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野茨公 ギィ は 神子 アデル に投票した
神子 アデル は 神子 アデル に投票した
吸血鬼 シメオン は 神子 アデル に投票した
聖将軍 ソマリ は 神子 アデル に投票した
聖光の ユーリエ は 神子 アデル に投票した
純血種 アプサラス は 神子 アデル に投票した
変わり者 アレクシス は 神子 アデル に投票した
使徒 リエヴル は 神子 アデル に投票した
公弟 ヴィンセント は 神子 アデル に投票した
志願兵 オズワルド は 神子 アデル に投票した
修道騎士 バルタザール は 神子 アデル に投票した
騎士 ジークムント は 神子 アデル に投票した
奴隷騎士 クレステッド は 神子 アデル に投票した
神子 アデル は高貴な身分の生まれの為、一度だけ処刑を免れた。
聖光の ユーリエ は、聖将軍 ソマリ を護衛している。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか?
現在の生存者は、野茨公 ギィ、神子 アデル、吸血鬼 シメオン、聖将軍 ソマリ、聖光の ユーリエ、純血種 アプサラス、変わり者 アレクシス、使徒 リエヴル、公弟 ヴィンセント、志願兵 オズワルド、修道騎士 バルタザール、騎士 ジークムント、奴隷騎士 クレステッドの13名。
[バルコニーでの戦いのあと、すぐに水浴室へ行って、
弟に血を分け与え、茨にも血を啜らせてきた。
怪我は自然と癒えても、血の不足は痛手だ。
そのうえ、体内にはまだ聖女の血が残っている。
先ほど浴びた聖水の雨と合わせて、内外から体を苛んでいた。]
まったく。アレクシスの血よりもたちが悪い。
―――だが、 … 魅力的ではあったな。
[魔を惹きつけてやまない聖なる毒血。
機会があればもう一度、今度は本人から味わってみたい。
―――悪い癖がまた顔を出す。]
■本日の予定
投票先はギィ
襲撃先はバルタザール(人狼化)
ギイ・オズワルド(遅延死)が更新までに墓落ち状況へ持ち込めるよう皆で協力しましょう。
キリングは、能力セットした人でなくてもOKです。
墓落ちは灰化でも昏睡でもご自由に。
墓落ちした者の身体(残っていれば)は、影めいた何かにより城の地下礼拝堂に移動させられます。
[――最後の一閃。]
フゥゥゥゥ……
[蔓の腸断ち切って砕く銀刃が、茨の群を今度こそバラバラに解体した。
後は、突き立つ棘もそのままに、血塗れの修道騎士が佇む。]
使徒 リエヴルは、野茨公 ギィ を投票先に選びました。
聖将軍 ソマリは、野茨公 ギィ を投票先に選びました。
修道騎士 バルタザールは、野茨公 ギィ を投票先に選びました。
純血種 アプサラスは、野茨公 ギィ を投票先に選びました。
野茨公 ギィは、野茨公 ギィ を投票先に選びました。
野茨公 ギィは、修道騎士 バルタザール を能力(襲う)の対象に選びました。
聖光の ユーリエは、野茨公 ギィ を投票先に選びました。
公弟 ヴィンセントは、野茨公 ギィ を投票先に選びました。
聖光の ユーリエは、神子 アデル を能力(守る)の対象に選びました。
公弟 ヴィンセントは、修道騎士 バルタザール を能力(襲う)の対象に選びました。
[気配は違う場所…といっても、己が向かう先にいくようだ。好都合か。
屋根の上を歩いていく。先ほど破壊した、穴の上へと]
― →サロンの上の屋根 ―
― 三階へ続く階段の踊り場 ―
[座り込んだまま動くことが出来なくて、
暫くはそこで壁にもたれていた。
静かにしていると、腕の中の温もりが意識される。
温かな血の通う、生きた人間―――]
………。
[衝動。
渇きを癒す本能。
求める。糧を。]
変わり者 アレクシスは、野茨公 ギィ を投票先に選びました。
― 地下 ―
[上から降る光は近いが、背に羽の生える人外で無し、
上り詰めるには労が掛かる。
だが、満遍なく散らした聖雨は
あちらの戦力も幾らか削いだだろう。
広域に掛かる魔を編めば、その血を使う。
この城の何処も彼処もに
蔓延る茨の暴を幾らか制限出来たならそれで良い。
相変わらず右腕は熱を持ったまま、意識しても微風を集める程度。
暫く、戦闘では役立つまい。
こればかりは疲労に近いメカニズム。
癒しの力及ばぬ右手に軽い息を零した。]
…………。
[牙を剥いて、青年の首元へ顔を伏せる。
牙の先が柔らかな首筋の肌に触れ、
肌の下を流れる温かな鼓動が伝わってくる。
命の源が、そこにある。]
─ 地下礼拝堂 ─
[ 天使のように軽やかに……とはいかず、
膝を使い、両手を使って、瓦礫を滑り降りた。
白いシスター服に、また汚れが増える。
……蝋燭の炎が揺れている。
見なれた雰囲気の場所に、一瞬ここがどこか分からなくなる。
長椅子がある。燭台がある。 ]
……礼拝堂。
[ しかし、救世主か、あるいは聖母が、
優しいまなざしを注いでいるはずの場所には何もない。 ]
……っ。
目を、覚ませ。森の仔…!
[すんでのところで自制を取り戻し、顔を上げた。
牙は、わずかに青年の首筋を傷つけていて、
小さな血の珠が、膚の上に鮮やかに赤く膨らんでいる。
そこから極力視線を逸らしながら、彼の体を軽く揺すった。]
― 沐浴場 ―
[ヴィンセントの腕にある小さな姿は、おそらく教会の者だろう。
聖なる気配と、どこか同族の匂いがする。
それが野茨公の元へ移り>>233、脇をすり抜けて行く。]
えぇ、おかげさまで。
野茨公は随分とお疲れのようですし、少し休んでいただいても構いませんよ。
[彼の周囲を纏う茨もその身体も、決して全快とは言い難い。
だからと言って自ら血を提供することはなく、皮肉交じりの言葉を投げかけた。]
最初に遊んでくださった方が意外と面白い方でしたので、傍観に回ろうとしていたのですが、少し、気に入らないことがありました。
ですので、八つ当たりをしてきます。
[にっこりと微笑んで、そこでようやく腕の中にいるそれへと視線を移す。
まだあどけなさの残る寝顔はどこかで見たような気もするが、子どもというのは数年で大きく姿を変えるものだ。
それを理解する程に他人を記憶に留めておく趣味はない。
すぐに興味を失って、視線を逸らした。]
簡単に灰に帰すような、そんなつまらない貴方じゃないでしょう。
もっと私を楽しませてくださいね。
[信頼と心配と、僅かな不安。
それらを言葉の裏に隠して、彼の鼓膜を一瞬だけ震わせた。]
――…、
[何事か野茨公の耳元で囁くと、その姿に背を向けて拳の先端まで進む。
ヴィンセントにも視線を向けたが、湖面のような瞳を向けるだけで何も呟くことはなく、そのまま身体を中に放り投げた。]
/*
ナイスタイミングでアデル来た!
噛めなかったのはあれだよ。
恐れ多くてやめたんだよ!
(それは議事の王子様のシスメセだ。)
[やがて、彼はその吸血鬼と再会を果たすだろう。
鋭い目線の先から姿を現したそれは、10年という歳月を下手にもかかわらず、何も変わってはいない。]
……っ、
―――…よォ、お前
[抑えられた声。
けれど、その声は抑えきれぬ怒気を孕む。]
バルコニー
[全身を朱に染め、大剣を握り締めて佇む姿は、まさしく戦鬼。
到底本人の自称した修道士の姿ではあり得ぬ。
聖女が見れば、怯えと懐疑を呼び起こすかも知れぬ、あまりに苛烈な姿だった。
暫し呼吸を整えていた男は、やがて犬のようにぶるりと身を震わせる。
ずるりと傷口から滑り出て行く感触があり、見れば棘が押し出されるところだった。
再生の過程で、身体から異物が押し出されているのだ。]
[体を倒していると聞こえてくる口笛の音(>>9)]
おっと、主からの呼び出しか。
或いは私以上に状況がよろしくないのか?
[体は万全ではない。
それでも行かぬという選択肢はない。
主に尽くさず、今の闘いはなかったのだから。]
[改造を受けた右腕は、時折痛みを覚える。
酷使による反動であると認識していたが、
この城に訪れて以来、何故か疼くような違和感が付きまとう。
教会が言うには神の加護らしいが、
実際のところは如何か知れない。
魔物の巣窟に逸っているのだろうと考えていた。
己に、近づいてはいけない、と、
警鐘を打ち鳴らしているとも知らず。]
[すれ違いざまの囁きには、ちらと笑みを返すのみ。
いつも通りの、自信に満ちた笑顔。
ただ、不確かなことは極力口にしないのも、この吸血鬼の常だった。]
/*
ここまでいぢわるお母さんが動揺するとは思わなかったわ……言葉が出て来なくなってる。
シメオン怪我してないのに。
そうか、怪我してないからだわ。
怪我してたら心配してる事を気づかれて、何か色々考えさせそうだから平然としてる。
……まさかのここでデレ。まさかの。
探したぜ…?
[大きく、いびつに口許が歪む。
開かれた白い歯の間、濡れた舌が奥に覗いた。
次の瞬間には、両の手に剣をきつく握りしめ襲い掛かる。
一気に距離を詰めるとスピードにのったまま斜めに斬り下ろした。]
―回想・いつかの日の―
[『お前からはあの方達と似た匂いがするよ――』
立ち去る2人の影が、蛍火の向こうに消えていくのを見送って、育ての母は言う。]
どっち?
どっちが僕のお父さんなの――!?
[思わず後を追い駆けようとする子供の服を、銀狼の口が咬んで捕らえる。]
どうして!? なんで止めるのお母さん!
[小さな人の息子の抗議に、静かな双眸が見つめ返す。
『よく似た匂いと言うだけなのよ。
野茨公と公弟――。どちらかがお前の父かも知れないし、どちらもそうではないかも知れない。』
此処を旅立って行った始祖は、自由気ままな気質だった。
城の兄弟以外にも、他に血子を設けている可能性は充分にある。]
― 地下 ―
[癒え始めた掌の傷口から血を落とせば、木の床へと赤い色が散る。
木目の隙間から"創造"された蔦たちは網状に伸び、男の身体を柔らかく受け止めた。
その反動を使い、軽やかに地面へ着地する。]
やぁ、お兄さん。
私と少し、遊んではくださいませんか。
[落ちている間に探し当てていた気配>>9の方向へ声をかけた。
ゆったりとした足取りでそちらへと歩き出せば、木の床を叩く音が地下へ響く。]
[ ポォーン…… ]
[ きちんと調律されている。
毎朝の聖歌の最初の音だ。
鍵盤に置かれた小さな手を見る。
オルガンを弾くのには、小さすぎる手。
オクターブを掴めない指では、弾けない曲がいくつもあって。 ]
[『お前がもう少し大きくなって、分別がつくようになったら、野茨城を訪ねて見るが良い――』
どちらかが父親ならば、真実を話してくれるかも知れないよ…――。
そんな母の声が遠くへ――*]
[笛の音と気配を頼りに主を探した。
見つけた主の姿は足取りこそ確かだが、
疲労の色は隠せてはいなかった。]
大分、お疲れのようだが、平気か?
