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次の日の朝、語り手 が無残な姿で発見された。
夜が明け、悪夢は現実のものとなった。
人狼は確かに存在するのだ。そしてその血腥い牙で我々を狙っている…。
人々は苦悩の末、最終手段を取る事にした。
投票により、1日に1人ずつ疑わしい者を処刑する。
例え無辜の犠牲者を出すことになろうとも…。
現在の生存者は、選の儀の綴り 、闇桜の魔 蒼月 フィオン、聖蓮の花神 マレンマ、雷華の僕 ルートヴィヒ、玲桜の燭 ナネッテ、譲葉戦ぐ風 、柊の氷華 ジークムント、柊の護花 コンスタンツェ、雷華の族長 ガートルート、聖蓮の射手 ノトカーの10名。
聖蓮の花神 マレンマは、柊の護花 コンスタンツェ を能力(襲う)の対象に選びました。
― 戦舞台 ―
[従華>>1:287が蓮魔の元へと戻る様子も視界内での出来事と、視線は動かさずに。
話す必要が無ければ、無言で主の数歩後に控えているだけだろうか。
冷風の渦巻き>>282にも微動だにせず。*]
― 戦舞台 ―
[従華>>1:287が蓮魔の元へと戻る様子も視界内での出来事と、視線は動かさずに。
話す必要が無ければ、無言で主の数歩後に控えているだけだろうか。
冷風の渦巻き>>1:282にも微動だにせず。*]
闇桜の魔 蒼月 フィオンは、柊の氷華 ジークムント を投票先に選びました。
/* よーっし!まわすぞー!!
勝っても負けてもレンといちゃいちゃする流れは既に確定的に明らか!
振り返るものなどねえっ!!(完全に偶数フラグ
が、デフォがジークに入ってるあたりがハルトの殺る気をひしひしと感じるんだよ!
5(6x1)
そーぅれっ!運命のダイスよ!
これでも……
[不穏すぎる言葉に思わず半目になった。
色ボケを否定せず、これ以上のこととなると、想像し得るのは先ず一つ。
想像が合っているのか問い返さなかったのは、合っていた時に眩暈を起こしそうな予感がしたためだ]
[衣装についての説明があれば真面目に話を聞く。
大きく動きを妨げることは無いと言っているが、実際がどうかは後で動いてみるのが一番良いだろう]
似合……ってるの?
[姿身も無い場所であるために、紡がれた言葉には疑問の声が返った。
思えば相手が誂えた服なのだ、似合わないものを宛がうことは無いだろう。
身を捻って見える範囲で後ろ側を見たりと忙しなく動いていたが、伺いが聞こえればその動きも止まる]
殴られるようなことをするわけね…。
[返る言葉にぽつりと零す。
眷属である証、と示された蒼月の右の耳元。
詰まりはナネッテの同等の場所に何かを為そうと言うことなのだろう]
……分かったわよ。
それも、やっておかなきゃならないことなんでしょ。
[衣装の紋があれば眷属であることは知れようが、伺いを立ててくるくらいだ、やるべきことなのだと判じて是を返す*]
柊の護花 コンスタンツェは、柊の氷華 ジークムント を投票先に選びました。
玲桜の燭 ナネッテは、柊の氷華 ジークムント を投票先に選びました。
/* ハルトはジークさん絶対倒すマンらしい。
ちなみにこの状況、ただ戦いに行くだけ、というのはジークさんのヒール度高いしなので
ハルトくんの育神教室 出張編 をつぶさにお届けする構え。
さてどうなることか
柊の氷華 ジークムントは、聖蓮の射手 ノトカー を能力(襲う)の対象に選びました。
譲葉戦ぐ風 は、柊の氷華 ジークムント を投票先に選びました。
― 戦舞台 ―
好きにしろ。
[こちらの言動は、この世界と無関係な異界からの客人にも、戦うべき理由を与えたらしい>>1:293。
しかし、対戦者の心持ちなど、戦いに関わりなきものと氷華は考える。
故に、睨み付け言い放たれた言葉を、氷華は口調変えぬまま受ける*]
柊の氷華 ジークムントは、聖蓮の花神 マレンマ を投票先に選びました。
/*
すみません、質問を一点。
>※バトルは基本的に、『四君子』vs『従華』のカードで執り行われます。
『四君子』同士の相互干渉は不可ですが、自分の『従華』に強化術をかけるなどの援護は可能。
との事ですが、(実際行う可能性は低いですが)、従華から四君子を(咄嗟に)庇うなどの行動は可能でしょうか?
.........
[ 花神は隣に戻ってきた従華に視線を向け、僅かに笑みを浮かべてから、再び『氷華』に向き直った ]
氷華の...
[ 淡々と紡がれる言葉を>>1:291聞き、大きく息を吐く ]
もう良い、話すだけ無駄だ。其方もそこの凍り付いた従華も大差ないと来てはな。
[ 言い捨てて、錫杖を、すい、と前に出し、その先端を氷華の主従に突きつけた ]
/*
は、そこの言及ありませんでしたね。
PCの行動として不自然でないのであれば、動きとしてありですよ。
― 戦舞台 ―
[正直、神様に銃口向けるなんてバチアタリ
俺がする事になるなんて想像してなかった。しかも凄い強そうな。
だけど戦うならビビってねえで覚悟を決めろというらしい。
残る二華もすぐ来るだろうから、構わないか。
少なくとも俺の神様はもうやる気らしい>>2]
―――― レン。 頼んだからな。
[手加減しろはもう言わない。けど傲岸な神様なりにも
俺を気にかける努力はしてくれてるレンを信じて、そう託して]
[レンと紺野を残して、戦舞台の向こう側まで走り出した。
四君子同士の力がぶつからない様に、四君子は相手の従華とお互いに戦いあう。
なら白貴族も俺のほうへ来る。
俺はこの白貴族と戦うし
レンは紺野と戦うわけで。
背中のほうで、開始を告げる様に蓮鈴が早くも鳴り出した>>3]
― 戦舞台 ―
ご覚悟を。
[氷の微笑を浮かべ。
戦舞台の空気切り裂き、槍斧を回転させると、柄の半ばとやや石突の近くを持ち、穂先を下に構え臨戦体勢をとった。*]
/*
そういや、氷華さん本人のブレイクポイントも解らないというね...リリちゃんの頑張りにピクリともしなかったように見えるからなあ。秘話で何かはあったりしたのかしら?
外側からじゃなくペア同士でないと揺れない想定なのかもなあ。
― 戦舞台 対岸 ―
[戦舞台の対岸側まで移り、白貴族もついてきたのを認めたら。
俺は赤い銃の具合を確かめながら白貴族に目を向ける]
……なまえ、お前の名前はなんていうんだ?
[白貴族白貴族というのも座りが悪いし。
これから戦う相手の名前も知らないのは罰も悪いから、そう訊いた]
私も同意見だな。
[蓮魔の言い捨てる言葉>>2に短く返し。
蓮鈴の音>>3聞きつつ、眼差しはその従華の方へ]
[己が僕と言葉は交わさぬ。
ただ当然のように、互いの対戦者向け一歩を踏み出す]
[主より>>9眼差しを向けられれば無言で見つめ返す。
言葉交わさずとも、為すべき事は既に心得ていると言わんばかりに。
そして柊の主従は対戦の相手へと歩を向けたか。*]
[向けられる半目は、笑って流しておいた。
なお、問い返したなら至極さらりと、『常ならまぐわう所まで進めるのでな』と返したというのは余談としておいて]
少なくとも、俺はこの点で世辞を言うたことは、この在り方を得てから一度もないが。
[疑問には笑いながらこう返す。
声音がやや、穏やかなのは気づかれたか、否か]
[ぽつりと零された言葉には何も言わなかったが、今までの言動・行動から照らし合わせれば予想はつくか。
ともあれ、是を返されたなら、は、とひとつ息を吐いた後、右の手首の傷にすい、と指を走らせ紅を乗せ]
……すまぬな。
これだけは、なしておかねば俺の気がすまぬ故。
[やや、真面目な声音で紡いだ後、指に乗せた紅を従華の右の耳に触れて色を移し、そこに重ねるように唇を軽く、触れた]
……命の護りを、我が眷属に。
[直後に落ちるのは、ごく小さな声で紡がれる言霊、ひとつ。
唇が離れた後、残した紅が微かに煌き、黒の鎖に桜が群れ咲く耳飾りを作り出す。
魔の左の耳元に揺れるそれと、対の飾りがしゃらり、と音を立てる]
……さて。
これで、儀は恙なく終了したぞ。
[本来のやり方からすれば、相当に諸々を端折ってはいるが、そこに触れる事はなく。
手首の紅は放置したまま、右の手は再び太刀を鞘より引き抜く。
抜かれた刃は唸る事もなく、その手に納まり]
……さて。
戦舞台はそろそろ動いておるようだが……俺たちも、参るか?
挨拶をしておきたい者も、おるのでな。
[こて、と首を傾いで問いかける様は、至極軽いもの。*]
― 戦舞台 対岸 ―
[対戦者が走る一方、特に急ぐでもなく、悠々と歩を進め。
会話が可能な距離に追い付いた所で、足を止める]
名前?
――『氷華』、今代を指して言うなら『柊の氷華』だが。
[二つ名を答えるは、相手>>8の要望とは違ったかもしれぬが]
何故そのようなことを訊ねる?
[隷属者の名すら聞かず仕舞いの氷華は、訝しむ口調で訊き返す。
掌を上向けたその右手には気が凝結し、いつしか氷の細剣が現れていた*]
/*
さーて、ふかふか苛めですね…^^
苛めれるかはさておき。久々に戦うので、どう出てくるかが全く読めないので、先ずは様子見でしょうか。
[白貴族、基、氷華、か?その右手からは優美な氷美術にも勝る氷の細剣が現れている>>11]
……お前が呼んだ従華はな。
紺野莉麗。リリっていう女の子だ。18歳。
で、うちの神様は知ってるかも知れないが
レン。蓮魔だっけ。なんか似合わない名前だ。
で、俺の名前がノトカ… … や。
[やめた。普段以上に真剣な今、偽名は使う気分じゃないからさ]
どうせ戦うなら、あんたに教えておこうと思ってね。
皆の名前や性格をしらないままの神様は
王様になった後で苦労するぜ
ってな―――――――!!
[ガチャ! 撃鉄を起こす音が、もうひとつの開始の音*]
― 戦舞台 対岸 ―
[安全装置解除!水針の充填完了!]
四君子が一華、蓮魔の従華
聖蓮の射手、ミズハシ ハルト!!
よく覚えろよ氷華のカミサマ!!
[初めレンに撃った時と同じ挨拶代わりに。
氷華の髪の毛を狙う、威嚇で戦闘を始めた*]
[ 花神は、動き出したハルトからかけられた声に>>5、薄く笑みを浮かべただけで言葉は返さず、 槍斧構えた護花に>>7正面から対峙して、ぐるりと大きく錫杖を回転させた ]
リーン...
[ 蓮鈴の音と共に、花神の背丈程も有る、大きな水の環が宙に現れ、回転を始めた。
水環は、次の錫杖の一振りと同時に、戦舞台の床を細い車輪のように転がっていく ]
切り裂け!
[ 車輪と違っているのは、その水が、花神の言霊に応じて、鋭き水の刃と変ずること。
水刃の輪は、真っすぐに、護花の正面に向かっていく* ]
へ、へぇ、そう。
[世辞を言ったことが無いと言われ、ならば似合ってはいるのか、とひとまずの納得。
次いで、これまで言われたことを思い出してしまい、声が少しどもってしまった。
そんな状態であるため、声が穏やかさを帯びていたことには気付けず終い]
[蒼月が右手首の傷に指を走らせるのを見て、やや深めの嘆息を零しながら右耳を差し出すように相手へと向ける。
耳にかかる髪を左手で掬い上げ、耳の後ろへ。
開かれた右の耳に移る紅、そこに口付けを落とされると、少し擽ったそうにした]
[耳元で囁かれるように紡がれる言葉。
これは衣装とは別の護りの呪らしい。
唇が離れた後に聞こえた、しゃらりと言う音に、ナネッテは右手を耳へと伸ばす]
耳飾り?
[響く音に覚えがあり、蒼月の左耳にある飾りへと視線を向けた]
[儀を終えたという宣を聞き、張り詰めていた気を少しだけ緩める。
端折られた方法があることなど気付きもせず、そのまま移動しようとする蒼月の右腕へと手を伸ばした]
行くのは構わないけど……そのままで行く気?
止血くらいして行きなさいよ。
[何を意味するかは、この言葉だけでも伝わろう*]
[戦舞台となる浮島の頭上には召喚時の『異界門』のある小島が浮かび、浮島に薄っすらと影を投げかけている。
従華、『柊の護花』の環境変化。
群島は、自然溢れているが、この戦舞台も生命の息吹はあったろう。
霜付き、氷雪が何処からともなく、護花の周囲に満ちてゆく。
荘厳な戦舞台の上であっても、それは変わりなく。
地であろうが床であろうが、環境が変化する。
其れはさながら、凍柊の領域の縮図、或いは先の千年を思い出させる様な一端だったか。]
迫り上がれ、
[床を走る水の車輪は、霜付き始めた床の上を奔ったか。
突き上げる様に迫り出した
[同時、]
[護花を宙へと投げ出させる跳躍の台ともなった。]
[――――――]
[槍斧の切っ先は、空を切り裂き、大きな孤を描く軌道で、蓮魔の頭部へと振り下ろされる。]
ハッ!
[其れが防がれれば、穂先が防がれた点を基点とし、蓮魔の背後へと宙で転じ、背中合わせとなりながら、穂先を引き寄せ、短い声と共に再度蓮魔の背中へ突き出す一連の動きを。*]
ふん、そうか。
[聖蓮の従華が口にする名前>>12。
蓮魔はともかく、己の従華のそれは初めて耳にした。
かと言って特に感慨もない声で答える]
[何故彼が彼自身の名を言いよどんだのか、それはわからなかったが]
それは有難いお言葉だ。
だが生憎と、私は人を使う予定はないのでね。
[忠告も平然と受け流す。
そこに響く気合いの声と、そして何かの機構が動く音>>13]
― 戦舞台・対岸 ―
[対する従華が名乗るのは、先に言いよどんだのとは全く異なる響きの名>>*0]
そうか。覚えてやろう。
呼ぶ時は永遠に来ないがな。
[背の半ばまでを覆う、長い銀の髪。
それを掠める如き軌道で、水の針が飛ぶ。
対して氷華は、緩やかな軌道で右手上げ、針の周囲へ冷気生み出す。
直接撃ち落とすではなく、水を氷へ変じで、自らの力で操るために]
[どもる様子や、触れた時の仕種に、紺青はやや穏やかに細められる。
どことなく、見守るような──魔神と称する身には、やや似つかわしくない表情。
とはいえ、その変化はごく僅かな刹那のもので。
消えた後に浮かぶのは、幾度となく見せる軽い笑み]
ちょっとした、まじないを込めたものだ。
……俺の物と対になっておる故、眷属の証とするには最もわかり易かろうよ。
[耳飾りについてはそんな説明をして。
では行くか、と思った所に触れてきた手に、数度、瞬きいた]
雷華の族長 ガートルートは、聖蓮の花神 マレンマ を投票先に選びました。
この程度では抜けぬよ。
[氷と化した水針は、急激に速度を減じ地に落ちた。
威嚇程度の意味合いであろうが、わざわざ受けてやる義理はない]
さて、これだけ離れれば、少し広き空間に力を及ぼしても良かろう。
[言って、垂直に立てていた細剣を、外側向け鋭く振るう。
忽ちの内に、氷華とハルトを包むのは氷点下の冷気。
人の身であれば呼吸すらもままならぬ気温であった]
そなたは、この程度で枯れる花ではなかろうな?**
……この程度の傷であれば、放っておけば塞がるのだが。
桜月に餌を与える事にもなる故、問題はないぞ?
