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次の日の朝、語り手 が無残な姿で発見された。
夜が明け、悪夢は現実のものとなった。
人狼は確かに存在するのだ。そしてその血腥い牙で我々を狙っている…。
人々は苦悩の末、最終手段を取る事にした。
投票により、1日に1人ずつ疑わしい者を処刑する。
例え無辜の犠牲者を出すことになろうとも…。
現在の生存者は、煌天の騎竜師 アイリ、虹彩の精霊師 アルビン、炎狼の双剣士 コンラート、水蛇の半妖 ロヴィン、穿空の騎竜師 カレル、情報屋 ウェルシュ、風渡り クラリッサの7名。
― 翡翠ヶ淵 ―
[治癒と疲労回復の術>>1:338を受けて、先の負傷も問題なく治っていく。
そんな中で、ウェルシュの呼び掛け>>1:350を耳にした]
ヤバいの、ね……。
[神代級と言われても実感が湧かないのが本当のところだ。
何が出るにしろ、護りのために力を尽くすとは先に決意した通りだけれど。
ミサンガとそれに対する助言>1:>351は有難く受け取って。
場所は問題ないだろうが、戦闘時に引っ掛かりがないよう調節した**]
水蛇の半妖 ロヴィンは、虹彩の精霊師 アルビン を投票先に選びました。
― 翡翠ヶ淵 ―
[休息の後は、再び河に沿って奥へと進む。
滝に至るまでの道中は、小型の妖がもふもふと走り回っていたがこちらに仕掛ける様子もなく、そこには平和があるようだった]
とはいえ、白兄の話だと……。
[この先、滝についたら厄介事が待っているわけで。
そう思うと自然、意識は引き締まった]
― 天龍滝 ―
[道を進むにつれて大きくなる水音は、やがて、その源を露にする。
山頂の天輪湖から落ちる瀑布――天龍滝。
風龍峡の絶景の一つであり、一般に立ち入りが許されている最奥に当たる。
普段は騎竜師の鍛錬場の一つとなっている場所なのだが、さすがに今は人の姿はなく、代わりに]
…………ねぇ、なんでこんなとこにこんなのがいるの?
[なんて、思わず誰かに聞きたくなるようなもの――どう見ても海産物です、な巨大な蟹の姿があった]
[ボケてる場合じゃない、との突っ込みはどこからか入ったか。
入らなくても、白銀のるぅぅぅ、という鳴き声が意識を現実に引き戻すのだが]
どうしたの、リュウ……って!
[問いかけの途中、唐突に滝の水が爆ぜた。
正確には、内側から何かが飛び出してきた、という感じなのだがそこまで見て取る余裕はない。
礫とも言えそうな水の塊を避けるべくとっさに上昇し、距離を開けた所で改めて、現れた存在を見た]
…………りーちゃん?
[口をついたのは慣れた呼び方。
しかしてそれに返るのは、シャアアアアア、という鋭い咆哮]
暴走してる、とは言ってたけど……!
[ここまでとは思っていなかったから驚きが先行する。
とはいうものの]
ここで止まってられないし、このまま放っても置けないし。
……みんな、全力で行くよ!
思いっきり殴って、目、覚まさせる!
[先に進まねばならない以上、そして、守り人を放置できない以上。
選択するのは、物理的解決方、一択。**]
― 翡翠ヶ淵 ―
[出発前に渡されたお守り。>>1:350
感じる力は自身には馴染みのないものだが、嫌なものではないから、素直に受け取った]
ありがとうございます。
……どうにも、妖という存在の力には慣れていませんので。
こういう助力は助かります。
[いわゆる魔獣や妖魔、妖精とは似ているようで違う感触。
そこらに不慣れなのは事実なので断る理由もない、というのが実情なのだがそれはさておき。
掻い摘んで話された内容には、ちょっとだけ遠い目をしたくなったのは許されてほしかった]
― 天龍滝 ―
[出発してから滝に至るまでの道中は穏やかだった。
ただ、進むにつれて仔竜のはしゃぎ方が尋常ではなくなり、色々と手を焼く羽目になっていたりもしたのだが]
生まれた場所に近づいている事で、気持ちが高ぶっているだけ……だと、思うんですけど。
[道中、その様子の意味を問われたならこう返して。
たどり着いた先で待っていたものに呆気にとられたのはわずかな時間だった]
……モーント、シエル!
[とっさ、呼びかけるのは絆の先たち。
応ずる声を聞きつつ力を集め、水の礫を弾く壁を作り出す]
やれやれ……こちらもだいぶ規格外のもののようですが。
やらなきゃいけないのは確かなようですしね……!
[これはこれで、相棒が見たらどんな反応するだろうか、とか。
過ったものはとりあえず押し込んでおいた。**]
☆2d前半・天龍滝
フィールド
天龍滝の滝壺近辺。滝が作り出す虹が随時かかり、とても涼しげ。
足場的にはこれまでと同様、砂利の多い岩場。騎竜師が修行の場として選ぶ事が多いためか、周囲はわりと開けている。
登場敵
暴走した海龍が呼び出した水の妖魔たち。
魚や半魚人に巨大な蟹、攻撃意思を持った水流など種類は様々。
ボスキャラ
瑠璃色の鱗の海龍。
翼はなく、トビウオのそれとよく似た形のヒレを持ち、それを使って空中を泳ぐように移動する。
爪や牙も用いるが、どちらかと言うと水を操ったり、長い尾を使った中距離戦を好む模様。
判定方法
戦闘描写と絡めつつ、fortuneをactで最大5回振る。
【判定リミットは2/16の00時です】
【判定数値は、メモに記載お願いいたします】
村の更新日が延長されました。
虹彩の精霊師 アルビンは、虹彩の精霊師 アルビン を投票先に選びました。
― 翡翠ヶ淵 ―
あー、そう出来ると便利ですよね。
ヤバいの相手だと念を押しといた方が良さそうだし。
ちょっと触ってもいいですか?
[ウェルシュの説明>>1:352に、ふむ、となる。
風虎としてはまだ若い自分、そんな風には妖力を使いこなせないのでちょっと悔しい。
蜘蛛糸単独状態を知りたくて服に触らせて欲しいと願い、少し試行錯誤してどうにか風の気も絡みつかせることに成功した。
改めて、癒し>>1:388を受けた左手首に結び直し]
これでよしっと。
ありがとうございます!
[改めてウェルシュに礼を述べる。
しばらくすれば言われたようにできるはずだ。
多分。きっと。どうにかなるなる]
― 翡翠ヶ淵 ―
[それからもう一人の素材提供者、妖白狼にも近づいて]
あなたにも、感謝を。
僕は僕の理由があってここに来たけど。
調査隊に加えてもらったからには最後まで頑張るので。
[守り手という存在への敬意を込めて一礼し]
いってきます!
[そう言って奥へ向かった**]
風渡り クラリッサは、虹彩の精霊師 アルビン を投票先に選びました。
― 翡翠ヶ淵 ―
シエルも応援してくれてたんだなー、ありがとう。
[ おおはしゃぎの仔竜に>>346にこにこ笑顔を向けるカレルに、屈託は無い。クラリッサの声>>333にも、同じ笑顔を向け ]
ありがとう。みんなが、頑張ってくれてたから、届いたんですよ。僕が出来たのは最後の伝達係かな。
[ 謙遜ではなく、本気の言葉だ。 ]
― 翡翠ヶ淵 ―
[掻い摘んだ話に対する反応>>6については]
(あっ、この人もなんかあったんだな)
[なんてことを思う。
妖白狼との会話であった、神代絡みのあれそれの周期が来ているのでは、という話はやはり本当なのかもしれない。
というかナハティガルでもあったのか、なんて思ったのは仕方のないこと]
妖はここらにしかいないからね、慣れてないのも無理はないさ。
……まぁ、この先いるのは妖なんかじゃないかもなんだけど。
[次のもアレだしなぁ、とちょっと目を逸らす]
シロりんの神気もあるし、御守りにはなると思うよ。
[だいぶ気休め感のある言葉だが、力が込められているのは確かだ*]
― 翡翠ヶ淵 ―
はい、剣に守られてばかりじゃ、ダメかもしれませんけど、隠者殿には感謝してます。
[ ウェルシュの内心は知らず>>349そして隠者の正体も実は知らないカレルの答えは素直なものだった。 ]
君も援護してくれたね、ありがとう。
[ アイリとの話が終わるのを待って、ロヴィンにもそう感謝を告げて、妖白狼と、ユウレン関係者のどこか身内感の見えるやりとりを、微笑ましく見守る。 ]
[ その表情が変化したのは、神代、という言葉が耳に入った時のこと。>>1:310 ]
やっぱり、ここにも、か。
[ 小さく、呟くと、首に提げた白銀を、カレルは、そっと握り締めた。 ]
ありがとうございます。
[ 程なくウェルシュからお守りが配られると>>1:350真顔で感謝を告げ ]
僕はまだ、未熟ですけど、神代から繋がる想いを潰えさせぬように全力を尽くしますから。
[ ミサンガを腕に巻いてから、その腕を胸に当て、つい先刻、全力をぶつけた相手でもある妖白狼に、騎士の如き一礼を贈った。* ]
― 天龍滝 ―
[ 休息の間に、アルビンからの治癒と体力回復の術も施され、再び山頂への道を辿る。 ]
ちっちゃいのもいるんだなあ...
[ 途中見かける小型の妖は、なんだか普通に野生動物な感じがして、不思議な気分になった。 ]
[ しかし、そんな観光気分も束の間 ]
...でっかいのも、いた。
[ でん、と、視界を塞ぐ巨大蟹に>>3一瞬、呆然と目を見開いたカレルだったが、続いて滝から何かが飛び出すのを見とめると、躊躇わず滝に向かって飛ぶ。 ]
アーク!
[ 間髪入れず放たれた風刃のブレスを阻むように、ざぶんと、何かが川から飛び出してきた。 ]
[ すぱんと、縦二つに別れて流れに消えたのは... ]
蛙?
[ 良く見えなかったが、ガマガエルっぽかった気がする。** ]
穿空の騎竜師 カレルは、虹彩の精霊師 アルビン を投票先に選びました。
― 出発前:翡翠ヶ淵 ―
[治癒術>>1:338がかかれば]
よし、これでまた。
[誰かさんに聞かれたら、間違いなく怒られそうなことを呟いて]
アルビンさんありがとうございます!
[ふっふるー、とフレアがアルビンの周りを喜びで駆けたとか*]
炎狼の双剣士 コンラートは、虹彩の精霊師 アルビン を投票先に選びました。
― 天龍滝 ―
[アイリの先導に従って、辿り着いたのは大瀑布>>3
心地よい水の気配に浸っている暇もなく]
こいつは……。
この辺の水の匂いと、違う。
[海、と判じる知識はなかったが、奇妙な生き物の存在に怪訝な顔をしていると。
そこに響くのは龍の警告と>>4]
なっ……こいつが……。
[唐突に水が弾け、咆哮が響く。
アイリの呼び掛けにも答えず、何かが暴れている。
水塊は真っ当にぶつかる前に、力場の壁>>8によって弾かれたが]
何か色々呼び出してるのも、こいつか。
[暴走の本体に一撃を届かせる前に、周囲を妖魔らをどうにかしなければならないようだ。
なんとなく自分に近しいような妖魔も見て取れるが、ここで退いてはいられない]
"水"を乱すやつを見逃してたんじゃ、ここまで来た意味がないだろ。
[自分と同種の力を更に大規模に操る相手、ではあるが。
挑みかかるように一度視線を向けて]
[少し前に礼を告げてくれた騎竜師>>18に続くように、戦闘を開始する。
間近には水の流れから飛び出すようにして、妖魚が迫っていた。
カジキめいた尖った鼻先が、こちら目掛け閃く*]
[射線を外すように身を回して、空いた相手の腹を鱗刃の一撃で仕留める。
力の親和性があるからか、これまでより動きがいいようにも思えた。
無論、それが有利に働く者ばかりでないのは承知の上]
その分、俺が動かないと……。
[この機に成果を上げておけとばかりに、左手にも刃を握る。
見据える先にあるのは、銀色の"群れ"だった。
個々には小さな魚だが、群れ為すことで相手を削る力ともなろう]
なら、群れを乱せば……!
[二つ同時に放った刃は、螺旋の軌道を描く*]
― 天龍滝 ―
[先に進み、辿り着いた瀑布で見えたものに]
海のものは海に帰れよぉ!!
[普段なら洋上訓練とかで見かけるタイプの蟹に、思わず叫んだのはやむなし。]
[水流を乱された群れは統率を失い、ばらばらな方向へ進み出す。
ただし複雑な流れを乗りこなした小魚もおり、それらは小さな礫としてこちらへ体当たりを敢行した]
――って。
[両腕を交差させるようにして目元は守ったが、散発的な打ち身は避けようもなかった。
まだ軽傷の部類ではあるが]
大雑把すぎた、ってことか。
[気を引き締めるように独り言ちて、次を見据えた*]
『うわわっ
はぁ!?
[滝の水が爆ぜた>>4ことに一番驚いたのはフレアで。
礫のように降り注ぐ水─それを防ぐ壁>>8が現れたが─に、小さく悲鳴をあげながら逃げ惑っていた。]
(水の精霊とかも平気なのに、塊はダメなんだなぁ)
[呑気なことを考えながら、見覚えのある相手に]
『うわわっ』
[滝の水が爆ぜた>>4ことに一番驚いたのはフレアで。
礫のように降り注ぐ水─それを防ぐ壁>>8が現れたが─に、小さく悲鳴をあげながら逃げ惑っていた。]
(水の精霊とかも平気なのに、塊はダメなんだなぁ)
[呑気なことを考えながら、見覚えのある相手に]
― 天龍滝 ―
[まぁ何と言いますか。
水の妖と言うと水中で活動すると思いがちだが、何といっても妖なわけで。
ウェルシュの目の前には自ら水を生み出しながら空中を泳ぐ鯉の妖がいた]
これ滝登ったらヤバいやつじゃない?
[さっさと倒すに限る、と蜘蛛糸を紡ぎ出す]
ま、とりあえず、アレ殴るには周りが邪魔だし。
フレアは下がってろよ?
