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帝国将軍 レオンハルト は、帝国将軍 レオンハルト と 魔法教師 ロヴィン に死神の鎌を振るった。
次の日の朝、語り手 が無残な姿で発見された。
戦火の犠牲は確実に広まる。
それでもなお、戦いは終わらない。
求めるものを手にするまで、人は争い続ける。
己を犠牲にしようとも。
愛する者を失うとしても。
現在の生存者は、風渡る声 、皇帝 ファミル、魔法学園生 リヒャルト、魔法学園後輩 フレデリカ、帝国将軍 レオンハルト、絢爛無双 ドロシー、魔法教師 ロヴィンの7名。
魔法教師 ロヴィンは、魔法教師 ロヴィン を投票先に選びました。
魔法学園後輩 フレデリカは、魔法教師 ロヴィン を投票先に選びました。
絢爛無双 ドロシーは、魔法教師 ロヴィン を投票先に選びました。
/*
『あなたは死と殺戮に心を支配され、【 帝国将軍 レオンハルト 】と深く憎み合っています。』
って、めっちゃ病んでる感あるよね。
前に仇敵絆もらった時は気づかなかったなあ。文章系で、差とかあるんだろうか?
― 隠れ里 ―
はい。
……先生、ありがとうございます……!
[朦朧とした中だったが、彼の術が自分たちを救ってくれた記憶はあったから、それに対する礼をまず口にして。
それから聞いたのは、彼が一人偵察に向かう理由――斥候の役割>>1:200。
それはまるで授業の一場面のように、教え諭す口調だった]
魔法学園生 リヒャルトは、魔法教師 ロヴィン を投票先に選びました。
そう……ですよね。
[理屈は理解した。
闇雲に作戦を実行するより、斥候からの情報を考慮すべきだということも。
けれどようやく再会できた恩師が、再び敵地へ赴くことに、不安で眼差しは揺れる]
わかってます。
先生なんだから……大丈夫だって……でも。
[いつもより柔らかに見える笑みに、信じたい思いと相反する感情がせめぎ合う。
ふと傍らを見れば、少し不貞腐れた顔のリヒャルト>>1:201がいた。
彼が信じると口にした>>1:203ことに自分も気持ちを上向けつつ]
あの、ちょっと待っててください。
[そう言って脇に駆け出し、数歩進んだ所でしゃがみ込む。
呪を帯びた歌を小声で口ずさんだ後、ロヴィンの方へ戻り]
これ、お守りです。
[そう言って差し出したのは、石を成形して作られた小さな羽根だった。
父が作業チームによく配っていると聞いたもので、特定の形を作る呪歌として教えられていた]
私も、信じてますから。
……いってらっしゃい。
[自分自身への踏ん切りのようにそう口にして、ロヴィンを送り出すことにした*]
[彼の剣は慈悲深いなと常々思っているし、直接言ったこともある。
なにしろ、相手の急所を一撃で仕留めるのだから。
残るのは、綺麗な死体一つだ。
諸々まき散らす自分とは違う。
彼なら金庫を開けるのにも、見事に扉だけ断ち切ったりするのだろうか。
などととりとめも無いことを考えていたら、横を抜けていった彼の部下が、皇帝に賭けると言うのが聞こえてくる。
これは必ず金庫を叩き潰さねば、と妙な使命感を覚えた。*]
― 学園都市陥落の夜 ―
[ファミルを追わず、傍に残ったドロシー>>1:199がジョッキを満たしてくれる。
それを口に運びながら、問いを向けられて視線だけをそちらへと向けた]
好敵手になり得るかはまだ分からんな。
懐に入られて一刀両断されるような奴だったら詰まらねぇ。
[まだそこまで見定めていない、と暗に言い。
誰、という言葉には思い出すための時間が空く]
……学園の生徒、というには歳がいってそうだったが、教師というわけではなさそうだったな。
濃いめの金髪に、……碧い目の男だったはずだ。
光を操っていた。
[名を呼ばれていたようだが、覚える気が無かったためにすっかり忘れてしまっている。
男にとって印象強かったのは、後から来た教師の方だったのもあるだろう]
― 近衛時代 ―
……代理決闘人?
[思っていた探し人とは少し毛色が違ったようだ。
見上げてくるドロシー>>1:202へ向ける目が点になる。
更にはその対象が男自身であるらしいことも悟った]
受けるのは吝かじゃあねぇが……何でまたそんなことに。
[受けることに否やは無い。
ただ、何故そんなことになったのか、という疑問が湧き上がり、その疑問をそのまま口に出していた]
つーか、他にも探してる奴がいるのか。
[探している人のひとり、と前置いた言葉が引っかかり、もう一つ問いを投げる*]
帝国将軍 レオンハルトは、魔法教師 ロヴィン を投票先に選びました。
/*
ファミルから嫉妬されていたとな…?
これは予想外の反応。
レオンハルトはファミルが自分のことを駒にしか思ってない、と思ってるぞw
慈悲深い、は言われると思ってた。
でも急所突き()は対モブ用スキルだからなぁww
PC相手だとそうもゆかぬw
あと無機物には効果が無い心算でいたな。
何せ人体特化型なのでw
皇帝 ファミルは、魔法教師 ロヴィン を投票先に選びました。
私も、途中で遭遇した彼に追手をかけているところですが、まだ…
[ その言葉に重ねるように、絢爛無双隊の長──すなわちドロシーだ──を呼ぶ配下の声が届いた。
みれば、負傷した偵察兵に肩を貸して配下の兵がやってくる。]
おや、噂をすれば戻ってきました。
…追跡は失敗したようですが。
[ 自分の足で歩いてくるくらいだ。偵察兵の命に別状はないだろうが、目元に厚く巻かれた包帯は不穏だった。
レオンハルトの許しをもらい、その場で報告を受ける。
まとめると、「卑怯にも透明化の魔法を使った魔術師が待ち伏せしていてやられた」とのことだった。
偵察兵が最後に見た顔──殿軍を担っていたのだろう魔術師の年格好を聞けば、思い当たる節がある。]
それはおそらく、教官のロヴィン・ブルバードでしょう。
目をかけているリヒャルトのサポートについていたと思われます。
リヒャルトは私より年上なのに、甘やかされていますねぇ。
[ 批判というより、苦々しさが声に滲んだ。]
ありがとう、行って来る。
[ 信じる、と、それぞれに告げる二人に向かって...そう口にした時、初めて ]
(叶うなら、お前達の元へ)
[ 未来の光を守るために、捨てても悔いのない命...と、思い決めてはいたけれど。 ]
(もう一度、戻りたい。)
[ そう、願った。* ]
― 隠れ里 ―
いや、勝手に代名詞にすんなってば。
[にっこりと返された言葉>>10に突っ込みを飛ばすが、実際そう言われていた節はあるわけで説得力はない。
っとにもー、とか文句を言いつつ、それでも。
行ってくる、と告げられれば、居住まい正し]
― 幼年時代のこと (レオンハルト編) ―
[ 相手が誰かも問うことなく、決闘の理由を訊いてくるレオンハルトは、やはり強いのだろうなと思う。]
スカートを履くの、禁止されたからです。
[ 伝わるかわからないけど、ませた8歳なりの説明を頑張った。]
もう一人は、いるけど…よく説明できないです。
兄弟みたいな、守護霊みたいな。
[ どこにいても声が繋がるあの感じ。*]
― 隠れ里 ―
[ロヴィンからのリヒャルトの評>>10に、こちらは苦笑するしかない。
そんなやりとりを横目に見つつ、自身はお守りを渡し、受け取った相手が胸ポケットへそれを仕舞うのを見た]
[教師が内心に何を思うかは知らぬまま。
短く告げられた言葉>>12を受け取り、頭を下げて送り出す]
私も、待ってます……!
[そう、リヒャルト>>14に重ねるように言って]
――私たちも、万全の体勢で先生を迎えられるようにしないとね。
[それは半ば独り言ではあったけれど]
あ、リトはまずは休養しなくちゃ、だよね。
[そう、傍らへの釘刺しも忘れずにするのだった**]
[酒を口に運びながら、金庫開封の顛末を具に見る。
兵達もあの手この手でこじ開けようとしたようだが、金庫はとてつもなく頑丈らしい。
魔術師がいた街の押収品だ、魔法がかかっているのかもしれない。
それでもファミルなら開けられると思ったのは、圧倒的な力を持つ故。
力こそ全て、を地で行く帝国を体現していると言えよう]
[そんなファミルから以前、男の
急所の狙い方や腕の振り方を教えたりもしたが、どうにも合わなかったようで。
個人指導は早々に終わりを見せたのだった。
何故急に教えろと言われたのかは、男は理解していない。
陛下の気まぐれだろうぐらいにしか思っていなかった]
[いつだったか、ファミルに男の剣は慈悲深いと言われた>>4ことがある。
考え方の一つではあるのだろう、何せあっという間に命を奪う剣なのだから。
苦しみを長く味わわずに死ねるというなら、慈悲の剣と言えるのだろう。
意図的に急所を外して斬る、拷問めいた手法も持ち合わせてはいるが、戦場では効率が悪いことこの上ないためにほとんど使っていない]
[男自身は、死体の綺麗さは特に頓着していない。
己の
男は結果よりも過程を楽しむ。
故にファミルの戦い方は好ましいものだった。
自分にない豪快さに魅せられていると言えるだろう。
故に、今回も金庫を叩き潰してくれると期待しているのだ*]
― 学園都市陥落の夜 ―
ほぅ……学園の中心人物か。
陛下と同い年ね。
[同じ時代に生まれた同じ年の者達。
どこか因縁めいたものを感じる。
果たして時代の寵児は並び立つものだろうか]
リヒャルト・ターゲリート……
ああ、確かにそんな感じの名前だったな。
[言われて>>8ようやく聞いた名を思い出す。
怒鳴られていたのがリヒャルトという名前だったな、という程度のものだ]
[追手の話>>9が出た辺りで、タイミングを計ったようにドロシーが部下に呼ばれた。
追跡は失敗したらしいと聞く。
偵察兵の目は潰されたのか、包帯が巻かれていた]
ブルバード……アイツか。
奴の方が俺と因縁があるな。
[ドロシーが上げた名前>>11に口端を持ち上げる。
ロヴィン・ブルバード、口の中で反芻するように呟いた]
次にそいつが現れたら俺が当たる。
そいつを消せば、そのリヒャルトって奴も葬りやすくなるだろ。
[話を聞くに、ロヴィンは補助系の魔法が得意そうに思う。
父親との違いをそこに見、父親程厄介でもないだろうと判断した*]
― 近衛時代 ―
………
[決闘の理由>>15を聞いて、頭を抱えたくなるというか、少し理解が追いつかなかった。
実際、聞いたことを整理するために右手で頭を抑えている。
皇帝の子はまぎれもなく男児だったはずで。
スカートを履くのを禁止されたということは、履きたいということなのだろう。
皇族としてそれは良いのだろうか、と疑問が過る]
あー………履きたいのか、スカート。
[ひとまず確認を取る。
もう一人の探し人については、ドロシー本人も要領を得ないよう]
それじゃあ探しようがねぇな。
[手掛かりがない以上、流石にそれはお手上げだ*]
[ 情報確認が済めば、偵察兵は下がらせる。
せっかく目端の利くやつだと名前を覚えたというのに、失明したのでは兵としてはもう使えない。
除隊したら、圧搾車を延々と回す馬のような仕事しかないだろう。
残念だが、それが彼の運命だ。
他に道は──]
…ああ、魔法で人助けをしたいと言ってた少女がいました。
[ 澄んだ眼差しで、将来の夢を語っていたフレデリカ。
リヒャルトの仲良しさん。]
ならば、あのコを捕まえてきて、魔法で、彼の目を治してもらいましょうか。
[ 恬淡と構想を練る。]
できないというなら、やっぱり魔法なんて無駄だから、彼女の目を潰してやります。
[ 偽物の高級グラスを塔に向かって投げ割った。*]
― 隠れ里 ―
[ロヴィンを送り出した後。
隣から飛んできた釘刺し>>17に、小さく息が漏れた]
あの、なぁ……。
俺、そんなに信用ないわけ?
