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美しく月の昇る晩、君は自らの本当の姿を知った。
智恵を絞り、活路を開く勇気。
人狼を見抜き、妖異を滅ぼす力。
死者の声を現世に届ける異能。
頼りなく怯える人々を守る技。
互いの正体を知覚し合う絆。
自らの胸を裂いても仕うるべき主。
赤く染まる牙――長い咆哮。
さぁ、どうする?
まずは何から始めよう?
どうやらこの中には、村人が6名、人狼が1名、聖痕者が1名いるようだ。
語り手 が「時間を進める」を選択しました
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[飛ばした突っ込みは、穏やかな笑み>>0:103に受け流される。
それにもー、とか思いつつ、一つ息を吐いて]
ん、まあ、水軍っていうか、第一師団の大雑把さは、ねぇ……。
再建の頃からの慣習だし、仕方ないんじゃないかなぁ。
[第二、第三師団は最初から軍として編成され、それが続いているが、この第一師団は発祥に色々と曰くもあって、独特の空気をまとっている。。
そういうもの、と認識しているこちらとは違い、あちらには色々と思う所もあるらしい……というのはわかるのだが。*]
― 『ヴィルベルヴィント』上空 ―
[『八幡』を離れ『ヴィルベルヴィント』へと戻って間もなく、船団は予定海域へと差し掛かる。
天候は上々、視界は良好。
さて、海戦においてこれらはどんな影響を及ぼすのか、と。
そんな思考を遮るように、ゆらり、と何かが揺らめいた]
……これは……霧?
[小さな呟きに応じるように、霧はその量を増し、帳を深くしていく。
周囲を飲み込む真白の異常さは一目瞭然で。
嫌な感覚に視線は自然と、甲板の方へ向いた。*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
……ん……なにこれ?
[話の最中か終わった後か。
不意に感じたのは、違和感]
……精霊力……?
んー……なんだろ、これ……?
[不可解な力の波動を感じ取るのと、白い霧が立ち込めるのは大体同時。
どこからともなく流れ込んできた霧は、周囲を白く染め上げる。
あ、なんかやな予感、と。
思った直後に海面からざざざざざ、という不穏な音が響いて。
『ソレ』が甲板に跳ね上がってきた]
は?
なにこれ、なんで海老!?
[目の前にしゅたっ、と降り立ち何やらポーズを決めているのは海老。
どう見ても海老。
サイズとポーズが規格外だがとにかく海老だ]
……え、なにこれやる気なわけ?
[そしてその規格外は、明らかにそれとわかる戦意にみなぎり、こちらに鋭いハサミを向けようとしていた。*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[ 騎竜師を見送った精霊師が>>0:104すれ違った後、怪訝そうに辺りを見回すのが見えた。 ]
(勘がいいな...ミヒャエル・キタミだったか)
[ 相手に覚えられていなくとも、護衛の必須事項として、艦内の人物は全て記憶している。その中で男は精霊師の名を、密かに脳内リストの上位に位置付け直した。 ]
☆1d前半・洋上の異変
フィールド
水軍各艦の船上。
※基本は船上戦ですが、飛行能力を持っていたり、精霊術などの遠距離攻撃が使える場合は、海面や海中の敵を狙う事もできます。
登場敵
人間大の海老。器用に立って歩いたり跳ねたりする。ハサミ攻撃は結構痛い。なお、殻は固いが、腹部は以下略。
ボスキャラ
いわゆる大王烏賊。
判定方法
基本は、敵へ向けてのfortune利用のアタック。判定手数は5回まで。
が、立ち込める霧のため命中するかどうかを判定するべく、判定と同時にomikujiを引く。これは、一つのactにまとめてOK。
結果が吉系なら攻撃成功。凶系の場合は攻撃失敗。その分の数値は加算されなくなる。
霧に含まれる力のためか、精霊術が打ち消されることも。
※まかり間違って誰の攻撃も通らなかった場合は、全員でfortuneを振ってその数値で順位を決めます。
【判定リミットは6/4の00時です】
【判定数値は、メモに記載お願いいたします】
― 『ヴィルベルヴィント』上空 ―
……は?
[視線を下げたら何かがみえた。
なんだあれなにがおきてるていうかなにあれ。
そんな思考がぐるり、と一周して、それから]
……いや、東の海には神秘が多い、とは聞いていたが!
[これを『神秘』の一言でくくるのもどうか、というのはさておいて]
どう見ても友好的とはみえんし……やるしか、ないな。
[小さく呟き、鞍に括り付けておいた剣に手を伸ばす。
両手でも片手でも扱える長柄剣。
果たしてこれで抜けるか、という疑問は横に置いた。**]
村の更新日が延長されました。
[ やがて、船団の進む先の海路が、突如濃霧に包まれる。 ]
...妙な霧だな?
[ 自然現象とは思えず、男は警戒を促す指笛を吹いた。
応じる同僚の指笛から互いの位置を確認しつつ、何よりもまず、と、アデルの姿を探そうと... ]
(ビチビチッ)
は...?
[ 目前に飛び込んで来た巨大海老の姿に呆気にとられながらも、体は流れるように腰の愛刀を抜く。 ]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[そろそろ船内へ戻るか、と護衛を引き連れ歩き出そうとした時、それはやって来た]
──…霧が…、
[見晴らしの良かった景色が一変、視界が白に覆われる。
踏み出そうとした足は止まり、護衛がアデルの四方を護るように動いた]
これは…下手に動かぬ方が良いか?
[船から落ちては堪らない。
周囲では船員達も突然のことに狼狽えているようだった]
フィオン、そこにいるか?
[彼ほどの者ならうっかり船から落ちる、ということはないだろうが、気配の捉えにくい相手の位置を確認するために声を投げる。
直後、方々から何かが跳ねる妙な音と、船員達の驚愕の声が聞こえてきた。
その何かはアデルの傍にも現れる]
なっ……海老、だと?
[護衛を隔てた先に現れたのは、人間ほどもある巨大な海老。
尻尾と足を使い、器用に二足歩行する個体さえいる]
この霧が原因か?
いや、そんなことよりも。
[しゃきーん、と擦り合わされる二つの鋏。
巨大海老は臨戦態勢だった]
排除するしかなさそうだな。
[統制室からも巨大海老に対する排除指示が出ている。
どこかから「あれ食えんのかな?」なんて言う海老好きの声がしたが、今は聞き流しておいた]
前は頼むぞ。
[周囲を囲む護衛達に言い、アデルは術展開の予備動作をした**]
『姫を船室内に...』
[ そう叫ぶ同僚の声が聞こえたが、男は術を編み始めたアデルを>>12背に庇う体制のまま動かない。 ]
この霧では動く方が危険だ。近付くものを迎え討つ。
[ 口にした端から、跳ね上がった海老が見えた。 ]
[ 男が姿勢を低くしただけで、海老は明らかに、あれれ?という様子で動きを止めた。その一瞬に下方から切り上げた一閃が、海老の腹を裂く。 ]
...中身も普通に海老だな。
[ 開き状態になった海老は、確かに、なんだか美味しそうだった。 ]
姫君なら、焼き海老に出来るかもしれませんよ。
[ 普段、気配も無く、口を開くことも稀な男は、こういった時だけ、幼馴染でもある王族に、子供の頃のように軽口を叩いてみせる事がある。
それは、事態が深刻であったり、異常であったりすればする程に、なのだが... ]
いっそ焼き串でもあればな...
[ ぼっそり呟いたのは、本音臭かった。 ]
...っ!
[ 焼き海老発言を聞きとがめたわけでも無いだろうが、突然二匹の海老が左右から迫り、男は刀を一閃する。しかし、刃は海老には届かず、僅かに後退させただけだった。 ]
[ 返す刀で、突き貫いたのは、もう一尾の海老の頭だ。 ]
海産物風情に遅れを取ったんじゃ、親父に顔向け出来ないからな...。
[ 吐息をついた頃には、焼き海老の一匹も出来上がっていただろうか?** ]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[納得のいかない様子>>1にクスリと笑う。
幼かった頃のように頭を撫でてみたくもなったが、今は流石に自重しておく]
ま、おかげで楽な部分も多いんだけどさ。
今回は中央の客人がいるし、南の参加者のこともある。
俺辺りが少しは気を払っておかないと拙いだろうってね。
毎度、面倒は後回し主義だし。
[頷きながら答える最後は事務仕事関連の話である。そこらの穴埋め要員としても配置換えになったことは、知る人は知っている]
どうした?
[会話の切れるころ合いでキアラの態度>>3に首を傾げるのと、白い霧が流れ込んできたのはほぼ同時。
異変に身構えた前に現れたのは>>4]
・・・。
[驚きもしたが、やる気満々のポーズに呆れの方が勝った]
そうみたいだ。
この手のと演習海域で遭遇するってのは珍しい気もするが。
構造上は海老そのままってことはだ。
[スッと二振りの剣を引き抜き]
[近くの海老が動き出す前に自分の間合いに入る。
鋏を開くのが間に合わなかったか、厚みのある部分で受けられた剣はそのままに、逆より迫る鋏から身を捻りながら避ける]
よっと。
[力比べしていた剣を跳ね上げると、白くて柔らかそうな部分が綺麗に見える。そこに左手からの一撃を突きこむと、反撃のために逆の鋏を振り上げていた海老は万歳ポーズで仰け反った]
ここだ。
[再び右手の剣を頭の付け根に突きこめば、力を失って崩れ落ちてゆく]
[つま先で倒した海老の殻の強度を確認しながら次の相手を探そうとするものの、霧が濃くて良く見えない]
この霧が厄介だな。
何か払う方法はないか。
[精霊術などで対処はできないだろうかと口にしつつ、視界に頼らず気配を探ろうと瞼を伏せた**]
/*
時間切れ。ちょっと頭がぼーっとしてます。
あ、昨夜の未発言落ち謝ってなかった……いつものひっつかれからの寝落ちでした。ごめんなさい。
スマホに手が届かない体勢になっちゃったらウッカリ…
今夜はもう少し絡んでおきたいなと。
……ふむ。
(予想通りくらいの頃合いかの。)
[良い天候と言っていい状態で、現れた霧に、警戒度を1つ2つ上げ。]
まあ、よくある話じゃの。
西の海でも似たようなものが現れるらしいぞぃ?よくは知らんけど。
[現れた海老に、そんな豆知識っぽいものを披露した。]
双剣使いは、もうおるから、やってもつまらんのぉ。
[打ち合いの時は、そうした方が合わせやすかったから、そうしたけれど。]
ま、あいつもおらんし、まあええじゃろ。
[虚空に手を突っ込むと、短剣と短槍を取り出し構える。]
よし、一匹、と。
[動かなくなった海老を見ながら、首を動かす。]
……今回は、弓の方が効率ええかもしれんなぁ。
[そう呟いて、短槍だけ虚空にしまい、短剣は腰に佩いた上で短弓を虚空から取り出した。]
弓を置いてきたのは痛いな。
[何事かあっても船内へ戻る心算でいたから、移動の邪魔になる長弓は統制室に置いてきていた。
よもや足止めを食らうとは]
御身猛く盛りし焔 我が意思の下
立ちはだかる者を薙ぎ払わん
[予備動作から繋ぐのは、二本揃えた指で天を指すこと。
呪を唱えると、二本指の先に焔球が一つ現れた]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[頭を撫でられていたら、子供じゃないとふしゃー! となっただろうからやらなかったのは正解。
続いた言葉>>20にはぁー、と短く声を上げ]
だよねぇ……今回はお客人多いし、シンシャからは姫様いらしてるし。
誰かは気、回しとかないと、か。
[納得しつつ、そういう気配りができるからこそこっちに持って来たんだよねぇ、にーさま、なんて考えがちらりと過る。
彼の移動に関しては宰相府に勤める兄が色々と手回ししたらしい。
気質心得る間柄故の選択だったとは兄の弁だが、一応、内緒にしておけと言われているので余計な事は口にしない。
する間もなく、異変がやってきた、とも言うが]
……そうみたいだ、ってそんなあっさり言う所?
[呆れながらの肯定>>22に、突っ込みが先んじたのは性分。
食べでの話>>23と表情には逆に何も言えず。
西にも似たようなのがいる、という豆知識っぽいもの>>28にえー、となりつつ、腰の帯に挟んだ鈴を手に取った]
……とりあえず、ただやられるわけには行かないしねー。
水的力量,回應我。
其柔順的流動,變為刀片。
斬斷阻礙我的存在!
[詠唱に応じ、周囲に碧い光がふわりと揺らめく。
一拍間をおいて、光は水の刃へと転じ]
[己を囲う護衛を飛び越え、右手に迫っていた巨大海老へと放った焔矢は、対象を捉えたものの、外殻が濡れていたのもあってほんの少し焦がしたに留まった。
一方、頭上を狙ってきた巨大海老を迎撃に向かった焔矢は、見事に直撃。
相手が腹を晒していたのもあって、急所へと当てることが出来た。
焼き加減も良かったか、香ばしい匂いが辺りを包む]
止めは任せた。
[落ちてきた巨大海老を避けつつ、処理を護衛に任せて。
アデルは再び焔球へと意識を凝らす*]
て、あれ、なんでっ!?
[生じた刃は途中で形を崩し、水滴となって落ちていく。
思わぬ事態に、ひっくり返った声が上がるのは已む無しか]
……かき消された……っていうか。
えー、力、飲まれた!?
なんなのよ、この霧!
[規格外とはいえただの海老に術を無効化するちからがあるとは思ない、というか思いたくない。
となれば、術に影響を及ぼしたのは立ち込める霧の方だろう]
うっわやりにくっ……っとと!
[ぼやいた所に海老がハサミを振り下ろしてきて、慌てて後ろへ飛びずさる。
とはいえ、視界の悪さを考えると大きく動くのはちょっとまずいように思えた。*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
さて……そろそろ予定海域か。
[演習ともなれば、通常運航とは異なる役割が求められる。
意識を切り替えねば、と思ったところでその異変は生じた]
霧……?
って、そんな急に生じるはずが……!
[先の見張りで、海域の天候も確認していた。
不測の事態に背筋を冷やしたところで、肩口から声が掛かる]
『待て。これはただの霧ではないぞ。
何か妙な力が混ざっておる』
[気難しい口調で唸る精霊だが、半ば相棒の失態ではないと諭すようでもあったか。
そして精霊の言葉を裏付けるように、船は更なる異常事態に巻き込まれていく]
うわ、なんだこの……海老?
[船内へと飛び込んでくる赤い影。
あり得ない大きさだが、それは確かに海老だった。
つい呆気に取られたところを、流れるような影が過ぎる>>8]
――今のは……。
[誰だったか、と思い付くより先に、姫の声>>10が耳に届いた]
姫様!
