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美しく月の昇る晩、君は自らの本当の姿を知った。
智恵を絞り、活路を開く勇気。
人狼を見抜き、妖異を滅ぼす力。
死者の声を現世に届ける異能。
頼りなく怯える人々を守る技。
互いの正体を知覚し合う絆。
自らの胸を裂いても仕うるべき主。
赤く染まる牙――長い咆哮。
さぁ、どうする?
まずは何から始めよう?
どうやらこの中には、村人が9名、人狼が1名いるようだ。
語り手 が「時間を進める」を選択しました
次なる訓練内容はこうだ。
【 mission2 ダッシュ 】
・訓練生は教官に捕まらないようにすること
・24時間逃げ切る or 24時間以内に教官が指定するアイテムを奪取したらミッションクリア
※1dは72時間あります。村内時間経過は自由配分です。
※教官は奪取標的を指示してください
− 野営地 / 夜明け −
[時計ではなくフェリクスの声と手に起こされる。>>0:171
夜明けを迎えた森は鳥たちの囀りでいっそうの賑わいを見せていた。
フェリクスは眠れたのだろうか。
同じ夢を見たりしてないだろうか。
ゆっくり夢を反芻する間もなく、訓練の続きを促される。]
…おはよう。
[声が掠れたのは不機嫌だからではなく、水分が足りていないせい。
温かいミルクティーが欲しい。
自分が軍を指揮する際には、兵站は決してないがしろにしないぞ、と心に決めた。]
― 野営地 ―
へへー、でしょう。
サバイバル前提の島なら、
肉魚以外にもあるとは思ってたんだ。
あ、串は装備外っていうか…
持ってきた枝の代わりってことで使わせてね。
[>>0:165感心したような声にはやや喜んだような声で応えながら、作業に入る。>>0:169ちょっとは手伝え、と言わなかったのは単純にこういう作業が好きだったからだろう。ちなみに枝に断りを入れたのは、万一の中毒防止の為である。枝が毒を持つという種もあるからだ。]
ん。
[毒味には簡素な相槌を打ちながら火の番をする。
身振りにはぐっと親指を立てる事で返しながら。]
[魚や芋が焼けるとこちらも手に取り、もくもくと食べ始める。
向かいにオズワルドを据えて、魚を食べたり芋を齧ったりしていると、今度は士官学校時代の事も思い出して何となく笑ってしまった。指摘されたら、昔の思い出やら暇つぶしがてらに話すのだろう。
そうして食事を終えれば早々に就寝する準備をする最中、>>0:172指摘にはぎくりと固まった。]
う、ぐっ…。
[それはそうなのだが、あえて避けていた所でもあって。改めて言われると言葉を詰まらせる。嫌だ。というのがありありと顔に出ていたが、教官の言う事はもっともでもあり…。]
わ、わかったわよ… っ、オズ教官!
[名前を短く呼ぶのは怒った時と決まっている。
今回もそう呼ぶと、さっさとテントに入りかけて。]
あっ、火の番は半分ずつだからね!
[そこは譲らないとでもいう様に言って、もう一度テントに入りこみ。睡眠を交代しながら、滞りなく朝を迎える事となるか*]
[狼避けに使っていた小枝を撤収して燃料にすることにする。
すると、簡易バリケードが少し崩れているのに気づいた。
夜中にフェリクスがまたいで出かけたのかもしれないと思ったけれど、枝先にひっかかった毛は狼のもののように思われた。]
──…
[指先につまんで、ポケットにいれておく。]
[芋をシェラカップの中で潰してクッキー風に焼いてみたけれど、食事を作るのにも昨日ほど気合いが入らなかった。
身体が怠い。]
あまり食欲がない。
[フェリクスに全部差し出して自分はいらないと告げ、岩にもたれる。
火の始末をしたら出かけるつもりだ。
今日のうちに宿舎につけるなら、保温シートといったかさばるものはここに置いていってしまおうと思う。
もったいないという概念からは遠い世界で育っていた。]
― 野営地 / 夜明け ―
[眠りの園から帰還したミヒャエルは、幾分動きが鈍いように思われた。
寝起きの不調ではなく、体調が芳しくないせいだと顔色に察しておきながら、まだ指摘はしないでおく。
昨日の宣言通りに芋は潰して焼いていたけれども、せっかく作ったそれをいらないと言って全て差し出してきた。
ずいぶんとこたえているように見える。]
食べないともたないぞ。
サービスだ。少しは口に入れておけ。
[散策途中に確保しておいた山葡萄をひと房、投げて寄越した。]
[火の始末をしたのち、すぐに出発しようとするミヒャエルを引き止める。]
野営の痕跡は丁寧に消していけ。
作戦行動中なら、敵に発見される危険があるぞ。
[保温シートもちゃんと持っていくようにと指示する。
もったいない精神ではないが、残していっていいものでもなかった。]
[こと、保温シートなどというものは放置しておいても土には帰らない。
土地の狼たちの縄張りを荒らさないのも仁義というものだ。
ミヒャエルの体調不良は心配ではあったが、命に関わるほどではないと見ていた。
途中で倒れたならば、自分が抱えて連れていけばいい。
完全な狼へと変じて背に乗せていけば速いけれども、まだ正体を見せるような段階でもないだろう。]
[野営の跡地を均して痕跡を無くしたのち、出発する。
ミヒャエルの後ろを黙ってついていくのは昨日と同じだったが、様子を窺う視線は昨日よりも頻繁に投げかけた。]**
[向けられた視線に身動ぎをして>>136、半身を覆うように右手で左の二の腕を掴む。
変に警戒するのも、却って意識してしまっているようで笑い飛ばす振りをした。]
――そうですね。
機会があれば、どうぞ。
[そうして両手を解いて、軽く受け入れる姿勢を取ってみせる。
揶揄われているよりも、流れに身を任せた方が上策なのだ。きっと。
先に自身が口にした言葉を彼が重ねれば>>137、興味を示すように眉尻を上げて微笑う。]
では、訓練を無事終えられたら。
手料理と呼べるものを、一つ教えて下さい。
[そこで会話を終わらせ、撮影の許可が下りたことに目許を綻ばせる。
水と本日分の食料を調達がてら、島を見て巡ることにしよう。
そう思い立つと早速テントへと向かった。]
[到着が遅かった分、自由時間と言ってもそれほど余裕はないだろう。
時期に、日が暮れ、夜が更ける。
設営と食料調達だけの今日は、おそらく島への移動を兼ねた予行練習のようなものだろう。
本番は、きっと明日からだ――。*]
[軽口はセルウィンにより軽くあしらわれる。
いつもの事、と思うのに、その前に見せた仕草>>10ひとつに
少しくらいは気にしてくれているのだろうかと微かな期待を懐く。
相手を一挙一動を気に留めるのは生業のせいだが
ささやかな言動のひとつに心が動かされるのは私情ゆえ。]
ああ、勿論。
これがデートの誘いならもっと嬉しいんだけどね。
[茶目っ気たっぷりな笑顔でまた軽口を重ねる。
自由時間を経て、簡単な食事を共にとり、
彼が設営したテントで夜を過ごす。
見所のある候補生が相手とあり、
ひとつめの課題は滞りなく済むこととなる。*]
[口の中の水分まで奪い取られそうな芋クッキーの礼というわけでもないだろうが、フェリクスは山葡萄をくれた。
まだ瑞々しい。>>7
夜中に見つけるのは至難の色だから、明け方に摘んで来たのだろうと思う。
眠っていて気づけなかったのは不覚だ。
不揃いなサイズの実は甘いものも酸いものも混ざっていたが、ミヒャエルは指先が染まるのも構わず口に運ぶ。
身体が生き返るようだ。
半分食べたところでフェリクスの様子を伺ったが寄越せとは言われなかったので、一房食べてしまう。]
助かった…。 感謝する。
[恵んでもらったのが恥ずかしくて俯きがちになる。
それでも礼は言った。]
/*
そして未来安価にしてしまった失礼。
そうだ、日付変わってたんだった。
さてさて、どうしようかな。
訓練生側としてどこまで振ればいいんだろう…?
[意欲の戻ってきたところで、野営の痕跡を残すなと指導を受ける。>>8
実際の隠潜入作戦なら火も焚かない方がいいのだろう。
木の枝を使って地面をならし、落ち葉を被せておく。
地図とコンパスを使っておおよその現在位置を確認した。
昼食確保に時間をとられるより休みなしで歩き続けてしまおうと考える。]
出発する。
[強いて胸を張って踏み出すのだった。**]
くくっ―――すげえ、嫌々って感じ。
これから数日の任務で、どれくらい「教官」呼びが定着するか、見ものだな。
[促しに応じてはくれたものの。
怒り雑じりの呼び方>>5を聞けば、思わず噴き出す。
感想を告げる声色に揶揄う時と同じ愉しげな色を滲ませながら、
薪代わりの木切れを数本、火に放り込んだ。]
…休んでいていいぞ。
別に任務だからとはいえ職権乱用する気はねェし、
今更襲ったりもしないから心配すんな。
[交代制の火の番は、先を務めることにする。
寝ておけという意図は伝わるか。]
オヤスミ。
[時折吹く風と木々の葉擦れの音。
小動物の移動音、火の粉爆ぜる音…それら以外が聞こえなくなると、自身の荷物から紙とペンを引っ張り出し簡単にメモを纏めておく。
帰還後に纏めなければならぬ報告書の材料。
出向中に仕上げてしまっても良いのだろうが、己は生憎、現場で書類のことを考えるのは苦手な性質だ。
必要事項だけ書き止めて、後は終わってからでよい。
―――数日間の任務。
問題を起こした己の相方役として
彼女を送り込むと決めた上官の意図は、掴めるようで掴めない。
わし、と後ろ髪を掻くと、丁度背の位置にある木の幹に身体を凭せかけた。**]
― 翌朝、野営地跡 ―
[無事に野営を経て、明けた朝。
天候も差して悪くはなさそうだ。
夜も十分なほどに睡眠を取ることが出来た。そう、予想以上に。
狭いテント内だと、少しばかり身構えてしまったことを恥ずかしく思う。
可愛いだの、デートだの言えど>>12、やはり戯れの一つなのだろう。
真に受けてしまいそうになったことに後悔を覚えながら、薄らと色付く頬を打ち消すように首を振り払った。
昨日調達した水で顔を洗い、身支度を整える。
何時しか、ソマリの姿も確認することが出来た。
先に起きていたのだろうか。]
おはようございます、教官。
今日の予定を教えていただけますか?
[朝の挨拶を済ませると共に、予定を確認する旨を告げる。
短い言葉を幾つか交わしたなら野営を片付ける手筈を整えた。*]
/*
大丈夫かな……中の人の事情を知ってるから…。
何事もなければいいけれど。
どうか無理しないで。
2ndミッションをどうするかわからないから、こちらからこれ以上進められないなぁ…
― 翌朝 ―
[意識しながらも口説き落としていない相手と共に過ごした夜。
なかなか寝付けず、無理に眠ろうとしたものの、早くに目が覚めてしまう。
セルウィンはちゃんと眠れたらしい。
寝顔を横目に見遣り、ずるいな、なんて思いながら小さく笑む。
音を立てぬようテントを抜け出し、明け切らぬ空を眺めて過ごした。
ややして、身支度を整えた彼からの挨拶>>17が聞こえ]
おはよう。
今日は、宿舎に移動してから二つ目のミッションだね。
……ああ、二人の方が早いだろう。
私も手伝うよ。
[野営の片付けをしようとする彼に声を掛けて、
手馴れた様子で一夜限りの狭い寝床を更地へと戻すものの、
最中、あくびを噛み殺していたのは隠し切れなかった。]
/*
これ宿舎ついてからは自炊しなくていいんだよ…ね?
ずっと自炊なのかなぁとかほやほや考えてしまっていたという…。
バンガローだしなぁ。。
― 野営地 ―
[噴きだすほど楽しそうな様子にこちらはむすっと睨んで、絶対終日教官つけてやると、よく解らない決意を胸に秘めて。見張り番折半には当然のように応じる様には、少し表情を緩めた。]
ありがと…って、
じゃあ教官呼びさせるんじゃないの!
