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次の日の朝、語り手 が無残な姿で発見された。
夜が明け、悪夢は現実のものとなった。
人狼は確かに存在するのだ。そしてその血腥い牙で我々を狙っている…。
人々は苦悩の末、最終手段を取る事にした。
投票により、1日に1人ずつ疑わしい者を処刑する。
例え無辜の犠牲者を出すことになろうとも…。
現在の生存者は、天より降りし者 、聖魔剣の勇者 クロート、魔王 ヴァートル、巫 カヤ、魔獣 タイガ、神樹の巫女 フラン、道化師 ローゼライト、ダークエルフ イース、王子 アルフレッドの9名。
村の更新日が延長されました。
やはり、強い、な。
[ タイガの牙が闇の魔神を噛み砕き、喰らい尽くすのを見定めて、アルフレッドは剣を収める。
吐息と共に零した言葉は、クロートのそれ>>413とは違い、どこか呆れたような響きを帯びていた ]
クロート。
[ 魔王の労いを受けるタイガを横目に、クロートに歩み寄って、携帯している皮袋から、ポイズンスライム色の飴玉のようなものを取り出して手渡す ]
聖乙女謹製の回復薬だ......舐めずに噛み砕いて飲み込め。
[ くれぐれも味を見ようとは思うなと言う忠告は、色と味が大体一致しているという事情故だ。
並みの回復薬の十倍は効く薬ではあるのだが* ]
王子 アルフレッドは、天より降りし者 を投票先に選びました。
[エントランスを抜け、階段を駆け上がり、その先の階層を幾つか抜けた先。
そこは、五芒星形の大広間だった。
銀色の煌きを散らした薄紫の布に飾られたその場所の中央には、巨大な水晶玉が、ひとつ]
「……やれ、きてしまいましたかぁ。
やっぱり、なあ……光の御仁落ちた時点で、闇の御仁にフラグブレイクは無理だったかぁ……。
まあ、しゃあないわなぁ……働くかぁ」
[やって来た一行に向けられたのは、今までとは一転、やる気のない響きの若い男の声。
声の主は広間の奥、五芒星の頂点部分に座す者。
異国風の装いに身を包み、肩にはこれまた、異国風の刀を担いでいる]
「……自分、影のシェイドいいます。
まずは、ここまでの到達お疲れさんですわ。
ま、あんたさんらからすりゃ、自分らの降臨は理不尽ですし……来ないわけには、行かんかったんやろと思いますが」
[語る口調は緩いが、纏う気配は冷たく、鋭い]
「とはいえ……あんたさんらにとっちゃ理不尽でも、『ここ』を見ちまった以上は、避けて通る事はできんのですわ。
自分らの主……『始原の秩序』たる、『秩序の王』にとっちゃ、『混沌の闊歩する世界』は、あっちゃならんモンなんです」
[淡々と言い切った後、影の魔神ははあ、と大げさにため息をつく]
「……ゆーか、しょーじき自分、気ぃのらんのですけどな。
主の対の御方が遊んでるせいで、いらん手間くっとるよーなもんですし」
[ぼやくように吐き捨てる瞬間、影の視線は思いっきり遠くを見ていたが、すぐにそれは来訪者たちへと戻り]
「……それでも。
自分、主の『影』ですんでな。
……主を阻む事はできませんし、他者がそれをやるのを見過ごす事もできませんので、ええ。
……殺らせて、いただきますわ」
[にっこり笑って物騒な事を言い切った後、影の魔神はぱちん、と音を立てて指を鳴らす。
応じるように、異国の妖魔──鬼や妖怪と称されるものによく似た姿が、大広間のあちこちにわき出した。**]
☆VS影の魔神シェイド
・フィールド
五芒星形をしたホール。壁には薄紫の布がかけられ、布の上には銀色の光が瞬いている。
ホールの中央には小さな祭壇があり、水晶球がひとつ浮かんでいる。
やや薄暗いが、視界が遮られる事はない。
・登場敵
東洋の妖怪を思わせるスタイルの妖魔たち。
鬼の姿をしたものが多いが、いわゆる付喪神っぽいものもいる。
・ボスキャラ
影の魔神シェイド。いわゆる東洋の狩衣を身にまとい、刀を手にしている。
影そのものを操り、動きを封じたりしてくる事も。
光・闇の両魔神とは違い、多少は対話にも応じるよう。
※村建ての稼働時間の関係上、遅レスになるのはご容赦を。
・判定方法
A:2(6x1) B:4(6x1) C:5(6x1) D:3(6x1) E:3(6x1) F:1(6x1)
上記数字を妖魔の撃破pt、×10した値をHPとする。
各自、手数はfortune5回。妖魔1体につき1回fortuneを振り、出目がそれぞれに設定されたHPを上回っていたら、撃破。
1回の攻撃で倒せなかった場合はfortuneを振り足し、合計値がHPを越せば撃破となる。
5回の手数で撃破できた妖魔の撃破ポイントを合計し、その点数で順位を決定する。
妖魔は、PC各自に対し6体を個別に設定。誰かがAを倒したら他の人はAを倒せないという事ではないので注意。
※ちょっと特殊な形式のため、味方への強化・回復魔法は『Aを狙う誰かに援護』という形にして個別にダイスを振る形式になります。
※数値が足りなかった場合は、『重ねがけした』とか『発動失敗』とかで振り足してください。
※弱化魔法は基本ルール同様、『判定後の撃破描写はなし』の形式で。撃破自体は他に丸投げしてもOKです。
☆【判定リミットは、12/11の23:30です】
聖魔剣の勇者 クロートは、天より降りし者 を投票先に選びました。
― エントランスホール ―
ん、どした?
[階段の先を見ていたら、かけられた声。>>0
振り返った所に差し出された物を見て]
…………ものすっげぇ色だな。
[口を突いたのは、そんな一言だった]
……ちなみに、舐めたらどーなるんだよ?
[受け取りながら、ふと浮かんだ疑問をぶつけてみる。
聞かない方がいい、とは思う、が。
聞きたくなったんだから、仕方ない。]
/*
そして気付いたぞ。
クライマックスの日(12/14)、忘年会じゃないですか(
絶対日が変わる前までには帰れないので、トップ取らないようにしないと(((
神樹の巫女 フランは、天より降りし者 を投票先に選びました。
― 大広間 ―
[エントランスの階段を抜け、いくつかの階層を抜けた先。
夜の空を思わせる大広間>>3に次の魔神はいた]
随分と文句の多い方ですね。
[そちらの事情など知ったこっちゃない、と言わんばかりに呆れた表情で言う]
以前の方々よりは話が通じそうですが、やることは同じなのでしょう?
[緩い口調ながら冷たく鋭い気配を発する相手。
うだうだ言っても役目を投げ出さないということは、魔神自身が宣していた>>4。
指が鳴る音に合わせ、この辺りではあまり見ぬ異形が現れ、道化師らを取り囲む]
秩序だかなんだか知りませんが……
我らが王の覇道を阻むのならば、排除するのみです。
[パチン、と道化師も指を鳴らし、魔力で作ったナイフをいくつも周囲に浮かべた]
― 回想・エントランスホール ―
えぇ、臨機応変にとはいきませんけれどね。
[>>1:384珍しく驚いているようなローゼライトの声に、頷きを返す。
複雑過ぎる動きなどは精霊たちに直接呼掛けなくては難しいのだが、道化師の想定する動きならば不足はないだろう。
先に出していた水膜は大気に戻し、新たに生み出したそれの指揮を道化師に移し、後を任せた。
そして、向かったのは主たる魔王から許しを得た魔獣の下]
では、少し失礼しますよ。
[>>1:394強化を願うタイガの腕に、風の精霊を忍ばせる。
魔獣の動きを阻害せぬよう、その力を支える速さとなるように。
水や樹、土の精霊の助けを借りることもあるが、タイガに限っては風の力を乗せることが多い]
[>>1:387先駆けとなった道化師が放った魔力弾から、私の魔力の残滓が伝わる。
あれに合わせて使うとまでは思っていなかったから、周囲への飛散が心配になったのだが]
大事は無さそう、かな?
[どうやら水精たちが気を配ってくれたようで。
強酸の水膜すべてが魔神の鎧、体躯に弾け付いたを見て安堵の息を細く吐いた。
故に、私が意識を割くはタイガに乗せた術の作用だけに集中できて。
>>1:373光下りる中、>>1:397距離を詰めた黒の跳躍によって崩れた均衡が魔神の大剣を揮わせて]
お任せを!
[>>1:398呼掛けに、解放した風はタイガの身を伝い闇染まりし神の大剣の衝撃を受け止めた。
それでも強大な力は全て殺せる訳もなく、耐え切れたのはタイガ自身の身体と>>1:380カヤが送った加護のおかげ]
───っ!!!
[風の精霊が受けきれぬ分が、私の下にも返ってきて。
それに堪え切れず体勢が崩れたものの、術の維持だけは必死で耐えた。
だから、>>1:404>>1:405タイガが拒絶するそれにも>>1:400苛むそれにも気づく余裕は無く。
>>1:391領主の手が魔神を捉え、>>1:407彼王の刃たる獣が文字通り剥いた牙で食い千切る様を見届けるだけで]
……、は、ぁ…
[>>1:410兜を砕かれ、沈んだ魔神の身体が配下と共に闇へと溶け消えていったのを見止めて。
ようやく術の重圧から解放された私は、力を抜いてへたりと地に座り込んだ**]
ダークエルフ イースは、天より降りし者 を投票先に選びました。
………………。
[遠い目をしながら返された言葉。>>6
それだけで、なんかわかった。
いろいろわかってしまった]
……あれか、良薬は口になんとやら、の究極形って感じか。
[味覚はともかく心が死ぬってどういう事だ、と思ったが、そこらはアルフレッドの顔色が何よりも雄弁に物語っている気がした。
何より、自分も薬草調合して薬作ったりするから、効率優先すると何が犠牲になるかはよーく、わかるから。
忠告通りに、一気に噛み砕いて飲み込んだ。
ここで、違う方向で折れてる暇は、ない]
……た、確かに。
これ、効く、な……。
[まともに味わったらそれ以前になりそうだっだけど、というのは言葉にはしないでおいた。
いずれにしろ、光の魔神との対峙がもたらした消耗が癒えているんだから、これ以上の突っ込みは無用だろう]
何が入ってんのかは……まあ、気にしたら負けっぽいけど。
[それでもそこが気になったのは、生まれに基づく好奇心]
……さて、そーれじゃ。
のんびりしてる時間も惜しいし、行くか!
[回復した所で、仲間たちに向けて呼びかける。
道が続いているなら、進むは必定。
まだ、目的には届いていないのだから。*]
[串刺しにする心算だったが、思いの外頑強のようで、傷を負いながらも小鬼は棍棒を道化師へと投げつけてきた]
──── !
[身を逸らして避けたものの、左頬に棍棒が掠る]
……存外、侮れませんね。
あの光の槍を繰る者の影、と言うのも伊達ではありませんか。
[ただの雑魚ばかりではない、と認識を改め、くるりと右手をひらめかせた]
[繰られたナイフは怒涛の勢いで小鬼の唯一の目へと連続で貫いて行く。
一連の攻撃に耐え切れなかった小鬼は、その姿を靄へと変え、霧散していった]
なかなか、一筋縄では行かないかもしれませんね。
[宙を舞うナイフを再び周囲へと戻らせ、油断なく周囲を見据えた**]
道化師 ローゼライトは、天より降りし者 を投票先に選びました。
― エントランスホール ―
…さすがに只者ではなかったですね。
お疲れ様、無理をさせてしまってごめんなさい。
[タイガの下から帰ってきた風精に弱く微笑んで労うも、逆に精霊達から大丈夫かと案じられてしまった。
水精から渡された小さな水の球を口に含むと、その冷たさと含まれた精霊の力にじんわりと疲労が解けていく。
>>2タイガの傍には魔王の姿もあり、カヤが送っていた加護もあるから心配は要らないだろうと私は自身の回復に努めて。
先を進む魔王の背、それに少し遅れた形でエントランスから伸びる階段へと足を向けた**]
― →五芒星形ホール ―
― 大広間 ―
[闇の魔神の名残が消え去るのを見届けた後、腰かけている蔓が伸びて階段の上まで到達する。
先を覗けど、すぐ何がいるというわけでもなさそうだった。]
なにやらとなにやらは高いところにいるというがのう。
[せっせと上っていくのは、幸い迷いようもない道だ。
やがて到達した場所と、待っていた者の様子に、ふむ、と声を上げる。]
此度はまた良くしゃべる相手なのじゃ。
[半分以上ぼやきな相手の言葉を、しばらく聞いていた。]
ちょっと、だいぶ、残念、な……。
[しみじみとし口調>>19に、これは突っ込まない方がいいだろう、と思ったからそれ以上は言わず]
ん、ああ。
そだな、中身自体には興味あるし。
かーさんに教えたら、面白い事になりそうだしなぁ。
[辺境の隠里で暮らす母の事を思いながら、頷きひとつ返して歩き出す]
ふむ。
つまり押さえる者が行方知れずなため、御主とやらが暴走しておるのじゃな。
[納得の顔で頷き一つ。]
して、ひとつ、いやふたつばかり聞いておきたいのじゃが、
その対の御方とやらを呼びつける方法はないのか?
そして吾らが御主とやらを黙らせた後、
その対とやらが同じように来ることはないのか?
もう一度これを繰り返すのは、さすがに面倒なのじゃ。
[問いかけてから、先ほどと同じく胸の内で3つを数える。
相手が答えても答えなくても、やることは同じだと分っていた**]
― 大広間 ―
[たどり着いた先で出迎えたのは、今までとは違ったやる気のない声。>>3
だが、まとう気配の鋭さは、気を緩めさせる事はない]
……『始原の秩序』……『秩序の王』?
[明かされた『主』の名を小さく繰り返す。
手にした剣が、りぃぃん、と小さく鳴った]
『混沌の闊歩する世界』って、戦いが続いてるから、って事かよ?
それ、ものすっげー大きなお世話なんだけど?
[好きでそんな事になってる訳じゃない、と。
そんな想いを込めて言い放つ。
蒼の双眸には、純粋な怒りのいろが、微か、浮かんでいた。**]
[向けられた問い>>22に、影の魔神は軽く後ろ頭を掻く]
「んー、別に暴走しとるとゆーか、ある意味通常運行なんですけどなぁ」
[最初に落ちたのは、なんか物騒な物言いだった]
「いやいやいや、あかんあかん。
……対の御方を呼び寄せたりしたら、それこそ『全て』が虚無回帰起こします。
本来、自分らは、対の御方が仕事した後に来て、自分らの仕事する……そういう『巡り』ができてましたん。
それがなーんでか、最近対の御方がのーんびりしてる事が多くて、自分らが追いこしてしもた、ってのが今の状況ですねん」
[はあ、と落ちるのは、大げさなためいき]
「……ああ、対の御方が来た場合、まあ、似たような事になるんとちゃいますかねぇ。
ただ、今のこの世界は、恐らくあちらのお好みですから、当分寄ってつきはせん気もしますが」
「……ま、それもあんたさんらが、自分らを退けられたら、の話ですけどなぁ」
[そこを譲る気はない、と言わんばかりに魔神は笑う]
― 大広間 ―
[ 階段を昇った先、大広間にはやはり待ち受ける者がいた>>3
自らを影と称する相手は、前の魔神達よりは幾分か「人間味」を感じさせる風貌と口調を持っていたが、やはり問答無用の精神は共通らしい ]
お前達、「秩序」「秩序」と、二言目には題目を唱えるが、目の前に現れた者は有無を言わせず粉砕しようとするというその態度は、俺に言わせれば秩序に悖るやり方なのだがな。
[ それでも幾分でも言葉が交わせるのであれば、言うだけは言っておこうと、それまであまり口にしなかった相手への不満を述べておく。
それで事態が好転するとも信じてはいなかったが、気分の問題というやつだ ]
聖なる炎よ、我が剣に宿れ
[ 最も基本的な浄化の炎を剣に纏わせる魔法。聖王家の王子が漏れなく最初に習得するそれは、基本的で有るが故に魔力の消耗が少なく、汎用性が高い ]
お前たちが混沌と呼ぶものの味、味わってみろっ!!
[ 揮う剣は、炎の軌跡を描く ]
[ 加護の力を放った際には深く考えることは無く。
――考えていたら同じ事は出来なかっただろうから。
ただ此度の戦いに適任と感じたから、それだけだ。
もしかしたらフランの自由闊達な様に憧れるうちに
知らずの内に影響を受けていたのかもしれない]
巫 カヤは、天より降りし者 を投票先に選びました。
[ この調子で頑張ろう。
一匹目の小鬼に気を取られていたら
背後に迫る二匹目に気付かなかった ]
―――ッ!
[ 突如首筋に強い痛みを感じて
振り返れば、口元を赤に染めた
双頭の大蛇の様なモノが鎌首を擡げていた
この程度の出血ならばすぐに収まる
回復は今は要らない。
詠唱も無く右手を振り翳し
風の衝撃波を大蛇へと繰り出せば ]
[ 鋭い風が大蛇の堅い鱗を
切り裂き、双頭の大蛇は一つ頭へ
恨めしげに下をチロチロ出すと
霧散して消えていった
出血自体はすぐに収まった。
…が、毒でもあったのだろうか
クラリ視界が揺れるのを悟られぬよう
真っ直ぐ前を見据えた **]
─ 大広間 ─
[階段を上がり、幾つかの階層を越えた先にあったのは五芒星形の大広間。
銀光瞬く薄紫の布は宵の空にも似た色で、中央には水晶玉が望月のように浮かんでいる]
先程のお二方とは、また毛色が違いますね。
[>>3見慣れぬ異装に、すらりと長い刀を担ぐ男の語り口はこれまでの一方的なものとは違っていた。
少なくとも、私達にも事情があると認めてはいると分かるから]
…やりにくいな。
[下手に話が通じそうな分、それでもこちらを排除しようとする意志の強さは此処までの彼ら以上かもしれないと。
>>4緩く、ともすればやる気がないともいえるその声に含まれた気配に目を細めた。
殺らせていただくという宣に、影が鳴らした指を合図にわき出した妖魔たちはやはり見慣れぬ姿形。
放浪の中で伝え聞いた話の中で似たような者がいた──たしか鬼か、妖怪といったか。
他にも男と似た意匠を着ている者などもいて、これまでと違う多様性にやはりやりにくそうだと思考して。
先ずは小手調べと、水精をちらりと見遣り合図を送り]
[まずは間近に沸いたものから片付けようと、棒を振るう一つ目の巨体と対峙して。
当たればひとたまりも無いだろうそれを避けながら、水精と目配せをしてタイミングを合わせる。
一つ目の死角から放たせた水つぶては大した威力ではないけれど、注意を逸らすことは容易く]
──, ───!