[そう、この場において何より優先すべきは、姫の安全だ。
とはいえ姫自身が武芸を嗜んでおられるし、何より彼女の側近くには]
そうか――護衛剣士殿か。
[未だに顔と名が一致していないが、その鮮やかな太刀筋>>13は彼の者に違いないだろう。
その場は彼らへと任せると、自身は甲板付近の船員たちへ意識を向ける]
[折しも姫の呼び出した焔矢が、霧を内から赤く照らした>>35]
――俺たちも負けていられないぞ!
無闇に動くな、その場で迎撃態勢を取れ!
作業員は複数人でまとまって応戦するんだ!
[などと声を飛ばすのは、通常の海戦でも乱戦時に指示するのと同じこと。
しかしこの異常事態への動揺も見て取れたから、普段通りを意識するようにあえて口に出す*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[二本指の先に留めておいた焔球を、先程僅かに焦がすに留まった巨大海老へと向ける]
あれの動きを止められるか。
[問えば、護衛の一人が進み出て数合打ち合い始めた。
狙うは巨大海老の腹。
アデルは他の護衛に護られながら、その時を待つ]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
とりあえず、このままだとやり難い、しっ……!
風之力,依我而旋。
編織快衣的祝福,送給大家!
[早口に紡ぐのは、風の守りを織り成す術。
届く範囲は限られるが、ヴィルベルヴィントとその近辺にいる面々に風の守りを与えるもの。
ついでに、生じる気流で少しでも霧を散らせまいか、という試みでもあるが]
んー、術は発動した、けどっ!
[肝心の霧を散らすには至らない。
ふわっと散って、またすぐに周囲を埋め尽くしてしまう]
精霊力同士が干渉して弾かれる、って感じとは違うみたいだし……だとしたら何だってのよ、コレ!?
[考えられる可能性はいくつかあるが、精査する時間はない。
ともあれ今は、じりじりと近づいてくる海老への対処の方が急務だった。*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[護衛からの相槌は、巨大海老の鋏を跳ね上げ、腹部を大きく晒した時。
巨大海老の横に踏み込み、刀で鋏を抑え上げる動きをする護衛に合わせ、焔球から焔矢が飛び出した。
先程よりも威力を込めた焔矢が、巨大海老の腹部へ達しようとしたその時]
むっ。
[巨大海老が背を曲げて後方へと跳ね逃げた。
焔矢の軌道が僅かにずれ、再び僅かに焦がすに留まる]
あの体勢から避けるとは。
存外手強い。
そのまま始末してしまえ。
[急所を外したとはいえ、巨大海老の動きは鈍っているよう。
後の始末を前に出た護衛に任せ、アデルは一息ついた*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[無論自身も声を飛ばしているばかりではない。
白兵担当として前線で敵を食い止めるべく、船べり方向へと走っていく。
躊躇がないのは船から落ちないよう、靴底に仕掛けが施してあるからだ。
鉄の重い靴音は、頭上に差し掛かる赤い影を見て止まった]
――来たな。
[腰の留め金から外して、手に取るのは鉄の先端を持つ鉤縄。
回転と磁力による勢いを付けながら、それを上空の海老目掛けて放る]
― 『ヴィルベルヴィント』上空 ―
[斬りでよく見えないが、どうやらどの船も対処は落ち着いている様子。
それだけ慣れてるのか、なんて微妙にずれた感心をしつつ、剣を抜き放つ]
悩んでいても始まらんならいくだけ……と。
行くぞ、オルヒデーエ!
[右手に剣を提げ、応じて吼える雷竜を降下させる。
甲板上に突っ込むのは色々と問題があるので、向かう先は海面]
……いよ、っと!
[やや軽い掛け声と共に繰り出されるのは突きの一撃]
当たった!
[腹部をしたたかに打たれた海老は再起不能の様子で、甲板に転がりビチビチと跳ねた。
これなら戦闘要員でなくとも複数人で仕留められるだろうと、意識を別の海老へ向ける。
後方からは良い香りが漂っており>>39、これを食べられるなら食糧庫が随分と潤うと思ったが、今は事態への対処が優先だ]
――そこ!
[と、右手を縄から放し、素早く抜き放ったのは苦無だった。
今にも振り下ろされんとしていた海老のハサミを、手の振り以上に加速した苦無が弾く]
剣士殿と違って、接近戦は得意じゃないんだがな……。
[しかし場を選んでいられないのは、常の白兵戦でも同じことだ。
両手に苦無を持つと、まずは左手の一刀を先と反対側のハサミへ投げ]
[繰り出した一撃は、海面から飛び出した海老の腹部を真っ向貫く]
後退!
[短い指示に応じて雷竜は急上昇をかける。
その勢いを利用して深く貫いた海老から剣を引き抜いた]
当たり所が良ければ、そう苦労はしない……っと!
[呟いた直後、こちらを追うように複数の海老が海面から跳ね上がってくるのが見えて]
……オルヒデーエ!
…ふむ、迎撃するだけが方法ではないな。
[思い付き、留めてあった焔球を両掌の上へと移す]
御身天より賜りし柔き光 我が意思の下
害意より護りし衣たれ
[両掌の焔球がゆらりと揺れ、くるりと身を翻すように回転するとその姿が光球へと変化した。
そのまま両手を天へと掲げると、細かな光の粒子が辺りへと散った]
[雷竜の口から放たれるのは鱗と同じ薄紫の雷撃。
それは海老の一匹を見事に焦がしたものの、もう一匹は仲間を盾にして海中へと逃れて避けていた]
……やるな、海老……というか。
食べられたりするのか、これ……?
[浮かんだのは今更のような疑問。
雷に焦がされた海老が残した良い香りに感じたもの。
それに対し、ぐぁるぁ、と鳴いた雷竜の声は、『あれ、美味そう』という同意の響きを帯びたもの。*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[シャン、と微かな、鈴のような音を残し、光球は粒子となって散る。
散った光の粒子は身の護りとして、甲板にいる船員達を取り巻いた。
巨大海老の攻撃をいくらかなりとも軽減してくれることだろう]
……?
術の発動が弱いな。
何か干渉でもされているのか?
[この異常な霧が影響しているのだろうか。
手応えの薄さにアデルは首を傾げていた*]
[わしゃしゃしゃ、と矢が当たったであろう海老が現れる。]
うーん、やはり怒っておるのぉ。
[ガチガチとハサミを鳴らす海老に嘆息する。
矢は、海老の目に刺さっていた。]
どうせ死ぬのには変わらんのになぁ……
外した!?
[しかし右手から放たれた苦無は、空中で突如力を失い、海老の腹を軽く叩いただけで落ちた。
その間に体のバネで体勢を戻した海老は、再び左のハサミを容赦なく振るう]
うわっ、と!
[咄嗟に回避するものの、ハサミは右肩を掠める軌道。
しかしその時、船上に光が散り、搭乗者たちを包み込んだ>>55。
受けた一撃は思うようなダメージには至らない]
――姫様の力か。
[周囲がざわつき、更なる奮起をしたのは言うまでもない。
牽制する者たちの力を借りて、更に後方へ跳躍し、海老と距離を取る。
その時間を借りるように肩上から声がした]
『むう……妙な力に阻まれたわい。
あまりこちらを過信せん方がいいぞ』
なら『当たれば痛い』攻撃にするか。
[精霊の助言に応じて、再び鉤縄を手に取る。
回転による十分な加速の後、海老の頭上向けて放る]
……まあ、色々と突っ込みどころはあるが、海老に変わりはない……って事だろうしな。
[美味そう、と唸る相棒に対して言えたのはこんな言葉。
内陸のナハティガルでは、海産物の方の海老は高級品の部類に入る。
上流貴族でありながら質素倹約を心掛けるラヴェンデル家では、滅多に見られない代物で。
これだけ大きければ食べ応えはあるだろうな、という点は否定できなくはないが、いやそれでいいのか、というどうでもいい所で葛藤が生じていて。
そんなどうでもいい事で動きが鈍った隙をつくように、先ほど海中に逃げた海老が再び飛び上がってきた]
[頭上から降った鉤は海老を明らかにふらつかせた。
しかし痛みと混乱によるものか、激しく両ハサミを振りつつびちびちと暴れる姿は、どう見ても安全になったとは言えない]
『むしろ危険すぎて手を出せなくないか』
だったら縛るまでさ。やれるだろ?
[呆れ声を出す精霊を煽るように、協力を促す]
『おうおう。霧なんぞに負けたら羅針の名折れじゃわい』
[右から大きく弧を描くようにして、鉤縄が飛ぶ]
ちっ!
[振るった一撃はハサミによって止められる。
海老の方も態勢を崩して落ちていったが、こちらもすぐには態勢を戻せない……と思いきや]
……これは……風の援護か!
[ふわり、触れてきた感触>>46は、魔力の質こそ違うが相方がよく用いるものとよく似た術のそれ。
雷竜の方もそれと気づいたか、素早く翼を動かし海老の急襲から逃れる]
[そうしていると、一人の船員から声がかかった。
その手にはアデルに馴染みの深い長弓が握られている]
兄上の差し金か?
[ふ、と笑みを浮かべる]
置いてきたことに歯噛みしていたところであった。
大儀。
[長弓を受け取り、船員を労って。
矢筒を背負い、矢を一本引き抜いた]
キアラ嬢……かな。
助かった。
[位置取りや距離的に、援護を届けてくれたのは彼女だろう、と当たりをつける。
後で礼を言わんとな、と思いつつ、まだまだざわめく海面に意識を向けた。*]
[矢を弓の弦にあて、強く引き絞る]
やはりこちらの方が良いな。
[術を放つにしても、使い慣れた長弓を介した方が扱いやすい。
気が引き締まる、とでも言おうか。
周囲の警戒は護衛に任せ、離れた位置にいる巨大海老に狙いをつけた]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[カァン!と快音が響く。
放った矢が硬い外殻を貫いた音だ]
───……うむ。
[矢が走った先、巨大海老がゆっくりと倒れていく。
その様子を満足げに見ながら頷き、アデルは長弓を降ろした。
後に確認した時、倒れた巨大海老は頭をしっかりと貫かれていたという*]
……フムゥ。
[首をかしげる。
どうも、術師たちの放つ術が、霧によって阻害されたりしているようだ。]
発生源を見つけんといけんか、これは。
原因も海産物な気はするのぉ。
[この爺、なんとなくで言ってます。]
[ふわりと高度を上げ、各艦の甲板が見える高さに移動する。
どの艦も、霧に苦労しながら海老を仕留めているらしい。
倒された海老をいそいそと片付ける者も少なからずおり、どうやら食べられるという認識は間違っていないようだった]
……というか、食べてもいいのかほんとに……?
[一見するとでたらめのようで、その実、海老の動きには統制がとれている。
何かしら知性あるものの統率下にあるのでは、という予測が過るが、だとしたらなんだ、という壁にぶつかって思考が先に進まない]
もう少し、東方の雑学を詰めてからくるべきだったか。
[そんな暇もない忙しさだったのだかそれはそれとして]
[握り直し、振るった剣は海面から飛び上がってきた海老を捉え、叩き落す。
殻の部分に当たったためか、大した打撃は通らなかったようだが、叩き落すには十分な勢いがついていた]
ち、浅かったか。
[あれはまた上がってくるかもな、と思いつつ。
しばし、その場に滞空して警戒の構え。*]
[精霊術により手を離れても加速し続ける鉤が、海老へとロープを巻きつかせ、締め上げた。
しかし海老の抵抗は激しく、未だ容易に倒せる状態ではなかった]
とはいえこっちも……これで手一杯だ。
[縄のこちら側にいる自分は、必然海老と綱引き状態になる。
膠着状態のまま踏ん張っていると、周囲の船員が次々とロープに手を伸ばしてきた]
『綱引きなら、たくさんいる方が有利に決まってるだろ!』
『踏ん張るだけなら、俺らも出来るって!』
有難い!
[他の白兵担当も膠着に気付けば手を貸してくれるだろうが、一度狙った獲物は自分で仕留めねばという意気もある。
船員たちの協力がある今、一撃放つ機会はあるだろう]
一秒だけ、頼む。
[そう周囲に言うが早いか、抜き打ちの一投を海老の腹部目掛けて放つ]
― 回想/水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
ありがとうございます。
[驚いたにしてはアッサリと受けられたような、という感想は腹の中だけで。理解を示したコリドラス>>27に感謝を伝えた]
澱み、ですか。
[続いた言葉に深いものを感じて目を瞬いたが、その話が広がる前に異変はやってきた]
ここで動揺してると、動きが鈍る。
俺の分まで驚いてくれて多謝な。
[驚きが一周回ってしまった所もあるが、キアラの前でとり乱せるものかという兄貴分的思考効果もあったり。
呆れ顔>>37にもサラリと返して、敵に突っ込んでいった]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
助かるよ。
[風の守り>>46が届いて、顔を上げる。
困惑の声>>47に一掃するのは無理だと理解して]
個別に潰すしかないんだな。
[霧の合間に見えた武装変換>>30に目を瞠りつつ、捉えた気配に集中するため軽く首を振る]
[放たれた苦無は、狙い過たず海老の柔い腹を貫いた。
暴れる力を無くした海老を、船員たちが素早く仕留め回収していく。
あちらから飛び込んできた食材を無駄にする気はない、というのは、海に生きる者たちの共通認識だった]
手間取ったな。
[軽く息を吐いたところで、風を切る音と共に、快音が響いた>>68。
視線を向ければそこには、見事に頭を貫かれた海老の姿があった。
矢の放たれた方向から推測すれば、それを為したのが誰であるかは明白で]
――お見事。
[思わず感嘆と共に、そう呟いた*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[色々と考える所、思う所はあるのだが。
どうにも思考はまとまらない]
……んー、なんかこう、澱んでるような感じもするしー。
試すだけ、試してみるか。
[小さく呟き、手にした鈴に力を凝らす。
りりん、と甲高い音が霧の中に響いた]
水之力量,集結我的意志。
以淨化的力量展開的尖尖花瓣的青花。
讓它打開並隨心所欲地跳舞!
[紡がれる術に応じて、霧の中に灯った碧の光がぽんっと弾けるように形を変える。
生み出されたのは、鋭い刃を思わせる花びらを持った碧い花。
それはくるりと一回転した後、無数の花弁と転じて海老の群れへと襲い掛かる]
[舞う碧の花弁は刃の鋭さと、水の持つ浄めの力を併せ持つ。
海老を撃退しつつ、霧の力を浄化して弱められないか、との試みだったのだが]
……ん〜〜〜っ!
海老には効いてる、けどっ!
[肝心の霧の力は、大して削ぐ事はできなかった。
それでも、海老を三匹まとめて無力化できたのは大きいだろう。
花弁に要所を傷つけられ、甲板に倒れた海老には他の乗組員たちがきっちりとどめを刺していた。*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[風が幾らか霧を払ってくれたおかげで早くに影を捉えることができ、大きく跳ねてきた海老のフライングボディアタックは回避成功。
びたーん!と大きな音が鳴って甲板上に海老が伸びる]
よっせい!
