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船乗り ハンス は、提督 ゲルト を堕落させた。
《奈落の書》の運び手 ベリアン は、魔法騎士 シェットラント を堕落させた。
次の日の朝、薔薇園芸家 ローゼンハイム が無残な姿で発見された。
戦火の犠牲は確実に広まる。
それでもなお、戦いは終わらない。
求めるものを手にするまで、人は争い続ける。
己を犠牲にしようとも。
愛する者を失うとしても。
現在の生存者は、皇帝の息子 ヨアヒム、女王 アプサラス、船乗り ハンス、召喚術士 ギィ、《奈落の書》の運び手 ベリアン、魔法騎士 シェットラント、提督 ゲルト、断片的な記録のゆらめき 、魔女 ガートルードの9名。
/*
wwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
赤ログ消えたwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
/*
wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwww
(こえあげてわらった)
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
亜神の欠片から解放されたものたちの手に、小さな結晶が現れる。
赤、もしくは緑色の透き通った結晶こそ、たたかえという意思を刻み込んでいたものだと、理解するだろう。
同時に、この欠片が世界の深層にたどり着く鍵であるということも。
同時刻。
世界に、異変が生じていた。
創造神に拾われなかった亜神の欠片が寄り集まり、形を成す。
ひとつは皮翼と角を備え、炎吹き上げる剣と鞭を持った悪魔の姿。
ひとつは、輝く翼を備え、喇叭から長剣へ姿を変える神器を持つ天使の姿。
かつて打ち砕かれた亜神たちの名残が、己の欠片を求めて世界を徘徊し始める。
同時に、彼らが呼び覚ました軍勢が大地に、あるいは空に湧き出していた。
赤の悪魔の気配に地より蠢き湧きだしたのは、
翼あるもの牙持つもの、のたくるもの這いずるもの。
おぞましき悪鬼妖魔の群れ。
緑の天使の気配に空を裂いて現れたのは、
翼もち光輝を背負い、意識もたずただ敵を討つ
恐るべき殺戮装置たる天使の群れ。
それらもまた、世界をさまよい敵を探し求めだした。
勝てない?隣に立ちたい?
[するっと攻撃を交わして、考える。
この青年の欲望がよくわかった。今までで一番わかりやすいかもしれない]
ごめん、ちょっと痛いかも。
[青年の首めがけて、手を振りかぶった。
気絶させて手当てするために]
/*
間に合わなかったとwwwwwwwww
wwwwwwwwwwおもってたよwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ごめんっておもてったよwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwおっけーおっけーwwwww
予定通りお前に頭殴られるわ!!!!
がっつりやられるから、どんと来い!!!
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwww
■亜神の影
世界に亜神の影がさまよいだします。
彼らは、欠片から解放されたもの、欠片に支配されていないもの(黄陣営)を中心に、見かけたら攻撃を仕掛けてきます。
敵対する陣営のPCも襲いますが、同じ欠片を宿したPCは襲いません。
なお、遭遇は任意でどうぞ。
★赤陣営
赤の亜神の影
悪鬼妖魔の群れ
★緑陣営
緑の亜神の影
天使の群れ
亜神の影は本来ほどの力は持っていません。
半ば透き通って見えますが、一応、物理攻撃も気合があれば効きます。
■亜神の影との戦闘
亜神の影や眷属の群れとの戦闘はダイス勝負で行います。
判定できるのはリアル24時間ごとに1回のみです。
(基本、0時を基準としますが、戦闘描写が持ち越しした場合は多少ズレ込んでもOK)
戦闘描写を適宜行ったあと、[[1d20 ]]を振ってください。(コピペするときは半角空白を外してね)
複数PCで協力して戦闘する場合は、各自ランダムを振り、数値を合算できます。
累計で15以上が出れば、亜神や群れを倒せます。
PCは同陣営の脅威にも攻撃できます。(脅威は反撃してくるので、倒すには他と同じく攻撃力15以上が必要です)
術の影響下にあるPCは、同陣営の亜神らへの攻撃を妨害できます。
同じようにランダム[[1d20 ]]を振り、出た値を相手の攻撃力合計から引いてください。
この攻撃妨害は、攻撃回数を消費します。
攻撃妨害をしたPCが、他の亜神等に攻撃することはできません。
差し引きで15以上の攻撃値が出れば、影や群れを倒せます。
与えたダメージは累積しますが、0時になるとリセットされるので注意。
PC側の被ダメージ描写はご自由にどうぞ。
もちろん、彼らを相手にせずPC同士の物語を進めてもOKです。
■亜神の欠片
精神支配から解放されたPCの手に、それぞれに対応した色の結晶が現れます。
それが神の欠片であり、自分の意識と記憶とを改変していたものの正体だと、直感的に気づくでしょう。
これは、OROCHI世界を抜け出すための鍵になります。
魔術の素養があるPCなら気づきますし、そうでないPCもなんとなく悟るかもしれません。
亜神の影や群れを倒したPCの手にも、この欠片が現れます。
ありがとう、ベリアン。
ひとまず安心した。
俺もちょっと立て込んでる。
お互い時間がある時でいいよ。
確認してくれると嬉しい。
うぁ…
[倒れこみかけた体に衝撃。
首筋に手刀を叩きこまれたのだと理解する間もなく、視界が暗転する。
意識の途絶えた身体は、その場に転がった。]
シンク レア…
[知らない名前だ。
けれど、どこか馴染みのある響き――…]
ワタクシはぁ、誰のものでもぉ 無いわよぅ。
[唇を引き結んだ表情で、一言一言区切って言い切る。
そう。たたかいを命じる神のものでも、ない――…ない…]
たたかう、のぉ ね。
[まだ視界の戻らぬ瞼をうっすらと開ける。
全体がぼやけて、湯気の向こうの大雑把な影しか分からない。
確実に不利だ――…その緊張が、魔女の表情を青白く強張ったものにする]
― サロン ―
[目前の男が言葉を失い、目を見開く>>1:546
それへ、シェットラントは冷ややかな笑みを返した。
たたかえ、と。声は今も脳裏にある。
けれど……違う。声のためだけじゃない。
戦い、そして────]
…お前の
[そうだ。それで正しい]
― 宇宙船 ―
[どうにかやって見せた光景は、
いくらかアプサラスに記憶を取り戻させたらしい。
その結果に満足の笑みを浮かべた。]
彼のことも、思い出してもらえたんですね。
[彼女と手を繋いだのだろう後輩のことを。]
聞いてだから、君は。
あ。
[攻撃は簡単に交わせた。
攻撃は首に当たり、転がった青年に駆け寄る]
ごめんね。
こうしないと君は、無理するから。
[落ちた斧を遠くに飛ばすと、青年を安全な場所に移して横たえた]
まず血を止めないと。あれ?
[こういう時に出てくる、水と綺麗な布と薬品を使い青年と自分の手当をした]
魔法騎士 シェットラントは、断片的な記録のゆらめき を投票先に選びました。
[
自分はこの男を知っているような──だが、こんな笑い方をする人間ではなかったようにも思えて。
何故だ、似ていると思う誰かの名前にすら、辿り着けない。
縋るような思いで魔導書を開く。
そこに記されていたのは、極めて簡潔な宣言ひとつ。]
…死んでもらおう。
[違う、と言いかけた言葉は声にならず、魔導書が綴る呪文を詠唱する自分を止められない。]
・・・・・・・。
[明確な何かがあった訳ではない。
それでも、彼女の言葉と、そしてこの――…
何処か…欠けた、という感覚が、]
…――いっちゃったぁのねぇ、あの王サマぁ。
[自由に。
…そう、まさしく彼女は自由の人だったから]
何の魔か、飽くなき慾の痙攣もて
かく引き裂り、むざむざと歩み棄てけむ
「血糊の足音」よ──縛れ
[床の血溜まりがスライムめいて伸び上がり、シェットラントを絡めとらんとする。
彼の零すまだ暖かい血に引きつけられ、啜ろうと欲す。]
船乗り ハンスは、断片的な記録のゆらめき を投票先に選びました。
さあ。誰だろうな。
[誰何の声にふざけた言葉を返し、ゆっくりと近寄っていく。]
おまえと遊ぶと言ったら、怒り出したぞ、あいつ。
[誰のものでもないという宣言には、くすくすと笑いを返し、]
/*
ハンスは、昨日いろいろ説得してくれたのに
こぅなかなか素直にならない奴でごめんねぇ。
捻くれ者なので…(
あと女王がゲルトに説得されるのは見えてたから、
緑が誰もいなくなるのもなーとか思ったりおもわなかったり。
…ああ、そうだな。
たたかおうか。
[す、と手を挙げると、自然に服が身体を覆った。
心が、身体が、戦いに向けて整えられていく。
飛び込んできた彼女を見た時にやろうと思ったことは、暫し忘れた。]
形無く、意思なき不定形のものどもよ
我が声に応えて姿を現せ
[前置きもなく、周囲にある温水を触媒に術を放つ。
彼女の足元にある水が不意に粘度を増し、半透明の触手を伸ばして絡みつこう蠢いた。
ああ。
彼女はおまえのことなど知らないと言っているぞ。
自分のものだというのは、おまえの思い込みだったらしいな。
[愉悦のままに言葉を投げて]
[そういえば、さきほどの態度は強い拒絶だったなと思い出し、ひそやかな笑みを漏らした。
彼も忙しそうだと気配を読んで、こちらも口を閉ざす。
またあとで、結果は知らせてやりたい。
その時の反応が、実に楽しみだ。]
召喚術士 ギィは、断片的な記録のゆらめき を投票先に選びました。
皇帝の息子 ヨアヒムは、断片的な記録のゆらめき を投票先に選びました。
提督 ゲルトは、断片的な記録のゆらめき を投票先に選びました。
― 宇宙船 ―
さて……乗り込んで始末するには、現状いかんせん攻撃手段が不足している。
覇王の戦いをもっと習得せねばな……。
[覚えた攻撃は、斧を持っての突進だけ。
覇気によって戦士を多く出すことは可能だとしても、これだけではいくらなんでも火力が足り無さ過ぎる。
また腕一本支払ってでも攻撃を見聞する必要性を感じた。
ゲルトが移動先を提示すれば同行したかもしれないし、さもなければ9(10x1)へ向かうだろう]
……そうじゃ、これの保管場所も探さないとな。
[この場を後にする時、バラの花束を持って微笑んでみせた。*]
[怒りだすような相手など自分には――…
と、そこまで思考が辿って得心する]
…、ふふ。怒るなんてぇ、 意外だわぁ。
[ 約束をした。
ひとり。
…――、それまで 生きる と…。
戯れのように。真剣に。]
[…、目が見えていなかったのは幸いしたかもしれない。
服を纏う前だったのも、後も。魔女は気づかない侭。
ただ、…――相手の纏う空気が、変わったのだけは、
目を閉じていても明確に分かる]
[目前にあるは、暗い憎悪を掻き立てる暗い肌色の男。
かつて、記憶の中にある彼の肌色はもっと明るかった。
その手中にある魔導書、それを見れば一層怒りに似た感情が募る]
万能なるマナよ、我が剣と盾に宿れ。
[唱え、同時に剣を引き抜く。
魔法を帯びて淡く輝く剣先が、ずるりと伸びた血糊を切り裂いた。
ず…。と落ちる傍らから、また新たなる血糊が伸びてくる。
それを再び切り裂き、]
───
[手早く、術者の前に水晶の欠片を投げ放つ。
ギィに用いたと同じ、光の目晦まし>>1:108だ。
効くか、それを確認せず彼の方を見て姿勢を低くし、]
/*
またもや本を狙ってしまった……
あ、でも奪うならやっぱベリアン本体を狙うべきだったのでは
でもシェットラント的に魔導書むかつくすぎて、つい()
っ、な に…よぅ
ひゃ!?
[呪文だ、と身構えた瞬間――…足元にぐにゃりと
ぬめった何かが触れて、思わず悲鳴に似た高い声を上げた。
何も見えない状況で、よく分からないものに触れられる感触は…おぞましく不安を誘う]
や、 ぁ、…!
[右足に巻き付いた触手に引っ張られる。
躯のバランスを失って尻餅をついて倒れ、低く呻いた]
っ、
[───本当は。心の奥底で。
気付かぬほどの心の奥、シェットラントを苛立たせたのは術者本人よりも魔導書だった。
理由は未だ良く思い出せない。
だからそうと知覚されることもない。
術の焦点を狙ったといえばそれまでだろう。けど、
────びしゃり。
術者に意識を向けて注意が疎かになった脇に、
新たなる赤い液体が生き物のように食らいつく]
[湯船の底に手のひらがつく。
全て、ぬめっていた。この周りに触媒となる温水は無い。ならば、]
こ、のっ…――
[粘体に絡まれながらもなんとか腰に手を回し、手探りでベルトポーチの隙間から香水の瓶を一本取り出した。
蓋を口で咥えて、ぐっと引っ張り栓を抜く。
その瓶を、相手の方角目掛けて大きく投げた。
瓶の狙いは――、相手の周りの温水の方。
湯船に落ちれば香水が溶け出し、触媒とお湯が交じり合う]
全ては
水よ怒れ。どこまでも熱く。我が望む侭に。
[相手の足元の温水が、熱湯に――その温度を上げた]
[相手は魔法を自らの武器にかけた。
やはり彼自身の性質を示すごとき酷薄な光をまとった剣が振るわれ、血の枷を切り拓く。]
──魔法剣士か。
[魔法だけでなく剣術も習得した英才。
そんな人間はごく少なくて、誰もが憧れと崇拝を抱き──
頭の芯が、痛い。
この嫌悪感は、不利を自覚してか。 違う、]
[雑念を払うように首を振った、その瞬間に、触媒の水晶が投ぜられ、眩い光で視界を奪う。]
──く、
[死を告げる怜悧な声。
後退せんとした身体がピアノに阻まれて、冷たい刃が届く。
だが、確かな手応えに肉体の痛みは伴わず。
切り裂かれたのは《奈落の書》であった。]
見縊るな、と言ったか。
[唇に乗せるのは、音無き声で告げられた彼の言葉。]
そうさせてもらいたいものだ。
汝の貪欲はすべてを呑みこむ
[懐から取り出したのは、今度は液体の入った小瓶だった。
呪とともに液体を温泉に落とし込めば、一瞬、湯が濁る。
液体───強力な酸の力を取りこんで、粘性生物が濁った黄に染まった。]
シンクレアとお前がどんな関係なのが、興味は尽きないな。
後で彼から聞きだしたいものだが、
今は、おまえ自身に興味がある。
[酸に染まったスライムは、触れるものをじわりと溶かしていく。]
[両断とまではいかないものの、魔導書への損傷が、ベリアンに仕掛けられていた精神支配を崩す。]
── シン… クレア、
[意識にのぼる名を呼べば、氷のイメージは刃となって封印を切り裂き、痛みを伴う記憶を呼び覚ました。
悪魔の召喚儀式。手に入れた一冊の魔導書。
だがベリアンがそれに支配されていたはずは、ない。
これは巧妙に仕組まれた偽わり──あるいは、ベリアン自身が望んだ”逃避”だ。]
なるほど──これはわたし自ら招いたことか。
[その時、彼女が小瓶を投げるのが見えた。
どうせ当たらない、と避けもしなかったのだが、
小瓶の中身が湯に溶けるのを見て眉を上げる。
直後の呪に、嫌な予感を感じて移動しようとする。
そこへ、熱気が襲い来た。]
っっ……!
[足を焼く熱水に苦鳴を押し殺し、ゆっくりと移動する。
なんとか、温泉の外へ。
意識が脱出へと注がれて、いくらか相手から逸れた。]
[悟ると同時に、視界の霜は薄れる。
ようやく自由と感じられるようになった身体をピアノの裏に逃がし、ベリアンは死の追撃を避けた。]
しかし何故、 貴様まで…
異界に一緒に引き込まれる必要が…?!
[剣先の手応えは、確かに魔導書を捉えたようだった。
と同時、傷口に絡み食らいついてきた呪に、顔が歪む]
[腹を押さえて傷に捻じ込むように呪を唱えた。
強烈な冷気が、己の傷と己を蝕むものを凍りつかせる]
…─────っ、
[剣先が揺らぐ。逃げた相手に、追撃は出来なかった。
辛うじて倒れこむのを意地で堪え、瞳に意思を篭めて睨み遣る]
ベリアン───…サルーク、
[忘れるはずがない。忘れてなどいない。
呪うように名を呼んで、荒い息を吐いた。
まだだ。まだ…足りない。
たたかえ、たたかえ───奪い取れ。
声は毒のように甘く密やかに誘い掛ける]
何故だと───…?っ、くく。
────は、…は!
ふ、ん。
ワタクシはぁ、 こんなぁ粘液へんたいにぃ、
興味なんてなぁい、わぁ。
[スライムに触れている服が、肌が、じりじりと溶けてゆく。
寒い冬の野宿の朝、鳥肌が立って悴み、ぴりぴりと痛むような痺れが肌を覆うような感触。
今はまだ其の程度だが、このまま此処にいてはせっかく自慢の柔肌が無残になること請け合いだろう。
だが良いこともあった。
裾の長い服は溶けて、濡れた服が減った分――身軽になる。
身体のあちこちがすーすーするので見た目は燦々たる有様だろうが、
それに構っている余裕は当然のように無い]
決まって、…いるだろう。
そんな、こと───…
[たたかえ。声が、幾重にも囁き掛ける]
…もう一度、
…───たたかう 、ため に、
あい 、たく て
[そうだ。いや、違う?誰に?
思考の乱れに、シェットラントは眉を寄せた。煩い]
[服をもぐもぐしているスライムをこれ幸いと、
魔女は勢いをつけて立ち上がった。
溶かされ繊維が弱くなった布は裂けやすい。
スライムにぐるりと捕まえられていた腕は、
肩の根元から生地が千切れ、生肌がするりと抜ける。
先程の熱水はうまくいっただろうか。
だが結果を目で追う余裕はない。
そんな一瞬があるならば、呪を紡ぐ方が先だ]
[この盲目の視界では、
どこまでスライムの海が続いているかも分からない。
一歩歩いて、また捕まるのは御免だ。ならば、]
……く、 ぅ、…!!
[苦痛の声を漏らしながら、魔女は自らの指先を
爪を立てて左肩の傷に突っ込んだ。
それを――ためらいなく、勢いよく中の血潮を掻き出す。
当然、簡易魔法で止血していた傷口は決壊し、血飛沫がスライムの頭上に散った]
…は、
[荒い息を吐いて、血染め姿になりながら]
全ては
血よ。何よりも熱く、なによりも冷たきもの。
凍れ。凍れ、凍れ――――。
汝で無きものすら取り込んで。深く。
わからなければぁ …全部
やっちゃえばぁ――――… いーのよぅ ね?
[相手のスライムの表面を凍らせて、
身動きを取れなくさせてしまおうと。
魔女を中心とした赤い氷が、ピシリと凍る音を立てながら
湯船の表面を蔦ってゆく]
[名が返される。
ゲルトやハンスが口にするのと同じ韻でありながら、全く異なる感情を乗せたその響き。
両者の間にあったものを思えば当然の憎悪──だが、これは、違うと思った。
シェットラントの唇から洩れる笑いも論理も、どこか歪んでいる。
苦悩を滲ませる貌は、氷人形らしくもなく。]
なるほど、貴様は何者かに操られているらしい。
──不様な。
[嘲った後で、それはついさっきまでの自分にも当てはまることに思い至って渋い顔になる。]
地に足のついていない貴様には皮肉も通らぬだろう。
──されたことは、返してやる。
[魔法剣士は、術者そのものが厄介なのだ。まずそれを押さえ込む必要がある。
血枷はよくもった方だが、もう一押し必要か。]
真黒なる楽して奔る
執念の闇曳き奔る
「制圧の戦車」よ──進め
[そうしてピアノを押しやれば、ピアノは砲弾めいた勢いでシェットラントを壁に磔にせんと滑り出した。
血の手形をひとつ、黒い板にぬめらせて。]
/*
酸属性のスライムとか、お約束おいしいです(mgmg
ところで。
昨日といい、温泉でサァビスシーン多くありませんか魔女。
[殺すつもりはないが、相当に容赦はない。
今のシェットラントが何らかの支配下にあるのなら、まずは気力が萎えるまで削ぎ落としてから、届かせるつもり。]
[ざばり、と水音を立てて、温泉のふちから上がる。
歩くうちに、両足の感覚はだいぶ無くなっていた。
ただ、ひりつくような痛みだけが脈打っている。]
……どうせ死なないのなら、痛みもなくしてほしいものだ。
[ぼやきとも苦情ともつかない独語を落とし、身体を反転させた。
見れば、女の方はいささか無残な姿になってスライムと格闘している。
彼女が自らの身を傷つけた姿に、眉を顰めた。]
[痛みはともかく、動けないのは危険だ。
触媒は用いず、簡単な動作のみで術を編む。]
影なるものよ。虚ろ満たすものよ
仮初の形を纏いてここへ
[術に応じて現れたのは、渦巻く煙のような身体を持つ鳥。
地を駆けるのに特化した身体は、人ひとりのせるのに十分な大きさを持つ。
おぼろな影の物質からなるこの鳥は、攻撃を受ければすぐに霧散しようが、ひとまずはこれで十分だった。
苦労して鳥に跨ったところで、背後からぴしりぴしりと軋むような音がする。]
これはまた…、
[赤く染まった氷が湯船の表面を覆っていくのを、感嘆の眼差しで眺めた。
既にスライムは氷の中に取り込まれて動きを止めており、
氷は湯船のふちを超えて、濡れた岩の上にさらに広がりゆく。
迫ってきた氷から逃れるように鳥を操り、女の周囲を回るように移動した。]
あいつがこだわるわけだ。
ますます、ものにしてみたくなった。
女。俺のものになる気はないか?
[動き回りながら、声を投げる。]
っ、何を──…言っている。
俺は操られてなど、
[いない、と。言い切る語尾がどこか苦しい。
怪我の所為だと思った。
自ら強引に押し止めた脇腹の傷は、いっそ叫びだしたい程に痛む。
早く決着をつけなければならない。
そして力を───あの魔導書を。
この手に、奪い 取るために、]
… る、さ、 い。
[氷蒼色の瞳が、怒りに燃えた。
手負いの獣に似た必死さで、ベリアンを睨みつける]
貴様───、
[術を行使する気配。
それに抗すべく、咄嗟に剣を術具の構えに構えた。
本来なら、身体が自由に動くならば駆け寄って斬撃を見舞うものを。
今、シェットラントの足は血枷の傷に縛られてまともには動けない]
万物の根源、万能なる
[じゃらり。と、音を立て幾粒もの水晶の欠片を取り出した。
それを天井目掛けて、力一杯に擲つ]
[周囲から立ち上る冷気の濃さと、氷の面が広がる軋み音。
それを肌に感じ、魔女は術の成功を知る]
ほぉらみなさぁい …――、って、
なぁに、まぁだ大物……
[得意満面の笑みが一転、
不意に巨大なものが横切るように乱れた空気に、きつく唇を噛む]
氷の刃よ、天より降りて我が敵を討て……っ!