[とりあえず、戦力にならなそうなフレアを下げて]
ー 天龍滝 ー
[案内に従って着いた瀑布は、虹の掛かるとても美しい場所。だったのだが]
こ、これは。
[ゴクリと唾を飲み込んだ]
[掌から射出された蜘蛛の巣の形をした網は、水を弾けさせながら空中を泳ぐ鯉の正面を捉える。
鯉は咄嗟に身を捻り、ぴち、と跳ねた尾びれの先から水の槍をウェルシュ目掛けて飛ばしてきた。
顔目掛けて飛んできたそれを、首だけの動きで直撃を避ける。
左頬に紅い線が残った]
色々力も使いそうだから、お前のも貰うよ。
[逃げ切れず網の中でぴちぴちしていた鯉を手元へと引き寄せ、爪を突き立てる。
この姿で齧り付いたら流石に周りがびっくりするだろうと思っての配慮だ。
妖力を吸うに従い、鯉の周囲に漂っていた水が滴り落ち、鯉自体も動きを無くしていく]
< 地克、食べて良いよ >
[地下に待機する配下に告げて、鯉を地面に落とした。
地面に小さな地割れが現れ、その中に鯉は吸い込まれていく*]
[次に目に入ったのは蟹とは異なる赤い生き物]
お、海老もいるじゃーん。
[美味しそうな海鮮シリーズその2に満面の笑み。
何故か二足歩行している巨大海老は鎧を纏った武者の如し。
振り上げられた鋏が槍とも槌とも言えぬ物々しさを醸し出していた]
フレりんもいるし、焼きかな、これは。
[食べる気満々だ]
― 天龍滝 ―
[ 弾幕のように飛んでくる水の塊は、風刃でちらしているが、周囲で始まった戦いで水飛沫が飛び散り、視界も悪い。 ]
一気に、大元へってわけにはいかないか。
[ 文字通りの露払いが必要と感じて、川の上を旋回する。ばしゃん、と川面から細長いものが飛び出した。 ]
えいっ!
[つむじ風は両手の間で大きさを増し、小さな竜巻のようになった。
それを、人間の顔程もある二枚貝が複数浮き上がってきた辺りに向けて押し出す。
それなりの数を巻き込んだ小竜巻は、貝同士をぶつかり合わせ、上空へと放りあげた]
― 翡翠ヶ淵 ―
[感謝を告げるクラリッサ>>10に、妖白狼はこて、と首を傾ぐ。
そのまましばし見つめた後、わふ、と息を吐いて]
『……まあ、うん。
君の風の吹く先が、よきものである事を。
[口調は軽いが、紡がれたのは力あるものの言祝ぎ。
どうか澱む事無くとの願いを込めたもの]
[一礼するカレル>>20に対し、妖白狼はわふり、と尾を一つ振る]
『……んー、そうだねー。
神代から続くものは、大体大事なものだから。
しっかり、まもってねー』
[告げる口調はどこまでも軽い、けれど。
見返す瞳は穏やかなもの。
もっとも、直後に大欠伸と共に閉ざされてしまうのだが。*]
……蛸もそうだけど、なんで牡蠣?
[真っ二つにしたそれに、外で焼いて食べる、ってイベントでもするの?と言いたげに首を傾げる。
どうでもいいけど、牡蠣は酒蒸しにしてもおいしいよね。]
[ 川縁に落ちたのは、にょろにょろと動く巨大ウナギ。ばちばちと発光しているところを見ると、電気ウナギっぽいものらしい。 ]
不味そうだなあ......
[ でかすぎて多分大味に違いない。浮かんだ感想を頭を振って消しとばすと、剣を抜く。 ]
― 天龍滝 ―
[答えがもらえるとは思っていない、だから、疑問に疑問が返って>>14もそこは已む無し、とは思う。
思うけれど]
……これ、かなり、理不尽っ!
[そんな憤りが落ちるのは已む無しとしてほしい所。
もっともそれをぶつけるべきは目の前を阻むものたちなわけで]
[寄り合わせた蜘蛛糸は強靭な縄の如くありながら、柔軟性に富み千切れにくい出来となる。
投げつけられた縄を巨大海老は鋏で叩き落したり切ろうとしたりしたようだが、ウェルシュ自身が操っているため何度弾いても襲い掛かって来るわけで。
鋏で縄を挟んだところを狙い、それを起点としてぐるぐる巻きにしてやった]
覚悟しろー!
[今度はウェルシュ自身が飛びかかる]
― 天龍滝 ―
[周囲で幾つか上がるような、美味しそうという感情は抱くことが出来なかった。
単に味を知らないせい、というのもあるかもしれないが]
[ウェルシュの行動>>40に薄ら寒いものを覚えつつも、今は眼前の戦いに集中する。
そこには全身を青い鱗に覆われた小人がいた。
自分よりもずっと、水と魔の者に近い気配]
――呼び出された、ってことは余所者だよな。
[爪を振りかざすそいつ向け、こちらは水切りの要領で下手投げを放つ]
[蹴りが届いたのは柔らかそうな腹部よりも少し上。
甲殻が少し残っているところだったため、巨大海老へのダメージはそこそこと言ったところ]
かってえぇぇぇ。
[ちょっとばかし足にじーんときた*]
[繰り出した槍が捉えたのは、巨大なトビウオ。
神獣角の銀の穂先は綺麗にその身を貫いた]
……いや、海のものは海にいようよ!
[突っ込みと共に槍を振るって払い落とせば、トビウオはそのまま落ちて川の流れにばしゃりと落ちた]
あー……なんか、調子狂うぅ……。
[ 刺突で跳ね上げたウナギを一閃して輪切りに、したのはいいのだが。 ]
うわっ!
[ 消える瞬間に放たれた電撃がカレルの頭上に弾け、少しばかり髪が焦げた。 ]
[こちらの気がそがれていても、白銀の方は気を張っていた。
虹の仔竜と同様、こちらも生まれた地へ近づいた事でテンションが上がっているのかも知れない。
ばさり、と羽ばたいた翼が巻き起こした風は、上空から迫っていたもの――薄く広がった水の膜のようなものを切り裂き、散らす]
……え、なに……!?
[どうやら、水によく似た性質の妖魔か何かだったらしい。
ぽかん、としていると、気を付けて! と言わんばかりに白銀がるるぅ! と鳴いた。*]
[拳を握って小竜巻を動かす。
少し大きめの岩まで引き寄せ、止めて。散る前にもう一度、今度は吹き下ろしの暴風と成す。
互いの硬度で傷ついていた殻は皹が入り、あるものは完全に割れ、巻き込めたものは殆んどが動かなくなった]
あっ、思ったより割れちゃった。
[つい残念そうに見てしまうのは許してほしい]
……うん、あとでこれ、フレアに焼いてもらおう。
[三枚おろし状態になった真鯛モドキに、そんなことを呟いて。
それでいいのか、精霊の使い方*]
― 翡翠ヶ淵 ―
[思わずやった遠い目が相手に何か思わせた>>12のには気づく余地なく。
続けられた言葉と、目を逸らす仕種に、え、どういう事、と思いはしたが追及するより見た方が早いと思ったからそれ以上は言わず]
……まあ、うん。
良い経験と思って、頑張りますよ。
お守りも、心強いものですし。
[その辺りは本音だから、笑顔でこう言って。
嬉し気に跳ね回る炎の精霊とその盟約者>>24の様子には、いえいえ、と返すだけにとどめた。
このタイプは突っ込んでも意味がない、とは、相棒とのあれこれで身についているから。*]
[足元狙いと見せ掛けた一撃を、水の操作で跳ね上げ脇腹狙いへと変える。
それなりの知能を持つと見た相手への小手先技だ。
勢いのまま振られた爪が顔を掠めるが、傷は浅い]
在るべきところに帰ってくれ。
[水に沈む半魚人から、視線を次へ映す。
先程から時々現れる海の蟹が、こちらへも近付いてきていた。
ただ、それは随分と不均衡な姿をしている]
なんで鋏が片方だけでかいんだ……?
[シオマネキ、という名を知る機会はあるだろうか。
ともかく魔の者であるその蟹は、大きな鋏をまさに武器として振るわんとしている]
[足元狙いと見せ掛けた一撃を、水の操作で跳ね上げ脇腹狙いへと変える。
それなりの知能を持つと見た相手への小手先技だ。
勢いのまま振られた爪が顔を掠めるが、傷は浅い]
在るべきところに帰ってくれ。
[水に沈む半魚人から、視線を次へ映す。
先程から時々現れる海の蟹が、こちらへも近付いてきていた。
ただ、それは随分と不均衡な姿をしている]
なんで鋏が片方だけでかいんだ……?
[シオマネキ、という名を知る機会はあるだろうか。
ともかく魔の者であるその蟹は、大きな鋏をまさに武器として振るわんとしている]
くっ!
[ギン、と異様に硬い音を立てて閉じる鋏。
流石にたまらず、大きく後方へ跳躍して]
そんなデカブツ振り回すの、無理あるだろ!
[再び鋏を振り上げようとするシオマネキ。
その機を狙うように、鋏の付け根へ向け刃を投げる*]
うーん、もしや返礼かな?
[ どうやら元は妖白狼とは縁深そうな海龍が、この騒ぎの元凶なら、あちらを殴ったカレルが電撃を返されたのはなんとなく偶然ではないような気がしなくもない。 ]
とはいえ、ここを鎮めるのが、皆の願いでもあるからね。
[ 次に現れたのは、水球と共に浮かび上がるクラゲぽいもの。ふわふわと揺れる触手がまた発光しているのは気のせいだろうか? ]
― 天龍滝 ―
[道中、テンションの上がった仔竜がクラリッサにじゃれついた時はさすがにあわあわとしたものの。
問題ないよ、という言葉>>37に心底ほっとして、ありがとうございます、と深々頭を下げる、なんて一幕もあり。
そして今、天龍滝までたどり着いた所で]
……シエル、落ち着いて……。
[水の礫を弾き飛ばした後。
見た事もないものの登場にぴぃぴぃぴぃぴぃ、とはしゃぐ仔竜の様子にはあ、とひとつ息を吐いた]
ともあれ、何もしないわけにはいきませんし……モーント!
[呼びかけに応じ、金糸雀色の光が散る]
自由なる光、その源たる鏡の煌き。
その欠片の鋭さを持って、我が敵を切り裂かん!
[紡いだのは、滅多に使わない攻撃系の術。
いつの間にか足元に忍び寄っていた緑色のずるずるした物体――動き回る海藻へ向けて金糸雀色の刃が飛んですぱりと切り裂いた。*]
[ 触手を切り刻まれたクラゲごと、水球が、カレルの頭上めがけてぶつかってくる。 ]
アーク!
[ ぴゅるるー!と、声をあげ、水球に突っ込むように風竜は高度を上げた。 ]
[食料を確保した後、すいっと滝壺から流れる川部分へと近付いてみる。
もしかして大量にいたりしないか、なんて思ったのだが、その期待は見事に裏切られた]
げ、
いやいや、ちょっと待って、流石にそれは、
[水面が揺れ、頭を擡げるように宙へと盛り上がっていく。
呼び出されたにしても、こんなのまで呼ぶか!?となったのは致し方ないこと。
ウェルシュよりも数倍はある海坊主がそこにいた。
海坊主の中ではこれでもきっと小さい方だろう。
水を纏ったままのそれは、目玉をぎょろりとウェルシュに向けた]
でかすぎるってば!
[ウェルシュは水際から一度飛び退く]
っとぉっ!?
[死角に近かった場所から顔に向かい飛んできたのは、圧縮された水の刃、いや、水槍とでも呼ぶべきか。
髪数本の被害で済んだのは奇跡的な勘働きのおかげ。
気配を辿った先でこちらを指しているのは、人型をとった水のうねりだった]
狂乱が伝播したとかか。
[目を細め、スゥと息を吸い込む]
― 天龍滝 ―
海のものが多いのは、りーちゃんの眷属だから……かな?
[よくよく見まわせば、海産物がやたらと多い。
さっきのトビウオもそうだったな、と思いつつ
見やった当の海龍は滝の前で低く唸り、時折薄い羽根をばたばたと動かしている。
以前に見た時はただきれいだなあ、と思えたその様が、今は言葉にできない圧をかけていた]
とはいえ、あんなのはりーちゃんらしくない、し!
……リュウ!
[名を呼べは、応じて返るるぅ! という声。
羽ばたきの音を残して降下する先には、こちらを見上げる巨大な魚]
[ 風纏う剣に両断されて、水球とクラゲは、ぱしゃんと、弾けた後、一瞬で蒸発した。 ]
そう何度も食らうわけにはいかないからね。
[ ふう、と吐息をついて、濡れた様子もない剣を一度収めると、再び旋回しながら、周囲の様子を伺った。* ]
[勢いよく放たれた水鉄砲と交差する槍。
勢いのついた水流が腕をかすめるものの、こちらの繰り出した槍は確り、相手を貫いていた]
いよ、っと!
[貫いた巨大魚ごと、なんとか槍を上へとあげて]
『はぁーい。
ついでに美味しく焼いとけばいーいー?』
[フレアの傍に転がされたエビ>>67を、てしてしと叩きながら、確認をとる。
確認取っても落ち着くまでは、焼かないのだけど。*]
[降ってきた巨大魚の質量は、いい感じに小さな魚たちを押しつぶしたものの。
寸でのところで逃れた幾匹かがこちらに飛び掛かり、足や腕に牙を立ててくる]
こんのっ!
[噛みつくそれらを振り払いつつ、一度上昇して]
……リュウ!
こっちの方が得意だから。
[周囲をヒュンヒュンと飛び交う風。
水は斬るには向かないと知った上での選択は]
一気にいくよ!
[ある種の数の暴力だった。
ズタズタになったというか、風の集中で吹き散らされた感もある人型の水は、バシャリと水面に落ちて消えていった]
[風は尚も追いすがる魚たちを吹き散らす。
追ってくるものがいなくなった、と判ずると、はあ、と大きく息をついた]
……魚と空中戦とか、ふつーにないでしょ、もぉ……。
[思わずもれた呟きに、白銀がるるぅ、となだめるような声を上げた。*]
/*
最近には、めずらしく早めに来れたので、ここで独り言を残しておきますね。ふかふかしたなまものです、こんばんは。
ちょっと家族が体調崩してしまい、いつもより更に不定期参加です、申し訳ない。そろそろ落ち着いたっぽいから、この後は、少しマシになるかなー?