[外殻が硬いのは確認済みなので、ひっくり返すために蹴りを放った]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
よし。
[至近距離なら霧の影響も少ない。
ジタバタともがく海老の腹を深く刺して仕留め]
少しは減ってきたか?
[霧で掴みにくい周囲の状況に意識を向けた**]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
実は朝食を食いはぐれているもので。
[ 軽口に返された言葉に>>34刃を止めぬまま答えたのは、まぎれもない事実だ。故に、直後に炎に炙られた海老の香りは、男の腹に染みる。 ]
良い焼き加減です。
[ 結果、次期女王の戦果への感想は、多少ずれたものになったが、その言葉に込められたのは掛け値無しの賛辞だ。 ]
(成長されたものだ)
[ 護衛の力量を理解し、自らの身を守るを怠らず、引くべき時には引き、揮うべき力は躊躇わず揮う。
それは次期女王としての欠くべからず資質をアデルが満たして居ることを証明している。 ]
承知。
[ 凛とした命>>48に従い、他の護衛と共に、弱った海老をさくさくと排除していく。その間にも届いた光は>>57その術の効果以上に剣士達の士気を上げたと、姫君自身は気づいていたかどうか。]
― ヴィルベルヴィント近辺 ―
[唐突な出来事に対する動揺が鎮まれば、海老如きは二国の水軍の敵ではない、という事らしい。
そんな分析を巡らせていると、不意に、海面が大きく揺らいだ]
……なんっ……!
[なんだ、というより先に海面からにゅ、と生白い物体が二本、突き出す。
何かの触腕らしい――とどうにか認識した直後、これまた真白の物体が海面に姿を見せた]
あれ……もしかして…………烏賊か?
[こちらもこちらで馴染みはないのだが。
特徴的な姿形故に、それが何かは認識できた。
できたらできたで、その大きさに圧倒されるわけだが。*]
[ やがて、手元に届けられた長弓をアデルが引き絞るのが見えた。>>67 ]
...。
[ 濃い霧を切り裂くように、放たれた矢が異形の海老の頭を貫く。>>68それを目にした者たちが、目を瞠り、或いは感嘆に瞳を輝かせるのを>>78認め、男は僅かに笑みを深くした。* ]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[方々でも巨大海老退治は進み、仕留められたものが回収されていく。
最初こそ混乱はあったものの、巨大海老は食料とみなされ貯蔵庫へと送られたようだ]
ふふ、皆逞しいな。
[海産物は身近な食材。
巨大とは言え、毒などの影響がないのならば、食べるのに抵抗はなかった]
[霧と共に出現した巨大海老。
その数は減って来たように思う]
こちらがこの様子では、ユウレン側でも同じことが起きているだろうな。
兄上も連絡は取っているだろうが…。
[聞きに行くよりはこちらの方が早い、と編むのは風の術]
キアラよ、聞こえるか。
そちらの状況はどうだ。
[風精を介してキアラに声を届ける。
霧の状況や巨大海老の出現など、お互いが直面している状況を擦り合わせんとした*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[戦後処理にも似た食材回収の賑やかさの中、船縁の一画がざわつき始めた]
何事だ?
[わぁわぁと聞こえる声の合間に聞こえるのは水の音。
それも大量に水が動くような音だった。
少しばかり船縁へとよれば、霧の合間に白い物体が見える]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[初期こそ混乱は見られたものの、船に打ち上がった大海老たちは食べられるとすれば大収穫であり、船上の安全が確保されるにつれ船員たちの表情は浮かれたものになった]
そろそろ片付いたか。
[跳ね回る海老の姿は随分と少なくなった。
一方で、そもそもの原因と思しき霧は引く様子がなく]
一体どうするんだ、これ?
テツが言うなら精霊の力でもないんだろうし……。
[精霊より上位の力とは何か、学を修めていない精霊師には予測も付かぬのであった]
巨大海老に、巨大烏賊……。
いつぞやの文献にもあったな。
確か、昔ユウレンと合同で新規航路を開拓した時の───
[遭遇した海域は違うが、過去に似たようなことがあったことを思い出す。
あの時も船は『ヴィルベルヴィント』と『八幡』が旗艦として航行していたはずだ。
奇妙な偶然か、それとも]
ともあれ、あれをどうにかせねば落ち着けぬな。
[如何にすべきか、とユウレン側の様子も窺いつつ手段を探す**]
[そんな思考が途切れたのは、航海士の一人が次なる異変に気付いたからだった。
ヴィルベルヴィント付近のことなので正確な把握は出来ていないが、どうも新たな巨大生物が現れたらしい、と]
巨大海老の頭目、だったりするのか……?
[今までは各艦の混乱収束に手一杯だったが、場合によってはユウレンとの協調が必要かもしれない。
精霊による通信は誰かしらが試みているだろうと思いつつ、続報を待つ**]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[ 巨大海老を食料として回収していく乗組員を横目に>>88男は一旦、納刀して、風精を介して声を送るアデルの>>90脇に控える。
未だ晴れぬ霧に警戒は怠らず、ユウレン側の様子はどうか?と、視線を向け ]
何だ...?
[ あちらの旗艦の側、霧の中でも視認出来るほど巨大な、白い物体に>>86思わず声を漏らした。 ]
烏賊ですね。
[ 同じく巨大物体に気付いたらしいアデルに、伝えるともなく、そう口にした男は、食材が増えたという言葉を聞くと、首を傾げた。>>93 ]
あれはさすがに...
[ 僅かに眉を寄せて白い巨体を見上げる。どこかで、こんな話を聞いた、という記憶は、実は男にもある。 ]
大きすぎて大味なのでは?
[ 確かその話でも、海老は食料にしたらしかったが、烏賊は食べたとは聞かなかった。
そもそも、艦上に引き上げられそうにもないが。 ]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
航路の邪魔となれば排除するしかないでしょう。
ただ、あの位置では、攻撃も気をつけねば、ユウレンの旗艦に当たりかねませんね。
[ 大火力の大砲や、精霊術は使えないだろう、と、予測を口にして、考えを巡らせて居る様子の、アデルの顔を見やる。>>94 ]
恐らく、あちらの動きを待って援護を、と...?
[ この船団の司令官である彼女の兄もそう考えるだろうと、言いかけた時、巨大烏賊がふいに暴れ出す。>>99 ]
艦に攻撃を...?いや、
[ あれは、烏賊の方が攻撃されているのだ、と、燃え上がる炎が教えた。>>100 ]
恐ろしく、手早いな...
[ 霧の向こうに、辛うじて見えた人影は、随分と小さな、一人きり。 ]
どうやら...ユウレン水軍には、とんでもない強者が居るようだ。
[ 烏賊焼きの香ばしい匂いが風に乗って届く中>>101静かに呟いた男の声音には、僅かな鋭さが覗いていた。** ]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[甲板に上がってきた海老は大体排除できたらしい。
これなら一息つけるかな、と思ったところに届くのは風の精霊を介する声。>>90]
あ、アデル様! はい、聞こえます。
えっと、霧に巻かれた後、海から出てきた巨大海老と交戦、一先ず撃退に成功した、所です。
[覚えのある声に端的に状況を説明して。
あちらでも海老が出た事と状況を聞けばほっと一つ息を吐いた]
ところで、アデル様。精霊術の発動とか、いつも通りにいけました?
[それから、投げかけるのは浮かんだ疑問。
彼女も術の使い手、何かしら違和を感じてはいなかったか、と思いつつ]
この霧、精霊力を打ち消す……というか。
なんだろう、飲み込むみたいな作用でもあるのかな、術がかき消されたり思い通りに発動しなかったりしてて。
水霊の浄化で、ある程度は力を削げたんですけど……なんていうか、凄く、澱んでるみたいな感じがするんです。
[疑問の後に投げるのは、問うた理由と、それに関する自身の所見。*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[状況が落ち着けば、海老の解体や保管は周囲に任せて、自身は負傷者がいないかの確認へ]
ていうかダフィさん、さっきのアレどーゆ―こと。
[兄貴分的思考>>76とか気づく由もないから、思うままに突っ込んでおいた。
答えがどうでも一発ぺしっとするのを試みるのは変わらない。
なお、こういう所が微笑ましい、と実兄にも思われているのは本人だけが知らぬ事、である]
そーいや、ノトカーさんは大丈夫かな。
[続けて探すのは、中央からの客人。
機動力を生かして海面で立ち回っていたらしいが大丈夫だったかな、と。
そんな事を思いながら甲板を巡って]
あ、いたいた。
おーい、ノトカーさーん……!
[船の近くで滞空する姿>>86に気づいて呼びかけながら駆け寄って]
え……?
あ……あれ、なに?
と、いうか、え、烏賊!?
確かに烏賊だけど、規格おかしくない!?
[放心からの立ち直りは、こっちの方が早かった。
呆然と呟くノトカーの疑問に、期せずして返答するような形で宛のない突っ込みを飛ばしていた。*]
― 『ヴィルベルヴィント』近辺 ―
[呆然としていた思考は、すぐ近くからの突っ込み>>108によって、現実へと向き直る。
直ってる、多分]
…………やっぱり烏賊、か。
って、いや、そんな話してる場合じゃないか!
[烏賊である、という認識で止まりかけたから、直りきれてはいなかったらしい、というのはさておいて]
どう見ても友好的じゃないよな……どうするか。
[船の火力を用いるには、恐らくは距離が近い。
なら、術で当たるか飛行可能な戦力が当たるか、が妥当なはず。
それなら、と思うより早く、動くもの>>99があった]
[風の力が大きく動く。
霧が僅かに薄れ、旗艦へと向けて振り下ろされた触腕が何かに斬られる様が目に入った]
……精霊術?
って、いやまて、アレと斬り合うってどういう……!
[おそらくは何かしらの術の作用に依るのだろうが、両手に短剣を携え、巨大烏賊と渡り合う、というのはそうそう見られるものじゃない、と思う。
そう思ったから、というわけではないが、視線は空中で立ち回る姿に釘付けで。
火霊の力によって烏賊が焼き上げられると、ようやく詰めていた息を吐き出せた]
なんというか……。
規格外と規格外、だな。
[ぽつり、零れたのはこんな呟き。
烏賊を下したのは確か、もう一人いる、と教えられていた客分。
最初に挨拶を交わした程度でゆっくり話す時間は取れてはいなかったのだが]
…………東方、要注意多すぎんだろ…………。
[知らず、口をついたのは素の呟き。*]
……神秘と神秘は呼び合う……んだっけ?
[ぽつ、と零れた独り言は、専用の通信具を介して相方の元へのみ落ちる。
とはいえ、相手に余裕がなければ返答もないのだが]
さすがは天の龍王の加護を受けし国……というか。
あらゆる意味で、規格外多すぎんだろ……。
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
うっわあ……コリドラスさん、無茶苦茶……。
[烏賊との戦いの様子に、零れたのはそんな呟き。
物言いはあれだが、声音で感心しているのは十分感じられるもの。
そうこうしている間に、烏賊は火霊によって綺麗に焼かれ。
今度こそ終わったかな、と一つ、息を吐く]
……え?
水霊に頼んで回収できないか?
[直後に、船員の一人から烏賊の回収ができないかと問われた]
あーのーねぇ、無茶言わないでよ!
あんなでっかいの、回収とか簡単にできるわけないでしょー!
いや、美味しそうなのは認めるけど!
海老で十分でしょ!
[きっぱり言い切ると、やっぱり無理かー、なんて軽い答えが返り。
その乗組員が行ってしまうと、ふと気づいて風の力を集めた]
アデル様、聞こえますか?
海老撃退後、『ヴィルベルヴィント』近辺に巨大烏賊が出現。
損害とかは、後で艦長の方から連絡がいくと思いますけど……烏賊自体は、水軍の客将であるコリドラスさんが撃退に成功しました。
[力を集めて声を届けるのは『八幡』のアデルの元。
彼の姫ならば早めに状況を知りたいだろう、と思ったから。**]
いやー、終わった終わった。
さすがにあれを細切れにして船に乗せても、船が沈みそうだのぉ。
[甲板に戻る頃には、いつものにこやかな表情に戻っていたが。
何故、烏賊を持ってこなかったんだ!と問い詰められても]
エェ〜ン、儂に言われてものぉ。
積載量は大丈夫なんかぁ?
焼いたから多少あれじゃろうが、海鮮は足が速いんじゃヨォ?
[と、乗組員と、やいのやいのするのであった。*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
巨大烏賊だって!?
[船縁の船員が大声で報告を寄越してくる。
自身も騒ぎの大きな方へと近付けば、確かに白く巨大な影が見えた]
開拓時代の伝説に、そんな生き物がいたっけ。
[文献に残っている>>94以上は伝説ではなく事実に近いのだろうが、しかしそうそう目撃されるような存在でないのは確かだ。
一族の中で語り草になりそうな、という期待は一旦置いて。
対処法を探り声を飛ばし合う船員に混じろうとする]
[しかし、それから程なくして]
なっ……あっちの船で、誰か戦ってる!?
[殺到する触腕に呑まれたかに見えた小さな影>>99は、しかし健在のようで。
次の瞬間、巨大烏賊を更に巨大な炎が包む>>100]
まさか、単騎で……?
精霊師、なのか?
[鮮やかすぎる手並みに、驚きを通り越して呆然としてしまう。
自身も精霊師かつ戦闘要員であると、自負はあったが]
『なんと、世にはとんでもない強者がいるもんだの』
[精霊の代弁に内心頷きつつ、相手水軍の要する戦力に思いを馳せるのだった*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[とりあえず当面の危機は去ったようだし、と一度、甲板へと舞い降りる。
降りたら降りたで霧の中、海老を楽し気に運ぶ姿に固まった]
……食べられるんだな。
[『しょっくりょうかっくほ〜♪』とか楽し気にしている乗組員の様子に改めてそれと認識する。
同時、ちょっと楽しみだな、なんて思っていたら、やいのやいの騒ぐ声>>116が聞こえた]
……あっちも食えたりしたの?
