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戦いはいよいよ現実のものとなった。
吹き上がる戦火は、人々に選択を迫る。
自ら望んで戦いに身を投じるもの。
守るもののため、武器を手にするもの。
才覚一つで、戦乱の時を乗り越えようとするもの。
戦火に紛れ、己の目的を果たそうとするもの。
戦いを見守り、あるいは止めようとするもの。
己の思惑を果たせるのは誰か。
思いの剣が交錯する先へ、歴史は進む。
どうやらこの中には、村人が1名、共鳴者が2名、呪狼が1名、死神が1名、奴隷が1名、落胤が1名、従狼が1名いるようだ。
語り手 が「時間を進める」を選択しました
その夜、魔法学園都市ロンリコは陥落した。
多くの命と貴重な魔導書が失われたと伝えられる。
もはや、呪歌は二度と歌われず、魔法が世界を変えることはないのか──
[塔に繋がる道に仕掛けられた障害を、数の力で突破していく。
数人の魔導師を斬り、魔法の罠を押し通り、
ついに、学長室と書かれた扉の前にたどり着いた。
ここに来る前に兵らは次々脱落して、自分と数人の近衛だけになっていたが、構うことはなかった。
中に人の気配がある事を確認して、手を伸ばし、扉を叩く。
「開いているよ」と中から声が聞こえた。
近衛が開け放った扉の間を進み、部屋に歩み入る。
奥に立っていたのは、温厚さが顔立ちにも体つきにも現れた、初老の男だった。]
あなたが学長かい?
私はファミル。皇帝だ。
[先に名乗れば、男は頷き、学長だと答える。]
「ようこそ、陛下。
歓迎したいところですが、兵共々帰っていただけませんかな。
ここは学問の場。
人類が手にした叡智を蓄え、伝える場所です。
兵が踏み荒らしていい場所ではありません。」
[柔和な言葉遣いながら、学長は臆する様子もなく、退去を勧めてくる。
学園と魔法と知識を守ってきた長としての責任と誇りが、その言葉に重みを与えていた。
なるほど。
これが魔法の総本山の中心か。
首都を落とした際、捕らえた魔導師連中とはまた違う風格を感じる。
こういう、殉じる覚悟をした相手はやっかいだ。]
残念だけれども、それには応えられない。
私はここを破壊し、魔導師を根絶やしにする。
魔法などという堕落の産物から、人間を解放する。
だからあなたにも、消えてもらうよ。
[「そうですか」と相手が言葉にしたタイミングで、短い身振りで近衛に行けと命じた。]
[互いの間には何らかの罠か障壁があるだろうと予測していたが、意外にもなにもなかった。
だが、こちらを見る男の視線に、不意に危険を覚える。
本能に従って回避しようとする動きを、老いた魔法使いは気迫と意思と魔法の翼で上回ってみせた。
胸の中央に衝撃があり、一瞬眩い光が弾ける。
短剣を突き立てられたと理解したのは、そのあとだ。
一撃で命を絶つ傷で無い以上、ウルを服用している身にはかすり傷だ。
それでも反射的に体は動き、襲撃者を貫いていた。]
ひどいな。
服が破れたじゃないか。
[学長の腹から背中へと突き抜けた拳を軽く振って、苦情を言った。]
[暫くの後、塔の窓から何かが外へと吊された。
同じ窓から皇帝が顔を出し、学園に響き渡るほどの声で告げる。]
魔導師諸君。
君たちの敬愛する学長殿は、このとおり私が捕らえた。
酷い傷だが、ウルの力でまだご存命だ。
学長殿に安らかな眠りを提供したいと願うなら、速やかに投降したまえ。
抵抗するものひとりごとに、学長殿に報いを受けていただくことになる。
[皇帝の声だと気づいた兵らが歓声を上げる。
それは既に、勝利に沸く声だった。*]
帝国将軍 レオンハルトは、帝国将軍 レオンハルト と 魔法教師 ロヴィン を能力(刈る)の対象に選びました。
― 城壁下 ―
[刹那の回顧から戻った時、城壁上の人物>>0:184は空へと浮き上がっていた]
そうか、アイツに似てるのか。
[容姿に声、符合するものはある。
ただ、その関係性まではその時には知れず。
子か何かか、という推測に留まった]
はっ、あるものは何でも使う、か?
嫌いじゃないぜ。
[巨石により崩れた城壁の瓦礫を繰り、こちらへと降り注ぐ様に思わず笑みを浮かべる。
魔法による荊の蔓に捉えられていた者達も振り払った頃合いだったが、それ故に避けられない者も多数いた。
今は倒れる者はいないにせよ、《ウル》の効果が切れるまでの運命だろう]
ちょっくら行ってくる。
[部下に言い放つと、飛来する石飛礫を突っ切るようにして崩れた城壁の傍へ。
その瓦礫を足場に跳躍し、まだ崩れていない城壁の上へと登り切った]
よぉ。
お前、アーノルド・ブルバードって名前に心当たりあるか?
[戦いの最中、敢えて声をかける。
相手を見上げるその顔は、挑発するように笑っていた*]
― 対ドロシー ―
[この状況で、無作為な乱舞を放ったのは、半ば賭け。
ドロシー単体を狙った所で、耐えられてしまえば機会を逃す。
ならば、気を散らして隙を作るしかない、とはとっさの判断で]
……んなわけ、ねぇだろっ!
[もろともですか、という声>>0:182に律儀に返しつつ。
盾の如く持ち上げられるフレデリカが伸ばす手>>0:179を、確りと握った]
光集え 我の許に。
集い弾け 自由に舞え。
深き闇を 潜り抜けて。
真昼の光 この場にもたらせ……!
[次いで、吟ずるのは光を呼び集める術。
目の前で光の玉を派手な音と共に弾けさせるもの。
直接的なダメージを即座に通すのが難しいなら、それ以外の部分――感覚に衝撃を与える方が早い。
どこまで通じるか、そこは全く読めないけれど。
諦めぬ意志を確りと込めて、絆の先を取り戻すべく握った手に力を入れる。*]
― 1年前 ―
[魔法の才は必ずしも遺伝しないと言うが、フレデリカは物の形状や材質を変えたり、大規模には天候や地形に関わるような、父の仕事に関係の深い術を多く学んでいた。
ロヴィンが示唆してくれたのは、そうした直接的ではない魔法でも、戦いに活かせるということ>>0:185]
――はい。
[真剣な眼差しでそれを受け止め、胸に刻んだ。
彼が教育者を志した理由を自分は知らなかったが、きっとこれまでにも自分のような導きを受けた者が、多くいたのだろうと思う]
使い方次第……ですか。
[新たな魔法を学ぶより、自身が出来ることをどう活かすのかが重要なのかもしれない。
そう、これから為すべきことに一つの指針を得たところで、最後に付け加えられた言葉があった>>0:186]
生き、延びる……。
[生死を懸けざるを得ない状況を思うと、やはり恐ろしかった。
それでも、そこから目を背けないことを決めたのは。
やはり、絆で繋がったもう一人の、力になりたいという思いが根底にあったから]
はい。
――忘れません、決して。
[誓いのようにはきと、教師に向かって答えた*]
― 対ドロシー ―
[朦朧とした意識のままだが、体勢が変えられた>>0:182らしいことを感じていた。
リヒャルトが自分に魔法を当てるなんて、考えてもいなかったけれど。
次いで手を握られ、更に引かれる感覚があった>>10>>11。
まだ体に力が戻らず、為すがままにされるしかない。
言葉にもならない思念で、自分を取り戻そうとしているだろう相手のことを思っていた*]
― 8年前 ―
……ふぇ?
[たどり着いた直後に、頭の上から降ってきたのは冷たい声。>>0:160
惚けた声と共に見上げれば、厳しい視線と共に容赦ない言葉が向けられて。>>0:161
碧がひとつ、ふたつと瞬き、そして]
舐めてないし、遊び道具とも思ってない!
[向けられる厳しさに臆する事無く、真っ向言い返す]
確かに失敗したけど、でも、次は失敗しないようにちゃんと修行する!
[出会い頭の酷評に、頭に血が上っていたのもあるけれど。
ここまで言われたのは、養母に見出された時以来だったから――というのもあって、生来の負けん気が頭をもたげていた。
そんな、ある意味酷い出会いをした教師が担任となったためか、授業で無茶して怒鳴られる事は多々あって、それでも。
なんだかんだで真っ向ぶつかればちゃんと返してくれる教師に対しては、反感と同時に信頼も確り、積み上がっていた。
裏側のあれこれ>>0:162などは知る術もなく、故に思われている事もまた、知る由もないままではあるけれど。*]
[ 上空に逃げられてしまえば、打てる手は限られてくる。
身体能力が向上しても空は飛べないのだ。
粘液のせいで指弾も放てないときている。]
忌々しいこと…!
[ だが、彼らが止まって戦うつもりならば、反撃のチャンスはきっとあるはずだ。**]
死神...
[ 彼が、そう、だ、と、父の名を告げる声と表情に>>9確信し、同時に納得した。
多くの敵に囲まれながら、怯まぬばかりか、嬉々として全てを薙ぎ倒し、父の魔法からすら逃げおおせた男。
追いすがろうとして、一撃で跳ね飛ばされた少年のことなど、彼は忘れているだろうが。 ]
アーノルドは俺の父だ。
[ どうにか冷静を保って答えた所へ、皇帝の声が朗々と響き渡る。>>6 そして、視界の端に、炸裂した光と共に上空へと身を運ぶ一対の姿>>11]
悪いが、付き合って居る暇は無くなった。
[ この男の腕なら、目の届く範囲にならば、どんな武器も届かせるだろう。故に離脱するなら先手を打つしか無い。 ]
― 五年前・帝都震撼 ―
[35歳にもなれば、おじさんと呼ばれても特段反応しなくなる。
する方が虚しい、というもの]
不本意ながらなー。
[常から今の職をめんどくせぇ、と隊内で零しているため、ファミルからの問い>>18には隠すことなく出した。
そう在りながら、任を解かれないのは男の技量を買われてのこと]
― 対ドロシー ―
[放った光は狙い通りドロシーの視界を閉ざす。>>17
それが生じさせた隙と先の粘性の雨の後押しにより、絆の先を取り戻す事はできた、けれど]
……さすがに、限界、だよなっ……!
[帝国軍の上陸から立て続けに魔法を使い続けて、そろそろ色々が辛い。
何より、学長から託された命もあるから、この場に止まる選択肢はなく。
気合いを入れ直す意味も込め、再び飛行の術を紡いで舞い上がった]
[問いに返ったのは答えではなく、にこやかな笑み]
余計な労力使わせねぇでやろうって親切心くれぇ察しろよ。
[軽口を零しつつ、まぁそうなるだろうな、なんて心中で思う。
同時、尋常ではない速度で迫って来たファミルと二本の斧>>19に対し、部下へ散開の合図を出しながら己の右方向へと足を踏み切った。
躱し切れぬ痛打に左腕のガントレットを翳すことで直撃を逸らし、飛び退いた先で波打つ剣を引き抜いた。
部下がいくらか回避し切れずに悲鳴を上げたが、そこは自己責任だろう]
[上へ向かって距離を開けつつ、ふと、思い返すのはいつかの別れ。
午後の授業で突然起きた大惨事。>>0:155
大混乱の中、謹慎しているはずのドロシーの姿を見かけ――この状況と関りがある、と察したのは直感的なもの。
ある種の経験則、ともいうかもしれない。
ともあれ、事が事だけに、今度ばかりは、との気迫を込めて追いかけた結果は、塔に逃げ込んだドロシーが足を滑らせて落ちる、というもの。>>0:156]
…………。
[あの時は、突然の事に驚いて、とっさに手を伸ばしはしたものの。
結局、間に合う事は無く、それは空を切った]
結局、こーなっちまうわけ、か。
[ぽつり、と呟いた後、フレデリカを抱え直して加速を駆け、一気に距離を取る。
声>>6が聞こえたのは、塔を真正面に見据える位置まで上がった時だった]
……な……。
[そちらを見やり、目に入ったもの。
吊るされた学長の姿に、言葉が失せる。
先に告げられた言葉もあり、刹那、動きが止まった。*]
おーいて。
《ウル》慣れしてる奴の相手ほど厄介なものはねぇな。
[折られそうになった左腕を軽く振り、その手で丸薬を口へと放り込む。
噛み切ると口の中が苦みが溢れ、男は顔を顰めた。
男は《ウル》を常用しない。
己の感覚を鈍らせないためだ]
[左腕の負傷を《ウル》の力で強引にリカバリーし、ファミルの左側から首目掛けて波打つ剣を突き出す]
俺とお前でやりあったら、それこそ死合いにしかならねぇと思うが?