役に立てずにすまなかった。
完全なる私の力不足だ。
[逸る気持ちを抑えきれず踊った結果に主の姿。
肩を貸すしぐさを見せながら謝罪を行う。]
[擦れ違い様に網膜へ焼き付いた表情と音ならざる声に一瞬だけ瞳が憂いを帯びるが、瞬きと共に掻き消える。
細められた瞳の色は、内包するものを覆い隠す黒。]
先程の大きな衝撃は、貴方が生み出したものでしょう。
[問いというよりも確認の意味に近い音が、ゆったりとした足音と共に反響する。
微かな血の匂いだけを纏って、一定の距離を保ち立ち止まった。]
[アデルの目覚めを待つ間、
ふと、己の力の一部が消えていることに気づく。]
…倒されたか。
意外と保ったほう、と言うべきか。
[かの修道騎士ともうひとりの戦士の姿を思う。
戦士のほうはわずかにしか対峙しなかったが、
あれだけの邂逅でもわかる力量の持ち主だった。
そして、あの修道騎士は。]
[その向こうにもう一人の姿が見えても>>29、笑みの形は変わらない。
広間で擦れ違った時と同じ気配、血の香り。
纏ったまま、静かに微笑む。]
おもしろい戦いだったな。
… どうにかして、名乗らせてやりたいものだ。
[ちら、と唇を舐める。
気のせいか、彼の血の匂いを嗅いだ気がした。]
[背後に回り込むその感覚に男の唇が歪んだ。
剥きだしとなる歯は人間のもの。
濡れた舌が奥に覗いた。
鈍い音が城の廊下に響き渡った。
咄嗟に振り向くと下段への斬撃を避けるようにバックステップを踏む。
僅かに太腿の肉が抉られ血が流れるが、それでも男は不敵に笑う事をやめなかった。]
― 屋根・サロンの上 ―
[特に気配を殺すでもなく、剣で貫通した穴の場所までたどり着く。
覗き込むこともせず、近くの蔦をむしり取り、己の身にこすりつけ摩擦熱で火をつけて。懐に手を入れる]
[ 束の間、
意識が過去に泳ぎかけたが、慌てて己を戒める。
祈祷なら何時間でも、何日でも集中を続けられるのに、
ここでは難しい。
それはきっと、「いつ終わるか」が分からないから。 ]
……。
[ 今の音を聞きつけて、誰か来るだろうかと耳を澄ます。
味方であるのが一番だ。
だが……もし……、敵ならばどうすべきだろうか。 ]
[主の気が息子へと逸れ、監視からも外れれば、蝶はするりと進路を転じる。
燐粉で探知の印を城内に撒き終えた後は、ふわりと気紛れに飛び続けていたが、俄かに羽ばたきを強めて真っ直ぐ何処かへ]
[やがて辿り着いたのは、地下礼拝堂。
迷わず金髪の男を目指し蝶は舞い、その右腕に翅を休めようとする]
あぁ、いい夜だぜ?
お前にようやく、会えたんだからなぁ。
[長剣を構えると床を蹴り、吸血鬼へと突進する。
これまで数々の人間を吸血してきただろう。
自分の顔など、忘れていてもおかしくはない。
おかしくはないが、男にはどうでも良い事だった。]
死ねよ。
[斜めから斬り下ろすような斬撃を放つ。]
あ、貴方は――
[反らすように視線を外した、紅髪の野茨公がすぐそこにいた。
首筋の違和感に気が付き、手のひらで触れると、うっすらと滲んだ朱が指先に着いてきた。]
神子 アデルは、野茨公 ギィ を投票先に選びました。
― 屋根・穴をあけた客間の上 ―
[特に気配を殺すでもなく、剣で貫通した穴の場所までたどり着く。いつのまにか気配は増えているが、それを覗き込むこともせず、近くの蔦をむしり取り、己の身にこすりつけ摩擦熱で火をつけて。懐に手を入れる。革袋を取り出すと紐をほどき封を解き、半ば開くようにして穴から落とした
部屋へと落ちた革袋からばっと細かい粒が部屋の中を舞う。
それは聖なる力を宿した灰……それとともに、火薬を混ぜたもの。]
……、勿論、覚えておりましたの。
[本当なのですよ?と付け足す声は少しきまり悪そうに。
覚えていたのは事実だが、さっきは頭から抜け落ちていた。
嬉しげに細める彼の瞳に、こちらも自然と頬が綻ぶ。
けれど、心配しないよう言い含められれば]
……そう、仰いましても。
心配なのは、心配なのですもの…
[いつもなら、食い下がりはしないだろうに。何処か子供染みた反応を返して、余裕のある笑みにまた少し眉を寄せ]
お会いしたばかりですが、お優しい方なのはすぐ分かりましたので、
……お友達のような気になっていたのかも知れません。
[そして聖灰と火薬が舞う密室へと、火種となる蔦を落として、一気に後方へと跳躍する。
上手くいけば、聖炎たる爆炎が部屋をまき散らすことだろう]
ここは私に任せろ。
そもそもそういう契約だろう?
[思い出す契約の言葉(>>0:383)。
主の意図を汲んで体調には触れず、
自分が闘いたいという意図を全面に出す。
もっともそれ自体は本心だったのだが]
さて、貴様は楽しませてくれるのだろうな!!
[言葉と共に剣を抜き、ソマリの前へと出た。]
[目の前の彼>>37の声は届かず、不調の正体に気づくことはない。
しかし先程よりも弱まった魂に、ゆるりと口角を上げた。]
その器用さのせいで不快な思いをしてしまうのですから、優れているというのも不便なものです。
[彼>>42の言葉にわざとらしく目を伏せため息を吐き、大袈裟に首を振って見せる。
再び持ち上げた瞳は、深い闇に満ちていた。]
では、言葉を変えましょう。
貴方たちの言葉でいう仲間の命を危険に曝したのは、貴方ですか?
[掌から溢れる血液は形を変え、赤黒い大鎌となる。
風を切るように振り下ろして、その向こうに彼を見据えた。]
[振り向き様に飛び退り、腱を断たれるを回避した
待っていた、とでもいうような。
そんな懸念を裏付けるように、「おまえにようやく」と投げられた言葉。
バルコニーでは直接、見かけなかった顔だが、使徒たちの仲間であることに間違いはあるまい。
ただ、ソマリやユーリエとはだいぶ印象の異なる相手ではあった。
吸血鬼を倒すという目的は同じでも──]
─ 地下礼拝堂 ─
[ しばらく待ってみたが、応えはない。
しかし、近くにいくつかの気配はする。
秋の聖気、烈火の聖気……そして、魔の瘴気。 ]
戦ってるの。
[ アデルによって癒されたはずの左腕が、ふと痛んだ。
右手でそっと押さえる。
大丈夫だ。今ある魔の気配は、さっきの氷の魔物とは違う。
聖血を使わねばならぬほど、高位の魔物がそうそう居るなんて……思いたくない。 ]
──っ、は!
[鎌首をもたげた蛇のごとく斜めから斬り下ろしてくる重い攻撃を広い刃で受け流し、前へと踏み込む。
間近に覗き込む猛々しい双眸。
男が零した血の匂いが記憶の底を瞬かせるも、やはり、知らない相手だと思った。
委細構わず、ショルダータックルを仕掛ける。
さきほどアレクシスが無差別に打ち込んだ弾の傷が軋んだが、着替えた服の下のこと。
外見からはわからないだろうと思う。
この男はギィへの手土産にする。
ゆえに殺すつもりはなかったが、手足くらいは切り落としても問題ないし、そう宣言してやるつもりもなかった。]
私は貴方を楽しませる玩具ではありませんから、保証は致しかねます。
[力強い声>>46に、彼が広間の前で叫んでいた者と同一人物だと気づく。
くつくつと喉の奥で笑い声を上げながら、平坦な声音を紡いだ。]
私を不快にさせたのは後ろの彼ですが、貴方が八つ当たりを受けてくださるのなら、それでも構いませんよ。
貴方こそ、私を楽しませる程の力量を持っていらっしゃるといいのですが。
[挑発にも似た言葉が唇から零れ落ちて、薄いそこが三日月の形を描く。
光も届かぬ地下は蝋燭の炎だけが揺らめいて、赤黒い大鎌を禍々しく照らした。]
― 三階への階段踊り場 ―
[投げ出した自分の足に乗せ、腕に囲ったアデルが身じろぎする。
視線を戻したところで、首筋に手をやる彼と目が合った。]
良かった。目覚めたようだね。
[指先の血に心がざわつくが、今は耐えられる範囲だ。]
貴様に私の剣を楽しむだけの力量があるなら保証しよう。
いいだろう、掛かって来い。
貴様の八つ当たり、私が貰い受ける!!
[剣に力と闘争心は籠める、そこまでは何時も通りだが、
先ほどの失態を踏まえて冷静さを心がけた。 ]
[塞がり切らぬ傷痕から血を流しながら、先行したオズワルドの後を追って、城主のものと思しい血の痕を追跡する。
戦闘中のことで、意識を割く余裕がなかったが、二度ほどあった城を揺るがす震動は、敵の攻撃でなければソマリの風撃の可能性が高い。
であれば、よほどの強敵と対面している思われた。
城主を討ち果たす前に、ソマリの加勢に向かうなどは露ほども考えない。……が。]
奴隷騎士 クレステッドは、野茨公 ギィ を投票先に選びました。
[折、
ひら、ひらと蝶が舞うくる。
茨で出来た訳でも、血を吸う訳でもない。
右肩に止まったそれに、首を捻りながらも、小さく笑った。]
祝福してくれるかい。君も。
[蝶へと声を掛けて目元を緩め、指先に乗せて宙へ迷わせた。]
君の加護があれば、恙無く。
―――…少し、気になる人に、君は似ている。
[人を使い、大儀を使い、魔を使い、義務を果たす男が、
蝶を逃がして、戦場を見守らせた。
虫一匹に何が出来ると思わなかったと言うのもある。
だが、それよりもっと、素直に。
本当に、名も知らぬ彼女に似ていたのだ。]
/*
ジークうう。
なんとかこう、
自分が落ちる前に、
彼になにかパワーアップアイテムを贈りたい。
あれだ。
死に際のなんとやらでなんとかするか?
― 三階への階段踊り場 ―
[目覚めた場所は先程戦った場所からは遠く離れているのか、やけに静かな空気が流れている。]
どうして僕を、助けたりしたの…――薔薇の精、
いえ…、野茨公…――
[随分と負傷しているようすに眉をしかめる。
相手は敵を束ねる城主だ。
情けをかけてやる義理なんか無い――。
そうやって、ざわつく自分の心を押さえ込む。]
―――…クレステッド、君の命は俺が使う。
それを努々、忘れるな。
君が仕えるは戦火ではない。
――――この俺だ。
[貴族の義務を超え、己の所有物である彼。
己の持つ剣は本来、左手に携えるそれではなく。
高貴なる義務の存在せぬ、自身自身だった。]
ああ。私を忘れたわけではないのだね。
森の仔。君との邂逅は、私の大切な思い出のひとつだ。
見捨てることなどできようか。
[穏やかに語る声が、石壁に反響する。]
君こそなぜ、教会に?
…っ、
[渾身の力で振り下ろされた剣は払われ、がら空きになった肩にまともに相手の肩があたり背が廊下の壁に激しくぶつかり息が止まったが、思考までが止まったわけでは無く。]
っ、らぁ!
[咄嗟に左手防御用の短剣を抜き放つ。
そのまま刀身の短いその剣を相手に突き立てようとした。]
[爆発の少し前。漸く平静を取り戻しつつあった術者は、完全に遮断していた蝶との感覚の糸を手繰る。
伝わるのは、無意識に縁を繋いだ男の気が少し弱まっているのと、彼に迫る同族の気配。
常は余裕を漂わせる曲者めいた男が、静かな憤りを湛えている。
軽やかに優美に戦う城主と彼の戦いでは感じなかった、恐れに近い感覚が肌を擦れ]
…………、
[月夜の宴主の名前くらいは、あの場にいるだけでも直ぐ知れた。
だから本当は、あの時名前を呼んで、どんな顔をするのか見る事もできたのだ。
初めてその名を口にしたのは、傍にいない今になって。
次に顔を合わせても、その名を呼ぶことなどないのだろう]
承知している。
この身は貴方の剣だ。
私の闘いはあなたの采配があってこそであり、
この命を散らすなら貴方のためにと誓った。
故に私は誰にも負けない!!
[力強く言い切った。]
僕…は…
連れて行かれたんです…――
[ギィの身体から、そっと離れようと身体を動かす。
が、もし気づかれて捕らえられれば、すぐに腕の中だろう。]
――ここに来るまでの森の匂いや。
この城の茨に触れて…気が付きました。
ふふ、随分と威勢のいい。
悪くないですね。
[気迫の籠った声と共に振り翳された剣>>58は、目にも止まらぬ速さで衝撃波を放つ。
気合と力に満足そうに微笑めば、傷口の塞がった掌で大鎌の柄を握り締め、同様の衝撃波を生み出した。]
――ふっ。
[そのまま動きを止めることなく、衝撃波の下を潜り抜けるかのように一歩、強く床を蹴る。
低空を飛行するような勢いで風を切れば、力の衝突の余波で何ヶ所か肌を切った。
飛び散る血液を蝋燭の炎へ浸して、増幅したそれが己の大鎌に纏わりつく。]
はぁっ!