[だから、これだけが精一杯の反撃だ。
術を使うならば、正面より別方向から攻めれば手中を乱しやすい。
だから頭上からの攻撃を狙った。
…とはいえ、それは術の発動を止める力にはなり得ずに]
[其の存在を確かめんと、睨むように薄目を凝らした。
先程の蜘蛛の爆発は右側で受けたので、
左の眸からは、少しずつ閃光の衝撃も薄れている。
涙が滲み、うすらぼんやりとだが……
見えた。
地を駆けるに足る太い足腰を持つ、大きな影の鳥。
そうして其処に跨る――…]
────── く、
…は… っ
[衝撃。そして目の前が真っ白くなるほどの痛み。
目が大きく見開かれ、開いた口から鮮血が零れた。
咳き込むような形で血を吐き出す]
[己と合間見えたその男の姿を、
魔女は初めて視界に捉えた。
悠然とした素振りの、
此の程度の戦闘など物ともしない、涼しい顔の魔術師―――]
…、ふふ。お断りよぅ。
ワタクシはぁ、 ものじゃぁ ないわぁ。
[一息一息が荒い。
途切れとぎれの、言葉で、拒否を告げる]
……、ぐ …、
[恐らくは、肋骨が折れた。上手く息が出来ない。
シェットラントは壁とピアノの間に挟まれ、苦しげに浅い息を繰り返した]
……っ、の 、
[それでも剣は、未だ手から落ちてはいない。
苦しげに睨む瞳からも光は消えない。消えない…けど]
…────、
[顔を見つめる瞳に、怒り以外の色が微かに滲んで揺れた//]
…ぁ、… く、
だぁ め、
まぁだ、終わって――――…
[千切れた衣服を纏った躯が急にくらり。くらり。と、不安定に揺れる]
[嗚呼、…しまった。視界が急に暗くなってきた。
今さっき、ちゃんと、見えた筈なのに。
……血が、
……たりな、
先程の魔術で零した血の多さは、当然のように貧血を招いた]
………生きなぃ とぉ …、
やくそ く。
[ぷつり。と其処で意識は途切れ。
魔女は赤い氷の上に、崩れるように*倒れこんだ*]
[疾駆するピアノの弦が弾け飛ぶ不協和音。
同時に、凍てつく流星はベリアンの身体にも突き刺さる。]
ぐは…!
[よろめき、壁に頽れかかった。
室内で、まだ氷弾の加速距離が短かったから死なずに済んだようなもの。
薄目を開いて、同じように壁に縫い止められているシェットラントを見やる。
あちらもダメージは似たようなものか。]
…はァ、 …はァ …痛っぅ
[頭で考えた計画ほどに、簡単なことではなかった。
狂信にも似た闘志に身を焦がす相手の気力が萎えるまで押しまくるには、こちらの根性も試される。
相手が積年の憎さ余りあるシェットラントでなければ投げ出していたかもしれない。]
…貴様、 だけは 、
おまえも そう 思ってるんだろう 、
[ピアノを押しのけ、躙るように距離を詰めて、最後は顔面に平手打ちをひとつ──しようとして、彼の瞳に浮かぶかすかな感情に、手は壁へ突かれる。]
…わたしに思い出させたのだ、 貴様も思い出せ…!!
[過去も理屈も磨り減った先の、もはや、肉体でしか語れない想いで引き寄せた。]
そうか。そいつは残念だ。
[すげない拒絶に、別段落胆する風でもなく]
─── なら、奪うか。
[たたかえ。奪え。求めよ。
思考をかき乱す声に顔をしかめたものの、あっさりとそれに乗った。]
うねり這うもの 貪るもの
見えざる糸にて 縛るもの
我が求めに ─── ?
[呪文が途中で途切れ、開きかけていた召喚門が閉じる。
訝しむ顔で見つめるその前で、煉瓦色の髪が危うく揺れ、氷の上に倒れ伏した。]
………。なんだ、これからだというのに。
[手を下ろし、彼女に近づいていく。
お楽しみにお預けを喰らった子供のような表情がちらと浮かんだ。]
[きしきしと、巨鳥の足が赤い氷を踏む。
氷は割れる様子もなく、鳥と騎手を魔女の側に運んだ。
動く様子もない彼女を見下ろせば、肌の白さが目につく。
色白というレベルではない。病的な、あるいは危険な肌の色だ。]
……ふん。
[鼻を鳴らしたとき、心の中がざわついた。]
[ころせ。うばえ。声が騒ぎ出す。]
煩い。黙れ。
[一蹴して、鳥を座らせる。
たたかえ。ころせ。求めろ。力を。 重ねて声が響く。
くらりと視界が霞む。]
[気づけば、腕が伸びていた。
女の細首をへし折ろうとするかのように、指に力が掛かっている。]
…っ。
[咄嗟に、自分の腕に反対側の手で爪を立てた。
痛みで反射的に腕が竦み、彼女から離れる。]
気に入らない。
なにもかもだ。
[勝手に倒れる女も、儘ならぬ自分の身体も、
得体のしれない不快感も、なにもかも。]
シンクレア。聞いているか?
[今までそうしてきたように、音無き声に言葉を乗せる。]
このままなら、女は俺のものだぞ。
それで構わないか?
あるいは…うっかりすれば死ぬぞ、これは。
[言うだけを言って、返答がないかと耳を澄ました。]**
― 魔法学校 ―
[ゆらゆらと意識は漂い揺れ動く。
たたかえ、という声も今は遠く、
父の期待に応えたかった。
喜んでくれる顔が嬉しかったから。
父に戦争に行ってほしくなかった。
傷だらけで帰ってくるのを見たくなかったから。
いつか、父を継ぐのだと思っていた。
おまえに継がせる気はないと言われた。
期待に応えられず、
戦争も嫌がる自分は、捨てられるのだ。
そう思った。
自分は、必要とされない人間なのだと。]
[認められたい。
それだけの力が欲しい。
もがく心の隙間に、たたかえという声が忍び込む。
心の根に深く絡みつく声。]
……くそ おやじ め …
みて ろ …よ
つ ぎ 、 こ…そ …
[うわごとが唇から漏れる。
意識覚めぬまま、青年はされるがままに手当を受けていた。]**
[正確に、緻密に紡がれる術式。
術では勝てない。知っているはずだ…術だけでは。
…いや。
かつては、それでも勝てると思っていたのだ。
勝てると驕って、見ていなかった。
目に映していなかった。何も]
お前───…
[ 名を、呼ばなかった ]
… ベリ 、…
[そうして失ったものが、あった ]
[名前を呼びかける声は、呼びきれずに途中で切れる]
[見れば、氷の弾は標的を存分に打ちのめしたようだった。
ならば───と思う、心に身体が今はついていかない。
ピアノを押しのけようとして手を添える動きも弱弱しい。
その情けなさに歯噛みした。
案の定、動けるベリアンの接近を許してしまう。
ピアノが押しのけられる。
間近に迫った彼に最後に剣を突き立てようとして──出来なかった。
耳元に、彼の手が壁を叩く音を聞く]
思い出す?……何を、
俺は何も────忘れてなど────、
[語尾が弱く途切れる。視線が下がる]
…────、…る、さ い、
お前なにを──…言って、いるん だ。
[すっかり下がった目は前髪に隠れる。
声は弱く迷い子に似た響きを帯びて、
手は押しのけようとするようにベリアンの胸を*押した*]
[ベリアンの手がシェットラントの肩を掴む。
シェットラントの手がベリアンの胸に押しつけられる。
思えば、二人が互いの身体に触れるのはこれが初めてかもしれなかった。
教師に任命されて一緒に手伝いをさせられた時も無言で分業したし、意見の相違はいつものことでも、取っ組み合いの喧嘩にまで発展したことはない。
そんなことは大人げない、自分に似合わないと、思っていたのだろう。
だが、今は、この近さでなければ届かない熱を抱えて、立っているのもやっとな危ういバランスを支える。]
[氷壁の底に光を透かす双眸が力なく伏せられ、何を思い出すというのかと、弱々しい拒絶の声が返る。
そんな姿も、ベリアンの知る氷人形とか掛け離れたものだった。]
おまえ自身──そして、おまえの大切なものを、だ。
手放すのか。 それでいいのか。
[歯を食いしばって伝える。]
おまえ──シェットラント・シンクレアは、人のものを奪おうなどとしたことはなかった。
努力なんかしたことないような顔して、いつだって毅然と顔を上げて、自分の責任だと逃げもせず、
わたしとは決定的に違う、 そんなおまえだから──っ
打ち破れ。 シェットラント!
[偽わりの欲望を切り捨て、呪縛の檻から帰って来いと、
そこにおまえの道はないと──、突き放すごとき信頼で、強く彼を呼び求めた。]
こちら、無事にアプサラスさんを「神」より奪還しました。
[移動する前に、仲間たちへ声を送る。]
これより、共闘態勢に入りますが、
一旦、拠点に帰投します。
あ… こほん。
― 黄砂の村 ―
[一度、仲間たちへ声を送ってから宇宙船から一度黄砂の村へ戻り、
アプサラスが共にいるのならば、何か治療するためのものを探す。
そのさなか、不意に空が暗くなったように思えた。
重苦しい空気が世界にのしかかってくる。
遠くの空にちらちらと見える群れは、あれは鳥だろうか。]
…嫌な感じだ。
[手を止めて、しばらく世界に見入っていた。]
/*
キアラがそわそわしているのは許されたい。
二人のやり取りを見ていると、
もうね、もうね、もうね、もうね…
…、いいなあ。嬉しい。
[声が返るのを待つ間に、影の鳥から降りて彼女の横に膝をついた。破壊的な衝動が沸き上がってくるのを押さえつけ、簡単な治療を施す。
出血を放置すれば本当に死んでしまいかねないと思ったからだが、そのまま殺して力を奪い取りたいという欲望に、何度か手が止まった。]
俺は、死体を抱く趣味は無い。
[自分に言い聞かせるよう、不機嫌に唸る。]
[治療の途中、ふと違和感を感じて彼女を観察する。]
……妙だな。
[手を伸ばして、彼女の胸元をまさぐった。]
少し、小さくなってないか?
幻術が解けた……いや───…
[記憶に間違いがなければ、
全体的に、どこか幼くなったような印象を受ける。
最初に蜘蛛を通して"視た"ときは、もっと大きかったように思うのだが。
不審を浮かべながら、意識の無い彼女の身体をしばらく探っていた。]
[服の残骸が氷上に千切れ落ち、大きくはだけた
首の付け根に、男の手がかかる。
冷たい…。
起き上がらない意識の淵で、魔女は思う。
温泉なのも、男の手で首を絞められるのも。
要素は先程と何一つ変わりはしないのに。
…優しいぬくもりのような痛みが、今は遠い]
[治療を施されれば、病人のように青白かった表情は、
幾分血色のよい状態を取り戻す]
…ぅ……、 ぁ、
っ……
[肌に触ると、小さな呻き声が唇から漏れた。
スライムに溶食された肌が、その分だけ過敏に脆くなっていた]
/*
ちょwww
ガートルードさぁん!?www
これは、美味しくいただけ、ってことか。
(そしてシェットラントに張り飛ばされる。)
[まさぐるうち、女があえかな声を立てた。
先ほどよりも色づいた唇は薄く開かれ、なにかを待ち望んでいるようにも見える。
スライムが溶かした服は手酷く乱れて、色を失った肌がいくつも露わになっていた。
たたかえと命じる声が遠のき、
最初に抱いた欲望が、ふつりと湧き上がる。]
ああ、そうだ。
味見をするんだった。
[手を伸ばし、脆くなった服をさらに引き裂く。
生地が裂かれる音が微かな悲鳴にも聞こえて、唇を歪めた。]
[きし、きし、と足元から音がする。
術者の制御を離れて、術が解け始めているのだろう。
何処からか湧き続ける湯の熱もまた、赤い氷を侵食する。
いつ割れるとも知らぬ氷の上で、
意識の無い女を蹂躙する。]
───悪くない。
いや、そそる状況だな。
[独り言ちて、女の両手を頭上に押さえこみ、
柔らかい身体の上にゆっくりと体重を移していった。]
[声が響く。脳裏に直接、いつものように]
…… め、ろ 、
[は。と、苦しげに大きく吐く息の中で唇が動く]
ギィ、
──── 赦さ …、 な…
[声は途切れ途切れに、ひどく聞き難いだろう。
それは傷を折った故とも、鎖切れつつある故とも取れようが]
ん…。
[今まさに、というところで止める声が届く。
その声はどこか遠く、切れ切れに聞こえた。]
どうした。ずいぶんと具合が悪そうだぞ。
[半分ほど身を起こしながら、声を返す。]
許さないと言われてもな。
目の前にあるものを、指をくわえて見ていろと言うつもりか?
[笑い含む声は、揶揄するようでもあり煽るようでもある。]
[やめろやめろやめろ。それを奪うな。
たたかえ欲せようばえ───、違うそうじゃない。
あれは俺の──…
俺の、なんだった…?
思考が混乱する。
それを、がしりと肩を掴む手が引き戻した]
/*
wwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwww
wwwwwwwはい。ちょっとまってね。
wwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwww
[強く肩に食い込む手は、痛い。
強く、思い伝える強さでベリアンの手は肩を掴んだ。
それに対して、胸を押しやる方の手の力は弱く。
顔は変わらず俯いて、視線見返すこともなく]
─────。────、
……───、名前を 、
[漸くぽつ。と、口を開いた。
どうして、そんな響きで彼は自分を呼ぶのだろう。
かつて自分は彼を傷つけた、彼を見ようとしなかった。
彼を追い込んだ、彼を罪に押しやって───
その痛みも苦しみも見ようと、認めようとはしなかった。
最後まで彼に死を齎したのは自分だ。それなのに]
どうして、あの時も 、
[声がくぐもっている。
あの頃も。こうしてぶつかりあって呼べば変わっただろうか。
全ては変わっていただろうか。
何故この世界に来たか、呼ばれたかなど分かっている。
もう一度会いたかった。
もう一度、今度は同じ過ちを───繰り返さないために]
…ベリア ン、
[ぴし。と、何かが砕ける音がした。
それに構わず、シェットラントは顔を上げた。
白い頬が涙に濡れている]
お前の名を、呼べば──…良かった。
呼んでいれば…、良かった。
[彼の名を呼び、認め、向きあっていたならば。
そうすれば或いは。
キアラを挟んで笑いあうこともあっただろうか。
彼女のささやかな夢を叶えることが出来ただろうか]
[────ぱきん!
高い音を立てて何かが砕けた。手に赤い結晶が落ちる。
同時に、記憶に掛かっていた靄が晴れ渡る。
そう、自分の死まで──意識が変わった時に血は止まった。
痛みはあれど、これ以上身体が血を流すことはない。
ただ。身体は血を流すことをやめても、涙は零れた。
それが止まるには、少しだけ時間と沈黙が必要だった]
あ。ゲルト大丈夫?
俺は魔法使いさんを助けられなかったけど、若い青年を助けたよ。
意識がないから、バラ園の場所から動けないでいるよ。
[その時。───ふつりと”声”が途切れる。
響いたのは、ギィの声>>84が最後。
ただの無言ではない、鎖の断線。
彼の側にそれがどのように伝わるか、知る由はなく]
……これが、
[少しして、再び口を開いた。
手には先より赤の結晶がある。
それをベリアンに示すように差し出しながら、視線を落とした。
ふと気付いて、袖で濡れた頬を乱雑に拭う。
いまさら否定のしようもないが、…若干は気まずい。
気まずさで、口調は殊更に淡々と響くものとなった]
神の欠片、だ。
俺を操っていたものは、これだろう。
どうやらこれに…何というか踊らされていた、ようだ。
俺は俺のようで、俺自身ではなかった。
[まさにベリアンが命懸けで教えてくれたように]
………、お前が呼びかけてくれるまで。
[結晶の性質はベリアンほどの男だ、説明するまでもないだろう。
だからくどくどとそれに口を割くことはしなかった。
端的に告げ、結晶に落としていた視線はさり気なく斜めに逸らす。
正面切って目を合わせるのはまだ。…いや、]
…………。俺一人では打ち破れなかった。
恐らく…、…お前だからこそ。
お前にしか打ち破れなかったのじゃないかと、思う。
[視線を外したまま、どこかぼそぼそと見解を告げた。
何故だかどうにも少し照れくさい]
だから、その。すまない。
…………。……、……………。
……。 ありがとう、…ベリアン。
[たっぷりの沈黙の後に、どうにか口にして顔を上げる。
視線が交われば、ぎこちない笑みが頬に浮かんだ*]
[不意に、なにかが砕けるような音がした。
鼓膜揺らした音ではない。
敢えて言うならば、術が爆ぜた。
そんな感覚に近い。]
………。
[視線を空に投げ、気配を探る。
だが、それ以上そこで何かが起きることもなかった。]
おい。
どうした?
[問いに返るのは、沈黙のみ。
言葉は虚空へ吸い込まれていくよう。]
………。
[なにかが欠けたような感覚に、小さく鼻を鳴らした。]
[1人は鎖から外れ、、
一人は深い眠りの中にある。
それをしかと知ることはなかったが]
……ふん。
不甲斐ない連中だ。
[ぼそりと吐き捨てた。]
[否。
声が途切れたこと以外の異変を、身体の奥深くが感じとった。
なにか共鳴するような気配。
求め合い引かれあい、ひとつに戻ろうとする意思。
世界に、何か大きなものが顕現したのを、
ざわつく肌が教える。]
俺を求めるか、貴様は。
[姿も知らぬ、ただ存在感だけを放つ相手に呼びかける。]
いいだろう。
俺もおまえを求める。
おまえの力をな。
[ひそやかなる宣。]
[氷が溶け出すように、シェットラントの頬を涙が流れた。
初めて見る 綺麗な 後悔の 温かな それ]
── 今 届いてる。
[名を呼ぶ声。それは先程までとは、否、今までとは異なる律。
鼓動が止まるときまで、きっと、一緒にある。]
[限界まで張りつめた時の折れる音。
シェットラントの手に深紅の結晶が現れる。
引き換えに血の止まった身体、それは既に──]
シェットラント──、
[今は、その名がよどみなく口をつく。
問いはしない。わかるのだから。]
おまえらしくもない。
[嘯き、強いて視線を逸らす。が、シェットラントが口にしたたどたどしくも切なる謝辞と謝罪は、聞く方にも動揺を波及した。]
礼など…、
されたことを仕返したまでだ。
…正気に戻る前に殴っておくんだった。
絶好のチャンスだったのに!
──また、 が あれば
[呪われた肌の色のせいで、ぎこちない笑みを向けられた頬に朱がさしたのは気づかれないだろうと信じておく。
あとはもう立っていられる余力もない。
満身創痍のシェットラントの上に倒れ込むのを避けて、床に座り込んだ。]
[夢を、見ていた気がする。
小さなころの夢だ。
父さんにさんざんにしごかれて、倒れたときのことだ。
やりすぎだ、って母さんに怒られて、小さくなってる父さんがなんだか可笑しかった。
たまにしか帰って来ない父さんに稽古をつけてもらえるのが嬉しくて、つい頑張りすぎたんだよ、…って結局言えなかった。
毛布にギュッとくるまって、寝てるふりをしながらふたりの話をずっと聞いていたんだ。]
― 魔法学校 ―
[ゆっくりと、意識が今に戻ってくる。
途端に、全身の痛みが襲い掛かってきた。]
うっ、───つうぅぅ……
[身を起して体を丸めて呻く。
傷が手当されていることや、側に人がいることにまではまだ気が回らなかった。]**
[ゲルトから連絡が入る。
奪還て、そんなことをしに行っていたのか。
ていうか「アプサラス」って誰だ。
ともあれ、順調だというなら、とやかくいう筋合いでもないのだろう。
そんな風に思っていたら、「みんなは、どうしてる?」と問われた。
その柔和な口調に籠められた何かが、自分は彼の仲間であると認識させる。 不思議なものだ。
「みんな」の中に数えられることなど、久しくなかったものを。]
わたしは──前より調子がいい。
これまでのように強い魔法は使えませんが。
[それで調子がいいと言えるのかはともかく、声に、これまでになかった強靭さがあるのは感じ取れるかもしれない。]
今、精神支配を断ち切って神の欠片を弾き出した人間と一緒にいる。
ゲルトをもっと細く強靭にしたような色目の男で、名をシェットラント・シンクレアという。
わたしの昔からの──
[窓の外からは何やら不穏な変化が感じられて、世界の異変が新たな段階に突入したことを窺わせるが、このままでは対処どころか移動もままならなかった。
シェットラントはおそらく肋を折っているし、血は流れていないようでも脇腹の傷も浅くはあるまい。そこに攻撃を重ねられれば危ない。
ベリアンの方も氷弾に射抜かれた傷を数えあげるのも面倒なほどだ。
本気でやり過ぎた、と思うが今更どうこう言っても仕方のないこと。
必要だったし、やりたかったのだ。この男と。]
まだ行くな──
おまえは魔法がなくとも戦える、が、その身体では無理だ。
[もっとも、自分は神聖魔法の使い手ではないし、指輪の形に戻った《奈落の書》は解を与えることもなかった。
ベリアンは大理石の床に指先を伸ばして、自分とシェットラントの血をインク代わりに、いくつかの術式を書き散らす。]
精霊魔法におけるこの術式と、神聖魔法のこの儀式には類似性がある。
あと、これ。 多分、繋がる。
[極めて感覚的な見解を述べて、シェットラントを見やった。]
論理式を通せれば、今のわたしたちでも行使できる回復魔法に書き換えできるはずだ。
──どうにかしてくれ。
[既存の魔法に手を加えて使えるものを編み出そうとするのは、禁忌や常識にとらわれぬベリアンの基本姿勢。
系統を無視して詰め込んだ知識を結びつける閃きは天与の才だった。
ただ、「できる」ことは感じ取れても、実際に魔術を発動するには、論理的な構築の才能が必要になる。
サイズも形もバラバラな積み木のピースをいくつか選り分けて示し、これで立方体を作ってくれ、というにも似た課題をベリアンはシェットラントに投げ渡した。]
[そこが通れば、あとは二人の残った魔力と触媒でもギリギリ発動に持ち込めるはずだと踏んだ。]
わたしひとりでは無理だ。
おまえがいれば、やれる。
[自分にはできないことを認め、補完しあうこと。
もっと早くに実行していれば──よかったのかもしれないけれど。
ここに、今がある。 ここからでいい。]
ここは危ない…足は…
[ここにいても何も解決はしない]
父親を見返したいんだろ!
もうちょっと頑張れ!
[ヨアヒムを背負う。足の激痛で顔を歪めるが、堪えて村へと青年を運んだ]**
[治癒魔法のおかげだろう、
魔女の意識は徐々に浮上していた。
そんな時――…
不意に。躯の芯に響く何かがあった。
大いなるものが顕在した気配。
惹き寄せられるような、眩い、
…、神――――。
其れに呼応するかのように、長い睫がひくりと震える。
閉じた瞼の奥がせわしなく、覚醒せんと努力を繰り返す気配がする]
・・・・・。
・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・やっ、 ぃやぁ… なにぃこれ!?