[言葉の通り、滲み零れた紅は手を伝い、抜かれた太刀へと落ちて消えてゆく]
半身より受けた傷故、特に痛むわけでもない。
大事ない。
[何でもない事のようにさらりと言い切る。
当たり前のような顔で言えるのは、人ならざる生まれの存在故の事。**]
[水針が凍てつき地に落ちたのを見て、ガチャリと機構を動かす。
弾丸を込める。挨拶終了、本気の喧嘩だ]
・・・・・・うっ さむ・・・!?
[氷華が鋭く振るう氷剣が、体温を奪いつくす冷気を起こす。
ガタガタと身体に震えが来る。腕に霜がつもるのも一瞬だ。
こんなの、人間なら凍える。ヤバいのという俺の認識は間違いないと評価された。けど]
ちぃっ!
[ 白く白く、凍り付く戦舞台。>>*2
かつての、千年の冬を縮小して見せるようなその光景に、花精は、嫌悪の表情を隠しもせず、舌打ちを漏らす ]
主が主なら、従華も従華、揃いも揃って悪趣味な...!
[ 悪態をつく間にも、放った水刃は、迫り上がる氷柱に阻まれて、さらにその氷柱を踏み台として跳んだ少女の振り下ろす槍斧が花神の頭上に迫った ]
リーン...
[ 花神は顔色ひとつ変えず、その穂先を右手に持った錫杖を一振りすることで払い除けんとする ]
[トリガーを引く、狙う、撃つ…]
じゃあ、俺も試してやるよ、氷華サマ。
あんたが、熱で簡単に溶けちまう様な華じゃないかをさっ!!
[ ガウン !!
弾丸を込めた一撃。以前と違う爆音は構造の違いか。
弾丸は蓮の実。燃える様に赤い銃身は、紅蓮の花弁で赤く包まれている。
赤蓮の銃、レッドロータス。
夏の陽射しの暑さの様な、弾丸を撃つ銃。
氷を打ち砕く勢いで、極寒を突き破り、氷華に迫る**]
[ここへ来てまだ然程時も経たず、心乱されることも多くて余裕が無く、蒼月の僅かな変化に気付くことは出来ない。
故に目に映るのはこれまでも向けられてきた軽い笑みで、耳飾りの説明もその笑みを見ながら聞くことになった]
まじない……ふぅん。
確かにこれは、間違いようがないでしょうね。
[闇を思わせる黒い鎖に咲く桜の花。
他の力在る者がどんな者達かは知る由も無いが、対の飾りとなれば間違うまい]
[指摘に瞬き、紡ぐ言葉に今度はナネッテの方が瞬いた]
痛くないと言っても、痛々しいわよ。
……感性の違いね、忘れて頂戴。
[何でもないように言う様子は言っても無駄のように思えて、それ以上は言わず。
蒼月が人と異なる存在であることを改めて感じる。
すっと引き下がる様子は、ほんの少し、壁を作るようでもあった**]
[ ガキリ、と錫杖と噛み合った後、跳ね返される切っ先の動きをも利用して、続けざまに、氷の翅持つ少女の姿は宙を舞い、花神の背後へと身を運んで、その背に鋭い切っ先を突き入れんとする ]
甘いよ...
[ するり...切っ先が背に触れようかと思われた瞬間、花神の身体は凍りついた、戦舞台の床を流れるように滑り、前へと進みながらくるりと回転して、再び正面に少女の姿を見つめる ]
[ 護花の槍斧は、迷う事無く、追撃を行おうとしていたか、だが、その頭上に、刃と化した水の車輪が降ってくる ]
[ 花神は、避けただけで術を放ってはいない。それ故、どこからその水刃が現れたかは、すぐには解らなかっただろう ]
[ それは、氷柱に阻まれて、届かなかった水刃が、阻んだ氷柱そのものを、回転を止めることなく駆け上り、更に跳躍した護花の後を追って飛来したもの ]
[ 氷柱を上る間に、凍り付いた分の水量が減り、人の身体程から、頭程に小さくなってはいたが「切り裂け」という命をそのままに、花神を狙う少女の身を裂こうと迫る** ]
/*
紅蓮だから、そっちにかかってるんだろうなあ、とは思ったよね。(←ハルトにお前は紅蓮だろう?と言おうとして、ネタバレそうだからやめた)
うちのこがかっこ良くて痺れます。
私が死んだらあとをたのむ...(ごふっ!
[ 精神攻撃と物理攻撃同時にしてくるリリちゃんが怖いらしい** ]
[己にとっては常の事。
しかし、それをそう見なさぬ様子に魔は緩く首を傾ぎ]
……ああ。
そうか、人の子には、そのように見えるのだったな。
……久しく言われる事なかった故、忘れておった。
[独り言めいた呟きは、やはり人ならざるものの視点に基づくもの。
紺青に僅か、陰るような色が過る]
(……彼の如月の君、以来か。
俺にそのような事を言うたのは)
[ふと掠めた記憶は陰り色と共に刹那でかき消し、魔は傷口に唇寄せて滲む紅を舌先でなぞる。
それだけの仕種で、傷は跡形もなく消え失せた]
……さて、それでは改めて、参るとするか。
[紅が消えれば、浮かぶは軽い笑み。
魔は手にした太刀を横一文字に振るう。
それに応ずるように周囲を取り巻く桜の花弁がふわりと飛び散り、帳を解いた。*]
― 闇桜の領域 ―
[領域の一角を閉ざしていた薄紅がふわりと散る。
現れるのは抜刀した太刀を横一文字に振り切った魔と、薄紅に閉ざされる前とは装いを一変したその従華]
……む。
既に始まっておるようだが……。
[戦舞台から感じる力に、紺青が細められる]
ぶつかっておるのは、聖蓮と、氷華か。
……まあ、俺としては都合がいいが。
[戦神としての宣、そして約を果たすため、刃交わすであれば雷華と、との願いがあったから、彼らが対しているのは魔としては都合がよいと言えた]
― 戦舞台/上空 ―
[ともあれ、いつまでもここに立ち止まってはいられぬ、と。
太刀納め、従華伴い向かうは門の開かれし戦舞台。
路を繋ぐは、薄紅の扇一閃が呼び起こした花弁の舞。
開けた路を抜けた先は──それぞれ相対する者たちの、上。
足場などない場所だが、舞い散る桜花が足元を支えているため落ちる事はなく、また、相対する者たちを妨げる事もない]
……さて。
聖蓮の闘舞を見るは
どのような舞を見せてくれるやら。
[呟く声音にあるのは、楽し気ないろ。
太刀の魔神としての側面が現れた表情もまた、楽し気で。
呟きに応じるように、腰に佩いた太刀が微かに震えた。**]
分かり切った…
えぇ…まぁ…
[分かり切ったこと、と言われてしまえば>>1:288、曖昧な肯定を返す。
正直な所、この主は分かりやすく好意を示していてくれたことと思う。
向けられる視線が、悪意や害意、敵意であるか、あるいは好意的なそれであるか。
その程度の事は、瞬時に分かる程度には、鈍くはないはずであった。
尤も、その好意がどの類の、あるいはどの程度の物であるかまでは、定かではないのだが。]
確かに…獅子ほどではないとは思いますが…
[比べる物がおかしい、と思うのは間違っているだろうか。
人の身からすれば、そんな大型の猛獣、倍以上の差があるはずである。
しかしこの人ならざる人は、日常的に巨大な体躯の猛獣と戯れているというのか。
想像できてしまうあたりが恐ろしい。
とはいえ…先ほど狼の背を借りた時ですら、恐れ多くて内心慄いていたのだ。
主本人の腕に抱かれたこの体勢は、どうにも心臓によろしくない。
何よりも。
己を持ち上げびくともしない腕の力強さや、普段ではありえない高い視界、そして抱きしめられる腕の温もりが、決して忌避すべきものではないという事実が、男を酷く困惑させた。]
[代理戦争そのものを、馬鹿げている、の一言で切って捨てる主。
そもそも代理戦争というものは、当事者同士が争った場合、巻き込まれた周囲に甚大な被害を及ぼす故に、其々が代理を立てて行うものである。
決して当事者の責任放棄であるわけでは無いはずなのだ。
そして、そう言った意味で、これから行われようとする戦は、正しく代理戦争であるはずだった。]
おっしゃることも、尤もですが。
[主の言わんとすること>>1:289は、分からないわけでは無い。
男の養父である皇帝も、同じような気質の持ち主である。
皇帝と言う身分に至ってすら、最前線で出陣する、養父。
当人よりも、周囲の者達が、はらはらとしていたのも記憶に新しい。
王たる者は、玉座に尻を据え、安全な所から指揮を執っていても構わないのだ。
それを、己自身が関わらねば、と誰よりも前に出てくるその心意気こそが、彼のもつカリスマの所以なのだろう。]
[目の前のこの人も、本来であれば自らの手で勝ち取った物にのみ、価値を見出すような方なのだろう。
それは、男からしてみれば、美徳である。
代理を立てることに、酷く興ざめを覚える様子には、密かに同意すると共に、好感を抱いた。
わざわざ口にはせぬものの。
見送る狼たちは、元の大きさへといつの間にやら戻っている。
仲良く連れ添うその様子に、狼は群れをつくる動物であったか、と思いだし。
その目に見えた絆の深さと強さに、緩く目を細めた。]
[漸く降ろされた、赤の大地。
戦場もしばしば、紅に染まることはままあるが、それとは異なる、暖かい赤。
咲き誇る曼珠沙華の花に足元を覆われ、思わず目を奪われる。
足を下ろした場所の華を、踏み折ってしまうことすら、惜しいほどの、見事な光景。
その一本一本が、花々の中央に立つその人を慕うように、ざわりと風に揺れ。
誘われるまま、上げた視線が、金色と出会う。]
―――――。
[美しい。
どこまでも純粋に、胸の内に広がるのは、他のどの言葉も陳腐に聞こえるような、シンプルな賞賛。
思わず細めた視界に、日の光を受けたその人の赤が、眩しく映り込む。]
『お前が俺を王にしろ。』
『俺の従華として敵を薙ぎ払え。』
[言葉を受け、男は深く
胸に抱く軍帽は、既にどこへと行ってしまったが、代わりに拳を胸に抱き。]
…御意に。
[思う所はあれど、決して戦と名のつくものを厭うわけでない主。
それは、瞳の輝きひとつ見るだけで、知れる。
その主の挑む戦に、共に戦う者として選ばれたことは、素直に誇りたいと思う。
そこに、どのような想いがあったとしても。]
必ずや、勝利の美酒を、貴方の手に…――
[誓う言葉は厳かに。
ちらりと脳を掠めた養父の姿は、今は忘れることにして。*]
雷華の僕 ルートヴィヒは、聖蓮の花神 マレンマ を投票先に選びました。
[御意に。
短く返る返事と、厳かに響く誓いの言葉。
緋色のは満足げに頷いた。
今はこれでいい。
男は知っている。この青年が持っているのは、見た目通りの静謐さだけではない。
彼が戦場で剣を振るうさまを。その脚で駆け抜けるさまを。
男は知っている。
稲妻のように疾い、牙のように鋭い、その姿はまるで────。]
俺はお前の脚が動かんのを知っている。それでもお前は迷わなかった。
闘争を諦め逃げる選択をしなかった。その
[緋色の獣が高らかに謂う。
一面の赤い花が、風もないのに称賛するように一斉に揺らめいた。
伸ばされた男の人差し指が、青年の左胸に触れる。胸骨の奥に隠された、熱を生む臓器を示すように。
そうして、『ここに』、と。形のいい唇が、音を刻む。]
『お前自身が戦う理由』はあるか?
ここにはお前を妨げる者も、お前が護らねばならんものも、ひとつも無い。
それでもお前の中に、戦う理由は、────"死ねない理由は、あるか?"
[ざわ、と。
空気が嘶く。木々が、大地が、怯えるような気迫。爛と輝く一対の琥珀は、目の前の青銀を捕らえて離さない。
いつの間にか戻った二匹の狼が、二人を囲んで恭しく首を垂れる。
腰に帯びた刀を一尺ほど引き抜いた男は、右手でその刃を握った。
割かれた皮膚と肉から溢れたものが、刀身を伝って地へと吸い込まれる。赤い、雫。]
無いのなら、
[血の玉のを結ぶ手のひらの傷を、突き付けるように眼前へ。
落ちた雫から新たな雷花が咲き乱れる。揺らめく戦火に似た、その花の中で。]
ルートヴィヒ・デンプヴォルフ。
この手を取れ、名を棄てよ。
そうすれば、
[人の身たる青年を、超越者たる者達との戦へと誘う緋色の獣は。
傲岸に、凄絶に笑って見せた。*]
[ハルトの得物の機構が動き、音が響く。
その間にも、こちらの起こした冷気は少年の身を包んだ。
生身の少女ほどではなかろうが、それでも震えるほどの寒さは感じるらしい>>*6]
威勢のいいことだ。
[得物を構えるハルト>>*8へ半眼向ける。
『譲葉』では見たことのない武器、その身は燃えるような赤。
ハルトが引き金を引けば、爆ぜるような大音が響く]
[寒気を突き破る弾丸が、渦巻く蒸気を巻き起こすのを、観察するだけの猶予はない。
細剣の切っ先を地に向ければ、落ちた霜が一瞬にして集い、分厚い氷の壁となる]
[しかし――夏の陽射しの熱持つ弾丸は、その壁の中心を一瞬にして溶かし、抜いた]
――ほう。
[蒸気により残された軌道と、壁に接した際の僅かな減速。
それは氷華が銃弾から身を逸らすことを可能とし、蓮の実は白の外套の腕辺りを掠めて落ちた]
蓮は蓮でも、紅蓮という訳か。
[損害はない、しかしその一撃は、術を主体に戦う四君子を確かに『動かした』のだ]
一発だけかね?
[見慣れぬ得物に、魔弾と等しき蓮の弾丸。
なれどまだ、氷華を溶かすには足りぬ、と]
ならばこちらは、こうだ。
[細剣の切っ先を上へ向ければ、壁は穿たれた部分を中心に砕け、無数の大きさの疎らな氷の楔へと変化した。
それらは細剣の指揮に合わせ、鋭き先端をハルトへ向ける]
穿て。
[その言葉を合図に、楔はハルトの身に向けて殺到した*]
/*
>>*10
一度車輪を放って消失確認をしてないなら、そこまで分からないって事あるのかなという疑問はあるけど、これは驚けっていう振りなのかな?
だがそれを感じる心は無いんですよねえ……。
[…だめだ!氷壁を貫いた弾じゃ氷華の奴には通じない]
そっか、こいつ魔法使い!
[レンも蓮を操り水を操り、俺を相手に随分余裕を見せたけど
この氷華はレン以上に、超能力で戦う奴だ。
そうする間にも、氷華を護る氷壁はバラバラに砕け、変貌する。
ガトリングの様な、数え切れない無数の氷矢!]
[氷の楔が動き出した、それを近くすると同時に横へ跳ぶ]
うおっと!?
[銃を持たない左腕で地面をついた時、あまりの冷たさに驚愕した。
やばい、その内舞台事態が凍り付いてまともに動けなくなる!
全身を翻して着地、すぐに逃げた俺に方向を定める氷の楔]
[殺到する氷の楔を、前へ転がり付き抜ける様に避ける。
ビシビシと掠る、氷の、冬の冷たさは切り刻まれるみたいだ。けど]
せえぃ やああぁっ!!