[間合いまで辿り着くと同時、下から大鎌を振り上げる。
それはクレステッドの腹を抉るような軌道で風を切った。]
[醜く爛れた左腕はだらりと下ろされた。
このような攻撃する者をジークムントは知らない。
教会の暗部に触れる事がないまま去ったのだから当然か。]
――…かような者もいるのだな。
[闇の一角を垣間見た男はぽつと独り言ちる。]
[――グラスの割れる音が遠くでした。
盾にしようとするように武器を握る右手を前に出したまま、左手で耳を押さえ、顔を顰める。
ジークムントの言葉は僅かに聞こえ、目で唇の動きを読み、意味を知る。]
……、大事ない。
アプサラス、あんたは…。
――って、おい。お前…!
[血親は無事だっただろうか。後ろにいる筈の彼女に視線を向ける。
男はローブを被っているので顔や身体に大きな怪我はない。それでも服は多少焦げたが。
不意に肉の焼ける匂いが鼻を擽った。
其方に視線を向ければ、焼けていたのは彼の腕である事に気付き、反射的に怒鳴っていた。]
(もしかしたら、僕の父さんかも知れない…――)
(でも、吸血鬼を倒さないと街のみんなが…――)
[ここで見つからないように聖剣で貫けば、今なら野茨公の息の根を止めること出来るかも知れないのに。
思考に反して、指は動かない。]
口だけはないようだな!!
[迫る大鎌見据えて叫ぶ。
鍔迫り合いの様相を呈したお互いの武器。]
この程度で、やれるとおもうな!!
[均衡を破るべく力を籠めて剣を押し切ろうとする。]
[ふと、眉を顰める。
――痕跡が交錯している。
バルタザールの感知能力は決して高くはない。
自分を中心とした狭い範囲の、聖邪の気と魔力を感知できるくらいだ。
リヴエルなどの使徒や精霊力を帯びたソマリのように、広範囲の魔力探知などはできない。
敵を察知するのは、戦士としての直感によるものが大きい。
躊躇は一瞬。
これと見定めた痕を辿って走る。
いずれにせよ、この先に城主がいるという確信があった。**]
連れていかれた?
…そうか。
教会もずいぶんと手を広げたものだ。
[離れようとするのを、優しげな手つきで引き留める。
それでも普通の人間には抜け出せない程度に力を込めて。]
それで―――
思い出した君は、どうするつもりだい?
[瞳をじっと覗きこむ。]
[どこかへ気を逸らしていた女は、ジークムントの声で漸く事に気づいた。
粉が爆ぜ炎が揺らめいてみえたのは、ジークムントの、そしてシメオンの背の後ろから]
――……、シメオン…
[ああ、やはりと微かに泣きそうな顔を浮かべ、その名を口内で呟く。
ジークムントの声に痛みが混ざった気がして]
――…私、は大丈夫…ですが…
貴方は、ジークムント…っ?
貴方と同じにしないでいただきたいですね。
私には仲間などいません。
この世界に在るのは、私と私の敵だけです。
一部、例外はありますが。
[名も知らぬ男>>69の言葉へ不快を顕わにして、顔を歪める。
己に仲間がいるなどと思われる意識が欠けていたため、言葉足らずな問いを投げていた。
それにようやく気づいて、補足するように言葉を続ける。]
私が言いたいのは、貴方のお仲間のことですよ。
それとも、自覚すらないのでしょうか……っ。
[クレステッド>>73の剣と大鎌がぶつかり合う甲高い音が響く。
込められる力は決して弱いものではないが、細腕に見合わぬ魔の力が簡単には均衡を崩すことを許さない。]
私が灰になる前に、貴方が灰になりなさい。
[その時、大鎌の周囲を渦巻いていた炎が、蛇のように動き出す。
それはクレステッドを襲わんと突き進むが、その後ろにはソマリの姿があった。]
主を危険に晒すことができますか?
[動き、話から、二人の関係性を察し、追撃のように言葉を紡ぐ。
避ければ主に炎の蛇が牙を向けることを暗に示し、にやりと笑みを浮かべた。]
[やはり引き戻されてしまった。
軽く力を入れただけのように見えても、野茨公の腕はしっかりと身体を腕の折へと閉じこめる。
服越しに感じる筋肉の流れは固く引き締まり、とても1人で抜け出せるものではなかった。]
僕は――……
僕は……
[貴方を殺すと言い切れない。
もし父親だと知れば、どうしたらいいのか。
仲間を裏切って、吸血鬼の手に身を委ねるのか。]
わからない…――
/*
全力で悪い人になる!c(`・ω´・ c)っ≡つ ババババ
あと血を込めれば動かせるっていうのが結構チート気味なので、負担が大きいことにしよう。
あまり多用はできません。
[大鎌振りかざす姿は死神に似ている。>>68
命を刈り取るのではない、刈り取った魂を計る形。
対峙する魔物に覚える違和感は、
己の双眸を観察のものに変えた。]
狭い世界だな。
[彼の言葉に一言返せば、
慧眼は己の記録と言う名の記憶に手を伸ばす。
教会に加担し続けるサイキカル家の古い文献で
見たかもしれない、その呪われし血の一族。
開発用の生体として確保しようとしていた―――]
俺は命の使い時を知る。
君は命の使い方を知るのだろうがな。
[剣を横に薙ぐと、クレステッドと打ち合うアレクシスの脇を駆け抜けようか。>>77
狙うは致命傷ではなく、彼の右腕の皮膚を裂くが目的。
或いは、その血の呪を計るかのように。]
貴方は人の女性を愛したことがありますか――?
名前は――聖フレデリカ…。
[知らないと言ってくれれば、容赦なく戦える。
そう信じて――。]
[大鎌振りかざす姿は死神に似ている。>>68
命を刈り取るのではない、刈り取った魂を計る形。
対峙する魔物に覚える違和感は、
己の双眸を観察のものに変えた。]
狭い世界だな。
[彼の言葉に一言返せば、>>77
慧眼は己の記録と言う名の記憶に手を伸ばす。
教会に加担し続けるサイキカル家の古い文献で
見たかもしれない、その呪われし血の一族。
開発用の生体として確保しようとしていた―――]
俺は命の使い時を知る。
君は命の使い方を知るのだろうがな。
[剣を横に薙ぐとクレステッドと打ち合うアレクシスに向かう。
丁度迫り来る焔の蛇を掻い潜り、脇を駆け抜ける形。>>79
狙うは致命傷ではなく、彼の右腕の皮膚を裂くが目的。
或いは、その血の呪を計るかのように。]
/*
あと血の量に比例するのでね、数滴だと小っちゃいのしか使えないの。
小っちゃい炎の蛇ちゃんは可愛い。愛でる。
水玉ちゃんも可愛い。愛でる。
[ビリヤードのボールと違って身体は相手だけを弾き飛ばしはしないから、ヴィンセントはオズワルドにタックルを仕掛けた体勢のままで壁にぶつかってゆく。
その勢いで、相手が肋を折るなりして失神してくれれば狩りは完了だった。
だが、息は詰まらせたものの、教会の使徒は頽れることなく短剣を抜き放つ。
彼もまた強化人間か。
背を向けている側だ、打ち払えない。
そのまま圧し潰そうと足を踏みしめたが、男の筋肉は強靭で、気合い一閃、抵抗を貫いて刃が背後から左の脇腹を突き刺す。]
ぐ…──
[肉に滑り込む金属の質量に呻いた。
そのまま、刺された位置へと手を回して、短剣を握る男の手を掴む。
刺されたまま男の腕関節を巻き込むようにして床に倒さんと上体を捻った。
寝技に持ち込む心づもりだ。**]
[焔の蛇が己を追うなら、壁を火が舐める。
周囲に熱気が散り、肺の中身を焦がされる感覚に舌打ちを漏らした。]
我が剣はおいそれと竦む鈍ではない。
この聖将の太刀を見縊らないで貰おうか。
[眼光鋭く発する言葉は、アレクシスに、
そしてクレステッドを一喝する強さを持っていた。]
/*
おおう。
選択肢来た。
こーーれは悩ましいなぁ。
こう、実の父ですよばーん!になるのはすごくおいしい。
すごくおいしいけど、ちょっと持っていきすぎじゃね?
という気もするるるる。
なやむ。
/*
あっ。
ここは、答えを言う前にばるたんが乱入してきて、
結局答えのわからないままに死んじゃうほうが
ドラマティックじゃね?
(ぴこーん)
[主の一喝に一瞬たじろぐ。
しかし、その力強い言葉に活力を手にする。]
任せろといったのに……。
しかし、それでこそ我が主だ!!
私もこの程度で終わるわけには行かぬ!!
[剣に籠める力が上がる。
競り合う大鎌ごと切り伏せる勢いが篭っていた**]
/*
寝られてしまうので慌てて確認を……!
ううむ、ソマリも壁に当たった描写があるし、文章がよくなかったのだろう。
二人とも分かりにくい文章で申し訳ない(´・ω・`)
地下バトル乱入?
聖女もたまには空気読みますよ。
アレクんもクレスんも多角苦手さんだと見てるわ。
そまりんはなんでもいけそうだけど。
回想ソロールでも回そうかと思ったけど、
特に裏設定作ってなかったから、落とせるものがなかった。
リアル明朝以降は割と動けるから、喉温存しますかあ。
[野茨公の瞳をじっと見つめる。
もはや自分の意志で逃れようとするよりも、真実を知りたいと思う気持ちの方が強くなっていた。
何かを語ってくれたとしても、それが真実とは限らないのに。]
野茨公…――
[力強い腕の中で、形の良い唇に釘付けられて。
目を逸らせない――**]
/*
あれれ、ソマリが避けた描写してるから、そっちに持って行こうとしたのだけれど、文章増えちゃったどうしよう(´;ω;`)
[腕の中、言いよどむアデルの顔を間近に見る。
苦悩と葛藤に翳る表情は若者特有の美しさを宿していたが、
その表情の意味するところは、歓迎できるものではない。
彼は今も自分の意思で教会に与しているのだろうか。
操られていたわけではなく?]
わからない、か ―――。
…迷うことは大切だよ。
迷い、悩んだ先でのみ真の道を見出せるものだ。
私は、君の――― …
…聖フレデリカ?
[アデルの問いに、言葉は途切れる。
記憶を探る、数秒の間。]
―――ああ、あれは…
[不意に、言葉を切って耳を澄ませる。
金属の鎧が立てる音が、近くから聞こえてきていた。
それに、この血の匂いは…。]
………来る、か…?
[未だアデルを抱えたまま、神経を研ぎ澄ませた**]
[蝶が届けた、戦いの隙間に紡がれた男の声。
優しい声音は、「気になる人」に向けられるものなのだろう。
二回目の約束が果たされなかったのは、自分があの晩行かなかっただけではなく。彼も其処には居なかった故。だから、自分の筈はない]
……加護も、祝福も。
あげられないの。
私じゃ、あげられないのよ。……何も。
[――そう思うのに、戦いの中で彼が求めた物を持ち合わせないのが何故か悔しくて、視界がゆらりと霞んだ。
他の生とはどんなものだろう、そう思いを馳せる事はあっても、魔として生まれた身を悔やんだことはないのに。
男の指先に誘われた蝶は、花と見紛うたように翅を閉じて暫し留まり、やがて高く舞い上がった*]
[ジークムントの唇が幾つも紡ぐ、美しくて優しい気遣い。
何処か慣れないのに、真摯な声が何度も自分を労わる]
……ジーク、あの……、
[困り果てたように騎士を窺い、言い差した言葉を飲み込んだ。
血を吸わせようとする息子とのやりとりを聞けば]
……あの、もしも気にされなければ、だけど。
私の血でも、構わないと思うのだけど…?
[躊躇いがちに囁いたのは、何処となく気恥かしく。
彼なら断るだろうと思えど、何か差し出せるのならと]
襲撃されてるのに、割とのんびりしてる西の塔陣営が可愛くて……!
というか、吸血鬼同士の血で回復出来ちゃうと、人間を襲う理由が薄くならないかな?
まあ、人間の方がおいしいんだろうけれど。
[赴いてはならないと、右腕が止めた。
知ってはいけないと、風精が騒いだ。
激痛と発作を齎した初めて副作用。
それに苦しんだのは、約束の夜会直前。
その後、何度も己の右手は邂逅を妨げるよう、痛みを生んだ。
めぐり合わぬように、すれ違わぬように。
今ですら、右腕が順風に力を巡らせていれば、
蝶を風で追いやっただろう。
だが、どれだけ避けて、どれだけ逃げても、
避けがたい定めは勝手にやってくる。
己の義務と、本当の自分を天秤に掛けて、
選択を突きつける時が必ずやって来る。]
/*
お母様の申し出に、
かわいいの、クールなの、どっちがいいの
って言うのを思い出した。
どっちもお母様だよ!シメオンどっちでもないよ!
