホントお前のところで良かったと思ってるよ…。
[ほろり、と涙を流したりはしなかったが、迎えられたハグに腕を返して、大人しく頭を撫でられる。
最初こそ反発してたが、カナンはシメオンに良くしてくれたし、揺らがぬ信を向けてくれた。
シメオンが自然とカナンに信を置くようになって行ったのは、然程時間がかからなかったと言う]
[揶揄いには、自分で決めたんだから主体性はある!なんて言って自己主張したりして]
いやそれは流石に拙いだろ。
それを防ぐ意味でもついてくことにするぜ。
パティシエになるなら銃振り回す機会ねーんじゃねーか…。
ま、菓子を作れる兵の方が良いってのは同意。
[隠すこと出来ずに喜びを示すカナンに、シメオンもまた嬉しく思いながら軽口を返す。
必要とされているという実感。
目的薄く留学を決められたシメオンにとって、その事実が心を大きく満たしてくれていた*]
-翌朝:オプティモ港-
『ソマリ・フル・アレイゼル。
貴殿の勇気ある申告、誠に感謝する。
本日早急に王府の兵をスルジエ領へと向かわせた。
到着次第、真偽の程を確かめ。
謀反が発覚した際、即刻領主を処罰する事を約束する。
-Alexis Huré-』
[昨晩訪れた鳩の足首に、短い手紙を付け、そのまま飛ばす。]
朝からあの男に、
[鳩が青いオプティモの空へと消えていくのを見届け、自嘲的に唇の端を上げた。]
そしてこれから蛮族と
なんと華がない事ですね。
[潮風を受けながら、ソマリ・リリらが来るのを待った。**]
/*
うーんうーん。
選択合ってるだろうか。
二手に分かれたのは、兵を温存出来ないかなという小賢しい考え。
しかしアレクシスさんの手勢も南に来てるようで。
/*
NPC相手に俺の屍(以下略)する事になるかも。
一カ所に固まってるしなー、ほっとくと軍勢増えるしなーという理由もあり。
シルキーさんには本当に投げまくってごめんなさいですよ。
ヴェルザンディさんのもちと拾いたい。
後はソマリさんと、ガートルードさんと…。(ぐるぐる)
− オプティモ港 −
風もいい。 行こうか。
[翌朝、クレメンスのつけてくれた護衛兵とともに、カナンの姿はアレクシスの待つ船上にある。**]
― オプティモ ―
[ 時が足りぬ中、積み荷を全て確かめる暇はなかったかもしれない。ともあれ、男は異邦人達に船を見せたことに、満足し、その後の一夜は、オプティモ名産を並べた宴会ともなった ]
― アレイゼル領主館 応接室 ―
[勧められて、紅茶色のそれに匙を入れる。
ぷるんと頼りない感触がして、それが匙の上に乗った。
ひと口含んでみて、舌の上で味わい、ううんと悩む。]
味はいいですね。
たっぷり甘くしたミルク入りの紅茶を食べている感覚です。
ただ、俺の好みとしてはこう、もっと、
もちっ、とかねっとり、とか、ずっしり、とか、
こう、もっと、重さが欲しいかな。
[残念ながら根っからの団子党だった。
ただ、紅茶はこちらの方が合うとは認める。]
[ごく短い談笑の時間を経て、ソマリは本題を切り出す。
居住まいを正したところで、建国記の講釈が始まった。
貴族の語り口は流麗で格調高く、音楽のようにも響く。
それはどことなく、学館にいた歴史の講師にも似ていた。
あの講義は、実に優秀な睡眠導入剤だった。]
建国記に謳われていることは真実も含まれていましょうが、
俺は、それだけだとはとても思えない。
千年の間に美化された、伝説の類でしょう。
けれど、伝説は伝説で構わない。
自分たちの出自が美しいものであると信じるのは、
ナミュールの民の自信と誇りに繋がりますから。
[建国記についてはそのように答えて、一度言葉を切る。]
結界は───
あれは、外に対しては壁であり、
内に対しては牢屋の格子ですよ。
それも相当古びた。
あと数十年もすれば、外に対しては意味が無くなるような。
[言葉を選ぶ間をあけたけれども、
結局は、思いをそのまま口にする。]
― オプティモ ―
アレイゼル領へ、だと?
[ サシャが、私兵達を率いて、アレイゼル領の探索に出かけたと、男が聞いたのはカナンとアレクシスを乗せた船が出港した後のことだった ]
...確かに、アレイゼル卿の動きは、この先、大きな懸念材料ではあるな。
[ これまでは、敢えて触らずに来た相手...(向こうが乗り込んでは来たものの)...敵に回せば、恐らくは、王府そのものを相手にするより厄介かもしれない男 ]
― オプティモ ―
[ サシャの判断は恐らく正しい。これまでも私兵達が独自に判断を降して動く事を是としてきた男は、そう結論づける。
だが、危険でもある、と、胸の奥に囁く声があった ]
ヘイズナイト...
[ 祖父の故郷を見たいと言った彼女を、ここまで連れて来たのは、遠い日、同じ事を男に言った少女の事を思い出したからだろうか ]
無事で戻れよ。
[ カナンの依頼で作り始めた名簿の最初には、サシャ・ヘイズナイトの名が、既に記されている* ]
[若干の間の後に、思うままに口にされる言葉に、紅茶を含みながら頷いた>>214]
…悪くない答えだ。
王国の象徴、千年の歴史、或いは唯の障害。
然し、その見解に異国を通せば、幾つか表現は変わる。
[満足した様な薄い笑みを浮かべる]
暴風の結界は、外敵を千年退け続けた『最強のカード』。
技術が追い付けば、やがては意味を成さぬ壊れた金網。
裏を返せば、数十年後までは、異国の侵略を阻止できるが
手札から捨てたら戻しの効かない、王国の切り札。
それが現時点での私の見解だ。
[尤も、権力的宗教的な付加価値は非常に大きいが、概ねの見解はこの聡明な盟主と一致を見る様だ。
差異は、結界に対する好悪感情。何時切り札を下げるかの認識位だろう]
だが結界はそう対して重要ではない。
結界を解除すれば全てが解決するのならば、君達は王府との戦争を始めず、すぐさまドルモールに忍び込み宝珠を叩き割れば良い。
それで万事が済む話だ。
[或いは、彼の異邦人達は最終的にその手段を選ぶ可能性もある。
故にこそ近々には、神殿に対する警備に私兵を割く必要を思い描く]
マチュザレム初めとした、諸外国に尻尾をふるでない。
平和と惰性に腐る所もある現体制を由とするでもない。と云うのならば。
つまりは、まず先にこの王国を改めなければいけない。
最終的に、君達が現王府を転覆させるまで行き着くとしても。
彼の姫殿下が、君達を降し、当面結界が維持されるとしてもだ。
[ナミュールの毒を、まずは消す。紅茶に添えられた銀のスプーンを男は示した。
或いは彼等にとっては、男もまた、その『毒』と認識される可能性は、此れまでの主張を聞く限りでは十分だが]
裏を返せば、形はどうあれ、結界解放より速く
まずはこの国をひとつに纏める事が肝要だ。
北王国の民や有力者すべてを君達の旗の元に集わせるもよし。
姫殿下の慈悲の元、これを期に王国の志と民の意識を改めるもよし。
それが出来ない内は、例え君達は王府転覆に成功したとしても。
その後にはまだ、君達の『反乱』を認めない諸侯や巫女姫の信奉者達との、泥沼の戦いが続くだろう。
そしてそこに異国の手が入れば…。
考えるまでもない、ナミュールの滅亡は確約されるだろう。
事は既に、民と貴族、北と南、の問題ではない。
故に私は風を読み続けてきたのだが…。
[ツ、と鋭く細められた三白眼は、睨む様に図る様に、男を見据える]
シュビトでの君の演説は報告書で拝見させて貰った。
その上で、改めて君の本気が何処までなのかを聞かせて貰おう。
君は民の熱を煽り、王府と敵対し、何処までを為す気か。
君はこのナミュール王国の何を解放し、何を作り変えたいのか。
不満抱く民を集め、新生独立国家を南島に築き上げるか?
王国を今日まで仮初にも纏め導いてきた貴族諸侯を残さず粛清するか?
巫女姫を信奉する北の民全てを敵に回し、その血で川を作るか?
[それは詰問にも近く、強固な意志も混じる、意思確認だ。
此処での彼の言葉次第で、男がこの先取るべき道は如何様にも変貌する]
そして… … … 解放軍盟主 クロード・ジェフロイ。 君は。
もし、王国が結界の破壊を決して赦さず。
王国千年の歴史の守り手として、どうしても最期まで立ちふさがるならば。
巫女姫シルキー・カノエ・ナミュールを… …
君はその手で弑逆するか?
[男の想像が違わねば、それはもし、の領域を超えた確信に近い出来事。
神殿に篭り、俗世と隔離される歴代とは違う。
彼の巫女姫は民を思い、王国の歴史を思い、この先も王国の先頭に立ち、彼らと敵対するのだろうから。
だからこそ、アレイゼルの領主は、強い気迫さえ交えて虚偽赦さんと問い質した**]
― アレイゼル領・宿 ―
[ アレイゼルの内政は想像以上に確りしていた。街の中で見る限りに置いては大きい問題は無いように見える。代替わりした若い貴族の手腕が民から好意的に受け入れられているようであった。
領内の治安も目だった不公平がないせいで安定したが、二度に渡る出兵と、その一度目の原因となったシュビトの出来事の影響は、実収を減らしてまで税を安くしてもなお好意的に受け取られるには無理があるのか、どこか今だけは綻びも見えているようだった。]
大分楽になりました。
もう少しすれば完全に動けるようになりますので。
( しかし解放軍盟主が先遣して既に街に着ている>>171というのは想定外ですね。)
[ 既にその速報はクレメンス>>215に人を使って送っており、今は寝床で半身になって起き上がりながら湯を啜る。
予定と異なり、この宿を拠点として配下達を散らばせて情報収集に当たる事にしていた。
同時にやってきている解放軍の副代表格である実戦指揮官>>146が領主の従兄弟であることは知らない。当然、自分の存在をシュビトで見られていた可能性がある事を把握しても居なかった。
そのせいもあり、無理をせずとも宿の庭ぐらいであれば歩ける程度にはなっていたが、医者の注意に従って大人しくしている。]
ただ、確かにいい薬だとは思いますが…
( 何故、悉く甘いのでしょうか。)
[ 医者の薦められる薬はどれもがほんのりと甘さを伴っていて、聊か閉口していた。**]
[結界に対する認識。
その一致と差異に耳を傾ける。]
確かに、
壊すのは、一度しかできないな。
[王国の切り札と評した言葉に、そんな風に同意した。]
ナミュールには絶対の防壁があり、
それがために、ほかの守りが無くなった。
壁に頼って安穏としてきた意識は、
この際、正されなければならない、でしょう。
[議論に熱中するにつれて敬語が落ちていく。
学館時代の癖が、つい出てしまう。]
[宝珠に言及されれば、内心どきりとした。
誰にも話してはいないことだが、
機会があれば宝珠を手中に収めたいと思っている。
あれは、王府に対する切り札だ。
そんな思惑はともかく、ソマリが語る理屈を聞くに、
この貴族が、存外と表裏の無い、
───否、自利と他利を高度なレベルで共存させる
稀有な才能の持ち主なのではないかと思えてくる。
そしておそらく、この国を愛している。]
[結界解放より先に国がまとまらねば、
ナミュールは滅亡の憂き目にあう。
その理屈には、同意を返した。
自国と他国に対する状況認識。
騒乱の帰結に向けての想定。
冷徹なほどに的確な分析を披露していた男が、
不意に、纏う色を変える。
それは言葉の刃だった。
受けねば斬られると錯覚するほどの、
鋭く激しい気迫。]
……俺が、解放軍の盟主として立ったのは、
この国が壊れるのを、見過ごせなかったからだ。
[ソマリから目を逸らすことなく、
低く、落ち着いた声で言葉を紡ぐ。]
千年の間結界の中に閉じ込められ、
人々の間に生じたひずみは、徐々に溜まっていき、
いつ爆発してもおかしくないほどになっていた。
無秩序な爆発は国に荒廃を招き、
徒に傷を残すだけで何ももたらさず、
不満もまた解消されずに恨みとして残る。
だから俺は、ひずみに方向性を与え、力を持たせ、
意味のある結果まで導くために、盟主となった。
俺は、伝統という呪縛から、ナミュールを解き放ちたいんだ。
千年の安逸に慣れ、変化を厭い、
古いものがすべて正しいとみなす意識から、
人はこうあるべき、国はこうあるべきという固定観念から、
変えてしまっては駄目になるという恐怖から、
この国を、人の心を解き放ちたい。
生活も、国の形も変えていいのだと、示せればいい。
不満があれば、それを解消できる形を模索すればいい。
それができるような場所へ、皆を連れて行きたい。
[静かな口調の底に、熱が籠る。]
解き放ちたいのは、貴族も、巫女姫もだ。
彼らも、あなたも、変わるべきだ。
民はもはや、与えるだけでは治まらないと知るべきだ。
貴族。平民。
その区別に関わらず、ナミュールに住む全員が
ナミュールの在り方について考えるようになればいい。
巫女姫と結界にこの国のすべての護りを押し付けるのではなく、ひとりひとりがこの国を守っているという意識を持つようになればいい。
俺はそのきっかけを作るために、
王府に民の力を突きつけ、千年の眠りから目覚めさせるつもりだ。
[だから。
言葉を続ける前に、熱を冷ますように息を吐く。]
貴族諸侯を粛清するのは、本意ではないな。
それはまた別の歪みを産むし、
彼らしか持っていない知識が、今は多すぎる。
[言って、ちらりと傍らの友に視線を走らせた。]
[最後の問いには、一度目を伏せた。]
───巫女姫は、ナミュールの象徴で、魂だ。
巫女姫を害すれば、俺たちに敵対するものは増えるだろう。
なにより、解放軍の中にも巫女姫に手を掛けることを恐れるものは多い。
皆の心の拠り所で、憧憬の対象だ。
巫女姫を失えば、ナミュールの魂は損なわれるだろう。
それでも、
巫女姫が頑なに変化を拒んだなら、
伝統を守り国を守り民を守ろうと向かってくるのなら、
… 俺は彼女を、殺すだろうな。
[それは、国を変えるために民の血を流すことを選んだ、昏い決意の行きつく果てだった。]
― 回想・五年前 ―
[ 来る日のために、敢えて交友を断った友から、一度限り、人を介して伝言が届いたのは五年前。
それは、若き巫女姫が、ベルサリス学館で学び、学生達の議論にも加わっている、と知らせるものだった ]
...自慢か?
[ それを送ってきた友の意図は、判るような気はしたが、男は苦笑と共にそれを己の胸に畳み込んだ ]
― 回想・五年前 ―
[ 友への返信は出来なかった。それが約束だったからだ。代わりに、男は、これまであまりしたことのない巫女姫への献上品を王府へ届けた ]
[ 恐らくは彼女の誕生日の祝いという名目だった筈だ。
贈られたのは、古い小さな木箱。それは蓋を開けると、鮮やかな色彩で異国のおとぎ話の1シーンが描かれたオルゴール。
オプティモの海岸に時折流れ着く、結界の外からの漂流物の一つだった ]
― 回想・五年前 ―
[ 海水によって壊れかけたオルゴールは、曲の半分ほどから先は鳴らぬおんぼろで、或いは巫女姫への献上品には相応しくないと、捨てられてしまったかもしれない。
彼女はそれを覚えているだろうか?** ]
[その後、屋敷に戻っての宴となる。
荷物と一緒に回収され、匿われていた飛行船乗組員の救助者2名ともそこで再会し、堅いハグで喜び合った。]
ディック! ロラン!
首都でも仲間たちの情報を集めてくる。
待っていてくれ。
[たった12名の使節団だが、自分はその指揮官だ。その責任を忘れたことはない。]
[ナミュールの郷土料理に舌鼓を打つ和気あいあいとしたこの宴の中で、カナンはクレメンスに、「提案」について話しておくことにした。]
長老、
シュビトで市長に立候補してみませんか?
