情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
次の日の朝、語り手 が無残な姿で発見された。
戦火の犠牲は確実に広まる。
それでもなお、戦いは終わらない。
求めるものを手にするまで、人は争い続ける。
己を犠牲にしようとも。
愛する者を失うとしても。
現在の生存者は、吸血鬼公 アレクシス、詩人吸血鬼 ウェルシュ、旅人 シルキー、吸血鬼狩人 レト、近衛騎士隊長 シェットラント、白磁の吸血鬼 ミリアム、聖女 ナネッテ、市民 ダルメシアン、騎士 メルヒオル、檳榔卿 ギィ、双子 アデル、双子 エディ、少女 ゾフィヤの13名。
― 城のテラス ―
ずいぶん、月が高くなりましたね。
[一度城に戻った公は、テラスにて空を見上げていた。
今宵の月は満月。
地表を離れたにもかかわらず、未だに赤い月が中天に昇っている。]
宴も、さらに華やかさが欲しいところです。
貴方がたも、そう思われますでしょう?
[鳥籠の中に微笑みかけてから、街へと向き直る。]
良い具合に、血の気も巡ってきています。
今宵は、人間もまた、我々と共に楽しんでいただきましょう。
[空へ向かい、両手を掲げる。
街の周囲を包んでいたコウモリの一部が、街の各所に散らばっていった。]
さあ。宴の第二幕を始めましょう。
[前に伸ばした手を横に払うと同時に、散らばったコウモリが赤く染まり、霧となって周囲に漂い出す。]
[それは、人に狂気を与える霧。
吸血鬼憑き、と呼ばれる状態を作り出すもの。
影響を受けた人間たちは凶暴化し、同胞を襲って血を啜る。
旧い血による
― 牢 ―
[眼下で繰り広げられる紅の宴を、コウモリは時折首をくるりと回しながら見守っている。>>1:367
ひとり、男が倒れるたび、濃くなっていく甘露の香り。
飽和しきった性の臭気を塗りつぶして、鮮烈な赤の香気が立ち上る。
獣欲に狂った男たちが白い柔肌に挑みかかり、奪い尽くされて冷たい骸になるさまをつぶさに見届け、最後のひとりが倒れたところで、コウモリは聖女だった者の前へと飛んでいった。]
貴方の選択、見届けましたよ。
今の貴方は、内より輝いて美しい。
おいでなさい。
今の貴方には、私の前に来る資格がある。
[声を届けたコウモリは、先導するように彼女の前を飛んだ。*]
[シルキーに施した分、双子の血は減っている。
先ほど街に矢を降らせた時にも血の力を使ったから、仕える力の総量は目減りしていた。]
吸血鬼公 アレクシスは、吸血鬼公 アレクシス を投票先に選びました。
近衛騎士隊長 シェットラントは、吸血鬼公 アレクシス を投票先に選びました。
檳榔卿 ギィは、吸血鬼公 アレクシス を投票先に選びました。
吸血鬼狩人 レトは、吸血鬼公 アレクシス を投票先に選びました。
流石に、この姿では拙いというもの。
少しばかりお時間をくださいませ。
[今の自分は一糸纏わぬ姿だ。これからの謁見にドレスとは言わないが、いくらなんでもこのまま向かうわけにはいかない。先ほどまで着ていた衣服を見やる。幸い衣服は少し伸びてはいたが、汚液は付着していなかった。
安堵して衣服――下着とフードは引きちぎられていて諦めたが――を身に付ける]
(……? なんだか、少しちくちくしますわね)
[何か肌にあたるものがある。とはいえ、招待されているのに待たせるわけにもいかない。
急かす様にくるくる舞うコウモリを微笑ましく思いながら、コウモリの後をついていく]
旅人 シルキーは、吸血鬼公 アレクシス を投票先に選びました。
聖女 ナネッテは、吸血鬼公 アレクシス を投票先に選びました。
[唇で彼の肌を吸うたびに、躰が震える。
とても敏感で愛おしい。
これは、摘まれるべき花だ。
僅かに舐め取った血も甘く、舌先で爽やかに香る。
瑞々しく清廉な純潔の雫だ。
おそらくは、生活の全てを慎み深く送っているのだろう。
彼の初花を散らす前に、もう少し味わっておこうか。
そんなことも考える。]
今宵は、護衛の任務は忘れてしまいなさい。
それとも、思い出させて欲しいのかい?
[反論し、願う言葉を紡いだ彼の唇に、赤く濡れた指先を当てる。]
おまえが私に従わないのならば、
私は、彼女に同じことをするよ。
[白いかんばせに浮かぶ赤い唇は、三日月の形。]
わかったなら、全部脱いでしまいなさい。
[再度命じて、彼の上から身体をずらした。*]
[折しも赤い霧が街を覆い始める。
抱き合ったまま顔を上げ、籠められた血の力の香を嗅ぐ。]
公が、鼠どもに踊れと命じられたようだ。
双子 エディは、吸血鬼公 アレクシス を投票先に選びました。
双子 アデルは、吸血鬼公 アレクシス を投票先に選びました。
― 城内 ―
…変だな。
[今しがた襲ってきた男が床に倒れると首を傾げて窓から城下を見渡す。
薄い色の瞳を細める。暗闇の中街全体が赤く染まっているようだった。城内にも薄く赤いもやがかかっているようにも思われるが、]
…何か術を使ったのか。
[半吸血鬼の女には効果がどうもなかったらしい。]
― テラス ―
[身を整えたかつての聖女を、コウモリはテラスへと導く。>>8
戸口からは、頭上からの赤い月光を浴びて立つ長身の男と、黄金の鳥籠に捕らわれた領主夫妻が見えるだろう。
この高さまでは、赤い霧は昇ってきていない。]
ようこそ。
こちらにおいでなさい。
[現れた彼女を、片腕を開いて招き入れる。]
ここからは、街がよく見えます。
綺麗でしょう?
[吸血鬼に支配された街は、今は明かりもほとんど無い。
けれども、満月の赤に照らされて、人々の蠢くのは見えるだろう。
狂乱の喧噪が、微かなうねりとなって届く。*]
[背中で複数の足音を聞けば振り返りため息をつく。]
朝になれば元に戻るんだろうか…
[一応だが聖別を受けてはある。どれほどの効果があるかはよく測れないが、脚を打ち据えれば動けなくなるらしい。
剣を使えば騒動が収まった場合に可哀想な事になるだろうとそのまま放置しその場を後にする。
吸血鬼相手には力は及ばないものの、人間については余程の事が無い限りはあまり問題とはならない。]
[背中で複数の足音を聞けば振り返りため息をつく。]
朝になれば元に戻るんだろうか…
[一応だが聖別を受けてはある。どれほどの効果があるかはよく測れないが、脚を打ち据えれば動けなくなるらしい。
剣を使えば騒動が収まった場合に可哀想な事になるだろうとそのまま放置しその場を後にする。
吸血鬼相手には力は及ばないものの、人間については余程の事が無い限りはあまり問題とはならない。]
[ 確かに、ここまで戦っていても、誰も入ってくる様子はなかった。
安全は保たれていると言っていいだろう。
ただそれと、自分が護衛の務めを離れるのは別だとシェットラントは考えるのだ。
けれど、]
── それは…!
[ 従わないならば、姫を代わりに食らうと。
明白な脅しに拳を握りしめる。]
そんなことは、 させない。
[ すべて、自分が力不足なのがいけないのだ。
この魔性を退けることができない自分が、姫を危険に晒している。
それでも、まだ従うのを逡巡したのは、同じく姫ゆえだった。]
…今ここで、なくてはダメなのか?
[ これまで彼女と同じ部屋の中で服を脱ぐような真似はしたいことがない。
たとえ姫が眠りについていたとしてもだ。*]
[笑みを湛えて子を撫でていたけれど、下劣という単語>>5には少しばかり反応した]
そう?必要なものを与えただけだ
私は──違う
人は人と、鬼は鬼と媾合っていればいい
[何と違うのかも言わず、唾棄するような声音]
― 広場から大通りへ ―
[腕を絡ませ、軽やかな足取りで進む。
広場を出て、建物の並ぶ大通りへと。
目指すは、より人の多い場所。
毀たれた町並み、
先ほどまでは恐怖に満たされていた街が、
今は血腥い狂気に満ちている。]
なあに
お前達では、坊やを泣かせるばかり
そちらこそ
どういう心算?
[伸ばされた手の向こう、距離が近づく騎士の喉元を見た。
肩の上で鴉が翼を空撃ちし、爛々と瞳を耀かせて嘴を開く]
この子に負い切れない悲嘆を教えて、そうして──それとも私の主菜に立候補するの?
ナネッテは私のものにはなってくれなかったわ
人間は嘘つき
白磁の吸血鬼 ミリアムは、吸血鬼公 アレクシス を投票先に選びました。
[言葉の圧力を掛ければ、彼は悔しげに拳を握る。
苦しげな顔は、嗜虐心をくすぐった。
もっと、その顔を歪ませてみたい。欲望が疼く。
けれども、それよりもっと強い思いは別にある。]
ここでは、何か不都合が?
[なおも素直に従おうとしない彼に問い返したが、ふと、逡巡の原因に思い至った。]
……私と、二人きりが良いというわけだね。
[笑みを浮かべ頷いて立ち上がる。]
[扉をひとつ開ければ、そこもまた客室となっていた。
ほぼ同じ作りで、もとより続き部屋として作られているようだ。]
ここなら構わないだろう?
さあ。その寝台の前に立って。
私に、全てを見せておくれ。
[改めての指示を下し、背を押して彼を導く。
なんなら脱ぐ前から触れようと、衣服の下に指を滑らせる。*]
少女 ゾフィヤは、吸血鬼公 アレクシス を投票先に選びました。
だめか
[やっぱり、見失った。
随分と足が速かったのか、俺が見当違いの方を探したからか]
あの子……そうだ、シルキー
[追いつけてたとしたって、どう声をかければいいんだ。
もしかして、お母さんにそっくりって言われたりしません?とか。いやいやナンパとしても酷いセリフ。
どこか、自分の知らない街で幸せになって、娘もいるんだなんて、懐かしくて寂しくて嬉しい話。
あまりに遠く感じる日常がそこにあったみたいな気がして]
だめだなあ
仕方ない
[首を振ったところで、ふと鼻の奥がツンとした。
すごく嫌な匂い…気配?]
なんだ これ ?
[視界がくすんでいる。暗い道が赤黒くなって。
思わず鼻と口を覆った。変な霧。嫌な感じがする、目の奥と鼻の奥が痛い、喉が苦しい。
逃げないと。どこへ?とにかくどっか、霧の薄いところ──]
違う、そういう意味ではない!
[ 二人きりがいいのかと言われて、即座に訂正しておく。]
もし、日を改めることができるなら、
彼女を他の近衛騎士に託してから、貴公と再会を約束することも──と、
[ そういった段取りを済ませた後なら、動けなくなるくらい血をやるのは容認できると考えた。
だが、これまでの檳榔卿の反応を鑑みるに、彼に都合のいいようにしか伝わらない気がして、途中で口籠る。]
[ 彼の手で開かれた続き部屋への扉を見、ひとつ息を吐いた。
不寝番の際には、いつも隣接の控えの間で待機する。
この迎賓館では続き部屋も寝室となっていたが、控えの間としても使っても許されよう。
促され、奥へ進む。]
── これですべてだ。
[ さっさと吸血をするがいいと背中で語るように、ことさらに事務的に衣類を畳んでおく。*]
― テラス ―
[従順に振る舞う彼女の姿は、紅に染まる百合を思わせた。
純白の百合が注がれるままに赤を吸い込み、内側から照り輝くような朱を纏っているかのよう。
傍に添うさまも、風に揺れるがごとく嫋やかなもの。]
なるほど。
白磁の魔女は貴方に相応しいものを贈ったようだね。
今の貴方は、とても素晴らしい
―――ですが、
[月を見上げる花のかんばせに、指先を伸ばす。>>22
顎の下を柔らかく持ち上げるように。]
貴方にはもっと、相応しい糧があるのでしょう。
容易に狂うような、下等な男たちのものではなく。
もっと希少なものを奪ったならば、
貴方はさらに、美しさを重ねることができるはずです。
貴方なら、私たちと同じ場所まで、
独力で昇れるかもしれません。
私は、それを見てみたい。
[囁きを注ぎ、秘密を教えるように笑む。]
今、この城に、貴方に相応しいものが訪れています。
吸血鬼と、人との間に生まれた鬼子です。
行ってご覧なさい。
あのものの血を全て飲み干したなら、
貴方はまたひとつ、私たちに近づくでしょう。
口を開けてごらんなさい。
私からもひとつ、貴方に贈らせてください。
貴方の力になるでしょう。
[促して、彼女の上に手を翳す。
乙女が口を開けば、白金のナイフで突いた指先から浮かんだ紅の珠がひとしずく、彼女の舌の上に零れ落ちるだろう。]
[>>18すぐに彼女の表情は笑みに戻り。
青年は子供に手の届く場所まで距離を詰める事が出来たが
>>20返す言葉に歩みを止める。
子供に出来る事といえば、精々が、飢えぬように孤児院に口利きしてやる事くらいか。
家族を失った痛みは、最初から家族との絆がない青年には理解出来ない。]
──…っ、…
その子供を、弟と同じ場所へ連れていこうとしたのではないのか。
[死という言葉は避けて、彼女のしようとした事を言葉で確かめる。
彼女の肩に留まる鴉は接近した青年に向かって音立てて翼を動かし、鋭い嘴を開く。
主菜、との言葉に薄花色を眇め、約束は結ばれなかったのだと知る。]
[暫し黙した後、真っ直ぐに彼女に視線を向けた。]
──…私が断れば、他の人間を探すのだろう。
この街を守る騎士として、それは見過ごせない。
[切りかかったとして、今の青年に吸血鬼を一撃で倒す術はない。
二度の失敗を許す程に寛容でもないだろう。
こんな事なら教会にそうした知識を乞うていれば良かった、とは後悔するものの。
現状の最善を考え、選び取ろうとする。]
この血液を捧げよう。
だから、そこの部下とその子供を見逃して欲しい。
……この身に流れるのが、主菜とやらに適う血かは分からんがな。
[最後に口元に浮かぶのは自嘲。
胤が真に家長たる父であれば、互いに貴族である高貴の血。
けれど暴漢であったなら。
貴賤が血液に影響するのか、人間たる青年には知る由もないが。**]
騎士 メルヒオルは、吸血鬼公 アレクシス を投票先に選びました。
― 大通り ―
[乱暴に扉が開いて、並んだ邸宅のひとつから引き裂かれた衣服を纏った女がまろび出てくる。
そのすぐ後から、血まみれの男が飛び出して、女に掴みかかった。
二人は揉み合い――ウッと呻いて男の体が硬直し、女の上に倒れ込んだ。
男の頭から突き出た緋色の矢を、女は呆然と見つめた。狂気に血走った目を、キョロキョロと落ち着きなく動かす。
不意に背後から、しなやかな腕が女の頭部に巻きつき、ガッチリと拘束する。
恐怖にもがく身体が引き倒され、岩の如き重みが四肢に乗った。]
お前に慈悲をくれてやろう。
