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美しく月の昇る晩、君は自らの本当の姿を知った。
智恵を絞り、活路を開く勇気。
人狼を見抜き、妖異を滅ぼす力。
死者の声を現世に届ける異能。
頼りなく怯える人々を守る技。
互いの正体を知覚し合う絆。
自らの胸を裂いても仕うるべき主。
赤く染まる牙――長い咆哮。
さぁ、どうする?
まずは何から始めよう?
どうやらこの中には、村人が8名、囁き狂人が2名、共鳴者が2名、銀狼が1名、背信者が2名いるようだ。
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村の更新日が延長されました。
第三章二部四節
文化の街シュビドでは、反体制の集会が開かれた。
ベルサリス学館の学生を中心としたこの活動に、
王府は危機感を覚えたか、制圧の軍を発する。
驚くべきは、鎮圧軍の一翼に当代巫女姫が加わっていたことだ。
国の象徴ともいえる巫女姫が動くことは、
このあとに起こる動乱の大きさを予感させるものだっただろう。
――― ロバート・ヘルグムント著 「ナミュール島年代記」
賊に出会ったときも、いざというときにも動ける力を、
みんなひとりひとりに持ってもらいたいんです。俺は。
[支配されることに慣れている民に、自ら考え、行動する力を。
それが今の国の体制を揺るがすだろうと承知していたし、
できればマーティンにもそれに賛同してもらいたい、
とも思っていた。]
この景色、姫さんが見たらどう思うかねぇ……。
[ふと、1年の間だけ学館で学んでいた巫女姫のことを思い出す。
ナミュール国を、伝統を守る立場の彼女。
同じく国を思いながらも、クロードとは真逆の立場だ。
その彼女がこの熱気を見ることができたらどう思うのだろうか]
そういえば――…
[学館の事を思い出して、女は首を捻る。
一年間だけ、クロードの傍にいた金色の髪を持つ女生徒。
彼女もまた論議に参加していた生徒の一人だった。
ロイ兄様、と呼ぶ姿や滲む雰囲気からは育ちの良さが窺い知れ、どこぞの貴族の子女だろうと思っていた。
二人の様子から本当の兄妹ではないだろうと推察出来たが、まさか騎士団が奉ずる巫女姫その人だとは知らず。]
…何処にいるのだろうか。
[>>154民が戦うべきではないと主張していた姿を思い出す。
戦いに近しい場でなければいい。
血煙の建つ、そんな場所が似合う人ではないように思えたから。*]
− ウェントゥスの里 (回想) −
[熱にうかされた自分の惑乱が親切な
胡乱な記憶の中で寒気を訴え、手を伸ばす。]
ここに居てくれ──
[寒い国で人々が身を寄せ合って凌ぐように。]
―フィオレンザであった頃―
[幼い頃から、人形遊びよりも棒切れを振り回すのが好きだった。
騎士団長を務めていた父に兄や弟と一緒に教えを乞うて、その大きな手で撫でられるのが好きだった。
‘フィオレンザなんて似合わない。フィオンでいい。’
そんな風に言って、男の子と遊んでいた少女はじゃじゃ馬と呼ばれていた。
泥だらけになって帰って来る娘の姿を見て
母は嫁の貰い手が無くなると嘆き、父は騎士になればいいと豪快に笑っていた。
兄や弟と同じように己も騎士になるのだと息巻く少女は成長し、やがてある事に気付く。]
[どれだけ努力を重ねても抗いようのない、性別によって生まれる力の差。
それを思い知った時、口惜しくて涙が零れた。
騎士になるにはどうすればいいのかと父に教えを乞うた。
膂力で負けるなら、その身の柔軟さや俊敏さで。
父の教えを受けて騎士になる為に必死で己の腕を磨いた。
そうして17で騎士団に上がり、そこである人と出会った。]
[シュナウザー・ロイヴァス。
フィオレンザより二年先輩の騎士だった。
髪を切り男と同じように振舞う少女の事を、彼だけはフィオンと呼ばなかった。
己はフィオンでいいのだと主張する自分に、やんわりと親から貰った名前を大事にしろと言う。]
「花の盛り、という意味なんだろう。いい名前じゃないか。」
…私には似合わない。
「そんな事はないよ。良く似合ってる。」
[そう微笑む姿にそれ以上言葉を継ぐ事が出来なかった。
不思議と彼に呼ばれるのは抵抗がなく。]
…―――― シメオン殿、
[居住まいを正して、向き直る]
どうぞ、ごゆるりと。
我が国を御覧くださいませ。
その上で……貴方と、正使の御方が、
何を求めるのか、
このナミュールにどんな未来を描かんとするのか、
お聞かせください。
この巫女姫シルキー、
いつでも貴方がたの再訪をお待ちしておりましょう。
[あたかも祭祀の一仕草のように、両手を揃え丁寧に一礼する。そうして、去り際、]
…、ああ。そう、 ただ、
私は此の国を愛しく想っておりますから、
貴方がたが求めるものが我が民に仇なすものであれば、
相応の反応を予期しておいてくださいね。
[花が綻ぶように微笑った**]
[剣の腕はお世辞にもフィオレンザより上とは言えなかったが、朗らかで日向のような人だと思った。
そうしていつしか心惹かれていた。
そうして19で結婚し、騎士としての任を務める傍ら、妻として彼に寄り添った。
綺麗だから伸ばしてもいいのではと云われ、こっそりと髪を伸ばした。
ドレスなど着ないけれど、彼の前だけでは普通の女性になったような気がした。
そうしてもうすぐ結婚して二年が過ぎようかという頃、シュナウザーが向かった地方への巡視で起きた諍い。
それを止める際に怪我を負い、そこから罹ったと思われる病が原因で余命幾何もないとの見立てを聞かされた。
何とか直せないものかと医者に泣きついたが、治すのは不可能だという。
――半月後、シュナウザーは命を落とした。]
[世界が色を失ってしまったように感じた。
涙が枯れた後には只空を眺めているだけの日々が続いた。
二人の間に子供はいなかったので、喪が明ければ家人に支えられるままに実家に戻った。
心の傷が癒えたら新しい人を探せば良いと、そう言う母に]
私は、もう結婚はしません。
この身はナミュール国の為に捧げ、騎士として生きていきます。
あの人の愛し、守って来たこの国を守っていきたいのです。
[頑なに主張するフィオレンザは誰にも止める事は出来ず。
やがてフィオレンザは背中に当たるまで伸びていた髪を切り、騎士団へと戻った。
そうして、知識を得る為に幾人かの同僚と共に‘フィオン・ヴァイサネン’としてベルサリス学館に入った。**]
― 回想/共和国留学時 ―
[問いに返る答え>>0:168は、歴史を学ぶシメオンにとって真逆を行くものだった。
まだ見ぬ何かを求め手を伸ばす挑戦。
冒険と言っても良い。
カナンの語る”希望”はシメオンには眩く見えた]
…俺は、歴史を学びに行くから。
そんな風には考えもしなかった。
[過ぎた事象も先を推測する糧になる。
歴史を知れば先へ行くための指標や戒告にもなる。
ただ、歴史を知れば知るほど、その裏も知ることになり、カナンが”人質”として共和国へと向かうのでは、なんて推測も立ててしまうのだが]
……悪くねーかも。
[カナンの示したものは、シメオンを陽の下へと引っ張り出すような印象を受けた。
新しいものが嫌いなわけではない。
新たに識ることは、シメオンの心を躍らせる]
俺も見てみたい。
お前が何を手にして、何を見つけるのかを。
[そう言ってぶすくれた表情から笑みへと変える。
”人質”として行くとは思えないカナンの様子に、シメオンの心理にも僅かばかりの変化。
真直ぐすぎるから、それ以外の部分は自分が補う、と決意を新たにするのはもうしばらく先のこと]
[皇子扱いしない宣言に対しての反応>>0:178は予想外のもの。
やっかみからの発言が途端に恥ずかしくなってくる。
けれど相手が良いと言うのだから、それに遠慮などすることは無い]
んじゃあカナンって呼ぶからな!
[そう言い放つ様子はまだまだ子供染みていた]
[このやり取りのお陰か、カナンの懐深い性格のお陰か。
シメオンが意地を張ることは少なくなって行く。
頼られるのは嫌いじゃなかったし、無茶や無謀を言われるわけでもない。
カナンもまた自分を対等に見てくれているのだと気付けてからは、自然と彼のために動くようになっていた**]
― 回想/遭難救助後しばらくして ―
そんなもんかぁ?
…あーでもそうか、交渉ってそんなもんだよな。
[指摘>>0:169を受けて、自身の考え方を改める。
クレメンスの言も受けて、この地に無いものは価値あるもの、と思うことにした]
んー?
あぁ、俺の近くに甘いものが大好きなのが居てな。
そいつの希望受けてたらこうなった。
[クレメンスが投げた疑問>>171には曖昧ながらも真実を告げる]
あと女性にもウケ良いぜ?
こう言うの作れたりするとな。
[次いで紡いだのは結構不純な動機だった*]
― 回想/ウェントゥスの里 ―
[あ、ダメだこれ、全然大丈夫じゃない。
そう気付いたのは、手が伸ばされた後。>>6]
……え?
[ただ、その後に聞こえた言葉に完全に気を取られて、反応が完全に鈍っていたから。
引き寄せる事、それ自体は容易い事。
男子のような振る舞いに似ず細身の体躯と、その一部の柔らかさを向こうが感じたかは定かではない──が]
[
『…―――――隊に戻って来て欲しいんです。』
つい先日、かつての自分が率いていた隊の部下から、
そんなことを頼まれたのを思い出す。
事故で友人を失い、自身も傷を負って以来、
利き腕に軽い麻痺と視力の低下で、
剣や弓を扱うことができなくなってしまい、
兵器開発部の方へと所属を回されたのである。
―――あれから数年。]
確かに、あの時の傷はもう完治しているのだがな。
[ただ今まで通りこの島の鎖国が続き、
害獣退治や街の治安を維持するだけなら、
わざわざ自分が隊に戻る必要もないだろうと思う。]
……っちょ、まっ……。
ねーぼーけーるーなーっ!
[いずれにしろ、我に返ったこちらが取るのは距離を取る試み。
その時につい、大声が出たのは赦されろ、などと考えつつ。
気を鎮めよう、と繰り返すのは深呼吸、数回。
いつの間にか頭の上から飛び降りていた白の小猿が、その足元に擦り寄った。*]
[だが、今日は何やら軍の内部が騒がしい。
王直属の騎士団が直に動いているのだという。
元部下の彼も本日はジュビトの方へと行くと言っていた。
『いつでも戻ってくるのをお待ちしておりますから』と、
どこか不安げな声が脳裏を響かせる。]
…何事も起こらなければいいのだが。
[どことなく胸騒ぎがし、
思い立てばかつて使っていた愛用の剣を取りに、
自宅へと向かう。]
[自宅のドアを勢い良く開ければ、
妻が大分大きくなったお腹を撫でながらも、
酷く驚いたような表情を浮かべて居ただろうか。
あなた急にどうしたの?等と訊ねられていただろうが、
剣の保管をしてある部屋まで真っ直ぐ行けば、
それを手にして。]
…ちょっと出かけてくるわ。
[何か嫌な予感がする、そう残せば、
妻は心配そうな顔で、自分を見送ってくれる。
『…気をつけてね。
お腹の子もあなたが早く帰ってくるのを待っているのだから』
ポツリと小さく呟かれたそれを耳にすれば、
顔は後ろを向けたままだが、思わず口元を緩めた。]
― いつか・ベルサリス学館にて ―
ああ、わかった。
[鍛冶ギルドに向かう日時を事務的な会話でやりとりしたあと、続く言葉に耳を傾け――]
ふん……。
中々いうようになったじゃねーか。
一人一人が力を持つってことは悪いことじゃねぇ。
だが、力ってのは使いようによっちゃ、他人を威圧し苦しめることも出来る。
承諾しといてなんだが、もし間違った方向にいけば……。
お前はその力を正しいことに使えるよう導く事ができるのか?
[そう言うと、クロードをじっと見据える]
― 5・6年前・シュビト近郊 ―
なあガート。
[馬での遠駆けに行った折、友へと言葉を掛ける。]
軍隊を、作ろうと思うんだ。
[唐突かつあけすけな言葉は、
それを聞く余人がいないからこそのもの。]
/*
時間掛けて悩んだわりにはなんだかすごい抽象的すぎてすまない……。
素直に受けるべきだったかもしれない。
軍隊…は言い過ぎだけどさ。
なんかあった時にすぐ動けるようなさ、
腕の立つ連中の集まり?
街の自警団をもっと強くしても良いんだけどさ。
もっと専門的で、いろんなことをこなせて、
もし……王府の軍と戦うようなことになっても
なんとかなるような連中をさ。
[どこか遠くを、
ずっと、未来のことを見るような目をしてから、
ガートルートに視線を戻して、どうかなと首を傾げた。]
/*
改めて、よろしくお願いいたします。と此方でも。
共鳴。また共鳴ですよ天ですよ。
中の人はるがるでは共鳴側ばかりに御縁がありますね。
馴染む緑よ…。
しかしあっという間にプロが過ぎました…其の分1dが鬼のように長いですけれど。
現在のタスク。
ジェフロイ、マーティン、フィオン、ソマリ、アレクシスですね。
出来るところまでやって、残りは明日かな…。
インフルさんつら…。
― いつか・ベルサリス学館にて ―
[マーティンの鋭い目に見据えられて、半歩足が下がりかける。
軍を引いたとはいえ、一線を経験してきた威圧感は並ではない。
肚に力を入れて踏みとどまり、強いて口に笑みを浮かべた。]
人を導く人間を作るのが、この学館でしょう。
少なくとも俺はそのつもりで学んできました。
それに、俺だけじゃないですよ。
心強い仲間もいます。
[できると断言はしない。
ただ、やる、と意思を込めた。]
/*
最初のタスクが減らないうちに次のが増えてくるから、
ほんとタスクは増えるワカメだね。
くそ。増えるワカメはログだけで十分だってーの。
― 回想/飛行船遭難後しばらく後 ―
[忠告めいた言葉を素直に受け止め、ついでに前言撤回を宣したシメオンに、>>20声をあげて男は笑った]
はっはっは、いいだろう、ではこちらも新たな取引材料を探しておく。
[実利に聡く、抜け目の無い交渉相手を楽しむ性質が、彼を貴族というより商人に近いと見せもするのだろう]
ほう、甘みを好むというと...
[菓子作りに関する答えに、好きな女のためか何かか、と、揶揄い混じりに言おうとして、続いた言葉に瞬く。
では、そもそも女性のために覚えた技能ではないのだ、と、そう気付いて。
しかし、それ以上を重ねて問いはしなかった**]
− シュビト −
手放しの自由は無法によく似ている。
自由には、それを尊びあしらう知性が必要──か。
[カナンの視線の先にあるのは、今日の集会を宣伝すべく学館の壁の一画に描かれたフレスコ画だ。
石灰石を焼成して漆喰を作り、壁面に色鮮やかな絵画を固定する技術を伝えたのは、他ならぬ自分である。
実のところ、この国の筆記具はマチュザレムよりも優れていると言ってよかった。
色あせぬ墨に透けるように軽い紙。
だが、逆にフレスコ画の技術はなく、風雨に強い屋外用の新しい絵画技法として、ベルサリス学館では迎え入れられた。
カナンにとっては見慣れた色彩。
だが、芸術学部でも賛否両論だと聞く。
まあ、絵画の評価などそういうものかもしれないが──]
確かに、
漆喰を生成する技術は、その過程で”
知恵があれば、その使い道は──
[“製造過程”の粉末を詰めた袋は、秘かに貯蔵されている。
“開国派”の首領たるジェフロイと自分とが管理するそれは、フレスコ画の材料となるのだろうか。あるいは──]
…そろそろ行くか。
あれ、 いねーの?
[連れの姿を探しつつ、カナンは学館を背に歩き出す。*]
― 道中 ―
[ 通常の出動であれば船を使う。
実際、主が王府から戻ったのは海路であったし、シュビトへの搬送もスルジエから西回りに大型の船を使えば、途中の浅瀬で小型の船に積荷を移し替えてもなお驢馬も使えぬ山岳地を跨ぐよりも早い。
険しい陸路を選ばざるを得なかったのは正規の手続きを得ていない証でもある。
その癖自分はシュビトに先行して待つという隊長の言葉は矛盾しているように思えた。
今まで形ばかりの軍隊の長である立場に収まりながら、キナ臭い状況になってきたところで泡を食っているのかも知れない。]
-春の祭の終わり-
――――……ッふふ、捕まえました。
[>>0:133 アレクシスは誰かを路地裏に追い詰める。
巫女姫の奇襲を掛けようと画策していた”虫”は、今や袋小路である。
アレクシスは平均よりやや上程度である、そこまで足は速くない。
然しそれでも確実に、追い詰めるだけの、土地勘は充分にあった。
そいつは言う、『お前どこかで見た顔だな、まさか』]
さぁ…… 私なんてただのしがない学者ですよ。
人違いじゃないですか?
なに、今は殺しません。
少しずつ、羽根を捥いでから殺す方が楽しいでしょう。
[相変わらずの穏やかな口調のまま、一歩近づく。何処かで蜂の音がする。そして細い目をさらに細くさせ、優美に髪を撫でながら、声を一段下げる。]
巫女姫をリンチ?
物騒な言葉ですねぇ。
貴方、それでも人ですか?弁えなさい。
――――……誰に指図されました?
クロード・ジェフロイです?
嗚呼、貴方みたいな虫けらでは、主の名すら知りませんかねぇ。
[さて。その問答は果たして何処まで続いたか。*]
( 模擬戦では矢鱈と斥候を出したがる人でした。)
[ 先任の隊長は父であった。祖父、父と二代に渡って副官を務めた者が次代の隊長に昇格するかと思われたが高齢を理由に、今の隊長が家格を笠に着て成り代わった。父が長生きしていればそうはならなかったかも知れないし、変わらなかったかもしれない。政に口を出さぬ事を家訓としていた。
彼が自分の取り巻きの将校ではなく自分に兵の訓練を任せるのは、憎まれ役の位置づけであるとしっていたからだろう。自分に締め付けられた兵は彼らによって甘やかされる。
自分の行為が無駄に思える事もあったが、祖父が兵を育てるのを見るのが好きだった。父よりも祖父を慕っていたし、どうやら自分もそれが好きらしい。この恵まれた身体が悪目立ちせずにすむのも救いだった。]
― 回想/王府:シルキーと ―
お心遣い感謝します。
[含めた単語への反応は薄い>>0:172。
取り乱さぬ相手の手強さを痛感する時だ。
案ずる言葉には礼を述べて、滞在についての承諾にも緩く頭を垂れ、感謝を示す]
[会談は次の機会へ、となり、諾>>10を得て去る間際。
投げかけた問いへ返ったのは、クレメンスから得た情報よりも詳しいもの]
ベルサリス学館…。
学び舎なのですね、そこは。
情報感謝します。
[得られた答えに礼を紡ぎ、微笑んで緩く頭を垂れる]
[直後、改めて名を呼ぶ>>11のにこちらも姿勢を正した。
紡がれる言葉と向けられる仕草。
儀式めいた動きは外からの圧力には屈せぬと言う自信が満ち溢れているように見える]
…生まれ育った国を愛しく想わない者は居ないでしょう。
どれだけこの国が素晴らしいのか、この目で確認させて頂きますよ。
この国が素晴らしければ素晴らしいほど、我々は開国を求めることになるでしょうけれどね。
そのような素晴らしい国に、新たな未来を齎すことが、我々の使命ですから。
[花が咲くような微笑>>12に、負けず整った笑みを返し、シメオンは場を辞した**]
シュビトの街に行ったらマッキントッシュ殿に会いに行きましょうか。
[ 兵だけ見ていたいと思ってもそうはいかない。目的地が一緒でありながらわざと別行動を取る余所余所しい上司に合流するのは気が重い。どうせまた斥候の役目を言い渡されるだけだろう。ならば、旧知の人物に会う方がずっと気が楽だ。
平地の多い北に比べて山岳地だらけの南では、王府に従わぬ民の存在もあって、王府も様々な対策を長年続けていた。
有事に備えてこうして南部の周辺諸侯や貴族が兵を養うのもその一環であるし、このような場所で用いる近代兵器の開発や演習に協力関係を結んでいるのが、王府の兵器開発部であった。
彼らの考えた武器を極秘で試す事を任される代わりに、軍営設営>>15に際して便宜を図ってくれた関係で付き合いは長い。*]
― 回想/王府:アレクシスと ―
[シルキーとの対面の場から辞し、帰路へつくために廊下を進んでいた時のこと]
───っ、
[滑り込むように届く声>>0:177に息を飲み、警戒の色を見せ声の方へと振り向いた。
そこに居たのは不思議な雰囲気を纏う男性。
ここまで気配を絶てる者はそうそう居ないだろう。
言葉を返さずにあからさまに警戒するシメオンの様子は相手も察したようで、名乗りと労いが続いて紡がれる]
ユレ、殿。
わざわざの慰問痛み入る。
……何か、御用だろうか?
[言葉遣いは丁寧ながらもシルキーに対してのものとは異なるのは警戒が切れていないため。
あちらがシメオンを値踏みするのと同じように、シメオンもまたアレクシスと名乗る男が何者か、見極めようと視線を投げ返した]
[りぃん。しゃん。
遠くで鈴の音が聴こえる。
嗚呼、春の宴も間もなく終わる。
姫は、今年も美しかった。
来年も。再来年も。嗚呼、]
どうか貴方は
美しいままで
―――――………巫女姫
[女王蜂は一匹だから強いのだ。
遺伝子に描かれた絶対服従の神。
それを打ち落とそうなぞ、森羅万象に逆らう業なのだ。**]
[そのままウェントゥスの里で看護を受け、死の淵から復帰したカナンに任務を思い出させたのは、距離を越えて届く腹心の”声”だった。
思えばシメオンはいつだって過去を手放さずにカナンに呼びかけてくれたのだ。最初の時から。]
ありがとう、世話になった。
おれは、カナン・リリ。
北の小国セドナの皇子にして、マチュザレム共和国の外交官だ。
ナミュールとマチュザレムの国交について話をしたい。
話のわかる有力者に取り次いでもらえまいか。
[そうしてまつろわぬ民のはみだしっ子が引き合わせた”話のわかる相手”が、王府の人間でなく学館の人間だったことは、この国の未来を幾ばくか方向付けることになったかもしれない。**]
/*
CaO
酸化カルシウム。またの名を生石灰。
イギリス軍がフランス軍の兵に対して投げつけ、彼らを失明させるのに使用した。
ギリシャ火薬の成分の一つであるという説もある。
えっ。それ貯蔵してあんの??
────!
カナン!?
おい、今どこに居る? カナン!!
[投げかけ続けていた声に反応した……とは思いにくい声。
けれどようやく知れたカナンの無事。
意識が落ちているのであれば引き戻す心算で、更に声を投げかけた]
/*
ところで。
[下を見る]
[pt残量を見る]
[発言数を見る]
[周りの発言数とpt残量を見る]
解せぬwwwwwwwwwww
なぜこんなに消費してるんだwwwwwww
― いつか・ベルサリス学館にて ―
[自分の容貌が厳ついことは自身でも自覚がある。
その利もあるのか軍にいたころは睨みつけるだけでも、半端な根性で治安を乱す輩を震え上がらせるには十分だった。
その視線を受けて踏ん張るクロードを尚も見据えること暫し。
ようやく、その顔に笑顔が戻ってくる]
ははっ、一本取られたな。
違ぇねぇ。お前が他のヤツらを導けるだけの力を与えるのがオレたちの役目だ。
そのオレがお前にこんな問いかけをしてるようじゃ世話ねぇな。
[うんうんと頷く仕草を見せ]
ま、このオレ様が直々に指導してやるんだ。
力を悪用するようなヤツはオレが鉄拳制裁してやる。
[些か矛盾するような言葉を吐いて、からからと笑う]
― 集会当日・シュビト中央広場 ―
[聴衆にまぎれる私兵達は、基本三人一組で行動している。何か事が起こった時は二人が組んで動き、残る一人は基本は待機、戦闘となって一人が動けなくなれば残る二人で倒れた一人を連れて撤退を計る。それが市街地での行動パターンだ。
自らと仲間の命大事に動くその戦闘形は、間違っても騎士や兵士のそれではない]
[男自身の傍には、副官とも呼べる二人と、そしてもう三名、シメオンを常にフォローしている一組も在る、とは、シメオン自身は気付いていたか]
ああ、今、おもしろい知らせが来てな。
[何かあったのかと問うシメオンに>>0:110男はゆったりとした口調で応じた]
もしかすると、巫女姫の珍しい姿を拝めるかもしれないぞ。
『そっちですかい頭...いや旦那様』
[楽しみにするにしても方向が違わないか、と、知らせを齎した男がぼやいたが、どこ吹く風だ]
― 回想/王府:シメオンと ―
[>>44 流れる銀糸。それとは対照的に燃えるような蠍の緋色。
言葉遣いは少し固くなっているようである。
私もまだまだと、自戒する。
相手に警戒させるようでは駄目だ。
然しそれだけの武人である事も同時に悟り、目の端を緩める。]
いいえ、少しご挨拶だけですよ。
ああそうそう、
シュビドへ行くならば、軽装でいくと良いですよ。
あそこは南の地、比較的ここより暖かいですので。
[>>10 謁見の、その場に居なかったはずなのに。
シュビドの地名をあげれば、彼は驚くだろうか。
もし更に追及されれば、穏やかな笑顔のまま崩さず、]
巫女姫が申しそうな事ですからね。
あの方は誠に、正直者ですから。
そうですねぇ、学館の皆様によろしくお伝えください。
マーティン・バウマンは元気ですかねぇ、っふふ。
快活で、良い男ですよ。
指南を受けても良いかもしれませんね。
[世間話にしか聞こえない会話を紡いだ。
脈略が無く、冗長的な物言いより、そう長く引き止める気はない事は分かるだろう。
もう目的は果たしている。]
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
面白い知らせ?
[ゆったりと話すクレメンス>>49に、シメオンは赤い瞳を瞬かせる。
続けられた言葉と突っ込みが耳に入ると、二人を一度交互に見た]
巫女姫の珍しい姿って……つか姫さんまでこっち向かってんのか。
[決起集会相手に大仰だな、とは思えど、それに意味があると言うのは何となく察することが出来る。
大規模な決起集会だからこそ、彼女は出てきたのだろう]
見物するにしても場所変えた方よくね?
[下手をすれば巻き込まれる可能性がある。
ここに居るのを見つかっても厄介だ、とクレメンスにそう提案した]
― いつか・ベルサリス学館にて ―
[マーティンが笑顔になれば、釣られるように笑った。
元々の顔がいかつい分、笑顔になれば不思議な愛嬌がある。
…なんて、本人に面と向かって言う度胸は無かったけれど。]
はい。よろしくお願いします。
この国の、未来のために。
[ひとしきり笑ったあと、改めて頭を下げる。
大きな一歩を踏み出せたような心地であった。**]
軍師キャラではなくない?!Σ
アセアセ。゚ヽ( ゚`Д´゚)ノ。゚
がんばれぇ〜
明日は軍師っぽいところ見せるん!
― 回想:王府 シメオンと ―
―――……仰せの儘に、巫女姫。
[>>=0 命令を紡がれれば慇懃な様子で影は頷く。
しかし応えるその声は、確かな恍惚で自ずと震える。
蜉蝣はそのまま何処かへと羽ばたき、そして窓へと止まる。]
貴方は美しく親書を手渡す顔。
穏やかなままで、慈しみをもって、接すれば良いのです。
[そして光を浴びて煌めけば良い。
蛮族がその太陽を隠すことなんて、あってはならない。]
― 回想/王府:アレクシスと ―
[闇に溶けるかのような黒髪、底の知れぬ瞳と態度。
挨拶だけ、と言いながら更に言葉を続ける様子>>50と、謁見の場に居ないはずなのにシュビトの話題を挙げる様は、理由>>51を聞いても警戒を緩めることは出来なかった]
(表と裏……この国にもありそうだな)
[陽光の如き
それぞれが表と裏を象徴しているように見えた]
ご忠告はありがたく。
会うことがあればお言葉お伝えしておこう。
[外交で訪れている以上、あまり蔑ろには出来ないため、脈絡が無いと分かっていても無難なところで返しておく]
もう、失礼してもよろしいか?
帰りの案内の者を待たせているのでね。
[挨拶だけが目的ではないようにも感じたが、探るには相手の得体が知れ無さすぎる。
戻りクレメンスへ問うた方が情報が得られると考え、離れることを優先した]
― 集会当日・シュビト中央広場 ―
当代の姫巫女は、なかなかにお転婆だからな。
[姫巫女まで来るのか、というシメオンには>>52そんな風に冗談めかした言葉を返す。
伝統と千年の閉ざされた歴史の象徴たる姫巫女。だが、その彼女自身が、こうして民衆の間にその姿を見せ、また民衆を知ろうと腐心することそのものが、姫巫女を神聖なるものとして高きに置く伝統とは相反しているのだと、あの姫は気付いているのだろうか?]
おや、怖いのか?
[場所を変えた方が、という提案には、揶揄うような口調を返し。見つかるとまずいのではと言われたなら、くすりと笑う]
なあに、見つかったら逃げ出すまでだよ。それにそもそも、君の容姿を知っている者など限られている。
私が変わった若者を連れ歩く事など珍しくもないからな、それこそ姫巫女本人でもなければ、気付きはしないだろう。
[もう一人、彼を見れば確実に気付く人間...カナンがこの街にはいるのだが、それは男の思考の外だった]
― 集会当日・シュビト中央広場 ―
姫巫女に見つかったら、学館の見学に来たと言えばいい。
何しろ、君にベルサリスを推薦したのは、あの御方なのだからな。
[例え見え見えの言い繕いだとしても、責められはしないだろうと、そこには自信を持っていた]
/*
いかん、いつのまにか、姫巫女と巫女姫がとっちらかっておった。しゃーねえ、次から修正しよう...まあ、意味は通じる、はず、だorz
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
お転婆かー。
ま、ただ祭り上げられたんじゃねぇ、ってのはこの間ので分かった。
[クレメンスの言い方>>56に少しだけ噴出す。
巫女姫と言うのだから単なる象徴かと思ったが、全くそんなことはなかった。
それを思えば、お転婆、と言う言葉も言い得て妙だ]
怖くはねーけどよ。
変に疑われると身動き取れなくなるだろ。
おっさんだって集会に参加してると思われると拙いんじゃねーの?
[問いかけて、そう言えばクレメンスは今回のことをどう考えているのかを聞いていないことに気付いた。
傍に居て見ている分には、どちら側、と固定されているわけではなさそうだが]
その言い訳、効力薄くねーか?
[確かに推薦はされたが、よりによってこの日に来ることは無いだろう、と思われるのがオチだ、と。
自信たっぷりに言うクレメンス>>57を、ややじと目で見た**]
― 回想:王府 シメオンと ―
ああ、それは失礼致しました。
お引止めしてしまって申し訳ありませんでした。
[>>55 邪険な双眸は、終ぞ解除されることはなかった。
その視線の温度が少し冷えたのを悟り、慌てて一礼をし。
足止めしてしまった事を詫びる。]
入口まで、お見送り致しましょうか?
[そんな風に丁寧な申し出をしたが、断られてしまっただろうか。
断られたならばその場で別れたか。
受け入れてくれたならば、入口まで彼を見送っただろう。]
――――……また、お逢いしましょう。*
― 回想/ウェントゥスの里 ―
[色々な意味で想定外すぎる出来事>>22に、思う所やら何やらはなかった──何てことは、ない、が。
油断した自分も悪かったし、向こうは魘されてたみたいだし、と、無理やり理由をつけて無理やり納得しておいた。
気にしすぎたら負けだ、などと思ったのは、さておいて]
[ともあれ、自分に責任があるのだから、と投げ出す事無く続けた看病の結果、来訪者は無事に回復し。
落ち着いた頃に受けた名乗り>>46に、最初に返したのは数度の瞬き]
……皇子で、外交官?
[二つの言葉の意味は知ってはいても、それを同時に名乗る、というのは今一つ理解が及ばなくて。
最初に上げたのは、惚けきった声だった]
あ、えっと。
オレは、ルディ。ウェントゥスの族長イムベルの子。
[ともあれ、名乗られたなら名乗り返さなくては、と告げるのは通称と]
こいつは、相棒のプルウィア。
[頭の上でじー、っとカナンを見つめている白猿の名前。
名を伝えられた小猿は、よろしく、と言いたげに短く鳴いた]
ん、と、偉い人と話したい……って事だよね?
南島は、偉い人のいる所からは離れてるからなあ……そうでなくても、オレたちは、王府との関わりは断ってるし……。
[緩く腕を組み、思案する。
言葉の意味を問われたなら、ウェントゥス一族の在り方──『まつろわぬ民』である事を説明して]
あ、でも。
学館に相談すれば、なんとかなるかも。
[直接の宛の代わりに、口にするのは己が学び舎の事]
シュビトのベルサリス学館……オレも、通ってるとこなんだけど。
あそこ、色んな人が集まるしね。
オレもそろそろ戻んないとなんないし、一緒に行く?
[どちらにせよ、自分が里を離れるならばカナンもここに居続ける事はできないから、と。
誘う口調はごく軽いもの。
その先の邂逅が何を齎すか、などはその時は思い至る事もないままに。*]
[>>60 そしてシメオンの背中が遥か彼方へと消えた頃、]
―――……おかえりなさい。
[弱弱しい飛び方で、薄羽蜉蝣が戻ってくる。
それを手に乗せ、鼻を近づけてみやる。
その虫は音も無くシメオンの肩に留まり、ただそこに居続けた。
刺すことも、探ることも無い。
武器としては下級の、脆弱な虫。
存在感の無さだけが、唯一にして最恐の取り柄。
この男のようである。]
ん? ―――……甘いですね…
[虫から薫るのは、一貫して甘い香りだった。
砂糖菓子を焼きつめたような、牛乳と溶け合うような柔らかな甘さ。
蜂蜜のような自然なものではない、もっと、卵のような―――――?
これは一体、なんだろう。]
―――……ふむ、
これは使えるかもしれません、ねぇ。
然し、一体これは何でしょうか……
[指先で黒髪を弄りながら、そんなことを独りごちる。
夕闇のなか、アレクシスのシルエットが細長く、蜉蝣のようになっていた。**]
― 集会当日・シュビト中央広場 ―
何をどう疑われると、どう動きが取れなくなると言うのかね?
[シメオンが重ねた心配の言葉に>>58男は一瞬視線を鋭くする]
そう、例えば、君が開国を求める若者達と結託していたとして、それが問題となるとでも?
元々君は開国を求める使者だ、理解者たる彼等と接近しようとするのに、何の不思議がある?
巫女姫も、あのアレクシス・ユレも、君にそれを止めはしなかった。
だから、君の行動を咎める理由は無い。
君が彼等と共に、王府の執政を転覆しようとしているというなら話は別だがね。
もしや、そのつもりでいるのか?
[視線は鋭いままながら、問う声音は内容に比して軽い]
(自分用/個人的なメモ)
・>>0:24:「王府としては、鎮圧部隊だけで事が済むとも思っており、この増援は、シュビトの集会に乗じて浮き足立つ周囲諸侯や国民への心理的な圧力を兼ねている」
・>>0:26:「先日受け取ったマチュザレム共和国の親書。」
・>>0:27>>0:78>>0:79〜>>0:90:シメオンとシルキー面会
・>>0:3>>0:37:クレメンスとジェフロイ「かつての旧友の息子」
・>>0:61「巫女姫を暗殺」?
・>>0:64>>0:65>>0:69>>0:70:学館回想
・>>0:77:シメオン⇒「また学館で非常勤だが剣の指導をしにくることも。」
・>>0:124>>0:125>>0:137:シュビド親征中(必ずアイゼル領通るらしい)
― 集会当日・シュビト中央広場 ―
だとすれば、君を預けられた私が責を問われる事は成る程、あるだろうな。
だが、そうとなれば、私は君を捕縛して王府に引き渡すまでだ。
[無情とも言える言葉は、続いた疑問への答えともなったろうか]
私個人は、君を賢く好ましい若者だと思っている。レシピを貰った恩義もあるしな。
だが、私はこの国を護る貴族の一人だ。余所者に戦乱の種を撒かれることは防がねばならん。
[好意と為すべき役目は別ものだと示し、いざとなれば彼を斬り捨てることも厭わぬと言ったも同然]
言い訳として弱かろうと、それが事実と結果的に同じであれば何の問題もない。
それが建前というものだ。
建前を守り、害のない客人である限り、君は王府の保護を失う事は無い。私自身の保護もね。
それを不満と思うなら、私の元から逃げ出して見せ給え。
[むしろその時が来るのを楽しみにしているとでも言うように、男は笑ってそう告げた**]
― シュビト ―
……うーん。
まずった。
[山岳地帯からやって来たまつろわぬ民の子は、街でもそれなりに知られた存在で。
久しぶりに顔出したあちこちで捕まっている内に、完全に連れとは逸れたらしい]
でも、多分行く先はあそこだろうし……。
[ある意味呑気な呟きを漏らした後、空を見上げて]
ま、とりあえずは行ってみるか!
今から学館行ってもなんだし。
多分、見逃したら絶対後悔するもんなー。
[軽い口調と共に足を向けるのは、街を包む熱気の源──中央広場。
紅の結い紐で括られた髪が風に揺れた。**]
/*
ていうか、しばのたいかいから復帰するのに手間取ってる間に深夜テレビタイムが挟まるとかね……!
いやしかし、うん。
あれは読めんかったわ……w
さて、呑気にしてないで、自分の戦力引っ張り出すプロセスまとめとかないとなぁ。
― 親征軍 ―
(…さて、姫殿下はどの様にして収拾を図るか)
[巫女姫との拝謁の礼を終えた後、しばしの休息を終えると行軍は再開する。
シュビトへ到る親征軍の軍靴を耳に、男の瞳は朱馬車へ向けられていた。
異質な巫女姫。本来その生涯の大半を、ドルマールの神殿にて隠遁する様に神に祈りを奉げる神秘の存在、それが歴代の巫女姫という象徴だ。
国政に携わり、民草の前へその高みから降り立たんと腐心する巫女姫。それが
[そもそも、齢にして僅か十五歳。市井の娘であれば未だ化粧と云う女の嗜みを覚え始めようかと云う若年にして、巫女姫の行動力は、歴代に続く姫君とは異質なまでに線を画す輝きを放っていた。
五年前を思い出す。
『御無沙汰しております、キール様。この度は病床の父の名代として学館を訪問させて頂いております。
父も病床にありながらも、キール様の健やかなる御学業の邁進を常に願っておりまして… ――』
『始めまして、君がクロード、彼のジェフロイ氏の御子息か。
四年先を歩むに過ぎない者の言葉でしかないが、此処ベルサリスで学んだ事をやがて王国の為に役立てる日が来る事を、ああ、私からも是非ともキール様の事をよろしくと… ――』
男は彼の学館の学徒では無いが、自由の校風と幅広い教養を齎す彼の学校の名声は常に聞き及んでいた。
五年前、当時存命でいた父の名代としてシュビトに訪れた過去を思い出す。
されど五年。しかしたかが五年の短期間にも、世情は刻一刻と変化に波打つのだ]
(…外つ国からの客人、それも王国へ開国を促す者だったか。
まず、時期が悪いな。
下手に学生共と結託でもすれば、血のせせらぎが生まれる。
南島の民草は暴徒と化して行き、暴徒はやがて軍隊と。
デモはやがてテロ、もしくはクーデターと膨れる可能性すらあるだろう。
…さて、考えうる返し手は幾つか存在するが。
学徒の首謀者か、御客人の何れかを、早々に隠してしまうのも、またひとつの収拾。
若き姫殿下と、そして奴は如何な手段で彼らを迎えるつもりかな…)
[鋭く細められた三白眼の眼差しは、朱馬車から逸れて、太陽の輝きの傍らに生まれる影が何処かにないかと、少しの間探し出す様に彷徨われた]
[春の空を南西へと、風が疾く走り抜ける折、唇から囁きが漏れる]
…飾り物の人形でない事などとうに承知済みだ。
果たして貴女は、『姫王陛下』にでもなるつもりかな…?
[風は大地を抜けて、やがてデ・モールの火口に融けて解けた**]
― 5年前・ベルサリス学館 ―
蜂というものは一見して恐ろしい昆虫に喩えられますが、実際のところはそれほどでもありません。
古い諺にも「当たらぬ蜂には刺されぬ」とありますが、邪魔されぬ限りは攻撃してこないのが殆どです。
[まだ新人と呼ぶに相応しいだけの若い講師が、黒板に何かを記入をしながら教壇に立つ。
柔らかな口調ではあるが、目は真っ直ぐ生徒に向けられ、プライドを以てして接している事が分かる。]
またミツバチは毎年春になれば、新しい巣を求めて偵察に飛びます。そして良い巣を見つければ、8の字に飛び、その場所を教えるんですね。
その複雑にコード化された踊りによって目的地への距離や方向を示すのですが、ここで重要なのは、これらのダンスがほかの偵察バチたちの行動への刺激となっているのです―――
[ユレ家は学者の家系である。
政治学、数学、言語学、社会科学……挙げればキリが無いが、多くのユレの血は多岐に渡ってナミュールの知識を肥やしていった。]
ここから見られる集合意識のように――――……
蜂は一匹一匹は弱いですが、全体の大きな一匹の脳を持っていると言えるでしょう。
[そして、アレクシスは生物学の道に秀でる。
特に昆虫の類を得意としていた。
そう――――……戦争の知識なんてまだ多少の知識は齧れど、到底ゆかりの無いもの。まさかこの男が、この後、王府の軍を担うだけの軍師になるなんて。本人にすらまだ自覚の無いことであった。*]
― 現在:首都ブラバンド ―
―――――……貴方の脳は蚤以下ですか?
[激しい音がしたかと思うと、下級兵が横薙ぎに倒れる。それを足蹴にすると、兵の顎を掴み、顔を覗き込む。口調こそ穏やかではあるが、目は凍てついている。]
巫女姫を争いの渦中に入れるなんて、何処の馬鹿ですか。
自ら殺されにいくものでしょうが。
[けれども、と。反論しかけた兵を更に殴り付ける。]
……はぁ、まぁ蚤と話す気はありませんね。
まぁ、良いです。騎馬隊を出しなさい。
……いえ、一隊で構いません。親征軍に見つからぬよう、慎重に距離を取りつつ後を付けて下さい。
私は行きません。ブラバンドを留守にさせる気ですか?
何かあれば、この箱を開けなさい。伝令蜂が飛びますゆえ。
[そう言って、小箱を隣に立つ上級兵に渡す。苛立つような表情のまま、爪を食み、暫し思案する。]
― 回想/王府:アレクシスと ―
いや、ここで結構。
そちらに無駄な時間を使わせるのも忍びない。
[アレクシスの申し出>>60に一歩引くように返して、一礼をしてから場を辞した]
[歴史を知り、国の裏と表を数多く見てきたがために一際警戒心を抱きやすい。
今は慎重に、と言う思いもそれを冗長していた。
それだけ警戒しても、否、アレクシスに気を取られていたからこそ、気配の薄い虫に気付けはしなかった。
気付いたところでそれが何なのか、知る術を持ち合わせていなかったが*]
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
[そんなやり取りがあったからこそ、クレメンスとの会話にも慎重さが現れた]
俺はこいつらと一緒に国を開かせようなんざ思ってねぇ。
学生焚きつけての決起なんて博打、易々と乗る気はねーぜ。
でもな、俺にその気が無くてもでっち上げて難癖つける奴が世の中には居んだよ。
んなことになったら余計聞く耳持たなくなるだろうが。
[鋭い視線>>67にも怯まず、クレメンスの推察を蹴り、心外そうに息を吐く]
信用問題もあんだよ、外交には。
[武力行使や王府転覆などは最後の手段だ。
交渉が出来るうちはそちらで平和的解決を。
シメオンに国を不必要に荒らす気は無い]
[クレメンスの在り方は続けられた言葉>>68で知れた。
善意だけで助けたわけでは無いというのは、貴族、ひいては商人的な思考をするこの男であれば納得も行く]
アンタには恩がある、迷惑はかけたくねぇ。
だから面倒事は避けてーんだよ。
[ふん、と鼻を鳴らし両手を組んで、胸を張るようにして言い切った]
……でもアンタの保護下ってのは、俺が単独で居るよりも利がある。
まだこの国のことをあまり学べてもいねーしな。
不満ってのは、利がありゃ多少は我慢出来るもんだぜ。
[焚き付けるような言葉>>69を聞いて、天邪鬼の如く逃げ出す道を自ら絶つ。
いずれその時が来ようとも、今がその時では無いと示すようだった**]
シメオン、
心配をかけたな。
情けないことに、しばらく寝込んでいたよ。
ああ、心配ない。 現地人の保護をうけて回復した。
[意識が朦朧としていた時もずっと呼びかけてくれた腹心へと、ようやく無事を伝えられた。]
…声だけというのも、焦れるな。
早くおまえに会って抱き締めたい。
[カナンがここへ来た目的を聞いて、ルディはしばし思案の構えだった。>>63
どうやら、ナミュール政府とは対立関係にある部族らしいと説明から察する。]
巫女姫──というのはまた別なんだろうか?
[ふと思いついて、ルディを見つめる。
海難救助者から伝えられた断片的なナミュールの情勢に必ず登場するその存在。]
マチュザレムでも、白い獣は幸運の運び手と呼ばれているからね。
その
君は優しいし、とてもよい”気”を持っている。
人に力を与えてくれる。
[手を伸ばしたのは、猿を撫でるためではなく、ルディの頬に触れるため。]
シメオン、
おれが救助されたのは、南島の山の中らしい。
ウェントゥス族の里と呼ばれている。
ウェントゥス族は、鮮やかな色を複雑に組み合わせた独自の紋様を刺繍した毛織物をまとっていて──これってナミュールの一般的な服飾なのかな。
色彩感覚に優れた民だと思う。
おれを看病してくれたのは、ルディという名の素朴で朗らかで優しい人だ。
雪の精霊みたいな白い猿を飼っている。
見たことのない小型の猿だ。
[シメオンが好きそうな博物学的報告も加えておいた。]
[ルディは王府へのツテを紹介できない代わりに、南島第一の街シュビトへ連れて行ってくれると申し出てくれた。]
ああ、是非、連れて行ってほしい。
[多勢が集まる場所ならば、いずれ目的も達せられるだろうと考え、素直に案内を頼む。
結局、親書(写し)を王府へ届ける役をシメオンに任せて、カナンはベルサリス学館で独自に開国の気運を盛り上げてゆくことになるのは──この時点ではまだ予想だにせず。]
シメオン、
おれは、この後、シュビトのベルサリス学館へ向かう。
おまえも、何か進展があったら教えてくれ。
この国の民が、皆、ルディのように友好的であればいいのだが──
ま、おまえやおれみたいなのもいないと面白くないな。 そうだろ。
ああ、そうだ。
おれは”飛行船”という外の世界の最新技術で空からナミュールへやってきんだが、飛行船は途中でバラバラになってしまった。
おれの他に救助された者がいたら教えてほしい。
それと、見慣れぬ銀色の金属ケースを見つけたら、回収し、開けずにおれに届けてくれないか。
きっと礼はする。
[いささか緊張の面持ちで頼んでおく。
同様の依頼は、やがてベルサリス学館で出会うことになる信用できる"同志"にも伝えられるだろう。*]
/*
>>84「献身的な看病をしてくれた者の名乗りに頷き、ハグを求める。」「カナンの生国の伝統的な挨拶です。」
楽しそうで何よりwwwwwwwwwww
ハグな、ハグ。
覚えておこう……。
[だがおっさんにやることになりかねない現状]
[……それはそれで楽しそうだな←]
― いつか・ベルサリス学館にて ―
はぁ、馬鹿は嫌いです。
[幾らかの学術書を抱えながら、職員室の椅子にアレクシスは座った。まだ20代だと言うのに、首を回し、肩に手を当てる姿は幾分老けてみえる。或いは、その物腰の柔和さが余計に、年寄り臭く映ってしまうのかもしれませんが。
そんな風にアレクシスが、嘆息を吐いていると、隣に大きな影が降りる。]
おや、マーティン。貴方も授業終わりです?
お疲れ様です。何か飲みますか?
[幾分砕けた様子で話しかけるのは、彼と比較的長い付き合いというのもあるかもしれないが。何より、彼の快活な性格が、そうさせているのだろう。元軍人と言う事もあり、見た目も相まって威圧感は覚えるが。実際話してみると、存外付き合い易い印象を覚えたものだった。]
ところで聞きました?
こんな時期に一人、転入生が来たそうですね。
ジェフロイ学館長の遠縁の娘だとか。
クロード君辺りに任せておけば宜しいですか。
[そんな日常会話をだらだらとしながら、ひとつ欠伸をする。]
[放課後の学館の窓から夕陽が差しこんでいる。何処かで楽器の音が聴こえる。
笛だろうか。音楽部が練習でもしているのかもしれない。
それを耳にしながら、大きく伸びをした。骨が軋んだ音がした。]
ふぁあ……… 身体が鈍いです。
マーティン、ちょっと手合せお願いします。
[そう言って文人が軍人に無謀な挑戦をするのも、もう、
遠い昔の、懐かしい日常。*]
[呼びかける声にようやくはっきりとした声が返って来る]
…んっとに、心配かけやがって。
でも、無事で良かった。
[安堵の思いは声となり相手へと届けられる。
続く想いには小さな笑い声が挟まった]
無事が分かっても実際に目にしてねーと、な。
俺も早くお前の無事を身体で実感してーよ。
[話を聞くに、カナンはパラシュートで山へと降り立つに至ったらしい。
カナンを助けたと言う民族の話を耳にすると、シメオンはその内容に興味を持った]
山の中にある里、となると、隠里の一つかもしれねーぞ。
俺が拾われた場所は、マチュザレムの都市に比べたら田舎町みてーな感じだが、列記とした街の作りをしていた。
この国には先住民族の末裔とかも居るらしい。
服飾も伝統的なものなのかもしれないな。
俺の近くにはそう言うのを纏ってる奴はいねぇなぁ…見てみたいわ。
[ルディと言うカナンの恩人の名は頭の隅に留め置き、興味は小型の猿へと移る]
この国の固有種かもしれねぇな…。
この島、学術的な価値も高そうだ。
[知識も資源の一つ。
値踏みするような物言いになるのは学者の端くれでもあるため]
シュビトか…分かった。
俺はこの後、漂流者ってことで王府に行くことになってっから、ついでに親書届けてくるわ。
不備だらけの書だが……この国の中枢がどうなってるのか探るには丁度良いだろ。
連絡についてはりょーかい。
そうだなぁ、友好的な奴ばかりならありがたいが…閉ざされた世界は人の見識も閉ざすからな。
それにあんまりすんなりことが進んでも、達成感がねーだろ?
っくく、俺らみたいなのか。
確かにそう言うのも居ねーとなぁ。
― 回想/王府へ向かう前 ―
[内に潜めてあった懸念が解消されたのは王府へ書状を届ける前のこと。
届く声に酷く安堵を覚え息を吐いたのは、家主が部屋に居ない時だった]
無事は確認出来たが……かなり離れてるな。
俺が一旦親書届けに行くしかねーか。
話聞いてくれりゃ良いけど、最悪の場合は……か。
[言うなればシメオン達は完全なる閉ざされた世界に紛れ込んだ異物。
王府が圧政を敷いているのであれば、身の危険は伴うだろう。
そう言う意味では、先に接触するのがカナンではなく自分と言うのは探る意味を含むことになり悪くは無い手。
問題は]
条件とか細かい話聞いてねーからな、俺…。
[不備のある写しの書状が手元にあるのみ。
独自に条件をつけ交渉することは可能だが、それが出来る立場でもない。
これはこれで相手の能力を見極めるに足るか、と不備だらけのままに王府へと赴くことへなったのだった**]
/*
カナンが結託する方向で動いてるのは事前に知れるのかどうか。
知ってる場合はクレメンスへの>>81はそれを隠すため、ってことになるわけだが。
でも俺は俺で姫さんを説き伏せてみたいところではあるのよな。
さて、どのくらい国について知れたことにするか。
それ以前に今後姫さんと会う機会はあるのかwww
[そこが問題]
― 嵐のあと ―
[集会よりも風花祭よりもさらに前。
沖の方で妙に風がざわついた日があった。
大きなものが空を飛んでいるのを見た。
そんな証言もあり、情報収集を兼ねて主に漁村へ啓蒙活動、護身術指導に回っていた時のことだ。
ある村で村人が1人の男を連れてきた。
数日前、海岸に流れ着いたのだと言う。
話を聞けば、それは驚愕すべきものだった。
外の国から、空を飛ぶ船でやってきたのだと言う。
それも、正式な外交使節を乗せて。
漁民らに男の保護を任され、
衝撃にめまいを起こしそうになりながらも
ひとまず男を伴って学館へ行くことにした。]
― ベルサリス学館 ―
[学館に到着したところでもう一つ驚きが待っていた。
ウェントゥスのルディが異邦人を連れてきたのだという。
館長はちょうど出かけていると聞けば即座にそちらへ向かった。]
俺が会おう。
親父が帰ってくるまでの繋ぎくらいにはなるさ。
[そう言って、学館の一室へ向かう。]
失礼します。
[扉を叩き、声をかけ、漂着した男を伴って中へと入る。]
ベルサリス学館館長の息子、クロード・ジェフロイです。
父が不在の間、少しお話しを───
[それが、邂逅だった。**]
/*
体調不良と戦う巫女姫です。
おはようございます(昼)
クレメンスとソマリの、貴族コンビが面白いですね。
巫女姫評楽しい。
ソマリさんがいい推察をなさっていて
噴きそうになりました。流石ですね。
/*
―シュビト中央広場・決起集会―
[シュビトの街は家や工廠から目と鼻の先にあり、
非常勤で学園に剣術を教えに行ったり、
また顔なじみの店に材料の買い出しに赴くこともある為、
通い慣れている場所ではあった。
街へ近づけば近づく程、普段の様子とはうって変わり、
賑やかというよりは、どこか緊張感で張り詰めたような空気。
兵士らしき人間なども辺りに潜んでいることに気づき、
怪訝な表情を浮かべる。]
/*
あ、ありのままに昨日起こった事を報告するぜ。
あんま考えずに出した妹の話を拾われたので、実家の複雑な事情を交えて話を膨らまそうとしたら、当初予定していたガートルートの立ち位置やら思考やらがまるっと変わって、修正再起動かけようと考え込み過ぎて知恵熱出しt(
従兄弟め…(しば
/*
そしてクロにルディって呼ばれた発言の上で、カナンがルディの手をうんたら書いててΣ(゚д゚;三゚д゚)ともなってたよクロ…偶然だったのかそうか。わざとかと思った。もったいない(ぁ
ただまぁ、訳わからんくなってログ読みにくくなるだろうし仕方ないか。
ただ、武器を取れる強い者ばかりではありませんし、
そういう方々を覚悟や気迫に晒さずに済むならば、
守りたいと思いもします。…、私は。
ロイ兄様のおっしゃる国は、
ひとつの理想のかたちかもしれません。
けれど、………痛みは伴うでしょうね。
[彼の琥珀の瞳は、横たわる困難や苦痛を受け止め、
それでも尚強く輝くものだ。
今は、それに反しきるまでの強さを持てず、
だから少女は切なげに面差しを伏せる]
とはいえ、…――ロイ兄様、
外の国と戦うだけが道ではありませんでしょう。
確かに外の国の技術力は脅威です。
ゆえにこそ、その脅威と正面からぶつかるのは愚かなこと。
[備えに必要なのは、武器ばかりでは無かろうと。
今度は議論に別の観点から光を当てる]
……っ、若輩者が、慣れぬことを申しました。
生意気な態度をとって、すみません。
[我に返り、慌ててクロードたちへ頭を下げる。
お忍びで入学しているというのに、
あまりに目立ちすぎては流石に不味い。
いつの間にか議論は、教室の目玉になっていたようだった。
加わってなかった学友の注意も、気が付けば此方に向いている。
周りに意識を流せば、朽葉色の髪の持ち主と視線が混じる>>5。
中性的で物静かな佇まいの生徒。
確か、フィオンと言ったか。
時折教室で垣間見せる、物憂げな表情が、
今まで飲み込んできたものの重さを垣間見せる人。
あの人もまた、痛みを伴っても立ち上がろうと、
力を、知識を得る為に、此の学館の門を叩いたのだろうか]
[ベルサリス学館。
強い意思持つ人々の集まる場所。
キールを名乗る少女は、其処に疼く熱気を垣間見ながら、
束の間のひと時を過ごす―――…*]
[王府を訪れた後にも声は飛ぶ]
カナン。
この国のトップはシルキーって巫女姫になるらしい。
巫女ってくらいだから宗教的な祭り上げられた子なのかと思ったら、そうじゃなかった。
国政にも発言力がありそうだ。
控えの親書の不備もきっちり指摘されたわ。
それから、この国は国の中でやり繰り出来てっから開国することに意味を見出せない、だとよ。
ま、この辺はもう少し突けそうな気もするが…。
ひとまず意思だけ伝えて引き下がってきた。
次は正使連れてく、って話になってる。
[それからしばらく後、集会数日前のこと]
カナンー、お前まだシュビトに居るんか?