[とても唐突に、とても楽しげに持ちかけた。
酔ってなどいない。
明日のこともあるので、あまり酔わないようにしたい、とシメオンにあらかじめ言っておいた。
そうすれば、うっかり立て続けにグラスに手を伸ばそうとしても止めてくれるのがわかっている。]
住民による、市長選出です。
実際に何の権限があるのかはさておき、公選挙で決めよう、と言って乗り込めば、学館の連中が乗るでしょう。
[誰に選挙権を与えるとか、投票場所どうするかとか実務はこの際、気にしない。
学館の生徒たちが仕切るだろうと丸投げのつもりだ。
お祭騒ぎ上等。]
対立候補には間違いなく、クロードが出るでしょう。
面白がって他の候補者も出てくるかもしれませんが、それはそれで開かれた選挙のイメージがわかりやすくなるのでいい。
おれはね、
クロードに足りないのは、手順を踏むことによる「正当性」だと思っています。
ですから、彼にそれをぶつけてみたい。
民衆の声を、民主主義を旗印にするなら、選挙の洗礼を受けてこいと。
あ、立候補しろと言っておいて敗北予想すみません。
長老殿なら、いい勝負をした上で楽しんでいただけると思って。
[正直に、目論みを認める。]
長老殿は、なんかもう、中央政府に「何するかわからないヤツ」ってマークされているらしいですし、いっそのこと目立った方が安全なんです。
[とってつけたように言ったが、これも本音である。
外の世界を見せたい人だと。]
[クレメンスという老練な対立候補を得てクロードが民に何を訴え、味方につけるか。
考えるだにとても楽しい。
だが、これは遊びではない。]
選挙を経て、クロードが「公人」になってようやく──
おれの交渉相手たりえます。
[始まりの地・シュビトを眺めるように、視線を遠くへ流した。*]
− 乗船前 −
[夜が明けて、出航の時間が近づく。]
シメオン、
学館を出るとき持って来た弾薬から10発くらいもらうぞ。
[ちょっとしたアイデアを思いついたので、それも手土産代わりにすることにした。]
じゃあな、 美人さんに会いに行ってくる。
[友の背をギュと抱き締め、タラップを登っていった。**]
影の軍師 アレクシスは、栞を挟んだ。
[気がつくとそこは一面青い世界が広がっていた。
痛みも温度も何も感じない。
ここへとは来たことはなかったが、
何故か自然と理解できてしまった。
―――――あぁ、自分は死んでしまったのだと。]
…すまんな。約束果たせなくって。
[ポツリと広い空間の中呟く。
いつまで自分の魂がここに留まっているかはわからないが、
誰かから声をかけられることがなければ、
暫くの間、もう二度とは帰れない現世をただ見守っていただろうか。**]
― シュビト郊外・夜 ―
[流れ雲が多く、星の少ない夜。
遠く臨むシュビトの街並みは、
記憶のものより街の灯りが少ないようにも感じられる。
シュビトから避難していった者も多いと聞いた。
避難――いや、解放軍の盟主に付き従ったという方が正しいだろうか]
……―――、
[素手を遊ばせた指先を、夜に晒す。
頬を過ぎる外気は、春といえどまだ冷たく。
熱は易々と奪われてゆく]
[学館に入り、緊張していた自分を解すように
気さくに声を掛けてくれたマーティンの顔は、今でも覚えている。
その後、キールの正体を知ったのか――教師の立場で、影ながら色々と気にかけてくれた。
春に足踏みしている冬の終わり。
女学生たちが、密やかに楽しげに喋り合っている事柄があった。
気持ちをお菓子に託して贈る、外の国の風習があるのだとか。
愛しい人へでもいいし、日頃の感謝でもいい。
で、学館の教師たちに連名で贈るのだと
彼女たちは密やかなる相談をしていたという訳だった。
『キールもどう?』
同世代の少女にこんな風に誘われるのは、
まだちょっと、慣れない心地。
それでも自分も感謝は伝えたかったから、
一緒に混じって街のお菓子屋を巡った]
[悩んだ結果――皆で選んだのは、小豆の羊羹だった。
ひとくちサイズで、ころんとしたハート型になっている。
淡い桃色の袋に、幾つかそれを詰め込んだ。
赤と橙の飾り紐で、丁寧に蝶々結びをして。
学館の教師の皆に配ったが―――
確か、一番喜んでくれたのが、マーティン教師だったと思う。
表情がにやけていた…のは、記憶違いだったかどうか。
生徒からの人気も高かった。
まだまだ、多くの者が彼に学びたかっただろうに。
だから――――惜しい人を…、と切なさは尽きぬ]
[非常勤講師として学館に赴いていたシロウは、
剣術や戦術の知識に長けた人だった。
剣については、自分が扱っても碌な結果を招きそうになかったので
皆の訓練を眺めるに留めたけれど。
地の利を活かすなど、戦術についての彼の授業は、
身を入れて聞いたものだ。
そういえば、シロウ教師にもハート羊羹の贈り物をしたっけ――。
可愛らしいラッピングは、一人の女性徒が一際気合を入れてこしらえていた。
周りからちょっと、からかわれていたようにも思う。
頬を赤く染めながら、そっと贈り物の準備をする彼女の姿は微笑ましかった]
[…。懐かしい、記憶だ。
シロウの教えは、もう一度改めて聞きたかった。
ナミュールに動乱が起きる今だからこそ、
見えてくるものも、必要な知識も、あっただろうに。
その彼の選別代わりの武器や物資が、
彼女の身重の妻と共に王府軍に合流するのは、
もう少し後のこと――――…*]
― 五年前・ベルサリス学館 ―
[ユレ教官には、女性徒代表としてキールが渡すことになった。
授業の終わった後。
廊下でちょっと呼び止めて、桃色の包み紙を差し出す]
ユレ教官。これ、――――私たち女学生からです。
日頃の授業のお礼にと思って。
甘いもの、…お嫌いでなければ、いいのですけれど。
[彼に、甘いものというイメージはあまり無くて。
さっぱりしたものを別に選んだ方が良かっただろうか、とちらり考えたりもしつつ**]
[冷静に冷徹に、男は王国の未来が向く風向きを捉え。
そう、己の利と王国の利の天秤と均衡を鋭く見極めようとする。
低く落ち着き、訥々とも語られる声は揺らぎが無い。
千の剣に万の矢に晒されても怯む事無き様に
その声にこそまた、強固でそして消えぬ炎の高さ。
千年の歴史が齎す恵みと歪み。
彼の望む解放と王国の未来。
男はやがて口も水も差し込む彼の理想に聞き入り。そして]
[青い理想に巻かれるのみでない、昏い決意の結論の後訪れる沈黙]
… … …そうか。 姫殿下を手に掛ける事厭わんか。
… … …良い度胸だ、クロード。
仮にも私は王国からアレイゼルを賜る臣がひとり。
その決意を剣に刷く君を今此処で密かに殺す事も不可能ではない。
ガーティ。君なら勘付いてはいるだろう。
この応接間にも私兵を配している程度の事は。
… … … … … … … … 。
[沈黙は、緊張感と重苦しさを与える様に長い。
彼らの結論に対する脅迫にもその沈黙の重さはさして変わる事なく。
唯、眼前の若者を眺め、再び三白眼を閉じる行為を繰り返していた]
[結界の暴風は、他国に対する最強の切り札でもある。
故にこそ解除は勿体無く思うし、男は限界までの有効活用を推奨する。
だが結界程度ならば、最終的には解除されようが王国の致命傷ではない。
然し巫女姫は別だ。
結界と巫女姫を失くせば王国の宗教的精神的支柱は根底から揺らぎ
今代の巫女姫の影響力の強さを鑑みれば最悪権力的支柱すら揺らぐ。
解放軍が、ナミュールの象徴と魂、巫女姫を殺す事を躊躇わないなら。
迷う事なく王府軍に付こう。そう、考えていたのだ]
[彼ら、解放軍がこの国の主となる未来は不安が大きかった]
…急進的すぎる民主主義には、余り賛成はできないね。
封建制に慣れ過ぎた民は変化が唐突すぎると対応できない。
結界も何れは解き放つ必要はあろう。
然し天の時と人の和を見計らう事は何よりも重要だ。
[特に民主主義を謳う声が不安の最も足るもの。
ついでに貴族を排除する思想を持つならば、貴族である男は当然ついていけない。
元々、王府転覆を成功させるつもりは無かった。
故に男は解放軍に対する未来図を思い描いていた。
スルジエ始めとした愚鈍な貴族諸侯を潰した後、残る領地の利権などで南島領幾つかの自治を認める事で、適当に濁す形で解放軍や民衆の溜飲を下げさせる。
彼らの熱意や知識、意欲は捨てるには惜しいが、北の民や貴族諸侯は王府転覆までは赦さない。故にそれが相応しい落とし所だろう。
炎が弱すぎとも強すぎとも不可。程好く利用できるならばその未来が最善だ]
[然し、彼の巫女姫が巫女の領分を越える、王の様な姿も不安だった]
然し結末はどうあれ、姫殿下には御退場願うつもりだった。
…神殿にと云う意味だ。
元々巫女の領分を越え、姫王の様な為政者として振舞う巫女姫には思う所が存在した。
彼女の清廉潔白な慈愛の心、決して理想のみではない志はともかく。
高々二十の娘が、我ら貴族諸侯の頂点に果たして立ちきれるか疑問でな。
[巫女姫の王としての能力を、詰まりは見極めあぐねていたのだ。
この先、彼の巫女姫が人々を纏め導くならば旧態然とした制度では不足。
いっその事、姫殿下には本当に御親政復帰し、第二代姫王として王国の支柱と君臨して貰う方が未来は明るい。
だが年若い巫女姫が、官僚貴族と民衆の板挟みを華麗に捌き、民を未来へ導く程の能力を本当に備えているか。その能力が不足していれば逆に王国は混迷する。
そして当然ながら、姫王の君臨は、男の利権にもまた阻害として塞がるのだ。
ならばと男はひとつの落とし所を考えていた。
不安ならばこの戦乱を気に、巫女姫を政から弾き出し、巫女としての使命のみを全うさせるべきだと]
[巫女姫も解放軍も、どちらの未来にも不安は残る。
信用し未来図を託すには足りない。
ならばこの際、自分が王国を纏めてしまえばどうだ。
邪魔立てする貴族諸侯をこの戦乱に乗じて封殺し。
解放軍も巫女姫も程好い落とし所で黙らせた所で。
男は自分自身が国の重鎮、執政官の位に就く事で国を導く。
愚鈍な真似はしない、自分ならば可も無く不可も無く。
然し王国を衰退させない程度には導く事も出来なくはないと考えていた。
それが己の利権と王国の未来の天秤が調和した、最も都合の良い未来図だ]
[それも叶わぬならまだ巫女姫と共に旧態維持を男は選んだ。
無駄な波乱の波風が立つ事無く、然しゆるやかな変化程度は望める故にだ。
…重く苦しい程の沈黙を繋げ続けていた男が、漸くその三白眼を開いた]
…君が理想と現実を区別できる人間で良かった。
[鋭さの消えて凪いだ様な双眸で男は若き盟主を向いた]
シュビトの演説を拝見して私が感じた危惧はふたつ。
民主主義の熱に浮かされ
北の民や貴族諸侯すべてを敵に回す無謀さがないか。
そして現実的な国内の落着点を認識できているかだ。
次の演説には期待しているよ。
前のままでは、南は良くとも北の賛同は得難いだろう。
[王府に対して強気に出る為、想定以上の要求を突きつける事は交渉手段の常識だ。
然し貴族でも無い彼は、何処までを本気で考えているか知れず。
その三白眼で見据えていた男の言葉には、そして嘘の類は見受けられなかった>>229]
[>>=10 静かにその訃報を聞いた。
>>174 それは、書簡でも報告された事であったが、巫女姫の声を聴き。
嗚呼、嘘ではなかったのだな、と。
冷静に分析する一方で、頭を横から殴られたような気分になる。]
………。
シロウも、ですか。
[>>250 非常勤講師として学館に赴いていたシロウとも、また何度か顔を合わせる事もあった。
戦術の勉学は、巫女姫に身を捧げると誓った日から、彼に何度も教わった事もあったか。
その優秀な彼もまた、]
相討ち、………
[かつて共に働き、笑い合った仲間が。
血を流し、命を落とした。
凛とした緑の声に、暫くアレクシスは答える事が出来なかっただろう。
沈黙。或いは、黙祷か。]
ナミュールを解き放ちたい。いや。
巫女姫を解き放ちたいとも君は告げたね。
異国の諸国ならばその程度は難しくもないかも知れない。
然しクロード。理解しているか?
このナミュール王国において、それがどういう意味を持つのか。
[静かな問いで、熱のともる瞳をみた]
姫殿下にしてもそれは同じだ。
この騒乱の後、王国が足並みを揃えてひとつの旗に集うには。
この王国には必要なのだよ、『英雄』が。
私が描く、可も無く不可も無い程度の、星の輝きでは役不足。
それは熱く燃える太陽の熱の様に。
それは凛然と輝く天月の威の様に。
王国を解き放ち、新たな場所へ導いて行く先導者も良いだろう。
今再び巫女の元、来る未来を守る旗印が為の姫王も良いだろう。
良く心に刻め、クロード・ジェフロイ。若き英雄。
今、我らナミュールが必要とする「英雄」とは。
王国千年の歴史に劣らぬ偉業を成し遂げる力と。
千年の祈りを奉げし姫王よりも強く
王国の未来を思う志を持つ者だ。
[解放軍もやはりダメかと考えた、巫女姫を殺すならば付き従えないか。
然しその王国の明日を思う志に男の意図は揺らぎ、そして。
彼、若き英雄の瞳に見た気がしたのだ]
……白い炎か……
[バカな。炎の色が白いなど現実的にありえん。
然し王国への志は崇高に輝き、そして炎の白さは、旧態の悪しき部分の伝統という鎖を、焼き尽くしてしまう程の熱量の強さ]
… … … … … …私は… … …。
[然し強くも熱い、白い炎は、民や王国を焼き尽くさない。
まるで松明の火を分け与える様に、心の中に、火は移り燈される]
[>>=12 何かを吹っ切ったかのように、はたまた、悲しみを乗り越えようと。
事務的な会話は続く。]
……―――――デ・モールですか。
そうですね………
申し訳ありませんが、あまり気乗りしません。
巫女姫も長旅でお疲れでしょう。
軍としても、親征軍に加え、オプティモにも兵を割いており、かなり兵力が消耗しています。
一度、ブラバンドに戻り態勢を立て直しましょう。
[そして一呼吸置いて、]
―――――戦争が始まるのですから。
ですから、合流するならばブラバンドに近いところで。
それか、いっそブラバンド軍に戻りましょう。
… … … …然し君はまだ、若く青い所もある。
落とし所や、結界を放つ時期は、もう少し考えても良いだろう。
今日や明日に開国をしなければ国が滅ぶでもない。
国の体制すら変えてしまうならば、民の動揺は察するに易い。
五年、十年、国内の統制を測ってから、という見方もできよう。
その辺りは、騒乱を終えた後、腰を据えて考えても損はあるまい。
政治的なその辺りは、まだ年季が欲しい所だな。
[再び閉じられていた三白眼を開いた時、その瞳は決意が現れていた]
今すぐ貸せるのは、四百の私兵程度だ。
陸路の倍より早くシュビトへ到達できる船も貸そう。
南島にて今再び同志を募ると同時に… …
[瞳は熱意が込められていた。炎が移された様に強く秘められて]
彼の地で諸君を待ち構える、王国騎士団を打ち果たして見せるがいい。
[その宣誓にも似た強い言葉こそが、男が漸く道を定めた意志の現れだった**]
-オプティモ港から-
カナン様おはようございます。
ごゆっくり御寛ぎする事は出来ましたか?
[>>209 爽やかな春の風とともに、爽やかな笑顔を向けてカナンが微笑む。
>>68 夜逃する事もなく、こちらが向けた迎えにきちんと従ったようである。当然、クレメンスの飼い犬も居る訳だけれども。
一方、こちらは軍の殆どは既にオプティモを出立しており、残るはこの船に居る兵だけとなった。]
度々の船旅に付き合わせてしまって申し訳ございません。
それでは行きましょうか。
[そこにはシメオンの姿もあっただろうか。
他に従う者は居ただろうか。
アレクシスは彼等にも軽く声を掛けて、]
さようなら、―――――オプティモ。
次は、もう少し美味しい食事が出る事を、期待しますよ。
[船はゆっくりと港を離れていく。
あっという間にオプティモ美しい街並みは小さくなっていき。
やがて、水平線の青と分からなくなっていく。]
………さて、暫く暇ですね。
到着するまで、何かお話でもしますか?
それとも、軽くゲームでもしますか?
[そんな風に、いつものように飄々とした表情を貼り付け、]
ああ、もしかしたら海獣の類が襲ってくるかもしれませんし。
その時は、宜しくお願い致します。
お強いのでしょう?期待していますよ。
[軽く微笑んで、物騒な事を付け足した。**]
/*
…と云うわけで、戦況バランスなども少し考えたりしたけど、やっぱりクロードの熱意に惚れて解放軍サイドに。
さて此処からの貴族は熱い貴族として、戦争ぶっかけたいです。貴族。
具体的にはクレメンス卿と戦えないかなあって。
貴族王国側でも解放側でも、クレメンス卿と貴族同士の軍勢バトルはしてみたいなって。貴族。
魁サイドと完全協力すると、7:2で姫様と軍師のタスクがヤバいことになるという事もある。貴族。
まずは頑張ってサシャのキリングか看取りまでも漕ぎ着けたいね、貴族!!
なんかさっきから貴族が語尾になってるけど気にしない。貴族!!
― 五年前・ベルサリス学館 ―
[特に何という事は無い一日であった。
然しキール、否、巫女姫と出会ってからのアレクシスは、少し窶れているように見えたか。
教師という身でありながら、生徒よりも勉強熱心だった為だ。
昼間は教壇に付き、放課後から閉館までの間、図書館で勉強に耽っていた。時にはマーティンに武術を学んだり、シロウから戦術の教えも受けたか。
食事もままならず、不健康な生活を送っていた。]
――――……え?
[>>=14 軽く廊下で寝ていたせいか、その声に気が付くのに、暫し遅れた。顔を上げれば、流れる金糸に、はっとするほど澄んだ深宵藍。]
あっ、これは……… みこ、……
――――……キール君。どうしましたか?
[平静を装いながらも。
その宵藍をただ、どこか惚けたような表情で見つめたか。
そして手渡される、何か小さな包み。]
…………へっ?!
え、ぁ、えっと……… どうしてですか?
あ、えぇと。実験か何かで使うんです?
でも、生物実験なら先生以外で試して……
[自分でも何を言っているのか分からない。
この真面目な男では、今日が何の日かなんてわからないし。
仮に分かったところで、まさか自分のような男に縁があるとも思っていない。なので、]
あ、あの………
―――――え、っと、い、頂きます。
[本当は甘いものは苦手である。けれども、]
…………
あ、有難うございますッ。
[大げさ過ぎる位に、アレクシスは喜んでいた。
もしこの姿を、他の生徒や教師が見ていたならば、軽く誤解されてしまう程度には。
そんな、淡くて、懐かしい思い出。*]
― オプティモ沖・洞窟 ―
[案の定、カナンは脱出することは望まず>>199、クレメンスに対して別の決意を呈した。
船を見上げる希望に満ちた笑みに、シメオンも自然と笑みが浮かぶ。
気付けば、クレメンスの視線がこちらへと向いていた>>208]
へへ、俺を拾ったおっさんの強運だよ。
[その出逢いがなければこうはならなかった、と。
これは、漂流者を救出し続けた彼の気概が引き寄せた結果だ]
[洞窟に滞在出来た短い時間で確認出来た”積み荷”は僅か。
その中でカナンは写真機を見つけたようだ>>234。
一方シメオンはと言うと]
学者には学者向きのものが見つかる…と。
[自分で積み込んだ農業技術を纏めた書物を見つける]
なぁおっさん、こう言うののセミナーだったら人集めても問題ねーか?
[その上であれこれ他の情報を混ぜ込む心算なのは明白だ]
― オプティモ・クレメンス邸 ―
[その夜、クレメンスは乗員との再会を喜んだりやカナンを送り出すための宴会>>210を催してくれた。
シメオンはカナンの横で、嗜む程度の酒を貰いながら、カナンが飲みすぎないように目を光らせる。
これはカナンからの希望>>238でもあった。
連続してグラスに手を伸ばそうものなら、その間に取り分けた料理を置いて制する]
(また突飛なこと言い始めたな)
[クレメンスへと進めるシュビト市長立候補の話>>238。
けれどそこに深慮があることは、隠すことなく曝け出された。
我が友ながら良く思いつくものだと感心する]
良いんじゃねぇかおっさん、面白くなりそーだぜ。
[敢えて目立つ行動に出る。
こそこそ隠れるよりもある意味動きやすいはずだ]
― 翌朝/カナン乗船前 ―
構わねーけど…また何企んでんだ?
[出航前にカナンから向けられた言葉>>245に疑問の声を返す。
しかしその声に訝しさは無い。
彼は、今度はどんな案を思いついたのだろうか]
ああ、行って来い。
美人だからって口説きまくるんじゃねーぞ?
[軽口も交えカナンの背を抱き締め返し、乗船する姿をその場で見送った]
ユレ殿、くれぐれもよろしく頼むな。
[>>271 脅す心算は無いが、強調する部分があったのは気付かれたか。
何かあればうんたら、と言うよりは、甘味的な意味の方が強かったかも知れないが。
そんな挨拶を交えて、シメオンは船が港から出航するのを見詰めた]
― オプティモ ―
は? ヘイズナイトが?
