情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
次の日の朝、語り手 が無残な姿で発見された。
夜が明け、悪夢は現実のものとなった。
人狼は確かに存在するのだ。そしてその血腥い牙で我々を狙っている…。
人々は苦悩の末、最終手段を取る事にした。
投票により、1日に1人ずつ疑わしい者を処刑する。
例え無辜の犠牲者を出すことになろうとも…。
現在の生存者は、天雷の騎竜師 ノトカー、碧華の精霊師 キアラ、技巧者 コリドラス、羅針の精霊師 ミヒャエル、暁の弓焔姫 アデル、裂閃の双剣士 ダーフィト、影斬の剣士 フィオンの7名。
村の更新日が延長されました。
/*
時間軸がな…!
齟齬りたくないから強引に動いたすまん。
あと外にいないと声聞こえないのでは疑惑ががが。
事故らない方を選びました(
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
んーん、そんな事なかったよー?
ダフィさん、すっごくカッコよかったもん。
[最後はアレだったけど十分だった、と笑って言って]
大陸の煙草かぁ……効いてよかったけど、でも、それはそれで楽しみなくなっちゃったねー。
[なんて、気楽な調子で話せていたのは水霊の声が響くまで]
えーと……つまり、その『澱み』とかのせいで、妖が普通じゃなくなってる、って事?
だから、ほんとならいないような所に出てきたり、問答無用で吹っ掛けてきたりしてる……ってわけ?
[ノトカーの問いに答える水霊の言葉>>1:316を自分なりにかみ砕き、確かめるように問う。
返されたのは頷きによる肯定]
『はい。数か月前から侵蝕してきた『澱み』……コレのおかげでわたくしの領域は現在しっちゃかめっちゃかですの。
本来ならこの海域、そんなに危険はないのですよ……いえ、あなた方には周知でしょうけれど』
[返しつつ、水霊の視線は進み出たダーフィト>>1:317の方へ]
でも、その『澱み』って一体……。
[なんなの? と問おうとして。
何か思う所ありさげなノトカーの様子に、ひとつ瞬いた。*]
了解しました、伝えておきます。
[頼まれた言伝>>1:321には承諾を返し]
そちらにも聞こえたんですね。
はい、この海域を領域としてる精霊さんだそうです。
とりあえず……ここに来てからのあれこれは、海域に流れ込んできた『澱み』が原因なんだそうですけど……。
[『澱み』に関しては何かノトカーに思う所がありそうだから、そこで一度、言葉を切った。*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[つい成り行きに耳を傾けそうになるが、まずは航海士としての本分に集中せねばと、甲板の修復やらに手を貸した。
幸い損傷は軽微であり、普段の大波や海生生物との戦闘を乗り越えた後と同様の対処で済みそうだ。
そんな中で、護衛と共に甲板へ出て来る姫の姿を目にした>>1:319]
姫様、ご無事で何よりです。
[水霊のことも含め情報が動いている気配があったので、まずは短い挨拶のみを向けた*]
― 水軍旗艦『八幡』・統制室 ―
張り合おうとは...いえ、手の届かぬ事に焦れるのは、未熟の証拠ですね。
[ アデルの指摘に>>1:318反駁しかけて、言われて響くならば、それも己の内心だろうと、苦笑する。 ]
は...。
[ そして、状況を見たいという言葉には>>1:319抗う事なく頷き、後に続く。 ]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[ そこで聞こえた声を耳にすると、男は瞬時に、アデルの前に位置を変えて、刀の柄に手をかける。
すぐに抜刀しなかったのは、声だけで近くに気配がなかった事と、声の主に悪意を感じなかった為だ。* ]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[正直な所、あんまり考えたくない可能性だった。
そも、なんでこんな所にそんなもんが出てるんだ、っていうのが先に立つ]
その、『澱み』っていうのは。
……『虚無』に属する類のものだったりするのか?
[周囲からすれば相当に唐突な問いかけ。
現在風龍峡に出向している相方から届いている情報を基にした問いかけに水霊はあらまあ、と呑気な声を上げ]
『よくお分かりになりましたねぇ。
ええ、恐らくはその類ですわ。なぜ流れ込んできたのか、というのはわかりませんけれど。
とにかく、『虚無』の『澱み』がこの海域に流れ込み、一か所に集まりつつありますの。
……このまま放っておいたら、蓬莱海全域……ひいては、水の繋がりを介して他の地域をも汚染していくのは間違いありません。
……ですから……。
[ここで水霊は一度言葉を切り。
もの言いたげな視線を周囲に巡らせた]
……あー……いや、うん。
それ以上はいわなくていい。
諸々の原因が『虚無』の『澱み』だというんなら、放置しておくわけにはいかない。
[きっぱりと言い切った後、視線を向けるのは司令官の方]
仔細はまだ公にできませんが……今回の異変、風龍峡の異変と繋がっている可能性があります。
この精霊の言う『澱み』を放置する事は、世界規模の危機を放置する事と同義。
ですので……。
[この場の戦力での対応を検討してほしい、と。
願うより先に、了解した、との言があっさり返された]
え?
えーっと……。
[あっさりすぎる返答にぽかん、としていたら、世界規模の危機なら動かんわけにはいかんだろ、とあっさり言われた。
水霊に向けても、心配無用と言い切る様子に、割り切りはやっ……とか思いつつ、それでも]
あ……ありがとうございます。
『話が早くてたすかりますわぁ』
[ぽかんとしつつも礼を告げる。
それに返されたのは不敵な笑みと]
……って!
[不意打ちの拳骨一発。
これでさっきのは一先ずチャラだ、と言われ。
自身が願った『罰則』なのだと気づくまで少し間が空いた。*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[水霊とのやり取りを任された>>4事もあり、目の前のやり取りに集中する。
風龍峡の異変と繋がっている、という話にはなにそれ、と思いつつ]
迷いがないのがヴィルベルヴィント流……とは聞くけど。
ほんっと、現場判断で動くよねぇ……。
[感心と呆れを半々に混ぜた呟きを落とした後、再び風に意識を向け、水霊とノトカーとのやり取り、その果ての決定をアデルに伝える]
正式な申し入れはこっちの上から行くと思いますけれど。
とりあえず、まずはゆっくり休んだ方が良さそうです。
[『虚無』が神代の物語に謳われるそれなら相当に手ごわい相手のはずだから。
まずは状態を万全にしないと、という思いからそんな言葉を投げかけた。*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
それを聞いて安心しました。
この海域での怪異との遭遇など、予期せぬことが続きましたが、対処としては想定通りに行えていたかと。
[姫の念>>6は表情や声音から十分に伝わった。
周囲からは安堵や、密やかな喜びの声が漏れる。
無論、喜んでばかりもいられない状況というのは理解しているから、浮かれ切ることは出来ないのだが]
とはいえ我々が冷静に対処出来たのも、ユウレン軍が大物の討伐に当たってくれたお蔭でもあります。
水軍の先達として、より力を示せれば良かったのですが。
[その辺りの悔いはどうしても残るもので、ユウレン側への感謝に付け加えるように、つい零してしまうのだった**]
羅針の精霊師 ミヒャエルは、天雷の騎竜師 ノトカー を投票先に選びました。
修繕と休息の時を経て、船は水霊を案内人として動き出す。
領域の主たる水霊の力か霧は薄れ、波も穏やかに。
このまま、問題なく目的地へとたどり着くか、との思惑は――ごくあっさりと破られた。
不意に波立つ海面と、そこから躍り出てきた鈍色の海蛇の群れによって。**
☆2d前半・水霊の領域
フィールド
各艦の船上及び洋上。
遠距離手段や飛行手段を持たない場合も、海蛇が船体に取り付いて攻撃してくるため迎撃という形で殴る事が可能。
登場敵
鈍色の海蛇。全長は平均3メートルほど。
基本は物理の力押しだが、船体そのものにダメージを与えようとする個体も。
ボスキャラ
他の個体よりも巨大な海蛇。巨体を生かして波を起こしたり、海中に潜ってからの奇襲をしかけたりもする。
判定方法
A:2(6x1) B:1(6x1) C:1(6x1) D:3(6x1) E:2(6x1) F:5(6x1)
上記数字を海蛇の撃破pt、×10した値をHPとする。
各自、手数はfortune5回。1体につき1回fortuneを振り、出目がそれぞれに設定されたHPを上回っていたら、撃破。
1回の攻撃で倒せなかった場合はfortuneを振り足し、合計値がHPを越せば撃破となる。
5回の手数で撃破できたの撃破ポイントを合計し、その点数で順位を決定する。
海蛇は、PC各自に対し6体を個別に設定。誰かがAを倒したら他の人はAを倒せないという事ではないので注意。
※ちょっと特殊な形式のため、味方への強化・回復魔法は『Aを狙う誰かに援護』という形にして個別にダイスを振る形式になります。
※数値が足りなかった場合は、『重ねがけした』とか『発動失敗』とかで振り足してください。
※弱化攻撃は基本ルール同様、『判定後の撃破描写はなし』の形式で。撃破自体は他に丸投げしてもOKです。
【判定リミットは6/8の00時です】
【判定数値は、メモに記載お願いいたします】
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
そか。ありがとな。
[素直な表現>>0に擽ったくなりながら笑い返した]
あー、まあな。まだ一度も手付けてなかったのに。
命あっての物種だからしゃぁないが。
宰相府にまだ在庫はあるかねぇ。
[個人で気楽に手に入れらるものではなかった、とぼやいたり。気楽な会話は水霊の登場で終わり、緊張が戻る]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[キアラからの報告>>12は分からぬ単語もいくつかあったが、ともかく『澱み』というものをどうにかしなければいけないことは理解した]
そこまで大事となるならば、放っておくわけにもいくまい。
海は我が国の営みの大部分を占めるもの。
我々にとっては死活問題だ。
[ユウレン側の独断で引き受けたような形だが、あちらもシンシャが断らないと判じてのことでもあろう。
事実、後に行われた正式な申し入れに対して兄は諾の返事を送っていた]
何が起こるか分からぬからな。
万全にて臨もう。
[休む、という話に同意を向けて。
連絡員を使い兄への報告と休息の周知を行った]
[ 水霊の言葉自体は、こちらにも届いていた。そこに具体的にどう返事がされたのかは、後になって知らされることになったが>>21放置出来る問題では無い事は男にも理解出来る。 ]
わかりました。
[ 先に備えて休息を、という言葉に一旦頷き、船内へと戻った後、男は他の護衛を少し離れた場所に待機させて、アデルの傍に近づき、声を潜める。 ]
姫君...妖への対処は確かにユウレンのお家芸、ですが、水霊の言う『虚無』の『澱み』というのは...
[ シンシャは、光や太陽の気を持つ女王を代々担いでいる。アデルもその例外ではなく...そして、カムナ家は、その王家を支える霊的な位置をも担う家だ。
故に、表には出ない話を次期当主たる男も聞かされている。 ]
恐らく、姫君の持つ「光」と、相反するものではないかと思います。
[ それは、アデルの力が、澱みへの対抗手段になるかもしれない、と言うことでもあったが。逆に忌避され、狙われるかもしれないという危険も孕むという意味だった。 ]
護衛としては、この状況では、姫には奥に籠って安全を第一にして頂かなければなりません。
ですが...私は、貴女の望みを聞きたい。
[ 守られる立場であることを分かっていると言った、アデルに、男は敢えて、その意思を問いかけた。** ]
/*
アデルの位置が重要人物過ぎて、この先、バトルに絡むのがややこしいんでは?というか、このままだとこの子が止める立場になっちゃうかも?という懸念から、ちょっとこう、ぶん投げてみますね。
影斬の剣士 フィオンは、天雷の騎竜師 ノトカー を投票先に選びました。
技巧者 コリドラスは、天雷の騎竜師 ノトカー を投票先に選びました。
裂閃の双剣士 ダーフィトは、天雷の騎竜師 ノトカー を投票先に選びました。
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
ノトカー殿。後回しになりましたが、先程はどうも。
船の動きに慣れてないのに無茶振りかと思ったんですが、流石でした。あそこまで手早く整えて貰えるとは。
[雷竜にも体を向け、軽く敬礼を送る]
次もよろしく頼みます。
[客人に向けるには随分と砕けてきた調子で手を振って。
上司から怪我確認だと何度も背中を叩かれ眉を下げながら、休憩のために下がっていった*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
さてこのまま穏当に。
とはいかないんだよな、当然。
[異変発生>>#0の報告に、コキコキと首を鳴らしながら甲板へ出る]
また随分な団体さんで。
絡まれる前に落としてくぞ!
[武器を構えた船員達に声をかけながら、鎌首もたげる鈍色の頭に向けて双剣を構えた]
[踏み込んでの一撃はスルリと避けられ、鱗で滑って打撃を与えられなかった。
左手も躱され、逆に腕を牙が掠めて赤が滲んだ]
チッ。
見た目より素早いな。
[それでも首が伸びる範囲はまだ限られる。
数歩下がって間合いを測り直した]
ヤ、ハッ!
[右を振り下ろして傷つけた場所を、左でも狙って斬り上げる。今度こそ首がスパンと断たれて落ちた]
まだまだ。
[構えを直して船縁の上に伸びてきた首を睨みつける**]
ヤ、ハッ!
[右を振り下ろして傷つけた場所を、左でも狙って斬り上げる。今度こそ首がスパンと断たれて落ちた]
まだまだ。
[構えを直して船縁の上に伸びてきた首を睨みつける**]
/*
表情ずれてたorz
ここで涙はないだろ、と残っちゃうけど削除。
昨日は応援&褒めメモもありがとうございました!