[得られた好機に、紡いだ術が水の帯となって一つ目の顔を覆い尽し。
締め上げる力と呼吸妨げる双方によって、程無くその巨体は無力な塊と化した]
― 大広間 ―
[階段を上り進んだ先にあったのは、五芒星形の大広間。
その奥に座す異国風の格好の男が、この空間の主であるらしかった]
これはまた……随分とよく喋る。
[どこか訛りのある口調は緩くはあるが、その気配に口調のような暢気さはない>>3。
やる気がないと言いつつも、彼の者の殺意は本物と知れた>>4。
そして呼び出されたのは、彼の者の格好と同様に異国風の妖魔]
これはまた珍しいものを。
やれやれ、たかだか侵入者の排除のために、随分と趣向を凝らすものであるな。
[向こうは楽しませる気など微塵もないのだろうが、それでも見慣れぬ妖魔の跋扈する様子に、魔王は軽口を叩く]
[取り巻く妖魔の姿は変わったものが多い。
その中で、カチャンカチャン、と音を立てる妖魔を見つけ、道化師は興味深げに観察した]
ゴーレムの一種ですかね。
[陶器の皿やら入れ物やらで身体を構成した、人型(?)の妖魔。
その手にはやはり陶器で出来た槍のようなものを握っていた]
マリオネットにでもしてやりましょうか。
[糸をつければ操り人形にも見えようか。
道化師は浮かべていたナイフの魔力を練り直し、細長い糸を何本も作り出した。
そこにパペット化の魔術を仕込む]
貴様らのようなつまらぬ者に、消させてなどやらぬ。
[何を、とは言わぬまま、魔王は異国の妖魔へと向き直る。
二本角の生えたそれは、魔王に近しい姿と言えなくもないが]
言葉は通じぬであろう、なあ。
[鬼が剛腕を振り上げる。
無論、その時には既に術の準備は整っており]
[しゅる、と蛇のように妖魔へと撒きついた糸は、その先端をそれぞれの陶器に結びつき、パペット化の魔術を妖魔へと流し込んだ。
最初は暴れていた妖魔が途端に脱力し、道化師が指を動かすのに合わせて動き出す]
同士討ちさせてやりましょう。
[宙へと浮かび、陶器の妖魔の真上に位置取った道化師は、まるで人形劇を演じるかのように妖魔を動かし、他の妖魔へと迫って行った*]
クハハ、この魔王の命を殺るという割にはぬるいのう!
小手調べなどよい、強き者よりかかってまいれ!
[大笑と共に叫ぶのは挑発めいた言葉。
妖魔らに通じるかはわからぬが、己が身の魔力を高め、あえて無防備を晒せば引き寄せられる者もあろうか]
[手近にいたのは、巨大な人間の頭部を思わせる妖魔。
"手"はそれを鷲掴みにせんとするが、球形に近いその形状は掴みづらかったようだ]
ええい、小癪な。
[しばしの溜めの後、炎の力帯びた"手"を妖魔の口内へ突っ込み、そのまま更に力を高めた。
やや強引な手段であったが、目論見通り巨大な頭は、内部より弾け四散した*]
後者なれば早々に貴様を屠り、蹂躙を続けよう。
前者なら―――、
[すらりと漆黒の爪が伸び、黄金が輝いた。
戦闘態勢に入る獣の殺気を察した赤鬼が大腕を振る。
視線だけでその挙動を追い、]
苦しめて殺してやろう。
[声と同時に、禍々しき力を凶爪に纏わせ]
魔獣 タイガは、天より降りし者 を投票先に選びました。
ごめんね、しばらく休憩はできそうになくて。
[一つ目から離れ、手元に戻った水精に向けるは労いと謝罪。
ほぼ休む間もなく働いてもらっている申し訳無さはあるも、今は悠長な時間が無い。
領主や魔獣、道化師に勇者達も戦果を挙げているのだ。
一人さぼる訳にもいかないと、今度は弓を手に取って]
[ 早く倒さなければ。
その為には此方から行くしかない
トン、軽く地面を蹴ると
小鬼の傍へ舞い降りた
両手に掲げるは魔力で作り出した小刀。
威力は落ちるがやり直しが利くものを。
ぶん、と振り下ろされる棍棒を避け
両の目を目掛けて突き出せば]
[パペット化の魔術がかけてあるため、実際は糸で繰る必要はないのだが、道化師は人形劇を演じて次の標的へと刃を向けた]
これで突くんですかね。
[指を動かし、陶器の妖魔が持つ槍のようなものを動かしてみる。
魔力を通しているのもあって、動きに問題は無いよう。
ぶん、と振り回した槍の穂先が近くにいた、一本足に頭と短い腕がついた妖魔を掠めた。
妖魔同士に仲間意識はあるのだろうか。
一本足の妖魔は攻撃されたと憤慨したのか、大きな足による蹴りを放ってきた。
道化師は指を繰り、槍の柄を前に出してその蹴りを受け止める。
陶器の妖魔の身体が後方へとずり下がった]
やりますねぇ。
お返しです。
[道化師は陶器の妖魔の腕を引き、槍を振りかぶった]
[足払いをかけてやろうと目論んだ一撃は、一本足が床を強く蹴ったことで空を切った]
案外すばしっこいですねぇ。
[感心するように言って、すかさず指を動かし槍の穂先を宙に浮いた一本足の妖魔へと向けた]
[鍔迫り合いに打ち勝った凶爪。
踏み込む追撃は大柄な鬼の胴体を泣き別れに変えた。
亡骸は床にぶつかる前に靄のように四散し、無へと回帰する。
それを見届けることなく視線を起せば、既に戦場と化していた。
流れる魔力と刃を交わす音。秩序とは正反対の混戦模様。
先の魔神との高揚感が刺激されるは仕方のない話。
策を弄し、精霊らと聖王家の力を借りる面々よりも愚直に。]
[逃げ場のない空中。
避ける術を失った一本足の足の裏、その中心に槍の穂先を叩き付けるように突き上げた。
陶器の槍は割れ、その破片が一本足の足の裏に突き刺さり、バランスを崩した一本足の妖魔が陶器の妖魔の上に落ちる。
ガシャアアアン!と大きな音と立てて割れた妖魔の中心に転がる一本足の妖魔。
破片が全身を切り刻み、二つの妖魔は靄となって消えていった]
人形が無くなってしまいました。
[その場には詰まらなそうに呟く道化師のみが残る*]
[しっかりと休ませる間は取れずとも、連続で行使するのは流石に可哀想だから。
水精ではなく、風精の力を借りた矢は目線の先、シェイドと名乗った男に似た装束に身を包む痩躯を穿つ。
手に持った刃も見慣れぬもの、近接は危うく思えるのだが]
一度近付いてみるべきかな。
[戦い方の想像がつかない以上、実際にその刃を受けてみようかと思考が過った**]
[カヤは大丈夫――かどうかはわからないが、少なくとも周囲の敵をあしらう分には問題がなさそうだ。
魔王は眼前に集う妖魔へ向き直る。
挑発の成否はともかく、強者から先に落としていく方針に変わりはない]
[空中で甲高く鳴いたのは怪鳥の類か。
こちらの動きが鈍いと見たか、鋭い嘴で啄まんと、翼を後方へ流し突っ込んで来る]
……動かずとも、真っ直ぐに飛び込む獲物を狩るのは容易いぞ?
[魔王が右手を掲げれば、先の炎帯びた"手"は空中へ]
[旋風が散らす有象無象。
助けたと思われるのは心外だが、此度はそう間違っていない。
彼女のようなうっかりではなく、目的を持って狙いを定めた。
ふ、と幾らか魔力が抜けて息を吐き。]
借りは返したぞ。
もう余計な真似はせぬことだ。
[彼女と己は元師弟の関係。
眼下に借りを預けるばかりは道理が通らぬ。
傲慢な自分本位を告げれば、視線を次の敵に向け。*]
/*
影、と言われるとワタクシの中の”影”がひょっこり顔を出してしまう(
アナタじゃありませんよ、自重してください。
[注意を引くだけにしては自棄に派手になった気もするが。
隠密やら隠蔽やらが難儀な性質だ、仕方ない。
己の目的果たせたのだから、後の手は智者が進めよう。*]
[空中に留まり、上空から戦況を把握する。
獰猛なる獣の凶刃が翻り、風纏う矢が宙を翔ける。
空中では同じく空舞う怪鳥が炎纏う”手”に突っ込み断末魔の悲鳴を上げていた]
先の二柱の配下よりは質が高そうですが…
そうと分かれば、大したことではありませんね。
[最初は侮っていたが、どの程度の力を持つかが分かればどうということはない]
[勇者らも順調に妖魔を屠っているよう。
約一名、様子がおかしい者>>37もいたが、道化師が手を貸すことはなかった]
何か焦っておりますか?
[ただし口は出す*]
[影の魔神と妖魔の戦い方が同じ訳は無いだろうけれど。
どのような戦法か、間合いはどれ程か。
それを推察する材料には成り得るだろうと、弓を負い直して精霊を手に纏う。
私の動きに、何を狙うか察したのだろう>>64タイガからの声かけにぱちと瞬いた後]
では、お言葉に甘えますね。
露払いはお願いします。
[いつも彼の魔獣に纏わせる風を、私自身に宿して異なる侍へと駆け出した]
[間近に見た刃は、見慣れたそれよりも薄く感じる。
けれどその硬質な輝き、鋭さは、見慣れたそれにももしかしたら勝る程。
何も無しに受ければ、私の腕など容易に切り落としてしまうだろう]
っ───!
…やぁ!!!
[滅多にない力任せで刀を横に払うと、受け流されると思っていなかったのだろう侍の身体が大きく揺れた]
[胴を薙ぐように放った風刃は、ザンッ!と音を立てて侍の身を裂く。
刃の間合い、斬れ味、その速さ。
一太刀だけでも、知りたいことは確認できたから]
こういったことは慣れていないので。
急ぎ仕事ですみませんね。
[崩落ちた侍に謝罪を述べると、囲まれぬ内にと離脱を図った**]
……俺たちの存在が、『混沌』……?
[返された答え>>25に眉を寄せる。
それがどういう理屈によるかはわからない、が]
よーするに、相容れない、って事かよ……ま、今はそれでいいや。
あんたぶん殴れば、細かい話は聞かせてもらえんだろ?
[そこはここを切り抜け影の魔神を倒してから問えば済む事、と今は割り切って、剣を構える。
歌うようになる剣は、珍しく自ら光を放っていた]
[踏み込みからの薙ぎ払いの一閃は、ちょこまか跳ねる小鬼を捉えきる事はできなかった]
ち、この、ちょこまかとっ!
[苛立ち込めて吐き捨てた所に、小鬼が手にした弓から放った矢が降り注いだ。
ひとつひとつのダメージは軽いが、軽いが故にうっとおしい]
んの、やろっ!
[薙ぎ払いから横に流した剣を後ろへ流し、くるり、下へと回す。
一見無防備な態に、小鬼が距離を詰める──ねらっていたのは、その一瞬]
……おらよっと!
[タイミングを合わせ、下から回した剣をやや強引に振り抜く。
銀の光を零す刃が小鬼を捉え、その身を見事に両断した。*]
[魔王が何を言わずとも、配下らは存分に奮闘していた。
道化師は妖魔を操り同士討ちさせ>>59、魔獣の爪が旋風の如く振るわれる>>64。
イースは精霊を気遣いつつも、思う所あるような動き>>60。
タイガが攪乱に動くなら、魔王は好きにせよとばかりに一歩を退いて]
はてさて、――次なる相手はそなたであるかな?
[振り仰いだ先には、牛の如き頭部を持つ妖魔。
草食の獣の口ながら、そこにはこちらを喰らう意志が見えた]
吹き飛ばす――は、少し難儀であるかな。
ならば肉食の獣の流儀を真似するもよかろう。
[巨体持つ牛鬼を前に、"手"に宿すは風の魔力]
―――― イース、お前はあの手合いをどう見る。
俺には、真っ向勝負を仕掛ける性質に見えない。
[彼と前衛後衛を入れ替える際、すれ違い様に問う所見。
己の言葉は、野性の勘にも似た感想であったが。*]
[小鬼に意識を向けている間も、相変わらずというかなんというか、魔王とその配下はその力を鮮やかに振るっていた。
こうして、近い場所で振るわれる力を目の当たりにすると、彼らの大きさ、力強さははっきりと感じられる]
……っても、それにビビって引く訳にゃいかねぇしな。
[触れた事で感じるもの。
畏怖と畏敬、それと共に強くなるのは、生来の負けず嫌い気質。
相手が強大な力持つ者であろうと、折れるを是とせぬそれは、今は世界を揺るがす脅威へと向いているけれど]
……負けねぇ。
[『始原の秩序』を名乗る者たちにも、魔王とその配下にも。
そんな想いを新たにしながら、呼吸を整えて]
……見え見えなんだよっ!
[怒鳴りながら一歩、後ろに飛びずさる。
直後、それまで立っていた場所にずどん、と音を立てて何かが降って来た]
……ってか、なんだこれ?
[見た目は巨大な生首。
異様と言えば異様なのだが、大き過ぎて逆にコミカルに見えてしまう。
ともあれ、落ちてきたそれは奇襲の失敗を覚ってか、再び浮かびあがろうとするが]
やらすか!
[それよりも先に剣に力を込め、闘気の刃と転じて放つ。
透き通る刃の乱撃を受けた妖魔は、ぎゃ、と短い悲鳴を上げて、すうっと消えて行った。*]
[ 剣が貫いたのは、刀を持った腕だけの妖魔。これは、どこかに本体が居るはず、と、視線を巡らせれば、片腕の鬼が突進してきた ]
邪魔だっ!
[ 癒しの術も万能ではない。
目に見える傷であれば。
腕が飛ぼうが血の大部分が失われようが
頭が飛ぶ―
…のは流石に治した事は無いが
大抵の怪我は癒すことが出来た。
しかし目に見えない毒については
不得手であった。
解毒が出来ないわけではない、
…が初めて目にする毒は解明する為に
多くの時間と魔力を消費してしまうのだ。
アルフレッドの姉上は才女と聞くから
解毒について教えてもらいたいと
思ってもいたところなのだ。]
[ 巫女の言葉の勢いに
裡に宿る風の童子が呆れたような
笑い声を上げる
言葉の勢いに乗るが如く
風は子鬼を吹き飛ばし周囲の数体を
巻き込んでなぎ倒した*]
[巨大生首が消え去った所で、ちら、視線を向けるのは最奥の影の魔神。
こちらの憤りに返されたのは、どこまでも軽い態度>>85で]
ほんっきで、影みてぇだな。
掴みどころ、ぜんっぜん、ねぇや。
[何を言われてもへらりとした態度を崩さず、それでいて、刃の鋭さを隠しもしない。
ここまでぶつかって来た光とも闇とも違うそれは、正しく狭間の存在と思えた]
ふむ。
おぬしらは相も変わらず分かったようなわからぬようなことを言う。
つまりは対の御方とやらが仕事をしていようといまいと、吾らは滅ぼされることになる、ということじゃな。
[対のが来れば世界は無に帰し、それを追い越して今のが来て世界を消滅させようとしている。
つまりは、彼らを排除しなくては世界は存続できないらしい。]
……てかほんと、こいつ、なんか違うよな。
光とも、闇とも。
[整理のつかない駄々洩れ思考は、例によって、こちらにぽろりと零れ落ち]
[かける声に返るのは反発の声>>89]
反抗期ですねぇ。
[どんな反応が返るのか分かっていながらちょっかいをかけるのだから始末が悪い。
奮起したカヤの一撃に巻き込まれぬよう、くるりと宙返りをして上空へと逃げると、そのまますいっと別の場所へと移動した]
光あるところに影あり。
光と影は表裏一体。
光なくば影は存在し得ぬ。
そんなところでしょうか?
[タイガへと返る魔神の声>>85を受けて、そんな言葉を向ける*]
人が話している間くらいは大人しくしているものなのじゃ。
[被さってこようとした破れ風呂敷のような怪異の中央を、鋭く伸びた枝がつらぬく。
風呂敷のどこに口があるのかはわからないが、それは悲鳴を上げて散り散りに破れ、消えた。]
……って、なんだっ!?
[目の前に感じた気配、それに意識を向けた直後に目の前に翻ったのは、真っ白い何か]
…………ぬの? って、わっ!
[それが白い布の何か、と気づいた時にはやや遅く。
振るった一撃は完全に捕える事ができぬまま、布の怪異はするするするりと上方の薄闇へと消えた。*]
世界を救うのに、神さえも手に掛けねばならぬとはのう。
まこと、因果なものなのじゃ。
だがこれはこれで
面白いのじゃ。
[声と同時、真っ直ぐに向かってくる炎の怪異に両手を向ける。]
[煙のような炎のような、えんらえんらと揺れる怪しの物が顔に纏わりつき、熱い体で息塞ごうとしてくるものの、細かな氷の粒に熱を奪われ吹き散らされて消えていく。]
世界を救う勇者たるもの、神のひとつやふたつ、ぶっ飛ばさねば、なのじゃ。
世界を守るためならば、たとえそれが
[踊るように歌うように言葉を口にしながら次の怪異へと軽く手を触れさせる。]
[甘い香りに巻かれた狼のような怪はふと眠りこけ、そのまま消えていく。
甘い夢に引きずりこみ、精気を奪う木精の仕業だ。]
たとえそれが、創造主であろうと打ち倒しもしよう。
吾らは生きるため、生かすために抗うようできておるゆえな。
[木精の香り纏った姿に、一瞬、気が遠くなるほどの年を経た大樹の気が重なったようにみえた。*]
[タイガの援護もあり、取り囲まれる前に離脱は叶った。
周囲に視線を向ければそれぞれが小鬼や妖たちを着実に減らしていっている。
カヤの傍、守るように炎纏う剣を揮うアルフレッドに気付けば何かあったか、と思いはすれどそちらに割く余分は無く]
…これだって、混沌にしか見えないけれど。
[それはこの場を見定める様に在る『影』も含めてだ。
秩序を盾に力を驕る者は流浪の間にも遭ったことがある。
のきなみ話の通じない者ばかりだったから、話し合いなどは最初から放棄していたけれど。
浮かんだ感想を、小さなボヤキに落とすくらいは許されたい]
「……さて……おまえらは、もうええよ。
後は、自分が働くよってな」
[静かな言葉が向くのは、未だに残る小鬼や妖魔たち。
この言葉を受け、大広間を賑わしていたものたちはふっ、と溶けるように消えていく]
「さぁて、ほいでは久しぶりに働きましょかー。
自分を抜けんようでは、主には届きゃしませんで?