吸血鬼という種族に憎まれ、人間という種族に怖れられる。
それが狭い世界だと言うのなら、きっとそうなのでしょう。
だからといって、貴方に指摘される筋合いはありません。
[彼の家の文献>>82に記された内容と一致する証言は、嫌悪と共に吐き捨てられた。]
貴方の攻撃は、吸血鬼にダメージを与えるどころか、仲間を危険に晒しました。
自身を"持つ者"と称し、それなのに仲間の命を顧みない行動が気に入らないのです。
[深い地下に落ちる瞬間、彼の仲間に自身の身を守る術があったとでも言うのだろうか。
扉の穴から見ていた限り、捕えられた少年>>2:214が自分の身を犠牲にして救ったように見えた。
彼らの関係を知らない。彼らの覚悟を知らない。仲間を知らない。
故にこれは、無知で自分勝手な己の八つ当たりでしかなかった。
それを自覚しながらも止めることはせず、怒りにまかせて踊る焔の蛇がクレステッドに向かって放たれる。]
命の使い方?
何を意味の分からないことを言っているのです――くっ!
[胡乱な目を向けた隙に、彼>>85の口から圧のある言葉が叩きつけられた。
それに呼応するようにクレステッド>>89の力が強まり、押し切られそうになる。
奥歯を噛みしめて大鎌で弾き返せば、お互いの身体が後方へと飛んだ。
結果、クレステッドが焔の蛇を避けた形になり、その牙はソマリへと向かう。]
なっ!?
[クレステッドの影で見えなかったはずの不意打ちの炎さえ、彼>>82は易々と躱してしまった。
主従の絆を利用するために言の葉さえ操って、躱せぬならクレステッドへ、躱したとしたらソマリへ、確実に突き刺さるはずだった焔の牙は、無情にも壁にぶつかり掻き消える。
剣を弾いた衝撃と攻撃を完全に見きられた驚きに、身体に隙が生まれる。]
っ、しまった……!
[背後にはソマリの姿。
苦々しく表情を顰め、せめてダメージを軽減しようと身体を捻り、腕を翳す。]
[自身が得たのは中身の見えない宝箱。
箱から滲んで飛び出た数多の幸い、
小さな興味から始まっただけのはずが、
彼女の隣に自身も知らなかった本当の自分を見た。
年相応よりも幾らか稚気の利いた性根。
駆け引きを度外視して、茶化す為だけに告げる言葉の群。
それまで口先で女を惹いて得ていた満足と比べ物にならぬ安寧。
貴族として生まれたソマリ・サイキカルには、
この世の何処にも、唯のソマリで在れる場所がなかった。
一夜限りの彼女の隣を置いて、他には。
だから、その箱の底を見てみたかった。
パンドラの開けし、一番底に残るものが、何かなど考えることも無く。
素直に、純然と。
唯の自分として、彼女にもう一度。]
[この進軍が決まったときに、約束の反故を強く意識した。
もう一度、ただ、もう一度。
彼女に逢い、名を問うて、少しばかりからかって、
怒らせて、拗ねさせて、そして宥め賺して笑顔を見たかった。
無事に帰る保証は無いが、亡骸と代わるほどの可愛げも無い。
勝算は十分にある。生きて帰りたいとも思った。
この命の使い時は弁えていたが、欲が無いほどの聖人でもなかった。
もう一度、ただ、もう一度。
名も知らず、顔も知らず、
口付けも交わさずに、巡りあった運命。
自身が淀みなく笑える彼女に逢いたかった。*]
/*
両手に花違うよ?
片方は高級なお花だけど、もう片方は雑草です!
そしてシメオンの愛(吊り先)はリエヴルに向いてた。き、昨日は誰だっけ…()
吸血鬼 シメオンは、野茨公 ギィ を投票先に選びました。
/*
アレクシスさんは避けられるの予想外みたいに言ってますが、躱されても問題ないよーな感じで書いてました。
クレステッドが避けるか避けないかの意地悪だったのでね、そこが分からないと動けなくて混乱してしまった(ノシωヾ)恥ずかしい。
/*
私が灰になる前に、貴方が灰になりなさい。
[その時、大鎌の周囲を渦巻いていた炎が、声をかけたソマリではなくクレステッドへ向かって、蛇のように動き出す。
その後ろにはソマリの姿があったが、今はまだクレステッドの影になって、焔が動き出したことは分からないだろう。]
それ、避けたらどうなるか、分かりますよねぇ。
[動き、話から、二人の関係性を察し、追撃のように言葉を紡ぐ。
主へ危険が及ぶことを示し、にやりと笑った。]
[ジークムントの愛称を呼んだ事へ指摘を受ければ、そろりと口元を手で押さえ>>98]
……あ、ごめんなさい…
そう仰って下さるなら、いいのだけど…
[――取り繕ってきたものが、ここまで脆くなるとは思っていなかった。
何時もの自分なら言わないことばかり、この唇は零し続けている。
息子に刃を向けられようと、幾らでも笑える自信はあった。事実そうしてきたし、彼に何かあった時の自分も、想像はしていた。
まさか、こんなに動揺するとは思わなかったのに。
思いもかけなかった再会が、すぐそこにある事も、惑う心を揺らがせるばかりで。
妬かれると窘められれば、目を丸く見開いて]
……え?
どうしてギィ様が…ああ、私に対してなら妬きそうね。
この子が妬く訳ないでしょう、そんなこと。
もし妬く人が、いるなら――……
[>>97自分の返答は何かおかしかったのだろうか。翠の瞳がきょとりとすれば男は緩く首を傾げただろう。
けれど一度決めた事。
男はそのまま首筋を晒し。]
――さっさとやれよ。
[優しいと言われれば僅かに目を眇め。
歩み寄らえ、右手を左肩に添えれれば一度深呼吸。
>>98顔を寄せられればぴくりと身じろぎをしたか。
>>96血親の申し出には眉を吊り上げ、お前がする必要はないと目線で告げる。
紳士たる目の前の男が欲するとは思わないが。]
……いいから。
[ジークムントは自分を庇って怪我を負っている。
妬かれると言う人物の名に自分の名前が入っているのが聞こえれば、抗議するように彼の髪を引こうと手を伸ばした。]
[一瞬浮かんだ、顔もよく知らぬ男。
打ち消したばかりなのに、何故そんな事を考えたのかと緩く首を振り]
……ギィ様に悪いから、止めておきましょうか。
何かお返しできればと思ったの、
もしうちの息子で足りないようなら、その時改めて?
[―――彼もまた、己よりも、ずっと人間らしい。
口腔で呟いた言葉は、彼の脇を抜けた。]
[またしても、彼が仲間と見ているだろうクレステッドを躊躇いなく危険に晒す。>>100
己の信とは押し付けがましく、強すぎる傲慢なもの。
近接したと言うのに、焔の弾道を変える事もせず、彼を狙う。
金の髪持つ男の戦い方は、誰かを護るためのそれではなかった。
軽薄な仮面の下に隠す、苦味と辛味ばかりが強い屠るための戦。
轟、と耳元で鳴いて潰えた焔に頬を弄られ、熱風に靡く髪が広がる。
腰を落として力を溜めると、低い位置から剣を真っ直ぐに繰り出した。
狙うは彼の首、急所に定める眼差し。>>101
――空を切る音色は鋭利。
されど、身を捻る彼の回避に追従叶わず。
裂いたとしても、彼の右耳を穿つ程度に留まるか。**]
[距離を詰めたところで密やかな声が、空気を震わせた。]
―――琥珀の君、
[古い古い、石の名前。
柔らかく穏やかな色した結晶の。]
君は、優しすぎる。
[彼が呪われし血を持つならば、
きっと己は穢れし魂を持っている。*]
[親の前でその子の血を吸っていいものかと悩みはすれど一度灯った欲は容易には消せなかった。
翆玉の眸に映り込むシメオンの首筋>>103――]
見たくないなら、どちらも瞑ってしまうと良い。
[誘われるように顔を寄せ左の耳朶に囁く。
彼の深呼吸に重なるように、コク、と喉が鳴った。
「いいから」と許しを得れば
白い肌から透ける血の筋にくちびるを寄せる。。
鋭くも冷たい牙がそっと宛がい押し込めた。
薄き皮膚を破り穿たれた牙、その痕からは血が溢れる。]
――…ン。
[些か甘い一音漏らしシメオンの血を舌で掬い喉奥へと流し込む。
甘露の如き芳醇な、その味に酔うように翆玉が蕩けた。]
[引かれた髪はそのままに飢えた男はシメオンの血を啜る。
快楽伴うとも言われる吸血という行為ではあるが
己の牙を使うのは初めての事で効果のほどは知れない。
満たされてゆく感覚に更に求めたくなるが――。
ふと我に返り首筋から牙を抜く。]
甘いものなのだな。
[血をわけてくれた彼に味の感想を感慨深く漏らし
傷口に滲んだ赤をざらつく舌が舐めとった。]
―二階個室―
[本来あるべき力を取り戻した男は
火傷の痕さえ消えた左の手を軽く握る。
今ならば剣だけでなく魔力もうまく扱えそうな気がする。
けれど教会側の攻撃に備え得物を見繕うのが先決か。
生憎壊れた剣をもとに戻せるほど器用さはなく
愛着ある剣を失った事に遅れて落胆を滲ませていた。**]
そうですね。
救世主でもないし、性格も悪そうです。
[普段ならば流せるような言葉>>105も、彼の生み出す風に煽られるかの如く、感情が勢いを増していく。
その象徴であるかのような焔の蛇が彼らに太刀打ちできなかったことは、己の言葉が理想論である証のようで、悔しさに唇を噛みしめた。]
……?
[彼の口の中で消えた言葉は、空気を震わせることなく、けれど微かな気配だけをこちらに伝えてくる。
反動と驚き、そして目の前の男に向かった意識が、隙を作った要因だろう。]
そんな思いをしてまで、なぜ戦う必要があるのでしょうね。
[視界に映るのは、太陽の色をした髪。
まるで天界の住人であるかのような色を持った男は、相反してひどく傲慢な言葉を紡ぎ、残酷な選択を下す。
瞳に浮かんだのは、同情と憐憫に満ちた色だった。]
ぐぅ、……っかは……!
[それとほぼ同時、僅かな髪と右の耳朶の一部が切り取られた。
痛みに顔が歪み、呪の施された血が宙を舞う。
ソマリの顔にも、幾許かの返り血がついたかもしれない。]
なぜその名を知っている。
お前は誰だ。
[これまでのどの声音とも違う冷えた音が低く響き、切り替えた大鎌がソマリを襲う。
袈裟に切りかかった踏み込みは深く、躱されようと躱されまいが、そのまま大鎌を反転させて、柄を彼の鳩尾へと叩きこんだ。
その反動を使い、二人から距離を取る。]
……っ、ん
[膝をつくことこそないが、大鎌を杖代わりに、一度荒い息を吐いた。
能力を使った代償に体力を削られ、治りの遅くなった傷からぼたぼたと赤い血が落ちる。
木の床に落ちたと思えば、そこからは場違いな淡い小さな花がいくつも咲き誇った。]
私が優しいなど、馬鹿馬鹿しい。
優しさを向ける相手すらいないのに……。
[自嘲の声は掠れ、小さく空気を震わせた。
死なないために不必要だった感情は、これまで磨かれることも汚されることもなく、己の奥深くに眠り続けているものだ。
自身さえ触れたことのない部分に手を伸ばされたような感覚がして、怯えにも似た感情が胸の内に浮かんだ。]
私の邪魔をするな……っ!