休まなきゃなんないのはわかってるんだから、だいじょーぶだよ。
……動き回る理由も、なくなったわけだしさ。
[軽く肩をすくめつつそう言って。
それから、あ、と短く声を上げて表情を引き締めた]
そういや、さ。
今度の奇襲作戦……フレイ、配属先お任せしてたけど。
……できれば、解放班、回ってほしい。
[真面目な面持ちで切り出すのは、奇襲作戦の配置の事]
解放するって一言で言っても、ふつーに扉開けて、ってのも難しいと思うんだ。
最悪、建物自体どーにか、ってのも必要になるかも知れないし。
それ考えると、フレイの得意分野と重なるかなって。
[どーだろ? と首を傾げて問いかける。
この辺り、編成担当の教師も思い至るとは思うけれど。
奇襲作戦を思いついた時から考えていた事だから、直接伝えたかった。**]
― 隠れ里 ―
[一通り、準備が整ったのは、ロヴィンが発った二日ほど後。
陽動班と攻撃班、解放班に別れた魔法の使い手たちは、隠形の結界で姿を消しつつ、班ごとに飛行の術を用いてデメララを目指す手はずになっていた]
……途中で見つかるのだけは、避けなきゃならないからな。
みんな、気を付けてくれよ。
[真顔で注意を飛ばせば、お前もなー、と声が返される。
それに、うるせー、と言い返した後、気を取り直して]
んじゃ、最終確認な。
最短距離でデメララ近辺まで移動、夜明けと同時に陽動班が鉱山側で花火を上げる。
本気で鉱山潰す必要はないけど、そう、思わせるくらいの大騒ぎを起こすんだ。
で、それで敵さんが動いてくれたら、俺たち攻撃班がでかいの叩き込む。
こっちも、ある意味陽動だから、遠慮なくハデなの行けよ。
「えー、先輩より派手なのとか無理」
……こらそこ、茶化すな。
[軽口に突っ込み入れつつ、視線向けるのはある意味一番のキーとなる解放班]
で、俺たちが暴れてる間に、解放班が捕まってる連中を救出する。
これも、簡単にはいかないと思うけど……でも、ここが肝だからな……頼むぜ。
[歌う術を奪われた者、歌は紡げなくとも、帝国に反した者。
彼らが、この状況をどう見るかは未知数ではあるけれど。
彼らを揺り動かす事ができないようでは、この先も立ちいかないと思うから]
あ、と、最後にな。
……失敗したらとか、そーゆーのは一切考えんなよ。
[ほんの少し、表情を緩めて告げた言葉に周囲がざわめく]
そういうのって考え過ぎるとそこに囚われて動けなくなる。
綺麗な響きが生み出せなくなる。
……それじゃ、
だから、必ずやり通す、っていう想いだけのせる。
それをこめれば、何倍もの力が作り出せるんだ。
……もしも、もしかに囚われないでさ。
今やってる事をやり通す、やり遂げる、って気持ちでいけ。
[そこまでは、静かな口調で告げて]
まー、これ、俺の試験の時の必勝法っていうか、気構えなんだけどなー。
[直後、けらっと笑ってオチをつける。
突然の変化に張りつめていた空気が、一気に崩れた。
「なんだよそれー」、とか、「真面目に聞いて損した」とか、色々と声は上がるけれど。
最初にあった緊張が、だいぶ解れているのは見てもわかった]
いよっし、そんじゃあ行くぜ!
……俺たちが、やられっぱなしで泣き寝入りするほどか弱くないって事、しっかり教えてやらねーとな!
[これなら大丈夫、と思いつつ、出発の号をかける。
しゃら、と銀の鈴が澄んだ音を立てた。**]
― 翌朝 ―
[ロンリコを引き払い、マンダレーへ戻る段となり、男はこの後の行動を伝えるべくファミルの下へと向かう]
位置的に山岳地帯に連中が散らばった可能性が高いと考えている。
人員と物資が必要になるが、山狩りを行う心算だ。
山狩りの拠点はデメララとする。
俺はこの後、中隊を引き連れて平原を突っ切りデメララへ先行する。
先に行って指揮系統の引継ぎと物資の量産を指示してくるわ。
俺の軍の指揮には副官を置いていく。
マンダレーで物資の補充を行い、その後デメララを目指してもらう心算だ。
軍がデメララに到着次第、山狩りをする心算だが……。
陛下も後詰としてデメララへ向かって欲しい。
奴らが先に動いた場合、狙うとすれば陛下の首だろう。
マンダレーに籠るよりは、移動中、野営中の方が釣れるんじゃねぇかね。
道中何もないなら山狩りの際に囮として出歩いてもらいたい。
[残党狩りの方針を伝え、ファミルの反応を窺う。
山狩りがファミルの忍耐期間内に終わるかは定かではないが、途中で飽きたならどの道自由に動くだろうし、という目算もあった*]
/*
陛下の首……。
[何気に狙ってないよね]
[ここら、武闘派とそうでないのとの認識差だなあ、って思ってるなかのいきもの]
― 学園都市陥落の夜 ―
1年前、マンダレーでアイツの親父を斬ったのさ。
[因縁について>>24は端的に答えを向けて。
ドロシーが学園で武術研鑽していた相手がロヴィンだと聞くと、楽し気に片眉を上げた]
ほぅ、お前さんの眼鏡に適ったのか。
腕は確からしいな、楽しみだ。
[先の邂逅では魔法の腕を見ただけで、剣の腕は見れていない。
だがドロシーが引き込もうとしていたくらいならば、その腕は確かなのだろう。
父を超えるほどのものか、試したいと思った]
そいつぁ好都合だ。
冷静さを失えば、付け入る隙も増えるだろうよ。
[リヒャルトという青年のアキレス腱でもあるらしい>>25。
最早斬らぬ理由が無かった。
ドロシーが言うもう一人の少女>>26については、全く知らぬ故に特に言うこともなく、構想を練るのを聞きながら、持っていたグラスを投げ割る>>27様子を見遣る]
おーおー、怖いねぇ。
[茶化すような物言い。
どうやらドロシーはその少女に思うところがあるようだ*]
/*
距離感と時間経過がいまいち把握出来てない(毎度のこと
センテナリオからデメララ近辺までで丸一日の想定、かな。
脱出から2日寝てて、起きた後にロヴィンが合流、その日のうちに出発したっぽいので、ロンリコ陥落から4日目にセンテナリオを出たことになるよな。
ので、5日目の朝にデメララ襲撃、かな。
各拠点は通常で数日、超速行軍か魔法移動で短縮…。
俺の隊が途中《ウル》飲んでないことになるな(
常用しない設定だから飲んでないかもしれんw
駄目だ、一旦寝る。
陛下の反応も見たい**
― デメララ付近 ―
[ デメララに到着すると、夜陰に紛れ、隠行の魔法も駆使して、兵力を測る。それなりの人数が配置されてはいるが、無力な虜囚達を監視してさえいれば戦地に駆り出される事が無いという環境が、駐屯兵達に油断を蔓延させているのが見て取れた。
或いは、ロンリコ陥落の報が、彼らの気楽さを助長しているのかもしれない。 ]
(とはいえ...さすがに侵入するのは無理、か)
[ 可能であれば、先に入り込んで、細工をするなり虜囚を逃しておくなりしたかったところだが... ]
いや...外でも、出来る事はあるな。
[ このままいけば、奇襲作戦が成功する確率は高い。しかし、それはあくまで、このままならば、だ。
ロンリコを落とした軍は、すでに動いているだろう。大半はマンダレーに戻るだろうが、残党狩りをするつもりなら、出入りが面倒で、備蓄も駐留施設も無いロンリコより、デメララを拠点に選ぶ確率は高い。
帝国の...それも戦慣れした援軍が増えることになれば、奇襲に成功しても拠点を維持することは難しいだろう。 ]
必要なのは足止めか。
[ そこまで考えて苦笑が浮かぶ。 ]
全く、相変わらずの貧乏籤だ。
[ ぼやきながらも、男は動き出す。
まずは、川の上流に岩と材木を積み上げた堰を作り水を溜めておく。ロンリコ方面からデメララへ至るには、必ず渡河が必要だから、そのタイミングで溜めた水を解き放てば人工の土砂崩れが押し寄せてくるという仕組み。
更にデメララ手前の街道を塞ぐ形で、魔法で広く深い穴を掘り、穴底に枯れ枝の櫓を組む。溝の上を、踏めば崩れる程に作った土の蓋で覆えば、巨大な落とし穴の出来上がりだ。蓋の強度は魔法で調節可能だから、帝国軍の到達前に崩れる心配も無い。
落とし穴に嵌ったとしても超人兵の力であれば這い上がる事はできるかもしれないが、同時に魔法の炎を放って枯れ枝を燃やせば、煙と炎に巻かれ、容易には逃れられないだろう。 ]
[ たった一人、宵闇にまぎれながらでも、魔法を使えばこの程度の土木工事は一昼夜で終わる。 ]
あとは、時間との勝負か。
[ 罠だけで稼げる時間は知れている。デメララの制圧が完了していれば良し、完了前に帝国軍が現れることになれば、最後には身体を張っての時間稼ぎも必要になるだろう。 ]
頼むぞ、雛鳥共。
[ 待っている、と、別れる度に投げられる声が、また聞こえた気がして、男は空を見上げた。** ]
/*
そういう意味ではドロシーにやられるのもありっちゃありなんだよな。仇敵絆が色々強すぎて、どうしても、そっちに引っ張られるけど。
― ロンリコ野営地 ―
[山と積まれた略奪品の中央に、金庫が鎮座していた。
数々の開封の試みを受けながら、ほとんど無傷で立っている。
ドロシーが魔導師の宝飾店から持ってきたと聞いて、納得した。
これには、相当な防御の魔法が掛かっているに違いない。
ドロシーは時折こうして難題を持ってくる。
この金庫もそうだし、学園脱出のときだってそうだ。
それと、もうひとつ。
あのときの難題は酷かった。
彼が自発的に持ってきたものではないし、むしろ私が自分から飛び込んだようなものだけれども。]
[皇子が病で重症だと噂が流れたあれは、12、3年も前になるだろうか。
当時自分は既にウルの被験者から軍属へと肩書きは変わっていたが、なにしろ存在自体が軍の機密状態だったから、ほとんど皇帝直属のような位置にいた。
だから、いろいろな噂も耳に入ってきた。
自分より二つ下の皇子が病で危ない状態だとか、母親は魔法使いだとか、共和国から魔法医を呼んで治させるだとか。
信じられなかった。
魔法をこの世から消し去って、正しい世の中を作ってくださるはずの皇帝が、たかだか病気くらいで魔法を頼るだなんて。
《ウル》さえあれば、何だってできるのに。]
[許せなかったし、裏切られた気もした。
ウルのことを一番よく知ってる自分が、ウルの力を証明しなくてはと思った。
後宮は警備が厳重だったけれど、子供の容姿とウルの力で忍び込みに成功した。
小さな子供が城壁を軽々飛び越すだなんて、ウルがほとんど知られていない頃は誰も信じやしなかったのだ。
そして、後宮の奥、幼い皇子が寝ている場所にたどり着き、ウルを飲ませて逃げ去ったのだ。]
[ウルを飲ませる時には、少し苦労した。
相手の意識も朦朧としていたし、ウルはすごく苦いと言われている。
自分は、ほとんど感じないのだけれど。
どこかで、寝ている相手に薬を飲ませる時は口移しだと聞いた。
だから、自分で噛み砕いてから水を口に含み、唇を合わせて流し込んでみた。
相手はむせて起きてきたけれど、飲んだかどうかちょっと自信が無かったから、彼の前にナイフを出してみせた。]
僕の血はウルでできているんだ。
飲めば、きっと元気になる。
病気になんか負けるな。
[血がウルでできているとは、研究所の大人たちが冗談で言うことだったけれど、幼い頃は本気で信じていたし、今も結構そう思っている。
ナイフで左手首を切り、滴る血を彼に差し出した。]
[皇子が回復したのはウルの力かもしれないし、他の治療が功を奏したのかもしれない。
だけれども、自分はウルの力だと信じた。
勝手にウルを持ち出したことと、後宮に忍び込んだことは、結局軍の偉い人にバレて、ものすごく怒られた。
それでも処分されなかったのは、自分がウルの被験者として貴重な存在だったからだろうと思う。
子供に後宮へ忍び込まれるなどという前代未聞の事態は、一部関係者を除いて、厳重に隠匿された。
これがウルの力をますます信奉し、絶対者だった皇帝に不信感を抱き、絆の声を手に入れることとなった事件の顛末だ。]
[金庫の方は、結局皇帝が自分の鎚を持ち出し、めちゃくちゃに叩きまくって開封した。
中身の方にも被害があったが、些少な問題だ。
賭けはといえば、皇帝が出てきた段階で成立しなくなり、流れた事を附す。*]
― 翌朝 ―
[ロンリコは一晩焼かれて、瓦礫と灰の町になっていた。
撤収の準備が始まる中で、レオンハルトの行軍予定を聞いていた。]
山狩りだね。
面倒なら焼き払ったって構わないよ。
焼け跡にはアプルトンを植えればいいし。
後詰めも承知したとも。
マンダレーでの雑事を片付けたら出よう。
私が着く前に、全て終わっていないと良いのだけど。
[作戦を承認し、後詰めも機嫌良く了承する。
デメララを作戦拠点とする旨と、作戦を担う将軍にデメララの指揮監督権を与えるという書面を用意させ、サインをしてレオンハルトに手渡した。]
ではデメララか、そのあたりの山の中で会おう。
[改めて作戦を確認したのち、敬礼を交わして別れる。
早く山狩りに参加するために、いろいを片付けなくては。*]
― 金庫開封の後 ―
[宴も終盤となり、喧噪が間遠になる頃、絆を手繰って呼びかける。]
良いよ。今なら私ひとりだ。
[人払いした天幕の中で、敷物に寝そべって、彼が来るのを待つ。*]
― デメララ ―
[デメララ駐屯隊は、帝国軍の中では不人気の部署だった。
武勲によって出世するのが是とされる帝国兵にとって、罪人の監督と都市防衛が主な仕事である駐屯隊は退屈と映るらしい。
喜んで志願するのは戦いを怖がる臆病者と、罪人を鞭打って喜ぶ異常者だ。
軍需物資の生産拠点であり、要注意人物を収容していることからも相当規模の部隊が駐留しているが、総じて士気は低い。
駐屯部隊長であり収容所監督官でもあるベルガマスコは、臆病者と異常者に加えて拝金主義者でもあった。
元々はデメララ占領の折りに、鉱山の知識を買われて駐屯隊を任された者だが、たった二年で横幅は倍に、態度は超人化並みに膨らんだ。
罪人を痛めつけるのが趣味で、中央から睨まれない程度に私腹を肥やすのを得意としている。
こんな男でも始終服用しているウルの力で、兵らを圧倒しているのだ。]
[町にいる金属加工の職人たちは、当初こそ魔導の炉が使えないことに遺憾の意を表明したものの、自分たちの腕を振るう場所があるならと、寡黙に仕事をしている。
特別な理由がある時、―――例えば皇帝が特注の鎚を所望した時などは、一部にウルが支給されることもあった。
ただ最近は駐屯隊長の横暴な要求がひどくなり、不満を溜めているようだ。
鉱山の強制労働施設には、最大の大罪人、すなわち声を奪われた魔導師たちや、魔導師に協力する民らが収容されている。
いずれはロンリコからも、帝国への忠誠を拒んだ民が送られるだろう。*]
― 金庫開封の後 ―
[絆の相手が近づいてくるのをなんとなく感じながら、彼のこえを思い浮かべる。
好きですよ、と告げるあの響きは心地良かった。
その”好き”がどこに向けられているのかには、あまり興味は無いのだけれども。
自分にとって、彼は兄弟であり、腹心だ。
文字通りに、”血を分けた”相手だった。
大切な相手、なのだと思う。
ただ、憎むこと以外を親と一緒に無くした自分には、大切の意味も実はよくわからない。*]
/*
デメララの監督官はベルガマスコかww
豚って呼ばなきゃ(
ウザ罠()があるなら、渡河で丸一日かかっても良いなー。
元々時間かけて渡る必要があるだろうし。
川幅結構広いと見ている。
舟橋作るか悩んでるところ。
後は水位が下がってるかどうかだな。
1日あれば水位戻るかな…どのくらいの量を堰き止めるかによる気はする。
めんどくさいので水位関係はぶん投げるか(
/*
ん、読み直したらデメララ襲撃は6日目の朝かな。
丸1日かけてセンテナリオへ、2日眠り込んで3日目に作戦立案&ロヴィン合流、3日目の日暮れにロヴィンが出立、そこから2日後の5日目に共和国軍がセンテナリオ出立、6日目の明け方に襲撃。
で、合ってる、はず(不安
― 隠れ里 ―
えっ!?