[囁かれた言葉が脳に到達する前に、喉に灼熱の痛みが走り、女の意識は深い闇に落ちた。]
[訂正の言葉は半分方聞き流していた。
彼が全て語ったのなら、私のものになる気になったのかと喜んだだろうけれども。
指示通りに全てを脱いだ彼の姿は、均整が取れて瑞々しい。
適度についた筋肉を、張りと艶のある肌が包んでいる。
淡く透ける赤が、下に流れる血潮を想起させた。]
とても、良いよ。
[暫く周囲を巡って鑑賞した後、背後から抱きすくめる。
手を回して顎をあげさせ、喉の柔らかな場所に唇を這わせた。]
[たっぷり時間を掛けて唇でまさぐり、脈打つ血脈の上を舌先でくすぐる。
熱い息を誘っておいて、ゆっくりと牙を肌に沈めた。
牙の先が薄い皮膚を破り、肉をかき分け、血の泉に孔を穿つ。
溢れ出す血を舌の上に受け止め、転がし、味わいながら喉の奥へと送り込む。
若く純粋な味を堪能したのは、ほんの二口程度。
感覚的には、唇を湿らせただけだ。]
これからが楽しみな味だね。
おまえが、どのように花開くのか、
とても、興味がある。
[牙を抜いた後に己の血を垂らせば、出血はすぐに止まる。
暫くは、噛み痕の膚は敏感になるだろうけれど。*]
[切り裂かれた白い喉は、紅い美酒の噴水。
生命尽きる前に飲み干さねば、味は酷く落ちるし、血の力を得るにも不十分。
片割れと交互に夢中で飲み干し――空になった器を抱え、満ち足りたのを確かめて笑い合う。
唇を舐め合い、口接けて口腔の血を味わう。
気に入った獲物以外に牙を付けぬは、家門の作法。
万が一にも望まぬ子を作らぬ為と、吸血の快楽は優れた獲物への栄誉であるが故に。
単なる糧食には、血管を開いて屠るので十分、と。**]
……
弟に逢いたいのだよね?坊や
[同じ場所、という言葉に首を傾げ、腕の中の子供に尋ねる。
泣き止んでいた子の頬を布で拭いて]
"逢わせてあげる" これも言葉通りの意味だけれど
幾許かの代償を払うことになるでしょう
[それを訊きたいの?と騎士を見て]
[暫くの沈黙を楽しむように口を噤んでいた。
まっすぐ此方を見る眼差し>>30
露草色や薄花色というのだろうか。この眸には紫紺の色として映るけれど]
そう
そうね
お前の剣、お前の鎧で守れるものはあまりに少ない
お前がそうしようと決めるのは、理解できるよ
騎士の矜持を護り最善を尽くさんとして……騎士の誇りを捨てるのも、美しいこと
[立ち上がり、膝の子を地面に下ろす。
戸惑うように立ち尽くす子の頭を撫でて囁いた]
お行きなさい、今は
泣かなくてもいいのよ。弟はもうすっかり怪我も良くなったけれど夜だから眠いのだわ
[ね?と首を傾けて背中を押しやる]
私はここにいるお前の部下とその子に一切の手出しせず、見逃す──朝までずっと、でもいいわ
お前が捧げるのが血液だけなら、私が約するのもそれだけ
[深く深く微笑んだ]
味の心配をするの?おかしな人
ではこの手をとって
[それをもって盟約とする]
[ 人間から血を吸うのは初めてではないだろうに、念入りに観察された。
黙って試練に耐えていたが、抱きすくめられ、喉元を舌と唇で味わうように辿られれば、苛立ちとも違う焦燥が身体を駆け巡って、動かぬようにしているのに熱ってくる。
おそらく、そのために裸しに、時間をかけているのだろう。
ワインをエアレーションするようなものか。
武術を習っているとはいえ、ここまでの肌の触れ合いはすることがない。
彼には同性愛の嗜好があるのかとの疑いが頭を過ぎる。
教会はいい顔をしないが、同衾する相手が同性という人間はそれなりの割合でいるのは知っている。
シェットラントが女遊びをせず、かといって姫に恋愛感情を捧げているのでもないと聞いて、同好の士ではないのかと誘われたことがある。丁重に断ったが。]
人間 ── 厭わしく愛おしく、美味なるもの
[人間達へ目を向けた。
逃げるのならばせいぜい急ぐべきだわ──子供と、そこの倒れた男も忘れずに**]
──…、
[ 初めての被吸血行為は、案外と簡潔なものだった。
無痛ではなかったが、声を抑えられないほどではない。
目眩やフラつきもなかった。
どうやら傷も塞いでくれたらしい。
味については興味もなかったし、質問するのはやめておいた。]
[ これから…を口にされたが、社交辞令として聞き流しておくことにし、畳んだ服に手を伸ばす。
沐浴をしてもいいだろうか。
少しだけそう思った。*]
― 広間 ―
[城内のどの部分にあたるかはわからないがかなり上層までは来たらしい。襲い掛かってくる人間達の波が途切れ、やれやれと壁際で歩みを止めた。
不思議と身体が軽い。骨折した右腕も既に何ら問題なく動けるようになっている。
周囲の音も普段よりも響くように頭の中に入ってくる。
吸血鬼の血を口にしたせいだろうか、そう思いながらまたブーツの紐を締め直した。戦う時にはきついくらいでないとどこか落ち着かないのだ。*]
はい、貴方様の思し召しの通りに……
[求められるがまま>>27に口を開き、朱の珠を受け入れる。まるで一滴では足りぬと言わんばかりに舌が次を求めたが、はしたないとすぐに口を閉ざした]
うっ……あぁぁ……っ!!
[心臓がさらに激しく跳ねる。その鼓動を必死に抑えようと胸に手を当てて瞳を閉じる。わずかな時間で吐息は落ち着いた。再び目を見開けば、かの人の尊顔は見えるだろうか]
畏まりました、主様。
必ずや、主様のご期待に応えてまいります。
[先ほどとは打って変わって優雅に一礼する。それはまるで一枚の絵画のようで。
しかしそれは後ろから聞こえてきた声によって台無しになる]
『ど、どういうことだ!! 教会は我らに力を貸すのではなかったのか!?
裏切ったのか、この淫売め!!』
……ああ、うるさいですわね。
せっかくの主様とのひと時なのに、ピィピィと喚かないで頂けますか?
[右手を振りかざす。次の瞬間現れたのは透き通った真紅の刃、それが中の男に突き刺さっていた。
しかしその鳥籠は、ほとんど血に塗れてはいなかった。男の息は、まだあったかもしれない。
女のほうが叫んだが、こちらが一睨みすると小さく鳴いて黙る]
……はっ!
申し訳ございません主様、貴方様のものに勝手をしてしまいました。どうかお許しを。
――此度の勝手な行動は、主様のご期待に沿う成果を持ち帰ることで償わせていただきます。
[主様の動物に断りもなくしてしまったことに気づき、膝を立てて頭を下げる。そうして謝意を述べると、手早くテラスを後にする]
― 広間 ―
[相手は、思ったより早く発見できた。かなり上層まで来ていたらしい。そしてはたと気づく。それは少し前に大聖堂で見た女だった。
貴女は……大聖堂でお会いしましたか?
[壁際に立つ彼女に声をかける。そのときの瞳は、元の碧眼に戻っていた*]
[血の接吻を受けた彼は、若干居心地悪そうな様子を見せたものの、毅然として立っていた。
初めてのことだ。落ち着かなくなるのは理解する。
いずれは吸血にも官能を見いだしてもらいたい。
そうなる未来を思いながら、彼の背に手を置く。]
冷えているね。
一度、身体を流すかい?
[あれだけ身体を動かした後、裸で立たせておいたのだ。
自分以外の理由で体調を崩されては興が削げる。]
あちらに浴室があるようだ。
行っておいで。
[部屋にもう一つある扉を指し示して背を押す。
どこかで絶えず火が焚かれているのだろう。
常に温かな湯が使えるようになっていた。]
[ 心が動作に出てしまっていたろうか。
風呂を使うよう勧められ、わずかにうつむく。]
…気遣い、ありがたくいただいておく。
[ 肩にかけられた手から逃れるように浴室へと足を踏み出した。]
[ 隣の部屋としつらいが同じであれば、こちらの部屋に祭壇があるのではないかと考えて、探っておく。
手を伸ばす必要もないことを願うが、念のためだ。
備え付けの浴室に入ると、温かい空気が裸身を包む。
湯が通されているようだ。
タンクにつながるチェーンを引いて蓮の実型のシャワーヘッドから降り注ぐ湯を浴びる。
髪も濡れてしまうが構わなかった。
着替えの準備などないから、また同じ服をまとうことになるのだ。
上衣にいたっては、檳榔卿が切り刻んでしまったから、もう着ることもできない。]
[ せっかくの湯だが、檳榔卿をひとりにしておくと、姫に興味を移すのではないかという懸念があった。
シャワーで手早く済ませることにする。
檳榔卿との手合わせでかいた汗を流し、彼が接吻けた箇所を洗い清めるだけでいい。]
──…ん、
[ 首筋の、噛まれた箇所に触れると、もどかしいような疼きが身体の芯を駆け抜ける。
痛みとは違う。ただ、気になって繰り返し確かめたくなる。
良くないとわかっていても治りかけの傷に触れてしまうようなものだ。*]
― テラス ―
[乙女の舌に血の珠が溶ける。>>42
もっとと求めうねる舌先を軽くつついてから、解放した。
変容する彼女を慈愛の眼差しで見守り、一礼した頭の上に手を翳す。
洗礼を与えるかのように。]
楽しみにしていますよ。愛らしいひと。
[微笑みと共に言葉を受け取る。
それで終わったはずなのだ。余計な声がなければ。]
お見事ですね。
さすが、私の見込んだ方です。
[うるさく囀る籠の鳥に彼女が苛立ちを見せる。
生み出した刃は、見事な異能の発現だ。
血の馴染みのよさと華開いた力に軽く賞賛を投げる。
だが、謝意を述べた彼女をそのままにはしなかった。
立ち去ろうとする彼女の腕を掴んで、素早く抱き寄せる。]
ですが、私のものに勝手な手出しをしたのですから、
まずは罰を受けなさい。
いいですね。
[穏やかな瞳の奥に、苛烈な光が宿っている。
怒りの片鱗を見せつけたあと、彼女の服に手を掛けた。]
[胸元を引き裂き、豊満な乳房を露わにする。
白く柔らかな肌の上に指を置けば、異音と煙が上がった。
焼きごてを押しつけるように、指先で肌を穿って行く。
指を離したときには、簡略化された絢爛公の紋章が、黒々と刻まれていた。
それは、罪を犯したものへ与える呪縛の印だ。]
では行きなさい。
次はありませんよ。
[優しげに囁いて手を離し、去るを許す。**]
[ 少女が狩人の背後から忍び寄り、一発で撃ち倒すのを見た。>>39
それで安心せずに仕留めにいく様子も、とても場慣れしているように感じられる。
そういえば、この図書館にはお手本となる物語もあったりするのだろうか。
ウェルシュ自身は説話などより、幻想的な詩に傾倒しているのだけれど。]
素晴らしい。
君はアサシンの素質があるね、アナベル・リイ。
そいつの血をお飲みよ、毒が中和されるから。
[ 拍手をしながら声を送る。*]
…何故こんな場所に?
[近付く気配を察知してさてどうするかと鞭を仕舞っていたところ。
声の主に一瞬目を見開くが、すぐにあの騎士はやられたのだろうかと思考を巡らせた。
わざわざ壁際で立ち止まっていた事には理由がある。窓が無く、隣の壁からもかなり距離がある、まぁ良いだろう。]
あれからどうなった?
[言いながら懐の中を探る。]
姉ちゃん、無事……ぇ?
[彼女の手に見慣れないものがある。
それが拳銃だと気づいて目を見開いた。]
なにやってんだ!
正気かよ!?
[咄嗟に手に触れた本を拳銃めがけて投げつける。
身体は必死にひねって射線上から逃そうとした。**]
― 街中 ―
うわ、あ ううああああああ!
[なんだ。何故。
足をばたつかせる。上に乗った男を跳ね飛ばせない。俺よりふた回りも軽いはずなのに]
く、うういいいたいいい……ク……ンス!
[知らなかった。
噛み付かれた瞬間より、その後全然離してくれない状態のほうがしみじみとじっくり痛いんだ。知りたくなかった]
城が落ちたようだったから様子を見に来た。
[懐から抜かれた手は今は腰にある。]
牢から脱出…、
血は吸われなかったのか?
[恥ずかしそうに胸元を隠そうが服を破られようが表情は何一つ変える事も無い。]
[たしかに、蝙蝠はもう追い回しては来なかった。ブローチの効果なんだろう。
そのうち、崩れた果物屋台の近くにうずくまっている人間を見つけた。
声をかけた。だってそうだ、仕立て屋の主人だ。
無事だったかーなんて声をかけて。
引き起こそうとした男の目が完全にイってることに気づいたのは、もう喉目掛けて飛びかかられる直前だった]
やめろ、お、なあ おれだって!いいいいぎぎぎ
[体を捻って腕で顔を庇おうとしたから、つまり今左の二の腕をがっぷりされている。
尻も背中も痛い。ワンコならともかく男に押し倒されて嬉しいわけない。
あいている右手で男の髪を引っ張り、拳を作って思い切り殴ったがビクともしない。
おかしな唸り声をあげているし、グジュとかブヂィとか聞こえて気が遠くなった。
引き剥がせない男を乗せたまま、身をよじって地面を蹴った。頭上に手を伸ばす。
叫ぶたび喉が痛い。
目の前が赤く、暗い赤に染まって、あれ、さっきはお花畑が見えたのにな、みたいに考えた*]
/*
PL視点、この場は生き残るとは思うけど
血液を喪った量によっては朝までは戦力にはならないかもしれない(戦いたがり)
おじさま、術かかっちゃう??
いきてー。
そして、この後に赤い霧イベントだと思うので、意識ない騎士はさっくり吸血される可能性高いのでは?とも思ってる。
マチス…(昨日決めた)
自分に聞いてみたらどうだ?
[いつまで茶番を続けるつもりなのだろうかと首を傾げた。
ダンピールには吸血鬼を探知できる能力がある事を知らないのだろうか、とも。
剣は広場に置き去りのままになっており、所持しているのは特殊なスティレットのみ。
降参のポーズを取ろうがこちらから近付く事はしない。]
そうしてくれ。
[スティレットを順手に持って斜めに構える。
手ぶらなのにはそれなりに理由があるのだろうと検討はつけているが、さて。]
そうしてくれ。
[スティレットを順手に持って斜めに構える。
手ぶらなのにはそれなりに理由があるのだろうと見当はつけているが、さて。]
[裸身の騎士は手をすり抜けて浴室に消える。
途中部屋を見回していたが、隣とほぼ同じ作りだ。
こちらの祭壇にも、やはり銀の燭台が置かれていた。
浴室の扉が閉まり、ほどなく水音が聞こえてくる。
ゆっくり十まで数えた後に、浴室へ歩み寄った。
大人しく待っているつもりも、少女に目移りする気も無い。]
[濡れた裸身を背後から両腕に包み込む。
扉も、水も、障害にはならなかった。]
なにをしているんだい?
気持ちいい?