[>>15乱用してるじゃないとむすっとしながら、襲うについては溜息一つ。]
はいはいそこは心配してませーん。
範疇外なのは解ってるし。
[オズワルドはたらしだけど、女を襲ったりするような奴じゃないし。
とは何となく言えずに心の中で呟いて。
意図は読めて、先にテントの中、寝袋に潜り込む。
寝つきは良く、程なく静かな呼吸だけがテントの中の音だった*]
[明け方、テントの中で報告書用のメモをいくつか書き終え出ると、最後に見張り番だったオズワルドの肩を揺り動かす。]
オズワルド、 …教官。
朝だよ、起きて。
片付けたら、早いところ移動しよ。
[さっそくうっかり忘れそうになった”教官”をかろうじてつけつつオズワルドを起こし、手早くテントなどを片付ける。早朝早い時間、オレンジを齧りながらの道のりは、存外早く宿舎の姿を見せるのだった**]
了解しました。
内容は……、宿舎へ行ってから確認しましょうか。
[ミッションと聞けば>>18、つい深く掘り下げようとしてしまう。
急きそうになる感情は表には出さず、探りを入れることを堪えて。
手伝いの申し出を耳にすれば、自然と笑みが零れた。]
ありがとうございます。
では、テントは俺…、
…いえ、私がやりますので、荷物の方を。
[ミッション前とあれば気持ちの切り替えが必要だ。
気が緩むとつい、俺と口にしてしまう。
この人の前だとままあることだから尚更だ。
人称を言い換えることで意識し、自覚するように自身を律すると、
テントを片付け、野営地を均していく。
不意に、教官に視線を向ければ欠伸が目に留まるだろうか。
珍しいその姿に、小首を傾ける。**]
あまり、眠れなかったのですか?
――…内容が気になるようだね。
それくらい私にも興味を持ってくれたらいいのに。
[訊ねかけた、その声>>22にセルウィンに笑い掛ける。
いつもの軽口ともとれる、けれど甘さを帯びた笑み。
申し出に対しての礼にゆるく首を振る。
笑みが見れたのが何より嬉しい、と
言葉にしたくなる衝動を堪えるのは
軽口の音色に染めきれないと知れるから。
一人称が変わったことに意識を切り替えたのだと気付き]
荷物の方だね。了解した。
[短く返事をする。
寝具、といっても寝袋だが、それを小さく畳み
枕元に置いてあった懐中電灯や武器などの備えをまとめる。
己の荷物とセルウィンの荷物の両方を担ぎ]
……、あ、ああ。
特別な訓練だから緊張してしまったかな。
[寝付けなかったのを認め、
悟られたことに淡く苦い笑みを漏らした。]
[テントの片付けが終わり、均された跡地を眺める。
野営の痕跡は出来る限り消したのを確認し]
さあ、出発しようか。
[一度地図を広げコンパスで方角を確かめて
セルウィンを促し宿舎のある方へと歩みだす。]
次の内容だけど、
[少し先を歩きながら、話し始める。]
私に捕まらないこと。
二十四時間以内に指定されたものを奪取する。
――…何を、というのは向こうについてからにしよう。
[自分がセルウィンを捕まえるか。
もしくは彼に指定した目標を奪われるかすれば終い。
手を抜く心算はないが、特別訓練においても優秀な成績を残すことが
彼が周囲の期待に応える術だとも思うから、
些か悩ましそうに眉を寄せる。**]
[山葡萄をミヒャエルが平らげるのを黙って見守る。
どことなく、餌付けしているような気分だ。
食べ終わった後の礼も、また可愛いものだと思う。
王族としての矜持と体の欲求との間で揺れる心。
義務と羞恥と真情のカクテル。]
構わないさ。
けど、もうサービスはしないからな。
[軽い調子で礼に答える。]
[指示通りに野営の跡を片付け、出発の宣言が為される。
順調にいけば夕方までには到着するだろう。
黙って頷き、再び彼の後ろを歩きだした。]
[夜の闇が深い中、たまに中をのぞき込めば眠れないのかごろごろとたまに動く子猫の身体。>>0:152
こういうのを見ていれば我が妹の事を思い出す。]
あぁ…そういえばこの訓練に参加してるんだっけか。
[女の子なのに、と反対した時期もあった。
だが頑固なのは親譲りなのか、そのまま兄と同じ道を進む妹。
ふ、と思い出し笑みを浮かべながら。
暗い闇夜の中、そっと煙草の煙を吹かした。*]
[完全に寝息が聞こえてくれば、携帯を取り出し動画を再生する。
昼間に子猫が全裸で戯れていた動画だ。
華奢なくせにしっかりとした身体つきの骨格。
嗚呼、堪らなく悦い。]
―――…ン、 は………ふ
[そんな美味しい胴がをオカズに、放出できなかった欲を吐き出そう。
こんないいお宝でヌけるなんて己は天国に居るみたいだ。
そんな衝動にかられながらも、後処理を終えればまた何事もなかったかのように朝まで火の番をしていた。*]
― 朝 ―
[テントからおずおずと出てくる子猫。>>0:173
嗚呼、眠れなかったのか。]
やぁおはようカレルくん。
……空元気はあまり身体にもよくないぞ?
ミッション内容は―――そうだな、とりあえず宿舎へ着いてからにしよう。
[テントを終い込み、火の処理をして。
それでも威勢のいい声を張り上げる子猫に苦笑しながら、
荷物を抱え込み、彼を連れながら目的地の宿舎へと歩き出そう。]
― 宿舎 ―
[宿舎へ到着すれば他の訓練生などはいただろうか。
我が妹の安否の確認もしたいところだ。]
さてカレルくん。
ミッション内容はそうだな……24時間の間俺から全力で逃げてもらおう。
捕まったら罰ゲームな。
[煙草を咥えながら腕を組み、にっこりとした笑みで告げる内容。
一見簡単に見えるミッション内容。
そう、普通だったら簡単なのかもしれない。
―――でも相手が悪い。
己は狙った獲物は二がした事はない。
それを知らぬ子猫が必死に逃げるのを想像すれば口元が緩んでしまう。]
荷物を部屋へと置いたら開始だ。
準備をしてきなさい。
[己は此処で待つ、と子猫に手を振った。*]
さてカレルくん、まぁ気になっているだろうから歩きながら説明しよう。
ミッション内容はそうだな……24時間の間俺から全力で逃げてもらおう。
捕まったら罰ゲームな。
[煙草を咥えながら腕を組み、にっこりとした笑みで告げる内容。
一見簡単に見えるミッション内容。
そう、普通だったら簡単なのかもしれない。
―――でも相手が悪い。
己は狙った獲物は二がした事はない。
それを知らぬ子猫が必死に逃げるのを想像すれば口元が緩んでしまう。]
荷物を部屋へと置いたら開始だ。
まぁ宿舎まではまだ時間はある。
今は目的地を目指して行こうか。*
/*
んー…宿舎ってプロの間にいかなきゃいけないんじゃなかったっけ?
宿舎に着くの夕方って あれ?
時系列が可笑しくなる
何が正しいんだ
[フェリクスは相変わらず余裕の態だった。
ミヒャエルを急かすでもなく、むろん遅れることもなく後をついてくる。見守られているのをひしひしと感じた。>>9>>26
これまでにも何人もの訓練生を受け入れて鍛えてきたのだろう。
フェリクスの記憶の中にだけいる彼らと比べられることを考えると、負けたくないという気持ちがこみ上げてくる。
それはフェリクスに認められたいという気持ちの裏返しであったが、自分でそうと認めるつもりはない。]
[歯を食いしばり、ほとんど休みもとらず歩き詰めた。
おかげでまだ日の高いうちに森を抜けられたが──ふと気の緩んだ矢先に踏んだ石が傾いて足を滑らせて転んでしまった。
少し足首を捻ったらしい。
宿舎まではそう遠くない、これくらい大丈夫だ、行けると自分に発破をかけたが、予想以上に消耗していて立ち上がることすら困難だった。]
っ、 …そう
[呻いて背嚢の上に突っ伏す。
少し休むだけだ。
こんな開けた場所にいたらいい的だとわかっていたけど。]
[>>28 結局朝までゲオルグに火の番を押し付けてしまった……。
なのに、どうして彼はこれほど元気なのだろうか。
不思議に思いながらも、交代できなかったことを詫びて彼の分も荷物を持って宿舎に向かう]
24時間……?
鬼ごっこですか。
[二人連れ立って歩きながら聞くその内容に、自然と眉根が寄る。>>29
にっこりと笑う彼はことさらシンプルに言っているが、地の利がない自分には不利だろう。
昨日歩いて覚えたエリアは、宿舎に向かって歩くことでどんどんと遠ざかっている。
しかも数時間ならともかく24時間は夜も含んでいて結構長い―――。]
難しいな…………
[小さくぽつりと漏らすその言葉は、匙を投げているからではなく、どうすれば勝てるかを考えているから]
わかりました。
今回のミッションは持ち込んだ装備はフル活用していいんでしょうか?
[彼から逃げ回ることに気を取られていて、他の害獣に襲われた、ではたまったものではない。
彼が言うところの罰ゲームは気になったが、それを受けるつもりはさらさらなかった*]
あぁそうだな、鬼ごっこだ。
そんな簡単に行くと思うなよ?
[なんせ相手は俺だ、なんて柔らかな笑みを浮かべて。
難しいっという相手に煙草の火を消す。]
そうだな、今回だけは許可してやろう。
ま、俺がすぐそばを追いかけて捕まえりゃ何の怖いものもないんだがな?
[逃げれるわけがないと鼻を鳴らす。>>32
逃げてみて己の怖さを身をもって体験すればいい。
まだそこまで危機感がないであろう子猫に向けて放つ言葉。]
勿論夜も含む、昨日みたいに暖かいテントの中で寝てると思うなよ?
[俺を相手に寝てられると思うな。
そう告げる様に一度足を止める。
何方かというと罰ゲームの方を心の中で盛大に期待している。
彼が持っていた己の荷物を片手に取り、ゆるりと宿舎へと向けて再び歩き出した。*]
― 宿舎 ―
[部屋に荷物を置いて、真っ先に装備を確認する。宿舎の設備がどういったものか余裕する確認すらない。
使い慣れた武器を確認し、軽い食糧や水分の補給も済ます。
今回は逃げているため、ほとんど飲まず食わず寝ずの三重苦になりそうだ]
何カウントの後に追いかけてくるんですか?
[足で逃げ切るか、隠れてやり過ごすか―――…
色々な状況を想定しながら、彼を振り返る。
逃げ切る自信はそれなりにあった。
単なる直線距離なら鍛えられたアスリートに劣るかもしれないが、頭を使った障害物競争…それは“あの人”のお墨付きだから]
じゃあ、行きます―――。
[駆け出しながら、そういえば、と、あることに気づく。
どうして自分が彼を追いかける、という課題ではなかったのだろう。
どうして自分が勝てたらご褒美、というものではなかったのだろう。
そこに彼の性質が覗き見えそうで、思わずぞっとして首を振った。
雑念を振り払うようにスピードを上げて、足場が悪い平地から隠れやすい森林内に方向を変えて]
ゲオルグさんが暗視スコープか、サーモグラフィカメラでも持ってたら、一発負けだよな…。
[それなら他の訓練生の中に紛れた方がいいのかも、と思いつつ、誰かとすれ違うかもな、と走り続けていた*]
隠れんぼや追いかけっこ……
こういう時は逃げる役の方が好きだ。
追い詰められて、ぞくぞくしながらも必死で逃げて。
自分は最後まで諦めないで抵抗するタイプだ。
大人になってからは、こういう遊びをしたことなかったから気付かなかった。
この感覚はエクスタシーに似ている――……*
[隠しきれなかった興味を掬われて苦笑を零す。>>23
纏めた荷を背負い、身支度を済ませたなら教官が纏めた荷を幾つかばかり手にした。
さりげなく言の葉の端に混ざる口説き文句に、少し躊躇いを見せるように俯き、唇を湿らせる。]
興味は…、ありますよ。
訓練に参加することを選んだのも、
貴方が教官だと知ったからです。
[言葉と共に投げかけた視線はすぐに逸らしてしまった。
だから、つい話を逸らすようにやや口早に二の句を告げてしまう。]
教官も、緊張するんですね。
今晩から宿舎のようですし、夜はゆっくり休んでください。
[いくら野営慣れしていようとも、軍人とてテントと屋根と壁がある場所とでは身体への負担も違うだろう。
それに昨日出した夜飯もやはり、余りいい出来のものではなかった、気がする。
少し申し訳なさを覚えながら、荷物を抱え直して、出発を促すソマリの後に続いた。]
[さくりさくりと土を踏んで、宿営地に向かう。
ミッションの話が始まれば、顔を上げてソマリを見つめた。
そのミッション内容に瞬きを繰り返す。]
教官に、追われるんですか?