[慌てて起き上がろうとしたが、当然のように叶わず。
身体は軋みを発する赤い氷の上に縫い付けられた侭だ。
己の置かれた状況を把握し、きっ。間近の相手を睨みつける。
恥ずかしさが抑え切れず若干頬が赤い]
― 宇宙船 ―
……そうじゃな。
次にこの腕で受けたら千切り飛んでしまう。
とはいえ右腕で受ければ両腕が使い物にならなくなる……腕を振るえなくなれば覇王として格好がつかぬか。
うむ、世話になろう。
――恩を仇で返していきなり拠点を征服などせぬから安心せぃ。
[わざわざ言うあたり、ゲルトらの拠点が覇道の征服対象から完全に外れたというわけではないらしい。
ただ自分の道を究め直そうとする覇王が沽券に関わるようなことはしないだろう。
どちらにしても相手がどう受け取るかだが]
ふふ、余にとっては覇道を征くのが至上じゃが、花瓶一本を守る戦も乙であるかもな。
[――それは覇王としての直感かもしれない]
……ダンスのときだけ、で終わらなかったのはすまないな。
なにぶんそちらの根拠地には知らぬので。
[ゲルトと共に転移する際に身体の接触が必要か否か――そういう判断材料をより前に再び手の甲が伸びた。
女王であれば、「覇王ならば征きたいところに征けぬ道理無し」と言って1人で転移してしまうことも有り得た話だが]
魔法学校
[声が掛かり、傍らに人があるのを知る。
今まで、聞いたことのない声だ。
すなわち───たたかうべき相手。
緊張走る身体を抱えられたことに硬直したが、それも一瞬だった。]
なっ……!やめろ!離せよ!
……っ!
くそ親父のことなんか関係ねぇっ!
[身体の痛みのことなど忘れて、酷く暴れた。]
― 黄砂の村 ―
……?
[頭のなかの何かが、何かの胎動を感知しかけた……が、覇王にとって自分に並び立つものはなく、言ってしまえば何が生まれようと些細なことなのでたいして気に留めることはなかった。
そのため、この村で顔を合わせた相手に伝えることも無かった]
― 温泉 ―
[組み敷いた身体の動きが変わった。
覚醒へ向かう兆候をくみ取り、力を加える。
もっとも露わな姿態に固定して、目覚めを待った。]
───残念だったな。
もう少し眠っていれば、辛くなかったろうに。
[睨みつける瞳に、笑みを返す。]
言ったろう?
味見する、と。
― 宇宙船・少し前 ―
[すべてを征服するという女王の理念は未だに有効であるらしいと、彼女の言葉から察して、ほの苦いような微妙な笑みを浮かべる。
エスコートの手は、ごく自然に伸びた。]
一度くらいは私にリードさせてください。
これでも男としての矜持は、少しくらいあるんですよ。
[言うほど無い、が正確かもしれないが、
ともあれ、アプサラスの手を取って、黄砂の村へと転移した。**]
青年を?
[ハンスからの知らせに、少し不安を覚える。
それはいうなれば、勘、のようなものでもあり]
大丈夫?
その彼が意識がないというなら、
ハンス、君も怪我などしていないかい?
[おぼろげな、推論を超えた不安のようなものでもあった。]
[少し遅れて、ベリアンの声が届く。
それはどこか、今までとは違う何かを感じさせた。
敢えて言葉にするならば、生まれ変わったような、というところ。]
あなたに縁ある人物がいらしたのですね。
私も、です。
[アプサラスが自分と関わり深い人物だと示しつつ]
ええ、と…。
私より精悍な風貌の方、という認識でいいんでしょうか。
───ともあれ、いい知らせで良かった。
[複雑な部分は脇へ置いて、喜びを伝える。]
こら!暴れるな!落ちる!!
[落とさぬよう、必死にヨアヒムを掴んで]
今ここで死んだら、どうにもならないぞ!!
うわ言で言ってた。
父親に仕返ししたいって。
それとも何も成さぬまま、ここで終わりたいか!
[まるで駄々っ子だな。足がもたない]
暴れるのは、その怪我を治してからに!
来るんだ!
[ヨアヒムを強引に連れて、二人d瞬間移動できるなら一気に村へと飛ぶ]
俺はいいから、この青年を何とかしてあげて!
目は覚ましたらけど、全身酷い怪我をしてて。
あ!こら暴れるな!!
今いくよ!!
[青年が暴れてるので、言葉はなかなか伝わらないが、必死に訴えた]
/*
wwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
囁き。wwwww
[無力でしかない自分が厭で、
…――八つ当たりするように、きつくきつく己の唇を噛んだ]
こんなぁ、かっこ… 、…―― へんたいぃっ。
[相手の笑みが、小動物を喰らう獣に見えて。
ぞくりと背筋が震えてしまう]
(この青年も心配だけど、あの魔法使いさん。大丈夫だろうか...俺、余計なこと言ったよね。
あんなに苦しそうだった)
[ギィに捕まってるなんて、思いもよらず魔女の身も案じた]
/*
ヨアヒム、えんじゅさんと勘違いしてたw
ベリアンが、えんじゅさん!
ギィとゲルトが同じ人がやってるとは思えない。
さすが上手いな!!
うるせぇっ!
どうせ、
どうせオレなんか…っ
力の無いオレなんか、
誰も、要らないんだ …っ。
[暴れるのをやめることはなく、
だがそれも拘束を抜け出すほどのものではなく、
連れられるがままに、転移する。]
[ヨアヒムについての情報をもたらした男は、何の褒賞も求めずに姿を消した。
呼吸ひとつさえしなかったごとく。]
あの方、 おれが見えてましたね。
[ふぁさ、と尾を揺らして、オズワルドを見上げた。
使い込まれた刃の匂いがしたから、嬉しいようだ。]
彼が何処から来たか、知りたいですか?
[何処へ向かったか、ではなく来し方を口にしたのは、狼の嗅覚ゆえでもなく。]
[体の下でもがく獲物の動きは、他愛もなく愛おしい。
例えるならば、採取箱に展翅された蝶が羽を震わせるようなもの。]
ふふ。変態?
おまえは、よほど大切に育てられてきたらしいな。
それとも、こういうのは初めてか?
おまえの初めてを散らせるのならば、心して掛からないとな。
[拒絶も罵声も、相手を完全に制圧していると認識する今は、何ほどのものでもない。
狩りに慣れた猫のように、口先で獲物を玩ぶ。]
― ピアノのあるサロン ―
[今届いている、と。
その言葉は、赦しのように心に響いた。
温かに───やわらかに。
こんな…こんな関係が、自分たちの間にもあったのだ。
築けたのだ。と、ほろ苦くも温かに思う。
それはきっと、零す涙の温度と同じようで]
────…、ああ。
[やっと───、と。
言葉によらず、同じこと>>130を思った]
……ふ、ふ。
[けれど。
やがて照れ隠しのように声が響けば、次第に頬に笑みがのぼる。
くつくつと小刻みに肩を揺らして彼を見遣った]
残念だったな。
[笑みを深めてずるりと壁に背を預けたまま傍らに座り込む。
拳を丸めて、こつんと軽くベリアンに当てた]
俺はお前を殴り損ねた。
[どこまで本気だか、そんなことを言う]
───…、
[頭に掛かった霧は晴れた。
けれど同時に、焦燥の感が強くなりつつある。
最後にあの男は何を言った?…急がなくては。
そう、強いて立ち上がりかけた焦りは、すぐにベリアンに見抜かれてしまう>>109]
くっ、
[けれど、それでも。
行かなくては。次は───次こそは約束を果たすために]
なに?精霊魔法の術式と神聖魔法の…?
お前何を、───…いや。
………。分かった。
[ベリアンの言葉には一理ある。そんなことくらい分からぬではない。
このまま向かって、あの男を止められるものか。
次こそ叩きのめされるのがオチだろう。
だから彼の言葉に従った。
焦りを握り締めた必死さをもって、彼の思考の先を追った]
捨て置けなくなった。
……と言えば嘘になるがな。
壮健か?
[そうではないと返って来てもどうにかするつもりはなかったが]
…………、……。なるほど。
いや、しかしこれは…
[彼が示す手元を覗きこむシェットラントの眉間に、次第に微かに皺が寄った。
感嘆の念もある。どうしてこのようなことを思いつくのか。
常人ではあり得ぬ───天賦の才。
それに感嘆と同時、軽い嫉妬を胸の奥に自覚する。
けれど今は…今はそれよりも]
お前、どこでこのような…、
…………………なに?
おい。
これは難物だぞ。
論理の式を通せば理論上は或いは───…、ああいや。
くそ!!!
[最後、らしからぬ乱暴な声が響いた。
無茶だとも思う。けれど確かに可能だとも思う。
…ひどく。とてるもなく酷く面倒な遣り方だとも思う。
それをこの男は投げつけるのだ。お前ならば出来るだろう、と。
そして分かる。喜びと共に自覚してしまう。
それならば、応えぬ理由のあるはずが、ない。
これほどの挑戦───そして信頼に]
[また紡いだ音は、前後の脈絡がない。
術式に視線を注いだまま、彼にも覚えのあろう名を告げた]
ガートルード・サークリッドが、…危ない。
助けに行く。…──そのために…
[焦りの原因。それを告げた声がふと途切れる。
もう、論理術式に集中していた。
こうなれば物音は聞こえない。
稀に見るほどの高く素早い集中、これがシェットラントのもうひとつの武器]
… …………、
……………、
……ベリアン、対旋律詠唱を頼む。
いいか、ここから───ここを、
[指で指し示すと、細かな説明もないまま呪を紡ぎだした。
術式の構築は出来た。指先が複雑な魔方陣を宙に描き出す]
───…気よ。世界に満ちる気よ。
我と我らを産み育みし輝きよ。
マナの導きに従い、拠りて我らに光の欠片を分かちたまえ。
[それは論理魔法のようで、常の論理魔法ではない。
神に呼びかけるのは神聖魔術、精霊を喚ぶのは精霊魔術。
それらの術式の助けを借りて───世界の理に呼びかける]
輝きよ、満たせ。
我らに再び立ち上がるための力を与え給え。
[稀人たる男が口にした言葉は希望。そして確信。
何か答えよう、と口を開いたときには、既にその姿は無く。]
ちぇ。なんだよ。
相変わらず、ええかっこしいだなぁ。
[ぼやくような言葉は、尊敬と感謝の素直じゃない表現。]
[傍らの黒狼の首筋に手を置き、その短い鬣をわしわしと撫でる。]
見えてたなぁ。
ただもんじゃねぇのは確かだが。
ん……。
[言葉を区切ったのは、暫し考える間を置いたため。]
………いや。
謎のまま、でいいさ。
少なくとも、おれにとっては。
[師匠なのか、とは聞けなかった。
肯定されても否定されても、きっと、困ってしまうから。
だから出自は謎でいい。
狼の知覚に信頼を置くからこその返答だった。]
そんなにひどい怪我を?
わかった。準備しておくよ。
[ハンスの言葉からは詳細な状況はわからなかったが、
ともかく大変らしいと察する。]
[水晶の触媒が燃え上がる。
常の如くに透明に、けれど冷たい輝きではなしに。
透明に───どこか陽の光のような温かさをもって]
───光は我らと共にあり。
[詠唱が終わる。
ふわりと、温かな気が二人の身体を包みこんだ*]
― 黄砂の村 ―
力がないからいらない?
だったらなんだ!!
さっきの勢いはどうした!!
甘ったれるのもいい加減にしろ!!
君の道は君が示せ!!
[ヨアヒムを降ろして]
― 黄砂の村 ―
[村に帰ってきて、最初に見出したのは大きな花瓶だった。
素焼きの素朴な作りではあったが、それはそれでふさわしいかもしれないと思う。]
これでいかがですか?
守るには、少々頼りないかもしれませんが。
[アプサラスの言葉に掛けてそんな冗談を言う。]
/*
こういう意味不明な魔法を使っていると、なんだか、敬虔って役に立ちますねと思ったり…などするが。
だが神聖魔法と精霊魔法にびびって、ローズマリーとファミル読み返しに行ったよwwww
着いたよ。
ほら、暴れるから傷が開いた。
止血する。
まずは命を粗末にしちゃだめだよ。
[さっきの手当てしたのを見て、血が滲んでる所から布を取って再度止血した]
[ついで、仲間からの連絡を受けて、少し村の中を探索した。
清潔なベッド、十分な量の水、
それと、たくさんの布を用意しておいた。]
怪我人か…。
応急手当、ってどうやるんだっけ。
あっ…。そうか。
ここには止血パッドも癒合促進ジェルもないから…
[学校の実習でやった、ほんとうに緊急の時の手当の仕方を、必死で頭の奥から引っ張り出している。]
ゲルト、ベリアン手が開いてたら、手当て手伝ってくれないかな。
また暴れるかも、この青年。
[苦しそうな口調だったかもしれない]
あ、おかえり… …。
[誰かがやってきた音を聞いて顔を上げる。
視界の中にハンスと、彼が運んできた青年の姿を捕えて、眉根を寄せた。]
……ああ、これはひどいな。
そっちの彼をここに。
それに、ハンス。
君も、ちゃんと治療しないとだめだ。
[用意したベッドを示しつつ、ハンスにも釘をさす。]
[罵声とともに、投げられた無茶の手綱を握ったシェットラントに親近感を覚え、心から笑った。
共にある喜びを。
と、理論へと没頭したかに見えた不意に女性の名を口にする。
記憶の封印が解けた今ならわかる。
それば、自分がこの世界に来る前、最後に会った人だ。]
まさか、わたしの後をついてきて落ちたとか──?
[いくら怠惰の魔女でもそれはどうか、とか。浮遊の魔法くらい使えるのでは、とか、軽く不安まじりの混乱。
だが、いきさつはどうであれ際どい状況らしいのは把握した。]
― 黄砂の村 ―
ふふ、やり甲斐があってよかろう。
覇道のように攻め押していればこういうのは考えずに済むのだがな。
[そういうと自分は花束を解き、薔薇を一本一本花瓶に挿す。
水中で根を斜めにカットするとかなどの技法はもちろん知らないので、本当にただ挿すだけ。
丸ごと一気に放り込んだりしないぐらいには丁寧なつもりかもしれない。]
…………。
………………。
[ときおり、挿したバラをじっと見て手が止まること数度。]
こういう輪郭、何か覚えがあるな……。
[そんなことを口にした。
少なくとも校舎の壁に描いたシンボルマークのことではない]
な、なんだよそれ。
オレのことなんてわかっちゃいねえ癖に
知ったふうな口きくんじゃねぇ!
[拒絶の言葉を繰り返し吐き出し、
下ろされれば、傷が開くのも構わず飛び下がる。
手負いの獣、という表現そのままに。]
[シェットラントと自分とガートルート──その3人を結びつけるひとりの少女。
そこには、埋められない断裂がある。
それでも、シェットランドと触れ合える世界なら、]
──っ、 対旋律…詠唱 だと、
[直感にも近い奇跡のようなスピードで論理式を組み立てたシェットラントが、結論だけを放ってくる。
訓練を重ねても難しいといわれるそれを、ぶっつけ本番でやれというか。]
オレの道は───
[たたかえ、と、何かが囁く。
たたかって、力を奪え、と。]
おまえをぶちのめして、強くなることだ。
[ぎらりと目が輝いた。]
...ごめん、ゲルト。
...っ!!まったくあの子大暴れだったから。
うわっ...!!
何でもない。
[人を背負っての移動は相当堪えて、傷はまた開き。
右足の激痛を堪えてる]
/*
>>151
はい。
無茶を振り返しました……。
wwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwww ざまあ(←
[掻き立てられたのは焦燥ではなく闘志。
座り込んだ姿勢から片膝立ちに身を乗り出す。]
…万物の根源、万能なるマナよ、
[同じ旋律、同じ文言から、響き合う倍音へ。]
───…気よ。世界に満ちる気よ。
我と我らを産み育みし輝きよ。
マナの導きに従い、拠りて我らに光の欠片を分かちたまえ。
[シェットラントと鏡像になる印を結ぶ。]
輝きよ、満たせ。
我らに再び立ち上がるための力を与え給え。
───光は我らと共にあり。
[同じ呼吸を重ねれば、光は、温もりは、内側から溢れた。]
/*
あっ、ずるい。詠唱同じか!!!
wwwww恥ずかしいだろ、繰り返されるの!!
別な詠唱見られるかなあと思ってwwww
ゲルト、うんわかった!
用意がいいな。
[ヨアヒムをベットに寝かせる]
な!
いいから大人しくしなって!!
俺押さえてるから、ゲルト俺は後でちゃんと治療するから。
この青年の手当てを、お願い。
[ヨアヒムを押さえ込んだ]
[アプサラスが一本ずつ薔薇を花瓶に挿していくさまは、
どこか、初々しいという表現が似合っていた。
小さな女の子、という自分の印象に引きずられていたせいかもしれないけれど。]
………?
[活けられた薔薇を眺めての感慨に、思い当たるものはなく、
暫し首を傾げて眺めてみる。]
ばっ、
[怒りのあまり返す言葉を失って、
音無く、口だけがぱくぱくと動き]
…っ、そんなのぉ あんたぁに 言う理由なんてぇ ない!
[頬を真っ赤にしながら叫んだ]
[怖い。と思った。…こわい。
命の危険に晒された時とは異なる、また別種の…。
制御できない感情が溢れて、目尻が滲む。
濡れた睫が、俯いた魔女の双眸を翳した]
[ハンスの連れてきた青年は、どうやら納得づくでついてきたわけではなさそうだ、というのを理解する。
敵意をむき出しにする彼に、少し身体を緊張させた。]
アプサラスさんは、どうかしばらくそちらへ。
[危険が無いようにと誘導しつつ、様子をうかがう。]
たく、ぶちのめされたのは誰だよ。
[青年を見つめる。また気絶させないとダメなんだろうか。
しかしそれで解決するのだろうか]
ん?アプサラス。
どうも。
[ゲルトから説明されてたので、ぺこりとお辞儀をして挨拶する]
[魔女は、伏せていた面差しを、ぐっ。と上げた。
覚悟を決めるように、深く息を吸い込んで]
、…―― いいわよぅ。
やんなさぃよぅ、 なんでもぉ。
やりたきゃぁ、勝手にぃ やればいぃ わぁ。
どんなことぉ されたってぇ、
ワタクシはぁ、あんたのぉものにはぁ ならない。
なにをぉ奪われたってぇ、
ワタクシとして ――――…生きてやる から。
[採集箱の蝶が、美しく羽を広げて其の形を留めるように。
怒りを内側に燃やして煌く魔女の…翠の双眸が、
ひたとギィの瞳に据えられた]
[押さえ込もうとする手に抗って飛び離れた。
すり抜ける、などというスマートなものではない。
殴りつけ、払いのけ、噛みつくまでして身体を引きはがす。]
触んな!オレに構うんじゃねぇ!
ほっといてくれよ。でなきゃ、 たたかって …
[獣が威嚇するように、歯を剥き出した。]
[───ふ。と、詰めていた息を吐く。
成功に驚きはなかった。一種の、予感があった。
必ずこの術式は成功するだろう。
ベリアンが見出し、シェットラントが組み上げ、
共に力を加えて術を完成させたのだから]
……。
[腕を持ち上げてみる。
怪我を負っていた肩も脇腹も癒えているようだった。
息が楽になっている。胸の酷い痛みが消えている]
お前は、どうだ?
[一応傍らへと視線を流した。
恐らくは大丈夫だろうと思いながらも確認したい、達成感がある]
[神の欠片が結晶となって剥がれ落ちると、これまで繋がっていた魔術的回路がひとつ閉ざされた感覚があった。
同時に、何か新たな回路が開いたのを知覚する。
声が響いた。ではこれも同じく、共にあるもの───仲間と呼ぶべきか───の意識を声の形で繋ぐものなのだろう。
ベリアンの声が己の名を紡ぐ。
……悪くない、響きだ]
シェットラント・シンクレアだ。
緋色の神の欠片から、…ベリアンの援けで解放された。
────、よろしく。
[何と言おうか迷って、結局常の素っ気無さで簡単な名乗りを置いた]
[魔導書に書き留められることもないだろう、この場限りの対旋律詠唱。
誰にでもできるものでもない、魔法の中の魔法。
その効果は自分の身体で味わった。
しばらく休まなければ他の魔法は使えないほどに消耗しきっていたが、身体は、痛みもなく滑らかに動く。
のみならず、恩恵のように与えられたものの存在を感じた。]
想定以上、 といったところだ。
[シェットラントの問いかけに手を伸ばしてみせる。]
──急ぐんだろう、
…一緒に行きたい、が、 すまない、仲間に呼ばれた。
他にも、酷い怪我をしている者がいるらしい。
[言ったところで、シェットラントにも空走る声が聞こえているようだと気づき、その名乗りを聞いて一瞬、視線を泳がせるも、小さく顎を引いて頷いた。]
魔女殿のことは、任せる。
[追えるようならば追う、と視線に籠めてシェットラントを見つめた。]
[ひたすらにもがき拒絶を重ねていた獲物の動きが止まる。
翠の目が、真っ直ぐに上げられる。
覚悟を決めたと、
それでも、自分の矜持は守り抜くと、
宣言する命の輝きに、視線を絡め取られた。]
[
ああ、 ─── これは…
いけないな、と思う。
のめりこんでしまいそうだ。
遊びで、手慰みで散らすには惜しい花。
もっと時間を掛けて折り砕いて、
心も体も屈服させて咲かせたい華だ。]
…………ああ。
俺のものにならなくても構わない。
[自制を。暴走しようとする欲望に手綱を掛けて。
最初とは違う言葉を口にする。]
構わないさ。
代わりに俺を刻み付けてやる。
俺を、おまえの一部として、 生きろ ―――。
[蹂躙することも壊すことも穢しつくすことも選ばなかった。
そうするべきではない、という自制の結果。
ある種の尊敬と敬意の結果として、
自分が彼女の生と交わった証を残したいと望み、
ゆっくりと、彼女の喉元へ唇を下ろした。]
へぇ。面倒見がぁいーのねぇ。
…、…ぼちぼちよぅ。
[魔術を暴走させた挙句、戦闘の末に昏睡。
とても壮健とは言えない状態だが…
ここは見た目までは届かないから、強がりを口にする]
[アプサラスは下がらないだろう、
……とは経験と諦念の結果としてある程度予想していたから、
彼女に危険が及ばないように、少し前に出る。
たたかう、と言う青年の様子はどう見ても普通ではなく、
非常な興奮状態にあると思えた。]
もう少し、離れたほうがいいかもしれないな。
このままでは彼も落ち着かないだろうから。
[じり、と足が下がるのは、戦略的撤退だと主張したい。]
そうか、それは好い。
将兵は消耗品とは言え、臣下の不都合はときには余の心情に差し障る。
[声しか聞こえない向こうで何が起こっているのか知る由もないし、その声から何かを察するほど優れているわけでもなかった。
気付かないことも薬になるかもしれないが。]
[ベリアンの声に続いて、別の声が響く。
名乗りに、ああ、と思った。
もっと細く強靱に、は、声からでも伝わる。]
ゲルト・マサリクです。
どうぞ、よろしく。
[もの柔らかな外交向きの口調に、ほんの少し親しさを加えて挨拶を返す。]
……手を繋いでそやつの拠点に赴いている、と言えば笑うか?
[というふうに言えば、自分自身、覇王らしくないなとは思いはした]
シェットラントのことは、わたしが保証する。
[相変わらずクールで素っ気ない挨拶だなおい、と自分のことは棚にあげて、シェットラントが馴染めるよう補足した。
もっとも、ハンスやゲルトの反応を見るに、フォローなど必要なかったのかもしれないが。]
誰、…って…
[掛けられた女性の声に、改めて状況を認識する。
自分をここまで運んできた相手のほかに、
前に斧を持った人影を呼び出した女の人と、
もう一人、知らない奴がいる。
三体一、かつ自分が酷くけがをしているという事実を意思すれば、戦う意欲は急速にしぼんでいた。
それでも、たたかえという声は心の奥底を侵食する。]
一番強い奴、出てこい!