……あらゆる意味で、なぁ……!」
[低く、鋭い声と共に、影の魔神は抜刀した刀を横に薙ぐ。
応じるように紫色の影がその周囲に湧き上がり、無数の矢に転じて降り注いだ。*]
[そんな中、私と前衛を代わるためにすれ違ったタイガから投げられた声。
彼の初見はたしかに同意できるもの、ではあるが]
そうですね…ただ、彼の持つあの剣。
私が今排した者も似たものを持っていましたが、見目より間合いが広く、振りも早かった。
鋭さも硬さもかなりのものでしたが、直刀な分、変則的な動きには不向きと見えます。
配下よりも劣るとは考えられませんし、あの剣がまったく同じとも思えませんが。
彼があの剣を主として用いる戦法ならば分かりません。
[受けた一撃から読んだ特徴を端的に伝えた]
生きる為に戦うのは、やぶさかではないのじゃ。
それこそ命の本分、生きるものの本質なのぞ。
じゃが、無駄な戦いは避けたほうが良いのも事実じゃ。
だから、おぬしが吾らに討ち果たされるより前に、御主のことやら、その剣のことやら、もっと喋ってくれても構わぬのだぞ?
[おおよそ強力な妖異が討ち果たされた戦場で、にこりと微笑んで術を編み始めた。**]
/*
いやあまいった。
影さん動かしやすすぎてなんだこれ(
まあ、ラスボスほっとんど喋らんからな、ここでいろいろネタばらしおとさんといかんのよな、うん。
[光を別の意味に置き換えてはぐらかされた>>106のには笑みを湛えたまま。
続く言葉を聞けば、意味は察しているようで、徹底的に惚ける心算なのはそれで知れた]
ま、良いでしょう。
どうせ吐くことになるでしょうから。
[愉しげに笑う魔神に対し、道化師もにっこり笑って見せた]
[妖魔を引かせ、口上の後に抜刀する影の魔神>>107。
刀を薙ぐのに合わせ、出現した無数の矢が縦横無尽に襲い掛かってくる]
影を掻き消すには光。
……なんて、単純には行かないのでしょうね。
[そもそも光属性は使えぬ身。
試す素振りすらなかった]
[くるりと右手首を回し、何もない場所からカードを一枚出現させる]
あまり多用は出来ませんが……ま、何とかなるでしょう。
[カードの背に左手を置き、解放の魔力を注ぎ込む。
カードの表面が膨れ飛び出してきたのは、数枚の円形の鏡だった]
全て返して差し上げますよ。
[物理であれ、魔法であれ、攻撃を反射させてしまう魔境の量産品。
回数制限を越えると割れてしまうものであるが、防御に使えるだけでなく、味方の攻撃を反射して奇襲をかけられる優れものだ。
複数を利用し跳弾させ、攻撃方向を悟らせない、といった使い方も出来る。
その魔境を魔力で繰り、魔神の攻撃を跳ね返させたり、こちらの攻撃に一手間加えて当ててやろうと目論んでいた**]
[くるりと右手首を回し、何もない場所からカードを一枚出現させる]
あまり多用は出来ませんが……ま、何とかなるでしょう。
[カードの背に左手を置き、解放の魔力を注ぎ込む。
カードの表面が膨れ飛び出してきたのは、数枚の円形の鏡だった]
全て返して差し上げますよ。
[物理であれ、魔法であれ、攻撃を反射させてしまう魔境の量産品。
回数制限を越えると割れてしまうものであるが、防御に使えるだけでなく、味方の攻撃を反射して奇襲をかけられる優れものだ。
複数を利用し跳弾させ、攻撃方向を悟らせない、といった使い方も出来る。
その魔境を魔力で繰り、魔神の攻撃を跳ね返したり、こちらの攻撃に一手間加えて当ててやろうと目論んでいた**]
[言葉は交わせるものの、掴み所がない魔神。
ここまで撃破してきた光と闇とは違い、己が為すべきを第一としつつも、それ以外の意図も見え隠れしているように思えていた、が]
……結局、最後はガチ勝負になるって事か……。
[立ち上がる魔神が向ける笑み。>>106
予想通りではあるが、つい、こんな呟きが落ちた]
ま、いーぜ。
あんたたちとは根本的に相容れないみてぇだし。
こいつがこんなに騒ぐって事は、あんた単体でも相当ヤバい、って事なんだろうからな。
[言いつつ、視線落とすのは手にした剣。
音量は大分落ちているが、剣は相変わらず、歌うようにりぃぃん、と鳴いていた]
[魔神の言葉に応じるように、小鬼や妖魔たちが姿を消す。
抜刀した魔神から向けられるのは、相も変わらず意味深な言葉。>>107]
……意味があるんなら、ちゃんと!
説明しろってんだよ!
[突っ込み飛ばしながら、剣に力を込める。
聖乙女謹製の飴のおかげで、剣媒介の術の行使も問題はない。
そして、無差別攻撃が飛んでくるなら、こちらの対処は]
『想い』の力、護りと変われ!
[単純な光だけでは、軽減できるとは思えない。
だから、光の護りの魔法に、剣の力を乗せて増幅した。
横薙ぎに振るった剣から飛び立つ銀の光が、護りの壁となって場に広がる。
即興部分もある魔法故に、防御を突き抜けるものもあるだろうが。
まともに喰らうよりは、遥かにマシなはず。*]
...光と闇は、他と混ざることはないものだ。
だが、影は、必ず実体と繋がっている。もしかすると、その違い、かもしれないな。
[ クロートの言葉に、ひとつの予測を返す ]
本体と繋がってる……か。
[アルフレッドから返された言葉>>=1に、思考数瞬]
……あいつ、主の『影』、っつってたっけ。
つまり、それだけ本尊に近い……場合によっちゃ、繋がりがある……って事か。
少なくとも、光の魔神にゃ、何かと繋がってるような感じってなかったしな……そこが、違い、か。
[そこまで考えて、ふと。
アレ、予想以上に厄介なんじゃ、なんて所に思考が至り]
……アルフ。
今からちょい、力押し付けるから、もってけ。
[思考の後、たどり着いたのはそんな結論]
文字通り一筋縄じゃいかなそーだし、対応できる縄、増やした方がよさそうだからな。
[具体的に何をどう押し付けて、どう『縄』を増やすのかは説明しないまま。
勇者は意識の集中という形で、黙り込んだ。*]
いただき、ます
[ ガリ、と噛み砕いて。
瞬間脳天を突き抜けるような刺激が襲ってきたが、最早如何な味かさえ分からない
理解が及ぶ前に渾身の精神力を振り絞り
慌てて飲み下した ]
ありがとう
聖乙女の薬はよく効くのね
今度作り方を教えてくれない?
[効果は抜群のようで、毒で痺れていた首元がスッと楽になった。
解毒も出来ないのは癒しを担う者として不安が残る。
もしかしたら生かせることがあるかもしれない、と。
どのような反応であれ動き出した影の魔人へ立ち向かうべく、影の魔人に向き直った ** ]
力?押し付けるって、お前...
[ 何をする気だ、と言いかけて、諦めたように吐息をつく ]
まあいい、好きにしろ。
[ クロートのやることならば、条件つけず受け止める。それはアルフレッドの覚悟のひとつ ]
[通信魔法で一方的に何やら言った後、勇者は剣を下段に構えて目を閉じる]
俺と想い同じくする友の剣に、内なる力を。
聖魔両断叶うその力、届け、響かせ、彼の者の力となせ。
[言霊に応じて透き通る剣の内に銀色の光球が生じ、それはたんぽぽの綿毛か何かのように、ぽぽぽ、と表に飛び出してきた。
飛び出してきたそれはふわ、ふわりとアルフレッドの方へと向かい、彼の剣に絡みつく]
[飛ばしたのは、聖魔剣に宿る『想い』の力。
光とも闇とも違う影の魔神に対するためには、単純な属性付与だけでは追いつかないかも知れない。
それならば、単純じゃない属性を持つものを増やすのは悪くないだろう。
とはいえ、聖魔剣の力を分けるとなると、諸問題から相手は限られてくるわけで。
そうなるとそれを託せるのは、こちらの力を正しく受け止められるであろう者。
背を預けられるだけの、強い信を抱く友以外には考えられなかった]
……ま、慣れないとけっこーきついかもしれねぇけどな。
[人々の純粋な『想い』、『心』の力を具象化した剣の力は、あらゆる意味で重いものだが。
それに負けるような奴じゃないから大丈夫、なんて信頼もそこにはあった。**]
……てわけで、押し付けた。
聖魔剣の力、持ってけ。
ちょいと重いかもしれねぇけど、お前ならだいじょーぶだろ?
[諦めたような吐息>>=4に、やるだけやってから返した言葉は。
物言いだけは、やたらと軽いものだった。**]
[紫の影より生まれ、降り注ぐ無数の矢。
それに対抗するように魔鏡が呼び出され>>113、勇者の護りの力が広がる>>115。
それでも幾本かは護りを抜けようか]
"手"で払うには、些か数が多いかのう……?
[そう独り言ち腕組みする、魔王に銀の髪に黒紫の魔力が宿る。
それは拡がり、髪を延長するかのように空間へ広がり伸びていく]
これを使う相手に巡り合うことも、そうはないと思っておったがのう。
["髪"は矢に絡みつき、失速させていく。
物理的に弾くというよりは、力を奪い吸収する動きにも見えた。
武器そのものや高火力の術相手では、抜かれてしまうのが難点――とは、口にすることはなかったが]
/*
アルフレッドのお姉様の飴食べてみたかったけど、無駄に回復力高い設定にしちゃったから、毒状態にしてみた笑
飴に解毒作用なければ自力で治る、THEご都合主義
影の魔人、一体何を考えているのかしら
言葉の端々に、自分が打ち破られた後の話を
仄めかしている…
主…光の御仁と深いつながりがあるのは
確かなようだけど。
[魔人の放つ凄まじい力の波動を肌身で感じるが
私たちがそれに敗れるとは思っていない。
恐るべき力を持った敵だろうが
きっと打ち破ってみせる。]
…でも、ちょっと。怖い
[ へら、と仲間内に本音が漏れる
敗れることへの恐れではない
今までの敵とは違った意味で感じる
得体の知れなさについてだ *]
[例え恐れを抱こうと前を向かねばならない。
そうしなければ未来は無いのだから。
遂に動き始めた影の魔人を見遣った
今まで戦った魔人とはまた違った意味で
かなりの強敵であることが見て取れる ]
光あってこその影。
光があるからこそ影がある。
影を打ち消さんとするならば
影を飲み込む……
ねぇ、強い魔力、
試してみない?
[ もし受け入れてくれたなら
己の魔力の回路をアルフレッドと繋げようとする。
彼自身の意志でどのような目的にでも
好きに使えるだろう
足りぬを補うは彼の努力と度量だが
今ばかりは彼の助けになることもあるかもしれない**]
/*
仲間から続々と力を託されるアルフレッド
(一晩悩んだけど、カヤの攻撃面のサポートは厳しそう
PC設定的に、内心撃破担当にならなくて良かったと思っているのは内緒だ!
/*
おかしい、なんでみんな、援護でなく、直接強化しようとしてくるのw
俺が弱いからですね、わかります(なんでここまで最弱設定にしたのか、自分でもよくわからない。たしか死亡フラグ撒きまくりのツンデレ王子をやりたかっただけのはず...?)
[ 子供の頃、伝説の聖魔剣の勇者と魔王の物語は、聖王国の末の王子のお気に入りだった ]
ばあや、ゆうしゃのおはなし、よんで!
[ それこそまだ字も読めない頃から、ベッドに入ると乳母にねだったものだ ]
僕、大きくなったら勇者になる!
[ そんな調子だったから、当然に抱いた夢も同じ形で......聖魔剣の勇者には勇者の血筋の者しかなれないのだと、聞かされた時には、随分と意気消沈したのを覚えている ]
ひょっとするとあやつを打ち倒したら御主とやらに変身するかもしれぬのじゃ。
[ふふふ、という笑いつきで、しれっとそんなことを言う。]
倒された後のことをあれほど言うのだから、光や闇のもののように即消えるわけではないのだろう。
とはいえそれも、あやつのフェイクかもしれぬがの。
なに。
吾らだけでも光と闇どころか癒しの力も精霊の力も揃っておるのじゃ。
おまけに魔の者の力も当てにできよう。
聖魔も光闇も自然の力も怪しげな力も好き放題ぞ。
たかだか影程度、怖れることなどないのじゃ。
[ 聖と魔と、いずれも等しく断ち斬る勇者の剣、その剣を継ぐ者は、およそこの世に生きる人間や亜人、全ての期待と想いを背に負う覚悟を強いられる。
伝説には語られることの無い、勇者の重責を、全てを背負いながら前を向き続ける強い心を、アルフレッドは間近に見続けてきた。
『想いの剣』を目覚めさせ、輝かせたのは、紛れもなく、クロートが、歯を食いしばり力を振り絞って成し遂げた事だ ]
クロート...?!
[ その、無二の剣の力を、自分に分ける、というある意味とんでもない暴挙に>>120全てを受け止めると覚悟していたとはいえ、驚くなという方が無理だった ]
お前な......いくらなんでも、破天荒が過ぎるぞ。
[ こんな話は古の勇者の伝承でも聞いた事がない。と、手にした剣に宿る力を感じながら、呆れ混じりの吐息をつく ]
......想いの力、か。
[ 知ってはいても、直接感じるのは初めての、その感覚...願いや期待、恨みや悲しみまでも全て、勇者へと託された無数の心は、確かにとても重い。けれど ]
まあ仕方ない、今となっては、お前の破天荒に付き合えるのは俺だけだろうからな。
[ その重みに震える事もなく、アルフレッドは、ぐっと剣の柄を握り、顔を上げて笑った* ]
さて。
影の魔神とやら、
おぬしの本質、そろそろ見せてもらいたいものじゃ。
[動き出した影の魔神が紫の矢を驟雨と降らせる。
それを道化師の鏡が跳ね返し、魔王の力が喰い散らし、勇者の光が護りを広げる。
それでもあるいは抜けて来るものもあろうが、脅威とは感じなかった。]
文字通りの影ならば、消し去る方法はいくつもある。
役割としての影ならば、表に出てきた時点で負けなのじゃ。
対の存在としての影ならば、おぬしを倒せば御主とやらの力も削げるかもしれぬ。
これほど面白い相手というのもここにきて初めてなのじゃ。
[にこり笑って、印を組む。]
回る回る妖精の輪
光る光る蜘蛛の糸
飛べよ飛べよ蛍の子
踊れ踊れ時を止めて
輪の外は朝
輪の内は夜
いついつ出やる?
明けない夜が明ける時
[精霊に呼びかける呪文とは違うそれは、エルフの古い詩だった。
掲げた手の間から、森の妖精の力が溢れ出し、広がっていく。
淡く光る粒のようなそれは影の魔神の周囲を覆い、蛍のように熱のない光を投げかける。
森を荒らすものを"影無き光"で包み込み、内から外へ魔力が放たれるのを阻害する、森妖精の秘儀だった。]
しかし……
[不安といえばそういえば]
あの、奇妙奇天烈天外真境な色の飴はなんなのじゃ?
[絶対食べさせられないように、身体には気を付けよう、と思った。
とても思った。*]
こんな驚天動地な事態、正攻法だけでどーにかできるわけねーだろ?
[破天荒、という評>>133にしれっと返す。
聖魔剣に宿るもの、ありとあらゆるヒトの『想い』。
それは良き願いや祈りばかりではない。
怨嗟や慟哭、激昂。
そう言ったものも含めた『心』の力。
剣が『想い』を蓄える度、高まる力と共に重責を感じて。
狂いそうになった事も少なからずあったが──その直前で踏み止まれたのは、共に歩んできた仲間たちのおかげだった。
それだけのものを託す、という事は、転じて、己が支える、という宣でもある。
その辺り、言葉にしないのはまあ、気質の問題という事にしておいて]
ま、そーゆーこったな。
[重圧に飲まれる事無く、向けられる笑み。>>134
それにしれっと返しつつ、剣を握り直す。
力をわけた、というわりに、剣の光は衰えてはいない。
むしろ、先よりも輝きを増しているほど。
ただ託されるだけでなく、『想い』を託す、という事。
それもまた、剣の輝きを高める力のひとつだから。*]
[飛び交う力の矢と、応じる力。
その中から誰が抜けるかと思えば、気焔を挙げたのは黒髪の末王子であった。>>132
聖王国からの目付け役―――、
人の王族に連なる軟弱な新芽と断じている青年。
そんな彼に勇者が力を受け渡すのが見え、微か視線に力が籠った。
影を屠らんと、踏み出しかけた脚が制止を掛け。
その場で新たに飛んできた影矢を打ち落とすに留めて。]
……力量を計るにも悪くない機会か。
[元より敵の出方も知れぬもの。
己の加勢なくば打ち破れぬなら、評価は不変で良い。
だが、それ以上。
もし、彼が勇者の影以上の存在ならんとするなら。]
……怖い……かぁ。
あー、確かに。
相手が何だかわからなさ過ぎて、ってのは、ちょっとあるかもな。
[超直球だった光と闇には、そこまでのものは感じなかったのだが。
なまじ言葉を交わせるだけに、得体が知れない底が取れない怖さ、というのはある]
……変身……ねぇ。
あの言い草だと、絶対にねぇ、って言えねぇのがちょっとこえーな。
[しれっと言われた言葉>>=8は、影の物言いやら何やらから、完全な否定はできそうにない]
ん……そーなんだよなぁ。
この勝負の先……それを見越してる感、半端ねぇけど。
ま、フランの言う通り、これだけ色々揃ってんだ。
それで抜けない、なんて、そうはねぇだろ。
……あとは、信じて突っ走るのみ、ってな。
[何をどう信じるか、は触れる事なく。
宣する声に迷いはない。*]
[タイガと入れ違い、後方に陣取って周囲を見遣ると影の配下達は数を減らしたもののまだ賑わしく動いている。
魔王配下、勇者一行ともに目立った損傷は見えないようだが目立たぬ傷は恐らくあるだろう。
勇者の方はカヤが居るから多少の無茶も構わぬだろうし、などと考えていたら>>107広間を行き交っていた妖魔達の姿が消えた。
自然、視線を動かすのは言葉を交わすだけで静観していた影の魔神。
その手にある刀が横に薙がれた、その輪郭を追うように沸いた紫影が無数の矢となって降り注ぎ]
っ、──!!
