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神父 ジムゾン は、シスター フリーデル を占った。
次の日の朝、楽天家 ゲルト が無残な姿で発見された。
ついに犠牲者が出た。人狼はこの村人達のなかにいる。
しかし、それを見分ける手段はない。
村人達は、疑わしい者を排除するため、投票を行う事にした。
無実の犠牲者が出るのもやむをえない。村が全滅するよりは……。
最後まで残るのは村人か、それとも人狼か。
現在の生存者は、村娘 パメラ、パン屋 オットー、行商人 アルビン、羊飼い カタリナ、シスター フリーデル、神父 ジムゾン の 6 名。
花盛りの村を嵐が過ぎ去りました。
山道は崩れ、川に掛かった橋は流されてしまいます。
村人達は村に閉じ込められてしまいました。
[―1日目嵐の回想―
唐突に嵐を知らせるゲルトの声に、半信半疑ながらも皆にならい窓に視線を向ける。
誰かの驚く声が聞こえた。
空には黒い雲がそびえ、そのおどろおどろしい色に不吉さを覚え、身を震わせた。]
………。
[言葉が出てこない。
幸せな明るいものだけ見て育ってきた彼女は、それだけ恐怖というものに敏感だった。]
/*
ここの狼さんを見ていると、前世の自分の狼さんの出来なさっぷりを痛感しますねー。
やはり経験から来る不慣れ感はRP村やガチ村でもあるのでしょうね、うん。っていう。
体調もあったよね、うん。言い訳だけど。やりきったと思うけど、その辺前世の未練かもしれない。
村建て発言とか待ちつつ、過去捏造ロルしたいなー。ジムゾンさん薔薇キャラだったらすまぬのー。
------------------
昨夜はお騒がせし大変失礼足しました。
本日から吊りと襲撃が始まります。
吊り
PL視点で落ちそうな人に投票して下さい。
吊られる人は必ずしも処刑でなくとも構いません。
他殺、自殺、事故死、キャラクターの死因はご自由に。
襲撃
襲撃先・襲撃描写は人狼の方にお任せします。
(話しの流れを読んで美味しそうな方をぱっくりして頂けますと嬉しいです。)
(空襲撃は日数が延びるので控えて下さい。)
どうぞ本日も宜しくお願い致します。
/* まあ此処でフリーデル狼は流石にないと思ってたので予想通りの予定通り。
さて此処からどう進めていくのが美味しいかなあと考えつつ。
オットーのもてもて縁故が物凄く美味しいので、ここ美味く楽しみたいですなあとか考えながら、とりあえず占い結果は伏せながらの進行だけど、フリーデルが死んじゃいそうなら死亡フラグ立てたいな!が現在の草案
― 翌朝 ―
[嵐と緊張は夜通し続いたお陰で、眠りは浅い。
そして、その様な時にこそ、ネガティブな第六感は、時折超常の物かと思わせる的中率を人間に齎す事がある]
――…………。
[寧ろ良く氾濫せずに済んだな。起床後、即座に訪れた、初めの感想はこれだった。
仕方が無い。気には掛けていたとて、天災ばかりは人の身には何ともし難く、業務上、この村から締め出される事も出来ずにいたのだ。
……予測通りに。或いは予感通りに。
村と街を繋ぐ川は嵩高く溢れ、その上に掛けられていた橋は、見る影も無く、水に流されていた]
― 川の橋元→教会へ ―
─教会に戻ってから─
[適当に、けれども昔馴染みだと思えば寝床作りにも精が出た。
備品の中から寝心地のいいマットレスを用意して、昔この教会に棲んでいたらしい牧師の私室をジムゾンの部屋として宛てがう]
では、長旅の疲れをごゆるりと癒して下さいませ。
あ、部屋の掃除はきちんとしてるからだいじょーぶだよ。安心して寝な。
んじゃ、おやすみ。
[火の灯った燭台をチェストに置けば、シスターの顔から昔馴染みの顔に戻り、そうして部屋を後にした。
その後のジムゾンの行動など知るよしもなく、古い建物を叩く雨風の音に眉を寄せ、身支度を整えてから私室である屋根裏へと向かった]
寝られるのかね、これ。……ようやくここ二年ほどで、安眠出来る様になったつーのに。
[燭台を片手で持ちながら、小さく苦笑した*]
[声には出さず想いを伝える。]
大丈夫だよ、
俺が傍にいるから、
[パメラのお気に召すまま幸せな夢を見せてあげたかった。*]
─朝─
ん、やっぱりあんまり眠れなかったね。
それでも、嵐は無事に去ってくれたか。
[ほうっと安堵の吐息を洩らし、そうして階下へと向う]
食材、あったっけかな。
[朝は摂らない主義だが、ジムゾンの事を考えてふと不安になる。
一応簡易的な台所もある場所だ。人が住む様にある程度改築された教会は、行く宛てのなかった女にとって都合のいい場所であった]
ミルクとドラフルーツと、それから小麦粉くらいならあった気はするけど。
[おすそ分けの多い食材を思い出せば、子供の頃に見よう見まねで作ったパンケーキくらいならと思い立つ。
出来るのは、知らず教会を出ていたジムゾン>>2が戻る頃だろう]
[怖がりなのはゲルトの声を聞いた時の彼女の様子を>>0見なくてもわかっていた。
と、なればやることは決まっていた。せわしなく家中を動きまわった後、再び外へ出て彼女を迎えに戻るだろう。
ほわほわしていたのを一緒に帰らせても良かったのだけど、そこはすこしばかりの打算もあった。
なんの打参か? それは乙女のヒミツというものである。
ともかく、家を出た女は元きた道を引き返す。
せっかく送ってもらったというのに、アルビンには悪いことをしたとも思えど、これもちょっと打算があったことは言うまでもない。
まさかオットーが彼女を一人で返すとは思ってなかったので、おそらくはどこかで落ち合うことになっただろうか?]
ささ、いらっしゃーい。あがってあがって♪
さっき食べたからお腹は減ってないよね?
今ハーブティーいれるからね〜
くつろいじゃってよ。
[招き入れた後は、ティーを振る舞ったり着替えを貸し与えたり。
いろいろ話もしただろう。外の怖いことを思い出させないよう努めて明るく、かいがいしく世話を焼くように]*
どっか行ってたの、おはよージムゾン。
[>>7、ジムゾンが顔を出せば首を傾げ、続けられた言葉に眉間を寄せた]
意外性はオンナの武器だ。事と次第によっちゃあ男の武器にもなるから、覚えておけば?
……ま、口に合うかどうか判らないけどね。
[言葉にした事は事実だ。
けれども最初に料理をしようと思ったのは、子供の頃の裕福ではないけど幸せだと信じられていた思い出に縋りたかったからだろうなと、たまに思えたりする。
母が自分や、他の兄姉達の為に作ってくれた思い出の味。近づけたかどうかは判らないのだけども。
そんな内心を苦笑で隠しながら、女は焼きあがったパンケーキが盛られた皿をジムゾンへと差し出した]
/*
そーいや自分、前世茶屋の店主だったな、なんて思い出し。
初めての地上参加RP村では、よくパンケーキを焼いていたななんて事も思い出し。
……また飯炊きやったな、うん。やっちまったな、うん。oh……。うんでも、それ知ってるの一人しかおらんから大丈夫、だいじょーぶ。
[「こんなことになるなら、」とパメラが話しを続ける。パメラの身が限界を迎えている事は察していた。
パメラの話す未来は容易に想像がついた。実際にその惨劇を目の当たりにしてきたのだから。]
何故、そんな必要があるんだ。
仕方がないんだ。だから、パメラが悩む必要はない。
[仕方のない事なのだと言い聞かせる。
それでも心を痛めているのだろう優しいこの子を慰める。]
[パメラと一緒に幸せな夢を見続けられたらどれだけ幸せだっただろう。
そして、パメラの視線の先を追って、
アルビンは頷いた。]
そう、決めたんだな。
手伝うよ。
[視線の先にある一軒の家。その住人には触れずに、共犯者になる旨を告げる。**]
[ジムゾンの失礼な反応にむすっとしてみてはいるが、客観的に見れば至極ごもっともな反応だと実は思っていたりする。
昔のあれこれもある訳だし]
ま、嵐が去ったんだから、あたしが嵐みたいになってもしょうがないよね。
祭の支度とか直さなきゃならないんだろうな……。村に残っている人少ないのに。
早く祭の日が来ればいいのに。そうしたら、もう少しこの村も賑やかになるんだよね。
[ジムゾンは朝食が用意されたダイニングテーブルへと着いただろうか。
もしそうしたならば、それを確認して女も差し向かいに腰掛ける。
用意したミルクティーのカップを手にしながら、少し淋しい雰囲気の村に溜め息をこぼしただろう]
なら、礼儀正しく知的で敬虔な神父の俺は意外性バッチリだな。
[既に昨日時点で、居合わせた行商人には不審がられる処か、他の村人達にも大抵『変人』と認識された事は知らない方が幸せだろう>>1:31。
確かあの行商人は、アルビンと言っただろうか]
うん。確かに意外性は武器だな。
意外と――。
ああ。意外と悪くない。
[差し出された皿、ドライフルーツを鏤めたケーキ生地に歯を立てる。
柔らかく舌の上で転がる甘い風味。たまに感じる柑橘めいた味はドライフルーツ。
むす、とした表情と、ついでだ、と云わんばかりに並べられたミルクティーを見比べて、謝る様に苦笑いを浮かべた]
悪かったよ、ああ、確かに意外性は武器だ。
……それはそうと。その村に残っている人、の事で大事な話があるんだが。
[皿に数口、速くも半分程のパンケーキを平らげた後。
ティーカップを指に掛けながら、表情を厳しい物に変えて、話の転換を知らせる]
今さっき、散歩がてらに村を散策してきたんだがな?
昨夜の嵐で、どうやら、街の方に繋がる橋が落ちたらしい。
昨日、パン屋にいた住人にも教えておいた方がいいだろう?
[この村に、他に交通の道は存在するだろうか。
少なくとも、自分がこの村へ訪れたのは、あの川に掛けられた橋ひとつだ。
橋が落ちたと、知らされた彼女がどう対応するかを窺いながらも。
既に、この先も嫌な予感を拭える気は余りしなかったのだった**]
[ミルクティーを注いだカップに口つけながら、ジムゾンの言葉があるまで何となく昔の事を思い出していた]
<font color=#FFEFD5> 『女の事で恨みぃ?』
『へぇ、面白い。やっぱり金あればやりたい放題なんだねぇ。もっとも、商売女なんて所詮金だけの関係なんだから、恨みなんて買わないでしょ、基本。買うなら、商売しない女に手を出したからじゃない?』
『オニーサンも気をつけたら? 遊人の聖職者サン』</font>
[出会いから数日後、事の顛末を聞かされた言葉>>1:68には、そんな言葉を返しただろうか。
出会った屋敷の主の前ではにこやかに、そうしてどこかのご令嬢にも負けないくらいに淑やかに振舞っていたが、本性を剥き出しにした女に、さすがの問題児ジムゾンも何かを感じたらしい。
反応の良さと歳の近さ、ついでに聖職者とは思えない意外性も見ていて楽しくて、ついつい近寄っていたなぁと改めて思うのだ]
[客の男の前でも、同業の女達の前でも言えない事をジムゾンに言い。
彼らには見せない顔をジムゾンの前ではしていたと思うし。
『リーディア』と名付けられてからは一度たりとも得られなかった安堵を、ジムゾンといた時間には不思議と感じていた]
[ゲルトの襲撃の手伝いをすると告げた。
喩えパメラが首を横に振ろうがアルビンは頑なだった。]
パメラ、言ってたな。
時間は越えられないし消えないって。
久し振りにお前達と会って満ちていくのを感じたよ。
パメラ、お前の言う通りだったよ。
今まで積み上げて来た、時間。
俺は確かに幸せだったんだろう。
[ミルクティーを注いだカップに口つけながら、ジムゾンの言葉があるまで何となく昔の事を思い出していた]
『女の事で恨みぃ?』
『へぇ、面白い。やっぱり金あればやりたい放題なんだねぇ。もっとも、商売女なんて所詮金だけの関係なんだから、恨みなんて買わないでしょ、基本。恨みを買うなら、商売しない女に手を出したからじゃない?』
『オニーサンも気をつけたら、遊び人の聖職者サン』
[出会いから数日後、事の顛末を聞かされた言葉>>1:68には、そんな言葉を返しただろうか。
出会った屋敷の主の前ではにこやかに、そうしてどこかのご令嬢にも負けないくらいに淑やかに振舞っていたが、本性を剥き出しにした女に、さすがの問題児ジムゾンも何かを感じたらしい。
反応の良さと歳の近さ、ついでに聖職者とは思えない意外性も見ていて楽しくて、ついつい近寄っていたなぁと改めて思うのだ]
[客の男の前でも、同業の女達の前でも言えない事をジムゾンに言い。
彼らには見せない顔をジムゾンの前ではしていたと思うし。
『リーディア』と名付けられてからは一度たりとも得られなかった安堵を、ジムゾンといた時間には不思議と感じていた]
[と、なんだか懐かしい気持ちになっていれば、ジムゾンの苦笑が見えた>>11]
別に怒ってはないよ。アンタの反応は、昔のあたしを客観的に見れば納得の反応だし。
……悪くないは、有り難く貰うけど。
[なんて呟いた後、ジムゾンの表情が変わった事に気がついた>>12]
え、橋が……!?