[彼が幾度も触れていた首筋に、唇で触れる。
濡れた舌先は、湯に比べればずっと冷たいだろう。*]
では……
[相手の武器は見えた。が、あの武器であれば投擲も警戒すべきである、と考える。
無造作に近づくのは止め、間合いを計りながらにじり寄る**]
おや、主を変えろというのは良い命令
けれど私のための盾なら
私たちを守るのには毒を使うからね
[荷運びの子たちに護衛をつけてあげたいとは思っていたけれど]
身を堕とし、魂を屈させ血を染めかえて、意志までも捧げさせても
──ほんとうの心ばかりは儘ならぬもの
生まれついての吸血種にはわからずとも、私はそう知っている
[手が重なる>>62。ヒトの体温は触れるだけでかくも甘い]
だから、お前の価値を決めているのはお前自身だわ
[肩にいた鴉が羽を撃って宙に浮き上がる]
脱いで、私の前に
[緩慢に避難を始めようとする人間達には視線をやらず、微笑んだ。
剣、鎧、それに装身具も]
知っているのだったかしら?私、熱いのは厭なの
[ 扉の開いた気配もないのに、いきなり背中から抱きつかれた。
しかも相手は着衣のままだ。何を考えているのか。]
──?! 入るなら声をかけ…ろ
[ 説教しようとした声は、首筋を襲った柔らかな感触に掠れる。
ようやく温まってきたところに、冷たいものを押し当てられたのだ、ビクリとするのも無理はなかろう。]
― 図書館 ―
毒?
[姉ちゃんの返答に、眉と声が跳ね上がる。>>53
足を引きずっているように見えるのはそのせいか、と納得し、まずは手当をと考えかけて、そんな場合じゃないと思い直す。
彼女が銃をこちらに向けていたのは事実だ。
麻痺毒か幻覚毒か。あるいはそもそも毒を受けたというのもフェイクか。
いずれにせよ、彼女がダーツを取りだしたのを見れば、未だにこちらを攻撃しようという意思は明白だ。
周囲の狼どもが手を出してこないことからも、きっとあの吸血鬼は物陰から覗いて楽しんでいるんだろうし、ほぼ間違いなくあいつが元凶だ。
声が聞こえて来た方向>>49を睨み、おおよその位置を測る。]
[ 接近を察知できなかった未熟さ、私事を覗かれた羞恥心とを覆い隠すように、踵を闖入者の足の甲に勢いよく落とす。
羽交い締めをかけられた時の護身法だ。]
離れろ。 わたしはもう出る。
[ 硬い声で宣言する。*]
[そうして、男の首へ腕を回した。
睦み合う恋人のように肌をあわせれば、胸のあわいでコウモリがぷ、と鳴く]
──私のことはミリアムと
お前の名はなんというのかしら
[晒さぬように隠されてきたらしい首筋は、陽に灼けぬ白磁の薄さか。
唇を触れさせ、やわく食む]
力を抜いて私に委ねるのがもっとも、苦痛が少ないよ
[白磁の魔女の毒牙
どの糧を得るにも、痛みではなく、心を灼くほどの快楽を与えて来た**]
[苦労して立ち上がろうとしている風を装いながら、床を利用してボウガンに太矢をセットする。
二連装型のボウガンに、鎖付きの矢だ。
それから立ち上がり、彼女を見る。]
大丈夫だ。絶対助けてやるよ。
だから、まずはその物騒なものをしまえって。
あいつに騙されるな。気をしっかり持ってよ。
頼むから、吸血鬼なんかの言うことを聞くな。
[刺激しないようゆっくり近づいて、抱きしめるように腕を伸ばした。*]
[武器も何も持たない元聖女がじりじりと此方へにじり寄る姿はかなり不気味な光景であり、戦闘に関して素人だからこそ何をしてくるのかわからないという一抹の不安があった。]
……
[ある程度までにじり寄ったある瞬間、元聖女に向けて腕を振る。
直線で元聖女の顔面に向かっていくそれは拾って懐に隠し持っていたただの石。*]
― 大通り ―
[装いを整え、各々武器を携える頃には、男女の骸は溶けて消え失せいた。
見回すと、そこかしこで先ほどと似たような光景が繰り広げられていた。
親が大事に懐に抱きかかえていた我が子にかぶりつき、
子が老いた親を殴り倒す。
夫が妻に噛みつけば、
妻は包丁を手に夫に斬りかかり、
仲の良かった隣人同士が喉笛を噛みちぎろうと取っ組み合う。
身を寄せ合って怯えていた住民たちが、今は互いの血を求めて相争っている。]
……
[城の上層にいても足元から響く人々の叫び声は次第に大きくなっている。
広場で見かけたあの男は無事だろうか。
あまりにも争いとは無縁そうな姿をしていただけに…、]
……
[城の上層にいても足元から響く人々の叫び声は次第に大きくなっている。
広場で見かけたあの男は無事だろうか。
あまりにも争いとは無縁そうな姿をしていただけに…、]
公の高尚なご趣味を解するには、僕は無骨に過ぎるからね。
それより、宴にふさわしい演物を未だにお見せできていない。
何とか探さないと。
……!
[伸ばした右手の先に、砕けた敷石。
それを掴んだ。ちょうど拳くらいの大きさの石を握り込んで、それを仕立て屋のこめかみに叩きつける。
衝撃で仰け反った男の口が真っ赤で、もう一度。今度は左肩をぶん殴った。
金槌よりは握りにくい石で、でも体に染み付いた動きで、釘を打つのと同じ振りで、 ガツ、ガヅ、と腕に響く衝撃を感じながら]
べえっくしょん!
[自分のくしゃみで我に返る。
急に霧が晴れた、というか吐き出した感覚?
いつの間にか逆に馬乗りになってた、飲み仲間の仕立て屋を見下ろした。
うめき声をあげてるけど、もう掴みかかっては来ない]
え…
あ、あわわ、わあごめん、 ごめんクレメンス
[握ったままの形で強張った指をなんとかほどいて、石を捨てる。
ぺっぺと唾を吐いた。なんか砂利と血の味がした。
左腕がめちゃめちゃに痛い。ちぎれちゃってるんじゃないかと思ったけど見たら大丈夫そうだった。仕立て屋の歯はあまり鋭くなかったみたいだ。
腰に提げていた手ぬぐいを片手でとる]
― 自宅方面へ ―
[しばらく後。
仕立て屋のクレメンスを背負って、よろよろ進んでいた。
ボコボコになった顔面を手ぬぐいで抑えて、あと噛まれないように屋台に転がってた林檎(大)を口に突っ込んである。
ところでボコボコにしたの俺だよな。俺しかいないよなあ]
はああ……なんかあちこちから喧嘩の声聞こえるし怖……
[左腕はどうも力が入らないので、背負った人間がちょいちょいズリ落ちそうになる。
教会へ、と思ったけどこの調子で歩くには遠すぎる。だからまず3ブロック先にある自分ちへ連れて行こうと思っていた**]
[鋭い金属音が広間に響く。
喉元に迫った短剣を同じく銀の短剣で阻む。]
やかましいなと思ってな。
[短剣を受けるや否や反対の腕を回し後ろ首を掴もうと手を伸ばす。
足を後ろに引き身体を反転させるとそのまま顔面から背後にそびえる壁に叩きつけようとする動き。]
そうだな。
[ぬるい微風に鼻先を晒し、猟犬のごと血の香を嗅ぐ。]
人が多いのはこちらの方だな。
[視線を向けるのは教会のある方角。]
だいぶ多くの血が流れたから、分かりにくくなってきている。
急ごう。
私は人間嫌いだが、何の躊躇いもなく自らの命を捧げようとしたお前の事は素直に感心した。
[戦いの最中だが興奮するでもなく静かに話す。]
吸血鬼になれば全て失ってしまうのか?
[何か抗議めいたことを言いかけた彼の声が掠れる。
やはり、この身体は敏感にできているようだ。
彼は、気づいているのだろうか?]
私が最初に告げた言葉を覚えているかい?
[抗議も要求も聞き流し、抱きすくめたまま囁く。
足の甲に落とされた彼のかかとは、柔らかな圧をもたらしたのみ。
人間の身体は、聖なる銀ではできていないのだ。]
おまえが欲しい。
我慢できない。
今すぐ欲しい。
[彼の息づかい
彼の肌の熱、
彼の掠れた声。
全てに煽られて、もともと乏しい忍耐心は限界を越えていた。
黒衣は霧のように溶け失せ、滑らかな肌を合わせる快感に酔いしれる。]
離しはしないよ、愛しい子。
[彼の両の膝裏をすくい上げ、腰の上に持ち上げる。
身体を傾け、彼の肩を浴室の壁に押しつける。
温かな湯が降り注ぐ下で彼の下肢を曝き、
猛り立つ熱を、未だ破られざる門へと打ち付け、打ち破った。*]
[短剣同士がぶつかり合う。次の瞬間後ろ首を掴まれて壁に激突しかけるが、無理矢理に身体をねじって回避する。背中から壁にぶつかるがたいしたダメージではない]
せっ!
[同時に伸びてきた手を反対の手で捕らえ、ねじった勢いで投げ飛ばさんと振るった*]
[腕を伸ばした記憶はないが、腕を捕らえられ投げ飛ばさんとされようとすれば素直に投げられ身体を捻り着地する。]
最近の聖女様は戦闘訓練も受けるのかな?
[素朴な疑問を口にした。]
そのままにしてて。
[彼女の背を抱くようにしながら、ボウガンを構える。
狙いは、棚の裏にいるだろう吸血鬼。
狙いを定めて、連装の矢を続けざまに放った。
最初の矢は、狙った書架の最上段に突き刺さる。
それより少し上に放った矢は書架を飛び越え、最初の矢に繋がった鎖で急角度に方向を変える。
見立てが外れていなければ、二の矢がアイツの頭上か背後から突き刺さる、はず*]
村の更新日が延長されました。
[>>72首に腕を回されて柔らかな淑女の身体が触れれば、僅かに身体を強張らせた。
所帯を持つ事は考えていなかった為、女性に触れる事など仕事を通してしかない。
胸元に挟まった蝙蝠の鳴き声が現実に引き戻してくれた。]
……メルヒオルだ。
[吸血鬼に名を晒す事は危険に思えたが、血液を捧げる方が余程に命の危険に直結していると思えば、名のみを伝え。
首筋を晒さぬように伸ばしていた髪を避けられれば、いよいよ、と息を詰める。
触れれば身体に力の入っている事が分かったのだろう。
助言を与えられる。]
──別に痛くても構わん。
[これは、騎士としては恥ずべき事なのだから。
少しだけ息を吐き、力を抜く努力はしてみるが。*]
忌々しい坊主ども、祓魔師、聖堂騎士。
ウェルシュ卿の言っていた、吸血鬼狩人もいるかも。
[謡うように節をつける。]
それならば、公に献上するに足る供物になるだろう。
[高度は高かったが屋根伝いに跳躍しながら地面へと到達するのは一瞬だった。
城門を潜ればそのまま民家の屋根へと登り屋根伝いに市街を移動していく。
何処を目指せば良いかわからなかったが一先ず広場で剣を回収すれば昔よく遊んだ通りへと。*]
/*
しかしこれやっぱりミリアムをふってアレクシスに走った、みたいな感じになってるにゃあ
申し訳ない気もする(そりゃミリアムもうそつき言うよね)
/*
さて、縁故が残ってるのはウェルシュとレトだけど、レトはゾフィヤ戦中だし、ウェルシュのとこ行こうかな?
と思いつつも辿る方法が無い
[広場に置かれたままになっていた剣。
吸血鬼であるアデルムンドが持ち去る事も無かろうがその姿を見つけ安堵の息を吐く。
昔よく遊んだ通り、そこに幼い頃の友人の家があったと思うが…、]
[吸血鬼に襲われるだけならば、街全体で見た場合に生き残れる確率は正直かなり高いだろうと踏んでいたが、この状況ではそうはいかないだろう。
存在を悟られたくはないと逃げたものの、このようになってしまった街で残っているものといえば、]
/*
状況整理
シェットギィ(多分窓でちちくりあってる)
ミリアムメルヒオル(今度こそ履行?)
レト対ゾフィヤ&ウェルシュ(ウェルシュ隠れ)
ダルメシアン救助に向かったシルキー
教会襲撃中のアデルエディ
>>いくところがない<<
効くとも
[毀れやすそうな、細い細工の銀の装身具>>99に頷いた。
長手袋に覆われた指を少し揺らしてみせる]
でも試さぬほうが良いわ
あれがロザリオであったから甘んじて受け止めたの
もし銀の弾や刃であれば、
……私が滅ぶより前に其の者が死ぬことになる
[あの時、あの広場で手を取ろうとしなかった聖女。
もし聖女の隠していた銀の気配が、この身を害していたならば。
彼女も、聖堂内の盟約の代たちも、みな汚毒に溶かされて死んでいただろう]
そう、メルヒオル
[喉へくちづけ、舌を肌に乗せ]
ペンダントは恋人のものではないの?初心なのかしら
[力を抜こうと吐かれる息を、愛らしいと。
呼吸を数え、ひとつ、ふたつ
そうして、僅かにくぼみを為していた皮膚を破った]
[あるいは痛みを伴うことこそを、望まれていたのかもしれないけれど。
戦闘の手段として研がれていない牙は、食餌に対してはただ甘美を与うための毒しかもたない]
──…
[眉を寄せる。
口腔に広がる滋味。淡い薫と力強い拍動、けれどこれは──]
ん…
[微かに吐息を零し、己の記憶のほつれを探して目を細めた*]
[ 踵で踏みつけてやったが、檳榔卿は痛痒も感じていないようだった。
靴を履いているせいもあるのだろう──が、一瞬で感触は変化する。
銀の燭台で殴ったときのように衣服が溶け失せ、彼もまた一糸まとわぬ姿をとっていた。
矢継ぎ早にかけられた言葉を遮るように身体を突き放そうとするが、檳榔卿の腕は、指は執拗に絡んで逃さない。
鍛えた騎士の肉体を軽々と掬い上げる膂力は、確かに人ならざるものだった。
壁面に張りつくように上体を押さえ込まれ、シェットラントは身じろぎもままならない。
そのまま強引に足を開かされる。]
[ 対戦も、吸血も、紅の魔性を満足させるには至らなかったのだ。
寛げられ無防備に暴かれた場所が、情欲の証で押し破られる。]
──っうあ゛ …ああぁッ!
[ さらに深く熱い部分まで抉り込まれる感触にシェットラントは声を抑えきれず、壁面タイルの目地に爪をたてる。
狭い浴室で、その声は殊の外よく反響した。]
[ 排水口に吸い込まれてゆく湯に、真紅の一筋が混じるのを見て、男にも破瓜があるものかと感じる。
経験のない行為に、どこか裂けたに違いない。
明らかに異質なものを肉体に飲み込まされ、意識が掻き乱される。
排除したいと思うのに、却って身は竦んで陵辱者を締め上げていた。
矢で射られた時、筋肉が鏃を咥え込んで抜けなくなると聞いたことがある。
それと同じ現象が起きているのだろうと思った。]
──… これが魔の本性 か
[ 弱音を吐くまい、嘆願すまいと、唇を噛んで苦鳴を押し殺す。*]
[たどり着いた自宅は、屋根に大穴が開いていた。あー。
けれど壁や扉は無事。
仕立て屋を背負ったまま、ガチャガチャ]
はあ、ふう
……
[これマズかったかな。
アデルムンドさんのブローチも効く相手と効かない相手がいるみたいだし。
逃げ隠れするのが気概だとか言った先からこの調子だ]
……
[とりあえず、自宅の中に入る。
作業場(大工)の隅の長椅子に背中の男をどすんと転がした*]
[堕ちた聖女が去った後、金の鳥籠へと歩み寄る。
囲われた空間の中で、領主は底に倒れ、冗談か何かのような勢いで胸の傷から血を噴き出させていた。
傍らの夫人は、今は時折弱々しく呟きながら、すすり泣いている。]
勝手に死んでいただいては困るのですよ、領主殿。
[鳥籠の外から中へ、格子の存在などないもののように歩み寄り、今宵の支配者は領主の胸に手を当てた。
それだけで、噴き出す血が弱まり、止まる。]
貴方がたには、生きて、見届けていただかなければならないのですよ。
私たちとの盟約を疎かにすれば、何が起こるのか、
そして、教会がいかに無責任かを。
[白金のナイフを手に取り、領主の胸に当てた手を上から貫き通す。
夫人の引きつった悲鳴と、領主のくぐもった叫びが、不協和な二重奏を為した。]
特別ですよ?