[リヒャルトの言葉>>28と漏れた息に、驚いたように目を瞠った]
あ、ううん。
信用してないとかじゃないんだけれど……。
[少ししつこく言い過ぎてしまったのかもしれない、と眉尻を下げて]
ごめん。
リトは、やるべきことがわからない人じゃないもんね。
[ぽつりとそう口にしたけれど、表情を引き締める様子に意識を切り替える]
[そうして告げられたのは、奇襲作戦における配置に関して>>29]
解放班……。
[つまり魔導師が囚われた建物などを、開けて回る役割ということか。
責任は重いと思ったけれど、自身の能力のことなども鑑みれば否やはなく]
わかった。やってみる。
先生たちにもそう伝えておくね。
[自分に務まるか、などという気弱さは一旦置いておく。
今は自分が果たすべき役割について考えることにした]
― 2日後/隠れ里 ―
[作戦決行の日。
自身も解放班の一員として、リヒャルトの前で最終確認>>30>>31を聞いていた。
リヒャルトと他の学生のいつも通りの掛け合いに、少しだけ気を軽くさせられる。
そうしている内、眼差しは解放班であるこちらへ向けられ>>32]
はい。
作戦行動もそうだけど……皆さんに声を届けないと、ですよね。
[リヒャルトに答えつつ、班のメンバーと確認するように頷きあった。
役割の都合上、より隠形に長けた者や工作的な魔法を得意とする面々が集められていた]
[最後に、と付け加えられた言葉>>33に、リヒャルトの方へ視線を向け直す。
失敗する可能性に囚われすぎないこと。
いつになく静かな口調で告げられたそれに、自然、聞く側の雰囲気も静まって]
[けれどオチのような付け足し>>34に、その空気も崩された。
学生の集まりらしい、ツッコミの声と賑やかさ。
自分もその空気の中にいて、――ああ、これがリトなんだ、と胸の奥で感じていた]
はい。
――行きましょう、みんな。
私たちの力を見せる時です!
[リヒャルトの号令が自分たちの輪に響く>>35。
聞き慣れた鈴の音も、合図のように涼やかに鳴って]
[そしてそれぞれが、必要な呪歌を紡ぎ動き出す]
[フレデリカの属する解放班は、速度より隠密を重視したメンバーで構成されている。
作戦の順序としては、動き出しが一番遅く、また作戦の要である以上事前に発見されることだけは避けなければならなかったからだ。
とはいえ事が起こった時目的地に到達していなければ意味がないので、あまりのんびりしてもいられない]
[到着後は、班の中でも幾つかの役割に別れて行動する手筈となっていた。
まず、比較的戦闘が得意なメンバーが、陽動後も居残った兵士を無力化する。
ただしここで派手な戦闘になっては無意味なので、場合によっては見張りに専念し、救出活動が見つからないことを優先する取り決めになっていた。
そして安全が確保された状態で、フレデリカら開錠や開放の技能を持つ者たちが動く。
残るメンバーは、解放された者の誘導や脱出の補助に当たることになっていた。
過酷な労働などによって、満足に体を動かせない人がいることも考えられたからだ]
見つからないこと……もそうですが、みなさんの、そして何より囚われた人たちの安全が第一です。
帝国軍の動きによっては、決して無理はしないこと。
[班員へ向けてそれらを確認する。
しかし、それ以上に未知数なのは――解放した人々が、どれだけ自分たちの側についてくれるか、だ]
(――なんてことは考えるなって、リトは言っていましたけれど)
[自分なりに思いを整理した後、うん、と顔を上げる]
私は――私たちは、"魔法"を信じている。
その思いはきっと、囚われた人たちにも届くはずです。
[そんな結論を胸に。作戦の動きに移る*]
― 翌朝 ―
[ファミルから作戦の承認を受け、デメララの指揮監督権委譲の書面>>52を受け取る]
じわじわ追い詰めるようにしとくさ。
焼き払うのは陛下が来てからにしよう。
[山が盛大に燃え盛る様は圧巻だろう。
焼き討ちはファミルの到着を待ってから、と約を残し、敬礼を交わしてその場を辞した。
男は中隊を率いて《ウル》による超速行軍を開始する*]
― デメララへ ―
[廃墟と化したロンリコから湖を渡り、山を越えて渓谷の街道へと出る。
途中、随所から木材を切り集め、野営の間に加工する作業を繰り返した。
デメララへと向かうには渡河が必須。
丸太による即席の舟橋を作るのが目的だ。
木材の調達と加工が加わるため、通常の超速行軍よりは速度が落ちるが、街道を回るよりは早い速度でデメララへと迫った。
舟橋の準備が完了し、渡河を慣行する段となったのは、デメララが襲撃される前日のこと。
その日の昼前に設置を始め、陽が落ちる前に広い川幅に舟橋を渡し切る心算でいた]
設置が終わり次第、川を渡りデメララへ向かう。
[その川に仕掛けがあるとは知らぬまま*]
― 近衛時代 ―
[問いの返答>>45を聞くに、冗談で言っているわけではないらしい。
まるで枷でも嵌められたかのような面持ち。
スカートで戦えるというのも本当なのだろう]
陛下が決めたこと、な。
皇族としての体裁もあるんだろうよ。
自分の好きに生きるのが一番だろうに。
[そんな言葉が出たのは、男自身が好きに生きているため。
近衛と言う立場のしがらみはあれど、言葉遣いや過ごし方は己の思う通りにしている。
周りを黙らせる実力があるからこその荒業だ]
で、決闘の相手ってのは、その教官か?
[スカートで過ごすための決闘であるならば、禁止している者がその相手となるのだろう。
よもや皇帝が相手とは言うまい]
[もう一つの人探しについては、拳を握るドロシー>>46を前に肩を竦める]
兄弟か守護霊みたいな奴と言われてもなぁ。
何をしてる奴だとか、どんな特徴があるかとか。
情報が無いことには探せねぇぞ?
[手掛かりなしで探すとすれば、国の連中を片っ端からドロシーに会わせるしかあるまい*]
― 幼年時代のこと (ファミル編) ―
[ 高熱を出して寝込んだのは、ちょうど物心がつくころで、だからそれは、誰かに聞かされたのではないドロシーの最初の記憶だ。
昼も夜もわからない場所で、ずっと寝かされていた。
そのうち、すごく息苦しくなって、頭が痺れるみたいになって、でも、そのまま沈むことはできなかった。
必死で起き出すと、誰かいた。子供だ。
とても静かで、吸い寄せられるような目をしていた。]
──ぁ… きれい
[ お迎えに来た天国の人かもと思ったけれど、彼の血を飲めば元気になると言われて、傷口に口付ける。
熱を帯びた体に、それは温かいのに清涼感をもたらした。]
これなら、もっと飲めます。
[ 音をたてずにそっと啜って、舐めていたら、世界が違ってみえてきた。
力が溢れてくる。
それはどこか、借りてきたような覚束なさはあったけれど、微笑むのも楽になった。]
うん、 もう負けたりしません。
[ 彼の左手首にリボンを巻いて、その手を握って、穏やかな眠りに落ちたのだった。]
― 隠れ里 ―
あー……。
[眉尻下げる様子>>56に、こちらも僅かに眉を下げる]
いや、その、さ。
フレイもみんなも気ぃ使ってくれてるのは、俺もわかってるんだけど。
……さすがにちょっと、な。
[あんまり言われるのも息苦しい、との本音は言わずとも伝わるか。
ともあれ、それ以上はそこには触れず、意識を切り替えて]
ん、頼む。
……フレイがそっち回ってくれるなら、安心できるから。
[能力的な意味でも、不測の事態が発生した時にすぐに覚れて対処しやすい、という意味でも安心できるから、と。
告げる言葉にこもるのは、複数の想い。**]
……あー、でも。
状況がまずいと思ったらたら、遠慮なく呼べよ?
[表の声には出さなかったものの、こちらでは遠慮なく言葉に変える]
俺んとこは確かに忙しいけど、まずい、と思ったらそういうの一切気にしなくていいからな。
[真面目な口調でそう言い切って、それから]
って、言っても。
そーゆー事にならないように立ち回るのが俺の役目っちゃ、そうなんだけどな。
[一転、向ける声音は軽いもの。
真剣な話をした後に冗句めいた物言いで空気を和らげるのはいつもの事。**]
[ 目覚めたら彼はいなくなっていた。
不思議なのは、それから時々、彼の声が聞こえてきたことだ。
でも、話しかけても返事はなくて、こちらの声は聞こえていないのではないかと思った。
どうして──?
幼いなりに考えて、至った答えは、]
私の血をウルにして、彼に飲ませればいい…!
[ 一途な思い込みから、毎日、欠かさずウルを摂取するようにしたのだった。*]
― 15年前・マンダレー ―
[事の発端は些細なことだった。
言われた言葉が気に障った、ただそれだけ。
そこで手ならぬ、頭が出たのが騒動の始まりだった]
[相手の胸倉を掴み、顎を引いて相手を引き寄せながら相手の鼻目掛けて繰り出した頭突き。
当然相手は血塗れになり、周囲は騒然。
マンダレーの治安の要である魔導師団を呼ぶ騒動となったのだ]
ハ、治安が良いってのは嘘じゃねぇようだな。
[魔導師団の者達が男を取り囲んだ時、男は倒れた相手を踏みつけていた。
その体勢のまま男は辺りを見回し、子供の姿があることに気付く]
ガキ連れて取り締まりか。
平和ボケしてんじゃねぇの。
[囲まれた状態でありながら、魔導師団員らを嘲笑った]
[抵抗する気力もない喧嘩相手から足を退け、魔導師団員へと意識を向ける。
物理的であれ、魔法的であれ、彼らは拘束を狙ってくるだろう。
そんな生温いものに屈する心算はさらさらなかった]
いいぜぇ、かかって来いよ。
[剣は抜かず、無手で彼らと対峙した]
― 隠れ里 ―
……うん。
[リヒャルト>>67が言外に告げる息苦しさ、のようなものを感じて、それ以上は言葉を重ねず小さく頷いた。
それから、作戦の立ち位置に関して言葉を交わす]
そう言ってもらえるなら、引き受けるしかないね。
[複数の意味での信頼を感じて、了承の言葉には前向きな響きがこもった*]
[誰かが詠唱をする間に別の団員が男に接近し、牽制。
魔法で拘束しようとするのを、接近した団員をスウェーで躱してやり過ごし。
一転、詠唱する団員へと迫り、歌い切る前に顎を殴り飛ばす。
しばらく詠唱出来ないようにした後、二人がかりで押さえつけに来た団員らの片方の胸倉を掴み、遠心力を利用してもう一人へと投げ飛ばした。
最後に纏めて蹴り飛ばすのも忘れない]
なんでぇ、こんなもんかぁ?