[動揺に瞳が揺れ、声が僅かに震える。
服の下の血玉を片手で握り締め、これしか術を知らぬかのように二人を睨みつけた。
足元に咲き誇る花々は新たに零れる血のせいで、赤く赤く濡れている。**]
[スティレットに比べ、骨太の剣が突き刺さる感覚は先程城主を刺した時のものよりも確かなもの。
だが、この位置では、]
ぐ…っ、
[手首を掴む力は流石に吸血鬼だけありかなりの激痛を伴った。
骨がミシミシと軋んだ。
そのまま男の動作に巻き込まれる形で床に転がる。
掴まれた左手を何とか捕まえようとするが、全く動かせず、呻いた。]
[吸血鬼の脇腹から流れ出る血で衣服が生暖かく濡れる。]
お前…っ、
[吸血鬼の髪を掴もうと手を伸ばす。
その双眸はぎらつき、喉の奥から怨嗟の言葉を吐き出した。]
俺の妹…、よく殺ってくれたな…っ、
[心臓は何処にやったんだよぉ、と続けながら腕に力を込めた。]
/*
今日は夜からしか動かなさそうなので、今のうちに墓落ちログを書き溜めてみる。
23:00くらいで致命傷を受けるのを目標に。
オズが来るのがだいたい21時くらいとして、
ログのラリーがだいたい20分1往復くらいとすると、
23:00までに6往復できる計算。
とすると、2撃目か3撃目に致命傷を受けるくらいの感覚か。
お互い満身創痍だから、そんなもんだろうな。
/*
いっそ、最初の一撃から「これで決める!」をやってもいい。
そうしたら、吸血鬼化に時間をとれる。
あとは他に誰か乱入してくるかが問題だけど、
ここばかりは流れに任せるほかはないね。
/*
ところでオズはなぜ心臓のことを知っているのかと小一時間(
や、確かに拾っておきたいおいしい情報だもんね。
きっと、弟の癖を私があちこちで言いふらしてるに違いない。
[オズワルドの手首を握ってもろともに倒れこめば、背後から脇腹に突き立てられた刃がなおも傷を広げる。
その傷口から零れる血は脈打たず、静かにオズワルドの衣服を湿らせた。
人間ならば致命傷にもなるだろう深手でありながら、吸血鬼は指を緩めない。
金属音を響かせて放棄された大剣の傍ら、押さえ込まんとする力と抗う力が拮抗して、もつれあった身体は二転三転する。せわしく天地が入れ替わる。]
[オズワルドが怨嗟と追求の声を発したのは、オズワルドをなんとか下に組み敷いた時。
この男を駆り立てていたものはそれか、と理解した瞬間、わずかに力が逸れた。
オズワルドの指が鉄灰色の髪を指間に捕らえ、ヴセィンセントの顔を傾がせる。]
――名は。
[男の息遣いを耳に感じながら、問うた。
男と、その妹の名。
食らった人間の顔も性格も覚えていない。
人が、夕食のチキンに個性を見出さないのと同様。
だが、すべての心臓には名を刻んで集めていた。自分ひとりの
今気付いたんだけど、自前で水を聖水に変えられるなら、自分の血を聖水の代用品にする必要なくない、このユリ?(震え声
……いや、きっと、聖なるぱぅわーが、自己犠牲の分、
血>水
なんだよ、うん。
ぱぅわーに差があるなら仕方ない。
聖光の ユーリエは、公弟 ヴィンセント を能力(守る)の対象に選びました。
良く考えたら私、狙撃手になるの初めてだわ!
狙撃手村では、なぜか占い師やってたし。
狩人大好き狩人。
というわけで、独断でヴィンス護衛に変更。
だって、せっかくだしいろんな人を守りたいもんね。
……それに絶対襲撃されないし。
ちなみに吊り先が村の場合は、
万が一吊り先襲撃だった場合に備えて、吊り先護衛はしない予定。
処理順から大丈夫だとは思うけど。
……あ、じゃあ、今日はギィ護衛にしてみようかな。
聖光の ユーリエは、野茨公 ギィ を能力(守る)の対象に選びました。
[>>110首筋から血を吸う事には抵抗のない男は吸血を行う際に気分の高揚や快楽を伴う。
吸われる際にも同様の感覚が齎されるのは、命に危険を及ぼす可能性のある行為に対する危機感を忘れさせる為かなどと考えながらも、身の内の変化を悟られまいと口を引き結ぶ。
だから漏れた声が笑みを呼んだ事に気付く余裕はなく。
相手が自分の牙を使って吸血するのが初めてだとは知らずに、首筋から牙を抜かれて味の感想を口にされれば緩く首を傾げ。]
――…そんなものじゃねぇのか?
…っ。
[疵口に滲む血をジークムントの舌が這えば、無意識に引いていた髪に力を込めた。]
離して下さい、野茨公…。
[しっかりと回された腕に自らの手を添えて、静かに懇願する。
自分にも魔血が流れている可能性が濃くなった今、抜け出そうともがいてみたが。
大人と子供の差か、あるいは実力の差か、それでもやはり腕は鉄のように硬くびくともしなかった。]
――離して!!
[野茨公の目的が何なのか、まだわからない。
ただ少なくとも、自分なんかを腕に抱えたまま戦う事など、ありえないだろう。
それに父親かも知れない吸血鬼が、仲間である騎士と傷つけ合う姿など見たくない。]
こっちに来ちゃだ――…
[ここには最も危険な城主がいると。
近づいてくる仲間に向かって、警告を発し遠ざけようと声をあげるが。
それは野茨公によって、何らかの方法で塞がれたかも知れない。**]
… ユリア
[その名を口にすれば手に篭る力は強さを増す。
俺は…、と続けながら力の限り腕を引く。]
オズワルドだ畜生!
[吸血鬼の頭を引く反動で彼の腹を強く蹴り上げようと足を動かした。]
―二階個室―
[美酒に酔わされるような昂揚を魔の者となって初めて味わう。
一度口にすれば逃れられぬ甘い毒のように
吸血の際に感じる快楽が心にひたりと消えぬ跡を残した。
感想にシメオンが首を傾ぐ>>123と黒に映える白銀がさらと衣擦れの音を奏でる。]
グラスに注がれたものは苦そうな匂いがしていた。
だから、甘いとは思わなかった。
[吸血を拒む理由を察していた公弟の心遣いで用意されたグラスの血>>0:173。
死者のものゆえの苦さがいつしか基準となり先入観を抱くようになっていた。
シメオンの手に力が加わればその指に絡んだ己の髪がピンと張る。]
― 三階への階段踊り場 ―
[離してと言い、もがくアデルを逆に胸に抱きしめる。
他の襲撃者たちと違って、肉体改造は受けていないのだろうか。
抵抗の力は、人間の範疇をそれほど超えていないように思われた。
こちらの声ともみ合う気配に、騎士は既に気づいているだろう。
そう思ったからアデルの口を塞ぎはしなかったけれど、
発せられた警告には、彼の顔をじっと見つめた。
いったい、どちらを案じた言葉であろうかと。]
[会話が途切れる頃、シメオンとアプサラスを見遣り]
私は武器庫を見てきます。
――お二人も、お気をつけて。
[感謝を胸に一礼すると、踵を返し部屋を辞する。**]
……森の仔。
君は、いったいどうしたいんだ?
私がウィと答えれば、教会を離れて私のところに来るのかい?
真実を知ったうえで、私と戦う覚悟はあるのかい?
私を見逃す、などと言い出したら、君が断罪されるだろうに。
[声は穏やかだが、底に妥協を許さない厳しさがある。]
私か教会か、君は一つしか選べないんだよ?
――― もっとも。
君の仲間すべてが私を認めるならば、
違う道もあるだろうけれど。
[囁くのは、言葉の毒。]
… 真実を聞くには、君はまだ覚悟が足りない。
気を静め、心を静めてから、もう一度聞きにくるといい。
だから、今の私の答えは、ノンだ、と言っておこう。
[結局、韜晦した後に、アデルの背を引き寄せる。]
さあ。君の血の味を確かめさせておくれ。
彼が来る前に。
[囁いて、改めてアデルの首筋へと牙を剥いた。
戦う力を得るために。**]
志願兵 オズワルドは、野茨公 ギィ を投票先に選びました。
……――違う道…?
[囁かれる言の毒に、瞳が揺れる。
仲間のみんなが彼を認めたら、それは――]
…――っ
[牙が薄い皮膚を突き破り、深く食い込んだ。
痛みに、ギィの服を握る手に力が篭もる。
目覚めた時に触れたのと同じ箇所から、今度は野茨公に力を分け与えるための血液が吸い上げられている。]
さて。
嫌がらせに地下礼拝堂を聖別しちゃいたいんだけど(ぉ
流れ的には必要なわけじゃないのよね。
オズオズ死ぬところ見てみたいなぁ。
相変わらず地下戦闘には参加する気がないので、迷子になるのがいいかな?
…――は…
[魔血と混ざり合い融合した聖血は、ユーリエのように魔族にダメージを与えることはなかった。
2つの力を併せ持つ、中途半端な血。
むしろ魔を誘うように甘くまろやかな芳香を放ち、馴染み深い魔の血が野茨公を傷を修復し始めるだろう。
それは自然界に存在する、純粋な魔力にそのものに近かった。]
っ、…ぁ
[痛みだけではない感覚を覚えはじめ。抑えきれない溜息が甘く、浅く、漏れる。
果たして野茨公が感じた味は懐かしさか、あるいは"良く知る同族"の誰かの味か。
それを知る術はない。**]
聖光の ユーリエが「時間を進める」を選択しました
/*
アデルが可愛いなぁ。可愛いなぁ。可愛いなぁぁ。
(3回言った)
どうしてくれようかこの愛いいきものよ。
灰に潜んで密やかに愛でるのである。
─ 地下礼拝堂 ─
[ 吸血鬼が礼拝堂を作るとは思えないから、
もともとここは人間の城だったのではないか?
……などとユーリエは推測した。
救世主像(または聖母像)は、あったのに取り壊されたのだろうか。
だとしたら、悲しい事だと思った。 ]
……。
[ 燭台から蝋燭をひとつ抜く。
蝋燭立ての鋭い針を、火で炙ってから、右手の人差指の先を刺した。 ]
っ。
[ 魔物に噛まれることに比べたら、大したことはない。 ]
[想いの籠められた声で告げられた名に爆発的なまでに引き絞られた強靭な力が、ヴィンセントの腹を襲い、後方へと跳ね上げる。
それは、刃の傷よりも深くダメージを残した。
それでも、見た目には優雅さを失わない受け身をとって立ち上がる。
腹から脇にかけ右腕を添えて、オズワルドを見据えた。]
第8架13列の5。
[殿堂におけるユリアの心臓の位置を示すその数字はオズワルドには意味がわからなかったかもしれないが、続けて口にした10年前の日時には覚えがあろう。]
[すべて自分が手を下した、と告白するにも等しい言葉を投げてから、ヴィンセントは廊下の奥へと視線を流した。]
…見えるか? あの
君の妹もあの中にいる。
[ 赤がにじむ指先で、祭壇の後ろ、
聖像やイコンがあるべき場所に、
小さい体に出来るだけ大きく、聖光教会の聖徴を描いた。
一歩を下がって、それを見てから、服の裾で指先をぬぐう。
これでいい。
蝋燭を燭台に戻すと、それを持って礼拝堂を出た。 ]
[ 燭台をランプ代りに掲げ、ユーリエは廊下を移動する。
目指すのはソマリたちだが、まっすぐ進もうにも、
道が邪魔をする。
仕方なく曲がるのだが、次第次第に入り組んだ先へ入り込んでしまっている気がする。 ]
……?
[ 燭台ごと振り返り、来た道を確認する。
一度戻るべきだろうか? ]
[ 光が届かない先を、先ほどからちょろりと横切るのは、
影の召使というものだろうか? それとも蔦? リス?
血が染みた左袖は、ごわごわと着心地が悪く、
なんだか気になった。 ]
……アデル。
ソマリ。
[ 小声で神子と聖将を呼んでみる。
燭台の火は小さくて心細く、誰かに傍に居てほしかった。
生まれた時から住んでいる教会ならば、真夜中だってこんな気分になったことはないのに。 ]
─ 地下墓地 ─
[ 乾いた匂いがする。
石造りの廊下は足音を反響させる。
別の誰かが後ろからついてきているような錯覚に、
ユーリエは何度も振り返った。 ]
……。
[ 先に何か見えた。
特徴的な形の、大きな入れ物。
黒く塗られて、それは、 ]
棺桶。
[ 「死」を象徴する形に、息を呑む。
光の届かない範囲にもいくつもあるようだ。
震えるユーリエの視界には、それは地の果てへも無数に続くように見えた。 ]
……。
[ 中にいるのは「だれ」だろう?
まさか新品ということはあるまい。
この中に全部吸血鬼が? それとも犠牲者が?
あるいは……吸血鬼がここを支配する前の、無関係な誰か? ]
……っ、
[ カサ、と音がした気がして、ユーリエは燭台を取り落とす。
ふつ、と明りが消えた。 ]
[ 一歩、二歩を下がったら、もう耐えられなかった。 ]
〜〜〜〜っ!