ちょ、橋が落ちたって事はこの村が外部から分断された事になるのか……。
うーん、取り合えず街の方には伝書鳩でも飛ばせば緊急事態を知らせる事は出来るけど、復旧までは時間がかかるのは間違いないよ。
昨日パン屋で見かけた人達くらいかな、今村にいるの。取り合えずパン屋のオットー、パメラ…あの若い娘さんの髪の長い方ね。その二人の家なら判るから、知らせに行くか。
[ジムゾンが残りの食事を平らげている間に身支度を整え、そうして教会を出るだろう]
─教会→外─
嵐の通り去った後の悲惨さったらないもんだねぇ……。
[教会を出ればすぐに、通り過ぎた嵐の爪痕が光景として視界に飛び込んでくる。毎年密かに祭を楽しみにしていた身としては、その準備も何もかもひっちゃかめっちゃかにされた村の光景は、残念でならなかった]
ん、あれは……。ゲルトくんの家だ……。
[そうして取り合えず2(2x1)(1.パン屋、2.パメラの家)に向かおうと歩いていたその道中、嵐に真っ先に気づいた青年の家に通りかかる。
その家の異変に気づいいたのは、少しばかり修羅場慣れしてしまったせいだろうか。
ゲルトの家の扉が壊されている事に気がついて、女はジムゾンの顔を見た]
[果たしてジムゾンの様子はどんなものだっただろうか。
女が知らない彼の派遣理由柄、もしかしたらその家の様子に何か感じるところがあるかもしれない]
……この村、すごく平和な村なの。都と違って夜盗騒ぎとかもごくわずかだし、殺された死体とかだって見つかる事はまずない。
だからあの家の扉、あたしには『異常事態』に見えるんだ。それこそ、昨夜の嵐よりも。
[真剣な面持ちでジムゾンに告げた声には、ゲルトの家に踏み込む意志が伝わっただろう。
そうして女は、壊された扉をくぐってゲルトの家の中へ──…]
やるのは私がやるから、そこは心配しなくていいよ。
だめだよ。幼なじみを手にかけるなんて……
人間がやっていいことじゃない。
汚れるのは私だけでいい。
貴方には見ていて欲しい。
貴方が手を差し伸べてくれた存在がどういう存在なのか。
貴方の大切な幼なじみを奪う者がどんなものなのか。
貴方の幸せだった日々を奪うモノがどんな存在なのかを。
一部始終を目に焼き付けて。
耐えられないと思ったら逃げて。
許せないと思ったら……
[悲しげに彼を見上げる。それ以上は紡ぐことができなかった。]
─→ゲルトの家─
おはようございます、ゲルトさん。いらっしゃいますかー?
[勝手に家に入り込む女に、果たしてジムゾンは何と言っただろうか。それとも共について来てくれただろうか。
玄関先で深く息を吸えば、修道女として振舞っていた時には出した事のないボリュームの声を出す]
……反応ないな。寝室かね。
[独りごちて、そうして家の中へと進む。
そうして暫くした後、シーツにくるまっているゲルトを見つけただろう]
あら、そんな所で寝ているんです……
[果たしてゲルトを見つけたのは、家内のどこだっただろうか。
何重にもシーツに覆われた彼が転がっているのを見て、その顔にいつもの様に眠っているのかと一瞬思えた。
だからこそ告げた言葉は、けれども]
[最後まで言葉にはならなかった]
……血!?
─ ゲルトの最期 ─
[陽光も届かぬ、星や光さえ見えぬ闇の中。
外は未だ風雨に晒され、窓を叩く音が不気味に部屋に響く。
ベッドから身を起こした私は、傍らで寝るカタリナを起こさぬようにそっと床へ降りる。
我ながらよく耐えたと感心した。
鼻孔をくすぐる柔らかな薫りに、何度意識が飛びかけただろうか?]
今はまだ…ね。
いい夢を見て。私がしてあげれる最後の贈り物かもしれないけれど。
[軽くカタリナの髪をなで上げる。優しく愛おしげに。
怖がりなカタリナのことだ。ゲルトの訃報を知ればどんな思いに駆られるだろう。
その恐怖は容易に想像もできた。
なんという欺瞞に満ちた生き方だろう。
こんなにも気遣っておきながら、彼女が傷つくことを平気でしようとしている。
それも誰かのためではない。自分のためだ。
これでは偽善ですらない。ただの茶番だ。
笑いすらこみ上げてくるほどに、やるせなかった。
けれど…それでも、私はそうせざるを得なかった。
ほんの僅かでも安穏とした時間を、夢の時間を届けることしかできなくても…
今は彼女に生きていて欲しかった。
唇を噛み締めて扉に向かえば、予め用意しておいた着替えを手に静かに闇へと消えていく。]
[人ならざる者なれば夜目も効く。
明かりの一つも持たずに夜の闇を駆け抜ければ一直線に獲物の家へ向かう。
咎を背負うと言ってくれた彼はそこに居ただろうか?
確固とした決意を伝えてきたのだ*6。きっともうそこにはいたことだろう。
これから行うことは自らの所業だ。
自分が完遂させなければならない。それがヒトの矜持だ。
アルビンの前で立ち止まり、一度だけ禍々しくも光る緋色の眼で彼をじぃと見つめた後、着替えを手渡しゲルトの元へと向かうだろう。かける言葉はない。
かけてあげる術など持ってはいないのだ。]
[事は一瞬だった。入口の前でただ腕を振るえば大きく軋みをあげ扉が放たれる。
瞬間中に滑り込んだ私は、躊躇なく彼の眠るベッドへ滑り込み、起き上がろうとしたゲルトへ手を振るった。
一瞬の散華にして惨禍。情緒も余韻も何も残さず、刹那に全てを終わらせた。
大きく見開かれたゲルトの眸。その眸が光をなくしてただの眼球へと成り下がるまでの間、その眼は何を映しただろうか?
心の臓へと突き立てられた人ならざるモノの手か?
烈々と蠢く緋の光か?
嘲笑も憤怒もない…ただ無を刻む唇か?
それを答える者はもうどこにもいない。
ゲルトの二十数年の人生は、この一瞬で終焉を迎えた。]
おやすみ…
[振りかかる鮮血を身に受けながら、染まらぬ手で見開かれた眸を閉ざしてやる。
横たわる骸を見下ろしながらただ一言かけた言葉はそんな陳腐なものであった。
それほどに…もう私には余裕がなかった。
立ち込める血と肉の薫に体中が踊りださんとばかりに震えていた。
──歓喜していたのだ。]
くふぅ…
[こびりついた肉片を舐め取れば、蕩けるような甘美な感覚に吐息が漏れる。
骸に乗りかかるようにして、衣服を剥ぎ取れば、露になった肢体にゆっくりと顔を埋めていった。]
あふぅ……ふぅ…
んぁ………ぁぁ
[闇の中で響くぴちゃリぴちゃりと湿った音にくぐもった声が混ざる。
押し殺したようにか細く、けれど艶を帯びた吐息は嬌声に近く部屋に満ちていった。
乾きを癒すように喉を鳴らしながら血を吸い上げる。
飢えから解き放つように血肉を貪る。
淫靡にもおぞましくも取れる音色が部屋中に響き渡る。
どんな感情を抱かせたか……それを慮る余裕は今の私にはなかった。
ただ貪欲に喰らい、貪り…満たされていく快感に身を震わせていた。
これが私。人ならざる者。闇の眷属。呪われた血族……人狼]
……ぁ…ふぅ
[やがて身体を支配していた衝動が静かに引いていけば、最後にひとつ熱く溜まっていた息を大きく吐き出す。
口の中でいっぱいに広がる血肉の味に軽くむせるように咳を零せば、それで全てが終わった。
しばらくぐったりしたようにベッドの上で膝立ちのままぼんやりと虚空を眺めていた私が、ゆらりと視線を巡らせれば、そこに彼の姿はあっただろうか?
ゆらりと立ち上がり、朧気な足取りで彼を求め…叶うならばしだれかかるように彼の胸に己を預けたことだろう。
そして見上げて何かを告げようと絶え絶えな息遣いのままに口をぱくぱくと…声にならない声で呼びかける。
顔中に血をこびりつかせながら]**
[血だ、血だ……!
間違いなくゲルトをくるんでいるシーツにはそれが滲んでいる。
そうしてそれを確認して、辺りに立ち込める匂いに気づいた。
──これは
死臭──……!]
な、何が、どうなって……?
[亡骸となったゲルトにシスターとして十字を切る事も忘れ、震えた声を洩らす。
死体を見た事がないわけじゃなかった。
最初に見たのは、母。
次に見たのは、軽くお付き合いを断った酒場のバーテン。
そして最後に、このゲルトの亡骸の前に見たのは……。
自分を身請けしてくれると言った中年貴族の、その妻にあたる女の死体]
[彼女の死体は、自分が見つけたのだ。誰かに呼び出されて。まるで腹部を喰いちぎられた様に抉られ、そうして第一発見者の自分が『人狼』とあらぬ疑いをかけられ、糾弾される事になった。
優しくて、この男とならそれなりに穏やかに人生を送れるのではないかと夢見た中年の男でさえ、リーディアを妻を喰い殺した化物として扱った]
まさか、まさかね……。
[声が震える。心臓が早鐘を打つ。息苦しくなるくらいまで高鳴る鼓動が、鼓膜を震わせ──
そうして女は、ゲルトの身を包んでいるシーツへと震える指先を伸ばした]
───っ!?
[そうしてシーツをめくれば、化物として扱われた過去の日を想起させるゲルトの亡骸]
……じん……ろ、う……?
[喰いちぎられた箇所が至る所に見受けられるその身体に、女は震える声を絞り出した。
フラッシュバックするのは、自分を化物として扱った者達の顔表情視線声怒声嘲笑……!]
ち、がう……
あたじゃない、あたしじゃない、あたじゃないっあたしじゃないって言ってるでしょうっっっ!!!!
[耳を塞ぎ、半狂乱に悲鳴を上げ。
そうして女は、その場に崩れる様に落ちた**]
/*
うん、1000pt半分以下にした記憶があまりなくてびっくりしてる←
ここまでやりたかった事が出来たので僕は満足です。
ちなみにSFTとかのあれは、祖国ネタです。
スーパーヒーロータイムにあやかって、誰か一人の独断場発言があるとそう言われております。
S○Tという感じで。○にPC名を入れる訳ですね。
祖国だと、確か連続11発言でSTとして認定だっただろうか←
[突如、聞こえて来た声。
「たすけて、たすけて、怖いよ、アルお兄ちゃん。」
それは聞き覚えのある少女の声。一体、何処から聞こえて来るのだろう。
一生懸命に助けを乞う声はか細くて今にも消えてしまいそうだ。
困惑した様に辺りを見渡すが少女の姿は見当たらない。
周りに居る村の者は平然としていて声が聴こえているのは自分だけの様だった。
自分ではない誰かの声が頭の中で木霊する。その感覚にアルビンは覚えがあった。
知らなかったのは、全てを焼き付さんばかりの強い負の感情だ。
何かが弾ける音がすると同時に視界が赤く染まった。]
[怖い、憎い、憎い、憎い――、
其れ等の感情が黒い炎となってアルビンの心を焦がす。
アルビンは村を抜け出し一目散に山へと走った。
声に呼ばれるままに辿り着いたアルビンの視界に飛び込んで来たのは、
憎しみという感情をぶつける様に切り裂かれた無惨な死体と、
その死体を思うままに蹂躙したのだろう1匹の獣。
山を駆けている間にも流れこんだきた感情。
それに、血肉を滴らせた獣の口元が全てを物語っている。]
[一瞬の事だった、オオカミは飛びかかりアルビンを地面に叩き付けた。
アルビンは死を目の当たりにしたが、牙が首へと立てる寸での所で止まった。獣は気を失い崩れ落ちる。
心臓は早鐘を打っていた。噴き出した汗が頬を伝い地面へと落ちる。
胸元へ凭れ掛かる獣の背中を優しい手つきで撫でる。
上気した目元に淡い影を落とす睫毛が震え、唇から熱い息が漏れる。
決して、アルビンは怯えていなかった。
鋭い爪が肩に食い込もうが痛みに顔を歪める事は無かった。
其れ所か恍惚とした表情を浮かべて振り下ろされる牙を待っていた。
ただ、ただ、波の様に押し寄せる感情に身を任せていた。]
[それから、死体が発見されない様に作為を凝らした。
山の頂から流れている小川までパメラを背負っていった。
川の渚に祈る人の様に跪つき丁寧な仕草でパメラを降ろす。
一息付くと、思い出した様に血に濡れた一差し指と中指を銜えた。
パメラに襲われた際に付着したのだろう血肉を啜る。
矢張り、とてもじゃないが食べれたものじゃない。
けれどもアルビンは口内に広がった甘美な味を覚えていた。
名残惜しく感じて手の甲についた血を舌で拭うが、求めている其れでは無かった。]
─ ゲルトの最期 ─
[あの後に目を覚ましたパメラは安心したように涙した。
「ごめんなさい、ごめんなさい。」と今度は助けではなく許しを乞うパメラを力一杯に抱きしめた。
憎い人間を襲い自分に牙を掛けた事。腕に抱く、少女の小さな心臓は後悔に苛まれていたのだろうか。
声にならない叫びが伝わって来る様だった。
「人間がやっていいことじゃない。」とパメラは言う。
けれどもアルビンは思う、
あの時に見た彼女の涙が夢でも幻でも無かったとしたら、人間では無いのはどちらだろう。
だってアルビンは見たのだ。小川の澄んだ水、磨き立ての銅鏡のような水の面はまるで夢でも見てるみたいに恍惚に浸っている少年の顔が浮かんでいた。
小川の一端にはさんざしの茂み。青草とむせかえるような花の香り。
それに混じる確かな血の匂い。]
[― パン屋→パメラの家 ―
>>6>>8快く受け入れてくれた幼なじみにしみじみと感謝する。
返事をしたときは気が動転していたが今になってオットーの提案を思い返すと…頬がぼっと熱くなる。
あのパン屋にはさらに宿屋も営めそうなくらい宿泊の用意が整っていて、客のためのベッドも別室も備わっている。と知ってはいるが。
一つ屋根の下、というワードがあまりに強力すぎて変に意識してしまうのだった。]
よ、良かった、パメラが誘ってくれて。
お泊まりなんて…
いや、ちょっと勿体なかったような気も、
い、いやいやいや駄目だよ私っ!!!