[挑発した時、えも言えぬ気配を感じて咄嗟にそれまでいた場所から飛び退いた。
直後、男のすぐ傍を風の塊が通り過ぎる。
周りの団員よりは歳が上らしい男が放った風球の魔法だった]
ちったぁ腕のある奴がいたか。
[面倒な、と表情が語る。
だが既に包囲網は破られており、男の背後はがら空きだった。
横から取り押さえに来た団員らの足を払い、よろめいたところに顎目掛けて拳を振り下ろして。
その隙に近付いてきた者には肘で鳩尾を打ち抜いてやった。
地面へ転がる団員達が増えていく。
先程魔法を放ってきた団員が、魔法で荊の蔓を伸ばし男を拘束しようとするのが見えて。
そこで初めて赤く波打つ剣を引き抜いた。
後方へと下がりながら、伸びる蔓を斬り払う]
あ……うん。
[声なき声で告げられた言葉>>=0。
それは有難くもあり申し訳なさもあったけれど、真面目な口調を向けられた意味を自分の中で受け止めて]
わかった。もしもの時はそうする。
――リトも、何かあった時は教えてね。
[自分に出来ることならするつもりだと、意志を伝えるように付け加えて]
あばよ。
[粗方包囲網を無力化した男は、バックステップを踏みながらその場から離れていく。
その時だ、横合いから小さな影が走り込んできたのは]
っ 、 ふん!
[それが魔導師団が連れてきた子供だというのには気付いていた。
こちらに掴みかかろうとするのを見て、躊躇いなく子供の腹を蹴り飛ばす。
地面へと転がる子供を見て、魔法に長けた団員が名を呼んだような気がした。
男はそんなことに気を止めることもなく、背を向けて全力で走り出す。
その日を最後に、男はマンダレーを、そして共和国を後にしたのだった**]
― デメララ近くの川 ―
[架橋の最中、不意に過去のことを思い出した。
15年前、マンダレーを訪れた時に囲まれた魔導師団の一人が、ロンリコで邂逅したロヴィンに似ていることに気付いたのである]
なんだ、二度目だったのか。
[1年前のあの日、アーノルドは気付いていたのかもしれない。
だからこそ、男との戦いに応じたのではないか。
今となっては真相は闇の中である]
[急に思い出したのは虫の知らせのようなものだったのかもしれない。
だがあの時の子供がロヴィンであるとは気付かないのと同じように、彼が仕掛けたものには気付かないまま*]
ふふ、そうだね。
[いつものような、軽い口調>>=1。
そうして和らいだ空気を受け止めるように、自身も小さく笑みを浮かべて]
それなら、私も胸を張っていかなくちゃ。
[リトの思いを汲むために、何より囚われた人々に自分たちの在り方を示すために*]
/*
いざ戻ってきて、さあ書くぜ、と思ったら膝上を占拠した半蔵がめっちゃ妨害してくる件(
しかし、ここでもふに屈するわけには……!
/*
>>72 日本語でおけ、になってるな(
考えてた分の過去は出し尽くした(多分)、ので。
後は現在を頑張る。
― デメララ近くの川 ―
[ それは、即席の橋が川の両岸を繋ぎ、兵士達がその橋を渡り始めた直後。堤を切るための低い詠唱の声は、水音にまぎれてほとんど届かなかっただろう。その代わりに兵士達の耳にはっきりと届いたのは、上流から迫る土砂の迫る轟音。
それが自然に起こった土砂崩れでは無い事は、土砂の中に、角を尖らせた岩や、巨大な槍のように鋭い先端の木材が混ざっていることで、知れただろう。
すでに渡河を終えた者、或いは急いで橋を渡りきった者が、橋にぶつかり溢れ出た土砂から逃れようと走れば、その先には落とし穴が待っている* ]
……それは、わかってるって。
[何かあった時は、と。
返される言葉>>=2には、素直な同意を返した。
絆の先の言葉だからこそ、強いて意地を張る必要はない。
カッコつけたがるのは、素の気質なので如何ともしがたいが。
軽く紡いだ声に返るのは笑む気配。
伝えられた言葉、そこにこもるもの。
それに支えられてるなぁ、という実感を持ちつつ]
ん……フレイなら大丈夫って。
信じてるから、な。
[告げたのは、抱く信を形にしたもの。**]
― デメララへ ―
[鈴の音伴う号の後、三班に分かれた魔法の使い手たちが動きだす。
先行するのは陽動組。
ここは、攻撃よりも攪乱を重視したメンバーが配されている。具体的には幻術や文字通りの花火、音を操る術に長けた者たちだ。
もっとも、それだけでは立ちいかないから、攻撃と支援を得意とする者たちも含まれているが。
次いで発つのは、青年が率いる攻撃班。
ここは文字通り、攻撃魔法を得意とする者を中心に編成されている。
人数的にも一番多く、言わば本陣とも言えるだろう。
殿を務める形になるのは作戦の要たる解放班。>>61
各自それぞれの力を存分に発揮できる配置は、教師たちの手によるもの。
ちなみに、彼ら自身もそれぞれの得意分野に応じて各班に散らばっている。
幾人かは里の守りとして残ってはいるが]
……こーゆーとこ、まだまだ敵わねぇよなぁ。
[いつまでも頼り切るわけには行かないが、それでも、今は全力で支えてくれる手が嬉しかった]
[叶う限りの速度で移動し、夜闇未だ深い頃合いにデメララ周辺までたどり着く。
決行のタイミング――夜明けまでの間に休息を取り、その時を待った。
やがて訪れる黎明の時。
空の色が変わり、暁光のいろを映すその時が、反撃の始まり]
……始まるぜ。
[誰に言うでなく呟くのと、鉱山のすぐそばで音が弾けるのはほぼ、同時。
派手な光と、炸裂音。
炸裂音は増幅の魔法を得て大きく響き、それだけ聞いたなら派手な爆発音と大差ないもの。
夜明けの静寂を引き裂いたそれは駐留する部隊をざわめかせる。
駐留部隊の隊長も生産拠点を支える鉱山に何かあっては、と判じたか、急ぎ、部隊を向かわせるのが遠目に見えた]
……よっしゃ。
そんじゃ、俺らも行くぜ!
[鉱山方面へ移動する部隊が十分に距離を取った、と見て動き出す。
深呼吸の後、力を凝らす。
しゃら、と銀の鈴が音を立てた]
光集え 我の許へ。
天より下る 速き光。
大気裂いて 地を灼く波動。
雷の雨 今こそここに!
[吟ずるのは、雷の雨を降らす術。
それはどこか浮足立つ街へと向けて遠慮なく降り注ぐ。
それに続くように歌が紡がれ、叩き込まれる攻撃魔法が街を揺るがし、そして、大気を震わせた。*]
教官は、私が何をしようと、皇帝の決めたことだから、自分には変えられないと言いました。
だから、私は皇帝に決闘を申し入れましたが、皇帝に「おまえは子供だから、代理決闘人を立てなさい」と言われました。
[ じっとレオンハルトを見る。
よもやの皇帝が相手である。
ちなみに、件の教官は皇子をしっかり監督できなかった上に、不意打ちで敗れるとは不覚悟であるとして処刑されていた。]
/*
よし、流される(キリッ
ここで距離流されて這い上がった位置がデメララから離れれば、時間のロスにはなるな。
しかしそうなると夜になってしまうから、上がった先で野営になりかねんが……落とし穴どうするかな。
全員流される?(
[ もうひとりの探し人については、具体的に特徴を問われれば、]
私と似たような金髪で、男の子の格好をしていました。
格好いい目をしていて、体はウルでできています。
[ 一生懸命に説明をするのだった。*]
― 宴の後 ―
[ ファミルの呼びかけに応えて天幕を訪れる。
入り口には衛兵がいたが、ドロシーを止めることはない。
中に入れば、敷物に寛ぐファミルの姿が見えた。]
これで、タンドゥアイの主だった都市はすべて帝国のものとなったわけですけど、
祭りの後は舵取りが難しいところですね。
[ 傍に行って、ドロシーも膝を崩して座る。
話をしながら、ファミルの喉元に手を伸ばして、ボタンを外す構え。*]
/*
あー、待てよ。
部下先に行かせて逃れたやつと流されたやつと残ったやつで三分割。
逃れたやつらは穴に落ちる、流されたやつはしばらく戦線離脱。
残ったやつと俺で川強行突破、穴に落ちたやつらを部下に任せて、俺はロヴィンと一戦。
こうかなー。
― 15年前/マンダレー ―
[ それはまるで、見世物興行の立ち回りでも見ているのかと錯覚するような、非現実的な光景だった。 ]
...強い。
[ 首都の魔導師団のうち、この頃、まだ分隊の隊長だった、アーノルド・ブルバードが率いる隊は、武術訓練にも力を入れていて、魔法を使わずとも首都最強であるとの呼び声も高かった。 ]
親父殿!
[ その魔導師達に魔法を使う隙すら与えず、圧倒的な力と身のこなしで血路を切り開いた男は、アーノルドの放った魔法の拘束すら一刀の元に断ち切ってみせた。>>73
それが相手を倒す攻撃ではなく、拘束のための術で、かける力を加減されていたとしても、今まで、そんな真似をしてみせた者は一人もいない。 ]
くっそ!!
『待て、ロヴィン!!』
[ 父の制止の声を振り切って、飛び出したのは、怒りから、ではなかったと思う。
ただ、体の内から湧き上がる正体不明の熱に突き動かされ、強者の余裕を見せて、逃げ去ろうとする男に挑みかかり......当然の結果として、あっさりと蹴り飛ばされ、そのまま意識は暗転することとなった。>>75 ]
...魔法を使わなくても、あんなに強い奴がいるんだな...。
[ 意識を取り戻し、蹴り飛ばされた時に骨折した場所に治癒魔法をかけてくれた父親の前で、そう呟きを落とせば、父は複雑そうな顔で「そうだな」と頷いた。
その表情には、暴漢を目の前で取り逃がした悔しさだけではない、別の何かが、含まれていたような気がしたのを、男は今でも、はっきりと覚えている。** ]
― 邂逅の後 ―
[後宮侵入事件が発覚してからは監視が厳しくなって、どこへ行くにもお供つきになった。
行動範囲が限定されるのは昔からだったし、訓練に打ち込んでいれば何も言われなかったので苦ではなかったけれど、皇子がどうしているのかは気になった。
お元気になられた、と教えてもらえたのはずいぶん後のことだった。
やっぱり自分が正しかったと胸を張って、監督官に殴られたものだ。]
[その頃、静かにしていると時折誰かの声が聞こえてきた。
どこから聞こえるのかも、何を言っているのかもわからない、不明瞭で遠い声だ。
側にいる人には全く聞こえず、どうやら自分だけに届く音らしい。
気のせいだと無視することにしたが、謎のこえはその後数年続いた。
正しくこえの相手を見いだすまで。*]
― デメララ ―
[初手の攻撃魔法は、いまだ隠形を解かぬ状態からのもの。
初撃が決まった所で結界担当が術を解き、黎明の空に飛行の術で浮かぶ一団の姿をさらす]
我ら、
……その志、折れぬ意志、ここに示させてもらう……!
[口上の後、攻撃班は複数に分かれて行く。
青年は単独で、街の中央へ向けて空を翔けた。
下から矢が射かけられるが、お構いなし、と突っ切っていく。
解放班が動きやすいように、と念頭に置いた行動……だが、ある意味では通常運行とも言えた。*]
[なお、鉱山側の陽動部隊は逆に隠形を維持したまま、あちらこちらで花火と各種爆発音を発生させ、更には霧や幻術で混乱を煽っていた。
士気が低い、と言われてはいても、数の差は脅威となる。
故に、徹底的に引き離して引っ掻き回すのが陽動班の役目となっていた。*]
― 宴の後 ―
[明るさを落とした天幕内でうとうととまどろんでいたが、ドロシーが入ってきた気配に薄く目を開ける。
言葉紡ぐ唇を見つめていたが、祭の後の話に再び瞼を降ろした。]
魔法を根絶やしにできれば、後はどうでもいいんだ。
けど―――、世界の覇者になる、なんていうのもいいかも。
[目を閉じたまま、熱の無い声で言う。
その間にも、喉元に伸びてきた手を押しのけるように払おうとした。*]
/*
15年前のを頂いたので、墓下で出そうかと思ってたやつを、ここで小出しにしとくテスト。
仇敵絆は、実はおとんの代から続いていた?!
― デメララ近くの川 ―
[日暮れ前に架橋が完了した舟橋。
架橋を担当した部下達は川に入った流れでそのまま渡河し、対岸で外した装備を装着し始める。
彼らはその場で待機となり、残る部下と男が舟橋を渡る段となった時、それは起こった]
─── 、 っ
近い方の岸に飛べ!
[耳に届く、上流からの轟音>>77。
短い指示に部下達はそれぞれの判断で避難を試みたが、如何せん川幅が広い。
跳躍が間に合わない者も多く、当初の3分の1の数の兵が濁流に巻き込まれた。
後方にいた男は、目の前を流れゆく濁流の中に、尖った岩や槍のような木材が紛れ込んでいるのを見る。
岸から溢れる土砂から逃れるように後ろへと下がれば、今度は対岸から鈍い音と悲鳴が上がった]
二重の仕掛け、だと…!