[背から弓を取ると、光の精霊に呼びかけ即席の矢を作り。
狙い定める余裕も無く、すぐに放ったそれは拡散して幾つか当たった影と相殺して消え失せる]
[私の血はエルフのものだから、光の精霊も呼掛けには応えてくれる。
けれど、脈々と潜み繋いできた魔族の血が、その光に影を差す。
下っ端程度ならば打ち倒せても、魔神相手にはせいぜい小石を投げる程度でしか無い。
影を力とする魔神ならば、魔王たちの力も多少削がれてしまうだろう。
だから、今ここで補佐するべきは勇者達が必然と、私の思考はすぐに定まった]
─ あの男の剣、見目よりも間合いが広いようです ─
─ 恐らく一撃でも斬られれば終わりでしょう ─
[指先を唇に乗せて告げる言の葉は、風に乗って勇者一行へと駆けていく。
それを魔王やタイガ、ローゼライトがどう思うかは今は気にせず]
─ 斬られても治りはするでしょうが、念の為防護をどうぞ ─
[勇者一行に声を届けた風はそのまま、鎧のようにアルフレッドとクロートの身を包む。
その力に、魔の気配は欠片も無いと気付くことはあるか*]
魔力?お前の、か?
[ また何を言い出したのかと、その顔を二度見して、苦笑を零す ]
......破天荒はクロートだけじゃなかったか。
[ カヤが言い出したことの理由は分かる。アルフレッドは大きな魔力を必要とする時は生命力を魔力に変換することで補っている。
そこへ聖魔剣の力を使うという新たな負荷が加われば、本気で命を削る事態にもなりかねない ]
危なくなったら、無理せず、手を引けよ?
[ 魔力の低いアルフレッドに魔力を供給するということは、カヤの方にもそれなりの負担がかかる。
けれど、それが少しでも確実に、約束を守るための手段となるならば、彼女の想いと覚悟もまた、受け止めるべきだと、そう思えた* ]
[イースが勇者らに手を貸す様子>>147は特に気にした様子はなく。
広がる光の護り>>115や影の矢を失速させる魔王の”髪”から逃れた分を魔境で反射させていく]
これはどうですかね。
[魔境を魔神の周囲を囲うように配置し、焔と雷をそれぞれ放つ。
軌道は魔神そのものへではなく、彼の左右の魔境へと向かうもの。
反射した焔と雷は更に魔神の背後の魔境へと走り、1つの魔境で反射するその刹那、焔と雷は融合を果たした。
威力を上げた焔雷が魔神の背後から襲い掛かる]
[他でも攻撃が放たれるならば、魔神から逸れたものを中心に魔境で反射し。
時には単発で、時には融合させて魔神へと降りかかるよう仕向けた*]
あまり、情は移さぬことだな。
貴様との諍いは御免だ。
[釘を刺す声と言葉。
今、勇者らに協力するのは合理的な思考だと理解するものの。
――――― 彼らとは、いずれ決着をつけねばならぬ。*]
[ やがて、フランの澄んだ声が古のエルフの詩を影満ちる空間に響き渡らせ、神秘に満ちた影無き光が、影の矢の襲来を抑える封を編み上げる>>137 ]
さすが、フランだな。
[ あとは任せた>>138と笑う彼女に、感嘆の声と共に片手を上げる ]
ああ、任せろ。
あの影に、本物の面倒ってやつを教えてやる。
[ 天から見下ろす人と魔の世界は、小さく軽く見えるのかもしれない。
けれど、この手に受け取った以上の心と命が、そこには溢れ、懸命に生きている。それを消し去るのは簡単なことではないのだ、と、ただ動くを面倒と吐く、あの影に思い知らせるべく、剣を構えた時 ]
...ん?
[ 風に乗って届いたのは>>146先刻も聞いたダークエルフの声 ]
これは...
[ 同時に身を包む防御の術の気配はクロートも感じただろう。魔の気配を感じさせない、フランが操ると同じ、純粋なる精霊の力 ]
......つくづく、見た目で相手を決めつけるのは良くないな。
[ 自嘲の響きをこめて呟いた後、イースの方へと視線を向ける ]
ありがとう。お前も気をつけろ。
[ 先のように、どさくさまぎれにではなく、はっきりと、声に出して礼を告げ、笑みを向けた* ]
[意識を眼前の戦いへ戻せば、王子へは想いと共にカヤの魔力をもが託され。
他の者も防護や援護、周囲からの攻撃へと回る――己が忠実なる配下は、力量を見定めるが如く傍らに控えていたか>>144]
クク、そなたは変わらぬのう。
[イースの加勢を咎めるでもなく、一方でタイガの釘刺し>>153もまた、配下の在り方として快いものとして受け止める]
だが今は、あれの力が遺憾なく振るわれる様を――この我輩も、見たくはある。
[今この時は、託された想いの先を見定めることを、魔王も己の意志として口にする。
それは単に力量を計るためか、他の意図があってのものか――そこまでは明かさず]
[>>137木漏れ日の様なフランの歌声は、初めて聴くものだが懐かしい響きで耳を打つ。
自分以外が紡ぐエルフの詩、溢れ広がる森の妖精の力。
回復の作用など無いはずのそれは、私の下にいる妖精たちに癒しを与えていた]
…やっぱり、後で感謝くらい伝えておかなくては。
[そんな呟きは、道化師ならば>>152勇者たちに手を貸した時と同じような反応かもしれないが。
>>153口ほどに目で語ってきた魔獣からは、やはり視線が突き刺さってくるだろうか。
それでも、受けた借りは何らかの形で返しておきたいと思うのは性分で]
[勇者達に助力をしたのも、彼らに前衛を託す故。
だから、>>155向けられた礼には微かな苦笑が浮かぶ。
こちらを気にする要など無いのに、カヤといい彼といい随分甘いものだ。
そう思いながら、否定も肯定もせず手を一度振るに留めた*]
[タイガから刺さった視線は、言葉も共に向けられた。
浮かべた苦笑は、タイガにはどう映るか分からないが]
ご安心を。
情を移す程の借りは作ってませんよ。
[言外に、あくまで合理を考えての行動だと答えた。
事実、アルフレッド達に対してはそこまで入れ込む理由も無い。
──理由がある者もいることは、自分でも自覚はしているけれど*]
ふふ。行ってこい、なのじゃ。
[「本物の面倒」との言い草に笑って、アルフレッドを見送る。
その背に護りの力が加わるのを見て取って、魔力の流れを辿った。
たどり着く先に、黒いエルフの姿がある。]
里の守り人にも負けぬ力よの。
さすがは吾の初めてさんなのじゃ。
[かみさまと呼ばれようと、敵味方となろうと、いまだに、初めて一緒に遊んだ友達、の認識なのだった。]
[ふわり、届いた風の力と言伝。>>146
ひとつ瞬いた後、力の伝わって来た方へと視線を向けて、にぱ、と笑って見せた。
それから、視線はりぃん、と一回鳴った剣の方へ]
……?
何に反応して……って、あ。
[見回せば、剣に向かう視線がひとつ。>>156
紡がれた呟きを捉えるにはやや遠いから、その思う所までは伝わらないけれど]
……そういや。
反応の仕方、違うよなあ。
[魔神に対してと、魔王に対して。
聖魔剣の反応は、微妙に違う気がする]
……てか、なんで、伝説の御先祖は……。
[お伽噺に伝わる自分の先祖に当たる勇者は、魔王を完全に滅ぼす事はしなかった。
それは一体何故なのか、と。
ふと過ったのはだいぶ今更感のある疑問。*]
ふふ、それだけ期待してるって事よ
遠慮なく持ってきなさい
[アルフレッドが勇者より預かった『想い』
清濁併せ持つ感情の放つ力
そこには私自身の願いも混じっていよう。
無事討ち取れますように、と。
コツンと額を合わせよう、
互いの同意の下であれば転移も容易い
魔力は自由に使えるはずだ *]
俺は貴方の刃ですが、
いつか盾にもなるのでしょう。
[勇者らが力を得れば得るほど。
彼らが強くなればなるほど。
相対し、打ち勝つためには相応の代償が必要だと、そう痛感する。]
[ 隣に立つクロートと無言で視線を交わし、同時に地を蹴った。
駆ける頭上には、紫の炎を閃かせて羽ばたく鳥が添う ]
我が手に宿るは聖魔の光 移ろう影...
[ 詠唱を始めながら、足を止めたタイガにちらりと視線を向けるが>>144その思う所は知らず。
けれど、彼が抱いた、勇者の影との評は正しくアルフレッドの在りようを示している。
王となることはなく、英雄となることもなく、勇者ともなれぬ、けれど、王を支え、英雄を支え、勇者を支える影たらん、と、生き様を決め、この旅を乗り越えたのは確かだ ]
クロート!
[ 名を呼ぶ声ひとつと目配せひとつ、それだけで二人は左右に分かれ、別方向から『影』に向かっていく ]
っ!
[ 剣が届く範囲に近づく前に、影の放った矢の一本が、アルフレッドの影を貫き、動きを縛る。恐らくは同じ矢がクロートの方へも飛んだだろう ]
[ 勇者の影となり、彼の背を支える王子は、もう一つの譲れぬ願いを持っている。
互いの苦悩をぶつけ合い、受け止めた無二の友、勇者としてではなく、王子としてではなく、ただ、同じ明日を彼の隣に立つものとして生きたいと...生かしてみせる、と ]
/*
茶々入れのなかった世界線のイースくんには、
是非ともフランちゃんさんと一騎打ちしてほしい。
きっと凄く胸の詰まるような葛藤を描かれる。
我が友の願いを糧に
[ 足は止まっても、カヤの魔力に繋がれた詠唱は途切れず、縫いとめられたはずのアルフレッドの影がゆらりと揺れる ]
想いの力 影より放て!
[ 揺れるアルフレッドの影が大きく宙に伸び上がり、その影に向かって炎の鳥が飛び込む。
鳥と同じ色の炎が影を燃え上がらせ、紫炎の翼持つ竜の姿が舞い上がった ]
はああっ!!
[ 竜の炎は影の矢を溶かし、周囲を巡ってクロートを縫い止めた矢をも溶かした筈だ。
そのまま跳躍したアルフレッドを竜はその背に受け止める。
クロートは地を走るか天翼を羽ばたかせたか、いずれにせよ、彼が共に在り、後に続く事をアルフレッドは疑わない ]
案ずるでない。
刃であれ盾であれ、無下に使い潰す気はないからの。
[タイガの懸念は、勇者一行が成長し更なる脅威となることにあるのだろう。
魔王の寛容はそれらを助長する一面もあろう]
我輩は我が意のままに生きるが、"魔"の"王"たる本分を忘れてはおらぬ。
今少しは辛抱せよ、決着を付けるに相応しき場が整うまではな。
[人と魔の一線に拘る忠実なる獣へ、そう一声を掛ける]
――そうでなければ、我輩がこの在り方を……、
他を率いる者としての王たる道を、選んだ意味がないのでの。
[そう零した言葉の意までは、相手に伝わることはないであろうが*]
[ 竜の姿が迫ると同時、魔鏡が煌めき、ローゼライトの放った焔雷が魔王の魔と闇の力を受けて影の魔神を背後から襲う。
竜の吐いた紫の炎は、魔神の影を焼き払うかのように渦を巻いた。
それでも倒れることなく、魔神の揮った刀は、狙い違わず竜の姿を真正面から両断したが ]
地に生きる者の想いと命、その身に刻め!!
[ 一瞬早く竜の背から跳躍したアルフレッドは、己が影から生まれた竜を断ち切られる衝撃を堪え、聖魔の力宿した剣を袈裟懸けに振り抜いた。
地に落ちる天の影を断つ、切っ先にその意思をこめて** ]
[>>*5魔獣から向けられた瞳は、やはり雄弁に語ってくるもの。
言葉に出さないことが私への譲歩であるとも、察せないほど鈍くもなく]
……少なくとも。
彼らが御領主を超える度量でも持っていない限りは、
私に貴方の牙を向けさせることはありませんよ。
[苦笑を収め、告げた宣と浮かべた表情は、言葉にせずとも有り得ないと決めつけたもの。
彼ら個々はともかくとして、人に対して私が抱いている想いの片鱗を伝えられようか*]
[思案の時は短いもの。
向けられる視線>>170、それを合図に躊躇いなく地を蹴った]
おうよ!
[名を呼ぶ声と目配せに応じ、跳躍するのは真逆の方。
言葉を交わす事はなく、ごく自然に選んだ動き。
それを阻むように飛ぶのは、影の魔神の放った一矢。
縫い留められた影に舌打ちひとつ、さてどうするか、と思う所に重なったのは途切れぬ詠唱と、炎翼の羽ばたく音。>>172]
……ったぁく。
あいつもたいっがい、派手だよなあ……!
[竜の炎が影の矢を溶かす。
縛が解けた、と見るや躊躇う事無く地をかけた。
向かう魔神に猛威を振るうは、闇と魔の属を帯びた焔雷。
鮮やかなる紫焔が舞い、影を焼き尽くすかと思われたが]
……さすがに、しぶとい、かっ!
[魔神は未だ崩れず、その刃を振るい]
……アルフ!
[魔神の刃が竜を両断した瞬間、叫んだのは友の名。
それでも、跳躍する影を視界に捉えたなら]
……届け!
[気合と共に手にした剣を横一閃。
放った闘気の刃は影の魔神を捉え、数瞬、動きを止める。
その僅かな間隙を、友が正しく捉える事は、疑う事もなく。*]
[最初は取るに足らない聖王家の末王子。
勇者一行に箔をつけるだけの存在。
だが、今、彼が放つ輝きは、瑣末なものでは無かった。>>170
聖魔剣に選ばれた訳でもないのに、操る力は膨大。
想いが力になるのならば、一体、どれほどの―――。と、
魔獣がゆっくりと眼を瞠るほどには、猛き吶喊。>>172
それに続くだろう勇者の光も相まって、大広間は明るく照らされ。]
……眩しいな、
[文句でも、嫌悪でもなく、変わっていく人の力。
募る想いの結晶に、瞳を細め。
友を思い、決意を固めた太刀筋は。
確かに、勇敢な戦士のものだった。>>173**]
[かつての魔王は、人の力など、取るに足らないものだと思っていた。
今となっては伝説に謳われる勇者に対してさえそうであったのだ]
[しかし今、眼前で想いの力受け強大なる魔神を討ち果たしたのは。
勇者ですらない、王子とはいえただの人]
[血筋は違えども、その姿はやはり、かつて魔王の眼前に立った一人の男を思わせて]
――面白い!
やはり、人間とは、『想い』とは――予測もつかぬ力を発揮するものよ。
[配下の懸念も、いずれ彼らが更なる脅威となることも、全て受け止めた上で。
魔王が口にするのは感嘆と、抑えきれぬ高揚**]
/*
ちょっと色々振り絞ってしまったので、頭が働かなくなっているのです。
タイガさんの感想嬉しいです、好き...(語弊)
「……やぁれやれ、参りましたなぁ。
だーから、自分、働きたくない言うたんに……まあ、しゃあないか」
[その身を深く裂かれつつ、しかし、魔神の口調は軽いまま]
「とはいえ……あんたさんたちの……『この世界に生きる者の意志』、見させていただきました。
まあ、こんだけのモン見せられたら、どーしよーもないわなぁ。
……どーぞ、お行きなさい、『始原の秩序』の所へ」
[静かな口調で告げた後、魔神はまたひとつ、息を吐く]
「……ただ、ま。これだけは言うときます。
あんたさんたちが相手にしようとしとるんは、純粋な力のカタマリですわ。
『世界』を回帰させるために、主、いろいろ切り離しましたんで。
ぶっちゃけ、話とか全然できません。
あるのは、『絶対秩序の維持』のために、『混沌を生じうる全てを滅する』ってー思考だけですわ」
「なんでそんなん必要なのかー、言うんは、まあ、恐らく理解できんでしょけど。
……『始原の秩序』いうんは、そーゆーモンなんですわ。
『完成した世界』と『絶対秩序』、どうあっても相容れんモンを同時に求めるが故の矛盾ってのは、えらい面倒なモンでしてなぁ……。
巡りがブレさえしなきゃ、発生なんぞせんのですけど……まぁ、ここは詮無いですわな」
[言いながら、影はふ、と遠い目をする。
けれど、それは一瞬のこと]
「……さてさて、それじゃあお役御免の影は引っ込むとしましょかねぇ。
あんたさんたちがどーしても、『始原の秩序』を止めたいいうんなら、まずは力を集めて散らすといいですわ。
なぁんせ、力のカタマリですからなぁ……直に突っ込むと、火傷じゃすみませんからなあ」
[くく、と楽し気な口調でそう告げると、影はどこからともなく取り出した鈴の束をしゃらん、と鳴らす。
応じるように、五芒星の広間全体が揺ぎ──その場の事象諸共、溶けるように消え失せた。*]
― 天空城最上階・控えの間 ―
[広間が溶け落ちた直後に働いたのは、空間転移の力。
それは一同を更なる上層へと導く。
たどり着いた先は、小さな六角形の小ホール。
天井はなく、見上げれば青い空が広がっている。
ホールの奥には長い階段があり、その先からは強大な力が感じられた。*]
お見事なのじゃ!