[ここで倒れては意味もないだろう、と言外に含めて問い直した*]
/*
五年前の時点で《ウル》兵以外が《ウル》持ってるか悩んだけども、万一を考えて近衛隊には少量だけ配布されてるのはあるんじゃねーかなー、と。
反乱等の懸念は少なからずあっただろうし。
近衛隊が反乱起こしたら元も子もねーけどな!
星の涙 月の歌
輝く荊の棘を 解き放て
[ 響く詠唱は、城壁に絡む荊を際限なく成長させ、すでに投石や槌の打撃で脆くなったそれを、一気に崩れさせるもの。死神の足元も同様に崩れる筈だが、そのまま大人しく埋まってはくれないだろうとの予想は頭の隅に追いやった。 ]
軛より放たれし者 自由なる疾風
清涼なる息吹にて 天翔ける子等の翼を彼方へと運べ!
[ 同時に最大速で、リヒャルト達へと近づき、飛翔の術を重ねる。引き返すことも、学長の元へ駆けつける事も不可能な追い風を無理矢理に押し付ける形の支援魔法は、恐らく彼らには不本意だろうが、これは最初からの学長との取り決めだ。
学長自身が捕らえられ、或いは殺されたなら「全てを」捨てて、子供たちだけを守り逃れよ、と。 ]
[ 同胞の命も、返し切れぬ恩義も、魔導師の誇りも、全てを捨て去り、魂を裂かれようと、未来の光だけを守りきること、それが、残された者の「役目」** ]
/*
やあ、見事なサンドイッチができた。
[いつものことです]
さて、日曜の内に次への動き出さないとだねーっていってたらこのwwwww
巡り巡る 清き流れ 巡り巡る 優しき風
巡り巡れ 境を超えて 巡り巡れ 愛しき大地を
[ やがて、学園の内外から、悲哀に満ちた呪歌が、幾重にも響き渡り、都市を取り巻く湖から、濃い霧が湧き上がり視界を閉ざす。霧には水底の薬草となる苔の強い匂いが混ざり、並の者なら鼻も効かず、意識も混濁するだろう。ウルで強化された超人達には、どれほどの効果があるかは、分からないが... **]
― 対ドロシー ―
[こちらも飛行の術を紡ぐなり補助的な術を使えば、リヒャルトの負担を減らすことは出来ただろう。
けれど気道ではなかったとはいえ、絞められていた喉が咄嗟には動かない。
軽く咳き込むことで、声が潰されていないことだけ辛うじて確かめる。
後はしばし、リヒャルトに身を任せる形となって]
ううん。
そもそも、私が捕まったせいだから……。
[聞こえた声に、意識で言葉を返す。
互いに謝罪を交わした後に、思わずというように付け加えたのは]
――来てくれて、嬉しかった。
[そんな、少し場違いな本音]
― 学園上空 ―
[あまりの事に呆然としていたから、高速で近づく気配>>30にはすぐに気づけなかった。
あ、と思ったのは、術重ねがなされてからで]
って、ちょ、まっ……!
[待てよ、という間もなく、追い風により、その場から引き離される。
直前、振り返った塔の窓。
そこから見える顔が誰か、の認識は追い付いていないけれど。
こいつの顔は忘れちゃいけない、と。
それは確り、心の奥に刻んでいた。*]
――――?
[視界が定まらず、その無残な状況>>6を直視しなかったのは、ある意味幸運であったのかもしれない。
状況を把握するより早く、強い追い風>>30が強制的にその場を離れさせた]
あ――……
[遠ざかっていく光景に、ただ喪ったものの大きさを感じて、雫の欠片を宙に散らした**]
おまえは使える。
[首元の刃を気にもしない顔で告げる。
はらはらしているのは周囲ばかりだ。]
あんな煮え切らない皇帝なんか守っていないで、
私と一緒に魔法使い共を斬りに行かないか?
魔法なんてうさんくさい代物も、
それに頼る惰弱な連中も、
まとめてこの世から根絶やしにしてやるんだ。
[ちょっと散歩にというほどの軽い誘いだったが、続く言葉には強烈な憎悪と昏い執念が僅かに滲んでいた。**]
― 城壁上 ―
ほぉ…?
なるほどな、似てるわけだ。
[問いかけに、父だと答える相手>>22の様子を観察する。
激昂せず冷静に返す辺り、だいぶ肝は据わっているよう。
相手と違い15年前の出来事へと思考が飛ばなかったのは、直ぐに皇帝の声>>6が耳に届いたためだ]
はン、学長が取っ捕まったってのに、まだ諦めてねぇのか。
[付き合っている暇はない、と言い放つ相手に対し、逃走の妨害をするべく足に力を込めた時だった]
[素早い詠唱>>30が足元に変化を齎す。
蹴ろうとした城壁が振動を起こし崩れ出したのだ]
ちぃっ!
やってくれんじゃねぇか!
[瓦礫となり始めた城壁を予定通り蹴り出すが、それは脱出への跳躍へと変わる。
上方向から横方向へ、崩れた瓦礫を足場に大きく跳躍して地面へと降り立った。
直ぐに振り返ったが、そこに彼の息子の姿は無い]
ふん、逃げることに専念したか。
まぁいい。
[逃げたのならまた顔を合わせることにもなろう。
根絶やしにするまで追い続けることになるのだろうから]
陛下の手により学園は既に陥落した。
合流すんぞ。
[城壁の瓦礫に巻き込まれた兵らを引き摺り出す部下達に声をかけ、中心部へと進んだファミルの軍と合流すべく移動を始める。
城壁崩壊の巻き添えをくらった者は少なくないが、合流まではきっと持つことだろう**]
[嬉しかった、と。
零れた言葉>>=1に、え、と小さく声が落ちた]
……ばぁーか。
来ない理由があるなら、言ってみろっての。
[そんな、軽口めいた声を返せたのは、返事があった事への安堵故の事。
とはいえ、刹那生じた余裕はその後の展開でどこかに飛んでしまうのだけれど]
― 学園都市外/上空 ―
[唐突な加速を制御するのは、疲労がかさんだ身にはやや辛い。
それでも、重ね掛けをしてきた相手の魔力を良く知っていたのが幸いして、反作用で失速する、という失態だけはどうにか免れた]
………………。
[湖を越えた辺りでどうにか術全体を制して、速度をおとす。
振り返った先に見えるのは、霧に包まれた都市の影。>>32
ぎ、と唇を噛み締めた]
[一年前は、何もできなかった。
何かする間もなく、生まれた場所を失った。
今度も結果的には何もできず、年長者たちに守られ、逃がされた。
力を振るう事は出来ても、それだけだったという事実が重い、けれど]
……このまま……終わって、たまるか、よ。
[いつになく低い声で、小さく呟く。
そこに滲むのは、諦めてなるか、という意志のいろ。
とはいえ、そのためにどうするか、というのはすぐにはまとまらない。
ただ、今すぐにやるべき事だけは、辛うじて認識できていた]
先に、逃げた連中探して、合流して。
……センテナリオ、行こう。
[学長から託された命。
まずは、それを果たして]
そこから、どうするかは、まだ、全然決まってない、けど。
このまま、諦めるのは……しない。
絶対、に……!
[短く宣した後、霧に包まれた都市から目を逸らす。
碧の瞳は揺らぐことなく、これから進むべき方を見据えていた。**]
[迷いなく宣してはいるものの。
内に全く揺らぎがない、というわけでもなく。
上手く言葉にできないそれは、こちら側では思念の乱れ、という形で零れ落ちていた。**]
/*
起きたらやることー。
・隠れ里到着
・これからどーするかの指針まとめ
・決意表明
・行動開始
……までいけたら御の字?
平日のオンタイム遅いのは宿命だから、休みの内にやれるだけやらんとにゃー。
[ ブルバード先生みたいな兄なら、ドロシーだって欲しかった。
武術の師匠のヘンカァ将軍とはまたタイプが違って、並べたらいい双璧になりそう。
そんな思惑から先生の気を引きたくて、わざと追加の悪さもしてみたが、指導されるのにもリヒャルトが一緒で閉口したものだ。]
[ 苦々しく回顧していたところへ、ひとりの兵が「追わなくてよろしいのですか」と伺いをたててくる。]
その提案を受け入れます。
あなた、追える限り彼らを追って、どこへ向かったか私に報告しなさい。
[ 命じれば、兵卒はすぐさま走っていった。
よい兵だ。顔と名前を覚えておく。
飛べる魔術士たちはおそらく島の外まで逃げるつもりだろうが、それをしっかり確認するのも必要なことだ。]
[ 追跡兵を送り出すと、残った配下へと向き直る。
ドロシーの足場となり粘液で地面に張り付いている兵らの働きを称誉した。]
よい連携でした。
これからも果敢に体を張ってくれることを期待します。
…それ、くっついて剥がすのが困難なら、服を脱いで起き上がりなさい。
[ そんなわけで、裸体になった一軍を率いて行軍を続けることになる。]
[ 粘液で汚れた自分の上着は兵に預けて運ばせた。
また着るつもりはないが、粘液を調査して対抗策を講じておくつもりだ。]
同じ手は通用しないと思いなさい。
[ この場にいない相手に宣言するように口角を持ち上げた。]
いつもながら鮮やかな手腕、感服いたしました。
──特等席で見ることができなくて残念。
多少は、手応えがありましたか?
我々も塔に向かいますが、陛下への手土産がないのは困ります。
魔法使いが経営していた店を知っていますから、そこを襲撃して、残存勢力が隠れていないか確認してゆきましょう。
[ ついでに売り物の略奪もするつもり。5年前そこは宝飾店だった。*]
[湖を越え、更に険しい山岳部を越え、東へ。
あまり目立たぬように、高度を抑えながらの飛行移動。
途中、同じように脱出してきた面々と合流したりして少しずつ人数を増やしつつ、目指すのは山間の隠れ里]
…………。
[道中、見知った顔と合流すればそれなり笑みは見せたものの、基本的には口を噤んでいる事が多かった。
未だ幼さを起こした学園生たちに都市がどうなったかを伝え難い、というのもあったけれど。
これからどうするか、という所に意識の大半を持っていかれていたから、というのが大きかった]
― 隠れ里センテナリオ ―
……ここが……。
[可能な限り魔法を駆使して山を越え。
たどり着いたのは、山間の川沿いに佇む隠れ里。
話には聞いていたが、直接訪れるのはこれが初めてだった。
無事にたどり着けた事への安堵に崩れそうになるのを堪え、来訪者たちに気づいて集まってきた人々の前に立つ]
学園生……もとい、魔導師リヒャルト・ターゲリート。
ダルメシアン学長の命により、学園都市からの脱出者を連れて、ここまで来ました。
[迎える人々の先頭に立つ、里長らしき人物に向けて告げると、既に一部の脱出者を受け入れている、との答えが返り。
知らず、安堵の息が漏れた]
それ、じゃ、俺と一緒に来た連中も、頼みます。
それ、と、この辺りがどうなってるかの、状況も、わかる限りでいいから、教えて。
[この一年の間の都市の外の状況は、伝え聞きが大半ではっきりとした事はわからない。
それ故の願いは、柔らかな苦笑と首を横に振る仕種によって遮られた]
「お話しするのはかまいませんが……その前に、あなた方に必要なものを取っていただきたい」
必要なもの……?