[烏賊を持ってこなかったのがどうのとか聞こえて東方すげえ、とちょっと考えて]
いや……俺らも変わらんか。
[こっちはこっちで、状況に応じて討伐した魔獣を食べたりもしてるわけで。
それと同じと考えたら、色々が腑に落ちた]
それはそれとして、っと……。
[気を取り直し、賑やかな一画へと近づいて]
お話し中失礼。
コリドラス殿……でしたよね。
巨大烏賊討伐、お見事でした。
[やいのやいのに割って入るように声をかけた。*]
/*
そーなんだよねぇ。
ようよう考えたらナハティガルの騎竜師には絶対伝わってる、『魔獣の美味しい食べ方レシピ』。
でないと、倒した魔獣生食しようとするのを抑えられなかったからなぁ……ある意味これも、生活の知恵。
/*
てか>>94、ヴィルベルヴィントじゃないですぞ。
ヴィルベルヴィント動かせない&新造艦でやる気アピールするためにシュタイフェ・ブリーゼが出向したんだぜw
ちな、シュタイフェの使用に事前確認が必要だったのって、あれ、規格が他と違うから、っていうのを事前にお知らせしないとならなかったのよね。
ガレオンの中に一隻だけスループ混じるよーなもんだからなぁ。
そうでなくともあれ、初代艦が残ってるし。
[※色々加護受けた影響でめっさ丈夫]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[風精に託した声は無事届いたようで、キアラから返答>>104があった]
そうか、こちらも同様で大体片付いたところだ。
[互いの安否確認をし、状況も似たような状態であると聞き安堵する。
ところで、と続いた言葉>>105を聞くと、「む」と小さく唸った]
発動自体はしているが、威力が安定しなかった時があったな。
何かしらの干渉でもあったかと思うていたところよ。
浄化は試しておらぬが、澱んでいる、か……。
この海域に何かしらの異常が起きている、と考えた方が良いのかもしれん。
[己だけでは気付けなかった霧の持つ異常性。
精霊師たるキアラが言うならば、その言を疑う必要はないだろう。
彼女の能力の高さは、ユウレンの次期女王の補佐についていることから証明されている]
今後も何か起きるやもしれん。
何か気付いたことがあれば、互いに連絡し合うとしよう。
[情報はいち早く共有できた方が良い。
そう考えて提案を一つ投げかけておいた*]
[瞬く間に燃え上がる巨大烏賊に、思わず目を円くした。
こんな短時間に撃破するなど、驚きと賞賛の念が過る]
……全くだ。
しかも騎竜師でも無さそうだな。
[精霊の加護を持つ竜と共に、というならばまだ納得も出来そうだったが、そのような影は見受けられない。
それ以外の誰かが巨大烏賊を単独討伐したようだった]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[巨大烏賊の船上への引き上げは、流石に無理だった、らしい。
食べられるものなら味見くらいはしてみたかったが、まあ討伐したのもあちら側だし、ないものねだりではあるか。
それに船の食糧庫は、既に海老の臨時収穫で満杯であった]
持ち込みの食糧は保存が効くものだし、消費するなら海老の方からだろうな。
[状況が落ち着いたこともあり、既に調理担当は慌ただしく動いている。
先が読めない以上、今の内に食事を済ませるのはありかもしれない]
『焼き海老切り分けてますよー!
味見如何ですかー!』
[炎の術で焼けたものやら、簡素な料理であれば既に用意されているようだ*]
― 巨大烏賊登場前/『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[問いへの答え>>121にむぅ、と眉を寄せる]
そちらでも、ですか。
アタシだけが阻まれた訳じゃないなら、海域全体に何かが、って考えた方がいいですね。
……そもそも、海老が船を襲うとか、よっぽどおかしな所に深入りしないとないはずですし。
[巨大な海老やら蟹やらは、巨大化した野生のものを除けばとある強大な存在――海の龍王の眷属のはずで。
普段から行き来している演習海域に出てくること自体異常と言えば異常なのだ、というのは伝えておいた。
もっとも、単なる野生が海域の異常に狂わされている可能性もなくはないのだが]
そうですね、何があるかわかんないし。
[情報の共有はこちらも望む所と是を返す。>>122
通信士を介していては対応が間に合わなくなる可能性もあるから、報告を怠らなければ艦長からも小言は言われないだろう、なんて思いつつ。
烏賊登場時には動揺が先に立ってうっかり事後連絡となった、というのはまだご愛敬ですむ範囲、だと思いたい。*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[そんなこんなで烏賊騒動も落ち着いて。
報告に返る声>>126には驚愕が滲んでいた。
まあ、そうだよねー、という思考は内に落として]
演習の前に、水軍の方で意気投合してお迎えした方なんですけど。
アタシもちょっとびっくりでした。
[水霊との相性に特化しているせいか、火の術は本当に基礎的なものしか使えない。
それだけに、烏賊を倒した炎の術には驚きと共に羨望めいたものも感じていた]
とりあえず、今のところ追撃とかはないみたいですし。
今の内に休んで、その間に方針決めてもらったほうがいいですね。
[決定権はそれぞれの司令官にあるわけで。
そこらはどうしても丸投げになってしまうのだった。*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
いや、ぼんず、って……。
[現役の先達たちには、今でもそう呼ばれる事はあるけれど。
滅多にないから、呼び方につい突っ込みが先に出た]
っと、失礼しました。
いや、先ほどの烏賊討伐の手際の良さに、ちょっとお話伺いたいな、と。
……具体的には、どーやってあんな動きをやってのけたのか、とか。
[精霊術の併用、とは読んでいるものの。
飛行の術は制御が面倒、という相方の愚痴を聞いていたから、軽々空を飛んでいた様子にちょっとだけ原理が気になってしまうのだった。*]
精霊術と、修練じゃが?
体に覚えさせれば、並行して他の術も使えるしのぅ。
ただ覚えるのに何年も地道〜〜に、やっていくしかないがの!!
[かっかっかっ、と快活に笑うのだった*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
そうですね。
[ 烏賊を倒したのは騎竜師でもなさそうだ>>125というアデルの言葉に男は頷いた。 ]
あの炎は精霊術でしょう。しかし術だけで倒したと言う風にも見えません。
[ 遠目にも烏賊の足が切り裂かれているように見えたのは多分、見間違いではないだろう。 ]
ユウレンは妖とも共存していますし、もしや、そういった種族の兵なのか...それにしても規格外過ぎますが。
[ 同盟相手とはいえ、未知なる力に男は僅かな警戒心を抱いていた。 ]
[ 後に、それが、アデルとキアラが交わした情報交換によって、ユウレン水軍が意気投合して迎えた客将だった、と知らされれば、警戒心は呆れに似た気分に取って代わる。 ]
...いや、ある意味...やはり底が知れないな、ユウレンは。
[ だからこそ、長年の注力により、血の楔を結んだのだろう、と、男は改めて理解した。 ]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[焼かれた巨大海老は、甲板上でそのまま捌かれている。
少し手の込んだ料理は調理室や食堂で用意されているが、それらも船室との出入り口付近で配られることになるだろうか。
ミヒャエル自身も、焼き海老の香ばしい香りに誘われるようにそちらへ向かう]
お疲れ。俺ももらっていいか?
[焼き海老を切り分けては串に刺したり、小皿に乗せて配っている同僚船員へ声を掛ける。
作業用のナイフがあるから、彼の手を煩わせずとも自分で切り取って食べるのもいいかもしれない]
[などというやり取りをしている傍らが、俄かに騒がしくなる。
見ればそこには、優雅に微笑む姫の姿があって>>138]
姫様……!
先の精霊術と弓術、お見事でした。
[騒がしい集団に混じりつつ、敬礼と共に労いの言葉を掛ける。
その間にも料理担当は自己主張に必死で]
『姫様! 術を受けた海老、見事に焼き上がっておりますよ!』
『それより、今しか食べられない刺身はどうです!? 無論、毒見は済ませました!』
[口々に声を掛けつつ、料理の乗った小皿を差し出すのだった*]
[ ともあれ巨大烏賊退治によって、異変はひとまず落ち着いたようだ。 ]
はい。
[ 食事と休息をと促すアデルに頷いて、同道するのは>>137無論、護衛としての職務の内だが ]
姫君と一緒でしたら、私も見逃されはしないでしょうし。
[ 男の声音に柔らかさが混じれば、他の護衛の緊張も、少しばかり緩む。それは、長年の間に培われた、彼らなりの呼吸というものでもあった。 ]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
いやまあ、そーですけど。
[100超えてないなら坊主扱いってどんだけだ、と思いつつ。
西の方の長命種とも接する機会は少なからずある身、すぐにそういう種なんだなー、と思い至った。
斜め上へのかっ飛ばし>>133には突っ込み重ねたくなったけど、そこは耐えて]
[返された言葉>>135は、予想を裏付けるもの]
修練……地味な積み重ねと経験あるのみ、って事ですか。
一朝一夕でできる動きじゃないとは思いましたけど……。
[一体何年かかるんだ、とは思ったが。
快活に笑う様子に、何となく聞くのはやめておいた。*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
そこはあれです、ウチの第一……『ヴィルベルヴィント流』ってヤツなんで。
[現場重視の実力主義。
それ故の事なのだ、と伝えて]
アタシはもうちょっと、霧つついてみます。
何かわかったら、知らせますねー。
[軽い口調で告げた所で、一度、風精による対話は途切れ。
さてそれじゃ、と思った矢先、香ばしい匂いが漂ってきた]
え、なになに?
さっきの海老、焼いたの?
食べるに決まってるでしょー!
[休憩ついでに腹ごしらえしろ、とのお達しが出たようで、早速海老料理が振る舞われているようで。
当然の如く、出来立てを頂かない、なんて選択肢はなかった。*]
[ やがて、海老を配る乗員へと、アデルが声をかければ、当然に起こるひと騒ぎ。>>142とはいえ、それもいつもの事だ。 ]
生モノは、お控えになった方がいいかもしれません。
[ 料理番たちのアピールを横目に、小声で警告しておく。
言わずとも、その程度の判断はアデル自身で出来る筈なのだが、これも男にとっては長年の癖のようなものだった。]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[やり取りが一段落した辺りで漂う香り。
振り返ったら、焼き海老の乗った皿がそこにあった]
あー……とりあえず、食べて休憩、と。
了解、ありがたくいただく……っと、オルヒデーエ……。
[自分だけが食べるわけには行かないから、と相棒の方を見やれば、既に海老が丸ごと用意されていた。
食べていいか? と言わんばかりの視線に頷きを返せば、ぐぅぅる、という嬉し気な唸りの後に豪快な食事が始まる]
しかし、ある意味長閑だな……。
[焼き海老の皿と海老を使った汁物の椀を受け取りつつ、零れたのはこんな呟き。*]
[アデルの傍らには、当然ながら護衛の面々が付いていた>>143。
彼らも同じ船に乗った仲、姫と同様に種々の海老料理が振る舞われる。
ミヒャエルもひとまず配膳に手を貸すことにして]
あっ、そこの方!
良かったら焼き海老どうですか?
[と、声を掛ける先は、どこか影を思わせる剣士。
配膳役が姫や他の護衛へ声を掛けるのに手一杯で、彼に手が回っていない――ように見えたのだ
それでなくても、普段の緊張が少しばかり和らいでいる護衛役に、声を掛けてみるのは悪くないと思えた*]
[ 一緒に休憩、とはいえ、護衛全員がアデルの側を離れ、食事に向かうわけにはいかない。
交代で自分のものは確保することになるのだが、ここでも出遅れがち、且つ見逃されがちなのが男の悲しい特性だった。 ]
ん?ああ、すまない。
[ そんな男に、今回ばかりは奇跡が起こった。>>150かけられた声に振り向けば、それは、先にも目を止めた精霊師だ。 ]
ミヒャエル・キタミ殿だったな。ありがとう。
[ 食べ終えた同僚とアデルを守る位置を交代してから、差し出された焼き海老を受け取って笑みを見せる。 ]
[ ようやくありついた食事に齧り付けば、なかなかの旨味と香ばしさが口に広がる。 ]
うん、美味いな。
[ 話に聞いた、昔の開拓船団に参加したと言う先祖は、巨大海老に何やら恨みがあったとか。これも先祖の敵討ちになるだろうか?などという考えがちらりと浮かんだ。* ]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[皿を差し出した相手>>151に名を呼ばれて、思わず目を円くする]
はっ。
――まさか護衛剣士殿に、名を覚えて頂けていたとは。
[焼き海老を受け取る相手は笑顔を見せていて、その表情もまた意外なものだった。
少しばかり肩の力を抜いて]
先の海老との戦いでも、活躍しておられましたよね?
あの――見事な太刀筋で。
[憧れめいた感情を込めつつ、そう言葉を掛ける。
そう言いつつ未だに顔と名が一致していないのが痛いところだが]
[彼に差し出した海老はお気に召して頂けたようだ>>152]
良かった。
[自分が何をしたわけでもないが、重責を担う彼の笑顔が見られて安堵したのであった*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[普段口にするのは専属の料理長が腕を揮った凝ったもの。
食材をシンプルに焼いただけのものも当然あるが、それでも見目美しく飾られることが多かった。
今目の前にあるのは、味付けはしてあるものの、飾りつけなどはされていない見た目ワイルドなものだった]
たまにはこういうものも悪くはないな。
[香ばしく焼き上がった海老の身を一掬い口へと運ぶ。
焼き加減も程よく、海老の旨味が口の中に広がっていく。
凝縮された旨味、とまでは行かないが、口元が綻ぶには十分だった]
ふふふ。
[美味しさに笑み、一つ、また一つと海老の身を口へと運んだ]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
……ん。
霧、少し薄くなったか?
[思わぬ海老料理三昧が落ち着いたころ。
視界を遮っていた白が僅かに薄れたような気がして周囲を見回した。
まだまだ見通しは悪いものの、先ほどよりは見やすくなっている。
これなら偵察飛行も可能か、と思いつつ、まずは食器を片付ける。
なお、相棒の方は殻まで含めてお残しせずに綺麗に平らげました、というの余談]
しかし、本当にこの霧、なんなんだか……お?
[改めて周囲を見回して。
ふと、視界を何かが掠めた気がした。
数度瞬き、もう一度周囲を見回して、そうして目に入ったのは]
…………手?
[船縁近くでゆらゆらとする、手が一本。
それを認識した直後に、声が響いた]
[唸るような、呻くような声。
それにどう対すればいいのかは、蓬莱海を行き来する者であれば周知の事。
なのだが、中央出身妖知識ほぼなし、の状態では正しい対応などできるはずもなく]
……柄杓は知らんが手桶ならそこに。
[たまたま、近くに桶が転がっていたから、何気なくこう返し。
それが、引き金となった]
……は?
[船縁に見えていた手がにゅ、と伸びた。
伸びたそれは手桶をがしいっ!と引っ掴み。
掴んだそれを天へと掲げる。
……光なんて差し込んでないし、木製の手桶に光るような部品もないはずなのだが、それは一瞬、きらーん☆と輝いたように見えた]
一体、なんっ……はぁぁ!?