監視付きなんで会えねーかもしれねぇけど、俺もシュビト行くことになったぜ。
[シュビト訪問のことも伝えておいた]
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
……ところでよ。
おっさんは結局のところ、この国はどうなる方が良いと思ってる?
忌憚無い意見が欲しいな。
[問いかけの声は潜められた。
国政と在野の考え方は違う、この決起集会が良い例だ。
未だどちらにも傾いていない者だって居るだろう。
目の前の男がどう考えているのか。
それなりに力を持つだろう者の意見を聞いてみたくなった*]
― 回想/ウェントゥスの里 ―
[同じ>>84、と言われれば、そうなのか、と納得できてしまうのは良くも悪くも素朴な民族性故か。
個人の気質が大きいのもあるだろうが、それはそれとして]
んー、でも、見つけたのはオレだしね。
オレが何かやると騒がしいのは、いつもの事だし。
だから、気にしてないし、そこは気にしなくていいよ。
[外へ興味を示して駆け回る族長の長子が騒ぎを起こすのは、里では既に日常だから、とさらり返して]
あ、ちょ、ま。
それはなしで、うん。
[それでも、ハグは丁重に……というか、引き攣りながら後退ってお断りした。
理由を問われるなら、こっちじゃあんまりないから、とか早口に言い募ったりしつつ。
一族の現状の在り方の説明の後、向けられた問い>>85にこてりと首を傾いで]
巫女姫……は、なんて言えばいいかなぁ。
島を包む力を司るもの……かな。
ずっと昔にたどり着いた民の象徴で、どうやってるかは知らないけど、島の周りを嵐で閉ざす力の繰り手。
偉いっていうか、まあ、大事な存在なのは間違いないんじゃないかと思う。
[巫女姫の在り方は、学館で伝え聞く程度の事しか知らぬから、知る限りを口にして]
それだけの力を司れる、っていう点では、凄い存在だな、ってオレ個人は思ってるけど……。
[一族的にはね、と。
付け加える際に滲むのは、微かな苦笑。
千年の昔に相容れなかった結果が今であり、その時に根付いたものは大きい]
んー、族長は祭祀も司るから、聖職って言えばそうだけど……って、え?
[白の獣にまつわる逸話には、思わず視線を頭上に向けてこちらを覗き込む円らな瞳と見つめ合う。
だから、手が伸ばされた事には気づかずに。
触れる感触と言われた事と、双方に上がったのはとぼけた声。
そんな風に言われた事はなかったから、見上げる表情は本当に不思議そうな、きょとん、としたもので]
……なんて、いうか。
面白い言い方、するね。
[今まで見てきたものとは全く違う存在と接しているんだ、と。
そんな事を考えていたから、頬に触れる手の方まで意識は回らずに。
……なお、後からちょっとやらかした感で落ち込んだりしたのは、余談である]
……ひこうせん?
[どうやってこの地まで来たのか、はずっと抱えていた疑問ではあったが。
いざ、説明を受けても全くピンとこなかった]
……えーと、とりあえず、外の世界のひとたちは、空飛べる、って事でいいのかな。
[かなり途中を端折った理解を示した後、続けられた依頼>>87には素直に頷いた]
うん、いいよ。
その辺りは、ちゃんとみんなにも頼んでおく。
[その頼み事の結果、学館に戻った後もあれこれと駆け回って中々落ち着かぬ事になるのだが、それはこの時は知る由もなく。*]
/*
うん。
時間軸関係の確認すっ飛んでた辺り、相当眠かったね、自分……。
睡眠時間配分、気を付けないとなあ……リアル的にも、また仕事増えたんだし。
− シュビトに向かう (回想) −
[ルディが巫女姫でないことは了解した。
外の世界の人間は空を飛べるのか、という疑問には「道具が必要ではあるけど、できる」と胸を張った。>>105
体力が戻って歩き回れるようになると、ウェントゥス族の弓をひかせてもらったりしたけれど、里人の反応は今ひとつ精彩を欠くかに思われた。
「嵐が禍を落とした>>0:141」と囁かれていることは知らないが、鎖国状態のナミュールの中にあって、さらに閉鎖的な生活を送っている部族だということは把握したゆえに、「余所者はさっさといなくなって欲しいけど、ルディまで一緒に里の外へ行くのか」といったところだろうと思っている。
里にいても食い扶持が増えるばかりだ。そう気づけば、]
お世話になりました。
[礼を言い、早々にシュビトへ向かうことにする。]
[シュビトへの途上、カナンは時折、うんうんと見えない誰かに向かって頷いたりしている。
その後、真面目な顔をして、ルディに頼んだ。]
君のその服が欲しい。
譲ってくれるか。
[今ここで脱いでとは言わないけど。]
おれと一緒にマチュザレムから来たシメオンという男が希望してる。
そういう趣味のある男なんだ。
[多分、誤解を招く説明をした。]
− シュビト (回想) −
…これは、すごい。
[ルディに案内されて峻険な山を越え、辿り着いたシュビトは活気ある街だった。]
商人や職人が多いのか。
あまり軍人らしい姿はないね。
せわしないけど、どこか太平楽な雰囲気だ。
[こうして比較対象ができると、ウェントゥス族の文化は独自らしいとわかる。]
ルディ、
里でもここでも、君は異彩を放つ存在らしい。
窮屈な思いをしていないか?
[浮きまくりな恰好では人後に落ちないカナンだが、自分のことは棚にあげて案ずる。]
でも、元気な君を見ていたい。
ああ、郷土料理も食べてみたいな、
それと甘いもの、甘いもの!
[励ますような、欲望に忠実なようなことを言ってはみるけど文無しである。
飛行船の積み荷が回収されないと、物々交換もままならないのだった。]
わが同胞の命を救ってくれて、感謝する。
おれは、カナン・リリ。
北の小国セドナの皇子にして、マチュザレム共和国の外交官だ。
こちらのルディに助けられ、そして、ナミュールとマチュザレムの国交について話をするにふさわしい場として、ここへ連れて来てもらった。
よろしく頼む。
[その後は、もちろんハグを求めて満面の笑みで両手を広げるのだった。]
― ベルサリス学館・回想 ―
ふーっ
[大きく息を吐いて職員室の自身の席に腰掛けると、横から声が掛かる。
同僚のアレクシス・ユレだ。
代々学者の家系であり彼自身も博識の持ち主で、彼と話をするのはこの頃のいい刺激になっていた]
おう、そっちも戻ってきたばっかか。
ちょうど喉乾いてんだ。用意してくれんならなんでもいいぜ。
[誰にでもするように、アレクシスにも砕けた態度で返事をし]
ん?ああ。あの転校生か。
……そうだなぁ。クロードなら面倒見もいいし任せて安心だよな。
[一瞬、間があったのは、彼女の正体のことがちらと頭を掠めたからだった。
だが、彼が知らないのなら同僚だとてもちろん話せないことだ。
アレクシスの言葉を否定することもなく、うんうんと頷いている]
[ふうとまた一息。
授業が終わったあとののんびりした、軍人だった頃とはまた違う、充実した一日だったと思う瞬間だったが]
ん、ああいいぜ。
今日もいっちょもんでやるか。
[こうして同僚と手合わせするのもまた楽しいひとときだ]
― 集会当日・シュビト中央広場 ―
ふむ、そういえば君は外交官だったな。
[わざわざ煽るような論旨を投げた男の言葉に、一歩も退かず己の役目とそれを果たす為に守るべき立場を主張するシメオンに>>81今思い出したという風情で、頷く。
口元に浮かぶ満足気な笑みは、やはり相手のその気質と明晰さを好ましく思うが故]
まあ、私に救出され預けられた時点で、信用には相当の問題があるが…
[呑気な口調でそう嘯くのは、巫女姫はともかく、彼女の側近たる影の軍師が、紛う事無き重要人物である異国の使節を、貴族の中でも問題児の部類に入る己に預ける事に反対しなかったのは、いざとなれば全ての責を負わせるに都合のいい相手との計算もあろうとの予測からだ]
命を救った代償なら、すでに支払い済だ。その点は気にする必要は無い、が、君の気持ちはありがたく受け取ろう。
[例えこの先、敵対せねばならない場面が来たとしても、恩を盾にするつもりはないと、言外の意は伝わろうか]
― 集会当日・シュビト中央広場 ―
[シメオンとの会話の合間にも、時折私兵達からの報告が男の元には伝えられている。巫女姫の出迎えにアレイゼル領主が兵を率いて向かった事もその報告の中には含まれていたか。
徐々に近付くのはまぎれもなく自然の齎すものではない嵐の気配]
私の考えかね?
[忌憚無き意見を、と、潜められた声に>>100男は、ゆるりと首を傾いだ]
かつて私は、外の世界を見る為にあの結界を超えようと試みてしくじった。
[返す言葉は、直接の答えとは程遠く聞こえたか。その視線は遥かな海の向こうを見透かすように]
その時に思い知った。あれは力をもって超えようとしてはならぬものだと。
― 集会当日・シュビト中央広場 ―
[千年の祈り、歴代の巫女姫と、安寧を求める民の願いの結晶たる嵐の壁]
あの結界を失えば、この国は外の世界より襲いかかる嵐に荒らされるままとなるだろう。
今はまだ、その時ではない、と思っているよ。
[最後に告げた声音は静かに、しかし見えぬ熱情をその奥底に秘めて言霊となる]
(いまは、まだ…でも、いつか、きっと)
[あの日、男が何を誓ったのか、知る者はただ一人の友の他には、まだ居ない**]
― 北ナミュール島南西 アレイゼル領 ―
そうですね。
シュビトに暮らす皆様方も、我が国にとって大事な臣民。
余計な火の粉を浴びて火傷をなさらぬよう、惑う迷路の先に
巫女姫として光を掲げることが出来るのならば、
幸いなことと思います―――
[形式的な挨拶に続く、優美に飾り立てられた賛辞>>137を受け取った後。
不意に彼女は鈴を鳴らすように、ころころと笑んだ]
此処に在るのは、雄大なナミュールの空と大地だけ。
聞き耳を立てる不作法者はおりません。
本音をおっしゃっても宜しいのですよ。ソマリ殿。
臣に任せず、自ら掃除に名乗りを挙げたお転婆姫だと言われても
私は否定できませんもの。
[目的地のシュビトで、老獪な貴族がまさにそう評していよう>>56とは知らぬまま、戯れに言葉を遊ばせる]
南島から距離の近い此の地を治める貴方に、
後詰めをお願いをしても良かった。けれど、
[その時、ふ、と何かに気づいて、視線を足元に落とす。
早咲きの蒲公英が、まるい柔らかな綿毛姿を春風に揺らしていた。
ゆるりと身を屈めて、巫女姫は手入れされた白磁のような指先を下草に伸ばす。
其れを詰むでなく、梳るように二本の指の合間で扱いた]
[そうすれば手のひら側に残るのは、こんもりとした初雪のような綿毛。
唇に近づけ、息を吹けば、
舞い上る白は旅立ちを喜びながら空の蒼さに溶けてゆく。
…、しばらく。それを目で追って]
意義がある、と私が申し出ました。
王府の方々は異なる判断だったかもしれません。
[視線を再び相手へと戻し――――]
/*
お転婆姫も可愛いです。ソマリ氏が魅力的なのは言う間でもない。(先代との縁故振りに、中の人が狂喜乱舞したのはここにそっと埋めておきます)
シロウ殿や、マーティン殿と、とても絡みたいのだが、あまり縁故広げすぎると中の人のキャパを著しくオーバーするからなあ...この先に縁がある事を祈るしかないか。
…歓迎します、リリ外交官。
皇子と呼んだ方がいいですか?
[衝撃から頭を戻しつつ挨拶と問いを置く。
それでもやっぱり動揺していたのか、
満面の笑みと広げられた両手の意味に気づくのが遅れた。]
………申し訳ない、ですが、
その挨拶は同郷の方だけにした方がいいかなと。
この国でそれやったら、たぶん誤解されます。
[丁寧にハグを辞退する。
と同時、本当に外の国の人間なのだと感心もした。]
生憎とこの街には、国として正式な交渉権限を持つ人間はいません。
けれど、双方に実のある話はできます。
この国を開かせるための方策、などは。
館長と話した後にでも、ここにきてください。
[手早く部屋の場所を書いたメモを渡す。
ふたりきりで話したいとの意図を込めて声を潜めた。
滞在中の宿や漂着民の世話などは
館長が手配してくれるだろうと丸投げて。**]
/*
ところで、この男の考え方なんですが、ぶっちゃけて言うと、「外から侵入の意図を持った外来者を通してしまった以上、開国の流れは止められない。が、現在の国力では不安なので、あと数年か十数年の鎖国を維持しつつ王府を中心とした立憲君主国家として開国に耐えうる体制を作る」のを理想としております。
が、マチュザレムが、技術提供や人材育成によって国力の強化に協力し、対等の同盟を結ぶと約束するなら自説を曲げるにやぶさかではない。
それに加えて、若者が旧弊を自らの手で排し、理想を実現するために立ち向かってくるなら壁となって立ちふさがり、倒されて後を託すことも視野に入れている。
多分村の流れ的に、開国でまとまる気がしている故の思想構築ですね。
なお、状況と説得次第で、三陣営どちらにでも動く...が、実質二陣営戦になりつつあるなあ、思ったとおりだが。
[カナン・リリと名乗る男と出会ったあと、
些か興奮気味の声を思念に乗せた。]
ガート、ガート、聞いてくれ!
ついに来たんだ、時が、時代が動く!
外の国の正式な外交官が来た!しかも皇子クラスだぞ!
間違いない、動くのは今だ!
― シュビト・決起集会時 ―
鳩?ガーディって書いてたから俺宛て、って…
[確かにそう呼ぶ相手は多くない。ガートルート、という母親がつけた女名は好きではないのだが、それを知ってわざと呼ぶ奴の方が多い。
お前らと思わなくはないが、その気安さが逆にそう呼ばれる事実をさらと受け止めていた。]
げ。
[>>0:115渡された手紙の字体を見て思わず声が零れた。
その流麗な文字から、差出人が誰だかはすぐに理解して。]
あー…家出てから連絡取ってないな、そういえば。
[女からかと揶揄る同志には、「金髪で美人のな」と適当にあしらって追い払う。
やや風流といえばいいのか、選んだ言葉の端々に見える品の良さに変わりない様子が見えて少し懐かしむように口の端を上げた。
ただ燃えたぎる若さという一文には苦笑せざるを得なかった。]
若いっていうか…まぁ若かったのかもな。
[今まで築き上げた物を全部放り出してもいいやと思えたのは、きっと若さもあったのだろう。]
― 3年前・オルヴァル家出奔時 ―
「兄さん馬鹿ですか?
どう考えてもご迷惑しかかけられないのに、厚顔無恥も甚だしいですよね?」
[実家の父親と母親の仲が徹底的に破綻し、その余波が自分にも向けられた時家を出る事にしたが、この先の事を考えると妹を連れていくわけにはいかず。かといって置いていくにはやはり不安も残り。
もういっそ従兄の所に置いてもらえばと口走ると、先ほどと変わらぬ笑顔でぴしりと言い渡された。
妹には父親へより先に、従兄弟からの婚約の打診があった事を話してあった。
口を開くまでにしばらく時間が空いたのは、打算と好意とが妹の中でくるりと回っていたからだろう。素直に喜ぶほど妹は純真無垢な娘ではなかった。
そうして得た返事は「兄さんや父様が宜しいようでしたら、喜んでお受け致します」という、はにかみを交えた短い承諾。
それを聞いたのはこの修羅場のほんの数日前の事だったというのにと思うと、胸中苦い物がこみ上げる。]
「ご心配なさらないで。私は家に残ります。
私は父様似だから、母様も私まで他所の子だとはおっしゃれないでしょうし。
それに…父様も母様も放っておけませんし。」
[そう荒れた部屋と不仲なままの両親をちらと振り返り、妹は苦笑した。
妹は不遇だった。
母親に愛されないのは兄妹同じだったが、父親は「女は子供を産む道具」としか見ず妹への関心は殆ど無かった。
幼い時はそんな事知りもせず。北へ戻れば時既に―――
妹は父にも母にも負けぬほど強かに聡明に、逞しく成長していたのだった。]
「父様がよっぽどの自棄を起こすような事がありましたら…ソマリ従兄様のお手をお借りするかもしれませんが。
それ以外ででしたら、何とかなります。
私、館や領地の方々とは仲が良いのですよ?」
[根回し済みである、とどこか楽し気に妹は片目を閉じ。]
「さ、お早く。
父様が兄様に刃物向けないうちにとっとと出て行って下さいませ。
お二人が喧嘩なさったら、それこそ館が壊れて、私路頭に迷ってしまいます。」
[そう父親の怒りの矛先がこちらへ向かないうちにと、背を押した妹の姿は今でも忘れない。
その後家の私兵が自分を探すのに動いたとか、父親の抑え込みに妹が従兄弟の手を借りたとか、そんな話を風の噂には聞いていたが。
結局、妹にも、従兄弟にも、手紙ひとつ書かずに現在に至る。]
― シュビト・決起集会時 ―
[嫡男にオルヴァル家の血は流れていない、という母の告白から始まった一連の騒動。
父親は自分を無いものとして扱い、周囲は放蕩息子が勘当されたと受け止めているようだが―――事実はもっとどす黒い。
ソマリがどこまでオルヴァル家の事情を把握しているかは知らないが、口の堅い妹は、従兄弟にも当時の経緯を話してはいないだろう。
ふぅと息をついてから、一時周囲に張っていた気配を絶ち、紙とペンを手に向かい合う。
立ったまま書いた為少し歪んだ、走り書きのような文字で。]
『そちらは変わりないようで何よりだ。
クローディアが世話になったと風の噂で聞いた。
感謝が遠く、不義理をしてすまない。
ああ近いうちに、再会を楽しみにしている。』
[何処で再開するのかは解らなかったが、いつか、近いうちに会うのだろう、そんな予感もあり。
帰りの便りをくくりつけ、休息させていた鳩にくくりつけて後元居た場所、アレイゼル領へと放つ*]
― 5・6年前・シュビト近郊 ―
………。
[>>28その告白を聞いた時、少なからず驚いた顔をしたのは本心だったが、国府や貴族以外が武力を持つ意味を解らないわけでもなく、返答は少し迷った。
迷った、が。]
……良いんじゃないのか?
[口にしたのは、肯定の言葉。]
ただもし、王府の軍と戦うような連中にしたいんだったら、
技術も腕も大事だけど、何より―――
人を殺せる程の覚悟を持った連中を選んだ方がいい。
いくら訓練されてるとはいえ、人を傷つけたり、ましてや殺したりすれば相当くるからな。
[それはそれらを経験済みだからこそ言える懸念。]
軍や近衛、貴族の私兵は程度はともかく実戦を経験してるはずだ。
相手は賊だったり、まつろわぬ民だったり、…領民だったり色々だろうけど、そういうのを率先して経験させるってのは、シュビトでは難しいだろう?
[経験もだが、軍ではそういう意識を払拭するべく厳格な統制がとれている。
それを民兵に布くのは難しいように思ってそう、軍人としての見解を述べた後。]
人を殺せる覚悟を持った連中を選んだ方がいい。
いくら訓練されてるとはいえ、人を傷つけたり、ましてや殺したりすれば相当くるからな。
[それはそれらを経験済みだからこそ言える懸念。]
軍や近衛、貴族の私兵は程度はともかく実戦を経験してるはずだ。
相手は賊だったり、まつろわぬ民だったり、…領民だったり色々だろうけど、そういうのを率先して経験させるってのは、シュビトでは難しいだろう?
[経験もだが、軍ではそういう意識を払拭するべく厳格な統制がとれている。
それを民兵に布くのは難しいように思ってそう、軍人としての見解を述べた後。]
お前さ、……
…王府に喧嘩でもふっかけるのか?
[何と言うか考えたが、回りくどい言葉は嫌いで。
ひと気のないのを良い事に尋ねて返した。]
最近、急に…でもないな。
前々から結界の外へ出たりする話はあった。
薄まるどころか、増えてるのは知ってる。
久々に学館に戻ると余計にそう感じた。
[かつての学び舎へ時折戻るのは、休暇を兼ねてもあるが、北にいては見えないものを間近で見る為もある。
貴族の貴の字も知らない幼少期を南で過ごした為、あまり貴族らしくない性格を作った自分へ旧友らの態度は表面上変わらないが、確固とした立場を得てからの対応は、どことなく壁を挟んだようなものに変わっていたのには気づいていた。
なにか隠し事をしている、そんな感じを。]
クロも一枚噛んでるだろう。何すんだ?
[きっとずっと昔であれば、軽々しく自分も混ぜろと口にしただろうが。
今は立場や責任が、自分の周囲にまとわりついて離れない。
友がどう答えるのか、その目をじっと見据えながら返答を待つ。
それでも結局、数年後、自分は友人の隣に並ぶ事になるが、今はまだその未来も知らぬまま*]
( 呼び出し? ふたりきりで話したいと? まるで逢い引きじゃないか。)
[戸惑いはあるものの、任務に対する熱意と、そして興味とがそれを上回った。
いざとなれば逆に組み伏せるくらいの腕力はあるという自負もある。]
わかった。
実のある話になるよう、努力する。
[その後、学長に会ったカナンが申し出た処遇は、「他に救助された乗組員がいればその保護」と「積み荷の回収」そして、「ただで生活費の面倒をみてもらうわけにはいかないから、おれにここで講師をさせてくれ」であった。
ちなみに、教授可能な科目は、外の世界の政治、経済、科学、軍学──少しなら文学と音楽、美術も、と大きく出る。
そうして外の世界に興味を持ってくれる者が増えれば嬉しいと。*]
― 親征中 ―
アレクシス、
そちらはお変わりありませんか?
[首都ブラバンドの護りを託した腹心を気遣ったのは、
程なくしてデ・モール火山へ真っ直ぐ続く平原に
足を踏み入れようという時分だった]
此方の天気は上々ですよ。
窺い知ることは出来ませんけれど。
アレイゼル領にて、ソマリ殿に出迎えていただきました。
共に往く軍属の皆様方も、熱心に職務に励んでおいでです。
ですから――…、ご安心くださいね。
[心配性の影の軍師へ、そっと送る柔らかなる響き]
― 回想/ウェントゥスの里→シュビトへ ―
[元より他との交わりを拒んで南島へと移り住んだ一族。
ここ数年で外との接触の機会は増えたが、閉鎖的な気質が容易く変わるはずもなく。
自身が抑えているから、直に示される事はあまりなかったものの、『島の外から来た者』への感情に芳しいものがないのは事実だった]
……そんなに警戒しなくても大丈夫だっていうのに。
ほんっとに、もう……。
[いつまで異邦人を置いておくのか、禍にならぬか、という里人からの訴えを父を介して聞かされる度、口を突いたのはこんな愚痴で。
そんな空気に耐えかねる部分もあったから、早々の出立>>106に異を唱える事はなかった]
……て、ま、そんな訳だから。
なんか見つかったら、鳥、飛ばして報せてくれな。
[出立前、幼馴染でもある鳥使いや狩人の若者たちを集めて伝えたのはカナンからの依頼。
古参の者に伝えれば色よい返事は期待できぬだろうから、頼んだのは比較的考えの近い世代の者たち]
もう、お前らまでじいじたちみたいな事言わないのー。
そもそも、禍なんて軽々しく口にしちゃダメだって。
決めつけちゃったら、そこから変えられなくなって、ほんとに悪いことが起きるかも知れないだろ?
それじゃ、色々が澱むだけになっちゃうぜ?
[異邦の者への手助けに物怖じする若者たちに向け、けらり、と笑って言う口調は軽い]
それに、さ、考えてもみなよ。
新しい流れがなきゃ、風も、水も、澱んじまうぜ?
オレたちウェントゥスの民は、山の風のいとし子。
閉じたまま、流れないまま、じゃダメなんだよ。
色んな流れを取り込んで、新しく廻らなきゃいけない……オレは、そう思ってるし。
今度の事は、その新しい流れに繋がる……そんな気がしてるんだ。
[行動の根にあるのは、自身の知的好奇心ではあるけれど。
それと共に存在しているのは、変化を望む心。
その赴くままに動いているのだ、とそう告げて。
急ぎの時は、麓までは戻って来るからとか、その時の専用の合図とか、色々な取り決めをした後シュビトへ向けて出立した──のだが]
……は? 服?
[道中にされた頼み事。>>107
見えない誰かと話しているような素振りの後に投げかけられたそれに、上がったのはぽかんとした声だった]
えっと……替えの服なら、向こうにも少しは置いてるけど……。
[それにしても、いきなり服が欲しいって何なんだ、と。過ったのは已む無しか]
……大きさ、合わなくても知らないよ?
[服は着るもの、以外の用途を思いつかぬ身、次に浮かんだのはそんな事。
それから、髪の結い紐に手を触れて]
あと、こっちはあげらんないからね。
これは、大事なものだから。
[そこはしっかりと宣言しておいた]
― 回想/シュビト ―
そだね、ここは軍人さんとかはあんまりいない。
学館には、元軍人さんの先生とかもいるけど。
[シュビトへ戻り、街に対する感想>>108に返した後。
向けられた問いかけ>>109に、ひとつ、瞬いた]
まあ、来たばっかりの頃は色々とあったけど……今は、あんまり気にしてない。
気にしてたら、やりたい事何にもできないもん。
[そう、笑って返した後。
立て続けのあれこれに、なんか子供っぽいなー、と実に失礼な感想を抱いたのは心の奥に止めておいた]
色々落ち着いたら、案内してあげるよ。
まずは、学館行こか!
[自分もあちこち見て回りたい気持ちはあるが、連絡なしの休み延長、いわばサボりをしていたようなもの。
そこの所のあれこれは先に解消しておきたかったから、当初の目的を優先していた。*]
戦わないために、力が要るんだ。
キール、
外の国に負けないだけの力を、
……?
[議論の途中で、キールが不意に頭を下げた。
若輩者なんていう言葉に笑う。]
なに言ってるんだよ。
ここはベルサリス学館だ。
年も立場も身分も関係ないし、
誰だって思いっきり議論していい場所だろ。
[笑いながら言えば、議論の空気は薄れる。
近所にできた新しい甘味処の話題やら
新しい教師がこの間花壇で蜂に話しかけていたなど
根も葉もなさそうな噂話やらが始まった。
それに加わりつつも、キールにつられて視線を動かす。
と、此方を見ていたらしき相手が目に留まった。>>5
全体的にどこか大地の気配を漂わせる相手。
自分と年はいくつも変わらないはずだけれども、
ずっと老成しているような雰囲気を持つ人。
フィオン・ヴァイサネンと男の名を名乗っているが、
声や体つきからは女だろう、とも思っている。
もっとも、なぜそんなことを、の経緯を聞く気はない。]
― 首都ブラバンド:王府軍基地 ―
[扉を開けると兵士達が一斉に立ちあがって挨拶をする。
それをアレクシスは手で制し、いつものような穏やかな表情で、]
―――……良いです、各自持ち場に戻って下さい。
[兵士達に戻るように指示をする。
けれども何処か浮ついたような兵士達の顔付きを見て、内心溜め息を吐いた。
それも仕方のない事か。今は王府の軍の大半はシュビドへ向けて南下しているのだから。
今此処にいる兵士は一部の優秀な者を除けば、お留守番組の、余り者なのだから。
剣の音や怒声を背中で聞きながら、据えられた椅子に座り暫し逡巡する。蟻が、椅子の下からいそいそと出ていって。餌を運んで何処かへ消えていった。]
2:8:2 ですね。
[その蟻の背中を見送りながら、よく解らない数式を呟く。]
[誰もが自由に、望むままに在れる場所。
自分の心の命じるままに、知識を得られる場所。
学館はそうあるべきだと思うし、
そんな学館に誇りを抱いてもいた。**]
[暫しして、伝令の一人がアレクシスにそっと近付き、耳打ちをする。伝令によると、現在、巫女姫率いる親征軍はアレイゼル領に差し掛かっているとのこと。>>0:52 また、ソマリ・フル・アレイゼルも迎える為に百五十ほどの私兵を遣わせたとか。
それらの報告を聴き、ひとつ頷いて、アレクシスは伝令を帰した。
伝令蜂ではなく、人間が来る限りは巫女姫は無事であろう。
あの箱を開けるのは、人すら寄越せなくなった時なのだから。]
ソマリ・フル・アレイゼル………
[名前を呟き、細い目を閉じる。流れる金糸、端整な顔立ち。
堂々とした出で立ちや、自信に満ちた表情。まさに自分がイメージするような、所謂、貴族というのに相応しい男であった。]
食えない男ですね。
巫女姫を迎えるのに、わざわざ兵を用意するなどとは。
野蛮な御方です。
まぁ、あの男の事だ。それなりの礼節は弁えていると信じます。
[然し、ただの坊ちゃんという訳でも無い事は、以前に会した時に悟っている。
野心も十分過ぎるほどに持ち合わせている。
彼もまた、自分とはタイプが違うが、策士の類であると、肌が告げていた。
噂によると、オルヴァル家との婚約を打診していたとか。庶民の出身であるアレクシスにはそのような話は、まさに絵に描いたような話である。
けれども、それもまた、一つの戦いの方策か。]
さて―――…… 私達は明らかに仲間が足りません。
数だけで揃えるようでは、負けるでしょう。
働き蟻を束ねる、優秀な2の存在が。必要です。
[平和惚けした兵士達を見やりながら、アレクシスは筆を取る。*]
/*
地の副官の姓がオルヴァルであるよ。
ルー・ガルーの地名がベルギービール由来だとわかってる人だなw
それと、ガートルートの妹がクローディアだってw
クローディアスが元ネタでしょうか。(ハムレット的に
― ベルサリス学館・茶室 ―
[カナンと話し合うために選んだのは、
学館の中にある、とても小さな部屋だった。
普段は茶会をするための場所で、
椅子はなく、草の敷物が敷かれているきり。
膝をつき合わせた話をするには丁度いい。
その部屋で、茶と茶菓子の準備をしながら、
カナンがやってくるのを待っていた。]
シメオン、
おれはしばらくシュビトに留まる。
学校の先生やるんだぜ。
[底抜けに明るい声で報告した。]
セドナやマチュザレムの現状を話して、ナミュールの民に開国すべきだって思ってもらうためだ。
民主主義がマチュザレムの基本であり活力だからな。
…ってなワケで、王府との折衝はおまえ頑張って。
[朗らかに激励という名の一任。]
この学館、いろんな本もありそうだから、なんなら夜、寝る前に朗読してやろうか。
[せめてもの労いというか、つながっていたい感というか。]
あ、そういえば、ウェントゥス族の服も手に入ったから、楽しみにな。
− ベルサリス学館・茶室 (回想) −
[メモに従って訪ねてゆけば、そこはナミュール文化の奥ゆかしい施設らしかった。
長身のカナンにとっては、圧迫感を覚えるほどに狭い部屋である。
だが、そこに用意されているのはスイーツだ。
尻込むなどもったいない。]
お待たせした。
[いそいそと室内へ入り、端然と座すクロードの前に、片膝を立てた崩し胡座で腰を下ろす。]
お声掛け、誠に光栄の至りでございます。
私は、ご心配には及びません。相変わらずですよ。
[>>=3 筆をとって暫くしてからだろうか。アレクシスの耳元に凛とした声が響く。それを聴くやいなや、唇の端を僅かに歪めて、筆を止めた。
嗚呼、そうではないか。
伝令なんて使わせなくとも。
一番大切な方の声は、直接、私の心のなかに。
学者肌ゆえ、こんなお伽噺めいた事はなかなか他人には言い出せなかったが。
アレクシス自身はこの力を誇りに思い、大切にしてきた。
一時は、自分が巫女姫を思い遣るがあまりに、終ぞ狂ったかと思ったが。力が真実と悟った時は、得も言わぬ恍惚に浸ったものだ。]
そうですか。
遠路の移動、お疲れではございませんか?
ソマリ・フル・アレイゼルは何か申しておりましたか?
無礼なんて―――……無かったでしょうね。
[震える想いで、そう尋ね。続く言葉には、]
貴女は気高く、お優しき方。
ですので、下等な民にも等しき慈愛を与えて下さるのですね。
しかし、嗚呼、巫女姫。
どうして私に許可なく―――…… お行きになられたのですか。
[>>=4 痛ましそうな声に反論するように、切迫した思いを伝えた。
このように緑の世界で咎めても、姫が直ぐに戻ってくるわけでもないのに。
然し、自分の許可なく、逃げるように去った彼女をどうしても責めるような口調になってしまうのだ。]
[吐息に吹かれて、空の青、海の青、風が赴く先にある遥かに跳び行く白を見送り]
まさか。軽率だなど、とんでもない!
その国の行く末を見定める先見の明。
臣民の為、身を粉に御尽力なさらん御心。
なるほど。確かに今は、年若い姫殿下の慈愛は若き学徒には至らない。
ですが、真に心豊かなるブラバンドの臣民はその多くが理解しておりましょう。
歴代の、民草の手が届かぬ場所にいた巫女姫とは違う。
巫女姫シルキー殿下こそが、真に、王国始祖、姫王陛下の生まれ変わりと。
[実際にこの国では南島を始めに、まつろわぬ民が隠れる様に棲む、山岳地帯や古代の盛には、元いた地を奪い取りし亡命政府である王国に反発する者も決して少なくない。
だがその反面、北島、特に首都ブラバンドに近ければ近い程、今度は逆に巫女姫に対する崇拝と敬愛の念は限り無く、深くなる]
…ご存知でしょうか、姫殿下。
[男は再び柔和な笑顔を、浮かべた。底の真意が窺えない微笑を]
然して姫殿下の御威光は、暁の曙光の様に清らかで清浄。
気が早い臣民などは、既に深く姫殿下をお慕いして、そう。
当代の巫女姫は、姫王の祖霊を継ぐ『王』たる資質に溢れている。
この現世に帰還なされた、姫王陛下の、『御親政復帰』は近いと。
それは勿論、そう、ユレ殿もご承知の事かと存じますがともあれ。
我等臣民一同、姫殿下の更なるご活躍を期待しておるのですよ。
[羽の微かな音色に惹かれて、天を仰ぎ見ると、瞳に映るは太陽。
そして春風をその翼沢山に孕んで、自由に、優雅に、その遥かな高みを旋回する鳥が、風に吹かれて青の遥かへと飛翔し続けて行く様が見えていた]
… … …忌憚無き、私の考えを御赦し頂けるなら。
[空の彼方へ飛び去る鳥を眺めて暫く、ぽつりと口を開く]
どちらにせよ学徒共の短慮に対処は不可欠。
無慮の諸人を捨て置けば、我等諸侯や姫殿下へ弾圧を始めかねない。
元々が、その一部は王国の民主化
つまり国の無政府と云う愚かな考えもその一端に謳う連中。
義と利が無ければ、指先で捻り潰し終わり。そういう類の『掃除』なのです。
御安心を、姫殿下の御英断はこのソマリの目に寸分の狂い無き物です故…。
[柔らかで言葉儀礼な美辞麗句とは空気の異なる、遠慮の無い言葉。
紡がれた言葉全てが、男の本心では無いが、然し垣間見せた三白眼の冷たさは、決して美辞の様な実の無い言葉糸を繰る物でも、また無く。
その後、巫女姫との歓談もそこそこに行軍は再開される事となるだろう]
― 親征軍 行軍中 ―
[軍中を軽く眺める物の、探していた影の姿が、文字通り影も存在しない]
…アレクシス・ユレ…恐らくはブラバンドか…
平民の教師あがり。そして巫女姫の信奉者。
… … …出自の割りに、食えない奴だ。
[何時の頃からか、気付いた時には巫女姫の影に寄り添い始めた男。
その出自も含め、得体の知れない存在として常に警戒しているのは今でも。
そして何より優秀な片腕なのだ。恐らく巫女姫には不可欠となる類の。
今頃、何処で如何な考えを巡らせている事か、と考えながらも。
やがて親征軍はアレイゼル領を抜ける。デ・モールを越え、到るはシュビト…*]
― シュビト ―
[ シュビトの町は思った以上に人が集まっていた。駐在兵代わりの町の自警団が慌しく見回っているせいか治安の悪化も目に見える限りでは見受けられない。
それでいながら熱気に当てられたような浮ついた空気が町全体を覆っているような印象を覚えるのは、この町で行われる集会と、それに前後して王府からの遠征軍、後続で姫殿下の親政軍が近付いているからだろうか。]
( 見るたびに錬度が上がってきていると思っていましたが…)
[ 数年前から学館の者が主導して新たな軍を作り上げている事>>29など、どのようにそれまで動いていたのか。街の人間が気付ける程度は気付き、気付かない程度は気付いていない。間違いなく言えるのは今日この日、街の中で想像以上に確りと統率された兵士の動きであり、街の中を歩きながらただそれに目を向ける。]
( 本来ならば、今後どうなっても私兵を町に入れる事は避けるべきでしょうね。)
[ 引き連れた貴族の私兵。表向きは国軍の兵士達は、町を見下ろせる位置に陣取り、先遣隊に「シュビト周辺の治安不安の為」の出動という名目で、国軍と合流もせずに隊長に引き渡した格好のままで独自に備えていた。
隊長の言は有事の際にはすぐさま町に攻め込めるようにしているとの事だったが、どちらに対してという肝心の部分は聞いていない。彼自身も知らないのかもしれない。
今の現状は南島屈指の錬兵の布陣という、手に入れた自慢の玩具を見せびらかしに着たに過ぎない。見せびらかす相手が物欲しげに見てくれる保障などどこにもないのに関わらず。]
ひょっとしたら学館への道は閉鎖されているかと思いましたが、どうやら完全に掌握が済んでいる様子ですね。
[ シュビトのベルサリス学館。
この国有数の私学校であり、貴族の師弟のみが学ぶ王府の有数の学院とは違い、身分に関わらず入学が可能で多岐に渡ってありとあらゆる求める知識を得る為の学校として、知れ渡っている。軍学もまたその知識の中に含まれている。
学館で学んだ事はないが、訪れた事はある。今日の日も誰でも集会に行けるだけの準備はできているらしかった。まるで誰にでも門戸は開かれていると学館が謳っている名の通りに。*]
[鮮やかな若緑の茶を椀に注ぎ、カナンの前に置く。
用意しておいた茶菓子も横に並べた。
真っ白い餡で作った団子の上に、桃色の餡をあしらったもの。]
雪の中から咲く花を表した、ナミュールの菓子だ。
[説明しつつ、自分も茶を一口含む。
口調もすっかり気の置けないものに変えていた。]
それで、カナンがこの国に来たのは、
この国を開いて交流を持ちたい、
という話に来たと考えていいんだろう?
[しばらく時間を置き、落ち着いた頃を見計らって、
そんな風に切り出す。]
俺もそう思ったんだが、会談の場に現れたからなぁ。
[カナンの感想>>*11に同意を示し、立て続けに訊ねて来る>>*12のを聞けば、シメオンの意気も上がる]
俺達より若そうだったぞ。
美人も美人、なかなかお目にかかれねーぐらいだ。
スタイルまでははっきり見れなかったけど、香水とはまた違った香りを纏ってたな。
良い匂いだった。
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
[クレメンスの態度>>114に、忘れてたのかよ、やら、コイツもしかしてわざとか、やら思ったが、口には出さずじと目になると言う表情だけで思考を示す]
おっさん信用されてねーんだな…。
[呟かれたことには思わず突っ込んでいた]
はは、おっさんのそーゆとこ嫌いじゃねーわ。
[割り切りの良い言葉に相手の意図を察する。
対立する場合は受けた恩義などが邪魔になることが確かにある。
こう言い切れる相手は取引相手としてはある意味信用出来よう]
でもよ、おっさんの言い分だったら変に工作した方がバレた時に疑われやすいんじゃねーか?
こうなったら堂々と行こうぜ。
実際俺らは”見物”に来ただけなんだからな。
[>>115腹を据えれば後は行動するだけだ。
その方が双方の利になると言うのなら、足踏みする必要は無い]
俺もアイツに会わせてみてーな、アンタを。
アンタさえ良けりゃ機会作っても良いんだが……ここじゃあ厳しいかな。
[これから王府軍が来ると言うのなら、別の機会にした方が良いだろうと。
そう考えながら言葉を紡ぐ]
[問いの答え>>116はクレメンスの体験談だった。
はきとした答えではないが、かつて外を目指したと言うのはその言葉から知れる。
力では超えられぬ暴風壁]
(でも俺らはそれを超えて来た)
[今はまだ紡がれない言葉。
心の裡だけで呟きながら続き>>117を聞く]
今はまだその時ではない……か。
[それはいずれは開くべきと言う思考、もしくは希望か。
クレメンスの言葉でやるべきことが少しだけ見えた気がする]
はぁ!? お前が学校の先生!?
[底抜けに明るい声>>*13に返った第一声はひっくり返ったものだった]
いや確かに外のこと伝えるのは良い案だけどお前に教師が務まるのかってかお前まるっとめんどくせぇの投げやがったな。
[朗らかな激励にひっくり返った声は徐々に戻り更に低くなった]
あ、でもその朗読は良い案だな。
こっちにも歴史書はいくつかあるんだけど、それだけじゃ足りねーや。
…そうだ、そっちならナミュールの現状とかも入って来ねーか?
抱えてる問題とか、何を重んじてるとか、何でも良い。
会談の材料になりそうなことを主に。
あと俺に一任するならマチュザレムからの開国条件教えてくれ。
それが無いと取り次いでもくれねー。
[一人で情報を集めるのはやはり難しい。
その点を手伝ってもらおうとカナンに頼み、伝統服を入手したと言う話に声のトーンを上げた]
やった! ありがとな、カナン!
[この小さな木製ナイフみたいなものを使えばいいんだよな、と判断して、サク、パク。]
う、む。
[粉っぽい触感は生焼けのケーキな感じ? いや、でもしっとりとして上品な甘さだ。ぼそぼそとはしない。
で、地味な陶器の大きな器の底にほんの三口ほどだけ淹れられた (なんか無駄っぽさを感じる…) 泡立った草色のカプチーノもどきは、予想に反して──えらく渋かった。薬湯なのかもしれない。]
く、 ふ
[それでもきっちり飲み干すのが礼儀と、茶器を煽った。]
…ありがとう、
なんというか──野性的な…、ギャップの楽しい…、身体によさそうな…、味だった。
[なるべく褒めたつもり。]
今、おれはナミュールで初スイーツをしている!
雪の中から咲く花をモチーフにした可愛く丸い小さな菓子だ。
上品な甘さだが、触感が舌に残る。
それも慣れれば乙なのかもしれないが。
あと、緑色のカプチーノもどきには注意しろ…
また連絡する。
[とり急ぎ、初スイーツ報告をしたかたっらしい。]
仮に民衆を戦いに駆り出すことになったとしても、
民兵だけじゃどうにもならない。
だからこそ、中核となる集団が必要なんだ。
経験不足は、訓練で補うしかないけどな。
[あるいは賊討伐に積極的に打って出るか。
あまり派手に動くと王府に目を付けられるかもしれないが。]
[ごく自然な経過を演出して、クロードは本題を切り出す。>>163]
ああ、そうだ。
おれたちは開国と国交樹立に関する申し出をしに来た。
君は、この国を開かせるための方策についておれと内密に話したいと、そういう意志表示だったな。
この国にも、開国を考えている人がいると知って嬉しい。
実は、王府からはあまり色よい返事はもらえなかったと報告を受けている。
[トマスの他にも使節団はいるのだと、そのうちのひとりで、カナンの副官たるシメオン・オリオールという男が、先頃、マチュザレム共和国からの申し出をナミュール王府へ届けたことを手短に伝えた。]
結界の外に出る話も、自治の話も、
根は同じところからきてるんだよ。
学館で外の国のことを研究するだろ?
すればするほど、ナミュールは遅れている、
そう感じるようになる。
[話し始めたのは、ここに至る経緯のこと。]
国を開いて新しい技術を取り入れるべきだ、
貴族たちが国のことを全部決めるのはおかしい。
俺たちは俺たちがしたいように街を動かしたい。
外の国ではそうしているところもあるって話しじゃないか。
学館にも、街の商人や職人にも、
そんなことを言う奴が増えてきた。
この、なんかもやもやした不満を抱えた連中が、
いつか、何かのきっかけで暴発するんじゃないかって、
俺はそいつを心配してる。
暴発して、ナミュールを引っ掻き回すだけ掻きまわして、
結局鎮圧されておしまい、ってなるのをさ。
それじゃなんにもならない。
無駄な被害は出るし、不満は残ったっきりだ。
やるなら、結果を出さないと。
王府に、ある程度の要求を通せる力を用意しておく。
みんなの行動が、ただの暴動じゃなくなるだけの
統率できる頭を持った人間を作っておく。
いつ必要になるかはわからない。
でも、近いうちに必要になるはずだ、 …と、思う。
[友は、今は国を守る側の立場にいる。
なのに、自分は国に乱を起こせる力を作ると告げている。
おかしな話だ。けれど、心配はしていなかった。]
俺はナミュールを壊したくない。
外からの力にも、内からの力にも
対応できるような備えをしておきたい。
それだけなんだ。
[言い切る声は、青い空に吸われていった。]
カナン……
[いや分かっていた。
カナンの性格を思えばそう言う報告もしてくるのは分かっていた。
が、生温い口調になるのも已む無し]
後でもうちょっと詳しく頼む。
[興味心身に返すシメオンの言葉も言葉だったが]
― ベルサリス学館・5年前 ―
館長の遠縁の……?
[教師、職員にキールと名乗る娘が時期はずれの編入生として紹介されたのは5年前。
その家の教育方針なのか、貴族の娘が一時期勉強のためにくることは今までもあったことだし、そういう娘はやはり振る舞いや容貌が目立つものだ。
そうして上流階級の娘を見たことがある身であったが、それにも増してキールは服装こそ簡素なものではあったが目をひく娘だった]
キール。ようこそベルサリス学館へ。頑張れよ!
[そう声を掛けて、ぽんと肩を叩く。
その際、顔がにやけていたのは多少は仕方のないことだろう。
キールの正体を知るのは、それからすぐ後。
館長からこっそりと打ち明けられたのだった]
シメオン、おまえもナミュール料理を楽しんでいることを願うよ。
こちらでは、シュビトの私学・ベルサリス学館の学長の息子だというクロード・ジェフロイという男と会談している。
おれたちより少し若いくらいの青年だ。
とても落ち着いた人物だから、呑まれないようにしないと。
今のところ、非公開の折衝だ。
[報告しながら、シメオンからの依頼についてもまとめてゆく。>>*18
スイーツ三昧しているワケではないと弁明するように。]
開国の条件についてだ──
結界の無効化、それが最大のポイントだろう。
逃げ込んだ犯罪者の取り扱いなどは別途、定めることになると思うが、人と物の自由な交流こそ、開国だ。
ナミュールの内政には干渉しない。
それは、我がセドナが君主制のままであることで証明できると思う。
マチュザレムは、ナミュールの民の幸福のために医療などの支援ができる。
ナミュールにはまだないガス灯や飛行船などを導入することで、すぐに世界標準に追いつけるはずだ。
確かに、一時的な経済の混乱はあるだろうけど、得るものの方がきっと大きい。
そう説得してゆきたいな。
それでも彼らが渋るようなら、思い出させてもいい。
──結界は、この世の始まりからあったものではないと。
[実のところ、セドナの開国が成功したのは、セドナにたいした資源がなく環境も過酷なせいもある。
資源収奪のしようがないのだ。
資源の豊かな地方では、”治安維持のため”マチュザレム軍が駐留する例もあるのは事実。
ただ、カナンの原体験はやはり生まれ故郷に由来するから、そこは現地政府がしっかりしていれば乗り越えられるはずだと、強者の理屈で考えていた。
あるいは、それがカナンが今回の使節に抜擢された理由なのかもしれない。]
― シュビト中央広場・現在 ―
[クロードの登場を今かと待ちながらも、辺りの様子はしっかりと窺っている。
今のところはまだ目に見えるほどの揉め事は起きてはいないが、その辺もクロード達が気を配っているのだろう。
そうして辺りを探っているうちに、学館の学生の一人が目に入る]
ルディ!
[このところ何やら動きが慌ただしかったようだが、今日の集会はさすがに気になるのかと、その学生の名を呼んだ>>71]
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
[するりと人群れをすり抜ける動きは慣れたもの。
淡い萌黄に真紅の糸で紋様を刺繍した衣と頭の上の白猿は、知らぬものの目を引くけれど、そちらは気にした風もなく。
中央広場にたどり着くと、周辺に植えられた木の枝に身軽に飛び乗りそこに陣取った]
よし、いいとことった。
[小柄な体躯のため、人群れの中にいては肝心のものは見えないだろうから、と。
こんな時に高所を取るのはいつもの事。
単純に、高い所が好きだというのもあるが、それはそれとして]
[ふ、と、視線を空へと向ける。
学館に戻った後も、頼まれ事の関係で連絡を受けて里の麓まで戻る事は幾度かあった。
回収されたもの──銀色の箱っぽいもの、という大雑把な括りのため、もしかしたら単なる破片やらも紛れているかも知れないが、とにかく、『山にあって不自然なもの』は、里の若者の手も借りてシュビトまで運び込んでいる。
そんなわけで出入り頻繁な落ち着かない日々を過ごしていたのだが]
……なんにもなきゃ、いいんだけどなぁ。
[ぽつ、と零れる小さな呟き。
行き来の最中、里の者から聞かされたのは、一族の領域が少しずつ侵されているらしい、という話]
棲み分け、できてると思うんだけど。
……北島の連中みたくはなりたくないんだけどなぁ。
[一族の領域に最も近い街──スルジエ。
そこの住人とは、互いに領域を侵さず、山岳の恵みを分け合えている、と認識していたが。
最近、暗黙の了解によって定められた境界を越えてくる者が少しずつ増えているらしい。
それが、街全体の意思なのか、個々人の行動なのかを判ずる術はない。
問題なのは、侵入がされているという事実と、里の者たちがそれをどう受け止めるか、の方だ。
北島に残った古き同胞が、森を巡って諍いを繰り返している、という話は学館で学ぶようになってから、何度も聞いた。
ウェントゥスもその道をたどる事になるのか、と。
それだけは、避けたいのが本音なのだが]
……カナンの事であれだけ騒いだ後だし。
気、たってる連中、どーにか抑えないとなんないかなぁ……。
[自身が繰り返して来た、閉じこもるばかりではいけない、という主張がおかしな方向に響いているかも知れない。
そう、考えるとなんだか気が重い]
― 現在:首都ブラバンド―
――――……巫女姫どうかご無事で。
[心に直接響くような緑の声に頷きながらも。止めていた筆を再開させる。さらさらと書く文章は、旧友に贈るような幾分砕けた口調。
こんな風に、昔の同僚に手紙を宛てるなんて、いつ以来だろうか。
故郷のシュビドを離れ、王府に着任した時に、人寂しくて何度か送ったか。庶民の出身でありながらも、こうして巫女姫の腹心として仕える事に、得も言わぬ幸福と使命感を覚えるが。
同時に周囲から寄せられる様々な感情に、押し潰されそうになったものだ。時には暗殺されそうになったこともあるし、毒を盛られた事もある。]
……もし、諍いになったら、あの人も出てくるのかな。
[ふ、と思い出すのは以前、山中で見かけた兵を率いる長身の人の事。
学館に通うより前、山中で何かやっている連中がいる、という話に興味を持って近づいた事が一度だけあるのだが]
そういう形では、会いたくないよなぁ、プルウィア。
[ため息混じりにぽつり、と零した呟きに同意するように、白の小猿はきぃ、と鳴いた。*]
ふ、私らしくもないですね。
[自嘲気味に唇を歪め、肩を竦めた。
敬愛し巫女姫の為に、全てを捧げると誓ったではないか。
そのための牙も、毒も身につけてきた。
光が光として存在するためには、影が、必要なのだ。
昔を懐かしんで、立ち止まっている時間なんて、自分には無い。]
『マーティン・バウマン様
お久しぶりです。
シュビドにも春はやってきましたか?