奪取というのは――、
[そこまで話したところで教官の話が切り上げられたなら、意図を汲むように浅く頷き、自身もそれ以上話すことは控えた。
奪取というからには、機密情報に関する資料か何か、だろうか。
小型の記憶媒体?極秘資料?
紙媒体は?――処分しやすいものだから違うだろうか。
宿営地へと向かう道すがら、軽く目を伏せて思案を巡らせる。]
捕まらないように、指定のものを奪取しなければいけないんですね……。
[確認するように、ぽそり、と呟きを落とした。*]
[さくりさくりと土を踏んで、宿営地に向かう。
ミッションの話が始まれば、顔を上げてソマリを見つめた。
そのミッション内容に瞬きを繰り返す。]
教官に、追われるんですか?
奪取というのは――、
[そこまで話したところで教官の話が切り上げられたなら、意図を汲むように浅く頷き、自身もそれ以上話すことは控えた。
奪取というからには、機密情報に関する資料か何か、だろうか。
小型の記憶媒体?極秘資料?
紙媒体は?――処分しやすいものだから違うだろうか。
宿営地へと向かう道すがら、軽く目を伏せて思案を巡らせる。]
捕まらないように、指定のものを奪取しなければいけないんですね……。
[確認するように、ぽそり、と呟きを落とした。*]
― 宿舎 ―
[宿舎へ着けば己も部屋へと荷物を置き、それなりの準備を施し入口へと戻る。]
そうだな…10分。
逃げるには十分だろう?
[相変わらず絶やさぬ笑みを浮かべて、両の手を出し時間を現す。>>34
何カウント、だとあまりにも子猫が可哀想だ。
ものの数秒で捕まえてしまう。
何やら自信ありげな表情を浮かべる子猫を見れば思わず口元を緩ます。
そして己の目の前から駆け出す子猫。>>35
彼が己を追いかけるのはつまらない。
彼にご褒美――…は、勝てた時に考えてやろう。
そんな事を考えながら腕にある時計を見つめ、10分経つのを待とう。
その間に他の組とすれ違えば相変わらず笑みを浮かべて挨拶をして。]
―――さて、そろそろ行きますか。
[浮かべていた笑みは消え、戦闘モードになろうか。
戦場に情けは無用。
狙った獲物は――――逃がさない。
肩を回し、準備運動をすれば一気にスピードを上げて彼のいなくなった方角へと走り出した。*]
なぁに、本番は夜からさ。
[そんな誰にも聞こえぬ独り言を呟きながら走り出す。
何せ俺の頭の中はもう―――子猫でいっぱいだ。**]
[10分のハンデ。>>38
教官であるのサーチ能力がいかなるものか知らないから、決して甘く見たりはしない。
世の中には動物並の嗅覚や、視力を持つ人間だっているのだから。
瑣末な痕跡を頼りに追いかけられる可能性だってある。
自分は―――そういう人の存在を知っている。それに…]
自信があるから、こんなミッションにしたんだろうな…。
[人並み外れた体力に精神力。それと、洞察力の高さは一日一緒に過ごしていて、わかっている。
きっと夜目も利くのだろう。
一晩徹夜してもびくともしない強靭な体と、些細な自分の変化を見抜いた鋭い目に………暗闇の中で、自分の“落し物”を拾い上げて渡してきた目の良さ。そんなことから簡単に推察できる。
きっと彼は夜戦のプロだ]
今のうちに距離を稼いで……。
集中が切れないように、体力温存もしておかないと。
[夜に隠れられそうな場所をいくつか見つけておく。
見つかった場合の逃走経路を確保しながら、見つからないように周囲に気配を配るのを忘れない。
定石の裏をかいて、みつかりやすい開けた場所を走ったり、足跡が残る湿地帯をわざと走ったり。
そうしたのは、同様の訓練をしているだろう他の訓練兵に紛れるためだ*]
[すぐ後ろを、彼の息遣いが聞こえてきているようで、どきどきそわそわする。
夢の内容をいきなり思い出して、顔をパン!と強く叩いた]
―――集中しろよ。
[体が緊張状態になっているのがわかる。
正常な生理現象だが、人は「逃走」状態か「闘争」状態になった時に……興奮する]
まんますぎだろ。
[立場は逃げている方だけれど、精神的には「闘争」の方だ。
自分は、勝ちたいんだ。
だから、こうなっているんだ、と自分をなだめるように言い聞かせる*]
[セルウィンの言葉>>36に驚いたように目を瞠る。]
キミの口からそんな口説き文句が聞けるとは光栄だね。
……立候補した甲斐がある。
[候補生の名前を見た時、
上官である兄に任務に加えるよう頼み込んだ。
補佐役が離れることを些か渋ってはいたが
軍師を務めるグレイ家との縁を強固にする為、などと
私情を隠しそれらしい理由を連ね説き伏せた。
彼の視線が離れ、緩む口許。
労わるような言葉が掛かれば、
ふっと吐息に笑む気配が混ざる。]
夜までに済めばゆっくり休めるだろうけど
[どうかな、と思案げに首を傾ける。
短期決戦となるか、長期戦となるか。
どちらの可能性も十分に考えられることだった。]
[足音は二つ。
今のところ、近くに人は居ないようだった。
木の枝に止まる鳥の囀りが頭上から降り注ぐ。
周囲に気を遣り、獣の気配がないことを確かめての行軍。
――といっても現在は二人きりの部隊ではあるが。
セルウィンの声>>37に顔を向ければ瞬くのが見える。]
諜報活動の際、追われる可能性もある。
まあ、悟られることがないのが一番だが、
追われて逃げ切る力も、必要だからね。
[奪取する品について隠す必要もないが、
何処に置くかを説明するのは現地での方がスムーズだと判断しただけ。
逡巡するように目を伏せるセルウィンから視線を前に戻し]
ああ、その認識で間違いない。
……、ん、あれが今回の宿舎だな。
[進む先、木々の間にバンガローが見え、小さく息を吐く。**]
口説いたわけではありません…っ
[返答に>>41、かっと頬に熱が篭るのが分かる。
咄嗟に、首を背けてソマリの方から視線を外して]
……軍人として尊敬しているので、
見習いたいと思っただけです。
[伏せた瞳は足元へと落ちる。今は顔を見せる訳にはいかない。
いや、寧ろ見れない。
隣で笑う気配を感じれば尚更だった。
どうにも調子が狂う。
荷を抱え直しながら他所へと目を向けることで体面を取り繕った。
歩いて行く先には、幾つかの施設が見える。
今は目的地に着いたことに心底安堵を覚えた。
隣からも小さな安堵が聞こえれば、口元が緩んだ。>>42]
……想像ですが。
内部資料のようなものを持ち出すのであれば、
ある程度、追ってくる側の情報をこちらも持っているでしょうか。
その『追いかけっこ』は、いつから始まるんですか?
[宿営地の入り口へと差し掛かれば、浮かんだ疑問を口にする。
その様子はどこか、愉しげにも見えただろう。
訓練となると不思議と心が弾む。
いい結果を残すため、その瞳は強い光が宿っていた。*]
……想像ですが。
内部資料のようなものを持ち出すのであれば、
ある程度、追ってくる側の情報をこちらも持っているでしょうか。
その『追いかけっこ』は、いつから始まるんですか?
[宿営地の入り口へと差し掛かれば、浮かんだ疑問を口にする。
その様子はどこか、愉しげにも見えただろう。
訓練となると不思議と心が弾む。
いい結果を残すためにと内心意気込むその瞳には、強い光が宿っていた。*]
そんなに強く否定しなくてもいいのに。
[いつものように軽く流されるかと思ったが
セルウィンの咄嗟の反応>>43に笑みを零す。]
軍人としてそう評されるのも嬉しいものだね。
[それをいうのがセルウィンなら尚更のこと。
見習いたいと思われる存在で居る限りは
彼が離れてゆくこともないかもしれない。
視線をやれど、それが交わることもなく、
他の施設を見遣る横顔をちらと眺める。]
[目的の、宿泊施設の前まで行けば立ち止まり]
――…追ってくる側の情報は、
キミもある程度は知っているだろう?
[トントン、と自らの胸を軽く叩き、追跡者を示す。]
それともそれ以上の情報が欲しいのかな。
キミが聞きたいというなら、うっかり口を滑らせるかもね。
[相変わらずの調子で、笑みを湛える。
セルウィンもまたどことなく愉しそうに見えたのが>>44
ソマリの心を弾ませた。]
『追いかけっこ』の始まりは、
奪取する品とどの部屋に置いてあるかの発表後――…
そうだね、……セルウィン、キミはどれだけのハンデが欲しい?
[彼の教官となる男は余裕を漂わせ問い掛ける。*]
[さて考える。
自分が子猫だったらどう動く?
頭脳はそこそこキレものであろう子猫がとりそうな事。
あえて人が通りそうな、追跡が見つかりそうな道を取るか。
一度足を止めて邪念を払おうか。
ただ今は追いかけない。
そっと息を潜め、考える。
行動を起こすのは日が暮れた頃だ。
コンパスを取り出し、位置を確認する。
それが済めば、木陰に隠れ暫し睡眠を取ろうか。*]
あぁ…早くあの身体に触りたい。
すべすべしてる手触りのいい白い肌。
あの甘い声。
あの感度……全部が俺好みだ。
[うつらと夢見心地にそんな事を呟いて、ゆっくりと瞼を閉じた。**]
[指摘されると多少決まりが悪そうに瞼を伏せ、すみません…と吐息混じりに小さく謝罪を告げた。
海風に煽られてふわりと髪が揺れる。垣間見えた耳朶は仄かに色付いていただろうか。
施設の前で足を止めるソマリを見れば、自身も歩む足を緩めて立ち止まる。
投げかけられる問いに、思案顔を向けた後、肩を竦めて]
私が知っているのは、貴方のほんの一部では?
[問に問を返しながら、向き合うように体制を変えたなら]
これからのミッションに必要であれば。
お伺いしたいですが。
[微笑みを浮かべることで軽く受け流し、
一呼吸を置いてから、口を開く。]
ハンデは必要ありませんが…、
……そうですね。
ミッションクリアの条件を教えていただきたく。
奪取した品はどこか指定の場所へ運べばいいのですか?
それとも、所持したままタイムリミットまで過ごす形ですか?