オレと、勝負しろ!
[先ほどよりはいくらか理性を取り戻した顔で叫ぶ。]
そうか、分かった。
[身体は動くようになったとはいえ、魔力の消耗はやはり激しい。
これではますます術で対抗など出来そうにはない。
そう、醒めた思考で冷静に己の状況を分析した]
助ける…とは言ったが、場合によっては双方敵だろう。
ギィが欠片から解放されたとは思い難いし、
ガートルードも…、…お前の仲間ではないのだろう。
ならば別の神に操られているとも考えられる。
[淡々と状況を告げる。
相手は突出した魔術師が二人、それに対するのは剣のみだ。
それでも行くを躊躇うつもりは微塵もないが]
だから場合によっては──、頼む。
……。お前に、呼びかけるから。
[意識が声で繋がれるなら、可能だろう。
最後の言葉は少しだけ躊躇うように紡ぎ出し、彼の双眸を見返した]
ゲルト、どうしよう。
俺が連れてきてなんだけど。
ベリアンが帰ってくるまで、時間稼ぐ?
少なくとも傷は治して帰したい。
もっとやばい事が起きる前に...
なんか変な感じしない?
嵐の前のように、不気味だ!
/*
そこの村、大変そうだなwwww
主にねこみちさんが。
いいの?温泉に突撃していいのかい?
君は超人か何かなのかい??wwwwwすげえなwwww
なんだったらおまえでもいいんだぞ!
[自分をここまで運んできた奴を指さす。]
余計なことしやがって、
ほっといてくれれば、 …よかったのに。
[身体のあちこちに巻かれた包帯に触れて、少し視線を下げた。]
……、え ?
[急に、相手の纏う気配が変わった。
弄ぶような口調から一転、
不思議と真面目な色を帯びている]
なに、……―――
[何を言われているんだろう、と思った。
理解が、追いつかない]
ふーん、戦局は読めるんだ。
[戦い慣れてそうな、ヨアヒムに感心する]
あと二人仲間がいる。
しばらく待って、青年。
一番はもっと凄いのがくるよ!
[はったりではないけど、少しは戦意が収まるのを願う]
ん?俺??
[ヨアヒムに名指しされて、きょとんとする]
俺一番じゃないしな。
それに、俺はちょっと休憩。
俺も負傷中だしね。
[足をわざとらしく押さえる。
痛いのは本当だけれど]
[赤い氷の上に展翅され、のけ反った喉もとに唇を触れさせる。
少しの間、滑らかな肌を味わうように唇を遊ばせたあと、
鎖骨の上へと降りて、歯を立てた。
がり、と歯が骨に当たる感触がして、
鉄錆臭い味が口に広がる。]
我が命の源は汝と共にあり。
[唇を触れさせたまま口にするのは、力ある言葉。
術として成立するほどではないけれども、
言葉自体が力を持って、事象を変える。]
[どくりと身体が震える。
同じ震えを彼女も感じているだろうか。
自分の中にある気を、彼女の中に注ぐ。
魔に親しみ魔を取り込み、先ほども魔素を注がれた自分だ。
その一部が彼女の中に入って、どうなるかはわからない。
ただ、所有する代わりに印を刻むべく、
なにがしかの証を残すべく、気をねじ込んでいく。]
[徒に急くこともなく、冷静な分析を口にするシェットラント。
周囲から賞賛されてきた彼が自分を頼るという図には高揚を覚えるも、今やそれは単なる虚栄心ではなく期待にみあう努力を伴う意識となる。]
──呼ばれる必要のないことを祈りつつ、 呼ばれるのを待っている。
何よりも、おまえの無事と成功を。
[見つめる瞳を逸らさず、そっと肩を押した。]
[既にギィとの繋がりはない。けれど。
意識を凝らせば、道は開けるはずだった。
望めば扉は開く───]
ああ、それともうひとつ。
[過たず、見慣れた扉が出現した。
先のような論理魔法の移動ではない、この世界による移動。
魔法による移動は単なる意地だった。
反呪を仕掛けてきた魔術師に対する───期待のような]
手を繋いで? へぇ、…――
[ふふふっと。押し殺した笑みが、隠し切れずに共鳴する]
いーじゃなぁい。かわいいわぁ、可愛い。
[おまえでもいい、と指さした相手に拒否されて、
ほんの少し、傷ついたような目をする。
それでもすぐに虚勢を張りなおした。]
じゃあ、その凄いやつとやらせろよ。
[言い放って、周囲を睨みつけた。]
この結晶は恐らくは鍵。
欠片から解放された瞬間、
どこかで欠片への呼び声が上がったように思えた。
何が起きているか分からない。
…気を、つけろ。
[警告を彼へ発した。そうして扉に手を掛ける。
剣を片手に目指したのは、かの緋色の召喚術士──そして約束を交わした人の元だった]
─→温泉─
覇王っていうよりぃ、女の子ってぇ感じだけどぉ。
まぁでも、あんたの言う覇王ってぇ、
なんでもぉ自由にやる存在みたいだしぃ。
それこそぉ型に縛られる必要ぅないものねぇ。
ふむ……。
[1番強いと言われて少し考え込んだ。
ゲルトにしてもハンスにしてもそもそも戦うのを是としていない。
女王は覇王の矜持はあっても個人的な戦闘力についてさして必要としていない。
つまるところ該当者無しなのであるが……それでも女王自身が出るべきであろうと思ったのだが、ゲルトが少し前に出たのを見てこれ以上我を通すのは思いとどまった。]
どうしてもと言うなら、外に出てみるが良い。
それなりの相手が来る。
[主目的は下がることを示唆したゲルとの提案を受けての嘘ではある――が、何かの接近(>>76)を実際に感じ取ってもいた。]
[シェットラントの警告に頷く。
水晶を好んで触媒とする彼のいう言葉だ、結晶がなんらかの鍵であることは間違いあるまい。
こちらも注意を怠らないようにしておこう。]
──さて、
[シェットラントの出発を見送れば、次は自分の番だ。]
[手をかざす。
この世界の支配力が弱まりつつあるのを感じた。
もはや、転移に魔力を使わなくてもいけそうだ。
あるいは、それは、世界の律を手懐けたのではなく、自分が縛られていたものから自由になったせいかもしれない。]
──速やかに。
[それでもハンスを待たせてしまっているだろうけど。
行き先は、最初に目覚めた黄砂の村だ。]
外?
[女王の示唆に、視線が村の外へ向く。
なにもない…と言い返しかけたが、
なにか、───なにかひどく嫌な感じがした。]
よ、よし。
そういうなら見に行ってやる。
[じわり、と村の入り口へ移動しようとしはじめた。]
/*
余が挑発した結果ものすごくまとまらない会話を過ごしてしまった。
これで落とし所になってくれそうではあるが。
[いきり立つ青年に外を示唆したアプサラスを、ちらりと見た。
そのまま村の外へ視線を転じれば、重苦しいなにかがさらに近づいてきているようにも思う。]
彼一人では、危険に過ぎるかもしれませんね。
どうにか、彼に助力できるよう動いてみます。
[青年に聞こえないように、側にいるアプサラスへ告げておく。]
− 黄砂の村 −
[人の気配を辿れば、話題になっている暴走青年の他に、勝ち気そうな女性の姿もあった。
推測するに、ゲルトが奪還してきたというアプサラスだろう。
どこからどうやって奪還してきたのか、ゲルトの冒険が気になりもするが、
ひとまずはひとつ会釈をして、騒乱の渦中へ。]
…で、 ハンスを困らせているのは彼だな。
[外へ出てゆこうとしているように見える青年を示した。]
/*
魔女のレスを少し待つかな?
そしてPC再起動で辞書がぶっとんだ悲しみをここに記す…
バックアップしてても変換めんどくなるんだよなあ。
ここで帰してしまうと、次に捕まえるのが大変かもしれないね。
彼も「神」に狂わされている1人なのだろうし。
[ハンスに応えて、少しの思案。]
どうにか、説得を聞いてくれる程度まで大人しくさせられればいいんだけれど。
…うん。
さっきからずっと、嫌な感じがするね。
[移動しているさなか、不意に人影が現れてびくりと跳ねる。]
お、おまえがその凄い奴かよ。
やるか?
[身構えようとした時、空が翳った。
―――いや、光輝いた。]
[柔らかなものが、首筋の上を愛でるように触れる。
やがて其れは一箇所で留まり、]
…っ、ぅ、…―――
[鎖骨の辺りで、重い痛みが走った。
肌から、血が溢れる――…魔女にとって慣れた感触が、する]
[続いて紡がれる、術に似た“言葉”。
知っている魔法形態とは異なるが―――…
深く、強く…魔で出来た錐を、身体の芯に刺して
そのまま奥底まで埋め込まんと。
己を形成する要素ではない“其れ”が、
あがらいがたい力で刻まれてゆく]
[どこから響いているのかわからない音楽を伴って、
数えきれないほどの翼が空を覆う。
翼ひとつひとつが光を宿して、太陽を圧する輝きを造り出していた。]
え……
な、んだよ…あれ …
[あっけにとられて見上げるうちに、
翼あるものたち―――天使の群れがそれぞれに矢をつ番える。
次の瞬間、無数の光の矢が空から降り注いできた。]
[どくん。と心臓が大きく高鳴った。
異質な魔に身体が震える。…男の其れと合わさり、共鳴を起こす]
…ぁ、 ぁ 、…あ……!
[魂が悶えて、苦しくて。
咄嗟に
/*
wwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwww
どんな顔をしていけば……?
wwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
[視認してすぐは、先ほど見たものの影響かあまりに短絡的に――初めはあるいは女王の時代の艦船ではないかと思った。
陽光を撥ねた銀のような輝き――それが艦船ではなく天使の群れだと識別できたとき、それに羨望を感じなかったのは、女王にとって高位の存在などなかったから。
逆に不快感を覚えなかったのは――自分の中の何かがあれと繋がっているような感覚があったからだ]
場の収拾のために余のもとに馳せ参じてくれたか?
好き哉。
[傍目には素っ頓狂な感想である。
同時に、あの天使に呼応するかのようなタイミングで自分の頭に命令が響いた。]
― 温泉 ―
[扉に導かれたシェットラントが最初に目に映したのは、赤く凍りついた温泉だった。
まったく温泉との呼称からかけ離れた風景。
訪れたことがあるから、ここが温泉と分かる程度だ。
微かに眉根を寄せ、ぐるりと辺りを見渡した。
障害物を迂回し、見たのは氷の上に横たわる男女──いや。
何かを、女へと強いている赤の召喚師の姿が]
ギィ、おま …、え
[氷蒼色の瞳が、怒りに煌いて赤を纏う男を睨む]
[手は、握りなれた剣を掴んでいた。
何をしているか確認する間を取る余裕はない。
駆け寄り、そして]
───マナよ、我が剣と盾に宿れ!
[淡い魔力帯びた剣が、空間に光を残して彼へ容赦なく斬りつけられた*]
あ。え?
まさか――
[空に無数の光、羽ばたく羽音]
危ない!!
[光の矢降り注いだ瞬間、ヨアヒムを庇って光の矢を肩へ受ける]
君、大丈夫?
ここは安全だと思ったのに。
[肩を押さえて、光の元を睨んだ]
― 温泉 ―
[女の身体が苦悶にゆがみ、魂が軋む。
直接に触れた魔の力でそれを感じながら、
ふと、彼女が耐えきれないかもしれないという不安を覚えた。
しかし、それもすぐに頭から消す。
大丈夫だ、と不思議な確信を伴って。]
おまえは強い。
心も、魂も、強い。
だから。 ───…。
[縋り付いてきた身体を抱き寄せ、抱きしめる。
受け入れろ、と甘やかに囁きながら。]
[そのときだった。
世界が揺れるのを感じて、視線を転ずる。
そこに、先ほどまで無かった扉が現れていた。
扉が開き、人影が姿を現す。
冴え冴えとした金の髪を目にして、笑みを浮かべた。]
ずいぶん遅かったな、シンクレア。
[声に、愉悦の色が戻る。]
[彼が駆けてくるのを見て、女をそちらの方へ突きとばした。
次いで、おとなしく座っていた影の鳥を呼んで、首筋にしがみつく。
駆ける鳥に半ば引きずられながら、どうにか腕の力だけで背中に登った。
光宿した銀光が、鳥の尾羽を幾枚か散らす。]
味見はさせてもらった。
俺としては、もう用はないんだが、…
───どうする?
[問いかけは、女と男と、両方に向いた。]
/*
シェット君メモ>
wwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwww
(むせた)
(とても むせた)
[あまりに非現実的な光景に、意識が一拍飛んだ。
逃げなきゃ、と思った時には既に、矢が目の前に迫っている。
もうだめだ、と目をつぶったが、
いつまで立っても痛みはやって来なかった。]
え……
な、なんで俺を庇ったりしてんだよ!?
[自分を連れてきた相手が肩を押さえているのを見て、
震える声で言う。]
飛んでたら、蹴り倒せないじゃん!
でもやるしかないか!!
出てくるのかな。
[食事を出す要領で、魚を突く銛を想像する。
銛は簡単に数本出てきた]
少しでも食らえ!!
[銛を一本ずつ、天使に向けて投げつけた 6(20x1)]**
……っ、
[振るった剣先の感触は軽かった。
代わりに、ガートルードが此方へと突き飛ばされてくる。
それへ、とっさに片腕を伸ばした。
間に合えば彼女を腕に抱き止めるつもりで]
お前───…
[捉え損ねた男の姿は頭上にある。
追おうにも今仕掛けられるほどの魔力はなく、ぎ。と、奥の歯を噛み締めた]
― 黄砂の村 ―
あ、サルークさん。
[聞き慣れた声に視線を転じれば、暗い髪のひとが現れていた。
彼がきてくれたならもう安心かな、と胸をなで下ろした時、
空が、不穏な気配に埋め尽くされる。]
[天使の群れが弓矢をつがえる(>>200)のが見えた。
あの集団が頭に響く命令と同じ勢力であるのは瞬時に知覚した。
あれは、余を敵と認識していない――この直感もさることながら、これを利用しようという発想力、そしてただの思いつきに生命を賭けられる決断力が女王の覇気を支える才能だった。
女王は、皆が空を見上げているのを追い越すように即座に十数歩前に出て――優美に向きを変え、天使たちを背中に受け、人間たちを正面に見据えた。]
全艦に告ぐ――
[天使の数え方とまったくもって合致しない単位を口にしながら、ゆっくりと右手を上げた。]
[男の腕に包み込まれながら、
呪文のように耳朶の奥に滲みる囁き声を聴く。
其れに促されるように――…ゆっくりじわりと。
緋色の“魔”は解けない印となって、魔女の魂に刻まれた。
もともと、彼女も魔女と呼ばれる存在だ。
こうして与えられた魔と共存することが出来たのは、
普通の人間よりも、魔に近しい位置に居たからだろう]
[それとだいたい同じ頃、その後方上空で引き絞られた矢にそれぞれ光が灯る――その光が、女王の指先、手、腕、身体の後光となってシルエットを形作る。
そしてその光を感じたのに合わせ、女王は右腕を強く振りかざした]
――撃てぃッ!!
[無数の光の矢が空から降り注ぐ……あたかも、女王が天使の群れを引き連れて、戦いを呼ぶ声に抗った陣営の本拠を潰しにきたかのように。
事実、他の人間と十数歩の差しか離れていないのに、光の矢は女王を射抜くことはなかった――というよりも、標的になっていなかった。
……もし女王の一連の行動を注意深く見ていれば、彼女の号令は矢が発せられた後であり、天使の攻撃は女王の命令によるものではないと分かるだろう。**]
あ、…
[現れた扉に、朦朧とした頭で視線を向ける。
其処に佇む氷蒼色の瞳は、なによりも見覚えのある青年のもの。
名は、知らない。
――シンクレア というのは、男が呼んでいる名だ。
自分のものではない。
だから、呼びかける名を持たず――、
ただ翠の双眸が、だいじなものをみつけた――という風に瞬く]
それは、君が危なかったからに決まってる。
俺なら、大丈夫だから。
[ヨアヒムを安心させるように、笑顔を見せる]
君、動ける?
危ないから、下がって!
俺の後ろにいれば、大丈夫だから。
[ヨアヒムを守っている]
銛じゃ効かないか。
防御なら得意なんだけどね。
[ここまでスケールが違うとは、神とはやはり厄介だと思った]**
あ ……
……… ああ。
[光り輝く翼を持つ、人型生物の大群が、弓矢を構えてこちらを狙っている。
止まりかけた思考を、無理やりに動かした。
つまりここは、そういう世界なんだな、と。]
ええと、こういう時は───
[それでもやっぱり思考は混乱していたのだろう。
天使たちが矢を放つまで、茫然と見上げていた。]
───…!
[天使の弓の中央に光が膨れ上がり、放たれる。
まだ混乱した頭で思うのは、まるでビームみたいだなという連想だった。
敵艦の砲身から、破壊の輝きを宿して放たれる光の箭。
連想が重なって、言葉が口をつく。]
対エネルギー防御用意!
出力最大!
[瞬間、目の前に薄い膜が広がり、光の矢を受け止めて虹色に輝いた。
これは艦のエネルギーバリアだと、虹色が消えてからようやく気付く。]
[まだ本調子ではない身体は、容易く男の手によって突き飛ばされ、
その先にあった青年の腕に抱きとめられた]
…、来てぇ くれたんだぁ ……――
[浮かんだ笑みがほろ苦くなってしまったのは、
このような自分の失態を、彼の目の当たりにさせてしまったからで]
/*
ゲルトがいちいち楽しすぎてwwww
フランツ入れたかったねえww
プロロあと1日あると勘違いしてたよね、実は(
凌げたは凌げたけど、これだけじゃ埒が明かないな…。
あれだけの数だ。
こっちにも、部隊が要る───。
[天使たちの第2撃を避けて移動しつつ考えていると、
アプサラスの動きが目に入った。]
……。呼んで下さいと、言ったでしょう。
[それは今この時ではないけれど]
俺が助けに行きますからと、言ったはずです。
[過去に交わした約束を、腕の中に落とす]
[魔女は半裸だ。
顔を赤らめている暇がないのは、さて幸か不幸か。
上着を掛けようにも両の手は塞がっていて、だからせめてと魔女を抱き止めた腕には彼女を抱き寄せるように少し力を篭めた。
冷えただろうと思ったのだ]
……。俺の目的はこの人だ。
だから今は君を追わない。────が、
ギィ、
[少し間を置いて呼び掛ける。
それはかの炎の街で、認めた者への少しの気安さを篭め]
俺は万全の君とまた出会いたい。
…君自身の君と、だ。
…───出来るだろう?それなら。
[華やかな笑みを口元に刷いて、彼を見上げた。
万全の準備を整えてまた、と。
冗談のように言い交わした言葉を口に乗せて>>1:136]
それまでは、また。
[追わない、と。
声に示して挨拶代わりに首を少し傾けた]
そんなん、理由になってねえよ!
なにが大丈夫なんだよ!
[青い顔は、怪我のせいばかりではない。
震える指に、いつのまにか戻ってきていた斧を握りこんで、前に出る。]
オレだって───
オレだっていつまでも待ってるだけの人間じゃねえんだ。
てめえのほうこそそんな足してんのに、
下がって見てろよ!
[言い捨てて、走り出す。]**
[たたかう。
…、その響きを口にした瞬間、意識の何処かが鈍く疼いた。
けれど消耗の激しい身体は、衝動を起こす力を生み出せず。
疼きも、今だけはゆるゆると後退してゆく]
[なにをする、という雰囲気でもない2人の様子を見て、鳥の足を緩める。
離れた場所に立ち止って、彼らを顧みた。]
次、を期待させてくれるとは、楽しみだな。
[魔女の言葉に、冗談のような言葉を返す。
その表情からは、先ほど見せたある種の真剣さは消えていた。]
[シェットラントが呼びかけるのには、軽く首を傾げた。
君自身の君。
意味が分からないと少し眉を顰めたが、時折感じる違和感・不快感を思い出して、不愉快だという顔になる。
それも、ほんの少しの間のこと。]
ならば、準備を整えて待っていることにしよう。
───おまえはどうやら、同朋ではなくなったようだからな。
たたかうのに、なんの遠慮もいらない。
全力を尽くしておまえとたたかうのは、
さぞ楽しいだろうなぁ。
[言葉通り楽しげに笑って、ふたたび鳥を走らせる。
その姿はやがて、白い湯気のどこかに消えた。]**
…――――、ん。
[青年の懐に、ただ。強く、抱き寄せられた。
氷の上に長い間、転がされていたため身体はすっかり冷えている。
背に回った腕が、あたたかかった]
呼べなかった……?
[ゆるりとシェットラントの首が傾ぐ。
自らが彼女の名を知っていた故に。
彼女が己の名を忘却している可能性は、見過ごされていて]
……。今は、たたかえないでしょう。
俺は貴女をなぶりたいわけじゃあ、ない。
[あの時、自らがした約束。たたかうまで───、と。
その意識はもう己の中にはないけれど、言葉は慎重に彼女へとあわせて]
…、うん。 そぅ ねぇ。
[全身の疲労で、思考がうまく回っていないからか、
こちらに合わせた相手の返しには、素直に頷いた。
不意に、きゅっ。とシェットラントの袖を掴み、軽く引く]
…、ねぇ。
ひとつぅ お願いがぁ あるんだけどぉ――…
名前、…教えて?
君のぉ 名前。
[何処か懐かしいのに、記憶の棚に無い存在。
さらさらとした金の髪を、冴えて澄んだ蒼氷色の瞳を。
端整な顔のつくりを。
幾重にも綴られた記憶のページを捲って該当を探そうとするかのように
相手を、じ、っと覗き込みながら]
…、知りたいのぅ。
[神の欠片の影響は、先まで影響下にあった自分が良く知っている。
だから魔女に対する言葉選びは慎重に、少し反応を探るようなものとなる。
一方、ギィへと向ける言葉は明確だった。
彼が今も影響下にあることを、シェットラントは良く知っている。
だからこそ見過ごせないと思った。
怒り、だけではなく]
ああ。
…──そうだな。色々と忘れてしまっていたんだ。
友のおかげで思い出した。だから、
[その先を紡がずに緋の召喚師を見送った。
その背へと続きを低く囁く]
────、ん。
[ギィを見送り、彼女を傷つけないよう慎重に剣を鞘に戻す。
空いた手で上着を肩から落とし、脱いで彼女の肩へと掛けた。
どこかぼんやりとした様子が、…首筋の赤が気になる。
きゅ。と、袖を掴まれて意識を戻した。
ふわりと揺れるような翠へと視線を戻す]
俺の名前、ですか──…
[氷蒼の双眸が見開かれる。
ずっと昔、こんな風に聞かれたことが───確か、あった]
シェットラント・シンクレアです。
…… シェット君、と。
貴女は、呼んでくれました。
[懐かしい優しい言葉をなぞるように告げて、瞳を細めた]
[遠い記憶、まだ得ていない筈の記憶が呼び起こされて、
無意識のうちに唇が、かつての台詞を紡いでゆく]
……、だってぇ 名前がぁ 長いんだものぉ。
全部言うのはぁ めんどーでしょぉ?