[一体何だというより先に、次の異変が起きる。
手桶を翳した手がずざざざざ、という音と共に数を増やし、それらはあっという間に各艦を取り囲み、そして。
ざっか、ざっか、と一糸乱れぬ動きで一斉に水を汲み、船へと流し込み始めた。*]
☆1d後半・続・洋上の異変
フィールド
引き続き、各艦の船上。
登場敵
船幽霊。仔細はこちら参照。
姿を見せているのは手の部分だけだが、とにかく数が多い。
基本的に攻撃はせず、ひたすら水を汲むのだが、たまに手にした桶でぶん殴ったり水をぶっかけてくる個体も。
ボスキャラ
海坊主。仔細はこちら参照。
主な攻撃法は、水を操って波を起こしたり。たまに物理攻撃(拳)が飛んだりすることも。
判定方法
card利用のpt加算イベント。判定回数が最大5回なのは、これまでと変わらず。
描写的には、『船幽霊を撃破して、排水の援護をする』か、『何らかの方法で自分が排水をする』の二択。
引いたカードによって、pt加算。最終的な合計値トップがボス撃破担当。
A,JOKER:大成功 +8pt
J,Q,K:中成功 +5pt
5〜10:成功 +1pt
2〜4:失敗 +0pt
【判定リミットは6/6の00時です】
【判定数値は、メモに記載お願いいたします】
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
さーてーと。
[海老料理に舌鼓を打った後、改めて向き直るのは立ち込める霧]
ふつーの霧じゃないのは間違いなし。
この、妙な澱みの気配が何なのか、が問題よね。
風じゃ吹き払えない、水は干渉できるけど追いつかない。
……イリィがいれば、天の力も使えたんだけど……そこは仕方ないか。
[自身が補佐を務める姫騎竜師は、共にある龍の属を帯びてか天の力との親和が強い。
彼女と行動を共にしている場合に限り、天の精霊からも力を引き出す事もできるだが、この場ではないもの強請りだ]
とりあえず、もうちょっと水霊の浄化で突いて……。
[突いてみようかな、と。
思った矢先、唸り声>>#1が響いた]
ん? 今のってもしかして……!
[ヤバいの来てる? と思いつつ視線を巡らせて。
船縁に突き出た不自然な手と、それをぽかんと見つめるノトカーの姿>>162にあ、と短く声を上げた]
ちょ、ノトカーさんダメだって!
[静止の声は遅く、ノトカーの言葉>>163に反応した手が手桶を引っ掴み]
ちょ、まっ……アンタたち、限度ってもんがあるでしょー!
[豪快に分身して水を汲み始める手>>164に、思わず突っ込みが先んじた。
とはいえ、そんな場合じゃないのは状況が物語っている]
あー、もぉ……教えときなさいよ、こういう事はっ!
[誰にともなく突っ込みを飛ばしつつ、力を凝らす]
船幽霊祓うの、お願い!
アタシは排水に専念するから!
[でないと船が沈みかねない、というのは。
言うまでもなく伝わるか。*]
/*
はい。
今回一番やりたかったネタがこれであります!
pt加算のルール使えば遊べるわ、と気づいた瞬間いける、と思ったんだよねぇ、船幽霊。
てか、ふつーに水汲む以外の実害ないからな……いや、それだけで十分ヤバいんだが。
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
はっ。お言葉痛み入ります。
[アデルの労い>>155を受け一礼する。
周囲の船員にも言葉は届き、異口同音の反応を示した。
その中で、こちらへ対して問いが向けられた。
他国の客人のことであり、緊張と共に居住まいを正す]
ラヴェンデル殿ですか。
中原の名家の出でありながら、海軍の、それも演習に参加されるという行動力に、侮れないものを感じました。
演習においても――客分でありながら、全力で当たると。
その言葉には本気を感じました。
[称賛の内に、相手への警戒を含めつつ言葉に出す。
ただの客や見物人ではない、という意志は十分に感じられた]
――それはそれとして。
[と、一度言葉を区切り、表情を緩める]
未知への純粋な興味と船への感心は、個人的には好ましく感じました。
機密に触れぬよう、という緊張はありましたが――
あれほどこの船の紹介を楽しく行えたことは、これまでなかったかもしれません。
[そう付け加えた言葉も、また偽らざる本音であった]
[会話が一段落したところで、焼き海老が姫の手に取られた>>156。
担当が密かに片手を握り、喜びを表したのは言うまでもない。
刺身を手にした方は肩を落としかけたが、姫の配慮に気付いて笑顔を見せた。
食中毒云々は、後に先輩調理担当から忠告が飛ぶことになる、かもしれない*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[ 名を呼ばれ、驚くミヒャエルの様子に>>157男は目を細める。 ]
人の名を覚えるのは得意なのでね。それに、キタミ殿は、俺などより、余程活躍している。
ナハティガルの客人の案内に、戦闘時の対応...どれも立派なものだ。
[ 喋りながら、同時にもぐもぐと焼き海老を腹に収めていく。 ]
私の剣術は、姫君や王家の方々を守る為のもの。だが、この船は貴殿達の力で守られて居る。
つまり私達自身も、守ってもらっている立場だ。
おかげで、こうして、食事にもありつけたことだし。
[ 最後は冗談めかして、小さく目礼を贈り ]
...フィオン・カムナだ。今後ともよろしく頼む。
[ ミヒャエルは知らなかっただろうが、敢えて名乗るのは、珍しい事だった。* ]
/*
そういえば、対訳のせてなかったなー、と思い出す。
>>38
水の力よ、我に応じよ。
そのしなやかなる流れ、刃と変えて。
我を阻む存在を切り裂け!
>>46
風の力、我に応じて渦を巻け。
速き衣の恵み織り成し、皆へと届けよ!
>>80
水の力、集いて我が意に沿え。
浄めの力得て開く鋭き花弁の碧の花。
開かせ、思うがままに舞い踊れ!
でした。
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
そんなことは……。
[護衛剣士>>171の言葉に少々恐縮を覚える。
たまたま機会が噛み合い、目に留まったのだろうと思えたから。
しかし続く言葉は、気分を高めるのに十分なもので]
はっ、この上ないお言葉です!
同僚たちにも伝えておきますよ、きっと励みになりますから!
[国最高の守り手を守る。
それは水軍兵たちにとって、またとない栄誉であった]
[冗談めかした目礼に笑みを浮かべたところで、聞こえたのは相手からの名乗り>>172]
――カムナ殿。
はい、こちらこそ、よろしくお願いします……!
[その名乗りが珍しいものとは知らなかったが、彼の名とともに、船員としての誇りがまた一つ胸に刻まれた*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[色々予想外の展開に呆然としていた所にキアラの声>>167が響く。
他にもとにかく動け、と叱咤する声があり、どうにか我に返る事はできた]
ぁー……やっちまった以上は、やるしかないか!
[理屈はさっぱりわからないが、とにかく自分がやらかした、というのは察しが付く。
故に、謝罪よりも今は動け、と相棒に飛び乗った]
……オルヒデーエ!
[海から伸びる手――船幽霊というらしいそれの本体がどこにあるかは読めないが。
とりあえず、海面、そしてその奥へ向けて雷を叩き込んでみる事にした]
[撃ち込まれた紫雷は船幽霊に衝撃を与えたらしく、水を汲んでいた手が一部、しおしおと消えていく。
それでも数はまだまだ多い]
……直接切った方が早いか、これ……?
[船縁に沿って綺麗に整列されているから、それはそれで狙いにくい、という思考はちょっと、横に置いた。**]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[海老三昧の賑やかさはしばし続く。
食事を終え、後片付けを船員に託した後は、霧の様子を観察していた]
ふむ、少しは薄くなったようだな。
[未だ晴れぬ霧の奥。
『ヴィルベルヴィント』の姿は多少見やすくなった。
その他の艦を確認するが、今だ視認出来ない艦がいくつかある]
よもや……逸れたか?
[霧で確認出来ないだけなのかが判別出来ず、首を傾げた。
兄ならば既に状況確認に動いているだろう、と船縁から離れようとして]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[状況に呆然としていたノトカーも動き出し、とりあえずはだいじょーぶかな、と意識を自身の前に向ける。
乗組員各位も手動での排水に尽力しているようだが、絶対数で負けているためちょっときつい、と思えた]
……とー、なれば。
水,水,回應我。
按照我的意願跳舞,回到它應該去的地方!
[光に触れた水は宿る水霊の力によって船縁を超え、海へと落ちる。
それでもまだまだ、汲まれる方が多いようで]
……やってやろーじゃないの。
[これでも、水霊の扱いではユウレン宮廷精霊師団の中でも長けている方、という自負がある。
船を沈めるだけの妖に後れを取ってたまるか、と。
そんな負けず嫌い気質が頭をもたげていた。**]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
はい。そう思います。
[アデル>>174の言葉に異議はなく、ひとつ首肯する。
重ねられた礼に深く一礼を返して、その場を辞した]
[そうして、自身も焼き海老にありついたり、休息の時を過ごしていたのだが――]
[船の周囲を取り囲む、無数の手>>180]
新手か……って、こいつは。
[船乗り一族なら誰でも、寝物語に聞いたことがある。
その対処法も連綿と受け継がれていたから、この状態を見るのは初めてであったが]
船幽霊!?
でもなんで桶を……!
[混乱したが、驚き固まる姫が視界に入って我に返った。
犯人捜しをしている場合ではない]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[ ひととおりの食事と休息を経て、霧の様子を確かめようとするアデルに従い船縁近くへと足を運ぶ。>>179 ]
あの濃霧は、感覚自体も狂わせるものだったようですから、航路を逸れる船もあったかもしれません。
[ 薄れた霧の向こうに見える状況は、楽観視出来るものではない。しかし男は淡々と予測出来る事実だけを口にした。 ]
戦闘要員、幽霊の手にお帰り願え!
非戦闘員は全力で水汲み!
姫様のお召し物を濡らすなよ!!
[自分の命令権が及ぶ範囲で、船員たちに声を掛ける。
この状態の船幽霊に対抗するなど前例のないことであるから、発破を掛けるように姫の名を出した。
直接危害を加えられることは少ないだろうが、いざという時の守りは専門家に任せるべきだろう]
『して、オヌシは何をする気だね?』
こういう時のための金だらいだろ!
[かくてミヒャエルも、己に最適な道具を用意するのだった**]
[ 異様な状況に、動きを止めたアデルの前に飛び込むようにして、届く範囲の手桶と船幽霊の腕を斬り飛ばす。 ]
姫君、下がってください!
[ 船幽霊、と、声が上がるのが聞こえた。>>184見たことは無いが聞いたことはある名だ。 ]
はっ!
[ 桶が返される前に蹴り上げて、同時に船幽霊の腕を斬り落とす。
ばしゃん、と蹴り上げられた桶から落ちた海水が、男にも跳ねかかったが、濡れる程度は想定内だ。 ]
姫の側に二人残して、後は船幽霊の排除と排水の援護に回れ!
[ 恐らく水以外の脅威は当面無い。ならば船を沈めぬ方が優先と、男は同僚の護衛達に指示を飛ばした。** ]
これはこれでアリなんじゃなぁ。
[一匹(?)、シオシオと萎んでいく様子に頬を掻き。]
とりあえず、祓う方に集中するかのぉ。
[虚空から弓と矢を取り出して]
とりあえず、気をつけるが、弓を使うから、空飛ぶものは気をつけてなぁ。
[のんびりと声をあげた。]
ふむ、まぁまぁかのぉ。
[首をかしげ、成果と周りを見回して。]
儂も排水に回るかの。
[自主的に排水の方に手を貸すのだった。**]
/*てすきようー
― 某日・某所 ―……ふむ。 ちぃと東の方が危ういか。 [剣呑な光が小柄な妖精族の瞳に閃く。 国頭である青年と、青年に力を貸す超常の青年の元へ、ぴょこぴょこと近付くと] 風の坊《ぼん》に、黒焔の坊主。 ちょいと手を貸してくれんか。 力を制限する封印具を作りたい。 ……ぉん?使うのは儂じゃよ? 知ってて無駄になる知識じゃなし、別にええじゃろ? 知識があれば、応用も効くしな。 [超越者の一人である妖精族はかんらかんらと、楽しげに笑う。]
/*
あーー……、東の方がちょいと荒れそうでな。
『山』の方はどうにかなるじゃろうから、『海』の方に助力しようと思ってな。
流石に儂が全力を出すと、よろしく無いからの。
それゆえの封印具じゃ。
[懸念と釘刺しに、妖精族は肩をすくめながら答えたものの。]
……ふむ。どうせじゃから彼奴の顔と名前と肩書きを借りて行こうかの。
[ニンマリと碌でも無い事を思いついた顔で笑う妖精族に同席していた二人は何を思ったかは知る由もないが]
彼奴には、儂が戻るまでは『小競り合い』には顔出すなよ、と伝えておいてくれまいか。
ついでに、適当な命令書も作ってくれるとなお助かるでな。
なにせ、彼奴は半分はもう、ここの将のようなもんだからの!
[カッカッカ、とその場に高らかに笑い声が響いたのだった*]
― 某日・某所 ―
……ふむ。
ちぃと東の方が危ういか。
[剣呑な光が小柄な妖精族の瞳に閃く。
国頭である青年と、青年に力を貸す超常の青年の元へ、ぴょこぴょこと近付くと]
風の
ちょいと手を貸してくれんか。
力を制限する封印具を作りたい。
……ぉん?使うのは儂じゃよ?
知ってて無駄になる知識じゃなし、別にええじゃろ?
知識があれば、応用も効くしな。
[超越者の一人である妖精族はかんらかんらと、楽しげに笑う。]
あーー……、東の方がちょいと荒れそうでな。
『山』の方はどうにかなるじゃろうから、『海』の方に助力しようと思ってな。
流石に儂が全力を出すと、よろしく無いからの。
それゆえの封印具じゃ。
[懸念を口にすれば、当然行われる釘刺しに、妖精族は肩をすくめながら答えたものの。]
……ふむ。どうせじゃから彼奴の顔と名前と肩書きを借りて行こうかの。
[ニンマリと碌でも無い事を思いついた顔で笑う妖精族に同席していた二人は何を思ったかは知る由もないが]
エェ〜ン、ダメじゃのぉ?
[却下されれば、若干不服そうな声をあげ。]
まぁ、それならしょうがないの。
このまま頑張ってくるとするわい。
[かっかっかっと、楽しく笑ったのであった**]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[護衛剣士が姫の前に立ち、船幽霊の腕を斬り飛ばす>>188のを視界の端に捉えた]
カムナ殿!
[彼がいれば、姫の安全に関しては問題ないだろう。
直接的な攻撃が少ないからか、護衛からも幾人かが排水や船幽霊の排除に回ってくる>>190]
有難い……!
今はとにかく手数勝負になるでしょうからね。
[船内は汲み上げられる水と汲み出される水で、せめぎ合いの様相を呈していた。
自身もまたそれに加わるため、肩上の精霊に指示を出す]
テツ、金だらいでとにかく汲み出しだ!
[すると磁力で操られた金だらいは、満杯に水を汲み上げては外に捨てるを繰り返し始めた。
地道だが人力でたらいを持ち上げるよりは、確実に早い。
無論水を直接操れる精霊師なら、その手段を取っているだろうが]
取れる手段で全力を出すのが、地味系精霊師の生き残り方、ってな!