[尋ねる態度はあくまでも殊勝に。
それでも多少自信は垣間見えたかもしれない。
ハンデを跳ね除ける形にはなってしまったが、然程問題はないだろう。*]
[律儀に謝るセルウィンの生真面目さに目許を和ませる。
情に訴えかける遣り方が彼には効果があるように思えた。
吹く風が潮の匂いを運ぶ。
揺れる髪の間からのぞく耳朶の色が色香漂わせ視線を引く。
思案の後の言葉>>48には、ふっと吐息に笑みが混ざった。]
互いに知るのは一部かもしれないね。
全部知りたいというなら、
――…キミになら教えても構わないよ。
[流されたと知りながら、
向き合う形で悪戯な言葉を続ける。]
……では、開始して五分はこちらは動かない。
クリアの条件は奪取した時点でそれを私に示せば良い。
[ハンデを断るのもまた彼らしいのかもしれない。
自信をのぞかせる彼の様子にひとつ頷き
宿舎の扉を開いて、彼を中へと促した。]
― 宿舎 ―
[テーブルのあるリビングまで来ると片隅に荷物を置いて
首に掛けたペンダントを軍服のうちより取り出す。]
奪取すべき品はこのペンダント。
中には極秘であり何より大事な品が隠されている。
[常の軽薄さはなりを潜め、
任務における軍人の顔でセルウィンを見遣る。
銀の細い鎖がついたペンダントは
女性の手でも隠れる程度の一般的な大きさ。]
これはその部屋、――私の寝室にする予定だが、
[リビングから見える部屋の扉をあけて
寝台のある簡素な部屋の、机の上へと件の品を置き]
此処に置いておくことにしようか。
さて、何か質問はあるかな?
[ミッションの開始前に、セルウィンに確認するよう声を掛ける。*]
[明け透けな態度に躊躇いを見せ、口を噤む。>>49
訓練の話が始まれば自然と流れはそちらへと向かい、話の先が続くことはなかった。
―― 知ってしまえば、どうなるのだろう。
感情を映し出すように、指示を出す彼の指先を見つめる瞳が揺れる。
答えは見いだせないまま、次第に訓練内容へと興味が注がれていった。]
―宿舎内―
[人気のないリビングに二つの影が佇む。
ソマリの首筋から覗いたペンダントに目を遣り、
それがターゲットと分かれば目を丸くして、教官の顔をしている彼を見つめる。
これは、明らかに彼の私物に思える。
いや、然しこれも任務の中に組み込まれているものなのだろうか。
特徴を確かめるように注視しながら、躊躇い、
机の上に置かれた光を暫し眺めれば、
それでも、やはり気がかりな様子で顔を上げた。]
一つだけ質問を。
これは教官の私物ではありませんか?
その…、いいのですか?
[尋ねる声は、心配そうに触れてもいいのかと確認するそのもので。*]
/*
他のペア組の姿が見えないのは秘話に閉じこもられてるのかなー?
秘話のタイミングが未だに見いだせずまったく使えていないよ…?
[セルウィンの想像通り完全に私物だ。
自分にとっては極秘であり何より大事なもの。
彼の子供の頃の、あの時>>0:12の写真が嵌め込まれている。
招かれていた自称写真家がその屋敷の子供を撮っているのを見かけ
名を名乗り、その写真を一枚譲ってくれるように頼んで今に至る。]
――…、
[あの時は女の子だと思っていたとか、
目の前の彼には言えないな、と思いながら。
掛かる声>>52にふっと意識を彼へと戻す。]
私物とみえるものの中に重要な、
機密が隠されていることもある。
訓練とはいえ、これは任務。
情は一切挟む必要はない。
――…他の誰でもない、キミになら、いいよ。
[綴られぬ言葉を汲み取り、ゆるく笑って
ペンダントを置いた個室から出て扉を閉める。
窓の鍵は掛かっているだろうが、扉については鍵はかけない。]
さて、キミが動くと同時にカウントしようか。
[始まりの合図はセルウィンの動きと告げて
腕組みし、教官はゆるい構えをみせる。*]
[ペンダントの中身は知る由もない。
いくら見つめたとて中身を知ることが出来るはずもなく。
ほんの僅か、彼の言葉が途切れたことが気になった。>>53
"他の"……?
強調されたその言葉と向けられた笑みに戸惑い、揺らぐ。
ただ、機密に関する話は確かに同意できる部分であり、
情はないと言い切られたのならば、任務の一貫なのだろうと懐に収めることにした。
…今は、の話だが。
閉じられた扉からソマリへと視線を移す。
その眼差しはいつになく、真剣なもの。]
……開始して五分。
本当にいいんですね?
[身じろぐ前に、確認を一つ。
彼が頷きを返したなら、静かに動き出す。
目指すは、鍵が掛けられなかった扉へ――。]
[五分もあればゆうに部屋へと侵入し、簡単にペンダントを入手出来るだろう。
そんな簡単なミッションでいいのだろうか?
少し気が抜けてしまう。
奪取した時点で見せるだけならば、ものの数分で終わってしまう。
それとも罠なのだろうか――…。
否、早く終わらせるに越したことはない。
任務に迷いは命取りとなる。
時間を気にしてか少し足早に部屋へと向かうそれは、何時しか音を立てないまま、走るほどのスピードになっていった。
たった数十数メートルの距離。
扉に辿り着けば、簡単に扉は開くだろう。*]
[途惑いの色や揺らぎが見えたがそれはやがて消え、
セルウィンが頭を切り替えたのだろうと感じ取れる>>54。
優秀な成績をあげれば更に周囲の期待は増える。
妬まれることもあるやもしれない。
彼の歩む先を思い、少しだけ困ったような笑みが一瞬浮かぶ。]
――…ん?
ああ、構わないよ。
[逃げると思っていたから真っ先に扉を目指すとは考えていない。
扉の前にいるものの、背を扉につけているわけでもなく、
セルウィンならぎりぎりで背後をすり抜ける事も可能かもしれない。]
……ふむ。
[静かな動きに、カウントを始める。
そうきたか、と心の内で愉しげにその様子を観察し。]
[距離が詰まる。
迅速な行動も身のこなしにも素質を感じられる。
動けるようになる五分はまだ遠い。
捕まえるための腕は動かせないが]
そうくるか。
[扉の傍までたどり着くのも、開けるのも簡単な事だろう。]
見張りが扉の前で居眠りすると想定して
さて、障害物は如何する?
[冷静なセルウィンには簡単すぎたかと思いながら
時間稼ぎにもならぬだろう言葉を掛ける。*]
[水場に入り込んで、自分の気配を消す。川に入ってそのまましばらく水辺を下流になるまで走って。
彼はどこまで自分の足取りが掴めるだろうか。
ひとところに落ち着くような愚は犯さない。
レーションを口に放り込みながら、動き続ける。
疲れたら軽く休み、時折うとうとしながらも。]
そろそろ、日が陰ってきたか―――。
[ゲオルグは何をしているのだろうか。
夜になればこれから逃げる方が有利な時間になる。
しかし、一向に安心できないで、彼の不敵な笑みを思い出していた*]
[扉の前には彼の教官が立ちはだかる。
…とは言え、辛うじてすり抜けられる距離ではある、か。
念のためと周囲へと素早く視線を走らせ退路を確認する。
宣言通り捕まえる様子のない教官の、不意をつけたことにチラリと愉快そうな視線を向けて。
ドアノブへと手を掛けたところで設問が落ちた。]
居眠りしているのなら、
急所を突いて、もう少し気持ちよく眠っておいてもらいましょう。
[利き腕である右手を上げたなら、トン、と振り下ろす真似をして意地悪く微笑ってみせる。]
見張りが女性なら、キスの一つでも落として、
眠り姫の目を覚ましましょうか。
[時間に余裕があると判断すれば、軽いジョークも口から零れるもの。
ふ、と目許を和らげると、失礼。と短な言葉を残してするりと室内へと身体を滑りこませた。]
[扉を少し開け放したままにして、素早く室内へ視線を流す。
窓の…鍵は施錠されているようだ。外に出ることは可能だろうか。
扉の向こう人の気配を感じながら、警戒を怠らないように周囲に目を配る。
何も無さそう、か……?
そう判断したならば、躊躇いなくテーブルへと向かい大事そうにペンダントを持ち上げる。
ペンダントトップに優しく触れれば、しゃらりと鎖が垂れ下がる。
中身が気になるところではあるが、今は逃げ遂せるかどうかの瀬戸際だ。
胸のポケットから白いハンカチを引き出して、ペンダントを優しく包み込み、膨らんだハンカチを胸元へ締まって踵を返して扉へと。*]
/*
なんでptこんなに増えてるんだ…!?
と思ったら、日付変わってたからだった。
独り言あと5865pt /秘話あと10000pt
喉枯れの必要なさすぎですね…?
[背の方で動く気配を感じる。
ドアノブに触れる手までは見えぬが
セルウィンの姿は辛うじて映る。
あがる利き手の動きを認めれば、喉を鳴らして]
その対処で問題ない。
さらに時間を稼ぐ必要があるなら
猿轡でもして手足を縛り転がしておく。
[意地の悪い微笑にゆると目を細めた。]
眠り姫にはなれないな。残念だ。
[ジョークに軽く肩を竦めて吐息を零す。
部屋へと侵入する気配。
大分予定より早まりはしたがソマリとしては構わない。
セルウィンにとっては物足りないものとなろうが、
生憎、トラップを仕掛けることもしなかった。]
任務であるなら、私は女性にも手加減はしないよ。
迷わず手刀を落とす対処をするだろうね。
[きっと迷いが生じるのはセルウィンを相手とする時だろう。]
[話しながらもカウントは続けていたが
扉を超えた時点で数えきる前に成し遂げるのは見えていた。
目的の品を取り戻ってきたのだろう。
背後に気配を感じ息を吐く。]
――…キミには簡単過ぎたね。
[数える数字はなくなり、
組んだ手を下ろして、ゆると振り返る。]
クリア、かな?
[品を手にしたかどうかの確認をするため、
セルウィンに声を掛ける。*]
[提案された対処法が扉口から聞こえてくれば、なるほど。と感嘆の声を漏らす。
猿轡までは考えていかなったと、詰めの甘さに薄く唇を噛んだ。
溜息が聞こえたなら、くすりと吐きだす息が笑いに震える。]
……教官はどちらかと言えば、起こす側では?
[微笑いながらも女性への対処法を怠らないその言い分に感心を覚えて。
やはり、尊敬する教官像だと慕う気持ちが強まるのを感じた。
戸口まで来たところでは、自身の中での体感は5分も立たない。
教官の口からその体感が確実だったと分かれば、その部屋が自身の部屋であるかのように部屋の中へと招き入れる仕草を見せた。]
五分は充分な程にハンデですよ、教官。
[クリアかどうかを確かめる声に、トントン、と自身の膨らんだ胸のポケットを軽く叩いて。]
こちらにありますが…、
俺が預かったまま、『追いかけっこ』しましょうか?
[少し揶揄を交えたそれは、相手の反応を楽しんでいるようだった。**]
[目的のものを手に入れた時点で終了ならば
セルウィンの対処で十分事足りるから、
先の答えで問題ないと評価する。]
眠り姫がキミなら起こしてしまうだろうね。
[軽口の音色もいつまで続くだろう。
彼の招きにひとつ頷き、部屋の中へと足を踏み入れる。]
冷静に状況を見極める力があればこその結果だろう。
キミと追いかけっこが出来なかったのは少し残念だが
読み誤った私の――…
[言いかけたそれが彼の提案に止まる。]
追いかけるよりも……
[胸ポケットを示す彼の手首へと己の手を伸ばし]
このまま捕まえて離したくない。
[本気か冗談か、微妙な声音で囁いてゆると目を伏せた。**]
― 森の中/最初の日 ―
[先に立つミヒャエルを眺めながらついていく。>>31
かなりハイペースだと感じたが、忠告はしなかった。
食事も水分補給も無しで歩きとおし、森を抜ける。
荒い息遣いと足元のわずかなふらつきを見てとって眉を上げたが、何か言うより先にミヒャエルの体がよろめいて倒れた。]
どうした。
[立ち上がろうとして果たせず、突っ伏した彼に近寄って声を掛ける。]
[ミヒャエルの脇に膝を落とし、手を取った。
肌に触れ、指先に触れて険しい顔つきになる。]
軽い脱水だな。
飲め。
[自分の荷から水筒を取り出すと、ミヒャエルの体を仰向けに返して抱き起した。]
[出した水筒を差し出すでもなく、自分で中の水を口に含む。
そしておもむろにミヒャエルと唇を合わせて、彼の口腔内に注ぎ込んだ。
それが最も手っ取り早く飲ませる方法だ、と言わんばかりに。]
[水分の補給が済めば靴を脱がせ、足の状態を見る。
手早くテーピングをして応急処置をすると、そのまま彼の体を担ぎ上げた。]
その足では無理だ。
このまま行くぞ。
[二人分の背嚢も肩にかけて歩き出す。]
[フェリクスの声が近づいてくる。
朦朧としかけた意識で、平気だとか立てるとか無茶を言って身体を堅くしたけれど、強引に口移しで水を飲まされた。]
… う
[甘く、て。 温かくて。
舌で、唇で吸いつく。]
[フェリクスの為すがままになっていると、靴を脱がされた。>>67
滑らかでヒンヤリした指先が踝に触れる。
手当される間は唇を引き結んでいたが、担ぎ上げられる段になって、力なく拳を握ってフェリクスを叩いた。]
馬鹿もの…! 無礼だぞ。
[これはサービスではなく、ミヒャエルの安全を守るという契約の範疇なのだろうとわかってはいたけれど。
歩けると主張したところで、実が伴わないのでは仕方なかった。
本来ならお願いしますと言わねばならないのだろう。
だけど、だけど!]
