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戦いはいよいよ現実のものとなった。
吹き上がる戦火は、人々に選択を迫る。
自ら望んで戦いに身を投じるもの。
守るもののため、武器を手にするもの。
才覚一つで、戦乱の時を乗り越えようとするもの。
戦火に紛れ、己の目的を果たそうとするもの。
戦いを見守り、あるいは止めようとするもの。
己の思惑を果たせるのは誰か。
思いの剣が交錯する先へ、歴史は進む。
どうやらこの中には、村人が5名、囁き狂人が2名、共鳴者が2名、銀狼が1名いるようだ。
語り手 が「時間を進める」を選択しました
村の更新日が延長されました。
この時動員された兵力はゼファー軍4000人に対して、プラメージ王国軍は正規兵9000人に義勇兵1000人を加えたものである。
数の上では王国軍がゼファー軍を圧倒していたが、ゼファー兵は精強で知られている。正面からぶつかれば、どちらが勝利するかは未知数であっただろう。
両軍は互いに優位を得るべく――
─── Nigel Buhler 『カーマルグ半島騒乱記』第一章
神殿の財宝を盗みにきた賊と戦ったときのことを思い出さないか。
ああ…、あの時の君の働きときたら。
[ 実に楽しげに声を届ける。]
[「なんだよ。なにしてるんだー」なんてのんきなことをしゃべりながら近づいてくる隊の仲間に、必死のジェスチャーで静かに!と伝える。が、残念ながら意志は伝わらず、結局首を絞めて押さえこんで黙らせた。
その間にも天幕の中では話し合いが進んでいて、急に出てきた自分の隊の話題に耳が釘付けになる。>>0:149]
バルタ将軍、だよな、あの声。
えっ。フェリクスって、あのフェリクスサマ?
[興奮して仲間と顔を合わせ、うんうんと頷き合った。]
[フェリクスと言えば今を時めく将の一人で、ケファラスと言えば押しも押されぬ名門中の名門。今の当主はやる気ないだとかいう連中もいるけれど、嘘だ、と思う。
なんてったって、あそこの騎馬隊といったら最高だ。
魔法みたいに馬を操り、軽やかに戦場を駆け抜け、そこにいたと思えばあそこにいる神出鬼没ぶりは騎馬兵みなの憧れだ。
それに軍に入って最初の年はあのひとの下にいたからわかる。
あのひとはめちゃめちゃすごいひとなんだ。]
― プラメージ王国軍野営地 ―
陸と海……そうなると、干潟を越える必要もありますね。
[ベリアンの言葉>>0:128を受けて、壮年代表と青年代表の義勇兵と顔を見合わせる]
「カペーレイオンの連中なら船を通せるだろ」
「泥底の動きを読めるやつが良いな」
御大に仕込まれたやつがいるよ。
そいつに案内してもらおう。
[カペーレイオンとは同じ仕事の共同体の名称のようなもので、商人達の集まりを示している。
トルーンの民はこれらの名称を苗字としてつけることがあった。
カレルの苗字、カルポスもその一つである]
海に関しては干潟を越えるために義勇兵から案内人をつけることは出来ます。
採用されるのであればそちらには声をかけておきます。
[ベリアンへと向き直り、話し合いの結果を提示する]
[次いで、今回の総司令であるギデオンからも声がかかった>>0:135。
思わず表情が引き締まる。
が、蜂蜜酒が話題に上がるとカレルは幾度か瞬いた]
あ、はい。
南西の森で採れる蜂蜜で作った蜂蜜酒なのですが、近隣の町でも好評だと聞いたことがあります。
[唐突に話されたそれが何を示すのか分からぬまま、相槌を打つ]
[続けて話を聞いていると、蜂蜜酒の話からミツバチの防衛手段へと話題が移り。
問いかけには、「いえ」と短く返す。
知識がなかったのもそうだが、ギデオンが何を示そうとしているのかを知ることを優先したためだ。
そうして紡がれたのは、ミツバチの防衛手段を例にした戦い方>>0:136 >>0:137だった]
交代で戦いに……!?
[ゼファーを休ませない波状攻撃。
そんな戦い方もあるのかと息を飲んだ]
[相手が戦えなくなるまで諦めない>>0:138。
そう示されれば表情は真面目なものに変化する。
むしろ、不敵に笑みを浮かべるくらいだ]
─── もちろんです。
故郷を取り戻すまで、僕らは諦めません。
[他の二人も同じ想いで頷いている。
ここにいる三人だけでなく、義勇兵全員が同じ想いだろう]
[そのためには、とカレルは再び壮年代表と青年代表と顔を見合わせる]
確か、小高くなってる場所や泥地になってる場所とかあったよね。
「泥地は誘い込めば動きを鈍らせることは出来そうだな」
「投石や弓矢は高い場所が有利、だったか」
後は南西の森の方に誘い込めたらな……あそこは僕らの庭だし。
「ちょっと遠すぎないか?
本隊とは別行動で誘い込む形なら出来るかもしれないが」
「それはまた別案になるな」
「今時期の風向きはどうだったっけ?」
「東から西にかけて吹く時と、北西から南東に向けて吹く時があるな」
上手く風を掴めたら煙幕とかも出来そうかな。
[などなど。
思いつく限りの案を挙げ、ギデオンとベリアンへと伝えた*]
─ プラメージ王国野営地・前日 ─
[義勇兵のリーダー格三名に挙げた希望は、>>0:90ギィの問いから察したもの。
戦を前提とした切り出しに動揺が見えれば思考を切り替えるつもりだったが、もっとも年若い青年から具体案をという確認が出た所で不安は無いと判じた。
意に沿わぬなら後方で控えている王弟から否定もあろうと、偽りない思考を開示した訳だが]
ふむ…
では、海に関してはそのように。
陸については、狩人などの生業の方々に声かけを願えますか。
[>>5打てば響くとばかりこちらの希望に応えた提示を返すカレルに、陸路の案内の伝手も願った後、王弟へと会話の主役を委ねた]
[前に出た王弟と入れ違いのように歩を引いたのは、臣下の礼、という訳ではない。]
(これは俺には出来んことだな。)
[>>0:135自分の言葉を継いで、義勇兵達に語りかける友を見て、内心に感嘆を落とす。
朗々とした声は、麗しい見目も相まってまるで歌劇の主役のようだ。
理をしっかりと押さえたその上で、的確に士気を上げる言。
>>8三者三様ながら、皆一様に頷く姿を見ればそれは疑いようもない。
王族の器というのはこういう所に表れるのだろうなと思いながら、思考はこの後の軍議の算段に流れていった*]
大袈裟だな、お前は。
俺は大したことはしてなかったぞ。
それに、賊と重ねてはゼファーに失礼だろう。
[楽し気な声に返すのは、呆れ混じりの苦笑。
いつもならもう少し続くはずのそれは、すぐに収まり]
今回の件、中立の目で見ればあちらの方が分が高い。
お前だって分かってるだろう、ギィ。
― 少年の頃 ―
稽古?
ああ、今は時間も空いてるから構わない……って。
[共同生活をしていた頃。
訓練の合間合間に年下の少年たちが押し掛けてくるのは、いつの間にか日常茶飯事になっていた]
やれやれ、二人とも、やる気があるのはいい事だけど……。
[どちらが稽古をつけてもらうかで張り合う少年たちの様子。>>0:124 >>0:130
周囲の同世代は「またひよっこどもが突っつきあってる」などと揶揄していたものだが、男にはそうは見えなかった]
よぉし、それじゃあ、二人一緒にかかってきなさい。
最初に俺に当てた方に、先に稽古をつけるって事でどーだい?
[互いに互いを認めているが故に、相反している。
そんな風に見えていたから、どちらか一方にだけ肩入れすることはなく、こんな折衷案を投げかけるのもよくある事で。
最初の立ち合いで力を使いきって本稽古はまた後日、なんて事も同じくよくあったものだった]
― ゼファー軍野営地・朝 ―
……斥候を務めた小隊を?
[向けられた提案>>0:149に、瞬きひとつ]
ああ……確かに、それだけ持って帰ってこれた連中なら、地の利はあるだろねぇ。
まあ、当人たちがそれでいいっていうなら、俺の方は構やしませんよ。
[ここで一度、言葉を切って]
やる気がある若い子が多いと、それだけ俺は楽できますからねぇ。
[続けた言葉は、例によって、それはどうなんだ、と突っ込まれそうなもの。
他の将から向けられる視線にこもるものなど、気にした様子は全くない]
で、その部隊ってのは、どこの子が率いてるんでしたっけ?
[軽い口調のままで問い。
答えを得たなら、ああ、と短く声を上げる事となる。*]
海賊が占領した時点でカーマルグは元の住人達のものでは無くなっていたと言われればそれまでだ。
あの国と陸続きになる訳にはいかない俺達と、元々の住処に帰りたい彼らの利が合わさっているからこうなっているだけで、な。
[視線を義勇兵達に向けながら、突き放すような声を紡ぐ]
ゼファーは強い。だが貧しい国だ。
だからこそ、この地を渡す訳にはいかん。
あの国に武以上の力を持たせれば、俺達なんぞあっという間に喰われちまうさ。
あちらにどこまでの思惑があるかは分からんが、な。
楽な戦いではないだろうが、皆のおかげで道がよく見えるようになった。
感謝する。
基本的に、どこを戦場とするか、どういった戦術を用いるかは現場判断に任せよう。
ゆるやかな連携を保つため、各将はベリアン・グラウコスに情報を集め、その指示を仰ぐこと。
ベリアンを通じ、適宜、手薄な場所をカバーする。
[ 自分は船に乗り込むつもりだ。
ベリアンは、陸の方が好みと話していたからと、そんな役割分担。*]
/*
干潟を通る船とかあれだな。山越えしてきた軍船の話を思い出す。
あれ、どこだっけ。
野営地に誰か残していった方がいいのかなぁと未だに悩む。
我が腹心に後詰は押し付ける気でいるけれど。
聞いてみればいいか!(思いついた顔)
― 回想・出立の日 ―
[兵役により、家を離れることになった日。
見送りには、両親、使用人、そして兄――セドリック・アルニムが顔を見せていた]
『――帰って来たら、お前が家の跡を継いだらどうだ?』
[杖に体を預けながら、兄は柔和に微笑んで提案した]
『俺は体がこんなだしさ。
お前だって貴族としての教育は受けているし、兵役を終えればそれなりの箔はつく。申し分ないだろう』
[兄の身体に関して、いろいろ噂されているのを知っての発言だろう。
社交の場には出来る範囲で顔を出していることもあり、兵役逃れの嘘とまで言う者は流石に減ったが、それでも単純に不安視するような声はある。
眉を下げて笑う兄を見て、セルウィンは鼻を鳴らし目を逸らした]
何を言っている。
足が悪いだけで、それ以外は全くの健康体だろう。
それに学問でも弁舌でも、兄上の方が俺なんかよりずっと優秀だ。
家を継ぐべきは兄上だ。
[実際、体を動かすことを除けば、セルウィンが兄に勝てることは何一つなかった。
芸術に親しみ詩作の才能に長けているのも兄の方だ。
体が不自由な分、それ以外の分野で人並み以上の努力を重ねてきたのも、弟として同じ家で育ってきたからよく知っていた]
――兄のおこぼれで家を継いだなんて、それこそ恥だ。
俺は実力で、自分の地位を手に入れてみせる。
そのためにずっと、兵役を見据えた訓練を積んできたんだ。
[両親が何か言いたそうにこちらを見ている。
励ましのための方便が、いつしか息子の目標そのものになっていたことに、今気付いたのかもしれない。
戸惑う様子の両親を余所に、兄は杖を突きながら数歩前に出た。
そして右手を、セルウィンへ差し出す]
『好きに生きればいいさ。
でもまずは、兵役を無事に終えてから、だろ?
兵役からの出世以外にだって、道はある』
[足が使えぬ分体を支えてきた兄の手は、存外無骨だ。
応えるように差し出したこちらの手は何故か交わされ、そのまま片腕で抱き寄せられる。
思いっ切り舌打ちしてみせたが、突き放すことはできなかった]
くだらん心配はするな。
お前はちゃんと、家を守ることに集中しろ。
その頭、筋肉より鈍らせたら承知しないからな!
[説教のような口調に、兄は相変わらずだな、と言って笑った。
子供の頃から何度も支えてきた兄の体は、重みを預けることはないまま、けれど名残惜しそうに離れていった*]
― 回想・了 ―
そういうことにしておこうか。
[ 昔のことを受け流すベリアンに笑みを含んで答える。
あの時、自分が囮になろうかと提案したら、すごい勢いで反対された気がするけれど。]
ああ、ゼファー兵の強さは、君の奏楽にも匹敵するかもしれない。
目の当たりにして感嘆していられれば官能が打ち震えるものを、勝負の相手にするのは、とても気が重い。
[ 上に立つ者がそれを兵らに悟らせてはいけないこともまた、折込済みの振る舞いだ。]
― 回想 ―
[名を問われた>>0:107ことには一度目を瞬く]
カ、カレルです。
[どもってしまったのは名を聞かれるとは思っていなかったため。
直前のセルウィンの反応を見る限りは、何か拙いことをしたわけではなさそうだが、些か驚いてしまった]
[走り込みから、と訓練内容を示されれば>>0:108カレルを始めとした若年層の者達がピンと背筋を伸ばした]
はいっ!
[発破には力強く返事をし、セルウィンと数名の隊員に囲まれて初の訓練が開始された]
[その日の夜]
うあああああ
あしがあああああ
うでがあああああ
からだがああああ
[普段使わない筋肉を酷使したための筋肉痛が発生したのは言うまでもない]
[基礎訓練を続けてしばらくして。
若年層の者達はセルウィンに呼ばれて>>0:109いつもの訓練場所へと集合した。
目の前に並べられたのは様々な種類の武器が入った木箱。
それぞれが覗き込みながら、セルウィンの言葉を耳にした]
うわぁ、凄いな。こんなにある。
[周りが思い思いの武器を手にする中、カレルは剣と槍を手に見比べていた]
盾と剣か、両手槍か……。
[盾で防ぎながら懐に潜り込んで攻撃するか、長い槍を両手で扱い離れたところから攻撃するか。
仕事柄、両手で扱う物の方が慣れているのだが、身軽さを考えると剣の方が、と考えてしまい悩んでしまっていた]
うん、やっぱこっちかな。
[選んだのは剣。
身軽さを取った結果だった]
セルウィンさん、全員選びました。
[各人が武器を手にしたのを確認し、様子を見守っていたセルウィンへと声をかけた*]
自分は外交官を自負しているのだけれど、
軍を率いるからには、どれだけ禍根を残さずに事態を収められるか、全身全霊を尽くしてみるさ。
──なにしろ、今回は君と一緒だ。
[ 16歳の時に、ベリアンは実家に呼び戻されて神殿を去った。
彼と義母との仲は、自分と養母ほど穏当なものではないと聞いていたから、大変だなとは思ったが、ベリアンの能力を信頼していたから、引き留めはしなかった。
けれど、本当は傍にいて欲しかった。
一緒に困難を乗り越えたかった。
だから、今を憂いはしない。]
最善を尽くしてみせよう。
─ プラメージ王国野営地・前日 ─
泥地や高台は、ゼファー側もある程度把握しているでしょう。
奇襲や罠を仕掛けられている可能性は頭に置いておいた方が良いかと。
[ゼファーは戦に長けた国家だ。
占領した地を調べない訳がないし、その視点は恐らくこちらよりも戦事に特化しているだろう。
戦士ではない視点からの策はゼファーにとっても未知だろうから出来る限り掬い上げつつ、戦を知る目からの注意点は口を挟んで。
ある程度、策が形になった頃合いを見計らって、義勇兵のリーダーたちに視線を向け]
[ 少年の頃、英雄たる父は憧れだった。
いつかは父の名を正式に継ぐのだと、それに相応わしくあれ、と、母にも親族にも期待され、その期待に応えねばと、思ってもいた。
けれど、高く見上げるばかりの英雄よりも、目の前で卓越した才を見せつけ、その技を直接教えてくれる年近い先達に、若い心が、より強い敬愛を抱いてしまったのは無理からぬことだったろう。 ]
...士気については、先ほども言った通り保証する。
[ 男が年少者を指導する立場になった時にも、手本にしたのはフェリクスだった。時折は、効果的な訓練法や、指導に関する悩みを、彼に相談したこともある。
その相談に、気安く、けれど真摯に応じてくれていたフェリクスが、どこか不自然に距離を置き始めたのは、彼が当主を継いだ後のこと。
同時に広まった、怠惰な当主である、という噂は、やはり納得のいかぬものだったが、なぜ?と、当人に問うことは未だ出来ていない。 ]
小隊長はミヒャエルだ。息子の方の、だが、父親に負けぬ才覚があると、私は見ている。
[ 問われた名を告げて、返された納得の声に>>15男は、じっと、軽い調子を崩さぬフェリクスの顔を見つめた。 ]
名を聞いて思い当たるなら、間違いはないな。
彼等は、近い将来のゼファーを担う若者達だ、よろしく頼む。
[ 本当にやる気のない指揮官ならば、己の旗下に無い若年兵の事を記憶に止めようとするはずもない。
そう指摘する代わりに、男は小さく頭を下げた。* ]
明日からは皆さんの存在が重要になってきます。
私達が狙うように、あちらも分散を狙ってくるでしょう。
私達の狙いは、あちらにとっても警戒されているでしょう。
戦場では指揮に従ってもらう必要もありますが、仕える必要はない。
あなた方の主は、あなた方自身だ。
もちろん、あなた方が戦うべき時に戦えないと思ってはいない。
ですが、戦って勝つのは私達であって、あなた方の勝利は生きて故郷を取り戻すこと。
戦って負けることではない、死ぬことこそがあなた方の敗北です。
それを忘れないでいただきたい。
[彼らの力は不可欠だが、戦場に出たことの無い者も居るだろう。
いざとなった時に戦えないという者が出ても構わない、それを言外に伝えておいた*]
[バルタとフェリクスの話に口を出すこともなく、話がまとまる様子にも素知らぬ顔をしていた。
そんな話に興味は無いという顔を装っていたが、その裏で密やかにコエを送っていた。]
なあバルタ。
俺は、全軍で王国の拠点に向かっていって踏み潰す気でいるんだが、連中は正面から応じると思うか?
俺が向こうの将軍だったら、馬鹿正直に正面から当たるのは御免蒙るな。
留守になった町か拠点を突く手もあるが、おまえはどう思う?
そうなったら、向こうの拠点を取ればいい、とはいえ、だ。
お前に留守番させたら気を悪くするか?
[思案風に口元を覆う手の下で、にやりと笑っていた。*]
/*
赤窓分を表に出すのは、正規の作戦会議にあたるからか?赤窓本体は親密度あっぷにしか使わないぞという意思表示なのか?
...と、思ったけど、世間的に仲悪いからだな。(自己解決)
― 回想 ―
カレル、か。
――訓練は集団行動ではあるが、前に立って意見を示せる姿勢もいずれは大事になる。
その名は覚えておこう。
[訓練段階では平等でも、いずれは義勇兵の中でのリーダー格も必要となろう。
目の前の青年>>24からはその素質を感じていた。
驚いている様子には、叱責ではないと示すように少し表情を和らげた]
[勿論、訓練に手心を加えるようなことは、ない>>25>>26]
[それから幾らかが過ぎた頃、セルウィンは若年層を集め武器を選ばせた。
集団としての統率を考えるなら、武器は統一するべきだったのかもしれない。
しかし訓練期間や人数が不十分であることから、彼ら自身の選択や扱いやすさを優先した。
幾らかは士気向上に繋げたいとの思惑もある]
――長槍か、良いな。長物なら怖気を幾らかは減らせる。
ほう、お前は身軽さ優先か。懐に飛び込む勇気があるのはお前らしいな。
[訓練の中でそれぞれの性格、長所短所も見えてきている。
彼らが選ぶ様子を見て回りながら、各々に声を掛けていった]
よし、全員選んだな。
これからはより実戦的な訓練に移る。
それぞれの武器の担当の所へ向かえ!
[指示に対する返事、そして移動の素早さも訓練当初からは見違えている。
それに一つ頷くと、セルウィンは自身の担当する短槍組へ向き直った。
ただし隊長という立場、そして一応は家で武器の扱いを学んできた自負もあり、他の集団を見て回ることもあるだろう*]
[若い兵を推薦するバルタを見ながら、昔に心が飛んでいる。
追憶と言うほどのことでもない。
思い出したというだけの、つまらない話だ。
7歳になったときに己の世界に入ってきた少年は、よくよく聞けば"英雄の息子"だった。きらきらしくて、周囲の期待もあり、将来も約束されているようなものだ。
"臆病者の子"であり、カナン・オルファヌス《孤児》とさげすむように言われていた己と比べて、なんて恵まれているのかと思っていた。
だからますます反発もした。]
[己の父が敵前逃亡の臆病者だったのは事実だ。
そんな臆病者のことなど記憶にも記録に値せず忘れ去られるのが当然であり、今となっては知る者も少なく、口に出されることはさらに少ない。
けれども当時は、少なくとも2つ3つ年上の連中はそれを知っていて、己を攻撃する口実にしていた。
当然、同年代の連中に自分から話したことはない。
だが彼はどこからかそれを聞いて、知っていた。]
>>32
[ ベリアンが兵らを説諭する傍らで、鷹揚に微笑む。
冷静沈着で事務処理にも長けた相棒がいるとトップは悠々自適でいられるのだ。
神殿時代から、二人の役割分担は変わらない。
浮世離れした山奥の神殿で、ギデオンは神殿に蓄積された書物を読みふけり、様々な儀式の中に含まれる叡智を学び、それを遂行するべく心身を鍛えることを己が喜びとして、思春期の目まぐるしい成長を果たした。
木を切り、石を削り、図面をひいて新たな礼拝堂を建て、壁画を描き、詩と曲を作り、演舞する。
癒しを求めてきた者の話を聞き、薬を調合し、装備や衣類を繕う。
神殿の宝を盗みにきた者と戦い、これを捕らえて説教し、自ら開梱した畑の作業を手伝わせて収穫を持ち帰らせる。
そういったことの指揮をとり、有志をまとめ、成果をわかちあう。
その傍らには、常にベリアンがいた。]
倒すべき相手を憎む必要はない。
守るべき同胞を愛することが、我々の力になる。
── 女神は微笑む者に微笑みたもう。
[ 祝福の仕草で、味方の士気を鼓舞する。*]
[ちょっと、なあ、おい、聞いた?
父ちゃんに負けない才覚があるって!
オレも小が取れる日は近いかなぁ。なんて。
フェリクスサマもオレのこと覚えてる感じ?