[一人真っ赤になって首をぶんぶん振る姿はパメラにばっちり見られていただろうか…。]
[―パメラと二人、パン屋からの帰り道―
アルビンと二人、パメラが家路につくのを見送ったばかりだったので、
再び自分のためにパン屋の付近まで迎えに来てくれたことにはアルビンの気持ちを無駄にするようで申し訳がない。
だがそんな一抹の気まずさも会話が弾めば薄れて消えていく。]
美味しかったぁ。
毎日みんなとこうしてテーブルを囲んで食事したいな。
家族みたいに。
酔っぱらってるアルビンさん、面白かったし、ふふふ。
─ ゲルトの最期 ─
[飛び交う獲物、血に濡れる狼。
今まで何度も目にしてきた凄惨な筈の光景。
獣に蹂躙されているのは、かつての幼馴染み。
罪悪感に押しつぶされそうになるが――、
黙って、その様子を見守る。]
[やがて、テレパスを通じて、パメラを突き動かしていた衝動が静かに引いていくのが分かる。
暫くの間ぐったりとしていたパメラだったが、視線を巡らしてアルビンの姿を見つける。
朧げな足取りで此方へ来るパメラをアルビンは迎え入れるように腕を広げた。
今、アルビンはパメラを求めていた。「パメラの感じている全てを自分のものにしたい」という気持ちが強くなっていて、体中その気持ちでいっぱいになっていた。
強く強くパメラを抱きしめながら、何かを告げようとしているパメラに目線で問いかける。血に汚れるのも構わず、片方の手をパメラの頬へと添えながら。**]
― 翌朝 ―
[雷鳴、稲妻を伴い、あらしの吹きすさぶ音。
激しい雨が窓硝子を叩くのをじっと聞いていた。
翌朝、嵐が過ぎ去った。
目を覚ましたアルビンは素早く身支度を済ますと家を出て広場へ歩く。予想していた通りに折角の花時計も台無しになっていた。
そのままアルビンは山へ向った。が、山へ向う為の道は土砂崩れで塞がってしまっていた。
昨夜、感じた胸騒ぎは此れだったのだろうか。]
[鼓膜を劈く女の悲鳴の方へと駆けつける。ゲルトの自宅の扉が破壊されているのが目にして顔を顰めた。
ゲルトの名を呼びながら早足で玄関を潜る。]
ゲルト、大丈夫か、何があったんだ、
今さっき聴こえた叫び声は一体――
[昨晩の嵐の仕業にしては異常な事態に先ずゲルトの安否を心配するアルビン。
しかし、彼の視界に飛び込んで来たのは一面の赤だった。ゲルトの眠る部屋に足を踏み込めば、鉄の臭いが鼻を突き、否応無しにこの場で起きた惨劇を知る。
崩れ落ちるフリーデル。その近くで横たわるゲルト。]
[昨夜、拒まれる事がなければ、自身の胸に頭を預けるパメラを強く抱きしめて、血で濡れる頬に片手を寄せようとした。
上目遣いで此方を窺いながら何かを伝えようとして口を開けては閉じて繰り返すパメラの言葉を待った。
その続きをアルビンは聞けたのだろうか。
どちらにしろ、アルビンは何枚ものシーツを部屋へと運んで来て、ゲルトの遺体をシーツで何重にも包んで覆い隠そうとしただろう。
パメラは見ていて欲しいという言った。パメラを寝室を赤く染めあげるのをアルビンは優しい表情で見守っていたが、
白いシーツが赤く染まるのには眉を潜めたかもしれない。
昨晩も目にした光景を繰り返し見せられている。]
[夜にもなればさすがにその頬が赤いまでは見て取れなかったが、……まあなんとなくはわかる。
話す機会も遊ぶ機会も多かったし、やっぱり年頃になればその手の話もしたことはあるだろう。
お互い誰が…ということまでは語らなかったが、きっと彼女も私の想いは勘付いている……と思う。
自覚がないのかはぐらかしてるのかはわからないが、ちょっとふわふわして掴みどころがない彼女に比べても、私のそれはもっとあけすけだったはずだから]
こぉーらー!
そんな可愛くふわふわしてる子羊ちゃんはおおかみにたべられちゃうぞ〜。がおー!
[結局カタリナがこっちに気づくまで眺めて過ごすに至る。
あんまり悠長に構えてるのも天候的にどうかとも思えど、……まあいくらなんでも気づくでしょ?
すぐ側まで来て横顔をにまにま眺めていたら。
そして、気づいたら茶目っ気たっぷりに『おおかみさんだぞー』とか言いながら抱きついて、先ほど…いやいつも芽生えてる欲求に忠実に撫でたりもしただろう。]
本当、美味しかったよねー。オットーの旦那さんになる人は幸せだ〜。毎日あんな美味しいの作ってもらえるんだもん。
あ、でも、みんなと食べたから尚更美味しかったのかもね。
家族みたい…か。そうだよね。昔は一緒にごはん食べる機会もたくさんあって…家族みたいだったわね。
うんうん〜アルビンさん、いつもはさ、ちょっとニヒル気取っちゃってるのに、お酒飲んでオットーの前だとはしゃぐんだもんねー。本当楽しげにさ。
もっと頻繁に帰ってきてくれたらいいのにね。
そしたら、またみんなで囲んで食事をしてさ……
[会話に花が咲く。こうやって皆で食事を一緒に食べたのも、カタリナの手を引いて歩くのも、久しぶりだったはずなのにいつもそうしているようにも錯覚する。そう、かつてはいつもそんな光景があった。
笑い合う年上の幼なじみも、柔らかい温もりも……記憶の中にいつまでも残る、そんな在りし日の1ページ。
もう帰れない過去の扉──]
[家に戻れば、用意していたハーブティを振る舞って、それから多くの話をして……外の嵐など忘れさせようと努めた。
皆の話をした。カタリナの家族のことを聞いた。それでも不安げな様子を感じ取れば、傍らに座ってくすぐったりなんかしたかもしれない。]
ねね、あの時私がいなかったら、そのままオットーの家に泊まったりなんかしちゃったわけ?
泊まってあげても良かったんじゃないの?
[などという悪戯めいたことも聞いたかもしれない。かくして夜が明ける。
朝が特別早いというわけではなかったし、正直疲れも残っていた。
日が昇りごくごく普通の朝の時刻にもそもそとベッドから這い出ると、窓を眺める。
嵐はもう通り過ぎていた。]
[未だ可愛らしい寝息を立てて夢を旅するカタリナをしばらく微笑ましげに眺めた後、朝食の準備にとりかかる。
オートミールに数日前カタリナから頂いていたミルクを加え、鍋で煮立てる。砂糖とレーズンを加えた甘めのポリッジ。普段は甘くはしないのだが、カタリナの寝顔を眺めていたら、こっちにしたくなったのだ。
ありふれた日常。嵐が過ぎてまた常なる日々が巡ってくる。
……そうあの悲鳴>>22が響くまでは。
ゲルトの家は遠くないと言っても近所というほどには近くもない。
家に届く悲鳴はそう大きくはなかっただろう。
一瞬だけ手を止めて、悲鳴の方角へ目を向ける。それから未だ眠るカタリナへと視線を落とし、再び朝食をつくりだした。
見に行きたい気持ちはあったけれど、カタリナが起きて女の姿が見えなければ不安にもさせてしまうだろう。
いずれば誰かが来るだろう。その時まで僅かばかりの時間でもこの安穏としたおだやかな時間を留めておきたかった。
来れば、そんな穏やかな日常は脆くも消し飛んでいく。
私はそれを知っていたのだから──]**
[私が人間を欲するようになってからもう一つ変わったことがある。
言葉を紡がなくても彼の感覚が頭に響くようになったのだ。
言葉ほどに明確なものではない。
けれど、言葉のように
それは、彼とて同じことだろう。
繋がればより強く…その想いが大きければより強固に…脳裏へと伝わってくる。
思えばあの日……私が襲われた時、どうして彼はすぐ側に来てくれていたのだろう。
それを考えれば、望む望まざるに関わらず届いてしまうのだろう。
想いが……欲望が]
アル…ビ…
[同時に、彼の情欲もまた……
胸に突き刺さる。その傲慢で純粋で倒錯して歪んでどす黒く蠢き煌めく狂星の瞬きを感じていた。
欲している…求められている。その感覚に魂が震えた。
強く抱きしめられ頬に宛てがわれる彼の掌が、血糊を纏ってぬらりと流れる。
血を通して伝わる温もりが酷く熱く感じられる。
私は片方の手を彼の手の甲に重ね、もう片方の手を彼の眼前に差し出した。
どちらも人ならざるヒトの手だ。鋭利な爪には未だゲルトだったモノが付着している。
『舐めてみる?』というように小首を傾げてみせてから、ゆっくりと口を開く]
私があげられるものは、すべてあげる。
私ができることは、すべてします。
夜に堕ちゆくのなら 共に
太陽に抗うのなら 側に
星を掴むのなら 携えて
私には貴方しかいないから。この暗く紅の黄昏を照らすのは貴方だけだから。
だからどうか……
貴方がその道を違える時は 私を…殺して ね?
[そう言って微笑んだつもりだったけれど
私はうまく笑えていただろうか?]**
― 朝・自室 ―
[パン屋の朝は早い。
前日に雨音煩い嵐が訪れようとも、旧友と酒を酌み交わそうとも、
今日も今日とて変わらず、生地の仕込みのために起きるのだ。
…もっとも、この時期はパンを買い求める人も少ないのではあるけれど。
しかしもう何年も毎日続けている習慣であるから、そう簡単に止めれるものではない。
昨日は疲れていたのか、客人らを送り出すとすぐ寝入ってしまったが、
長く寝た割には、どうにもすっきりしない朝を迎えた。
なんとなく、フリーデルの夢を見たような覚えがある。
何か訴えようとしている彼女を遮る声、しかし自分は彼女の話の続きを聞きたくて。
あれは…一体何の話だったんだろうか?
過去にフリーデルとそういう出来事があったわけでもなし、むしろ顔を合わせれば気まずいだけなのだから、積極的に会話しようとも思わないはずなのだけれど…]
[せっかく昨日は楽しかったというのに。嵐のせいだろうか、夢見の悪さに辟易する。
軽く首を振ると嫌な感覚を振り払って、仕事の支度をしながら昨夜のことを思い返した。]
[…そうだ、久々にアルビンが帰って来たからと、上等な赤ワインを出したりして。
(聖職者二人と歳若い女性二人は要らないかと思って、アルビンとゲルトと、3人で空けたんだっけ。)
酔っぱらった二人が陽気にはしゃぐのを見て、いつになく愉快な気分を味わったのを覚えている。
元来酒に強いためか、はたまた性格のせいか。自分は酒を飲んでも殆ど変化がないのが残念ではある。
あんな風に羽目を外して酔ってみたいものだと、常から思いはするのだが。]
[嵐が来る前にと急いで摂った夕食だが、そういうわけで時間は短くとも内容はぎゅっと濃厚で、別れ際に心は温かく満たされていた。
ジムゾンは教会に、カタリナはパメラの家へとそれぞれ泊る先も決まり、ほっと一安心する。]
あぁ、良かった。カタリナも女の子の家の方が安心だろうからね。
…ん?パメラは家の掃除?
まぁ、後から僕がカタリナを送って行くでもいいのだけど…
あ、ジムゾンさん、そろそろ行かれますか。
祭りが終わるまでと滞在期間は短いでしょうけれど、どうぞまたいらしてください。
……フリーデルさんも、また。
[続々と帰る客人達を、扉を開いて送り出す。
最後に出て行くフリーデルを見て、そういえばこの人が店で食事するのは初めてだったかと、ふと思う。
――正直苦手だ。顔を合わせれば、つい眉をひそめてしまう。
こちらの勝手な感情であるから、彼女には何のことかわからないだろうが…。
それでも、楽しい雰囲気であった『今日』という一日を共に過ごしたためか(或いは酒で気持ちが昂揚していたのかもしれないが)、
「また」という言葉がぽろりと零れたのだった。
…と言っても、顔はなんとも微妙な表情をしていたと思うけれど。]
/*
だめじゃん。これじゃあ私薄い本を片付けに先に家に帰ったみたいじゃん!
ち、ちがうの! 私が持ってる薄い本は<<行商人 アルビン>>×<<羊飼い カタリナ>>のだから!