[サシャが探索に出たと聞かされたのは、彼女が出発してだいぶ経ってからのこと。
軍人たる彼女は座して待つ、と言うのは性に合わないらしい]
アレイゼル領……例の、たまごプリンのレシピを買いに来た奴の領地だっけ。
アイツ、やっぱそこまで警戒する奴なんだなぁ。
[アレイゼル領主については、クレメンスやサシャの方がシメオン達よりも付き合いがあるのは道理。
後手に回らないよう、斥候を買って出たのだろう]
― 回想/オプティモへの船中 ―
そ、留学してそのまま軍入り。
でも故郷を忘れたことは無いぜ。
[オプティモまでの船旅では、サシャと身の上話をすることが出来た>>175。
マチュザレムと共に生きる国が複数あると知ったサシャは、遺骨を託すことに躊躇いを覚えた模様]
そんなことねーよなぁ?
ま、時間かかるかもしんねーが、やるだけのことはやってみんぜ。
[カナンへ同意を求めながら、サシャの願いを受ける意を見せる。
願いが叶った後についての反応>>178には、気安げに笑って見せた*]
今すぐ決めることでもねーしな。
先ずは、目の前のことやってかねーと。
―道中―
[親征軍と別れた後、騎士団800の軍勢は馬を走らせて南島内のめぼしい集落を当たる事になる。
船を使った者がいる事から、海岸付近の街を中心に回る予定だった。
騎士団には南島出身の者は殆どいない。
デ・モール火山の北側に故郷がある者がいたくらいだ。
地の利があるとは言い難かった。
隣でレオンハルトが唸るのを聞いて、女は栗毛の馬を繰りながら兜の顎をしゃくる。]
――どうした。
「あぁそうだ、あの赤髪。あれはオルヴァル家の嫡男じゃなかったか?」
…何の話だ?
「集会の時、素人に見えない奴がいたって言っただろう。多分間違いないと思うぜ。」
あぁ、そんな事を言っていたな。
「君は軍との交流を兼ねた訓練にも出ていたのだったっけ。」
「そうそう。あー、すっきりした。」
[二人の会話にメレディスも参加する。
>>2:231シュビトで垣間見た赤毛の人物の正体が気になっていたレオンハルトは、間の抜けた声を上げた。
けれど次の言葉は真剣みを帯びる。]
「3年前に軍を離れると共に家を出たとか聞いている。
軍上がりの人間が背後にいるとなると厄介だぜ。気を付けろよ、フィオン。」
――分かっている。
[女は手綱を握り締める。
そろそろ部隊を分ける地点に差し掛かろうとしていた。
海越しにデ・モール火山を背後に控える地。
女の率いる軍勢はそこから右側へ、
メレディス・ギラルディーニの率いる軍勢は左側からシュビト方面に向かって回る予定だった。
合流地点はナミュール国土の南西の端に位置する半島付近。
多数の小島もあるが、土地勘のない事と南側には王府の協力者がいない以上、そこまで踏み込む事は難しいと判断した。]
――…武運を。
「其方もね。」
「メレディス。お前、嫁さんと子供がいるだろ。無理はすんなよ。」
「それは無理な相談だ。…レオンこそ、そろそろ嫁を貰ったらどう。」
「…ま、ナミュールが平和になったらな。」
[軽口を交わす二人を目に収め、兜越しに女は笑みを浮かべる。]
無事に戦を終わらせる事が出来たら、三人で酒でも飲もう。
「「勿論。」」
[言葉少なに盾仲間らと言葉を交わすと、騎馬を中心とした部隊は二手に分かれる。
その様子は大空を羽ばたく鳥の拡げる翼の形に似ていた。*]
[海岸際の街に騎士団が接近しているとの報は、物見をしていた学生によって伝えられた。
弓や剣などを携えた学生らは、騎士団に対して指揮官の与えたようにゲリラ作戦を仕掛ける。
‘機械弓によって放たれた矢は甲冑を貫く。’
それは練度の高い騎士団とて決して無敵なわけではないという事を彼らに伝えるだろう。]
―片翼・メレディス隊―
「……はは、なかなか威勢のいい事…。」
[優男と称される面を歪め、メレディス隊はシュビトの裏手にある街から撤退する。
元々相手側が長期の戦闘を想定されていなかった事が功を奏した。
機械弓に矢を番えるには人力よりも手間がかかる。
危険を承知で数騎が特攻し、幾つかを破壊したがその分犠牲も出ていた。
白馬を操る指揮官たるメレディスもまた、左肩に疵を負っていた。
副官の馬が機械弓の矢に穿たれ、落馬したのを救おうとして負った怪我だった。
けれど結局――落命した副官らの亡骸はそのまま放置していくしか出来なかったのが悔やまれる。]
「…本隊に報告をしておきたいが、駄目だな。
この地には猛禽が棲んでいるという。鳩も無事に届かないかもしれない。」
[いつぞや学館の授業で地理学の授業を受けた際、教官に教わった事を思い出す。
連絡用の鳩はもしもの為に残しておく事にして、メレディスは白馬を走らせた。]
「彼方はどうしているか…。」
[メレディスは分かれた片翼がいる筈の北東の方角を見やる。
やがて首を振って彼は兵らを鼓舞した。]
「行こう。彼方は歩兵も抱えているからな。
機動力は此方にある分、調査を先に進めてやらないと。」
[彼の行く先は更に南。
二つの半島を目指して騎馬を駆る。*]
― アレイゼル領主館 応接室 ―
[語り終え、聞き終えた相手の目を見つめる。
駄目だな、と心のうちに息を落とした。
この男の心を動かせてはいない。
足りない、と感じる。]
ここで貴方に殺されるのなら、
俺は賭けに負けた無様な男ということだな。
友の命も他の人間の命も無駄に散らした
愚かな悪党として歴史書の隅にでも書かれるだろう。
[思考巡らせるらしき相手を見つめながら、沈黙のうちに待つ。
重い気配は、相手の鋭さが凪いだあとも消えなかった。]
巫女姫を、巫女姫という立場から解き放つことはできない。
それは、ナミュールの支柱を失うことになる。
あなたはそう言いたいのだろう。
俺は彼女を、当然にして国と人々を守るものであるという、
伝統が求め人々が求める意識から解放したい。
国の護りをすべて巫女姫と結界に頼り切り、
心の拠り所を巫女姫ただひとりに求める人々の心をこそ
変えていきたいんだ。
[問いに答える口調は平たんなものだったが、
その下でふつりふつりと沸いているものがある。
自分の不甲斐なさを恥じ、
更なる高みを渇望する心だ。]
[瞳に炎を映した貴族を、挑みかかるような眼差しで見つめる。
兵を貸すという言葉に、きっぱりと首を横に振った。]
───ありがたいが、断る。
王国騎士団を打ち倒すのに、貴族の私兵を借りては、
民の力は所詮その程度かと侮られるだろう。
ここは、俺たちだけの力で為すべき場面だ。
― アレイゼル領主館 応接室 ―
[>>203紅茶が出たのは予想通りだったが、茶請けに出た物は今までに見たこともない何かだった。
隣の友も興味深げにつついている。ふーんと持ち上げて鈍色のスプーンを差し込むと、思ったより簡単に薄茶色の表面に刺さった。
むぐ、とひとくちスプーンを咥えると、口の中に柔らかな甘さが広がってゆく。]
うまっ!
何これソマリすげー美味い!
[友人とは違い、こちらから出たのは掛け値なしの賞賛と眼差しだった。すぐに食べ切ってしまうと、早速本題にはいる二人の会話を黙して耳に入れる。
なお可愛い発言には物凄い顔をしたが、話の腰を折らないようにと口をはさむのは自制した。]
それに、今の俺では不足だ。
貴方の心を真底から揺さぶれないのでは、
ナミュールの民すべての心を動かすことなど到底不可能。
俺が、俺の力を証明したとき、
ナミュールの未来を照らすに足る者だと示したとき、
───迎えに来てほしい。
[誓うようにも、挑発するようにも、声は響いた。]
[そして双方の話し合いには、口をはむ事なく傍らで聞いた。
>>229視線がこちらに来たがそれにも黙っておく。
友人に先に言っていた、漠然と問題におもっていた点への回答。
それが上手く相手に伝わったか、従兄弟の方の様子も見た。
「打倒貴族・打倒王府」の声が強くなりすぎるのは本意ではない事。それを自分たちから上手く伝える事は難しい。
煽った熱を不用意に消してしまうのもまた本意ではなく、その勢いに頼る所も大きいので下手に触れない。
だからそうではないという事を、貴族側に立ち権力層に近い従兄弟に伝えて繋いでおきたかった。
上手くいったかどうか。周囲に一人や二人ではない気配を感じながら、こちらは静かに紅茶に口を付ける。]
もし俺がこんなところで倒れてしまうようなら、
貴方は今のまま巫女姫についていられるほうがいい。
その方が、国は乱れない、だろう?
[少しばかり軽さを取り戻しておどけてみせ、
戦場に赴くべく立ち上がる。
船だけは貸してほしいと要請した。]**
[>>254一度だけ、護衛の話を振られた時にはやや眉根を寄せて。]
だから、俺がここに居るんだろ。
…だけど、俺意外には居ない。
[他の護衛は連れてこなかった、と暗に告げるのは、一定の信頼を置いてある事の表れ。
それは従兄弟にも、そして傍らの友人に対してもだったが。
そして話し合いの結末を暫し待つった*]
/*
やることタスク(改)
※サシャに情報渡す
※シメオンと話す
※ライフル配備
※オプティモに戦場引き寄せ
...るのは、いいんだけど王府軍がフィオン落ちちゃうとNPCなのか?巫女姫かアレクシスが乗り出してくるかもだけど...さすがにソマリは王府軍側では動かないよなあ...さて...
クロードを死なさないように、は、ソマリ氏がなんとかしてくれる気はするんだけどね。
− 王府軍船上 −
[海に囲まれた島の民である。
遠洋航海技術は廃れても、ナミュールの兵の船の扱いは巧みだった。
カナンとアレクシスらを乗せた船は、安定した舵捌きでオプティモ港を後にする。
サシャもまた独自にオプティモを離れたことを、その部屋に残されたもののことを、シメオンの”声”によって知らされるのは、すでに船が洋上に出た後となった。]
/*
プリン食べれた!
クロがお土産持って帰ってくれなかったから団子も食えなかったんだにーちゃんありがとうとここで言う(
/*
でもって名前間違えが横行してたのな…w
アレクシスどんまいだ。
あと気が付いたら火薬が出来上がってた。
おもいっきりカナンの発言見落としてた気しかしなくて(((; ゜Д゜)))
[船上でのアレクシスは、存外に爽やかな笑顔を見せていた。
話し相手にもゲームの相手にもなると申し出るのを聞いて、昨日のシメオンの誠意をこめたもてなしのおかげかもしれないと考える。
親切は伝染するものだ。
だが、「海獣の類が襲ってくるかも」と付け足すあたり、やはりアレクシスは素直じゃない、とカナンは唇に苦笑を含ませた。]
ナミュールではどんなゲームをするんだ?
やってみようじゃないか。
で、おれが勝ったら──
[ふっふー、と笑って賭けに乗る気があるかと問うようにアレクシスに視線を流した。]
[きっぱりと首を振る。その動作に三白眼が見開かれた]
… … …ほう。 そう、か。
[戦況的に考えれば此処で断る道理など無い。借りるべきだ。
そう考えていたからこそ、その断りに、まるで虚を突かれた様にポカンとした表情を微かに浮かべてしまう]
… … …ふはは。その心意気や由。
そうだ。まだ君の力は、すべての民を動かすには足りん。
故にこそ証明してみせろ。 力を、志を、炎を!
君が道半ばで倒れる程度の男なら、それまでの話だ。
[再び男は裏ある老獪な貴族の端くれとしての表情を浮かべ、微笑する]
だが、この王国を導くだけの力を君が持っていると。
改めて私が判断した、その時には…。
[最期に軽くおどけた、若き盟主が立ち上がる。
戦場へと。王国を解放する戦いに臨む若者達を見送り。
男は程なく、船の用意をさせることとなった]
[やがて彼等二人がこの屋敷を辞するのを見送るその後で男は]
… … … … …真実心底から、とまではいかないが。
… … …なかなかに君の熱に揺さぶられたのだがな…?
[ぽつりと零した。彼の盟主は果たして気付いているだろうか。
そもそも己の利権に聡い貴族が、変革を望む彼等に敵対を選ばないと云う意味が]
… … …クロード・ジェフロイ。もしかして君は。
意外と、よくばりなのかな… … …?
[私兵も払われた応接室の中で、まるで苦笑する様な嘆息する様な。
そんなとても珍しい表情を、男はひとり浮かべていた*]
/*
ふー。
[温泉にちゃぷちゃぷ浸かりながら、酒ちびりちびり]
昨日かなり寝たから今日はだいぶ体調が楽になってきたぜ。
サシャが部下を連れてアレイゼルへ潜入したと?
[クレメンスの子飼となったのもあって、そういう仕事もするのだろうとは思う。
万一の際にカナンとの繋がりがバレぬよう、銃の預かり証を残していったのも理屈にあう。
だが、「祖父の遺骨」は別だ。]
少し──気にかかる。
シメオン、
すまないが、もし可能なら、様子を見に行ってもらえるか。
[首筋がチリチリする。
それはきっと海風のせいじゃない。]
/*
ダウンしてて見きれてないんだが追悼がいっぱい来てたのは見てた。
嬉しかったぜ。
さてとゆっくりログ見てくるかな。
― オプティモ・クレメンス邸 ―
[”それ”を見つけたのはサシャの姿を探していた時のこと。
部屋にも居ないことから家令に所在を聞いたところ、斥候に出た話を聞いたのだ]
万一を考えて…?
…いや、必ず戻れよ、ヘイズナイト。
渡る時はお前も一緒だ。
[残されたものに触れて、想いが届くよう念ずる。
作成が始まった移民希望の名簿、その最初には、既に彼女の名がある>>215のだから]
カナン。
ヘイズナイトが
…彼女の祖父の遺骨と、預り証が部屋に残されていた。
身軽にして行ったらしい。
[或いは託して行ったのやも。
その推測を声に乗せはしなかったが、感じているものをカナンならば察せよう]
[案の定、カナンも同じことを考えたらしい]
オプティモからアレイゼル領までは、馬を借りても一日はかかるかな…。
おっさんの補佐や他の準備はトマス達に任せられるくらいにはなってる。
準備が出来たら急ぎ向かってみるよ。
[後を追うことはシメオンも考えていた。
カナンの頼みに迷わず是を返す]
/*
ええ、欲張りなんですよ。
受けるべきだと理性が言っていても、
どうも納得し切れないものがあると受けられないというか。
こう、なにかを妥協された気がして…。
うん。受けるべきだったんだろうけどねぇ。
(ソマリを困らせている気しかしない)
― アレイゼル領主館 応接室 ―
[概ねソマリの印象は悪くない感じだとは様子を見ながら思っていたが、従兄弟の協力は得ずにシュビトに戻るという盟主の言葉には僅かながら苦笑じみたものが浮かんだ。戻るのならば、自分もここにいる必要はなく共に席を立つ事になるが。]
あ、そうだ。
ソマリ、外交官たちどこにいるか知ってるか?
さっきのあの美味いの、見たことない菓子だったから、
ひょっとしてあの人らの持ってきた菓子なのかなと思ったんだけど。
[去り際そう問いかけたが、従兄弟の返事はどうだったか*]
― 南島 ―
[盟主が不在の間も、南島の状況は刻々と動いていた。
シュビトから出た人々は、各地の町や村の人を取り込みつつ、
数百から千の規模の規模であちらこちらに集まっている。
駐留地では用意されていた武器が配られ、即席の武具が作られ、
ある程度の部隊行動ができるよう訓練が行われている。
彼らを指導するのは、ガートルートが鍛えた精兵たちだ。
学生らを中心とする、戦いの心得のあるものたちは
当初の予定通り、王府軍に対してゲリラ活動を続けていた。
民衆よりは幾分装備が良い彼らは、
王府の兵を襲撃することで、さらに装備を充実させている。
メレディス隊を襲撃したのもまた、そんな一隊だった。]
[「準備が出来たら」と言いつつ、シメオンの声は、もうその準備を初めていた気配だった。
ふたりとも、きっとまた共感しているのだ──この、虫の知らせを。]
ああ、頼む。 おまえも、
[気をつけてゆけ、と、唇を引き結んだ。]
― オプティモ ―
トマス、ディック、ロラン。
ちょっと手伝って欲しいんだ。
[シメオンを含め4人となった乗員で、とある計画の算段。
それは、短い打ち合わせの後に、更にクレメンスへと話が通ることになる]
娯楽ついでの鍛錬ってとこかな。
移民希望がもう来てたら、口裏合わせて欲しいんだけど、出来っかな?
[曰く、移民希望者には今後行う舞の披露や指導に積極的に参加して欲しいと言うこと。
長い棒、短い棒を使って打ち合わせ、リズムを取りながらの舞は言わば剣舞。
けれど、傍から見れば道具を使った舞にしか見えないと言う寸法。
舞を通じて味方になり得る賛同者を自衛出来るくらいには鍛えようと言う魂胆がそこにはあった]
[最初はオプティモの民全てに文化の紹介として披露する。
これだけでも目を付けられるかもしれないが、皆に押し付けるわけではない、単なる文化の交流。
それを学びたいと、民から言われて教えることに非は無いはずだ。
ナミュールの文化を残しつつ、外からの文化を伝える。
それがシメオンのやり方]
俺だってただ座してるわけにはいかねーからさ。
[斥候に出たサシャ然り、単身王府側に身を投じたカナン然り。
自分だけ何もしないと言う選択肢は無い]
[それからもう一つ]
おっさん、馬一頭借りられねーかな。
前々から、太古の森に興味があってさ。
領地が領地だけど…やっぱ見てみたいんだ、この国の原生林を。
……ドルマール神殿にも興味があんだけどね。
[舌を出して悪戯めいた表情で言う。
神殿についてまで口にしたのは、クレメンスに信を置いているがため]
移民希望者を募ったり、移民のために必要なセミナーしたりってのをやるのに時間がかかるなら、その間に見たいものを見て来たい。
[クレメンスを見詰める赤い瞳には、学者としての情熱が宿っていた。
ただし、情熱の裏には別の目的も潜んでいる*]
[去り際に従兄弟から問いかけられた言葉に、口端を浮かべる]
ああ、やはり君は気付いた様だね。
買い付けたのだよ。オプティモでな。
随分と足元をみられ、金銭を吐き出したがね。
…そちらは私に任せろ。
[何か思惑を匂わせた普段通りの様子で、従兄弟の肩に手をおいた]
…良い友に恵まれたな。ガーティ。
お前達の行動が実を結ぼうと結ぶまいと、彼は失くすに惜しい逸材だ。
此れまでで積み上げたその力を駆使し、必ず彼を助けてみせろ。
尤も、私に云われるまでもない事だろうがな。
[彼の盟主に対するその評は、裏の無い率直な物で。
久方ぶりに会えたが、然し彼と共に戦いへ赴く従兄弟の肩を再び叩く事で、男は彼等を送り出した*]
― アレイゼル領 ―
[解放軍の彼等が、船で南へと赴いたろう頃。
男もまた、行動に出る決意をつけた]
貴族諸侯の中にも有能な者達はいる。彼等を味方にするは必要。
貴族と民衆と巫女姫と、すべてを纏め導くが彼の本意だろう。
然し、どの道無能な者共は、裁くに越した事ない。
彼の卿は、無論前者。味方につければこの上ない助力だ。が。
…惜しいかな。このソマリ・フル・アレイゼルの目には。
今の貴卿は、王府よりも強大な不安要素に見えてならないのだよ。
[白き軍服、腰に刷くは指揮官用の剣、扉を出て。
そこに居並ぶは家令始めとした、私兵軍の隊長格達の整然とした姿]
アレイゼル領主の名に於いて命ずる! 出陣の編成をせよ!!