シンシャの皆さまとは表でも早く接触したいものですね。
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
それぞれに、強みはあるということですか。
[アデルから苦笑と共に伝えられた言葉>>15に、引け目を感じすぎる必要もないかと思い直す。
そして、何やら先の見通しがついた様子>>16の姫に、発破を掛けるような言葉を向けられて>>17]
まだ、海の平穏は遠いようですね。
[水霊の登場が示唆した、海域の異変。
正確な状況はまだ理解しきれていないが]
――はい、姫様。
その期待には、きっと応えてみせましょう。
[彼女の言葉には応えざるを得ない。
そんな船員らに共通した想いを代表するように伝えた]
[しばらくして司令からの休息の周知が行われ、船員たちは次なる状況へ備えた。
その後は水霊に導かれるまま海域を進んでいく。
自身も航海士として、見張り台から行く先を見据えていたが]
……ただで辿り着かせてはもらえないみたいだ。
[海面の変化>>#0は直ちに報告され、海蛇への対処に動き始める]
力押しか……でも、数が多いな。
[戦闘に手を貸すべく、ミヒャエルも帆柱を駆け下りる。
最後の跳躍の直前、鉤縄を手に取って]
おぉらぁっ!
[落下の勢いを借り、上から叩き付けるように振り下ろす*]
[鉄の鉤は海蛇の脳天を過たず打ち砕いた。
どうも海蛇は船体に取りつこうとしてくるらしく、船縁では兵士たちが叩き落とそうと奮戦していた。
しかし、たまたまそれをすり抜けた個体がこちらへ近付いていたようだ]
厄介だな……穴を開けられるなんてことは、万が一にもないと思うが。
[船そのものを狙う個体がいる辺り、常とは違う手強さを感じる。
警戒が強まる反面、結果としてそれは『八幡』船員たちの怒りに火をつけた]
『"八幡"が狙いたぁいい度胸だ!』
『俺らの船を、やらせはせんぞ!』
[怒声を飛ばしつつ戦う船員たちに、負けじとミヒャエルも加わった]
それ以上、入らせるか!
[船縁の柵を乗り越えんとする海蛇を見咎め、鉤を水平の弧で投げ付ける]
─── だが、
[伏せていた瞳をスッと開き、フィオンを見つめる]
私の身に宿る力が対抗手段となるならば。
この身を害意の前に晒すとしても、解決のために力を揮いたい。
国の危機を前に、自ら先へ立たずして何が女王か。
[見つめる瞳には強い決意が宿っていた]
フィオン、私を護ってくれるな?
[己が前に立つとなれば、護衛であるフィオン達に負担がかかる。
それを理解して尚、共に立ち向かって欲しいと彼に願った*]
/*
確か神降し出来たはずなので、太陽としての力は持っているはず、と設定をちらり。
とは言え神降しする予定はないのだけどね!
使ったらきっと易々と使うな、って兄に怒られる(
神降しせんでも”太陽”の力は使える(はずな)ので、そっちを使う予定。
カナンが使った八雷的なやつ。
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
テツ……機を外すなよ。
『わかっておるわい……!』
[砂鉄の毛を逆立て、力を溜める精霊と共に機会を待つ。
柵を折りつつ乗り込んできた海蛇を、既に周囲の船員たちが迎え撃っている。
攻防の中、威嚇のためか攻撃の構えか、蛇が口を開けた]
そこっ!
[乱戦の只中であるが、磁力に誘導された苦無は、過たず海蛇の口内を撃ち抜いた*]
[海蛇の一匹を浮き上げると、そのまま熱波を当てて干からびさせる。
──実際に干からびるかどうかは別として。]
ううむ、手強いヤツを狙った方がいいのかのぅ。
[うーん、と首を傾げながらも、手を動かしていく]
― 水軍旗艦『八幡』・船室内 ―
[ 投げた問いは、不敬と取られても仕方のないものだった。しかしアデルは、その言葉を受け止め、顔を上げて、きっぱりと己の意思を男に告げる。>>36
男が、そう望み、信じた通りに。 ]
御意。
[ 最後に告げられた言葉を聞けば>>37男は唇に笑みを佩き ]
如何なる場所でも、どのような相手からでも、必ずお護りします。
ですから、どうぞ、お心のままに。
[ 胸に手を当てて、静かに一礼を贈った。
その身だけではなく、心をも守りたいと願う、ただ一人に。* ]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[水霊の案内により移動する間は船室内で過ごす。
船室の窓から見える外は、霧も薄れ、だいぶ見通しも良くなっていた。
波も穏やかで航行も順調のよう。
しばらくの間、平穏な時間が流れていったが、窓から眺めていた海面が不自然に波立った]
……順調に、とはゆかぬようだな。
[腰かけていた椅子から立ち、甲板へと向かう。
行く先は既に慌ただしい。
足早に船内を駆け抜け、扉の外へと躍り出た]
ある意味、水霊の話が嘘ではなかった証拠ですね。
[ 海面の異常に気付いたアデルに>>46並走するようにして甲板へと出た男は、海蛇の姿を視界に捉えるや、常の様に、刀を抜いて前へと走る。 ]
[ 抜き打ちの一閃が、海蛇の首を飛ばしたとほぼ同時に、アデルの放った術の光が身を包む。 ]
皆、姫君の加護に応えよ!
[ 響いた声を、初めて聞く者も多かっただろう。 ]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[霧に包まれていた時と同じ術だが、あの時とは異なり、いつも通りの効果を持つ術を発動出来た。
やはりあの時は霧の影響が強かったらしい]
海蛇まで出てきたか。
何とも厄介なことよ。
[そう呟く間にも、術の護りを受けた船員達が海蛇の一体を仕留めたようだ。
その様子を満足げに見遣りながら、アデルは長弓を握った]
[風で切り裂き、浮かせて凍らせ……、と鼻歌でも歌い出しそうな勢いではある。]
……おん?
あーー、一応、これでも威力は2〜3割ほどじゃと思う。
[ヴィルベルヴィントの船員に、答える。]
まぁ、後であの水霊に封印具なったら、儂の精霊術、どれくらいあるか聞いてみるといいと思うぞぃ?
[伊達に超越者じゃないのです。]
[ たん、と、甲板を蹴って一瞬で距離を詰め、男の揮った刃は、海蛇を、綺麗な輪切りにして波間に沈める。 ]
船そのものを狙うものもいるのか。
[ そちらには、ミヒャエル達が対処して船体を守っている様子だった。>>42 ]
よしよし、燃えた燃えた。
[自分がやった結果に満足するように頷いて。]
……シンシャの船の方にも行こうかのう。
[そんな無茶ぶりを口にして、船員たちから止められた爺であった**]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[拳骨の後に落とされたのは、今はしっかり休息しろ、との言葉。
『失態は働きで返すのがヴィルベルヴィント流だ』とも言われて数度、瞬く]
……了解しました。
…………感謝します。
[ぽつり、と漏らした声に答えはなかったが。
代わりに、他の乗組員たちから『誘導お疲れさん!』とか『ま、初めての海なんてこんなもんだ』とか声がかけられて、また気が和らいだ]
あー……いや。
上手い事行ったようで、何よりだ。
[ダーフィトから向けられる礼>>25は、居住まい正して受け取った。
雷竜もぐぁぅる、と鳴いてそれに応える]
こちらこそ、次もよろしく頼みます。
……後ろが堅ければそれだけ、俺も安心して飛び回れるんで。
[返す言葉は軽口めくが、そこにはあれだけの存在を相手取ったダーフィトへの敬意と信の色が乗っていた。]
[その後は確り休めとのお達しの通り、雷竜の傍らで休息を取る。
通信具越しに聞こえる風龍峡の様子はどうやら佳境であるらしい]
……ま、あっちは大丈夫だろうし。
俺は俺で、気合、入れんとな。
[小さな声で呟いて。
見据える先には、荒れる海面>>#0と、そこから躍り出る鈍色の海蛇の姿があった]
さーてと。
それじゃ行くぜ、オルヒデーエ!
[宣と共に跨れば、応、と言わんばかりに雷竜が吼える。
甲板を飛び立ち、海面すれすれまで高度を下げて]
挨拶代わりだ、一発ぶち込め!
[フィオンの声に対する周囲の反応を耳にしつつ、アデルは海蛇に押されている箇所に目をつける。
船員を振り払い、艦に頭突きをしようと頭を擡げたところに狙いをつけた]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[船室で交わされた会話を船員たちは知らないが]
――姫様!
[海蛇の遭遇と共に、甲板上へ躍り出た影>>46。
彼女が放つ光の術は、艦を包み、船上の兵士に護りの力を与えた]
姫様も、表に立って戦われるのか。
[護られるべき存在が矢面に立つ。
不安にもなり得る自体だが、彼女自らの決断を目にして、船員たちの心は一つだった]
姫にも、この船にも、手は出させない。
我らの奮迅を見せる時だ!
[そして船上の蛇へ向けて、太刀が一閃。
護衛剣士が、その声を朗々と響かせる>>49]
カムナ殿……!
[知らぬ者の声と捉えた者も多かっただろう。
けれど常に姫の傍に立つ護りの者の存在は、皆が知っている。
そのような存在から発された檄が、どのような意味を持つか]
『――応!!』
[一斉に答える声が、船上に轟いた*]
[ 斬られた海蛇の影からすり抜けようとした一匹の頭を、ダン、と上から落ちた刃が串刺しにする。 ]
蛇如きが、ここを抜けられると思うな。
[駆けた紫雷は海蛇を捉えるものの仕留めるには至らず、その注意をこちらへ引き寄せる]
……っと!
[飛び掛かってくる牙の一撃をとっさの上昇で回避した後、手にした剣を握り直し]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[頭を擡げ、振り下ろすまでの一瞬の停止時間。
その僅かな間に放たれた焔矢が海蛇の頭を貫き、焔で包み込んだ。
断末魔を上げ、隙を見せた海蛇に船員達が追撃を行い、海へと沈めていく]
次!
[矢の一条で海蛇を仕留め切るのは難しいが、ここには前に立つ者達がいる。
その援護をするように、アデルは矢を放ち続けた*]
[ 蛇を貫いたまま、大きく刀を上段から振り下ろし、海から上がって来ようとする別の蛇にぶつけて落とす。 ]
さて、これまで通りなら、こいつらを片付ければいいというものでもなさそうだが。
[ 呟く言葉は不穏だが、男の声音はあくまで平静だ。 ]
[振った勢いで弾き飛ばした海蛇は海へと沈んでゆく。
とはいえ、仕留めたからと安心するには向こうの数が多かった]
……ったく!
一体どんだけいやがるんだ、これ!?
[言いつつ、次の海蛇に狙いを定め]
/*
あと2手かー。
現在10、フィオンが12で残り1手。
同じコースを辿ると同点の可能性があるわけだが。
今回は最大13?かな?
残りは1点のやつやろうかなww
フィオンに活躍して欲しい。
邪魔だ。
[ 視界を遮るように、船縁に伸び上がった海蛇の胴を、一刀の元に斬り捨て、男は、じっと、ざわめく海に目を凝らした。** ]
[放たれた雷は今度は一撃で海蛇を仕留める。
沈んでいく様子に、雷竜がぐるぅぁ、と咆哮を上げた]
喜ぶのはまだ早いって、オルヒデーエ!
[ばさり、と羽ばたきの音が大きく響く。
雷竜はとっさの上昇で海蛇の牙を避け、直後に降下してその鋭い爪を振るった]
よっし!
[振るった爪は海蛇を捉え、その身を海へと叩き落す。
再び上がる嬉し気な咆哮。
とはいえ、今度は突っ込みは入れなかった。*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[大口に焔矢を叩き込まれた海蛇は、体内を焼かれ、頭を擡げたままに悶える。
眉間を狙われた海蛇もまた、貫かれた箇所から焔が灯り、内部からの熱に身悶えた。
いずれも近くにいる船員達や護衛によって止めが刺されていく]
水霊の話が嘘でなかった証拠、というのは確かだが……。
少々多すぎやしないか?
[先にフィオンが零した言葉>>48を再認識しつつも、群れと言えるほどの数に遭遇するのは珍しいと言えるのではないだろうか。
その異常事態こそが証左であるというのは、その通りなのだが。
矢を放った2体が海へと沈むのを確認し、一呼吸置くように短く息を吐く*]
/*
うん?思ったよりばらけた?
てか、毎度、この形式だけ出目が走るよね、何故だ?
あと、このこ失敗しない...(ので、怪我ができない!)←不満らしい。
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[状況報告は、伝わりにくい部分もあったようだが理解を得られた。>>20
こういう所がカッコいいんだよねぇ、なんてほわほわしたのは短い時間]
はい、何が起きても不思議はないですから。
[それでも、声音は頑張って真面目なものを維持しつつ、通信を追える。
とはいえ、周りにはほわん、と緩んだ表情と]
……あー……やっぱり素敵だよねぇ、アデル様。
[思わず落ちた呟きは確り聞かれていたろうが]
[そんな緩みは短い時間。
周囲にもの言いたげな視線を向けられたり突っ込まれたりしたら、「いーじゃないのよ、アデル様素敵なんだからー!」と逆ギレしたりしつつ。
コリドラスとダーフィトにはアデルからの感謝の言伝を忘れずに伝えておいて。
一度船室に戻ってちゃんと身体を拭いたりなんだりの休息を経て、再び甲板へと戻り]
……んー……海がなんか、変な感じ?
[先に進むにつれてざわめくような感覚を水から感じてぽつり、と呟く。
水先案内に舳先に座っていた水霊が、あら、と言ってこちらを見た]
『……わかりますの?』
んー……何となくだけど。
良くないものがいるような……。
[気がする、と言い切るよりもやや早く、前方の海面がざわめいた。>>#0]
って……ちょ、なに、あれ!?
『『澱み』が集まって形を成した海蛇ですわぁ』
ですわぁ、ってそんな呑気に!
てゆーか、数多すぎるでしょ!
水之力量,集結我的意志。
以淨化的力量展開的尖尖花瓣的青花。
讓它打開並隨心所欲地跳舞!
[とっさに紡いだのは、先にも使った浄化の力を帯びた水の花の術。
碧く煌く花弁が海蛇を切り裂き、浄化の力が効いているのか、その身はほろほろと崩れていくが]
……って、しぶっといのがいるなぁ!