「休息、ですよ」
[にっこり。
そんな、書き文字の浮かびそうな笑顔と共に、首筋に衝撃が走った。
誰かに一発打ち込まれた、と気づく余裕もないまま、意識は暗転して――]
[次に意識が繋がった時、最初に目に入ったのは見知らぬ天井]
…………ぁー…………。
[どこか、呆けたような声がこぼれて、落ちて]
[しばらくの間はそのまま転がっていたものの、いつまでもそうしているわけにも行かない。
そう、思い定めて起き上った所で部屋のドアがノックされた。
どうぞ、という声に応じて入ってきたのは、到着時に顔を合わせた里の長]
あー……はい、おかげさまで。
[疲れはとれましたかな、という問いに、苦笑交じりに頷きを返す。
深夜の脱出の後、ほとんど休みなしでまるまる一昼夜、魔法利用の強行軍での移動。
どんなに卓越した術者でも疲れ果てますよ、と諭すような口調で言われて、何も返す事が出来なかった]
「食事を用意しております。
まずは、身体が必要としているものを摂りなさい」
[丸二日眠り込んでいたのだから、と言われて碧が瞬く]
え……そんなに。
他の、皆は?
[小さな部屋には自分以外はいないようだから、そこが気になって問えば、それぞれ休んでいる、と答えが返る。
また、自分が寝込んでいる間にも合流した者があったらしい、とも聞かされた後。
難しい話はまた後に、と笑顔で告げた里の長は部屋を出て行った。*]
/*
うん。
わかってたけど、ptすぐ減るな(
そーでなくても、共和国側は呪歌で色替えしてるからptよう減るわ……w
いや、好きでやってんだけど。
ちなみに、俺が使ってるのは飴色#deb068であります。
光っぽくてあんまり眩しくなさそうなの、ってのがこれだったんよね。
白背景で見た時基準で選んでるから、CSSによっちゃえらい事になってるかも知れんが(
― 隠れ里センテナリオ ―
[熱量を取り、人心地ついた所で改めて里の長に呼ばれた。
向かった先は、長の家の大広間。
そこには学園から脱出してきた若手の教師たちと里の主だった面々が待っていた。
寝込んでいた間に、都市で起きた事の情報は共有されていたらしく、その部分を改めて説明する手間は省かれた。
……思い出しておかしな方へ気持ちを高ぶらせないように、と誰かが気を利かせたのか知れないが、それはそれとして。
首都が陥落してからの都市の外の状況を説明された後、一つ、問いが向けられた]
……これから、どうするか。
[この状況で、これからどうするのか、と。
投げかけられた言葉に、小さく呟いて、それから]
このまま、ここに立てこもってたって、ロンリコの二の舞になっちまう。
なら、動かないと。
あっちはこっちを殲滅させる気しかないんなら、尚更だろ。
下がる後ろ、もうないんだから。
[首都に続き、魔法の使い手たちの拠り所とも言えた学園都市まで堕とされた現状、居場所はこの隠れ里のみ。
ある程度の防備は備えていたはずの学園都市すら文字通りの力押しで蹂躙された事を思えば、この小さな里が耐えきれるとは到底思えなかった]
……人手が足りないのは、わかってるよ。
あいつらが、魔法一発で吹っ飛んでくれるわけじゃないのも。
戦える人数は、こっちは圧倒的に少ない。
[なら、どうするか。
その答えは、先に聞いた情勢から既に導き出していた]
……ここ。
[す、と指さすのはテーブルの上に広げられた地図の一画。
隠れ里の南東に位置する鉱山街]
デメララを奇襲して、取り返す。
ここ、強制労働の現場になってんだろ?
なら、俺たちに味方してくれる連中もいるかも知れないし。
[反抗した者たちに強制労働を科す場所であり、首都で捕らわれた有力者たちもここ送られていると聞く。
それなら、もしかしたら――養母もここにいるかもしれない、との淡い期待は内心に押し込めて]
勝ち目があるかどうかなんて、わかんねぇよ。
でも、俺は、このまま何もしないで押し流されるのは嫌だ。
[きっぱり、と言い切る声音に迷いはない]
だから、動く。
動いて、やれるだけやる。
今が、
[ここまで言い切った後、ふ、と小さく息を吐いて]
だから、その、ええと。
そのための力を、貸して、ください。
……俺一人の力でできる事なんて、たたが知れてる、から。
[いきがって飛び出してはみたものの、結局は周りに助けられて生き延びている、という事実は重くて。
ほんの少しだけ、情けない表情になりながら、それでも、願いを紡いで。
場にいる面々に向けて、頭を下げた。*]
/*
陣営としての流れは先に出しとかんとなー、と思ってだだっとやったが、いやほんと、この日程じゃなかったらきつかったね!
……てか、ねみぃ。
しかし、仮眠してたら放り投げてた作業がでけんから、頑張らねば……w
― 学園都市外 ―
[ リヒャルトとフレデリカを、文字通り吹っ飛ばすと、男は少し遅れてその後を追った。リヒャルトが重ねがけされた術を制御出来ないという可能性は考えていない。フレデリカが共に居るのだから、どんなに疲れ果てていようと、意地でも落ちはしないだろうとの確信がある。
背後からは、ローレライの呪歌か、バンシーの啜り泣きを思わせる詠唱と湧き起こる霧が広がってくる。 ]
深き夜の底に眠る古の森の影
紫紺の闇の翼を広げ 我が身を内懐に包み隠さん
[ 霧の影響を受けぬぎりぎりの地点で地に降りると、宵闇に紛れる結界を纏い、 気配を殺して身を潜めた。]
やはり、追ってくるか。
[ 最後に派手に離脱したリヒャルト達は、格好の的だ。必ず追跡されるだろうと睨んだ通りに、一人の兵士が>>46霧の中から姿を現す。
いくらか霧の効果で足が鈍ってはいるようだが、それでも常人よりは遥かに速い。
闇の結界を纏ったまま、男はその前に飛び出し、腰のサーベルを抜き放ちざま、横薙ぎに揮った。 ]
『くあっ!!』
[ 不意をついたとはいえ、ウルを服用した兵を一刀の元に切り捨てるのは難しい。兵士は横一文字に胴を裂いた傷を押さえて、襲いくる刃を振り払おうと、握っていた手斧を振り回す。
闇雲な一撃でも体に当たってしまえば、結界の魔法は破れて、男は兵士の前に身を曝すことになる。 ]
『卑怯な魔法使いめっ!!』
[ 怒りに顔を紅く染め、叩きつけるように振り下ろされた手斧を、男は、サーベルで受け流し、勢いづいて前のめりになった兵士の両眼を、返す刃で撫で斬りにした。]
魔法は卑怯で、薬は卑怯ではないというのは理屈に合わんな。
[ いくら強化されていても、弱点には違いない眼球を傷つけられ、視界を失って地に膝をついた兵士に、言い捨てて、男は空へと身を運ぶ。
万が一にも隠れ里の方角を気取られぬよう、一旦、進路を取ったのは、北の山中。
ウルの効果を受けたままの兵士を殺し切ろうとすれば、多大な労力と時間を必要とする。魔法の霧が兵士の元へ届くまで、あと僅か。霧に囚われれば傷負った兵士は、恐らくそのまま意識を落とし、少しでも追跡の手を遅らせる事ができる筈だ。
ついでに魔法使いはやはり超人兵を殺せないのだと舐めてくれれば幸いだが、そこは望み薄かもしれなかった。* ]
/*
即座に追跡されてたら、リヒャくん2日も寝てらんないだろという判断のもと、なんとなく尾行処理してみました。
[ リヒャくんが処理する可能性もちょっと見てた。 ]
さて、デメララ奪還は、多分企画サイドも想定してる流れだと思うけど、俺は、いつどこで死神さんと遭遇するのが美味しいのかな?
[ 多分、一度死にかけるルートでいくからね!それまでリヒャくんとは合流しないのも有りかなって! ]
― 5年前 ―
一体、何があった?!
[ 学園始まって以来の騒動となった阿鼻叫喚の巷を>>0:155男が目にしたのは、屋外での魔法実習を終え、学生達を引き連れて戻ってからの事だった。実習に参加した学生達は食材を現地調達するのも課題の内だった為、学食を利用しておらず、慌てて救護に当たることになった。 ]
『先生!これ、おかしいです!!』
[ 慌てたあまり、回復魔法と間違えて解毒魔法を使った一人の学生の報告から、原因が、食事へのウルの混入であることが突き止められたため、死者こそ出なかったが、この事件がトラウマになって、魔法を使えなくなった学生も多かった。 ]
結局、あいつには、何も教えられなかったということか。
[ 事件の犯人が誰であるかは、当人が逃走したことからも明白で、それを知った男は教師としての無力を嘆くことになった。 ]
魔法は技能だ。使えれば便利だが、使えなくても、人は生きていける。
ましてや、その力の多寡で、人の価値を決めるものじゃない。
[ 言葉だけで世界は変わりはしないかもしれない。けれど、届けた言葉が若者の心に根付けば、彼らの行動がいつか世界を変えるかもしれないと、信じて教師は言葉を重ねてきた。
最初から、それを当然の事実として受け入れ育ってきたリヒャルトの当たり前が、本当の当たり前になるように。
だが、真に届けたい場所に、結局、その言葉は届かぬまま。巻き起こった嵐に、世界ごと願いは飲み込まれていったのだ。** ]
― 学園都市外/上空 ―
[霧で包まれた、学園都市の上空にて。
風に晒され明瞭になった意識の中、リヒャルトの宣>>42>>43を聞く]
……うん。
[その言葉には同意を返すように、頷きをひとつ]
私も、諦めないよ。
……絶対に。
[リトが諦めないなら、とは言わない。
それは、自らの意志でもあったから]
……リト。
[何をすべきか見えていないのは、こちらだって同じ。
揺らぐ思いに何を返すべきかもわからなかったけれど]
私は、リトの味方だよ。いつだって。
[それだけは変わらないというように、そっと告げた]
[山岳部に入る頃には、リヒャルト>>51に声を掛けて自力で飛ぶことにした。
口に出しはしないけれど、彼が自分よりずっと消耗しているのは見てとれた。
ただそれ以上に思い悩んでいるのも伝わったから、必要以上に声は掛けず移動に専念する]
― 隠れ里センテナリオ ―
[合流した人々と共に、ようやく辿り着いた隠れ里。
代表として挨拶するリヒャルト>>52の背を見つつ、一歩控えた位置に立つ。
先に脱出した人たちも辿り着いているらしいと聞き、こちらも安堵の息を吐いた]
[リヒャルトは早速というように、情報収集を始めている。
しかし――]
え。
[思わず口を開けて、その光景>>53を見ていた。
休息が必要、それは正論にしても、そんな荒っぽい手段を取るとは思わなくて]
リト!? だ、大丈夫……!?