うわ、すげ、感激だよ。
なんて言いたくても声は出せなくて、無言で仲間をバシバシ叩いていたら、向こうもにやにやしながら叩いてくる。
しばらくお互いにやにやしながら叩き合っていた。]
[共同生活をしていた頃は自己研鑽を欠かさず、他者の研鑽も自身の糧とするべく積極的に付き合っていた男に寄せられていた感情は多々あった。
その中でも、真っ直ぐな感情を向けてくる少年に真摯に向き合ったのは、当時の気質としてはごく自然な事。
その縁深き相手が今の在り方に思うところあるのは感じてはいる、が。>>30
問われぬ事には答えられぬと素知らぬふりを通し続けて早数年が過ぎていた]
将軍殿のお墨付きなら安心、ってとこですか。
[請け負う言葉に返す口調は、どこまでも飄々と軽いもの]
ああ、ミヒャエルは一時期ウチの隊にいましたからねぇ。
よく気が付いて機転もきくいい子でしたわ。
[当時を懐かしむような口調で呟く。
教えた事を素直に受け入れ、それによって天性の才を開花させていく様子はあらゆる意味でしごきがいがあったなぁ、なんて横道にそれた思考はすぐに戻して]
はいはい、それはわかってますって。
若い子に頑張ってもらうのは、大事ですからねぇ。
[頭を下げる様子>>31に、相変わらず細かいところまでよく見てるなあ、なんて思いはするけれど。
こちらもそれを口に出す事はない。*]
[ カナンが、男の挙動に無関心の態を貫くのと同様>>33男も会議での発言以外に元首と視線を合わせようとはしない。
そんな調子でも滞りなく作戦は纏まるのを、不思議と思う者はいたかどうか。 ]
この俺に留守番をさせるだと?もちろん、盛大に気を悪くするに決まっている。
[ 送られたコエに返す言葉も相応に物騒なものだったが、その響には微かに笑みの色が乗る。 ]
一人の兵が敵を数人倒せば、我が軍の勝ち、お前がそう煽れば兵達は迷いなく敵を引き潰すだろうが、そんな単純な策では、敵に搦め手を使われ兵の勢いが衰えれば終わりだ。
この際、怒りついでに後ろに隠れて、元首殿を出し抜く機を伺うとするか。
[義勇兵達との話し合いで、海路の指揮はギィが、陸路の指揮は自分が執ると決まった。
となると、次の話は兵の割り振りとなる訳だが]
私は陸から…そうですね、騎兵と歩兵を主体としましょう。
とはいえ部隊の交代ごとに馬もとは行きませんから、騎兵は基本後方待機で。
遠投武器と近接武器、盾兵の混合で隊を組んでおくよう伝えておきます。
[話しながら、視線を義勇兵にも向けて]
地の利を生かした進行を円滑にするにはあなた方の指示に従う方が最適だ。
先の言と矛盾してしまい申し訳ないが、あなた方にも隊を率いてもらいたい。
[隊を率いるということは、死の危険も高くなる。
死ぬことこそ敗北と言ったその口で、彼らにその責を担って欲しいと願った後]
[義勇兵達との話し合いで、海路の指揮はギィが、陸路の指揮は自分が執ると決まった。
となると、次の話は兵の割り振りとなる訳だが]
私は陸から…そうですね、騎兵と歩兵を主体としましょう。
とはいえ部隊の交代ごとに馬もとは行きませんから、騎兵は基本後方待機で。
遠投武器と近接武器、盾兵の混合で隊を組んでおくよう伝えておきます。
[話しながら、視線を義勇兵にも向けて]
地の利を生かした進行を円滑にするにはあなた方の指示に従う方が最適だ。
先の言と矛盾してしまい申し訳ないが、あなた方にも隊を率いてもらいたい。
[隊を率いるということは、死の危険も高くなる。
死ぬことこそ敗北と言ったその口で、彼らにその責を担って欲しいと願った後]
それと、ギデオン様。
この作戦ですと、細かく隊を分ける必要がありましょう。
兵役中の割合が高い隊も出来ましょうが、その場合は彼らから率いる者を選出した方が連携も取りやすいかと。
幸い、今回派遣されてきた中には良い働きをしてくれそうな者達が居りますし。
[王弟に進言したのは、部隊を率いる人選について。
義勇兵達からの不安が広まっていた中、いち早く己の言に反応して周囲へと声かけしていた顔を思い浮かべて微かに笑う。
何度か社交の場で会った際には年相応のか弱さが見えた少年だったが、随分と頼もしく変わられたものだ。
彼が己にどんな感情を重ねているかなど知る由も無いが──あの一幕だけでも、良い長の器が出来ていると判じられたから]
こうと決まれば時間が惜しい。
うるさがたに早く話を通してしまいましょう。
[話すべきはまだあるだろうが、後は軍議を通して決めようと促した*]
/*
副官のおしごとってこれでいいのかな分からん!
ギィの人の声にも返さなきゃだけど追いつかないちょっと待っててねぇえええええ!!!
だが、お前を失う危険があると見れば、俺一人でも後を追うぞ。
[ 後ろは引き受ける、が、譲れぬものはある、と、秘めたる声の更に奥深くに落とす宣ひとつ。 ]
お前を倒すのは俺だけだ。
忘れるな、カナン。
― プラメージ王国軍野営地 ―
承知しました。
海と陸、それぞれの案内人を後程ご紹介します。
[それなら陸はレイモーンの人だな、などと考えながらベリアン>>10へと返し。
話はギデオンとのものに移る]
[ギデオン>>16の中では海戦は南航路で行う心算だったのか、干潟を渡れるというのは衝撃だったようだ]
交易を生業としている者は干潟を渡ることも多々あるのだそうです。
彼らなら軍船を通れる道も見出してくれるでしょう。
[普段は軍船ほど大きな船を使うことはないが、条件さえ揃えば大きな船を通すことも難しくはない。
仕事の知恵、生活の知恵がそこにはあった]
[ギデオンを驚かせたかと思えば、今度はギデオンの言葉>>17でこちらが驚くことになる。
広範囲に兵を配置し、ゼファーを取り囲もうとでも言うのか。
演ずるような所作は指の先まで優雅で、宙に描かれた絵図は大胆な布陣を示した]
これは大掛かりな作戦になりそうですね…。
[驚きの表情のまま、ぽつりと声を零した]
[続けられたギデオンの言葉>>18には表情を正し]
お力になれたなら幸いです。
得た情報はベリアン様に集中すればよろしいのですね。
承知しました。
[余程信頼しているのだろう、とベリアンへ視線を向ける]
なるほど……目に見える地形はあちらも考慮のうち、ですか。
[ベリアン>>29から齎された注意点は心に留め置く。
時節が関わる風を介したものならば、ゼファーよりも先んじて動けるかもしれない。
この辺りの話も、後に案内者から伝えられることになるだろう]
[ある程度話が纏まった頃、ベリアン>>32から改めて言葉を向けられる]
生きて故郷を取り戻すことが僕達の勝利……その通りですね。
お心遣い感謝します。
[言外に含められた意図を汲み取り、ベリアンに対し頭を下げた。
戦うとなれば武器を握るのは厭わない。
そのために訓練して来たのだ。
覚悟も腹に据えている。
けれど、言い切ってくれたベリアンの心遣いがありがたい。
引く勇気を胸に。
そう胸に留めた*]
ほう?
俺を出し抜くと。
そいつは楽しみだなあ?
[コエの方には隠しきれない笑みの気配が纏わりついたが、実際の顔はいっそ厳格なほどに真面目さを装った。]
方針はこれでまとまったな。
では先鋒はフェリクスに。
本隊は私とクレメンス殿が務める。
バルタ・ザール将軍には残って拠点防衛を任せたいが、良いかな。
[こちらは依頼の形を取っているが、口調は命令だった。]
『俺は、お前にだけは、負けない...だから、お前は俺以外には、絶対に負けるな。』
[ そんな無茶振りをしたのは、横柄極まりない好敵手が、臆病者の子と呼ばれ、一部の年長者に蔑まれ、訓練中にも故意に痛めつけられることすらある、と知った時のこと。 ]
(お前は、お前だ。
俺が、俺であるように...)
[ 父親が英雄であれば、英雄となれと決められ、親が臆病者の刻印を押されれば、子にもその刻印を負わせる。
それを理不尽、と、その時はまだ、頭で理解したわけではなかったが、ただ、胸の奥が燃えるように熱かった。
それが、カナンという男が齎した最初の熱...そして恐らくは、対極に在った二人の心臓が繋がった、その始まり。 ]
俺の本当の名は、リトスだ。
[ そう呼べ、というわけではなく、ただ一方的に、教えたのも、その頃だ。
なぜ、教えたのかは今でも分からない。* ]
/*
ふ、ふ、ふ。
響き合うこの感じ。好きだな。
(今書いた赤を、もう一、二分待ってから落とそうかなと機を窺うの図。
いや、ちょっと、あまりにも響き合いすぎてて照れる。)
― プラメージ王国軍野営地 ―
[話題が全体の指揮について>>43と移れば、僕らはそろそろお役御免かなー、と気を抜きかけていた]
[のだが]
えっ、僕らも!?
[「えっ、えっ」と狼狽えるカレルの傍ら、壮年代表と青年代表は驚きはしたものの、兵役経験から取り乱すまではしなかった模様。
カレル一人があっぷあっぷしている]
おっちゃん達なんで冷静なの!?
「なんでって、なぁ」
「小隊長くらいは勤めたことあるからな」
マジで!?
[話がギデオンとベリアン>>44の間で為される中、義勇兵達はそれぞれの反応を示していた*]
ふ。
俺がそう簡単に危険に陥るものか。
[胸の最も深いところに響く声は、快。
そうと口にしたことは無い。
けれども、相手の鼓動を感じるように、己の胸が高鳴るのも伝わっているのだろう。]
無論、おまえにも負ける気はないな、リトス。
[胸の奥の奥に響いたときだけ、その名がほろりと零れ落ちるのだった。]
しておくも何も、そうだったろう。
[神殿に賊が入った時、その場に居合わせたのが自分達だけだった。
ギィが囮になると言ったから、その必要は無いと自分が前に出ていった。
手に持っていた掃除道具の柄が長かったから、武器にした。
騒ぎを聞きつけた大人達が駆けつけたから、賊は観念して捕まった。
それだけの話なのに、ギィはいつもこちらを持ち上げる]
俺の奏楽程度なら楽勝だったろうがな。
できるなら彼らとは事を構えるは避けておきたかった。
[ギィがこれを言えないのは承知の上で、内心を吐露してみせる。
互いの思考にズレがあれば、それを修正できるように──とは、”声”にも出さないが]
そうだな。
あの頃と同じように。
[16の時。
先に自由になると言って別れたが、本当は神殿の中にこそ自由があった。
窮屈な家、重圧の中の兵役、全てにおいて不自由で。
けれど、今はまた自由の中にある。
己にとって、自由とは友の傍にある事だから]
最善を尽くすのはお前だけじゃない。
お互いに、だ。
[そう言って、笑った*]
[褒められてるーぅ。>>41
もう、にやけ顔が止まらなくて、殆ど顔を伏せていた。
あの頃からもうフェリクスサマといえば名門のくせにやる気がないだの、後進の指導も適当過ぎる、だのいろいろ言われていたけれども、とんでもない。
確かに言うことは適当に聞こえるけれど、ちゃんと考えて理解すればとてもためになる。
フェリクスサマの下にいたあいだに、槍の腕も馬上で戦うやり方もずいぶんとうまくなった。]
/*
ミヒャエルがかわいいw
昨日のセルウィンもかわいかったけどね!
ギデオン様とベリアン様の背中を預ける関係も素敵だし、カナン様とバルタ様の反発しつつも認め合ってる関係も美味しい。スキ。
ざっくりしたところで、北回りに船を2隻と、兵500、
南回りに船を4隻と、兵2000を割こうと思う。
2隻は拠点近くに残してあった方が、作戦の自由度的にも、兵らの心境的にもいいだろう。
陸戦は7500で運用することになる。
これでどうだ。
[ 最後の問いかけは、妥当かどうかを問うものではなく、やれるだろ、という挑発的ないろを含む。]
[ どのみち、ゼファー相手に必勝法などありはしないのだ。
軍議の場でも、使えそうな案はどんどん取り上げておく。
漁網やら鏡やら、工夫次第で使えるものはいろいろあった。
おおよその布陣と方針が決定したら、ベリアンを海辺へ誘おう。]
久しぶりに、奏でてくれないか。
[ 星の下で告げるのは、そんな願い。**]
[ 軍議の最後に、芝居めいた(実際に芝居だが)真顔で元首の命が下される。>>51
フェリクスに対したのとはまた別の、否やを許さない調子に、男は表情を動かさぬまま、けれど冷たい視線を一度、射抜くかのように元首に向けた。 ]
.........承知した。
[ 幾ばくかの沈黙を挟んで、返された声は、常よりも更に低い。
そして、300の兵をつけるという元首の言葉を聞けば>>52皮肉気に口の端を歪め ]
お心遣い痛み入る。
いっそ留守番専門部隊とでも名付けるか?
我が部隊に、全てお任せを。
[ 胸に拳を当てる仕草には、隙一つ無かった。* ]
/*
あー。にやにやする。にやにやする。
「お前には負けない。おまえは俺以外には負けるな」って、ものすごい告白だよね?ね?
やべ―。さっきからにやにやがとまらない。
[王国軍の兵士のうち、軽装歩兵に当たる者は1000人ほど。
ただし当然ながら小、中隊に分けることもあるし、他の兵種と混合で作戦に当たることもある。
兵役中ということもあり、各自の適性の見定めや負担軽減のために、リーダー役は比較的変わりやすいものでもあった]
事態が事態だし、ここからは別の隊長で、という事もあり得るか……?
[支援役としては出来る限りをしてきたつもりだが、実戦となれば経験不足は否めない。
事態が大きく動いた以上、それは已む無しとの思考も持っておく]
[ベリアン>>44がこちらを意識に起きつつの進言をしていたとは知らぬことだった*]
/*
なんてーか。
ウチのトップがいろんないみでさいこーな件について。
……は、いいんだが、あんたらそろってオジサン持ち上げすぎだwww
/*
この全方位にバレバレの芝居、どこまで続けるかね?
恐らく、だんだん恥ずかしくなるやつだと思うんだが。
[ 始めたのはじぶんですw ]
― 回想 ―
[叱責ではない>>34と言うのがはっきりと分かればカレルの表情も和らぐ。
その表情のまま、名を覚えられるに至った理由にあれ?となっていたが、直ぐに訓練が始まったために意識はそちらへと。
尤も、仲間から自然とリーダーに祀り上げられていったわけだから、ここはセルウィンに先見の明があった、と言う話になるだろう]
[時が経ち、初めて武器を手にした日。
それは実践訓練の始まりの日でもあった]
[それぞれの武器の担当から習い、技術をものにして行く日々。
握る武器は様々だが、それ故にお互いを補い合う戦い方が出来るようにもなっていった。
技術の向上は偏にセルウィン達のお陰である]
セルウィンさん、稽古つけて!
[訓練の合間、カレルはなにかにつけてセルウィンに稽古をねだった。
剣だけでなく、槍の取り扱いにも慣れたかったのもあり、セルウィンに突撃していた部分もある]
[周りでは「まーたやってるよ」だとか「飽きないねー」なんて言葉が飛び交い、一種の名物扱いされていたのも良い思い出だろう*]
>>62
あれ、なんか見落としてたか?
時系列か発言者の見落とし?
…まあリーダーっぽいのは間違ってないようだからいいか。うん。
はい、了解しました。
先鋒は承りますよ。
[元首の命>>51に、こちらも居住まいを正してそれを受ける。
口調は相変わらずだが、雰囲気は一瞬引き締まった……一瞬だが]
さて、それじゃあ隊の連中に色々伝えて……ミヒャエルにも声掛けしないとねぇ。
[当の若手が天幕の外にいるとはさすがに思ってもいないまま。
礼の後、その場を辞して向かうは己が率いる部隊の元。
隊に戻ったらすぐさまミヒャエルの隊に伝令を飛ばすつもりで。*]
[バルタの見事な敬礼に頷き、会心の笑みを浮かべる。]
良し。
では、軍の方針については以上だ。
実際の戦場においては各隊長の判断に任せる。
敵軍はどんな奇策を打ってくるかは分からない。
臨機応変を旨とするように。
準備整い次第、先鋒から順次出陣だ。
ゼファーの恐ろしさを王国の連中に刻み込んでやれ。
[立ち上がり、けしかけるがごとき言葉をもって軍議を終了する。*]
[どのような立場であれ、戦場に立つことに変わりはない。
そして今まで訓練してきた義勇兵の中には、本当に初めて戦場に立つ者もいる]
[――稽古をつけて、などと、個人的に突撃してきた顔>>64が真っ先に浮かぶのは必然だろう。
思い入れすぎてはいけない、とは思うのだが]
――出来るならまだ、彼らよりは前に立っていたいな。
[隊は組み直し>>43の上で、陸戦>>58を担うことになると知るのは少し先のこと**]
初出陣の時、敵を深追いし過ぎて死にかけた奴が、どの口で。
[ 自分も一緒に死にかけたのだが、そこは棚に上げておく。 ]
だが、そうだな、お前は、こんな場所でどうにかなる男じゃない。
憎まれ子は世にはばかるというし。
[ どこまでも、男の言葉は素直とは言い難いけれど。 ]
その言葉、忘れるな。カナン。
[ 少年の頃に引き戻されるかのように、その名を呼ばれれば胸の熱も蘇る。
鼓動は一つに重なって久しく、互いに血を流す事があれば、同じ痛みを感じるかと、思うほど。 ]
(きっと...)
[ 彼が命を落とせば、自分も死ぬのだろう......そんな確信がある。
それこそ、死ぬまで、口にする気はなかったが。** ]
[あ、おわ、終わる?
なんて気配に、そーっと立ち上がってそっとそろっと離脱……しようとした矢先に、天幕から出てきた人と目が合った。ばっちり。>>65]
ひゃ!ひぇ!フェリクス隊長!
おひさしぶりです!
[隣の仲間と一緒に背筋を伸ばして敬礼。
自然な笑顔を作ろうとして、なんかにたぁっとした顔になった。]
留守番専門部隊なんて名付けたら、士気に関わるよなぁ。
[一仕事終えた後の安堵と出陣の高揚とが相まって、声はむしろ気楽なものとなる。]
残していく300にはわかってるやつを付けておくから、気にせず動いてくれ。
必要ないかもしれないが、万が一にも船を壊されたら孤立の憂き目だからな。
警戒するに越したことはない。
出し抜かれるのを楽しみにしておく。
[軍議の締め括りの言葉>>66には、了解、と返して。
天幕を出た所で目に入った姿>>68に一瞬、きょとりと瞬いた]
……おやま。
[呼び出そうとしていた相手がそこにいる。
妙ににたぁ、として見える。
さてこれは……との思考は短いもので]
やあ、こいつは奇遇……って事にしておいて。
[妙に含みのある物言いとともに、向けるのは笑顔。
ここで何をしていたのか、そんな事は逐一問わない]
久しぶりだねぇ。
今回は斥候のお勤め頑張ったそうで。
頑張ってるようで、何より何より。
[軽い口調は、彼が配下にいた頃と全く変わらぬもの]
で、そんな頑張ってるきみらに、お知らせがある。
……今回の出陣、きみらの隊は俺んとこで預かることになったから、準備してさくっと合流してね。
斥候で入った情報さっくり共有したいから、できるだけ急いでくれるとオジサン、嬉しいわ。
先鋒ででなきゃならんから、のんびりしてられないのよ。
[ここまでは、ごくごく軽い口調で言って、それから]
ま、とりあえず。
来るまでには、もーちょっと、顔引き締めなさいな。
いい男が台無しになってるよー?
[しれっとさらっと、そんな突っ込みひとつ飛ばした。*]
― プラメージ王国軍野営地 ―
[ギデオンから紡がれる祝福の言葉>>38。
ベリアンが紡いだ言葉>>32を賛するそれは、歌にも似た音に聞こえた。
祝福の仕草は見目も相まって絵画のように見えた]
は、はいっ。
それでは失礼します。
[向けられた謝意>>56に声を返し、解散の宣言を受けて他の二人共々頭を下げる。
ギデオンとベリアンが軍議へと向かい、気配が離れたところでようやく頭を上げた]
― プラメージ王国軍野営地 ―
[ギデオンから紡がれる祝福の言葉>>38。
ベリアンが紡いだ言葉>>32を賛するそれは、歌にも似た音に聞こえる。
祝福の仕草は見目も相まって絵画のように見えた]
は、はいっ。
それでは失礼します。
[向けられた謝意>>56に声を返し、解散の宣言を受けて他の二人共々頭を下げる。
ギデオンとベリアンが軍議へと向かい、気配が離れたところでようやく頭を上げた]
〜〜〜緊張したぁ。
「その割にずけずけと話してたな」
「変に度胸あるよなお前」
二人だって堂々としてたじゃないか。
[ぷはぁ、と大きく息を吐き、身体全体から力を抜く]
「さて、今度こそ俺らも休憩だな」
「やっとかー、飯なんだろな」
僕もう寝たいよ、疲れた……。
「いつものふてぶてしさはどうした」
「構えすぎなんだよ。
王弟殿下、随分気さくだったじゃないか」
[などなど話しながら、カレル達は仲間の下へと戻って行くのだった*]
[>>45カレルの快諾に、頭の回る青年だなと思いながら笑みを浮かべる]
ありがとうございます。
では、それぞれの隊長を集めておきますね。
[海と陸、それぞれ幾つの部隊に分けるかはまだ思案の外だが大まかな選別は出来ている。
最悪自分とギィが把握出来れば良いが、出来れば齟齬を生みたくないと脳内で幾人かの候補を組み合わせて]
大がかりにする必要があるからですよ。
ゼファーは強い。これだけは否定できない事実ですからね。
[義勇兵達で恐れる者はあれ相手を侮る者などはいないだろうけれど。
>>47聞こえた呟きにプラメージ王国としてもゼファーは強敵なのだと認めた上で、勝つ為の策だと告げる]
[>>48>>49情報の集約先、注意すべき点の認識などを目に留めた後、>>50彼らの最も重きを置くべきことの再確認が済んだことを見止めて。
>>54続けた頼みに対しての反応は、年相応の取り乱し方に微笑ましさを感じつつ、落ち着かせるのは年長者たちに任せておこうとこちらは王弟へと向き直り。
>>56異論はないと聞けば、後の話はまた別の場で進めることとなる]
部隊に加える人員の選出は、皆さんにお任せします。
王国兵はこちらから選出させて頂きますが希望があれば沿わせて頂きますので。
では、どうぞよろしくお願いします。
[ギィに伴って場を辞する際、義勇兵たちに任せる采配も提示しておいた]
[そして赴いた軍議の場では、やはりギィが主体となって話が進む。
否定的な意見も出ることはあれ、この場で正答などわかるわけもない]
そうですね…
拠点を守るのにも兵は要りますからね。
多少の余裕が頂けるのは助かります。
[>>58ギィの挑発に乗るというよりも、保守的な意見を挙げて頷き返した後]
ゼファーは我らよりも戦というものを知っている。
利があればどんなことでも成し得るだろう、という認識はしておいた方が良いでしょう。
私達も、出来ることは何でもする、位の心構えで行かねばなりません。
[漁網やらを用いる案に渋る面々にはそう押し通して、おおよその布陣と方針が決まることとなった]
[おおよそが決まれば、部隊の組み合わせ、隊長の選別も自ずと決まっていく。
隊長に選ばれた者には順次伝達が届けられていき、そこから部隊の面子の確認などと忙しさは蔓延していくことだろう。
自分も義勇兵から選ばれた案内人の確認をしたり、やるべきことは山とある訳だが]
少しだけだぞ。
[>>59周囲に誰もいない場での王弟からの願いに、常の鎧は一旦外し。
適当に摘んだ草で、あの日と同じ優しい子守歌の旋律を奏でた**]
[ひいい。その笑顔がこわいです。>>70
バレてないよね?バレてないない。
きっと大丈夫。大丈夫。そういうことにしとこう。
なんて思いを込めて仲間と肘で小突き合い。
でもって、改めて伝えられた配属命令はさっき盗み聞きした通りで、聞き間違いじゃなかったと舞い上がる気分だった。]
は!はい!わかりました!
超速で準備して合流します!
[にたぁ、が、にまにま、くらいになったけれども]
へぅあ、あ、はい!
ど、努力します…!
[突っ込み入れられて顔を両手で挟んでムニムニ動かすけれど、にやけた顔はしばらく戻りそうにない。
オレ史上最高に難しい課題だ、これ…と戦慄していた。**]
[直属の部隊に戻れば、既に出陣の用意は整っていた。
その中から300を選り分けて、同期の男を隊長に置く。]
バルタ将軍の隊も拠点防衛に残るが、向こうがなにをしても気にせず拠点の守備を優先してくれ。
竈は毎回全て火を入れておくといい。
船はいつでも動かせるようにさせておけ。
[いくつか指示を与えた後、肩に手を置き、任せたぞと告げた。**]
/*
今日は!無事!終わったと!!思う!!!(
しかしアレだね、ただ会話してるだけでも緊張する緊張するめっちゃしてるううううう
皆すごいねよく頭回るよねっていうかほんと皆頭いいよね!!
そして戦争?するのって明日から?でいいのだよ、な…?
軍団戦とかやったことない緊張する!!!!
/*
とはいえ、まぁ
セルウィンが初回落ちだから、そのように動くのだよな
先鋒で突出するか、あちらの拠点でお留守番してるバルタさんと一戦交えるかっぽい、かなぁ
あとゼファーのミヒャエルくんはこっちに斥候するつもり来て落ちる予定っぽいかな?ロールみた限り。
叢雲ってのも難しそうだよなぁ…
1キャラでも大変なのに2キャラで片方叢雲やるってすっごい
と、つらつら脳内垂れ流した所で寝よう寝よう時間やばい
[仲間同士で小突きあう様子>>78に、こんなところはまだまだかわいいなあ、なんて思うが表には出さず]
はいよ、んじゃあ待ってるねぇ。
[突っ込みへの反応>>79に笑いながら、自身は自らの隊へと足を向けた]
って、わけで。
うちらは先鋒を仰せつかったんで、各自、奮闘よろしく。
[隊に戻り、小隊長を集めて最初に告げたのはざっくりとした言葉]
あと、古株は覚えてると思うけど、一時期うちに配属されてたミヒャエルがこっちに配属される事になった。
[続いた話、上がった名前に古参の小隊長たちがざわめいた。
その響きは大体好意的なもの]
今回、斥候で色々頑張ったらしいよ?