[一撃受けてもなお崩れぬ様子に、こんにゃろ、と思いつつ鈴を一度、振って]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[姫の正確な射撃は、致命とはならずとも、船上へ乗り込もうとする海蛇の動きを止めるには十分であった>>64。
そうなれば水軍の兵士たちが即座に取り囲み、集団で攻撃を加える。
状況さえ呑み込めれば、海戦慣れした者たちの対応は早かった]
[また、万一すり抜ける影があろうとも、護衛剣士が確実な腕で落としていく]
『これが我らの姫様のお力か……』
『あの剣士殿もすごいものだ』
『俺たちも、負けていられないぞ!』
[個としての力は及ばなくとも、一丸となることで本来以上の力を発揮するべく、船員たちは動き回っていた*]
[再度、放つのは水の刃を手繰る術。
こちらにも浄化の力を帯びさせたからか、近くにいた海蛇も巻き込まれるようにその身を崩していく]
……あー……やっぱり、浄めの力に弱いんだね。
てことは、光とかも相当効く……か。
んー、むしろ、純粋な力そのもの……。
[ぶつぶつと呟き、思考にふける様子を、水霊が物凄く楽し気に見ていた事には当人、全く気付いていなかった。*]
/*
ミヒャエルくんが、とてもマメに拾ってくれている。ありがとうございます。
そしてダーフィトさんも間に挟まってた!
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
上がらせるかよ。
[前ので少しコツが掴めたか、勢いつけて振り抜いた右手の剣は海蛇の腹を大きく切り裂いて海に戻らせ。時間差で飛び込んでこようとしていたものはその勢いを利用して断たせてもらった。
風が氷が炎が、船に近づく前から海蛇を怯ませ。碧い花弁は増える数を抑え込んで。なおも押しかけてこようとするものは紫雷と閃く刃が黙らせる。
その残りは船上のもので十分に対処してゆくことが出来た]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
『あら、あらら』
[次々と撃退されていく鈍色の海蛇たちの様子に、水霊が驚いたような声を上げる]
『これは、ちょっと、大変な事になったかしら……?』
……んん?
大変って、何が?
[唐突な言葉に思考を中断し、水霊の方を見る。
水霊は少し、困ったように首を傾いだ]
『ええと、それがですねぇ』
うん。
『あなた方の力を警戒して、大物が引き寄せられてきたようですわぁ』
……はい?
[今何か、とんでもない事をさらっと言われたような気がする]
大物が、って、それ、もしかして……。
[この海蛇の大きいの? と。
問うより先に、答えは出ていた。
突然、キシャエェェェェェ!!! という甲高い咆哮が響き、ひと際大きく波が揺れる。
他の海蛇たちが道を開けるように散って行き、それが――大物と称された巨大な海蛇が姿を現した。]
碧華の精霊師 キアラは、天雷の騎竜師 ノトカー を投票先に選びました。
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
騎竜は自由に舞ってこそ真価を発揮するものだしな。
[嬉し気な咆哮>>69が聞こえて唇の端が上がる。
「任せてくれ」と返した通り>>55、後ろの心配をさせるようなことにならないよう船上で戦う]
清めの力となると、あちらがまた心強いな。
[キアラの呟き>>77を拾って、八幡の方に視線を向けていられたのは短い時間]
デカイのがこうよくも次々と!
[それまでのものとは比較にならない大きさの大海蛇登場>>79に、顔を引き攣らせた**]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[海蛇らと格闘を続ける最中、突如響いた咆哮>>79。
大きな波が届いて、船上には警戒の声が飛ぶ]
あれは――!?
[海蛇たちが道を開ける先、巨大な海蛇が鎌首をもたげていた]
あいつが親玉か?
『大砲を使って黙らせますかい?』
『いや、それだけで倒せるものなのか……?』
[先の大物は機転が必要だったが、此度の相手はどうなのか。
その辺りは読めないながらも、まずは彼の者の分厚い鱗を少しでも剥がそうと、遠距離からの攻撃を浴びせ始めるのだった**]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[大物の登場にぽかん、としていたのは短い時間]
アデル様! そちらからも確認できてると思いますけど、海蛇の大物が出てきました!
この蛇、浄化の力に弱いみたいだから、そこを突けば崩せるはずです!
[先に自身が感じた事を伝え、それから、鈴を握りなおして力を集中する]
ちょっとややこしい術式になるけど……。
[小さな呟きに応じるように、鈴がりりん、と音を立てた。*]
― ヴィルベルヴィント近辺 ―
っと、なんだぁっ!?
[海面付近で飛び上がる海蛇を迎撃していたから、その影にはいち早く気づけた。
波の奥に揺らめく、明らかに巨大な影。
とっさに急上昇をかけた直後に咆哮が響き、それが姿を見せる]
……烏賊といい海坊主といいこいつといい……デカきゃいいってもんじゃないだろうがっ!
[ついずれた突っ込みを入れると、そんな場合か、と言わんばかりに雷竜が唸る。
それにわかってるよ! と応じて]
オルヒデーエ、一撃離脱で行くぞ!
[選ぶのは遠距離攻撃の合間を縫っての一撃離脱。
剣と紫雷を交えた攻撃で、鱗を削り落とそうと試みる。**]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
水之力,風之力,集結並遵從我的意志。
[紡がれる術に応じて、灯るのは碧と緑の光。
水と風の精霊力だ]
淨化之力,住於自身。
編一條鍊子抓住他!
[灯った光は揺らめいた後、海へと飛び込んでゆき。
次の瞬間、海蛇の身体に絡みつくように、二色を絡み合わせた光の鎖が海から伸びた]
……完全に動きとめるのは、無理だけど。
[光の鎖は、浄めの力を宿したと風の複合術。
動きを鈍らせ、触れた所からじわじわと浄めの力を与えるもの。
浄化の力に弱いのであれば、それなりのダメージを与えられるはず。**]
しかし、ここで引く手もない。
我々はこの先へ進まねばならぬのだからな!
[長弓を持つ人差し指に宿すのは光の灯。
そこから伸びるように光と共に弦を引き絞れば、太い一本の光矢となった]
天の光 血の焔
天血織り成すは邪祓いし破魔焔
[呪を紡ぐにつれ、長弓に番えていた光矢が揺らめき、光はそのままに焔の形へと様相を変えていく。
強い浄化の力を込めた術。
あの巨大な体躯にどこまで通用するかは分からないが、崩す起点となれば僥倖だ]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
やはり、出たか。
[ 睨むように見据えた海が泡立ち、甲高い咆哮と共に、一際巨大な大海蛇が、波間に鎌首をもたげる。>>79
忽ち、シンシャ、ユウレン両水軍の攻撃が巨体に集中するが、うねうねと蛇身をうねらせ、大きな攻撃は海に沈んで躱すため、砲撃や精霊術もなかなか決め手とならない様子だ。 ]
効いているのは姫の光矢とユウレンの術師殿の術か?
[ 大海蛇の起こした波に『八幡』の船体が大きく揺れる。 ]
姫...!
[ ハッとして、両手を弓矢に塞がれているアデルの元へと駆け戻ろうとした男は、刹那、背筋に走った悪寒に振り返った。 ]
...成る程...
[ 鎌首をもたげた蛇の眼が、刺す様に睨め付けるのは、アデルの姿。
恐らくは、その術と纏う気配が気に障るのだろう。
ユウレン水軍の精霊師にも同じ殺気が向けられていたかもしれないが、男にとっては、アデルに向けられたそれだけで、十分だった。 ]
姫君。
[ 船の揺れからは、傍に控えていた護衛が庇ったようで、転ばずにいたアデルに向かって、男は一礼する。 ]
暫し、御前を離れます。
[ 男が、そう宣して離れるのは、必ず、護るだけでは防げぬ厄介な敵を屠りに向かう時、と、アデルは知っていただろう。 ]
[ そして、男が向かったのは、奮闘するミヒャエルの元>>82。 ]
キタミ殿、頼みがある。
[ 気配を消したまま、後ろからふいに話しかけた男に、周囲の乗員が数人、びくんと飛び上がったが、男は構わず言葉を繋ぐ。 ]
あの無礼な蛇の眼を潰しに行きたいんだが、私を奴の傍まで飛ばして貰えないか?
[ すらりと抜いた刀を肩に担ぎ、視線で示すのは大海蛇と、マストから下がる緊急昇降用のロープ。 ]
ロープの揺れだけでは、届かないかもしれないが、この刀も鉄だ。貴殿の術があれば、少なくとも近くまでは届くのではないかと思うんだが。
[ 要は、大海蛇の元まで、砲弾同様に加速をつけて飛ばしてくれ、という...少々非常識な要請だった。** ]
/*
ノトカーさんに運んで貰うのが順当なんだろうけど、ここは、シンシャが初めて貰った見せ場として、ミヒャエルくんにも活躍してもらいたいのだ!
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ― ―
うまくはなさそうですがね。
[コリドラス>>96のブラックジョークに反応しつつ、砲撃の指示を伝える]
やっぱ効果薄いな。
キアラ達の術は効いてるようだが。
一番の切り口になっているのはシンシャの光矢か。
[砲撃の効果はイマイチ>>92で、指示により直接打撃を狙うより動きの制限を目的としたものへと変わってゆく。
大きく揺れる船上で、精霊師達を不測の事態から守るために身構えながら戦況を睨んでいた**]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
やはり、砲撃はほとんど通らない、か。
[遠方から試みた攻撃は、あまり有効とは言えないようだった。
ノトカーと雷竜も一撃離脱で攻撃に加わっているのが見える>>85。
そこに、ユウレン側の精霊師の術だろうか、絡みつくような光の鎖が現れた>>86。
海蛇が動きを鈍らせたところに、アデルの焔纏う一矢が放たれる>>91]
姫様……!
[姫の意志>>88そのものを示すかのような一撃に、船上は沸き立った。
しかしまだ、討伐には至らない。
姫の意志に応えるため、船員たちは効かずとも必死の攻撃を続けるのだが]
――カムナ殿?
[姫の傍にいたはずがいつの間に、とは思ったし、あからさまに驚いている船員もいたが、自身はいくらか平静に振り向いた。
彼の声音>>95に、奥底の決意のようなものを感じ取ったからだ]
飛ばす……?
[続く言葉には、やや怪訝な顔をすることになったが]
――成程。
[しかし飲み込みが早かったのは、その手段を考えたことがあったからだ]
言っておきますが、安全は保障できませんよ。
自分以外の人間に、そういった術を試したことはありませんから。
[念押しのように言葉を並べた後、フィオンの顔を正面から見据え]
でも――
カムナ殿なら、見事やり遂げてくれると信じています。
だから安全と正確性の確保のために、俺も全力を尽くしましょう。
[彼への信頼と共に、返すのは承諾の意。
そして自分自身も力を尽くす決意を、改めて示すのだった*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[風の通信への応え>>89が返った後、放たれたのは光の矢。
複数に分かれた矢が突き立った場所から吹き上げる白炎からは、浄化の力がはっきりと感じられた]
……綺麗だなぁ……。
[なんて、ぽわんとしてしまった事で生じる僅かな隙。
それを補うように、水と大地の力が展開し、鎖を補強してくれる。>>96]
っと、これ、コリドラスさん?
ありがとーございますっ!
[短く礼を告げた後、改めて力を籠めなおす]
[海蛇に向けられる砲撃は動きを制限するものへと変化している。>>97
ならば、とこちらも締め上げる事に重点的に力を注いだ]
もー、おとなしくしなさいよ、ねっ!
[力を込めたためか海蛇の敵意がこちらに向けられるが。
だから何よ、と言わんばかりに真っ向睨み返して力を紡ぐ事に集中した。*]
/*
ところで、自分が飛んでいく、というのに某コセ〇ドンが浮かんでしまったのは已む無しだと思うんだが、どうか。
[※世代によってはわからんてそれ]
― 巨大海蛇近辺 ―
[紫雷と剣による一撃離脱を繰り返す間にも、海蛇には様々な攻撃が仕掛けられる。
が海中に没する、という回避を駆使する相手には砲撃は今一つ効果が薄いよう。
それでも、精霊術による攻撃は効果があるようで]
精霊術はさすがに効いてる、か。
……あー、くそ、アルとモーントがいりゃあなあ。
[つい口をつくのは無いものねだり。
光の術を得意とする相方がいれば効率よく戦えるのに、なんて思考は、弱気の表れと切り捨てて]
上手い事、急所でも突ければいいんだろうが……っと!
[じゃあそれはどこか、と。
そんな思案を遮るように海蛇が海中から尾を跳ね上げてきたため、雷竜を急上昇させて一撃を避けた。*]
/*
駆け足したら描写力ががが。
書き忘れてたけど、投票デフォがノトカーでしたのことよw
変更必要なしでした、楽チンw
[ 男の少々どころではない無茶振りに対してミヒャエルの飲み込みは早かった。>>100 ]
承諾感謝する。
ああ…
[ 確たる信と全力を尽くすという言葉に込められた決意の色に>>101男は笑みを浮かべる。 ]
俺の命の行き先、キタミ殿の水先案内に任せよう。よろしく頼む。
[ ミヒャエルの承諾を得ると、男は憲章から飾り緒を引き抜く。護衛の剣士が携行するそれは、単なる装飾ではなく、不審者や襲撃者を捕縛するための道具として、それなりの強度を持っていた。
抜き身の刀を、その紐で右手に堅く縛り付け、片手一本で、帆柱から下がるロープに飛びつく。 ]
キタミ殿、頼む!
[ 飛びついた勢いからの反動に、帆柱を蹴って振り幅を加え、最大の振りに達したと感じた所で、男はミヒャエルに声を掛け、ロープから手を離した。 ]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[何か考えがあるのか、フィオンはミヒャエルの下へと向かったよう。
そちらを気にしながらも、アデルは巨大海蛇の前から動かなかった]
そら、貴様の狙いは私なのだろう?