きっと暖かいのでしょうね。
学館の皆様はお元気にしていますか。
なんだか手合せをしてくれた時が懐かしくなりますね――――……』
[相変わらず、そんな風に冗長的でとりとめも無い文章を連ねていく。]
[だから唇から零れたのは、別の正式なる名前だった]
―――、クロード・ジェフロイ。
貴方でしょう?
他に、誰がこのような大それた事を企みますか。
私は、貴方の力量を見誤りませんよ。
[仮初のひと時とはいえ…妹のように、
傍で、静かに燃える琥珀の瞳を見上げてきたのだから]
― ベルサリス学館・回想 ―
っ、痛ッ!!
[>>113 悲鳴にならない悲鳴をあげて、大の字になる。夕日が橙色にシュビドの空を染め上げていき、学館を燃え上がらせる。芝生の上、空を飛ぶアゲハチョウを目で追いかけ、]
はぁ、……あ、ありがとうございました………
っふふ、お強いですね…… 当たり前、ですか。
[暫くはそうして満身創痍の身体を芝生の上で横たえている。きっと、同僚は呆れ顔になっているかもしれない。良い年した大人、しかも教える立場の者が子供じみた事をしているのだから。]
―――……マーティン。
貴方は、どうして強くなろうと思いましたか?
[そんな事を尋ねてみやる。彼は果たしてその時、なんて答えただろう。その返答は自分の心のなかで噛み砕き。そして、]
この国は、強さなんて必要でしょうか。争いなんて、全て姫王の悠久の祈りによって作られた障壁があるから無用なのに。
穢れがあるからこそ―――……無益な血を生むのです。*
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
[どこか憂鬱な物思いを打ち破ったのは、名を呼ぶ声。>>179]
あ、マーティン先生。
[くるり、振り返った時には陰鬱な色はなく。
陣取っていた枝から飛び降り、ぺこり、と一礼した]
先生も、集会参加?
[礼の後、問いかける口調はごく軽いもの]
― 現在:首都ブラバンド―
『―――……無益な血を生むのです。
だからこそ血を除くための、自衛のための、強さが必要なのです。
そしてそれを束ねるだけの、より強い存在が。
矛盾しているようですが、これが巫女姫の安然の為なのです。』
[つい筆が熱くなり、手紙を5(6x1)枚も書いてしまった事に、苦笑する。一息吐いて、結びの事を添える、]
『一度、ブラバンドに遊びにいらして下さいませ。
久しぶりにお酒でも飲みましょうか。
良い酒になる事を祈りますよ。
-Alexis Huré-』
[長くなりすぎた手紙を封筒に仕舞い。
最後に蝋燭を火で炙り、封筒の上に垂らす。
その上からユレ家の印を刻印すると、遣いの兵士に届けるように伝えた。敢えて王府の刻印は使わない。
一見すれば、しがないただの手紙にしか見えないそれ。果たして、かつての同僚は、手紙を開いてくれるだろうか。
文章はあの時のままの、砕けた同僚の口調で。
然し、その内心は影として、人を天秤に掛けている。
かつて教壇に立っていた時のような、爽やかなシュビドの空の煌めきを。
今もアレクシスの双眸に携えているかどうかは、
分からない。*]
/*
インフルさんのピークが一向に過ぎません…なんたること。
出力落ちてるなあ…。皆さん英雄がこんなですみません…。
騙し騙しいけるかと思いましたが
あまり厳しいようなら、メモで御免なさいさせていただきましょう…。
[こちらに気づいて勢いよく飛び降りる姿は、ルディらしいなどと思いつつ、笑顔を向けて>>191]
まあな。
学館でも集会の噂は持ちきりだし、うちの連中も大勢参加するみてぇだからな。
そういうお前も参加か?
お前、最近忙しそうだからまさか来るとは意外だったぜ。
[ルディの表情からは物思いのあとは読み取れなかった]
― 集会当日・シュビト中央広場 ―
やはり、実に、おもしろいな、君は。
[ 子供の頃から、おもしろいことには、目のない男だった* ]
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
あー、やっぱり参加するヤツ多いんだあ……。
[そりゃそうだよね、と軽い口調で呟いて]
忙しいっていうか、なんていうか。
ちょっとばたばたはしてるけど、これは見逃したら損すると思うから、ね!
[意外、という言葉>>195に返して笑う表情に翳りはない。
そう言ったものをあまり人前に出さないようにするのは、生まれに基づく無自覚の防衛の一つ]
むしろ俺が提供してるっつーかなんつーか…。
まぁそれなりに楽しんでるぜ。
へぇ、学長の息子とか。
大丈夫、お前なら対等に渡り合えるよ。
俺が保障する。
開国の条件については了解だ。
条件に加えて、俺達の国についてを出せば前例としては示せるな。
……ん、人によって造られた物なのであれば、人はそれを超える力を作ることが出来る。
それが、人の可能性。
[それは武力行使にも繋がることではあるが、あり得ない未来ではない]
不本意な開国になる前に、地力を高めて自ら開いて欲しいところだな。
[技術の躍進が続いているのは何もマチュザレムだけではないのだ]
よし、こっちは任せろ。
どうにか会談取り付けてもう一度交渉してみる。
そっちも頑張れよ。
あと情報収集も頼んだぜ。
/*
いきなり正解が出て来てびっくりしたw>シメオン
まあ、判りやすかった、かな?
ここまで理解してもらえてれば、あとはいつ死んでも悔いはないわねえ。
[今回も死ぬ気満々なんですね?]
[だって、じじいおっさんだし]
/*
戦力差を尋ねたのは、うちとソマリさんとこが規模を明示してるからだね。
乱戦になった時、どれくらい働けるかが、全体の規模によって代わる。
ただそもそも、戦闘描写を細かくせずに流すつもりだったり、戦闘行為に至らないつもりであれば不必要だし、隠しておきたい事情があるならそれはそれ、ということで。
ソマリさんは出迎えだけ、と明言してるから、そもそも高見の見物のつもりかもしれないが。
ああ。
集会の趣旨が趣旨だからなぁ……。
学館自体では思考をどちらかに偏らせようとしてるわけじゃねぇんだけど、校風なのか自然とこっちに興味をもつヤツが多くなるからな。
[クロードの活動の影響もあるだろうが、そちらは口にはせず
見逃したら損という言葉には>>199うんうんと頷く]
でもよ。
お前、あそこから降りて来て見えんのか?
なんなら肩車してやろうか?
[先ほどまでルディがいた木を指さしながら、つい軽口を叩く]
いつも神殿に篭っておりますから。
珠に遠出も良いものですよ。
[馬車に揺られ続ける日々は、神殿や王府での暮らしに比べてしまえば決して快適なものとは言えないが、
この移動も必要なことと思えば、別に苦には感じない]
大丈夫です。無礼など、――――させません。
[凛とした意志。安心させようと、其れを見せる]
― 集会当日・シュビト中央広場 ―
ぶっ、
やっぱおっさんおもしれーわ。
[国を護る立場と言いながら、王府の信用は要らないと言う>>194。
独特な持論を持つクレメンスの言はシメオンには新鮮だった。
図らずもクレメンスの感想>>198と言葉が被る]
おっさんを味方に出来たら心強いだろうなー。
王府にも集会にも加担する気ねーなら、俺につくって選択肢あっけど、どうよ?
[軽口めいた言葉。
笑いながら言う様子からは本気度は計れないだろう]
下等などと言ってはいけませんよ、アレクシス。
彼らは等しく大事な国民の方々なのですから。
どんな国も、民草無しに繁栄は出来ません。
[咎めるように唇を尖らせて、から]
、………それは、
[少しの沈黙が落ちた後、あとを続ける]
おそらく、シュビトの反政府活動は
これまでの規模を超えるでしょう。
明確な欲求は、指導者が導いてこそ強く輝くもの。
今、シュビトには其れが揃っています。
ですから、こちらとしても早く手を打つ必要がありました。
此度の親征、揺れ動く諸侯への牽制の効果はあるでしょう。
…というより、それなりにあってくれないと、困ります。
巫女姫としての自信を失ってしまいますから。
いやだ、冗談ですよ。
[しれっと繋いで、冴えた声を綴る]
ただ、動乱の可能性の高い地に赴く以上―――、
それなりの危険は予測せねばなりません。
…最悪は、
……、………、言わなくともお分かりでしょう?
[遠くの地に居る相手の顔色を伺うような口調で、言葉を添える。
相手を怒らせる台詞だ。分かっている。
だからこそ、言わずに出立したのだから…]
万が一、“巫女姫”が、道を誤った学徒に弑されたとします。
[シルキーは、あくまで客観的に見解を述べる。
それは何処か、学館の教室で指されて、
問いに答える生徒の仕草にも似ていた]
それは此方にとっても手痛い損失ですが、
代わりに彼らは義を失う。
平和の象徴たる巫女姫を、一時の激情で
除けてしまうなどという野蛮な行為の果てであれば――…
幾ら甘い夢を語ったところで、平和を愛する国民の皆様が
反乱勢に素直についてゆくとは思えません。
最悪の想定です。
起きるとは、殆ど思っておりません。
けれど、―――起きたところで利はあります。
ですから、どちらに転んでも巫女姫親征には益がある。
私は、間違っておりますか? …、アレクシス。
ふふ。大丈夫。
易々と斃れる気はありません。
私も、此の身が大事ですからね。
ただ―――…、使えるものは使いましょう。
私の身を案じていただけるのは嬉しいですけれど ね。
[咎める声をいなすように、
鈴の音のような柔らかな囁きが語尾を飾った]
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
それだけ、新しい流れが見たい、っていうのが多いんだよ。
[変化がなければ澱みが生じ、それを厭うものはそれを浚う流れを求めるものだ、と。自身がそう思ってここに来ているから、口にする事に躊躇いはない]
……って、あーのーねぇ。
確かにここからだと見えないけど、肩車してもらうような歳じゃありませんからー。
[軽口>>200に返す表情は一転、むくれたようなそれ。
身長の低さは自覚があり、ついでに気にしている部分の一つ。
小柄故の身軽さは取柄の一つ、と認識しているのだが、気になるものは仕方ない]
/*
[左を見る]
[時計を見る]
[しまったー、ってかお]
調子に乗って長文投下してたらこれだよ……!
休みではりつけると、ほんと危ないわ……。
― シュビト・ベルサリス学館前 ―
この学館に…ですか。
[ 山岳部奥地、所謂まつろわぬ民のウェントゥス族の族長の長子も開かれた門戸に飛び込んだ一人だ。
王府の騎士団の調査が入るようになってから、上の者同士や下の者同士の暗黙の了解によってないものとされていた交流を蔑ろとした、相手の住処を乱すような風潮>>182も出てきていた。
自分は関与していないが、侵略や制圧を意図した命令を主から下されれば従わざるを得ない。
海運による王府との物流から発展した町は自分達がただの田舎者ではないという自負を産み、周辺地域、古くからの土着の者達との差別意識も出てきているのだろう。
相手を蛮族だ、異民族だと蔑む者は、若い世代を中心に増えてきている。]
[ 自分は祖父や父から立ち入らずの境界を重視するように言われていた事もあって山地調練でも彼らの敷地内には足を踏み入れる事をせず、詳細を知る事もなかったが、騎士団の道案内をした際に出会った若者は、文字も言葉も覚束無い禽獣の類だと言われる様な存在からは程遠かった。
そんな彼らが自分達を飛び越えて様々なものを学び、知識を糧として力を付けていく。嘲っている場合ではない。だとすれば最近の挑発に似た行為の数々の裏を覗ければ、下の者達の浅はかさからの動機ではなく、上の者からの脅威を形にした先制に近いのかも知れない。]
( 大きくは
[ 国難と嘯く今の情勢。そして自分の住む町の変化。その一つ一つがこのベルサリス学館が切欠であり、基点だとすれば末恐ろしい。買い被っているとしても、買い被られるだけの存在となっている。
本日広場で行われるらしい学長の息子による演説などは聞く気はなく、現場近くに身を置きつつ周囲を見て回るだけのつもりであったが、踏み入れたい誘惑に駆られる。
学館に対して、そんな吸引力を覚えて微かに息苦しい気になっていた。*]
/*
お、昼間居眠りしてたらルディやアレクシスにpt残量抜かれておる。
でもこれから大量に消費しなきゃならんワカメ満載の人もいるだろうしなー。
飴はちょっと様子見。
多いんだよ。って他人事みてぇだな。
[笑顔を崩さないまま、ルディの言葉には>>202そんな感想を漏らす。
事実今しているのは他の学生たちの話なのだから当然だが]
って、そうむくれんなよ。ただの冗談なんだからさ。
[ルディの身長問題についてはかなり無神経だった]
/*
取り敢えず、大隊の最小値?で考えていましたがが。
騎士団の全体数はどれくらいが妥当かな…。
13世紀に逮捕されたテンプル騎士団が3〜4千でしたっけ。(でもここと比べるのもびみょいような…)
純粋な王国軍の人数ともまた別カウントだし1500〜2000くらいでしょうか。
相手の人数に合わせようと思っていたのですが、
シュビト(+貴族さん方がどう動くかによって変わるのだろうと思うけど…)はどれくらいなんだろう。
そして主に動かすのはサシャさん?でいいんかな。
で……お前は。
どっちなんだろうねぇ。
[その後に口にした言葉は、先の新しい流れという言葉を受けてのもの。
ルディの出自がまつろわぬ民の末裔であることは承知している。
その閉鎖的な一族の人間が、わざわざ学館で学ぶということはそれなりの思いがあるのだろう。
その瞳は今、何を見ているのだろう。
教えている立場のものとしての、興味だった]
/*
どう動こうか。
まだ過去のターン多いし、演説も未だぽいですよね?
2dから始まると想定してお返し考えようか。
[話を本題に移せば、カナンからは予想通りの言葉が出た。
ついでに、王府との交渉は既になされたとも聞く。
交渉が不首尾に終わったと聞いて、そうだろうと頷いた。]
ナミュールは千余の時を孤高の裡に過ごしている。
そう言えば聞こえはいいけれど、
結局のところは、大昔のわけのわからない力に頼って、
惰眠をむさぼっているに過ぎない。
[言葉は、敢えて強いものを選んだ。]
今の王府は、絶対に国を開かない。
千年の伝統は、そうそう破れるものじゃない。
けれども、新しい流れはここに、生まれている。
[指を立て、足元を指す。
自分にとも、この地にとも取れる仕草。]
今のナミュールのままでは
そちらの目的は果たせないと思っていてくれ。
俺たちはこの機に、動く。
[端的に自分の立場と今後の見通しを告げ、]
だからカナンも"努力してもらえると"ありがたい。
[暗に、協力を要請した。]
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
[他人事、という感想には、実際にはどうかわかんないし、と軽く返したものの。
身長問題に関するあれこれ>>207に、見上げる視線は思いっきりのジト目になっていた]
せんせー、言っていい冗談と悪い冗談があると思いまーす。
[むくれながら申し立てる声音は拗ねた響きを帯びていたものの。
続いた言葉>>210に、子供っぽい怒りは少なからず冷めた]
オレ、は。
元々新しい流れが見たいから、学館に来た、から。
[居住まい正し、紡ぐ様子は真摯なもの]
ここで新しい流れが、それを導く何かが示されるなら、それをちゃんと見たい。
……見た上で、自分の行くべき方向を探したい。
ただ、立場と役割に流されるようには……なりたくないからね。
[ほろりと零れたのは、族長の長子、という立場に基づく想いの欠片]
[ちなみに、件のカスタードプディングは、その食感と外見から名を愛称に縮めて『たまごプリン』として、一週間程前から男の経営する土産物店で限定販売されるようになっている。
毎日完売御礼の、人気商品であった]
/*
兵数を決めるのは、毎度のことながら苦手です…。
って、思ったより少ない、ですねあちら。
もう少し減らしてもいいかもしれない。
―回想:5年前・ベルサリス学館―
[どうやら見ていた事に気付かれたらしい。
>>98>>147向けられた二対の視線には目礼をし、女は静かに教室から出ていく。
ベルサリス学館の中で女は男装をしていた。
それでも女を意識させる部分を隠す事はなく、騎士団で日々稽古に明け暮れていた頃のように学業に専念していた。
性別をあえて語る事はなかったし、深く詮索せずに只受け入れる学館の気質は有難かった。
学友達に己がどのように思われているかは知らない。
別の科目を優先的に受けている昔から女を知る盾仲間が聞けば、‘こいつはじゃじゃ馬で、物静かなどとんでもない’、などと言っただろうが。
けれどじゃじゃ馬と言われていた勢いは夫を失った事で鳴りを潜め、知識を得ようと静かに教師や生徒達の話に聞き入っていた。
そんな中、時折頭を過るのは、夫や騎士団の今後について。
胸の裡に静かに燃えるのは、何としても国を守っていく、という強い意志。]
――マッキントッシュ先生。
なるほどな。そりゃ頼もしい。
……お前にとっても有益な集会になりそうだ。
しっかりと見ねぇとな。
[ルディの返答を聞き終えて>>216零れるのはそんな言葉。
ルディにはルディに課せられた責任がある。
今の言葉はその重みから出たものだろう、と考えた。
そうして責任を果たそうとしているルディの姿を見るのは、年長者として嬉しいことだった]
[廊下でマッキントッシュの姿を見とめれば、そう声を掛ける。
事故により最前線から離脱し、兵器開発部に所属する非常勤講師。
学友から聞いて、女は彼をそう認識していた。
立ち止まって貰えたなら駆け寄って、]
――先生は、…もし外国が結界を越えて攻め入ってくるような事があった場合、
この国でそれに対処出来る武器や戦術をご存知でしょうか。
もしご存知でしたら、それは一体どのようなものなのか教えて頂きたいのです。
[軍で兵器の開発に携わる彼なら、最新鋭の技術に触れているだろう、との期待。
真っ直ぐに彼を見つめ、教えを乞うた。*]
/*
700〜1000ですか。
想定と大隊合ってた。
良かったー。
フィオン300、サシャ50〜150、+α(他領主
もしかして:騎士団が最大勢力
− ベルサリス学館・茶室 (回想) −
[もう一杯、とクロードが点ててくれた茶は先程のものとは違い、軽めの茶でたしかに食後にあう。]
ねっとりとした菓子と苦い茶とこれとがセット──というわけか。なるほど。
[勝手に納得しつつ、クロードが語るナミュールの現状について沈思する。]
/*
文化が和風である事に少し動揺しつつ。
そっか、カステラないんでした。
和洋折衷な感じで面白いです。
フィオン密かに好きだったりしたらギャップ、でしょうか。
いや、ギャップ可愛い枠にはクレメンスさんがいるからあまり食べない感じで。
シロウさんが死亡フラグを積んでいる気がしてなりません…。
初日落ち希望者さんでしょうか。
シメオン、
クロードは、王府であろうと彼ら新興勢力であろうと、自力では開国に踏み切れまいという意見のようだ。
彼は、暗に我々の介入を期待している。
"開国"のためならば、それに協力するのは是だろう。
だが、それは内政干渉になりかねない──というか、端から外の力を頼るというのは…
柔軟なのかな、それとも脆弱なのかな。
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
[酔狂の極みと言われても>>214、シメオンは楽しげに笑うだけ。
返された答えも本気度の知れぬものと受け取りながら、考え込む仕草をした]
カスタードプディングだけじゃ足りないか…。
何が良いかな。
[軽妙と言える駆け引き。
ここへ来ての菓子の価値の高さに内心楽しげに笑っていた]
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
[流されるようにはなりたくない、という言葉。
そこには、『古老たちが望む在り方』を唯々諾々と選びたくない、という想いもあるがそこまでを示す事はなく]
はい、しっかり見ます。
オレが、ここにいる意味をちゃんと見つけるためにも。
[にこり、笑って返すのは素直な気持ち。>>219
導き手として敬意を抱く相手だからこそ垣間見せる素の笑顔は、どこか幼さを残すものだった]
/*
鎮圧軍が1000の規模と聞いて、集会参加人数は万の規模が必要かと思っている俺がいる。
所詮は大半が有象無象だしな。
あと、初戦は圧倒しないと鎮圧されて話が終わるから、多少好き放題させてもらう気でいるよ。
なにしろ、ここが本拠地だ。
拮抗されると、後が無い。
[陶器の茶碗をス、とクロードの前へと押し返す。]
聞くところによると、現世の巫女姫は若くて超絶美人でいい香りがするそうだ。
非常に人望があるそうだね。
面識はあるか?
君は、この街には、国として正式な交渉権限を持つ人間はいないと言った。
それを覆し、彼女よりもしっかりとナミュールを指導できる根拠を聞かせてほしい。
荒唐無稽な話ではないと納得できたら──マチュザレムの進んだ文明のうち、君の目的に叶いそうなものを提供できるだろう。
/*
表でなんでこれを言わないのかといえば、展開相談みたいで嫌じゃん?に尽きる。
RPで押し通した方がいいよね。
(人それを、無理が通れば道理が引っ込むと言う。)
(最大の敵は、自分の負けたがりか。)
ふぅん……。
王府はともかく、自分らだけでは開国に踏み切れないってのは、開国を目指す者としてどーなんだろうな。
ちょいと虫が良すぎるんじゃねーか、それ。
王府は現状維持を望む方だから開国を決断させる方向には努力する心算だが、開国を謳ってんのに自力でどうにかしようとしない奴に手ぇ貸すのは癪だな。
切欠や知識は与えても、実行すんのは自分らじゃねーと意味ねーんじゃねぇの?
俺は脆弱と見るね。
/*
毎度思うけど英雄さん達は大変だよね。
常に、覚悟と意志を問われ続け正解を出せと要求され続けるわけだから。
いや、魁の英雄、やろうかなっと、一時血迷いましたけどね!
[やってたら、多分もっと性格悪い英雄になってた。カナン氏素晴らしく魅力的なので、やらなくて良かったと心から思ってる]
明らかにこの不良貴族(←気に入ったらしい)の方が楽だし。
[敬意を抱かれているなどと知ったら柄じゃねぇと笑い飛ばしそうだが、残念ながらルディの素の笑顔に隠された気持ちまで見通す事はできず>>224
そうして会話をしているうちに周りのざわめきも一段と大きくなってきたようだ]
ん。そろそろ始まるか?
[辺りの様子を観察しながらそう口にした*]
― ベルサリス学館・茶室 ―
巫女姫は、───祭りに行けば誰でも見るくらいはできるよ。
確かに美人だ。うん。
[カナンの巫女姫評はいささか品に欠けるものの、
大筋で間違っていないと言えた。
というか良い香りがするとか教えたの誰だ。]
[差し戻された茶碗を手に取って眺め、暫し表情を隠した。]
…今の貴族たちに、未来への展望はない。
昨日と同じ明日が来ればよしと思っている連中だ。
けれど、この街の人間は、
この南島の人間たちは、違う明日を求めている。
自分たちで、自分たちの明日を決められる力を求めている。
[ことり、と茶碗を置く。]
─── 俺が、そう仕向けた。
[事実かと言えばいささか誇張が過ぎるだろう。
だが、流れを助長した自覚と自負はある。]
なんだったら、その辺の連中に俺の評判を聞いてから考えてもらっても構わない。
ただ、この流れの先頭に立っているのは俺だ。
流れの手綱を引けるのも、俺だけだ。
[新しい茶碗に、新しい茶を注ぐ。
先ほどよりもよほど甘い香りが漂った。]
この日のために何年も準備をしてきた。
待っていたんだよ。
俺は、おまえを。
[カナンの前に置いたのは、甘茶と呼ばれるもの。
砂糖に頼らない、この国の甘味。]
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
[来たばかりの頃は、出自絡みの騒動も皆無ではなく。
そんな中でも、分け隔てる事無く接してくれた教師たちへの信は強いもの。>>226
もっとも、言葉に出す事は殆どないのだが]
あ……ですね。
[変わり始めた空気の感触に、自然、居住まいを正す。
肩の上の白猿も変化を感じたのか、落ち着きなくきぃぃ、と鳴いた。*]
[腹心の反応に黙して頷く。]
ああ、おまえが遠くにいて寂しいけれど、これほど心強いこともないな。
おれたちは”同じ”だ。
先住民問題など、この国も決して盤石というワケではなさそうだ。
彼らが単に現状打開を望んでいるだけか、先のビジョンがあるのか見定めたい。
そちらも、盟友にふさわしい人物の見定めを頼むぜ。
/*
そろそろ現在軸進めろよという空気を感じてはいるのだけれども(というかみんなを待たせてるな。ごめんよ)
でもカナンとの話が終わらないとちと進めないんだ。すまない。
みんな見てるよね。
(と、在席ボタンを見ながら)
―現在:シュビト近郊―
[ライ麦のパンに干し肉を挟んだものを齧り、水で流し込む。
貴族率いる地方の軍には遣いをやり、挨拶は済ませていた。
>>159先遣隊より独自に備えている南島屈指の錬兵と名高い貴族の私兵の動向はやや気にかかるが。]
サシャ・ヘイズナイト…。
[そこに所属している青年の名を本隊より聞けば、暫し意識を揺蕩わせ記憶を紐解く。
三百年程前に地続きとなった南島。
>>0:161その山岳部の奥地に住まう部族の動向を探る巡視の際、途中まで道案内を務めてくれた青年。
彼が連れていた兵は確かに練度が高そうだった。
巡視の際に諍いが絶えぬ北のまつろわぬ民。
>>0:173南の彼らもやはり歓迎してくれる筈もなく。]
…理解せよとは言わない。
[吐息と共に紡いだ言葉は空気に溶ける。
聞き咎めて首を捻る副官には、何でもないとゆるりと首を振ってみせた。
彼らからしてみれば、領地にずかずかと侵入されているようなもの。
けれどもし反乱の兆しあれば、地理的にも近いシュビトと結びつきかねない、というのが騎士団長の見解だ。
――それ故に動向は常に把握しておかねばならない。
月に一度の頻度となったそれが今後どのように繋がっていくかは予測は不可能。]
[族長の子が学館で学んでいるという情報や、
暗黙の了解として山岳の民と共存していたスルジエがその境界を越えているらしい、という報告も受けている。
事態は刻々と、確実に変化を遂げている。
本当に山岳民とシュビトが手を結ぶ事もあるやもしれない。
シュビトにどれほど使える兵がいるかは分からない。
山岳の民もまた。
或いは――]
[”同じ”と称するカナンの声に力強く笑む気配]
あぁ。
俺らは離れていても共に在る。
心の、魂の繋がりは途切れやしない。
分かった、そっちは頼むぜ。
俺の方は、そうだな…。
盟友とするには癖が強いが、面白ぇおっさんを見つけた。
今は時期じゃないと言ってるが、国が開かれることを望んでるようだった。
本人も一度暴風を超えようとしたらしいぜ。
尤も、失敗して、「力を以て超えようとしてはならないもの」って取り巻く暴風のことを言ってたけどな。
この国の現状は良く見えてる奴だと思う。
[或いは、貴族らがシュビトに味方する事もあるかもしれない。
今肩を並べてシュビトを睨む貴族らの率いる兵が、あの精錬兵らがこぞって騎士団に刃向えば、この人数では対処しきれない。
せめて王都にいる本隊と連絡を取れればいいのだが、]
…考えていても仕方がないな。
[そんな事を考えていてはきりがない、と女は首を振ってその考えを振り切った。
その際には王都を守る為に命を賭して戦うまでの事。
己の所属する騎士団は、 王都を、 巫女姫を裏切らない。
女にとって、それだけは確かなものだから。*]
― 5・6年前・シュビト近郊 ―
[>>170あまり驚かなかったのには、自分よりずっと賢しい妹の入れ知恵があったからだった。
南の事をもっと知っておくと良いという勧めに乗って休暇に久しぶりに学館まで足を運んだわけだが。
自分が思ったよりも事態が進んでいる事に驚きつつも、やっぱりだか成程だか、そういう感情も胸にあった。]
民兵とは違う、中核になる存在か…。
[それがどれくらい集まるものか、今は知る術はないものの、数次第では王府を振り向かせる事も可能だろうとは思ったが。]
/*
今の、ではありますが。
正直どれくらいシュビト側に流れるんでしょうね。
王国側が薄そうな気がして、引き入れる難易度は上げています。
但し、ゼロではない。一応。
弓を引く事はせずに、交渉に回る感じだろうけれど。
多分その前に戦って墓下に行ってるんじゃないかな。
− ベルサリス学館・茶室 (回想) −
[クロードの言葉を真摯に聞く。
彼の人を動かす力──その器量と行動力の自負。
ああ、街に出て、この街の持つ熱さを体感させてもらうとしよう。
[それをさせてくれる自由さは信に足る。
王府側に接触したシメオンはなかなかフリーにさせてもらえていないようだ。
この機会に甘いもの巡りも、とか考えてるけど、あくまでもついでである。ついで。]
んー…。
[上手い言葉を探して考え込むように、がりがりと頭を掻いた。
この時はまだ短い髪は無造作に跳ねて。]
……俺も、いつか開国は必要だと思ってる。
[ぽつりと呟くのは、現状の地位を思えば以外に聞こえるだろう本音。]
不満は無いが、この国は狭くて概ね平和だからな。
千年前に比べてずいぶん島に人は増えた、このまま増えすぎて島から溢れる前に、外へ行き来出来る道は開いておいた方がいい、って思ってる。
[もっと具体的に言えばいつか将来的にくる資源難に対応するには開国した方がいい、というのが根拠の軸になっているのだが、細かな事は言えず、漠然と考え思っていた事が口から出た。自分が説明やら説得に向いていないなとはしみじみと思う。]
でも…そうだよな。
今の王府の連中が開国するなんて道到選ばないよなぁ…。
[叶うなら王府がその道筋を立てるのが一番だとも思っていたが、それを成す術は残念ながら軍人には見出せない。]
/*
シュビドの人口を3万程度として、、
集会に来る物好きが相当多くて3人に1人の1万人、
その中で戦闘に耐えうる人数が4000人ほど。
……といったところじゃないかなぁ。
将来的に周辺の町や村から人員を合流させることを考えれば、もう少し少なくてもいいかもしれないけど、あまり減らすのも難か。
難しい。
それから、もう一度、君に聞くことにする。
「昨日と違う明日が来ればよしと思っている」のかどうか。
[今の答えでは不足だと、あえてクロード自身の言葉を引いて差し返す。]
まつろわぬ民のルディは、この学館こそ信用に足ると導いてくれた。
君個人は確かに、その期待に応える侠気をもっている。
だが、具体的なビジョンがなければ、どこかで足元を掬われるぞ。
王府は千年に渡り、自給自足で体制を維持してきた地盤があるのだから。
マチュザレム共和国は市民の選挙によって選ばれた議員たちが国政を決める民主主義をとっている。
詳しく知りたければ、おれの講義を受講したまえ。
ナミュールの抱えている問題とか、何が枷になっているとか、ぶつけてくるといい。
一緒に話し合おう。
──おれは、この甘い茶が好きだよ。
[クロードが淹れた、セドナにはない飲料をグイと飲み干した。**]
南の現状は把握した。
ただ北には現状維持を望んでる奴らが多い。
貴族は当然だけど、平民もだ。
今の生活に不満がなければ、わざわざ変えてく必要はないからな。
いつかは必要だけど、今の方が大事だと。
そういう奴らひっくるめて、皆なぎ倒して国を変えるつもりか?
さっき人を殺す覚悟と俺は言ったけど、
その『人』の中には、何の罪もない人間が入る可能性がある。
今の王府に、体制に、力を蓄えて喧嘩売るってのはそういうことだ。
それでも、お前は止めないつもりか?
[友を責めているわけではない。
ただ王府を崩すという意味の重大さを、再度確認させるように問いかけた*]
/*
>ソマリ
一大勢力、は私も思いました。
サシャさんの兵がもう少し多いんかなと。
でも騎士団からはこれくらいかなという想定で。多くて500かな。
あー、そうですね。
2000〜3000はいても良かったかもしれない。
先発隊の認識だったのですが、巫女姫の隊来るんだよね?
/*
なんで俺、1日目からこんな、こう、最終ビジョンみたいな話しをしてるんだ。
ああ、わかっちゃいたけど。
分かっちゃいたけどな!
手厳しいぞおまえら。
ごはっ!
[突然頭の中に届いた声に、丁度休息にと飲んでいた茶を吹いた。]
うっは…急に大声で話しかけんなよな。
で、何がだ?時がって―――
[と文句をいいかけて、思念の言葉が頭に浸透するとはっとして。]
……こないだ嵐があったのは、うちに来ようとしたからか。
すげーな、とうとうその嵐を越えて来たのか。
[飛空艇が壊滅したという事実はその時知らぬ為、驚き感心した様子で呟いた。]
皇子ってまたでかい所が来たな。
セドナは聞いたことないけど、マチュザレム…共和国”ってのはどっかで聞いたな。
たしか複数の国の集まりが共和国なんだっけ?
………好機、だな。
これで先送りにしていた問題が、否応なしに突き付けられる。
素直に王府の連中が開国するとは思えないから――…
[遠くジェフロイからは見えない場所で、にっと笑った。]
― デ・モール火山 ―
[活火山デ・モール。時にナミュールに天災を齎す恐れの象徴足る山。
然しその危険の反面、貴族諸侯にも愛される秘湯なども点在する側面が存在する]
…このデ・モールを南北を繋ぐ交易街と出来ればいいのだがな。
天災と隣り合わせの領土など、例え金の成る木があろうとも諸侯はごめん被るか?
[さて、この領地を管理するという貧乏くじを担う領主など存在しただろうか
首を傾げながらも、男の白馬は朱馬車の近くへとその足を進めた]
…姫様、まもなく此処デ・モールを抜け、南島に差し掛かります。
シュビト入りです。
先んじて向かわせた中には騎士団も居られるとか。
そろそろ彼らも学徒の鎮圧に取り組みだす頃でしょうか。
[然しそう簡単に事が進む事は無いであろう事を男は承知している]
クロードのことは続けて見守ることにした。
こちらの国の人間だ、我々とすべての利害方針が一致することもないだろうけど、彼のいいところを潰すようなことはしたくない。
王府側では──へえ、脱国を考えた男がいるのか。
外からなら、結界を解く方法があると考えたのかな?
ともあれ、その意志力と行動力は半端なさそうだ。
名を聞いているか?
(鎮圧部隊で、軽く押さえ込める相手であれば良いのだがな…)
[男が想起するは、近頃の領民、引いては民衆の情勢。
近頃の国情はお世辞にも安定しているとは云えない。
領民の反発、極小規模な反政府活動が、ここ五年三年の内にその頻度をあげているのだ]
(税を下げろ、その程度の、「子供の駄々」はまだ可愛い物だ。
先住民族との軋轢の都度、税率を無理なく動かしてやれば民の溜飲は下がる)
[然し、その手の我侭も頻度をあげれば躾の必要に迫られる。
貴族諸侯や、王府が担うべき役目を、民衆が要求などは、そうも行かないし。
何より、男が手の者を放ち情勢を見聞する限り、どこかにいるのだ、反政府の気運を高める者が]
「力を以て超えようとしてはならないもの」か…
できるできないは別として、だろうな。
我々も、そこを間違えてはいけないと思う。
[貴族諸侯や、王府に対して過度な要求、不相応な駄々を通す暴徒。
彼らは原則として、男の様な貴族の者とは、基本的に相容れない立ち居地にいる]
(そう、吹けば消し飛ぶ小火などは、唯煩わしいだけ。
家屋の全てを焼き払う業火なども、全力で対処せねばならん。
だが、それが煌々と燃え、程好い恵みを齎す焚き火なら?
…さて…彼ら若き学徒が、程好く利用できる焚き火であるなら。
私の歩むべき道は、新たにもうひとつ… … …)
[力強く、堂々と道を往く朱馬車に、男の三白眼はつい、と向けられる。
シュビトへ到る道はもう近いだろう…*]
さて、今夜は何を朗読しようか。
すぐに借りられそうなのは──と。
[1.森の変遷 2.*私の弱点* 3.*友情*の詩 4.ナミュールの名所61 5.*末吉*なあなたへ 6.*従兄弟*の領地管理法]
こんなんだけど、どれにする?
…――はい。宜しくお願いいたします。
[動揺はすぐさま飲み込み、穏やかに笑みを投げ返す。
繕う所作は、“巫女姫”の時に散々やっている慣れ事だ。
人は見かけによらない――――
学館入学して早々、そんなことを学んだ一瞬でもあった*]
― シュビト中央広場 ―
[ 此処には"人"がいた。
広場の近くに歩みを進めれば、沢山の人間がいた。普段から賑わいを隠さないシュビトの街であったが、今日の空気は矢張り違った。
この中で本当に熱を持っているものは少ないのかもしれない。周囲に当てられているだけの者もいるだろう。紛れて様子を見に来ている者、王府の手の者も紛れているかも知れない。]
( この人数が、何れ訪れる王府の軍に蹂躙される。)
[ そんな想像がどこかおかしいようにも感じられる。先遣隊の規模からして、親政軍の人員は一つの街を制圧するだけの数は揃えているだろう。それなのにどこか受けた立つような、打ち返すような気迫のようなものを感じる。]
( 北の軍は騎馬が中心でしょうか。)
[ 南の山岳地方で騎馬を部隊単位で持つものは知る限りではいない。陸路よりも海路の方が早く、何より地形が騎馬を用いるのに適していない。
そして何より騎馬は金がかかる。
北の貴族でも裕福でなければ自前で大規模な牧を持つものはそう多くないだろうし、王府の直轄地や親衛軍などの騎士達でさえ、身分が低い者は自分で騎馬とその必要周りのものを維持するのも苦労しているだろう。
だからこそ南の軍兵は、騎馬に対する備えが北の軍兵に比べて不足している。内乱でも起きない限り、騎馬を用いた軍に対する縁も機会もないのだ。
周辺の盗賊や山賊を叩き出した程度の実績の狭い世界でのみ精強を誇る自分達の軍の実力はかなりあやふやである。]
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
[この地に無い材料の菓子は無理だな、とか。
プディングは蒸し菓子だったから今度は焼き菓子かな、とか。
結構本気で考えたりもしたが、材料を確認してからじゃないと無理だな、と言う結論に達し、考えておくわ、とクレメンスに告げ思考するのはそこで止めた。
思考を止めた代わりに周囲に居る集会参加者の様子を見遣る]
(士気は高そうだが……
現状では単に勢いに乗せられてるだけにも見えるな)
[シメオンは首謀者の言葉を直接聞いたわけではない。
又聞きであることも原因だろうが、決起にあたる大義名分に疑問を抱く部分があった。
その点についてはカナンが対応しているため、必要以上の口出しはしないが。
そんな理由もあり、クレメンスに焚き付けられた時に「易々と乗る気は無い」と言い切ったのだ]
おっさん、そろそろ来る頃か?
[何度か部下から報告を受けているクレメンスに向けて、巫女姫を掲げた軍が到着する頃かと言葉少なに問いかける]
( 先遣隊を率いるのはあの女将軍と聞きました。)
[ まつろわぬ民の調査として、定期的に巡察に来ている白銀の甲冑姿の将軍を思い浮かべる。
人前では兜を取った姿を見せないとされる小柄の将軍の性別は体型と声色で予想している。王府に居った者は噂などでひょっとしたら真相を何か知っているのかも知れないが、地方に留まったままの身ではそこまで詳しい話は知らない。
世話や応対は主や隊長、隊長贔屓の他の将校がするので自分は実際の境界付近までの案内をする時しか接する機会はなかった。自分の連れた兵を褒められた時の声からまず間違えは無いと思ってはいたが。
王府で女の身で将軍というのはなるまでもなってからも大変だろうとは思う。しがみ付くだけの理由や事情があるのだろう。見る限り、いつだって毅然としていた。気の張りようが、隙を作らないようにし過ぎているような気もしたが、最初の訪れの際に引き連れた兵が足を踏み外して数名死んだからかも知れない。]
( ただ――)
[
( 優勢な方を見極めてなどという甘い考えは、)
[ 全ての陣営から排除され、軍神に捧げる生贄にされるという結果が待ち受けていないとも限らない。*]
/*
ごめんね姫様、この貴族ハラグロなんだ… …
現在のソマリの優先順位を適当にまとめてみた
1.国家転覆 ダメゼッタイ
2.姫が死んだり結界壊れたり ダメダメ
3.新政府樹立とか南北独立されたり メリットあるならシカタナシ…?
4.適当な地陣にメリット与えて、姫様大人しく神殿にいて! 最高デス
5.結局は現状維持 まあ悪くないけど負けた気がする
6.姫様に中央集権しちゃう おい俺の将来のワケマエッ!
でも、ガーティ越しで情が湧いたりとか
逆に姫様をマイマスターと認めてしまえば、3と6は受け入れてもいいよねぇ。そんな腹黒貴族の思惑おおざっぱ版
/*
あ、でも結界壊れるのはどうだろう。
貴族的には、結界は最強の盾最強のカードという認識はあるから勿体無い
でも無くしたら無くしたなりにやりようがない事は無い。
だがてめえら姫殿下殺したりしたら絶対国潰れるから勘弁な!
くらいには優先の差異はあるかもな腹黒貴族
― カナン訪問後/シュビト ―
[>>122ジェフロイの声はこちらにまで届いていた。
今まで蓄えていた物が流れだす気配を感じ、事を起こす準備の為に歩き出す。]
用意しておいた武器を運ばせよう。
全員分…揃うかな。ギリギリかもしれない。
どっか都合つけばいいんだが…
[と口にして思い浮かぶのは軍に居た時、世話にもなった先達の事。
兵器開発部に転向したのなら武器の融通は利くのだろうが。
とはいえ元軍人、かつ今も国に仕える人間に、この話を直接持っていくのは危険だが。]
…まぁいいや、繋ぎも兼ねて、久しぶりに顔見るだけでも。
[父親の手が回っていなければ問題ないがという懸念もあるが。
頃合い良い頃に、シロウの所に顔を出すつもりで*]
そっか、分かった。
頼る意思が見えるのはともかく、立ち上がろうとする気概は評価出来るしな。
先を見据えて動けるようになるんだったら、それに越したことはねぇ。
おっさんの名はラウド・レイ・クレメンス。
オプティモ近郊に居を構える壮年の貴族なんだが……
どっちかってーと商人気質だな。
結界を解く心算だったのか、外に出たかっただけなのかまでは聞けてねぇや。
なかなか含みのあるおっさんだぜ。
力尽くってーのは出来りゃあ避けたいところだからなぁ…。
力での圧力は禍根を残しやすい。
俺らがやるべきことは制圧じゃねぇ。
― 集会当日・シュビト中央広場 ―
時間はまだある。ゆっくり考え給え。
[ 本気と戯れをないまぜにした、けれど互いを知るという点では貴重でもある会話をシメオンと交わす>>223男の元に、また私兵の一人が耳打ちを寄越す ]
来たか。
[ 街の外に到達した歩兵中心の、規模としては1中隊>>160、それが 最初に姿を現した鎮圧軍である事は確かだが、すぐに突入してくる様子はないらしい。
後続を待つつもりか、或いは何らかの作戦指示を受けているのか。いずれにせよ、始まりは近い ]
皆に伝えろ。
[言いながら、男の手は長い外套の下に隠された一振りの曲刀の柄を握る]
好きにしろ、とな。
[『いつもどおり、ですね』と、隣に控えた一人が笑った]
皆も聞いているだろうが、
外の国、マチュザレム帝国から使節団が来た。
開国して国交を結ぼう、という使者だ。
北の島にいる頭の固いお貴族様連中は、
案の定、これを無視するつもりらしい。
[事実と誇張を織り交ぜて、語り掛けるように]
正式な、外の国からの使者だ。
空を飛ぶ船で、結界を超えて来てくれた人たちだ。
国を牛耳っている連中は見なかったことにしたいらしいが、
俺たちは、無論、歓迎する。
紹介しよう。
外の国、セドナの皇子、
そしてマチュザレム共和国からの使者
カナン・リリ殿だ。
[手を差し出してカナンを檀上に呼ぶ。]
彼はしばらくベルサリス学館で教鞭をとってくれている。
そして、俺の友人だ。
[彼の国風の挨拶をするべく、両腕を広げて迎え入れる。
わああ、と歓迎するような歓声が、最初は一部から上がり、
次第に全体へと広がっていった。]
/*
うとうと。
・シロウ訪問。
・ジェフロイとの何か捏造。
・マーティンとは剣の練習とかしたかもしれない。
カナンの連れには立候補したいけど見張りやってるし無理そうかなー…。
― 集会当日・シュビト中央広場 ―
出来れば無事で戻れ。君にはまだ教えて欲しいレシピもあるからな。
[ 男の目配せに従って、三人の私兵がシメオンの後ろを護るようにつく。彼等は、自らに刃を向けられるのでない限り、シメオンがどこへ向かい何をしようと、邪魔をせぬようにと命じられていた ]
/*
事前に用意しておいた演説の原稿を眺めてだね。
あまりの恥ずかしさに転がりたくなる。
うー。やだなぁこれ出すの。
恥ずかしい。
[聴衆の歓声が落ち着くのを待って、再びカナンより前に出る。]
こうして彼が来てくれたことこそ何よりの印、
この国を開いて、外へ歩み出す好機だ。
国の未来を決める重大な瞬間だ。
ナミュールにとってなにが一番か、
国の皆で議論を尽くすべき時だ。
[ゆっくりとした口調は、次第に畳みかける速さに変わる。
声の温度が上がっていく。]
なのに!
北の連中は俺たちの声を聞こうともしない!
いつもそうだ。
大事なことはみんな俺たちの頭の上を通り過ぎていく。
貴族連中が陰気な顔寄せ合って、勝手に全部決めてる。
この国を支えてるのは誰だ!?
貴族のやつらか!?
[群衆のどこかで、「俺たちだ!」と声が上がる。
そちらを指さし、大きく頷く。]
そうだ!俺たちだ!
この国の知識を支えているのは!?
技術を担っているのは!?
作物を育て魚を獲り経済を動かしているのは!?
[「俺たちだ」という合いの手は次第に数を増す。
学生だけでなく、熱気に当てられた街の皆を巻き込んでいく。
頭の横で拳を振り、勢いに弾みを付けながら、
視界の端、屋根の上で手を振る学生を確認した。
王府の軍の動向を報せる仕草に、意識の端を割く。]
そうだ!全部、俺たちだ!
ナミュールは俺たちが動かしているんだ!
北の連中は、俺たちの声を聞くべきだ!
[頭上へ大きく手を振り上げ、北を指す。]
行こう、北へ!
首都へ!
行こう!
俺たちの声を届けに!
[「行こう!」という合いの手と共に拳が突き上げられる。
「行こう!」「行こう!」と言葉は繰り返され、
無数の拳が幾度も天を衝く。
どよめきは街の中に、外に、うねりとなって響いた。**]
/*
なにが恥ずかしいって、あれだよ。
民衆の反応を自分で書いちゃってるところだよ。
なに盛り上がってんのこいつら的な。
― 集会当日・シュビト中央広場 ―
[好きにしろ、と命を受けた私兵達は、鎮圧軍と反王府軍(と、もう呼んでもいいのだろう)の衝突が起これば、実際に彼等の望む事を為す。
集まった民衆のうち、女子供、年寄りを見れば争いに巻き込まれぬよう逃がし、見境なく暴徒化し、民家や商家をどさくさに紛れて襲う物を見つければ、それを阻む動きをしよう。
どちらの勢力に味方するでもなく、己の目で見定め、故無き犠牲を少しでも減らす。
彼等が貴族クレメンスの騎士ではなく、個としての男の私兵であるからこそ出来る動き。
いや、それが出来る者を集め育てたが故の動きだ]
[ 遠く無い未来、この日が来る事を、男は知っていた。嘗ての友人と何度も議論と対話を交わし、その日が来る事に備えると彼に約しもした。
国を揺るがすその嵐が、友の育てた子らから起こることは判っていたから ]
― シュビト中央広場 ―
( どこの要人でしょうか。)
[ 広場に集まっている者を一人一人見る事は難しく、意味もなかった。だからただ、目を惹くものを眺めていた。
頭からフードを被り、全身を黒い服で覆った姿>>0:107に視線がそっと向く。
それは異形とばかりに、下手な変装だった。
それを見る事で、すぐさま余所からの視線>>49を感じる。
それを見るものを見張る為の目だろう。
探るようなそんな視線を感じれば何の気なしに視線を外す。気付いた事に気付かれてはいないと思うが、自信などない。
観察を専門にしている者や野生に片脚を突っ込んだままの者など、世の中には様々なな者がいる。
悪目立ちする存在に目を向ける方が自然だとばかりに先ほどの一瞥のみで済ませた。見たのは自分だけでなないだろう、数多くの誰かの一人に過ぎないと願う。
身分の高い者は低い者に対してどのようにも難癖がつけられる。この場で何かあるとは思えないが、厄介は避けておきたい。]
― 集会当日・シュビト中央広場 ―
[クレメンスに問いかけたのと同時、壇上から聞こえた聞き慣れた名前>>261に、あ、と視線が向く。
歓声が沸き起こる中、一旦意識と視線をクレメンス>>262へと戻して]
む……街の外で防ぐ形じゃねーってことか。
[視線を壇上に向けたままのクレメンスの言葉にやや目を細めて小さく唸った。
無事に戻れと告げる相手>>263の目配せにより、シメオンの背後に密やかに三人の私兵が現れる。
その言葉と行動は今は見捨てる気は無いと示すもの]
おっさんも捕まったりすんなよ。
今後ろ盾が無くなっちまうのは痛ぇわ。
[クレメンスの抜け目無い性格を思えば、そんな心配は要らない気はするが。
捕まって欲しくないと言う本心を冗談めいた言葉と共に向ける]
俺土地勘ねーからよろしくな。
[しっかり当てにする心算で後ろの私兵にも声をかけた]
― 集会当日・シュビト中央広場 ―
[ ここでの民衆の犠牲が必要以上に多くなれば、王府も、それに対する者も、その両方が義を失う。
起こるべくして起こった嵐が、ただ国を荒らすだけのものにならぬよう、男は敢えて、その嵐そのものには手を出す事無く身を翻す ]
[ かつて嵐を超えようと海に乗り出した男が選んだ、それが今の役割だった** ]
/*
今回、表示方法を変えて小細工しております。
会話0。縁故ほぼ皆無。圧倒的な初回落ち要員。
今回は地べたにはいつくばっている者のままでいけたらなと。
無能キャラで死ぬ間際に最期一矢報いるをやってみたかったけど、何かありそうなので止めました。
/*
寝る寝る詐欺in灰
明日中にやるべきこと(過去軸)
・カナンに返事
・ガートに返事
・親父から昔話を聞く
・カナンに死ぬなって言う&兵を預ける
/*
表灰色、中身白な感じで死にフラグを撒いてみる。(大体ここでおっさんの役目は終わりました、的なー)
それにしてもシメオンが可愛くてどうしよう(でじゃゔ
早くカナン氏と再会させてあげたいよね。まあ囁けるから、無理しなくてもいいんだろうけど。
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
[クレメンスとのやり取りが終われば、演説が続く声へと意識を向ける。
高らかに、熱を含み他を巻き込む嵐の如き演説は人を動かす力を確かに持っている。
周囲も一体化するかの如く熱を帯び始めていた]
[けれど、クレメンスを含めシメオンの周囲は静かだ]
(俺には単に駄々を捏ねてるようにしか聞こえねーな)
[足りない、と。
首謀者の声を聞いて尚思う]
(国を支えるのは確かに民草だ。
その声を聞かない王府に不満が出るのは当然だろう)
(声を届けることだけが目的なんだったら……
俺らが手を貸すには足りねぇな)
[声を届けたところで王府が変わるか。
シメオンの推測では、否、だ。
この首謀者に王府を転覆させる力、もしくは貴族達や巫女姫をも説得し切る力が無ければ彼の望みは叶うまい。
シメオンは未だ彼にその力があると見出せてはいなかった]
(これなら王府を説き伏せる方に力を注いだ方がまだ利がある)
[以前とは違い、交渉に必要な条件は引き出してある。
この騒動はどうにか凌いで、再びシルキーに会見を求めたいとシメオンは考えていた]
さって、どう動けば穏便にいけっかな。
[カナンに顔を合わせておきたい気はする。
無事なのは知っていたし、顔は一方的に見れたがそれだけではやはり足りない。
この後また離れなければいけないとなるなら、尚更]
なぁ、あの壇上が見える物陰ってどっかある?