貴方に注ぐには惜しいものですが、
貴方に死なれてしまっても困るのです。
お喜びください。
あなたは長命を得るでしょう。
代わりに陽光に少々弱くなりますし、
聖堂騎士には、悪と判定されるかもしれませんが。
普通に生きていくには、困ることはないでしょう。
[白手袋ごと手の傷が癒えていくのと同様、領主の傷口も目に見える速度で塞がっていく。
血を介して分け与えたのは、吸血鬼の治癒能力のみ。
領主の声が止み、戸惑ったように身を起こすのを見届けて、鳥籠の外に出る。]
夜明けまではまだ時間があります。
どうぞ、お楽しみいただきますよう。
[柔らかな声を掛け、鳥籠の傍らを離れる。
手すりに拠って街を見下ろせば、狂騒の宴はますます熱を帯びていくようだった。*]
― 教会前広場 ―
さて、どれほどの護りが施されているか……
[指先に血の力を集め、鏨の如き鏃を付けた長い矢を紡ぐ。
つがえるて、自らの身長ほどもある血色の長弓を構え、ギリギリと引き絞る。
狙うは聖堂の扉、やがて凄まじい弦音が空気を裂いた。]
[ 狩人が起き上がって、少女が武器を取り落とし、二人が接近して、殺し合いに──ならなかった。
あまつさえ、狩人が見当違いの方向にボウガンを撃った意味を予測できなかったウェルシュは、不意打ちを食らうことになる。>>94]
── えっ
[ 急に角度を変えた矢に背を縫い止められて、衝撃によろめき、狼の背から転げ落ちた。*]
/*
アヴェさんかな??(セルフツッコミ)
喉仏がぶり、だと想定しているので、
あんまり声出せないかなと思ったら、その、喘いでしまった。
[甕の水は無事だった。まずはいっぱい、口をすすいでついでに飲んで。
布を持ってきたら呻いている仕立て屋の肩と頭に乗せ直す。
ちょっと怖いから手足は縛っておこうか、って縄を持ってきて、縛……しば……]
無理だあ
[噛み付かれた二の腕がジクジクする左手、動くけど力は全然入らないって話。そうして格闘しているうちにあっという間に数分経ってたんだろう]
はーい
[ノックの音に返事した。
右手で金槌を掴んでドアの方をうかがう]
開いてるよお
[そういえばあの説はどうなったんだろう、吸血鬼は招かれないと入れないっていうやつ。
まあ今招き入れてしまったけど]
[本来は、ひとつひとつ丁寧に慣らした後に挿入してやるべきだったろう。
けれども、そんな手順は踏んでいられなかった。
せり上がる思いのままに彼を抉り、突き上げ、蹂躙する。
流れ落ちる湯のみでは潤滑剤には足らず、押し開いた隘路は当然に裂けた。
破瓜の印が一筋の赤となって流れていく。
破られる苦痛を当然に知りながら、手を緩めることはしない。
タイルに反響する声が、なおさら興奮を呼び覚ます。]
私がおまえを欲しいと言うのは、
おまえの全てを求めることだよ。
[食いしばるかのような声に応え、思いを告げる。]
私の心を震わせるもの。
私を熱くするもの。
私は、おまえと出会うために、ここへ来たのだよ。
[運命論者のように告げ、なおも彼を揺すり上げる。
腰の上で彼の体を弾ませ、深い上にも深く己を刻み込む。]
おまえが私を締め付けている。
感じるだろう?欲しがっているのだよ。
おまえの身体はとても敏感で感じやすいから、
すぐに私を受け入れて、気持ちよくなるとも。
[耳元に囁く言葉は、信じられぬことだろう。
今はそれでいい。
その言葉を、彼の心に植え付けるだけで良い。*]
……
[ぱちぱちと瞬いて、長椅子の横に立ち上がった]
さっきの君、チョビを呼んだ?
えーと
[次の言葉はこうだ。
もしかしてシルキーの娘さん?*]
………
[こんな時に呑気に返事をする奴があるか?
いや、ノックをした自分も自分なのか?
心配した自分が馬鹿だったのか?
目眩がしたがそれでも一応ドアに手をかける。]
『聖女様!!』
[宵闇を歩いていたその時、聞き覚えのある声が聞こえてくる。振り向くと、男女二人組みの侍者がそこにいた。大聖堂に居たこの街の侍者だ。いつの間にか大聖堂付近へ来ていたらしい]
貴方達は……無事でしたの?
[聖女様こそ、と侍者が告げる。彼女は確か、あの時>>0:147後ろで泣いていた若い侍者だったか。そんな事を思い出していると、突然の轟音>>128]
今の音は!?
まさか、教会に襲撃があったのでは……
[やはり約定を守るつもりはないか、とため息をついて首を振る。男の侍者は急ぎましょう、とこちらを誘う。
くすりと笑って同意を返して――]
……へえ。
[感心した、と言わんばかりの声音。]
腐っても神の家、というところか。
[続いて、二の矢三の矢。
聖人を描いた壮麗な浮き彫りが、連打を受けて見る間にへこむ、穿たれる。
遂に衝撃に耐え切れず、大扉は外れて聖堂の中へ吹っ飛んだ。]
ええ、急ぎますから。手早く済ませますね?
[男の頭に真紅の刃を突き立てる。聖水を持っているのはこちらだ、指示をしたのだから覚えている。男は声を上げることも出来ずに絶命した。しかし一切血は噴出さず、真紅の刃がまるで血を啜っているかのようにきらめきを増していく]
ああ、ごめんなさいね。ちょっと服もぼろぼろになってしまいましたから。
貴女のをお借りしますね?
[地面にへたり込んでいた彼女が逃げようとするが、逃しはしない。彼女の口をそっと手で塞ぐと――服を汚さないように牙を突き立てる。極限まで目を見開いた彼女の絶叫が手の中で響いたが、やがてそれも途絶える]
[血潮を吸い尽くせば、人間は脈も体温も保てず死へと転がり落ちる。
その程度のことは周知だろうけれど]
……
[少なくとも、最初に意図したよりもはるかに早く、吸血鬼はその唇を離した。
せいぜいが眩暈や脱力をもたらすだろうと思われる量。
牙の抜き際、破った血管と皮膚に流血を塞ぐ弱い治癒をもたらしながら、顔を離した]
[鎧を外した騎士の、胸へと左手をあてる]
どうして
人間ではない?…いいえ、お前は人間のはずだわ
[困惑めいた感情がおもてに過ぎった*]
― ダルメシアンの家 ―
[長椅子の横に立った男。
改めて対峙すれば過ぎた年月の長さを思う。
吸血鬼にしてみれば昨日の事のようなものなのかもしれないが女には十分に長かった。]
母が街を出たのは幼い頃なのに、よく分かったな。
[自分は名前もはっきり思い出せないのに、]
…名前、なんだっけ。
[母から聞いたけど、忘れたと。]
― 教会・大聖堂 ―
[阿鼻叫喚が巻き起こった。
重い扉の下敷きになり、数人が命を失い、さらに幾人かが重傷を負った。軽傷の者はその数倍。それ以外にも、避けようとして転んだり、逃げ惑う人の群れに押し倒され、踏み潰される者。
聖女のお陰で吸血鬼の襲撃を免れたと安堵していた分、衝撃は大きかった。
騎士たちが蝙蝠を閉め出してくれたお陰で、赤い霧の発生も知らぬ。
神に縋り、守ってくれる者に縋る神の仔羊の群れには、自分と自分の身内以外を思いやる余裕はない。]
ああやっぱりー
[そうだよね、だってそっくりだ]
わかるさ。だって
[ああ、と金槌を作業台に戻した]
……似てるって言われるだろ?
シルキーが大きくなってかあ。君みたいに可愛い子になったんだろうなあ
[ 透明な馬にでも跨るかのような態勢のまま、揺すり上げられる。
穿たれ軋むような鈍痛が腰骨から脳天まで突き抜け、巡り巡って膿んだ熱となる。
紅の魔性の口説き文句は、耳に入ってはいるけれど、受け入れ難かった。]
恨まれる のを、 わかって いて、 しているように、しか… 思え ぬッ
[ 少なくとも、彼の標的が姫でなかったことは不幸中の幸いだ。
そこにしか救いを見出せないでいる。]
チョビの飼い主だったダルメシアン
チョビ、可愛い子だったんだ。シルキーが覚えててくれたなんて嬉しいね
いやこんな話してる場合じゃないんだけどさ
[しかしこのタイミングで街に居るなんて、ひどい災難なのかそれとも自分から来たんだか]
君は、ハンターなのかい
どこも怪我してない?強いなあ
ちょいとこのおっさんの手足縛るのを手伝ってくれるとありがたいんだけども
[急に暴れ出したことを説明して。でもなんとなく、顔面やら肩を石で殴ったことはうやむやに*]
[ 誰でも最初は痛くて辛くて泣きたくなる──それが繰り返すうちに快感を覚えるようになり、強く求めるようになる──とは、よく聞く話だ。
無理やりに抽送を繰り返されるうちに、檳榔卿の動きが次第に滑らかになっていくのがわかる。
コツを掴んだのかもしれない。
受け止めるシェットランドの方は、相変わらず、早く終われと願うばかりだ。]
わたしは騎士だ。 売春婦では…ない。
この面で相手を満足させる手管など、持たない──
[ 敏感で感じやすい肉体など──むしろ、おぞましい。
ゾクリとした震えが、爪先まで走る。*]
……わたしは、人間だとも。
何故、そのような事を。
[出自に疑いがなければ一笑に付すべきところだが、その声音は僅かに震えていた。**]
っつ……あっ…!
[目指す書架の裏へ回り込もうとしたとき、足がもつれる。
なにかに躓いたわけではない。
強いて言えば、自分の足に躓いた。
もとより、怪我を受けすぎたのだ。
血が足りない。意識が遠のく。]
く、そ……っ…
[暗く落ちていく視界に抗うが、身体はもう意思に従わない。
杭打ち機とボウガンを固く握りしめたまま、意識は闇に落ちた。**]
鎮まれ。
[戸口から響いた声に、群衆は動きを止めた。
叫んでいた者も泣いていた子も、これまでのパニックが嘘のように口を噤み、足を止め、切り取られた夜を背に、篝火に照らされたふたつの人影を凝視する。
そっくり同じ鏡写し、片方は弓を携え、片方は剣を提げた、戦装束の若武者。
瀕死の呻き声だけ残して静まり返った聖堂に、若い声が朗々と響き渡った。]
お前たちはここで何をしている。
そう、お前は人間
[言葉を重ねるように返し。
時間をかけてゆっくりと微笑を浮かべた]
たぶん吸血鬼とすれ違いでもしたのかしら
お前か、近しい親族あたりが
[親に対し、血の子は狗のごときもの。どれほど薄くとも決してその気配を見失わない]
ただほんの少し、お前から
どうでもよい、些事だわ
[何をしている、と問われて民衆たちは戸惑った。
まず、問いの意味が分からない。
街を襲った吸血鬼たちから身を隠すために教会に籠もっている、と声に出して言うのは憚られた。
かと言って、適当な言葉で誤魔化すのも恐ろしい。
聖域の扉を打ち壊すような怪物に、返す言葉が見つからない。
気まずい沈黙がしばし流れた。]
恨まれる?
ああ…そう。初めはそうだろう。
けれども、おまえは苦痛の底に喜びを見いだすと思っているよ。
[言葉を交わす合間にも、たゆむことなく彼を持ち上げ、落とす。
締め付けられた摩擦は熱を生み、愛しさを呼び覚ます。
滑らかになっているのは、彼が流す雫のせいだろう。]
そう快楽を忌避するものではないよ。
おまえには素質がある。
高潔なまま、私と悦びを共にできるようなね。
[現に、今も彼の肉体は確かに快楽を受け取っている。彼自身が認めていないだけで。
震える足を、指先で愛おしく撫でる。]
[高まる営みは、やがて臨界点を迎える。
彼は、未だに苦痛の内にあるだろうが、器はできあがりつつある。
そこへ、己の熱を解き放った。
体温を持たない種族にあるまじき熱の奔流を、彼の最奥に注ぎ込む。
彼を曝き、押さえつけ、無理矢理に呑み込ませ、己の印をつける。
そうすることで、彼も変わることを知っていた。
これは、最初の植え付けだ。]
―――堪能したかい?
[彼の足を床に降ろし、首筋に口付けて問う。
未だ硬いものを引き抜けば、赤と白の混ざった泡が流れ落ちてくるだろう。*]
[ 言葉とともに律動が送り込まれる。その質量が闇の奥に刻み込まれる。
魔物は古来、人間を襲い、怖がらせ、血肉を喰らい、殺してきた。
陵辱もまた人間に対する悪事のひとつだ。]
快楽を教え…れば、 免罪、されるというものではないッ
[ 苦しい息の下で頑なに甘言を否定する。
愛撫にも似た手つきで撫でまわされるものだから、
勃起とまではいわずとも下腹部に血が集まって堅くなりかけているのはわかる。
それもまた苦悶の種だ。]
[ シェットラントの反発など意に介さぬ態で、檳榔卿は昇りつめ、吐精した。
出された瞬間はわからなかったが、動きの質が変容したことでそれと知れる。
より艶かしい、トロリとした摩擦に、身体の奥から滾るものが湧いて出て、シェットランドの先端からも透明な糸引く雫が落ちた。]
…っふ、 ぁ
[ 凶暴な質量が抜き去られ、残された空隙に、安堵より取り返しのつかなさを感じる。]
[ 堪能したか、とはこちらの台詞だろう。
排水口へと流れてゆく色を見て、無言で手桶をとり、湯を被る。
剣技で負けても相手に遺恨は覚えないが、これはその範疇ではない。
使命を果たすためとの矜恃がなければ、我を忘れてしまいそうだった。*]
[騎士は手桶に湯を汲んで、無言で身体に掛けている。
その背中には、こちらへの拒絶と怒りとが見えるようだ。
おまえの身体も、反応していたのに。
私はまだ収まっていないというのに。
一足先に浴室を離れ、戸口で彼の仕草を見守る。
自身は一瞬の霧化を挟めば水滴すら残らなかった。
彼が一通り洗い流したとみれば、大きな柔らかい布を投げ渡す。]
おいで。
まだ終わりではないよ。
[開いた扉から、部屋の寝台を指さした。*]
[ 寝台へ上がるよう示されて、浴室の壁に背中でもたれ掛かる。]
──…、
[ 肉体がというより、精神的な疲労困憊で病み上がりのような消耗を感じていた。
だが、生半な抵抗を見せたところで、笑って引きずっていかれるだろうことは、ここまでの経験から推察するにあまりある。
もとより、限界を訴え、容赦してくれと懇願する気もない。
騎士の肉体は、それほど軟弱ではない。
投げ渡された布で、毅然と身体を拭う。
焦らすためではなく、騎士らしい体面を取り戻すのに必要なだけの時間を費やした。]
[ 目が合えば手負いの獣のように睨みつけて、籠絡されたわけではないことを教えてやる。
部屋を出て、布を投げ返し ── その一瞬の広がりを目隠しにして、祭壇の燭台を取りに駆けた。*]
[騎士からの返答はなく、ただ念入りに身体を拭っている。
その小さな反抗でさえ愛おしくて、急かさず眺めていた。
こちらを見る瞳は激しく、強い。
まだまだ手折る楽しみを予感させくれる。
その期待に違わず、出てきた彼はそのまま駆けだした。
視界を塞ぐ布の向こう、跳ね上がる足が見える。
受け止めた布を視界から退け、躍動する裸身を堪能した。
動きの一つ一つが美しい。
濡れた髪から雫が散り、微かに上気した身体が弾む。
祭壇に向かう彼を鑑賞したあと、指を伸ばす。]
[彼の眼前に、闇色の網が広がった。
駆けてくる彼を包み込み、そのまま寝台へと運ぶ。
もう一度、彼と打ち合うのはきっと楽しい。
けれども、今はもっと楽しいことをしたい気分だ。]
何度も言い聞かせなければいけないのかな?