で、色々と情報持ってきてくれてたようだから、そこら共有してってねー。
……ま、あちらさんもただ突っかかってくるだけじゃあないだろーから。
甘く見るのは厳禁よ?
どーやら、練度の低いのもいるらしいけど……そういう連中はなにやらかすか逆に読めんし、ちょっとの衝撃で死兵に化ける。
てわけで、不測の事態に対する気構えだけはしっかりしといてねー。
[口調は軽いが、声音はやや低い注意事項。
男がこの物言いをする時は、大体真面目に語っている、というのは、小隊長クラスにはそれなりに知れていること。**]
− 海岸 −
[ 多忙なベリアンを拐うように連れ出す。
ベリアンの傍に寝転がり、頭の下で腕を組んで草笛の音に耳を澄ませた。
波の音は近いようで遠く、満天の星空は今にも落ちてきそうだ。]
王都郊外の私設図書館兼新居の普請がいい調子で進んでいる。
この戦いが終わったら、来てくれたまえ。
で、君の後継者はまだできないのかな。
[ 一見、つながっていないようなトピックを並べる。]
[ どんな反応が返ってきたにせよ、夢現に聞こう。
目を閉じてすぐに、子守唄に誘われるように眠りに落ちたのだ。
どこででも寝られる便利な体質であった。*]
― プラメージ王国軍野営地 ―
[仲間の下へ戻ってしばらくして。
休息を取った後にカレルは『案内人』に該当する仲間達を集めた]
北周りでも船を出すことになったから、カペーレイオンから2人そっちに回って欲しい。
干潟を抜ける航路を頼むよ。
それから南回りでも動くらしいから、ナウスから6人。
軍人さん達も潮目や風を読めるだろうけど、ここらの海なら僕らの方が詳しいからね。
鏡借りて信号に使って。
レイモーンの人は何人動ける?
陸の部隊を細分化して運用するみたいだから、レイモーンの人達はその部隊の案内を頼みたい。
[海に派兵される義勇兵は文字通りの案内人となろうが、陸に派兵される義勇兵は隊を率いることになる可能性も伝えておく。
商人であるカペーレイオン、漁師であるナウス、狩人であるレイモーンの者達はそれぞれの役割を引き受けてくれた。
軍議が終わった後か、翌朝の出立前にギデオンやベリアン、各隊の隊長と引き合わせることになるだろう]
僕達義勇兵もそれぞれの部隊に編入されるみたいだ。
連携取れる人達と班を作って割り振ってもらった方が良いと思う。
[人員の選出の話になると、各年齢層の代表者と数名の兵役経験者で集まり話を詰めていく]
気心知れた人との方が支え合ったりも出来るしね。
誰と誰を組ませるか、何か案はある?
[あーだこーだと案を出し合って、纏まったのはだいぶ経ってからのこと]
[そうして決まった話を、義勇兵全員へと伝える時。
カレルは壮年代表と青年代表と共に皆の前に立った]
───── ていうのが今回の作戦。
今はざっくり話したけど、多分後でお偉いさんからも詳しい説明があると思う。
[班の割り振り、各部隊に編入されることなど。
必要な情報共有をした後にそう締めくくる。
分かれての配置となることに不安を覚える若者もいたが、それには笑みを向けてこんな話をした]
陸戦の指揮を取られるベリアン様が言ってくれたんだ。
『戦場では指揮に従ってもらう必要もありますが、仕える必要はない。』
『あなた方の主は、あなた方自身だ。』
『戦って勝つのは私達であって、あなた方の勝利は生きて故郷を取り戻すこと。』
『戦って負けることではない、死ぬことこそがあなた方の敗北です。』
って。
ベリアン様は僕達に判断を委ねてくれた。
その心遣いは凄くありがたいと思う。
だからと言って、軍人さん達だけに任せてはいけない。
僕達には僕達の戦い方がある。
軍人さん達が勝てるように、僕達は僕達の戦いをしよう。
[ぐっと握り拳を作り、義勇兵達に語りかける。
不安そうにしていた若者達の目が力強いものへと変わっていく。
それを見てカレルは破顔した]
ギデオン様もベリアン様も、なんていうのかな、とてもあったかい人だった。
ああ言う人達だから、軍人さん達も頑張ろうって気になるのかもね。
そうだ、カーマルグの蜂蜜酒のこともご存知だったんだよ。
故郷を取り戻して、ギデオン様達に僕達が作った蜂蜜酒を献上しよう。
そのためにも……───
皆、頑張ろうね!
[檄というには緩い言葉だったけれど、周りから一斉に上がった声は力強いものが伴っていた**]
[隊列を組め、持ち場に付け、と小隊長たちの号令が響く。
中に、若干もたついている者もいた。
今回が初陣の新兵だろう。新しいマントがまだ眩しい。
使い込まれているが丁寧に磨かれた盾は彼の父か祖父から受け継いだものだろう。その端に下がっている銀の煌きに目を細めた。
おそらくは、彼の恋人から贈られたものだろう。
銀細工の護符は鉄と革の間で場違いに目立つ。]
そこのおまえ。
[声を掛けられて、新兵は姿勢を正す。
盾の銀細工に手を伸ばせば、彼の顔が明らかに強張った。
無理もない。銀細工などという奢侈品を持つのは惰弱の証だとみなされ、処罰を受けることも珍しくはないのだ。]
[緊張の面持ちで新兵が注視する中、銀細工を掴み、盾から外し、顔を寄せて眺める。
見事な細工だ。腕のいい細工師が作ったものだろう。ゼファーの市民の中からは生まれないような。]
こういうものは、しまっておけ。
盾などに付けたらすぐに失くすぞ。
[銀細工を彼の懐に押し込んでやって、肩を叩く。
呆然としていた彼が我に返ったあとの、ありがとうございました!という言葉は背中で聞いた。]
/*
星の欠片なのに何やってんだかねw>演説もどき
プロローグからね、作戦案出したり何で僕こんなに忙しいの?って思ってたんだけど、何でだろうね?(
末端の予定だったのにね?
[ほどなくして、見事に整った隊列が目の前に完成した。
自ら鍛え上げ、肩を並べて戦ってきた部隊だ。
兜の下には日に焼けた顔。外套は戦塵に染まっている。
並ぶ盾は鈍く陽を照り返し、槍の穂先は鋭く煌めく。
端から端まで歩いてから、正面に戻り、向き合った。
右手を挙げれば、痛いほどの視線を感じる。]
出陣する!
[号令に、盾と槍を打ち合わせる音が応える。
こうして、部隊は整然と進み始めた。**]
― プラメージ王国野営地 ―
[軍議が終わる頃、セルウィンの許にも伝達の者が現れた>>77。
そこで作戦内容や、隊の編成についても告げられる。
セルウィンにも陸戦部隊の一つが任されることが決まった]
――敵を分断させ、波状攻撃で消耗を狙う、か。
[ならば自分たち軽装歩兵隊の役割は、横合いから攻撃を繰り出しすぐに離脱、を繰り返すことだろうか。
義勇兵の情報から、こちらに有利となりそうなポイントが地図上に幾つか示されている。
行軍ルートなどについても順次情報が飛び交っていく]
――さて。
[そうして、改めて割り振られた人員の前に、隊長としてセルウィンは立った。
多くは支援活動中からの隊員だが、武器バランスの関係から新たに加わった顔触れもある]
これから作戦の説明をする。
我々の役目は、陸側でゼファー軍の意識を引き付けつつ、人数差を活かして消耗させていくことだ。
[そこからは、主に伝達通りの内容の説明、隊ごとの細々とした動きの説明が続いた。
そして必要な説明を終えた所で、改めて隊員の顔を見回した]
聞いていてわかったように――というかこれまでもそうだったのだが、この作戦の主役は義勇兵たちだ。
地形などの情報や干潟を利用した作戦など、彼らの協力なくして此度の作戦は成り立たないものだろう。
[隊員たちは静かだ。
規律という面では正しくもあるが、肩寄せ合って騒ぐような、身内としての距離感からは少し遠い。
それでも彼らが、自分を"隊長"として振る舞わせてくれていることにセルウィンは少しだけ感謝をした]
これは彼らに故郷の地を踏ませるための戦いだ、トルーンの民を守ることが第一だ。
とはいえ、我々の多くも職業として軍人を選んだのではない。
兵役を終えれば戦と関係のない日常に帰る、そういった者もいるだろう。
[訝しむような空気が隊員たちに流れる。
誰もが望んで兵役に加わるわけではない、それは当然のことだった]
だから考えるべきは、どうすれば一番損害が減らせるかだ。
敵に背を向ければ、敵はその背中を容赦なく切りつけてくるだろう。
前を向き続ければ、背中はお前と同じ思いで戦場に立つ仲間が、故郷を思う熱意で兵となった民たちが守ってくれる。
そしていずれは、海からの援軍が駆けつけてくる。
そう信じて、もう一歩だけ前に踏み出すんだ。
[所詮は寄せ集めの、たった3年だけを兵士として過ごす者たち。
それでも、苦楽を共にしたことで培われたものがあるはずだと、セルウィンは信じた]
― 王国軍野営地より北東へ ―
[割り振りが完全に決まれば、兵役軍人と義勇兵を混合したセルウィンの隊は出立した。
両軍の陣地を結ぶ直線よりやや北側に、疎らではあるが森がある。
隊はこの森の木陰に身を隠す形で進行した]
[途中、投石や弓矢などの遠距離担当が隊から別れ、案内役の指示で小高い丘へ向かった。
セルウィン含む近距離武器の一団はそのまま森の中で身を潜める]
遠投隊は、場所取りでは有利でも敵からは丸見えだ。
だから敵が戦力をそちらへ割く素振りが見えたら、無理せず引いて次のポイントに移動しろ。
分断された兵を横合いから突くのはこちらの担当だ。
[遠投隊を率いる小隊長と連携を確認した上で送り出す。
そしてセルウィンたちは、近付く足音を待った**]
[率いる隊は、槍を主武装とした騎兵600と剣と丸盾を用いる軽歩兵400の混成部隊。
支度を整えた兵たちはそれぞれの小隊長の元に整列し、出陣の時を待っていた]
さぁーて、それじゃあぼちぼちと行くよ。
[最初の一言は緩いものだが、瞳に宿るのは鋭いいろ]
さっきも伝えたが、今回の相手には本来戦場に立つ事のない連中……逃げた半島民からの義勇兵がいる。
が、牙をもって立ち上がったからには、戦場に生きる者と立場は同じ。
侮ることなく、そして、一切の容赦なく、蹂躙しろ。
……甘く見れば足元を掬われる。
半端に生かせば簡単に死兵と化す。
普段戦わない連中ってのは、面倒極まりない。
[淡々とした口調で、そこまで告げて]
まー、しょーじき、こんな形で立ち上がるんなら、最初っから海賊ども相手に立ち向かえってー話なんだけどねぇ。
[ぼそ、と落ちたのは男の個人的な感想。
幾度となく襲撃され、しかし、その都度逃げてやり過ごしていた、というのは、男の中ではかなりポイントが、低い]
ま、愚痴はさておき。
先鋒仰せつかったからには、やる気をちょっとはひねり出さんとねぇ。
……てわけで。
ケファラス隊、出陣。
前線についたら、小隊ごとに分散。
以降、百人隊長の指揮のもとに動くのは、いつも通りね。
ちゃっちゃと行って、ちゃっちゃと終わらせるよ!
[そんな簡単に行かないのは、承知の上で。
それでも、こう号令するのはいつもの事。
号に声が応じ、混成部隊は前線へ向けて動き出す。
騎兵の利を生かす事を思えば、駆けやすい地形を選ぶのは自然な選択。
故に、先鋒が進むのは敵陣へ続く開けた平原。*]
さて、と。
[出陣の号の後、声をかけるのは合流したミヒャエルの方]
きみは、俺のやり方はある程度は見てるだろうから、逐一あれしろこれしろ言わんでもいいとは思うけど。
[大まかな動きの指示は出すが、基本、隊ごとの独立機動により動く事は既に知られているだろう、とそこは略して]
どう動くか、どこに食いつくかは、きみ自身の判断に任せる。
機動力を生かした攪乱に走るもよし、薄い所を食い破るもよし。
……ただ、相手を侮らず、限界を見極める事だけ忘れんでね。
死んじまったら、なんにも残らんのだから。
[そう伝える刹那の表情は、珍しく穏やかなもの]
嫁さんもらって、血筋残すのも、大事な仕事の一つなんだから。
そこ、忘れんようにねー?
[一転、けらりと笑って投げる言葉は冗談めかしたもの。
そういう当人の跡継ぎは、二年前に共同生活に入ってやんちゃしている……というのは、余談であるが。*]
/*
動かしててふと気づいたんだけど、あれだな。
「レクサが順当に歳くったらこーなる」
になってきとるわw
……まあ、それはそれで動かしやすいわけだけど。
てか、珍しくもふつーの人間設定で最年長だねぇ、今回は。
/*
>>102これフェリクスに会いに行ったら楽しいことになるかな、って思ったんだけど、口が悪いレスしか出て来なくなってしまっているのでダメだな、ってなった中の人(
それは流石に熱血じゃないとお兄さん思うw
主観が先ず違うからなー、相容れない気はするけど、反論点としては人命優先、かなぁ。
生活手段が異なるから訓練ばかりもしていられない、ってのはあるんだけど。
うーん、弱いかなぁ。
ところで義勇兵1000人出せるくらいだから、町の規模はその3倍くらいはありそうかな。
女子供と爺婆、もしかすると4倍いくかも。
その人数で森に避難してるのか……毎年のことだったら絆はかなり強そうだな。
─ プラメージ王国野営地 ─
[忙しいのはお互いに、のはずなのだが。
王弟たる友は我関せずとばかりのんびりと、海辺の風に身を任せこちらの奏でる音に耳を傾けている。
>>84平時の際と変わらぬ言を並べるギィに、草から唇を離し]
そうだな。
お前の世話を焼くのに手一杯で、後継まで手が回っていない。
[そんな軽口を叩くのもいつもの事で。
それがギィの耳に届いたかどうか確認が取れぬのもいつも通り。
程無く耳に届く寝息に、一つ息を吐き出してからギィの腕を取り。
背に抱えて天幕内、既に支度されていた寝台へと王弟を運び込んだ後、自身のやるべきことへと向き直った]
お待ちしておりました、こちらへ。
[己の控える天幕、外からの声に応じ中へと入るように呼び掛ける。
>>86カレルが提示した通り、案内人として選出された者達と各隊の隊長たちが互いの顔、名前の照合するを確認してから隊長各位へと声をかけ]
当然ですが、義勇兵の方々は我々王国の者よりもカーマルグの地に精通している。
ですので、出来る限り彼らの意見を聞き、状況を判断して下さい。
王国の兵にとっては正道ではないと思う事もあるでしょうが、今回の相手は正面から戦ってやすくは勝てないとも承知でしょう。
正道を問うのは、勝った者の特権だ。
それを念頭に、皆にも周知させるように願います。
[王国の中には義勇兵に従うをよしとしない者もいるかもしれない。
だが、そのような了見でこの先の共闘に臨まれては困ると念を押した後、案内人たちに下がって休むようにと指示を出した後]
さて、それでは隊の配置ですが。
今回の作戦上、隊の編成も重要ですが攻撃を留まらせない為には円滑な交代が求められます。
陸路を行く先行部隊は軽装な者も多いでしょう、進むに任せて突出し過ぎないように注意してください。
[先行し過ぎれば後方からの交代、連携に支障をきたす。
実際の場でどれ程覚えていられるか分からないが、少しでも考慮に残れば上々と声に出して]
そして海ですが、ギデオン様が直接指揮をとられますので。
あの方が海にまわられる以上、私は此処に残り状況の把握に務めることとします。
義勇兵の方々には何事かあれば私に情報を集めるようにと指示が出されていますので、皆様もその様に。
[具体的には、己の手元、拠点の守りも併せて1000程度を残し。
後の兵の振り分けは隊長各位に任せるとして、方針が定まった所で解散と相成った**]
[フェリクス隊長と別れた後、ダッシュで自分の隊に戻る。
出撃準備をしてたりしてなかったりする仲間を大急ぎで呼び集めた。
全部で15人。みんな同年代の連中だ。]
全員集合ー!
みんないるか?いいか、よく聞け。
この戦いで、オレたちはフェリクスサマの下に配属になった。
[発表すると、みんながわいわいと騒ぎ出す。
あの騎馬隊のすげえトコ?とか超エリートじゃんとか聞こえてきたけれど、あのぐうたらなおっさんのトコ?じゃあサボってもバレねーじゃん、なんて言った奴には鉄拳制裁をお見舞いした。]
ばかやろー!あの人はすごいんだぞ!
[あわや大乱闘なところを、周りの皆がまあまあと止める。
よくあることだ。]
ともかくっ!
一年間あのひとの下にいたオレが保証する。
ぐうたらとかごくつぶしとか嘘だから。
オレたちは余計な事考えずに、やることやればいいんだ。
以上!
[一喝でなんとなくまとまりがついたあと、拳を振り上げて振り回す。]
オレたちが取ってきた情報が欲しいって言われてるんだ。
とっとと合流するぞ!急げー!
[おう、と全員の声が揃って、すぐさま全員が移動の準備に取り掛かる。
といっても身軽なものだ。
たちまち16騎が野営地のなかを駆け抜けた。]
[フェリクスの隊に合流すると、待っていたのは「よく来たなぁ」とか「大きくなったなぁ」とか、なんかそんな感じのやつ。
頭を撫でられそうな勢いに、せいいっぱい姿勢を正して、きりっとした顔をしてみせた。]
ミヒャエル及び小隊一同、こちらに配属となりました!
よろしくお願いします!
[「よろしく」とかの合間に、父親に似てきたなぁなんて反応が聞こえたのは、嬉しいような嬉しくないような。
ともかく、そのまま情報交換に入った。]
[やがて出陣の時になれば、部下たちと共に整列して、フェリクスの言葉を聞く。>>101
淡々とした口調で、背筋が伸びるような言葉が語られた。]
…そうか。
あいつら、かわいそうなだけの連中じゃないのか。
[武器を持った農民というのは、無理矢理戦わされているか、仕方なく出てきているものだと思っていた。
だから戦場でオレたちと出くわしたら、すぐに逃げていくに違いないと、なんとなく考えていた。
侮るな、甘く見るなという言葉を胸に刻み込む。
続いた愚痴っぽい話には、そうだそうだーと何人からか声が上がっていた。]
[号令におーと応えて、動き出そうとしたところへ声が掛かった。>>104
慌てて手綱を引いて、ぴしと敬礼する。]
はいっ!なんでしょうか!
[そうして告げられた言葉に、一つ一つ頷いた。]
侮らず、限界を見極める…
わかりました。気を付けます。
[死んじまったらという声の温度に、すとんと緊張が抜けた。]
[直後。]
ち、血筋を残す、ですか!
どっ、努力します!!
[声の高さが跳ねあがって、顔に血が上る。
「たいちょー今イイ子いるんだよなー」だの「このあいだデートしたって聞いたスよー」なんて野次が飛んできて、ますます赤くなる。]
で、出ますっ!
[敬礼もそこそこに、馬を駆けさせる。
明るい笑いと馬蹄の音が後に続いた。**]
だが、世話焼きに免じて、今回はこれ以上、せがみはすまい。
──ありがとう。
[ このまま隣に引き込みたいのも我慢する。]
─ 過去 ─
そうか。
なら、俺はメランだ。
[=8こちらが渡した名をそのまま名乗りに使われたことで、俺に名乗るつもりはないんだなと判じたから。
こちらもまた自分の名ではなく、己の髪の色を名だと返した。
後から追いついてきたのか、供らしき者たちがティノスの周りに控えるのを見れば結構な身分ではあるのだろうが]
お前には、関係ない。
[どうしたという問いかけにも、変わらぬ態度で返す。
相手がどんな身分であろうと、初対面、何者かもわからぬ相手に明かす胸の内など無かったから。
先の、頭の中に響いたような声がどこか、引っ掛かりはしていたけれど**]
− 王国軍野営地・朝 −
[ 寝付きと同様、寝起きもすこぶる良い。
瞬時に活動モードに入っている。]
おはよう諸君。
出発の準備は滞りないようだな。感謝しよう。
とりあえず、温かい食事をとっておいで。
[ この先、しばらくは携行食頼りになる。
交代で休むよう組まれているとはいえ、いちいち食事のために野営地まで戻ってくるわけにはいかない隊も多くなるだろうと、労いの言葉をかけた。]
[ 夜の間に異変のなかったことを確認すれば、湯を使い、身を清めておく。
臨時に設えられた祭壇で、神々への儀式を司るためだ。
神殿で暮らす間に学んだ所作は、それ自体が舞のように洗練されたもの。
出陣前に、兵らを鼓舞するのは客将に任せる。
自分が彼らに与えたのは、祝福だった。]
勇気と女神の微笑みに抱かれてあれ。
[ 出陣する者たちへ、白い鳥の羽を手渡す。
それは、プラメージの国章に描かれた天を翔ける鳥を示すものだ。*]
─ 天幕内 ─
[>>=9聴こえた”声”に、起こしたかと思いはするがそれに対する謝罪はしない。
ただ、投げかけられたそれには微か、笑い]
俺は別に縛られている訳じゃない。
俺にとって便利だからこそ、家に居るんだ。
それにな。
俺の存在が面白くないのは、何も義母上だけじゃない。
そんな中で後継を育てれば、また新しく厄介事が起きるだろうさ。
俺はもう充分人の口端に上がらせてもらった。
火種にくべる薪になるのはもう御免だ。
[そう言って、背に受けた>>=10ありがとうという声に手を振った**]
[ 船に乗り込む前に、ベリアンを呼ぶ。]
ベリアン、後を頼むぞ。
我々がやろうとしているのは、いわばカーマルグ全域を使ったゲリラ戦だ。
王国軍が散開して、予測もつかない場所やタイミングでの襲撃を繰り返したら、ゼファーはどう対処してくると思う?
ひとつ言えるのは、事態が泥沼化した際には必ず、突出したリーダーシップを発揮する者が現れる。
武力だけじゃない、
漠然としていて言語化できないものではあるけれど、
君には、誰がそうであるかを見抜く力があるはずだ。
そこを落とせれば、我が方の損害はさらに低くおさえられる。
…方法は問わない。
狩人出身の兵を選抜して遠くから狙撃するでもいい。
毒矢を使ってもいい。
とにかく、手を尽くせ。
[ ベリアンの目の奥を見つめる。]
わかっているだろうが、君もまた、
きっと狙われる。
自分が示唆した方法は、君自身に向けられるかもしれない凶事だ。
くれぐれも気をつけろ──本当に。
― 回想/プラメージ王国軍野営地・夜 ―
[ベリアン>>107の呼び出しを受けて、彼の待つ天幕へ。
案内人として選ばれた義勇兵と顔合わせしつつ、各隊長の顔触れを確認する]
――了解しました。
[正道ではなくとも、勝つために最善を尽くす戦い。
それなりに固い人間である自覚のあるセルウィンも、それを肝に銘じた]
逸りすぎてはいけない、か……。
[続く注意>>108にはそう小さく呟く。
司令官と指揮官、それぞれの役割も知らされたところで解散となり、隊ごとの方針確認に移った]
― 回想/プラメージ王国軍野営地/朝 ―
はっ。おはようございます、ギデオン様。
[寝起きであることを感じさせない司令官>>115へ挨拶を返す。
既に炊事係により食事の用意は済んでいた。
彼の言葉通り、温かい食事を味わって食べる。
和やかではあっても芯の所にある緊張はどの顔からも感じられた]
[一度下がったギデオンが、再び姿を現したのは儀式の時>>116]
綺麗、だな……。
[女神の加護があるとか、音楽の才があるとも聞く。
芸術への造詣が深い兄がこの人と会ったらどう思うかと、少しだけ考えた]
――ありがとう、ございます。
[そして手渡されたのは白い鳥の羽。
司令官代理の祝福を受け取るように、一度それを胸へ押し抱いた後懐へしまった*]
― 平原北西・森の中 ―
[弓矢・投石隊と分かれた軽装歩兵隊は、木立の中で息を潜めその時を待った。
遠距離攻撃組も、ひとまずは無事に持ち場へ着いている。
この先、敵とぶつかってからのことは未知数、ではあるが]
[――遠く、地鳴りのような音が聞こえる。
やがてそれは、人の足音とは異なるリズムと重さを持った地響きへ>>103]
騎兵か!