私兵軍、二千の歩兵大隊は編成が完了しだいドルモールへ赴け!
王府軍とは交戦の一切を禁ずる! 神殿と巫女の宝珠を守護せよ。
繰り返す! 王府軍とは交戦の一切を禁ずる!
残る私兵軍は、軍の編成を整えろ!
馬の飼葉を集めよ!
弓の弦を張り詰めよ!
剣の刃を研ぎ澄ませ!
オプティモへ間諜を飛ばせ!
彼の領内に耳目を植えつけろ!
領内をうろつく間諜共を洗い流せ!
我がアレイゼルは、これより王国と民衆の未来が為の戦いに臨む!!
―――― 出陣の準備を始めよ !!
[解放軍との非公式な会合を終えた直後から、アレイゼル領地が大きく動き出した。
間諜の多くがオプティモに向けて放たれ、領地の私兵団は、物々しく出陣の準備を整え始める事となる。
そして、領地や、街の中に隠れ潜む間諜達を暴き立てんとする目はより厳しくなり、領内に潜み、アレイゼルを探る者達を探しだすだろう]
― シュビト ―
……ん?
どしたの、プルウィア。
[街に戻って間もなく、小猿が空を見上げて短く鳴いた。
視線を辿れば、何かを探すように旋回する翼が見える]
あれは……。
[連絡用にと飛ばされる翼を見紛う事はない。
だから、迷わず合図の指笛を鳴らした]
山で、何かあったの?
[降りてきた翼に託された文を外しつつ、問いかける。
猛禽はこてりと首を傾いでこちらを見るばかり。
さもあれ、見て見ない事には、と開いた文に綴られるのは、山岳の近況]
……ぅ。
なんか、まずい方に進んでるかも。
[動き始めた情勢。
麓まで降りるようになった若者たちが伝えるそれが、一族の危機感を高めているのだ、という報せ]
一度、戻らないと、かな。
伝えなきゃいけない事もあるし。
[でも、その前にやる事があるから、と。
足を向けたのは、教会の方]
―フィオン隊―
[女の率いる軍勢は東方…スルジエの手前に差し掛かろうとしていた。
企みによってこの地に王府軍の手が伸びようとしている事は知らず。
女は斜め左側に聳える険しい山脈を仰ぎ見る。
そこには風の民が棲まう地もある。
二年前から巡視の際に何度も足を踏み入れた地だ。]
「あそこはシュビトに手を貸しているか以前に真っ黒だがなぁ。」
[どうする、との問い掛けに女は思案する。]
…彼の地は迂回する。
あの精衛兵らを相手にするのは骨が折れるからな。
[あの兵を率いていた指揮官はあれから何処に行ったのだろうと僅かに意識を向ける。
彼の青年と直接言葉を交わしたのは、もう随分昔のような気がした。]
[女の率いる軍勢には、シロウより引き継いだ歩兵らがいた。
二隊に分ける際、歩兵である彼らを一方に固めた。
それは騎馬隊の利点たる機動力を考慮してのもの。
機動力を殺されてしまえば、騎馬隊はその利点を無くす。
勿論騎士達は馬上でなくとも戦う事は出来るが、身に着けた重い甲冑は俊敏さを失わせてしまう故に。]
…殆ど休みなくの行程ですまんな。
不自由はないだろうか。
[休憩の際に彼らに声を掛ける。
彼らは行軍中に騎士団の面々と言葉を交わし、連帯感のようなものを築こうとしていた。]
/*
きゃー、俺よりソマリさんの動きが速い件。
[ 今何か書きかけてたようです ]
このまま戦争しかけてくれるのかなwktk
えーと、どうしよう、邪魔にはならんだろうから、投下はしとくか。
航海は順調だ。
ただ…
海獣が出るかも、って言われた。
[こちらの身を案じてくれたシメオンに、前後の脈絡を省いた報告を投げる。]
どんなンだろうな?
[ちなみに、タコを見ると蕁麻疹が出るのだった。]
− 王府軍船上 −
[>>295 予想通りというかなんというか。
この大使はゲームをする事を選んだようだ。
唇の端を緩く上げて、軽く小首を傾け、]
そうですねぇ………
私はこう見えてもゲームは好きですよ。
ヌメロンやグリードでも良いですし。
シンプルにトランプを使ったお遊びでも良いですか。
ブラックジャックやポーカーがお手軽に遊べますかね。
[政治家たちとのお付き合いで色々と嗜んできたものだ。
今出来そうなゲームの例をあげつつも。ふと、思い付いて。]
そう言えば―――……
そちらの国ではあるかは知りませんが。
21ゲームというものがあります。
ルールは簡単です。
交互に1〜3の数字を足していき。
21を言ったほうが、負けなのです。
………やってみますか?
カナン様がお客様ですし。
先攻で、どうぞ。
[良く晴れた青空の下、軽く投げかける。]
必ずや貴君らは王都へ帰す。
それまでの間、宜しく頼む。
[そう紡ぐ女の言葉には僅かながら柔らかな色が混じる。]
「俺らにはそんな優しい言葉を掛けねぇくせに。」
煩いぞ。
[女がじろと睨むと、レオンハルトは肩を竦めて逃げ出す。
どっと周囲に笑いが起こった。
女の軍勢も学生らのゲリラ攻撃を一度受けていた。
幸いにも戦死する者はいなかったが、負傷者は出ている。
副官がそろそろ、と告げると、隊は身支度を整え、更に南へと向かう。*]
[>>295 そして賭けの報酬には、冗談めかして、]
悩みますねぇ。
面白そうなのは、シメオン様の身柄を王府に頂くとか、でしょうか。
勿論、そちらが勝てば私の身柄がそのまま、貴方のほうへ。
………でも、シメオン様居ませんしねぇ。
[副官を寄越せなどと野蛮な事を申しつつも、]
何か良い案ありますか?
[大使の様子を伺った。何が狙いだろうか。]
/* ところで
貴族排除や王府転覆はだめ!といってるのに
早速貴族が狙いだしたのは大貴族というこの この
話聞かずに自分判断で爆走するこのダメ貴族
― アレイゼル領 ―
「あのう、姐さん」
[ サシャ率いる私兵の一隊が、ジェフロイとガートルートのアレイゼル領入りを探り出してすぐに、若い兵たちの間でもリーダー格の一人が、サシャの顔色をうかがうように声をかけた ]
「姐さんだけ知らないってのも、あれかなーっと思うんで、言っとこうと思うんですが…クロード・ジェフロイてのは、頭領の大事な友人て人の息子なんだそうです」
[ それは、クレメンス自身からではなく、シュビトの集会へと潜入するにあたって、彼の傍近くに常につく古株の私兵から、若い私兵達に内密に伝えられていた話だった ]
「頭領は、構う必要も助ける必要も無いって、言ってたんですけど、死なせたりしちゃいけねえって、俺達の間では…」
[ 暗黙の了解として動いていたのだと、そう告げて ]
「伝えるのが遅くなってすみません」
[ と、若い兵は、頭を掻いた** ]
/*
ソマリさんが解放軍側ですか。
フィオン落ちるので王国軍勢がぐっと減りますね。
サシャ―ソマリ
フィオン―ジェフロイ
で合ってる、かな。ややこしくしてすみませぬ。
[南島に帰還した盟主らを待っていたのは、
王国の騎士団が南島に残って行動しているという知らせだった。
行動範囲を聞き、船でそのまま南側へと到達したときには、
騎士団と一戦交えたという話が加わる。
機械弓が有効だった、という話も聞いた。]
あまり好き放題にさせておくわけにもいかないな。
ここで、みなの訓練の成果も見せてもらおう。
[駐留地のひとつを訪れて状況を確認し、
この地の民兵を動かすことを決める。
若干の不安をまぶした歓声が上がった。]
海獣〜?
船襲ってくる何かが居るってことか?
白い猿といい、俺達の知らない何かが居る可能性はあるよな…。
[船旅で気をつけなければいけないほどだ、想像してしまうのは巨大なナニカ。
タコみたいなのじゃなきゃ良い、とカナンのことを想って願う]
[唇の端を弧に描きながらも、口調はあくまで平静に。
巫女姫の勘違いに柔らかく、応対する。]
…………言葉が足りなくて申し訳ございません。
合流するのは先遣隊のみです。
では、先遣隊にはデ・モール火山の麓で会えるように手筈を整えておきます。
――――また、ブラバンドにてお逢い致しましょう。
こちらの方が距離は近いですが、いかんせん、不安定な海路です。
巫女姫の方が早く到着する可能性もありますが。
ご心配なく、ブラバンドでの準備はしっかり整えてきましたゆえ。
安全に城内に入れる事でしょう。
[そして、暫しの間のあと。軽く笑って、]
ふふっ、
―――――……迎えに来て欲しかったですか?
[意地悪く、問う。]
[相手が少なくとも2隊いるとの知らせに少し考えるが、
1隊を確実に潰してしまおうという結論に至る。
歩兵が加わっていたという隊に狙いを定め、
駐留地の民兵らを出発させた。
民兵らが900にやや欠ける程度、
それに周辺の遊撃隊を呼び集めた100名ほどが加わる。
遊撃隊の半数には、有効であった機械弓がいきわたっていた。]
ガート、頼む。
[長年の気安さで遊撃隊の指揮を頼み、自分は民兵らとともに行くこととする。
相手騎士団の予想移動地点へと、およそ1000名ほどの隊が動き出した。]
― シュビト・教会 ―
[訪れた教会は、嘆きの声は減っていたけれど。
やはり、重苦しい空気があるのは否めない。
それに飲まれて叫びそうになるけれど、唇をきつく噛んで押さえつける]
…………。
[亡骸の傍ら膝を突き、取るのは風の民の独自の祈りの態。
白の小猿は肩から降りて、ちょこな、とその隣に座り込んだ]
……もっと、いろいろ。
教えてほしかったんだけど、な。
[ぽつり、と零れるのは小さな呟き。
特異な出自を持つ自分を、他の生徒と分け隔てる事無く扱ってくれた。
そんな些細な事でも、降りてきたばかりの頃は嬉しくて。
結果、学館に来て、最初に懐いたのはマーティンだった]
それに……ちゃんと、名乗りたかった、し。
[真名を告げるのは、相手への最大限の敬意。
いつか、ここを離れる時に、それまでの感謝と共に、と。
そんな風に思ってもいて、だけど、それは叶わなかった]
[ゆるりと視線を巡らせる。
非常勤講師だったシロウとは、自身が弓を得手としている事もあって接する機会は余りなかった、けれど]
……一度くらいは、って。
思ってたんですよー……。
[ぽそ、と小さく呟いて、息を吐き、それから]
Sky altus ventus revolvuntur .
Ipse transfigere urbis rati , benedictionem .
[ごくごく小さな声で唱えるのは、祈りの言葉。
古き民が、戦士を送るために唱えるそれを歌うように、そっと紡いで]
…………。
[祈りの姿勢を解いた後、掻っ攫うようにして白の小猿を抱き締めた。
そうして、泣き出しそうになるのを抑え込む。
この場にはまだ人がいる。
人がいる場所で泣くわけにはいかない。
──泣き声で男子を装うのは、難しいを通り越して多分、無理な事だから。*]
[アレクシスが「21ゲーム」のルールを説明する。]
ほう、ナミュールではそれをゲームと呼ぶのか。
マチュザレムでは、子供をからかうジョークのネタだ。
それも、算数のできないチビ助をな。
[あえて、こちらに先攻を振ってくるからにはカラクリを承知しているのだろうと、目を細める。]
/*
>>282で盾仲間三人共に死亡フラグを建てたわけですが、挟撃して800そのまま果てましょうか。むーん。
あ、此処編集ミスってた。(白目)
「言葉」被ってるーw
― オプティモ沖・洞窟 ―
[ カナンとシメオンに船を自慢しながら、男は、かつて少年だった友の息子が、友に連れられて、屋敷を訪ねてきた時、邸内を探検した挙げ句、この洞窟に入り込んだことを思い出す。
あの時も、ガートルートが一緒だったか。
崩れやすい洞窟への抜け道を、二人だけで通ってきたと知って「二度とやるな!」と拳骨を落としたものだった ]
[ あの時は、まだ半分程しか組み上がっていなかった帆船は、正体不明の巨大建造物と、少年達の目には映っていただろう ]
[ 短い時間の間に、手近な荷を開けてみたカナンとシメオンは、それぞれに役立ちそうなものを見つけ出したようだった ]
かめら?
目に見えるものを印刷????
[ 未知の機械は、さすがに理解不可能で、男はお手上げとばかりに、軽く両手を広げて笑う ]
元々の所有者は君だ、何を置いて、何を持っていくかは、君の自由だとも。
私はそれほど阿漕な商売人ではないからな。
[ シメオンに農業のセミナーなら問題ないかと問われれば、ふむ、と暫し考える仕草 ]
[民兵の多くは鎧もつけない簡素な姿で、
豊富に産する竹に鉄の穂先だけを付けた長い槍と
大きな木の板に持ち手をとりつけた大盾を携えていた。
他には各々が鎚や手斧を持つのみである。
ただし、民兵の中に3人だけ、別の装備をしたものが混ざっている。
試みに、ライフル銃を持たせてみたものだった。
やがて前方より王府軍発見の知らせが届けば、
全員の上に緊張が走った。]
― アレイゼル領 ―
オプティモ……あー、やっぱクレメンスのおっさんとこか。
[>>306外交官の行先は友人共々懸念事項で、近々相談と称してどちらかがオプティモに行こうかと相談済みだったが、ソマリからの返答で彼らの行き先を確信する。交渉は得意な従兄弟がふっかけられたと聞くと苦笑した。]
足元見られたって…
おっさんが上手なのか、
ソマリがどんだけ欲しがったのか伝わったのか。
まぁ探してたから助かった。さんきゅ。
任せ…
[任せろ、に何時もの様子を感じ取り、一瞬何するのかなとは過ぎったが。]
何すっかは知らないけど、じゃ任せた。
[特に反対する事なかったのは、気楽に構えていたからか。]
だろ、俺の自慢の友達だ。
[従兄弟の友人への評価には、認められたような気がして嬉しそうに笑った。]
ああ、言われなくっても、勿論。
…ソマリもクロのこと、助けてやってくれよな。
[誰に誓うでもなく、言われるまでもなく、心からそうしたいと願っているからこそ従兄弟の言葉に頷いて。ソマリの思惑はどうであれ、そうなればいいとは素直に口にしていた。]
あとアレ美味かったから、きっと売れると思うぜ。
何ていうか今度教えてくれよなー。
[じゃあなとひらり、見送りの合図には手を振り返し応え、アレイゼルを後にした*]
[続く、賭けの内容についての吟味には、肩を竦めた。]
ゲームの質に比して、大層なことを。
…おれが勝ったら、この先、あなたのことを「ユレ君」と呼ばせてもらおう──と考えていた。
[過去形で意図を明かし、そのまま背を向ける。]
すまん、
身体が冷えた。船室で休む。
― 南島戦場付近 ―
おう。
出来るだけ派手に動いて注意を引くつもりだけど、
何かあればこっち”で指示してくれればすぐ動く。
[心話の利点もあるため、遊撃に出るのは異論無い。
民兵ばかりの盟主らをあまり前に出さないよう、引きつける算段で、騎士団が移動するだろう地点へと急いだ。]
先ずは突っ込むくらいの勢いで行くぞ。
その後、すぐに距離を取れ。
釣れたら万歳、釣れなかったらまた突っ込んでを繰り返す。
[遊撃隊にそう指示を出し、訓練済みの一団は速やかに交戦予定地帯を横から攻めるように動いた。]
おや、ご存知でしたか。驚きました。
[>>327 肩を竦め、大仰に反応してみせた。
そう「21ゲーム」は先攻は絶対に勝てないゲームである。
詳しい説明はここでは省く。
>>335 然し、その賭けの報酬の方には偽りなく、]
――――……驚きました。
[驚いた、と正直に吐露してみせた。
船室へと戻っていく大使の背中を、静かに見つめ。
一言、呟いた。]
…………。
[計算し過ぎなのだろうか。人を疑い過ぎなのだろうか。]
―――――……外は、寒いですね。
[けれども、船室に入る事はなく。デッキで海を見つめた。*]
― アレイゼル領・宿『ポンドフィールド』 ―
[ 薬による緩やかな眠りから、覚醒する。]
定期連絡の時間になっていましたか?
[ 自分では浅い眠りの心算だったが、本調子では無い体調は睡眠をより必要としたのか。副官に任命していた私兵の顔が見える。側には彼一人、否、他にもいるようだ。]
集まる事は禁じた筈です。
[ 言いながら、口を噤む副官が全身から緊張を漲らせているのはすぐにわかった。何かがあった。]
「報告が二つあります」
[ 副官の声が未だにどこか遠い。良く聞いた薬だが、効き過ぎている。
ひとつ。
彼は告げる。ソマリの屋敷を訪れていた解放軍の二人が屋敷を出たらしい。
尾行は危険との事で、それ以上は深入りしないまま撤退したとの事だったが、続けて全領に発せられた檄>>309の大まかな内容が伝えられた。
が、それは場の二人の緊張感の理由にはならなかった。]
「詰められています」
[ 副官の声は落ち着いていた。落ち着いていたからこそ、もう一つの報告を先にしたのだろう。寝る前までは周辺に何の気配も感じられなかった。あの医者が帰っていくまでは少なくても――。]
「既にこの宿に我々以外の他の客はいません。一階の主人はまだ何ら事情を知らぬようですが」
[ 副官は商人の格好をしていた筈だったが、既に腰に剣を佩いていた。着替えを差し出された自分も上着を羽織る。茶色の外套。なめした皮を用い、遠くからの矢ならば払う厚さがあった。
外に出た他の客はそのまま阻められたか、と思う。
遠くから大きく攻囲を作って、輪を狭めてきたに違いない。他の部下達はどうなったのか。檄に従って自分を追い詰めるべく詰めてきたのであれば、部下達の動きも把握している可能性がある。]
問題。
余程バカさえやらなければ自分が勝つルールでゲームをやろうと言ってくる理由はなんだ?