[闇の網は、彼を寝台に投げ出した時点で消した。
代わりに、言葉の楔を打ち込む。]
おまえは、おまえの為すべきことのために、
私に身を捧げているのだろう?
[指先で、隣の部屋を指す。]
うつ伏せで、膝を立てて、足を広げなさい。
腰を高く上げて。私に、よく見えるように。
[当然の口調で命じた。*]
[ 少女は、昏倒した狩人に見向きもせず、ウェルシュの方へとやってきた。>>154
それがなんだか嬉しくて、笑顔になる。]
うん、いい提案だね。
抜いてしまってよ、アナベル・リイ。
[ 銀ではないから身体が灼けるようなことはないけれど、鎖付きの矢を撃ち込まれているなんて、犬みたいで気に食わない。*]
[ 紅の魔性は、一歩も動くことなく、シェットラントの身体を寝台に投げ出してみせた。
かろうじて受け身をとり、枕を掴んで身構える。
対処の手荒さに反して、檳榔卿は苛立っているようには見えなかったが、向けられた言葉は辛辣なものだった。]
──ぅ、
[ 身を捧げた覚えなどない。
だが、姫の安全と引き換えに、彼の要求を飲まざるを得ないのは、己の力不足が招いた結果だった。]
[ 身体検査をするかのような指示を下されたが、ただ恭順の姿勢を取らせたいだけでないことは、今し方の経験から察してしまっている。
彼は、彼が侵略した場所を見せろと言っているのだ。
見て、それで満足するはずもない。
「まだ終わりではない」と告げた声が蘇り、シェットラントの眦に朱を刷く。
けれど、そこに葛藤を抱くのは、心に疾しいところがあるからだろう。]
── 誰がしたくて、このようなことするものか
[ 口悔しさをなけなしの文句にして吐き、重々しく身体の向きを変えて命じられた姿勢をとる。
屈辱を覚えてはいても、それゆえにこそ、整列を命じられた際のように毅然として筋肉をそびやかして心を鎧う。*]
― 教会・大聖堂 ―
[沈黙を破ったのは、教会の司祭だった。
酷く青ざめ震えながらも、神の御名において立ち去れと、十字架を掲げ、戸口の化物たちに命じる。
城の司祭たちが襲撃に無力だったと聞いてなお立ち上がったのは、信徒を導く立場の責を思い出したか、それとも自ら犠牲になりに外に出た聖女を黙って見送ったことに後ろめたさを感じていたからだろうか。
次いで、武装した騎士ふたりが悲壮な顔で剣を構え、その前に立った。教会を頼むという上官の命>>1:126に従ったのだ。
彼らは既に吸血鬼の法外な力を直にその目で見ていた。まさしく決死の覚悟だった。]
[ 打てば響くような反応で、少女はボウガンの矢を引き抜いた。
容赦無く肉がこそげたけど、吸血鬼の肉体再生力をもってすれば、いずれ跡形もなく癒えるはずだ。
なにしろ、今宵、この街は吸血鬼の力に覆われている。]
君は有能だな、アナベル・リイ。
ついでに、あの狩人を狼の背中に乗せるのを手伝ってよ。
城に連れ帰って、
[ もうひとつ、お願いを追加しておく。
狩人を縛り上げる縄は、狩人自身の血から作り出してしまおう。*]
私が有能だったら今こうして矢を抜く必要もなかったと思うよ。
[引き抜いた矢を投げ捨てながら答える。
だからその分の働きはしないとね。
というわけで縄を受け取り、狩人の搬出準備を進めていく。
素人仕事なので割と雑だけど。]*
/*
あーーーウェルシュ城戻っちゃうの。ザすれ違い
レトも持っていかれちゃってるしこの状況で城には戻れないしわああ
今日は諦めよう!
[ 魅了の術が効いているのかいないのか、相変わらず吸血鬼にも平等に冷静な少女だと思った。
彼女が作業をするのを眺めながら、興を覚えてひとつ質問を投げてみる。]
人間の血を飲んだ感想はどうだい? アナベル・リイ。
*
こちらにとっては些事ではないが…
私を人間だと保証するのが吸血鬼とは、因果なものだ。
[ペンダントを掬い上げながら、ぽつりと呟きを落とす。
ダンピールがどれだけ吸血鬼と同じ特徴を得るかは分からないが、その保証をもっと前に受けていたならば、何か変わっていただろうか。
今更、家に伝える気はなかった。
掌を返す事もないだろうし、そうされて許せる筈もない。
その後は黙ってペンダントを首から下げて。]
私は騎士の務めに戻る。
約束が違えられない事を祈っておく。
[留められないならば、
そのまま身支度を整えて街の哨戒に当たろうと。*]
/*
これ、教会どうしような?
凄い音が立ってそうだから、PCが聞きつけたら気になるとは思うんだけど、
行くとしてもある程度終わった後の方が良さそうな。
PC的には地獄だけど。(好きにしていいよとメモで書いてあるし、PL的には全然OK)
PL視点でエディさん達のロルがしづらくなってしまいそう。
[悔しさを噛みしめながら、彼が恭順の姿勢を取る。
彼自身も気づいていないだろうが、おそらくは幾ばくかの期待も込めて。
大切なものを盾にとっての強要も楽しいものだ。
彼の様々な表情を堪能できるから。]
よくできたね。
ご褒美をあげよう。
[微笑ましい文句など聞き流し、彼の背後から近づく。
寝台に膝を乗せれば、柔らかなマットレスが沈み込んだ。]
[昂然と頭を上げるがごとく捧げられた秘所は、未だ痛々しく赤を滲ませていた。
無理もない。そうなるとわかっていて散らした痕だ。
外気に晒された円周を指先でつつく。]
ひくひくと動いているよ。
物欲しそうだね。
さみしくなってしまったのだろう?
[単純な生理的反応と知りつつも、言葉で羞恥を煽っていく。]
そんなに欲しがるここには、これをあげようね。
[彼の背に掌を這わせ、背骨のくぼみに口づけを落としながら、後孔の窄まりに指を忍ばせた。
爪で裂いた薬指は、吸血鬼の血を纏って中へと潜り込む。
血がもたらす癒やしは、首筋同様に彼の傷を塞いでいく。
感覚への作用もまた同様に。*]
そう、それは良かったことだね
人間にとっては災禍そのもののような方だったもの
[唇についた血の雫を舐め取る。
甘やかな芳香が鼻腔に漂い、瞬いた。
ペンダントを拾う仕草を見て、鴉が肩へ戻って来る。
この男が何を考えているか想像しようとして、馬鹿らしいことと笑みを深め]
もう今のお前からは私の匂いしかしないでしょう
興は削げたけれど少し、そう。せいせいした
私は、結ばれた約束は違えないのメルヒオル
祈りならば、もっと大切なものに使うことだわ
[くるると喉で笑った。
騎士の務めと彼は言う。そのために、自らの命も顧みず、辱めと考えるだろう行為すら諾々と受けいれてみせた。
けれど騎士という役柄にすがって己を保とうとしている彼は、すべてを取り零した時には。
それでも立ち続ける術があるかしら]
私たちの間の塵ほどの縁によって、ひとつ教えて差し上げよう
先ほどの人間たち、私は手出ししないけれど
[それから、さきほど絢爛公がしたように>>1:316
彼の視線を導くよう、手を掲げて背後を示す。
人間たちが去った方、そこに降り積む、禍々しい霧]
お前がこれほどに働いても、手遅れかもしれないよ
聞こえない?
──彼ら、殺し合いを始めているのではないかしら
…実はそろそろ水飲みたくなってる。
人間の味覚は血を飲むようには出来てないんだと思う。
それさえなければいい返事してあげられたと思うけど、期待に沿えなくてごめんね。
[多分この吸血鬼は「最高の気分」とか「案外悪くない」とか言わせて仲間に迎え入れようとしてたんだと思うけど、人間の身で飲みたいものではないと思わずにはいられないのだった。]*
黙れ!
[ あさましい姿を晒すことに「ご褒美」などという言葉を組み合わせてくる檳榔卿に、押し殺すようにして言い返す。
マットレスが沈み込み、彼が近づいてくるという前触れを感知すれば、我知らずきつく目を閉じて身体を硬くした。]
──っ!
[ 掲げて見せるようにと命じられた場所を見られる。
観察され、評価され、予期に違わず嬲られ ── 血が迅った。]
…んッ!
[ 背中への接触に気を取られている間に、中へ挿入されたのは指か。
先ほどのような質量はない。
それならばいいというわけではないが ── 焦らされる。
シーツを握る指に力がこもった。
奥にはまだきっと、檳榔卿が放った精の残滓が溜まっていよう。
それを思うと恥辱がこみ上げてきたが──覚悟とは裏腹に、指が潜り抜ける痛みは消えてゆく。]
…何を した
[ 治癒を通り越して、活性が高まりすぎてはいまいか。
痛みに怯むべくもないのに、余計なことを。*]
謝るなんて、いい子だね。
何も問題はないよ、アナベル・リイ。
[ まだ人間なのに、血が美味しいとか言われても困り物だろう。
狩人の拘束が済めば、少女に声をかける。]
君も一緒においで。狼に乗せてあげる。
城についたら、その汚れてしまったワンピースの代わりに、黒いレースのドレスを着せよう。
着替えるときに、胸をよく見せてね。
[ 嬉々として計画を告げる。*]
[やがて民衆の幾たりかが、双子が一向に聖堂の中に入ってこないことに気付いた。
ひょっとして、化物たちは教会の中には入れないのではないか――半端に頭の回る愚か者が、そう思い至り。]
『あ、あ、あ、あいつは言ったぞ!! 俺たちに手を出さないって!』
『そうだそうだ! 女吸血鬼が約束したんだ! あんた方は俺たちに手を出せないはずだ!』
『聖女様が身を捧げて下さったんだ!! 俺たちのために!!』
[上擦った声で言い募る様は、調子外れの輪唱のよう。
血相変えた騎士たちが、慌ててやめろと叱責したが――もう遅い。]
あぁ、そうだ。
ダルメシアンだったな…チョビなんて言ってすまなかった。
…死んでしまったか。そうだな。
[街を出てから40年近く経っている。
あの可愛いかった犬がまだ生きているわけもなかった。]
ハンターではなく、…傭兵みたいなもんだ。
[部屋の中に転がっていた男を縛りながら答える。
万が一のために捕虜を縛るときの結び方で縛っておいたため、そこから抜け出す事はないだろう。]
…そういえば、広間にいただろう。
双子の吸血鬼の片割れと何を話していた?
むしろ、よく襲われなかったな。
その方は何と仰った?
お前たちの身の安全を保証するにあたり、何を条件としたのだ?
[静かな声色であったが、騒いでいた者たちは一斉に口を噤んだ。]
― 教会 ―
[バサ
澄んだ青(黒)の翼をはためかせ、鴉は霧の波間を泳ぐように翔び]
カァ
[聖堂、屋根の壊れた鐘楼に留まった]
くるる
[耳を傾けるように首を動かす*]
[嵐の前のような静寂が支配する聖堂に、双子の声だけが響き渡る。]
さきほど「聖女が身を捧げた」と言ったな。
お前たちは自分たちの命の
さようなら。
また会う事のない事を願う。
[そのまま剣を握り締めて、駆け出していく。
向かうは、部下達の逃げた筈の紅い霧の中。*]
[強い拒絶の言葉も、今は別の意味合いに聞こえる。
期待と羞恥が入り混ざった、陵辱の誘い水だ。]
気持ちよさそうだね。
[指を受け入れた瞬間に、小さく撓った背を愛でる。
なにをされるのかと神経を尖らせている身体は、待ち受けているも同様だ。
彼の言葉もまた、尖っているようでいて、期待しているに違いない。]
今度はおまえが、存分に感じるように。
[囁いて、届く限りの奥まで指を送り込んだ。]
おまえの身体は本来敏感で、感じやすくできている。
先ほどは痛みが勝っただろうけれど、
痛みの中でも快楽を得ていたはずだよ?
思い返してごらん。
悦びの萌芽が、奥底にあっただろう?
[指先で隘路の壁を引き回しながら、柔らかく語りかける。
精の名残は指先に絡みつき、濡れた音を立てた。]
それとも、もう指の一本では物足りないのかな。
今のおまえなら、もっと入るだろうね。
[言葉通り、指を二本、三本と増やしながら、今度はじっくりと彼の内側を寛げていく。*]
― 自宅 ―
いやあ、想像だけどねえ
俺たちがよく遊んでたのはほんの子供の頃だけって話
[噛み付かれて袖の布がぼろぼろになってしまった上着をどうにか脱いで、別のを肩にひっかける]
でもそうだな
顔もだけど、雰囲気とか……生き写しみたい
──もしかして、心配して来てくれたのかね?
こいつなあ、クレメンスっていうんだが。急におかしくなったもんで
呪いとかなんかなら、教会に連れてけば助かるんじゃと思うんだけど
一緒に来てくれたりしないかなシルキー
[片手で拝むように頼んだ。
名前を思い切り間違えたどころかまだ聞いてもいない?気づいてない*]
あら、また会えたらもっと悦くしてあげるのに
いつでも私を呼んで?メルヒオル
[駆け出していく背へ、少しドレスの裾を持ちあげ会釈した>>183]
決闘の邪魔をするな…?
[成る程、止めてくれていたのかと薄く笑った。]
おま…あなたが決闘を申し込むのか?
そりゃ死ぬな。
[恐らくあの双子にそんなつもりなど無いのだろうと思いつつもそう返した。]
ふふ
子供の泣き声は厭だわ
可愛らしくて、悲しくて
ねえ?アズリウ
[眷属たる鴉の名を呼ぶと、教会の鐘楼の上で鴉がちょこりと足踏みをした]
連れて行くだと!?
[流石に大声が出る。
思いっきり気絶していて起きる気配も無ければ起きて暴れないという保証はない。]
……どうやって運ぶ気だ。
[だめだやっぱり目眩がする。]
/*
現状、こうなるのかな?