[これらが人の手によるものであることは一目瞭然。
誰が、と考えて思い至るのは早かった]
魔術師の連中、俺らが渡るのを読んでやがったのか。
[恐らくはデメララへと向かうことを想定されていたのだろう。
それは同時に、彼らが山狩りを危惧していることの示唆となる。
こちらの推測も強ち間違ってはいないのだ]
[舟橋の上から流された兵は、濁流の中で障害物に襲われながら下流へと流されていく。
今は《ウル》を服用しているため致命傷とはなり得ないが、流された先で効果が切れたなら、川面に浮くことになるだろう。
辛うじて軽傷で済んだ者でも、流されてしまったが故に合流が遅れることになった]
[一方でデメララ側に渡り切っていた者達は、濁流から逃げた先で唐突な浮遊感に見舞われる。
地面に大きく開いた底が見えぬような顎門。
落下の際に穴の中にあった櫓が壊れ、落ちた兵達に襲い掛かる。
落ち方によっては深刻な負傷を受ける者もいたはずだ。
比較的無事な者は、当然穴からの脱出を試みる。
垂直跳躍で届かぬ分は、穴壁に指跡をつけながら登ることになった]
[そして、男と共にマンダレー側の岸に残されたのは、3分の1の兵。
未だ流れる濁流を、どう渡河するかを男は考えていた]
こんなもん長くは続かねぇ。
ある程度落ち着いたら渡んぞ。
[人工的な土砂崩れは、その場に溜めた分しか流れてこない。
恐らく舟橋は破損するだろうが、流れてきた土砂や岩、木材が引っかかり足場とすることは出来るだろう。
男はいくらか濁流が落ち着いたのち、残った部下を引き連れて強引に川を渡っていった]
[渡り切った対岸で見たのは、街道に出来た途方もなく大きな穴。
先に渡っていた兵が軒並み穴に落ちている]
さっさと上がって来い。
日が暮れちまったじゃねぇか。
[辺りはだいぶ暗くなって来ている。
共に川を渡った兵が火を灯し、暗い穴の中を照らした。
デメララは目と鼻の先だが、これではしばらく街に入れまい]
しゃーねぇ、陣を張れ。
お前らは小隊組んで下流を見てこい。
[動ける兵に手分けさせ、兵の救出と陣営の作成を指示した。
もう一段、デメララ付近で何か仕掛けられているのを警戒してのことでもあった*]
― デメララへ ―
[夜闇に乗じて辿り着いたデメララ周辺。
そこで一時休息を取り、開始の合図となる夜明けを待つ]
[遠目に見えたのは、鉱山で弾ける派手な光。
爆発に偽装したその魔法に、駐留部隊に動きが生じた>>79]
[その動きを待った上での、次なる行動>>80。
突如降り注いだ雷雨や、更なる魔法の波状攻撃に、街の中の騒ぎは大きくなっていく]
……うん。
私も信じてるからね、リト。
[胸中にそっと、告げられた言葉>>=4、同じく抱いた思いを反芻して]
― 宴の後 ―
私は魔法のない世界で、可愛い格好をして、あなたに褒められれば、他にはいらないですよ。
[ ファミルの真似をして言う。]
でも、そのどれかひとつでも欠けたら嫌です。
[フレデリカら解放班は、攻撃部隊の反対側へと回り込んでいた。
街道から見てもほぼ対角線上で、万一帝国軍側の動きが早くても多少は時間稼ぎになる位置を取った]
ひとまず、収容施設へ向かいましょう……!
[高い塀に囲まれた無機質な建物は、ほどなく見つかった。
ウル服用者ならともかく、普通の人間ではとても登ることなど出来ない塀だ。
であるからこそ、出入り口以外の警備は手薄とも言えた]
[丁度その機に、空中を舞う一団がその姿を現した>>86]
リト……。
[術だけではない、響き渡るその口上を、少しだけ眩しく思う。
無論呆けている暇はない。
警備の様子を確認した斥候役が、空中や前方に気を取られている様子を見て合図を寄越した。
派手な魔法やそこかしこで歌われる術に紛れて、自身も侵入のための術を紡ぐ]
[ 払い除けようとする手を包み込み、声音を改める。]
さっき、私に指輪を渡す際、「魔法が掛かっているかも」と言いましたね。
直近で、呪力を受けるようなことがあったんでしょう?
だから、警告した、違いますか。
[ 問うてはいるけれど、自分で確認するまで納得しないつもりも露わに、ファミルがさっき手をやっていた胸元をはだけにかかる。*]
我らを支えるもの 今は揺らがぬ広き大地よ
我が求めるは進むべき道 風抜ける間隙をここに現せ
[それは地に呼び掛け穴を穿つ、トンネルの魔法だった。
収容者を含め迅速に通り抜ける必要があるため、広さは人一人分よりもやや余裕がある。
壁の下を通り抜けるU字型構造のため、遠目にはわかりにくいが、無論近付かれればすぐにわかる。
見張り役を一人置き、更に二、三人の誘導役を周囲に隠れさせて、自身と残るメンバーは塀の内側に急いだ*]
[夜明け前の急襲であり、指揮官の錯乱じみた命令もあり、部隊は混乱気味に展開していく。
準備の整った部隊から順次鉱山へと出発し、全部隊の8割ほどが鉱山へ向かった。
しかし派手な音と光ばかりで敵の姿は見えず、ろくな指揮系統もないまま兵たちは鉱山を闇雲に駆け回る。
後から次々に来る部隊をまとめて指揮する者もおらず、鉱山周辺は混乱を極めた。]
― 宴の後 ―
[嫌です、の言葉に、もう一度目を開けた。
包む手を振り払いはせず、一度ドロシーを見た後は視線を天幕の天辺に向けたまま、黙って聞いている。
息を吐いただけでなにも言わなかったが、この場合は肯定の意味だ。
それも、若干気まずく思っているときの。
胸元に伸びる手を今度は止めはしない。
服をはだければ、胸に巻かれた包帯が露わになるだろう。*]
[ ファミルの胸元には、きっちりと包帯が巻かれている。
ちゃんと手当てを受けた──というよりは傷を隠すのが目的に思われた。
手間を惜しんで、手で引きちぎる。
その先に見たものに、キッと目を細めた。]
…施術者は、死んだのですよね。
……フレイ、そっち、どんな感じ?
[動き回りつつ、ふと、気にかかるのは解放班の方。
大丈夫だ、と信じてはいるけれど。
案じてしまう気持ちが浮かぶのは赦されてほしい]
こっちは、今んとこうまく行ってる。
思ってたよりも向こうの動き、鈍い感じだし……これなら行ける。
[こちらの立ち回りは、向こうからも見えてはいるだろうけれど。
声を向けるのは、無事を確認するのに一番手っ取り早い方法がこれだから、という認識があるから。
その辺りは、過去の自分のやらかしからの気づきではあるのだけれど]
[未だ、直接出会う前。
声だけで繋がっていた頃。
一月ほど、話しかけられても全く返事をしなかった――できなかった時期があった。
それは、実母が病に伏してから、永眠するまでの間。
当時10歳、この頃は魔法の才の発現は片鱗程度にとどまっていて、未だ、下町で慎ましく暮らしていた。
そんな状況での母の病は混乱を引き起こして。
当時は伯母だった養母や、隣近所からの援助もあったが、先の見えない母の看病は少年の身には堪えていて。
声が聞けて嬉しいのに、どう返していいのかわからなくて。
案ずる声に心配させている、と自覚したらそれもそれで苦しくなって。
結果として、実母が眠りにつくまでの間、上手く声を返せずにいた]
[ようやく落ち着いて、黙り込んでてごめん、と短く返せはしたものの、その時の反応は違う意味で堪えて。
同時に、ちゃんと声が聞こえると安心できるんだ、とそんな当たり前の事を改めて認識できた。
だから、それ以降は何かあると呼びかける事も多く、逆にうるさい時期もあったかも――というのは余談として]
(……なんだかんだで、甘えてんのかもなぁ、俺)
[そんな自覚もぼんやりとあるが、言葉にした事はなかった。*]
[包帯はあっけなく引きちぎられ、その下に隠されていた傷が露わになる。
小さな刃物での刺突痕と、周辺の肌にうっすらと浮かぶ文字。何らかの術式だということは、ドロシーにはわかるだろう。
発動していない今は、判別まではつかないかもしれないが。]
学長だ。
死んだよ。兵が確認してる。
[悪さが見つかったという顔で、やはりそっぽを向きながら答える。*]
― デメララ ―
……てか、これ、ほんとに同じ帝国軍?
[上から見るとよくわかるてんやわんやぶり>>99に、知らず、こんな呟きが落ちた。
ロンリコに攻めてきた部隊の統制のとれた動きやら何やらを見た後だけに、浮足立ち方が半端ないように思える]
ま、こっちにしてみりゃ好都合……っと!
[軽く言いつつ、飛来した矢をくるり、と回避して。
改めて見やった先には、慌ただしく兵が出入りする建物が、ひとつ]
……あそこ……かな?
[駐留軍の本拠地は、と。
呟く表情は楽し気なもの。
それから、呼吸整え、しゃら、と鈴を一度鳴らした]
光集え 我の許に。
踊れ 舞え 三筋の矢となりて。
風を裂き 地を穿つ。
光の乱舞、今ここに!
[鈴の音と共に紡ぐのは、乱舞する光の矢を生み出すもの。
それは複雑な弧を描いて、建物の前に突き刺さる。
そうする事でより多くの視線をこちらに集めるのが狙い。
勿論、ただ集めるだけではなく。
次の術の準備もまた、万全に整えられていた。*]
[ そうして、男が次に動いたのは、夜明け前。 ]
始源の熱 紅蓮の光
逆巻き 渦巻き 踊り狂い
灼熱の嵐となれ!
[ 詠唱と共に、穴の底を照らすために掲げられた火が、大きく燃え上がり、炎の翼持つ鳥のように舞い上がって落とし穴の底の枯れ木へと飛び込んでいく。
枯れ木に燃え移った炎は、渦を巻いて燃え上がり、瞬時に炎の壁をそこに出現させた。 ]
さて、これは無茶のうちかな?
[ 詠唱を終えると同時に、男は岩陰から飛び出し、南へと飛翔する。その姿を捉えた者には、南方の森に逃げ込むようにも、見えただろうか? * ]
[ 術者がもうこの世にいないならば、当人に解かせることはできない。
どんな呪いかすら判別がつかない。]
あなたにこんな醜いものを与えるなんて。
[ 抉って消せるものならとばかりに、指先を震わせた。*]
[飛び回り、術を放ちながら待つのは解放班からの報せ。
拠点制圧も大事だが、囚われていた彼らに、自分たちが戦う姿を、諦めない意思がある、と。
それを示すのもまた、大事な事だから。*]
[震えるドロシーの指先を、今度はこちらから握る。
彼の感情の昂ぶりにうろたえるような手つきで。]
油断した私が悪い。
街に帰ったら、削るなり焼くなりするさ。
[それで消えるとも思っていないが、そう口にする。]
だから、 …怒るなよ。
[相手が何の感情を抱いているかわからないまま、ただ絆の響きが乱れていることだけを感じて、落ち着かせようと試みているのだ。*]
/*
この状況で無理すると、ぜってー変な事をやる! という謎の確信がな……!
……やはー、昔は4時くらいまでやってても大丈夫だったのに。
無茶きかんよーになったなぁ……。
[それいつの話]
[9年と5か月くらい前(]
― デメララ駐屯隊 ―
[街での騒ぎに、収容施設の警備隊も浮き足立っていた。
街に襲撃があれば収容所への襲撃も予想されるため、本来なら街から部隊が回されてくるはず……なのだが、当然のように警備の増員は無い。
今いる人員で入り口を固めたため、むしろ建物周囲の巡回は減った。
収容所内を巡回している数人は、騒ぎ出した収容者たちを鎮めようと棒を振り上げ殴りつけている。*]
これは怒って当然なんです。
[ ファミルが口にした受傷の原因も解呪の方法も、納得できるものではなかったが
彼が宥めようとしている、そのことだけはわかる。
だがら、落ち着かなくてはならないのだろう。]
…とりあえず、私の血を飲んでください。
[ 唇を噛みながら手首を差し出し、太腿のナイフベルトから刃を引き出す。*]
― デメララ駐屯隊 ―
[指揮官が無能ならば、いくら兵が精強でも駄目という見本のような状況で、兵らは各自の判断での戦いを強いられている。
そのうえウル服用の許可もいまだに出ていないので、魔導師相手に普通の兵が対処している状態だった。
ベルガマスコ氏はようやく武装を身につけ終わり、全身くまなく板金鎧で覆った巨体で、駐屯隊本部の中を意外に身軽に駆けていた。
ようやくやる気になった、のではなく脱出の手はずを整えるためである。
そこへ、本部の前にひときわ派手な光が降り注ぎ>>101、氏の心臓を跳ね上げさせた。]
「わ、私を守りなさい!
そこの部隊、本部の前を固めるのです!
あいつ、あいつに矢を、ほら、撃ち落としなさい!」
[本部入り口から外の様子をちらりと見て、周辺の部隊を慌てて呼び寄せる。
指さす先には、正しく先ほどの術者がいた。*]
[ドロシーは、やはり怒っていたらしい。
間違ってはいなかったと妙な安堵をするが、差し出されたナイフはなにも終わったわけではないと突きつけられるかのよう。]
あのときのように?