[ミヒャエルが何を思おうと、するべきことをするだけで、やりたいことをやるだけだ。
今回の軍事交流、内容を変えさせたのは自分だ。
ミヒャエルは知らないだろうが、この島は「見込んだ者を育てる施設」なのだから。]
駄々をこねるな。
暴れると落とすぞ。
[脅すような諭すような言葉にも関わらず、弱弱しい抵抗と抗議を無視してミヒャエルを担いだまま宿舎へと向かう。
ほんの数キロほどの距離まで来ていたのは幸いだった。
割り当てられた宿舎に到着すれば、彼を部屋へと運び入れてベッドに座らせる。
汚れた服のまま寝かせるわけにもいかなかったから、服を脱がしにかかった。]
― 宿舎 ―
案外大きいね。
[中を覗いてワンルームタイプの宿舎を見分するように見る。水回りの設備は整っており、アパートに使うには不自由だが、想定していたよりは大きい印象を受けた。外には他の宿舎の屋根が見えたものの形が違うので、同一かどうかは解らないが。
部屋は一つだが心配はしていない。昨晩言った通り、範疇外だと思っている為。
たとえわりと近い位置にベッドが並んでいても、着替える場所に困ろうとも、きっとおそらく何もなく3日すごすのだろうええ、と。
士官学校時代からそうだったのだから。]
[電気も通っているようで、明かりを着けるスイッチがあった。窓は少し上方。獣対策かもしれない。
荷物は部屋の隅に置くと、さてという風にオズワルドを見て。]
で、オズワルド教官、次の課題何?
それとも、少し休憩でもする?
[野営があったとはいえまだ二日目。まだまだ元気な様子で教官に尋ねるのだった。]
駄々じゃない…
[脅しになど屈するものかと言い返すけれど、すでに趣旨が滅裂だ。
細身に見えて案外と逞しいフェリクスの身体に見蕩れてる余裕もない。
ほどなく日差しが遮られて空調の効いた場所に到着する。
これが宿舎とやらだろう。
コテージめいたつくりで、荷物よろしく担がれたまま人目のある受付を通らなかったのは良かったけれど、フェリクスの行動を止める者もまたいないということだった。]
− 宿舎 −
[ベッドに下ろされたのは痛めた足を床に下ろして体重をかけさせまいという配慮だったのだろう。
フェリクスの手が伸びて来て手際よくボタンを外してゆく。
侍従に着替えを手伝ってもらった小さい頃を思い出した。けど、]
自分で、 する
[子供扱いするなという反発と、早く休みたい一心で身を捩った。]
[フェリクスの作業を助けるように腰を浮かせ、自らシャツをはだけて肌を晒してゆく。]
[こちらを止めるようなことを言いながら、ミヒャエルの動作は協力的だ。手早くスラックスを脱がせている間に、彼は自分でシャツをはだけ始める。
露わになった胸には筋肉が乗りきっておらず、まだ薄い胸板を覆うのは瑞々しい肌だ。
手を伸ばして胸の中央に触れ、両手を添えて彼の体を裏返しにしてシャツもまた剥ぎ取ってしまう。
現れた肌の全てに、目を細めた。]
― 宿舎 ―
[ミヒャエルの動きを利用しながら服を脱がせた後は、ベッドの上に寝かせて毛布を掛ける。
それからすぐに氷嚢を用意して、痛めた足首に当てた。]
放置すれば悪化するからな。
冷たいが我慢しろ。
[子供扱い、と言われても仕方ないほどに世話を焼きすぎな気もするが、彼の体を損なったら一大事だ。ゆえに彼の言い分などお構いなしに必要な処置を取っていく。
言動を見るにもう少し水分補給が必要かと、飲み物を用意した。]
[彼の上に覆いかぶさって、再び口移しに水分を含ませる。
その間に、手はなめらかな肌の上を滑らせた。
隅々まで手を動かして感触を確かめる。
他に怪我はないか。体の調子はどうなのか。
どこが柔らかく、どこが感じやすいのか。
毛布の下で、仄かな熱が灯る。]
[上官だか悪戯者の仕業だか知らぬが、
紛れ込ませてくれた“備品”のおかげで昨夜は退屈もしなかった。
肝心の中身はといえば「まぁまぁ上出来」といったところ。
真剣に眺めるほど飢えてもいなければ純でもない。ついでに言えば本の趣味から垣間見える性癖も己の趣味とは違う。しかし、暇潰しの娯楽本としてはなかなかもってこいではあった。
帰還したら持ち主へとGJを送ろう。良い友達になれるかも知れない。]
[火の番を交代してから朝までの短い間は仮眠を取り、
起床から撤収、そして出立まではスムーズで問題もない。
コンパスと地図を頼りに歩き出せば、暫くの後に目的地の宿舎に到着する。]
― 野営地―→宿舎 ―
― 宿舎 ―
ホントだなー。もっと小型かと思ったが。
でも、思ったよりはしっかりとした厚みのある壁じゃね?
正直、隙間風に曝されるくらいを想像してたから、これは僥倖。
[案外大きい、と感想を漏らすベルティルデ>>70に同調するように頷いた。罰則にしちゃあ上出来だ、と付け加えた言葉は聞こえていなくていい。]
っても、流石に、バンガローは一人一つは用意できねェか。
人のモンに手を出す趣味は無い、とはいえ、
俺なんかと一緒にさせていいのかねぇ、上は……
[今更だが、と一人ごちて肩を竦めた。
彼女と良い仲であると風の噂に聞いている同僚は
今回の任務についても特段何も言ってはこなかったが。
信用されているのかいないのか、微妙な心持ちだ。]
ん?ああ。
次の課題は―――ええとな、
「ダッシュor奪取」って書かれて……つまり何だこりゃ?
[言葉遊びのようなミッション名に、片眉が上がる。
紙束を捲り詳細に目を通すと、得心行ったような表情。]
………ははん、要するに
訓練生と教官との追いかけっこみたいなもんだな。
「訓練生は24時間ずっと教官から逃げ切る」もしくは、
「24時間以内に教官が指定する品を奪い取る」だそうだ。
24時間って、やけに長ェような…
………まあ、このミッションは特に必須というわけでもないみたいだから、休息に充ててもいいと思うが。
やるか? で、やるんなら、どっちがいい?
[足首は少し捻っただけだと思うけれど、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるフェリクスに逆らいはしないでおく。
そういえば訓練課題に失敗した気もするけれど、回復しなければ続きもできない。]
シャワーは?
[設備があるなら浴びたい。降り注ぐ水を飲みたい。ゆっくり眠りたい。
そう求めた声がまだ熱っぽかったようで、フェリクスは飲み物を運んでくる。]
[たぶん、焦れるような顔をしてしまった。
水が、欲しかった だけ、なんだから。]
もっ… と
[フェリクスの背に手を回して雫を含んだ唇を吸う。
喉を伝い落ちる甘さに舌を絡め、喘ぐ。]
[身体に沁みてゆく水分が、幾分、正気を取り戻させ、フェリクスの手の動きに警戒心を起こさせた。]
何 して る
[疼く身体と尖る声と。
足首に添えられた氷嚢が戦慄きを受け止めて涼しい音を立てた。
こんなに火照ったら、氷、すぐに 溶けて しまう]
[内装を見つつ、さすがに着替えるのは風呂場あたりにしようかなどとぼんやり考える。さすがに着替えを見せるサービスは行う予定はないし、向こうはともかくこっちは非常に恥ずかしい。]
(そもそもどうしてこうなったんだっけ…。)
[腐れ縁のようなこの関係。士官学校時代から始まったのはそうだが、何の切っ掛けがあってこうなったのか…と、オズワルドの返事を待つ間ソファー代わりにベッドに腰かけつつ考える。]
[同時期に入学してから数年間、やれ何かしらあると顔を合わせる事が多く、訓練で一緒する事も多く、学食で鉢合わせる事も多く…おかげで名前も顔はすぐに覚えた。
悪癖を知ったのはそのすぐ後だ。聞いた時の渋面は、後々ネタになる程酷い顔だったらしい。
友人がオズワルドに泣かされたのも知っている。抗議に行ったが周囲から話を聞く限りお互い様だったので逆に謝った事もある。流石に出合い頭にぐーは謝罪案件である。
ただこれ以後、オズワルドを紹介してくれという女友達へは慎重に対応するようになったのだが。]
[あんまりに慎重にしたため、一時期付き合っている噂も出た。全部に全力で否定しておいたので、噂の影は長引いたが、その最中オズワルドの方は相変わらずだったので自然に消えていった。]
(あーそうだ、私ばっかり否定して
何か馬鹿みたいだなーって思ったんだっけ…。)
[毛ほども感じてない様に見えたオズワルドに、何といえない感情を覚えたのはその時からだった。]
― 宿舎 ―
ん?
[>>76なんか今変な言葉を聞いた気がする。罰則とか何とか。
不穏な響きにじとーという目で見つつも、宿舎については同意する。]
ほんとほんと。
結構優遇されてるよね、1対1で、この設備だし…。
要人も使うなら納得だけど、一軍人にはちょっと豪華だね。
流石に一人1つは贅沢すぎるで…ん?
[なんか更に変な言葉を聞いた気がする。人の物とか何とか。
私って誰の物だっけ、などと一瞬間抜けな事を考えたが、言葉の意図する所を把握して。]
オズワルド、私が誰かと付き合ってるって―――
[と言いかけて。]
あっ、ううん、何でもない。
何でもないよあっと教官。
で、課題、課題、えっとどうしようか。
奪取、ダッシュね。
夜から、でもいいんだけど…
[何となく視線を逸らしながら早口で言って、どうしようかと悩むように首を傾げた。]
/*
遅ればせながらよろしくお願いしますというか何というか。
そういや独り言をまるきり使ってなかったなと思い立ったので使ってみるのだった。
何というか使う余裕がなかった。
今回異様に不規則でごめんな相方ぁぁあ!
― 宿舎 ―
[聞き咎められた『罰則』には、
顔の前で両掌をひらぁりさせて、なんでもないですよのジェスチャー。
バレるのも時間の問題と思えたが、一応話題は逸らしておく。]
要人がこんな島で訓練、なー…
有り得る話ではあるな、こんなモンが用意されてるなら。
さっきの森の雰囲気からして、他に俺らみたいな訓練生と教官みたいな立場の人間がいくらか送り込まれてはいるんだろうとは思うが――まだ会えてねェな。
[軽く耳を欹ててみるが、今のところ喧騒は聞こえなかった。
付近には居ないのか、それとも防音性に優れた壁に隔てられているがゆえか]
まぁな。旅行やキャンプならまだしも。
恐らく、一緒に過ごさせることも含めて訓練なんだろうし。
[天井と四方の壁を見回し、同意を示す。
一人で過ごすには少々広いバンガローは、防音のためか声が少々響いて届く]
こういう時、同性ペアじゃないと面倒だな
……って思ったろ。
[揶揄するように言うが、今回に限っては同感だ。
苦手な相手ではない。むしろそこそこ気は合う方だと思う。
付き合いが長いということは長いだけの理由がある。]
[鬼の形相でつかつかと近づいてきたベルティルデに
思い切りぐーぱんを貰ったのは何時の事だったか。
士官学校入学後、女子生徒の名と顔は早々に一致させたため、
彼女のことは恐らく彼女が己を認識するより早くに知っていたが。
よもや声をかけるより早く綺麗な右フックを食らう羽目になるとは、
あの時のインパクトたるや今でも思い出す度に変な笑いが出る。]
『あのなァ……なんか誤解があるようだが、俺は!