[対の翼の如く飛び出すふたりが影縫い留められた時には息も飲んだが、その危機をも見事乗り越えて刃がふたつ、縦横に届く。
成し遂げた彼らに、声高く賛辞を贈った。]
さて。
[並の生き物であれば致命だろう、神すら断つ想いの刃を受けて、影の魔神はどう出るか。
警戒とかぬまま、じっと成り行きを見守る。**]
[領主たる魔王は、>>152道化師の繰る魔鏡を利用し更なる撃を加え。
>>169彼の刃たる魔獣は、私と同じく勇者達に魔神と対峙するを任せた様。
視線の先には、>>170>>174淡い精霊の光に包まれる中『影』へと挑む二人の姿。
竜の炎が影の矢を打ち消し、闇と魔の焔雷が魔鏡を介し広間を奔る。
それが放つ輝きをも飲み込む程の、眩き煌きがアルフレッドの、クロートの揮う剣の軌跡を描く]
………想い、か。
[>>173魔神に剣を届かせた王子の声は、私の元にまで届き響いて。
彼の中のそれには、私達は含まれていないのだろう、と。
心の内、冷えたままに在るそれを再認していた**]
/*
思わせぶりムーブ多用してるが、なんとなく考えた過去設定いつ落とすかな。
(てか勇者殿と齟齬起こしてる可能性あるんかな…)
タイガには苦労を掛けるの…正直そう大層なこと考えてない気もするが、この魔王(
[小ホールの奥の階段を登れば、たどり着くのは六芒星形の空間。
こちらにも天井はなく、壁は円柱で構築されている。
六芒星の最奥には、黄金に煌めく玉座。
そこに座るのは、黄金の翼を持つ、白一色の装いの女性。
その手には、どこかで見たような槍が握られていた]
「……『混沌』を生み出すもの」
「汝らの存在、そして、その存在を赦す世界を容認はできぬ」
「……虚無への、回帰を」
[抑揚ない声が歌うように紡ぎ、直後、女性によく似た姿の影が幾つも現れる。
玉座に座る女性──『始原の秩序』と同じ力を宿す影。
それが、先に影の魔神が言っていた『力』なのは察しもつくか。
いずれにしろ、剣呑なる秩序の分身たちは、容易く散らされるつもりもなさそうだけれど。**]
☆最終決戦・VS『始原の秩序』
・フィールド
天空城の玉座の間。
六芒星形の広間で天井はなく、周囲の壁は円柱で構成されている。
最奥の玉座に、『始原の秩序』が座っている。
・登場敵
『始原の秩序』の力の分身。
槍を携えた、黄金の翼を持つ戦乙女たち。
基本は武器での力推し。
・ボスキャラ
『始原の秩序』。
『秩序の王』と呼ばれる存在が、自身から幾つかの要素を切り離したもの。
『世界を回帰させる』という目的にのみ特化した存在。
・判定方法
card利用のイベント。判定回数が最大5回なのは、これまでと変わらず。
襲い掛かってくる戦乙女を撃破した後、その力を上手く散らせるかを判定する。
引いたカードによって、pt加算。最終的な合計値トップがラストイベント行使権獲得。
A,JOKER:大成功 +8pt
J,Q,K:中成功 +5pt
5〜10:成功 +1pt
2〜4:失敗 +0pt
※失敗の場合、力は『始原の秩序』に吸収されます。
☆【判定リミットは12/14 00時です】
※村建てサイドのトラブルでイベント投下遅れたので、リミット少し遅らせます。
[ 最後にクロートの一閃が>>176作った隙が、魔神に剣を届かせる事になった。
身を裂かれてもひょうひょうとした口調を崩さぬままの影に>>180荒い息をつきながら、剣を支えに立つアルフレッドは顔を顰める ]
規格外...という、より...不死性がある、のか...?
[ 『始源の』という枕詞が本当であれば、それもありそうな事に思われた ]
純粋な力の塊......
[ 影の語る始源の秩序の状態は、確かに話し合いのできるようなものではなさそうだった。しかし巡りがブレさえしなければという言葉には、多大な引っかかりを覚えて、眉根が寄る ]
その...言い様だと、そもそも、おかしくなっているのはそちらの状態で、我等はその尻拭いをさせられていると聞こえるが?
[ じと目で言ったが、さて答えは返ったかどうか ]
そも意思持たぬ者が王を名乗るな!
[ 空に散る戦乙女の姿に向けて、声を張るのは、現時点でのむかつきポイント、らしい** ]
[魔王の力も受け、魔境は余すところなく攻撃を魔神へと加えていく。
終止符を打ったのは、クロートやカヤから力を受け取ったアルフレッドの一手。
これまで勇者の陰に隠れていたような存在による強烈な一撃だった]
ほぅ、なかなかやりますねぇ。
[出逢った当初は勇者共々歯牙にもかけぬ相手だったが、ここまで勇者についてきただけあると言えようか。
感心する道化師の傍らで、反射の魔境が音を立てて砕け散った]
[身を切り裂かれた魔神が紡ぐ忠告>>180。
愚痴交じりのそれは、話し合いの余地はないと言ったもの]
面倒な頑固者ですねぇ。
名前からするに、それこそが存在意義なのでしょうから、仕方の無いことなのでしょうけれど。
いっそこの世界に気付かなければ良かったのに。
[それこそ詮無いことなのだろう。
最後の忠告>>181を口にした後、取り出した鈴の束が鳴らされると、使い慣れた力が広間全体に働いた。
それと同時、影の魔神の姿が消え失せる]
[転移の先は小さな六角形の小ホール。
見上げれば青空が広がり、屋内とは言えない様相になっていた]
やれやれ、純粋な力の塊、ですか。
本当に面倒ですねぇ。
[世界を滅ぼそうとしている以上、話し合いで解決することは考えていなかったが、会話の余地が無いと言うことは心変わりもないと言うこと。
あちらからの攻撃も熾烈なものとなるだろう。
それらの推測を、面倒の一言に集約し、道化師は小ホールの先を見詰める。
奥に見える階段からまだ離れていると言うのに、強大な力がこちらまで伝わってきていた**]
/*
魔王様:254+265+15=534
タイガ:303+272+11=586
ローゼ:265+197+12=474
イース:067+255+11=333
勇者:307+339+08=654
王子:163+245+17=425
神樹:113+230+09=352
巫女:234+193+12=437
圧倒的勇者感!
(…本当に、強くなった)
[役目を終え戻ってきた魔力を体内に感じると
一つ微笑んだ
純粋な剣の腕だけでは勿論ない
強きを持たず、反面誰よりも強い意志を持って
強くあらんとした一人の人間に対してだ ]
貴女がこの星を虚無へ回帰させようとしているのね
それが貴女の存在意義なら…
私たちはそれを破るのみ。
[言い放つやいなや
轟と巫女の躯の周りを聖の炎が取り囲んだ
今まで一度たりとて使ったことのない技だ ]
貴女たちの『力』と
私たちの『想い』
…どちらが強いか、勝負よ。
[ 『想い』に応え眠っていた力が目を覚ましたか
或いは王子と一時的に魔力で通じたことで
何等かの影響を受けたかは判断出来ない。
しかしそれは大きな問題では無かった
逆巻く炎に赤々と照らされつつ、不思議と馴染む
その力に怯むことは無かった]
[ 黄金の翼を持つ戦乙女たちが舞い降り
槍が振りかざされる。
あくまで力押しの戦乙女たちと
力比べになれば勝ち目がある筈もない。
間一髪交わせば槍は地を穿ち
その隙を付いて手に入れたばかりの焔を操り―]
力を吸収している…?
[風に巻き込まれた戦乙女が去っていくが
放った力はふわりふわりと始原の秩序の元へ
漂い呑みこまれていくのを驚きの顔で見送った**]
─ 回想・大広間 ─
[勇者と王子、二人の連携によって>>179魔神の身は深い一撃を受けた。
その傷の深さは命ある者であればその鼓動を止めも出来よう程、けれど魔神は変わらぬ口調で言葉を落とす。
そして告げられたのは、>>180この先に待ち受ける存在について]
そもそも対話は期待していないので、出来なくても構いませんが。
秩序を振り翳す方は、本当に傲慢な方が多いですね。
[>>181魔神の語り口からして、本来はこのような面倒は起きなかったのだろう。
巡りが正しかったとしても、やる事は変わらなかったかもしれないから本当に詮無き事ではあるが]
……喧嘩は吹っかけておいた、後始末はこちらに任せるとしか聞こえませんよ。
[しゃらん、と鳴った鈴の音、それに応えるように揺らぐ空間。
溶けるように消え失せるその景色の中へと、小さな呟きを放り落とした**]
─ 天空城最上階 ─
[空間転移によって運ばれたのは、六角形のホール。
先の五芒星形のそれよりも小さく、頭上には透き通るような青が広がる。
吹き抜ける風、差し込む光は精霊達に活力を与えてくれるもの。
フランの詩である程度回復もできていたが、これで精霊達の疲労はほぼ癒えただろう。
ホールの奥、階段が伸びるその先から感じられる力に目を細め]
たしかに、力のカタマリと呼ぶに相応しいようですね。
[私自身の疲労も回復しようと、水精から先程の水球を再度渡してもらうと口に含み。
魔王や魔獣、道化師にもどうかと勧めた後]
…貴方がたも、いかがですか。
ここまでろくな休憩もしていないでしょう。
水分くらい取っておかないと、身体が保ちませんよ。
[勇者達にも、精霊の作った水球を勧めたが受け取るものはあったかどうか。
口に含めば、冷たい清水がその喉を潤し、精霊の加護が多少の疲れを癒すだろう。
フランは自分で用意できるか、とも思ったのだが]
此処に来るまで、貴女の力を何度かお借りしましたから。
借りはお返ししておかないと、落ち着かないので。
[一応、力の節約にもなるしと声をかけて。
用が済めば、すぐに彼らの元を離れた]
[助言めいた言葉を残して影の魔神>>181は消え、空間転移の力により場は六角形のホールへと移る。
そこには何者の姿もなく、力ある者は更に奥、階段の先に在ると知れるだろう。
と、そこでイースにより勧められたのは水精に生み出された水球>>204]
フン……折角のもてなしを受け取らぬのも、王の務めに反するであろうな。
[尊大に言いはしたものの、口へ含めば幾らかその表情が和らいだのが、近くにあった者には見えようか]
さて、征くかの。
[そして己の気が済めば、さっさと出立するのが魔王の常であった。
そうして、奥の階段を登った更にその先で]
─ 玉座の間 ─
[出来る限りの回復を済ませ、階段を上った先に在ったのは六芒星形の間。
円柱で構築された壁の最奥、玉座が宿す輝きは白に身を包み座る女性が背に持つ翼と同じ色。
そして、私達の生きる地を穿ったあの槍とも同じ色で]
……馬鹿馬鹿しい。
秩序を名乗るなら、混沌すら受け入れる器くらいお持ちなさい。
そんな懐では、我が御領主の足元にも及びませんよ。
[私のような異なる者たちも、拒むこと無く手元に迎え。
カヤのように離れた者にも、その存在に否を言わない。
勇者達には違う見方もあるだろうが、私にとっての秩序は魔王が与えてくれたものだ]
――ひとつ、つまらぬ昔話をしてやろう。
[しかし動じることもなく、敵の中心で魔王は口を開く]
かつて、己の力に酔いしれ、ただ強さのみを求めて、眼前のあらゆる存在を破壊する――そのような存在があったのだ。
世を滅ぼす者、破壊の化身――人々はそうした存在に恐れをなして、いつしか"魔王"と呼ぶようになった。
[ただ回帰を望む力の化身――彼の者の正体を聞いた時、かつての"魔王"に重なる部分を感じていた。
無論、完全に重なるものない。
彼の者に、破壊を愉しむという感情はなく――ただ、理に従い回帰を目論むものとは、先の会話でも知れたから]
だが、ある時"魔王"の前に命知らずが現れ、不遜にもこう言った。
『壊すことなど、本当は容易いのだ。真に強者を名乗るなら、何かを創り出してみせろ』――とな。
[そう語り聞かせた所で、無駄であることはわかっていた。
揺らがぬ力を前に、魔王は不敵な笑みを浮かべる]
なに、この世を創ったなどと、自惚れたことは申さぬ。
だが、この魔王国を創ったのは、紛れもなくこの我輩である。
[魔王の眼前に、二つの巨大な"手"が浮かんだ。
その内の一つが、突き込まれた槍を受け止め硬化する]
壊させはせぬよ。
[武器を捕らえられた戦乙女は、一瞬動きを止める。
術の使い手ならば異なる攻め手もあろうが、どうやらそうではないらしく]
[巨大な"手"が戦乙女を横合いから叩き、その身を光の粒へと散らす。
その幾らかは"手"の魔力へと取り込まれたが、相性が悪いのか、増幅は起こさず打ち消し合って消滅した*]
[イースの勧め>>203は、大丈夫です、と丁重に断りを入れる。
今に限らず、道化師は誰かの前で飲食することを見せたことがない。
訊ねられたなら、必要がないからだ、と伝えるが、自ら公言することはほとんどなかった。
魔王やタイガも小ホールで休息をするなら、終わるまで待つことになる]
― 六芒星形の空間 ―
[道化師が階段を昇り行くのは魔王が進んだ後のこと。
円柱が壁として並ぶ空間の奥、黄金の玉座には見覚えのある槍を握った女性の姿があった。
女性の口から抑揚のない声が紡がれる]
同じ言葉同じ思想しか口に出来ない繰り人形ですね。
……と、正しく繰り人形も出てきましたか。
[女性と似た容姿の戦乙女も現れ、道化師は軽く肩を竦めた]
力を集めて散らせ、でしたか。
『アレ』をどうにかするのが先決ですね。
[槍を携えた戦乙女が接近を狙い、道化師へと迫ってくる。
当然の如く、それを受け止める心算はなく、道化師はするりと上空へと逃げた。
しかし彼女らも翼を持つ者達。
道化師目掛け、下から垂直に槍を突き上げてきた]
しつこいですねぇ。
[パチンと指を鳴らすと、紅い大きな覆い布が現れ、戦乙女目掛け落ちていく]
[覆い布に対し戦乙女が槍を突き出す。
その先に道化師はおらず、更には覆い布に突き刺した槍の穴も開いていない。
完全に覆われたその中で起きるのは、闇による身の侵食だった]
そのまま塗り潰されてしまいなさい。
[抜け出そうともがく戦乙女だが、やがてその身は闇に覆われ、侵蝕し尽くされた力は布の隙間から霧散していった*]
[パッと紅い覆い布を手に取ると、挑発するように戦乙女へと振る]
貴女方も大概猪突猛進ですかね?
[手にした槍でどうにかしようとする戦乙女を、誰かさんらと重ねるように言って小さく笑い、手にした覆い布に別の魔術を施す。
飛び上がって来た戦乙女に対し、ひらり布を振れば各属性(光と聖以外)を纏ったナイフが次々と生み出された]
[槍を回転させ弾き返そうとする戦乙女の防御の縫い、ナイフは眉間や喉、腹部等へと到達する。
突き刺さったナイフ同士を各属性が駆け抜け、最後には大きな爆発を起こした。
力がまた一つ散っていく*]
[本格的な戦闘が始まれば、無駄口を叩く暇はない。
勇者一行や配下らも、それぞれの能力と意志でもって戦闘を開始した頃合いか]
"叩く"よりも"包む"方が、得策であるかな?
[ローゼライトの戦法を見て、一つ思い浮かぶことがあった。
やや長く時間を掛けて、身の丈よりも大きな"手"を一対作り出す。
それは大きな隙ともなり、眼前から一体の戦乙女が飛び込んでくるが]
――其処である。
[戦乙女をその内に収めて、パァン、と打ち合わせる音が響く。
何かを吸い込むかのように魔力の"手"の色合いが変化し、再び開く時には戦乙女の姿はなかった*]
[魔王が語る昔話>>209 >>210 >>211。
出会う前、眠る前にあった出来事なのだろう。
魔王が秩序の王たる相手に立ち向かう理由。
その一端を見た気がした]
フフ、ヴァートル様のものを壊そうとする者には鉄槌を下しませんとねぇ。
[ブン、と紅い覆い布を大きく振り下ろすと、布は瞬時にステッキへと変化する。
指だけでくるりと回転させ、右手でしっかり握り、大きく振りかぶると先端から魔力で構成された鞭がすらりと伸びた。
鞭独特の音が空を切り響く]
離れていても無駄ですよ。
[魔力の鞭の長さは自由自在だ]
[長く伸びた鞭は、離れた位置の戦乙女へと襲い掛かり、打撃と共に胴体へと撒きつく]
えいっ☆
[強くステッキを後ろへと引けば、相手の意思とは別に戦乙女は道化師の傍へと引き寄せられ。
道化師の傍を通過して反対側へと放り投げられた。
戦乙女の身は広間の壁、円柱へと叩き付けられ、その動きを鈍らせる]
まだまだ行きますよ。
[魔力の鞭は道化師の意思に沿って縦横無尽に動き回り、戦乙女を滅多打ちにした。
最後に強烈な一撃を叩き付けると、戦乙女の姿は消え、力が霧散していった*]
[勢い削がれた戦乙女の身を、横合いから飛んできた別の"手"が弾き飛ばした。
バランスを崩した戦乙女を、今度は同調して動く二つの"手"が包み霧散させる。
有効打ではあるものの、取り零した力の幾らかは玉座に座す者へと還元されていく]
――くく、いつまで経っても慣れぬの、こうした力の使い方は。
[ただ相手を倒すだけでない、条件を強いられた戦闘。
しかしそれに臨む魔王には、どこか嬉々とした感情が浮かんでいた*]
─ 玉座の間 ─
[水の矢が射抜いた戦乙女は、姿を保てなくなったかその身を影に散らす。
力のカタマリ相手には力で相殺するか、と考えたのはどうやら正しかったらしい]
…こういった相手だと、私は分が悪いですね。
[領主や魔獣のように純粋な力で戦えるか、道化師のように多様性があれば。
そんな思いで視線を向ければ、>>215丁度大きな布が戦乙女を覆ったところ。
霧散した力、残った布で更に挑発をしてみせる道化師は、そも疲れなど感じてもいなさそうで。
先程声掛けした際に>>216必要ないと言われたが成程大丈夫そうだ、と視線を外した]
[力に自信が無ければ、無いなりの戦い方がある。
地に置いては分が悪いと踏んだか、空に浮かび隙を伺っている戦乙女たちを見遣って]
──, ─ ──!