[ ユーリエは、少女の足で出来る全速力でその場を逃げだした。 ]
分からないか。
いいや、賢明な君が思い至らぬ筈がない。
―――…憐れむな、古き血よ。
俺は俺に恥じた事など一度もない。
[彼の言葉が己の身の内に掛かる義務を一層重くした。
どれだけ人間らしい皮を被っても、
大多数の為に少数を斬り捨てる覚悟を持つ。
彼の寄越す憐憫振り切り、剣先が魔の者を傷つけた。>>115
中空に飛び散る赤の呪色。
返り血を恐れぬ身が、頬から遅れた右半身に向かって掛かる。]
―――ッ!?
[しかし、その血に触れた瞬間、身体が燃えるように熱を持つ。
呪われし血は創造の呪。死せる身さえ蘇らせる奇跡の鮮血。
古い血に悦んだのは、己の右腕に眠りし風精だった。]
[彼の血は人の身に強すぎるのだ。
神の創造にも等しい血統に踏鞴を踏んで、
着地を無様なものに変える。
微かな血を浴びただけで、己が抱える力は、
今すぐにも解き放ちたいと、魔が右腕を震わせる。
彼の血は、――――身に甘い。
生きとし生ける者全てにとって、
極上の、苛烈なまでの甘露であった。]
――――く、ぅ…っ、ぐ…ッ、
[彼の血の詳しくは知らない。
だが、その血に纏ろう呪いは使徒の研究を続ける教会にとって、
喉から手が出るほどに魅力的なもの。
されど、まさか、これほどの物とは思わなかった。]
さて。
ホラーもののお決まりではあるのだけど、
この村は耽美と愛の村だったような。
……私は何をやってるの?
A:ソロールしつつ、ソマリのところに行けなかった理由付けをしつつ、
オズのところに行こうと思ったらこうなった。
―――その葛藤はこの血統由来か。ベルンシュタイン。
[囁く声が、今度こそ彼の姓を間違えず呼ぶ。
強すぎる癒し、彼の一族に羨望と嫉妬を燃やした多くの民草。
唯人は彼を理解出来ない。
魔物ですら、奇跡の力を畏怖するのだ。
恐れぬのは精々変わり者と名高い野茨公とその傘下ばかりか。]
慈悲で出来た身体か。
魔物となっていなければ―――、
君の呪いを、笑い飛ばしてやれたのにな。
[彼の身は生まれた時から慈悲で出来ていて、
己は心は生まれてから非情を覚えた。
お互い、家には苦労する。などと、笑い合い損ねた。
来なかった未来など、今は考えない。
ただ―――、きっと彼は、彼自身さえ省みず、
慈悲を示す時が来るのだろうな。と、何処か遠くの思考が巡った。
何故なら、彼もまた、持つ者。
高貴なる義務を神から背負わされた、癒し手なのだから。*]
[糧を求めた言葉に、素直に首筋が晒される。
牙突き立てた肌は瑞々しく柔らかく、
血は極上の美酒を味わっている心地さえした。
天の高みに通じる光と、なじみ深い闇の気配。
二つが混ざり合って、薄暮の妙を作り出す。
光と闇の間。
無数の命が暮らす、薄闇の森の魔力。
銀の狼が彼を慈しんだのも、わかる気がする。]
[味見だと言いながら、容赦なく啜り上げる。
それでも、命を脅かすほどには奪わなかった。
…… あるいは、その暇がなかったのかもしれないが。
甘やかな吐息零す背を指先でなぞり、
のけ反った喉になおも深く魔の牙を埋めようとしたところで、
階下に重い音が響く。]
[派手に板金の打ち合い擦れる音は、石段を踏み切る跳躍の。
踊り場まで、十数段を一息に飛んだ男は、アデルを腕の中に抱いた赤髪の吸血鬼に、躊躇なく剣を振り下ろす。]
[その剣筋は、アデルを巻き込むか巻き込まないかのギリギリの線を描く。
それは、その攻撃に身を晒し、尚且つ優れた使い手でなければ分からぬほどの……]
─ 地下 ─
[ 耳に何かの息がかかる気がする。
恐れが暗闇に魔物を生んでいるのかもしれない。でも、本当に何かいるのかもしれない。
経験の浅さが、恐慌になって。
ユーリエはやみくもに走り、何かにぶつかっては、再び走った。
しかし、慣れない靴が床に引っ掛かって、
ついに。 ]
きゃあっ!
[ 転んだ。
床に長い銀髪が広がる。 ]
……っ、
[ なんとか身を起こす。
へたりこんだまま、シスター服の裾を直した。
闇の中で、まっしろな姿は、暗闇を見る目にはよく見えるだろう……。 ]
[>>131視線を交わしたジークムントの翠は瞬いていた。
眩暈を感じたのは至近距離では悟られていて。]
いや、すぐに慣れる。
……誰かに血をやるなんて久々だったからな。
[案じるような視線と共に、何か返せるものを、と聞けば]
――それなら今度はお前の血を吸わせろよ。
”首筋からじゃないと嫌”だぞ?
[にやりと笑って紡いだ言葉は意趣返しのつもり。
彼が吸血された経験がどれ程あるかは知らないが、目の前の男が吸血されたらどうなるかを見てみたいという欲も相俟って。
ジークムントの髪に絡めていた手を解いて肩を軽く押せば、彼は一歩後ろに下がった。
それでもまだ肩に手は添えられているので近いとは思うが、相手の見目の麗しさもあって早く離れろと拒絶する程ではなかった。]
[>>134苦笑を漏らしたジークムントの返答に男は目を瞬かせ。]
あぁ…そうなのか。
これから何が起こるか分からない。
――代わりの武器を見つけておいた方が良いだろうな。
[男の愛用していた武器は今頃何処に在るのやら。
その行方を男は知る事は出来ない。知ったとして、どうにかなるわけでもなく。
武器を作り出す術は適切な文献を読めばジークムントにも知れるのだろうが、気付いた時にはいつか教えると告げていた。
ジークムントの貌に浮かんだ嬉しげな色を見れば短い返事を紡ぐ]
――…あぁ。いつか、な。
[この二年、他人には踏み込まないようにと思っていたのに約束まで交わすとは。
彼が自分と同じ、吸血鬼に変じて数年しか経たぬ血の子だから。
――少し気が向いただけだと自分に言い聞かせる。]
/*
Σ(・ω・`;)>相方さんメモ
花じゃないやい!
そんな、麗し可愛いお母様を差し置いて。
…そして昨晩の若干ハイになってた頃の灰が間違ってるような気がする。
「セクシーなの?キュートなの?どっちが好きなの?」ですね。まぁシメオンはどっちでも(以下略)
[階下からの騎士の跳躍は、見惚れたくなるほどに見事なものだった。
角度、速さ、大剣の軌道。
全てが完璧に組み合って、美しささえ感じる。]
……、 !
[美を愛でる感性とは別に、冷徹な思考は攻撃の軌跡を読んだ。
アデルを抱えていては避けきれないと判断し、
青年を突き飛ばして、反動で飛び下がる。
突き飛ばされたアデルは、伸び来た蔓に受け止められるだろう。]
相変わらず、迷いのない一撃だ。
君なら、仲間ごと私を斬ることも厭わないのだろうね。
[壁に手をつき、茨を呼び寄せながら、からかうような言葉を投げた。]
[繰り出された攻撃に、アデルを害する意思がないことには、気づいている。
気づいたうえでの、揺さぶる言葉。]
/*
ユーリエが礼拝堂に落書きしてるのを見て、
あれ、落とすの大変そうだなぁとか思う。
影にさせると、影が消えちゃいそうだし。
……とそこまで思ったところで、
城主自らが雑巾を手にこしこしやってるのがちょっと見えた。
[去っていく魔を先に狙う理由がなくなった。
確認している吸血鬼は現在四名。残った二名は別の者だ。
ここには最低でも六名の魔がいるという計算になる。
その二名の気配がある屋根の上で、右肩に背負いし分厚い大剣を左手で握りしめて
思い切り叩き付けた。
―――ゴォン!!と鈍く重い音をたてて、茨城の一室を空が良く見える部屋へと変貌させた]
― 少し前・二階個室 ―
[ジークムントが部屋を辞す前にと、口を開いて]
――ごめんなさい、ジーク。
せっかく貴方が、塔まで送り届けて下さったのに。
不用意に出てきてしまって。
……助けて下さって、本当にどうも有難う。
[柔らかな視線の先には、銀髪の騎士。
心からの感謝が向かうは、黒衣の青年にも]
/*
またこのひとらはうちの城壊してるー。
あれ。ひょっとしてうちの子ピンチになるんじゃ??
いや、むしろここで友情をはぐくむチャンスか!(
[左右に大きく振り斬るには階段の空間は狭いと判断したか。
素早く刃を引き戻し、担ぐように構え直す。
男から揺らめき立つ気は、チリチリと灼けつく感触を皮膚に感じ取れそうなほど。
酷く熱く、同時におそろしく冷たい。
笑み含んですら見える吸血鬼を、じっと睨め付ける。]
― 少し前・二階個室 ―
[ジークムントが武器庫へと向かうのを見届けてから、密やかに息を整え、唇を引き結ぶ。
避けたかった事態を自ら招いた自分に、内心毒づきながら。
庇ってくれる彼らの傍には、事が差し迫らない限りは、近づく心算はなかったのに。
護るべき存在の前で、ジークムントやギィのように、強く振る舞える者も居る。
護りたいものに面して、理を見失う者もある。
――己がどちらに属するのかは、二年前に思い知ったというのに。
望まぬ種を揺り起し、自ら枯れぬよう、目の届く所にいるよう、呪で縛ってまで掌中で育む程に]
私は神の力、剣の一振り。
何を斬るに躊躇いなどない。
[底冷えのする低音。
額から鼻梁を通り顎まで染める血赤と相俟って、神の懲罰天使、どころか地獄の悪鬼にすら見える。]
――…神子であるアデルがいるのだ。
聖女に近い存在が居てもおかしくはないか。
[独り言ちるように呟いて
目の前の者には知れぬようそっと溜息を吐く。]
[また一つ、零したことを悔いる種に思いを馳せる。
――どうか、城に棲まう闇を隈なく照らすより、相容れぬものと行き過ぎてはくれないだろうか。
聖将としての意志に満ちた声を聞けば、叶うまいと悟りながらも。
唯それだけを願わずにはいられない。
呪の種を宿した男と、二度目の約束を果たす時が訪れるなら。
禍根を巡らせ、身中深く蝕み――
手ずから摘み取るほか、選べなくなる。
赤い水と灰を苗床に、実を結ぶ花はないと知るから]
[騎士が纏う気に、目を細める。
そうして、知らず唇を舌で湿らせていた。
純粋で剛直な感情の発露。
それは、ほとんど官能的なまでに心をざわめかせる。]
初めて会ったときより、ずいぶん良い。
―――たまらないな。
[腕に巻いた茨は既に血を吸っている。
手加減や遊びの余裕がない相手なのは、よくわかっていた。]
[血塗れの姿は鬼気迫るものであったが、
吸血鬼の知覚は別のものを感じる。
熱く滾り、冷たく凝った血の香気。
さきほどアデルの血から得た酩酊が、より深くなる。
――― 欲しい。
は、と蕩けた息を吐いた。]
― 地下 ―
[どこかで聖女の光が闇にぶつかったのを知る。
遠い神子の気配は察せぬが、それでも一瞬気が逸れた。
目の前に対峙するアレクシスなる男は、
油断の叶う相手で無いと言うのに。
靴裏で地下の石畳をにじり、右の五指を強く握り締める。
自らを律し、この身に賜りし義務を果たすため。]
[――茨の檻。
それはまさしく男の身を置く場所。]
――…っ。
[男の動揺は、対となる因子を通して彼にも伝わっただろうか。]
/*
ところでばるたんが動くのを待っていて、
待ちきれなくなってついログを落としちゃうんだけど、
きっとそれあんまりよくない。
(自重せよ)
…――ふ…ぁ…ッ
[強く吸い上げられて、目眩が襲う中、背中をなぞる指先の感覚に堪らず大きく仰け反る。
性的経験など皆無な未熟な身体に受ける官能は強く、牙を抜かれ、傷口を舌で擽られて、はあはあと肩で乱れた呼吸を繰り返し、震えを抑えきれずに野茨公を見つめる。]
/*
いかんね。更新ボタンを連打しそうだ。
そちらから仕掛けてくれていいんですよ?と落とそうか。
それとも、また藪蛇になっちゃうかなぁ。
そわっ。
[――実験体となって少しした後のことだった。
同じ実験体のものが、過ぎた力を精神で統御できずにところかまわず刃を向けるものに成り下がってしまった事件があった。
幸いでもないが、実験も初期段階であるため、そこまで人から外れた力をもっていなかったから容易く処分された。
実験の失敗ではなく、心の弱さが招いた事件であった。
その時、幼馴染とあるを提案した。
ただ『自分自身にルールを課してそれは守る。』というもの。その提案をどう扱われたかはわからない。
だが信仰心があるわけでもなく、悪人でこそないが教会の使徒候補として生きねばならない。その道の過程でも、人形ではなく自分というものを残そうと思ったのだ。
それは、仲間は殺さない。とか。守りたいやつを守る。だとか。よく考えて刃を向けるものを選別する。とか。ガキの頃からの営みを送り続けるために必要なものを、俺は自分に課すと決めていった。]
――!