直ぐに動けるような場所だと尚良いんだけど。
[添わされた私兵に問いを投げる。
彼らは言葉は発さずとも、行動で示してくれた。
人混みでも目立つ存在は、一時その服と同じ色をした場所へと身を隠す**]
上級将校 サシャが「時間を進める」を選択しました
―シュビト中央広場・決起集会―
[シュビトの街は家や工廠から目と鼻の先にあり、
非常勤で学館に剣術を教えに行ったり、
また買い出しに赴くこともある為、
すっかりこの街では顔馴染みとなっていた。
街へ近づけば近づく程、普段とは少し違う、
賑やかというよりは、異様なまでの熱気を感じる。
兵士らしき人間なども辺りに潜んでいることに気づき、
怪訝な表情を浮かべる。
王府の軍人だけではなく、どこぞやの貴族の私兵まで
街を見下ろせる位置に陣取っているようだった。]
おいおい、これだけの兵力集めて何やるってんだ。
[いつもとは違うその空気に当てられながらも、
街の中へと入っていく。]
[稀に南の地区での王府への反発等の小さな問題はあれど、
この国は長い間戦争もなく、今まで平和そのものだった。
軍はあれど、腕は立つといえど。
人を討ち取るわけではないその仕事で、
それで大した成果になるわけでもない。
部署が変わって武器を作ることになっても、有事でもない限り、
ただの抑止力でしかないお飾りのそれは人の命を奪うことはなく――。
でも、それでよかった。
この島が結界で守られている限り、それはずっと変わらないこと。
―――そう思っていた。]
…なんで今の若い者達は、こうも血気盛んなのかね。
変わらぬ平和以上の幸福など、有りはしないのに。
[かつて"外の世界"を求め、荒れ狂う海の中へと飲まれていった、
友人のことを思い出す。
学館内では外の世界から使者がやってきたことにより、
開国に向けた運動が活発になっているということは、
つい先日非常勤で学館へ指導へ行った際にも、
生徒から聞いている話だった。]
ふん。
[開国だなんて馬鹿げたことを。
空飛ぶ船というのは実際見ていないから何とも言えないが、
そんな技術がある国が、このナチュールと国交を結んで
何の利益になるというのだ。
下手したら外国の支配下に置かれるのがオチだ。
そうなったら国民が、妻が、生まれてくる子供が、
どんな目に合わされるだろうか。
その外人とやらは本当に信用できるのか。]
やれるものならやってみろ。
[周りに聞こえないくらいの声で、
ポツリとそう呟く。
彼らがどう時代を紡いで行くのか。
最後まで抗うのか、またや本当に国をひっくり返せる人材なのか。
その力強さに興味が湧き、自分がいくら保守派と言えど、
今は彼らを咎めるようなことは、一切口にしなかっただろう。]
− 決起集会まで (回想) −
[ベルサリス学館で講師の職と居住環境をあてがってもらったカナンは、積極的にマチュザレムの進んだ文化についての見識を広める努力をした。
ルディとウェントス族が山野を駆け回って発見して届けてくれたアルミケースの中にあった顕微鏡もや地図、種芋も授業に登場した。
ライフル銃も十挺きりだが回収できている。
シュビトの鍛冶屋で複製できるものか、そして
この国にカステラがないとわかると、翌日の講義はマチュザレムのスイーツ事情とメレンゲ実習になったりもしつつ。
掃除やアイロンかけなど身の回りの世話は同じく救助された飛行船乗りのトマスがしてくれる。
シメオンほど優秀ではないが同胞がいるのは心安い。
カナンは学園内にこもってばかりでもなく、シュビトの街中へ出て経済状態や街の風潮を体感してきた。
自警団の存在を知り、商法に関しては独自に立案制定をしているところをみて、確かにシュビトでは民主主義の芽が育っていると感じ取る。
夜は各種の書籍を手当り次第に読んでいた。
子守唄代わりではなく。]
『森の変遷』とは、また堅そうなのを選ぶなあ。
読みながら寝そう。
ナミュールでも同時に寝たら同じ夢を見るかね。
[シメオンの最初のリクエストには苦笑めいた感嘆を返し、読む。
内容は、北島の北西にある”太古の森”の歴史についてだった。]
この”太古の森”って、おまえ見た?
樹木は一年や二年で育つものじゃないからな、伐採に際して軋轢が生じるのはわかる。
[文化技術に関しては、新しく便利なものが開発されれば、古い伝統は廃れてもしょうがないというのがカナンの見解ではあったが、自然資源に関してはそうもいくまい。
マチュザレムの進んだ文化は、確かに大量の資源を必要とする。]
[朗読し、情報を共有しながら、]
ふうん、結界の源となっている宝珠が森の南の湖のドルマール神殿に安置されているのか。
これは、キーになりそうだな。
[宝珠について何かわかったら教えてほしいとシメオンに伝えた。]
ナミュールは美しい国だ。
けれどまだ、克服されぬ病があり、飢えに苦しむ民がいて、己の才覚を活かせぬ憤りを持つ悔しさがわたしの耳にも届いています。
マチュザレムの進んだ文化、そして社会秩序は、それらを解決する助けとなります。
わたしの祖国も、かつてはナミュールと同じように鎖国していました。
冬には暗がりの中で凍った生肉を齧り、病気になっても祈るしかない生活だったと長老たちから聞いています。
けれど、開国した今では各種インフラが整備され、人々の生活は格段に向上し、幼くして死ぬ子供も激減した。
だから、わたしは身をもって伝えることができる。
鎖国は闇です。
開国こそが、より良い未来をもたらす。
今こそ、国民の声を王府に届けなければなりません。
政府とは、一部の理想と利権を民に押しつけるものではなく、民の意志を反映させてよりよい暮らしを実現させるためにあるべきもの。
あなた達にはそれを始めることができる──
自分たちばかりではなく、子供たち、さらにそれに続く世代に幸福のあらんことを願って。
[そう演説して、場をクロードに譲った。**]
/*
相変わらず灰に潜んでる系の英雄ですよ。
るがるやってるとだいたい3回くらいは村行きたくないでござる病が発症するんだけれど、今回はもう来たよ!早いよ!まだ1日目だよ!
わかっちゃいたけど地の英雄厳しいよ!
いまのままでいいじゃんなんで開国したいのとかしらねえよwikiにそう書いてあるんだよぉぉぉ!(暴言
とまあ、ちょっと愚痴りたい気分なわけです。はい。
/*
たぶん自分の設定をもうちょっと違うように考えてたら、楽だっただろうなとは思うのさ。
超金持ちな地元の名士で、自分たちの利権のために開国しちゃうよ、私兵もいっぱい持ってるよ、とかだったらすごくらくちん。(夢がない
/*
そうそう、兵数ね。みんな困るよね。
wikiにでも設定で書いておいた方が良かったかもね。
志願兵が3万人とか、wikiに書いてあるから集まったよ!とか言えたら楽だよね()
次のるがるではwikiに書こう、とか思って、ふと思い立って確認したら6のwikiには 総兵数書いてあったよ。
そうだね。5で私が苦労したからだね…。
/*
ほう、ライフル量産予定か。これはこちらの回収した積荷にも武器が入ってる事にした方が良さげ?
いざとなったら王府に回収させればバランサーになるよね。使い方教える人がいるかどうかが問題だが...まあ、他の漂着者から聞き出したとかなんとか適当に捏造してもらえば...?
火薬が無い、と設定してある舞台であんまり火器が台頭するのもどうかと思うけど。
オーバーテクノロジーの扱い、難しいとこだな...
寝るなら読み終わってからにしてくれ。
[ぼやく様子に、くく、と笑いながら声を返す]
あぁ、同じ夢が見れたら素敵だな。
離れていても繋がってるって実感出来る。
”太古の森”かぁ……まだ実際にはお目にかかれてねーな。
昔はかなりでかい森だったらしいってのは聞いた。
…今は資材獲得と農地拡大で伐採されてるってことか。
ここは外からの供給がないし、森の保全は難しそうだな。
資材枯渇についての展望はあるんかね。
この辺り、開国の利点として出せそうかな。
[自国に足りないものを他から供給する。
それが国を開いた時の利点。
尤も、それを行うにはそれなりの対価も必要だが]
ドルマール神殿に結界のキーか。
警備もしっかりしてそうだな、それだと。
へぇ、巫女姫は普段そこで暮らしてるのか。
…てことは、本来この国の国政は貴族達の合議で合ってたんだな。
けどあの巫女姫の知識、神殿に籠もってただけじゃああはならねぇ気が…。
あぁ、何か分かったら連絡する。
──カナン、口寂しくねーか?
ここしばらくずっと、お前に菓子作ってねぇなぁ…。
[救助の礼にとプディングを作りはしたが、それがカナンに届くことは無く。
シメオン自身、作る機会が減っていることに寂しさを感じていた]
…そうだ、巫女姫を菓子攻めしてみるのも面白そうだな。
[冗談めいた口調で言って笑う]
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
[身を隠す少し前。
壇上から良く知る声>>288が響き渡る。
ずっと聞いては居たけれど、姿を見て声を聞くのは久々だ]
良かった、元気そうだな。
[壇上からこちらは見えているのかどうか。
目立つ姿ではあるが、いつもとは違う姿故に気付かれないかも知れない。
フードからは銀糸が一房と赤い瞳が垣間覗く]
[続けられる演説>>289を聞きながらしばし瞳を伏せる。
カナンの真直ぐな言葉はきっと人々の心に響くだろう。
国の裏を見て来たシメオンが持ち得ぬ、強い
(カナンが力を貸すべきと判ずるなら、この決起も実を結ぶかも知れないが───)
[続いた首謀者の演説はシメオンにはまだ響かず、別に利を見出したまま]
(でも、化ける可能性はあるかもな)
[立ち上がる行動力と勇気は賞賛に値する。
人々を熱狂させるカリスマもだ。
足りないものが補えた時、彼は王府に双璧成す存在となるだろう]
(ちっとは期待しておこうか)
[不適な笑みを浮かべて、黒は似て非なる陰へと潜む*]
/*
ふうむ、おっさんの過去と内心をぽちぽちしてみたが、ぶっちゃけ過ぎな気がする...
灰に一部沈ませるか、いっそ出さないままにするか...うーん...つか、そんな個人事情垂れ流すより、表の進行をちゃきちゃきやれ、という話ではあるわねえ。
/*
過去話流すと、ジェフロイくんのおとーさんをやたらと出す事になるから、というのもあるんだよな。あまりにこちらでイメージ固定するのも申し訳ない。
やっぱ、脳内に埋めるだけにしておこう。
[埋め埋め]
/*
[独り言大杉はお許しください。はじめてのるがる、で動きに大変悩んでおります。
現状、きれいごとで動きすぎてる自覚はあるものの、熱血するなら淀ませる必要性あるのか?とか、死ぬ気で動いてるんだし、まいっかー、な気持ちもあり...
考え過ぎもよくねーかもしんない...orz]
[だがそれは、尚高みから人を…この国を見下ろす論理と、男には見える。シメオンが王府との交渉を諦めていないことを知らなければ、憤りすら覚えたかもしれない。
実際、この演説の中身が伝われば、貴族ばかりでなく、王府に近い巫女姫を慕う民にも似た感情を抱く者は出るだろう。
千年の祈り、千年の誇り、それは、ただひとつの光によってその色を染め変えるには、あまりに深く濃い深淵を内に抱える]
(いずれにせよ…扱いには更に慎重を要する、か)
[カナンがベルサリスの学徒達の側につくと明確にされた今、彼の持つ知識と力が、全てそちらに与えられていると見るべきだろう。
男が回収して、領地に保管している積荷の中にも、扱い方こそはっきり判明していないが、武器と思しきものが混ざっている事は確認済だ。いずれ、その積荷の引き渡しを王府に要求されるか、反王府軍に強奪を狙われる可能性もある]
面倒だが、仕方ないか。
[下手をすれば、王府と反王府軍、双方を相手にせねばならなくなる。身動きとれぬ事態になる前に、なんらかの手をうつ必要があった]
/*
戦国とか中世とかの軍隊規模を検索中なう(今かよ!)
貴族=大名とほぼ考えていいらしいかな。で、人口比で戦力は決まる、と。
おっさんの領地、豊かだけど、あんまり広くなさそうなんだよね。主に王府からの信用度の低さとかが原因d(
それでも数千人は抱えてそうか、ふむ。
/*
他国の傭兵、という要素が入らない&長く平和が続いてるという点で、軍人の数そのものが目減りしてるという考え自体は有りだな。5000人くらいにしちゃっても問題ないかしらー?
まあ明言は避けつつ様子見るか。
[ ここに男が同行してきた兵はあくまで私兵。本来の守備兵は丸ごと領地に残っている。家令は、王府からの要求があれば主人の不在を理由に回答を引き延ばす筈だ ]
『果実を、船に積み込め』
[ 男は、当面の方策として、意味を知らねば読み取れぬ簡易な伝言を結んだ鳩を、領地に飛ばすよう、指示を出した。
船というのが、今海に浮かぶものではない、と、知る者は少ないはず** ]
は。キナ臭くなって参りましたので。
シュビトはナミュール南部の玄関口でありますし。
[ 身に付いたままの警戒を余所に、直立不動の姿勢で問いに答えた。
自分は単なる現地調査という雰囲気を見せ、更に尋ねられればそう返答する。
一般論としてもこれは南部に所領を持つ者達の関心事だ。一蓮托生とまではいかないが、シュビトが混乱によって廃れれば、それぞれのこれまでが変わってくる。]
……こんなところではありますが、御無沙汰しておりました。
奥方の具合は如何ですか。
[ 彼の部下の所在を尋ねられて見ていない事を答えると、軽い雑談>>286で場の緊張感を和らげる努力をする。
以前、兵器開発部の工廠でそんな話を聞いていた。気の利いたプレゼントを贈る知恵もなかったので、部下の兵士が妊婦の妻に食べさせていたというヤマノイモ(自然薯)を掘り出して土産物として渡していたが、長槍のような長さを持つ土の香りが強い不恰好な見舞い品には引かれていたかも知れない。
シロウと話している間も、別れた後もまだ壇上ではジェフロイの演説やカナンの挨拶が続いていた。
彼らの言葉は誰に向けられ、何処にまで届くと言うのだろうか。*]
/*
当初の予定では、そろそろ回復している目論見だったんです、が。
インフルさんェ…。
1dが長いことに感謝いたしましょう。
そろそろ展開的に動かないとまずいですけれど。
鎮圧部隊は、フィオンが担っていますけれど
此方からもNPC動かした方が良いですよねおそらく。
そして留守を任せたアレクシスが動きづらそうで申し訳ない…。
[「北」には現状維持を望む民衆が大勢いる。
それはそうだ。
今のナミュールは平和で、穏やかだ。]
普通に暮らしてる人たちの生活を、
いくつも、いくつも壊すことになるんだろうな。
[突きつけられた認識は苦くて重い。
やっぱりやめると言えたら楽だろうなと思う。
それでも、そうは言わなかった。]
たとえそうだとしても、
王府に楯突くべき時は来る。
[確信めいて言う。]
俺さ、いつか外の国で、
結界を超えてくる技術が出てくると思ってるんだ。
遠い未来の話じゃない。
漂着民の話を聞く限り、外の技術はどんどん進歩してる。
いつかきっと、結界を通り抜けてくる。
[それは学館の中で、ほんのわずかなりとも外の国の技術や歴史を学んだ実感。]
外の奴らが好き放題来るようになってからじゃ遅いんだ。
まだ追いつけるうちに国を開いて、
技術を吸収していかないと間に合わなくなる。
このまま、結界の中で眠ったままでいたら、
いつか、ナミュールが無くなる。
だから俺は、機会があれば動くつもりだ。
今のままでいいという人たちを、蹴散らすことになっても。
[仮定と予想を元にした危機感。
そのために今の平穏を壊す。
賛同するものは多くないだろう。
けれどもそれが、もっとも強く自分を突き動かしているものだった。
眠ったままでいれば取り残される。
そしていつか蹂躙される。
学館で外の国の技術の欠片に触れて、
それは動かしがたい未来の絵として目の前に見えていた。**]
/*
タスクを粛々と消化する流れ。
大義名分だとか未来のビジョンだとか考えだしたら頭が痛くなるので、とりあえず横に置いてお き たい …
(が、無理だった)
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
[始まりの直前の張りつめた、けれど熱い空気。
それに一瞬飲まれていたから、特等席に戻るタイミングは完全に逸していた。
それでも、と精一杯背伸びをして見やった檀上に並び立つ姿と、風に乗って響くそれぞれの言葉]
…………。
[一層の熱を帯びてざわめく周囲とは対照的に、言葉を発する事無くじっと聞き入る姿は、傍目にはどう見えたか]
……新しい流れ……。
[ふ、と零れ落ちるのは、小さな呟き。
確かに、ここにはそれがある。
それを生み出そうとする意志が渦を巻いて、動き出そうとしている。
変化に向かおうとする意志の流れは、自身にも深く共感し得るもの]
今のままじゃ、変わらないまま、ただ澱むだけ。
知らないものがないのは安心だけど、知らないものがないのはつまんないもんな。
[それは、閉ざされた空間で過ごした幼い日に感じていたものであり、その空間の外へと飛び出させた想いの根底。
だから、閉じた空間を開くということ、そのために意思を、声を届けよう、という主張には共感できる。
……できる、けれど]
(……でも、簡単に割り切れないとこもあるんだよな)
[そう、感じるのは新しきに直接触れた古き在り方を目の当たりにしたが故。
未知の存在への恐怖、拒否感。そう言ったものが容易く拭えない、と目の当たりにした事は、少なからぬ翳りとして内にある。
ウェントゥスは元より、そう言った感情もあって現王府に従うを是としなかった民ではあるが。
長く閉じていた島の民にその風潮がない、とは思い難く。
そう言ったものどうやって越えるのか、どう鎮めていくのか、という疑問が心の片隅、残る]
……その辺りも……変えていけるのかな。
[呟きと共に、視線が向くのは壇上の鮮やかな金の髪。
まだ里にいた頃から余裕があれば外の話を聞きたがり、学館と里の麓を行き来する合間にも、余裕があれば彼の講義には潜り込んでいた。
接する機会が多かったからか、この地に変化を齎そう、とする思いや意志はより強く感じていて。
それが、未知への恐れを拭えるなら……と。
そう、思うのは手伝いを頼んだ里の若者たちが少しずつ、外への興味を示すようになっている、というもう一つの側面も見ているから]
もし、それができるなら……。
[勿論、一度に全部は無理だろうけれど。
長く留まっていた事で生じた澱みを浚えるかも知れない。
閉ざされた島の内で、更に閉じたまつろわぬ民たちも動かせるかも知れない。
そんな事を考えつつ、どこか落ち着かぬ白の小猿の頭を宥めるようにそう、と撫でた。*]
/*
うーん。
英雄三人、それぞれに聞いてみたい事はあるんだけど、現状、コンプリートが物凄く難しい気がしてならにゃい。
三陣営だと、全部と接するのはほんとに難しいな……!
迷子技能がないだけ、動き易いけど、今回は(
― ベルサリス学館・茶室 (回想) ―
[もう一度、と差し返された問いを受け取って、沈黙する。
外の国から来たこの男は、何を見たいのか。
自分たちは、自分は何を見たいのか。]
…選挙。
議員?
[黙っていたら、耳慣れぬ言葉が聞こえてきた。
民が国政を決める。
どんな仕組みで彼の国が動いているのか、興味が沸く。]
それは、ぜひ聞かせてほしい。
[学館で講師をすることになったのかと心に留め、
必ず聞きに行くと約束した。]
俺が望むのは、
ナミュールが外から新しいものを取り入れ、
成長することのできる、真に強い国になることと、
俺たち一人ひとりが、ただ守られ平和を享受するだけでなく、
ナミュールの未来に自覚と責任を持つこと。
そういう「明日」がいい。
[定まった形はまだない。
朧げに見えているものはあれど、
まだ言葉にできるだけの確かさは無くて、ただ]
…この国の技術は改良を重ね、日々発達はしている。
だが、最新の技術を持ってしても我々ではあの結界は超えれないだろう。
だから、あの結界を超えて来る者が居たとすれば、
まずまともな武器、技術での太刀打ちはできないかもしれないな。
[外の世界がどのくらいの技術を持っているかは知らない。
最新の剣、弓と言った、様々な最新の兵器は、
軍の兵士達によって一通り試され、
扱いやすさ、性能を試行錯誤していく。
―――それらの武器を持ってしても、
未だ誰も結界を破るどころか、あらゆる技術を持っても、
そこへまともに船で辿りついた者はいたという話は聞かない。
尤も、滅多なことで結界に近づこうとする者
自体が少なかっただろうが。]
[美術を学ぶ学生たちは新しい画材を得て日々白壁に向き合っている。
その"製造過程"の生成物は、学館で厳重に保管されていた。
初めて"白い焔"の性質を見た時には目を瞠った。
水を掛けただけで熱を発するそれは、十分な量と燃える物さえあれば火さえ熾した。]
これがあればどこでも温かい茶が飲めるな。
[口に出してはそう言ったが、思考は別へ向かう。
マッキントッシュ先生だったらこれで何か作れるだろうか。
確かあのひと、軍の兵器開発していたはずだ。
でも軍の人だしな…などと、思考はつれづれに飛ぶ。
幾度か剣を教授してもらったときの、剣の重さ、鋭さは、
手の感覚として今も残っていた。]
[なによりも学生たちの興味を引いたのは、
カナンが語った共和国の政治制度だった。
貴族ではなく普通の民衆が、政治を決めて国を動かしているという。
それを知って学生たちの興奮は、いやがおうにも高まった。
燻っていた不満に、形を与えられたようなものだ。
自治を、民主化を求める声があがり、
貴族を倒せという声が上がる。
そんな時は誰かが決まって、
「でも巫女姫可愛いよな」と混ぜ返し、
男性陣がそうだよなと納得し、
女性陣の一部が憤慨するまでが流れだった。
民主政治の思想は、学生たちを通じて街の人々にも伝わっていく。
そんな中、決起集会の開催が決まったのだった。**]
― デ・モール火山 ―
[聳え立つ活火山デ・モール。
北と南の島を二分する此の山で、噴火が起きたのが三百年前。
かつては、南北の島は海を隔てたものだったという。
穏やかな変わらぬ平和を求める北島と、
新しいものを取り入れ変化を求める南島と、
小さな同じ島国の徒でありながら
両者の気風がこうも異なっているのは、
隔てる海と火山の互い側で、
独自に文化を編んできたからなのだろうか。
…、ひとつの国の中ですら、こうなのだ。
海の遥か彼方、見果てぬ外の国であれば尚の事。
描く未来が重なるなど、短慮な判断が出来よう筈も無い―――]
北島と南島に暮らす民の数の差は、明らかなもの。
単純に決を採れば、世論が選ぶ道は北島のものとなりましょう。
だから、反政府活動をされている方々は
越えたいのですよ。このデ・モール火山を。
北島の皆様を惹き込まなくては、
自らの主張を多数勢力にはできません。
民主化と言いつつ、
自分たちの主張を通したいだけなのですよ。
[我侭な方々にも困ったものです、と冴えやかな笑みを零した]
(鎮圧部隊で、押さえ込めるかどうかは五分でしょうね…)
[王府としては鎮圧部隊で事が済むという見解を下している>>0:24
が、巫女姫はまた異なる見解を敷く。
鎮圧部隊は、周辺諸侯から派遣された兵も含めておおよそ千。
王府の騎士団からは、フィオン・ヴァイサネンを隊長とし、
三百の兵が派遣されている>>232。
ここ五年三年の内に幾度も発生した反政府活動を鑑みれば、
確かに充分な人数だ。
しかし、――――
わざわざ告知するかのように流布された集会日時は、
これまでの規模を覆すのではないかという予感を運ぶ。
それに、もし、
反政府運動にシュビトの街の人間がこぞって同意した場合は、
彼らが、武器を持って立つならば…――]
そうだ。好機だ。
これから忙しくなるな。
隊の訓練とか武器の準備とか、
びしばしやっといてくれよ。
[自分よりも友の方が詳しいからと、
いつものように丸投げておいた。]
― 決起集会まで(回想) ―
なあ、ガート。
あの、"白い焔"ってやつ、
なにかに使えると思うか?
[カナンから見せられた生石灰について、
ガートルートにも意見を求める。]
うまくやればいろいろできそうなんだけどな。
なにかに詰めて投げるとか撒くとかなんとか。
詳しそうな奴に任せるとかでもいいんだけどさ、
[途中まで言って、ぽん、と友の肩を叩いた。]
― 集会前日(回想) ―
[決起集会を明日に控えたその日、
父たる館長に呼ばれ、その部屋を訪れていた。]
親父、話って?
[問いかければ、まずは座れと促される。
大人しく腰を下ろし、父の話を待った。
明日の決起集会について何か言われるのだろう。
そんな予想を裏切って、父の口から出たのは昔話だった。]
[昔、私が海に出た話は覚えているな?
そんなふうに始まったのは、幾度か聞いた昔語り。
悪友とつるんで小舟で海に漕ぎ出して
結界を超えようとして嵐に打ちのめされ、
生死の境を彷徨ったこと。
『あの度し難い大馬鹿者は』
自分一人で責任を被ったのだということ。]
『あの日私が学んだのは、
無謀な計画は手酷い結果を招くことと、
自分で責を負えぬ痛みだった。』
[父の目は深い海の底を見ているようだった。]
『することの意味は、分かっているな』
[父の言葉は、短く、厳しい。
全て見透かすような眼差しに、たじろいだ。
大勢の人間を動かし、戦いに駆り立て、
力を持たないものまでを巻き込むこの計画を
見抜かれている、と感じる。]
わかってる。けど、俺は、
[言いかけたのを遮られる。]
『私の持つ全ては教えた。
あとは、嵐を見誤るな。』
[話は終わりだと言うように手が上がる。
言葉を呑みこんで立ち上がり、父に背を向けた。
だから、父の唇が動くのは見ていなかった。
頼む、レイ───と。**]
……だが、この島で生まれ育った俺たちの方が、
外から来る何者かよりは、
ずっとこの島の地形や地理には詳しい。
そういう意味では、地の利を活かし、
相手の裏をかく戦術がどれだけ取れるかにかかってくるだろう。
どこで相手に攻撃を仕掛けるか。
どこなら相手より優位の位置を取れるか。
また、負傷した相手がどこへ逃げようとするか。
常に周りに気を配り、先を想定できるか。
もし万が一そんな事が起こった時に大事なのは、
技術よりもそういったことだろうな。
[ ――尤も、それはあくまで攻め入る敵が、
島の外から来た者だけの場合の話だが。**]
/*
読み返してみたのだけど、手紙はシルキーが出立した後だよな。
早馬を使えばシルキーより先に来ることはありそうだけど、集会の後に受け取ったほうがいいのかなー。
…この国の技術は改良を重ね、日々発達はしている。
だが、最新の技術を持ってしても我々ではあの結界は超えれないだろう。
[問いかけられた言葉に、そう重々しく口を開き、
どこから難しい表情を浮かべる。]
だから、そんな結界を超えて攻めて来る者が居たとすれば、
まず正面からのまともな武器、技術での太刀打ちはできないかもしれないな。
[外の世界がどのくらいの技術を持っているかは知らない。
最新の剣、弓と言った、様々な最新の兵器は、
軍の兵士達によって一通り試され、
扱いやすさ、性能を試行錯誤していく。
―――それらの武器を持ってしても、
未だ誰も結界を破るどころか、あらゆる技術を持っても、
そこへまともに船で辿りついた者はいたという話は聞かない。
尤も、滅多なことで結界に近づこうとする者
自体が少なかっただろうが。]
……だが、この島で生まれ育った俺たちの方が、
外から来る何者かよりは、
ずっとこの島の地形や地理には詳しい。
そういう意味では、地の利を活かし、
相手の裏をかく戦術がどれだけ取れるかにかかってくるだろう。
どこで相手に攻撃を仕掛けるか。
どこなら相手より優位の位置を取れるか。
また、負傷した相手がどこへ逃げようとするか。
常に周りに気を配り、先を想定できるか。
もし万が一そんな事が起こった時に大事なのは、
兵器の技術よりも、知略や戦術、それらに対応できる身体能力だ。
[ ――尤も、それはあくまで攻め入る敵が、
島の外から来た者だけの場合の話だが。**]
[ 南の諸領主の思惑はそれぞれあれども、海運に恵まれていて比較的裕福なスルジエ領主の行動は、ベルサリス学館の資金援助の増額とシュビトが外敵に襲われた際の協力体制の申し出以上のものは現段階では明らかになっていない。
外敵とは無論王府軍以外の存在を指し、本来ならば有りえる筈のない危惧であった。
これによってシュビトへの出兵理由の大義名分と共に、現段階では起こり得る事のない外敵、マチュザレム共和国のシュビトに対する侵略行為に備えての南方貴族私兵の駐留許可を南方領主連盟で獲得しようという腹である。
形の上では征伐軍に呼応するように出兵しながらも、実際は学館の蜂起する集団の品定めであり、彼らが此度の遠征軍を打ち払う程の実力があるのなら後援者面をして更に協力姿勢を示し、彼らにその力がなければ忠義顔で国軍と共に踏み潰す。
その場合、王府が実際どれだけ苦々しく思っていようが、更なる南方遠征やその後の統治、それで仮に成功しても彼らが得られるものとそこで費やすものを比べれば、手出しはできないだろうという自信と余裕があるらしかった。]
[ 学館への資金援助の見返りは学館が密かに留めている共和国大使カナンらから得た共和国の持つあらゆる知識の共有。
今後更に蜂起集団が反撃の力を持ち、北上を試みる場合に後方の安全の確保を請け負うという名目でシュビトでの駐在。
仮に現体制が変わるような展開に持ち込めば、力を失うだろう北部に成り代わって南部が権力に関与する立場を取る。その為にも学生らの家族がいるシュビトを守るという題目で自分達の手で押さえておく。
そこまで全て上手く行かなくても、大きな顔をして政権参加するという、危険なところは学生たちに任せて、どうなっても美味しいところだけを貪ろう絵図が描かれている。]
( 軍に合流する命令は受けていませんが…さて、どうしたものでしょうか。)
[ 今度の事態を奇貨として、普段不遇を強いられている南方貴族>>317としては協力しない理由はなかった。
そして同時に民衆が自らの手で立ち上がるという民主化についての知識が彼らには欠乏していた。
正確に把握していなかったというよりも理解ができていなかったのだろう。
民は常に不満を抱き責任を取ろうとしないものであり、自分の生活の為に暴れてもそれ以上の視野を持っていないという貴族らしい管見が、彼らに掬われる自分らの足元の問題を同時に孕んでいる事に気付いていなかった。だからこその余裕でもあり、様子見でもあった。*]
― シュビト中央広場・決起集会 ―
[クロードが設えられた壇上にあがり第一声を口にすると、それまでのざわめきは何処へやら、聴衆の目が一斉に壇上の男へと向かった。
ちらりと視線をやると隣のルディも精一杯背伸びをしてクロードの姿をしっかりと見つめているように見える>>304
クロードの始まりの挨拶についで壇上にのぼるのは、マチュザレム共和国からやってきたという金髪の男だ。
カナンが学館で講師の地位を得た時から、学館の授業内容は一段とレベルアップした。
>>287
それもそのはず彼が教授する内容は、ナミュール国しか知らない自分たちにとっては未知のそして最新の生の知識や技術なのだ。
その授業が学館に通う学生たちの心を鷲掴みにしたのは、至極当然であった。
気がつけば自分もカナンに共和国での軍のあり方や戦い方などを、職員室や、更には酒を持参して充てがわれた住居にも押しかけて質問するなどという傍迷惑……いや熱心さでカナンの来訪を歓迎していた]
/*
で、本当にサシャどこ行こう(汗
隊長の率いる軍は火事場泥棒コースか、単に自ら巻き込まれに行くか。
どちらにしろ損害を出しておきたい。
(しかし、こうしてあの御仁まで引っ張りだしてくるたぁな。
相当気合いれてんな……)
[そう思いながら、壇上で抱き合う格好をするクロードとカナンを見るのは文化の違いからかなんとなく気恥ずかしくて、僅かに目を逸らした。
周りには歓迎の嵐が吹き荒れているので、それを恥ずかしく思うのは年のせいかもしれないが]
― 現在:首都ブラバンド ―
『今回の件、アレクシス殿はどう考えるのですかな。』
[シャンデリアの輝きの下で、政治家の指輪がいやらしく光る。
豪奢な造りのテーブルの上、パンやスコーン、そして葡萄酒が並べられている。蜂蜜やジャムなど、四季折々の贅沢が煌めいている。一見華やかに見えるこの食卓。その下では一体幾らの農民たちが汗水流した事か。
アレクシスは葡萄酒を口にしつつ、政治家の問いに優美に微笑んだ。]
周囲諸侯や国民への心理的な圧力を兼ねているのですよ。
また、あまり南方の田舎人とはいえど、備えはしておくべきでしょう。
彼等だって馬鹿ではありませんから。
[長い髪がグラスの中に触れぬよう、軽く髪を掻き上げる。
よく肥えた政治家は、ふぅん、と鼻を鳴らす。訝しげな表情から、その言葉だけで納得したとは到底思えない。
でなければ、アレクシスがここに呼ばれるはずがないのだから。]
『>>0:24 王府としてはシュビドの鎮圧は、先日出した鎮圧軍だけで充分過ぎると考えているんだが。また、巫女姫を最前線で送るなど、王府軍としての信用問題にも関わるんだがね。
アレクシス・ユレ、貴殿はそれを看過したのかね?』
[アレクシスは溜め息を葡萄酒とともに飲み込みつつも。
懐から包み紙を取り出す。一見するとそれは丁度キャンディーのようなそれ。金箔を施された、やたらと豪華なキャンディーを、政治家のふくよかな手に渡す。]
また、北の国民は信仰心は高いのは言うまでもありませんが。
南の国民はやはりその恩恵を感じにくいというのもあります。
彼等に威光を示すというのも偶には必要です。
………ところでおひとつキャンディーでもいかがですか?
この葡萄酒とよく合うんですよ。
[政治家はその包み紙を確かめるように握ると、厭らしい笑みを湛え、頷いた。それで良い。貴様たちは、2:8:2の『要らぬ方の』2だ。そのまま甘い蜜を啜って、王府の上っ面を整えておくだけで良いのだ。]
『しかしだね、万が一、巫女姫に何かあっては………』
[まだ足りぬのか。アレクシスはさらにキャンディーを彼に乗せると。些か細い目に冷たい炎を宿して、反し諭すような優しい口調で。
物分りの悪い生徒に説明するかのような丁寧な口調で、論じる。]
万が一、巫女姫が、道を誤った学徒に弑されたとします。
それは此方にとっても手痛い損失ですが、代わりに彼らは義を失います。希望の象徴たる巫女姫を、一時の激情で除けてしまうなどという野蛮な行為の果てであれば――…
幾ら甘い夢を語ったところで、平和を愛する国民の皆様が、反乱勢に素直についてゆくとは思えません。
―――……これは巫女姫自身のご意志で有る事も、付け足しておきましょう。貴女は巫女姫のお言葉に、逆らう気ですか?
[巫女姫よ。安心して行って下さいませ。王府への説明は、私がしますゆえ。*]
― 集会当日・シュビト ―
[シュビトの街の外で様子を伺っていた王府鎮圧部隊の耳にも、
時代を震わせる鬨の声>>267――始まりの合図――は、確かに届いた。
「聞いたか、皆の者!
反政府活動を行い、群集を唆し、
平穏を脅かす暴徒どもを、我らの手で取り押さえるのだ!」
[周辺諸侯から派遣された兵のうち、二百五十を預かるのが、
齢32のステファン・オレイソンだ。
なお童顔なのを気にしているのはトップシークレットである]
「民を傷つけることなかれ――…
巫女姫様よりの厳命だ!遵守するように!
我らの敵は暴徒ども……行くぞ!!」
[号令一下。
二百五十の兵が、先陣を切ってシュビトの街に流れ込んだ]
[足を踏み入れた広場で、ステファンらは不覚にも一瞬息を飲んだ。
視界を埋め尽くす、人の山。
溢れんばかりの熱気。
呼応する意志。
眩しい覇気。
それらが壇上の唯一人を中心として――――渦巻いていた]
「…っ、取り押さえろ!!」
[いち早く我に返ったステファンが命令を叫ぶ。
壇上の首謀者を目指し、鎮圧軍兵が武器を構えて突撃した*]
[はじめは穏やかだったクロードの口調は段々と速さを熱を帯び、
それを聞く聴衆の熱気も更に高まってゆく。
仕込みか偶然かはわからないがクロードの問いかけ>>265に広場のどこからか声があがる。その声は次第に膨れ上がり、街の外まで聞こえるのではないかと思うくらいだ。
このところのシュビトの気運から、集会が盛り上がるのは予想出来ていた。
だからこそ危うい。クロードをはじめ仕掛けた側は熱だけではなく冷静さも持ち合わせていることを期待していた。
だが群集心理で盛り上がっているだけの人間にはそれは期待出来ない。
今の自分の立場は一教師で民間人だ。だから武器など携行していない。
だからもし何か起きた時は。
自分の拳が頼りだ**]
― その時・ベルサリス学館にて ―
――――……ッ、はぁ、
[ユレ家は学者の家系であり、多くの知識をナミュールに与えていった。
その意味では名門の家系ではあるが、然しあくまで庶民の血。
そのアレクシスが、ベルサリス学館で学び、そして教職に就くのは、必然とも言えるものであった。
決して金持ちではなかったので、王府の学館に入れるはずもなく、誰でも門戸を開いている此処が、最もユレの性分にあっていたのだ。]
頭が重い……
[アレクシスはこめかみを抑え、学館の廊下に依り掛かった。
気分を晴らそうと、ポケットから飴玉を取りだし、舐めてみる。
けれどもなかなか、気分が晴れる事はなく、細い息を吐いた。
―――…… 耳鳴りがする。
しかも何だか、誰かに呼ばれているような。
頭の奥で、凛とした声が響く。一体なんだこれは。
アレクシスは至極真面目で、そのユレの教えに従って今の今まで生きていた。庶民である事に特段何の不満もなかったし、きっとこれからも平々凡々で生きているのだろうと。そんな風に、ぼんやりと考えていた。]
――――……ッ!
[それが、]
ッ、あ、貴女は……?
[あの時の事をどう評すれば良いか分からない。
自分よりもずっと若い、麗人。
少女にしか見えないその人に、ただ、アレクシスは震えた。
一目惚れにも近い感情とも言えるし、蛇に睨まれた蛙のような威圧感とも言える。
ただ一目見て分かった―――――……
この御方が、私を導く神だと。*]
/*
カナンを抱き締めに行きたいんだよね…。
混乱に乗じて抱き締めに行って、また別れるという意味不明なことをしたい←
[シメオンがシュビトに来るという報告は事前に受けていたから、演説を終えた後、呼びかけてみる。]
聞こえたか?
おまえ、どの辺にいるのかな──あ! 見つけたぞ。
[久しぶりの再会に声は弾んだ。]
後で学館に寄れるか?
トマスもいるんだ。
できれば使節団12名全員で集まりたいところだけど、
講義したことのすべてが伝わるわけではないけれど──
[群衆の中に、同じ教員マーティン・バウマンの姿を見つけて小さく首を振る。]
− 宿舎にて (回想) −
[カナンが学館で講師を始めると、マーティンは親しく面倒を見てくれた。
宿舎に酒を持参してくれたりもする。>>334
ナミュールの文物を珍しがるカナンにとって恰好の土産だった。
甘いものだけでなく、酒も好きだ。
なにしろ、寒い郷里では度数のやたら高い酒で暖をとる風習がある。
まだ飲酒の悪癖に染まる前にマチュザレムへ留学になったから、酒浸りでこそなかったものの、酒に惹かれるのは典型的なセドナ人といってよかった。]
ふふふふふー
海水で割ったワインなど物足りなくてね。
[ちなみに酔うと陽気になるタイプ。あと、抱きつく。]
― 南島入り後 ―
[南北の壁である火山を抜けて、もうシュビトはすぐそこ、と云う場所にまで差し掛かる時。
シュビトの方面から、早馬が駆けて来た。男がシュビトへ向けて先行偵察に放った者だ]
…聴かせろ、集会はどうだった。
[早馬の者が男に耳打ちする、それに合わせて男の顔は二度上下に揺れる]
…暴徒共の熱に浮かされた民衆共の熱気は高潮。
暴徒の盟主が傍らには得体の知れない男の存在…か…。
いいだろう、私が先行する事にしよう。
お前達は、彼らが謳いあげた檄の言葉をより明細に調べろ。
特に件の、得体の知れない謎の男についてだ。
[命じ、早馬を走らせ、朱馬車の方へと再び白馬を寄り添わせた]
[その晩も、街で仕入れてきた甘いものを肴に盃を干しながら、マーティンと話をしていた。]
この学舎にはいろんな生徒がいて楽しいですよ。
ところで、
バウマン先生の目から見て、気になる生徒をあげてみてくださいますか?
[相手が結構、年上なので敬語を使いつつ、ちょっと砕けた声音になるのは程よく回った酒のせい。
隙あらばマーティンの肩に手を回そうとしたりもしてる。**]
姫殿下、シュビトの学徒民衆は、熱と興奮に沸きに沸いてるとの事。
時間的に、恐らく今頃は、鎮圧部隊が行動を開始しているでしょう。
[それは、此れより行く先は、既に気勢と衝突で混沌とした危険地帯である証明]
姫殿下の御威光を以ってすれば暴徒共も平伏すると信じております。
されど、既に鎮圧軍と暴徒の衝突は始められている頃合。
善良にして良識ある無辜の民を、無為な争いに巻き込ませる訳には参りません。
尽きましてはこのソマリ
寡兵なれど民衆の安全を確保するべく、シュビトへと先んじたく。
[暴徒の熱に中てられた南島の住民と云えども、争いを厭う民衆達を守る事は、どちらにせよ鎮圧軍から出す必要のある案件である事には違いない。
故にこそ、その上奏で巫女姫の諾を得て、男は整然として行軍速度にはやや劣る親征軍の足並みから抜け出し、先行する]
[巫女姫の許しを得れば、男率いる百五十の私兵はシュビトへ先行する。
五十、或いは七十、民衆の保護に回せば十分だろう。
残る私兵は、さてどの様に扱うか。男は思考する。
元々、鎮圧の戦闘に参加させるに百五十は寡兵。
然し、端から民衆の保護を受け持つつもりで合流したならば、百五十は逆に少々多い。
他に思惑は存在する。然し今のシュビトへ赴くには親征軍に混じると最も自然なのだ。無駄に角が立たなくて。
まあ、尤も、その辺りは大方、彼の巫女姫に理解されようと考えていた上での事なのだが**]
/*
ああうん、読み違えたか。武器もアルミケース入りなのね?落下の衝撃で一個くらい壊れてたってことで許してもらおうかしら。。。
― オプティモ ―
[オプティモの沖合、複雑に潮流が入り組み、地元の猟師もあまり近寄らぬ大きな岩石の集まる岩場がある。その岩石群を乗り越えた奥には、花崗岩で出来た小島がひとつ]
[その小島に密やかに近付く一隻の小舟。数回の旗を振る合図に、小島から、ちかちかと灯りの合図が返り、やがて小舟は島に穿たれた大きな洞窟の中に滑り込む]
『荷はこれで全部か?』
『いや、開かない箱だけを持ってきた。壊れていた箱とその中身もな』
『中身も壊れているんだろう?』
『多分な、何しろ使い方が判らねえから、ほんとに壊れているのやら』
『とにかく運び込んでおけ。それが頭領からの伝言だ**』
[傍らのルディ>>304はさすがというか、ただ熱気にあてらてるだけではなく、真剣にクロードやカナンの言葉に耳を傾け何かを感じ取っているようだ。
何か口を開こうとして――
その時、事態は動いた。
前方からあがる悲鳴。
壇上の人物を目掛けて突入してくる兵士たち>>341
意識せずとも身体が動いた]
お前ら!後ろにさがれ!
[前方の群衆に声を投げながら、自身は人の波を掻き分けて前方へと向かってゆく]
聞こえた聞こえた、ちゃんと聞いてたぜー。
[見つけた、の声に手を振りそうになったがどうにか押さえ込む]
トマス無事だったか!
こっちにはディックとロランが居るから…これで5人かぁ。
他の奴らどうしてっかな…。
寄れたら良いんだがなぁ。
この集会を王府が無視するわけねーから、多分それどころじゃなくなると思うんだ。
でもその前にはそっち行くから、ちょっと待っててくれ。
― 集会当日/シュビト中央広場物陰 ―
悪ぃな、ちょっとフード取りたくてさ。
[疑問は口にされていないが、理由を口にして黒のフードを外す。
下ろしていたために乱れ始めていた髪を纏め、いつも通りに高く結い直した。
如何に民衆が演説に注目していたとしても、あの場でフードを外すのは悪目立ちが過ぎる]
こっからの脱出ルートとかも勿論把握してんだよな?
んじゃあちっと寄り道しても良いかな。
[確認しながらフードを被り直し、顔の横で遊ぶフードの端を首の後ろへと回して結んでしまう。
顔がはっきりと出てしまうが、これから動き回るとなるとフードは自分の視界を遮ってしまうために邪魔で仕方が無い。
多少不恰好だが、機動性を重視したならこんなものだろう]
王府軍に踏み込まれる前に近くまで───って、
[再び熱気の中に身を晒そうとして、物陰から覗かせた瞳に壇上へと突撃を始める鎮圧軍>>341の姿が映った]
っちゃあ……遅かったか。
[思わず額に手を当てる]
でも折角ここまで来たしな…。
よっし、一か八か。
てことで退路よろしくなっ。
[鎮圧軍の突撃に広場の熱気の矛先は変わりつつあるよう。
周到に準備しているなら、鎮圧軍も易々とは壇上まで辿り着けまい。
それに賭けて、シメオンは私兵に良い笑顔をしてから演壇の裏手へ回るべく駆け出した]
[逃げ惑う民衆に紛れ、合間を縫いながら速度を上げる。
曲がりなりにも軍人だ、ぶつかられても往なして演壇との距離を縮めていく。
逃げるというには不自然な動きに気付いた者は居ただろうか。
シメオンが目指すのは勿論カナン]
― ベルサリス学館・回想 ―
強くなろうと……?
[アレクシスからその質問を受けた時>>190恐らく自分はきょとんとした顔をしただろう。
何しろ強くなろうとした自覚は自分ではまるでなかったからだ。
普通の靴職人の家に生まれて、子供の頃から体力や腕力が比較的秀でていた為か、そこらの子供を束ねる大将的存在になって、そのかわり細かい作業や物を作るのは苦手だったから、自分に合う職業は何かと考えた時に軍に入るという選択は自然に出てきたものだった。無論、軍に入れば組織の役に立つようにと努力はしてきたが、それも意識的にしたわけではなかったからだ]
どうしてって言われてもなぁ……。
思ったってんじゃなくて、オレの性に合ってたくらいしか……
[そのような経緯だから理由を問われても特には出てこなくて、歯切れの悪い返事になってしまった。
ただアレクシスが聞きたかったのはこんな答えではないのだろうと。
続く言葉でそれを感じた]
[「この集会を王府が無視するわけない」とシメオンは言った。]
自分たちの頭ごなしに開国の話を進められても立場がない、か。
[何が起きるのかまで、把握しているわけではない。
カナンは学館で専ら教える立場であり、教えられる側ではなかった。
決起集会の行く先についても、また。
けれど、]
− シュビト中央広場/決起集会 −
[クロードの演説が歓呼に迎えられて程なく、別の喚声がそれに割って入った。
遮るものとてない大通りを突進してくるのはナミュール正規軍のようだ。
指揮官が「取り押さえろ」と命じて指差す壇上、クロードの傍らに立ち、カナンは睨み返す。]
貴君、
官姓名を述べ、命令書を提示せよ。
わたしは、マチュザレム共和国より使わされた大使カナン・リリである。
マチュザレム共和国よりの使者を歓迎する集いを妨害され、遺憾に思う。
[秩序を求め、毅然とした態度を示す。]
― 集会当日/シュビト中央広場 ―
[思い巡らせる様子に、傍らのマーティンが何を思うかは知る由もなく。
クロードとカナン、それぞれに聞いてみたい、と感じた事を心の奥に留めておく。
それらの思考がまとまった時──場に、新たな動き>>341が生じた]
……って、え、なにっ!?
[思わず上げた疑問の声に重なる数多の声。
それを制するように響く、聞き慣れた声>>355が冷静さを僅かなりとも呼び込んでくれた]
戦えないのは、早く下がって!
[こちらも声を張り上げつつ、確かめるのは肌身離さず持ち歩く短剣の存在。
護り刀としての意味合いの強いものだが、実用にも耐えうるものだ]
まっさか、戦えないのに手出しはしないと思うけど。
[流れがどう変わるかはわからない以上、戦う力を持つ者が前に出るのはより自然な事、と。
先に動き出したマーティンに続くように、自分も前へと駆け出した。
とはいえ、小柄な身では群衆をかき分ける、なんて芸当は不可能であり。
身を低くして、人の足の間をすり抜ける、という手段を取る事になるのだが]
/*
ふええ、やっと明日で早出連勤完遂でし、て。
昼休憩のログ読みで最大勢力で責任者ポジのようだったので部隊の編制どうしようかと思ってたら300動いていたでござる。
気を遣わせていたらすみません。
過去ロルや演説も終わってないし、向こうの編成も分からないのでのんびり様子見しててすみませぬ。
さて、何処から進めようか。
― 回想/山岳地帯にて ―
[その報せを父よりも先に聞く事になったのは、偶然の産物。
何やら騒がしい鳥使いたちに何があったのかを問い、得た答え]
境界の近くに、外の連中が向かってる?
いつも来てるひとたちとは、違うの?
[きょとん、としながらの問いに返るのは、いつもの連中と一緒に見慣れない集団もいる、という事。
どうすればいいのか、と頭を悩ます鳥使いたちから逸れた視線は、自然、里の出入り口へと向かい。
次の瞬間、濃紅の結い紐と髪を揺らして駆けだした]
『チーカ?』
『どちらへ!?』
ちょっと、そいつら見てくる!
[呼び止める声に足が止まったのは一瞬の事。
そこらに散歩にでも行く、と言わんばかりの軽い調子の答えを残し駆け出した。
後に残った大騒ぎは当然の如く、見ていない]
……ほんとだ、凄い数。
[結果的に鳥使いの一人には追いつかれ、一人で行く、という事はなかったわけだが。
辿り着いた先で見たのは、異なる出で立ちの集団二つ。
彼らが進もうとしてるのが、『暗黙の了解』によって定められた境界の先、と気づいた瞬間、反射的に体が動いていた。
身を隠していた高い位置の枝の上から、集団の前へ向けて、跳ぶ。
後ろから聞こえる上擦った声は、やっぱり届いていなかった]
……あんたら、どこに行くの?
[問いかける声音は、少し甲高いもの]
この先は、
……不慣れな者は、風に浚われるよ。
[古い時代の在り方を残す装いと、肩の上の真白の獣と。
そして唐突な現れ方は、来訪者たちに何を思わせたか]
見た所、山の恵みに用事があるわけでもなさそうだし。
……山の怒りに触れない内に、戻った方がいいよ?
[そう呼びかけながら、来訪者に向けられる瞳にあるのは、好奇のいろ。
知らぬ存在への畏怖よりも興味が勝るのは、この頃から変わらぬ気質だった。*]
[広場にたどり着いた部隊の隊長が、
一瞬息を呑んだだけだったのは、むしろ賞賛されるべきだろう。
武器を構えた兵たちの突撃に、
入り口近くの人垣が、わっと崩れる。
逃げ出そうとする人々の動きに先んじるように、
群衆の中から声が上がる。]
『やっちまえ!』
『王府に好きにさせるな!』
『俺たちの街を守れ!』
[声が巡るのに合わせて学生らが走り回り、武器を配っていく。]
『王府の言いなりになるな!』
『出ていけ!』
[群衆に紛れていた精鋭らが鎮圧部隊の前に立ちはだかる。
次第に、血気に逸った民衆たちが武器を取り始める。]
今こそ、俺たちの覚悟と力を見せる時だ!
俺に続け!
王府軍に屈するな!
[声を張り上げて鎮圧兵たちへ突撃する。
周囲の学生たちが応と声を上げて続く。
行く手には、民衆に囲まれて苦闘する鎮圧兵らがいた。*]
/*
タスク多そうなところに放り投げてごめんなさ……!
と思いつつ。
折角だから、繋げておきたかったねこごころ。
ちなみに、『チーカ』はラテン語で『お嬢さん』だそーです。
……『お嬢』とか、そういう意味合いなのでした。
― カナンの宿舎(回想) ―
[カナンは自分の来訪にも嫌な顔をせず、むしろ快く応じてくれた>>349
カナンは自国の知識を伝えるだけでなく、ナミュール国の文化や品物にも興味を持っているようだったから、教授料としての貢物の成果かななどと考える]
そうだろそうだろ。
酒ってもんは混ぜもんなしで呑むのが一番だぜ。
特にこんな甘い菓子を肴に呑むんならな。
[相槌を打ちながら、持参したウイスキーを自らも仰ぐ]
ああ、うちの連中はいい生徒ばかりだからなぁ。
[学館のことを楽しいと言われれば、やはり嬉しく目を細める]
―シュビト中央広場・決起集会 ―
俺たちだ!
おー熱い熱い。
[外の声にあわせて一緒になって声を上げる。
ジェフロイの言葉には熱があるが、具体的な言葉は少ない。
が、現状はそれでいいと思っている。]
細かかったり小難しい話したって、理解出来ない奴のが多いからなー。
要は外国の使者が来たこと、外国には有益なものがあること。
王府が開国を認めてない事が伝われば上等。
[それは諍いの種とも言い換えられるが。
北が話を聞く気がない以上、他の手段は思いつかない。]
先ずは一撃、王府に風穴あける。
その為にもここで制圧されるわけにはいかない。
ま、貴族側からも切り開ける何かがあれば上等だったんだが…。
[一番近い所では従兄弟だが。開国反対派を説得するだけの口は自分にはなかった。]
でも選挙だっけ、あの選出方法は面白かったな。
上手い事取り入れられれば、もう少し中央に声も届くとは思うんだが。
気になる……なぁ。
今、在学してる連中だとやっぱルディが一番だろうな。
アイツの出自だと、こうして街に出て勉強するっつうこと自体が異例だしな。
ここで何を得て何を持ち帰るかっつーのは楽しみにしてるぜ。
[言いながらルディの本名ってなんだったかなと思うあたり、酔っている。
クロードも気になる人間ではあるが、こちらは卒業生でもあるし、彼らの企みに多少なりとも噛んでいる影響もあって、カナンの質問の答えとしては若干方向性が違うのだった。
ただし酔いながらもカナンの手の動きには警戒は怠らない。
男同士なのだから、酒を酌み交わしながら肩を叩くというのはもちろんありだ。
だが、カナンのスキンシップというのはそれとは少し違う感じがする。
初めてされた時は何が起きたのかとびっくりして暫しの間固まってしまって、それ以来油断がならないのだ]
あ、シロウさん
[>>286周囲の警戒中にふと後姿に見覚えのある姿を見つけて、声をかけた。
以前武器の打診と顔見せ兼ねて訪れた時は、結婚の話や子供の事に話が逸れて、口にする事は出来なかったが。]
驚いた、来てたのか。
クロの演説どうだった――…と
[話しかけると同時、僅かに周囲が騒がしくなった気配を感じ、視線はシロウから他へと逸れた。]
…始まったな。
シロウさん、変に巻き込まれたくなかったら早く行った方がいいぜ。
[話もそこそこに踵を返し、中央のジェフロイら中心人物の集まる元へと向かう*]
― シュビト近隣 ―
[ 王府直属軍の先遣隊として出動していた周辺諸侯の軍>>339が動き出してきている、と報告を受けたのはスルジエ領地方軍隊長が百の兵の布陣を済ませた時だった。後続の五十は、他の諸侯の動きを見張る為に分散して配置している。
スルジエ以外の南方貴族が、実際にどのような思惑と共に、どう動くのかは判らない。
王府に付き従う軍は途中、北の有力貴族の軍も加わって一万を越しているようだった。
王府軍で最も警戒すべき存在は親政軍を自ら引き連れて出てきた姫巫女その者だが、北の有力諸侯であっても海千山千の強者ばかりで、シュビト近隣を領する諸侯などよりもずっと手ごわい。姫巫女の軍に協力しているのであれば、それなりの打算と計算があるものと推測される。]
― シュビト市内・広場付近の家屋 ―
[ 同時期、こちらはより直接的に事情をサシャは把握する。集会の熱気に背を向けて場を離れた事もあり、第一襲来が起きた時は冷静でいられた。]
( 始まりましたか。)
[ 既に調べ上げていた人気の無い家屋に潜り込み、屋根裏部屋まで登ってそこから屋根に這い登る。
屋根の上に放置されたままの猟師の使う半弓を掴む。無理な姿勢でも用いられるのと、致命傷を与えるには弱い殺傷力からこの武器を選んだ。
屋根の上で腹ばいの姿勢のまま、腕を伸ばした手の甲を上にして、屋根に寝かせるように横向きのまま弓を引き、短い矢を番える。]
− シュビト中央広場/決起集会 −
クロード、 君は──
[今の自分は、自分が一喝してやった指揮官と大差ない間抜けっぷりだろうなと思う。]
…こうなることを計算づくで、
[テキパキと武器を配る学生たち。仕組まれた包囲網。]
/*
回想に悩んでたら時間過ぎてた!