私は、死に掛けているわけでは……
[彼の血を口にしたあのとき、絆の路が完全に開いたのだ。
だが今は過去に思いを馳せるどころではなく。]
―――…わかった。
[ドロシーに差し出されたものを、断ったことなどない。
自分に刃を突き立てるよりもよほど神妙な顔で彼の手を取り、手首に刃を滑らせて、唇をつけた。
流れる熱を舐め取り、呑み込む。
体の奥から力が湧き上がってくるのは、ウルを飲んだ時と同じ。
絆の赤いいろが目蓋の裏に広がって、体を巡る。]
― デメララ付近 ―
[流された兵らが戻って来たのは夜半のこと。
数は流されたうちの半分ほどになっていた。
《ウル》の効果切れになった者、かなり遠くへ流された者もいるらしい。
已む無く放置してきたが、それはそれでマンダレー経由でこちらへ向かっている後発隊に異変を報せるものとなるだろう]
交代で休め。
夜が明け次第、あの大穴を越えてデメララへ向かう。
お前は街道を戻り、後発隊に状況を伝えろ。
[消耗の少ない一人を伝令兵として、渡河時に妨害があったこと、街道に大穴が開いていることを後発隊に伝えさせることにし、こちらの出発も明け方とした。
そうして陣の中で一息つくことになるのだが、どうにも落ち着かない]
― デメララ・収容施設 ―
[収容所内部で帝国軍の部隊長クラスと鉢合わせる可能性も、ゼロとは言えなかった。
少なくとも解放班に付き添っていた教員はその事態を想定して、万が一の時は自身が食い止めることを考えていただろう]
[実際のところ、目立つ風体のその男は部下に向けてがなり立てるのに夢中で、こちらの動きにはまだ気付いていないらしかった>>99。
警備の増員はなく、更に入り口側に人が集まっていくのを横目に、侵入を開始する。
内部の人員は、収容者を殴りつけるのに気をとられていた>>105。
胸の悪くなる光景だったが、戦闘の得意な生徒や教員が、素早く無力化を試みていった]
……デメララへ向かう妨害としては悪くねぇ、が。
どうにも違和感があるな。
[如何に先発隊を足止めしたところで、いずれ山狩りは始まる。
徒党を組んで仕掛けてこない辺り、相手は単独なのだろうか。
だとしても、大穴に落ちた後に追撃が無かったことには違和感が残る。
あれは絶好の襲撃タイミングだったはずだ]
何を企んでやがる。
[何かしら仕出かす、と評したリヒャルトの顔が思い浮かぶ。
仕出かすとしたら何か。
過ぎるものはあったが、推測の域を出ず。
違和感を残したまま、その日の夜は更けていった]
― 襲撃当日夜明け前・デメララ付近 ―
[夜明けと同時に出立するため、その前に起床し、腹ごしらえの後に陣営の撤収を始める。
粗方片付け終え、地平線から陽が顔を覗かせようとしたその時、異変>>103は起きた]
なに!?
[大穴に掲げていた炎が燃え上がり、炎の翼となって穴の底へと飛び込んでいく。
直後、大穴から吹き上がる、炎の壁。
デメララへ向かおうとする男らを阻むように立ち塞がっていた]
近くにいるぞ、探し出せ!
[誰が、と言わずとも伝わる指示は、やがて南へと飛ぶ人影を発見。
南方の森に魔術師が一人逃げた、と男には報告された]
一人か、追い詰めて縛り上げろ。
他の連中の居場所を吐かせる。
[残党狩りが目的であるため、デメララへ向かうのは後回しにし、先ずは見つけた魔術師を捕まえるための指示を出す。
兵らが南の森へと進む中、伝令兵は当初の予定通りに街道を走った]
[内部には鉄格子に囚われる形で、数名、あるいは数十名ずつの収容者たちが閉じ込められていた。
喉に大きな傷がある者、そうでなくても鞭打ちの痕や強制労働による異変を抱えた者が多く、胸が痛む。
とはいえ、まずは彼らに自分たちの立場を示さなければならない。
開錠に関わる呪歌を操れるものが散らばって、並行作業で扉を開けていく]
剣にして盾たる剛き者 鍛えられし黒鉄よ
我は命ずその在り様を 時駆けた如くに朽ち果てよ……!
[もはや閉じることは考える必要がないからと、やや強引に破壊の呪を放つ。
そうして幾つもの扉が開けられていくが――多くの囚人たちは呆然と、その様を見守るばかりだった**]
[ややあって、後方、デメララの方でざわめきのような空気の振動と、強烈な光が走り。
何事か起きているのを感じ取った。
それが魔術師達の襲撃であるというのは、まだ分からねど、昨夜過ぎったものが現実になったような心地がする]
デメララの監督官は……
[デメララへ赴任する者は、言わば閑職に追いやられた者達で。
指揮は然して高くなく、指揮官は無能になり下がった、と男は認識している。
生じた異変をあの無能者に任せなければいけないのが口惜しいが、今は任せるより他ない]
収容所が破られても、全部アイツの責任だしな。
[昨夜過ぎった推測、それは魔術師達が収容者の解放を目論んでいるのでは、ということ。
そう考えるなら、昨日の足止めのような仕掛けも納得がいく]
まぁ良い。
何があろうとも、ねじ伏せてやればいいだけのことだ。
俺らは奴を追うぞ。
[それが出来る力を帝国は持っている。
その自負からデメララの異変は駐屯隊に任せ、男の隊は南の森へと飛び去った魔術師を追った**]
[別々に動くと決めたからといって、意識まで切り離す必要はない。
――と気付いたのは、リヒャルトからの呼び掛け>>=6があったからだった]
そ、っか。
……良かった。
[案ずる気持ちはこちらも同じで。
相手の方がより攻撃にさらされる役目だから、というのもあったけれど、今のところ不測の事態は起きていないようだ]
こっちも大丈夫。
塀があるからか、そこまで見張りは張り付いていないみたい。
[そう、問題なく進行していることを報告する]
[初めて声が繋がったばかりの頃。
完全に子供と言っていい年齢だった自分は、その不思議な関係に無邪気にも喜んで、必要もないのに何回も声を送ったりした。
相手の方も――少し年上とはいえまだ子供のようで、大抵の場合は楽しそうに反応してくれていた、と思う]
[そんな声が、ぱったりと聞こえなくなった>>=7。
どうしたの、なにかあったのと。
問い掛ける声は次第に焦りに、そして案ずるものに変わっていった]
― 近衛時代 ―
[教官は自分が倒した、と。
はきとした言葉、態度で宣され>>81、僅かばかり面食らった。
そう言えばさっきも飛び蹴りをしてきたか、と彼が大人しいわけではないことを思い出す。
加えて先日、殿下付きの教官が処刑された話があったことも思い出した。
これが原因か、と一人納得する]
……そいつぁまた。
[決闘の相手>>82が皇帝であると言われ、思わず半目になったのはきっと仕方のないことだ]
いやまぁ、別にいいけどよ。
[皇帝だから戦いたくない、という感情があるわけではないため、決闘自体に否やはやはりない。
ここで負けて首を刎ねられるなら、それまでの人生だったということだ。
そもそも、己が負けるなんて微塵も思っていない]
[探し人の特徴>>83を必死に説明するドロシーだったが、その内容はだいぶざっくりしている。
ただ、《ウル》を服用しているらしい情報を得て、捜索枠がだいぶ狭まった]
…てことは、《ウル》絡みの誰かか。
俺らもいくらか配給されるが、身体が《ウル》で出来るとまで言われるなら、《ウル》兵か、《ウル》の被験者だろ。
金髪の男なら、更に絞れるな。
[恐らくは後者、《ウル》の被験者の方が可能性が高いだろう。
《ウル》の研究は、彼らの存在なくしては成し得ない。
他のものよりも人一倍《ウル》を投与されているはずだ]
心当たりは、なくもない。
[過ぎるのは、ドロシーと同じくらいの年頃の少年**]
[嫌われちゃったのかもしれない。
真っ先に思ったのはそのことで、でも段々とそれ以外の不安も大きくなっていって]
リト。
……そこにいるって言って?
[色々と悩んだ結果の、たった一つ相手に願ったこと。
――それが叶ったのは、声が届かなくなって一月くらい経ってからだった]
リト?
……リト、だよね?
[ようやく聞こえた声>>=8。
短い謝罪からは相手方の状況はわからなかったけれど、返事が返ってきただけで胸が一杯で、そんなことには思いが至らなかった]
よか、った……。
リト、リトだ……。
[ただ、繋がっていると、それが実感できただけで嬉しかったのだ。
まだ幼かったがゆえに、色々言葉にはならず、相手へ気遣う余裕もなくて。
ひたすら名前を呼んでは泣きじゃくっていたことが、相手にどう思われたかはわからない]
[その後、彼からの呼び掛けが増えたことには純粋に喜んでいたのだけれど。
歳月が経って落ち着いた頃合いに当時の事情を知って、恥ずかしいさやら何やらで頭を抱える羽目になったのは余談である**]
[ ファミルが血を飲むのを見守る。
ウルで満たされた血は元気のもとだと幼いドロシーに教えたのは彼だ。
今もそれを信じている。
押さえてくれた切り口をちぎれた包帯で結んで止血し、小さく頷いた。]
この程度でヘタったりしたら、最強皇帝の名が泣きますからね!
[ あえてツンケンと言って、それから、覆いかぶさるようにしてファミルを抱擁する。]
これ以上は文句も泣き言も言いません。
…私には、隠しても意味がないってことだけ、覚えておいてください。
あなたは大樹、私は花。
まったく別物に見えて、繋がっているんですから。
― デメララ南方 ―
[ 目算通り、逃げた男を帝国兵達は追ってくる。>>111 どうやら生け捕りを狙っているらしく、弓矢の狙いが甘いのは幸いだった。]
一人では無い、と思ってくれたか。
[ 恐らく、こちらを捕らえて仲間の居場所を吐かせようという算段だろう。そう思ったところで、鉱山の方向で炸裂した光と音が>>79、男の耳にも届いた。 ]
始まったな。
[ 追ってくる帝国兵は、デメララの異変にどう反応するか?と、様子を窺えば、どうやら、すぐに援軍に走ろうという気はないらしい。それほどにデメララ駐屯部隊の腕を信じている...とも、思えないが、こちらにとって好都合には違いなかった。 ]
― デメララ南の森 ―
[ 森の中に入ると、高い木の枝を蹴りながら飛ぶことで加速をつけて追っ手との距離を開ける。このままでは逃げられると思ったのだろう、今度は本気で撃ち墜とそうという勢いの矢が飛んできた。その幾本かは男の身を掠め、肌を裂く。 ]
慈悲深き陽光よ
我が身を 癒しの光で包め
解き放たれし 自由なる疾風
天地を切り裂き 切り開け
[ 陽光を浴びる限り持続する癒しの魔法で傷を塞ぎながら、風を呼ぶ詠唱を重ねると、一陣の風が身を切り裂く鋭い刃となって、追撃の矢を落とし、追っ手の兵達の足元を吹きぬけた。
不意をつかれた幾人かは足首を切り裂かれたかもしれないが、この術の主たる目的は兵を直接倒す事では無い。 ]
恵み深きもの 母なる大地
大いなる胎動を 我に伝えよ
[ 一度地に降りて、詠唱した呪歌は、周囲の大地を一瞬だけ、地震のように揺らすもの。
ゆらりと、地面が波打った瞬間、先の風の刃で根元を切断された樹木が、ぎしぎしと音を立てながら一斉に倒れ、帝国兵の頭上を襲う。** ]
[血を飲んだことで、ドロシーの怒りは収まったらしい。
最強皇帝の名なんて初めて聞いたけれど、ヘタっていたら名よりもドロシーが泣きそうな気がしたので、しゃんとしていようと思う。
まだ繋がるこころがざわざわしていたが、抱擁されれば気にならなくなった。]
―――覚えておく。
[神妙に頷いて、彼の背に手を置いた。]
― デメララ・収容施設 ―
[外の騒ぎに気付いた収容者もいたものの、すぐに逃走に移れた者ばかりではなかった]
「どうしました? 逃げていいんですよ」
「外に行けば私たちの仲間が待っています!」
[そうした呼び掛けに、動かぬ者から返るのは虚ろな眼差し。
長い収容所生活が、体力以上に気力を奪っていたことは明白だった]
やっぱり……。
[そうなる可能性については、事前の話し合いでも上がっていた。
フレデリカは周囲の仲間に視線を送りつつ、一歩進み出る]
みなさん。私たちは、共和国の人間――ロンリコの学園に所属していた者です。
[そう名乗ると、ざわめきが人々の間に広がった]
今、私たちの仲間は、外で戦っています。
――帝国軍の視線を引き付け、みなさんを解放するために。
[その言葉に沸き立つ者もあったが、多くは戸惑いと共に顔を見合わせた。
声を潰されていない一人が、代表するように声を上げる]
「待ってくれ……そんなのは無理だ。
首都ももう落ちたってのに……」
……はい。
事実、私たちの学園も既に襲撃を受けて……。
追い立てられる形で、私たちはここにいます。
[絶望的ともいえる状況だったが、そこを誤魔化すことは出来なかった。
向けられる表情に息詰まるものを感じつつ、でも、と言葉を繋げる]
それでも諦めなかったから、私たちはここにいます。
私たちは、呪歌を失いたくない……!