[動転するままに駆け寄った体もやんわりと抑えられ、里の診療所に連れていかれるのだった]
― 2日後 ―
[それから2日間。
時間を見てはリヒャルトの様子を見に行ったりはしていたけれど、付きっ切りという訳にもいかず、食事の用意を手伝ったり、生活の上で必要な雑事をこなしたりした。
このまま隠れ里にずっといる訳にはいかない、というのは薄々感じていた。
人数的なこともそうだが、何より、帝国が追撃を止めるはずがないのだから]
リト……。
[それでもやはり、目覚めない絆の相手が一番に気にかかる。
疲労による睡眠だとは、里の医療者になんども聞かされていたけれど]
[そこにようやく、待ち望んでいた報せが届いた>>56]
かっこわるくなんかない、必死でやり遂げた結果だもの。
……休まなきゃいけなかったんだよ、今は。
[そう、励ましの意思を送る]
[食事のタイミングで、リトの名を呼びながらすっ飛んできた少女に、周囲は驚いたか、あるいは相変わらずと思ったか。
ともかく、リヒャルトには消化にいい食事を差し出しつつ、自身もその場で食事をとらせてもらった。
後に大きな話し合いが控えているとは承知していたから、会話は軽い現状確認程度に留まったか]
ごちそうさま。
[食事を終えれば、自身の食器とリヒャルトのものを重ねて持ち、一旦部屋を離れることにする。
扉を潜る前に一度だけ振り向いて]
……何かあったら、呼んでね。
[それだけ言い残すと、その場を辞した*]
― 五年前・帝都震撼 ―
[その気があるなら剣を払い、反撃をしてくるだろうと考え、突き出した波打つ剣をファミルの首元で寸止めする。
当然、反撃にも備えていたが、ファミルの手は止まったままだった]
そいつぁ違ぇねぇ。
[斧が床を叩く音>>36がした後も、しばらくは剣を突き出したままに小さく笑う]
[この状況で、「おまえは使える。」と言い放った>>37のには少し驚いた。
剣を突きつけられて尚、引かぬ度胸と言い切る胆力。
軽い口調ながら後ろ暗いものを滲ませ男を誘う言葉を聞き、理屈抜きで悟った]
[”これ”はこの時代の寵児だ、と]
[魔術師優位の世界を変えるに足る意志と行動力を持ち、あらゆるものの上に立つ器を持つ新たなる皇帝。
今この国で求められるのは、現皇帝ではなくファミルだろう]
…………ふっ、 はははは。
[僅かな沈黙ののち、零れるのは心底楽しげな笑い声。
突き出していた剣は緩やかに下ろされた]
…俺は魔法に恨みなどないが、あの世界で生きるのは窮屈だ。
求めるのは俺の
お前は、俺の使い方を間違えるなよ。
[現皇帝のように。
もし間違えたなら、今度はお前が現皇帝と同じ道を辿るぞ、という脅しも含んだ言葉。
実際はそんな心配はしていなかったから、くぎを刺す意味合いで口にした]
ファミル、お前に乗ってやる。
[はきと紡いだ寝返りの宣。
波打つ剣は鞘に納められ、男はファミルと同じ先を見据えた]
お前らも好きにしろ。
ただし……皇帝につくというなら、ここで俺が相手してやる。
[部下の近衛兵らに向けたのは、実質的な死刑宣告。
元より男を信奉していた者は直ぐに寝返り、ファミルの思想に賛同した者もそれに準じた。
残るのは、現皇帝の思想に賛同する者達。
それらを前にして、男は楽し気に笑った]
[後に残るのは、転がるいくつかの首と開け放たれた部屋の扉**]
[ 宝石商の家宅捜査を済ませて店を出る。
当主は防衛の任に就くといって学園に出向いたらしく身柄を確保することはできなかったが、金庫は押収した。
魔法で封印されているようだが、後で叩き壊そうと思う。
ファミルがよさそうな大槌をあつらえていたはずだ。
これまでも手に入れた品は、一切隠さずファミルに提出してきた。
気に入った品があれば、褒美にねだった方が楽しい。]
とりあえず、土産はこれでいいとしましょう。
[ 宣言した時、配下の兵が警戒の声を発する。]
― 魔法学園時代のこと(ロヴィン編) ―
[ 魔法の講義には身が入らないドロシーだったが、ロヴィンには自分から教えを請いに行ったことがある。]
先生の家系は、武闘魔法に強いと聞きました。
それって、基礎に武術があってこそですよね。
その基礎の部分を教授してください。お願いします!
[ 刃引きした剣を携えて、目をキラキラさせていた。*]
― 5年前 ―
[元々、事件に好んで首を突っ込む性質ではない。
リヒャルトが無茶をしすぎれば諌める場面はあったかもしれないけれど、それはそれとして]
[ただしその日>>0:155の阿鼻叫喚の騒ぎはよく覚えている。
まだ学園に入って日が浅く、おろおろと見守るくらいしか出来なかったけれど。
リヒャルトはいつものように飛び出していって、犯人を追い掛けて――]
……ドロシー、ちゃん。
[それっきり戻ってこなかった、ひらひらのあの子。
あれだけの惨事を引き起こした相手を、まだこんな風に呼ぶ自分は、やっぱり甘いのだろうか]
[学園都市内の、ちょっと背伸びしないと買えないようなアクセサリーショップを覗いていた時、ドロシーに声を掛けられたことがある。
どれが似合うとか、どんな髪型にしたらいいかとか、そんな感じの話だった。
華やかだけど近寄りがたい感じもある子だと思っていたから、普通に会話したりちょっと褒められたり>>0:119したことが嬉しくて]
[そんな思い出と、あの惨事を引き起こしたドロシーが繋がらなくて、どこか信じられないような気持ちがあった*]
― 学園都市 ―
[事実上の勝利宣言に続き、兵らの雄叫びが上がれば、呪歌が途絶える。
戦場に訪れた空隙を、飛び去る何かが横切った。
空飛ぶ魔法使いと視線が合ったか、と思った直後には、別の飛来物に引っ張られるように飛び去っていく。>>34]
逃げるか。面倒なことだ
ここで全部潰せていれば楽だったんだけどなあ。
……けれど、楽しみが残っていると考えれば悪くないか。
[手元に弓矢があれば逃げていく連中に射かけていただろうけれども、残念ながら用意が無い。
町の外へと遠ざかっていくのを見送っていると、途絶えたはずの呪歌が再び足元や周囲から湧き上がってきた。>>32]
…気色悪いな。
[泣き女でもこんなに悲哀に満ちた声は出さないだろう、という歌が、どこからともなく聞こえてくる。
それと共に、湖から霧が立ち昇ってきた。
霧は濃く冷たくわだかまり、学園に押し寄せて城壁を乗り越え、隙間から町の中へ流れ込んでくる。
霞んでいく視界の中、眼下で霧に撒かれた兵らがふらつくのが見えた。]
ただの目眩ましじゃないのか。
[毒か。精神作用か。
どちらにせよ、ろくなものではなさそうだ。]
全軍に告ぐ。
[塔の上から改めて兵たちに告げる。]
火を起こせ。町に火を放て。
魔法などという堕落の産物の象徴を、全て灰にしてしまえ。
おまえたちの手で、悪魔の歴史に終止符を打て。
[町のあちこちから声が応え、ぽつぽつと火の手が上がる。
どうやら、影響の弱いものもいるようだ。
ひととおりの略奪が済んでから、どのみち学園は燃やし尽くすつもりだった。
それが少し早まっただけのこと。
気温が上がれば、霧も消し飛ぶだろう。魔法の産物に、それが通じるかは知らないが。]
ねえ学長さん?
あなたの守りたかったものってなんだったの?
[窓の桟に肘を突き、吊された男に話しかける。
声は帰ってこないが、まだ生きてるのは知っている。]
学園は燃やし尽くすし、逃げた連中はひとり残らず殺すよ。
残念だな。見せてあげたいけど、あなたはここで死ぬ。
大好きな学園と一緒に燃えるんだから、せいぜいじっくり味わってね。
[それじゃ、と体を起こしたところで、短剣を突き立てられた傷が痛んだ。
視線を落とせば服の破れ目から、傷だけではない奇妙な痕が覗いている。
かっとして斧を振るえば、窓枠ごと縄が断ち切られ、吊られていたものが落ちていった。]
あぁあ。
やっちゃった。
[遥か下からの衝突音を聞きながら、残念そうに呟く。
これは、あと何人か魔導師を痛めつけないと収まらないな。
下に行ったらまずは捕虜を検分しよう。]
回収は終わったか?
私たちも降りるぞ。
[学長室の書類や貴重品などを捜索していた近衛兵らが、大量の荷物を抱えて皇帝に従う。
荷物の中から転がり落ちたものを見とがめて、拾い上げた。
素晴らしく大きな石の嵌まった指輪だ。]
これはあいつが気に入りそうだな。
あとでくれてやろう。
[魔法の代物かも知れないが、なんなら宝石だけ取り外せばいい。
懐に指輪を仕舞って、塔を降り始めた。**]
[ ファミルの決断は「焼き払う」だった。]
この後、ゆっくりお風呂でも入りたかったのですけど、もう一頑張りしますか。
[ ところで、火を放った後、どこで兵を再編するつもりでいるのか。
ファミルに直接、聞けばいいのだろうけれど、まずは自分で戦略的に考えてみる。]
そうだね。
もうひと頑張りしてもらうよ。
学園の後庭が火除地に使える。
周囲の建物を打ち壊して、今日の野営地にしよう。
火と霧が収まったなら、残った建物を打ち壊して撤収だ。
今夜は燃える学園を肴に、宴会だな。
了解しました。
それでは、我が隊も火を放ちながら向かいます。
[ よかった、今度は間違いなく彼の元へ辿り着けそうだと、声に安堵と喜色が乗る。]
早々に宴会の衣装を見繕わなくては。
[ しばし、黙思した後、不意に笑みを取り戻す。]
火を放ちながら、塔へ向かいます。
あそこなら火除けに使える運動場などもあります。
戦勝祝いの宴を楽しみに、もう一働きです。
[ 魔法使いなら、発火の魔法でも使うのだろうが、肉体専科の帝国兵は乾いた木材を高速で擦り合わせて原始的な火起こしをする。
そうして火を放った建物のひとつは、ドロシーが学生時代に使ったことのあるカフェだったりした。*]
[ 小一時間の奮戦の後、戦利品とともにカフェでお茶をする。
そこでようやく、互いに名乗ったのだった。]
学籍簿にどう書かれているにせよ、私のことはドロシーと呼んでください。
[ 当時から、妙に大人びた丁寧語だった。
フレデリカが知るはずもないが、後宮風の話し方が染み付いている。]
ここの校風は気に入っていますか?
私はわりあい好きです。
生徒の自主性を尊重して、いろいろ束縛しないところが特に。
[ まだ伸びていない髪に派手目なイヤリングをつけて、巻きスカート姿のドロシーは頬杖をつき、フレデリカの反応を待った。*]
― 5年前 ―
へ? 値切り交渉……ですか?
[アクセサリーショップを覗いてた時、背後から掛けられた声>>90。
振り返ると、煌びやかなイヤリングをつけた、華やかな少女が立っていた。
否、男の子だということは既に知っていたけれど]
私、そこまでして買うつもりは――
あ、ちょっと!?
[有無を言わさず店内へ連れ込まれ。
値切り交渉とやらには口を出せないままだったが、彼はそれなりの戦果を得たようだった]
[しばし後、カフェに移動してお茶を共にすることとなった]
はい。ドロシーさん……ですね。
[学籍簿には何やら厳めしい名が載っていた気がする。
しかし、相手>>91にそうして欲しいと言われれば素直に従ってしまう性格だった]
私は、フレデリカです。
よろしくお願いします。
[自らもそう名乗って一礼し]
校風……ですか。
[えらく難しい質問をするな、と思った。
少し先輩とはいえ同い年くらいのはずなのに、彼の物言いはとても大人びている。
その出自などはこちらは知らぬもので]
……はい。私も好きです。
ここ、政治家を志す人が多いって聞いてたんだけど、実際はそればかりじゃなくて。
学びたいこととか、やりたいことがあったら、きちんとそれを選ばせてくれますから。
[実際は家族とのしがらみでそれが出来ない生徒も多いのかもしれないが。
自分自身の印象を素直に口にする*]
/*
死神殿がwktkしてるなwまあ、こっちも斬り合い想定の武器得意設定ですよ、ええ。
魔法の不得手な魔導師ばっかりやってる気はするけどもっ!!(某疾風の勇者とかな...)
ドロシーとフレデリカの、女子会ノリも可愛いな!
― 離脱直後・学園都市外/上空 ―
[宣に返る、同意の頷き。>>51
紡がれる、諦めない、という宣は強い意志を感じられるもの。
同じ思いを、自分の意志で示してくれる存在は、今の不安定さを支えてくれるもの……と、そこまでの自覚はないものの]
……ん。
じゃ、行くか!