…だからぁ、
[その瞬間。
ずきりと意識の奥が痛んだ。痛いいたい痛い……。
苦痛を耐えようと、肩に掛けてもらった上着の前合わせを掻き抱く。
何かが思い出されそうで、
けれどそれをしてはいけない、という何かの意志が働いて、
競合する思考が、苦しい]
[あれはずっと…ずっと昔。
彼女は今よりももっと年上で、自分は今より若かった。
騎士団へと、ある日ふらりとやって来た魔女。
出会った自分を見つめて、彼女は名前を聞いてきた。
…───名前だけ、既に知っていたはずの名前を]
[娘からは、本当は幾度も聞いていた。
学舎のこと。大事な友人2人のこと。
凄くすごく楽しそうで嬉しそうな笑顔が
だいたいどちらかの名前とセットで食卓に現れた。
それまでは一度も会ったことがなかったのに、
妙に知識だけは詳しくなってしまった娘の学友。
……それは、未来の魔女の、懐かしい思い出だ]
ガートルード、
[記憶の中と同じ声が、同じ柔らかさで自分の名を呼ぶ。
翠の瞳に視線を合わせて、祈るような思いで見つめ返した。
けれど、その顔が歪むのにやはりと思う。
それを引き止めんと、彼女を再び抱きしめた。
煉瓦色の髪が、ばさりと白い肌を覆う。
苦しげに俯く耳朶に、唇を寄せ囁きかけた]
しっかりして──…ください。
貴女は強いひとだ。強く──誇り高い魔女だ。
貴女は貴女自身のものであるはずだ。
他の誰かや、見知らぬ神の玩具などであるはずがない。
ガートルード、思い出してください。俺を見て。
貴女は──…負けないはずだ。
貴女は、…キアラの。キアラの母、なんですから。
[倒れこみそうになる肩を抱き支えて語り掛ける。
そうして彼女の顔を覗き込んだ。
少しでも傍に、記憶の…心の傍に。
他に手を思いつけなかった。
どうしても、彼女を解き放ちたいと願った───のに、]
……… っ、!
[ばきりと、不吉な音を立て氷が割れる]
/*
ああああ、ごめっ。
そろそろ時間的に 厳しいんじゃない でしょうか…
を思って、舞台崩壊を選んでしまったね…。
[氷が割れる瞬間、シェットラントは魔女を庇うように引き寄せた。
それでも氷が割れてしまえば、二人とも水の中だ]
────!
[スライムは、未だ大半が氷に取り込まれていたのが幸いだった。
彼女を庇うように抱きかかえて上がってしまえば、すぐに床につく。
ただし、ひどく寒い]
大 、丈夫 ……ですか。
[けほ。と、喉に入った水で何度かむせた]
/*
ん!?女王が背信になっていないということは
もしかして:結晶はまだいっこ限り
wwwwwwwwwなのかいwww
wwwwww 増えるといいね…増やそうね…
[苦痛を止めんと、暖かい腕が、強く魔女を包んだ。
優しくて、あたたかくて。
苦しくて、 …愛おしい。
耳朶の奥に、まるで呪文のような強い“言葉”が注ぎ込まれる。
先程の男に与えられた印とは当然異なる種だが、
力持つ言の葉という意味では、似た強さを持つのかもしれない]
違う、 …いや、 そう、 ワタクシはぁ、――…
[思考が混濁する。
ぐるりと廻り、混乱に喘ぐ]
[「俺を見て」――…その言葉に引っ張られるように、
は、っとシェットラントの顔を見つめた。
混沌の海で溺れまいと足掻く魔女は、
藁を掴むように、…視線を彼から逸らさぬようにする]
…、…シェット 君、
[覗き込む相手と、眼差しが絡み合った]
…キアラ、 …?
キア、ラの 母、――…
[記憶の彼方が、見えそうで、見えなくて。
もどかしそうに口元が一文字に引き結ばれる]
/*
なんかここは、もう。
突っ走った方がいい 感じ です ね。
そんな覚悟を受け取った……(時間を見る)
遅くまですまないありがとう。
[氷の中心に立つ足元から、湯船の外淵へ。
蜘蛛の巣のように、瞬時に氷に亀裂が入ってゆく]
…ぁ、
[落下は一瞬だった。
けれど、シェットラントが庇ってくれたおかげで、
魔女の被害といえば、氷混じりの水に濡れたくらい]
うん、おかげぇ さまで…
シェット君こそぉ だいじょうぶぅ…?
[怪我の功名、というべきか。
落下の衝撃が現実を呼び起こし、意識の混乱が一瞬治まった]
[故に、意識は自然と相手を気遣うものになり、]
あぁもう、ワタクシをぉ かばったりぃ するからぁ、
[むせる様子を見て、彼の背中に手を伸ばし、
柔らかな手つきでそっと撫ぜた]
…もぉう、
ばぁか。 風邪ぇ、引ーちゃう わよぅ。
[自分も寒い。が、上着を此方に貸して、
更に冷水から此方を守るようにずっと抱き寄せてくれて相手の方が
余程寒かろう]
[寒そうにしている相手の様子に、
魔女は背中を撫でる手を止めた。
その代わりに――…今度は背中から、
シェットラントをふわりと抱き締める]
…ほぉら、 ちょっとはぁ あったかい、でしょぉ?
[引き締まった背中に、そっと頬を寄せた。
相手の鼓動とぬくもりが、仄かに感じられる。
抱き締められて――…ではなく。
自ら抱き締めて伝わる もの。
……こういうことを、いつか何処かで、
したことがある…と魔女は思った]
[笑っている姿も。
頑張っている姿も。
切磋琢磨している姿も。
挑戦している姿も。
悔し涙を、堪える姿も―――…
みんな、みんな…。
世界の、其処にあるものを。
いとしいものたちを]
[咳き込む背中に、ふわりと暖かな感触が被さった。
柔らかなぬくもりに、止め切れなかった震えが少し収まる。
懐かしいぬくもりだと思った。
こうして、気遣ってくれた。
最後までずっと気遣ってくれて───いた]
……ええ、
[それがなんだか嬉しくて懐かしくて。
微笑むと同時に、熱い塊が喉の奥にこみ上げてくる。
鼻を啜る音は、水に濡れたからだと思われるといい]
ガートルード。
俺はキアラが好きでした。
あなたの娘を、心から…大切にしたいと思っていました。
だから彼女を失ってからも、
現れた貴女に、少しでも何か返せればと…そう思っていました。
[濡れた服越しに触れる肌が暖かい。
その温もりを感じながら語るのは、かつての思い出。
もしかしたら語ったことのない…けれどきっと見透かされていた想い]
でも、
貴女自身を、
[そっと、まわされた手に手を重ねた。
声は触れた肌から直接身体に響いて耳朶に届く]
キアラの母だからではなく、貴女を。
共に時を重ね、次第に…かけがえのない人になった貴女を。
俺はずっと…
[この世界に引かれ来た、もうひとつの理由。
どうしても忘れられない、叶えられなかった願いと約束。
それを彼女に告げて、重ねた手を静かに*握った*]
/*
人に仲間とルビを振るのを忘れてしまった。
魔女も「恋人の母」から大切な一人の仲間になっていたんですよというお話。ねむい…ねよう。
[本来、人の記憶に未来の領域は無い。
けれど、このような異世界だからだろう。
まだ経験していない出来事が、部分部分であるが…
鮮明な絵物語のように、魔女の記憶の上に展開されようとしていた。
キアラのことも。
シェットラントのことも。
ベリアンのことも。
…少し、ずつ。]
/*
Σ 起きて たのっ!!?
てっきり寝落ちたものかと…
風邪ひかないようにね、って思ってた のに…
わあああ… ああ… (有り難くて涙がでる)
ふふ、帝王学としてはあるまじき話であるな。
[世継ぎを作り、国体を維持する――王として最低限の義務。
子を成したかも覚えていないが、そういう経験のあるかないかは相手にはわかるかもしれない]
…、…――うん。
…知ってたぁ。
[重ねた手。
…重なった想い。
シェットラントの
何時だって触ることは出来た]
[でも、…逃げていた。
目を逸らしていた。
キアラの母という枠内で、見守っていればいい。
世界の理から外れた――異質な魔の領域に傾きかけた魔女なんかより、もっと、だいじなものを。眩しい世界を、歩んでくれればいいと思っていた。
それは、自分が、キアラに対しても願ったこと――…]
[かけがえのない人、と彼は言い、
…、でもねぇ、
それならぁ 分かってよぅ。
ばぁか。 …、鈍感。
[ふふ。と軽い笑みが散る]
ワタクシだってぇ、
[ぎゅ。と重なる手を握り返す。
想いを込めて、指を絡める]
一緒に時を過ごして――…
娘と同じくらい 君がぁ 大事だったからぁ、
娘の学友だからぁではなくぅ、君を…
シェット君をぉ 守りたくて。
その未来のためならぁ この命をぉ
――――…躊躇いなくぅ、 賭けられたんだよ。
[彼の背中に頬を寄せて、優しい声で*囁いた*]
うお!!なんかすげ!!
これなら大丈夫そう。
[アプサラスとゲルトの攻撃に、ただただ驚かされるばかりで]
ちょっと君、そんな斧じゃ太刀打ちなんて!
待て!!
[足を引きずり肩を布でまくと、ヨアヒムを追った]
足のこと、心配してくれてるんだ。
優しいんだね、青年。
[離れると逆に守りづらくなる。なかまに助力を求めるしかないのだろうか。自分にできることを考えた]**
ゲルト、攻撃凄いね!
やはり軍人さんだね。凄いや!
青年が離れつつある。
頼ってばっかりでごめん。援護してほしい。
誰も失うわけには行かない!
俺も青年の後を追う!**
[混乱している場にさらに混乱をもたらすかに現れる天使の群れ。
信仰のない者でも圧倒する光の質量感。
煌めく矢が地面を穿って遠景を霞ませる。]
なるほど、
それでも、わたしと
[軽く嘯くのは自信を──自身を取り戻した証左。
ハンスが「一番はもっと凄い」と言ってたとか、ゲルトに「彼がきてくれたならもう安心」と思われていたと知ったら、なお胸を張ったろう。]
[とはいえ、天使は空にあり、自分の魔力は底をついている。
周囲の仲間たちも、魔法は使えないようである。
使えないが──]
わたしに力を預けていただけますか?
[足を負傷しているハンスへ声をかける。
要は、ハンスが持ってはいても使うことのない魔力を、自分の魔力として変換させてもらいたいということだ。
ていのいい収奪だが、彼らなら是、と言ってくれると信じて。]
[許しを得られたならば、その身体に触れて魔力を引き出し、旋風を呼ぶ呪文を詠唱するつもりだ。
風の槍をもって、天使どもを地面に落とさん。**]
[やがて光の矢が一段落ついた頃、人間たちに無慈悲な攻撃を仕掛けていた――かどうか不明な――女王は戻って来て]
ふふ、擬似でもけっこう戦った気になれるものであるな。
おかげで攻撃の何たるかが掴めたような気がするぞ。
[……と喜んでみせた。
天使たちの攻撃に合わせる指揮をすることで、実際に艦隊を率いて攻撃するイメージを得る――その狙いは上手く行ったようだ。
頭の中に響く命令もこんな"ごっこ遊び"である程度消化できたのも、これで戦った気になれたわけで、女王の幼児性を表していた。
なお偽装とはいえ命を狙うような言動をしたことについての言及は無かった]
[過去を、未来を思い出すにつれて。
共鳴するような緑の鎖の感覚は、少しずつ遠くなる。
けれど、不思議と。
ふつりと鋏で裁ち切られるような感覚は襲ってこなかった。
…それは、緑の天使の気紛れかーーー…]
[小さくなりながらも、だから彼女の声は届いて]
ふふ。…、そーいう人とのあったかい繋がりがぁ
いろぉんなもの 育むんだからぁ。
いいのよぉう、きっと。
[斧を持った少年(>>228)が無謀にも駆け出していく。
その気性は好く映ったが、斧を投げるか、天使に降りてもらいでもしないとさすがに当たりようがない]
少年。
王たる者、覇を成すために足りぬ部分まで自分でやるでない。
付き従う者に任せよ――しかし進む足は止めるな、駆けよ。
[別にこの斧使いの少年がそういう類の血筋であることは知らないので、単にこういう口上で語ったのだろう。
何もかも足りないので何もかも自分でやらない女王は、事を成すために他人を頼ることを勧めた。
その声で引き止めるつもりはなく。
王が無謀な攻撃を始めるまでに臣下が当たるように処置する――そういうものだと思っていたから]
― 赤の宮殿 ―
[温泉を後にして向かったのは、本拠地と認識している宮殿だった。
治療や休息を、と思えば、ここに繋がるものらしい。
なにか治療の手助けとなるものが欲しかった。
熱湯に晒された両足は、ひどい火膨れを起こしている。
早急に治療しなければ、歩くのもままならない。]
[だが、宮殿に一歩足を踏み入れた瞬間、強烈な気配に意識を取られた。
身体の奥で共鳴するものがある。
呼び合っている。そう感じた。
気配に導かれるまま、宮殿の奥へ鳥の足を進める。
そして、それを見つけた。
もっとも豪奢なその一室、謁見の間とも言うべき部屋の中央に、赤い肌の悪魔が佇んでいたのだ。]
ほう。こいつは───
[思わず声を上げた瞬間、それがこちらを見る。
赤熱した石炭のように輝く目と、暫し見つめ合う。]
呼んでいたのはおまえか。
[臆することなく、召喚師は炎の悪魔の前に立った。
この程度の悪魔なら、幾度も見ている。
敵意が感じられない以上、恐れるものもなかった。
それに、これは影だと直感する。
自分が時折呼び出して使う程度の、ほんの小さな欠片をもとに実体化しているだけの投影体。
あるいは、砕かれ散った存在の名残か。]
自分の力を取り戻したいのか?
俺の中に、おまえの力があるとでもいうのか?
───…そうか。
[不意に認識した。
自分の中に、これと同じものがあることを。
鼓動持たぬ自分を動かしているのは、この力だと。
───違う。
自分は───……
否定の言葉は記憶の網から零れ落ちる。]
ならば、おまえの望みを叶えてやろう。
おまえの力の欠片がもう一度ひとつになるように。
[言葉を聞いてか、赤い悪魔が動き出した。
なにかを受け取ろうと、あるいは掴もうと伸ばされる手を冷ややかに眺め、懐から小さなナイフを取り出して悪魔へ投げつけた。
ほんの小さな、おもちゃのようなナイフだ。
細かな鱗持つ悪魔の肌にほんの小さな傷だってつけられそうにない刃は、案の定、鉤爪のついた足に跳ねかえって床に転げた。]
冥獄にそびえし無慈悲なる壁よ
死者を苛む刃の群れよ
我が求めに応じ ここに顕現せよ
[術の発動とともにナイフが砕け、破片が煌めきながら広がって悪魔の足元を囲む。
次の瞬間、無数の回転する刃からなる壁が悪魔の周囲に出現し、赤い肌を切り刻み始める。
怒りと苦悶の声が、宮殿に響いた。───9(20x1)]
[刃の壁は赤い悪魔を存分に切り裂いたが、
完全に仕留めることはできなかった。
傷つき炎の血を流しながら悪魔は怒り狂い、炎吹き上げる長剣で無数の刃を薙ぎ払う。]
おっと…。
さすがに一撃というわけにはいかないか。
[少し残念だという顔で呟いてから、素早く懐から小さな木片を取り出した。見ようによっては人形の形をしたものだ。]
我が身我が息吹はこれにあり
[呪文とともに木片に息を吹きかけ、入口の方へ投げた。
同時に、自分の周囲に召喚時用の防御陣を張り巡らせる。]
[床に投げられた木片は砕け散り、
代わりに術者の幻影が立ち現れる。
宮殿の外へと駆け出した幻を追って、
怒り狂った赤い悪魔は地を蹴り翼を羽搏かせて出ていった。
防御陣に守られた、本物の術師には気づかぬまま。
幻影の行く先は設定していなかったが、
ひょっとすると、なにがしかの縁がある者に引かれていくかもしれない。たとえば、先ほど気を注いだ相手、とか。]
[悪魔が完全に宮殿から出ていったのを感じてから、
防御の陣を出て、悪魔が立っていた場所に影の鳥を進める。]
……まあいいさ。
力の欠片は回収できなかったが、目的のものは手に入った。
[楽天的な口調で独言を落とし、鳥から滑り降りて床に膝をつく。
召喚された刃の残骸は既に消え、床には大量の血痕のみが残されていた。]
[悪魔の血で魔法陣を描き、陣そのものを触媒として術を編む。
複雑な術式はいらなかった。
呼応しあうものがある。
すぐ側に蠢くものを感じる。
世界の理が術と共振する。]
─── 来い
[力ある言葉で命じれば、魔法陣が沸騰するようにざわめいた。]
[地の底から湧きだすように、無数の影が蠢き這い出る。
翼あるもの牙持つもの、のたくるもの這いずるもの。
姿も形もさまざまなそれらだったが、力を渇望し、たたかいを望み、欲望に突き動かされているのは同じだった。]
俺に従え。
おまえたちに力を食わせてやる。
[異形のものらの前で宣言すれば、一瞬の沈黙の後、奇怪で雑多な鳴き声が一斉に上がる。
あるいはそれは、歓声だったかもしれない。]**
/*
wwwwwwwwwwwww
wwwwwギィさすがやで。さすがやで…
そうな。そろそろこっちもNPC戦とか思っていたわ
こら待て!青年!!
[追い付いて、ヨアヒムに交わされないなら、後ろから手をぐいっと引っ張った]
無理と無茶は違う。
何も考えずに勢いで、無茶な行動を起こしてはいけない。
君のは無謀とも言うな。
状況は見極めなければ“本当に強い”とは言えないよ!
[ヨアヒムに自分の言葉が通じるかわからないが、そう諭したかった]
― 温泉 ―
散々な言われようだな…。
[剣を持ち慣れた、骨ばった指先に白い指が絡まる。
柔らかに暖かな感触、声の響き。
軽い笑い声と共になじられて、こちらもくすりと軽い苦笑を浮かべてぼやいてみせた。
確かこんなことが前にもあった。
女にモテないだろう…と、やはりあの時も言われたのだったか]
俺が鈍感なのくらい、知ってるでしょう。
……、そんなの。
[きゅ。と、絡められた指先を握った。
振り返る。背に当たる温かな頬、肩に当たる髪をくしゃりと撫で]
それでも、
[───ぽん。と、手を置く。子どもにするように。
相手は、自分より随分年上の魔女であるはずだったけど]
俺は────、男ですから。
[子どもと思われようと、…思いを嬉しく感じようとも。
譲れないものがあると告げて立ち上がる。
ざ。と、不穏な空気が吹きつけてきて頬を撫でた。
ガートルードも同じく異変に気づいただろう。
現れたのは、赤い肌をした異形の悪魔。
炎映す瞳がギラリと───魔女を映す>>290]
かなう限り、貴女をお護りしたいと思います。
俺は、騎士ですので。
…命賭けるのは、それからでも遅くないでしょう?
[最後、これは少しだけ微笑むように…願うように告げ。
魔女を庇う位置で剣と盾を構えた]
ガートルード、
[異形との距離を測りながら、背後に語りかける]
俺は今、魔力を殆ど使い果たしています。
ですので、あの悪魔の炎に抗すべき手段が殆どありません。
[魔力を帯びた盾は構えてみるけど、さて効果はどれほどあるだろう]
ですから───…
[魔物が一度大きく吼えた。
紅蓮の炎噴出す目をこちらへと向け、向かってくる]
…──援護、頼みます。
[置いて、魔物へと向け駆け出した。
魔物の目が此方へと向けられる。
一度吐き出された炎は、横に飛び避けた。
再び吐き出された炎を盾で受けると、盾は僅かに光を放つ]
───来い。お前の相手は、俺だ!!
[叫び、魔物の胴めがけて剣を横薙ぎに払う。
防がんと魔物の腕が振り上げられる。
一際大きな、魔物の声が響いた20(20x1)]
/*
くwwwwりwwwてぃwwかwwwるwwwww
wwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwww
ごめええええん 空気読まなかったwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
/*
wwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwww声あげて笑った
[剣先は重い手応えを伝えてきた。
魔物の苦悶の声が上がる。
やったか───と、見上げた瞬間。
視界は、魔物の放った最後の紅蓮の炎に*塗り潰された*]
[勢い込んで走り出したものの、天使たちがいるのは、はるか頭上だった。
これは、斧を投げても届くかどうか。]
うわっ、
[さらに降ってくる光の矢を避けていくらか後ろに下がる。]
……足を止めるなって言われても
[女王の言葉は耳に入っていたけれど、困惑した顔で空を見上げた。
ただ、「王たる者」の単語に体が引き締まる。>>282
自分が進むと思っていた道、目指す道を、この人は知っているのかと。]
[追いついてきて引っ張った手を、今度は振り払わなかった。>>296
どうにかしてあいつらに一太刀加えたい。
そこに、思考の大半が持っていかれていた。]
無理でも無茶でも無謀でも、
やらなきゃいけないときがある……
[そう口にはしたけれど、本当の強さを指摘されれば唇を噛んだ。
今の自分は無力だと身に染みる。
視線を、なにかしようとしているらしき男へ向けた。]
[逃げ回っていたら賞賛が飛んできて、苦笑というか照れ隠しというか恥ずかしいというか、そんな顔になった。]
ああ…あれ、見た目は派手だけど攻撃じゃないんだ。
攻撃、できたらいいんだけどね。
[告白してから、あれ、と思い立つ。
ひょっとして、これは使えるんじゃないだろうか。]
[さっさと建物の影に退避して更なる攻撃を避けつつ、戦局を睨む。
アプサラスの動きにも注視していたが、やがて苦笑とともに視線を外した。]
ほんとに、あの人は───
[どうして天使たちが彼女を攻撃しないのかはわからないが、彼女が攻撃を指揮しているというわけでもなさそうだった。
どちらかというと、この凶事で遊んでいる、ように見える。
声は聞こえなかったが、はしゃいでいるような様子ははっきりと見えた。]
[彼女を警戒する必要が無いとみれば、意識のすべてを天使軍に向ける。
動きを注視するうち、相手の編隊運動に核があると見えた。
完全に統制が取れ、統御された軍であればこそ、
その要となる指揮者の位置も見やすい。]
……あそこだ。
中央やや右寄り、緑の羽飾りをつけた天使!
あれが彼らの指揮官だ!
[声を上げ、仲間たちに注意を促す。]
[戦場分析の結果を伝えてから、自分の思い付きを検討する。
もし有効な
攻撃命令を出せば、ひょっとしたらなにか出るかも。
でも、なにも起きなかったら恥ずかしいしな、とかちょっと思ってしまうのだった。]
[光槍の狭間で踊っていた女性と、ハンスとが魔力を供給してくれるという。]
感謝します。
[彼らの額に指先を触れて眠れる資材を呼び覚まし汲上げる。
同時に流れ込む、なにか広大なもののイメージは、大洋、そして蒼穹よりもずっと深い
彼らの原風景だろうか。]
[伝い来る流れを魔力に変換し、一握の砂を零しながら呪文を詠唱する。]
倦みしごと縺れ入るいと冷やき風の吐息、
[ゲルトが指揮する声を耳にし、掲げた指先を、緑の羽飾りをつけた天使へと突きつけた。]
狂天使の翼を折る終のはためきなれ
[漏斗状の旋風が、ゆらり、透明な竜のごとく立ち上がり、天軍の指揮官へと放たれた。──16(20x1)]
そうだね。
[ヨアヒムの様子を見て、その一言だけで頷いた。
青年がどういう生活を送ってきたかはわからない。
でも賢い子だ。きっとわかってる。
ヨアヒムと同じ視点の先を見つめた]
いいんだ。頼んだよ!