[生み出した戦輪は、巨大な海坊主に対しては心許なく見えるもの。
けれど先のクラリッサとの会話>>1:345>>1:352から、ウェルシュはあることを思い付いていた]
せぇ、のっ!
[作り出した戦輪のうち3つを海坊主へと投げつける。
大した威力も出せそうにないそれは、海坊主へと迫る中、どんどん大きくなっていった。
戦輪には不可視の蜘蛛糸が結び付けられており、ウェルシュの妖力によって伸縮出来るようになっていたのだ]
てぇい!
[ウェルシュが腕を振れば、巨大な戦輪は海坊主を縦横無尽に切り刻んでいく。
しかし手数の多くが分厚い水の層を切り裂くだけで、その奥に届いていても傷は浅いよう]
/*
鬼畜メガネこと隠者さんに関しては、エピるまでは掘り下げない予定。
カレルほぼ何も知らないしね!
しかし、ウェルシュとアルビン教官はネタにお付き合いありがとうございますです。
[不釣り合いに大きな鋏を振り上げた蟹は、そこを狙っての攻撃にバランスを崩した。
後方へと倒れたところ、運の悪いことに鋏の付け根が飛び出た岩へと激突し、自慢の得物は使い物にならなくなったようだ]
はあ。
……外の水辺には、こんなのばっかりいるのか?
[外界の危険性に思いを馳せたが、それも一瞬。
間近で飛沫の音が上がる]
今度は何が――
…………!
[刃を手に身構えた体が、一瞬にして水に呑まれる。
牙を向いたのは海の生物ではなく、水そのもの]
(やっぱり、この辺の水とは違う)
[呑まれてもどこか冷静に思考出来るのは、人間より水中に適応した身を持つからだ。
海龍が呼び出し操る水は、馴染んだ水の気とは異なるが]
(なめる、な……!)
[こちらを揉む水流に意志を送り流れを整える。
指標のように刃握る手を上方へ向け*]
(切り裂け……!)
[妖力が行き届くには時間がかかる。
戦輪を繰る間にも、海坊主は川の水を盛り上げ、ウェルシュへと叩きつけていた。
バシャリ、と重量のある水を何度か被る。
動けば戦輪が届かなくなるため、ウェルシュはその攻撃に耐えた]
[海坊主が再度叩きつけようとした水の塊が、川の水と繋がったままに凍り付き、バラバラになって落ちた。
氷の妖力を注いだ戦輪が水を凍らせ切り裂いたのだ]
大人しく海に返れ!
[戦輪を繰り、海坊主が纏う水を凍らせ、その奥をも切り裂いていく。
何度目かの高い音の後、海坊主は崩れ落ち、水の中へと消えていった*]
情報屋 ウェルシュは、虹彩の精霊師 アルビン を投票先に選びました。
[意思ある水は内に吞み込んだ者の意思にその流れを曲げられた。
直線的な流れへ変化した後、真二つに分かれて互いに外側へと流れ落ちる。
その中央を、やや強引にこじ開けるようにして半妖の体が飛び出した]
……っ、はあ、……。
[屈んだ姿勢でやや乱れた息を吐くのは、流石に魚とは体の構造が違うから。
それでも、攻撃的な水の意思を砕くことは出来たようだ]
あいつには、まだ届かないのか……?
[呼吸を整える間に、周囲を見回した*]
― 天龍滝 ―
[呼び出された海産物他、水の妖魔たちはその数を減らして行き。
残るは滝の前の海龍のみ、となる]
りーちゃん!
りーちゃん、落ち着いて!
[呼びかけに返るのは、シャアアア、という威嚇の声のみ。
海龍はばさり、とトビウオ思わせる翼を羽ばたかせると一度宙に舞い。
調査隊の面々をぐるりと見回した後、ある一点――ウェルシュの所で、視線を止めた。*]
― 天龍滝 ―
[這い寄る海藻を吹っ飛ばした後は、周囲の様子に意識を向けていた]
……確か、『澱み』、と言ってましたか。
[天輪湖に発生した精霊力が抱えているというもの。
海龍を狂わせているもの。
改めて意識凝らしてたどれば、確かに異様な力が感じられる。
これを抑えることができれば、と。
過っていたのはそんな思考]
……シエル、力を貸して。
[呼びかけに、仔竜は首を傾げてぴぃ? と鳴く]
鎮めの術を編んでみる。
うまくいけば、あの龍の力を多少なりとも削げると思うから。
虹の煌き、集い来たれ。
虹かかる天空の力を一所に。
清らかなりし空の力を清めに転じ。
蟠りし澱みを払え……!
[詠唱に呼応するように、仔竜が羽ばたいて虹の色の光を散らす。
光はふわりと広がり、滝の周辺を包み込んだ。
光に触れた海龍はむずがるような動きを見せるものの。
調査隊の面々に対しては、癒しと護り、二つの力を与えていた。**]
ホントはあんまり相手にしたくない類なんだけどねぇ、ルリっちは。
[どこぞのお偉いさんの眷属だというのは知っている。
それ故にここに海洋生物等々が呼び出されていた、というのは余談として。
格という点でもあまり手を出したくない存在だ]
ま、そうも言ってられないか。
シロりんの許可もあることだしね。
[許可自体は取っていないが、殴って鎮めるというのはあちらも想定内だろう]
/*
いやあ、もう…………トラブルが続きすぎて、ね……。
ちゃんと寝ないと色々がもたないのですよ、ねぇ……とほり。
― 天龍滝 ―
[アイリの呼び掛けの声が響くも、返るのは威嚇のみ>>88。
しかし海龍の動きに変化が現れる。
『澱み』に対応するように、精霊師の術が紡がれて>>90]
援護、……。
[彼の者>>94の正体やここまでの戦い振りを見て、喉まで出かかった言葉を呑み込む。
共に戦う仲間であり、その声は確かに自分へも届いたのだから]
……ああ。
[水を操る者として、対抗する術があるかもしれない。
そんな思いを巡らせながら、海龍を見上げた**]
まだ先もあるけど、出し惜しみしてもいられない、か。
[よっ、という軽い掛け声と共に、白い煙がぽふんと出た。
ウェルシュの身体を覆い尽くしたそれはどんどん形を大きくし、みるみるうちに形を変えていく]
きしゃー
[やがて煙が晴れると、そこには2m以上はある大蜘蛛の姿があった。
いかつい姿のわりに、鳴く声はどことなくゆるい]
[突然の変化に驚くものも居たか。
ウェルシュ自身は気にしていないが、突っ込みもあったかもしれない]
しゃっ しゃっ
[調査隊の面々に何か言ったが、この状態では伝わるはずもなく。
少しの間の後に、尾部からぴゅっと糸を出した。
地面には「足場にしても良いよー」と書かれている。
実際、ウェルシュも動くことになるため、その機会があるかは分からないが]
― 天龍滝 ―
[ 海老を美味しく焼くとかなんとか聞こえてきて>>73なんだか戦闘というより漁なのでは?という気がちらりとしたが、その思考には蓋をしておく。
やがて、そんな海産物その他も数を減らし、荒ぶる海龍が残るのみとなる。 ]
今度は、縁のある相手を選んだってことかな?
[ そんな海龍の視線を受けたウェルシュは、泰然と笑みを浮かべていた。 ]
自信、ありそうだなあ。
[ 援護をという声もそれなりに気軽なもの>>94その理由はすぐに顕現した。 ]
蜘蛛...?うわ、本物だ。
[ ウェルシュのもう一つの姿である大蜘蛛の事は>>96実を言えば隠者から聞かされていた。
恐らくユウレンで出会うことになるだろう、と。 ]
隠者殿の予言当たっちゃったな。
[ 初めて見る姿に驚きながらも、それを恐れる気持ちは、カレルにはない。 ]
援護、必要かどうかもわからない、けど。
......アーク!上だ!
[ 求められたなら、常の通り、全力で応じるまで。
一度、高度を上げ、大蜘蛛の姿が海龍の下へ潜り込むタイミングで、牽制のための風刃のブレスを上空から放った。** ]
― 天龍滝 ―
[拒絶とも取れる咆哮の後、海龍の瞳が捉えた先。
なんでそこ、と思うのと、援護を請う声>>94は大体同時]
援護って、しゅー兄……!
[どうするの、という疑問への答えは変化>>96によってなされる。
声は緩いが、その姿はやる気だ、と覚れるもの]
そう言うことなら……!
[自分がなすべきは、求められし援護行動。
とはいえ、できる事は限られる。
ならば]
……できる事で、最大限を狙う!
いくよ、リュウ!
[宣に返るは、澄んだ咆哮。
ぐるり、海龍の側面に回り込み。
透き通った羽に向け、羽ばたきの起こす風を叩き込む。
竜たちの力が親和してか、舞う風は周囲の虹の力を取り込み、煌めき帯びて海龍に纏いつく。**]
― 天龍滝 ―
[視線の先、白い煙に覆われたウェルシュが姿を変えていく>>96]
……蜘蛛。
[お伽噺に聞かされた怪物の姿が、目の前にある。
竦みかけた身を叱咤するように、一歩を踏み出した。
足元には、のんびりとした文体の伝言が残されて>>97]
ここで退いたんじゃ、胸を張って帰れない。
[糸を足場に駆け上がる。
曲芸じみた動きだが、周囲に散る水を時折足場にすることで補正に使った]
[クラリッサの風やアークの風刃、リュウシンの虹風が援護や妨害として駆け抜けていく。
ウェルシュの放つ蜘蛛糸が、水流に弾かれるのも見えた>>98。
しかし彼の者の本命は、下方からの体当たりだろうか]
――逃がさないぞ。
[海龍が再び呼び寄せんとする水へ向けて、二発、三発と鱗刃を撃ち込んでいく。
それぞれの威力自体は大したものではないが]
そのまま、絡めとれ……!
[水の流れを無理矢理歪ませ、海龍の支配から一時的にでも剥ぎ取ろうと妖気を流し込んだ*]
― 天龍滝 ―
[ウェルシュが本性顕現し、援護を請うたのには訳がある。
一つは、人型よりも本来の姿の方が妖力の放出量が多いこと。
もう一つは、その上で”全力を出さないようにする”ためである。
妖ゆえにウェルシュとて力を蓄えるために他を襲う本能は持ち合わせている。
普段は人型でいることでそれを抑え込んでいるが、本来の姿となってしまえばその限りではない。
過去にも風龍峡の調査の際、蜘蛛の姿になったことで暴走したことがあった。
奇しくも天龍滝を目前にした場所でのことである]
[ウェルシュにとって全力を出すということは、本性顕現した上で本能すら解放してしまうこと。
流石にここでそれをしてしまうわけにはいかない。
そのための援護要請、というわけだ。
前は今ほどの力は持っていなかったし、調査隊も人数が多かったのもあり鎮めてもらえたが、異変の元凶を前にして皆に援護以上の負担をかけるわけにはいかない、という理性はきちんと残っていた]
[海龍がウェルシュに狙いを定めたのは、呼び出した妖魔の妖気を吸ったせいもあるかもしれない。
その場で力を蓄えているとなれば、脅威とみなされてもおかしくないだろう。
尤も、暴走している海龍にそういう思考があったかは知らないが]
[アルビンが編んだ術>>90は、海龍の動きを阻害する他にも、蓄積していたダメージを癒してくれている。
地を駆ける8つの脚に力が戻っていくのを感じた。
走ることで生じる向かい風のような抵抗が不意に緩む。
周囲に沿うような風の気配>>102。
巨体が地を滑るような動きで前に進んだ。
真下に向かおうとする大蜘蛛に気付いたか、海龍が長い尾を地面に叩きつけようとする。
それを遮るように、海龍の上空から風刃のブレス>>104が放たれ、側面からは虹色の光を巻き込んだ風>>106が叩き込まれた。
風刃により大蜘蛛を叩き潰そうとした海龍の尾が跳ね上がり、虹色の風が羽代わりのヒレの動きを鈍らせる]
[その隙を大蜘蛛は見逃さなかった]
きしゃー!
[海龍の真下、長い腹が頭上に来た辺りで強く地面を蹴る。
沿う風のお陰で上昇する速度も速い。
その最中、初撃の蜘蛛糸を迎撃した水流が今度は大蜘蛛を狙って動き出した。
空中にある大蜘蛛に避ける手段はない。
けれど]
きゅきゅ!
[強かに腹を打ち付けられて身をよじる海龍に対し、至近距離で蜘蛛糸を尾部から放つ。
胴に蜘蛛糸を絡みつけると、振り子の原理で海龍の上へと巨体を振り上げた。
蜘蛛糸は海龍の胴に結び付けたまま、上から海龍を睨みつける*]
[再び宙へと舞った巨体は、空気抵抗が無いかの如く高く上がっていく。
その上昇に合わせ、海龍の胴に結び付けた蜘蛛糸を自身の方へと引き戻した。
蜘蛛糸に引っ張られ、海龍の身体も大蜘蛛の方へと引き寄せられていく]
きしゃー!
[上手く動かせないヒレをばたつかせながらシャアアア!と叫ぶ海龍に威嚇し返し、引き寄せた海龍の身体を8つの脚でがっちりと掴んだ。
海龍と繋いでいた蜘蛛糸を解き、今度は遥か下にある地面へと蜘蛛糸を射出する。
蜘蛛糸が地面に張り付きピンと張られると、大蜘蛛と海龍の身体は宙で一時停止した]
[至近距離になったことで、海龍は大蜘蛛の腹に爪と牙を叩き込む。
アルビンの術で護られていても、先端が深く沈み込むのは避けられなかった]
[身を裂く爪と牙はそのままに、勢いよく蜘蛛糸を収縮させる。
海龍を下にしての加速落下。
瞬きする間もなく地面は迫り]
[砂煙が晴れた後、その場に立っていたのは巨体から紅を流す大蜘蛛。
海龍は地面にその身体を横たえていた]
きゅっきゅー!