[そうして幾人か送り出して、最後にはカタリナが残って。
パメラが部屋の片づけを終えるまで、と何かしらの話を振ってみただろう。
楽しい談笑の時間は瞬く間に過ぎ、気付けばカタリナは帰り支度を済まして、一人出て行こうとする。]
あ、待って、リナ。
少し前に降って来たから…これを。
…ごめん。僕のだから、少し大きいんだけど。
村娘 パメラは、羊飼い カタリナ を能力(襲う)の対象に選びました。
[苦笑しながら手渡したのは、雨避けのコート。
送って行こうと扉を開けたが、道の向こうにパメラが見えて(カタリナは気付いていないようだったが)、
…そのまま、カタリナを送り出した。
パメラはアルビンと帰ったはずだった。
だからまさか一人とは思わなくて、
――まだそこにアルビンがいるんじゃないかって。思うだろう?普通は。
…見たくなかったんだ。
パメラとアルビンが仲良く歩いているところなんて。]
/*
【村娘 パメラは、羊飼い カタリナ を能力(襲う)の対象に選びました。】
よし準備万端!(くふーふー)
そしてさっきからオットーの白ログに独り言が挟まりまくってる件
ご、ごめんねオットー。
というかごめんねリナ。リナ大好きだよ!(食べちゃいたいくらい)
/*
でもさー。さっきのラ神じゃないんだけど、アルビンがカタリナ好きだったら、ひどいすれ違いオンラインよね。
とらいあんぐるハートじゃないから…くろーばーはーと?(こてん)
すっごい修羅場が展開されそう(汗)
[パンを捏ねながらそこまで考えて。]
…おかしいな。
こんなこと思い出すつもりじゃなかったんだけど…
[アルビンが帰って来てからというもの、どうも心が落ち着かない。
嫌な方向に向かおうとする思考を、無理矢理引き戻す。]
[外は昨日の嵐で酷い有様で。
花時計なんかは土が見えて、汚い斑色に染まってしまっている。
…それでも。
ここを再び綺麗に飾り付けることを考えると――そう、それはずっと昔、子どもの頃に皆としたように。
たまにはそういうのも良いかもしれない。
少し、気持ちが晴れてきた。]
あぁ、寝ぼすけのゲルトにパンを持って行ってやろう。
どうせ二日酔いに違いないしね…ふふふ。
[生地の仕込みを終え、昨日焼いたパンを手に店を出る。
オットーの家まで、フリーデルの悲鳴は聞こえて来なかった。
…だからまだ、ゲルトの家で何が起きているかは知らぬまま。]**
[頭が痛んだ。耳鳴りがする。鼓動は、まだ早く脈打っている。
この村に流れて来て、穏やかな暮らしを得て、ようやくあの時(>>19>>21)の事をゆるく振り切れ、安眠出来る様になったというのに……]
ちがう違う、ちがう……。
[言い聞かせる様に、誰かに届いて欲しいと願う様に何度も呟いていたせいか、ゲルトの骸を新たに発見する者がいた事に気づかなかった>>30]
[女がアルビンの存在に気がついたのは、娼婦の頃にあった事件の様に、自分を化物として扱う声が掛けられてから>>31]
(ここでも、ね)
[この村で女は、穏やかな生活を得る為に本来の自分を捨てて生きていた。なので人目がある事に気づけた事で、ようやく自分を捨てる事が出来た。
冷静さを取り戻したと言うべきか]
冗談はやめてください。仮にも聖職者たる者が、こんな平和な村でこの様な悪魔の所業に至る理由がありませんよ。
それよりも、神父様が言うには橋が落ちたそうです。それを昨夜会った皆さんに知らせないと……。
[本来の目的を思い出し、女は立ち上がった]
/*
喉回復キタ━━( ゚∀゚ )━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━( ゚∀゚ )━━!!!!
私達、この村に閉じ込められたという事ですね。
ゲルトさんを、こんな風に喰い殺した化物と一緒に……!
[立ち上がり、震えた声を発したアルビンに睨む様に告げる]
ご一緒します? 彼を喰い殺した可能性のある化物候補の方のところに。
[そしてにこりと微笑んで、アルビンに問いかけた。アルビンの疑いが自分に向いたままでも、女は構わないと思っていた。
所詮自分は余所者で、今村に残っているのは幼ない頃から親密な関係を築いてきた若者達で。
同じく余所者であるジムゾンに疑いの目が行くよりは、自分が疑われていた方がいいと、そう思って。
ジムゾンが自分を化物として疑う目で見てきたとしても、その感情は変わる事はないだろう]
/*
生い立ち妄想。
とある酪農家の元に生まれた少女は、その家の末っ子であった。
いわゆる田舎料理をとても美味しく作れる母が大好きで、よく彼女の傍をくっつきながらも、父や兄姉達に言われるままに、家業を手伝っていた。
ごく普通の女の子である。
それを破ったのは母の兄、つまり彼女には叔父にあたる男で、あまり広くはないが豊かな土地を母を使って巻き上げる事に成功。
騙されたと知り、それまで穏やかだった夫婦間に溝が入り、母はそれを悔いて牛舎で自殺。
それを最初に発見したのがフリーデルである。
母に1番似ていた末娘が可愛いのと同時に憎くもあり、家族皆で新しい生活を頑張ろうと口にしていた矢先に、耐えられなくなった父に売られる。
→そうして娼婦になる。
/*
ロルっぽく落とそうと思ったけどなんか上手くいかないので中身発言で落とす←
父親を憎んだ事もあるだろうけど、新しい生活に順応しなければ生きていけない事を本能的に悟り、そちらの優先順位を高くしたのであまり家族に未練はない。
父の自分への感情も言語化出来ないなりに悟っていたからこそ、娼婦街からは出ても行き場がないと悟ったと思われる。
[シスターの報告で端が落ちた事を知れば、「山道も崩れていたよ。」と先程見て来たばかりの光景を告げる。
けれど、オットーやパメラ、カタリナ達の事を化け物候補だと言えば眉を吊り上げて怒りを露にした。何もアルビンの声が震えていたのは恐怖に怯えていたせいではない。]
化け物候補だって、糞が。彼奴等の事を疑ってるのか。
俺は彼奴等とずっとに過して来たんだ。今日まで花盛りの村は平和だったんだ。
[余所者のアンタらの方がずっと怪しいだろう、と存外に告げる。
一緒に行くかと訊ねられれば、さも当然といった顔で、]
当たり前だろう、こんな事が起きたんだ、皆に知らせないと。
/*
眠くなってきた……。
→お仕事は比較的に真面目にやるタイプなので、その辺の割り切りとかも早かったと思われる。仲のいい両親のおかげで結婚には憧れを持っていたけど、初恋とかそんなん知る前に色街に投げられたので、それがある意味で幸運に働いたと思われる。
人気のある娼婦を見てて思ったのは、教養と品位と、ある程度の従順さと、人形だけで収まってはいけない事。少なくともリーディアと呼ばれた少女はそう思い、相性のいい客からは人気があった。
末っ子なので、甘え方も上手いのでそれも作用。
大人しいのが好きな人とは相性あまり良くなかったので、そういった意味で楚々とした仕種も身につけなきゃならなかった。→現在に生かされた。
[シスターの報告で橋が落ちた事を知れば、「山道も崩れていたよ。」と先程見て来たばかりの光景を告げる。
けれど、オットーやパメラ、カタリナ達の事を化け物候補だと言われれば、眉を吊り上げて怒りを露にした。何もアルビンの声が震えていたのは恐怖に怯えていたせいではない。]
化け物候補だって、糞が。彼奴等の事を疑ってるのか。
俺は彼奴等とずっとに過して来たんだ。今日まで花盛りの村は平和だったんだ。
[「余所者のアンタらの方がずっと怪しいだろう」、と存外に告げる。「化け物はお前ではないか」と、強い眼差しで責め立てる。
一緒に行くかと訊ねられれば、さも当然といった顔で、]
当たり前だろう、こんな事が起きたんだ、皆に知らせないと。
/*
ジムゾンはあれだな、何この人面白いと久しぶりに心から笑う事の出来た存在で、特別なんだと思う。
恋愛とかそういうのじゃなくて、ある意味で癒しとかそういうのだったかもなぁというのは妄想。
出会った当時に言い寄られていた男の人を振って、自殺されていたのだと思う。ので、余計に不自由なイメージのある聖職者でありながら自由に振舞っているジムゾンに憧れて、その存在が癒しになったのではないかと。
うん、これだな。
― ゲルト宅へ ―
[昨日焼いた丸パンにレタスとトマト、スライスしたチーズを挟んで。
濃いめのブラックコーヒーを淹れて――ゲルトは大の甘党だけれど――それらを詰めた紙袋を手に自宅を後にする。
あちこちから飛ばされてきた色とりどりの花弁。
それらの降り積もった広場は、鮮やかな迷彩模様を描いている。
そんなところからも昨日の嵐が相当に酷かったことが窺えて、
今さらながら、昨日ゲルトを一人で帰したことが少し心配になる。
たしか数年前のこと、酒に酔った楽天家の友人は、
何を思ったか帰宅後、自宅の屋根に大穴を開けたことがあるのだ…
――どうやったのかは自分でも覚えていないそうで。]
/*
可笑しい、赤ログが桃ログになっている・・・。
オットー→パメラを確認してあくまでアルビンはパメラを子供扱いしていたのに。
あれれれれ。因みに僕は甘々無理なのだけど。
赤が照れちゃう//
オットーとふたりで話しをしたいけど、
機会は何処かな。
[だからゲルトの家の前に着いた時、その扉が盛大に壊されているのを見て、]
あぁ、またやっちゃったのか、馬鹿だなぁもう…
[それくらいの感想しか、浮かんでこなかった。
ズカズカと、壊れた扉を押しのけ中へと踏み入る。]
[フリーデルやジムゾンのように、或いはアルビンのように。
外の危険な世界を知っていれば、また違ったのかもしれなかったけれど。
…なんせ村の外に出たのはたった一度だけ、しかも街には二度と出るまいと密かに誓っていたりする。
村に生きる青年には、非日常な出来ごとなんて想像もつかなかったのだった。]
皆まで言わなくても理解出来ますよ。やだなぁ、だから『仮にも』ってつけたんじゃないの。それくらい理解してよね、ぼ・う・や
[アルビンの反応から察するに、過去に自分を追いやった者達と同じ様に自分を疑っているのは痛感出来ていた。
>>49の過去を匂わせる言葉には、クスクス笑いながらそう告げて、ゆるりとアルビンの頬をくすぐる様に撫でた。修道女とは思えない、婉然とした色を口許に乗せて]
あらあら、悪い言葉遣い。まぁ、何が真実かなんて今は知れたもんじゃないでしょ。
山道も駄目なら、いずれ嫌でも本当のコトが判るんじゃなぁい?
例えば、あたしがその化物だったとかね。
[次のアルビンの言葉>>50から、山道も崩れていた事を知り、そうして男の眼差しが自分だけではなくジムゾンにまで疑惑が向けられているのを感じる。
その場にジムゾンがいたならば、一瞬わずかに彼に視線を向けただろう。
それから、言葉の最後を付け足していく。自分が化物として扱われても構わないという装の言葉を。
過去を想起させる視線の怯えを隠す為に、踊る様な足取りでゲルトの家を出た。
出た先にオットーがいるとも知らずに]
皆まで言わなくても理解出来ますよ。やだなぁ、だから『仮にも』ってつけたんじゃないの。それくらい理解してよね、ぼ・う・や
[アルビンの反応から察するに、過去に自分を追いやった者達と同じ様に自分を疑っているのは痛感出来ていた。
>>49の過去を匂わせる言葉には、クスクス笑いながらそう告げて、ゆるりとアルビンの頬をくすぐる様に撫でた。修道女とは思えない、婉然とした色を口許に乗せて]
― 発見前 村内 ―
然し、随分と荒れ放題になったものだな。
土は泥々でうっかり靴を汚しそうだし、綺麗な花弁は見果てぬお空の彼方よ。
[台風一過。昨日村を訪れた時と比べ、無惨に剥がれた花飾りの様相が却って哀愁を感じさせていた。
隣では、この辟易しそうな惨状に、フリーデルの表情が翳りを浮かべている>>16]
これをまた用意しなおすのは随分と骨が折れそうだな。
何にせよ、まずは橋が元通りに直らなければお話にはならないんだろうが。
[だが、村祭りの飾り等で、本当に残念がれる様な日常が今であると云うのは、果たして悪い物ではない。
もし手が必要なら、少し位なら、飾り直しにも力を貸してやるのも偶にはいいか。
そう考えた時だ。明らかに不自然な破壊のされ方をした、民家の扉に行き当たったのは]
あらあら、悪い言葉遣い。まぁ、何が真実かなんて今は知れたもんじゃないでしょ。
山道も駄目なら、いずれ嫌でも本当のコトが判るんじゃなぁい?
例えば、あたしがその化物だったとかね。
[次のアルビンの言葉>>50から、山道も崩れていた事を知り、そうして男の眼差しから自分だけではなくジムゾンにまで疑惑が向けられているのを感じる。
その場にジムゾンがいたならば、一瞬わずかに彼に視線を向けただろう。
それから、言葉の最後を付け足していく。自分が化物として扱われても構わないという装いの言葉を。
過去を想起させる視線の怯えを隠す為に、踊る様な足取りでゲルトの家を出ようとした。
その矢先だろうか、オットーがゲルトの家の扉を開けたのは>>53]
― ゲルトの家 ―
[血臭、死臭。赤色をしたシーツに包まるゲルトの姿を前に、顔を顰めた>>19。
遠くからは眠る様にも見える。然し、瞼を閉じたその顔が、既に冷たく事切れているのは明らかで]
……読みはびったり的中。
人狼はこの村の中。村の中の誰か。か……。
……おい、そのシーツは開かない方が。
[人狼がこの村に存在する事。この嵐に乗じて、命懸けの面倒ごとが始められた事。
此処まで、己の本来の任務内容が滞り無く進んでいる事を確認して、溜息を洩らさずに居られないのは仕方が無い事だが。
視線を戻すと、死者を前に十字を切る余裕すらなく動揺しているフリーデルが、恐る恐ると、亡骸を包むシーツに指を伸ばしていたが、それを止めるだけの間は無く>>20]
[その部屋には。
激怒した表情のアルビンと、
何故か、
不敵に微笑むフリーデルと、ジムゾンがいて、
そしてその、奥に、
その奥に。
真っ赤に染まった、ゲルトが、いて――]
[――もちろん。
わかっていたよ。
だって、見ればわかるじゃないか。
…一目瞭然だ。
ゲルトはもう、目を覚ますことはないって。]
[その事実をすぐに受け止められなくて、
笑った顔のまま、涙が頬を伝うのをただ感じた。
―――何故?どうして…?]
[手から紙袋が滑り落ちる。
それは酷くゆっくりと、床へ向かっていって、
グシャリと嫌な音を立てて、無様に潰れた。]
[流れ出るブラックコーヒーが、床に真っ黒な水溜りを形作る。
ゲルトから目を背けて、ぼんやりと、それをただひたすらに見つめる。
――まるでそうしていれば、ゲルトが生き返りでもするかのように。
アルビンが、或いはフリーデルかジムゾンが、声をかけてくれただろうか。
誰にともなしに、振り返って問う。]
…一体、何が……?**
[違う、うわ言の様繰り返されるその言葉は。
先程の『私じゃない』と云う。ゲルトの亡骸へ対する過剰反応であろう。
そこまでは察せたが、傍から聴く身には、彼女の過敏な錯乱は却って逆効果だろう]
……誤解です、アルビンさん。
彼女は今朝から僕と共にいました。
彼女が殺した訳ではありません。
[実際、何を根拠にかは解らないが、フリーデルを端から犯人と決め付けている様子のアルビン>>31を宥める様に。
口調を、元通りの余所行きの言葉へ直す努力をしながら、フリーデルの様子にも視線を向け続けていたが。
少なくとも、彼女を視る目に、断定的な弾劾は存在していなかった]
[手から紙袋が滑り落ちる。
それは酷くゆっくりと、床へ向かっていって、
グシャリと嫌な音を立てて、無様に潰れた。]
[流れ出るブラックコーヒーが、床に真っ黒な水溜りを形作る。
ゲルトから目を背けて、ぼんやりと、それをただひたすらに見つめる。
――まるでそうしていれば、ゲルトが生き返りでもするかのように。
アルビンが、或いはフリーデルかジムゾンが、声をかけてくれただろうか。
誰にともなしに、そこにいる者の顔を見渡して問う。]
…一体、何が……っ?