[ガウン!!と低姿勢でつっぱしりながら、氷華の足を狙い撃つ]
あんたなっ!
現に従華として紺野を使ってるじゃねえか!
そりゃ人間をどう扱うかは神様の勝手かもしれないけどさ!
それをどう協力して貰うか、心を尽くすのも王様の役割だろ!
[凍える寒さの中で、思い切り主張を吐き出しながら氷華に迫る。
いくら銃が強くても、遠距離で戦う神様の得意な土俵じゃキツい。
――――どうせやるなら ゼロ距離射撃っ!!*]
――――まあうちのバカもその点不合格だけどなっ!?
[青臭い主張しといて、じゃあ俺のとこのはどうだって?
はい、逃げる俺を甚振る様に追いかけて、ハジメテまでムリヤリ奪われる様にして隷属されました]
レン!こっちはなんとか出来てる!
でも寒いわっ!こんなのが千年続いたのかよ!
[然し、四君子と対峙するという恐ろしさを初戦で叩き込まれた。
人間の身で対峙すれば文字通りの秒殺だろ。
蓮の葉に横たわり、暖かな陽射しを感じれる聖蓮の池が恋しいぜ*]
/*
ブラウザのキャッシュがおかしいのでもにょもにょしていたら、どうしましょう、またハルトが可愛くて...[ごろごろごろ←転がっている]
[悪態>>*7で意識取られるならばそれも良し。
尤も、護花はその様な感情を持つ事は無いが。
氷柱が迫り出す勢いを利用して宙舞い放つ一撃に、その侭流れるばかりの背後からの一突き。
其れは奇襲にすら非ず、流れる侭の槍斧捌き。
その一突きを難なく交わし、交差する様に蓮魔が前方へと流れるよう回避すれば>>*9、それは先に氷塊を迫り出させた>>*3方向か否か?]
甘いのはどちらでしょう。
[頭上より迫り来る回転鋸めいた水車輪。
蓮魔に背を向けたその格好の侭、一歩前へと出ながら蓮魔へ半身反転しつ、槍斧も縦回転させれば穂先は頭上に。
キシリ。
環境変化に呑まれる様に、水車輪は凍り付き、槍が呆気無く二つに断ち切った。]
[そして、互いに位置を逆転させて再び顔を向け合い対峙する事になるだろうか。]
貴方の力と氷雪の力の相性は最悪。
手数の出し惜しみは、負けを引き寄せるだけですよ。
打つ手無くば、
今頃、貴方の従華も凍えていることでしょう。
[床から雪原に変貌した地を踏みしめながら戦の構えを取れば、二つに割れた氷車輪が両側に落ちる音がした。*]
[魔法使い、と評する言葉>>*15に肯定も否定も返さず。
楔がハルトを追い詰めていくのを、ただ色のない瞳で眺める。
しかしハルトは身を翻し、転がり、楔の直撃を受けることなくかわしていく>>*16]
はっ。
[低姿勢で駆けるハルトの手元から、再び響く破裂音>>*17。
今度は一枚壁ではなく氷塊が、弾丸の軌道へ次々落下し、砕けることにより勢いを殺す。
足を狙う一発は、外套の端に僅かな焼け焦げを残し通り過ぎた。
しかし防御へ意識向けた故に、楔の動きが緩慢となったことに、相手は気付いただろうか]
――ふん。
[紺野、と護花の名らしきものをハルトが呼ぶ。
氷神は一瞬眉を顰めるも、口調は変えぬまま]
協力? たかだか二度、己の代理に戦わせるだけの存在であろう?
元が身勝手なのだから、納得も何もなかろうよ。
[主張を吐き出しながらも、ハルトは徐々にこちらとの距離を縮めつつあった。
術主体のこちら相手に、接近戦を狙っているのは読めた。
かといって身を翻し距離を離すは、氷華の足では得策ではない]
――凍柊結界。
[短く唱え、呼び出すは防御の術。
氷華の周囲で、霜含む冷気が緩やかに渦を巻き、更に温度を下げた。
やがて渦の中には、柊の葉を模した薄き氷の刃が、生い茂る葉の密度で現れる。
物理的に侵入を阻みはしないが、突入すればそれなりと痛みと寒気を与えることだろう*]
[忘れていた、と。
傷口に唇を寄せて傷を消す様子を緩く瞬きながら見遣る。
跡形も無く消える様子に、ますます自分との違いを見た気がした]
……えぇ。
[仕切り直しての移動の言葉に同意を向けて、太刀を横一文字に振るう様を見る。
視界が開けはしたが、ナネッテはしばし蒼月だけを見ていた]
そうだわ、蒼月。
貴方以外の四君子がどんな人達なのか、まだ聞いてないわ。
これから戦うことになるんでしょ?
貴方みたいな不思議な力とか、そう言うのがあるなら知っておきたいのだけど。
[情報とはどんな場面においても重要な位置を占める。
知らないままでは対策も立てられない。
蒼月の意思を受け、協力を決めたからには負ける心算などありはしない。
移動の道すがら、情報を得ようと蒼月に問いを投げた]
[眼下に広がる戦いを視界に入れながら、時折蒼月へと視線を転じる。
戦いを見るその表情は楽しげで、戦神としての一面が現れていることが良く分かった]
…楽しそうね。
[それを見て、ナネッテもまた笑みながら小さく呟く*]
[これまでの言動を鑑みるに、蒼月は何度も王華の選に参加しているらしい。
千年に一度の事柄。
途方も無い年月だと思う]
……ねぇ。
王華の選までの間って、貴方何をしてるの?
貴方が居る領域に人の気配が無かったように思うのだけど…
もしかして、一人で?
[問うたのは、傷の手当を指摘した時に紡がれた言葉を受けて不思議に思ったこと。
あまり踏み込むまいと思ったのだが、一度気になってしまうと問いかけを止めることが出来ず。
そ、と囁くように問う*]
[氷柱に質量を削られた水刃は、護花の身に到達する前にあっさりと凍り付き、真っ二つに断ち割られて凍り付いた床に、キン、と冷たい音をたてて落ちた>>*19]
おや、挨拶以外も出来るのだね、お人形さん。
[その結果は予想済みとばかりに、花神が笑みを浮かべるのは、真の余裕か、或いはただの強がりに過ぎぬだろうか]
まるで私の力を知っているかのような口ぶりだが…
[するりと、その身は横へと滑る。氷の上に水の軌跡、冬に支配されようとする空間の内、その軌跡さえ忽ちに白く凍り付いていくが、花神の操る水も尽きることなくその足元を濡らす。
氷の上に流れる水は、地面の上より抵抗少なく遥かに速く花神の身を奔らせ、護花の周囲に描こうとするは円の軌道]
水だけが、私の武器と思うてか?
[身体は護花へと向けたまま、一時も止まらず氷の上を滑りつつ、リーン、と錫杖の蓮鈴が鳴れば、唐衣の裾を飾る紅い蓮花が、ぼうと光を宿した]
我が従華は紅蓮、そして我は花の神…
[ひらり翻る紫の衣の裾から、夏の陽光宿した紅い蓮花が無数に産まれて宙に舞い、柊の護花の周囲に飛来する。白を紅蓮に埋め尽くそうとするように]
紅蓮の火は凍らず、花は冬を越えて、咲くものぞ?*
[ぐっ、やっぱりこいつ、堅い!]
ひっ…らきなおってんじゃねえよ!
あんたちゃんと紺野に頭下げて頼んだか!?
そりゃ、うちのバカもあんたとどっこいどっこいだけどさ!
スジを通した背中を堂々魅せろ、がうちの教育方針でねっ!!
[届きそうで届かない。まだ足りない。
強く足をふたつ、よっつ、踏み込んでいこうとした時、視界が白く染まる]
[渦巻く冷気が、更に勢いをまして、舞台を白く彩る]
まだ寒くなるのかよっ!
[さっき地面をついた時に予測できてた。
今は霜ついただけの地面だけど
やがて氷に覆われ、ツララが突き出し、極寒の領域になれば逃げ場は狭まる。
柊の葉は、確か邪を払う為にあぁしてとんがった形をしてると聞いたけど。
何者も寄せ付けないで、その中央でただ一輪、白く咲き誇る華。
柊の氷華、なるほど、先代の氷華もこうして他の華を寄せ付けず勝利したのかとその光景が浮かぶ]
[白い冬の結界は、あらゆる物を拒む。
無闇に突入すれば、あの無数の氷にやられるだろう、けど]
何でここで止まってやんのかってな!!
[ダン!と強く地面を踏む、バキン!と舞台に張られた氷が割れる]
うお らああああっっ!!
[強く跳躍して、生い茂る氷葉の生垣の上から氷華へ近づく。
けど流石にムリだな。従華の身体能力でも、ただ跳ぶだけでこれは越えられない。
だから重力に従う様に俺は、柊の葉群へ向けて落ちていく。
このままだと串刺しなのがどうみても明らかだ]
[銃を構える、狙いは氷華じゃなくて、足元の氷葉]
頼む、蓮花!
[ガウン!と蓮の弾が足元の氷葉を打砕いて、舞台に根付く。
根付いた蓮の実、それを基点に冬の極寒の中で蓮の花が開いて、俺を受け止める。
すぐに凍える蓮。
足元でバラバラ砕け散った氷と砕ききれない柊の葉が、足に赤い線を刻む。
今の俺は、ただ厳しい冬の領域に飛び込んだだけで、周囲は未だビッシリと氷の刃に囲まれている。
慌てて周囲に向けて水を振りまく事で護りにするけど。
…やばい。飛び込んだはいいけど、俺も攻めれねえ。凌ぐしかねえ]
― 闇桜の領域 ―
大方、若い連中が気を逸らせたのであろう。
……良く在る事だ。
[もう、と驚く様子にさらりと告げる。>>28
続いた問い>>29にはああ、と短く声を上げ]
確かに、知らぬままに相対するのは厳しいか。
此度の選に加わっておるのは、聖蓮、氷華と……そして、雷華。
聖蓮は蓮を印となし、水の力を自在に手繰る。
先の選では、俺と相対したが……その時よりは、修練を積んでいような。
……幼子の如き意地張りな所はあるが、力は相応のものがある。
[意地張り、と評する刹那、浮かぶのは楽し気な思い出し笑い]
水であるが故の変幻さは、侮れまい。
陽を好み、闇を厭う向きがある故、対するならば月闇を上手く手繰るも必要となるな。
お前は紅蓮の子、氷雪に負けるとは、元より思うておらぬ。
[ 伝わる声に返す言葉は、常の如くに笑みを含む ]
千年の冬は、千年の白き闇、白き孤独...
[ 続く呟きは、色も無く ]
従華ばかりか、氷華自身も、己の氷に閉じ込められているようだな。
[ 声音に恨みの気配は、なぜか薄い* ]
氷華は、柊を印とする者。
その名の通り、氷雪を自在に手繰る。
……桜風の舞は、ある程度の熱を保つ事はできるが、どこまで対せるか、となれば難しい所だな。
……以前、先代と相対したが。
あの時、勝ちに行かなんだ事は、多少、悔いておる。
その後に訪れし千年紀が、余りにも退屈であった故。
[何やら問題発言をさらりと織り込みつつ、告げて]
当代と見えたのは此度が初だが。
先代同様、苛烈な気質をしていると見てよかろうな……。
妥協なく、目的のために進む。
……純粋といえば、そうなのだろうがな。
最後の一人は、雷華……その名の通り、雷華を印となし、雷を手繰る。
俺とは、旧い知り合いでな。
まあ、面白いヤツだ。
[評する時の表情は、至極楽し気なもの]
武神としての力は最上……此度の四君子の中で、俺が最も脅威と見なす相手。
理の枷さえなくば、俺が直接相対したい、とさえ思う男だ。
武術にも長ける故、対する際は護りの術も忘れぬようにな。
― 戦舞台/上空 ―
[主観も多分に交えた説明を終えた頃には戦舞台へたどり着くか。
高さに声上げ、狩衣掴む様子>>29にく、と短い笑みが落ちる]
案ずるな、落ちはせぬ。
……不安であるなら、抱えてやるか?
[そんな冗談めかした言葉を投げるものの、実際に行動に移す事はなく。
楽しそう、という呟き>>30も届いているのかいないのか、紺青はひたりと舞台の上の闘舞を追っていた。*]
……ん?
[不意に届いた囁く問いに、紺青が緩く瞬く]
選と選の合間……か?
まあ、大抵は微睡んでおるな。
俺は、必要以上に眷属を持たぬ故、領域には他には誰もおらん。
領域の桜木たちにも、名を与える気はないのでな。
[なんでもない事のようにさらりと問いに答えた後、魔は緩く首を傾ぐ]
……何故、そのようなことを?
[続けて向けるのは、純粋な疑問に基づく問い。*]
[逃げる、等という選択肢は、男の中では初めから存在しなかった。
下肢が思うようにならぬこと等、何の妨げになる物か。
人と人との争いのみとはいえ、
仮に、養父には実際の戦場へは連れて行かれなかったとしても。
選ばれたのだ、己は。
この、美しい人に。
応えない、など、不遜に過ぎる。
勿論、闘争心そのものも、否定するつもりはない。
男の人生は、戦いと共にあると言っても過言ではないのだから。]
[揺れる赤に、唸る大地。
あぁ、確かにこの人は、この地を治める、“王”なのだ。
この人を、更なる高みへと導く礎になりたいと願うのは、決して嘘ではない。
それほどに、魅了されていた。
出会う眼差しは、決して逸らすことはない。
金色と銀、たがいに映り込む色が、其々の輝きを帯びて、強い光を放つ。
『死ねない理由』
それは、死者への責任だと思っていた。
しかし、それよりもなお、強き力が己を導く。]
[主の掌から滴る赤を視線で追い。
それから上げた眼差しが、ほんの僅かに柔らか味を帯びる。
死ねない理由。
戦う理由。
貴方と共に立つために…――
戴いた“理由”を胸に、サーベルの柄へと右手をかける。
腰に吊るした鞘から、鈍く光る銀が覗く。]
ルートヴィヒ・デンプヴォルフ。
今ここに、
[左の掌でその銀を握れば、そろいの赤が男の手を彩る。
そして、目の前の掌に、己のそれを重ねあわせ。]
どうぞ、お導き下さいませ。
[雷華を冠する主の笑みに圧倒されぬよう、大地を踏みしめ返した眼差し。
そこには更に強い意志が宿る。*]
頭下げて?