[びくとりー!とでもいうかのように、大蜘蛛は2つの前脚を天に向けて持ち上げていた*]
― 天龍滝 ―
[暴れ回る海龍からは断続的に水礫が散る。
それを堪え、時には気を送って減速させながら機を待った。
そして、放たれた援護は]
……通じた、か……!
[蜘蛛を狙う水流の動きが止まる>>113。
地を蹴った蜘蛛は阻まれることなく上昇を続けて]
――――!
[それが激突した瞬間、こちらの身が傾いだ。
元々不安定な足場へ無理矢理立っていたのが、水流を操るのに集中していたため均衡を崩したのだ]
(ま、これくらいなら……)
[川の中に落ちればどうにかなるだろうと、周囲の風景が妙にゆっくり流れる中考える。
今なお戦い続ける蜘蛛>>115の集中を乱さぬよう、むしろ努めて静かに力を抜いて]
……後は、頼んだ。
[少しだけウェルシュの方へ視線を向けた時、ふとそんな言葉が零れていた*]
― 天龍滝 ―
[空中で姿勢制御するような術は残念ながら持っていない、が。
水のある場所へ落下するなら、寸前に水の硬度を調節するくらいは出来た。
本当に着水直前なのでそれなりの衝撃はあるが]
[その直後くらいか。
海龍に喰らいつかれ、宙に紅を散らしながら、それでも海龍を下に落下する蜘蛛の姿が見えた>>117]
……無茶苦茶だな。
[身を起こした先に見えたのは、勝ち名乗りを上げるかのような大蜘蛛の姿>>119。
敵に回せば――いや味方であっても恐ろしい存在ではあるけれど]
頼もしい仲間、か。
[そう思わずにはいられない一幕だった*]
― 天龍滝 ―
援護?援護なぁ。
フレアはあんまりあてにできない、となれば。
[青年はといえば。
ウェルシュが作ってくれた足場を使い、海龍の牽制をしていた、とか*]
― 天龍滝 ―
なんというか……とんでもないですねぇ……。
[蜘蛛と海龍の動きに、零れたのはこんな呟き。
ナハティガルにこもっていたら絶対にお目にかかれなかったであろう光景に、ついつい見入ってしまったのは已む無しとしてほしい所で。
思わず息をつめて見守っていたのだが]
『アールー。
終わったっぽいよー』
[鏡の精霊の突っ込みにはた、と我に返れば勝ち名乗りを上げるが如き蜘蛛の姿。>>119
数度、瞬いた]
……とりあえず、動きは止められたようですが。
[地に伏した海龍の様子を見つつ。
まずは、紅流す蜘蛛へと向けて、周囲に漂う虹色の光を向ける。
そうすることで、癒しの力を集中するために。*]
― 天龍滝 ―
いや、うん。やっぱり強いよなぁ。
[多少ぼやきの響きを伴うつぶやきを一つ。
諸々の大きな衝撃音と、それによって生じた小さな揺れ>>118と。
風に流されていく砂煙をハラハラと見守れば、両腕を上げて勝利の名乗りを上げているらしき大蜘蛛>>119が見えて。]
うーん、やっぱり強いなぁ。
[なんかしみじみ言った。*]
― 天龍滝 ―
[叩き込んだ虹の風は狙い通りに海龍のヒレの動きを鈍らせる。
そこから先は手出しすることなく、対決を見守った。
手出しが難しいというのもあるが、一番の理由はウェルシュなら大丈夫という信があるから]
とはいうものの、凄い対決だよねぇ……。
[そんな呟きをぽつりと漏らしつつ、蜘蛛と海龍の傍に舞い降りる]
お疲れ様、しゅー兄。
[そう、蜘蛛に声をかけて。
改めて海龍へと向き直り]
目、覚めた? りーちゃん。
[問いを向ければ、海龍はきゅう、と短く声を上げて。
直後に、瑠璃色の光が弾けた]
『…………不覚でした』
[瑠璃色の光が弾けた後、海龍の姿はふい、と消えて。
現れたのは、瑠璃色の髪と瞳の中世的な若者の姿]
りーちゃん、第一声がそれっていうのはどうかと思うよ?
[思わず飛ばした突っ込みに、海龍が変じた若者はきゅ、と眉を寄せるものの。
一つ息を吐いた後、居住まいを正して]
『そうですね……色々と、思う所はありますが。
皆様には、感謝いたします。
おかげで、『虚無』の澱みから解放されました』
[とんでもない事を物凄くさらり、と言った。*]
― 天龍滝 ―
[傷を負った蜘蛛を癒すのはその力を持つ者>>126に任せて。
視線を転じた先、瑠璃色の光が弾け、その中からは若者の姿が現れた>>129]
……『虚無』?
[彼の者から語られるのは、異変の根本とも言うべき事態か。
多分他の者ほどは厄介さを理解しないまま続きを聞く]
[その最中に聞こえた言葉>>130は妖の自分には聞き取れるもので。
一度視線を向け小さく頷くことで、受け取ったことを示した*]
― 天龍滝 ―
『ぇー、アレ気持ち悪いーー、やーだぁ。』
[フレアが、海老やら蛸やらを焼きながらも聞こえた『虚無』という単語>>129に、嫌そうな顔になる。]
……お前、親父以外にも、そんな顔するのな。
[ぼそりとそんな感想を漏らし。
海龍が転変するのにも気にした様子もなく。
ウェルシュの感謝の言葉>>130には、フレアが全力で尻尾を振ってお答えします*]
『天輪湖の周辺に封じの気を巡らせる所までは上手くいったのですが、近づきすぎたために澱みの干渉をまともに受けまして……』
で、暴走しちゃった、と。
『……そういう事です』
[確かめるような言葉に若者は頷きを返す]
……てことは。
今回の精霊力の暴走を鎮めるためには、『虚無』もどうにかしないとならない……って事でいいのかな。
『そうですね』
そっか……で?
[唐突な疑問形に、若者はは? と惚けた声を上げた]
は? じゃないってば。
具体的には、どうすれば『虚無』をどうにかできるの?
どうにかしなかったら帰れないよ、それ。ほっといたら、確実にユウレンに災いをもたらすでしょ?
― 天龍滝 ―
……え。
[一部には物凄く覚えがあるかも知れない言葉。
けれど、姫にはあまり縁のない言葉だったから]
『虚無』……って、なんだっけ?
[零れた疑問は素。
白銀がるるぅ、と呆れたように鳴き、若者ははああ……と先ほどよりも深く息を吐く]
『遠き神代において、『始まりの騎竜師』が封じたもの。
……あれですよ、世界を飲み込む災い。
それがどうやってか、天輪湖に滲み出てきたのです』
[やや投げやりな口調で始まるのは、海龍の暴走の裏側の話。
天輪湖に突如発生した強い精霊力。
それは、天の気を帯びたもの。
純粋な力の塊とも言えるそれに、突然現れた『虚無』の欠片が干渉して広がろうとしたため、海龍は何とかそれを抑えようとしたのだが]
『天輪湖の周辺に封じの気を巡らせる所までは上手くいったのですが、近づきすぎたために澱みの干渉をまともに受けまして……』
で、暴走しちゃった、と。
『……そういう事です』
[確かめるような言葉に若者は頷きを返す]
……てことは。
今回の精霊力の暴走を鎮めるためには、『虚無』もどうにかしないとならない……って事でいいのかな。
『そうですね』
そっか……で?
[唐突な疑問形に、若者はは? と惚けた声を上げた]
は? じゃないってば。
具体的には、どうすれば『虚無』をどうにかできるの?
どうにかしなかったら帰れないよ、それ。ほっといたら、確実にユウレンに災いをもたらすでしょ?
そうでなくても、天輪湖の水は大事な水源だし。
あそこは、ボクらフェオリバラム王家にとっても大事な場所だし。
そういう意味でも、何とかしないわけには行かないでしょ。
[真顔で言い募られる言葉に、若者はむう、と唸って腕を組み]
『『虚無』を清める事自体は……姫の神獣角を用いれば、何とかなりましょう。
……その前に、『虚無』とあれが憑いている何かを切り離す必要がありますが』
[ここで一度、言葉を切り]
『……まあ、そこに関しては、私もご協力いたします。
皆様のお手を煩わせたまま、何もしない、というわけには行きませんし』
[そう告げると、若者は幾度目か、大きく息を吐いて]
『……とりあえず、今は休息を。
相手が相手ですから、万全の準備を整えてください』
あー、うん。
そーだね。
みんな、一休みしよっか。
[色々と突っ込みたい所はあるが。
今はそれも大事、と割り切って皆に声をかけた。*]
― 天龍滝 ―
[貸しだよー、という言葉>>130に、若者は物凄く嫌そうにそちらを見た。
みた]
『……そういう事にしておいて差し上げます。
…………一応、感謝はしておりますよ』
[ぼそぼそと紡ぐ様子は、どこか複雑そうだったとか。
それから、海龍が向かうのは虹を連れた精霊師の方。*]
/*
https://www.youtube.com/watch?v=nj1cre2e6t0
これもコンラートっぽい、かな?
― 天龍滝 ―
[あー結局
神獣角で無茶しまくったやつを知っているため、むーん、となるのは致し方なかった]
[休息の段になれば、のそのそとフレアの傍へと行く]
きゅっきゅー。
[”フレりん海老喰おうぜー”と言って、ぽふんと煙を上げた。
煙の中からカサコソと5p程の蜘蛛が出てきて、巨大海老の上に乗りぴょんぴょん。
怪我はだいぶすっかり良くなった様子*]
― 天龍滝 ―
[疑問はアイリが代弁してくれた>>133。
それに対する思いも、であるが>>134]
世界を飲み込む災い……。
[精霊力の増加だけであれば、即座に危険とは言えない事態だったかもしれない。
しかし災いの干渉がそこにあるのだとしたら、国全体にすら及びかねない危機だ]
まさか、そんなのと出くわすことになるなんて、な。
でも――
[アイリの持つ神獣角が、『虚無』を払う鍵になるらしい。
けれどそれは、単独で為せるものではないのだろう]
――今までと、同じだ。
俺に出来ることを、やる。
[出来ない、いらない、という言葉はあえて口にしなかった。
弱気で切り抜けられる戦いではないだろうから]
[そうしてアイリ>>136の呼び掛け通り、今しばらくは休息することになった*]
― 天龍滝 ―
『いいよぉ!頭取るとかはお任せねー?』
[ウェルシュの誘い?>>140に、火の粉を散らしながら、尻尾ぶんぶん。
いい感じに海老が焼けてくれば、香ばしい匂いが周りに漂う。]
『おいしく焼けましたぁ!』
[わふっ♪とご機嫌に一鳴きして。]
『みんな、食べる?』
[こきゅ、と首を傾げる精霊だった。]
― 天龍滝 ―
[ありがとねー、という言葉>>130は鏡の精霊には届くもの。
それには『どういたしましてー』と呑気な声が返ったとか]
『虚無』の欠片……ですか。
[呟きと共に、恐らくは思う所あるであろう元教え子にちらりと視線が向いた。
ともあれ、今は姫と海龍のやり取りに耳を傾けて]
確かに、これは放置できない問題……ですね。
[小さな呟きに、鏡の精霊がだよねー、と同意する。
海龍が近づいて来たのは、その直後で]
おや、どうかなさいましたか?
『……あなたは……精霊師?』
ええ、そうですが。
『……なれば、これを。
私の……東海龍王の眷属たるものの鱗です』
[言いつつ、差し出されたのは瑠璃色の鱗が一枚]
……え? あなたの……鱗?
[突然の事に戸惑いつつ、差し出された瑠璃色を見つめる]
『この鱗を依り代に、『虚無』の力を集めるとよいかと。
『虚無』と憑かれたものが如何様な状態になっているかはわかりませんが……これであれば、手にした者を守りつつ、『虚無』の力を集める事が叶うかと』
[静かになされた説明に、瞬き一つ。
言われた事は理解できるし、おそらくは一部の術の術式を組み替えれば望む効果を発揮する事はできるだろう、という予測もある。
懸念事項もなくはないが、今はそこは飲み込んで]
わかりました、使わせていただきます。
[いずれにしても、やらなければならぬ事で。
そのための助力を拒む必要性などどこにもない。
鏡の精霊が物凄く何か言いたげな雰囲気を出していたが、そこは無視した。*]
― 天龍滝 ―
…………。
[意識を取り戻した海龍が転変するのを見て、ホッとした顔もしていたが。
聞こえてきた単語に、あちゃぁ、と天を仰ぐ]
……待ってみて本当に良かった……
[単身突破はそも守り人が赦さなかっただろうが。
しみじみとそう呟かずにはいられなかった]
……神代級、と言われた時点で予想はしてましたが。
本当に関わりがある、と言われると、なんともいえませんねぇ……。
[休息の最中、相棒にこちらの状況を伝えておく。
返ってきたのはどこか遠くを見ていそうな響きのそうだな、という声]
とはいえ、放置はできませんし……やれるだけ、やってきますよ。
『ああ……そうだな。
だが、アル。これだけは言っておく』
……はい?
『……無理は、するなよ』
― 天龍滝 ―
こいつを……食べるのか。
[戦闘中も何やら話していたのは聞こえていたが、自分からすれば未知の生物だからそういった意識はしなかった。
しかし、巨大海老が焼けるにつれ漂ってくる匂いは確かに悪いものではない。
そこに、精霊から水を向けられて>>144]
……いいのか?
[人が食べるには明らかに大きなサイズを眺めること数十秒]
……いただきます。
[鱗刃で削り取るようにして、一かけらを口に頬張った]
…………。
…………!
[言葉は発しないが、明らかに瞳の輝きが変わったのだった*]
― 天龍滝 ―
ふわ...さすが、というか...
[ 大蜘蛛が、集められた援護を巧みに利用し、海龍を文字通り縛り上げた手際と、その迫力に、牽制以上の手出しはカレルにも出来なかった。 ]
(そして、あれだけの力を揮っても、周囲は崩さないんだ...)
[ 恐らく、思い切り戦えば、もっと早くに決着がついたのだろうとは、見ていれば解る。しかし自身が傷を受けても、ウェルシュは、海龍を抑えることに徹していた。 ]
(恐らくは、その方が、ただ戦うよりも難しい)
[ 自らの暴走を抑える意味もあったとは知る由も無かったが ]
かっこいいなあ。
[ ため息を漏らした、カレルの瞳はきらきらと輝いている。 ]
― 天龍滝 ―
ところでウェルシュさん。
返事はいつでもいいんですけど、……眠ってる力って、どうしたら扱えると思います?