─少し前─
[ジムゾンとゲルトの家に足を踏み入れ、見つけたそれに指を伸ばす前(>>20)。
止めるジムゾンの声が耳に入った>>58
『人狼』という言葉に、思い出したくなかった過去を思い出し、その指が確認する為にゲルトをくるむシーツへと向かっただろう]
[それからゲルトの死体に我を失い、当然それに慌てるジムゾンが己の名を呼び肩に両腕を伸ばそうとしている事>>59には気づかずに、女が自分を取り戻したのが>>47のこと──…]
/*
自分でもちとロルが駆け足だったとかそういう。
無理矢理だなー、感情とか思考飛んでるし…
あと、せっかくみんないるのにソロールごめんなさい…時間をだいぶオーバーしてて焦ってるCO←
色々悔しい。
[フリーデルは……落ち着きを取り戻した様だ。
然し態度の中に、何か妙な物を感じさせられた>>47]
ええ、あの橋が落ちた以上、この村は閉鎖空間。
村に居られる方々をまずは集めて、事の次第をお話しなければ――
――…おい、落ち着…。
シスタープジー。お気持ちはお察ししますが、此処は冷静に構える事の方が大切です。
ゲルトさんにはお悔やみ申し上げますが、まず彼を弔い……こら、待ちなさい、シスター。待――
[不敵に、いや、不敵の一言では片付けられない奇妙な違和感のひとつに、彼女が余所行きの言葉を崩している事を、遅れながらに気付く事となる>>56。
無駄に軽い足取りで、ゲルトの家を出ようとするのを、様々な意味で呼び止めようとした時、更にゲルトの亡骸を前にする者が増える事となった]
[>>63、ジムゾンが自分を庇う様な言葉を言えば、女は少しばかり複雑な表情をしてしまう。
その表情のまま彼の服の袖を引き耳打ちしたい衝動に駆られるが、それはアルビンの前でやるには逆効果だろう]
神父様、あまり聞く耳持っていない方には何を言っても無駄かと。私のせいで、貴方の立場まで悪くなってしまってはいけないでしょう?
[とあくまでシスターとして、自分を切り離せと告げてみる。伝わるかどうかは判らないけれども]
[そうして泣くオットー>>62にはシスターらしく眉を下げ、持っていたハンカチを取り出してその涙を拭ってやる事にした]
[彼女がリーディアと名乗っていた頃。
リーディアの客に連れられて彼女とは何度か顔を合わせた。>>1:71
けれどある時から彼女のもとへ呼ばれる事は途端になくなった。
仲間の行商人達の噂に寄れば、彼女は人狼の疑いを掛けられて東の都を追われる事になったとか。
又聞きの悪い噂だが、このような事態になれば無視する事は出来ない。
ついには、フリーデルを人狼と決めつけて、]
アンタが化け物なんだろう。
なら、いずれが来る前に俺が。これ以上、お前に大切な人を奪われてたまるか――。
[実は彼女が強がっているとは知らずに鋭い声で責め立てた。軽い足取りで部屋から出て行こうとするフリーデルの背中を睨む。]
[彼女がリーディアと名乗っていた頃。
リーディアの客に連れられて彼女とは何度か顔を合わせた。>>1:71
けれどある時から彼女のもとへ呼ばれる事は途端になくなった。
仲間の行商人達の噂に寄れば、彼女は人狼の疑いを掛けられて東の都を追われる事になったとか。
又聞きの悪い噂で信用がある訳ではない。だが、このような事態になれば無視する事は出来ない。
ついには、フリーデルを人狼と決めつけて、]
アンタが化け物なんだろう。
なら、いずれが来る前に俺が。これ以上、お前に大切な人を奪われてたまるか――。
[実は彼女が強がっているとは知らずに鋭い声で責め立てた。軽い足取りで部屋から出て行こうとするフリーデルの背中を睨む。]
[>>65、待てと告げるジムゾンには小さく苦笑を返し歩こうとしたその時、オットーが来訪した。
暫しこの状況に困惑を見せ、やがて友人の亡骸に涙を見せたオットー>>62には、溜め息をひとつこぼして、持っていたハンカチでその涙を拭ってやる事にする]
私は至って冷静ですよ、神父様。死者への弔いを忘れていたのは事実ですが。
取り合えず、村が孤立している事と、ゲルトさんの事を他の方にも告げにいきまょう。
[とこの村の常であるシスターとしての言葉を取り戻し、ゲルトの亡骸に十字を切り、そうしてもう一度ゲルトの身体をシーツにくるみ直した。
過去の糾弾を思い出させるせいか、その指はわずかに震えて]
[そうして女は部屋を出たオットーにも声をかけ、パメラの家へと向かっただろう。
ちょうどそこにはカタリナもいるわけで、村が孤立した事、ゲルトが人狼という時折風の噂で聞く……女にとっては過去に自分がそれだと疑いをかけられた化物に喰い殺された事も彼女達の耳に入る事と*なる*]
順を追って説明しましょう、オットーさん。
いいえ、とは云え、僕達にも説明できる事はそう沢山あるわけではありませんが。
まずは、この場所を離れましょう。
[二人の険悪で妙な様子から、やはり彼を伴うのは自分の仕事だろうか、と溜息をつきかけたが、フリーデルがハンカチで彼の涙を拭う動きを確認すれば、そのまま、オットーをフリーデルに。或いはアルビンにさり気無く任させようと、その背を軽く押した]
[オットーのもとへ慌てて駆け寄る。
もう遅いと分かっていても、涙を流すその眼から辛い現実を逸らしたくて、アルビンは手のひらを翳そうとした。ただ、フリーデルが差し出したハンカチに拒まれたか。>>68
フリーデルがオットーの涙を拭うのを待って、覚束ない足取りで後ずさり部屋から出ようとするオットーの肩を抱き支えようとしただろう。>>64
彼が落ち着いた頃を見計らって、ゲルトの死と村が封鎖された事を伝えただろう。]
オットー、オットー、落ち着いて聞いてくれ。
ゲルトが殺された、端は流されて山道が崩れて――……。
[オットーと一緒に幼馴染みの死を悼んだ後に、
パメラの家へ皆で向っただろうか。]
─ 自宅 ─
[あの悲鳴があってからどれくらいの時間が経ったか?
ゲルトの家で誰が何を見て、そしてどういう顛末でここに来たのかは知る由もない。
朝食のポリッジも出来上がり、おそようさんのカタリナにのんびりと振る舞うくらいの時間はあっただだろうか?
人の声、もしくは気配を感じれば不思議そうな顔をして扉を開け、それから存外に大勢の顔とその様子を見かければ、きょとんとした顔で瞬きをしながら『何かあったの?』と問うだろう。]
……え? ゲルトが?
[誰がその事実を告げただろうか?
そしてどれくらいその状況を説明しただろうか?
それによって多少の反応の違いはあれど、結局は絶句して、それから外の面々を一人ひとり眺めた後、ただただ肩を落とすことになる。
彼の凄惨な姿を見たわけでもない。激情にかられる時に居合わせたわけでもない。
だからだろうか、実感がわかないように…けれど、皆がよってたかってそんな笑えもしない冗談を言いに来たわけでもないだろうと……そしてそこまで理解してこみ上げるのは、やはり悲しみであった]
なんで…? どうしてなの?
[しばらく何も言えないまま地面を眺め、それから消え入りそうな声でそう呟くのが精一杯だった]
葬式は。
仕事に入ってないのですがね……。
[既に、元々何重にも包まれていたシーツは再び亡骸に包み直されたが、誰が包んだのか、シーツは真赤に染まっていて、余り意味をなしていない。
血に汚れたシーツの上から更に亡骸を包むべく、他の布が無いかと探し始めた]
人手が必要ならば、応援を頼むかも知れませんが。
ゲルトさんの埋葬は、後で僕が済ませておきますよ。
この家も、出来る限り閉じておいた方が良い。
[後を考えると、これから状況を整理し、この中に人狼がいる、その事実を認識して。
態々ゲルトを埋葬する時間が、冷えた感情を以てば勿体無く感じられ、主にフリーデルに対し、それを告げる事にした>>68]
[きっとその場にい合わせてゲルトの姿を見たのならば、取り乱して何も考えることは出来なかっただろう。
幸か不幸か、女は死体を見ていない。
だからだろう。どういうことなのか理解しようとする意識は保たれていた。
憔悴しているオットーには聞けないだろう。
激情に駆られているアルビンにも聞けなかったはずだ。
と、なればジムゾンかフリーデル。一度カタリナを見る。
怖がらせたくはなかったから彼女が酷く怯えているのならば、誰かに彼女のことを頼んだことだろう。
彼女が自身と同じように話を聞こうとするのならば、なるべくそばに寄って安心させようと努めたことだろう]
[果たして誰からどういった話を聞けたか?
ゲルトは野犬か物取りに殺されたのだと…話を聞くまではそう思っていた。
もし説明の中に『人狼』なる言葉があれば、なんのことだかわからないといった顔で、詳しく説明を望んだことだろう。
いや、流石にその言葉くらいは聞いたことがある。
だが、所詮はお伽噺の中の登場人物。実在するものだとは思っていなかったのだ]
じゃあこの中に…人殺しがいるってことですか?
嘘でしょ…… だって…そんな…
[人狼がどんな存在であるか…話を聞ければ、蝋梅の色がありありと浮かぶ。
嵐によって交通網が完全に分断されたことを知れば、尚更に青ざめてもしまったか]
[背を押し、オットーを任せようと彼を託す時。
き、と強い視線。敵意すら混じるだろうその視線を正面から視て、ふう、と溜息が唇から漏れた]
ではアルビンさんにお尋ねしますが。
ゲルトさんが殺されたのが"人狼"の仕業として。
どうして、彼女が人狼だと考えている様な御様子を?
[都会から忽然と姿を消したフリーデル。嘗てはリーディヤ。
彼女が、何故、都会からその姿を消したのか。幸か不幸か、それとも唯の情報不足か。既に彼女は人狼だと疑い蔑まれた事は知らないのだが。
そうアルビンに問い返した時、口許が薄い笑みを浮かべていた]
[表情を作り過ぎた。後から流石に拙いなと気付いたのは全て吐き出した後]
人狼とは、例え血を分けた親兄弟、恋人も友も喰らう悪魔です。
昨日までの平和、友情や愛情も、腹が空けばあっさりと翻す。
主の教えは、悪魔とはその様な存在だと示されておりますから……。
どうして、同じ村の皆さんを人間だと言えるのですか?
もしかすると、村の何方かが、汚らわしい化け物かも知れないのに。
[この様な話を、口許に笑みを湛えながら問う事自体が既に異常だが。
アルビンへ向けたその問い掛けは。フリーデルへ吐き捨てた言葉と同じ意趣返しを籠めていたのだと、誰かが気づいただろうか>>66。
それに向けて、アルビンの反応を見ても、ふんわりと、この場では限り無く胡散臭く見える微笑を浮かべて、やがて諸々を済ませパメラの家へと到着するまで、特別言葉を発する事は無かったのだった]
[人が死んでいるのに笑みを浮かべている神父に不審に思う。余裕があれば、「どうして、あんたは笑っていられるんだ?」とでも一言減らず口を叩いただろうが、パメラの家へと急がなければならない。>>81
人狼は悪魔であり、血を分けた親兄弟、恋人も友も喰らう、とジムゾンが言えば、一瞬のことではあるオットーに視線を配らせて、]
……そんなの、………………
俺は彼奴等とずっと一緒に過して来たんだぞ……、親友の彼奴が俺を殺すだなんて……。
[その時のアルビンの声は覇気がなくなり、オットーへ向ける目線には憂いが帯びる。
汚らわしい化け物、意趣返しとも取れるフレーズには気付いていたが素直に謝れる筈もなかった。
ジムゾンの浮かべる微笑から目を背けてこう続ける。]
俺は大切な人を失いたくない。
自分の命よりも、だ。
[そう言葉を切ってアルビンもまた沈黙した。]
― パメラの家 ―
[パメラとカタリナが待つ家へと向かう。オットーがまだ哀しみに暮れている様ならアルビンはその肩を支えて慰めただろう。
時折、前を行くフリーデルの背中を鋭い眼差しで見ては、目線をずらしてジムゾンの様子を窺っただろう。
着いた、パメラの家。誰からともなく二人に事実を話す。二人もまた村人の死に心を痛めるだろうか。
「なんで…? どうしてなの?」と問いかけるパメラにアルビンは力無く首を振った。]
― ゲルト宅からの道 ―
[『あぁ…この男が人狼なら、俺死んだかもな』。
汚らわしい等、あの程度の可愛い憎まれ口など、人狼を前に疑心暗鬼に陥る村人達の間では日常コミュニケーションである事は、既に知識と経験で理解しているのに。
自分は所詮、唯でさえ猜疑心を抱かれ易い、余所者。
例え多少の犠牲が出ても、この様な理不尽な任でむざむざ息絶える気はない。
ならば、極力、挑発や暴言、他人の恨みを買う様な言葉は慎むべきと、こうして素を隠して見た余所行きの丁寧言葉さえも、嘗て古書店で購入した、『猪でも解る。貴方と私のはうとぅー丁寧語』なる本を三日徹夜で読み返し習得したと云うのに。
自分は、あの本を読んだのに、猪以下と認定を受けたのだ。
いや、或いは、あの本は、『慇懃無礼』の対処法までは書いてくれてなかった]
[果たして、話しをし始めたのは誰だったか。
人狼についての知識はある。だからアルビンは言った、「ゲルトが死んだのは人狼のせいだと思う。人狼騒動に巻き込まれた事があって……、」
実は以前に人狼騒動に巻き込まれた経験がアルビンにはあった。
此処では詳しくは話さなかっただろう。今、重要なのはこの村で起きた人狼騒動なのだから。
何故話さなかったのかと聞かれれば、「お前達に変な心配を掛けたくなかったからさ」と苦笑しただろう。]
[さらりと聞き流せば良い物を。
対して初対面故に好き嫌いも無かったが、何を思いか、アルビンが汚らわしい、とフリーデルの手を払い退けるのをみた時。
無意識に『少しからかってやる』と、ネガティブな遊び心が首を擡げたのだ。
それは裏打ちが存在したからだろうか?