相手が居ない子限定、且つ、互いに本気にならないと合意の上でじゃねぇと火遊びの相手はしねえよ!!』
[堂々と最低なポリシーを大真面目に叫んだ若かりし時分。
彼女の友人であったらしい女との関係についてどうやら理解は貰えたらしいが、その言葉を聞いた直後の彼女の表情もある意味忘れがたく―――
ともあれ、そんなことがあったがゆえに、最も印象の強い女生徒の一人として心に刻まれたのであった。時には謝罪を逆手にちょくちょくちょっかいを掛けるようになって、それが腐れ縁の切欠。]
[何時だったか、長い学校生活の中でか、その後か。
何がどうしてそうなったのか、交際疑惑が自分とベルティルデとの間に出た時には、流石に目を丸くした。
否定の代わりに一時的に遊びの頻度を増やしたのも今となっては懐かしい。
己は特に困ることもないが、ベルティルデはさぞ困るだろうと、
そのまま放っておく……というわけにもいかなかったのだ。
己との噂など、ベルティルデの真面目で清廉なイメージに傷が付くばかりで、百害あって一利なしであろうから。将来の進路にすら影響が出るやもしれぬ、と。
無言の行動が功を奏して……ではなく、
ベルティルデには本来の相手がいる、という新たな噂の出現によって
やがてほとぼりも冷めたようで今に至るのだが―――
未だにあの時の件に関しては、暗黙の了解のように、彼女との間では触れず触れられずになっている。]
……ん?
[言いかけて途切れた言葉に、微かに首を傾ける。]
エーヴァルトといい仲だってずっと噂になってんぞ。
確か……もう3年くらい経つだろ、長いよな。
[なんでもない、と打ち切られ、隠したい話題だったかとも思うが
さらりと表面をなぞるように触れておくのは微妙な心持ちの表れ。
その前に己が一時でも噂に関わったがゆえか、多少気まずく、
話題は早急に当面の問題、課題をどうするかに移るのだが]
や、おい、ちょい待て待て。
夜からってお前、夜から24時間森で追いかけっこする気なか!?
やる気と気概は買うが、狼さんとランデブーする羽目になるぜ、絶対。
[夜からでもいいなどと言い出すとは思わずに
思わず声色には笑いが滲んだが、
実際にそんなことになれば笑い事では済まない。]
………まァ、今夜はゆっくりしとくか。
野営の後だし。
調査目的とはいえ、多少サボっても罰は当たらねえよ。
[予定変更を告げて、小さく笑った。*]
― 宿舎 ―
うん、宿舎もいくつかあったしね。
訓練次第では会えるかも。
[まさか兄が来ているとは、こちらは知らないままなのだが。
外への興味も隠そうとしないまま、自然ソファー代わりにベッドに腰かけて。]
一緒に過ごすのも訓練なら、上の人の思惑次第じゃ
反目してる相手と強制的に、ってのもあるのかなぁ。
[あるいは仲を深めたい相手と来るなら、それも効果的かもしれない。とは口には出さずにそろっと視線を彷徨わせた。]
うっ…何でわかるのよ。
[図星を突かれると言葉を詰まらせながら、じとっと見上げる。
考えが読まれやすいのか思考が似ているのか、あるいはその両方か。付き合い長いから余計に悟られやすいのは理解しつつも、それがそんなに嫌いじゃないから少し困るのである。]
[>>82その視線がまたオズワルドへと戻ってから。己にとっては寝耳に水な噂話に目を丸くする。]
いっ え、エーヴァルトと!?
何でまた――
[とそこまで言って、むぐぐと口を手を抑え、その格好のまま目だけがちらとオズワルドを伺った。
その格好のままで、何で3年も前からそんな事になってるのかとぐるんぐるん考える。正直数える程しか会ったことの無い相手で、友人より意識が低い間柄だと思っていたので余計にだ。気質的には真面目が似たところもあるので、訓練を一緒した際には息が合ったのも確かだが…。]
に、24時間やるなら、
どこから始めたって同じだよ!
[さぁやろう今すぐやろう的な素振りは見せたものの、狼への懸念は御尤もであるし今は教官の指示は絶対だ。
むぐむぐしながらも、大人しくその提案に従う事になるか。]
なんでってなぁ……
俺の知る限りでは、顔に出る方だし。
[この辺に、と、人差し指で自分の顔の周りに
ぐるりと円を書くように指し示してみて――]
お前の場合はこの辺にだな。
[窓に寄りかかっていた身体を少々ベッドに寄せ、
指をベルティルデの目元、頬の高骨の辺りに近づけた。
見れば分かる程度には浅からぬ付き合いだ。]
何で何でって、なぜなぜ坊やか。
[二度続いた問いに、そんな突っ込みを入れておいて。
意外な反応を得て、暫し沈黙が落ちた。]
や、俺はそう聞いたんだけど……?
それがあったから、過去の俺とお前との―――……
……あー、その、なんだ。
[多少気まずそうに後ろ髪を掻いて、窓の外に視線彷徨わせ]
妙なハナシも薄れて行ったんだと思ってたが?
…――その反応ってェことは、
もしかして、 …的外れ?
[声のトーンは割と真面目だ。
確認の意図もあるが、どう受け答えるべきかの逡巡も滲む。
やりにくい。己らしくない。]
だとしたら昔の俺は、
一寸勿体無いことしたかも、な?
[出来るかどうかは別として。
特に言及はせずに来たが、別に対象外ではなかったのだと、
暗に軽口に混ぜて、口端を上げた。]
勇ましいこって。
そんなに追いかけっこしたいなら、
帰ったら幾らでも付き合ってやるよ。
[勢い込んだ台詞の一方で「上官」の指示に従おうとするベルティルデをやはり楽しげに見やりつつ―――
彼女の持ち物の中から適当なものを借りて、或いは奪って
そんな形での鬼ごっこも愉しかったかもしれぬ、とは頭の片隅で。]
……
[適当な椅子を引き寄せて、脚組んで座った。
距離を保つべき相手との、適度な距離感は、
これまでの関わりの中で見極めたものだ。
……休息となると却って間が持たぬかもしれぬこと、計算外だった。*]
[眠り姫を自身に例えられて、数度瞬きを繰り返す。
彼が部屋へと踏み込むと、その分詰まった距離に、
後ろへと下がりそうになる身体を、左足を後ろへ下げることで踏み留まらせた。]
……ベッドの周りに棘があったとしても?
[軽いニュアンスの言葉にちくりと棘を刺すように、悪戯な目を向ける。
誰かの侵入を拒むように薔薇の棘を纏う眠りの主は、確かに今の自身のようだ。
城の内へと枝葉を踏み分け、踏み込まれたのなら――…。
ソマリの動作の一つ一つを視線が追う。
追いかけっこを惜しむその声に、無意識に笑みが零れた。
しかしそれも、彼の伸ばした手が自身の手首を掴んだなら、驚きに変わる。
トクンと、心臓が音を立てる。
その手を振り払えずに。
囁くような声に、明らかに動揺した色の表情を見せた。]
[じわりと耳朶が、頬が熱くなった気がして。
重なる視線に耐え切れずに、両の睫毛が双眸に影を作り出す。
自然と落ちた視線は捕まえられた手から逃れるように背けられて**]
それは……、ミッションのルールには、組み込まれていません。
[>>87顔に出る発言に、そんな事ないと睨みつつ、突き付けられた指を掴むとぐぎぎと折りかねない勢いで向う側に曲げて。]
聞きたくもなるよ、だって無いよ!
そもそもエーヴァルトってたしかお兄…
[と大声でしていい話じゃないことまで言いかけたので、慌てて首を振って先を散らしつつ。>>88逆にオズワルドが言い澱んだ言葉には一瞬、何の事かと瞬いてから――思い当たる昔の噂話に極微妙な顔をし気まずそうに視線を逸らした。]
なぜなにで悪かったね。
大変勘違いですー。フリーだもん。
[微妙な内心を誤魔化すように、つっ込みに口を尖らせるように言う。オズワルドの区長が真面目なのが、何となく居心地悪さを覚えて。
軽口が聞こえると、きょとんとしたようにオズワルドの方を見て、瞬いて、その後くすりと噴き出すように。]
…やだなぁ。
そういう気の使い方しなくっていいよ。
[気まずいせいか、変な気を使われたようでと、苦笑じみた笑みで言った。]
ちょっと、追いかけっこがしたいわけじゃないよ。
報告書のためでしょ!
…まぁでも訓練の一環って意味で、
本気でやるのは悪くないけど…。
[どちらが上か、というわけではないが。
久しくやってなかったそういう訓練も悪くない、などと思うのは真面目故か。
話し合い、休憩の選択肢を選んだものの、先ほどまでのうるささは急になりを潜めて、何となく沈黙し座ったまま頬杖をついて、何となし床の隅っこを見つめていた*]
[辺りが暗くなり始めたら己の本領発揮だろうか。
体力温存をしておいたおかげで元気すぎる位身体は元気だ。
彼方はきっと逃げ切っていて多少体力も削られている頃だろう。]
さ、てと。
―――そろそろ行動に移るか。
[背伸びをし身体を解して、顔を引き締めながら肩を鳴らす。
何処から行こうか、考える。
己がカレルだったら何処へ行くか。
何処に隠れ、どのルートを選び、何処を拠点とするか。
数十分思考を重ね、地を蹴り駈け出した。*]
恐らくそう遠くへ入ってないだろう。
川辺りをくだっているか、下手に夜は森林内は危険だ。
[そう考えれば向かうは川岸。
あの全裸だった子猫を思い出せば口許を緩めてしまう。
嗚呼、あの身体に触りたい。
イかせたい。
―――抱きたい。
その為ならなんだってする。
どうせこのミッションの本番は、明日の内容なんだ。
今日は――あくまで布石。
その為に今日やる事は。]
さて、抱かせてくれるのかね。
[きっといやがるだろう。
でも子猫ちゃん知ってるかい?