[またも唐突に、事情解説を伴わない状況報告を投げる。
苛立ちを押し殺した声だ。]
―フィオン隊―
[斥候より千程の隊が見えるとの報告を受け、女の表情は険しくなる。
数にして倍以上。
向こうがどれだけの情報を仕入れているかは知らないが、機械弓の情報が渡っていれば更に不利となろう。
特に訓練された兵らが加わっている可能性も有る。]
「こりゃあ、狙われたか?ぶつかる前にメレディスの隊との合流は…位置的に望めんだろうな。」
迎え撃つしかあるまい?
あいつが気付いてくれると有り難いがな。
「よし、いっちょ騎士団の意地を見せてやるか。」
[盾仲間の変わらぬ姿に女はほっとする。
彼をメレディスの隊の方に回す事も考えていたが、此方に置いたままにして良かったと思った。]
――総員、五列横隊。
[相手の隊は二つに分かれているようだ。
大多数が集うのが本隊。もう一翼は遊撃隊か。
女は号令を掛け、八十人ずつを五列に並べた横隊の布陣を整えさせる。]
弓兵は左翼前方に。
槍兵と剣兵は騎士団の後ろに。
[基本的な戦力は騎士団の騎兵。
弓兵は彼らの視界を遮るものがないように前方に配置する。
行軍中に彼らの腕を見定め、乱戦となれば弓を使わずに剣を取って戦うように指示していた。]
今、宿にいるのは?
[ 自分を含めて三人。二人は攻囲が狭まる前に飛び込んできたのだろう。周囲を閉鎖して閉じ込めに掛かったといっても、街中の事である。戦場のように無理は利かない。
警邏隊か、私兵を用いたとしても数十か。百はいないと思いたいが、高を括れる立場ではない。役目の者が決めただけの数が動員されているだろう。
それでも他を見張る者に人数を割けば、こちらに踏み込める数は絶望的では無い。]
サシャの落ち度ですね。
まさか、ここまでするような事があるなどとは。
[ アレイゼルは"動く"ようだ。動けず寝ていた出遅れが、不備を生じさせていた。
本来ならばこうも簡単に網に掛かるような失態を自分も彼らは犯さなかった筈だが、繰言は後でいい。
手早く身支度を済ませる。その間二人は周囲の様子を覗きに行こうとはせず、じっと身に迫る気配を研ぎ澄ませる事を優先していた。
ならず者が官憲に陥れられる方法として、偽装に惑わされる事が多いかららしい。その理屈は判らなかったが、そこは彼らに任せた。
囲まれた事に気付かないで寝ていた者の判断は、気付いて助けに来た者の直感より劣る。*]
[教会で祈り捧げた後、今度こそ、出立の準備を整えた。
元から余り多くない荷物を背に、真白の小猿を肩に乗せ。
腕に抱えているのは、水やりを頼まれた、揺れる薄紅の姫貝細工]
あー、いたいた。
おばちゃーん、ちょっといいー?
[その姿で探すのは馴染みのおばちゃんたち]
うん、色々考えたんだけど、一度山に戻って、色々決めてこようかな、って。
だから、その間これ、預かってくれるかな。
水遣り頼まれてたんだけど、歩き回る事になりそうだから、難しいんだ。
[だからお願い、と。
にっこり笑顔で差し出して]
……え?
あ、うん。
だいじょうぶ、だよ。
預かりもの、人に預けて帰ってこない、なんて事はないから、大丈夫。
[向けられる、案ずる言葉に返すのは笑みと]
それより……これから、色々と大変だろうから。
おばちゃんたちも、気を付けて、ね?
[生まれた地を離れていても、寂しさを感じる事無く過ごさせてくれたひとたちを案ずる想いの言の葉]
……さて、と。
[挨拶済ませ、街を出る。
伝令の翼は、『一度そっちに戻るから、今は大人しくしてて』と記した文を託して先んじさせた]
間に合わせなきゃ。
……このまま、動き出した時間に飲み込まれるのも、置き去りにされるのもダメ。
一族の未来、ちゃんと、捕まえるためにも。
[そんな決意を込めた呟きの後、山へと向けて馬を走らせる。
以前交わした約、それへと繋がる動きの事は未だ知る事はなく。*]
[唐突に降る、どこか不機嫌そうな問いかけ]
………
一つ、自分が優位に立つため。
一つ、相手の力量を測るため。
一つ、単なる揶揄い。
限りなく低い可能性として、空気を変えようとしてのそいつなりの気遣い。
なんか吹っかけられたのか?
往くぞ!
[騎士達がそれに応じ、剣や槍を打ち鳴らす。
その音は対峙する相手の耳にも届いたか。
フィオン隊は各々の武器をもって真っ直ぐに進軍した。]
/*
間に合ったなーと思ったが。
これクロとソマリが無茶シヤガッテ…なおかげで間に合ってるようなものか…二人ともお疲れ様だほんと。。
( 後でにしましょう。ただ――)
名前は?
いえ、貴方の名前です。
[ 暫く考え込んだ素振りを見せた後、代わりに具申してきた私兵に名前を聞いた。彼が名を名乗れば]
今現在を以って貴方をサシャの副官に任命します。
[ 小隊長でも副隊長でもありません。と注意をしながら、即座に任命して、諸事を任せる。自分は人を使う事に慣れていない。ならば複雑な事を考えるよりも素直にやりやすい方を選んだ。相応しくなければ解任すればいい。]
まずは言葉遣いからですね。
普段は構いませんが、公務中はそれでは差し障りがあります。
[ そんな事を言いながら、話を進めていった。*]
[ガートら遊撃隊のものたちが横に回り込んでいくのを見ながら、民兵たちは改めて隊伍を組みなおす。
全体で見れば、正方形の形だ。]
初実戦の相手が王国騎士団とはなぁ。
[方陣の中ほどで指示を飛ばしながら、周囲に聞こえぬようひそりと呟いた。
遠目にもわかる白銀の鎧が眩しい。
ふと、枯色の瞳が脳裏に浮かび、
深い息をして、それをゆっくりと消した。]
いいな。
訓練通りにやれば大丈夫だ。
俺たちが王国騎士団に勝てるってところを見せてやろう。
[応、と上がる声にかぶさるように、剣や槍を打ち鳴らす音が聞こえてくる。
それをかき消すように、声を張り上げた。]
構え!
[最初の号令で盾が隙間なく並べられ、槍が前へと向けられる。]
前進!
[次の号令で、密集体系を保ったまま、隊全体がじわじわと進み始めた。]
…、人払いはしてあります。
此処には、私と貴方以外おりません。
[まず最初に、そう告げておく]
フィオン殿、
……いえ。今だけはこう呼ばせてください。
かつてのように、フィオンと。
[少しだけ悪戯っぽい、役割を消した眼差し。
宵藍が穏やかに、朽葉色の髪の旧い学友を見つめる]
美味しい、お菓子があるんです。
是非貴方にもお裾分けしたくて。
[そう言って、荷物から取り出したのは古ぼけた木箱だった。
両手に収まるほどの小さなもの。
見た目は簡素な作りだが――――、蓋を開けると内側には
鮮やかな色彩の模様が描かれている。
この国では見かけない、独特な筆使いの精巧な造り。
蓋を開けば、ぽん。ぽん、と聞き慣れぬであろう音色が
軽やかな音を綴った]
ふふ。びっくりしました?
曲を奏でる小箱なのです。
私の、お気に入り。
[中には、花の形を模した淡い色の落雁が入っている。
高級な和三盆を用い、木型に入れて押し固めた繊細な干菓子。
庶民の口にはなかなか入らぬ高級品だ。
それを包み紙ごと幾つか、取り出した]
― 回想・五年前 ―
[巫女姫は清貧な存在として在るため、
献上品は基本受け取らない。
ただ、一から十まで拒否していては、
それはそれで貴族諸侯の反感も買う。
そこで誕生日祝いだけは受け取る――ということにした]
[本隊へ向かって進軍する中、>>336横合いから攻めてくるのは遊軍。
民兵とは様子の違う彼らが機械弓を持っている事に気付けば、顔は顰められる。]
「ちっ、面倒なものを。」
だが、あれを残しておくわけにもいくまい。
本隊は見たところ槍や剣のようだな。
[本隊と遊軍との装備の違いを判じつつ、舌打ちする盾仲間は右翼側にいる。]
「――そっちは俺達に任せろ。
騎兵を半分貰っていくぜ。」
[一つ頷いてみせると、レオンハルト率いる150の騎兵は騎馬を繰って遊軍の方へと向かっていく。
正面から突っ込むのではなく、湾曲した進路を取って。]
……… 壊れている、のでしょうか。
[残念ですね、と呟いた。
この国には無い曲調の、なかなか楽しい音色だ。
最後まで、耳を傾けてみたかった。
音色は途中までだったけれど、小箱としての造りは問題ない。
いつか、音色の終わりまでを聞ける日が来ればいいと思って、
その日以来――小箱は巫女姫の荷物のひとつに、
そっと収まったのだった*]
― クレメンス邸/宴会中 ―
[ カナンとシメオン、そして預けられていた飛行船の乗員達を交えた宴会の途中、突然にカナンから為された提案>>238]
市長?シュビトの市長に私が、かね?
[ 町長、市長という地位はナミュールにもある。しかしそれは地元の意見を聞きつつもあくまで、領主や王府が任命する公職であると見做されていた ]
選挙、というのは、シメオンにも聞いたが...確か、靴屋が国の首長になることもできる、だったか?
[ ギルド長などは、会議による多数決で選ばれる事が多かったから、選挙というものの理屈も、やはり飲み込めぬでもなかったが ]
本当に君は、いつも突飛なことを思いつくな。どういう頭の構造をしているのか、一度覗かせてもらいたいものだ。
― シュビト郊外・天幕 ―
―――…、
[小箱の蓋を閉じれば、柔らかな音色もぱたり。止まった。
後に残るのは、ためらいがちな沈黙と]
…。貴方が、此処に残ると伺いました。
国を護る為、此の地で尽力してくださるのだと。
[そっと、フィオンの手を取る。
女性なのに剣を握るその掌は、皮が硬く逞しいもの。
誰かを護る人の手だ。
巫女姫は落雁の入った包みを、餞別代わりにと
彼女の手のひらに置いて――
自らの両手で外から重ねるように包み込んだ]
[本隊250はそのまま真っ直ぐに本隊へと向かっていく。
しかし弓の射程範囲で止まり。]
――撃て!
[女の号令で弓矢を番えた弓兵が斉射する。
十数名によって放たれた弓矢は、方陣を築いたジェフロイ率いる本隊へと降り注ぐ。
その数は続きざまに五回。]
[やがてフィオンは天幕を辞して…]
――――さあ、出立いたしましょう。
[親征軍も首都ブラバンドを目指して、南島の地を後にした*]
[ カナンが本気で言っていることは、クロードの名がその口から出た時に知れた>>239
男は、彼の熱弁が途切れるまで、その話を黙って聞き、静かな笑みを浮かべて返す ]
面白い話だ。だが、それを実現するためには、まずクロード・ジェフロイの命が無事でなければならん。
[ 解放軍の絆は固く、クロードの傍には彼を護ろうと心を砕く友もいる。だが...と、男は手にした盃に視線を落とした ]
やはり、今のままでは難しい。
[ 今は解放軍を侮っている貴族諸侯も、彼等が力をつけていけば、本気になって阻みにかかろう。そう、例えば、王府直属の騎士団が打ち破られでもしたら ]
― クレメンス邸/宴会中 ―
しかし、確かに面白そうだ、考えておこう。
[ 沈む気配はすぐに祓われ]
私が負けるとは限らんぞ、なにしろ私には、たまごプリンとカステラの恩恵がある。
[ 賄賂にでも使うつもりか、そんなことを言ってにやりと笑った* ]
― オプティモ ―
[クレメンスの許可を得て>>330、オプティモでは第一回農業技術セミナーが開催される。
一回目では渡航準備に関してのものは織り込まず、純粋に、穀倉地帯であるオプティモを豊かにする目的を持っていた。
農地を開拓せずとも収量が増えれば、人口増加にも対応出来るはずと考えてのこと]
土ってのは生き物だからさ、酷使しちまうと疲れちまうわけ。
だから休息を挟まなきゃならねぇんだが…それだと毎年の収量が限られちまう。
だから、ここに土を休眠させつつ収穫出来る作物を挟むんだ。
これを行うことで休耕地が無くなって、その農地分収量が増える、って寸法なわけ。
休耕地になる農地に植えるのは、根菜か牧草が良いな。
俺のオススメは根菜だ。
自分達の食料にもなるし、育成不良のものがあったとしても家畜の飼料になる。
[などなど。
食糧収量が向上することはナミュールにとって有益なことのはず。
ここに関しては開国反対派も文句は言うまい]
[ただし、第二回以降は人数制限をしてセミナーを開催する。
少人数で質問等を密に交わす、と言うのが表向きの理由。
裏向きには移民希望者のみを集め、渡航に関する必要な知識を挟みながら教える、と言う形をとったのだった*]
― 山岳地帯 ―
[慌ただしさを増し、各所で衝突も始まる中を単身抜けていくのはかなり厳しい道中と言えたが。
それでも、出くわした相手が学館での知り合い、というケースも多々あり、どうにか山へと帰り着く事ができた]
……そういや、あっち、どうなってんだろ。
[奥地へと踏み込む前、視線を向けたのはスルジエのある方。
シュビトで出会った白金の貴人とのやり取りが過る。
一から十まで、全て信用しているとは言えないが。
何かしら、動きが出てくる、というのは何となく感じていた]
とにかく、その前にこっちまとめないと……。
[そんな決意を固めつつ、山を登る。
途中、伝令の翼が目に留まると、近くにいるであろう鳥使いを呼ぶべく合図を鳴らして帰還を知らせた。*]
例の21ゲームをやろうって言われた。
しかも、賭けの対象おまえ指名。
[沸点そこ。]
…気遣い? んんー
[指摘を受けて、ちょっと冷静になったらしい。]
今回の国交交渉にあてつけてンのかな。
おれたちのやり方はそれと同じだと。
[最終的には力押しのワンサイドゲームを、ナミュールは強いられているのだと。]
そのまんまのルールじゃ勝てないと思ってるなら、どっかで手を加えるか、ゲームを降りるかだ。
だが、降りられないなら──
盾、上!
[相手が立ち止まり、弓兵が構えたのを見て号令する。
最前列を除く兵たちが盾を上に翳した。
隊全体に、まるで屋根を掛けたかのような形となる。
そこへ、矢が降り注いできた。
矢の多くは盾に突き立って止まる。
だが不幸にも盾の間をすり抜けた矢に当たって誰かが呻くたび、陣形に動揺が走った。]
うろたえるんじゃない!
死にたくなければ死ぬ気で陣形保て!
[叱咤して陣形を維持させつつ、不運に斃れたものを置き去りにして前進を続ける。
盾の隙間から覗きつつ、相手の矢が止み、接近戦を挑んで来る機をじっと待ち続けた。]
− クレメンス邸 (昨夜) −
[公選挙を、という唐突な提案をクレメンスは、ちゃんと吟味してくれた。
彼の基準に照らし合わせて、面白いかどうか。
難しい、と告げたのは貴族としての経験からくる状況判断だった。
まずもって、選挙実施までクロードが無事でいられるか、という点において。
クレメンスは、近いうちに軍事衝突があると推測しているのだろう。
あるいは、いや、確実に、自分たちもその一因である。]
…ええ、 クロードを殺されてはならない。
[それゆえに、クレメンスとその取り巻きをシュビトへやるのも選挙にかこつければ叶う。
マチュザレム軍人でありながら、今は自分の麾下部隊を持たないカナンはそっと拳を握りしめた。]
そう言えば、お土産をひとつ預かっています。
貴女のお口にも、きっと合うでしょう。
甘いのが苦手な私でも食べられたのですから。
[シメオンからの手土産の事を伝え。
同時に、甘いものが苦手な事も、遅ればせがら告白した。]
[それでも、保留つきながら、クレメンスは選挙の実施を考えておくと言ってくれた。]
ありがとうございます。
長老殿にお頼みしてよかった。
楽しくなりそうです。
[私が負けるとは限らん、と笑みを浮かべるクレメンスの意気込みに破顔する。]
むろん、おれの見込み違いで、クロードが集会での決起成功でなにか成し遂げた気になっているようなガキだったら、容赦なく叩きのめしてやって結構です。
[音高く、クレメンスとグラスの縁をあわせた。*]
[穏やかな談笑の一方で、]
そうですか。
白銀の乙女なら、安心して後陣を任せられますかね。
[>>=30 一度フィオンとも話しておいたいのだけれども。
なかなかそれは叶わなさそうだ。その報告に、ひとつ頷いた。]
-ブラバンド港-
そろそろ到着ですよ。船酔いなどは大丈夫ですか?
[久しぶりの帰還である。オプティモ港よりも数段大きく、そしてずっと古めかしい街並みが視界に入る。出立した時と同じように、ウミネコの鳴き声が聞こえてくる。
充分過ぎるほどの準備を整えてきたので、特に混乱する事もなく、港に入る事が出来た。]
直に親征軍も到着するでしょう。
もしかしたら先遣隊は既にこちらへ到着しているかもしれません。
いずれにせよ、謁見の手筈が整ったら、お逢いする事が出来るかと思います。
[船の揺れが完全に収まってから、静かにアレクシスは降りる。]
護衛の皆様も長旅、お疲れ様でした。
このままカナン様を城へとお連れ致します。
さ、カナン様。
どうぞ、ご案内致します。
[潮風を浴び、穏やかな様子でカナンを促した。特にカナンに意見がなければ、このまま城に赴き、謁見の準備を始めるだろう。*]
― アレイゼル領 ―
[私兵軍の編成には時間が掛かる。故にまずは間諜の排除。
つまり、領地に忍び込んだ鼠を一掃することが肝要だ]
…ふん。領内の街に怪しい奴らか。
他の間諜共は掃いて捨てれたのか?