そして、それにはみなさんのお力が必要なんです。
[急かすような声が入り口側から届いてくる。
あの切り札>>1:171に頼るべき時が近付いているのかもしれない。
けれど出来ることなら、魔力でなく言葉こそを彼らを動かす力にしたかった]
奪われた居場所は、私たちがきっと取り戻します。
だからみなさんも、私たちに居場所を――在るべき理由をください。
[魔法の力は、魔法を使えない者のためにこそあるべきだ。
そんな信念は、かつて魔導師だった者も含むこの集団に、どう響くかはわからないけれど。
自分たちが立ち上がるためには彼らの助力が必要だと、願い籠めながら頭を下げる**]
リト。
リトはどうして、学園に入ることにしたの?
[そう問うたのはいつのことだったか。
少なくとも、帝国の脅威が遠く、まだ魔法の国が平穏に機能していた時のこと]
私はね――
[自分が問われたならば、それはいつかドロシーにしたのと重なる解答>>1:100となるだろう]
……リト。
[ふとそんなことを思い返したのは、これから自分の歌う呪歌に籠める想いは、きっとリトの目指す先と重なると思ったから]
あの呪歌を歌うよ。
[その呪歌を教えてくれたという人は、この中にいるのだろうか――自身に知る術はなかったけれど**]
/*
日付動かした後のログをもりもり書きためてながら眺めているのだけれど、フレデリカのあれ、誰かが反応書かないと恥ずかしい奴ですよね。
えっ?私?
やっぱり私かなぁ。(暇人)
― デメララ・収容施設 ―
[年若い娘が頭を下げる様子に、ざわめきが広がる。
浮かぶ表情の多くは、学園が落ちたことへの驚愕や、ついにという無力感、そして突然協力を求められた事に対する困惑だ。
ざわつきがひときわ大きくなった時、ひとりの男が掴みかからんばかりの勢いで飛び出した。]
「居場所を取り戻すって言うけどなあ!
マンダレーも落ちた、ロンリコも落ちた、
どこにも行く場所なんて無いじゃねえかよお!
帝国から逃げるなんて、できるわけねえだろ!」
[男の口から溢れたのは、絶望の叫びだ。
周囲の者たちは男を押しとどめているが、何も言わないのは彼らの中にもいくらか同じ諦念―――絶望があるからだろう。*]
/*
あなたの本気の叫び(説得)が聞きたいんです。(まがお
「首都に家族がいて、俺が逃げると殺されるかも」
…は、エグすぎるので却下しておきました。
― デメララ・収容施設 ―
[こちらの言葉に対し、広がるのはざわめき。
やがて一人の男が、怒気を孕んだ表情で飛び出して来る>>124。
周囲は彼を押し留めはするものの、思う所は同じであることは向けられた表情からも見て取れた]
それは――……
[ただ解放する、というだけでは彼らに納得は与えられないのかもしれない。
帝国の手から彼らを守り反撃の糸口となる一手を、頭の中に探る**]
[ 「おまえの喜んでいるこえを聞きたい」などとファミルが言う相手は自分しかいないと感覚的に知っている。
どこか、ひとの喜怒哀楽に無頓着なところのある彼だ。
それは、人が虫の感情を汲まないのと似たようなものかもしれない。]
望まれて光栄です。
たくさん、聞かせあげます。
[ 背中にファミルの掌の熱を感じて、目を閉じる。*]
[ もう一方の尋人にも、心当たりがなくはないとレオンハルトが言うのを聞いて、膝をそわそわさせる。]
会いたいです。
みつけたら、私は幼年兵学校にいるから、会いに来てって伝えてください。
あ、何か、証になるもの──
[ 件の教官を絞扼するのにも使ったリボンを取り出すと、指先をナイフで突いて出した血の滴で、自らのイニシャルを綴る。]
これを、渡してください。*
― 宴の翌朝 ―
[ レオンハルトを送り出すファミルからそう遠くない位置に、ドロシーは立っていた。
今日の服装は、群青のコルセットドレスだ。
持ち上げる胸はないから、その辺は黒いマラボーでカバーしてある。
ブーツは艶出し加工のオーバーニー。
今日も精一杯、ドレスアップしていた。]
将軍、
デメララで、いい金属加工商人を見繕っておいてください。
加工してもらいたいアクセサリーがあります。
[ 子供の頃と変わらず、そんな私事を託して、先行するレオンハルトを送り出すのだった。*]
ん、そっか。
[問いかけに返る声。>>=9
どうやら、あちらも順調に進んでいるらしい]
なら、そっちは頼むな。
……こっちは、偉いさんの登場らしい。
[入口の辺りから聞こえてくる声に、それだけ返して]
― デメララ ―
……いや、その。
まあ、いいんだけど。
[本部入口から聞こえてくる喚き声。>>106
学園で対した将とは全く違う――こうして比較に上げるのすら申し訳なくなるくらいの情けなさに突っ込みを入れたくなって、とりあえずそれは押し止めた。
いや、声に応じて集まってきた部隊が射かけてくる矢のために、それどころではなくなったから、というのが大きかったが]
[こちらに向けて射られる矢は、軽い機動で往なせるもの。
もしかして、薬使ってないのかな、なんて思いながらも対しようとした所に絆の声が届いて]
……え?
[ちょっと惚けた声が上がり。
意識はしばし、本部側から逸れた。*]
あの、って、フレイ?
何があった?
[聞こえた声>>=15に、戸惑いながら問いを投げる。
収容所の状況が聞けたなら、あー、と短く声を上げて]
やっぱり、そうなっちまうか……。
[予想はしていた。
だからこそ、『人を動かす歌』も必要かと思っていた。
とはいえ、自身が使おうと思っていたのは、心を強く縛る類のものではなく。
不安を取り除いて、言葉を届けやすくするためのもの。
その上で、言葉を持って動いてもらうつもりでいた。
それは、歌を教えてくれた人――養母が、無闇に使うものではない、と硬く戒めていたから]
フレイ。
……後で、俺からもちゃんと伝えるけど……そこにいる人たちに伝えて。
確かに居場所はないけれど、ないからこそ、俺たちはそれを取り戻したいって。
闇の中にうずくまって、目を閉じて。
それじゃ、何も変わらない。
変わらない闇に沈むのは楽だけど……もう一度でいいから、光を見て、って。
[深い絶望を取り除くのは、簡単にはできない。
けれど、ほんの少しでいいから、光の射す方に目を向けてほしい、と。
そんな願いを込めた言葉を託して]
あと。
今から外で派手に一発ぶちかますから。
せめて、それを見てくれ、って。
― 宴の翌朝 ―
陛下、
今後のことについて、素敵なことを思いつきました。
ロンリコ平定を記念して、マンダレーで武闘大会を開催しましょう。
古代王国でも、皆が剣闘大会を喜んだそうです。
一方で、参加する者にとっては、優秀な成績をあげて陛下の目に留まるという戦意向上にもなるでしょう。
そして、
大会の前座で、奴隷魔術士と狼の群れを戦わせるというのはいかが。*
― デメララ南の森 ―
[先を行く兵達の頭上から樹木が襲い掛かる>>119。
そのほとんどが避けることが出来ず、樹木に埋まっていくのを見て、男は「あー」と声を零した]
アイツら、《ウル》切らしてやがんな。
[元々、超速行軍のための分の《ウル》しか与えておらず、当初の予定よりデメララ入りが遅れてしまったために不足が発生していたのだ。
男を始め、直属の部下であれば、余分に確保しているのだが、末端の兵に余剰は無い]
[倒れた樹木の先、拓けた部分を見遣れば、見知った姿がそこにはあった]
ハッ、誰かと思えばお前か、ロヴィン・ブルバード。
[ドロシーから聞いていた名前を口にし、部下より一歩前に出る]
てめぇら下がれ。
アイツは俺が
[口端を持ち上げ、迸る殺気を隠すことなく立ち上らせた]
デメララへ向かう道を確保してこい。
偵察も忘れんなよ。
[下がらせた部下には別の指示を出し、来た道を戻らせる。
いくらか残った部下と兵は、樹木の下敷きになった兵達の救出へと行動を転じていた]
今更何を抗う?
お前ら魔術師が根絶やしにされる未来は変わらねぇ。
[ロヴィンの方へ一歩ずつ歩みを進めながら言葉を連ねる。
兵と樹木が折り重なった堰を越え、それらを背にしながら、赤く波打つ剣を引き抜いた]
それでも抗うってぇなら……その覚悟を見せてみな。
[剣の切っ先をロヴィンへと向け、《ウル》を左手の親指で高く弾き上げた。
男は今日の分の《ウル》をまだ服用していない。
戦場に立つその時に《ウル》を噛み砕くことが、戦いへ赴く際の儀式となっていた*]
お偉いさん……?
[その言葉>>=16に少し身を硬くするが、そこはリヒャルトたちがうまくやってくれると信じるしかないだろう。
自分の目の前の状況こそ、重要な局面だった]
[最後の切り札は、リヒャルトに委ねることになるだろう>>=17――とは言え、彼の言葉が届く状況まで持って行かなくてはそれも不可能だ。
こちらの現状――収容者から上がった声などを伝えれば、リヒャルトから伝えるべき言葉が返る>>=18]
……うん。ありがとう。
[意識を割かせてしまったことに申し訳なさはあったが、反省は後に回して端的に礼を告げる。
不安や揺らぎが鎮まったことは、言外に伝わるだろうか]
どうにか、やってみるよ。
――そっちも、気を付けて。
[そして意識は眼前の状況へ向けられる*]
― デメララ・収容施設 ―
……うん。
[僅かな沈黙と、遠くへ向けられた眼差し。
それが何を意味するか知る者はいないだろうが、戻された視線には力が籠もり、心なし背筋が伸びたのは伝わっただろうか]
確かに――今は居場所はありません。
けれど、だからこそ、私たちは取り戻すための戦いを始めています。
何もしないでいたら……闇の中で閉じ籠って、目を閉じているだけでは。
ずっと、何も変わらないままではないですか?
[収容施設の環境は、決していいものとは言えない。
それでも、外に出ることを拒むのは――希望を抱いても、それが裏切られる、その過程こそ恐ろしいのではないか。
そのように自分なりの解釈を持ちつつ、言葉を繋げる]
希望を抱いて裏切られるよりは、同じ闇の中に沈んでいる方が、楽なのかもしれません……。
けれどどうか、もう一度だけ光に目を向けてください。
――とても眩しくて、暖かい光です。
[情の籠った一言をぽつりと付け加えた後、視線を脱出路へと向ける]
せめて――
今から、外で起こる出来事を。
私たちがもたらす一番の光を、見てくれませんか?
[それが叶うなら、判断は委ねるというように。
言い切った所で、再び振り向いて収容者らの顔を見た*]
― デメララ ―
[しゅ、と風を切る音が耳元で響く。
直後、頬を鋭い感触が掠めて過ぎた]
……ってぇ……。
[痛みが意識を引き戻す。
こんにゃろうやってくれやがったな、と思いつつ、気を鎮めるためにしゃら、と鈴を一度鳴らした]
[予想通りというか、解放班の方は難航しているらしい。
絆の声から伝わってきた向こうの状況は、予想はしていたが、当たっていてほしくなかった]
人は、簡単に動かない事の方が多い、ってのは、ホントだね、
[ぽつり、呟く。
そう言えば、収容所にはやっぱり養母もいるのだろうか。
いたとしても声を奪われているだろうし、仮に話せたとしてもこの状況では口を出す事はしないだろうが。
ともあれ今は、フレデリカに託した言葉が、絶望の闇を少しでも揺り動かしてくれる事を祈るのみ]
― 宴の翌朝 ―
ドロシーは今日も嬉しそうだね。
[今日のドロシーは夜の始めの空のようだった。
掛けた言葉は、装いを褒めているつもりなのである。]
武闘大会?
[きょとんとしていたが、説明を聞く内に楽しげな様子になった。]
それは面白そうだ。
きっと楽しい見世物になる。
[主に前座の部分が。]
[伝わる声に、不安や揺らぎは感じられない。
これなら大丈夫かな、と。
そんな安堵はこちらも自然、にじみ出るか]
ん、任せた。
……だーいじょうぶ、心配すんなって。
[そう、軽い口調で返した後、こちらも意識を眼前に向けて。*]
平定記念ならすぐにでも、
[言いかけて、はたと止まる。
戦意向上を言うなら、皇帝臨席だろう。
けれども自分には、逃げた魔導師を狩り尽くす楽しみがまだ残っている。]
……やはり魔導師を根絶やしにするのが先だな。
その方が前座も盛り上がるだろうし。
それとも、おまえが主催で開いてみる?
おまえの手で勝利の冠を乗せられたい奴もいるとおもうけど?