[丘に布陣した者たちはとうに気付いているだろう。
木々の隙間から様子を窺うセルウィンの目に、攻撃開始を伝える、鮮やかな旗が振られるのが見えた]
─ 過去 ─
メラン。
[ 聞いた音を"声"にして返す。
彼の名前までくれるとは思っていなかった。望外の出来事である。
けれど、高揚する気分とは正反対の冷たいものが体の中に伝わってきて、少年は胸を押さえた。]
関係ない、はないな。 ないだろう。
[ そして、先ほど聞いた子守唄を"声"に乗せた。**]
――正面からは絶対当たるな。踏み潰されるだけだ。
丘の方に分かれて向かう者がいれば、優先して叩く。
そうでなければ、側面から出て行って少しでも隊列を乱す。
[既に隊員には周知された作戦だが、確認のように口に出した。
当然ながらそれ以外のパターンもある――だが、それは今は考えない]
さあ、もうすぐだ。いつでも飛び出せるようにしておけよ――!
[遠く、丘の上の一団が、一斉に矢を放つのが見えた*]
― 出陣直後 ―
[合流したミヒャエルが古参から可愛がられる様子>>111は、遠目に微笑ましく眺めていた。
もっとも、それも長くは続かない。
今の彼は隊を率いる者、一人の戦士としてここにある。
個人的なあれそれで可愛がりすぎるのは、矜持を傷つけると思うから]
……ん、そこをわかってるなら、俺からいう事はないわ。
後は、ここを出てからどれだけ伸びたか、実地で見せてくれるの楽しみにしてるよ?
[熱が上がるとつい見失うものを伝え、それに気を付ける、と返されて。>>113
ならば、と思ったところで軽口一つ投げたわけだが。]
お?
[それへの反応と、周囲の野次と。>>114
つい、楽しそうな声が上がったのは多分已む無し]
おーおー、いいねぇ、若いってのは。
[駆け出す一団の様子に、けらり、楽し気に笑った。**]
― 平原 ―
[前方に騎兵、後方に軽歩兵。
隊ごとに分かれて進む足並みは乱れることなく、規則正しい]
……さて、どっからいらっしゃいますか、ねぇ。
[口調だけはのほほん、と呟く。
進んでいるのは見通しのいい平原だが、近くには身を潜められそうな森もあり、奇襲の可能性も少なくはない]
正面攻勢だけで終わるんなら、ホント、ラクなんだけどねぇ……。
[ふと漏らした呟きに、そんな都合よくいけるわけないでしょ、と副官が突っ込みを入れてくる。
それに、更に返そうとした矢先]
[そう、離れていない所で、弓弦が大気を震わせた。>>123
数拍の間を置いて、降り注ぐのは幾重にも重なる矢雨]
あー、そっちから来る!
騎兵、散れ!
軽歩は盾翳せ!
お出迎えでの消耗はさすがに格好つかんぞ!
[号に合わせて、部隊が動く。
それでも、盾持たぬ騎兵は相応、矢傷を受けた]
騎兵はそのまま、前進。
軽歩は防御しつつ、警戒機動。
[号に応じて、直属以外の騎兵は前へと進む。
男は軽歩兵隊と速度を合わせ、周囲を見回した]
さて、あの音、どーしてくれようか。
[放置はできないが、本命とぶつかる前に多くを割くわけにはいかない。
いっそ自分で潰してくるか、なんて思ったのは、一応押し込んでおいた。*]
― 平原北西 ―
[矢を直接視認するにはやや離れているが、先制を受けた騎兵がどのように反応するかは、森の中からでも見て取れた]
よし、先手はとれたか。
[騎兵が散り散りになって矢をかわす。
歩兵の方はそれなりの防御はしているだろうが、盾がなければそうもいかないだろう>>127]
――だが、流石にそれ以上は乱れはしない、か……!
[騎兵は前進しつつも隊を整える。即座に兵の分散はしない方針のようだ。
それならそれで、丘からは弓矢、加えて投石などの攻撃を続けられる。
しかし本陣へ向かうであろう先行隊をそのままにも出来ない]
よし、先に決めた通り、先頭の馬の横っ腹が見えたら突撃する。
絶対に深追いするな、馬に手傷を負わせるだけでも十分だ。
敵が自分の方を向いたら、守り重視で後退すればいい。
[しかし騎兵が手にするものは、黒い光を宿す鉄の槍。
その威力を、この隊の者の多くは直接にはまだ知らない。
ただ、自分が持てる範囲の恐れは飲み込んで、構えを取る]
第一軽装歩兵隊、
――突撃!
[セルウィンが槍を振り上げるのを合図に、歩兵隊は木陰から飛び出し、騎兵隊の横合いから突撃した*]
/*
お留守番にしても役立たず過ぎる副官が通りますよーorz
えーと、セルウィンとカレル周りはフェリクスに任せれば良い感じか。
て、ことは、こっちは海戦対応かな?
ギィさんの顔は見ときたい気はするよね。
― 朝/プラメージ王国軍野営地 ―
[枕が替わっても眠れるのは野営の強みだろう。
カレルの目覚めは悪くない。
ただ、消えることの無い緊張が身体には残っていた]
──── よしっ!
[両手でパシッと頬を張り、自分自身に気合を入れる。
弱音なんて吐いていられない]
[カレルが纏うのは軽装備と呼ばれるもの。
身軽さを優先したものだ。
腕には剣を受け流すための小型の円形盾を取り付け、剣を左腰に据える。
右腰には布で作った簡易的な投石具も提げた。
更には縄の両端に石を括り付けたものも数本携える]
待機中にもっと作っとくかなぁ。
[狩人達から聞いて作った、動物の足を絡めとる道具、ボーラ。
隊の人達にもボーラを持ってもらおうかと考えていた]
[そう言えば朝食を貰いに行った時、ギデオンが兵達に声をかけていたのを見た>>115。
分け隔てなく声をかけていく様子は温かい空気に包まれているような気がする。
声をかけられ緊張してる者達も多いが、声をかけられた事実が彼らの士気を上げているようにも見えた]
あの人見てると王族のイメージが変わるよね。
[一緒に朝食を食べる仲間に言うと、「ホントになー」と返って来た。
元々、王の評判も良く、施政に関して不満などもない。
良い印象を持っていたのだが、ギデオンの言動によりもっと身近なものであるように思えてきたのだった]
[身支度を整え、出陣前の儀式>>116に参加した時。
祭祀として立ったのは他ならぬギデオンだった。
その動き一つ一つが舞のようで、無駄な動きは一つとしてない。
そうして配られたのは、国章を思わせる白い鳥の羽。
紡がれた祝福が内に燻っていた緊張と不安を掻き消していく]
ありがとうございます。
[両手で受け取った羽を、カレルは胸当てから覗くように差し込んだ*]
[――不意に、大気が緊張する。
戦場特有の緊張、それが示すものは、大抵ひとつしかない。
つまりは――接敵]
……いや、ホントに奇襲してくるって、ある意味素直だな!?
[北に広がる森からの突撃。>>130
それに、ついこんな突っ込みが口をついた]
[警戒はしていたものの、突然の強襲は初手を受けた隊の動きを鈍らせる。
そこに矢雨が加わるとなれば、動き難くはなる。なるのだが]
……驚かせてもらったからには、敬意をもって、お返ししないとねぇ。
やれやれ、森からぽーん、とくるのの相手とか、ほんっきで面倒なんだけど。
[そんなぼやきの後、すい、と槍を天へと向けて]
……騎兵。蹂躙しろ。
[冷えた声が、淡々と命を紡ぐ。
接敵した部隊は敵軽歩兵に対し、容赦なく勢いと高さによる圧を乗せた一撃を繰り出してゆく。
無論、こちらも無傷というわけにはいかない。
馬を狙うは少しずつ、けれど確実に、騎馬の動きを鈍らせていた。*]
─ 王国軍野営地・朝 ─
[己が起きたのは、兵たちが動き出すより前に。
水を浴びて眠気を振り払い、身支度を整えた頃合いには各々出立の準備に入る者も出始めて]
王国に武運を、民に幸運を。
[拠点を出立する彼らに向けるは、短かな祈念。
場を動く訳にはいかぬと定めた己が出来るのは、采配と信頼だけ。
この難しさは、何度体験しても慣れぬものだ。
それを表に出す愚は、さすがに犯さなくなったけれど]
お待たせいたしました、ギデオン様。
[>>117出立の支度の整った王弟からの呼び出しに赴くと、向けられたのはある種の示唆]
[>>118友が言う通り、漠然としたものとしか分からない其。
こちらに見抜く力があるという彼の根拠がどこにあるかは分からない、自身に思い当たるものも無い。
唯一それと思う存在はいるが、目の前に居る彼だけで]
……わかりました。
ギデオン様のご期待に沿えるかは分かりませんが、最善は尽くします。
[己の目、ではない。
己を信じる友の目を信じて笑みを返し、船に乗り込む背を見送った。
出立していく部隊みな、同様に見送った後自身は戦況の把握に務めることとなる*]
[義勇兵は100人程の小隊に分かれ、それぞれの部隊に編入されることになった。
部隊によっては200人、300人の規模で編入されたことだろう。
部隊が細分化されるなら、そこから更に割合で配分されることになる。
カレルの部隊には200人程の義勇兵が配備された]
僕らは南側から接近しましょう。
野営地の南に森が広がっています。
そのきわを沿うように南下して、川沿いに東へ。
主戦場の南側に到達した辺りから北上します。
上手くいけば横合いを突けるはずです。
仮に発見されても、海から意識を逸らさせることが出来ると思うんです。
[移動時間を加味すれば、先行部隊が交戦を始めてから到着することになるはずだ。
波状攻撃としての一助にもなるだろう]
(可能なら、南に誘い込んで森の中に入りたいけど)
[そこまで相手が乗ってきてくれるかは分からない。
誘い込みが出来なくても、主戦場南に点在する泥地を利用して相手の足並みを崩したいところだ]
それじゃあ、出発しましょう。
[セルウィンに鍛えられた駆け足で南の森を経由し、カーマルグ半島のやや中央を流れる川を目指す。
ベリアンには事前に南から戦場に入ることを伝えておいた*]
[見送る前。
瞳の奥を見通すような友の目を、こちらも見つめ]
わからんな。
何度も言うが、お前は俺を誤解している。
俺は何も持ってはいない。
持たぬことこそ、俺の強みだ。
例えどんな誹りを受けようと、生き汚く生きてやる。
だから、俺のことは案ずるな。
[そう言って、笑い返した*]
― 平原 ―
[勢いつけて飛び出していった最初の一撃は、確かに騎兵隊の横っ腹に届いた――が]
あれは……?
[騎兵隊後方で、戦闘とは異なる動きが視界に留まった>>136。
蹄の音の中で、男の声はこちらまでは届かない。
ただしその冷徹な意志が騎兵に伝播し、動きが変化するのをセルウィンは見た]
下がれ――!!
[最前で敵と当たった者へ向け叫ぶ。
当然彼らも、眼前の槍に対する回避や防御行動は取っていた。
しかし高さによる勢いと重さ、そして何より鉄の硬度は、彼らの予想を上回っていた]
く……!
[盾が割られる。あるいは鎧を破られ、貫かれる者も。
直撃はともかく、防御が間に合ったにも関わらず予想外の傷を受けた者を目の当たりにして、明らかに歩兵隊の足は鈍っていた]
――攻撃を届かせる自信のない者は下がっていい!
騎兵を止めきれないことは想定内のはずだ!
[一撃離脱でも構わないとは、事前の軍議でも言われていたはず。
別動隊や後続部隊によるフォローもあるだろう。
とはいえ予想よりも損害は大きいか]
伝令、ベリアン様へ伝えてくれ。
騎兵の勢いが、予想ほど殺し切れていないかもしれない。
[指揮官へ伝令を走らせながら、自身は前を向いた。
周囲には短槍中心に、隊の中でも精鋭と呼べる者が集まっている]
持ち時間はまだ残っている。
ここからは俺たちが前に出よう。
[退く流れの隊員たちに逆らうように、十数名の小隊が騎兵向けて駆ける。
対して振り下ろされる鉄の槍。その素材が優れていようとも]
騎兵との戦い方を知らないわけじゃないぞ!
[一拍ずらして、穂先が落ち切った瞬間にそれより内側へ入り込む。
そして馬の体側を薙ぐような一撃。
こちらも怯むばかりではないと、見せ付けるように槍を振るった*]
― 平原 ―
[行軍中はケラファス隊本隊からやや離れたところを進んでいた。
全体として一つの隊として機能していれば細かいことは言わないという隊の方針を理解していたから、本隊から着かず離れずの位置で自由に動き回る。
斥候として幾度か通った道だ。本隊よりも地理に詳しい自負もあった。
本隊より先行していれば、相手の奇襲は避けられたかもしれない
実際はその時、軽歩兵隊よりも後ろの位置にいた。
隠れやすい場所に伏兵が潜んでいないか確かめながらの進軍だったが、ある意味それが裏目に出た。]
[矢の雨の第一波は、少し離れた後方から目にした。
それがむしろ、被害を避けることとなったが、そうとばかりも言っていられない。
一気に加速して軽歩兵隊を追い抜き、そこにいるフェリクスを見つける。>>128]
自分たちが行ってきます!
[叫んで寄越してから、進路を大きく変える。
弓兵がいるあの丘は、北東側からなら馬でも楽に登れるはずだ。
崖や木陰を利用して矢を避けながら、弓兵の後ろを突くべく駆けていく。*]
― ゼファー軍出立の時 ―
[ 陽光に輝く黄金を頂く英雄の号令に、鉄槍と盾が打ち合わされ、鍛え抜かれた戦士達の足が大地を踏み鳴らす。>>95
地鳴りのような進軍の響きを足元に感じながら、男は微動だにせず ]
ゼファーに勝利を。
戦神の祝福あれ。
[ ただ一言を凛と通る声で送り、戦士達を見送った。 ]
─ 過去 ─
[即興で作った名を、繰り返す相手の声に知らず鼻白む。
悪意があるようには見えない、けれど他の意図も分からない。
明確な何かがあるようで、その形が分からないもどかしさに苛立ちが募っていく。
>>=14胸を押さえる様子に、身体が弱いのか、と思ったのは束の間。
先と同じ、頭の中に響く”声”が紡ぎ出した旋律に、感情の火花が散った]
歌うな!
それはお前の、歌じゃない!!
[ただでさえ母に想いを馳せる事で耐えていた心に、無遠慮に触れられたように思えて。
怒りのままに放った”声”、感情は瞳からも幾本もの涙の筋という形で露わになる。
神殿に身を寄せて5年、誰にも見せることの無かった涙は、神殿の者たちにも驚きを呼ぶものだったろう。
この涙がどれ程の我慢を超えてきたものか、目の前の少年には知らぬことだろうけれど]
俺の主は、俺だけだ!
俺の断りも無く俺の宝に触れて、どうしてお前を受け入れられる!!
関係ないと言われたくないなら、無遠慮に踏み込むな!
お前は俺の、何だと言うんだ!!!!
[神殿に来てから、だけではない。
生まれて初めて感情のままに叫んだ”声”は、確かに目の前の少年が齎したものだった*]
軍船のうち一艘は、出来るだけ荷を下ろして身軽にしておけ。
[ やがて、踵を返すと同時に、歩きながら指示を下し始める。
その歩みは常の如く駆け抜ける風に似て、付き従う隊長達は、小走りで後を追い、指示を聞き取ると全力疾走で己の隊へと戻っていく。 ]
油を用意して荷を下ろした船に積み込め。弓を扱える者を集めろ。
南西と北東に200名ずつ送る。
近くの森から木を伐り出し物見櫓を組め。北と南から回り込む敵軍を発見したら、櫓の上から狼煙を上げよ。
敵が陸上部隊の場合、同数以下であれば殲滅。同数以上の場合、或いは軍船を発見した場合は百人隊長各自の判断で動け。
[ 行き着いた先はゼファーの軍船を繋いだ港。海賊達との交戦は陸上で決着していたから、ほぼ無傷な船ばかりだ。 ]
荷を下ろした船は私が預かる。残りの船は、兼ねてからの指示通りに。
[ 最後までついてきた300人の留守番部隊の隊長には、カナンの指示通り、防衛に徹して動けと、言外に示して、自らは100名の精鋭たる重装歩兵を連れて船上へと身を置く。
やがては各隊から掻き集められた弓を得意とする兵も合流し、総勢は200名余りとなった。 ]
数を頼みとする軍は、必ず包囲戦か挟み撃ちを最善手として選んでくる。
相手には地の利がある、いついかなる場所から敵が現れるか分からないものと覚悟し、警戒を怠るな。
[ 一際高い船上から、男は麾下の兵に檄を飛ばす。 ]
奇襲は受けた側が動揺し混乱すればこそ効果を持つ。
ゼファーの勇士は恐れを知らぬ鋼の心を持つと敵に知らしめよ。
我ら、揺るがぬ鉄の壁たらん!*
− 南回り航路 −
[ 船に乗り込み、義勇兵が手配してくれた案内人と挨拶を交わす。
ギデオンの戦装束は、藍染めに銀糸の縁縢りを施した、一見地味ながら、職人が丹精込めた逸品である。
祭祀の際に頭を覆っていた布は、背中に流してあった。
防具は薄い皮を貼り重ねた軽量の胸当てに、腕と脛を守る部分鎧のみ。
左右の腰に剣を佩く。
鮮やかな赤毛はゆるく束ねて邪魔にならないようにしていた。
髪留めに白い羽根を飾る。]
[ 案内人いわく、今は北寄りの風で、王国軍拠点から半島南端回り込むあたりまでは帆走で行けるが、その先は櫂も使うことになるとのとこ。
その分の人員は、船上での白兵戦にでもならない限り、差し引いて考えることになる。おおよそ50人ずつだ。]
どのみち、半島の東側に回り込んだら帆はしまうつもりでいた。
途中で兵を下ろせそうなのは、やはり、トルーンあたりになるか。
船は残していかない、兵だけだ。1000。
[ 案内人の助言をいれながら、策を組み立てていく。]
第一攻略目標はゼファー軍船の破壊。
[ 「相手の退却の方法を奪ってしまっていいのですか。逃げ道は残しておくのが常道では?」と投げかけられた問いに、柔和に微笑む。]
自分が知る限り、ゼファーは負けた時のことを考えて出陣したりはしない。
船を失ったところで動揺はしないと踏んでいる。
それでも、機動力を奪っておく意味はある。
― 行軍中 ―
[カーマルグの平原を兵と共にゆく。
目に映る景色は、どこまでも緑が豊かだった。
平原には柔らかな草が生い茂り、はるかに見える色の違う場所は穀倉地帯でもあるのだろう。岩と砂利としがみつくようにして生える木々ばかりのゼファーとはまるで違う。
昔、この大地をこの目で見たことがあった。
操船訓練で沖に流されて、漂流したあとのことだ。
もう10年以上も前になるか。
まだ新兵だったころの話だ。]
[嵐が3日続き、救助の見込みもなく、これはさすがに死ぬと思った。
水だけは空からいくらでも降ってきたものの、身体は冷えて動かず、同乗の者はみな海に投げ出されて消えていた。
荒れ狂う波に小舟も破壊され、板切れ1枚にしがみ付いていた3日目の夜が過ぎ、打って変わって穏やかに晴れた4日目の朝に流れ着いたのが、トルーンの町はずれだった。
あの時、己を見つけて介抱してくれた少年は、順調に育っていればもう立派な青年になっているだろう。
或いは、志願兵として、剣を手に向かってきているのかもしれない。
皮肉だな、と片頬を歪めた。*]
単純に、陸で白兵戦をするより、効果があげやすいのもひとつ。
[ ゼファーがどの程度の兵を拠点に置いているか、そして、海上での戦いを挑んでくるかは、偵察前の今の段階では明確ではないが、接舷して乗り込まれない限りは、陸戦よりも個人戦闘力の差が出ずに、王国軍有利に推移できると計算していた。]
火矢の雨をお見舞いしよう。
― 平原 ―
[そうして、騎兵隊と対峙するのと前後して。
隊の後方から駆けてくる騎馬の小集団があった>>148。
彼らは隊の半ばで一度速度を緩めた後、大きく方向転換する。
向かう先があの丘なのは明白だった]
あ、くそ……っ!
[本来相手にするべき小隊を、タイミングをずらされたことでみすみす擦り抜けさせてしまった。
自分たちは今まさに騎兵とぶつかるところで、今更方向転換も出来ない]
[ 一方、北回り航路の2隻は、海上でも挟撃を画策すべく、半島北岸を下るよう指示してある。
干潟を越えるのに潮を待たねばならないから、いくらか手間取るだろうが、義勇兵の水先案内人が確実な仕事をしてくれるはずだ。]
『後方の兵たちに追わせますか?』
いや、いい。彼らだけで行かせては統率も難しいだろう。
それに……もう人間の足じゃ追い付けないさ。
[後はせめて、弓兵が事態に気付いて逃げ出すことを祈るしかない。
石の他に漁網やら何やら持ち込んでるというから、上から投げ付ければ幾らか相手の足を乱せるはずだ。
しかし、少人数で小回りの利く相手だ、接近は避けられないだろう]
せめて……せめて俺たちは、少しでも戦力を削ぐことに集中するんだ。
次へ託すために。
[手の震えを押さえるように、短槍を一度強く握り直した*]
[ギィの指示通り、己の下には随時戦況報告が届けられていく。
>>123平原北西に進んだ先行部隊は騎兵を交えた部隊と交戦。
>>141カーマルグの中央を流れる川を目指す部隊は南から戦場に入るとの報。
今の所は想定した動き通りに事は進んでいるようだ、が]
(……楽観はできんな)
[馬に乗って戦う技量は、一朝一夕では成し得ない。
熟練の戦士が集っていると考えて当然で、その脅威は馬を止めても衰えない。
対して、交戦している味方は兵役中の者が多い隊が当たっている。
こればかりは読めないものだから、運が悪いとしか言いようがない、が]
平原北西に向けて、盾兵を中心とした部隊を回して下さい。
騎兵が抜けてくる可能性があります。
[彼らの援護、最悪の事態への想定も加味した上で指示を飛ばした*]
― 平原 ―
[後方から一気に近づく気配。
ふ、と視線を流した先に見えた姿に僅かに目を細めた]
おう、そっちは任せるよ!
[届いた叫び>>148に返すは信を込めた声、ひとつ。
あいつならばやれる、そう思うからこそ、余計な言葉は向けなかった]
[鉄の槍の一撃は、青銅の武具を貫き、敵兵を打ち倒す。
場慣れしていない者が多いのか、それが少なからぬ動揺をもたらしている様が遠目にも見て取れた。>>144]
……で、そこで後退を選ぶ、か。
そこらは、わかってるっぽいねぇ。
[引く流れを見やり、小さく呟く。>>145
ここで追い打ちをかければ殲滅も可能だろうが、深追いというのは大抵はロクでもない結果を招く。
ここらは、実地で身を持って味わっている所だった]
[味方の後退を援護する目的か、少数の敵兵が前線に踏みとどまり、槍を振るう。
一撃繰り出した後に生じる空白をついた一閃が、騎兵を崩して行った。>>146]
ほう……いいねぇ。
オジサン、やる気出すのは面倒だけど、やる気あるやつを見るのは嫌いじゃないんだよねぇ。
[く、と低い笑いが漏れる。
槍を握る手に、力がこもった]
騎兵、深追いはするな!
負傷者は後退、隊の立て直しを優先!
深追い分断なんて初歩的なミスするやつは、ウチにはいねぇな!
[鋭い声が、大気を割いて響く]
この場は、俺と軽歩で抑える。
前哨戦で消耗するのも、ウチの流儀じゃねぇぞ!
[命に応じて騎馬と歩兵が交差し、流れるように隊の位置を入れ替えていく。
その流れの中、
− 南回り航路 −
[ 帆走中、緊張を紛らわせたい兵らにせがまれて、ゼファーを訪問した際の逸話など語ってみせる。
近くはあるが、ほとんど交易もしないゼファーのことはよく知らない者も多いのだった。]
いろいろあって、宴の席でナイフ投げをすることになったのだよ──
[ 話すうち、その"的"にされた銀髪の偉丈夫のことも、思い出していた。
彼の眼差しは、戦場でも変わらないのかな、と。]
[ 冷静さではきっと負けていない腹心へ、"声"を飛ばす。]
こちらは、これからトルーンに寄って兵を半分、下ろすところだ。
そっちはどんな様子だ?