[キリキリと長弓の弦を引き、白炎の破魔矢を一条、巨大海蛇へと差し向ける。
巨体を揺らす巨大海蛇だが、その動きはキアラ達の術により鈍い。
破魔矢は再び巨体へと食い込み、白炎を上げた]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
水先案内を頼まれては、手抜かりするわけにはいきませんね。
[一族の矜持をくすぐる言葉>>108に、自ずと胸中は奮い立つ]
眼を斬るというのなら……後頭部辺りを着地点にしましょう。
奴とて口の真後ろには噛みつけないだろうし、潜水の動きが鈍っている今なら十分狙えるはずだ。
[突然暴れ出すなどの不安材料はあるが、その辺りは好機とフィオンの身体能力を信じるしかない]
あとは……向こうに意識が逸らされているならなおいいが。
[向こうからは光の鎖を補強する術>>96や、動きを制限するかのような砲撃>>97が加えられていた。
少し力を借りて連携することは可能だろう]
[ ぐん、と、右腕が強く引っ張られるような感覚は、刀に作用するミヒャエルの術の為す技だろう。
同時に放たれた艦砲は、大海蛇の気を逸らす役を担っていた。 ]
蛇は、目よりも、空気の揺れで獲物を見定める、だったか。
[ 狙い違わず、男の体は大海蛇の頭上に運ばれた。 ]
見事だ、キタミ殿。
[ ふっと息を吐いた男の気配が搔き消え、少しの衝撃も無く、蛇の後頭部に、ふわりと降り立つ。 ]
合図を出したら、こちらからの攻撃を一度停止します。
海蛇が混乱するか『ヴィルベルヴィント』を向いたら、そこを狙いましょう。
[船員たちへ作戦の周知を頼み、自身は帆柱の傍らに立って備える]
『……わかっておるな。
力を放つのはワシだが、角度や強さ、時機――それらは全て、オヌシの意識にかかっておる』
――ああ。
[毛を逆立てる肩上の精霊と共に、フィオンの刀へ意識を集中する。
狙うは大海蛇の後頭部。軌道はやや弓なり]
行きます!!
[そしてフィオンの合図>>110と同時に、計算した角度と強さで、彼を後押しした*]
[ 音も無く、一歩、二歩...刃が目前に煌めくまで、大蛇は襲撃者の存在に気付かなかったろう。
そうして、気付いたが、最後。 ]
太陽を睨む者は、眼を潰すのが道理だ。覚えておけ。
[ 素早く左右の眼を刺し貫いて、言い捨てると、暴れる大海蛇の頭から、男は海へと飛び込んだ。
視界を失い、海へ潜ることも出来なくなった大蛇が、集中する砲火と精霊術に晒され、のたうちながら海に沈んでいったのは、男が『八幡』に泳ぎ着いた頃だった。** ]
― 海蛇近辺 ―
[『八幡』から再び、光の矢が届く。>>111
吹きあがる白炎は確実に、海蛇の力を削り落としているようだった]
あれでもまだ動くって、こいつ、体力底なしか……!
[吐き捨てた直後に、雷竜が紫雷を放つ。
直後に旋回して距離を取り――それに気づいた]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[術の後押しは風の圧に相殺され、やがてフィオンは蛇の頭上にふわりと降り立った>>114。
間近で見ていたなら音もなく、と形容するところだろう。
そして彼の真価たる無音の剣戟が閃く>>116]
――護りでなくとも、これほどお強いのか、カムナ殿は。
[否、護りではあったのか。
姫を睨めつけていたあの瞳は、これで潰された。
暴れる体力は残っていても、狙いを定めることはもう出来ないだろう]
……は?
なんだ?
[『八幡』の方から何か飛んでくる。
砲弾……では、ない。
じゃあなんだ、との疑問は、それが海蛇の頭上にたどり着いた時に解消された]
……ひと?
[なんで、という素朴な疑問は一瞬]
……オルヒデーエ!
[とっさの判断で海蛇の正面、下方に急降下し、気を引くように紫雷を叩き込む。
そこまでせずとも覚られぬだけの力がある……とは知らぬ身、ただ、何事かなさんとする彼の一助となれ、との思いから。
そうして、煌く刃が海蛇の眼を刺し貫く>>116のを見届けて]
……今が好機だ、全力ぶち込め!
[剣士が海へと飛び込む姿を見て取るや、両軍に届けと大声を張り上げる。
視界を失ったならば、動きも大幅に制限されるはず。
応ずるように雷竜が吼え、紫雷が叩き込まれた。*]
そういえば、戻りは――……心配無用だったか。
[役目を果たしたフィオンは即座に海へ跳び込み、泳いでこちらへ戻る心算のようだ。
海の男としての感心を覚えつつ、フィオンが海蛇との距離を十分に離したところで、こちらからの砲撃も再開した。
護衛剣士の勇姿を目の当たりにしたことと、姫を狙った不躾者への怒りから、水軍の士気は高い*]
/*
いや、今見返して、びっくりしたんだけど>>113見る前に>>114書いてるんですよ。
着地点後頭部って、良く揃ったよね?
どっかに赤ログとか緑ログとか生えてないかな?
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
……なんか、無茶な事になってる?
[『八幡』から何かが飛び出して、海蛇が大打撃を食らった、というのは理解できた。
ただ、それが何でどうやったのか、は理解がちょっと追いつかない]
とりあえず、後からノトカーさんに聞けばいいか……。
[間近で見ていたらしき彼の声>>121に、一先ずそう結論付けて]
さあて、ここまできたら、観念しなさいよねぇ……!
[全力攻撃が確実に当たるように、縛を強めていく。
単身では難しいところだったが、サポートしてくれる力もあり、動きは大体封じられているようだった。*]
/*
そして、ボス戦でなんか食らうのがいつものお約束なんですが、攻撃の性質上、食らったらアウトなので......稀に見る怪我の無さだな?!←やっぱり不満らしい
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[宙へと飛び出したフィオンの身体は、振り子の勢いだけではない力によって巨大海蛇の頭上へ。
それがミヒャエルによるものだということは、前後の様子から推測出来た。
巨大海蛇の頭へ降り立たんとするフィオンの気配が不意に消える]
─── あやつめ。
[気配無く巨大海蛇の頭を渡り、こちらを睨みつけていた目を潰す様に小さく笑った。
苦悶に暴れる巨大海蛇の頭上から、フィオンの姿が消える。
自ら海へと飛び込んだようだったから、必ず戻るという信の下、狼狽は身の内からかき捨てた]
誰ぞ、手を貸してやれ。
[護衛の内の1人をフィオン回収に向かわせ、総攻撃が開始される様子を見遣る。
紫雷が舞い、砲弾や精霊術が飛び交う中、目を潰された巨大海蛇が避けることも出来ずにのたうち回る。
その余波のように揺れる海面は再び艦を揺らして。
アデルは揺れに耐えながら、海へと沈んでいく巨大海蛇を見つめていた*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[海上より再び響く、ノトカーの声>>121。
直接の上官でなくとも、その声に否やはなく、『応!』と揃った声が応じた。
浄化の術に縛られ、姫の破魔矢に灼かれた今なら、砲撃も有効だろう。
怒涛の攻撃に耐え切れず、傷付いた大海蛇の身は沈み始める]
――鱗が剥がれた! あそこに集中砲撃!
[ミヒャエル自身も、砲撃がより有効となるように、狙いの周知や精霊術による誘導に注力していた*]
[叩き込まれる一斉攻撃により、海蛇は海へと沈んでいく。
それを見届け、念のため海面近くを旋回して完全に姿も気配も消えている事を確かめて。
それから高度を上げ、『八幡』へ向けて敬礼を送った。
それが、先の剣士への礼である、というのは伝わるか。
それから、翼を返して『ヴィルベルヴィント』へと戻り]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
『お見事でしたわぁ……あの大物を鎮めてしまうなんて……これなら、『澱み』の本体相手でも大丈夫そうですわねぇ』
[ふわり、『ヴィルベルヴィント』の甲板に舞い降りるなり出迎えたのは水霊のどこかのんびりした声]
……実力を認めてもらえたのはありがたいんだが、あんなものが出るなら出るって、先に言ってくれん……?
[その響きに何となく脱力しつつ訴えるものの、水霊はどこ吹く風、と言わんばかりにころころと笑うのみ]
『それはそれとして、皆様、お疲れでしょうから。
わたくしから、せめてもの贈り物をさせていただきますわね』
[笑顔のまま、水霊はゆるりと優美に腕を振る。
碧の光がふわりと灯り、それは風に乗ってゆるりと広がり両国の艦に降り注ぐ。
光に触れれば感じるのは疲れと傷を癒す水の力]
あー……ありがとう、だいぶ楽になった。
[告げる礼に合わせて雷竜もぐぁう、と唸りを上げる]
『いえいえ。
ああ、でも、わたくし生命は癒せても、船は直せませんので。
そちらは、皆様で何とかしてくださいませ?
修繕が終わりましたら参りましょう……『澱み』の集う場所へ』
[告げる水霊の言葉、その最後の部分は少しだけ、真面目な響きを帯びていた。*]
[ アデルの命を受けた護衛の一人が>>126泳ぎ戻った男の頭上から縄梯子を投げる。『上がれるか?』と、問いかける声に、男は心外とばかりに顔を顰めた。 ]
誰に言っている?
[ 左手で梯子を掴み、片足をかけて、一度身体を固定してから、右手に縛り付けた刀の紐を解く。 ]
......沈んだか。
[ 一度振り返って、大海蛇が波間に沈んだのを確かめてから、刀を納め、縄梯子を昇った。 ]
只今、戻りました。
[ 濡れ鼠のままではあったが、男は真っ先に、アデルの元へと足を運び、帰着を告げて頭を下げる。 ]
キタミ殿の御力を借りて、無礼な蛇には道理を聞かせて参りました。
姫君は、お怪我ありませんか?
[ 戻れば離れた間の無事を真っ先に問うのもいつもの事だ。* ]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[大海蛇の撃破直後]
カムナ殿――ご無事でよかった。
[護衛の一人が縄梯子を投げ、ややあってフィオンがそこから姿を現した>>131。
全身濡れてはいるものの、健在な姿を見て安堵する。
もっとも彼は、真っ先に姫への報告を済ますだろうが>>132]
しかし流石に……術の使い通しは疲れるな。
[常ならば砲撃手に任せるところを、常に誘導術を使い続ける形になってしまった。
息を吐いた所に、降り注ぐのは碧の光>>130]
……癒しの術?
『かの水霊どののものであるな……流石に癒しはお手の物か』
[しかし船の修復は人力で行うよりないようで、術により疲労の抜けた者から、作業に取り掛かることになるのだった*]
む。
[不意に、碧の光がアデル達の乗る艦に降り注いできた。
どうやら水霊が為したものらしく、降れると疲れが緩やかに抜けていった]
ありがたい。
……ふむ、しばらくは船の修繕となろうか。
フィオン、そなたはだいぶ動き回ったのだから、しっかりと休むのだぞ。
[服のまま海を泳ぐというだけでも体力を使う。
水霊の力で疲労が軽減したとしても、きちんと身体を休めろと厳命した*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
まあ、うん。
上位精霊って、なんていうか、おおらかなとこあるよね。
[水霊とのやり取りで脱力するノトカー>>129の様子に苦笑しつつ。
振りまかれた癒しの力には、ふわぁ、と惚けた声を上げていた]
すっごい……疲れとかも取れてるや。
『万全の状態で臨んでいただきたいですもの』
[思わずもれた声に水霊は真面目なままでこんな事を言ってくる]
あー……うん。
だよね、相手が相手だし。
[そうそうそうだった、と気を引き締めて。
ひとまずは艦の整備や修繕を手伝って動き回りつつ、出発の時を待ち、そして]
― 『澱み』の集う場所 ―
[その場所が異常であるのは、近づくにつれてはきと感じられた。
潮風の心地よさは損なわれ、澱んだ気配がひしひしと押し迫ってくる。
これ、うっかりしてると飲まれるかも……などと思った矢先、進む先に何かが見えた]
え……なに、あれ。
[そこにあったのは、鈍色の巨大な――卵を思わせる形の何か。
それはうぞうぞと蠢き何かを形作ろうとしているかのようにも見えた]
『あれが、『澱み』ですわ。
今のところは、ああやってうぞうぞとしているだけなのですけれど……相当な力が集っているのは、感じられるでしょう?』
[精霊力や魔力を手繰れる者であれば感じられるはずだ、という水霊の言葉の通り。
そこにあるのが純粋な力の塊なのは理解に落ちる]
で、あれをどう……。
[どうすればいいの? と問う声を遮るように、海面が揺れた]
え、ちょ、なに!?
[泡立つ海面から姿を現したのは――見覚えのある海老。
ただし、その色は赤ではなく鈍色で。
海老に続いて姿を見せたもの――巨大な蟹やら海産物らしきものたちも、皆一様に鈍色に染まっている。
どうやら、先ほど戦った海蛇もいるらしい]
これって……。
『『澱み』の塊の分身が、形を得た者かと。
これを退けない限り、あの『虚無』まではたどり着けません。
結局、やるしかないって事よね……。
『ええ。
ですが、何の護りもなく近づくのは危険……というわけで』
[軽い口調で言いつつ、水霊はまた優美に手を振る。
舞い上がるのは先ほどの癒しよりも濃い、蒼の煌き。
それは先ほどと同様、全ての者の上に振り注ぐ]
……今の、は?
『わたくしの護りです。
『虚無』の『澱み』による干渉を退け、そう長い時間ではありませんが、水面を駆ける事も可能になります。
相手が相手ですので……念には念を、という奴ですわぁ』
……なんか、物凄い術を物凄く軽く使われてる気がする。
[ぽつり、と呟くと、『そんな事ありませんわー』とこれまた軽く返された]
ま、何はともあれ。
やらなきゃなんないんなら、やらないと、ね……!