ゾフィヤ、レト、ウェルシュ:図書館→城?
アデル、エディ:教会
(→シルキー、ダルメシアン)
ミリアム:鴉は教会確定
ナネッテ:???
メルヒオル:???
投げ出したからと言って
相手に届けなかったならばそれは、捧げたとは決して言わないでしょう
[聖女は失われたけれど、ナネッテはこの手を取らなかったのだから。
対価を受けていないのだから盟約は最初から成立してすらいない]
それに、私は"今この時"見逃すと言ったの
言葉を曲解されては困るわ
身代わりとして敬虔な聖女を破滅させておきながら。本当に身勝手ね?
[ふふ、笑って歩き出す*]
― しばらく後 ―
行くぞ!走れ!
[2つの影が動き出す。片方の影は形が歪だ。]
途中で止まったら許さんからな。
[隣を走る男の手に渡した鞭はあっただろうか。
連れて行くと言った男を背負って走れんのならお前が露払いをしろと凄んで渡そうとしたもの。]
うん、きっと素敵だ。アナベル・リイ。
[ 準備が整えば凱旋だ。
少女にも狼を一頭あてがい、その背に乗せる。
図書館の外では赤い霧がたちこめ、狂宴の余波にあてられた人間たちが互いを食らいあっている様子。
猿が人真似をするようようなものか。
優雅さもなく、たたただ騒々しい。]
[ 少女(と狩人)が霧の効果を受けてしまうかどうかはウェルシュにはわからない。
少女が人間たちの群れに帰ろうとするなら、そうさせておこうと思う。
偉大なる
ウェルシュ自身は城へ戻るのを優先したい。]
よし、行くよ。
[ 偵察コウモリを先触れに飛ばし、図書館を後にする。*]
[約定はこの御方のものだろうか。
一族が奉仕するは絢爛公のみ、如何に貴き御方であろうと余人に従うつもりはない。
しかし公の客人の機嫌を損ねるのは如何なものか。粗相があれば、宴の主の器量が問われよう。
であれば。
一言ご挨拶申し上げねばなるまい。]
襲ってくる奴がいたらとりあえず無茶苦茶でもいいから振り回せ。
[わかったな、と知り合いの男とやらを背負い走りながら凄んで見せる。
さてどうやって教会へ行こうかと相談した最中に話に出た双子の片割れから貰ったらしいブローチはつけさせてある。
大人の男1人を背負ったとしても走る速度は隣を走る男よりは早かっただろうがなるべく並走するように。]
[片割れと頷きも視線も交わすことなく、身を翻す。
人間たちには急にひとりが姿を消したように見えたろうか。
素早く地面を蹴り、壁を走り。
瞬きの間に、教会の鐘楼の上に立っていた。]
[丁寧に一礼し、大鴉に向かって話しかける。]
お客人のお一方とお見受けする。
教会の中の者どもに保護を保証すると仰られたのは貴殿でよろしいか。
― 鐘楼 ―
[くるる、鴉は喉を鳴らした。
上がって来た戦士に懐くように頭を擦り付け。
そうして細い声で言伝を囀る。ヒトの可聴域を外れた音色]
──御機嫌よう
[翼を半分畳んで、頭を下げる]
──是、けれど保証は不成
──この者達の怠惰と欺瞞の罪への贖いに
毒を流してあげようと思っていたのだけど
──それは貴方の御心に適わないね、オトヴァルトの子ら
[ちょこ、と足踏みをして]
──いくらでも見繕いになって?
──私、貴方達の戦舞が好きだと思うの
先ほどの流星、美しかったわ
[届く声は燦々と煌めくかのよう。]
待っていますよ、可愛い仔。
なにをしてきたのか、貴方の口から聞かせてくれますね。
[囁きは、彼の耳元で響く。]
[だって、悪い奴じゃないんだ。いい奴なんだよ。
ここに置いておいて死なれたら夢見が悪いって話。
とはいえ]
― しばらく後 ―
うう、
[走る。今日何度目だ。
もう一年分くらい走ったんじゃないかね?
しかも振動で腕の傷が痛い。ちょっと木材の棘が刺さったって床を転がるほど痛いのに、人間に噛まれた傷がちょっとした気合いなんかで無視できるわけない。
シルキーの娘が大荷物を背負ってくれるというのには、遠慮しつつもありがたくお願いしたけれど]
これ、当たったら痛い…んじゃないか
[握りしめた鞭を見て、上がる息をぜえ、と整えた。
大工は大工であって御者じゃないけども、振り回すだけならできるはずと受け取ったもの]
わああごめん!ごめんなあ
[鞭をぶんぶん振り回す機会は9(6x3)回くらいは訪れる。
町中がおかしなことになっているようだった。ひどい。
さっきみたいに凶暴な気持ちに自分まで引きずられないのは僥倖。
並走、というよりやや前を駆ける傭兵の彼女が、なんの迷いもなく教会の方へ正しい道を選ぶのを、横目で見ながら*]
……毒、ですか。
[戦に必要とあらば毒も使うが、確かにこの武門の一族の尊ぶところではない。]
いえ、先に貴殿が手を付けたのですから、如何様にも貴殿のご采配に委ねまする。
薄汚い鼠の駆除には十分かと。
ええ、ですが、そう、貴殿がお許し下さるのならば。
……奴らは自らの行いを恥じて死ぬべきだ。
[ 存分に感じるように、何をしたというのか。
指は太さでは及ばずとも、複雑な動きをして中を弄る。
濡れたような音がするのは、水薬だろうか。
痛みが溶けてゆく代わりに、もどかしいような熱を孕む。
これは、喉の噛み跡と同じだ──]
― 街 ―
[走る狼の背中で目を覚ます。
いや。実を言えば少し前から意識は戻っていた。
どうやら狼に縄で縛られているのはわかったけれど、縛り方が若干甘いのか、頭を地面に擦りそうで怖い。
この場合は、甘くて助かったと言うべきだろうけれど。
あの場で吸血鬼を仕留められなかった以上、今は打つ手はない。
今はともかく、逃げるが勝ちだろう。]
やめ…ろッ
[ 指が増やされ、さらなる惑乱を誘う。
上体を支えていることができなくなって、肩をマットレスにつけてしまった。
そうすることでより角度をつけて腰を上げることになり、深く入り込んだ指が今までとはまた異なる刺激を与える。]
──ッ
[ 声を堪えた分、腹に力が入った。]
[靴の踵から、とっておきのシルバーナイフを飛び出させる。
とっておきの理由は、高価なのもあるけれど、材質が材質だけに一度使えばなまくらになるからだ。
けれども、今は銀の刃が功を奏した。
苦労して掴んだナイフで縄を切る。
吸血鬼の力で作られたらしい縄は、銀の刃であっさりと切れた。
疾走する狼の背中から転げ落ち、街路の端に空いていた穴―― たぶん、図書館の屋根を砕いたのと同じ力の仕業だ――の中へとさらに落ちていく。
落ちる先は、おそらくは街の地下に縦横に伸びているらしい地下墓地だ。*]
剣を渡した方が良かったか?
[痛いんじゃないかと言われれば当たり前だと首を落とす。]
痛いが、死なん。
この状況だとこれが目一杯だ。
教会まで無事にたどり着けることを祈れ。
[途中9回程は縄を振り回す機会があり、自分もそれを避けながらの移動。]
…こっちだ。
[道を間違える事はなく進んでいく。]
[ 何か。 何か知らないが、そこに何かある。
目覚めさせてはいけないものだ。
これは、無理強いされた、おぞましい行為なのだから。
どうか、気づいてくれるな──。*]
お前達、やめろ…!
[紅い霧によって、狂暴化した人間同士が争っている。
普段は仲睦まじくしている人々が鬼に憑かれたかのような形相で互いを害し合っている光景は地獄のようだった。
背後から取りついて引き剥がしを試みるが、すぐにまた別の人間が襲い掛かってくる。
金属の鎧越しに歯を立てる姿は吸血鬼のよう。
絡みつかせた腕で首に圧をかけて気絶させ、矢の蹂躙を受けていない家屋の側にいた者に向かって投げ飛ばした。
民に剣は振るえない上、向こうは手加減なしにかかってくる。
ある意味では吸血鬼よりも厄介な相手といえた。]
― 教会 ―
……なんだ?
[教会には無事に辿り着いたものの異様な雰囲気に低く声を発した。
呼吸をそれ程乱すでもなく背負っていた男を地面に下ろすと首を鳴らした。]
[共に移動してきた男の様子はどうだっただろうか。
その様子を確認してから聖堂の様子を眺める双子の片割れの方へと歩みを進める。]
何をしている?
[並び立つと聖堂の中へと目を向けながら問いかけた。]
……シルキー…
[だめだ。中には入れない、もうあすこは安全地帯じゃない]
返すよ、鞭。ありがとう
[なるべく小さな声でそう言って、鞭を手放して。
地面に降ろされた仕立て屋の腕に手をかける。
ここにはいられない。いてはいけない]
― 城 ―
[ 到着してみたら、狩人がいなくなっていて、ひどく落胆した。]
せっかく、せっかく、
[ 動転しつつも、城までついてきた少女を狼の背からおろすべく、手を差し伸べる。]
君を
その前に、風呂を使うといい。
着替えはぼくが用意して持っていくよ。
ぼく以外の者には注意をすること。
たとえそれが、顔見知りだったとしてもだ。
[ そんな警告を与えて、温浴室へ案内する。**]
[鴉はくるる、首を傾げ、翼を畳み直した。
ちょん、ちょんと足場を変えて広場を見下ろす]
カァ、クァ
[愉しげに口遊む**]
[制止の言葉は、更なる愛撫を求める声だろう。
その証拠に、さらに陵辱を誘うような姿勢になって、腰を揺らしている。
中に挿れた指も当たる角度が変わって、新たな反応を汲み出していた。]
ここは、好きかい?
ここは?
それとも、こちらかな?
[彼の様子を見ながら動かしていた指がある一点に触れたとき、明らかに内側が緊縮する。
感じているのだ。これまでになく。]
ここだね。
[心得て、改めて指をそこへ差し向けた。
擦り上げ、かき回し、押し込み、なぞり、思うがままに蹂躙する。
彼の蜜道は、今やそれを受け止めるほどに慣らされ、血によって感じる力を引き出されているはずだ。
後は、快楽の場所まで、背中を押してやれば良い。]
案じることはないよ。
感じてごらん。これは良いことなのだから。
身体の声に、耳を傾けて。
さあ。耐える必要なんてないのだよ。
[囁きながら背中に唇を落とし、仄かな赤を散らした。*]
― 教会・大聖堂 ―
[戸口に陣取る化物が一匹減ったとて、
沈黙に包まれた堂内で、家族ごとに固まってひしと身を寄せ合うのが関の山だ。
が、その静寂も、残った双子の片割れが彼らに冷淡に告げるまでだった。]
尊き御方は、約束の対価は受け取っていない、と仰られたぞ。
お前たちの聖女は、手を取らなかったと。
[息を呑む音。
すぐに絶望の呻きと聖女に対する罵声が沸騰した湯のごとくに湧き上がった。]
[何故だ、もうダメだ、やっぱり命が惜しくなったんだ、アイツだけ逃げやがって……
ひとつひとつは小さな呟きでも、聖堂の天井まで届くうねりは波、]
全くお前たちはどこまでも度し難い――
[双子の怒りの滲んだ呟きに、殆どのものが気付かなかった。]
[ 指で爪弾き、唇で掻き乱し。
先ほどの性急さが嘘のように、檳榔卿は時間をかけてシェットラントを調弦してゆく。
それを凌ごうとするだけで、鍛錬よりも息があがっていた。
シェットラント自身も知らない場所を隈なく弄る指が、見つからぬようにと祈っていた一点を探り当てるのは時間の問題だったというより、頑なな騎士が熟れる頃合いを見計っていたとしか思えないタイミングだった。]
ああ、あ… よせ ッ そこ、は──
[ 触れられると、体の芯が疼く。
意思に反して溶け出してしまう。
これを快感と表現したくないれど、気が遠くなるほど狂おしい。]
何も 良くなど… ! っあ、 耐え…
耐え──て、 っく 、 っう──っ
[ シェットラントは必死の思いで、自分の腕を噛んで、声を殺した。*]
― 地下墓地 ―
[転がり込んだ場所は、だいぶ古い区画のようだった。
忘れられた石棺が、崩れかけた壁のくぼみに並んでいる。
すぐ傍には、壊れた棺桶から落ちてきたのか、しゃれこうべがひとつ転がっていた。
なんとかしないと自分もそのうちこいつと並んで骸骨だなー、なんて思いながらも、動くことができずにいる。
せめて止血…と思えど、未だに手足に絡んだ縄すら完全にはほどけていなかった。**]
悪いが今は吸血鬼にされた聖女様に絡まれるやら人を背負わされて走り回されるやらでくたくただ。
[ダルメシアンからは鞭を受け取ったが、友人を背負い去ろうとするならばそれを引き留めたりする事は無かった。
それが普通の人間の反応だ、と思う。
去ろうとするならばその背中に死ぬなよ、と声をかけた。]
[「何か」をするという、その言葉に反応は示さない。]
…私をこの街から追放したのもこういう奴等だ。
[薄い色の瞳は何の感情の色も示さない。]
― 教会・大聖堂前 ―
[大聖堂の入り口に戻ってくると、何事もなかったかのように片割れの隣に立つ。
シルキーたちには一瞥もくれず、血色の弓を身の丈ほどの長弓から小型のものに組み直す作業を始めた。]
[シルキーの身の上は先ほど告白である程度聞き及んでいたが。
彼女の、感情の窺えない冷静な態度に、揶揄するように片眉を上げた。]
……ではどうなろうと意に介するところではないと?
怒る?
[心外だと目を丸くした。]
僕は、弱さを弱いままで良しとする怯懦が嫌いだ。
弱いのは致し方ない、
だが、強くあれないことを理由に、一切の強くあろうとする努力を捨てるのは、怠慢と言うんだ。
自らは何事も為さず、他者に己の意志を預けて恥じず、弱さを免罪符として怠惰に安住するのは、醜悪以外の何ものでもない。
そういった醜さを、僕は一切許すことができない。
[見た目通りの若い潔癖さ、激しい口ぶりで吐き捨てた。**]
[純粋な騎士の肉体は、快楽のありかを素直に告白する。
その場所を指で捏ねてやれば、白い背中がしなやかにうねる。
しっとりと濡れた身体を指先で探訪し、未だ眠る快楽のありかを求めた。]
身体の声を否定してはいけないよ。
おまえは感じている。そうだろう?
おまえならもっと―――
[彼の背へ身を重ね、首筋へ囁いていた口をふと閉ざす。
乱れた金髪に指を差し入れ、強く引いて顔を上げさせた。]
やめなさい。
自分を傷つけるようなまねは駄目だよ。
噛むのは、私の領分だろう?
[耳朶を咥えて噛み裂き、薄く滲む血を舐める。
舌で転がす内に、そこもまた癒えていくのだ。
敏感な場所をまたひとつ生み出しながら。]
仰向けになりなさい。
足は開いたままで。
腕は身体の下にしまって。
おまえの姿が、私によく見えるように。
[一度指を引き、新たな指示を下す。*]
[ 魔物に翻弄されて、声をあげるなど、情けない。
たかだか、肛門を加虐されているだけのことだというのに。
だが、克服の努力を禁じられ、耳に舌啜音を注がれて、息は擦れた。]
離 せ… っ く、 っンぁ…
[ 乱暴に顔を引き揚げられて、ゾクリとする。呻く声はどこかおかしい。
夢の支配下だとしても、姫にこんな音を届かせてはならないと焦る。]
[ 笑って聞き流すばかりと思っていた紅の魔性が、不意に指を抜いて身体を起こした。]
──…!