… … … …まあ良い。
私も、怪しい場所にまで出向いてやろう。
まずはお前達で、詰めろ。
[街の外周から大きく作られた輪を、きゅ、と締め付ける様に。
じりじりと嫌らしく、そして確実に輪の円周を狭める様な操作網だ。
領主直接の命令が届けられた、間諜狩の警邏隊、私兵は、更に間諜達を詰めに掛かるだろう。
中には、今宿で危機を実感しだした者達の姿も存在している]
[>>370放った弓矢は上に翳された盾で遮られる。
けれどその内の幾分かは当たり、動揺するのが感じられた。
本隊にいるのは戦に慣れていない民兵のようだ。
五回の斉射の後、女は魂込めた声を張り上げ、
革命を起こそうとしている者達に向ける言葉を紡ぐ。]
諸君。
誰かを殺すという事は、相手の命を――
武器を取って王府に造反するという事は、貴君らのやり方を望まぬ者に貴君らの考えを強いるという事だ。
貴君らはその事の重みを強く意識せよ。
― 帰還の道中 ―
[デ・モール火山付近にて、アレクシスが派遣した先遣隊と合流。
巫女姫率いる親征軍は、そのまま右上へと北上し、
恙無く首都ブラバンドまで到達する。
アレイゼル領で、理想に燃える若き英雄と
自らの利と国の利を共に追う貴族とが、
ナミュールの有り様に対する想いを戦わせあったとは、今は知らず。
しばらく留守にした北島――その首都へ帰還した。
勝ってはいないので当然凱旋とは言えない。
海路を往くアレクシス一行も、ほぼ前後して到着しただろうか]
国の在り方に置いて、私達の望みは大きく違う。
友和が望めないのであれば、行きつく先は相手の屍の向こうにしか存在しない。
但し、そこに貴君らの屍が混ざっているかもしれぬ事も覚えておけ。
貴君らにその覚悟があるのならば、見事私の首級を上げてみせろ!
[紡ぐ言葉の終わりは一斉攻撃の合図。
左手を横に真っ直ぐに伸ばし、弓兵らに武器を長剣に持ち変えさせる。]
かかれ!
[250の騎兵・歩兵の混合部隊は本隊に向かって突き進む。
騎兵らは馬上から民兵を蹴散らし、長剣や槍を振るわんと。
歩兵らはそれぞれ槍と剣を握り締めて騎兵らに続く。]
− 船 −
[船室のベッドに寝転がり、しばし沈思している。
このままじゃ後味がよくない。]
…おまえは、絶対に手放さないけどな。
[深呼吸。
それから、えいやっ!と起き上がると、もう一度、甲板へ出た。]
― アレイゼル領・宿『ポンドフィールド』付近 ―
[その頃宿の外では、既に剣を刷いた私兵や警邏が周囲を探りだしていた。
領民ではない。然し旅人や商人にしては挙動の怪しい人物。
この付近に存在するのではないか]
『そこの宿場を改めろ!』
『酒場はどうだ! なに、昼に酒びたる酔っ払いだけ?
ああもう、そんな奴は放っとけ!』
[事実、アタリを付けた宿屋が改められていた。
但しそれは、サシャが臥していた宿屋からは数件先の場所。
然しそう遠くない内に宿を改められるのは違いないだろう。
現在、宿に近した路地を見張るのは精々十名前後。
直接宿に踏み入る者も、三名四名という程度。
掻い潜ろうと思えば掻い潜れなくもないかも知れない。そんな按配の人数だ]
[アレクシスを探し出し、声をかける。]
さっきのゲーム、
この船上だけのローカルルールを考えてみないか。
頭振り絞って、どっちもが納得できる落しどころを探す。
[開国交渉のミニチュア版だ、知恵を貸せ、と求めた。
道はなければ作ればいい。]
― 南島戦場付近 ―
先に釣れたな。
[突っ込む予定が、向こうからきたのなら好都合、とばかりにやや離れた位置で、弓50剣50の一隊は足を止める。]
弓兵構えろ、騎兵から目を離すな。
歩兵は姿勢落として、弓兵の外側を囲むように陣を張れ。
[急ごしらえの円形の陣を作らせる間、弓兵は機械弓を構えて敵を待つ。]
前面の馬を狙え。
射程ギリギリまで引きつけろよ
って、え。……苦手…、 だったのですか?
[こそり、と問い返す。
五年前に女学生全員で贈ったハート羊羹が、
ふっと脳裏を過ぎって――――
(やっぱりハート煎餅にするべきでした。醤油味…。)
なんて今更ながら後悔したとか*]
―――撃て!
[合図と共に、複数の矢が騎兵の馬に向かって矢が放たれる。]
撃ったら充填急げ!
次の組、構えろ――――撃て!
[さほど修練を詰まなくても効果的な機械弓だが、装填に時間がかかるという弱点がある為、撃ち手は2組に分かれている。それでも矢の雨となるほど、間をあけては矢は放たれずに疎らなそれになったが。]
-船-
―――――………。
[独り、物思いに耽る。
ナミュールの海は不思議な色をしている。
否、ここの海しか知らないので、カナンに言わせればまた違うのかもしれないが。
時に昏く藍のような色をしたり、時に眩いばかりの翠を放ってみたり。]
………私は巫女姫がもし居なくなれば、どうなるのでしょうね。
[海に、問う。]
……………。
そうですね、
先程のゲームは貴方の仰る通り、悪戯のようなものですし。
あのゲームにローカルルールを科すよりかは……
正々堂々ゲームをしますか。
[そしてカードを差しだす。]
単純です。数字の大きいカードを引いた方が勝ちです。
[そして、はたと気づく。
何となく、嬉しいようなくすぐったい様な。そんな気持ちだ。
ただのお遊びに、何の邪推もなく、真剣に検討する自分に、笑ってしまった。]
― カナン出発時・オプティモ港 ―
良い船旅をな、大使殿。
[ シメオンと別れの抱擁を交わすカナンに>>、245そう送りながら、男は護衛としてつく私兵達に、視線を投げる。
そっと頷く彼等は、万一の時にはカナンを連れて王府を脱出し、しかるべき場所に身を隠させるように指示されていた。
もちろん、アレクシスがそれを読んでいることは承知の上、これは保険のようなものだ ]
ああ、あれか。
………そんなに菓子が気に入ったんかな。
[21ゲームと聞いて納得した後、自分が賭けの対象となっていたことにそんな感想を漏らす。
あてつけかと漏らす声と続く思案するような声を聞くと]
………
俺達は一方的に開かせようとしてるんじゃない。
互いに折り合いつく形を探してる。
そうだろ?
[確かに共和国には最終的に武力でと言う手段はある。
けれど、それは極力使わないようにしたいから。
だからこそ、こうしてシメオン達がこの国を訪れている]
―対遊撃隊―
「あっちも始まったようだ。
こっちも負けんじゃねぇぞ!」
[レオンハルトの言葉に応じる声が響く。
レオンハルト率いる150の騎兵は三日月のような軌道を描き、>>381>>382弓兵と歩兵の円陣を築く遊軍に迫らんと駆けていく。
全体の軍勢としては此方側は半分以下。
敢えて見える事を選択した機械弓を向けられても怯む事はない。]
「思う存分駆け回れ!」
[何頭かが穿たれ、落馬する者が出た。
それで骨を折った者も数名。
上手く受け身を取った者は起き上がり、己の武器を握り締めて騎馬隊に続く。
残る騎馬はその機動力をもって二隊に分けられた弓兵の装填の間隙を縫い、負傷をしてでも弓兵を削らんと馬上より長剣や槍を振るった。]
-ブラバンド城-
それでは此方で暫くお待ち下さいませ。
っと、失礼。
――――――――……そうですか、分かりました。
[カナン様を、控え室に連れていった時だっただろうか。
>>376 伝令がアレクシスのもとに訪れて、巫女姫がブラバンドに戻った事を伝える。]
タイミングが良いですね。
巫女姫もお戻りになられたようです。
お疲れでしょうから、直ぐには逢えないかもしれませんが。
そう遠くないタイミングでお会い出来るように致しましょう。
その後で、街案内もしてあげますよ。
[>>383 先程そっと伝えられた街の見学の希望も飲みつつ。
カナンが待機する部屋の入り口に兵を配置させ、アレクシスは部屋を抜けた。]
[そして、]
巫女姫……、ッ、
[それはどんな声だっただろうか。
緑の世界で常に交わしていた時とは違い、自分が彼女を呼ぶ声は少し震えていたかもしれない。
それでも、きっと巫女姫の凛とした声と、宵闇の双眸を見とめれば、]
――――――……おかえりなさいませ。
[激情は飲み込み。心のなかで殺して。
慇懃な様子で、影は静かに一礼をしただろう。]
― ブラバンド城 ―
[古い建物の入り組んだ街並を通り過ぎ、
街の中央の王城と呼ばれる場所へ。
王城――とはいっても、
永代姫王が座する王座は、千年の間、空席のまま。
貴族諸侯が軍政に関する意見を取り交わす政務の間が、
この城で最も多く使われている部屋である]
アレクシスはもう戻っているのですか。
異国のお客様を連れて、――――はい。
あちらの正使殿も長旅でしょう。
面会するのは、疲れを癒されてからで構いませんよ。
[伝令から話を聞きつつ、城に設けられた私室に移動する]
[騎士団の中から、張りのある声が届く。
声の持ち主が予想通りだったことに一度目を伏せ、
上の盾を開かせて、姿を晒した。]
俺たちは、誰かに押し付けられたものではない未来を勝ち取るために、立ち上がった者だ。
たとえ志半ばで倒れようとも、次に続く者のために道を切り開く。その覚悟で武器を手にした。
[半ばは民兵たちに聞かせるものだ。
既に屍を目にして怖気づく者へ。
自分の手で死を生み出すことに怯えた者へ。
そして誇り高き騎士団へ、その長へ、敵手たる資格を掲げてみせるための。]
新たなナミュールへの一歩だ。受けてもらおう!
[合図とともに、民兵に紛れていた3人の学生が立ち上がる。
それぞれの手には、ライフル銃が握られていて、銃口はまっすぐに騎士団へと向けられていた。]
[戦場に、3つの轟音が響き渡る。
近くにいた者は、いっとき耳が聞こえなくなるほどの。]
……行くぞ!
構え!駆け足!
[耳を塞いでいた手を離し、軽く頭を振ったのちに、前進を指示する。
盾と槍の列が、ひとつの壁となって突き進む。
両軍の先頭がぶつかり、騎兵に乗りこまれれば槍の列は容易く薙ぎ払われよう。だがその後ろから無心に新たな槍が突き出され振り下ろされ、戦いの激しさを増していく。]
― オプティモ ―
[ライフルの扱い方を私兵に教えて欲しいと言うクレメンスの依頼>>330には少し悩んだ。
彼らに構造や扱い方を教えるだけなら室内でも良いが、試し撃ちするとなると、ここで行うのは難しい]
あの洞窟を借りる?
でも跳弾して船傷つけたりしたら嫌だしな。
……………
[しばしの沈黙]
解放軍にもライフルはあるんだしな。
俺達が居るここにあっておかしいことは無い。
銃撃音は王府軍の神経に触るかもしんねぇけど……おっさんが民を護るため、とか言ったらなんとかなっか?
[民までライフルなど武器を持つのは王府軍も問題に思うだろう。
けれど今回ライフルを持つのはクレメンスが持つ私兵、元より戦いを生業とする者達。
理由は何とでもなる。
そう考えて声はおどけるものになった]
目下の問題は、弾薬の補充だな。
これが切れたらライフルはただの筒だ。
後は私兵分のライフルの量産…うーん。
[銃剣をつければ槍代わりにはなるが、遠距離攻撃と言う利点が無くなる。
この辺りはクレメンスに相談しよう、と決め。
ある分を使って、私兵に使い方を教えることにした*]
― アレイゼル領・宿『ポンドフィールド』 ―
宿に火を。
先頭はお前、次にサシャが。貴様は後方を頼みます。
[ 宿の外から合図が見えた。
二人が頷く。一人が縛り上げた宿屋の主人を入り口付近の柱に縛っておくと、もう一人が宿の裏手に火を放った。
小さな火がじわじわと、大きく焼け拡がっていくのを待ち続ける。]
( 火を見ると落ち着きますね。)
[ 既にあの耐え難い痛みは遠のいている。忘れているだけかも知れないが、構わなかった。薬による眠気も既にない。]
行きますよ、手筈通りに。
[ 縛られた主人の前に金の詰まった財布を置き、片手で詫びる。善行を仇で返す羽目に陥ったのは申し訳なかったが、これ以上構う余裕は無い。一番火の遠い場所に置いたものの、焼け崩れる前に助け出されるかどうかは彼の持つ運だろう。]
出ますっ!
[ 煙が立ち上がり、次第に騒ぎになっていた。近くにいた警邏隊の一行が慌てて駆けつけてくる瞬間、一人が飛び出した。少し遅れて続き、もう一人も後を駆ける。
隊長らしき馬に乗った兵の首筋に剣を叩き付ける間、サシャは抜き放った剣を小さな所作で振り、隊長の傍の兵を二人、負傷させる。残り一人も、残った兵の腰を切り払っていた。]
「 姐御、馬を!!」
[ 手早く死体を蹴落として隊長の馬を奪った副官から、手綱を受け取ると拾った槍を握ったまま馬に跨った。騎馬の扱いは上達には程遠かったが、構っている暇は無い。おっつけてくる一隊に向けて、馬の腹を蹴った。]
うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
[ 吼える。馬の頭を突っ込ませるように正面からぶつかった。槍が相手の胸を貫く。勢いのまま馬から剥がれていく後ろを副官が続き、その馬を奪った。
もう一人。目を見張っている姿。手綱を返す。
蹄で蹴倒したように、その顔が目前から消えた。]
― オプティモ・カナン出発後 ―
[ アレクシスとカナンを乗せた船の出航を見送った後、男は次々に舞い込む報告と指示を求める伝令に、暫しの間忙殺された ]
ん...?
[ 積み上げられた報告の中に、シュビトからの船に、乗っていたマッキントッシュの妻の名を見つけて、男は家令を呼んだ ]
シュビトから避難して来たもののうち、女子供、老人、怪我人、他に身体の具合の悪い者は優先的に上級の宿に移せ。
妊婦等も居るようだ、そちらは医師に診察させた上で、いつ出産することになっても困らぬように世話役の女性もつけろ。
[ シュビトや他の地で起きた交戦による戦死者の名も全て、報告の中には含まれている ]
血で購う、未来、か...
[ それは認めない、と、男は言い、血を流さねば開けぬ道もある、と友は言った。互いに剣を抜くまでに激した十年前の未来予想図が、今目の前に重い現実として、ある ]
− ブラバンド城 −
[王がおらずとも、城に相当する建造物はあるらしい。
貴族たちの会館のようなものかもしれない。
明らかに手の込んだ装飾で飾られた室内に通されたところへ、巫女姫の帰還が告げられる。
見送りに出るアレクシスに案内の礼を言い、自分もまた謁見のために身支度を整えることにした。
親書を挟んだファイルを脇に挟み、カメラは組み立てて盆に乗せ、クレメンスが遣わした護衛に運んでもらうことにする。
姿見に映してみた自分はなかなかの貴公子だ。
この国の基準に照らしても、多分。**]
( 門は全て抑えられています。指定の外壁までっ)
[ 残り一人を今まさに奪った馬に上げるまでの間、周囲の兵士達を牽制する。
押っ取り刀で立ち向かう勇者はその蛮勇の報いを食らわせる。槍使いは歩兵の華だ。馬上ではあるが、不安になる余裕もない。
三騎揃えば、それ以上留まる事無く、脱出を図るべくすぐさま馬を駆けさせる。*]
/*
そういえば遺言、最初はアレクとかルディにもしようかと思ってたんだが、クロード一人のみに意識向けたほうが焦点がぼやけないかなーって思ったんだ。
[少し震えているような、アレクシスの声。
緑の声と異なる、質感と温度の一層濃いもの]
…長らく留守にして、心配を掛けましたね。
ごめんなさい、と、 ありがとう。
[貴方が居たから、我侭が出来たんです。と添えた]
― オプティモ・カナン出発後 ―
[ 血を流す覚悟を語りながら、友の心こそが血を流していると、男は知っていた。
最も多くの血を流すのは、彼の育てた学徒達、或いは頼みとした有為の教師達だと判っていた ]
[ 共に学び、共に語り、酒を酌み交わし、友誼を交わした者同士が互いの命を奪い合う。
止めようとしても、落ちる砂は止まらない ]
アレイゼル卿の動きは?そうか...いや、ヘイズナイトの報告を待つ。
ああ、そうだ、おまえのいうとおりだな。
恨みが残る形にはしたくない。
おれたちがもたらすのは光だ。
[国交交渉に対する自分達のスタンスの確認に頷く。]
/*
3d終わり際にして、腹心と初エンカというこの事実……。
ほんと不良英雄ですみませんでしたあ!!!
中の人は以前も不良腹心やって、
英雄に「いい加減戻ってこい」と怒られた過去があります…。
あれだ。
三つ子の魂百まd
… … …どうした。 何?街に火の手が?
[宿に於ける抗争の事実よりも、先に広まるのは街のとある宿で起きた火事。
白昼堂々と、このタイミングでだ]
現場の者共は何をしている、収拾に当たらせろ。
強行を図る間諜の可能性も視野に入れ行動せよ。
――――……ご無事で良かった。
[>>406 恭しい様子で佇み、巫女姫の様子を伺った。
心に直接響くような声音とは、また少し違うような気がする。
然し、やはりその鈴のような声に、自ずと震える。
出会ってから、もうかなり経つけれどもこの感触はやはり、慣れない。]
色々言いたい事や相談したい事が山積みですが………
先ずは、カナン様との謁見が先かと思われます。
とは言えど、戦地からの帰還。
ゆっくり休まれてから会われるのが、良いかと。
いかがいたしますか?
[もし休むようならば、カナンに街案内をする方が先決か。
或いは、カナンも一晩城で休んで貰うべきか。
巫女姫の意志を第一に、と。彼女の指示を仰いだ。]
網を広げ直し、街中で足を取られるな。
この街より、間諜を生かして返さん事こそを肝要と覚えろ。
[前方に見える、騒がしさに揺れる領地の街を見つめ、男は数十の私兵と共に馬を走らせ、考える。
もし間諜の手による物なら、見張るべきは、赴くべきは、門か、内部か。
いや、それ以外の外壁か]
―対本隊―
[>>394掲げられていた盾が開き、民兵らの、彼らの掲げるジェフロイの姿が現れる。
己の言葉に応じるものなのだろう。
そうして率いる者に対して呼びかける声でもある。
屍を越えてゆく覚悟はあるのだと、そう示す為の。]
――貴君らが兵を率いて掲げる意志もまた、それを望まぬ者に強いるものだ。
貴君らが誰かに押し付けられたというものと何が違う?
我々はそれを望まない。
[三人の学生が此方に向かって何かを構える。
剣や槍の類でもない、機械弓でもない未知のもの。]
――ッ!
[>>395響く轟音に暫し聴覚が失われる。
僅か後に、進軍しかけていた三人の騎士が腹部を撃たれて落馬した。
心臓には至らなかったので即死は免れたものの、甲冑には弓矢ではない穴が開いている。
女は瞠目した後に、何が起こったのかを思考する。
あのような武器は知らない。
であれば――]
あれは、外つ国の武器か?