ならば猶更、何も云わず様子を見るに留めるべきだった。
もう何年もその姿と行方も知れずにいた、若かりし頃の昔馴染みだ。
わざわざそこまでの事をする義理があるのかは疑問だが。
然し、今この中で間違いない。心強い真実はひとつだけある。
フリーデルは――――]
[唯、先程のアルビンの言葉が、意識の奥に掛かり続けていた。
彼女にどの様な罪があると云うのだろうか。
いいや、想像するだけなら自由ではあるのだが。
都、出て行った、人狼。
少なくとも、あの昔、何かがあったろう事は間違いないと、そう]
― パメラの家 ―
[先程までは知らずにいたが、聴けばゲルトを含む青年3人は幼馴染であるらしい。
行商人と聴く割には、妙な程、パン屋の店主などパンを売る以上接点の薄そうな相手と仲が良い、と考えていたが、アルビンの怒りを汲み取る努力は行う事にした。
どちらにせよ、今この村に存在する6人の中では、真に余所者であり、淡々と疎外感すら漂うドライな目線を持つ自分が、説明を行うのが最も適任ではあるだろう。
実際、朝に認めた橋の降りから、視掛けたゲルトの家、血塗れたシーツまで、掻い摘んだ説明は自分が行った。
亡骸を目にしていない女性二人は、それでも表情を蒼白とさせていたが、話を呑みこむ事は出来ている様だ]
[人狼の話を余り知らない。パメラが見せた物知らずの表情に、微かに眉を動かしながらも、先日の噂を持ち出した]
パメラさんは、人狼の噂を聴きませんでしたか?
この近くの森で、獣の様な、人狼の様な物に殺されたかも知れない、不審な御遺体が見つけられたと云う。
僕も、この村へ赴任するに際して、その噂を聴かされては来たのですよ。
[詳しい説明を求められれば応えただろう。
然し、職務上の関係も含めて、多少は教会が好みそうな描写を交えて]
まず、私達が認識したほうが良いのは。
人狼は、今夜また、ゲルトさんの様にこの中の誰かを殺すかと思われます。
……夜の間までに、誰か。
人狼と思しき方を探し、死んで頂かなければ。
今夜は誰が殺されてしまう事やら……。
[この村は、小さな村故、幼馴染、友情の絆などが随分強いらしいから。
再びそれが壊されるかも知れない。そんな不安を煽る様にして、村の者達の表情を見比べていた。
感情が乾いている様、余りに冷淡と。その不気味な程ドライな様子から、本性を隠しきれていない事は、覚悟だけはしていた**]
[人狼とは何なのかパメラが説明を求める。それにはジムゾンやフリーデルが答えてくれただろうか。
無ければ、自分が説明したかもしれない。
そうして、ゲルトが人狼に殺された事。
村に閉じ込められた事。を皆は知るだろう。**]
神父 ジムゾンは、村娘 パメラ を能力(占う)の対象に選びました。
/*
あれあれ挟んじゃってごめんね。
ごめんばっか言ってるwwやだwwww
ちょと仮眠した後に赤を返さなきゃ。パメラに失礼だよ、頑張ろう・・・。
[それから、人狼について詳しく尋ねた。どういった存在なのか? 人間に化けているのか? 成り代わりだったりするのか?
教会はその人狼を退治する責務を負った機関なのか? どうして、今夜も誰かが殺されると思うのか?
その、人狼という存在を見つける手立てはあるのか?
ひとつひとつを考えながら、時折『うーん』と困ったように唸ってもみせながら聞いていった。
少なくとも彼の職務と人狼の恐ろしさについては聞けたことだろう。
聖職者の語る話だ。きっと悪魔のような存在>>81として人狼を捉え、それを滅することが神からの使命だ…という勧善懲悪的な話>>92でもあっただろうか?]
えっと…神父様?
昨日神父様もオットーの家でパンを召し上がりましたよね?
あの時の様子はご覧になってくださいましたか?
私たちは昔からあんな風に暮らしてきました。
家族のように…お互いのこともよく知っているはずです。
人狼は人に紛れているのでしょう? なら、人の暮らしもして、人にも触れて……居心地はいいはずなのに、それを壊してしまうのでしょうか?
[村の者がゲルトを無残にも殺し、安穏とした日常を壊すとは到底思えない… 経験豊富な神父ならば、人狼騒動に巻き込まれた人間たちがそれでも最初にするであろう…そんな見知った表情を浮かべていただろう。]
神父様が私たちと同じ立場に立ってくださったらわかるかと思います。
家族同然の人が殺されて、見も知らぬ人が『人狼の仕業だ。人狼と思しき者を殺そう』…と言われたら……
[彼がどういった顔で話を紡ぎ、処刑を仄めかしただろう?
温厚な仮面を脱がぬのならば、理解して貰おうと懇願するように…。
ただでさえ初対面がああだったのだ。『変な人』な印象も当然くすぶっていた。
もし冷徹な様子ならば、女の不満と欺瞞の矛先はどこに向くか? それは火を見るより明らかだった]
愚かだとお思いでしょう?
けれど、今までずっと一緒に居た人を殺せと言われても、誰だって抵抗は覚えます。
よく知ってる人から言われるならまだしも…ね?
[そこにフリーデルの姿があれば、『貴方はどう思うの?』と言いたげに彼女に視線も向けただろうか?
彼女も彼と同じ神職、そういう意味で彼女の話も聞いてはおきたかった。土着の者ではないとはいえ、ジムゾンよりは遥かに共に暮らした日も長い。]
神父様が人狼に精通しておられるなら、何か手がかりとかないのでしょうか? でないと……
[それでも誰かを殺すと言うのなら、まず疑いは……声に出さずともそれくらいは伝わったことだろう]*
― 回想・子供時代 ―
[>>3:76
驚いたのはオットーで間違いなかっただろうか。
梟に怯えるオットーをからかう様にアルビンはくすくすと笑った。
近くの木々から飛び立った梟がふたりの頭上を過ぎると、今度は地を震わす程の遠吠えが聴こえて来た。緩んでいた空気は一瞬にして張り詰める。
「あれは鳴き声は何?」とアルビンに訊いたのもまたオットーだったか。
「あれは、狼の遠吠えだ。」
と教えて、オットーの腕を掴んで鬱蒼と暗く茂る森の中を走り出す。ひたすら前へ走り続けていると、急に視界が広がった。木々ばかり並ぶうっとうしい場所から、広場のようになにもないところに着いたのだ。
其処から小高い丘と一匹の獣の影が見える。天に届けと云わんばかりに空を仰いで大きく遠吠えを響かせていた。
アルビンは思わず目を奪われた。まったく無駄のない、流れるような身体の線。それを包む漆黒の毛並み。
アルビン達の居る場所からは確認は出来ないが、鋭い爪と光る牙を持ち、その目はどの宝石よりも美しく輝いているのだろう。すべてが野性の力と品格に満ちていた。]
[アルビンは興奮した様に頬を高揚させてオットーへと振り返る。
「どの動物よりも山を森を早く駆けるんだ。オットーは知ってた?」
オットーは遠くに見える狼にどの様な反応を示しただろう。
アルビンと同様に狼に見蕩れたか、それとも野生の生き物の姿に怯えたか。
(そもそも、アルビンはこの出来事を忘れてしまっている。
この日見た狼が現実か夢か定かではない――。)
オットーがどの様な反応を示しても、アルビンは気にする余裕は無かった。
声を弾ませて話しを続けただろう。
「あれはね、森の王。世界中で一番に気高い生き物なんだよ。」]
[オットーの腕を引っぱり抱き寄せて、アルビンは悪戯めいた笑みを浮かべる。
耳元に唇を寄てそっと囁く。
「オットーだけに教えてやる。内緒だよ、俺はね狼の子供なんだ。」]
― 再び、現在 ―
[その秘密の告白にオットーはどうしただろうか。アルビンはそれも覚えてはいない。
ただオットーがアルビンを見れば、気高い狼の子供である事を誇っているのだろう、嬉々とした表情がオットーの瞳に映った。
アルビンはオットーに様々な事を教えた。その中でも特別の秘め事を一番の親友であるオットーに告白していた。それは遠い過去、子供時代の素晴らしい日々を飾る1ページ。
何故だか当の本人は忘れてしまってしまったけれども。
その秘め事をオットーは覚えているだろうか?
非日常にも関わらず冷静に話すジムゾン。
話しが終えるとアルビンは鋭い視線をフリーデルへと向けた。]
誰も死なせやしない。その為には処刑を始めるしかないと言うんだな?
なら、俺は……。**
─パメラ宅─
[>>75午前中の来訪者としては大人数な自分達を迎えたパメラ達に、今の村の状態を告げる。
主な説明はジムゾンが行ってくれた>>91
都での彼の役割を知っているからこそ、適任だと思い黙って話に耳を傾けていた。
ドライさを滲ませたその態度>>93には、ひっそりと苦笑をして]
教会全体というよりは、彼が特別ですね。彼は、若い頃から悪魔祓いを請け負う様な所に属していましたし、有名でしたから。
彼は、余所者といえど安全ですよ。人狼がいるこの村の中では、なくてはならない人かと。
[パメラが教会と人狼退治の結びつきに対して疑問を持った言葉を発せば>>97、やんわりとそう口を開いた。
情で見れば、余所者である自分と神父は村の者達からすれば人外も同然に思えるだろう。
自分は兎も角、少なくともジムゾンの立ち位置は確率すべきだと思っての言。
パメラの家にいる村の者達一人一人の顔を見て、はっきりと告げる]
純粋すぎて反吐が出そう。
[暫し黙ってパメラの言葉>>98>>99>>100を聞き、ついに視線が自分に向けば、女はこの村の者には聞かせた事のない様な鋭く、それでいてどこかに艶の混じる声で吐き捨てた]
家族同然の人間が、家族同然に暮らしていた人間を喰い殺すなんて、定義は違えどどこにだって転がってる話じゃないの。
食い扶持減らす為に、実の子供を奴隷として売りに出すとか、そういうのと一緒じゃない。
家族すら家族を売るご時世に、たかだか『家族同然』の『赤の他人』をそこまで信じられるなんて、ぬるいんじゃないのぉ?
[問われる様なパメラの視線には、シスター然とした微笑のままに、親に売られ、人生を預けようとした人間に裏切られた女としての言葉を吐いた。
彼女とは与えられた温もりが違い、それが育ちと思考に出ていると理解しながらも。
女に人生一番の地獄を見せた事を思い出させるアルビンの疑心の視線>>105に耐えられなかったのだ]
まぁ、でもアレですよね。貴方達、そういうの甘いみたいですから。
すぐにこの中の誰かを人狼だと思って処刑するなりしろなんて言っても、無駄だと思うんです。
[未だに自分を疑う視線を向けてくるアルビン>>106にはにこりと、尼僧の笑みではなく娼婦の笑みを一度向け、そうして周りにいた人々を見回して言葉を続ける]
だから、余所者一人殺してみればいいんじゃないかしら。
それでまた、誰かが喰い殺されれば──
神父様は駄目ですよ。助かりたいなら、殺すべき人じゃありません。さっき(>>107)説明したでしょう?