[翼を狙って放った風の精霊は、鋭い銛のような形を成して。
速さを伴ったその一撃が穿った翼はたやすく捥がれ、地に落ちた姿が影と力を散らす]
[翼を穿ったまま宙に留まる風。
精霊達を私の下に戻すついでに、もう一仕事済ませてしまおう]
── ─!
[銛の形を成す為凝縮していた風を、その場で拡散させれば局所の暴風が現れた。
その風に翼を煽られ、高所を陣取っていた者がバランスを崩して地に落ち散らされた力が空に溶ける。
他の者は地に落ちるまでは無くとも、均衡を取れずに飛行がおぼつかない様子が私以外の目にも確認できるだろう]
― 少し前 ―
[ 玉座の間へと昇る前、イースが近づいてくるのに気づくと、アルフレッドは自らそちらへ一歩踏み出した>>204
仲間の前に立つ姿は、彼の歩みを阻もうとするかにも見えたかもしれないが、黒曜の瞳に浮かぶのは穏やかな笑みの色 ]
精霊の水か、確かに炎を操るばかりで喉が渇いた。頂こう。
[ 躊躇いなく水球を受け取り ]
お前の送ってくれた風の加護が、影に斬られる前に動く助けになった。改めて礼を言う。
[ 告げてから喉を潤し、僅か、目を伏せた ]
...魔王の配下を選ぶ目は確からしいな。
お前を見ていると、それだけは判る。
[ イースが勇者一行に援護を申し出る時、それが単なる親切心ではないくらいのことは分かっている。
けれど、一度明確に敵対した相手に、ただ必要だからと手を差し伸べ、その意志を仲間にも隠さない、それを為せるのは、紛れもなくイースの強さだと、アルフレッドには見えている ]
[己の抱える葛藤と憂慮。
相容れない光と、寄る辺とする闇との共闘。
天が厭う混沌模様は、戦場だけでなく胸の内にもある。>>179
消耗も激しいだろうに、彼は最後まで掴み所無く。
存在をナニカに依存せねば居られないのに、余りに軽い発露を見。
深く、―――― 深く息を吐いた。>>180]
真っ新な世界へか。
終焉を齎し、開闢に至るのは分からぬでもない。
……輪廻とはそういうものだ。
[彼らの正体をしっかりと認識している訳ではないが、据えた目的の為に邁進する姿勢は理解出来る。己も、王を座に着けるべく生まれ、そのために全てを賭す獣だ。]
―――― だが、按ずることはない。
[秩序について語る声からは、何処か諦観のようなものが伺えた。
労う訳でも、諭す訳でもないが、軽く頭を振り。]
この世界のことは我が王に任せておけ。
清濁に呑まれるような矮小な器ではない。
その偉業を支えるため、俺は存在する。
[鈴の音色が静かに響き、鼓膜の奥に蘇るのは王の言葉。
己は王の臣ではあるが、民ではない。
遠路を征く者に、途方もない大業を成す者に、
侍り、助け、尽くす、それが魔獣の在りようであった。*]
[ やがて、思いついたのは ]
ああ、そうだ。礼の代わりにこれを...良く効く回復薬だ。くれぐれも、舐めずに噛み砕いて飲み込めよ?
[ 聖乙女の加護は魔族には毒になるか薬になるか微妙だが、生まれつきの魔族ではないイースであれば問題ないだろうと...差し出したポイズンスライム色の飴を、彼は受け取ったかどうか。
勇者達が、実際に口にして回復したところを見ていれば、見た目通りの毒ではないとは判るだろうが、それでも受け取るには勇気が必要な代物であることは、間違いない* ]
[横に払った剣を戻しつつ、は、と息を吐く]
……さっすが、だよなぁ。
[零れ落ちたのは、友への短い賛辞。
見事、というフランの声>>183には、笑み一つ返して。
深く斬られてもなお、消える事無く紡がれる影の魔神の言葉を聞いた]
……『完成した世界』と、『絶対秩序』ね。
そりゃー確かに相容れる訳ねぇわ……。
[ぽつ、と呟いて視線を落としたのは手にした聖魔剣]
てか、その物言いだと、「不幸な事故だから赦してね☆」って風にしか聞こえねぇんだけど?
[実際の所、不幸な事故というか巡り合わせの結果が今なのかも知れないが。
それで消されちゃ敵わない、というのが本音。
多分、言った所でこの影にも、そして、先に持つ者にも通じはしないのだろうけれど]
― 天空城最上階・控えの間 ―
[しゃらん、と鈴の音が響き、周囲の光景ががらりとかわる。
六角形の小さな広間、そこは静寂に包まれているようだけれど]
……ぁー……。
いる、なぁ。
[転移した途端、聖魔剣に宿る光が強まった。
明らかに、この先にいるものに反応している、というのが伝わってくる]
ま、ここまで来たらあとは全力、やるだけ、ってな。
[それじゃあ行くか、と思った所にかけられた声。>>204]
お、いーのか?
喉乾いてるのは確かだしな、ありがたくもらっとく。
[対する様子は陰りも屈託もなく]
あ、さっきの風もありがとな。
あれのお陰で動きやすかった。
[受け取りながら、先は笑み向けるのみに留めていた礼を、言葉で改めて告げる。
『助けてもらったら、ちゃんと感謝すること』とは。
幼い頃の母に散々叩き込まれた礼儀のひとつだったりした。*]
― 玉座の間 ―
[水球で一息ついた所で、先へと進む。
蒼天の下、目に入ったのは黄金の輝きを手にした白き女性]
……ほんっと、好き放題言ってくれるよなー、ったく。
[最初に零れ落ちたのは、呆れを帯びた愚痴、ひとつ。
それから、は、と息を吐いて]
こいつの……
『秩序』も『混沌』も、『世界が生きるために』は絶対必要で、でも、偏ったらダメなんだ、って。
『秩序』の『平穏』は過ぎれば『停滞』。
『混沌』の『進化』は過ぎれば『暴走』。
どっちが多くても、世界は死んじまうんだ、って。
だから、ヒトは……命あるものはみんな、『秩序』と『混沌』を併せ持つんだ、ってさ。
[それは、聖魔剣覚醒の最終試練の後に、守護聖霊に言われた言葉]
言われた時は、意味ぜんっぜんわかんなかったんだけど。
……今なら、わかる。
確かに、俺たちは『混沌』を宿すもの。
あんたの欲しい『絶対秩序』には、邪魔な存在かも知れねぇ。
……でもな。
[言葉と共に、剣を握り直す。
銀色の光が弾けて、散った]
あんたにとっては、邪魔でも、俺たちはここに……この世界で、この世界と一緒に生きてんだ!
この世界は、俺たちの遠い命の租と一緒に生きて来て、今、俺たちと一緒に生きてるんだよ!
それを、一方的な理由で消されるわけには行かねぇ。
俺、は。
……『想い』を力に変える、この剣。
聖魔剣オーラーティオーの継承者として。
あんたをぶっ飛ばして、世界を、そこに生きる全てを、護る……護ってみせる!
[相手が聞いていようがいまいが構いはしない。
ただ、言わずにおれない宣をひとつ、叩き付け。
応ずるように舞い降りてくる戦乙女たちに向け、透き通る剣を、構えた。*]
[高所の戦乙女らがバランスを崩している隙に、道化師はステッキを左手に持ち替え、右手首を翻してカードを一枚出現させる]
たまには暴れさせてやらないと、ですね。
[左手の甲をカードの背に当て、解放の魔力を込める。
カードの表面が膨れ、灰銀の塊が空中へと飛び出した。
バサリ、と羽ばたく音が響く]
[道化師の傍に現れたのは、灰銀の毛並みをした双頭の狼。
その背には同色の翼があり、羽ばたくことによりその身を宙に浮かせていた。
元々いた双頭狼を道化師が改造した、唯一無二の魔物である]
さぁ、お散歩の時間ですよ。
[双頭翼狼の背中に飛び乗り、その頭をぽんと撫でてやる。
狼は遠吠えを一つ、空間に響かせた後、宙に在る戦乙女目掛けて力強く羽ばたいた]
[迎え撃つ戦乙女の槍が、片方の狼の頭を狙う。
首を動かすことで避けた片首だったが、そのせいで槍の穂先は道化師の眼前へ]
おおっと。
[道化師はそれを後ろに倒れ込むことで回避する。
ぽふ、と道化師が狼の毛並みに埋もれている間に双頭は戦乙女を咬み千切り、首を振る反動で遠くへと放り投げていた。
放物線を描く中で戦乙女の姿が消え散り、力が『始原の秩序』たる女性へと急襲されていく]
この子達には散らすのは難しかったですかねぇ。
[身体を起こして状況を確認しつつ、上空から他の者達の様子を眺めた*]
[力を散らせ、と影の魔神は言っていた。
その理由は、何となくわかる]
……確かにあれ、突っ込んだら火傷じゃすまねぇよな。
[純粋に、純粋に突き抜けた力の塊。
影の魔神は、世界の回帰のために『いろいろ切り離した』と言っていた。
その『いろいろ』が何を示しているかは読み切れていないが、玉座に座すものが純粋すぎるのは感じられている]
確かに、薄めねーと斬るどころじゃねぇ、か!
[言いながら、突き下ろされる槍の一閃をぎりぎりの位置でかわしつつ、下段から剣を切り上げる。
透き通る刃に切り払われた戦乙女は黄金の霞となって散って行き]
……って。
[散らばった霞は、するすると玉座に座す者の許へ。
そのまま取り込まれて行く様子は、なんというか]
……くった?
[そんな風に感じ取れてしまっていた。*]
─ 回想・控えの間 ─
[人間である彼らに声をかけたのは、確かに親切心では無い。
情が湧いた訳でも無いし、仲間意識なども持っていない。
断られればそれまで程度の声掛けではあったが、勇者は拍子抜けするほどあっさり受け取った。
>>236先程の援護も併せてありがとうと礼を返されたのも、警戒心は無いのかと問いたくなる笑顔と共にで]
……礼には及びません。
あなた方に戦って頂くことが最適だっただけですから。
[当人も理解はしているだろうが、私にも利があったからだと勇者に返し。
>>229勇者も含め、仲間を守るかのように立っていた王子から向けられた礼にも、息を吐いて視線を向けた]
[用が済んだのだからもう良いと、離れようとした私を王子は更に呼び止める。
そして差し出されたのは、毒々しい色をした飴。
良く効く回復薬だというそれ、見た目からは到底信じられないが]
…今のところ必要はありませんが、頂いておきます。
[少なくとも、精霊達は警戒していない以上害は無い。
味が壊滅的だとまでは知る由も無いが、それが分かる機会もあるかどうか。
受け取ると踵を返し──かけた足をふと、止めて]
一つ訂正しておきますが。
私は、配下に選ばれたわけではありません。
御領主…ヴァートル様はただ、受け入れて下さったにすぎません。
私は、自ら望んで御傍に控えているんですよ。
[抱いているものが忠義か恩か、違いはあれど。
少なくとも、私もタイガたちと同じく望んで魔王の下にいるのだと微笑んだ*]
[最も忠実なる魔獣の姿は、魔王の傍らに在った。
魔王が存分に力を攻撃へ回せるも、タイガによる護りがあるがため。
今もまた彼の者の五爪が、戦乙女を切り裂いていく]
[黄金の羽が稲穂のように散り、槍をへし折るは暴力の旋風。
狙いが大味である自覚はあるものの、
存在を屠るだけではない手応えが手の内に。
まるで、何か、頑ななものを融解させていく感覚。
雑味が無く、純粋な力の片鱗。]
―――…これが、回帰への力…?
[分析するのは一秒だけ。
思考が不得意な訳ではないが、性には合わない。
身体で覚える方が有意義だ。
翻る身が、咆哮を放つと同時に、低空に飛び込んできた戦乙女を迎えうった。]
少しばかり、派手にやるのもよいか。
[魔獣の爪が翻る背後、魔王は両の手を前方へ伸ばし重ねる。
宙に浮かぶ、魔力帯びた"手"も同様に。
その中央に、純粋なる魔力が球形として現れ]
――散らせ!
[やや長い溜めの後に、撃ち出される]
[力そのものをぶつけ合わせることで、彼の者の力を巻き込み吹き飛ばすのが狙い、ではあったが]
あまり上手くはなかったかの。
[威力そのものは強く、数名の戦乙女を巻き込む程度ではあったのだが。
力の幾らかはやはり、玉座の主へと戻っていく*]
[戸惑いはあるが、ぼーっとしている暇はない。
先の啖呵を危険と見なしたのか、戦乙女たちが複数、こちらに向かって来ていた]
……ま、ここで出し惜しみは必要ねぇしな!
[同じフィールドを取る術があるなら、出し惜しむ必要はない、とばかりに開くは天翼。
銀色の光が弾けて翼を織りなし、直後、勇者は空へと舞い]
光、集いて、舞え……『想い』の力を、刃と変えて!
[剣の力を乗せた言霊を紡いで、解き放つ。
応じて浮かび上がるのは無数の光球、それはくるくると舞いながら刃と転じ、追って来た戦乙女へと牙を剥く。
その身が黄金の霞へと転じた瞬間、そのただ中に飛び込んで、剣を一閃。
半ば無意識の行動だったが、刃に触れた霞はそのまま、溶けるように消え失せた。*]
[女の姿かたちをとっていても、膂力は見目以上。
上空から重力と共に降った圧力は骨が軋むほどに重く。
床で靴裏をすり減らし、グ、と奥歯を噛み。
振り払うように腕を奮えば、戦乙女の胴体はふたつに別れた。
先と同じように手に違和が残るかと思えば、
指の間をするりと抜けて、玉座に回帰する光の粒子。
戦時の納得は平時よりも鋭く。
廻り、巡るは再生と回帰だけは無いらしい。]
お疲れ様。またすぐにお願いするかもしれないから、少しでも休んでね。
[戦乙女たちを翻弄した風精は、私の手元に戻り身を休める。
戻る途中、>>245道化師も風に煽られているようには見えたのだが]
……あんまり遊んでいると、足を掬われますよ。
[彼が不用意に飛ばされるとも思えない。
苦言というには柔らかな苦笑で向けた声は、道化師にどこまで汲んでもらえたか]
[双頭翼狼を自由に飛行させる間、その背で道化師は握っていたステッキを手の中でくるくると回す。
ステッキは瞬時にボールへと変化し、道化師の手の中に収まった]
ほーらポチ、とってこーい!
[ぽーん、とボールを投げると、ボールは延々落ちることなく飛び続け、それを目指して双頭翼狼は飛び始める。
傍から見れば遊んでいるようにしか見えないそれ。
しかしボールは真っ直ぐに戦乙女へと向かっていた]
[ボールに気付いた戦乙女は槍を薙ぎ真っ二つにしてしまう。
その瞬間、分かたれたボールが巨大化し、戦乙女を飲み込み閉じ込めてしまった。
戦乙女が中で槍を振り回すのに合わせ、ボールがぐにぐにと変形する]
逃げるが先か、砕かれるのが先か。
[そうしている間にも狼はボールに迫り、二つの顎門を大きく開いていた]
加減はすべきでは無いようだな。
良いだろう、我が武勇を見よ。
[双眸を見開き、眼光を滾らせ、解放するは己の魔力。
人体の稜線を曖昧な闇に変え、黒衣は夜色の毛皮と代わる。
鋭き牙は剣となり、二本脚の長躯は四足の巨躯へと変転。
先ほど、イースより受けた快癒の力が、
己の腹で巡り、魔力を次から次へと精製し。]
[凍て付いた咆哮は戦乙女を閉じ込めたボールごと凍りつかせてしまう。
それに対し再び顎門を開き、双頭が同時に噛み付けば、ボールは粉々に砕け散った。
中にいた戦乙女もまた砕け散る]
はい、よく出来ました。
[双頭を同時に撫でてやれば、再び遠吠えが響き渡る。
そうして双頭翼狼は再び標的を探して飛び回った*]
……遅ぇんだよ!
[急上昇で往なすのは、下から突き上げられた槍の一撃。
そのまま上方から仕掛けた斬り下ろしは、槍の柄によって止められる。
透き通る刃と黄金の柄の均衡は]
俺、は……。
[低く呟きつつ、ぎり、と剣を押し込む]
止まらねぇって、決めたんだよ!