[ハルトのその言葉>>*25に、氷華は心底不思議そうな顔をした]
――ふん、ならば蓮魔は、そうしたとでも言うのかね。
[バカだなんだと言ってはいるが、一応の信頼関係はあるらしい蓮の主従。
迫りつつあるハルト向け、投げ掛けるのは純粋な問い]
我が主と共に四君子に並び立つ神魔が、
斯様な稚気の業で終わりますまい。
[水の車輪鋸による一の術は、小手調べと見做した様子。
問いめいた言葉>>*23にはそう言葉が返り。]
[蓮魔が、護花を中心に円を描いて移動すれば、無数の紅い蓮花>>*24が宙に浮かぶ。
雪原上に水走らせ滑る蓮魔は目で終えるが、穂先を下に斜めに構えた侭身動ぎせず。
群がる夏の紅蓮花は、冬を上書きせんとばかりに空間を掌握せんとしていた。
蓮鈴の音は四方より聞こえるように反響す。]
永遠に続く火は無く、
陽が地平に落ちるよう何時かは熱失い、
花が枯れゆき、冬の寒さに凍り付くもまた世の摂理。
[蓮魔が滑った後の水は飛沫も凍りついてゆく。]
[結界の出現により、周囲の気温は更に下がる。
――否、氷華の周囲へ集中した分、離れた場の気温はやや上がってはいるのだが、接近している今そうと気付くのは難しいであろう]
[柊、触れればひいらぐ葉、人を寄せ付けぬ冷気。
確かにそれは、氷華の一面を表していた>>*26]
無謀であるな。
[凍れる柊の茂みの内から、氷を割って跳躍するハルト>>*27を見やる。
ただ跳躍するだけで超えられる結界を超越者たる氷華が張るはずもない]
[だが、柊の群れへ向け、落下するかに見えた少年は。
紅の銃で持って、足元の氷を打ち砕く。
そこに開いた蓮の花は、一瞬で凍り砕け散りつつも、ハルトの身を受け止めた>>*28]
[トン]
[槍斧の穂先を雪原に突き刺せば、
轟音と共に、文字通り地が吹き飛んだ。
雪原と化していた床から氷山めいて、四方に鋭利な切っ先を持つ氷塊と共に、雪が雪煙となって空高く舞い上がり、護花の姿も一時覆い隠した。
無数の紅い蓮花に鋭利な氷塊達は撃沈させるように触れ、雪煙も夏の陽光宿すそれに触れるが、溶かされるかそれとも蒸発するか、或いはどの様な影響が出たろうか?*]
――よく跳び込んだ。
[冬の領域の内側、蓮魔と護花にも視認出来ぬ空間に一人と一柱。
足に刻まれた赤を見やりつつ、ぽつと零した言葉は、ハルトの耳にのみは届いたかもしれぬ。
表情変えぬままの抑揚乏しき声、意味を正しくは捉えられなかったかもしれないが]
さて、手の届く距離まで来たが。どうする?
[水の護りを得た所で、少年の動きは止まったようにも見えた。
氷華にとって結界は無害、そして躊躇う理由もない。
鋭き細剣持つ右手を前に、少年へ切っ先突き付け半身の構えを取る]
[接近戦は不得手、なれどこの状況ならば一番効果的とばかりに、少年の肩向け細剣で突きを放った*]
そう…。
[問いに返る言葉から、蒼月が領域では一人で居る事が知れた。
手首の傷の時のように、当然といった様子であることから、さして気にしても居ないだろうことも知れる]
ん……何か、人と接する機会が極端に少なそうに見えたから。
一人で寂しくないのかな、って。
私達人間は、一人じゃ多分生きてく事が難しいだろうから。
貴方みたいな人はどうなのかな、って、少し思ったの。
その話しぶりだと、誰かと接するのって王華の選の時くらいでしょ?
私みたいに異界から呼び寄せた人と。
[推測に基づいたことを口にし、伺うように首を傾げ蒼月を見遣った*]
[水と氷の相性は悪い。その意味をよく理解はしている。
周囲の柊の葉へ撒いた水は、すぐさま凝固をはじめる。
だが使いようでもあるかもな。凝固するまでに柊の葉へまとわりついた水は、凍りついた時、柊の鋭い氷刃をいびつな形に鈍らせる。
氷華が何かを口にした気がした、けどこの極寒の中で音の抑揚が聞き取れない。
どうくる、氷のガトリングか、更に極寒の結界か。
水の力、蓮の力、いつでも対応できる様に、ぐ、と腰を屈めたのも束の間]
[ガラス細工よりも繊細な、優美な氷の細剣が俺に迫っていた>>*34]
まじかよっ!?
[慌てて防いだその一撃に、ひらりと赤色の花弁が舞い落ちる。
花弁は極寒の中にも咲き誇り、そしてごう!と音を立てて、霜の上で燃え上がりすぐに尽きた。
俺が、氷華の刺突を咄嗟に受けたのは銃身。
何が問題かというと、ひらりと傷がついた様に赤が剥げ落ちた塗装。
くそ、熱の力は全部ここなのに!]
[ナイフ投げの様に、鋭い水刃を氷華の腹へ投げはなって牽制する]
くそっ……はは……
こんな事いっといて生憎なもんだけどさ。
うちの魔神様もそんなことはぜんっっぜんなかったね。
そもそもな話、ありがとうとごめんなさいとか。
どうすれば人間は喜んで、どうすれば嫌がるのかとか。
人間を知らなさ過ぎる神様は、そういうのまったく知らないみたいだからさ。
今しっかり叩き込んでるトコだよっ……!
[口を叩きながら、銃を持たない手で、水のナイフを作り出す。
俺の手から離した瞬間、この水もその形を維持できずすぐ凍りつく。
それを力で維持し続けるのは、なかなか難しく、表情を顰める*]
― 戦舞台/上空 ―
[慣れる、と言いつつ手を離さぬ様子。>>40
内にあるものの仔細までは知れぬが、何かしら、案ずるものがあるのは覚れる。
──否、それがないはずがない、というのは理解している。
常であれば心をも奪い取る事で、そうした感情を抑えているのだが。
今回は、それを行っていない。
幻惑によって心曇らせたくない──重ねたやり取りは、魔にそんな想いを抱かせていたから]
……畏れる事はない。
[ただ、覚りつつ何も言わず、という事はなく。
どうとでも受け取れる言霊ひとつ、そうと紡いだ。*]
……寂しい?
[向けられた言葉に、零れたのはやや惚けた声。
数度の瞬きの後、思案するような沈黙が落ちて]
……やれ、まったく。
そなたは誠、俺を驚かしてくれるな。
そのような事、俺に問うたのはそなたが初めてだ。
[は、と零れ落ちるのは嘆息。
それから、魔はふ、と紺青を移ろわせ]
確かに、俺が他者と言葉交わすのは稀有な事。
王華の選を除けば、雷華が訪れでもしなければほとんどない。
だが……それが、『寂しい』、というかと言うと。
そも、俺にはそれがどういうものか、今一つ掴めておらぬ故。
なんとも、言えぬな。
[遠い昔、感じたものがそれに当たるか。
それが掴めぬままの魔には、曖昧な言葉を紡ぐより他になく。*]
[結局の所、人間の情緒を教えるのが必要なのはレンだけじゃなく、この氷華も同じなのだろう。
敵対関係の、パッと正反対な二華の癖に、こんなトコだけ]
ああもうっ、なんでこいつらは。
ムダなトコだけっ。
[色々正反対の癖に、似てる。よくあるパターンだ。
コインの裏表は所詮、同じコインであるというか。
そんなこと云えば、両者共に怒って否定しそうだけどな。
氷に閉ざされてるなら、じゃあ、何とかして融かす努力だな…]
[巡る水の軌跡は飛沫までもが凍り付く。けれどそれにも頓着せずに、無数に蓮花を舞い踊らせながら、柊の護花の言葉を>>*31聞いた花神は、くくっと笑い声を漏らす]
四季の廻りを凍り付かせ、永劫の冬をもたらさんとする氷華の僕が、世の廻りの摂理を説くとは、またおかしなことよ。
[だが、その笑みは、護花が、槍斧を白い雪原に突き刺した瞬間に消える>>*33]
[地を吹き飛ばす轟音と共に、雪煙が周囲を覆い、鋭く煌めく氷山の如き氷塊が、空を斬る。
無数の紅い蓮花は、氷塊に触れると同時に散らされて、凍った紅い花弁を白き地に撒いた]
…
[蓮花の内に抱かれた陽光は、散る事無く、氷塊を溶かし、凍って落ちた紅い花弁の上に水の雫を滴らせる。
その間にも雪煙の向こうに姿隠れた柊の護花は、如何に動くか?
花神は白い空間を睨み据えた*]
うむ、良い返事だ。
……"
お前には要らぬ名だ。これは
[破顔した男が、傷を合わせた掌を握る。
絡んだ指の間から光が溢れ出し、目映い輝きが向かい合う二人を包んでいく。
男の言葉に呼応したように、手首に伝った赤い雫が浮き上がり、宙に文字を描いた。
"Dempwolff"と綴ったそれを、空いた左手で握り潰して。砕けた文字は地に落ち、新たな花を咲かす。緋色の草原は、今や二人の放つ青銀と琥珀の光に照らされていた。]
我が名、雷華・ガートルート・ミョルニルの元に宣言しよう。
お前は自由だ。
最早お前を繋ぐ軛は無い。その脚で何処にでも行ける。
我が愛しき眷属、
[ちょっとビリっとするぞ?
内緒話をするように密やかに笑って付け加えた。
絡む指に力が篭る。血の盟約。傷口から混じり合う血が、力を、知恵を、戦う術を、そして──その『
青年の中に、細胞に刻みつけていく。
なおも溢れる血液は、黒い塵となって青年の手に纏い付き、いつしか黒い手袋へ姿を変えた。
二匹の狼の遠吠えが、長く長く尾を引いて浮島に木霊する。
やがて、草原に溢れた光が失せた頃。
そこには四君子が一華たる緋色の獣と。雷華の"従華"と成った、銀の髪の青年が立ち尽くしていた。*]
[氷と水の相転移。
氷華は水を転じた氷すらも己が力として操るが、逆に水や熱を自在に操る者なら、氷の力を削ぐことは出来よう。
水を受け鈍った柊の刃、であるが今は結界の保持ではなく剣による一撃へ意識を向けている氷華は、細やかなその変化>>*35をまだ気に留めてはいなかった]
剣の形をとっているのだ、使うべき時には使うものだ。
[ハルトは細剣の一撃を、驚きの声と共に受け止めた>>*36。
刃は銃身にて防がれるが、その時舞い落ちたのは紅蓮の花弁。
極寒にも萎れぬ力持つそれは、炎へ変じ燃え尽きる]
――ほう?
[花弁の出所は銃身、そしてその赤には剥げ落ちたような傷がある]
成程、鍍金であったのか。
[正確には塗装であろうが、見栄えのみの力を揶揄するように言い放つ]
[放たれた鋭い水刃。
外気そのもので凍り付かせつつ、細剣の柄で打って軌道を逸らす。
完全回避とはいかず、外套の脇腹に裂け目が出来るが、この距離では防御術を呼び出すは間に合わぬと判断してのこと]
そうであったか。
[言葉を交わした回数は多くはないが、確かに頭を下げる様子など想像も付かぬ]
そなたも面倒なことをするな。
長く付き合う相手でもあるまいに。
[代理戦争が終われば離れる程度の相手と、当然のように断じつつそう口にする。
眼差しはハルトの銃を持たぬ方の手、どうやら水刃を作り出そうと苦心しているらしい]
未だ水に拘るのかね?
[無意味と一蹴するように、細剣振るいその手を弾こうとする*]
― 戦舞台/上空 ―
[人を相手に言い合うことは多々あった。
己を追い詰めることで精神を高めることもした。
けれどやはり、戦い、傷つくことには恐れを抱く。
そう言うことに慣れていない証だ]
──── っ、
[不意に届く、穏やかとも取れる声>>41。
不安を悟られたことに心揺れるも、言霊として紡がれたそれは恐れを徐々に鎮めていく]
……えぇ、 大丈夫。
[深呼吸の後に紡いだ声は落ち着きを取り戻していた。
同じ従華である彼らのように、四君子と渡り合うことが出来る。
身に馴染みつつある力が、その自信を生み出してくれるようだった。
蒼月の狩衣を握り締めていた手はいつしか離れ、自身の胸元で拳を握るに至る*]
そんなに驚くこと?
[驚かす心算は無かったため、返る言葉に疑問と共に首を傾いだ。
ここまで考え方や感じ方が違うと、段々とそれを知るのが楽しくなってくる]
寂しいって言うのは、そうね。
一人ずっと居るなら感じることが無いものかもしれないわね。
傍に居た人が居なくなった時、その人にもっと傍に居て欲しいと思うなら、それは『寂しい』んだと思うわ。
[考えながら、蒼月にも伝わるように言葉を探しながら紡いでいく]
一人でも過ごせる人は実際に居るから、それがダメってことでは無いんだけど。
…誰かと居る方が楽しい時もあるから。
[言って、ふと自分のことを重ねて思わず苦笑いをしてしまった。
自分自身、人と共に過ごすことから離れてしまったのはいつからだったろうと思う]
と、他にも聞きたいことがあるのよ。
[自分と重ねてしまったために居た堪れなくなり、唐突に話題の転換を図る]
私に力を分ける時、『玲桜の燭』って名付けたじゃない?
これまでの従華にもそんな風に名前つけてたの?
どんな基準でつけてるのかしら。
[口にして、余計なことも思い出して少々頬が染まったが、気になることは聞く、の精神で問いを重ねて]
それから……
先代氷華と戦った時に勝ちに行かなかったってどう言うことかしら。
[さっきから引っ掛かっていた事柄もついでに問い詰めることにした*]
[水滴叩く、蓮散る湖面の上に浮く護花がひとつ。
爪先はピンと伸び、水面には触れず。
四方に伸びる氷の結晶はまるで羽根のよう。
異形めいた氷を背を持つ、柊の護花。]
まさにこの様に。
貴方
[ビキリ。
丁度爪先の下にあった水面が凍りつく。
凍りつく音を立て続けに鳴り響かせて、水面は再度見る見るうちに氷に変貌してゆく。]
[すぅと目蓋を開き。]
氷雪の中、
全て凍り埋もれる
[世の廻る摂理>>*38の言葉の続き。
王華の選にて勝ち、全てを冬で留めんが如くの言葉だろうか。]
冬神の前に凍えゆく、か弱き蓮花の神。
[雪煙と水蒸気が氷霧となり消えゆけば、護花の背後の頭上に在ったのは無数の氷の造形物。
どれもこれも鋭い先端を持ち、氷柱の様にも投擲に相応しい分厚い片刃の槍の様にも見えたか。]
征け。
[槍斧の穂先を蓮魔へと向けた。
其れらは氷の矢の様に飛び立ち、蓮魔が滑る様に回避するならば、その一瞬前まで居た雪原へと深く連続して突き刺さってゆくだろうが、さて如何に応じたか。
同時、蓮魔の動きによっては、護花も凍りゆく水面を滑空し蓮魔に飛び込むか回り込むかも行うだろうか。*]
[くそっ、これじゃ木刀のがまだマシだ!
聖蓮の池じゃ普通に維持できてたのに、此処じゃままならねえ!
無駄だと断じる氷華の細剣を一度は受ける。
けど俺も同感に達して、水刃のナイフを手放すとそれは一瞬で氷ついた。
遠距離戦は分が悪いと近づいたけど、近距離も分が悪い。
悪いのは大体、この寒すぎる極寒の土俵だ。
この舞台事態が、距離なんて関係なく、既に氷華の土俵にされているんだ]
[面倒な事と氷華に云われて、まあ否定はできないと頷いた]
確かにあんたの言うとおりだけどっ。
だからって、やっちゃいけねえ事を放置するのは間違ってるだろ!
あいつも王華に成りたい理由もあるみたいだし
正直不器用通りこして逆効果だけど神様基準の気遣い程度はあるんだ。
なら、どうせ手伝うなら
あいつが良い王様になれる様に教えた方が
俺も気持ちよく向こうに帰れるからなっ。
……いっとくけど。
[ぐぐ、と低く腰を構える。大丈夫、痛いだろうが今なら何とかなる]
[腹を括れ。どうせ近づくなら――]
[走る、バキャりと氷が砕けて、柊の葉が足を腰を切り裂く。
けど水を掛けて歪になる度、氷は脆く、刃は鈍く俺が押し通りやすくなる。
だから、柊の刃を砕きながらも回り込んだ次の瞬間、自傷も覚悟で氷華に飛び込んだ]
あんたにも言ってるんだからな。この似た神同士!
[ゼロ距離射撃、一本狙い!