[ここまできたらやるしかない。
そんな決意を固める少女の様子に、水霊はどこか眩し気に目を細めたが。
各所への伝令や風の伝達に動き始めた少女はそれに気づかなかった。*]
☆2d後半・澱みの集う海
フィールド
所々に鈍色の澱みが浮かぶ洋上。
水霊の加護により、飛行手段がなくとも海面を歩くことが可能。
勿論、艦船で進んでもOK。
登場敵
鈍色の巨大海老や巨大蟹、先にも現れた海蛇などの海洋生物。
ボスキャラ
澱みの集合体が変じた何か。
仔細は登場時に。
判定方法
戦闘描写と絡めつつ、fortuneをactで最大5回振る。
【判定リミットは6/10の00時です】
【判定数値は、メモに記載お願いいたします】
[ 姿を見れば無事とは知れても、アデル自身の口から大事無いと聞いて>>135男の肩から漸く僅かに力が抜ける。 ]
この程度で風邪をひくほど柔ではありませんが...見苦しくはありますね。
はい、そうします。
[ 気遣う言葉をかけられ不承不承ながら頷いた直後、降り注ぐ碧の光。 ]
これは、水霊の癒しですか。
[ 疲れを溶かすような光に目を細め、小さく吐息をつく。 ]
...御意。
[ 重ねるように休息を命じられたのは、回復したのだから、すぐに職務に戻れるか、と、考えたのが読まれたのかもしれない。 ]
姫君、もしこの後、ユウレンの旗艦に御連絡されるなら、ナハティガルの騎竜師殿に私からの礼をお伝え下さい。
蛇の気を引いてもらって、助かりましたから。
[ ノトカーが、こちらに向けて贈った敬礼も>>128縄梯子から振り向いた時に目にしていたが、返礼する余裕がなかった。
せめて礼は伝えておきたいと、休息に入る前に、アデルに願いを告げておく。 ]
[ その後、服を乾かすために精霊師を探す途中、ミヒャエルの姿を見つけて>>134声をかけた。 ]
キタミ殿、さすがの術の冴えだったな。おかげで私も五体満足で戻れた。礼を言う。
[ 胸に手を当て、敬意を込めた一礼を贈ってから、顔を上げ ]
今の騒ぎが片付いたら、改めて、一度酒か飯でも奢らせてくれ。
[ 告げた口調は、男にしては、珍しい程、砕けたものになっていた。* ]
― 『澱み』の集う場所 ―
[ ミヒャエルへの礼を告げた後、服を乾かし、アデルの厳命に従って暫しの休息を取った。
それでも、最低限の時間でアデルの元へ戻るのは最早お約束の域だったが。 ]
また嫌な気配だな。
[ 精霊術を使えずとも、淀んだ大気は、その海域の異常を伝えてくる。
そう感じたのは、もちろん男ばかりではなく、水軍全体に緊張が広がった。 ]
[ やがて現れた、鈍色の巨大海老や蟹の姿に>>139刀の柄に手をかけながら、男は皮肉に口の端を上げる。 ]
また出たか、海産物。
[ あまり、美味しくなさそうに見える、この海老や蟹は食料になるのだろうか?と、考えてしまったのは止む無しか。 ]
[ どうやら戦いは避けられぬ様子と見定めて、足を踏み出した所へ、今度は蒼い煌めきが降ってくる。>>139 ]
これも、水霊の?
[ 僅かに身体が軽くなったように感じるのは気のせいか。 ]
水面を駆けることが出来る?それはまた...
[ やがて伝えられた効果に>>140男は目を瞠り、次にその視線を海面に向けた。 ]
そう聞くと、試してみたくなりますね。
[ 言うものの、今はまだ、護りを優先とするべきだろう、とは、解っている。 ]
[ 抜き打ちで薙いだ刃は海老の殻を破り、その身に食い込んで跳ね飛ばしたが、両断するには至らない。 ]
前よりも硬いか?
[ まだびちびちと跳ねている海老の頭に、男は刀の切っ先を向けた。 ]
[ 動かなくなった海老を蹴り避け、周囲を見渡す。種類が増えた分、雑多な印象の海産物達は、やはり、あまり美味しそうには見えなかった。** ]
― 大海蛇戦闘海域―
おうよ、風穴開けてやれ!!
[ノトカーの大声>>121に応じて目標は変更され、集中砲火を大海蛇に浴びせてゆく。
シンシャ側からの攻勢も苛烈で緻密>>127なもので、長くはかからず撃沈してゆき、歓声が上がる]
流石の士気の高さだったな。
状況打破も鮮やかだったし。
[シンシャ水軍の力を称賛する声は、あちこちから上がっていた。
単身で大海蛇の上に飛び眼を奪った勇者の存在までは直接確認できていなかったが、知れれば呆れ半分ながら更に熱く賛えていただろう]
ああ、ノトカー殿の声もありがたかった。
[間をおかずに叩けたことは精霊師達の負担軽減にも繋がったはずだと、損傷確認しながら話を聞いて頷いていた]
へぇ、これはまた。
[水霊の癒やしを受ければ、効果の高さに目を瞬く。一方で水霊の忠告>>130を聞いても、あまり気負った様子はなく]
そこは手抜かりしませんよってね。
ノトカー殿や精霊師達は特に神経使っただろうから、休憩優先してくれな。
[とはいえキアラ辺りは気になって動いていた>>1:37ようだが、疲労も癒されてはいる以上特に止めたりもせず。自身は道具片手に細々とした所を修繕して回った**]
キアラよ、見事な術だったな。
お陰で術が当てやすかった、感謝する。
それから、ラヴェンデル殿に言伝を頼めるか。
フィオン・カムナが、蛇の気を引いてくれて感謝していた、と。
[まずはキアラへの礼を告げ、フィオンからの言伝を託す]
水霊にも、シンシャを代表して御礼申し上げる、と。
流石は上位精霊だな、これだけの人数を癒すとは。
[もう一つ言伝を頼み、いくつか状況確認を行ってから連絡を切った*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
カムナ殿、……いえ、礼を言われるようなことでは。
そも、貴殿の能力あっての策でしたから。
[一礼する姿に小さく両手を上げたが、顔を上げたフィオンの表情はいくらか砕けたもので>>144。
続く言葉に、こちらも少し肩の力を抜く]
お気遣いなくと言いたいが、カムナ殿と酒の席を共に出来るなら、機を逃したくはないな。
――では、時が来たら有難く頂こうか。
[そうして先々の約束を交わしたところで、彼と別れた]
― 『澱み』の集う場所 ―
[そうして休息と修繕の後に進んだ先。
近付くにつれてその異様な気配>>138は、自身の肌でもはっきりと感じられるようになった]
なんだこれは。
……海にこんなものが巣食ってるのか?
[海に生きる者としてその存在は許しがたいものだが、同時に純粋な力たるそれにどう対抗したものかと、途方に暮れるような思いもあった。
そこに降り注ぐのは、水霊の蒼の力>>139]
水を渡ることまで出来るのか。
――有難い。
[意図も軽く使われた術にしては強大過ぎる気もしたが、今は考えないことにした]
道を切り拓く役目は、俺が担いましょう。
[そう宣しながら、視線を一度向けるのはフィオン>>147の方。
彼もまた道を拓くのに相応しい腕前だが、今は姫を護ることを優先するだろう]
『澱み』を祓うには、姫様のお力もきっと必要となるでしょう。
だから今は、『八幡』ごと姫様を護ってお連れするのがいいかと。
[とはいえ溢れ出る海生生物は、容易に進むことを許しはしないだろう]
――少しでも、この船の水先を拓くために。
行って参ります。
[アデルとフィオン、そして同僚の船員たちへ向けて一礼し。
船縁から勢いよく、水面へと飛び降りた*]
[飛び降りた先にいるのは巨大な蛸だった。
こちらの姿を見るや否や、頭部をぐにゃりと縮める。
どうやら墨をぶつけ、目くらましする心算のようだ]
――させるかぁっ!
[鉄の靴底を磁力に反発させ、強引に空中を蹴る。
墨から身を逸らしつつ、その反動で投げ付けるのは鉤縄の先端*]
― 『澱み』の集う場所 ―
[やがて艦の整備も終わり、水霊の案内を受けて『澱み』の集う場所へと進んでいく。
進むにつれて辺りの雰囲気が重々しいものへと変わり、息苦しさに似た感覚が身を包んだ]
これは、少々……。
[強く影響を受けてしまうのは己が宿す属が関係しているのだろう。
『澱み』に浄化の力が効くのであれば、その逆も然りだ。
このままでは、と浄化の力を薄く膜のように広げ、身を包み込む。
ほんの少しだが息苦しさが減り、短く息を吐いた]
[進む先に見えたのは、鈍色の卵のような形の何か。
水霊曰く、あれが『澱み』なのだという]
何だか気味が悪いな。
[蠢く様と、内包する力の強さにそう呟く]
[さて、これをどうするのか、とキアラから伝えられる水霊の言葉を待っていたが、それを妨害するように海面から何かが飛び出した。
鈍色をしたそれは、先にも見た海老を始めとした海産物。
更には海蛇もいるようで、『澱み』と称されたものを護ろうとするようだった]
あの時の海老とは違うようだな。
[なんか不味そうだな、と誰かが言った]
さぁ、我々も始めるぞ。
船を護り、害意を退け、先へ進まん!
[檄を飛ばし、船員達を持ち場につかせ。
鈍色の海産物達の迎撃を開始した*]
― 『澱み』の集う場所 ―
[アデルの定位置は甲板の中ほど。
迫りくる鈍色は艦に乗り込んで来るものと、海から仕掛けてくるものがいるようだ。
艦上は船員達が対応できるため、アデルは海から仕掛けてくるもの達に対処することにした]
先程よりは少ないようだが、また海蛇がいるとはな。
[厄介なものだ、と掌に集めた浄化の力を長弓に番えて弦を引き絞る。
光の破魔矢となった力が海から頭を擡げる海蛇へと向けられた]
― 『澱み』の集う場所 ―
[煌めきを軌道に残しながら駆けた破魔矢は、海蛇の眉間へと刺さり浄化の力を伝えゆく。
断末魔を上げて海へと崩れ落ちた海蛇だったが、今度は尾を海面の上に持ち上げて艦に叩きつけようとした]
しぶといな。
[連射の流れで海蛇の尾を狙う]
― 『澱み』の集う場所 ―
[頭に対して細い尾だったが、破魔矢は違わず命中し。
尾からも浄化の力が伝わると、数多の光の粒が海蛇を飲み込んだ。
再び上がった断末魔が徐々に掠れていき、海蛇の姿は完全に掻き消える]
『澱み』の分身なだけあるな。
良く効く。
[口端を持ち上げて、次なる害意へと目を向けた*]
― 『八幡』前・海上 ―
[眉間を打たれた大蛸は、触腕を力なく垂らして水面に浮かんだ。
とどめが必要ならば、後は艦砲などで容易に行えるだろう。
自身は更に空中で一回転して、足から着水すれば、海面はそれをしっかりと受け止めた。
術の信頼性を確認しながら先へ駆ける。
姫の言葉>>164を胸に、突出せず、遠距離からの援護は受けられる位置で]
[そして今、眼前に居るのは巨大なヤドカリだった。
遠距離攻撃を殻でやり過ごしていたが、いよいよ船が近付いて来たのを感じてか、のそりとハサミを覗かせた]
そこっ!
[すかさず鉤縄をヤドカリの本体目掛け投げ付ける。
ヤドカリは慌てて殻に隠れようとするが、磁力の操作を受けた鉤は、強引に曲がった軌道で殻の中までも入り込む*]
[絡んだ縄によりヤドカリのハサミの節が折れ、致命傷に至らずとも無力化に成功する。
貝殻の穴が上を向く方向に倒したので、砲弾か術の投射があれば完全に倒し切ることができるだろう]
[時折駆け抜ける光の筋>>168を横目に見ながら、更に前を目指す*]
[振りまかれた癒しには]
助かるのぉ。
借りを作ってしまったようなもんじゃから、いずれ返させてもらおうかのぉ。
[まあ、何もないじゃろうけど、と注釈もつけながら口にして。
まったりとその時を待った]
あーあーあー、これはあとで北と西を見て回らんといけんのぉ。
南は別の奴がいくじゃろうから……
[ぶつぶつと何かの算段をつぶやく。]
とりあえず、削らんといけんな!!
[声を張ると、虚空から短剣と短槍を取り出して、現れた鈍色の海産物へと構えた。]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
あ、アデル様!
ありがとうございます……! アデル様の光も、さすがのお美しさでした!
[風精の伝える言葉に、声のトーンが跳ね上がったのは赦されたい。
憧れに褒められたら嬉しくなるものなんです、というのは置いといて]
ノトカーさんに?
はい、わかりました伝えておきます。
[頼まれた言伝をしっかり、受け止める。
もう一つの言伝は、近くをふよふよしていた水霊に即、伝えて]
『いえいえ、助力を願う以上、こちらもなせるだけをなすのは道理ですわぁ。
……けれど、そのお心はありがたく受け取らせていただきますわ、ミゥ様の裔たる
[受け取った水霊は、自身の力でこんな返答を返していた。
その後は状況の確認や何やらを一通り行って、通信は終了し]
『焔の国の次代様は、とても良き御方のようですねぇ』
うん、凄く素敵な方だよ。
イリィとはまた違う意味で、カッコいいし。
[己が相方たる姫騎竜師もまた、彼女なりの魅力があるのだけど、そちらとはまた方向性が違う凛々しさや強さに憧れているのだと。
そんな内緒話をしつつ、向かうのはノトカーの所。*]
― 『八幡』前・海上 ―
[見据える先には、きらきらと、しかし鈍色に輝きながら海面を跳ねる姿があった]
飛魚か……?
[一匹一匹の大きさはさほどでもないが、集団で船内へ跳び込まれたら対処には手間取られそうだ]
苦無で落とすか?