というわけで全力で現在軸に追いつきつつ。
あとちょっと…。
・ジェフロイとの何か捏造。
・マーティンとは剣の練習とかしたかもしれない。
・ジェフロイとの回想と石灰の使い道。
・お前3年前にこっち来て何やってたの?のロル。
他のタスクはこんなもんかな…。うーぬ。
( 墜ちろっ!)
[ 狙うは群集に遮られて思うがまま動けない鎮圧軍の指揮官>>339。壇上のカインに向き合っている最中>>362、意識がそちらに取られている隙を狙って、定めた狙い通りに剥きだしになった顔面に向けて矢を放った。]
[ 狙うは群集に遮られて思うがまま動けない鎮圧軍の指揮官>>339。壇上のカインに向き合っている最中>>362、意識がそちらに取られている隙を狙って、定めた狙い通りに剥きだしになった顔面に向けて矢を放った。]
「――っ!!」
[ カインとの問答中、ステファンの片目に短い矢は吸い込まれるようにして刺さり、射抜かれた勢いのまま、落馬する。
それを確認すると、素早く弓を屋根の上から逃げ惑う群集の波目掛けて投げ捨てると、屋根を降りてその場を離れる。
彼の率いる鎮圧隊、抵抗する民衆に紛れた抵抗軍、両陣営がその様子に沸いたようだったが気にしている余裕はない。生死も確認する気もなかった。*]
― シュビト中央広場 ―
ふ...ここを凌いでも後ろ盾で居られるかは判らんぞ。
[ 遠回しに無事を願う言葉を投げて駆け去っていくシメオンを>>271皮肉めいた笑みで見送った直後、群衆の向こうから怒号と悲鳴があがる>>341 ]
「…っ、取り押さえろ!!」
[ 聞き取る事の出来たのは、鎮圧軍の隊長らしき者の発した命。
同時に、壇上の首謀者めがけて殺到しようとした兵士達は、武器を手にした民衆に戸惑い、容易に突破出来ずにいるようだった ]
「か...旦那様、どうします?」
仮にも巫女姫の名の下に遣わされた兵がやたらに民衆を傷付けるような命を受けている筈が無い。
「いいんですか?」
[ 普段なら、男の指示には一も二もなく従う相手が問い返した理由は判っている。彼は10年前も、男の傍らに居たからだ ]
『ぐぁ――っっ!!』
[ ジェフロイの一喝>>372の直後、カインとの問答中のステファンの片目に短い矢は吸い込まれるようにして刺さり、射抜かれた勢いのまま、落馬する。
それを確認すると、素早く弓を屋根の上から逃げ惑う群集の波目掛けて投げ捨てると、屋根を降りてその場を離れる。
彼の率いる鎮圧隊、抵抗する民衆に紛れた抵抗軍、両陣営がその様子に沸いたようだったが気にしている余裕はない。生死も確認する気もなかった。]
( ――矢は放ちましました。)
[ 鎮定軍が惧れをなして逃げても良い。怒り狂って見境をなくしてもいい。主からの彼女への使命は騒動を煽る事。ただそれだけだった。*]
[10年前、まだ学館で瞳を輝かせて学んでいた友の息子の姿を、男は遠くから見つめていた。結局、様々な事情と巡り合わせで独身のままできた男と違い、妻を娶り、子を為し、地に足をつけて生活を築いてきた友の、育てゆく未来の光...]
ここで、捕らえられるようなら、彼等はそれまでの者だったということだ。
[ けれど光は、自ら輝いてこそ光たりえるのだ ]
/*
サシャの南方勢の動きも面白いよね。この入り乱れ感がたまらん。
しかし、こちらはそろそろ撤退時か...なんとかシロウ殿すれ違いたいっ!(切望
開国以前に自分らに反旗を翻す連中だからな。
放置して良いことなんて無いだろうし。
自分達の威光を示す良い機会でもある。
どうも、後詰として巫女姫も来てるらしいぜ。
[それだけ王府もこの集会に注目しているのだと、何も知らされていないカナンにも伝わろう]
― 集会当日/シュビト中央広場演壇傍 ―
[演壇の裏手へと到着と同時、シメオンは壇上へと視線を向ける。
視界に入る、護るべき者の姿>>385]
[両手を広げ、その身をしっかりと包み込む]
[受け止めたカナンが地に足をつけるのを確認して、シメオンは壇上の男へと赤い瞳を向ける]
俺らの力を借りたきゃ、もちっと
今のままじゃ足りねぇぜ。
あばよ!
[不敵に笑んで、シメオンはカナンを連れ人混みの中へ。
この先には退路を確保した私兵達が待ち構えている。
辿り着ければ密やかに広場から離れることが可能なはずだ]
― シュビト中央広場/決起集会 ―
悪い遅れた!
[どこ行ってたんだよとの同胞の声にも悪い悪いと言うだけで、自身も置いてあった剣のひとつを手に取る。
家から持ち出した果報のひとつで、あまり一般には普及されていない、すこし変わった形をした片刃の、長い剣だ。
剣ではなく違う名前があったらしいが長い時にそれも失われてしまっていたが。]
打合せしてた20人、俺の所に来い。
俺たちは遊撃に出るぞ。
メインは
[というか、ここでそれが出来ないと困るのだ。
ある意味最初の試練ともいえるこれに、ちらと檀上の友をみやり。]
隠れてた連中にも合図を―――
!
[そう指示を出した矢先、矢を放たれ倒れる指揮官に、驚いた顔をしたのも一瞬。
その軌道から射手を探すと、見えたのは赤い影>>386]
誰だあれ…女?
[長い赤毛のようなものは見えたが、それ以上は解らない。]
― シュビト中央広場・決起集会 ―
[群衆の群れを掻き分けて進んでいくと、次第に前線のようすが明らかになってくる。
視界にうつるのは鎮圧部隊になすすべもない民衆――ではなく。
興奮冷めやらぬまま武器をとり鎮圧部隊に立ちはだかる人々だった]
……やりやがったな。
[軍隊が集会を力づくで押さえようとしてきたこと。
それに対してこうも民衆が素早く立ち回れたのは、やはりクロードの根回しか。
零れた言葉は、どちらに対してのものでもある。
武力を使わずに穏便に対話が出来れば良かったのだが、どうもそうは上手くいってくれないらしい。
それでも]
落ち着け!どっちも引くんだ!
[意味がないかもしれない言葉を大声で発する]
[唐突に悲鳴とどよめき、そして歓声が上がる。
見れば、鎮圧軍の指揮官が目から矢を生やして落ちていった。
矢を放った主が誰かはわからない。
だが、自分たち以外の誰かだ、ということはわかる。
密かに支援してくれている者がいるんだろう、と
今は適当に結論付けて、頭の隅にしまっておいた。]
服をくれたけど、髪飾りだけは譲れないって言ってましたね…
なんかロマンチックな理由かな。
あっ、バウマン先生、「気になる生徒」って、そっちの意味でもいい雰囲気だったりします?!
[陽気な酔っぱらいは再び手を伸ばしていろんな意味で絡み出す。
もちろん、職員室や図書室ではナミュールの情勢について真面目な話もしたし、ライフルが回収された時は試射にも誘ったりした。
そんな他愛ない平和な時間の一コマも──今は遠く。*]
親征軍は、抑止力のつもりでおりました。
首都からシュビトまでの往復には、約半月。
一万の兵の進軍に掛かる費用はそれなりのものですが、
それでも、大きな動乱にならずに済むのであれば
安い費用でしょうと。
[分の悪い賭けだ。
けれど親征に賭けた物は其れだけではないから、帳尻は崩れない]
―シュビト近郊―
[シュビトでは集会が始まろうとしている頃合。
戦闘を前にした緊張が騎士団の面々の間に漂っていた。
彼方此方から集まった鎮圧軍。
シュビトに集まっているのは非戦闘員も含めて恐らく数千と推察される。
それら全てがこの軍勢と対峙するとは思わないが。]
…約千といったところか。
学生の集まりと侮っているのか、それとも様子見か。
[己の意を汲んで手足のように動いてくれるのは、現状では恐らく騎士団の三百余人。
女はそう判断する。]
…―――シュビトを戦場にしてはなりません。
ソマリ殿、
どうか罪無き国民の皆様を、お守りください。
[巫女姫は、朱馬車の中で頭を下げる。
両手を膝の上に揃えた、丁寧な仕草。
承諾を与えたソマリ麾下百五十が、動乱の地を目指して離れゆく。
足遅い親征軍が遅れてシュビト近郊に着くのも、もうまもなく*]
― シュビト中央広場 ―
[かなり強引なやり方で前へと抜け出す。
埃まみれになるのは已む無し、そんな事は気にしていられない]
……っ!?
[そうやって文字通り転がり出るのと、大気震わす音が届いたのはほぼ、同時]
この音……っ!?
[今は手元にないが、最も得意とするのは弓。
それが立てる音を聞き違える事はあまり、ない。
見上げた視界に入るのは空を切る矢と、それが為した事。>>386]
……狙ってた?
[とっさの射撃でできる芸当ではない。
正確な照準と素早い判断、双方が揃わなければ叶わぬはず……と。
そんな思考が廻ったのは、刹那の事]
[恐らくは巫女姫を奉じてやって来る後続の部隊には、王都に残した騎士団からの増援が混ざっているだろうが。
女の所属する騎士団を除けば騎馬隊と呼べるものは少なく、歩兵が中心のようだ。
彼らの携えているのは長剣の他、長弓や弩弓のような投射武器、ハルバードやパイクといった長柄武器。
シュビトに侵入する為の梯子や投石機も幾分かは用意されているようだが、
多くが対都市戦と言うよりは対人の為の備えであり、相手が出て来るか此方から打って出るかしかない。]
――くれぐれも暴走してくれるなよ。
[女は本隊の方を見やって目を眇める。
本隊に挨拶兼見張りとして寄越したのは信を置く盾仲間の男。
彼につけた五十人が騎士団と鎮圧隊の潤滑剤の役割を果たしてくれる手筈となっていた。
体躯や声色はどうしようもないが、騎士団からやって来ている隊を率いるのが女だと侮られては敵わない。
女性団員の殆どいない騎士団に入る事が出来たのは、当時父が団長であったのもあり、親の欲目であろうと影で囁かれもした。
細腕で何が出来る、と直接言われるのはまだましな方だった。
実力主義の騎士団の中からそうした声がなくなったのは、己が努力を重ね、目に見える実績を積んだ結果であると自負している。
任期中、敢えて父は女に厳しく当たってくれた。
女だからと言われぬよう、贔屓をしないでいてくれたのには感謝している。
恐らくは女が気付いていないだけで、もっと陰で支えてくれていたのだろうけれど。
そうして、その時女の側には――]
[女はゆるりと首を振って過去の感傷を捨てる。
その手に携えるのは騎兵用の長剣。
騎兵用の長槍もあるが、女には剣の方が性に合っていた。
腰には短剣を提げている。]
――スカルモルド。
頼んだぞ。
[栗毛の愛馬に掛ける声は優しい。
背を撫でた後に白銀の面甲を付けた愛馬の鐙に足を掛け、ひらりと跨る。]
…そろそろ集会とやらが行われている頃合だろう。
これより最厳戒態勢に入る。
騎士団の鉄の規則に則り行動すべし。
誇り高き騎士団の中に戦う術を持たぬ者に手を出す輩などはいないだろうな?
[勿論だ、と返ってくる言葉に兜の下に薄く笑みを刷ける。
やがて――>>267シュビトから鬨の声が上がる。
その熱狂の度合いは、此方にも伝わってくるようで。
そうして鎮圧軍の中にもそれに刺激された者も出た。
ステファン・オレイソン。
彼は250の兵を引き連れて、シュビトの街へと突進していく。]
……。
[女は兜の隙間から覗く目を僅かに眇めた。
この国を守るという使命感に駆られるのもいいが、
彼方がどんな戦い方をするかも分からないのにそのまま突っ込むなど愚直としか言いようがない。
此方を窺う副官からはげんなりした気配が伝わって来る。]
捨て置くわけにもいくまい。
加勢する。
[その言葉に、騎士団がめいめい剣や戦斧、槍を打ち鳴らす。]
/*
ああ、そうか。
後詰の1万は把握していたけど姫巫女親征については把握していないつもりだった。
けど、知らないというのもおかしな話…か?
いや、その、
姫巫女親征だと民衆の士気が絶対に上がらないから
敢えて見ないふりしていたというかそのごにょごにょ。
――征くぞ。
[女の掛け声と共に、一糸乱れぬ動きでもって騎馬に跨った騎士達がシュビトとの距離を詰めていく。
やや遅れて意図を食い取ったらしい残りの軍勢もそれに続いた。
サシャの居る隊はどう動くか分からぬ上に、独断専行。
この状態で幾分か兵を残しておくも不安が残る。
故に全軍あげての侵攻を選択する。
騎士団を中心にステファンの軍勢を回収する事が叶えば、状況を見て一旦退く心算で。*]
− シュビト中央広場 −
[シメオンと再会の堅い抱擁を交わし、クロードに別れを告げて撤退を決め込んだものの──]
さーて、このやたらと目立つ金銀異邦人ペアで、どこへ行こうかねえ。
街のスイーツ店ならあらかた制覇したんだけど、今日は閉まってるだろうな。
[つぶやけば、シメオンはとっとと先導してくれた。]
アテがありそうだな。
例の”良く見えてる奴”か?
/*
そして、正直言って誰がどんだけ兵力持っていてどんなふうに動いているのか、さっぱり把握してない(
ソマリ来るのかな。いつ来るのかな。
とりあえず、初戦はさっさと切り上げたいんだけど(
― シュビト中央広場 ―
[ 言葉のとおり、男は鎮圧軍と学徒達、それに武器を取った民には構わずに、その場に背を向け、街の出口へと向かう。
こうなれば、男がその場におらずとも、私兵達は勝手に動いて、自ら時期を見極めて引き上げて来る筈だ。
今は一刻も早く領地へと戻り、次の動きに備えるべきとの判断だった。
その途上で、見たことのある男の姿を認め>>286思わず声をかける ]
君は...マッキントッシュか?こんなところで、何を...ああ、君の家はこの近くだと言っていたな。
[ 変わり者で珍し物好きの貴族は、面白そうだという理由で、兵器開発部にも度々見学に訪れ、そこに勤める者達の顔や名まで覚えて帰っていた。
彼はガートルートと別れた後だったか ]
/*
サシャさん扇動組か…w
そしてまさかと思いつつ、この鎮圧軍の隊長ポジに。
き、きっと後半はアレクシスさんがやってくれる()
そいや手綱握る描写書いてないな()後で付け足そう。
姫様のロル待機しつつ、過去のを書こうか。
武器とかは大体こんなん?というのを。
歩兵の装備には「対騎兵」のブツが混じってます。長槍とか、市街戦には向かない。
それは多分、騎馬隊もじゃないかな。
― シュビト近郊 ―
[私兵百五十を率いる男の手勢は、シュビトの街すぐ近くで行軍を停止する]
…ふん。気勢の声が此処まで届く。
反骨精神を抱いた今の奴らは、云わば鎖を焼き切らん猛火。
火を消すだけならば、火消しの水は幾らでも用意できよう。
だが…。
[その時、空を舞う鳩が、天上から男を見出すと、真直ぐに降りてきた]
…アレイゼルからの耳。手紙は二枚あるのか。
どれ… ああ、これはガーティからの手紙か。
『近いうちに、再会を』…か。
ははっ、十分も歩けば再会できる近さである事に違いはないな。
[手紙を見て、過去、件の放蕩息子が家を出た直後の事を思い返した。貴族の家系は不仲などよくある話だ。骨肉の争いと云えばよく聞くが、オルヴァル家もそれに漏れず随分と夫婦仲、親子仲共に険悪な物だった。
従兄妹のクローディアが敢えて詳しくを話さない事そのものが、根深さを象徴していたものだ]
…わざわざ調べる程の事ではないが。
あれほど有能なら、何であろうが内に繋ぎ止めるべき。
…その割り切りが出来ん時点で、オルヴァル夫妻は愚鈍なのだ。
… … …
もうひとつは、ほう。
予想より速く、客人の墜落場所が割り出せた様だが……。
時既に遅し、拾えた物は残骸と思しき微かな廃材のみ、か。
まあいい、客人はどうやら此処シュビトにも居るとみた。
[アレイゼルの家令へ返す鳩には、廃材が何で出来ているか、例え成果が得られなくとも調べるだけ調べる様に言いつける。然し何者かはわからないが、随分と手回しのいい事だと男は関心を覚えた>>0:170
男はいよいよ、衝突の騒乱が巻き起こるシュビトを見た]
― シュビト中央広場外れ ―
スイーツ店制覇って…相変わらずだな。
[聞こえた呟き>>410に思わず笑う。
問いが向けられれば一つ頷いて]
おぅ、無事に戻れ、って言われてっから、一応まだ力貸してはくれるはずだ。
でもよ、そこをアテにするとなると、シュビトから離れることになるぜ。
トマスどーすんだ?
[見つかったと聞いた同胞の名を出してカナンに問う]
連れ出すってんなら今のうちだぜ。
王府軍の目は今広場に向いてっし、広場以外の場所で出歩いてる奴は少ねぇ。
ま、その分見つかりゃ目立つってことになっちまうけどよ。
さて、暴徒共の鎮圧は姫殿下の手腕を信じるとしよう。
随分と無茶を為さるが、奴らの急所を恐らくは心得てると見た。
姫殿下に害を及ぼす時点で、寧ろ暴徒共の敗北に繋がるのだからな。
では、諸君ら、選び抜かれたアレイゼルの精鋭達に最初の命令を下す。
[にい、と男の口端は歪に釣り上げられて]
[愉しげに命令を下す男は、然し真剣にそれを実行させる。
訓練を受けた兵隊とひとめでわかる鎧装備を全員がその場で破棄すると、彼らは統一感も対して無い衣服を身に着けた、もう唯の民衆と変わらない姿だ]
従軍中には必要だが、此処からの諸君らの任務に鎧は無用。
王府軍とわかる姿は却って民衆の反意を招く。
七十の半数は、民衆に紛れて彼らの避難誘導を行え。
十人小隊ひとつは、この場で武装の見張りと中継地点の役割。
十人小隊ひとつは、シュビト港にて船の用意を。
二十人小隊ひとつは民衆に紛れ、暴徒共の中核人物を洗い出せ。
二十人小隊ひとつ、暴徒の近くに潜んでいるだろう異邦人を突き止めろ。
今は調べるだけでいい、殺すのは後だ。
[鎧を脱ぎ捨て、民衆に偽装した男の私兵達は命令に従いシュビトへと散会していく。
街中へ、中央広場へ、港へ、そして残される隊員は二十]
親衛小隊、武器のみを手にし、私を護れ。
何処で如何な暴威に見舞われるかは知れん。
私に害為す者は斬り捨てろ。この私が赦す。
そして最後に工作小隊ひとつ、貴様らには密命だ。
暴徒中核の、ガートルート・フル・オルヴァルに接触してこう伝えろ。
― しばらく後:シュビト近郊 ―
[大規模な集会から始まった――王府軍と反政府軍との衝突が、ひと段落した頃か否か。
ともあれしばらくして、巫女姫率いる一万の王府親征軍がシュビト近郊に其の姿を現した]
街に踏み込む必要はありません。
私共は、無用な争いをしに遠路はるばる来た訳ではありません。
街の動乱から逃げてきた方々がいらっしゃれば、
その皆様の保護を最優先してください。
[指示を与え、巫女姫は真っ直ぐ前方を見つめる。
肩に羽織った軍服の裾が、ゆると春風に靡く。
視線の先には、賑わいと知識の宝石箱たるシュビトの街並み。
前線に投げた尖兵からの報告は、濃く淹れた茶の湯のように…ほろ苦いか*]
『 北の然る者が君達の勇気に敬意と興味を覚えた。
王府に散らされずこの騒乱を切り抜ける事が出来るのならば
―― 盟主へ取り次げ 』
[やがて男は、白馬を降りたまま、十人の親衛小隊を引き連れてシュビトへと赴く。
既に騒乱の火種は燃え上がり、争いが始められていた*]
― シュビト市街 ―
面白そうな集会があると聞いて見物に来たらこの騒ぎでな、慌てて逃げ出すところだ。
[ こちらの存在の方を不審がられたなら、そう肩を竦めてみせる。
人の迷惑顧みずの勢いで、新開発の兵器を弄りたがる普段の様子を見慣れていれば、その言い訳も不思議とは思われないだろうとの目算で ]
君もあまり長居はせぬがいい...と、引き止めた私が言うのも本末転倒だな。
[ 背にしてきた広場から、どよめきがあがったのは、その時>>396
シロウはどう反応したか。
だが「貴族を倒せー!」という声はそのどよめきの後に一層高まり ]
くわばらくわばら、君も気をつけ給え。
[ ぶるりとわざとらしく肩を震わせて、男はその場を離れていく ]
[ 男が街を抜け出すのと、アレイゼル領主の軍の到着は>>412、おそらくほぼ同時*]
[ 祖父は物怖じをしない人間だった。
遭難してこの島に流れ着いた時に、自分は一度死んだと思い定めたのだろう。その態度が当時のスルジエ領主の歓心を得たのかも知れないが、得た身分に満足するような人間ではなかった。身なりを変えて山に潜り当時から関係が難しかったまつろわぬ民達とも親交を深めていたらしく、昔話を聞かされる事も多かった。
当時の自分には良く判らない事が多かったそんな話よりも、せがんで教えてもらったのが弓の扱いだった。彼らとの交流で得たという弓の扱いは、周囲の誰よりも巧みだった上、祖父はその恵まれた体躯もあって強弓の持ち主だった。太い木の幹すら矢で貫き通す事ができた。若い頃は岩をも突き刺す事ができたと言っていたが。
自分は彼ほどではなかったが、指で挟みこんで三矢の矢を同時に放つ曲芸じみた真似もできるし、人並み以上ではあるという自負>>403を持つ事ができるようになってはいたからこそ、主から見込まれた仕業だった。]
( と思えばいいのでしょうが。)
[ 実際のところ、そう単純な理由ではない。
それに失敗しても構わなかった。ただできる腕前があっただけのことだ。そしてそれを行える機会がたまたま存在していた。狙った指揮官は真っ当な人間だったのだろう。だからこそ出来た隙だった。その隙を突いた自分は酷く薄汚いような気分に陥る。]
― シュビト街内 ―
[ 先ほどの壇上の貴人が件の共和国の人間だという事は集会での自己紹介もあり、把握していた。屋上から階下に降りた隙に、姿を見失う。
どれだけ逆上しても異国の使者に危害を加える事は無いだろうが、安全のためとして捕縛する流れは容易に想定できるし、それを逃れる為にこの場を離れる事も予想できた。
集会の指導者であるジェフロイと共にしているならば放置でいいと言われていたが、別行動を取りそうな時は接触するように言われている。
そして実際、駆け込んだ兵士の報告によれば銀髪の男の胸に飛び込んで行った>>389らしい。
言葉の意味に軽く首を傾げたが、瑣末との事で気にしなかった。それよりも報告する兵士に隊長の息がかかっている方が気にはしていた。関係は良くないのは自覚している。]
− シュビト中央広場外れ −
シュビトを離れるのは問題ない。
ただ、トマスを──
[同胞の名を告げる声がシメオンとハモって笑う。]
迎えに行かないとな、って。
あと、ウェントス族の服な。
[ライフル10挺は無理だろうなーと思っているけど、シメオンが自分用にというなら持ってゆくといいと思う。]
[先頭の騎馬隊は、その隊列を見るだけでも精兵と知れる。
その中に、ひときわ目立つ白銀の甲冑姿が見て取れた。
あれは、相手にするには少々やばい連中だと直感が告げる。
その後ろに続く兵たちは、騎馬隊たちよりは与しやすいだろう。
中に、どうも南方の貴族の兵が混ざっているように見えた。
なにやら先日、父のところに使者が来たとか噂の連中か。
まさか鎮圧軍に加わっているとは思わなかった。
けれど、日和見貴族のしそうなことだとは思う。]
― 中央広場へ続く大通り ―
[わあ、とまた別の喊声が起きた。
街の大通り沿い、建物の中に隠れていたものたちが
一斉に飛び出したのだ。
街の人々の恰好をしたものたちは、街を守れ、軍は帰れと声を上げながら
手に手に武器を持って、新しい軍に立ち向かっていく。
数はそれほど多くはない。
だが、街の人間が戦いに加わったと錯覚してくれればしめたもの。]
立ち上がった同朋を見捨てるな!
行くぞ!
[声を上げてそちらへ向かう。
直接指示が通っているのは周囲の100人ほどだが、
武器を持った民衆がつられて一緒に動く。//]
― シュビト中央広場外れ ―
[考えることは同じ>>426。
カナンと顔を見合わせ笑う]
よし決まり、先ずはトマスだな。
どこに居るんだ、学館か?
あ、勿論それも!
[場所を問いながら、示されたもう一つについてに思い当たり手を打った。
同朋の居場所が聞けたなら進路はそちらへ。
ここはカナンが道を知っているだろうからと、主導を渡す。
その後ろを黙した私兵が密かについて来た]
― シュビト近隣 ―
「シュビトが戦場になればいい。」
[ 姫巫女が心を痛めている頃>>402に前後して、スルジエの隊長はそう嘯いていた。
混乱が激しくなればなるほど潜入している者の生死の判別は難しくなる。混乱に乗じて、邪魔者を処分するには都合がいい。
自らつけた火に撒かれて死ぬ――それは彼にとって愉快な事だ。
鎮圧軍の主軍、王府から駆けつけた騎士団が動き始めた>>409という報告を斥候から受ければ]
「南方諸国の軍に伝令!!
出るぞ! スルジエの力を今こそ見せる時だ!!」
[ シュビトの治安維持を名目にして、シュビトに手勢百を駆け込ませる。王府軍に沿うように動きながら、実際はシュビトの主要重要拠点を警護の名目で押さえ込む事。
民衆や学徒達の安全ではなく、南方諸軍によって割り振られたシュゼトの重要拠点の確保を目指す。
だがその動きに前後して、遥か親政軍から先行して駆けつけるソマリ・フル・アレイゼル率いる集団>>412が近付いてきている事を知るよりもなかった。*]
― シュビト中央広場 ―
っと、そういや外交官殿は……
[既に居なくなっていた目立つ人影が消えているのに気付いてそっちを追うと、見えたのは>>390人混みに消える白と金。去り際のセリフは耳に届いていなかった。]
あらら行ったのか。残念。
[手伝ってくれれば楽だったのになーとか気楽に言って、精鋭として集めた20人を見回す。]
さて俺らはとりあえず脇固めつつ、向こう側から遊撃してくるような連中が居たらそっちの対応する。
あんまり人数差があるなら逃げるけどな。
後は熱に当てられて、暴徒化してる奴らがいたら取り押さえとく。
− ベルサリス学館 −
[以心伝心のシメオンを学館に連れて行く。]
ホントはおれが教師やってるところを見てもらいたかったぜ。
「人は教えているあいだ学んでいる」
短い教員生活だったが──忘れない。
[しばし後、三人に増えた異邦人は学舎を忍び出る。
カナンの部屋には簡潔な講師辞職届けと、ルディの名を記した三部咲きの鉢植えに「水やり頼む」のメモが残されていた。]
[戦いのさなか、友へと声を飛ばす]
ガート、そっちは順調か?
[声は、戦いのさなかにいるとは思えないほどに軽い調子のもの。]
実はさ、頼みがあるんだけどさ。
[こんな声の時ほど厄介なことを頼まれるのは、友はよく知っているだろう。]
無用に殺さなきゃその方がいいが、
殺さなくていい、って気でいるとこっちが殺られるからな。
十分過ぎるくらいの覚悟しとけ。
そこに悪いとか良いとかは無い。
殺るべき時に相手が居るから殺す、それだけだ。
ただ同時に、俺たちは殺戮集団じゃないって事も頭に入れとけ。
両立させるのは難しい事だ。
だがお前らの胸に確固とした理想が、夢が、希望があるなら成せることだ。
――俺たちは暴徒じゃない。
街の連中に手ぇ出すような奴には容赦しなくていいが、
武器を持たない奴と、投降した奴には手を出すなよ?
[一同の応と短い返事に軽い笑みを浮かべて。]
…じゃ、行くか。
[そうして中央で火花散らす脇を抜けるようにし、脇に逸れた所でぶつかりあう者らの援護に入る。数名は脇を抜け、各所に散った目となる物らと連絡をつなぐ役目も果たしながら*]
― シュビト中央広場 ―
……プルウィア、離れるな!
[弓弦の音にそれた意識を目の前に引き戻し、肩に捕まる真白に短く告げる。
手にしているのは、突きに特化した形の短剣。
両の手に一本ずつそれを携えた姿は、装いも相まって他者の目を引くか]
…………。
[呼吸を整える。
周囲の音は、少しだけ、遠い。
こんな形でこんな場所に立つなんて、初めてここに来た時には思いもしなかったな……なんて感傷めいた想いは、周囲の熱気と喧騒に飲まれて消える]
ここで、止まったら。
先なんて、見れるはずない……。
[そう、決意を固めるのと、新たな号>>429が響くはほぼ同時。
それに弾かれるように走り出した]
おー、今の所は順調だけど、何だ?
ってかすげぇ嫌な予感しかしないんだけどさ。
[この戦闘中においての軽い声にこちらはつい半目になりながら声を返した。]
―回想:5年前・ベルサリス学館―
[>>327声を掛けた用件は、剣の稽古だと思われたらしい。
軍に身を置く彼に稽古を付けて欲しい、と願い出た事は数度。
議論よりも其方への参加の方が積極的であった。
女は緩く首を振ると、用件を口にする。
>>328己の問い掛けに目を細め、嘆息する姿に緊張し、こくりと僅かに喉を鳴らす。
そうして静かに彼の言葉に耳を傾けた。
>>329‘日々発達はしているものの、自国の技術では結界は越えられない。’
重たい口で紡がれた言葉は事実として受け止める。]
…そう、ですよね。
[女は静かに目を伏せる。
実際にどれ程違うのかは分からないが、
結界を越えて攻め込む事が出来る者と正面からぶつかっても相手にならない可能性の方が高い。
何せ、結界を越えられぬこの国は相手よりも技術は劣っているのだから。]
[>>330そうした相手に対応するには地の利を生かし、相手の裏をかく事。
相手の行動を先読みし、対応出来るかにかかっている。
やはり必要なのは相手に関する情報、そして自国を守る兵士らの練度か。]
少数の兵で多数の兵に対応する戦法に似ていますね。
[騎士団での訓練を思い出して、ぽつりと漏らす。
まつろわぬ民が騎士団に対峙する様子がちらりと過り、苦い表情が浮かんだ。]
ですが、もし地の利のある人間と手を結んだ場合は――…
[其処まで言って、女は口を噤む。
内紛の可能性。
他の部族との対立だけでも火種は幾つか見える。]
さっき、カナンに振られちゃったんだけどさ。
できたら、なんとかして彼の居場所を掴んで、
守りを張り付けておきたいんだよ。
[去って行った相手のことだ。だいぶ無茶なのは承知の上。]
彼は、鍵だ。
彼が死んだら、俺たちは絶対にナミュールを開けなくなる。
だから、さ。
なんとか頼むよ。
……いえ、そうならぬように先ずは気を配らねばならないですね。
他国が攻め入ってきた時に自国が割れていれば、それこそ相手の思う壺というもの。
[ゆるりと首を振って、女は苦笑を浮かべる。
無意識に騎士団の視点で物を見た事を口にしている事には気付かない。]
ありがとうございます。
お引き止めしてしまって申し訳ありませんでした。
稽古はまた別の日に、また。
[言い終えてから頭を下げると、稽古の予定があるという講師を見送る事にした。*]
― シュビト市街 ―
[中央広場からは遠い市街に足を踏み入れた男は、厚手のフードに顔を隠す事を決めた]
やれやれ、野蛮な者には困ったものだ。
前を向けど後ろを向けど、貴族憎しの声とは。
愚か者め。
ナミュール王国の臣民を千年の間導き続けたのは誰だと心得る。
[中央広場でそれを口にすれば、高慢な物言いに民衆はたちまち激昂するだろう。
害なす者は斬れと命じたが、無闇に血を流させる事も流儀に反する。
だから男は顔と身形を隠した姿で、遠巻きに中央広場の騒乱をみやるのだ]
― ベルサリス学館前 ―
[カナン達一行の行方>>433を捜索の兵から知る事ができれば追った。その際、彼らの他に数名の私兵らしき者>>263が護衛についていると聞かされても顔色は変えない。]
( いない方がおかしいというものです。)
[ 但し、その人員は学館から遣わされている者では無いかと誤解をしていたが。
南部に置いてこれまでカナンの所在や言動は注視されていても、実際に北の王府で姫巫女に謁見した副使のその後の行方はろくに把握していなかった事から、そこからのオプティモの貴族の存在にまで繋がる事ができないでいたからであった。]
( ――これはまた一歩出遅れましたね。)
[ 学館でその姿を探している間に次の一報>>438が届けば軽く嘆息。追われている者の素早さを甘く見ていなかったかと自省しながら、後を追った。]
― ベルサリス学館 ―
[案内されたのは推測通りのベルサリス学館。
知識の宝庫に気が取られかけたが、そんな時間は無いと振り切ってトマスとの再会を喜ぶ]
よっく生きてたな!
ディックとロランも無事だぜ。
直ぐに会わせてやっから楽しみにしてな!
[トマスとも固い抱擁をして、ついでに両頬を摘んで引っ張ってやった。
お約束のじゃれ付きである]
良い経験したんだな。
お前の雄姿が見れなかったのは残念だが…お前のプラスになったなら何よりだ。
[カナンの教師姿>>433を見たかったとシメオンも思う。
けれどそれよりも、カナンが得たものが大きいと言うことがシメオンにとっても嬉しいものだった]
そうだな、それで良いと思う。
こっから脱出するとなるとどっちだ?
……ん、分かった、案内頼むわ。
[私兵に声をかけるカナン>>438に合わせ、退路の確認をして。
6人となった一団はシュビト脱出を図る]
[そうして駆けた先には、見覚えある兵の姿>>431が見受けられ]
……あれ、スルジエの!?
なんでいるの、あいつら!
[裏にある意図などは知る由ない身、口を突くのは素の疑問。
飛び出してはいても、積極的に刃振るう事はなく。
明らかに武器を持ち慣れていないとわかる者の補佐に徹していた。
根底にあるのは、命を奪う事への畏れだが、そこからは目を逸らしつつ。*]
− シュビト郊外 −
[あちこちに目撃情報が届けられてはいたが、それでも無事に脱出できたのは、カナンもまた軍人ゆえの冷静な対処による。
一行は混乱を背に街を抜け出し、その先でクレメンスと邂逅した。]
シメオンから話は聞いています、ラウド・レイ・クレメンス殿。
カナン・リリです。
こちらは、使節団のひとり、トマス・レセッタ。
同胞の救助に尽力してくださった上、今また支援をいただき、感謝する。
[ハグアプローチは形式的なものに留めて端正な挨拶をし、正式に庇護を依頼した。]
はー?ならお前もうちょっとしっかり捕まえとけよなー?
逃がした魚は大きいって言うだろ?
守り件見張りだろ。
[張り付けにはそう言いつつ頼みには頭を悩ませる。]
うーん…俺が行っても不味いし、誰かに頼むしかねぇが…まずは居場所探しだな。
心当たり…ってあったら聞いてねぇか。
― 自室・集会より少し前―
[懐かしい同僚からの手紙が届いたのは集会から少し前のこと。
刻印がユレ家個人からでも王府からのものでも、さして変わりはない。
細かいことなど気にする性質ではなかった]
アイツが手紙をくれるなんざ、いつ以来だったっけな。
[彼が学館を辞めた直後は何度か手紙を遣り取りしていたものだったが、それもいつの間にか途絶えていた。
久しぶりの手紙には何を書いているんだろうと嬉しく思いながら、長い長い手紙を読み始める。
やがて机に向かうとペンをとる]
『親愛なるアレクシスへ
北のほうはまだ寒いのか?
こっちは随分と暖かくなって過ごしやすいいい季節になってきたぜ。
学館も卒業したり新しく入学してきたヤツもいたりで、顔ぶれは変わってきちゃいるが、昔と同じように恙無く日々は流れている。
お前みたいに無謀な挑戦をしてくるヤツは今はいないけどな』
[書かれた文字に対して、隣にいて会話でもしているようにすらすらと文章を連ねてゆく]
自衛の為の強さ……。
[何度も読み返したその文字を音にして]
『自衛の為の強さは確かに必要だ。
だが、誰が何のために自衛をするのか。
民衆が暴徒化してナミュール国の正統なる支配者である巫女姫に刃を向けた時の自衛?
それとも、民衆を護るべき王府が日々力を増してゆく民衆に対してのものか?
どちらも自衛と呼べるなら、その為の強さとは巫女姫の為のものだけではなく、民衆の為にも存在すべきものだと思うぜ。
前者だけを意識するのならば。
オレは今、シュビトにはいないだろう』
[アレクシスの言い分も尤もではあると思うが、返答は単純にそれを肯定するものではなかった]
『っと悪い。
お前の言い分自体は間違っちゃいねぇとオレも思う。
そうだな。手紙を貰って久々にお前に逢いたくなった。
今度、休暇をとってそっちに寄らせてもらうか。
美味い酒を手土産に持って行ってやるから楽しみにしてろ
――Martin Baumann』
―シュビト中央広場付近―
[愛馬で広場に近付けば、その熱気は伝わって来る。
辿り着いた時、目を射られたステファンはどうなっていたか。
とても兵とは思えぬ者達が武器を握っている姿には兜の奥で舌打ちをする。
住民の避難は彼方此方で行われているようなので、街の人間全員がそうした態度を取っているわけではなさそうだと判じた。
集会で首謀者がどんな事を言ったかは町から離れていた女には知れぬ。
外つ国の大使が居合せた事は未だ知らず。
女は手綱を握り締め、腹に力を込める。]
聞け!我々は王国の騎士団である!
我々に剣を向ければ、貴君らを‘敵’とみなす。
その場合にはそれ相応の対応が返って来るものと思え。
我々の持っている武器は飾り物ではない。
――生き急ぐ心算がないなら、賢明な判断を期待する。
[牽制の言葉を掛けながら、兜から覗く枯色の瞳で周囲を見回した。*]
なんか、やたらに素早かったからさあ。
[ごめんごめん、と軽く言ってはみるものの、
正直、相当痛かった。]
残念ながら心当たりはない…な。
なんとか探し出したい、というかまずはそこからか。
[うーん、と唸る。]
― シュビト脱出中 ―
[一団の前後につき、警戒しながら先へと進む私兵達。
その後方についた一人が、ちら、と何度か振り返る。
確信を得ると、誰かが追って来ている>>444、とシメオンに密やかに伝えてくれた]
追手?
……の割りに殺気がねーな。
[シメオンの言葉に私兵も頷く。
密かに手を伸ばすのは、学館に寄った時に手に入れたライフル。
ただ、ここで威嚇発砲しても他の注意を引くだけの話]
(接触するのが目的なのかもしんねーが…)
[ここで足止めを食らうわけにもいかない。
そう考えてライフルに伸ばした手は戻し、クレメンスと合流することを優先した。
人が増えれば諦める可能性を考慮してのこと]
/*
どうしようかな、と思いましたが
さっくり殺してしまいました。
さようならステファン。
ちょっぴり遊んでしまったのは、
優等生な巫女姫だと色々ボケれないからです…(
/*
シルキーの往復で約半月発言をうけて、手紙が出されたのは一週間前くらいとして、徒歩で5日なら、手紙等はもう着いてるかなーって思ったんだけど、認識大丈夫だったかな。
― シュビト中央広場・現在 ―
[アレクシスに向けてそんな返事を出したのはつい昨日のことだったが]
これじゃ、とてもじゃねーけど当分いけそうもねぇな……。
[少し見通しが甘かったかもしれないな。と苦笑いがこみ上げた]
― シュビト郊外 ―
( ……これは……。)
[ 見つかる事>>459を恐れず急いだ事から、一行の姿を目で捉える事はできたが、そこで既に彼らに迎えの者がいた事>>449を見つけると、そのまま飛び出す機を逸したと思える。]
( 引き入れたのが何者か探るべきでしょうが…。)
[ 大々的に家紋でも晒していればそれで済んだが、内密に動いていれば目立つ証などないだろう。
判るのはとっくに先を越されていたという事だ。
様子から、昨日今日の手回しには見えなかった。
主は南方諸国が彼らに直接接触を取る事を阻止していた筈だが、裏をかかれていたのか、それとも姫巫女に傅く北の貴族の中に面従腹背が混ざっていたのか。
突き止めるべく追うか、このまま去るか逡巡する。]
/*
……最年少がお世話かけてます。
[わらうとこちがう]
ところでカナン、その鉢植え、って、具体的になに!?
春先に三分咲きで鉢植え……花木かどうかで、色々と変わるんだけど、それ!
[めもできいとけ]
ああ、せっかくですから櫓は残しておきましょう。
春の花も飾られて、嗚呼、なんとも美しいではありませんか。
[春の祭りが終わり、櫓も崩されようとしていたところにアレクシスは立っていた。
―――……良いではないですか。
花が咲けば、蝶は蜜を吸いに寄りますし。
蜂もその匂いに釣られてきます。
そしてその櫓は目立つ上に、花の
お前ってやつぁ。
[甘味を求めるカナンの声に、くっくっくっ、と可笑しげに笑う]
分かった分かった。
作るから、どれを持ってけば良いか選んでくれな。
( ええい――ままよ。)
そこに居るのは、マチュザレム共和国の一行か!
[ 意を決して飛び出す方を選んだ。迷った時は踏み出せ。そう教えられていた。]
自分はサシャ・ヘイズナイト。
嘗て貴国民であったテオドール・ヘイズナイトの嫡孫にして、漂流先の南ナミュール島東部・スルジエで三代に渡って世話になっている者であります。
貴国に対して、亡命を希望したい!!
[ 所持していた短剣を投げ捨て、両手を広げて近寄っていった。*]
[同じようにうーんと唸る。
取っ掛かりさえあれば調べる事は可能なのだがと、少ない情報を引っ張り出すように思い出しながら。]
…そういや北で巫女姫ともう謁見した仲間がいるんだっけ?
ならそっちと合流してるんだろうけど、そいつら何処で世話になってるんだかな。
[居るとしたらそこかねと呟きながら、意識はどう調べるか、誰を派遣するかの方にも向いていた。]
/*
フィオンはもう離脱の時間だよね。
遅くまでつき合わせていてすまない。
なんか、うまいことシーンを切れればいいんだけど。
― シュビト郊外 ―
[追手や探りを入れて来ているようなもの察知しながらも、シメオン達はシュビトの郊外まで何とか出て来れた。
この辺りは流石カナンと言ったところ。
冷静なる対処を可能としたのは、人の上に立つ資質を持ち得ることも起因しているのだろう]
いよぉ、おっさんさっきぶり。
会わせる約束果たしたぜ。
[演説前に話していたことを持ち出して笑いかける。
無事を喜ぶ声ではないのは、捕まることは無いと信じていたが故]
[ともあれ、思わずうたた寝をしてしまうほど気候に恵まれたのどかなシュビトの春だったが。
今、この地に響き渡るのは悲鳴と怒号とけたたましい足音。
鎮圧部隊と民衆がそこかしこでもみ合う景色だった]
とりあえず、大人しくさせりゃいいんだよな。
[鎮圧部隊の隊長がどこからか矢を受けて転げ落ちたのをしっかりと見届けながら、自分や周りの民衆に向かってくる鎮圧部隊がいれば、殴りつけて戦意を喪失させる積り]
そうそう、北で巫女姫に謁見した連中がいて
ん?
今日来たあいつがそれだとしたら、
その世話になってる北の誰かさんも来てるのか?
ああ、不良貴族、
……いや、まさかなぁ。
[別のことをしながらなので、思考はとりとめない。
具体的には、王国騎士団と正面から対峙中。]
― シュビト近郊 ―
ほう...
[ シメオンがカナンの元へ走るまでは予想済だったが、まさかこちらへ連れてくるとは流石に想像していなかった。
思った以上に信用されていたものだ、と、内心苦笑する心地だが ]
随分と手早いなシメオン。さすがの手際というべきか?
[ そんな内心は表に見せず、シメオンの言葉に軽く応じて>>466 ]
ご丁寧な挨拶痛み入る。遭難者の救助は人道上当然のこと、礼には及ばん。
[ 形式的とはいえ、ハグには一瞬、固まりかけたが、壇上でのクロードとの様子も見ていたから、こんなものか?と、果敢に軽く抱き返す仕草もしてみせる ]
― シュビト市街 ―
[男は騒乱の中心に飛び込む事はせず、市街を特別な目的なく歩きながら、手の者の報告を待ち続けていた]
… … 振り切られただと?
[やがて男の元に届けられる初めの報。異邦人らしき者達を捕捉したが、途中で敢え無く振り切られたと云う失敗の報に男は眉を顰めた>>438]
後程、演説時の報告を踏まえて聞かせてもらうが。
その金髪の男で間違いはないのだな?
[生地に歯を立てて、串から抜いたそれを噛み締めながら問う。
反乱を起こす学徒達に対して煽動したのがその者なのには違いない。
異邦人、王国の民を煽動する者、不穏、否、危険分子そのものだろう]
− シュビト郊外 −
[クレメンスの血筋については知らないものの、軽いハグの感触に懐かしさを覚える。
シメオンが世話になった相手だからかと合点した。
それから、クレメンスが用意した馬を見て、小さく頷く。>>465
乗馬の心得はある、と。]
まずは、貴殿の館──にいるのかな? 我が同胞たちとの再会を希望します。
それから、シュビトの情勢が少し落ち着いた頃を見計らって、王府へ開国交渉に赴きたい。
マチュザレム共和国大使の目的は、あくまでもナミュールの開国であり──
[そこへ、新たな出現者がある。>>463
亡命を希望する、と短剣を捨てた相手が示したのはこの国の者が往々にして躊躇う抱擁の求めに見えた。]
…潰すしかあるまいな。
我等が王国に害なす外敵は、焚き火にもならぬ不要の存在。
遅かれ速かれ潰さねば、ナミュールに害を齎す存在だ。
此れまで結界を越えて流れ着いてきた異邦人と同じ様に。
その知識の片隅まで貰い受けて、囲い込むか隠れてもらうか。
さて、近くクレメンス卿に問いただしてみる必要も出てきたかな…?
− シュビト郊外 −
[クレメンスの血筋については知らないものの、軽いハグの感触に懐かしさを覚える。
シメオンが世話になった相手だからかと合点した。
それから、クレメンスが用意した馬を見て、小さく頷く。>>465
乗馬の心得はある、と。]
まずは、貴殿の館──にいるのかな? 我が同胞たちとの再会を希望します。
それから、シュビトの情勢が少し落ち着いた頃を見計らって、王府へ開国交渉に赴きたい。
マチュザレム共和国大使の目的は、あくまでもナミュールの開国であり──
[そこへ、新たな出現者がある。>>464
亡命を希望する、と短剣を捨てた相手が示したのはこの国の者が往々にして躊躇う抱擁の求めに見えた。]
[野心も野望、そして謀略と暗躍も男は行うが、ひとつ。
それらは王国の為、或いはナミュール貴族たるアレイゼル家の利権の為だ。
更にもうひとつ串を加え、もちもちしたそれを舌で転がしながら]
これまれ通り、囲い込んで絞れば良い異邦の民草とは違う。
どうやら一筋縄ではいかん曲者の様だが。
…どうした、まだ報告があるのか?
…我等と同じく、何かを探る一群が紛れていた?
[続けられた報告。不明瞭だが、騒乱に乗じて何かを探ろうとする者が他にも存在している>>454]
街の外へと出る者、街中に散らばる者、そこで足跡は途切れたと。
そうか、ならば捨て置け。
今後を追うた所で間に合わん可能性も高い、後に調べれば事足りる。
[然し唯の、民衆の不満が爆発しただけ、そういう暴動では無さそうだ。
裏に潜む、暗躍の気配を薄幕の向こう側へ感じながらも、男はそこで報告を切り上げた]
… … …ふん。騒乱の最中で不謹慎ではあるが。
[そして最後。串に通された三つのそれは男の口に収まる]
…やはりシュビトの団子は舌に合う。
紅茶とはやはり合わんのは如何ともし難いがな。
何処かに、紅茶とも合う様な菓子は無い物か…。
[指に付着した団子のタレを舐め取りながら、中央広場を見遣る。
さて、報告をこのまま待ち続けるべきか、あの騒乱の周囲を探りに行くべきか]
──サシャ・ヘイズナイト、
思いがけない場所で、マチュザレムの民に会えたことを嬉しく思うよ。
亡命ではなく、帰国、ではないのかい?
[声穏やかに対応する。
とはいえ、戦の匂いのするこの大柄な赤毛とハグすることをシメオンが許すかどうか。]
シュビト郊外
ふふん、凄かろう。
[流石と言われて>>468胸を張る。
シメオン自身、カナンを連れて来れるかは賭けみたいなものだった。
一か八か、それに賭けて勝ったと言うだけのこと]
乗馬は大丈夫だよな。
[な、とカナン>>472に同意を求めた後、聞き慣れぬ声>>464が辺りに響いた]
― シュビト郊外 ―
ふふん、凄かろう。
[流石と言われて>>468胸を張る。
シメオン自身、カナンを連れて来れるかは賭けみたいなものだった。
一か八か、それに賭けて勝ったと言うだけのこと]
乗馬は大丈夫だよな。
[な、とカナン>>472に同意を求めた後、聞き慣れぬ声>>464が辺りに響いた]
[赤い瞳を瞬きながら、名乗り上げる様子を見遣った]
昔流れ着いたマチュザレム民の末裔?
[ナミュール民が外へと漂流するのと同様、マチュザレム民がこの国に流入することがあると言うのは、マチュザレムに流れ着いた者から聞いたことがある。
流出したナミュール民が故郷を求めるのと同様、流入したマチュザレム民が故郷を求めると言うのはあり得るだろう]
(しかし亡命と言われてもな)
[今すぐは無理だ、と思考は巡る。
この国を出るには、開国させて結界を解かせるより他無いのだ。
カナンへと視線を移す。
シメオンとしては、接触するための偽りの可能性もあるため、相手の言うことを容易には信じていないのだが、カナンはどうなのか]
―シュビト中央広場付近―
[怒号の中、女の言葉には多少なりと効果はあったようだ。
それは男の声に紛れぬ女の声であったからかもしれぬ。
たじろぐ人の波を分けて進み出でるのはクロード・ジェフロイ。
ちらと目配せをして、副官らを市内に入っていった将の捜索に当たらせ、耳を傾けた彼の弁にぴくりと眉を揺らす。
白銀の鎧に木賊色の外套は騎士団の身に許されたもの。
それ故に騎士団と他の兵らの装束には明確な違いがあるのだが――それを主張しても詮無き事。]
王都の軍は武器持たぬ民に剣を振るったりはしない。
我々騎士団には王都の、ナミュール国の治安を守る職務がある。
ステファン・オレイソン殿が貴君らの上げる声を聞いて異変ありと判断し、先走って突入したのでそれを抑えに来た。
しかし只の民衆の集いに軍が向かうとでも?
我々には貴君らがナミュール国に対して反乱を企てているらしいとの情報から、派兵の命が下されている。
[騎士団の名誉を傷つける言葉には僅かに怒気を忍ばせつつ、ステファンの独断専行であった事はさらりと告げる。]
何も含む事のない集会に何故武装している者がいる?
納得の出来る説明をして貰えるのならば、すぐさま兵を引こう。
[そう言っている間に>>458目を射られたステファンの死体が発見される。
簡単に検分された結果が齎されれば]
――…そのオレイソン殿が、弓で目を射られて死んでいるようだが。
これも貴君らとは一切関係のない者の仕業だと?
事実を歪めて判断する程、私は腐ってはいない心算だが。
私を納得させる回答を貴君は持っているだろうか。
[彼と議論を戦わせた事はない。
そう言った意味では今この時、初めて対峙したかもしれない。
将を殺されたという事実を冷静に受け止めつつ、ゆるりと首を傾げてみせた。**]
― シュビト近郊 ―
スルジエか...
[ 一見して、軍人と判る物腰、そして三代に渡り世話になっているという言葉...それを見てとれば、男には、相手がただの亡命希望者とは単純に思えない ]
『...尾けてきていたのは一人ではありません』
[ シメオンについていた私兵から、そっと耳打ちもされるが ]
どうするね?大使殿。
[ 男は敢えて、自らは詮議することなく、カナンへと話を振った。
彼が自身の立場と、状況をどう見ているのか、これはそれを試す絶好の機会だ ]
― シュビト郊外 ―
[ハグを求めるような相手の仕草にはカナン>>475の方に制止をかける]
さっきから追いかけて来てたのはアンタだな。
それを言うために追いかけて来たのかもしれないが……この状況で簡単には信じてやれねぇってのは理解してるよな?