[叫びと共に、腕に、剣に、闘気を込める。
文字通りの気迫を込めた一撃は、黄金の柄を圧し切って。
透き通る刃に断たれた戦乙女は黄金の霞となり、そして、刃に触れて霧散した。*]
[そして視線を更に動かせば、魔王を護り戦う魔獣の姿も目に入る。
この玉座の在る間に足を踏み入れた時。
>>209>>210昔話と称して語られた領主の過去、>>211連なる宣。
あの全ては、タイガの中にも響く何かがあっただろうか。
私の中、領主が異質をも受け入れる理由の片鱗が見えたと感じられたように]
終わったら、改めてお話を伺いたいものですね。
[魔王たる領主は、問えば応えてくれるだろうか。
そんなことを思いながら、今は眼前に集中しようと意識を戻し]
― 影の間で ―
相も変わらず、分かったような分らぬようなことを話す。
わからぬが、するべきことは明白になったのじゃ。
礼は言うぞ。
[鈴持つ影の魔神に向けるのは晴れやかな笑顔だ。]
役割のために生まれ縛られるおぬしらは不憫なもの
……と思ったが、吾らの多くも似たようなものなのじゃ。
吾らは吾らの役割を果たしに行くぞ。
おぬしも、達者でな。
[まさに消滅しようとしている相手にいくらか不適切な挨拶を残し、転移の力に身を委ねた。]
おお、おぬしは気が利くのじゃ。
ありがたくいただくのだぞ。
[勧められた水球を受け取って口に含む。
冷たく清々しい水が喉をうるおせば、心も体も癒されるようだった。]
借りなどと思わずともよいものを
おぬしは律義で良い子なのじゃ。
頑固者どもも少しは見習えばよいのじゃ。
美味かったのじゃ。
ありがとう、なのじゃ。
[誰に対してかの判然としない文句を言った後、すぐにも離れそうなイースに笑顔で礼を告げた。]
[そのときふと、胸に下げたヤドリギの枝が微かに光る。
樹精にそっと耳打ちされて、丸い目の笑みになった。]
そうか。あのときのあれを未だ持っていてくれたのか。
[かつて出会った時に渡したヤドリギの実は、持ち主の身から災厄をほんの少し遠ざける程度の力を持っている。
あの時よりも神樹に親しんでいる今なら、もっと力を引き出せるだろう。]
頼むのじゃ。
[同じ木から取った己のヤドリギを両手で包み、そっと祈る。
彼の懐で、赤い石が微かな熱を帯びたことだろう。
身代わりの力を帯びたその石は、いずれ彼の身を守ることがあるかもしれない。
たとえ自分たちと戦う時であっても構わない、と思っていた。*]
[風で遊んでいると、イースから忠告>>261が飛んできた]
その時はその時ですよ。
そう簡単にやられる心算はありませんけれどね。
[忠告にはそんな言葉を返す。
自分の行動に責任は持つ。
自分が為したことで呼び寄せた結果に不満や文句を言う心算はなかったし、何か起きれば身から出た錆、となるだけのこと。
ただし、周りに影響を及ぼすことに関しては、何も考えていなかった。
そこは、頑張れ、と笑顔で言うことになるのだろう*]
─…っ ──,─!
[弓を手に取り、再度水精の力を矢に変じようとした目端。
>>259光球が幾つも浮かび上がったのに気付いて、紡ぎかけた術を即座に転じた。
聖魔の剣から放たれた光を集め形作った矢は、やはり戦乙女たちにも抜群の威力を発揮して]
…大したものだ。
[射抜かれただけで力を散らすそれに微かな笑みと、少なからずの畏怖を抱いた]
[降下の勢いをそのまま生かし、仕掛けるのは特攻。
しかし、その動きは読み切られていたか、それともタイミングの妙か。
何れにしろ、透き通る刃と入れ違うように突き上げられたのは、黄金の穂先]
……ちっ!
[舌打ちひとつ。
ぎりぎりで往なし直撃はさけたものの、銀色の羽と紅い色が微か、風に散り。
透き通る刃が散らした黄金の霞はゆらり、玉座の方へと飛んでいく。*]
― 玉座の間 ―
[待ち構えていたそれは、影が言っていた通り、話の通じそうな相手ではなかった。
意思を持ってというよりは目的のためだけに動いているようなものだ。
影よりは、光や闇の方に近い感じがした。]
そのほうが分かりやすくてよいがの。
[樹精と手を繋ぐように重ね合わせ、周囲に沸く戦乙女たちを睨む。]
そちらのつごうや手違いで消滅させられては、吾らも困るのじゃ。
大人しくしていてもらおうぞ。
[樹精が力弾けさせたのと、戦乙女が翼羽ばたかせたのはほぼ同時だった。]
―現在―
戦乙女は、力もさることながら
飛び回るのが厄介ね
[上空を飛び回られては何時不意打ちを喰らうか
分かったものじゃない
今もまた、上空から襲い来る槍の連撃を
風の力で多少なりとも狙いを逸らしながら
避けたところだ
弾け飛ぶ地面の破片を見ればその威力はよく分かる。
タイガのように、真っ向から受け止めるだけの
膂力は、自分には無い。
だからこそ自分なりに勝てる方法を探らねば。]
上空からの景色、私にも見せて?
代わりに貴女たちは――
[ 風の童子の力を借りると白衣をはためかせ
空へ舞い上がった
両手を高く掲げるとその間に炎が弧を描く
グ、と端を掴み戦乙女たちの黄金
目掛けて振りかぶれば― ]
地に堕ちなさい
[戦乙女たちの翼は焼け焦げ
幾体かは墜落し、幾体かは落ちないまでも
フラフラと動きは弱まった
続いて、何事かと寄ってきた戦乙女たちの翼を
鋭く尖らせた風の刃が襲い ]
[一先ず態勢を整えるべく、高い位置に舞い上がり。
改めて見回せば、それぞれの動きも目に入る]
……ほんっと、半端ねぇの……。
[ぽつ、と零れ落ちるのは純粋な感嘆。
この騒動にケリがついたなら、改めて決着をつけねばならない者たち。
わかっていても、その力、技、ひとつひとつに見入ってしまうのは止められない。
力を持ち、けれど、それに溺れない、というのがどれだけの事なのかは、自分もわかっているつもり、だから]
ま、半端ねぇからこそ……なんだけど、な。
[そう、認めるからこそ、負けられない。
そんな思いは一時、内にしまっておいて]
[捕らえた相手を、木の網はそのまま包み込み締め付ける。
圧の中で相手は消滅し、光に帰したが、光はそのまま玉座へ漂い、黄金の翼の彼女に取り込まれたように見えた。]
ふむ。
なかなか厄介な。
[これでは力を散らしたことにはならないようだ。
次の手を考えるより先に、上空から槍を構えた戦乙女が文字通り降ってくる。
咄嗟に飛びのいたが、穂先が腕を掠め、布地が悲鳴を上げて裂けた。]
[翼を奪われたか身体を裂かれた戦乙女たちが
次々地に落ちて行くのを眺めていた
霧散して消えて行く、その風の流れを足元に感じながら*]
― 少し前 ―
[ 聖乙女謹製の飴の色に、少なくとも見た目動揺した様子もないのは、さすがだと>>252アルフレッドの中で、またイースのポイントが加算されたが、それは本人の知らぬこと。
立ち去りかけて、足を止め、自ら望んで魔王に仕えているのだと告げられれば頷いて ]
そうか。
だが、お前の望みを受け入れたということは、側に置くことを魔王も選んだのだということにならないか?
だから、やはり、お前は選ばれた魔王の側近なのだと、俺は思う。
[ 正直、魔王が羨ましいな、と、小さく零した声は、背を向けたイースには届かなかったかもしれない* ]
そなたの願いは、こういうもの、だったのかのう?
[零した呟きは、この場ではない何処かへ語り掛けるよう。
そして次の瞬間、魔王の纏う魔力の濃度が急激に高まった。
意識散らしたかに見えた魔王へ、殺到しつつあった戦乙女らが、動きを止める]
……いよ、っと!
[掛け声と共に、振るう刃から飛び立つ光。
広範囲に広げたそれは、戦乙女たちを捕らえるも、やや、弱い]
ち、広げ過ぎたか……!
[霞を散らしきれなかった様子に、舌打ちしつつ。
一先ず、剣を握り直した。*]
[来い、と呼びかければ床材を割って鋭い枝が飛び出した。
それは襲い来た相手を食らうかのように、交差した。
実際、枝に続いて伸びてきたのは、木や蔦が絡み合って形作られた、翼のない竜のような姿である。
呑み込まれた戦乙女がそのまま消滅するのを見れば、小さく歓声を上げた。]
よいぞ。このままどんどん行くのじゃ!
[力解放した樹精が操る木竜の頭に乗って、はしゃいだ声を上げる。]
やったのじゃ!
[手ごたえと共に、戦乙女が消滅し、半ばが消える。
だがいくらかは向こうに取り込まれたようだ。
惜しい気持ちで見送っていたら、背中に圧を感じた。
竜が軋んだ声で咆え、樹精が警告の声を上げる。
取りこぼしていたもう一体の穂先が、真っ直ぐ背中の中央へ向けられているのを皮膚感覚のレベルで感じた。]
[私が向けた声に返されたのは、>>272私の知る道化師らしい笑み。
実際、彼が不覚を取った所を見た覚えは無い。
不覚であったとしても、それを利に返る機転が彼の武器だと私は知っている。
だから、私から再度声を返すことはなかった。
>>281タイガから飛んだ要請で、それどころではなかったというのが正しいか]
っ、──,─!
[視線を向けたのと、魔獣の疾走はほぼ同時。
声で応じる余裕もなく、紡いだ術は未だ残っていた光が応じてくれた]
[ 戦乙女の槍を弾き、その身を裂いた剣は僅かに光を帯びている。炎というよりも、暁の空のような緋色の輝きは、聖魔剣の力を未だ残しているせいか ]
...というか、返さなくていいのか?
[ 勇者の剣の力を分けられてそのままというのは、いかがなものか?と、ちらと思ったが、続いて襲ってきた敵が視界に入れば、それどころではなくなった ]
終わり方も、忘れてしまったのだろうな。
[憐憫を抱くわけではないが、ポツリと漏らす語。
世界の理から外れてしまった力は、誰かが閉じてやらねばなかった。*]
[ ふ、と視線を下にやると
戦乙女の一人が落としたであろう槍が
燦然と輝く様が見えた
この槍も黒騎士のように
同属相打ち消しあうのだろうか。
自らに身体強化の術を掛けながら
持ち上げれば、持てぬほどではない ]
槍で世界を壊さんとする貴女たちが
槍で壊される気分はどうかしら?
[ 間合いに入らぬよう気をつけながら
炎を纏わせた槍で戦乙女の胴を薙いだ]
[間一髪、前方に身を投げ出した背中の上を、熱い痛み一筋残して穂先が通り過ぎる。
直後、振り回された竜の尾が戦乙女をひと薙ぎに叩き落とし、消滅させた。]
……危なかったのじゃ…。
[もう少しで、あの飴を食べさせられるところだった。
と、青い顔で立ちあがる。
はらりと背中はだけかけた服を、そっと樹精が押さえていた。]
/*
全体的にフランちゃんさんの考え方に共感出来るなぁ。
いや、フランちゃんさんが賢者なので、
共感しやすい性格をしているからなのかもしれない…。
[タイガの身を護るように奔った光は、彼の揮う爪牙に慈悲の加護を与えた。
魔獣の身を蝕むことが無かったのは、彼にはとうに馴染んだ私の魔力をも帯びているからだろう]
──!
[更に奔れ、と示した声に応じた光が、タイガの背後に迫った戦乙女の胸を穿ってその力を散らさせた*]
[遊ばせている双頭翼狼は長い尾で戦乙女を払ったり、爪で飛び掛ったりと楽しげだ。
狼の好きにさせながら、道化師は同朋達や勇者らの動きを上空から見遣る]
目標はタイガなんですが、まだまだですねぇ。
[己が手をかけた狼の最終目標はタイガの強さ。
けれど彼自身、未だ進化の途中と言えそうな、追いつき難い強さを内包している。
いずれは人型に変化させることが出来れば、と思うが、そこは狼の成長度合い次第だろう]
[こうした魔物の改良を始め、魔具作成や薬品の精製など、道化師が手がけるものは多い。
その中で実用に足ると判断された試作品が主にカードの中に封印されていた。
勿論、闇鴉やスライムのように単純な戦力が封じられていることも多い]
あー、こんなのもありましたっけねぇ。
[ただし多すぎるため、全てを把握しているわけでもなかった。
双頭翼狼の背中で寝転がりながら、カードの確認をする姿はどこまでも緊張感がない*]
[向けられる言葉、そのどれに対しても、玉座に座す者は興味を示す事はなく、ただ淡々と繰り広げられる戦いを見つめていたが。
己が分身たる戦乙女たち、その幾体目かが消えた所で、ゆら、と立ち上がった]
「……『混沌』をやどすもの」
「……滅さなくては]
[静かな宣と共に、手にした槍に光が灯る。
穂先に集まるそれは、強大な力を秘めるもの。
それが解き放たれる事でどうなるか、は──恐らく、容易く想像できるだろう。
そして、その光が、『始原の秩序』の力の大半を込めたものであり、それを打ち砕けば彼の存在の力を大きく削いで放逐する事もできるのでは、と。
気づく事もまた、そうは難しくない……かもしれない。
いずれにしろ、残る戦乙女たちは、己が本尊が一撃放つのを邪魔させぬため、これまで以上の攻勢を仕掛けてくるのだが。*]
天より降りし者 は、天より降りし者 を投票先に選びました。
[ 一応怪我の具合を見れば、カヤに治癒を頼むか、傷薬を塗るかと思うところなのだが、もしかすると、うっかり飴がフランの口に転がり込むことも、あるかもしれない* ]
[空舞う戦いの最中、アルフレッドが振るう刃、その緋色の輝き>>294には気づいていた。
それが何によるものかは感じていたけれど、いや、だからこそ。
ふ、と浮かんだのは楽し気な笑み]
……あれは、あいつに託した俺の『想い』だからな。
別に、そのまんまでも構えねぇだろ?
[軽い口調の呼びかけが向く先は、手にした剣。
りぃん、と鳴る音は肯定の響きを宿していた。*]
もっとも、我が配下は、意志無き戦士に非ず。
[命ずることはない、既に彼らは各々の意志の元に動いているであろうから]
そして、我輩もな。
[かつての己の姿に重なる彼の者を止めるべく。
魔王は再び、己が力を編み始める。
もしそれが必要となるなら、その力を適切な者へ託すことも思考しつつ**
/*
聖魔剣の力どうする?にお返事ありがとう、クロート。
まあ、影よりこっちの方が本尊だから、ここを倒すまでは返さないのも有りかと思ってたですが。
このままだと、俺の剣に別の伝説の名前がつきそうだなw
/*
毎回思うけど、担当の人選が神掛かってる
光の魔人→道を切り開く!勇者クロート
闇の魔人→剛健で強靭!魔獣タイガ
影の魔人→勇者との絆を武器に!王子アルフレッド
最終決戦→魔族と人類の希望の架け橋!イース
とはいえ、人選は偶然の産物だから
一重に演じる人の描写が上手いんだろうなぁ…(しみじみ
分かるかどうかなら、分かりませんよ。
光自身が照らす先を選んだりしないだけでしょう。
[>>303タイガの問いに、私が返した声は平素のそれ。
私の手元から離れると思っていたのに、剣に戻らず周囲を漂う光はタイガからも離れる事無く]
……あの人から見て、私達が皆同じ『混沌』であるように。
[視線を向けた先、玉座に座る女性を指して呟いた。
>>304彼女の持つ黄金の槍が、光を集め始めるはその矢先**]
[双頭翼狼の背にうつ伏せで寝転がる眼下で、玉座に在る姿が動く>>304のを見た]
ようやくですか。
…アレをどうにかすれば、とは思うのですが。
[呟いて、己の掌を見る。
以前よりやや密度の薄まったそれは、魔力浪費の表れ]
……てか、あいつら何やってんだ。
[ふい、と視線を向けた先、アルフレッドとフランの攻防戦に、呆れ切った声が上がったのは赦されろ]
いや、アレを食べたくないってのは、わかるけどな……。
[でも効くのは確かなんだから、と。
そんな事を思っていた所に感じたのは、強い光。>>304]
少し調子に乗りすぎましたかねぇ。
[笑う表情に陰りはない。
ここまで補充せずに来たのだから、当然と言えば当然だった]
ま、出し惜しみせずに行きましょうか。
[そう言って道化師は静かに眼を閉じる]
[旋回し、立ち向かってくる戦乙女を払い落とす双頭翼狼の背で、道化師のカタチが崩れた。
崩れたモノは一度凝縮した後、魔力の粒と化して部屋全体を覆い尽くす。
呪言もなく発動するのは加重の魔術。
動きを鈍らせ、飛ぶものを地へ落とす重力の法だ。
対象は当然、玉座の前に立つ『始原の秩序』とその影である戦乙女たち。
同朋や勇者らには一切効果は及んでいない]
[魔術が発動する際、上空を見たものはいただろうか。
上空の飛び回る双頭翼狼の背に道化師の姿はなく、在るのは灰銀の毛並みに埋もれた仮面のみ**]
[道化師の正体は器物の魔族。
本体は仮面であり、人型の部分は魔力で構成されている。
故に飲食は必要なく、睡眠も取らない。
身体の回復には癒しの力ではなく、魔力そのものを必要とする。
この詳細を知るのは魔王と、道化師にしつこく問い質した者のみ]
……あれ、って……。
[槍の先に灯る光から感じるのは、純粋な力。
全てを飲み込み、回帰させんと欲する意志の塊]
何が何でも、って事かよ……っとに!
純粋なのはいーけど、過ぎるのははった迷惑だよな!
[『始原の秩序』の周囲には、護るように戦乙女が集い、一部はこちらへと向かってくる]
でも、な。
やらせねぇよ。
俺も、ここにいる他の誰も。
……諦める、なんて事とは、無縁なんでな!
[自分は言うに及ばず、共に戦って来た仲間たち。
そして魔王とその配下だって、そこは変わらないと思うから]
それから後でどなたか魔力を分けてください。
少々使い過ぎました。
[あっけらかんと放つ言葉は、皆にどのように響いただろう**]
俺たちの『想い』。
止められると思うんじゃねぇ!