紅蓮の銃口を向けて――トリガーを引くっ!*]
― 戦舞台/上空 ―
[言霊に返る声音は、落ち着きを取り戻し。
掴んでいた手が離れた刹那、魔は僅かに目を細める。
色々と、思う所は多々あるが。
これまでの従華、そのどれとも違う輝き秘めし姿は、眩くも見えていた。**]
[紡がれる言の葉。
思い当たる節、なくはない。
己を領域に生み出したものと、名を授けたもの。
彼らが消滅した後、感じていたものがそれだというなら、理解には落ちる]
……そなたの言う、『寂しい』、思い当たる節もあるが。
何分、昔過ぎてな……やはり、わからぬ。
幼子の頃の事など、思い返すも一苦労なのでな。
[静かな口調と、苦笑いの表情は、そこまで。
ひとつ、息を吐いた後]
……まあ、それでも。
他者と接する……と、いうか。
そなたとこうして語らうのが楽しい、というのは、確かだがな。
[表情一変、冗談めかしてこう告げる。
話題変われば、その表情のままなんだ? と問うて]
……名は、力正すに用いる事もできるのでな。
盟交わした際には必ず与えておるよ。
大抵は、力の向きやら気質やらから編んでいるが……そなたの場合は、そのいろだな。
俺の元に現れた中で、そのような髪の色をしたものは過去におらなんだ故。
[軽い口調で説明した後。
続いた疑問に、一瞬、とまった]
……ああ、それか。
一言で言えば、飽きた。
[告げる口調はあっけらかん、としたものだが。
問われた時の表情には、きっちりよからぬものを感じていた。**]
/*
斬り込み方がさすがというかわかっているというか。
さて、生まれの話をいつ表に出すか。
単独でゆける回想故、さっくり出してしまった方がよいとは思うのだが。
リーン…
[滑り巡る円環の上に蓮鈴の音は止まらずにあった]
如何にも、花は散るもの…
[僅か目を細めた花神の内に、巡る記憶は遠き闇か]
されど…其方も花よ、柊の護花。
[か弱き蓮花と、己を呼ぶ少女に、花の如くに微笑み向ける花神に向け、冷たく煌めく氷の矢が、護花の声を合図に殺到する>>*46]
[滑り抜けようとする花神のひと足後、その軌跡を容赦なく砕き散らせながら、氷の矢が穿っていく]
…っ!
[氷の一つが花神の衣の袖を掠めて切り裂き、白い腕に一筋の氷結の痕を残す。そこから広がり花神の身をも凍らせようとするかのような凍気に、僅か動きが緩めば、足元にも別の矢が刺さり、次は避け切れぬかと判じた花神は、円環を描いていた軌道を変えた。
選んだのは円環ではなく、螺旋、回転する動きを内側にずらし、放たれた氷の源、柊の護花へと近付く軌道*]
[細剣を受けたハルトは、水刃のナイフを手放す>>*47。
どうやら彼の方も無駄だと感じ、思考を切り替えたらしい]
――ふん。
[こちらへの頷きと共に、語られる言葉>>*48。
氷華は耳を傾けているかの如く、しばし動きを止める。
――実際は、じわり、じわりと結界内の温度を下げていた。
逆に結界外の冷気は収束し、少し離れれば肌寒い程度に戻っているが、内部からそれと気付くのは難しいだろう]
異界の神に、それを説くのかね?
ただの人でしかない、世の理も違う世界に住むそなたが。
[正しい正しくないだの、良い王様の在り方だの。
どうやら異界の尺度で量って、主君に説教しているらしい]
それで、変わると思うのか?
[問いにあえて、主語は付けない]
[構える姿勢は低く、眼差しには覚悟が見て取れる>>*49。
そして駆け出す、その身に氷の柊が触れるが、思うほどの負傷を与えてはいない。
掛けられた水により氷が歪に変化していると、はっきり認識したのはその時のこと]
誰が似た神と――!
[口調をやや荒げたのは、発言への怒りと、回り込む動きへ対応が遅れたことによる焦り。
温度下げた空気の内より、無数の礫が生まれハルトの進路上に配置されるが、痛みを覚悟した彼を止め切れはしないだろう]
小癪な!
[触れそうな近距離で、紅蓮の銃口が向けられる。
悠々たることも忘れたように、咄嗟に生み出され多重に並べられる氷の盾。
しかし紅蓮の熱を得た弾は、勢い削がれつつもそれらを貫通する]
――届かされた、か。
[ぽたり、脇腹より液体が滴る。
血のように滴り落ちるその色は蒼。
程無く氷が傷を固め、重傷には至らぬが、明確な負傷をしたことには変わりがない]
[しかし、ハルトの方も更なる寒気と礫にその身をさらされていたはずである。
その時の状態は果たして如何なるものであったか*]
…そっか。
いや、それを分かれって言ってるわけじゃないから。
貴方が大丈夫なら良いの。
[思い出せないほど、長い年月を過ごしてきたのだと知る。
もしかしたら自己防衛に近いのかも、とも思ったが、それならば尚更、思い出させる必要は無いはずだ。
今回の選が終われば、彼はまた一人になってしまうのだから]
……そう…そう、ね。
随分と楽しそうだったわね、色々と。
[蒼月がナネッテと語るのが楽しいと言うのは、恐らく事実なのだろう。
不思議なことに、語らう毎に彼が嘘を言っていないだろうことが何となくだが分かってきた。
策を弄すことはあっても、偽ることは無い。
ただ、それが事実だと言うことが感じ取れても、これまで楽しげだったことを思い返すと若干棘が出た。
散々振り回されたのだから、そこは許して欲しいところ]
[名前についての問いの答えには、へぇ、と声を漏らす]
名前にそんな力が。
……いろ?
[名前の基準になったのが色だと言われ、一度不思議そうに首を傾いだ。
髪の色だと知れば、少し長く伸ばしている毛先を摘んで視界に入れ、なるほど、と納得を示す]
この色で”ともしび”かぁ。
[蒼月が司るのは闇。
この髪は、その中で浮かび上がる光の色にも似ていた]
…なら、尚のこと、貴方が王になれるように頑張らないとね。
”ともしび”って、標の意味もあるでしょ?
[夜闇の中で照る光は、行く人の道標にもなる。
そう在れれば良いと願う想いも込めて、ナネッテは言葉を紡ぎ笑みを浮かべた]
[しかしその笑みも次いだ問いの答えにその質を変える]
…………そう、飽きたの。そうなの。
[端的な答えに何度も理解を示す言葉を紡ぎ。
含む笑みで蒼月をしばし見詰めた]
誓いもあるから無いと思うけど。
今回それをやったら承知しないわよ。
[先ず紡ぐのは蒼月への釘刺し。
協力すると決めたのに、王となる本人が諦めては堪ったもんじゃない。
自ら途中棄権しないことを約として従華になることを納得したのだから]
ったく……。
もしかして、これまでも何度かそう言うので途中棄権してるの?
[大きな嘆息を零して、問いをもう一つ重ねる。
途中拳をぐっと握り締めていたが、それが蒼月に向けられることはひとまず無かった**]
/*
無茶振りに綺麗な返しがもらえたので満足です。
土日の疲れ取れてなくて全身筋肉痛残ってたけど、今日は幸せに眠れそう…。
そして折角なので燭って付けた意味を公開してみたのでした。うふふ。
[ごろにゃん**]
ハルト...生きておるか?
[ 目には敢えて入れずにいるが、氷華とハルトの放つ気は感じている。
一際強く、氷華の気の昂りを感じて、思わず問いかけた ]
[同じだと含む言葉と柔らかき微笑>>*50に応えは無かった。
ただ、蓮魔も恐らくは何かを感じたであろう>>1:266、全てが凍りついた色も感情も無い視線を向けるばかり。
躰だけではなく、心まで凍りついたものと思しきと理解は出来ようか。
辺りに陽光が未だ残っているならば、環境変化した氷雪の世界に浮かぶ生命に妙なき光となり、残っていなければ生命の香り無き世界となっていたか。
仮に残っていれば、どのような作用を齎すかは護花の理解の範囲外。]
[蓮魔が滑りゆき、水が氷になった直後に、氷の矢は深く穿っていった。
蓮魔の動き>>*51は、やがて軌道の見え易い円環ではなく、内側へと変ずる。
迎え討たんとするは、護花。
蓮花浮かぶ湖面を、触れずして滑空、湖面の飛沫ごと凍り付かせ、氷の矢に追い立てられる様な蓮魔に正面から向かう。
護花と平行し飛翔するは四つの氷の矢。護花を中央に、上下左右に配された。
片手は長柄をギリギリまで後方へ引き寄せ、もう片手で柄を緩く持つ輪を作れば、蓮魔が槍斧の攻撃範囲に入った瞬間、手の輪を利用し、槍斧を強く回転を加えて突き出す!]
/*
もっと夏の陽光の力をもって、どんどん来られるものだと思っていたのですが違うのでしょうか(´・ω・`)
ゼロ距離紅の蓮とか期待しちゃっていいですか?(ちらっ
[ぱたり、と手傷の色がお互いに零れた]
はぁっ……はっ……。
[寒い。身体が苦しんでいるのか、頭が熱く身体が寒い。
麻痺しだしてる手の感覚は、銃を握るのにも苦労しだしてる。
冷えて抵抗力の弱い身体が、ピシリピシリと皮膚をわって赤い血を霜に飾る。
ぐぐっ、と銃を持つ手を口元にあてがうと、手の甲がうっすらと赤く汚れた]
[寒い。氷華の周囲は明らかに初めよりも冷気が強力になってる。
過ぎた冷気が、じわじわと身体を凍てつかせてる]
しらねえ、よっ・・・。
あいつもあんたも、神様だし
いってるのはな、ぜんぶ、俺の勝手だし
[やべ。もう少しだけあいつの力引きずり出したいのに
俺のが先に凍そう・・・
正直ムダに話してるけど意識がまとまらなくなってきた]
・・・げほっ。大丈夫、まだいける。
[あれ?今誰に聞かれた。レンか。やべ、まとまらなくなってる。
我慢しすぎてるかな。だから喧嘩やなんだけど]
[大丈夫、まだわかる。レンの気を近くに感じる]
けどっ、何千年後にでもさ・・・
「こんなのいったやついたな」くらいでもいいから
覚えられたら それで勝ち だろ?
俺なら俺なりの考えをいうし
紺野は紺野なりになんかいうんじゃないの
あんたが、どんな奴が自分の従華してるか、興味もったらさ・・・。
[こんなの話している間にも、冷気は強まる気がする。
氷華が新しく力を生んでいる気配はない、けど冷気は強くなってる]
[凍えそうだ、次に全力をぶっぱなさないと危険だ]
こいよ、氷華・・・。
こんな寒さじゃ、まだ足りねえって・・・。
[ガチャ、と再び機構を弄り、柊の華神へ紅蓮の銃を向けた**]
/*
あ、こちらの動き…真っ直ぐ向かうとか、逆螺旋軌道とか、動きの描写を忘れてました…すみません、マレンマ。
[こちらも手傷を負ったが、ハルトもまた負傷し、冷気によりあからさまに体力を奪われてもいた>>*59。
千年の冬を齎した神の力を継ぎし者、如何なる術よりも純粋なる冷気こそが、最大の武器となろうか]
[寒さのせいか朦朧となりつつも、ハルトはまだ言葉を返す>>*60。
まとまりのなくなりつつある言葉で、それでも訴え続けようとしていた]
――ふん。とんだ望みであるな。
神と言っても所詮は異界の存在。
その記憶に残ることに、何の価値がある。
[従華の任を解かれれば加護を受けられるでもなく、覚えめでたいことになんの利点がある訳でもない。
情緒を解さず、実利のことしか考えぬ氷神には理解出来ぬこと]
[だが、紺野――護花の名が出された時。
ふと隷属させる前の、気丈に立ち向かう少女の顔が思い出された]
強がりもそこまでにしておくがよい。
[体のあちこちを赤く染め、逆に肌色は青白い。
そのような状態でなお、ハルトは真正面からこちらへ銃口向ける>>*62]
――終わらせるには良い頃合いか。
[氷華は二人の周囲を包む結界を解いた。
歪な柊はバラバラと地に落ち、余剰の冷気は望み通りハルトの身に纏わりつく。
その風の動きを追うように、落ちた柊葉もまた集い、成長する巨大な結晶となって、ハルトの足を地へ縛るべく伸びる]
[そして彼の頭上には無数の氷柱が、城の装飾照明にも似て、切っ先を真下に向けつつ整然と出現し始めていた**]
[氷華が従華たる娘に何を為したか、その予想はおぼろげながらついている。>>*56だから、柊の護花が花神の言葉にも、浮かべた笑みにも反応しなかったことは、不思議とは思わなかった。そも反応を引き出そうとしてのことでもない]
まこと寒々しい…
[螺旋を描いて凍った地面の上を滑り、護花へと視線を向けながら、花神は何度目かの吐息を零す]
リーン…
[蓮鈴は鳴り続け、それに応じるように、凍りつきつつある水面が揺れる。氷塊を溶かした陽光と同じ光がちらちらと、氷の下にも揺れているのに、護花は気付いたか?]
リーン…
[湖面に触れず滑空しつつ、跳ねる水飛沫を凍り付かせて迫る柊の護花の姿は、皮肉なことに、小さく白い花を湖面に咲かせつつ舞う、花精にも似ていた]
花は散りゆき 花は咲く
冬は巡りて 春となる
[花神を追って地面を穿つ氷の矢、そして更に四つの矢を連れて、正面より神に挑みし柊の護花、それらを全て意識の内に収めながら、花神は蓮鈴の音に合わせるように言霊を紡ぐ。
己を散らそうとする少女に>>*57聞かせようとするのではなく]
リーン…!