[ 何も言ってこないのは順調だからだと思っているし、口を挟むつもりもないが、連携することでうまく兵を動かせれば、より損害は減らせるだろう。]
そうだな。
こちらも幾つかの部隊が目当ての位置に配備、既に交戦している部隊もある。
今の所想定から離れてはいないが、楽勝とは言い難いな。
お前も足元を掬われぬように気を付けろよ、ギィ。
[ある意味、弓兵が本隊に気を取られている隙に、という本隊を盾にした進軍だったが、おかげである程度距離を稼げた。
相手が気づいて声を上げる頃には、丘のふもとまで到達している。]
よーし。一気にいけぇ!
[雄叫びと共に駆け上がれば、上から石や矢や網が降ってきた。]
網ぃ!?
[「投網と槍は常套だろ?」「つっても馬に網絡んで動き辛ぇ!」と仲間たちは騒ぎながらも各々切り抜けて登っていく。
もともと隊列を組んでの突撃などはしない、個々人の戦闘力に任せた戦い方がメインだ。]
[駆け上がるのに手間取っている間に、相手は退却を始めていた。
怯えて逃げ出すとかいう感じじゃない。あらかじめ決まっていた動きに見える。]
くっそ、逃がすかー!
[ミヒャエルが槍を投げれば、隊の仲間もそれに続いた。
退却していく弓兵の背中に投げ槍が飛ぶが、どれほど功を奏しただろう。
即座に追いかけようと思ったが、フェリクスの言葉を思い出して踏みとどまる。
限界とは違うけれど、ラインを見極めるのは重要だ。
今は、弓兵を追い出して、本隊が攻撃を受けなくなればそれでいい。]
止まれ!
被害確認!
[仲間の様子を確認しながら、次はどこへ向かうかと戦場を見渡した。]
− 東海岸 −
[ トルーンに1000の兵をおろし、南周りの4隻は櫂も併用して速度をあげながら半島の東へ回り込む。
いくらかでも目立たぬよう帆を収納して、ゼファー軍の拠点を探しながら航行した。
そこまでは妨害もなかったが──
やがて、帆柱上部の見張り台から情報がもたらされる。]
物見櫓がある?
もう迎撃準備を整えているとみた方がいいな。
さすがに楽はさせてもらえないようだ。
― 川沿いを目指して ―
[野営地南の森まで辿り着くと、その手前で東へと進路を変える。
ここからしばらく森沿いを進めば川が見えてくるのだ。
木々が途切れた辺りで一度停止し、隊を整えた後に北上する心算でいる]
…………
[ゼファー軍へ向けて進軍するとなった今になって、10年以上前の記憶が甦る。
トルーンの町外れで見つけた、ゼファーを故郷とする青年。
彼を見つけて人を呼び、幼いながらに家で介抱したのだ。
回復した彼は漁師達に頼んで送ってもらったのだったか、迎えが来たのだったか。
幼かった故に記憶は曖昧だが、彼とは文化の違いによる常識の相違などの話をして大層驚いたりしたものだ]
……なんで今思い出しちゃったかな。
[呟くと、隣から「どうした?」と訊ねられた。
それには「なんでもない」と返しておく]
[介抱した彼がこの先にいる可能性は多いにあるだろう。
それを思うと、正直複雑さが込み上げてくる。
懐かしい、と思う暇はきっとないだろう。
トルーンを返して欲しいと訴える時間はあるだろうか。
言葉ではなく武器を重ねることになるかもしれない]
[それらの思考を頭を振ることで隅に追いやり、今は行軍に集中した*]
覚えているか?
[唐突にコエを飛ばす。
行軍中に何をと言われても仕方ないタイミングだ。]
俺が遭難したときのこと。
帰ったときのおまえの顔、あれはすごかったな。
[遭難中は泣きごとを言うのも無駄と、殆ど声も飛ばさなかった。
まともに状況説明したのは、トルーンで拾われた、と告げてからだった。]
[精鋭と共に、敵を消耗させるための戦いを続ける。
盾兵が抑えに回ってくれた>>161ことはまだ、知らない]
[退いた兵への追い打ちが現れない>>163のは、敵の統率の賜物か。
こちらとしても殲滅されないのは有難く、少しだけ安堵を覚えた]
[しかし眼前で、敵の動きが変化する>>165]
[初めは退く動きと見えた。
しかし、流れるように滑らかに、続いて前に出て来たのは軽歩兵。
軽装、と言っても、武骨に誂えられたそれは、こちらの軽鎧と比べずっと重厚に思えた]
落ち着け、人対人なら訓練で散々やってきたはずだ。
[鉄の武器は鋭く、敵の練度は高い。
しかしそれはもう知った恐ろしさだ。
ただ一点、今は敵が同じ目線の高さにいる]
前に出ようとしなくていい。
立って、後ろを支えてくれ。
それだけで、持ち堪えるための力になる!
[軽歩兵と向かい合い、競り合いながら、元いた森の方へ向けて徐々に後退する動きを取る。
真正面が少数精鋭だけでは、とても相手になる人数比ではない。
しかし負傷が軽くただ騎兵を避けていた兵たちが、後方から戦闘に復帰し始めていた*]
[ 戦もまた芸術のひとつだと思ってしまう自分がいるのだけれど、今は鑑賞の時ではないこともわかっている。]
──火矢を用意。
[ 指示を与えれば、甲板には炎のあげる熱気が揺らめいた。*]
― 平原北の丘 ―
『おい、大丈夫か!?』
『いてぇよ……でもここで立ち止まるより、逃げる方がマシだ』
[騎兵小隊の奇襲を受けた遠距離隊は、先の手筈通り逃げ出していた。
投げ槍>>168などによる負傷者も出ているが、壊滅的なものではなく、次のポイントに辿り着けば再び攻撃に移れるだろう]
『網やらはほぼ使っちまったがな……』
[どうやら騎兵隊も深追いはしない方針らしい。
作戦の内にしろこちらは有難く逃げおおせるのみだ]
『しかし統率が取れてるばかりでなく、自由に動いてくる奴もいるんだなぁ』
『もっと頭の固い奴ばかりかと思っていたが……』
[まだ若いようだが勇敢な小隊長の姿は、よくよく皆の頭に刻まれた*]
[ 南東の物見櫓から狼煙が上がったのは、凡そ予測通りのタイミングだった。>>169 ]
やはり船か。
[ 陸を通っての速度で、到達できる距離ではない。そもそも王国軍はゼファーよりも海戦に慣れている上、保有する軍船も多いのだ。その利を生かさぬわけもない。 ]
陸地にも兵を下ろしたと見て間違いない。トルーン方面に300の兵を差し向け迎え撃て。
[ 敵の兵数はまだ把握できていないが、おそらく数倍は差があるだろうという予測はつく。
だが、寡兵で大軍を迎え撃つ事こそがゼファーの重装歩兵の真骨頂だ。下す命に躊躇いはない。 ]
海上には、私が先行する。
残りの船は、密集せず散開して行動せよと、各船に伝令を送れ。
[ 組織だった海戦を行えば、慣れぬゼファーに勝機は薄い。故に、男は、海戦を別の形に変えようと動き出す。* ]
― 平原東側 ―
[追憶に半分ほど思考を遊ばせていたが、駆けてきた伝令兵の姿を見て意識を引き戻した。
ケファラス隊交戦中!との報せに、来たかと唇を湿らせる。]
全軍駆け足!
交戦中のケファラス隊を支援する!
[号令を下せば、漣のように全体へと伝わっていく。
クレメンス隊と肩を並べ、合わせて1500の重装歩兵の靴音が重々しく大地を揺るがせた。
左右に分かれた200の軽歩兵は周囲を警戒しながらの随行である。]
[ どう見ても、あちらも戦場の只中であろうというタイミングで、飛んできたコエに、思わず苦笑が浮かぶ ]
ああ。覚えているとも。
[ けれど返すコエに動揺はなく。 ]
お前が、どれほど馬鹿なのか、あれ程思い知った時はないからな。
[ 実際に、戻ってきたカナンにもそう告げた。
自分の顔など自分では見えていなかったが、怒りながら泣くなと、怒らせた当人に指摘され ]
『泣いてなどいない!!』
[ と、ぶち切れて、殴りかかったのは...若気の至りと思いたいところだ。
実の所、今も同じことが起これば、どうなるかは自信がないが。 ]
[進軍するうち、目の利く兵から南側になにかを見た、という報告が上がってくる。
今はまだはっきりとは分からないが、敵軍の可能性ありと。]
どこから出てくるかわからない、だな。
[まったくもって、地の利は向こうにある。
南に現れた隊がフェリクスの隊か、こちらを狙っているのかはわからない。
いかがしますかと副官に問われて、首を振った。]
急襲させるならさせるといい。
ゼファーの軍はそう簡単には揺るがない、だろう?
[歩調を変えず、予定通りに進軍する。
上手くいけばケファラス隊と戦闘中の敵軍に横撃を入れられるだろう。
上手くいかなければひどい混戦になるかもしれないが、それもまたよしだ。*]
...今度は俺が、遭難するかもしれんがな。
[ ふい、と、落としたコエは、弱音ではない、どこか悪戯めいた響きを含む。 ]
[こちらの指示を受けた部隊が平原へと向けて出立したとの報を受ける。
すぐにも駆けつける、とは流石にいかないが、>>145セルウィンからの伝令が着くよりも早く援軍を派遣できた事は大きな利となろう。
動きが活発になってきたのは陸だけでなく、海の方も大きく動き始めた様だ]
ギデオン様の進路は滞り無いようです。
トルーンに降りた兵たちからも新たな報があれば私の下に。
[拠点内に届く報告、自分だけに聞こえる声で知る状況。
その双方をどれも聞き漏らさぬように、状況の把握に務めながら周囲へも伝達していく。
こちらが強者に挑む側である以上、届く報は良いものばかりではないと最初から分かっている*]
/*
おいおい。捕まりたがり遭難したがりはこっちの十八番だぞ?
え?ちがう?
即そっちを想像するおまえがおかしい?
へえへえごもっともで。
― 平原 ―
[一時下がった騎兵は隊を立て直す。
馬が使えなくなった者は下馬して歩兵隊へと自然に再編されて行った]
……んー?
[前線で立ち回りつつ、じりじりと後退する動き。>>173
それが何を意味するか]
さて、虎口へのお誘いか、それとも単純な後退か。
……どっちもあり得るねぇ。
[一度下がった者たちも前線に戻り、歩兵同士の打ち合いが展開している。
武装強度と練度ではこちらが勝る。
だが、あちらには数という利がある。
故に、楽観はしていない]
― 主戦場南 ―
[目的地に辿り着き、カレルの隊は一度足を止めた。
200の弓兵を先頭に置き、その後ろに義勇兵を200、盾兵200と軽歩兵400がその後に続く。
義勇兵の中でも案内役とカレルは様子を窺うため隊の先頭に立った]
この先に泥地が点在する場所があります。
盾兵は泥地を前に布陣し、壁を作ってください。
弓兵のうち100は義勇兵と共に泥地の先へ向かい、ゼファー兵に射掛けてください。
義勇兵の皆も弓か投石で同じように。
弓兵の残りの100は盾兵の後ろで待機をお願いします。
ああ、深追いは必要ないよ。
ただし、牙を向けてくるならば、確実に蹂躙しろ。
[そこだけは徹底させるのはいつもの事。
半端に傷ついた牙ほど危険なものはないから、そこの妥協はしない]
……しっかし、これだけ、って事はないと思うんだが。
騎兵は立て直せたら前方を警戒してね。
[派遣された援軍>>160の事は知らず、南からの動きも掴んではいないが]
利を使わない手ってのは、ないだろうから。
どっから援軍湧いて出ても、不思議はないのよね、あちらさん。
[地の利は敵にある以上、その予想だけは常に意識に引っ掛けて。*]
歩兵はゼファー兵がこちらへ向かってきたら弓兵と義勇兵と入れ代わり応戦を。
その後は徐々に下がり、泥地がある方へ引き寄せてください。
相手が来ないようなら一旦引いて隊を整えます。
上手く引き寄せられたなら、泥地を避けて盾兵の後ろへ。
ゼファー兵が泥地に足を踏み入れたなら囲い込みますが、避けて盾兵を回り込むようなら後方の弓兵が弓を射掛けてください。
牽制でも構いません、足を止めたところで歩兵が前に出て仕掛けます。
想定外動きがあったら、応戦しながら後ろに下がりましょう。
その場合は森の方へ後退を。
深追いしてくるようなら、森であちらに仕掛けます。
[あちらが泥地を把握していた上での作戦も伝え、カレルは呼吸を整える]
― トルーン方面 ―
[ 拠点から押し出した重装歩兵300は、整然と歩を進め、やがて敵軍の姿を認めれば、隙の無い密集隊形を取る。
盾を並べて自らと隣の兵までも守りを固めつつ、鉄の槍を並べて進むそれは、鉄の皮と無数の鉄の棘を持つ、一体の巨大な獣のようにも見えるだろう。* ]
− 東海岸 −
最初に動く船に狙いを集中させよ。
[ 命令は鏡を使った信号で各船に送り届けられる。
陣形の指示はしていないが、取り回しに邪魔にならないよう間隔は開いていた。*]
/*
[自軍兵4500が浮いてんな、って顔]
いや、待機隊があるだろうから良いんだろうけど。
森で戦おうぜ、ってちらちらしてるけどまぁ序盤は特に来ないよなw
あとカナンと縁が出来たので捕まった方が良いですか、と方々を見るターン(
そう言うな。
ちゃんと負けずに帰ってきただろ。
[俺以外に負けるな、との無茶振りは、いつも心の底にある。
嵐にも海にも負けずに帰った俺えらい。と主張したのだ。
怒りながら泣いていると事実を指摘したら殴りかかられて、そのあとはうやむやになったものだが。]
ん?
なんだって?
[落ちてきたコエを聞きとがめて返す。]
お前、ひょっとして今船か?
そっちからも来たか。
まあ、来るよな。
[類推するに、そういうことだろう。]
お前に任せておいた俺の目に狂いはないということだな。
[胸を張った感が伝わるだろう。]
/*
沼地に嵌りに行くか…と考えて、距離……となるのはまあいつものことだな。
放っておいてまっすぐ進むのが脳筋思考なのだが(わるいかお
― 平原 ―
[森側の奥では、そろそろ波状攻撃の次発隊が準備を始める頃合いだろうか。
弓矢・投石兵たちも次の持ち場を目指しているだろうが、時間がくればこちらの交代を支援した所で一旦休憩となる。
――と、そんな思惑を正確には相手は読めていないだろうが>>181。
深追いをしないまでも容赦のない攻撃が、こちらの戦力も徐々に削りつつある。
精鋭隊の中にもそろそろ体力の厳しい者が出て来た]
[その時、次発隊に先んじる形で、伝令に出していた者が戻ってきた。
盾兵が援軍に回ってくれた>>161ことをそこで知る]
助かった……。
流石にベリアン様は見越していたか。
[こちらの力不足は恥ずべき所だが、敬愛する上官に救われたことは素直に嬉しい]
後方はもう大丈夫だ、目の前の敵に集中しろ!
[ややはったり込みでそう声を張り上げた、が]
『大変です、敵後方から更なる兵が……!』
――え?
[大地揺るがす靴音>>178は。
さてその時、どれほどまでに迫っていたか*]
嵐相手に勝ち負けを主張するな。
そういうところが...まあ、お前らしいが。
[ 呆れたコエは、結局最後は吐息に紛れる。 ]
[ だが、いつまでも睨み合っているわけにはいかない。
出発前に指示されたとおり、より散会しながら手に投網や縄をもって囲もうとする。
幾人かは、自らを奮い立たせるため、手にした武器と盾を打ち鳴らしてみせた。
その音が伝播してゆく。
まさに獣を相手にする巻狩りの様相を呈し始めていた。*]
― トルーン沿岸 ―
[ 他の荷を下ろし油と兵だけを詰め込んだ軍船は、北寄りの風を掴んで常より船足速く南下して、やがて遠目に迫る王国軍の船団を見つける。>>175 ]
弓兵は火矢を用意して待機、射程に入ればあちらからも火矢が来るぞ、直接食らうような間抜けはいらん、自分で海に飛び込め。
消火は帆柱周りだけでいい。
盾構え!
[ こちらの船足が速いせいか、向こうの漕ぎ手の頑張り故か、遠い船影はみるみるうちに大きくなる。 ]
赤毛...?
[ 旗艦と思しい船に、先にも思い出した青年と同じ色の髪を見たように思い、目を細める。 ]
まさか、本当に、彼なのか?
[ 信じがたい筈なのに、どこか自然に胸に落ちる...偶然という名の、必然。 ]
これは、重畳、というところか。
[ 男の唇に、めったに浮かばぬ笑みが刻まれる* ]
/*
どうしようかなと考える間にも戦況は推移していくので、さらに考える悪循環。なんて書いている間にログを書けばいいのでは?(すごくいいことを思いついた顔
ああ、船の上だ。
来るに決まっている。
お前だってそう思ったから、俺に留守番させたんだろう?
[ 戦の中で交わすコエは、常より更に気安く少年の頃と殆ど変わらぬ口調になる。 ]
どうやら、王国軍の新しい頭がこちらに来ている。
覚えているか?赤毛の王弟殿下...
一筋縄ではいかなさそうだが、彼を落とせばこの戦も長引かずに済む。*
/*
南の少数の兵なんて兵力分断の愚を犯してまで迎撃しに行かなくていいんじゃないかというなんかあれな思考と、行かなきゃ戦えないだろ、というアレな思考が頭の中で戦っているので暫しお待ちを。
― 平原 ―
[駆け足で進む先、戦いの喧騒が近付いてくる。
それに加えて近付く、重厚感ある軍靴の音。
ゼファー兵の増援の音だ]
あっちが本隊、なんだろうな。
セルウィンさん大丈夫かな。
[義勇兵達の師でもあるセルウィンは今、北側で応戦中のはずだ。
相手を挟み撃ちにする予定だったが、相手の増援が来た今、どれほど効果があるだろうか]
でも、躊躇ってる暇は無いよね。
[案内人と示し合わせ、弓兵と義勇兵を前方に出し横に広く並べる。
泥地を避け、その先へと進み]
いっけぇぇ!
[弓の間合いになった辺りで足を止め、100の弓兵の一斉射が始まった。
ゼファー兵の本隊が到着するなら、そちらにも矢が飛んで行くことになるだろう。
義勇兵は弓兵よりも更に先へと出て、布製の簡易投石具に石を設置する。
飛距離は弓よりも短いものの、歩兵が近付く間に数度投げれる程度の距離は放てるはずだ。
弓兵と義勇兵の後ろには歩兵の一団が並ぶ。
盾兵は予定通り、泥地の後ろに陣を敷いた。
カレルは弓兵の傍で相手の様子を窺う*]
─ 平原 ─
[ベリアンの命を受けて出立した盾兵部隊は、装備の重量もあり移動の速度は早くない。
早く援護にと逸る気持ちはあれど、無理に駆けて余計な疲労を積む訳には行かず。
揃えた足並み、崩さぬ隊列でどれ程進んだか。
先ず目にした味方の姿は、>>176騎兵小隊の奇襲を受けて後方へと下がった遠距離隊]
『無事だったか。
交戦の位置はどのポイントだ?
騎兵の数はどれ程かも分かると有り難いのだが』
[声をかけ、彼らに話を聞けば状況の把握は更に明確となる。
彼らが目にした若い小隊長の話も、状況把握に含まれるだろうか*]
― 平原 ―
[向こうの策>>188は知る由なくとも、本気で潰しに来ている、とは思い難い動きを見れば、何らかの裏がある事は読み取れる。
深追いを禁じたのは、それを警戒するが故の事]
……しかし、よく粘るねぇ。
指揮も行き届いてるようだし。
若いのしかいないっぽいのに、こいつは中々に。
[のほほん、とした口調でここまで呟いた直後]
― 本隊行軍中 ―
[駆けていく先に土煙が見え始めた。
交戦中のケファラス隊と見て間違いない。
重装歩兵の足ではもう少しかかるだろう。
そこへ、軽歩兵から敵兵接近の警告が発せられた。]
来たか。
数百規模か。寡兵だな。
[何が目的だ?と思案する。
罠か。兵力分散の誘いか。
半端に兵を差し向けるのはうまくないが、無視していい数でもない。]
……潰し甲斐があるようで。
[く、と漏れる低い笑みと共に、一瞬覗くのは猛禽の笑み。
とはいえ、それは後方から響く音>>195によって、掻き消える]
おお、っとお?
[弓弦が大気を震わせる音は、大分前に遠のいていた。
それが再び、それも後方から響いた事に知らず、ひっくり返った声が上がる]
あー……まあ、妥当な動きではあるかぁ。
素直だけど、素直故に厄介だねぇ。
[呑気な声を上げていたら、副官にそうじゃないでしょ、と突っ込まれた]
ああ、はいはい、わかってるわかってる。
とりあえず、軽歩半分、盾で抑えながら牽制して。
わざわざ分断されてやる必要はないし……それに。
……元首殿も、そろそろ到着するっぽいし、ねぇ。
[遠く響く行軍の音>>178、聞きなれたそれはとらえている。
故に、男の余裕は失われることはない。**]
[フェリクスの隊は、動きの柔軟さでは軍随一だ。
戦況が不利になれば退くだろう。
相手が罠を張っているのなら、それを凌駕する力で当たるべきか。
そこまで思考して、麾下の兵とクレメンス隊に命令を伝えた。]
全力をもって、新たな敵を叩く。
行くぞ。
[号令一下、兵たちは南へと進路を変えた。
矢が降ってくれば盾を翳し、速度を落とすことなく駆けていく。*]
― トルーン方面 ― >>191
[ 打ち鳴らされる盾の音にも歩兵が気をとられる様子はない。しかし投網を持つ敵兵が回り込む動きを見せると、その姿を確かめるように、じりじりと鉄の獣は身を回転させた。そして、包囲が完成する直前、最も守りが薄いと、最右翼の指揮官が判断した方向へ向けて、重い地響きを立てて、獣の牙たる鉄の槍が襲いかかる。 ]
[ 鉄槍の恐怖に負けぬ王国軍の勇士達が仲間を救おうと石を投げ、網を槍衾に絡め、縄を引いて足をかけ奮闘すれば、盾を落とし、槍を手放す兵もある。
やがては密集隊形の一部が崩れる時も来るのだが、そうなれば、槍や盾が無くとも、鍛え抜かれた肉体そのものを武器として、暴れまわる個々の獣と再び対峙することになる。* ]
/*
んじゃ、ねよか、と思ってふと。
自分の発言ptに気が付いた。
フェリクス
36回 残1500pt(4)
ぴったり半分て、珍しいなw
/*
騎兵に来られると無残に散りたくなってしまうからいけない(
いや、カナンは重歩兵だったっけ。
「くっ、硬い…!」はやるべきだな(
仮に泥地嵌っても攻撃通らなそうwww
― 東海岸 ―
[ 指揮官たる王弟の命は、鏡によって迅速に船団全体に伝わり>>187近づくゼファーの軍船に、やがて火の雨が降り注ぐ。 ]
船足を緩めるな!全速前進!!