[ 異変か。救援か。
反撃の機会があれば、逃さないつもりだった。
這うことを強制されていた身体を横ざまに倒して、わずかな解放を得る。
攻め手を止められても、触れられていた場所が名残のように熱くひくついていた。
そればかりを意識してしまう。]
[ 檳榔卿が手を止めたのは、仕上がり具合を見るためだったのか、あるいは嗜虐の手管なのか、いずれにせよ外因による中断ではなく、シェットラントに次の指示がくだされる。]
──…っ
[ 慎みのない姿勢はもとより、恥辱に染まる顔を見られることがいやだ。したくない。]
そんな、もの… せずとも、 できるのだろう。
[ さっきは背後から襲って目的を達したはずだと、苦しい理屈を述べてみる。*]
[ 少女は浴室に入っていく。
一緒に行ってあれこれ確認する手もあったけれど、洗われてきれいになった後にしよう。]
薔薇の香油を、酩酊するほどたっぷりお湯に入れてあげてね。
[ 影めいた雑用係に命じ、ウェルシュ自身は絢爛公の元へと向かった。**]
/*
あとやること
レトを救助してシルキーの情報を聞く(そして空振りする)
ダルメシアンを問い詰めてシルキーの情報を聞く(そしてダンピールだってこともばらす)
シルキーとぶつかる?
ウェルシュに会いに行く時間はないや。残念。
[身もだえする彼の声が甘くなる。
身体が快楽を受け入れ始めている印だろう。
いずれ、心もそうなることを疑いはしない。
指を引いた瞬間に、彼は身体を横に倒した。
辛かったのだろうと思う。長時間続けるには向かない姿勢だ。
それにやはり、視線が合わないのは惜しい。
横倒しになった彼の太ももに掌を添わせる。
掴んで押し開きたくなるのを、今は止めた。]
[仰向けを命じれば、拒絶が返る。
真っ向から拒否するものではない。
だだをこねるような、ささやかな抵抗だ。]
おまえの顔が見たいのだよ。
もっとおまえを感じさせてやりたい。
おまえが喜んでいる姿を見たいだけだよ。
[優しくあやすように告げて、手を伸ばす。]
(あ、生きてはいる。でも反応が薄いか)
[ということは瀕死か行動不能か。どちらにせよ、ロープや何かを垂らしても引き上げることは難しそうだ。それならば自分で回収して戻らなくてはならないが――この穴は竪穴だ、人一人担いでいなくても上るのは難しい。飛べれば話は別だろうが、あいにく自分は飛んだりコウモリを操ったりは出来ないのだ]
……出入り口を探しますから、それまで生きていてくださいよ。
[そう言って返事を待たずに竪穴を離れる。幸い地下への入り口はそう探さずとも見つかり、暗闇を意に介さずに彼の元へ行くことができた。だが、暗闇を見通しているとき――瞳は真紅に戻っていたことには気づいていない*]
はいはーい。
[言葉を残して頭上の影が引っ込んだ。
ほんとに探してくれるかなと、期待7割諦め3割の気分だ。
何しろ、街は今大変なことになっているだろうし。
赤い霧のおかげで想像の10倍くらい大変になっているのは、知らなかったけれど。
しばらくして足音が近づいてきて、これで助かったかと思った。
頭だけ傾けて、そちらの方を見て、一度瞬きする。]
[向こうから現れた人の目が赤く見えるのは、満月が変に赤いせいか。
それになにより……]
…やあ聖女さん。
アンタって、真っ暗でも平気なたち?
[明かりもなしに人間が歩くには、少々辛い暗さだろう。
左手に握っていた銀のナイフを、そっと握り直した。*]
…へえ。
最近の聖女さんって謎も多いんだ。
[聖女が吸血鬼勢に落ちた可能性と、最初から聖女があちらの陣営だった可能性を考えかけて、やめた。
どっちにしてもここのままだとちょっと生きていけない。
それに、多分吸血鬼側だったとしても、俺を恨んでるアイツよりはマシだろう。]
話?なに?
あ。それより先にちょっと、ロープ外すのとか止血するのとか手伝ってよ。
[寝転がったままで、お願いしてみる。*]
ああ、くそ
なんで
[自分より少しだけ年上で、自分より小柄な男を持ち上げられない。
仕立て屋の意識はない。
顔は痣と割れた傷だらけだし肩からも血が出てる。俺が殴ったからだ。
噛み付かれて、死ぬかもと思って、石で殴った]
なあ……
……はあ
そう、そうだよな
[背負いあげようとするのをやめて、泉の堤の裏、せめても物陰まで引っ張っていく。
それから、聖堂の方へ歩いて行った]
待って。
……待って、まってくれ
[双子と、シルキー。
ついさっきもこの組み合わせだったっけ。
でも今は決闘の途中じゃないしいいだろう]
だから
何かする前に、俺をあの中に入れてくれないかね
[はいちょっと通してね、と片手で拝んで。
吹っ飛んでしまったらしい大扉の枠の方へ*]
…あ、そういえば。
[1人歩いているときにふと思い出した。
あの服、狩人に貰ったダーツをしまったままだったことを。
吸血鬼の居る城に行くならどこかで捨てようと思ってたのをすっかり忘れていた。]
着替えを持っていった誰かがうっかり触ってないといいけど…1本くらい大丈夫か。
[楽観的な思考放棄をした私はもっと大事なことを忘れている。
実はあのワンピース、よくよく調べると内側に刺繍で「Zofia」と書いてあるのだ。
誰もそんな所見ないと思うけど。]*
やあ、助かるよ。
俺、恩はちゃんと返す方だから安心して。
[念押しにはにこやかに答えて、ナイフを靴に戻してみせる。
もともと、依頼の無い相手はあまり狩らない方だ。
手当をされてる最中もなすがままになっていたが、時々、「そこ危ないから気をつけて」「あっ、そこダーツあるから」などなど、口を出すのだった。
最終的に出てきた武器は、実に二桁に届いた。**]
それにしても結構深手でしたね、特にこの肩の傷。
これじゃあ、動けなくもなるというものです。
[教会の実働部隊に居たのだ、傷の手当ぐらい出来なければ生きていけない。止血をして包帯を巻く程度だが、痛みがないかどうか聞いててきぱきと治療する]
さて、終わりましたよ。
しかし結構な武装の数ですね……貴方、
[それもかなり優秀な、と付け加える。治療中に出てきた武器>>249はかなりの数で、一般市民が護身に持ち歩く量を遥かに上回っている。自分だってここまで持っていない]
……変ですね。顔合わせの時、貴方を見た覚えはありません。
あの役立たず共の中に貴方が居たなら、絶対分かったと思いますのに。
[とっくに遺体になっているであろう教会雇用の狩人達を役立たずと辛辣に称して、本題に移る]
私が探しているのは、とある
金髪系統でこんな髪型の。見覚えあります?
[頭の横で握りこぶしを作ってお団子を再現する。シルキー、という名前は聞いていなかったのでわからない*]
わたしを喜ばせようとは、笑止。
[ 引きつった笑みを頬に押し上げる。]
あなたは、脅迫紛いの言動で己の望むことを押し通しているだけだ。
[ そんな批判を投げても、彼は動じないのだろう。
触れてくる手は、ベルベットの優雅さを失わない。
「私を、見て」と、命令よりは柔らかな懇願を思わせる囁きに、上目遣いに紅の魔性を見上げた。]
──…、
[ 檳榔卿は、彼自身が主張したように、初めから「おまえが欲しい」と言い続け、問答無用でシェットラントを殺さないよう、たいそう手間隙をかけているのは事実だ。]
そんなことをして何の得があるのか。
夜が明ければ、立ち去るものを。
― 街の中 ―
困ったね
[困っていない顔で首を傾げた。
胸の谷間で同じように蝙蝠も首を動かす]
……そう
こういうの、迷子っていうのかしら?
[三叉路で立ち止まり、くるりとターンする。
鴉は今、この街の教会で目の役割を果たしている。くすくす笑って、目に止まった方へ気紛れに足を向けた*]
お前は……これから「何か」があると分かっていて、あそこへ入るのか。
僕はお前がいたとて、一切斟酌を加えないぞ。
[少し目を掛けてやった程度で、よもや特別な存在になったと自惚れてはおるまいなと、視線に圧を籠める。]
あら
[聴こえる。
呻きや叫び声に幼子の啼泣が混じっていた。
ふわり、距離を削いで歩み寄る。
指を口元へ上げて笑みを忍ばせ]
まあまあ…
[ちょうど。
小さな籠の上に覆いかぶさるようにして事切れた男が、光の球へと変じるところ。
その背へ欠けて歪んだナタをまた振り下ろそうとしていた女の動きが止まる。
止まり、やがてナタを取り落として、緩慢に頭を抱えた]
ふふ、愁嘆場ね?
[絶叫。
狂気から立ち返り、また次の狂気へ墜落していく妻の絶望に目を細めた]
美味しそう。そうね、あれにしよう
[喉を裂くような喚声と共に顔を掻き毟る女の傍まで進んで、その喉笛へ指を巻きつけた。
──ふつりと叫びが止む。
そのまま地面へ崩れ落ちた女を見下ろし、ドレスの裾を摘まんで踏み越えた]
ええ、やっぱり
まだミルクしか口にしていない
[あの前菜のような少年も好いけれど。雛は幼ければ幼いほど清んだ甘い味がする。
父親に命がけで守られていた乳児は元気に鳴いていた。
優しく籠から抱き上げて、ふくりと艶やかな頬を撫でる**]
― 教会・大聖堂前 ―
[全長が3分の2程度になり、形も反りのきついものに変わった弓。
自らの体の一部のようなものだから、どうあっても不具合などないのだが、それでも調子を確かめるために、弦をびぃんと弾く。
音に耳を澄ませ……改めて、堂内へ目を向けた。]
うん
死にたくないけど、これで死んだっていいんだ
そういう気持ち、わかんないんだろうなあ
[睨まれている気がする。首を竦めた]
[半吸血鬼の見覚えを聞かれれば、首を傾げた。]
うーん…。残念だけど見覚えはないなぁ。
けど、この街出身の
騎士の娘で、金髪だって話。
けっこう昔の話だけど、また最近ここらで見たって噂。
えええと、コットンとかシルキーとか、なんかそんな名前。
[欲しかった話じゃなかったらごめんね。なんて謝っておいて]
それで、聖女さまはその
[と、ことさら軽く尋ねた。*]
[教会の入り口は十分に広い。
双子が退かなくても、男が脇を通り抜けることはできるだろう。
どのみち男が行こうが行くまいが、この次に双子がやることはもう決まっている。]
おまえは素直ではないから。
[脅迫紛いという非難を、一言でいなす。]
おまえが欲しいという思いに、偽りも欠けるところもないよ。
理屈ではない。愛に理由は要らないだろう?
いずれ別れが来るからといって、
求める気持ちを止めることなどできない。
[頑なな騎士の上に身をかがめ、顔を傾ける。
引き結ばれた唇の上に、小鳥が止まるほどのキスを。]
さあ。身体を開いておくれ。
私が脅しなどせずに済むうちに。
心配することはない。
おまえを傷つけるつもりも、穢すつもりもないよ。
ただ、愛しいているだけだ。
[顔を離し、再び要求する。
動きを促すように、そっと手を添えた。*]
ええ、笑うことかい…
うんじゃあ、入らせてもらう
[パン屋の倅のオットーは気持ちが繊細だけど勇気もある。
オクタヴィアは花屋一本で子供四人を育て上げてる。
騎士のメルヒオルは若くして街の人達に信頼されてるし、
見習いシスターのミーネは人の役に立つのが夢。
何かを成し遂げられなくても、気概くらいは見せておかないと明日の飯が不味くなるんだから]
― 聖堂 ―
みんな、ここはもうだめだあ
逃げるしかないよ
[視線が集まる。大怪我をしている人、もうすでに息がない人]
助かる方法なんてわかんないけど
とりあえずバラッバラの方向に走ってくってのはどうだい
生きるためにさ
[ここは鼠の巣だ。
いや蟻の巣か。あとは熱湯や沸いた油を流し込めばいいだけって話。
顔を見回しながら奥、吹き飛んだ扉の方へ歩いていく]
― 大広間 ―
[ 少女を浴室に送り届けた後、ウェルシュは4匹の狼と偵察コウモリを引き連れて、絢爛公に謁見を申し出た。]
狩人への報復の顛末をご報告したいのです。
*
歩けない奴はいるかい
[やり遂げる!なんて自信はからきしなかった。
視線が刺さる。
『手先だ』『来ないで』『もうだめだ、おしまいだ』
『こいつ吸血鬼と話していた』
『見ろ、もう仲間になったんだ、自分だけ』
『家族が死んでから礼拝にも来ないくせに』]
[双子は男が聖堂内に入ったのを見届けると宣言した。*]
かの貴き御方に倣い、お前たちに機会を与えよう。
お前たちの中に、他の者のために自らを差し出してもよいと思う者がいたなら、立ってここまで出て来るがいい。
僕は、「ひとりだけ」とは言わない。
お前たち自身が自らの心に問え。
― 大広間 ―
[仔の呼びかけからいくらか経って、一段高い場所にある領主の座にコウモリたちが舞い降りる。
降り積もったそれらは、親たる吸血鬼の姿へと変わった。]
よく戻りましたね。
さあ、ここへ来て私の足に口づけをなさい。
[柔らかな笑みを浮かべ、仔を呼び寄せる。*]
[引き攣ったような祈りの声]
いやいや、今神様も他人さんも頼れないのわかるだろう
──自分の気持ちだけを信じてみたらどうだい
黙ってここにいたらもう死ぬって気がしてこないか?
俺はするねえ、じっとしてるなんて無理だねえ
[扉のところまで着く。見回した。
床に転がって苦しそうに短く息をしている少女を見つける。
来訪の聖女の従者を務めることになった、って言ってた。見習いのシスター。
転んで下敷きになって踏まれた>>142なんて知らないけど、目が合った]
立てないのかい?
手を貸すよ。おっさんのおんぶで良ければ──
[他の人のために犠牲になりたいなんて思わない。
こちとら聖人なんかじゃない。
だけど、結果として自分の代わりに誰かが生き延びられるかもしれないんなら御の字では?
だってどうせ逃げ隠れしたって、
吐きそうなほど後悔しながら、結局死にオチしそうじゃないか*]
愛 ? これが ?