[カナンが知らぬようなら、相手は王府軍としてこちらに来た可能性が高い。
警戒はどうしても付き纏う]
影の軍師 アレクシスは、栞を挟んだ。
/*
義孫苦手で(返しが下手で)すみませぬ、ですね。
悪いのは、先に手を出した王国軍。
しかし死体があるという疑惑。
― シュビト中央広場付近 ―
……?
[その存在に気づいたのは、駆け回って息が上がり始めた時。
こちらの動きに合わせ、支援するように動く者。>>460]
……なんで?
[特に顔見知り、というわけでもないと思う。
だからこそ、疑問の声は口を突いていたが、今はそれを問い質す暇もなく]
……ごめ……ちょっとだけ、休む。
[建物と建物の間に入り込み、壁に寄りかかる]
体力には、自信、あったんだけど、な。
[初めて接した環境に、自覚しているよりも消耗が激しい、という事にまで意識は回らず。
遠くない場所から聞こえる、クロードと騎士団を率いる者のやり取りに耳を傾けながら気を鎮める事に専念した。**]
これが帰国であるかは判りかねます。
[ 真っ直ぐな眼差しに目線を逸らさずにカナン>>475に答える。手を挙げた状態を内心でどう思われているかまではわからないでいたが。]
祖父にとってはそうでありましょうが、父も母もこの国しか知りません。無論サシャもそうでありますので。
この希望を受け入れられぬのであらばせめて祖父の遺骨>>0:108を、持ち帰っては頂けないかと。
[ 彼らのみ巫女の手によって結界の外に追い返される未来もある。そういう意味を込めつつ、純粋な亡命意図以外の思惑を推測する周囲の眼差しには、勤めて気にしない素振りを見せた。]
人質扱いでも構いませんが、スルジエやそれに与する勢力に対しての駆け引きや取引の道具として使えることは無いと明言しておきます。
[ そういう事で全くの無関係ではないとも示しつつ]
王府に対しての生贄で良ければ、承ります。
このままこの場で時間を費やしていれば望まずともそうなるでありましょうし。
ああ、せっかくですから櫓は残しておきましょう。
春の花も飾られて、嗚呼、なんとも美しいではありませんか。
[春の祭りが終わり、櫓も崩されようとしていたところにアレクシスは立っていた。
―――……良いではないですか。
花が咲けば、蝶は蜜を吸いに寄りますし。
蜂もその匂いに釣られてきます。
そしてその櫓は目立つ上に、大きな花の櫓は、兵を隠す影になります。
或いは、混乱した民衆の、良い目印になりますから。
[こうしていないとアレクシスは不安に押し潰されそうになるのも、また事実であった。
南の故郷では今まさに
/*
居候がどんどん増えて行く気しかしない...
どうしてこうなった...?
[かわいい子に目のない中の人のせいでは?]
− シュビト郊外 −
[ハグを制したシメオンの言葉とサシャの申し出を聞く。
正確にはカナンはセドナ国民であるのだが、マチュザレムに軍籍を置いているし、今はマチュザレムの大使としてここにいる。
ゆえに、その点について別段の訂正はしなかった。]
世話になった恩人に断りなく出奔を決めたのなら、それは”亡命”かもしれないな。
君がマチュザレムの子孫だという証のようなものがあれば示してくれるとありがたいが──
そうか、遺骨が。
今は一刻を争う。
おれは、君の身柄を預かることに否やはない。
国民としての資格を有する者に援助を求められれば、能う限り手を差し伸べるのが共和国政府の義務だ。
一端、落ち着いてから、君にとってどちらの国民として生きるのが幸せなのか相談しよう。
/*
亡命プランは追いかけている途中での思いつきなんだ。
なんかあれだったらめんご。
南方軍を隊長もろとも全滅させて、単身で王府軍に合流するかなと漠然と考えてたの… だってここヴェルザンディきそうだし(汗
──如何だろうか、
[敢えて名を呼ばずにクレメンスを見やる。
サシャの同行を許してくれるかと。
スルジエの名を口にした感じからは、そこの領主と係争中なので困る、という響きはないように思ったが。**]
― シュビト市街/中央から離れた箇所 ―
―――背中向けてる奴に刃向けてんじゃねーよ!
[中央から逸れた脇での小競り合い。
恐れを無し逃げた民兵を、逃げれば追いかけるのは道理で、逸れた者を追いかけて蹴り倒す。
中には戦いの熱気に当てられて、命を奪わんと刃を振りかざす者もおり、そういった者は容赦なく、なるべく率先して切り捨てた。
片刃についた血を、一振りして払う。
おお、と感嘆したような同胞の声には苦笑した。
あからさまに誇る物ではないとの自覚もあったからだ。]
…あっちこっち小競り合い、けっこうあるのな。
[血を払いながら周囲をみれば、戦火は方々に飛び火しているようで。]
あそうだ、この騒動に便乗して悪さしてる奴も出てくるかもしれない。
火事場泥棒ってのは何処にでもいるからな。
少し別れて、不審な奴らにも注意しとけって触れ回ってくれ。動くときは2人でな。
[一度集めた20人だったが、そうした伝言等に手を割いて今すぐ傍に居るのは数人に減っていた。]
ん?
[>>418ふと足運びの違う集団を見つけて視線を止める。
街の連中でもないが、その仕草や動きは兵士のそれに近い。
目に留まれば逃げるかと思ったが、向こうはこちらを注視しているようで。]
(用事があるのは俺って感じだな。)
[同志らの意識が自分から逸れる合間を見計らい、その集団の方へと近づいてゆく。]
俺に用でもあるのか?
[問いかけると丁寧な礼と、ソマリの名が出てきて表情は少し驚いた物になる。]
……お、おー。とりあえず返事。
『思ったより早い返事で驚いてる。
伝言は受け取った。
まずはこの騒乱を切り抜ける事に専念する事にする。』
[返答に取り次ぎの約束は明示しなかった。
どうせ必要があれば何方からとも連絡は届くだろうと再度の連絡もせずに。
集団から戻ると、こちらの不在に気付いた数人が何だと問うが、答えは濁した。]
……お、おー。とりあえず返事。
『思ったより早い返事で驚いてる。
伝言は受け取った。
まずはこの騒乱を切り抜ける事に専念する。』
[返答に取り次ぎの約束は明示しなかった。
どうせ必要があれば何方からとも連絡は届くだろうと再度の連絡もせずに。
集団から戻ると、こちらの不在に気付いた数人が何だと問うが、答えは濁した。]
ソマリ……
あからさまに怪しい伝言よこしてきたなオイ。
[従兄弟と顔を合わせたのは、北に戻ってから、成人するより少し前の事だった。
年が近いからであるのと、従兄弟である事から引きあわせられ、そして短くない付き合いの中での従兄弟への評価は『大体裏があるが一番に利を重視する貴族らしい貴族』だった。]
あいつ解りやすいから嫌いじゃないんだけどなー。
さーてどうするか。
[裏があるのにわかりやすいとはこれいかに、なのだが、裏がありその目的が利であると知って付き合うのなら、何となく思惑も読めて解りやすいと変な所は気がつく男だった。
だが馬鹿正直にジェフロイを連れて行って、暗殺されれば目も当てられない。
それもまたソマリにとって利のひとつでもあるのだから。]
…とはいえ、会わせたくはあるんだよな。
貴族側に耳を傾ける奴が居るに越したことはない。
[少し迷って―――とりあえず直接相談する事にした*]
/*
マチュザレム人の末裔とかね、まあ、おっさんの設定的には美味しいわけですよ。初恋のおねーさんがそうだった、という裏設定だからね。
しかし、いいのか、こんなに集まって...とも、思うわけで...まあいいか。(あ
お、心当たりあるのか?
[>>~12まさかなぁ、を拾って尋ね返す。
調べることが少ないのに越したことはないのだ。]
あるなら、そこ近辺に調べるから教えろ。
っても、まぁこれ終わった後だろうけどな。
[言うこっちはちょうど一人抹殺し終えた所だったか。]
…そういやその外交官たち、どうやって帰るつもりなんだろ?
また来るのかね、その飛行船って奴。
[どのみち安全に嵐の壁を通り抜けるには、それを取り払う必要がある。
つまり交渉が成功しない際には帰るに帰れないんじゃなかろうかと思い、首を傾げた。]
あともう一つ進展というか、問題というか…。
俺の従兄弟が、ここの騒動が無事に終わったらお前に会いたいって言ってきてる。
名はソマリ・フル・アレイゼル。アレイゼル領の領主だ。
ちなみに大体やる事に裏があって利があると知ればさっと動く、『ザ・貴族』って感じの奴だ。
[ざっくりした評価は結構雑なものだった。]
― シュビト近郊 ―
[ カナンの見せた対応は>>486ある意味予想のとおり、こちらの名を呼ばぬ気遣いには、密やかに笑みを刻む ]
まあ、亡命の是非はともかく、ここで長話という訳に行かないのは確かだな、まずはデ・モール火山に向かうとしよう。
ついでに温泉に浸かっていくのも悪く無い。
[ 領地まで連れ帰るとは明言せず、当面の同行だけには同意する、と、そう告げた。
一刻も早い帰領という当初の目論見からは外れるが、サシャが何事かを企んでいるのならば、それを見極めるには、時が必要だった ]
それでいいかね?シメオン。
[ 最後にわざわざシメオンに問いかけたのは、カナンの安全にも関わる事態であるためだ。彼の判断力を、男は...既に信頼していた ]
俺としては会って損は無い、とは思うんだが…。
何分裏がある奴だから素直にはいそうですかーって喜べないところ。
[どうする?と、判断を仰ぐように尋ねた*]
― 5年前のある日・ベルサリス学館 ―
…ん。此の学館の生徒の熱意は高い。
けれど一歩間違えばこれ、危険を伴うかもしれない―――ですね。
[その“声”で、独り言を呟くのが
学館でのキールの癖になっていた。
昔から使えた“声”だが、何せ届く相手が居ない。
つまりは決して聞き耳を立てられない心の声なのだ!と解釈していた。
神殿と違い、身分を隠して勉強している学館では色々と気が抜けない。
ゆえに、思考を吐露する此の捌け口は何かと便利だったのだ]
― シュビト郊外 ―
[カナンの問いかけへの返答>>484。
本人が出たいと言うのであれば十分な警戒は切らすことが出来ないが]
遺骨かぁ…。
[それだけでも、と言う願いは偽りだとしてもなかなか出せるものではないだろう。
警戒は完全には切らさない。
けれど、カナンの判断>>486に否を唱える理由は今のところ無い。
仮に偽りだったとしても、シメオンが気を許さなければ良いだけのこと]
― シュビト中央広場付近 ―
[逡巡の結果、男は後少しだけ騒乱の周囲へと近づく事を決めた。
勿論、フードで顔と身形を隠すだけでは、何時貴族の者と発覚するか知れない危険性は高いが、付近で王府軍との抗争や、その周囲で隠れ潜む何かがいればそれらを探すに越した事は無い]
…どうやら既に王府軍にも死者が出ている様だな。
…全く、愚か者め。
[軽く聴くとその言葉は暴徒に向けられた言葉にも思えるだろうが]
鎮圧するならば無為な問答など不要。
錬度不足な暴徒の大半など、有無問わず盾で押し込めば済む物を。
[既に死んだらしい兵を率いていた者は、余り有能で無かった様だ。
呆れと落胆を浮かべながら、中央広場を遠巻きに窺いながら、周囲の路地を渡り続けていると]
っ、 …あ、
――――、見つけ ました…
[まさか、ほんとうに、 いたんだ。
呆然とした面持ちで、吐息を零すように震える言葉を落とす。
それが、後に影の軍師と呼ばれるアレクシス・ユレとの
真なる出会い――…*]
ん、それで良いぜ。
ここでまごまごしてる方が危険だ。
[クレメンスの提案>>495にも否を唱える理由は無く。
ここから離れる方を優先した**]
[此処の路地は既に騒乱の中心、中央広場にもそう遠くない場所だ。
青年に近づく、フード姿の怪しげな男、何時見咎められてもおかしくはない]
体力尽きた暴徒など、自業自得だろう。
が、ここは騒乱に近すぎる。
無駄な戦闘に巻き込まれて血を増やすは得策でもない。
そこの。手でも貸してやれ。
[男は部下の者に命じ、壁に寄りかかる青年を、広場の遠くまで運ばせようとする。
風変わりな身形と、奇妙な生物、それらに何処の者か興味を覚えながら、その青年に鋭い三白眼の眼差しを注いでいた**]
/*
これ、アレクシスにもシュビトに来てもらうのが
正解だったのですかね…。
完全に身動きできない状態にさせてしまった気がして
心が痛い…。
シュビトを、早く撤退したいところ。
しかし温泉だと…。そこ拾いたいじゃないですか、どうしよう。
もういっそ呼び寄せる…?
ちょっとあれこれ考えましょう。あれこれ。
― 鍛冶職人ギルド・回想 ―
[クロードから示された日時。
予定通り、鍛冶職人ギルドで護身術の指導をしていた]
いいか。鎌や斧のような形状の道具は、前に突き出してやると小さな盾が突き出ているようだろ?
そうすると相手がもし武器を持っていた場合でも、そうしてやると防ぎやすいぞ。
それから攻撃する場合。
鎌なら通常の武器のように突くとか斬るよりは横に薙ぐようにしてやったほうがいいな。
元々鎌なんて薙ぐものだろ?
[などと使い方を解説しながら実際に実演させてみる]
とにかく間合いには気をつけろ!
本来こんなものは戦うための道具じゃねぇんだ。
その不利を補うためには、踏み込むべきところは踏み込む。引くべきところは引く。
その見極めが肝心だ!
こればっかは身体で覚えるしかねぇからな!
[自分自身もこのような道具で訓練をしたことはないが、
それでも男が一旦引き受けたことだ。
出来るだけクロードの期待に応えて動けるようにしてやろうと、その日集まった連中をしっかりとしごく]
改めまして、サシャ・ヘイズナイトです。
宜しくお願いいたします。
[ 同行を許可されれば軍人である所作を隠す事無く、礼を述べる。
馬に乗れるか問われれば>>469、全力で駆けるのでなく駆け足程度であればと答えた。
馬と共に駆ける方であっても全力で引き離す勢いでなければ自分はついていけるとも言っただろう。
彼女の経歴を調べれば祖父、父と続いてきたスルジエの隊長職を別の派閥である者に奪われ、軍部の中で不遇を託っている経緯ぐらいは簡単にわかる。
彼女が捜索に使っていた兵を優秀な者が詳しく調べれば混乱の最中に暗殺の危機>>431があった事も判ったかもしれない。]
/*
上手く人と絡めてないよなぁ……。いつものことだが。
起きた事象にたいして回収出来ないってのが正しいか。
― シュビト近郊 ―
では、行くか。
[ シメオンの同意を得れば、男は頷いて]
よろしく、ヘイズナイト。
[ 敬称をつけず姓を呼び捨てる口調は、男がそれに慣れた身分である事を彼女に知らせたろう ]
私のことは、そうだな、ご隠居とでも呼んでもらおうか。
[ 同行すると決めた時点で、実を言えば名乗ったところで問題はなくなっている。
サシャが、名を教える事の出来ぬ相手であると判断したなら、命を奪ってしまえばいいのだから。だが ]
「面白がってますね、
[ 呆れた口調で呟いた私兵の声に、男は愉しげな笑みを浮かべるだけで肯定の意に変えた ]
武器のことなら、これだけ大規模な集会だ。
血気盛んな連中も集まるから、自警団に来てもらっていた。
自警団だけじゃ人数足りないから、学生も警備に回っていた。
兵隊に攻撃されて泡食った誰かが、
予備の武器まで持ち出してきたんだろう。
[涼しい顔で詭弁を並べる。
少なくとも見かけ上は、嘘はついていない。]
俺たちが集まっていたのは、反乱のためなんかじゃない。
国に、俺たちの要望を聞いてもらいたいというだけだ。
嘆願とか請願の形じゃなく、要望をだ。
[集会の目的についても、堂々と唱えた。
こちらは自分の心情上も嘘ではない。]
[ サシャが一応は乗馬可能と聞けば、彼女にも馬を与える。
わざわざ接近しておいて、逃げるとは思えなかったから、そういった意味での心配はしていなかったが、その脇には腕の立つ私兵を一人張り付けることは怠らなかった ]
[ そして、三人の異郷の客人と、異邦人の子孫の一人を連れた不良貴族という、動乱期ならではと言っていいような一行は、馬を連ねて内に燃え滾る火を抱えた山へ...その麓に点在する温泉へと向かう ]
巫女姫様が来ているんだろう?
[不意に投げた言葉に、聞いていたものたちがざわめいた。
巫女姫の存在は、南島でも大きい。
来ている、とは知らなかったものたちが動揺するのを感じる。]
取り次いでもらいたい。
正式に俺たちの、シュビトの要望を伝えたい。
俺を捕縛なり処刑なりするのなら
シュビトは、南島は本当に反乱するしかなくなる。
ディム・ヴァイサネン。
あなたが今回の軍を任されていると見込んで、お願いする。
[思い出したその名を唇に乗せる。
呼びかけについた尊称は、騎士の女性へ対するもの。**]
うーむ、一番料理の美味い宿と、一番眺めのいい露天風呂の宿、どちらが良いかな...?
[ 道すがら馬上での男の悩みは、至極真剣そのものだった** ]
/*
村始める前に、最初のデモ集会で王府軍にとっ捕まったら面白そう!!!ってめっちゃキラキラ楽しく想像してて、村始まったころにその案を泣く泣くあきらめたのだけれども、ひょんなことから復活してきた感!
王府行っちゃうぞー。
捕まっちゃうぞー♪
(相手様にご迷惑だからやめなさい)
(という理由で却下したんだけどね)
― シュビト中央広場付近 ―
……う。
[危なっかしかったから、という評>>518には返す言葉もなく、呻くような声を上げる。
声を出す余裕も大分損なわれていたから……というのもあるのだが、それはそれとして]
うん……いろいろ、ありがと。
[周囲の安全を確かめ、場を離れる彼に小さくこう告げて壁に寄りかかる。
短剣は未だ抜いたままなのは不測の事態に備えるためだったが、すぐに振るうのは難しい。
幼い頃から山野を駆け、弓の鍛錬も続けてきたが、本格的な戦いの訓練とはやはり程遠い身。
それに重なる、もう一つの要素に小さく息を漏らした時、白の小猿が警戒するように短く鳴いた]
……???
だ……誰?
[聞こえた声>>506には、と視線を向けたなら、目に入るのは分厚いフードで身形を隠した人物]
……なんか、凄い怪しいんだけど……。
[見た瞬間の印象がそのまま零れ落ちる。
言ってから、あ、と思ったものの、既に遅しと諦めて]
あ、え、と。
[フードの人物の指示を受けた者が近づいてくる。
どうしようか、と悩みつつ、ともあれ、振るう事も厳しくなってきた短剣は、鞘に収めた]
歩く、くらいは、できる、から。
[抱えて運ばれる、という事態は個人的に避けたい、どうしても避けたい。
そんな思いからの主張の後、重い息を吐く。
広場の流れがどこに向かうにせよ、こんな所で息を上げているようでは邪魔にしかならない。
そんな一抹の悔しさを感じながらも、その場から下げられる事には抗わなかった、のだが]
…………。
[こちらに向けられる鋭い視線に、感じるのは戸惑い。
己が出で立ちが他者に奇異の念や興味を抱かせる、というのはわかっているつもりでもつい抜け落ちるもので]
あの、えと。
何か、ついてたり、する、のかな?
[零れたのは、どこかずれた問いかけ。
なお、上着の刺繍の意匠は一部、北島の森に住まう民と同じものが用いられている。
それと気づけば、出自に思い至るは容易い事。**]
…一応俺は王府軍側に所属している人間だからな。
どうだったかと感想を聞かれると答えづらいものがあるが、
クロードは以前にも増して貫禄が出たようには見えるな。
[演説はどうだったかと聞かれれば、
少し苦笑しつつも、学館で見かけた彼を思い浮かべれば、
元より人目を引きつける風格ような何かがあるように見えたが、
更にそれが一段と強まっていた気がする。
思想がどうであれ、
知っている人間が成長する様は頼もしく思えた。
そんな感想を漏らせば、辺りが段々と騒がしくなってきたようで、
中央のクロードの方へと向かう彼の背中>>378を、
去り際にかけられた言葉には何も返事をすることなく、見送った。**]
/*
やっと…体調がマシになってきた気がします。
良かった…。
この状況、やはりアレクシスには来て頂きましょう。
で、温泉の魁側の対応をお願いする。
その間にこちらは地側との対応を進める。
ジェフロイが言っていますが、面会は、ですよねー。
寧ろ会う為に出向いたというのもありますし。
序盤か終盤でないと、お会いする機会って
難しいかなと思ったもので。
中盤は戦闘でしょうし…。
[シメオンが安易なハグを制したのも、サシャの申し出に警戒しているのも間違っていないという思いを伝える。
そして、疑惑は残してもカナンの判断に異を挟まず、見知らぬ相手の前で不用意な不仲を見せてつけ込まれるような事態にしなかったこと、
また、その黙認が決して「どうなっても知らなねーぞ」ではなく、「何かあった場合でも自分が対処する」という決意のもとになされたのだろうことも嬉しく思った。]
確かに、この亡命希望は微妙なタイミングだと言える。
ただ、他にもサシャのように亡命を考えている者たちがいれば──その勢力をまとめることができれば、結界を解いてほしいという”声”のひとつになるかもしれないな。
それに気づくことができた点で、この出会いは我々にとって利のあることだったと思う。
我々には、もっと多勢の開国同意者が必要だ。
──おまえと二人だけで片付く仕事ならゆったりできるんだけどな、 シメオン。
[まったりスイーツ談義もしてられない、と最後は短く苦笑を洩らした。]
[預けてもいい、とサシャが示したのでカナンはそのまま拳銃を預かっておくことにする。]
預かり証が必要であれば、後ほど、彼から受け取ってくれ。
ああ──、申し遅れた、
おれはマチュザレムから派遣された大使カナン・リリ、こちらは副使のシメオン・オリオールだ。
[簡潔に名乗り、一行の目的地はデ・モール火山山麓の温泉地、と告げる「ご隠居」の指示に従って鞍上の人となった。]
− デ・モール火山方面へ −
温泉宿に泊まるのですね、 とても楽しみです。
酒と料理と──甘いものが美味いなら、なお。
[移動中、宿について悩みを呟くクレメンスへと馬を寄せて話しかける。>>517
もっとも、それは話しかける切っ掛けに過ぎない。
轡を並べて、前を向いたまま、カナンは声を落した。]
ここまでの手配、
ご隠居殿は、シュビトの民主化集会を妨害すべく王府軍が投入されることを知っていらしたようだ。
貴殿は──クロード・ジェフロイが王府の介入を見越して…あるいは、誘いすらして、民衆の煽動に利用しようとしていたことも把握しておられましたか?
『いえいえ。シュビトでは自警団の方々が良くやっているので、わざわざ人手をお貸しいただくようなことはありません。自分の街は自分たちで守るという気概にあふれた住民が多いですから、よその方とは折り合いが難しいかもしれません。……ああそうですか?そこまで仰られるなら、人員では混乱の元になりますので、武具の援助をお願いしたい。資材でも構いません。出来上がった武具の一部はそちらに納入もできるでしょう。職人組合の方を紹介しますよ。』
[様々な勢力の干渉から知の府たる学館の自治を守り抜いてきた館長は、言葉を並べ立てて相手を煙に巻き、むやみな言質を与えることはしなかった。]
― 決起集会の時 ―
[南方諸侯とのかような交渉の顛末は商人組合や職人組合、そして自警団のものたちにもそれとなく伝えられていた。
王府軍の突入とともに街へ入り込んだ南方諸侯の軍>>431は、最初は学生主導の集団に阻まれた。>>447
だがやがて、街の治安を守ろうと奔走する自警団と本格的にぶつかることとなる。
自警団のメンバーは、マーティンら>>509 学館のメンバーに指導を受けた職人たちが中心であった。
日頃から手に馴染んでいる大金槌や斧を振り上げて気勢を上げる。
『街は俺たちが守る!』『王府の手先は帰れ!』
混沌とした戦況と、フライパンを手にした女性までが戦いに加わるような圧倒的人数差を前に、スルジエの精兵たちはその実力を発揮することもできずに打ちのめされ、撤退を余儀なくされることとなる。**]
― シュビト近郊 ―
[サシャ・ヘイズナイト。
名乗られたもの>>510を頭の中で反芻する。
警戒を切らさぬ証として、よろしくと返すことはしなかった。
シメオンの名はカナン>>530から告げられたため、目礼のみ返す]
[気を張りすぎだと言われるかと思ったが、カナンはシメオンの判断を認めてくれた。
カナンに向ける信と、有事の際には自分が対処するという自負。
それを根底にした行動は全てカナンを想ってのこと]
亡命を考える者達か…。
確かにそいつらを纏め上げられたなら、開かせる材料としては足る。
ただ、声を大きくしただけでは王府も動かねぇだろうな。
開国に於いて王府が懸念してる問題も解決しねぇと。
開国同意者なぁ……。
[脳裏に浮かぶのは集会を起こした者達、だが。
どうにも、自分達と向かう方向が違うようにも思う。
首謀者の心の裡を知らない今は、並べる相手とはあまり思えなかった]
んっとになぁ。
俺らだけで出来るなら、こんなに慌しくならねーのに。
あ、でもよ。
この後行く温泉ぐらいはゆったりしようぜ。
英気を養うってことでよ。
んで、スイーツ責めに使う菓子のピックアップしようぜ!
[きっとその後は慌しい時間ばかりになるだろうから。
束の間の休息は満喫しようと誘いかけた]
― デ・モール火山方面へ ―
[その後、クレメンス達と同じく馬上の人となり、道知る者の後を追う形で馬を進めた。
カナンはクレメンスへと話しかけている>>531。
その邪魔はしないように傍を歩むに留め、シメオン自身は周囲の警戒に回った。
時折、赤い瞳はサシャへも向く]
……ヘイズナイト、アンタの主ってのはどんな奴だ?
[名で呼ばぬのも警戒の証。
スルジエと聞いてもその領主がどんな人物なのかは知る由も無い。
分からなければ聞いてしまえと、どストレートに問いを投げた*]
あー……
ちらっと見かけただけだから見間違いかもしれないけどさ、
覚えてるか?
うちに時々来てた、クレメンスおじさん。
確か、会ったことあったよな?
あの人が、いた気がするんだよ。
使節団と関わってるかはわからないし、
そもそもほんとにいたかどうかもわかんないけどさ。
相談くらいは乗ってくれそうじゃないか?
[10年ほど前にクレメンスが家名を継いでから父との交渉も無くなったようだとは知っていたが、とりあえずその名を上げる。]
外交官連中は、
本国の方がよほど力を入れてるんだとしたら
また飛行船で来るかもしれないな。
でも俺が心配してるのは、
外交官が帰らなかったら、それを口実に武力攻撃仕掛けてくる方だよ。
[怖い予想を口に出してから、軽い調子で付け加える。]
外交官も失敗したら帰れなくなるかもしれないことは覚悟の上じゃないかな。
ほら、歴史でもよくあるだろ。
使者ってのは、交渉に応じないって返答代わりに首切られたりするし。
[やっぱ物騒な話だった。]
[アレイゼル領の領主からの要請には、間をおかず頷く。]
会おう。
裏を警戒してても話は進まない。
協力できる相手なら、顔合わせして損はないし。
そうそう。
このあと、巫女姫と会う話になるかもしれない。
てか、今そんな話してる。
[こちらの玉を投げるのも唐突だった。]
[シュビトの大通りで騎士団と対峙する傍ら、
時折意識が別のところへ飛ぶ。
"クレメンスのおじさん"が時々家に来ていたころ、
ガートも一緒に遊んでたっけ?とか頭の隅で考えつつ。**]
/*
サシャには申し訳ないけど、PCが関係してこないNPCどうしのやりとりってあんまりやる気が起きなくって(´・ω・`)
あと、南方諸侯への対応にだいぶ悩む。
NPCだから好き放題してもいいかなとも思うけどサシャが動かしてるからあまり変なことはできない、けどそもそもサシャが動かすような立場にない(南方諸侯に対してサシャというPCがほとんど影響力を持っていない)ので、なんかこう、どうしたらいいのかわからない感漂う。
― 南島入り後 ―
[ソマリが兵を率いて親征軍を去ったのと前後するように、
巫女姫がシュビトに投げていた偵察兵からも、
ソマリに届いたのと同様の報告>>350がもたらされる。
しばらくして、第二報。
其れはシュビトでの衝突が始まったことを告げる内容だった]
…、鎮圧部隊が突入。
狂熱に浮かされた民の皆様が武器を手に反抗しており、
対処には困難を極めている、……ですか。
また学徒を唆したとされる異国の徒は、
混乱に紛れて姿を消した――――と。
[彼女の知る異国の徒は、首都で出会った銀髪の持ち主。
彼らが合流しているとまでは知り得ていないけれど、
同郷の仲間であれば、遠からず出会っているだろうという予測はつく。
しかも、シメオンにシュビト行きを促したのは、他ならぬ巫女姫自身でもあるのだから]
…その意匠、私は古代の森で似た装いの人間と何度も刃を交えた事がある。
[ひとまずの安全を確信できる程度まで下がると、男は青年に向き直る。
白金の髪や三白眼を隠すフードを脱ぐと、唯の民衆より気品ある顔つきが現れる]
お前。先住民族、いや、まつろわぬ民の人間か。
大方、暴徒共と利害が一致し、反王府活動に身を投じたという所か。
千年物の間、実にご苦労な事だ。が。
…まずはお前のそのサルを宥めてくれないか?でなければ…
庇護者は、……オプティモ近郊を治める
クレメンス卿、でしたね。
[シメオンとの会話を反駁しながら、
記憶の片側に、かの貴族の情報を展開する。
若い頃に結界を越えんと外洋を目指した、無謀とも呼べる人。
その領地は広大な保養地を抱え、
ナミュールでも有数の財力を持つ貴族だ]
外の国への関心があり、
儲け話への感度も高い卿から見れば、
マチュザレム共和国の使節団は、
さぞ魅力的に映りましょう。
[シュビトからオプティモ近郊に戻るのであれば、
必ず通るのがデ・モール火山。
その麓には数を連ねる温泉宿。
ナミュール観光名所のひとつだが、旅行者でない彼等が
どこまでのんびりしていくかは分からない、が]
…私の護衛が、サルにトラウマを植えつけられそうでな…
[青年へ手を貸そうとし、警戒心むき出しのサルの爪で顔をめちゃくちゃにされる光景が、男が示したそこにあった。
その出で立ちや高慢な言葉遣い、護衛、それらで出自を推測する材料はあるだろう*]
とはいえ、……使節団の方々が
反政府運動に味方をするのは厄介です。
[シュビトの集会が此処まで熱狂的なものになってしまったのは、
おそらく彼等の存在が大きいだろうゆえに。
そして、――――彼等のもたらす技術力への、危惧もある]
…。放っておく訳には、参りませんね。
[思案するように、しばし宵藍を細めて]
――――、アレクシス。
おそらく、ですが、……マチュザレム共和国の方々が、
シュビトでの集会に一枚噛んでおりました。
学徒側と何処まで結託したか、仔細は分かりません。
けれどこのまま捨て置くのは危険でしょう。
彼等は、シュビトを離れ――…
デ・モール火山を越えてオプティモ近郊のクレメンス領に
戻る可能性が高いです。
ですから貴方に、その道中を抑えて頂きたいのです。
彼等との接触をお図りください。
開国への同意は出来ないお話ですし、
こちらに組させる必要はありません。
けれど、正統ではない反政府組織に力を貸すなど
国家を代表する人間が、最初になさる態度でしょうかと
真っ当な理由を片手に、彼等を責めることは可能でしょう。
ブラバンドから此方までは、どうぞ海路をお使いください。
行程に掛かる時間もだいぶ削れましょう。
私は、シュビトの動乱を抑える為、尽力いたします。
ですから、外の国の方々への対応は、
…――貴方を頼りにしていますよ。アレクシス。
「開国に於いて王府が懸念してる問題」──ああ、確かに。
[シメオンの指摘になるほど、と頷く。]
その不安を払拭してやることができなければ、結果的に力押ししたことになる。不満の種が残るだろう。
それは、将来の禍根になりかねないから、できれば納得して開国してもらいたいものだ。
せっかく、おまえが物知りなご隠居と引き合わせてくれたんだ。
温泉に浸かりながら、王府の攻略ポイントについて相談をもちかけてみようと思う。
[ひと仕事を終えて、…ふ、と一息つく]
追いつけると、宜しいのですけれどね。
[外洋に出る必要はないが、
海に囲まれた島国にとって、船は便利な代物である。
特に北島と南島が分断されていた時代は、
物資の運送に、貨物用の船が大活躍していた。
首都ブラバンドは、街の南部に規模の大きな湾を持つ。
外海の荒れた波から守られている此の入り江は、
物資の消費量の多い首都の傍ということもあり、
貨物船が多く係留されている場所でもある]
あとは、お任せいたしましょう。
[陸路では5日の長旅も、海路ならば――――と**]
ちなみに、おれが王府へ親書を届けに行く間、おまえにはまた別件で動いてもらおうと思っているんだ。
ドルマール神殿に納められているという”結界の宝珠”
それが実在するのか、どんなものなのか──例えば、大きさや、動かせるのか、結界の維持には動力が必要なのか等──を調査してきて欲しいんだが…頼めるか。
他に、おまえが独自にやりたいことがあるならそっちを優先してもらって構わないけど、
そういう学術的な調査は、どうしたっておまえのアプローチの方が秀れているからな。
[どうだろう、と意見を求めた。]
おまえが警戒してるもう一人──
クロードの件だけど、しばらくは放っておいても大丈夫だとおれは思っている。
いや、むしろ放っておこう。
焦らしてやるんだ。
開国は彼にとって単なるスローガンではない。
彼は本当にこの国の未来を考えていた。
開国しなければナミュールは制圧されると理知的に判断している。
ゆえに、おれたちがシュビトを離れ王府との交渉を始めても暗殺など仕掛けてはこないと思う。
おれは交渉の窓口だし、おれを殺したりしたら次の交渉人は武力でくると身構えてはいるだろう。
次は彼の方から、国交を結びたいと言わせよう。
その方が、有利な立場で交渉ができる。
[王府と学館と、どちらがマチュザレムにとって益となる勢力か。
まだ選ぶ段階ではない──と自分の考えを伝えた。]
/*
動きづらそうだったので、投げてみました。
命令ではないので、自由に動いて頂いて構わないのですけれど。
あれだ、真面目なことばかりしていると
息抜きしたくなる…(
緑で気の抜けた回想を投げたくなりますね。
その前に、スカウトした過去回想も投げたいんです、が(それ息抜き違う)
お、遠くに見えるあの白い煙、火山かな、温泉かな?
ご隠居の話によると、けっこう広いらしいぞ。
一緒に入って、背中流しっこしようぜ。
スイーツも楽しみにしてる♪
[束の間の休息であっても大事にしたい。
自分を喜ばせようとしてくれるシメオンの好意に、喜んで乗っかった。
風呂でもスキンシップ好きなカナンである。
ちなみに、マチュザレムでは公衆浴場は腰タオル巻いて入るが、ナミュールの慣習は知らず。]
− デ・モール火山方面へ −
[後ろでサシャと会話>>536──というより尋問か? あまり和やかな雰囲気は伝わってこない──をしているシメオンをチラと見やり、]
ご隠居殿、
新たに増えた
申し訳ない。
あの者の出自について調査するには自分の手勢は限られている、貴殿に任せたいと考えています。
調査結果を共有する代わりに、貴殿が確保しているマチュザレムの”積み荷”のロックを解除しましょう──それで如何。
お互いに未知のものを手に入れられる。
ワクワクしませんか?
[悪戯っ児めいた目配せをしてクレメンスに提案ひとつ。**]
― 道中 ―
[ カナンが拳銃の数字や文字が打ち込まれていた箇所を確かめる様子>>529に、確かめる術がそこにあったのだろうと漠然と思う。海が近い土地にいたこともあって、遺品の中でも取り扱いには慎重を期していたものでもあった。名前は知っていたが、改めて名乗り>>530>>535を受ければ深々と頭を下げた。]
リリ大使様にオリオール副使様ですね。
このような不躾な願いに対する機会を設けて頂き感謝致します。
こちらは"御隠居殿"、ですね。
[ 飄々とした一筋縄ではいきそうにない商人風の装束の男>>511に対して、馬を借りる礼を述べながら頷いた。様にするか殿にするか少し迷ったが、こちらが迷うほど相手が気にするとも思えなかった。
彼がある程度の財力と権力に馴れている素振りを受けたが、その正体を知ろうとはこの場ではしなかった。
ゆえに彼が自分が伝聞でのみ知っている嘗て国の外を目指した者>>0:109であるという事にまだ気づく事はない。]
[ カナンは「断りなく出奔を決めた」という言葉を口にした。表情を変えた心算は無いが、探るべき問いとして当然の問いであっただろうと思う。だからこそこのまま監視下に置かれる事>>515にも異存は無い。
些細ながら自分が聞き耳を立てていると思われぬ警戒も込めて、馬上の人となったカナンとクレメンスとの会話>>531が届き難い最後尾に近い位置に馬をつけた。]
スルジエ領主は一見するならば、八方美人でありましょうか。
此度の機会に対して、恐らく"全ての陣営"に対して誼を結ぼうとしております。
[ 距離を置いた自分に対して馬を寄せてきた副使の男からの問いかけ>>536に答える。全てに例外はない。上手く行く行かないなど関係なく、人を出しているだろう。]
答えられる事はお答えしますが、人の心を窺い知る事などできません。
自分よりも賢く、視野の広い者が相手ならば尚更です。
ですので問いによっては、サシャの拙い推測でしかないものも存在します。
[ スルジエの領主は南方諸侯の盟主に近い存在でありながら、他の南の諸侯と異なって現状維持でも困らない事>>331を話す。
海運によってシュビトやブラバンドと継続的な交易手段があり、物流も南部ではシュビトに次いで盛んであり、南方他領のように山岳ばかりで困窮している訳ではなく、せいぜい北の貴族達、官僚貴族らに対して発言権が劣っている事に不満がある程度だと話す。]
だからと言って企てには参加しないというのは、南方諸侯の盟主の立場から有り得ないようです。
[ 自らその座を捨てるようなものだからと、学館の蜂起に対して経済的援助に加えて軍事協力を図っている話を続ける。そして企てが失敗に終わったとしても、シュビトがブラバンドから目の敵にされる事で、スルジエは今までより厳しい目に晒される程度だと見ている判断と共に。ゆえにどこか終始煮え切らない動きを続ける理由であるとした。]
シュビトに兵を向けながらも、その兵を自ら率いる事はしておりません。
いざとなれば
[ どういう顛末>>532>>533>>534になっていたも、その場に直面する者達――彼の駒が苦労するだけで、主自信は恐らくは構わないのではないかと口にした。]
……因みにこの国の甘味の原料の一つである
北部と違って、麦や米の栽培はあまり適していない土地ですので。
[ 重い話だけで終わるのもどうかと思い、大使達の好みは知らなかったが、甘い物ぐらいはこれまで饗された機会はあるだろうと思い、そんな話を付け加えた。*]
/*
……なんかまた難易度高い任務が赤に見えた気がするぞ。
中身分かって言っているよね王子?[何かが降臨した]
影の軍師 アレクシスは、栞を挟んだ。
― 首都ブラバンド:王府軍基地 ―
ああ、せっかくですから櫓は残しておきましょう。
春の花も飾られて、嗚呼、なんとも美しいではありませんか。
[春の祭りが終わり、櫓も崩されようとしていたところにアレクシスは立っていた。]
―――……良いではないですか。
花が咲けば、蝶は蜜を吸いに寄りますし。
蜂もその匂いに釣られてきます。
そしてその櫓は目立つ上に、大きな花の櫓は、兵を隠す影になります。
或いは、混乱した民衆の、良い目印になりますから。
[こうしていないとアレクシスは不安に押し潰されそうになるのも、また事実であった。南の故郷では、今まさに敬愛せし巫女姫が先陣切って戦っているというのに。自分は呑気に城下町見物ときたものだ。否、そういう訳ではないのだけれども。
政治家どものご機嫌取りを図りつつ、民衆の士気も落とさず。
且つ、来るべき戦いに備えようだなんて。アレクシスと言えど、幾ら身体があっても足りない。しかも、]
『本当に戦争なんて起きるんですかねぇ……』
[北の民の一部はまだ内戦に疑心暗鬼ときたものだ。全く、呑気なものである。つい先日、我等の巫女姫が南下したというのに。
南の民が見れば、鼻で笑うに違いない。これでは負ける。
或いは、まだ何処か信じたくないのかもしれない。
悠久の時を護りし巫女姫がその座を喪う日を。
いや、
――――させるものか。
アレクシスは穏やかな口調のまま、然し、有無を言わせぬような強い口調で、]
備えあれば憂いなし。
最悪、首都がブラバンドからシュビドに変わる日もあるかもしれませんよ。
[半ば脅し文句のようなそれを告げ。防戦に備える。
然し、それだけでは足りぬ。まだ――――……]
『アレクシス様!大変です!』
[兵の一人が慌てた様子でアレクシスに耳打ちする。
刹那、アレクシスの細い目が、大きく見開き、]
何ッ!―――――……ステファン・オレイソンが…
[>>1:458 優秀な将を喪った事を知る。思わず声が震える。
32の若さにして、親征軍一隊の将を勤める有能な男であった。
年が近いこともあって、何度か彼と飲み交わしたこともあったが……]
………ブラバンドの周りの城壁を高くしておきなさい。
あと、櫓を増強しておくこと。
全ての櫓に見張りの兵を置く必要はございません。
一部はフェイクに使います。
[立ち止まってはいられない。
戦友の一人の死を嘆いているようでは。
大切な人は―――――守れない。*]
そーゆーこったな。
攻略ポイントの一つはもう見えてる。
前に、おっさんが「暴風壁を力を以て超えようとしてはならない」って言ってたのを伝えたろ?
そん時に、「結界を失えば、この国は外の世界より襲い掛かる嵐に荒らされる」ってぇ懸念してたんだ。
実際、自力で護る力が無けりゃ、開国にゃあ踏み切れんだろ。
そこをどうカバーしてやるか。
マチュザレムの庇護下にするって手はあるが、これはきっと是としない。
プライド高そうだったからな。
それ以外で自衛のための何か、を見出さなきゃならねぇ。
ただ──その点に関しては学館の連中の方がしっかり見据えてる気はしたな。
[先の集会は王府により易々と鎮圧される可能性も見ていた。
けれどどうだ、彼らはシメオンがカナンを取り戻す時間を得るくらいには手段を持ち、鎮圧軍を押し退けている。
一人一人が自衛する手段を身につけていた証拠だ]
ま、自衛と言っても武力的なことばかりじゃねぇ。
外界を知り、交渉術を磨く。
これも自衛の一つだ。
何かしら突破口はあると思う。
別件?
……そりゃまた難しそうな。
でも興味があるのもまた事実だ。
誰かに聞くか、直接訪れてみるか…。
門前払いの可能性もあるが、やるだけやってみよう。
ドルマール神殿へ行くことになったら、ついでだから太古の森に行ってみようと思う。
あそこには先住民も居ると聞く。
伐採問題があるなら、現地の者に状況を聞くのも手だからな。
[向けられた提案には是を、そこから派生して思いついた行動予定をカナンへと告げた]
[集会の首謀者───クロードのことがカナンを通してある程度理解出来てくる]
へぇ、アイツがねぇ…。
なるほど、だからあんなにもしっかりシュビトの民が鎮圧軍に対抗出来てたのか。
先を見据えていなけりゃ、あんな風に民を練兵なんて出来ねぇ。
了解だ。
学館の連中には現状働きかけは無し。
ただし、向こうの動向は注視しておく。
こんなところか?
[学館への対処にも同意しながら、現状の方向性を確認した]
おっ。
あの位置なら火山じゃねーか?
広いならゆっくり出来そうだな。
よしきた、背中流しなら任せとけー。
[カナンの喜ぶ声にシメオンの気持ちも弾む。
尚、ナミュールの公衆浴場での慣習は当然知る由も無い]
-少し前:シュビド南下中>>=7-
…………ッ、いえ。
ただの庶民である私が、こうして巫女姫の声を聴く事が出来る。
それだけで………
[少し高鳴る胸を静めつつ、深呼吸をしながら、]
本当に、
――――……本当に幸せなのですよ。
[確かな想いを、敬愛せし人に伝える。
良くも悪くも杓子定規で、どこか冷徹で、そして計算高い軍師アレクシス。
目的の為なら、どんな汚い事にも手を染めてきた。
けれども、この緑の世界では、少しだけ昔出会った時のような。
教師であり、庶民であり、あのシュビドの青空の煌めきを携えたような。
そんな一青年、アレクシス・ユレに戻ってしまうことも。
――――……時には、許して欲しい。]
[そして巫女姫、否、シルキー・の回答は百点満点だった。
ただのお飾りの人形姫では無い事は、その聡明な答えからもよく解る。
>>=11>>=12>>=13 しかし、その答えは、]
………間違っては、いません。
間違ってはおりません。……完璧な答えです。
―――――……然し、
[唇を舐め、答えをおずおずと告げる。
嗚呼、本当は私は貴女に人形姫であって欲しいのだ。
聡明な貴女も勿論素晴らしい。さすが姫王の器を持つ御方。
然しその聡明さゆえに―――――……]
― デ・モール火山方面へ ―
[問いを一つ投げかけたところ、サシャの知る限りを答えてもらえるに至った。
八方美人>>548、それを可能とする知恵は回るということ>>549、保身のためには他の犠牲を厭わないこと>>550。
サシャの推測がほとんどとは言え、傍からはそう見えている、と言うことにはなるだろう]
負けぬ戦を展開する狡賢い知将ってとこか。
自身の保身もしっかりしてるとは恐れ入る。
だが、そんな方法がそう上手く行くものかな。
[全ての陣営に対して誼を結ぶ。
それは詰まりどこかには裏切り者として映ると言うこと。
それぞれと繋がっていることが他に漏れなければ、可能と言えるかもしれないが]
しかし甘味の原料を作ってんのか。
どれ程の質を持ってるんかな。
[最初こそ小馬鹿にした態度だったが、名産の話になると真面目な表情になる。
甘味を好むカナンに対し、シメオンは甘味を作る材料に拘る男だった*]
私は―――……
私は―――……
貴女に行って欲しくは……無かった。
[なんて、なんて、儚く見えるのだろう。*]
― デ・モール火山方面へ ―
スルジエ領主のどちらでも構わないと言うスタンスは柔軟のように見えるが、そこに自分の利があることが前提にあるはずだ。
利が無い立場になれば、どう動くかな。
[その可能性は皆無では無いはずだ。
話を聞く限りでは、そこを考えられていない印象を受ける。
尤も、聞いたのがサシャの推測であるため、実際は何か算段がある可能性もあるが]
ま、敵にも味方にも成り得る蝙蝠、って認識しておこう。
特産的には仲良くなりたいところだが、領主を見る限りはお友達にはなりたく無いね。
[そう締め括り、けらりと笑う]
一つの問いからそれだけ明かすってことは、アンタもスルジエ領主が不利になっても何ら関係ない、と思ってる、ってことで合ってるか?
三代に渡り世話になった恩義があるなら、推測であれもう少し隠しそうなものだ。
[どうなんだ?と再度サシャに問う*]
―首都ブラバンド港:オプティモを目指して―
――――……では私はそろそろ行きます。
[コバルトブルーの海が朝日を受けて煌めき。
ナミュールの港に、爽やかな潮風を運ぶ。
影のような黒い髪が風に靡き、それを手で抑えながら、見送る兵に一言告げる。]
大体の手筈はお伝えした通りです。
あとは私が居なくても大丈夫でしょう。
……その位、死守しなさい。
いずれ巫女姫も戻られるでしょうから、その時は手厚く迎えて差し上げなさい。
長旅と、激しい戦いで体力を消耗しておられる。
人目に付かない地下通路などを使って、城にお連れしなさい。
そして、何かあれば、その箱を開けなさい。
……もうお分かりですよね?
[そう言って、伝令蜂を入れた小箱を手渡し。
アレクシスは小隊と共に、船へと乗る。]
[目指すはオプティモ近郊。クレメンス領。
巫女姫のお言葉によると、シュビドの決起集会はただの学徒の集まりではなかったそうだ。
マチュザレム共和国大使カナン・リリや、その副官シメオン・オリオールも目撃されており、どうやら一枚噛んでいる可能性が高いとのこと。
このまま野放しにしておくと、最悪、彼等が同盟を組む恐れもある。
ただの学徒の集まりだけならば、か弱い蝿の集まりにしか過ぎない。
しかし武器をもたせ、外部の知識を備えた日には――――……
蝿は虻と化す。
また、領主であるラウド・レイ・クレメンスが学徒側に着けば、オプティモ一体が敵地へと変わる。
そうなれば、距離的にもブラバンドへ一気に攻めやすくなり、王府側にとって非常に不利な状況となる。
そうなる前に、手を、打たなければ。]
………――――出航!
[汽笛を鳴らしながら、ゆっくりと船は出航する。
ウミネコが切なそうな声を上げて、見送る。*]
巫女姫――――……
至極、聡明でいらっしゃる。
その判断も間違いでは無いでしょう。
[>>=18 潮風を受けながら、アレクシスは声に問う。
もし反応があれば、おおよそブラバンドで自分が為したこと。
そしてそれらを終え、指示通りオプティモに向かっている事を告げただろう。]
然し、巫女姫――――……
[躊躇うように視線は彷徨う。
然し、届けられるのは声だけ。
視界は相変わらずの青で。
愛しい金糸は当然見とめられるはずもなく。]
貴女は、ブラバンドへお戻りなさい。
シュビドの動乱?
貴女一人で抑えられる訳ないでしょう。
貴女がどのような御立場なのか
―――――……もう少し、自覚をお持ちなさい。
[冷たく、然しどこか狂信的なまでの言葉で、物申した。]
/*
ライフルの試射のところ描写しとこうかなと思ったが、世界設定に合わせて調べようとして四苦八苦……(つまり正確なところがよくわからん)
―シュビト中央広場付近―
[>>512女とジェフロイが言葉を交わす間も広場周辺で騎士団と民衆の睨み合いは続く。
周囲の熱気は一旦の収まりを見せるのを肌で感じ取る。
しかし遠くでは戦闘の気配を感じていた。
恐らくは騎士団に続いて侵入した地方の貴族の部隊だろう。
王府からの命で武装していない民への攻撃は禁じられている。
彼方に主力の兵がいるのだろうか。
けれどそれにしては――聊か騒がし過ぎるような気がした。]
……。
[言外に告げられた、ステファンの死亡に女は口を噤む。
ろくに状況も知らないまま、特攻する形となった将が既に死亡している可能性は大いにある。
但し、眼前の彼が直接手に掛けたのではないだろう。
誰かを殺めた後に凪いでいられる程の経験は彼らにはないだろうから。]
[己の経験則からそんな見立てをした頃に耳に飛び込んできた訃報。
>>513ジェフロイの心中は察しようがないが、己の問い掛けに応じる彼にじっと枯色の瞳を向ける。
その真贋を見定めようとするかのように。
それは、彼らの側がステファンを害した事を認める内容。
けれど誰が行ったかについては把握していないという。]
貴君らの側が彼に手を下した。
――その事は否定しないのだな。
[誰がオレイソンを殺したかを彼が実際に把握しているかについては半々で見る。
言質を取るように問いを重ねた。]
[「攻略ポイントの一つはもう見えてる」と告げたシメオンへ、軽い驚きと傾聴。]
自衛への不安…
相手の立場にたって考えれば、そうか。
今まで国内の治安維持にだけ集中していればよかったのが、海外も、となると王府の実質的な負担は倍増ですまないものな。
[思慮が足りてなかった、と感嘆を伝える。]
そこがクリアされれば、開国のハードルを下げることに繋がるな。
[ナミュールを安心させ、かつマチュザレムの不利益にならない方法を思案しておかなくては。
ひとつ宿題だ。]
/*
現在で戦っててもいいのだが、王府軍ががっつり手を出してるってわけではなさそうなのだよな。捕縛が目的くらいで。
今のところはまだ相手が手を出さなければ、戦わないのスタンスだなぁ。
[続いて武器の装備についての弁には、ふ、と僅かに笑気を漏らす。]
興奮した者を抑える為に武器を備えさせていた、と。
貴君らは同胞を抑える為に「落ち着け」と声を掛けるのではなく、その命を奪うのか?
一体どのような話をするのやら。
[抑えるだけであれば、他にも道具がある筈。
大仰な武器は必要ない。
そも暴動が起きる可能性のある集会など、学生の行う弁論大会の類ではなかろう。
――と、暗に問う。]
オレイソン殿がこの街に入っていったのはつい先刻の事。
兵の攻撃に驚いたとしても、随分と準備がいい事だな?
[涼やかな視線に籠る温度を下げて、その内容を頭から信じる心算はない意志を示す。]
…国に要望?
[嘆願でも請願でもないという。
まるで国と対等の立場であるかのようなその言葉には僅かに瞠目して。
けれどこの男らしいといえばらしい。
兜の奥に隠れた口の端を僅かに上げた。
ベルサリス学館は>>146年も立場も身分も関係なく、誰だって思いっきり議論していい場所だ、と。
彼は数年前に言っていた。
ジェフロイはそれを信じて疑っておらず、また実際その通りだった。
女が離れた後も、その気風は変わらなかったのだろう。
――変わらなかったからこそ、今のこの状況に繋がっている。]
――…っ…
[巫女姫がいるのだろう、と不意に投げられた言葉。
彼の周囲がざわめくのと同じように、女の枯色には驚きが混じる。
後続の軍が来る可能性は予測できたとしても、巫女姫が来る可能性は何処で耳に入れたのかと。
けれどそれは束の間の事。
すぐに目を眇め]
…よもや巫女姫に此処までおいで頂く為に今回の集会を開いたのではないだろうな?