[この手は離しちゃいけないんだ、と改めて思いつつ、隠れ里を目指す。
道中、自力で飛ぶと言われた時>>68はやや心配ではあったけれど。
諸々鑑みればそれが妥当、と手を離していた。*]
……え。
[隠れ里への移動の途中、聞こえてきた声>>=5に、惚けた声が落ちた。
思念の乱れ自体が無自覚だったから、何故、そんな事を言われたのか一瞬わからなくて]
……ん。
ありがとな、フレイ。
[けれど、その言葉が、込められた想いは素直に嬉しくて。
返す声は少しだけ、柔らかさを帯びていた。*]
― 魔法学園時代のこと(フレデリカ編) ―
[ 素直にドロシーと呼んでくれたフレデリカに、にこやかに微笑みかける。
投げかけた問いに答えをもらい、うなずいた。
政治家云々はスルーして、]
フレデリカさんの学びたいこと、やりたいことというのを聞きたいです。
[ ちょうど運ばれて来たティーカップに指を添えながら、質問を続ける。*]
[目覚めの後に零した、愚痴めいた思念。
それに返された言葉>>=7の意味は、最初、上手く掴めなかった]
……あー……うん。
いや、寝込んでた事じゃなくて、その。
[少し間を置いてから、やや決まり悪げな口調で紡ぐ]
……やっぱ俺、まだまだガキだなあ、って、さ。
そう思ったら、かっこわりぃ、って思ったんだ。
[続けて零すのは、先の愚痴の理由。*]
― 5年前 ―
[こちらの言葉を、ドロシーはにこやかに聞いている>>97。
自分なりに考えて質問の答えを返したら、更に質問を重ねられた]
私の、やりたいこと……。
[何故そんなことを、という疑念が一瞬浮かぶが、それは胸を張って答えるべきことだと表情を改める]
私は魔法の力を、たくさんの人に役立つものにしたいです。
災害だとか、日々の困ったことから、みんなを守れるように。
[自分にとって、魔法とはそういうものなのだという風に答えた*]
[愚痴に対し告げた言葉は、少々的を外していたらしい。
決まり悪げな言葉>>=9を聞いて、うーん、と小さく唸るような声を出す]
……そうなの、かな。
私は、そうは思わない、けど……。
[贔屓目は、ないとは言えないけれど、自分にはリトが子供だとも、かっこわるいとも思えなかった。
けれど彼には、それでは納得できないものがあるのだろう、とも思い]
それは、力が未熟、ってことかな。
それとも、冷静じゃなかった、正しく判断できなかった、ってこと?
[責めたいわけではない、というように、ゆっくりと言葉を並べて]
……リトは、リトなの。
急に大人になったり、全部正しく出来るようになんて、なれないよ。
こんなことになったから……そうも言ってられないのもわかるけど……。
みんなきっと、「今のリト」を信じてる。
……それで、「今のリト」に足りない部分は、他の人がきっと支えるから。
それじゃ……駄目、かな?
[彼の重責は自分には想像もつかないもので――このままでいいのかという自戒も、少し、ある。
それでも、今掛けられる言葉を探すように、そう語りかけた*]
/*
なんかよくわからなくなっちゃった…。
そんな長文求めてねーよって思われそうだけど、つい要素を一個一個並べて長文にする癖があるのが私です…。
― ロンリコ北方の山 ―
[ 北の山中は、魔法訓練にも使っていたので、教師達は地理にも明るい。目指すのは、山の中腹の渓谷。そこから南東に流れ落ちる川を辿れば、センテナリオへ向かえる筈だった。]
...さすがに、一飛び、とは、いかない、か...
[ 夜の明けぬうちに出来るだけ距離を稼ぎたいのはやまやまだったが、体力気力はすでに限界に近く、休息を取らなければ保たないと判断せざるをえない。
追っ手のかかることと、獣を避けることを考慮して、休息の場所に選んだのは高い樹上。魔法で折り曲げた枝葉を即席の寝床として、仰向けに空を見上げる。 ]
『お願いします!』
[ 疲れに解けかけた意識の底から、遠い記憶に残る声>>79が浮かび上がったのは、下界の喧騒も知らぬ気に煌めく星が、魔法の授業中には見たことのない輝きを湛えた少女めいた大きな瞳を思い出させたからだろうか? ]
― かつて教え子だった彼の思い出 ―
武術を?
確かに、教えられないこともないが......お前にそれが必要か?
[ 彼が、魔法実技を魔法ではない方法で、こなしているのは察していた。男はどんな方法であれ、課題をこなす気があり、それを実現できるのであれば、魔法の技術点は低くとも合格としていたが、どうやら合格するかどうかすら、彼の中では大した問題ではなさそうなことも、感じている。 ]
本気でやる気だと言うなら、日課の授業後に教えるが、代わりに授業の方もきちんと受けろよ。
でないと、俺が他の先生達に睨まれる。
[ 軽口めいた言葉と、浮かべた笑みは、彼にはその時初めて見せた顔だったろう。 ]
[ あの頃教えた剣技が、今、魔法使い達を斬り捨てるために使われているとすれば、皮肉と言う他はないが...教えた事を悔いるつもりはない。
誰からどんな教えを受けたとしても、それをどう生かすかは、教え子達の自由だ。
例え、その剣が、男自身の胸を貫いたとしても。* ]
― 魔法学園時代のこと(フレデリカ編) ―
[ 急に値切り交渉に付き合わされた挙句、立て続けに質問されては困惑するのが普通だ。
それでもフレデリカが返してきた答えには、彼女の矜恃が示されていた。]
その貌、とても素敵です。
あと5年たったら、口説いているかもしれません。
[ 冗談でもなさそうに告げて、カップを口元に運ぶ。]
[ 香りのいい紅茶を一口含んでから、改めて確認した。]
でも、それって、魔法がなくても果たせるでしょう?
[ いささか剣呑な光が目に宿った。*]
[明かした理由に最初に返ったのは、唸るような声とそうは思わない、という言葉。>>=10
続けて、ゆっくりと並べられた言葉に小さく息吐く気配を返し]
それもある、し。
……結局、せんせーたちのフォローのおかげで何とか無事でいるとことか……さ。
雛鳥言われても文句言えねーなって。
[雛鳥扱いされるとすぐに噛みついていたのは、学園では有名な話。
その様子を年長者が「また嘴で突っついてる」、なんて揶揄されていたのは知られているか]
……俺は、俺?
[そんな感じで、止め処なく続きそうだった自嘲は、思わぬ言葉に遮られた]
…………。
[綴られる言葉。
『今の自分』を否定しないそれは、すとん、と内に落ちていく]
そっか……そ、だよな。
どんな歌でも、一朝一夕で自分のものにできるわけじゃない。
それと同じで……今すぐ、なんでもできる大人になれるわけじゃない、もんな。
[呟きは、自身に言い聞かせるが如く。
声音は先よりも持ち直しているとわかる響きを帯びていた。*]
― 学園都市陥落の夜 ―
[炎上する学園都市の方々を、伝令兵が駆け回る。
やがて、広々とした学園の後庭に帝国軍は集まり始め、周囲の建物を打ち壊して火を遠ざけ、今宵の陣地を築きだした。
陣地には焼け出された一般市民や魔導師も連れてこられ、先勝に沸き立つ帝国兵らとは対照的な、青白い顔を並べている。
陣地の設営と平行して戦勝祝いの席が用意される。
残念ながら未だ戦地なので参加できる兵は半分で、陣の各所でくじ引きや力比べの悲喜こもごもが繰り広げられた。]
皆、聞いてくれ。
帝国はついに、邪悪なる魔導共和国の牙城を全て陥落させた。
残党狩りは続くが、それもすぐ終わるだろう。
今日は記念の日だ。
みんな、よくやった。
[皇帝の言葉で宴は始まり、参加券を勝ち取ったものたちは酒と勝利の余韻に大いに酔いしれた。*]
― 5年前 ―
え!?
あ、あの……。
[真剣な顔で見詰められて言われた言葉>>104に、顔を真っ赤にした。
誤魔化すように、紅茶を少しだけ口に含んで]
[けれど続く質問>>105。
眼差しに宿る光に、背筋を冷たいものが伝った。
けれどきちんと受け止めるべきだとも思い、姿勢を正す]
はい。
そう思います。
[この魔法の国は魔法だけで回っているわけではない。
そこにれっきとした格差がある以上、それは綺麗事なのかもしれないけれど]
けれど魔法の力があれば、より大規模なことだって出来ると思うんです。
私は……魔法の力を使えるなら、自分が出来る最大限でそれをしたい。
魔法が「あるから」出来ることをしたいんです。
[彼の目の鋭さに負けないように、そう答えた。
臆せずいられたのは、彼の裏での所業を知らなかったせいもあるかもしれないけれど*]
お前にそれが必要かって…、それこそ必要なものじゃないですか。
実戦こそ一番の上達の早道です!
[ 実戦と言いました、はい。]
ここを出たら、挑みたい相手がいるので、絶対、弱音は吐きません。
[ ちょっとばかり、惚気て(?)見せるのだった。
どこかで誰か、くしゃみしてるかも。*]
― 学園都市 ―
[城壁側から都市内部へと移れば、勝利後の戦利品回収が既に始まっていた。
金品を始め、必要な食料品や他に価値のありそうなものが次々と建物の外へと運ばれていく]
お前らも行ってこい。
[ただ一言指示を出せば、部下達がわらわらと移動を始め、手近が建物から価値のありそうなものを運び出した]
武具の類は少ねぇか。
足りねぇ分はデメララから調達した方が早いな。
[運び出されたものを検分しながら、必要物資についてを考える。
金品ではなく物資に意識が向くのは、戦人としての性だろう]
[そんな中、不気味な
同時、迫るのは湖から発される重々しい霧。
すん、と漂うのは薬草のような匂い]
……仕掛けでもあったか?
[時間差で発動する魔法でもあったか、と辺りを見回すが、霧はだいぶ濃い。
閉ざされつつある視界の中で、部下が幾人かふらつき倒れ伏すのだ見えた]
おい、布で覆うか呼吸止めとけ。
[ただの霧ではないことは流石に分かる。
まだ動ける部下に指示を出し、撤収の準備をしていると、塔の上からファミルの声>>84が響いた]
だとよ。
お前らはそれ持って先に行け。
他のやつらは火ぃつけろ。
[改めて指示を出し、塔を再び見上げれば、その様相は僅かばかり変わっていた。
吊るされていた学長がいないのだ。
塔の中に引き戻されたか、それとも落ちたか。
別にどちらでも良かった。
どちらの道を辿っても、どうせ死んだだろうから]
[深い霧の中、部下に目指させたのは高い塔。
一番目立つ場所だったし、伝令兵からの指示>>106もあったからだ。
男もまた火をつける部下達と共に残党を捕まえながら、学園の校庭へと向かった]
[今宵はここで陣を張るようで、瞬く間に野営地が出来上がっていく。
兵達が先勝祝いの席を賭けて勝負する様は、我関せずの様子で笑いながら眺めていた。
賭けに参加せずとも宴に参加出来るのは上官特権だ。
そうでなくとも、こういう時は副官が見張り側へと回るため、体裁的には不戦勝となるのだった]
[そうしてファミルの宣>>107を皮切りに、戦勝の宴が始まる。
よくやった、の言葉には、皆声を揃えてファミルを讃えた。
勝利の美酒は良く回ると言ったもの。
兵達は大いに盛り上がっていた]
うるっせー。
[その盛り上がりを肴にするように、男は静かに酒を飲む。
戦で苛烈に戦う男だが、平時は近衛長が務まっていたくらいには静かなのである*]
― 隠れ里センテナリオ ―
[長の家の大広間へ呼び出された時。
こちらも顔を出していいとの許しを得て、学生代表の一人として会議に参加することになった。
主な方針を委ねられているのはリヒャルト>>57で、しばし彼と大人たちの議論を眺める形となる]
[このままでは、この隠れ里まで帝国に攻め込まれるという懸念>>58。
しかし、打って出ても対抗出来るほどの人数はこちらになく。
そんな分析は否定できるものではなく、ただ、リヒャルトの示す意志を待って]
デメララ……。
[外部の状況説明の際、その名は自分も聞いていた。
魔導師が強制労働させられている町>>59。
自身の父も行方が知れず、もしかしたら――という期待はこちらにもあった]
……うん。
[リヒャルトの決意>>60に、小さな頷きで答える]
魔法を使える人、だけじゃなくて。
歴史も、知識も、何もかも消えちゃう……ってことだもんね。
[そうであってはならない、と自分も思う。
頭を下げるリヒャルト>>61に、何の立場というわけでもないけれど、自分も倣った]
私からも、お願いします……!