[ベリアンに聞こえたかは、わからないがそう言って力を託し願うー
時には仲間を信じて、状況が打破出来ることも知ってる――]
あ。見える。
[ハンスが大好きな場所。透き通った青い大海――
潮の香り、泳ぎ回るたくさんの魚達
帰るんだ...俺の住んでいた世界へ――]
いっけーーーー!!
[ゲルトの指し示した、ベリアンがかける魔法へ思いを馳せた]
[水と星の気を帯びた旋風の鞭が緑の羽飾りをつけた天使に巻き付いて墜とす。]
初めての試みでしたが──うまく行ってよかった。
[感じていた責任を、笑みの形で包む。
素直に、 笑えた。]
いただいた魔力がまだ少しある。
アイツの十八番の付与呪文に練金の業を応用して…、
──いけるか。
[囁きかけるように呪文を唱えながら、近くに落ちていた木の板に触れる。]
[木の板は、砂を払い落とすようにブルブルと身じろぐと、ほんのわずか、地面から浮き上がって滑りだした。]
ハンス、 これを!
[声をかけて、木の板をハンスの方へと押しやる。
これに足を乗せれば、サーフィンボードの要領で砂の上を移動できるはずだ。
船員生活で鍛えられたハンスのバランス能力なら、魔法の板を乗りこなし、ジグザグに動き回って天使たちを撹乱できると読んだ。]
[同じように、素焼きの壷に活けられていた薔薇の花を一本、手にとってアプサラスに差し出す。]
これには──わたしが与えるよりも強い、君を羽搏かせんとする
それが見えるようにしてみました。
[星のごとき煌めきを帯びた薔薇は、マジカル・プリンセスのステッキのようでもあり、統帥杖のようでもあり、剣のようでもあり、楽器のようでもあり、マイクのようでもあり──どう扱うかはアプサラスに委ねられた。]
「あれが指揮官だ、という声が聞こえて頭上を振り仰ぐ。
言われてよく見れば、他のやつより少し偉そうなやつがいた。
あれを落とせば───
心ばかりが先走って飛翔する横から、風の唸りが轟く。]
うわ、ぁ…
[渦を巻いた風が見る間に空へ伸び、天軍の指揮官を透明な顎で銜え込み地面に叩きつけた。
その光景に、素直な感嘆の声を上げ───]
[その後、建物の陰に身を寄せている堅実なゲルトのところへ歩いてゆく。]
的確な指揮をくれて助かった。
世辞ではない、 わたしには多分──ああいう声が必要なんだ。
しかし、同様に、敵も君を狙ってくる確率が高まったかもしれない。
気をつけて。
[自分の眼鏡を外し、魔法をかけて差し出す。]
君ならば、わたしに見えない
それにきっと──似合うと思う。
[これも、世辞ではない。
ちょっとした好奇心はあるけど。]
[砂煙を上げながら最短距離を走る。
風の刃を免れた天使たちが指揮官を守ろうと地上へ降りてきたが、進む道の妨げとはならなかった。
砂を蹴立てながら滑る板に乗ったあいつが、大半の天使を引きつけているのだと、視界の端で知る。
だから自分は、周囲に構わず駆けた。]
くたばれっ! この…っ!
[立ち上がった天使の懐へ潜り込むようにして、両手の斧を斜めに切り上げる。
手ごたえと共になにかが砕けるような音がして、
次の瞬間には、天使の姿が掻き消えた。]
えっ……!?
[予想外の結末に目を見開く。
天使が消えた後には、ただ正八角形をした緑色の結晶だけが転がっていた。
それを拾い上げ、握りしめる。
何か大事なものだ、という気がした。]
おおっ!
何かよくわからぬが見事じゃ!
[女王の額に触れて何かした男が、何かをつぶやくと、女王の髪と千切れかけた左腕の袖が強くはためいた直後にその当該天使が墜落していった。
その技に感嘆したのは確かではあるが、その1体を仕留めただけでは……と思いきや、明らかに天使たちに混乱が見える。
ハンスが空を舞いかき回すことでその混乱に拍車がかかれば――本当に指揮官だったのではと思えてしまった]
……これは後で詫びねばな。
……。
…………。
………………で、余に何をせぃと?
[女王が珍しく言動について謝意を考えた矢先、ベリアンから差し出されたのがあの花瓶に挿した薔薇。
それが星のようにきらめていて。
聞けば、これで何かができる――ということのようだ。
具体的に何ができる……ではなく、何をするのかを委ねられて]
今はこれであろう――しかと受け取った。
[右手で受け取り、それを――]
[指示した先を風の竜が的確に撃ち抜いた。
初めて目の当たりにする魔法の力に唖然とするものの、
さすがに、思考停止に陥ったりはしない。
もう慣れたというより、そういうものとして理解できるようになったというところ。]
…よしっ。
[指揮官が落ちると同時に、天使軍の動きが大きく乱れた。
指揮官の側へむやみに突進するものから、勝手に何処かへ去っていくものまで、ばらばらだ。
ハンスに連れてこられた青年が指揮官を消滅させるのを見届ければ、小さくガッツポーズをする。
残りの天使も、おそらくは機動力を得たハンスが一掃するだろう。]
[ようやく人心地ついて周囲を見回したところで、ベリアンが近寄ってくるのに気付く。]
ああ、サルークさん、お疲れ様です。
あれが魔法なんですね。
あんなにすごいものだとは想像もつきませんでした。
―――いえ。
どれだけ作戦を立ても、実行してくれる人あってこそ、ですから。
……ぅ。
ええ、…心しておきます。
[興奮の色をまぶした声で労う矢先、感謝と警告をもらう。
自分が狙われる可能性を指摘されて、やや顔が引きつった。]
? 私に、これを?
[そんな警告の後、差し出された眼鏡を受け取る。
外した時になにかしていたのが、魔法をかけていたとまではわからなかったが。]
でもこれ、無いとあなたが困りませんか?
[聞きながら、ちらりと眼鏡のレンズを覗きこんでみて、
どきりとした顔で慌てて離した。]
君もやるね!
[ヨアヒムの活躍を見守る。
後でちゃんと、ゆっくり話がしたいなと思いながら。
ベリアンからもらった不思議な板は、自分の思った通り描いて動く。
大地も空も――
天使が総崩れとなるのを見て]
やったー!!
[船の上の戦いとスケールが違い過ぎると思ったけど、力を合わせるのはどの世界でも同じなんだ。
そう思うと嬉しくて、手をあげて喜んだ]
[魔法のかかった硝子の先にゲルトは何を見たのだろう。
ゲルトの性格が変わったりしないことを願いつつ、ベリアンの視力に関する心配には、問題ないと答えておいた。
呪詛に対する防御的な意味合いもある眼鏡だ。それがないと実生活がなりたたないほど視力は悪くない。少なくとも、現在は。]
──さて、
[ハンスに、任せろと言った青年の姿を探せば、地に落ちた天使へと突貫している様子。
他の天使たちは指揮官を失った上に、ハンスが機敏な動きで惑乱するものだから戦列を乱しているから、青年が集中砲火を受けているわけでもなかったが──]
…引き受けると言ったからには、 な。
[再び砂を掴んで呪文を唱え、投げ上げる。
瞬きの後、その場には一頭の馬がいた。]
[レンズを通して見えたのは、どこまでも広がる
まさか、と思いもう一度覗きこんでみれば、今度は普通の光景が現れていた。
ただ、視界の邪魔にならない位置、足元に近い中空に、"黄砂の村"という文字が浮かび上がって見える。]
これは……。
[この世界の本質を覗いているのか、
あるいは、自分の理解しやすい形で、眼鏡が世界の情報を可視化しているのか。]
うん、ありがとう。
これは、すごく面白い。
[視力に関しては問題ないとベリアンが言うので、
ありがたく、眼鏡をかけることにした。
きっといろいろ試せば、まだまだできることがあるだろう。
見た目に関しては、……なんだか学生っぽくなった、かもしれない。]
[女王は、その魔法の薔薇を統帥杖でも剣でも楽器でもマイクでもマジカルプリンセスは弓とかだでもなく――物として扱わなかった。
右手で受け取った薔薇を左腕の傷口に押し当てれば――急激に茎が伸びて幾重にも腕を包むように周回し、それをもって傷口を塞いでしまった。
破れた軍服なども元のように整え、最後に薔薇の花が黒の軍服の左腕の部分に刺繍として残った。
かりそめの身体の欠損を願いを込められた別のもので治せば、その願いの力を血肉として覇王の器に呑み込むことを選んだのだ――]
フン……誰が見逃すと言うた?
全艦、射撃用意ッ!
[指揮官を失った混乱の末、退却を選んで空の彼方に逃げようとする天使たちの背に、女王の一言。
かつて振りかざしていた右腕ではなく、今度は薔薇の願いを引き受けた左腕を上げれば……その真上に、銀が煌めく何かが現れた。]
[それは天使の群れの輝きから想像した、宇宙戦用の艦艇。
女王はその記憶自体をまだ取り戻していなかったので本来なら不可であったが、願いの効果によってイメージが補強され、召喚なり具現化なりに成功したもの。
あとはあの光の矢のイメージを、砲撃に重ねあわせる。
天使の攻撃に合わせ指揮をやってみた、児戯に等しい一斉射撃ごっこの経験をトリガーとして。
艦の先端の輝きが頂点に達したとき――]
――撃てぃッ!
[薔薇の刺繍が入った左腕を振りぬくと、艦艇から無数の光の矢が、雲間に逃げる天使たちを追いかけていった。
――ただし女王の記憶にあるものはディスプレイで見たあの船だけなので、映像として映ったあのままの大きさが基準となってしまいとても小さいこと、ビームの出力なども再現できていないこと、モデルが戦闘艦ではなかったので発射された火線自体があまり多くなかったことなどもあり、雲の先でどうなったのかは正確には伺いしれないが、多少なりとも追撃にはなったろうか。]
[皆に渡したアイテムは、それぞれ使い手の個性によって長所を引き出され、活動の場を得たようだ。
それを嬉しく思う。
ベリアンは砂色の馬のたてがみを掴んで身体を引き上げ、馬上の人となった。
騎乗で剣を振るって戦えるほど颯爽とした動きではないのは多めにみていただきたい。]
あまり、スピードを出してくれるなよ。
[呟き、戦場へと馬を走らせる。]
[駆けてゆく前方では、青年が天使を打ち砕き、緑色の結晶を拾いあげていた。
あれは、色こそ違えど、シェットラントを操っていた「神の欠片」と同質のものだろう。
無下に扱われなければいいが。]
そこの君──
の、 乗って…!
わたしが、 落ち る前にっ
[どうも巧く馬を制御して止まれそうになかったので、いささか強引に相乗りを頼んだ。
願わくば、この青年が馬術に長けていますように。]
/*
こうして思うと、先に撃破が確定した上でロール振り分けるほうが収まりがいい気がしてきた。
いろいろ書いててごめんなさい。
[射撃用意、の号令が聞こえて、アプサラスの方を見る。
いつの間にか彼女の左腕は袖ごと癒えて、薔薇の刺繍が浮かんでいた。
その様子に、なぜかとても嬉しくなる。
なにかが通じ合ってひとつになったような。]
あ…っ。
[見とれているうち、空の異変に気付いた。
こちらは明らかに彼女の号令に合わせ、
無数のミニチュア版宇宙船群が空に浮かんでいる。
撃て、の号令に合わせてエネルギービームが放たれるのを、目を丸くして見守った。]
……やっぱり、できるんだ。
[意識して見れば、雲間に逃げ込んだ天使たちをビームが貫いていく様子が、天使のアイコンと数値が消えていくという形で見える。]
っとにもぅ…、魔法騎士なのにぃ、カラッポなのぉ?
[くすくすくす。と軽やかな笑みが散る。
魔女の余裕の表情は崩れない。
シェットラントのことを、信頼しているからだ]
しかたないわぁねぇ。
なぁらぁ――…
魔女のとびきりのぉ支援魔法、 贈ってぇあげる。
[己を庇うように立ち、武器を構える其の背姿を、
魔女はどこか眩しそうに…視界に焼き付けた]
[両手を軽く広げた姿勢で立ち、
魔女は静かに目を伏せ――… 朗々と、呪文を唱える]
…――――我は
[普段聞き慣れているシェットラントなら分かるだろう。
魔女の呪文が、明らかに常と異質であることを。
魔女の身体から、ふわり、ふわり…と光の粒子が立ち昇る]
裡から輝きしもの。
汝、移ろうことなき意志よ。
頑強にして柔軟。短結にして深淵。
汝纏う者は、全てを弾き全てを喰らう。
今、我は汝に請う。
今、汝は我に命ず。
我よ。其は、汝の糧となり姿と化せ――…
[それは、論理魔法の逆術。
我から汝へと力を導く論理を組み立てるのではなく、
主従を逆転させて魔術を引き出す秘術だ。
常と反する術の流れは、其の分だけ理の反発を生み――…
本来有り得べからざる力を生み出す。
術者当人を触媒に変換できる魔女ならではの魔術と言えた。
弱点は、その呪文の長さだ。
複雑な論理を編むため、どうしても単騎の戦闘には不向き。
逆に今回のような場面では、最大限の力を発揮する]
[呪文の最後を口にすると、
…纏う金色の粒子が流れ星のように煌いた。
それらは浮かび上がり、シェットラントの眼前に
ひとつの形――… 魔女の影を創り出す。
影は、ふわ…と跳ねて、
シェットラントの額に、祝福の唇を押し当てた]
――あの怒りようでは、さすがに次は余も狙われるであろうな。
[宇宙船で宣戦布告したときはどうやら聞き取られていなかったようで、ここでは標的にされなかった。
しかしこうして明確に敵対行為をしたのだからさすがに次は見逃してくれないだろう。
頭のなかではたたかえという命令ではなく怒気が響いているのでさすがに認識したであろうし。
……だったら趨勢が決したあとの追撃などしなければよかったのにというのは、理屈では正しいが女王の気性では是とはならない]
[緑の結晶を握りしめて振り返ると、ちょうど銀色のつぶつぶの群れが光を吐き出したところだった。
なんだよあれもすげぇ、と眺めていたところへ、掛かる声。]
えっ!?
ちょっと待てよ危な …っ!
[こちらへ、いささか暴走気味に駆けてくる馬と人を目にして、咄嗟に待ち構えて馬の手綱を取り、身体を跳ね上げた。
危なっかしく乗っているひとの身体を押さえつつ、どうにかその後ろに乗る。]
どう、どう、落ち着けって。
[手綱を捌きながら声を掛け、体重を掛けて少し馬のスピードを遅くさせる。
安定した走りになったところで、ふうと息をついた。]
なにやってるんだよ、危ねえだろ。
そんなふうに手綱持つから、馬が混乱してたぞ。
[腕の間に相手を抱え込むような形になりつつ、文句を垂れる。]
おお、逆術とか、むやみにカッコイイw>>350
長時間詠唱の不利がオイシすぎる。
魔法使いたちの、単に魔法だけでない理屈部分が楽しくてたまらんw
[しばらく眼鏡でいろいろなものを映したりして遊んでいたが、アプサラスの姿を視界にとらえて、そちらへ歩み寄る。]
アプサラスさん?
[声を掛けてから、にこりと笑った。]
さきほどの襲撃、
天使たちはあなたを攻撃していないようでしたが───
なにか、敵味方識別信号発信機のようなものを、持っていませんか?
[形は疑問だったが、実体は確認に近い。
いますよね? と続きそうな口調だった。]
[これはマズい、衝突コース、と思いきや、青年は軽やかな身のこなしで馬に飛び乗った。
手綱を掴んだ腕が、傾きかけたベリアンの身体を支えてくれる。
おかげでバランスをとりなおすことができた。]
馬が、混乱?! わたしの方がもっと、どうしていいかと──
ああ、
このまま、手綱をとってくれると助かる…
[彼に任せると、馬が落ち着いているのが確かにわかる。]
馬をむりやり動かそうとしてたからさ。
ちゃんと、こいつの気持ちと合わせてやんねえと。
[言われるまま手綱を取り、馬に任せてゆるく走らせておく。
名乗りを受けて、少し胸を張った。]
ショルガハだ。
[馬上にあって草原の風を思いだしたせいか、
自分の出自を示す名を、誇らしく口にする。]
[一段落すると、馬に乗るベリアンとヨアヒムが見えた。
くるっと一回転して、二人に近づいて]
これ楽しいね!
君は馬の扱いが上手だね!
まだ残りがいるみたい!こっちだよー!
[ベリアンとヨアヒムに手を振って、天使を引き連れてゲルトとアプサラスの元へ。
試したいことがあった]
……っ!
ま、待て…!
その顔で余を見るな……っ、く、ぷく…っ!
[おかしいの正反対の極北。
眼鏡が似合いすぎていたせいである意味面白すぎた。
面白い顔を見るのは大好きだが、しばらく腹部が制御不能に陥って――]
……ふぅ、なんとか慣れた。
あぁショックは受けんでよい、余は褒めておるのだ。
で、あやつらが余を狙われなかった理由か。
それはもちろん余の威光を畏れてのものであろう?
……というのは半ば冗談であるが。
[あくまで半分である]
特に変なものを持っているつもりはないが……そもそもこの身体が仮初めのものだから、与えられたときに既に何か混ざっていても不思議ではないな。
調べれば何か出て来るかもしれぬな。
仔細は良きにはからえ。
ショルカバっていうんだ。
そっか。
[青年の名前を知って、ぽつりと呟く]
んー、やっぱり!
アプサラスには、いかないか。
[天使はアプサラスに向かわず、自分とゲルトには向かっていく。
ゲルトへ向かう天使は、地に落として再び空を舞った]**
任せろ!
これでも、草原の子だからな!
そっちもかっこいいな、その板!
気を付けろよー!
[馬の扱いを褒められれば素直に嬉しい。
胸を張った後、天使をひっぱりまわすようにして去る彼の背に声を投げた。]
…………!?
[爆笑された、どころの話ではない。
腹を抱えて笑い転げるというのがぴったりなくらいの勢いで笑われて、唖然とする。]
ええと、その、 ……なんかすみません。
[いたたまれなくなって、思わず意味もなく謝ってみる。]
[砂を蹴立てて板に乗るハンスから挨拶を受けた。
彼の動きは活き活きとしていて楽しげで、ベストマッチなアイテムだったと、我ながら感心する。]
都会育ちなんです。
[苦手云々にはそう言い返し、それでも、礼の言葉には、どういしたしまして、と会釈した。]
[どうやら褒められたらしいが、何か納得いかないのは何故だろうか。
ともかく、天使に狙われなかった理由の推察を、
半分はこの人らしいなと思いながら聞き、
もう半分にも納得して頷いた。]
そうですね。
何かが最初から組み込まれているとしたら、
詳しく調べれば───
[ショルガハ、と、そのエキゾチックな響きを舌に乗せる。
ようやく、髪を嬲る風を味わう余裕が出てきた。]
助かった、 それと、アドバイスを感謝する。
気持ち── だとしたら、魔法より難しいかもしれないな。
[召喚師はまた別だろうが、魔法の基本は制御の技術である。
心を操ろうとする魔法もあるくらいだ。]
馬を操るのは「力」ではダメか?
[このショルガハが暴走していたというのがにわかには信じ難い対話であったが、そこへ水を向けてみる。]
[そういえば、ハンスが魔女と出会ったとかなんとか言っていなかったっけ…と思って振り返った視線の先に、天使を引き連れてこちらへ向かってくる彼の姿があった。]
わ!?
ハンス、何を……っ!?
[こちらに攻撃しようとしてきた天使を、危ないところでハンスが倒していく。どうやらなにかを納得した顔で再び去っていく彼を見送りつつ、胸を押さえた。
まだちょっとどきどきしてる。]
そういう女に宛てが無くは無いが……。
ちと待て。
[こめかみに指を当て、しばし沈黙]
連絡が取れるかもわからぬが、声はかけた。
じゃが無理な場合は……余のは仮初めのものじゃ、そう気にするな。
[労ってはいるが覚悟を決めろとも言っている]
こっちこそ、さっきのあれ、ありがとな。
オレには魔法の方がよっぽどわかんねえよ。
なんていうかさぁ、あの風、すごかったな。
[感謝に感謝を返す。
素直にそんなことが言えるのは、共に戦ったからか。]
まだ聞こえるか?
魔女としての力を借りたい。
黄砂の村に、分からなければ7(10x1)に来てもらいたい。
あやつめが――
[遠くなって行っていた魔女に声は届いたか。]
そりゃあ、力だけじゃ良い乗り手にはなんねえよ。
[当たり前だ、という顔で言ってから、
あ、という形に口を開けて固まった。
たたかえと、力を求めよと、
暫く遠ざかっていた声が、ふつりと湧き上がってくる。]
― 温泉 ―
[シェットラントは、剣を構えながら少しだけ笑みを零した。
あたたかく落ちてきたものが、胸にある。
ずっと心に重く沈んでいたもの。
叶えられなかったもの…届かなかったもの。
それが今、漸く別の形で果たされようとしている>>344]
…───ありがとう。
[密やかな声は、どこまで届いただろう。
後ろの魔女に聞こえたかも分からない。けど、良かった。
静かな感謝を言葉に落とし、剣に示して魔物に向かう]
「…――――我は
[支援に不安はない、けれど。
背後から響く、常とは違う呪に氷蒼色の瞳は微かに見開いた。
あまり耳にしたことのない術式だ。
論理をいわば、裏返しにして編み上げていく術。
生半可には扱えない、───魔女ならではの術だろう]
……。どちらが守られているのか分からないな。
[呟いた口元は、隠しようもなく笑っている。
感嘆の念が胸を満たしていた。
これで負けようはずもない]
[魔女の祝福>>351を、僅かに目を伏せて額に受ける。
聖なる印を受けるかの如く粛として、
愛しい口付けを受けるかの如く幸せな顔で。
光が宿る。
シェットラントの視界には、すべてが見えた。
淡い輝きが魔物の一挙手一投足を細かに照らし出し暴き出す。
───シェットラントの剣が、魔物を捉える。
その時確かに、光が一瞬魔物の身体を駆け巡り、そして消えた]
年齢とこれとは関係ありません!
[いささか断定口調で言ってから、
心当たりがあるらしき彼女の様子を見守る。
覚悟を決めろというような口ぶりに対しては、笑ってみせた。]
私はただ、あなたがあるべき場所へあるべき姿へ戻れるように願うだけです。
そこに、不安材料は残しておきたくない。
可能性があるならば、なんでも、やってみましょう。
[奇跡を望んでいるわけではない。
ただ、汚されたくないだけだった。
余計な「神」の痕跡が、本来の彼女に影響を及ぼすかもしれないと思えば、それをそのままに見過ごすつもりはない。]
───、は …。
[紅蓮が全身を包み込む。
その前に、淡い輝きが──愛しい少女に似た面影がふわりと掠め消え去る。
炎は魔女の紡ぎだす生命の波動の前に、より暖かで明るいものの前にその力を失った。
あとに、ころりと赤い透明な結晶が地面に転がる]
ありがとうございます。
[炎が消えると、まず魔女を振り返った。
最後の攻撃に、シェットラントは何の防御もしていない。
魔力が尽き出来なかった…というより、必要ないと感じていたことが大きい。
つまり、魔女に本当に任せきりにしていたわけだ]
……、…。これは、
[礼を言って視線を戻し、地面に転がる結晶を拾い上げる。
先に得た結晶を取り出して見比べてみた。
若干形状は違うといえども、似たようなものと感じられる]
今のが、神の創り出した幻影か。
[直感的にそうだと思った。
そういえばと、ふと思って魔女を見やる。
視線が合えば少しだけ首を傾げた]
貴女は──…何か感じませんか。
俺の目には、もう貴女は偽りの神の支配を断ち切ったように見える。
ですから、その…。何か感じませんか?