[その言葉には鋭い刃のような色が混じる。
しかも己の正体を知った上で、巫女姫に取り次げと言う。]
確かに。
貴君を今此処で不穏分子として処分すれば、我々も無事にこの街を出る事は出来んかもしれないな。
[彼らは戦闘には慣れていなさそうだが、地の利がある。
如何に鍛え上げられた騎士団といえど、この街の住民全てに囲まれればただでは済むまい。
完全に敵と認識していない以上、民衆に武器を向ける事は心情的に出来ない。
思案しながら、ちらと彼の周囲の者に視線を走らせる。]
[こちらからの依頼──”宝珠”の調査については、]
うん、いきなり神殿に向かうと言ったら警戒されることもあるだろうし、太古の森を目指している、と言った方が邪魔されずに済むかも。
おまえの言う先住民に、マチュザレムの技術で問題解決の手だてを提供してやれたら、我々の味方になってくれる可能性もあるな。
ああ、おまえと話していると、アイデアがどんどん広がる。
愉しいな。
[学生時代に教授陣に悪戯を仕掛けたときのような笑いを響かせる。]
学館の動向に注意を払う件も了解。
確かに、完全放置しておくにはコワい連中だ。
──これからも、おれの至らぬ点、補佐を頼む。
――とはいえ、民を無為に失うのは、巫女姫の望みではないだろう。
…親征軍はもうじきシュビトに到着する筈だ。
けれど巫女姫がお会いになる心算がなければ、私が貴君を連れて行っても引き合わせる事は無理だろう。
[巫女姫の姿は遠くから見るのみ。
けれど当代の巫女姫は民にも心を砕き、理解しようとしている。
それは伝え聞く情報からでも知る事が出来た。
故に申し出た場合、彼女が断る可能性は低そうだと、そう思っている。
受諾した場合はそれをどういった形にするかが問題である。主に王府への説明や警備などの問題で。]
先ずは親征軍と連絡を取る。
その話はそれからだ。
[とはいえ、話も聞かないとするのでは彼らも収まるまい。
ジェフロイが頷くのであれば、部下に伝令を出させようと。**]
/*
女の子4人でした!
ONSEN!!
サシャさん迷ってたんですよね。
一人称名前の男の子でもおいしいと思っていたなど。
フィオン以外の女の子可愛いです( *´艸`)
今回こそは可愛い枠からは外れるぞ。
― デ・モール火山方面へ ―
[やがて馬上の人となり、火山を目指して進み始めた一行を、途中、後から馬を調達してきた私兵達が、次々に追いつき、追い越していく。
彼等は先行しつつ街道の様子を探り、目指す火山の麓への露払いの役目を努める者達だった。
その幾人かに、男は宿の手配を頼んだりもしたのだが]
温泉に、良い酒と美味い料理は欠かせんからな。甘いものか、大使殿は温泉饅頭は食べたことがあるかな?
あれはなかなかいいぞ。シメオンの作るプディングには勝てんが。
[近付いてきたカナンの言葉に>>531愉しげに応じた男は、声を潜めて続けられた話に、目を細めた]
私が王府の動きを知っていたと?いやいやとんでもない。何も知らなかったとも!
[嘘ではない。男がベルサリス学館の当代館長と嘗て交流があったことは、譜代の貴族達には周知の事実。それ故に、所領の位置と保有兵力から言えば有り得ぬ話だが、今回の鎮圧軍への派兵要請は男の元には為されなかった。
むしろ、いかに男を蚊帳の外に置くかを腐心した一部官僚貴族達の努力は涙ぐましかったほどだ]
だが、シュビトの街の熱気は、北にも充分すぎる程に伝わっていたからな、何か面白いことが起こりそうだ、と、そう思って見物の用意を怠らなかっただけだ。私は、面白いことは見逃したくない性質でね。
[笑み含んで連ねられる言葉は、カナンにどのような心証を抱かせたか。しかし、その笑みは、クロード・ジェフロイの名が耳に届くと同時に、一瞬、男の面から掻き消える]
なるほど、では、大使殿はご存知なかった、ということか。
[問いに対する答えではなく、その問いかけそのものが、カナンのあの演説が、民衆に火を着ける扇動者としての自覚を持って為されたのではないことを示す事を確認する言葉を漏らして、男は小さく頷く]
いや、むしろこれを狙っていたのか。
[だが、彼の言葉、そして待っていたかというように、
予め準備されていた武器で鎮圧兵へと向かう民衆を見れば、
むしろジェフロイはこれすらを予期して、
王府に対する絶好のアピールに利用したのだろう。
こうなれば、もう話し合いでは済まないだろうし、
更に状況が激化する恐れがある。]
― デ・モール火山方面へ ―
[あくまで正式に王府との外交樹立と説得を目指そうとしていると見えたシメオンと、クロードに協力して王府へ反旗を翻すことを助長しているかのように見えたカナンとの間にあった印象のズレが、男の内で漸く補正されていた]
あの子は昔から、賢すぎる子だった。
[続いて紡がれた言葉は、柔らかな笑みと共にどこか懐かしむような声で]
父親に似たのが身の不運だろうな。先が見えすぎて、時の流れが彼の思いに着いて行けない。それを埋めるために更に知恵をつけ、周囲をも巻き込んで目指す先へと急ごうとする。
[それを是とするかどうかの評価はせぬままに、くすくす、と忍び笑った。脳裏に過ったのは、いつも真っ先に巻き込まれていた
大使殿も巻き込まれたクチとは、お気の毒なこと、と言えば良かろうかな?
[実際、あの場で民衆の前に立ち、その熱気を煽る当事者と認識されたことは、カナンのこの先の立場を相当に危うくする筈だったが、この場では揶揄うような台詞に紛らせる]
/*
レオンハルト
マーティン
ローレル
シュテラ
ちょいwマーティンさん引いた上に予備が女子じゃないですか。
んん、出来れば男性が良いのです。
ソマリさん避けてレトくん。君に決めた!
[武器準備に関して、相手が信じないのは当然のことだった。
ここは建前を立てただけのところ。]
困ったことに、この街では
そこらへんのおっちゃんでも結構腕が立ってね。
騎士さんも、鍛冶屋のおっちゃんが大金槌持って暴れてたら、
言葉で落ち着かせよう、なんて気は起きないだろ?
[あえての軽い口調。]
[巫女姫親征の事実を知った経緯については、
笑みを浮かべただけで、口にはしない。
ただの物見遊山で風花祭に行ったわけではない。]
まさか。
巫女姫様直々の親征があると思うわけもない。
集会したと言うだけでシュビトを武力制圧する気かと驚いたさ。
巫女姫様がそんなむごいことを考えるわけはないから、
誰か、唆した人間がいるのかもしれないけど。
[本気か軽口かを韜晦する顔で、巫女姫呼寄せは否定する。]
ありがたい。そうしてくれると助かる。
[連絡を取るとの言には、素直に謝意を表した。]
あと、できたら街の外まで兵を下げてもらえないか?
今、ちょっと街の人間の気が立っていて、
王府の兵と見ると無駄な乱闘が起きかねない。
お互い、それじゃ困るだろう?
街の治安回復は自警団が頑張ってくれている。
ここは、街の人間に任せてくれ。
[言葉こそは気軽なものだが、視線に鋭さが加わっていた//]
― デ・モール火山方面へ ―
[サシャとシメオンの様子には、気付いていたが、そこも敢えて触らずにおく。必要あれば、シメオンの方から伝えるか問いを投げてくるだろうと思っていた]
負担と厭うくらいなら、そもそも大使殿を連れ帰ろうとも思わんさ。
[そのサシャについてのカナンの申し分にも>>546やはり軽く応じて]
サシャ・ヘイズナイトの出自については調べをすでに始めている。
[彼女を同行すると決めた瞬間に、その調査を命ずる鳩は飛んでいた]
貴国との関わりも深いことだ、調査結果を共有することに異論はないが…あの積み荷を?
[最後に申し出られた交換条件にはさすがに驚きの表情を浮かべる]
― デ・モール火山方面へ ―
大使殿、意味が判って言っているかね?
[未知の技術、未知の文物、それは確かに魅力的な、あまりにも魅力的な交換条件だ。だが、その中には未知の武器もおそらく含まれる…
使い方を知らねば…知ったとしても使いこなせるだけの腕を持たねば、それは役にたたぬかもしれない。
だが、男の手にそれが渡ることそのものが、恐らくは脅威、と他者に感じさせるだろう。
そう考えたからこそ、壊れた積み荷から出て来た武器らしきもののことをシメオンにも尋ねず、サシャの差し出した銃にも、無関心を装ったのだが]
― デ・モール火山方面へ ―
[たとえ知ったとしても、温泉行きを曲げるつもりは、露程も無く…やがて、ご隠居一行は、火山の麓へと到達する*]
――――……ふぅ、船旅とは懐かしいですね。
[少年時代の頃を思いだし、ふと、アレクシスは微笑んだ。
海洋学の第一人者であった父に乗せられて、よくシュビドの海を探検したものだ。海なんかより自分は虫が居る森や、山、沼の方が好きだったのだけれども。ウミネコの声を聴き、イルカが跳ねるのを見やれば、やはり心躍ったものだ。
もう久しく、シュビドには戻っていない。今頃、巫女姫は、学館の皆と争っているのだろうか。
かつては同じ門戸で学んだ者同士だというのに―――――]
皮肉なものですねぇ。……ねぇ、マーティン?
[>>1:451 手紙を読みながら、そんな風に同僚に問いかける。
彼がブラバンドに来るのは果たしていつになるのだろう。
その時には、文の通り、酒を飲みながら昔を語る事が出来るのか。
それとも、敵同士の、腹の探り合いになっているのか。]
っふふ、彼がブラバンドに来る前に話がつくと良いですねぇ。
[風で乱れる髪を掻き上げ、水平線の向こうを眺める。*]
― シュビト中央広場・現在 ―
[シュビトの街は鎮圧部隊の援護をすべく突入してきた騎士団>>409や、スルジエ軍>>431、更には民衆に紛れた貴族の私兵>>268、>>417等入り乱れ、騒然としている。
その中でもシュビトを制圧すべく動くスルジエ軍が、一番激しく動きまわり、結果として自身が戦うのもスルジエ軍が相手ということになる。
戦闘が激しいところへ向かえば、そこは自らが訓練した自警団>>534が威勢よく声を上げていた]
ははっ、なかなか教えたとおりに出来てるんじゃねーか。
[にんまりしながら最前線に躍り出て、兵士の剣を振り下ろした剣をさっと掻い潜ると懐に飛び込んで、腹に一発きついのをお見舞いしてやる]
/*
村が始まった当初は、ここで巫女姫に会うのは諦めてたし、
最初から大軍同士のぶつかり合いをする気でいました。はい。
ただちょっと予想外にというか予想通りにというか、
集会→本格決起→戦闘と推移させる時間が無くて、これはちょっとまともに戦争できないので(兵力差的に)、絡め手に走るよ。
サシャが自主的に此処に居るのではなく、スルシエの主の内命を受けていたとしてもスルジエの主は、このサシャがスルジエの主の事を隠そうとも語ろうとも気にしないと思われます。
サシャには隠す理由がありません。
そしてスルシエの主もサシャがどうであろうとも気にしないと思われます。
先ほどの言で言うのならば、今の状況を知ればサシャという存在もまた共和国、それに与する勢力に対する誼になったと思い、過去の経緯など気にせず平然とこちらとの繋ぎを頼み込む事を厭う事は無いかと。
[ 恩義という言葉>>558に込めた意味と眼差しを平然と受け止めながら、軽く首を横に振るようにして答えた。]
今のサシャにはスルジエに居場所がないという事情もあります。
共和国への思い入れ、願望という面では弱い動機でありましょうが。
( サシャと隊長の件も、恐らくは……。)
[ 対立を裏で煽ったのはスルジエの主なのだろう。それぐらいは当たり前のようにする。*]
( ただ、これはサシャの憶測でありますが……
スルジエの主は副使様の言う利>>557には左程、関心はないのではないかと。)
[ ジェフロイ達の運動がどうなろうとも。姫巫女達がどうなっていこうとも。南方諸国がどういう扱いに落ち着こうとも。開国しようがしまいが、誰が生きようと死のうと、一切合財どうでもいい。自分の企ても例外ではなく、火遊びをする事が目的であって結果を欲していない。手に入れられればそれで良く、入れられなければそれでも良い。
それらは彼が漏らしたような普通一般に思う何かを求めての行動というよりも、自分が相応しい役割を仕方なく勤めているような、そんな割に合わないことをしているように見える事があった。]
( 結局のところ、全てがどうでもいいのではないかと。)
[ 自ら考案し、事を起こす全てに対して楽しんですら居ない。義務のような顔をして。*]
/*
前哨戦がシームレスで本隊同士の決戦に発展するのは、るがるシリーズで何度も見てきたことだったんだけど、今回はちょっとそれに対応できるだけの地盤がこっちにできてなかった。
というか、まだ本隊が出来上がってないw
プロローグでがんばってはみたんだけどね。
数万人の民衆がこの集会で決起した!とかやった方が良かったかなぁ。
でも、なんかあまりにご都合主義っぽくてできなかった。
やればよかった、と後悔はするけど、
いきなり数万の民衆とか出したらおかしいもんなぁ。
街の人口どれだけよ、とかいう気にもなる。
1万くらいならなんとか、という気もするけど、
同数の民兵じゃ、正規兵相手には不足もいいところだ。
/*
巫女姫親征軍を相手にするときの戦いにくさもちょっと甘く見てたな。
だって、あれだけのカリスマだよ?
民衆なんか、見ただけで戦いを止めそうな感じだ。
そもそも、巫女姫は殺せないとクロード自身も思ってるしね。
もちろん、巫女姫が悪いわけじゃない。
あの立ち位置はPCにいてしかるべきだし、
そもそも巫女姫親征はかっこいい。
こっちの見込みが甘かったというか、つい雰囲気にのまれてしまったんだよね。
なので、これもちと方針を変える。
一番の解決策は、外の国々に対抗しうる地力をつけることだが…。
どこまで地力をつければ足るか、その目安が先ず必要になるな。
地力をつけるための技術的支援は可能なんじゃないか?
ただ、これには時間がかかるのが難点かな。
強いて言うなら、国一体となっての団結力か。
[セドナにも少なからず政治的、利権的な闇はある。
けれど、厳しい土地を生き抜くには手を取り合う必要があった。
そんな土地に住むが故の団結力はある]
そうだな、太古の森に行くことを主体として”宝珠”の調査のカムフラージュにした方が動きやすそうだ。
けどなぁ…先住民ってのは得てして流入者・異人を警戒する傾向がある。
誰か繋ぎになってくれる人が居ると動きやすいんだが……誰か心当たりはあるか?
門戸広い学館でそんな奴居なかったかね。
[話せば話すほど、アイディアや疑問、その解決策が浮き出てくる。
愉しいと漏らすカナンと同様、シメオンも愉しさを感じていた]
ふふん、相性が良い証拠だな。
俺も愉しくてしょうがねぇ。
[カナンの笑いに学生時代が蘇ってくる。
補佐を頼むと続く声には、いつにも増して真面目な声が返った]
― シュビト市街 ―
[やっぱり言ったらまずかったかなー、なんて事は漂う空気>>539から感じつつ、でも思っちゃったんだから仕方ないじゃないか! という主張は、頑張って心の奥に止めておいた]
……おばちゃんたち、無茶してなきゃいいけど。
[聞こえる喧騒>>534の中に覚えあるもの、ここ二年で馴染んだものを幾つか捉えて零れるのは小さな言葉。
とはいえ、そちらへ行ける状況でないのは自覚しているから。
今は、促されるままに安全圏へと移動する事を選択していた]
[落ち着いた場所で、向けられた言葉。>>541
それに、自然と居住まいを正す]
……古代の森……同じ意匠……。
[それが何を意味するかは、わかる。
北と南に別れて以降、互いに触れる事もなかった同胞──古き在り方を望む者たち。
つまりは、この人物は古き同胞の住まう地を束ねる者か、と思い至った所で]
……え?
[そういや、いつからか肩が軽かった。
なんて、ちょっとだけ現実逃避したくなったがさすがにそれはダメだろう]
あ……ご、ごめん……!
プルウィア、平気!
大丈夫だから、おいで!
[護衛の男に果敢な攻撃を仕掛ける白の小猿>>543を呼んで、手を差し伸べる。
小猿はまだ警戒を崩す様子はないものの、重ねて名を呼ぶ事で手へと戻って来た。
その小さな身体を、両腕で抱え込むようにして頭を撫でつつ。
改めて、フードを落としたひとを、見た]
[白金の髪に、ごく自然に漂う気品。
洗練された、という表現がす、と浮かぶ姿は貴族、という言葉を容易く導き出す]
……確かに、オレは、古き民。
南の山に住まう風、ウェントゥスの一族の者。
[最初に告げるのは、自身の出自]
北の森の同胞は、色々、そっちと対立してるみたい、だけど。
オレたち南の山の民は、王府と対立とかはしてない。
[今の所は、という言葉は、飲み込む。
対立の要素や因子は積み重なり、今回の事でどう流れが動くかはいまだ未知数だけれど]
オレは、外を学びたいから、ここにいる。
そんだけ。
[口にするのは、今現在の偽りない事実のみ。*]
[度々工廠へと見物しに来ていた貴族の姿を見れば、
深々と頭を下げて挨拶をする。]
えぇ、今日は何やら軍の様子が慌ただしかったので少し様子を見に。
万が一ここで何かあれば、家族にも害が及びかねないですし。
今は大事な時期ですからね。
そういえば、クレメンス殿は何用で?
付き添いの者は今は一緒ではないみたいですが。
[こんな所に一人で来る人物ではないだろう。
大方外の世界から来た彼らの持つ情報や技術が狙いか。
――尤も、既に外から来た外交官と既に見知った仲で、
ここまで一緒に来たとは知らなかったが。]
[やがて勢いに押されはじめたのか、スルジエ軍は撤退をはじめた]
『やったぞ!』『俺たちの力を見たか』
[敵を追い払うことが出来た喜びを自警団の面々は口々にする]
おっと、追うなよ。オレらはならず者ってわけじゃねーんだ。
お前らの力は、お前らの街と自由を護る為にある力だ。
今、アイツラを追っ払えてちったぁ気分いいだろ。
だがその力に決して溺れんじゃねーぞ。
力を持つってこたぁ、心も強くあらねばならねぇ。
それをぜってぇ忘れんな!
[その彼らに向かってそう口にした。
クロードに導けるのか?なんて言った以上、こういうところはしっかりと引き締めないといけない。
そういいつつも、この小さな勝利が自信になって彼らはもっと強くなってくれるだろうと考えていた]
/*
い・き・ぎ・れしまくっておりま、す...(ぱた
(死ぬまでにやることフラグ)
・サシャと話す
・温泉に入る
・温泉卵と温泉饅頭と温泉プリン(何
・アレクシスと腹黒合戦する(え
・ソマリ氏と腹g(以下省略
・ジェフロイと話す
・ヴェルザンディを弄る
まず遺言状を作り始めよう...(あれ?
[まだ自分が物心ついて間もない時のことだっただろうか。
二人の若者が小舟で結界の外へと行こうという事件があった。
時々外の世界が気になったとかで、
そういう試みをする人間は数年に何人か居るらしいが、
その時は貴族の息子だということで、一部では大事だったと、
当時王府の軍人だった父が話していたのを覚えている。
その話はわりと周りの子供達の間では有名な話となり、
いつか自分が結界の突破を成功させるんだ、
と夢を見る少年も少なくはなかっただろう。
数年前海に飲まれた友人もそうだった。
―――勿論、目の前の彼もまだそれを諦めてないように見える。]
彼は理想主義の夢想家なんかじゃない。
煽動者の熱をもった辣腕な策謀家にして革命家だ。
人は武器だということを、軍略的にも人望的にもわかっている。
民主主義で戦うために生まれたような男です。
必要とあれば、血を流すことを厭わない…否、それを画策し利用できるタイプの。
[また、あの時の衝撃は覚めやらぬ。
騙されたという痛みよりも、こんな男がいたのかという衝撃だ。]
気の毒と言ってくださいますか。
ええ、近づくと火傷しそうなんで、ちょっと距離とってます。
それに、おれはまだ本来の交渉相手である王府と会っていませんし。
[苦笑してみせたカナンは、シルキーやソマリら対民主化集会の上層部が、「使節がシュビト民衆をそそのかした」「危険分子」と考えていることに気づいていなかった。
実際にクロードの演説に立ち会ったか伝聞かの違いも大きいだろう。
また、自分が正しいことをしていると思っている人間は、往々にして、神は正しきを罰しないという根拠のない期待を抱くものだ。]
クレメンスのおっさん?
あー、だいぶ昔には会ったかなー…?
[>>~17といっても随分、だいぶ幼い時だ。記憶もおぼろげである。
悪さしたような気がするが。
北に移り住んでからも、クレメンスの話は何度となく耳にした。
狡猾とか放蕩者とか、基本的に悪い噂ばかりだが、事実曲者的な印象は強かった。]
来てたって…ふーん、物見遊山とかかね。
まぁ相談するのはいいんじゃないか?
おっさん腐っても貴族だし、そっち方面には精通してそうだし。
…ってそれ、行くの俺か?
[あるいはジェフロイか。とにかく直接面識のある者でなければ門前払いな気がしたのでそう言った。]
ご隠居殿、
シュビトの武装集会の件で、王府はさらに危機感を覚えて開国民主化に頑なになるだろうことは予想に難くないですが、おれは自分の任務を簡単に諦めるわけにはいきません。
奈辺に妥協点を見出せそうか、現地人である貴殿のご意見ご指導をいただきたいと思っています。
その上で、おれは交渉の場へ向かいたい。
王府が譲れない線、こだわっている点──あるいは、当代巫女姫の個人的な傾向でも結構です。
「巫女姫はナミュールそのもの、ナミュールの魂だ」とクロードは言っていました。
その彼女の心を動かすことができれば、開国への道も拓けましょう。
そうかー。外の事情は解らんからなぁ…。
その辺、外交官に聞いておけばよかったな。
[>>~18外交官が帰らなかった場合の話含めて、外の国の情勢だ。もっとも外交官視点、一方的な情報しか与えられないだろうが。]
あー…その可能性はあるな、うん。
なら余計に開国の可能性が高い方に着くのか。
離れたって事は、あいつら王府側にその可能性も見たって事なのかな?
俺さ、ちょっと離れてたから、
お前が振られた理由ちゃんとは解んないんだけどさ。
なんか言ってた?
[王府は国を開かないだろう、と思い込んでいるのもあり。そのあたりの経緯いまいち解っていないために首をかしげたり。]
うぇ、怖い怖い。
[首切り話にはあり得る話と思いつつおっかねーと言いながら、遠くで軽く肩を竦めた。]
― その時・ベルサリス学館にて ―
――――……ッ、あの、
[>>503 流れる金糸。ナミュールの夜の海を思わせるような深い宵藍色。傍で心配そうに見下ろす姿。声は然し、心に凛と直接響くような。
何故このような力をアレクシスが持ってしまったのかは、分からない。
アレクシスはただの一般庶民であり、そのような気高き血は持ち合わせていない。
強いて言うならば、信仰心の薄い南方の民衆よりかは、多少、信仰心を強く持っていただけだ。然しそれも、ユレの教えの一つであるから、真面目な男はそれに従っただけだ。]
貴女は―――……確か、キール君ですね。
貴女は―――……一体、何者なのですか?
[口ではそのように一般的な文句を告げつつも。心の裡で問いかける別の言葉。
言葉を紡げば紡ぐほど、心が共鳴していくような不思議な感覚がして。僅か、15歳ほどの少女に、ここまでの敬愛と畏怖を抱くだなんて。アレクシスは指先が震える思いだった。]
あの………何処か、お話でもしませんか?
[アレクシス・ユレが巫女姫の信奉者となるのは、ある意味、運命の悪戯とも言えるし。必然だったのかもしれない。
果たしてこの出会いが、アレクシスにとって、そして巫女姫にとって幸せなものだったかは―――これから紡ぐ、
未来。*]
……そうか。なら次に連絡取れたらそう伝える。
[>>~19間髪入れずの返事には、こっちも覚悟を決める事に。]
あいつの気を良くさせろってわけじゃないが、
ソマリと話をするなら、実利のある話を用意しとけよ。
それ以外でこっちに協力的になるとは思えないからなー。
[>>~20そして巫女姫と会うとかいう話には、少し間が空いた。]
……解ってたけど、お前大胆な事するよなー。
ドンパチやってる所で言うかそれ。
[普通受入れないだろう、とは思ったが。周囲の喧騒の引き具合を見ると、あながち難しい話でもないのかもしれない。]
ま、上手くいったら頑張れ?
美人の巫女姫に直接会う機会なんてそうないからなー。
[とは以前の報告にあった美人評価を受けての返答だった。]
― シュビト市街・某所 ―
…おぅ。
[兵士の死体を前に尻餅をつき、震える民兵を見つけて肩を叩く。
震える男の手には、血濡れた短いナイフが握られており、俺は悪くないと何度もつぶやいていた。]
おい、大丈夫か?
[肩を叩くと、ヒッと短い悲鳴をあげてこちらを見上げてくる。
見開かれた目は次第に潤み、震え泣きながら悪くないを繰り返すばかり。]
あー、……わかったわかった、お前は悪くない。
悪くないんだ。
(ってか、どっちが悪いって主張は意味ないんだよな。
片方死んでるし。)
[何となく風体が悪い男。火事場泥棒でもしているところを見咎められたのかもしれない。
そう思いつつも、今は混乱する男を宥めるように、悪くないと言い聞かせながら肩を叩いた。]
(まぁ騒動起こして無血ってのは無理だしな。
それは覚悟も想定もしてたことだ。)
…とりあえず、死体は教会に運んどこう。
あとアンタも。悪くないって後悔してんなら、
教会行って、神様に懺悔でもしとくんだな。
[同志らに死体と男の事を頼み、自分は再び街の中を歩く。
もう少し街の中が荒れ模様なら、そんな余裕もなかったかもしれないが、どうやら再び中央では膠着状態が続いているようだ、とは周囲の気配や届く声によるもの。]
……まぁあいつが大胆なのは解ってたけどさ。
[同志が方々に散り、一人になると零れる独り言。
周囲を警戒しながら足を止めるのは、時折思案も混ざるから。]
にしてもクレメンスのおっさんかー…。
あっち覚えてんのかな。なんか昔悪さした気はするが…。
[その友人からの面倒な頼まれごとには微妙な顔をする。
なお幼少期悪さした相手は数知れず。幼少期からの軍人としての訓練が厳しかった分、家の外では羽目を外す程悪ガキだった自覚はある*]
ご教授いただく代償は、開国という結果──と申し上げたいところですが、手付けとして、貴殿のための”飛行船”を設計制作する、でどうですか。
むろん、資材や技術者は貴殿の側でご用意いただくことになりますが。
[
いずれは多勢が共有する知識・技術です。
けれど、この国で一番先にそれを得たというアドバンテージをどう使うかは、あなたの商才次第。
我が方にとっても、マチュザレムの文化を広報するいい機会になります。
[双方に利がありますから、と人が善いだけではないと伝えるように微笑んだ。]
[あまり長居はしない方がいい。
クレメンスにそう促された時>>421だった。
騒ぎの激しい広場の方から、
一層大きなどよめきが上がり、
鎮圧軍の指揮官が目から矢を
生やして落ちていくのが見える>>396。]
……ついに犠牲が出てしまったか。
[遠目からでも判る見事な弓の腕。
事故以来視力は落ちたものの、
それが綺麗に眼球を貫いてるのがわかる。
今まで平和な世界だったにも関わらず、
これ程の腕を持つ者が居たとは。
だが、そんな戦士も、これ以上この島の平和を脅かすようであれば、
何としてでも倒さねばならないだろう。
―――生まれてくる新しい命の為にも。]
さぁて、そろそろ落ち着いたころかな。
[徐々に騒ぎの熱が引いてゆくシュビトの街。
秩序を回復させようと自警団の面々が動くなか、ふと思い出して呟く]
あ……。
そういや、ルディ。
あれから……どうなったんだ?
アイツのことだから、放っといても自分で判断出来るだろうが。
[すっかり忘れていたなぁと頭をボリボリと掻くと。
ここを頼むといい残してその場を後にする。
ルディを探しがてら街を見廻るつもりだ]
― シュビト近郊 ―
[カナンがサシャの差し出した銃を検分している時、その傍で結果を見守っていたのだが、不意に違和感を覚える。
銃と言うこの国にとって未知の存在が目の前にあるにも関わらず、クレメンスが反応を示さなかった>>567のだ。
まるで、既に見たことがあるが故の無関心さ]
(……もしかして俺の銃持ってるとか?)
[気付いた時に紛失していたシメオンの銃。
その珍しさに彼が抜き取っていたとしてもおかしくないかもしれない。
更には仲間と自分の他に流れ着いたものもあったはずだ。
何を回収した、とは聞いていないがクレメンスのこと、散らばっていた未知のものを放置しているとは思えない]
(後で聞いてみにゃならんかなー)
[そうは思ったが、カナンが先に声をかけていたため、未だ聞き出せずにいる]
― デ・モール火山方面へ ―
へぇ、そりゃ興味深い。
質もあり量もあるなら本当に良い産地なんだな。
[甘味の話>>585はそれはもう砕けた態度。
この国の名産をまた一つ知った、と知識欲も満たされていた]
ふーん、蝙蝠っつーよりも厚顔無恥ってことか。
[サシャの訂正>>586を聞いて評価は更に酷くなる]
いや、今ので大体納得することにする。
その言葉が本当なら、少なくとも現状俺らの邪魔する奴ではなさそうだ。
疑えばキリがねぇが、交わす言葉と態度で漠然とでも掴めるものがある。
改めて”よろしく”って言っとくわ。
[屈託無い笑みで言ったのは、警戒を緩める意を込めた言葉*]
/*
死体を増やすお仕事(
早計かと思ったが、ステファン以外無事ってのも何か変だしなぁ、と増やしておいたのでした…。
北の森へ向かうにあたって、繋ぎになる人物か。
[シメオンからの依頼に、ふむりと首を傾ける。]
ルディとコンタクトがとれるといいんだが──
ルディは、ベルサリス学館に通っていたまつろわぬ民なんだ。
閉鎖的なウェントスの地では相当な変わり者扱いをされていたけど。
クロードとはまた違ったオープンさのある子でね。
白い猿を連れているから目立つよ。
猿の名前は「プルウィア」
それを知っていると伝えれば、おれの知り合いだってわかってもらえるんじゃないかな。
今はまだシュビトかな… どうしているだろう。
それと、ちょっとこのあと方針変えることにした。
ほんとはこのまま人数かき集めて首都目指す予定だったけど、
目の前に巫女姫親征の大軍がいたんじゃ話にならない。
詳しい話は、またあとでするよ。
今は、事態の収拾頑張れー。
[無責任な応援口調で、さらりと重大事を口にした。]
…失礼したな、ウェントスの若者よ。
[名は知れぬが、南の山岳に住まう古き民、実際に会うのは始めてなその者を眺める]
(古代の森に住まう者達は、総じて筋に恵まれた体躯をしてるが。
…随分と華奢な若者だな。男としては)
私はソマリと云う。王国からは北の領地のひとつを任されている身だ。
武器を手にしたその出で立ち。暴徒の類かと早合点した様だな。
ならば君は、一般的なシュビトの街人で、我等ナミュールに住まう者、という訳か。
[然し、今後この青年がどの風向きに身を置くかと云う想像は、街の場所、青年の出自、何を探しても想像の材料に不足はなかった]
外を学びたい。 お前、いや、君はそういったか?
随分と珍しい事だ。
まつろわぬ民は、我等王府を由とせず千年の間、辺境にて閉鎖した環境に身を置き続けた。
それに、北の民を引き合いに出したが。
ウェントスの若者よ、君達南の民も、今尚問題を抱えていないかね?
そう、スルジエの悪意に悩まされているだろう?
[穏やかな様子で世情を話しながらも、男の三白眼は見聞する様に眼前の青年を見詰めている]
/*
しかし、そうだとすると、本当にカナンの人は上手いなあ。ついてるのがシメオンの人というのも影響してるだろうけど。
開国に来た魁陣営と、開国派の地陣営が混ざらずに独立陣営として立つのは、割と難しいと見てたからなあ。(勝利条件が同じだから)
まあ、それもあって、中立の貴族ていうのやってたんですけど、ちゃんと食いついてくれたもんだよねえ。
―その頃、別行動の50騎は―
[騎士団に続く形でシュビトに侵入する形となった南方貴族を中心とした鎮圧軍は、シュビトの中に入った後、学生らに阻まれる。
それに随行していた騎士団50騎は先行した騎士団に合流するか、踏み止まって彼らと対峙するかの選択を迫られる事となる。
おまけに南方の貴族らは何を思ってか、各地に散会する始末。]
「…ったく、やりにくい事この上ねぇな。」
[白銀の甲冑に身を包んだフィオンの盾仲間――レオンハルト・アリプランディはそう独り言ちる。
かつてこの男も学館に身を置いて学んだ身。
シュナウザーが巡視の最中に倒れたのを目の当たりにした事もあり、彼亡き後にはフィオンと同じ情熱でもって医学を中心に学んでいた。
フィオンと同時期にあった隊長になる打診を蹴り、性別を越えて友誼を結ぶ女の隊に所属する事を自ら志願したのは女も知らない事実。
「隊長職は面倒だから」と言って、「不真面目な」と腹に裏拳を叩きこまれて尚、豪快に笑っていられる胆力の持ち主である。]
あの
――っと、これはあいつには内緒な。
街の様子を見つつ、隊長殿と合流するぞ。
[軽口を叩いた後、息吸う間に声色を引き締めると、部下達に命を下す。
レオンハルト率いる50騎は軽やかに市内を駆けた。
フィオン率いる250騎と合流するまでの間、民衆が武器を手にする様子や、南方の貴族らが自警団や腕の立つ兵士と思しき集団に狩られる様を目に収めたか。*]
ルディ?
確か、お前を助けてくれた子だよな。
まつろわぬ民───詰まり、その子も先住民の末裔か。
住まうところが別だったように思うが…同じ先住民の末裔となれば、話くらいは聞いてくれそうだな。
猿の名前はプルウィア、か。
シュビトとなると諸々落ち着いてから向かうことになるか。
入れそうなら一度向かってみるかな。
居なければ居ないで仕方ない。
自力で何とかしてみるさ。
― デ・モール火山方面 ―
……いえ、サシャなどでは判る事のない深慮があるのやもしれません。
立ち上がる背の高さが違えば、臨む視界が異なるように。
[ 憶測塗れの言葉であると断りながら、軽く頭を下げる。
話した結果、彼の纏った空気が変わった>>615のは察するが、それに対する反応を示すという思考ができず、あまり変わらない反応を見せるしかできなかった。]
( そう見せかけて警戒を解きほぐすという手立てであるかも知れませんし。)
[ 実際がどうあれ、そのとってつけたような理由が自分の愛想の無さの言い訳にはならないと自覚はしていたが。*]
―シュビト中央広場付近―
[>>575言質を取るかのような問い掛けへの返答には僅かに間隙が生まれる。
視線を受け止め、瞑目した後に顔が向けられる。]
…ほう。
[それは狙い撃つのが難しいという練度の問題か、それとも味方の距離の近い場所で弓を射たくないという心情の問題か。
広場には確かに数多くの民衆が集まっていた。
誤魔化しをしようとしている様子は一見したところでは感じられない。
女は別の存在が何かを意図して将の命を奪った可能性を頭に刻む。]
攻め込んだ以上、彼もそれを覚悟した上だろう。
巫女姫に対する忠義心に溢れている様子だったからな。
[少なくとも彼は、何一つ巫女姫に対して後ろめたい思いはなかっただろう。
何せ他を嗾けるのではなく、自ら飛び込んでいったのだから。
愚直とは思えど、その忠義心は貶める心算はない。]
[わざとらしく体を震わせながら街の外へと行くクレメンスを見送り、
引き続き人を探す。
すれば、どこの軍勢かわからないが、
辺り構わず暴走気味に突撃してきた兵士達は、
親と逸れたらしき、小さな子どもを突き飛ばしたらしく、
強く身体を地に打ったらしく、動けずに居た。
打った箇所は擦りむいたのか、血が出ている。]
…!大丈夫か!?立てるか?
[子供に手を差し伸ばそうと、片膝をついて腰を降ろす。
が、その時だった。
剣を持っていたせいか、兵士と間違えられたのか、
後ろから襲いかかろうとして来る影―――。]
[咄嗟の殺気を感じて剣を鞘ごと抜けば、
思い切り襲いかかってきたどこぞやの兵の隙をついて腹を突く。]
ちっ、まるでただの暴徒じゃねぇか。
[どこの兵かはわからないが、
争いに乗じて、ところ構わず暴力を振るう者も中には居るらしい。
急いで子供を抱えれば、争いの少ない方へと向かう。]
[>>576建前を更に押す心算はないらしい。
向こうも此方が素直に信じると思う程に楽天的な思考の持ち主ではないようだと判じる。
軽い口調で返されれば、]
私の知るシュビトは商業都市と学徒の集う街というものだったが、三年前から変わったらしいな。
――そうだな。
若しその鍛冶職人が片手で足りる数なら。
私なら交渉決裂の後に股座を蹴りあげてから、組み敷いて武器を取り上げるだろう。
[股座を、と躊躇なく口にする事で女の後ろにいる騎士達がどよめく。
女の身のこなしを知る者にとって、それは容易に想像出来るものだった。
因みに交渉に掛ける時間とは想定される相手の掴みかかってくるまでの数秒の事を指す。
騎士団で鍛えているのは剣の腕だけではない。
手は出すが、己には大した武器は必要ないと。]
[>>577問い掛けに返って来るは笑みと否定。
そこからは紡がれる言葉の真贋を推し量る事は出来ない。]
この街を武力制圧するのであれば、
最初からもっと多くの軍を引き連れている。
[あくまでも集会を鎮圧する為に来たのだと述べておく。
それは女にとって偽りではない。]
[と、シュビトの街を見まわっていると見知った顔を見つけた]
ガートルート!
そっちはどうだった?
[こちらもまた教え子の彼に声を掛ける。
彼がクロードと行動を共にしているのはすでに了承済だ]
…貴君らもまた、巫女姫の国の民だからな。
[>>578素直に謝意を示されれば、そう返して。
町の人間が刺激される…と聞けば。]
――無駄な諍いは避けたい。
では、我々は市街に戻るとしよう。
けれど先刻言った通り、貴君らが弓を引けば我々は躊躇なく武力を行使する。
先ずはシュビトから出る兵らに貴君らが手出しせぬ旨を、街全体に通して貰おうか。
[周囲にいる者には聞こえている筈だが、それを徹底させよと。
針の如く鋭い視線には、大地のように揺るがぬ視線を返す。*]
― シュビト市街 ―
[その場から立ち去る護衛>>616に、内心でごめんなさーい、と思いつつ。
名を告げられる>>617と、数度瞬いて背筋を伸ばした]
……オレは、ルディ。
[体躯に関する感想が表に出なかったのはある意味幸い。
そこを指摘されていたら、冷静さが損なわれていただろうから。
ともあれ、名乗りを受けたなら名乗りで返す、と自身の名を告げて]
一応、そういう扱いにしてもらってる。
魂の拠り所は、変わらないけれど。
[山岳の民である事は捨てず、けれど、新しきを知るべくここに生きているのだと、そう、返して]
……珍しいのは、わかってる。
ウェントゥスの民で、外に出たい、なんて言ったのは、今までいなかったらしいから。
一族の大半は、閉ざされたままである事を望んでいる。
[そこは間違いないから、肯定を返し。
スルジエの名>>618に、僅かな刹那、唇を噛んだ]
……スルジエの連中が、境界線を越えてきているのは、知ってる。
何もしなければ、食い荒らされるかも知れない、のも、わかっているけど。
[一族がそれに対してどう動くかは、今の所未知数だが。
この状況が続けば、北の同胞と同じ道をたどる可能性は、心に翳りを落としていた。*]
重ね重ね、苦労をかけるな。
[だが、自分もシメオンに頼まれたことなら懸命にやろうとするとわかっているから、申し訳なさは感じていない。
魂の片割れ同士だ。]
んー、回収された”積み荷”に
馬の方が早いかもだけど、餌いらないし。
[そんな話をしていると、少しだけマチュザレムが懐かしくなった。
生まれた国セドナではなく、シメオンと一緒に育ったマチュザレムのことが。]
…しっかり任務を果たして、早く帰ろ、な。
/*
いちお、まつろわぬ民の統制には動く心算でいるんだけど。
それが、なんのために、になるかは今んとこ未知数なんだよねー。
そこを決めるためにも話したいんだけどみんな遠いよよよよ。
[街の中を見廻っていると見知った人物に声を掛けられた]
おう。シロウ!
[いつものように気安く名を呼ぶ。
まだ軍属の頃から見知った顔で、今も立場は違えど同じ学館で指導する身。付き合っている年数は相当長い]
ん?どうした?その子。怪我?
[どれどれとシロウの抱えた子供を見て]
そうだな。今のうちなら大勢の連中が出払ってるから学館は静かなもんだろ。
そのうち、学生どもが戻ってくりゃ煩くなるだろうが。
それより俺の部屋に来るか?
そっちのほうが保健室よりゆっくり出来るかもしれねぇ。
[そう提案するとシロウを宿舎へと促す]
― デ・モール火山麓 ―
[ カナンの危機感の無さ、自身の存在肯定から始まる前向きさは、既に彼の資質に近いかもしれない、と男は思い始めている。
現状への危機感をバネに、自らを奮い立たせるように見えるクロードとは、ある意味対照的な人物であるのかもしれなかった ]
王府の思惑についてはともかく、私は巫女姫とは近しく接したことがないのでね、お役に立てるかどうかは判らんぞ。
[ 正しくは、接する事を阻まれていた、というのが正解だが、今はそれを言う必要はない ]
飛行船か、それは嵐に遭っても落ちないものかね?
[ 気前の良い、しかし計算高くも見える申し出>>609には驚くでもなく、そうツッコミ返して笑う。
本気にとっていないのか、単に実現を危ぶんでいるのかは、容易くは読み取れなかったろう ]
-オプティモ港-
では皆様。船内で指示した通りに動いて下さいませ。
第一部隊は市街地に向かって下さい。
第二部隊は郊外に。
第三部隊は主要道路を囲むような形で。
特に事を荒げる必要はございません。
王府軍が居る事を、見せつけるだけで良いのです。
[それは一つは、巫女姫の指示通り。
ラウド・レイ・クレメンスと交渉し、オプティモの地の利を此方に持って来させようと言うもの。
ひいては、そのクレメンスがカナン・リリや、クロード・ジェフロイと結びつくのを防ぐため。]
ああでも、逆らってくるようであれば構いません。
遠慮なく切りなさい。
………見せしめになるように、ね?
[そしてもう一つは、シュビドに拠っている学徒の意識を此方に寄せ、巫女姫を安全に王都に帰すため。
巫女姫は、まさに敵陣のなかにひとりで突っ込んだようなもの。
彼女を守る多くの優秀な兵は確かに揃っているが、それ以上に優秀な人材が向こうには揃っている。
緑の世界で幾らか、その事を咎めてはみたが―――……
果たして、あの姫がどこまで自分の言う事を聞いてくれたかは分からない。
あの様子だと、再びシュビドの鎮圧に向かいそうな勢いだ。
そんな最前線にクイーンを据えてどうする。ならば、帰ってくるように仕向けるだけだ。
そしてもう一つは――…… ]
では私は――……
先ずは、領主様へご挨拶にでも向かいましょうか。
[オプティモ港に着くや否や、手早く散っていく王府軍の兵を見届けたあと。まさに影のような所作で一人、アレクシスは路地に入り、そして民衆へと混じる。
もう一つは――……
派手な王府軍を煙幕に、アレクシス・ユレが動きやすくするため。
存在感の無いアレクシス。
庶民生まれだからこそ、為せるような。薄羽の影。*]
[本音と建て前と駆け引きとが目まぐるしく入れ替わる会話の中でわかったのは、フィオンが有能な騎士で指揮官で、かつ部下に恐れられる存在であるということだ。
どよめく騎士たち>>626の様子に、怖い怖いと内心零す。
部隊を引くことの了承を得て、
それまでの安全保障を求められれば、
周囲の者らに指示を出した。
十数人ほどが集団を離れ、大通り沿いに走っていく。
中央広場に向かった別の一隊は群衆に割って入るようにして、
もう十分だ、武器を置けと叫びながら
未だ取り残されている王府の兵らの退却路を作った。
それらの動きは、十分に訓練された兵と比べても遜色ない。
騎士の目からも、それは見て取れるだろう。]
俺たちはもう手出ししないと約束する。
けど、俺は街の支配者でもなんでもないからな。
できる限りは仲間に止めさせるけど、
うっかり手を出す街の人間がいたら
───さっきのよりはもうちょい穏便に蹴り飛ばしてやってくれ。
//
― 温泉宿 ―
ようし、呑むぞ!
[ やがて到着した宿で、銚子酒を露天風呂に持ち込んで気勢をあげる姿に、先刻の影は微塵も残っていなかったが ]
もし大使様が必要があるならば、サシャを一兵卒としてお使い下さい。
土産も持たぬ客人よりは投降兵のようなものでありますので、最前線に駆りだされる事を厭う気はありません。
御隠居殿のように使える力も頭も持ち得ない身でありますが、幸い個で戦う程度の力は軍で鍛えました。
[ シュビトを出て二日目。
気がつく限り追っ手の姿はないが、自分が彼らを追いつけたように他の誰かが一行の存在を把握しているとも限らない。後方からならいいが、先回りが怖い。
御隠居の連れた従者では対処し切れない数が寄せてくれば、戦う必要も出てくる可能性もある。
使者達と異なり、自分は必要な人員ではない。
ただ、その場合の得物は敵から奪うしかないのが悩ましいが。]
― シュビト近郊 ―
ん、ぉ。
分かった、少し待て。
[クレメンスへと問うタイミングを遮るかのようにかかる声>>619。
カナンが預り証について告げていたのは気付いていたため、勤めとしてその作業に入った。
勤めは時として思考よりも優先される]
『カナン・リリは、サシャ・ヘイズナイトより、
旧式拳銃を預かり受けたことをここに記す。
貴人が存命中はその所有権は貴人に在るものとする。
ただし、貴人の希望により貴人死亡の際は、
所有権が破棄されるものとする。』
[預かり内容とその誓約を記し、預り証としてサシャへと差し出した]
― デ・モール火山方面へ ―
深慮ねぇ…。
ま、今までの話は確かにヘイズナイトの推測だからな。
そうと決め付けねぇで、頭の片隅に置いとく、くらいにしとくさ。
[全てを鵜呑みにしたわけではない。
領主についての会話はただの切欠。
本当に知りたかったのはサシャ本人の思考。
主観はあまり入らず、客観的に見ている節はあるが、それがブレないと言うことは元々そう言う思考の仕方をするのだろうと結論付けた。
もし未だにスルジエ領主と繋がっていたとしても、誼を結んだと繋ぎをつけてくるのであれば、少なくとも邪魔をすることはあるまい。
そう言う意味での警戒緩和だった]
[そんな会話の後、シメオンもまた火山の麓へと馬で立ち入ることになる*]
― シュビト・シロウと逢う少し前 ―
[シュビトの街を見まわっていると何やらぶつぶつ呟いている人物を見つけた>>608]
ガートルート!
そっちはどうだった?
[こちらもまた教え子の彼に声を掛ける。
彼がクロードと行動を共にしているのはすでに了承済だ]
…異邦人の隊へ命令。スルジエに移れ。
[微かな逡巡のち小声で護衛に囁くと、私兵のひとりが何処かへと去る]
では君は何を為すべきか。
山岳ウェントスの民、まつろわぬ古の民としての君は。
王府に忠義を奉げる、それもひとつだが一族は容易く揺るがんだろう。
暴徒共の決起に混じり新たな国を作る、それもまたひとつの道ではある。
世界を広げるも秩序を守るも、民の意思までは強制できんのが如何ともしがたい。
それが国と云う物だが、時に海原の様に嵐に揺れるは歯がゆい物だ。
[青年へ向き直り、男は道を説く。然しその道は定かではない。
何せ男自身、未だその道を毅然と固めていないのだから]
ウェントス族のルディ、君の様な古の民が現れるのを私は望んでいた。
[静かに微笑みを浮かべて、男は青年の瞳を覗いた]
王国千年暦の序章は常に君達まつろわぬ民との闘争の歴史。
未だ我々王国は、君達との関係には良くも悪くもぎこちない。
だがね、いい加減にその因縁も是正するべきと私は領主として思う。
然し、闘争を続けた我等との関係の溝は深い。
まるでこの国を覆う、巫女姫の結界の様な関係が我等そのものだ。
だから私は、今回のこの学徒共の騒乱に乗じて。
王国の行く末に一石を投じたいとも考えている。
それが吉と出るか凶と為すか。
戦禍を呼ぶか未来を呼ぶかも保証は出来ないが。
私は、義と利を信じ、動くのだ。
― 親征軍・道中 ―
それにしても…、
先行されている騎士団の皆様を率いている方は、
随分と優秀な御方の様子。
お名前は、なんとおっしゃるのです?
[騎士団の主力は親征軍に同行しているが、
三百だけは、鎮圧部隊の軸として随行してもらっている。
先程届いた早馬によると、先発として踏み込んだ鎮圧部隊が崩れた後を支えるように騎士団兵が暴徒と相対し、大きな被害にならぬよう食い止めているとか。
朱馬車を護るように横を囲む騎士団の兵長に尋ねれば、
フィオン・ヴァイサネンの名が返ってくる]
…フィオン、?
[彼女は、その名に憶えがあった]
ウェントス族のルディ
騙された気で私と友誼を結んでくれないだろうか?
[男は口端を歪める、貴族らしくも真正面からの信用は戸惑われる笑みを青年へ向けた]
君達、山岳の民を悩ませるスルジエの領主…
『なんとかしたい』、とは思わないかね?
― 回想:5年前・ベルサリス学館 ―
[その日は医術の授業だった。内容はごく初歩的なもの。
二人一組になって、包帯を巻く実技実習を行うという其れで、
組んだのがフィオンだった]
……、う、… え と、 こう…?
[何度も首を傾げつつ、慣れない仕草で、
キールは借りたフィオンの腕に包帯を巻く。
巻き方を試行錯誤しすぎたせいか、
周りの生徒と比べると、どうも二回り半くらい出来が分厚い]
あの、ごめんなさい……。
[さぞ腕が窮屈だろうと、謝罪の言葉が口を零れる]
………、これは、訓練ですけれど。
実際に武器を取って立ち上がれば、
望まなくても何処かで血は流れるでしょう。
その時は本当の意味で、
武器を――刃物を扱うとは、そういうことです…。
[はらり、はらり。
無傷の腕に巻かれた包帯は、赤に染まらず白い侭だ。
平和な、証]
……ん。戯言が長くなってしまいましたね。
はい。全部解けました。
[巻き取った包帯を脇に置き。
フィオンの枯色の瞳をほんの少し覗き込んで、軽く笑む]
貴方は、どう思われたのでしょうね――――。
[そんな他愛のない雑談混じりの、授業の思い出……*]
― 親征軍・道中 ―
[彼女が騎士団の一員だとは知らなかった。
巫女姫と騎士団は、当然そこまで接触が多くはない]
そうですか、あの方が……。
それは頼りになりそうですね。
[口元に笑みを刷いて呟けば]
『巫女姫様、フィオンをご存知なのですか?』
[不思議そうに問いかける声。
だからそれには、]
――――、秘密です。
[と応えておいた*]
/*
サシャも領主の扱いに困ってたの把握した。(今メモ見た
風呂敷広げすぎちゃうのは、あるあるだよな。あるある。
よし。南の領主はソマリがなんとかしてくれることに期待しよう。(丸投げ
お前のためにやることが苦労なもんかよ。
[カナンの言葉に軽妙に言って笑い返す。
お互い、相手の方が出来ることを頼み、自分が出来ることを頼まれて補ってきたのだ。
申し訳なく思うことは微塵も無い]
あー、あれがあると確かに便利だな。
自分の思い通りに動けるのも良い。
馬は、たまに気紛れになるからな…。
……ん、そのためには頑張んねぇとな。
[早く帰ろ、と紡ぐ声にシメオンもまた望郷を抱いた]
/*
伝え方が上手くなかったなあ私…うぐ。
いっそのこと温泉宿行ってもいいんですy
というか船は、その為の足でしたCO…。
― 温泉宿 ―
よっしゃ風呂!
[クレメンス>>641と同じテンションで露天風呂へと特攻。
尚、入るにあたって風呂上りの時に身体を拭くためのタオルが腰に巻かれている]
― 道中>>644 ―
いえ、こちらこそお手数をおかけします。
[ 役目は大事だ。
これがサシャにとって必要になる場面があるとすれば自分より先に正使と副使が死亡もしくは手の届かない場所に行った上に、件の銃器が共和国の管理下にあり、その場に自分がいるという低い可能性である。無論、手続き上のトラブル回避という面でも有用であるかも知れないが。どちらにしろ不用の長物である。
それでも正使が自ら預り証の話を持ち出した以上、求めるのも務めに近い。副使がその勤めを果たすように。
ただ、この三人が書面一つを介して組み込まれたという実績はサシャ以外の存在にとってはまた違う価値が出てくる。些細なもので他愛の無いものではあるが。]
うわーやだなー。
[>>~25過去の黒歴史もとい悪行を蒸し返されたら嫌だと言いつつ、そうも言ってはいられない現状。]
まぁ行くならどっちかなのは確かだろうな。
……諸々終わったらジャンケンな。
[もっとも、どちらかの手がふさがる時は片方が行くのだろうが。]
― デ・モール火山麓 ―
[クレメンスと様々なことを話ながら進む。>>633
巫女姫について詳しくないなら、彼女を支えている側近についてなり、正規軍についてなり情報をもらえないかと。
情報の対価として提示した飛行船について、クレメンスは真っ先に「それは嵐に遭っても落ちないものか」と問うた。
つまりは、”結界”を越えられるかという質問だと解釈して、カナンは驚きを示す。]
貴殿はとんだ冒険家の血をお持ちですね。
残念ながら、今の技術ではまだ難しいとお答えしておきます。
我々はその手段での越境を試みて墜落したのですから。
[それに、費やせる時間や資材的に、あれと同じ大きさのものを作成するつもりもなかった。]
あ、正使じゃないとやっぱりまずいのか。
[>>~26別に部下の伝達でも、とか思うのはそこらへんの想定が甘いため。
続いでの説明には、あーあーと納得した様子で。]
それもそうか。
あー、それで外交官らの動向注視しろってことか。
なるほど了解。
[ようやく意図が読めて、尚の事クレメンスの所に行くのが確定しやや微妙な顔にはなるが。]
うーん、情報なー…。
後は野心家、って感じかな。
俺の妹との婚約打診してきたけど、あれ俺を手駒にして軍にも手を回すつもりだったんだろうし。
[結局流れてしまったが。]
権力とかそういうのを重要視してるタイプだな。
だから一番に欲しがるのも権力…というか、権利とかだと思う。
/*
いやまあ、不在の間にオプティモ占領とかなってても確定には確定で反撃しますけどね。
私帰ってないのに侵入しても意味ないんじゃね?と思ってるわけで。
うんと……なんだっけ、外交官が言ってた選挙?