わたしに愛のなんたるかを語る資格はないだろうが、それでも、まるで共感できない。
[ 反論のさなかに唇を盗まれて、目を見開き、顔を背ける。]
わたしが、あなたを忌避する気持ちも止めることはできないようだ。
[ 脅さずに済むうちに──とは脅していることに他ならないのをわかっていてやっているのか。]
あなたに、そのつもりはなくとも、人間は傷つく。
痕跡を残さなければいいというものではない。
[ 顔を背けたまま苦言を呈す。
檳榔卿が催促するように手を伸ばしてきたが、仰向けになれば、否応なしに刺激に反応している器官を見られてしまう。
それを揶揄されるのが嫌で、シェットラントの動きは鈍かった。*]
>>273
[ 呼びかける声に伏しまろびつつ伺候する。]
ああ、我が
[ 尖った靴の爪先を掻き抱き、頬を摺り寄せた。]
お会いしたくて、こうして舞い戻ってきました。
お預かりした狼を減らしてしまったことはお許しください。
犠牲に充分見合う勲しがあったのですよ。
[ 熱に浮かされたように話し出す。*]
[転がるように傍へ来た我が仔が足下に擦り寄る。>>276
やはり、仕草も興奮の様子も、仔犬のようで愛らしい。]
狼のことは気にせずとも良いのです。
あなたが無事であれば。
聞きましょう。
あなたがどのように勲しを立てたのか。
[細く柔らかな髪に手を置いて話を聞く。
時折頷いては、軽く撫でた。**]
― 地下墓地 ―
成程。見覚えがないのはそういうことでしたか。
[ここの吸血鬼>>261、と言われてふと思い出す。今の主様の息子ではあるが、自分は主様に仕える身ではあるが息子は会ったこともないし、忠誠を捧げる相手でもない。こちらも命令があれば動くかもしれないが、ともかく今は報復対象でもなんでもないのだ、その辺りは相手も同じである]
なるほど、身体的特徴は一致しますね。シルキー、か。覚えておきます。
……今の私の討伐対象なのですよ。
[貴方にとっての依頼のようなものかしら、と告げる。こちらは中止の命令でもなければ放棄も出来ないが――ともかく、話>>262には信憑性がありそうだった]
ともかく、ありがとう。貴重な情報が聞けました。
この街の人間なら知ってる人がいるかもしれないわ。もうすぐ滅びそうだし、その前に話を聞かないといけませんね。
[これだけ破壊されて住人のほとんどが死に絶えているし、この街はもう立ち直れないだろうという予測のもと、そんな風に告げた*]
討伐対象?
へえ。
[吸血鬼と半吸血鬼が仲が悪いというのはよく聞くけれど、討伐対象になるほどなのかと感心する。
元聖女の吸血鬼とか、半吸血鬼にとっても狩人にとってもやっかいな相手だなとか、そんな感想。]
こちらこそありがとう。ホント、助かったよ。
街は……まあ、うん。
俺はもう、こんなだし。後は生き延びることを考えるよ。
あと、よかったら…でいいんだけど、
ゾフィヤっていう黒髪の女の子がそっちにいたら、良くしてあげてよ。
ぼんぼん吸血鬼が連れてったみたいだからさ。
[最後に見た彼女の姿を思い出しながら、ついでに頼んでおく。
気がかりであっても、もう助けに行くのは無理だろう。]
俺の立場で言うのもどうかと思うけどさ。
討伐、うまくいくといいね。
[依頼のようなもの、のあたりに親近感を覚えて、そんな言葉を掛けておいた。**]
わかりました。
見かけたら保護しておきましょう。
[ぼんぼん吸血鬼、というとさっきの話に出ていた対象か。となると色々機嫌を損ねると面倒かもしれないが、とりあえずいい返事だけはしておく]
ふふ、生き残ったらひょっとして私を対象とする依頼でもあるかもしれませんよ。
その前に一夜を楽しみたかったら、お声がけくださいね?
[今の私なら拒みませんよ、ですから生き残ってくださいね? なんてくすくすと笑いながら彼を地上へ送り、そして別れるだろう**]
[
『一か八かだ。どうせ死ぬなら行くよ』
気っ風の良い踊り子がすっくと立ち上がった。同僚の若い娘を抱えて逃げ込んだ当初は、何故卑しい女が教会にと、散々白い目で見られたものだ。
『吸血鬼がいい男ばかりてんなら、最後に美形の顔を間近で拝んで死ぬのも悪くはないさ。ひょっとしたら逃げ出せるかも知れないしね』
同僚の娘に片目をつむって見せ、軽口を叩く。そうして女王のように堂々と、人々の間を縫って歩いて行った。笑みを湛えた口の端は、微かに引き攣って震えていたが。
ねえさん、と叫んで、若い妹分が後を追った。彼女は最後に自分たちを蔑んだ者たちを睨んでいった。
『にょ、女房と子供を助けてくれ! た、頼む!』
今にも死にそうな顔色の石工が立ち上がった。取りすがる妻と愁嘆場を繰り広げつつ、ぎくしゃくと歩き出した。
老い先短い命だからと、声を上げた老人がいた。
私はどうなってもいからこの子だけはと、泣いて訴える母親も、
大工の親父の言う通り、ここに居続けるのは何かヤバいと直感して、迷いながらも外に出る決断をした者もいた。**]
[選択した者は僅かで、多くの者は竦んだままだった。
ぎゅっと目を瞑って、延々と祈りの言葉を呟き続ける老婆。
不安に縮こまり、子供たちを抱き締めるのが精一杯の夫婦。
卑しい女は化物にも媚を売るのかと、小声で悪態を吐く老人。
聖女様が行ったって結局無駄だったじゃないか、奴らは絶対に約束を破るに決まってる、と半ば無理矢理自分を納得させる者。
何だかんだ言って何とかなるのではないかという楽観的な幻想に縋る者。
彼らの誰もが慣れ親しんだ巣から離れるという選択をできずにいた。]
[そこらあたりで、ようやく我を取り戻した司祭が必死の形相で喚いた。
『ま、待て!! 悪魔と取引してはならない! 神を信じて留まるのだ!!』
腕を振り回し、双子のところへ行くのを押し留めようとする。
騎士たちもまた、決死の覚悟で双子たちに斬りかかっていった。
彼らは自分たちの技量では到底吸血鬼に敵わないと知っていたが、それでも守るべき市民をむざむざと吸血鬼の手に渡す訳には行かなかった。
自分たちに教会を託していった上官に応えるためにも、騎士の務めは果たさねばならない。**]
[明らかな拒絶も、かわいらしい。
もっと、したい。]
なにを忌避しているのか、わかっているのかい?
[横を向く彼の背中側に、身を横たえる。
頑なな線を描く肩に触れて、軽くひっかいた。]
残るのは傷でもなければ、屈辱でもない。
おまえは、豊かな世界を知ることになる。
[身体を丸めるのは、身を守ろうとしてだろう。
あるいは、羞恥だろうか。
ならば、自ら開くように促すまで。]
それほど嫌なら、このままで続けよう。
まだおまえは、なにも見ていないのだから、
[――― 感じて。
息だけの声で耳元に囁き、耳朶を舐める。
さきほど、敏感になった側を。
そして、彼の体に闇を流し込んだ。]
[背後から抱きしめながら、先ほど指で蹂躙した場所に闇を忍ばせる。
指より柔軟かつ複雑な動きをする闇は、彼が感じる場所を的確に撫で、擦り、圧迫して刺激した。
闇はさらに、彼が隠そうとしている場所、血の集まる茎に巻き付き、締め付け、あるいは緩めて螺旋に滑り、細く伸びて先端より潜り込みさえした。
下を闇に任せ、両手を彼の体に這わせる。
隠された水脈を探り当てるように、肌を撫で、爪で軽やかにつま弾く。]
おまえの身体はとても感じやすいから。
きっと、すぐに喜んでくれるようになる。
ほら、ここに触れれば、どうかな?
[髪の生え際を唇でついばみながら、笑いを含んで囁く。
伸ばした手は、彼の胸の突起を捕らえ、柔らかくつまみ上げていた。*]
[ 紅の魔性は再び背後をとって、堕落への誘いを囁く。
離れろ、といちいち言葉に出してやるのも、相手の手の中で踊らされているようで、シェットラントは押し返す動きだけで意思表明をした。
檳榔卿はそれを抱擁で拘束しながら、息で、唇で、指で ── そして得体のしれないものを駆使して、全身でもつれ合う。]
[ 股間へ伸びてきたものは、指よりもずっと深くまで到達して、しなやかにのたうった。
頭髪と同じく淡い金色をした陰毛の中を、掻き分け、包み込み、貫く。]
── っな… くッ
[ その間も、檳榔卿の玩弄は止むことがない。
首を、背中を、胸乳にいたるまで同時に愛撫されて、どこを守ればいいのか。
爆発しそうに熱いものが堰上げてくるのに、逃げ場がない。
シェットラントは身を捩り、足で蹴り除け、苦悶を緩和しようと──気持ちよくなろうと──焦れる身体を開いた。*]
>>277
[ 絢爛公の足元にまとわりつくように膝を崩して侍り、亜麻色の髪を撫でられながら語る。
いかに自分が、恵まれた能力と絢爛公からの贈り物で狩人とその一味を追ったか。
闇の眷属に相応しく、策略と術をもって、手を汚すことなく狩人を召し取ったか。
ところどころ省かれたエピソードや言動もあったけれど、ウェルシュ視点では、そうなっているというだけのことで嘘はない。
かねてより幼く詩的でナルシシズムな性格であった。]
ぼくに魅了された少女もひとり、持ち帰ってきました。
気に入れば、お側に召してやってください。
[ もうお腹いっぱいかもしれないけれど、と無邪気に言上する。*]
[彼の拒絶の仕草は、言葉ほど強いものではなく、
実際、肌を触れあわせれば、身悶え擦りつけて感じる場所を示してくる。
未だに快楽をほとんど知らぬらしき身体だ。
そろそろ絶頂に達していてもおかしくはない。
それだけの快楽を注いでいる。
けれども、彼の勃ち上がった陽根は出口を塞がれているのだ。
内側に押し込められた熱に耐えかねた風情で彼が身体を開く。
膝を立て、腰を揺らすさまは陵辱を求めているようにしか見えないと、彼は気づいているだろうか。]
欲しいのかい?
[防御の緩んだ足の間に手を差し向ける。
秘洞に潜り込んだ闇をかき分け、指を深く沈める。
内側は、熱く滾るようだった。]
欲しいのだろう?
こんなものでは、物足りないだろう。
もっと、ここにぴたりと収まるものを、
おまえは知っているはずだよ。
[指をねじ込み、壁を刷り上げる。
それでもなお、長さも質量も足りない。]
いれてください、と言ってごらん。
[存分に彼へ性の技を施しながら、耳元に囁いた。]
拒否できないのはわかっているだろう?
おまえの言葉で、私を求めてごらん。
そうすれば、おまえを"解放"してあげるよ。
[耳朶に触れる唇は笑みを描く。
言えばどうなるか、わかっていても彼に拒む術はないのだ。
そして、結果は彼の想像など軽々と越えるだろう。*]
[シスターの体はうんと軽くて、片腕で背負って歩くのも出来そうだった。
そうだ、まだほとんど子供みたいな少女だ。
少し動いただけで顔を歪めて弱い咳をする。きっと怪我が酷いんだろうと思う]
ごめんな、なるべく揺らさないけど
[そして、勝手に離れて道を作ってく人の群と、聖堂のベンチの間を抜けて行く]
もし俺が転んで動かなくなったら
痛いだろうけどさ、這っても転がってでも君だけ逃げるんだよ
[紅い霧で人間達は互いを傷付けてゆく。
道には力尽きた者が転がっていた。
街中は散々な状況だ。
正気なままなのと、狂気に呑まれるのとではどちらが幸せなのだろうか。
幸か不幸か、青年は霧の影響受けなかった。
否、気を抜けば、暴力的な衝動に呑まれてしまいそうになる事はあるが、ぎりぎりのところで踏み止まっている。
青年が意識を落とした者達は吸血鬼憑き達の牙に晒されてしまっている。
かといって、彼等が意識を持って動き回るのは危険だった。
血潮が吸い尽くされてしまわぬ事を祈るばかり。]
……あぁ、くそ。
[くらりと頭が揺れる。
彼等は疲れを知らないような動きをする。
休まず動き続けている所為で疲労感は募っていた。
教会へと至る道を辿る中、それとなく姿を探したのは逃がした部下や子供。
そうして約束を交わした大工の姿。
屍になっている彼等を発見していない事が救いだった。*]
/*
昨日よりましですが、まだ頭回ってないので…どうしようかな。
更新後にどうする?しますかね。
PLはやりたい事の邪魔はしたくない。
PCは多分、邪魔しちゃうんだろうなと思って歩みが遅いです。折角の村なのでPCさんと絡みたくはあるのですが。
何とか人のやりたい事を汲み取りたいんだけど、うまい動きが出来てなかったらごめんなさい。
めっちゃ様子見行動で申し訳なかったです。
今回、あまりRP村に居ない方もいそうな感じだったので、「村でやりたい事」とかメモ欄にあったら動きやすかったのかな、などと思ったりしました。萌え萎えみたいな感じで。
私自身が、基本、ロルで語り合おう派なのであれですが。
/*
エディさん、腰は大丈夫かな??
どっか悪いとしんどいですよね。
梅雨は足の古傷というか前職で痛めたところが痛むので、ぐぬぅってなります。走れるようになっただけまし。
[我が仔の髪を撫でながら、彼の物語に耳を傾ける。>>285
一つ一つ頷き、時折笑みや感嘆を差し挟んだ。
彼自身が言ったとおり全てコウモリを通して見ていたのだが、我が仔の語り口は耳に心地よい。]
狩人相手に、良くできましたね。
[欠けた部分を指摘することもなく、賞賛の言葉を掛けた。]
では、貴方が連れ帰った少女とも会ってみましょうか。
貴方からの献上とは、嬉しいものですね。
[微笑んで、もう少し寄るようにと手を伸ばす。]
[城内をさまよう少女の前には、侍女が現れた。>>286
よく見れば、肩にコウモリが乗っている。]
「
こちらへどうぞ。」
[一礼する彼女の後に付いていけば、大広間に到着するだろう。*]
― 街 ―
[街の惨状は、想像以上だった。
吸血鬼たちが襲ってきた、というだけでは収まらないなにかがある。
荒れた痕やら、今も聞こえてくる悲鳴の割には、死体が見当たらないけれど。
歩く内、視界が赤いことに気がついて、咄嗟に口を布で覆った。
ヤバさの元凶はこれだと勘が囁く。
図書館から連れ出された時は、あまりにも朦朧としていて気づかなかったけれど、吸い込むだけで、なんか頭がぼうっとしてくる。]
やばいやばい。
なるべく吸わないようにしないとか。
[まったく何なんだよと悪態をつきつつ、ひとまずは荷物を回収しようと図書館へ向かった。
現在位置が若干不明だけれども、教会を目印にして歩けば大体なんとかなるものだ。*]
[ 檳榔卿の指が深く分け入ってきた。
それまで蠢いていた無機質なものとは違う感触に、陶然として痺れたようになる。]
んッ う… は
[ 欲しいかと問う声に、頑なに首を振った。
全力で拒んでいるというのに、どうして身体は花開いてしまうのか。]
[ 切れ切れに喘ぐ中で、紅の魔性が唇を寄せてくる。]
…──ッ
[ 彼を求める言葉を口にしろと、そんな勧誘に目眩がする。
この上、まだ辱めようとするか。]
そんな ことを、する くらい ならッ
[ 歯噛みするが、彼の言うことを聞かなければ、姫の身が危険にさらされるのだ。
彼は莞爾として笑い、何も言わなかったが、いつでもそのカードを切れることを散々、チラつかせてシェットラントに忍耐をしいてきた。状況は今も変わっていない。]
…くッ
[ 睨んで灼き殺せるなら、とうに灰になっているだろうに。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新