だから、私が逝きますよ。
それに、無駄に疑う人もいますし。
[ちらりとアルビンを見て、そうして小さく苦笑した。
違うと喉から血が出る程叫び、信じて貰えなかったあの日々と別れ。
ようやく得た安穏とした日々に慣れた女には、これ以上の疑惑の眼差しは耐える事が難しかった。
それに、一人余所者が消えれば村の者達にも、自分達が直面している現実が理解出来るだろう。
きっとその時には、また新たな犠牲者が出ているだろうが]
[さて、女の言葉にパメラの家にいる者達はどんな反応を示しただろうか]
[女はそれに気にする事なく、首に下げたロザリオに触れた]
(あんまり信じてないし、自殺も同然な事言ってるあたしがやる事じゃないけどね……)
[昔馴染みの神父様は、守ってやってね。
と、密かに*祈った*]
シスター フリーデルは、シスター フリーデル を投票先に選びました。
[狼の子供、自分は生まれて間もない頃に捨てられたという。赤ん坊の自分を拾って育ててくれたのは狼であるその人だった。
行商人として生きる育ての親と共に各地を渡り歩き花盛りの村へと辿り着いた。あの人は商売に出掛けると行って村にいない時間も長かったが、とうとうアルビンが大きくなると村へ帰って来なくなった。
親が狩りをしている瞬間を見た事が無い。きっと自分の前から姿を消している間に人を襲っていたのだと思っている。]
[果たして、波の様に押し寄せて来る感情は何処から来るのだろう。
自分が感じている感情が自分のものなのかパメラのものなのか分からない。
彼女の声を頭の中に響く様になってからというもの、脳裏へと伝わって来る想いがあった。
今も胸に頭を預ける彼女から流れ込んで来る。知己の仲を殺める罪悪感と、其れを上回る人を食らう快楽。
アルビンはパメラを通じてゲルトを食い殺したのだ。一種の疑似体験を味わっていた。
様々な感情がせめぎ合い複雑に入り混じる。感情の波が押しては返し心の内をかき乱す。このまま感情の海に溺れてしまいたい。胸から溢れ出る感情もまたパメラに伝わってしまっているのだろう。]
[「耐えられないと思ったら逃げて。
許せないと思ったら……」
あの時、そう呟いたパメラは怯えていた。謝罪を繰り返し許しを乞いた少女もまた。
幸せな時間を奪われたとは思っていない、自ら捨てたのだ。
差し出した手を取ってくれた存在が誰よりも気高く美しいと知っている。
その全てを視て感じて来たのだから。それ以上の至福を自分は知らない。
彼女にまだ人の心が残っていると言うならば、
人としての幸せを願うならば、
自分の願いが叶う事は無い。ならば、せめて、彼女は幸せになって欲しい、そう思って、思っていた、のに……。けれど、儚い望みだったのだろう。]
[小首を傾げてパメラが手を差し出された。血で濡れた人狼の手だ。パメラの細い腰から手を離しては目前にある手を取った。人ではない者の手と手が重なり合う。
唇を寄せた。まるで、口付けを落とす様に。否、祈りを捧げる様に。]
太陽に焼かれようとも、闇に身を投じても構わない。
お前の感じる全てを得られると言うなら、
この命も惜しくない。
俺も全てを捧げよう。
[それは、誓いだ。]
[流星は俺達の願いを叶えてくれない。ならば俺は愛しい妹の願いを叶えてやろう。
閉じた目蓋の裏には、傲慢で倒錯した暗く蠢き煌めく狂星が煌めいている。
けれども狡い自分は最期の願いを聞かなかった振りをして、
無理に笑おうとして失敗しまっているパメラ。不器用なこの子に微笑み返したのだった。**]
そうですね。ぬるいと思いますよ?
だって、私はこの人たちに酷いことなんかされたことないもの。
[侮蔑と取れる言葉を受けても>>108、その時は何もいうことはなかった。
確かに彼女言うことは正論だ。はした金のためだけに子を売り自らの糧とする親はいる。
親の財産を我が物にするために、亡き者にする子もいる。
一人の相手を奪い合い骨肉の闘いをする兄弟だっている。
突き詰めれば、信じられる者など自分以外にいないとだって言えるだろう。
今、目の前の女は修道女という毛皮を脱ぎ捨てて、己をさらけ出した。
吐き出す言葉に重みがある。きっと…そう言わざるを得ない傷跡を心に負ってきたのだろう。
聡い女だ。私達の立場などわかった上で、それでもいう必要があったのだろう。
己を贄にしてでも、尚も──
私が口を開いたのは、彼女が殺されることを望む言葉を吐き出し、何かに祈りを捧げるかのようにロザリオへその手を重ねた時だった。]
赤の他人を信じることをぬるいと仰る。
ではシスター。貴方が信頼に足ると仰る神父様は他人ではないのですか?
どうして、庇い立てなさるの?
高名な悪魔祓い? ええ、貴方が仰るならそうなのでしょう。
私は知りませんけれど。
よもやその名前だけで信頼出来るって仰ってるわけじゃないのですよね?
見てきたのですよね? ずっと側に居たのですよね?
赤の他人を信じる私たちを馬鹿にしながら、赤の他人を信頼できるって仰るのですもの。
根拠くらいあるんですよね?
私は知りませんけれど。
でも、私も知ってますよ。
そこの神父様じゃありませんけど、聖人と誉れの高い聖職者が、人道にも劣ることをされたこと。
ジムゾン神父様はそんな人じゃない? そうだといいのですけど…
なにしろ私は…知りませんから。
[挑発めいた言葉を吐きながらも、見下すわけでもなく、怒りに震えるわけでもなく。
にこりと笑いながら彼女を見つめる]
同じなんじゃないかな? って思います。
フリーデルさんが神父様を信頼されるのは、それだけ神父様のことをご存知で縁もあってきっと通わすモノもあるのでしょう?
私も見てきました。アルビンさんを、オットーを、リナを。
通わせてきました。心を、時間を。
それを消し去ることはできませんよ。
家族っていうのは一番身近で、一番知ってる存在だと思います。
子どもを平気で売り飛ばす親が、子どもに優しくなんかしてくれません。
近くで、見て知ってるのですもの。
知らないってことは怖いんですよ?
知らないから何を考えているのかわからないのですもの。
[そう。知らないということは恐ろしい。
そして、いくら時間を共にしていても、知らないことは誰にだってある。
みせない事は誰にだってある。家族だろうが恋人だろうが夫婦だろうが。
他人は自分ではないのだから。
何よりそれは自分自身がよくわかっていた。
だって、こんな詭弁を弄し綺麗事を並べていながら
カタリナを怯えさせ、オットーを悲しませ、アルビンを苛立たせながらも
その元凶の私自身が私を止めようともしていないのだから]**
[――あぁ、これは昔、どこかで。
…そう、なんだか。
母さんがしてくれたように…。
無言でぼんやりと、苦手なはずの修道女の顔を見つめる。
おかしいな。母さんだなんて。
彼女に抱いていた感情は、全く真逆のものだったはずなのに…?]
[フリーデル・ド・プジー。
最初に彼女と出会った時に思い出したのは、街で見かけたある女の姿。]
[…昔話を一つしよう。
まだ親子3人揃って暮らしていた頃のこと。
あれもたしか、夏至祭の季節だった。
この時期、父さんは毎年街へと向かい、祭りの支度を整えて戻ってくるのが常で。
――だがその年。いつもと違うことが起きた。
…そう、父さんは街から帰って来なかったんだ。]
[夏至祭から一週間が過ぎ、ひと月が過ぎ。
何か事件に巻き込まれでもしたのだろうか。
心配になって、僕は街へと父さんを探しに行った。
…そこで見たものは。
街人らしい華やかな衣服に身を包んだ女と歩く、父さんの姿。
後をつければ、仲睦まじげに談笑しながら家の扉を開け、中へと入っていく二人…]
[驚き、動揺したあまり、声もかけずに村へと帰って。
何事かと心配する母さんにありのままを話してしまい…
大丈夫、と笑いかけてくれたけれども、言葉で言い表せないほど悲しんでいるのは明白で。
それから後、人に見えないところでひっそりと涙を流す背中を、僕は何度も目撃している。]
[母さんを悲しませた原因。父さんを誘惑した女。
まったくの別人ではあるけれど、フリーデルはその女に非常によく似ていた。
心を弱らせた母さんは身体も弱って病気がちになり、暫くして亡くなってしまった。
以来、街には一歩も踏み入れていない。あれが最初で最後だ。
…僕は父さんみたいな人にはならないと、胸に誓ったのだった。]
[言いがかりにもならない、酷い理由。
でもそんな経緯で、憎んでいると言ってもいいほどの女に似ているフリーデルが苦手で、
楚々とした態度もどこか冷たく思え、嫌な人だと今日までずっと避けてきたのだが。
――それが、どうしたことだろう。目元を拭う手は思いがけず温かく優しい。
…もしかしたらその指先は少し、震えていたかもしれないけれど>>68。]
[言葉もなくその顔を見つめ、僅か後ずさりかけたところで。
「説明しましょう」と、後ろからそっと背を押す手があって>>72。
そのままアルビンに肩を抱き留められ、現実――ゲルトの死と、村の孤立を知ることとなった。]
[聖職者の席に身を置くこの女が有名な悪魔祓いだというのならば、かの神父はきっとそうなのだろう。人狼の噂を聞きつけ派遣された…只の人間ではないはずだ。
あの村にいた男も確かそうだった。ほとんど顔を合わせもしなかったのに、親の素性を当て地獄の業火に投げ込み、執念深くも2年もの歳月をかけて私を見つけ出し……そして
かの者は畜生にも劣る存在だったことが、私が生きていることにもなったのだが、同時に人であった私を殺した存在でもあった]
……やっぱり殺しちゃったほうがいいのかな?
シスターが死ぬつもりなら、尚更……
[けれど、心は燻る。
傍らのカタリナに目を落とし、小さくため息を零す。
人一倍怖がりな娘だ。愛情にあふれた世界で生き、花園の如き優しさに包まれた娘。
今、彼女は否応なく恐怖と欺瞞が渦巻く世界に放り込まれた。
なんのことはない。私が放り込んだのだ。
思惑通り、今日余所者たちが消えたら…次はどうなる?
彼女に罪を着せて闇へと屠るのか? 恐怖と絶望のどん底に叩き落として贄に捧げるのか?
この娘を。私が?]
どうせ死んでしまうのなら…いっそ苦しまないように……
[慮る気持ちはある。醜聞を見せることなく苦しまず楽にしてやることはできる。
私はその術を持っていて、何よりも私がその元凶だ。
いや…もしかしなくても、この子には見せたくないのだろう。
そんな光景を、私自身の醜い姿を。
けれど──
惑う思いは虚空を彷徨う]*
[形式だけではなく心から。全ての父と呼ばれる存在に祈りを捧げたのは、>>112これで三度目くらいか。
一度目は、牛舎で自らの命を絶った大好きだった母の、宗教的には有り得ない安らかな旅路を願った時。
二度目は、今は祭りの準備の為に村を出ている自分を拾ってくれた、もうお婆ちゃんという歳のシスターに出会えた時。生きていたら、母はきっとこれくらいの歳だったなんて思い、寄る辺を失くした女に、お帰りと言って笑ってくれた。
それに続く三度目の祈りを終えた時、村娘が口を開いた>>113]
[女は黙って続く言葉>>114>>115を聞き、そうしてまた一つ、笑った]
確かに、平気で女や男を買い漁る聖職者もいるわね。彼が違うかどうかは、私には判らないですね。
だって私、この人の事知りませんもの。
[知っている事なんて名前と、聖職者にあるまじき破天荒な所があるくらい。
それは、パメラが言う『知る』という事よりはきっと圧倒的に情報不足だっただろう。
だからあっさりと、彼女の言葉を否定出来た]
……子供を売り飛ばす親でも、優しい事だってあったのよ。
……知らない事だって、時には必要以上の不幸を回避出来る事だってあるし。
[目を閉じる。母が亡くなる前までは、本当に普通の父親だった男を思い出す。
初恋も知らずに売られた事を、女は周りの娼婦達を見て、それが仕事に対しては割り切りが出来る不幸中の幸いだと思えた。
そんな思いを抱えて生きていたせいか、女はあっさりと、パメラの言葉を否定出来た]
知らない、にしても。今貴方達に残された最善が、他にあるのかしら。
あれば教えてくださる?
[まるで子供が母に物を訊ねる様にして、女は首を傾げた]
[自ら犠牲に選ばれるとは泣ける話しだ。
流石尊い聖職者と言えば良いのか。けれど、フリーデルの話しには抜けがある。]
明日ジムゾンが生き残っていれば彼に罪を擦り付ける事が出来るのだから。オットーとカタリナはずっと昔からの幼馴染みだ。
オットーは俺の事を信頼しているし、……。
[それに、きっとパメラの事を。
その事は伏せて話しを続ける。]
ジムゾンが高名な魔祓いと言われているならば、
もしかしたら、彼には何か能力があるのかもしれない、が。
その時はー―、俺が……。
[釈然としない表情を抱え、瞳を見てくる娘。パメラの視線に、出来る限り丁寧に説明してやる事にした>>95]
はい。結論から告げてしまえば、そういう事になりますね。
噂は、ご存知ありませんでしたか……。
いいえ。外から赴いてきた僕の様な者が知り得る情報ならば、現地の方は、と考えていたのですが、案外盲点なのでしょうかね。
……然し、人狼とはどういう存在か。とは。
中々簡単な様で難しい質問ですね……。
とても簡単で、解り易いお返事をご用意するならば、僕はこう云います。
『それは人狼へ、直接聴いて下さい』と。
[パメラの考えた様な疑問は諸説存在する故明確な返答は難解だろう>>97。
『罪ある故に罰はあれり』。
神から与えられし使命、やそういうお綺麗な言葉で説明するのは、案外素の表情で話すよりも難解な物]
ええ、昨日の様子は、僕は善く視させて頂きました。
本来、この様な状況になければ、隣人を愛し、友を讃え、互いを知り合う、この村の様な場所は、とても素晴らしい村だと僕は思います。
この村に産まれ、この村で育ち続けてきた貴方達も。
日は浅かれど、居心地のいい場所に住むシスター・プジーも。
然し、誰が人狼であろうと、その居心地の良い場所を壊してしまう事は、大変嘆かわしい事です。
『何故』かは……僕にはとても理解しきれませんが。
[この村の誰かが、人狼。信じがたい気持ちや表情は、嘗て散々目にした事だ>>98。
故に、人に非ざる未知の物に対し、恐怖や実感の無い疑問を抱く。これも当然の事だ]
[少なくとも、ここまではその認識で済んでいた]
ええ。抵抗を覚えるお気持ちは、善く理解できます。
然しパメラさん、貴女はその上で、未だ良く状況を理解為されて……。
――…でないと……?
[違う。今の言葉は、本当に典型的な村人から聴けた言葉か?
いや。無知で、純粋な様で]
[『こいつ、実は強かな性格してた奴か……?』
反吐が出そうな程純粋。そう形容したフリーデルの言葉が、胸の中や頭の片隅をコロコロ転がる小石の様な違和感として形を成した気がした>>108
然しそれは、さり気無く織り交ぜられた、彼女の言葉に視線を奪われる形となる。
食い扶持を減らす為に、実の子を捨てる親。
正しい。所詮はそんな物であり、孤児院の孤児等、どうせ8割はそんな身の上であると、斜に構えていた。
何だかんだと、強い印象を抱いていた彼女。
だが、自分はあの頃から、彼女が何故都を出たのかは勿論。彼女の身の上話ひとつ、聴いた事は一度も無かったのだと云う事を、今更の様に思い起こさせていたのだった]
[それは、パメラの言葉が女に降りかかる前だろうか。
>>134神父としてのジムゾンの言葉は、馴染みある彼の言葉『お前正気か』という言葉で脳内であっさりと変換された]
正気ですよ。だって、物事を理解させる事が神父様のお仕事の手助けになると思いますから。
神が許さなくても、この命はわたくし自身のものです。
わたくしの意思で、神への冒涜を為そうと思います。
後は……。
[敬虔な修道女の様に緩く微笑みながら呟き、ジムゾンに近づいていく。
そうして背伸びをして、まるで昔に戻った様にイタズラを仕掛ける気持ちで背伸びをした]
アンタの仕事として、託してもいいでしょ?