[回転する鋭い穂先が、花神の胸を貫こうと突き出されれば、花神は僅かに身を捻っただけで、敢えてその左肩を貫かせる]
[痛みはヒトとは違う形で訪れる、それは氷の刃に身を凍てつかされる昏い苦痛。だが、その苦痛に耐え、花神は己の身を貫いた槍斧を掴み、凄絶なる笑みを浮かべてみせた]
…幾度、散り往けど、再び三たび、花は無限に開こうぞ。
[その身に紅き血が流れぬのは氷華と同様、ただしこぼれ落ちるのは、透明な水そのもの。
ただ神の命の源なる、その水は、氷の穂先をもってしても凍てつくことなく滴って、宙に飛び]
其方も、ひとたび散れば、また咲くか?…凍てつきし娘よ。
[無数の、小さな水刃に変じると、柊の護花に向かって四方八方から殺到する**]
[周囲を包む空気が、冷気が変わった――]
(きた……)
[風が吹雪が、俺を氷像にする様に纏わりついてくる。
足が凍り付いて動かない、霜が纏わりついて身体が重い。
頭上に浮かぶ無数のツララが、俺を串刺しにするために並びだしてる]
[俺は冷えていく、赤色の銃は凍らない]
(後すこし、後数秒・・・
こいつが動いた瞬間に、ぶっぱなす・・・)
[いや、ふつふつと漏れてる。
いつ心臓麻痺をおこしても納得できそうな寒さ、凍りついた足に感覚なんてない。
正直キツい。
だけど赤色の銃を強く構える両腕だけが凍りつかずに、溶ける霜が淡い吐息をはきだす。
けど負けたくない…!**]
[己が大丈夫であるなら、と。
紡がれる言葉に魔は緩く首を傾ぐ。
自身を案ずる言葉など、向けられたのは遠い昔──それこそ、未だ幼き桜の怪異として、名を授けし者に懐いていた頃にまで遡るか]
…………。
[半ば無意識、左耳に下がる飾りに手を触れる。
ふと浮かんだものは言葉にならず、闇の淵に再び沈めて]
うむ。
そなたのように、真っ向から意を返してくる者と話す機会は、あまりなかったのでな。
[返る言葉に含む棘。
それに、笑って返したのは半ば故意。
これまでのやり取りに思う所があるであろう事は、端々から感じているのだが。
それらがここに基づくのは、変えられぬ事実であるから]
[名に纏わる話に返すは、頷きひとつ。
王になるために……という部分には、やや、複雑なものを感じなくもないが、その部分は飲み込んだ──というか。
質の変わった笑みに、飲み込まざるを得なかった、というのが正しいか]
……案ずるな、約は違えぬ。
[釘刺しに、返す声音は静かなもの]
此度の選は、俺としても格別の意を持っておるのでな。
[幾度となく選に加わってはいたものの。
そこに、特別な意を見出せた事は過去にはなく。
それが、『飽きた』に繋がる一因。
しかし、今回は旧知の参戦という、強く意識惹かれる要因があり]
……何より。
そなたの存在が、俺を飽きさせぬ。
……ああ。
[過去の選の事を問われた魔が返すのは、どこか気のない声]
飽いて引いた事もあれば、興醒めて降りた事もある。
……俺自身に、王華となる事への執着が薄いせいもあるが。
[ここで一度、言葉を切って]
……先がな。
見えぬと思うと、戦う意を見出せなくなる。
俺は元より、『狂い桜』と称されるような気質故。
それを見失うと、力を出す気になれん。
[飽きる、に至る理由はもう一つあるが。
以前、旧知たる雷華に零せしそれには触れる事はなく、紡ぐのは戦神、剣魔としての在り方に基づくもの。**]
[掌の隙間から溢れ出す光に、思わず目を眇める。
名は、体を現す。
しかし、苛烈こそあれ、温かみの無い、何かであった。
その名が奪われ、抹消される。>>42
そのことに、どこか胸のすくような思いを覚えたのは、きっと無意識に彼の人へと縛り付けられていたのだろう。
温もりの金色と、静謐の銀。
二つの光が交じり合い、新たなる輝きを帯びて紅野原を照らす。]
ッぅ、
[バチリと、静電気よりも強い刺激が傷口から体内へと流れ込む。
握りこまれた掌を、握り返す様に指先に力を籠め、耐えるように奥歯を噛む。
走る電撃は、指先から足先まで、ビリビリと広がって行き、全身をくまなく駆け巡る。
そうして広がった熱は、最後重ねた掌へと帰り。
漸く開いた視界に、左の手を覆う黒が映り込む。
それは、主との契約の証。
収まる光の内側で、どちらからともなく手を離すと、青年はその黒に覆われた掌をそっと握り込む。
そこに、確かな力の胎動を感じると、再度、ぐっと握りしめた。
ばちり、とその場所から火花が飛ぶ。]
[男は主の金眼を見つめ、それから、とん、と大地を蹴った。
浮き上がった身体を、一瞬宙に留め、それから再度つま先で着地する。
それを確認すると、男の瞳に喜色が溢れた。]
ありがとう、ございます。
[抑えた声に、滲む興奮は、隠しようもない。
かつて、前線へと赴く背を、何度口惜しく見送ったことだろう。
口にこそしなかったものの、下肢の不自由を得ても、並の相手には引けを取らぬ自信があった。
それでも、ルールのある競い合いではない、命のやり取りを行う戦場に置いて、その小さな一瞬が命取りになることは、重々承知していた。
だからこそ、言えなかった。]
[服越しに触れたわき腹には、確かに傷の名残が残る。
恐らく背中側の腰にも、はっきりと残っているのだろう。
かつて、金髪碧眼の、仔狼の決死の刃を受けた傷。
父王の仇を狙った刃を、受け流すこともできずに代わりに受けるしかなかったあの日。
その青年の命を喰らった刃は、今でも共にある。]
…ダニエル…
[幼い頃は共に遊びもした、かつての王子の名前をそっと唇に乗せる。
彼の意志を忘れたわけでは無い、それを示す様に、左の腰に下げたサーベルを、指先でつぃと撫でた。]
バチンッ
[撫でた指先から火花が散り、サーベルが帯電する。
何事か、とそのサーベルを見つめ、それから主を見上げる。
眼差しに、促された気がして、刃を抜くと、バチバチと火花を散らす刃から、金の獣が飛び出した。
獣はちょうど、ウルと呼ばれた狼程度の体躯を持ち、ぐるりと男の周囲を一周駆ける。
そして、再度目の前に戻ってきた獣は、男の蒼銀の瞳を見上げた。
眼差しが出会った瞬間、その獣の正体を知る。
ゆっくりと、抜いた刃を収めると、獣は目を閉じ姿を消した。]
[左手を覆う、黒の手袋の他は、一見何も変わらない男。
しかし確実に、新たなる名と共に与えられた力は、男の中に息づいている。
ルートヴィヒ・ヴォルフガング。
貴方に与えられた名と共に、貴方にお仕えさせていただきます。
[見上げた眼差しに宿るのは、暖かな敬愛である。*]
《
それがお前の力か、すごいな。
[その心情が滲むような感謝>>49に酷く満足そうに頷いた男は、その左手に現れた黒い手袋と青年が喚び出した雷獣>>51に目を瞬いて、やがて素直な称賛を贈った。
こちらを見上げる青年の視線>>52に込められるものがこそばゆい。
でれ、と相好を崩しながらも、尤もらしくウンウン頷いておいた。]
従華の力は主によりまちまちらしい。
人間の肉は脆いから、根本的な身体強化はまあ勿論だろうが。
能力は主の劣化版だったり、属性が同じでも顕現の仕方が違ったりな。
[言いながら青年の背を軽く押し、雷神トールの印が織り込まれた織布で仕切られた建物の入り口へと促してやる。]
俺はあんな風に雷獣を生み出したりは出来ん。お前の器用さゆえかもなあ。
誇っていいぞ、ルート。お前は
[我らが父の末児の誕生だ。
言って機嫌良い笑顔で布の下がった入り口を潜──ろうとして、首だけ回して振り返った。
アイスブルーの瞳のシヴが、じっとこちらを見上げている。]
『 "策を巡らす" は、にがてじゃ なかった ? 』
[ちょっと呆れたような声に、男はにんまりと笑みを返えす。
従華となった青年には、ハイイロオオカミの音無き声も聞こえていたかもしれない。しかしその意味を問われたところで、この男にしては珍しくはぐらかしただろうが。]
まあ、そう言うな。
──ルート、色々疑問もあるだろ?
中で少し休んで、それから戦舞台へ行ってみよう。
あと数刻もしたら、気の早い連中が戦を始めてしまうかもしれんしな。
[青年の背を押す形で、二人と二匹の影は円形の建物の中へ消えた。
そうして再び同じ入り口から一同が姿を見せるたのは、ちょうど蒼月とナネッテが戦舞台の上空に現れた頃>>16>>29──氷華と蓮魔の戦いが幕を開けた頃だった。**]
[ヤールングレイブル。
主の発した単語>>53には、どのような意味が込められているのだろう。
しかし、この与えられた力が、なにがしかの意味を持つのであれば、それは喜ばしいことに違いない。
少しでも、一歩でも、期待に応えたい、と思ってしまうのは、生まれ持った
神に愛されている、などと、言われれば、それは嬉しくないはずがない。
元々自制の強い方であるから、浮かれるなどという事はないが、それでも高揚する気持ちは包み隠せるものではなかった。]
[誘われるまま、建物へと入ろうとしたところで、立ち止まる主を見上げる。
続いて聞こえる、“誰かの声”。
主の視線を辿り、それの声の主を知る。]
…策…?
[呟くように繰り返した声は、主に聞えたかどうか。
問う様な口調でもない、独り言に近いそれは、聞こえたとしても聞き流されたようで、別段それに不服を抱くことも無く。]
は。
お許しいただけるのでしたら、お尋ねしたいことも、少々。
[それは、この戦に関することかもしれないし、もう少し個人的なことかもしれないが、可能であるならば尋ねてみたいと思いつつ。
それはただ、主という存在を、よりよく知りたいが為の願い。*]
― 戦舞台へ ―
[やがて姿を見せた男は、主らと共に戦舞台へと向かう。]
随分、お時間を取らせてしまい、申し訳ありません。
[抜身のサーベルを手に、金色の獣の背に跨り、大地を駆け抜ける。
大きさこそ通常の狼のそれであるが、その速さは、先に巨大化した背に乗せてもらった、ウル達にも決して負けてはいないだろう。
辿り着いた頃には、勝負は開始している。
チン、と音を立ててサーベルを鞘へと納めると、金色の狼は眠るように瞼をおろし、すぅと姿を消した。]
[戦いをやや遠巻きに、眺める。
戦っているのは4人。
二人は氷雪、二人は水…いや、焔だろうか。
それぞれ司る物から、主従関係を知る。
上空にいるのは、別の主従か。]
…あちらは…
[傍らの主に問えば、彼らが何を司る者か、教えられるだろうか。
そうして暫く、彼らの姿をじっと見つめる。]
[戦いは苛烈を極め、戦舞台には氷雪と水火か猛り踊る。
少し距離を取った場所ですら、その冷気と熱を感じるのだから、実際の戦舞台ではどれほどであろう。
ぶるり、と背中が震えたのは、武者震い。
男の口元には、仄かな笑みが浮かぶ。
相も変わらず、男の視界に映るのは、赤とそれ以外の濃淡。
しかし、眼鏡の奥の眼差しは、鋭い。
男は、ふと、あることに気付き、そっとそれを口にする。]
あの娘…表情が、変わりました。
[実の所、この眼鏡に所謂度は入っていない。
長時間の光にあまり体制の無い眼球を保護するために、若干の遮光機能が備わるのみのその硝子は、無くしたところで大した影響はない。
元々動体視力も悪くない、遠目にも戦の状況は良く見えていた。
最初門の傍で出会った時に、わざわざ少し離れたところにいた己に言葉をかけ、名乗りを求めた彼女はそこにはいない。
そこにあるのは、どこまでも冷徹な眼差しの、氷の化身。
その身のこなしも、ごく普通の娘のように見えた少女からは、想像もつかないような代物である。]
[視線を移した先は、白を纏う男。
心に氷を宿す…だったろうか。
言われた言葉を漠然と思い出し、再度少女へ視線を戻す。]
…私は、幸いであったようですね。
[己を呼び出したのが、貴方で。
呟いた言葉は、独り言。
主に聞えたかは分からない。
対する青年と、花神へと目を向ければ、あちらはさほど“弄られた”様子は見えない。
けれど、青年が人ならざる
…あの、純朴そうな、青年も。
上空にいる女性も。
既に、ただの人ではないはずなのだから。*]
[ハルトは急いての一撃はせず、待ちの姿勢。
凍れる音のみが響く、短い静止。
その時、氷華の意識は舞台の対岸に、高まる花神の力を感じた>>*67]
心凍てつかせ舞い続けよ。
[水刃が殺到する一瞬前、結界より一陣の冷風が走り、護花の身に纏わりついた。
それは寒気を操る力か、それとも純粋な身体能力か、護花の望む力を高め、蓮魔の攻撃を捌く一助となるだろう]
凍れる冬にて時を止めよ、我が僕。
[それきり言葉を掛けるでもない。
ただ勝利のみを要求する]
[再び視線をハルト>>*68へ戻す。
凍てつく風に身を凍らされ、勝敗が決するは目前と見えていた。
しかし、その銃と構える腕はまだ凍り付いてはおらず。
その眼差しには、勝負を諦めぬ意志が宿っていた>>*69]
――そなたの主が、真に王華に相応しいと思っているのなら。
[ざ、と氷華はハルト向け、正面から一歩を踏み出す]
その魔弾にて私を穿ってみせよ!
[周囲に吹雪渦巻かせ、氷華は細剣握る右手を合図の如く振り上げる。
頭上で豪奢な装飾の如く成長した氷柱の束は、ハルトへ向け一斉に落下する*]
[この話題はもう終わり、と。
言葉を続けることはなかったのだが、蒼月が首を傾げた後、左耳の耳飾りに触れるのを見て、ほんの少しだけ、ナネッテの首が傾いだ。
言葉にされぬそれを察することは出来ない。
故に何か言うにも言葉にはならず、続く言葉へと意識は移った]
あら、これまでの従華は随分と大人しい子ばかりだったのかしら。
[従華達に施されてきた術の詳細は知らぬためにそんなことを言って。
笑みは未だ棘の残るものに留められる]
相手が誰であれ、言いたいことは言わないと、自分の意思を伝えることは出来ないわ。
伝えて、相手の言葉を引き出すことで、相手のことも理解出来るようになるものよ。
尤も、方法はこれだけじゃないし、通用するしないもあるけれど。
[その性格のお陰で会社で浮く場合もあったが、これは信念にも近いため、変えられるものではない。
故にナネッテはどこであっても、誰であっても同じように接する]
[自分の言葉に蒼月が複雑なものを感じたなど気付くことは出来なかったが、紡いだ言葉に返る声が静かであることに、違うことは無いと感じ取った。
別格の意を持つと言う言葉からも、それが信置けるものだと理解出来る]
そう、それなら良いわ。
……私?
確かに貴方楽しそうではあるけど……。
そんな風に言うくらいなら、これまでは相当退屈だったのね。
[理由の一つとして挙げられて、ナネッテはおかしげにクスクスと笑った]
興醒めて…。
そう言えば、王になることの意義を見出せない、って言ってたわね。
[それならば、先程自分が言った言葉は蒼月にとって喜ばしいことではないのか、と思考が巡る]
先が見えないって、どっちの意味かしら。
予測出来ないと言う意味なら、それが当然だと思うのだけど。
未来が分かるのは便利かもしれないけれど、それじゃあ詰まらないわ。
未来は、自分の手で掴むものよ。
あぁでも……貴方の場合だと、長く生きているが故に先の予測が出来すぎて、って方かしら。
[推測を口にし、考え込むように右の人差し指を曲げて顎に添えた。
そのまま首を傾ぐと、耳飾りがしゃらりと鳴る]
『狂い桜』ってどんな気質か知らないけど。
先が見えないと思うなら、自分から拓きに行けば良いと思わない?
未来は無限の可能性を秘めてるものよ。
[言葉の意味を知らないために蒼月の気質は理解に至らず。
人であるが故の、可能性を目指す考え方を蒼月に伝えた*]
/*
いやもう、ほんとにどこまで突ついていいのかわからないわ、この氷華さんたち。
下手に突つかないほうがいいのかなあ?
割とハルトは有効打出してるように思うんだけどね。
つーか、うちが負けて、ハルトがずたぼろになるとかすればリリちゃんが覚醒したりしないか?と思う辺り、大概、私もひどい。
[ ごめん、ハルト、愛してるんだけどね! ]
/*
まあ、他所様のペアのことは、あまりやきもきしても仕方ないね...花神は花神として言いたいことだけ言えば良い、と。
[ 考えすぎ良く無い ]←呪文
─ 少し前・雷華の領域/浮島の邸宅 ─
あ"ーーーー疲れた。
もはや息するだけでも疲弊するわー…
[入り口に下げられた織布を潜ったガートルートが、こきこきと首を鳴らしながら長い溜息を吐いた。
大して働いてもいないのに不平を漏らすのは、いつもの事だと従華たる青年も直ぐに慣れるだろう。
入って最初の部屋からふたつ奥まで青年を案内する。
石造りの円形の建物は中に入ると思いの外広く、隣合う建物同士は様々な模様の入った織布で仕切られ、繋がっている。
扉が据え付けられた部屋が見当たらないのは、獣の身であっても行き来が可能なようにとの配慮であった。]
ルート、適当に座っててくれ…あっ、違う、適当じゃなくここだ、ルートの席はここ!