可能性は、少しでもたくさん残したいんです。
[ほんの少しでも、願いが聞き届けられる可能性が増えればとの思いだった*]
― 魔法学園時代のこと(フレデリカ編) ―
[ フレデリカは優等生っぽくて可愛いと思う。]
フレデリカさんの思いはとても綺麗で貴重です。
あなたなら大人になっても、そのままの純粋さでいられそうです。
ただ、
魔法よりも、もっと優れていて、しかも誰もが使える方法があるのを、先生たちは知っていますよ。
立場上、認めないだけで。
…っあ、
いきなり、小難しい話で戸惑わせてしまいました。
[ ちょっと肩の力を抜いて、微笑みを浮かべる。]
私にとって"魔法"というのは、化粧し、着飾って、美しさを引き出すことです。
その手助け、してくれませんか。
[ これからも一緒にアクセサリーを選んだり、お洒落の話をしたいと提案する。*]
……そうだったね。
雛鳥……。
[その言い回し>>=13に、自分たちを逃がしてくれた教員のことを思う。
彼だけでない、前線で戦った教師や、自室で最期の時を迎えたであろう学長も。
――生かされたのだ、という事実を、今更ながら自身も噛み締める]
[ただ。
教員たちに突っかかっていくリヒャルトの姿は、後輩として純粋な"憧れ"の眼差しで見ていたのだけれど、それは胸の内にしまっておくことにした]
――忘れちゃいけない、ことだとは思うよ。
[それは自戒も込めた呟きだった。
自分たちが子供であり、多くの大人たちの力で生かされていること。
それをしっかりと自身でも受け止めた上で]
それでもやっぱり、出来るのは一歩ずつ、前に進むことだと思うから。
[リトの在り方を認めていると、その思いを最大限に乗せながら。
少し持ち直した響き>>=15に、安堵の表情を浮かべた*]
[酒が回れば羽目も外れる。
既にあちこちで腕比べや乱闘が始まっている間をすいすいと横切って、静かな一角へと近寄った。]
やあ将軍。
今日も見事な戦いぶりだったね。
[酒瓶を片手に提げているが、グラスもジョッキも持っていない。
皇帝がほとんど酒を飲まないというのは、わりと有名な話だ。
なので持っている酒瓶は相手に飲ませる用だ。
そんなわけで、問答無用で注ぐ態勢に入った。*]
― 5年前 ―
あ……、はい。
[もっと何か言われるのかと思ったが、肯定的な言葉が返ってきたので、謙遜も忘れて戸惑う。
しかし、言葉はそれだけでは終わらず>>120]
え、それ、って……。
[どういう意味かは訊きそびれた。
否、何か訊いてはいけないような予感がした。
どちらにしろ、ドロシーが話題を切り替えたので、この疑問はそれっきりとなる]
え、はい、もちろん。
[ドロシーの語る"魔法">>121も、また素敵な考え方だと思った。
着飾って、まるで別人のような美しさを引き出すことには、純粋な憧れがあった]
私でよければ。
これからも、よろしくお願いします。
[提案を受け入れて、笑顔と共に右手を差し出す*]
― 魔法学園時代のこと(フレデリカ編) ―
[ 落とされた情報について、フレデリカは忘れてしまうだろうか。いつか思い当たるだろうか。
今は、差し出された手を、きゅっと握る。]
嬉しいです、よろしくお願いします。
[加減したつもりだけれど、《ウル》を服用している身だから、やや強かったかもしれない。]
[ ともあれ、最初は、気合だけが先走って酒場の酌婦のようですらあったドロシーの女装が、次第に年頃の少女向きの健康的な化粧と服飾に変わっていったのは、フレデリカとの親交の賜物であることは間違いなかった。*]
[男が静かに飲むのを知ってか知らずか、兵達の乱痴気騒ぎはここまでやって来ない。
時折部下が酌をしに来るくらいで、長居する者も少なかった。
そんな中で近付く気配>>122に視線を向ける]
よぅ。
陛下直々にお出でとはありがたいね。
[注ぐ体勢なのを見て、素直にジョッキを傾けた。
ここで断る理由なぞ無いし、皇帝の手ずからを断るのは体裁も悪い]
逃した奴も多かったがな。
残っていたのは年寄りの魔術師と一般市民だろう。
どこに逃げたか探んねぇとな。
[肩を竦めて言い、合間にドライフルーツの欠片を口に放り込む。
それを噛みながら、僅かに苦々しい表情を浮かべた*]
[自分に向けられていた眼差し、その意味などは知る由なく。>>=17
知ったら知ったで、惚けた反応をしそう……というのは余談として]
うん。
自分が、まだまだ足りてない、って事は、忘れちゃならない。
[忘れずに、けれど、ただ護られるだけではなく]
でも、前に進まねぇと。
……託されたものに、ちゃんと、応えるためにも。
[向けられる声、そこに宿る思い。
それが張りつめていたものをだいぶ緩めてくれるのを感じつつ]
……ありがとな、フレイ。
[告げるのは、思い多々込めた短い感謝]
(……かーさんたちの言った通り、だなぁ)
[声には乗せず、ふと、思うのはこんな事。
離れても繋がる絆の声。
それは、とても大切なものだと実母も養母も言っていた。
言われた時は感覚でしか掴めていなかったそれが、何となくだが理解できてきたような、そんな気がしていた]
[……なお、このやり取りのおかげで、後々の話し合いの時に色々と吹っ切れていた、というのは、余談の余談、である。**]
― 学園都市陥落の夜 ―
[ 炎を映し出す霧の壁を後に、塔へに到る。
そこで兵らとは別れて、勝手知ったる学園内の水場へ行った。
ここの風呂は魔法で湯を供給していたから、今は使えないだろうと踏んだのだ。
全裸になり、スライムもどきを洗い流す。
その肢体は、どちらかといえば痩せていて、まだ少年らしさが残る。
若鹿のような滑らかさだった。]
[ わざわざ戦場まで運ばせてきた衣装類の中から、銀色のケープドレスを選んでまとう。]
── ロンリコは灰と化し、新たに生まれ変わるべし。
[ 足には同じ色のグラディエーターサンダルを履いた。
濡れた髪は捻りまとめて頭上にあげ、二本の簪で留めておく。
深くスリットの入ったスカートから、腿に取り付けたナイフベルトが見えるのはご愛敬だ。
鋼玉のビーズを連ねたネックレスをかけ、顔にはフレデリカに教わったように薄化粧を施す。
これで準備完了。
宝石商の家から押収した金庫を肩の高さに持ち上げて、闊達な足取りで宴会場へ向かった。]
それはもう。使える部下は大事にしないと。
[なみなみとジョッキに酒を注いで、ついでに隣に座る。
ドライフルーツを噛む口元を見ながら、薄い笑みを浮かべた。]
だろうね。
残っていた連中は全員死を覚悟していたし、
他がどこに逃げたか聞いても、誰も口を割らない。
まったく、忌々しい連中だな。
[尋問は皇帝の腹いせとセットだったから、なにが行われたかは推して知るべしだ。]
そこまでして連中が守るものだ。
多分、なにかある。
[彼らが期待を掛けるものが、逃げた中にあるのだ。
どんな些細な芽だろうと、踏み潰しておかなければ。]
だからさ、将軍。
逃げた連中の殲滅、あなたに任せるよ。
人員も物資も、好きなだけ使っていい。
必要なら私も行く。
連中の息の根を、確実に止めてきて。
[笑顔のままで、天性の処刑人たる彼へ命じた。*]
― 北の山中 ―
[ 目覚めたのは日の出の時刻。日中に目立つ飛翔の術を使うのは避けて、地上へ降り、獣道を掻き分けて進むことにする。太陽の位置と、時折ダウジングの導きを借りながら、昼前には目的の渓谷に辿り着いた。 ]
自由なる風 清き渓流 我が願いに答え
大気と水面を 等しく翔ける
疾駆の道を 我が前に延べよ
[ 切り立った崖を風に乗って降り、そのまま渓流の流れに乗って水面を駆け下りる。ちなみに、風と水双方に働きかける詠唱は、入学時にリヒャルトが使った術をアレンジし、術の効果を足元に限定することで持続時間を遥かに伸ばし、水流そのものの勢いを借りることで速度を上げると言う改良を加えた......ぶっちゃけパクリであった。 ]
― 5年前 ―
[魔法を超える力のことを、フレデリカはうまく想像できなかった。
それを実際に目の当たりにすることになるとも、その当時は思っていなくて]
はい。
[握られる手。
その力は少しばかり強かったけれど>>125、ああ男の子なんだな、と思うのみだった]
[おしゃれに関しては、自分よりドロシーの方がずっと進んでいると思っていたけれど。
実際は、華美であるばかりがおしゃれではないということだろう。
自分なりの好みを語ったりしているうち、ドロシーの服装もその影響を受けて変わっていった>>126。
そんな姿を見て、年頃らしいドロシーちゃんも素敵だな、などと思うのだった**]
[自分なりに必死に紡いだ言葉。
それに返されたのは、短いけれど思いの詰まった感謝の言葉で>>=19]
どういたしまして。
……よかった。
[自分が何かをできていたなら、と。
彼が内心に思う所>>=20は知らず、ただ、深く安堵していた**]
[
そうですね、行きましょう。
私は壁の花には向かないですから。
[ 将軍と飲んでる、ではなく話してる、あたりがファミルらしいと思った。]
[ 川面を立ったまま滑り降りるという、速いが目立つ移動方法は、渓谷を抜け、人目につきやすい拓けた場所に出れば使えない。そこからは、身を隠し、時に夜陰に紛れながら、徒歩で川沿いを踏破し、目的地センテナリオに辿り着いたのは、3日目の日が暮れた頃。
その頃には、リヒャルトの提案したデメララへの奇襲作戦も具体化していたろうか? ]
...うちの雛鳥共は...?
[ こんな時の為に、と、何度か行き来をして打ち合わせを重ねていた里人たちとは既に顔見知りだったから、里に入るなりそう訪ね、リヒャルトを含め、概ね無事に辿り着いたと聞かされて安堵の息を吐いた。 ]
― 学園都市陥落の夜 ―
[ 皇帝の短い挨拶も済んだ後で、宴席はすっかり温まっていた。
健闘し、この日を生き延びた兵らに微笑みかけながら、ドレスの裾を捌いて歩く。
適当なところで金庫を下ろし、差し出されるグラスを受けとった。]
おや、これは──
[ 模様に見覚えがある。
在学中に学長室から盗んで、偽物にすり替えておいた、その偽物の方だ。
また手元に巡ってくるとは、奇特な。]
因果応報というのだっけ?