でも、この数相手では効率が悪いか。
[思案している所に、肩上から声が掛かる]
『生き物の中には、ワシと同じ力を感じ取れるものがいるらしい。
コヤツらはどうかのう?』
成程。なら逆に、テツの力を借りれば……!
[言いながら構えた苦無を、飛魚の群れへ投げ付ける。
一匹ずつを確実に仕留めつつ、それに纏わせているのは強烈な磁力*]
― 『澱み』の集う場所 ―
[時折放たれる艦砲は、艦に乗り込もうとする海産物以外に、先を行くミヒャエルの援護も担っていた。
砲撃の振動が床を伝って身に届くのも、だいぶ慣れてきたように思う]
む。
[その最中、ざん、と水面を割る音と共に伸びる触手が一つ。
色は他と同じ鈍色だが、以前にも見た姿がそこにいた]
あの時よりは小さいか。
[食料となった巨大海老と共に現れた巨大な烏賊。
それよりは二回りほど小さかったが、それでも十分な大きさのものが艦を狙ってきた。
船縁に取り付いた触手の一つは護衛が斬り落としたのだが、残る触手も次々と海面から伸びてくる]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
そういうもの……ですか。
[当然だろ、と言いたげなコリドラスの言葉>>172に、へにゃりと眉が下がる。
雷精の加護は宿しているが精霊自体との接点はあまり無い身、今一つぴんとこないのだが。
精霊を人間の識で量ろうとしても無駄、とは相方にもよく言われていたからそれ以上は突っ込まず]
あー……うん。
素人が手出ししても邪魔にしかならんだろうし。
オルヒデーエと一緒におとなしくしとくよ。
[ダーフィトの言葉>>152にも素直に頷いて休息を優先していた]
……そう、か。
[通信具越し、届くのは風龍峡の方は恙無く解決した、という報告。
こちらはどうかと問われて、最初は言葉を濁したものの]
……こっちにも、『虚無』の影響がかなり出てる。
一族の仕事、せにゃならんようだ。
[ぼやくような口調で告げた言葉に、返るのは沈黙と。
無理はせずに、という短い言葉だった]
[通信具を使っての相方と短いやり取りを終えた所に駆けて来たのはキアラと水霊]
ん……どうか、したか?
[問えば伝えられるのはシンシャ側からの言伝。
それに、数度瞬いて]
フィオン・カムナ殿……というのか、あの剣士殿。
ん……伝言ありがとう、余裕があったら、後で挨拶返しに行ってくるよ。
[伝えられた感謝はとかと受け取って。
その後は目的地へたどり着くまで休息しつつ、あれこれと物思いを巡らせていた。*]
― 『澱み』の集う場所 ―
[伸び上がる触手を全て撃ち落とすよりも、胴体を狙う方が良い、と。
触手を飛び越える軌道で放った破魔矢は大烏賊の胴体へと当たったものの]
くっ、浅いか。
[触手の動きを止めるまでには至らず。
それでも動きを鈍らせた大烏賊は、艦に完全に取り付く前に護衛や船員によって海の藻屑にされた*]
ふむふむ。
先に現れたものよりは、多少骨があるかものぉ。
[動かなくなった巨大海老を見ながら、くるりと短槍を手の中でもて遊び。]
──む?
[ふと振り返れば奴がいた……ではなく、巨大な鈍色の鯛が、そこにいて。]
……うむ、なんでもありじゃな!?
[思わずそんなことを叫びながら、武器を構え。]
― 『澱み』の集う場所 ―
……ぉー……これはまた。
[水霊の導きでたどり着いた場所。
そこにあるもの>>138を見た瞬間、眉が寄った]
現物を見るのはさすがに初めて、だが。
……なるほど、ねぇ。
[小さな呟きに雷竜がぐる、と短く鳴く。
それに、心配すんな、と小さく呟いて]
何はともあれ、まずは海産物モドキ退治、と。
[今なすべきはそれ、と雷竜に跨る。
そこに降り注ぐのは、水霊の蒼き護りの煌き。>>139]
上位精霊の護り、か。
これなら楽に動けそうだな。
[青の煌きが与えたものに微か、口の端が上がる]
まさかこんな形で一族のお役目と向き合う羽目になるとは思わんかったが……『始まりの騎竜師』の裔たる者の務め、真面目にやらんわけにもいかんしな……。
てーわーけーで。
……行くぜ、オルヒデーエ!
[宣に応じて雷竜が吼える。
飛び立った薄紫の翼は一度上昇し、直後に海面へ向けて急降下した]
いよっ、と!
[掛け声だけは軽く、繰り出した切っ先が海蛇を捉え、貫く。
上昇の勢いで剣を引き、高度をとった所で雷竜がぐるるる、と唸りを上げた]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[ 見渡した海面には、『淀み』の根源に近づくことを阻むように、鈍色の生き物もどきが群れている。
不気味とも見える光景に、臆する色なく道を拓くと名乗り出たのはミヒャエルだった。>>157 ]
キタミ殿なら必ず我らの進む先を拓いてくれるでしょう。
[ 見送るアデルに>>164静かに告げて、男は船縁まで歩みを進める。 ]
[ 背後では、アデルの檄に応えた>>165乗員達が気勢を上げ乗り込んで来る海老や蟹を、文字通り捌いている。
海上の鈍色を貫き浄化していく光の矢の軌跡を>>168見つめ、口の端を上げた男は、偶然に矢の射程を外れた海鼠のような生き物が、船縁に取り付いたのを目に止めた。 ]
運の悪いやつだな。
[ 刻まれた海鼠は、ばらばらと海面に落ちていく。 ]
姫君に浄化された方が楽だぞ?
[ 次に飛び込んで来たのは大帆立だ。 ]
[紫雷が焦がしたのは、海面に浮かび上がってきた海老と巨大蟹。
蟹の方は甲羅で凌いだのか、さほど手傷を負ってはいないらしい]
……ってー、あー、そーいえば。
[次の攻撃を繰り出す前に、ふと思い出して高度を上げて]
いや、さすがにわかると思うけど、こいつら、喰えんからなっ!?
[なんかわかってそうな所(=水霊)が言ってなかった気がする部分を突っ込んでおいた。
『虚無』の『澱み』が形を成したもの、それ即ち『虚無』の欠片なわけで。
食べたらとんでもない事になるのは言うまでもない……はず。*]
― 『八幡』前・海上 ―
[磁力を帯びた苦無によって、群れは統制を欠き散らばり始めた。
十分に効果を確認したところで、鉤縄に持ち替え、群れを薙ぎ倒すように狩っていく。
船に近付いたものも、砲撃>>179に巻き込まれ数を減らしていくことだろう]
姫様も奮戦されている。
[船に近付いた大物のうち幾つかは、姫の浄化の力により落とされているようだ。
それに負けていられないと思うのは当然のこと]
――またあの海蛇か。
[再び海蛇の姿が目に付いて、警戒を強める。
船内の者でも仕留められはするだろうが、明確に船に害意を向ける存在だ。
近づけさせないに越したことはない]
今度は、こちらから行く!
― 『澱み』の集う場所 ―
[鈍色の海産物はそこらの海の中にいる生物をそのまま写し取ったかのようにバラエティ豊かな姿をしている。
そのどれもが巨大な姿をしているのは、その分脅威度が高いことを示しているのだろう。
長弓に破魔矢を番え、海面の様子を注視していると、何かが海面から勢いよく飛び出してくるのを見た。
咄嗟に破魔矢の切っ先をそちらへと向ける]
...っ!
[ 帆立の殻を避け、身を両断しようとした瞬間、貝から砂混じりの潮を吹き付けられ、動きが鈍る。その隙に、ガチンと噛み付くように、貝殻が男の右腕を挟んで閉じた。 ]
く...舐めるなっ!
Dóiteáin, talamh, gaoth, uisce, a thabhairt ar iasacht dúinn an chumhacht íonú.
[四大と呼ばれることもある火、風、水、大地の精霊に浄めの力を借り受ける術式を編む。]
/*ボツ!
― 『澱み』の集う場所 ―
なるほど『澱み』か。
[目的地に近づくにつれ空気も悪くなる一方に感じられて眉を寄せた。更に進んで見えてきた蠢くモノ>>138に嫌悪感が増す]
具体的にはともかく、このままじゃ良くないものなのは俺らでも分かるわ。
[水霊の話に目を細めた矢先、変化が起きた]
あちらさんもヤル気ってか。
[どこか見覚えのある鈍色の影を睨む。
得体のしれないものを相手取るに緊張した体へと降り注ぐのは蒼い煌めき>>139]
……いや、それこそ俺らでもただならぬモンだってのは分かるわ。
だがこれで直接吹き飛ばしてこれるな。
感謝する。
[無意識に感じていた圧が減らされ、どこまでも軽い調子>>140の水霊に肩の力が抜けた。
澱んでいるなら風で吹き飛ばせばいい。国の流儀から自然とそんな風に考え、護りを与えてくれた水霊に礼を言って]
― 『澱み』の集う場所 ―
『ああ、そういえば言ってませんでしたねぇ』
忘れないでよ、結構大事なことでしょ!
『だって、わたくしたちにはものをたべる、という概念が希薄なんですもの』
まあ……そうだろうけど。
[言われてみればその通りというわけでそれ以上は突っ込まず。
今更のようなそれを風精に頼んで伝えてもらって]
さて、とりあえず、は、と。
[気を取り直し、見据えるのは船体に取り付こうとしているうねうねとしたもの。
鈍色をしているのでわかりにくいが、海藻が複数、うねうねと伸びてきているらしい。
海藻に紛れて何かの触手めいたものも動いているようだが、とにかく放置は出来ないもの]
あれ、なんとかしないとね……。
水之力量,集結我的意志。
淨化的力量,留在裡面。
這將是一場刺穿我的敵人的暴雨,並且會下雨!
[降り注いだのは浄化の力宿した雨。
それは鈍色の海藻たちを浄化し、溶かしていくが]
……え、ちょ。
なんで効いてないのがいるのー!?
[海藻が消えた後には、何かの触手が残っていた]
『海藻を盾にして身を守ったようですわねぇ』
冷静に解説しなくていいからね!?
[頭部を打撃された海蛇が、頭部をぐらつかせる。
しかし固い頭部に対し鉤での衝撃は小さかったようで、再びその眼が船を見据えた]
――先の大蛇ならともかく。
こいつ相手なら、通るか……?
[鉤縄を引き戻し、直後に両の手に構えるのは苦無*]
もう、船には近づけさせるものか。
俺たちの、前に進む意志を阻ませはしない!
― 『澱み』の集う場所 ―
[飛び出してきたものはフライングディスクよろしく回転しながら飛来してくる。
破魔矢は予測通りに命中したものの、回転の勢いが強すぎるせいか、衝撃を与えるだけで突き刺さることなく霧散した]
……こやつはもしや……
[甲板へと落ちたのは全身を棘で覆われた平たい球形の海産物。
どう見ても、海胆、だった]
[ 持ち替えた刀で、右腕に食らいついた帆立貝の殻の継ぎ目を貫き壊す。
忽ちかぱりと開いた貝の身を、挟まれて血を流す右腕で、掴んで引き摺り出し、ざっくりと、今度こそ両断した。 ]
貝に喰われかけるとは思わなかったな。
[ 溜め息ひとつ落として、刀は左手に提げたまま、また油断なく海上を見据えた。** ]
実際の海胆より棘が鋭いな。
[これは近付かぬ方が良いだろう、と思うと同時、棘のせいで矢が上手く刺さらないように思えて。
長弓を払って右手に集めた浄化の力を眼前に掲げる]
天の光 血の焔
天血織り成すは邪祓いし破魔焔
邪なるもの 白炎に焦がさん
[右手に集めていた浄化の力に焔の性質を付与し、白炎と為して巨大海胆へと放った]
[放った刃は伸びてきた触手を切り落とす。
とはいえ、あのままではまた伸びてくるな、と思ったから]
水之力量,集結我的意志。
淨化的力量,留在裡面。
比K暗的大海更近,刺穿存在!
硬いっ…が、弾かれる程じゃねぇ!
[鋭いトゲの並ぶ殻は右手の一撃で屠れるほどではなかったが、立て続けに勢い良く左手を振り下ろすとザクリと中まで刃の通る感触があって、力なく波間に消えていった]
[海中へ飛んだ槍は対象に届いたのか否か。
手ごたえ的には弱い……と思った矢先、それが飛び上がってきた]
…………くらげ?
『カツオノエボシですわねぇ』
……なんで、飛んでるの、アレ。
『常識で量れるものではありませんわ、ここのいるものは』
……それですませちゃダメな気がする!
[放った槍は今度こそ、空を漂う鈍色のくらげを貫いて。
それはしゅうう、と溶けて、消えていく]
……ほんっとに。
予想超えすぎてるでしょ、ここ。
[くらげが消えた所で落ちたのは、こんな呟き。*]
― 『澱み』の集う場所 ―
[じわりと焦がすように包み込んだ白炎だったが、鋭く長い棘が邪魔になり、中の方までなかなか届かないよう。
棘の先端は焼かれて鋭さを失ったようだし、動きを鈍らせる効果はあるようだから、護衛に棘を断ち切り止めを刺すよう指示した]
だいぶ散らしたと思うが、どうだ。
[進む先が開かれているのは先を行くミヒャエルの功績が大きい。
艦に取り付いてくる海産物も、皆の力で着実に撃退されている。
『澱み』との距離を測るように、進む先へと視線を向けた*]
……うん、さすがに海のギャングとか、シャレにならんと儂思うの。
[爺が感じた気配は、海のギャングことウツボ。]
……本当、なんでもありじゃなぁ……
[心のそこからしみじみと、黄昏る爺だった。**]
― 『澱み』の集う場所 ―
[今更な突っ込みから始まった漫才めいたやり取りなど知る由もなく。
視線が見据えるのは、海上の巨大蟹]
……とにかく、真っ向から行くのは愚の骨頂、と……。
[小さく呟き、深呼吸、ひとつして]
― 『八幡』前・海上 ―
[苦無は海蛇の両の眼を、過たず穿った。
行く先を見失い暴れる海蛇に、鉤縄で追い討ちをかけ、更に艦砲がとどめを刺す。
船先を切り拓くこちらに対し、追従する船は道を押し広げるようにして、共に先を目指した]
――……っ、そろそろ……!