[>>163跳躍する音と、躊躇無く振り下ろされる風圧。
>>172騎士の刃を己の身で受け止めるより先、ギィによって突き飛ばされた身体はあっけなく放り出され、代わりに無数の蔓によって受け止められる。
これで正しいのだ、クルースニクとして彼は何も間違ってはいない。]
……――っ
[立ち上がろうとして、グラリと視界が揺らぎ。
力が入らず両膝を突き、次に両手を床につける。
全て吸い尽くされて命を落とさずに済んだとは言え、野茨公を身体を修復出来るほどには、血を吸われて。
想像した以上に血を失っていた。
身体の中に快感の痺れが燻ったまま、霞んだ視界の前で城主と騎士の対決が繰り広げられるのを見守るしか出来なかった。]
兄さん…
[無力感と脱力感に押しつぶされて、兄のような存在を探す。]
ジーク兄さん……
[どうしたらいいのか、わからない]
どこ…――
[野茨公に庇護を受けた彼もまた、吸血鬼だったが。
迷いに何も答えを見つけられぬ今、直接彼に会って話を聞いて欲しかった。]
[そして時は流れ――幼馴染が失踪してしまう戦地に赴く前のこと。
二人で行動することが多々あったが今回は別任務に着くこととなった。その時は後に帰ってこなくなることなど知る由もなく。
ただ幼馴染の僅かな違和感。何かを隠していることは気づいていた。
だが、隠していることがあっても、時がくれば俺に話すだろうと不安を抱くことはせず、今はそうじゃないというならば問い詰めないと決めた、
「今回は新人も多いらしいからな。気を付けていけよ」
だから気を付けろという言葉は、ともに仕事をする相手も含めることで濁しはしていた。
大丈夫だという言葉>>2:56を受けて、いつものシスコンっぷりに笑みを浮かべた
「そうだな。最近休暇もとってないし魔物の討伐を少し多めにやれば問題ないだろう。少し遅れた出産祝いでももって久々に戻るか」
そして見送った。少し未来には二人で帰郷する。そんな光景があると信じていたのに―――]
[アデルを受け止めた蔓は、そのまま数を増やし、
彼を包んで持ち上げる。
踊り場の高い天井から吊られたそれは、
まるで茨の鳥籠だった。]
――アデル。
[吸血鬼を睨み据え、神子に背を向けたまま名を呼ぶ。
低く囁くようでありながら、鋭く険しく。]
行け。聖女を守れ。
[短くそれだけを命じた。]
へぇ… ちゃんと覚えてんのかよ。
逆にイラっとすんぜ。
[直後に吸血鬼が口にしたその日付。
あまりにもあっさりと、悪びれる様子もなく口にするその様子に頭に血が上る。]
あぁ…?
[吸血鬼が視線を流す先、廊下の奥まったところに何か黒いものが蠢いていた。]
返るならば、愛の裡にでありたい。
[騎士が告げた言葉に、声を返す。
相手が動くに合わせて自らも位置を微妙に位置を変えた。
彼が流した血の量を見るに、さほど長くは戦えまいと思う。
超常の治癒力がどれほど効果を発揮しているかはわからないが。
こちらも、アデルの血を奪ったとはいえ、万全の状態には程遠い。
彼が仕掛けてきたとき―――その一撃に注ぐべく、力を溜めた。]
主っ!! 大丈夫っ!!
[自身の戦いの没頭した結果。
また同じ過ちを繰り返してしまう。]
私は、なにをやっているっ!!
闘えない私など!!
[主の様子を見やるにこの現場以外も怪しい。
どうすればいいかが分からない。
それでも今出来ることを考え続けた。]
[呼ぶ声が聞こえる。]
アデル。
――何かあったか?
[声音から伝うものに心配そうに言葉を返し]
今、聖女――…ユーリエと地下に居る。
アデルは、今、何処にいるか、分かるか?
[何かあったのだと思い探す為の情報を得ようとした。]
生きて、いたのか。
なんでこんなところに。
[帰ってこなかったんだ。と問いかけようとしてやめた。
生きていたなら良いのだ。と状況が状況にも関わらず、安堵の響きが混じってしまう]
[奇襲した男と視線が合う。
それは良く知っている者の姿。]
……リエ…。
[動揺と、困惑。
――心の中で打ち消そうとしていた可能性。
男は戦斧を掲げ、唖然と上空を見上げたまま、幼馴染の姿を目に収めている。]
― 地下 ―
貴方と同じだと言うのは大変遺憾ですが、お互い様という奴でしょう。
……気に入りませんね。
[己に満ちる血は、人どころか魔物さえ殺める。
持ち主の意思は、そこに介入できない。
だからこそ、似通う結果をもたらす彼>>151の非情さに、どうして止めようとしないのかと、反発してしまうのだろうか。]
理解と納得は違います。
……逃げたいと、思ったことはないのですか。
己の柵がない場所へ、誰かの手を取る未来を夢想したことすらないと?
[力強い言葉>>153に、瞳に浮かぶ憐憫は憂いに変わる。
己にはあった。
この身に宿る血をすべて捨て去って、過去の遺恨から逃げ出したいと思ったことが。
時を経てそれは、諦めに覆われてしまったのだけれど。
彼は、強いのだろう。
故に瞳は、羨望と嫉妬の色が混じる。]
[聞こえてきた笑い声に男は惑う。]
…、…リエ……。
[生きていたのか、と、
何故こんなところに、という言葉が遠くに聞こえた。
混乱の余り、その声に安堵の響きが混じっていることには気付かず。
答えを紡ぐ事も出来ない。]
[ソマリ>>153が被った血は、差別なく彼の身に呪を齎した。
身の内に取り込んでいないだけ害は少なく、中毒症状も起きないであろうが、それでも人の身には過ぎた甘露>>154。
昂ぶりに震える右腕を見て初めて、己の罪を知った。
野茨公が戯れに血を得たことはあれど、男自身が誰かの身に創造を与えたのは、これが初めてのことだったから。]
――っ!
[反応の遅れること数瞬、隙を逃すまいと大鎌の柄がソマリ>>155に叩きつけられる。
細腕と言えど魔物の力、壁に叩きつけられる衝撃は決して弱くなかっただろう。
床に花を想像しながら睨みつける瞳は、畏怖すらも溶かして。]
わからない…、多分、2階か3階…
階段の踊り場――…!
[目眩の中、なんとかそれだけを伝えた直後。
野茨公の意思を持った蔓に絡め取られ、天井高く止め置かれる。]
ふふ、慈悲などと。
そんなことを言うのは貴方が初めてです。
[戸惑いも恐怖も越えた先、そこにあるのはいつも諦念だ。
戦場に似合わぬ穏やかな笑みを浮かべ、肩を竦める様子は、どこか楽しそうにすら見える。]
過ぎた薬は毒となる。
そもそも薬ですらないこれは、人間の身にも吸血鬼の身にも不要で邪魔で害悪な、ただのゴミですよ。
[欠けた身体を、足りぬ力を、沈んだ命を、救うのではなく、想像する。
これはたかが一つの生命には過ぎた、神の力だ。
故に代償は大きく、遺恨は細い背中に重くのしかかる。]
[吸血鬼を見据えたまま視線は逸らさず。
だが、研ぎ澄まされて殆ど全方位に張り巡らされた気が、視界にない茨の動きを捉える。]
――甘言を弄して虜となすか。
実に悪魔らしい遣り口だ。
[何を、とは言わない。
相手がこちらにあわせて微妙に位置を変えたのを見定め、意図を読み取る。
だが敢えて――真っ向からの一撃必殺の構えを。]
いつから呪は、"まじない"から"のろい"に変わってしまったのでしょうね。
[誰にも打ち明けることのなかった思いがぽつり、空から落ちた一番雨のように落ちてきた。
ソマリの言葉に笑って、困ったように眉を下げる。]
もし私が人間ならば、貴方の非情を少し肩代わりすることもできたのでしょうか。
私たちが同じなら、そんな世界が、あれば……。
[そこまで言って、緩く首を横に振る。
在りもしない未来を描くのは、愚か者のすることだ。]
[二人の間に永遠とも言える静かな時間が過ぎ、その淡い色をした瞳>>156を湖面のような黒が見つめていた。
しかし彼>>157の気が驚きで揺れる隙を見逃す程、甘くはない。
仲間を持たぬ男は、周囲の気配など意にも返さなかった。]
やはり貴方は、れっきとした人間ですよ。
[穏やかで優しい、柔らかな声だった。
気が逸れた瞬間を見計らい、大鎌を器用に振り翳す。
かまいたちが幾重にも彼へ襲いかかり、その後ろから死神に似た黒髪の男が、血の大鎌をソマリの身体目掛けて、横一閃に薙いだ。]
[オズワルドの問いには、是、と頷く。]
彼女を蘇らせることはできない。
だが、君をこちら側に連れてくることならできる。
私なりの責任の負い方、誠意のつもりだ。
[脇腹から零れた血を凍らせて、掌サイズのナイフを精製する。]
この刃で、君の、人としての生を終えるがいい。
[求めたのは「自殺」という創造主への裏切り行為。
信じぬのならそれまでだと、言葉にせずとも眼差しに託した。]
[赤き華が咲き誇る。
血を流さぬ闘いなど在るものか。
命を賭けずに灰を積めるものか。
自身を奮い立たせるよう、背を預けていた壁より身を引き剥がし、
曲刀を真っ直ぐにアレクシスへと向けた。
そこに在るのは正義ではなく、信念であった。]
クレステッド、前を向けッ!
叱責なら後で欲しいだけくれてやる。
我が身、我が義務、誉れ高き使徒ならば、
血塗られた道に添い、剣を構えろ。
俺は、聖将ソマリ・サイキカル。
――――義務を果たす者だ。
我が名はアレクシス。
私の願いは、ようやく見つけた私の居場所を奪わないで欲しい。
それだけです。
ただ、それだけです。
[大鎌が薙がれる瞬間、地下の空間に小さな願いが響いた。
故に迷いのない攻撃が、容赦なく叩きつけられる。]
是、この身は、聖将の剣。
それ以上でもなく、以下でもない!!
すべての闘いを受け入れ、飲み込む!!
[剣に力をこめて大上段に構える。]
/*
ばるたんの一撃、くるのかなぁ。
(そわっ)
こっちから行った方がいいのかなぁ。
(そわっ)
とりあえず、箱がんばれ…!