[ レオンハルトを探し、その傍らに皇帝がいるのを認める。
あれは多分、労をねぎらっているのではなく、ご褒美をあげているところだろう。
──次の戦場という名の。
見えざる糸に引かれるように、そちらへと足を進める。]
[ レオンハルトは、前皇帝の下で異例の出世を遂げた人物だ。
近衛は高給取りだろうに、どうにも退屈そうにしていた。
あれで護衛が務まるのかと、背後から忍び寄って、「やあ!」と飛び蹴りを仕掛けてみたのは、若気のいたりというか、ドロメテウス皇子(当時)8歳のみぎりの出来事であった。**]
いや、俺の方は、問題無い。
[ 途中、魚や獣を狩って腹は満たし、十全とは言えないまでも、いつでも追っ手を相手どれる程度には体力を温存しながら、男は、ここまでを歩いてきた。だからこれ以上の休息も無用と、手を振って ]
それで?...デメララへの奇襲?成る程......ああ、学生たちには俺の事は知らせなくていい。それと、出来れば、酒を一杯、気付がわりに分けてもらえると有難い。
[ 今度はリヒャルト達が出立するよりも前に、このままデメララの様子を探る為に先行するつもりだった。* ]
― 目覚め直後/隠れ里センテナリオ ―
[長とのやり取りが終わって間もなく、駆けこんできた姿。>>71
目覚めた直後に声を交わしていたものの、体調の方は聞きそびれていたのだが。
あ、これなら大丈夫そう、なんてちょっとだけ思ったのは余談として。
食事をしながら交わすのは、具体的な話はこの後する事になった事とか、他に誰が来ているのかとか、そんなやり取り]
……ん。
ま、ここにいる分には、大丈夫だろうけど……そっちも、な。
[別れ際に向けられた言葉には、こう返して見送った。*]
/*
流れ的には、先行してから死神殿とぶち当たり、捕まるかぶった切られるかしたとこでリヒャルト達の奇襲が成功して、死を免れるか蘇生する...な、感じで行こうと思ってるけど、まあ考えた通りに流れた試しはないよね。(
― 隠れ里/長の館 ―
[自身が紡いだ願いに沿うように、フレデリカが声を上げる。>>118
年長者たちの間をしばし、ざわめきが過り、それから]
「……嫌だと言われたら、自分だけでやる……なんていわんよな?」
[教師たちから投げかけられたのは、こんな問いかけ]
……あのー、俺、そこまで馬鹿じゃないつもりですけどー。
[さすがにそりゃねぇよ、と思いながら、憮然として返す]
「そうか」
「……それは、自分の立場がわかってる、って事でいいんだな?」
立場って、つまり……。
[返しつつ、上着のポケットに手を突っ込んで。
引っ張り出すのは、学長から託されたメダリオン]
……これと、これに伴う称号を得た者としての、って意味なら。
色んな意味で、腹決めてから、ここに来てるっての。
[はきと言い切る声音は、やはり迷いのないもので。
それに、教師たちは視線を交わし、頷きあった]
「……了解した。
ならば、我ら一同、全力でお前の……魔導師リヒャルト・ターゲリートの力となる事をここに宣言しよう」
[それが、学長の意志だからな、と。
静かな口調で告げられた言葉。
碧が数度瞬いて、それから]
……なんだよ、もう……揃いも揃って、勿体付けてくれて……ったく。
[思わず愚痴を零せば、お前が危なっかしいせいだ、と突っ込まれ。
返す言葉もなく、はいはい、と頷くしかできなかった。*]
そいつぁまた。
[向けられた言葉>>130に笑い、注がれたジョッキを口へと運ぶ。
男はファミルの中ではまだ使える『駒』ではあるらしい]
手掛かりはなし、か。
ま、この国から出る、ってこたぁねぇだろ。
[そんな選択肢を選びはすまい、と思うのは、城壁で即座に反撃してきた青年を見たからだろう。
あれは諦めの悪い部類だ。
何かしら策を弄してくるのではないか、と漠然と思う。
ファミルが尋問したらしい話には、アイツら死んだな、なんて思っておいた]
[殲滅を任せる>>131を言う言葉には、隣に座ったファミルを横目で見、片眉を上げる]
随分と大盤振る舞いだな。
……拝命仕った。
その『守るもの』にも心当たりがある。
俺が見た中で一人、随分と諦めの悪い奴がいた。
教師が無理矢理逃がすような奴だ。
ただの生徒にしても、あそこまで目をかけはすまい。
厄介なことに、魔法の才覚も随分とあるようだしな。
あれは、何か仕出かすぞ。
[笑いを治め、戦場で見てきたものをファミルへと伝えて。
魔法を受けた左手を軽く開閉させるのを眺めてから、ジョッキの酒を呷り中身を空にした]
敢えて奴らが動くのを待つ、と言うのも手かもしれん。
何もなければ炙り出すがな。
[兵も物資も好きなだけ使えるなら、近場の山狩りをしても良い。
手段は如何様にもなる、そんな思考を滲ませて、ドライフルーツの欠片をもう一つ口へと放り込んだ]
[ややあって気配がもう一つ近付いてくる>>137のに気付く。
まだ殿下と呼んでいた時からの付き合いである相手]
よぅ、お疲れさん。
[向けるのは労いの言葉。
相変わらずの格好に突っ込む言葉は無い。
相手が好んで着ているものに口を出す趣味は昔からなかった]
[殿下と呼んでいた時代は、彼もお仕着せの軍服を着ていたが、中身はそのままで。
やんちゃ盛りに悪戯>>138されたこともある。
それが男を試していた行動だった、ということには気付いているようないないような。
当時、背後からの蹴りには後ろを見ないままに横へと避けて、振り向き様に飛び蹴りをしていた彼を捕まえて抱え込む、という技を披露したのだったか]
[蹴られたところで倒れることもないのだが、蹴り飛ばした方が怪我をする可能性もある。
気配もバレバレだったし、万一があっては色々と面倒であるため、一番穏便な方法を取ったというのが真相だ。
それを相手がどう受け止めたかは、男には知らぬ話**]
[ 男が、一人で動こうとするのは、己の顔が、帝国側に、既に知られているから、という理由からだった。
恐らく、ロンリコが陥落したことで、魔法使い達の拠点を全て殲滅したと皇帝は考えているだろう。あとは、ばらばらに逃げた残党を狩るだけだ、と。
そして、その残党狩りの先頭を切るのは間違いなくあの死神だ。
デメララへの奇襲は、確かに、この現状からの最良手と思えたが、それはあくまで「奇襲」が成功した時の事。帝国が、生き残った魔法使い達がまとまって動いていることに気付いて警戒を強めれば、成功の確率は著しく下がる。 ]
(俺一人なら、万一見つかっても...)
[ 最後まで学園に止まった男が、デメララに囚われているかもしれない学生達を探しに行ったのだと、思わせることができたなら、まだ、魔法使い達はバラバラのままなのだと、考えさせることができるかもしれない。
無論、その時には、死神と命のやり取りをするか、帝国軍の超人兵達相手にひと暴れしなければならないだろうけれど。** ]
国から逃げ出せば、もう少し寿命も延びたのに。
馬鹿な連中だな。
[レオンハルトの推測には同意する。
奇襲は完璧だったが、相手の脱出の手際も忌々しいほどに良かった。
年寄り共はずいぶん前から準備していたに違いない。
将軍が言う、諦めの悪い奴、が奴らの隠し球か。]
最後、空飛んでいた奴かな。
不遜にも私を睨んでいったが。
[そう考えれば、つくづくあのとき弓が手元に無かった事が惜しい。]
その手もそいつが、か。
珍しいな。天下の《死神》が手傷とは。
[開閉される左手を一瞥し、無意識に自分の胸に手をやっていた。
服は着替えていたが、下には包帯が巻かれている。]
……連中がやれることは、たかが知れている。
奴らが本気で勝つつもりなら、私を殺すしかない。
だから、私を使ってもいいよ。
その方が、私が直接連中を潰せる。
[炙り出すなら、皇帝を囮にしてもいいと笑う。
今の帝国は、勝ち続け版図を広げ続ける皇帝に民が熱狂しているからこそ、国の形をたもっている。皇帝がいなくなれば、民の不満が噴出して国が壊れるだろう。
それをわかっていながら、最前線に立ち続けるのだった。]
あと、あーん、もやめろよ。
子供みたいじゃないか。
[文句を言いながらも、ドロシーから差し出されたものを拒否したことは、ほぼ無いのだった。]
[和やかな歓談の最中、燃え続けている塔から何か崩れる音がして、火柱が一度高く吹き上がった。
断末魔のような炎は、夜空によく映える。
考えてみれば、あそこもドロシーとの思い出の地だったなと、ドライフルーツを噛みながら思いを巡らせた。
前皇帝への反乱計画がほぼ整った頃だ。
迎えに行くと絆の声で伝え、学園へと向かっていた途上で、彼の方からウル混入の顛末を聞かされた。
卒業(脱走)記念になにか大きいことでもすれば?と提案したのは自分だが、予想を越える結果を残した彼に舌を巻いたものだ。
とはいえ、脱出に少し問題も起きているようなので、急ぐことにした。]
[ 土産だ、とファミルから投げ渡された指輪を、空にしたグラスで器用に受け止め、破顔して見せる。]
特別な手柄はあげていませんから、褒美なら躊躇うところですが、
個人的なプレゼントなら遠慮なくいただきましょう。
──ああ、素敵。 なかなか古そうな品と見受けます。
[ 炎上する塔に透かしてみたりして、ひとしきり観賞した。
忠告に従って、指には嵌めず、髪に通してかんざしで留めておく。]
[ 口さがない連中が、ファミルと自分のことを、いろいろと取り沙汰しているのは承知しているが、それで身を引くようなことはない。
言いたいことがあるなら、かかって来い、である。]
― 隠れ里/長の館 ―
[話し合いの前に一度リヒャルトの顔を見られた>>140ことで、必要以上の不安は抱かぬまま場に臨めたと思う。
教師の言>>142に、斜め後ろから彼の顔をつい覗き見たりはしてしまったけれど、それへの答えには密やかに胸を撫で下ろした]
[彼の立場も、それに伴う覚悟>>143も。
今はこうして、聞き届けることしか出来ない。
ただ、教師陣が協力を宣言し、確かに事態が前へ動き出したのを感じて]
[自分に出来ること、在るべき場を密かに考えつつ、その先を眺めるのだった*]
陛下を睨んでいったか。
ギリギリまで粘ってやがった奴だから、恐らくそいつだろう。
[ファミルの話>>154を聞いて、このままでは終わらすまいとするだろう推測が強まった。
良い根性してやがる、なんて思い笑う]
ハッ、敢えて受けてやったんだ。
どれほどのもんかと思ってな。
ま、思った以上の威力だったがな。
[左手について>>155を指摘されれば、事実と正直な感想を口にした。
ファミルが胸に手を当てる様子は眺めるのみにし、続く話を黙って耳にする]
確かに、向こうにしてみれば是が非でも下したい相手だろうな。
故に最良の餌になる、か。
考えておこう。
我らが陛下は直接手を下したいようだしな。
[万一があれば国が崩壊するだろうことは分かっている。
それでも諫めず是とするのは、後ろにいるだけの存在ではないと思っているから。
自ら先頭に立ち、民を、兵を率いるのがこの皇帝なのだ]
[ドロシーが来た後は、ファミルと彼のやり取りを眺めて。
男への問い>>152が投げられたなら、ジョッキを軽く掲げた]
なら美人の酌を貰おうか。
[ある意味ではどちらも選択したと言える返答。
空のジョッキをドロシーへと向ける]
― 近衛時代 ―
[仕事が退屈だったとはいえ、別に不真面目にしていたわけではない。
やることはやった上でのぼやきだった。
ドロシーの突撃があった時も、サボっていたわけではなく、宮中の巡回をしていただけの話]
何って、仕事だが?
[幼いドロシーを抱えた状態での問いかけ>>153に、返したのはだるそうな声。
それが勘違いを生むことは分かっていたが、退屈なものは仕方が無かった]
殿下こそ、何をしておいでで?
[奇襲の理由を問い、抱えていた状態からドロシーを床へと下す。
対面する状態で下ろしたドロシーを、腰に両手を当てて見下ろした*]
― 隠れ里/長の館 ―
[場がまとまったところで、問われたのは具体的にどう動くのか、という事。
それに、ひとつ息を吐いた]
奇襲って言っても、ただ不意をつくだけじゃあっちは動揺してくれないだろーと思うんだよね。
俺たちよりも遥かに場慣れしてる連中なんだし。
あと、数もあっちが多いし。
だから、まず、街にいる数を減らすために、鉱山の方で騒ぎを起こす。
実際の効果はなくてもいいから、とにかく派手で目立ってどかーん、とぶちかます感じに。
それで向こうが動いてくれたら……っても、それなり残るだろうけど。
残った連中を引き寄せるために、今度は街の方に一発ぶちかます。
こっちは、それなりやる気でいかないとまずいかな。
で、二か所で騒ぎ起こしてる間に、もひとつ別のチームが、強制労働されてる連中を解放する。
すぐに動いてくれるとは限らないけど……ま、そこは俺にお任せあれ、ってね。
[うまく行くかどうかはわからないけれど、『人を動かすための歌』というものは、養母から幾つか教わっている。
一部えげつないものもあるが、応用次第では士気上昇などにも使えるのよ、と笑っていた時の目は笑ってなかったな……、という回顧はさておいて]
「つまり、鉱山側で陽動した後、街に仕掛けつつ、同胞を解放する、という事か」
うん、そんな感じ。
……今は動ける奴も少ないし……あんまり複雑な事はできないから。
[脱出してきた全員が戦えるわけではない。
未だ戦う術を持たない幼い生徒と、その護り手として残らなければならない教師もいる]
メンバーの選出とかチーム分けは、先生たちにお願いするよ。
多分、俺よりもみんなの適正わかってるでしょ?
[ゆるく首を傾いで問えば、当たり前だ、と答えが返る。
次いで、向けられたのは、自分はどこに回るのか、という問い]
……そりゃ、勿論、一番目立つとこ。
街に仕掛けるチームが、一番火力いるからね。
俺はそっちに回るよ。
[あっけらかん、と言い放つ表情はいいえがお]
こーゆー時にちゃんと矢面立たなかったら、格好つかないでしょ?