[更に一体、鈍色の影を押し退けた先に、祓うべき力の源は見えるだろうか*]
……オルヒデーエ!
[降下での接近の後、相棒を呼ぶ。
雷竜は心得た、とばかりに吼え、蟹の下に後足を突っ込むようにして蹴り上げた。
突然の事に対処が追い付かなかったか、蟹は見事にひっくり返り]
[繰り出した一撃は上手い所に当たったようで、剣を引き抜くと巨大蟹はそのま沈んでいく]
さて、と……だいぶ減ったとは思うが……。
[呟きながら高度を上げ、前方を見やる。
鈍色の卵はうごうごと蠢きながら、その形を変えつつあった。*]
/*
海胆も被るとか全くもうwwwww
[直してた間に海胆が出てた]
フライングディスクみたいに飛ばしたかったんだ、帆立か海胆(
[次の目標を探すより早く、海面下から何かが浮かび上がってきた]
不自然この上ないな。
[ニュルニュルと伸びてくるのでなく、モゾモゾと蠢くという方が似合うそれは磯巾着の類。普通はこんな風に移動するものではないはずだ]
極彩色なのとどっちがマシかねっ。
[一撃目は勢いつきすぎて切り損ねた触手に触れてしまい、手の甲に軽く熱を感じたが。護りのお陰かまだ軽口を叩く余裕もあり、続けて斬り上げた一撃で空に弾み落ちた後、浮かんでくることはなかった]
― 水軍旗艦『八幡』・船内 ―
『えっ食べられないのか……』
『いや、どう見ても食べたらいけない色してるだろ』
『しかし、海の漢たるもの……!』
[若干名食い意地の張った者はいたものの、連絡員の周知>>218と周囲のやや乱暴なツッコミにより、無事阻止されたのであった*]
[ 空から聞こえた注意事項>>192に、男がちらりと視線を動かしたのは、先程斬った帆立の身。なんとなく刺身っぽく貝殻の上に乗っていたそれを、無言で海へと蹴り落とした。 ]
さて。
[ 気を取り直した様子で、男はミヒャエルが切り開いた海の先を見る。 ]
これで届くな。さすがの腕だ。*
― 『澱み』の集う場所・海上 ―
[ノトカーの伝達>>192は苦笑一つで流した。
海面に降りている状況ではあまり余裕がなく、食べようのない敵と対峙もしていたのでそんな気分になってはいなかったが、きっと船では試しかけてた者もいたことだろう]
あれはシンシャの。
[同じく海上に降りて敵を払い、導くように進む姿>>214を見つけ。最先陣を行くそちらに敵が押し寄せないよう、その方向の敵を優先して相手取ってゆく*]
― 『澱み』の集う場所 ―
……なんだ?
[うごうごと、形を変えていく鈍色の卵。
不意に、その動きが止まった。
ぴしり、という音が響き、その表面にひびが入っていく。
その様子は、まるで]
……孵る、とかいうなよ?
[思わず入れた突っ込みは、しかし。
冗談では済まなかった。
ひびが入る速度がどんどん上がって行き、やがて、ぱきん、と大きな音と共に卵が割れ、そして]
……っ! こいつは……!
[ぐるぉぉぉぉぉ、という咆哮が響く。
割れた卵から現れたのは、鈍色の龍。
それも、海龍と呼ばれる類のもの]
『……あー。この海域で、一番強い存在を模したようですわねぇ』
[いつの間にか傍らにやってきていた水霊が呟く]
いや待て、それってつまりアレ、東海龍王の姿写してんのか!?
『さすがに、それはありませんわぁ。
……まあ、近しい眷属ではありますけれど』
いや、十分でかいぞその存在。
[きっぱり言いきりながら、改めて鈍色の海龍を見やる。
現れたそれは明らかに不機嫌とわかる様子で両水軍を睨みつけていた]
で、あれ、どうすればいいんだ?
『力を削ぎ落して、その上で……そうですわねぇ。
逆鱗を砕けば、形を失わせる事はできるかと思いますわあ。
……あとは……』
……あー。
その先のやり方は知ってる。
知識の上ではあるけれどな。
……人間がアレやる機会が巡ってくるなんて、思ってもみなかったが。
[はあ、と零れ落ちるのは大げさなため息]
『仕方ないのではないかしら。
貴方様の血脈は、そういうもの、でしょう?』
[直後、耳元に落ちるのはからかうような響きの囁き。
それにこちらが何か言うよりも早く、水霊はふわりと身を翻す]
『あの子に伝えてまいりますわぁ。
そうすれば、他の方々にも伝わるでしょう?』
[軽い口調で告げた後、水霊は身を翻し]
……いや、気楽に言わんでほしいんだがな!?
[突っ込みは、届くことなく風に散った。*]
― 『澱み』の集う場所 ―
え、なに、あれ?
[鈍色の数がだいぶ減った頃。
前方に見えていた鈍色の卵に変化が生じた]
『『虚無』が形を定めたようですわねぇ……わたくし、ちょっと行ってまいりますわぁ』
[現れた姿――鈍色の海龍にぽかん、としている間に水霊はふわりとどこかへ飛び去って行き。
戻ってきた水霊から伝えられたのは、とにかく海龍の力を削って、逆鱗を砕け、という事]
それで……どうにかなるの?
『もちろん、仕上げも必要となりますわ。
……その時には、貴女の力も貸してくださいましね?』
……え。
[ごくごく軽く言われた言葉への疑問はあるが、水霊は今はそれ以上何も言うつもりもないようで。
ともあれ、現状への対処を艦内に伝達したあと]
アデル様、聞こえますか?
あの、鈍色の海龍……ええと、『虚無』が形を定めた結果……らしいんですけど。
とにかく、あれの力を削った上で、逆鱗を砕く必要があるそうです!
[風精を呼び、現状の最優先事項をアデルに伝えた。*]
― 『澱み』の集う場所・海上 ―
[ユウレン側からも幾人かが、海上に降りて露払いを行っている様子だ。
その中に、遠目からだが見た覚えのある姿を見付けた>>221]
ユウレンの剣士殿か。
[その動きは、対応が面倒な方向から来る敵を引き受けてくれているようで]
有難い、これで先に進みやすくなるというもの。
[集中すべき範囲が狭まった分、前進の速度は上がった]
[そして、視界の先。
鈍色の卵の表面に、ひびが入るのが見えた>>222]
まさか、本当に卵だったのか!?
[まるで孵化するかのようなその変化は、この場合歓迎すべきものではないだろう。
やがてその内より、咆哮と共に鈍色の龍が姿を現した>>223]
海龍、だって……!?
[水霊の言う通り、それはこの辺りでも特に脅威の存在として、船乗りたちの間で語り継がれていた]
――あれと戦え、っていうのか?
[為すべきことは、いずれアデルや連絡員を通じて伝えられることになるだろうか。
今はただ、強大なる存在の前に立ち、その様に圧倒されている**]
― 『澱み』の集う場所 ―
……力を削ぐ、って言っても、簡単にはいかないよねぇ……。
[ただ、闇雲に力をぶつければいいというものでもなさそうで。
じゃあ、どうするか、とは思うものの]
とりあえず、全体に援護はかけないと、か。
[小さく呟き、集めるのは水と風の二つの力]
水之力,風之力,集結並遵從我的意志。
水保护,风速。
给同胞一份由两种力量编织而成的纯洁祝福!
[紡ぎだすのは水の護りと風の速さ、二つの力を与える護りの術。**]
海龍?
いや、あれも「もどき」か。
[ 鈍色の殻を割って現れた存在に>>223男は、不機嫌な視線を向ける。船員でなくとも、海洋国家であるシンシャにとって、龍王の眷属たる海龍は格別の存在だ。
その姿を模倣する『澱み』なぞ、認められよう筈もない。 ]
― 『澱み』の集う場所 ―
[あまり表には出されない話、なのだが。
ラヴェンデル家は、ナハティガルの建国王――『始まりの騎竜師』の血を継いでいる。
騎竜師としての才を多く受け継いだ建国王の末子が王族から離れて興した一族であり、建国王からある『願い』を引き継いで今に至っている]
…………まあ、これも血の務めっていやあ、そうなんだが。
それ以前に……あれはちょっと、見苦しいな。
[姿かたちは完全に模しているらしき、鈍色の海龍。
けれどそこには龍という存在が持つもの――特有の輝きともいうべきものが全く感じられない]
せっかく来れた海を、あんなモノにいつまでも汚されてちゃ興ざめもいい所だよなぁ……。
[低い呟きに同意するように、雷竜がぐる、と小さく唸る。
それに、微か口の端を上げて]
……それじゃあ、まあ。
掃除と行くか、オルヒデーエ!
[宣に咆哮が返り、薄紫が大きく羽ばたく。
キアラのかけた水と風の護り>>231を受け、その速度は増した。
空を翔けた雷竜は海龍との距離を詰めると、その身に紫雷を叩きつけた。
反撃とばかりに振るわれた爪をするりと抜けて、鈍色の上へと舞い上がった。**]
[ やがて、ユウレンの精霊師から対処法が伝えられれば、ミヒャエルやダーフィトが露払いした海上を、旗艦も進み始めたか ]
姫君、大丈夫ですか?
[ 海龍もどきに接近するまでの間に、男はアデルの元へ一旦戻って、声をかけた。今度の問いは怪我ではなく、『澱み』にあてられ、疲弊していないかの確認のためだ。 ]
近づける所まで近づいたら、私も一度船を降りてキタミ殿と合流して援護します。
[ 答えを得れば、そう、先の行動を予告して ]
龍の逆鱗...見極めて壊すなら、その目と術を持つのはキタミ殿であるという気がするのです。
[ 海に生き、海を読み取る一族の裔たる彼ならば、と、そう告げた。** ]
― 『澱み』の集う場所・海上 ―
くっ。
[数が目に見えて減ってきた所で次なる異変>>222が元凶たる卵に起きた。咆哮が響き渡り、その姿>>223が露になる]
こいつは、また……
[シンシャの側を窺えば、流石にその威容に気圧されているかの様子が見えた。
睫を伏せ、息を深く吸い込み吐き出す]
また随分と、不遜な存在が出てきた。
と思いませんか?
[実の所、予想していなかった状況にこちらもかなり焦っている。
だからこそ、腹に力を入れて、笑みを作りながら彼>>230にそう声を投げ]
色んな意味で。
こんなの、のさばらせてたまるかって!
[強がっている所に舞い降りてくる、水の護りと風の掩護>>231に顔を上げ。
双剣を構え、海龍もどきの意識を散らせないかと、鱗の隙間を少しでも狙って突きを放った**]
我が身に宿りし破魔焔よ
邪を討たんとせし者達にその身を宿せ───
[呪と共にアデルの周囲には破魔焔である白炎が現れ、渦を描くようにアデルを取り巻く。
直後、白炎が長弓を伝って先端へと集まり、いくつもの筋となって方々に散った。
海を渡り海龍へ直接攻撃しようとする者にはその武器に、砲撃にて力を削ごうとする者達にはその砲弾に。
白炎が宿り、海龍の力を削ぐ威力を上げる]
削るという点では、効果的な威力を出せる数が多い方が良かろう。
[白炎は邪なるものに触れれば、邪を焦がさんとその場に止まる性質を持つ。
攻撃が当たれば当たるほど、浄化の力を宿す白炎が『澱み』を蝕んでいくことだろう]
[鈍色の海龍が艦の射程距離に入ると、白炎が付与された砲弾が海龍目掛けて放たれ始めた。
海面から海龍を狙う者達の動きも見ながら、破魔の弾を海龍へと浴びせていく**]
[ 問い掛けに答えたアデルの言葉は>>242半ば予想通りのものだった。 ]
はい。
[ 限界を正しく見極め、前を任すと託されれば>>243緋に濡れた右手に剣を握り、アデルの前に捧げ持つ。 ]
我が姫の御心、我が剣にお預かりします。
[ 力だけではなく、心を連れて行く...そう宣して ]
後ろは、お願いします。
[ 笑みを残して踵を返し、白炎宿して輝く刀を手に>>245甲板から海面へと飛び降りた。 ]
― 『澱み』の集う場所 ―
……あーー、これは『山』の方に海龍がおるな?
[卵の形をした鈍色の“それ”から孵化した海龍もどきに半眼になる。]
まぁ、よいじゃろ。シンシャの姫君からの力添えもある。
これで負ける方がおかしいじゃろ。
[カラカラと笑って、海龍もどきに駆け出し、剣戟を浴びせる*]
― 『澱み』の集う場所・海上 ―
[龍王、そのものでなくてもその眷属たる海龍は、シンシャの民にとって畏怖すべき存在。
模倣とはいえ、そのような存在と対峙することになるとはと、途方に暮れていたのだが]
――貴殿は。
[傍らからの声>>238に、はっと視線を流す。
ユウレンの剣士の内心までは読めなかったが、力の籠った声とその笑みの意図は知れた]
ええ。
……その存在の意味するものを知らず、ただ力のみを真似たというなら。
海に生きる者として、その在り方を正さなければなりませんね。
[ダーフィトの言葉に後押しされ、鈍色の海龍へと向き直る。
海を統べる者の姿を借りながら、海を汚し澱ませるもの。
シンシャの民、キタミの一族の者として、立ち向かうべき相手と定めた]
は...!本当に走れるものだな。
[ 文字通りに波を蹴って走るという経験は二度とは無かろうと、どこか楽しげにさえ見える顔で駆け抜ける。水と風の加護の効果か>>231先駆けのミヒャエルと、双剣を揮うダーフィトへと追い付くのは早かった。 ]
はっ!