[茶でも飲もうかと隣室(どうやら廚らしい)に半身を突っ込んでいた男は、碗をふたつ引っ掴んで慌てて戻ってきた。
この部屋の足元には、床材の石の温度が伝わらないよう厚めの絨毯が敷き詰められ、ラグやクッションらしきものが並んでいる。
中央に蜂巣を模した形の硝子の卓があり、上には茶器と、小さな壺と、陶器が幾つか。壁に埋め込まれた暖炉が据え付けられており、向かい側の壁際は調度品が置かれている。
男が示したのは、暖炉側の床。
ふわふわと毛足の長い、灰味がかった白いラグが幾つも折り重なって敷かれている。その上に、質の違うファー素材のクッションが三つ、転がっていた。
たしたしとラグの上を叩いて、見るからにわくわくした顔で青年の着席を待つ。座ったら座ったで、目を輝かせて。]
どうだ?
座り心地は悪くないか?
これな、ヤクの毛皮で作ったんだ。今日の為に前以て準備しておいたんだぞ?
ルートは椅子のが慣れてるだろうから、足とか尻とか痛くなったらかわいそうだからな!
[言って床の上にどっかりと腰を下ろした男の顔には、これから戦に赴く緊張感など露ほどもない。
椀を卓に据えて、鼻歌交じりに芳ばしい香りの茶を椀へ注いでいた。*]
― 柊の護花の槍斧を受ける前 ―
ハルト、お前、好きな神はいないのか、と聞いたな?
[ 円環から螺旋に軌道を変えながら、凍気に耐える従華へと、まるで世間話のような言葉を送る。
意識を寒さに呑まれんとするハルトに、それは意味有る言葉として届いたかどうか怪しいが、花神は常の如く頓着しない ]
私が花神となる前、我が花を愛で、傍に置いた水神を、私は好きであったのだと思うよ。
[ だが、その水神に、冬の闇の中、取り残され ]
千年の冬に、私が枯れかけたのは、冬の寒さ故ではなかったのやもしれぬ。
― 戦舞台/上空 ―
[水を操る聖蓮側に対し、氷を繰る氷華側。
一見すれば水を凍らせ、己が力にも出来るだろう氷華側が有利かと思われるが、聖蓮側も負けてはいない。
どうやら水以外の力もあるようで、氷が溶ける様子も時折見えた]
……変ね、あんな表情をする子だったかしら。
[リリとは二言三言くらいしか言葉を交わしていない。
そのため、彼女がどんな人物なのかを知るには至れなかったが、それでもあの時の表情はもっと柔らかいものだったはずだ]
従華になると、あんな風に変わることもあるの?
[問いを向けるのは傍らの蒼月。
自分やノトカーと名乗った青年はそれほど変化があるように思えなかったからだ]
[観戦の最中、戦う者達の他に、ナネッテ達同様戦いを観戦している一組の姿を見つける。
緋色の髪に角を持つ人物と、銀髪で軍服を纏う青年]
あの時の…。
あの二人が、雷華の。
[初めて蒼月と顔を合わせた時に近くに居た者達。
雷華は旧い知り合いだと言っていたから、あの時は丁度顔を合わせ、話でもしていたのだろう。
聖蓮と氷華が早々に戦い始めたことにより、恐らくは、彼らと戦うことになるはずだ]
武神であり、最上の力を持つ。
[蒼月をして直接戦いたいと言わしめた者。
それがナネッテの相手。
ふる、と小さく身体が震える。
これが恐怖によるものなのか、武者震いなのかは、自分自身のことでありながら測りかねた*]
永く、忘れていたが
[ 凍れる刃が胸を貫かんと迫る ]
お前に会って、思い出した。
[ 切っ先が届く瞬間の痛みは、伝えぬまま、声は途切れる* ]
[ピキピキ、キィ… 氷の音が足元から周囲から響く。
高まる氷華の力、冬の色、時間さえ止める柊の花弁。
心も命も凍えるほどに寒いはずなのに。
暖かい、熱い、熱の力がわきあがる。
冬にも負けずに芽を出す春の先
蛍が舞い、水面が一斉に輝きだす程の太陽の猛暑を思わせる夏の色]
[寒い、凍える程の冬のまんなかで聞こえたその言葉に。
また一瞬、誰ともわからない程に消耗した意識でそれを訊いたけど。
あっ…そうか… 。 と脈絡もなしにそんな言葉が俺の心に浮かんで]
・・・・・・じゃあ、俺は・・・ ・・・
[熱が咲き誇る、熱がともり、太陽が冬の雲間から出る様に]
[ハラり… と蓮の花弁が舞いだした]
俺がレンの
[ハラりハラりと、極寒の吹雪に咲き誇る蓮の花は、凍りつかない]
なら……全力で助けてやんのがケジメって奴だよっ!!
[塗装の様に、俺の銃を覆い包む赤色の蓮花は、燃え上がりながらも咲き誇る!]
[冬の氷河の上に咲く、大輪の紅蓮の華だ。
俺が使える夏の陽射し全部を温存してぶっぱなす、最大火力]
冬をこえたら太陽がでてくる。
暖かい太陽を浴びたら、命がまた顔をだす!
陽射しの温もりと一緒に、花はまた咲く!
[渦を巻く様に、俺を中心に紅蓮の華が花弁をひろげていく。
熱量が高まる、冬の冷気に抗いだす陽射しの温もり
唯ひとひら、氷に刻まれた様に赤色の花弁のかけた赤い蓮>>*36
かまえる銃の色は黒く、銃口の先でまた小さな紅蓮が華を広げる。
頭上には氷河の束、凍てつく世界が俺ひとりに牙を向いて。
――――今だっ!]
[俺の全開、夏の大輪、太陽より眩しく――
[サン、と輝く太陽の様に、派手な轟音で紅蓮の華が燃え盛った。
銃口から爆弾の様に熱風が吹き荒れて、冬の暴力とせめぎあう。
凍てつく冬の柊を融かす様に、酷暑の弾丸が柊の氷華を融かしに向かうだろう。
周囲の景色が白い霧につつまれる。視界すべて奪う水蒸気]
[全身を貫く冬が、どこともしれずに凍えさせてしまう様な感覚。
耐えて耐え続けて、そして氷華の全開とぶつかりあう夏の全力。
永久に続く様な冬の領域を融かしつくそうというほどの暖かさで。
目の前も確認できない中、氷華を襲う熱弾がどうなったかも理解できないまま。
身体中を襲う強烈な浮遊感、水蒸気が晴れていくとき。
熱と氷の巨大な衝突で生じた上昇気流に、俺の身体が飲み込まれて…*]
─ 戦舞台 ─
[男と青年が中央の浮島に現れた頃には、既に氷華と蓮魔の戦いが始まっていた。
氷雪と水と陽光舞う戦場に、未だ幼さの残る声の怒号。琥珀の双眸をすうと細め注視すれば、主を王にせんと舞い踊るのは、年端もいかぬ少年と少女だった。]
どっちも子供じゃねえか。
趣味の悪い。
[多少苛立たし気に呟くと、あちらは、と傍らの青年から声。>>59
彼の視線を追えば、戦う四人のみならず、遥か上空、桜花に支えられ宙に浮く二人の姿。]
ああ。
今、彼処で仕合っているのが氷華と蓮魔。
氷華は見ての通り氷雪を操る。当代は初参戦らしいが、ひとつ前の女帝は王になった事もある。
蓮魔…は、然程面識無えんだが、前回の選にも出てるからな。蓮と水を操ると聞く。
賑々しい花神サマだと思ってたんだがな、なかなかどうして、苛烈なようだ。
[くっくっと低く喉を鳴らして。
笑う獣の瞳には、抑えきれぬ衝動が浮かぶ。争う者達の意志が、その熱が高ければ高いほど、戦の申し子たるこの獣の本能はあっさりと煽られていく。]
そして────、
[そう続けた男の視線が、遥か高みから此方を見下ろすその瞳>>65を射抜いた。
傍らに座す旧知の魔神は、果たして気付いただろうか。
頭が高ぇな。小さく漏れる声。長い犬歯を、惜しげも無く晒して。]
あそこで高みの見物してんのが、闇桜の魔。
俺たちの相手さ。
[獰猛に笑ったのだった。*]
[氷結した湖面の下に陽光の光が朧な光となって在る>>*65ならば、護花も気付こう。
氷の下ならば幻想的な光を氷雪の世界に、下から投げかけていただろうか。
護花の一撃が、蓮魔の肩を抉れば>>*66>>*67、人の身ならば大砲よりも尚強い衝撃を受けたろうが、流石は
同時に飛翔した四つの氷の矢は捻じくれ、蓮魔の額・下腹部・両の肩へと、槍斧の一撃と同時に着弾しただろうが、
ハァッ!!!
[掴んだ手を意に留めず、槍斧の穂先を肩に突き刺した侭、蓮魔の体を槍斧で持ち上げ、270度回転させ地に叩きつけ串刺しにしようとする。
小さな水刃による負傷よりも、蓮魔への強い一撃を優先した。*]
[蓮の花弁が舞う、そこから生じるのは夏の陽射しを思わせる熱>>*73]
相棒だから?
[問い掛けに返る答えを受け、ぽつりと呟き瞑目する]
――そうか。
[再び目を開けば、咲き誇る紅蓮の花が眼に映る>>*74]
やはり、冬には――
[その先の言葉は、空気を切り裂き落ちる氷柱の音に阻まれて、誰にも届かない]
[氷華の周囲に、ひらひらと柊葉が舞う。
相手を傷付けるためでなく、その冷気にて術者の身を守るために。
しかしそれらは、抗うような陽射しの熱量受け、次々に解けては消えていく]
まこと、……暑苦しき力よ。
[轟音と共に開く紅蓮の華>>*75。
水が再び氷となり氷神の支配下に置かれる速度を、その熱はついに凌駕しつつあった。
爆発的な水蒸気が視界全てを白く染め、彼我の姿は見えなくなる。
強烈な上昇気流が、白い外套を激しくはためかせ――*]
大人しい……うむ。
確かに、荒事に向かぬ者が多かったな。
[容易く手折れそうに儚き者が多く、故に多くを制する必要が多かったのは事実。
だから、そこは否定する事なく頷いて]
……意を伝える、か。
確かに、言霊は紡がねば力とならぬ……か。
[語られる在り方は、自身の在り方に照らし合わす事で理解する。
多数と相対する事のない魔には、それに伴う事象は思いもよらぬもの。
故に、声音には素の感嘆が乗っていた]
……神格の中には、畏れ敬われるを望む者も多いが。
俺にとっては、それは退屈なだけのシロモノでな。
[笑う様子に、こちらも微かな笑みを口の端乗せて]
俺がなんであろうと意に介した風もないそなたとのやり取りは、常に変化がある。
故に、飽きぬ、という事だ。
[飽きぬ理由をさらり、告げる。
それから一つ、息を吐き]
……先が見えぬ、とは、文字通りの事。
俺の本質は──『狂い桜』は、戦神。
故、常に強者と対するを求める。
王華となり、頂点に立てば、
[淡々と、紡ぐ声音は一転ごく静かなもの]
とはいえ、強者を見出すべく、無為に争いを起こすも本意ではないのでな。
……故に、王華となる意義は見いだせずにいたのだが……。
[ここで一度、言葉を切り。
また小さく息を吐いて]
……まあ。
此度は、それを模索するも含めて、階を駆け上がるもよいか、と思うておるがな。
[常の軽い調子に戻り、けらり、と笑って見せた。*]
[槍斧と共に、花神を襲った氷の矢、額を狙った一矢だけは、身体を捻った時に逸れたが、他の三矢は、両肩と、下腹部を僅かに逸れて、脇腹へと突き刺さり、そこからも透明な命の水を白き地に滴らせる。
柊の護花は、八方から肌を切り裂く水刃の痛みも感じぬように、そのまま、花神の身体を持ち上げんと槍斧を振り上げた]
くああっ!
[ 肩に食い込む槍斧の齎す苦痛に、花神は苦悶の呻きを漏らしたが、次の瞬間 ]
リーン
[蓮鈴の音と共に、花神の身体はふわりと、まるで羽根のように軽く護花の頭上に持ち上がり、それと、同時、ぴしり、と護花の足元の氷が割れ、そこから、噴水のように、激しく水が噴き上がった]
― 戦舞台/上空 ―
[氷華の選びし従華の事は知らぬ身。
故に、その様子には特に思う所もなかったのだが]
……そこは、四君子の気質によろうな。
あらゆる術を持って完全に従える者、寵を持って囲う者……属させる術は、多岐に渡る。
[問いかけ>>64に返すのは、己が知る限りの事]
……俺も、過去には多少の魅了を持って恐れを閉ざす事はしてきたが。
本質を違えるまでとは望まなんだ……。
しかし、それが要、と判じたならば、なされる事もあろうな。
[何やら、微妙な問題発言も交えて返した後。
紺青は、す、と細められた]
……出てきたか、雷華。
[視線向けた先には、旧知の姿。>>67
その視線が傍らの従華へと向くのに気づき、紺青をそちらに巡らせて]
……さすがの気丈さよの。
[睨み返す姿>>68に、浮かぶ笑みが深まる。
それから、紺青は再び、雷華へ向いて]
どれ。
戦の前の挨拶に行くとするか。
参るぞ。
[短く告げて、扇を振る。
ふわり、と風が揺らめき、桜花の足場は下へと降りた。*]
─ 戦舞台・戦闘領域の外 ─
[不意に、傍の青年の気配に僅かな変化。
ちらりと目だけで盗み見ると、変化の乏しい口元に刷いたのは、確かに笑み。>>60
その表情に、眼差しに。
自然、男の笑みが深くなる。ああ、これだから堪らない。]
ンン?
ああ、ルートは来た時に会ってるのか。
…そうだな。どういう術かは分からんが。とうやら
[青年が口にした異変に>>61同意で答え、眉間に皺を刻む。
ああいうのは、あんまり好きじゃねえなァ。詰まらなそうな呟きを聞いてか聞かずか。己は幸いであったと、同じようにその薄い唇が漏らした音>>62に、隣の獣は少し眉を上げ。
それから、大きな手が彼の顎を掬い上げた。近付けた顔は、鼻先が、吐息が触れ合う程の距離。買い被りさ。低い声が囁く。]
…ルート。ルートヴィヒ。
お前はこの譲葉でいちばんタチの悪い男に拾われたんだ。──忘れるなよ?
[とん、と。
指先が胸骨を叩く。心臓の上を。
青年の返事を待たず身体を離した緋色の獣は、上空の二人を見遣り。
気丈にも睨み返してくるナネッテ>>68に喜色を隠さず、あの暇人、オネエちゃん連れて降りてこねえかなーなどと独り言に興じるのであった。*]
[水は、凍気に凍らせられるかもしれないが、その時には花神の身体は、水の勢いに持ち上げられて、槍斧を逃れ、護花を高く見下ろす位置に在る]
ほんに異界の女子は力強い。
[両肩と脇腹、に四カ所穿たれた傷口からは、凍らぬ水が流れ続ける。顔歪めて笑う花神の顔色が常より白く見えるのは、白き大地の反射ばかりではないだろうけれど]
[護花は更に花神を追ってはきたか。追われたならば、水の上を滑りつつ、花神は言霊紡ぎつつ錫杖を振る]
リーン
冬は春のための眠り…
リーン
蓮花は冷たき泥の中より芽生え
リーーン…
凍れる水面の下で育ち
リーーーン
やがては…陽光に咲き匂う
[花神の言霊と蓮鈴の音が、凍った水面の下に眠る散りはてた蓮花…その内に抱かれた蜂巣の形の花托に眠る多くの種子に目覚めを促す。
未だ塞がらぬ槍斧の穿った傷から流れ出る命水が、目覚めた種子を更に導き]
リーーーン!