――階段の踊り場、か。
分かった。
迎えにいこう。
……けれど、出来れば安全と思える場所に。
そう遠くにいかぬ限り、分かる、から。
[地下から少し距離があるのを認識すれば
アデルの安全を思いそんな囁きを返す。
野茨公の近くにあるとまでは、知れない。]
[ ユーリエは、琥珀の目でじっと魔物を見る。>>215
輪郭は見えるようになってきた。表情までは窺えないが。
……今、初めてちゃんと魔物と話していると気付いた。
彼らは、勝手に来て、問答無用でこちらを傷つけて、そして勝手に滅びる。
獣以下の、そういう下等な存在だと思っていた。 ]
人間だった。
[ ……そうだろう。
魔物を、教会に住まわせるほど、司祭たちは節穴ではない。
では、彼は教会から消えた後、どこかで魔物に堕ちたのだろう。 ]
なぜ魔物になったの。
無理やりさせられたの。
[ もしかして、そうだから、このジークムントは他の魔物と少し違うのだろか。 ]
[派手な見かけほど、修道騎士の傷は重傷ではない。
ただ、強力な再生力は生命を削る。
未来を切り売りし、現在の生を繋ぐ業だ。
速やかで自動的な再生の代償に、大量のエネルギーを必要とするこのクルースニクは、補給する薬剤を摂取しないままここまで戦ってきた。]
[バルタザールは今、消耗戦を決意をしていた。
防御を捨て、再生力だけを頼みに城主に挑む。
自分が斃れる前に倒す。
血の魔力の全てを使わせて、殺し切る。
最後に立っていた者が勝つのだ。]
[鉛で出来ていない心に彼の声が響く。>>212
強きを気取っても、人としての正しきは彼にある。
己が後退は万民の信に悖る。
個を殺し、場に響かせる朗々とした声。
生れ落ちたときから、神の独占欲にも似た血を携える彼。>>216
己は民の為たれと、生きる義務を背負い、創世の力に相対。]
男に褒められても余り嬉しくないのだが、喜んでおこう。
―――化け物同士では、余りに、浪漫が無い。
[冗句めかした相槌に併せて空を切る大鎌。
その太刀筋は剣を獲物とする己には読み難い。
曲刀を寝かせ、初撃として繰り出された風の刃を袈裟懸けに薙ぐ。
だが、風の影に隠れた黒き魔物を捉え損ねた。
剣先を下げさせた彼の戦術は、計算しつくされている。
舌打ちと共に、足裏で咄嗟に床を弾いて後方へ飛ぶも、
金の髪が幾らか散って、胸に浅い朱が走った。]
[我が僕と視線が克ち合えば、防を捨てて、着地と同時に瞬発。
アレクシスに向かい晒す聖将の身。
鎌を我が身で止め、注意を引くべきの決死。
魔の瞳を強い視線が誘い、彼が鎌を振り下ろせば―――]
クレステッド! 今だッ!
はっ…はっ…安心したら、なんか……
[意識が程よく混濁している。繋いでいるのは、己とをつなぐ魔の因子の共鳴…ではなく培われてきた深い縁]
[廊下に響いた金属音は何処まで届いただろうか。
拾い上げた剣を床に落とし、男はゆっくりとした歩調で吸血鬼へと歩み寄った。]
ユリア…
[小さく妹の名を呼ぶ。
視線は遠く、闇の中に蠢く“影”へと向けられる。
自分の声に反応してこちらをみた影があるのかどうかまでは、彼にはわからない。]
[向けられた琥珀の双眸は仄かな闇に煌めく星。
一定の距離を保ったままで相手を認識できるのは魔性ゆえか
それともユーリエがそれだけ輝かしい存在ということか。
どちらもだろう、と思いながら彼女の声を聴く。]
魔物に――、吸血鬼になったのは……
魔に通じたと教会を追われこの城に来てからだ。
頼れる者は――、手を差し伸べてくれたのは、
野茨公ただ一人だった。
無理やりではない。
けれど、人であった頃を、忘れられない。
[嫌悪しか向けられぬだろうと思っていたが
問い掛け話しをしようとする様は優しい聖女像を強める。]
[対峙する吸血鬼の双眸を睨み付けてから、男は凍った血のナイフを受け取った。
それをゆっくりと首にあてがい、そして――― ]
[交わした眼差しが、微かな弱さを。
義務の底に眠る本当の人間らしさに揺れた。
アレクシス、君と俺はきっと同じ咎を持つ。
俺が未だ、人であるなら―――。
きっと、君も人間だ。
……ここが命の使いどころだ、と貴様なら言うだろう。
ソマリ。
[脳裏に浮かぶは、悪びれず正義の使徒の仮面を被る癖に、いつも張り詰めて思い詰めた――]
…――ソマリ。
貴方とは、もっと違う形でお会いしたかったですねぇ。
[ソマリ>>220の声は凛と響いて、己が心の内を振るわせるには十分な力を持っていた。
彼の名をなぞるように囁いて、悲しみで縁取られた笑みを浮かべた。
それは夢だ。叶わぬ願いだ。
選べなかった過去は、どんなに手を伸ばしても届かない。
己が身に宿る血でさえ創造できぬ、ショーケースの向こうの玩具。]
だから、死んでください。
[大人は玩具をねだらない。
ひどく冷えた残酷な声が、憐憫も畏怖も羨望も嫉妬も掻き消して、暗く平坦な瞳が微笑む。
そこに躊躇は、欠片もなかった。]
――ふぅっ!
[鋭い息と共に横に薙がれた大鎌は、彼の太陽の髪と皮膚をいくらか奪う。
筆で描いたように白い服へ朱が走り、魔物の舌が唇を舐めた。]
まだ、終わりませんよ。
[もう一歩、そのまま追撃に踏み込んで、彼の肩へ左手を伸ばす。
その手に捕まれば、圧倒的な握力が彼の骨を砕かんとするだろう。
彼>>232の予測と違ったのは、口から覗く牙が、彼の首筋に突き立てられようとしたことだけ。]
――!
[叫ばれた声に意識を戻せどもう遅い。
ソマリという餌に食いついた愚かな魔物は、クレステッドという剣に大きな隙を見せていた。]
[何の前触れもなく、低い蹴りで吸血鬼の足を払う。]
責任?誠意?
笑わせんじゃねぇ。
[そのまま吸血鬼の身体へと当身を喰らわせる。]
――――。
[アデルの言葉に息をのむ。
逃げろ、と言い掛けたくちびる。]
野茨公が、アデルの、父親――…?
[一瞬、何を言われているのか分からず
けれど自分以上にアデルは衝撃を受けているだろうと思う。]
――それでも、アデルはアデルだ。
私の、可愛い弟に、変わりはない。
ふふ。悪魔だよ、そう。
教会が、そう呼ぶのだからね。
[騎士と視線が交わる。
こちらの意図を知って、なお正面から来る。
その意思が、まっすぐに突き刺さる。
ごく自然な立ち姿に構えながら、その一撃を待った。
全ての神経を集中させ、彼の刃をかいくぐって―――]
――――……っ!?
[待ち望んだそれは、予想をはるかに超えるものだった。
飛んでくる刃を見据え、躱そうと体を動かす。
その目の前に、刃があった。]
が………… ぁ…っ
[体の中心を刃が貫き通す。
自分の体を抜けて、切っ先が壁に当たるのさえ、感じた。]
シャッ!!
[短く息を吐き、銀閃。
担ぎ振り下ろす斬撃は、人にあらざる速度の更にその上を行き、茨の城主を両断せんと伸びる。]
ンな事したって、アイツは喜ばねぇよ!!!!!
[二人影となり、日の当たらない世界で生きるでもなく、死ぬでもなく過ごすことは救いになるのだろうか。
自分の仇をの言葉を吞み、命を捨てた兄の姿を見て、妹が喜ぶとは到底思えなかった。]
[これは、だめだ。
沸騰する痛覚の中で、冷めた思考が自身の状況を把握する。
同時、戦うものとしての本能が、好機をつかむべく動いた。
右手に絡ませた蔦を、相手の体深くへと貫き通す。
互いに、互いを串刺しにしたことで、動きが止まる。
そこへ、さらに蔓に魔力を注ぎ込んだ。]
[袈裟がけに振り下ろされたクレステッド>>235の剣は、男の背中を大きく切り裂いた。
その衝撃にソマリへ寄りかかる形となり、本来の利き手である左手は、彼の肩の骨を粉砕せんと握り締める。
牙は血を吸うより前に痛みへ喘ぎ、首筋へ深い牙痕をふたつ残すのみ。
そこから溢れる血液を僅か舐め取って、ソマリごと身体を反転させ、クレステッドに対する盾にする。]
――、
[ソマリの眼差しにもう、瞳を揺らすことはなく、何か囁いた後、ソマリの身体をクレステッド目掛けて強く押した。
後退し踏ん張ったところで背中の傷口の痛みに呻きを漏らすも、歯を食いしばって大鎌を追いうちのように投げつける。
自己治癒能力の弱った身体は、耳と背を傷に大きく震えた。]
死にやがれ!!!!!
[他の吸血鬼がどうなろうと、男には知ったことではなかった。
男は、ただこの憎い相手を死に至らしめる事ができればそれで良かったのだ。
渾身の力を込めて、男は凍った血の刃を振り下ろした。**]
[だがそれすらもフェイント。
強引に腕を返し、下へと振り落とす刃を途中で止め、掻い潜って迫る相手に向かって突き上げる。
腕の細かい筋肉が断裂し、血管が弾ける。
血の飛沫が石畳に降り注ぐ。]
貰ったぁぁぁ!!
[隙を見せた相手、ならばと精度を省みず、
更なる勢いを篭めて剣を振り下ろすと同時に
確かな手ごたえを剣越しに伝わってきたのだった。]
おい、リエ…。
[安心した、という言葉に偽りはないように感じられた。
けれど混濁した意識の気配は男にも伝わって来ていて。
その直後に眠いと零す幼馴染。
害などない筈のその言葉がとても恐ろしいものに感じた。]
リエヴル…!
[膨大な力を注がれた蔓は、爆発的な勢いで成長する。
―――貫いた、騎士の体内で。]
…… このまま、私の養分に
……と言いたいところだけれども。
[ぐい、と蔓ごと相手の体を引き寄せる。
さらに、剣が自らを引き裂くのも構わずに。]
―――私は、おまえが欲しいのだ。
[間近に顔を寄せて、囁く。]
私に下れ。
そして、名乗るがいい。
[宣言と共に、蔓を通じて自らの血を注ぎ込んだ。]
[こちらに向けられたオズワルドの眼差しの奥にある不屈が閃く。]
それが君の選択ならば。
[見守っていた。
だから、対応はできる。
接触間際の
それでも、ほとんど真正面からオズワルドの力を受け止めた。
押しつけられる激しさは、どこか心地よくさえあり。
同時に、両腕で相手を捕えて逃がすまいとする。
密着状態にしてその首の血脈を啜らんと、牙を剥いた。
それこそが吸血鬼の最大の攻撃であり、相手に己が血肉となる価値を認める行為ゆえに。]
[騎士に血を注ぎこむと同時、己に残る血の力を振り絞って、自分と同じ血を持つものを震わせる。]
――― … わがままを許せ。
[血の共鳴に乗せて、ひとことを]
私と貴方は似て非なる者。
貴方は私の為に私が人間であればと言い、私は貴方の為に私が人間であればと言う。
私は魔物である事実を悔いたことはありません。
だから一生、貴方とは交わりはしないのでしょう。
[眼差しの向こうにある感情は分からない。
けれどこれまでの言葉から、彼が人間であることを良しとするのは理解出来た。
だから男は拒絶する。
仲間も同胞も必要としない。
ただ彼に幸せであれと願い、己は別の道を歩むのだ。]
[体を維持するための血をも注ぎ込みながら、
片手を伸ばし、修道騎士の顔を掴む。
目を覗き、心の奥底までも覗こうとするように。]
すぐに、私の血はおまえを内から作り替えるだろう。
だが、案ずることはない。
おまえに
私が「もう良い」と言うまで、おまえは自ら死ぬことができなくなる。
命の危機には、全力で抗うことになろう。
私たちの生を生き、身をもって魂の意味を知るがいい。
[声とともに唇から零れた血は、床に着く前に灰となって散る。]
――― それともう一つ。
私の形見をジークに、私の子に渡しておくれ。
それくらいの願いは、聞いてくれてもいいだろう?
[言いながら手を動かし、自らの胸に茨の棘をあてがった。
鋭く大きな棘で肌を裂き、胸の上に模様を刻みつける。
もはや流れるもののない体は、傷ついてもわずかに赤が滲むのみ。]
親としてあの子にできるのは、もう、これくらいだから。
血を厭うているあの子の、力 に …
[声が掠れた。
喉を震わせ、幾度か喘ぐ。]
[言葉紡ぐ間にも、手足の先から崩れ始めていた。
席を切ったように、死への変化はとめどなく続き、
見る間に灰へと変わっていく。
腕が落ち、腰が砕け、胸が崩れ、
最後に残った顔が、ちらとアデルを見て微笑んで
―――その笑みごと、流れ落ちた。]
[城主の体が灰へ帰したその時、
野茨城そのものが時を止めた。
風に揺れる野茨の葉が動くのをやめ、
突如、時の重みに耐えかねたように萎れしぼんでいく。
色褪せた茨は先端からさらさらと崩れていき、
白い細かい灰が風に舞い上がり、 やがて静かに降り積もる。
城を覆うすべての野茨が塵となって崩れ落ち、
庭も、壁も、床も、灰に覆い尽くされる。]
[肉を裂き、血管に突き刺さり、瞬く間に増殖する血脈の蔓。]
……………
[喘ぐ唇は何かの言葉を紡ごうとしたようでもあり]
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