…ッ、あんなもので…。
[女は解放軍を睨み付ける。]
― オプティモ・カナン出発後 ―
[ シメオンからも数々の提案や>>303要望>>305が出された ]
舞か、考えたな...だが、教えるのは数人にしたまえ。
後は君達ではなく、その数人がばらばらに、時間を合わせず街角で他の者に教える形を取るといい。流行というのはそういったものだ。
[ 例え舞いといえど、まとまった教練のように見えればいくらでも難癖はつけられる。異国の文化を学んだ者が、他者に自慢して自主的に流行らせるという形なら、誰も文句のつけようがないだろう。
その分練度は下がるだろうが、背に腹は変えられないのが今の実情だ ]
怯むな。
大多数がもっている武器は我々のものと変わらない。
[騎士団を鼓舞して前進する。
騎馬で乗り込み、槍で突き通せば更に槍の追撃がやって来る。
女も栗毛の馬を操って民兵に迫って長剣を振るい、民兵を斬り払っていった。]
クロード・ジェフロイ…!
[紡ぐのは、首魁の名前。]
― ウェントゥスの里 ―
[久しぶりに戻った里は、酷く慌ただしい空気の只中にあった。
シュビトでの出来事、南島に広がり始めた戦いの兆し。
それらへの不安や翳りが色濃く出ている様子に、眉を寄せた]
……とにかく、みんな、集めて。
それから、話する。
[いつになく、真摯な様子で父にこう訴えた後、里の中央に住人を集めて]
みんなも、風が慌ただしいのは感じてると思うけど。
……今、里の外には物凄く大きな流れが生まれようとしてる。
千年の在り方、それを変えるかも知れない、大きな流れ。
それは、『外の世界の他人事』じゃなくて。
オレたち、古き民にもこれからの在り方を問うものって、言っていいと思う。
[告げた言葉に変えるのは、不安を帯びたざわめき。
それを一度、制して]
このまま、ここに閉じこもっていても、何も変わらない、変えられない。
今のまま、領域を侵され続けてたら、それこそ行き場もなくなっちゃう。
[それは、街の連中が悪いんだ、と。
我らを貶めるスルジエの連中を叩き出せば済む事、と。
そんな過激な声も上がり始める、が]
その、スルジエの事だけれど。
……もしかしたら、脅威じゃなくなるかもしれない。
今の段階じゃまだ、はっきりとした事は言えないけれど。
そこを変えたい、って意思を持ってる人がいて、何かしら、動いてるのは間違いないんだ。
[仔細は省いて、そこまで説明した後。
は、と一つ、息を吐いた]
里の外の人たちには、自分たちのためだけに、恵みを奪おうとする連中もいる、けれど。
オレたちをごく普通に受け入れてくれる人たちも、ちゃんといる。
そういう人たちがいたから、オレは、この二年、生きてこれた。
[思い返すのは、シュビトの、そして学館の人たち]
オレたちの事を異民族扱いする連中も確かにいる。
でも、そんな連中ばっかりじゃないし。
そんな連中の筆頭だと思ってた巫女姫も、そうじゃなかった。
[『巫女姫』という言葉に、ざわめきが大きくなる。
傍らで話を聞いていた父が、険しい視線を向けつつ、何故わかる、と問うてきた]
……会えたんだ。
それで、少しだけだけど、話す事もできた。
[最初にそう返し、それから、そこに至った経緯を説明して]
物凄く、綺麗な空気を持ってるひとだったよ。
古い言い伝えにあるような、冷たいひとじゃない。
ちゃんとした心を、意思を、持ってるひとだった。
[会見でのやり取りを思い出しつつ、告げて。
反応を伺うように、集まった里の者を見回した。*]
― 遊撃隊 ―
怯むな!
陣を崩すんじゃねぇぞ!
[単純な腕という点ではおそらく大差はないが、経験不足やらではこちらが劣る。迫る騎兵に臆さぬよう、弓兵を守るように密集させるが、怪我も厭わず迫る兵士を抑えきれず陣の一部が崩れかけた。]
チッ…全員持ち場離れんなよ!
負傷した奴は中央に引っ込んで弓と変われ!
[声が通るようあまり前へ出ずに声を飛ばしていたが、片刃を手に崩れかけた箇所の前へと飛び出し、最前に居た騎兵を下から切りつけた。
先頭慣れしていない者とは違い、命を奪う事を躊躇しない一撃は、肩を抉るようにして片腕を切り落とす。
そのまま円陣へは戻らずに迫る騎兵を削りにかかると、おそらく一隊を指揮している男の姿を見止めて、ふと口の端が上がった。]
アンタが隊長か?
…どっかで見た事あんな。
[戦場ではどうでもいいことかもしれないなとは片隅で思いながらもつい口にして、狙いを定めた猟犬のようにそちらに向かって走り出した。]
― オプティモ・カナン出発後 ―
[ 馬を、という要望は叶えはされたが ]
馬は君に進呈しよう、シメオン。だが、今はまだ出かけられては困る。
...恐らく、危険だ。
[ 太古の森と、ドルマール神殿...それはどちらも、彼のアレイゼル卿の膝元だ、虎の巣に敢えて飛び込む無謀は、今やるべきことではない、と、そう告げる ]
あっちにしてみりゃ、価値なんてそれくらいにしか見てねーんじゃねーの?
ふふん、お前置いてどっか行くなんて考えたこともねーよ。
……───ありがとな。
[全部が大事で大切と言ってくれる友。
それはこちらも同じ、カナンが居たからここまで来れた。
カナンだからこそ、傍に居たいと思う。
捨て台詞のような言葉には笑いそうになったが、伝わるカナンの想いに万感の想いを込めて感謝を紡いだ*]
そう。
だから俺たちは戦っている。
[屍を踏み越えてでも為すべき価値のあるもののために。
血を流すことでしか購えないもののために。]
俺が望む未来のために、
俺は、おまえを斬るんだ、フィオン・ヴァイサネン!
[乱戦の中、自分もまた剣を抜いた。
呼びかける声に、応えるように。]
[乱戦の合間を縫って駆ける。
振り下ろされる剣を、槍を潜り抜け、
栗毛に跨る白銀の前へ進む。]
俺が先へ進むために、
その首、貰い受ける!
[喉から声を迸らせながら、
馬上の相手に向けて、斜めに剣を走らせていた。]
― アレイゼル領・外壁 ―
[ 馬を駆る。
全力疾走はまるで風に乗っているかのようだった。実際は酷く揺れ、足並みの揃わない騎馬の鞍に尻を打ち付けられ、腰を上げる。追走する二騎は自分よりも明らかに巧みで、むしろ先頭の自分が崩れないように見張っているかのようだった。]
( 上手は鞍ダコができると言いますが…)
[ 腹が熱い。叩き付けられて、じくじくと痛みが沸いていく。馬も血の臭いに慣れていないのか、酷く興奮している。暫くは保つだろうが、時間の問題だった。]
( ――追っ手は?)
[ 思ったよりも初撃が良かったせいか、追尾してくる軍の動きは遠かった。打ち合わせ通りであれば、いいのだが不安が過ぎる。最悪の事態は避けたい。]
「姐御、もうすぐ――っ」
[ 蹲りかける自分に後ろから副官が声をかけてきた。長い平和の間に、壁面が幾つか罅割れて、よじ登る事が可能な外壁。潜入初日に街全てを囲む外壁の全てを見て周り、登る事が可能な箇所を数箇所、目星をつけて置いた。その一つに向かって駆け込む。]
( 一番判りやすく、一番オプティモに近い場所です。)
[ 市街地を駆け巡り、幾つかの曲がり角を曲がってから、移民の多い居住区の裏手を折れて目的の外壁近くまで駆ける。]
畏まりました。
では明日謁見出来るように支度をしておきます。
カナン様からは、私が申し伝えておきます。
[>>426 少し疲れた様子の姫に、ひとつ頷く。]
そうそう、お土産です。
シメオン・オリオール様からです。
控えめな甘さで、スポンジのように柔らかくて美味しかったですよ。
これでも食べて、疲れを癒して下さいませ。
[そう言って、菓子箱を巫女姫に手渡した。
姫はそれを口にしたら、どんな表情をするのだろう。]
―回想: →シュビト郊外・天幕―
[>>352巫女姫から呼び出しを受けたと聞けば、女は目を瞬かせる。
勿論、否やはないのだが――少しばかり驚いた。]
「フィオン、お前何かしでかした?」
していない!
私を何だと思っているんだ!
[そんなからかう言葉に女は眉を吊り上げ、レオンハルトの右足の脛を蹴る。]
「っつぁー…。あいつ…手加減しねぇのな。」
「いや、あれはレオンも悪いだろ。」
[盾仲間のぼやく声を背に受けて、女は巫女姫の天幕へと向かう。]
そうですね。
当然の感想だと思いますよ。
[>>=38 弱音を自分にだけ零してくれる事が、嬉しくもあり。
柔らかな口調で、そう答えた。]
――失礼致します。
フィオン・ヴァイサネン、参りました。
[>>353入る事を許されたなら天幕に入り、巫女姫に出迎えられる。
人払いをしてあると聞けば、驚いたように目を瞬かせ。
続く言葉には少し考えた後]
…であるならば、兜は無粋ですね。
[巫女姫の顔に浮かぶのはかつて共に学んだ少女に似た表情。
出立の為に前進を甲冑に包んでいた女は白銀の兜を外し、朽葉色の髪を曝け出した。]
…え?
いや、しかし…
[>>354菓子を、と聞けば女は目を丸くした。
しかし強く断る事も出来ないまま、彼女が荷物から取り出した木箱を見る事となったか。
その蓋が開かれれば、聞き慣れない音色が響き]
…っ…。
[枯色は瞬いた後、何処から音が流れているのか探すように食い入るように木箱を見つめる。
内側に描かれた模様は、やはりこの国では見られぬもの。
異国の文化と接する機会は学館以来なかった。]
火急時により馬上にて非礼致します。領主様。
見回り、ご苦労であります。
[ 平然とした顔をしたまま、ゆっくり近付くと馬上のまま敬礼をした。*]
火急時により馬上にて非礼致します。領主様。
見回り、ご苦労であります。
[ 平然とした顔をしたまま、ゆっくり近付くと馬上のまま敬礼をした。*]
…はい、驚きました。
[>>355軽く左胸を手で抑えて素直に頷いてみせる。
そう答える女の瞳は好奇心に少し輝いて見えただろう。
騎士団の隊長とはまた違う、素の女の顔。]
異国のものですか?
初めて見ました…。
[模様に気を取られていたが、その中には花の形を模した菓子が入っていた。
父が騎士団長になった時に幾らかの所領を与えられたとはいえ、女が高級な菓子を口にする機会などはなかった。
白魚のような手で取り出された包み紙に包まれたそれが、彼女がお裾分けしたいという菓子なのだろう。]
[>>361小箱は閉じられれば、柔らかい旋律もまた止んで。
天幕には沈黙が満ちる。
躊躇うような巫女姫の纏う雰囲気に女は口を噤む。
やがて彼女が口を開くのに耳を傾けた。]
――はい。
それが私の望みですから。
[手を取られるのに拒む事はせず、淡く微笑んで頷いてみせた。
菓子の入った包みが掌に乗る。
たおやかな手が己の武骨な手を包み込む。]
――…ありがとうございます。
[>>362無事を祈る言葉に笑みを深めた。
そっと己の手を巫女姫の手に重ねる。
己とは質の違う手だ。]
貴女を奉ずるこの国が私は好きです。
もしかしたら、あの者が言うように変えねばならないところもあるかもしれない。
けれど私はこの国のそのままを、貴女を護りたいと思います。
-少し前:>>=36-
………食べ飽きているんですよね。
[>>=36 少し残念そうな声音を孕む巫女姫に、肩を竦めて。
貧しい者だと、砂糖菓子なんて口にした事無い者だって多いと言うのに。我ながら、庶民の分際で生意気なものである。
然し、]
でもあの羊羹は――――……
今まで食べたどのお菓子よりも、
凄く、凄く美味しかったですよ。
[そっと付け足して。勿論、アレクシスのなかではそれが真実だ。]
[そろそろ出立の時だ。
女は巫女姫に笑い掛け、手を離してから頭を下げる。]
貴重なものを頂いて、どうもありがとうございました。
今日この日の事は一生…いいえ、死んだとて忘れません。
それでは、これで失礼致します。
貴女もどうかお気をつけて。
[そう口にすると、数歩下がり再度頭を下げて天幕を辞する。
只のフィオンとして会話をする事は出来なかったけれど、心はあの頃のように添えたと――そう思う。
その後は迷う事無く騎士団の元へと向かっていた。*]
― オプティモ・カナン出発後 ―
錬度は出来るだけ上げてーんだが……しかたねーか。
先ずは扱えるようになるのが先だ。
[クレメンスの指摘>>415に少し悩んで、その案を受け入れる]
纏まっての指導じゃなく、流行したところに少し足を伸ばして手を貸す、くらいなら出来っかな。
どの道、指導側の人数も限られてる。
そこまで大々的には出来ねぇ。
[そこから少しでも錬度を上げられるような工夫案を出し、準備を進めて行った]
[もう一つの希望は一部だけの許可>>425]
……分かっちゃいるけど、行かなきゃなんねー時もあるんだよ。
[ともすれば抜け出さんとするかのような声。
ただ、先んじてサシャについての報が届くようなら、出発は一旦見送られることになる。
その場合は、情熱の裏にある目的が果たせないと言う意味に繋がるため*]
― アレイゼル領・外壁 ―
[街中では騒ぎの声が此処まで届くが、此処は実に静かな物だ。
当然だ、周囲の私兵達は全て領主自らが引き締めているのだから]
…然し静かに過ぎるな。
これは。間諜共がいたとしても別の場所にでたか。
あるいは。唯のボヤ騒ぎだったかな。
まったく、私も神経質な物だ。
[最も簡単に考えるならば、オプティモの方面に最も近く向いたこの周辺だと考え、兵と共に赴いたが。
どうやら領主自らが態々出てきた割には、儲けは草臥れらしい]
[>>427乱戦で、誰が何処にいるかも分からない状態。
>>428けれど此方に向かってくる男の姿ははっきりと目に収める事が出来た。]
来い…!
異国の武器など使わずにな!
[異国の武器の仕組みは初見の女には知らない。
けれど本能的に嫌っていた。
あれは遠くにいる者を殺す事が出来る武器だ。
近付く事なく、息遣いを感じる事もなく。
使う者は安全かもしれない。
弓よりも‘優れている’のだろう。
けれどそれで相手の命を奪う事は、何処か遠くの出来事のように感じるだろう。
それは女には許しがたい事だった。]
ああ、君が隊長なのかな? ご苦労。
この付近は私が見回ろう、お前達は別の場所を担当してくれたまえ。
[平然とした表情、馬上の敬礼も凡そ完璧だ。
ゆっくりと近づくその騎手が、果たして男のすぐ近くにまで近づいた時]
[ジェフロイが間近に迫り、彼の振るう長剣が迫りくる。
女はそれを避ける事なく、馬上から長剣を振り下ろした。]
はあああああッ!
[渾身の力を込めた剣はジェフロイに迫る。]
… … …優秀な騎手は背を張り、腹で上体を保つのが常識だ。
馬は不得手か? その様な未熟者の兵など私は知らんぞ?
[まるで耳元で囁いている様に呟く、冷たい声]
…、まあ。
[柔らかな卵色をした、決め細やかな生地。
触れれば、ふわんと跳ね返ってきそうな厚み。
そわそわする好奇心が表に出てしまっているだろうか。
こほん。なんて取り繕うような咳をひとつして]
いただき、―――ます。
[添えてあった竹楊枝を使って、一口大に切り取り口元へ。
近づければ、甘いはちみつの香が期待させるように擽った]
[ほろり。と口の中で溶けるような。
今まで食べたどのお菓子とも異なる味と食感]
、…… おいしい。
[知らず、笑みが零れていた*]
[ごふり。
強かに地面に身体を打ちつけた女の口から鮮血が零れる。
立ち上がらねばならない。
此処で倒れるわけには――]
/*
ドヤ顔で乗馬語るけど、貴族、正しい乗馬のコツとか知らない…!
それ全然ちげえよってツッコミあったら貴族土下座る…!!
[兜は外れ、顔は露わになっていた。
女はそれに構わずに手に力を込めて身を起こそうとする。
斬られた胸が焼かれたように熱く、手は僅かに震えている。
身体が思うように動かない。
――動いてくれない。
ジェフロイの姿が見えれば、女はそれを睨み付け、]
――クロード・ジェフロイ。
さぁ、首級は此処だ。
[はっきりとそう口にした。]
/*
フィオンの信が、態度が、ほんとに騎士だなあ…。
その真っ直ぐさが、胸にきますよね。
貴方に護られて私は幸せでした。
貴方に胸を張れる巫女姫で、これからも在ろうと思いますよ。
ありがとう。
― アレイゼル領・外壁 ―
騎馬を駆って、三人で一斉にあの貴族に襲い掛かります。
周囲は彼を守るべく盾を構えた歩兵が覆うでしょう。
矢を射る者がいればサシャが払います。
そのまま、皆で個々、歩兵の持つ大盾を蹴って、外壁を越えます。
[ 副官達二人に小声でとても簡単なように途方もない無茶を言った。]
はい、カナン様も楽しみにされておられましたよ。
[>>446 明日の謁見に自分は居合わせるべきだろうか。
他に手を回しておけるところは、一刻も早く回しておきたいところだが。
そんな算段を素早く計算しつつも。静かに頷く。]
[上から迅雷の如くに長剣が落ちてくる。
それを、咄嗟に引き抜いた2本目の剣で止めた。
否、止め切れずに刃が肩に食い込む。
肩の骨が砕けたのではないかという衝撃によろめき、
痛みに意識を飛ばしそうになるのを堪えた。
初めて知る、戦いの痛手。]
[切り上げた剣には手ごたえがあった。
金属と肉とを裂いた衝撃が腕に伝わる。
それもまた、調練では知ることのないもの。
落馬した彼女にさらに挑むべく駆け寄ったところで、
彼女の素顔と向かい合うこととなった。
こちらを睨みつけてくる枯色の瞳。
共に、学び舎で過ごしたことのある学友。]
…っ!
[逡巡は、半瞬ほどの間だった。
両手で一本の剣を握りしめ、切っ先をフィオンに向けて振りあげる。]
そのぐらいの無茶ができるとサシャは信じておりますよ。
[ こちらはたった三騎だが、相手もそれほど多くは無い。一撃さえ凌げれば活路はあるようにも見えなくもない。
こちらの開き直りに相手も乗ってくれた>>447らしい。どうやらこちらのやけっぱちの奇襲>>455は成功しない。ただ、狙いは異なる。相手も笑顔のまま近付く。白々しい貴族の顔が間近に見えた。]
( この程度でしかなかった部隊長で申し訳ありません。)
[ 最後まで連れ添ってくれた二人に内心で詫びる。自分は居残って、二人のいちかばちかを支援するつもりでいた。二人を逃せれば、反対方向の外壁から脱出する予定の他の者達も無事ならば、自分以外の全員が帰還できる。
彼らが戻れば、クレメンスに幾らか詫びる事ができよう。]
[そしてカナンの部屋へと再び赴き、]
カナン様、お待たせ致しました。
巫女姫のご好意により、明日、会われる事になりました。
カナン様、ご準備を宜しくお願い致します。
[そう言いながら部屋のドアを開ければ、]
―――――?