嫌がられた方が、萌えるんだよ。*]
[踏み留まるは吉か凶か。
教官と候補生、というには近過ぎる距離。
二人の間には一歩に満ちるかどうかの空間しかない。]
棘に阻まれ己の身が傷つこうとも
心のままに眠り姫のもとへとゆくだろう。
[悪戯な眸を受ければ、弧を描くくちびる。
掴んだ手からは布越しに彼の体温が伝う。
驚きの表情の中に怯えの色がないことをその目で確かめ]
今日のミッションは終わった。
これはプライベートだ。
――…だから、イヤなら逃げても構わない。
[染まる目許、その耳朶から漂う色香に誘われるように
顔を近づけ吐息混じりに囁く。
視線動かし、彼の顔を覗けば、
伏せた睫が頬に長い影を落とすが認められる。
逃げて構わないと言いながらも、逃したくはないか、
セルウィンの手首を掴むその手が緩むことはなく。*]
― 夜 ―
[都会的な光がない、美しい夕暮れに目を奪われているような余裕はなかった。
日が暮れる前に、周辺の地理をできるだけ頭に叩き込みいざという時の逃走経路もいくつも用意している。
川から草原、草原から森林の中に入り木立に紛れ。
木の上に逃げれば獣からは身を守れるが、それではイザ見つかった時に逃げ切れない]
夜目が利く相手なら……スタングレネード使ってもいいかな…。
[手製の削ったマグネシウムをゴムホースに突っ込んだだけで作った閃光弾もどきを握り締める。
これを使えば相手が目を痛めるかもしれない、という危惧はある。
しかし、自分の持てる力を使い、全力で課題に取り組んでいるほうが彼は喜んでくれる気がして。
もし彼が来たら、これで時間を稼いで逃げ切ろう。
彼にとって自分はあまり出来のいい訓練兵ではないかもしれない。
少しでも彼に認めてもらいたい。そして、彼が所属する空挺部隊の一員に迎え入れてほしい。
そう思いながら、緊張の一瞬を少しずつ、少しずつ、感覚を研ぎ澄ませながら過ごしていた*]
[走って逃げ出したくなるような、緊張の中。
森の中の静寂は、うるさいようで静か]
―――……。
[そういえば……。
自分をイかせるだけイかせていなくなったあの人も、今は誰かを相手に追いかけたり、追いかけられたりしているのだろうか。
いったい誰だったのだろう―――]
………っ
[あの時のことを思い出すと、感情が乱れて空気が淀む。
ぐっと腹の下に力を込めて、忘れようと試みた*]
[指先から伝わる体温。
僅かな動きですら気配を感じてしまう程の距離。
後一歩、詰められてしまえば呼吸さえ伝わってしまいそうだ。
揶揄と多少の牽制を送ったつもりの言葉に、ストレートに言葉を返されたなら、
決まりが悪く、照れを押し隠すように咳払いを一つ]
その場合、ベッドで眠っているのは姫ではなく、
貴方と同じ男ですよ……
[縮まった距離を厭うことはないものの、口先ばかりが形だけの抵抗を示す。
不意に目前に影が落ちた気配を感じて。
その原因を眼で追えば、更に縮まったその距離に唇を震わせ、小さく息を飲んだ。
捕まえられた手も、向けられた眼差しからも。
逃れられそうにない。
なのに意思を確かめるように、逃げても構わないだなんて。
その態度を少なからず憎らしく思う。*]
[言おうか、言わずまいか。
逡巡を見せたなら、少し下唇を噛んでから、ほろと戸惑いの色を載せた声が零れる。*]
……本当に嫌悪を示すのであれば、もうとっくに抵抗しています。
[そう告げれば、ソマリの反応を伺うように目線だけを上に向けた。*]
[常のように流す為の喩えと思いながらも
茨の檻へと踏み込む為の言葉を綴る。
嫌悪、拒絶、そういった感情が見えれば、
冗談だと誤魔化しあっさり引く心算もあったが
照れ隠すような咳払いと染まる肌の色に
引き下がるという選択肢は遠くなる。]
最初は眠り姫だと思っていた。
けれどそれが王子なのだと知れて、
[喩えに続ける言葉は過去に重なる。
息を飲む音色に、擽られるのは耳朶か心か。]
それでも心は変わらず、
棘の向こうに居るキミに惹かれた。
[語るトーンに軽口の色は滲まない。
焦がれるような眼差しがセルウィンに注がれる。]
[逡巡の間が酷く長く感じられるのは
期待と不安の入り混じる己の心のせいだろう。]
抵抗されることも考えていたから
[不安をかき消す言葉に、ぽつ、と思考を漏らし]
向けられる感情が嫌悪でないことにほっとした。
[安堵と喜びの、笑みを浮かべて
向けられる眼差しに己のそれを重ねる。*]
[綴られる言葉の中に引っ掛かりを覚えて]
最初は……?
[そのキーワードを反芻する。
女性と見紛うほど体格ではないはずだ。
幼少の頃ならば顔立ちと体格の細さから稀に間違われることもあったが、彼と出会ったのは数ヶ月前のこと。
人前で仮眠を取るようなこともしたことが無いはずだ。
…比喩の一つだろうか。
それにしては、その口調にいつもの声の軽さはなく真実味を増す。
揶揄われているのではないのだと気づいたなら、掴まれたままの手の指先をきゅ、と丸めた。
抵抗するつもりがなかった、といえば嘘になる。
その後ろめたさが自身の口を重くさせる。
けれど。
安堵の声とその時見えたその表情に嘘がないと知れば]
……俺自身も驚いています。
[傾いた心を自覚するように、眼を閉じてぽそりと言葉を漏らした。*]
――…最初は。
[反芻されるそれを肯定するように同じを重ねた。
成長した今なら見紛う事もないから、
セルウィンが疑問に思うのも不思議ではないだろう。
捕らえたままの彼の手、その指先が丸まり握る形へと変われば
隠れぬ手の甲に顔を寄せて、軽くくちびるを触れさせる。
敬愛を意味する場所という説もあったか。
ちらと過ぎる雑学は頭の隅へ。]
気が変わることもあるだろう。
その時は、気兼ねなく――…
[驚いているというのが本心ならば
何かのきっかけで揺らぐことも考えられる。
逃げてもいい、そう言おうとするのに音にはならず
吐息の音色だけが、静かに落ちた。]
セルウィン。
答えはキミの胸に……
[最初がいつを示すのか。
その時を表す写真は彼が奪取した品に隠される。
視線をゆるくそちらに向けてから、
手首を掴む手の力を緩める。*]
[繰り返される言葉に、確かな意図があるように感じられて。
今はまだその先を聞く時ではないのだろうかと、口を紡ぐ。
気にならないはずが、ない。
疼き始める好奇心をひた隠して、持ち上げられた手へ視線を移す。
柔らかな感触が甲に触れたなら、微かに指先が震えた。]
――…っ、
[気が変わると、そう言われたなら咄嗟に、何か応えようと口を開いたが、
すぐには音にならなかった。
ぐらぐらと揺らぐ気持ちを表すように、ソマリを見つめる瞳が揺れる。
腕から体温が離れていくことを、少し寂しく思う。
答えを委ねられたことを察する。
ただ、彼が指し示す、その胸元にある本当の答えを気づくまでは未だ至らずに。
どれだけの間、声を発せなかっただろうか。
戸惑い揺れた想いの重さに、引きずられるように頭が垂れる。
そのまま、ソマリの肩口に額を預けて]
……気が変わる前に、確かめたい。
[紡ぎだした声が届いたかは分からない。
それでも今言える精一杯の言葉だった。
今にも顔から火が出そうになる程、顔に血が昇っているのを自身で感じられた。*]
[何か言い掛ける、くちびるの動きを認める。
揺れる眼差しからはこれまでのように軽く受け流す態は感じられない。
詰めた距離の成果は十分といえるもの。
沈黙ののち、肩に触れる微かな重み。
セルウィンの髪がさらと流れ、首筋を擽る。]
――…、
[空気を震わせる音色は薄く、
願望が聞かせた空耳と区別がつかない。]
セルウィン。
[染まる頬が初々しさを醸し出す。
ソマリの高揚は肌には宿らず眸の奥に灯される。
熱こもる声音で名を呼び、
解いた手を彼の腰へとまわし、その身体をゆるく引き寄せた。*]
[名を呼ぶ声に温度があることをその時に知るだろうか。
すぐに顔は上げられず、微かに身動ぐ。
腰元に腕が回れば、僅かにあった距離がなくなり身体が触れ合う。
応えるように自身の手でソマリの無防備になっている前腕に触れる。
掌で腕をなぞりおろしていき、手の甲まで下がったならその更に下方、
指先に辿り着いて、小指から柔らかく握りこんでいく。
中々、上げられなかった顔をそろ、と上げるとソマリからも表情が見て取れるだろう。
顔をあげたものの、中々視線が合わせられずに居ただろうか。
やはり、彼の声はじわじわと身体に染み込む麻薬のようだ。
それでも促されたなら、瞳を向ける。
自然と、唇は内に篭った体温を吐き出すように薄く開かれて]
その声は……卑怯です。
[暗に弱いのだ。と白状したも同然の言葉を口にした。*]
[もっと、とねだる顔は艶めかしい。
意識の少しの混濁がもたらした欲の色。
つまり、正気を剥いでやれば、彼はあでやかに染まるということだ。
与えられた水分が理性を呼び戻せば、彼の声は硬さを増す。
それでも構わず一通りまさぐった。]
体の具合を確かめていた。
君の体のことを詳しく知りたい。
[彼の足元で、抗議のように氷が鳴く。
あるいは、誘うかのように。]
[水分を得て彼がいくらか落ち着いたようならば、一旦看護の手を止める。]
到着地点から宿舎までの行軍訓練はひとまず終了だ。
問題点は後ほどブリーフィングしよう。
本来ならばすぐにも次の訓練を行うのだが…
その体調では無理だな。
今日は休むといい。
その次の訓練は、少々体に負担がかかるものになる。
[二つ目の訓練の放棄を告げて、次に備えるよう促す。]
暫くはそのまま寝ていろ。
気分が回復したら少し自由に過ごしてもいい。
なにか他にして欲しいことはあるか?
[必要なことを伝えたあとは、看護人の顔に戻った。]
[身動ぐ気配が拒絶ゆえのものでないことは
なんとなしに感じられる。
そうであって欲しいという願望もあったせいかもしれない。
触れるだけ。
ただそれだけで鼓動が跳ねるのは
セルウィンが己にとって特別な存在であるから。
腕をなぞり下りる彼の手指が己の手へと絡む。
柔らかなその動きにピクと小さく指が跳ねる。
意識するがゆえに過敏になっているのか、
ささやかな反応を隠すように
握りこむ手の平を指の腹で撫でて重ね合わせた。
なかなか重ならぬ視線に焦らされるような感覚を覚える。
もう一度名を呼び促せば、彼の眸に己の姿が映り込む。]
――…声に、キミへの想いでも滲んだかな。
漸く、私を見てくれたね。
[意図するものを理解しながら、嬉しげに目を細めて微笑む。]
捻ったのは足首だけだから! それももうそんなに痛くないし。
他はなんともない。
[触診(?)に抗議して主張する。
傷の具合を、ではなく、「体」と言われた意味は別段、深読みもせず。
怪我人の自己申告は信用しないタチなのか、フェリクスは構わぬ態で肌をまさぐる。
ミヒャエルは、変な声が出ないようにと毛布を握りしめた。]
[ミヒャエルの容体に問題はないと納得したのか、フェリクスは実務的な話を振る。>>94
そんな姿は有能な軍人らしさが際立ち、充分に大人っぽい。
実際、自分といくつ年齢差があるのだろう?