[こちらの事情を十二分に承知しているであろう、妖に青年が問うはトラウマ>>1:331の影響で、未だ使えずにいる力の扱い方。*]
― 天龍滝 ―
『いいよぉ!フレアがおいしく焼いてあげるー』
[クラリッサの綺麗な二枚貝>>155も、ご機嫌に了承を返して。
パカリッ
と、貝が開けば]
『美味しいのできたよー』
[と、声を駆けたとか**]
/*
おめめキラキラされたwww
まぁ確かに素早い相手に単体で向かうとなると、あちこちに蜘蛛の巣張ったり、その蜘蛛の巣に他の妖力仕掛けたりして大規模なあれそれが起こらないとも限らないw
まず最初に岩を生やす、から始まるかもしれないしな(
[足場的な意味で]
[ やがて、動きを止めた海龍が、アイリの呼びかけに応じて青年の姿に変わるのを見て取ると、どうやらこの場は収まったものと判断して地上へと降りる。 ]
虚無?
[ そして耳にした言葉に>>129眉を顰めたのは、一年前、同じ名のモノを封じる手助けをした覚えがあるためだ。
あの時と状況は違うが、幸い、取るべき手段はあるらしい。>>135 ]
なら、やることは変わらないか。
[ 胸の白銀に一度手を当て、カレルは唇に笑みを戻す。 ]
あ、美味しそう。僕とアークにも一口分けてもらえます?
[ そして、焼き海老の誘いには>>144もちろん全力で乗るのであった。風竜の一口は、若干大きな一口だろうけれど。海老も大きいから足りるはずだ。* ]
― 天輪湖 ―
[突然始まった海産物焼きにはちゃっかり便乗しつつ。
休息の時が過ぎれば、後は先に進むのみ。
天輪湖に至る道は崖を登るか空を飛ぶかの大体二択。
過去には色々と無茶な登り方をした者もいたらしいが、そこは置いといて]
……え。
なに、あれ。
白銀の翼を広げ、舞い上がった先。
山頂の湖の上には、不可解なものが滲んでいた。
渦を巻く、鈍色の影のような何か。
そしてそれを見た瞬間、二か所で竜の咆哮が上がった。
一方は、精霊師と共にある虹の仔竜。
そしてもう一方は]
……リュウ!?
[自身の相棒たる、白銀の天龍だった]
リュウ?
リュウ、どうした!?
[突然の咆哮と落ち着きない様子は、半年前の暴走を思い起こさせるが]
大丈夫だリュウ、気をしっかり持て!
ボクはここにいる……流されちゃダメだ!
[上がる声は迷いの一切ない、凛としたもの。
その響きに暴走を押し留められた白銀はるぅぅ、と小さく鳴いた。
それによし、と安堵の息を吐いたのも束の間の事。
湖上に浮かぶ鈍色の影が一部、千切れ。
その一つ一つが、妖魔と転じて唸り声をあげた。*]
― 天輪湖 ―
[休息を経ての移動は、風龍峡の入り口まで使った低空飛行の術をアレンジして乗り切った。
そうして、たどり着いたのは山頂の湖で]
……あれが……ですか。
[湖上に渦巻く鈍色の影。
確かに、そこからは先にも感じた『澱み』――『虚無』の気配が感じられる。
なるほど、これは厄介そうな、と思った直後、傍らの仔竜がぴぃぃぃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!と悲鳴のような鳴き声を上げた]
……シエル!?
[突然の事に戸惑う間もなく、天龍の声がそれに重なる。
とはいえ、そちらを見ている余裕はなくて]
『ある、ある』
『たすけないと、たすけないと』
[ぴぃぴぃという仔竜の訴えが、意識に言葉を結ぶ]
助けないとって……何を、ですか?
『あれ』
『わからないけど、ないてるの』
『だから……』
[助けないと、と訴える仔竜の様子に戸惑いつつ、鈍色の影を見やれば千切れた部分が妖魔と転じる所で]
わっ、と!?
[ぴぃぴぃと鳴く仔竜にひかれたのか、その内一体がこちらに向かってきた。
突然の事に戸惑いつつ、とっさに形を成さない魔力をそのまま叩きつけると、鈍色の妖魔は、同じ色の結晶体を残して消え去った]
……これ、は……。
[ふよふよと目の前を漂う結晶から感じるのは、ひと際強い『虚無』の気配]
これが、『虚無』の欠片……。
[妖魔を倒して現れた、という事は、おそらくはこれがコアになっているのだろう。
という事は、あの妖魔たちを倒し、かつ、この結晶を回収すれば『虚無』の力を集める事ができるのだ、と。
理解がそこに落ちるのは早かった]
……皆さん、あの妖魔を倒してください!
ただし、現れる結晶には触れないように、それはこちらで回収します!
[先に託された鱗を握りしめて宣言する。
その傍らでは、虹の仔竜が鈍色の渦をじぃ、と見つめていた。*]
きゅきゅきゅーきゅ、きゅっきゅっ、きゅきゅー。
きゅきゅ、きゅきゅきゅーきゅ、きゅきゅ?
[”心の問題なところもあるから、それを克服できればもしかするけど”
”後は荒療治的に、同じ状況で再発現試してみるとか?”
後者の提案はどっかから突っ込みが入りそうなものだった。
流石にギャンブル性が高すぎるが、過去と同じ経験をすることで力を引き出せる可能性はあるとウェルシュは踏んでいる]
きゅっきゅー、きゅきゅきゅっきゅ、きゅきゅきゅ。
[”まぁ根本として、君自身が力を怖がってたりすると起こせるものも起こせないと思うけどね”
その辺りがどうなのかは聞いていなかった気がして、もしかして、と思う部分も突いておいた**]
☆2d後半・天輪湖
フィールド
風龍峡の最奥に位置する湖で、ユウレン王国の最大の水源。
聖地的な扱いをされる事も多く、修行する騎竜師も滅多にここまでは踏み込まない。
豊かな水を湛えた湖で、湖畔はなだらかな草地と、低木の茂みが広がる。
山頂の湖、という事もあり、見晴らしは最高。
登場敵
鈍色の影が千切れて形を変えた妖魔たち。
巨大な虫を思わせるものが多いが、竜や鳥の姿をしたものも混ざっている。
倒すと鈍色の結晶体に変化するが、その大きさは小石ほどのものから手のひらサイズまで多様。
結晶体は、どこからともなくしゅるりと伸びてくる金糸雀色の光の鞭が回収していく。
ボスキャラ
『虚無』に捕らわれた何か。
仔細は登場時に。
判定方法
card利用の回収イベント。判定回数が最大5回なのは、これまでと変わらず。
襲い掛かって来る妖魔を倒し、その身を構築する鈍色の瘴気の結晶を回収してゆく。
引いたカードによって、pt加算。最終的な合計値トップがボス撃破担当。
A,JOKER:大成功 +8pt
J,Q,K:中成功 +5pt
5〜10:成功 +1pt
2〜4:失敗 +0pt
【判定リミットは2/18の00時です】
【判定数値は、メモに記載お願いいたします】
― 天輪湖 ―
……モーント、シエル、合わせて。
[鈍色の影を睨むように見つつ、鏡の精霊と仔竜に告げる。
精霊ははーい、と口調は軽く、仔竜はぴぃ、と不安げな響きを伴って返してきた]
自由なる光、虹と共に綾を織れ。
古き虚ろより我らを守る、護りの力。
綾なし、織り上げ、衣となせ!
[紡ぐのは恒例となりつつある護りの術。
物理的な守護と癒し、それから、精神的な攻撃への体制を僅かながら上げるもの]
……警戒は、しておくべきですからね。
[ぽつり、呟いた後。
ふわり、傍らに姿を具象した鏡の精霊を振り返る]
モーント、欠片の回収は頼むよ。
『はぁいはい。
あー、ぼくってば貧乏くじー』
言わないの。
[やや大げさな嘆きを一言で切り捨てつつ。
意識の内では、次に打つ手を如何にするかの思考が廻る。**]
[ 時ならぬ海鮮バーベキューで、お腹と気力を満たし『虚無の欠片』が待つはずの山頂へと向かう。
その途中。 ]
王女殿下。お許し願いたいことがあります。
[ 並走するように騎竜を寄せ、これまで騎竜師として接してきた相手に、敢えて、口調を変えて切り出した。 ]
天輪湖の水をほんの少し、分けてもらってもいいでしょうか?
[ ユウレン王家の定める禁足地である湖に手をつけるという願いは、今、この場でなければ口にすることもできないもの。 ]
(必要だって言われても、さすがに無理だろうと、思ったけど)
[ きっと導きがあるだろう、と、告げたのは隠者だった。 ]
それがあれば、僕の剣が完全になる...らしいんです。
[ 願いの理由として告げた言葉が、少し自信なさげに揺れるのは、カレル自身、何がどうなるのかは、良くわかっていないからだった。* ]
― 天輪湖 ―
[ やがてたどり着いたその場所には、どこから見ても不穏な影が落ちていた。>>160 ]
アイリ殿、大丈夫ですか?
[ 落ち着きを無くした天龍の様子に、今は仲間として声をかける。程なく龍の様子は落ち着いたが、その間に不穏な影は、明確な異形に変じていく。>>161 ]
ありがとうございます、教官!
アーク!行くぞ!
[ 妖魔と混沌の欠片の扱いについての注意喚起と>>166、支援の術>>170その両方にひとまとめに感謝を告げて、カレルと風竜は、常のごとくに飛び出した。 ]
思ったより、当たり外れがあるな。
[ 三体の妖魔が消え、残った欠片は一つだけ。 ]
...地道に、やるしかない、ね!
[ 諦めるわけにも、負けるわけにもいかない。** ]
― 出発前:天龍滝 ―
[フレアの通訳もありながら、ウェルシュの言葉>>167>>168を聞けば]
んぁー、やっぱりそれしかないかー。
[ギャンブル性が高かろうが、可能性の芽があるのはウェルシュが上げた案で。]
ぅぐっ
[ウェルシュの言葉>>168の後半には、ぎくり、と小さく呻いて固まり、確信を持たせることになるか。]
やっぱそれかぁ
[少し死んだ目になるが、そこは多分、自業自得。*]
― 天輪湖 ―
[休息をとった後、天輪湖へ向かう。
崖はフレアに手伝ってもらい、頂上へ。]
!?
[二頭の竜の悲鳴のような咆哮と湖上に渦巻く鈍色の影に、青年は身構えた。]
[鈍色の影が別れ、様々に形を変えていく。>>161
それに一瞬、うへぇ、という顔になりつつ、]
アルビンさんありがとうございます!!
[アルビンからの注意喚起と>>166、支援の術>>170に、感謝を告げ。]
フレア。
『分かってるの。』
[互いに短く声をかけ、妖魔へと駆け出した。*]
― 天輪湖 ―
まずは三体。
[カレルの様子>>175を見れば、どうやら欠片を持つ個体と持たない個体がいるらしい。
青年の方は、たまたま三体とも欠片持ちだったが。*]
― 天龍滝 ―
あー、大満足!
ご馳走さまでした!
[思わぬ所で海産物を堪能出来て、気力はかなり充実した。
殻だけになったものの前で一度掌を合わせて、糧となってくれたことに感謝を捧げる]
[出発の段となれば、崖を見上げて]
あの道を歩くと上まで結構かかるよね。
ちょっと腹ごなしもしたいし、ここは駆けて行かせてもらおう。
あ、誰か体力温存したければ乗せていってもいいよ。
[ウェルシュが見せたのだから自分もいいだろうという軽い判断。
ついでにそう聞いてみたが、騎竜や術、共にあるものの協力があれば需要は薄かったか]
ちょっと失礼しまーす!
[少し距離をおいて首元につけていた飾りを引き抜けば、蒼い風が身体の中から湧き出てくる。包まれた人姿は霞むように消え、形を変えながら大きく膨らんで。
しばらくして風が止むと、体長2m弱の蒼い虎が座っていた。
余裕を持っての変化なので、服も荷物も具合良く一纏めにして背負えている。騎乗するなら良い手掛かりになるかもしれない]
出発!
[準備が整うと風を使って人に近い声を紡ぎ。
景気よく風を切りながら、崖面を四足で駆け上っていったのだった*]
― 天龍滝 ―
……ごちそうさま。
[海産物の食事はかなりの満足感があるものだった。
途中クラリッサ>>169と目が合って小さく頷いたりもしつつ。
そんな一時を経て、山頂へと向かうこととなった]
崖登りか。
[しかし険しい道を見て、少し難しい顔をする。
登れなくはないだろうが、飛行出来る者からは大きく後れを取ってしまうだろう。
そう考えているところに呼び掛けがあり>>182]
クラリッサ……さん。
もし良かったら、お願いしてもいいか?
[頭を下げて、山頂までの騎乗を頼む。
彼女が蒼い風と共に姿を変じるのを見れば、感嘆した様子で息を呑むだろう*]
― 天輪湖 ―
[出発する頃になればウェルシュも人型へと戻り。
切り立つ崖の前で蜘蛛糸を崖上へと飛ばした]
よっ、と。
[崖を何度か蹴りながら蜘蛛糸を収縮させ、危なげなく駆け上がる]
[頂上よりも高く飛び上がった後、空中でくるりと一回転すると、両足を揃えて着地した]
10点!
[無駄にポーズを取っている]
[そんな呑気な行動も、竜達の異変が起きれば直ぐに掻き消えた]
天龍が反応するってことは……。
[もしかして、と思うが、湖に在るのは渦巻く鈍色の影らしきもの。
想像したものとは今のところ似ても似つかない。
海龍の話では『虚無』以外の何かが結びついているようだったから、可能性は残っている、というのはさておいて]
― 天龍湖 ―
哈!
[自然と風を纏い、軽く跳躍して飛び込んできた甲虫の上から脚を振り下ろす。
気合いの籠った一撃は見事に鈍色の甲虫を墜とし、地で蠢く所に止めの着地が入る。重力も加わった踏み潰しには耐えきれず、鈍色はザラリと崩れて消えた]
!