[ 気を散らすように双剣を揮い続けるダーフィトを嫌ってか>>239打ち払おうとするように振り回された海龍もどきのヒレの先を斬り落とす。落ちた部分は忽ち白炎に呑まれて燃え尽きた。 ]
貴殿、もしや、海坊主を沈めた御仁か?
[ 遠くにあって顔は見えなかったが、ダーフィトの身のこなしには覚えがある。そう気付いて、斬撃の合間に声をかけたが、相手に答える暇はあったかどうか。 ]
これは頼もしいな。
[ 答えが無くとも、その腕の冴えと覇気は確かなものと伝わって、男は、ダーフィトの背を守るような位置に立ち、続けて刃を揮う。 ]
ミヒャエル・キタミ!姫君からの命だ!
[ 砲撃や>>247精霊術も飛び交う中、奮戦するミヒャエルに、上意を伝える声を張り上げる。 ]
海を見定めるお前の目で、この海龍もどきの逆鱗を見極めて、叩き砕け!*
― 『澱み』の集う場所 ―
[海龍と直接刃を交える中に、いつのまにか小柄な影が加わっていた>>250]
大烏賊と戦っていた御仁か……?
[遠目にも強者とわかる存在だったから、彼が加わるのは頼もしいことだ。
と、思考したところに、見覚えある太刀筋が走る>>253]
カムナ殿!
[彼の者が前線に現れたということは、護りから攻勢に転じたということ。
砲撃や術が飛び交う最中、彼の張り上げた声が届く>>255]
――御意!
[伝えられた命に、振るわれたヒレのひとつを苦無で牽制しながら諾意を返す]
必ずや、我らの生きる海を汚したこの者を、討ってご覧に入れます!
[為すべきことへの迷いはもう、そこになかった*]
/*
ほんっっっっとお前らwwwwwwww
頑張って『姫ぇぇぇぇ』って効果音がつくような姫ムーブして来たけども、周りの持ち上げが一番効果が大きいよなww
― 『澱み』の集う場所 ―
っと、これは……。
[一撃離脱を繰り返す最中、手にした剣に白炎が宿る。
何がそれをもたらしたかは、すぐに察しがついた]
大盤振る舞い、だな。
ま、そのくらいやらんと追いつかんか!
[どこか楽し気に呟きつつ、接近からの一閃。
海面から仕掛ける面々に攻撃が向かぬよう、意識を空へ向ける事に専念する]
翼があるからこそできる事は、最大限に、ってな!
[軽い口調で紡ぐのは、連綿と伝わる騎竜師の理念のひとつ。*]
[直接海龍を相手取る者の中には、ユウレンからの手練れも加わったよう。
砲撃による援護も続いている。
海龍が白炎に蝕まれる箇所は徐々に増えていっていた]
これだけ喰らえば流石に辛かろうて。
[白炎が片っ端から『澱み』を浄化している状態だ。
後はミヒャエルが逆鱗を見極め、貫くのみ*]
― 『澱み』の集う場所 ―
[かつて、目に見えぬ力の流れを読むことで、一族は水先案内の役目を得た。
そして力の流れを捻じ曲げることで、精霊術としての発展を遂げた]
この龍も、形を得た力そのものなら。
どこかに、力の流れがあるはずなんだ……。
[『虚無』が、海において『澱み』を生んでいたように。
何かしらの、力の集う点があるはずだと睨んだ]
[鉤縄を振るい、鱗を削るように打ちながら、見るのは海龍の体を蝕む炎。
煙が風の流れを示すように、炎の揺れが力の流れを示しはしないか。
そうして見極めた、炎の上る先]
――顎の下、か。
[ノトカー>>258の一閃で龍の顔が上がった一瞬、見定めることが出来た。
とはいえ弱点を長く晒す気はないようで、即座に顔を俯け爪や尾での攻撃に切り替えるのが見えた]
鉤縄や苦無で撃ち抜くにしても……軌道を複雑にし過ぎれば失速する。
それなら――
[周囲で奮闘する、シンシャ、ユウレン両陣営の面々へ一瞬視線を送る]
俺が懐――顎の真下に潜り込んで、逆鱗を叩きます。
どうにか一瞬でいい、奴の顔を上げさせられませんか。
[或いは深手によって隙の出来る一瞬を捉えるか。
いずれにしろ、周囲に自身の方針を伝えて援護を頼んだ*]
応!
[ 返されたミヒャエルの意気を受け>>257男は口の端を上げる。
ふと気付けば、もう一人、ユウレンの旗艦から駆けつけたらしい小柄な人影が目に入った。>>250 ]
これはまた...
[ 一瞬見事な剣技に息を飲み、目を奪われたのは、剣士の性か。 ]
― 『澱み』の集う場所 ―
[逆鱗を砕く事で存在の拡散を狙う、という方針はあるものの。
肝心の逆鱗は狙い難い場所にあるはず。
それを見出し、狙い撃つための策はあるか確かめるために舞い降りた時、願う声>>262が届いた]
……上、か。
そちらに引き寄せるなら、俺の領分になるかな……了解した。
[もちろん、一人で作れる隙には限界があるのはわかっているから]
タイミングを合わせて、頭を狙いに行く。
そのまま上に釣り上げればいいって事だろ?
[雷竜の秘めたる力の一つに、超高速移動というものがある。
文字通り一瞬で距離を詰め、相手の意表を突くというもの。
対人戦よりも、こう言った大型の存在に対するのに特化した能力は、何気にあんまり知られていないもの。*]
― 『澱み』の集う場所・海上 ―
でしょう?
[ミヒャエル>>251の返事と構えに、ニッと笑みを深める]
お。こいつはまたありがたい。
[それがシンシャの次期女王からもたらされたものだと直に知れはしなかったが、浄化の白炎>>245を得てより深く届くようになった刃の威力に合わせて、動きもまた一段と鋭さを増した]
っと!
[回避の間に合わぬタイミングで振るわれたヒレ>>253には衝撃を覚悟したが、届くに輝く刀が斬り落として浄化の炎の中に消えていった]
助かった!
[感謝を伝えると問い>>254が返ってきたが、今度は苛立った海龍の尻尾が迫ってきていた。肯定の頷き一つだけを返し、戦闘に意識を戻す。背を預けるに足る相手として、呼吸を合わせ海龍を翻弄することに集中する。
そうこうする内にコリドラス>>250が絶技を振るうのも見えるようになり、心の余裕が増えてくる]
おっと...!
[ 隙をつくように上から落ちてきた鋭い爪を刃で弾き返す。白炎の力が無ければ、出来ない技だったろう。 ]
顎の下...そうか。
[ ミヒャエルが見定めた逆鱗の位置を聞き、その求めに頷く。>>262 ]
承知!
[ す、と身を沈め、そのまま、先刻弾いた海龍もどきの脚目掛けて跳躍し、刃を一閃。脚への斬撃から逃れようとすれば、自然、身体は起きる筈との狙いだった。* ]
了解!
[ミヒャエルの要請>>262に応えながら、チラリと視線を流す。
身を沈めるフィオンの動き>>268にその意図を感じ取り、一拍遅れで海面を蹴った。
キアラの風の護りを最大限に使わせてもらい、もう一方の脚に向け立て続けに双剣を振るう*]
― 『澱み』の集う場所 ―
[求めに応じた各自が動き出す中、雷竜と呼吸合わせて機を計る。
速すぎても遅すぎても機を逸する、と思えば慎重にはなるが、慎重になりすぎても、とも思いつつ]
…………跳ぶぞ!
[フィオンとダーフィトが動く>>268 >>269。
それに合わせて、短く号をかけた。
雷竜の姿が掻き消え、直後、それは海龍の鼻先に現れた。
振るわれる剣一閃、直後、更に高度を上げる。
与えた一撃は挑発目的、それによって海龍が上へと顔を上げる事を狙ったもの。*]
― 『澱み』の集う場所 ―
[コリドラスの術>>264が海龍を縛り、動きを阻む。
フィオン>>268は海龍の足元にて斬撃を放ち、その意図を受けたダーフィト>>269も、もう一方へと斬り込んでいった。
そして雷竜と騎竜師>>270は、一瞬で海龍の鼻先へ到達し、一閃を振るう。
攻撃を嫌がるように後退った海龍は、挑発に苛立つように顔を上げ――]
[その機を逃さぬためには、ただ走るのでは足りないと承知していた。
息を吐き、膝を軽く曲げる。
鉄の靴底が、水面よりも更に少しだけ浮き上がり]
テツ、――今だ!
『おう、やるぞ』
[磁力の反発と誘引、その力でもって、精霊師は脚力を超えた速度で水面を翔ける。
途中、無作為に暴れる龍の爪が見えたが]
――――っ!
[体を外へ倒すようにしつつ、速度を上げて強引に交わした。
爪の掠めた左腕に紅が滲むが、気にしてはいられない]
――見えた。
テツ、飛ばせ!!
[かつて見届けたフィオンの勇姿を思いながら、今度は自らを磁力で打ち上げる。
そして、折り重なる鱗の中に。
逆さに生える一枚を、確かに見出した]
はあああああっ!!
[気合いと精霊の力を込めて、自らの体ごと後方へ回転をかけながら、その一点へ鉤を打ち付ける]
[そして逆鱗は、過たず打ち砕かれた*]
― 『澱み』の集う場所 ―
[ミヒャエルが水面を翔ける姿>>272は、上からよく見えた。
龍の爪が掠めた様子には僅かに眉を寄せるものの、それの程度では折れぬとの信もあるから動く事はなく。
飛ばせ、の声と共に宙を翔け、逆鱗へと迫る姿を。
気合と共に鉤を打ち付ける様子を。
上から確りと見届けて]
……お見事!
[向けたのは短い賞賛]
[逆鱗を砕かれた海龍ははっきりそれとわかる怒りを込めた咆哮を上げる。
爪や尾が無軌道に振るわれるが、それは場にいる者を捉えるより先に、鈍色の粒子となって崩れてゆく。
そうして、後に残ったのは――ぽかりと宙に浮かぶ、蠢く鈍色の塊がひとつ]
残滓にまでなったか……あとは、これをどうにか抑え込んで……!
[抑え込んで、浄化する。
さてそのためにどうするか、と思考を巡らせた直後に、碧い光がふわり、とその場に舞い降りた。*]
― 『澱み』の集う場所 ―
[白炎を宿した攻撃が、鈍色の海龍の力を削っていく。
その様子を見守りつつ、少女はと言えば攻撃に参加してはいなかった。
何故かというと]
……結界術?
まあ……わりと、行ける方だと思うけど。
イリィを守ったり、つけ狙う不届き者を捕まえたり、ってのも結構あるからね。
[水霊から唐突に、結界術や封印術は得意な方かと問われてこう返した結果、力の温存を請われたから]
でも、なんに使うの?
『『虚無』の『澱み』を完全に消し去るために必要になるのですわぁ』
……でも、あれ、閉ざしたくらいじゃ消えないでしょ?
『仕上げは、他の方のお勤めですわぁ。
ただ、それを迅速かつ的確に行うために。
あの海龍のカタチが崩れた後に残るものを捉え、抑える結界が必要なのです』
それをアタシにやれ……って、ぇ。
ちょ、大変すぎる事、軽く言ってない!?
『そうですわねぇ。
……でも、水の流れの理を識る貴女であれば、わたくしから力を引き出す事も叶うはず。
……もっとも、わたくしと『盟』を交わす事を厭わぬのであれば……ですけれど』
『盟』を、交わす……。
[特定の精霊と盟約を交わす。
それは、精霊師に大きな力を与え得るもの。
勿論、相応のリスクがついて回る事もあるが]
『強制はいたしませんわ。そして、その場合はわたくしが全力で補佐を……』
[さすがに戸惑いを隠せずにいたら、水霊は少し困ったような声音で言葉を紡ぐ。
それを、手を上げる事で途中で遮って]
……いいよ。そっちが、アタシでいいんなら。
やるべき事があって、それに求められるなら全力で行くのがカマグィの家訓だからね。
[言い切る表情は不敵ともいえるもの。
その様子に、水霊はあらまぁ、と呆けたような声を上げ]
『……ふふ、思っていた以上に肝が据わっておりますのね』
[それから、楽し気な声でころころ、と笑う]
そのぐらいじゃなきゃ、ユウレン王家にお仕えするなんてできないもん。
……で、何をすればいいのかな?
[精霊との盟約と言っても、その方法は多岐にわたる。
だから、何をすればいいのか、と問いかけて]
『貴女の名をわたくしに。わたくしの名を貴女に』
……アタシの名前……キアラ・カマグィの名を、あなたに。
[静かに言いつつ、手を差し伸べたのは半ば無意識]
『わたくしの真名……『クロエ』の名を、貴女に』
[差し伸べられた手に水霊は微かに笑み、その手に己が手を重ねる。
碧い光がふわりと散って、直後、強い力が流れ込んでくるのが感じられた]
『……一先ずは、仮の契約ですわ。
ですが、今この場にて、わたくしの力は全て、貴女に委ねましょう』
ん……わかった。
[不安がない、と言えば嘘になる。
流れ込む力は強く、ともすれば酩酊感すら覚えそうになるもの。
けれど、今はこれが必要だと言うなら受け入れよう、と。
そう、思う心に迷いはない]
……水,水,回應我。
[術の媒介である鈴を握り、力を凝らす。
碧い光が周囲をみわりと包み込むのと、鈍色の海龍の逆鱗が打ち砕かれる>>273のはほぼ、同時]
不應該在這裡的東西。
在很深的地方睡覺的東西。
[憤るような咆哮が響き、海龍の体が崩れていく。
後に残ったのは、蠢く鈍色の塊。>>275]
將它包裹起來的水的束縛現在就在這裡!
[それを睨むように見つつ、結界術を完成させる。
碧の光がふわりと舞い上がり、鈍色の塊を包み込んでその動きを止めた。*]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新