[物言いは軽いが、声音には強い決意の色が滲む]
……いずれにしても、さ。
この、最初の一手が、大事だと思うんだ。
俺たちがまだ折れてない、嗄れてない、って示すために。
……
やれるだけ、やりきらないと。
[表情引き締め居住まい正して告げる言葉に返るのは同意。
大筋がまとまった所で、細かい所はこっちで詰めるからお前はもう少し休め、と言われて。
最後の最後に、ほんの少し苦笑が滲んだ。*]
/*
ちなみに、魔法使い側が日数3日くらい先行してるので、ちょっと、どう動けばいいのやらって感じにはなってますのよね。
デメララ直行でいいのかな?落とし穴掘っていい?
[ 死神殿が山狩りするなら、途中で出くわそうかと思ってたらしい ]
― センテナリオ→デメララへ ―
[ 言葉通り、一人、先行して隠れ里を出立した男は、今度は川を伝わず南東へと山を越える進路をとった。夜明け前にデメララ付近へ到達するため、最短距離を選んだのだ。]
どうやら、見つかってはいないな。
[ 隠れ里から少し離れた地点を選んで飛翔の術を使ったが、近くに帝国兵士の姿は見えなかった。残党狩りを目論んでいないはずはないだろうが、急いでもいないのかもしれない。
追い詰められているのは魔法使い達で、帝国側からすれば、時間に追われる必要はないのだから。 ]
/*
これだと、作戦決行時(街にでかいの落ちた後)に街に到着、もありかなー。
しかし俺だけ行くと陛下とドロシーが暇するのでは、と思いつつ。
あの二人だったら何か独自にやりそう、とも思う。
― 隠れ里/長の館 ―
[リヒャルトの口から、具体的な作戦が語られる>>170。
自分たちとは違う、場慣れした兵士相手にどう動くか]
二ヶ所で騒ぎを……。
[陽動のための騒ぎを起こし、更に別チームが強制労働者を解放する>>171。
教師の要約>>172もあり、その内容はこちらも理解できるものであった]
[指輪を器用にグラスで受けたドロシーが、髪に飾るのを見届けてから、ドライフルーツを一つつまんだ。]
あーん。
[それをドロシーの口元まで差し出してみる。
噂の種になるのはこういうところだが、当人は別に気にも留めていない。]
[嬉しいと告げるドロシーのこえに心を傾ける。]
そういうのは、好きな奴が持っていればいいからな。
[喜んでいるおまえのこえは、気持ちいいし。
とは、絆の声にも出さない内心だ。]
将軍は物好きだな。
[敢えて魔法を受けたというレオンハルトに端的な感想を述べ、自分を囮にする案に対する答えにはにこにこと笑みを浮かべた。]
前の皇帝はおまえの使いどころを間違えたけれど、
私はおまえの使いどころを奪ってしまうな。
[以前に釘を刺された事を思い出しての軽口だ。]
さて。私は戦利品の検分にいくよ。
あの金庫、ずいぶん開けるのに苦労しているようだし。
[伝えるべき事は伝えた、と立ち上がる。
ドロシーが身振りで示した金庫のあたりで人が集まってなにか騒いでいた
誰が開けられるか賭けているようだ。]
残党狩りの進め方は将軍に一任するけれど、
あまり遅いようだと私が先走るから覚えておいて。
[皇帝の忍耐は、保って十日だ。
それまでに進捗がなければ、自分で動き始めるだろう。
事実上の時間制限を課しつつ、ふらりとその場に背を向けた。*]
― 隠れ里/長の館 ―
[リヒャルトの口から、具体的な作戦が語られる>>170。
自分たちとは違う、場慣れした兵士相手にどう動くか]
二ヶ所で騒ぎを……。
[陽動のための騒ぎを起こし、更に別チームが強制労働者を解放する>>171。
教師の要約>>172もあり、その内容はこちらも理解できるものであった]
[自身の役割を宣言するリヒャルト>>173には、やはり、という思い。
心配はあるが、強い決意を感じさせる言葉に口を挟むことは出来なかった]
私は……。
[無論、自分は動ける側だと思っているし、今更危険を厭いはしない。
とはいえ能力の適正もある。
リヒャルトとは立ち回りの質が違うことも重々承知していた]
――私の魔法が活かせる場なら、どこだっていきますから。
よろしくお願いします。
[結局はチーム分け担当の教師に、そう頭を下げるに留めた]
……うん。
[不安や心配は一度振り切って、リヒャルトの表明>>174に同意を向ける。
敵だけでない、味方にも、自分たちの狼煙を見せる]
私たちはまだ……歌えるんだ。
[自らへも語り掛けるようにそう呟いて。
休息を勧められたリヒャルトに視線を送りつつ、その場を辞することにした*]
/*
皇帝陛下が、いってこーい、してるように見えるので、多分死神殿はこっち来るとおもうんだよねー。しかし3日の時間差がまだ埋まってないので、ステイです。
― 隠れ里 ―
[今後の方針がまとまり、静かだった里は賑わい始める。
そして青年はと言えば、その準備の賑わいからは放り出されていた]
……ただじっとしてるのもきついんですけどー。
[今は英気を養え、という突っ込みにぼやくように返しつつ。
実質する事のない青年は、里の中をふらりと歩き回っていた。
もっとも、宛もなくふらついているのではなく、最初の集まりの時に見えなかった姿を探しつつ、ではあるのだが]
……て、あ!?
[だから、その姿が目に入った時。>>139
ひっくり返った声が上がったのは赦されてほしい]
……せんせー、遅いって!
[直後に、ちょっと子供じみた突っ込みが飛んだのはある意味已む無しか。*]
― 学園都市陥落の夜 ―
まだ視力が落ちた心算はねぇがなぁ。
[酔ってもおらず、見間違いでもない、とでもいうようにドロシー>>176へと返して。
豪快にジョッキへ注がれたエールを呷った。
まんざらではない様子を見れば、意図自体は伝わっているのだろう]
世事抜きにしても美人の部類だろうよ、お前さんは。
[美人は男女どちらでも使える言葉。
ドロシーにはぴったりだと言える]
― 近衛時代 ―
人ぉ?
[問いに返ったのは思いもよらない言葉>>177。
つまりは呼び止めの心算でもあったのだろうか]
随分と手荒な呼び止め方だな。
……何だ、俺に手伝って欲しいってのか。
[続いた問いかけを聞き、男はそのように解釈した。
仕える者の子だ、別に手伝うことに否やはない。
だがドロシーは男に対して交渉しようとしている。
それが何となく面白く感じた]
俺が求めるものを殿下が用意するってのは難しいんじゃないかねぇ……。
[そう呟いた後、何かを思いついて口端を持ち上げた]
人探し、手伝っても良いぜ。
その探してる奴のこと教えてくれや。
それが対価だ。
[警邏中だが、殿下の頼みを聞いていた、と言えば誰も文句は言うまい。
それにただ警邏するよりは面白そうだ、と言うのが本音。
要は退屈で無くなれば良いのである*]
― 出立前/センテナリオ ―
[ 伝言だけ残して、すぐに出立しようとして居たところへ、聞こえた声に>>186軽く頭を抱える。 ]
リヒャルト、それが一人前の魔導師の態度か?
大将らしく...は、お前には無理だろうが、少しは落ち着け。
[ 最初の言葉がお馴染みの説教になってしまったのは、こちらも仕方のない話だった。 ]
......遅くなったのは悪かった。
作戦の事は聞いたから、これからデメララの兵力を見に行く。どうしても危険だと判断したら知らせに戻るから、お前達は万全の準備をしてから向かえ。
[ 続けた言葉が、わずかに柔らかく響いたのは、男なりに教え子の無事な姿を見た安堵の現れだったが、伝わるものかどうか。* ]
ええ?! 間違えないでください。
すぐさま、こんなところでしてくれて、嬉しいじゃないですか。
[ 水いらずでするのも楽しいし、結局、ファミとならどんな状況でも自分は愉しめるのだろうと思う。]
― 隠れ里 ―
[次の作戦に備え、英気を養うようにと。
準備の動きの外にあるリヒャルト>>185が、誰かを探していることには気が付いていた。
自分もやはりその人物のことは気掛かりで、明言はしないながらも時折意識に上ったりはしたのだけれど]
[だから直接にか意識の端でか、その声>>186を聞いた時は、自分も慌てて里の入り口辺りへ向かうこととなる]
先生……!
[安堵の思いと共にそう呼びつつ、声を詰まらせる。
リヒャルトへの説教>>190も聞こえてきて、少しばかりの苦笑も滲んだけれど]
[直後、さらりと告げられたロヴィンの行動に、今なんて? と思考が止まる]
まさか、お一人で行くつもりなんですか……?
[しばらく、何を言えばいいかわからない様子で、目を見開いていた*]
― 学園都市陥落の夜 ―
留守番させられるよりマシさ。
陛下が前に出ても、俺も出ることは出来るだろ?
[向けられた軽口>>179には、気にしていない、と言った風に返す。
間違えていないならそれで良い、と言うよう]
へいへい、心得てるぜ。
…ま、その前に向こうが動く可能性もあるけどな。
[魔術師らも悠長に構えている心算はあるまい。
彼らは言わば崖っぷちだ。
諦めぬのであれば、攻勢に打って出ることも考えられる。
それこそ電光石火の如くに]
陛下の忍耐だと……そんな長くもねぇな。
デメララでの物資調達と炙り出しを並行させっかぁ。
[地形を考えるなら、隠れられるとしたら北の山岳地帯か、南の森林群だろう。
ロンリコからの距離を考えるなら、今のタイミングならば山岳地帯に散らばった可能性が高い。
山狩りを行うなら、デメララを拠点にするのが都合が良かった。
そんな算段をつけながら、男は戦利品の検分に向かうファミル>>180を見送る]
おい、あの賭け、陛下が開ける、に賭けてこい。
[近くを通った部下を捕まえて、金庫開封の賭けへの指示を出す。
ベット先にファミルの項目が発生せず受理されない可能性もあるが、ここまで開けられずにいるならファミルしか開けられまい、という思考があっての行動だった*]
― 隠れ里 ―
んな事言われたって……。
[心配してたんだから仕方ないだろ、と。
飲み込んだ部分は、恨みがましい目線が物語るか。
確かに今のは子供っぽかったな、との自覚は後から湧いてきていたし、何より、続いた言葉の響きが少しだけ柔らかく思えたから。
子供じみた憤りは、押し込んで]
……デメララの兵力を……?
[確かに、そこは気になっていた所だったけれど]
でも……一人で、大丈夫なわけ?
[こて、と首を傾いで問いかける。
いや、偵察なら身軽な方がいいのかな、なんて思考も過りはするものの。
問いと共に向ける碧には、案ずる色が浮かんでいた。*]
― 出立前/センテナリオ ―
フレデリカ、君も無事で何よりだ。
[ リヒャルトに見つかった時点で、こうなるような気はしていたが、続いて声をかけてきた少女には>>192安心させるよう微笑んでみせる。 ]
こういう場合には斥候は必ず必要だからな。斥候というのは大人数で動くものじゃないし、俺以上の適任もいない。
[ 教師になる前は、魔導師団に入団すべく、軍事行動の訓練もしていた。そんな経歴を持つ魔導師は、今生き残った中には男だけだ。 ]
心配するな、俺はリヒャルトと違って、滅多な事で無茶はしない。
[ 理屈だけでは不安は収まるまいと、笑みのまま、目の前の教え子を引き合いに出して請け負ってみせるのは、フレデリカだけではなく、リヒャルト自身への>>198答えでもあった。 *]
― 隠れ里 ―
[思わず上げた声は感情が強く滲んでいたから、もしかしたら意識の方にも少なからぬ漣を起こしていたのかもしれない。
ともあれ、駆け寄ってきたフレデリカが向けた疑問>>193に対し、返された答え>>200は納得がいくもの、だったのだが]
……いや、なんでそこで俺が出るわけ。
[言いたい事は何となくわかる。
わかるが、ちょっと不貞腐れるのは赦されてほしい]
……ん、でも、ま。
ちょっと遅かったけど、ちゃんと追い付いてきてくれたし。
せんせーなら大丈夫、って……信じとく。
[なんだかんだと言っても、彼に向ける信は強いものだから。
送り出す事に不安は……全然とはいい難いけれど、それでも、薄いものだった。*]
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