なんとなく気まずい空気が流れて、ミヒャエルは見かけ程には落ちついていない内心を押さえつけつつ、フェリクスの端正な面差しを見上げた。]
手法には遺憾ながら、助けてくれたことには礼を言う。
[予想の範疇だったが、まだ訓練は続くらしい。
名誉挽回できるか。
軍事の技量じゃなく、彼に自分を認めさせたい気もするけれど、うまく言葉にできない。]
教官の成績に傷がつかないよう努力はする。
[「なにか他にして欲しいことは」と問われた。
さっき、シャワーを浴びたい、と伝えたが、「浴びさせてもらいたい」わけじゃない。
そんなことを頼んだら、下着まで脱がせる口実を与えるようなものだと思った。
少し気分も良くなったから、シャワーを浴びるくらいひとりで可能だろう。
なら、フェリクスにここから出て行ってもらいたいだろうか? ミヒャエルは自分の心を覗いて自問する。
否。
さっきの続きをして欲しいわけじゃないけど。
このまま放置しておくのもひっかかるのだ。なんで。なんか。]
おまえか、 おまえの国か知らないけれど、
何を企んでいる。
[裏があるんだろうと、その感触が欲しくて問うた。
それともこれは、自分の一方的な妄想なんだろうか。
フェリクスの言動に淡い期待を抱いてしまうのは。]
[微かな震えが分かれば、一瞬動きに躊躇いが生じて。
掌を擽られるたなら肩を震わせてしまう。
だが、その手が重なったなら表情が柔らいだものになる。
微笑いながら否定もしないその様子に眉尻が下がる。
視線を外してしまう自覚はあるが故に。]
そう改めて言われると、見づらくなります…、…
[それでもソマリの声音と表情から嬉しそうな感情を汲んでしまえば、強くも言えず。
自身が口にしたことは後悔はしていないものの、じわじわと込み上げる羞恥心にまた暫くしたら、瞳が伏せられていくだろうか。]
そんなに嬉しそうにしないでください…
[重なった手はそのままに、空いた片手で口元と頬を覆い隠すようにして、そう呟いた。*]
[やわらぐ彼の表情があたたかな春陽を思わせる。
思い出の中の彼と面影が一瞬重なり懐かしさを覚え]
その表情も、好ましく思う。
[眩しげに見つめながらそう伝えた。
見づらくなる、との言葉が聞こえると
ふ、と吐息のような笑み声を漏らし]
お喋りが過ぎたかな。
振り向いてくれるまで口を噤んで待っていようか。
[悪戯な、けれど常の軽口よりも甘さを帯びた囁きを向ける。
白い肌に羞恥の色が刷かれると、口の端を持ち上げ]
好きな相手の、可愛い姿を見れば
誰だって嬉しくなるものだ。
[覆い隠されるくちびるの上、
セルウィンの手の甲越しに口接けを落とす。]
――…私は、キミに惹かれている。
[一度目を伏せ、再び彼の眸へと重ね]
セルウィン、
キミが、好きだよ。
[彼に向ける好意を改めて言葉として見詰める。*]
[ミヒャエルから向けられた視線に流し目をひとつくれる。
内心のさざ波が目にも表情にも現れているようで、言葉よりもよほど雄弁だった。]
礼には及ばない。
だが、その言葉は受け取っておこう。
期待している。
[努力するという宣言に頷く。]
そうだ。シャワーもいいが、宿舎の近くに湯が自噴している場所があるぞ。
興味があれば覗くといい。
[シャワーに行きたいと言っていたことをふと思い出し、付け加えた。]
[なにかを迷うような様子を見せたミヒャエルが、企みを問うてくる。
ずいぶんとストレートな問いだ、と片頬を上げた。]
国からの命令は、君を訓練することだけだ。
[当初の説明を繰り返した後、手を伸ばす。
彼の髪へ。撫でるように、確かめるように。]
特務部隊の───つまり私が率いている部隊の要請は、
有能な人材を確保すること。
私個人は、
君がどんなふうに成長したのか、見たかった。
[企みの一端をあっさりと口にして、
それ以上の意味を視線に込めた。]
[一つの葉ずつ載せられていく好意を含むその音に、
揶揄がないことが分かる度に、耳朶が赤くなる。
その全てを受け止めていたら羞恥に耐え切れないだろう。
笑いと共に落とされたそれに、相槌を打とうとして、ふと、心に靄がかかる。
振り向いていないように見えるのだろうか。
と、一瞬脳裏に掠めた思考は既に、心は決まっているようなものだった。
自身の言葉の足りなさにも自覚することも出来ずに、
僅かに笑みを濁らせていれば、
普段の体を取り戻し始めるその口調に、ついと口を開きかけた。]
――…っ、…?
[不意に手の甲に落ちる二度目のキス。
先程よりも距離は近く、すぐ離れた唇を瞳が追えば、すぐに黄金の瞳と重なって。]
……わ、…たし、も。
貴方と、…同じ気持ちであれば、と…
[手の甲の感触がまだ残っている。
尚更外せなくなってしまったその手に声は濁ったまま、ふるりと睫毛が揺れる。
鼓動が、自身の意思とは裏腹に弾んでいくことを自覚し掌に熱のこもった吐息を吐き出せば、瞳を閉じて。]
貴方を……、好きに、なりたい。
[観念したように言葉を返した。*]
[宿舎の近くに湯が自噴している場所があるという。>>98
そう聞けば汗を流しにゆきたくなった。
湯に浸かるのはシャワーよりも足に負担なさそうだし。]
見ておくのも悪くないな。
[好奇心を丸出しにするのも子供っぽいかと、あえて恬淡と応えたが、浮き足立った気配は隠し切れていなかったかもしれない。
期待してると言われた、せいで。]
[フェリクスの手がそっと伸ばされる。
殴られる理由もないとばかりに、背筋を伸ばしてミヒャエルは避けも竦みもしなかった。
それでも、触れてくるほのかな温もりに息をつく。 爪弾かれた弦のごとく。
尋ねておきながら、国とか組織の事情は耳を通り過ぎた。
ミヒャエルを戸惑わせたのはフェリクス個人の”望み”。]
前に… 会ってる?
[どんなふうに成長したのか──つまりは、過去と比較できるくらいに記憶に残っているという意味だと。そんな風に届いた。
脈が早くなる。]
[そうであれば、と願い、
会った瞬間に思い出せなかった自分に戸惑い、
今に始まった縁でないなら、もっと踏み込んでいいのかと焦れて、
真っすぐに見つめる眼差しに射抜かれて、
何故だか切なくて泣きたくなった。]
[セルウィンの反応からは好意を感じられる。
自惚れてしまえれば楽なのだろうが、
一般的に、同性であることが障害となるのは認識している。
年を重ね経験を重ねようとも本気で思う相手の前では
ささやかなことにも一喜一憂し、不安にもなってしまう。
笑みが微か曇るを見れば、はたりと瞬く。
何か言い掛けるその気配を感じるのに、
欲に負けて彼の言葉を途切れさせた。]
――――……、
[名残惜しげに手の甲に寄せた顔を僅か離し、待つと
彼のくちびるよりその言葉が綴られて]
ああ、好きになって貰えるように努力しよう。
これからは、他への戯れは止める。
キミだけを想い、キミだけを見つめよう。
[もっと触れたい。
そんな欲を自制しようと思うのに
震える睫と彼の健気な言葉に誘われるように瞼へとキスを落とし]
急かしはしない。
ゆっくりで構わないから―― …
[好きになって、と喉でくぐもる音色を零す。*]
痛ってェなーもう……
[思いきりひん曲げられた指を摩りつつ眉を潜めた。
苦笑を見れば暫く言葉を捜すように視線を上向けたが、
やがて椅子に深く腰掛け直して、脚を組んだ]
別に気は使っちゃいないが。
[ベルティルデが引け目を感じているなど思いもしないから、
椅子の後ろ足に重心をかけてぐらぐらと前後に揺れながら]
っても、ま、半分は冗談だな。
遊びで手を出せる女とは思ってない。
[ただしい意味で伝わらない可能性もあるが、
敢えて意味を明瞭にせず含みを持たせておく。
―――「遊びで手を出したい女じゃない」と
過去、例の噂が蔓延った時に、真偽を確かめに来た友人に告げたことがある。それもどのように受け取られたかは分からないが……
範疇外ではない、それは本心。
それなりに気の合う相手ではある、それも確かなこと。
だが、そもそも住む世界が違う相手であるような、そんな感覚は常に付き纏っていたから]
多分、どっちの為にもならんだろ。
[なぁ?と、肩を竦めた。
それにしても、やたらに軋む椅子だ。
自分が重すぎるのか、それとも古いものなのだろうか。
体重の掛け方を間違えてしまえば、折れそうで怖い。]
……。
………つーか、何でこんな話してるんだっけ? 俺の所為か。
……もう一度言うが、俺の所為なので、
んな畏まって座らなくてもいいから、
風呂とか身支度とか適当にドーゾ。
[空気を変えようと努めてはみるが、効果はあるやら。]
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(ちゃぶ台をひっくり返してもんどり打っているの図)
く、照れる…!!
ゆえるんさんを言葉の魔術師と呼ぼう(菩薩の顔)
セルウィン!キミももうちょっとがんばって!!
ソマリに応えるんだ!!
覚えていないか?
[目を見開かれて問われて、小さく笑みをこぼす。]
もう10年かそこらも前のことだし、
私も変装していたからな。無理もないが。
カノートの市場で、君を1日連れまわした男のことは覚えているか?
あれが、私だ。
[余人のいない気楽さで、秘密を明かす。]
私はあの時、任務で君の国に侵入していた。
たがどうにもつまらないミスで追い詰められて、
君を人質に、暫く逃げ回るはめになったんだ。
あの時の君の態度、
君が見せた度胸や私に向けた言葉に、驚かされたものだ。
あの時君と別れる直前に私が何を言ったか、
ちゃんと覚えているか?
次に会うことがあるなら、
私と君が縁で繋がっているということだ。
だから君が我が国に来ると聞いて、こちらに呼び寄せた。
縁を繋ぐために。
[静寂響く夜。
息を潜める子猫を探し始める。
然し頭の中で考えるのは真面目な子猫ではなく、
甘く焦がれた声を出していた子猫。
裸体で無邪気にはしゃいでいた姿を記念に収めただけでも収穫があったと言えよう。
そして―――。]
―――見つけた。
[森の中に息を潜める子猫を見逃しはしなかった。
何を考えているのだろうか、嗚呼もしかして己の事を考えてくれているのだろうか。
そっと近づいて、その腕をグっと掴み引き寄せようか。]
な?俺から逃げるのは不可能なんだよ、カレルくん。
[そう引き寄せた身体を抱きしめて、耳元に甘く低い吐息を吐き出す。
あの時を思い出させるために、首筋につぅっと舌を這わせた。]
―――ねぇカレルくん。
君さ、こういうの興奮する方だろ……?
[あの時と同じように、身体が震えているのはきっと怖さではない。
そう思いながら腕の中から離さず、
擽るように耳許で囁いた。*]
[伏せる瞳は仄かに色付く頬を映し出す。
彼の言葉が途切れるのを感じて、気取られぬように視線を向けたつもりだが、
この距離ではすぐに気づかれてしまうだろう。
僅かに出来た隙間に、彼の表情を窺い見る。
浮名の多いその人が紡ぐ言葉に。
瞼へと落とされる柔らかな唇に。
絆されるように自然と肩の力が抜けていく。
その時、心に宿した感情は確かに温かく。
口元を抑えていた手を外して、ソマリの頬へと添えられる。]
まるで、神前での誓いみたいだ。
[剥げ落ちていく敬語は、先程から何度目だろうか。
口にした揶揄は自身でも驚く程、柔らかな声音だった。
指先で、すり、とソマリの頬を愛しげに撫でて双眸を細めた。*]
…会えた。 また会えた、
[髪型もしゃべり方も、目の色さえ変わっているけれど、カノートの市場の一日を忘れるはずがない。
箝口令を敷かれて報道記録にも残されていない事件でも、ミヒャエルこそは当事者なのだから。
そして彼もまた待っていてくれた。
再び縁を繋ごうと──]
ずっと大事に持っているよ、あの時もらった月長石。
[耳のカフスを見せる。]
[呼吸が浅く、早くなる。
このまま連れて行ってくれればいいのに。
でも、「見たかった」だけなのかもしれないと、小さな震えが走る。
戦争があって。10年という月日が流れて。
成人した自分は──彼に意に適う人間だろうか。
聞くのが、怖い。]
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今夜から尋問イベントですが、その前に親密度が上がりすぎてヤバいねwww
ストレートに萌える過去話を投下しおってw 好きだ
持っていてくれたか。
[約束の石。一族を繋ぐ石。
縁はやはり、ずっとつながっていたということだ。]
間違っていなかった。
[なにが、とは言わず]
一緒に行こう。
[立ち上がったミヒャエルの後を追って歩き出す。]
場所を知らないだろう?
温泉と言っても湯がただ湧き出しているだけだ。
入るのにもコツがあるんだ。
[嫌がられても、教えるとの名目でついていく気だった。]
――――っ!???
[闇の中、唐突に誰かに腕を取られた。
木立の葉ずれの音に紛れていたとはいえ、まるっきり気配を感じなかった。
いや、それ以前に人間の視覚的にわかりにくい場所に身を潜めていたはずだ。
一体どうやってここがわかったというのだろうか。
そして……首に触れるこの感触、間違いない]
嘘……だろ…………。
[信じられない、という意図で上げる声は二つの意味で。
自信を持って身を潜めていた自分を見つけたこと。
自分を半ば陵辱するかのようにしてきた相手がゲオルグだったということ。
そして、彼が落とした言葉に、抵抗するように首を振る]
そんなことない…!!
[咄嗟に閃光弾をだそうとしてしまったのは、何を守るためだっただろうか*]
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