[ 男を守るように取り囲んだ歩兵達の鉄の盾のおかげで火矢をまともに受けることは無かったが、甲板のあちこちで煙と炎がゆらめいている。 ]
さすがに、容赦がないな。
[ 熱気に晒され、煙に燻された男の顔は煤で汚れ、一部は火傷を負ったのか赤みを帯びている。
しかし、その唇には笑みが浮かんだまま 。
炎に包まれ燃え上がりつつある軍船は、まるで王弟の座す旗艦に、決死の特攻を仕掛けるように、王国船団の只中に突っ込んでいく。**]
=15
[ 近づくゼファー軍船を見ながら思う。
先ほど、ベリアンは、己は持たざる者だと主張した。
自分とつながるこの"声"は、彼にとって価値のないものなのだろうか。
そんな意地の悪いことを言って、からかってみたくもあるけれど、
「持たぬことこそ、俺の強みだ」と告げる声には、彼の自負が感じられて、何ともベリアンらしいと思った。
おそらくは生育環境に起因する自己評価の低さに拘りつつも、彼は決して後ろ向きではない。]
そんな君が好きでたまらない。
[ つれないところもまたいいのだと、"声"に想いが溢れた。]
さて、ゼファーの軍船が動いた。
見張り程度を残して、係留されているだけなら簡単だったのだが。
一直線にこちらに向かってくる。
ぶつけてくる気かもしれない。とてもゼファーらしい判断だな。
あの船に乗り込んでいるのが誰であれ、真剣で頑な矜恃を抱いているのを感じるよ──あの時の君を思い出す。
懐に入り込まないと進まない話というのは往々にしてあるもの。
──届かせてみせよう。
[ 相手の策に乗る、というのではなく、こちらの力を示すという意味でだ。]
─ 過去 ─ =16
[ あの時。=24
"女神の子"は、なりは年相応でも、いまだ、人間界の礼儀も常識も身につけてはいなかった。
自分がしたいことは、自分を包んでいる波動や旋律を表現することくらいだったから、歌ったのだ。
それに激しい制止を叩きつけられれば、痛みに触れた気がして身を引く。
メランと名乗った少年が涙を零すのを、俯きつつも凝視していたが、やがて、じわりと近づいた。
"声"を発したのが誰であるかは、 正確に把握していた。]
[ 彼の何であるか。
その問いかけに、息を呑む。]
── 翼
[ 予言にも似た"声"を繋ぎながら、黒髪の少年の頬を流れる涙に唇を寄せる。
遠慮とか断りという概念はわからない。
ただ、獣が患部を舐めて傷を治そうとするように、彼を癒そうという行動だった。*]
― 平原南 ―
「後ろの隊がこっちきた!
1000以上いるよあれ!」
うわ、思ったよりきた!
[前の方で待機していた義勇兵の中から声が上がり、カレルもまた前に出て様子を窺う]
先遣隊の方の注意を引く心算だったんだけどな……。
向こうは動きもしないや。
[盾で矢を凌いでいる>>200のは見えたが、そこから動いてくる気配は無い。
牽制にこちらに出て来ては深追いせずに引く、を繰り返していた。
その都度弓兵と義勇兵が下がり、軽歩兵が出るタイミングを窺っていたが、上手く噛み合わずにいる。
そうした最中での後詰の進路変更>>202だ]
後ろが到着するまで凌いだ、ってことか。
[挟み撃ちにされて尚、崩れることなく留まる胆力に舌を巻く。
分断と一撃離脱を目的とした布陣ゆえに大部隊の的になろうとしていることは少々予定外だった]
ベリアン様に伝令出しといて!
後方隊がこっちに進路向けたのは見えてるかも知れないけど。
場合によっては下がって森に入るってことも!
[誘い込むにしても一時退避するにしても、大体の場所の明示のために南の森に入る可能性を伝えた]
対象変更!
向かって来る兵を何とかしよう。
歩兵の皆さん、よろしくお願いします。
[作戦指示は出来ても戦闘指示をするには経験が足りない。
細かい動きは軽歩兵の隊長に任せることにして、カレルは義勇兵の指示に回った]
僕らは歩兵の皆の補助を。
後ろに下がったら土集めして、なるべく乾いたやつ。
[そう指示を出して、接近までは簡易投石具による投石を行う。
向かい来るゼファー兵は重装歩兵で構成されているようで、矢や投石を行っても盾を翳して速度を落とさずに迫ってきた]
「当たっても効いてんのか分かんねぇな!」
それだけ鍛えてるってことだよ、心も体も。
戦闘訓練の年季が違う。
[確か、幼少期から戦闘訓練を行っている、と幼い頃に介抱した青年が言っていたような気がする。
君くらいの歳から訓練している、と]
[やがて接敵直前になった辺りで、弓兵と義勇兵が下がり、軽歩兵が前へと出る。
数にして400、ともすれば重歩兵の勢いに飲み込まれそうな数だが]
「構え!」
[横に並んだ軽歩兵達が槍を前方に構え槍衾を作り上げる。
相手が駆け足のまま到達するなら、激しくぶつかることになるだろう。
初撃の交戦を行った後は、相手の勢いを押し殺そうとしながらも、少しずつ後ろへと下がっていく。
その間に弓兵と義勇兵は盾兵の後ろへと下がり、弓兵200が後方からゼファー兵に向けて遠射を行う。
義勇兵は更に後ろに下がり、次手のための準備を始めた]
[押されるかのように下がる歩兵の動きに、相手は何か気付いただろうか。
狙うのは、盾兵の前に広がる泥地に誘い込むこと**]
― 東海岸 ―
[ 白波を蹴立てたゼファー軍船が迫る。
その1隻に対して、王国側4隻から次々と火矢が放たれた。
黒煙を上げつつも、追い風を受けたゼファーの船足は鈍ることがない。]
鋼の意志だな。見事という他ない。
[ 白兵戦を避ける方針は徹底している。
だが、ギリギリで躱せるくらいまで進路はそのままにしておくよう命じた。]
[ 背の布に水気を含ませて、軽く頭に被る。]
髪を焦がして帰ると、叱る者がいるのでね。
[ 兵らと異なる神官めいた姿は、相手の目を惹きつけるのに便利であろう。
もっとも、まっすぐこの旗艦を目指してくるのを見るに、もうその必要もないのかもしれないけれど。]
[ 一方、船べりからは、ほとんど裸一貫の男たちが海へと飛び込む。
危険の迫る船から逃げ出したようにも見えたろうか。
だが、その実、彼らは水泳の巧者だ。
ゼファーの船の梶を縛り、あるいは船底に穴をあけ、航行の妨げを画策するべく海へ潜る。]
[ ひととおりの手は打ったところで、]
あれは──
[ 近づく船上、鉄の盾に守られた指揮官と思しき男の姿を認めた。
炎をものともせず立つ彼の周囲で、兵らも一体化したように身動ぎすらしない。
戦慄が背中を駆け抜けるのを、受け入れる。
いっそ官能的ですらあった。]
見つけた。
──彼が要だ。 仕留めろ。
[ 徹底して攻撃を彼に集中させる。
操舵士が、もう離れるべきだと叫んだが、こらえさせた。
あれを落とせば、戦局は大きく変わるはず。]
[ 自らも弓をとると、指輪に仕込んだ毒を一雫、鏃に滴らせる。
自ら砕いた黒曜石の鏃である。
空に向けて弦を引き絞り、高い放物線を描いて盾の守りの内側へ矢が落ちるよう、放った。*]
南は元首サマが叩くのか。じゃ、あっちは大丈夫かな。
マズいのは西の方から来てる奴らだよなあ。
あれ合流されるとヤバいよな。せめて遅らせらんねーかな。
よし。行ってみるか!
[方針決定すれば行動は早い。
丘を駆けおりて、まずは下がっていた他の軽騎兵と合流した。]
フェリクス隊長!
西から新手来ます!たぶん北の森からも!
あとこっちの本隊は南の敵を潰すつもりみたい!
[隊長の姿を見つけて報告し、ついでに周囲の兵に声を掛ける。]
敵の援軍の邪魔をして連携を崩してくるよ!
元気な奴1隊くらい、ちょっと手を貸して!
[比較的年嵩の小隊長が「やれやれ仕方ないな」とばかりにフェリクスに目礼してから追随してくれる。
総勢30騎程となって、戦場を駆けた。
南からの矢が本隊の方へ向いた隙に、戦場を南側から迂回して西へと駆ける。
やがて前方に盾を持った王国兵部隊が見えてくるだろう。*]
王弟殿下?
あの目立つ優男か。
確かにあいつがいたのなら、指揮権引き継ぎでもたつくこともないか。
とすると大将自ら出てきたということか?
思った以上に剛毅だな。
[ちょっと見直した、とばかりの鼻息ひとつ。]
[ 自分たちの役目は、このゼファー兵と正面きって戦うことではない。
それは救いだった。同時に呪いでもあった。
「ここは一組が受け持つ。二組、三組は行け!」そんな声に押されて、王国兵の半数以上が蜘蛛の子を散らすように離れてゆく。
彼らは波状攻撃の交代要員として、廃墟と化したトルーンや沿岸の森に身をひそめる算段である。
伝令役は、ベリアンの元へ走った。
中には、これ幸いと逐電を決め込む者もなくはない。
トラウマになるほど、ゼファー兵の獰猛さは桁外れだったのだ。]
[ 残った組は、当初の予定どおり、うるさくゼファー兵につきまとう。
たいした打撃は与えられなくとも、石を投げ、縄をかけて転ばせようとし、挑発を繰り返し、稀に隊列から引き剥がすことに成功したならば、寄ってたかって押さえ込み、防具の薄い膝裏や踵をナイフで刺して腱を断つ。主に狩人や畜産業の者がその役目を担った。
可能ならば首を狙ったが、それが無理でも、歩けなくすることで敵の手数は減らせる、そういう考えである。
反面、ゼファー兵の投げ槍や鉄剣を躱しきれず、命を落とす者も少なくはない。
重装備でありながら、ゼファー兵の鍛え抜かれた肉体は易々とこちらの予測を超えて猛威を振るう。
天秤は、傾きつつあった。
この局面に、隊長クラスはいても、有能な将がいないというのも、集約力と臨機応変さという点で、王国兵たちの動きを凡庸なものに留めている。
それでも、ミツバチたちは巣を守るのに必死だ。*]
― 平原南 ―
[南から攻撃を仕掛けてくる王国兵の中に、明らかに武装がまちまちの一団がいる。
あれが、義勇兵か、と目を細めた。
農民が武器を取るなど考えられないこと、と思っていたが、かつて己を助けた少年も、農民の子だと言っていた。
王国では自由民が田畑を耕し作物を育てるらしいと知ったのもその時だ。
少年とその家族の元で過ごした数日は、ゼファーでの暮らしとはまるで違っていた。
とりたてて裕福な家庭とは見えなかったが、食事には色とりどりの野菜が入ったスープが振舞われた。家の外で指導官の怒号が響くこともなく、1日の仕事を終えた夜には温かな一家団欒の光景を見た。
多少、居心地が悪かったのは、縁のない穏やかさだったからだろう。]
[少年が纏わりついてきたのには閉口したが、恩人には違いない。
せがまれるままに、ゼファーのことを話して聞かせた。
男子はみな、お前くらいの年にはもう親元を離れるんだとか、1日中行われる軍事訓練だとか、食料を持たずに山に入って生き延びる訓練だとか。
物騒な話ばかりで子供の母親には嫌な顔をされたかもしれないが、聞かれるままに話した覚えがある。
動けるようになれば、ひとつだけ少年に技を教えた。
剣の持ち方と、人の殺し方だ。
本気で人を殺すつもりなら、剣を振り回すな。
低いところで構えて、切っ先を相手に真っ直ぐ向けて、身体ごとぶつかるつもりで貫き通せ、と。
それくらいしか、礼代わりにできることはなかった。]
[今にして思えば、余計なことだったかもしれないと思う。
あの後、少年が武器の訓練などに目覚め、戦うことを覚えていたら、あの義勇兵の中に入っている可能性が上がる。
手に掛けることに躊躇いはないが、少年の親は嘆くだろう。
運命の女神はやはり皮肉が好きなのだなと、見えない神に唾を吐いた。]
[弓矢や投石は、掲げた盾に弾かれる。
盾の隙間を抜けて身体に突き立っても、ゼファーの戦士は容易には倒れなかった。
致命傷でなければ、構わず進む。
隊列を乱さないことと駆け続けることがなにより優先だった。なにしろ倒れれば後続の味方に踏まれ、運が悪ければ命を落とす。
それでも何か所かに開いた穴は、後続が詰めて埋めた。
肉薄する前に相手の弓兵や投石兵は後退し、代わって前方に出てきたのが槍を構えた軽歩兵だった。
ぶつかろうという構えに、得たりと笑う。]
押し潰せ!
[重装歩兵の最前列右端に自らを置いて、吼える。
肉と鉄の塊は、勢いを緩めることなく槍の壁に襲い掛かった。]
[最前列の兵は剣を手に槍衾の穂先を斬り払い、二列目以降の兵は槍をもって突きかかる。五列より後ろの兵は盾を頭上に掲げて投射武器への防御としつつ、前方へとひたすらに進み、圧力をかける。
衝突の勢いは、青銅の槍をして鉄の盾をも貫く力となり、最初の衝突でいくつもの血の華が咲いた。幾人もが倒れ、同じだけの人数が後ろから押し出されてくる。
衝突する重歩兵の左右からは軽歩兵が、こちらは隊列を組まずに散開しつつ前に出て、敵兵を左右から包囲攻撃する動きを見せた。]
― 平原 ―
[ゼファー軍の増援は、騎兵・軽歩兵相手に粘っているこちらを横合いから叩くものかと思われた。
しかしその時、南側から飛来した矢が、敵軍に浴びせられた>>195]
カレルたちの隊か!
[野営地より南回りに動いていた隊が、ポイントに到着したらしい。
あちらの狙いが足場の悪い泥地や、森への誘導ということも事前に聞いてはいた]
流石に動揺はしないか、でも……!
[ゼファー軍の対処は落ち着き払ったもので、盾での防御はしつつ進行は乱さない>>200。
それでも、少しでも意識が削がれれば、こちらの立て直しにも繋がるはずだ]
[しかし、事態はこちらの予想を超えていた。
ゼファーの本隊と思しき一軍が、南側へ進路を変える>>202。
カレルの隊と全力で当たるつもりだ]
『おい、大丈夫なのかあっちは!?』
……相手の人数が多ければ、無理せずに下がる手筈になっている。
大丈夫だろう。
[実際、その通りの動きが生じている>>206ことは遠目にもわかった。
しかし言葉通りに受け止められないのか、浮足立つ兵も現れ始めていた]
おい、目の前の戦いに集中しろ!
あいつらの作ってくれた好機なんだぞ!
俺たちの仲間の力と知恵を信頼しろ!
[挟み撃ちは成功し、狙い通りには進んでいるのだ。
交代要員はいるし、必要な場面ならば援軍が送られるはず。
"予定通り"を信頼できずに崩れるのは、まずい]
[しかし戦場には再び動きが生じていた。
見覚えがある、あの十数人の小隊>>218。
丘から下りて来たかと思えば、もう一つの隊を加えて、南から迂回する動きで西へ駆け抜けていく>>219]
あの方向は……。
盾部隊の方を抑えるつもりか?
[騎兵による奇襲部隊の存在は、逃げた遠距離隊>>196か伝達係かによって、既に伝わっているだろうとは思う。
しかし戦場を自在に駆け回る小隊の存在に、何をするかわからないという不安が過ぎった]
――みんな、ご苦労だった。
時間が来たら徐々に森の方まで後退し、次発隊と交代しろ。
その後は十分に休息を取り、次の出陣に備えるんだ。
[それは号令というより、副隊長へ向けての方針指示のようだった。
それを受けた副隊長は、疑問を浮かべた顔で問い返す]
『隊長は? 何かされるおつもりで?』
俺はまだ動ける者を少数連れて、盾兵の方に助力してくる。
例の騎兵小隊が西に回った、動きを崩されるかもしれない。
[その言葉に、副隊長は面食らった顔をした]
『しかし、隊長だってそろそろ交代時間のはずでしょう?』
大丈夫だ、まだ動ける!
……ゼファー軍はずっと戦い続けてるんだ、やってできないことはないだろう。
[あちらは鍛え方が違う、とは勿論承知の上だ。
不安げな副隊長を納得させるため、少しだけ表情を和らげる]
何もフルで戦い続けようってわけじゃない。
盾兵が上手く抑えになってるのを確認したら、俺も退くつもりだ。
少し遅刻するくらいなら、ギデオン様も大目に見てくださるだろう。
[その言葉に、副隊長は『絶対ですからね!?』と念押しした。
彼が隊員への号令をかけ始めたのを見ながら、セルウィンはまだ体力の残っていそうな兵を10名ほど選んで、隊後方を回り西側の盾部隊の方向へ急いだ。
もっとも騎兵と比べれば、遥かに遅い速度ではあるだろう**]
− 回想 −
[ 新元首の人となりを確認すべく、ゼファーへ表敬訪問に行った時のことだ。
あちらでも、歓迎の宴をひらいてもてなしてくれた。
食卓に並べられた食事は、木の実や蒸し肉など、噛みごたえのありそうなものが多く、これは日常的に顎が鍛えられるだろうな、などと分析したものだ。
プラメージであれば、どの土地の小麦である等と説明されるところ、ゼファーでは「誰が狩った鹿である」といった紹介がなされていたのもお国柄であろう。
誰かと乾杯をしたい場合、王国では、相手に捧げる祝辞や詩の朗読があって、相手も戯曲や古典を引用して返礼するのがゆかしいとされているが、ゼファーでは相手の名を呼ぶや、空の杯を投げつけていた。
鉄製だから当たれば相当、痛いはずだ。それを悠然とキャッチして、給仕の少年兵に酒を注がせて干す、というのがゼファー方式だった。
もっとも、文弱な王国の徒を驚かせようとして、仕組まれた悪戯だった可能性はある。]
間違って、杯ではなく肉切りナイフを投げてしまったりは?
[ 隣の席の新元首に訊ねたのは、老婆心からではなかった。*]
― 回想 ―
[元首に選ばれてからほどなく、王国の使者がゼファーを訪れた。
元首就任を祝いにとの連絡は事前に受け取っていたから、こちらも歓迎すべく盛大な宴をひらくことにした。
とはいえゼファーの宴には歌も踊りもなければ女の影もない。
ひたすら飲んで食べて、政治や軍事の話をするだけだ。
興が乗れば即興でレスリングや剣戟が始まるし、大乱闘になることもある。
が、王国の流儀に合わせる必要は感じなかったので、普段の宴を通した。]
[現れたのは女と見まごう程の長い髪と整った顔立ちの人物で、あいつは男として役に立つのかなどと下卑た噂も飛び交うこととなった。
だが一見嫋やかな言動と印象に反して、烈火のごとき熱情と鋭く長い刃を秘めているという見立ては、当時元首になり損ねた男>>0:44と同じだった。
その一端が垣間見えたのは、宴も進み、無礼講となり、あちこちで杯が飛び交い始めたころだ。
王弟の問いは、単純な好奇心からとも思えた。>>235
だがその奥に、国を負った矜持と意地のようなものを感じた。
なるほど。試そうというつもりか。
挑まれて逃げるのは、ゼファーの流儀ではない。]
酔ってくると、無い、とは言えない。
だが怪我人はめったに出ないな。
良かったら、試してみるといい。
[肉切りナイフを押しやりつつ、正面に座る男を指す。]
/*
えーと。
・南側は元首殿とカレル隊がぶつかってて
・北西方面の盾兵隊に向けてミヒャエルが走ってて
・それをセルウィンがおっかけてる
・今メインでぶつかってる子らは、じりっと後退する方向
ね、よし、おけー。
さて、どう動くとえげつないかねぇ(ぇ
― 平原西側 ―
[「たいちょー!後ろから追ってくる!」
仲間の警告に振り返れば、敵の部隊の中から小部隊が分かれて、明らかにこちらに向かってくるのが見える。]
うえー。挟みうちとかされたらやだな。
でも向こう徒歩だしこっち馬だろ?
なんとかなる!
[力強くも根拠無しに宣言して、当初の目標へ向かう。
ちょっと引っ掻き回して帰るだけなら大丈夫、と思っていた。*]
― 平原 ―
さて、ここからどう動くかねぇ。
[馬上から見回す範囲から得られる情報は限られる。
さてどうしたものか、と思うところに駆け寄る気配]
おう、ご苦労さん!
……て、いやいや目まぐるしいねぇ。
[伝えられた状況>>218に、やや大げさに息を吐く。
南に元首が当たるのは予想通り、ならばそちらに向けた軽歩もこちらに向けるか、と思案は巡る]
ん、わかった。
……攪乱の引き時は、見誤るなよ?
[連携を崩しに行く>>219、という声に頷き返した後、同行する小隊長の目礼に頼むよ、と小さく返して]
さて……北の森に新手の可能性、ね。
はーん、そゆこと。
数で一気に攻め切るんじゃなくて、数でこちらを参らせるとか、そーゆー感じ?
まあ、それもありよねー。
[敵陣の動きを見やりつつ、もらす呟きは楽し気な響きを帯びる]
……やれやれ。
甘く見られたもんだねぇ。
ん……?
[再び対する部隊を見やれば、少数がどこかへ抜けていくよう。>>234
そして、前線からは特に動きがいい、と見ていた兵の姿が消えている]
おやおや、これは。
[恐らくは、ミヒャエルの隊を追っていったのだろうが]
自分が抜けても維持できる、って思ったんだろうけど。
……それはそれで、読みが甘くないかなぁ。
[南の戦端が開いた辺りから、敵兵の動きには僅かながら乱れが生じている。
その状況で、特に手練れているものが欠ければ相応、壁は薄くなる。
ならばこちらは]
……方針変更。
遠慮せず、蹂躙しろ。
森の奥まで追いかける必要はないが、下がる前に可能な限り潰せ。
[なされたのは、森の中にも伏兵がいるというならこの前衛に手間をかけるのは時間と体力の無駄、という判断]
こっちの持続力をなめてかかられちゃあ、たまんないからねぇ。
……戦うために鍛えてきたものの在り方、しっかり見せてやってこい。
[低い命に、おう、と声が返る。
南に対し防衛していた隊も北の戦線へと戻り、軽歩兵隊による戦線の押し上げが始まった。*]
/*
今、やる気はあるけど暇なので灰が量産されるタイミングです。
王国の子たちみんな可愛い。若いっていいよねってフェリクスと一緒にしみじみしそう。
怖いおっさん連中が相手でごめんね、ほんとに。って気分になる。
/*
いまさー。全力で罠に引っかかるぞ!って気分なの。
(叢雲でやれ)
やー。叢雲をミヒャエル君にしたのはちょっと失敗だったよね。あの小部隊じゃ、罠に引っかかっても面白みがない。
もっとがっつり部隊動かせる設定にしておくんだった。
― 平原西側 ―
『おい、誰か南の方から抜けて来るぞ!』
[後方より増援で送られて来た盾兵部隊。
敵の先鋒を抑えるのがその役目と聞いていたが、それより速い速度で30騎ほどの隊が迫って来る>>219]
『遠距離隊の方を攻撃したって奴か?』
『聞いてたのより数が多いが……』
[しかし率いる小隊長の姿は聞いていた特徴と一致している]
『人数は関係ない! 列を乱さず前進するんだ!』
[盾兵部隊200に対し敵30。あちらも本気で隊を壊滅させる意志はないだろう。
槍を主とする相手に揃って盾を構えて応じる。
そこに、別方向から友軍の小隊が駆け付けた]
大丈夫か!
『セルウィン隊長! あっちの隊は……』
そろそろ次の隊と交代する。
こっからは盾部隊の援護だ。陣地まで抜けられたら流石に困る。
[前進速度が遅かったのは体力維持のためと承知している。
そこは咎めることなく、引っ掻き回す動きの騎兵小隊>>239に対応しようとするが]
『ま、待った! あっち……!』
[連れて来た精鋭の一人に腕を叩かれ、元来た方を指差される。
そこで見えたのは――先よりも明らかに前進している敵軽歩兵隊と、蹂躙と呼ぶに相応しい速度で減らされていく自部隊の兵の姿>>243]
くそっ……。やられた、そうか……。
[元々、自分と精鋭兵だけでぎりぎり維持していた戦線だったのだ。
下がって次の隊に任せる間なら、とは思っていたが、本気で潰す気で来た相手に持ち堪えられるものではなかった。
その次発隊の存在が知らされたことで、敵の方針に変化が生じていたとは考慮の外である]
『どうします? 今からでもあちらに戻りますか?』
…………!
[唇が破れるほど、歯噛みして考える。
これは完全に自分のミスだ。どうやっても言い訳出来ない。
しかし、更に移動の時間分手を空かせて、それで損害を減らせるか]
このまま、あっちの戦場に追いつく所まで前進する。
悪いが少しだけ速度を上げてくれ。
出来る限り援護はする。
[焦れる思いと後悔に耐えながら、盾部隊に随伴する形で前進した。
盾部隊の両側に軽歩兵が並び、敵からの攻撃があれば、耐える盾兵たちの横から飛び出して攻撃に加わった。
その間にも遠目には、後退が間に合わず打ち倒されていく自軍の兵が幾人も見えていた*]
/*
お。追い抜かれた?