[ピシピシと、氷の割れる音と共に、緑の蓮葉と、蓮花の茎が、勢いよく伸び上がり、氷山のような氷塊にも、白き地を穿つ氷の矢にも、絡み付いていく]
[白き冬に夏花の装いを凝らした蓮花の茎は、更に伸びて、柊の護花をも、その縛めの中に捕らえ飾らんとする]
[幾十も、否、幾百も、間断なく迫り来る緑の縛めを、護花は全て断ち切り、或いは逃れおおせることが叶おうか?]
おいで…
[そして花神が白き手を差し伸べ呼ぶは、護花の刃か、咲く花か*]
/*
一応、これまでの流れで、護花が物理で迫ってくると思ってるんですが、まあ、環境変化で蓮全部枯らしたった、でも、なんとかはするよ。
うん、多分。
……結構ギャンブルね、それって。
貴方は王華にご執心ってわけじゃなかったから、そこまで問題じゃなかったのだろうけれど。
戦いのために呼び出したのに、荒事に向かないなんてねぇ。
……いや、私も向いてるわけじゃないけれど。
[否定無く頷かれた言葉についそう言葉を漏らす。
自身の在り方についての反応は、蒼月にとっては新鮮だったようで。
感嘆が乗る声色に、こう言うところは素直よね、と心中のみで思った]
変化…そうね。
貴方と話していると、私の常識では測れないことが沢山出てくるわ。
貴方もそんな感じなのかしら。
[告げられた飽きない理由に、似た感じなのかもしれないと賛同を向け。
彼が感じているものについての説明を自分なりに咀嚼しようとしながら聞く。
戦神でありながら、戦乱の世にする気が無い様子に、彼がそれ以外の質を持つだろうことを推測した]
良いんじゃない、それで。
貴方の本質は戦神かもしれないけれど……私と話している時は、そう言うのはあまり表に出てない気がするのよね。
だからきっと、違うものを見つけ出すことが出来ると思うわ。
[軽い調子で言う蒼月に、ナネッテもまた笑ってみせた*]
我は臨む 高き天空から
我は臨む 広き大地から
我は臨む 清き水辺から
我は臨む 人々の相から
刻の唄 誰が謳わんや
我は征く 其が唄と共に
**
/*
ところでな、万一勝ったら、次の戦闘にもっていける技がないねん。(超真顔)
物理か?!物理技を考えろということか?!
[ でもまあ、たぶん負ける( ]
『どっちも子供じゃねぇか』
『趣味の悪い』
[傍らの主の呟き>>66に、ぱちりとひとつ、瞬く。
そうか。
あれは、子供と称される年齢なのか。
12で軍に入った己としては、別段決して幼いと思うような年齢ではなかったのだが、言われてみれば確かに子供の年齢だ。
それを、興ざめと取るのか、わが主は。]
…やはり、貴方はお優しい…
[呟いた言葉は微かに空気を揺らすのみ。
主に聞かせようという言葉ではない。]
[問いに対する返答は、割合あっさりと得られる。>>67
口にされる言葉を、なるほど、と脳裏に刻み。
氷華の従華となった少女。
彼女を眺めていて、思わず口にした言葉は、主へと届いていたらしい。
不意に触れられた手>>71に、思わずびくりとしたのは、単純に不意打ちであったせいである。
その手に上向かされ、金色の瞳と出会うと、こくりと喉が鳴った。
至近距離で、落とされる囁き。]
……。
[一瞬感じた、まるで獣に追い詰められたような錯覚。>>72
しかしそれは、あっさりと身を離されることにより、解除される。
思わず留めていた息を深く吐き出すと、男はついと視線を足元へ落とす。
ほんの僅か、頬に差した朱は、一瞬怯んだ己自身を恥じたもの。]
…決めるのは、私です。
[ぼそり、呟いた言葉は、口の中でもごもごと反響し、明瞭な音を為さなかった。
再度、ため息を付き、ちらりと見やった主は頭上を見上げている。]
[ハルトの渾身の一撃は、氷華に届いたか否か。
仮に届いたとしても、まだそれとは認識出来ぬ刹那。
晴れつつある水蒸気の向こうに、色取り取りの蓮花>>74を見る。
雪覆う白き冬に、似つかわしくない夏花の彩]
…………ふ、
[笑みに似た響きで息を吐く氷華は、かつて足を踏み入れた先代の領域を思い出していた。
先代の象徴花は雪割草、当代の象徴花は柊]
[その二者の共通点は、雪中に在りて常緑*]
[その視線>>72に従い、見上げた先には女性の眼差し。
傍らの主を見ているようだが、その意図は測りかねる。]
我々の相手…
[闇桜、と称された相手の姿を見上げ、小さく繰り返す。
従華と思しき女性の方は、随分と気が強そうだ。
男の国では、女性が剣を取ることは、稀であった。
しかし、決してゼロではない。
女性の身ながら、男の固い身体を易々と掴み、大地へ叩きつける者がいることを、知っている。
尤も、国ではそういった女性は、必ずそれと分かる程度に鍛えていたものであるが。
特異な力を得た者を、ただの女性と侮るつもりは、毛頭無い。
ふと、流した視線の先、闇桜の魔がこちらへと降りてくる>>70様子が目に留まる。]
…こちらへ、いらっしゃるようです。
[主に向けて、抑えた声で囁いた。]
/*
リリ>途中で困ってうーうー言ってますが、私が戦闘描写下手なだけなので、気にしないで頂けると幸いです。
つーか、拾いそこねとかいっぱいあってごめんねっ!!><。
……最も重要なるは、桜花に触れられるか否か故にな。
必ずしも、戦向きの者が呼べるとは限らぬ。
[内心思われている事は知る由なく、さらり、と返して]
……そうさな。
そなたの語る事は、俺の知らぬ事が多い。
故に、惹かれる部分が多いのは、確かだ。
[返る賛同にこちらも同意を返しつつ。
向けられる言葉に薄く笑んで]
……普段から戦気質を出していては、疲れるのでな。
[何がどう疲れるのか。
それが示されるのは、もう少しだけ先の事。*]
― 戦舞台/上空 ―
ん?
ああ……確かに、そなたには魅了は施しておらぬよ。
[問い返し>>75には、至極あっさり肯定が返った]
……呪に寄りて、心奪われるは不本意であろ?
それに……俺が惹かれているのは、素のままのそなたの心根である故。
それを打ち消すのは面白くないのでな。
[例によってさらりと問題発言を織り込んだ後、魔の意識は下へと向かい]
― 戦舞台 ―
[降りてこないか、と独り言ちている>>72とは知らぬまま、ふわり、雷華とその従華の近くまで舞い降りる。
扇の一閃にて、足場となっていた花弁は周囲に散った]
支度は整ったようだな、雷華。
[呼びかける声は、常と同じく軽いものだが。
紺青に宿る色は、鋭さを帯びていた。*]
― 闇桜の事始め ―
[──それは、幾度前かを数える事も最早叶わぬ遠き刻の事]
[今の世にて『闇桜の領域』と称されるそこは、『銀の桜鬼』と呼ばれる鬼神の領域であった。
領域には、異界より鬼神が連れ攫いし娘が囲われていた。
如月の君、と呼ばれるその娘は自らも鬼神を愛し、その眷属たる桜木を等しく慈しんだ。
鬼神の眷属たる桜木には、ひとつひとつに名が与えられ、その力に従う事が定められていたが。
とある若木が、その理から外れる事となった]
『……まっしろ』
『月の光を受けて、蒼く透き通るよう』
[気紛れが生み出したが如きその若木に揺れていたのは色薄き花。
力弱く、鬼神の目に留まる事のなかった名も無きそれをも如月の君は等しく愛でて]
『名がないの? だから、応えないの?』
『それなら……蒼い月の光の子……蒼月、と呼びましょう』
[邪気なく紡がれし言霊が、後の闇桜に意を宿す事となった]
[名を得た若木は幼子の姿を持って具象し、名づけの主たる如月の君の傍仕えとしての任を鬼神より与えられ。
次なる王華の選の時までは、鬼神の領域にて平穏な時が紡がれていた]
[平穏が喪われしは、王華の選の後。
鬼神の従華として添うた如月の君が命を落とし、寵姫を喪った銀の鬼神もまた散り果てた。
鬼神の眷属たる桜木が枯れ果てる中、唯一残りしが、如月の君より名を賜りし若木。
若木は領域に残る力を己が身に蓄えた後──『譲葉』の地に文字通りの嵐を巻き起こした]
[それは、文字通りの春の嵐。
太刀一振りを携えし若き魔性は、狂気にも似た苛烈さを持って、高見を目指す者たちに挑み、その悉くを打ち破った。
破りし者の血を自らの内に取り込み、そこに宿る力を喰らう様は、狂気の華──『狂い桜』と称されて。
太刀のみを持って
多くの力を取り込みし魔は、やがて強者の一角へと名を連ね──『四君子』が一、『闇桜の魔』の名を得るに至る事となる、が。
『四君子』として、選に臨むその姿からは、かつての狂的な熱は失われ。
月闇の許にて微睡む怠惰なる魔、と。
称されるようになるまで、左程時はかからなかった。*]
[痛みすら凍結し感じない
[四方八方から切り裂く小さな水の刃は、血すら流さずその身を切り裂く。
腕を胸を足を切り裂かれ、躰は無残になり果てながらも動くは、人より変貌した凍った身。
襟元が水刃で裂かれれば、そこに現れたのは、白い徴>>1:222。
柊の花の徴が、鎖骨の下に
[丁度頭上へと持ち上げた瞬間だろうか。
蓮鈴がリーンと鳴り、護花の足元から水が噴き出した。
穂先に感じていた重みは消え、一時水流にて蓮魔の姿は掻き消え、気づいた時には遥か頭上で呼び出した水流を滑るよう移動していた。]
逃すか!
[切り裂かれた傷跡はその侭、最短距離で滑空すれば、
蓮鈴の柔らかき響きの中、言霊が紡がれ氷雪の世界に異郷が現出する。
護花の環境変化の裡より芽生え、咲き乱れる、百花繚乱、
─ 少し前・雷華の領域/浮島の邸宅 ─
[主の零す、気だるげな声に、密かに笑みを零す。
百獣の王たる獣とて、腹がいっぱいであれば日がな一日眠って過ごしたりもするらしい。
この主も、飢えにあてられてない時はそんな調子なのだろうか。
まだ主の事を良く知らぬ男は、そんなことを推測してみたりする。
連れて行かれるまま、主の示す部屋へとたどり着くと、ぐるりと辺りを見回した。
男にとっては、やや珍しい光景がそこには広がる。]
/*
またくろねこさんらしい過去設定w
つか蔵出しが早いのは...ああ、雷華さんに教えるためか。納得。
このこは知らんわねえ、たぶん。その頃は平和に蓮池でゆらゆらしてたであろう。
[凍った湖面を罅割れさせ、茎を葉を茂らせる。
それは、蓮魔の命水を得て活気づき、或いは化身ともなっていたか。]
凍れる冬を氷華の名の元に!!!
[其処には激しい攻防があったか。
然し、最後に飛び出たは柊の従華。
乱れ狂う蓮の檻を抜け、左腕は肘辺りで砕け、両の足はそれぞれ、太腿と足首で砕け、それでも止まらぬは護花。]
…は。
[示された場所は、他と比べて随分と居心地がよくしつらえてあるようだ。
本来は誰が座る場所なのだろう、と内心で若干不安に思いつつも、誘われるままそちらへと腰を下ろす。
ふと振り返れば、何やら子供のような表情をした主の眼差しと出会った。]
え…あぁ。
私の…為に。
[予想外の言葉に、やや戸惑いつつ。
どれだけ甘やかされているのか、と眩暈がしそうになる。
…ダメだ。
眩暈なんぞしたら、この主はもっと騒ぎそうだ、と若干何かを学習しつつ。]
とても…心地の良い場所です。
[ありがとうございます、と、素直に礼を述べた。]
こういった建物は、新鮮に感じられます。
[二頭の狼が、後からついてきて部屋へと顔を出すと、仕切りの意味もおのずと知れる。
本当に、獣と共に生きるのが常らしい。
建物自体はもちろん、調度品も材質に至るまで物珍しく感じられる男は、どうにもそわそわしていた。
居心地が悪いのではない。
元々、探究心が強い方なのである。
知らぬ文化に触れ、やや高揚しているらしかった。
そんなことをしている間に、辺りに良い香りが漂えば、主の手ずから淹れらえた茶に気付く。]
あぁ、申し訳ありません…
[恐縮しながらも、差し出されたそれを受け取って。
その瞬間、鼻孔をくすぐった香りに、表情が緩んだことには気づかれただろう。*]
/*
うむ。
どうにか、バトル前に出す事ができた……!
スイッチ入れる前に、その下地をちゃんと出しておかんとならんからなぁ。
桜花に……相性が良くないと、ってことかしらね。
[力を与えられる者でなければ呼び出しても意味がない。
それを重視している、と言うことなのだろう。
惹かれると言う言葉には、どこかこそばゆいものを感じつつ]
……ずっと気を張り詰めてるようなものなのかしら。
[疲れるとの言葉はそんな風に受け取った*]
― 戦舞台/上空 ―
そりゃそうだけど。
[確かに術で操られるような状態になるのは本意ではない。
ナネッテの性格を看破していることと、更に紡がれる言葉>>82に少し落ち着かない気持ちになった]
(何でこうもさらっと言えるのかしら…)
[人とは駆け引き的なやり取りをすることが多かったナネッテにとって、真直ぐに向けられる感情には戸惑うことも多々ある。
気に入られていることに悪い気はしないが、こうも繰り返されると何とも言えない気持ちになる]
そ、そうなの……。
[そのため蒼月にはそれだけ返し、揺れるのを誤魔化すように、降り行く眼下へと視線を転じた]
― 戦舞台 ―
[降りてくる闇桜の主従>>83をじっと見守る。
主の傍らに立ち、姿勢を正す。]
……。
[しかし、闇桜の魔が主に話しかけている以上、黙ってそこに控えるのみ。
傍らの女性には、ちらりと目をやるが、視線が合えば会釈の一つもしたことだろう*]
来たか、桜の。
[抑えた声が魔神の動向を告げる。>>81
一段と深くなった笑みで、緋色の獣は振り向いた。
上空の足場から降りてきた馴染みの男>>83は、ひらり花弁を撒いて地へ降り立つ。
いつも通り、軽い調子の声。
しかし太刀のように鋭さの紺青が、真直ぐ琥珀を射抜いてくる。]
ふむ。
少しはマシなツラになったな、暇人。
[にんまりと笑うその口元には犬歯。
傍に立つ女性へ視線を移すと、少しだけ表情から獰猛さが消えた。]
調子はどうだ?
退屈は拭えそうかね、その様子だと。
[揶揄する調子で言ってやると、果たして桜の魔神は如何に答えたか。*]
― 戦舞台 ―
[さらりと告げた言葉、それに対する様子>>88に笑み浮かべたのは刹那の事。
地に降りた魔は、優美な仕種で扇を畳み、笑う緋色>>91に一つ、頷き返す]
……ああ。
久しぶりに、『狂い桜』として舞う気になれた故にな。
飽きる暇など、此度は到底持てそうにない、というのもあるが。
[く、と笑う声は微かに熱帯びて]
何せ、飽いたなどと抜かしていては、我が燭たる桜に愛想を尽かされてしまう故。
[冗談めかして告げつつ、傍らに立つ従華>>89へ視線を向けて]
……此度の、俺の対。
『玲桜の燭』と、名付けた。
……よしなに頼むぞ、雷華。
[名を与え、力与えるやり方は既に知られた事か。
手短な紹介の後、小さく名乗りを、と促して。
紺青が滑るは、緋色に従う銀の方。*]
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