[しかしまだ脚の下に嫌な気配が。
慌てて弾くように振り払ったものは、金糸雀色の光が回収していってくれた**]
― 天輪湖 ―
[妖魔は虫の姿をしているものが多いよう。
その大きさは通常のものと段違いの大きさだが]
[近付いてきたのはカサカサコソコソするご家庭の嫌われ者、仮称Gのでっかい版だ。
苦手な人は泣くかもしれない]
[近付かれる前に滅す。
軽く上へと跳ねて、仮称Gの上を取ると両腕を振り下ろして蜘蛛糸を仮称Gへと叩きつけた。
波打つ蜘蛛糸が格子を作り、仮称Gを切り刻む。
仮称Gの欠片は跡形も残らずに溶け消えた]
あー、外れかぁ。
[言われていた欠片らしきものも残らない。
なるべく集めておきたいところだったが、こればかりは運のようだ*]
― 天輪湖 ―
[険しい道を越えた先。
景色を楽しむ暇もなく、異様な影を目にすることとなる。
そして響くのは、悲鳴のような竜の声>>160]
……あ、……
[思わず身が動きかけるが、竜たちはそれぞれの相棒によって落ち着いた様子。
そして眼前には、鈍色から千切れた妖魔が現れる]
こいつを倒して……。
……わかった。
[為すべきことはアルビン>>166から告げられる。
頷きと、護りの術>>170への一礼を返して、近付いてくる妖魔へ向き直る]
[そこには毒々しい色の蛾が舞っていた。
散らされる鱗粉は触れたり吸い込むだけでも害があるかもしれない。
常のように鱗刃を構えると、少し長い時間を集中に割く]
――水よ。
[そうして撃ち出された刃は周囲に厚く水を纏ったもの。
妖魔に当たった瞬間、それは水を弾けさせ*]
成功、か。
[鱗粉ごと水に包まれた蛾は、飛行能力を失い、落ちた。
そして妖魔が消え去った後には、鈍色の結晶が残る]
……こいつが、『虚無』の欠片。
[触れてはいけないと言われたその物体を見て、眉を顰める。
何かしらを感じるより早く、金糸雀色の鞭がそれを回収していった*]
[跳躍から地に降りると、着地の隙を狙ったように飛来するものがあった]
ぅわっと、
[咄嗟に首を振れば、それは右頬に紅い線を残して後方へと飛んで行く。
振り向き様、蜘蛛の巣状の網を投げつけたが、相手は宙返りをして回避と共に態勢を整えていた]
……キツツキ?
[羽ばたきながらこちらを狙っているのは、鋭いくちばしを持つキツツキのような妖魔。
再び弾丸のようにこちらへと飛んでくる]
あれ捕まったらヤバいな。
[木を突くキツツキを想像してもらえればヤバさは伝わる、はず]
[何枚か重ねた蜘蛛の巣に、キツツキの妖魔が正面からぶつかっていく。
最初の数枚は鋭いくちばしで貫かれてしまうが、それを繰り返せばキツツキの速度は減少するわけで。
遂には貫けずに蜘蛛の巣に囚われてしまう]
鬼火!
[その瞬間を狙い、蜘蛛の巣に込めていた火の妖気を弾けさせた。
青白い炎がキツツキの妖魔を焼き尽くす。
燃え尽きた後に落ちてきた結晶は金糸雀色の光が回収していった]
触るな危険、か。
触れたらルリっちの二の舞かなー。
[そうなったら流石に拙いとは理解している。
ので、興味はあるものの、言われた通り触らないように気を付けることに*]
[そうしている間にも、上空から飛来する影があった。
巨大なバッタが今まさに着地せんとするところだった]
おおっ――
[巻き込まれては一溜まりもないと、横合いに大きく跳んで避ける。
キチキチと嫌な音を立てながら、バッタがこちらを見た]
こいつらの脆いところって……。
[僅かな思案の後、妖魔がこちらを狙っているのを確認しながら、距離を放す方向へ駆ける]
こっちだ!
[バッタは直接攻撃でなく、跳ねての上方からの攻撃を選んだようだ。
その身が沈み込む瞬間を逃さず、刃を投げる]
[頬の傷は治癒が効いているのか、じわっと治りつつある。
こういう点でも便利だなー、と思いつつ、視線は次なる妖魔へと向いた]
うわ、でか。
[頭上を通過したのは大きなトンボ。
羽ばたきも、ブォン、と大きな音がした。
巻き起こる風もなかなかのもの]
いやこれ、ちょっと…!
[思った以上に羽ばたきの風が強く、蜘蛛糸が繰り辛い。
頭上でホバリングされると風が強すぎて身動きが取れなくなった]
[すー、はー、と深く、ゆっくりと呼吸をしながら見るからに、
これはやばいと思わせる大きい蜂の妖魔と対峙していた。]
(とりあえず力は怖いものじゃないと、体で分かればいい)
[戦闘を行いながらやることではないけれど、深呼吸は眠った力が出やすいように、と青年なりに考えたこと。*]
[跳躍する動きの瞬間に、脚の脆い部分を狙う。
作戦は成功し、片脚の外れたバッタはあらぬ方向へ跳んで、地に激突した衝撃で再起不能となった。
後には小石程度の欠片が残される]
二個目、か。
[回収を待つ暇もなく、唸るような羽音に顔を上げた。
見ればそこに居るのは巨大な蜂。
見るからに危険だった]
[針を突き刺さんとこちらへ向け飛んでくる姿。
毒を持つ可能性がある以上、一撃でも受ける訳にはいかない]
……なら、
[ざら、と袖を振って、両手合わせ八の鱗刃を一度に手にする。
鱗本来の特性からして、防御に転じることも可能な武器であった]
――弾け!
[放たれた鱗は盾のような平面配置を作る。
水による補強も加わったそれは、目論見通り蜂の針を押し留め*]
[長く伸びた蜘蛛糸であっても、ウェルシュは手足のように動かせる。
狙うは頭上にいるトンボの尾部。
死角の少ない複眼を持つとしても、細い蜘蛛糸が後方から近づくならばそうそう気付かれまい。
目論み通り、蜘蛛糸の先端はトンボの尾部に結びついた]
墜ちろ!
[蜘蛛糸から伝うのは雷の衝撃。
バシンッ!と音が響いたと同時、トンボの羽が止まり、地面へと落ちてくる。
頭上に迫るトンボの頭を掴むと、ジャイアントスイングの要領で遠くへ飛ばした。
投げる直前、何かが千切れる感覚がしたのは気にしないでおく。
金糸雀色の光が飛んで行った方へと向かったのを見るに、無事倒せたようだ*]
[針による攻撃を弾かれた蜂は、飛行姿勢を崩す。
せわしない翅の動きも一瞬乱れたところで、その付け根へ刃を撃ち込んだ。
蜂は今度こそ飛行能力を失い、地に落ちる]
[その身が崩れ去った後に残るものはなかった*]
[不意に、上空から影が落ちた。
見上げれば、そこには猛禽に属する鳥の姿があった。
ゆっくりとした旋回で、狙いを定めているらしい]
(何か、嫌な感じだな)
[身が竦む思いがするのは、蛇の血が混じる故の本能的なものだろうか。
しかし、自分たちが対峙するのはもっと強大で恐ろしいものだ。
奮い立たせるように猛禽を睨み]
[こちらに針攻撃を仕掛ける巨大蜂に、フレアの火炎弾は上手く当たり。
ギチギチと断末魔のような音を出しながら、消滅していった。
ふぅ、と一度息を吐けば、上空に飛来する鳥型の妖魔──鷲や鷹に似ている気がする──が、旋回しながら、こちらを狙っていて。]
嫌な予感しかしないんですけど。
[ボソッと呟いた。*]
[一撃は翼を撃ち抜き、羽根が宙に散った。
しかし虫のような構造的な脆さがないせいか、鳶めいた鳥はやや姿勢を乱しつつも、そのままこちらへ向けて降下する]
くっ……!
[その両足が肩を掴んで、爪が食い込む感触があった。
護りの術や自身の鱗により深手は免れたが]
もっと……確実な急所を狙うべきだった。
[嘴による追撃は流石に許さない。
新たな刃を手元に落とすと、零距離射撃のように鳶へ衝撃を食らわす。
今度こそ鳶は沈黙し、後には鈍色の欠片が残された*]
竜でないだけよかったけども。
[切り刻まれ、霧散していく鳥を見て、はーー、と深く息を吐いた。
残った核を鏡の精霊が回収していけば、]
― 移動中 ―
んん? どうしたの?
[天輪湖へと上がる途中。
騎竜を寄せてきたカレルの、口調を改めた呼びかけ>>172にひとつ瞬いた]
天輪湖の水……を?
[天輪湖は王位継承の儀式にも関わる禁足地。
故に、立ち入りは勿論、その水面に触れる事も基本的には許されてはいない。
……が、王族の立ち合いの元であれば、ある程度の自由が許されてもいた]
それ、なんに使うの?
[素朴な疑問を投げかければ、彼の手にした剣を完全なものにするために必要ななのだという。>>173
どういう事? という疑問は過るものの]
……何もない、平時ならともかく。
こんな大掛かりな調査に協力してくれた同志の、調査終了後の休憩時の潤いまで制限するつもりはないよ?
[にこりと笑って返したのは、遠回しの許し。
滝に落ちる前の天輪湖の水は様々な精霊の祝福を受けた一種の聖水ともいえるもの。
剣が完全になる、というのがどういう事かはわからないが。
協力してくれている彼の助けとなるなら、拒む理由はなかった]
― 天輪湖 ―
[たどり着いた天輪湖。
唐突な白銀の変化には驚いたものの、呼びかける声>>174が、自身も引きずられるのを阻んでくれた]
ありがと、大丈夫。
[しっかりとした声音で応じ、白銀を鎮めた後。
状況を解析したアルビンの言葉>>166に、千切れて変化した鈍色の影をき、と見据えた]
……どういう事情でここに在るのかは、わからないけれど。
空の護り手として、ユウレンを……ボクの大事な国を、脅かす要素は、見過ごせない。
[自身に言い聞かせるように、ゆっくりと言葉を紡いだ後]
……いくよ、リュウ!
[凛とした宣の後、前へと飛んだ。*]
― 天輪湖 ―
[前へと出れば、行く手を阻むように鈍色の妖魔が飛来する。
飛んできたのは、巨大な蝗]
……これ、ふつーに迷惑だと思うんだけど!
[こんなサイズの蝗がいたら、基本的に慎ましい国内の農業によろしくない。
そんな思考からの突っ込みを飛ばしつつ、槍を確りと握りなおして
[突き出した槍は、蝗を真っ直ぐに貫く。
後に残るものがなかった事には意識は向けず、視線を向けるのは続けて飛んでくる複数の蝗]
逐一相手、してられない、か……リュウ!
[声に応じて上がるのはるぅ、という声。
直後に翼が大きく羽ばたいて]
[次いで現れたのはアリの姿をした妖魔。
いつもであれば踏み潰せるほどの小さなものだが、例に漏れず目の前にいるアリはでかい。
匍匐昆虫であるため高さはないが、でかいものはでかかった。
ギチギチと顎が嫌な音を鳴らす]
あの顎はヤバいなぁ、…っと!
[言うが早いか、ウェルシュの目の前で顎が開く。
大型故にその一歩も大きい。
咄嗟、後ろへと身を引くと、鼻の先で顎がガチンと閉まった。
それが何度か続く]
[巻き起こる風は蝗たちを捉えて切り裂く。
今度は大きめの結晶体がひとつ、ころりと落ちた。
水面に向けて落ちていくそれを、しゅるりと伸びた金糸雀色の鞭が絡めとって回収していく]
ありがと!
[そちらへ向けて短く声をかけた後、ぐるりと周囲を見回した。*]
[しゅるりと蜘蛛糸が長い柄を作り、ウェルシュの手がそれを握る。
ブン、と風を切る音が響いたや否や、柄の先端にあるものがアリの顎を下から叩き上げた。
瞬間、アリの頭が上へと弾かれる]
…ふぅん、意外と使い勝手良いのかな。
[クルクルと柄を回し構え直したその先についていたのは、瀬戸物の徳利。
それはウェルシュに縁のある付喪神が使う得物を基にして作られたものだった。
槍ともグレイブとも言えないそれを振り回し、態勢を戻したアリの顎とかち合わせていく。
アリの頭を右から強く叩きつけた時、相手の動きが一瞬停止した]
せぇい!
[徳利槍を正面に構え、アリの頭を上から叩き潰すように振り下ろす。
地面と挟まれるように潰されたアリは、形を崩して禍々しい欠片を残していった。
金糸雀色の光がそれを回収していく*]
― 天輪湖 ―
[見回した視線が捉えたのは、妖魔を生み出す鈍色の渦。
白銀が示した動揺の意味は、今は予想もできず]
……悪いものじゃない……ような、気がするんだよなぁ。
[ぽつり、と呟いた声は風に散る。
それから、姫騎竜師は意識と表情を引き締めて]
そこを、ちゃんと確かめるためにも。
……邪魔されちゃ、困るんだよね!
[叫びざま、くるりと槍を回して向きを変え。
上へと向けて突き出した]
[繰り出した槍は見事に鴉を貫いて消滅させる。
直後、崩れて消える鴉の後ろから、別の鴉が突っ込んできた]
ちょっ……!
[こちらは槍を突き出した不安定な態勢。
避ける余裕はなく、右の上腕を鋭い嘴が抉った]
[鈍色が何処かへ引っ張られるように消えた後、息を吐いて顔を上げた。
肩口の痛みはまだ動かすのに支障ない範囲だ。
それを確かめつつ見回した先]
――竜?
[爬虫類の体に皮膜の翼。
そうとしか思えない形をしていた]
(……竜)
[妖の世界に生きてきた自分にとって、それは心通わす術を知らない、強大な野生生物でしかなくて]
――でも。
[言葉はわからなくても、竜の色んな表情を、断片的ではあっても見てきたから]
お前は、本当の竜とは、違う。
[『虚無』を核に生まれた、形だけの存在を、見据える]
[竜形の妖魔が口を開く。
放たれたブレスは水の属性を持ち、槍のように細く鋭く伸びた。
咄嗟に右へ交わすも、左腕の衣服が裂け、内も僅かに削られた]
お前も水か。なら、
[出し惜しみはしない、とばかりに両手へ八の刃を握る。
しかし今度は防御のためでなく*]
手数で、勝負だ!