あっちの盾小隊はベリアンが動かすものと思っていたけれどそういうものでもないのか。
んー。どうしようかな。
― 平原南 ―
[槍衾に対しても怯むことなく押し込んでくる鉄の集団>>226。
恐怖というものを微塵も見せぬその姿は圧倒的な物量としてカレル達に襲い掛かった。
その物量をまともに受けた軽歩兵達は押し込まれ、槍に突き刺されながらも後方へと下がり行く。
刺され倒れた者を助けるのもままならず、下がり行く様は押し込まれていると言っても過言ではなかった。
ただ一つだけ、目論見があることだけは除いて]
っ、 退避!
[最前列にゼファーの重装歩兵を指示する者がいることを目端に捉えつつ、軽歩兵に対して声を張る。
バラバラと、隊列が崩れるようにして軽歩兵らは盾兵を避けその後ろへと下がり行く。
突き出される重装歩兵の槍を捌きながら引いた者の中には捌ききれず槍に倒れる者もいただろう。
包囲しようとしていたゼファーの軽歩兵に阻まれ地に沈んだ者も少なくない]
[そうしてゼファー兵の前に現れるのは、壁のように並んだ盾兵達。
30人程が一塊となって前後にズレながら横に広がっていた。
場所によっては盾兵を避けながら先へ進めそうな部分もある。
通常布陣する横陣にしては奇妙な配置だった]
目標、頭!
[相手の動きに関わらず、義勇兵が布製の簡易投石具を頭の上で振り回し始める。
居並ぶ盾兵の上から覗き込むようにしながら、振り回していた者をゼファー兵に向けて放った。
飛んでいくのは石、ではなく、乾いた砂や土。
目潰しを狙ってのものだった]
(あの勢いなら泥地に突っ込んではくれそうだな)
[こちらを踏み潰さん勢いで前進してくる、獣の如き動き。
あの装備で泥地に嵌れば、勢いを削げると見てはいるのだが]
(……罠すら踏み抜いて行きそうな勢いだ)
[迫力に気圧されそんなことを思う。
そうなれば、後は下がるより他はない。
そこまで考えて、頭をふるりと振った]
皆、アレの用意しといて。
[アレ、とは予め作っておいたボーラのこと。
下がるにせよ、反撃するにせよ、相手の足並みを崩すことは必要だと考えてのことだった]
皆、アレの用意しといて。
[アレ、とは予め作っておいたボーラのこと。
下がるにせよ、反撃するにせよ、相手の足並みを崩すことは必要だと考えてのことだった。
義勇兵達は一様に縄の両端に石を括ったものを手に取る]
やはり、彼か。
[ はっきりと目視出来る位置まで近づけば、燃えるような赤い髪に神官めいた布を被る、一際目立つ姿は見間違えようもない。>>212
詩人が見たなら華炎纏う美しき闘神とでも例えるだろうか?
生憎と、男は詩心とは縁遠く、深い信仰も持ち合わせてはいなかったけれど、それでも、一瞬、息を飲むほどに、それは戦場の中に異なる光の花を咲かせたような、現実離れした美しさだった。 ]
[ゼファー兵が泥地に嵌り動きを鈍らせるなら、盾兵の脇から軽歩兵が槍で突き刺す手はずになっている。
盾兵が途切れる両端には弓兵も配置され、進撃するゼファー兵に今も射かけ続けていた]
(厳しい環境下での訓練の結果がこれ、なんだね)
[手強い、と過去に聞いた話>>224を思い出しながら戦況の変化を待った*]
― 回想 ―
政敵を、余興のどさくさに紛れて暗殺しようとする野心家だと、王国に喧伝でもしたいのか?
[ そんなものは叔父一人で沢山だ。という本音はコエにも乗せなかったが、恐らく、カナンには伝わっただろう。 ]
/*
人数差があるならもっと頑張れるけど、人数すら負けてるからね!?
押し込まれないはずがない死ぬwwwww
[まだ死ねません]
― 回想 ―
[ かつての新元首主催の宴の最中、飛び交う盃に王国の使者が疑問を口にしたのは>>235ある意味至極当然の成り行きだった。カナンがその問いに何を思ったかは、コエで問わずとも丸分かりだったが、常の通り素知らぬ顔で立ち上がり、王の代理人に、軽く頭を下げた。]
どうぞ、ご遠慮なく。
[ 一瞬交わした視線に、覚えたのは、奇妙な安堵。
これは危険な男だ。だからこそ、今は決して的を外しはしないだろう、と。* ]
― 平原西側 ―
[いくらなんでも正面から特攻するのはまずい、のは分かっていたので、さらに南側に大きく逸れて回り込むルートを取った。
上手くいけば向こうの真後ろから仕掛けられる想定。
でもちょっとずれたから、だいたい真横くらい。
「たいちょー。むこう合流してる。」と仲間の指摘に目を凝らせば、むこうを出てきた時に追いかけてきた連中が、まさに合流しているところ>>244]
うわー。追いついてきたのかよまじか。
でも挟み撃ちされなかったからいいか。
[「よくないでしょ」「人数増えたよ」と騒がしい仲間の隣で、ついて来てくれた古株の隊長率いる面々は、若いなぁの顔をしている。]
いいから、仕掛けるよっ!
[号令すれば、応!との返事と共に、雰囲気が引き締まった。]
いっけぇ!!
[初手は、疾走する馬上からの投げ槍だ。
馬上で身体を安定させなきゃいけないこれがこの距離でできるのは、自分と、あと数人くらいしかいない。
一番目立つ奴を狙おうと決めていた。あの、後からきてなにか指示飛ばしてるヤツ。
飛ぶ槍のあとを追って走る。
距離が近づけばさらに何本かの投げ槍が飛んだ。]
一撃!離脱!
[号令で各人が槍を振るう。
一度ぶつかったら、そのまま足を止めずに西側へ駆け抜けるつもりだった。*]
/*
義勇兵の配分、100〜200でも良かったな。
海の方どれだけ連れてったろ。
海は案内人程度の計算で出してた(
今の配分だと多分案内人しかいない隊がどっかにいるぞ…!
[ 海から、王国兵が、軍船に取り付き、舵や船体を破壊せんとして居ることを見つけた漕ぎ手達は、櫂を槍に持ち替えて、彼らを船から突き落とそうと奮戦する。>>213結果として、炎に、殆ど帆を破られ、漕ぎ手を減らした軍船の船足は鈍ることになっていた。 ]
[ 新元首の言によれば、彼が先の元首選挙の対抗馬だったのだ。
接戦であったということと、対立候補はもうひとりの元首の甥、という情報は事前に掴んでいた。
ここで自分に何をさせようと企んでいる?
ドメスティックな駆け引きに利用されたかもしれないと頭のどこかで感じているけれど、
こういうのは、嫌いじゃない。]
[ あまつさえ、彼は律儀に承諾を伝えに来た。
この近い距離からで? とは思ったけれど、顔には出さない。]
── それでは、バルタ・ザール将軍の幸運を願って。
[ 穏やかでもよく通る声でその名を呼ぶや、ナイフを投擲する。
軽いスナップで放ったように見えようが、その軌道は心臓を狙ったものだ。*]
― 平原西側 ―
[急報が齎される少し前。
南側側面から、騎兵小隊が姿を現した>>255。
がやがやと騒がしい小隊の様子は、厳格な軍事国家の兵らしくないと思えた。
しかしその自由さがこの行動力を生むのだろう]
――来るか。
[若き小隊長の号令で、一気に雰囲気が締まるのを感じた。
その構える槍の先は――こちらに向いている]
[疾走する馬の速度に投擲の速度を乗せて、槍が飛んで来る>>256。
馬上にありながら狙いは正確で、胴のどこかには確実に当たる位置。
盾で防ぐことも考えたが、取り回し出来る軽さを重視した盾では容易に貫かれるだろう]
はっ!
[大きく横合いに飛んで交わす。
敵の接近は止まらず、その後も何度も投げ槍が飛ぶ。
そして]
来るぞ! 構えろ――!
[号令に続いて、一斉に振り下ろされる敵の槍。
盾隊は盾を頭上に掲げることで応じるが]
待て! 止まれ!!
[西側に抜ける気配を感じたセルウィンは、進路を阻むように半歩騎兵の側に踏み出した。
しかし、馬の勢いの前に身を投げ出すわけにもいかない。
振り払うような槍の一撃が、右肩の辺りを掠め通り過ぎていった]
抜かれたか……。
[援護に加わったにも関わらず、思うような効果は上げられなかった。
気落ちするセルウィンに、『追いますか?』と軽歩隊の方から声が掛かる]
いや、馬相手にこれ以上は無理だろう。
後方を守る部隊に任せるしかない。
それより――
[盾隊の前進を優先する、と口にするより早く。
まさにそれどころではない事態>>243が飛び込んでくるのだった*]
― 平原 ―
さて、と。
新手が合流する前に、今いるのはひき潰したい所だが。
[如何に練度差があろうと、やはり、数の差は大きい。
現状は歩兵を温存している状態だが、西からの新手がくればそちらに相応を割く必要があるだろう]
……本陣強襲用は、ちっとはとっときたいが、ま、状況だな。
[北の森にいるという伏兵が、どれだけの数か。
それが見えていないのは、やや痛い]
とりあえず、西からのの合流は、ミヒャエルが遅らせてくれるだろうから、もうちょっとは余裕あるかな。
[言いつつ、ここまで下げていた槍を握りなおす]
……北からの新手が来たら、軽歩は一度後退。
騎兵は西へ向けて展開ね。
森ん中にいるって事は、騎馬は多分いないでしょ。
……北からの新手は、俺らが直に蹂躙するよ。
[薄い笑みと共に告げられた方針に、その場に戦慄が走った。
「やばい」「大将がやる気出した」「……死んだな」なんて囁きが風に散ったが、身内に以外には届くまい。*]
[泥に嵌って動けなくなった兵は肩を組み、肉の橋を作り出す。
後続の者はそれを乗り越えて進み、先で沼に落ちたものはまた道を伸ばした。
同胞の肉体を持って沼地を踏み越え、部隊は再び敵兵を押し潰すべく進み始める。*]
― 回想 ―
[ この酒席には、もう一人の元首である叔父も招かれて同席していたが、年若い者が集まる新元首からは少し離れて、長老達と歓談していた。
それでも、成り行きの不穏さにざわめくこちらの様子に気づいていないとは思えなかったが、彼が口を挟む気配はない。
甥の無事を確信して...ではなく、うっかり王国の使者が手を滑らせてでもくれれば面倒が減るとでも考えているだろうとは、男と、恐らくはカナンだけが知る話だ。 ]
[ 手慣れた様子で鋭いナイフを握った赤毛の麗人の手が動くと同時>>260男は手にしていた酒杯を、胸の前へと、掬い上げるように動かす。
カシャン、と、酒をかき混ぜるような音が鳴り、男はそのまま、乾杯の仕草で酒杯をマドラーよろしく刺さっているナイフごと眼前に掲げた。 ]
ギデオン・エルギーノス殿下の御息災を祝して。
[ そのまま、鉄の味のする酒を、一息に飲み干す。冷たく冴えた青灰の瞳の中には、何の感情も浮かんではいなかったが、丁寧な一礼は、まぎれもなく、己に刃を放った男への敬意を表していた。** ]
― 平原西側 ―
[向こうの盾兵と軽歩兵の部隊に一撃を食らわせた後、一度西へ抜け、蛇がのたくるように反転して今度は相手の北側からの攻撃を試みる。>>262
何度もやればそりゃあ危ないことは知っているけれど、二・三回なら大丈夫だろう。
自分の役目は、できる限りこの部隊に纏わりついて進ませないことだ。
それにしても、あいつ良い動きしてたなぁと、内心で舌を巻いていた。
自慢じゃないが、投げ槍で仕留めそこなったことは数えるほどしかない。あれを躱した運動能力と反射神経は、ゼファーの男でもなかなかいるものじゃない。
あいつがもっかい来たら、まともにやり合うしかないかもな、という予感がした。]
よし、もう一度だ!
一撃!離脱!
[再び接近と攻撃を試みる。今度は投げ槍は無しだ。
ボールが弾むように、相手の北西から攻めて、北東に抜けるルートを目論んでいた。*]
/*
纏わりついて到着を遅らせる。
=ちょっかいをかけて、むこうのナカノヒトの手数を消費する。
(直接攻撃だ!)
/*
一連の回想な、ほんと君ら、何遊んでくれてんねん、と俺は言いたい。とても言いたい。
これもう既にフラグだろう?
/*
やば……盛大に読み違えた……。
ロール全書き換えっていうか、ガンガン戦況悪くする方向した見えねぇんすけど……(自分が悪い)
― 平原西 ―
[急報を受けて行軍を急ぎたいところだが、纏わりつくような騎兵の動きはそれを許さなかった。
西へ抜けた騎兵隊>>272は反転する動きを見せる。
本陣まで抜けるのは読み違いだったか、とは思うが]
……好き勝手やらせてなるものか。
軽歩隊、後ろへ回れ!
[敵が来ると思しき方向へ、自隊の兵を集中させる。
無傷で走り回られるばかりでは、それこそ自分たちの来た意味がない]
盾兵は防御!
軽歩隊、構え――!
[実際には真後ろではなく、北西から相手は来た>>273。
蹄の音が聞こえる方向へ回り込みつつ、馬の駆けて来る方角へ各々槍や剣を振り下ろした。
長槍ではないその攻撃が、確実に当たるかはわからなかったが*]
/*
フェリクスさんの方どうしよう。
もうNPC相手に蹂躙してもらうしかない気がしてきた。
そもそも盾隊をNPC描写のみで切り抜けなかった私の失敗なんだが。
普通に中の人のミスって感じがして辛い…。
― 回想 ―
この猫の顔した虎は、そんな単純な男でもないだろう。
向こうがそう思うならそれで、たいした相手じゃないってことだ。
[しれっと答えたあと、一拍の間が落ちる。]
…それもお前が無事だったおかげだな。
今度、なにか奢る。
[若干の謝罪と安堵の念がコエに漏れた。]
― 平原南 ―
[強靭な肉体を持つ者とは言え、足場を崩されれば動きが鈍るだろうと言う想定は合っていた。
だが、強靭な肉体を持つ故に攻略する方法があるとまでは見抜けなかった]
「げっ、仲間を足場にして…!」
そうくるかっ…!
[ただ一人の、剣だけの指示>>267で動く部隊にも目を瞠るものがあるが、それ以上に驚いたのは泥地への対処法>>268だ。
鋭く上がった声に対する反応も迅速で、みるみるうちに泥地に人の橋>>269が出来上がる]
「怯むな、足場を狙え!」
[軽歩兵を纏める隊長が声を上げる。
泥地を利用することや目潰しを行う義勇兵に感化されたか。
相手が精強な軍であるために形振り構わぬ手を講じた、とも言えようか。
仲間を踏み進んでくるゼファー兵を攻撃する者と、再度足場を崩すために橋を構成するゼファー兵を攻撃する者に別れ、その場に踏み止まる手に出た]
[カレルは後方で仲間数名に抱え上げられ、高い位置から戦況を見遣る]
凄いな……まるで一つの獣だ。
[密集隊形進むゼファー軍は、一つの長大な生き物のように見えた。
これをただ一人の指示で動くよう訓練するには如何ほどの時間を要するのだろう。
並外れた軍であることを改めて知らされた]
「感心してる場合じゃねーだろっ、どうする?」
別隊が来るまで何とか凌ぎたいところだけど……。
[下からの突っ込みを受けつつ、視線を一度北と西の方へと向ける。
北は未だ砂煙が舞い、戦闘が続いているのが見て取れた。
あちらはそろそろ交代の時間だろう。
ただ、ここからでは詳しい戦況は見通せない。
西の本陣は今のところ何もなく、その手前辺りで小さな砂煙が見えるだけ。
足の速いゼファー兵でもいたのだろうか、砂煙の位置が大きく移動しないことから、本陣へ向かっているわけではないことだけは知れた]
[そうして、後方となる南にも視線を向ける。
背後には川があり、川幅が狭まった箇所には橋も設置されている。
川の南側まで引き、橋を落としてあちらの出方を見る方法もあるが、果たしてそこまで食らいついてくるのかどうか]
僕らを踏み潰しに来てるなら、あるいは。
[追ってくるかもしれない。
視線を前に戻し、ゼファー兵の指揮官らしき人物へと目を凝らす。
罠をものともせず進んでくる、豪胆な人物を見極めようとしてのことだった*]
― 平原 ―
[隊長が救援に向かった途端、ゼファー軍の動きが明らかに変わった。
精鋭でどうにか持っていた前線は、彼らを欠いた際にあっさりと崩れた]
『どうして、後は退くだけだったんじゃあ……』
『目論見が見破られたのかもしれん。
それとも……そもそもの実力差がこれだけあったのか……』
[もはや抵抗は捨てて多くが逃げに徹しているが、冷徹なる敵はそれを見逃しはしなかった。
状況に勘付いた北の伏兵は、予定よりも早く前進を始めているだろう。
しかしそれも、酷薄なる敵将>>265相手にどれだけ抵抗できるかはわからない*]
/*
う、ふ。
さすがに川まで行くのは、己の距離感的に無理ー。
ちょっと、なんか、罠があったから乗ってみたけれど、そこまでは許してw
貴官の冷徹をとかすには、自分はまだ未熟なようだ。
[ 将軍にも、礼儀正しく目礼する。]
国に持ち帰るよい土産話ができたことは確かです。
このひとときに感謝します。
― 回想 ―
[ どうやら余興は成功を見たようで、和やかな交歓の様子に戻った、新元首と王国の使者の間で、ダシにされた男を更に餌にするような会話が繰り広げられるのを>>278男は眉ひとつ動かさずに聞いていた。 ]
いずれ機会があれば。
[ 使節として訪問するという意味なのか、王国へ鞍替えするという意味なのか、微妙に濁して口にしたのは、決して意趣返しではない......多分。* ]
[ お近づきのしるしにと、指先で摘めるほどの黒曜石の
貴官の肺活量があれば、きっとよい音が出せるでしょう。
投石ではなくて、楽器ですこれ。
[ 念をおしておくのは忘れない。
…同じ石の一部を用い、再び彼に狙いを定める日が来ることを、この時はまだ知る由もなかった。*]
― 平原西 ―
[二度目の攻撃は、軽歩兵の槍や剣に迎え撃たれた。
一度目で相手は既に慣れたのか、二度目の攻撃では傷を受けるものが続出する。
仲間の一人が馬の足を斬られて落馬するのを目にしたとき、思わず馬を反転させていた。]
来いっ!乗れっ!
[地面で呻く彼に振り下ろされる槍を払い、馬から飛び降りて彼を馬の背に押し上げる。
馬は彼を乗せたまま槍を躱し、他の仲間を追って駆けて行った。
これで大丈夫と安心したところで、はっと周囲を見る。]
― 平原西 ―
[盾兵より前に軽歩兵を配した陣は功を奏した。
30騎の内幾らかが傷を負い、落馬者も出る>>288。
それで一喜一憂することもなく次なる動きを警戒していたが、予想外のことが起きた]
お前……。
[隊のリーダーと思しき青年が馬を飛び下り、落馬して呻く兵士を代わりに馬上へ上げたのだ。
後にはその青年だけが残される>>289]
…………。
[槍を振り回しながら後退する青年。
周囲の軽歩隊が一斉に彼へ武器を向けるが]
いい! ここは前進が優先だろう!
[仲間に手を振って先へ進むように促す。
自身はその場に残り、油断なく青年へ短槍を向けた]
――さて。
[本音を言えば、自身も少しでも先を急ぎたかった。
退く素振りがあればそれ以上追わないつもりで、青年の動向を観察する*]
― 回想 ―
彼が虎だというのは同意するが、お前は他国からの評判を少しは気にしろ。
たいした相手でなかろうが、お前が侮られるのは、俺が侮られるのと同じだ。
[ お前と同等に戦えるのは俺だけなのだから、と、続ける前に、落ちる一拍の間......声音を僅かに変え、落とされた言葉に、小さく息を吐いた。 ]
奢るなら肝を冷やしたお前の信奉者達にしろ。俺は、あの程度の事で、お前に借りを作られる程、惰弱じゃない。
[ 殊更に冷めた声を返してから、小さく笑う。 ]
お前が自分を的にと言い出していたら、その場で殴り倒してやったがな。
[ 結局はそういうことだ。と、言葉の裏の想いが、その響きの柔らかさに乗るのは無意識のうち* ]
/*
ミヒャはねこみちさんかなー。
背後も叢雲用意してはいたんだけど、風邪引いたりなんだりで余裕なさそう、ってなってしまって諦めたのでした。
元気がないと2IDは出来なくなったなぁ。
/*
キャラチップはRKエリオットを予定してた。
兵役1年目の若造。
こっちも末端でわちゃわちゃするやつだったね。
小隊長くらいは出来たかも。
― 過去 ―
お前はどうしてそう、落ち着きがないんだ。それで先輩面なぞ、良く出来たな?
[ 危険にも一切怯まぬカナンは怪我も多く、いつの間にか、その度に説教めいた言葉を吐きながら応急手当てをするのは男の役目のようになっていた。 ]
お前を倒すのは俺なんだ、くだらん怪我で命を落とされては困る。
[ 付け加える文句は、少々苦しい言い訳に近くなっていたものの、本音であることは間違いない。 ]
[ 苦しくはあるが、楽しくもあった、と、振り返れば思う、その日々が様相を変えたのは、父...バルタ・ザールが戦死し、母が後を追うように亡くなった時だ。
本来であれば、成人までの次期当主の後見となる筈だった母を失い、叔父が当主代理として、その権を握った。 ]
「私がお前の母を毒殺したなどと噂する者もいるが、女を手に掛けるほど恥知らずではない。無論、お前が望むなら、いつでも当主の座は譲ろう」
[ 父母の葬儀の場で、そう告げてきた叔父に、男は「それには及びません」と答えた。 ]
私は未だ若輩で未熟です。いずれ妻を娶り、当主としての責を果たせるようになったと、叔父上が認めてくださる時が来るまで、研鑽に励みます。
[ そう答えなければ、おそらく自分は成人するまで生きられない。
それを判断できてしまうだけの知恵が、男にはあったのだ。 ]
[ その時から、表情を変えることも稀になった男が、顔色を変えたのは、カナンが遭難したと聞いた時、そして、新元首の候補としてカナンと男の名が並べて噂されるようになった頃、叔父からカナンへの激励の酒を渡すようにと言付けられた時だ。 ]
カナン、くれぐれも叔父上には気を許すな。
[ 自分はカナンには疎まれているから、贈答などは渡しても突き返されるのがオチだ、と、毒入りの酒は叔父に返したが、それで諦める相手ではない、と、カナンに改めて注意を促したのも記憶に新しい。 ]
[ わざわざ芝居掛かった毒味を始めたのもその頃だ。いつ叔父に毒殺されるか知れない、と、毒に体を慣らして来たことが、こんな形で役立つとは思わなかったが、それを望外の幸運だと、男が思っているのは確かだった。** ]
― 東海岸 ―
[ 炎の中、視線を敵船に向けた男は、かつて感じた安堵とは似て非なる、明確な危険の予感に目を細める。
果たして、しなやかなる美神の手から放たれた黒曜の矢は、過たず男の喉を貫く軌道で熱風を裂いた。>>216 ]
『閣下!!』
退け!
[ 身を投げ出し庇おうとした兵を、槍の一振りで跳ね飛ばし、同時に身に届く寸前に鉄の盾で矢を払う。
石の鏃は鉄に砕かれながら、破片となって男の眼前に飛び散り、その一片が、兜の下の額を掠めて小さな切り傷を作る。 ]
......っ!
[ その傷から感じる熱と痺れに、男は顔を顰め、低く喉を震わせて笑った。 ]
毒か...まったくもって、油断ならないな。
[ 常ならぬ痛みは感じる、けれど、男の体も視線も揺るがない。 ]
― 平原西 ―
[一斉に向けられた武器の数に、ヤバいな、死んだ…と思ったが、それを止めるヤツがいた。さっき、投げ槍で仕留めそこなったヤツだ。
他の連中が指示に従ったから、アイツが隊長なのかと思う。
若いな。オレと同じくらいじゃね?
まさか一騎打ちか?と思ったが、違うらしい。]
ミヒャエルだ。
オマエは?
[観察してくる様子に、つい名乗りを上げていた。*]
/*
距離感な。
ホントは僕ももっとかかるよなぁ、って思ってはいたんだ、けど。
島の端から端まで、馬で1日ってなってたし。
会敵するまでは移動時間描写してないだけ、って出来るんだけどね…。
再三森に移動するとか描写してたからそう思われちゃったかなぁ。
勢いで書くといけない。
矢を放て!!