俺は先にこれを、
[言って赤いもうひとつの欠片を示す。
視線を結晶に落としたまま、少し微笑んで]
…───
この世界は、どこかおかしい。
俺たちはまるで都合のいい操り人形のようです。
先の男…、…ギィも。
この、”神の欠片”に操られていると見て間違いがない。
抜け出すためにも、もう少し知識と…仲間が必要です。
俺にひとつ心当たりがある。
共に、来てくれませんか?
[誘うよう、手を差し出す。
手に手が重なれば、シェットラントは柔らかに笑った。
久しく見せていなかった笑顔だ。
かつて……キアラに見せていた笑顔に、少し似ている]
行きましょう。
俺たちを操り、いいようにした神に抗うために。
ああ、その……着替えもあると思いますから。
[最後、少しだけ困ったように自らの上着を羽織る魔女に微笑んで。
扉を開く仕草で足を踏み出した*]
─→黄砂の村─
ともかく、その連絡が返ってくるまで時間がかかるかもしれませんし、今は少し休みませんか?
こう立て続けでいろいろあって、なんだか疲れました。
ほんの少しでもいいので、昼寝でも───
大丈夫です。
今のところ、こちらに向かっている敵影はありませんから。
[無意識に、くい、と眼鏡を指で押し上げてから、
どこかゆらゆら〜とした足取りで、歩き始めた。]**
[屈託ない口調でしゃべっていたショルガハの身体に緊張が戻る。
こうして身体をくっつけていればわかる。
なるほど、理解と感情は別物らしい。]
先程、君が手に入れた結晶、 何か感じなかったか。
おそらく、あれと似たものが君に施されている。
人の記憶や感情を暴走させるもののようだ。
[外的要因の存在を伝えてから改めて問う。]
落ち着いたか?
こちらは、魔女…ガートルード・サークリッドと合流した。
彼女はおそらく、もう大丈夫だ。
これから一緒にそちらへと向かう。
…。俺たちを操っていた偽りの神の欠片を手に入れたように思う。
そちらで併せて見せる。確認してくれ。
[なにやら慌しい声が響いていた。
だからと一応の確認を投げ、やはり簡素な報告を付け加える。
そして、思いついたというように付け足した]
ギィという召喚師がいるが、これは未だに偽りの神の元にいる。
相当に強力な魔術師だ。気をつけてくれ。
― 黄砂の村 ―
[向かった先は、初めて訪れる場所なのに迷うこともなかった。
誰かを探すより先に、物を探す。
魔女には着替えが必要だったし、両者には休息も必要だった。
既に天使との戦いは終息していたのが幸いだ]
大丈夫ですか?
[シェットラントの姿は、魔女を気遣うように共にある。
仲間に会えば連絡を、それより何より休息を。
未だ戦いは続く*はずなのだから*]
言うの忘れてたよ!この板ほんと楽しいんだ!!
天使はアプサラスに攻撃するどころか、近づきもしないようだよ。
なんだろうね、これ。
欠片か。
シェットラント!!敵は天使だった?
ギィ――
あの赤い髪のやつは、ギィっていうのか。
ギィついてはどうする?
天使はあらかた片付けたよ。
…だからぁ、こぉして話せるのも、もうすぐ終わりぃ。
ふふ。でもぉ代わりにぃ
生身のあんたに会いにーーー行くわぁ。
魔女の力… 貸しにいってぇあげるからぁ…
この石みたいなのが?
[しまう機会を逃してずっと握りしめていた石を見る。
なんだか、嫌な感じだと思う。
心の中から聞こえる声と、石から感じる声が、不協和音を作った。]
こんなのが、オレに?
[ぱたぱたと身体を探るが、なにも触れてはこない。]
そりゃあ……
[問われて答えるより先、どくりと鼓動が脈打った。
力を求めよ。たたかえ。衝動がひときわ大きくなる。
指が白くなるほどに手綱を握りしめて、それに耐える。
急に手綱を引かれた馬が、驚いて少し足並みを乱した。]
……欲しいよ。
おまえみたいなすごい力があったら、オレだって…
認められたい。見返してやりたい。
その、成長とかよくわかんねえけど、
力があれば、いろいろできるだろ?
[囁く声と自分の思いがシンクロする。
ならば奪えばいいと、甘く声が囁く。]
OROCHI世界にて強き者たちが世界のたくらみに気づき始めたその頃、
彼らが元いた世界にも異変が起きつつあった。
繋がりが強い者同士の共感作用か。
あるいはそれぞれの世界の「神」がなんらかの介入をしたのか。
ごく一部の人間の前に、転移門が口を開けようとしていた。
★新たなる転移門
墓下のPCの前に、転移門が開きつつあるようです。
これを通ってOROCHIワールドに来ることもできますし、
もちろん気づかないままでも問題ありません。
OROCHIワールド到着はエピ突入後になります。
[シェットラントの声が、こちらの状況を打診した上で、ガートルートの救援成功を伝えてくる。
ああ、相変わらず優等生だな──と感じたところで、
こうして結果だけ投げてきて、何の苦労もなく涼しげにこなしてきたかにとられるのは、実は彼の損な性格なのではないかと思い至った。
だが、お疲れさまというのも何か違う気がして、]
承知した。 ──助かる。
[ワンフレーズの承認に、ささやかに慰労と感謝を付け加えておく。]
[ギィという名はともかく、召喚師となれば心当たりはある。
荒野を埋め尽くす妖魔の群れ、炎の精霊、それらに命じ、従えていた男。
いっそ、彼が神を名乗っていてもおかしくはないと思った。
魔王の類であろうが。]
あれに対抗するには、それなりの手だてを考えねば。
[そこをどうにかするのは、自分たち、魔道に通じたものが適任だろうと思う。
大丈夫だ、知恵も勇気も今やひとつじゃない。]
連絡が入った。 拠点に人が来る。
このまま話しながら、向かってくれるとありがたい。
[背後のショルガハへ、声をかける。
ガートルート、という名は声に出さず、胸の痛みとともに噛み締めた。
無事であってほしかった。
その一方で、彼女に会うのが怖い自分がいる。]
[石を、拳を握りしめながら答えるショルガハの口調には、どこか逡巡と、それでいて深い渇望と焦燥が感じ取れた。
認められたい。見返してやりたい。力があれば──]
ああ、その通りだ。わかるとも。
[同じ道を通った自分だから。]
力はあればあるだけのことが可能になる。 困るものじゃない。
…君は、わたしと同じ年頃だろう。
ただ、ひとつ違いがあるとすれば──
わたしは もう、自分を凌駕する「力」に手を出してしまった、という点だと思う。
[自分の左中指に嵌っているリングに視線をやる。]
自分の器ができていないうちに「力」を欲したわたしは、そのせいで無垢な命を奪い、友誼も信頼も失い、石もて追われる惨めな生き方をすることになった。
償うことから逃げて、懺悔の機会も拒絶して──崖から身を投げた。
そんなわたしは、君に偉そうなことをアドバイスなどできる立場ではない。
ただ、願うばかりだ。
君に、同じ過ちを犯してほしくない。
風を、手放すな。
「力」は欲して与えられる類のものではない。
幸せと似たようなものかもしれない。
学び、生きて、師や友と切磋琢磨しているうちに自分の中に育って、
気づいたら、もう持っているとわかるものだ。
断片的な記録のゆらめき は、断片的な記録のゆらめき を投票先に選びました。
──…、 ん、
[不意に、人間の姿に戻るとオズワルドの指先を舐める。]
ハルバードを取って来て、馬に鞍を置いておきますね。
ツヴァイヘンダーも持っていきましょう。
[遠征の気配を嗅ぎ付けてご機嫌のあまり、行動の順番がアレだけども気にしない。]
投票デフォはシェットラントなのでした。
発言の度にいちいち名前が上に見えるのが嬉しくてずっとそのままにしていたけど、このままうっかり更新するとヤバいので変更するかー
《奈落の書》の運び手 ベリアンは、断片的な記録のゆらめき を投票先に選びました。
[シェットラントが何かを拾い上げる様子。
拾ったものーー赤い結晶を示されれば、
その本質を覗かんとするように目を細めた]
これがぁ、……神のぉ 欠片…。
[禍々しい、とは少し違う。
底無しの深い欲望ーーそれを純化したような]
えぇ、君のぉ言う通りぃ、
[手のひらを胸の前にかざし、眼差しを伏せた]
ーーー…ある、わぁ。ワタクシにもぉ。
まだぁ、出してないぃだけ。
[馬上で風が歌う。
軽やかな風。強い風。
母が育った、草原に吹く風と、
父が育った、砂漠に吹く風。
どちらも、好きだ。
ここに吹く風は、そのどちらにも似ていて、嫌いじゃない。]
おまえがそんなふうに生きてきたんだとしても、
…今のオレより、ずっと、「強く」見えるよ。
[単純な力でもなく、魔法の有無でもなく、
存在が強い、と思う。]
[これを持っていると共鳴する、もう一人の誰かさんとの繋がりが消えるのが惜しくて。
神の支配が解けた後も、しばらく胸の内に取り込んでいた。
けれど今はもう、不要だ]
……、ーーおいでなさぃ。
[術とは異なる、招きの言葉をそっと紡いだ]
オレさ───
[馬を、速く駆けさせた。風が身体を包み込んでいく。
自分の思いも、聞こえてくる声も、
全部風に吹き飛ばされて、空っぽになっていく。]
大好きな人がいて、そいつに追いつきたくて、
ずっと努力してるのに、殴られてばっかりでさ。
でも、側にいて欲しいんだ。それでもさ。
なのに、しょっちゅう戦争に行ってさ、すげえ怪我して帰ってくんの。
それが嫌でさ。
オレが強かったら一緒に行って助けられるのに、
まだ駄目だ、って置いてけぼりなんだよ。
オレ、弱いからさ。
[どうしてこんな話をしているんだろう。
心のどこかで思うけれど、きっと、誰かに聞いてほしかったんだと思う。]
なんで戦争行くのかとかさ、
なんであんなにぼろぼろになってるのに楽しそうなのかとかさ、
オレ、ちっともわかんなかったんだよ。
───でもさ。さっき、ちょっとわかった気がする。
みんなと協力して戦うのは、楽しい。
誰かが自分のために傷つくのは苦しいし、
誰かのために戦えるのは、嬉しい。
そういう、ことなのかなぁ。
[長い長い、独り言のような言葉を吐き出して、少し沈黙した。]
力を求めて、力を奪おうと思ってたたかってるときは、
怖くて、苦しくて、嫌だった。
こんな、石のせいで、あんな風にたたかってたんだったらさ、
オレ───…
[馬の脚を緩め、やがて、止まった馬上から降りる。]
なあ、おまえさ。
オレのこと、殴ってくんねえ?
思いっきり、強くさ。
[褐色の肌持つ彼を見上げて、そんな風に頼んだ。]
あ……シンクレアさん?
[いろいろと飽和状態の頭にもう一つ声が飛び込んでくる。
声の主が先ほど自己紹介があった相手だ、とはなんとか気が付いた。]
ガートルード・サークリッドさん、
───「神」に狂わされていた人を正気に戻していらしたのですね。ご苦労さまでした。
神の欠片……
[また妙なものが出てきたぞ、と心のメモに書き留めておく。
どんなものかは、聞かなくてもだいたい想像はついた。]
───ギィ。
召喚士…? …ああ、猛獣使いかな。
[ハンスが言っていたのがそれか、と思い至る。
赤い髪の男、と聞いていた。
赤毛ならハンスが連れてきた彼もそうだけれど、彼はちょっと魔法を使いそうには見えない。]
また厄介なのが残ってるみたいだね。
戦わずに済めばいいけれど、
どうもそういうわけにはいかなさそうだ。
[そんな相手と対峙したとき、自分に何ができるのか。
もう少し、検討しておかなければならないなと思う。]
[言葉に沿うように、胸元からひとつの緑の塊が顔を覗かせる。
次第にそれは、糸に引っ張られるように露出してゆきーー…
かざしていた手のひらに収まるような形で、
緑の結晶が抜け落ちた]
…ーーーーー、ふ ぅ。
[大きく息を吐く。
完全に解き放たれたという、解放感と爽快さがあった]
[いろいろ厄介そうな情報も、
逆に状況が好転しているという報告も、
いくつも次々と入ってきていたけれど、
ともかく今は情報を精査するより呑みこむ時間が欲しい。
体と心と頭脳の欲求に従って、
手近な家の手近なベッドに潜り込み、お昼寝タイム*]
[結晶はシェットラントに差し出した]
はぁい、あげるぅ。
まとめといたほーがぁ、いーでしょぉ。
[ベリアンの名を聞けば、表情は自然と懐かしむものになった。
過去や未来の記憶が混在している今の魔女にとって、
彼は最早憎しみの対象ではない]
[珍しいシェットラントの優しい表情を、眩しいものを見た時のように記憶の奥に焼き付けながら]
…ーーー、えぇ。何処へでもぉ。
[ふわりと、差し出されたその手を*とった*]
― 巨大な門が立つ荒野 ―
[黄砂の村に集うものたちが休息の時を過ごしている間、
召喚師もまた治療と回復に努めていた。
ただし、穏やかとは言えない方法で。
黒髪の死霊術師と戦った場所に赴き、瘴気吹き上げる門へ近づく。
門の影に潜んでいた
さあ、力を寄越せ。
俺とおまえは同質だ。
[門の前まで進み出て、影の鳥の背から降りる。
痛みを押して歩き、門より立ち上る瘴気に身体を浸した。]
[この力なら、良く知っている。
あの御方と同じ力だ。
敬愛し、崇拝し、いつかその地位を奪おうと思っている
瘴気は魔素の身体への侵食を加速し、
傷を塞ぎながら新たな烙印を残していく。
すっかりと癒えた身体は、むしろ以前より軽いように思われた。]
いいぞ。こいつは具合がいい。
どうだ。おまえも浴びていくか?
[影の鳥を呼べば、おとなしく側に来て蹲った。
不確かでとらえどころのない影の物質でできた巨鳥の中に、瘴気が濃く流れ込んでいく。
その体はたちまち質量を増し、さらにその姿をも変えていった。
大地を蹴る強靱な足はそのままに、翼は大きく広がり、尾羽もまた長く伸びる。首の付け根が盛り上がったかと思うと、新たな頭が生えて高らかに奇声を上げた。
ふたつ首を持ち、炎の代わりに瘴気を纏う禍々しい
準備はすべて整った。
では───奪いに行くとするか。
[闇の鳥に跨り、召喚師は進軍を開始する。
神の力の波動が最も集まっている場所、黄砂の村へ。]
[「強く」見えると、ショルガハは言う。
それを否定せず、少し、笑った。]
君に会えたのが、今でよかった。
[シェットラントを取り戻せた今でなければ言えなかった、認められなかった、自分の
[同質の、あるいは相反する力の気配を辿れば、
一か所に集まっているものが6つ。自分の側に2つ。
そしてもう1つ、離れた場所にあるものは]
こちらを片付けてから、取りに行けばいい。
なに。ほとんどを手に入れてしまいさえすれば、
あのような欠片を叩き潰すなど造作もない。
[待っているものは待たせておけばいい。
まずは大きな力へ向かう。]
わたしは軍人ではないけど、
合戦の高揚は何故だか──焦れるように思い出してしまうのは、わかるな。
[ギィが見せた布陣、指揮を執るゲルトの声、敵中に突っ込んでゆくハンスの動き、そういったものを想起する。
戦いを好きなわけではないと思う。
だが、戦場にあるのは悪いものばかりではないと気づいてしまった。
人が人である強さや知恵や絆といったもの──]
だから、そういうことなのかもしれない。
[ショルガハの感想を肯定して、そして、]
[思いっきり強く殴ってくれという依頼に、つんのめりそうになりつつ、笑った。 朗らかに。]
身体で納得しないと気が済まない人なんだな、君は!
[ついさっき、自分もシェットラントと似たようなことをしていたのを棚に上げて解釈する。
彼が師匠(?)に殴られてばかりだというなら、さすが、その師匠、弟子のことをよくわかってる。]
ああ、承知した。
拠点に戻ったら、わたし自ら殴ってやろう。
[おまえはここにいていいんだ、おまえを認めているんだと、そんな気持ちを籠めて。**]
なんだよ、笑うなよー。
[馬上の人が笑い出したのに、口を尖らせる。]
そりゃそうだろ?
なんか、頭だけでわかった気になるなんて、
なんか気持ち悪いしさあ。
[結局はそういうことなのだ。
直接触れて、本気でぶつかって、分かり合いたいということ。
そうすることで認めてほしいということ。]
[だから]
……ちぇ。わかったよ。
じゃあ、後でな。
[答えてもう一度馬上に戻り、思いっきり馬を駆けさせる。
その顔は、ずいぶんとさっぱりしていた。]**
[報告を声に投げれば、すぐに返る声がある。
戦いの中にあってもどこか明るく個性豊かなその声たちは、遠く───かつての騎士団のようで、もう会えない”彼ら”のようで少しだけ懐かしい。
シェットラントの唇は、音を立てずに弧を描いた]
いや。敵は魔物──…炎扱う魔物だったな。
なるほど、そちらには天使が出たのか。
[問い直すことをせずに、ハンスの言>>~33に判断する。
続いたのはベリアンの声、これにシェットラントは我知らず笑みを深めた。慰労がくすぐったくも、…嬉しい]
お前を呼び損ねてしまったな。
剣が使えたから問題ない、…………。助かった。
[それでも、後半を付け加えたのはこれまでとは明らかに違う。
あのまま飛び出しても、この結果は得られなかったに違いない。
それを認め、ことを成したベリアンの判断に感謝を置いた]
万全の備えで来るだろうな。
あれは魔神を喚べる力を持つ者だろう。
……偽りの神も必死になるだろうからな…。
[ベリアンの言葉を肯定し、自らの分析を付け加えながら気になっていたことを思い出したという風に語尾が落ちた。
彼はどうしただろう、あの青年は。
赤の神殿でも出会えなかった。
顔を見に行こうと思ううちに、行きそびれたが]
ショルガハという男は、そちらにいないか?
[念のため、聞き知った名を彼らへ投げた。
暴れていると大騒ぎしていた青年こそが彼とは知る由もなく]
[もうひとつ、こちらは穏やかな声が応じる>>~36
穏やかで無駄のない、冷静な声だと思った。
人の心を落ち着けるような、…人を纏めることの出来る声だ]
そうだろうな。
その結晶が今は…──俺の手に、みっつ。
[この状況を終わらせるための鍵との言葉を首肯する。
赤と緑の結晶を思えば、僅か息をつきたい心地にはなる。
こんなちっぽけなものに踊らされていたのだ、自分たちは。
情けないような気持ちと、誇り傷つけられた静かな怒りと]
猛獣?……そうだな。
使役するのは主に魔物のようだが。
[妙な言い回しをすると一応の訂正を入れておく。
さすがに、彼の住んでいた世界はシェットラントの想像を超えていた。
己の世界が、彼の想像を超えていたのと恐らく同じく。
未だ世界の隔たりは大きく、完全なる理解にも程遠い。
けれど互いに手を取り合える、その言葉と心はここにあるから]
…───魔法の備えに不安はあるまい。
こちらには、そこのベリアン・サルークと魔女がいる。
俺も魔力を回復すれば、
いかな強大なる魔術師とはいえ容易に事を運ばせはしない。
とはいえ、向こうは偽りの神の力添えを得るだろう。
召喚は軍勢の規模になることも、恐らくは間違いがない。
あれはもう、俺の知るだけの相手ではない。
”説得”は骨が折れそうだな。
[説得と書いて力ずくと読む。
そんな響きを言外に篭め、肩を竦める調子で言葉を切った]
魔物だったんだ。違う“神”なのか――
まだいっぱいいるのかな。うーん。
[神がこれ以上あったなら、持久戦になるな。
休憩を余儀なくされるだろう]
ショルカバ?
ここで馬に乗ってるよ。
飛んでもなくじゃじゃ馬だったけど、今は大丈夫なようだよ。
[ベリアンとショルカバが馬上で、にこやかに話してる様子を見てそう答えた]
[魔女と話してる間か、後なのか。
さすがに疲労困憊で、座り込んだ。
密かにもたらされる報告にも、頭を悩ました]
ああ、酷い状態...
[楽しみ過ぎたのか、足から血が滲み出てるようで。
靴を脱ぐとキラッとしたものが落ちた]
何これ?綺麗だな。
[拾って見つめる。小さな光る石。
ポケットにしまうと、消毒と止血した]
[手を繋いだ、魔女とシェットラントを見て]
俺お邪魔な感じかな?
俺は謝りたかっただけだから、外そうか?
[見たままに答えた。ハンスなりに気を使ったのだろう]**
魔物を使いこなす者、ギィ――
それは厄介だね。
ここへ来るよね、きっと。
[そこまでの者なら神であっても、神の力で狂ってても厄介だ]
みんないるから、大丈夫!
負けない!!