[船幽霊からの妨害を警戒しつつも、ざばざばと水を汲み出していく**]
…海にはこのようなものも居るのだな。
排水と、船幽霊の排除か。
[驚愕を深呼吸で落ち着けて、為すべきことを確認する。
汲み入れられた水に濡れないように、と少し高い位置へと誘導されると船員達がそれぞれ対処に向かっているのが見えた]
水精とは相性が悪い故、直接的な排水は出来ないが……。
[ならば、と両手で器を作るような仕草をし、前方へと掲げた]
御身吹き荒ぶ
[掲げた手の器の中に現れたのは小さなつむじ風。
それを前へと投げ出す]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[つむじ風で水を巻き込み、船の外へと排水しようとしたが、上手く巻き上がってくれなかった]
くっ、やはり無理があったか。
[まだ水嵩が低いのもあるのかもしれない。
この手は使えぬ、と判断するのは早く、つむじ風を今度は船幽霊へと差し向けた]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[上下運動により見え隠れする船幽霊の手。
タイミングを合わせることなく放ったつむじ風は、手が引っ込んだ時に通過してしまった]
上手くゆかぬものだな。
[海上へと走ったつむじ風は、やがて解けて消えていく**]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
水,水,回應我……。
[力を凝らし、水へと呼びかける。
特定の精霊と盟約を交わしているわけではないが、水の精霊たちは幼い頃から身近な存在だった。
力の制御を学ぶ以前は人との接触に不慣れな水霊と遊んでいる内に、周囲を水浸しにする、なんて騒動を引き起こした事もある。
この辺り、恐らくダーフィト辺りは確りと覚えていそうではあるが]
按照我的意願跳舞,回到它應該去的地方!
[碧の光が舞い、水が再び跳ね上がる。
行きかう水が飛沫となってかかるが、今はそんな事は気にしていられない]
こんな事で沈められるとか、じょーだんじゃないからね……!
[ふる、と首を振って水を跳ね飛ばしつつ、次の排水のために力を凝らす。**]
― 『ヴィルベルヴィント』近辺 ―
まー、何はともあれ。
この状況じゃ、悩むよりまず動け、だなっ!
[余計な事を考えるとダメな方の流れに飲まれるな、と。
そう、思ったから思考を切り替えた。
騎竜師としての称号を得たばかりの頃は考えすぎた挙句ダメな方に吹っ切って、終わってから散々相方に突っ込まれた……というのは、今だから笑える話。
ちなみに、ダメな方に吹っ切った挙句、無茶特攻していた頃の事を相方がしみじみと思い出している……なんてのは、知る由もない事]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
……汲めてはいるが、いまいち勢いが足りないな。
[金だらいを操りつつ、独り言ちるのはそんな感想。
しばし奮闘していた所に、水を巻き込みつつ通り過ぎていくつむじ風が見えた>>203]
風で巻き上げる……そんな方法もあるのか。
[しかし、いまいち有効な手段ではなかったようで]
『水嵩が低いせいかもしれんな。
たらいで汲むのにも、床を引き摺り回すようにしないといかんだろう?』
ふむ……。
[言われてみると、現状では大きなたらいに水が溜まりきらず効率が悪い]
いっそ、船に水を入れられる前に受け止めてみるか……?
[空中で回収し、一杯になったら捨てる。
その方がたらいと自身の能力を活かせるのではないかと、試してみることにした*]
……ちっ!
[規則正しく並ぶ手に向けて放った横薙ぎの一閃は、タイミングよく引っ込んだ動きによって避けられた。
出てきたタイミングで追撃するか、とも思ったが、のんびりとした声>>194に一時上昇を選択する。
三連射と、それに続く一射が船幽霊を射抜く様子に、は、と小さく息を吐いた]
なんというか……底が知れんというか、掴みどころがないというか。
……間違いなく、親父殿と近いタイプだよなあ、あれ。
[先に言われた言葉>>196 >>191を思い返してふ、と息を吐く。
勉強になった、と言われた時>>193には、何も言えなかった。
余裕がなかったのもあるし、場を和ませられるような機微もない、という自覚もあったから]
まあ、ほんとに。
……味方でよかった、としか言えんなあ。
[ぽろりと落ちたぼやきに、雷竜がぐぅ、と同意の鳴き声を漏らす]
[距離を測って降下しつつ、繰り出したのは突き一閃。
が、そこで生じたのは予想外の出来事]
……って、それありかっ!?
[水を流し込んで戻ろうとしていた桶がくるりと返され、剣先を弾く]
んのっ……器用じゃねぇか、この!
[浮いた剣を強引に引き戻し、『やーいやーい』と言わんばかりにふるふるしている船幽霊へ向けて再度繰り出す。
こちらの立て直しの速度は読めていなかったのか、切っ先は今度は過たずに船幽霊を捉え、手はしおしおと消えていく]
そうそう何度も、遅れ取れるかっ……!
……オルヒデーエ!
[距離を開け、相棒の名を呼ぶ。
心得た、とばかりの咆哮の後に放たれるのは紫雷のブレス。
翔ける雷は船幽霊を捉え、複数の手が掻き消えていった。*]
さっきよりはまし……なのか?
[これはこれで取りこぼしが多い気もしたが、ともかくやらないよりはましと続けることにした。
しかし幽霊の手も水を汲むばかりでなく、直接人に水を掛けたり、桶で殴るようなのもいるようだ。
今もたらいを叩いて引っくり返そうとでもいうのか、不自然に伸びてきた手があって]
――させるかっ!
[素早く手に取るのは腰の鉤縄。
回転運動をつけた先端を、船幽霊目掛けて投げる*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
ん……少し、数減ったかな。
[他の面々が船幽霊を倒しているのもあってか、汲まれる水の量は減ってきている気がする。
ならば一層気合を入れなくては、と。
その思いに応じるように鈴がちりん、と鳴った]
水,水……。
[三度紡ぐ、呼びかけの言葉。
しかし向こうも学習しているのか、詠唱している所を狙うように水入りの桶をぶん投げてきた]
……っ!
[突然の事に動きが止まる。
桶自体は何かに弾かれ、直撃は免れたものの水はまともに引っ被る事となり]
……こんのぉ……やってくれたなぁぁぁ!!!!
[濡れるのは構わない、と言っても限度がある。
ぶんぶんと頭を振って水気を振り払った後、手にした鈴を握りなおした]
[船幽霊を睨みつつ、力を集中しようとするも怒りのせいか水霊への呼びかけが上手くいかない]
……ぅ〜〜〜っ!
[気持ちは急くが、まずは落ち着かないと、と自分に言い聞かせ]
水,水,回應我。
淨化的力量,留在裡面的干淨水。
回到你應該和你迷失的靈魂在一起的大海!
[紡いだ術は、浄化の力を水に与えるもの。
その上で海へと返す術。
甲板にたまっていた水が波のように持ち上がり、船幽霊たちを巻き込んで海へと消えた]
……見たか、碧華の技!
カマグィ家の精霊師、舐めんじゃないわよ!
[啖呵はいいが、濡れ鼠だと決まらない、かも。*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[手応えは予想以上にあった。
鉤縄は投げ方によっては複数を巻き込める武器であり、今回もついでとばかり船縁を薙ぐような軌道で投げたのだが。
複数の船幽霊の手が薙ぎ倒され、消えていくのが見えた]
よし、今ので結構手数を減らせたんじゃないか?
[意外と物理的手段も船幽霊に有効なんだろうか。
鉤縄を引き戻し、どちらに意識を集中させるべきか、と逡巡したところに影が差す]
うわっ――とお!?
[船幽霊の手が振り上げた桶に、既に水は入っていない。
それはそのまま、こちらの頭上へ向けて振り下ろされる。
残念ながら、桶を受け止められるような武器は手持ちになく]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[一度は天へと吸い込まれていった光の矢は、二拍の後に天より振り下りてくる。
その数は数多。
船縁に並ぶいくつもの船幽霊の上から降り下りた。
水を船に投げ入れる手も、海の水を汲もうとしていた手も、光の矢に貫かれ形を崩していく]
うむ、手応えありだな。
[横から狙うのが難しいならば上から落とせば良い。
上下運動を繰り返す対象ならばそれが効果的だろうという狙いは功を奏したようだ*]
[桶を受け止めたのは、水を捨てた直後で空になっていたたらいだった。
普段なら避ける一択だが、丁度いい"金属"があればそれを使うのがキタミ流だ]
でも……こいつ、結構しぶといな?
[金属との衝突で桶の形は多少歪んでいつものの、船幽霊も意地になったのか、鍔迫り合いのような状況になっていた]
『むうう……こんな形で力比べをする羽目になるとは』
砲弾や武器相手ならやったことあるだろ?
どうせだから、そのまま押し切ってやれよ。
[空いた両手で他の船幽霊に牽制の武器を投げつつ、精霊をけしかける]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[ アデルが、とりあえず水のかからぬ場所まで避難したのを確認すると>>201男は、船縁の柵に片足を掛け、左肩に抜き身の刀を担ぐ。 ]
はっ!
[ 短い気合いと共に柵の上へと身を運び、細い足場を駆け抜けながら、波間から伸びる船幽霊の腕を撫で斬るように揮う。 ]
ふ...
[ たん、と柵を蹴り甲板に着地してから息を吐く。駆け抜けた船縁では、斬り落とされた船幽霊の腕の一列がまとめて波間に消えていった。** ]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[排水の傍ら、鉤縄で伸びてきた船幽霊の手を纏めて薙ぎ倒していく様子>>221が見えた]
良き反応をする。
…ふむ、水嵩が低いうちは船幽霊の数を減らす方が良いのかもしれないな。
[汲み入れられる水が多いならば、排水を優先した方が良いだろう。
だがまだ沈む可能性が低いならば、原因を排除した方が排水してもまた汲まれる、というループを防げそうだ]
キアラならば排水の方が得意そうだがの。
[水精の扱いを得意とする彼女ならば、恐らく排水に尽力するのだろう。
よもや、船幽霊の所業にキレて排水と同時にぶちのめしているとは思いもしない]
なっ、負けた?
[正確には船幽霊の手が、不意に力を"抜いた"のだ。
それにより金だらいは桶から力点をずらされ、在らぬ方向に飛んで行ってしまった。
自由になった桶をヒラヒラと振る辺り、偶然ではなく意図的にやった上で、勝ち誇っているようにも見えた]
『いや、コヤツ、随分とやりよるわい』
くそっ、でもこのままじゃ済まさないぞ!
[鍔迫り合いに負けたからといって、見逃すつもりはない。
次なる武器を構えようとしたところで、不意に、天が光った>>224]
この光……姫様の!?
[天から降る無数の矢は、一瞬にして数多くの手を消し飛ばした。
それはミヒャエルの眼前の手も例外でなく]
やはり――すごいお方だ。
[次期女王に対する敬愛は当然として、武人としても。
期せずして救われる形になったことを思いながら、一度頭を垂れた*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[上からの攻撃が効果的であることは分かったが、動く的に当てられないというのは弓矢を扱う者として悔しいもの。
故に今度は見え隠れする船幽霊の手に狙いを定め、矢を射ることにした。
引き絞った長弓に光の矢が現れる]
──…ふっ!
[伸び上がりの動きのリズムを何度か見て、船幽霊の手が海水を汲むために引っ込んだタイミングの直ぐ後に弦を離した。
一条の矢が再び伸び上がって来た手を捉え、貫いていく]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[狙ったのは先程とは別の船縁に蠢く船幽霊の手。
数多に分かたれた光の矢がそれらを飲み込んでいく]
だいぶ数が減ったかの。
これならば船が沈むこともあるまい。
[フィオンは身軽な動きで船幽霊を斬り払っていたし、ミヒャエルも排水の傍らに船幽霊を薙ぎ倒していた。
他でも桶で殴り返したり斬り払ったりと、艦を囲む船幽霊はどんどん数を減らしていっていた]
後は水が引くまでの辛抱か。
[少し高い位置にアデルは、ある意味で身動きが取れない状態。
排水は船員や護衛達に任せるよりなかった*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[他方、船の柵の上を駆ける影があった>>226。
細い足場は熟練の水軍兵であっても、そうそう上に立とうと思うものではない。
だからその動きは、どこか意識に引っ掛かるものがあった。
或いは一列まとめて切り裂かれた船幽霊の腕を見て、かもしれないが]
海の兵士にもそうそう出来ない動きをされるとは。
――いや、負けてはいられないな、これは。
[二者とも対抗をするような存在ではないのだが、そこはそれ。
いつ止まるとも知れない船幽霊に対し、今は奮起が必要な時だった。
再び他の船員たちに交じって、対処に駆け回る*]
/*
よいしょっと箱前到着。
姫君調子上がったようで何より。
最後の全部外したりしたらご先祖同様海に沈む予定だったりしました。
実は半ネタキャラなんだよ!いつでもネタる用意はできている!(ふんす)
/*
さて、どーすっか。
ダフィさんは殆ど来れない宣言してるんで、ここで〆るのもありではある。
なかのひとが把握できてるだけに、1時間で無理させたくねー、ってのもあるし。
自分的なあれそれもあるし、早回しさせてもらうかぁ。
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
ふえ?
[呼びかける声とふわり、と包み込む力の感触>>233に、瞬きひとつ。
完全に乾くには至っていないが、少なくとも気は鎮まった]
あ、ありがとーございます、コリドラスさん。
というか、今のって、三種ぐらいの複合?
[落ち着けばそっちに興味が惹かれるのはある意味已む無し。*]
― 回想/水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
酷い怪我人は出てなさそうか。
ん?
ああ、キアラは変わってないなって。
アテッ。
[負傷者を確認してくれていたキアラ>>106に返したのはそんな感想で、物理的なツッコミも甘んじて受けておいた。
普段キッチリ返される団員達が微妙な顔で見ているのは見ないふりで。同僚相手と反応が違うのは仕方ないのである]
マジか。
[ノトカーの方に駆け寄ってゆくキアラを見送って、巨大烏賊を目視した時は流石に絶句した。
どうにか立ち直った視界の隅でコリドラス>>99が宙を駆け始めるのを見る]
これじゃ転回は間に合わん。
近づく触腕は全力で叩くんだ。
取りつかれたらヤバい!
[若手船員達に声を掛けていたが、その必要はなかった。殆どが風霊に切り落とされ、本体を焼かれ始めた烏賊は船まで手が回らなかったからだ]
……マジかよ。
[不安要素が減り、コリドラスの動きを見ることが出来るようになって呟く。
短剣での二刀流。同じ二刀流でも全く別物な部分のあるものを使いこなし。手の届きにくい部分は精霊術のようなものを使って補う技は絶技としか呼べない]
拾いモンなんてレベルじゃねぇよ。
ありがたいが。はぁ。
[漂ってきた香ばしい匂いに、まずは腹になにか入れようと現実逃避しながら。言葉少なく海老の宴に参加して食べることに集中した*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
そうだ、確認確認。
[何時もより多めに食べて、現実逃避の延長のように備品確認をしている最中にそれ>>#1は来た]
んなっ。
[ノトカー>>163が真面目に答えるのを聞いて頭を抱える]
何でよりによってまたそっち。
じゃなくて、後、後。
とにかくまずは動かねぇと!