元々、ここらのトラブルは織り込み済みだったしな。
俺のやる事はかわんねぇ。
[呪歌未だ絶えず、魔術師は滅んではいない。
終わってはいないのだ、と示す事。
それが、デメララ奇襲作戦のもう一つの目的。
だからこそ、敢えて一番目立つ位置に立った。
それが多くを背負う道であるのはわかっている。
わかっているけれど、後には引けない――引かない。
そんな決意を改めて固めつつ、魔力を練る。
鈴の音がまた、空に響いた。*]
[ 悪戯の相談をするような調子で、ファミルと話す。]
陛下が、ご自身の手で魔術士を狩りたいのは充分わかっていますとも。
そうですね、開催の許可をいただければ、私が大会の準備は整えましょう。
前座そのものもですが、この余興、魔術士が前座に出るとの情報を流し、残党が奪還に動く可能性を折込み済みです。
そのためにも、連中が、是非とも助け出したいと考えるような人物を、山狩りで捕まえて来て欲しいです。
[ そんな注文をつけた。]
― デメララ・収容施設 ―
[語り出した若き解放者の言葉に、人々は耳を傾ける。
怒鳴っていた男も、小娘と思っていた相手が纏い始めた強い気配を感じてか、口をつぐんだ。
人々は黙ったまま言葉を聞き、聞き終えてもやはり沈黙していた。
先ほどのようなざわめきは無い。
互いの顔を見合わせて、息を潜めるような空気が続く。
そんな人々の間を抜けて、前に進み出た男がいる。
別の者に支えられながら歩く、年老いた男だ。喉に大きな傷跡があった。
声を無くした老人は人々と解放しにきた者たちの間に立ち、体の前で小さく素早く指を動かした。]
「みんな、聞いて欲しい。
外に出ても、私たちは殺されるかもしれない。
けれど、ここにいても、殺されるのは同じ。
それならば、この娘さんを信じてみてもいいのでは?
私は、もう一度太陽の光が見たい。
同じ死ぬのなら、太陽の下がいい。
私は、この娘さんと一緒にいくよ。」
[老人を支えていた者が主に解放隊に向かって老人の"言葉"を伝える。
人々の沈黙の色が、少し変わった。
やがて、「それもそうだな」とどこかで声が上がり、「私も外に出たい」「こんな暗い中はいやだ」と賛同の声が続く。しきりに指を動かして会話する者たちもあちこちにいた。]
[人々の間にある空気が変わってきたところで、老人は解放隊に体を向けた。]
「娘さん、私たちの命はあなたたちに預けます。
みんなを導いてほしい。」
[通訳を通して伝え、感謝の仕草をする。*]
― 宴の翌朝 ―
[ドロシーとのこんな会話は、彼が学園に行っていたころと変わらない。
絆のこえを通して、ふたりでこんな風に相談したものだ。]
なるほど。
隠れてる連中を釣り出すのか。
探し回るよりも簡単でいいな。
[理解すれば納得の顔になる。]
いいよ。わかった。
なるべく大きい釣り餌を捕まえてこよう。
楽しみだな。
[準備は任せるよと機嫌良く許可を出す。*]
― デメララ・収容施設 ―
[自分の語る言葉に、人々が沈黙し、耳を傾けるのを感じていた>>144。
語り終えた後も、しばし静寂の時が続く。
その中で最初に動いたのは、喉に痛ましい傷のある老人だった]
[声を無くした者たちの間で使われているのだろう指文字を、老人を支える者が翻訳する>>145]
あ……。
[太陽を――光を望んでくれた老人に、知らず安堵の声が漏れた。
他の収容者らも、口々に外へ出たいという意志を口にする。
声でなく指で語る者たちも多くいた]
ありがとう……ございます……!
[感謝の仕草>>146を受けて、少し身を屈めつつ老人の手を取った。
それから他の収容者たちへも視線を向け、改めて呼び掛ける]
体の不自由な方には、私たちが手を貸します!
どうぞこちらへ……!
[出入口の方へ順次収容者らを誘導する。
外には班の仲間が待っていて、事前に取り決めた場所まで案内する手筈になっていた。
ある程度流れが出来たところで、見張りの兵士が手出しを出来ないよう、本来の扉を塞いだり魔法の壁を出現させたりもした。
最後には脱出口も塞ぐこととなるだろう*]
― デメララ南の森 ―
[ 男は自分の魔法の限界を知っている。超人兵を一撃で倒す力はなく、広範囲の殲滅魔法を使う事も出来ない。
だから、堰を積み、枯れ木を燃やし、樹木を切り倒して、足止めに徹していた。
故に、倒れた木々に帝国兵が素直に埋まってくれたのは>>133、予想外の僥倖と言える。 ]
(なるほど、《ウル》の効果時間切れ、か。)
[ 足止めの成否を確かめたら、すぐにまた離脱しようと考えていた足を止めたのは、足止め以上の役目をここで果たせるかもしれない、と、考えたことがひとつ、もうひとつは、部下を抑えて前に出てきた男、帝国の死神が、教えた覚えの無い、自分の名を呼んだためだった。 ]
― デメララ ―
想いの調べ 天と地に響け。
風よ運べ 我の声をこの大地へ。
[最初に紡ぐのは、広範囲に声を届けるための歌。
とりあえず、町全体に届く程度に広がればいい]
光集え 我の許へ。
天を翔ける竜の速さ その猛々しさ。
象り 舞え この広き空にて。
[次いで紡ぐ歌、それに応じるように光が集まり、竜の姿を形どる。
光の竜は青年のすぐ傍に止まり、ぱちり、と火花を散らした]
……デメララに囚われた、共和国の同胞たち!
俺の声を聞いてくれ!
[音を広げる魔術が青年の声を広めていく]
帝国軍の侵攻で、首都に続いて、魔法学園都市ロンリコも落とされた。
このまま何もしないでいたら、魔術師は滅ぼされて、
でも、俺は、その波に、絶望の闇に飲まれたくない。
歌は想いの紡ぎ、それをこのまま失わせたくはない。
……だから、そのために。
皆の力、想い、願い、それを俺たちに貸してほしい!
……戦えなくたっていい。
ただ、暗闇にうずくまって
どんな形でもいい、道を開こうとする想いが、光をもたらしてくれるから……!
……俺は。
[言いつつ、見据えるのは駐留軍の本部]
その光を導くために、全力を尽くす!
[宣言に応じるように、光の竜が咆哮する。
それは一度天高く舞い上がった後、本部入り口へ向けて突っ込んだ。
兵たちはともかく、指揮官はウル使用者である可能性が高い。
一撃で抜けないかもしれない――という懸念は、今は吹っ飛ばして。
決意を込めた閃光を、全力で叩き込んだ。*]
帝国の死神に名を知られる程、暴れた覚えはないんだが。
[ サーベルの柄を握り、油断なく身構えながら、口を開く。問答無用で斬りかかる様子が無いのは、こちらを侮っているのか、やはり生け捕りを優先しようとしているのか。 ]
未来がどうなるかは、常に不確定だ。
それに俺には、まだ、教え子達を助け出すという役目が残っている。
[ 何を抗うのか、という問いに>>135淡々と答えたのは、教え子がデメララに囚われているなら助けようと、教師が動いているのだと思わせるよう、ほんの少し真実を後ろに隠した言葉。
次いで覚悟を見せろと言われれば、僅かに唇を歪めて笑い。 ]
《ウル》が無ければ何も出来ない輩に、覚悟を問われたくはないな。
自由なる風 緑の息吹を渡り
我は行く 疾風の道
[ 煽る台詞と同時に地を蹴り、呪歌に喚ばれた風を纏って跳躍する。空中で抜き放ったサーベルを一閃すれば、かまいたちのような風が斜め上から死神を襲った。
相手が風すら切り裂く技量があるのは承知の上、真の狙いは弾き上げられた丸薬を吹き飛ばすことだ。* ]
/*
いやあ。
歴代主人公ポジ各位、大変だなあ大変だなあ、ってなりながら脇を固めたりなんだりに徹してきたけど。
ほんと、気力つかうわ……w
一番動かしやすいタイプでなかったら、しんどかったなんてもんじゃねぇわこれ……w
/*
こそっと言うんだけど、
実はデフォルトのCSSで見ていると、リヒャルトの呪歌部分がほぼ見えないんだよね。(反転させて見てる)
わざと隠してるのかなと思ったけど、多分違う。
― デメララ・収容施設 ―
[建物への工作のため殿に回っていたこちらへ、列を外れた男が一人、近付いてきた。
どうかしたのか、と問う声は飲み込む。
それは――喉の大きな傷を除けば、よく知った顔だったから]
とう、さん……!
[呼び掛けに、相手はゆっくりと頷いた。
思わず飛びついて、強く抱擁を交わす。
事情を悟った周囲の人々は、見て見ぬ振りをしてくれた]
[語りたいことは幾らでもあった。
けれどそのすべてを堪えて、ゆっくりと身を離す。
状況を弁えているのだろう父も、同じようにした。
しっかりと目を合わせながら、口を開く]
ごめん、父さん。
話は後で。
――大切な人が、今も戦ってるの。
[その言葉の意味するところは、絆の存在を知る父なら察せられただろうか。
父は大きく頷いて見せると、脱出者の流れの方へ戻っていった]
[そして、最後にフレデリカ自身も収容施設を抜け、脱出に使った穴やトンネルを塞ぐ*]
――リト。
[状況が定まった所で、胸中にて言葉を紡ぐ]
こっちは、動いたよ。
――後は、お願い。
[信を置いていることを示すように、告げる言葉は短いもの*]
/*
ちょっとね、ドロシーちゃんと、皇帝の悪だくみが怖いんだけど。
いや、最終決戦闘技場とか、確かに盛り上がるだろうけどね?
俺死んだ後に、フレデリカさらわれるとかだと、最後のリヒャルトの負担が半端なくない?
/*
あー、うん、生存退場で捕まっとくのはアリなのか?
ちょっと流れ次第で検討しよう。
英雄側も人数少ないからなあ...
ありがとうございます。
[ 計画の許可をもらい、晴れやかに微笑む。]
参戦者の選別に、猛獣の調達に、宣伝に──やることは多いですね。
新しいドレスも作らせなくては。
さあ、マンダレーに帰りましょう。
風渡る声 は、魔法教師 ロヴィン を投票先に選びました。
― デメララ ―
[街に響く大音量に、家に閉じこもっていた人たちがちらほらと顔を覗かせる。
そして、空に浮かぶ光の竜の姿に息を呑んだ。
一方、竜に睨まれた帝国軍のほうは息を呑むではすまない。
闇雲に竜に向かって射かけるが、無駄というもの。
ベルガマスコ氏はといえば、突っ込んでくる竜を目の当たりにして、清々しく逃げ出した。]
「やめろ!
来るな!
みな私をかばえーっ!」
[《ウル》の膂力で手近な兵を片端から捕まえては竜に投げつけながら、建物の奥へと逃げていく。
板金だるまになっていても超速だった逃げ足が、不意につんのめった。
ウルが、切れたのだ。]
「ひいっ、
たす、たすけ……!」
[檻となった鎧の中で動けないままベルガマスコ氏が上げた悲鳴も呑み込んで、竜は建物を内側から白く輝かせた。]
― デメララ ―
[そうして収容者を解放し、最後に自身が表へ出た頃。
空中を広く渡っていく声があった>>152。
これがそうなのかというざわめきが収容者らに広がっていき、皆の視線が声の出所を探すように動く]
「呪歌を……絶えさせないために……」
「道を……開く……」
[リヒャルトの言葉が、その場の人々の浸透していくのが感じられた。
皆の視線が上がっていく。その先に]
[光り輝く竜が、天へと舞い上がった>>153]
[本部崩壊の一部始終を見ていた駐屯部隊の副隊長が、ため息をついてから声を上げる。]
「全軍、撤退だ!
デメララを放棄する!
《ウル》使用を許可する!退路を切り開け!
各方面に伝令を出せ!」
[撤退、という一方向への命令を与えられた兵たちは、ようやくウル服用の許可が下りたこともあって、次第にまとまった動きを見せ始める。
ウルを携帯しているのは一部の兵だけだったが、それでも撤退を援護するための矢は威力を増した。
街から鉱山まで伸びきった軍全体に命令が行き渡るには時間が掛かるだろうが、帝国軍は緩やかに街から離れ始める。
なお、本部建物内で倒れていたベルガマスコ氏は、ウルが残っていたためか気を失っていただけだったものの、誰かがざっくりと背中からとどめを刺していた。*]
[おお……と、驚きや控え目な歓声が、その場の人々の中に上がった。
それはただの光というだけではない。
真っ直ぐに突っ込んでいく――駐留軍本部へ向けて]
「やる気なのか……!」
[相手がウル使用者でありこれだけでは倒せない可能性は、この場の誰もが承知していた。
それでも、"彼ならやり合える"、皆がそう思い始めていることは表情から感じられた]
――はい!
[だから自身も、確信を持って声に出す*]
やってくれます。
彼なら、きっと……!
― デメララ南の森 ―
[名は出さず、示唆するだけの言葉をロヴィン>>154へと向ける。
淡々と返る答えは、教師であれば思うであろうもの。
そこに共感は一つも覚えなかったが]
足止めの間違いじゃねぇのかね。
[引っかかっていた推測を敢えて口にし、かまをかける。
それに反応するかしないかはどちらでも良かった。
何故ならやることに変わりはないため]
[煽る言葉を投げつけられれば、クッ、と喉奥で笑った]
お前らだって魔法が無ければ何も出来ないだろうに。
[魔法を纏い、高く飛び上がった位置から振り下ろされる相手の剣>>155。
その切っ先から風が放たれ、男を襲う。
風に対し男は赤く波打つ剣を振るい、己の軌道上の風を斬り払った。
同時、高い頂点を経て落ちてきた丸薬が、ロヴィンの狙い通りに放たれた風により男の頭上から弾き飛ばされる]
《ウル》は嫌いか。
そうだろうな、これがあるからお前らは国を失った。
魔法を至上とする国は《
[そう言って左手の中から摘み上げるのは、別の《ウル》]
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