何でしょう、その箱は。
[>>403 絡繰り仕掛けの小箱のようなものが盆に乗せられていた。
それを不思議そうに見やりながら、貴公子にそのまま不思議そうな目を向けた。
きっとその正体は明日、知る事になるのだろう。楽しみだ。**]
―対遊撃隊―
「お前らの力はこんなもんじゃねぇだろう。
騎士団の誇りを見せろ!」
[>>423陣の一部が崩れそうになれば、それに迫ろうとする。
兵の練度もさるところながら、指揮官もまた優秀なようだ。
赤髪の男が崩れそうな場所へ飛び込もうとした騎士に下方から切り付け、その片腕を落とす。
そのまま円陣に戻らず前線の騎兵を削らんとするその男をレオンハルトは目に収める。]
「シュビトと王都で会ったかもなぁ?」
[>>424質問には半分しか答えない。
油断すれば斬られる。
そんな空気を膚で感じながらも口の端を上げながら
レオンハルトは黒毛の馬を操り、猟犬の如く己に迫る男に向かって長剣を振り被った。]
[忠告を受けた騎手が、馬の腹を蹴りだす。予測していた通りに盾を構えた歩兵達は領主を守ろうと動き出す]
三騎とも押さえ込め! 決して生かすな!!
弓兵、アレを射ろ!
[同じく予想された通り、弓を持つ私兵は五人。突貫する騎手以外の二騎が逃げを取れば即座に狙いを定めるだろう]
[男は刷いた剣を手に、油断なく突貫した騎手を睨み付ける]
貴様、どこの間諜か。いや、クレメンス卿かな。
まあ良い。出陣を前に話が漏れては困る。
速やかにその首貰い受けるぞ。
[赤毛の騎手は、相当なやり手と見える。恐らく一対一で決闘すれば負けるのは確実に己だろう。
その勇猛さを備えた能力の高さを惜しいとは思うものの。然し騎手を生かして帰す気など、男には更々無かった]
仇なす者に容赦は不要… … …殺せ!!
[その鋭い殺意を伴う命令を皮切りに、数十の私兵は、たった三騎のみの間諜を殺す為に戦いが始められる。
普通に考えれば、彼等の生存はどう見積もれども絶望的だ。騎手は押さえ込まれ、逃げる二騎は弓に射抜かれ、落命するとその状況を見れば誰もが考える、そんな場面なのだろうが…]
[>>459振るった長剣は防がれる。
けれど勢いを殺しきれずに何処かを斬ったらしい事は感触で分かった。
そう思った時には女は落馬し、身体を強かに打ち付けていた。
何処かを折ったかもしれないが、胸の痛みが強くて分からない。
殺せ、と告げた後>>460瞬きにも足りぬほんの僅かな間だけ相手から迷いのようなものを感じた。
けれどそれを振り切るようにして、ジェフロイは剣を振り上げる。
>>462絞り出すような叫び声と共に己に向かって突き下ろされるそれを、女はじっと見据えていた。]
― オプティモ ―
[意地を通した結果、護衛つきであるならば、と言を得た>>464。
それを聞き張り詰めていた気を少し緩める]
恩に切るぜ、おっさん。
[早めに向かいたいと思うところはある。
だが馬も早々用意出来るものでもあるまい。
4頭必要となるなら、尚更。
調達の苦労を任せてしまうのだからと、そこは素直に引き下がった*]
[剣が女の心臓を貫く。]
――…。
[ややあって、ごぼりと女の口から血が吐き出され、口の端を伝う。
顎から甲冑に流れるのをぼんやりと感じていた。
両目を温かなものが伝う。]
[それは涙だ。
愛しい人を喪って以来、殆ど流れなかったもの。
あぁ、これで死ぬのか。
もう守れないのか。
巫女姫の姿が脳裏に浮かぶ。
最後に交わした言葉を思い出す。
彼女から貰った菓子は勿体なくて食べられずに馬から提げた女の少ない荷物の中に大切に仕舞ったまま。
彼女は女の護りたかった国の象徴であり――護りたいと強く願った人。]
……巫女姫、殿下。
キール。
どうか ごぶ じ で。
[剣を引き抜かれれば女の身体は地面に倒れ込む。
絞り出すように殆ど息で紡がれた言葉は伝えたい相手には届かず。
涙を滲ませた女の枯色の瞳は、 もう 何も映さない。*]
「隊長ー!!ぐ、ぁ…ッ。」
[フィオンの死に気付いた副官の注意が逸れ、民兵の槍で突かれ落馬する。
長剣で抵抗を試みたが、多勢に無勢だった。
フィオンの隊は指揮官を失って総崩れとなり、全員が討ち死にした。150の手勢を率いたレオンハルトも抵抗したが、そのまま。
南島の南に船が到着したらしい、との斥候の連絡を受け、異変に気付いたメレディス隊が到着するのは、フィオン隊が崩れ去った後の事だった。*]
/*
さ、流石に無理ですな…。
貫徹する事になる。
中途半端で申し訳ないです。
後はやり取りしづらかったらすみません。
―メレディス隊―
[メレディス隊が異変を察知したのは、
南島の南方に船が到着したらしい、との斥候の連絡を受けた事が切っ掛けだった。]
「急げ…!
間に合ってくれ…っ。」
[祈るように馬を急がせる。]
/*
こんなのを書きかけてました。
挟撃とか無理でしたね?
表672ptですと…。
次っ。
[ 盾歩兵の攻囲に守られた弓兵をそのまま、潰していこうとすれば敵が割れる。馬の足を速める。数騎が襲い掛かってきた。一騎は薙ぎ倒し、もう一騎は叩き落した。
気付くと身体に矢が刺さっていた。展開した兵のどこからかに射られたらしい。槍を突き出し、盾を構える兵がいた。]
( 羨ましい。サシャはそちらの指揮官になりたかったでありますよ。)
[ ボヤく。血を吐いていた。背後から掛け声と共に獣のような気配が襲いかかってくるのを感じて振り返って、槍を突き出した。槍で受け止められる。数合わせの兵から、親衛隊に顔ぶれが変わっていた。]
全く、不甲斐ない…。
落ち度もいいところです。
[ 馬に槍を受け、脚を折ると自ら転げるようにして馬から離れた。立ち上がって剣を抜きながら、貴族の位置を確認する。陣形が見えた。飛び込んだところで、及ぶまでもなかった。矢が迫り、刃で断ち切った。]
!! やめ――っ!!
[ その時に、同じく馬をなくしていたらしい生き残りの二人が鉄壁の陣形に向かっていくのが見えた。静止の声など間に合わない。
遺体が二つ、できた。別れの言葉も、からかいの餞の言葉も告げられないまま、未熟な指揮官の下で彼らは死んだ。
無茶振りに付き合う事無く、彼らが脱出する気などさらさらなかったのは、その傷だらけの姿ですぐにわかった。あれだけ血を流しながら、二人とも背中に傷がなかった。]
お見事です。
実に良き兵です。
[ 褒める。アレイゼルの兵はとても良かった。彼自身が率いる親衛兵になってからは、全く歯が立たない。一人を斬り上げれば、すぐさま横から剣が突き出されていく。伸ばされた剣を弾き飛ばそうとして、受け止めそこない剣を落とした。跳躍し、兵が落とした剣を拾う。間断なく、襲ってくる兵。
貴族は見ているか、指揮をしているか。
矢音がして、しゃがみ込んだ。息を吸う暇もない。動く隙をついて襲ってくる。自分が敵兵達の詰めろにかかっているのがわかった。死地に呼び出されるように、
攻撃を受け、斬り付けては離れ、矢を避けては、槍を断ち切る。]
はぁ… はぁ… はぁ… はぁ…
[ 気付けば足元には二人の配下の死体。目の前には全く手も出せそうもないソマリ達が、ただ自分を見詰めている。あちこちで弓の弦が撓る音が聞こえ、後ろから槍を構える兵が拠って来るのがわかった。
――――ここで、詰んだ。*]
― ベルサリス学館・回想 ―
[もうすぐ春が訪れるというのにまだまだ寒い季節。
女生徒たちの様子がどことなくいつもと違うように感じられた。
貴族たちが陰謀を巡らすように、水面下で何かが起きている。
それを問い詰めようとしても、彼女たちはするりと逃げて捕まえる事ができない]
(なんだ?この感じ)
[そう思いながらも日々は過ぎ。
そしてある日]
『先生!』
[授業が終わったあと、いつものごとく職員室へ向かっていたところを呼び止められる]
ん?なんだ?
[振り向くと、そこにはキールを含む数名の女学生がいた]
『先生。異国では今日は自分の思いをお菓子に込めて贈る日なんだそうです。
だから私達も先生に感謝の気持ちを贈ろうかなって。
はい。先生。どうぞ』
[そうして渡されたのは、淡い桃色の袋。
促されて綺麗に結わえられた紐を解くと、中にはハート形をしたあずきの羊羹がいくつか入っていた]
これをオレに?
[問い返すと、生徒たちははいと頷く]
そうか!
いやぁ、こんないいもん貰えるなんざ教師冥利に尽きるな!
ありがとよ!
[こんなに可愛らしい贈り物、嬉しくないはずがない。
満面の笑みで彼女たち一人一人に視線を送りながら礼を言う]
キールもありがとうな。
[キール……その正体はこの島の巫女姫であり、本来なら同年代の友人達とこのような他愛のないことをするなど、本来ならないだろう。
その彼女が菓子を贈ってくれることは、彼女にとって友人たちとの得難い貴重な経験だ。
館長からキールの正体を聞いて以来、学館でしか出来ない経験を積んで欲しいと思っていただけに喜びもひとしおだった]
[それになんといっても、キールはとても可愛らしい娘なのだから。
頬が緩みっぱなしになるのは必然であった]
盟主 ジェフロイは、上級将校 サシャ を投票先に選びました。
/*
ありがとな。
ここでならいくらでも一緒に飲めるぜ。
[ウイスキーを飲みながら]
しかしひとつだけ未練があるとすれば、
温泉羨ましかったw
― オプティモ・カナン出発後 ―
[男は、ライフルの教練を行う場所については、シメオンのなんとかなる説>>397に同意を見せた]
私が君達の荷を手に入れた事は、すでに秘密ではなくなっている。シュビトの解放軍が、そのライフルを使っている事もな。彼等に対抗するために、同じ武器を使うと言えば、王府も黙らせることはできるだろう。
[無論、その分だけ相手からの警戒は強くなる。だとしても…]
むしろ派手にやってもらう方がいいかもしれんな。
そもそも武器を持っていることと、その武器の威力を知らせるだけで、いくらかは手出しを控えさせることが出来るはずだ。
[抑止力としての武器、つまりはそういった使い方を想定しての調練をすればいい、と提案をした ]
[次いで。銃弾の調達と、ライフルの増産を、と聞けば]
鍛冶ギルドと医療ギルドに協力を要請しよう。少々時間はかかるかもしれないが、君ならば、在る程度設計のアドバイスが出来るのではないかね?
[学者だというシメオンならば、自分の使うライフルの基本構造くらいは頭に入っているのではないか、とそう尋ね返した**]
/*
フィオンの言葉がいちいち心に突き刺さってだね。
こう、なんて鋭くて、的確で、地に足の着いたロールを書く人なのだろうかと。
ありがとう。いろいろ我儘通してキリングに行ってよかった。
[馬が落ちても尚、騎手は、いや、赤毛の将は奮戦した]
唯の間諜などではない。
どこかの将校級か。
[内心驚愕が冷めない。弓兵がこれ以上無駄に削られると追い縋れない可能性が出て来る。
鋭く己に狙いを定めた将校が飛び込む。然し親衛の矢が鋭く阻む]
[そしてその時だ残る二騎が鉄壁に砕ける様を真正面から見詰めたのは]
… … … … … …。
[亡骸が二つ。或いはもしかすると、散らずに逃したかもしれない命。
奮戦する将校を見捨て、逃げ出せば、或いはひとりは生き延びる事が出来ただろう。
それを、情に殉じたと捉えるか、将の死闘を無駄にしてしまったと捉えるかは人により異なる思いを抱くだろう]
貴様こそ、これ程まで錬度の高い武人は始めて見た。
来世では、是非私の配下となる事をお奨めしよう。
貴様ほどならば、最上の待遇すら約束しておこう。
[然し純然とした質よりも、この場は物量が勝利を収める。
既に幾本物の矢に射抜かれ、剣と槍に裂かれ、満身創痍であろうに。
領内でも選りすぐられた親衛兵が、波状攻撃を仕掛ける度に死傷者を出す。
然しそれでも、遂に息も絶えだし、血も流れ、鬼神にも思えた死闘も収束する]
[弓の弦が死の音の様に奏でられ、四方は槍が囲う。そして男が近づく]
例え間諜と云えども安心しろ。
亡骸の扱いを心得る程度の良心は私にもある。
…名を聴こう。 それが貴様の最期だ、有能な戦士よ。
[親衛を連れながらも、男は最期に、前へと出た。
当然ながら指揮官としては愚策とも云えるが。既に己を殺しうる余力も残されていないその者を、自らの手で葬るせめての餞のつもりで、右腕の剣が煌き]
[その者は己が名を口にしたろうか、或いは男へ最期にその剣を向け、弾かれただろうか]
… … …さらばだ。未来の夢を見て眠れ。
[そして剣は命を奪う程に鋭く突き出され、その者の胸か腹かを目指した**]
― ウェントゥスの里 ―
[自分が伝えた言葉が、里の者にちゃんと行き渡り、染み透るまで少し、待つ。
言葉を届けるのは、時間をかけるのも大事な事、と。
一族の皆に想いが届かない、とふてる自分に教えてくれたのは、誰だったか。
やや間を置いて、里の者から問いが来る。
外からの脅威がなくなるのであれば、また、元のように暮らせばいいのではないか、と]
……だから、それじゃダメなんだって。
行く先はまだわかんないけど、里の外は変わり始めてる。
その流れに取り残されたら、風を澱ませて消えるだけになっちゃうかもしれない。
だから……さ。
外に、出よう。
新たな風を呼び込んで、澱みを浚うために。
今だからできる事を、出来る所から、やっていこうよ。
大体、さ。
今、できてる大きな流れの発端の一つに関わっちゃってるんだよ、オレたち。
それ、考えれば、オレらだけ止まってる、なんて、やっぱりダメじゃない?
[お前が厄介者を拾ってきただけだろう、という突っ込みも飛ぶが。
それで引くような気質ではないのは、周知の事]
それだけじゃない……止まる事を是としたら、風は、本質を見失う。
千年前、ここに籠もった時から。
オレたちは、在るべき姿を……風の風たる由縁、失ってるようなもの。
それをもう一度、取り戻すためにも。
今、生まれている新しい流れに飛び込もう。
新しい風に、変わるために。
それから……。
[言いつつ、視線が移ろうのは、北の空]
その風を、北の森へ。
更にその先まで、届けよう……!
[それは、かつて住まう地を別った古の同胞と。
再び、手を携えよう、という強い意思の表れ。
それに対した住人たちが示したのは、戸惑い。
けれど、外に触れる機会を得ていた若者たちからは、少しずつ同意の声が上がり始める]
[変われる、進める。
少しずつ大きくなる同意の声に、そんな予感を感じつつ、肩に乗せた真白の小猿をそ、と撫でる。
長く留まっていた古き風は、新しい流れを内に入れ。
変化という方向に、その向きを変えようとしていた]
(これで、先に進めるなら。
後は……)
[動き出した風の沿う先を定めなければならない。
とはいえ、自身の向かいたい先は、ある程度は定まっていた]
(新しいものを、知らないものを。
一つでも多く見て、一つでも多く、知りたい)
[様々、思う所はある。
けれど、風を突き動かすのはいつだって、知らぬもの、新しきものへの好奇心]
(……そのためには……)
[行く先を楽しみにする、と。
そう言ってくれたひととは、道違える事になるのだろう。
それに言葉にできない何かを感じつつも。
今は、求める流れに向けて吹き抜けるのみ。**]
申し訳ありません。
卿の良き兵を、殺しました。
[ これ以上殺す事に意味は無い。そう思えばすっと楽になった。それ以上、口を開く事無く、ただソマリを見詰め返して微かに促す。]
駆け足は基本です。
――良く駆ける兵は、強くなります。
[ スルジエでは常日頃兵士達には訓練のない日は軽装のまま、長躯をさせる。自主性に任せるという事は無かった。駆けられない者は、訓練から外す。兵士達からは「走れ走れのサシャ将校」と陰口を叩かれていたが、駆ける事こそ自分の信念だった。自分は駆け続けられただろうか。今立ち止まってしまっているのではないかと問う。どうなのか。]
― 回想/オプティモへの船中>>278 ―
副使様。
それは助かります。
[ まだ見ぬ国の人々達。好人物である。それでも信頼する勇気を持てる機会はなかった。卑屈にならない程度に縋るのは打算ではなく、他に思いつかなかった事もあげられた。
彼らは自分が何故こんな事をしているのか理解できていないだろう。まだ見ぬ世界に希望や期待を抱いているでもない。望郷の念などあろう筈もなく、身の置き場がという言い分も、異国である必要は無い。それこそオプティモや余所の街に逃げ込めばいいのだ。この国から居所を失くすほどの事は無い。
実際、クレメンスも愉快がりながら、警戒を外す事はなさそうだ。]
( サシャに判らない事が、判る筈もないでしょうし。)
[ これら全てが運命や偶然だとすれば、スルジエの脚本家は最早神ででもあろうか。]
( 誰も、誰も見ても居ないし。気付いても居ない。その癖、何かのついでにように奪っていく。命を。全てを。)
[ 己の命令で、人が死ぬ。殺すのではなくて、死ぬ。それが偉い人。
セルビアの主として産まれたかの人はきっと、それが嫌だったのだろう。嫌で嫌で仕方ない癖に、どうする気もなかった。できもしなかった。だから、偉い人であり続けた。誰よりも。
歴代のセルビアの主の中で、誰よりもセルビアの主であり続けて、終わるのだろう。命乞いをして偉い人らしく余命を繋ぐのか、偉い人の終わり方として毒を仰いで死ぬのか、裏に逃れて偉い人であり続ける作業を続けるのか、どれも彼の本意ではない、偉い人という存在として続き、終わるのだろう。]
( 偉い人は、雲の上。)
[ 遠く遠く、目を凝らしても何も見える事は無い。青空が広がる上空、雲の隙間からは太陽の日差しが降り注ぎ、眩しさに目を細める。眩しくて、何も見えなかった。**]
/*
みなさん昨夜は遅くまでおつかれさまでした。
たしかに朝更新だと全体的にコアが遅くなります。
心行くまで墓落ち描写できる……のはいいけど、連日キリングとかにうっかりなると、連日深夜ですね。
そうでなくても何故か連日深夜してますけど。
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