[一気に数の増えてゆく手を見て双剣を引き抜く]
無茶ゆーなって。
[客人に話すような注意事項じゃないぞ、とキアラの突っ込み>>167につい返しつつ]
応よ!
[険しい顔で頷いて船縁へと駆け出した]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[ ミヒャエルが、こちらに目を向けているとは知らず>>236...というか、誰かに注目されているという状況が一切頭に無く...露払いを終えると、再びアデルへと視線を向ける。>>232 ]
やはり、弓がお得意か。
[ 船幽霊との相性の悪さもあって精霊術には苦戦していたようだが暁の名を冠するに相応しい技に目を細める。 ]
[ 男は昔から、剣術では、誰にも遅れをとることはなかったが、弓術に関しては、アデルが修練を始めて程無く追い抜かれ、以来、勝てた試しがない。 ]
『俺は姫を護る護国剣士になるのに、これでは格好がつかないな。』
[ そんな風に、少女だったアデルにぼやいたのは、いつのことだったか。
護衛と次期女王としてではなく、幼馴染の縁戚として言葉を交わした頃は、随分と遠い。* ]
[走りながら伸びてくる手の数と場所を測る。
一番効率よく捉えられそうなものを狙ってコースを定め]
―― 凪。
[幽霊だと分かっているのなら、気合を倍籠めれば良い。
家宝のような効果は出ないが、刃の辺りが薄く曇る]
こっちはお断りだ。
[これと決めた3本の手首を切り裂いて、手桶ごと海へ落としていった]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
そっかあ……火と水、合わせられるってすごいなぁ……。
[声音にこもるのは感嘆と羨望と。
自分が水でもう一人が炎、それで分業できてる、という自覚があるから強く追い求めはしないけれど。
やっぱり、思う所はあるんです]
あ、うん、そっちはだいじょーぶです。
[まずは落ち着かないとだけど、と思いつつ。
ぶん投げられた部分については頷いておいた。*]
[次、と首を巡らせると、一本の手が手桶を投げた。>>217
狙いを確認している暇はなかったが]
間に合えっ!
[放物線を描く手桶に向かって甲板を蹴り左腕を伸ばす]
[伸ばした剣先は手桶の底に当たり、勢いを奪った。
が、水を止める手段はなく。キアラにしっかり降り注いでいた]
チッ。スマン。
[舌打ちしながら小さく謝り、大技の発動を見る。>>220
成長したなぁと思う余裕が出来るほど見事な技に感心するものの、続く啖呵はあまり変わらない、と口元を緩めた*]
[ やがて、艦上では、数を減らした船幽霊の汲む水より、排水の方が優勢となり、どうやら沈没の危機は回避されそうに見えた。 ]
金ダライの効果もあったかな。
[ ミヒャエルが排水に使った手段は、男の目にも止まっていた。>>198攻防の盾にまで使う発想の柔軟さは>>225見習うべき所だと感じてもいる。 ]
また話す機会があるといいが。
[ 彼はきっと、アデルが女王となって治めるシンシャにとって必要な、要の一人となる。そんな予感があった。* ]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[周囲が慌ただしく追い込みをかける中、身動きの取れぬアデルは握った長弓へと視線を落とす。
精霊術を編むにしても、弓を介して行った方が精度が上がるのは、やはり修練の賜物なのだろう。
武芸を修めるだけならば、剣や槍など他のものも選べたはずだが、一番手に馴染んだのは弓だった。
精霊術を扱う点でも相性が良かったと言える]
[弓の鍛錬を始めて1年ほど経った頃だったか。
まだ幼馴染としてフィオンと接していた頃、彼のぼやき>>245を聞いたことがある。
それには最初、アデルはきょとんとしていた]
『何を言う。
そなたが護ってくれると思うから、私は弓を扱うことが出来るのだぞ』
『弓は近付かれてしまえばお終いなのだからな』
[護身の意味で武芸を修めるなら、近接武器を選べば良いのにそうしなかった。
手に馴染む弓をそのまま選んだのは、フィオンが己を護ってくれると信じるが故。
だから弓だけに力を入れ、他の武器を修めることはしなかった]
『武器なぞどれかが得意であれば良いのだ。
大事なのは護ろうとする想いではないか?』
[無邪気に話した記憶は遠くとも鮮明だ*]
― 『ヴィルベルヴィント』近辺 ―
[とりあえず、旗艦周りは落ち着いたと見えたので、少し高度を上げて周囲を見回し]
……ぉぃ。
[確か、両国共に五隻ずつで構成されていたはずなのだが。
明らかに、船影が少ない]
霧に巻かれた……?
海にもローレライっぽいものはいる、とは聞いてるがそれじゃなかろうな……。
[先ほどの霧は自然のものではなかったらしいから、そちらの作用ではありそうだが]
取りあえず、現状報告して……って。
[言いつつ、ぐるりと周囲を見回して。
波間でゆらゆらとしている影に気が付いた]
さっきは烏賊で、今度は何だよ!?
蛸でも出てくるんじゃなかろうな!
[揺らめきながら近づいて来る丸い影に、思わずそんな突っ込みが口をつく。
そんな場合か、と言わんばかりに雷竜がぐぁぅぅる、と鳴いた]
ああ、わかってるっての!
[これ以上失態は重ねられない、と翼を返し]
海上に、デカブツの影が見えた!
こっちに近づいて来てるぞ!
[二国の旗艦、その中間位置で声を張る。
叱咤激励のため大声を出す機会は多いから、声自体は両旗艦まで届くだろう。
そして声を張った直後、近づいて来た丸い影――海坊主が、ぬうん、という感じで海面に顔を出した。*]
/*
ダーフィト氏のなかのひと、これはきょどるよね、わかります。
ラ神はこーゆーやつ。
さすがくろねこさんの村。(そこ
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
うん、まあ、そこらはないものねだりっていうかなんというか……。
[もにゃもにゃ、と歯切れ悪くなるのはこの手の話題ではいつもの事。
なのでそれ以上はそこには触れず]
あー……うん。
ありがとうございます。
[相談なら受け入れる、という言葉>>256に、改めて一礼を返した。*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[へしょげていても仕方ない、と気持ち切り替え、集めるのは風の力]
アデル様、そちらの状況はどうですか?
『ヴィルベルヴィント』の方は落ち着いています……というか、えーと……。
[さて、この状況はどう説明したものやら、と。
頭を悩ませていると声>>255が響いた]
[ 船幽霊の後始末を見回っていた男は、上空からの警告を耳にするや>>255踵を返した。 ]
姫君を、船内に!!
[ 駆け戻りながら、鋭い声を姫の元に残る護衛へと投げる。 ]
ノトカーさん?
え、デカブツって……。
[一体何よ、と。
言うより先に、波間からぬうん、と現れる巨大な影。>>255]
ちょっと、まっ……なんでこんなのまでー!?
[なんか色々おかしすぎない!? と。
叫ぶのはぎりぎり、止める事ができた。*]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[船内一丸となっての対処により、船幽霊は随分と数を減らしていた。
少なくとも沈没の危険はもうないだろう]
とはいえ、問題解決とはなってないんだよな。
[友軍もユウレン側も、行方不明の船が数隻出ているらしい。
精霊術等で連絡や探索は試みられているだろうが。
しかし、それへの対処より先に、やるべきことが出来たようだ]
あの声、ラヴェンデル殿か?
[海上から響いてくる声>>255は、聞き覚えのあるものだった。
デカブツと聞いて戦闘要員は対処のために動き出し、非戦闘員も排水作業から、常の持ち場へと戻っていった。
自身もまた、巨大生物を目視できる位置まで動く]
あれは……海坊主!
[船乗りであってもそうそう遭遇することのない怪異に、流石に息を呑む。
船員が何か言うまでもなく、護衛は姫を守るため動いているだろうか>>259]
――大波に警戒! 間違っても振り落とされるなよ!
あとは直接、殴りかかってくるかどうかだが……。
[既に遠距離攻撃が可能な者は、牽制の術を撃ち始めている。
あとは海坊主がどう動くか、だが**]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[とりあえず危機は去ったということで船縁に戻り。
ノトカーから届いた声>>255に表情を引き締め直した]
親玉のご登場ってか。
これ以上荒らされるのは勘弁だ。
[ぬぅんと顔を出してきた巨大な坊主頭に眉を寄せる]
仲間、は、やれないしな。
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[返される状況>>263に、大事なかった、とわかってほっと一息。
原因がアレでアデルに何かあったら、ちょっと色々ややこしい事になるから、そこだけは確かめておきたかった。
とはいえ安堵してばかりもいられないのが現状で]
えーと、色々は後で!
まずはこれ、なんとかしないとですから!
[それだけ伝えて通信を切り、海坊主へと向き直った。*]
[ 先刻の烏賊と違って、騎竜師が示したのは、両旗艦のほぼ中間地点。今までの事態から考えて、どちらかの艦が襲われるのは、ほぼ確実と思われた。 ]
先ほどの客将殿のような者もいますから、歯が立たぬということはないでしょう。
しかし艦数も減っていますからユウレンと連携をとる必要があります。姫君は、その連絡のためにも統制室へ詰められた方がいい。
[ アデルの疑念に>>264 応えながら、男は、そう促して、自らは船室の入り口で足を止める。]
くれぐれも、私が行くまで、外には出ないで下さい。
[ 念を押す唇には、笑みが浮かぶ。
男の役目は、ただ側に在る事では無く、護るべき相手に、敵の手が届く前に斬り捨てる事。
何よりも、かつて男を信じると言った、少女の言葉に報いる為に。>>252
それは、あの日...いや、もっと以前から...変わらぬ、最も大事なものを護ろうとする想いだ。** ]
― 水軍旗艦『八幡』・統制室 ―
兄上、状況は。
[統制室では慌ただしく連絡員が動いていた。
ユウレン側の船団との距離や、海坊主と呼ばれる襲撃者との位置取りなど、連絡を通して対応が進んでいく]
必要ならユウレンの船に乗っている宮廷精霊師と連絡を取る。
現場の状況をいち早く知ることは出来るぞ。
[しばらくは兄と並んで状況を見守ることに**]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
これは効くかね?
[ポケットから木の箱を取り出して考える。
中身は友人から貰った鎮静効果が高いと言われている乾燥させた香草だ。中央では煙草として愛用するものもいるらしい]
ただ投げるだけ、とかじゃ無理だろうな。
直接口にでも叩きつけないと。
[投擲はそれほど得意でない。大波で揺れる船上では特だ。
どうしたものかとしばし悩み]
よし。
このまま手をこまねいているいるよりはマシなはずだ。
ノトカー殿、雷で海坊主の動きを制限できますか?
少しヴィルベルヴィントの方に引き付けてください。
皆は牽制攻撃をもう少し強く頼む!
[ヴィルベルヴィントと八幡は絶妙な位置取りで海坊主と相対し、艦砲も用いて力を削っているが、決定力不足なのが見えていて。
遠距離からの牽制攻撃>>262や頼んだノトカーの攻撃で海坊主は苛立ったのか、より距離が近かったヴィルベルヴィントの船体を掴もうと手を伸ばしてきた。
その手に双剣の片方だけを構えて何度か切りつける]
[海坊主の口が大きく開かれて怒りの声を上げた]
鎮まれ!
[顔をしかめながら負けじと声を張り、船縁から身を乗り出して口の中へ箱を投げる。暫くの後、海坊主は腕を振り回しながら海に沈んでいった]
っ!
[船から乗り出していた体を暴れる腕に跳ね飛ばされて、甲板に背中から落ちた。ゲホゴホと咳き込んだあと半身を起こすと、海坊主が沈んでいったはずの方角を見て]
これで終わってくれよ?
[祈るように呟いた**]
/*
結果判明メモで思わず中身反応出しちゃいました。
嫌いな方にはごめんなさい。
しかしまさかあそこまで大爆発するとは。焦った。
撃破方法は、煙草が嫌いって説の記憶があったので使ってみました。剣だけで鎮めるイメージがどうにも纏まらなくて(汗)
スマートじゃなくて申し訳ないです。
そして本題というか。メモ貼り直すのもあれかと思ってこちらに。
応援&提案ありがとうございました!
とても嬉しかったです!
*おやすみなさい*
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[統制室からの指示>>272は、連絡員を通じ甲板上の船員へも伝えられていく。
程なく艦砲射撃の許可も下り、攻撃はより激しいものとなった]
でも……効いていないのか?
[力を削げてはいるだろうが、何より頑丈が取り柄の怪異だ。
時折起こされる大波には水や風の精霊師が対抗するものの、どうしたって砲の狙いはずらされるし、対処に手を取られることになる]
[そんな中、ヴィルベルヴィント側で動きがあった>>274]
ラヴェンデル殿?
[雷竜の動きが明らかに変化し、それに誘導されるように海坊主はヴィルベルヴィントに近付いていく]
何か、策があるのか?
[ヴィルベルヴィントから連携の要請はあっただろうか。
いずれにしろ、こちら側も静観するという選択肢はなく]
今は牽制に徹した方がいいのかもな。
それでも、少しでもあいつの体力を削らないと。
[海坊主が向こうの船に引き付けられているなら、その間に背中側に回って砲撃するのが有効だろうか]
[船が最適な位置を取る間に、こちらの元へ連絡員が回ってくる]
『砲撃方向に同盟軍の船が位置します。
キタミ航海士、例の術を』
わかってる!
『うむ、ワシもいけるぞ』
[肩上で精霊が、奮い立つように黒い砂鉄を震わせる。
ミヒャエルとテツが行うのは、精霊術による砲撃の方向制御、そして加速]
『撃て――っ!』
[砲撃命令の声を聞きながら、己の術に意識を集中させた]
[ヴィルベルヴィントの剣士の奮闘は、遠目に見えていた>>275。
如何なる手段を用いたのか、やがて海坊主は海の中へと沈んでいった。
激しく手を振り回しながら、であるが]
鎮まったのか……。
――あの人、大丈夫なんだろうか?