あれに貴族を巻き込んだり出来ないのか。
ええと…、みんなが選んだ奴が国を動かす、ってのはいいんだけど、特別枠みたいなのを作るとか。
土地を治める手腕は、貴族のが上だと思うんだ。
そこを切り捨てるのは勿体ないというか…。
[説明は苦手、かつ政治や統治方面にはさほど強くないため自分の言葉にいつもの自信や強さはなく、語感はやや弱い物になっていた。]
あとはアレイゼル領は林業と漁業中心の土地だけど、まつろわぬ民のいる領域と近かったりで、統治が難しいって言われてるし実際そうだな。けどソマリは引き継いでからわりと上手い事統治してる。
ついでに紅茶好きの甘党。
大福とか団子とかよく食べるけど、紅茶とは会わないって嘆いてた。
[最後の方はなんか余計な情報になったとか。]
うおい。
[>>~28巫女姫どうのに返事するよりともかく、後半が聞き捨てならなかった。]
ばっか野郎。
もしもがある前に、お前の首根っこひっつかまえて連れ戻すからそこは安心しろ。
その為の軍人様だろうが。
[物言いに万一の事への予感が見てとれた為、やや語気荒げて釘をさす。]
お前、もう少し自分の重要性ってか、……
………あーもー、
[うまい言葉が出てこずに、がりがりと頭をかいて少しの間の後。]
命大事にしとけ?
自分を手駒みたいに利用すんのもいいが、盟主が倒れたら俺たち総崩れなのを忘れんなよな?
あと安心しろ、お前より先に俺が死ぬから。
[勢いにまかせ早口で言うと、意識をいったん切ろうとしたが。]
…………。
おまえ、そういう大事なことは早く……
[方針転換には、幹部連中らが騒ぎそうだと思ったが今は口にするのを耐えた。]
まぁ、いいや。とりあえず人数揃えとく。
危ないって感じたら、すぐ連絡入れろよ。
[そっちに突撃するからな、と言い、一度ばらした面子を再び集めようと足早に歩き出した。]
/*
3/10の朝8時にシステム上の更新が入って2dとなり、PC落ちが始まります。
少し早いですが、企画人が更新に立ち会えるかわからないので、2dについて予告を。
【3/10・24時 (=3/11・0時) が初回投票締め切りです。】
【初回落ち希望枠で参加された方はメモにて宣言してください。】
【そこ以外に、墓落ち推挙対象を1名(自己推挙もあり)選び、「推挙 : (PC名)」の形でメモに記入してください。最多数票獲得者が墓落ちとなります。】
締め切りまでにメモ投票がない場合、自分に1票入れたものとみなします。
最多得票が2名以上いた場合は、企画人が1票加えて決定します。
/*
★投票の基準
・入院などのリアル事情による参加継続困難の自己申請
・ここらで格好よく死んでやるぜ、という立候補
・そのPCが倒れることで周囲が奮起して熱血展開を加速させられると思われるとこ
・仇を討つ等、自分の主要目的を達成したPC
・物語の展開についていけてない、ポジションに期待される動きができていないPC
・演出が村の主旨にそぐわない(非熱血など)PC
※上記の基準に合致すれば、英雄や腹心に投票希望をすることも可能です
※自分がキリングできる相手か、PCが知ってる相手かなどは考慮しなくてOK
※自分が所属している陣営だから、仲いい相手だから投票したくない等のフィルターは外しましょう
※「昨日はA陣営だったから、次は別の陣営から」といった配慮も不要です
※現在戦闘中や負傷しているPCは落ち理由がつけやすそうだから、といった理由では選ばないこと
(退場が決まってから演出を考えられるように、事前投票となっています)
※吊られたい立候補はOKですが、吊られたくない申請はなしで
>>#1
・演出が村の主旨にそぐわない(非熱血など)PC
私な気がする……
選ばれたら、大人しく死のう
すいません、シルキー……
― シュビト近郊 ―
うわ!
うぉびっくりした。先生。
[>>648丁度意識が逸れていた際に声をかけられ、ややびくっとしたが、相手が幼少期から見知った教師だと気づけばほっとしたように笑みを返して。]
ああ、俺の方は無事。早々怪我したりしないって。
俺の腕は先生も知ってるだろ?
[3年前、学館へ戻ってきてからは腕がなまらないよう、頻繁に手合せを頼んだ相手。そこら辺は良く知ってくれているだろうと思っている。
服の一部に返り血はあるものの、それは自分のものではない。]
― シュビト ―
うわ!
うぉびっくりした。先生。
[>>648丁度意識が逸れていた際に声をかけられ、ややびくっとしたが、相手が幼少期から見知った教師だと気づけばほっとしたように笑みを返して。]
ああ、俺の方は無事。早々怪我したりしないって。
俺の腕は先生も知ってるだろ?
[3年前、学館へ戻ってきてからは腕がなまらないよう、頻繁に手合せを頼んだ相手。そこら辺は良く知ってくれているだろうと思っている。
服の一部に返り血はあるものの、それは自分のものではない。]
ただ、うっかり暴れ出す奴とか火事場泥棒とか、ちょこちょこ出てきてる感じだ。…死人も出てる。
そっちはどう?
[マーティンの腕も知っているからこちらもあまり心配してはいないものの、街の様子やら変わった事はあったかどうか、こちらからも尋ねてみた。]
― シュビト市街 ―
[微かな呟き>>646は、風に浚われ届く事はなく。
前置きの後、告げられた言葉>>647に、僅かに目を伏せた]
……前は、そんなじゃなかった。
スルジエから来て、受け入れられた者だっていたって、聞いてた、のに。
[だからこそ、彼の地の者たちとは諍いを起こす事はなかったのだと。
その人物が、異邦人であった事>>422は知る術なく。
そこから受け継がれた技が王府の将を射抜いたとは思いも寄らぬまま、聞いた話を口にして]
[間を置いて、語られる話。>>649
聞き入る表情は真摯なもの。
腕の中の真白の小猿は、じたばたと落ち着かない、けれど。
自身も思い馳せはじめた部分に直接触れるが故か、警戒を強めるような相棒ははぎゅ、と抑え込んで]
……王府に従うを是とできないから、オレたちは己が領域に居を定めた。
一族の皆が望んでいるのは、ただ、変わらぬ営み……別に、自分たちの国が欲しいわけじゃない。
『この地で』『自分たちとして』生きたい……それだけ、なんだ。
[ほろり、と零すのは、幼い頃から聞かされてきたもの。
それは同時に、そのままではいけない、と思わせるものでもあるのだが]
……望んでた?
オレみたいなの、を?
[覗き込む静かな笑み>>651に、一つ、瞬く。
続けられた言葉は予想外の極みのもので、しばし、ぽかん、とする]
……そりゃ、今のままじゃダメなのは、感じてる、けど。
えと……本気で、それ、言ってる?
[闘い続けてきた北の森、閉ざし続けてきた南の山。
どちらも、外へ抱く昏い感情は根深いもの。
それを変える、というのは本気なのか、と。
問いかけた所に向けられた笑みと言葉>>653に、また数度、瞬いた]
……そりゃ、ま。
スルジエの連中、ここにもちょっかいかけてたみたいだし。
……何とかしなきゃいけない、っていうのは、凄く思ってる、けど……。
……あなた、は。
オレに、『何を』望む、の?
[投げかけたのは、短い問い。
安易に答えちゃいけない……それくらいは、わかっているから]
オレには、一族に対して、果たすべき務めが、ある。
それを揺るがす事に繋がるようなら……すぐには、頷けない、よ?
[族長の長子として、為すべき事。
一族から離れていても、それだけは忘れてはいないから。*]
[>>638幾度かのやり取りで、己の評価が為されているだろう事は感じていた。
向こうのお眼鏡に適っているといいが、と内心で思いつつも、視線は静かに凪いで。
騎士団のみであれば、来た時と同じく馬を繰って駆け抜ける事も出来よう。
多少の疵を恐れなくば、退却も可能。
けれどこの地には外つ国の知識を積極的に求める場所。
正規の軍よりも頭一つ分以上、技術が抜き出ていても可笑しくはない。
目下、撤退の際の安全保障の要求で推し量るのは、
ジェフロイがどの程度この場を掌握しているか。
やがて彼の言葉を受けて幾人かが集団を離れて何処かに向かい、他の一隊は群衆達に武器を置くように声を掛け。
周囲から人の波が引いて鎮圧軍の退却路が作られた。
――それらの動きは彼らが王都を守護する兵士らと同程度の訓練を積んでいる事を認識させた。
矢張り、ジェフロイは来たるべき時に向けて備えていたらしい。]
/*
長考した、めっさ長考したwwwwww
つか、これ悩まないわけにはいかないわwwwww
しかし、金髪に振り回されるな、今回は……w
-オプティモ:領主邸宅-
――――……はぁッ?!
[閑静な街並みに響く、素っ頓狂な声。
わざわざ堂々と、茶菓子を手土産にしてまで玄関から礼儀正しく"お邪魔"しようとしていたのに。
玄関から現れた小間使いによると、]
………温泉、ですか。
[流石の軍師もただ、ただ、呆れるばかりであった。
然し、ほんの少し羨ましいだなんて、
――――思ってなんか、
きっと、
多分、
メイビー、
……な、無い。**]
[やがて、ライハルト率いる50騎も合流する。
報告は後から聞くとして、撤退可能な兵らを纏めさせた。]
…十分だ。
貴君の誠意に感謝する。
[>>640完全に保証は出来ないとの言葉には顎を引いて頷いてみせ。
号令から零れ落ちるた相手には穏便に――と聞けば]
――善処しよう。
連絡が着き次第、使いを寄越す。
[目を射られ落命した将。
もしも射手が目を狙ったのだとしたら相当な腕前の持ち主だろう。
その相手が何処かに紛れていても可笑しくはないが、ここで己を殺す利点は少ないように思えた。]
――行くぞ。
[やがて、兵が纏まり次第、女は号令を掛ける。
死亡した将の亡骸は彼の率いた兵らに運ばせて。
騎士団を二つに分け、生き残った他の兵らを前後から挟む形で整然と列を作り、
周囲への警戒は続けさせつつも堂々とシュビトを出ていく。*]
―回想:山岳地帯にて―
[>>365それは二年と少し前の話。
丁度女が隊長の任に着いた時期に当たる。
>>255初めてサシャの案内を受けて民の住まう地を目指す際、部下を数名失った。
そも騎士達はこのような険しい道を通るのにはあまり慣れていない。
部下の命が失われてしまった事を女は深く後悔し、この血に訪れる際には二度と犠牲を出すまいと特に気を張っている。
それがサシャにも伝わったのかもしれない。
この部族らと接するシルビエの私兵を束ねる隊長については、いまいち信用しきれぬ人物として騎士団の中には伝わっていた。]
[一歩王都から出れば、就寝するまで白銀の甲冑を外す事はない。
甲冑を着ていれば、シルエットは隠せるが身長は誤魔化せない。
行動を見て貰えば、決して男に引けを取らぬと知れよう。
だから結果的に女とばれても構わないと、そう思っていた。]
――よく訓練を重ねているようだ。
きっと指導が行き届いているのでしょう。
[道中、兵を連れて道案内をする赤毛の若者にそう声を掛ける。
兵の練度、そして監督者を評価する声色は、僅かに温もりを持ったものとして聞こえたかもしれない。]
[脱衣所から出てきたカナンは、腰に
ちなみに、これがマチュザレム基準の入浴スタイルであり、湯の中にもタオルをつけたままで入るのだ。
湯上がりの際には身体を拭うために外して絞るが、それ以外は装着保持が礼儀と心得ている。
北方人であるカナンの肌は日に灼けても色が沈着せず、透けるように白い。
痩せぎすではなく、うっすらと筋肉に脂の乗った肢体は鍛錬を怠っていないことを示すかのよう。
その右下腹部には、治癒した刃傷痕があった。
戦傷ではなく、虫垂炎手術の痕だが、そうとわかる者はナミュールには多くはいるまい。
誰も止めなければ、かけ湯してそのまま湯に入ろうかと。**]
/*
ジェフロイが退路作るの任せた、って言ってるのか、後の事(革命軍全体)任せたって言ってるのか悩んだので、あえて熱い展開を選んでみたけど合ってるといいな。
あとお前は絶対先に死なせねぇ…その死亡フラグは俺がもらった!(
[巡視の話を聞きつけて近付く若者の存在。
>>366そして向かう地で騒動になっている事に気づく術はない。
>>367もうすぐ里が見える筈というところ。
――ひらり、と軽い身のこなしで何かが降って来た。>>367]
[降り立ったのは若者のようだ。
着地の際にふわりと舞ったのは濃紅色。
サシャとはまた違った色鮮やかなそれに、束の間、目を奪われる。
纏う衣装は北の島のまつろわぬ民に通じる、旧い時代の流れを組むもの。
肩に止まる真白の猿には僅か目を瞬いて。
敵の奇襲かと、とっさに若き副官が腰の武器を意識する動きをしたが、
すぐさま飛び掛かって来るような気配は感じられないので片手を上げてそれを止め。]
――…。
[紡がれた警告する言葉。
少し高めの声色は、若い男か、それとも。
風に掬われる、という言葉に目を伏せる。
己の目の前で命を失った部下達は、巫女姫を奉ずる民の侵入を拒む山の怒りとやらに触れたのだろうか。
けれど、これも国の治安維持のためには必要な事、と女は信じている。]
/*
ところでいまいちガチンコが無くて実はきょときょとしていたりする。
わりと謀略が多くてついてけなくてそわそわしているちょっと頭の悪い子ですスイマセ…(/-`)
― シュビト・シロウと逢う少し前 ―
ったくお前、ボケーッとして歩いてんじゃねーぞ。
[事態は収拾に向かいつつあるとはいえ、まだ完全に終わったわけではない。
その最中でびっくりするのは集中が足りてないと思い小言めいたものをいい]
はは。お前の腕はそりゃ心配してないぜ。
状況だよ。状況。
職人連中のほうは実によく働いてくれて、どこの部隊かはわからんがなんとか敵を追い払えたぜ。
やっぱ教えるヤツがいいと、強くなるもんだな。
[無論、ガートルートの腕前はよく知っている。
服に血がついてるのはみてとれるが、こうして単独で動けているのだから、怪我などしてないのだろうと判断した]
[ソマリに関する評を改めてうんうんと聞いていたら、
選挙についての話になって、少し、息を吐いた。]
俺も、国の全部をひっくり返す気はないよ。
巫女姫や、貴族全部を殺すとか追放するとか、
できないし、したくない。
それにほら、あいつらもナミュールの民なわけだし。
[いくらか、溜息のような色が乗る。]
…ほんとは、戦争とか革命とか、起こすべきじゃないんだ。
けど、俺にはこういう方法しか思いつかなかったから。
[ぽろりと、弱音が口をつく。
甘えているなと思ったが、止まらなかった。]
ナミュールを壊すわけにはいかない。
それじゃ、本末が転倒する。
ただ、国を開きたい、
俺たちの国を俺たち自身で動かしたい、
それだけなんだよ。
[その瞳に害しようとする類のものではなく好奇の色を感じられれば、ここで手荒に扱うのは得策ではないと判じる。]
…失礼した。
我々は王国の騎士団。
彼らは知っているかもしれないが、我々を案内してくれるシルビエの民兵だ。
騎士団はナミュール国の治安維持の為に各地を回っている。
これからそのウェントゥスの地に向かう心算なのだが。
[そこで言葉を一度止めて]
――…確かに此処は難所のようだな。
今後も巡視に訪れる事になるかと思うが、肝に銘じておこう。
[警告に従わない上、今後も訪れると告げる者に対して相手はどう出るか。
ウェントゥスの民をじっと見つめる。*]
……そうだな。
貴族の力もちゃんと使えるような形にならないか、
もっと考えてみるか。
なんとかこう、うまい形にしたいな。
───で、紅茶好きの甘党ね。
そいつは重要情報じゃないか。
[暗い息を追い払って、軽口を叩く。]
おまえの分の命も掛かってるなら、
ますます気を付けるさ。
…ありがとな。
[最後に告げられた言葉が、ありがたく、
ひどく身に染みた。]
/*
にゃー。
ちゃんと出来てるでしょう、か。(・ω・`;三;´・ω・)
姫様との過去、美味しいですもぐもぐ。
こんな至近距離に姫様お忍びしてると気付くわけないw
気付いたらちょっと狼狽しようw
― 露天風呂 ―
外だけどそんなに寒くねーなー。
火山の傍だからか?
[仁王立ちしながら外を見て、湯の傍へと来ると、かけ湯の前に手を突っ込んでみる]
あっちー。
[思いの外熱く思えた湯に声を上げるが、その様すら楽しそうだ]
[カナン同様に白い肌を持つシメオンの身体もまた鍛錬を怠らない整ったもの。
幾分カナンより肉厚に見えるのは、本人曰く「骨太だから」だとか]
影の軍師 アレクシスは、栞を挟んだ。
/*
おあ、マーティン教師生活10年か!
こっちとかち合うのぎりぎりくらいだな。
…まだ修正きくよな気を付けよう…。
私は、『古の民の隣人』が欲しいのだよ。
王国に媚び諂い、一族の誇りを捨てる者は寧ろ不要。
然し、誇りを持ちすぎる余り、無為な闘争を望む者もまた不要。
君への誠意として私の企みを打ち明けよう。
つまり私は、君達古の民との融和政策を進める為にも君が欲しいのだよ。
それは新しい一手への重要な切り口だ。
勿論、王国貴族としては君達が王国に恭順するのがこの上ない理想だ。
そこに、私と共に戦いの轡を並べて貰えるなら尚よしだが。
生憎、私達貴族は、利権を見極めてから動くしがない風見鶏でね。
君の様な古の民は、望んで得られない、とても貴重な存在だ。
考えてみたまえ、これからの王国と古の民の関係。
そこで君の様な、両方を繋ぎ取り持つ存在がいてくれたら、彼らの対応もどうだね?
新たに生まれる軋轢もあるだろう、彼らも我らも簡単にひとつには纏まんだろう。
だがそれは、嘗ての関係よりは確実に前にいる。
まぁ尤も、時間を掛けて将来には君達を我らの元に取り込みたい。
そんな思惑が無い訳ではない事は、先に明かしておこう。
その時には、君達の意思も新しい物へと生まれ変わっている事を期待するさ。
…故にこそだ。
私は、今すぐ与える事の出来る、君達への『利』を提示しよう。
[男は今度こそ、利権と思惑のある貴族の表情を浮かべて、口端を釣り上げる]
今暫く、私と友誼を結んでみないかね?ルディ。
古の民である事を捨てさせる予定は私にはない。
尤も、君が望むなら、我がアレイゼルの客人という扱いで取り立ててもいいがね。
[男は心の中で薪を積み上げる。それは軍神に奉げる羊を焼く為の焔だ]
その見返りに!
この私、ソマリ・フル・アレイゼルが、君達ウェントス族に力を尽くそう。
スルジエの領主、彼を、今後君達の土地に手出し出来ない様にしてあげようではないか。
… … …そう。 金輪際、身動ぎすら出来無い様にな… 。
[その悪い笑みは、具体的に何をするつもりなのかまでは青年に教えなかった]
― シュビト ―
ちょっとまぁ色々あって…って言い訳だな。
気を付けます。
[>>680気を取られた事は言い訳できずに、小言は素直に受け取った。
昔、北に行く前に居た頃と比べて随分聞き分け良くなったとは思う。
あん時はハゲとか書いた紙背中に張り付けたりして怒られたよなーとか、つい頭の方に視線をやりながら思い出したりしたが。]
[心配してないには破顔した。]
デスヨネー。んでまぁ状況はそんな感じ。
おーさすが自画自賛。
職人の皆も強くなったもんだなぁ。
[腕だけではなく、意識もだ。
それが集団で居るからこそのものかは解らないが、一人一人が強くなって、というのは盟主の理想に近いものなので口元には笑みが上った。]
― シュビト ―
[王府の軍の姿が見えなくなってから、
周囲の者たちには街の混乱収束に向かわせ、
さらに主だったメンバーを学館に集めるよう
連絡をあちらこちらへと走らせた。
自身もまた学館へ向かう。
その歩みは次第に早くなり、
最終的には全速力で駆けていた。]
― 温泉宿 ―
はい。
御好意、ありがとうございます。
酌……、は、はい。
いえ。入用でしたならばご遠慮なくお申し付け下さい。
[ 野外で無防備になってという場所に同行するとは最初から思って居なかった事もあり、自ら申し出てみたが、感触>>674は掴み辛いままだった。野外で干し肉を齧る事も厭う気はなかったが、いない方が還って厄介かも知れないと思いなおす。]
( 御隠居殿、は貴族である事は間違いなさそうです。)
[ 無頼を気取っていて、実際若い頃もそうだったのかも知れない。それでも自分が軍人の枷から逃れ出れないように、その産まれ育ちからちょっとしたところからでも滲み出るものからそう予想する。そんな彼を含めての一行であったが]
( 距離の、取り方が、わかりません。)
[ 今の自分の立ち位置が自分でもわかっていない。生真面目の影には若輩ゆえのぐるぐるも混在していた。]
そうしてくれると助かる。
[俺の部屋に来るか?と促されば、
この混乱が起こってから初めて少しだけ表情を明るくさせ、
強く頷けば、案内されるがままにマーティンについて行っただろう。]
[ 男の体躯は年相応に枯れて細いものだったが、皺の寄った手足の筋肉がまだ生きていることは、動きにつれて判っただろう、腹の方も脂肪とは無縁の引き締まったものだ。
あちこちに小さな傷痕があるのは、過去のやんちゃの印だが、大きな傷痕は残っていない ]
[ ちなみに、男は身体にタオルなどは巻いていない...いわゆるすっぽんぽんであった ]
― 宿の裏手 ―
手合わせでも致しますか?
[ それほど大きな宿でもなく、恐らくは最初からクレメンスの従者たちはこの宿の事はあらかた把握している。
自分程度のチェックにどれほどの意味があるのかと思いながら検分を済ませれば、時間が空いた。今戻っても彼らは温泉を満喫中だろう。
だからこそ、ポロっと同行している従者たちにそう提案をする。]
実力も定かならぬ不確かな存在が混ざっている事は、そちらも不安でしょう。
サシャは力を隠す器用さは持っておりませんので。
[ 言い出した途端、止まらなくなったのかてきぱきと炊事場に用いられる薪をその場の人数分掴んで、一つを残して投げ渡すように彼らに放った。]
骨折は困りますが、多少の怪我ぐらいなら支障ありません。
遠慮なくかかっていただけたら、幸いです。
[ 薪を持ったまま、一礼して彼らの間に向かい合った。
一見すると片手に不恰好な薪を持ち、ただ立っているだけだ。
従者たちは戸惑いや警戒の気配から、無造作な挑発に対する適切な反応を示すようになっていた。彼らそれぞれが思惑を抱えるようにして、何かが立ち登っている。
彼らが気付いていたかは判らないが、サシャは既に兵士訓練モードに入っていた。]
― 露天風呂 ―
公衆浴場は大抵室内だぜ。
外に風呂なんて見たことねーよ。
[クレメンスの声>>690にそう返して、シメオンもまたかけ湯のみで風呂の中へ。
勿論、タオルは巻いたまま]
あれ、おっさんタオル巻いてねーな。
ナミュールでは巻かないで入るのが普通なのか?
[ご隠居とは終ぞ呼ばないシメオンは、タオルをお湯に靡かせながら適当な場所へと身を沈める]
[ 場が固まる。
薪を構える者も、見守る者も、何かがあった際、駆けるべく腰を落としている者も全てがサシャを見据えたまま、圧を加えていく。]
見事です。
急な荒事に慣れているのが見ていて、判ります。
[ 薪は剣よりも短い。異なる距離を、間合いを詰める。暑さが増していた。
更に一歩詰める。彼らは動かない。もう一歩、歩くように進めた。
――次の瞬間、一人が擦れ違った。
サシャは擦れ違った者の場所で元の構えた姿勢に戻り、一人がゆっくりと前のめりに倒れた。]
…ところでよー、おっさん。
[すすい、と湯を掻き分けてクレメンスの傍へと行き、少しだけ声を潜める]
もしかして、銃見たことあった?
[ここへ来る前に気になった無反応を確かめるべく問いかけた**]
次。
[ 既にそこから視線を外して、短く告げる。別の者に向けて薪を構える。耐え切れず、腰が砕けたように一人、尻から地に落ちる。]
[ 彼らが得物を薪から剣に変えても何ら変わらず、似たような事が繰り返された。]
有難う御座いました。
[ 人数分の薪を拾い上げ、薪を抱えたまま従者たちに頭を下げて礼を述べた。食事の前に汗を流さなければ、と少し駆け足気味になりながら元の場所に戻しに行く。
その場にへたりこんだ従者達を残しながら。*]
/*
おっ、そこかぁ<シロウ
あ、メモ忘れてたけど!
シロウ反応ありがとう!もうちょっと話したかったけどタイミング が とぐぎぎしてました…
― シュビト・シロウと逢う少し前 ―
うむ。素直でよろしい。
[こちらからみると、今のガートルートの態度は大人になったなという反面、昔のように悪さを見つけて雷を落とすこともないのかと思うと寂しくもなる。
――なにやら視線が高い気がするが、きっと気のせい、だろう]
なるほど。まずまず順調ってやつだな。
なぁ。
正直、オレもあそこまで連中が頑張るたぁ思ってなかったんだがな。
……それだけ連中にも思うところがあるんだろうよ。
ま、その芽を植えつけたのはクロードとお前だけどな。
[教えを請う彼らの顔はみな熱心だった。
ただ強い炎に引き摺られてやらされているだけでは出来ないであろう表情。
それは尊いものだと思った]
― 露天風呂 ―
ん?温泉だぞ?手拭なぞかけたら効能も薄れるだろう?
[ 自分は先に身体を洗いながら>>701タオルは巻かないのかと問うシメオンに、そう返す。
正直言えばタオルで身体を隠すなんて女性じゃあるまいし、とは思ったのだが、そこは文化の違いだろうと、飲み込んでいた ]
『
[ 露天風呂の外からそっと声がかかったのはその時 ]
なんだ?
『いえ、そのう、若い連中があの軍人さんと遊び出してというか、一方的に遊ばれてんですが...どうします?』
[ 伝えられた言葉に男は、一瞬だけ目を見張り、次いでやれやれとでも言いたげに笑った ]
― シュビト市街 ―
……融和、政策?
[きょとん、と瞬く仕種と惚けた声から、それを知らぬ、という事は伝わるか。
続く語りには、自身には思いも寄らぬ内容が綴られて]
…………。
[小猿を抱える腕に自然、力がこもる。
抱えられた小猿は先ほどまでの勢いはどこへやら、きぃ、と不安げな声でか細く鳴いた]
……オレ、難しい事はまだよくわかんない、けど。
あなたは、あなたの求める恵みのために、オレにやらせたい事があって。
それが、結果的に古き民に……北の森にも、南の山にも、恵みとして返る、って事で。
その、恵みの一端として、ウェントゥスを脅かすものを、取り除く、って。
そう言う事で、いいんだよ、ね?
[真っ直ぐな瞳を向けつつ、確かめるように問う。
静けさを帯びた声音は、どこか女性的な響きをも帯びて]
……今の状況が……スルジエが、ウェントゥスの領域を侵す事が続けば、風は、王府に牙を剥く。
それは、それだけは、止めなきゃいけない。
変化を呼び込む、新しい流れは必要だけど……でも、それはいい流れじゃない、から。
……恵みには、礼を持って返すがしきたり。
あなたが今、示したそれに偽りないなら、オレは、それに応える。
[そこまでは、真面目な口調でそう告げて。
それから、ひとつ、息を吐き]
あなたの望みの先に、新しい流れがあるなら。
閉じたものに変革が齎されるなら。
一時、風は、止まるよ。
[間を開けて向けるのは、どこか楽しげな声音の言葉と悪戯っ子を思わせる笑み。
一時、と前置いたのは完全に気を許すにはまだ足りない、と。
そう、感じる何かが残るから。**]
― ベルサリス学館 ―
ハイン!マックス!ジルダ!
みんな集まってるか?!
イザベラ、君は街の状況確認を!
エドガー、港に行って船の確保を頼む。できるだけ多く!
アンジェは武器や食料を運べるようにまとめてくれ!
人数使って構わないから!
[再び学館に戻れば、矢継ぎ早に同志たちに指示を出す。]
いいかみんな、聞いてくれ。
今、ここからそう遠くないところまで、
巫女姫が軍を率いてやってきている。
総数で万は下らない、という話だ。
[驚愕にざわつくメンバーに、落ち着けと手を翳す。]
鎮圧隊が来るまでは予想通りだったが、
まさかこれほどの大軍がくるとは思わなかった。
それに、巫女姫までが来ることもだ。
俺の読みが甘すぎた。悪い。
[自分の非を認めて、頭を下げる。
実際、自分の読みよりも巫女姫の見込み>>188が上だったのだ。
彼女の気質を、議論の時に見せたあの強さと激しさを
考慮に入れてきっていなかった自分の落ち度だ。]
このシュビトに立て籠もって迎え撃つことも考えた。
だが、おそらく無理だ。持ちこたえられない。
巫女姫が来ていると知れば、街の誰かが門を開くだろう。
ここに踏みとどまっていたら、
俺たちが熾した革命の火は、踏み潰される。
[集まった主要メンバーらの顔を見回し、
彼らが状況を理解したのか確認する。
そうして、決意を込めて宣を成した。]
だから、街を出る。
[再びのざわつきが収まるのを、しばらく待った。]
― 露天風呂 ―
[ 無情な宣告を若者達に降した後、湯に浸かり、盆にのせた銚子から手酌で酒を注いだところへ、シメオンが近付いてくる>>704 ]
じゅう、というのは、ヘイズナイトの持っていたアレか?
[ カナンから積み荷提供まで言い出された後では、隠す意味もない。ただ、武器であるとは知っていても、名称などは知らなかったから、そう問い返した。
シメオンから肯定が返れば、肩を竦めて ]
あの形状のものは初めて見たが、君たちの荷の中に似た構造の武器があったろう?
[ ライフルと拳銃、外見は違えど、部品の組み合わせと稼働する部分の構造を見れば、同種の物...そして恐らく武器だという判断はつく ]
― 露天風呂 ―
( 仕方がないとは言え、一日以上棒一つ振れないとは…)
[ 汗に塗れた衣服を脱ぎ、桶に入れる。着替えを所持していないが、ここで洗っても大丈夫だろうか。そのまま着ても自分は平気だが、同行者達がそうとは限らない。]
( しかし…良かった…。)
[ 軽率な振る舞いだと自覚はしていたが、衝動に耐えかねた。次は我慢しようと思いつつ、次以前に後の結果が聊か怖かったが。]
― →シュビト郊外―
――あぁ。
それでは、また。
[>>685向けられた言葉には頷いてみせ、栗毛の愛馬に跨って騎乗の人となる。
堂々と隊列を保って進む姿は傍目にはまるでシュビトの集会を鎮圧し果せたかのように見えるが、蓋を開ければ南方の貴族達の兵らは多くの犠牲を出した上に、将を亡くしている。
――結果的に将や兵を失った分、損害は鎮圧軍の方が多い。
それでも急いで出ようとしないのは、相手に無様な姿を見せぬ為。
騎士団はこれしきの事では揺らがぬのだと、彼らに見せる為。
前方は女とレオンハルトが率い、副官を後陣に付けた形でシュビトから出ながら報告を聞く。
やがて、前方に巫女姫を奉じる親征軍の布陣が見えた。
予想よりも早い到着に僅かに目を瞠る。]
( だ、大丈夫でしょう。きっと。
彼らに活を入れたサシャに何ら落ち度はない筈です。
きっと御隠居殿は『やれやれ』とか言って見て見ぬ振り、放置してくれるに決まってます。
ああ、ただ意地悪くニヤリとして何か見返りを求めてきたら…しゃ、酌ぐらいならば何とか不恰好にならずに…)
[ そんな事をぐるぐる必死に考えながら脱ぎ終わると、温泉に向かった。
混浴であるか否かも確認せず、既に彼らは出て行ったのではないかという思い込みから、特に警戒する事も無く。]
― シュビト ―
[>>708何時かと同じような、教師らしい物言いに懐かしい過去を思い出し、光々しい物をみるように目を細めてやや上の方を見つつ。
職人らへの評価から話がこっちに移ると、軽く首を振って。]
…正直俺は大したことはしてないよ。
200人ばっかし、死ぬ気で特訓させたけど。
[それこそ死ぬ気で容赦ない訓練を毎日させたおかげで、少なくともこの200人が簡単に死ぬような事はない。]
褒めてやるならクロにしてやってよ。
…それとも、先生は俺たちの事怒る?昔みたいにさ。
[手放しで称賛される事をしていない自覚があるからこそ、にこりと笑いながらそう言った。]
巫女姫殿下の御前だ。
総員、馬より降りろ。
その後に五列横隊。
[自ら馬から下りながら、号令を下す。
騎士らが下りたのを確認し、直ちにその場に整列させれば、先んじて膝をつき親征軍に向かって首を垂れる。
副官や盾仲間を差し向けるのではなく、己の口から戦況を報告する為に一歩前に出た形で。
それらに倣ってシュビトから撤退した軍勢全員が麦の穂のように頭を垂れた。]
[やがて、巫女姫の前で発言を許されれば膝を地に付けたまま目を伏せ、貴人の足許近くに視線を縫い止める。]
――巫女姫殿下におかれましては、
お手を煩わせる形となってしまい、大変申し訳ありませんでした。
…此度の作戦の結果を報告させて頂きます。
[兵を遣って状況は幾分かは把握しているだろうが、視線を地面に向けながら淡々と語るのはシュビトでの結果。]
― 露天風呂 ―
...あれが武器で、君たちの進んだ技術の賜物だというなら、それを手にすることは、クロード達同様、時の流れを早めようとする行為になる。
[ 言いながら、男はゆるりと酒を口に運ぶ ]
私にはまだ、その度胸はなかったものでね。
[ だから触れないようにした、と、いう言葉がすでに過去形である事は、シメオンも気付いただろう ]
しゃ、酌をどうぞ!!
[ 腰を屈めて掛け湯で軽く汗を洗い流し、解いた髪のまま頭から湯を被った後に、首を振って湯を払うと湯気の中手頃な温泉にその身を浸して、イメージトレーニングをしてみた。
まだ一行が温泉にいるならばその空回りした掛け声は届いただろう。*]
― シュビト・現在 ―
[見境なく攻撃してくるものがいる。>>696
というシロウの言葉には僅かに顔を顰めた。
どちらの陣営でも無抵抗な人間に手を出すことは許されることではない。
シロウが抱えているこの子供もそうして怪我をしたのだろうか。
想像すると胸糞が悪くなる]
ったく、碌なもんじゃねーな。
[不機嫌を隠さずにいると厳つい顔がさらに厳つくなる。
それを見て取ったのか子供がびくっとした、気がした。
慌てて顔の筋肉を手で解して、なるべく優しい顔でいる努力をしてみた]
[熱気に浮かされた民衆が勢いに乗ってシュビトを出て、王都に詰めかけるような事態は防ぐ事は出来たが、
シュビトには武装した自警団や武装した民がおり、自軍の将や兵らを失った事。
レオンハルトが見聞きした街の状況や、南部の貴族の率いる兵が妙な動きをした事。
ジェフロイの手の者が正規の軍に劣らぬ動きを見せ、明らかに素人のものではない動きをする者も混ざっていた事。
約を守って背後を襲う事も無く鎮圧軍を見送った事。
そうして首謀者たるクロード・ジェフロイがシュビトの要望を伝える為、面会を求めている事を告げる。
親征軍を率いる貴族達の中には要望を求める事に目くじらを立て、
兵を失わせた事や首謀者と巫女姫との取り次ぎを受け入れた事に関して叱責する者もいただろうか。
女は歯を食い縛ってじっと耐える。]
― 自室・現在 ―
あんまり綺麗じゃねーけどな。
[シロウと子供を宿舎の自室に招き入れた。
口ではそういうものの一人暮らしの家は汚すものもいないのか、きちんと片付けられている。
妻はいたが病死して、子供はいない]
身体を打ったってんなら、そこの寝台に寝かせてやるか。
おーい、大丈夫か?
[寝台に投げられていた書籍を下にばさっと落として、子供が寝られるような状態を作りながら子供に声を掛けた]
――…貴重な兵を失った事は、全て私の指揮の甘さが原因です。
それに関してはどんな叱責も罰も受ける所存。
けれど叶う事であれば、それはこの事態が集結してからにさせて頂きたく。
巫女姫殿下のお情けに縋って、罰から逃れる心算ではありません。
この身命は、ナミュール国の為に捧げると決めております。
二心などありません。
どうか最後までこの国の為に働かせて下さい。
[甲冑の胸に手を当てて、僅かに仰ぎ見る瞳には確かな決意が込められていた。**]
― 翌朝・温泉宿 ―
[ その夜、露天風呂殺人事件一歩手前な出来事があったかなかったか、は、ともかく、 客人達には、それなりに楽しい温泉の夜が用意はされていただろう]
ほう、これは?
[ 翌朝の朝食の膳には、茶碗蒸しに甘い味をつけたプリンもどきがついていて、男は首を傾げる。
宿の者に聞くと、領地で売り出した、たまごプリンの評判を聞いて、この宿の料理人が工夫した甘味だとの答え ]
そうか、なかなかの工夫だな。
[ 実際には、カスタードプディングの滑らかでいながら弾力のある食感や、柔らかい甘さが再現されているとは言い難いそれを、男は完食し、同じ席についている、カナンやシメオン、そしてサシャの様子を見る ]
/*
これは。サシャガツンと殴ってくれないかな…w
とか思ってたらフィオンからもきてた。がんばれおれ。
だがちょっとねむ…(ゆさゆさ
― シュビト・シロウと逢う少し前 ―
200人も死ぬ気で訓練するなんざ、大したことだろ?
[ガートルートの言葉>>724に笑いながらそう答える。
どんな訓練なのだろうと気にはなったが、それは今度またゆっくり聞けばいいだろう]
それにお前のその行動がクロードの助けになるためってんなら、やっぱり大したことだ。
あー……。そうだなぁ。
[訓練の手伝いを引き受けた時に、全くこうなることを予想してなかったわけではないが、
いざそうなってみると、もっと穏便に出来なかったのかと思う気持ちもある。
尤も穏便にするつもりがないのはこちらだけではなく、王府も穏便にする気がないからこそ、兵を突入させたのだと考えると、一概にどちらが悪いという問題ではない]
っても、オレも気軽だったのかもしれねぇが、片棒とはいわずとも棒の先くらいは掴んでるようなもんだからな。
叱るもなにも今さらだろ?
[そして、どう考えてもクロードの願いを聞き届けない過去は選択しない]
― 露天風呂 ―
( かつて主が一生お前は客人に酌をするなと言っていましたが、必要とあれば仕方がありません。)
[ その場は確か酒の席の戯れであったが、暗殺者にしか見えないという周囲のドン引きと共に得た評価であったが、自覚はしていなかった。]
( 練習さえ重ねれば、たかが小瓶を杯に傾けて注ぐ行為なぞ余ゆ――!! 不覚っ!)
[ そこまで考えていろところに、距離を詰められていた不覚に感づきながら、本来短剣のある身体の箇所に手を置いて自身が素裸である事に気付いた。が、同時に]
『酌をしてくれるのかね?ヘイズナイト。』
[ 気配の主であるところの親父が現れた。酔っ払いがぶらんぶらんしていた。]
サ、サシャに酌だと!
す、すすするか莫迦者!!いやするぞ!してやろうじゃないか!!
だがただしその頃には、貴様は八つ裂きになっているだろうけどな!!
[ 混乱の挙句、意味不明且つ支離滅裂な怒鳴り声が続いた。露天風呂殺人事件一歩手前には至らなかったが、湯船を出て彼女がした事は土下座だった事だけは確かだった。*]
/*
私のキャラは全裸に抵抗のない女子ばっかり(ドロシー、エドナ、エレオ)だったけど、今回も微妙か…
軍という男社会できゃーいやーって、違和感があってという事で、やっぱり今回も色気無くてすみません。
…恵み…恵みか、悪くない表現だ。
そうだ。格言にはこうある、『情けは己が為に』。
いつか風の水の様に巡り還る恵みの為に、他者を助けるのは決して悪い事ではない。
尤も、私と君の思想がどこまで繋がるかは果たして知れん。
違えた時は違えた時。そう割り切るしかないのもまた摂理。
だが、私達の関係は、やがてその足を揃えられる物だとは考えるのだ。
[若い。男と対照的な、青年の邪気の無い瞳を眺めてそう感じる。
静けさの中で紡がれる声は柔らかく、悪意を持てば容易く手折れそうにも]
[楽しげで無垢そうな笑みと合わせられた微かな間を男は感じるが]
…それで構わん。
私の描く未来図の先に、君の望む新たな風を見出せる事を期待しよう。
ウェントス族のルディ、その名は覚えた。
次に会う時を、私は楽しみにしていよう。
[無垢な幼さと、良き変革を望む思慮が混在して、何処か王国の民衆とは異なる不思議な風を青年に感じていた。
これがうつろわぬ民。その面差しを確かに意識に刻み付けて、男はやがて私兵の者達を連れて、青年と別れていく*]
― 翌朝・温泉宿 ―
この辺りでは、乳牛を飼うのは難しいから、牛乳がまず手に入らない。そして砂糖も上質のものは希少で値段も高い。
[ だから作る事の出来るプリンもどきはこれが限度だろう、と説明して、カナンの顔を見る ]
リリ大使。
君は、外の世界の文明が、この国の生活を向上させると言った。
だが、新しいものを作るためには基本的な資源が要る。
君たちが子供の菓子に使う砂糖が、この国では高嶺の花であるように。
それらをこの国に、売りつければ、暴利をむさぼることもできる...そう考える者もいるだろう。
[ 男の語るのは商人の倫理 ]
それを国単位で、行おうとする国が入り込めば、ナミュールは戦争とは別の意味で破壊される。
[ 外敵とは、武力をもって攻め寄せるものだけではないのだ、と、そう言って ]
― シュビト市街 港付近 ―
[青年、ルディと別れた後、男は私兵達の招集を掛け出した。既に市街の喧騒が収まっている。予想以上に迅速に、騒乱が収束していたのだ]
…血の臭いもなければ、想像以上の怪我人もいないときた。
これは、言葉を以って王府軍の先遣を制しでもしたのかな。
面白い。
だが今は彼らも私と会う余裕は無い事だろうな。
… … …。
全隊に告ぐ! これより我々はアレイゼル領へ帰還する!
際し、五十人は此処シュビトにて引き続き任務を続行。
薄汚い蝙蝠臭い動きを晒していた、スルジエの動きを綿密に洗い出せ。
他百人は、港に用意した船で先にアレイゼルへと渡る。
[民衆の避難誘導、学徒の中核人物、放棄した武装の管理。それらの任務を実行していた私兵達が、更新された任務に、港へと集まる。
五十人はこの街に留まり、スルジエが何をしていたかを調べだす事になる]
然し、本当に面白い拾い物をした。
兼ねてよりスルジエ卿は目障りな存在。
暴徒共に良い顔をしながらも、王国に媚び諂う。
貴族とは恵みに動く風見鶏の様な物だ。風見鶏結構。
だが、薄汚い蝙蝠となると私は嫌いなのだ。
[事実、古の民ルディへ告げた言葉に、偽りは一切無かった。
唯、元々スルジエ領主をこの騒乱の機会に叩く事は、男の規定路線であり。
そこに、王府に反旗を翻す公算の高いウェントス族に対して、ここで恩義を売れる上、上手くいけば今後にも影響が期待できるかも知れない、という、幸運な『拾い物』により、ますますスルジエ領主を追い詰める意志を固めてしまった。というだけで]
― 翌朝・温泉宿 ―
それを防ぐ方策を、今、君達に提示しろとは言わん。完全に防ぐ方策など無いだろうからな。
だが、大使殿の言う闇を照らす光が、この国を焼き払う光となることもある。
その事をどうか、忘れないでくれ給え。
[ 彼等ならば理解出来るだろう、男がまだ早いと、言ったその理由が武力の不足だけではないのだという事が。
そしていま、それを告げることの意味が ]
― 翌朝・温泉宿 ―
サシャは同席しても宜しいのでしょうか…。
[ 一足早く早朝に起きて身体を動かした後、もう一風呂を頂いていてまだ微かにホクホクしていたが、昨夜のやらかしからの影響の方が色濃く尾を引いていた。末席で大きな身体を小さく竦めながら、膳を貰う。]
正使様は甘い物が大層お好きだとか。
これが御気に召したならば、サシャの分も宜しければ如何ですか。
[ クレメンスが舌鼓を打つ様子>>735を窺いつつも、カナンに自分の分のプリンモドキを進呈する動きを見せた。]
( ……。)
[ その後の経済や物流に関して熱弁をふるうクレメンス達の会話に対しては務めて身を引いて無関心を装う。実際、関心を抱く理由もなかった。*]
[ アレクシス・ユレの率いる船団が、オプティモの港に入り、示威行動とも取れる陣を張ったこと、そしてアレクシスに、彼等の居場所が伝わった事が、鳩によって知らされたのは、それから暫しの後のこと ]
船を手配しろ。
[男はその知らせを受けると、海路をとって領地へと向かうことを決める。
船の手配が整い、彼等が出発する前に、アレクシスは動いたかどうか。
間に合わなければ、戦力らしい戦力は持たぬまま、彼等は王府の軍を迎えることになる**]
― シュビト ―
そうか?基礎訓練、ってか体力づくりは全員一緒だし。
まぁ剣の使い方とかは差があるから手入れが必要だけど。
[子供の頃からやらされていた事をちょっと強化した特訓を受けさせただけ、なので自分としては大したことはしていないつもりだった。内容は聞かれれば語るだろうが。]
…あんがと。
[>>736褒められた事は少しだけ照れくさそうに受け取った。]
っはは、そうだよな。
じゃ今更ついでに、先生もその棒担いでくれると嬉しいなー。
先生ついてくれると皆安心するだろうし。
[褒められついでに遠慮なく、恩師も大騒動に巻き込もうとする。
遠慮のなさといえばいいか、そういう所には昔の面影がまだ残っていた。]
その気があるなら学館に来てくれよ。
じゃあ俺、そろそろ行かなきゃ。
先生、またな!
[遠く離れた所から、一端学館へ集まるように>>693と声が聞こえる。
その声に呼応するように、呼び止められなければそのまま学館のほうへ走るつもりで**]
/*
さて今回初回落ちになるかどうか。
なった場合アレクシスと接触するならそこで死ねるから問題は無いかな。仮に今回回避しても次回候補だろうし。
― ベルサリス学館 ―
シュビトを出て、各地の町や村に散ってくれ。
そして、俺たちの意思に賛同する人間を集めるんだ。
[精力的に村々を回った手ごたえは感じていた。
自分が立てば、ついて来てくれるものたちはいる。
それだけのことをしてきた、という自負がある。]
南島中から同志を集めて力を糾合すれば、
十分に王府軍に対抗できる。
いいな。
[しばらく時間は掛かったが、皆の賛同を得て頷く。]
船を使って港から出れば、捕まる可能性は少ないだろう。
土地勘のある奴は近くの森や山に向かうんだ。
なるべく見つからないようにな。
王府軍の本隊が街に到着するまで、多少の猶予はあるはずだ。
シュビトから脱出するまでの時間は俺が稼ぐ。
軍がこの街を包囲する気になる前に、急いでくれ。
[巫女姫のところに単独で会いに行くつもりだと言えば、
幾人もからの猛反対を受けた。
それをひとつひとつ説き伏せ、納得させていく。]
それと、街のみなにも連絡を。
俺たちの志に賛同し、共に歩んでくれるのなら、
一緒に街を出て外で合流してくれと。
もし、巫女姫親征を聞いて躊躇う人間がいたら、
「俺たちが戦うのは巫女姫様じゃない。
巫女姫様までも操り危険な場所へ送り出して、
国をいいように牛耳っている官僚貴族共と、
側で悪しきことを吹き込んでいる連中だ」
と言ってやってくれ。
[それは一種の詭弁ではあった。
だが、一定の効果は見込めるだろう。
君側の奸を討つとの主張は、昔からよく使われてきたものだ。
指示は、協力関係にある商人・職人組合へと伝えられ、
じわじわと街の人々に浸透していくことになろう。]
[方針を伝えたあと、何人かには別の指示を出す。]
君と、君は、近くに潜んで戦えるものをまとめてくれ。
ただ単に逃げ散ったと思われてはまずい。
王府軍の偵察兵、輜重兵、離れて行動している小隊、
そういう相手に襲撃を掛けてくれ。
必ず地理に詳しい奴を連れていけ。
正面から戦おうとするな。
深追いもするな。
不意打ちと即座の撤収を心がけるんだ。
[いわゆるゲリラ戦術を指示したうえで
襲撃の開始は自分かガートルートの指示を待つこととする。]
[200の精兵については、ガートルートに預けることとしておく。
彼らと一緒に訓練されてきた馬たちを動かす手配もして、
全てを任せられるだけの用意を整え、
友に釘を刺されたことを思い出して、小さく笑った。]
忘れちゃいないさ。
ちゃんと帰る。
預けておくだけだからな。
[思念に乗せることもなく、
目の前にいない相手に向かって呟いた。]
[こうして、王府の返答を待つ間に港から、あるいは街の裏側の門から、三々五々、学生たちや街の人間が散っていくこととなる。
それは、街の騒乱を避けた避難民の動きにも似ていたが、
街の中で探るものがあれば、
あるいは注意深く偵察しているものがいるならば、
違和感を感じるものでもあっただろう**]
/*
ほんと、見込み違いは中身のほうでもあるので、
エピに入ったら土下座する所存。
ほんとうなら、もうすでに戦力きっちり整えて、
がっつり戦争できるようにしておくべきだったよね。
もっと単純にやればよかった。
そして、さらにややこしいことにしていたらすまないと、今から謝っておく。
/*
シュビトには私兵残ってるよなあ...
そして船で動く人が多い、と、
まあ、島国だからね。
ガートルートはもしかして、こっちに繫ぎとるように指示されてたりするのかな?
[今気付いたらしいです]
くそお、ヴェルザンディが遠い...つかソマリ氏にとられたー><(欲張るな
/*
サシャとはまともな話がしたかったのに、うっかりネタに走ったよね...この体質どうにかしようぜ、俺...orz
うーんまあ、無事に領地に帰れて船を見せたりできれば話せるかなあ...
がんばろう。
とりあえず初回はまだ死にたくない。
[ タスク消化まだ二割程度** ]
流石にクロードの集めた兵や王府の軍が、
そんなことを許してるとはとても思えないんだけれどな。
興奮してるのか、何なのか。
騒動に紛れて好き勝手やってるんだろう。
これだけの大規模な騒動なら相手を傷つけようが、
抵抗のできない無抵抗な人間から金を強奪しようが、
表立ってそれが露呈することはないからな。
[胸糞悪そうにするマーティンにそう言いつつ、
子供がびくっと身体を震わせたような気がすれば、
よしよしと頭を撫で、早くマーティンの部屋へと行き、
落ち着かせようと思う。]
[―――外の世界へ。
そんな夢さえ思わなければ、今までと同じく、
今日もこの街は商人の声や、職人の作業音で、
活気に満ち溢れていただろうに。
確かにこの島にはない目新しいものは、
魅力的に映るかもしれない。
島に時々流れ着く人や物資を見れば、
それは理解できる。
が、一部の者達によって、内乱が起これば、
真っ先に被害を被るのは、軍よりも
こういった無関係な人間達なのだ。
変わらぬ平和を望んでいたのに。
何かを変えるということは、必ずしも何かを犠牲にする。]
邪魔するぜ。歩けるか?
[マーティンの部屋へと招き入れられれば>>732、
子供を立たせ、そう訊ねる。
すれば、子供は大丈夫か?と聞こえる声に呼応するかのように、
こくりと首を縦に頷かせ、とてとてと寝台の方へと歩いていく。]
思ったよりも大丈夫そうだな。
冷やすものと消毒するものはあるか?
強く身体を打っていたみたいだし、早めに手当した方がいい。
[マーティンにそう訊ねればなんと答えただろうか。
辺りを見渡せば一人暮らしであまり他人が出入りした形跡がない。
あれからどれくらい経っただろうか。
彼の妻が失くなった時は確か自分も葬式に参加したのを覚えてる。]
[手当する道具があればそれを借り、
なければ適当に学館内等の他から見繕ってきただろうか。
落ち着いた頃に子供から事情を聞けば、
大量の兵が雪崩こんで、潜んでた兵が立ち向かっていった際に、
人の波に流されて、母親と逸れてしまったらしかった。]
早く見つかるといいな。
[他にもこの騒ぎでそういった状況に追い込まれてしまった子供、
またはそんな子供を探している親も、少なくはないだろう。]
[やがて手当も終わり、ようやく少しは安心したのか、
子供が寝台ですやすやと安定した寝息をたてた頃。]
君は今後どうする?
……俺は軍の戦闘部隊の方へ戻ろうと思う。
[大切な物を守るには、それが一番なんだろう。
が、それが本当に正しいことなのか。
他にもっとやり方があるのではないかと思う部分はある。
そんな思いから、ふとマーティンに訊ねてみた。*]
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