[ 男の号令に従って、弓兵が番える矢は鉄の鏃、そしてその軸には油をたっぷり染み込ませた布が幾重にも巻き付けられている。 ]
火樽を投げろ!
[ 続いての命は、油入りの樽を、木材を支柱とした羽板の一方に乗せて、反対の端を叩く事で、敵船向かって投擲するる合図。
樽の箍は緩めてあり、上手く届けば、中味を一面にぶちまけ、後を追って放たれる火矢の炎を、先に撃ち込まれた油布付きの矢との相乗で拡げる算段。
矢数を費やすことの出来ないゼファーが、効率的に、敵船に炎の返礼をする為の秘策だが、十分に近付けたとは言いがたい距離だ。ゼファー兵の鍛えた腕をもってしても、どれ程の数が届くかは分からない。 ]
─ プラメージ王国野営地 ─
[平原西側への援護の派遣を決めた懸念は正しかったと、件の部隊からの伝令を聞き思う。
だが、正解だったかは分からないと浮かんだのは、更なる疑念が生じたから。
確かにゼファーは戦に長けている。
騎兵の進行速度は歩兵のそれとはくらべものにもならぬだろう、だが]
(想定よりも、早い)
[交戦位置が、予測よりもこちらの拠点に近く在る。
中央辺りまでは進軍出来るかと思っていたのだが、これは]
あちらは最初から総力戦の構え、か。
[流石に拠点の護りは残してあるだろうが、こちらが波状攻撃を主体とした持久戦を狙うよに、ゼファーは早期の決着を狙っている可能性は考えて然るべき。
この場合、自分がゼファーの参謀ならばまず狙うのは、敵の本丸]
マチス殿の隊を呼び戻して下さい。
こちらの守りを固めてほしい。
[だからこそ、それに備える為に出陣した部隊の中、防衛戦を得意とする隊長を呼び戻すことにした。
いざとなれば拠点を捨てる選択もあるが、それは今ではない。
既に交戦している部隊を捨て駒とするわけにも、まだ行かないが]
…南から迂回した部隊に伝令を回しても、間に合うか。
― 平原 ―
数の利を生かし、複数にわけた部隊で寄せては引いての波状攻撃を仕掛ける……策としては、悪くなかったけど。
[崩れていく前線の様子>>283に、小さく呟く]
それだけの大掛かりをやるんなら、指揮官がその場でしっかりしてないと、ねぇ。
[今の前線には、あの特にいい動きをしていた者の姿がない。
彼が離脱してから動きが変わった感もある。
ならば、指揮官はそこだったのだろう、というのは読めた]
なぁんで、離れちまったんだか。
[そこに至る思考の変遷は知る由ない。
ある程度の予想はできるが、それは今考えても詮無い些末な事]
よっし……軽歩、一時後退!
前線の維持は、俺らが請け負う。
騎兵半数は西に向けて展開。
……いつでも駆け出せるようにしとけよ!
[攪乱に向かったミヒャエルが戻った、という報せは今の所ない。
無茶してなきゃいいが、という呟きは心の内に落として]
……んじゃあ、ちったあやる気出すか!
[宣と共に、騎兵が動く。
軽歩と入れ替わるように直属部隊含めた騎兵半数が前線に立ち、残りが西へと展開する。
下がった軽歩兵も、被害を相応受けているのは見て取れた。
もっとも、『動けるならば戦闘を継続する』、というのが当たり前になっているが故に、それを表に出すような事はないのだが]
中々どーして。
やってくれるよねぇ。
[初手の奇襲、今の攻防。致命ではないが、痛手は受けている。
そこまでやってくるのなら、やる気を出さないのは礼を欠く……という思考は。
敵にとっては、迷惑なものかもしれない。*]
[懸念が正しければ、下手に兵を回してもまるごと蹂躙されるだけだろう。
更なる援護を頼むならば1000を超える兵を一度に向ける必要があり、それが適うかどうかは机上では判り得ない。
>>206更に届いた伝令に、更に懸念を裏付けられた心持になる]
構いません。
前もって言ってある通り、裁量は任せていますので。
土地勘のある彼らのことだ。
いざとなれば森の中、紛れて戦線を離れることも出来るでしょう。
[王国兵はともかく、義勇兵がゼファーの兵を目の当たりにして尚戦意を保ち続けられるかは未知。
いざとなれば逃げることもあろう、それも考えには入っている。
それでも尚戦う意志がある者がいるならば上々だが、どれ位残るものだろうか。
陸から幾つも届く報告にそんなことを考えながら、海を行くギィはどうなっているだろうとほんの少しだけ思いを馳せた*]
[ その間にも、男を狙った矢の雨は、燃える軍船に降り注ぎ続けていたが、その殆どは鉄の壁、或いは肉体そのものまで壁として立ち塞がる歩兵によって阻まれる。 ]
小舟を下ろせ!
[ 自らの代わりに矢を受けた歩兵の数が50を超えた頃、漸く投げる樽が底をついたと見ると、男はすでに沈みゆくのみの軍船からの離脱を兵達に命ずる。
降りたところで、王国兵との交戦になる可能性も高いが、それならば、一兵でも多く敵兵を倒そうと本能で動くのがゼファーの兵士だ。問題はない。 ]
― 平原西 ―
[逃げるか、それとも斬りかかってくるか。
どちらかを予想して警戒もしていたが、名乗りを上げる相手>>293を見て、やや虚を衝かれたように瞬いた]
……セルウィンだ。
セルウィン・アルニム。
[同い年くらい、だろうか。
しかし、鍛錬の差もあろうが、それ以上に場慣れを感じる]
どうした?
互いに、悠長に立ち止まっている場合ではないと思うが。
[槍は下ろさぬまま、真意を窺うように相手を眺めた*]
/*
すまない、すまない
めっちゃ寝てたほんとすまない
直接的にはどことも交戦してないからまだよかったけど、ミヒャエルとか折角盾兵部隊の方に回してくれたのにほんとすまない
そしてどうしようなコレゼファー強いと思ってたけどほんと強いな
ギィへのお返事もたくさんあるしマジでごめんなんとかお返しは全部、したい…!!!
― 平原南 ― >>280
[橋となっている兵たちは、無論動けない。
だが戦えぬというわけではない。
ゼファーの兵は"ただで死ぬな、死ぬなら戦え"と叩き込まれているのだ。
両端になった兵は空いている手で盾を構え、仲間と己の身を護る。
盾の隙間からは、余力のあるものが槍を突き出した。とはいえほとんどめくら打ちだ。多少の牽制にしかならないだろう。
一方で橋を渡る者達は、高さの利を得て上から槍を打ちおろす。勢いのついた槍は、常以上の破壊力を持つだろう。もっとも、足元まで盾で守るのは難しいから、これも諸刃の剣だ。
本隊を援護するべく、両側面で遊弋していた軽歩兵を投入する。
隊列を組まず、散開して進む軽歩兵は左右にそれぞれ100程度。本隊を側面から攻撃している敵軽歩兵と、乱戦に持ち込むことを狙う。敵味方が入り乱れれば、矢も飛ばしづらくなるだろうと狙って。]
― 平原西 ―
セルウィンか。
さっきのオマエ、すげぇいい動きだった。
[いいものはいい、と告げずにはいられない性格だった。攻撃ではなく槍を振り、名乗り合った相手をぴしりと指す。]
次はオレがオマエの首を取る。
だから、次会う時まで―――
「たいちょー!」「死ぬな馬鹿たいちょー!」
[言葉の途中で仲間が二騎駆け戻ってきて、ミヒャエルの手をそれぞれ引っ掴む。当然、二頭の間にぶら下げられながら、叫んだ。]
死ぬなよーーー!!!
[敵将に向かってそれはどうなのか、という言葉だったが、素直な本心なのだった。*]
― 平原西 ―
……そうか。
[言われた言葉>>305に瞬いた後。
咄嗟に礼の言葉も出ず、ややぽかんとしたような声が漏れる]
ミヒャエル、お前もな。
それほど軽々と馬を乗りこなす奴を、俺は知らない。
[こちらも相手の名を受け取り、感嘆の言葉をひとつ。
あいての宣言と、それに被さるかのような仲間の言葉に、ほんの少しだけ表情が緩んだ]
ああ、
[敵でありながら、それは本心からの叫びに聞こえた。
だからそれに、小さく頷いて]
[ だが、火矢は次々と飛んできた。
そして、思いも掛けない重量物までが宙を舞ってくる。
いくつかは海に落ちて派手な水柱を作ったが、甲板で砕けた樽は、一瞬で周囲を油で染めかえた。
その上を、炎が走る。]
──っ!
[ これまでゼファーが積極的に火矢を放ってこなかったのは、この秘密兵器があったからなのだと思い知らされた。
兵たちが砂をかけて消火に務めるが、砂が油を吸ってしまうため、効果は低い。
今度こそ命がけで海に飛び込む者もいる。
ギデオンは目を細め、布で口元を覆った。]
[ 旗艦の危機に、他のゼファー船の動向を伺っていた残り3隻が半円を描いて戻ってくる。
すでに火の回っていたゼファー船が沈むばかりになっていたのは王国側にとって幸いだった。
1隻が、小舟に矢を射かけ、牽制している間に、2隻が旗艦の救援にあたる。
火の回り始めた旗艦との間にロープや板を渡し、乗組員を避難させた。
海に落ちた者も可能な範囲で拾い上げてゆく。
自力で岸へと泳いでいく者もいた。
内心はどうであれ、慌てず船を移ったギデオンは被っていた布を背に落とし、白皙をあらわにする。]
このまま旗艦を曳航して岸に向かえ。
せっかくいただいた火だ。残りのゼファー船に届けてやろう。
ベリアン、
ゼファーの船は、バルタ・ザール将軍が指揮をとっていた。
戦闘中に見失ってしまったが、船と運命を共にした、ということはないと思う。
ロマンには流されない男だろうから。
自分は、引き続き海にいるが、余力があればゼファーの拠点まで攻めたいところだな。
[ 叶うなら、燃える軍船を王国軍の船にぶつけて白兵戦に持ち込み、王弟の首まで狙いたい所だったが、数の差ばかりではない敵のしぶとさ、搦め手と力技を縦横に使う多様な作戦の巧みさに、その意図は挫かれた形だ。 ]
...だが、これで終わりじゃない。
[ ずきずきと、毒受けた額の傷が絶え間ない痛みと熱を齎すが、男は、最後まで甲板の上に立っていた。
軍船一艘は完全に犠牲にした形だが、未だ後陣に三艘の船は、ほぼ無傷で残る。味方の屍を文字通り乗り越えてでも、戦い続けるのがゼファーの戦士だ。 ]
― 平原西 ―
[相手の呟きが聞こえるほどいい耳だったら違ったのだろうが、清々しいような気分で他の仲間たちと合流した。>>307
散々怒られまくったけれど、それも生きているからこそだ。
ずいぶんと負傷者も増えて、このまま隊として動くのは難しい。]
一旦、本隊に合流するか。
[方針を決めれば、古株さんも賛同する。
「そろそろ隊長の我慢も限界だろうからな」という言葉の真意は、一年しかフェリクスの下にいなかった自分にはわからなかったけれど。]
よし。全力で下がるぞ!
[おお、と声が上がり、小隊は本隊戻るべく東へと駆けた。**]
火でも、毒でも、俺は止められないぞ、「慣れて」いるからな。
[ 二十数年、誰より熱い炎と競い合い、身内の送り込む毒を躱してきたのだから、と。そんな呟きは、敵将に届きはしないだろうが ]
[ ふと、思い立って、男は懐深く隠すように持つ黒曜石の笛を引き出した。
男が奏でられる曲は一つきり、ゼファーでも祭りの折には演奏される戦神を讃える歌の一節だけだ。
以前の宴の折にも、その曲だけは披露されたから、もしかすると王弟も覚えているかもしれない。 ]
ふ...
[ 覚えていたからといって、何がどうなるわけでもない。
けれど、何故か、そうしたいと、求める心のまま、男は黒く光る石笛を炎の只中で吹き鳴らし、やがて海へと身を投じた** ]
― 平原 ―
[盾兵の進んだ先では、既に新たな動きが生じていた。
態勢を立て直した騎兵が、こちらへ向けて進軍している。
追い付いたセルウィンは、盾兵両側の精鋭兵と頷きあった。
既に心は決まっているという確認だった]
[盾兵と騎兵がぶつかる直前に、軽歩兵隊は護衛を外れた。
元々自分たちがいなくても彼らの役割は決まっていたのだ、戦況が変化したにしろここは任せるべき場面だろう]
─ 平原西側・盾兵部隊 隊長 ─
[盾兵部隊が合流したのは遠戦を主体とする者ばかり。
近接を主とする者たちは敵を押さえている最中だろうとは読めて。
彼らが対峙している部隊の目立った者、切れる指揮官の存在や血気盛んな小隊長の話などを聞いている間に先行隊の隊長がこちらに合流した運びとなって。
現状は好転したかと瞬時思いもしたのだが、>>219彼らよりも早く姿を見せた敵の騎兵小隊の存在と。
なにより、彼らが来た後方から、少しの間の後齎される>>243事態にそれは間違いだと悟る]
『……隊長殿。
兵を死なせない事ではない、己が死なぬことこそ最良の指揮官だ。
我々が遣わされたのも、その為だ』
[同じく隊を率いる同士。
歯噛みする様に声をかけはしたが、気休め程度にもなれたかどうか。
だが今はこれ以上言葉を続ける余裕もない、>>256騎兵小隊の相手もせねばならないのだから]
[敵の軽歩兵隊は既に後退し、前線は再び騎兵に入れ替わっていた>>298。
既に森に程近い所まで前線は迫っている]
…………!
[ここまで来ると、地面に倒れた幾つもの影がよく見えた。
兵役に入った当初から共に訓練してきた同期も。
訓練中に同じ飯を食べながら談笑した義勇兵も。
血と泥に塗れ転がっているその顔まで、はっきりと見えた]
[既に自軍は第二陣に入れ替わっているだろうが、戦況は芳しくない。
初発隊が早くに崩れた影響は明白だった]
『構え、盾!!』
[>>262セルウィンと重なるように号令をかけ、投げ槍から己の、他者の身を守る。
鉄の得物を完全に遮るなど出来ず、受けきれなかった盾は欠けたり貫かれたりもありはしたが。
こちらを殲滅する為の動きでは無かったからか、止めを刺されるには至らなかった。
むしろ、こちらに精鋭が揃っていたからか二度目の打ち合いではこちらの方が優位にも見えて。
だがまさか、馬から下りて一人残る者が出るとはこれまでの経験でも無いことだった]
――これ以上は。
[自分が冷静さを欠いていることはわかっていた。
それでも、このまま平然と合流して隊長面をすることなんて出来なかった]
これ以上は、やらせるものか!
[精鋭部隊を率いて、敵の横合い目掛けて駆け出す。
敵本隊まで槍を届かせられるかはわからない。
それでも、無謀を承知で駆ける以外になかった**]
― 平原南 ―
[足場となったゼファー兵>>303を狙うも、彼らは盾を構えており槍の穂先を弾く。
何度も繰り返し突けば貫ける可能性もあるが、時間だけが消費されていくのは目に見えている。
ただ、足場の兵を狙う心算が逸れて進軍してくる兵の足を引っ掛ける時があるのは僥倖、かもしれない]
[仲間を足場にして進んでくるゼファー兵の槍の威力は凄まじい。
高さによる利だけでなく、その一撃そのものが重いのだ。
その槍に対しては盾兵が盾を翳し何とか防ごうとするも、何度も打ち込まれるとその耐久度は格段に落ちる。
貫かれる盾兵も少なからずいた]
「三歩退避!」
[軽歩兵の隊長は敢えて盾兵を後ろに下がらせた。
全体的に三歩下がれば、ゼファー兵も地面に足がつき、高さの利は減らせると考えてのこと]
[しかしそこにゼファーの軽歩兵が切り込んできた。
盾兵が並ぶ両端に差し込んできた彼らに対し、こちらの軽歩兵が応戦する。
その分、陣の左右から重歩兵に対する攻撃は減り、弓兵も下がらざるを得なくなった。
敵味方が入り乱れるために射撃もままならない。
それでも、射る機会を伺うようにし、弓を構えるのは止めなかった。
時折、味方から離れたゼファー兵へ矢が飛ぶ]
[一方で、カレルは仲間に抱えられたまま相手の指揮官を見詰めていた。
記憶に残る顔が重なる]
え………カナン?
[あの時よりも精悍な顔つきになっているが、面影は残っている。
呟きを落とすような声に、下から「どうした?」と声をかけられたが、返す余裕はなかった。
その指揮官の声>>304がカレルを指し示したからだ]
うわっ!?
[矢が飛んでくるような鋭い声に体勢を崩し、後ろへと倒れ込む。
落下の危機は下で支えていた仲間達の手によって防がれた。
飛んできたのが矢でなくて良かったと思う]
よくねぇ!
[自分の感想に突っ込みを入れつつ立ち上がった]
拙い、こっち来る。
「マジかよ、森まで逃げるか?」
でもそれだと軍人さん達が。
「馬鹿、お前が狙われてんだよ!」
「そうだよ、他に構うな、って言ってたぞ」
[その言葉通りに、盾兵の両端にいたゼファーの軽歩兵がこちらへ抜けてこようとしている。
今は味方の軽歩兵が応対しているが、重歩兵達まで動き出せば彼らだけでは止め切れないだろう]
[川や森へ誘い込んで反撃する作戦は別隊が到着したらの話。
時間をかけて引き込んで行う心算だったから、現状では取れない策だ。
ただ逃げるだけならこちらの方が身軽なのだから、逃げ切れる可能性はなくもない、けれど]
…………、
[キッ、と迫るゼファー兵の方を見遣る]
カナン! 話をさせろ!!
[戦場の音に負けないように声を張り上げた。
逃げるのは簡単だ。
ベリアンは逃げてもいいと言った]
[けれど]
[故郷を取り戻すため、逃げたくはなかった]
[相手の指揮官を呼び捨てたこと、戦場において対話を望んだこと。
それに対してどんな反応があっただろう。
軽くあしらわれてしまうなら、今度こそ完全な退避の体を晒すことになるだろう**]
[唯一残った敵に味方が一斉に得物を向ける。
だが、>>291前進を優先という隊長に、こちらは異論は無いと盾だけ構えたまま頷きを返した]
『それでは、先に進みます。
盾が使い物にならなくなった者は後方に下がるように』
[配下に声掛けはしたが、幸か不幸か全壊は避けられたらしい。
そして前進を始めたというのに、肝心の隊長が敵と対峙したままなのは用心の為か、とも思ったが。
後方から吹いてきた風が届けた、互いに名乗り合う声に。
その誠実さが命取りにならなければよいが、と。
どちらにとも言えない懸念を、内心のみに落とした*]
やはり、生き延びたか。
[ 喜んではいけないのだろう。戦の趨勢を考えれば、やっかいだと思う気持ちも確かにある。
それでも、わずかに笑みが浮かんでしまうのはどうしようもない。
二度、殺し損ねた相手。]
三度目は、ないことを祈るよ。
/*
最初の激突で100は減ってても良いかな……。
弓と義勇兵はほぼ無傷なので、もっと減ってもいいかも。
軽歩兵めっちゃ頑張ってもらってるし。
盾兵は50くらい減る。
退避戦で義勇兵だけ逃げ切るとかどうですかね???(
[損害考えるのがめんどくさくなったやつ]
/*
NPCばっか動かすのもどーかなーって思うけど持久戦狙ってる以上指揮官が全員前出るのは現実的に無いよねってゆージレンマ。
他のNPCも動かすべきであろうなぁと思いつつ、難しい所であるのよな。
PC動かんままでNPCばっか動かすのもどうよってゆー(重複)
キャパと動きの引き出し少ないのが悲しいなぁ。
カナン、お前を出し抜き損ねたようだ。
まだ、勝負はついていない、と、思いたい所だが。やはり、あの虎は強いな。
[ 炎揺れる海から、届くコエは、僅かに沈む。弱音ともとれる内容は、この男には珍しいものだったろう。
耐性があるとはいえ、身に回った毒が、いくらか気を弱らせているのかもしれない。 ]
だが、お前を無敵にするつもりはない。
お前が、戻るまでには片付けておくさ。
[ けれど、最後の宣は、常の如く...いや、常より明るい調子で告げられた。
だから必ず戻れ、とは、やはり言葉にしないまま。** ]
/*
セルウィンと、ミヒャエルが、めっかわだなーと思いつつ、二人とも落ちる予定なんだなーと、悲しむそんな夜。
んで、すげーなカレルwここで敵の大将口説きにいくかー、そうかー。
― 平原 ―
[西に展開した騎兵隊から、敵影発見の報が届く]
……そっちは任せる。
[返す命は、端的なもの。
男の意識は、北の森から現れた敵の第二陣へと向いていた]
さて、今度はどこまで粘る気かな?
[口の端上げて、漏らす呟きの温度は低い。
普段はやる気なく、戦場に至ってもどこか緩い雰囲気を残す男らしからぬ様子――と。
本性を知らぬ者の目にはそう見えようか。
対する敵にとっては、ここまでの戦況とも相まって酷薄さだけが目に付くのだろうが]
……と、お?
[前線に立ち、槍の一撃を敵兵へと繰り出した直後。
気迫の籠った叫びが耳に届いた。>>319]
おや、戻ってきた、か。
[こちらへ向けて真っ直ぐ駆ける部隊。
その姿に目を細めたのち、馬首をそちらに向けた]
阻む必要はない、
[迎え討たんとする兵を制して声を上げる]
……久しぶりにやる気引っ張り出してくれた指揮官に、敬意を表するのは当然だろ?
[遠目に見ても、いい動きをしていた若者と、直接見えたいのだと。
さらり、告げる様子に副官はやれやれ、と息を吐く。
「こーなると、止まんないんだから」という愚痴は当然、聞き流し。
槍を構えて、駆けてくる姿を待ち受ける。**]
[>>=22届いた”声”は、いつもの軽口。
余裕を崩さぬ様は、すぐにも駆けつけぬ場に在る今なんとも心強い。
>>=23耳に届く状況を考えれば楽観などできようもないが]
そうか。
なら、俺が案ずる必要も無いな。
[懐に入られた己自身が証人だとばかり、軽い”声”で応じた]
─ 過去 ─
[今まで人前で発したことのない感情は、もう抑えなどきかなくて。
目の前、顔を合わせたばかりの相手に向ける”声”の違いにも気付かぬまま、ただ感情のままに言葉を投げる。
近付いてくる気配に気付きはしても、退くことは逃げるような気がして、身動ぎせぬままにただ、泣き続けて。
頬にその感触が触れるまで、目の前の相手が何を成そうとしたかも、為したかも知ろうとすらしなかった。
だから]
……なに、したんだ。
[それが何だったか、想像はついていたけれど。
こんなことをされるなど考えてすらいなかったから、疑問を投げた後]
俺は、女じゃないぞ。
[分かり切ったことを告げて、けれどもう涙は流れることなく相手を見据え]
ティノス。
お前は俺の、翼だと言ったな。
だがな、その言葉を俺はまだ受け入れられん。
俺にとってお前は、突然現れただけの得体のしれん奴でしかない。
だから、お前が俺の翼だというのなら。
俺にお前を、理解させろ。
お前も俺を理解ってみせろ。
お前が俺の翼なら、俺はお前の手足だろう。
[年不相応なリアリズムは、目の前の少年を即座に受け入れる事は難しく。
けれど、掲げた条件は受け入れることを前提としたものだという矛盾は無意識の為したもの**]
[ギィの”声”は、いつでもギィの心のままに投げられる。
それは互いの状況の把握など出来ぬ>>=27遠くの地にある時も変わらないのだから、今のように密接な報告を要する状況などは当然で。
けれど、先の報から随分と間が空いていたから何事かあったか、とは思いはしていたのだが]
ザール将軍……例の酒杯の御仁か。
お前のことだから心配は要らないと思っているが…
あまり欲はかくなよ。
ゼファーとて折角取った領地に築いた拠点だ、何も用心していない訳ではなかろうしな。
[己がゼファーに足を運んだ事はなくとも、ギィが見聞きしたものは己の知識ともなるものだ。
彼の国の宴での一件だけでも油断ならぬと分かる相手と対峙したという友に、忠告の言を投げた**]
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