[悪戯された借りは返さなくては、気がすまなかった]**
─ 少し前 ─
[魔女から手渡されたのは、
自らの裡にあったとは対照的な緑の結晶>>412
深い悲しみを──どこか涙を想起させるそれを受け取る]
…少しだけ、貴女の目に似ています。
[翠の眸の魔女に視線を向け、少しだけ眉を下げて]
分かりました。では俺が預かります。
まだ、使い方も分かりませんが。
[考える表情で石に視線を落としたのも束の間。
嬉しそうな声>>415に、その表情が崩れた]
きっと、
[魔女の表情を視線の端に留めて思う。
色々なことがあった。今はもう変えられない悲劇も。でも]
あいつも、向こうで貴女を待っています。
[別れた時の彼の表情を思う>>171
頼むと、その心を聞いたと思った。大丈夫だろう。
もう、あの男も過去と罪に縛られているだけの男ではない]
会ってやってください。そうすれば…
[会って、話して、それから───。
ひょっとしたら。
その先に自分たちがこの場に集った意味があるかも知れない。そう思った]
― 黄砂の村 ―
[一番最初に出会ったのは、ハンスだった。
滑るように空を駆けやって来た彼>>392に、目を見開く。
声と同じように、明るく屈託のない青年だ。
真っ先にガートルードに頭を下げる様子を、傍らに見る]
いや、問題ない。
[その彼の視線が此方に向けば、シェットラントは首を横に振った。
手を取ったのはエスコートのつもりだったから、意識にのぼることもなく]
それより休める場所があるなら、案内してくれ。
ここに居る者の顔も見ておきたい。
[気遣いには残念なほど無残に、あっさり応じた]
来るなら好都合だな。
皆か。………ああ。頼りにしている。
[戦いの予感には恐れる色もなく。
一言付け加えると、ちょうど良いと言って*笑った*]
[とはいえ、望めば欲するものは近くある。
やがて休息を手に入れれば、
衣服は改められ体力気力共に充実をするだろう。
妖魔の軍勢は迫りつつ*ある*]
[こちらへと届くシェットラントの言葉には、以前ならなかったような、あるいは感じ取れなかったようなわずかな気遣いがあって、長い冬の後、気づく煌めく日差しにも似た感慨を覚える。
まだぎこちない言葉や視線のやりとりだ。
それでも、氷は清冽な水へと姿を変えて流れ出す。闇もまた温もりに息づく。]
──待っている。
[こちらも拠点へ向かっていると告げる。
それだけのことが、かけがえない幸せであることを、相手を得て、知った。]
[シェットラントが今ひとつの名を問い、ハンスが答えるのを聞く。]
確かに、その男は今、わたしとともにいるが…
ショルカバではない、「ショルガハ」だろう。
[呪文の一字一句を間違えると大事を引き起こす魔術師の几帳面さで、ハンスの覚え違いを訂正しておいた。]
[疾風のような、二丁斧を使う男だろう、と確かめて、]
彼も一緒に村に戻るところだ。
わたしに、殴ってほしいと言っている。
心配するな──術式仕様がなくとも、ちゃんと殴れる。
[学園で習ったことはないが──と、至極まじめに告げた。]
[ショルガハが手綱をとる馬に乗り、黄砂の村へと戻る。
幸い、天使たちはすべてを薙ぎ払ったわけではなく、休息に足る場所も確保できそうだ。
馬を下り、改めてショルガハと向きあう。
彼ならば、呪われたこの肌の色ゆえに前言を翻すこともあるまいと思う。]
手綱を、ありがとう。
君がしてくれたことを 嬉しく思う。
──さて、
衆人環視の中で、というのもどうかと思うが、
陰に連れ込んでするものでもなかろう。
とりあえず、今なら人目はなさそうだが。
[右手を握って、ここでやっていいかと確認する。
ちょっと緊張した顔になっているのは、人を殴り慣れてなどいないせいだ。
拳の握り方も、親指を中にいれているから、脱臼しかねなくてちょっと危ない。(殴られる方はその方が痛くないけど)]
こら。そのなりで舐めるなと言ってるだろう。
[舐められた指で、ぴしりとトールの額を弾く。
狼のときとやっていることは同じなのだが、気分の問題というやつだ。]
ああ。ここにいる。
[トールが去るのを背中で見送って、前方を見据える。
トールがそわそわしだした原因は、きっとあれだろう。
城壁近くに、じわりと滲み出した不可解な歪み。]
[兵士を1人呼びつけて、言伝を言いつける。
兵士が壁際の異変に全く気付いていないようなのを見て、
なおさら確信を深めた。]
これな。
陽が落ちたら宰相に渡しとしてくれ。
いいな?陽が落ちたらだぞ。
[兵士が簡単に封された書きつけを受け取り、下がる。
書かれているのは、こうだ。
「ちょっと出かけてくる。」
相も変わらず、この国は優秀な臣下団の働きで回っているようなもの。
皇帝の腰の軽さも、ほとんど変わっていないのだった。]
[デコピンされて、痛がりながらも笑っている。]
すみません、つい──
あなたも狼になってみたら、舐め回したくなる気持ち、わかると思いますよ。
[程なく、支度を整えて引いてきた馬は3頭。
オズワルドと自分と、]
あの子にも必要でしょう。
[むろん、乗せて帰るためだけに連れてゆくのではないことは、言わずもがな。]
魔物の軍勢を使役する召喚師…
[もういい加減、驚き慣れた。
けれども、相当に強力な相手だと言うのは、言葉の端々から察する。
だが対抗しうるという認識と自負が伝わってきた。]
こちらには魔法を使える人間が3名。
ハンスは魔法は使えないけれども機動力として頼りになるし、
そのショルガハ?さんも、こちらに力を貸してくれるなら
前線での戦力になりうる人でしょう。
アプサラスさんは先ほど、広範囲攻撃を覚えたようですし───
[こちらの戦力を分析しつつ、戦闘の推移を想定する。]
魔法を使える皆さんに、直接相手の召喚師を押さえてもらって、
残りの皆さんで軍勢に対する、という形になるでしょうか。
[想定してはみるものの、そうそううまくいかないのも戦場だ。]
─── 戦いの果てにしか届かないものがある。
ここに集まったのはみんな、
多かれ少なかれ、それを知っている人なんだろうな。
["説得"は力づくになるだろう。
その予想に頷きながら、独り言のように呟いた。]
殴ってほしいとはまた、斬新なお願いだけど。
[聞こえてきた言葉にもうひとつ、ぽつりと。]
[戻ってきた村は、さっきの攻撃の名残もあって痛々しいけれども、どこか活気づいているような気がした。
馬から降りてぐるりとあたりを見回していると、同乗者から感謝の言葉が掛けられる。]
え…、うん。
そんな、改めて礼を言われることでも…
[向き合ってありがとうなんて言われるのはなんだか照れくさくて、がりがりと頭を掻いた。]
ああ。オレはいつでも良いぜ。
[相手はちゃんと約束を果たしてくれるつもりだと知って、気合を入れなおす。
相手の様子を見れば、あんまりこういうことに慣れていなさそうだなあと思ったけれど、ともかく実行しようとしてくれているのが嬉しかった。]
…あ、おい。
それしゃ、拳痛めるぞ。
[相手が握った拳を見て、握り方が危ないと指摘する。
ついでに、こうでこう、と殴るモーションも実演してみせた。]
そうか、ありがとう。
彼は俺と同じ陣営に───同じ偽りの神に囚われていた男だ。
会ったことはないが、気に掛かっていた。助かる。
[やはり、シェットラントの対応はごく簡単だ。
別段、彼とのやり取りも…恐らく随分凹ませたことも口にする必要はないだろう。
ただ、気に掛かっていたと明かす。
その思いは、神より開放されてより余計に強くなっている。
似ているからだと思えば、音もなく苦笑が落ちる。
どこか似ていると思う──あの
殴れと?
[彼の名前の訂正はベリアンに任せ、問い返した。
なるほどと思う。
彼と会えば、自分も同じことをしていたかも知れなかった。
ただし、若干の不安要素がある。それは]
────、ベリアン。
[この男だ。
身体の傷は癒えたはず、しかし人を殴るということは──…]
……………………。
[案の定、術式などと言っている。
やれやれと苦笑して、肩を竦めた。
止める気もなければ、止めるべきものでもなかろうが]
お前、怪我をするなよ。
二度目の治癒はない…面倒だ。
[怪我をさせるなではなく、逆を言う。
そうして素っ気無い言葉を付け加えると、小さく*笑った*]
[シェットラントから憂慮の言葉が飛んできて、面倒だとかナニクソ冷静な、と意気がったものの、実際、殴ろうとしている相手から拳の握り方を修正された。実演付きで指導される。
悔しいような申し訳ないような気持ちだ。
できないことはもどかしい──確かにわかる。]
手間をかけさせてすまないな、 ありがとう。
よし、 これで、
[教えられたように拳を握り、歯を食いしばるも目を閉ざしはしないショルガハの前に立ち、息を静かに吸い込む。]
ここにいない、君の大好きな その人の代わりに──
やらせてもらう…!
[精一杯、だが、憎しみは一片もなく、心にショルガハの名前だけを念じて、 打つ。]
[おそらく、最後になるかもしれない声との交信。
命令(依頼)を投げかければこちらに向かうとのことらしい。
やがて2人の人物が到着して、声しか知らない相手ではあるが、飛んで駆けつけていったハンスが魔法使いさんと呼んだのでおそらくそうなのだろう。
ただ、相当に消耗が激しいらしく――調査を頼める状態ではなかった。]
休ろうて充実する者はしかと眠れ。
激戦は近いぞ。
[仮初めの身体なため休息をさほど必要としないので、独り待つ身となった。
もし身を休めていない者を見つけたらそう諭して村を回った。
戦の匂いは方便でもあったが覇王としての予感かもしれない。]
/*
後追い補完でいいからなんか書きたかったけれど
結局できないままにエピを迎えそうな今日この頃です
いかがお過ごしでしょうか……
エピでは墓下と地上が、ちょっと繋がるんですね。
ゲルトに会いにいきます。ぜったい。
/*
アプサラスとゲルトが仲良くしているのを見て
なんだかこう、気持ちがほこほこになっている僕でした。
元村での心残りが、こう、やっと解消されたなぁというか。
よかったなぁ。
/*
それにしても、ねこみちさんの性能半端ないですね。
なんであんなに全キャラ、動かせるんだ……墓下まで……
爪の垢を煎じて飲みたいレベルです。
― とある学校の図書館 ―
[男が転移した先は、ずらりと本棚の並ぶ部屋だった。
男にはその背表紙の文字を読む事はできないが、棚にぎっしりと詰まった本は、その殆どが大なり小なり魔力を宿していた。
辺りが薄暗いのは、本を日に曝さないためだろうか。
少し離れたところに、人の気配がする。
男は足音をさせないように、ゆっくりと移動した。]
う、ぐっ……!
[宣と共に、拳が飛んできた。
があん、と衝撃が身体に響く。
予想していたよりずっと重くて、痛くて、あったかい拳だった。]
………痛ぇ。
[身体を折って、打たれた場所を押さえながら、浮かんでくるのは笑み。]
痛ぇよ畜生。痛ぇ。
[なぜだか笑いが止まらなくなって、
笑っただけ痛い場所に響いて、
笑いながら、痛いと繰り返す。]
[静寂の本棚の森を抜けた先は、机の並んだ広場だった。
そこでは、若い少年少女が腰掛けて、本を読んだり、広げた紙に何かを書き付けたりしていた。
――図書館、という言葉が遅ればせながら浮かんだ。
男は小さく唸った。
この場所は、転移の現場そのものではない。
だが、関係のある場所ではある。
人か、物か、場所か。
此処に連なるものの因果が、水脈となって残っている。]
オレ、強くなるよ。
ちゃんと、ズルしないでさ。
だからその
……ありがとな。
[なんて言っていいかわからなくて、結局単純な言葉を繰り返す。
その手元から、ころりと赤い結晶が転がり落ちた。]
/*
タイミングなのかもだけど、縁故で説得の末納得だと他の世界からきた意味が、なくならないかな。
俺はまあ、ハンスの続編書きたかったからいいけどね。
続編もいいけど、それぞれの思い出話も聞きたかったかなと。
俺もあんまり書いてませんがw
ん、んー…
謝られることぉ なんもない わよぅ。
あんたはぁ 正気、だったんでしょぉ?
神のぉ束縛云々とかからぁ。
[“たたかえ”―――耳朶の奥で響いていた、あの言葉を
魔女は胸の裡に反芻する。
ハンスと会った時はまだ、あがらうことの出来なかった支配だ]
まぁ、デリカシーがなかったのはぁ。
否定しないけどぉ。
[くす。と茶目っ気めいた笑みを散らし]
ほぉらぁ、言うじゃなぁい。
女の扱いはぁ押すだけじゃぁなくてぇ
引いてぇ 押す。よぉ。
[相手が余計な気を回さないように、冗談を飾って、
指南だかよく分からない戯言を口にした]
ショルガハっていうんだ、ごめん。
通りすがりで聞いたから。
珍しい名前だな。
どこの子なんだろう。
俺が会った時話もせずに、斧で向かってきたから名前聞く余裕もなかったよ。
ワタクシのぉ 名前。 ね。
…―――― ガートルード。
[彼が何度も問うた、其の名を告げ。
ハンスに向かって、ふわりと自由に笑ってみせた*]
よかった...
[魔女の言葉に緊張の糸が崩れたように、涙を流した。
魔女が海の上、薔薇園の魔法学校と違い、狂った様子がないのも安心していた]
引いて、押す?難しいな。
でもこれからは、よく考えていくよ。
[今まで頭脳派より体力派の方が得意だったから、魔女にうまく言えない部分も感じてた]
心配するよ、それは。
俺が攻撃したのは事実――
はっきり言って恐かった。
人なんて傷つけたくなかったから、ほんとごめん。
魔法使いさんも、謝るの?
こうしよう!仲直りの印に、ちゃんと名前教えて。
魔法使いさんじゃ呼びにくいし、これから一緒に戦う仲間なんだからさ!
[手を差し出して、にこっと笑った]
[肉体の接触は一瞬だ。
それでも、衝撃は、痛みと熱さに分裂して、確たる手応えをもたらした。
魔力を放つのとは異なる残存感。]
── ハァッ…、
[大きく息を吐いて緊張を逃がし、こめかみに滲む汗を拭う。
これでよかったらしいが、ホント、 大役だった。]
女王 アプサラスは、断片的な記録のゆらめき を投票先に選びました。
よろしく、ガートルード!!
[ずっと聞きたかった、名前。
聞けた喜びで飛びはねたが、足を痛がって大人しくなるも嬉しくて木の板をブンブン振ってまた喜んだ]
[痛ぇ、と呻きながらショルガハは笑う。
自覚しているのだろうか、その頬を流れる明るい涙のこと。
ありがとな、と彼は繰り返した。
ズルしないで強くなると、素直でひたむきな誓いとともに。]
ああ、 君なら、できるはずだ。
[風のごとく、自由に。]
[転がり出た赤い結晶を拾い、ショルガハに差し出す。]
ケジメ、か。
[ショルガハが成し遂げたこと。
いまだ自分が終えていないもの。]
全員の簡易メモが「黄砂の村」になってる。おお…
そういえば、前回も、最終日に黄砂の村襲撃戦やったなあw (←襲撃する側だった
― 黄砂の村 ―
[いっときの平穏を享受した村に、再び戦いの足音が迫る。
先触れは、遠く長く響く地響きだった。
無数の異形の者たちが立てる音。
蹄もち地面を穿つもの、大地を踏みつけ踏み鳴らすもの、
無数の鱗をくねらせて地を削るもの。
雑多な音が、うねりと振動となって村に届く。
本来は赤の亜神に仕えるべきものたちだろう無数の妖魔の群れは、今はひとりの召喚師がけしかけるままに破壊の旋律を奏でようとしていた。]
[当の召喚師は、群れの後方より巨鳥を駆っていた。
未だ飛ぶよりも地を駆けるのを好むらしい鳥の脚に任せ、妖魔の群れを追う。
厳密には、あれらは自分が召喚したものでもなければ、支配しているものでもない。
ただ、赤き悪魔の血を用いて主だと錯覚させ、欲望を向ける先を示し、破壊衝動に方向性を与えてやっただけだ。]
こいつらを相手にどう戦うか、見ものだな。
[そして、どのように自分の前に現れるか。
楽しみで堪らない、と笑みが浮かぶ。]
[ただ、心当たりはひとつしかないから。
理由や過程は分からずとも、原因だけは予測がつく]
あいつのぉ、…… くっ、
回復するのはぁ嬉しいけどぉ…――
不本意、 だわぁっ。
[なんだか無性に悔しくて、
腹立ちを紛らわすように、きりと唇を噛み締めた]
これが、オレを…
[差し出された結晶を手に取って眺める。
そういえば、今までになく頭がすっきりしていた。
ずっと耳鳴りのように響いていた声は、今はもう聞こえない。]
ほんと、なんか、悪かった。
ああ、後であいつにも謝っておかないと。
[迷惑を掛けた。
自分をここに連れて来てくれたひとにも。]
作戦については、ゲルトの考えていいと思う。
それでいこう!
ただギィは何を仕掛けてくるかわからない。
俺に魔法を知らぬ間につけてきた。
俺が魔法の知識がなかっただからだろうけど、ベリアンでもシェットラントでも手に余る強い相手だよね。
どこで何を仕掛けてくるかは、予想はできないと思うので術者の護衛を専属で一人つけた方がいいと思う。
人選はまかせる。
[其処で、はた、と気づく]
…あ、れ。そういえばぁ
この世界ってぇ、願えば物が出てきたぁような……
え。ぇ。 あ、 …ぅ!?
[もしかしてもしかしてもしかして。
温泉でも願えば服のひとつくらい出てきたんじゃなかろうか、
こんな格好でずっといなくても、……]
ぁあーーーーもぅーーーーー。
[魔女は、いろいろ…頭を抱えたのだった*]
/*
ちなみに中の人も、ついさっきまでこのこと気づいてなかったよ!!!
あれだ。
混乱したら人は常識にしばられる、いい例…。
……そういや、あいつらどうしてるかな。
ギィと、シェットラントだっけ。
[独り言のように呟いて、少し空を見上げた。
ずいぶん声も聞いていないように思う。
たぶん、もう声は繋がらないのだろうとも思う。
なんか、最後は喧嘩別れのようにして出てきた、
───というか、自分が一方的に逃げ出したけど、
今どうしているのかな、とすこし気になった。]
[あいつ、とショルガハが言うのは、彼をここへ連れて来て、暴走するショルガハをずっと追いかけていたハンスのことだろう。]
ああ、彼は面倒見のいい男だ。
君の素直な気持ちを伝えたらいい。
我々より先に戻っていると思うが──
[しばらく休憩した後。
魔女はアプサラスの姿を探して、声を掛けた]
はぁい、王サマ。
初めまして? …ってゆーのもぉ なぁんか、変ねぇ。
[くすくす。と軽やかな笑みが散る]
で。ワタクシにぃ、やらせたい――ことってぇ?
[と、アプサラスが休息を促して回る声がした。>>442]
ああ、これからまた、戦いがある。
我々の戦術はゲルトが方針を出してくれるだろうが、まずは体調を整えておかなければ。
ギィの”説得”には骨が折れるはずだと、シェットラントも言っている。
だから、わたしは少し休ませてもらおうと思う。
[かつての同胞の名にショルガハが説明を求めるならば、シェットラントからの情報を伝えておく。]
[誰かが別室で寝ていたかもしれないが、
別に人払いが必要という訳でもないので、注意を払うことはなく]
じゃぁー、その椅子にぃ 座ってぇ。
[そうして医師の診察よろしく、
アプサラスの身体のあちこちに手をかざし、
彼女の構成の乱れを感知せんと、意識を集中した]
…ん、んー。
[しばらく調べた後、
よし。と大きく頷き、魔女は女王へ要求を告げた]
いーぃ。
……――思い浮かべて ねぇ。
あんたのぉ、“心”をぉ呼んだぁ人のことを。
手を繋いだ時のぉを ぬくもりを。
ふう、さすがに疲れたな。
[ガートルードと話し後、足を引きずって歩く]
望む物は大体出るんだよね。
[ギィは確実に近づいてる。少しでも体力回復に努める
何処でも眠れるハンスだが、小さい小屋とベットを出して横になり、パンとレモンをかじった]
スタミナ勝負なのは、どこも変わらないね。
[大きな戦いを前の休息を取る。全てを出しきるために。
これは己との戦いでもあった――]**
[自身は睡眠を必要としていなそうな溌剌としたアプサラスを見やり、僅かの間にふたつ、瞬いた。
見蕩れたわけではない。
死霊魔道の闇に手を染めた者ならではの感覚がチリリと反応したのだ。]
──…、
[何も言わず、その背を見送った。
次の戦で、屍鬼を使うつもりはない。厳密には──《奈落の書》はこのまま封印しておくつもりだ。]
― 近くの家屋 ―
……なんじゃ、脱がんで良いなら――。
む……。
[身体を改めるわけでないなら無理に魔女に頼む必要は無かったかもしれないが、要求されたことはこの魔女でなければ知らないこと。
言われるがまま思い浮かべれば……]
脱がなくてもぉ布一枚くらいぃ、軽々突破するわよぅ。
神モドキの魔力なんだからぁ。
[脱ぐ云々に、きょとんと瞬く。
魔力の感知を日常生活でやっている人間の感覚は、そんなものだ]
なんだかぁ 変な風にぃあんたとぉ混ざっちゃってるけどぉ。
/*
ギィが全面攻撃仕掛けてくれてるけれど…
此の調子だとエピですね…はい…はい…
いろいろロール回すの遅くてごめんよぉおおお。
……。
…………。
………………。
ダメじゃ、できそうもない。
[魔女の言いたいことはわかるが、覇気という絶対的なものが内にあるのでこれを一時的に退けた上に純化するというのが限りなく難しい。
それでも覇王が弱音を吐くぐらいなのだから相当な努力はしているはず]
/*
覇気が消えるってことは死の間際かエピの最後か……
というか所持したまま亜神が先に倒されたらどうなるのだろう?
ああ、うん。
オレもちょっと休むよ。
[女王が休息を促しにきたのに、自分も便乗して休むと言う。
ギィとシェットラントの消息を聞けば、そっかぁと唸った。]
ギィってやつ、すっごい楽しそうにたたかってたからなぁ。
この欠片のせい、ってだけでもなさそうだったけど。
[自分は石に踊らされていたけれど、
あいつは好きで乗っかってるんじゃないかとか、
そんな疑惑も抱いた。]
いーぃ顔ねぇ。かわいぃ。
[笑みを散らしながら、アプサラスの頭部に両手をかざす]
ん、ん。
そぉ? いー感じにぃ なってきたわよぉ。
こー、素直なぁ感じにぃ。
[ふふ。と努力を誉めて]
さぁ、おいでぇ。 …――おまえの居場所はぁ 此処じゃぁ ない。
[想いに弾かれた、緑の呪縛を招く…と、
女王から抜け落ちるように、緑の結晶が静かに浮かび上がった]
[ギィが楽しそう、には同意しつつ。
遠隔でゲルトの作戦に同意するハンスの声を聞いて、ああそういえば、ギィが彼に何か細工をしていたな、と思い出した。
あれはどうなったか。
事に拠ってはこちらの会話が、ギィにすっかり筒抜けかもしれないが──だとしたらもう手遅れだ。
騒いでも仕方ない。]
他にも、何か仕掛けられている者がいるかもしれないな。
[懸念はあったが、今、調べている余力はない。
用意されていた布>>146を枝の間に渡して結び、即席のハンモッグを作ると、倒れ込むように眠った。
傍目には大きな白い繭めいて見えよう。]
……シェットラントにも後でちゃんと話したいな。
[逃げ出したまんまだと、さすがに具合が悪い。
後で、見かけたら声を掛けよう、なんて思いながら、まずは休息場所を探すことにした。]
[どこか女王の髪の色にも似た其れ。
浮かんだ結晶を、さっと掴んで]
はぁい、オシマイ。
がんばったがんばった。
[ぽんぽん、と軽やかに女王の肩を叩いた]
[――否。
痕跡だけではない。
すぐ近くで、転移門の開く気配がする。]
誘いか、罠か……
我が女神の祈りが通じたと思いたいが。
[穏やかならぬ事態を想定しつつも、剣呑な笑みを浮かべてしまうのは、どうも性らしい。]
のんびりぃするのはぁ、
全部終わってからぁ みたいねぇ?
まぁ、 さっさと 蹴散らしちゃいましょーかぁ。
[緑の結晶を懐に仕舞い込み、魔女は小屋の外に出た]
いや待てっ!
素直とか、この、心の準備が…っ!
[何の話だ。
女王にしてはわりと律儀に椅子に座ったままだが足を上げて交互に床を踏み鳴らして。
やがて胸元に緑の光がうっすらと灯り――結晶を奪い取られた]
……。
…………。
………………。
[頼んだとおり成功したのに、いちばん大きかったのは屈辱感だった。]
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