[最後、海坊主の腕に当たって、剣士が吹き飛ばされたように見えたから>>276。
体を張って妖魔を鎮めた彼に思うのは、体への心配と]
なんだか、借りを作ってしまったみたいな気分だな。
[自分にもっと力や機転があればと、密かにそんな悔しさも感じるのだった*]
― 水軍旗艦『八幡』・統制室 ―
[海坊主が動く度、海面が大きく揺れ、艦もまた大きく揺れた。
その波に対し安定するように艦を動かし、ユウレン側と合わせて砲撃による攻撃を行う。
アデルは統制室で揺れに耐えながらその様子を見つめていた]
一度や二度の砲撃では倒れぬか……。
尋常ではない程にタフだな。
[また一つ、ドォン!という音と共に振動が響く]
[決め手に欠ける牽制が続く中、不意に海坊主が『ヴィルベルヴィント』の方へと近付き始める。
どうやら騎竜師がユウレン側に向かうように誘導しているとのこと。
遅れてユウレン側から連携の打診が来た]
何か手があるということか。
[兄の指示は砲撃や術での攻撃の継続。
海坊主の意識をこちらに向けるというよりは、ダメージを与えることを念頭に置いたものだ。
連絡員が各所へと散っていく]
[艦の各所で指示を受けた船員が動き出し、艦が海坊主の背後を取る位置へと移動を始める。
艦に乗船する数多の船員達が一つの目的に向かって動く様は見事なもので、一種の感動すら覚えた]
これが我が国の水軍か……。
[演習で見るはずだった船員達の活躍を目の当たりにし、ほぅと息を吐く]
[海坊主に対する背後からの攻撃は術による制御>>279によって違わず命中し、海坊主の力を奪っていく。
やがて響く、海坊主の怒りの咆哮>>275。
『八幡』は海坊主の背後に位置するために何が起きたかは分からなかったが、暴れるような動きをしながら、海坊主が海へと沈んでいくのが見えた。
再び海面が大きく揺れ、艦を揺らしていく]
わっ…!
[これまで何とか耐えていた艦の揺れだったが、一際大きい揺れに転びそうになってしまう。
それには揺れに慣れている兄が腕を掴んで支えてくれた]
す、すまない。
ありがとう兄上。
[ホッと息を吐き、態勢を整える]
……何とかなった、のだよな?
[「恐らくは」と返す兄はユウレン側と連絡を取っているよう。
アデルは海面が落ち着き始めた海を見つめていた*]
/*
海坊主が津波攻撃もするならばだいぶ揺れるだろう、ということで揺れを追加したのだった。
そして揺れに慣れていない人は転びそうになるだろう、ということで描写をいれてみたw
甲板にいるなら誰かに支えてもらうフラグが立ったのだけどなw
[統制室なので兄になった]
― 水軍旗艦『八幡』・統制室 ―
[海坊主の怒りが海に伝わったか、沈む間際に再び船を大波が揺らした>>284]
――揺れるぞ! 警戒!
[とはいえ船員からすれば慣れた範囲の波であり、大きな混乱もなくやり過ごすと、すぐに状況把握や船の修復などの作業に動き始める]
……俺たちはいいが、姫は驚かれなかっただろうか。
[安全な場にいるだろうとは思いつつ、予想外に始まった海戦は姫に何を思わせただろうかと、船室方向をちらと見るのだった*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
ままならぬものじゃよなぁ。
[素養ばっかはどうしようもないけれど。
素地を増やせばなんとか、と思うあたり、ダメ妖精。]
とりあえず、相手を動きにくくしとくぞぃ?
[巨体にどこまで効くかは不明だが、やらないよりはマシだろう。]
それっ。
[だいぶ軽い感じで精霊術をかけてダーフィトを支援する]
あーあーあーあー、大丈夫か?ぼんず。
一応、何かあったらマズいからの。
治療するぞぃ?
[否やはないだろうが声をかけて、
背中から甲板に落ちたダーフィトに治癒の精霊術をかける。
拒否されたら、「ちゃんと医師に診せるんじゃよ〜〜」と声をかけるだけにとどめた。*]
― 洋上 ―
[警告を発した直後に浮かび上がってきた姿。
異様なそれに、雷竜が警戒の声を上げる]
ほんっとに、何が出てくるかわからんな!
[吐き捨てながら旋回し、『ヴィルベルヴィント』の側による。
直後、届いた要請>>274に、微か、口の端を上げた]
了解!
[短い応えを返した後、剣は鞍に戻して両手で手綱を取り]
い、く、ぜ、オルヒデーエ!
[妙に楽し気な声に、応、とばかりに雷竜が吼える。
羽ばたきの音が響いた直後、雷竜の姿は海坊主の目の前にあった]
いけっ!
[短い声に応じて放たれる雷。
直後の急上昇で上へと抜け、再び雷を落とす。
それから、再度、海坊主の目の前へ。
苛立ちを込めた唸りと共に振るわれた拳をぎりぎりまで引き付けてから、かわす。
そんな挑発的な動きを繰り返しつつ、『ヴィルベルヴィント』の方へと引き寄せて行く]
こちらからのご指名なんだよ、余所見しちゃ困るぜ!
[軽口めいた口調で言いつつ、直接腕へと斬りつけるダーフィトの斬撃に合わせるように紫雷を叩き込む。
怒りの声が海上に響き、その機を捉えたダーフィトが動いた。>>275]
[海坊主の口の中に何かが放り込まれる。
しばしの間を置いて、海坊主は海中へと没していった、が]
ってー、ダーフィト殿!?
[暴れる腕を受けて吹っ飛ぶダーフィトの様子>>276に思わず声を上げる。
身を起こす様子に大丈夫か、と思いつつ、念のため、海面近くへ降りて旋回して]
……影も形も気配もない、か。
とりあえずは、切り抜けられたようだ、が。
[落ち着いたら落ち着いたで、なんとも言い難い気持ちになるのは許されたい]
……シンシャの貴人に何事もなかった事を祈るか。
[そんな事を考えながら『ヴィルベルヴィント』の甲板へと戻り]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
いや……何というか。
面目ない。
[甲板に戻り、最初にやったのは。
状況確認に上がってきた司令や場にいた面々への謝罪]
迂闊な行動で、全体を危険に巻き込んでしまった。
本当に申し訳ない。
客分の身に甘える事無く、いかなる罰則も受け入れる。
[知らなかったとはいえ、それを免罪符にできるものではないから、と。
告げる言葉に合わせるように、雷竜もぐぅぅ、と鳴いて頭を下げた。*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[現れた海坊主にさてどうするか、と思考を巡らせる所に聞こえたダーフィトの声。>>274
何かしら策があるらしき様子に、んー、と小さく声を上げ]
……一先ず、波を鎮める、か。
完全には抑えられないけど、衝撃でひっくり返されちゃ適わないもんね。
[直接仕掛ける術がないわけではないが、今は全体の安定を図る方がいいだろう、と。
牽制は他の面々に任せ、自身が力を向けるのは、海]
水,海,回應我。
洶湧的力量,洶湧的波濤,冷靜下來。
冷靜下來,不要因為粗魯的靈魂而發瘋。
[術を紡ぎ、力を高める。
鈴の音が響き、ふわり、舞い上がった碧い光の花が海へと落ちた。
海に沈めた力を楔として波を抑える術。
全ての揺れや衝撃を抑えるには至らないが、船体の安定は計りやすくなるはず。
唯一の問題は、集中が途切れると術も途切れるので、動けなくなる事。
なので、繰り広げられるあれこれはただ見てるだけしかできないのだが]
ダフィさん、だいじょーぶ!?
[海坊主が海へと沈み、その気配が途切れた所で術を解く。
それから、最初に向かうのは飛ばされたダーフィトの方。>>276]
海坊主の気配、完全に消えてるから何とかなったとは思うけど……。
というか一体、何、投げたの?
[当面の危機は去ったらしい、と伝えて。
それから、投げかけるのは素朴な疑問。*]
[あれこれやっている間に、海面を見てきたらしいノトカーが戻ってくる。>>295]
……ていうかあれ、知らなかったら回避できないんだし。
そも、こんな所に出てくるのがおかしいんだもん。
運が悪かった、としか言えないんじゃないかなあ……。
[謝罪の言葉に、ぽつり、呟く。
客人に話すような注意事項じゃない、とも言われた>>243けれど。
それだったら尚更、どうしようもないじゃないか、とか思っていたら]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[ アデルの言葉を受け、>>270男はスッと胸に手を当て一礼する。 ]
指揮権はなくとも、この船はシンシャの船、貴女の国の一部です。
[ いずれ女王となるアデルの率いるべき国...そんな彼女の立つべき場所は少なくとも最前線ではない。そんな事もアデル自身理解はしているようだった。>>271 ]
はい、海の底からでも必ず戻ります。御安心を。
[ 必ず戻れという言葉にも頭を下げたまま答え、船室の扉を閉める。 ]
さて、本気で波に攫われたのでは、笑えないが。
[ 扉を背に、海坊主の起こした波で大きく揺れる船上に足を踏ん張る。
ユウレンとシンシャ、両方の艦から艦砲と精霊術による攻撃は続いているが、攻撃の通りは今一つのようだ。 ]
[ 護衛を最優先とする以上、男はこの場を大きくは動けない。
上空ではナハティガルの騎竜師が海坊主を誘導するように動き、ミヒャエル達精霊師は、艦砲の制御を担っているのようだ。>>279]
せめても、か。
[ 腰を落とし、抜き打ちの一閃。暴れだした海坊主の起こした波が、精霊師達に迫る前に、剣風が水の勢いを削ぐ。
完全に波を防ぐほどの力は無いが、直撃を受けるよりはマシだろう。 ]
…と、いうか、今度も、相当に無茶だな。
[ 納刀し、視線を向けた先では、ユウレンの乗員の1人が、海坊主に対峙して、何やら投げつけた後に跳ね飛ばされたのが、今度は、はっきり見えた。>>276 ]
こちらを慮ってのことかも知れんが、それにしても...
[ シンシャの旗艦には王族が2人も乗船している。両国の関係を考えれば、ユウレン水軍が気遣ったとしても無理からぬことだが。 ]
怪我がなければいいが。
[ 政治的判断は、男の職務外ではあったが、同盟の相手側ばかりが危険を被る状況は、どうにも気に障り、思わずため息が漏れた。** ]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[ノトカー>>293やキアラ>>298に軽く頷いてみせたものの、腕を上げたり声を張ることは出来なかった。むしろそんな動きですら胸郭に痛みが走って眉をしかめる状態だったので]
あ…はい。
[コリドラス>>290の申し出も一瞬躊躇いかけたが、頷いて受け入れた。お陰ですぐに立ち上がることもできるようになり]
ありがとうございます。
助かりました。
[ペコ、と頭を下げた]
― 水軍旗艦『八幡』・統制室 ―
[ 海坊主が完全に沈んだのを確かめると、男は船内へと足を運び、統制室に向かった。 ]
だいぶ揺れましたが、お怪我は?
[ 顔を出した途端、口にするのは、アデルとその兄への安否確認だ。* ]
― 水軍旗艦『八幡』・統制室 ―
[統制室にいると被害状況や残弾の確認など様々な情報が入って来る。
それを次々に捌いていく兄の姿を見ながら、被害が少なかったことに安堵していた。
『ヴィルベルヴィント』で海坊主を引き付けてくれたお陰だろう]
あちらはどうなっておろうな。
[少なからず海坊主の被害を受けていそうだが、そちらの情報はまだ入ってきていない。
場合によっては修繕の時間を取る必要があるやもしれず]
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いやうん、多分、イベント導入なんで、全員聞いてていいんだろうけどね。
水属性のキアラにだけ聞こえるとかいうパターンもあるし一応ね。>メモ
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
何とかできて良かった。
他にいい方法が思いつかなくてな。
最後は特に格好つかなかったが。
[改めて大丈夫だとキアラ>>298に答えながら]
あー、アレは大陸の煙草。
この前の討伐の報奨品だったんだが、確か海坊主にゃその手の話があったから、物は試しってね。
[確信は無かったのだと肩を竦める]
キアラの言うとおりです。
そもそも演習はこんなことになるはずじゃなくて。
ノトカー殿のせいじゃ…?
[ノトカー>>295に首を振り、続けようとしたところで聞こえてきた女の声>>#4に言葉を切った*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[唐突な声と共に感じたのは、強い水の精霊力。
力を辿るように視線を巡らせた先には、碧い長い髪の女性の姿]
……水霊…………それも、凄く、高位の……。
[認識できた事実にぽかん、としていた所に風が声を伝えてきて]
あ、はい、ええと、大丈夫です!
海坊主は、水軍のダフィさん……じゃなかった、ダーフィト・シーダー殿が鎮めて、無事に還しました。
それで、ええと……。
[ここで一度、言葉を切る。
困惑した視線を女性――高位水霊に向けると、楽し気な笑みが返されて]
現在……何か知ってそうな水霊と対面中です。
[どうしようかと思ったものの、目の前の異変についても伝えておいた。*]
― 水軍旗艦『八幡』・統制室 ―
ご無事で何よりです。
[ アデルの返事に>>310そう返しながら、男は、ちらりと皇子の顔を見る。こちらも子供の頃からの付き合いで、何か言葉を飲み込んだらしいのは判ったが、追求は後回しにした。 ]
こちらも問題はありません。
大物はユウレンの方が片付けてくれましたから...
[ 声に多少苦さが混じったのは、アデルには気付かれたかもしれない。* ]
― 水軍旗艦『八幡』・甲板 ―
[どうやら海面は完全に静かになったようで。
作業をしつつも上官からの指示を待っていると]
…………?
今の声は……。
[唐突に響いた、知らぬ女性の声>>#4。
聞こえたのは自分だけではなかったようで、皆不思議そうに周囲を見回す。
そして精霊の気配を辿れる者なら、その正体にも気付いたか]
『水の精霊……かの』
[呟く磁鉄精霊の声にはどこか畏怖があった。
水霊は別の誰かと対話しているようで、今は見守るしかない*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[謝罪の言葉に返る反応>>299 >>312は様々。
大抵は仕方ないとか、無事だっかたからよし、という反応で。
それに対して司令官が場をまとめようとするより早く、その声>>#4は割り込んできた]
えーと。
その言い方だと、俺、いいように使われたって事ですか、船幽霊に?
[問いかける声が低くなったのは許されてほしい所。
もっとも、向こうはそんな事など気にしていないようだが]
『船幽霊に、というか……彼らを狂わせた『澱み』にですわね。
あの『澱み』の影響で、妙に知恵がついたり狂暴化したりしてる妖が増えておりますの。
ですので、妖への識が少ない貴方が狙われた、というわけですわ』
……『澱み』?
[出てきた単語には色々と覚えがあるから。
繰り返す口調は物凄く、渋かった。*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
[あからさまな害意等は感じないが、キアラの視線>>313を追いかけて、視線を遮らない程度に、けれど庇うように一歩前へと出る]
……普段なら特に妖が集まりやすい場所でもないはずなんだが。
[なにか引っかかっている様子のノトカー>316をチラリと見て呟いた*]
……何?
もしや、先程の声の主か。
[伝えられた異変に瞳を瞬く]
その水霊はなんと?
[会話をしてみて欲しい、と声を投げた*]
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