どうせ、さんざ神様を裏切る様な生き方をしていたワケだし、そもそもあたしは──……
神様なんて、信じてないし。
[なんて言ったら怒られる?
少女めいた笑みで顔をくしゃりと歪め、そうしてジムゾンから離れた]
神父様、私が正気な事、確認して頂けたでしょうか?
[そして、畳み掛ける様に女の罪を告発する。]
俺は知ってるんだ、今は聖職者のなりはしているが、昔は東の都で娼婦をしていた事を。
人狼だと疑いを掛けられて東の都を追われた事も。潔白であれば、堂々として居ればいいものを。
そう出来ないのはお前が本当は人狼だからじゃないのか?
そう…ですか。
[どこまでが本当かはわからなかったが、彼女はジムゾンのことを知らないという。
それは私にとって意外な言葉で、目を細めながら彼女を見つめた。
もうひとつの否定は、これは意外でも何でもなかった。
なにしろ今まさに自身がそうしているのだから。
知ることが不幸になることは嫌というほどに思い知ってもいる。
そして、彼女が否定できるということは、それだけ不幸な生き方をしてきたのだろう。
それもなんとなく理解できた。
生きてきた世界がまるで違うのだろう。
私を振り回したのは外なる世界
彼女を苦しめたのは内なる世界
お互いに持ってはいないのだ。それぞれが幸福ととれる世界というものが。
瓦解していたのだろう]
うーん。お話が戻っちゃいますか。
だから、私が思う最善は知らない人の話で、知ってて死んでほしくない人に死んで貰わないことです。
フリーデルさんの言う反吐が出るってことなのでしょうけど。
知らない人の話を聞いて、離れ離れになりたくない人を殺めてしまったら、私きっと後悔しますし、それが嘘だったら私その知らない人を憎んでしまいますもの。
殺したいくらいに…ね?
けど、知ってる人が、私が信じる人が私を殺すんだったら、私って馬鹿だな…で終わります。
悲しいけど、恨みはしないかな?
過ごした時間も貰った時間もわけあった思い出もなくならないもの。
はっきりとした理由があるなら考えます。
ご高名な悪魔祓いさんなんじゃないんですか?
闇雲にじゃあ殺せって言われたって、どう考えればいいんですか?
だから理由がないなら、私は後悔しない方を選びます。
[短く息を吐く。
周りを見渡す、この中にはフリーデルを殺せそうな人物は居そうにない。アルビンは護身用に身につけている大振りのナイフを上着の外側からそっと触れる。]
アンタは苦労して来たんだろうが、同情はしても、
だからってアンタが無実だとは思えない。
アンタが死ぬって言うなら止めはしないぜ?
[もしも、今は死を覚悟していても、いざ彼女が死を直前にして怯えて逃げ出す様なら……。*]
[>>138>>139アルビンが己の過去を場に落とせば、とうとう来たかと女は喉を鳴らして笑う。それは、人によっては下卑た笑みに見えるだろうか]
別にあたしは贖罪なんて安いモノ、求めちゃいないけどねぇ。
[シスター・フリーデルとしての言葉の繕いをやめ、そうして素の口調で歌う様に声を落とす]
そんなに疑うならって何度も言っているでしょ。後がどうなるかは知らないけどね。
[ジムゾンがいればどうにかなる、という言葉は今言わない方がいいかと思い飲み込んだ。
これ以上庇う様な事を言えば、更に彼が矢面に立たされる]
それに存外、あたしが本当に人狼かもしれないしねぇ。
[クスクスと、人を惑わす色を持った笑いをその場に落とした]
[そうして笑った後に、アルビンが何かに触れる動きが見て取れる>>143
行商人という職業柄、そこに護身用に忍ばせている何かがあるのは明白で]
別に苦労だなんて思ってないわ。
たまたま、そういう生き方になっただけだし。
[そう呟き、女はふと押し黙る。
ずっと誰かに追いやられた道を歩いたのだ。
なら、最期の時くらい自分で選んでもいいのではないかと。
ますます、神様が自分の願いなんて聞いてくれなさそうだけども]
最期くらい、自分の好きな様にしてやるわ。
[晴れやかに女は笑った]
神父 ジムゾンは、シスター フリーデル を投票先に選びました。
[ここでひとつの数字的理論を解説しよう。
ひとりの人間が、人狼の跋扈する村で生き残る為の方法。
ひとつは、人狼を探し処刑する事。
多少事態に直面した物ならば、すぐに理解できる尤も現実的な解決策だ。
勿論、何も知らずに育ち続けた人間には酷だろうが、そんな物は脇に置ける。
この方法が、誰より正しい正攻法だ。
しかし、自分が生き残る為には、実はもうひとつの正攻法も存在する。
それは、村人達から処刑されない事。人狼に殺されない事。
究極的な話、自分が生きてさえいればいいのなら。
それまでの間に、何人の罪無き村人が命を落とそうが、構わないのだ。
最後の最後で人狼を殺し、最後に残されたひとりになれば、究極的にはそれは勝利なのだ]
え……っ。
[その言葉は、冷静な思考を奪うのには十分すぎるほどで。
ただでさえ混乱しているのだから。
アルビンの話からは、酷くマイナスの印象を受けた。
ただ娼婦をしていただけであったり、
人狼だと疑われて東の都を追われただけであったなら、また違っただろうか。
しかし過去の出来事とそこで出会った人とを、ずっとフリーデルに重ねて見ていたから。
娼婦というものへの不信感はただならないものがあって。
――あぁ。傾きかけていた天秤は。
また、元の位置に、戻ってしまったんだ。]
[然し、人狼だと疑われて殺されない為にはどうすればいいか。
人狼に邪魔だと感じられて屠られない為にはどうすればいいか。
これもこれで、問題が解り易く解答の難解な問題。
だが、ジムゾンと云う、教会の人間。
人狼の存在を探し、時には正しい人間を巻き込んででも、奴らを葬る事こそ命題。
異端審問官
今ここに、ひとつのわかり易い解答は見いだしている。
つまりだ。
『自分が死ぬ』と言い出したり、『お前が人狼だろう』と疑われていたり。
死に行く人間には、無駄な手出しをせずに死なせてやる事。
例えそれが、唯の人間だと理解できている相手でも構わないのだ。
最低でも、それはその日、間違えども自分が死ぬ可能性がひとつ減る事に繋がるのだから]
― 回想 昨夜教会 ―
[女教皇、正義、節制。開かれたタロットの十字には、概ね悪くないカード。
幻惑や迷いを示す、月が共に開かれた事は気掛かりだが、後に回想すれば、それは彼女の過去を暗示する物なのだろう]
……まあ、予想は出来てたが。
フリーデルは『人間』か。
[元々、到着と同時に、適当な村人を占う予定でいたのだが。
思わぬ再会、想像もせずにいた人物。
何故なのか、自分は何を思いなのかも解らないが、然し昨夜は確かに彼女を視たのだ。
――夜毎に、特定の人物の魂を、占じ視る事の出来る、『占い師』の能力者。
これが備えられている事が発覚したが故に、自分は異端審問官の道を開く事にしたのだ]
[此処で、自分が一言名乗り上げる。それで済む。
自分は、特別な力を持つ異端審問官である。彼女は人間だ。
主張する事で、今日彼女が殺される事は無くなるのだろう。
だが、その後、ならば今日、誰を殺せば良いのだと云う疑問が起こり、今度は、完全な余所者である自分こそがそもそも疑われる可能性の方が高い。
何より、夜になれば最期、朝日はまず迎えられないだろう]
……ええ。確認しましたよ。
確かに、貴女は正気な様ですね。
[笑みで表情を歪め、離れたフリーデルに、頷いて応えた]
[そうだ。お前はまだ正気だろう。
少なくとも、人間と知って見殺そうとする様な。
血も涙も無い悪魔と比べたら、よっぽど]
[...これが最も最善の方法なのだ。
今夜、自分が人狼に殺されさえしなければ、生き残る道は拓ける。
疑わしい者は既にひとり存在している。
後必要な物はそれを突きつけるに足りる証拠だけ。
フリーデルの犠牲は、最終的には人狼を殺す為の礎になるだろう]
/*
フリーデルを殺したく無いよー。
ジムゾンが庇って飛び込んで来てくれるんじゃないかと一瞬思ったのであった。
しかし時間もないし無理そう
あると思うよ……
昔、私一度そんな風に見透かされたことがある。
本当は、殺しておくのがいいのだろうけど……
ん…わかった。信じてるよ。
あの悪魔祓いなんかに負けないって。
リナを送ってくるね。
押し付けなのだろうけど、楽にしてあげたい。
見に来てくれてもいいけど、手は出しちゃダメだよ。
あの子に恨まれるのは、私だけでいい。
フリーデルさん…
貴女は…貴女という人は…
聖女のふりをして僕らを騙して…
本当の姿は聖職者とはほど遠い…
嘘、なんだ。嘘ばかりだ…!
さっき涙を拭いてくれたのも、あれも、全部!
人狼、なんでしょう?
ゲルトを殺して、知らん振りの仮面を被って…
…そうだ。そうに違いないよ。
僕は騙されない。そんな演技なんかに。
もう騙されないよ。裏切られるのは十分だ…
[アルビンの言葉で衝撃を受けて、思考は停滞してしまう。
フリーデルの言葉に込められた意味や気持ちを汲み取ることは、もうできなかっただろう。
頭を振って、彼女の存在を拒絶する。
フリーデル、貴女がゲルトを、ゲルトを──]
パン屋 オットーは、シスター フリーデル を投票先に選びました。
そこまでして僕を要視して頂いて恐悦な限りです。
然しシスター・プジー。
僕達は、昨日お会いしたばかりの身。
今、アルビンさんが仰られた様。
貴女が嘗て、都で人狼の疑いを掛けられたと云う事実が存在したのでしたら。
この場の皆が、貴女を疑わずには。ええ、要られないでしょう。
喩えそれが、清廉な身に穢された、心無い過ちであり。
潔白を証明し、貴女の事を助ける様な、心優しき人間も存在しない。
救う様な神も存在しない。
悲しき被害者であるのだとしても。
申し訳ありません。
貴女を助けて差し上げる事は、難しい様です。
ふふ、有難う神父様。
[>>152、自分を正気だと言ったジムゾンに、どんな客にも見せた事のない素の笑顔を向ける。
都にいた頃はよく、ジムゾンにだけはそう笑いかけたものだ。
少しばかり、夢を見た事がある。
普通に暮らせていたら、自分はこういう風に笑って生活していたのかなんて]
[助けられる立場にいながら。
彼女を助けようとも思わない人間が眼の前にいるのだという事を知れば。
彼女はどんな表情を自分に対して浮かべるだろう?
後は任せろ。
俺のやるべき事は、必ずやる様に努める。
とでも、死に行く彼女に意味も薄い慰めを無言で籠めながら。
本当にすべきかも知れない事をせずにいる自分に対して]
[それからアルビンの言葉も有り、一度ゆるくなったオットーの視線がまた不信へと色を変えるのも理解する。
娼婦だと告げられれば、まだ幾分純粋な目で自分を見ていた少女達の視線も変わるだろうか。
交わる事のない筈だった普通の女の子達は、見ていて眩しかった。そうして、眺めるのが好きだった。
そんな事を思い出しながら、女は言葉を落とす]
教会の裏手に、井戸があるんです。今はもう使われていない、古い井戸が。
何で使われてないか判ります? 枯れちゃったんですよね。
深く掘ったそこなら……。
[誰も死体なんて発見しなくて済むでしょう。
と暗に告げ、そうして女はパメラの家を出た]
[フリーデルへの残酷な言葉は続く。]
あたしが本当に人狼かもしれない?
人間ならそんな事は言わないだろう。
たまたま、そういう生き方か。
アンタが人狼ならそういう生き方を選ばなければいけなかったんだろうな。
けど、ゲルトを、幼馴染みを、殺した奴を許す事は出来ない。
死にたいと言うなら、好きに――、
[神父とは言っていた、
人狼とは、例え血を分けた親兄弟、恋人も友も喰らう悪魔なのだと。
ならば自分はその悪魔に魂を売った人間だ。]
─→教会裏手の古井戸─
[自殺した死体は二度見た事がある。
一人は母。首を括っていた。それは死を理解しきれない少女には、怖いとも何とも映らなかった。
ただ、優しく笑う顔が……そこになかった事だけ脳裏にずっと刻まれている。
二度目は馴染みにしていた酒場の店員。
そこそこ見目が良くて、娼婦なんて入れあげているのが可哀想で、彼の為にその想いを丁重にお断りした。
確か、自分がプレゼントしてやった護身用のナイフで手首を]
死体は、見ていいもんじゃないからね。
[枯れ果てた井戸の底は暗い。
誰の目にも触れさせないには、ぴったりな場所。そこに微笑んで、女は暗い井戸の中に飛び込んだ。
女は知らない。
人狼として追い立てられるきっかけを作った、とある貴族夫人の死体。
それもまた、自殺であったという事に]
せめて、あの人が無事にこの騒動を終わらせてくれる様に。
[聞き入れては貰えないだろう祈りを口にして。
女は深い枯れ井戸の中に身を投げ込んだ*]
後悔の無い選択、ですか。
そんな青臭い物が。本当に存在するのでしょうかね……。
[パメラや、アルビンの口にしたその言葉を嗤う様独り否定したのは。
本当にそんな物を青臭いと見下しているからなのか。
それとも]
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