[宣と共に、力を集める。
銀色の煌きが、ふわり、周囲に舞い散った。**]
/*
しかし、まあ。
このカード形式と俺、相性最凶だよね(
てか、1dのふぉーちゅんがあほかあ、ってくらいに走ってたからな、バランスは取れてる、うん。
[>>304玉座を離れぬ彼女が紡いだ静かな声は、それでも良く通るもので。
視線を向ければ、その手に在る槍に宿る光が徐々に穂先へと集っていっている様。
遠目だけでも、それが解き放たれれば只では済まないと分かる。
脳裏に過るは勇者達を出迎えたあの場、空を奔る幾筋もの黄金の光]
…あれだけは、何としても止めないと。
壊してしまえば、そう何度も使えるものでもないはずですし。
[作られた存在である以上、力は携えた分しかないのが道理だ。
どれほど多くの力が集っているかは分からないけれど、あの光が力であるならば。
あれを壊してしまえば、その力を大きく削ぐ事も出来るのではないか]
滅さなくてはいけないということは、その存在が脅威であるから。
ならば、あれに対しても混沌である者の方が優位に働くかもしれません。
[今この場にいる者は、人間とエルフ、魔族。
エルフでありながら魔族の見目持つ私が、一番混沌と称されるに近しいだろう。
その思考は、周囲にどれ程理解されただろうか]
[周りを見回すと、>>310魔王は既にその力を編み始めている。
>317空には旋回している双頭翼狼と、姿は見えないが恐らく道化師の術によってだろう戦乙女達の動きが目に見えて落ち始め。
魔獣も、私が動き出すのを待っているように見える。
ならば、次いで勇者達へ視線を巡らせれば>>319ふわり舞い拡がる銀色の煌き。
王子の方は戦乙女達に行く手を遮られているようだが、下手は打つまい。
>>285控えの間で交わした言葉、向けられた言葉。
離れる間際、羨ましいと言った彼の言葉はまだ耳に残っている]
……自ら選んだということが、私にとって大切なんですよ。
[あの時には返さなかった声を、小さく紡いだ]
…此処で居なくなっちゃ
嫌だからね
[ 無意識にポツンと言葉が漏れた
何度も揶揄われてきたけれど。
何度も痛い目を見たけれど。
私は道化師にだけは負けない、と誓ったんだ。
この戦いが終われば敵に戻るのだろう、それを理解した上で道化師が居なくなるのは、少し…
(…寂しい。) ]
くっそ、邪魔すんなっ!!
[ 大地を穿った黄金の光、その輝きが強くなるのを見れば、焦りが浮かぶ。
一刻も早く止めなければと思うのに、襲い来る戦乙女は、いくら倒されても怯むことなく、その間を抜くのも至難の技だ ]
[ 近付くことが困難なのなら、魔法かとも思うが、長い詠唱をする暇もなく、そもそも先刻の影との戦いで魔力はほぼ底打ち状態。
カヤの魔力を借りたのでなければ、今動いてもいられなかったろう。
そんな時、常の如く冷静なイースの言葉が耳に届き>>325 ]
秩序の塊に対するには、混沌、か?
確かに、一理ある...
[ 光と闇、聖と魔といった属性にだけ気をとられていたが、あれが純粋なる秩序を具現化した力の塊なのだとすれば、対極となるのは混沌の力に相違ない ]
魔の内にあって、魔そのものに非ず、か。
[ そして、人ともエルフとも、魔王とも...あらゆるものと関わりながら、一に染まらぬように見えるイースは、確かに混沌の具現と呼んでもいい存在かもしれない ]
[精霊達はここまでずっと動き通し。
けれど、まだ大丈夫だと力を貸してくれる。
>>276水球を渡した時にカヤから与えられた癒しの御陰だと、聞かずとも分かる。
私の懐の中、ずっと下げている首飾りの石が温もり帯びたことも。
>>271フランと離れたすぐ後だったのだ、意図は分からずも無関係な訳がない]
……本当に。
人間も、エルフも。
[紡いだ言葉は、最後まで続く事なく。
首に巻いたストールを外すと、ばさりと振って水精を纏わせて。
見目には幅広の剣と紛うそれを手に、玉座へと向き直る]
タイガ。
えぇ、お願いします。
[>>332私に向けられた瞳と仕草。
>333今一度、というその言葉に柔らかな笑みを返す。
あの時はまさかこの背に乗るなんて想定もしていなかった。
あれからまだそれ程経っていないのに、今は何の迷いもなく頷いて]
目前まで付いたら、貴方はすぐに離脱してください。
私一人なら、耐え切れるはずですから。
[言葉と共に、私の身を覆う風で。
単身で勝負をつけるつもりだと、タイガにも伝わろう*]
[タイガの背に乗る前。
>>*13聞こえてきた声に、やはり戦乙女達が動き難そうなのは彼の術か、と納得した。
が、>>*15続いた言葉に少しだけ、ぱちりと瞬き]
珍しいですね。
ローゼライトがそんなことを言うなんて。
[いつも余裕な様子しか見ていないから、使い過ぎるなんてあるのかと驚いた。
私の方もどれ程魔力を使うかは読めないから、お願いに対しては返答できぬまま*]
ぬあぁぁぁぁぁ!!!
[味覚への壊滅的な打撃と引き換えに、体力も気力も充実していた。
そんな体験をする羽目になった元凶に、八つ当たりぎみの攻撃を飛ばす。
声と共に突進させた樹竜が、動き鈍った戦乙女たちを巻き込んでいき、壁に激突して動かなくなった。
巻き添えを逃れた戦乙女たちが、再び攻撃の態勢を取る。]
……少し下がるのじゃ。
[周囲に声を掛けたのは、尖塔を離脱する意思を示すものではない。
己の身を守るのを止めて、大きな術を行使するためである。
そして、タイガとイースの会話を耳にしたからでもあった。
彼の言うことは理にかなっている。賭けても良い、と思えた。
大地を消滅させる黄金の槍を止めるため、できる限りのことしよう。
ヤドリギのペンダントを外して握り、詠唱の態勢に入る。*]
[ 練り上げられた魔王の力>>310も、イースならばうまく受け取れよう。魔獣もまた、同じような結論に到達したらしく、彼に背を貸そうとするのが垣間見えた>>333 ]
炎の翼 嵐の種 聖乙女の慈悲 闇の女王の誘い手 聖魔の炎に宿りて光と闇の狭間を巡れ
[ 戦乙女を切り裂いた剣が、空中で印を描くように旋回し、無数の小さな炎を生み出す。青と赤、白と紫、様々な色を持つ炎が乱れ飛びながら、周囲を巡る。
それは、大きな力は持たない、ただ様々な属性をまぜこぜにした光の乱舞。
少しでも秩序の主の気を逸らす助けになればいいという、精一杯の援護だ* ]
接近すれば当然、攻撃も激化する。
付き合えるところまでは付き合おう。
[あの神が如き存在に、何処まで迫れるかは分からない。
自身は己の脚に信を置いているが、目算でしかない。
届かない場合は十分にある。
そうなれば―――――……、]
届かなければ、全力で投げてやる。
[突撃は奇襲の基本。
真顔で告げれば、着地についてのエトセトラは度外視で。*]
[>>341タイガの背に乗ると、一際高くなった視界がより戦況を知らしめる。
>>339何らかの策があるのだろう後方に下がったエルフ。
>>340色鮮やかな炎を生み出し周囲に散らす王子の剣。
そして、私達が目指す先。
黄金の槍持つ者の手を締め付けるように巻き付く炎と]
……カヤ!
[>>331その側で、必死に耐えている彼女を見つけ目を見開いた。
口の中で零した言葉は、タイガにすら聞こえない程小さくて]
……ありがとうございます。
もしもの時は、お願いしますね。
[>>342届かなければ投げてやる、というタイガの言葉に返したそれは。
もしもでなくとも、願うことになるかもと内心で呟いた後]
──, ─ ───…
──,─
[動きを鈍らせながらも追い縋ってくる戦乙女達を後目に、紡ぐ声はタイガにも聞き覚えは無いだろう。
私が普段頼る精霊たちの中に、この精霊は滅多といない。
私と馴染み深い精霊と相反するものだから。相性も合わず、扱いやすいともいえない。
でも、だからこそ。今この場で呼掛けるに相応しい]
[言葉と共にヤドリギの小枝を振れば、それは一本の矢の形になる。
蔓を編んだ弓に番えた矢を、上空に向けて引き絞った。]
神樹よ。吾らを守りし者よ。
空と大地を繋ぐ力を今ここに顕現せしめよ。
大地の力を、吾らに分け与えよ。
[呼びかけの言葉と共に放たれた矢は上空で砕け、細かな光となって舞い散った。]
[光が形作るのは、巨大な木の幻影だった。
それは空に向かって枝葉を広げ、大地に向けて根を伸ばす。
その狭間にいる始原の秩序にも、刻々と輝きます黄金の槍にも根を伸ばした。
幾度も焼かれ、打ち払われながら、飽くことなく無数の根が伸びる。
数多の灰の中から届いた根は、その純粋なる力を吸い上げ始めていた。]
イース!!!
[精神力を使い果たし、床に膝をつきながら叫ぶ。]
おぬしは神樹に護られておる!
心置きなく、ぶちかましてくるのじゃ!! *
[精霊の呼掛けも済み、「始原の秩序」にも近付いてきた。
間近、というにはまだ遠くもある距離だが]
カヤ!
後は私に任せて、術を解きなさい!
そこにいると巻き込みますよ!!
[黄金の槍持つ手を抑え続ける彼女に離脱を促したのは、彼女の術で作られた炎に私の精霊たちが馴染み終わったから。
彼女の術がなくなっても炎自体はその場に残り、私の声で動いてくれるから]
……お?
[光を集め始めた直後に感じたのは、強い力。
それは戦乙女の黄金の翼のみを地に落として行く]
こんな器用な事って……。
[できそうな奴は、と。
ふと、見やった先には、銀灰の毛並みに埋もれた仮面]
……いやほんと、器用だよな。
[それに対する感想をそのたった一言に押し込めて、蒼の双眸を下へと向け。
届いた声>>325に、ひとつ、瞬いた]
……ん、わかった。
なんか、策があるなら、この場は任せるぜ。
[彼の事は、深くは知らない、けれど。
何かしら、この場を打破する決め手がある──というなら、自分はそれを全力で支えるのみ、と思い定めて]
は……言われるまでもねぇ、よ!
[道を創れ、という声>>341、応じて羽ばたく、銀の翼]
この世界の
[言霊が紡がれるに合わせて高まるのは、『想い』の力]
この世界に生きる者の『想い』と願い……
[言霊と共に、剣を高く、差し上げて]
……創れ!
[あらゆる意味での全力を込めて、振り下ろす。
透き通る剣から迸るのは銀色の光の帯。
それは先へ進まんとする者たちの行く手を阻む戦乙女たちを吹き飛ばし、文字通り道を拓いた。**]
………美しいな。
[秩序の化身は混沌を厭うが、
情緒に優れぬ獣さえ、感嘆の声を漏らした。
聖と魔、正道と覇道、光と闇、
入り交じり、不安定で、曖昧な色彩が、とても。]
[>>347後方から聞こえてきたのは、かみさまの声。
その声が示す通り、黄金の槍が地から伸びる根に絡め捕られていく。
その根が帯びる光は、私が離れたあの地、あの樹の]
タイガ!!!
[鋭く、大きな声で名を呼べば>>355魔獣も先の申し出通り応えてくれた。
投げ飛ばされるに合わせ、ぐ、と足を踏み込めば身に纏う風も向かう先を誘導してくれる。
>>352カーペットのように奔る銀色の光が、私の持つ水の剣に煌き、宿る]
───!!!!
[視線の先、白に身を包む彼女の手に纏う炎が声に応じて黄金の槍を包みこむ。
地から絡みつく根が炎を帯びて、更に燃え盛るそれはより大きな炎となって、私を待ち受けている。
それを見て、に、と笑ったのは狙い通りにいったから。
片手に持っていた水の剣を両手に持つと、炎纏う槍に正面からぶつかるように構え]
──!
[接触の寸前、放った声に応じた剣、水が何倍にも膨れ上がった。
巨大な炎と、大量の水。それらが一気にかち合えば何が起きるかなど分かり切ったもの。
一気に蒸発する水と拡散する熱が引き起こす爆発は、宿した光ともども黄金の槍すら飲み込んで]
ぁ───!!!
[引き起こした私も、当然爆発に飲み込まれる。
想定以上の熱と蒸気は、風の防護すら弾き飛ばしてしまい。
護りを失った私の身体は、たやすく失われてしまう筈──だったのだが]
ぇ………
[何故か、私は無事だった。
防護が外れていなかったのかと思ったが、私の風は外れたまま。
びりびりに裂けて肌を曝している衣服も、私が爆風に飲み込まれたことを証明している。
何故、と思う私の周りを包む光と。
露わになった胸、なだらかなそこに揺れる赤い実が罅割れていることに気付く余裕を得るには、もう少し*]
[光に護られ、未だ残る熱と蒸気にも害されぬままの私はともかく。
私と同じく、間近で爆発を受けた始原の秩序はどうなったか。
自分の身に起きたことよりも、そちらに意識が向くは当然。
足元に落ちたストールに宿した水は既に無く、肩に羽織ると彼女の方へと顔を向け]
……まだ、続けますか?
[問答はしない、と聞いてはいたけれど。
それでも、問いかけてみたくなった*]
[抗うものたちの声、そして、振るわれる力。
そこに宿るものは、『始原の混沌』の存在を揺るがすもの。
故に、高まるのは、滅しなくては──という意識、ただそれのみ。
それは黄金の槍に宿る輝きと、阻まんとする戦乙女の攻勢が端的に物語る、が]
「………………」
[幾重もの防壁に阻まれ、強大な力に晒されてなお、やって来た者たちは抗い続ける。
戦乙女の翼を奪う圧、槍を振るうを妨げる炎、色とりどりに煌めく光、根を伸ばす大樹。
そして、銀の煌きが拓いた道を、疾駆する漆黒と──]
[そうして、『始原の秩序』が消え失せた後。
伝わってくるのは、振動。
主にして力の源である存在を失った事で、天空城が空中崩壊を始めている──とは。
多分、簡単に気付ける事。**]
[>>363あの爆発を間近に受けても、彼女はその姿を保ったまま。
それでも湛える力は、見目にも随分と弱くなっていて。
まだ続けると言われれば、私もそれを拒むつもりは無いけれど]
…私は、人間が嫌いです。
エルフが嫌いです。
自分と異なるものを受け入れられない、世界が嫌いでした。
[沈黙に、今まで胸の内だけに秘めていた思いを語る]
けれど、憎むことはできなかった。
一時は、私を受け入れてくれる人もいたから。
その後裏切られても、追われても、離れるしかなくても。
秩序を反しても、私に温かさをくれる人がいたから。
そして、どんな異質であっても全てを受け入れてくれる居場所を得られたから。
色んな人が、色んな思いを抱いて生きている。
そんな混沌に救われて、私は貴女の前に居るんです。
[私の言葉は、力の塊たる彼女には届かぬもの。
そう思っていたから、一方的に話すだけだったのだけれど。
向けられた視線、ぽつり、ぽつりと落とされた言葉に驚き、その顔を見上げた]
[私の瞳に映ったのは、それまでの能面のようなそれではなく。
>>364穏やかな微笑みは、私の顔をその瞳に映した刹那、黄金の羽に隠された。
蒼穹を上り舞い散るその光は、彼女の姿模っていた全てを奪い、消えていく。
座り込んだ床を揺らすそれに気を払うことも出来ぬまま、光が消えた先を見つめたまま*]
[放った一撃は文字通りの出力全開。
『想い』を託した祈りの閃。
それが道を拓いた果て、生じたのは力と力のぶつかり合い]
って、ちょ、わっ!
[慌てて高さを稼ぎ、爆風に巻き込まれるのを避ける。
渦中のイースに護りの術を──と思いはすれど、先の一撃に思いっきり力を入れていたからすぐには使えず]
って、あれ……。
[さすがにこれは、という嫌な予想は、温かな光が覆してくれた。
『始原の秩序』も相当なダメージを受けたよう。
イースとのやり取りは、ここまでは届かないが、先ほどまでとは違う空気は状況の変化を伝えてきた]
……
[やがて、黄金の羽が舞い散る。
それと同時に、聖魔剣が歌うような音を立てた。
先ほどまでの、警戒音とは違う。
舞い散る羽を送るような──とても、穏やかな響きで]
……かえった……のか?
[呟きに応えるように、歌い終えた剣がりん、と鳴る]
そっか……。
[呟いて、空を見上げる。
『始原の秩序』が消えた事で、各地への攻撃も止まったのか、そらは、あらゆる意味で静かだった。
とはいえそれは、嵐の前の静けさ、ではあるのだけれど。*]
[蒼穹の下を黒の獣が駆けていく。
その背を離れて小さな黒い影が跳ぶのが見え、すぐに爆発と、もうもうと上がる蒸気で見えなくなった。]
……。
[動けないまま見つめる前で、蒸気は薄れ、舞い散る金の羽根が見えた。]
やったのじゃな。
[安堵の声を零すのと前後して、床が小刻みに揺れ始める。
崩れるのだな、と、どこか他人事のようにぼんやりと考えていた。*]
[ 「秩序の王」との対戦が終わったのだと、自覚した後、アルフレッドが最初に駆け寄ったのは、カヤの元 ]
お前は、ほんっとーに!毎度、毎度、どこまで無茶をすれば...
[ イースに礼を言っておけ、とか、言い募りたい事は山のようにあったのだが、直後、足元に伝わる振動が、その言葉を途切らせる ]
まずい、崩れるぞ!
[ 対処は魔王一行の方が早かったかもしれない。
アルフレッドも地上からここまで飛んできたのと同じ手を使おうと、聖竜を顕現させ...た、つもりだったが ]
...いや、これ、聖竜じゃない、よな?
[ 現れたのは、竜の卵に眠る聖竜ではなく、紫炎の翼持つ影の竜 ]
...なんで、実体化してる?
[ 影から竜を型作ったあの術は、カヤの魔力あってのもので、実際、発動してみるまで、どんなものが影から生み出されるかもアルフレッドは知らなかったほどだ。
それなのに、当然のようにそこに存在し続ける竜の姿に軽く混乱したものの、今はそこを追求している場合でもなかった ]
とにかく...帰ろう。
[ ため息交じりの言葉は、人も魔もエルフも、そこに在る全ての者に向けて ]
俺たちの、大地に。**
[その振動に気付いた頃には、刻む間隔はどれ程になっていたか。
崩れる予兆、とすぐに察するまではできずとも、此処に居ては危ないとは悟れるもの。
立ち上がってすぐにも駆け出そうとした私は、身体がほとんど布に覆われていないのに気付き]
……どうしたものか。
[目のやり場に困らせるような身体ではないが、見苦しくはあるだろうと。
悩んだところで、肩に羽織っているストールに気が付いた。
大判のもので良かったと、身体を隠すように羽織り直すとようやく足を動かした]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
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