[勢いよく振られた尾は、鴉に避ける間を与えずに思いっきりぶん殴る。
その勢いのまま鴉は吹っ飛び、結晶体を残して消えた]
……大丈夫、リュウ、へーき。
[零れる紅に案ずる声を上げる白銀に、告げる声は静かなもの]
…………多分、必要にも、なるし。
[言いつつ、ちらりと見やれば。
零れた紅が腕を伝って槍へと落ち、その内へと消えていくのが見て取れた。*]
― 移動中 ―
[ 自分でも少し唐突だと思える願いに遠回しに許しをくれたアイリに>>216カレルは、ほっと息を吐いて一礼する。 ]
ありがとうございます。
僕も...実は、良く解ってはいないんですけど、多分、この剣を捧げた方と関係するんだと思います。
[ 続けて告げたのは、素直な予感。さすがに剣を捧げた相手の名を簡単に口にすることはできなかったが。 ]
この先に待っているのが『虚無』の欠片だと言うなら、尚更に。
[ 白銀の聖竜の鱗に触れて、空を見る瞳に、何かは伝わったろうか。* ]
[そんな風に余所見をしている場合ではない。
気付けば間際にある昆虫の前肢が迫っていた]
あぶなっ!
[引き寄せるかのような動きのそれを、身を低くすることで間一髪躱し切る。
見上げれば、三角の頭がクリクリ動きながらこちらを見下ろしていた]
― 天輪湖 ―
[鈍色の妖魔と戦う面々の間をすり抜けて舞う金糸雀色の光。
呼びかける青年>>214には、おたがいさまー、なんて軽い声をかけながら、結晶体を集めていたのだが]
『……ぇー、なんでこっちくるかなぁ』
[飛び回っているのが目立ったのか、それとも結晶体を集めているからか。
目の前に現れたのは、鈍色の梟三羽]
『あー……もう、仕方ない、なあ!』
[しなやかに舞う金糸雀色の鞭は梟たちを打ち据え、宿した光の力を持って弾けさせる。
後に残った結晶は、そのまま回収した]
『しっかし、おっもいなぁ……なんで、こんなのでてきちゃったんだか』
[ぼやくような呟きを落とした後、精霊はまたふわりと飛び回る。*]
― 天輪湖 ―
[ 周囲では、鈍色の妖魔が次々と倒され、欠片が集められて行く。 ]
もう一息、かな。
[ なぜかそんな予感がした。 ]
[竜のブレスの間隙を突くように、攻撃を仕掛ける。
まず左手の四枚を、位置をばらけさせながら投擲する。
妖魔はブレスを諦めると、一発一発の威力は小さいと判断したか、身を回すようにしてそれを弾いた]
[しかし本命は右手の方だ。
回転の勢いのまま直接攻撃へ切り替えた妖魔へ、翼や関節を確実に狙い攻撃する。
無論それだけでは足りないが]
そっちの刃も、まだ死んでない!
[弾かれ落ちた刃を水の力にて引き戻す。
それは妖魔を背後から急襲し。
更に動きを乱した竜の首元へ、特別に力籠めた一撃を叩き込んだ]
[叫ぶような声と共に、竜の形は崩れ、宙に結晶が残された]
――もしお前に、騎竜師がいたら……。
[戦いの行方は、少し変わっていただろうか。
そんな物思いに耽る先で、結晶は金糸雀色に回収されていく]
……精霊、か。
[世間知らずにはその精霊の特殊性まではわからなかったが。
不思議な存在だ、と思いながら、引き戻されていく光に小さく頭を下げた*]
[ 羽の生えた大きな百足から最後に落ちたのは大きめの欠片。 ]
う...ちょっと気持ち悪かったな。
[ きゅるる、と、風竜が鳴きながら頷いた。** ]
[カマキリの厄介なところは、距離を正確に把握し、鎌の届く範囲内に入ったものを素早く捉えることが出来ること。
裏を返せば鎌の届かないところから攻撃すればいい、とも言えた]
…と思ったんだけどな。
コイツ滅茶苦茶動くじゃん!
[通常のカマキリは待ち伏せを行うのだが、このカマキリはそうではないらしい。
自ら近付いてきて鎌の範囲内へと入れて、絶えず鎌を繰り出してくる。
迫る鎌は避けたり、束にした蜘蛛糸で弾いたりして反撃の隙を狙った]
[しかしなかなか隙を作らないカマキリを相手にするのが段々と面倒になって来て、苛立ち交じりに足で地面を強く踏む。
直後、カマキリの真下の地面が割れ、足を取られたカマキリにようやく隙が出来た。
地割れの隙間から大きな蜘蛛足が垣間見える]
< よくやった >
[地割れを作った配下に声を向けて、十指から伸びる蜘蛛糸でカマキリを絡め取った。
全身を縛り付けたそれに力を込めると、細い蜘蛛糸に斬られカマキリは散り散りになった。
カマキリの欠片が崩れて消えていく]
< 戻って良いよ >
[地面の下の配下に伝えると、地割れは元に戻っていく。
欠片が現れず、配下のところに落ちずに済んだのは僥倖だったかもしれない*]
啸ー!
[人姿の時よりも一段と力強く長い声は衝撃を伴って、十匹近く群れていた羽虫を吹き飛ばす。
直撃した何体かはそのまま結晶体となり地に落ちた。
残った羽虫もそのままにはしないと息を吸い込む]
― 天輪湖 ―
[鏡の精霊の集めた結晶体は、虹の仔竜の力を編んで作った籠へと溜まっていく。
それがある程度集まると、は、と一つ息を吐いた]
さて、面倒なのはここから、と。
[小さく呟いた後、力を集中させる。
応じるように虹の仔竜が一つ羽ばたき、煌きを散らした]
虹の煌き、天の輝き、我が元へ集え。
古きもの、神代の澱み。
ひとつに束ね、虹の内へと眠らせん……!
[紡がれる詠唱に応じて、籠の中の結晶体が中に入っていた海龍の鱗を核に一つになる。
あとはこれを媒介に、渦の中の『虚無』の力を一気に引き寄せれば、と。
そんな思考を遮るように、くぉぉぉぉぉぉ、という咆哮が響いた]
なっ……!
[咆哮の源は、鈍色の渦。
それはぐるぐると回転した後、唐突に弾け、形を変えた]
あれは…………龍?
[零れ落ちたのはこんな呟き。
鈍色の渦は、鈍色の龍――それも、姫の相棒たる天龍とよく似た形をしていた]
え、ちょっと待って……これ、どうなってるんですか!?
[思わず上げた疑問への答えは]
『ぁー……あれ、残留思念っぽいね』
[すぐ近くからもたらされた]
モーント? どういうこと?
『どういうも何も、言葉の通り。
あれ、この地に束縛された残留思念だよ……恐らくは天龍の』
それって、もしかしなくても……。
[言いつつ、視線は傍らの仔竜へ。
虹の仔竜はどこか不安げに翼を動かしていた]
『恐らくねー。
とにかく、残留思念と『虚無』の欠片が結びついたのがアレで。
……思念を鎮めないと、欠片の全回収は無理じゃないかなぁ』
あー……ありそう。
[そうなると、次になすべきは一つだけ。
そこに思い至ると、ぽふぽふ、と傍らの仔竜を撫でた]
……皆さん、『虚無』の欠片を回収する準備は整いました!
けど、その鈍色の龍を鎮めなければ、最後の回収が叶いません。
だから……。
[ここで一度、言葉を切って]
……鎮めて……救ってください!
[たすけないと、と訴えていた仔竜の想い。
それに答えるのが、一番いい選択肢だと思えたから。
その言葉は、ごく自然に口をついていた。*]
― 天輪湖 ―
[『虚無』の欠片が一つになり、その根本が呼び出される。
しかし、その時咆哮が響き>>249。
鈍色の渦より姿を現したのは>>250]
龍……!?
[その形状に、思わずアイリとリュウシンの方を見て。
アルビンの呼び掛け>>252に、再び視線を戻す]
……捕らわれてる、のか。
[救う、と精霊師が口にした言葉。
かつて見上げることしか出来なかった得体の知れない存在は、今、考え得る限りの一番恐ろしい形を取っている]
それでも、お前が本当はこんなの望んでないってことは……わかる。
[知ろうとも、近付こうともしなかった頃とは違い、龍の姿持つ相手を真っ直ぐに見詰める]
だから、救うための戦い……やってやる。
[そうして、為すべきことのために身構えた**]
― 天輪湖 ―
[零れる紅を槍に食ませつつ周囲を見回せば、鈍色の妖魔は数を減らしていて。
これなら、と思った直後、アルビンの詠唱と虹の光が煌めくのが見えた]
上手く行ってるっぽい?
[呟きに返ったのは、どこか落ち着きない天龍のるぅぅ、という声と、そして]
……なっ……!
[鈍色の渦から声が上がり、その姿が変じる。
自身にとって何よりも近しい相棒とよく似たその姿。
それを見た瞬間、白銀がたかく、たかく、るるーーーーぅ、と鳴いた]
……リュウ?
あれ、まさか……。
[短い問いは最後まで言葉にはできなかったけれど。
いつになく寂しげな白銀の様子が、その答えを端的に物語っていた]
……なんで……あんな姿に……?
[天龍の卵と龍玉石化した虹竜の卵。
それらが見つかった時、周囲に親龍の姿はなかったと。
ふたつの卵を見つけた父はそう言っていた。
だからこそ、放置できずに保護してきたのだと]
まさか、とは思うけど……。
[それにより、仔を奪われたと思ったから? とは、口にはできなかった。
それをなしたのが他ならぬ自身の父である事を思えば言えない、ともいうが。
その予測が生じさせる複雑さが重しのように思えて、刹那、動きが止まってしまうが。
[そんな様子を叱咤するように、白銀がるぅぅぅぅぅ、と高く鳴いた]
って……リュウ?
[『しっかりして、そして、力を貸して』、と。
明確な意思を伝えてくる声に、呆けた声が出る。
アルビンの声>>252が届いたのは、それと前後しての事]
鎮めて……救う。
[ぽつり、と。
願われた言葉を繰り返して]
ああ……うん、そうだね。
こんな事で竦むなんて、ボクらしくない。
[思う所はそう簡単には消えない、けれど。
原因を作ってしまったのが自分たちだというなら――何より、あれが相棒の親であるというなら]
ボクは、ボクのやれる事を全力でやる。
……鎮め、救う事で、贖えばいいだけの事……!
[自身がなすべき事はただ一つ。
それとわかるから]
……みんな、お願い、力を貸して!
ボクらの想いを、あの龍へ届けるために!
[迷いの消えた声で目指す所を紡ぎ。
くるり、回した槍を構えなおした。**]
― 天輪湖 ―
[向けた願いに対し、返るのは迷いの消えた声。>>260
それに目を細めつつ、仔竜の頭をぽふり、と撫でた]
……ぼくらも、負けてられないよ、シエル。
鎮めるために、たすけるために。
ぼくらのやれる事を、ちゃんとやらなきゃ。
[静かな言葉に仔竜はぴぃ、と鳴いてこくりと頷く。
それに、うん、と頷いて。
最初になすのは、先にかけた術>>170の強化。**]
[ それは、ある意味予感通りで、また、予想をはるかに超えた姿だった。 ]
龍...?!
[ 現れた鈍色の龍の姿を捉えると>>250カレルの視線は自然にアイリとその半身の方へと向く。その反応を見れば、>>257現れた龍の正体は察せられた。 ]
鎮めて救う...うん。
[ 僅かに目を伏せ、剣を収めて、ぎゅ、と聖竜の鱗を握る。 ]
行くよ、アーク。
[ きっと導かれる...そう告げた隠者の言葉の意味が、解った気がした。 ]
[ 風竜は、常のように前に出るのではなく、高く空へと舞い上がった。 ]
ピュールルルーー!
[ 鋭く高い鳴き声が響き、上空から湖の水を巻き上げるほどの強風が、鈍色の龍に向かって吹き付ける。
それは、湖を渡る風の道を開くようでもあり、清冽な空からの風そのものを、天龍に届けるようにも見えた。** ]
― 天輪湖 ―
[『虚無』の欠片が海龍の鱗を中心に一つに纏まり、残るは鈍色の渦ただ一つ。
それが咆哮の後>>249、リュウシンによく似た姿>>250に変じれば、]
……元々大事が、さらにめちゃくちゃ大事になってるじゃん……?
[そんな感想が漏れて。]
まぁ、ここで救わない、って選択はないでしょうよ。
……救いあげなぎゃ、あの龍は苦しいままだ。
[アルビンの声>>252に、青年は応えて。
……うん。
本当に怖がってる場合じゃなくなったな。
[ふう、と深く息を吐いて。]
フレア。
万が一、アイリが危なくなったら、俺を投げろよ。
『こーちゃんそれ、あっちゃんから後でまた怒られる奴。』
ほっとけ。
[じゃれあいが終わればフレアは大きな炎狼姿になり、地を蹴って鈍色天龍へ近付けば]
『あぶないよー!』
[上空にいるメンバーに注意を促し火を吐いて攻撃を加えた。*]
/*
なふ。
昨日は睡魔が尋常じゃなくて書けなかったけど、最終日アイリがボス撃破取るとかラ神分かってらっしゃるな!w
なお今日も睡魔はえげつないので今既に結構きつい(
― 天輪湖 ―
アイリ様……。
[呼び掛ける声>>260に視線を向ける。
腕を伝う紅に少し眉を顰めるけれど、戦いの最中であるからと今は意識から振り払って]
――はい。
[要請に応えるように、一度頷く]
[護りの術はその力を強め>>261、蒼虎の風が姫騎竜師を援護する>>267。
高空からは清冽な風が吹き>>268、精霊の炎が天龍へ迫る>>272]
やっぱり、すごいな……みんな。
[ふとそんな素直な感想を漏らした後、表情を引き締めて]
ここが……天沙河の、水の源流。
[それは水の妖にとっては力の源泉とも言えるもの。
本来なら近付くことも許されぬ湖は、異変のせいもあるだろうが、ここまで来ると更に色濃く力を感じられた]
――天沙河の支流の一を護る、大蛇の妖の血を引く者として頼む。
この地の水を在るべき姿へ戻すため、少しだけ、その力を貸してくれ。
[直接水に触れることは叶わずとも、土地を護る者として、力を借りることは出来るだろうかと呼び掛ける。
成否はともかく、自身のやることは変わらない]
派手な力なんて、使えないしな。
[ならばやるべきは、仲間たちの攻撃の間隙を突くこと。
どんな攻撃でも無限に続けることは出来ないが]
――そこだっ!
[攻撃が途切れる瞬間があれば、その瞬間に鈍色へ一撃を加える。
威力は弱くとも、龍の意識を一つへ向けさせないように*]
― 天輪湖 ―
[各々が動き始めた先を見る]
近付くには足場が要るか。
[何といっても鎮める対象は湖の上。
空を飛べるもの以外は何かしら手を打つ必要があった]
よし、行っといで。
[声を向ければ、ウェルシュからわさりと何匹もの水蜘蛛が湧き出る。
湖の中へと入ったそれは、湖中に散らばり湖面にいくつかの蜘蛛の巣を作り為した。
足場にしても沈まぬそれを、ウェルシュは踏んでいく]
[フレアが炎を吐く横を抜け、蜘蛛糸の先を鈍色の龍の胴へと投げた。
くねる胴に何度か蜘蛛糸を避けられるが、そのお陰で動きが少ない部分が見える。
囮の蜘蛛糸を放った後、動きの少ない部分を狙って蜘蛛糸を放つと縛り上げるように結びついた。
ぎちりと綱引き状態へと持ち込む]
逃がすわけにはいかないんだよね。
[確実にアイリに届かせるために。
足場である蜘蛛の巣の上を器用に渡り歩きながら、鈍色の龍をその場に留めた*]
/*
頭働かねぇ過ぎてこんなんなった(
援護向いてないんだよこの蜘蛛(
でもアイリんのためだからね、がんばる。
鈍色龍が湖から離れるのは止めれるけど、攻撃その他は防げないあれでそれ(
胴の1点止めだからね!
― 天輪湖 ―
……いいのか?
[水蜘蛛を散らすウェルシュ>>277に思わずそう呟く。
しかし水面に現れた足場が、飛べない自分にとって有難いのは確かだ。
水面歩き自体は出来なくもないが、それ自体に力を分散させる必要があるわけで]
今更、そこにこだわっても仕方ない、か……。
俺も使わせてもらう。
……ありがとう。
[蜘蛛の巣を渡り、更に鈍色の龍へ接近する。
暴れ回る龍の尾を間近に見るが、それはウェルシュの縛りによって動きを鈍らせた>>278]
ここまでくれば。
水の力だって……!
[刃の纏う水の気が、より色濃く、鋭くなるのを感じた。
放たれた一撃は、高圧の水流を伴い、速度と威力を増して鈍色を切り裂いた*]
― 天輪湖への移動中 ―
[遠回しの許しは伝わったようで、返されるのは礼と感謝の言葉。>>232]
剣を、捧げた相手……か。
つまりは、きみにとっての王、ってとこかな。
[向けた言葉はごく何気ないもの。
『虚無』と関りがあるらしいその存在は、予測もつかないけれど。
空へ向ける瞳は、それが大切なのは感じ取れて]
なら、ここにきみがきたのは風の縁の導きなのかもね。
[風の縁は、強い想いを拾うんだよ、なんて。
告げる口調は冗談めかしていた。**]
[道を創る風と、アイリを後押しする風。
鈍色の龍を押し留める炎と水の乱舞。
妖も、ヒトも、竜も、一つとなって異変の元凶を討ち果たさんとしていた]
(ホント、良い国だよねぇ…)
[本来ならば、脅威とみなされ排されてもおかしくないのに、この国に立つ者は皆、自分を受け入れてくれた。
故にウェルシュはユウレンの地に留まり協力も惜しまない。
― 天輪湖 ―
[投げた願い返るのは、それを後押ししてくれるもの。
強化される護りの術>>261と、送られる風。>>267
風の感触は心地よく、笑みが浮かんだ]
ありがと!
[感謝の声に重ねて、白銀がるーぅ! と鳴く。
遠い昔の、『風の寵児』と呼ばれた王によく似ている、と称される姫は同じように風の感触を好む。
だからこそ、送られる風はとても心強く思えていた]
願神獸角。
我的願望,大家的感受。
委託這一擊並到達他的龍……!
[凛とした声が言霊を紡ぎ、応じるように槍が翡翠色の光を灯す]
……リュウ、行くよ!
[声に応じて白銀が甲高く鳴き。
煌天の騎竜師は拓かれた道を真っ直ぐ、鈍色の龍へと翔ける。*]
― 天輪湖 ―
[言霊が紡がれ、白銀が高く鳴く。>>286
それに応じるように、仔竜が翼を広げてぴぃぃぃぃ、と鳴いた]
……届けてください。
シエルの……ぼくらの、想いを……!
[仔竜の鳴き声と共に生じた虹色の光がふわりと飛んで、突っ込んでいく一対にふわりとまといつく。
それは、挑みかかる兄弟に託す想いの煌き。*]
― 天輪湖 ―
[白銀の声に応じる仔竜の声。>>287
託されたものは、煌きとなって周囲にふわりとまといつく]
……あなたがそうなった経緯はわかんないし、色々辛かったのも想像しかできない、けど。
でも、だからこそ。
このこたちの……リュウシンと、シエルの声を、聞いて!
[叫びと共に真っ向う、突っ込む。
鈍色の動きは変化したウェルシュや他の皆の牽制によって抑え込まれ。
対するこちらは、風虎の風をまとい、いつもよりも軽やかに動ける状態。
狙いを違える要素は――どこにも、ない]
[繰り出された神獣角が、鈍色の龍の眉間を捉える。
直後、白銀と虹色の光が周囲に散った]
……っ!
[突き立った槍を介して流れ込むのは天龍の記憶。
産まれた卵が孵る前に、力尽きてしまったこと。
その際に生じた精霊力の乱れが、一方を龍玉石へと変性させてしまったこと。
子を守れぬ事への、置き去りにしてしまった事への悔いが自身の昇天をよしとできず、そのまま留まり続けていたら卵が奪われた事。
全てを喪ったと思って、でも、この地から離れられなくて漂っていた時。
喪ったはずの仔の気配が、遠い場所から感じられて。
違う方の仔の気配が、別の場所から感じられて。
仔らの無事が嬉しくて、けれど、この地に縛されているからその傍にもいけなくて。
天輪湖の守りを乱せば行けるのでは、との思いから精霊力を集めて暴走させて――そこを、滲み出てきた『虚無』に突かれて、そして]
……そっか。
そんなに、苦しかったんだ。
[情報量にくらりとしつつ、ひとつ息を吐く]
でも……あなたを苦しめてしまったけれど。
ボクは、リュウと逢えてよかった。
リュウに選ばれて嬉しかった。
リュウを不幸にするつもりなんてないし、それはアルビンさんだって同じだと思うの。
だから……えっと。
[この場合はなんていえばいいんだろうか、と。
悩みながら言葉を紡ぐ]
リュウも、シエルも、大丈夫だから。
ちゃんと、それぞれ見つけた場所で生きていけるから。
……置き去りにしちゃった事で嘆かないで。
あなたの代わりにはなれないけれど。
あなたと同じように、リュウとシエルを守って支えて、一緒に生きていくひとたちがちゃんといるから……ね。
[だからどうか、悔いに捕らわれないでと。
願いを込めた言葉に沿うように、天龍と虹竜が鳴き声を上げる。
それぞれが大丈夫だから、しあわせだから、と。
紡ぐ声は鈍色を揺らして。
くぁぅぅぅぅぅ……という静かな声が零れ落ち。
直後に、鈍色の龍は解けるように消え失せた。*]
― 天輪湖 ―
[風まとい翔けた一対が鈍色の龍へと一撃を突き立てる。
その瞬間に知れた事は知る由ないものの]
…………。
[天龍に沿うように、ぴぃぴぃと鳴く仔竜の声。
しあわせだよ、と伝えるそれに、ふ、と息を吐いた]
……そっか。
[遠い異郷の地で生まれて生きる事が虹の仔竜にとって幸いと言えるのかどうか。
心の隅に抱えていた疑問がふっと溶けていく。
やがて、鈍色の龍は解けるように消えてゆき――]
……さて。
まだまだ、仕事は終わってませんね……!
[龍の形が消えた後には、濃い鈍色の靄のようなものが蟠る。
もう一つの浄化しなければならないもの、『虚無』の欠片]
皆さん、それから離れて!
モーント、シエル、やるよ!
[皆に退避を呼び掛けた後、力を集中する。
金糸雀色と虹のきらめきが、周囲にふわりと舞った。*]
― 天輪湖 ―
[解ける様に消えていく龍>>291に、]
……おやすみなさい、かな?
[安らかな眠りであるように、青年は願い。]
― 天輪湖 ―
[内心の疑問には答えが返ってきた>>282。
納得の頷きを一つして、前方へ向き直る]
[皆によって拓かれた道を、姫騎竜師が翔けていく>>286。
この地に宿る力によって増幅した水の妖気も、道をこじ開ける一助となっていたか]
……もう少し……!
[虹の仔竜の力も受け取って>>287。
アイリの狙う先は、龍の眉間と見えた>>289]
じっとしてろ……!
[僅かにでも首を振ろうとするなら、反対側から水弾を打ち付けるようにしてそれを阻む。
そうして、神獣角が過たず鈍色を貫くのを見届けた]
[アイリと、リュウシン、シエルの声を受けて、鈍色は静かに声を上げた>>291。
直後、その姿は消え失せる]
……安らかに、か。
[一息つきかけたところを、アルビン>>293の声で気を引き締め直す。
この先は自分が手出し出来るものではなく]
……頼みます。
[アルビンに頭を下げた後、蜘蛛の巣を渡ってその場から退避する。
自力でどうにかするつもりだが、うっかりつまずいたところをウェルシュ>>295に運ばれたりはするかもしれない*]
― 天輪湖 ―
自由なる光、虹と共に綾を織れ。
古き虚ろ、その力。
引き寄せ、捕らえ、一つに束ねよ。
[紡ぐ術に応じて、結晶体の収まった籠から金糸雀色の光の帯がしゅるりと伸びて蟠る鈍色に絡みつく。
それは結晶体の元へと最後の欠片を呼び寄せようとするが]
む……さすがに、抵抗しますかっ……!
[さすがにというか、一筋縄ではいかないようで。
引き寄せるのと抗うの攻防戦が繰り広げられた。
『虚無』の力に近しく接している事で乱される集中は、先に受け取ったお守りが保たせてくれているものの、これは辛いかも、と思った直後]
『ある、ある』
『シエルのちから、あげる』
[傍らの仔竜が唐突にこんな事を言い出して。
直後にるぅぅぅぁぁぁぁぁぁ! という声が響いた]
……え、
[それは半年前にも聞いたもの。
はっと傍らに視線を転じれば、そこには虹の虹彩を翼にまとわせた虹竜の姿があった]
シエル……?
[また急激に成長した? との疑問は短く]
……うん。
ありがとう、シエル。
……一緒に、やるよ!
[宣に上がるのはるぅあ、という嬉し気な鳴き声。
改めて力凝らせば、増幅された天の精霊力が『虚無』を捉える縛を強めて、結晶体へと引き寄せる。
やがて、最後に残った鈍色の靄は結晶体の内に取り込まれ。
そこに浮かび上がるのは、禍々しい雰囲気の結晶体、一つ]
……アイリ殿!
[浮かび上がったそれを虹竜の放つ天の精霊力でくるりと包み。
姫の方へと打ち上げた。*]
― 天輪湖 ―
[天龍の想いを浄化してもまだ終わりじゃない。
わかっているから、気は抜かなかった。
何をどうすればいいのかは、実はわかっていない。
だが、感覚というか、魂というか……そんな、深い所にそれは刻まれていた。
神獣角を手にした者になす事が叶う、浄化や均しのための術は]
願神獸角。
作為我生命中的一滴水的犧牲。
在這裡匯聚強大的淨化之力……!
[紡がれる言霊に応じ、槍の穂先が淡い翡翠色の光を灯す。
直後に、アルビンの手によってひとつになった『虚無』の欠片が打ち上げられて。>>302]
神代級だかなんだか知らないけど。
……この国を、この風を澱ませるものは、赦さないよ……!
[迷いない宣と共に、神獣角を突き立てる。
槍は違う事無く鈍色を貫き――直後に煌く光の粒子となって、溶けるように消え失せた]
…………浄化…………できたの?
[槍を突き出した先には何もない。
ただ、先ほどまで感じていた圧のようなものは、感じ取れなくなっていて]
うまく……いったのかな……リュウ。
それなら……。
[よかった、と。
ぽつり、呟き、白銀の背にくったりともたれかかった。*]
/*
そーいや書いてなかったね、な訳文。
最初が、
神獣角に願い奉る。
我が願い、皆の想い。
この一撃に託し、彼の龍に届く事を……!
で、次が、
神獣角に願い奉る。
我が命の滴を贄として。
強大なる浄めの力をここに集わせよ……!
でした。
― 天輪湖 ―
[『虚無』の欠片と精霊の力との攻防。
膠着したかと見えたところに、仔竜の声が響く>>301]
……大きくなった……?
[過去の出来事は知らず、その変化に目を円くした。
そしてシエルの力もあり、結晶体は一つとなって]
…………!
[槍の穂先が翡翠を宿し>>303、鈍色を貫く>>304までを息を呑んで見守った]
[そして、『虚無』による心乱すような焦燥感は、消えた]
アイリ……様。
[なんと言葉を掛けていいのかと立ち尽くしていると、彼女が龍の背にもたれかかるのが見えて>>305]
だ、大丈夫……ですか?
[真っ先に心配が口をついて出た。
咄嗟に彼女の許へ駆けるが、それより先に動くべき人が動いているかもしれない*]
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